このスレッドはでもにっしょんch発リレーSS「Fate/TV SHOW」シリーズまたは「聖杯大会本戦総合」を円滑に運用する為の雑談場所、相談場所になります。新規参加者大歓迎!!!
・他スレッドや他サイトへの宣伝はやめましょう。他の利用者の迷惑になります。
・当スレッドの特性上、製作したキャラクターやリレーの進行等について話し合う機会が多くあります。スムーズな進行のため、参加者は固定ハンドルネームやトリップを使用しましょう。
・当スレッドにはwiki(https://fatetv1830.wiki.fc2.com/)が存在します。編集作業は人任せにせず自分で行いましょう。
・wiki内に詳しいローカルルールを載せています。参加者の方はご確認下さい
・次スレッドは>>950または>>970を踏んだ人がカテゴリー「その他」に立てて下さい。
・創作する上で関係のないネタバレを含む内容、ガチャ報告などは専門スレッドでお願いします。
・ネタバレ禁止期間は本編は開幕から二週間以降、イベントは終了後、新規実装サーヴァントや礼装など生放送系の情報については24時間後です。
・設定やストーリー展開のネタバレなどを含む雑談、相談では必要に応じてラフム語への変換をご活用ください。
・版権が絡むキャラクターを制作するのは禁止されております
・各作者たちはレンタルサーヴァント・マスターのページを編集してください。
聖杯大会本戦統合スレNO.5
https://bbs.demonition.com/board/6193/
ラフム語翻訳機
https://yt8492.github.io/RafmanTranslator/特異点の続き。
雪原が視界に広がる。
故郷である筈なのに、時代が異なるだけでこんなにも異郷の地にいるように感じてしまう。
周囲には少数だが巨人が未だに闊歩しているのを認識すれば、否応にもここが嘗ての故郷ではなく、遠い過去の台地なのだと突き付けられる。
だが、今の自分には感傷に浸っている暇などない。
やるべき事を、為すべき事を果たさなければ、この命の意義がなくなる。送ってもらった意味がなくなる。
であるならば、無心に、無意識に、無我夢中にでも歩み続けなければならない。
目的地は既に分かっている。目指すべき到達点は光の彼方で、世界とは隔絶された領域に偏在する最果ての向こう。
苦しくても、魂が今にでも擦り切れそうになっても、立ち止まってはいけない。
全てはあの日の約束の為に……己が誓った矜持の為に。
「面倒な……」
闇夜のような黒い毛並みと魔力。
鋭く並ぶ牙と、顎門の隙間から流れる白い吐息。
嵐の夜にて亡霊の王と共に現れる猟犬────ワイルドハントの眷属たるブラックドッグ。>>2
妖犬は如何に屈強な戦士といえども警戒する程に強く、これも例に溢れず危険極まりない魔力を帯びている。
だが、自分は“この程度”の脅威で足止めをくらう訳にはいかないのだ。
「我が魂を削りて共鳴せよ────黄金(グルヴェイグ)!」
剣を鞘から抜き取り────一閃。
僅かな秒の時間で猟犬の頭を斬り飛ばし、自身の前に立ち塞がる障害を亡き者にした。
他愛もない……という訳でもない。力を使わなければ苦戦する相手ではあるし、力を使った反動で魂に激痛が走っている。
途方もない苦痛だ。肉体ではなく、魂が擦り切れている感覚というのは絶叫しても足りない程に耐え難いものだ。
けれども、それでも足を止めてなどいられない。
今までに比べれば、この程度の痛みなど────。
「────驚きましてよ。鼠の排除に勤しんでいましたら、あの輝きが私(わたくし)の視界に入るんですもの」
天を見上げれば、先程までの灰色の空が暗黒に覆われていて────忌々しい人影がそこにはあった。
だがそれが同時に、永らく探していた目的のピースになり得るもので、未だ激痛で悲鳴をあげている体に叱咤して“魔女”に吼えた。
「アンタがここにいるって事は、“あの人”もここにいるって事で間違いないな!」
「……耳障りですこと。煩わしい虫の羽音のように擦り潰して差し上げたいですわね。早急に“ソレ”を貴様から引き剥がして……といきたいところですが、いつでも始末できる羽虫は後回しですわ」>>3
刹那、硝子を砕くような轟音が響き渡る。
「お前はだけは、逃しません……!」
「影法師が見苦しいですわね。せっかく殺さずに“私が”見逃してあげましたのに」
弾かれたような音が鳴る。
会話を盗み聞きするにあれがサーヴァント……老夫の言っていた抑止の輪より召喚された歴史の影。
成る程、確かに凄まじい魔力を秘めている。それに加え、魔女に斬りかかった女傑自体が相当な戦士であると窺える。
戦闘に視線をやりながら痛みに痙攣する肉体を無理にでも動かし、再び力を使おうとして────
「無事かあんた!」
目の前に、大盾を持った青年と。
「もう少しの辛抱だ。ちと耐えてくれよ!」
マスケット銃を持った青年が自身を庇うように現れた。映画?以前似たような話題が出たときに話した気がするけどあれからキャラ増えたしリストはどこかに消えたから全員分新しく書いてくるよ
だからサーヴァント枠の話かマスター枠の話かだけ教えい、どうせいつもみんな各々が自分のお気に入りかネタになる二、三人だけ言って終わりなんやから絞れるやろ立て乙~。
映画ねぇ…。
まずサーヴァントは映画見るタイミングとか特にないので(あんまりカルデア舞台は想像しない人)好みとか特に考える必要はない!
マスターの方は俺自身が映画通じゃないから知ってる映画が少ない!
以上だ!>>9
おk。
まずは鯖からでお頼み申す。
それと、迷惑をかけました。つーか中華鯖に実写キングダム見せたら割と盛り上がりそうだよね…
強いて言えばウォーリー好きそうなヤツは多いカナと思ったウチのマスター陣。
迅龍くんとか鳳蝶さんとか。荒廃した地球の描写はクッチーの趣味にも合いそうだし。あとうちの鯖は根は男の子な奴なのでプロメアとかグレンラガン見せたら意外に盛り上がりそう(お前は三国を何だと思ってるんだ)
俺朽崎君とゲームの趣味合いそうだな……(ニーアみたいな荒廃した世界舞台のやつが好き)
グズルーンは、兄たちは気持ちよく戦って死んだだろうけど、わたしは取り残されたわ!っていう人なので
アヴェンジャーズ・エンドゲームの「…アッセンブル!」とか、バーフバリの「バーフバリ!バーフバリ!」でテンションを高めた後に、(でもわたしはこの輪には運命力的に入れないんだよなあ…)って勝手に鬱になるタイプ!うちの鯖だと、
・新八:新撰組関連。『幕末純情伝』は「総司殿の性別は史実通りだけどラブロマンスのラの字も無かったってのww」とかゲラゲラ笑いながらツッコミを入れながら観る。
・嘉隆:ハッピーエンドなら色々と観る。
・トム&ハック:インディ・ジョーンズ・シリーズみたいな冒険映画。
・ハダリー:ラブロマンスもの。
・クリスティ:著作を映像化したもの。自分が書いた原作との相違点にツッコミを入れながら観る。
といった感じ。スレ立て乙ですのー!いよいよここも200という大台に乗りましたね…!まだまだ新参な自分ですが、お祝い申し上げたく…
映画は私があまり見ないクチなのでこれとか言えないです。ホレスはホラー映画大体全部好き、京丸はハッピーエンド恋愛もの基本好き、てくらいしか。
なので映画に纏わるコソコソ小話。
リシュリューは三銃士の映画で出てくるので自キャラでもトップクラスの映画出演率ですが、大抵悪役(敵役)なのでちょっぴり不満。まあ三銃士のリシュリューはライダーのリシュリューではないのですが。
カスパーも映画化したことがありますが、カスパー役の方がその後行方不明になったという中々数奇な顛末を持った映画です。
ポーはそこそこ著作が映画化したこともあり本人の生前を映画化したものもあります。でもなんだか知名度の割に少ない気がするんです。私思うに、ポーの著作は「アニメやドラマにするには内容が濃い・映画にするには尺が足りない」部類に入るのではないか、と。実際ポーは長編を殆ど著していません。本人が「小説は軽く読破できるものが良い」と提言していますし。
オーギュスト・デュパンシリーズも三部作のみで、しかも三作にはあまり内容的な繋がりはないのでくっつけることも難しい。結果的に、ポーの作品群はモチーフにされることは多くても映画化される機会が少ないのではないか、と。
文字を眺める、音読することがポー作品にとって今も昔も一番形式に即した楽しみ方っていうのは面白いものですよね。でも私ドビュッシーのポー舞台化見たかった()映画の好み【サーヴァント編】
ディートリッヒ:冒険もの(しかし裏では少女漫画系のも見ている)
フロールヴ:セーラームーン
ヘルギ:友情と青春もの
フェルディア:ワイルドスピードとか荒いけどどこか紳士さ感じるもの
羿:ラブロマンス
ニムロド:人間が頑張って活躍するジャンル全般
アクハト:サバイバル系
オッドル:運命とか介入しない冒険もの
取り敢えずここまでが限界……。Q.リアムちゃんにミッドサマーを見せるとどうなりますか?テンション上がったりしますか?
A.「これはCG」「これは小道具」「ここのルーンは誤用」「この儀式をやるなら3日早い」「そもそも空の色と風の音的に星辰がずれてるから今すぐやめるべき」って重箱の隅を突きまくるbotになるので見せないでくださいていうか、サーヴァント同士にSAWのゲーム内容体験させたい。もちろん装置はサーヴァントの能力に耐えられる仕様で。
>>16
こっちがニーアしらねぇ…。でも同じヨコオタロウ氏のシノアリスとかはやってるかもねクッチー。ちなみにうちの鯖で映画ネタだと
・木蘭に映画『ムーラン』→終始照れ臭そうにしながらも、何だかんだ最後まで観る。そしてエンドロールを遠い目で見つめてる。
・ジョリー=ロジャーにワンピ映画とかパイレーツ・オブ・カリビアン→前者は「こんな海賊いねえよ」と呆れつつも、きっちり観る。後者は「まあ大体こんな感じだよな」と言いながらやはり観る
・平賀源内→とりあえずジャンルを問わず片っ端から観る。雑食系。そして映画の中に出てきたガジェットを再現しようとする。大抵特異点化(だいさんじ)の前触れである
大体こんな感じですなあと前スレ、同じでもにっしょんchの僕鯖スレとこことの併用について云々ありましたようなので、私も言っておきましょう。
「ぼくの考えたサーヴァント13」における946から953に投稿されたサーヴァント、足利尊氏は私が以前ここのスレに投下したものです。成りすましではありません。
以降も併用はする可能性がありますが、その場合も誤解や齟齬が生まれないように逐次明かしていこうと思います。この度は紛らわしいことをしてしまい、申し訳ございませんでした>>30
あ、俺はフォルケールさんを色々と変更しつつ復活させるかもしれないなぁ。うちの鯖で興味ない人たち省くと
アームストロング→宇宙や飛行機が出てくると考証が気になって集中できないからそういうのがないならだいたいイケる
エドワード黒太子→戦争映画以外だいたいイケる
在原業平→おしゃれな洋画(ティファニーで朝食をとか)
平将門→ダイハードとかアクション系
厩戸皇子→ブレードランナーとかSF系
フロームンド→恋愛映画
倭建命→特にこだわりない
曹操→特にこだわりない
ダレイオス1世→アクション、ファンタジー系(マーベルやターミネーター大好き!)
イオラオス→ファンタジー、アクション、恋愛、ヒューマン
ロビンフッド→恋愛、ヒューマン
ウィーラーフ→アクション走る、走る、走る。
行く当てもなく、手がかりもないままに夜の道を駆け回る。
自分が落ちてきた場所を中心にその周囲を駆け回り、さらにそこから四方八方へ範囲を広げていく。
だが、どれだけ探しても目当ての人物は見つからない。人気の消えた街中は、フェリーペの努力を嘲笑うかのように沈黙を保ち続けている。
無論、そんなものはただの被害妄想でしかないのだが――
「ク.ソッ! センパイ、一体どこに……!」
焦り、逸る気持ちのまま、手近な電柱に拳を叩きつける。
反動と衝撃で痛みが奔るが、今の彼に気にしている余裕はない。
居ても立ってもいられず、再度夜の街に駆け出そうとした次の瞬間。フェリーペの左腕にナニカが巻きついてきた。
「なっ!?」
「――はぁ、はぁ。やっと捕まえたぁ。もう、何があったか知らへんけど話の途中で飛び出さんといてえな」
振り返れば、そこには肩で息をしている先程の少女――加々見が立っている。その右手からは銀色に光る糸のようなものが伸びており、フェリーペの左腕に巻きついてるものと同じだとすぐに悟れた。
「くっ、こんなもの!」
「やめとき。うちの銀糸は特別製や。ちょっとやそっとの力じゃ千切れへんし、まして魔術師でも何でもない人に解かれる程甘くはあらへんよ」
フェリーペが固まる。すぐにでも振り払いたいという衝動が、魔術師という聞き慣れた――そして、普通ならまず耳にする筈がない単語の重さに打ち負かされた。>>38
その態度を見て、加々見の顔に笑みが浮かぶ。
「ふうん。その反応、やっぱ魔術――ていうか、神秘の事も知ってるみたいやね。ただ者やあらへんとは思ってたけど、あんたも『こっち側』の人間なん?」
「……だったら、何だって言うんだ」
「別に? あんたが魔術師だろうが魔術使いであろうが、正直どうでもええねん。ただ、人の話も聞かんと駆け出してたさかいに、こら忠告せなあかん思ってな」
「忠告?」
フェリーペの意識が、ほんの少しだけ加々見の側に傾く。
本音を言えば今すぐにでもセンパイ――メンテーを探す為に走り出したかった。
だが、同時にこの地で動き回るにはあまりにも情報が不足している事も自覚していた。
未だカルデアとの通信も取れていない以上、ここは聞いておくに越したことはないと――そう判断できる程度には、彼に冷静さが戻りつつあった。
「うん。その様子なら、聞いてくれそうやね。いやーよかったよかった、もし聞く耳もたへんつもりやったら、力づくでも止めなあかんかったからなぁ」
「力づく、ね。ずいぶん自信があるようだけど、そんなにあんた強いのか」
「勿論。これでもこの街に流れ着いて長い方やし、NCバトルの方もそこそこ勝ち抜いとるから自信はある方やで」
「NC、バトル?」
聞き慣れない単語に、思わず聞き返すフェリーペ。
一方加々見はと言えば、フェリーペのみならず周囲をチラチラと警戒しつつ、話を進めていた。
――まるで。ナニカが来るのを恐れているような。
「ま、細かい話は他所でやろか。見た感じ、誰か探してる人がおるみたいやけど、これ以上うろつくのは危なすぎるわ。もたついてたら、いつ『あいつ』に見つかるか――」>>39
「その『あいつ』って、もしかしてわたしのこと?」
『っ!?』
突然の声。フェリーペとも、加々見とも異なる、第三者のもの。
頭上から降ってきたそれを探り、二人が空を見上げると――その人影は、すぐに見つかった。
電柱の上。目測で十、いや二十メートルは優にありそうな高さ。そこに、小さな人影が一つある。
人影は二人が自分に気づいた事を認めると、だんと跳躍し地面へと飛び降りてきた。
まるで、子どもがプールに飛び込むような気安さ。だが現実は二人の――厳密に言えば、一人の予想を凌駕する。
ただ飛び降りた。それだけの動きでありながら、人影が着地した瞬間、その着地点を中心とする一定範囲の地面が砕きひび割れたのだ。
「なっ!?」
「――っ!」
フェリーペが驚愕し、加々見は舌打ちする。
前者は「そんなまさか」と、後者は「早すぎる」と。一見似ているようで、けれど根本的に異なる反応は、奇しくも同じ相手を前にした抱いたものだった。
そして。当の張本人はそんな二人の様子を心底可笑しそうに笑っていた。
「こんばんわ、おにーさんにおねーさん。そっちのおにーさんははじめてだけど……おねーさんの方は、久しぶり、だよね?」
それは、少女の姿をしていた。
身長だけならば、すぐ傍にいた加々見よりもさらに低い。服装も、ジャケットにショートパンツとありふれた子どものそれだ。
だが――全身から放たれる威圧感。それが、あまりにも異質感に溢れている。>>40
ローティーン、下手するとそれ以下とも見て取れそうな少女。で、ありながら、少女の気配はフェリーペが見てきたどの人間よりも恐ろしいものに映っていた。
強いて似たような感覚を挙げるなら、これはそう。カルデアで度々顔を合わせる鬼種の反英雄たちのような――
「……ねえ、ちょっと。ぼうっとしてないで、なにかしゃべってよ。おにーさんははじめまして、でしょ?」
「え。あ、ああ」
少女がむくれたような顔になり、フェリーペをじっと見つめてくる。
その様子に先程までの威圧感はなく、気のせいだったかとフェリーペが錯覚しかけたその時。状況は急激に動いた。
「ま、いっか。どうせここで二人ともミンチにするんだし。さっさと終わらせちゃおっと」
「え?」
少女が、右腕を振りかぶる。
いつの間に、そしてどこから取り出していたのか。その右手には無骨な作りの金棒が握られており、金属バットめいて軽々と振り回している。
ああ、先程の衝撃的な光景はこれが原因だったのかもしれないと。
フェリーペが呑気にもそう思い至った時、既に金棒の先端はフェリーぺの頭部に届きかけており。
「ドアホ!! ぼさっとしとらんで、避けんかい!」
夜の闇を斬り裂くような叫びと共に、フェリーペの身体が勢いよく引き剥がされる。
頭蓋骨を叩き潰す寸前にまで迫っていた一撃は、間一髪の所で免れる事に成功した。空を切った金棒が地面に振り下ろされ、そのまま直下の道路を叩き砕く。>>41
「――ッ!?」
恐怖と驚愕、そして絶句。あらゆる感情が一息に押し寄せ、フェリーペの意識は混乱の淵に落とされる。
回避してなおデタラメなこの威力。もしもまともに喰らっていればどうなっていたか、想像するだけで怖気が総身を貫く。
攻撃を外した少女はと言えば、さして己が失態を悔やむでもなく再び不満げに頬を膨らませる。
「もう! 余計な真似しないでよ!あとちょっとで、そこのおにーさんの頭をウォーターメロンみたいにできたのに!」
「するにきまっとるやろ……! 目の前でそんな後味悪い事、見過ごせるか!」
加々見が空いている左手を少女に向ける。その手先からはフェリーペを拘束しているものと同じ銀の糸が伸び、少女へと一直線に飛んでいく。
アレで拘束する気かと。そう思ったフェリーペの予想は、直後に起きた、道路の切断という結果で見事裏切られた。
ちなみに当の少女は直前に回避しており、完全に無傷である。
「えっ、ええ!? い、今道路が……いや待て、あんた子どもになんてものを!?」
「アレがまともな子どもにでも見えるんか、アレが! いいから付いてき! さっさとこっから逃げるで! あんなのの相手なんかしとれへんわ!!」
「ちょっ、おい! 分かったから、無理やり引っ張るな――」
加々見に銀糸ごと引っ張られ、強引に動かされそうになるフェリーペ。
が、その動きは中途で阻まれた。
すなわち、二人を――より正確には、フェリーペの頭上を跳び越えて攻撃してきた少女によって。>>42
「くあっ……!?」
「う、わっ!?」
「――ほんとにもう。手間、かけさせないでよ。せっかく見つけた獲物だっていうのに、わたしを見るなり逃げ出すなんてさぁ」
加々見とフェリーペ。その中間地点に立つ格好となった少女は、二人を交互に見やりながら、何事か思案する。
……その光景に、フェリーペは既視感を抱いていた。あれはそう、今となってはもう大昔の話。まだフェリーペの弟が生きていて、自分は兄として何かと世話を焼いてやった頃の事。
おやつの時、テレビ番組の時、あるいはクリスマスの時。弟はいつも複数の選択肢を前にした時、少女と似たような仕草で悩んでいた。
つまり――「ど・ち・ら・に・し・よ・う・か・な」と。
そして今。その思い出は、最悪のデジャブとなって襲い掛かりかけている。
「うん、決めた! まずはおねーさんから先に殺(ヤ)るね! その銀ピカうっとうしいし、こっちのおにーさんは弱そうだもん! やっと見つけた獲物だし、すぐに終わったらつまんない!」
「なっ……!」
暴言と呼ぶも生ぬるい言葉に、フェリーペは何度目かの絶句を迎える。
弱いと呼ばれた事、それ自体はまだいい。カルデアに来てから――あるいは、それ以前から、幾度となく味わってきた屈辱(コト)だ。
だが、あの少女は今何と言った。殺る、と。殺.すと言ったのか。
年端もいかない、かつての弟とそう大差ない年頃の少女が。まるでこれから遊んだり食事するような気安さで。
――フェリーペの意識が沸騰しかける。怒りとも、正義感とも判別つけがたい衝動。こみ上げる激情のまま、少女に叫ぼうとするよりも早く。
「へえ。そら好都合やわ。――ほんまに、うちと戦う気なんか。ユウキ?」
空気が塗り替わる。先程までの空気を突如降りかかった猛獣による無差別災害とするならば、こちらは真逆。目の前にいた、そして決して怒らせてはならない獣を目覚めさせてしまった――必然にして因果応報の展開。
すなわち火蓋が切られる、その一歩手前だった。>>43
気づけば、フェリーペの左腕からは銀糸が解けている。先程の少女――ユウキと言うらしい――の一撃で、どうやら千切れていたらしい。
距離があった為、巻き込まれなかったのは幸いと言うべきか。一歩早ければ、間違いなくユウキの言う通りミンチになっていた事だろう。
そして。それはつまり、今の加々見は両手を自由に使えるという証明でもあった。
「そこのあんた――ええとそう、フェリーペ! あんたはさっさと逃げとき! ここはうちが何とかしたる! 今はとにかく逃げて、後でまた合流しよ!」
「なっ!」
合流ってどうやって、いやそもそも何とかってと。言いたい事はいくらでもあった。
それら全ての言葉と疑問を振り切り――フェリーペは一つの行動を選んでいた。
目の前の少女――ユウキに立ち向かうという選択を。
「な!? 何しとんねん阿呆! はよ逃げや! うちの事は気にせんといてええから、あんただけでも」
「うるさい! できるわけないだろ、そんな事!」
加々見の激昂を、それ以上の義憤で押し返す。
逃げた所で当てが無い、そもそも目の前の少女から本当に逃げ切れるかどうかも分からない。そういった理性的な考えもなかったわけではない。
だが、結局の所。フェリーペを突き動かしたのは、もっと単純で、そしてこの時の加々見が決して知る由もない理由だった。
(――センパイ、ごめん)
脳裏に浮かぶ、とある少女。あの日カルデアで出会い、埋没特異点で契約し、それからずっと共に戦ってきた相棒。
その経験が、彼から撤退という二文字を無くしていた。
仮にここで、彼女を――加々見梓を見捨てて一人生き残れたとして。その先で、メンテーと再会できたとしても。自分はきっと、合わせられる顔を持つ事ができない。
サーヴァントのように、相手が最初から人外の怪物であれば素直に聞き入れる事もできたかもしれない。
だが相手は人間、それも少女。多少人間離れした能力を持ち合わせてこそいるが――それでも、フェリーペの目で見る限りは、『普通の』人間の尺度内だ。>>44
ならば。同じく『人間』である自分でも戦える。立ち向かう事ができる。
「来いよ、ガキ。金棒なんか捨ててかかってこい。それとも、俺一人潰すのに、そんな玩具一つないと安心できないのか?」
「……ふうん。言ってくれるね。さっきまで、そこのおねーさんに守られてばっかだった癖に」
「フェリーペ、あかん! それ以上挑発したら――」
「そうだな。みっともなかったのは認める。けれど」
左半身を引き、ユウキへと身構える。右腕を前に出し、いつでも自在に動けるよう整え――フェリーペ・ジョージ・デ・サントは一世一代の挑発を繰り出した。
「ここから先は別だ。ここから先はマスターじゃなく、一介のダンサーであり、ファイターとしてやらせてもらう。――さあ、踊ろうか。お嬢ちゃん?」
瞬間。その場に二つ、変化が訪れた。
一つはフェリーペの右手に刻まれた令呪。先程まで沈黙を保っていた筈のそれが、突如見た事もない勢いで輝きだす。
輝きは熱量を伴い、右手のみならず腕を伝い、フェリーペの身体を貫いた。
「づ、ぁ!? なん、だ、これ――!?」
動揺の余り、思わず姿勢を崩してしまうフェリーペ。
だが、幸いにも相手からの攻撃は来なかった。
否。むしろそれどころではなかった、と言うべきか。
「……嘘。その刻印って、まさか」
「七人目の参加者……!? そっか、おにーさんそうだったんだ!!」
何が「まさか」なのか、何が「そう」なのか。>>45
フェリーペには理解しようがなく、また残る二人も説明する余裕もない。
そして。さらにそこへ、決定打となるもう一つの変化。
立て続けに鳴り響いた銃声と、頭上から降り注ぐ銃弾の雨。その全てがユウキを目標にし、絶妙な狙いをもってユウキの身体をかすめ、あるいは穿ち、容赦なく吹き飛ばした。
「銃撃!? どこから――!」
「上や!」
加々見の叫びを受け、フェリーペもまた見上げる。
フェリーペから見て左手のビル。その屋上に、また異なる人影が現れていた。
奇妙な出で立ちの、聖職者だった。恐らくはシスターだろうか、白衣と法衣を組み合わせた独特の服装。こちらを冷徹に見下ろす姿は、さながら罰を下しに来た神の使徒を思わせる。
両手には不釣り合いな白い二丁拳銃が握られ、地上へと狙いを定めている。今もたなびく硝煙から、それが先程の射撃の出処であるのは誰が見ても明らかだった。
「ジル!? あんたまで来るなんて、どういう風の吹き回し――」
「別に。驚くような事ではないでしょう。私もまた、巡回中にそこの落下していた彼を見つけて、接触しようとしに来ただけです。……まあ、見ての通り先を越されたようだけど」
ジル、と呼ばれた聖職者がフェリーペに視線を送る。
その視線は冷たい――というより、どことなく叱責と怒りが混ざったような気配をしており、有無を言わせない迫力が込められていた。
例えるならそう。無茶をした子供を叱る、保護者や先生のような。
「そこの彼が馬鹿な真似をしていたから、つい手を出してしまいました。まったく、命知らずにも程がある――!?」
「ねえ。なに、やってるの?」
頭上で爆発、いや炸裂と言うべきか。先程吹き飛ばされた筈のユウキが、いつの間にか復活し、高所にいた聖職者――ジルへ襲い掛かっていた。
巻き上がる土煙。そこから二つの影が飛び出し、夜の闇に紛れていく。無論、その正体はユウキとジルの二人だ。
呆然とその様を見送っていたフェリーペだったが、ふと近づいてくる気配を感じ、そちらへと振り向く。>>46
瞬間、再び凍り付く事となった。
「……あの。カガミ、さん?」
「なんや? フェリーペ」
「……その。どうして、今もその銀糸を握りしめてらっしゃるんでしょうか? しかも、今すぐにでも振るいそうな感じで」
「決まっとるやろ。人の言う事聞かんと、無茶しかけた阿呆を成敗する為や。何なら今、この場でな?」
「――その。さっきまで、移動しないとまずいみたいな事言ってたような」
「ああアレ? 前言撤回で。さっきまでの見とったやろ? 問題になってた最大のヤマが片付いたからなぁ。おかげで、こっちも心置きなく『説教(せつめい)』できるっちゅうわけや」
……一応言っておくと、加々見は両手に銀糸を構える以外、威圧的な行動をしていたわけではない。
むしろ満面の笑みを浮かべ、終始ニコニコとフェリーペに対し説明していたくらいであった。
ただ。その笑みが、所謂『目が笑ってない』系の怖い笑い方に分類されるものである、という点を除けばだが。
「…………」
「…………」
それは最早、爆発寸前の時限爆弾だった。
既にカウントダウンも始まり、後は起爆までの瞬間を待つばかり。止める術はなく、また逃げようにもその予備動作すら許さない。
この状況を打破できるとすれば、それは――
「おい。お前ら、一体何をやってんだ」
それは。この場における、新たな――そして、更なる第三者の投入にこそ他ならない。鄭成功:KANO
→「やっぱり台湾の映画は応援したいですね。甲子園球児を題材に熱い野球モノを描きつつ皇民化政策時代台湾の独特の雰囲気を描くことで歴史も学べる良作!特にこちら台湾映画にもかかわらず全編ほぼ日本語となっておりますのでお勧めできるかと!レッツ聖地巡礼!」
藤原千方:妖怪大戦争
→「なんというか、全体的に故郷を思い出す雰囲気というか……そうか、鳥取か………ふむ……」
ヘリオガバルス:ローマの休日
→「……………………………………………………悪い?」
風魔忍群:ありません!
→「風魔が出てくる映画にろくなものがありませんので!!!!(ふんぬ)」
果心居士(若い方):隠し砦の三悪人(1958)
→「特に姫がいい」
(歳食ってる方):バタフライ・エフェクト
→「…………興味深いよな、色々と」
プリンス・イン・ザ・タワー:ジュマンジ
→「……王としてはこういう時自国かつ自分の時代の名作を推すべきなのはわかっているのだけど……その……冒険ものは面白くて……」
新九郎(姉):となりのトトロ
→「だめねぇ……この歳になると家族の絆とかですぐにホロリときちゃうのよ。私にも子供が二人いてね………え?『この歳』って見た目に見えない?それは……まぁ……そうね……」
(本物):るろうに剣心
→「一応戦国に生きた武士ですし、あくしょん映画というジャンルには心躍りますね。それでいて漫画原作ゆえの現実感のなさをうまく現実の動きに落とし込みつつの殺陣……いいですねぇ、あんな風に動けたらかっこよさそうで」
端島:学校の怪談
→「いやー、やっぱり生き生きした子供たちの冒険物語は最高でありますなー!うーん、ノスタルジィ……」>>52
ハーデース:呪怨
→「こういったジャンル自体、なかなかに興味深いかな。人の描く物語は往々にして死生観というものが如実に出がちだと思うけど、ホラーというジャンルになるといかに予算をかけず死を感じさせるかという方に趣向を凝らすことになる。人類種がどういう事を考え、何に恐怖を感じているかの参考になるよね」
ヘルマプロディートス:300
→「勇者………かっこいい……あんな感じで名を残したい……」
サルマキス:トワイライト〜初恋〜
→「やはー!やっぱりイケメンとのラブロマンスは外せないっていうか!」
テスピス:シャイニング
→「んー、原作レ●プっつったらそれはそうだけど……全体的に漂う鬼気迫ってる感じは役者的には好印象かな?……いやー、でも実際自分がそういうコダワリ系の演技指導とカチあったら絶対喧嘩する自信はあるんすけどね?はい」
ブリタニア:明言せず
→「国家の女神が特定の何かを贔屓するような真似したら可哀想じゃない。こちとら『英国王のスピーチ』から『ライフ・オブ・ブライアン』までまとめて守備範囲でしてよ?」
ななしくん:ポケットモンスター 七夜の願い星 ジラーチ
→「ジラーチにはお友達ができてよかったですねー」
エンペドクレス:ゴジラ キング・オブ・モンスターズ
→「ウーン、天才と天災のかけ合わさったブレインではなかなかに思いつけない馬鹿馬鹿しいまでの怪物賛美と人類殺戮……たまらない!的な?」
お百:クルエラ
→「なんと言っても煌びやかな衣装!………ああいうのも、アリだねェ……」こーゆーのわな、「とりあえずその時代を舞台にした映画にしときゃいいか」とか「気がついたら全部私の好きな映画やんけ」とか「大作しかねぇや」とか「サイコキャラにはとりあえずミッドサマー見せときゃいいか」みたいな思考停止が入りがちだから難しいんやで!なにしろキャラの気持ちになって最大限考えるにしても私がみた事ない映画を私の作ったキャラが好きかどうかなんて見てない私が判別しようがないからな!
あ、好きな映画ってジャンルだけではなくて具体的なタイトルがあったほうがよかったです?
>>56
ジャンルだけでも問題ないっすよ。
ちなみに鱒は、
エイベル&桃夢:ラブロマンスもの。
ビオランテ:クレヨンしんちゃん。『オラの花嫁』の時は「ヒロインが羨ましい!」って本気で言った結果、プリシラだけでなく両親からも心配される羽目に。
星雪:故郷(香港)のアクション映画。
プリシラ:The Adventures of Priscilla, Queen of the Desert。邦題はシンプルに『プリシラ』。タイトルを日本語訳すると、さしずめ『プリシラ号の冒険~砂漠の女王様~』といったところか。名前繋がりで見たのがきっかけで好きになった。>>58
かわ……かわ……かわ、い…い……?
プルフラス「!?!?!?(初めて男の人を見た猫のように警戒している)」
元ネタさんが今年で10周年なんて信じラレナイヨーダイアナ・アッシュコット:ナルニア国物語
→「元の小説も大好きなのですが、やはり映画にする上で割増された映像美が魅力でしょう。…リーピチープ、可愛らしいですし……ああいう使い魔なら欲しいかも……」
西行・シャルロット・千鶴:コララインとボタンの魔女
→「お人形さんがとってもかわいいのですよ!ああいうの作ってほしいのです!」
高円寺零央:ハッピー・デス・デイ
→「やー、ホラー映画ってバッドエンドとか未解決エンドが多いのが欠点やと思うんですけど、これはその辺なんとかしてくれるところが俺にも見やすくてええですわ。とにかくビックリとグロ画像が続くようなのはちょっと、なぁ……」
アンゼリカ・K・シェリンガム:シャッターアイランド
→「映画の何が面白いって、実際自分が繋がってるわけじゃないから何考えてるのかはわかんないところよねぇ。考察のしがい、って言うのぉ?そういうのが楽しいわぁ」
アレクサンドル・ベロノソフ:ブリッジ・オブ・スパイ
→「どちらかといえば歴史系や人間ドラマを扱っているものが好きかもしれないな。……いや、本来娯楽を『ためになる』という視点で選んではいけないことはわかっているんだが……周辺の歴史を調べてみてみえる深みみたいなものもあるからな」
エレーナ・スミス:ボヘミアン・ラプソディー
→「こんな目ですもの。映像的演出の美しさよりも挿入歌の良さよ。……あたくし、ロックを低俗だとか言うような見識の狭い輩ではないもの」
カイ・ゲオルギエフ:シャークネード
→「俺頭悪いし、バカがポップコーン食いながらでも見て理解できる映画が好きかなーって……いや、もちろんお嬢がいるとこじゃ絶対見ないですよ?こんなの」>>61
李逹龍:霊幻道士
→「……べ、別に好きなわけではありません。ただ、テレビで再放送をやっていたのを見過ぎたせいか頭にこびりついてしまったというか……」
海棠あまね:パラサイト 半地下の家族
→「映画は賞とったやつだけレンタルとかで見るタイプだからこれが最高かどうかはよくわかんない……何というか、貧しさからくるどうしようもない閉塞感みたいなの、ちょっとわかっちゃうのが怖いとこ」
帆村昭治:帰ってきたヒトラー
→「当初愉快なモノマネおじさん扱いだったヒトラーが段々と発言力を得ていく様は非常に風刺としての完成度が高く…………………………とか、言っとけば賢そうに見えるかなぁって……………すいません、本当はいつもアベンジャーズとか見てます。馬鹿です」
多米椰宵:プリキュアオールスターズ(それ以上は「選べない」とのこと)
→「はう〜、キラキラが溢れて止まらない…!ぷいきゅあがんがえー!」
九泉シノン:スリーピー・ホロウ
→「アリスにチャリチョコ、ナイトメア・ビフォア・クリスマスあたりも捨てがたいが……うん、好きなのだよティム・バートン。そういう所、このメイクの目のあたりとかに出てるだろう?」☆以下、候補として上がったものの「これただの私の趣味やんけ」となってカットされた映画たち☆
・ライオンキング
→幼少期これのごっこ遊びをしたすぎて親の腰を破壊した。声と持ち歌だけ……いや見た目も結構シコいな、声と持ち歌と見た目は本当歴史に残るレベルでべらぼうにいい例の悪役おじさんが魅力。歌だけならアラジンでも良い。
・キャビン
→バレリーナ・デンタータちゃんかわいいよバレリーナ・デンタータちゃん
・ガンズ・アキンボ
→ダニエル・ラドクリフの体当たりな演技が目立つ。程よくアホなアクション映画として質が良い。
・レオン
→おジロリ…………………!
・コンフィデンスマンJP
→近年の邦画の中では屈指の出来だと思っている。シナリオ展開はまぁメタ読みできるが楽しい。
・テネット
→一見難解だけど、伏線がジャンジャカ積まれてそして回収されるさまはまさに模範的なハリウッド映画と言って差し支えないと思う。
・マイティー・ソー バトルロイヤル
→ロキが好きなだけですよね?(マジレス)
・カメラを止めるな!
→なかなか無い作風ではある。個人的に伏線がガッツリしてる作品が好みな傾向はあるので楽しい。>>63
「いや見た目も結構シコいな、声と持ち歌と見た目は本当歴史に残るレベルでべらぼうにいい例の悪役おじさんが魅力」
ああ、あの目付きが色っぽいおじさん……なんていうか……前スレの小野小町(アルターエゴ)について、ちょっとどうコメント打とうかなと悩んでいたのですが……
設定だけ見ると強いというかtueeeみが凄いなあと。
「Bランク以下の物理攻撃と魔術攻撃、並びに宝具攻撃を無効化する+小町の姿を認識した際に抵抗判定を行い、抵抗に失敗すると呆然状態となる」
「アフロディーテと所縁がある神霊・英霊たちの助力を得る(=小野小町が苦手な部分もこのスキルでカバーできる?)(そもそも何が具体的に出来るか曖昧?)」
「仙界の真人としての自己再生能力」
「宝具の曲を聴いた者は魔力及び幸運の抵抗判定を行う。判定に失敗した場合、身体系ステータスが強制的に二段階低下し、さらには防御の魔術・能力・鎧を無視した強力な持続ダメージを受けることとなる+効果がかかる成功率は増し増しになっている状態」
なにやらリレーではなくSSに使われるようですし、何故このようなサーヴァントが生まれたのかというドラマも知らないので、所謂「本編やらずにサーヴァント語るにわか」みたいな感想で申し訳ないですが>>65
ご意見ありがとうございます。アルターエゴという位置付けから強いサーヴァントではありますが、私としては俺tueeなほどではありませんでした。
とは言え、猫を虎と思わせてしまう書き方もよくありませんし、先程までの皆さんからのコメントでブラッシュアップできる点は感じました。
「Bランク以下の物理攻撃と魔術攻撃、並びに宝具攻撃を無効化する+小町の姿を認識した際に抵抗判定を行い、抵抗に失敗すると呆然状態となる」
→美しさからくる抵抗判定だけにする。
美しさを強調するならば“不可侵”のイメージから来るダメージカットを除去もあり
「アフロディーテと所縁がある神霊・英霊たちの助力を得る(=小野小町が苦手な部分もこのスキルでカバーできる?)(そもそも何が具体的に出来るか曖昧?)」
→説明不足
「仙界の真人としての自己再生能力」
→虞美人ほどではないが傷の回復が速くなるけど、霊核を壊すダメージなどは通用する。
「宝具の曲を聴いた者は魔力及び幸運の抵抗判定を行う。判定に失敗した場合、身体系ステータスが強制的に二段階低下し、さらには防御の魔術・能力・鎧を無視した強力な持続ダメージを受けることとなる+効果がかかる成功率は増し増しになっている状態」
→効果内容の見直し。
ざっと上げるとこんな感じですね>>66
ハイサーヴァントとか女神の神核とか公式でも最上位のサーヴァントしか持ってないようなスキル持っててそこまで強くないって印象を与えるのはさすがに無理があるのではなかろうかって気がしますわ
でもキャスターだったのに何らかの理由で霊基いじられて強引になったとかの理由があって個人SSならなんとかいけるんじゃないかとも思いますね
リレーでだと結構むずかしい気はしますがそもそも(世界三大美人のコネシード枠じゃんとかいうのは一旦置いといても)衰える美の儚さを描いた歌で最も名を残してる小野小町に不滅不可侵性なんて与えても意味を感じないし、この名前欄「フリュネ」とかに変えても全然通用するぐらいに小野小町要素感じられないんでもう少し手心というか元のキャラ性の尊重というものを……とは思わなくはない
そういうとこ消してただ強いだけで没個性な存在になったのが敗因の伏線とかだったらネタバレごめんね小町さんがアルターエゴになった経緯を描けば、カタログスペックの認識の齟齬なんかも無くなるのではないかと。どうやらちゃんと理由があるようですし
やはりアルターエゴは難しい……。
ぎゃあ!wiki内の華佗(アルターエゴ)を見返していたら人名間違えていたので訂正します
王充じゃなくて王允!実を言うとスペック盛り盛りにしたアルターエゴ山中幸盛はちょっと考えたことあるんですよね
神だの怪物だのの力をもらってめちゃくちゃ強くなった鹿之介……ふふっ、なんて解釈違い……
もちろんボツでしたアルターエゴだと自分が出すなら玉藻におけるタマモキャットみたいな別側面というか正体不明さが暴走したみたいな設定でのサタンのアルターエゴですかね。
一応変では無い筈。>>73
ちゃんと理由はあるのですがスキル面でそれがあるのはマストか?と改めて追及されると自信がなくなるスキル内容ところがちらほらと。>>87
ありがとうございます!
確認してきます!>>91
柄>exactly.
話が早くて助かります
普段のムーヴがひとつのペルソナなら今回の慇懃無礼なあかい悪魔もまた別アプローチのペルソナ、なのかもしれません
眉毛も困ってない、いつもとは違う余裕の表情です
そして燦然と輝かない幸運E
砂をカタパルトにしたぶっ飛ばしとかやりたいですねぇ
あかいやつの扱いの変遷は
サマエルあじの別霊基作るぜ俺はやるぜ俺はやるぜキャスターだぜ→まとまらないんだぜ デザイン気に入ったから別衣装かスーパーモード的な再臨に突っ込んどくんだぜ→今ならいける気がするぜ 砂嵐に乗るライダーだぜ ついでにパーソナリティと衣装もマイナーチェンジするんだぜ ……的な>>78って通るかな、アルターエゴサタン。
クッチーここそれなり頻度で行ってそうだなと思った。東京だから住処の関西から遠いけど。
https://www.jalan.net/news/article/355298/>>95
お久しぶりです!生存報告すごい嬉しい…。最近もまだまだ忙しい感じでしょうか?>>99
いえいえまずはリアル、つまりはイコマさんの健康などが一番大事ですとも。しっかり健康にお気をつけて貰って…。>>99
お疲れ様です。
お久しぶりです。こうしてコメントを見かけるだけでも嬉しいです。ご多忙とは存じますが、イコマさんもご自愛ください。>>97
お久しぶりです。皆さんも言っている通りお身体には気をつけてくださいね。
後、兵十をお借りしています。桃色草子に中納言さんからの問い合わせへの回答を書きました。
あと小町についての相談(SS構想案のネタバレあり)を記入しました。島さん、ここのえさんの疑問やご指摘にもこれで回答になったかと思いますが、御手数の際にはご一読ください。
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/m/wiki/%E6%A1%83%E8%89%B2%E8%8D%89%E7%B4%99>>95
のわあ~お久しぶりです、御忙しい中ではありますがお元気なようで何よりです>>95
おうふ。
お久しぶりでございます。wikiの方の、ジル・セレナード個人ページをいくつか設定追加&変更しました
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/wiki/%E3%82%B8%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%BB%E3%83%AC%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%83%89
見習いの項目を冒険旅行記当時のものにしつつ、それ以降は正式代行者に
後は武装欄に以前投下した白閂の設定を追加したといった感じですプリシラをWIKIに登録しましたー。
>>66
>アルターエゴという位置付けから強いサーヴァント〜
アルターエゴは別に強キャラ専用クラスってわけじゃない。ハイ・サーヴァントってスキルの都合上強くなりやすいのは確かだけど、別に神縛りってことも無い。マテリアルでは神話のエッセンスって書いてある
例えばサクラファイブの構成要素にメリュジーヌがあるけど、メリュジーヌは公式で神ではないと明言されてるから全員が全員神ってわけじゃない
仮に歌がやりたいならセイレーンでもハルピュイアでもいくらでも該当者はいる
前スレの小野小町は「小野小町由来のスキル」が無いのも違和感がある。メルトのクライムバレエがわかりやすいけど、公式のアルターエゴは多かれ少なかれ自分にまつわるスキルを持ってるので
あとハイ・サーヴァントとして取り込まれたエッセンスが由来になったって明言されてるのはシトナイの持つ赤き黄金だけ
ソースとして持ち出すならそっちの方が正しいプリシラのコソコソ話。
プリシラは魔術で自分を改造している。
h0dhe4s、v@6oywt@jq@3ty-@4q@zqb\、ff67t@;es4-c@ydweq-@i84t@cb=zg、t@ed:ei9.d@5edef@.^@.w@kkzslc4s@4mjq@te:zdw6or@、v@6oywm-@i84w@cq@wqese4ff67ked=xeq@e:@ycya94dq:zt、nr@to=tec@4jd@8zw@iydydweuhwm-@i84t@w@.qedzitec@4dq。
kaikzslc4s@4t@f@.^@.w@:kd94li60l、ff67t@3ydydwv@6oywi-@i84=kjpo;.94iu.jw@、2[ldofd@2@yk-@i84=v@6oywikjpweqbsiu.。>>80
ごめんなさい、見落としてました。
改めて、お久しぶりです。アルターエゴを作成した方々に後学のために知りたいのですが、アルターエゴを作った者(例BB、異星の神)やどういう技術や力でアルターエゴに出来たという設定にしたのでしょうか?
wikiページを拝読させていただきましたがわからない点もあり、質問させていただきました。
あと桃色草子のほう更新しました。
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/m/wiki/%E6%A1%83%E8%89%B2%E8%8D%89%E7%B4%99
>>110
ご意見ありがとうございます。アルターエゴ小町の相談等もwikiのほうでさせていただいております。
>>111
そういう裏話がありましたか。
-@i84=q@p.94iu.kfjd@8zwgiftyqyu2@.eiffelc4w@r<
3hjw@muyes@、se4q@:kfudw@r:s@特異点の続きです。小出し小出しで投稿していきます。
「つまりゲフィオンは、あの光に鎖された島を創った
女神で守護神なんだ」
「はい。ええと、フェリーペくんの時代で言えばコペンハーゲンにあるゲフィオンの噴水があるでしょう? あれが私なのです」
「ああ! あれか!」
「今や名所の一つとして数えられています……なのに、私守護神なのに……変な奴に取られちゃった……」
再度、ネガティブ思考に陥ってしまうゲフィオンを宥めるフェリーペと木蘭。
このままでは一生引き篭もっていそうな彼女に、フェリーペは勢いに任せて励ましの言葉を投げかけた。
「ゲフィオンはダメじゃないよ。国の一部を創った女神なんだから絶対に大丈夫! 取り返せる! それに、俺にはあなたの力が……いや、ゲフィオンが必要なんだ!」
「……ほんとに?」
「あ、ああそうだとも!」
「……ほんとのほんとに、私を必要としてくれる?」
「お、おう……」
若干の圧を感じさせる問いに、言葉尻が弱くなっていくものの肯定する。>>116
「────もぅー! しょうがないですねー! 本当、私がいないとダメなんですからー!」
「えぇ、あたしの今までの説得の意味……」
調子を取り戻した女神を尻目に、木蘭は恨めしげな言葉をフェリーペに溢す。
その後、偵察に出ていたギュルヴィのサーヴァントが帰還したとの連絡が来て、三人は玉座の間に向かった。
「……やられた。王様に近辺まで送ってもらったのに、おめおめと撤退するしかなかった……」
「俺たちを攻撃したのは……正直よく分からねぇ妖の類いの女だった」
大盾を持った青年が悔しげな表情で経緯を話し、マスケット銃を持った青年が敵の特徴を説明する。
木蘭の話によれば、彼らがギュルヴィの召喚したサーヴァントのウィーラーフと兵十らしい。
「あれは魔女の類いっすよ。それもただの魔女じゃない、妖精の血が混じってる厄介な相手……そして何より違うのは、サーヴァントじゃなくて“生身”の魔女だった」
「規格外の相手だったな。呪術……こっちでは魔術だっけか? それが他とは根本的に何かが違うものを使ってな、どう足掻いても対魔力で防ぐ事ができなかった……フロームンドが足止めしてなきゃ、全滅もあり得たよ」
「そうか。では、フロームンドは既に手遅れだと考えた方がいいだろう。妖精が相手なら尚更だ」
『しかしサーヴァントではないときたか……相手の正体が掴めなければ対策のしようもないし、サーヴァントではない時点でこの時代における妖精を絞らなければ────」おはよーございまーす(夕飯食べて寝て起きた人)
ちょっとSS書けたのですが、投下してもよろしいでしょうか?>>122
ありがとうございます、投下後確認してきますね!
