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ガレスはパーシヴァルの方を見た。パーシヴァルの手前には机が置いてありその上に本が10冊ほど並んでいる。
「もしかしてサークル参加されたんですか?」
「そのまさかだよ。」
「もし良ければ中を確認しても良いですか?」
「どうぞ。」
その言葉に促されてガレスは本を手に取った。
置いてある本のタイトルは『聖杯探索小話』で少し重みを感じた。タイトルの通り聖杯探索での色々な小話がパーシヴァルの視点で描かれていた。
「これ、全部パーシヴァル卿が書かれたのですか?」
「そうだね。文章書いたのは私だよ。」
「ちなみにこのお話はどこまで本当なんですか?」
「それはご想像にお任せするよ。」
パーシヴァルはそう言ったが、ガレスは大体実話なんだろうと思った。パーシヴァルは誠実で嘘をつくのは苦手な人である。だから相手の名誉に関わるようなことが少し修正されているぐらいなのだろうとガレスは踏んだ。
「それにしてもサバフェスの参加方法よくご存知でしたね。」
「ああ、それならランスロット卿が手伝ってくれたよ。」
「ランスロット卿が?」
意外な名前が出てきてガレスは思わず聞き返した。
「うん。参加方法や手続きだけじゃなくて製本や印刷についても調べてくれた。本文の校正もやってくれてね。おかげで私一人で作るより随分良いものができたよ。」
本を読んだ時ガレスは『パーシヴァル卿が書いたにしては随分と少し硬い言い回しだ』と思ったのだがランスロット卿が校正をやったのなら納得であった。パラパラと本をめくるとパーシヴァル以外にもボールスやギャラハッドの名前も見えた。
怪 文 書 ス レッ ド 3
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