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逢蒙を超絶改修。クラスもアヴェンジャーから別クラスにしました。FGOのQPがほぼ無くなってしまった、稼がねば。
あと、うーむ、最近スレの活動度合いが凪よりになってて寂しい……、と思ってるとちゃんとレスが投下されるのでそういう時はやっぱり安心する
>>3
強い。所感になるけど、マスターすら置いてきぼりにするぐらい大暴れして、戦争舞台を灰燼に帰す大暴れをしそうな印象がありますね、狂化EXだし
>>6
お久しぶりです~。
>なにやら新しいwikiを使うとかなんとか。
ちょっと前にFC2wikiで通信障害?(人によって閲覧できたり出来なかったり)が起こりまして。一応今は解消してるっぽいですが。
それで避難場所作ってもいいのでは?→じゃあ作ろう!→いい機会だし、避難所としてではなくて心機一転リニューアルの新設にしませんか。ゲルトさんも復帰できるし
に一応OKが出たんで新設って感じです。
ただwikiのページ移植とかはあんまり進んでないんだなコレが……。みんな忙しいってのはあるかもですが。黒鹿さんいらっしゃいますか……!
あとこれはぜったい決して修正してほしい的な意味ではないと前置きした上で
レージュさんに描いていただいたルナを並べてみると、だんだん胸が大きくなってる気がするのです(小声)いやこれでもお胸は盛らないよう意識したんですが申し訳ない……
魂が盛るペコなのか……>>18
えへへェ
そう暖かく受け取ってくださり、ありがとうございます……!
>>24
( ̄ー ̄)ニヤリギリッギリで間に合いましたぞ2025ハッピーハロウィン!!
SS投下じゃーい!!目を開けば青色が広がっていた。
空だ。
空が見える場所で、私は寝っころがっていた。
「……ん、しょっと」
ぱっと飛び起きて周囲を確認。
青い空に白い雲。ほどよく日の差しこむ程度に開けた緑の森。なるほどなるほど、思わず駆け出したくなるような場所だ。……光の加減や風の通り方が不自然でなければ、だけど。
……うん、やっぱり魔力の感じ方もどこか馴染みがある。空間拡張
あとはこの状況が誰の仕業かがわかればやりやすいんだけど、自分でやらかしたって可能性もあるからなぁ……。なにかをトチって前後の記憶が飛ぶくらいはあってもおかしくない。もっとシンプルにただの夢ってこともあるかな。
自分の状況確認もしとかなくちゃいけない。着慣れた冒険用のポンチョか、あるいは時計塔の制服かと見下ろしてみると───
「……うひぇっ!?」
見えてる、見えちゃっている、すっとんきょうな声も出ちゃうくらい肌色が見えている。>>27
胸元なんかもあみあみしてるだけで見えてるところは見えてしまってる。背中や足もあみあみになってるけど、こんなのぜったいに隠しきれてない。そのまま見えるよりもよろしくない気がする。
お腹あたりはちゃんと隠してくれてる部分も、どこか見慣れない布地でつるつるしてる。なんだなんだと身体のあちこちをペタペタさわってみると頭の上でふわふわと揺れる柔らかいものが二つあった。つまんで目の前まで持ってくると、もっふもふのうさぎ耳のように見える。
これは、もしや、バニースーツってやつではなかろうか。ちょっと特殊なウェイトレスさんとかちょっと特殊なディーラーさんとかが着てるちょっとえっちなやつ。
「な、なんで……?」
なんで私がこんなの着てるの? 着ないよ? いや着てるけど自分から着ないよこんなの。
だって見てごらんなさい。これじゃ足も手も前も後ろも見えちゃいそうだよ。これ見られたらダメなやつだよ。見ないでよ。誰も見てないけど。
ざっくり肩回りから両腕がひどくすーすーする格好をしている。手には薄地の手袋があるけれど何とも頼りない。
自覚してしまうとすーすー面積の広さにちぢこまりたくなる。網目になってる部分だって好き放題に風が出入りするからすーすーする。
うわぁ、わー……すっごいや……わぁー……やだぁ…………。
というかアレだ、こういうバニー服って見た感じよりもけっこう硬い。骨組みっぽいような……ワイヤーかなんか入ってる? 肩回りはとっても頼りないけど、うっかりぺろんとめくれたりしなさそうなのはありがたい。いやありがたくない。上着がほしい。着替えたい。
はずかしい。
はずかしい。
はずかしいぃぃ……。
しばらくそのまま身悶えるなどしてみる。そんな場合じゃないと分かってるけど、そうせずにはいられない。着ればわかる、バニースーツってのは着てみると縮こまらずにはいられないんだっ。
そうしているうちに近くの草むらがガサゴソと揺れた。>>28
「うひょあっ!?」
びっくりして背筋をピンと伸びる勢いで起立する。直後、自分の格好を思い出してまた腕であちこち隠しながら縮こまった。なにやってんだろ私。
ひとまず音の発生源を確認する。
おそるおそる首を回してみれば……そこにはぴょんこぴょんこと跳ねるボール型のうさぎっぽいナニカがいた。一応、顔もついてる。私を見てる。
「な、なにこれ……?」
「ン~~……」
「……?」
「あいるび~~~……ばーーーっく!!!」
「しゃべったぁ!」
正体不明のうさぎ型ボールは喋るらしい。いよいよ夢の可能性を真面目に検討すべきかもしれない。ただぴょんぴょん跳ねる姿は愛らしい。持って帰ってみたい気もする。家に帰れるかどうかって状況だけど。
「ん!」
「ん?」
「フリー・ハグ!」>>29
ボール型ウサギ的イキモノは私の足元まで来てからそんなことを言いだした。ひとまず従ってみる。
「だっこすればいいの?」
「いえす」
会話はできるっぽいのでそのままだっこしてみた。持ち上げてみると案外軽い。もちもちであったかい。
「おぉ……このまま寝てみたい……」
「いえいべいべー、古今東西にウサギ娘といえば、わたしだからね!」
謎の自負がある。そして性別的には女の子らしい。ちょっと丁重に扱おうと思った。
……うぅん、いつもならこれがどういう術式で生まれた使い魔なのかとか気にするとこだけど、今はそんな気にはちっともなれない。やっぱり夢かな?
テーマ:うさぎの夢ならまぁ、ここでもうひと眠りすれば終わるのかも。寝てしまおうか。
「足がないから、ウサギジャンプはできないけど……でき、ないけど……」
そんなことを考えていたらウサギ娘さんが落ちこんでしまった。今や私にもついてるおっきなウサギ耳も垂れてしまった。かわいそうだった。>>30
「じゃ、じゃあほら、ウサギ娘さんは何ができるの?」
「……んぅ、道案内?」
「道案内?」
「いえす。今回のわたしはそのために呼ばれた、すぺしゃるげすと」
「すぺしゃるげすと……」
やはり謎の自負がある。ゲストってことは、この子は黒幕でも主役でもないって宣言だろうか。
それはそれで、何のために呼ばれたのか気になるけど……。
「ウサギといえば、わたしだからね!」
「そうなんだぁ」
うん、これ深く考えてもダメなやつだ。
◇ ◇ ◇
道案内のウサギ娘さんに従って森を歩いていく。
指示内容が「あっちにまっすぐ」という大ざっぱなもので途方に暮れそうになった。どうせ初めての場所で行くアテなんかないとはいえ、びみょ~に不安になってしまう。>>31
それでも指示自体は合っていたらしく、しばらく歩いていくと次のウサギさんが現れた。
木漏れ日をわけて近づいてくるシルエットは人型。私と近い背格好で、でもちゃんとウサギらしいウサ耳ヘアバンドをつけていた。たぶん道案内さんっぽいボール型黒ウサギさんを抱えている。
首から下は……燕尾服? っていうのかな。バニーはバニーでも、バニーボーイなんて呼ばれる格好をしている。髪の色は金。瞳の色は紫。何度も目にしたその顔は……
「なんだメレクじゃん!」
「そちらこそ……とは言うまでもないですね。こんな状況にルナが関わっていないわけもいない」
この物言い、ぜったいメレク本人だ。
見た感じだと私と同じような状況で目が覚めて、これまた同じような道案内ウサギさんに連れられてここまできた……とかかな?
とかなんとか考えていると私とメレクがそれぞれ抱えていた白と黒のウサギがぽーーんと飛び出した。
「みっしょん、おーるくりあ! わたしたちはここまでね」
「あとは若いおふたりにおまかせ? そんにゃ風に、どうぞ?」
白と黒どっちも私より年下っぽいんだけどなぁ……。
「いくぜぃ、まいふれんど」
「にゃ」>>32
肝心なところ何一つ説明しないまま、二匹……二羽? のウサギさんたちは茂みの奥に消えていった。なんだったんだろアレ……。
さて。
そうなるとこの場に残されてしまったのは私とメレクの二人だけってことになるわけで。お互い気にせずにはいられないことがある。
「ところで、ルナ?」
「……なに」
「よくお似合いですよ。とても愛らしい」
「なんで言うのさぁ!」
完璧なニッコリ笑顔でストレートに突いてきた。なんてやつだ。ゆるせん。こっちがひたすらはずかしのを愉しんでるに違いない。
「言及しないのも不自然でしょう?」
「そうだとしてもだよ! 好きでこんなカッコしてると思う!?」
「まぁ……ハロウィンならそういうこともあるのでは?」
「え。今日ってハロウィンだっけ?」
「…………」
フー……と冷たいため息。また日付を忘れるまで何か没頭してたのかと温度を下げた瞳が刺してくる。>>33
ところでいつも通りのうっすら冷たい視線もバニバニしてる格好のせいでなんだか面白くなっちゃってる。シュールだ。超レアなメレクだ。魔術回路に1シーンだけ残しておこう。
それを知ってか知らずか、すぐに瞳の温度を戻したメレクはじぃっと私を見てくる。
「……」
「ん、うぅ……?」
……な、なんだ。この格好だと見られるだけでも顔が熱くなる。まさかメレクに限って滅多なことはないだろうけど……。
「そうは見えないかも知れませんが……本心を伝えているつもりです。今のルナは、かわいいですよ」
「あ……あり、がと?」
なんか、なんかおかしいぞ。バニー姿以上にメレクの様子がおかしい。こんなむやみに私の顔を熱くさせようとしないはずだメレクは。
まさか……!
「にせもの……? にせメレク……?」
「褒められた二の句が偽者呼ばわりとは、なかなか挑戦的ですね?」
「あ、いつものメレクっぽい」
「何ですかさっきから。……ルナはいつも以上にかわいいですね」
「変!!!」>>34
やっぱりおかしい。いやそもそもこんなバニバニした格好で平然としていることからおかしい。
誰かが化けてる……? 洗脳されてるってこともあるかもしれない。だってメレクはそんな私の見た目とかはなんも言わな……でも、水着のときは似合ってるって言ってくれたっけ。
……んぅ。
いやいや。ちがうちがう。
いまはそんなの思い出してる場合じゃなくてさ。
「どうしました? ここに留まっても何も変わりませんよ?」
「いや水、じゃなくてっ……なに!? なんで手ひっぱるの?!」
「時間は有限ですよルナ。さぁ行きましょう」
「そうだけど! そうじゃなくて!」
……そのまま騒ぎ続けて数分、私がいくらか大人しくなってやっとメレクは手を離してくれた。
◇ ◇ ◇
「先に現状を説明しておきますが」
「ん?」
そうして手を離した矢先に、すっと冷たくなったテンションで話し始めた。>>35
「貴女は現在、死霊術と変身術を掛け合わせた新しい魔術を試して軽度の昏睡状態になっています」
「待って待って待って?」
かと思えば想像していたよりやばい情報が出てきた。
「待ちません。よってここは貴女の内面世界と言っていいでしょう」
「私の心象風景ってウサギまみれでバニーガールなの???」
「そのように外部から誘導・調整しています。貴女がバニーガールなのも、僕がバニーボーイなのもその一環です」
「……なんでそんなことしてんの?」
「でなければショッキングな光景が延々続いていたからですね」
「……バケモノまみれになってたり?」
「死霊と怨嗟も込みですね。ハロウィンの夜には相応しくなっていたことでしょう」
「わーぉ……」
あぁ、じゃあ……これって私が盛大にやらかしたからこうなってるのか……。ぶっ倒れた私の横でヨモちゃんが泣いたりしてるかもしれない。あとで謝ろう。
そういえば「ハロウィンだから」でなにか思いついたような記憶があったりなかったりするかもしれない。キョンシーとかできた気がするんだけどなぁ……。>>36
「まとめると今の貴女は救助対象ということです。理解しましたか?」
「ハイ。ゴメンナサイ。助けてください」
「よろしい」
「……で、どうすれば助かるの、これ?」
「大雑把な表現になってしまいますが悪夢を見ているようなものです。あくまでポジティブに、夢から醒めればいい」
「……つまり、私が喜べばいいの?」
「その通りです。先ほどもいくつか試したのですが、成果は出ませんでしたね」
「先ほどってさ、それもしかしてさ、さっき変だったのってさ、」
「なので次善策といきましょう」
「こら。おいこら」
「そう心配せずとも本心ですよ」
「えっ……おぅ、……うん」
……なんか熱くなりがちだ、今日。一応は、心の中だからか。
「話を戻します。とにかく僕からのアクションでは上手くいきません。なので貴女から動いてもらいます」
「なにすればいいの?」
「好きなことをしてください。今だけは僕をどう扱っても構いませんよ」
「なんかすごいこといってる」>>37
「治療行為と理解していますから。さぁ、どうぞ?」
どうぞと言われても。
そんな風に腕を広げられても困る。
別にメレク相手にやりたいことがあるかっていうとそんな別に……変なコトして気まずくなるのもヤだし……私とメレクの間で、なんか自然なこと………………あ、あったかも。
「何してもいいんだよね?」
「……良識の範囲内ならば」
「じゃあ、さ。……噛んでもいい?」
「……なるほど」
くるりと回って。そして首を傾けて。私がそうしたい場所がよく見えるようにしてくれて。
それで。
それで……。
……ここから先は、ウサギらしくなくなってしまったので、とても言えやしない。
目が醒めるようなことは、しちゃったとだけ。前スレ965のルナとノルちゃんの話の続きが書けたので投下投下~
こけおどしのつもりだった。
十二に連なってノルに付き従う『幻槍』はその一本一本が強力な神秘を有している。
まるでネコかウサギかというように身軽に逃げ回る少女を、おどかしてやるのに充分な威力があると考えた。
たとえ十二分の一だけだとしても不足などあろうはずがない。都合よく空へ飛び上がった少女に一本でも見せつけてやれば、ただそれだけで見上げるべき玉座の主を思い知るだろう、と。
それがどうだ。
空中にいる少女は頭と足の上下を逆しまにした態勢でこちらを見ている。
高く高く離れていく間もその姿は見えている。身体をかたむけて左手を前に、右手を肩越しに後ろへ。まるで遠投の予備動作。身体に隠れて見えない右手の中に、隠しきれない燐光が浮かぶ。
根拠もなく悟った。
「まさかとは思いましたが。あなたも"槍"をお持ちですのね」
なんのつもりか。偶然か。意趣返しか。そこばかりが読み取れず。
そして、それ以上に不可思議な視線を感じる。見下ろされているはずなのに、見上げられているかのような感覚。その視線に含まれているのは相手を上位の者と認める敬意。そして上にいるからこそ撃ち落としてやろうという数十倍にも及ぶ、不敬。
再び悟る。これは玉座をかけた挑戦状なのだと。
「上ォ等ですわ」
不躾な視線に快活そのものの笑みを返す。>>47
もう一度しかと相手を見定めれば、太陽を背に影を濃くする少女の姿。
自ら両足をうかせて身一つで空に向かうなど正気とは思えない。ノル自身からすれば想像するだけでも恐ろしい。先の『幻槍』を足場にした空中階段ごっこもそれなりに勇気を奮ったのだ。
常、挑戦することを是とする自分が、数少ない足のすくむ領域に挑む姿を見せつけられた。
のみならず……挑戦を受ける側に回されようとは思いもよらなかった。法政科に下手くそな干渉をしてみせた不埒者程度に捉えていたが、なかなかどうして前のめりに生きてみせる。自分とはまた違うタイプで、目が離せない。
……この邂逅を終えた後に、お話してみたいな、なんて思ったりして。
だからといって負けるつもりも驕るつもりもない。
今からではこの身に秘められた"とっておき"を出す余裕はない。だが足りる。魔力の満ち足りた十二の『幻槍』を思うままに振るえれば挑戦の礼には足りてなお余る。
「さぁ、正面衝突と参りましょう! いざ尋常にパワー勝負ですわーーーっ!!!」
◇ ◇ ◇
「いいや、まるで足りんな」
ヘンな感じだ。
私の意思とは無関係なところで私が喋っている。>>48
自分の身体が自分の意思とは関係ないところで動いてるってだけでもおかしいのに、そのことへの違和感も拒否感も湧いてこない。
頭を下にしたままボール投げの直前みたいなポーズで止まっている。視界のうしろに持っていかれた右手の中がやたらと熱くて、視線の先ではしっかりとノルの姿を捉えたまま。
そこまでの動作が不思議なことにしっくりくるんだから絶対おかしい。身体に染みついた動きをなぞるような感覚で、初めてのはずの予備動作をごく自然に取らされている。
極めつけに"私"がつぶやく。
「あァ、足りん、足りん。俺様を起こすにゃ力も、贄も、暇さえ足りやしない。仮宿としちゃあ劣悪だ」
また私じゃない誰かが喋る。
その"声"の源がどこにあるのか、なんとなくわかる。さっきからうるさく騒ぎ立ててる心臓だ。緊張も恐怖もないくせにドクドクと勢いよく血を巡らせる鼓動には覚えがある。フィンランドでメレクとケンカした時と同じだ。わけわかんないまま心臓ばっかり動いて、早回しに全身が新しくなっていく感じがして……、
……ああ、そうだ、あの時もこんな声が聞こえていた。
私を焚きつけるようにしてなんだかんだと好き勝手なことを言っていた。
これ、どうなるんだろう? このまま身体を盗られて私の意識は消えるとか? だとしたら、そうなる前に心臓をつぶすくらいはしておきたいけど。
「物騒だなオイ。心配しなくても長くは保たん、ほんの一時だけだ」
なんだ、聞こえてるのか。もっと早く言ってよ。
それに自己紹介くらいはしてほしかったな、勝手に人の身体使ってるんだからさ。>>49
「後でな。ま、あの"お嬢様"の相手をしたら返してやるよ」
言って、集中された視線の先でノルの姿を見定める。
向こうはこちらの異変に気付いているのかいないのか、何事かを吠えて、そして迎撃の構えを取った。
私の中の誰かもそれを受けて構える。高められた魔力が、光が、右手を焼きながらひとつのカタチに集まっていく。
それを見ていることしかできない。 ───ノルが構えた黄金の光を受けることもできない?
終わるまで黙って見守るしかない。 ───自分の中の未知ですら手放すことしかできない?
そんなバカな話が、
「……あ、っっってたまるかァ!!!」
動く。
声も出る。
私の身体が私の意識に戻ってきた。これが時間切れによるものか、気合でなんとかなるものかはわからない。
そんなことに構ってられない。
今はもう、前に、
「はるか空からであろうとも───仰ぎ見なさい、高貴なるわたくしを! わたくしに付き従う幻槍隊列(ファランクス)を!!」>>50
魔力のうねりを感じる。不可視なれど幻視させる存在感が狙いを定めた。
私もまた、自分で自分を止められない。止まる気もない。
未だ名前も知らない"誰か"に動かされた身体は、その動作を最終段階まで進めていた。あとは最後の一押しを、ほんの一瞬きの意志だけでいい。
心臓が熱くなるに任せて。
其に纏わる真名の浮かぶまま。
被せるようにした"誰か"の声が響く。
「……応えろ! 『黎、世明けの太陽石』!」
灼かれながら握りしめた右手の光を、一心に前へ、前へ、前へと───放る。
槍さながらにまっすぐ伸びた光線がノルへと向かった。
ノルもまた、怯まず。不可視の力を前へと向ける。
時計塔・考古学科、ロクスロートの直上で展開された結界内にて、黄金の光と赤熱の光がぶつかりあった。
轟、と風を伴う衝撃があたりを揺らす。並ならぬ魔力が行き交う魔術師たちの視線を上向かせ、そして二色に混じりあった光の渦が惜しげもなくまき散らされた。
相殺し、花火のように消えた光は2人の魔術師どちらにも届かなかった。
その光景を私は最高の特等席ですべて焼きつけた。
時間にすればほんの一瞬で、楽しい時間が終わるのはあっという間だと痛感する。
そういえば、あの声はもう聞こえてこない。頭の中で呼びかけても返ってこない。また何かの拍子にぽんと出てくるのだろうか、出てきそうだなぁ。>>51
なんとなく力が抜けていくのが心地いい。ふっと楽になってみれば、急速に下から上へと移り変わる視界に気づいた。
……そういえば、私、空とんでたっけ。
「イヤァアアーーッ!!? 墜落してますわーーーっっっ!!!」
こっちを見てノルがすっごい叫んでる。誰のせいだ。私のせいか。じゃあしょうがないか。
さっきの勢いはなんだったんだってくらいパニックになっているのが、なんだかおかしい。
あの不可視の力をこっちに向けようとしているのが見える。あの慌てようならトドメってより助けようとしてくれているんだろうけど、これじゃあどう見ても間に合わない。飛ぶ前に準備した着地用の結界術もあの光のせいでパーになってる。今から集中し直すのは、やっぱり間に合わない。
せめて『強化』でなるべくケガしないように……って考えていたところで、ガボッと引っかかるようにして落下が止まった。
「……んっ? えっ? なになに?」
「なんですのコレ!? 見えないのが絡まってますわー!?」
ノルが助けてくれたわけではないらしく、私と同じく何かに引っかけられていた。
使われているのは網目状の結界と連鎖する空気の凝固だろうか。私は空中で、ノルは学術棟の屋根で。それぞれ位置を固定されている。『救助』というよりも『捕獲』に近いやり方を私は知っている。
私とノルを捕まえた術者は下にいた。
2メートルをはるか超えていく体躯。奥行きと横幅のすごい筋肉でパツパツになったスーツ。そしてつるりとした頭頂部が特徴的な、私たちの先生。>>52
「そこの庶民共ォ! 学び舎を足蹴にしてまで何をやっておるかぁ!!」
上空の風音にも負けない怒声を響かせて、我らがモートン・ドラモンド先生のご登場だrr。
「……まぁ,目立つよねぇ、アレ……」
さっきの光のぶつかり合いが気づかれないわけがない。私もノルもお互いぎゃーすか騒ぎながらばちばちやり合えばそりゃすぐ見つかる。
ドラモンド先生が掲げたぶっとい腕と、その先にあるでっかい握り拳がゆっくり下ろされる。それに伴って私とノルの身体がゆっくりと地上に向かっていく。
浮いた青筋が見える距離まで近づいて、ドラモンド先生が口を開いた。
「庶民共ォ……ここまでの騒ぎを起こした覚悟はできてるな? 私の貴族的指導をみっちり叩き込んでやろう」
「しょっ、庶民ン!? こともあろうに、『忘失令嬢(レディ・ロスト)』たるわたくしを庶民呼ばわりですの!?」
「先生、先生、その子なんか法政科の魔術師っぽいからさ、私といっしょにやさしくしてあげてほしいなーとか思ったり……」
「施設破壊未遂に『神秘の秘匿』という原則の無視。こんな馬鹿騒ぎを起こす者には学科関係なく同罪だ。庶民呼ばわりですら温情と知れ」
すっぱりと切り捨てながら私とノルを結界ごと両肩に担ぐ。>>53
「アードゥルには反省文と追加課題と結界の修繕補助を命じる。法政科には正式に抗議文を送ろう。双方、粛々と沙汰に従うように」
「へぇーい……」
「嘘でしょう!? 嘘ですわよね!?」
「……なんかごめんね? 巻き込んじゃって」
「本当ですわよ! あなたっ、とんでもねぇ女ですわね!?」
「ごめん! ごめんとしか言えないんだけど、つい、楽しくなっちゃって!」
「そこは、えぇ、昂るものがあったことは認めますが!」
「ホントっ? ノルも楽しかった? 私はすっごい楽しかった!」
「……悪くはありませんでしたわ。今回限りなのが、惜しいくらい」
「~~っなら、もっかいやろうよ! ノルの魔術がどんなのか気になるもん! 一回と言わずに何回でも───」
「せめて反省の素振りくらいは見せられんのか貴様ら! このまま法政科に引き渡しても構わんのだぞ!」
「「……ごめんなさい」」
2人して怒られて、しゅんと黙る。
のっしのっしと揺れるドラモンド先生の巨躯の上で、どちらともなく含み笑いが漏れた。>>57
ルナがやらかしてノルちゃんが凸る黄金図式ができてしまったゆえ…つい…
もったいぶることでもないので言ってしまうと俺様野郎は南米系列ですわ!
ちらっと調べたら真名即バレするくらいには情報モロ出しでしてよ!
>>58
ノルちゃんのキャラシ見たときから地と空で対比イケる…!と思ってたポイントなので書いててとっても楽しかったです
最初はもっとマイルドにする予定だったけどノルちゃんに引っ張られてこんなことに…
(そういえば伏字のままだった)
ルナ視点で出すのって何気に初…?
ワンチャン怒られるかもと思いましたが庶民呼ばわりに反応しちゃうノルちゃんが見たかったンだ…!!
>>59
ワーォうさぎさんが!!まんまるうさぎさんが!!うさぎ娘仕様とネコチェン仕様になってる!!
ナイス…!ナイスアップデート…!(拍手)>>62
ニコッ!>>66
おそらく区別するのに明確な基準はない……というか、基準を設けるとそれはそれで別の火種になりそうなので英霊か幻霊かの線引きはフィーリングでいいのではと思います
体感だと、固有の名前がある概念的存在とか、童話などに出てくるキャラクター単体とかだと幻霊っぽく見られやすい印象リガヤプロのこそこそ話。
アメリカ留学中、出身地を言った&タララーワの写真を見せた際、友人達のみならず講師からもアルビノ疑惑をかけられたことがある。積んでたゲームをとりあえずエンディングまでクリアしたので、いったん積読を崩すか、別の積みゲーに移るか悩み中……。ルナティックも進めたいね
>>56
ルナちゃんに友達が増えるのはいいことだ……。競争相手って感じだとあんまり少ないような印象がある(読み逃しあるかも)なので、また交流の範囲が増えたのは今後が楽しみ
内部の存在もちょびっとずつ情報出てきて考察がしやすくなってきた感
>>72
>キメラちっくなのでいっそごちゃ混ぜ感を推していくと一周回った統一感が出るのではないでしょうか
なるほど。ただまぁ調べたらゾロアスター教にアパオシャって馬&旱魃な悪神がいたので、疑似鯖として人間を依り代にするんじゃなくて幻霊を器にして現界ってのもアリかなぁ、とか。
ノルちゃんSS、書いてみたくはあるが、題材がいまいち思い浮かばない……。アリウムさん的にこの人との絡み見たい!って人、うちの子にいます?(ヴィクトル以外で)
あと前スレで伊草エピローグの追加描写あるので、伊草参加者で見てない人がいれば読んでほしいな、とポツリ。問題なければコッチにも貼っちゃうか?>>76
(そういえばバニヤンそんなプラスアルファあったなぁ…)
キャプテン・ノアはここからさらにノア要素も外付けされるから豪華だなぁ、となる
幻霊合体はそういう贅沢仕様なサーヴァントも見てみたかったり>>76
>境遇的にはヴィクトルに拾われた繋がりでジジェくん、時計塔関係者だと目的消失した人間繋がりで刹那さん
なるほどなるほど……。とりあえずその2名での案を考えつつ、今進行してるノルちゃんヴィクトルの話がある程度の決着を迎えたら本格的に着手、という感じで。脱稿の確約はできませんが……
>>75
>英霊が依代になる前例は術兄貴がいるし、そこからダウングレードすると思えば普通にアリやも…?
人間を依り代に神霊を、ってのよりは自由度高くていいんじゃないかなぁ、と
幻霊は強度が足りない、神霊は格がありすぎ、的な感じですから、幻霊をベースに神霊パッケージを貼り付けると結構便利にキャラメイクできそうだなぁ、と
ヘシアン・ロボや呼延灼の例から考えるに、結構見た目も好みのデザインできそうだし
……現状の構成要素だと肌無し首無しのグロ人馬がごつい鎧きて馬車を牽いてる、みたいな「神秘の隠匿絶対無理だろ!」なビジュアルとスキル構成になりそうだ……>>80
>なんでもアリになっちゃいそうですね幻霊+神霊
まぁしかし。FGOの時点で結構色々やってますからね。幻霊周りについては
英霊+幻霊、幻霊+幻霊はやってますしね。あとはちょっとズレるかもだけど神霊?+英霊もそれっぽい前例はあるっちゃあるので
>説得力出す
一応今回のライダー構成要素は概ね馬系。死や旱魃の概念と近しい、あたりの共通項があるので、100%無理筋ではない、と思いたい……。
しかし自分が作るライダー霊器、基本的にメンタルヤバめな広範囲迷惑野郎ばっかだな……。
>>88
現時点ですと、どういう手段を持つ組織でどんな目的があるのかが不明なので、イマイチ入り込みにくい印象はありますね。組織構想のようですから「オッシャー聖杯戦争するどーっ!」って感じでもないですし……。お紅茶を飲んだ一口目の感想が「嗚呼…お茶…」しか出てこない自分が本当になさけない…ない…
それはそれとしてお茶魔術をやるとしても、メインは別に用意して補助に徹したほうが雰囲気出そうだなとも思いました
お茶が補助に徹するメインってそれはもうお菓子しかないのでは…??
>>89
聖杯戦争は、やらないタイプですね…
前にチラッと中納言さんと話してた「幻霊研究会」ってところの話なんですが、主に違法召喚・複数召喚・霊基改竄あたりで悪どいことしようぜっていうワルの組織
いわゆるマッドサイエンティスト気質な人が割合多そうなので自由にやらせたほうが……とも思っていたんですが、やっぱり組織としての目標が一個はあった方がいいかもしれない…?紅茶はアールグレイ派(あの人を選ぶ匂いが刺さる)。
ロレンシオのキャラシを作りつつ、バルベルデ家の各々の趣味をまとめとく
イノセンシオ:女装(ギャルファッション)
イスマエル:オカルト
プリシラ:製菓、エイジプレイ(お世話する専)
リガヤプロ:ブロック玩具の収集
ビオランテ:日本の特撮とアニメと漫画、食べること
ミラグロス:冒険
バイディワ:絵画>>90
>組織としての目標が一個はあった方がいい
まぁそうですね。聖杯戦争だと「好きなサーヴァンとマスター組み合わせて暴れる!」って明快なコンセプトがありますが、組織系だと「キャラは作ったが……どうする!?」となりがちな印象が、個人的にありますし
このスレだとたまにオリジナル組織が設立されましたけども、そういう”目的地”が曖昧だったので結局長続きせず……みたいになってる感覚はあったり。あとは単純に設定面の複雑さ、とか?(流れがちな理由の一つとして)
WASP組はありがたいことに割とちょくちょくキャラに言及されたりして貰えてますが、初期にキャラが集まった理由としては「型月改造人間作って聖杯戦争しよう!」という目的があった、というのは大きいのかなぁ、と(結局聖杯戦争自体は立ち消えになっちゃいましたが、増えたキャラでワイワイやろう!)みたいなコンセプトは残った訳ですし……。
なのでマッドサイエンティスト集団、って以外の方向性に関してそれなりの明示はした方がいいのかも、とか考えます。成果物で根源行きたいのか、世界征服するのか、それとも研究自体が目的で作ったヤツはリリースするから超迷惑集団なのか、とか?
