その日はシュミレーターで息抜きを兼ねた模擬戦があった。2陣営に分かれた決戦はなかなか盛り上がったが、残念ながら時間切れとなり決着はつかなかった。騎士パーシヴァルの愛馬も主人と一緒に参加し、戦場を走ってた。騎士は現在他のサーヴァントと話をしている。暇になった愛馬は周りをキョロキョロ見渡し、目に入った竜ー名前をタラスクというーを見つけるとトコトコ近づいて行った。
「あ…自分に何か用っすか?」
タラスクは目の前の馬に尋ねた。この鎧甲冑を纏った馬がパーシヴァルの愛馬だということはわかったが、生憎タラスクとは縁のない人物だ。愛馬に至ってはもっと縁がない。愛馬はヒヒン鳴いて肯定した。
「で、用事…え、強くなりたい?」
「ちょっとタラスク何しているのよ、乱暴働いたらこうよ!」
拳をブンと振るマルタにタラスクは慌てて弁明した。
「違います姉さん、実はですね…」
掻い摘んでタラスクが要件を伝えるとマルタはパーシヴァルの愛馬の方を見た。マルタとしては別に馬に向上心があっても別にいいと思う。でもそれならもっと相応しい相手はいる。わざわざタラスクに相談した理由が気になった。
「でもそれならあんたの主人のパーシヴァルに相談したらいいじゃない。言葉なら金時にでも翻訳させたらいいわ。」
愛馬は一生懸命にマルタに伝えようとしたが、流石にマルタも馬の言葉はわからない。タラスクが間に入って翻訳した。
「姉さん、なんでも自分には特別な異名も逸話もないからせめて強くなりたいそうです。自分はただの馬だからそれぐらいはって言ってます。」
「ああ、主人に迷惑をかけたくないからパーシヴァルには内緒なのね。滅茶苦茶悪手よそれ。」
バッサリと切り捨てるようにマルタが行った。
怪 文 書 ス レッ ド 3
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