気がつくと真っ暗な場所にいた。
周りを見ても何も見えず、どうしようかと考えていると後ろから声がした。
「大丈夫ですか?」
その声を聞いて頭にイメージしたのはパーシヴァル卿だった。まさかと思い振り返るとパーシヴァル卿その人がいた。ゲームで言うところの再臨前の軽装で槍は持っていなかった。
真っ暗な空間のはずなのにパーシヴァル卿ははっきりと見えた。
「嘘、これ夢なの?」
そう呟く私にパーシヴァル卿は答えた。
「そうかもしれませんね。私は本来ならば動くことも話すこともできないぬいぐるみですから。」
パーシヴァル卿のぬいぐるみといえば一つしか持っていない。机の上に置いてあるあのぬいぐるみだ。だけど目の前にいるパーシヴァル卿はデフォルメされておらずゲームとそっくりのビジュアルをしていた。
「それじゃあ、あなたはぬいぐるみなの?」
「はい、そうです。その、本物でなくて申し訳ない。」
心底すまなそうに呟くパーシヴァル卿にこっちの方が申し訳なくなり、慌てて否定をした。
「そんなことないです!ぬいぐるみのパーシヴァル卿にはいつでも家で待っていてくれるし、眺めているだけで気持ちが楽になるんです。ちょっと凹んだことがあってもぬいぐるみを見ていると元気になれるんです。私、ぬいぐるみのパーシヴァル卿が大好きです。」
「そうか、君が喜んでくれるなら何よりだ。」
パーシヴァル卿はニコリと笑った。
怪 文 書 ス レッ ド 3
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