それでは、以下連投失礼します目が覚めると、海辺にいた。
波の迫る音がして、浜の真砂に当たって、波の崩れる音になる。早朝のような────暮方のような────曖昧な空の色が、海面に青っぽく映っていた。
初めは、まあぼんやりとした調子でそれを眺めていた。けれど、次第になにかが足りないように感じて、身体中を探ってみる。なにかを探しているのか自分でもわからなくて、足りない感覚だけが水気を帯びた砂のように足元にへばりついて仕方がなかった。
最終的に、ここにないなら、この浜辺のどこかにあるのだろうと考えて、そうやって「おれ」は探し物をすることにした。
◇◇◇
「────うわっ」
顔を上げて、今までなかったひとの気配を姿を以て認めることになって、声が出る。浜辺に来て、初めて声が出た。ついでに、初めておれ以外のひとに会った。
そのひとは、所々ほつれのある和服を着ていて、背は高いように思えていたけど、屈んでいた背を伸ばすとおれのほうが高かった。
「…何か…?」
和服のひとは、そう聞いてきた。首をかしげて、真っ直ぐにふわふわした目をおれに向けてきた。>>124
「いや、ちょっと探し物しててさ」
「……探し物…」
「そうだよ。あなた、何か知らない?おれっぽい物」
「………?」
和服のひとは、斜めにしていた首をもっと傾けた。会話の進み具合も、動作の間隔も、なんだかのんびりしている。お爺さんお婆さんと話しているみたいで、なつかしくなった。
「知らないなら、良いよ。つかれてはないし」
「……申し訳、ございません」
「気にしないで。おれも、なに探してるかわからないし…」
「…探し、物、…わかりませんか」
「うん、わからない。へんてこだよねー」
笑って見せて、ふいに海の方を見る。曇りかどうかもわからない。ゆっくりと波が動いているだけだ。まるで、海がまどろんでいるみたい。
腕に、なにかの当たる触感がして、見ると、腕に白いぬいぐるみのような物がぶつかっていた。和服のひとが、持って、おれに当てていた。>>125
「それはなに?」
「……もっけさん、です。…違いますか?探し物」
「…違う、かなぁ」
「……そう、ですか」
和服のひとは、もっけさんというぬいぐるみを、おれの腕に当てるのを止めて抱きかかえた。鳥みたいなぬいぐるみは、抱かれて、ちょっと丸っこい形を崩している。
「…いり、ますか?」
「…もっけさん?」
「……はい。いりますか?」
「良い…かなぁ…」
◇◇◇
足に、砂とは違う物が触れる。下を向くと、濡れた砂の間に、砂とは別の、半透明のオレンジ色が光っていた。
立ったまま、足の親指を使って掘り起こして、今度は手の指を使ってそれをつまんで持ち上げる。ガラス片だった。オレンジ色のガラスが、削られて、丸くなっていた。確か、巷ではシーグラスというらしい。>>126
「ねえ、あなた」
呼びかけられて、振り返ると、今度会ったひともまたおれより小さかった。フリフリの洋服を着ていて、カールのかかった髪をおろした、少女だった。
「なにかな、お嬢さん」
「まあ、お嬢さんだなんて。恥ずかしいわ」
「でも、お嬢さんなんでしょ?服とか高そうだし」
「素敵さがなくなっちゃうこと仰らないで。今のでポプラの爪が伸びちゃったわ…それよりも、それ、綺麗ね」
「…そうかな」
「そうよ。人が身投げしちゃいそうなくらい綺麗だわ」
少女は、シーグラスを見つめていた。宝石の方がずっと綺麗そうだし、少女ならそんな宝石も持っていそうなのに、少女はシーグラスをじっと見ていた。
「ねえ、それ、いただけないかしら?」
「良いけど、これ、宝石なんかじゃないよ?」
「私、宝石は欲しくないわ。土の中から生まれるのは、お花が一番だし」
「ふーん、ならあげる」
シーグラスを手渡すと、少女は大事そうにそれを手で包んだり、指で玩んだりした。終いには、海面の水に透かしていた。>>127
「思っていた通りだわ。海の中では、こんな綺麗なものも生まれるのね」
「海、知らないの?」
「知らないわ。とっても怖いところってこと以外」
「…怖いわけじゃないよ」
「怖いわ。私ね、さっき海に入ってみたのだけれど…誰かにね、掴まれるような感じがしたの。手がね、私の手を握って…声をかけたのだけれど、誰も返事をくれなかったの」
「おぼれたんだ」
「溺れてなんていないわ!誰かに…誰かに、私誘われたの。海の中は真っ暗だったわ。頑張って、手を振りほどいて…帰ってきたの」
「大変だったね、それは」
「えぇ。…でもね、私、悪いことしちゃったって思ったの。だって、あのおてて、まだ小さかったもの。きっと…寂しかったんだわ。私、お誘いを断っちゃったの。だから、いつかまた会った時にね、出来るだけたくさん、たくさん素敵なものを持って行ってあげたいの」
シーグラスをスカートのポケットに入れながら、少女は話して、また海を見た。
「だからね、怖いところだけれど…海は…森のよう…でも、今度は、お誘いをお受けしたいの」
「海は、あるだけだよ」
「だから怖いの。何も私に見せてくれないの…ちょうど、あなたみたいに」
少女を見ると、少女もおれを見ていた。眉をひそめて、口を少し開いていた。>>128
◇◇◇
「ほら、起きなよ。もうすぐ駅だよ」
だれかに揺すられて、寝ていたようで────目を覚ますと、電車の中だった。古くて、振動が伝わってくる。おれはボックス席に座っていた。
起こしてきたのは、向かいに座っていたらしい男のひとだった。病衣に似た服で、白い肌だから、病人かと思った。けれど、元気そうだった。
「おれは降りないから、起こさなくて良かったのに」
「それはごめんね。だけれど、僕は降りるんだ」
「そうなの」
「うん、だから誰かに見送ってもらいたくて。君しかいなかったものでね」
窓の外は、海だった。海面を電車が走っていた。電車はそこまで大きくもなくて、2両編成だった。探し物のことを思い出して、座席を触って探してみる。>>129
「何か落としたの?」
「探し物があるんだよ。ここに、ないかなーって」
「へえ、手伝おうか」
「だいじょうぶ。あなたは、探し物ないの?」
「ないね」
「ずいぶんときっぱりだね」
「それはね、だって、僕は幸福だからね」
探し物がないのがわかって、座りなおすと、男のひとは車窓のほうを見ていた。男のひとの言った幸福という言葉がいやに耳に残った。
「幸福なの?」
「幸福さ。だから、探す物なんてないよ」
「幸福だったら?」
「そう…いや、ちょっと違うね。僕もひとつ探し物があった。本当の幸福、探してるんだった」
「なにが違うの、それ」
「僕は紛れもなく幸福だけど…それとは別でね、あるんだ。それを見つけて、僕は皆も幸福にしたいのさ」
男のひとは、笑って言った。幸福を探しに、ここまで来たのだろうか。
電車が停まった。扉が開いて、駅舎らしいものは見えなかったけれど、駅に着いた。男のひとは荷物を荷棚から下ろして、席を立った。>>131
◇◇◇
遠くに、船があった。大きくて豪華な船だった。豪華客船、のようだ。甲板には、人影が二つある。
やがて、海面からなにかが現れた。タコのようだった。タコなのだろう。緑色っぽいが、きっと世の中にはそんなタコもいるだろうと思った。
一方で、船のひとたちは大慌てで、海に飛び込んだり逃げたりしていた。先に見えた二つの人影は、なんだか話し込んでいた。そのあと、ひとりが前に出て、もうひとりがそのひとを掴んで────
「────かきよの────り────めざめ────ふねの────よきかな────」
上空から、帆船が出てきて、ぶつ切りの音声が響いて、タコに激突した。タコは沈んで行って、豪華客船はだんだん朧げになって、消えた。
ふくらはぎまで海に浸かった状態で、高くなった波が迫ってくるのを感じた。タコはよほど大きかったようで、波は背丈以上のものになっていた。
「水(あお)は彼方よりやって来る」
そう言って、波を左右へ飛ばす。こういう時、やっぱりこの身体は便利だ。
小さなひとが近くに流れてきたので、手繰って拾ってみると、お人形だった。ブロンドのお人形だった。船から流れたのだろうか、と見ていると、お人形が瞼を開いた。
「…拾ってくれて、どうもね」
「お、お人形が喋った…」>>132
お人形は、砂浜に着いてからてくてくと降りて小さくひとつあくびをした。お人形自体小さいから、あくびも小さいものだった。引き続き探し物をしていると、お人形がまたてくてくと寄ってきた。
「なんだい、お人形さん」
「何か探してるの?」
「うん、探し物してるんだ」
「こんな処に?」
「うん…あるはず」
海を見つめながら、言葉が詰まる。詰まりながら、探し物をする。波はもう穏やかになった。
「暇なんだね」
「暇じゃないよ。毎日いそがしい。…あなたは、探し物ないの?」
「…ないよ。私自身が、誰かの探し物みたいなものだから」
「良いね。だれかにいつも探されてるんだ」
「良いものじゃないよ。すぐに「落とし物」か「失くし物」になるから…あ」
「なに?」
「あそこ、私のトランクがある」
お人形が指差した先には、古びたトランクが海にぷかぷか浮いていた。波に揺られて、遠くなったり近づいたりしている。「ねえ、取ってきてよ。私みたいに」
「えー、面倒くさいなぁ」
「私じゃすぐに溺れちゃうもん」
「しかたないなー」
お人形を浜に残して、海に入っていく。なつかしい感じがして、いやな感じがした。すぐにトランクには追いついて、投げて浜まで返してやった。お人形は慌てて避けて、トランクを引きずる。
「もっと物は丁重に扱ってよ。他人のなんだから」
「ごめん、ごめん…なんとなくね」
「なんとなくって、酷いね。…海、出たくないの?」
「え?」
笑って頭を搔いていた手をはなす。お人形はトランクを頑張って動かしている。さっきから、ほんの少ししか動いていない。
潮風が、吹いて、海のにおいがした。髪が靡いた。波が立って、へその方までやって来た。海流を操作して、濡れはしないけれど、冷たい感覚がした。
「案外、海の中にあったりしてね」
「なにが?」
「探し物。一応、助けてくれたわけだし。応援してるよ」
「…ありがとうね」
「どうも。くれぐれも、見つかっても落としたり失くしたりはしないでね」>>134
◇◇◇
海には、海のにおいがある。海の空気がある。海の風が吹く。海の音がする。ひとの知覚できない、海の五感を感じ取る。
なんでだろう、と思ったら、海の中にいた。足の先から、頭のてっぺんまで、海水に浸っている。おれは、海に佇んでいる。こんな処に、おれの探し物はあるのだろうか。身をくねらせて、右を見て、左を見る。
本当は、探し物なんてなかったのかもしれない。
和服のひとのもっけさんでも、良かったように思える。
少女が言う怖さも、真っ暗も、おれは感じない。
男のひとが話した本当の幸福が、そうなのだろうか。
お人形のように、見つけても落としたり失くしちゃうんじゃないか。
海が流れる。潮が動く。おれの海水(けつえき)がそれに加わろうとする。
水は器がなければ形を保てない。保たないもので、少しでも隙間があればそこから外へ出ようとする。だから島を出た。夜という隙間を伝って、外へと出ていった。
身体は殻。海水(けつえき)を閉じ込めて、形を保つ器。それがおれで、その中で暴れて動いているのがおれの命(うみ)。
────なにを探しているのだろう?
探し物は、きっとあそこに置いてきてしまった。だから一生取りには行けない。行かないって決めたから。おれが海なら、流れて淀んで、巡り廻って戻っていけたかもしれないけれど。おれは海じゃなくてひとだから。
おれはまどろんで、海もまどんでいる。あの日みたいに────そのまま────流れて行く────ように────>>135
◇◇◇
高音が響く。なんだろうと思って音源を手で探ると、スマホのアラームだった。時刻はきっちり6時半。アラームを止めて、少し布団の中でうねって、伸びをして、布団から出ればもう10分経っていた。
今日も早めのシフトが入っている。うかうかしてはいられないけれど、重い眠りを取ってしまったようで頭がいまいちすっきりしてくれない。
早くしないと、7時のアラームが鳴ってしまう。スマホを動かして、目をこすりながらロックを解除。トップニュースには「アメリカのさる有名な金満家が、連日開いたパーティーの連続記録でギネス世界記録に載った」なんて見出しがあった。
アラームアプリを切り終えて、そのまま別のアプリを開く。最近、バイト先の先輩から教えてもらった健康管理アプリ。起床時刻の記録をしようとして、画面に表示された女のひとのキャラクターがこう言っている。
「おはようございます。よく眠れましたか?何か夢を見ましたか?」
少し悩んで、起床時刻を登録した後、そのメッセージに返事を書いた。
「探し物をする夢を見ました。探し物は、遠い海のどこかに行ってしまいました。」>>122
ハダリーはいわば実体を持った『モデルとイヴの別人格』であり、エジソンが彼女を科学『だけ』で作った結果、人類は神秘を用いずともガラテアを再現できると証明した結果ですね。
公式がガラテアに関してアフロディーテの欠片云々設定したから、エジソンはその『欠片』も科学だけで複製したことになってます。>>138
あ、割り込んでしまいました。
>>122
詳しいことはハダリーの項目の解説の箇所にて。
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/wiki/%E3%83%8F%E3%83%80%E3%83%AA%E3%83%BC>>115
うちのレーヴァテインの場合ですと
・そもそも原典からしてどんなアイテムなのか不透明→情報が少ない分解釈し放題
・有名な『レーヴァテイン=魔剣』説も、実態は後世の創作による後付けの側面が強い
・また、他の創作においても様々な『レーヴァテイン』が登場している→広く人々に信仰されている
・ならば『レーヴァテイン=ラグナロクにおける終末の力を振るう者』の設定(信仰)が増えた所で変わりないのでは?
という感じの発想で生まれました。なのでBBちゃんや異星の神のような創造主自体そもそもいません
シンモラという管理者はいますが
>>119
木蘭よ…。ダメ人間(というか駄女神)は褒めて持ち上げるという解決法を知らなかったばかりに
短くはありますが、少しずつ確かに話が動いてるという感じがしてますね>>80
>>95
>>114
今更ながらお久しぶりでございますー!ご多忙な中お顔を見せてくださって感謝感謝…
イコマさんにつきましては、勝手ながら自分の聖杯戦争(https://fatetv1830.wiki.fc2.com/wiki/Fate%2FAgnostic%20Sphere)にベアトリーチェさんを登場させています…一応最新話で喋ってもらっています…エミュとか、お手隙の際にどうぞご精査くださいませ…
>>119
うーん、このポンコツ女神可愛いな…駄女神の気配が如実…どっかで誰かにカモにされそう…
情報が少しずつ開示されていく感じは着実に特異点を巡っている印象になって良いですね
>>145
私は海が好きなので海のそういった面を描きたいなーと思っていましたので、感じ取ってもらえたようで喜び喜び…
やったーみんな当てていただいたー!そうですそうです、正答率100%!お見事!因みに、緒十と会話した人たちの正解が出たんで小ネタも開示しちゃうと、この話で皆それぞれの「探し物」へのスタンスみたいなのがわかったりします。
和服のひと(でんでらさん)の場合、物の価値観に無頓着だから他の物で代用しようとする。
少女(グランデ)の場合、他人のこと(探し物)なんて眼中になくて、自分のこと(探し物)ばかり。そしてそれを他人が持っていると思ってる。
男のひと(スィレン)の場合、探し物があると言いながら探し物を探すことはしない。どうせじきに手に入るだろうから。
お人形(■■■(アリス))の場合、自分が探し物になることもあって、落とされるのが嫌。やさぐれてるけど、軽口叩きながらなんだかんだで他人の探し物を手伝ってくれる。
こんな感じだったり。要は緒十の掘り下げついでに他自キャラの掘り下げでもあったんですねこれが。まぁ小ネタ程度のものなんですがちょっと久々にサーヴァントを投下してもよろしいでしょうか?
後日このキャラのSSの方も作りたい所存です…>>151
【固有スキル】
呪層・善月夜 C++
ダキニ天法。地位や財産を得る法(男性用)、権力者の寵愛を得る法(女性用)といった権力を得る秘術や、死期を悟る法がある。
呪術の腕は某良妻狐に二、三歩譲るが、熱意だけは一人前ならぬ一”狐“前。とある人物をサポートする時だけは本気を出す。
変化 EX
借体形成とも。
日本各地に数多点在する「怪異=狐の化け姿」伝承を一身に引き受けた影響か規格外のランクを獲得している。体積を無視した変化は勿論、霊体の細分化まで可能とする。
ただし過去の反省を踏まえて「使うべき時にのみ使う」と自制している模様。
支援射撃 A
英霊の座から放たれる射撃。
いつだって窮地を救ってくれる彼方のヒーローを想うと思わず涙目になってしまう。>>152
【宝具】
『煌々月光夢御為不如帰(こうこうげっこうゆめおためほととぎす)』
ランク: B 種別: 対軍宝具 レンジ: 1~30 最大捕捉:100人
「さあさあ皆様御手を拝借!
悪戯狐の一人芝居、ぱんと叩けば阿羅不思議。
あれよあれよと増えますれば、吃驚仰天百鬼夜行。
尻餅牡丹餅着いたのならば、次いでにおひねり頂戴な!
『煌々月光夢御為不如帰』
いざや、えんたあていめんとの始まりなのじゃ〜。」
闇夜に人を騙くらかす怪演目、ごん狐が贈る悪戯の一大総決算。
フルスロットルで身体を変化させ織りなす一人百鬼夜行は妖怪一匹一匹にST判定があり、成功した場合ステータス異常「恐怖」を付与する。
全力解放すればサーヴァントでさえも行動不能にし、人間相手であれば最悪心停止に陥りかねない。
………が、上記の台詞の通りよっぽどシリアスな場面でない限り「えんたあていんめんと」な使い方しかしない。
驚かすにしても恐怖の渦に陥れるのではなく歓喜の雨を降らせたいエンタメギツネなのでした。>>153
【Weapon】
EXランクの『変化』スキルによる霊体の細分化は戦闘時には分身術として発揮される。
増殖ではなく細分化のため、分裂した霊基は割った分だけ弱くなってしまう。
【解説】
死期を悟った悪狐。
血に濡れ臥せし今際の際に、仰いだ月夜の綺麗なことか────
江戸時代から明治頃が舞台の口承文学『ごんぎつね』に登場するキャラクターの一匹。
いたずら好きの狐は毎日村の人間に悪さをしては愉しむ生活を過ごしていたが、ある日悪ふざけが原因で一人の老婆を死なせてしまう。
取り返しのつかないことをしでかした狐は深く反省し、その償いとして老婆の面倒を見ていた猟師の家に毎日山の幸を届けていたが、また悪さをしに来たと誤解した猟師の手によって銃殺される。
という因果応報と償いにまつわるお話である。>>154
自由奔放にして好奇心旺盛な狐耳美女の姿で現界する。
元々は妖狐・仙狐の類の怪生で、分類上は英雄に討伐される側の「反英霊」。
しかしながらその実態は人の反応、特に笑顔を見るのが何よりも好きな『えんたあていんめんと』大好きギツネである。
面白いことダイスキだし、みんなが笑ってるのはもっとスキ。
『でぱちか』とかいうみんな笑顔になれるっぽい場所にも目がない。
生前もその気質は何ら変わりはなかったのだが、人との交わり方がイタズラしか知らなかった為に悲劇は起きてしまった。
聖杯にかける願望は「面と向かって、謝りたい」。
【台詞】
「ふ───今どき狐を油揚げで釣ろうだなんて、貴様さては田舎ものじゃな?
『なう』で『あらもおど』な身共を動かしたくばお洒落な洋菓子のひとつでも持ってこんか」
「『でぱちか』!あるじ殿、身共は『でぱちか』いきたい!」>>155
「このお笑い芸人とやら、凄いもんじゃのう。喋りと動きだけで人を笑かす天才よ、まじ『りすぺくと』よ。
どれちょっくら身共も『なんでやねん!』って使うてみようかのう、みんな笑うてくれるかのー!」
「身共は人の笑顔が好きじゃ。
からころと笑いころげる童(わらし)の顔など、見てるとこっちのほぉぺたがほころびそうになる。
……それは身共が生きてた頃からそうじゃった、ただやり方が間違っとった。
いたずらは愉しい、けどやられた方も愉しいとは限らない────そう気づいた頃にはもう、どうにもできなんだんじゃ」
「さあさ皆様手を拝借。
合掌一拍撃ったなら、片道切符は地獄逝き
すってんころりん真っ逆様に驚天、驚愕、奈落底。
挙句の果てには阿鼻叫喚───駄賃は命を頂戴な
『煌々月光夢御為不如帰』
鳴いても遅い、『ごお、とぅ、へる』なのじゃー!」
本気モードの宝具詠唱。
【製作者】イコマの人>>122
はい、ウィーラーフをお借りしております。そしてフロームンドもお借りしていきますが……もうちょっとだけ出番があります(目を逸らしながら)
イデスの作成者はオーディンですが、アルターエゴのイデスですと話は変わります。そもそもゲフィオンを原型として造られた設定で、そこから零れ落ちた一面。後世では女神だった・戦士だったという後付けが為された……みたいな感じでアルターエゴを設定しましたが、結構最初の方で作ったやつなので浅い知識と無知さが出てしまっています……。
>>142
生前的にも女神なんていなかったし、そもそも戦場では男しかいなかったから……是非もないですね。
>>147
駄女神は何故可愛く見えてしまうのでしょうね。某アクシズのアレだったり。
>>138
いい文章……参考にしたいくらいですわ。引き込まれると言いますか。
>>157
おおっと、兵十をお借りしている中でごんぎつねの登場。https://fatetv1830.wiki.fc2.com/wiki/雨と蛇と魔女の森
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/wiki/GAME1“夢現%252F壱”
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/wiki/GAME%201“夢現%252F弐”
の続きです。前半は壱、後半は弐から。ここまでがプロローグまである
「………ここらで痛み分け、ということでどうかしら」
「賛成です……争いは何も生まないということは有史以前から示されていたことですね……」
いつのまにかエイラが取り出している紫色に透き通ったナイフとナハシュの持つ長棒が鍔迫り合い、その膠着状態の末に互いの持ち主が戦闘を放棄する。拳も脚も惜しげなく使った殴り合いは非常に危険なものではあったが、見応えのあるものでもあったようだ。
「と、私が来た目的はそうではないのです!そうそう、そこのキミとアナタ!なーんかジャパンな思春期みたいな感じの包帯巻いてる子と、古風な言葉を使う子!私が気になっているのはキミらなのです!」
天真爛漫。まるで面白いものを見つけたかのように、人のものとは思えない美しい顔が大我と零央にすり寄り、瞳をじっと覗き込まれる。
「うーん、もろに食らっても何故か服が弾けるとか上からタライが降ってくるとか、そういうぐらいの確かに軽い呪いではあるんですけどぉ。呪い避けの雑魚アミュレットぐらいなら簡単に貫通するぐらいだし、それに無自覚そうなのも………ん?んー……ああ、“ソレ”?」
エイラの眼は大我の包帯に向けられている。正確に言えば、それの下に隠されている鬼の神秘に。「あー、なる。ソレが噂の極東の吸血種。そりゃ確かに一工程とか一小節じゃだめだわ。四小節なら通るかな?あとは物理で解体……けどアレだなぁ、生半な傷は癒やされちゃうかも。タフネスはやっぱり幻想種の特徴だものね」
「あの……俺の腕が、何か?」
「ああ、もう大丈夫。“そういうもの”だとわかったなら別に興味もないしね。キミというパーソナリティ自体は知ってみたいとも思うけど、とりあえず呪いへの疑問はオーケー。っていうことで、問題はアナタ、なんだけど………」
「………俺、そないにジロジロ見られてもなにも変わったことないと思うけどなぁ。……もしかして、なんか秘められたもんでもあったり?」
「いやまったく。清々しいほど普通、なんならちょっと下の魔術回路。特異体質もなし。武術は……頑張ったら伸びるかも?けどそれ以外に特別な……うん……?あっ、コレかなぁ?触らないけど、ちょっと手を上げてもらっても良いです?そう、そのブレスレット」
零央が手を上げ、手首につけられていたブレスレットを見せる。装飾が派手なものではなく、色合いも目立たず、しかし師匠の手編みの紐と押し花で形作られたそれは確固とした美しさがある。少し前に起きたとある小話を大我と二人で力を合わせて対処した後、それを知った師匠に渡されたものだ。
「……驚いた。ソレ、かなり強いんだぁ。それなりの呪いは弾くし、しかも持ち主が望めば数倍にして返す報復機能もある。ちゃんと機能を理解して使いこなすのが大事だろうけど、しなくても、素でその効力かぁ。……もしかして、アナタってずば抜けた創作センスでもお有り?」
「いやいや!これはお師さんに作ってもらったものです!俺はまだ修行中で、そんな、凄いもん作れるほど誇れることはしてないです……」
「ふーん……凄いのね、アナタのお師匠さんって!だってこれ、素材が安いものってわけでもないよ?アナタのこと大事に思わなきゃ、たとえ片手間でも作らないもの。
………私、興味が湧いちゃった。ね、もしよかったらなんだけど、アナタとお師匠さんのこと聞かせてくれない?アナタみたいな人と会ったの、コレが初めてだから!」
「え?あの、いやかまへんけど、かまいませんけど、あの、あ、タイガくん、また後でなぁぁ─────」じゃあ決まりね!という言葉が耳に入る頃にはずるずる腕を引かれて一行からは少し離れた目に見えるところに。プライベートなことを聞くのだから、マンツーマンで話した方がいいだろう、という気遣いやけれど自分は初対面だし遠くに連れてきすぎると話しにくいだろう、という気遣いなのかもしれないが、その気遣いを実行するまでのスピードが早すぎる。
……零央自身が拒否はしなかったあたり、そして他人もエイラの声色を聞く限り、悪意は一切ないということがわかっているから何も言わないが、嵐のような出来事ではあった。
「あの………零央様は大丈夫でしょうか。ご希望であれば、わたしがエイラ様を殴り飛ばしに行きますが」
「いや、レオくんは多分大丈夫。俺の腕も変に痛まないし。………それより、ナハシュさんは大丈夫?随分とこう、その……喧嘩してたみたいだけど」
「あ、はしたないところを見せてしまって申し訳ありません……。怪我自体はしてないですよ。わたしも、エイラ様も、どちらも自分に深いダメージがないように体を使ってたので」
「そ、そっか。その、もしかしてナハシュさんって何か武術習ってたり?」
「独学です。そうしないと、食べていけないこともありましたので。ああそれと、ナハシュ、と呼び捨てで構いませんよ、大我様。わたしはあくまで使用人ですので」
………そうは言われても、同年代の女子にそんな感じで敬われるのは慣れていないのだ。常に一本退いた態度を心がけるというのは、ナハシュの職務上正しいことなのかもしれないが、だからといってこちらの良心が訴えられないかどうかというと別なわけで。
「じゃあ、ナハシュ、でいいかな?それと……ナハシュも、俺のことをそういう呼び方しないでくれると嬉しいというか……なんかむず痒くて」
「それは……その。雇い主の方に礼儀にとても厳しい方がおられまして。知られたらなんと言われるかも想像もつきませんので、どうかこのままの体裁で。ですが、その……わたしも!わたしも大我様とは良き関係でいたいとは思っていますので、はい!」「そうなのか。………えっと、こういう時ってどういう話をすればいいんだろう。俺、あまり学校で女子と話すこともないから」
「そう、ですね……できれば、学校の話を聞かせてもらえませんか?わたし、学校に行ったことがないので、そういう話を聞くのも大好きなんです」
「……そんなことで良いのなら」
あちらではグイグイと自分の師について尋ねられて、もう一周回って割とノリ良く話せる範囲で師匠のことについて話している零央がいるし、こちらでは背丈の高い少女に上を見上げながら平常に、しかしどことなく楽しそうにはなしている大我。どうやら一触即発のような空気は脱したようだ。
「少年少女の恋模様……良いものがありますね」
「アラ、ダヴィもまだ若いと思いますけど?人生の春はまだコレからでしょう。学生のうちが一番良いとか振り返る人いますけど、学生は学生で縛られてばかりですからね」
『割と採算度外視かつ命の危機もなんのそのみたいな自由な生き方してないかしら、あなたたち』
最初から順にダヴィ、パメリ、アリウム。保護者のような立ち位置にいた三人もいつのまにか思考回路が復帰して談笑をしているようだ。……なのだが、実のところあまり弾んだ話でもない、らしい。
『魔術の触媒や資産としても、鑑賞物としても一級品の宝石をどこからともなく調達し……表裏の社会問わずその美しさを求める者に売り捌き、しかし決して魔術師の類には売らない。かなり恨みを持ってる自覚はお有り?』
「そう言われましてもね。その宝石を売ってくれ、良い感じに使い捨てると言われて売り渡す宝石商がいるのであれば、そんな人間はこんな不安定な職は辞めて別の仕事にでも就けばいいと思います」『怖くないの?そんなどっちつかずの生き方。殺されたっておかしくないでしょう』
「時計塔の政争や神秘の秘匿に関わるようなことはしてはいので上層部や教会に殺されることはないですよ。刺客や大家が相手なら……手に負えない時はこちらのバックの方が手伝ってくれますし、そんなことほぼないです。それ以外なら私とパメリでなんとかなりますし」
『………ああ、そっちの。どこかで姿を見たことがあるような……』
「んー……あ、ガブリエールは死霊魔術の大家のんでしたっけ。なら、それも当然じゃないかと思います。私、“宝石商”を追い詰めて狩ったことがあるので」
宝石商。魔術世界においてとある魔術使いの異名。思念が籠っているほど上質だとされている宝石魔術において、人からダイヤを作り出せば良いという発想の転換から戦場や闇夜を駆け回りダイヤを作り出すフリーの魔術師。その在り方故に存在は知っていたアリウムは、確かに数年前に消息が途切れたという事実があったことを思い出し、それが目の前の少女によるものだと知る。
「価値観の違い、ですかね?あと殺し合うしか道がなかったので、まあ、はい。仕方なく。殺してはいないんですけどね。何処にいて何をしてるかは聞かない方が幸せですよ多分」
『………アインツベルンのホムンクルスは廃棄品であっても恐ろしいというけれど。その点で言えば、完全な形のあなたはそれ以上の性能を発揮する、ということ?』
「いやいやまさか。ホムンクルスは弱い、これは前提にあるべきことです。たしかに英霊の筋力に勝るとも劣らない戦闘用ホムンクルスを生み出すこともできますが、そんな体は無理がある。完全な形の自然の嬰児として作られたホムンクルスよりもずっと早く死にますよ。
ひ弱で自然と共に生きる者と、強靭でずっと早く命を落とす者。どちらが生命として優秀かは個人の好みです」
「パメリはその中でも特大のバグです。ホムンクルスとして望まれた機能を一切備えてない。そのかわり……とんでもない戦闘のセンスを携えているのです。根本的に戦いに向いてない存在なのに、戦いの素質があるんですよね」
『ああ、なるほど。魔術師が望む機能は何一つ備えていないけれど、それ以外の機能は持っているのね。それはたしかに、その道を長く長く探究してきた魔術師であればあるほど廃棄するわ。無駄なことにコストをかけられないものね』「そこを拾ってくれたのがダヴィなんですよぉ。恩人です、本当に。命も分けてくれたんだから」
「そんな、だってそれは……その……パメリが、オレに笑ってくれたから、だし……」
『困ったわ、完全に私ひとりだけあぶれてるわね。早くオークションの商品発表こないかしら』
まさか目の前で惚気られるとは思っていなかったアリウムである。これならまだ健全な青少年の会話をしている他の二組の方がマシだというものだ。別段寂しいとかそんな気持ちを抱くほどに情を持つような関係ではないが、居心地が少し悪いのは事実である。
【では、今から注目の商品の発表を行います!!】
『何か今、とんでもない都合を感じたわ』
そんな言葉も何処にも届かず、白い布に覆い隠されて運ばれたいくつもの箱。それらは順に、明かされていくこととなる。大魔術師の偉大なる発明品、遺跡に眠っていた誰も知らぬ古き遺物、中華の高僧の焼かれた跡から出でた仏舎利………
【お次は極東の吸血種………鬼と呼ばれる日本特有の幻想種。その中でも大きな力を持っていた存在が、命を喪った際に己が魔力、体力、運命力を全て注ぎ込んだ角!鬼の角でございます!】
「あっ、あれ………師匠が言ってた……」
「はい、鬼の角です。日本の概念を取り入れた魔術体系では鬼が様々なピースになることが多く、鬼限定の魂食いとも言えるあれは狙われている方も多いのだとか。日本は腐っても経済大国、とわたしの師もおっしゃられていましたし、苛烈な争いになるかと」本来、生物にとっての重要な器官は心臓と、脳だ。この通説は幻想種といった超常的な生物にも適用されることが多いし、死なないとしても行動に大きな支障が出るだろう。そして、英霊……サーヴァントや神に連なる存在も霊核、神核を備えており、それらは心臓や頭に位置することも多いのである。
強き鬼が不意打ちにより死を迎えるその間際、何を思ったか人間を喰らい続けて溜め込み続けた己が心臓と脳に込められた力を角に封じ込め息絶えた。その角こそがあの商品なのである。
そのような経緯からか、あの角を用いれば鬼の魔力を引き出すことも、逆に取り込むことも可能だと言う。……つまり、自身に移植された鬼の腕の力によって刻一刻と寿命が削れる大我にとっては、救いの手として数えられる手段の一つなのだ。
【続いては古き魔女の遺産!はじまりから分かたれた廃棄物が遺した自然との交信機。母なる大地と溶け合い力を引き出す優れものです!】
「………エイラさん、もしかしてアレ欲しがって来たんと違う?」
「まさか。私、確かに魔女の娘だけど魔女じゃないもの。わざわざあんなのを回収したいからってここに訪れたわけじゃないわ。……あと、もっとフランクに呼んで。私は17、あなたも17でしょう?遠慮は要らないわ、対等でいきましょう」
それに、あんなのに頼らなくても簡単だし、という言葉は耳に入らないようにした。なぜか、常人には理解できないような物の気がしたからだ。
【さあ、さあさあ!続きまして、こちら、今回の品物のなかでも一、二を争う品物でございます!皆さま、ご照覧あれ!これこそが三千年に渡る星の雫。原初の神秘。不死鳥の琥珀でございます!】
「………ダヴィ」
「わかってる。ここで焦ったりなんかしない。焦って死ぬのはスラムで学んだから」
巨大な琥珀。大きな大きな琥珀に鳥が包まれている。それは未だ雛の様相で、目を瞑って丸まっているが、羽根から肉に至るまで、全てが失われていない。それどころか、赤い筋が通った琥珀はどくどくと脈動しているようにも感じられるのだ。「道徳なんてロクなもんじゃない。道徳では人の正道は語れない。それがオレの持論っす。………ただ、あるべき場所にあるべき物は返すべきだ」
そのために、ここまで来た。そのために、リスクを冒したのだ。
【さあさあ!そして最後に!こちらは一気に二つ紹介しましょう!ここ、停滞城セレーネにも縁深きギリシャの秘宝!世界屈指の女怪たるゴルゴーンが遺した最後の神秘!石化の魔眼『キュベレイ』とゴルゴーンの血液です!】
『………あれが……あの、血液が………』
ハジシラズ
『………え………?』
停止の最上級たる宝石の魔眼と、人の生死に深く関わる性質を持つゴルゴーンの血。それらを眺めて改めて、自身の心に決意を示すつもりであった。あったのだが………アリウムの意識は先程聞こえた“何か”に寄せられていた。寄せられて……しかし、警戒以上の何をすることもできないため、優先順位としては先である商品と、それを争う者たちのリストアップに目を向けるのであった。【パーティー会場西側】
「………アレが、御目当ての、ね」
魔女と定義された大悪人と多くの人を吸い殺した吸血鬼を燻した焔で鍛え上げ、冷やす際には選ばれ抜いた少年と共に聖水に沈められたという鉄を用いて作られた短剣。神の庇護の下にある人世に蔓延る穢れを滅却し、聖域を創り出すための聖句が書き連ねてあるもの。呪いの浄化に特化した概念武装。
「聖泉祭典。教会が生み出したは良いものの、700年前に紛失した概念武装。……で、よかったんでしたっけ。アンティフォノさん」
「………随分だな、死徒ニコラ。殺そうとするなら声をかける必要はなかったと思うが」
「参加者を主催者の都合で殺しちゃうなんて、どんなパーティー?愉快なのは認めますけど、商売人としては三流もいいところだと思います」
ふわりと、宙に浮くように高く音もなく飛び上がりアンティフォノを抱きしめる少年。そこに殺意はなく、害意もない。だからこそアンティフォノも動揺することなく、穏やかに引き剥がす。
「はぁい、司教さま。楽しんでます?好物は見つかった?」
「ああ。とても美味しくいただいてる。そっちこそ、よく俺の好物を知ってたものだと思ったが」
「聞こえてたからね。ボクが言うのもなんだけれど、会場入りする手前で食べたいとかつぶやくのちょっと不用心じゃない?」
「用意してくれるかな、と思ったからな。実際用意してくれたし」「素敵。代行者なんてみんな、吸血鬼を見つけた瞬間嬉々として殺しにくるかと思ったのに。とても弁えてて強いんですね、聖砲を授かった司教さまは」
「………何処まで知ってるんだ?」
「何処までも。有名人だよ、キミ」
なんせ使い捨てで地位も低い代行者から、数々の功績を打ち立てたことで司教へと成ったものだ。本来あり得ないこと。しかも、その司教が直接死徒征伐に訪れていること自体がさらに脅威だ。
「そんなにこの短剣が欲しかった?それとも、ボクがそんなに危険視された?ボク、ここ最近はそこまで酷いことしてない気がするけど」
「高位の死徒、教会が生み出し奪われた概念武装。危険視されるのは当たり前じゃないかな?俺が呼ばれたのは……ま、所詮俺は代行者上がりだから。そこまで良い立場にあるわけでもないのさ」
「そうなんだ、教会も世知辛いねー。……で、なんでさっさと事を起こさないの?今ここでボクを蹴り飛ばすなり駆け抜けてあの短剣持って行くなりすればいいのに」
「馬鹿言え。セルピヌスを縮小と軽量の秘蹟で常備はしてるがこの距離だと取り出して撃ち込む前にお前に殺される。それだけ高階梯の死徒は人間にとって脅威なんだ」
「そう?早撃ち(クイックドロウ)でもしかしたら頭砕いてくるかもと思ったんだけど。でも別にいいや。ボクはボクの仕事をするだけだもんね」
「………お前こそ、なんで俺が入るのを許したんだ。天敵だろう、殺してしまう方が手っ取り早い」
「そんなことしないって。だって面倒でしょ、そんなの。殺そうとしてきたときに殺し返したらもっと早く済むんだし」美しい微笑は、人間離れした印象と共に深く深く、心が裏返ってしまいそうなほどの危うさを感じさせる。これこそが死徒、人を超越したのだと感じさせる力。たった百年ぽっちの人間では追いつけないと思わせる圧力。
「それにほら、司教さまって絶対全盛期から衰えてるじゃない。肉体もそうだけど、一番そうだと思ったのは経験。現場を離れすぎたかな?それとも、気が緩んだ?」
「……そうかもしれないな。少し心にゆとりが出来すぎたのは認める」
「ほら、そんな人を過剰なまでに危険視するのは、相手を軽視してるわけじゃなくて、ボク自身を軽視しちゃってるようなものでしょ?ボクはそういうのごめんだから、ね。それに、ボクのスタンスに反するから」
「スタンス?」
「そう、ボクのスタンス。ボクはこのお仕事に誇りを持ってる。死徒の異能を用いずに、ただ己の商才のみで現代社会を生き抜こうとするこのスリルが楽しいんだ。そしてそうなったら、種としての肉体能力的に劣っている人も劣っているなんて侮れるわけないものね」
それは、とある財界の魔王に影響されたということもあるが。しかしそれとは別にニコラ自身もこれを何よりも楽しみ、命を賭けている。異能に頼った生き方では心なんて腐ってしまう。退屈を紛らわすのであれば、あえてリスクを伴う環境に身を投じて荒波の中を泳いでいくべきだ。それは単に自身のためだけというわけでもなく。
「ボクは自身が手に入れた秘宝を、運命に則って流すんだ。このオークションに集まる人には、必ずこの宝物たちを欲しがる人間がいる。運命として結びつくはずの人がいる。チャンスは誰にも訪れるべきだ。本来あるべきチャンスを逃すなんてあっていいわけがない。そんな人と奇跡の出会いを見たくて、このオークションを開いてる。だから───────
だから、キミもその一人なんだよ、アンティフォノ・グロス。あの短剣が欲しいのであれば自身のチャンスを掴み取れ。運命力を信じろ。キミたちにはそれが許されている。絶対に何としても確保するという意志で戦い抜くんだ。交渉でも、表面下の殺し合いでも、なんでも。
そしてその上で、キミが代行者としてボクを討とうとするのなら、ボクは人理を■■する者としてキミと剣を交えよう。呪いで世界を侵す者として、正々堂々とキミに立ちはだかろう。それが死徒としてのボクの誇りだ」オークションの参加者として戦うのであれば主催者として叱咤激励と祝福を。異端を滅する代行者として戦うのであれば死徒として微笑みと蹂躙をくれてやる。それこそが、この世界に生きる怪物としての矜持だと言う。
「さあ、握手。明日から本格的に事が始まるよ。ボクは死徒でありながらこの催しの主催者。ニコラだ」
「………聖堂教会元代行者。そして現司教。アンティフォノ・グロスだ。正々堂々と、お前の頭を粉砕しよう」
「それでいいよ。……乾杯しようか。死徒に人間と同じ味覚は残っていないけれど、共に杯を傾ける喜びは味わえるよ」
「聖職者と吸血鬼が共に喉を潤すのが、救世主の血だというのは面白い話だが」
共にワイングラスを傾けながら、アンティフォノは思考を張り巡らせる。聖水を染み込ませた手袋と握手しておきながら、顰めっ面の一つも浮かべなかったのだ。改めて、目の前の敵が衰えた今の自分にとって難敵であると感じさせられている。堂々と真正面から……なんていう若い頃の考えは残っていなくてよかったと思う。
何はともあれ、きっと今日のパーティーはつつがなく終わり、明日のオークションは開催されるだろう。そこからどのように概念武装を手に入れニコラを仕留めるかは明日の俺に任せれば良い。そのように物思いに耽っていれば、ニコラの元に慌てて駆けつけてきた小太りの男。どうやら、ニコラの部下らしい。
「ニコラ様、その、問題が」
「なに?責任者と、ミスだけ述べて。言い訳はあとで聞くよ」
「その……クリミルア様が、自室で………」
「──────早く連れてって。早く」>>183
確認した~。一応は協力路線に入ったっぽいんかな?
となれば
ランサー陣営「さっきの勝手に帰ったサーヴァントって○○な感じだったよね」
セイバー陣営「あのサーヴァント、◆◆◆な風でしたけど。真名なんでしょうか…」
両陣営「『え!?』」
みたいなの見たいっスね。>>183
確認しました。セイバー陣営の尊重し合うように努める関係性がいいですね。戦闘も激しかったです。>>184
不安であればアングラ版で設定を上げて皆さんに相談してみるのもいいかもしれませんね。>>188
【元ネタ】ギリシャ神話
【CLASS】キャスター
【真名】オイノネ
【性別】女性
【身長・体重】147cm ・41kg
【属性】中立・善
【ステータス】筋力D 耐久D 敏捷D+ 魔力A 幸運B 宝具B
【クラス別スキル】
陣地作成:C+
魔術師として自らに有利な陣地を作成可能。
キャスターの場合は「小規模な工房兼診療所」、常に陣地内は清らかな空気で満たされている。キャスターが師と仰ぐ、アポロン神・女神レアのモチーフで飾られているため、どこぞの医神は眉間の皺を深めること間違いない。
道具作成:A
魔力を帯びた器具を作成可能。 Aランクとなると、擬似的な不死の薬すら作成可能。
基本的には薬草術に関わる道具が中心であり、作るものは高性能。>>189
【固有スキル】
神性:B
元々、イデ山に住むニンフ───下級の神格、精霊である。
男神の寵愛:B++
アポロンからの寵愛を一身に受けている。女神の寵愛とほぼ同じスキル。更には宝具もアシストしてくれる。
……また、キャスターが抱いていた『とある人物』に関する記憶や認識を封じている。
「可愛い弟子達ての願いだからね。」と羊のぬいぐるみは話すが、それ以上のことは口を閉ざし、興味を示さない。
医療(古):A
神代に伝わっていた医療技術。キャスターは医術の神たるアポロン神から薬草に関する術を学んでおり、かなり高度な治療を施せる。
当時のまじないや神秘を用いたものでもあるため、魔力の乏しい現代では到底再現出来ない。
千里眼(医):C
女神レアから与えられた予言の力、視力の鋭さとも。治療の際に極度に集中し、時間感覚操作を行う。これにより慌てることなく、的確に症状の観察や予測を行える。
また、このスキルを戦闘状況の予知に応用して未熟な戦闘力を補う、といった使い道も。
無自覚だが未来を見通すことに抵抗があり、本来よりもランクダウンしている。>>190
【宝具】
『煌めく恢復の天矢(カバーリング・パイアン・バラージ)』
ランク:B 種別: 対傷病宝具 レンジ:0~20 最大捕捉:50人
優れた医術の腕を誇るキャスターの在り方、そして師であるアポロンの補助の元、回復効果のある飛び武器で弾幕を張る。
効果範囲のあらゆる負傷と不調は回復し、更には短時間の間だけ、一度受けたダメージに対して完全耐性(免疫)がつくようになる。
耐性がつく時間はその傷病のランクによって変動し、ランクが高いほど持続力は短くなってしまう。
更には、回復を施す対象はキャスター自身が指定するため、たとえ範囲内に敵が侵入しようと彼女の認識と許しなく癒されることは無い。
無論、これらは味方にも適用され、彼女からの治療を拒否される可能性もある。
『穿ち爆ぜる神罰の一矢(アルギュロトク.ソス』
ランク:EX 種別: 報復宝具 レンジ:- 最大捕捉:一人
彼女自身も知らない秘められた宝具。神が閉ざした真実を暴き、信徒の魂の輝きを汚す、愚か者への報い。
彼女自身が封印している記憶を突きつけることにより、オイノネを傷つけた対象はアポロンからの報復として、無敵貫通効果を持った銀色に輝く光の矢が自動的かつノーモーションで襲いかかる。
矢を受けたものはたちまち呪詛と疫病に蝕まれ、苦痛にのたうちまわりながら絶.命するであろう。
神罰や疫病が原因で命を落とした相手ならば特に効きが酷くなる。>>191
【解説】
古代ギリシャとナース的な特徴を混ぜたような白い衣装を纏った、十代前半程の美少女。傍らには羊のぬいぐるみと化したアポロンが控えている。
真名はオイノネ。
■■■による被害者の一人。元々は羊飼いとして育てられた■■■と夫婦であったイデ山のニンフ。しかし、■■■が王子であることが発覚し、更にはヘレネーを手に入れる(救出する)ために別れを告げられてしまう。
予言の力で最愛の夫がどのような末路を辿るのか視えてしまっていたが、勇む彼を止める術はなく……。
その後、トロイアは陥落し■■■は毒矢による手酷い傷を負ったのだが、その傷はオイノネでなければ治せないことが判明する。
■■■は別れた妻に逢いに、十数年振りにイデ山へ向かうも、かつての仕打ちを恨んでいた彼女は治療を拒絶し、追い返してしまう。……だが一度拒んだものの、やがて後悔の念と情が湧きはじめ、自作した霊薬を手に彼の後を追いかけるオイノネ。
──────しかし、赦すには、あまりにも遅すぎた。
追いついた彼女が見たものは、火葬場に横たわる、事切れたかつての想い人……。
嘆きのあまり彼女は■■■を焼く火の中に飛び込んで自殺したという。>>192
……以上はオイノネの経歴だが、今回キャスターとして現界した彼女はその経験より遥かに昔の姿のもの。
死後、幾度も幾度も自身の過ちを悔やみ、彼の仕打ちに憤り、過酷な運命に慟哭する中で、彼女はポツリと思い、祈ったことがある。
「─────嗚呼、どうか。どうか。かつて何も知らず、誰も未だ愛さなかった頃に戻してください。」
その願いは太陽神に届き、身も心もかつての悲劇を知らぬ、輝かしい少女として特殊召喚された。
たとえ、召喚された先で自身を捨て去った■■■や彼に関するものに出会っても、何一つ思い出すことなく、初対面のものとして接するであろう。
この姿の正式な真名は『オイノネ(リリィ)』。自由奔放なニンフらしく可憐で無邪気に振る舞う永遠の乙女。最先端の医術は知らないが古の薬師としては一流。傷ついたり病んだりしているものは放ってはおけずに、丁寧に治療を施すという心優しい面を持つ。
しかし、封じていたはずの経験(トラウマ)が霊基に染み付いてしまっているのか、本人も自覚なく過去を思い出すような言葉を溢したり、自身に好意を抱く他者を決して受け入れることが出来ず、いつか裏切り見捨てられるものだと感じてしまっている模様。>>194
「はじめまして。 キャスター、オイノネ。アポロン様ともども召喚されました。 えっと……治療くらいしかお役に立てませんが、一生懸命がんばりますね!」
「た、戦うのですね。アポロン様!いつも通り戦闘支援をお願いします!」
「え~い!(巨大化したアポロンぬいぐるみで敵を押し潰す)」
「きらきらきら~♪(殺意高い遠距離武器で一斉掃射をかます)」
「大丈夫、死なせません……──────あの時のように、■■■(あなた)を、死なせません……!」
「……どんなに愛してくれても、どんなに共に過ごしていても、いずれ捨てられるのに……わっぷ!?あ、アポロン様!?……そうですね、どこかお散歩でもしましょうか。」
対アスクレピオス
「何度言われても引きませんよ、ご子息様!医療サポートはわたし一人ではなく、アポロン様と二人一組で活動させていただきます。」
対パリス
「『はじめまして』、パリス様!怪我や病気を負ったら、どうぞお気軽に私を訊ねてくださいね!……?あの、どうしましたか?」
対ヒュギエイア
「あ、ヒュギエイア様!変わった薬草を摘んできたのですが、見ていただけませんか?」>>159
なるほど…プリテンダーは登場初回の印象からこう、何か裏のあるイメージでしたが、ごん狐さんにはなさそうで安心安心…(オベロンにかなりダメージ食らった人間)
>>160
嬉しいご感想ありがとうございます…!引き込まれる…ふふ、海だけに…()
>>162
やだ嬉しみ…喜み…ぼんやりした文体好きなんで、そう言って貰えると本当に…
>>163
或いは、緒十の探し物なんていうのは、みんな覚えてないだけでみんな持っている物なのかも…緒十は、自然にひときわ近しい存在だから、たまたま、気づけたのかも…なんて
>>177
ドキドキのオークション開始!…と思いきや事件発生!死体発見!?あぁ〜日常が瓦解する音ぉ〜!
