カルデアのシュミレータールームではまさに今パーシヴァルとカルナが模擬戦中であった。何度もお互いの槍の撃ち合いが繰り返されている。横で観戦しているメンバーがいたがその目は一瞬の隙も逃すまいと戦いをみていたし、通信室からはダヴィンチ他数名が様子を見ていた。普段はここまで物々しいことはしないのだが、今回は聖杯強化の経過観察の一環のため普段より厳重な環境での模擬戦となった。
このカルデアでの初めての聖杯強化の誉を、酷言い方をすれば実験台に選ばれたのはパーシヴァルであった。かの英霊は霊基も精神も安定しており聖杯との縁もあったからだ。強化そのものは成功し、聖杯の魔力が馴染んできた頃に今度は戦闘時に異常が起きないか確かめることとなった。データの取得が主な目的のため今回は宝具なしの戦いとなる。パーシヴァルの相手には同じランサークラスのカルナが選ばれた。
パーシヴァルの槍がカルナへと襲いかかる。パーシヴァルは槍を持つ手が恐ろしいほど軽いと感じていた。聖杯強化で跳ね上がった力では、いつものように振る舞えばその何倍ものその速度で槍は動いた。気を抜けば自身の力に振り回されそうになる。一方のカルナはパーシヴァルの槍を綺麗に捌いていた。だがその表情には余裕はない。槍を押し返すために魔力放出と無冠の武芸をフルに使用してなんとか耐えている状態だった。このままだとジリ貧で押されると感じた。
怪 文 書 ス レッ ド 3
643
レス投稿