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聖杯大会本戦統合スレNO.5
https://bbs.demonition.com/board/6193/
ラフム語翻訳機
https://yt8492.github.io/RafmanTranslator/キャラクターが好きな中華料理とは珍しいお題ですね。
夏美→エビチリ
伊佐那→餃子
食満→麻婆豆腐(激辛)
螢→酢豚
カイホスルー→中華粥(胃に優しい)
アーダルベルト→小籠包
神野→なし
>>3
曹操は炒飯とか好きなイメージ。なんだったら自分が食べたことのない中華料理を自作しそう。クックパッド利用したりとか。>>3
うまいうまいと言っている横で、食べ終えた蒸籠が塔のようにワーッと積まれてそうですね……!>>6
次は鱒編
グリフィン:シュウマイ
エイベル:桃夢が作るものなら犬肉満載の火鍋でも平気
桃夢&星雪:よっぽどのゲテモノじゃない限り満遍なく(強いて言うならそれぞれ干しアワビの煮物と、酸辣湯)
ビオランテ:餃子(特に焼きは鉄鍋)
リディア:中華粥(魚介出汁ならなお良し)とオレンジチキン>>9
いかん、間違って投稿してしまった
本当はこう書くつもりでした
>アロハニキはいつの日か>>8
お久しぶりっす、顔出し嬉しいですねぇ。
>>1
立て乙~。
さて、中華料理ね…。
クッチー:麻婆豆腐(辛すぎないヤツ)。理由…「なんか中華と言ったらコレ、みたいなトコない?ぶっちゃけ俺ってバカ舌だからさぁ、栄養補給できれば何でもいいし」
ポルカ・ドラニコル:小籠包。理由…「小龍包とも書くそうではないですか。ドラニコルという龍に所以のなる苗字を持つオレとしちゃあ、結構ストライクなんだよなぁ、中にイイ温度のスープがあるのも高ポイント」
刹那:叉焼。理由…「なんかイギリス料理のある種豪快というか焼くだけ、って言うかサ!食材そのものを活かす感じにシンパシーを感じたというか…」
迅龍くん:中華料理全般。理由…「拙は食事の必要性はあまりありませんが…。やはり故郷の料理というのは懐かしい?ですから…」
鳳蝶さん:炒飯や拉麺。理由…「ご家庭や調理人によって結構幅があるから、でしょうか。色々と比べる食べ歩きも面白いモノですから」
パット考えたらこんな感じ。>>13
こちらこそよろしくお願いします。与一のスキル名を一部変更しました。スキルの内容はほぼ同じです。
変更後はスキル名→「技能円熟の極致」、「戦技無双の眼力」
>>8
お久しぶりです。
アロハニキ、クーフーリンにも霊衣があるといいですね。水着アルテラをずっと待ってる。
>>8
お久しぶりです。深夜に唐突ですが。前スレ1000のお題を見て思い浮かんだSSを上げちゃいますね
今なら人もそんなにいなさそうですし子どもの頃から、親の手伝いでしょっちゅう家事はやっていた。
同年代の子ども達が遊んでる時も、家の仕事で両親が苦労しているのを見ると、遊ぶのを止めて手伝いに走ってた。
両親は「たまには自由に遊んできなさい」と言ってくれたけど、あたしはいつも「父さんや母さんを手伝う方が楽しい!」と言ってきかなかった。
そんなあたしを見て、二人は困ったような顔で顔を見合わせていたけれど――最後はいつも、根負けしたように手伝わせてくれていた。
「――よし、と。みんな、できたよー」
かんかんかん、と。鍋を叩いて食事時を知らせる。
その音を聞き、待ちかねたと言わんばかりに部隊の皆が押し寄せてくる。大の大人たちがお腹を空かせきった様子で集まる様はちょっとだけ可笑しく、私の密かな癒しだ。
「はい〇〇、残さないようにね」
「おう、ありがとさん! ……くーうめえ! お前が作る飯はほんと最高だぜ、木蘭!」
「はいはい、ありがと。まったく、いつもいつも大げさなんだから」
「いや、そう謙遜したもんじゃないぞ。真面目にこの美味しさは隊の士気に関わってる。かくいう自分も、この一杯の為に日々の過酷な戦を耐え凌げてるというものだからな」
「××さんまで、よしてよほんとに。こんなの、ちょっと故郷で家の仕事を手伝ってれば誰にでもできる事なんだから」
「ぐはぁ!!」>>18
「■〇が吐血した!」
「ほっとけほっとけ、どうせまたいつもの料理下手を刺激されたんだろ。ったく、なんでこいつはいつまで経っても上達しないのかねえ」