結構ヤバめなメンツが揃っている中で事を起こすとは、犯人は肝が据わってるなぁ…
>>196
やだ…なにこの闇深ロリ…ロリのくせに結構Πあるし…
アポロン様分裂現象は草ですし、パリスと真逆のアポロン様運用攻撃方法でなおさら草ですわ。質と量…>>199
ごん狐は「山の幸を届けてくれる匿名の誰かを装う狐」と「妖怪の役割を羽織る狐」というダブルミーニングでプリテンダーです。
もしかするとごん狐という役割を羽織ってはいるものの正しい真名は別、という可能性はありますがその辺は……>>178
ニコラ「頑張って集めました」
なかなか身の程知らずな事件をやってくれやがるのですよ
>>179
おほほ、その小話についてはしっかりと明かすつもりはございませんのよ
ちなみにナハシュは174ぐらいあるので大我くんが上を向く形に
それとオイノネ……つら……つら……アポ様良い仕事した
>>181
しっかりと詳細を書くということはちゃんと活躍させるということですので、ええ
>>182
ヴァンフェムのスタンス好きなんですよね……彼を見習って現代社会に馴染みつつも死徒としての自分と人間の線引きをしているという感じに
おぉ……ヴァーリ……ヴァーリときたか……しかも会ったことない設定だ……
>>199
この時だけ少し艶かしいけど基本朗らか笑顔ショタのニコラが「は?」って真顔になってますしちょっと声色も低くなってます
>>200
あーなるほど……改訂があればそれに伴ってwikiに登録していただいたssを改訂して改めてお出ししようと思っていただけなので……ゆっくり、時間がある時に……いよっし、自分もSS投げてよろしいでしょうか~
短いけど!ここのえさんお先にどうぞ
22時45分くらいにセイバーを投下しますね〜天翔ける戦車にして船。神々の乗機にして宮殿。
かの英雄王の宝物庫にあるという輝舟は、黄金とエメラルドの船体を持ち、水銀を燃料にする太陽水晶にて動くという。その航行は叙事詩をして思考と同じ速度で天を駆けると謂われ、その飛行は物理法則の範疇外であるという。
輝舟、黄金帆船、天翔ける王の御座。それがヴィマーナ。宇宙にすら至るという、“神が空を飛ぶための何か”。
ランカー島に建造された宮殿の奥、玉座を臨むインドラジットの眼前にあるのは、後に神々の王インドラがラーマ王子に貸し与えたという“勝利(ジャイトラ)”の銘を持つものとは、また別の形をしたヴィマーナだ。
十門の光学兵器を搭載した蒼色の機体。ヴィシュヴァカルマン神が造り上げたプシュパカの玉座に立つのは、揺れる黒髪を持つ、人食い鬼(ラークシャサ)には稀有な白い肌をした少女。
数多の戦死者が出たことを知りながら、眉一つ動かさない鉄のような。そんな女性だった。
インドラジットと、ラーヴァナ。広く親しまれている『ラーマーヤナ』などにおいて、この二人は親子であるとされている。だが、それにしては他人行儀というか、隔絶した壁のような冷たさを感じられた。
インドラジットは血縁こそ繋がれど、実子ではない。破壊神シヴァの精、霊性を胎に宿したマドゥラーが転生したラーヴァナの妃マンドーダリーが、ラーヴァナの性転換クローンとして生み出した存在なのだ。
故に、子ではなく、その関係性は部下。後継者と目されていようが、その程度のものでしかない。インドラジット自身も親に対して何かを求めている訳でもないので充分だった。ラーマ達が攻めて来るまでは。>>208
土の色を塗り替えてしまうほどの血で、大地が濡れている。
歯は石。腕は流木。まるで川の流れを象ったかのように死体が地表を覆う。
戦場に散らばるラークシャサの屍は、そのどれもがワタシの同胞だ。
「これが、父がしたかったことなのか?
これが、父が望んでいたことなのか?」
凄惨な光景を前にして、思わず口から零れる。
親を疑うのは背信、非法(アダルマ)だが言わずにはいられなかった。
かつて神々の王インドラさえ打倒し、三界さえ征服したランカー島のラークシャサの軍勢が、何も得ずに、ただ犠牲を重ねただけなどと認められるはずがなかった。
あくまで遺伝上の父である少女は、何も言わず、ただインドラジットを睥睨する……。
◇◇◇◇
ラクシュマナの構える“帝釈天の雷虹(インドラダヌス)”が、まるで避けられない時間(カーラ)のようにインドラジットを見据えている。>>209
例え、ヴィシュヌ神の部分的な化身であっても、本来の力を発揮すれば勝てない相手ではない。事実として以前までの会敵では何度と彼らを退けてきた。あのインドラに勝り、カイラーサ山を持ち上げる風神の子ハヌマーンでさえ、縛り上げることができたのだ。
その自分が死を直感している。
他のラークシャサのように、ここで滅びる定めなのだと。
(我らの一族であるヴィビーシャナがラーマ達に付いたのがおかしい。
俺がニクンビラーの地で祭祀を行って無敵になることが知られているのが、おかしい。
いいや、そもそも三界を征服して、神々を上回る権勢を得た父が、シータなんて小娘を気に掛けるなんてこと自体が間違いだ――)
「神々の王の怒りを知れ。
慈悲などなく、破滅への一矢とはこれの如し。
雷鳴と謳われたこの威、我が威光に刮眼するがいい!」
インドラジットの番えるヤマの武器、ルドラの武器、アグニの武器のことごとくをラクシュマナは異なる神的な武器を用いて破壊する。互いにぶつかり合うことで砕けた破片は流れる星のように輝いて、地に落ちた。
対してラクシュマナの本命であるインドラの武器、インドラダヌスは疑いなくインドラジットの頭を貫き――。
――かくして、悪業を積み重ねたラークシャサ達は、倒されたのでした。めでたし、めでたし。
◇◇◇◇>>210
「ばあ!」
「うひゃおうっとッ!」
魔術師の英霊(キャスター)のサーヴァント、インドラジットのお道化た呼びかけで、ようやくフェリーペは白昼夢のような契約サーヴァントとの繋がり、皆は冗談めかしてレムレムと称している、から戻って来ることができた。
「境界条件が混濁した第二現実。
夢の中で死を体験すると、本当に死ぬからね。気を付けて?」
「え、あ、はい」
インドラジットは相変わらず、仮面のような微笑みを絶やさない。
それでもフェリーペが覗いた夢の中の彼は、強い怒りを抱いていたのを感じていた。マスターである自分に見せる顔は偽りのもので、あれがきっと本音なのだろう。
今の彼の振る舞いは、古代インドで作り上げられた道徳基準、法(ダルマ)でしかなく。強大な武力と不死身さに由来した、余裕が生み出す慇懃無礼さを剥ぎ取ってしまえば、その仮面の下にあるのは獰猛な怒りを食欲に変えた魔性なのである。
――人理を救った時、ああ終わったと安心した時、対価として君を食らう。
――それが、俺が持つたった一つの望みさ。ちょっと過ぎましたが投下します
「冨田青眼、戦働きに推参。どうかご下命を、マスター」
【出典】史実
【CLASS】セイバー
【真名】富田青眼/Seigan Tomita
【異名・別名・表記揺れ】冨田勢源、戸田勢源、外他勢源など
【性別】女性
【身長・体重】173cm・70kg
【地域】【年代】
【属性】秩序・中庸
【天地人属性】人
【その他属性】女性
【ステータス】筋力C 耐久B 敏捷B 魔力C 幸運C 宝具A
【クラス別スキル】
対魔力:A
A以下の魔術は全てキャンセル。事実上、現代の魔術師ではセイバーに傷をつけられない。
冨田の『返し』は即応の剣。妖術、忍術、人道惑わす邪魅甘言なにするものぞ。あらゆる状況に応じる彼女の剣腕は、A以下の魔術を切り伏せる。
騎乗:B>>214
【固有スキル】
気配感知:B
人間という枠の中では最高クラスの気配感知能力。聴覚を通じて遠距離の気配を察知することが可能であり、近距離ならば同ランクまでの『気配遮断』を無効化することができる。
可能性の光:A
星の開拓者に似て非なるスキルにして、無辜の怪物によく似たスキル。実際に自分が手掛けた偉業も、実際には関わりのない伝説も、すべてを一身に受け止めた偶像が英霊富田青眼であり、現界した彼女は「期待」と「可能性」の具現とされる。
可能性の光、刃の如く。
彼女と出会った敵対者は、いずれ秘剣の煌めきを見る事になるだろう。
屏風抄:A
冨田流秘伝が一。それと同時にアサシンが至った剣の道。
青眼の構えを得手とするように、彼女は物事を俯瞰することに長けていた。
目の前の状況を絵巻物のように認識するという視座。御伽草子の怪物は、御伽草子の中の存在だからこそ人界に害を与えない。
あらゆる魔性、あらゆる英傑―――あらゆる脅威を「自分には逆立ちしても触れられない」と認識することで、精神の均衡を保つ。通常であれば兵法と呼んで然る技術体系を平法と呼んでいたことにも通ずる、心技体で言うならば心の極地。
いわば一つの明鏡止水。悟りにも近い領域にいる彼女は、あらゆる精神干渉を無効化する。>>215
『返し』
ランク:- 種別:対人魔剣 レンジ:可変 最大補足:可変
かえし。燕返しの源流とも語られる秘剣。あらゆる相手に即応する青眼の構え、その究極系。
自身の剣に任意で多重次元屈折現象を引き起こし、並列世界から複数の剣筋を呼び込む剣技の総称。
燕返しはその中の一つであり、対燕用の三重の剣技。
本質が斬撃であるためその規模は刀身に依存し、後述の宝具と併用することで気象現象にも似た太刀筋の嵐となる。
【宝具】
『徒剣』
ランク:A+ 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:30人
ともがらのけん。剣豪である梅津某と立ち会った際に剣を忘れ、道に落ちていた薪で『切り捨てた』逸話が由来。
自身が手にした武器を支配し、自らの剣としての属性を付与する。いわば、和製『騎士は徒手にて死せず』
ただしあちらと同じく何でもかんでも武器に出来るのではない。『剣』にするという特性から最低でも一尺七寸(約50cm)の『長さ』が求められる。
加えて剣であることから、切断、刺突、殴打などの近接攻撃にしか使用出来ない。仮に機関砲を剣に変えたとしても、砲身で切りつけることしか出来ない。
剣に純化していることからCランク相当の宝具となり、元からそれ以上のランクを備える宝具であれば、往来のランクのままセイバーの支配下に置かれる。
湖の騎士の保有する宝具との最大の差別点、それは重量の無効という点にある。
薪を剣に変えた逸話から、長さの条件を満たしているものは何でも剣になる―――すなわち、どれだけ巨大なものであろうとも生物以外であれば意のままに扱える。
薙刀や槍は言うに及ばず、丸太やそれを乗せるトレーラー、大型旅客船からジャンボジェット、果てには都市のランドマークになり得る巨大な電波塔ですら、セイバーにとっては棒切れ同然である。
何らかの手段によって固定されていないものという条件こそあるが、その気になればサーヴァントの宝具によって破壊された高層ビルを剣として振るうことが可能。>>216
【解説】
戦国時代の剣豪。佐々木小次郎の師とも富田流の祖とも語られる人物。複数の名を持つが、富田勢源という名が最も知られている。
実在の人物であることに間違いはないが、その出自には極めて謎が多い。
そも佐々木小次郎という剣客は実在しておらず、富田流の存在も後世の研究者によって否定されている。
真相は単純明快。富田勢源は複数人いた。
後に剃髪し仏門に帰依した富田五郎左衛門入道勢源。
戸田一刀流の始祖である戸田一刀斎。
鐘巻自斎の師である外他勢源。
これらの功績を成した複数の人物を、表記揺れという形で一人に纏めた結果生まれたのが富田勢源という英霊である。
富田青眼はその内の一人、梅津某を打ち破ったとされる剣士。
名前の通り青眼の構えを得手とし、この構えの名は彼女からつけられた。アングラ板(誤解されかねんから補足しとくと自鯖関連の相談ページ)に張角に関するネタバレ含んだ相談を投下しました。
ボス鯖の片割れって事で最終盤のネタバレガッツリ入ってるのでそれでも大丈夫っていう心広い人は是非答えてくださると有難いです。>>217
【人物】
右眼の眼帯が人目を惹く和装の美女。先天的な色素異常を患っており、残された左眼は蒼く染まっている。眼帯は病によって失った右眼を隠すためのもの。視覚が半分になった代わりに聴覚が異常発達しており、常人であれば『視界を完全に失って』初めて至る極地に片目のみで足を踏み入れている。
道としての剣と術理としての剣を完全に分けている。前者に関しては極めて繊細になるが、後者に関しては大雑把―――雑に言うと、勝てばそれでいいという認識になる。
そのためか宝具の開帳に何のためらいも無い。むしろ軽々と振り回される自販機やらバスやらに驚く相手を見て楽しんでいる節がある。驚くのは当たり前だよなあ……
兵法者としては間違いなく英傑である彼女だが、儚げなという形容詞が良く似合う佳人でもある。自らの至った在り方からどこか捉えどころのない女性。彼女の心は、自分自身すら絵巻の中に閉じ込めているのだろう。
夏の雪。水面の月、鏡の中に咲く梅花。ある意味で英霊はこの世界に映し出された影法師という在り方に忠実な人物。
調度品・工芸品として完成された美しさを持ちながら、その内部には触れたものを断ち切る刃が眠っている。
さながら人の姿をした刀剣と呼んで差し支えない。
形あるものはいずれ壊れる定めを持っている。
彼女の唯一の綻びは、後世において佐々木小次郎として伝えられる若者に直接剣を教えてやれなかったこと。
生涯を賭けて『燕返し』を体得した彼に、手ずから剣を伝えたいと願っている。
特技:精神統一、人への教導
趣味:鍛錬
好きなもの:B級映画、アイスクリーム、子供
嫌いなもの:B級映画(斬りたくても斬れないやつばっかり。未熟)
天敵:ティアマト、ケルヌンノス、ポール・バニヤン、キングプロテア(あまりにも巨大すぎて刃が届かない)
願い:佐々木小次郎を正式な弟子にする>>219
【一人称】私
【二人称】貴方、貴様
【三人称】彼、彼女、あの子、あれ
【セリフ例】
「息災で何よりです、弥五郎。貴方と直接剣を交えたことはありませんでしたが……至りましたか。それは重畳」伊藤一刀斎に対して
「道に優劣を付けるのは、我々ではなく我々を見た市政の民草に他ならない。そういう意味では、貴方の剣は何よりも完成されている」上泉信綱に対して
「殺.せぬ剣など餓鬼の棒振り。ええ、剣士としては良き心がけかと。今はそれでいいのです。道などというものは、勝手についてくるものですから」丸目長恵に対して
「これが柳生、その完成系。きっと貴方の眼は、私のそれとは全く違った光景を見るのでしょうね」柳生十兵衛三厳に対して
「マスター。よく見ておきなさい―――あれが、人の姿をした剣というものです。彼に比べたら、私など道端に落ちている棒切れのようなものですよ」林崎甚助に対して
「そう……そうですか。貴方があの……貴方個人に恨みはありませんが、我らが剣を破ったという貴方の技には興味がある―――抜くがいい、宮本武蔵。貴様が切った燕は、所詮燕でないことを教えてやる」宮本武蔵に対して
「草鞋を二足履くというのは堪えたことでしょう。それが天下人ともなれば尚更です―――その強さが、今はただ羨ましい」足利義輝に対して
「新陰流の開祖様。確かに新陰流と冨田流はかつて鎬を削った仲ではありましたが……新陰流は後世に伝えられ、冨田(わたし)の剣 は存在しないことになった。流派の優劣はともかく、教育者としては貴方の方が優れている」柳生石舟斎に対して
【他クラス適性、変化傾向】アサシン(人の姿をした剣と“成った”姿。返し、屏風抄を失うため実質的に弱体化する)
【製作者】ジョーン「偉大なるブリテンの王。私はここに告白します。私の詩は全て不完全、でまかせに過ぎないのです。」
「私は聖者の旅路に同行した事はありません、方舟に乗った事もありません。ただその記憶を持つだけの人間であり、詩の中の私の想いなどはあくまで想像に過ぎないのです。」
「ノアが船内で神への感謝を述べていたかもしれません。
置いてきた人々への苦悩を抱えていたかもしれません。
ただ家族と共に不安がっていたかもしれません。
そんな曖昧な記憶でも、人の為に詠っている間だけは信じられるのでございます。」
「しかし私は貴方の旅路、王道を知りたいと思いました。私の人生で唯一、私にとっての真実を残したい。
私の虚ろな記憶において、貴方だけは確かな標としたいのです。
どうか私を、剣も取れぬ一介の詩人を置いては頂けないでしょうか。」>>226
「一つ、私から貴方にお願いがあります。貴方が息絶える時に私は貴方の傍に居る事を約束して下さい。貴方の道の果てを知り、貴方の物語の終わりを知りたいのです。
何も私より先にという事ではありません。なにせ私は転生を続けるそうですから。」
『こんな約束に意味はありません。どれ程記憶を探ろうと、貴方の終わりを私は知り得ません。
ですが貴方ほどの輝きなら、私の記憶なんて簡単に変えられると思いたいのです。』
「貴方も当に気付いておいででしょう。ブリテンは既に沈みゆく船なのです。
誰のせいでもありません。ここが人の為すブリテンの限界だったというだけ。
もう民は十分に幸せな夢を見たのです。次は貴方が夢を見ましょう。私と彼ならそれが出来ます。」
『これ以上私の標が傷つく事は許せなくて、思わず声を上げてしまいました。
拒まれる事はわかりきっていました。叱責も覚悟の上でした。
ですがその顔は、子供を諭すような困った様な笑顔だけは耐えられなかった。』>>227
「私はしばしここを離れます。
貴方の傍に居る事が出来ないのは残念ですが、数少ない我が友の頼みですので。
必ず生きてここに戻りますから、どうか約束をお忘れなく。」
『さようなら、我が標。またいつか、貴方が満たされた時に会いたいましょう。』
詩人タリエシンは王の終わりを見届ける事は叶いませんでした。
友である魔術師の依頼を終える頃には全ての事は終わっていました。
偉大な王とその騎士達の物語には既に幕が引かれていたのです。
こうなる予感は確かにありました。最後の最後で見届けるのが恐ろしくなったのか、それでも尚自らの王を信じていたのかは彼自身にもわかりません。
唯一確実な事は、『彼が見届けられなかった』のはかつて彼が求めた『確かな真実』だったという事だけです。>>230
深イイ話ならぬ、重イイ話……>>230
新しい出会いがあるまで、看取ることも止まることも出来なかった…ってコト!?(ちいかわ定型)
お辛い~>>230
何で重いの?
英霊伝承って何でスーパーヘビー級の話ばっかなのかな?(自分もそんな話書いておいて困惑する)胃が痛みだしたので寝る。
ではお休み。山星さんへ、
オイノネからキュベレーあてに「レア様と似ている?」みたいな地母神繋がりネタな台詞を考えているのですが、問題あったりしますでしょうか?
>>238
それは辛い……おやすみなさいませ~>>221
とんでもねえ第二宝具をお持ちでらっしゃる…
戦闘中に「ロードローラーだッ!!」のノリで大型トレーラーとか叩きつけられてきたらたまったもんじゃないでしょうね
丸目(アサシン)「富田青眼、ねえ。俺あの女は苦手なんだよ。なんつーか、あの目で見られてると人に見えちゃいけねえとこまで丸裸にされてるような気がしておっかねえというか……」
丸目(セイバー)「からかうのは止してくだされ、つまらぬ若気の至り故に。……しかし。儂も色々な剣士を見てきたという自負もあったが、あれ程突拍子もない剣士は初めてやもしれんな」
>>230
タリエシンから見たブリテンと騎士王の結末…
他の騎士たちと異なり、吟遊詩人として仕えたが故の重さが伝わってきました>時計塔のロードで最大の魔力消費量を記録したトランベリオで2000くらい
A++で2000っていう具体的数値が出ると、キャラシ作りには便利...平均の魔術師が20だからちょっと見直さないと...>>241
平均の魔術師が魔力消費量20、魔力生成量も20でしたっけ?シエルの魔力生成量が5000に対して平均の魔術師の生成量がそれくらいと説明があった気がします。
なんとなく感じていましたが、シエルの力量もロードに匹敵してそうですね。ちなみにオイノネとパリスの間には超美形な息子がいて、捨てられた報復にその息子をトロイアに送り込んでヘレネの気を惹かせ、それに激しく嫉妬したパリスが自身の子と知らず殺めた、なんて逸話もあるとかなんとか……
ふふふ>>247
果たして予言の力を持つオイノネは、父が子を殺めることまで見えなかったのか、それとも見えていて息子を送り込んだのか……こう、時間が取れなくてロクに書けないし顔出しもしづらかったんですが、200スレ目って事で僭越ながら書き込み
ところで唐突に何ですが、Fate/NCの続きが書けたので今投稿してもよろしいでしょうか?
>>253
戸が開かれ、灯りがつけられる。
そこは四畳半ほどのアパートメントだった。家具らしい家具はちゃぶ台のみで、それ以外は必要最低限のものばかり。
生活の為というより、隠れ潜む為に整えた。そんな殺風景とも見て取れる風景が『彼ら』の拠点だった。
「……で。いつまで、俺はこの状態でいないといけないんだ?」
拘束された両手を持ち上げ、フェリーペは後ろに控えてる人物に語りかける。
返ってきたのは銃口を突きつけられる気配と、冷徹な言葉だけ。
「いいから黙って入れ。話は全部その後だ」
「まあまあ、そないな脅かしてばかりじゃあかんよ。責めるのはこれからいくらでもできるんやさかいに」
拒絶する声と、窘める声。
一見相反するようでありながら、その本音はどちらもフェリーペにとって良いものとは言い難い。
何しろ窘めてる声の主こそ、他ならぬフェリーペの両腕を拘束してる張本人に他ならなかったのだから。
どうしてこんな事になったのか。状況は、少し前に遡る――>>254
「おい加々見。これはどういう状況だ?」
緊迫していた二人の間に、新たな声が割って入る。
二人が振り向くと、そこにはまた別の青年が立っていた。
二十代半ばだろうか、年頃はフェリーペや加々見よりも上に見える。サバイバルジャケットにジーパンと動きやすい格好に身を固め、背には長弓と思しき何かを背負っていた。
青年はフェリーペに軽く視線を送った後、加々見の方を胡乱気に見つめ問いかける。
「連絡しても途中で切りやがるし、また例の奴らにでも絡まれてんのかと思って来てみたら……何やってんだお前は」
「何って――ええと、人助け?」
決して穏やかとは言い難い口調の問いかけに、加々見は平然と答える。「それ以外に何か?」と言わんばかりの態度を前に顔をしかめた青年だったが、小さくため息をつき、
「……まあいい。とりあえず無事でよかったとだけ言っとく。それよりも」
チャキ、と。青年がフェリーペに『あるモノ』を向ける。
先程のシスターが所持していたものに近く、けれど分類的には厳密に異なる黒塗りのそれは――紛れもなく、拳銃だった。
顔色を変えるフェリーペを、加々見が手を伸ばしそっと制する。
「黒野、ちょい待ち」
「いや、待たない。――そいつは誰だ? 一般人、なわけねえよな。この街に――それも夜中に、俺たち以外の人間がうろついてる筈がねえんだからよ」
「俺たち以外の……?」
緊迫した状況、だがそれ以上に黒野と呼ばれた青年が吐いた言葉にフェリーペは疑問を抱いた。>>255
ビルの上から、そしてほんのわずかな間走り回っただけだが、この街の広さは決して小さなものではない。どれだけ低く見積もったとしても、優に中都市程度の規模は確実にあると言い切れる。
にも関わらず、この青年ははっきりと「うろついてる筈がない」と言い切った。
いやそもそも。冷静に考えてみれば、今この状況自体おかしすぎる。
これ程の規模の街であれば、当然警察等の治安維持機構があってしかるべき。なのに何故、先程あれだけ激しい戦闘が繰り広げられておきながら、未だに警官どころかパトカーのサイレンすら聞こえてこないのか――?
混乱するフェリーペを見て、黒野は何事か納得したように眉を顰める。
「……おい待て。お前何か? 今更他所からやってきたとでも言い出すんじゃねえだろうな? 冗談にしても笑えねえぞ」
「冗談やったらよかったんやけどね。――なあ黒野。空から人が降ってきた、ゆうたらあんた信じる?」
「はあ? なんだそりゃ、子ども向け映画に出てくるヒロインかよ。なら聞くがよ、その人間とやらはパラシュートでも身に着けてたのか? あるいは、重力軽減の魔術でも使ってたとか」
「うーん。うちが見てた限りやとそういうのはなかったなぁ。むしろ身体の動きだけでどうにかしようと藻掻いてたくらいやわ」
「へえ、そりゃすごい。新手のギネスチャレンジャーか、それとも自殺志願者か? だとしてもこの街にわざわざやってくる時点でまともじゃねえな」
ははははは、と。互いに薄ら寒い笑い声を上げる加々見と黒野。
場の空気が否応なしに氷点下へと移りつつある気配を感じ取り、たまりかねたフェリーペが口を挟む。>>256
「待った、待ってくれ。何を疑ってるのかは知らないけど、そっちとやり合うつもりも手を出す気もない。というか、聞きたい事があるのはこっちも同じだ。この街は何なんだ? さっきの子といいシスターといい、一体何が起こってる?」
精一杯無害である事と、状況把握を願い求めるフェリーペ。
が、その態度は増々もって黒野の警戒心を強める事となった。
「……さっきの子、それにシスターねえ。つまり何か、今しがたお前はあのトップ3の内二人に襲われてたと、そう言いたいわけか?」
「トップ3? いやだから、その辺の事情も含めて説明を」
「あーもういい、面倒臭い。加々見、こいつを拘束しろ。両腕だけでいい」
「えっ」
「あいあいさー」
フェリーペの懇願を無視し、ぞんざいな態度で黒野は指示を下す。
加々見もまた何ら抵抗する事なく、言われるがまま銀糸を手繰りフェリーペの両腕を束縛した。
「なっ! ちょっ!?」
「うるさい、がたがた騒ぐな。ここで呑気に話してたら、いつまた連中が戻ってくるか分かったもんじゃねえ」
「せやね。詳しい話は、うち等の拠点で聞かせてもらおか。……あんさんには、さっきの件で言いたい事もあるしなぁ」
妙な所で息の合った様子を見せる黒野と加々見。その加々見が向けた笑みを見て、フェリーペはある事を確信した。
(……ヤバい。この人、さっきの事まだ根に持ってる)>>257
そうして移動する事およそ十数分。フェリーペは罪人めいて引き立てられながらも、目的地である二人の拠点――すなわち、中型アパートに到着した。
高級と呼べる程豪華でもないが、さりとて築ウン十年と呼べるようなボロでもない。大手不動産が大量に建てては売り捌いている、そんな感じのシンプルかつ典型的な作りである。
その内の一番端に位置する部屋に通されたフェリーペは、黒野に突かれるがまま奥へ押し込められる。床に座るよう命じられ、大人しく従った途端――二人からの尋問を受ける羽目になった。
「さて。ようやく落ち着いた所で、色々と聞かせてもらおうか。――まず、お前の名前は? それと出身地に好きな食べ物、あと得意技でも教えてもらおうか」
「後半の質問いるん?」
「名前……名前は、フェリーペ・ジョージ・デ・サント。出身はブラジルで、好物はチリビーンズ。得意技は――ダンスと、それから派生した武術かな。カポエラとかカラリパヤットとかその辺」
「んで答えるんかい。律義なやっちゃなー」
まさか全部答えるとは思わなかったのか、それともフェリーペの素直さに呆れたのか。
一瞬黒野は絶句したものの、すぐ我に返った。
「成る程、カポエラにカラリパヤットね。……加々見、拘束部分追加。両足も徹底的に縛っとけ。何なら畳に張り付くレベルで頼む」
「あいさー」
「しまったぁ! つい余計な事まで言ってしまったぁ!」
『…………』
ついうっかり、と言わんばかりに慌てふためくフェリーペ。
その姿を黒野のみならず加々見まで冷めた様子で見つめ、やがて心底呆れたようなため息とともに黒野が言い放った。>>258
「お前、ふざけてんのか?」
「いや全然。場が緊張してるみたいだから、せめて少しでも和ませようかと」
「ああ緊張してるとも。どこぞのネコミミ娘が、どでかいペットを拾ったもんだからなぁ」
ネコミミ娘と呼ばれた加々見が、何か言いたげに黒野を睨む。
が、黒野は一切気にせず、拘束された状態のフェリーペの胸元を掴むと、自らの眼前まで近づけた。
「だから――言葉には気をつけろ。こっちは現在進行形で面倒臭い事に巻き込まれてんだ、この上お前の相手にまで気を割いてる余裕なんぞありゃしねえ。……何なら、後腐れないよう拘束されてる今の内にケリをつけてもいいんだぞ。今ならお前がNCバトル参加者だろうと、鉛玉一発で余裕なんだからな」
だからその、NCなんちゃらって何なんだ。そう言い返そうとして、ふとフェリーペは黒野の目に違和感を抱いた。
警戒・猜疑・敵意。そういった感情こそ浮かび、また言動からもおよそ慈悲や容赦の類が見えない男だが――そこには、たった一つの矛盾が確かにあった。
「……」
「どうした。この期に及んで、今更怖気づきでもしたか? ならさっさと、お前が知ってる事を全部」
「全部吐けばいいんだろ。お安い御用だ」
「は?」
「俺の名はフェリーペ・ジョージ・デ・サント、ってこれはさっきも言ったっけか。そっちの人――加々見、さんには既に話してあるけど、カルデアってとこでマスターやってて、このとく、もといこの地には調査の為やってきた。で、その調査の第一歩目で死にかけて、そこを加々見さんに救ってもらった後、色々あってこの状況になった。とりあえず大雑把に言えばこんな感じだな」
「――――」
「といっても、今の状況でこれ全部証明できるかどうかは正直難しいし、確かに疑われてもしょうがない。でも信じてほしい。俺は、あんた達と敵対する気もないし、そもそも敵じゃない」>>259
「……は」
乾いた笑みが、黒野からこぼれる。先程の加々見とのやり取りの時のように、あるいはそれ以上の怒気と嫌悪を伴って、溜め込んだ鬱憤や感情を吐き出すように凶悪な笑みを浮かべる。
「は、はは。ははは、ははははは。何を言い出すかと思えば、何を言い出すのか、と思っていたら――よく分かった。お前、つまりぶん殴られたいらしいな?」
警戒と猜疑の代わりに、憎悪と憤怒。敵意はより強く、黒野はフェリーペを射抜かんばかりに睨みつける。
だが、言動に反し行動はまるで釣り合わない。胸元を掴む力は強まりこそすれ、それ以上攻撃的な動きを見せる事はなく、ただ何かを堪えるように握りしめている。
隣にいる加々見もまた、黒野の真意を悟っているのか目を細めるだけでそれ以上の制止に出ようとはしない。
その姿にいよいよ確信を深め、フェリーペはより踏み込んだ発言に打って出る。
「ああ。それで、あんたの疑いや気が晴れるのならいくらでも」
「なんだと?」
「――さっきも言ったけど、俺はこの街の『調査』に来た。だからこの街がどうなっているのか、あんた達が何を警戒し何を恐れているのかなんてまだ分からない。だから、あんた達がそんな俺たちを疑うのは当然だし、責めるつもりもない」
「……」
「あんたが俺を信じないし、信じられないのならそれでもいい。けどその上で頼む。あんたがこの街について知ってる事、この街で一体何が起きて、どうなっているのか。その情報を全て、とまではいかないにしても、せめて可能な限り教えてほしい。見返りと言っては何だけど、俺に協力できる事があれば手を貸すし、知りたい事があればこっちも可能な限り教える」>>260
本当は、今すぐにでもこの拘束を解いてセンパイを――メンテーの事を、探しに回りたい。
けどそれでは、さっきの出来事の繰り返しだ。最悪、今度こそ再び出くわしたあの少女の手で自分は殺されるかもしれない。
だからこそ、フェリーペは今出せる最大限の誠意と譲歩をもって、説得にかかる。自分は敵ではないと、脅威ではなく味方であるのだと。他ならぬ現地関係者である彼らに説いて――
そんなフェリーペの姿を前に、黒野がなおも何か言おうとしたその時。場違いな電子音が辺りに鳴り響いた。
黒野が拳銃を構え、加々見もまたフェリーペに視線を送りつつ周囲を警戒する。
二人が持っている携帯端末の電子音、ではない。現時点で鳴る理由がなかったし、そもそも二人とも端末に触れてさえいない。
そして、何よりもフェリーペ自身この音には聞き覚えがあった。
この一定の規則で伝わってくる、特徴的な電子音は。>>261
「カルデアからの、通信……!?」
『あ、やっとつながった! もしもし、もしもーし! こちら彷徨海カルデアベース! フェリーペくん、メンテーさん、応答願いまーす!』
「なぁっ!?」
「うえぇっ!?」
突如中空に出現した通信映像。フェリーペにとっては見慣れた光景であるが、事情を知らない二人からすれば超常現象にも程がある。
そんな事情を知る由もない画面の向こう側――シオン・エルトナム・ソカリスは拘束状態のフェリーペと、唖然とした顔で映像を仰ぐ黒野たちを交互に見つめ
『あのー。もしかして、私何かやっちゃいました?』
そんなどこかで聞き覚えがあるような、非常に呑気な事を呟いた。
一方、フェリーペは会心の笑みを浮かべ
「――いいえ。最高のタイミングです、シオンさん」
両手が拘束されていなければ、サムズアップしてただろう。そんな力強い言葉を返していた。>>249
それでも、魔術を求める過程で得た出会いに意味が有る……そう思いたいですね。
>>262
普通の特異点よりも話がこじれてて、どうなることかと思った所に通信が……しかし、サーヴァントは一体何処に……?
>>265
一人称「我」
二人称「呼び捨て」、「御主」、「貴様」(敵対時のみ)
私的時「親友、それも女同士で有れば湯浴みの際に互いの身体を洗い合うものであろう?マンドーダリーもそう言っておった……な、なんじゃその目は!?」
公的時「進軍せよ。その命、その力、羅刹王たる我に捧げるが良い」
私的時にせよ、公的時にせよ大体所謂のじゃロリ口調に魔王信長っぽさを加える感じです。
ただ、私的時のほうが人当たりが良く、感情をあらわにします。
エコー表現はラーヴァナから離れてたら付ける感じで。>>267
実を言うとこの特異点サーヴァントはほぼ出てこないんですなこれが
ただし全くではなく、とある局面において登場する予定ですこっそりオイノネ(リリィ)の絆礼装を思いついたのでご紹介
『弔いの焔の中で』
Cost :4 HP:100/100 ATK :100/100
効果:
オイノネ(リリィ)装備時のみ、自身の登場時に味方全体のNPを付与(20%)&味方全体に魅了無効を付与(1回)&自身が受けるやけど状態のダメージが増加(デメリット)
テキスト:
──────ごうごうと、彼と私を炎が焼いていきます。
このまま灰すら遺さずに燃え尽きてほしいですが、きっと遺るものは出るでしょう。
ああ、もっと着飾れば良かったなと思いました。
追いかけるのが早ければ良かったなと思いました。
あの時に彼を許せれば良かったと思いました。
──────ああ、いっそのこと。何もかも忘れ去れたら良いのに、と強く思いました。>>267
ありがとうございます~
自分の考えていたアルトリア→モードレッド風の塩対応にしなくて良かった……>>222
属性としてはベタですが良いですよね、こういうの
>>223
ダンブルドア先生!点数のインフルが激しすぎるのですが!
デザイン褒めてもらえるの嬉しい……ありがとうございます……!
>>224
逸話由来の宝具、恐ろしいなあ……
>>225
宝具の説明書いてた時、超巨大なビルを振り回す姿を確かに幻視した……!
>>240
得物がデカいor長いことの恐ろしさはヘラクレスや槍ニキが証明してますからねえ
>>243
見栄えのインパクトはめちゃくちゃ意識しましたね
ディックさんがよろしければ是非とも!
>>246
武蔵ちゃんもマンモスぶった切ってましたしまあ……シナリオで動かすなら神秘の秘匿にぶち当たるので普段は使えて自販機とかでしょうし(それでもやばい)>>274
校長先生!もしかして森永の社員さんですか!?
>>276
似合うっていうかアイドルそのものっていうか……
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/wiki/%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%82%A2>>282
コメントありがとうございます、武内さん風を頑張ろうとして力尽きたでござる……>>221
宝具の演出でめっさ豪快な女傑になる(確信)
それでいてビジュアルとか雰囲気が好きですね……刀女子、いいですよね。
>>230
重いといいますか、若干湿度も感じられますね……英霊伝承は生前の姿を書く物語なので必然的に暗い話になってしまいますね。
>>249
ひぃ、教会の人のダメージ耐性も大概おかしいけど、魔術師ってやっぱりこういう常人とは異なる価値観なんだよね……って改めて思い知らされる回でしたね。生物の生死にはなんの感傷もなく、それが全て魔術に向けられている。普通の人には理解し難いサイッコーに佳きお話でした。
>>263
台無しは筈なのにナイスな最後。そしてまさかの黒野くんの登場である。
擦り切れてると言いますか、曲がっちゃっていますねぇ……。>>289
それなら小アイアスやストックにいるアステロパイオスを推しましょう。
アルターエゴ小野小町だと作るのにシトナイを参考にしつつ設定をブラッシュアップしてます。↓のページにもアルターエゴを作るに辺り貴重なご意見などもいただけて大変ありがたいです。
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/m/wiki/%E6%A1%83%E8%89%B2%E8%8D%89%E7%B4%99>>294
ざっと調べても司教のネームドはFakeやFate/hollow ataraxiaに出ていたディーロさんくらい?みたいですね。
代行者を率いる軍隊のイメージで考えると代行や司祭だと現場指揮官みたいなものかなと考えてました。>>284
この場合はオイノネ自身が「人生辛すぎワロス……ロリに戻りたい……」と願った故、ペドがどうこうではないです
アポロン「役目の一つが『若者やニンフを護るもの』だからね。すっごい見守るよ」>>302
あーいいですね、それにしようかな……
>>303
めぐりめぐってクーちゃんの髪の毛の色につながるっていうやつだ……
>>304
本人は妖精に好き放題身体を弄られて性別も名前も記憶も奪われたことをくそったれとは思ってるんですけど、それはそれとしてこの貴重すぎる体を使えばローザやイゼルマとはまた違った“美”の到達点を表現できることを何よりも感じてるのでね……
実は創造科の魔術師らしく芸術家気質なんですよ、自分が求めるものを作りたくて仕方がないし、その方向性が真逆なローザとはよく殺し合う
ルナちゃんは……今は本家の後ろ盾とかで回避してると考えられなくもないですけど……何かしら功績を立ち上げたらもうそれはルナちゃん以外には再現不可能で指定も辞さないだろうなっていう気はします……
>>305
おつかれさまでした!!
冒険に行こうとするセリフが少年少女の輝かしさを漂わせる感じでよかったです>>312
『……以上が、我々ノウム・カルデアの置かれた現状と、ここに至るまでの大まかな経緯です。ご理解頂けたでしょうか?』
カルデアとの通信が繋がり、そこから始まった状況説明と黒野たちへの大まかな自己紹介。それらがようやく一段落した所で、シオンは説明を切り上げ黒野たちにバトンを回す。
「……」
「――」
が。当の黒野たちはと言えば、立て続けに降りかかった超展開に目を白黒させるばかりで、質問も何もあったものではない。
『うーん完全にフリーズ状態、どこからどう見てもキャパオーバーですありがとうございました。これはしばらく、考える時間を与えた方がよろしいでしょうか?』
「……いや、いい。想像の埒外、どころか斜め上をさらにぶっちぎった説明だったけどよ――おおよそはどうにか理解できた」
『おお、それは頼もしい! 頼もしさついでに、そろそろフェリーペくんの拘束を解いてもらっても? ここまでの説明で、彼が敵ではない事と貴方がたの脅威ではない事も伝わってる筈ですが』
「……」
ちらり、と。黒野は加々見に視線をやり、拘束を解くよう暗に示す。
加々見もまた――こちらは説明に理解が追い付いてなかったのか若干目が虚ろではあったものの――黒野の意思に応え、フェリーペの銀糸をあっさり解除した。
時間にして数時間も経たない間ではあったが、ようやく解放された両腕をフェリーペは有難く擦る。>>313
「ありがとう、と言っていいか?」
「嫌味の一つ、と解釈されてもいいならご自由に」
ふん、と鼻を鳴らし、黒野は憎まれ口を吐き捨てる。
いくらか誤解が解けたとはいえ、それで全て受け入れられるようであればこの世に苦労は存在しない。
それを分かっているからこそ、フェリーぺもまたそれ以上ツッコむ事はなく苦笑で済ませた。
……最も。加々見の方は未だにジト目で時々フェリーペの事を睨みつけていたのだが。まあこれは仕方がない、やらかし分の引きずりである。
ともあれ、情報交換が落ち着いた所で、フェリーペとシオンはようやく本題に入り出す。
『さて。ご理解頂けた所で、次はこちらからの質問タイムに入られてもらってもよろしいでしょうか?』
「ああ。……と言っても、俺たちが答えられる範囲に限るけどな」
『充分です、こちらとしても今は質より量が欲しい状況ですので』
「成る程、そりゃごもっともだ。――おい加々見、いい加減ボケッとしてないで正気に戻れ。理解が追い付かなくても、話に耳を傾ける努力くらいはしろ」
「はっ!? せや、人理とは……宇宙の法則とは……!」
明後日の方向に突っ走りかけている加々見をスルーし、黒野はシオンに先を促す。
『では早速。まずこの特異点――いえ、この街の事について教えて下さい』
「街の事、ね。といっても、何から話せばいい? この街の名前か、現在の状況か、あるいはここにいる危険な奴らの事か――」
『ぶっちゃけ全部。……というのは、少々乱暴な言い方でしたね。ここはせっかく申し上げてもらった通り、街の名前から順に行きましょう! 聞きたい事があれば、その都度適宜こちらから問い質していくといった感じで!』
「オーケー、そいつは分かりやすい。……まず街の名前だが、俺たちは『音邑(オトムラ)』と呼んでいる。音声の『音』に、口の下に色で書く方の『邑』で音邑だ」
『音邑……どれどれ。こちらで検索をかけてみますが、何分データ量が少なくないので時間がかかります。見つかった場合の精査も合わせると、結構なタスクになるかと』
「了解、よろしく頼む。シオン」>>314
フェリーペの言葉に、シオンは力強く返答する。何故か片腕を持ち上げ筋肉をアピールするようなポーズまで取っていたが、彼女なりの励ましなのだろう。多分。
その様をじっと加々見が見つめていたが――幸か不幸か、この時気付いている者は誰もいなかった。
「で。次はこの街が置かれた状況についてだが……まあ、一言で説明すれば、『朝昼天国・夜地獄』って感じだな」
『ほほう、その心は?』
「心も何もねえ、言葉通りの意味だよ。この街は朝と昼の間は、他の日本における地方都市と大差ない暮らしが築かれてる。出勤、通学、そして勤労に勉強……まあ、ありふれた生活ってやつだ」
だが、と。一旦黒野は言葉を区切り、語調を重くして続ける。
「夜の間は正真正銘の地獄だ。俺たちみたいな一部の例外を除いて、その他大勢の市民(モブ)共は全く出歩きゃしねえ。店も全部閉まってるどころか、そもそも人間そのものが消えてるってレベルで静けさに包まれてやがる」
「人間そのものが、消えてる……!?」
『それはまた、何とも大仰な喩えと言いたい所ですが――違うのですね?』
「せやで。うち等も何度かそこかしこにあるビルやお店にお邪魔した事あったんやけど、どの建物もみぃんな人っ子一人としておらんかった。どこかに出かけとるとか避難してるとか、そういう次元やあらへん。完全に人が消えてなくなってもうとる有り様や」
見てきたように、ではなく。実際にその状況を目撃し、確かめた者の言葉で、黒野たちは断言する。
フェリーペにとってはそこまで気にかけてる余裕もなかった為、今の今まで気づかずしまいだったが――改めて考えると、確かに違和感はあった。
街灯以外、あらゆる照明が消えた建物群。貸し物件であるビルは元より、道中で見かけた一軒家やマンションの住宅でさえ一様に暗闇で満たされた世界。
今フェリーペがいるこのアパートも、拠点であるここ以外の部屋は他と同じく暗いままだった。深夜で、人が寝入っているという可能性を差し引いてもなお暗すぎる程に。>>315
「とはいえ、だ。単に人気がないだの、人間が消えるってだけならそうおっかないわけでもない。まあ不気味でこそあるが、何とか許容できないわけでもないからな。問題は――この、人気が消える街で夜な夜な繰り返されてる興行(イベント)の方だ」
「イベント……?」
「フェリーペ。あんたもここに来るまでちょこちょこ耳にしたし、何ならその当事者たるあのガキんちょやシスターと出くわしたやろ? アレは単なる、気まぐれの事故や災害やない。明確な、目的あっての攻撃だったんよ」
目的ありきの攻撃。その言葉に、フェリーペの身体に言いようのない悪寒が奔る。
その理由が何であるのか。答えはすぐに明かされた。
「ストリート・ファイトって言葉は聞いた事あるか? どこの国でもよくある、チンピラだのはぐれ者だのが繰り広げてる喧嘩沙汰だよ。――それを極限まで物騒にし、尚且つ反則技そのものな力まで与えたバカが、この街を乗っ取りやがった」
「元凶が誰なのか、目的は何なのか。今に至るまで、うち等には何も分からへん。ただ、分かっとるんは、この状況を生み出した阿呆がおる事と、そいつのせいで毎晩こんな殺伐とした殺し合いが繰り広げられるようになったっちゅう事だけ」
「拳、蹴り、凶器使用はもちろん、制限付きだが銃火器に魔術や異能の類まで。何でもありで、かつどっちかがくたばるまで終わらねえ正真正銘の殺し合い」
「ただし参加人数に制限なし。一対一でやり合うんも、一度に大勢同士で殴り合うんも、一人を相手に多人数で襲い掛かるんもあり寄りのあり。最後に生き残って勝った奴だけが大正義っちゅうわけや」
「そんな物騒極まりないこの争いを、俺たちは鍵を握ってるだろうこの紋様から採って、こう呼んでる」私も特異点の続きを投稿したいのですが……よろしいでしょうか?