まぁそれで今後がどうなるか、が丸っと解決する訳ではないでしょうが、ある程度の土台があるとやっぱ色々載せやすいよねって寒くなって全体的な活動量が落ちている…
久しぶりにキャラを投下します~【名前】柳生九仞/ Yagyu Kyujin
【異名・表記ゆれ】キュージン・ヤギュウ
【性別】男性
【方針・属性】秩序・悪
【魔術回路・質/量】C/C(外付けの回路によりランクが上昇)
【魔術回路・編成】変質
【魔術属性】風・水
【魔術系統】柳生新陰流
【起源】武
【代数】6代
【所属】宇治陵・柳生忍群
【魔術/魔術礼装/技能など】
〇宇治入り
神殿『宇治の宝蔵』にて生きる“現存する神”の一体、宇治殿との契約。
極東の法術系統で確認されている八つの神體ではなく、現存する神を擁立している宇治陵では彷徨海の秘匿神理と似て非なる保存方法が行われている。『宇治の宝蔵』は神域の陰陽師、安倍晴明の手による異界ともされる。海神・大綿津見神の住まう宮殿である『綿津見宮』に通じるとされる門が固定化されており、これを開く事ができたならば、常世──すなわち神の世界の力が得られる事もあるだろう。宇治殿も正確には現世に存在する訳ではなく、この固定化された『門』の奥から顔を覗くのに収まっているだけ。
三月三日に行われる『宇治入り』の日のみ、綿津見宮すなわち常世(星の内海)へと繋がることで第五真説要素(真エーテル)を引き出し、これによって物理法則(秩序)から空想を保護し、実践してきたという。その上で、本来ならば摩耗していく神秘を留めていられるのは、純粋に神殿自体が、ひとつひとつ国を買えてしまうほどの聖遺物を幾多も納めることで神代に等しい環境を維持しているからでもある。>>95
〇水月
柳生新陰流に於ける極意のひとつ。
剣者が到達する最高の位。究極の境地。
立ち向かふ その目をすぐに 緩むまじ これぞまことの 水月の影。
柳生宗矩が著した『兵法家伝書』の下巻「活人剣」にはこう記されている。「此尺のうちへ踏入り、ぬすみこみ、敵に近づくを、月の水に影をさすにたとへて、水月と云う也。心に水月の場を、立ちあはぬ以前におもひまふけて立あふべし。尺の事は口伝すべし。」と。
ここで言うところの『水月』とは立ち合いの場における座取り、身を置く場所のこと。
月の陰が水に映っている時、それに斬りかかっても決して月は斬れない。
柳生宗在の門弟、佐野勝舊が著した新陰流の形の目録の註釈書『柳生流新秘抄』「九箇必勝」には次のように記されている。「水月と云ふは立相三尺のことなり、互にあたらざる場なり、これを中りかけて行うことを越すと云ふ也、越すところ様々あり、懸待有を以てこす、敵のあそびをこす、遊びと云ふは働きの抜くるところなり、移りうつす真の水月などと云ひ、向上の習ひあり」という。
〇神視
元々、“退魔”は脳で身体を書き換えて自己暗示による変体を可能とする。
脳の“共通認識覚(チャンネル)”の切り替えは異能さえ生み出す。
限界(いのち)を覗くことができる透視の一種。
対象の存在規模を視覚化して見ることで、線や点を切ることでエネルギーそのものを直接削ることができる。また他者ではなく自身を視ることで、内外の要因を無視して常に最大値の行動が可能。すべての知性体が持つ高次元への可能性。すなわち魂の限界。霊核(たましい)・霊基(にくたい)こそ人間と変わらないが、神霊に等しくなる。
剣術に対する神性の付与────柳生新陰流を司る神/カミと化す。
『水月』の術理を対人魔剣に拡張する。
────間合い自在。
無限遠点の概念を宿した縮地の魔剣。すなわち『無限』の術理なり。>>96
【解説】
大和国(奈良県)の国侍、柳生一族。
菅原道真の第四世、紀伊守重宣の末裔。あるいは播磨国赤松氏と同累の村上源氏とも。その孫である大膳亮・永家が藤原頼通の家司である関係により長暦元年、大和国四カ郷を春日社に寄進して神領とした際、四カ郷のうちの一つ小柳生の庄の奉行に任じられ地名を取り姓としたのを由来とする。
この柳生庄と呼ばれる隠れ里は伊賀などの忍びの里と隣接した土地柄で、柳生一族は伊賀や甲賀などの土豪、俗に忍者と認識される家柄の家と血縁関係にもあった。
例えば、柳生宗矩の母・春桃御前(於鍋)は伊賀の土豪・奥原家の出身である。
剣豪・上泉秀綱を祖とする剣術の流儀「新陰流」は秀綱より柳生石舟斎に技が授けられてのちは代々柳生家により相伝され続けたことから、柳生新陰流の俗称で呼ばれることが多い。門人には柳生家のみならず荒木又右衛門など名立たる剣客も名を連ねる。
柳生庄の大和柳生、宗家である尾張柳生。そして柳生宗矩を祖とし、徳川将軍家の兵法指南役として隆盛した江戸柳生。光差す「表」の柳生家当主ではなく、薄暗き「裏」の柳生家総帥によって統べられる陰の柳生たる忍者軍団。彼らは直接的な戦闘のみならず、暗殺、斥候、諜報など多彩な技能を有している。
柳生忍群の一部は、いまだに藤原氏の家司として『宇治の宝蔵』の管理に従事している。
現実の平等院鳳凰堂と同じく、末法初年に当たると考えられた永承七年(1052年)に建立された『宇治の宝蔵』。宇治川という鏡面結界(鏡界)を隔てて複写された、魔術的に浄土の概念を体現している。そこに納められたのは貴重な宝物や聖遺物だけではなく、ただ在るだけで多くの呪いを放つ酒吞童子(伊吹童子とも)の首、大嶽丸の首、玉藻の前の遺骸といった呪体も含まれていた。稀代の陰陽師・安倍晴明が集めた超抜の職能集団、後の源氏の技術者となる者達の一部など、選りすぐられた藤原氏の家司が代々これを守護する家来衆(候人)となった。宇治殿すなわち宇治川の龍神と化した藤原頼通を奉じる法術系統『宇治陵(うじのみささぎ)』を組織した彼らは藤原氏摂関家の重宝が納められた宝蔵の管理という役目を背景に、歴史の中で揺るぎない地位を獲得してきた。安倍晴明の名声を背景に一大勢力を築いていた源氏が全国に離散した後、柳生氏(後の大和柳生)の一部が支配的となる。>>97
宇治柳生の麒麟児。
柳生新陰流に法術系統である退魔を組み合わせた、柳生忍群の『数字持ち(ナンバーズ)』のひとり。宇治陵の主神である宇治殿へ捧げるものとして、神秘狩りを執り行う。
その対象となるのは────
〇人物像
言動は軽薄そのもので、関西弁(京言葉)を常用する。
魔力のマの字も知らず、のうのうと生きる只人。
児戯に等しい西暦以後の魔術を修める魔術師。
『宇治陵(うじのみささぎ)』の“殿上(でんじょう)”に劣る“地下(じげ)”の魔術師。
初対面・目上の相手であろうが、誰に対しても「〇〇君」「〇〇ちゃん」付けするなど、馴れ馴れしく舐め腐った態度を憚らない。要するに他者を軽んじているのだ。魔術世界にありがちな貴族主義・選民思想に凝り固まっており、力で劣る者を徹底的に見下している。
上昇志向と実力主義に根差した差別意識を隠そうともしない一方で、宇治陵が奉じる『宇治殿』への信仰心は本物。宇治陵の“退魔”──『神秘狩り』にも積極的なのは宇治殿へ神秘を捧げれば捧げるほど、現世で発揮できる力が増すという実益あってこそ。最強への飽きることのない羨望が故である。逆に言えば、力を与えてくれる存在であれば従うに足ると考えているのだ(もっとも下剋上の意志は露骨なのだが)。>>98
誕生日:3月3日
年齢:21
身長・体重:180cm・78kg
出身:日本
イメージカラー:深緑色
好きな物:独立不羈の強者
嫌いな物:無知の不知、強さを理解しない弱者
外見:つり目で切れ長の顔立ちを持つ、若い銀髪の男性。
願い:最強
自分のサーヴァントとの果し合い(聖杯戦争参加時)
決戦の日:柳生秘剣帖
【台詞例】
「────魔に寄るんなら、斬るで」
「神秘狩り。分かるやろ、君は今から狩られる側や」
「御留流やで? 只人に剣を抜くわけあらへん。抜いたら斬らなあかんやろ」
「自己暗示による変体、神視の秘奥がこれや。劣化した魂・体を捨てて新しい魂・体に新生する『転生(リポップ)』の儀式。転生の際に心臓(新生体)に魔力を圧縮して、『先代』であったんは魔術刻印になって、『今代』に生体情報が刻まれる。宇治殿のバックアップがなければ一生使えへん大嶽丸の法術や。面白いやろ? 永遠に斬り合うことができる訳やし」
「勝つんは僕や!」>>110
へいお待ち!このページに見返したいキャラの名前、とかこんな感じのキャラいた気がするので確認したい……、とかあれば可能な限りは対応します。手が回らない場合は黒鹿さんとかお願いします……。
https://seesaawiki.jp/fatetv/d/%b1%dc%cd%f7%cd%d1数分間ずっと「今編集中だから後にしろ(要約)」と表示され続けた私に悲しき現在…
それと関係ないよーなあるよーなナニカで裏・冒険旅行記的なのを閃いてしまってどうしましょ…>>116
おぉ、ありがとうございます。ルカ・メルトから遷延の魔眼をデリートしつつここのえさんから借り受けた収斂の魔眼をどうにかして組み込んだキャラ改修を自キャラでやりた〜い
>>121
>自分の癖に正直に、ね……。
現状のランサー、あんまり癖にドンピシャなサーヴァントいないんですよねぇ。強いて言えば上杉景虎とかメリュジーヌですが、イマイチ踏ん切れない
そんでちょっと現メンバー見てるっぽいですし、聖杯大会まとめwikiのキャラ登録に関する諸々を決めたい。ガチガチの規則は難しいでしょうが、「作ったので登録!」は避けてある程度の制限を付ける、というのはアリだと思うのですが、皆様的にはどうでしょうか?
”鯖鱒ともに10登録までは無条件OK!でもそれ以上登録するならSSもちゃんと書いてこう”みたいな感じにはしたい(キャラだけじゃなくてキャラによるストーリーも見たいし)のですが……。>>120
>>121
>>122
>>123
>>124
>>125
なんやかんやでみんな割とバラバラなのが楽しかったりする私
そんな私は最古参エースのアルテミスか推しすぎるツタンくんかで悩みまくってます…キマラナイ…
>>126
これは断言する勢いで言いますが絶対に意味ないですよそれ
SS書いてない人にキャラ数の制限を課したところで「じゃあSS書こう」とはなりません。「じゃあ別のところで作ろう」ってなるだけです
そもそもキャラを動かすこととキャラを作ることじゃ消費カロリーも使う脳みそも違いすぎるので同列に扱えるわけがありません
みんなにSS書いてほしいと思うならまず自分からガンガン書いていくしかないんです。根拠あやふやなルールを提示して書いてもらおうだなんて以ての外ですよ
それでなくても趣味の場なんですからルールで誘導するより、楽しそうな企画なり舞台なり作って引きつけるほうが効果あるに決まってます>>129
プルフラス「ワハハハ!中国が幻の菓子、何するものぞ!(お玉ガンガン)」
ちゃんとつくれるかなあ>>132
お大事に……。自分はイマントコ深刻状態になった感じはないので……健康気をつけよ
>>130
>聖杯戦争リレーは一回仕組み丸ごと見直さないといけない
>既存のやり方はもう厳しい
現状の問題点としては企画発足+メンバーや舞台設定の決定は割とすんなり行ってますんで、結局は
・(>>127でも言及あるけど)SSを書くには精神&肉体的なリソースが膨大
・そもそもメンバーのアクティブ状態がまばらになるんでスムーズに進行しないがち
辺りですかねー。
すっげぇ本末転倒感もありますが、リレーSSの目的って”複数人で聖杯戦争のシナリオ作って盛り上がろう”な訳だし、企画参加メンバーの都合がつく日を決めて、そん時にワイワイ相談しつつシナリオを想像、ってすれば一応完走はする、のかなぁ
それだと結局SS執筆に繋がるのではないだろうけど、最近は個人SSもある訳だし……>>137
【魔術】
・植物魔術
ビオランテとほぼ同じ使い方をしているが、農業が本業だけあって品種改良に使うことが多い。
・土魔術
土壌の状態維持や改善に使う。
悪い使い方をすれば土中に膨大なアルカロイドを発生させたりもできる。
【外見・容姿の詳細など】
忍者と極.道の竹本初代組長のアングロサク.ソン版
【人物像】
イメージカラー:よもぎ色
特技:農業、農産物の品種改良と加工、ビジ.ネス(経済侵略)、拷問、殺人、謀略、害虫・害獣の殺処分
好きなもの:農業、家族(夫婦共有の愛.妾含む)、従業員達一同、銃器収集、ブラック企業の敵対的買収
嫌いなもの:身内に無用の手出しをするカ.スども、野菜泥棒、敵対的買収被害
天敵:次女>>138
【一人称】私 【二人称】君、貴殿、お前 【三人称】あれ、彼、彼女
台詞例
「嗚呼〜孫二人を一度に抱けるとか僥倖だろぉ…。ビオランテが結婚した後が楽しみじゃ〜」
「プリシラ…。お前だってパリに留学したじゃないか。ビオランテの留学先も大きい都市じゃないとアンフェアだろ?」
「リガヤプロ!殴るならパパだけにしなさい…!!」
「カンデラリア〜。今夜はどんなプレイでタララーワをヒーヒー言わせようか?」
「タララーワ。その集合写真に写ってる奴らを全員呪え!」
「野菜泥棒を一匹殺処分(ひとりころした)だけでも殺人罪は成立するからなぁ」
「リヒターがな、時計塔を出て行ったって、イスマエルから国際電話来てな…」>>139
【来歴】
スペインのアンダルシア州が資産家一族、バルベルデ家の現当主(J.C.バルベルデの理事長と兼任)を務める老紳士で、アンダルシア屈指の大農場『オハ・エスメラルダ』を経営する。
バルベルデ家は公爵位を持つため、正真正銘の百姓貴族。
プリシラ、リガヤプロ、ビオランテの実父にして、ミラグロスとバイディワの祖父。
やれる範囲内で失業率低下に尽力し、前科者でも気にせず雇用するため地元セビリアでは名士・篤志家として有名。
グループ内での支持も厚く、今や理事会は当人を除き「オハ・エスメラルダを受け継いだ人が次期当主兼理事長だろ」になっている。
子供の頃から農業に精通・邁進しており、大学進学も農学部一本に絞るつもりだったがバチジェラート(※日本の高等学校にあたる)の恩師に「大規模な農場を経営するなら先に経済学と経営学を勉強なさい。あなたは英語ができてご実家も大富豪ですから、農学はその後でブリテンかアメリカに留学して最先端のを学べばよいのです」と強く勧められ、マドリード中央大学から改名間もないマドリード・コンプルテンセ大学の経営学部へ進学した。
後に妻となるカンデラリア(獣医学部)との馴れ初めもこの頃。
卒業後、アメリカへと留学しニューヨーク州にある名門大学で農学を学んだ。
帰国後に継いだ実家所有の大農場を組織化・企業化する形でオハ・エスメラルダを起業。
翌年にようやくカンデラリアと結婚。
経済学・経営学の知識(+アメリカ留学中に読んだ経営学の論文の内容)をフル活用して一族の各々がやっていた仕事も組織化・企業化してまとめ上げ、新興の企業グループ『J.C.バルベルデ』を結成したのもこの頃。
夫婦共有の愛妾となるタララーワと出会ったのは後に長女プリシラが生まれてからである。
家庭は円満で輝かしい業績も積んだ一方、その人生はJ.C.バルベルデを結成してから裏で敵対的買収者や野菜泥棒の死体を積み上げる血塗られたものにもなっていった。
家族ぐるみの付き合いであった友人・イグニス夫妻の仇討ちも即断即決で実行している。>>140
【性格】
バルベルデ家らしく温和なお人好しながら外敵には苛烈という傾向が非常に強く、人情と残忍性を兼ね備える。
家族と会社と従業員に迷惑をかけたくないから自分の犯行だとバレないよう工作するだけで、外敵に対する拷問と殺人は躊躇も後悔もせず、時には爽やかに微笑みながらそういう事をする極めて残虐な側面を持つ。
さながらスパニッシュマフィアならぬスパニッシュヤクザ。
家庭ではマイホームパパにして好々爺だが中々にお盛んでもあり、タララーワが腰と股関節の筋肉痛に悩む原因の片割れだったりもする。
【役どころ・コンセプトなど】
リアル百姓貴族兼ヨーロピアン極道。
以上。
台詞例はこれでもヤバ過ぎるのを削りました。>>144
あーいや。ん~、伝え方が下手でしたねコレ……。
自分がイメージしてるのはここのえさんの>>143案みたいな感じです
全員の都合が合う日を決めて(まぁ1日かな?ぐらいの想定)、あとは当日に
GM「じゃあ開始します。サーヴァント召喚しましたね?よしスタート」→剣陣営「じゃあ自分挑発するんで誰かのります?」→弓、狂「『いきます』」術「自分は偵察で……」→剣+弓+狂「戦闘過程と結果はこうで~、こんな感じ?」部外者陣営「まぁそんな風ですかねぇ」→槍「ウチは初手喧嘩したんで仲直りが終わりました~。喧嘩内容は○○」
GM「はい各陣営の行動終わりですね~。やり残しは?無い?了解」
GM「では2日目に移行です。どんな事したいですか?」→各陣営「『○○したい』」→GM「じゃあ騎さんと剣さんがかち合うんでそこに術陣営割り込めるんでは?」→剣+騎+術「大丈夫!」→GM「槍さんと暗さん、弓さんはどーします?」→「ウチは~」
SS執筆ぐらい時間はかけないけど、ひとことで終わるぐらい短くもない、ぐらいのチャット形式というか……。リレー企画を始める前に「ウチはこういう動きになりそうです」とか構想言うじゃないですか、アレをもうちょっと拡充して、みたいなイメージですねside-ヨモ・ヘルメ
巨木が自分に向かって倒れてくるならこんな光景だろうか。
夕日が差し込む放課後の教室にて。ヨモ・ヘルメは目の前に見えるものがどうにも受け入れられず、他人事のようにそんなことを考えた。
「頼みがある」
「へっ? ……え!?」
おお、倒れた巨木がしゃべったではないか。
いやこれは巨木ではない。巨木と見間違えるほどの大男の名はモートン・ドラモンド。時計塔・考古学科にある名無しの教室を取り仕切る講師である。
2メートルをゆうゆう超える巨漢。そして貴族の責務とプライドを重視する。物理的にも精神的にも庶民を見下ろす巨漢魔術師。それがモートン・ドラモンドだ。
そしてヨモは同教室に通う生徒であり、つまり両者の関係性は明確な上下が存在していた。
その上下関係が今まさにひっくり返っている。
モートン・ドラモンドが、ヨモ・ヘルメに向かって、頭を下げていたのだ。
「先生っ、頭、頭を上げてください!」
「……しかしこれは講師として、」
「お話は聞きますからぁ!」>>149
思わずいつも以上の声量で悲痛な声をあげる。
だが、注目する者はいない。ほかの生徒も、講師の姿も見えない。ヨモは居残りの補習という名目でここに呼び出されていた。それが蓋を開けてみれば自分に向かって頭を下げる巨漢講師の姿だ、驚きもする。
ようやく頭を上げたことでモートンの禿頭が首が痛くなるような位置へ戻っていく。そして出てきたのはまたも予想外の言葉。
「君は、霊墓アルビオンを知っているかね」
「……時計塔の地下にあるっていう、迷宮ですか?」
「そうだ。かの迷宮のいつでも使える出入口はすべて、秘骸解剖局によって管理されている。正式な手続きを踏まねば出入りすることも叶わない」
「……はあ」
ちゃんと知っている話と、どこかで聞いたことがあるような話が半々。
迷宮の出入口の話がいったいどういう"頼み事"に繋がってくるのか。とりあえず最後まで聞くだけは聞こうと続きに耳を傾ける。
「だが、例外もある」
「例外?」
「いつでも使える出入口は管理されている四つのみ。しかし、管理されておらず一時的にのみ使える出入口というものも存在する」
「そ、それって危ないんじゃ」
「もちろん危険だ。さらに言えば出入口は現れる時期も規模も不規則であることが厄介だ。これは時計塔が霊墓アルビオンの直上に構えられているために起きる天災のようなものだ」>>150
たとえば地震のような。
あるいは雷のような。
避ける、逃げるといったことは叶わず、備えて祈ることしかできない自然の災い。
「迷宮から時計塔へ向かって浮き上がるように現れることからその出入口は『泡』と呼ばれている」
「『泡』……」
「正式な記録はないが現代魔術科ではこの『泡』を通った不埒者の噂話もある。……まぁ、出処はテレータのやつだ。こちらはあまり気に留めずとも良い」
「はい……あの、その話をどうして私に?」
「本題はここからだ。その『泡』が多数かつ集中的に現れるという予言がなされた。この考古学科の近辺にだ」
「へ? ……え!?」
「こちらの予言の出処はロード・メルアステア。我らが君主の名をもって、考古学科全体に水面下でのお触れが出ている。『泡』の同時多発表出現象───仮称『嵐』が訪れるとな」
想像を超えて話が大きくなってきて。
霊墓。ロード。そして『嵐』なんて話まで出てきた。うっすらめまいを覚えるが倒れるわけにはいかない。
「そ、それ、それって、私が聞いちゃダメなんじゃ、怒られるんじゃ」
「もちろん、そうだとも。君のような木っ端の生徒にロード直々の知らせを漏らすなど正気の沙汰ではない。このことがバレてしまえばモートン・ドラモンドの名が傷つくだろう」
「だったら、どうして」
「そのリスクを呑んででも君に頼みたいことがあるのだよ。ヨモ・ヘルメ」>>151
「む、無理です。迷宮とか、ロード様が出てくるような場に、私ができることなんて」
「安心しろ、そちらは我々講師陣の仕事だ。……それよりも君は、ルナ・アードゥルと親しいはずだな?」
「……え? ルナちゃん、ですか?」
「そうだ」
「ええっとそれは……はい、仲良くさせてもらってると、思います」
「ならばルナ・アードゥルの行動方針も理解しているな?」
「?? はい」
「想像してみてほしい。迷宮の出入口が多数開かれる『嵐』の最中に、やつを放り込めばどうなるか」
どうなるかと言われても。
魔術大好きな少女の姿を思い浮かべながら考える。
まず間違いなく喜ぶだろう。霊墓アルビオンに、そこを根とする神秘や幻想種の数々に目を輝かせる。そしてすぐに見ているだけでは満足しなくなるだろう、そうなればぽっかり口を開ける迷宮の出入口を無視できるはずもなく…………。
「……ぁ」
「気づいたか。そして私も同じ見解だ」
「ルナちゃんが霊墓アルビオンに……!?」
「行きかねん、という話だ。秘骸解剖局に"見学"という名目で出した申請書が突っぱねられた記録も確認している」
それはルナが霊墓の存在を前々から認知しており、かつ興味を示していたという記録。機会さえあれば今すぐにでも足元の地下迷宮へ潜るという証左である。>>152
「予言された日にちの前後は考古学科とそして法政科の人員が回される予定だ」
「それにルナちゃんが気づいてしまうと……」
「考古学科と法政科の双方と事を構えたのちに霊墓アルビオンへ不法侵入、あたりが予想できるな。あの猪突猛進庶民はそれ以上のことを引き起こすだろうが」
「…………」
「そも、かの迷宮は現代に残った神秘の中でもとびっきりだ。単身で潜れば命はあるまい」
「そ、そんなのっ!」
「ああ認められん。そのような事態は是が非でも阻止する。そのために、君が必要なのだ」
ようやくヨモは自分が呼ばれた理由を理解し始めていた。
そして、自分がやるべきことも。
「本来ならば我々講師が生徒の首に縄をかけてでも止めるべきなのだろう。しかしアードゥルに異常がある、と知られるだけでも危険だ」
「……だから、私、ですか」
「肯定する。そして、君たちの友情を利用しなくてはならない私の無力を謝罪する。───このとおりだ」
再び、見上げるほどの巨漢が頭を下げる。
対するヨモは、もう、頭を上げてくれとは言わなかった。>>154
◇ ◇ ◇
けれど、切った大見得に反して事は簡単ではない。ヨモは寮の自室のベッドでごろごろしながら妙案を探っていた。
ルナ・アードゥルという少女を引き留める。これは大変な難題だ。
なにせ一瞬目を離す間にも消えてしまうような少女だ。その行動の早さと好奇心の強さは五歳児と遜色ない。
そして行動範囲は五歳児とは比較にならないのだから厄介だ。気づけば単身で国外にいた、という前例も一度や二度ではないと言えばその厄介さが少しでも伝わるだろうか。
ならば『嵐』の日には最初から国外にいてもらえばいいのでは?
その画期的な閃きを携えて、ルナに次の冒険を聞いたところ返ってきた答えはまぁ間が悪いものだった。
『クラッフ先輩からの宿題があるからしばらくは時計塔にいる』……と。
なんと間が悪い。こんな偶然が起きてしまうから世界ではまだ魔術が信じられているのかもしれない。
そしてこれで問題はふりだし。
なにかと理由をつけてルナを引き留める、あるいは時計塔そのものから引き離したいが上手い言い訳は思いつかない。
あるいは『何も聞かずについてきて』と言えばルナは聞いてくれるかもしれない。何事もなくその日をやり過ごせるかもしれない。
それでも疑われたら? もし万が一にも『嵐』の存在をルナに知られたら?
……想像する。想像してしまう。ロンドンから離れる汽車の中、耐えきれずに事情を説明する自分の姿。一から十までを聞き終えて、そうして天秤の上に『自分』か『魔術』かを乗せるルナの姿。そして乗せたどちらを取るか、なんて考えたくもない。>>155
「うぅ……」
後ろ向きな考えだ。都合の悪い考えだ。現実的ではなく悲観的な考えだ。そんなことはわかってる。
わかっていてもどうしようもないのがヨモ・ヘルメという人間だ。あるいは真府四方というタグの付けられた何千何万何億という細胞群だ。どうにかできるなら、とっくにどうかしてしまっている。
良くない。良くないことを考えている。考えているなら考えなければいいものを自覚しながら思考している。思考しているフリをして自分がなにかやってるフリをしてなにもしてないなにもできない自分を自分を自分を言い訳したくて言いたくなくて言えるわけもなくてそれでもだからどうしてまたくりかえしてやめろやめろやめてやめろやめろやめろやめるながんばれできるぞできないできるできるできないできないできるできる───ほんとうに?
「……ッ!」
跳ねるようにして、がたがたと耳ざわりな音と一緒に床を蹴った。机の上に常備した目的の物に手を伸ばす。
半ば反射で安定剤を服用する。安定を促すのは肉体と精神の両方。そうでなければ『真府四方』は内から外からどこからともなく瓦解する。
そんな最悪の未来も今しがた落ち着いた。フゥフゥと乱れた呼吸を整え、暴れたりぬとばかりに脈動する心臓を祈るように押さえつける。
薬を置いて、けれどまたベッドに戻る気にはなれなくて椅子に座った。力なく頬を冷たい机に乗せるようにして脱力する。
ここでまた思考に集中するとネガティブが堂々巡りすることをヨモは知っていた。力の抜けた身体もすぐには起こせず、せめてもの抵抗に頭を空っぽにして細胞たちが落ちつくのを待つ。
「………………」
何も考えない。何の言葉も浮かべない。ただあるがままの視覚情報を脳に送りこむ時間を維持する。>>156
使い込まれて日に焼けた机。
考古学科の編入の際に新調したペン。
結論への繋ぎ方に困って中断したレポート。
夏真っ盛りであることを示す、赤丸のついた八月のカレンダー。
「…………。………………あっ」
思いつくものがあった。机から頬を浮かす。
カレンダーの真ん中あたりに書き加えられた赤丸。それは友人であるルナ・アードゥルの誕生日であることを示すものだった。また、それは悩みの種である『嵐』が訪れる日でもある。
これを使うことはできないだろうか。
どこにも行ってほしくない友達を留められないだろうか。
少なくとも自分がいつもと違う行動をとる理由にはならないだろうか。
でも。でも。友達の誕生日を、そんな利用するかのように捉えてしまうのは、良くないことではないだろうか。
生まれてきたことを祝う。それだけでいいんじゃないか。
そうだろう、そうに決まっている。ただ祝うだけでいい。それが一番いい。できるものなら、それが一番いいはずなんだ。
……できない。
きっとあの友人は自分の誕生日よりも自分を脅かす神秘を優先する。
ケーキの上で揺れるろうそくの火を消すことよりも、自分という存在そのものの火を焦がすことを求める。>>147
>下手な熊よりおっかない
スペインの裏社会では、オハ・エスメラルダから野菜を盗むのは自殺願望持ちかバカのすること。
よくて四肢を撃たれてから警察に突き出され、下手すれば生きたままジブラルタル海峡に…。
>何やってんですか
カンデラリアと一緒にタララーワをヒーヒー言わせてます(意味深)。>>148
まぁそれはそうなんだけど、前例を参考に「みんなで聖杯戦争!」を完走まで&脱落抜きでやりきるならこんな感じでやるしかないのでは?って印象はありまして(個人意見)
今までを考えると、時間かけるとSS執筆のリソース確保が十分にできなかったり、そもそも予定が合わずに~辺りが原因で尻切れトンボになりそうというか。
だったらもうSSは個人シナリオ主体でやっていこう!と割り切って、”みんなで聖杯戦争”は1日を目安の短い期間で協力して聖杯戦争のシナリオ作り、に軸をスライドした方が楽しめるのでは?という意見
別案として出たここのえさんの>>143、チャット形式TRPGもSSを書くって訳じゃなそうですし……。いやここら辺は深堀りするとまた違うかもなので確認はしておきたいですね>>161
TRPGのリプレイはどちらかというと台本風?
シャクラ:んじゃオレのターンね。雷霆魔術を使います。Aランクで。「神秘を狩り尽くした先に何がある!?」
九仞:「知るか、んなもん。未来視でも聞けばええやろ!」1ターン毎にAランク飛んで来るとかどうなってんねん。神視化した無拍子で斬ります。
GM:九仞の刀って普通の?古刀?
九仞:あ。普通のでしたわ
GM:シャクラの雷で焼け落ちるね
九仞:「ちっ、なんやねんこの男!」
という風に。TRPGのオンラインセッションでいうテキストツールを使うイメージとか...
