事の発端はバーゲストが汎人類史の騎士についてカルデアで学んだ事だった。騎士には馬がつきものと知り乗馬に興味を持ったまでは良かった。しかしバーゲストの巨躯にあう馬など早々いない、悩んでいた時に通りかかったのがパーシヴァルだった。相談を受けたパーシヴァルはそれならばと自分の馬を貸すのを承諾してくれた。パーシヴァル自身もバーゲストに負けず劣らずの大きな体だ。自分の馬なら問題ないだろうとの事だった。
シュミレーターの草原でパーシヴァルは自分の愛馬を呼び出した。愛馬は少し周りを見て戦場ではないと確認した後、パーシヴァルの隣にいるバーゲストを見た。
「彼女はバーゲストと言って、私たちと一緒にカルデアに所属している仲間だよ。今日は彼女の乗馬に付き合って欲しいんだ。」
他ならぬ主人の願いである。愛馬としては頼ってくれるのは嬉しいし、主人の顔を潰すわけにもいかない。どうやら初めての乗馬らしいので、愛馬は乗りやすいように地面にお腹をつけてしゃがんだ。自分の上にバーゲストが乗り、じっと落ち着いたのを確認すると愛馬はゆっくりと立ち上がった。
「無理はしなくてもいいんだぞ。私はその…かなり重いからな。」
それを聞いて愛馬はこの主人の仲間の人はとても優しい人なのだなと思った。
しっかりと立ち上がった愛馬にパーシヴァルが言った。
「偉いぞ。よくやった!」
首のあたりを撫でられた愛馬は小躍りしたい気持ちだったが、流石に上に人が乗っているので大人しくしていた。代わりを首を少し振って喜びを主人に伝えた。主人は笑顔でそれを受け取った。
「では、手綱は私が握りますのでこのまま少し散歩をしましょう。」
愛馬はそろそろと歩き出した。最初は自分が歩くたびにドコドコ揺れていた上の人もだんだん体幹がぶれなくなって来た。どうやら自分の役目は無事果たせそうだと愛馬は安心した。しばらくの間2人と1匹は少し長い散歩をした。
後日、この話を聞いたメリュジーヌが「バーゲストだけズルい!!」と文句を言ってくるのだが、それはまた別の話である。
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