>>322
自分は……文章でチャレンジしたことがありますね……(鋼屋ジン風とか虚淵玄風とか)
なお身にはつかなかった模様では投稿します。
ヴェーグと名乗る女の言葉にいち早く反応したのはナウマンだった。
『フロールヴ・クラキだと? 其奴は六世紀のデンマークで活動していた王な筈だ。サーヴァントなら兎も角、本人がこの神代に来臨しているなど、そんな事あり得────いや、まさか……聖杯が関与しているのか?』
「その通りだ。受け取った情報によればスクルドが聖杯を手にし、そのリソースを用いてレイシフトを行った。時間の概念が存在しない異界領域の要領で実践すれば不可能ではないだろうしな」
語られる事実に一同は息を呑んだ。
荒唐無稽と簡単に片付けられる話ではなく、過去の経験から聖杯というリソースがあればできない話ではなかった。
「あの猟犬共を率いていた妖女がそこまでの怪物だったとはな……だが同時に納得もいく。サーヴァントではなく本人そのものであれば規格外さの理由付けになるからな」
「だけど困った事になったすね。俺たちがサーヴァントである以上は、出せる力も限られている。それに対してあっちは上限無しときた……これは、より連携を高めるか、それとも王様が────」
その時だった。玉座の間に一羽のトキがボロボロの状態で飛び込み、ギュルヴィの前で倒れ伏した。
するとトキは消滅し、謎のメッセージだけが床に残される。
「アサシンめの知らせだ。何ぃ……『HELP』だぁ? 何が言いたいのだこれは」
「あ、えっと……救難信号だと思う、ぞ」
メンテーは気まずそうに意味を伝える。>>330
「────はァァーーーーーー……よい、此度はここまでだ。アサシン救出は追って伝える故にしばし待機していろ。僅かでも肉体的、精神的疲労を取り除いておけ」
ギュルヴィの言葉で解散となり、宣言通り救出作戦の内容が告げられた。
メンバーはフェリーペとメンテーを始め、木蘭、ゲフィオン、ヴェーグで構成されており、島を奪られたと嘆いていた某女神が名誉挽回とばかりに張り切っているとか。
余談だが、王はこの時頭痛に悩まされる上司のような形相をしていたらしい。
「無意味な消耗戦だけは避ける事だ。何かの手違いで脱落者が出るのは非常に痛手故な。いいか、肝に銘じておけ。特に時折向こう見ずで暴走したら猪突猛進になりがちなカルデアのマスター」
「分かってる。無茶だけはしない」
出発前に言葉を交わしてアサシン救出の作戦へと移行した。
目的地はシグトゥーナから北の方角にあるウプサラと呼ばれる場所。古代スウェーデンを統べていたユングリング王家の根城で、神々と縁のある聖地ともされている。
ギュルヴィの話によると数日前からウプサラに存在しない筈の神殿が立てられているという事で、ランサーとアサシンのサーヴァントを偵察として送ったらしい。
「それが今の救出作戦に繋がる訳だ」
「考えるているところ悪いがブラックドッグだぞ、後輩!」>>331
道中にてエンカウントする敵性生物を倒していき、無事にウプサラへ到着する一行。
「あれってもしかしなくても、バルドルの神殿ですね……」
件の神殿を発見した際、ゲフィオンの発した言葉にメンテーは耳を疑った。
「バルドルだと? それは北欧神話の光神の名だ。大神オーディンの息子であり、あらゆる概念から害される事のない祝福を持って誕生した事で終末の引き金となった審判者。一説によれな神に祝福されし者と、復活を成した者として『神の子』と同一視されているとか……」
「センパイって偶に早口になるよね」
「よしなよ。そういう時は黙って頷くものなんだ。あたしの同僚にも似たようなのがいたけど、煽られた時は本当に面倒な事になったんだから」
そんなこんなで無事に神殿内にまで侵入する事に成功する。
しかしながら、ここまで何事もなく入れたことを不審に思い、逆に一同は警戒を強めた。
「────あ、木蘭じゃないか。おーい」
慎重に奥へと進んでゆくと、結界の中に閉じ込められている二人組を見つける。
その中の一人が呑気な声で呼びかけてきたので、名前を呼ばれた木蘭はため息をついて物言いたげな視線を送った。>>332
「はぁ、そんな状況でよく呑気でいられるね。ギュルヴィ王にSOSを送ったのは君でしょうに」
「あー、その事について一つ謝罪が……実は僕の王様宛のラブコールがね、君たちを誘き寄せる為の餌として利用されてしまった訳なのよ」
「……えぇっと、つまり待ち伏せされてるって事?」
「ご名答!」
ゲフィオンの震えた声に朗らかに答える男……それと同時に潜伏していたであろうゴーストたちが一斉に出現する。
「もーぅ! 何なんですかー!」
「チィッ! そんな気はしてたさ!」
────Battle────
「ふぅ、やっぱり幽霊の類いはやりづらいね」
「私は寧ろ得意な方だからゴーストが相手で良かった……」
敵を撃破し、ひと息つくように呟く木蘭とメンテー。
そこへ先程から「いやはや、こんな事になるとは思ってもみなかったよ」と何やら言葉を綴っている男とは別に、囚われのもう一人であるカルデアに連れていったら変態面食い共のル◯ンジャンプ不可避な絶世の美青年がカルデア一行をじっと見つめて……一言呟いた。
「くるよ」>>333
瞬間、結界の真上に鬼火のような紫炎が集合して人型を形成した。
現れたのは白い肌の魔女を思い出させる出立をした女。
「あれは……ランサーだって!?」
「ここに彼女がいなかった時点で言えばよかったんだけど、まあ暇がなくてゴメンね────サーヴァントのリアム・ウィッカーマンは敵の手に堕ちた。あれは既に正規のサーヴァントに非ず、黒化したものだと考えてくれ」
黒化英霊とはサーヴァントの持つ負の側面を表に出した状態の事を指し、それと類似したものと考えてくれと言った。
つまりは類似した状態であって完全な黒化とは異なる……ギュルヴィが召喚したランサーのサーヴァント『リアム・ウィッカーマン』は自我を極力まで削ぎ落とされ、愚者の炎(ウィル・オ・ウィスプ)として側面を強調させられた『怪物』へと変異させられたのだと。
「やるしかない……!」
リアムは鬼火を展開し、カルデアへの攻撃を開始した。
────Fatal Battle────>>341
ゼノブレ2のホムラとヒカリとか割と凄い露出してますからね…(でもそれが良い)
それはそれとしてゼノブレ2は面白いから動画だけでもいいから見てほしいっすね>>343
>青い肌って何気えっっなところありますよねぇ。
わかります。だけどそれをキャラクターに入れようと考えてみれば結構難しいものです。>>323
まあ月姫とFateでは死徒の強さには変動はあるでしょうが、並大抵の代行者では下級死徒の相手も集団でもなければ厳しいのは驚きましたね。そしてfakeでジェスターと善戦するハンザ、ジェスターは下級かどうかわかりませんが死徒とあれだけ単独で戦える代行者は上澄みさらに上澄みなのでしょうね。>>351
お察しの通り、第一回聖杯大会の令呪をモデルにしたものです
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89
とりあえずパッと思い浮かんだのがこれだったので…>>275
この辺もおいおいですね
今のところちょっと迷ってるネタがあったりする
期待半分しつつで楽しみにしてます。>>357
それぞれの属性別妖怪があてはまると
しかし理由も舞台も思い浮かばん罠……!>>364
皮肉もまたお話のスパイス……
ありがとうございます~卜部か碓井のどっちかがモヒカンじゃなかろうかと想像はしたことある。
>>366
BLEACHのバズビー的なモヒカンキャラは見てみたいなあとは思ったことありますねぇ>>368
このあとドジっ子スキル発動して盛大にラッキースケベかましたんだよね……やることも終わって夏も終わってなんだか気が抜けてるかもしれない…
そんな時に限ってなんか湧いてくる新キャラ…頭の中うるさっ…胃痛に悩まされながらもミラグロス(ビオランテの姪っ子)を作成中。
いつ完成するのか。>>373
おでんはつくねが好きです。何だこれ……………………餃子食べたい。
こ、こんな時間じゃが幕間みたいなの投げてもいいかのう…?
うしはるべ
>>379
のどかな丘陵地帯をゴロゴロと死体が転がっていく。身体中に銃弾で穴を空けられ、文字通り蜂の巣の様だ。
近くの街に立ち寄ると、鼻が曲がりそうなほどの血の匂いが埋め尽くしている。元は美しかったはずの街並みは徹底的に破壊され、そのそばには住民であったはずの肉塊が放置されていた。
悲鳴はない。全員がしんでいる。
懇願はない。全員が朽ち果てている。
地獄でありながら静謐に満ちた、歪な世界だった。
何処からかそんな静かさを引き裂く様にして銃声が聞こえる。どうやら地獄を生み出した何者かはまだ死体を生み出し続けているらしい。
義憤が湧く。これほどの惨状を作り続ける精神に、心から怒りが湧く。物申さねば、止めなければ気が済まない。
瓦礫の脇を通りながら進んでいくと街の広場に設けられた処刑場へとたどりついた。と言っても名前ばかりで、片側に腕を縛られた破壊された街の市民らしき人々、反対側に銃を構えた兵士達がいる程度で、処刑場という枠組みを作っているにすぎない。>>380
「撃て」
声に続いて銃声が鳴り響く。瞬く間に悲鳴をあげなから市民達が糸が切れた人形の様に崩れ落ちていく。
声の主である男はそう離れておらず、処刑場の端に佇んでいる。
ピシリとした服装には見覚えがある。/いつも気を配っていた。
撫でつけられた髪型には見覚えがある。/いつも髪型が崩れると機嫌を悪くした。
いかにも神経質そうな顔立ちには見覚えがある。/いつもそうしていた。
「撃て」
今度は銃声よりもっと激しい轟音が耳朶を撃つ。大砲の砲弾が群衆へと放たれ、肉片を四方八方に撒き散らした。
どれだけ血飛沫があがろうが、男の表情には何の変化もない。自分が眼前の惨状を生み出した事に、これっぽっちも感情を抱いていない。>>381
「撃て」
「撃て」
「撃て」
「撃て」
何度その言葉を聞いただろうか。たった一言、それだけで何人の人間が命を落としただろうか。
男は、ジョゼフ・フーシェは揺るがない。己が行動を、良心をカケラさえも感じさせない大虐殺を顔色ひとつ変えずに繰り返す。
「きゃあ」
「助けてえ」
「お母さぁん」
「人殺しぃ」
「撃て」
ようやく自分がフーシェの記憶に潜り込んでいる事に気付いた。マスターとサーヴァントの間に作られるパスの影響で、互いに互いの記憶を覗き込むことが出来る。それ故に今自分はフーシェの過去を見ている。
恐らく今行われている凶行は『リヨンの反乱』の際に引き起こされた大虐殺だ。反乱分子への粛清の為にリヨンに派遣されたフーシェはこれまでにないほどの、残虐で、容赦のない掃討を行なった。>>382
「そうですか、見てしまったわけですか。まあ今更驚く事ではないでしょう。カルデアに所属するサーヴァント達には同じ様に殺した者もそう少なくはないでしょうし」
いつの間にかすぐ隣にフーシェが立っている。移動したのかと思ったが目の前の惨状に変化はない。記憶のフーシェではなく、サーヴァントとしての彼本人が話しかけてきたのだ。
「この街の人間達は、正さねばならない者達でした。なので私はここでやるべき事をしたのです。効果はてきめんでした。死体を川に流し、下流に住む者達への牽制も成功しました。ただ少しやりすぎてしまった様で、私はロベスピエールに睨まれてしまいました」
フーシェはそれだけ言うと、そのまま口を閉ざした。これ以上言うことはない、質問の余地などない、そう主張しているのだ。
「折角です。少し散歩しましょうか」
虐殺の王はそう言って歩き出す。いつもと変わらない、ゆっくり歩くとかそういうのを全く気にしない速足だ。銃声が絶え間なく聞こえるというのにまるで反応はなく、背筋にゾワリと冷たいものを感じた。
【CLASS】ランサー
【真名】ルガルバンダ/Lugalbanda
【性別】男性
【身長・体重】177cm・72kg
【出典】シュメール文明、『ルガルバンダ叙事詩』、『ギルガメッシュ叙事詩』など
【時代】紀元前26世紀以前?
【地域】バビロニア、ウルク
【属性】秩序・善
【その他の属性】王、神性、猛獣
【ステータス】筋力:B 耐久:B 敏捷:A+ 魔力:C 幸運:A 宝具:EX
【クラススキル】
〇対魔力:A
Aランク以下の魔術を無効化する。
現代の魔術師では、魔術で彼に傷をつけることは出来ない。
【固有スキル】
〇神性:B
神霊適性を持つかどうか。高いほどより物質的な神霊との混血とされる。
太陽神ウトゥ(シャマシュ)を祖とする。>>388
【宝具】
『天地満たす王の翼(アン・イム・ドゥグド)』
ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:0 最大捕捉:1
常時発動型宝具。
嵐神アンズーの肉体がもたらす無尽蔵の体力と筋力。
暴風と化した肉体は、人類の思考速度・移動速度の限界値を上回る。
広大な戦場を一呼吸で駆け抜け、フィールド上に障害があっても速度は鈍らない。
大気を捕まえる異能・礼装でなければ肉体を捉えられないその姿から、ルガルバンダは後世に風(リル)と謳われるようになる。
『天地続げる嵐の柱(グガ・ラ・イナンナ)』
ランク:A+ 種別:対軍宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:400
天鳴神殿グガ・ラ・イナンナ。
ギルガメッシュとエルキドゥが天の牡牛グガランナを成敗した戦利品として持ち帰った、ラピスラズリで作られた一対の巨角とその油。
これはギルガメッシュの守護神ルガルバンダに捧げられたものであり、ウルクの神殿に安置された折に、ウルクの職人の手によって大柄の双頭槍に鍛え直された。
真名解放によって隕石落下(メテオストライク)にも等しい大破壊、輝く空が落ちてくるかのように、黄金の大蹄の形をした大気圧が大地と空の間にあるすべてを磨り潰す。
敵味方を問わず大ダメージを与え、一時的に全ステータスのランクダウン効果(重圧)を与えるが、使用者本人のみ一切ダメージと効果を受けない。
また、建造物を破壊することなく屋内という空間に限定して宝具を使用することも可能。>>389
【解説】
『シュメール王名表』におけるウルク第一王朝第三代の王。
太陽神ウトゥ(シャマシュ)の子にしてウルク第一王朝第二代王エンメルカルの末子であり、夢解きと知恵の女神リマト(ニンスン)との間に後の英雄王ギルガメッシュを儲けた。『ギルガメッシュ叙事詩』ではギルガメッシュの守護神として現れる。
『ルガルバンダ叙事詩』においては、父と七人の兄達が率いるアラッタ遠征に同行するも病のために途中で離脱することになる。ウトゥ神、イナンナ(イシュタル)神、ナンナ神といった神々に祈ったことで回復し、その返礼として自ら狩った獲物を生贄に捧げる。
山岳地帯で道に迷ったルガルバンダは怪鳥アンズーの助力を得るために、雛鳥を世話することに決める。その歓待に喜んだアンズーは恩返しにと尽きない体力と筋力を授け、遠征軍に合流することができた。しかしアラッタが陥落しないまま一年が経過し、女神イシュタルの神託を授かるためウルク・クラバを往復して、エンメルカルに伝えることで戦争に勝利することができた。
【人物像】
特技:走ること
好きなもの:家族
嫌いなもの:無思慮
天敵:ギルガメッシュ、イシュタル
願い:使命を果たす
ラピスラズリの色である青い髪が特徴的な、穏やかで若々しい青年。
圧倒的なカリスマ性で王として君臨した父エンメルカルとは真逆の、深い智慧と慈悲によって偉大な王と呼ばれる貴人、「貴王」。
かつてアラッタ遠征中に病となり死の際に瀕した折に、神々の恩寵に触れたことで「この手で可能な限りのすべての人を救う」ことを誓った無私の人。まったくの無欲であるという訳ではないが、必要最低限以上のものは求めない元々の性格と相まって、そうした印象を持たれてしまうことが多い。
召喚されるその時代の知識と、元々持っている知識との乖離が激しいため、困惑することも多い。得意料理を披露する、ということになっても「まずは稲から準備します」レベルのずれ具合となる。要するに、ジェネレーション・ギャップ。新しいことが覚えられない、お爺ちゃん。だが、理解できないことは否定するということではない。シャマシュ神、女神リマト、エルキドゥと並んでギルガメッシュの理解者の一人であり、度々、彼のために守護神として登場する。基本的に彼は神の側にいるが、それがもう時代ではないと悟る器量があった。宝具のルビに使えるような文が見つからない~ってなって
めっちゃ言語系の論文とか漁ってても、日本語の読み方がないんだよなあ…つらい…>>393
原典からして慢心王とは真逆というのと、八人兄弟の末っ子というのが大きいのかも...!?>>398
登場人物全員、現代知識めちゃくちゃでツッコミ不在の笑ってはいけない24時...!
人物紹介がてら書くしかない...!!>>404
「残 念 だ っ た な!」方程式を使っちゃう…
ここのえもあの演劇風の書き方、超影響されてるから困る…(音読する地の文とか)メネス「ゆこう」
ルガルバンダ「ゆこう」
そういうことになった。 …というSSの出だし
>>406
無駄に力だけはあるから、なおさらタチが悪い。そんな古代王sだった――
アンズー「私から加護を得たことを誰かに教えてはならないぞ。嫉妬されるかもしれないから」
ルガルバンダ「はい(本当に誰にも教えない)」――完。
原典を読むと、パーソナリティが慢心0すぎるので…>>391
ルガルバンダの人物像と台詞例を改訂します~
【人物像】
かつてアラッタ遠征中に病となり死の際に瀕した折に、神々の恩寵に触れたことで「この手で可能な限りのすべての人を救う」ことを誓った無私の人。たとえ悪人であれ、脅かされる命ならば見なかったことにはできない。
まったくの無欲であるという訳ではないが、必要最低限以上のものは求めない元々の性格と相まって、そうした印象を持たれてしまうことが多い。
シャマシュ神、女神リマト、エルキドゥと並んでギルガメッシュの理解者の一人であり、度々、彼のために守護神として登場する。基本的に彼は神の側、言ってしまえば古い価値観の人物なのだが、それがもう時代ではないと測るだけの器量を持つ。
【台詞例】
「文字通りだ。私の前で、この手から零れ落ちる者は誰一人だって認めない――!」
「誰よりも迅く!」
「信じろ、契約者。君がいる限り、私は倒れない」
「威光に満ちる神鳥アンズーよ。私が願うのはただ一つ、倒れることのない体だけを望みます」
「この料理は確かに美味しい。今を生きる人々が作り上げた味がする」
「鳥を模した空を飛ぶ船、馬の速度で動く箱の形をした戦車。そして大樹のように並び立つ家の森。何から何まで想像がつかない広がり。これが“じぇねれーしょん・ぎゃっぷ”というやつか――!?」
メネスに対して
「彼が熱砂の地、エジプトの古代王か。さて、何から交易しようか!」SS前編、投げます~
>>409
おふっ、冷たい眼で見られたい…
短パン…下は短パンが良いわ!(私は……死ぬのか……)
死の予感を覚悟して、頬を涙が伝う。
偉大なる王エンメルカルの末子ルガルバンダは死の際に瀕していた。
アラッタへの遠征に同行しながら、道半ばにして病に倒れた。彼は、彼を養うための多くの食糧とともに山岳地帯の洞窟に、置いて行かれた。
体は動かず、自らの死を看取る人もいない。
「ウトゥよ、この洞窟から僅かに覗く太陽の光よ。どうか慈悲を示したまえ……」
無意味な死は恐ろしい。せめて、自分の命は有意義なものであったという結論が欲しい。
それさえあれば、慰めであっても死の恐怖を払うには充分だ。
だから祈った。ここで亡くなりたくはない、と。
祈りは通じ、夜が明ける頃には体調も万全のものとなっていた。
太陽神ウトゥをはじめとする神々の恩寵によって、病から回復したルガルバンダは、今、自らの手で火を起こして、麦粉を水でこねて丸めて発酵パン、クサープを作った。そして、干したナツメヤシの果実を添えて、蜜をかけて食べる。
「うむ。美味しい……」
丸三日ほど何も食べていなかった私にとって、この時ほど美味しいと思った食事はなかっただろう。冷えた河の水を飲み、芽吹いた植物を齧るだけでも、空腹は満たされていた。>>414
古い王様から新しい王様の順でレビュアーによるプレゼン大会...!ちょっと思いのほか長文になってしまったので人が少ない間にひっそりと投下させてもらいます
>>417
【固有スキル】
夢の形:E
シェイクスピアが目指した夢の形。人は舞台の上ではあらゆる存在に成り代われる、それこそが舞台であるという彼の哲学の具現。
舞台に立つ役者としてあらゆる人間になることが可能だが、劇作家であるキャスターは見た目を変えることくらいしか出来ない。
エンチャント:A
概念付与。他者や他者の持つ大切な物品に、強力な機能を追加する。
基本的にはマスターを戦わせるための強化能力。彼自身は作家として望まれた力を発揮出来るように専念する。
ファーストプロット:A
「物語のパターンは、聖書とシェイクスピアで出尽くした」と語られる逸話が由来のスキル。
芸術審美の亜種スキル。読み手ではなく、書き手として「自身が作り上げた物語」に対する知識。
古今東西、歴史・伝承における逸話を持つ宝具を目にした場合、ほぼ確実に真名を看破することができる。>>418
【宝具】
「さあ! 物語を始めよう!」
「世界は光に満ちている! (All the world's a stage)
誰だって自分の人生と言う物語の主人公だ! (And all the men and women.merely players)
世界は美しく、人生は素晴らしい!(They have their exits and their entrances)
これこそが、君だけのために送る、この僕の最高傑作!(And one man in his time plays many parts),
『かくして幕は上がり、遍く全ては舞台となる』!」
『かくして幕は上がり、遍く全ては舞台となる(ワールド・イズ・マイン)』
ランク:EX 種別:対界宝具 レンジ:おおよそ30m 最大補足:3000人
シェイクスピア劇、その開演。
その本質は空想具現化にも似たワールドクリエイト。キャスター自身と結びつけられるグローブ座を核とした世界を作り上げる。
その本質は他者の精神を『役』として固定する。狂化や精神汚染、それに準ずる精神干渉系スキルを無効化する。
仮に第五次聖杯戦争の狂戦士がこの世界に取り込まれた場合、大英雄としての本領を存分に発揮できるようになるだろう。
別人説が語られるほど多彩な側面を持つシェイクスピア故に、この宝具は英霊として切り取られた側面によってその効果を大きく変える。
キャスターとして召喚された場合は人心に働きかけることに特化した宝具となる。>>419
【解説】
淡い金髪に碧眼、キャメル色の詰襟に身を包む少年。
稀代の劇作家、ウィリアム・シェイクスピアその人。
1575年、当時11歳の初めて演劇に触れた頃の姿で現界している。
闊達、鷹揚、ポジティブモンスター。自身が作家として成功すると知っている故に、未来というものに対して強い希望を持っている。
夢は叶う。努力は報われる。諦めなければ、どんな困難でも乗り越えられると信じている。
無邪気。純粋で無垢。それ故に人の地雷を無自覚に踏むことも多々ある。
子供故、人の機微がわからないという作家として致命的な欠点を持つが、それを感性だけで補える天性の才を持つ。
誰にでも愛想の良い朗らかかつ明るい少年。父が町長を務めていたこともあって気位が高く幼いながらも振る舞いが洗練されている。
本来は少しだけ年相応なのだが、英霊として、もっと言えば作家として望まれるように振る舞った結果今の人格(キャラクター)になったのだとか。
【セリフ例】
「君達が僕の子供達か! 僕の書いた物語はどうだった?」プロスペロー、オフィーリア、オベロンに対して
「わあ! 綺麗なお姉さん達だ! ……ま、マスター? なんであの人達は僕を睨んでくるの?」バー・ヴァンシー、メリュジーヌ、バーゲスト、モルガン、ハベトロット、アルトリア・キャスターに対して>>420
「嗚呼。僕は君に――俺は、お前に何をしてやれるだろう」
「あらゆるものには枠がある。それが魔法と魔術であっても例外は無い」
「第一から始まる六つの魔法、根源へと通ずる扉は既に閉ざされている」
「故に―――お前の努力は報われない。積み重ねた研鑽は水泡に帰すだろう」
「認めろ。お前は哀れで滑稽な一人の魔術師(にんげん)に過ぎない。
世の中には認められない努力と認められる努力というものがある。かつての俺もそれを味わったよ」
「そんなお前が……何も成し得ないお前が、それを知った上で尚、根源を目指す魔術師としての“役を羽織る”のなら」
「同じ“役を羽織る者(プリテンダー)”として、今幾許か力となろう」
「……口が悪いのは気にするな。軽い同族嫌悪ってやつさ」>>422
【固有スキル】
夢の名残:A
スキル『夢の形』の原型。文字通り、英霊ウィリアム・シェイクスピアが抱える夢の名残。
その象徴を冠するこのスキルによって、ウィリアム・シェイクシャフトはあらゆる人間を容姿・人格・立ち振る舞いから細かな癖まで一つ余さず再現する。
その本質は極まった演技力による自分自身の自己改変。プリテンダーとしての召喚が困難な聖杯戦争に置いても、キャスターというクラスのままその力を扱える。
エンチャント:A+
概念付与。他者や他者の持つ大切な物品に、強力な機能を追加する。
基本的にはマスターを戦わせるための強化能力……だが、プリテンダーの場合は自身が使用することが前提であるためランクが高くなっている。
人間観察:A
人々を観察し、理解する技術。身体的な癖や無自覚な体運び、重心の位置取りをもコピー出来る役者として培った技術。>>423
【宝具】
「満員御礼だ。誠心誠意応えるとしよう」
「この世界は舞台に過ぎない(All the world's a stage)
人は皆役者。そこに性差は無い(And all the men and women.merely players)
死という滅びは、誰しもに訪れる(They have their exits and their entrances)
同じ生など無い。故に我々は生に真摯であるべきだ(And one man in his time plays many parts)
宝具、開帳―――『この世は舞台、人は皆役を羽織る』」
『この世は舞台、人は皆役を羽織る(ワールド・イズ・マイン)』
ランク:EX 種別:対界宝具 レンジ:おおよそ30m 最大補足:3000人
シェイクスピア劇、その開演。
その本質は空想具現化にも似たワールドクリエイト。プリテンダー自身と結びつけられるグローブ座を核とした世界を作り上げる。
その本質は他者の精神を『役』として固定する。狂化や精神汚染、それに準ずる精神干渉系スキルを無効化する。
仮に第五次聖杯戦争の狂戦士がこの世界に取り込まれた場合、大英雄としての本領を存分に発揮できるようになるだろう。
別人説が語られるほど多彩な側面を持つシェイクスピア故に、この宝具は英霊として切り取られた側面によってその効果を大きく変える。
プリテンダーとして召喚された場合は、自身が立つ舞台の作成に特化した宝具となる。>>424
【解説】
白い頭髪に瞳、白とグレーを基調とした服装に身を包む青年。白を基調としたその容姿は『役者としてあらゆる色に染まる』と言う信念の現れである。
稀代の劇作家、ウィリアム・シェイクスピアの役者としての側面を切り取ったサーヴァント。シェイクシャフトという姓は役者時代の芸名が由来。
役者としての在り方から、彼は作家としてのシェイクスピアの皮を被った役を羽織る者(プリテンダー)のクラスを得た。
諧謔的な厭世家。シェイクスピアが切り離した『夢の名残』。
1581年、当時17歳のウィリアム・シェイクシャフトとして役者業に勤しんでいた頃の姿で現界している。
後世に置いて自身が役者ではなく作家として評価されていることを知っている。それ故にややナーバスでダウナー、自暴自棄な態度が見え隠れする青年。
演劇を始めてまだ間もない頃、脚本家ではなく役者として大成するという情熱を燃やしていた時代の姿。
本職には劣るものの劇作家としても一流。が、リアリストであるため筆致や作風が固い。宝具の詠唱がキャスターの頃と全く異なっているのもそれに由来する。
【セリフ例】
「あー……その。なんだ。迷惑をかけたな。悪い」プロスペロー、オフィーリア、オベロンに対して
「……本当に悪かった。なあ、一ついいかマスター。俺は後何人に謝ればいい? というか、あのチビはどれだけ迷惑をかければ気が済むんだ?」バー・ヴァンシー、メリュジーヌ、バーゲスト、モルガン、ハベトロット、アルトリア・キャスターに対して
「……嗚呼。やっぱりいいよな。演じるってやつは」テスピス、オードリー・ヘップバーン、タルラー・バンクヘッドに対して私も特異点ネタの続きを貼りますね。
────Fatal Battle────
戦闘はやや膠着状態になっていた。
ダメージは確実に与えているものの決定打には至らない……何故なら先ず、フィールドの狭さが木蘭の強みを殺してしまい、この空間に充満する呪詛の影響からフェリーペを守らなければならない状況にメンテーは動けなかった。
ヴェーグは会心の一撃を狙っているのか攻撃を最小限に止めており、ゲフィオンは……元々戦闘には慣れていないのか終始オロオロしっ放し。まさにカオスである。
「────灼き尽くせ木々の巨人、茨となりて贄の魂に絡みつけ。『灼き尽くす炎の檻(ウィッカーマン)』」
「ちょ、嘘だろ!? こんな狭い所でデカい宝具を使うなんて」
「……落ち着いて。私も、微力ながらお力添えします」
そう言い放ったのはさっきの絶世の美青年。
彼は結界の障壁に触れ────何事もなかったかのように通り抜けて前に躍り出た。
そして手に持っていた宝石を上へと放り投げ、爆ぜる。すると神殿内に漂っていた毒素が浄化されていき、同時にリアムの動きも鈍くなったように見えた。
これを好機と判断したヴェーグは剣を構え、宝具を発動する。>>428
「我が魂を削りて呼応せよ────ベルセルク、擬似集結開始。
────汝(われ)は勇む者なり。
────汝(われ)は恐れぬ者なり。
────汝(われ)は速き者なり。
────汝(われ)は強き者なり。
吼え立てよ戒めの光輝! 『共鳴せよ、黄金の力(エスクランディ・グルヴェイグ)』!」
黄金の光を解き放ったヴェーグが構えた瞬間、残像が見える程の速度で跳躍し、リアムの霊核を一撃で断ち切った。
存在を保てなくなった嘗てのランサーは紫炎に身を包まれ、消滅間際に正気に戻った口調で言葉を紡ぐ。
「ごめん、そしてありがとうね。油断してたなんて言い訳はしない。本物と影法師の出力の差は歴然だって分かっていて、全力で対抗して……負けたわ。私が消える前に、これだけは言い残しておくわ────あの嵐の王(ワイルドハント)に対するジョーカーは、私たちが保護したその青年よ。来るべき時まで、絶対に守り通してみせて」
それだけを言い残してリアムは消滅した。
しんと静まり返る神殿内部。フェリーペとメンテー、そしてヴェーグは面識がなかった故に唖然とするだけに留まったが、同じ主を持った仲間として活動していたサーヴァントたちは哀愁のこもった表情で残り火を見る。
「彼女は僕たちを逃そうと賢明に戦った。負けはしたけれども、その姿は賞賛に値するものだったよ」
「……そう。君の口から褒め言葉が出るんだ、本当に果敢に戦ったんだね」>>429
そう言って木蘭は拳を握りしめた……まるで、何かを決意するかのように。
神殿に長居する必要性も無くなったので一行は出て行く道すがら、自己紹介を済ませた。
「名乗るのが遅れてしまったね。僕はアイタリデス。アサシンのサーヴァントさ。そしてこっちのギリシャで放浪したら即座に神々に拉致されそうな美青年は────バルドル。正しくはプリンス・バルドルだけど、北欧の光神たるバルドルの霊基を一部反映された特殊なはぐれサーヴァントと言っておこう」
◇◇◇◇
真っ白な空間。王の間と呼ぶには余りにも無垢ではあるが、同時に高潔さも漂わせている。
そこは、さながら一才の不純物を許さない穢れの不可侵領域。一歩足を踏み入れれば己の汚さが浮き彫りになるだろう神聖なる間だ。
「姉上(あにうえ)、件の者たちが網にかかったようです。如何なさいましょう?」
白亜の空間に似つかわしくない、夜色の髪と漆黒のドレスの女────スクルドが、純白の玉座にて君臨する王に問いかけた。
「────カルデアの、人理を正す星の展望台。彼奴らの漂流は確かに脅威と捉えよう。魔術王の庇護を受け、共闘しているのであれば尚更……故に、私は裁決を下した。我が道を妨げる者、我が理想を遮る者、我が最果てを阻む者を悉く祓い清めよう」
「まあ、姉上(あにうえ)ったら御仕事がお早いですわね。では、彼の者たちは既に……」
「土に還る頃だろう」>>430
◇◇◇◇
美青年の真名に驚き、ゲフィオンが「あー、やっぱり」と頷いていた時、話題の中心になっていた彼は声を荒げた。
「逃げてください!」
バルドルの叫びは神殿を出たのと同時で、フェリーペたちも外に来てようやく危機的状況に気がつく事ができた。
天高く、雲海を割きながら降下していく────光の刃。
突然の光景に絶句し、そこへ膨大な魔力を感知したと焦燥した様子でナウマンが通信回線を繋げた。
『おい! 何だこの莫迦げた魔力は! この反応は神霊のそれに匹敵する上に……神造兵装だと!? ギュルヴィ王とヴェーグの情報を合わせるにこれは……フロールヴ王の聖剣、間違いない! これは聖剣シグルリョーミの輝きだ! 範囲は……くっ、ふざけてやがる……! ウプサラ全土だと……!?』
余りの情報量、余りの規格外さにフェリーペは少し狼狽する。
だが、これまでの経験を活かして自らを律し、パニックになる前に正常な思考に戻した。
「ナウマン、直撃までのタイムリミットは!」
『五分もかからない! 正直に言ってしまえば生還は絶望的だ……最終手段としては強制的な帰還も視野に入れ────』
「あ〜、大事な話のところ悪いんだけど……王様から予めシグトゥーナへの『転移のルーン』手渡されてるんだよね」
「『……』」>>434
正確には神霊の霊基の一部を借りたサーヴァント……だけど普通にゲフィオンいましたね。
この二騎の神霊は最果てとワイルドハント攻略の為の鍵になります。>>439
あってますあってます~
「これくらい油断しても彼・彼女たちならば何とかするだろう」って感じでヘマやらかす、信頼の証(白目)ちょっとオイノネ(リリィ)の外見的な意味でバランスを考えたいので、ご協力してくださると嬉しいです。
ヒーラー系サーヴァントをお持ちの方、もしそのサーヴァントの髪や目の色やイメージカラーも決まっているならば此方までお返事返してくださると幸い~ヴローヴの過去を見た淨眼の原理で、自分のオリジン(志貴でいう七夜)を見て覚醒する...っていうキャラのプロットを立てた瞬間に「欲視力(パラサイトシーイング)」の存在を思い出して没る
でも、人の心象風景とチャンネルが繋がりやすい人の話はしてみたい...(他者の心と接続しているのなら「自分」はどこにいるのか、的な!)>>443
榎木津の過去視の眼も本人の分析力も要りますが似たようなことができそうですね。
心象風景とチャンネルが繋がりやすい人との話ならば、トラヤヌスとの話もさせてみたくありますね。彼は自分が玉座を求めた理由を失ってます。イスカンダルがオケアノスを目指す理由、アルトリアが聖剣を抜こうと決めた理由とかが無くしたようなものですから、そこを見出だせるかも、みたいな話。>>445
おったね、そういえば
確かカシンチャンのプロトタイプを再調整したって言ってたような気がする
wiki で裏取らずに物言ってるから違ごてたら指詰めてお詫びせんならんけどSS投稿します!
伊勢国鈴鹿山そこは鬼たちが集い、首魁たる大嶽丸に統率されている魔境であった。
この世を跳梁跋扈して欲望のままに放埓を尽くす鬼が、群れて統率されているのは極めて異例であった。
朝、大嶽丸は愛妾に宛がった部屋から出て、地底の部屋へ向かった。
樹齢千年を超える樫で作られた厚い板戸の向こうでは、息も切れるような女や男たちのうめき、あえぎ、悲鳴を裂いて、だれの声かも見当もつかない鬼たちのばか笑いが響いていたが、大嶽丸も先に部屋にいた鬼──金丈も気にした様子はなかった。
大嶽丸の配下である金丈が嘆息した。細身だが極限まで無駄なく引き締まった肉体の所有者である。賢明で沈着な性格は自然と参謀のような立ち位置に収まっている。
壁に背をもらせて座っていた金丈が話し出した。
「昨日はお愉しみでしたね。お相手は天魔の姫ではないようですね」
「そうだ。よくわかったな。ここにいる姫は少なくはないというのに」
鈴鹿山には大嶽丸が諸国を巡りこれはと見込んだ見目麗しい女人たちが蒐集されていた。 日ノ本だけでなく唐土、天竺、波斯、羅馬と及んでいた。
彼女らは大嶽丸の愛妾であり、鬼たちであっても大嶽丸の怒りを恐れて彼女らが住む領域には近づかない。立ち入る数少ない例外は大嶽丸の配下でも金丈、早虎、猪熊だけであった。>>447
「夜、お見かけしたので。敵襲を前にして、まず女相手に勝ちいくさですか」
金丈が言外に非難しているのは、端倪すべかざらる武者である坂上田村麻呂を警戒しているからだ。
尤も、その程度の皮肉で恐縮する大嶽丸ではない。余裕たっぷりに笑って干し桃を齧った。清めの力を持つという果実も、強大極まる鬼神は平然としている。
「順序を間違えるなよ。俺が女と寝ていたら、敵が攻めてくるわけじゃあない」
金丈の顔が歪んだ。左半面と右半面との間に断層が生じている。冷静な性格ではあるが一度怒れば烈火のごとく激しいのが彼の性情である。
金丈が放つ禍々しい妖気は、人間が受ければ瞬く間に脆弱な生命は砕け、冥界の門を潜ることになるだろう。
だが大嶽丸はそんな妖気を微風のように受け止めて、酒瓶を金丈に投げて寄越した。受け取った金丈は黙って酒を呷る。
“食事”の好みは特になく、どちらかというと酒にこだわりを持つタイプ金丈でも主の酒の趣味は信頼している。
「ああ、主さま、いらっしゃいましたか」
板戸の向こうで女の声がすると、少年のあえぎの波が次第に凪いでいって、やがて板戸がひらき、女性が現れた。朧月のように凄艶な美女で、前髪からちらりと覗く瞳が魅力的。彼女が大嶽丸の側近である鬼・猪熊である。
彼女は何か食べてでもいたように、手の甲で口のあたりを拭っている。>>448
「なんだ、早虎はいないのか」
止まぬ女の悲鳴とけたたましい笑い声から、大嶽丸は自身の側近、その最後の一体がいないことを悟る。
早虎は金丈や猪熊は馬鹿扱いされることもあるが、彼らを引っ張る賑やかしい鬼だった。
「彼ならば早くから人里に降りましたわ。何でも久しぶりに知り合いの女の子に会いに行くんだとか」
「知り合いに? 食事じゃないのか」
“食事”は質よりも量を好む早虎が人里に下りれば無人の荒野となるだろう。
「らしいですよ。私も知りませんでしたが鬼とは知られないまま知己を得ていたらしいです」
「奇特な習性は主譲りのようですな」
「何か不服か?」
「あの馬鹿は正直どうでもいいです。俺が思うところがあるのはむしろあなたです」
金丈は空になった酒瓶をわきに置く。
「あなた、いつから人を食べていないのですか? もしや、天魔の姫を娶ってからではないですか」
「──」
「蒐集された女たちは喰らうつもりなのかと思った。ですが違った。わざわざ彼奴等の老いを止め、長く愛でるだけ。天魔の姫のまじないに蝕まれているというのに!」
「鈴鹿のことは気づいていたか」
「当たり前です!」
金丈は憤然として、大嶽丸を向き直る。金丈が鈴鹿御前に持っていた怒りが発露した。相対するのが大嶽丸だからこそ、言葉だけの応酬で済んでいる。自分の主の細君となったかと思えば油断ならない人間と通じ、主を謀りまじないをかけている。
金丈の心理において、鈴鹿御前は負(マイナス)の方向へ、存在をいちじるしく傾斜されていた。
「なんという、いやな、油断ならない奴だ。俺は奴とおなじ場所の空気を吸うことさえ、いやだ」>>449
そう吐き捨てる金丈に大嶽丸は鷹揚に応じるだけだった。金丈の眼はぎらっと雷霆のようにひかった。
「あの美姫たち……、あなたが選んだだけあって内包する生命力も強い。悉く食べればあなたの力はさらに増すだろう。まじないだって打ち消せる! なのにそれをなさらない。ただ玉を磨くように愛でて、愛を囁くだけで血の一滴さえ嘗めようともしない!」
「あら、私ならばそれだけでも嬉しいな。主さまの腕に包まれたら夢見心地になるわ」
猪熊の軽口に、金丈は舌打ちとともに酒瓶を投げつける。片手で受け止めた彼女は酒瓶が空と知るとつまらなそうに投げ捨てた。
「金丈」
大嶽丸の一言に、金丈の覇気・鋭気・烈気のすべてが空転してしまい、霧散してしまった。
「お前が持っているそれ」
大嶽丸があごをしゃくった。金丈が手に持つ──先程まで手遊びにしていた──小さな五本の白い歯を指していた。
「それを投げろ」
「え?」
「俺めがけて、投げろ」
怪訝な顔をして、金丈はそれを、ぽんと大嶽丸の方へほうった。
「こうですか」
きらっと幾条もの光芒が走った。と、空中でパチンと微かな音がして、白い煌めきが散って舞い落ちた。
小さな歯はすべて両断されていた。
光芒は円を描いて、大嶽丸の左の拳に吸い込まれていた。彼は宝剣に手をかけ、膝も気合もかけず、抜き打ちで歯を斬り落したのである。──羽虫のように小さく空中に舞う数本の歯を。>>450
大嶽丸は見ていた者に対する得意な笑顔も、おのれ自身納得がいった会心の笑みも浮かべていない。泰然としたいつも通りの不敵な笑みだった。
「これで不満か」
大嶽丸は、ふいに人の悪い笑いを口もとにひらめかせる。
「お前を生きたまま開きにしてやったときから、衰えていると思うか?」
「……いいえ」
金丈は褐色の髪を揺らした。卓抜した剣技、人智を絶する術を使って坂上田村麻呂であっても、膺懲の一撃を加えるだろうと金丈は思った。
猪熊は大嶽丸に見入っている。彼女の薄笑いと凝視は、ぼうっとけぶっているような美貌と、その表情はなんとも不釣り合いで、一種異様な不気味さが醸し出される。
彼女は主の刃が自分を生きたまま開きにする妄想をして法悦に耽っていた。
「あの男のための鈴鹿の献身は、俺だってつい仏心が芽生えてしまう。まじないを受け止めその上で雌雄を決することで、どっちが良い男かあいつに教えてやるさ」
大嶽丸は動揺のない眼で、落ち着き払った視線だった。己の生命を賭けた愉しみ。血ぶるいするような喜悦の波紋が、その全身から輪をひろげている。
おのれの快不快の転向次第で、この空の下を屍山血河に──この地上を地獄に変相させることも辞さない。まつろわぬ鬼神。凄絶きわまる大妖らしい在り様だった。>>451
◇◆◇
昼頃、早虎は帰ってきた。割れた腹筋の逞しい青年姿の鬼はいちになく沈鬱な様子である。地下の部屋ではなく、辺りを一望できる四阿で大嶽丸たちは早虎を迎えた。
「どうした、早虎。目当ての娘から袖にされたか」
珍しい様子に大嶽丸が声をかけた。
「主……」
「どうした、馬鹿のくせになに悩んでる」
「お馬鹿さんが悩んでも生産性はか皆無よ?」
「お前らは、俺をもう少し労われよ! 優しろよ!」
うがーっと吠える早虎を宥めつつ、大嶽丸が事情を訊き出す。
どうやら早虎が会いたがっていた娘は既に他界していたらしい。早虎自身が思っていた以上に時が経ちすぎていたこともある。
「俺、みんなが人と関わることが馬鹿だって言ってた意味がわかった気がする」
人と人外が元々触れ合わなければ思いを残すことなんかなかったのに……。>>452
早虎は嘆息して、手に持っていた花を大嶽丸に渡した。
「俺は男から花を貰って喜ぶ趣味はないぞ」
「もう要らないのであげます。それと……俺はもう人里には降りない」
「そうか」
彼の主はそれだけ言って、早虎の持つ花を受け取った。
「好きにするがいい」
大嶽丸はいつもの笑いを口もとにひらめかせると、早虎の肩を左手の甲で軽くたたいた。
「うっす。あ、でも人間どもが攻めて来たら勿論戦うぜ! 俺が先陣切らないと始まらないだろう!?」
清々したとばかりに伸びをした早虎は立ち去った。同胞の後ろ姿を見送った金丈は主を見る。彼は手にした花を眺めて風に乗せて宙へほうったときに何かを呟いた気がした。
大嶽丸は風に舞う花を眺める。その口元には微苦笑がある。
馬鹿は俺のほうか。小さく儚き者がいつか失せるとわかっていても性懲りもなく掌中に収めたくなってしまうのだから。
死と破壊をもたらしながら、小さく儚き者どもを愛でる。大嶽丸の精神は常に二律背反(アンビバレンツ)の螺旋模様がともなわれていたが、奇矯にみえてじつは安定した意志が、それを制御してきたようであった。
荒くれ者揃いの鬼たちが彼の元に集ったのは、その混沌そのもののような、それでいて自儘に放埓に振る舞う様に惹かれたからであった。真 名 熔 解のテンプレ、一度やってみたかったんだ……
>>427
そうですそうです!資料精査する中で「17歳がショタは無理あるなこれ……」となって青年になりましたが
○○になりきる××って形のプリテンダーは割りと行ける気がしますね。ヘンゼルとグレーテルになりきるグリム兄弟、とか(なんでそうなったかはわからない)
あと複数の側面を持つ英霊が自分とは違う側面の自分を真似てるとかね
>>433
ぎゃ、逆です……本体は役者で劇作家の方はそういう風に振舞ってるだけなんです……
>>436
因果応報というかなんというか……英霊の座は世知辛い……
>>438
シェイクスピアの役者面はいつか拾いたかったので役者→役を羽織る→自分の霊基をキャスターに偽装するプリテンダーが浮かんで良かったです……
>>441
公式にもいる英霊なので差別化にすごく苦労しました……>>426
”無邪気ショタとクールな青年の欲張りセット”というキャラ性は非常に好みだし、宝具やスキルも本家を意識しつつ差別化できてるな、とは思うけれども。
「コレ役を羽織る者(プリテンダー)か……?」となるめんどくさ人。結局は本人役だし、シェイクスピアが”世界全てを敵に回せる程の偽称・詐称者か?”となるとなんか違和感?総合して”創り出すモノ”ってイメージを自分が持ってるからかな?
>>454
なんて言うか、当時の鬼の暮らし?みたいなのの雰囲気をしっかりと描写できているような気がしますね。
一つ疑問があるとしたら、”鈴鹿山には大嶽丸が諸国を巡りこれはと見込んだ見目麗しい女人たちが蒐集されていた。 日ノ本だけでなく唐土、天竺、波斯、羅馬と及んでいた。”
大嶽丸って海外に縁ありましたっけ?天竺は復活するよ説でツルギ経由で戻ってきただけみたいだし。
あ、でも唐土の女性はあり得るか。遣唐使の影響まだあっただろうから、中国と日本での人の行き来ゼロじゃなかっただろうし。>>455
人と交わることが出来ても、人界の乱獲者であることも変わらないですからね。
>>458
大嶽丸が持つ剣のうち顕明連が天竺にあったことから国外との繋がりがある設定へ広がりました。また、公式の酒呑童子が国外の大陸と縁がある設定なことや、玉藻が九尾の狐と関連で国外との縁もありますし、日本妖怪が国外と縁を持つことは可能であると判断したため、活動範囲を広げました。
>>459
歪んで、矛盾に満ちているのにそれを大嶽丸はよしとするけれど、早虎はとてもシンプルな奴なのでそれを消化できなかったんですね。
>>461
そうですね。ペルシャ越えてローマまではちょっと盛ったかなとは思いましたが、所詮はフレーバーテキストですし機神の残骸が日本に漂着したような大きな影響力はなく、最期は田村麻呂に討たれて終わるのは確定事項なのであのようにしました。
ちなみに大嶽丸が大切に扱っていた女性たちの中にはケーフェンヒラーの先祖もいました。プリテンダーの、魂レベルまで騙る=世界にとって別人判定になること自体が、
固有結界みたいに修正対象になる、世界秩序にとっての反則行為なのかもしれない??>>460 >>461 >>463
プリテンダーは”アイデンティティの崩壊も厭わず、魂レベルで他を騙せる存在”、「世界=型月的な…秩序(ルール)寄りの概念・認識的な世界」。なるほど。確かに言われればそうかも。
そもそもプリテンダーは公式でもまだまだ露出の少ないクラスですし、ここら辺は解釈次第、か。うん。
>>462
うーんなんだろ。国外と縁があるのはまぁまぁいいんですよ。そこに文句…いや…え~っと異議、んと変えろ!って言いたいんじゃなくて……あ~…。
説明が欲しいんだ。「いつ諸国巡ったの?」という。そこら辺の解説が欲しい。少なくともディックさんの大嶽丸解説ページにはそういう方面の彼解説は無かったし。
それに部下ひきつれてなら伝承にそういう逸話が無いと変だし、アメリカ異聞とかでも仲間意識のあった大嶽丸が部下ほっぽって外国いく印象も薄かったので。
重ねて言うけど大嶽丸と海外に縁があるのはいいのよ!ホントに!
