ドバイでの休暇中、とある日のことだった。その日の昼パーシヴァルはいつもとは違うものが食べたいと思い、珍しく少しオシャレなカフェを選んだ。注文を受け取ってどこに座ろうかと思い思案していると、カフェの隅の方に水着のBBがいるのが見えた。彼女の方もこちらに気が付いたらしく、笑顔で手招きしている。
「たまには一緒にどうですか?」
二つ返事で了承した。こうしていつもとはちょっと違うランチの時間が始まった。
パーシヴァルと水着のBBは今日の天気のことや昨日観光した場所のことを話していた。話は弾み穏やかな時間が流れていた。
「パーシヴァルさんって、とてもいい透明な人ですよね。」
「うーん、自分ではそう思ったことはななあ。貴女にはそう見えるのですか?」
突然の言葉にパーシヴァルはきょとんとした。
「へえ、自覚してないんですか。聖杯と聖槍の2つも加護を持っていて…」
水着のBBと目があった。赤い瞳がじっとパーシヴァルを見つめていた。
「そんな綺麗なものを見たら、壊したくなるじゃないですか…」
赤い瞳が自分に近づいてくる。パーシヴァルは自分が瞳に吸い込まれている感じがした。
「パーシヴァル!」
よく知った声に振り返ると、声の主のカルナがいた。隣にはバーソロミューもいる。
「集合時刻はとっくにすぎているぞ。お前らしくもない。」
「すまない、そんなに長居をするつもりではなかったんだが…」
外を見れば太陽が沈みかけていた。水着のBBに帰る旨伝えようとパーシヴァルは振り向いた。しかしそこに彼女の姿はなかった。それどころか誰かがいた痕跡すらない。
「大丈夫かい、少し顔色が悪いみたいだけど…」
「ああ、なんでもない。気にしないでくれ。」
3人はカフェを出た。いつの間にか太陽は沈みきって、月が上り始めていた。それは不気味なほど赤い満月だった。
怪 文 書 ス レッ ド 3
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