現在カルデアのマスター一行はドバイで休暇中である。厳密には2回目のドバイ旅行なのだが、それは一部の人以外知る由もなかった。マスターの護衛のメンバーは1回目と同じである。その中でパーシヴァルとバーソロミューは少し離れた街にある美術館に興味を持った。そこでマスターの護衛は他のメンバーに任せて2人は美術館に向かった。
道中野生動物が襲ってくることがあったが、ドラゴンのような恐ろしく強いもはいなかった。特に宝具を使うことなく戦闘を終えると騎士パーシヴァルは自分の愛馬の方に近寄った。念のため自分の愛馬が怪我をしていないか確認するためである。騎士が愛馬を見ると、愛馬は自分の主人とバーソロミューを交互に見ていた。
「彼はバーソロミュー、私たちカルデアで共に戦う仲間だよ。」
「円卓の騎士に仲間と言われると少しむず痒いなあ。私はしがない1人の海賊だよ。」
そう自重気味に海賊が言うと、愛馬はトコトコと海賊に近づいて鼻を向けた。愛馬が鼻をヒクヒクさせると甘くてみずみずしい匂いがした。
「どうしたんだい?」
普段と違う様子の愛馬に騎士が声をかけたが、愛馬は海賊から鼻先を離そうとしなかった。
「ああ、そういえば今日は香水をつけていたね。林檎の香りなんだけど、もしかして君は林檎が好きなのかい?」
林檎という言葉を聞いて愛馬の耳はぴくぴくと動いた。肯定の意味を込めて愛馬はこくんと頷いた。
「そう言えばせっかくの休暇なのにお前には何も用意してなかったね。街に着いたら林檎を買おう。お前は美術館には入れないしね。」
主人の言葉が嬉しくて愛馬は軽く飛び跳ねた。
なお街に着いた後、騎士と海賊は購入する林檎の個数で揉めるのだがそれは数時間後のことである。今はただのどかな時間が流れていた。
怪 文 書 ス レッ ド 3
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