……鈴鹿山まで女人たちをどうやって蒐集したの?そこが一番気になる!!つまり手段が。SS書いてくうちにキャラ同士の関係とかフレーバーで終わりそうな設定も生まれていくでしょうし、そういうのいちいち書き出してたらキリが無いよな……とは思いますね……
>>464
>>465
集めた時期はだいたい鈴鹿が来るまでの間です。SSで書いた通り、女性たちは老いは止められていて大嶽丸の術が失効するまでは生き続けるので結構彼女たちの生まれた時代はそれぞれ離れてます。遠くは神代、近くは平安時代頃。
連れてき方は術で一緒に移動。放浪して帰国するときに連れてくる感じです。霊脈使った移動とか、そんな色々使って。
部下を放置するということはありませんが、鬼は群れても伊吹みたいな存在でもないと集まっても人間の軍隊みたいな規律正しい様子でもないと思うので、割りと放任しつつ足りないところは金丈たちがフォローする感じだったと考えてます。
クチサキさんの疑問点は主にSSの本筋には関係なくて書くと本格的に脱線しそうなので省いた部分ですね。大嶽丸のページも長らく編集していませんし、折を見て色々追記しておきます。>>468
そこは山という異界で人の世界から隔離されていたので。>>474
ありがとうございます、こんな感じです
『早虎』
身長:180cm・体重:81kg
根明で好戦的な、鍛え抜かれた肉体を持つ青年。
切り込み隊長ポジション。よく金丈・猪熊から馬鹿扱いされているものの、この2人や部下たちを引っ張る中心的な役目を担っていたりもする。
単なる戦闘狂な鬼のようで時に餌食たる人間と自分たちの関係について思い馳せたり、実は三人衆の中で鬼種としてのプライドや意識の格差が薄く、気軽に人と触れあうこともあったとか。「家畜に情が湧いてペットとして扱いだす子供」みたいでみっともないとは、眉間に皺を溜めた金丈の苦言である。
とはいえ、例え想い人と悲しい別れを経験しようと早虎も所詮は血腥い鬼の一人。僅かの間悲しみ、そして切り替え、暴れまわっては人々の平穏を脅かすであろう。
「食事」の好みは質より量という若者らしいもの。>>476
『猪熊』
身長:170cm・体重:64kg スリーサイズ:B92(F)/W58/H88
配下三人衆の紅一点。
メカクレの長身美女で、時おりちらりと見える妖艶な目線は鬼たちどころか人間ですら骨抜きになる。一番ノリが柔らかく、部下の鬼たちの少々の失敗も笑って流す大らかな鬼。
しかし戦闘となれば一番悪辣で加虐的な戦い方を好み、必要以上に嬲り殺めることもあるサディスト。それでいて気分次第では気に入った敵を見逃すこともあり、金丈の胃は爆発寸前。
そのため部下たちからも「別嬪だし優しいが、正直何されるか分からないので一番遠くから眺めるだけで充分」と思われている。
また、「食事」の好みが最もうるさく、気に入った食材は食べごろになるまで囲い愛で、自ら捌いて料理するのが何より好き。
異性の好みは自身が初めて感服した相手である大嶽丸。>>490
そうですねぇ……じゃあとりあえず動かしたいゲストキャラの選定からですかね?そのキャラの行動半径や掘り下げとして使えそうな要素を考えれば、まずアジア圏かヨーロッパ圏かぐらいには絞れるんじゃないでしょうか。
台湾はね、まぁ主に美食で有名なところはあるんだけど一応独自感ある宗教・伝説的なものも存在しますね。
大きく分けて孔子廟や媽祖廟の大陸伝来系と原住民文化からくる先祖信仰や部族ごとの神話系だね(ちなみに鄭成功も廟が建てられてる)。前者は中国本土とあまり変わらないけど後者はけっこう特色豊かで面白いですかね。日本統治時代には神社もいっぱいあったらしいんだけどそれは色々あってなくなっちゃいました。
宝石に関する逸話はちょっと故宮のあれこれ(だいたい中国からの持ち出し品)ぐらいしか思いつかないけど占いだったら風水とメンコみたいなの投げて表裏で決めるやつですかね。
全くもう、台北の市街なんて東京とかソウルと大差ないんだからそういう原住民村(※ちなみに台湾と日本では「原住民」と「先住民」が持つニュアンスとしての失礼度の捉え方が逆なので先住民っていうのはダメらしいよ)とか古民家とかゼーランディア城を推せばいいのになぜすぐテクノロジーとか推しちゃうかなぁ>>486
ありがとうございます。登録しました~。
あと書いておいてすみませんが、早虎の武器のほうを巨大な金棒にさせて頂きました。>>493
鳳蝶さん「私の所は基本来るモノ拒まずですが、どうしますか?」(「住居アリ〼」のプラカードを持っている)>>495
ナイトハルト・ケーフェンヒラー
占星術と宝石を扱う魔術師です。フリーランスなので全世界全国津々浦々どこにでも出すことができます。
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/m/wiki/%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%8F%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%83%92%E3%83%A9%E3%83%BC
アーダルベルト・シザームンド
宝石魔術を扱う魔術師で、彼の部下にも宝石魔術の使い手はいます。
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/m/wiki/%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%AB%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%83%B3%E3%83%89
お役に立てたら嬉しいです。>>493
一応だけど石器時代まで遡れば縄文遺跡の洞窟みたいなものはあるよ。台湾の史跡は(これだとちょっと言い過ぎかもしれないけど)だいたい紀元前か1700年以降かみたいな極端さがありますわね。
なんでそんなことになってしまったのかといえば、ぶっちゃけ鄭成功時代より前の人たちにとって台湾って港町作れる陸地以外の価値が全然なかったというかいたのがそれこそ原住民と(とりあえず海岸沿いに拠点だけ確保はしておきたい)中国人とオランダ人ぐらいで、開発とかは全然だったんだわね。そういう人たちに追いやられて原住民の人たちはどんどん山が多い東部に移住して現在に至ったりするわけなんだけども、そういうわけで台湾の史跡として大きいのはオランダ人が作った城とか日本人が作った家とかになります。まぁ砲台跡地とかもそれはそれで綺麗なんだけどね。
あ、でも帝都を基準にして日本軍に魔術知識ある人いる説を採用するなら戦時中の嘉南大圳開発とか諸々の中に魔術基地構築みたいなのは仕込めるし故宮のそれはそれで本土から(意図的か無知ゆえかはともかく)チャイニーズヤバイアイテムを持ち込んじゃった話の説得力づけに使えますわね。
原住民文化については昔過去スレのどっかでまとめたのを書いた気がするんだけどどこだったかな……思い出せないな……誰か覚えてないかな……
ちなみに私のお気に入りは悪霊と目が合わないようにでっかい笠みたいなの被って出歩く島の人です。あとはそうだな……虹を渡って異界(死後の世界)に行く信仰とか?
>>495
うちのとこだと当てはまるのがド直球に職業占い師のシノンさん(なおやってることは占いではなく情報分析からの未来予測なもよう)ぐらいしかいないけど、あの人生息地がネットと秋葉原だからどっかに旅行行くとかよりはネットサーフィンしてたら遭遇とかになるな……深夜のこそこそ話
猪熊は戦闘でこそSM力を発揮するが、調理や食事にはそれらを向けることはない。むしろ持ち込むこと自体邪道だと嫌っている。
まあそれはそれとしてたまに生き肝とか、味わったりしますが
「ところで『桃娘』って血肉も甘美かしら?」調べてみたら>>499で思い浮かべてたのは見つからなかった(面倒だから諦めた)けど自分用の覚書は見つけたから貼るよ
何かの参考にするなり暇つぶしにするなりしてね台湾原住民伝承かいつまみ
阿美(アミ):全身が太陽のように光る激マブ美女がいた。海神の息子がベタ惚れし、家まで押しかけ娶ろうとした。両親はこれを嫌がり娘をあちこちに隠そうとしたが、結局大津波を用いたダイナミックハイエースにより娘は攫われる。この際両親と3人の兄弟は山へ逃れ、末の弟と女児のみが別の山へと逃れる。結ばれた末弟と長女だったが、近親だったので動物しか生まれない。天から降りた太陽神(この部族では太陽は伝統的に女性として見られる)を祀るようになってからは人が生まれるようになり、これが現在の我々の先祖である。
噶瑪蘭(カバラン):祭祀形態はアミに類似。母系社会ゆえかシャーマンは全て女性。
賽夏(サイシャット):大昔に大洪水が起こり、機織り機の胴に乗った兄妹だけが生き残った。二人は山にたどり着くも、妹は死亡。兄が切り分けた妹の死体がそれぞれ現在の氏族の先祖になった。また、かつては呪術を扱い様々な知恵を持つ小人族と共存し生活していたが、小人たちの女癖が著しく悪いため耐えかねて謀殺。この霊を鎮めなければ恐るべき祟りが訪れるとされ、定期的に小人の霊を慰めるための祭りを行う。
邵(サオ):台湾最大の湖・日月潭の側に暮らす部族なだけあって人魚伝説(乱獲にキレた人魚と漁をしたい人間の死闘など)が存在。加えて黒く武闘派の小人族が存在していたが、日本統治時代の開発により姿を消したとされる。
拉阿魯哇(サアロア):かつて人々は小人たちとともに暮らしていた。小人たちは神が宿る「聖なる貝」を持っており、毎年平和や豊穣を願う祭りを行っていた。人口の増加を原因に人々が元の住処を離れる時、小人は人々に十二の神が宿る十二の聖なる貝を与えた。以後、人は小人たちが行ったように「聖貝祭」を執り行う。頭目一族の先祖はかつて二つあった太陽のうち一つを撃ち落とした英雄であり、この際意気消沈し隠れてしまったもう一つの太陽を誘き出すことに協力したことから雄鶏を知恵ある生き物として祀る。
撒奇莱雅(サキザヤ):現在の部族の祖先となる少女が水汲みに行った際、知恵の神に求婚された。彼は様々な農耕技術を人に教えた。>>502
賽德克(セデック):現世でしっかりと勤めを果たせば、死後に虹の橋を渡り先祖たちの住む世界へ渡ることができる。(日本統治時代の武装蜂起が映画化されているので、それを見ると脚色も含まれているとはいえ大まかな空気感がわかりやすい。ただしその映画は非常に長い。)
泰雅(タイヤル):伝統的信仰はアニミズム的だが、特筆すべき点としてこの民族は伝統的に首狩族。宗教儀式として敵部族の首を狩って来ないとまず成人扱いされないが、現在は成人の証としてのそれと刺青はともに(日本統治時代の規制を主因として)廃止。
達悟(タオ):島嶼民族であるため、祀る神はトビウオなどの魚や天体の運行を司るもの。儀式として銀貨を材料とした兜を作り、特殊な儀式を執り行うことでお守りとしての力を与える。魔除け効果もあるらしい。元はフィリピンの文化らしい。
太魯閣(タロコ):人類の起源は岩。昔飢えているときに鳥が助けてくれた。
鄒(ツォウ):人類の祖先は女神。大洪水の際山に住んでいた人々だけが生き残り、各地に散らばることで現在台湾に住む人々の先祖になった。その際とある弓をふたつに分けた兄弟の弟は南西の山麓へ、兄は北東へ行って「マーヤ」になった。なお、日本統治時代には北東からきた日本人を「マーヤ」認定し比較的好意的に歓迎している。日本人が頭コルテス極めてなくてよかったなマジで。ちなみに「ニイタカヤマノボレ」の新高山(現在の玉山)在住だったことから和名は新高族。
排湾(パイワン):太陽が壺の中に卵を生み、その中から最初の人類が生まれた。この際守護してくれたのはヒャッポダ(蛇の一種)であり、これは貴族の先祖でもあるため蛇を殺傷してはならない。また、部族の祭りでは女神が降臨する。この女神は5年後には神々の世界に帰るが、一部の精霊は6年目まで地上に留まる。
布農(ブヌン):かつて文字を持っていたブヌン族だったが、大洪水から逃れる際に文字の保管を担ったものがこれを失ったために文字を失ってしまった。また、地下には尻尾のある民族が暮らしている。太陽を射った男の神話も存在するらしいが、中国の諸々との関係は不明。
卑南(プユマ):創世神話は岩起源説と竹起源説がある。伝統的に女性の占い師(ウィッチドクター)が実在。総括すると神話内におけるこびとさん・大洪水・山の出現率がとっても高いよ
こびとさんはようせいさんかなにかなのかな>>503
『なお、日本統治時代には北東からきた日本人を「マーヤ」認定し比較的好意的に歓迎している。日本人が頭コルテス極めてなくてよかったなマジで。』
ゾッとしないなあ……(白目)>>503
太陽が卵を生むという発想には驚かされました。>>508
しかして、美食家スキル持ちの大嶽丸とはそこら辺相性も良いだろうし、好かれるのも納得です。さすがに朝には人いないだろうし、SS投げちゃおう
「うむ。つまりはそう、プレゼンという名の押し付け合いなのだ」
メネスはネオンに彩られた東京の歓楽街を歩きながら、しみじみと語った。
日本という島国に作られた特異点。
微小、というよりは時系列も因果関係も思うがまま改変された、世界の矛盾(しみ)。
カルデアで得た知識を応用して作られた、異界ルールの限定特異点(マイ・ワールド)。
神霊クラスのサーヴァントだからこそ出来る荒業であると謂えた。
「プレゼン? ああ、政策方針の違い、みたいなものか」
「そうそう。たぶんそう」
「それで何を主題とするのだ? 経緯的には……カルデアの食堂のメニューとか、か」
「ふふ、聞いて驚け、見て驚け。今から挑むのは屍山血河の死合舞台――!」
「こ、これは――!!」
目の前に広がるのは、巨大な商業複合施設。
もはや異界と化した内部には、各々が持ち寄った“商材”が所狭しと展示されている。
「あれは当世で謂う、“でぱぁと”ではないか。なるほど考えたな、神代であればジッグラトにしか許されなかった『高さ』を用いてジャンル別に区分けされた在り方は、消費文明にあっては確かに合理的であろう」
「…………(今から礎のアイデアにならないカナー?)」>>511
「はいはい、そこの古代を通り越してもはや超古代王のお二方。このデパート特異点、商取引金字塔109は……」
「おっと具体的な店舗はコンプライアンス的にNGだぞヒュギエイア女史」
「失礼、正式名称なので口が滑ったということに。ここに入るには医神印の胃腸薬を常に常備してから入ってくださいね」
「つまりこの中には、サーヴァントであっても医療手段が必要なほどのものがあるのだと。そういうことなのだな?」
「臆しましたか、貴王様?」
「まさか。私は王であってもサバイバル上等のキャンプ王だと心得てもらおうか!
いざ! 参る!!」
◇◇◇◇
「“いや、ウルクを守る為だが?”
“地上の全悪を倒しておかねば、民どもが飢え死のう”」>>513
貴王は疾風のごとく、階段を登る。
エレベーターもエスカレーターも併設されているのだが、ルガルバンダには自らの脚で歩いた方が何倍、何百倍も速い。これはサーヴァントと比較しても、なおさらだ。
嵐神アンズーの肉体は、一息で七つの山を越えることすら容易いのだから。
「屋上に、ひときわ強い魔力反応を感じる。ここに特異点の基点である聖杯が存在するのか」
「来たかよ、人類種。苛立ちが限界をむかえるところだったぞ」
「その声はキングゥ神か……!」
見る角度を変えることで、あらゆる人種の特徴を備えているかのように錯覚する人型。
質素な貫頭衣と、豪奢な黄金とラピスラズリの装飾品が不揃いな男神。
古代メソポタミア神話において、人の原典となった者。
それがキングゥ神である。
「陳列されていた商品はあれだ、新手の嫌味だったか?」
「その通りだ人類種。伝わって安心したよ」
「なら、もういいだろう。
この特異点も充分にその意義を果たした。解体する時だ」
「いいや、ここからだ。この異常はここから始まらなければ――」>>514
魔獣たちの咆哮が下から響いてくる。
ならば地上に置いていったメネスや、ヒュギエイアは彼らの牙に切り裂かれるのだろうか。それについて彼は心配していないし、しない。自らと肩を並べる一騎当千のサーヴァントにあって、魔獣の群れ風情に後れを取るような者ならば英雄とは呼べやしない。
ここでキングゥ神を神速で倒す。聖杯を破壊する。それだけを考えればいい。
「“聖杯役”は自分の天命の粘土板(トゥプシマティ)か。あれが無いだけでだいぶ助かるな」
「ぬかせ、貴様なんぞ我が眷属で充分だ」
恐ろしい蛇、バビロンの竜ムシュフシュ。
凶悪な獣たち、水の蛇ウシュムガル。
七つの頭の蛇たち、ムシュマッヘ。
大いなる日、巨大な獅子ウガム。
獅子犬ウリディンム。
苛烈な嵐、悪霊たちウム・ダブルチュ。
謎の多い子供、双貌の獣ラフム。
蠍の人、知恵者ギルタブリル。
太陽の随獣、人牛クサリク。
毒の蛇、竜獣バシュム。
翅持つ魚人クリール。
かつてティアマトが生み出した十一体の魔獣の軍勢が、一斉にルガルバンダに襲い来る。>>515
暴風と化したルガルバンダの肉体は、ただの魔獣が相手になるようなものではない。が。
(下級の眷属はさておき、さすがにバシュムやギルタブリルの神獣に類される上級の眷属は一人ではキツイものがあるな……)
バシュムの毒気に当てられて流れ出た、血涙を拭う。
眼下を埋め尽くすほど、平均的なサーヴァントに伍する魔獣が蠢いてるのならば話は別だ。
嵐を纏った真空波、アンズーの爪(カシュ―シュ)では埒が明かない物量である。
ルガルバンダはラピスラズリの双頭槍を振るって、魔力を注ぐ。
「双角、起動。天鳴神殿、励起。
シュメルの蒼天はここにある! 『天地続げる嵐の柱(グガ・ラ・イナンナ)』――!!」
「母の分け身達は王の下に!
仔よ、創世の理に従え。『十と一の創世(ティアムトゥム・ウームー)』!」
シュメル最大の神獣グガランナ、その輝ける黄金の蹄が隕石落下のように空から降り立つ。
対するは星の瞳。十一の獣たちによって形作られたティアマト神の行進。
天の圧力と、地の圧力が互いに鬩ぎ合う。
その光景は地上のメネスからは、異なる光が重なる乱気流のように見えていた。>>516
◇◇◇◇
「で、なんで戦闘になるんですか? そうと聞いていれば協力なんてしませんでしたが!」
「礎はなんとなーくだが、こうなるとは読めていたぞ」
「なんだ、キングゥ神から声がかかったのか。私はてっきりメネスが主導かと」
「各地各時代の嗜好を一堂に会することで相互理解を深める。珍しく有益なプレゼンだと思ったのですが!」
「ほう。キングゥ神も秩序・善の人をたぶらかす建前というのを覚えたらしい」
恐ろしく殊勝に、お縄についたキングゥ神を見ながら、ルガルバンダは自らの認識を改めた。
彼が人類種に抱く憎悪は変わらない。なにせ人類の繁栄そのものが、自らの死体を辱しめているようなものだからだ。それが“神”ならば当然のこと。本来ならば相互理解などあり得ない。キングゥ神か人類、どちらかが絶滅するかの二択だ。
だが、このカルデアでキングゥ神は徐々にその在り方を変えていっているのかもしれない。
記憶の中の変わらないもの、変わるもの。これはそういうものの一つだった。>>518
わ、わかるマン……戦闘描写、何をどうするばいいかわからない……
自分もちょっとSS貼りますね~「ねえ立香。どうだった? 今回の旅は」
妖精円卓領域アヴァロン・ル・フェ。
己の国を求め、己の家族を求めた、厳しくも優しい女王が生み出した異聞帯(せかい)。
カルデアに帰還した立香は、そこで全ての真相を目の当たりにした。
私の國はどうですか?
美しい國でしょうか。夢のような國でしょうか。
そうであれば、これに勝る喜びはありません。
先程召喚され、今はマイルームで眠る彼女。ただ一人の娘のために全てを犠牲にしようとした女王モルガン。
彼女の問に答えたかったと少女は思った。
美しい國だった。夢のような國だった。カルデアのデータベースでそれを知るまでは、それを真実だと思っていた。>>520
ろくにんは神さまをささげました
ねがいはかなえられました
おまつりはおわりました
だまされてどくのお酒をのんだので神さまはしにました
ろくにんは神さまのしたいをてにいれました
あたらしいだいちにするのです
美しいのは國だけだ。国土は美しく、そこに根付いた民は醜悪そのもの。
理想のみを追い求めた穢れ無き世界。誰も住むことを能わぬその國を、少女は箱庭のようだと思った。
「シェイク……スピア……」
少女に問いかけてきたのは、かの稀代の劇作家、ウィリアム・シェイクスピアその人だった。今は少年の姿を取っている彼は、第6の異聞帯を突破した彼女にとって避けては通れぬ相手だった。
理由は明白だ。あの世界を呑み込もうとした厄災は、彼の筆によって生まれた妖精(モノ)なのだから。>>521
「君の旅を聞かせてほしいな。作品の参考にしたいんだ」
「……ごめん。今から医務室に行くから。話は後で」
そう言いかけた所で、立香の身体はカルデアの壁に押し付けられていた。相手がサーヴァントとは言え、彼女もまた多くのサーヴァント達から教えを受けている。自らを最弱と語る童話作家の姿を思い浮かべ、立香は怪訝な表情を顕にした。
「後で、じゃ困るんだ。鉄は熱いうちに打てって言うだろう?」
いや。そもそもの話だ。
この少年は、こんなに背が高かっただろうか。
この少年は、こんなに声が低かっただろうか。
この少年は―――こんな色彩(イロ)をしていただろうか。
目の前のこの少年は、本当にシェイクスピアなのか?
「おいおい。マジかよ……嗚呼。お前はあいつと出会ってるんだったな。なら、耐性が出来ていても不思議じゃないか」
青年は雪のような白髪の生えた頭を左手で掻きながら、不意に片肘を立てて。
「改めて名乗らせて頂こう。俺の名はウィリアム・シェイクシャフト。しがない劇団員、さ」
そんな真名(なまえ)を、口にした。>>522
「君は……君はシェイクスピアじゃなかったの?」
「まあ待て。俺の質問はまだ終わっちゃいない。
人類最後のマスター。そうあることを強いられ続けた哀れな女。お前の進む道の先には確かに希望があるのかもしれない。濾過異聞史現象を乗り越えたその時こそ、人類史はあるべき姿を取り戻すだろう」
だがなマスター。お前には何が残される? お前も一度は査察を受けたのだろう。魔術社会は現代の戦場だ。お前が今後挑むことになるのは、これまでのやり方が通用しない場所だ」
「それは……それは知ってる。けど。それはそれ、これはこれだよ。今更引き返せるわけないじゃん。今はただ、目の前のことをどうにかするだけ。
その後のことはその時になって考えればいいよ。別に自己犠牲主義者ってわけじゃないけど。流石に天秤にかけらんないじゃん。自分の命と世界ってやつはさ」
即答には程遠かったが一度回りだした口が止まることはなかった。もう随分と前から、彼女は腹を決めていたのだろう。言いよどむことがないとはそういうことだ。藤丸立香という女は、既に自分の在り方を定めていた。
「そうか。なら、俺から言うべきことは何も無い。
立香。そんなお前が……偉業を成し、その上で栄誉も未来も何もかもを奪われることになるお前が。
それを知って尚、『人類最後のマスター』としての“役を羽織る”のなら」
そして青年は、まるで永劫の忠誠を捧ぐ騎士のように。
「同じ“役を羽織る者(プリテンダー)”として、今幾許か力となろう」>>523
「役を羽織る者、か。どうせなら、そのまま役を羽織ったままでいれば良かったのに。何も自分から地雷原に飛び込むことはないじゃない」
「お前が俺と話をすべきだと思っているように、俺もお前と話をすべきだと、そう思っていたんだよ。普段とは違う、今のこの姿でな」
「な、なんで、それを……」
「さっきも言ったろう。俺とお前は同じだと」
深い溜息を吐き、青年がぎこちなく言葉を紡ぐ。
「本当に悪かったと、そう思ってるよ。俺はやつを語り継ぐべきじゃなかった。妖精は妖精として、御伽噺は御伽噺のままにしておけばよかったんだ。
そんな俺があいつと同じクラスってのは、はは、なかなかどうして、皮肉が効いてるじゃないか」
「貴女と私は同じなんでしょう? その『皮肉』の中に私まで混ぜられるのはちょっと困るんですけど?」
ジト目になって睨んでくる立香に、シェイクシャフトは思わず苦笑した。
「……それもそうだ。すまないな、立香。勘違いして欲しくないんだが、俺はお前を嫌ってはいない。
軽い同族嫌悪ってやつさ。気にしないでくれ」
「それ。気にするなって言う方が無理じゃない?」
つい先程初めて言葉を交わしたとは思えないやり取り。
ここまで馬が合う辺り、青年と少女は本当に似た者同士なのかもしれない。クッチー「"お前に"幸せになって欲しいんだ。僕はいらん」
誉さん「っ……!」
「兄貴っていつもそうじゃんか!私の伝えてる意志(兄と一緒にいたい)、なんだと思ってるんだよ!」
こうですか。>>533
まかせろー!(カキカキ)
21歳(笑) 「ひぃん!」おはようございます(鳴き声)
今、パッと思い付いたネタをこっそり貼っちゃう
『シムソンの遺髪』
怪力で知られている士師サムソンの切られた髪。
一本でも持っているだけでその者の筋力と体力を大幅に強化する。
現在、大半のものは教会の使用する概念武装の素材の一種として使われている。
しかし「身につけた者から離れる=髪を切られる」と判定されるようで、飛び道具の素材には決して向かない。わたくしの携帯様、ホスト規制が解けないんだけどー!?(鳴き声)
>>527
プロット書かない行き当たりばったりな作者性が如実に…
イシュタルが幕間(リターン・オブ・イシュタル)で金星(わたし)ルールの女神特異点(マイ・メソポタミア)なんて言い出したのでぇ…
>>528
まこと申し訳ぬ…
でもこういうお話を牽引できるキャラ性ってめちゃくちゃ良くて、ここのえもそういうキャラ欲しい…
>>530
よくよく考えると、神霊クラスが三騎もいる……こわ……
>>535
今回はトゥプシマティ突破を聖杯としてリソースに使っている、という理屈にして強引に「これどうやって攻略するの??」を排除する力技。強いキャラってSS書く時に面倒なんですよね(強いキャラ量産しつつ)強くなるとなんでも出来すぎて動かしづらくなり、人物像がガバガバだと会話劇でも動かしづらくなる
キャラメイクって難しいですねえ……()>>518
そうだよ…これがあるべきお医者さんの形だよ!前線連れ出されて苦しむのは違うんだよ!分かるか俺!!
使っていただき大変感謝です。Fate/NCの続き書けましたー
今投稿してもよろしいでしょうか?>>547
「ナイトメア・サーキット……」
『直訳して「悪夢回路」ですか。また何とも不気味な単語が出てきましたね』
黒野の胸に浮かぶ紋様――ナイトメア・サーキットと呼ばれるそれを、じっと見つめる。
赤々と輝き、独特の意匠で形作られたもの。その見た目は、フェリーペ自身も有する令呪とよく似ていた。
『失礼。画面越しで何ですが、その紋様解析させていただいても?』
「ああ、勿論。俺としてもずっと気になってたんでね。……けどどうすんだ? 見ただけでこれが何か分かるのか?」
『ええまあ、ある程度は。こちらもそれなりに便利な機器類が揃ってましてね、遠隔からでも、本人がこちらに来られなくても分析できるシステムが整っているのです!』
「マジか。すげえな並行世界の人類史」
「うち等にもちょっとくらい、触らせてもらえへんかなぁ?」
驚く段階を通り越して、半ば麻痺したように黒野たちはじっとスキャンを受け入れる。
やがて電子画面から赤いレーザーのようなものが黒野と加々見に向け伸びたかと思うと、じっくり観察するように二人の体表を走り回った。
『ふむふむ、成る程。ほほうここがこうなって……えっ、ちょっと何これ? ええー、こうするのかぁ』
「なんかアレやね。お医者さんの検診受けてるみたいやね」
「患者の前でこんな好き放題漏らしまくる医者もいないと思うがな……おい、どうなんだ? さっきからやたら不穏な呟きが零れまくってんだが?」
『うーん……そうですね。もうちょっと時間がかかりそうなので、その間に説明の続きをしていただいてもよろしいでしょうか?』
「続きっていうと、NCバトルの辺りまでは話したとこだったか。とりあえずルールだの詳細についてはおいおい説明していくとして……まずは、こいつが始まったのと、今に至るまでの経緯を説明するか」
「ああ、頼む。」
『お願いします』>>548
了解、と黒野は答えつつ、一旦立ち上がって冷蔵庫から飲み物を取り出す。
「何分長い話になるんでな。今更すぎるが、飲みながら聞いとけ。……言っとくけど、毒とかは入れてねえからな?」
『あ、それは分かります。こちらのスキャンでも対応してますから』
「ほんと便利だなおい……。と、話を元に戻してだな。まずこのイカレた戦いが始まったのは今からおよそ1ヶ月前。その間、夜になる度ここじゃ必ずと言っていい程繰り広げられてきた」
「1ヶ月!?」
カルデアの観測でこの特異点が確認されたのは、ほんの数時間前の事。
特異点内部の時間とカルデアの時間が必ずしも一致していると限らないとはいえ、決して小さくない時差にフェリーペは戦慄する。
そんな彼の心中を知る由もなく、黒野の説明は続いていく。
「元々、俺たちは好きでこの街に来たわけじゃない。俺も加々見も、ある日気づいたらこの街の中に放り出されて、そこからずっと生き残る為の戦いに明け暮れていた」
路地裏と公園。場所は違えど、それぞれ目を覚ました二人は自分が置かれた状況を確認し、そして心底絶句した。
当然と言えば当然だ。何の前触れも予兆もないまま、ある日目が覚めてみれば地獄のような争いの真っ只中。これで己の正気を疑わない人間など、それこそ数える程度にしか存在すまい。
「次から次へと、襲ってくる連中を片っ端から捌き、倒し、ぶちのめし――どうにか、街の外に繋がってると思しき場所までは辿り着いたんだが」
「そこから先は、通れへんようになってたんよ。何かこう、目に見えんごっつい壁みたいなのに遮られててなぁ」
『目に見えない壁、ですか。確かに、こちらのレーダーにも街を取り囲むように展開されている何かの反応を感知しています。これがそうだったんですね』
「俺たちもあれやこれや、色々と結界破りの術を試してはみたが……ま、結果は今ここにいる事でお察しの通り。傷どころか何も見えねえ状態のまま、ずっと阻み続けてるってわけだ」
『――ちなみに、ですが。お二方以外の人間だと、この街に後どれくらい残っていますか? お二人がこの街に迷い込んだ時の事も併せて教えて下さい』
「迷い込んだ時、か。つっても、あの頃は俺たちも生き残るのに必死だったからな……」>>549
「あ、うち聞いた事ある。黒野と出会う前の事なんやけど、興味本位で数えてるもの好きな参加者がおってな。その人曰く、『この街の参加者は最盛期で100人は優に超えていた』らしいわ」
『「100人!?」』
「おいちょっと待て、それ初耳なんだが?」
「聞かれへんかったもん。別に話さんでも困らへんかったやろ?」
「まあ、そりゃそうだがよ。しかし100人以上か……今じゃ、とてもそんな大勢いるとは思えないがな」
「まあ、あれからずっと潰し合ってたし。うちにその事教えてくれた人も、いつの間にかいなくなってたわ。多分どっかでやられてしもたんやろなぁ」
冷めきった目で、ちびちびと飲み物に口をつける加々見。
その横顔に出会った時の明るさはなく、少女が見てきた地獄を表すようなものがあった。
「加々見さ、」
「今生き残ってるのやと、うち等二人にジルとユウキのガキんちょ。それと三上のおっさん辺りやろか? ユウキとジル以外かち合わへんようになってだいぶ経つし、もうほとんど生き残りもおらへんのとちゃう?」
「……かもな。自分で言うのも何だが、今日まで俺らもよく生き残れたもんだ。モリソンの魔獣に襲われたり、オーブの野郎に焼かれかけたりと散々だったってのに」
「え。ここ、魔獣とかもいるのか?」
「ああ、参加者の中にそういう魔術?だか何だかに精通してた奴がいたらしくてな。ユウキの奴も元々はそいつの子飼いだったんだよ。今じゃ主を亡くして彷徨う、文字通りの幽鬼みてえになっちまってるがな」
「魔獣の方も、親玉が倒れたら全部いなくなったからその辺は安心してええよ。……まあ、魔獣の代わりに面倒臭い奴らはおるんやけども」
フェリーペの気遣いを切り捨て、渋い顔で黒野共々説明を続ける加々見。
その態度にフェリーペもまた何も言えなくなり、ただ聞き手に徹する事を選んだ。>>550
『成る程、そちらの事情はおおよそ分かりました。となると……気になってくるのは、この状況を生み出した者の正体と、その目的ですね』
「正体ねえ。そっちの説明で語ってた、サーヴァントとかいう奴らの仕業じゃねえのか? 少なくとも魔術師だの魔術使いだのでどうにか出来る状況を超えてるぞこいつは」
『その可能性は大いにあります。とはいえ、現状ではそれらしき反応を捉えられていないので何とも言えませんが。それにサーヴァントが黒幕であるとも限りません。過去の事例では思念体、ないし聖杯そのものが顕現した時空に刻みつけられていた叫びや願望に呼応する形で発生した特異点もありましたし』
「うわ、えげつなあ。じゃあ今のこの状況も『とにかく人間同士の殺し合いが見たい』なんて願いを持った阿呆に聖杯が答えたっちゅう可能性もあるんか?」
『あくまで可能性ですが、まあそういう事もあり得るかと』
さしもの黒野と加々見も憂鬱な表情を浮かべ、空気が沈む。
どこの誰とも知れない輩の身勝手な願望と、それに巻き込まれた挙句の地獄絵図など、誰にとっても笑い話にならないだけに当然だった。
「そういえばシオン、ずっと気になってたんだけどこの特異点の聖杯はどこにあるんだ? どうあれここが特異点なら、それさえ回収できれば黒野たちも解放できるんじゃ」
『あー……それがですねぇ。こちらの観測機器では「確かにこの地にある」という事だけは観測できているんですが、それ以上の情報が分からないんです』
「分からないって、それはつまり聖杯の反応が見つからないとか?」
『というより、そこら中から聖杯の反応が検知されてるといった状態ですね。ほら、インターネット上で人口分布図とか見た事ありません? アレみたいに、聖杯の反応というデータが特異点のマップ全体に浮かび上がってる感じです』
「うん。分かり難いけど、何となく分かった」
と、そこでフェリーペはふと、黒野と加々見が難しい顔をしている事に気がついた。
自分同様、今の質問で分かり難い事があったのか。フェリーペがそう問いかけようとした瞬間。>>551
「黒幕の目的だかどうだか知らねえが、一つだけそれらしいものに心当たりがある」
「えっ!?」
『それは、一体?』
「……『NCバトルの勝者、最後まで生き残った者にのみ与えられる報酬。それは富・名声・栄誉に非ず、その全てを叶え与え給う万能の奇跡なり』」
そして、
「『汝奇跡を求め欲する者よ、万能欲しくば己が力をもって最強を証明せよ』、だとさ。何とも胡乱気な話――」
黒野の言葉が途切れる。
語り終わった、からではない。
そこまで口にし、所見を述べようとして――その、語った相手があまりにも真剣な顔で戦慄していたが故の反応だった。
悪夢は続く、どこまでも。
夜は始まったばかりで、朝日を望むにはあまりに遠い。
蠢くものは欲望に駆られた亡者か、あるいはこれからそう成る者たちか。
悪夢は、まだまだ続いていく。>>557
よくってよ~「……クリミルア卿が死ぬとはなぁ。いや、確かに小太りのおじさんだけど、それでも名家の魔術師らしくそこらの魔術使いより全然強いんだけどなぁ」
「刻印も確かに大量に刻まれてる。これほどの歴史を持つんならそれも納得だな」
「なんでついてきてるんです?」
喉を押さえてカーペットやベッドシーツがしわくちゃになるまで転げ回り、床や壁を殴り、叩き、爪が剥がれるまで掻きむしり、黒い瞳孔が見えないほどに眼は裏返り、ゴボゴボと白と赤が混ざり合った絶妙に不快な調和を醸し出す泡を噴いて倒れている。身につけたオーダーメイドのスーツも見るも無残に。それはまるで、創作物によくある小太りの悪役中年が殺されている事件のようだ。実際、そうなのだが。
「死因は……あーこれ、正面戦闘じゃないな。回路が起動した痕跡がない。暗殺、かな?司教さま、せっかくなら呪い方面も見て欲しいんですけど」
「呪いはお前たち死徒の専売特許では?あとちなみにその線は多分ないよ、ない。呪殺の痕跡はゼロ。高位の術師が痕跡も残さないように殺した可能性はあるけどな?」
「ふぅむ。でも……多分これ、毒殺なんだよね。詳細はまだわからないけど毒物検知の魔術に引っかかってる」
「………魔術刻印と魔術回路の併用で大抵のものは防げるだろ。ここまで肥大化した刻印なら尚更」
「そうでもないよ?ナナカマドを使用した魔術薬は魔力を阻害するから刻印の自動治癒も効きにくくなるし。他にもいろいろ、方法はあるけど。でも……そうだね、中々の高純度で複雑で、古い神秘の毒じゃないと効かないと思う。それこそ、古い魔女の系列……とか?」【パーティー会場】
師匠と自分のことについて目の前の黒髪の少女……エイラに話せる分を話しただけ。ただそれだけなのに、少女はとても興味深いものを見るように。自身がひとつも体験したことのないものであるかのように喜ぶ。魔術師というのは教えを受け継ぐ者だと言うから同じような体験は、少女もしていると思うのだが。
「へぇ……魔術師ってわけじゃないんだ。そのキャスリーンって人に習ってるだけで、レオ自身はまだ進路は選択中ってこと?」
「そうやね。どちらにせよ、先を選ぶのはもうあと少ししかないしねぇ。……早いとこ、決めなあかんやろなぁ。ここに来たのもその判断のための一環」
「そっかぁ。学生はそれが許されるものね。たくさんの道に悩んで、迷って、妥協にせよ決意にせよ、最後に道を選ぶっていうやつ!私はそれを知らないけど、知ってる人から話は聞いたことあるから」
「……行ったことないん?時計塔とか、そういう協会のカレッジにも?」
「うん。だって私、魔女の実の娘だから。私はそんなの関係ないのに、周りはそう思ってはくれないみたい」
偉大なる転身を経なかった第一の廃棄物たる魔女に畏敬は与えられない。どれほど素晴らしい魔術師であってもそこに賞賛は生まれない。同じ人としても、人を超えた超越者としても、認識されない。ただの醜いヒトモドキ。そう蔑まれる存在なのだ。
「………おかしな話やね。それは親の業であって、子には関係ない話。魔女についてはまだ勉強中というか、未履修やけど」
「それが魔女を引き継ぐということだから。全員がそうというわけじゃないけどね。ちゃんと魔女を継承したやつ……直系のマインスターとか?そういうのもいるけど、そうじゃないのもいるよ。私もほら、後継者のつもりなんてないし?魔女だけど、魔女のつもりはないから」「………?」
「ああ、そうね。簡単に言うと……私は魔女という名の後継者になるつもりはないの。でもほら、魔女っていう言葉の意味は悪女を表す意の魔女とか、そういう意味でも存在するでしょ?それ、私にピッタリじゃない?有能だし、意地悪だし!」
「……く、ふふっ」
「あ!?いま笑った!なによなによ、人の夢を馬鹿にするなって大人に教わらなかったの!?」
自信満々に、胸を張って。どこかズレた夢を語るエイラに思わず笑いが溢れてしまった。だってまさか、自身に向けられる認識をそのように改めさせて見せようと思う人は少ないからだ。どうしてそう思ったかの意義に踏み込もうとは思わないが、それはそれとして。
「いや、だって……エイラはんのこと、俺は傍若無人なお人やとは思うとるけど、意地悪だなんて思ぅてへんよ?自分の悪口をこれ見よがしに呟いたやつにどんな形かは置いといて仕返しするんは、人として誰もが持つ当たり前やろ。アリウムさんから聞いたけど、あの後ちゃんと治してはるんやろ?」
「むっ……そりゃあ確かに?ある程度気が済んだら治してあげてるわよ。罪は償ったんだもの。けどそれはそれとして、私が邪悪なのは変わらないでしょ?」
「そうやね。それは変わらん。破天荒なあーぱーやね」
「むむ……邪悪ってこういうムーブじゃないの……?ってそうじゃなーい!あーぱーって日本語の意味がわからないと思った?知ってますー!誰が馬鹿ですって!?こう見えて、魔術の天才なんですけど!?」
「そら申し訳ないわぁ。なにせ、まだ修行中やさかい」
「なっ……ふん、いいじゃない。レオの修得した魔術のこと教えなさいよ。そこまでいうならじゃあ天才としてアナタの師匠とは違う忌憚なきアナタへの意見を述べてあげるから!」「あー……へぇ……特にこれといった魔術系統はなし、呪術と強化をベースに基本的なものを基本的な感じに……あとは礼装の使用ってこと?………普通も普通。歴史200年以下ってところかな?」
「……師匠の教えをいまいちよく飲み込めてへん自分がいます……」
容赦のない一言。天才とそうでないものとの差はかくも悲しきものである。悪意なし世間知らずのお嬢様の強烈なバットの一撃が少年のハートをそれなりに芯に捉えたのである。師匠の教えを乞うと決めた以上、自身の修得度合いがそうでもそうそう凹みはしないがそれはそれとしてはっきりとした一言は少し刺さる。
「でも、それも仕方ないと思うわよ?そのキャスリーンさんのお話聞いてて、あとその礼装見てて思ったもの。………ああ、見てるチャンネルが違うんだなぁって」
「チャンネル……?それはその、よくフィクションである天才特有のなぜこれができないのかわからない、みたいな?」
「それもあるけど、問題はそこじゃないわ。だってそれ、その天才が“どうしてその結論に至ったのか”を明確に言葉や文にして示せば他人もそれを見聞きして、考察して、理解できるでしょ?実行はできないし、思いつきもしないけど、その理由がわかることはできる。
今回の明確に異なるところはソレ。結論に至るまでの過程が、どれだけ細かくわかりやすくキャスリーンさんが文章化しても現代の人間のほとんどには理解不能ということなのよ。見ている次元が違う、と言えばいいのかな」例えるなら、神代魔術師と現代魔術師だ。彼らは魔術の行使において見ている次元が違うし、そもそも神代の魔術は神々の専売特許。対して神代以降の魔術は魔術王ソロモンの手によってもたらされた魔術回路を用いた神の介在しない奇跡。これが西洋における魔術の違い。だからこそ、神代魔術師にどれほど手解きを受けても現代の人間が神代魔術を発動することは困難なのである。
「でもそれって、現代の人間でもたまにいるのよ。同じように視えているところが違うの。例えばそれは1800年の大望が叶ったものかもしれないし、干物少女になった全能かもしれない。色々ではあるけど、普通の人にも普通じゃない人にもわからない視点を持つ人は、いるの。覚えがない?」
「そういえば……お師さんの顧客の人が……」
普通の人は1+1は2であると答える。これを錬金術における宝石精製の術式であると考えると、西行女史はプリン+かぼちゃ=2といった理解不能の術式で高純度の宝石を精製する。あれは多分、自分には生涯かけても解き明かせない術式の組み上げ方だ。
そう、言っていたのを覚えている。顧客の方が師匠に向ける目が尊敬に溢れていたから、まだ色々と知らない自分はそこに悪感情も良い感情も抱かなかったが、いや少しなぜか誇らしい気持ちにもなったが、今思い返せばその魔術式とやらがそういうことなのだろう。
「………勘違いしないでね。私はアナタの師匠に敬意を表しているし、アナタのこともすごいと思ってるわ」
「え?お師さんだけじゃなくて俺も?」「そう、アナタも。だってこれ……普通の魔術師ならお手上げだもの。師匠が見ている視点が違う。これはわかるわ、それだけ力量が離れているのだものね。
でもね、追いつこうと思っても師の背中がいつまでも見えないっていうのはね、大抵の人は折れるの。
その道を生まれながらに志す人は殊更。生まれながらに届かないと知っていても志すのが魔術師だけど、それはそこに一歩でも近づいてみせるという意志ありきだもの。少しも追いつけないならついていけないと踵を返すかわけがわからないと特定の道の探求を放棄するだけ。
実際、アナタはわからないことだらけなのにそれでも師の教えを熱心に取り込もうとしてる。それって、とてもすごいことよ。全く基本も知らない異国の言葉で複雑に書かれた専門外の論文を読み解くようなもの。
……ちょっと羨ましい。アナタたち二人の関係はとても稀有な縁なんだもの」
どうやればいいかわからないことを頑張って理解できるように全身全霊で修練に挑む零央と、どう教えればいいかわからないことを頑張って教授できるように考え修行を始める西行。どちらも芯がなければできないことだ。相手を自分にとって大したことないものだと思っているなら叶わないものだ。だから、羨ましい。そのような師弟関係は、良いものだ。
「………エイラはんには、師匠はおらんの?」
「ええ、いないわ。私、そもそもがアナタの師匠のように見ているチャンネルが違うタイプだったから。呪いの類においてはそういうものだと思ってるわ」「魔女……お母さんから魔術を教えてもらったんじゃなくて?」
「自分の大事なお人形とおままごとをする感覚で過去の栄光としての黒魔術を見せつけられることを、教えてもらうと解釈したらそうなるのかも。けど、やっぱり教えてもらってはないかな。そんなの見なくても理解できるものだし」
「…………」
「そんなお通夜みたいな空気になられても困る!私は少なくともあの人に情を抱くようなことはしてもらってなかったし、かといって危害を加えられることもなかった。だから悪感情のひとつもない。ソレで終わりよ。いい?」
他の誰でもない本人がそう言うのだから、そこに余人が何を挟み込めるわけもない。だからこそ、首を縦にぶんぶんと振るしかないわけだ。
「ともかく。今は私じゃなくてアナタたちの話を──────なに?」
エイラが目を向けた先の何もない空白。そこに何があるのかもわからないただの空間を一瞥する。ただ、それだけで、まるで壁紙のように何もないものが剥がれ落ち、執事服に身を包んだ男とラフにジャケットを羽織った男が現れる。「エイラ・ミュリック様。クリミルア様毒殺の容疑によりご同行願います」
「クリミルア?ああ……主催者だっけ。なんで私なのよ。別に、そんなやつを殺してあげる理由なんてないんだけど?」
「毒物が検知されました。非常に高度な魔術式と化学で精製された毒ですので、まずは会場内の疑わしい方には話を聞く運びとなったのです」
「……私がやったって言いたいの?私が雨の魔女で現代科学にも精通してるから?」
「疑わしいだけです。貴女だけではありません」
「不敬。不遜。冗談じゃないわよ。というか……そんなやつ、毒に頼らなくても魔力痕の一つも残さずに呪い殺してやれるっての!」
「ちょ、ちょっとストップです!あの、俺ずっとエイラはんとお話ししてたんで、参考人になりますよ!?死亡推定時刻とか、他にも色々あるでしょ?」
まさかの売り言葉に買い言葉だ。やはり、というか……目の前の少女はどことなく抜けているところがあるというか、世間知らずというか。割とあーぱーなように見える。今のまま進んでいたら誤解はさらに大きな疑念を招いただろう。自分には簡単にその男を殺してしまえる方法がある、だなんて。「むっ……私、レオに証言してもらえなくても無実ぐらい証明できるわよ」
「どこをどう見て言うてんねや!今の見せられてそないな言葉信じられると思ってるん!?」
「なっ─────そんな馬鹿にしたみたいな言い方して!私のことなんだと思ってるのよ!」
「おてんばな世間知らず。どっからどう見てもそんなご令嬢やって!」
「も─────もう知らない!魔女にそんなこと言ってどうなっても知らないんだからね!」
「こんなんで怒るなんてなんや、イギリスの魔女はんは随分と行動力があるんやねぇ?」
ちょっと、自分でもよくわからないけれど。なぜか目の前の少女と激しく言い合いをしてしまう。嫌いなわけではないし馬鹿だなんだと呆れ果てているわけでもない。しかし、どこか彼女が危なっかしく見えて仕方がないので必然的に言葉の交わし合いもまるで子供の言い争いのようだ。こんな言い争いをしたことはしばらくなかったのに。
「あの……ご同行願えますか」
「「行ってやるわよ!!/行ったるわ!!」」【氏名】エイラ・ミュリック【性別】女性【年齢】18歳
【出身】イギリス【身長・体重】169cm・61kg
【肌色】白【髪色】黒【瞳色】青
【外見・容姿】黒髪ゆるふわロングの美少女。脚が長い、ウエストは締まっている、ちょうど良い筋肉もあるといったモデルのようなプロポーション
稀代の黒魔術や呪術の天才。こと呪いにかけては異常なまでに優秀すぎる。イギリスの魔女、第一魔法からわかたれた雨の魔女と謳われた女/廃棄物の娘。
………世間知らずなところがある。売り言葉に買い言葉。割と猪突猛進なところがあり、興味があったり怒ったことがあったらすぐに真っ直ぐ突進してくるタイプ
現段階の情報はここまで。感想お待ちしてますイヴァン雷帝の図書館について調べてるけどほんと何も出てこないな…だからこその伝説か…
>>221
気配感知に可能性の光…精神異常無効…超巨大特攻…キャラ以外でも属性てんこ盛りな女傑さんだ…
あと、こういうと何ですが、一刀斎はまだ至っていませんので、その…はい…
>>230
アーサー王…アーサー王は本当にいろんな人を狂わせるなぁ…円卓、重いなぁ…
>>249
>>305
完結おめでとうございます!そしてルナちゃんの冒険への第一歩がとても晴れやかしい!