デメリットとして最低二人のスケジュールを合わせる、半日は潰れる、等聖杯遊戯
マスターが一括で人質になり、これを解放したサーヴァントは願いが叶う
人質となっているマスターは交信権、3回の令呪行使権と、サーヴァントに「固有スキル(マスター支援スキル)」を追加する
これで描写するのはサーヴァントだけでいい、とかいう短縮方法、とかちらっと考えたことはあるようなないような雷轟が視界を埋め尽くす。
それは1000分の1秒という一瞬でありながら、放電路を約30,000度に熱することで周囲の空気が急速に膨張して衝撃波が生じ雷鳴として轟き、10kWh~500kWhにもなるという雷のエネルギーはただの一回で50世帯の1日分の電気を賄えるほどだ。
大魔術の域にまで詠唱された雷霆など如何なるエネルギーを内包するのかは想像もつかない。人体は魔力で保護されているとはいえ、通常の落雷でさえ人体構造損傷の可能性、心臓の律動異常の発生、呼吸器系等への影響、心室細動電流の発生、心肺停止の可能性が考えられる。
ましてやエーテルを素粒子まで分解する、電離の絶界。
焼失した遺体が残れば上出来だろう。
「キュージンっ!!」
「なんやねん、君は!!」
魔術で無理やりに強化、過電流を大地に逃がすアース化した刀剣で『雷切』を成功させる。正直に言って、神視によって限界(ポテンシャル)を引き出しているとはいえ自分でも神業である。この神業を常に出来なければこの化け物を相手に生き残ることはできないという直感がアドレナリンの分泌を加速させた。
シャクラ・ヴィシュヌヤシャス。
ある意味では“自分と同じ”────神代の、遺物(レムナント)。
(ありえへんやろ、マジで。うちも宇治殿サマのお陰で無限の魔力供給しているようなものやけど、魔術回路にも焼き切れがあるのが当然や。メインもサブも全力疾走させているのが2秒も超えていられるのが奇跡なんよ。
相手側の理屈は分かるで? 神代の魔術は一工程で大魔術クラスっていうのは。
せやけどこうも連発されているのは、おかしいやろ)
九仞────柳生九仞は『雷切』で捌き切れず、火傷・感電した四肢を治癒で誤魔化しつつ防戦一方の状態が続いた。魔術師にとって長期戦はよほど好条件でなければ難しい。魔力……生命力のみならず、魔術を行使するための神経・集中力を削られていくからだ。
九仞も実践派の法術師としてある程度は大魔術を受けた経験はあるが、魔術回路を路としない高速神言のような異能とは相対したことはなかった。そのような横紙破りは彷徨海や山嶺法廷のような世捨て人しか残っていないからだ。>>165
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
東洋に螺旋館あり。
螺旋館に阿房宮あり。
かつて始皇帝が仙境を探索したことで持ち帰った成果、扶桑樹。
これは古代中国の地理書『山海経』に記されている、東海中から海上に伸びる伝説上の巨木のこと。東方の海中に黒歯国があり、その北に「其葉如芥(葉はカラシナに似る)」扶桑という木が立っていたという。その実、神仙の秘密がこの地上に具現化した存在、あらゆる生命の神秘を秘めた智の宝庫。当然ながらそれほど膨大な情報量はただ一本の樹木に収まりきるわけがなく、仙界の神樹はその内部に独自の次元を畳み込んでいるのだ。
扶桑樹を筆頭に、咸陽には始皇帝が中華全土の隅々から搔き集めた、ありとあらゆる外法・禁術、そして神秘が存在した。
これを解析し、始皇帝が望んだ不老不死を実現する研究機関が『阿房宮』である。
不老不死という方向性こそあれ、その実現方法は各々の裁量に任せられている。
杜牧『阿房宮賦』や、『史記 秦始皇本紀第六』に語られる地上の阿房宮は焼失したが、魔術的に建設された阿房・渭水・咸陽の地下拠点とそれを繋ぐ通路は残されていた。ひとつの拠点に留まるものではないのは、地下の阿房宮を小宇宙とし、天極星中の閣道なる星が天漢すなわち天の川を渡って営室星に至るのを象った、実際の自然界の運行と照応させる風水魔術の原理を用いているからである。当然、大規模な認識改竄にも風水は役立つ。
螺旋館の学術棟のため、螺旋の形状を取り入れているのは言うまでもない。
始皇帝は『人間』の究極だった。
己一人を人とし、その責任を負う。
極端な個人主義であったが、それも自分こそが『人類の理』と考え、実践したからこそ。肉体的にも精神的にも強者であるのなら、そもそも他人と自分を比較する必要はない。書を焚し、儒を坑す。臣下たちは世界を維持するための労働力で、王に文化を捧げる提供者。始皇帝はそれらを審査したあと、更なる発展を生み出す第一人者となる。
始皇帝は皇帝として臣下を愛し、人間として種の進化を突き詰めた。
完全な人──真人となったのだ。>>166
この惑星(ほし)の最終解答を擬似的な人工神性、すなわち人工の“観測記述装置(アカシックレコード)”である『思想盤』に書き込み、根源へと至らしめる者。
阿房宮の求める不老不死とはすなわち真人────始皇帝と同じ視座に立つことに他ならない。
「一曰定百脉、二曰喘不得、三曰突地吼、四曰著即承、五曰失魂胆、六曰實同反、七曰反是實、八曰死猪愁、九曰求即死、十曰求破家。
────急急如律令!」
中華服の意匠を取り入れた現代ファッションに身を包んだ女性、荒屋敷るきな。革製のハーネスベルトや、ピアスやネックレスの金属光の反射、無地の黒服を基調としながらもピンポイントで刺繍された薔薇の模様が派手さを演出する。彼女が自らの皮膚に刻まれた鍵のような紋様、思想鍵紋に触れて思想盤から魔術を構築。
思想魔術『告密羅織経』。告密羅織経とは酷吏(拷問官)達の指導書に由来し、言わば罪人を作り上げるための、拷問と尋問のハウツー本であった。『(術者は)自由に罪人を生み出せる』という国家的法則の体現に等しいこの大魔術を展開した時、誰に対しても『拷問する者』となり、相対するものは問答無用で『拷問される者』となる。
「死.に晒せ、豚野郎が────!」
「要するに概念による重圧って感じやねえ。対魔力・抗魔力の綱引きの前に発動したら無抵抗になる辺りは魅了の系統もあるんやな」
『封神演義』の聞仲の持つ金鞭に倣い、怪異に近い生態の幻想種である蛟を加工した硬鞭……ある種の棍棒に近い……を振るうルキナの一撃は九仞の内臓を破裂させた。
(呆気なさ過ぎる。こういうのは自分の手札に自信があるク.ソ野郎だ)>>167
「君、日本人やろ。魔術師なら大嶽丸の逸話とか知っとるかな。
自己暗示による変体、神視の秘奥がこれや。劣化した魂・体を捨てて新しい魂・体に新生する『転生(リポップ)』の儀式。転生の際に心臓に魔力を圧縮して、『先代』であったんは魔術刻印になって、『今代』に生体情報が刻まれる。宇治殿のバックアップがなければ一生使えへん大嶽丸の法術や。面白いやろ? 永遠に斬り合うことができる訳やし」
「気色悪いな、スワンプマンかよ……!」
「酷いなあ。次代って言ってや」
返す刀でルキナの身体が袈裟斬りとなり、周囲に血が飛び散る。
動作には必ずある“起こり”の無い────無拍子は歴戦の思想魔術師であるルキナでさえ反応できず、ただ、斬られた。左肺、心臓、腸、肋骨さえ貫通して背骨さえ断ち切るのは完全に普通の剣術ではない。魔術的な拡張もあるだろう。だが魔力の起こりさえ無い所作は練度の結晶だ。どのような一撃であれ致命傷と成り得る。それが御留流、柳生新陰流の名を背負う『数字持ち(ナンバーズ)』の“当たり前”だった。
「じゃ、扶桑樹の化石は貰うで────」
宇治陵の神秘狩り。
それは退魔と言えば聞こえはいい。
確かに、世のため人のためになる。魔とは所詮は歪みだ。今はまだ完全に神秘を駆逐するには未熟だが、今後の人理にあっては不要なものになるのは間違いない。だが宇治陵の本心は大源(マナ)が枯れつつある中で自分たちにリソースの一極集中を『退魔という大義名分の下』に行うというものだ。
「そうはいかない。何故ならオレがいるからな」
「遅えよ愚図!!」
「すまないルキナ。金烏の雛たちを鎮めていたら遅くなったようだ」>>168
雷霆が視界を埋め尽くす。
魔力の密度が違う。魔力の質が違う。もし神代にタイムスリップしたのならば“それ”が神威であると痛感できただろう。
シャクラ・ヴィシュヌヤシャス。横紙破りの神代魔術師。現代にありながら竜の因子持つ神象アイラーヴァタの神性を概念受胎した化身。致命傷であったルキナの斬り傷さえ瞬間の内に治癒してしまえる霊薬アムリタの体質の持ち主。魔術形式の差のために相容れないはずの法術、呪術、思想魔術のみならず西洋魔術を修めるオールラウンダー。
柳生九仞は雷を切り裂いたことで火傷を負った腕を治癒しつつ、調子を崩さない。
「へえ。ここには金烏もあるんや。選り取り見取りやね?」
「それだけじゃない。さすが始皇帝の収集した神秘。蚩尤の神體……楓木や、視肉、哪吒太子の残骸。まさに宝の山だ」
「余計なことを言うなバカが!」
「んじゃ、君たち殺して狩り尽くそうかな」
「そう簡単に出来ると思うか、お前…」
「九仞(キュージン)。柳生九仞。君の首を刎ねる者の名や」
「そうか。オレはシャクラ・ヴィシュヌヤシャス。お前の企みを退ける者の名だ」なんとなくで書いた、特に意味も意義もない小話。
新宿。某所の居酒屋にて、カウンター席で明らかに日本人ではない複数人の客が並んで座っていた。
大柄で、逆立った紫紺色の髪と炯々たる鋭い双眸を持つ男。目を合わせただけで己が狩猟の獲物だと錯覚してしまうような威容を纏う男は、提供された品々に舌鼓を打ち、子供のように感激している。
やや小柄で、綺麗な姿勢でビールジョッキを呷る灰色の瞳の美女。真面目な性格なのは発せられる雰囲気だけで読み取れる彼女は、目前に並ぶ大量のビールジョッキを豪快に飲み干していく。
細身だが華奢ではない、女と見紛う程の中性的な容姿を持つ男。眉間に皺を寄せながらも、次々に提供される卵料理とカレーに手が止まらず、お供のカルーアミルクも呷った後、追加の注文をする。
そんな彼らを尻目で眺めていた全体的に豪勢な格好をしている男────サーヴァント・キャスターが呆れた様子で呟く。
「英霊の姿か? これが……」
などと言いつつも、彼も巧みな箸捌きで魚の身を無駄なく骨から取り除き、洗練された所作で口に運ぶ。
かつてローマ帝国で贅沢の限りを尽くしたと思っていたが、食事に関しては時代が進めばその限りではないと実感していた。
旨い。とにかく美味で、酒の種類も富んでいるから片っ端から味合わなければ気が済まない。
結局サーヴァントも元は人。美味い飯を前に抗う事なんてできないのだ。
「で、お前たちは何故雁首揃えて多数的孤独のグルメなんぞやっているんだ? 今の流行りはメシの流儀なのを知らないのか? ああ、固有結界を持ち合わせていないお前たちには関係のない話だったかこれは失礼した」
「……どちら様で? ひとりでに喋って自己完結するような奇異な人物に知り合いはいないのですが」
「遺憾だか同意する。魔術師というものは口が悪く、態度が悪く、性格も悪いの三拍子に加え、さも苦労人って顔をしているが、終わってみれば一番事態をかき回してる疫病神に等しい」
「覚えがある。俺の所ではケチ、せせこましい、寝起きが悪い、黴た書物ばかり読んでる暗い偏屈者が追加されるぜ」>>172
せっかくの食事に水を差されて気が立つサーヴァントたち。
彼らのいるカウンター席のみが一触即発の空気に包まれ、人外による爆発が起きようとした────が。
「お客さん、ウチはどんちゃん騒ぎ禁止なんでやめてください」(CV:津田健次郎)
目の前で店主が睨みを利かせたので、険悪な空気は霧散した。
外国人観光客の迷惑行為に厳しい目が向けられるご時世。我らは英霊。人類史に刻まれた、かつてありし人の影。そんな恥を晒す筈ないし、己の矜持を穢すような事などしない。
その傲りがこうして理解(わか)らせられた。単なるマナー違反の注意。されどマナー違反の注意。
現実として思い知らされた彼らは一同にこう感じたらしい。
────ああ、なんか、恥ずかしい。
出演者:
イダス 愉悦部inクローディアァ!作
パラス・アテナ ユージーン【大罪戦争ss】作
ラクシュマナ 私
シモン・マグス 私【CLASS】キャスター
【真名】シモン・マグス/Simon Magus
【性別】男性
【身長・体重】178cm・66kg
【属性】混沌・悪
【ステータス】筋力D 耐久E 敏捷C 魔力A+ 幸運EX 宝具A
【保有スキル】
陣地作成:A
魔術師として自ら有利な陣地である「工房」を作り上げる能力。Aランクを所有するため「工房」を上回る「神殿」を構築することが可能。彼にとっては神秘、深淵をより観測する為の穴蔵であり、神の流出を効率的に促す場所。
道具作成:A
魔力を帯びた器具を作成する。シモン・マグスは効果的且つ美麗な魔術礼装の他、聖別された道具すらも作成できる。>>174
秘蹟/魔術:A
主の祈りとは異なる秘蹟。西暦初期にて異端の祖と呼ばれたシモン・マグスが体系化させた魔術。異端視された神秘思想とはいえ、奇蹟・秘蹟を基礎としているので世界最大の魔術基盤を使用できる。加えて、共に現界したヘレンと魔術回路を同調させる事により、「主の奇蹟」すらも再現できる。
神性:D
神霊適性を持つかどうか。ランクが高いほど、より物質的な神霊との混血とされる。「この者は偉大なる神の力(デュナミス・メガレ)」として信奉者を集め、更にはヘレンと合わせて両性具有を体現した事により、このランクを得ている。
アトラスの思考:A
エジプトにて魔術を研究した際に修得した思考能力。魔術を行使する際の工程を演算処理し、大魔術であっても一工程で発動できる。また霊子を観測し、計測し、対象の過去・未来を演算によって割り出し見通す事も可能。
死なずのマグス:EX
シモン・マグスが自ら首切りの刑を受け、そして蘇った逸話の再現。保存した霊基情報を復元及び召喚する事によって擬似的な復活を遂げる。ただし、皇帝ネロのような特殊な魔力を持たない為、獣の如き筋力は得られない。>>175
【宝具】
聖娼:神の流出(ピスティス・ソフィア・プルニコス)
・ランク:A+
・種別:魔術宝具
・レンジ:-
・最大捕捉:1人
シモン・マグスがフェニキアのツロ(ティルス)で身請けした娼婦が由来。
普段は「ヘレン」と呼ばれる少女が自我を持って行動している自律系人型の宝具。「プロパトール・エンノイア」とも呼ばれる。
通常時は霊子及び霊基情報を保存できる媒体として機能し、シモン・マグスが自身の霊基情報を保存し、「死なずのマグス」を用いる事によって消滅しようとも復活できる。またサーヴァントの宝具ではあるが、サーヴァントと同じ出力で戦闘が可能で、魔術による迎撃を行う。
真名を解放する事でヘレンに搭載された本来の魔術刻印を起動する。
ヘレンの魔術刻印は地上に降り立った女神エンノイアへと変貌し、至高の女性原理たる“神の流出(バルベーロー)”を体現する。一種の固有結界であり、侵食した領域に流れる全ての魔力はシモン・マゴスが体現する原父たるプロパトールに集束し、完全性の実現により永劫に等しい魔力の循環を得られる。秘蹟:空洞の亜霊(デイモニオン・クアドリガ)
・ランク:A
・種別:対軍宝具
・レンジ:1〜100
・最大捕捉:100人
シモン・マグスが聖ペトロと対決した際に召喚した四つの翼を持つ悪魔と戦車が由来。
天使ほどの神格を持たないが、ランクはそれに近しい大霊の一種。ダイモーンとも呼ばれ、伝承では天使とも悪魔とも形容される不定形の存在。
真名を解放せずとも召喚可能で、人間と神の狭間に位置する亜霊を四体召喚して使役する。
四体の亜霊は星の内海より生じた精霊の類いなので、戦闘の際は純粋な魔力の奔流を攻撃に転用する。
戦車は任意で出現させる事が可能で、引かせる事もできるが特に必殺の一撃がある訳でもない。単に空中移動で轢き逃げができる程度である。
供与:聖職売買(アルカヌム・シモニア)
・ランク:EX
・種別:契約宝具
・レンジ:-
・最大捕捉:1人
シモン・マグスが聖霊の力を得る為に聖ペトロと聖ヨハネへ金銭の供与を持ちかけた逸話が由来。
対価を用意し、商談によって取引が成立した時、指定した宝具を含むあらゆる神秘を買収する事ができる。
獲得した神秘はある程度のランクであれば問題なく使用できるが、格の高い宝具を扱う場合、真名を解放できるにしても制御できないかもしれない。
この宝具のランクがEXなのは神秘の強さではなく「交渉次第であらゆる神秘を買収できる点から何が起きるか判断不能」という理由で付けられている。>>177
【解説】
新約聖書の『使徒行録』に登場する魔術師。一世紀に活躍した人物であり、皇帝ネロの宮廷魔術師、十二使徒の一人であるシモン・ペトロの敵対者として名高い。また『異端反駁』では異端思想の創設者の一人とされている。
サマリアのギットという村の出身。洗礼者ヨハネに師事する信徒であり、またエジプトのアレクサンドリアにて魔術を研究した魔術師でもあった。
当時のサマリアでは魔術を用いて信奉者を集め、自らが敷いた神秘思想を説いて大いなる存在として君臨していたが、後にやってきた福音宣教者フィリポによって改宗する。そして使徒ペテロとヨハネが行った聖霊を迎える奇蹟を金銭で買収しようとしたが、「神の奇蹟は金で得られるものではない。悪事を悔いて、主に祈れ」と叱責されてしまう。
『ペテロ行伝』において、シモン・マグスは皇帝ネロの宮廷魔術師になっており、使徒ペテロとの対立がより深く描かれている。皇帝ネロの目前で使徒ペテロとパウロに勝負を挑み、悪魔を召喚して空を飛ぶが、神に祈りを捧げたペテロにより地上へと堕とされ四方に砕け散ったされる。
【人物】
紫をベースに金の意匠が為されたローブを身に纏う男性。
皇帝ネロ曰く「口は悪い、態度は悪い、性格も悪い」という評価を受ける程度には魔術師らしい人格の持ち主で、当人もその自覚がある。ただし宮廷魔術師として仕えた経験から宮廷作法を身につけており、口も態度も悪いながら紳士的。見方によっては胡散臭い詐欺師に映るかもしれない。
ただの人間には興味がなく、ある程度何か突出した才能を持つ人物に注目する。魔術の才能があれば自身の弟子として育てる事も厭わない。
元々は洗礼者ヨハネに師事していた信徒であった事から信仰心は持ち合わせている。ただし、己の思想は当時の使徒たちとは相容れなかったので、結果的に敵対する事となった。
聖杯に託す望みはない。強いて言えば救世主が齎した聖杯とは異なる願望機自体に興味を持っている。
マスターに対するスタンスは、才能あふれる魔術師であれば共闘し、興味の範囲外の人材であれば速やかに傀儡にして独断で動くだろう。
一人称「私(オレ)」
二人称「お前」
三人称「奴、彼奴」>>178
【能力】
秘蹟/魔術により主の奇蹟を再現できる。祈りと信仰で発生する魔力による光、シモン・マグスが神の流出と呼ぶ輝きを一瞬にして発動させる。
如何なる大魔術でも高速演算処理により一工程で展開し、キャスターの不利な点である範囲攻撃の為を帳消しにしている。
運用次第では魔力の循環の効果で無限に等しいエネルギーを供給できる。そして時間をかける程に魔力の蓄積と、霊基情報保存の重複で何度でも復活する脅威になり得る。
【補足】
ローマにおけるマーリン枠。公式から出ている断片的な情報を汲み取った結果の産物。
ネロの「原初の火」の構成物質の情報からヴェルバーの存在を視認し、過去の飛来、未来(並行世界)での再起動を割り出した情報処理能力は、エジプトのアレクサンドリアで魔術の研究をした経緯からアトラス院由来のものと設定。
ネロのビースト適性を予見したのも、キリスト昇天後、第一魔法が誕生した西暦初期の時代で世界の裏側について言及できるのも、上述の設定によるもの。
魔術はグノーシス由来だが、公式が頑なにユダヤ教、キリスト教らに固有名詞を出さないので、ここでの設定文でも敢えて出さないようにしている。
おそらく根源到達間近だった魔術師。けれど抑止力によって爆散させられた。>>179
【関連人物】
ヘレン
フェニキアのツロ(ティルス)で身請けした娼婦。その正体はシモン・マグスが手ずから造り上げたホムンクルス。
元より最高品質の魔術回路を有しており、シモン・マグスと対になって完全性を発揮する魔術刻印を搭載されている。
臈長けた美貌の持ち主。ホムンクルス故に自己主張の薄い性格だが、良妻賢母が如き働きをする。
ネロ・クラウディウス
宮廷魔術師として仕えていたローマ皇帝。
魔術の才能を見出し、教鞭を振るったが魔術師としての道を歩む事はなかった。
彼女の特殊な魔力からビーストの適性を見抜き、更にはヴェルバーとの奇数な関連性を見通していた。
ロクスタ
同僚。口が悪い同士、言葉の殴り合いをする仲であった。
茸と毒に関する知識量には舌を巻いていて、茸を食した皇帝が神になった神秘性にも興味津々だった。
シモン・ペテロ
思想の相違により決して相容れる事がなかった因縁の相手。
結果的に彼という抑止力により命を落とした。私の脳内で、
『寒い日のルナちゃんは温かい部屋で猫のようにぬくぬくのんびりしてたら可愛い』派
VS
『寒い日のルナちゃんは魔術を探して犬のようにキラキラした目で雪かき分けて外出てたら可愛い』派
の論争が話題に……>>164
フフ…どうなるでしょうね…まぁまず挑戦できるかどうかすら未定ですゆえね…
>>183
がんばれヨモちゃんマジがんばれ
いつも手が届かないところで泣くほど心配してくれてるので今回は手だけ届くようにしたいところ
>>170
シャラクくんスペックぶっ飛んでるなぁ…が第一印象だったんですが、柳生のキュージンくんが対抗馬になれるレベルとまでは思わなんだよ…
これ…いつかぶつけてやる時には一手間二手間考えないとだ
>>181
マーリン枠と言うだけあって周辺設定すんごいことになってらっしゃる。ネロから飛躍してヴェルバーに、アレクサンドリアからアトラス院……本人もまた根源の渦に迫るとは中々
ビースト関連も見通してたってことですがその辺どうにかしなかったんでしょうか。どうにもならなかったのかな…
>>182
ほぅ…なかなか難しい話をされてらっしゃいますわね…
ルナの行動力は年がら年中発揮されるので基本的には犬のようにするのがふさわしい……のですが、性質的には犬よりも猫に近いのでこたつにも入ってほしい
どっちもかわいいだろうなぁ…ちょいと時間できたので返信。
>>183
シモン・マグスの思想は使徒とは相容れなかったけど、元々は同じ神を信仰する信徒でもあるので、多分「人類を楽園に引き上げる」になるかも? するとキリ様と似たような感じになりますね。
>>184
マーリン枠なのと、公式に出ている断片的な設定と、伝承との整合性を持たせた結果こうなりました。
ネロ帝に関しては未来の奏者が解決してくれるって分かってたから……。
>>186
売買宝具を使うとあら不思議、アポのアストルフォ(アキレウスの盾)が何度もできてしまうではありませんか。おそらく都合よく行かないと思いますが。
仮にシモン・マグスが勝っていたらネロ帝の世論が変わっていたかもしれません。ロクスタに「オメェが先におっ死んだせいでな!」みたいに言われてた気がしたので。他の投稿はもう少しゆっくり閲覧したいと思いたく……。
山星さん…山星さんいらっしゃいますか…
シウン先生が生徒を呼ぶときってどういう雰囲気なのかお聞きしたく…
名字呼び捨てがデフォなのかなと思いつつも場合によっては名前+さん付けとかもありそうに思えてきて……どうなんでしょう?連休中は色々用事があったのとルナティックをチマチマ書いてましたよと生存報告。
あとFC2wiki→聖杯大会運営まとめwikiへのキャラページ&SS移植はみんな出来るタイミングでやりたいのやろうね、という事で……。(一応、今回のページ移植を機にキャラの整理やブラッシュアップはやっていいと思う立場はそのままマン)>>195
ミートゥー……
───こうして争いは幕を閉じた。猫派時代の到来である。>>204
片方が先に行けばもう片方が走ってそれを追い越すしそうやって先に行かれたらもう片方が追いついて先に行きます
クラッフが名無しの教室の生徒になったのでシウンは教師となり、シウンが教師となったのでクラッフもスキュレカリュー教室の教師になったのかもしれませんね今日は一日中ずっとクリスマス用のネタを考えていました
一日の終わりに今年のクリスマスは終章でクリスマスどころじゃないのではと気づきました
ふふ…鬼が笑ってる…
つまり、ならば、今からバレンタインのことを考えるのが正解なのでは?>>223
これはこれは麗しい面々……!生存報告も兼ねて。
>>217
ぜ、全員レベル120……ッ!?すごい……。
冠位編成、自分は……こう……かなぁ……(キャスターは冠位戦攻略もあるんで一旦そっち優先。好きだから選んでるし、推してるっちゃ推してるけど、熱量MAXな相手ってあんまおらんな……)
EX1は最初巌窟王だったけど、やっぱマシュやろ!で決着。強いし、唯一の120!とか考えてもやっぱね?みたいなトコある
なんなら冠位認定戦はキャスター以外ほったらかしだ!!!>>216
剣と槍だけは最初からシグルドとカルナ一択でした。
オリオンがアーツ宝具入れたかったからで、残りはたまたま条件クリアしてたの。>>216
(画像編集のスキルがないので箇条書きで失礼)
剣:宮本伊織
弓:プトレマイオス
槍:メリュジーヌ
騎:ネモ/ノア
術:トネリコ(水妃モルガン)
殺:カーマ
狂:リリス
特Ⅰ:スターシエル
特Ⅱ:U-オルガマリー
唯一伊織だけが星4なのですがサムレムでの思い入れが強い&他に適任がいなかったので彼になりましたちょっとドタバタしてしまいました。すまない。ではルナティック最新話行きまーす
◆◆◆
ガチャリ、と伏神教会執務室の扉が開く。ゆっくりとした足取りで部屋に這入ってきたのは、メイド服とカソックが融合したような妙なデザインの黒い祭服を纏った青年だ。顔の造形そのものは可愛らしいのだが、苛つきを隠そうともしない、その苦虫を嚙み潰したような表情がすべてを台無しにしている。
「あー。面倒くせぇ面倒くせぇ。こっからさらに忙しくなるのがムカつくぜ」
「まぁ……。なんだか、不景気なツラですね、蒼さん。何か嫌な事でもありましたか?」
そんな彼を出迎えたのは、執務室で己の使い魔である蟲を愛でていた和装の女性。常世教の当代教主、常世鳳蝶である。いつものように柔和な笑顔で傍らの蝶を撫でていた。ドカドカと荒っぽい歩調で入室してきた神父を心配しつつ、少しだけ茶目っ気を出すかのように揶揄う。
「さっきサーヴァント召喚が確定してなぁ……。これで目出度く聖杯戦争が本格的に始動するって訳だ、ウゼェ事にな。───って誰が不景気だと、アアン!?俺は現行資産も老後貯金もしっかり運用してるっつーんだよそれを捕まえて不景気って事は俺が貧乏とか努力足りねぇとかいうつもりかオイ!ふざけんなよこの蟲アマァ!!!馬鹿にしてんなら今すぎにテメェの顔面ブチのめして病床にたたっこんでやるぁ!!!」
「おっと、さすがにタイミングが悪かったですね。すみません蒼さん。ご”清蝶”下さいね?」
ウンザリしたように不機嫌の原因を伝えた獅堂蒼だが、続いた彼女の言葉にいきなりキレた。だかその怒気もどこ吹く風といった表情で、手元の虫を複数、怒れる神父の傍まで近寄せる。その虫は蝶の姿をしている。既存の種には存在しないサイケデリックな色味をしているが、どこか儚く幻想的な雰囲気も感じさせた。その蝶の羽搏きによって、鱗粉が獅堂蒼の周囲へと舞い落ちている。ハラハラと降り注ぐ光の中で神父は瞳を見開き……
「……悪ぃ、姐さん。ちょっと気持ちが荒れちまって。やっぱ便利だな、その蝶。精神を安定させてくれるし、ありがてぇわ」>>230
チェスト関ヶ原してええのかぁ?>>231
数秒後にフゥ、と息を吐き、頭を掻いた。どうやら落ち着いたようである。首の筋肉を掴み、ニギニギと解す。
「……えぇ。本業でも、結構便利なんですよ?でも使い過ぎると癖になりますし、製法も企業秘密です。”忘蛾”と合わせて、常世教における、”縁の下の力持ち”ですね」
ウフフ、と口元に手を当てる常世鳳蝶。一頻り笑い声を響かせた後、彼女は蒼に掌を向け、───それで?と、先の続きを促す。
「それで……サーヴァントが出そろった、との事ですが。召喚時期や、クラス。マスターの詳細などは判明しているのですか?」
「おう。んー、基本的には召喚タイミングぐらいだなぁ。いや、伏神の聖杯戦争ってのは余所のと違って割とクラスが絞れるんだが、よく判んねーのが現界したっぽいんだわ」
驚きによって、今度は鳳蝶が瞳を見開く番だった。伏神聖杯戦争の管理・運営サイドの人間として、異常事態がある事ぐらいは想定していたが。それでもクラス不明が召喚された事は意外だったらしい。
「ええと……。我らが伏神聖杯戦争は召喚枠がちょっと特殊で……、確か3騎士から2騎、4騎士から2騎、エクストラクラスから2騎、がそれぞれ現界するんでしたよね?詳細不明のクラス、という事はやっぱりエクストラで何か異変があったのでしょうか?」
鳳蝶の質問を受けて、獅童神父はポリポリと頭を掻く。的を射ているとも見当違いであるとも言いがちな微妙な表情で返事を返した。
「んーっとだな……。まぁ多分その予想で問題ねぇ、とは思う。あー、先に召喚タイミングの話をすっか。まずは現界したのはアヴェンジャーだ。時期は数日前の深夜。召喚者は不明。深夜にたたき起こされた上に連絡もねぇとかマジ巫山戯んなよバカがこっちの仕事をガン無視決め込みやがって俺が挨拶する価値もねぇ存在だとでも思ってんか、アア!!!?」
「はい、落ち着いてくださいな、”清蝶”。もう。やっぱり大変ですね、鬼種との混血というのも。しかし、それで清蝶の影響が少ないのはトントン、という事ですかねぇ」
思い出しストレスによって再度ヒートアップしてきた獅童蒼に、常世鳳蝶はまたしても己が眷属を差し向ける。>>233
「チッ、またか……、すまん。じゃ仕切り直して続けるな?次の召喚はアヴェンジャーの数日後。これはアサシンだった。連絡はナシ!時間帯は夕暮れ時だったんで、ストレス値は少な目。まぁアサシンが召喚されたって事はマスター狙いも増えるだろうし、面倒増えるって点じゃあ変わらん。あー、やっぱ苛々するわ。切り替え切り替え。んで次は……と行きたいトコなんすけど、ここが問題の召喚なんで後回し。ちなみにほぼ同着の召喚だったっすね。んでちょっと前……数日前って事っすよ?にライダーが召喚されました。時間帯は早朝、になるんかね。一般的な朝飯時間帯にはちょい早いぐらいの感じ。召喚者は刹那・ガルドロット。『時計塔』在籍のよーわからんフラフラ迷惑女らしいな。一応、知らねぇ間に手紙で連絡入れてきたんで、個人的には多少好感があるが……、まぁそれは置いとくか。んで丁度さっき、つまりは本日の夜だな……深夜じゃねぇのは嬉しいトコだ、にセイバーが現界。これにて6枠確定?って訳だ。少なくともこっから聖杯戦争が加速していくのは間違いねぇっつー事で……ハァ、うっぜ」
蒼の報告を、指折り数えてニコニコと聞いている鳳蝶は、いったんの総括が終わった彼の方に向きなおる。
「アヴェンジャー、アサシン、ライダー、セイバー……。では同時召喚は、3騎士とエクストラの現界、という事ですか。となればやっぱりエクストラに問題があった、と考えていいのでは……。でも歯切れが悪いという事は、3騎士にも異常が?」>>234
「いや、多分エクストラで間違いねぇ……と思う。召喚されたのはアーチャーが後だったしな。んで問題のクラスなんだが、よく判んねぇ訳だ。常に霊器パターンに”揺らぎ”みたいなのが発生しててよぉ……。アーチャー被ってんのか?と思ったらキャスターらしい反応を見せたり、アヴェンジャーっぽいパターンになったと思ったらセイバーみたくなるわ、って感じでさ。ルーラーじみた状態になる事もあった。だから異例で詳細不明。さっきのセイバー召喚でエクストラ枠だろう、ってのは確定したんだが、それもほぼって状況だし、明確にコレ!ってのじゃなく。”違法”、”不法”って意味合いでクラス・イリーガルと呼称する事にしますわ。今後本人から自己申告があったらそっちに変えるが、暫定的には『イリーガル』でカテゴライズする感じで。あー鬱陶しい、既存じゃねぇってことは今後どう動くかって部分の予想がムズいっつー事だから、また面倒増えるしよぉ………」
左目を開き、右目を眇めつつ歯軋りをする神父。サーヴァントの召喚が完了したことで一旦の節目を迎えたが、それでも面倒が増える状況に変わりは無いので、ストレス過多である事を隠そうともしていない。そんな獅堂に対して蝶の巫女はふとした思いつき、気遣いを告げようと思った。
「蒼さん、蒼さん」
「なんスか?」
クイクイと彼に対して手招きをして、気づいた彼を誘導するかのように、自分の膝を指さした。
「お疲れでしょうから、私の膝枕で一寝入りしては如何でしょうか?きっと、気持ち良いですよ?」
「いや、ぁ……。流石にガキじゃねぇんですし、そこまでは。姐さんは普段周りに奉仕しがちだし、自分ぐらいはあんま世話にならんようにしたいっつーか……。ん、んー、でも姐さん的にはそれが好きなんでしたっけ。でも自分で考えると面倒だからなぁ……あー、ク.ソ、苛々してきた。やっぱ自分で」>>235
幼馴染の提案に逡巡している彼を嘲笑うかのように、電話の呼び出し音が執務室に鳴り響いた。瞬間、目をカッ開いてズボンのポケットからスマホを取り出す獅堂である。
「チッ!誰だよ人がムカついてるトキに電話かけてくるカ.スはよぉ~!!!!」
スマホを怒鳴りつけながら、表示名も確認せずに通話をオンにし、叩き付けるような音量で返答をする。
「もしもしぃっ!?誰だテメェはぁっ!!!!」
『───アッハッハッハ。オレで~す!アオちゃんおっひさ~』
神父の怒号。しかし、スマホの向こうにいる間が驚いたような雰囲気は無く、それどころかどこかケラケラと嘲るような反応が返ってきた。
「チッ……テメェかよゲボ蛇女。何の用……、いやこのタイミングだとマスター内定の挨拶ってヤツか?つーかそんならちゃんとコッチに顔見せろっての。久々にスパークリングもしてぇからな」
『ええ、勿論ですわ。私の方もガチの殴り合いができる機会って少ないですものね。なんでもう到着してるぜ?さっさと扉開けてくれよ』
「ハァアアアアアアアアア!!!?テッ、テンメェふっざけ腐りやがりやがってこの電話の意味ねぇだろ余計な消費させてくれやがってこの馬鹿ボケが!扉開けたらぶちのめしてやらぁ!!!」
再びの激怒に、通話中には使い魔たちとの戯れを再開していた鳳蝶は”あちゃ~”と困ったように天を仰ぐ。
獅堂蒼は、その怒りのままに執務室から飛び出し、ドガドガと物凄い足音を伴いながら教会を駆けていき、そうして勢い任せに扉を大音響とともに開け放った。
すると眼前には性悪そうな美貌の上に歪んだ笑顔を浮かべた軍服っぽいファッションの女性が立っている
「よぉ久しぶりだなぁゲボ蛇女ァァアッ!!!」>>236
獅堂蒼がその姿を認めるや否や、すぐさま右手を握りしめてダッシュによって更に加速したストレートを眼前の女性……ポルカ・ドラニコルに対してぶちかます……とその拳が彼女の顔面にクリーンヒットする直前で神父の攻撃は不意に現れた剣によって防がれる。
「アア!!?」
「あらあら♪ねーポルカ?この少年が貴女の言ってた不良神父クンかしら。中々可愛らしい雰囲気でおネーさんは結構タイプかもだけど、ちょっと悪戯電話しただけで怒りすぎじゃないかしら」
「あー。蒼さんは鬼種との混血ですから。ちょっとしいた刺激でキレやすいだよなぁ。まぁ今回はオレがすこぉ~し煽っちゃったのも悪いんだけどよ」
その剣を持っていたのは、ポルカと同じような凶悪な笑みを浮かべた黒騎士であった。褐色の肌にポニーテールが特徴的で、剣呑な雰囲気を纏った中性的な女性である。
「テメェがサーヴァントか。クラスはなんだ?真名は?俺は面倒なのが嫌いなんだ、とっとと答えろ、性悪女共」
「『えぇ~?どうしよっかなぁ~♪』」
神父の問いかけをおちょくるような反応を返す主従にまたしても獅堂のこめかみに青筋が立ちかけた時……
「まったく、蒼さんにポルカ、貴方たちは全く……相性悪いんだが良いんだか。スパーリングパートナーとしては悪くないのに、そうでない時はいがみ合って」
カツカツ、と規則的な足音と共に教会の奥から鳳蝶が歩いてきた。杖を突きながらもその足取りはしゃんとしている。彼女の両隣には先ほどまでと同じように、独特の色をした蝶と蛾がフワフワと漂っている。
「あ、鳳蝶さん。久しぶりじゃねぇか。ん~だって、しょうがないでしょう?遥と違って、蒼さんは反応が面白いんですから」
浮遊する蝶によって少々落ち着いてきた彼を横目に、ポルカは茶目っ気たっぷりの笑顔で意地悪そうに答える。>>237
「ねぇねぇポルカ?このお嬢さん、何者?シスターさんってカッコじゃないけど、知り合いではあるのよね?誰子ちゃん?あ、初めましてお嬢さん。私はアサシン。ポルカ・ドラニコルに召喚されたサーヴァントよ♪これからヨロシクね~☆」
「はい。初めまして、アサシンさん。私の名前は常世鳳蝶。しがない異教の巫女でございます。以後、お見知りおきを」
白と紅の着物を優雅に靡かせ、彼女は暗殺者の主従にお辞儀をした。儚げなビジュアルに反する、見るものをハッとさせるような、キチリとした挨拶である。
「ふぅ~ん?結構素敵な女の子じゃない!私みたいなロクデナシと違って、他人を慮れるカッコよくてで可愛い女の子って感じ!」
「そーだぜ~?アゲハはマジで立派ですのよ。人々を救う為に活動する、現代の聖女ってヤツだ。私も善良って訳じゃねぇから、その輝きが羨ましい、と感じる事も無くは無いっつーか」
彼女の礼儀を受けて機嫌を良くするアサシン。両手をパン、とたたき合わせて、飛び上がらんばかりの様相であったが、その賞賛を聞いた鳳蝶は、しかし困ったように微笑む。
「かっこよくて可愛い、なんてそんな。恥ずかしいです……。私は、有り触れた人間ですよ?欲張りで、怒りん坊ですし。割と依怙贔屓もしちゃうような、そんなありきたいの存在です。勿論、こんな私を崇めてくれる皆さんに恥じない存在でありたい、とは思っておりますが……」
テレテレと頬に手を当ててくすぐったそうに身を捩る巫女の横で、蝶の魔術効果によってかなり冷静さを取り戻した神父が口を開いた。
「あーっと。盛り上がってるトコ悪いんだが、いつまでもこんなトコでくっちゃべり女子会させる訳にもいかねぇ、とっとと教会の中入れ。コーヒーぐらいは出してやるから、さっさと召喚当時の状況を教えて貰おうか。今後に聖杯戦争をする際、データとして参考にしたいってハルの奴が言ってたんでね。まぁ入れ」
「え。オレは紅茶派なのですが……」
「嫌ならテメェで買ってこい!!」
「アッハッハ!神父様クンって面白い子ねぇ♪」
比較的穏やかなテンションで提案した蒼に対して、またも毒蛇は茶々を入れ、彼の怒りを再燃させようとする。反射的に怒鳴り声を上げた彼を、鳳蝶がどうどう、と宥めながら一行は教会の中に入っていった。>>238
教会は今後も忙しく、また騒がしくなりそうだ………。
◆◆◆
「ヤッホーヒャッホーコケコッコー!!CQCQ!!?久しぶりだねぇ、傍観者の諸君!!こちらは刹那・ガルドロット、超絶可愛いちゅよつよ妖精さん、だ☆ゼ!」
雑踏の中、ド派手な恰好をした少女が上機嫌で叫ぶ。いきなりの大声に周囲の雑踏が向ける奇異の目もなんのその、彼女はそのまま虚空に向かって語り掛け続ける。
「もしかしてこっから召喚描写がカットなダイジェストになると思ってる!?ンな訳(ヾノ・∀・`)ナイナイ!ちゃあんとボクらと我らと彼らに皆の出会いは描かれるから、楽しみにしてくれ給え!!ズビシ!!!」
ひとしきり喚き、やっぱり空中に向かってキリリと人差し指を伸ばしてから、彼女はふぅ~、と息を吐く。その隣にいるちっこい人影は、連れ合いが仕出かした突然の奇行にビックリして立ち止まっている。
「ど。うした、の?刹、那?いきな。り変、な事言。ってさ」
「ん~ん?こっちの話!さ、どっかでお食事タ~イム!と洒落込もうじゃないか!ねぇ、ボクのライダー?」>>244
>地震について
ああ、そういう。自分はほぼ影響ない地域に住んでるんで抜けてましたね……
>>244
>みんな賑やか
伏神聖杯戦争って割と身内ノリというか、あんま部外者いないんですよね(完全無関係は刹那とヴィクトルのみ)なので他と比べるとなんだかんだ和気藹々としてる感
つーかクッチー蒼にポルカと鳳蝶って多少の時期ズレはあれど幼馴染なんだよなぁ……オカンポジションにいる人(鳳蝶さん)は最年少なんだけどネ!
>>243
>ずっとキレ散らかしてる
まぁ蒼って「聖杯戦争!?絶対反対大反対ー!!!(怒)」ってスタンスの人だから……。
ハイタスクローリターンな案件に巻き込むんじゃねぇ、で苛々しながら仕事してます。んで基本的には元々キレやすいタイプなので、まぁこうなるよね、という
これでも多分穏やか(当社比)な方だぞ!おそらくは!ふわふわでもこもこなルナについて考えを巡らせて幾星霜
でもきっと体温高めだろうしだんだんと暑がるようになっていくんだろうな……逆に慢性的な冷え性とかありそうだな……いまだに筋肉少ないっぽいし……
つまりルナの上がりすぎた体温を利用してメレ坊の手だけでも温めてあげようという展開は必ずある…!
