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「俺もみくびられたものだな。」
「と言うと?」
カルナの言わんとしていることがわからずにパーシヴァルが聞き返した。カルナは言葉を続けた。
「俺はフルにスキルを使って戦っているがお前は1つも使っていない。」
「成程あなたにはそうみえたのですね。ですがそれは違います。私がスキルを使ってないのは、あなたがスキルを使う暇がないほどの攻撃をしているからです。決して手を抜いているからではありません。」
パーシヴァルのスキルには回復の効果を持つものが多い。また防御の効果もあるので迂闊に使用を許せばカルナが不利になるスキルをフルに利用してもカルナが攻撃を続ける理由の一つであった。
「では、もう手詰まりか?」
挑発するようにカルナが言えば、それを正面から受け止めるようにパーシヴァルが答えた。
「それでは私も切り札を使いましょう。来なさい…」
パーシヴァルの隣に彼の愛馬が現れた。その背にパーシヴァルがひょいと跨る。巨躯の重さを感じさせない軽い動きだった。
「騎士パーシヴァル、改めて参る!!」
その言葉と共にかの馬はカルナに向かって突進した。切り札は何度も使えない。使えば使うほど相手がなれるからだ。カルナは短期決戦の予感を感じ、槍を持ち直した。
パーシヴァルの突撃からの強い突きがカルナを襲う。カルナはこれは受けきれないと横に飛び避けた、パーシヴァル側もこれを読んでいたようで軽く馬をいなしてカルナに追い縋った。その向きを変える一瞬の隙を突いてカルナは横薙ぎに槍を振るう。狙うは馬の足だった。 ”ガキン“ 槍の動きが馬の足に当たった瞬間弾かれるような手応えがあった。パーシヴァルの防御スキルが発動したことに気付いたカルナは槍を引こうとしたが、槍の上に馬がのしかかる形で押さえてけてきた。カルナは咄嗟に槍を手放し横に飛んだ。その瞬間カルナのいた場所にはパーシヴァルの槍が垂直に突き刺さっていた。
「そこまで!」
ダヴィンチの声で模擬戦は終了した。
怪 文 書 ス レッ ド 3
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