>>626
大砲の代わりにと海賊は愛馬と騎士に船の中を案内してくれた。船にはロープや錨が積んであった。初めて知る愛馬はもちろん、知識でしか知らなかった騎士も興味深く話を聞いていた。
「今日は穏やかな海だったけど、荒れた海も体験してみたいかい?」
「ええ、それをお願いしたいと思っていたところです。」
「嵐は危険すぎて無理かもしれないが、荒天ぐらいならシュミレーター使用の許可も降りるだろう。覚悟しておくといいよ。荒れた海は全く違う表情だからね。」
その時愛馬がヒーンと鳴いた。自分が置いていかれると危惧したからだ。
「もちろんお前も忘れていないよ。」
騎士は優しく愛馬の首を撫でた。お返しに愛馬は額を騎士の胸に擦り付けた。
「おや、随分と愛されているんだね。君の愛馬は君にぞっこんじゃないか。」
「それはもちろんあなたにとってのこの船のようなものですから。」
「いうじゃないか君も。」
「ただの正直な感想ですよ。」
言われたことが満更でもなくて海賊は小さく笑顔を浮かべた。とても綺麗な青空と青い海がどこまでも広がっていた。
怪 文 書 ス レッ ド 3
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