一石二鳥とでも考えてパッと取った手の温度差で(わっ、ひやっこい)となり、これはちょっとシャレにならないぞと幾分か真面目なきもちでにぎにぎしていく。が、これまたなかなか難物でちょっとそっとやじゃ温まる気配を見せない。それでもとにぎにぎを続けるうちに手をはなすタイミングを見失ってしまい───……
>>241
ハイ、そんな感じに私は無事です
妄想を巡らせる余裕すらありまする東北より遥か南西にいるため至って無事也。
執筆欲求のまま書いた、リディアが大学を卒業した後のssが出来たんで投下してみる。
時系列は聖杯惑星の約7年後。
ラグタイム・エンローメント・セレモニーを終えて
日本国、東京都港区白金台。
プロテスタント系のキリスト教主義学校法人の高等学校。
職員室で教師たちが話し込んでいた。
話題は今年度の新入生の内一人。
アメリカからの留学生であり、かなりの才媛だと願書が来た時点で噂になっていたのである。
「南カリフォルニア大学経営学部と、ニューヨーク大学の経営大学院を優秀な成績で卒業後、こっちに願書を出してきたんだろう?」
「そうらしいな。しかも、向こうのジュニアハイスクール卒業後に飛び級で大学に進学したから、まだ21歳あたりだぞ」
「大学では文系のマイナーなサークルとの掛け持ちでチアリーダーチームに所属…。願書と一緒に来た履歴書を読めば読むほど、非の打ち所がないな」
「そんな才媛が高校進学のために留学か。キャリアアップ目的じゃないのは明らかだし、わざわざ大学受験じゃなくて高校入学を選んだ理由は何なんだか……」>>248
入学式当日。
地下階の大幅拡張を含む校舎のフルリノベーション工事が予定よりも早く終わり、仮設校舎は現在解体工事待ちだ。
保護者同伴で正門を通る新入生たち。
そこにエンジンの鼓動と駆動音が響く。
明らかに排気量1000ccオーバーの大型トライクが正門を通ったのだ。
バイクではない、後輪の位置から明らかに三輪なのでトライクである。
乗っているのは、学校指定の制服を着た女性。
ノーヘルのゴーグル着用で、ツーサイドアップにした深紅の長髪を揺らし、学校指定の制服を着ている。
トライクのサイズとカラーリング(純正カラーではない、ペールグリーンとクリームイエローのツートン)や当人の容姿から視線を引き寄せるには十分な光景だった。
守衛は前日の内に教職員から「アメリカ人留学生が入学式早々に自転車通学するかもしれない」と伝えられていたので、あんぐりと口を開けつつも止める事はしなかったのである。
トライクは校舎地下に移設された駐輪場に向かう。
停車後、降りた女性は後部座席の下にあるラゲッジを開けるとそこからカバンを取り出し、外したゴーグルを代わりにしまった。>>249
礼拝堂。
新入生たちの話題は何割かトライクで通学した女性に集中していた。
が、そこは難問の入試に合格しただけあり、壇上に教師が上がると静かに成り行きを見守る。
入学式が始まり、厳粛な雰囲気の中でパイプオルガンによる前奏が響く。
続いて讃美歌が演奏され、聖書の一節朗読・祈祷を経て式辞・校歌へと続く。
暫くして祝辞の後、頌栄・二度目の祈祷・後奏を経て入学式が何事もなく終了した。
クラス写真の撮影が終わり、アメリカ人留学生である赤髪の女性-リディア・シズエ・ツキオカ-をチラ見しながら、新入生たちがそれぞれ雑談に興じている。
やはりバイク通学ならぬトライク通学(流石にクラス写真撮影前に校長先生から注意された)でかなり目立ったせいか、話題のタネになっており、それでいて気を遣って近づくと露骨に会話を変えるという空気が出来上がりつつあった。
無論、それはリディアにとって面白いわけがないのだが、20代なので素知らぬ顔という大人の対応をしている。
そんなリディアに対して、新入生代表だった女子生徒が話しかける。
「今朝、ヘルメットを着けずにバイクで登校したのは貴女ですよね?」>>250
「そうよ。でもあれはバイクじゃなくてトライク。トライクは日本でも法律上ノーヘルで運転できるわ」
リディアの返答に、女子生徒は言葉が続かなくなり一瞬沈黙が走る。
「See you。明日の始業礼拝でね」
別れの挨拶を手短に済ませて、地下駐車場へ向かう。
2分と掛からずに、リディアの運転するトライクがリズミカルな駆動音を忙しなく鳴らしながら出てくる。
ステッペンウルフの『ワイルドで行こう!』をア・カペラで口ずさみながら、リディアはトライクで帰路につくのだった。
港区某所、ラスカシェロス・デ・ミナト・シューワ。
四棟の塔を屋上含む階層毎に空中庭園で繋げたかの如きチャレンジャーな構造と、現存していない某不動産会社に因んだネーミングに相応しいモダンな外観を併せ持つ野心的な設計の超高層複合ビルである。
J.C.バルベルデが『アシア(※スペイン語読み)経済共栄計画』の鏑矢として建造した地下含む小規模ショッピングモールと屋内駐車場の下層階、オフィスが並ぶ中層階、下からコンドミニアムホテル・賃貸と分譲が入り混じった高級集合住宅・ペントハウス四棟(賃貸と分譲が半々。賃貸と賃貸、分譲と分譲で向かい合う構図で鬼門と裏鬼門も考慮済み。複数台無料の専用ガレージ付き)となっている高層階、基本的に各ペントハウスの住人たちによる寡占が可能な屋上庭園で構成される。
オフィスに入っているのはJ.C.バルベルデ傘下やズブズブと言っていいぐらいそれらと親密な関係にあるとこばかりであり、J.C.バルベルデを敵視している部類の視点では『悪の組織の日本支部』か『魔王軍の大幹部直轄の要塞』に見えてくる始末である。
当然、リディアが名義上借りているペントハウスの管理会社も同じくJ.C.バルベルデ傘下だったりする。>>251
ペントハウス自体、家賃も青山学院大学の初年度の学費2人分より高い。
実際に払っているのはリディア当人でも実家でもなく、第三者だ。
帰宅して、自室の姿見に映る制服姿を見つめるリディアの左手薬指に光るものを見れば、誰がここの家賃を立て替えてくれているのかは明白だった。
「この辺り、駐車場が少ないわ高いわで外食は歩いて行った方がお得なのよねぇ…。折角だから着替えないで行こっと」
制服姿を見せびらかしたいのか、髪と胸を揺らしながらリュックを背負い、すぐに外出した。
港区芝浦。
歩道を機嫌よく歩きながら、リディアは周囲を見渡す。
目立つ色の髪と、加齢でより大きく実った胸、制服姿で注目を集めつつ。
日本でのJKライフ初日だからアメリカ発のファストフードは遠慮して、坂本九の『上を向いて歩こう』を口ずさんでいたのもあり、視界に入ったすき家に行こうと決めた(※上を向いて歩こうの英題は『SUKIYAKI』)。
細長い店内は時間のせいか席がそれなりに埋まっており、リディアはカウンター席の真ん中あたりに座る。
「…………」>>252
1mオーバーの胸が台の上に乗ってしまい、周囲からジロジロと見られる始末。
少し赤面しつつ、タブレットのタッチパネルを操作して牛丼のメガ盛りを注文。
直後、スマホの着信音が鳴り、表示された名前を見てすぐに出た。
「All right。ランチができるまでちょっと時間かかるから」(▽。※このマーク付きは英語で喋っています)
流暢な英語で通話するリディア。
他の客や店員は「帰国子女かな?」と思う。
「何言ってんの。私が入った高校は校則で『生徒はスマホの電源OFF』って明記されてるんだから入学式中に電源入れられるわけないでしょ。あなたこそ今関わってる案件、大丈夫?…なら問題ないけど。See you。愛しているわ」(▽)
英会話ができる人なら遠距離恋愛カップルの会話だと分かる内容の通話を終え、左手薬指にはめた婚約指輪をうっとりとした表情で見つめる。
それを見て、店内にいた者たちは「婚約者と電話していたんだな」と察することが出来た。>>253
時は過ぎ、再び港区某所、ラスカシェロス・デ・ミナト・シューワ。
最上階ペントハウスの内一つ。
趣味用の部屋にしている一室にて、アニメショップで買い漁ったグッズや書籍に囲まれ、帰宅して私服に着替えたリディアは悦に浸る。
「えへ、うへ、うぇへぇ…」
可愛い声で形容し難い笑い声を上げていた。
傍から見たら不審者だが、ここに居るのはリディアだけ。
「二十代だからエロ同人誌もゲドノベも読み放題!エロゲのキャラのコスプレしてもNo problem!日本に留学して良かったわ!」(※本人も言っているように、このssのリディアは二十代です)
この部屋には成人指定の同人誌やゲームも多数あった。
それを片っ端から嗜んでいく姿はまさしく趣味に没頭するオタク、それも限界オタクに該当する部類。
アメリカに持ち込めないのも多数含まれているのだが、帰国する時にどうするかは考えていない。
「流石にガイダンス週間が終わるまでお酒は自重しとかないと…」>>254
急に正気に戻る。
「下のモールで一通り買えるから晩御飯は控えめにコブサラダと、揚げ物を乗せたインスタントそばかな。お昼御飯、あの後高菜マヨとおろしポン酢とチーズもメガ盛りで頼んじゃったから。後は、セルフ入学祝いでケーキも買っちゃおっと」
下層階の小規模ショッピングモール。
その一角にあるケーキ屋、『没個性』。
「店名に合わせてオリジナリティの無い、それでいて高品質な商品を」というポリシーに則り敢えてありふれた品揃えで勝負し、新規客を獲得しづらい代わりにその確かな味とコスパでリピーターを増やしている。
ショーケース越しにイチゴのデコレーションケーキを見定めて購入し、上機嫌で帰宅しようとするリディアとすれ違った中年男性が彼女にぶつかろうとする。
難なく避けるが、中年男性は再度ぶつかろうとしてきたので、リディアは相手のアキレス腱を容赦なく蹴って転倒
させ、ついでに手を踏む。
「これぐらいされても仕方ないわよね」
冷ややかに吐き捨てて、リディアは冷ややかに吐き捨てて、リディアはケーキの入ったケースを大事そうに抱えて帰宅した。>>256
やっぱド派手ねー、この子。婚約者は……誰だろ。
最近全体的にキャラ関連を把握できていないような気がする……。
>>271
>「大好きなのは分かった(※ここ重要)が、それは愛情表現としてどうなんだーッ(※ここも重要)!?」
それだとクッチーってヤンデレなんだよなぁ、でもアレをヤンデレって形容していいのか?
描写だけ見てるとちょっと押しに弱かったりするけど案外普通っぽい兄貴やってて、妹にストーカーされてるとかそういう感じな訳だが。難しいね
あと最近ふと気になって身長比較をしてみたが、ウチの子たちって身長にバリエーションねぇなー、移植を機に伸ばしたり縮めたりするべ
https://hikaku-sitatter.com/>>274
わぁ、なんてじっとりした期待…
でもそう言ってくれるならガッカリされない程度にはチャレンジしてみようかな>>276
本人は大都会の一角で静かにオタク兼JKライフを過ごしたい模様。
見た目と性格上、実際は仰るとおりですが。
既存のキャラでないのは確か。>婚約者
ニューヨークに昔から居を構える超大金持ち一族の一人で、リディア名義で借りてるペントハウスの家賃(月三百万円以上)をポケットマネーから3年分一括現金払いする程度には稼いでる凄腕商人、とまでは考えております、タイミング被らなさそうだし、ルナティック最新話投下しよう
ふんふんフフフンにゃっははー!!!ヤッホーヒャッホーコケコッコー!!(←気に入った)
伏神市を分断するように流れる大河を南に望む、商業都心と産業都心部の狭間の空き家で召喚陣を編んでいる美少女は誰?そう!ボクなのでっす!!!
超絶ぷりてぃーキュート妖精ちゃんな刹那・ガルドロットだよ!今回はボクのサーヴァントを召喚しよう、ってワ☆ケ★……。
ボクの『都市魔術』としては商業都心部のどっか裏道あたりで儀式をした方がいいかもだけど、それだと人払いの結界とかが面倒そうっつーか他の陣営による「突撃お前が今夜の獲物」されるかもなぁ、的なリスクを考えた結果である。
まぁぶっちゃけ都市魔術は趣味の範疇っていうか、メイン術式ってノリじゃないしー?ただでも一応都市魔術要素ななんちゃって四神相応な条件は整えた感じではあるんだけど……。
今回は誉ちゃんって地元の子と同盟組もうよな約束もしたから、割と安全策で行きたい気持ちもあるんだよなー。いやいや、まずは召喚召喚!
空き家の洗面所で左目付近の令呪を確認してー?今回は偶然だったから聖遺物とかの触媒は無くてー?でも心意気はあってー?勿論覚悟もあってー?いやそれはテキトー言ってるだけだけどー!
さぁてさてさて?それじゃあ、本日のサーヴァントくんちゃんさん、いらっしゃい!よろしく頼もしくお願いねー!そうして、ボクは詠唱を開始する。>>280
「素に銀と鉄(attention, please!)、 礎に石と契約の大公(Welcome to The World)!!」
こういう時に、改めて想う。
ボクは人間ではあるけど、実質的にはほとんど妖精みたいなモンである。なので多分、ボクは厳密には『魔術師』ではないんじゃないだろうか……。
「異界展開(Ante)。儀式開幕(Bet)。術理変換(Call)。媒質解析(Decode)——境界起動(Enter)っ!!」
恐らくだけど、ボクは世界の異物なのだ。今後人類が魔導を手放し、取り残して進んでいくとしても、ボクは変わらず結界術が使える気も、出来そうな感覚もある。能力だけあっても、持て余すだけなのに。
「空間固定(open)、神秘解放(showdown)!!」
もう、色々と忘れちゃったなぁ……。自分の事も、周囲の事も。あの虚ろで空しい海に身を投げた時から、”人間のボク”って存在は消えてしまった。
幸いだか災いだか分かんないけど、沈む結果にはならんかった。でも寂しくて苦しくて、辛くて、虚しい……。嫌気が刺してネガティブやりすぎるのもアレだからテンションは上げてるけど。あぁ、ダメだ、ちょっと切り替えないと。───……辛気臭い顔してたら、サーヴァントくんちゃんさんと妙なファーストコンタクトになっちゃうからネ!
「抑止の輪より来たれ(DOMINATE & CONTROL)——天秤の守り手よ(ENFORCEMENT of The fairy)っっ!!」
ボクが呪文を詠唱するにつれ、この場に力が満ちていくのが解る。回路にギュルギュルと魔力が巡り、刻印も脈動。召喚陣の中心部に場に満ちたボクのオドとマナが交わり、練り上がり、人の影を形成していった。
…………結構ちびっちゃいな………。ってうぉおおおお!!!?なんか床がすっごい濡れてるぅ!!!
サーヴァントの足元から、ドクドクと水が溢れてきていた。ビックリしつつ、結界によって掃除すべきかなぁ、とか考えていると鼻孔に独特の香りが広がった。コレ、磯とか潮の匂いだ。って事は、ボクが召喚したのって、海賊系の英霊なんだろうか?
疑問符を浮かべつつ、いよいよ実体を帯びてきたサーヴァントくんちゃんさんに向き直る。どんな相手か分からないけど、ボクの呼び声によって来訪してくれた人物なのだ。ヨソに気を取られていないで、歓迎の意を示さなきゃネ!>>281
そうこうしている間に、一瞬の閃光。ちょっと目をつぶっちゃった後。魔法陣の中心部にはサーヴァントくんちゃんさんが存在していた。
彼は、子供だった。可愛い。小柄で、どこか不安げな表情をしている。おなかや胸元が覗く、少しはだけたワンピースの上に、黒いタコ意匠の雨合羽を羽織り、体のどこかからか、触手が伸びる。首元には古びてさびた厳めしい錠前がネックレスのように回っており、背後には少々不気味な鳥籠のような呪物?がフヨフヨプカプカを浮遊していた。
そんな少年がオドオドと口を開く。
「ねぇ?貴。方、がぼくら。を召喚し、たおと。もだち?ぼくた、ちの、名前は。」
独特の、おかしなペースのしゃべり方だった。変なタイミングでどもり、妙なタイミングで区切らない。吃音症、というヤツとも違う印象を受ける、不安定でどこかゾクゾクとした恐怖感を煽るような言葉遣いだった。で、も。ボクはそんなの気にしない!だってすっごくカワイイし!ユラユラと揺れる触手はチャーミングだし、透き通った肌も幻想的だ。髪の間から覗く珊瑚のような冠もかっこいい!
こちらの機嫌を伺うような、不安げな彼を落ち着かせる為に、ボクは普段よりもテンションを下げて対応しようと心に決めた。
「うん、そうだよ~?ボクの名前は刹那・ガルドロット。とってもフリーダムな挙動の妖精さんさ!」
そうして、君の名前は?と促すと、ボクの台詞にビックリした彼は少シ深呼吸をした後、己が真名を明かしてくれタ。
「ぼ。くたちの真、名は、デイヴ。ィ・ジョー、ンズ海が。抱かれ、る恐怖。の化身。ヨナの亡霊。ね、貴方はぼく、らの友達。になって、くれ。る?」
おっかなびっくり、といった風情で質問してくる可愛い彼に、ボクは勿。論肯定の言葉を返すのだ>>282
「勿論、ボクの名前が刹那・ガルドロット!皆大、好きキュートでふざけた妖精サン、さ!ボクはキミの事がカワ(・∀・)イイ!!で大好きになったし、きっとキミと一緒にいたい。って思ってるよ!さぁキミの願いはなに?ボクが一緒に叶えらええる事なら、ちゃああんんと協力するともサ!」
ニッコリ笑顔で親密に!彼を緊張させないように、ボクは気を遣って言葉を選んでコミュニケーションを開始する。愉しい楽しい、面白い!人生バラ色かっっちょおいいいい!さぁさぁボクと彼とでp@-ティ^だ!
「ぼく、たちは。ね?ずっ、とい。つも寂しいんだ。友、達がたくさ。ん欲し、いのだから、協。力して、くれると嬉。しい、なぁ?」
そっか。そうなんだ、デイヴィくんは、ボクとおんなじなんだ。ボクと似てて、友達が欲しくて……ずっと誰kあと一緒にいたいって子、なんだね。なるほどコレが相性召喚ってヤツなのかぁ。ウフフ、少しうれしいような、楽しいような。ボクと近しい願いを持ったサーヴァントくんちゃんさんと契約できるのは、ボクにとtってはすごく僥倖みたいな感じである、。
「当ッ然!ボクらはもう、友★達、さ!…・・・サーヴァントとマスターってヵん係だけじゃなkUて、共通の理想を目指していける同志として、聖杯戦争、頑張ろうじゃないカ!」
あぁ、コレでボクの聖杯戦争、きっと面白い、充実し、たモノになってく。れるだろうなぁ!!!以上です。感想とかあればくれ
速い所サーヴァント召喚完了までは行きたいなぁ……。
……各々の召喚タイミングがズレてるから、Zeroみたいな同時召喚描写じゃなくなったな……やってみたくはあったけどしゃーないルナ絡みのヤンデレ男子を考えていって、宙ぶらりんになってた天使組のひとりを再利用してそれっぽい形は思いついたんですが
これヤンデレというか劇場版ヒロインみたいになってる…? 本当にヤンデレと呼べる…? ヤンデレとは一体……うごご状態です
それはそれとして番外編の続きが書けたので投下~ルナ・アードゥルという少女を引き留める。これは大変な難題だ。
なにせ一瞬目を離すだけで消えてしまうような少女だ。その行動の早さと好奇心の強さは五歳児のそれと遜色ないと言ってもいい。加えて行動範囲が五歳児とは比較にならないのだから厄介だ。気づけば単身で国外にいた、という前例も一度や二度ではないと言えばその厄介さが少しでも伝わるだろうか。
さらに言えば誰が相手でも物怖じすることはない。伝え聞くところによれば小人や亡霊、博物館の蒐集品や楽師の兵器を前にしてもまっすぐ向かっていったという。この調子では想像できるだけの危険性を伝えても逆効果になるだけだろう。
行動はまるで読めず。
読めたとてろくに止められず。
これを難題と呼ばずして何を呼ぶべきか。一昨日の課題あたりは呼べるかもしれない。さておき、やはり、独力でどうにかできるものじゃないと結論するしかないわけで。
助言が必要だ。
彼女の生態に詳しい人間のアドバイスが。
side-メレク・アルマソフィア
「それで僕、ですか」
名無しの教室。時計塔・考古学科に置かれたいち教室……の隅っこで、そんな言葉を発した。
目の前には深い藍色の髪をふるふると揺らす少女。名をヨモ・ヘルメ。
非常に珍しいことに、こんな教室の隅まで自分を引っぱってきたのは彼女だった。いつもなら銀髪赤眼の少女が取りそうな行動を先んじてやってみせたのだ。なにかしら火急の要件があるのは考えるまでもない。>>286
いざ蓋を開いてみれば『バースデーにサプライズ』『バレないようルナちゃんの行動を誘導したい』などと言いだすのだから、なるほど、これはよほどの事態と見える。
当の本人はこの密談が聞こえるかどうかの距離でネズミの先輩と戯れている。まさか今この瞬間にも裏で糸引く黒幕が誕生しようとしているとは思うまい。
「本当に、ほんのちょっとだけのアドバイスでもいいから……」
「いえ構いませんよ。友人についての相談と捉えれば、そう珍しいことでもないでしょう」
「あ……ありがとうっ」
「ですが、その背景事情を僕にも話せないとは、なかなか難儀なことをおっしゃりますね?」
「……ご、ごめん、ごめんね。それだけはどうしても、私からは言えないことで……」
「ふむ……」
心底申し訳ないといった様子で何度もヘルメさんは頭を下げる。
その姿を見ている限り、話せない理由とやらは個人的な心情などではないだろう。日ごろから見える彼女の性質は内向的だ、余人に踏みこまれたく部分があるのなら最初から最後までひとりで抱え続けるに違いない。
何より「言いたくない」ではなく「言えない」と口にしたのは決定的だ。その口ぶりから見える者は個人的などというものとはまったくの逆。人の腹を探り合って、間を抜ける言葉をひとつひとつ選んでいく、政治の匂いがする。
メレク・アルマソフィアという魔術師にとっては、とっくの昔に慣れ切ってしまった匂いだが……さて。
「……いえ失礼しました。秘め事は魔術師の常だと理解しておきながら」
「そそそんな、私こそっ、私から、お願いしてるのに……!」
「はは、そこはむしろ僕が感謝するところですよ。ルナの誕生日が近いとは知りませんでしたからね」>>287
「……知らなかったの? メレクくんでも?」
「えぇ知りません。初耳でした。……彼女はああ見えて、僕相手には自分のことを伏せがちなので」
意図せず語気が強まった自分自身に、すぐ後悔と反省をした。
最後に付け加えたのは明確に"余計な一言"だ。ヘルメさんの相談事にはなんら関わりのない話であり、また口にしたところでどうとなる話でもない。そんなどうでもいい話なぞ誰のためにもならない。
秘め事は魔術師の常と今しがた言ったばかりだ。あって当然のものなのだ。あの少女が友達に話していて、けれど自分に話していない事柄などいくらでもあろうに。
なのにどうしてその程度の事実を、面白くない、などと感じてしまっているのか。まったく、どうかしている。
「あ、あの……ルナちゃんが、」
「? はい」
「ルナちゃんが、そういう風にするのは、メレクくんだけだと、思うから……」
「それは、……」
その意味をポジティブに受けとるべきか。ネガティブに捉えるべきか。それをふたつからひとつに決めてしまうには、まだわかり合ったつもりにもなれないだろうから。
今はまだ、目の前に恐縮しきった顔に沿った言葉だけを選ぶとしよう。
「……そういうことであれば、前向きに考えておきます」
「うん……うん!」>>288
こんな作り笑顔ひとつでずいぶんとまぁ喜んでみせる。自分と直接関係のない話でここまで感情が出せる人間は……笑顔を浮かべられるのは、時計塔では希少だろう。
良し悪しはまた別となるだろうが。
「ともあれ、そういう意味で言えば今この状況はちょうどいい」
「そ……そうなの?」
「まずヘルメさんが僕と二人で密談、という現状からして珍しい。ヘルメさんの言う通りであれば……ルナにとって個別に思うところのある二人が密談をしているわけです。今も気になって仕方ないでしょう」
「でも、ルナちゃんいつも通りというか……こっちを見てすらいないような……」
盗み見れば相も変わらずネズミと戯れてばかり。こちらのことなどお構いなしといった様子に見える。そう、見せている。
「えぇ視線を向けてすらいません。ですがいつの間にか視界の端に収められる席に移動していますし、普段のルナと比較すれば落ち着きすぎている。『強化』した聴覚で聞き耳を立てるくらいはしてるでしょう」
「えっ、じゃ、じゃあ今までの話も聞かれ……!?」
「まさか。密談が成立するくらいの小細工はしていますよ」
ほんのわずか空気を惑わせるだけの……魔術と呼ぶのもためらわれるようなささいなひと手間。
それでもルナの盗み聞きを妨害するには充分だろう。事実、あちらから聞こえる声はひどく聞き取りにくい雑音になっている。この雑音は彼女の耳にも同様に伝わっているはずだ。
なんでもないように装う横顔も内心ではどうなっているか。上手くいかない盗み聞きに苛立ちでもしているか、あるいはこちらの意図に気づいて歯嚙みしているだろうか。
ああ残念だ。そんな表情もまた見応えがあるだろうに、この状況では満足に眺めることもままならない。
残念、残念、まったくもって残念だ。>>289
「メレクくん……? なんか、笑ってる……?」
「おっと失礼。つい愉しくなってしまいまして」
「そ、そうなんだ……」
「話を戻すと『ルナの興味を引く』というのが現状の正解です。彼女の行動方針は奔放・無軌道が常ですから読もうと思って読めるものではない。ああしろこうしろと言ったところで意味がないのです」
「だから興味を引いて、誘導する?」
「そういうことです。ペットをご褒美で釣って誘導したりするでしょう? あれらと同じ感覚と思ってもらえれば」
「ペット感覚なんだ……」
「大型犬並の行動力と野良猫並の奔放さで振り回してはきますがね。そこがまた……」
「……また?」
「……ともかく、おおよそはそういうった認識で問題ありません」
「う、うん」
「さて、ここからは僕の提案です。バースデーパーティーを開きませんか? もちろん教室にケーキを持ち込んで……という小規模なものではなく」
「社交界みたいにするってこと?」
「そのものと言ってもいいですね。名目が名目なので呼べる人間はルナの友人知人がせいぜいになるでしょうが」
言いながらもうっすらとした反論が脳裏を巡る。
知らず知らずのうちに顔見知りを増やすのもルナの得意技だ。知人友人に限っても予想外の人数が集まる可能性も十分にありえる。かかる費用もそれなりになるだろうが……。>>290
「ああ、パーティーに必要な費用や段取りは僕のほうで都合をつけますよ。今からアルバイトでコツコツ貯めるような時間はないでしょう?」
「それは無い……けど、でも、だめだよ。そこまでお世話にはなれないし……」
「遠慮することはありません。諸々の費用分は後々まとめてルナの負債に足しておきますので」
「えっ」
「ですのでヘルメさんは何ら憂うことなく僕の提案だけを吟味していただければ……」
「いっ、いやいや! そんな、勝手に……!」
「えぇ勝手ですね。正当性などひとつもない、債権者にあるまじき行為です。それでもルナはこの程度の負担は負うべきだと思っています。だって今回の話は、ルナの"尻拭い"が発端なのでしょう?」
「そっ……!? い、言ってな、」
「でなければ教室にケーキを持ち込んで終わる話です。大方、ルナがフリーでいるとまずい状況が近いのでしょう。その行動方針は今しがた話した通りですから」
「…………」
「当人に隠しているのも、そうしなければルナ自身が飛びこみかねないから。実際にどう動くかはさておき、知らず知らずの間に守ってやらねばならない状況が差し迫っていると見ました。ヘルメさんの現状を正確に把握しているとは言えませんが、それでも相当の苦労があるはず」
「それは、でも、でも、私が……私、は……」
「一方でルナは知らず知らずのうちに守られるばかり。これではあまりに不公平だ。せめて魔術師らしく、等価交換の法則には従ってもらいませんと。……もし万が一、このことでルナから不満が出るようならこう言ってやればいいのですよ───……
───"日頃の行いが悪い"とね」
そこまで言えばとうとう言葉を失って口を数度、開閉させるだけになってしまった。そこを見逃してやるほどこちらは甘くはない。>>292
side-エンデ・エルフィリーデ・リヒテンシュタイン
空気を乱す程度の術、それは確かにルナ・アードゥルに届くはずの声をかき消していた。だが乱れた空気はあくまで乱れただけであり、消失したわけではない。
消えぬまま流れた先に誰かがいれば……そう、たとえば、美しきを美しいがままにする人物などがいれば、このエンデ・エルフィリーデ・リヒテンシュタインがいればっ、話は別であるッ。
「フ……空を感じようと窓枠の向こうに出てみれば、よもやよもやだ」
教室から外に向かって壁一枚を隔てた先で、一種の満足とともにひとりごちる。
今いるのは学術棟二階部分の外壁である。
繰り返す。外壁である。見上げる高さの外壁である。さながらトカゲのように張り付いている。これはちょっと美しくないがやむをえない事情がある。
どうか言い訳をさせてほしい。本音を言えば屋根に上り、そして見上げた視界と広げた全身のすべてをもって晴れ渡る空を感じたかったのだ。
だがしかし、つい先日のことだ。ルナ嬢と……えーと……なんといったか……ああそうだ、ノル嬢とかいう法政科の新顔が、よりにもよって屋根と空を舞台にドンパチするという騒ぎがあった。
それからというもの屋根に上がれそうな場所はのきなみ封印されている。屋根自体にも上った者を即時感知する仕掛けがなされた。雨に溶けて流れ落ちてしまえと切に願うが、今のところ叶う兆しはない。
「よって妥協した。外壁に空を求めた。実に合理的であり───美しくないッ!」
正直に告白しよう。失敗だったと。これまったく意味ないなと。意味の有無から芸術はなんたらという話につなげたいが恥を重ねるだけになるのだろう、控えることとする。>>293
そんなことよりも今しがた聞こえた話だ。
盗み聞きするつもりなど微塵もなかったが聞こえてしまったなら仕方ない。まったくもって仕方ない。それもルナ嬢のバースデーをサプライズなんて話ならば乗ってやるしかない。そんな楽しそうなことをスルーできるはずがない。
だが待て。一旦落ち着こう。心を静めてよく考えるんだエンデ・エルフィリーデ・リヒテンシュタイン。
ここで「話は聞かせてもらった!」と出ていくのは簡単だ。だがそれは正しいか? 現状の有利を捨てることにならないか? 今ならばルナ嬢にも、そしてヨモ嬢にも秘密のまま、俺だけのサプライズが叶うのだ。
それを、捨てられるか? 否である。
ああ答えなど決まり切っているのだ。だってもうワクワクしてしまってどうしようもない。やってやらねば収まるはずもない。
「たまには見せてしまおうか。リヒテンシュタインの名のもとに───王子様らしさというものを!」
外壁から空へ向かって高らかに叫ぶ。そろそろ外壁に張り付いた不審者に気づく視線も増えてきたが、まぁ気にしない。
さぁそうと決まれば誰から巻き込んでやろうか。同じ教室のメンツではサプライズにならないだろう、となれば現代魔術科のアクアステラか、個体基礎科のリモンか、あるいは創造科の……いやどうだ? ヤツの美しさの基準次第だが……。
ともあれ、どうあれ、うむ、うむ。楽しくなってきたものだ。フフ、フフフ……フハハハハハ……!
※即日、外壁も進入禁止になりました。>>296
今回ルナはずっとこんな感じです
きっとエピローグまでいっても「なんでこうなったの!?」とか言ってるでしょう
彼まだ10代前半なんだよなぁと意識しながら書いてたり。まぁたまに忘れそうになっちゃいますけど…>>295
本人に伝わらなきゃ大丈夫だろうってやってたらルナちゃん以外のいろんな人に広がって結構大事になりそうなヤーツ。今後次第ですが。ルナちゃんは友人に恵まれてますねぇ
>>296
>すごい不安定な状態がデイヴィくんのデフォ
そうですな。デイヴィくんってジャックちゃんの凶悪版というか、被害の多い”海”って概念に対するマイナス感情の集合体みたいなトコありますし
なんならもうこの時点で刹那はメンタル干渉によって言語能力に異常が発生してますね
刹那とデイヴィくんはバッググラウンドというか経歴面でのシンパシー的な相性の良さで周辺被害が洒落にならなくなるナカヨシ主従です!!
・周辺被害?知らね
・マスターの精神を汚染
・願い:危険
こうみるとデイヴィくんって強いかもだけどどっちかってーと外れ鯖だな……>>298
できることなら時計塔の全学科巻き込みたい勢いですよ。さすがに物理的に厳しいですが…
友人に恵まれてるのは本当に本当にそう。ルナはもっとまわりの人に感謝したほうがいいルナ・アードゥルはかつて同じ教室に属していた先輩を目の前に、何を話そうか考えていた。クラッフが教室を卒業してから暫く、彼の研究成果やスキュレカリュー教室なるものについて色々と聞いてみたいことがありすぎたのだ。ありすぎて、どこから聞こうか迷って…とりあえずはクラッフが会話の端を発するまで待つことにした。久しぶりに顔を合わせる風情がギリギリで勝ったらしい。どうせ話し始めたら止まらないのだし。
「久しぶり、ルナさん。相変わらず?」
「どうだろう?でも魔術の研究は欠かしてないよ!先輩は相変わらず…ってわけでもないっぽいよね。ヨモちゃんから色々と話とか聞くし」
「そうだね。もう配慮はいらないから。やりたいようにやればやるだけ色々なものが付いてくる。まあ全部自己責任だけど…」
クラッフ・フロースという魔術師には引け目があった。研究資金や政治的な立場の全てがとある大家の子飼いとなって握られていたことに引け目を感じていた。自分自身の力ではないという事実が悔しくてその優位性を最大限活かすことが出来なかった。
けれどもそれも昔の話である。十分な功績を内外に示すことが出来たクラッフは、今や己の才覚のみで十分なリソースを確保し活躍することが出来ていた。何もこれは今までに例を見ないわけでもない。政治も何も気にせず、自身の功績で冠位を取ったものもいる。たかだか二百年と少しの歴史ながらも名を大いに馳せた日本の宝石魔術師だっている。アトラス院と協力し最新の電脳術式を作り上げたものだっている。ただ“そういう生き物”だったというだけだ。
「大変なのは、そうだね…講師としての仕事のほうが大変かな。前任の引き継ぎだけじゃなくてそれ相応の知識と指導力も求められるんだ。セナさんは講師に求める水準がとても高い。生徒一人一人に寄り添った高度な教育をご所望でね」
「へー!!魔術師にしてはそれってかなり珍しいよね?」
「まあね…ただその甲斐あってみんな実力はかなりのものだね。天才揃いと言うべきか。モートン先生のお孫さんもいらっしゃるのはご存知?」「スキュレカリュー教室に居るんだ!?ねぇねぇ、どんな魔術使うの!?」
「それは内緒。魔術師だもん、本人に聞いてみて。彼とモートン先生さえよければ今度繋いであげるから」
聞く気満々のルナを見ていると相変わらずだなぁ、とクラッフは思わず安堵する。こういう底抜けの探究心を見るとなんだか心が休まる気がする。カナリアとの旅路も、それで手に入れた呪体を加工したときも、彼女はいつもこうだった。誰の子飼いになることもなくそうあることを選んだルナを見ているとクラッフは紆余曲折あったけど、やっぱり自分は最初からこうはなれないなと思わず苦笑してしまう。けれどそれで良い。そんなルナ・アードゥルだからこそクラッフも話を持ちかけられる。
「ルナさんは私の研究成果についてきっと色々と聞きたいんだろうけど、他者の神秘を暴こうとするのは魔術師としてはちょっとマナーがなってないかな」
「うぐっ」
「別に良いよ?話しちゃいけないことは話さないから。でも今回はそれよりももっと魅力的なものを提示したくて。……うちの講師の中の一人が今までずっと遠くに現地調査しててね。その内容がとある遺跡の調査らしくて。千年以上も前の魔術師の神秘が埋まってるんだとか」
「へ?」
ほら、食いついた。瞳が一気に輝き始めた。「見つけて満足したっていうか、いざ遺跡の中に入った瞬間“なるほど”って謎に納得して出てきちゃったみたいで。ほとんど手付かずなんだよね。だから色んな人たちが探索するために突入してて…私もセナさんに良い教材を見つけてくるように言われててさ。だから…」
「行く!絶対行く!そんなの行かないわけがない!」
「だろうね。セナさんの紹介でもう一人腕利きの同行者がいるけど」
「腕利き!?大歓迎!」
「だよねぇ」
同行人の“詳細”を知ることになれば今以上に跳ね上がりそうだなと、クラッフはなんとなくそう思った。
https://telegra.ph/%E9%AD%94%E5%A5%B3%E3%81%AE%E5%B0%8F%E8%A9%B1-12-16
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シャクラ・ヴィシュヌヤシャスさんとルナ・アードゥルさんをお借りしました>>304
まあ話したくないことは話さないしそれでも無理やり強行突破してくるならそれ相応の対応でええか…と思ってるので割とスルーしてる節はあります
二世みたいに魔術を解体する技能を持ってるわけでもないしネ!