ルナちゃんという魔術師、人間の骨子を知るのに良い一話でしたね。連綿と続いて行っていたものが、何にも看取られることなく失われる…というのは、魔術に限らず文芸の世界でも通ずる悲しい事態。それだけに、ルナちゃんの情熱と感情が伝わってきました。
あとすっごくどうでも良いことですけどルナちゃんって故郷のランプ似合いそうですよねって
>>384
台詞が感情的非感情的関わらず本来あるべき符号(!や?)がないのが、フーシェさんにとってその頃の記憶がどれだけ無彩色のものであったのかが知れますね…白亜にも博愛にも程遠き鈍色の世界…>>391
ギルガメッシュのお父様ー!?
さすが彼の金ピカ王の先代…安定感のある強さだ…ここのえさんのキャラは皆そうだけど、敵に回したくない…
>>426
まさかオベロンも、自分の生みの親(仮)がプリテンダーだとは思わなかっただろうなぁ…
Apoで最後に「主役になりたかったなぁ!」って言って消えてった本家シェイクスピアとは正反対を行くタイプって感じ。主役を夢みながらも物語を綴った作家のシェイクスピアと、そんな作家の皮を被る演者のシェイクシャフト…
>>433
やはり、ルーン、ルーンは便利…!()
と言っても切り札とか便利なものは却ってどこで切り出すべきか悩ましいものですよね。ラストエリクサー…
>>454
三人のわちゃわちゃ感は鬼でヤバい奴らだとしても見ていてほっこりしますね。人数構成的にも、プリキュアの三幹部みたい
>>553
100人のバトルロワイヤル…彼もいたのかな、彼女もいたのかな、なんて想像してしまいますね…楽しい設定だ…
未だに不透明ながらもただのバトルジャンキーというわけではなさそうな黒幕と言い、気になる点が増えていく…義仲の英霊伝承を執筆中。
新八のと比べると結構短めになりそう&途中から完全創作になりそう(死>>574
血腥い、頼光たちに討伐対象にされても仕方ない奴らだけど、読者視点では楽しく見れるところもあるようにしたかったです。プリキュアは全然知りませんが、敵役の幹部ポジションというの当たっているかもしれませんね。田村麻呂からしたらそうでしょうとも。せっかくなのでしまいっぱなしになってた寄り道設定もどーん
『テオドリック・ドールトン』
元時計塔所属の魔術師。動物科、創造科に在籍。
人間も怪物も同列の"肉"と見る価値観の持ち主。肉に特化した錬成術を操る『肉の奇術師』と呼ばれていた。
人狼に限らず肉のある生き物であれば大体なんでも作れた。逆に動物的な肉がないと認識した生き物は作れない例えば虫とか植物とか。死肉はグレーゾーンな扱いであんまり好きではない。新鮮な生肉最高!
動物科が法政科の傀儡扱いの現状を変えるため時計塔から離反、下水道に潜伏する。
人狼の兵隊を揃えて時計塔に攻め込むつもりでいたが、肝心の人狼に思うような結果が出ず時間だけが過ぎていった。
あんまり長くこもりすぎていたので本来の目的を忘れて人狼を作ることだけに熱中するようになる。
その後とくに変わったこともなく寿命で死亡。
人狼たちはご主人様の制御から外れて好き勝手行動する。が、ご主人様から離れすぎた個体ほど魔力切れで力尽きた。時計塔で見つかった人狼がこいつら。
ちなみに魔術刻印は下水道に潜伏する直前で次代に移植した。移植された人物とはそれ以降会っていない。行き先も時計塔を抜けてフランスを越えた先へ向かったとしか知らない。テオドリックにとってはどうでもいいとも言う。>>580
『白い人狼』
最期まで主さまを待ち続けたおりこうさんな人狼。名前すら与えられなかった悲しきモンスター。メスであり、白髪のおばあちゃんである。
テオドリック・ドールトンが人狼軍団の指揮官として働けるよう特別に作った。制作に注ぎ込んだ時間は二年半、注ぎ込んだリソースは十年以上使える触媒相応。一魔術師からすると大変なコストがかかってる傑作。
主さまが大好きで主さまがいればそれだけでいいなんて本気で思っちゃってたワンコ。主さまが下水道から一歩でも出ようと思えばよかったのに。
肉体スペックは当然高く知能もまた優秀、めっちゃ優秀。地頭は主さまよりよかったと思われる。スペックに見合った教育ができなかった主さまは色々ダメダメ。
時計塔も主さまが言ってた言葉、憎んでた敵くらいの認識。白い人狼個人は時計塔に思うところはあんまりない。でも『時計塔の魔術師』を倒せば主さまにほめてもらえると思ったので全力でルナに襲い掛かった。
ルナ&ジルと戦った時は肉体的にはかなり衰えていた。全盛期であれば最初の攻撃でルナが道場行きだったことは間違いない。
結局のところ最期の瞬間まで主さまの顔を見ることもできなかったが、それでも特に絶望することなく逝った。そんな最期を忘れられなくなった魔術師がいたりするのだが、まぁこれは別のお話。後のお話。
うぬぅ…行数縛りめ…あとエイラ出したんで現段階で出せるあとの二人のプロフィールもペタリ
【氏名】ナハシュ・アルグル【性別】女性【年齢】16歳
【出身】ギリシャ【身長・体重】178cm・61kg
【肌色】白【髪色】赤【瞳色】茶
【外見・容姿】使用人としての服に身を包んだ非常に高身長のミディアムヘアの少女。力も強く、本作における主人公格である大我と零央程度なら軽くお姫さま抱っこができる
非常に自身の職務に忠実だが、忠実すぎるあまりたまにドジをしでかしてしまう少し鈍臭い系女子。なお本職は使用人としてのそれではないので、家事は少し不慣れ。非常に卓越した魔術を扱う、棒術が得意など、本職は命のやりとりである
【氏名】ニコラ・薄霧【性別】男性【年齢】少なくとも1000年単位は存在
【出身】片田舎【身長・体重】151cm・45kg
【肌色】白/茶【髪色】銀(能力発動時)/青【瞳色】金(魅了使用時)/赤
【外見・容姿】ふわふわのコートに身を包んだ雪国の様相や半袖半ズボンの南国の様相も見せつける美少年
高位の死徒。ここ数百年に渡り大人しいが、教会が効率的な死徒征伐方法を生み出す以前には大きな被害を出したこともある。人類肯定派を名乗っており、ただ一つの信条を掲げながらオークションを開き続けている>>583
うn、こと魔術と世界法則に関しては「共感覚持ちがキャンバスにびっしり数字書き連ねて『きれいでしょ』って言ってる」みたいな理論しか組み立てられないタイプの感覚のズレがある生き物だからそれでだいたいあってる
多分使ってるOSが違うからこっち側の端末で再生しようとすると文字化けして全部ポムポムプリンになっちゃうんやな>>587
自分がふと思い付いたばっかりに……(邪悪な含み笑い)プルフラス(ハロウィン)「ところで……10月といえば、ハロウィンだな!!!」
こいつが一番元気になる時期がやってまいりました(なお公式の阿鼻叫喚具合)【業務報告】
中納言さんへ
レッドア・モンティラードさんの契約サーヴァントことアルス・ペンドラゴンに僕っ子設定が生えました
ジョーンより
【業務報告終わり】>>599
私は全然アリ!だと思いますよ。キャラに合っていれば深夜にこっそりフリーサーヴァントを、
「フィロメラ&プロクネ」
二人一組型アヴェンジャー。キルケーのように鳥の翼を身につけた美人姉妹。
プロクネは姉でトラキアという国の王テレウスの妻。フィロメラは妹で未婚の美女だったが、欲情したテレウスに突然凌辱される。 「このことは誰にも言うな」と脅されたフィロメラは恐れず逆らい彼を責め立てるも、逆ギレしたテレウスは彼女の舌を切りとって森に放置(監禁)した。
しかし、口がきけなくなったが優れた機織りの技術を持っていたので、タペストリーにこの悪行を織り込み姉に届ける。
全てを知ったプロクネは激怒し、復讐として自身が産んだテレウスの子を殺めて調理し、彼に食べさせた。
食事が終わった時、プロクネは赤子の首を見せつけられ王は怒り、姉妹を殺そうとするも事を見ていた神々は彼女らを鳥に変えて逃した。
フィロメラはツバメに、プロクネはサヨナキドリとなって殺めてしまった子を想い、囀ずるのだという。>>611
長身スレンダーな妹と対して小柄だが豊満な姉コンビ。武器は魔力が込められた糸と肉切り包丁。
二人とも男性不信だが、多分姉の方が闇深案件エッダって難しい。詩的で抽象的な表現だから、そのまま意味を解読するのって結構難題なのではないのかと思ってしまいます。
>>619
分った完成まっとく。サーヴァントの属性は決めるのが難しいんですよね。厩戸皇子とか倭建命とかロビン・フッドとか、今の属性があっているのか?とかあとになって気になることは多いです。上三人なら混沌・中庸でも合ってそうですし。
趙雲「一心是胆……俺は一心是胆…」
許褚「アイツ何してんだ…?」
周瑜「カルデアで流行ってるデンジャラスビーストとかいう奴を見てからずっとあの調子で滝に打たれてる」
許褚「アイツアホだろ」
周瑜「お前には言われたくないだろうよ」
この後黄夫人等の女性にトリックオアトリートされてめちゃくちゃ凱角槍で逃げたしんきゃらできたかもしれん……
寝落ちしてなければ日付変更ごろにまたくるねまぁNPCだからそんなに作り込んではないんだけど貼るね
【名前】劉紫琳(本名かどうかは不明)
【性別】不明
【年齢】二十代
【身長・体重】182cm・61kg
【国籍・出身】台湾
【所属・役職】「тень」・一応平エージェント
【趣味・特技】旅行(仕事も兼ねて)・部屋に入っても気づかれない
【好きなもの】特に思いつかない。大根餅とかだったかな?
【嫌いなもの】なんだっけ?
【起源】埋没
【容姿】基本的には「短めの黒髪で長身」。起伏のない体はさながら針金である。
【魔術属性】-
【魔術回路】質:E 量:E- 編成:異常(訓練を受けたプロフェッショナルでもない限り、認識が困難)
【魔術系統】概念強化(弱化)
【代数】初代
【魔術特性】埋没
【解説(魔術)】
自らの体から採取した体液、および体の一部を「使って」行う隠蔽術。原理上は起源弾と同じだが、こちらの場合弾にする必要はないため別の形で発展した。基本的には、本体に常時発生している「あ、いたんだ」状態を他の物に付与することに使う。
程度とどれほど重点的に行うかにもよるが、粉末化してばら撒くことでその場で起こったことを認識困難にしたり「なんとなく記憶から抜け落ちた」状態にしたりできる。センサーや探知機などにも有効。
ただし、「埋もれてしまう」だけで「消えてしまう」わけではないため、そこにそれが存在していると確信した状態の人間が確実な手段で探せば「埋もれた」状態から再び引き摺り出すことは可能。>>635
【解説(人物)】
主に旧社会・共産主義圏及び極東を拠点に活動する隠蔽結社・通称「тень」のエージェント。
覇気や野心と呼べるものが一切感じられず、それどころか気配も限りなく存在しない。一見では男か女かすらわからない。視界から外れたら、もう顔すら思い出せないかもしれない。
見えないわけでもなく、記憶できないわけでもなく、ただ「なんとなく意識されない」反ミーム人間。
元は中流ちょい上ぐらいの家庭に生まれ育った普通に幸福な子供であり、部活のバスケットボールでは大きな大会にも出場経験のある実力者としてそれなりの立場にいた。
転機になったのは、休日に遊びに行った先で遭遇した史上最悪規模とも称されるとある事件。
刃物を手に至近距離を歩き回る凶悪犯から隠れるため極限まで息を潜めていた時に、ふと何かが弾けるような感覚がした。
救助に来た警官は現場を一通り見た結果、「生存者はいなかった」とした。━━━━「ここにいます」と声をかけられて、初めて気づいたように救護班を呼んだ。
けして長すぎはしない入院期間の後、戻ったクラスでは「あれ、そういえばいなかったね」と言われた。
何より、一番影響が出たのは本人の精神状態。何をやっても結果が出なくなったのである。
元来真面目で努力もできる性格であったはずなのに、何をやっても身が入らない。だらけて落ちて、さながら「埋もれるように」消えていく。
無視されているわけでもなく、精神が落ち込んでいるわけでもない。ただ、お互いに「まぁいいか」ぐらいに落ち着いてしまうだけだ。
そういうわけで当然の如く何をやってもうまくいかず、それでいて不満を感じることすらない生活の果てにスカウトされて「まぁいいか」と何となく入ったのが現在の職場である。
性質上大きなことをやってもそれほどの評価は受けず、そもそも性格上そういうことを行おうとも思わないため上の立場には行けないが、現場で動く者としてはこの上なく有能ではあるらしい。
なお、特徴のない体つきの方も件の事象以降段々と特徴がなくなっていったことによるもの。本人すら「確認すれば思い出せるけど、そうでないならどうでもいい」程度の意識になっている。>>636
飄々としているというべきかだらけ切っているというべきかは見る者によるが、一度任された仕事はきっちりと終わらせるタイプ。まぁ「並外れて不真面目」というのもまた埋没し得ない個性であると考えれば妥当ではあるが。
必要に応じてあちこちを動き回る必要のある生業には致命的な点として、言語全般が(主にやる気がないため)下手。ただ、本人曰く「どっちにせよ印象には残らないのだから上手かろうが下手だろうと同じこと」らしい。
【台詞】
「覚えてろと言われましてモ……次に会う時まで覚えてられるとは限りませんヨ?お互いニ」
「今の職場のいい所?……同僚付き合いをしなくてもいい所ですかネ」
「職務完遂っと。それでは今後もご贔屓ニ〜」
「媽(おかあさん)?……いや、別に。連絡してみただけ。…………いや、気にしてないよ。………元気ならいいや。それじゃ」>>623 >>633
俺は副反応特に無かったかなぁ、重いの。
今はなんか臍の下あたりに鈍痛が……。大丈夫かしら。
キャラの属性に関しては
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%9E%E6%80%A7_(%E3%83%80%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%82%BA%26%E3%83%89%E3%83%A9%E3%82%B4%E3%83%B3%E3%82%BA)
とかを参考にするようにはしてますね。>>630
では!
「僕はアーサー。ブリテンの王、アーサー。
君を守り、世界を守る―――ただ1人の、サーヴァントだ」
【出典】史実、『カンブリア年代記』、『ブリトン人の歴史』などの歴史書。
【CLASS】セイバー
【真名】アーサー・ウーゼルソン/Arthur Utherson
【異名・別名・表記揺れ】ウーゼルの子アルス、人王アーサー、アーサー・ペンドラゴン
【性別】女性
【身長・体重】154cm・42kg
【肌色】白【髪色】ジョンブリアン【瞳色】スペアミント
【外見・容姿】肩下まで伸びた金の髪をシニョンに結っている。龍の意匠が目を引くマントを羽織り、青い草摺の上から鎧を纏った少女騎士。
【地域】イギリス【年代】5世紀〜6世紀
【属性】中立・中庸
【天地人属性】人(星)
【その他属性】女性、王
【イメージボイス】花守ゆみりさん
【ステータス】筋力:A 耐久:C 敏捷:B 魔力:A 幸運:B 宝具:A>>640
【固有スキル】
無窮の武錬:A
ひとつの時代で無双を誇るまでに到達した武芸の手練。
心技体の完全な合一により、いかなる精神的制約の影響下にあっても十全の戦闘能力を発揮できる。
1人で300人を倒してもなおアルスには敵わない、アルスは900人以上1人で打ち破った、などと語られる武勇の具現。
可能性の光:EX
星の開拓者に似て非なるスキルにして、無辜の怪物によく似たスキル。
実際に自分が手掛けた偉業も、実際には関わりのない伝説も、すべてを一身に受け止めた偶像が英霊アルスであり、現界した彼女は「期待」と「可能性」の具現として振る舞う。
可能性の光、聖剣の如く。
彼女と出会った敵対者は、いずれ王権を示す星の輝きを見る事になるだろう。
自らの望む展開を引き出し、それを不可能なまま可能にする能力。
使用回数が重なるごとにその霊基は少しづつ「アーサー王」に侵食されていき、やがては「アーサー・ウーゼルソン」では無くなってしまう。侵食が進むに連れてアルスの記憶は薄れていき、使えば使うほどこれまで築いた信頼関係が無くなっていく。
人間観察:A
人々を観察し、理解する技術。ただ観察するだけでなく、名前も知らない人々の生活や好み、人生までを想定し、その人物が有益か否かを判断する解析力が重要とされる。
対立した赤い竜と白い竜の内、赤い竜の助力をしたことが由来でヴォーティガンを打ち破った逸話の具現。
この赤い竜と白い竜は比喩表現であり、実際には2つの氏族を指す言葉だった。赤の氏族をアルスが召し抱え、白の氏族をヴォーティガンが召抱えた結果、赤の氏族は白の氏族を打ち破ったという。
2つの氏族を比べて、相性のいい方を瞬時に見抜く審美・観察眼。>>641
【宝具】
『輝かぬべき勝利の剣』
ランク:A++ 種別:対城宝具 レンジ:1~99 最大補足:1000人
エクスカリバー・ガレフルディアン。
ジェフリー・オブ・モンマス著『ブリタニア列王史』以降に登場するアーサー・ペンドラゴンの剣。『列王史の伝導者(ガレフルディアン・モンマス)』以降に語られた聖なる剣。
光の剣。人造による武器ではなく、星に鍛えられた神造兵装。
聖剣というカテゴリーの中では頂点に立つ宝具である。人々の“こうであってほしい”という想念が地上に蓄えられ、星の内部で結晶・精製された“最強の幻想(ラスト・ファンタズム)”
真名解放によって所有者の魔力を光に変換し、収束・加速された光を剣先から放出することで万物を焼き払う。
召喚当初から保有している宝具ではあるが、真名解放は不可能。真名を解放するには、可能性の光の多重乱用―――すなわち、彼女がアーサー王になることが必要不可欠である。
加えて、アーサー王になっても霊基自体は彼女自身のものであり、その霊基は聖剣の真名解放に耐えるだけの力を持ち得ない。
そのため、真名解放によってアルスの霊基は消滅してしまう。
使用は聖杯戦争を通して一度きり、文字通りの切り札である。令呪使用によって限定的に使用することは可能だが、一度使う事にアルスの霊基の1/3がアーサー・ペンドラゴンになっていく。
『十二の栄誉』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1人
グローリー・ペンドラゴン。
生前に駆けた十二の戦場を具現化した、祝福であり呪い。奇しくも、遥か遠き海洋を超えた地に伝わる、人類史きっての大英雄と酷似した名を冠す宝具。ランクD以下の攻撃をシャットアウトし現界中致命傷を負っても11回まで代替生命で蘇生する事が可能。地脈ではなく水脈に眠るブリテンの赤き竜から授かったとされる加護。一度受けた殺.害方法にある程度の耐性を身につけて二度と殺.せなくなる。なお耐性獲得は傷が治った時点で完了するらしく、死.ぬ必要はないという。
ただし、水棲の竜による加護が由来であるため、稲妻、あるいは竜殺.しの属性を持つ攻撃はランクを問わず通用する。加えて耐性などもつかないため、人の叡智によって雷霆を天から引きずり下ろした科学者、竜を打倒した逸話が多いゲルマンの戦士や主の御使いたる聖人は天敵中の天敵である。>>642
【解説】
騎士王アーサー・ペンドラゴン、その原型となったブリトンの王。
ローマ兵アルトリウスでもなく、
竜王アンブロシウス・アウレリアヌスでもなく、
簒奪帝マグヌス・マクシムスでもなく、
当然騎士王アーサー・ペンドラゴンでもない。
人として、人のまま、多くの人を導いたもう一人のアーサー王。
人のためのアーサー、人王アーサー・ペンドラゴン。
イギリスに今なお語り継がれるアーサー王伝説、赤き竜の血を引き、魔法の剣を振るい、今も理想郷で眠り続ける騎士王……とは異なった、かつて確かに存在した、ケルト人の君主。
「アーサー王伝説は物語かもしれない」
「それでも、アーサー王は確かに実在する」
そんな人々の憧憬と幻想によってサーヴァントとして昇華された王。
理想郷とは縁もゆかりも無く、本来ならば聖剣を振るうことすらない。
『ブリタニア列王史』以前、アーサー王伝説と呼ばれる物語が産まれる前のイギリスで語られていた君主の1人、それがアーサー・ウーゼルソンその人である。
余談だが、勝利の女王ブーディカや魔槍の女王スカサハ、勇士の女王メイヴを筆頭に、当時のブリテンやケルトには女性の王は珍しくなかった。
アーサーもそのうちの1人、当時当たり前のように存在していた女王の1人である。
本来はアルスル、またはアルスという名前が正しかったが、男性の王として語られるうちに名前の表記が歪められたというのが真相である。
その男性らしい響きを彼女自身は気に入っており、今では自分でも名乗っている。>>643
【人物像】
勇敢で高潔。古よりブリテンに伝わる騎士道を体現する誇り高いな戦乙女。
一人称が「僕」ないわゆる僕っ子。これは幼い頃から王として育てられたことに起因し、成長するまで自身の性別を女性として認識していなかったことが由来である。
戦場に置いては騎士らしい騎士。武人と言っても過言ではない勇猛な女性……が、普段はゆるい空気を纏うおっとりとしたお姉さん。
柔らかな口調はどこか余裕を感じるものであり、事実として王としての余裕から来るもの。後世に置いて騎士の中の騎士、王の中の王と称えられていることが自身になっている。
マスターに対しては当然騎士として振る舞う。多少性格に難があろうとも秩序を乱す外道の類でも無ければ裏切ることはない……ただし、ブリテンを、ひいてはイギリスを侮辱するものに対しては容赦しない。メシマズ煽りとかもってのほかである。
王でありながら騎士である英霊(モノ)。その本質は少女と部分にある。後述の趣味を見てわかる通り本来は極めて素朴で牧歌的な少女。本来であれば剣を持つことも命を奪うことも忌避して然るべき感性を持っている。
王としての責務、王になるべく育ててきた人々の期待に応えるべく、柔らかな心を鋼鉄の信念で武装した鋼の乙女。
特技:治世、指揮、教導……楽器の演奏
趣味:料理、花摘み、動物とたわむれること、楽器を演奏すること
好きなもの:
嫌いなもの:
天敵:ニコラ・テスラ、フランケンシュタイン、ジークフリート、シグルド
願い:無し。民の信仰によって英霊となったのならば、民のために剣を振るうのみ。>>644
【一人称】僕
【二人称】貴方
【三人称】彼、彼女
【セリフ例】
「へえ。あの子がもう一人のメドラウドか……え? 彼女が僕の子供ということになってる? そっかあ。まさか、2人目の子供が出来るなんてねえ。この場合、アニルはお姉ちゃんになるのかな?」モードレッドに対して
「あの優しそうなお兄さんがエムリス? ずるいなあ、あの私……いやほら、私の知ってるエムリスは、彼よりもずっと子供だったからさ」マーリンに対して
「ああ、懐かしい顔ぶれだ。誉れ高き円卓の騎士。サー・ガヴェンナ、サー・ベドウィル。こういった形でも、また会えて嬉しいよ」ベディヴィエール、ガウェインに対して
「ガレス、ランスロット、トリスタン……僕には縁が無かったけど、いい騎士達だ」ガレス、ランスロット、トリスタンに対して
「お会い出来て光栄です。輝く額のタリエシン。貴方がいたから、僕はここに存在出来ている」タリエシンに対して>>645
【関連人物】
■メドラウド
またの名はモードレッド。アーサー王伝説においては反逆の騎士として悪名高い円卓の一員。
クネッダ王に仕える騎士であり、老い先短い自身の主を玉座に座らせるべく、決闘という手段を以て現在の王であるアルスを打ち破った。
彼が王に剣を向けたのは間違いないが、その叛逆はクネッダ王への忠義が成せる行為だった。
■クネッダ・メルグィン
ウェールズの王。アルス亡き後に王となった男。
アルス・ペンドラゴンの夫であり、アニル・ペンドラゴン、コンスタンティン3世の父である。
男性ではあるが、その名前やアーサー王と結ばれたという逸話から現在のグィネヴィアのモデルとされる。
■アニル・アルスソン
アーサー・ウーゼルソンの娘。次期ブリテン王。
母(アルス)は彼女を娘として認めていたが、その想いが娘(アニル)に届くことはなく。
「母の後を継ぎたい」「母に娘として認められたい」―――この二つの欲を以て、少女は邪竜へとその身を変えた。
竜になったのは型月解釈だが、アニルという子がいて、その子をアルスが殺したのは文献通りである。
ちなみにモードレッドという名前を持ち、カムランの戦いでアーサーと戦った兵士もいる。
「アーサー王伝説のモードレッド」はメドラウド(史実のモードレッド)とアニルの逸話を融合したものと思われる。>>646
■ベドウィル・ベドリバント
アーサー・ウーゼルソンに仕える忠臣の1人。恐るべき膂力のベディヴィアという異名を持ち、槍の一突きは他の者の九突きに匹敵すると言われていた。
この逸話だけで言えば人類史においてもトップクラスに思えるが、直属の上司が一晩で900人以上打ち倒すモンスターなのでこの位置に収まっている。
■ガヴェンナ
アーサー・ウーゼルソンに仕える忠臣の1人。古き太陽神を始祖に持つ女性騎士。
元はケルトの生まれであり、彼女の血を遡ると太陽神ルーにたどり着くという。
■エムリス
後にマーリンとして伝えられる少年。赤き竜と白き竜の争いを止める際に助言を行った。まるで未来を見ているかのような助言を行った以外は普通の少年……ええ。少年、少年である。大事なことなので2回言いました。
【製作者】ジョーン>>648
(私は外見のイメージ画像を貼り忘れましたと書かれた看板を首から下げて正座している)>>653
以前のバージョンだと人物像は空欄だったのでこれで完成になります
ユニークスキルか……ちょっと考えてみますねフーシェの幕間後半で来たので貼ってもよか!?
よかなのでやかん!
今でもはっきりと思い出せる。喧騒の中で己が未来を決断したあの時の事を。
ルイ16世を処刑するか否か、これまでフランスを統治してきた王を蹴落とすだけだなくその首を地に落とすか。
当初私は処刑に反対していた。それが自分の中では正しいと思ったからだ。けれどすぐに処刑派が圧倒的割合を占めると気付いた。
私は恐ろしかった。反対すれば自分は少数派と認識され、どうなるわかったものではない。マイノリティに待ち受ける末路など見るに堪えない。
嫌だ、死にたくない。あの狂騒の中に落とされるのは絶対に嫌だ。
「死刑を」
口をついて出たのは昨日までとは異なる言葉だった。全ての始まり、誰も彼もを欺き裏切る、醜い男が生まれた日だ。>>661
「夢が覚める条件は何だと思いますか?夢だと理解した瞬間がそれでないかと言われますが、私も貴方も夢だと認識しているのに一向にこの世界は終わりの兆しがない」
血で真っ赤に染まった丘をフーシェと共に歩く。先程から血の匂いがそこらじゅうに漂っていると言うのに、当事者であるはずの彼は表情ひとつ変えない。
「流石死地を潜り抜けてきただけあって死臭には慣れているようですね。では探索を続けましょう。恐らくこの夢は何かしら条件を満たさなければ覚めないようです」
声の裏側ではまだ銃声と悲鳴が聞こえる。ずっと聴いていると精神が異常をきたしそうだ。
よく平気だね、と思わず漏らす。フーシェは視線をこちらに向け、
「簡単です。頭の中に機械の回路があると考えてください。喜怒哀楽とか、感情の類を管理する部分があります。それを、プチっとオフにするんです。今のはマスターの時代に合わせたたとえですが、つまりは良心というものをせき止めてしまえば良いのです」
心に覆いをかければ良い。臭いものには蓋をすれば良い。見たくないものは見なかった事にすれば良い。つまりはそういいたいのだ。
───フーシェはどうしてあんなに人を殺したの?
「仕事だったからです。命じられたから、それを遂行したに過ぎません。更に言えばあれくらい派手にやった方が私の敵に恐ろしい男と言う印象を植え付けられます」
>>662
仕事だから。それはどれほどの魔性が籠もった言葉か。
仕事だからころす。仕事だから虐げる。仕事だから、仕事だから……
「仕事なら、友人をころせるのか?」
ギロチンの音が聞こえた。
フーシェの足下に転がったマクシミリアン・ロベスピエールの生首は生真面目そうに口をきゅっと結んでいる。
「仕事なら、心の底で憧れていた人をころせるの?」
ギロチンの音が聞こえた。
フーシェの足下に転がったマリー・アントワネットの生首は死体にも関わらず楽しげに微笑んでいる。
「仕事なら」
「たとえマスターでも」
『ころす?』
いつの間にか銃声が止んでいた。いや、そうではない。時間が、世界がその動きを止めている。一秒が何十秒、何分、何時間も引き延ばされていく。
フーシェはゆっくりと振り返る。いつもと変わらない能面の如き顔には何の揺らぎも存在しない。>>663
これまで彼には何度も助けられた。特異点で敵陣に潜入する際にはいつも宝具を使用し情報を集めたし、身分を偽る際にもその弁舌でかいくぐってきた。
それがもしも、ジョゼフ・フーシェという男の被る仮面であるならば……もしも、カルデアに味方する事が彼にとってさほど有利でないと判断されたならば……。
「……ええ、殺しますよ。仕事ですから」
フーシェの手にはいつの間にかピストルが握られている。
銃口が持ち上げられる。男には何の感情もない。
「けれどそれは今ではない。失せろ亡霊が」
引き金が絞られるその瞬間、フーシェは踵を返して虚無を撃ち抜いた。ガラスが砕ける様な音と共に世界が瞬く間に変貌していく。灰色にくすむ世界が、その端から形を失い崩れていく。夢の終わりだ。
「今はまだ、この人間は前に進める。どれだけ打ちのめされようが、どれだけ傷つこうがそれでも立ち上がって進む。すると不思議な事に英霊はついていく。■■■■という人間が進める内は、私のやるべき事は変わらない。だから失せろ亡霊、みっともない姿を見せるな。私の、『俺』の道を阻むな……!」
初めてフーシェという男の自我が漏れた、そんな気がする。何処からともなく聞こえる悲鳴に背を向け、彼は再び向き直る。>>664
「私の夢なのですから、原因もまた私自身です。今のは、そうですね……私の感情とでも言うべきでしょうか。たまに抑えられない事があるもので」
――――いつか、自分を裏切る?
「先程言った様にそれは貴方が前に進む限りありません。進み続ければよろしい。喜びを絶やさず、怒りを忘れず、哀しみを隠さず、楽しみを抱き続ければ良い。全て、全て俺が置いてきたものだからな」
視界がぼやけ始める。全てを裏切り続けた男の口元に、笑みが浮かんでいる気がする。
「ではおやすみなさい。そしておはようございます、我が主」おはようございます!
なぜか今日はバレンタインな気がしてなりませんわ!>>668
おはようございます!毎日が!何かしらの日!
つまりバレンタインでもあり縁日でもありハロウィンでもありクリスマスでもある!
ハロウィン……うっあたまが>>670
わぁ、初めまして~>>670
おやま、ご新規さん
いらっしゃいませ一応訂正しとくとここは講評会スレではない(念押し)
二次創作をシェアワールドしてSSを書く前提でそれに出すキャラをあらかじめ提出しているのだが、何も反応がないとお互いなんかかわいそうだからその辺のやりとりが恒例化しているだけである>>670
おやご新規さんで?
他の方もおっしゃってますが、僕鯖スレとは関係ないスレですよ
こっちのスレで投下してる人が僕鯖の方でも投下してたりするんでややこしいですが、基本的にここのスレはあくまでここのスレで執筆・企画されてるSS用に動かす鱒鯖を考案する為のものです寝る前にスヴィプダーグの改修版を……。
【CLASS】キャスター
【真名】スヴィプダーグ/Svipdagr
【性別】男性
【身長・体重】177cm・67kg
【属性】中立・中庸
【ステータス】筋力C 耐久C 敏捷B 魔力A+ 幸運A++ 宝具EX
【保有スキル】
陣地作成:A+
魔術師として自ら有利な陣地である「工房」を作り上げる能力。Aランクともなると「工房」を上回る「神殿」が作成可能。時間をかければ炎の牆壁であるガストロープニルの砦を完全とまではいかないが再現可能で、陣地である同時に強大な結界として機能する。
道具作成:A
魔力を帯びた器具を作成する。“九つの薬草の呪文”を基盤としたあらゆる状態異常に対応し、呪い・魔性等の類を打ち祓う霊薬を作成する事ができる。>>678
女神の寵愛:A
北欧の女神であり、妻であるメングロズから寵愛を受けている。全てのステータスをランクアップさせるに加え、治癒の権能によって自動回復能力が備わっている。
神格転生:B
人の身でありながら神々の列に加わったスヴィプダーグは、例外的に神核を有している。また、一説によればスキールニルとも同一視されており、高ランクの神性を保持している。
原初のルーン
北欧の魔術刻印であるルーンを所持している。ルーンと言えど、現代に使われるものではなく、神代に大神オーディンが見出した原初の18のルーン。大神の代行をしているので、サーヴァントとしては例外的に本来の出力を発揮する事ができる。また、指定した魂を呼び起こし、霊体的ではあるが簡易的な蘇生を可能としている。
千里眼:EX
スヴィプダーグは未来を見通し、神々へと予言する巫女(ヴォルヴァ)の子であり、最高位の魔術師の証たる「世界を見通す眼」を継承している。>>679
【宝具】
巫覡の呪文歌(グローガルドル)
・ランク:A
・種別:対人(自身)宝具
・レンジ:0
・最大捕捉:1人
予言の巫女の一人であるグローアが施した九つの苦難を斥ける呪文歌が由来。
神々が重宝し、未来を予見する巫女が呪いとして贈った強力な概念宝具。予め「これは避けられる」という因果の逆転のもと、該当するあらゆる災いはスヴィプダーグを傷つける事ができない。
第一の呪文は如何なる驚愕・脅威・恐怖に心を揺さぶられない加護であり、精神的干渉を無効化する。
第二の呪文は旅路に迷った時、ウルズの加護により誤った歩みを修正し、正規の道筋を齎す運命力の取得。
第三の呪文は死の回避。ヘルの訪れにスヴィプダーグは引き込まれる事はない。概念的な死の付与の無効化。
第四の呪文は敵対する相手の戦意を削ぎ落とす、または抑制して戦闘を起こさせない。しかし対象が精神汚染スキルを有している場合、効果が削減される。
第五の呪文はあらゆる束縛からの解放。令呪による強制や、物理的な拘束から脱する事ができる。また、出力を強めれば契約のパスさえも断ち切れる。
第六の呪文は海上にて人の常識を超える天災に見舞われたとしても、波風に曝されず航海を続ける事ができる。
第七の呪文は山岳に行き、肉を壊死させる程の冷気を当てられようとも、その肉体が外傷を負う事はない。副次作用として冷気に対して耐性を獲得しており、高所での冷気は完全無効化。
第八の呪文は暗所にて聖教の女による死の呪いはスヴィプダーグをおかす事はない。
第九の呪文は巨人と対峙した際に、その言の葉は叡智を纏う。よって、この加護はスヴィプダーグが「言葉」を発した時に発動し、あらゆる謎を解き明かす大いなる叡智を得る。しかしながら、与えられるのは「知識」ではなく「叡智」なので当人の知り得ない事は把握できないが、情報等を整理して推理することにより、その状況下における最適解を導き出す事ができる。>>680
黄昏が告ぐ終焉詩歌(ラグナロク)
・ランク:EX
・種別:対界宝具
・レンジ:1〜99
・最大捕捉:1000
北欧神話の終末の日が由来。
スヴィプダーグが「栄光の枝」と呼ぶ、身の丈程の杖から放たれる最大出力を指している。
九つの枝が束ねられた杖には、北欧神話における三つの階層から成る九界を表すルーンが刻まれており、その刻印から流れる魔力を集中させる事で宇宙規模のエネルギーを生み出し、極大な威力を誇る燃焼攻撃を放出する。
解放される九つの膨大なエネルギーは滅びの象徴である『火』に変換され、世界に対して放たれる。空間ごと焼き払う熱量は凡ゆる有象無象を灰すら残さず焼却せしめる。それは原初の火であり、終焉の火。世界を終わらせる為に“世界”が生み出した『神造兵装』。概念的なものであり、本来なら形を持たぬ産物なので、解説などの検定は不可能とされる。
原初の権能の一つであり、世界を破壊する特性状、空間に作用する事象においては圧倒できる対界宝具に分類される、宝具のカテゴリーでは頂点に位置するものの一つ。
地上で放てばその余波だけでマスターごと巻き込む危険性を含んでおり、空中では最大出力を放てるものの、膨大過ぎる魔力消費にマスターが耐えられない。
これ等とは別に『権能』による開放も存在するが、そちらは並行世界すら燃やしてしまうので、使用すれば抑止力によって処理される危険性がある。
元々は、レイルブリミルの手足────即ちユミルの四肢から作られたガストロープニルの砦を灯す「炎」を利用したもの。世界樹たるミーマメイズ(ユグドラシル)を燃やせる唯一の火を使用しているからこそ、英霊でありながらも権能を有している。
英雄王ギルガメッシュの語る「原初の地獄」とは別の「終末の地獄」。
【WEAPON】
栄光の枝
「ラクヌンガ」と呼ばれる古英語の写本に登場する、大神オーディンが使用した九つの枝を束ねて杖にしたもの。“九つの薬草の呪文”にて、ルーンを刻んだ九つの枝を用いて薬草を強化している。
ミーマメイズの枝から造られているともされ、レイルブルミルの放つ炎を内包している。>>681
【解説】
北欧神話の叙事詩「スヴィプダーグの歌」に登場する人物。ソルビャルトとグローアの子であり、北欧神話における最大の英雄。
「スヴィプダーグの歌」は第一部「グローアの呪文歌」と第二部「フョルヴィズの言葉」の二部作に分けられており、スヴィプダーグが運命の女性に出会う為の旅路が描かれている。
物語は継母の言いつけで運命の女性を探す旅に出るところから始まり、スヴィプダーグは旅路で災厄を斥ける呪文をかけてもらう為、母グローアの墳墓まで足を運び、降霊術を用いて蘇生を為して九つの呪文を施してもらう場面で終了する。
長い放浪を経てヨトゥンヘイムにあるガストロープニルに到達し、門番であるフョルヴィズとの問答で自らが女神メングロズの運命の伴侶である事を証明して見事に女神との邂逅を果たす。
そしてメングロズとの聖婚を誓い、これによって神々の列に加わったとされている。
『スヴィプダーグの歌』は北欧が滅びた際に一緒に焼け落ちているので、その伝承を詳しく知る者は非常に少ない。しかし、どの文献のおいても神話では珍しい幸せな最後で物語を終えた英雄である。>>682
【人物】
白と青い紋様があるローブを羽織る銀髪と青い瞳を持つ青年。北欧の出身であるが、父親譲りの褐色の肌をしている。
飄々とした言動をしており、性格も所々捉えどころがない。自身の価値観でのみ動き、善悪に囚われず、これといった事を決めたら最後までやり切る。
“好き“と“嫌い”ではなく、“好き”と“無関心”に別れるタイプで、気に入った相手には揶揄い混じりに接するが、無関心な相手にはとことん無の視線を送る。しかも、スヴィプダーグが気にいる相手も『その運命が如何にして面白いか』が基準となっているので、現代の価値観から見る“平凡”や“一般”という枠組みにはまったく興味を示さない。ただし、たとえ一般人だったとしても平凡の枠組みから外れ、異端に巻き込まれた場合なら興味が湧く事も。
趣味は謎解き、智恵の輪、推理要素が入っている小説やゲームなど。俗世に染まっているように見えるが実は……そんな感じ。
現代の教育には関心があり、彼方から得た智識と比較すれば浅はかであるとしても、元々の彼が生きていた神代と比較すると一般人が学ぶには高い水準であると認めている。とはいえ、勉学を人生としている人種は理解できないらしい。
聖杯戦争に参加した理由は「己が願望の為に奔走するマスター」という決して凡俗な運命を辿らない者たちを観賞する為であって、聖杯自体にまったく興味はない。しかし、面白い大劇場が見られると考えれば、聖杯を確実に取りに動こうとする。
因みに貧乳は邪道とは彼の弁。
【能力】
最高位の魔術師の証たる「世界を見通す眼」である千里眼を有しており、予言の巫女のように未来を見通す。
大神オーディンの権能たる原初のルーンを特例で使う事を許されており、魔術戦においてはトップクラスを誇る。加えて険しい神代で冒険した経験もあるので、魔術師でありながらも身体能力はさほど低くはない。
されどスヴィプダーグの真価は優れた知性にあり、言の葉を放てば叡智が溢れ出し、いかなる謎に対しても最適解を導き出せる。なので相対したサーヴァントの言動、姿、戦い方といった僅かな情報だけでも真名に辿り着くことが可能。>>683
【関連人物】
メングロズ
治癒の女神であり妻。ガストロープニルの中に聳える霊峰リフャベルグに建てられた「リル」と呼ばれる館に住んでいる。
ミーマメイズの枝に生る黄金の果実を使用して女性たちを助ける女神。九人の侍女がおり、私生活や身の回りの世話をやってもらっているとか。
グローア
母。巫女(ヴォルヴァ)の一人であり、治癒の魔女とも呼ばれる。
故人であったが、災厄を斥ける九つ呪文を必要としたスヴィプダーグに蘇生させられた。
夫であるソルビャルトの帰りをずっと待ち続けている。
ソルビャルト
父。「エルヴァンディルのつま先」とも呼ばれる天にて輝ける星。
雷神トールに助けてもらう際に天高く飛ばされた。星になった。
一説によれば北欧におけるオリオン座にあたるとの事。
フョルヴィズ
ガストロープニルの砦にて門番をしている巨人。スヴィプダーグと問答した。
実はその正体はオーディンであり、フョルヴィズという名前はオーディンの別名である事が「グリームニルの言葉」で確認できる。九人の侍女
メングロズの仕える侍女たち。
・フリヴ
妊婦、不妊の女性、出産、乳児など司る女神。
・フリヴズラサ
呼吸に関係するあらゆるものを司る女神。
・ヒョズヴァラ
肉体、骨、筋肉といった分野の療法を司る女神。
・ビョルト
体温に関係するものを司る女神。
・ブレイク
体内に巣食う病原菌の浄化、つまり白血球を司る女神。
・ブリズ
精神科医であり、精神を司る女神。
・フリズ
肉体を安定させる機構、肉体の異常検知を司る女神。
・アウルボダ
薬の調合、薬剤を司る女神。ギュミルの妻であり、豊穣の神フレイの妻であるゲルズの母親。
・エイル
外科医であり、手術を司る女神。ワルキューレのエイルと同一視される。>>666
>>674
『仕事である』と取り繕うことに精神的なストッパーを使うことがフーシェの人間味を感じました。あんまり他人との会話で本心を見せない人だと思っていたので自分との対話だと、こういうキャラクターでは掘り下げはやりやすいですね。
>>686
目立った変更点はスキルや宝具でしょうか?より適応力が増してフィンやクーフーリンみたいにだいたいのことは1人でこなせそうですね。知性的なキャラクターもホームズや孔明みたいな謎解き・分析担当も出来そう。
あとこれは必須ではないとは思いますが、千里眼は設定に織り込んであってもスキル欄には要らないかなと思いました。マーリンとかギルガメッシュがスキル欄に入れてなかったので設定上存在しても要れなくても良いのかなと。ここに「マスターの資金無限に吸うけどその分強くなる(というかお金ないと弱い)」みたいなサーヴァントいませんでしたっけ?wikiで前に見かけた覚えがあるのですが、名前がてんで思い出せず…
>>638
横入り失礼しました…
影とか存在感とか薄い人…諜報員とかに適任な人ですね。皆から忘れられていそうだけど、お母さんは覚えてるっぽい…?
>>648
良かとか言いながら反応遅れた…すみません…
原典の原点アーサー王は短髪僕っ子か…なるほどね…(?)メドラウドさんとかを見ると、伝承の隔年のうちの変遷が見られて面白いなとも思ったり…二人いたのか…
あと「ええ。少年、少年である。大事なことなので2回言いました。」は草。ジョーンさんはそういう好みなのね…
>>666
大望がために、目的がために動くカメレオン…といわれても、やはりフーシェさんも人なのですね…取り繕っているのもドロドロさに拍車をかけてらっしゃる…
願わくば、マスターが後ろからブスリとなりませんように…
>>686
なんだろう…凄い安定感だし、強いし、賢いし、もうサーヴァントとしてヤバいなってのはひしひしと伝わってくるのに、ギャグイベでボケ担当してる風景が脳内過ってる…なにゆえ…ハロウィンに侵されている…?>>670
おやぁ、ご新規様?いらっしゃいましー
まあ他の方が云々は言ってくださっているので今更言うのも野暮ですし、私認識ではここは「鯖鱒作るだけじゃ足りねえ!俺はこのキャラが動く様を描きてえんだ!」って人々の場ですよ、とだけ>>652
遅くとも年末にタリエシンをお借りすると思います
>>667
僕っ子いいよね……いい……
自分の納めた国の侮辱を許せる王の方が珍しいでしょうしねえ
>>688
ここ最近はお忙しそうなのでお気になさらず……
召喚時にセリフを気持ちプーサーに寄せようとして「僕っ子!僕っ子騎士王!これだ!」ってなりましたね……ウルフカットの僕っ子は健康にいい……
史実のメドラウドにも驚きましたけど、ギネヴィアのモデルが男性なのが一番びっくりしましたね……あとギネヴィアとモルガンって言うアーサー王伝説二大どうしようもない女が同一人物なのも……
ああ!大好きさ!でなければシェイクスピアをショタにするはずがないのであった……(セタンタ♡アプリの方に実装されて♡って書いてあるうちわを振りながら)一応場所は完結SSの短編の中にあります!
【復刻ライト版】残滓特異点『常夜学園謳歌 ソロモナリエ』
……みたいな感じで皆様もどうでしょうか?
ロゼちゃん&プルフラスくんと合法的に(?)絡めますよ!
マップの空きがまだまだいっぱいあるので是非是非……!
