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「ところでパーシヴァル卿はどうしてサークル参加しようと思ったんですか?」
「気になるかい?一時期カルデアの図書館で円卓の本を読んでいたのだけど、この話を長い間色々な人が愛してきたのだと思うと私も書きたくなってね。」
「わかります!他人の創作って刺激を受けますよね。」
「後はもっと円卓のみんなのことを知ってもらいたいからってのもあるかな。円卓の話を読むほどに『その人はもっといいところがあるのに』ともどかしい気持ちになってね。試しに短編で作れる聖杯探索のエピソードから作ってみたんだ。」
誇らしそうにパーシヴァルは言った。
「凄いです。ガレスはそんな気持ちで本を書いたことはないです…」
「いや、いいんだよ。偉そうなことを言ったけど、売れたのはガレスが初めてだしね。」
パーシヴァルはバツが悪そうに人差し指でほっぺをかいた。
「まあ今回は初参加だし、本の作り方や参加方法が分かっただけでも…」
「いけません!せっかく心を込めて作った本なんです!!ここはガレスにお任せください。」
ガレスはトンと自分の胸を軽く叩くとスマートフォンを取り出した。トークアプリを起動してグループラインを開くと文字を打ち始めた。
「アーサー王物語・聖杯探索本あり・作者はパーシヴァル本人」
送信するとすぐに返事が来た。
「本人降臨だと…」「場所どこ?すぐ行く!」「取り置きできる?」「ボールスとギャラハッドも出る?」「2日目の参加予定は?」
トークアプリには次々と返信が来た。そりゃあまあパーシヴァル本人の書いた聖杯探索本である。マニアなら垂涎の一品だ。各々の質問にガレスが返信している間に、ブースに人が来て本を購入した。それからもポツポツ人が来て最終的に本は完売した。
「ありがとう、ガレス。おかげで本が全部売れたよ。」
「いいえ、ガレスは大したことはしていません。ちょっとパーシヴァル卿のお手伝いをしただけですよ。」
まっすぐにガレスを見てほめてくるパーシヴァルに恥ずかしくなってガレスは目を逸らした。
怪 文 書 ス レッ ド 3
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