エリュニは遺跡に入った瞬間何が眠ってるかとかどんなものかとか把握して「飽きました」という感じで調査をやめて帰ってきました
残り(ほとんど)はクラッフと教材代わりとして新しい生徒に任せています
リディアはもちろん悪霊集め>>306
アイラーヴァタもヴァジュラも実はインドラの一部なのはFGOでわかってるのでエリュニなら「アイラーヴァタだけではなくどうにかしてヴァジュラの因子も宿せるよう挑戦してみては?」って言うと思ったんですよねさすがにドキドキしてきた(遺言)
それはそれとして、コツコツぼんやりと考えていた騎士サーヴァントで公式と事故起こしそうだからテキトーにボカそうと考えていたポイントがあったのですが
……そのポイントをひっくり返すようにしていい感じにできるアイデアを思いついてしまって迷いに迷ってます
これはこれでいいキャラになりそうなんですが、元々考えていた方向性からズレるどころか別物になる可能性が大
元の案も問題ないしそのまま行くか、新しい案で冒険するかで思考がぐーるぐる……どうしましょ・リコリスはガルヴァエルの五つの家名がどれも与えられないほど無才ではあるが当代の五人姉妹とは実は仲が良い、というか末の弟として可愛がられている
・基本親しければ親しいほど自分よりも下に見るし自分より上の存在は何が何でも叩きのめそうとする敵愾心の塊な悪役令嬢モモアーだが唯一自身の領分(黒魔術)で完膚なきまでに叩きのめした場合は逆に好感度がぶっちぎれる、エリュニに「お姉様♡」なのはそのため
・クラッフはベルディオールくん(というか彼のガタイ)を見てまず最初に「ドラモンド家ずるい!」と思ったらしい、次にモートン先生の顔の厳つさとは真逆なフェイスに驚いたとか
>>311
人間の禁忌に両足突っ込んでるラヴギッドの煮凝りみたいな生まれ方してますからね
生徒のうちはリコリスは夢破れるんじゃないでしょうか>>314
命を奪う気でかけられた呪いを「温い」と一蹴してなおかつお咎めなしで許してくれるセナと「児戯ですね」とお遊びの呪詛返しで三途の川を反復横跳びさせたくせに可愛がってるエリュニがおかしいだけで普通にモモアー自身は誰かに学び従うのは向いてないですね…上下関係をつける以外の人付き合い適性がとても低いです
なるほど…なるほど…?全ては祖父と孫の間にいる父のビジュアル次第で決まりそう…シュレディンガーの父…そして現状は皆終章行ってそうだけど、途切れさせず投稿できるだろうからアーチャー:カリストーのキャラシート投稿しちゃうぞ!FGOプレイの隙間時間とかで感想くれると嬉しい!
「がおー、たーべちゃうぞー」
「私の信条といいますか、経験則なのですが……『愛は善きモノですが、必ずしも良きモノではありません』。何事も適正なルールがあるものなのです」
「闘争において、蛋白質というエネルギー源は非常に大切です。例えばほら、あそこの茂みで鳴いているコオロギとか。……ええっと……なんでもありません、おやすみなさい。バタン、グ~」
【元ネタ】ギリシャ神話・『変身物語』
【CLASS】アーチャー
【真名】カリストー
【異名・別名・表記揺れ】カリスト、カッリスト
【性別】女性
【身長・体重】165cm・58kg
【肌色】ギリシャ神話的な色白 【髪色】金髪 【瞳色】黄緑色
【スリーサイズ】B84/W63/H78
【外見・容姿】
デフォルメされた熊のきぐるみパジャマのみを着用した女性。気品を漂わせているが、どこか緩い雰囲気やワイルドさも纏う、掴み処の無い美女
【地域】ギリシャ
【属性】中立・悪
【天地人属性】地
【ステータス】筋力:C+ 耐久:D+ 敏捷:B+ 魔力:C 幸運:E 宝具:B>>321
【クラス別スキル】
単独行動:B
「弓兵」のクラス特性。マスターとの繋がりを解除しても長時間現界していられる能力。依り代や要石、魔力供給がない事による、現世に留まれない「世界からの強制力」を緩和させるスキル。カリストーは野生的な執念により、魂に致命的な損傷を受けても短期間ならば生存できる。
対魔力:D
工程(シングルアクション)による魔術行使を無効化する。魔力避けのアミュレット程度の対魔力。
【固有スキル】
獣化:A
常時発動型宝具の影響による、精神・身体に対する「野生」への変質。全パラメーターを2ランクアップさせる。狂化Aランクに匹敵する強さだが、理性を奪われることはなく、冷静な思考を保ち続ける。
カリストーは熊に変性した結果、思考回路が常人のソレから、野生のルールである弱肉強食論、すなわち「捕食・生存」に置き換わっている為、人間的な道徳観や乙女的な柔和さが多少なりとも欠落している。
切り込み哲学:C
先手必勝、見敵必殺。狩人としての技量と野生の反射神経の融合。敵の先手を取り、相手の行動を阻害した上で自分の行使判定を行う。
“戦い”ではなく“狩り”を得意とした神代の狩人としての技量。このスキルにより、カリストーはあらゆる場面に於いて「先手」を取る事が可能。奇襲や強襲は勿論、一対一の場面だろうと有効。
カリストーは”獲物”が「戦闘」を意識するより早く「狩り」を開始し、あらゆる場面で先制行動の判定を得る。
麗しの美貌:C
主神をも惹きつけた美貌。少々シュールなビジュアルである、着ぐるみパジャマのフードから覗く美しさは、敵対者を油断させ、警戒心を無意識に削ぎ落とす。大神ゼウスをも魅了した彼女の容姿は、交渉や奇襲時に有利な補正を与える。>>323
【宝具】
『北斗の七矢(シンシア・アルクトス)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:2~99 最大捕捉:一人以上
天上に輝く北斗七星、すなわち“大熊座の七つ星”から降り注ぐ流星の矢で、7連続攻撃が可能。最初の一撃のみ任意で標的を指定し、以降はその標的に攻撃が集中する。
基本的に標的は変更できないが、攻撃途中で標的が死亡した場合、残りの攻撃回数はランダムでその場にいる別の標的に振り分けられる。
ケイローンの「天蠍一射(アンタレス・スナイプ)」のような”一夜につき一度”といった制限はないが、この宝具が最大の威力と効果を発揮するのはその夜最初の発動のみ。七星を撃ち尽くすにつれ、次の狙撃では威力と連射速度、命中精度が次第に劣化していき、”七回目”で放たれた矢は攻撃手段として全く期待できなくなり、”8度目”は射撃を実行する事すら不可能になる。
ハンターの狙撃は、一度捕捉した生命を仕留めきるまで、冷酷かつ執拗に獲物を追尾し続ける。>>324
『神罰の荒熊(ディアボロス・メタモルフォシス)』
ランク:B 種別:対人(自身)宝具 レンジ:0 最大補足:一人
カリストーがクマに変えられた逸話の具現。
常時発動型の為、バーサーカーはいつも全裸の上に着ぐるみパジャマを着ているような状態。
熊の爪や牙を持つフィジカル&タフネス重視型の「魔人」となり、獣由来の俊敏な機動速度、ひっかきや噛み付きといったワイルドな攻撃手段を獲得。さらには幸運以外の全ステータスを向上させ、"怪力"や"直感"スキルを取得するに至った。
カリストーはこの宝具を「狙撃のための究極の安定台座、あるいは移動手段」あるいは「万が一近接戦闘に持ち込まれた場合に有効活用できる反撃用装備」として活用しており、弓兵としての強度を高めている。ただし、この宝具は彼女の逸話における不利益の象徴でもあるので、デメリットも当然存在する。彼女はどのようなタイミングでも、”月の光”を浴びすぎると『熊』の属性が強化され、理性が吹っ飛ぶ。その結果、コミュニケーション能力を喪失し、マスターの指示を全く受け付けず、言葉すら忘れたように唸り声をあげたり感情のままに暴走するのみとなる。乙女狩人としての戦闘経験による知略がなくなり、撤退すらおぼつかなくなるのは相当なデメリット。
また、月の光を浴びずとも、常に使用者の幸運パラメータを最低値まで下げる効果がある
また、食生活の好みが女性的なモノから鮭や野草に木の実などの直食いに変化してしまったのが慣れないらしい。気がつくと昆虫といったゲテモノをつまみ食いしてしまったりするので、戦闘時以外も若干気を抜けない。
【Weapon】
無銘の弓:アルテミスの従者としての資格を喪失した為、アタランテのように「天穹の弓(タウロポロス)」は所持していない。だがこの弓の無銘ながら質実剛健な武器であり、カリストーが放つ渾身の弓撃に耐える事は可能。
体術:彼女が野生の中で培った生存&闘争技術。柔軟な体とワイルドな膂力による、かなり”読めない”体術を駆使する。>>325
【解説】
大熊座のカリストー。アルカディア王リュカーオーンの娘。
イタリア語で「最も美しい」という意味のその名の通りのとても美しい乙女だったが、身を飾ることや色恋にはまるで興味を示さず、アルテミスの従者として処女を誓い、狩りに明け暮れる生活をしていた。が、ゼウスに惚れられ、アルテミスの姿を借りる、という方法で関係を強引に結ばされる。しばらくは隠し通せていたが、ある時沐浴を強要され、妊娠がバレる。その結果純潔を純潔を尊ぶアルテミスの怒りにより、あるいはゼウスの妃のヘーラーの嫉妬により、熊となる呪いを受けてしまう。ちなみに熊への変貌の経緯には諸説あり、ヘラの嫉妬、アルテミスの怒り、ゼウスの保護などがある。
熊になった直後に殺され、ゼウスに天にあげられたとも、息子であるアルカスと熊と狩人という関係で出会ってしまい、避けられぬ悲劇を避ける為に星座になったとされる。
彼女にとってアルテミスへの誓いは単なる戒律ではなく、生存の根幹であった。ゆえに、それが破られた瞬間に彼女の『人間としての死』は始まった。彼女を熊に変えた原因はヘーラーの嫉妬でも、アルテミスの怒りでも、あるいはゼウスの傲慢でもなく、『神代』の中に存在した生存競争というルールそのものだったのかもしれない。>>326
【人物像】
全裸の上に熊の着ぐるみパジャマ(顔が見えるタイプ)を着た女性。割と巨乳だが、外からは見えないので、あんまり関係ない。ワイルドさと気品を漂わせているが、ボヘっとしていると思っていたらいきなり突拍子のない発言をしたり自虐的ジョークを言うなど、掴みどころが無い性格。また、本来は優しい乙女的な価値観を軸に生きていたが、野生生活の影響で弱肉強食的な生き方への傾倒がかなり進んでいる。だが別に”女性らしさ”や母性を完全に失ったという訳ではない。
ホワホワした雰囲気と温和な口調のまま、冷徹かつ荒々しい、自然の論理で行動する厳然とした狩人。彼女にとっての『聖杯戦争』は”戦う”為の儀式ではなく、獲物を”狩り”、成果を挙げる『サバイバル』、生存競争の舞台なのだ。故にカリストーは正々堂々とした”決闘”や、人間的な倫理観に則ったルールに縛られた”試合”は行わない。
常に一定の距離を保ちながら敵を狙撃し続けるヒットアンドアウェイ戦法をメインに、獲物を疲労させてミスを誘発させ、推定逃走経路には罠や足止めを用意し、徹底的に追い詰めてから仕留めるという、ハンティング戦術を主に選択する。
その姿勢は冷酷にすら映るが、それはあくまで彼女が生きたルールがそうさせるのであって、カリストーが不必要な殺戮を行う事を意味しない。彼女は徹底的な合理主義、効率主義者なのである。だがその合理性を阻害する要因が常に彼女の周りに存在している。それは彼女に纏わりつく不運や偶然であり、先述のハンティング戦法を常に実行できるとは限らない。そういった局面に遭遇したカリストーは、コレも己の運命であると諦観と共に受け入れ、その状況で可能な限り理想の「狩り」に近い戦術を実行できるように努力する。
思考が極度に野生に寄っている女性であるが、母親としての愛情というかも変わらず保持しており、自分の思考回路が一般的な倫理観と乖離している事も理解はしており、自分の野生と他人の人倫的な価値観の衝突を感知した場合、「がお~」と脅かすような発言をして茶化したり、「おやすみなさい」と言って狸寝入りを決め込んだりする。>>327
カリストーは自分を召喚した術者を、基本的には「願望を叶える、という目的を達成する為に構成された群れのリーダー」として認識する。結果、マスターの能力評価は非常に厳格なモノとなり、”能力不足”と判断した群れの長は切り捨てるか、群れの主導権を乗っ取ろうとする傾向がある。
ゼウスに見初められたらのは仕方ない事と割り切っていると言うが、嫌いなのは「事前対策とアフターフォローできない男性」らしく、結構根に持ってる事が伺える。狩人としての経験と熊としての生活により、どんな体勢からでも矢を射る事ができる程の柔軟な体を持っており、片手で逆立ちしながら砲弾のようなキックを繰り出したり、立った状態から体を反らして上段に蹴りをお見舞いし、前からの攻撃を体を反らして避ける事などが可能。
『変身物語』などでは、カリストーは熊にされた後も十数年間生き続け、姿は熊であるため狩人たちからは獲物として狙われるが、心はもとの乙女のままであるため、他の熊たちも含めた野獣たちが怖くてならない、というみじめな思いを強いられたとされているが、本人は否定的。
「いやぁ、ちょっと前までやるかやられるかだったのに、いざ獲物側になったら怯えるなんてそんな訳ないじゃないですかー」
とは、本人の弁。女神に仕える狩人ではなく、野生のルールの中で生存する存在としての自己は確立しているようだ。
また、カリストーは己を熊に変えたヘーラーを恨んではいない。むしろギリシャ神話の絶対的な主神であるゼウスの被害者として(己を熊に変えた加害者であるとしつつも)、共感している。自然界では、強い個体が若い個体をテリトリーから追い出すのはよくあることでしょう?弱肉強食の理、生存戦略としては非常に正しい選択かと。野生の中では「群れ」の規律を乱す”異物”は殺されます。そう考えると、”私の姿を変えた”だけのヘーラー様は、優しいですよね。それに、あの方はゼウス様の隣に居続けなければならない。私なんかよりもずっと大変ですから、寧ろお疲れ様です、と言うべきでは。───……あら?う~ん、おやすみなさい>>328
特技:狩り、モノ探し
好きなもの:狩猟行為、木登り、ハチミツ、サケ。
苦手なもの:事前対策やアフターフォローが出来ない男性、ナンパ、水浴び。ゴリ押しの真っ向勝負
天敵:ゼウス
願い:息子アルカスと家族としての対話をする事
【一人称】私
【二人称】貴方、リーダー(召喚者に対して)
【三人称】あの人
【セリフ例】
「おや、リーダー。怪我をしていますね。よしよし、痛いの痛いの飛んでいけ~。では、その傷は焼き潰して、余った肉は千切り取りましょう。……麻酔?そんなもの余計な手間ですよ。先ほど”おまじない”をしましたし、ちょっとの痛みは我慢して貰って、さっさと敵を追撃しましょう。チンタラと治療に手間を掛け過ぎるより、早く敵の喉笛に食らいついた方が、生存確率は上がります。……がお~」
「『やぁやぁ、我こそは……』でしたっけ?なんとも無駄な事を考えますねぇ。そんなものにコストを支払うより、敵を仕留める過程にこそリソースを割けばいいのに……」
「ふふ。サケのムニエル、ですか。ジュルリ。あのぅ、リーダー。これ、カトラリーを無視し、手づかみでかぶりついてもいいですか?それが一番美味しい食べ方だと思うのです。……いいですよね?」
「……あ、見つけました。風下、距離300。……リーダー、隠れていてください。ここからは『ハンティング』の時間ですから」
「リーダー、敵の拠点を発見しました。今晩にでも奇襲をしましょうか。罠を仕掛けて火で燻して……、どうしました、リーダー?『それはちょっと嫌だ?』何故でしょう?栄誉が得られないから。成程、私の理論と不一致がありますね、私の戦術は野蛮である、ですか?ふむふむ……なるほど……おやすみなさい」
【因縁キャラクター】ゼウス、アルテミスなど
【他クラス適性、変化傾向】バーサーカー
以上。なんかこのキャラへの言及欲しい、とかあれば書いたりします>>332
「私の名前はカリストー。正々堂々手段を選ばす、真っ向から不意打って御覧に入れましょう」
弱肉強食、生き残ったヤツが正義!なスタンスで聖杯戦争やるから騎士系サーヴァントやらとかとは滅茶苦茶仲悪くなりそう。
キャラメイクの方法を多少工夫したので、以前版のキャラコンセプト表って感じじゃなくてしっかり「サーヴァントマテリアル」を作れてる感がありますね
公式マスターで相性いいのは切嗣か……?
でも案外甘いトコある印象だし、ちょっと辛めの評価になりそうっぽさもあるそっと貼る>>301の続き
魔眼というものは魔眼蒐集列車でしかまともな摘出も移植もできない。これは魔術世界では共通認識であり、自身もそうであることを疑ってこなかった。そんな自分に転機が訪れたのは、兄と慕うルカが壊れてしまってからのこと。いつものように介護と鍛錬と生活を重ねていたとき、過労で頭がおかしくなりそうだった。
何も見えない、わからない。そんな状態で泣きそうになりながら足掻いていて。エリ・ミィシェーレと呼ばれる少年が寒空の中で眠りについたとき、それは枕元に立っていた。エリを覗き込みながら、微笑んだ。
随分と面白い運命にある。そうだ、この眼を濡れてやろう。私が館長に内緒で持ってきたものよ。、なに、外法の類だが気にしないでおくれ。多少魂を切り貼りするだけだ。優れたものになることはあっても、劣るものにはならないよ。
雑踏になる未来を瞳に映し、世界に残影として残す。朧げで不確定な未来を確かな形へと浮かび上がらせる。名を明かさなかった吸血鬼に魂をこねくり回された結果、そんなものがエリには宿った。
だからといって人生が何もかも好転するわけじゃない。前よりは物事をこなしやすくなった程度で未だに苦しい。やることは沢山あって、それらを全て請け負えるほど自分の両手は大きくない。それどころか、瞳に焼き付く光は脳を直接焦がしてくる。影ばかりが見えていて、まともな顔なんてしていられない。振り回されているわけじゃないけれど、使った後は必ず夢も現実もわからなくなる。
それで良かった。ルカを守れるならそれで良かったのに。自分だけで抱え切れる限界が来て、そこにあいつがやって来た。今までずっと、実の兄であるルカに目もくれなかったやつ。本心からの慈愛を込めた、柔らかい顔と甘い声。そんな女が分家の俺に命令してきたから。──────約束して。私以外には決してその魔眼の話をしてはいけないと。そして私にも、その魔眼を使った研究の話はしないと。絶対に隠し通して。
我が師に授かったその助言は、私の魔眼がとても珍しいものだったかららしい。ノウブルカラーの中でも一際上等なもので、下手に乱用すれば“天文台”に観測される。そうすれば最後、私は封印指定になると。私の魔術の腕前とは釣り合わない眼がそこにあった。
我が師とは聖杯戦争前に巡り会った。私の父が参戦するはずだった枠を、師との話で秘密裏に譲ったのだ。父には内緒で。その条件は口添えによる時計塔の入学、そして師の教室に入ること。幸い、私の素養は師のお眼鏡に適うものだったらしい。無事に父を裏切り入学することができた。父には恨まれるかもしれないが、あの程度の実力であんな聖杯戦争を潜り抜けることなど出来はしなかっただろうから、長い目で見れば普通にプラスだ。そうして、自分の出来る範囲で、誰にも内緒で修練を積み重ねていたのだが…。
なるほど。過去の可能性を観測する瞳か。不確定な未来に比べて過去はある程度固まっていて別の過去を固定させることは極めて難しい。けれど、ほんの少しだけならば“もしも”で現在を彩ることはできるね!名付けるなら…そうだなぁ、収斂の魔眼とかかな。
呆気なく、一目見ただけでその全てを暴き立てた。それどころか、私の扱う魔術との親和性すら導き出した。白く柔らかい少女の指先は私の全てを詳らかに解き明かし、その上で毒にも薬にもならない助言をくれた。名前をつけるということは明確な形(イノチ)を与えるということ。そうしてやっと、私の眼はある程度落ち着いてくれたのだ。とはいえ、振り回されてばかりの方がたくさんだけれど…それと肝心の先生にも振り回されっぱなしだけど…「ここは…?」
「誰だお前」
クラッフ先生と合流するつもりだったのに。私は…桐雪・アムサ・ヒョウカは何故か、既に遺跡の中にいて、しかも他の探索者のセーフハウスに入っていた。
「……私は桐雪・アムサ・ヒョウカ。とりあえずナイフ下ろしてくんない?」
「お前が爪を下ろしたらな。……エリ・ミィシェーレだ」
「(自己紹介はしてくれるんだ…)」
─────────────────────────
「……ねぇクラッフ先輩。遺跡の中に入っちゃダメ?まだ待たなきゃいけない?」
「良いよ。もう入ろうか」
「そっかー、やっぱり満喫するならみんなで…えぇ!?」
『行くな』と言われても行きたいから行くのがルナだが、『合流して一緒に行きたいから待てるか?』と聞かれるとそれはギリギリなんとか待てなくもないぐらいの価値観なのがルナである。だからこそ、待たなくても良いと梯子を外されると逆に慌ててしまう。同行者とやらは入口で合流して一緒に突入する手筈だったのだが…。「エリュニさんからの連絡が今来た。“入口では出会わない運命にした”らしいから。どう足掻いてもここじゃ会えないよ。中で合流しよう」
「何それ!凄くない?」
「凄いよ。だからどうしようもないんだ」
正直な話あれを“占い”で通すのは無理があると思うが本人が占いと言うのであればそうなのだろう。下手に掘り下げようとすると死にそうなのでこれ以上は考えるのをやめにする。とりあえず入りながら考えよう。
「よし!行くぞぉ!」
「あんまり無礼な入り方すると呪詛飛んでくるらしいから気をつけてね」
「何それー!?!?」
枷の外れたルナはこうなる。クラッフは知っていたが敢えて止めることもしなかった。それはルナが嫌いだとかその命に関心がないというわけではない。ただ、どんな状況でも彼女が死ぬことだけは絶対にないと知っている。同行者であるヒョウカの代わりであると言って、エリュニは“彼”を雇ったのだから。
不敬者を焼こうと降り注いだ焔がルナの真横に逸れ、霧散する。ルナの呪詛返しによるものではない。それよりも早かった。何が起こったのかもわかっていないルナに、純白の手袋で包まれた手が差し出された。
続きはこちら
https://telegra.ph/%E9%9C%8A%E5%AE%9D%E3%81%AF%E3%81%84%E3%81%9A%E3%81%93%E3%81%B8-12-22>>342
まぁほわほわしてるの外見だけで、内面はサファリィ★スーパードラァイなハンターなんですけどね!
多分だけど、状況次第で魂喰いは普通にしますよこの人(流石に罪悪感ゼロではないとは思うけど)
しかし、編集者がいるとアイデアの考察が捗るな……。便利。>>354
確か金銀どっちも1000超えてるから、まぁ有効活用できる人に譲渡できるならあげたいよねって
そして私はもうちょいレイド参加したさはあるけど、スマホの電源が半分切ったんで充電に移行します……。
Geminiくんに相談してパロミデスの削りだしやるどー!年始年末で丁度いいんで、個人的に”つかめてない”キャラの掘り下げはしていきたいですね(カリストーみたいな)
プロフィール内容を充実させていくのだ……。>>356
自分も仕事ではありましたが……やっぱ速度エグかったですわ
時間神殿レイドは不参加だったので、今回の祭りには参加できて嬉しかったですねぇ名前入れ忘れた……
まだ人はこなそうなので(被りも無さそうだし)18:30あたりから前スレ981の続きを投下します
間が開き過ぎたのでエピソードまとめ(あと2エピソードくらい上げたらWikiにまとめます)
(前回:ノル渡英編、ロウィリナとの邂逅まで前スレ974〜921)
https://bbs.demonition.com/board/12984/20/#res974
(前々回:ヴィクトル、ノル尋問編から渡英まで前スレ621〜627)
https://bbs.demonition.com/board/12984/13/#res621
(初回:ヴィクトル・ノル遭遇編 前スレ442〜447)
https://bbs.demonition.com/board/12984/9/#res442「わたくし、ずーっとこんな扱いな気がしますわ!」
古書堂……もとい魔術工房の中央にある祭壇に仰向けになるように寝かされたノルは、最初に意識を取り戻してから続く自身への扱いについてボヤいた。
そんなノルの呟きをヴィクトルは慣れた様子で完全にスルーし、ロウィリナは「すぐ終わらせるから」と申し訳なさそうに告げる。
記憶喪失であるノルの素性を解き明かすべく、魔術的な『解析』を得意とするロウィリナの協力を得て行われる儀式。
万全を期すべくヴィクトルが工房を一つ買い上げ、それ専用に仕立て上げた。
故にノルを祭壇の中心に寝かせているのも、必要な配置であり、ノルが多少不貞腐れても手順が変更されることはない。
「『Pulvis et umbra sumus(我は塵なり、我は影なり)』『Cineri gloria sera venit(栄光は汝の遺灰に触れるのみ)』『Quem di diligunt adulescens moritur(才ある者よ、死は斯くも遠からじ)』……」
ロウィリナも自身の魔術……屍信仰を下敷きとする『屍搾呪(ネクロスクイーズ)』の詠唱を開始し、準備を整える。
詠唱が響く中、工房内の空気が重く淀み始めた。
床に描かれた魔術陣が淡く発光し、ノルの身体を包むように魔力が渦巻く。
「それじゃあ、ノルさん……君の過去(ひみつ)を解析(ときあか)そう」>>360
ロウィリナは異名の由来でもあるレザージャケットの袖と皮の手袋に覆われた自身の腕を祭壇に横たわるノルに突きつける。
彼女の『屍腕手』はその手で触れた他者の外皮から神秘を読み取ることができる。
本来は腕に打ち込まれた多量の聖釘と『屍搾呪』の併用によって、触れた神秘を腕に留め、解析することで無効化する、あるいは蓄積して利用するという、対魔術・対神秘に特化した魔術だが、今回はあくまで解析の部分に重きを置いている。
本人すら忘失してしまったノルの生い立ちに神秘の類が関わっていることは間違いなく、それを解き明かせばノルの正体にもグッと近づくことができる。
彼女の魔術を知っているからこそ、ヴィクトルは今回の件を依頼し、それが今実行されようとしている。
ロウィリナの手がノルに触れ、その神秘を読み取る……その瞬間だった。
「 ──── ロウィリナ!!」
「ッ!?」
ヴィクトルがその魔術の性質と身につけたマスクが故に、普段出すことのない大声で儀式の最中のロウィリナに呼びかける。
ロウィリナが声に対して反応すると、そこから少し遅れて、彼女の『屍腕手』を覆う手袋とジャケットの袖を“何か”が切り裂いた。>>361
(──尖い。いえ、それ以前に何処から……?)
腕を覆うモノが裂かれたことで、ロウィリナが隠した……壊死した腕が露出する。
魔術的には限りなく屍体に近い壊死した腕は『屍搾呪』の触媒として有用ではあるが、同時に痛覚という危機感知(アラート)が機能していない状態であり……ヴィクトルの警告がなければ手袋どころか腕を切り裂かれていても気づくのは遅れていたかもしれない。
咄嗟のところで危機を回避したロウィリナは先程起こったさながら鎌鼬のような不可視の裂断に対して思考を回す。
ロウィリナはノルと共に儀式の最中にあり、ノルに集中していたためにその攻撃が何処から行われたかに気づくことが出来なかった。
(外部からの干渉……? いや、専用の工房化したこの場に第三者が介入する可能性は低いはず、ましてヴィクトルさんも監視についている……)
外部からの干渉ではない、この場にいるのは自身とヴィクトル、そしてノルの三者のみ。
ヴィクトルがロウィリナを攻撃する理由も、それをわざわざ教える理由も存在しない……だとすれば。
(自身の正体を明かされることを嫌ったノルさん自ら儀式の妨害を……? 先刻までのやりとりは私とヴィクトルさんを欺き、出し抜くための演技……?)
ノルの大胆な振る舞いはとても隠し事に向いているようには見えず、彼女が自身とヴィクトルを謀ったとは考え難い。
そんな思いを抱きながら、自ら咄嗟に退避して距離を取った相手を再び見据える。>>362
「うぅぅぅっ、あっ、頭が……ぐるぐるしますわ、なんなんですのこれぇ……!」
そこにいたのは奇襲を受けたロウィリナ以上に悶え苦しむ、ノルの姿だった。
頭を抱え、胸を抑えるその苦悶の表情からはとてもではないが騙し討ちに成功した者としての余裕は感じ取れない。
しかし、儀式直前にはなんの傾向もなく、突如として起こったノルの苦痛が、先刻の強襲と無関係とは思えない。
(ノルさん自身は自覚していない自動迎撃(オートカウンター)……? 私の腕を脅威と看做して自動的に発動した……?)
ロウィリナは『屍搾呪』と『屍腕手』でノルに接触を試みたが、破壊や暴行のために魔術を使用したわけではない。
単にそれを攻撃と誤認したのか、或いは解析そのものが不都合なのか。
(だとしたら、それを判別する基準(ライン)は誰が設定しているの……記憶を失う前のノルさん? それとも……あぁ、疑問が多すぎて思考がまとまらない!)
使用する魔術の性質上、深く思考を巡らせてしまいがちなロウィリナだが、深く息を吸ってから考察を一時中断する。
分からないことだらけだが、ロウィリナの中で何をすべきかは決まっていた。>>363
(ノルさんがあの“よく分からないモノ”に振り回されているのなら、助け出す以外に道はない……!)
どうあれ、あの不可視の裂断がノルを通じて生まれたというなら、ノルの中の何か……魔力か体力か、ノルの苦しむ様を見るにその両方か、を消費して発動していると受け取れる。
初撃以降は動きはないが、使用者であるノルは苦しんだままだ。
おそらくはノルの中の迎撃機能は未だに作動したままなのだろう。
ロウィリナが距離を取っている故に攻撃は止んでいるが、近づけばまた迎撃を開始するはずだ。
このまま警戒状態が続く限り、ノルは消耗していくが、下手な行動を起こせばロウィリナが襲われる。
だからこそ、ロウィリナ・プルウィセトは……ノルに向かって思い切り駆け出した。
(このまま私が逃げ出せば警戒状態は解かれるかもしれないけど……解析のために用意した工房と祭壇がある限り、ノルさんの迎撃機能は「儀式は続行中である」と判別する可能性もある。体力を消費し続けているノルさんが自力でこの工房の外に出れるかは怪しい……)
故に、警戒状態を解除するにはノルの身柄を確保して工房から脱出しなければならない。
そのためにロウィリナは危険を冒してまでノルへの接近を選択した。
それは儀式に参加したものとしての責任感、そして彼女の持つ苦しむ人間を放ってはおけない根本的な善性の発露。>>364
(迎撃が、来る……!)
覚悟を決めて飛び込んだ先で、ロウィリナは二度目となる不可視の裂断を予見した。
一度目は無警戒であったが故に手袋を裂かれたが、完全に意識して身構えれば不可視と言えども不可避ではない。
魔力の流れ、空気の揺れ……目に見えずとも切断という物理現象を発生させる以上、起こらないはずはない予備動作。
20代にして魔術戦のプロフェッショナル……封印指定執行者として認められた彼女の戦闘勘は、それを見逃さずに捉える。
────ガンッ、と。
ロウィリナが見えざる攻撃に対してジャストミートさせる形で放った足蹴りが硬い音を響かせる。
(備えていたから冷静に見れるけれど、一撃目は速すぎたから見えなかったわけでも、死角になっていたんでもなく……本当に見えなかったんだ……!)
ロウィリナの脚、『死腕手』と並び『刺脚』と称される仏舎利を仕込んだ脚が不可視の正体を捉える。
ロウィリナの脚と衝突したソレは、透明な構造体(オブジェクト)だったのだ。
そして、こうして『刺脚』による蹴撃を受け止めているという事は物理的な強度を有している
不可視の裂断とは単純に、透明で視認困難な物体による物理的な切断に他ならない。>>365
(しかも、『刺脚』と……仏舎利の神秘と衝突して霧散しないことを考えると、単純な魔術でもないみたい)
「唯我独尊」の文句を体現するかの如く、絶対的な神秘を有する仏舎利を仕込んだ『刺脚』は、境界記録帯(ゴーストライナー)風に称するならば対魔力Aに匹敵する魔術耐性を持っている。
生半可な神秘なら消え去る、或いは弾かれる代物だが、見えざるソレは未だに形を保っている。
自律稼働する不可視の構造体であるため魔術や神秘の産物であることは間違いないが、単に魔力によって形を成すものでもない。
(まるでアメリカで噂される都市伝説(ネットロア)の怪人みたいに、細くて長い触手か触腕のような器官がノルさんの身体から伸びているんだ……)
魔術によって強化された肉体が、強化魔術の解除後も失われることはないように。
この透明な器官もあくまで魔術の恩恵を受けたノルの身体の一部なのだ。
(何の目的で、どういった形でこれがノルさんの肉体に紐づけられたかは分からない、でも……消えないのなら好都合!)