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/m/wiki/%E6%AE%8B%E6%BB%93%E7%89%B9%E7%95%B0%E7%82%B9%E3%80%8E%E5%B8%B8%E5%A4%9C%E5%AD%A6%E5%9C%92%E8%AC%B3%E6%AD%8C%E3%80%80%E3%82%BD%E3%83%AD%E3%83%A2%E3%83%8A%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%80%8F>>699
ジャン・ポール・ゲティ。でも”マスターの資金無限に吸うけどその分強くなる(というかお金ないと弱い)”って条件からはよく見たら外れるな。
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B2%E3%83%86%E3%82%A3そういや俺もチャラ男ーズしばらく書いてねえな…書くか
>>705
頑張って自分なりに翻訳して宝具の効果におさめました……意外にも情報量が多くて大変でした。褒めて。久しぶりに特異点ネタを投稿します。
シグトゥーナに帰還してギュルヴィに報告を済ませた後、各自割り当てられた部屋に戻った。
本来であれば休息を取るのが正解なのだが、フェリーペはどうしても寝付けず、風に当たろうと仮宿から出る。
するとそこには、同じように風に当たっていたヴェーグの姿があった。
「隣、座っていいかな?」
「……ああ」
そう言われてフェリーペは静かに隣へ座る。
「……なあ、ヴェーグの話を聞かせてくれないか?」
「唐突だな。サーヴァントによっては地雷な場合もあるから、そこら辺は少し気をつけた方がいい」
「あ、ごめん」
「まあ、僕の話程度なら別に構いやしない。それで、何が聞きたい?」
「えっと、俺ってそこまで歴史とかに聡い訳じゃないからさ、ヴェーグってどんな英霊なのかって……」
「知らないのも当然だ。本来であれば僕程度が英霊に至れる程の器を有している訳はないし、知名度もマイナーの中のマイナーと言わざるを得ない」
「そ、そんな卑下しなくても……」
「いや、僕は偉大なる戦士たちの背中を見たからか、いかに自分が弱い存在なのか理解している。そんな弱輩者の話を聞きたいというなら、聞かせてやる────」>>712
────これは、誓いの話だ。
ヴェーグという存在は、歴史においては『フロールヴ・クラキのサガ』にて語られる王を葬う者。
物語における役割は王を謀殺した魔女を誅し、ライレの丘にて王を魔剣と共に埋葬する事だ。
────過去に彼の王に向かって『細枝(クラキ)』という侮蔑を込めた名で呼んだ事がある。
────本来であれば不敬罪で処断されても文句は言えない筈……なのだが、王は笑って許すどころか「初めての渾名をありがとう」と感謝し、分不相応な黄金を贈ってくれた。
────その黄金に見合うだけの戦士になれ、と……。
ヴェーグという存在は、かつてスウェーデンを統べていた黄金の王アディルスと容姿が酷似していたという。
黄金の髪に、黄金の瞳と、それらと調和するかのような白い肌……まことに、美しい容姿をしていた。
しかし時代が悪かったのか、やっかみを受ける事が多かった。暴君と外見が似ていたというだけで、反感を買ってしまうのだ。
加えて、妃の付き人という地位も要因となっていた。一介の戦士よりも安定した役職が、心火を燃やすきっかけにもなっていたのだろう。
故に誰もがヴェーグを認める事はなかった。ただ一人、主人であるユルサを除いて。
そんな最中に、ヴェーグという存在を認め、成長を促す者が現れた。
────嬉しかった。自分を色眼鏡で見ずに、そのままの僕を見てくれた事が。
────だから、心に誓ったのだ。彼の王が討たれた時、己が全霊を以って血讐を為すと……。>>713
「……まあ、こんなものだ。ギュルヴィ王の前で言った『フロールヴ・クラキとスクルドを終わらせる為に来た』という言葉は、僕自身の逸話に紐付いている。ここに招かれたのも、それを成す為だろうな」
「そっか……」
ヴェーグはフロールヴ王の事が大好きなんだなと、フェリーペは口に出さずに心の中に押し込めた。
その後「ありがとう」と御礼を告げてフェリーペは自室に戻り、ヴェーグが一人のなったタイミングでアイタリデスが現れる。
「良かったのかい? 真実を伏せ続けるというのは、割と簡単な事ではないよ?」
「……さてね。僕は嘘を吐いたつもりはない」
「確かに“嘘”は言っていないね。君がそれを突き通すのなら何も言わないさ。けれどまあ、今だけはリラックスしてもいいじゃないか? 君のソレ、随分と摩耗しているように見受けるよ」
「……成る程、アンタは見える性質(タチ)か」
「そういうサーヴァントでしてね」
軽口を叩き合い、ヴェーグとアイタリデスは夜の風を浴びるのだった。>>714
そして同時刻、某所にて木蘭、ウィーラーフ、兵十が雑談していた。
「フロールヴ・クラキか……俺は特に面識がある訳じゃないすけど、ベオウルフ王なら父親のハールヴダナルと会った事ならある筈。でも、あの王様に関して一番脅威的な要素といったら十二のベルセルクと魔剣の存在になりますね」
「じゃあそこら辺も全部含めて話してくれないか? あたしや兵十は東方の出だから、北方の事情に疎いんだ。座の方から知識も寄越されている訳でもないしね」
「木蘭は異民族と戦争していたのだから見識は広い方だろう。俺は地方で猟師をしていただけの田舎モンだからな、お前たちと比べて教養がないのが少しだけ恥ずかしい限りだ」
ウィーラーフは自身の有するフロールヴ・クラキと関連のある情報を語っていく。
「十二のベルセルクは文字通りフロールヴ・クラキの配下たる十二人のベルセルクを指します。因みにベルセルクってのは……高位の騎士職みたいなものだと思ってください。取り敢えず、すんごい強い戦士をイメージして、それが十二人いると考えると分かりやすいかもしれない」
「ふむ……源四天王が十二人いるようなものか」
「梁山泊の百八星のようなものかな?」
「うん、全然分からないけどそうですよ」>>715
テキトーに流して魔剣の話題へと移る。
「次に魔剣の話なんですが……これがかなりの代物でしてね。言ってしまえば北欧最高の魔剣です。『最強』ではなく『最高』なのは、切れ味云々ではなくて格の違いからくる比喩っすね。最強は魔剣グラムで間違いないですが、神秘的な頂点であればフロールヴ・クラキの魔剣スケーヴヌングになりますね」
「つまりは北欧における魔剣の頂点、その担い手がこの特異点の原因か。うーん、話を聞くだけでも厄介な手合いに見える」
「けど、カルデアから齎された情報を聞く限りでは、魔剣じゃなくて聖剣を使っている話でしょう? そっちの方は何か知っている?」
「いや、すいません。俺が知っているのはここまでです……」
この後も話し合いは続いた。>>716
そしてまたもや某所にて、ゲフィオンは月を眺めながら憶う。
思い浮かべるのは、この特異点の原因とされる二人の人物。
情報によれば、あの者たちはスキョルドを祖に持つ大神の直系であるという。
スキョルドの子孫……つまりは自身の子供ないし孫にも等しい存在なのだと、ゲフィオンは胸元を押さえる。
「私に……できるかな」
元来より優しい女神であるゲフィオンは、子供たちに手をあげるような行為に躊躇してしまう。
本当であれば叱るのが正しい……けれども、今更親族面をして咎める資格が自分にあるのかと問答し、独り葛藤していた。
軽々しく誰かに相談するものではない。己の気持ちに決着をつけて、そうして決断する問題なのだ。
ゲフィオンは考え、再度問答し、夜が明けるまで悩み抜き、そして────。>>688
うちにはいないタイプですね。
むしろスキルのお陰で金に困らない鯖が二騎もいる。>>720
めっさ苦労します。もう思い切ってぶつ切りにするレベルで。
兵十は後の戦闘で活躍します。>>722
試行回数を増やせばガチャは当たる……この世の真理じゃ……
書いていてすごく楽しかったので、一回で終わっちゃうのがもったいない気がしまして。
舞台もとても練られていますし、みんなでクロスワールド的に書けたら楽しいだろうなって!
こちらこそ、ありがとうございます。>>728
それでも駄女神はやらなくちゃいけないんだ……!
補足しておきますと、フロールヴの祖であるスキョルドはゲフィオンと結婚して家系を広げているので、女神にとってフロールヴやスクルドは孫同然なのです。残滓特異点『常夜学園謳歌 ソロモナリエ』
……それは「特異点の残留思念」、「かつて何度もハロウィンの特異点に使われていた城跡のようなナニカ」「それらに引かれ集まった悪霊の類たち」が次元や世界線を超え、魔神柱の写しであるプルフラスに偶然接触し、「もっと魔神として成長したい、皆に認められたい」という想いを聞き入れ、勧誘し、生まれた特異点の亜種。
その特異点の片隅に存在していた「隠されたお化け屋敷」。この季節の到来と共に何故か復活を果たしたこの館と何やら特異点と思わしき反応を捉えたところから、新たな物語(ハロウィン)は始まるのであった……。
「無価値と断じられても、無意味と分かっていても、それでも誰かの記憶に遺りたい……そう願うのは、愚かなことでしょうか?」
『連鎖特異点~奇怪島備忘録~ ビザー・アイランド』
近日始動>>732
ふむ、観測者によって受ける印象が変わる感じですかね。>>726
ペレスの続き投げましたんで、次お願いします!
パラスちゃんは願いとかを鑑みて「虫の居所>>状況の理解」ってことで暴走させつつ、蘇芳ちゃんは剣兄貴が代わりにキレつつ剣兄貴の大人っぷりで精神的に成長……してるようでまだ微妙に成長しきっていないラインでふらふらしてる感じに収めました
このまま何事もなく進めば、まあ、多分、同盟を組むことになるのでしょうけど、それはそれとして飛鳥ちゃんの指示経由でもいいので一回パラスちゃんの謝罪があれば蘇芳ちゃんはそれ以上は要求しないので真名明かしとかは無くて大丈夫です
むしろ貴重な令呪を使わせてしまったことに負い目を感じて「あなたの気が済むまで好きなことしてください!」ムーブしようとするので、それに半分くらい飛鳥ちゃんが悪ノリして剣兄貴にちょっとシメられる程度の要求とかしてくれる方がぽいかなーと思いますこんにちは、お久しぶりです。ひと月ほど留守にしてごめんなさい。
9月いっぱいほぼまるっと気分が優れない、具体的にいうとちょっとした体の不調が何もかも死に至る病の前兆であるかのように感じられてしまうような状態で居てしまいました。
何故そんなふうに気が滅入ってしまったのかは自分でも分からず、うまく頭が回らず長い文章を噛み砕くことができず。
鬱々と時間が経っていくうちに少しずつ気分は快方に向かっていったのですが、今度は頭の右の方がムズムズしてうまく文章が書きにくくなってしまいました。
第一回エピローグうちの後編を抱え落ちしてしまい申し訳ありません。
なんとかそれだけはなんとかして、納得いかなくても投下したいと思うのですが、それ以降ものを書けるかちょっと分かりません。
読む方に関しては段々と入ってくるようになってきたので、前スレまるまるとこのスレのここまでの分は読んでくることができました。
もうすでに半幽霊状態で言うことではないかもしれませんが、イン率が下がると思います。本当にごめんなさい。
それはそれとして、いなくなるつもりは絶対にありませんので、時々はホップします。その時はよろしくお願いします。>>738
まずはしっかり体とメンタル休めてもらって。>>738
お久しぶりです
>第一回エピローグうちの後編を抱え落ちしてしまい申し訳ありません
どうかあまり気にし過ぎないでください
wiki登録自体は一通り済ませてありますし、決着も既についたリレー小説なので色々大丈夫ですとも
>いなくなるつもりは絶対にありません
この一言だけでも心から安堵しておりますので>>738
お久しぶりです。
書けない時は書けないし、実際自分も少し前まで全く文章が書けなかったのであまり気にしないで下さい。ただいまこっそりwiki内の誤字脱字を修正しました
「…文殊師利言。我於海中。唯常宣説。妙法華経。智積菩薩。問文殊師利言。此経甚深微妙。諸経中宝。世所希有。頗有衆生。勤加精進。修行此経…」
大江山の酒吞童子は、内裏や都から貴賤を問わず人々を攫っては食らったという。
唯一の例外が御堂入道、藤原道長の御子だった。大江山の鬼種たちの首魁である茨木童子はもとより、酒吞童子さえ鉄石の牢に押し込めるだけしか叶わない。
それは権力者の子供だから、というわけではない。
法華経を読み上げることに専念しているために諸天善神がこの稚児を守護しているからである。鬼は貴人という絶世の血肉を前にして歯噛みをせざるを得なかった。
「その齢で淀みない読経とは、さすが天台座主に学んだ弟子でありますね」
「若君、無事か」
「ん。貞光に季武か。ご苦労である」
少年が眼をゆっくりと開ける。
牢屋の前に立っていたのは、俗に頼光四天王の碓井貞光と卜部季武だった。
色濃き神秘の数々が太古の如く跳梁跋扈し、剛力無双の武者が是を狩る、生きた伝説が息づく魔圏。その中に在ってなお英雄と語られるに相応しい、一角の人物である。
少年の声色には敬意はあれど、へりくだる様子は見られない。
なぜなら彼は藤原道長の御子。田鶴君――後の藤原頼通である。
源頼光なる武辺者は彼の父の家司、部下の一人なのだから、彼にとってもそういう扱いである。いや、貴族としてそう振る舞わなければならない。
「神秘殺しの武辺者、頼光四天王ともあろう者が油を売っている余裕はあるのか?
酒吞童子の討伐は火急だろう」>>744
「それについてはもう“終わって”います」
「?」
「摂津式大具足の三基が、ことごとく起動されました」
「……!」
摂津式大具足、またの名を清和源氏大征器(おおいくさのうつわ)。
遥かな海の彼方より漂着せし、巨なる器の欠片。
確かにこれが使われれば無敵なのだろうが、鬼の群れに用いるにはあまりにも“巨大”に過ぎる。捕らわれている無辜の民を一人一人護るなどという細やかさは期待できない。
「故に、ワタシ達は人質の救出に動いているというわけです」
「急げ、ここは戦場となる。大将の足手まといになるな」
四天王の二人に護衛されながら、大江山に築かれた御殿を抜ける。
壊された屋敷から覗く光景はおよそ人知を越えた有り様。
天を衝く偉容をそなえた大具足三基、八幡、住吉、熊野と相対するのは、竜骨と贄の血で形作られた巨なる鬼の外装。
「あの巨なる鬼が、酒吞童子の切り札……」
「そうだ。神便鬼毒酒がもたらす加護で弱体化は免れないはず、だが」>>745
――牢に繋がれた田鶴の前に立つのは、濃紺の着物を着崩した小柄な女性。
いいや、鬼だ。人ではない。
額から突き出された二本の角が、彼女が尋常ではない生まれの者であることを証明していた。
彼女の傍らには、これまた小柄な鬼種が立っていた。
茨木童子なる者は田鶴を食えないことに苛立った様子だったが、酒吞童子は違った。
舌なめずりして、まるで焦らされれば焦らされるほど旨くなるとでも言わんばかりに嘲笑うのだった――
――あの艶めかしい鬼女があの骨の巨躯に包まれているのか、と一考して。
「……い、いや。呆けている場合ではないな。あの巨脚に踏み潰されてはかなわない」
思いを退けるかのごとく、被りを振って、田鶴は再び走り出す。
“鬼王の頚といひ、将軍の気色といひ、誠に耳目を驚かしけり。”
“事の由を奏しければ、不思議の由、宣下有りて、彼頚をば、宇治の宝蔵にぞ、納められける。”
後に知った話だが。
切り落とされた酒吞童子の首は、時の天皇の命によって宇治の宝蔵に収蔵されたという。>>746
◇◇◇◇
「実にこの“かるであ”は面白い。
此方よりも過去の者の、生きた姿を見ることができる。例えば……」
幼名を田鶴、一般的に知名度が高いのは藤原頼通という名だろう。
平安時代の摂関政治の全盛期を築き上げた、藤原道長の息子。
最上の重宝をことごとく、時には“存在しない物”さえも収めた日本一の宝蔵、宇治の宝蔵へと繋げた空間に手を伸ばす。
宝蔵から持ってきたのは、一見すると貌を映し出した火球、人魂にしか見えない。しかし神秘を介する者が認識すれば、炎を生み出しているのは間違いなく人か獣か、それとも怪異かはともかく、頭部であると察せるだろう。
その首の持ち主の名前は、大嶽丸と言われた。
「“又大たけ丸が首おば、末代のつたへにとて、うじのほうざうに納め、千頭の大頭と申て、今の世までも、みこしのさきに渡るは、この大たけ丸が頭なり。”だ。
此方も、奴の生きた姿を見たことはなかった」
「首……食べない?」
「おいおい、蛮神の心臓とは訳が違う。ただ在るだけで呪いを放つような代物だ。食べたらお腹を壊すだろう」
「壊さなければ……食べる……?」
「そう、だな。一口齧るぐらいはするだろうか。だがアルターエゴである身そのものが、奴を食ったような霊基でもある」>>747
「フォーリナー……は?」
「降臨者か。降臨者というのは確か、最果てを境界とした外側に位置する異界、外宇宙存在とかなんとかかんとか……ええい、陰陽師共(陰陽師ではない)の定義なぞ知るか! 聞きに行くぞ、付いて参れ!」
「おー……!」
奇矯で派手派手しい和服を着た美形。降臨者(フォーリナー)の在り方をもって現界した鵺と共に、藤原頼通はカルデアを探検していた。
貴公子と謳われた生前からは想像もつかない行為。だが、アルターエゴとして成立するにあたって幼少期の“田鶴君”としての側面が出た彼は、むしろ子供らしい好奇心の方が強くなっている。これは、サーヴァントという英霊の性質でもあるのだが。言った者勝ちの後出しじゃんけんな「王の財宝」系、好きではないんですが、よりみっちを掘り下げする上で宇治の宝蔵の、「完全に存在しないものが収められている」謎性質を後編で整理する予定…
これはpicrew(https://picrew.me/image_maker/611021)で作ってみたレッドア。これで目の色がもう少し青みがかってて、人相がもう少し良い感じ
>>738
季節の変わり目などは、どうしても心身が日々についていけなくなってしまうものです。どうかご安静になさって、心を癒やしてくださいませ…
>>749
ひゃー頼通さんの深掘りSSだーしかも鵺が出てるー!ありがとうございます!
鵺は呪いとかの耐性どうなんだろ…エンドサイトーシスがどこまで効果発揮するかだけど…というか腹(胃)的消化器官があるのかな…
ないものがある…って確かに不思議な現象。後編での解説が楽しみです!>>734
今出してないキャラクターが割と最適なんですが誰かの記憶に残りたいという点で『願い』を提案します>>755
ショタ(内面は大人寄り)と大人(内面はショタ)
なので犯罪的雰囲気...!先日、二度目のワクチンを接種。
案の定、注射針が刺さった箇所が筋肉痛を起こしたけど、前回よりは軽症だった。
今日はこの辺で。〖ミニュアデス〗
フリーサーヴァント。三人一組型のバーサーカー。
パッと見はサキュバスとかヴァンパイアみたいなダークでエッチな有翼の三姉妹。
元々は生真面目で家庭的な人間だったが近所のディオニュソス崇拝や儀式への参加を否定したために、狂気を吹き込まれた上に蝙蝠に変えられた罪人。
魔性三姉妹。エッチ。豊満な長女三女に挟まれて次女は長身スレンダー。エッチ。ギリシャこそこそ話
ヒュギエイア先生はハロウィンの季節になると子供サーヴァント達の引率をすると言って飛び出すぞ!帰ってきたら何処から手に入れたのかは知らないがお菓子をいっぱい持って帰ってくるぞ!
子供達がいないと何故か霊薬で子供に変身してウキウキで飛び出すぞ!帰ってきたら以下略!ただいま本格的に新ハロウィンイベントをに登録させていただきました~
此処で礼装&コマンドコード紹介
『ガバ=タル、夜を往く』
Cost :12 HP:0/0 ATK :500/2000
効果:
景品交換礼装。以下の3種類の効果から1種類を指定し獲得できる。
自身のArtsカードの性能を15(最大20)%アップ&自身のBusterカードの性能を15(最大20)%アップ
または
自身のBusterカードの性能を15(最大20)%アップ&自身のQuickカードの性能を15(最大20)%アップ
または
自身のArtsカードの性能を15(最大20)%アップ&自身のQuickカードの性能を15(最大20)%アップ
イラスト:
夜空いっぱいに浮かぶガバ=タルたちの軍勢。一際大きくて髭と王冠が目立つガバ=タルが率いている。
テキスト:
───空を見よ。
あれなるはキング・ガバ=タルを筆頭に夜空を翔るガバ=タルたちの行進、ハロウィンを象徴するワイルドハントなり。
あわれな獲物(ぎせいしゃ)を見つけては、囲んでもみくちゃにするのだ!>>768
☆5『ポイボス・アポローン』
効果:
刻印されたカードによる攻撃時に、味方全体の弱体化を1つ解除&味方全体のHPを100回復
イラスト:
正面をむいた羊のぬいぐるみ型のアポロン神
テキスト:
ポイボス・アポローン。太陽神アポロンの異称の1つ。
彼は疫病と医術を司る神でもあり、息子のアスクレピオスともども医療の守護神として信仰されていた。
☆4『ヒュギエイア印の霊薬』
効果:
刻印されたカードによる攻撃時に、自身の弱体化を1つ解除&自身のNP効率を3%アップ&自身に〖子供のサーヴァント〗属性を付与(1回・1度使用すると再使用に3ターン必要)
イラスト:
ヒュギエイア先生お手製の霊薬
テキスト:
ギリシャこそこそ話
ヒュギエイア先生はハロウィンの季節になると子供サーヴァント達の引率をすると言って飛び出すぞ!帰ってきたら何処から手に入れたのかは知らないがお菓子をいっぱい持って帰ってくるぞ!
子供達がいないと何故か霊薬で子供に変身してウキウキで飛び出すぞ!
(>>767を勝手にパク……参考にさせていただきました)>>780
この見た目で無機質で無感情、子供の話題に触れられない限り相手に従順なロボ子なので少年マスターの心はボロボロ
あと戦闘中はクリードの骨がガショガショ変形するのでそういう意味でも性癖になりそう……前回からだいぶ間が空いてしまいましたが、Fate/NCの続きようやく書けました
今投稿しても大丈夫ですかね?>>784
――音邑市、某所。
『ジル・セレナード、ユウキ・モーティマー双方の完全撤退を確認。再戦等の予兆なし』
『双方の消耗度、照会。……ジル、ダメージレベル・イエロー。ユウキ、ダメージレベル・グリーン。致命傷に至る損耗なし。一晩分の休息を挟めば完治可能と予測』
『他、エリア内におけるスキャン開始。――完了、戦闘行為確認されず』
『引き続き、夜明けまで戦闘哨戒実施。以上』
それは中枢だった。
市内で起こる異常を検知し、その内容を観測し、最終的に己が内部へと蒐集する。ただその為だけに生み出された機構(システム)。
機構故に感情を持たず、機構故に不満も怠惰も抱かない。
そこに人の意思や手が介在する余地はなく、またその必要もない故に、その空間はある種の静謐さに満たされていた。
「――――」
だが。この日、空間に変化が生じる。
およそ一切の人気というものを排した世界。そこに、新しく『人間』が舞い降りる。
それがこの状況に何を齎すのか、一体何を意味するのか。
知る者はまだ、誰一人としていなかった。
特異点と言えど、昼夜の巡りに変化はない。
最初からそのように設定された世界、あるいは異聞帯のように天変地異や神々の干渉等による変化がない限りは夜も明け朝が訪れる。
ここ音邑もまた例外ではなく、深夜の話し合いから数時間後。特異点を訪れてから初となる朝が訪れていた。>>785
「おはよーさん。昨日はよう――眠れとるわけないか」
「…………」
若干目の下にクマを刻みつつも、どうにか借りた布団から起き上がるフェリーペ。
その様子は肉体的な疲労以上に、精神的な疲労が影響していた事が原因だった。
「黒野、さんは……?」
「先に起きとるで。今は外で警戒も兼ねて日課の鍛錬中や。そろそろ戻ってくる頃やさかい、来たら皆で朝食にでもしよか」
そうこう言う間にも、加々見は冷蔵庫から食材を取り出し慣れた手つきで用意していく。
フェリーペが手を貸す暇もない、鮮やかな手つきである。
飲み物も出し、一通り食事の準備が整うのとほぼ同じ頃。加々見の言った通り黒野は戻ってきた。
「おう、おはよう。ひとまず眠れたようで何より、とだけは言っとくか。加々見、飯の方は?」
「できとるよー。ま、いうていつもの食パンと目玉焼きだけの簡単なもんやけどな。あフェリーペ、飲み物はお茶と牛乳あるから好きな方取っとき」
「あ、ああ。ありがとう」
三者三様、各々の席に座りちゃぶ台を囲んで食事を摂る。
もそもそと食べ物と飲み物を半ば押し込むように、あっという間に完食する。
そのまま残った皿とコップも洗い終え、一息つき終えた。
『――何と言いますか。食事というより餌やりの風景みたいでしたね』
唐突なシオンからの通信。
一連の流れを見ていたのか、どことなく呆れた様子で『やれやれ』と言わんばかりに頭を振っている。>>786
「ほっとけ。別にお互い話すような事もないんだ、なら飯に集中するのは当たり前だろ」
『それはそうなんですが。もっとこう、互いの距離と言いますか交流的なものをですね?』
「交流かー。ま、考えとくわ。それよりシオンさん、こんな朝から通信やなんて、何かあったん?」
『おっとそうでした。あれからお二人のアレ――ナイトメア・サーキットについていくつか判明した事があったので早速説明しようかと!』
「「「マジか!?」」」
黒野と加々見のみならず、フェリーペまで揃って声を上げる。
確かに解析自体はさせていたが、まさかこんなにも早く判明しようとは予想だにしていなかった。
『ではまず結論から。端的に申し上げますと、そのナイトメア・サーキット――以降NCと呼びますが、それ自体に人体へ害悪となるようものはありません。むしろ役に立つものであるかもです』
「というと?」
『ほら、最近のデスゲームものとかであるじゃないですか。使い切ったが最後、その時点で参加者の命を奪う強制ゲームオーバー的なトラップ。最初はあれと同類かと思ったんですが、どうも解析していく内にそうではないらしいと分かりまして』
「しれっと怖い事言うなおい」
「ていうかシオンさんもそういうの見るんやね」
『で。さらに解析を進めた所、このNC自体にそういったトラップ――毒性や呪詛の類は存在せず、代わりにどこか特定のポイントに向けて魔力を飛ばしてるという事が分かりました』
それはつまり――
「どこかのポイント、ね。いかにもこのイカれたイベントを考えた奴が仕込みそうな話だな」
『ええ、全くもって同感です。それで、これはあくまで推測ですが、恐らくそのNCはこのゲームにおける参加者への認識票――ドッグタグのようなものであるのかもしれません』
「認識票……つまりこのゲームに参加してる事を、黒幕が把握する為に用いてるって事か?」>>787
『フェリーペくんご名答。ですので、とりあえず現状早急にお二方に危険が及ぶ可能性は低いと思われます。……まあ、これに関しては今更な話でしょうけども』
「そうだな。でなきゃ、俺たちみたいな引き籠りはとっくに処分されててもおかしくなかっただろうし」
「あ、一つ質問。さっきNCを通じてどっかに魔力が飛ばされる言うたけど、その場所の解明とかはできたん?」
加々見からの問いかけに、シオンは眉を曇らせる。
『すいません、その調査についてはまだ途中と言いますか……。何分幾重にもルート偽装とアクセスポイントの変遷を繰り返してるようで、完全な特定には時間がかかる状態です』
「ネットの違法サイトが海外のサーバーを何度も介して運営されてるような感じか?」
『ええ、そんな感じですMr.クロノ。……もしかして、ご利用の経験が?』
「アホか。ネット使ってて今時その手の話を聞かない方が珍しいだろ。第一、そんな物騒なもん使えねえっての」
「せやなぁ。うちも聞きかじっただけの話やけど、最近の魔術使いの中にはサイトに魔術的な仕込みを施しとる輩もおるとか言うし」
『わお、秘匿班が聞いたら頭抱えそうな噂。まあ、私には関係ありませんけどね!』
話がやや脱線しかけた所で、一同は再び元の話題に戻る。
『さておき、先程申し上げた役に立つ、の部分についてですが……こちらもそう仕組みは難しいものではありません。むしろ私たちにとってはある意味馴染み深いものでした』
「馴染み深いってシオン、それはどういう?」
『そうですね、こちらも単刀直入に申し上げますと――フェリーペくんが使ってる「それ」と同じ類の代物、だったりします』
「へ?」>>788
今度はフェリーペのみがポカンとした顔になる。
黒野と加々見はどういう事かと訝しむだけで、理解が追い付かない。
フェリーペもまた、シオンに指摘された『それ』――すなわち、右手に輝く令呪を呆然とかざす。
「えーっと……それってつまり、令呪(これ)?」
『はい、令呪(それ)ですそれ』
「おいちょっと待て。説明しろ説明」
『失礼、流石に端的過ぎました。昨日もほんの少しだけ触れたそれ――令呪ですが、こちらはカルデアの技術で再現された特別製でして。本来の代物より一部の効果が弱体化してる反面、リソースさえあれば何度でも補給できる優れものだったりするのです!』
「「つまり?」」
『ぶっちゃけ、使い方さえ分かれば魔力リソースの一種として色々使い道があるかと! 例えば単純な身体強化にガンド、他にも一度きりの緊急回避など……って、あれ?』
つらつらと説明するシオンに対し、黒野と加々見は顔を見合わせる。
次いで何事か納得した様子になると、何とも言えない顔でシオンに向き直った。
『あのーお二方? 今の話に何か言いたい事でも?』
「あーうん。その、な?」
「うち等も、それ知っとったねん」
『え?』
今度はシオンの側が意表を突かれたように黙り込む。
対する黒野たちは、どこか申し訳なさげな様子で事情を説明していった。
「いや、俺たちも逃げ回ってる間色々情報を集めててな? その時、拾った中にあったんだよ、この紋様――NCが一種のブーストアイテムとして使えるって話を」
「胡乱気な話やったし、下手に弄って自滅するのも怖かったから実践する事はなかったんやけどね。うち等そういう解析向きの魔術とかに通じてなかったんもあったけど」>>789
『ああー……そういう。でも、それなら完全に蛇足という訳でもなさそうですね』
「というと?」
『Mr.クロノとミス・カガミ。ご両名が集めた情報と、こちらの解析データを照らし合わせてみるという事です。それなら、万一ズレが起こる可能性も最小限で済むでしょう?』
「成る程、そりゃいい。だったら――」
かくして、黒野と加々見が集めた情報とカルデアで解析した情報を照らし合わせていく。
その結果判明した事は。
「一時的な強化と緊急回避、それに一定の体力回復効果か……まあ、こんな所と言えばこんな所か」
『注意点として、これらの手段が使えるのはあくまでNCありきである事。それと三度までという事を覚えておいて下さい』
「りょーかい。にしても、フェリーペの令呪?やったっけ。それと同じっちゅう事は、仮に使ったとしても一晩経てば回復するんかな」
『その辺りは使ってみないと何とも。こちらとしても全てが解明できた訳ではありませんので。それに回復元となるリソースの供給手段も現状では難しいですし』
「ま、程々に注意して使うさ。それで、長々と話し込んじまったがこれからどうする?」
「どう、って?」
唐突な話題転換に、フェリーペは思わず聞き返す。
すると黒野は呆れたような顔でため息をついた。
「あのな、お前らはどうあれこの特異点とやらを解決しに来たんだろ? なら、その為に色々と動く必要があるんじゃないのか? 俺が言うのも何だがよ」
「あ」>>790
今更になって当初の目的を思い出すフェリーペ。
だがそれ以上に、今の口ぶりには聞き逃せないものがあった。
今の言い方ではまるで――
「もしかして。手伝ってくれたり、するのか?」
「不承不承、ではあるけどな。正直、お前らの事はまだ完全に信用できた訳じゃねえ。だがそれはそれとして、今のままじゃこっちとしても手詰まりなのは事実だ」
「ま、うちは最初から手ェ貸すつもりでおったけど? フェリーペの事、ほっとけへんもん。危なっかしゅうてすぐ死にそうやし。というか昨日早速ヤバかったし」
「……その節は面目ない」
改めて昨夜の無茶を謝罪し、フェリーペは頭を下げる。
加々見もその態度に満足したのか、軽く微笑むだけでそれ以上何も言ってくる事はなかった。
どうあれ、ここに協力体制確立である。
「それじゃ改めて。俺はフェリーペ・ジョージ・デ・サント、昨日も言ったけど元一般人上がりのマスターで、今はカルデアって所に所属してる。短い付き合いになるかもだけど、よろしく」
「うちは加々見梓。昨日もチラッと見せたけど、こう見えて魔術師――いや魔術使いやったっけ? まあとにかく、よろしゅうな」
「黒野双介。呼び方は黒野でも双介でもどっちでもいい。魔術師でも魔術使いでもないが、これでも戦いにはそれなりに通じてる。……一応、よろしく」
昨日はできなかった自己紹介を簡単であるが済ませ、少しずつではあるが互いの理解を深めていく。
一通り三人分済ませた所で、黒野から再び最初の問題が飛び出した。
「で。これから先はどうする? 夜になるまで、まだまだ時間は余ってる訳だが」
時刻は午前10時を回ろうとしている所。
外は煌々と明るい太陽の光に満ち溢れていた。>>798 では!!!!
『ザ・ガーディアン』
Cost :12 HP:500/2000 ATK :0/0
効果:
景品交換礼装。自身に無敵状態(2回)を付与&自身にガッツ状態を付与(1回・HP1回復・他のガッツ状態と重複可)&自身のNPを毎ターン4(最大5)%増加
イラスト:白いタキシードに身を包み、跪くグレヴィルド。差し出した手の先にはドレスを着た貴婦人の姿。
(https://fatetv1830.wiki.fc2.com/m/wiki/グレヴィルド)
テキスト:
我が護りは精神の護り。
騎士としての誇りを失わぬ限り、この城塞が揺らぐことは万に一つも有り得ない。
其は全ての疵、全ての怨恨を癒す我らが故郷。
誇り高き円卓の騎士が集う、今は遙か理想の城。
「今宵、我が忠誠、我が魂の総てを貴女一人に捧げましょう。
円卓の門番、剛腕のグレヴィルドの名に賭けて。私は必ず貴女を守り通してみせる。
……おいマスター。この写真、陛下にだけは見せるんじゃねえぞ」>>795
冒頭で出てきたものの正体についてはまた後程…あと引っ張り役にクリスティーナ・アレクサンドラさんをお借りすることにしました
>>807
【固有スキル】
近代医学:B+
迷信が蔓延っていた当時の医療技術を否定し、近代医学の発展に貢献した。
魔力で形成されたメスや薬品を用いて仲間の治療を行う。
人間・サーヴァント問わず、また、いかなる精神的制約の影響下にあっても十全の治療を発揮できる。
……しかし、ハロウィン霊基に変わったことで、ランクが下がっている。
執着心(怪物):A
心から欲した存在に対する執念深さ。一度目をつけられたら逃げ切ることは非常に難しい。ハロウィン霊基に変わったことで、ランクが上がり更には変異した。
アサシンが興味を抱いた対象が所有している、「自身の情報・気配を誤魔化す系統のスキル」の効力を6~8割ほど弱体化する他、目的を果たすまで瀕死の傷を負ってなお行動が可能。
その様はまさに哀れな犠牲者たちを付け狙う怪物。
黒衣の墓掘人:A
無辜の怪物スキルによる怪人化。
ただ存在するだけで、人々の精神を掻き乱す。これによって恐怖心を抱かせたり、判断力・分析力を鈍らせてしまう。>>809
【解説】
「実験医学の父」「近代外科学の開祖」という異名を持ち、医学の進歩に貢献した偉人。
反面、手段を問わず死体や標本集めに執着する、淋病の研究の為に自らを感染させた、などといった奇行も目立ち、後の「マッドサイエンティスト像」に深い影響をもたらした人物でもある。
今回の騒動もとい特異点の調査に伴い、プルフラス&ロゼ(ハロウィン)から新しいハロウィンサーヴァントとしての資格を譲り受け、無事(?)に霊基の変異を遂げた。その風貌は白衣と眼鏡が特徴のマッドドクターから、不吉な黒衣と鴉マスクがトレードマークに変わり、ゴシックホラーな怪人に様変わり。
更に、暗黒面や怪人としての能力が強化されており、また所持していた技術や知識はバーサーカーの頃と何ら変わりはないが、アサシンのサーヴァントとして発揮する治療効果に制限がかけられてしまっている。そういった点に不満はあるものの新鮮な経験が出来ているということで、ジョン自身は割りとノリノリで怪人化を楽しんでいる模様。
全面的に『死』を強調するような彼の変化は、どうやら特異点に深く関係あるようで……。>>792
わかりますわかります…説明だらけになってしまうのわかります…
でも、戦闘などでは見られないキャラの細かな人物像なんかが会話から認められて、これは良い説明回…
>>796
星3コマンド淡路廃帝で何か…と思ったけど良いのが浮かばない…淡路島の特産の線香くらいしか…(ハロウィンらしさ皆無)
>>805
「この世の全ては往生により極楽へ向かう。極楽浄土へと通ずる平等院を持つ頼通は、即ちこの世にいつか在りしものをその身に匿していると言える」
的な感じで…バビロンとは反対の原初ではなく行き着く果て…的な…(ビッグスケール思想苦手)
>>811
ゴッシクホラー医者…!これは一部黙っていない奴がいる…!()
宝具名は『死さえ秒針が如く』とか…?いけない格好いいの思いつかない…洛陽が暫く進められそうにないので趙雲の追加プロフィール(闇部分)を投下します。
後世で俺、趙雲子龍は無敗、最強の将と呼ばれているらしい。
…そんな訳ないだろう。
俺が無敵の筈がない。もしそうだったなら…
あの時も、あの時も、護れていた筈だ。
それも出来ずに、何が無敗の将だ…!!
彼は嘗て長坂で劉禅を守り抜いた。だが同時に、自身を置いていけと叫んだ劉備の夫人の自害を目前で目撃してしまう。あの時もし俺に強さがあれば、貴女も護れるという強さがあれば。その後彼はそう己を責め始めた。
そして、仲間の五虎も皆戦火に倒れた後に夷陵の戦いで彼は復讐者と化した劉備を止められず、待機に置かれる。
…そして、急報に気付き、着いた時には既に彼は敗北していた。>>823
…その時から彼に、「弱さ」が語りかけてくる様になった。
それを隠しながら必死に戦う彼は、最早壊れかけているかの様に見えた。
堂々としていて、女性苦手以外は弱い所を殆ど見せない彼だが、その本心には「弱さ」が入っている。それにより、自身の強さに自信を持てず、己を内心で否定している。
自身では隠し通してる様に思っているが、生前五虎将軍が彼のみになった後の彼を見ていた黄夫人や、人を見る目が鋭い曹操、周瑜等には看破されている。恐らく関羽等の生前の僚将にも看破されるだろう。
今度こそ主を守り抜く。そう言う彼の言葉には嘘はない。マスターへの純粋な信頼も真実である。しかし、その内心には「俺に果たして護り抜けるのか」「この方をまた死なせるのではないだろうか」等の迷いがある。
彼のスキル、無窮の武練と一身是胆はまだ未完成。否、一度完成したが再び不完全な物と化した。
青紅剣の阻害(暴走)も、「弱さ」による物。青紅剣は精神の合一によって真価を発揮する物である為、今の彼はまだ完全に使いこなせていない。
…彼の弱さを克服できた時が、彼の真価を発揮できる時だろう。父さんの言ったとおりだ…… 父さんは、ワイルドハントの中でドッペル・ガバ=タルを見たんだ!
ガバ=タル科ナリカワリカブ目の2匹……とてもキュート!
いつもありがとうございます!!
>>816
O sole mio(おそれみよ)!それは君のヒゲの中にある!
メチャムズ王冠の再現度がすごい……!一度描こうと頑張って挫折した過去が……バランス取れぬ。
本人よりも本人寄りなのアイデンティティ・クライシス!
>>818
蕪獄ガバ・ヘルの語感がとても好き!
きっと永遠と蕪にもみくちゃにされる場所なんだ……
ハロウィンになるとガバ・ヘルの子供たちがプル・ガバ=タルス釣りをして遊んでいる姿を見ることができます。
図鑑No.が芸細……!!追いダイマしちゃいます
796の礼装とコマンドコード、まだまだ募集してます~>>832
!ありがとうございます、第一候補として扱わせてください許褚ハロウィン霊衣の台詞で趙雲の怒涛の闇ラッシュを中和しにいく男
解放時
「おうマスター!!ハロウィン?の仮装してみたぜ!!似合ってるか?よし、じゃあ暴れるか!!あ?ハロウィンって確か、戦って勝った奴がお菓子を貰える奴だろ?え、違うのか?そうか…」
マイルーム
「つってもなぁ、ハロウィンってお菓子貰えるんだろ?俺はむしろ肉が欲しいんだけどな…ま、いいか!!」
戦闘開始
「オラ、ナックルorビーフだ!!え?トリックオアトリート?どっちでもいいな!!行くぜぇ!!」
スキル
1(チョコバーを思い切り食うモーション)
「うっほぉプロテインバーうめぇ…!!」
2(サイドチェスト)
「俺の背中には…修羅が宿ってるぜ!」
アタック時
「よこせぇぇぇオラァァァァア゛ア゛ア゛!!!」
「筋肉の強度が違ぇ!!」
「これが虎痴の力じゃァァァァ!!!」
戦闘終了
「強くなりたきゃ喰らえってな!!」寝る前にハロウィン霊衣をもう一つ。
「ゴースト・アーミー」
トム・ソーヤー&ハック・フィンのハロウィン霊衣。
南北戦争に従軍していた頃の格好をそのまま再現。
ただし、所々煤けており、当人達も特殊メイクで顔色が死体のそれ。
お菓子を要求し、突っぱねられたら根こそぎ強奪してくるので要注意。
トム「お菓子くれよ!」
ハック「嫌なら全部強奪だぜ!」
ではおやすみなさい。>>827
役割ロールへの使命感が凄い……
この無表情で鍋にビュアって飛んでくるの想像したらシュールで笑います。『宇治の宝蔵(スートラ・ピタカ)』
ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:1000
中世日本の御伽草子などにおいて語られる架空の経蔵(Sutra pitaka)、平等院経蔵。
一切経のみならず典籍、楽器など摂関家が蒐集した重宝が納められているという。
『続古事談』の「王道后宮」では「“鳥羽院、宇治に御幸ありて、経蔵ひらきて御覧じけるに、此経蔵は、よのつねの人いる事なきに、富家殿、御前に候給て、播磨守家成、時の花にてありければ、御気色にかなはんとやおぼしけん、召入られけり。”」と記され、宇治入りの重要性を物語っている。
古代バビロニアの時代に発生した、あらゆる技術の雛形を集め、納め、封印したことで成立した“人類の知恵の原典”である英雄王の宝物庫が、その時代における人類の総資産であると触れ込みならば、存在しないものさえ納める宇治の宝蔵は、現世(うつしよ)ならざる極楽浄土へと通ずる。この世の全ては往生により極楽へ向かうが故に、この世にいつか在りしものをその身に匿していると言える――――。
ということで中納言さんが考えてくださった文を丸々パクリつつ、頼通に第二宝具が生えました~
紫式部日記に頼通17歳がいたり、これは完全に「ぼくのかんがえた平安二次」。なお公式に殴られるまで>>840
道長があの感じだとセーフセーフみたいな感はある...ある...!(慢心王)
公式の平安サーヴァントは結構オリジナル要素入るから怖すぎる...ちょっとお久しぶりなのと、過去スレを今は見る余裕がないので、特異点の続きだけを投下した就寝したいと思います。
翌日、ギュルヴィの招集により玉座の間に集ったカルデアと王のサーヴァントたちは、今後の活動についての内容を聞かされる。
「すまないが、お前たちにはこれから西方にあるヨトゥンハイメンの霊峰に向かってもらう」
「ヒュッ」と息を呑む音が漏れる。
誰もが口を閉し、言葉を飲み込んだがここにいる全員がこう思っただろう……あの王が謝罪を前置きにして頼み事をするだなんてと。
ただ、何かしら失礼な空気を読み取ったのかギュルヴィは嘆息して理由を説明する。
「非常に遺憾ではあるが、“誰某”の力が必要になるかもしれん。そしてお前たちには、其奴と顔合わせして欲しいという事だ」
「えーと、因みの名前の方は……」
「口に出すのも不愉快だ。故にエイルを一緒に行かせる」
「……承知致しました」
自身の同行する条件で誰に会うのか検討がついてしまったエイルも、先程のギュルヴィ同様に嘆息して眉間を指で押さえる。
「ではさっさと行くがいい。オレも色々と多忙な身なのでなぁ!」
「こういう時くらい普通に言えばいいのに」>>843
木蘭のツッコミを最後にフェリーペとメンテーは、ヴェーグ、エイル、ウィーラーフを連れて出発した。
途上で巨人たちと遭遇したり、険しい道のりと徐々に濃度が高くなっていく神代の空気に気をつけながら進んでいき、目的である山の麓まで到着したところで一旦休憩に入る。
「丸一日を使うとは思わなかった……センパイは大丈夫?」
「私はデミ・サーヴァントだぞ? まだまだ後輩には負けんよ。それはそうとエイル、ギュルヴィ王の言っていた“誰某”とは結局どういう人物なんだ?」
「……そうですね。余り名前を口にしたくない相手、でしょうか。別に嫌いという意味で口にしたくないのではなく、名前を呼んだらその縁を掴まれて悪戯されるので、その余り……」
「ワルキューレのアンタがそこまで言うなんて、余程の相手なんすね」
「はい、色々な意味で困ってしまうお方です」
この日は野営して明日に備える方針になった。
幸いな事にエイルの原初のルーンのおかげで敵性生物を近づけさせない結界を展開して安全は確保できている。
そして翌朝には移動を再開し、山の登り道を進んでいく。
時折エネミーに遭遇するも難なくそれ等を斥け、ついにギュルヴィが示していたであろう目的地へと辿り着いた。
物々しい牆壁に、不安感を抱かせる城門が聳え立っており、フェリーペは余りの威圧感に言葉を失った。
『────おや、ようやくのご到着かな星見台』
突如として念話が全員の脳内に響くと同時に、門の真上に一人の青年が姿を現す。>>844
『なんだこの霊基反応は……! これは、もしかしなくともグラ────』
「おっと、ヨハン・ナウマンそれ以上はいけないよ。彼等に混乱を招き兼ねないからね」
驚愕の声を出すナウマンと、それに釘を刺す青年。
一通りのやり取りが終わったところで青年と顔見知りであろうエイルが会釈し、畏まった口調で彼に言葉を投げかける。
「檀那様、此度はギュルヴィ王の命のもと馳せ参じた次第です。この特異点にて患部と化している「輝王」と称される者と魔女の摘出に、どうかご協力頂きたく……」
「え、だ、檀那様って……え?」
「ああ、紹介が遅れてしまいしたね。彼のお方は我が主人たるメングロズの夫君────真名をスヴィプダーグにございます」
◇◇◇◇
その後、スヴィプダーグが協力するのに気乗りしない発言や、試練と称した無理矢理すぎる戦闘と、エイルの小姑染みた小言と説得を経て、『最果て』の概念を摘出するのみを条件として協力を取り付ける事に成功。
「スヴィプダーグ、アンタの智恵を借りたい。この特異点の発端となった『輝王』の出現……その原因と、奴らの目的を」
「原因と目的、ねぇ……君たちがよーく知っている人物から詳細を聞いていないのかな? まあいいけど、前者はそこの“変わり者(ヴェーグ)”から聞いた通り聖杯が関与している。後者は……まあ、人類史の延命ってところかな?」
「人類の延命だって? 人理焼却に伴い引き起こされた歴史の崩壊……それに関与し、今回の特異点の原因たる輝王の目的が人類の延命だと? 矛盾している」
「そう、君たちからすれば矛盾の塊に思えるだろうね。しかしこれは紛れもない事実だ。あの王は、自身のやり方で人類を救おうとしている……大を犠牲にして小を生かす手段を用いてね」>>845
輝王の目的を知り、息を呑む。
「君たちは後々対峙するんだ、その時にでも真意を問い質せばいい」
話は終わりと言わんばかりに身を翻して、スヴィプダーグは姿を消した。
帰路につく道中、エイルは終始「私のところの檀那様が申し訳ありません」と謝罪したさそうな視線を送っていたとか。
帰り際のちょっとした仄々……しかしそれも束の間、シグトゥーナに帰着した一行を待ち受けていたのは、慌ただしく動いている王の家臣たちやサーヴァントの姿であった。
事情を聞くと、どうやらシグトゥーナの位置が特定されてしまったらしく、ロックオンされている状態とのこと。
「いや非常事態じゃないすか!?」
ウィーラーフのツッコミにより、各々は動きだす。
フェリーぺとメンテー、そしてヴェーグはギュルヴィの元へ向かった。
「とうとうオレのルーンを掻い潜って拠点を見つけたようだ。現状把握できているのは、魔女が亡霊の群れをこちらに進軍させているのと、輝王が再度聖剣を充填している二つの点だ」
「それって、あの光の刃がまた放たれるって事か!?」
「厄介な事になぁ……故に、至急『最果て』への突撃に取り掛かねばならない」>>846
作戦は至ってシンプルで、スヴィプダーグの魔術によって『最果て』の概念を取り除き、輝王の領域へ接近を有効化させる。次にゲフィオンの権能を使ってのとんとん拍子で進める予定だ。
なので先ずは、スヴィプダーグから合図を待たなければならない……そんな時だった。
「チッ、来やがった」
ギュルヴィが向こう側を睨みつけて舌打ちする。
既に亡霊の群勢が迫ってきており、シグトゥーナから遠視でもすればはっきりと全貌がうかがえる距離であった。
これでは時間が僅かであるのに等しく、まだかまだかとスヴィプダーグの合図を焦燥混じりで待つ。
そして────。
「! 来たぞ、彼奴の合図だ」
地面が震動し、シェラン島を覆う光の断層に揺れが生じる。
これが件の狼煙と分かったギュルヴィは、大急ぎでゲフィオンに指示を送った。
「今だ! あの光の壁を引き剥がしてしまえ!」
女神はギュルヴィによってシェラン島付近にまで転移され、即座は自らが持つ宝具────国引きの権能を有した『台地よ征け、太平なる盾へと(フレイフィンガル・ゲフィオン)』を発動し、四方に出現させて四体もの神牛で光の壁を牽引する。ハロウィン許褚兄貴
魔術とは、根源到達……すなわち、悲願を達成するものでは無い。
果てのない道のりをただひたすらに歩むものであり、魔術師(われわれ)の人生は須く、無価値で、無意味なものなのだ。
だが、それは嘆くものでも無い。
魔道を歩むものではなくとも、一部の人間を除いては、大半のものが何かしらの偉業や革新を為すことなく、生涯を終わらせるものだ。
……そうだ、それは嘆くものでも無い。
全ては無駄なものだ。無価値で無意味なものなので、覆すことなど愚の骨頂。
そういう風に。
そういう風に世界は成り立っているのだ。
…………本当に?『彼女』の死を目にしても?>>858
ーカルデア内、ジョン・ハンターの私室兼診療所にてー
「──────……ふぅむ、そうですか。解剖できる良い機会だと思ったのですが。まぁまた別の機会にしましょう。いつもの周回用気付け薬、出しておきますね」
「じゃあこの解剖器具、片付けておきますね!はい、それからこれがお薬です!お大事に~」
ジョン・ハンターとその助手役であるオイノネ(リリィ)が診療に勤しんでいた。
「……あ。ハンター先生、これで一先ず予約していた人たちは終わりです。キリも良いですし、そろそろお昼休憩とりませんか?」
「もうこんな時間ですか……。そうですね、ちょっと休憩取りましょう。」
「わーい!実はユキメさんに『おにぎり』なるものを教わったので、今朝作ってきちゃいました!」
『オイノネちゃん、はじめの頃は握るのが下手すぎて凄まじいものが完成したよねぇ……(しみじみ)』
「わあ~!?アポロン様ぁ!!?」
「ほうほうどれどれ……」
和やかにお昼をとる二人(+一柱)、そこへ颯爽と一人のサーヴァントが乱入してくる。>>859
「やぁやぁ失礼するよ!──────そう、ボクだ!」
「まあ、ご機嫌よう。」「おや何か体調不良でも?アレクサンドラさん。」
『バロックの女王』こと、クリスティーナ・アレクサンドラである。
「人材を捜していてね!──────消滅したはずのソロモナリエが復活したらしい。詳しい話、聞きたいかい?」
「おや……」
「?」
興味を示したハンターと、かつての騒動が未体験故に頭上にハテナマークを浮かべるオイノネ(リリィ)。
そんな二人の反応を前にして、クリスティーナは神妙な顔つきで詳細を語りはじめた。
「かつて、ハロウィンの時期に出現し、カルデアが無事解決した残滓特異点・ソロモナリエ……。しかし今朝未明にあの場所が……いや、正確には『あの特異点の一部が突然出現した』とのことだよ。出現したポイントは『幽霊屋敷』……確かキミはあの場所を詳しく調査してたサーヴァントでしょ?」
「えぇ。興味深いエネミーが何体も生息していたのを覚えています。」
「どうやらその屋敷はね、前回より遥かに未調査エリアが増えているみたいなんだって。それも野外のような自然環境と思わしき反応も確認された、ともいう話さ。」>>861
「ま、マスターに黙って、ですか?」
「いやいや!ちゃーんと『話は聞かせてもらったッ!ではメンバー集めはこのクリスティーナ・アレクサンドラに任せて貰おうッッ!』と一言いって飛び出したとも!」
『それ許可取ったことに入るの?』
「…………ふむ。大変興味深い。是非とも一員に加えて頂けますか、アレクサンドラさん。」
「モチのロンだとも!で、可愛いナースさんはどうするかい?」
「えっ。……えーと、えーと……行きます!野外での活動ということならば、山育ちのわたしも何かお役に立てるかもしれないですし。」
「やったー!回復役が二人もいてくれるのは有難いよ!さあ諸君、時間は無いぞ!次なるメンバーを捜しに出立だ!」
「「『おー。』」」
こうして三人(+一柱)はメンバー集めを開始したのであった……。>>865
彼の護れなかった物を考えると、多少は闇が生じてもおかしくないのではと思ったんですよね…
あとここで凄まじいミスに気付いたので訂正を
趙雲は史実で劉備没後に曹仁の軍に1回敗北してました…
苦し紛れの訂正ですが将としては曹仁と互角に渡り合ったが計略で軍が崩れ撤退する事になったという事にします
無敗の将と呼ばれてるのは将としての一騎打ちには敗北した事がないって事でいいっすかね?>>870
なるほど、どうも。次の展開で使いますので、ありがとうございます。>>866
それです
弱さは罪ではないと思える何かしらの切っ掛けができれば、趙雲の迷いも晴れるかもしれませんね…(意味深)洛陽のCMイメージをリメイクしたので投下します
桃園に並ぶ五虎将軍と劉備(関羽と趙雲以外の現在未登場勢はシルエット)が並ぶ、次のカットで戦場跡に変わり趙雲以外消え武器のみが落ちている。
戦艦の上でリシュリューの兵と戦うデイヴィ、顎をなぞり笑うリシュリュー
鉄槌と槍をぶつけ合い、双方の武器が吹っ飛んだ後互いに殴りかかる許褚とパロミデス
降りかかる雷を避け、笑うインドラジットを睨む周瑜
大嶽丸の剣を受け、吹き飛ぶも凱角槍の風を使い突っ込む趙雲
何かに気付き振り向く黄夫人
満月を背に微笑む華佗
呪符を持ち睨みつける張角
黒い炎に包まれた場所で笑う◼️◼️、その後ろに現れる巨大な影
赤い雷を宿した剣を振りかぶり叫ぶ趙雲
タイトルロゴ、背景に四獣と陰陽図洛陽に現れし魔の軍勢、陰りし蒼天が戦禍に包まれる。fate grand order epic of remnant、黄魔動乱。俺には、護るべき物がある…!!
