アリバイとして印象付けるには充分会話をしたとカリオストロ伯爵は思った。ふと目の端にこちら
を見る2人の人物が見えた。丁度いいとカリオストロ伯爵は思った。
「気のせいかもしれませんが、あちらにいらっしゃるのはご友人ではありませんか?」
手で指し示せばパーシヴァル卿はそちらを向いた。視線の先にはバーソロミューとカルナがいた。
「本当だ。全然気が付かなかった。」
パーシヴァルが気づいたのを察したのかバーソロミューが手を振っている。
「失礼、呼ばれているようなので今日はこれで。とても面白いお話を聞けて楽しかったです。」
「ええ、私も楽しかったですよ。こちらのことはお気にせずに行ってらっしゃい。」
自分の飲み物を持ってパーシヴァル卿は席を離れた。その瞬間もカルナがコチラから目を離さずじっと見ていたのをカリオストロ伯爵は気づいていた。バーソロミューはパーシヴァル卿に近づいて何かを話ししている。ここからでは聞こえないがおおかた何を話していたのか聞いているのだろう。親しい友人が詐欺師と話していたら当たり前の対応である。
パーシヴァル卿とバーソロミューがカルナの場所まで移動してカルナは初めてカリオストロ伯爵から目を離した。しばらくすると3人は他のイベント会場に移動したらしく姿が見えなくなった。
カリオストロ伯爵はジャラジャラと自分のコップを振ってコップの中身を飲み干した。ソフトドリンクは少し物足りないと思う。そういえばBAR蜘蛛の巣のマスターがアルコール提供する店を出していたことを思い出した。飲み慣れたアルコールの味が懐かしく思い、カリオストロ伯爵は席を立った。
怪 文 書 ス レッ ド 3
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