ロウィリナは透明なそれを踏み締め、足場代わりにしてノルの元へと跳躍する。
身体に紐づいた特徴から触手や触腕と称したが、蹴った際に伝わってきた硬度はむしろ人体よりも鉄製の武器に近かった。
加えて長さもあるならば『透明な槍』と称するのが相応しいだろう。
ならば射程(リーチ)はあっても小回りが効かない長物への対処の定石……相手の懐に入り込んでしまえばいい。>>366
鉄製の槍と同等の硬度の『透明な槍』では自身が突き出された方向と逆方向に曲がってロウィリナを刺し貫く柔軟性は持ちえない。
あとは執行者として鍛え上げた身体能力でノルの元へと駆け抜けるだけだ。
「ううぅぅぅっ、苦しいですわぁ……悔しいんですことよぉ……」
呻き声を上げながら祭壇に留まるノル。
「ノルさん! 大丈夫、今助け……」
あと数歩でノルの本体を保護し、工房の外側へ脱出する……その算段がついた瞬間、ロウィリナは気づく、気づいてしまう。
魔力の巡り、僅かな光の屈折、ロウィリナと『透明な槍』との攻防で舞った埃……それが祭壇の、ノルの周囲を明白にする。
────即ち、ノルと周囲を取り囲む、11本の『透明な槍』を。>>367
「そん、な……」
目標達成を目前にしての新たな障害がロウィリナを追い詰める。
1本目との接触で間合いや性能はある程度把握できている。
高位の魔術師との戦闘を前提にする執行者でもあるロウィリナにとって、仮に透明であろうが12本あろうが既に見切った槍は脅威であっても死神にはなり得ない。
だが、ノルにとっては話が別だ。
顕現させるだけで、1本動くだけで消耗を強いる『透明な槍』を手練であるロウィリナ相手に12本をフルで稼働させれば、恐らくはノルの方が持たない。
ロウィリナの敗北条件は『透明な槍』による自身の負傷や落命ではなく、『透明な槍』によるノルの疲弊だ。
つまり、戦闘開始自体が彼女にとって回避しなければならないものであり、まさに絶体絶命であった。
「……ロウィリナ」
そんな時、再びロウィリナのもとにヴィクトルの声が降る。
『透明な槍』との対峙で意識の外に置いてしまった彼の言葉に、ロウィリナは驚きつつも安堵を覚えるという矛盾した感情を抱く。
───思えば、出会った頃からその王様は……ロウィリナを助けてくれるのだから。>>368
しかし、仮にヴィクトルが戦力としてロウィリナに加担したとしても戦闘が始まってしまえばノルに負担がかかることに代わりはない。
ヴィクトルに11本の『透明な槍』に包囲されたこの状況を打開する術があるかといえば……無論、ある。
そして、そんな王と交流を深めてきた執行者もまた、その思惑を理解していた。
ロウィリナの身体を魔力が巡る。それは身体強化のためではなく、護身の為のプロテクト。
彼女が自身の策を理解したことに僅かに微笑みながら、ヴィクトルはマスクを外して口を開いた。
「≪慮外者ドモ、平伏セ】。!」
王権魔術<王威遂行(コミュニケーション)> 声による人体支配。
その絶対命令(コマンド)が“魔力で脳を守ったロウィリナ”以外に通達される。
当然ながらノルはその影響を受け、そして人体支配であるが故に、ノルにとって器官のひとつである『透明な槍』もまた<王威遂行>の影響下にある。
周囲を漂っていた『透明な槍』は一斉に工房の床に落下していき、そのまま突き刺さった。
その様子を見届けるとヴィクトルはロウィリナのもとに駆け寄る。>>369
「流石ですね、ヴィクトルさん。私、また助けられてしまいしました」
「ロウィリナだけならば切り抜けられた窮地だろう。むしろ王(オレ)のツレが迷惑をかけてしまったことを謝罪する。すまなかった。」
「そんな、謝られることなんて……それより、先に工房から離れましょう。ノルさんが危険ですから……!」
そんなやりとりを経て、二人は魘されるノルを抱えながら、工房を後にした。
◇
「改めて謝罪しよう。本来は王(オレ)への依頼だったノルの素性を解き明かすことに巻き込み、危険に晒してしまい……すまなかった」
工房から脱出した後、3人はヴィクトルが所有する別のセーフハウスへと移動した。
脱出し、儀式が中断されたとはいえ、解析に秀でた『屍腕手』を持つロウィリナがまだいることから『透明な槍』が未だに警戒して発現する可能性も考慮していたが、その後は不可視の攻撃が発生するはなく、杞憂に終わった。
そうして一連の流れが済んだところで、ヴィクトルはロウィリナへと深々と謝罪した。>>370
「ヴィ、ヴィクトルさん!? 頭を上げてください。私もノルさんもヴィクトルさんのお陰で無事だったんですから……」
「いや、王たる者の頭は軽々しく下げられるべきではないが、必要とあらば低頭を辞さぬのもまた王者の在り方だ。謝らせてくれ」
畏まったヴィクトルの謝罪に気後れするロウィリナの意見を退け、礼を貫くヴィクトル。
そんな様子にしばらく何も言えなかったロウィリナだが、一拍置いてから自身の所感を述べた。
「でも、ヴィクトルさん。実はこういった事態を予見した上で私に依頼をしてくれたんじゃないですか?」
「ッ!それは……」
ロウィリナの指摘は事実であった。
ノルの正体が不明な以上何が起こってもおかしくないとヴィクトルは考えていた。
単に解析や解明に特化した魔術師であれば他にもいるが、それに加えてノルに関する不測の自体への対応と脅威に対する護身に秀でた魔術師はヴィクトルが知る限り、封印指定執行者でもあるロウィリナが最適解であった。
そして、ロウィリナ自身もまた、それを察してヴィクトルからの依頼を受け入れたのだ。
「だから頭を上げてください。私は、ヴィクトルさんに信頼されていると思えて嬉しかったですから。それよりも、ノルさんの方を……」
「全く、ロウィリナには敵わぬな……それでノル、貴様は……いつまで泣いている?」
ロウィリナの言葉を受けて頭を上げたヴィクトルはノルな方へ向き直り、涙で目元を腫らしながら尚も泣いている彼女に語りかける。>>371
「う゛ぅ〜〜〜! ぐや゛じいですわ〜〜〜!!」
救出後のノルはずっとこの調子であった。
苦しいと嘆くわけでも、辛いと叫ぶわけでもなく、悔しいとノルは咆える。
「わたくしとしたことが〜! 自分自身すら従わせられないだなんてぇ……令嬢失格ですわぁ〜〜っ!!」
魔力と体力の搾取による生命の危機を体験しながらも、ノルはそれ以上の屈辱に震えて涙を流す。
ノルの屈辱は儀式の失敗によって自身を知る機会をなくしたことではなく、ヴィクトルの<王威遂行>に屈したことでもない。
令嬢を、上に立つ者を自ら謳っておきながら己の器官を制御出来ず、その始末を他者に委ねてしまった事実。
「あろうことか、わたくし自身が美しいと心から認めた相手を、わたくし自身が傷つけるなどぉ……」
「え? う、美しい……? あ、ありがとうございます、 ノルさん」
ノルは目覚める前までの記憶や背景を持たない故に、五体と矜恃という数少ない彼女が持ちえる尊厳を貶めてしまうことは命よりも重いのだ。
そんなノルの様子を見ながら、ヴィクトルは深く考え込んでから呟く。>>372
「ノル、貴様はあの『透明な槍』に、己自身に振り回されたことが悔しいか?」
「さっきからそう言ってますわ〜〜!!」
「ならば、ノル。貴様は『王権魔術』を習得しろ」
「……へ?」
先程から泣き喚いていたノルがヴィクトルからの突然の提案(というには命令口調過ぎるが)を受けてキョトンとし、間の抜けた声を発する。
そんなノルを気にかけることなく、ヴィクトルは続ける。
「何かを従わせたいとする野心、従わせられない自身への不甲斐なさ……それもまた王の素養だ。貴様の精神には王権魔術への適性がある」
「そ、そんなことで……!? いきなり魔術だなんて言われても、わたくし分かりませんわよ!?」
「それにお前は早急にあの『透明な槍』を従わせる手段を得なければならない。今回のような事態を避けるために……そうだろう?」
「……それは、そうですけれど」
ヴィクトルの言うことは性急ではあるが、道理が通っている。
声による人体操作術を有する王権魔術ならば、先程ヴィクトルが見せたようにあの『透明な槍』を操ることも可能だろう。
「悪いが王(オレ)は忙しい。これから常に貴様と一緒にいるつもりはない。それとも、貴様はいつまでも俺の世話になり続けるつもりだったのか?」>>373
ヴィクトルの煽りを含んだ言葉が、ノルのプライドに火を着ける。
「なっ!! わかりましたわ……そこまで言うならなってさしあげますわ、魔術師!!」
「いいのか? 王(オレ)の帝王学(おしえ)は厳しいぞ?」
「上ォ等ですわぁっ!! さっさと貴方の背を飛び越えて、このわたくしをその気にさせたことを後悔させてさしあげますことよ!!」
売り言葉に買い言葉でどんどんヒートアップしていくノル。
気づけばもう涙は引っ込んでおり、いつもの調子を取り戻していた。
(結局、ノルさんの素性を調べることには失敗してしまったし、デュランベルジェの王権魔術をそんな会話の流れで教えてしまってもいいんだろうか……?)
傍からその様子を見ていたロウィリナは二人のやりとりに呆気を取られる。
ロウィリナの胸裡には魔術の世界に身を置き、魔術を身に刻むという決断をノリで決めてしまうノルに対する心配もあった。
(とはいえ、あの『透明な槍』に対処できるようにするのは懸命な判断だし、なによりノルさん自身が先刻よりも目に見えて元気になってるから、良かったのかな……?)
或いはヴィクトルの目的は初めから気落ちしていたノルを元気づけるためだったのか……?
そんな風に捉えて、ロウィリナは今ここで誕生した王権魔術の師弟関係を微笑ましく見つめるのだった。終章が終わって数時間……いくつかの掲示板感想を漁って疑心暗鬼になってるのが私だ
いやエンディングよかったけどね!?エコチェン現象かもだけどね!?それはそれこれはこれ
>>358
クラス:イリーガルを褒められるの、結構嬉しみ。そうだよね!プリテンダーはカルデアスが作った概念だもの!ほかのアポ世界線とかじゃ観測されてないよな!でそういう感じにしました。
まぁ多分サタンが「あぁ、己は別の世界では”プリテンダー”などと呼ばれていうそうですよ?」みたいなこと言い出す形になるんでしょうが……。
>>375
ま~たロウィリナさんとヴィクトルはイチャイチャしおって~!!(キュンキュン)。そしてやっぱり居丈高でも保護者属性なヴィクトルよ。こういうトコが好きなんだよなぁ。
しかし、「奇貨居くべし」みたいな計算はあるかもだけど、次期当主とは言え拾われっ子がだいぶ強権振るっとるな……。ヨソの工房買い取ったり、出自不明の存在の師匠に納まったり。ノルちゃんもwikiキャラページに無い情報が割と残ってそうでワクワクですよ資金が尽きかけたため、コミケ撤退!
それなりに満足する買い物だったと思う。
終章ラストバトルも待機中に終わったので良し。
ローランは、強いね……。あとGeminiくんの会話でプロフィールが前よりちょっと充実したパロミデスさん貼る。今人いなさそうだし、来たら確認してくれると嬉しい……。
方向性とか土台がまるごと変化(カリストーみたいに)した訳じゃないってのは一応。客観的な書きやすさや描写面キャラクター性の掘り下げ削り出しをしてった感じです。「はぁい、初めまして。私の名前はパロミデス。円卓第九席にして、異教の騎士。ま、そんな事はどうでもいいわよねぇ~★だって私は、貴方の走狗として戦う為に、ココにいるんだし♪」
「やっぱ戦いって楽しいわねぇ!!血が舞き上がって、肉が裂けて!円卓に座ってた時の生活も悪くなかったけど、パロミデスさんにはこういう修羅場がお似合い!さぁ、他におネーさんの首が欲しいヤツは居ないのかなぁっ!?」
【元ネタ】アーサー王伝説
【CLASS】アサシン
【真名】パロミデス
【異名・別名・表記揺れ】パラミティーズ、パラメデス
【性別】女性
【身長・体重】175cm・65kg
【肌色】褐色 【髪色】黒【瞳色】黒
【外見・容姿】
褐色肌で中性的な見た目の女性。軽装の鎧を纏ったスレンダーな身体つき。笑顔が凶悪で雰囲気も剣呑。
【地域】ブリテン
【年代】5世紀後半から6世紀初め
【属性】秩序・悪>>381
【ステータス】
筋力:C 耐久:C+ 敏捷:A+ 魔力:C 幸運:B 宝具:A
【クラス別スキル】
気配遮断:B
【固有スキル】
奇襲:A
・気配遮断と騎士の武略の複合スキル。ありとあらゆる手段を用いて意表を突き、先手を取るスキル。判定に成功すれば、相手の予測、回避系能力の無効化が可能。判定に失敗しても、戦いの中で相手のミスを誘発させ、強引に隙を作る。
怒れるレオパード:B++
・とある試合で最優秀賞を取った際に、アーサー王から受け賜わった称号。騎士道もへったくれもない戦闘理論。相手にやりたい事をさせず、相手が嫌う行為を行う。極端に言うなら騎馬戦で馬を潰し、戦ならば頭を狙う。とにかく相手の弱点・欠点となる戦法を推測、考案し、実行する。>>382
【宝具】
『戴冠・祝福された聖剣(カーテナ・クラウン)』
ランク:A 種別:対人(自身)宝具 レンジ:1~ 最大捕捉:1人
・パロミデスがトリスタンから受け継いだ聖剣。クルタナ、コルタナとも。この名称はアングロフランス語のcurtein, 遡ればラテン語のcurtus(短くされた、詰められた)に由来し、その名の通り切っ先が無い形状であり、無先刀、無鋒剣などと訳されることもある。
・イギリス王家においては、慈悲の剣とも呼ばれ、聖界正義の剣、俗界正義の剣、献納の宝剣、国剣などとともに、戴冠宝器の一つとされており、非常に由緒正しき聖剣。この聖剣はその時その時の担い手によって能力が変化する無冠の剣であり、通常状態においてはその刀身や鍔に宿る天使の力によって使用者を邪悪なるもの、害あるモノから守る(魔術や呪術、毒物、精神の狂乱や肉体的衰弱などの悪影響をオールカット。端的に言えば最上級の対魔力スキルを使用者に付与させる)という権能を保有する。
『暴毒・堕落されし妖剣(カースド・クラウン)』
ランク:A+ 種別:対軍宝具 レンジ:1~50 最大捕捉:500人以上
・カーテナは本来聖剣である。しかし、パロミデスが担い手となった事により、騎士のドス黒い加虐心や狂気的なまでの闘争心に影響…悪く言えば汚染され、より攻撃的な性質を持つに至った。具体的に言えば、天使の力による加護は防御という形では無く、邪悪なるもの、害あるモノを吸収し喰らう方式で無効化するようになった。そしてソレを凝縮してエネルギーとして貯蔵、騎士の意に応じる”毒の斬撃”によって、敵対者を屠る事を可能とした。
・さながら蠱毒のような形式で精製された猛毒は、秩序と混沌を区別せず、善も悪も容赦なく一緒くたに蝕み、呑み込み、呪い、祟り、侵し尽くす。その斬撃がもたらす凄惨な結果は、まるで聖剣の悲鳴のようにも感じるという。
・非常に強力な宝具であるが、その攻撃性能は呪詛や毒物などを取り込み、濃縮した結果である為、無尽蔵に発動できる訳ではない、という欠点がある。一撃必殺、一発逆転を狙える宝具だが、ペース配分という点だけはしっかり吟味する必要があると言えるだろう。>>383
『封殺/せし朱羅の騎士(クリムゾン・ナイトハザード)』
ランク:B+ 種別:対人宝具 レンジ:1~5最大捕捉:1
・槍試合において勝利の為に卑怯な手段を使った、悪役としての逸話の具現。真名解放と共に攻撃した場合、対戦相手に関係するスキル、宝具を使用不可能にし、更に判定に成功すればソレを破壊する。効果は武具は勿論の事、騎乗物・概念宝具・鎧・召喚魔獣など、宝具であると認識したモノ全てに適応される。
・言うまでもなく強力な宝具であり、騎士としての技量が昇華された宝具である為、特別な武具を必要とする訳ではない。しかし複数の制約も存在し、『サーヴァント同士の一騎打ちである事』・『戦闘終了と同時に封印及び破壊の効力を失う事』・『同じ相手との再戦時には判定の成功率が減少する事』などがその条件となっている。
【Weapon】
・ロングソード・カーテナ・槍>>384
【解説】
円卓の騎士第9席。異教の騎士であり、最終的にはランスロット派になる(ちなみにアーサー王が活躍した時期は6世紀頃、ムハンマドの活躍は7世紀、またイスラム教の発展はさらにそれ以降と時系列的な矛盾も存在)。因みに弟のサフィア卿も円卓に所属している。
トリスタン卿とイゾルデへの愛をめぐって争ったこと、「唸る獣」の探求をしたことで有名。当初はトリスタンの恋人であるイゾルデを恋い慕っていた事から、トリスタンとは非常に仲が悪く、ある槍試合ではトリスタン卿はあえてパロミデス卿の所属していない陣営に参加するなど、不倶戴天の間柄であったが、トリスタン卿に命を助けられたり、一緒に行動しているうちに徐々にトリスタン卿とは友情めいた関係を結び、最終的には、トリスタン卿に敗れたパロミデス卿は、彼の手によってキリスト教の洗礼を受けることになる。
非常に武勇に優れており、ある槍試合ではガウェイン卿を含めた円卓の騎士を10人も打ち破るなど、ランスロット卿やトリスタン卿、ラモラック卿などの以外には殆ど負けることはないほど。
しかし物語初期においては悪役としての活躍も目立ち、イゾルデを誘拐したり、騎士道など知らぬのとばかりに槍試合で馬の首を刎ねるわ、仲間になっていたトリスタンとイゾルデで関係に嫉妬してトリスタンを殺そうとするなど、トリスタンを主役とした場合の敵役、といった印象の強い一度狙った敵は生かしてはおかない騎士。
しかし、全体を通して貴婦人には礼を尽くす人物として知られており、人品が卑しいわけではない。後々には武装していないトリスタン卿との戦いを拒否したりと、単なる悪役ではなく騎士としての面が強調されるようになる。
また、マロリー版では単身で「真紅の街」へ乗り込み、卑劣なヒーリアス卿・ヒーラック卿の兄弟と二対一で戦い勝利する物語もある。>>385
【外見・容姿の詳細など】
褐色肌で中性的なビジュアルの女騎士。ライダースーツ、あるいは濃紺のつなぎに軽装の鎧をくっつけたような戦装束を纏っており、メカニカルなサムライと表現できるような騎士としては異様な恰好。常に凶悪な笑顔を浮かべており、ツラは良いのだが近寄りがたい陰惨な雰囲気を漂わせている。
全体的な露出度は低めで、服装も男っぽく見えるようにしている為、一目で女性と推測される事はあまり無い。絶壁でこそ無いものの、胸はそこまでなく、どちらかと言えば足や尻など、下半身に女性的な魅力が集中している。
特技:反則攻撃、ルール無視。
好きなもの:オーバーキル、他人の困り顔、泣き顔。
苦手なもの:腑抜けた平和。粗食。騎士道の遵守
天敵:トリスタン(マイペースな人間全般)
願い:特になし(聖杯戦争での戦闘が望み)
【一人称】私、おネーさん。主君サマ。
【二人称】少年、お嬢ちゃん。君。>>386
【性格】
一言で言えばサディスティックな快楽主義者。挑発的な笑顔で戦闘を楽しむ闇の女騎士。「とりあえず戦えればなんでもいい」と断言する”手段の為に目的を選ばない”危険人物。 一人称は「私」または「おネーさん」であるなど陽気なテンションであるものの、その本性は「命を斬る」ことや「強者との一対一の殺し合い」に激しく執着し、瞳の奥には殺気が見え隠れする血濡れの修羅そのもの。
彼女にとっての戦闘とは、「本能と頭脳によって生命を変質させる遊戯」である。騎士道などの規範をガン無視し、勝つため・楽しむためなら何でもありというスタンス。不意打ち・裏切り・虐殺も「効率的だったりして面白い」という理由で平然と選択肢に加える等、かなり残虐かつ陰険。しかし、これらはあくまで”手段”の一つであるという思考回路なので、正々堂々とした決闘を嫌うという程では無い。
しかし結局のところ、「戦いたい、殺/したい」という過程が目的と化した殺戮と闘争の悦楽に取り憑かれている狂人である事に変わりはない。
戦闘においては宝剣、あるいは妖刀となった『カーテナ』を主武装とした剣術と、鍛え上げた槍術で戦う。剣士としての能力は高く、剣士の技量に獰猛さと”残忍さ”がブレンドされた、己の安全すらシカトする虐殺の為の剣技を振るう。攻撃面に関しては優れている反面、防御はかなり雑で、自前のスキルや宝具で守備的な性能はほとんど保有していない「攻撃は最大の防御」と言わんばかりの構成をしている先手必勝、高火力でゴリ押し、後衛やサポートは周囲に押し付けるな感じの典型的な速攻型。
サディスティックかつ外道の狂戦士ではあるが、”サーヴァント”としての姿勢は意外にも忠実(もっとも、彼女のルールを破らない限りにおいて)。何故なら、パロミデスという女騎士は徹底的に誠実な”エンジョイ勢”だからである。 「秩序・悪」という属性は、彼女が『契約の等価交換』を現界における絶対ルールとして遵守する点に現れる。主君(マスター)から与えられた報酬(戦場・魔力)に対し、自分はプロとして最高の戦果で応える。この関係性を汚すような不義理や不誠実を、彼女は「悪」だからではなく、単に「楽しくない(興ざめ)」という理由で切り捨てる。>>387
また、救済や同情を向けられることに対しては、強い困惑を示す。 「自分は自分の好きにやっている」という確固たる自意識があるためで、他者からの慈悲などの感情の認識は”理解不能な異物”扱い。相手の善性を否定はしないし、寧ろ本人なりにリスペクトはしているものの、「だから何?」という冷めた距離を保ち、自身の在り方に一ミリも踏み込ませない。
”個人”としてのスタンスは『割とどのようなマスターに対してもフレンドリーに振る舞い、相手にもそうするように促す』など、接しやすくはあるタイプ。しかし"使い魔の立場である"という自覚はあってもそれで態度を大きく変える事は無く、寧ろおちょくり翻弄する、困ったおねーさん。
正義漢との相性の悪さは自覚しており、自分の性質を正直に伝えるが、御咎めを聞き入れる気は更々なく、注意を受けても逆にやりこめにいく。悪党マスター大歓迎!
要するに、あらゆる意味で敵味方を振り回すキャラクターであり、なおかつ求めるモノがわかりやすい為、好悪がハッキリ出るサーヴァント。報酬が貰える(=他者と戦い、殺/せる)ならビジネスライクな関係性であっても、文字通り奴隷扱いだろうが文句を言うつもりは一切無い。召喚者に「勝利をもたらすこと」を絶対の契約としている。
そのため、前線で共に戦う、あるいは明確な勝機を示すマスターにはより従順でフレンドリー。しかし、保身のために戦いを避けたり、あるいは令呪で自分を飼い慣らそうとするなど、「己(サーヴァント)を兵器として扱わない」者に対しては、即座に「契約違反」と見なし、主君を単なる魔力供給源へと再定義する。彼女にとっての『忠義』とは、主君(マスター)の意志を汲むことではなく、『主君(マスター)の代わりに敵を屠ること』に集約されている。>>388
ちなみに、戦闘における好みというモノは特に無く、弱い者いじめも好き、とか言っちゃうタイプ。勿論強い相手を返り討ちにする事も好きな、戦闘至上主義の自己完結型。ジャイアントキリング?や圧殺?するのもされるのもOK!!
女性扱いを受ける事は全く気にせず、色恋沙汰への発展も面白がるが、”女性だから”という理由で戦闘への手心を加えられたりするのには我慢ならないタチで、律儀に訂正を求める。何故ならその姿勢は彼女を「一人の対等な闘争者」として見ていない無礼であり、彼女が人生を賭けて楽しんでいる「殺し合い」という遊戯を冒涜する行為に他ならないからである。
聖杯にかける願望は「特に無し」。強いて言えば受肉。とりあえず戦えればなんでもいいのでそういう意味では制御不能(まず無いだろが、聖杯戦争で闘争が起こらない場合、マスターをふんじばって戦える相手を探しに行くケースすらある)
また、ライバルとされるトリスタンの事は「メンドクサイ自由人だけど、間違いなく”善”ではある」として、彼女なりに認めている。>>389
【他クラス適性】セイバー、ランサー。
【他クラス変化傾向】ランサー、ライダー
セイバー:戦闘狂の傭兵。
”宝具”は『戴冠・祝福された聖剣(カーテナ・クラウン)』と『暴毒・堕落されし妖剣(カースド・クラウン)』
スタンスは「戦闘中ならセーフ」であり、「騎士」としての最低限の体裁(=相手が武器を手にしていること)をある程度大事にしており、不意打ちや騙し討ちはするが闇討ちはしないなど、”なんでもアリ”には戦場のみ、という規律を持つ。
ランサー:無頼漢の騎士。
”宝具”は『封殺/せし朱羅の騎士(クリムゾン・ナイトハザード)』
スタンスとしては意外にもタイマン勝負への拘りがある。だがそれは必ずしも尋常の決闘、『正々堂々』を意味しない。相手との一騎打ち、その前後における過程での”なんでもアリ”は実行する。具体的には人質作戦とか。ただし混戦に割り込んでの不意打ちなどは行わない
アサシン:殺戮狂の剣士。
”宝具”は『戴冠・祝福された聖剣(カーテナ・クラウン)』と『封殺/せし朱羅の騎士(クリムゾン・ナイトハザード)』
スタンスは真の意味で”なんでもアリ”。不意打ち闇討ち騙し討ち。人質作戦に寝込みの奇襲など、マジで手段を選ばない。「このクラスのおネーさんは魔剣や妖刀みたいなモノよ♪」とは本人の弁。「騎士」としての立場すら放り投げたヤベー奴。今年最後のSSが書けたので投下しもす!もすもす!
「……む?」
違和感を覚えてメレク・アルマソフィアは足を止めた。
自分の感覚に従って周囲を見渡す。
季節は冬。年の瀬を迎えるロンドンもそれは例外ではなく、石造りの街並みに似つかわしい雪化粧で彩られていた。
今しがた歩いてきた道にも積もった雪によって足跡がくっきり残っている。いつも通りの道順で、いつも通りの目的地へ向かって歩いてきた。ここまでなにもおかしなことはない。
そして───見つけた。違和感の源泉を視界の端に捉えた。
「はぁ……」
呆れ混じりの息を吐く。
古い街の古い公園。人除けの結界もあって小さな雪原と化した空間。
そこに見えたのは人の身長と同等以上に積み上げられた雪の山と、それを作るのに使われたであろうスコップ。そして、こちらに向かってぶんぶん手を振る銀髪の少女。
「おーいメレクー! こっちこっちー!」
「…………」
誘われるまま無言で歩いていく。もともと今日はそのつもりだったのだ。他に誰と会う予定もないので問題はない。ないが……。>>393
「へい! らっしゃーい!」
「それはどういうテンションで、これはどういうつもりですか、ルナ?」
「まぁまぁいいからいいから。入って入って」
「入りませんよ」
そこにいたのはとっくに見慣れた顔のルナ・アードゥル。いつものポンチョでも時計塔の制服でもない、もこもことした赤い冬用コートに手袋と耳当てという完全武装の構えだった。これで雪遊びをします/しましたと全身で主張している。
「貴女に呼び出された時点で嫌な予感はしていましたが……」
「えっ、あれ? もうお疲れ気味?」
「生憎と多忙の身なんですよ……」
つい口に出して、しまったと思い閉ざす。
彼の日々が忙しいのは事実だ。時計塔での勉学。見栄と無駄の多い両親との折衝。そして将来の"事業"のための準備。
日常的なタスクはいくらでもあるが……それを彼女に知られるのは避けたかった。その感情が魔術師としてのプライドか、もっと別の何かなのかはわからないが。
「まぁまぁ、いいから入りなよ」
「ですから入らないと……いやまずなんなんですかこれは?」
「カマクラって言うんだって。ヨモちゃんに教えてもらったんだー」>>394
満面の笑みでルナは雪遊びの成果を披露する。
高く積み上げられた雪の山はなるほど確かに入口らしきものがひとつある。イヌイット式住居を思わせる姿だが造りは見るからに粗雑だ。よくもまぁ崩れないものだと感心する。
「なんかね、ヨモちゃんの住んでたところと雪質が違うみたいでさ。最初は全然作れなかったんだ」
「はぁ……ですがそれなりの形を保っているように見えますが?」
「うん、がんばったんだ」
「どうやって作ったんですか?」
「面倒くさいからそれっぽい形の結界張って雪詰め込んだ」
「あぁ……」
力技だった。カマクラ(偽)と呼ぶべき代物だった。だが偽物が本物に敵わないなんて道理はないらしいので、これはこれでカマクラなのだろう。
中を見ると安物で使い古されていそうなカーペットまで敷かれている。
その上に鎮座するのは寝具を挟んだような形状をとった不可思議なテーブル。異様な空間だった。やや後ずさるメレクを尻目にルナは未知の物体にもぞもぞと入り込んでいく。
「入ってみなって。カマクラもこたつもあったかいよー?」
「こたつ……」
「うんそう。これ。このベッド未満の……机? も、ヨモちゃんから聞いたんだ」
「……まさかヘルメさんの私物だなんて言いませんよね?」
「んにゃ? これはクラッフ先輩と作ったやつ」>>395
「はい?」
「いいからさっさと入り───なって!」
有無を言わさず引っぱりこまれた。
瞬く間に"こたつ"なる物体へ下半身を引き込まれた。これが、なんと、あたたかい。一体如何なる神秘によるものか。
不愉快に感じることも適切な温度。人体に極めてやさしい温もり。魔に魅入られるとはこのことだと確信した。
「こ、これは……!」
「いいでしょ、いいでしょ!?」
「ぐ、うぅ……!」
認めざるを得ない。こたつは良いものだと。
無論こんなものは魔術を用いれば如何様にも再現できる。体温調節など基礎未満。適温を保つことすらできないような魔術師は覚えたての木っ端くらいしかいない。
ただ、暖かいだけ。驚愕に値することは何一つとて無い。
無いが、それはそれ、これはこれだ。なんといっても快適である。その事実さえあれば、こたつは、良いものなのだ。
「……ん、む……?」>>396
はたと、気づいた。
こたつばかりに気を取られていたがルナの姿が右にも左にも見えない。前にも見えない。
いや、いた。後ろにいた。
引っぱりこまれた時からそうだったのだろう、見事に背中を取った状態でルナはメレクのすぐ背後にいた。
「……あの」
「なに?」
「近いと思わないんですか?」
「めっちゃ思う。くっついてるし」
「離れる気はありますか?」
「メレクがイヤならそうするけど」
「……別に、嫌悪感などはありませんが」
「にひ。じゃ、このままね」
それ以上何も言えず、黙り込んだ。
メレクは背もたれに体重を預けるような姿勢で、ルナは猫背気味の金髪の頭にあごを乗せて。そのまま落ちつく。
はて、これは一体どういう時間だろうか。
快適ではある。カマクラとやらで小さく外界から切り取られたように感じる空間。
そこにこたつの温もりと背中越しの体温、ルナがいつもより厚着してくれているおかげで必要以上に意識することもない。なるほど快適だ。この状態で五分も続けば眠気を誘うに違いない。……なんのために?>>398
ぐい、ぐいとルナが静かに身体を寄せる。
するりと首元に回された腕が柔らかに絡みつく。
ぱらりと落ちた彼女の髪が視界の端をよぎっていった。
本当に、なんのつもりか。あの紅い瞳の中でどんな人間に見えているかは知らないが、誰にだって我慢の限界があることは知ってほしい。
「っ……そろそろ人を呼び出した理由を聞かせてもらえませんかね?」
「今すぐじゃないとダメ?」
「ダメです。言えないようならすぐにここから出ます」
「ぁあああわかった言う、言うから」
頭に乗っかっていた体重がなくなった。離れたわけではないが、身体の距離も少し空いたように思う。一安心だ。
「で、なんですか」
「まぁその、メレク相手に決意表明というか、確認?」
「なんの?」
「フィンランドの時、ケンカしちゃったじゃん? ちょっと暴走気味に」
「『ちょっと』で済まされても困りますが、そうですね。それが?」>>399
「私、まだまだ走る気なんだけどさ、メレクは一緒に来てくれる? 見ててくれる?」
「何を今更。ずっと見ていますよ。逃げられると思わないでください」
「……ん」
今日のルナはどうにもおかしいようだ。騒がしさと静けさの振れ幅が妙に大きい。いつものように騒ぎ続けてくれないと調子が狂ってしまう。
「まったく。そんな分かりきったことを確認するためだけに呼び出したですか?」
「……や、実はもう一個あるんだけど」
「なんです? もったいぶってないでさっさと全部言いなさい」
「じゃあ……いま私たち、こたつに入ってるじゃん?」
「? ええ入っていますが、それが?」
「言い忘れてたけど、実はこれ『こたつ型自走式魔術礼装』なんだ」
「は?」>>400
「クラッフ先輩に手伝ってもらったからちゃんと動くよ。走行テストも終わってる」
「これが、走ると?」
「こたつ型だから曲がりにくいし内部機構に火ィ入れるのも時間かかるけどね───今、終わったよ」
「降ります。停めてください」
「ばかめ、逃がすか!」
ルナの両腕が肩越しに巻きつき、そしてクロスした両足はとっくを腹部を捉えていた。
瞬間、悟る。
今日見せた"らしくない"行動はすべてこの瞬間を狙っていたのだと。
「まさかこのために! このためだけに!?」
「あたぼうさ! こうしなきゃ捕まえられなかったからね!」
一手も二手も先を読んで仕組まれた罠だった。ルナの両手両足はメレクも気づかぬ内に『強化』の魔術が浸透しており、素の腕力ではどうにもならない。また今から魔術を行使するのも手遅れだろう。
先ほどよりもはるかに密着した状態でしかし募るは焦燥感ばかり。メレクの脳内で蜘蛛の巣に囚われた蝶のイメージがよぎった。
足元からがしゃがしゃと金属質な音が噛み合っていく。直後、にわかに目線の高さが変わったことで"準備"が終わったと悟る。車両と化したこたつは今や号令を待つばかりだ。あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします
……という挨拶をぐーすか寝落ちしててあちこち周回遅れしたのが私です。こんなんで大丈夫かなぁ、新年……
初日の出は余裕で見れそうだぞ、やったね!
>>404
最後のことばかり考えていたから他に回す意識はなかったという無自覚が最大のトラップ
各所に動揺を残しながらも自走こたつは完走した模様(怒られた)(もうすっかり夜だけど)あけましておめでとうございます
今年も一年、よろしくお願いします今年もよろしくお願いします。
かなり早いけどバレンタイン礼装SS、ゆる募しますぞ。明けましておめでとうございます!!
寒いと必然的に活動量が落ちる冬眠体質であった。春は花粉だし夏は暑さだしで詰んでる
SS投下!>>411
「君のその魔術回路……神代紋様……はアイラーヴァタのそれだと言う。だけどその発露が火と風の元素である『雷』というのはちょっと“ズレ”ているんじゃないかとね。
だってそうだろ? 普通に考えればアイラーヴァタは乳海攪拌で誕生した『大海から生まれたもの(アイラーヴァタ)』であり、地底界(パーターラ)の水を汲んで雲を生み出すからこそ『雲の象(アブラマータンガ)』であるはずだ。
雷はインドラ神の属性で、アイラーヴァタの魔力放出は水の元素なのが自然なんだ。
しかしスキュレカリュー教室の、特にセナ先生もそれについては何も言わない。ということは何か常識とは異なる────世界を騙すような術式(こと)が起っている訳だ」
「時計塔の奇宝のような真似は止めた方がいい。バレたところで今語っているのは神秘とは何ひとつ関りないが、導火線の前で松明を振り回すようなものだ」
「エリュニ先生と同じさ。勿体ないなと思ったんだ。
自らの肉体を変容させる呪術だろ?
『アイラーヴァタはインドラ神の乗騎』であるという事実を、『アイラーヴァタが在るところインドラ神も在り』の領域にまで己の肉体……神性を組み替えていた訳だ。
実際、器用だとは思うさ。メインかサブかは分からないけれど魔術回路を分割させてひとつの纏まりで呪術を走らせ、西洋魔術か思想魔術か、別の基盤へと接続しているんだろうね。でもその魔術回路(さいのう)を自分が持っているのなら、もっと活用できる。宝の持ち腐れは見ていて気分が悪い────まである。」
「む……」
「神性っていうのは種だ。基盤であり触媒であるもの。解釈を広げないと」>>412
「問題提起は分かる。才能の無駄遣いもな。
しかしヴィシュヌヤシャスの命題は英霊召喚……神にも等しき英雄カルキの降臨だ。血脈に引き継げない単一の性能を掘り下げる必要もない。あれは子供の遊びだ」
「ならやることはひとつだ」
「ん?」
「儀式場──魔術師でいうところの工房、神殿。
それを礼装でつくる。固有結界とは似て非なる大魔術を固定化したものを」
「なるほどそうか。ヴィシュヌヤシャスの命題に沿った礼装であり誰が使っても一定の効果が見込め、なおかつ所有者が使うことで更に機能を拡張するもの!」
「そう、テーマは『ヴィシュヌヤシャスの至上礼装』。
煮詰まったり、術式が破綻したり、鋳造で手助けが必要ならアドバイスするさ」
「……そうだな、本当に詰んだら助けを請うだろう。
だが手本ならある。セナ師の『私と私(Another)』が限定化されたものがあるのだから」>>413
以上です方向性の提起みたいな小話
悩んだ時間に対して文量が少ないのがなんかあれ
山星さんの文章お借りしています。クラッフ君のエミュはこれで…ええのか…???(初めて動かす故)今年の目標はひとまず番外編を突っ走って時計塔の外に出ることですね
他には溜まりに溜まったストックキャラをちゃんとした形でひとりでも多く出したい。サーヴァントでもマスターでも…
溜まってると言えば魔術もそうなんですよね。新作がコツコツ増えてるはひとつは出しておきたい。チーズ魔術とかめっちゃ出したいです
大きめな野望でいくと横浜を今より手軽に動かせるように『動き』の骨組みをちゃんとして、かつ複数用意したい。そのためにTRPGに触れておきたい
あとは毎日書くこと。これは絶対
……なんかやること多くない? 大丈夫? まぁやれるだけやる感じで……なんとか……
>>407
そうなんですよメレ坊これで年下なんですよ……本当に?10代前半?すごぉい
ルナもこれで年上なんですよ……年下の男の子に全面バックアップしてもらってるのめちゃくちゃ贅沢だと思いますです>>415
自走こたつの制作過程は、
デセフィオ「なんだこの教室の寒さは!どうなっている!?」
ヨモ「こたつとかほしいなぁ」
ルナ「こたつってなに?」
〜説明中〜
ルナ「それ今ないの?」
ヨモ「ない……ごめんね?」
クラッフ「無いなら作ればいいんだよ(工具ドザー)」
ルナ「乗った!」
デセフィオ「なんでもいいから早くなんとかしてくれ!」
という感じです
なんでカーペット付きで走るようになったかは先輩陣改造編〜パラチンタを添えて〜をお待ちください>>418
引っかけた方はできたてほやほやのモノを「ねぇねぇ見て見て」したかっただけなのになぁ
どうしてハニトラっぽくなっちゃったんでしょうねぇよーっしゃルナティック最新話脱稿!投下していいっすか!?ちょっと長めだけど、このエピソードは分割したくないんで……。
>>415
ええ。クラスごとの差異は、しっかり練り込んでおきたい部分
>伊草のセイバーがこちらだと何処が変化したか……果たして?