…最後クッソネタバレで草生えたけどあえて入れました。>>890
了解です、ありがとうございます!>>895
さ、流石に公式のハロウィンほどあたおか案件にはならないから大丈夫大丈夫……
…………。誰もいないので、少しだけ改修したヒャルティでも投稿しようかなと思います。
【CLASS】セイバー
【真名】ヒャルティ・フグプルーズ/Hjalti hugprúð
【性別】女性
【身長・体重】170cm・54kg
【スリーサイズ】B86/W56/H86(Eカップ)
【属性】秩序・善
【ステータス】筋力C+ 耐久A 敏捷B+ 魔力C 幸運E 宝具A
【保有スキル】
対魔力:A
魔術への耐性。ランクAでは魔法陣及び瞬間契約を用いた大魔術すら完全に無効化してしまい、事実上現代の魔術で傷付ける事は不可能なレベル。
騎乗:C
乗り物を乗りこなす能力。Cランクでは野獣ランク以外を乗りこなすことが出来る。「乗り物」という概念に対して発揮されるスキルであるため、生物・非生物を問わない。>>903
ベルセルク(戦士) :A
威圧・混乱・幻惑といった精神干渉を無効化、格闘ダメージを上昇させる「勇猛」スキルと「狂化」スキルの複合なのだが、理性ある戦士としての性質を有しているので、狂化スキルが稼働していない。よって、利点である勇猛スキルの能力だけを獲得しているので、実質勇猛スキルと言える。
竜種改造:A
竜の心臓を呑み込んだ事による、最高位の自己改造。竜種としての魔力炉心が形成され、サーヴァントでありながらほぼ独立した行動が可能。
高貴なる剣:A+
剣の守護者。ヒャルティを指し示す異名。戦場にて剣を振るい、王を守る為に自らを剣とする。主人と認めた相手を守る時、全パラメーターを上昇させる。剣の守護者と謳われたセイバーは、誰かを守る為に不屈の闘志を燃やし、肉体的にも精神的にも屈しない守護の力が無限に与えられる。>>904
【宝具】
黎旦なる金環蝕(グリンヒャルティ)
・ランク:B
・種別:対人宝具
・レンジ:1〜40
・最大捕捉:100人
フロールヴ・クラキの持つ「黄金の鍔」の意を示す黄金の剣。
伝承においてヒャルティが十二の席に加入した時、フロールヴが授けたとされる宝具。
この宝具は、北欧の黄金が持つ特性である魔力蒐集の能力を有しており、そこから“再分配”────この剣自身の権威である擬似的な無尽蔵の保持魔力を自陣に対して平等に分配する事を本質としている。ただし使用するにしても条件をクリアしなければ効力は発揮されない。
発動の条件は『対象が味方』『互いに同意を示す』で、喩えそれらをクリアしていたと仮定しても、確率で失敗する可能性さえあり、『授かりの逸話」があれば成功率はほぼ完全なものとなる。しかし、ヒャルティが使用する場合は例外であり、自陣であれば無条件でその効力を発揮する。
加えて、ヒャルティが真名開放した時、彼女の異名である『高貴なる剣』の特性を活かし、剣と竜の炉心によるほぼ無尽蔵の魔力を用いて防御結界を展開する事が可能。巨大な防壁として展開してもいいし、味方と指定した対象に盾を展開する事も出来る。>>905
黄金なる輪光、白銀の咆哮と共に(グリンヒャルティ・ゴルデンヒルト)
・ランク:A+
・種別:対軍宝具
・レンジ:1〜50
・最大捕捉:300人
『黎旦なる金環蝕』の能力である魔力の分配をかなぐり捨て、攻撃に全振りしたヒャルティだけの宝具。
宝具自体に宿る魔力と、竜の炉心から生成される魔力を増幅、循環、超加速させ、高貴なる剣たる所以の魔剣を魔力で形成し、対象に投擲するという対軍規模の宝具に仕立て上げた。
この宝具開放は、生前有翼の魔獣に対してボズヴァル・ビャルキが自らの剣を突き立て、見事に討ち滅ぼした武勇を再現しようとした結果であり、彼を共に立つ戦友として誇りに思うが故の賜物。
展開する際のギミックは、宝具開放時に全体が分解され、黄金と白銀のオーラが神々しい剣を形作る。そして溢れ出る魔力が完全に収束して留まった時、最大出力となって対象に投擲するものとなっている。>>906
【解説】
北欧の叙事詩『ビャルキの歌』に登場する英雄。フロールヴ・クラキに仕える十二席の一人にして「高貴」と称されるベルセルク。幼名は「ホット」。
貧しい農家の出で、戦士になる為に家を出るも元々の体格は小さく、力も弱々しかったのでフロールヴの家臣たちに虐げられる日々を送る。
ある日、一晩だけだが丁重にもてなしてくれた農家へ恩を返すべく、フロールヴの城に向かったビャルキに湖へと連れ出すという手段のもと助けられた。
傷を治療したビャルキは、ホットを城内のテーブルに連れて行き、隣に座らせる。それを見た家臣たちは、いつものようにホットに向かって骨を投げつけると、ビャルキは事前に掴んで投げ返し、家臣の一人を殺.した。
騒ぎを聞きつけたフロールヴは、古くから在籍していたベルセルクの一人が死.んでいると気づく。しかしビャルキに返り討ちにされた家臣は、問題を起こす頭痛の種であったようで、見事に下したビャルキを王は勧誘する。
ビャルキはホットと共に加入する事を条件とし、フロールヴもそれを受け入れ、ホットはベルセルクの一員として迎え入れられた。
ユールと呼ばれる冬の祭り時、誰もが手も足も出ない程の強さを持つ有翼の魔獣(ドラゴン)が田園を荒らしに襲来した時、ビャルキが自らの宝剣を魔獣の心臓に突き立て、これを討伐する。
この時ホットは、恐怖に足が竦んでしまうという醜態を晒してしまう。それを見兼ねたフロールヴは、魔獣の心臓と血液を飲み込む事を提言し、強くなるように叱咤を飛ばした。
自らの弱さを恥じ入り、ビャルキと並び立てる程の強さを欲して王の助言に従った結果、ホットは周囲のベルセルク以上の力を獲得した。
この時、祝福としてフロールヴから十二席の一つと魔剣グリンヒャルティを授かり、自らを王の剣とする為魔剣の真名たる「ヒャルティ」を名乗るようになった。
戦士としての胆力、技量、志しを後々のビャルキと高め合い、敵対していたアディルス王との戦にも勝利し、ホット改めヒャルティは充実した日々を送っていた。
しかし、フロールヴの王座を手に入れんと奸計を張り巡らせたスクルドにより、劣勢を強いられる戦を強制される。>>907
その時、死の直前ヒャルティは知ってしまった。ビャルキの怒り、定められた死の運命、そして全てが大神の手の平だったという事に。
そして、怒りに狂うビャルキを鎮めようと動く中、ヒャルティは命を落とした。
【人物】
黒をベースとした黄金の意匠が施されている鎧を身に纏う戦士。普段はフードで表情は伺えないが、その内実は美麗な顔の女性。
性格は男っぽく、一人称も「俺」というやや粗雑な言動が見られるが、礼儀作法を損なってはならないと徹底的に叩き込まれているので無作法ではない。
ベルセルクとしての矜持を大切にしており、自らを王と対等の戦友として十二席を授けてくれたフロールヴと、弱かった頃の自分を助けてくれたビャルキには深い感謝の念を抱いている。
特にビャルキに対してその傾向が強く、その念は敬愛を超えて既に異性に向けるそれとなっており、彼女自身もそれを自覚している。そのせいか王に感謝していると同時に、深い敬愛を抱いている事を複雑に思っている。
過去の弱かった自分がコンプレックスで、強さには貪欲。一人称は関しては昔から自らを強く見せようと「俺」を使っていた。
聖杯への願いは、ひたすら『強くなりたい』の一点張りで、召喚の儀に応じるのも数多の英霊たちと相見え、そして戦う事で自身の強さを感じるのを目的としている。
彼女の願いの根底には『ボズヴァルといつまでも並び立つ戦士でいたい』の感情が込められており、最強のベルセルクと肩を並び続けるには、只管強くならなければならないというのが活動するにあたっての原動力。
ただ、無論主君に仕える戦士らしく、マスターの命令には従うので決して暴走したりはしない。
女性らしさを捨てたのもあって、可愛いものなどには目もくれないようにしているが、仮に熊のぬいぐるみを目にしてしまった場合、即決即断で購入するらしい。
【能力】
「高貴」の異名に違わぬ可憐な剣捌き……ではなく、肉体全体を使った勇猛なる戦闘スタイルをしている。しかしながら魔剣を振るう姿は、気高く美しいと認識されるので強ち間違いでもない。
ベルセルクの名に恥じない能力を有しているが、どちらかと言えばサポート面に優れており、団体戦においては類稀な能力を発揮する。
また、竜の魔力炉心でマスターの負担を軽減し、竜の血液を用い、様々な局面に応じて能力を飛躍的に上昇させる戦法を取る。>>910
ウレシイ、ウレシイ……。>>912
多分ギャップ性があると思われ。心折れると女の子口調になって「いやぁ……やめて」になる。>>914
>>915
女性キャラクターは少ないですが個性は色々出したいですねぇ。フロームンドはマスターラブ勢だけど異性である男性にはマスターラブ勢、同性の女性だと友人・友愛の対象と絆レベルの上がりかたにも個性を出せたらいいなと思ってます。
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/m/wiki/%E3%83%95%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%97%E3%82%B9%E3%82%BD%E3%83%B3
イオラオスやロビン・フッドたちもしっかり書きたいなぁ詰まった……スランプではないけど確実に詰まった……
気分転換にハロウィンSSでも考えようかしらお久しぶりです……>>561の続きを投げても?
「ふぅ……疲れたなぁ」
「お疲れ様です、大我様。色々と立食されたかと思いますので、お腹に優しい果実水でもいかがでしょう?日本人の方の口に合うように梅味です」
「あー、ありがとう。酸っぱさも控えめで美味しい。……ところで、なんで俺の部屋に居るの?」
何かの事情でお開き……ということで自室に帰されたは良いものの、帰された先には零央は居らず、使用人を勤めているナハシュが側にいるという事実。大我も健全な男子高校生であるので、逢ったばかりの美しい同年代の少女と二人っきりというのはなかなかに……
「わたしの管轄内における皆さまの中で、咄嗟の事態における対応能力が最も低いお方には直接警護をせよという命令ですので……」
「それって部屋の前でって意味じゃないか?」
「………あ、あっ。失礼しました、わたし、こんな間違いをするなんて……!そうですよね、確かにこれ、プライバシーのアレコレに」「いや、でも……レオくんもいないし、すごい嬉しい。こんなに豪華な部屋に一人っきりなんて、ちょっと寂しくなっちゃうし」
「そうですか……では、失礼ながらこのままで。零央様は、別室にて待機となっていることを確認しています。本日はそちらで一泊し、明日のオークションには参列するかと。こちらで着替え等の手配も行っていますよ」
「そう?よかった。何か危ない目に遭ったのかと思ってたから」
「そんなこと、わたしが絶対にさせませんとも。ええ。守るために戦う術、生き残る術だけは誰にも」
………自信満々に胸を張るその姿。未だ学生ながらも、師に付き従い多くの荒事の中に身を置いたこともある大我だからこそわかること。
少女は幾度と修羅場に身を投じ、生き抜いてきた。日頃から完成された呼吸の歩き。時折、その姿が孤独のように見えるのは恐らく多くの別れを体験したからだ。
「………気になりますか?わたしのこと」
「あっ、いや、そういうわけじゃなくて」
「大丈夫ですよ。大我様の学生生活を根掘り葉掘り聞いたのですもの。わたしも、何かを話さないといけませんね。……ええと、まず何を話そうかな」とはいえ、何を話すこともない。少女は平凡な街娘の生まれであり、ただ少し、少女の家族だった老婆は古くからの呪い師だったというだけの話。少女には魔術を扱う才能があったから、老婆の教導に従って魔術を扱うようになったというだけの話だ。
「ただ、ですね。ある日、真夜中に目が覚めたら街が燃えてたんです。街といっても片田舎もいいところなので、助けなんて来ませんでした。魔術師がそれを実行したみたいで、ご丁寧に外部との連絡手段は事前に全部絶っていたんです」
だから、誰も逃げられず、そこで、みんな、ゴ.ミみたいに。
「なぜやったのか、は少しならわかります。どうやってとか、そういうことは全くわからないんですけど。ただわかってるのは、彼らの秘匿が完璧で、生き残ったのがわたしだけってことでした。わたしだけが、魔術工房に隠れていたから。そしてわたしは、生き抜くために都合のいい小間使いとしてこのオークションの主催者の一人、メグノリア様に拾われました」
「………」
「悲しくはないですよ。泣いて哀れんで悼んで縋ってみんなが帰ってくるならいくらでもそうします。けど帰ってこないので。なら、もっと別の、自分がやりたいことのために自分の人生の容量を使う方がきっと良いんです」本当に、本当に悲しいと思っていなかった。少女の顔は冷徹な微笑を浮かべているが、それは自身の感情を押し殺した顔などではなく、本当に後悔をしていないという表情だ。
少女の村の人々が亡くなったことは悲しいことで、その冥福を祈る気持ちはある。だがただそれだけ。失われた命に対して固執する思いは、とうに消え失せたという。
「優しいんですね、大我様は」
「………俺が?何もできてない、ただ話を聞いただけだぞ?」
「だからですよ。憐れまない。同情しない。自分に関係のない、もう取り返しのつかないことで無駄な後悔を抱かない。未だに心を囚われている人にはそれは手酷く映るかもしれませんが……わたしのような人でなしには、煩わしくなくて心地良いのです」
「それは、その……だって、それは」
「大丈夫。無駄に悔やむことをしないというだけで、犠牲になったみんなの幸せを祈ってくれていることはわかりますよ。そして……それは、本質的にわたしのことを思ってのそれではないのだということも。貴方様の腕ですよね」見抜かれている。全て全て、目の前の少女の眼には映っている。自分と1歳しか変わらないのに、本当に聡明な少女だと思う。事前にある程度の情報を知らされていたということはあるのだろう。だが、それを顧みても、少女の眼は慧眼とも言うべきものだった。
「すごいなぁ。簡単に見抜いちゃうんだ」
「魔術は得意ですし、屈強な殿方と拳やモップをぶつけ合うのであれば観察眼は必要です。メイドの嗜みですよ。……わたし、棒術が本命ではないですけど」
「すごいなぁ、メイドさんは。俺の知ってるメイドさんはそういうのじゃないと思うんだけど」
「わたしの知る優れたメイドはテロリストの立て籠った学校一つ安易に無血開城してみせますが」
「怖いなぁ、メイド!!」
「はい。怖いんですよ?メイド」
本当に、取り留めのない会話。まさに年頃の子供達らしいと称すべき会話は、どことなくむず痒くて、暖かい。それは、少女にはなかったものだ。それは、少年にとって当たり前であるべき物だ。「………同情はしない。されるのも嫌い。だってそれ、今のその人の幸福を踏みつけてる。亡くなった人を想うことと、亡くなった人に縋りつくことは違う。失った過去を想わなくても、最高とは言わないけど、俺は今が幸せだ」
「同感です。未来のもしもを想像するのはとても幸せですが、過去のもしもを想像するのはとても心に刺さるので。わたしを構成する全てがなかったことになってしまう」
「死んだ人間は、戻ってこない」
「かつての幸福は、もう届かない。なら─────」
いま、自分が何をしたいかに心を巡らせる方がよっぽど良い。虚しいことはいつまで経っても虚しいのだから。
「……そろそろ眠くなってきた。お風呂入って、着替えて、歯磨きして寝ることにするよ」
「ご随意に。お呼びでしたらいつでもこのベルを鳴らしていただければ。それと、ダヴィ様とアリウム様に室内の電話がつながるように魔術をかけておきました。零央様がお帰りになった後にそちらとも繋ぐ術式を付加する予定ですので」
「………ここって停止の魔術がかかっているんじゃ?」
「所詮は古臭い呪いです。それなりの実力の魔術師が術式を構築して縁と回路を繋げば問題はありません」「やっぱすごいなぁ、ナハシュは。……おやすみ」
「はい、お休みなさいませ」
心が躍る。ここまで楽しかったのは村でのお誕生日以来。なんて柔らかい時間だったのだろう。わたしはそんなことを考えながら、わたしの仕える主の部屋の扉を開ける。
「おかえり、ナハシュ。何か怪しいものはなかったかい?」
「城の中を嗅ぎ回る刺客が多少は。しかし大きな事件はありませんでした。……クリミルア様以外は、おそらくは」
「そうか。まあ典型的な貴族主義のような魔術師だったからな、アイツは。そのくせ資産を手元に集めることに拘る資本主義の豚のような男でもあった。殺されて当然だ」
「メグノリア様は、大丈夫なのですか?その、貴方様は同じく主催者でありますから……」
「私のことを心配してくれているのかい?良い子だ、ナハシュ。……さ、こちらへ。身体の様子を見てあげよう」尊大不遜に椅子に居する流麗なこの御仁こそが、わたしが本当の意味で仕えている主であるメグノリア様。メグノリアという名前と、卓越した争いの技の数々、そして倒錯した性癖しかわたしはこの方のことを知らない。年齢も、性別も、国籍も、苗字も全て。別に知りたくもないけれど。
「ほら、だめじゃないか。ちゃんと全部脱いで、わたしに体を任せて」
「………はい」
いささか主の“趣味”に偏りすぎている調整という名の愛玩が、またわたしを苛むだろう。しかし、慣れれば心を無にすればどうということでもないのである。無理やり華を散らされるわけでもない、純潔を保った、ある種奥手なものであるとも。わたしを拾ったのはメグノリア様であるので、わたしをどう使うかも主たるメグノリア様の自由だろう。
今夜の月はほぼ満ちかけている。あと少しで満月。明日、明後日あたりにはだろうか?ああ、ちょうどオークションの日。わたしには関係のない、けれど少しだけ想いを、鼓動を跳ねさせる日。
「………大我様」
願わくば、また何かの騒ぎが起きる前に。あの背の小さな少年には鬼の角を勝ち取ってもらいたいと思った。>>898
どのカットにも躍動感があって素晴らしい!
趙雲に動きが加わるとよりイケメンですね!15時になったらハロウィンイベの続きを投稿させていただきます~
前回までのあらすじ:
こちら騎士・メディック・メディックですがパーティーメンバー募集中です。
-カルデア内・廊下にて-
「──────まぁつまり、今ボクたちのパーティーには前衛役(アタッカー)が必要だということだよね!……あ、場を盛り上げてくれる吟遊詩人(バード)も良いなぁ!んー、いっそのこと遊び人も楽しそうで捨てがたいかもー!」
「お気楽ですねぇ」「ですねー」
そんなやり取りをしながらカルデア内を彷徨く三人。するとバッタリ、ある女性に出会う。
「騒々しい。非常事態か、それとも悪巫山戯か。」
影の国の女王が妹にして勇ましき女戦士、オイフェであった。>>939
「……なるほど。そのような異変が見つかったとは。」
「そうなんですよ。……ところで淡路さん、顔色が良くないように見えますが……」
「あ!それボクも思ってた!それにさ、なんか苛ついてる感じもするんだよね!」
洞察力と直感で彼の変化を見抜くハンターとクリスティーナ。
「……はぁ。目敏いな、其方は。」
「えっ。大丈夫ですか!?」
「優先すべきは十分な休息と原因の解明と判断。」
廃帝を囲んでわいわいと心配する一行。
四人の喧しさに閉口しつつも、そのおかげなのか「声」が弱まる気配を感じる廃帝。
「(……この慟哭が鎮まるのを独り待つよりは、皆と居る方がましではあるか…………それに私は……この「声」が何か、何を訴えているのか、知らなければならない……。)」───え。今、なんと……?
聞こえなかったのか。『この島に居ても良い』と言ったんだ。
わざわざお前一人のために、結界を再調整するのも腹が立つからな。
───い、良いのですか!……っ、ありがとうございます!魔法使い様!!
……その『魔法使い』という呼び方はやめろ。
私のことは……あぁこの際だ。一緒に来い、お前が此処で暮らす上で幾つか話し合う必要がある。
───はいっ!!たててきます!
>>952
黄夫人がカルデアからあらゆる奴のデータをタブレットか何かにブチ込んで持ってきててそれで看破するとかしか思いつかん…
ガチでまずいかもしれん>>954
おー。一応デイヴィくんが海や川に沈んだ系逸話のあるナニカを目視で「アレ○○ってほうぐだよ!」したり1.5部時空ならカルデア召喚済サーヴァント辺りに生前話聞いて~とか提案しようと思ってたが、大丈夫そうでヨカッタ。falling moon最新話出来たのではってもよかですか?
>>956
チェスト関ヶ原>>928
ナハシュさん…前回のエイラさんレオさん共々、殺人事件発覚直後ではありますがキャラの深掘りと小休止とが合わさった安心感のあるパートですね…
と思ったら最後に退廃的かつ不穏なパートが…メグノリアさん…不穏だ…
>>942
オイフェさん、最終的な承諾理由がお菓子でいいのか…可愛い…
廃帝が「声」の出どころを探して動くっていうのは個人的にいつかしたいと思っていたものなので、こういった登場の仕方はかなり嬉しい…そして心配してくれるみんな優しい…
>>945
優しさに包まれてたら穏当から遠く離れた回想がー!シリアスと湿度がMAXじゃないですかー!
これと関わってくる特異点、ドキドキするなぁ…
>>948
ひぇっ鵺だ…ありがとうございます…ありがとうございます…(保存ボタンぽちぽち)
鵺のこの衣装は第二臨の予定なんで、はい…
>>949
めちゃラフな格好ー!歌っているのは阪神かえーりんか…楽しそうだからいっか!黒くなったからはるべ…
曰く、黒江凪咲は駅前の路地裏で倒れているところを発見されたらしい。目立った外傷はないが、気を失っていたそうだ。そして市内にある月見第三病院に運び込まれた。職員室を通りかかった生徒が聞いた話はここまでである。
一体何があったのか、想像するならば一番に出てくるのは暴漢に襲われたというものだ。しかし理仁は違う。この街に巣くう何者かを知っている彼だけは、違う。
理仁は気が気ではなかった。彼の脳裏には昨夜、助言をしてくれた凪咲の顔が消えずに離れないのだ。けれども授業を抜け出す事は出来ない、そもそも闇雲に飛び出したところで何をすれば良いのかもわからない。言いようも知れぬ無力感に苛まれる。
(きっと黒江はクスリを売っているマスターに襲われたんだ。そうでなきゃあんなタイミングで襲われるはずがない……)
取引の現場を凪咲は目撃していたという。マスターはそれに気付いていたのだろう。
「理仁君、理仁君」
授業が終わり次第柳花と合流して回収された薬物を調べよう。専門ではないが自分にも何か出来るはずだ、理仁の中でこれからの予定がぐるぐると駆け巡っていく。
と、肩を叩かれる。何かと思い横を見ると、経子が不安げな顔でじっと理仁を見つめていた。>>960
「お昼が終わってから様子変だよ?どうかした?」
「……いや、何でもない。ちょっとショック受けたから」
「ああ、うん。私も。初めて聞いた時びっくりしちゃった」
教室の空気はかなりざわついている。クラスメイトが何者かに襲われて意識不明、そんな噂が飛び交えば授業を受けようなどという気持ちが何処かへと失せてしまうのも仕方ない。
経子もそんな空気に呑まれているのか、先程から視線を泳がせている。彼女らしくない不審な仕草に理仁は首を傾げる。
「どうかしたのか、変だぞ」
「ええ?そうかなあ、うん、そうかもしれないね。うん、うん」
「?」
「何でもないよ、忘れて。それより学校終わったら黒江さんのお見舞いに行ってみない?」
見舞い、そう言われ理仁は自分の鈍さに苛立つ。そうだ、まずやるべき事は凪咲の見舞いに行く事だ。襲 われたと言うのだから彼女を気遣わねばなるまい。それにもしかしたら襲ってきた相手の姿を見ている可能性もある。
「そうだな、俺も行くよ」>>961
「いやあ奇遇だな。教え子がお見舞いに行くところに偶然出会うなんて俺ぁツイてたよ。日頃良い教師をやってたおかげかね」
本来は理仁と経子の二人で病院に向かうはずだったのだが、思わぬ人物にぶつかってしまった。担任の浦戸である。
柳花にはお見舞いのついでに情報収集をしてくるから先に帰っている様に、と伝えた。元から柳花を手伝おうにもやる事が無い。柳花からも反論はなく、「聞けるだけ搾り取ってこい」と言う返事と共に電話は切れた。
そして改札に入り電車を待ちながら話していたところ、浦戸がこっそりと忍び寄って理仁の肩をポンと叩き、
「よっ、何処行くんだ二人で。デートか?」
第一声がこれである。二人は本当に驚いたが、浦戸は凪咲のお見舞いの為に仕事を切り上げてきたのだと言う。
「先生、大丈夫なんですか?仕事残ってたりとか……」
「仕事より教え子だろうが。お願いじまず〜〜って嘘泣きしたら厄介払いみたいな形で許されたよ」
「浦戸先生、職員室だといつも騒がしいですよね。数学のマサムネ先生、やかましくて仕方がないって愚痴を言ってましたよ」
「あーん?そりゃあの爺さんが歳だから大声張ってんだ」
ぬははと笑う浦戸からは相変わらず香水の匂いがする。今日はいつものとは違う香水の匂いがして、何故かそれを嗅ぐと落ち込んでいた気持ちが明るくなっていく。自然と理仁と経子は口が軽くなり、おしゃべりをしてしまうのだ。>>962
「んで、お前らデートなの?」
「違いますって。三義もなんとか言ってくれ」
自分で話を振りながら、ちょっとだけ理仁は経子からどんな反応が返ってくるのかと期待した。大して交流していないのに何を期待するのか、と自分でも思いはしたがもしかしたらもしかする可能性を捨てきれないのだ。
「違いますよ先生。私達友達ですから」
経子はニッコリと笑いながら言った。悪意はない、心からの言葉だ。そうはっきりと言われるとなんだか物悲しく、理仁は心の中でしょんぼりした。
「だとさ、残念だったな間久部」
「何も言ってませんけど……!」
「へいへい図星〜」
カラカラと笑う浦戸の隣、絶妙な距離感を保ちながら経子が立っている。気のせいか、彼女は電車に乗ってから一度も理仁と目を合わせない。顔を向ける事はあっても、決して目を合わせない。というよりかは、浦戸をずっと見つめている様だった。>>963
「えー、見舞いに来てくれたの?嬉しい。お土産ある?メロンとか」
凪咲は思っていたよりも元気そうだった。運び込まれてすぐに目を覚ましたそうで、大事を取って入院しているそうだ。
理仁はと言えば先程まで不安が杞憂に終わった事に安心しつつ、口元を綻ばせてベッドに寝そべる同級生を凝視する。話の通り目立った外傷はない。
「まあ、元気そうで安心したよ」
「クラスのみんな、とても心配してましたよ。黒江さんがいないと慌てていました」
「えー意外。いてもいなくても気にしない方かと……って、先生の前で言う事でもないか」
「……こっちも意外だわ。黒江、お前以外と話す方なんだな」
「あははは、先生と話す機会ないし、そもそも先生私に話しかけようとしないじゃん」
そう言い返され、浦戸は気まずそうに頬を掻く。どの生徒とも分け隔てなく話している印象があったが、彼にも苦手な人間はいるようだ。
「あのさ先生、クラスメイト同士で積もる話もある訳だし私達だけにしてくれない?」
「む。ああ、分かった。おっさんいるとそういう話しづらいな確かに」
少々名残惜しそうにしながら浦戸はそそくさと病室から出て行き、しっかりそれを確認してから凪咲はため息をついて理仁に視線を投げかける。>>964
「えーっと、三義さんはグル?」
「いや……」
「そう。じゃあ耳貸して」
凪咲に言われるがままに首を傾げる経子をよそに理仁は顔を寄せる。もしや誰に襲われたのかを教えてくれるのだろうか。
「……犯人追いかけてるんだっけ?」
「ああ、見つけたら警察に通報するつもりだ。なんなら、喧嘩強いしとっちめてやる」
理仁は適当にそう言い訳した。あくまでも自分が正義感を持っている奴、そういう風に見せておきたいのだ。
凪咲は怪訝そうに眉を潜めながら、
「ふぅん?まあいいや、ちょっと頭来てるから話しちゃう。匂いがしたよ、香水の匂い」
香水の匂い。そう言われて理仁は思わず病室の外に目を向ける。咄嗟に脳裏をよぎったのはいつも香水の匂いがする担任だったのだ。
しかしすぐにそんな考えを振り払う。香水は誰でもつける、あまりにも短絡的すぎる考えだ。>>965
「他には?」
「これだけ。匂いがして振り返って、気付けば病室だった」
顔を見てくれていたらありがたかったが、流石に犯人もそこまでバカでもないようだ。しかし何故凪咲を襲っておきながら、始末しなかったのだろうか?見られてしまったから口封じしようとしていたにせよ、ターゲットである凪咲が生きているのならむしろ自分の痕跡を残す事になる。
疑問を抱きながらも、話してくれた凪咲には感謝しかない。
「……なぁ、なんで助けてくれるんだ? どう考えても怪しいだろ俺」
「だから好きだって言ったじゃん。好きなんだよね、真っ赤な人」
相変わらず良く分からない事を言う。少なくとも善意でそうしてくれていると認識し、理仁は肩をすくめながらベッドから離れる。
「え、二人で何の話してたんです?私仲間はずれ?」
「良いの良いの。今のは秘密の話だから、ね?」
「ああ、まあそうだな」
「何それー!二人とも知らないうちになんでそんなに仲良くなってるんですかー!?」>>966
見舞いを終え、浦戸は学校へ戻ると言って理仁達とは別れた。別れ際にバレない様に香水の匂いを嗅いでみたが、悔しい事に理仁はそれがどこのブランドのものなのかまるで判別がつかずにモヤモヤした。
凪咲からの聞き込みも終わり、後はさっさと家に戻り柳花からクスリについての話を聞くべきなのだが、理仁は今朝経子と交わした約束を叶えるべくゲームセンターへと向かう事にした。
「理仁君、何処で黒江さんと仲良くなったの?二人とも、教室じゃ全然話してないよね?」
「しつこいぞ。この前ばったり会って、ちょっと話したくらいだって」
「ちょっとって感じしないけどな~。あ、あったあった!」
再びせんべいのぬいぐるみと相対する。いつ見ても何が可愛いのかまるで分からないが、経子の目がキラキラ輝いているのだからそれを否定するわけにもいかない。とりあえず手早く取ってしまおうと理仁は百円を入れた。
「これ、昨日取ろうとしたんだけど全然上手く行かなかったんだよね。挙句に生徒会長に捕まっちゃうし」
「生徒会長が?あの人もゲーセン来るんだな」
「ううん、なんか見回りしてるみたいだった。ほら最近物騒でしょう?だから」
「ああ……凄いな、忙しいだろうに。ってか三義も気をつけろよ、ゲーセンに一人でいたら危なくないか?」>>967
他愛のない会話を交わしながら、理仁の指は正確にレバーを動かしてせんべいのぬいぐるみを掴み取って受け取り口まで運んでいった。
「よーしOK」
「ありがとう!やっぱり凄いね、理仁君は」
ぬいぐるみを手渡すと、経子は顔を赤くしながら受け取り、顔を埋めながら力一杯抱きしめる。もう離さないぞ、というその仕草に理仁は思わず微笑んでしまう。
と、そこで経子は唐突に顔をあげた。先程までの嬉しそうな表情が失せた、不気味な雰囲気を漂わせている。
「……あのさ、理仁君。もう一度聞いて良い?黒江さんと、何を話してたの?」
「いや、だから」
「洲甘先輩と、何を話してたの?サーヴァントって、何の事なの?」
驚きのあまり声が出そうになり、咄嗟に理仁は口を手で覆う。経子はそんな反応に目を潜めると、確信を得たように小さく頷く。>>968
「最近隠し事しているというか、コソコソしていたからどうしたのか気になってんだよね。お昼は屋上で食べてたけど一人なわけないし、と思っていたら……洲甘先輩と一緒だった。二人で何してるの?黒江さんも関わってるの?」
「盗み聞きしてたのか?」
「それは後で説明する。黒江さんに何があったか知ってるんだよね?急に先輩と一緒にいる事増えたし、みんなの知らないところで何かやってるんだよね?」
理仁は返答に困った。何も知らない経子にどう説明するべきなのか、説明して後で柳花に怒られないかと頭の中でグルグルと駆け巡り始める。
それを打ち切る様にして、経子はぬいぐるみを片手で抱えながら懐から携帯を理仁へと突きつけてくる。
「昨夜急に出てきたこれ、理仁君の手にあるのとそっくり。何か関係しているんだよね?」
映っているのは経子の肩らしき写真。白い肌には不釣り合いな、真っ赤な痣、令呪がそこには刻まれていた。
『七騎目のサーヴァントの召喚が確認された』
そんな柳花の言葉を思い出す。経子がサーヴァントを召喚したのは昨夜、七騎目のサーヴァントが召喚されたのも昨夜だった……。
「お前が……七人目のマスターなのか?」
(『私は設定を書き散らし過ぎて過去ログを漁る事になりました』と書いてある板を下げている)
こそこそキャラ話
実はプルフラスが好きなものは「ロゼお手製のプリン」と設定してましたが「ホットケーキ」になりつつある今日この頃-カルデア内・ゲート前にて-
現状、判明している情報は以下の通り。
・残滓特異点・ソロモナリエの一エリアであった、『幽霊屋敷』が突如出現した。
・事前に行った魔術的アプローチによると、屋敷自体は前回より遥かに未調査エリアが増幅しているという結果が出た。
・更に、その未調査エリアには野外のような自然環境と思わしき反応も確認された。
と、改めて今回確認された特異点の詳細を聞く一行。
「ねぇねぇ、本当にキミは知らないのかい?」
「我もロゼも、本当に何も知らないと言っている!これだから混沌・善はー!」
「ぷ、プルフラス、落ち着いて。」>>984
こういうフリーダムキャラはお話を進める上で本当にありがたひ……
ふっふ……果たして出るのは幽霊か、それともコスプレイヤー?か……「助けたいんだ。あの"誰か"を」
【氏名】瀬分 八雲(せわけ やくも)
【性別】男性
【年齢】17
【出身】日本
【身長・体重】168cm・57kg
【肌色】肌色【髪色】青混じりの黒【瞳色】藍色
【外見・容姿】ボサボサ頭の少年。サンダルを愛用している。
【令呪の位置】右手の甲
【属性】混沌・中庸
【好きなもの】夏休み、波に揺られる感覚、きゅうりの浅漬け
【嫌いなもの】苦痛(無自覚)、シャトルラン(ゴールがないから)
【魔術系統】降霊術
【魔術属性】水
【魔術特性】遡る
【魔術回路】質:D 量:C 編成:通常
【起源】辿りつく>>990
魔術・特殊技能・特性など
『海の終わり』
先祖返りによって発現した恒久的存在変換。海の属性を与えられ、人であることを薄れさせる。
流れ着くすべての因果を受け止め、終わりから始まりを目指す存在に変わる。
"海の終着点を定め、終点から始点へ遡り、命が生まれた始まりの海へ辿りつく"…………そのようにして根源へ至ろうとした一族の、ある意味での完成形。
『漂着者』
それは海の終わりの一端である。
浜辺に人や物が流れ着くように、彼の元にはあらゆる海の記憶───太古から星に記された海の情報が流れ込む。
例えば記憶として。例えば呪いとして。例えば声として。
『おろちの呪い』
それは海の終わりに流れ着いた呪のひとつ。
この呪いに侵されれば死がマシに思える苦しみに浸される。足の一歩、呼吸一つに命懸けの重みを課す。それは生きとし生ける者の毒となり、七難八苦を与えることだろう。
この苦痛ゆえに八雲は幼子にしてその心を砕かれた、
起源はかつて瀬戸内海の水底に沈んだ娘に宿った大蛇の怨念。
ある程度神秘に通ずる者が見れば、どうして生きているのか不思議なほどに強烈で悪辣な呪いが見えるほど。
遡れば大いなる竜そして宝剣へと繋がりかねない、人の身には余る呪いである。
八雲が無視できぬ"声"はこの呪いの源にある。>>991
『自己暗示』
強く強く思い込むことによって自己の認識を上書きする。呪いの苦痛で砕けた心を守るため生じた自己防衛本能。
「痛くない」
「苦しくない」
「自分はなにも感じない」
そんな吹けば飛ぶような言葉にすがり、自身を苛む苦痛に耐えようとした。
そうこうしていると不思議なことになんの根拠もない言葉は、強い思い込みによっていつしか真実となった。
痛みを感じない、苦しみを苦としない、自身を苛むすべてになにも感じない。そんな心が出来上がった。
来歴
瀬戸内海に数ある島のひとつに生まれた少年。遠い祖先にエルルモアという魔術家系の存在がある。
三歳を迎える直前で『海の終わり』が発現。二日と経たぬうちに死にかけ、そして『自己暗示』で生き延びた。
瀬分 八雲という人間の人生について特筆すべきことはこれだけである。以後は環境に即したごく普通の人生を送る。
家族がいて、友達がいて、勉強を嫌い、遊びを楽しむ。
苦痛を感じないことを不気味がられたりもした。みんなは苦痛を感じて、自分はそんなものを感じない、となれば次は隔たりを感じる。孤独を覚える。
漠然とした将来に不安に覚えながら、自分とはなんなのかという疑問に頭を悩ませる。そんな普通の人生。>>992
そんな人生の最中でただひとつ、無視できぬ"声"があった。
声の正体は『海の終わり』がもたらした遠い昔の誰かの想い。怒りであれば、嘆きであれば、苦痛であれば、感じないはずの八雲が、それでも無視できぬ声。
ふとした時に聞こえる声。
何度も夢に見てしまう声。
いったいなんの声なのか、誰の声なのか、なんでそんな声が聞こえるのかも八雲にはわからない。
わからないまま、助けたいと思ってしまった。
人物像
『自己暗示』による影響が強く、苦痛というものを感じない。
痛みや悪意に頓着しない性格となり、ひざをすりむいても友達から仲間はずれにされてもけろりとしている。
幼少期は親にぶたれても"遊んでもらっている"と勘違いして笑っていたことがあり、両親からは大変不気味がられた。
いつしかそんな自分が周りから浮いていると気づき、現在は痛いフリ苦しいフリを駆使して誤魔化している。
それ以外は基本的に一般人メンタル。ほどほどの良識があってほどほどに欲がありほどほどに不真面目。たまに幻聴が聞こえるらしい。
面倒くさがりのサボり魔であり夏休みの宿題を最後にやる、ように見せかけて結局やらずにうやむやにするタイプ
無意識の底、自分でも気づかないほど深い心の奥では"苦痛は避けるもの"という意識が根付いている。面倒くさがりの根底がこれ。
苦痛からくる孤独や理不尽に打ちのめされた心は自分を傷つけるものすべてを強く恐れている。
恐れるからこそ避けるようになり、避けられないからこそ自分の心を守るため苦痛を感じなくなった。感じなくなった……という認識すらも苦痛を思い起こす呼び水になりかねないため、『自己暗示』で恐れは無意識の奥に引っ込めている。>>993
自分と同じように独りで抱え込んで身を滅ぼそうとしている者を見ると一言物申したくなる。
息も難しくなるような苦痛と孤独を知っているからこそほうっておけず余計なお世話を焼いてしまう。
しかし前述のとおり八雲が知っている苦痛は自己暗示によって無意識の奥に引っ込んでいるので八雲自身にもなぜほうっておけないのかわからない。
面倒くさい面倒くさいと思いながらも身体だけは勝手に動く自分はどこかおかしいんじゃないか……と小さな不安の種になっている。
八雲は自分の身に『海の終わり』なるものが存在しているとは知らない。
遠い祖先が魔術師であったというだけで、八雲自身は魔術や呪いのような神秘に属するものが実在していることすら知らない。自分、あるいは自分の周りで起きる奇妙な出来事は"そういうもの"程度の認識でいる。
霊感の強い者や"見える"人から「お前、ヤバい」とは何度か言われたが、まぁ信じてはいない。
が、すぐに信じれるだけの下地はある。英霊、聖杯、魔術、とにかくわかりやすい実例を見せればあっさり受け入れる。
サーヴァントへの態度は、まぁ普通。魔術や英霊には詳しくないので初対面だと普通の人間扱い。
一貫した信念のようなものはないためサーヴァントの行動でいかようにも変わる。が、大抵は流されるままである。
例外として。自ら苦難を望み、なお進もうとするバカ野郎が相手だとほうっておけずになんとかしてやろうと躍起になる。
聖杯にかける願いは『あの声を助けたい』。
ただそれだけのシンプルな願いを胸に彼は戦場に立つ。>>994
【一人称】おれ【二人称】お前、アンタ、テメェ【三人称】あいつ
台詞例
「『働いたら負け』……うん、昔の人はいいこと言った」
「だって面倒だし……あーはいはいわかった、やるやるやらせていただきますぅー」
「あぁこんなの痛くない痛くn、いや間違えた! 痛い! 痛いなー、痛いなー!」
「あー、まーた聞こえる。んにゃ、なんでもないよ」
「あぁぁもぉぉぉうるせぇ! やりゃいいんだろやりゃ! やってやるよくそがー!」
「人生やりきって幽霊になってまでまだやる気かよ、なにが七難八苦だよバカだろお前。
もういいだろ、もういいじゃないかよ、楽になっちまっても。なんで、そうまでして戦うんだ」
「やりたくて人助けなんて面倒なことやるわけないだろ。正義の味方じゃあるまいし」
「おれにだってわかんねぇよ。ただ、ずっと無視できないから、助けたいんだ。あの"誰か"を」
【製作者】黒鹿ファン
…………………はい、こんな感じです>>995
これは……これは巻き込まれ主人公的マスター?>>995
中々主役感あるといいうか、SSの語り部的な枠として良い感じのポジションを得られそうな雰囲気ですね。『海の終わり』って厄ネタみたいなのもあるし、聖杯戦争系ストーリーの主人公行けそう。
令呪を提案してみる。クラゲだって。1000なら宝具演出
1000なら自作キャラたちの一日ルーティン紹介~
1000なら自作キャラが終局特異点に来た時
聖杯大会運営本部【リレー相談・雑談】#200
1000
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています