怪 文 書 ス レッ ド 3

584

  • 571●ぬいぐるみパーシヴァルにもふもふ〈清廉なりしEvacuate:パーシヴァルとぐだ子〉2025/04/13(Sun) 22:38:46ID:AzNTE2ODg(55/59)NG報告

    「待ってくれ、マスター!」
     呼びかけに足を止めて振り返る。聞き間違えようのない声だ。パーシヴァル、と返そうとした喉が固まって、凍りつく。
     『それ』は、大きな着ぐるみらしきものだった。灰色がかった銀の毛並みは長く、その毛では誤魔化せない頑健そうな体躯が伺える。ぱっと見た顔の印象としては、デフォルメした狼のようだった。カルデアには大柄なサーヴァントも多く召喚されてはいるが、ここまで異様なファンシーさは持ち合わせていない。顕光殿でももう少し禍々しい。
     着ぐるみは戸惑いを察して、大袈裟な動きで腕を振った。
    「驚かせてしまったかな、私だよ。パーシヴァルだ。……うん、気持ちはわかるよ。見た目がこの通りだから、マスターも私とわからなかったろう。勿論ふざけているわけではないよ。これは着ぐるみではなくて、私がぬいぐるみになってしまったようなんだ。鎧もないし、この手では槍も持てそうにない。ほら、こんな感じだ」
     着ぐるみ──パーシヴァルの腕が両頬に触れる。途端に、もふ、と柔らかな感触に包まれた。着ぐるみではないということは中身も綿なのだろうが、低反発枕のようなしっかりとした手応えも感じられる。これのおかげで二足歩行ができているのか、そもそも重さはどうなのか─どんどん思考が横道へ流れていく。
    「マスター?」
     我に返る。
    「ご、ごめん! その、あんまり手がもふもふで」
    「はは、構わないよ。私こそ驚かせてすまない。こんな有様だから、早いうちにマスターに会えて安心したよ」
    「……不安そうには見えなかったけどな?」
     思わず首を傾げると、パーシヴァルが苦笑したような気配があった。

レス投稿

1.レス内の『>>(半角数字)』はアンカー、『http~』から始まる文字列はテキストリンク、
 YouTube・ニコニコなど一部動画サイトURLはプレイヤーに自動変換されます。
 アンカーは各レスの『』をクリックで自動入力が可能です。
2.名前の後に『#(任意の文字列)』でトリップを生成可能です。(※2ちゃんねると互換性なし)
3.画像投稿は1回の投稿につき1枚まで可能、各画像はサムネイル表示されます。
 GIF形式の画像はクリックまたはタップで再生されます。
4.誹謗中傷・暴言・煽り・スレッドと無関係な投稿は削除・規制対象となります。
 他サイト、個人への中傷、暴言は絶対におやめください。
※あまりにも酷いスレッドは削除させていただきますのでご了承ください。
 規約違反がある場合は各レスについている『報告』ボタンから管理人へ通知可能です。
 個別の削除依頼は『お問い合わせ』からご連絡ください。
5.巻き添え規制を受けている方はご自身のIPを添えてお問い合わせからご連絡ください。