例えば伊草(セイバー)だとクッチーの爆弾ブッ込みの後に襲撃をしましたけど、アサシンだと気配遮断でギリッギリまで気づかせずに(≒バーサーカー陣営に行動準備をさせずに)斬りに行ってたとかそういう感じです。セイバーはアレでも自重してたんや……。
>>420
>ただ殺.しを愉しみたい(自分の手で殺.せるなら)混戦暗.殺.上等の殺.人狂の違い
パロミデス「え?おネーさんも割とそのタイプよ?ランサークラスだと、そういう部分は抑え目にしてるだけで♥『命を斬れる』んなら、正直条件は選ばないし、私♪……ところで、貴方はマスターの令呪をぶった斬るサーヴァントってどう思うかしら?パロミデスさんは、聖杯戦争に呼んでおいて『自害せよ』なぁんて契約違反、イラッときて令呪ごと腕ズバーッ!ってしたくなるんだけど♪」>>421
「そこは状況によるが、基本的にはやってもアリ、だ。
ほら、オレにとっては積極的に仕事(殺
.し)を振ってくれるマスターはいいマスター。全く殺.しをさせてくれないマスターは悪いマスターだ。
最後になるまで殺.せて、さらに隠蔽さえすれば余分まで殺.らせて貰えたって……マスターのやりたいことにそれが必要なら言ってくれりゃあソレも吝かじゃあないさ。
そういう意味なら魔術師の旦那達は理解のある良いマスターだ。
それまで愉しませて貰ったし、なにより生前と違って召喚されれば幾らでもやり直せる命だからな!」
事前説明と仕事振りさえされればトッキーみたいな最後には自害してもらうのは許容範囲っすね。ミロシュは。危険すぎるからとか初見でとかは論外ですが。>>423
あぁ、そりゃ論外ですね。
令呪切ってマスター殺.して最低のマスターだったなぁ、次探すかになります。
妖精眼あるから魔力の流れ見て次探す難易度自体はまだ易いからね。んじゃルナティック最新話投下します!!
◆◆◆
「誉~?夕飯できたぞ~。降りてきてー」
「はーい!」
和洋折衷、独特の居様を持つ家屋に、青年の声が響く。彼が持っているフライパンには、オーソドックスなカレーがたっぷりと作られていた。スパイスや火の通った肉と野菜による特徴的で豊かな香りが、キッチンから家中に広がっていく。
「クンクン……。ん~、やっぱ兄貴のカレーはいつも美味そうだよなぁ。でも手間かけすぎじゃない?完成まで数時間かかってるし。まぁカレーに限らず、煮込み料理は大分こだわるよな、兄貴って」
「そうねぇ。ま、簡単で、楽だし。あとあんまり見た目に拘らなくていいから、そういう意味でも作りやすいっていうか」
「でもさぁ、具材は全部別で炒めて最後に混ぜて、んでドロッドロになるまで煮込むのは手間暇かけすぎじゃない?隠し味なんだっけ?」
「えーっと、味噌チョコ醤油に……あと香味ペーストとか色々。あとは……肉3種使ったりとか。誉が手早く完成カレーが好きなら、今後はそっち優先するけど」
ん~ん、と否定の意をかるい調子で返す朽崎誉。既に彼女の興味は、兄の煮込み料理へのこだわりではなく、その成果であるカレーへと移っていた。楽しそうな様子で、大皿にはレンチンで解凍した白米をよそい、そのままカレーのルーをお玉で掬ってかける。
「いや、別に。強いて言えばもうちょっとタマネギ増量して欲しいって感じかなぁ……。兄貴ってばカレー用の玉葱をいつもぶんぶんチョッパー?やらで微塵切り通り越してペーストにしちゃうから食感もなにもねーもん。いやこの味つけが嫌いって訳じゃないんだけど、もうちょい固形のタマネギ残して欲しい」
オーケー、と。やっぱりカレーをよそいながら、朽崎遥も雑な返事をする。彼の場合は妹と違い、ごはんは少な目、ルーも少な目、である。誉の食べる量が多い(それでも普通の女子高生が食べるよりは多めだが)、というよりは、彼の食べる量が少ないというのが実情だ。
「あー、そうだね。確かに。僕としてはタマネギをウォオオオ!ってバラバラにするのが好きだからさー。誉がそういうなら、微塵切りにするのは半分ぐらいにするかなぁ。あ、それともタマネギ増量の方がいい?」>>425
「そこら辺は別に任せるっていうか……。柵切り玉葱無いのが嫌って程じゃないからさ」
そんなモンかねぇ、と独り言ちながらカレーを食べる兄。今回の出来もそれなりに満足がいくレベルだったようで、朗らかというほどでは無いが、見る人が見れば満足そうだなと認識する表情をしている。
「うん、やっぱり兄貴の煮込み料理は美味い!あ、温玉とチーズは勿論用意してるよな?好きなんだよなぁ、チーズカレーと温玉カレー」
「当然。カレーと温玉、それぐらいの並行調理は魔術使いとしては嗜みでしょ。ついでにイカリングフライとウインナーも作ったけど、食べる?福神漬けもあるけど、どうする?」
「貰う貰う」
そうして、彼ら兄妹にとって久しぶりの、穏やかな食卓がしばらく続いた。兄は妹の、妹は兄の笑顔を眺めつつ、思い思いに食を進めていく。
「んでさ。置き手紙にも書いたけど、僕は今晩サーヴァントの召喚をするから。ちょっと家空けるんで、そこん所はヨロシク。あ、だから今日は久しぶりの帰宅だけど、一緒に寝るのは無理だから、今日の所は一人で寝てくれ。いや、基本的には一人で寝て欲しい訳だけど……」
「いいじゃ~ん!!兄貴が家にいる時ぐらいだし。しかも初日から数日ぐらい、なんだからさぁ。家族のスキンシップだよ、スキンシップ。だいたい、混浴もOKしてくれるんだから、寝るのも一緒でいいでしょ~?」>>427
◆◆◆
「さぁてさてさて!!そんじゃあやりますか!なっ、ラ~ニカ」
『おう、そーだナ。諸々の準備は整ってる筈だから、あとは誉が詠唱とかすればサーヴァントが召喚できる筈だゼ』
死霊魔術使いの兄が外出した後の朽崎宅の一室……朽崎誉の趣味部屋②では、少女とぬいぐるみがワイワイと話し合いをしている。ラニカと朽崎誉だ。
彼女が今いる部屋は、彼女が独自に編み出した魔術の修練をするための場所である。礼装や使い魔たちの保管庫であり、両親の書庫からパチッてきた魔導書や兄が買ってきた魔術関係の書類を溜め込んだりしている部屋である。彼女は他にも何部屋か自分専用の個室をもっているが、今回の儀式はこの場所のみで完結するのだ。
ぬいぐるみや魔導書を片付けた部屋の中心には、緻密なデザインの魔法陣が二つ。片方には消去の中に退去、退去の陣を四つ刻んで召喚の陣で囲む、とオーソドックスな陣であり、もう片方の魔法陣はそれとは違う文様が描かれた別種のモノだった。
「なぁラニカ?この魔法陣、なに?兄貴のメモにあったのだと、こっちの召喚陣だけで十分、みたいな事書いてあったんだが……」
『あー、それかカ?サーヴァントの召喚って、結構大変かもだろ?不慮の事故とかが起こったら嫌だし、誉が危険な目に合わないようにする為の防御結界って感じだナ。疑問に思わなくても良ーゼ』
なるほど……、と納得したように頷く誉。それっきり気にした風でもなく、魔力回路を励起させていく。
『触媒の用意だけど、ギリシャ神話系の布って感じだナ。遥の保存場所からかっぱらってきただけだから、どんな英霊の逸話かは不明って状況だゼ。悪ぃな』
「ううん、大丈夫。アタシは兄貴にバレないように動くしかなかったんで、そういうのの用意は出来てなかった訳だし。ありがとな」
『気にすんなヨ!これが俺の役割ってヤツだからナ。誉のサポートするってのがオレの幸せってヤツだ』
そんな問答を繰り返した後、主はしゃがみ込み、使い魔は背伸びして。二人は”イエーイ!”とハイタッチで儀式の開始を祝う。
そうして。死霊魔術師と降霊術師の兄妹の召喚タイミングは、奇しくもほとんど同時刻に為される事となったのだ。>>428
洞窟の中と家屋の一画に、それぞれの魔力が満ちていく。洞窟に広がる魔力は禍々しく、令嬢の部屋に拡散していく魔力は澄んでいる。
「素に骨と毒。屍に鬼と契約の大公。朽ち行く墓には泥を。四方の門は墜ち、王国に至る三叉路は荒廃せよ」
「素に銀と鉄。礎に石と契約の大公。降り立つ風には壁を。四方の門は閉じ、王国に至る三叉路は循環せよ」
兄の詠唱は悍ましく。妹の詠唱は正統派。兄妹間の仲の良さとは裏腹に、その儀式の性質は真反対であった。
「腐れ(みたせ)。腐れ(みたせ)。腐れ(みたせ)。腐れ(みたせ)。腐れ(みたせ)。」
「閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。」
それぞれの魔術師の眼前に、光が灯る。兄の瞳に映る光は焔のように顏を焦がし、妹の頬を撫でる風は森の匂いを漂わせていた。遥の起源は『破壊』で、誉の起源は『接続』だ。その違いが、召喚の過程にも表れている、という事なのかもしれない。
「虚構を此処に。我は常世総ての善を識る者、我は常世総ての悪を為す者。汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ」
「誓いを此処に……。我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者……。汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より……来たれ、天秤の守り手よ──!……あっ──!?」
死霊魔術使いは、吐き捨てるように。特殊な降霊術師は、選手宣誓をするかのように。それぞれがそれぞれの想いを胸に、詠唱を完了させた。だが、その結果には、明らかな違いがあった。兄はつらつらと、つまらなさそうな顔で儀式を続けていたが、妹の詠唱は覚束なかった。ハァハァ、と。疲労と苦痛の色がその表情に広がっていく。そうして、最後には寄り集まった光から巻き広がる風によって、結界から弾き飛ばされ、最後にはクタリと気絶してしまった。>>429
対する兄は平然としている。ゴキゴキと首を鳴らしながら、吹き上がった焔のような魔力が凪ぐ。そうして現界を果たした人影は、歪なシルエットをしていた。
黒白が入り混じった髪色、紅玉めいた輝きを放つ瞳。整った顔立ちは穏やかな表情を浮かべている。だが、その正体が尋常な者であるとは思えない。何故なら、その姿はどう見ても歪だったからである。先ほどの、平穏そうな美貌から受ける印象からはかけ離れた、背中の双翼(ツバサ)と、頭の大角(ツノ)。
羽根は各々が黒と白に染まり、山羊のソレをより雄々しくしたような大角。それぞれから受ける印象は非常に禍々しく、邪悪な雰囲気をいっぱいに主張していた。
「──サーヴァント、サタン。召喚の招きに従い、この度参上致しました。汝様が、己を召喚したマスター様でしょうか?おやおや、コレは……。クフフ。なかなかに、歪んだ性根のようで……」
人間離れした容貌とは裏腹に、口から吐かれた言葉は、礼儀正しいモノだった。紳士的な口調だが、その瞳は喜色を湛えていた。自らの召喚者を見る眼差しは歪んでいて、その雰囲気は慇懃無礼。マスターとなるべき主を眺める視線は、まるで値踏みをするようで、終いには青年の精神性を侮辱する始末である。
「アン?あのさぁ、確かに僕はロクデナシのヒトデナシだけど、いきなり現れたサーヴァントにそうやって腐されるのは、流石に御免なんだけど」
初対面の相手に自分の精神性を酷評されるのは流石に嫌なのか、死霊魔術使いは苦虫を嚙み潰したような表情で言葉を返す。
「つーか、サタン……サタン!?あの魔王の?マジで?その割には堕天使っぽいっつーか、そもそもクラスを先に宣告するのが先だと思うんだけど、そこんトコ、どうなのさ?」
朽崎遥の返事を聞いたサタンと名乗った人影は、ああ。と言葉を漏らすが、それに続く言葉をネクロマンサーは聞き続けることは出来なかった。
「確かに。そうですね。失礼致しました。己(おのれ)のクラスは……、さて。どうでしたかねぇ?どう名乗るべきか。少々迷いますが。貴方の生き様、魂。それに相応しい霊基は、そうですね。では、■■■■、と。……おやおや?……クフフッ」
「ゴ、ブ……ッ!?は、ぁ?なんだ、よ。コレぇ?」>>430
サタンが名乗ったクラスを示す音は、彼の耳から遠ざかり、まるで鼓膜に響かない。朽崎遥の体は、急激な魔力消費と吐血によってゆったりと倒れていく。混乱の中で、彼は視認した情報と現状の誤差への疑問が浮かんでいく。
(だけど、今は後回しだ……。まずは、回復、しないと……)
倒れた体を仰向けに裏返し、ハッ、ハッ、と息を吐く。片腕を目元に乗せ、深呼吸。ゆったりと、体調の不良を戻していった。その様を、サタンは面白そうに鑑賞している。手を貸そうだとか、回復させようだとか。そのような雰囲気は見られない。
「ク.ソ、手ぇ貸せよ、お前……!サーヴァントだろうが」
「おっと、そうですね。コレは申し訳ございません。汝様の在り様を拝見させて頂いておりました。中々、面白い御仁ですね、陛下は」
悪戯好きそうな表情で、主の悪態に言葉を返すサタン。サーヴァントという立場でありながら、彼は目の前の魔術師の苦境を面白そうに見入っているだけである。暫くして、青年は息を整え終わる。
「その態度を止めろ、テメェ。人の苦痛を楽しんでるんじゃねぇっつーの。んで、悪いな、大魔王。俺はお前のクラス名、ちゃんと聞こえてなかったわ。もっぺん、お前のクラスを教えてくれ」
「あぁ、かしこまりました。では、改めて。己はサーヴァント、サタン。此度は、あー……、そう、ですね。別世界においては、”プリテンダー”なる呼称で呼ばれるクラスとして現界致しました。これから、よろしくお願い申し上げますね、マスター?」
「あぁ、よろしく。魔王サマ。ま、お互いビジネスライクにやろう。現状だとアンタ、僕をマスターだって、認めた訳じゃないだろ?」
己の従僕であろう存在を睨みつける死霊魔術師の視線にも、堕天使たるサタンは面白そうに口角を歪めるだけだ。
「いえいえ、そんな事は。しかし……汝様の愛。フフッ……汝様の愛は、随分と遠ぉくまで、届いているのですねぇ?あぁ、そういえば。陛下の名前をまだ伺っておりませんでした。改めて、自己紹介と参りましょうか。我が名はサタン!あるいはルシファー。ルチフェロ、などでも構いませんが。それで、汝様の名前は?己は、貴方をどう呼称すれば宜しいでしょうか?」
「……遥、だ。朽崎遥。まぁ、短い間になるだろうけど、ヨロシク」
仰向けから膝を曲げ、立ち上がろうとする主を、魔王はその手を握ってサポートする。ここに、契約は成立した>>431
一方、そのころ。朽崎宅。先ほど儀式を行った部屋から場所を移した、誉の寝室である。召喚の際に発生した余波によって気絶してしまった部屋の主を、ぬいぐるみたちと共に一人の女性が看病していた。寝室には似合っているが、どこか現代ではアンバランスな着ぐるみパジャマ。茶色っぽいカラーリングの熊を模した衣を着用しており、優し気な美貌を覗かせている。誉の事も穏やかな眼差しで見守っており、彼女の額に濡れたタオルなどを被せるぬいぐるみ達を甲斐甲斐しく手助けしている。そうこうしている間に、彼女は口を開いた。
「しかし。リーダー、誉様に負傷を与えてしまった事は、少々痛手ですね。今後のサバイバルに、悪影響が無ければ良いのですが」
『まぁ、その点については大丈夫だろ。誉は優しーからナ。これぐらいのダメージなら、笑って……かは解んねぇけど、ちゃんとアンタの事は受け入れてくれる筈ダぜ、アーチャー』
そうこうしている間に、失神している誉がウウン……と呻いた。どうやら、失神している状態から回復し始めたようだ。
「あ、起きたナ。大丈夫か、誉?」
「おや、それは良かった。リーダーとしても、このような状態が続くのは、本意では無い。……そうですもんねー?」
い痛……、と頭を押さえながら起き上がる少女は、うっすらと瞳を開いていく。フウ、と一息を吐きながら自分を看病してくれていた相手を視認した。ぬいぐるみたちそれぞれに感謝を伝え、代表者であるラニカの頭を撫でる。そうして最後には現界を果たしたサーヴァントに向き合い、居住まいを正す。
「……うん。ヨシ、と。さて、いきなりこんな醜態を見せちゃって御免な、アタシのサーヴァント。えーっと、クラスは……」
「あぁ、そうですね。サーヴァントとして、まずは私の方から自己紹介をすべきでした。我が真名はカリストー。アルテミス様と共に狩りをしていた従者であり、そして追放された乙女です。クラスは、アーチャー。今後ともよろしくお願いしますね、誉さん」>>432
少しだけ自嘲的な笑みを浮かべながらの自己紹介を始めた美女。そのままの流れで、片手を朽崎誉に差し出した。着ぐるみには手元を熊の肉球などで隠せるオプションが付いているのだが、それを外しての握手の要求である。
「カリストー……。あー、大熊座の。えっと、よろしくね。私は聖杯戦争って儀式に滅茶苦茶詳しいって訳じゃないから、マスターとして色々命令するんじゃなくて、貴女の意見も参考にして聖杯戦争を戦っていくみたいな感じになると思うんだけど、それで大丈夫かな?」
あ、そうだ。と、服を捲って自分の脇腹にある令呪を確認して貰いながら、自分のサーヴァントとの会話を続ける少女に、弓兵は返事を返した。
「そうですね。私としても、その方がありがたい。私も、こういった魔術に詳しい訳ではありませんから、お互いに助け合って行きましょう。ね、誉さん?」
「うん。よろしくな!そういえば、なんでアタシの名前……」
不思議そうに呟く彼女に、カリストーは返答した。
「確かに。その質問は尤もです。ええと、まずはその疑問への回答から始めましょうか。その後はお互いの方針ですとか、聖杯に託す願望についてなどの摺り合わせという流れで良いでしょうか?」
『あー、ソレなんだけどナ、誉。おれが教えたんだ。同ジ陣営として、まずは自己紹介をしよーカナって思っちゃっテ。ホラ、オレは誉の王子様だけど、普通だと変な存在ダロ?だから、オレは「誉の使い魔のラニカだー」って言っちまった、っつー訳ダ。先走って悪ィ』
カリストーと誉の会話を遮るように、使い魔であるラニカが言葉を発した。そのおずおずと、若干不安げな雰囲気を纏って現状の理由を伝えた従者を、降霊術師が責める事は無い。
「いやいや、こんなの、怒る事じゃないよ。むしろ、アタシがコミュニケーションできない間に親睦を深めてくれてるってのは別に問題じゃないよ。寧ろ、アタシ以外の同陣営のメンバーが仲良くしてくれてるのは良い事だ。だろ?アーチャー」
「そうですね。誉さん。同じく”願望を果たす為に協力する群れ”として、チームワークというのは大事です。とても大事です。そうですよね、リーダー?」>>433
自分とは違う間柄を築いている二人を、微笑ましそうに見る弓兵。そのまま、彼女たちが抱える願望についての問答へと移っていった。
「ところで、誉?貴方の望みはなんでしょう。貴方は、何を願ってこの”サバイバル”に参加したのでしょうか?私は……『息子であるアルカスと、親子としての会話がしたい』というのが理由です。やっぱり、諦め切れないモノですから」
「そっか。そうだよな。家族を大事にしたいっていうのは、アタシも共感出来る。アタシはさ。『この聖杯戦争に参加している兄ちゃんを、この聖杯戦争から穏便に離脱させたい』ってのが理由だ。だから、聖杯そのものに対しての望みは……」
逡巡するような口調で、自分の望みを己のサーヴァントに伝える朽崎誉。困ったように、しかし辛そうな表情で言葉を濁す彼女。”自分は聖杯戦争に参加したい動機は無い”という趣旨の発言に対して怪訝な顔で疑問符を浮かべた弓兵に、彼女は自らが抱える事情をポツリポツリと語り出した。「自分の兄もまた魔術師であり、マスターである事」。「妹である自分や、周囲に対しては親愛を示すが、間違い無く危険人物である事」、そして「自分はそんな兄を大事に思っており、兄が問題を起こす前に聖杯戦争から排除したい」という事などをつらつらと語り出す。そららの情報を統合したカリストーは「ふむ」と得心したように頷いた。
「把握しました。誉はお兄様を”安全”な状態にしたい、というのが望みという訳ですか……。では、話は簡単では?貴方はヘラ様では無いし、お兄様はゼウス様ではありません。ならば、寝込みを襲い、足や腕の腱を断ち切ってしまえばいいでしょう?……がお~」
きょとん、と。まるで「1+1は2だろう?」とでも言うかのように、小首を傾げて問い返すカリストー。その提案をした後、「しまった」とでも言うように、数瞬だけ虚空を見つめて茶化すように軽く吠えた。その物騒な意見に虚を付かれた降霊術師の少女は、数ミリ程度の驚愕をその顔に浮かべた。
「あー、うーん。成程……。兄貴を聖杯戦争から離脱させるんじゃなくて……。そもそも変な事やらかさないように無力化しちゃえば良い、と」
カリストーの言葉を受け、顎に手を当てて考え込む少女。発言を失敗したか……、と自分の性を悔やむ野生児だが、ベッドの上で布団を見詰める彼女が告げた二の句は、彼女にとっては驚くべき事だった。>>434
「アリだな。そっか、そうすりゃ兄貴は絶対妙な事しないし……兄ちゃんはアタシが居ないと何にもできない状態になる訳だろ?食事とか、お風呂とか。アタシが世話して上げて、ずっと一緒に居られる!!うん、それはいい案だな、アーチャー。目から鱗が落ちたような気分だ、うん」
今度は弓兵が困惑する番だった。まさか己に染み付いた野生を肯定してくれる人物と同じ”群れ”として過ごせるのが意外だったからである。そんな彼女の驚愕を余所に、朽崎誉は納得したような顔を崩して笑う。
「ハハ、まぁでも、それは最後の手段だな。割とアリな判断ではあるけど、やっぱり兄貴に怪我をさせるのは避けたい気持ちはある」
「道理ですね。私としても、貴方のような子供に、そのような手段を積極的に採って欲しい訳ではありませんから」
『オレは別に、それでもいーと思うけど。あんなロクデナシ。家の中で要介護野郎になっちまうべきダッテ!』
文句をいうラニカを宥めつつ、誉はカリストーが差し出していた手を改めて握り返す。ここに、聖杯戦争の主催を狩る事を目的とした”群れ”の契約が完了した。
「『それじゃあ、よろしく』」>>435
◆◆◆
「ゴホッ、ゴホ……ッ。お前……、こんなに魔力消費の激しいサーヴァントだったのか。いや、まぁ。当然か……。主たる神に反逆したり、地獄の権力者やってる大悪魔、だもんな……。お前は単独行動スキル持ってるっぽいけど、それでもこの負担。納得といえば納得」
「あぁ、その件ですか。確かに己(おのれ)は単独行動スキルを保持していますし、己の魔力消費が軽いモノではない、というのもその通りですが……汝(なんじ)様の体調不良は、己が全ての起因という訳ではありませんよ?クフフ……ッ」
洞窟内部での召喚儀式が終わった後、死霊魔術使いと魔王の主従は下山していた。急激な魔力の欠乏によって歩くのが覚束なくなった朽崎遥に、サタンがその肩を貸す形で歩いている。咳き込むと同時に発されたマスターの言葉に、魔王は否定の意を示した。その返答に、朽崎遥は愕然とする。
「お前、どういう事だ!?俺の負荷は、お前が理由じゃない、ってのは。つー事は、なにか?アンタは、召喚者たる僕に忠誠を誓っていない、とでもっ!?」>>436
ビタリ!と。少なくない苛立ちを示したマスターに、プリテンダーは傷跡の目立つ掌、その指先に生えた鋭利な爪をネクロマンサーの瞳の前に突き立てた。
「勘違いなさっているようですが。己は魔王ですよ?汝様が己の全てを差配できる、などとは思い上がらないように。確かに己は汝様の従僕であり汝様の指示に従って敵を穿つ剣でありますが。……同時に、汝様の前に立ち塞がる”試練”であり、汝様が乗り越えるべき毒の盃でもあります。その点、どうかお忘れなきように。そうそう、今も陛下はキツそうですが、これからもソレが軽くなる、なんて事態にはならないでしょう。なので、心の準備をしておくべきですねぇ、フフッ」
意地悪そうに嗤う魔王の瞳に映る喜色は、紛れもなく悪魔的な美貌そのものだった。死霊魔術使いは歯を噛み締め、覚悟を決める。どうやら、自分はかなりのジョーカーを引いてしまったらしい。
(ま、強さと引き換えなら、悪くは無い、と考えるべきかなぁ。どっちにしろ、サーヴァントなんて強大な使い魔、魔術使い風情が御しきれるモンじゃない、か)
「です、が。”ノーヒント”というのも、不親切ですねぇ?では、答えに繋がる欠片程の助言は零しておきましょうか。汝様の魔力消耗。それは、己(おのれ)が理由ではありません。……そう!貴方様に問題があるのです。……ねぇ、遥様?クフフッ。えぇ、己は傍観者である、という訳です。汝様の前に聳える試練に喝采を、汝様の命に祝福を。応援していますよ、陛下?」感想やらが来て一安心!色々あって返信は遅れた、すまない。
>>439
とうとう召喚しましたとも!でもこの2陣営って、どっちも仲間に対して何かしら隠し事してるんですよねー。
クッチーの激重魔力消費の理由を知ってるサタンが解りやすいですが、クッチーとカリストーはそれぞれ誉に隠しておきたい情報を持ってたりします。
フハハハハハそしてルナティックにもちょびっと出演するWASPメンバーな伊織と椿のプロフィールブラッシュアップもほぼほぼ完了したどー!設定的な情報量が桁違いになったのだ!
