>>582
金時がパーシヴァルの愛馬から聞き出したことをかい摘むとこうだ。パーシヴァルと愛馬は件の魔術師に後一歩のところまで追いついた。だがその時魔術師は咄嗟に小さな瓶を投げて来た。至近距離にいたパーシヴァルは避けることができず、小瓶が割れて中の液体を被ったパーシヴァルは白い大型犬へと姿を変えた。それを受けてキルケーが私見を語った。
「うーん、見たところあの魔術師はそんな腕の立つ方じゃないね。サーヴァントの姿を変えるような薬は作れるとは思えない。おそらくあの魔術師が持っている聖杯の力で薬を何倍にも強化しているはずだ。」
「つまり、聖杯さえ回収しちまえば、パーシヴァルは元に戻るんだな。良かったなマスター…マスター?」
金時が目を向けると、マスターはフリーズして痙攣したようにピクピクしていた。
「あの犬がパーシヴァル…と言うことは今まで私はパーシヴァルをわしゃわしゃしたりハグしていたってこと!!」
「そうだねえ。」
それだけじゃない。ほっぺたをぺろりと舐められて感触を思い出してマスターは顔が真っ赤になった。
「あああああ…これからどうやってパーシヴァルの顔見て過ごしたらいいんだ!!」
「マスター、嫌なら私の魔術で犬の記憶だけ消すこともできるよ。」
「それも嫌だ!絶対に忘れたくない!!っく、こうなったのも全部あの魔術師のせいだ!!絶対とっちめる!!」
その後マスターは八つ当たりのように魔術師を追い詰め、聖杯を無事に取り戻した。そのタイミングでカルデアとの通信も回復して無事帰還した。
もちろんパーシヴァルも無事犬から人間の姿に戻ったのだが、しばらくマスターから避けられることになったのは言うまでもない。
怪 文 書 ス レッ ド 3
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