この調子で聖杯大会運営まとめwiki移植用の諸々を詰める&移植をチマチマでもいいから進めて今年中にはFC2wiki→SeeSaawikiへの移動を完了させたいですねーつーわけで伊織さんの改訂版プロフィールを投稿するぞ!あしたは椿さんかなぁ
【氏名】裂月・C・ダークローズ・伊織
【性別】女性
【年齢】20歳程度
【出身】イタリア
【身長・体重】172cm・79kg
【肌色】白色人種【髪色】緑【瞳色】赤
【スリーサイズ】//
【外見・容姿】
・雰囲気はクールっぽいが、同時にだらしない印象もある女性
【令呪の位置】
左の太股
【属性】秩序・悪
【魔術系統】呪術の変種
【魔術属性】水
【魔術特性】呪詛、伸縮
【魔術回路】質:C 量:C 編成:正常
【起源】虚空
【所属】「施設」→”WASP”>>441
【礼装・装備など】
・”武装”「死滅六道」
鬼が持つような金棒を連想させる釘バット。通常?のモノとは違い、全てが金属で出来ている完全一体型。えげつないレベルの超重量であるが、伊織は軽々と扱い、敵対者をボコボコにする。基本的には近接戦の補助用装備。閉所などだと扱い難い場合もある。
・”魔術礼装”「ラプラスの眼」:両目に埋め込まれた戦闘用魔術式義眼。演算により、所持者に1秒を最大2000秒(普段は抑えている)に感じさせるなどの複数の機能を持ち、多数のセンサー類で視覚情報をアシストする。
・”魔術義体”「アグニ」
両足の戦闘用義足。装着者は内蔵されたカートリッジ(計20発)の炸裂による超人的攻撃力及び高速機動能力を獲得する。
【外見・容姿の詳細など】
テキトーにカットした緑の長髪や赤い瞳と鋭い犬歯が目を引くクールっぽい雰囲気の美女。浅葱色のキャミソールと黒い和服を赤い帯で締め、首元には鈴のチョーカーを巻いている。狐の面と、歯が高めの黒下駄も特徴的。
服のサイズが全体的に小さめなので、下着が結構露出しているなど、全体の印象としては結構煽情的。>>442
【魔術】
穢液呪法:呪術の一種。
・血液、唾液、涙など、体液は呪術の媒介・生命力の象徴として扱われた歴史が存在し、それを利用した魔術。生命体の体液に呪詛を込め、自由自在に操作する術式。
言ってしまえば術者の血液を液体金属状の魔術礼装とするような戦闘用魔術で、攻守と体内操作などを両立する万能性を持っているが、行使者には失血死といった血液関連のリスクが付き纏う。その為、伊織は対策として特製の造血ガムをよく噛んでいる。
様々な機能を発揮できる魔術ではあるが、伊織が戦闘で行使する際は基本的に3パターンの技に限定している。彼女は技の名称を華の名前にしているが、稀に検体時代の呼称をしてしまう事もある。
・「柊」:血液の鎧/(検体自体の名称は「マギカ:A」)
体表に巡らせた血液を硬化し、頑強な鎧を構築する。場合によっては棘状の刃を追加する事も可能。基本的には防御用の術。
”柊”の花言葉は『用心深さ』と『保護』。戦闘部隊の前衛、”盾”として動きがちだが、本質的には小心者な彼女の守りの側面。
・「牡丹」:遠距離・広域攻撃/(検体自体の名称は「マギカ:B」)
圧縮した血液を放出する攻撃技。空中に待機させたり、握り込んだ血液の塊を解放し、射出する。その性質はビームだったり散弾だったりする。ロングレンジ攻撃に用いられる。
”牡丹”の花言葉は『王者の風格』や『誠実』など。自分の機能を誇示しつつ、他者を始末するなら「自滅を誘うのでは無く、己の手を汚すべき」と考える彼女の弾丸。
・「睡蓮」:内面操作/(検体自体の名称は「マギカ:C」)
血中成分や脈動の操作、あるいは呪詛によって身体能力を強化したり、敵対者に変調を起こしたりする。更には自己暗示による痛覚遮断も可能。また、成功率は低いが、負傷者の裂傷などに作用し、縫合したりする事も出来る。
”睡蓮”の花言葉は『滅亡』や『清純な心』。戦闘において様々な影響をもたらすサポート技。自分や他人を破壊する前段階であり、麻薬のような術式。伊織はこの術式をまず行使する。彼女の精神を”人間”から”戦士”に切り替えるスイッチ。伊織は戦闘時以外にも、この能力でラリっている場面が度々目撃されている(現行犯逮捕された事はない)>>444
【性格】
周囲を振り回すちゃらんぽらんな守銭奴。ズボラで面倒くさがり屋……という自分の”外面”を意識し、強調した振舞いをしている節もある。
結構人懐っこめだが、戦闘においては容赦無く対象を殲滅する。好む依頼はバトル系が多めで、細かい作業は趣味ではない。
戦闘では頼りになる反面、事務仕事では全く役に立たない。基本的には理論派ではなく行動派で、頭脳労働が苦手。結果、仕事の書類を使った紙飛行機や折り紙で遊んだり、サインのミスが頻発して最後には寝るなど、怠慢が目立つ。勿論怒られる訳だが、その場合は土下座と”泣き落とし”で何とかやり過ごす。
結構自罰的で、『悪人』として自分を認識している。その為責められたりすると割と安心する歪んだマゾ気質という精神的な欠点を抱えている。自己評価が低い為、自分の事は度外視しがちで、掃除や治療などは自分を後回しにしがちなので、自室が割と殺風景で、彼女の認識はほぼ”寝るだけの場所”。彼女の私物や娯楽類はWASP保有の船の中にほっぽってある(例えば思い出の写真を纏めたアルバムなどは資料室の片隅に収納している、といった感じ)が、同時に自室で寝る事もあんま無く。人の喧騒が聞こえる広い場所で寝る方が好き。
ヘラヘラとした陽気さで隠しているが、彼女の性根はどちらかといえば臆病者。自称が「悪人」だとか「ダメ人間」であるとするのは、自分の過去によって己を”善”の立ち位置に置く事をが許せないから。しかし同時に冷徹な「人間兵器」に戻る事の恐怖がかなり強い為、『人間』ではいたいとする気持ちの表れである。
私物が散らかって居たり、ソシャゲの課金をガッツリするのはそういった過去への伊織なりの反抗。”施設”の清潔で無機質な真っ白な屋内の見た目や、「管理されている個人」であるゲーム内キャラクターを強くしたり、お洒落をさせる事で”完璧な幸福”を得る事が出来なかった(これから得られるかも不安)な自分たち検体の将来に対する代替手段のようなモノである(あまり本人に自覚はない)>>447
まぁ客観的な意見な兎も角ね。トラウマ的な部分はどーしよーもないから。
ここら辺は伊織さんとクッチーの精神構造が割と似てるんだよなぁ……客観的な善悪評価は真逆でしょうが>>449
そうですね。余裕ぶってるけど過去の所業やらに関して精神つつかれたら多分早い段階でメンタルが酷い事になるタイプかと。戦闘能力は強いんですけどね。さてじゃあ椿さんのプロフィールを投稿するか。
「クールに、慎重に、そして入念に。それが私の方針です。かつては感情のままに突ッ走ッた事もありましたが」
「私が体を隠す理由ですか?それは簡単。過去にバカをやらかした結果である傷痕が醜ゐから、ですかね。まァそれだけでもなゐですが」
【氏名】椿・スノウハミング
【性別】男性
【年齢】21歳前後
【出身】ドイツ
【身長・体重】
250(紙袋含む。肉体のみの身長は198)cm・97kg
【肌色】白色人種【髪色】黒【瞳色】紺色
【外見・容姿】方向性が迷子なファッションで、全身どころか素顔すらを隠して生活している、長身の男性。
【令呪の位置】うなじ
【属性】秩序・中庸
【魔術系統】電気魔術(変質)
【魔術属性】火・風
【魔術特性】変化(磁力)
【魔術回路】質:B++ 量:C 編成:異常(エンチャントに特化)
【起源】遠景>>451
【所属】「施設」→”WASP”
【魔術・特殊技能・特性など】
・磁気魔術(変質)
椿・スノウハミングの本来の魔術は電気魔術である。原始電池などの流れを汲む身体活性(肉体強化や治癒)を行えたが、”施設”研究者による改造で変質。電力から発展した、磁力を扱う魔術を行使するようになった。その影響で磁力に対してはかなりの適性を持つようになたが、反面その他の魔術には強いマイナス補正がかかる。
磁気魔術は応用性が高いが、難点としてスマホなどの電子機器を所持していると高確率で壊れる。
”基礎術式”
・属性付与(エンチャント)
本来は物に属性を付与するだけのありふれた魔術だが、前述の磁力の力により磁力を付与した物同士を引き合わせたり反発させたり出来る。特に“弾丸”に対して付与するのが得意。
・磁弾装填(バレットエンチャント)
弾丸に対しての磁力付与。磁力の弾丸は弾丸そのものの威力よりも『被弾したものに磁力を付与する』という効果の方がメイン。主に弾丸や直接触れた相手に磁力を付与した後、魔術効果で妨害や弾丸の必中化を実現する。>>452
【礼装・装備など】
・椿は両腕が義手となっている。
”右腕”超電磁射撃義手『ヌンキ(旧名:マスティグ)』
・「攻撃」に特化した右腕。前腕部が超電磁加速(レールガン)用の銃身(バレル)に変形する。威力と速度に秀でるが、射撃の際は神経などに負荷がかかり、その影響によって幻肢痛などの症状が発生するのが欠点。『スワロキン』を連結・ドッキングをする事で、そういった反動や射撃のブレを抑える事は可能。
”左腕”磁力万能義手『スワロキン(旧名:ネフィラ)』
「防衛」の為の左腕。内部に数百~数千の微細なビットを多数収納している。展開・拡散する事で魔術行使の前準備を行う。
主な活用法としてはステルス隠密や探知レーダー、防御など。これらのビットは『ヌンキ』の弾丸でもある。
・ナイフ類:何の変哲もない刃物。近接戦闘用。ポケット内部に色々な種類・形状のモノを揃えて収納している
【外見・容姿の詳細など】
ワインレッドの改造燕尾服に裾細の軍用ズボンを着用した、長身瘦躯の男性。燕尾服やズボンの至る所にポケットが付属しており、宛らドラえもんの四次元ポケットの如く色々なモノを収納している。
燕尾服と軍用ズボンという妙な出で立ちだが、彼をより目立たせているのがその頭部。戦闘などが関係しない日常生活では笑顔や泣き顔を表面に印刷した紙袋を縦に3つ重ねて被り、戦闘時は顔全体を覆うタイプの古風なガスマスクを着用して行動しているので、雑踏の中に居てもその長身と異様な恰好で滅茶苦茶に目立つ。>>453
【人物像】
イメージカラー:真紅
特技:戦闘技術全般、カクテル作り、
好きなもの:芋類や果実などの皮むき、映画鑑賞、筋トレ
苦手なもの:雨、焼き魚の骨、手を直接使うタイプの食事
天敵:高圧的な人間(非常にムカつく)
願い:伊織の平穏
【一人称】私【二人称】貴方、○○さん、名前の呼び捨て 【三人称】○○さん、名前の呼び捨て
【来歴】
「施設」第一期生。現在はWASP戦闘班のまとめ役であり、若干の苦労人気質(周りがフリーダムな為)。周囲が困っていると積極的にサポートに回るタイプだが、これは彼の過去に原因がある。伊織を助けようと周囲のメンバーを切り捨てて、二人きりの「施設」逃亡を図った事があり、その行為に後ろめたさがあるから。>>454
【性格】
周囲に振り回されがちな苦労人、ではあるが、割と我も強い世話焼き気質の青年。温厚かつクールな、サポート係または裏方気質。
堅実さと平穏を重視し、騒動は苦手寄りではあるが、荒事が不得手な訳ではなく、寧ろ友人知人間で大規模かつ重度なトラブルが起こると喧嘩両成敗理論で全方位を制圧してから経緯を聞いたり仲裁をするタイプで、普通に喧嘩も強い。
もっとも、軽い口論程度ならば普通のアドバイスなどに留まるなど、暴力行使の優先順位は低く、基本的には宥めて賺して喧騒を治める委員長タイプ。
じゃあ個性派揃いのWASPでまともかといえば別に全部がそうという訳ではなく、彼もまた変人ではある。その主な理由は日常生活では自分の性格をチューニングしているという点がそれにあたる。
普段の生活で素顔を隠している3つの紙袋には表面にはデフォルメされた笑顔、泣き顔、怒り顔などがプリントされており、それらの組み合わせによって若干振る舞いの癖が変化する。怒り顔が下段なら苛つきが態度に出やすくなり、泣き顔が下段なら涙もろくなる。とかそんな感じ。現時点では顔のバリエーションは10パターンぐらいあり、彼本来の気分で毎日組み合わせが変わる。>>455
どうしてそんな事をしているかというと、「過去に自分のエゴによって周囲を傷つけた私は、あまり自分本来の感情をそのまま表現すべきではない」という信条がある為。椿は「施設」所属の際に他の検体を見捨て、伊織と二人っきりの逃避行を敢行した事があるから。しかしその結果は無惨にも失敗。椿は両腕を、伊織は両足を”見せしめ”として切断されてしまった(なので二人は現在、それぞれ腕と足を戦闘用義体を装着している)
”主犯”である椿は伊織とは別に罰として過酷な拷問を受け、火傷に切り傷、毒による腐食や片目の失明など、身体中に悲惨な古傷がいまだに残留しており、困ったようが笑顔が似合う端正な美貌も多少痛ましい状況になっている。
しかし椿本人はそれらの後遺症を「”伊織の為”という理由で同じ境遇の仲間を切り捨てたツケ」として達観しており、また治療も拒否している(メディカルチェックそのものは受診している)。体表だけでなく内部の機能不全もそれなりに残存しており、顕著なのは声帯。単純な喉頭外傷の他にも反回神経麻痺や心因性失声症が深刻で、稀に発声が妙な事になったり、上手く喋れなくなったりすることがある(具体的には「ぁ」が「ァ」、「い」が「ゐ」に、「え」が「ゑ」になるなど)
頻度は低いが、『ヌンキ』使用外のタイミングでも幻肢痛が発生することがある。コレは(同じく欠損者である)伊織も同様の筈だが、彼女は幻肢痛の申告をしていない。その理由はなぜかといえば、椿が『スワロキン』内のビットによって常時彼女の幻肢痛を抑える対応をしているから。
なので彼は『スワロキン』の整備には『ヌンキ』の倍以上の時間をかける。これは伊織を守るためであり、『スワロキン』を装着している左腕は伊織との逃避行の際、彼女の掌をずっと握っていた方の手でもあるからである。>>464
あぁ大丈夫、今は回復したから。
年始年末の時のルナティック最新話に対して「感想こねぇ~ッ!!」→「感想来たぁ……」の落差で若干メンタル決壊した程度。
つまりは(仕事上のちょっとしたミス+年始年末での肉体的鈍りあたりも加えた)トリプ……クワトロパンチか?でKOされただけなので、あんまり心配しないでいいぞ!!ちなみに今なんか流行ってる「ラブタイプ診断」なるものをしてみたら「溺愛系恋愛モンスター」なるタイプになりました
オデ……ニンゲン……アイシタイ……ダケナノニ……ウゥッ
みたいなやべーやつかなぁ(白目)>>467
他のWASPメンバーは曲がりなりにも前向いてそうな中、椿さんだけは後ろ(過去)向きってのがコンセプトになるんかなぁ、とかブラッシュアップしてて思った。
この調子で(まだまだ先だけど)ソラやタゲリアさんも重ッ苦しくしていきたいモノですねぇ
流石に優先度はルナティックの方ですが。んで最近のブラッシュアップアップムーブなりの副産物として発生したキャラクターも投下してしまおう!!この人はまぁ……、完全フリーに使っていいですよなNPC枠ですね
フリー枠なNTR竿役おにいさん……NTRというよりはKTRになるんかなぁ「ク/ズ肉が……俺の邪魔をするな」
「……早くしろ。腹が減って死にそうだ」
「俺を満足させる料理(結果)を持ってこいッ!!!」
「もっと肉(敵)を狩ってこい!!魚に羊、サラダも用意しろ。あぁ~あぁあッ!デザートも忘れるなァ!」
【氏名】王 龍牙(ワン・ロンヤ / Wang Longya)
【性別】男性
【年齢】26歳
【出身】香港
【身長・体重】182cm・63kg
【肌色】病的な蒼白
【髪色】黒(艶がなく、乱れている)
【瞳色】暗い茶色(常に飢餓感で血走っている)
【スリーサイズ】//
【外見・容姿】 高級なイタリア製スーツを着崩し、一見するとモデルのように整った顔立ちをしているが、その頬は不健康にこけ、眼窩は窪んでいる。 左腕には常に魔術的な点滴『餓竜の点滴』が接続されており、移動時は部下に車椅子を押させるか、ソファに深く沈み込んでいることが多い。
【令呪の位置】舌の表面(鮮やかな赤色が、味蕾を焼き切るように刻まれている)
【属性】混沌・悪
【魔術系統】大陸魔術(練丹術の亜種)、捕食魔術
【魔術属性】地、火
【魔術特性】吸収、破壊>>470
【魔術回路】質:B 量:A+ 編成:接木・融合型
かつて他者の回路や霊基を「捕食」して強引に自身へ繋げたため、ツギハギだらけで歪な編成をしている。容量は膨大だが、稼働させるたびに激痛と吐き気を伴う。
【起源】『飢渇(きかつ)』
【所属】香港マフィア『黒竜会(ヘイロンフイ)』
【階位・称号・二つ名】若頭(ドラゴンヘッド)、暴食龍
【魔術・特殊技能・特性など】
『暴食魔術(グラトニー・アーツ)』
他者の生命力(オド)や魔術構造物を「咀嚼」し、自身の魔力として嚥下する外法。 顎の力は物理的な硬度を無視し、概念的な守りさえも「食い破る」特性を持つ。
『悪食:A』 有機・無機を問わず、あらゆるものをエネルギー源として摂取できるスキル。 ただし現在の彼は味覚と消化機能を喪失しているため、このスキルを使用することは「泥を啜る」ような苦痛を伴う。
『黄金律(裏):B』 裏社会における財産形成能力。莫大な資金力を持つが、それを使っても自身の空腹を満たすことはできない。>>471
【礼装・装備など】
魔術礼装『餓竜の点滴(ドラゴンズ・ドリップ)』
常に左腕に接続されている生命維持装置。 中身は過去に捕食した魔術師の血液や霊基を精製した「高純度魔力液」。彼はこれでギリギリの栄養と魔力を補給しているが、決して満腹感は得られない。
【外見・容姿の詳細など】
痩身躯。かつては鍛え上げられた肉体を持っていたが、現在は見る影もなく衰えている。 指先は常に微かに震えており(低血糖に近い症状)、苛立つと自身の爪を噛む癖がある。
【人物像】
かつては「暴食龍」と恐れられた健啖家にして武闘派のマフィア。 現在は呪いにより「味覚」と「消化能力」を奪われ、何を口にしても「乾いた砂の味」しかせず、固形物を摂取すると激しい拒絶反応(嘔吐)を起こす廃人寸前の亡霊。 失われた幸福(食)への執着だけで生きており、その精神構造は極めて神経質かつ暴力的。>>472
イメージカラー:燻んだ赤、灰
特技:組織運営、拷問(解体ショーに近い)
好きなもの:極上のステーキ、フカヒレの姿煮などの美食(すべて過去形)
苦手なもの:砂の味、点滴、同情、空腹
天敵:美味そうに飯を食う人間、裏切り者
願い:もう一度、温かい食事を「美味い」と感じて飲み込むこと。
【一人称】俺(おれ) 【二人称】貴様、お前、テメェ、または料理名(「おい雑炊」「そこの肉」など) 【三人称】アイツ、あのゴ/ミ
台詞例
「……砂だ。どいつもこいつも、砂の味しかしねぇ」
「サーヴァントなんてのはな、所詮は高級食材だ。俺の舌を満足させられねぇなら、ただの残飯だろうが」
「食わせろ。……俺に、"生きている"という実感を、食わせろぉぉぉッ!!」
「不味い。貴様の魔力は泥の味がする。……ッ、オェッ。……次だ、次の皿を持ってこい!」>>473
【来歴】 香港のスラム街から成り上がり、敵対者を物理的・魔術的に「食らう」ことで組織の頂点に立った男。 3年前、信頼していた腹心の裏切りにより、食事に『五感剥奪の呪毒』を盛られる。 即座に裏切り者を殺/害し解毒を試みたが、呪いは彼の「味覚」と「消化器」のみを破壊して定着した。 以来、彼は生ける餓鬼となり、失われた感覚を取り戻すために聖杯戦争への参加を決めた。
【性格】
傲慢・短気・独裁的
自身の欠損(食べられないこと)へのコンプレックスから、他者に対して攻撃的。 特に「食事」に関しては異常な執着を見せ、部下に豪華な食事を強要してはその感想を聞き出し、嫉妬で暴力を振るうというサディスティックな代償行為を繰り返している。
【行動規範・行動方針】
「俺を満たすか、俺の餌になるか」
全ての行動原理は「食欲(あるいはその代替行為)」に基づいている。 聖杯戦争においても、敵マスターやサーヴァントを「食材」として品定めし、より美味そうな(魔力の高い)獲物を優先して狙う傾向がある。>>474
【参戦理由】
聖杯の奇跡によって、呪われた肉体を治療し、再び食事の喜びを取り戻すため。 世界征服や根源への到達には一切興味がなく、彼の望みは「"美味い"と言って死にたい」という一点に集約される。
【サーヴァントへの態度】
「道具」、あるいは「料理人」
サーヴァントを「高魔力を含有した高級食材」あるいは「自分に食事を提供する係」として扱う。 敬意は一切払わず、自身の空腹感を満たせない場合は容赦なく罵倒し、令呪による自害(あるいは自食)すら命じかねない危うさを孕んでいる。 しかし深層心理では、自身の孤独と飢えを理解してくれる存在を求めており、もし彼の為に「食べられる料理(概念的なもの含む)」を提供するサーヴァントが現れれば、歪んだ依存関係に陥る可能性がある。
なかなか面白い誕生・成立経緯の人です。こんなキャラは如何でしょうか?久しぶりに時間できたから感想書けそう────いや投下数多いな!?
余談ですがシャクラ・ヴィシュヌヤシャスを『聖杯大会運営まとめwiki』に移行したので外部URL貼ってます(その影響でスキュレカリュー教室も更新されています)
ここのえの持ちネタを全部投入するかの勢いだが「スキュレカリュー教室で編み出した結論・決着術式」を何も考えていなかったことに気付いてしまったので構築ミスった
>>375
習得秘話ですわね~屍搾呪でノルちゃんを作った人も気になるのですわ~
やっぱ魔術を解体している時が、この手札があるからこの描写!感があっていいよね…いい…(略奪公はNG)
>>403
事実上のこたつデートやないけ~!?!?こいつらコタツしたんだ!!(画像略)
>>438
足や腕の腱を断ち切ってしまえばいい──で同意される兄。残当すぎる。(ヤンデレは見なかったことにした)
>>475
起源覚醒者っぽい感じの芸風で中華マフィアだと「暴」の勢いが強くて良き~>>480
HAHAHAそんなヴァカなと言いたいところだけど
ルナ思考でやってみたところ「魅惑系主役体質」なんて出ちゃったのでちょっと言葉につまるぅ…>>486
かしこまり!ありがとうございます!
そのくらいの感覚でちょっくら詰め直してまいりますわ!>>477
>足や腕の腱を断ち切ってしまえばいい──で同意される兄。残当すぎる。(ヤンデレは見なかったことにした)
まぁクッチーは誉さんのヤンデレ発動も受け入れるから……。
「流石にトイレとお風呂は自分でしたいから、せめて片手の腱は残しといてくれると嬉しいんだけど。えーっと……首輪に手錠、後は足枷か。必要だよね、買ってこようか?」
とかは普通に言う。
>>477
>「暴」の勢いが強い
ヴィクトルさんとは違うタイプの支配者系マスターです。あっちが覇王型だとすると、龍牙は暴君型。でも自分の部下はヴィクトルが市販の玩具を使い魔にしてて、龍牙が人間だろう、というのも面白い対比。
>>478
>『食』が実質封じられてる
ですが……っ!なんと……っ!異聞帯(私のPC内SS)に限り……!特別に……っ!
まぁココでは投稿できないんですがね、そのSS。多少設定変更も起こした感あるし、内容がちょっと問題多いだろう、あたりが理由で。
あと実は龍牙さんは共作というかなんというかで、割と自分じゃなくて私執筆個人SS、「Fate/Requiem」キャラ提供者さんの協力も大きいのです、マジで(具体的には7割ぐらいか?)諸事情でテンションがブチ上がっております
ちょっと中納言さんが好きそうだなとかも思いました
そんなわけで番外編の続きを投下ー!!!side-セシボン・トゥー・ザ・パラチンタ
「サプライズ、なぁ?」
「す、すいません、今のうちに、人手がほしくて……」
「いや謝ることでもないんだが」
ヘルメのやつがまごまごしながら、うつむきがちな体勢で俺と会話を続ける。
……ンだが、たたでさえ身長差がある上にビクビクとか細い声で続けるからイマイチ聞き取りにくい。まぁアードゥルのやつの誕生日を祝うってとこまではなんとか聞き取れた。
だがそこから先が進まん。
「ですので、あの、あの、えぇっと、せ、先輩の……」
「あーなんだヘルメ。すまんがもうちょっとデカい声で頼む」
「う、っあ、せっ、先輩のっ! いつも使って……うぅ……」
「おう、なんだ? いつも使って……なんだ? パラチンタか?」
「───! は、はい! パラチンタです!」
「ったく、それならそうと言え。腹減ってたんだな?」
「ちがっ違います!」
「あァ? なにが違う? パラチンタじゃないのか?」>>490
「パラ、チンタ……なんです、が……」
「?? 食いたいんだろ? あーいや、誕生日って話だったか。じゃあバースデーパラチンタだな? そうなんだろ? ロウソクを立てたサプライズバースデーパラチンタ、これだろ?」
「でも、なく、て……あぅぅ……」
ああくそ、また声が聞き取れなくなってきた。
結局なんなんだ? 俺に何をしてほしいんだ? サプライズだから黙ってろってんなら従うし、人手が足りないから力仕事をってんならまぁ手伝ってやってもいいが。だが中身もわからん内は生地で包むことも出来ん、パラチンタと同じだ。
そう、パラチンタだ。パラチンタには反応したから間違っていないはずだ。
改めてヘルメの藍色ぽんぽん頭を見下ろす。
自分で食いたいって訳じゃなさそうなんだよな、バースデーパラチンタも正解ではなさそうだからこれは……そうか!
「作ってみたいんだな!?」
「へぅっ!?」
びくりとヘルメの肩が跳ねた。今まで一番大きいリアクション。どうやらこれが正解みたいだな。
「ははぁ、パラチンタ作りの弟子入りか。なるほど俺に頼むわけだ」
「え、えっ? いや、そうじゃなく、て……」
「なに任せてくれ。俺のパラチンタもまだ道半ばだが、ダチの誕生日を祝えるくらいのモンは伝えてやれるさ」>>491
「あの、あの……!」
「おいおいセシボン、さすがに一方的すぎるだろう?」
銀縁の眼鏡をきらりと光らせて歩み寄ってくるのはライカ・サオトメ。
救世主にでも会ったかのように、表情が柔らかくさせたヘルメが小走りで駆け寄る。理不尽にひとり取り残された気がしてほなんだかさびしくなった。
「んぁ? なんだよサオトメ。お前も一緒にパラチンタを、」
「だからそういうところだって。一旦パラチンタから離れよう?」
「……じゃあ、なんだ? パラチンタ以外で俺に用があるってか?」
「あるから、話しかけたんじゃないか。どうだいヨモ?」
「はっ……はいっあります。パラチンタ以外で、セシボン先輩にお願いが!」
「お願いィ? なんだ?」
「誕生日当日に、ルナちゃんを連行してきてほしいんです!」
「っえー……?」
「それは……送迎とかの言い間違いではなく、かな?」
「連行で合ってます。ルナちゃんを捕まえて、絶対に逃げられないようにして、会場まで連れていってほしいんです」>>492
ヘルメのうつむきがちな顔が少しだけ上がる。その表情はマジだ。本気と書いてから読むような表情だ。らしくないジョークで笑いを取りに来たわけではないらしい。
……なのに連行なぁ。
「なぁヨモ? 僕のイメージじゃ首に縄かけてルナを引っぱっていくような画なんだけど……」
「それで、大丈夫ですっ」
「そっかぁー……大丈夫かー……大丈夫じゃないほうがよかったなぁ」
「そ、そのくらいじゃないと、ルナちゃんはどこへ行くかわからないので……」
「まぁそうだね。目を離すとすぐにいなくなるような子では、あるけれど」
「だから、セシボン先輩に連行してきてほしくて……」
「オイ待て。じゃあ腕っぷしで選ばれたのか俺?」
「戦闘力基準なら、うん、適任じゃないかな? この教室でなんでもアリの乱闘ならセシボンが一番だろう?」
「セシボン先輩ならルナちゃんが逃げても勝てます……よね?」
「あのなぁ……『殴る』と『捕まえる』じゃまるで違う仕事だぞ。軽く言うな」
「む、難しそう……ですか?」
「ンなこた言ってねぇ。ひとりじゃ手間ってだけだ」
ああそうだ。手間だ。たった二本の腕で逃げようとするノラ猫を捕まえるなんざ、手間以外の何物でもない。
だったら対策は単純だ。二本で手間なら、四本に増やして挟めばいい。>>493
「なあヘルメよ」
「は、はい?」
「この誕生日はサプライズでやるんだよな?」
「そうですけど……」
「ひとりくらいなら増やしてもいいか?」
「へ?」
「捕り物ってんなら俺より向いてるはずだ。クラッフのやつも混ぜていいか?」
side-アクアステラ=リキッドクラウン
「なんだか仲間外れにされてる気がする……!」
なんの脈絡もなく銀髪の自称・王子であるエンデ・エルフィリーデ・リヒテンシュタインがつぶやいた。繰り返すが脈絡はない。こいつが勝手に謎電波を受信しただけだ。
「というか、仲間外れにしているのはお前のほうだろ?」
「ふゥん? ま、一理あるな?」
目の前で俺の机をはさんで座っている男は考古学科に所属している。
だがここは考古学科ではなく現代魔術科のエルメロイ教室だ。そして俺ことアクアステラ=リキッドクラウンもまたエルメロイ教室の所属になる。>>494
自分からホーム外に飛び込んでいるのはむしろエンデだ。同じ教室の仲間に『言えない話』とやらを持ってきたのもエンデのほうなのだ。どの口が仲間外れなどと言うのか。
「だがそれも君の腕を見込んでのことだ、アクアステラ=リキッドクラウン。俺の計画、俺の秘策、俺の演出に、君のスライムがどうしても要る」
「そりゃいいけどよ……改めて聞くが、やるのはバースデーパーティーなんだよな?」
「情報漏洩を防ぐために主役は明かせんがね。ま、俺ではないとだけ言っておこう」
「なのにやるのがこの"迷宮"かぁ?」
「あぁ、俺からのプレゼントは"迷宮"だとも」
エンデ考案の『言えない話』の全貌はあらかた聞いた。本気かよと思った。面白そうじゃねぇかと思った。つまりはノリノリだ。
そして現場はあくまで考古学科の敷地内。我らがエルメロイ教室の名物講師にバレる可能性は限りなく低い。となればこれはもうやるっきゃない。名前もわからない生徒Xの誕生日を祝うのもやぶさかではない。
「だが考古学科の結界もあるんじゃないか? 人除けのやつとか」
「あるだろうな。下手に干渉してトチっても騒ぎになるだろう」
「……その言い方なら、やっぱ目星はつけてきたか?」
「すでに"迷宮"を置く中心と中継点は選出済みさ。でなければこんな話はもってこない」
「へェ。準備万端ってわけだ」
「まぁ……俺が探知できない術式など走ってればご破算だが」
「おいこら。急にダメそうな流れを作るな」>>495
選出済みの場所とやらは俺も確認しておかないとマズイだろうな。サプライズという前提だけにリハーサルもできない一発勝負だ、不安要素はできるだけ取り除いておきたい。
それに、不安要素といえばもうひとつ。
「なぁエンデよ」
「なんだアクアステラ」
「お前の計画通りにいけば、この"迷宮"は相当大掛かりな仕掛けになるだろ」
「大部分は俺の描いたハリボテだが。範囲だけならば、まぁ、広大だな」
「なら、金が足りない」
「むん?」
「この規模だぞ。お前の言うとおりに進行するなら維持する時間も長く取らないといけない。それだけの儀式を成立させる魔力と触媒にアテがあるか?」
「…………あっ」
「ウソだろオイなにも考えてないのか!?」
「それはまずい、まずいな? 俺たちの気合でなんとかならんか?」
「なるわけねーだろ。数分で干からびるっつの」
これは計画頓挫するやつだ。それはもう仕方ない。だがこれでいいのかもしれない。
ありきたりだがバースデーを祝う気持ちがあればそれでいいとも思う。無理な金策に精を出すなど───>>496
「そうだ。バイトしよう」
「今から!? 短期で!?」
「ほら、マグロ漁とか」
「イギリス国内でのマグロ漁業は禁じられているッ!」
「それは知らなかった。ヨーロッパ圏はどこもアウトなのか?」
「……地中海の一部はセーフ」
「じゃあ地中海だ。ギリシャなんて俺に似合うと思わないか? 白と青のコントラスト」
「まじかよ。本気で行くってのかい?」
「もちろん、君も来てくれるのだろう?」
「オイオイ常識的に考えてくれって。そんなバカみてぇな話───乗るに決まってるだろうが!」
「友よ、そう言ってくれると信じていた」
俺たちは固い握手を交わした。もう言葉は要らなかった。
昂る気持ちのままに教室を出た。大した長さもない廊下を歩いて外へ出て、空港を目指す。
現代魔術科と考古学科でそれぞれ一人ずつ生徒がいないと判明したのは、それから約二時間後のことだった。>>497
side-シウン・ヴィルクレツィア
「では、本当に話してしまったのですね?」
「巻き込んだ、という表現が相応しい。私の独断によってヨモ・ヘルメは無関係ではいられなくなった」
考古学科の学術棟に置かれたモートン・ドラモンドの私室にて。シウン・ヴィルクレツィアは本日分の報告を終えていた。
一通りの報告を聞き終えて、彼は深い息と共に背もたれに体重を預けた。
ドラモンドの名にふさわしい巨躯に対して一般に流通する調度品はみな無力である。特注の品でなければその筋肉的厚みには耐えられない。
「心底から力不足を恥じるばかりだ。いざという時に庶民ひとりの手綱すら握れぬ有様ではドラモンドの名に申し訳が立たん」
「力不足だなんてそんな……ずいぶんとお優しい誤魔化し方をするのですね」
「なんのことだね?」
「先ほど報告したとおりです。『ヘルメの不安定な性質に改善の目途は立たず』……と」
「話が見えてこないな」
「彼女の不安定さは緊急時の脆さに直結している。それこそ今回のような状況を知らぬままいれば不測のアクシデントに繋がりやすいとは思いませんこと?」
「同意はするが。それがどう私への評価に転ずるのかね」
「本件はすでにヘルメにとっての"不測"ではなくなった。当日、あの子は進んで危険から遠ざかるよう動くでしょう。ミスター・ドラモンドが事前に知らせていたことで、ね」>>498
意地の悪い笑みが浮かんでしまっていたのだろうか。座っているにも関わらず自分とほど近い高さにある強面が、一段と掘りを深めていた。
肯定のつもりだろうか、一拍置いて彼は両手をあげた。
「……ヘルメの不安定な性質は未だ改善できておらん。万一巻き込まれた場合、誰より早く飛びこむのがアードゥルならば、誰より逃げ遅れやすいのがヘルメだ。多少、強化魔術に長けたところで発作でも起こそうものならまず助からん」
「だから、わざわざ生徒に頭を下げたのでしょう? 片や知らせないことで本件から遠ざけ、片や知らせることで本件から遠ざけた。力不足なんてうそぶきながらその実、2人の生徒を逃がしているだけなんですもの」
「そこまで理解しているなら、魔術師らしく合理的と評してほしいがね」
「ほら、そういうところがお優しいと言っているんです」
「…………」
一度は上げたはずの両手が下ろされ、胸の前でがっちり組まれて沈黙してしまった。すこし、笑ってしまいそうになる。
「暢気な話をしている場合ではなかろう、シウン・ヴィルクレツィア?」
「えぇ心得ています。これまでの話はただの保険に過ぎず、ここからが私たちの仕事、でしょう?」
「そうだ。万一の場合、実力行使で生徒を止める役は我々が担う」
「後のお二方は?」
「ダグラスは私の補助に回す。テレータは事前と事後に裏方として走らせるのが最も効果的だ。翻して、貴様の憑物は現場での使い道が多かろう。……加えて言えば、私を切り捨てる必要に迫られても決断できると信じている」
「まあ。そのように冷酷な女だと思われていたのなら、そうね、心外よ?」
「即断即決を実践できる魔術師だと評価している。違ったかね?」>>499
ささいな抗議も届いているのかいないのか。
単に責任を取るだけの話ならば、目の前の上司を切り捨てろという結論にはなるまい。最悪のケースを見越して単身で霊墓アルビオンに潜るくらいのことは考えているだろう。かの迷宮の性質からして、それは、身を投げることと大差ない。
「ドラモンドの名声にも翳りが見えるでしょう?」
「心配は要らん。我がドラモンドの次期当主は非常に優秀なのでな。ふふん、自慢の孫だとも」
「風変わりな教室に入ったと聞きましたが」
「ン、まぁ、スキュレカリューの猟犬なぞにあの子を預けるのも業腹ではあるが……」
「どうです? お孫さんが心配なうちは無茶もできないのではなくて?」
「不安はあるが、心配などしておらんよ。あの子はすでにドラモンドの正道を成せる魔術師だ。スキュレカリューの名も呑み込むくらいはやってみせようさ。……となれば、この身の使い道もそう多くはないということだ」
だから使い捨ててもいい、と決断するのはいきすぎだろう。
非常勤の講師ごときに求めすぎだと思う。だが口にはしない。この程度で愚痴を吐いて、アイツに聞かれでもしようものなら、腹の底からムカついて収まらない。
「……はぁ。なら、そんな決断は不要にしないといけませんね」
「無論だ。そのための準備はいくらでもあり、しかし手は足りん。───働いてもらうぞ」>>503
クチサッキーはなんとなく伝奇系シリアルキラーの気がするんすよ。隠密うまそうというか暴れまわって破壊するんじゃなくて日常からいきなりポップする感じの。
ポルカさんも推理小説好きだったりアガサ側をエッチな百合堕ち出来そうでそそりはするんですが>>506
嗜好的ヒャッハーだけどちゃんと戦況は理解して潜伏が出来るタイプですかね。
見境なしに暴れるのはあまり止したいか
女性だと嬉しいですね。
あ、サーヴァントととなるリメイクアガサあげます。【元ネタ】史実
【CLASS】キャスター
【真名】アガサ・クリスティ
【性別】女性
【身長・体重】145cm・37kg
【肌色】白【髪色】橙【瞳色】碧
【スリーサイズ】63/50/69
【外見・容姿】
橙色の髪を伸ばした少女。両もみあげの髪をウェーブがかった巻髪にしている。
【地域】イギリス
【年代】1890年〜1976年
【属性】混沌・中庸
【天地人属性】人
【その他属性】人型
【ステータス】筋力:E 耐久:E 敏捷:D 魔力:B 幸運:B(D) 宝具:B
【クラス別スキル】
陣地作成:D
魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。
彼女は魔術師ではないため、作り上げるのは物語を執筆する“書斎”である。>>509
アイテム作成:C+
魔術的な道具を作成する技能。
殺.人トリックに必要な物品を作成する。
物品は神秘の宿っているナイフや銃、贋作品ではあるがヒュドラの毒矢とピンからキリまである。
また、魔術に依らないが医療薬や毒薬も作成できる技術(スキル)も有する。
【固有スキル】
精神異常:D
精神を病んでいる。
通常のバーサーカーに付加された狂化とは異なる。
世間一般からズレた教育を受けたことによる独特な感性。
他人の痛みを感じず、周囲の空気を読めなくなっている。
それでも閾値を越えるような精神的ストレスを与える事態の場合は該当する事態に纏わるものを『忘却』することで精神負荷をリセットする。
愛する母親を喪った折にキャスターは現在の『家族』を忘却することで世間を賑わせた失踪事件を起こした。>>510
高速詠唱:B
魔術詠唱を早める技術。
キャスターの場合、魔術ではなく原稿の進みに恩恵を得ている。
生涯に長編小説66作、中短編156作、戯曲15作。別名義を含めればさらに小説8作、他3作と膨大な作品を書き上げたキャスターは稀に見る執筆速度の速さを持つ。
空想上の彼女達:C
イマジナリーフレンド。ザ・キトゥンズ。
空想の友達。あるいは怪物。
キャスターにしか認識出来ない空想上の人猫(キャットガール)のような友達を使い魔として複数体使役する。
【宝具】
『陽だまりと隣り合わせの殺.人(ザ・マーダー・オブ・ロジャー・アクロイド)』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1〜40 最大捕捉:12人
強化宝具。
対象を殺.人事件の『犯人』とし『被害者』を殺.害可能なパラメーターとCランク相応の諜報スキルを付与する。
『犯人』ないし殺.人事件は『被害者』が出なければ発生しない因果から『予定被害者』に対して強力な優位概念を保有する。
この宝具効果は事件発生後、対となる形で発生する『探偵』に犯人であると告発されるまで維持される。>>511
『眠れる死(スリーピング・マーダー)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:ー 最大捕捉:1人
死.亡予言書。因果逆転宝具。キャスター曰く使えない方の宝具。
現界直後対象の死.を入神(トランス)状態になったキャスターが本に書き記し、本来の死.亡時刻が過ぎた不特定なタイミングに第三者の前に出現、第三者に開かれ書かれた死.が観測された時点で対象はその通りに死.亡する。
対象は過去に既に死.亡していたことになる為対象が直接的に関わった結果は無かったことに改変される。
この宝具の内容をキャスターは開封することが出来ず、第三者に開かれるまでの所在も感知することが出来ない。
予言対象はキャスターを除いた完全ランダムであり、この宝具はキャスターが消滅した後であろうとも効果発動まで現界し続ける。
本来対象を指定することのできない宝具であるが変則的な使い方が存在する。
キャスターの召喚以前に既に死.亡が確定している相手であれば令呪で対象にすることは可能であり、その場合何故死.ぬことになったのか、過去そこで何があったのかを対象の心情ごと暴き出すこともできる。
【Weapon】
万年筆
【解説】
英国が誇るミステリー界の女王。
その多感な少女期の側面で召喚されている。>>512
【人物像】
内向的で人見知りな性格。
妄想癖がありその思考は暗鬱としながらもある種の好奇性を希求している。
「殺.人に興味がないなんて人間はいない」──生前の小説の登場人物に発させた台詞はまさにアガサの生来からの嗜好性そのものであった。
コナン・ドイルの『シャーロック・ホームズ』シリーズに影響を受け小説家への道を志したのも空想であればいくら殺.しても支障はない、という自身の嗜好を正当性の下満たすため。
“ノンフィクションは書かない”──生前の自らの戒めとしていたのもノンフィクションを描けば最後、自身の殺.人嗜好は空想の域を超え現実(リアル)のモノとなる危機感があったからである。
──最も、一度死.を迎えサーヴァントとなったアガサ・クリスティに上述の縛りは存在せず己が欲求のままにマスターと共に他マスターやサーヴァントの殺.害計画に協賛する魔作家と化している。
特技:ひとり遊び
好きなもの:母親、本
嫌いなもの:自らの愛する親しい者の死
天敵:世間という常識
願い:人類史上最悪の殺.人事件をしたい
【一人称】わたし【二人称】あなた
【セリフ例】
(ICV:河野ひより)
「あっはっはっは!えぇ?嘘!このドン詰まった状況からまだ暴れるの?
犯人の最期の抵抗もそれはそれで華!うーん、ミステリーじゃなくてピカレスクロマン?サイコホラー?ジャンルは変わるけどまぁ、良いや。
書く気がモリモリ湧いてきたぁ!どんどんいくよ、マスター!」>>513
「スゴイ大物が混ざってるなぁ。
ま、任せてよマスター。相手が半神だらうとどれだけ強大な英雄だろうと──、それが空想で人ならわたしが殺.してあげる」
「わたしじゃない大人になったアガサ・クリスティ。
空想を描く身でありながら自分自身が空想以上の虚構(フィクション)に成り果てた、か……。ああ(怪物に)はなりたくないよね……。
だいたいさぁ!ママ以外の親の下に生まれてぬくぬくと過ごすとかあり得なくない?」
[[アガサ・クリスティ(フォーリナー)]]に対して
【因縁キャラクター】
コナン・ドイル
アガサが探偵小説を好むようになった『シャーロック・ホームズ』シリーズの作者。
英霊となった今でも彼は自身のリスペクトする先輩作家である。
キュロス二世
ある聖杯戦争においてアーチャーで召喚された救世主。
聖杯戦争優勝者。先にキャスターが脱落していなければ黒幕が台パンしていた理不尽。
マブ・ザ・クイーン
ある聖杯戦争においてバーサーカーで召喚された妖精女王。
自身の魔殻英雄の軍勢と引き込んだセイバーとで一大勢力をなし得たが故に他陣営の結託を良しとしてしまった。
今回のレイド枠。>>514
ペーレウス
ある聖杯戦争においてセイバーで召喚された大英雄。
女難の相が極まっておりバーサーカーの蜂蜜酒に魅力されたと思えば今度はマスターがランサーに吸血されるとあっちこっちに引っ張りだこという在り様。
それでも各局面で一騎当千の強さを見せ優勝一歩手前まで行った辺り名に違わぬ兵であった。
ミラーカ
ある聖杯戦争においてランサーで召喚された吸血婦人。
バーサーカー討伐のゴタゴタで彼女の陣営を一部取り込みセイバーのマスターとキャスターを吸血鬼と化させた。
……三日天下とばかりにアーチャーと叛逆したセイバーに殲滅される。
【製作者】愉悦部inクローディアァ!
以上です。ゆーれいさん作者の火村さんからも意見は聞きたいですね。
聖杯大会運営本部【リレー相談・雑談】#235
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