「ち、ちげえし! ちょっと古傷が痛んだだけだし! 大体てめえら、オレん時とこいつの時で反応違いすぎんだよ!」
「「「「だって不味いもんは不味いし」」」」
「てーめーえーらぁあああ!!」
「あーもう喧嘩しない! ほら、■〇の分!」
「むぐ!? …………(もっきゅもっきゅ)」
痛い所を突かれ、激怒していた仲間の口に木匙を突っ込む。
中身は羹だが、念入りに冷ましてあるので火傷の心配はない筈。多分……。
「(おいあの野郎、何気においしい所いただいてね?)」
「(いつもの事だろ。……結局こうなるから、呆れてるんだよなぁ)」
「(料理の腕は上がらねえ癖に、こういうこすっからさだけは一丁前ときた。爆発しちまえばいいのに)」
「(ていうかさぁ、何なんだろうなこの感情は。木蘭の奴もれっきとした男なのに、妙にこう心にクるもんがあるんだよ)」
「「「(わかる)」」」>>19
「はーい、食べ終わったら器返してね。また使い回すんだから、間違っても壊さないように!」
いつもの如く、馬鹿話で盛り上がってる野郎どもをせっつき食器を回収する。
慣れた掛け合い、慣れた手順。この隊に入ってからというもの、私の日常風景になって久しいものだ。
「ほれ、木蘭」
「あ、ありがとう――って、隊長!?」
思わぬ手伝いに振り向くと、そこには私たちの部隊を率いてる隊長がいた。
私のみならず、皆が姿勢を正し向き直る。
「あー楽にしていい、休憩中にまで持ち出す事はねえよ。それより、いつも世話になって済まねえな木蘭」
「い、いえ! これも私の任務ですから!」
「んな肩肘張るような事じゃ――ねえ、とも言い切れないか。うちの連中はどいつもこいつも料理下手だもんな……」
「あ、隊長異議あり! 隊長だっておれらと大して腕前変わんないのに、その言い草はあんまりだと思うであります!」
「そうだそうだー!」
「ていうか、隊長ってたまに■〇以上にひでえメシ作ったりするじゃないですかー!」
やいのやいのと、好き放題文句をまくしたてる隊員たち。
その様子を見た隊長は一瞬顔をひくつかせたが、すぐにいつもの快活な笑顔を浮かべて言い放った。>>20
「そうかそうか。ならしばらくの間、木蘭の奴は賄い担当から外すって事でいいな? 軍人たるもの、粗食に耐えるのも任務の一環だからなぁ?」
『すいませんでした隊長殿!! どうかそれだけは!!』
そして一斉に手のひらを返し土下座する皆。
私はといえば、ポカンとした顔でそんなやり取りを眺めるばかり。
「え、ええと……隊長?」
「あー……まあ、何だ。これからもよろしく頼むって事で、一つ。お前の作るメシが恋しいのは、俺も事実なんでな」
「っ、はい! ふつつか者ですが、よろしくお願いします!」
「おいおい何だそりゃ、まるで嫁にでも来たみてえな事言いやがって」
ははははは、と盛大に笑う隊長と仲間たち。
その笑顔を見て、私は密かに罪悪感から胸を痛めた。
――私が実は女で、両親の為に性別を偽り従軍しているのだと。彼らには、最後まで言えないままだった。
故郷に帰ってからは、それまでの空白を埋め直すかのように家事手伝いに没頭した。
いや――厳密に言えば、家事『手伝い』だったのは最初の頃だけだった。
既に父も母も旅立った時以上に老いさらばえており、家の仕事をこなすにはあまりにも体力が衰えていたからだ。
だからあたしは、尚更必死で覚え直し、毎日を一生懸命に過ごし、疎遠だった村の人たちとも仲良くし直して。
そうして。気づけば村一番と言われる男と結婚する日を迎えていた。>>21
「……」
「……」
旦那の事は、正直あまり覚えていない。
悪い人だった、とか。すぐに離婚する羽目になった、等という事は断じてなく。
――端的に言ってしまえば、あまりにも輝いていたからだとしか言いようがない。
無邪気だった子どもの頃とも、過酷だった戦場の日々とも違う、日常の平和で充実した暮らし。
その日々はとても眩しくて、今までの事が悪い夢だったのではないかと錯覚しかねない程に楽しかった。
ああ、でも。一つだけ、そうたった一つだけ旦那の事で覚えている記憶がある。
それは初夜の記憶。『彼』がうちに嫁いできて、初めての夜を迎えた日の事。
事前に母から言い含められてはいたものの、緊張のあまり一言も喋れず固まっていたあたしに、『彼』はそっと優しく手を置いてこう言ってくれた。
――貴女の事は、ずっと前より存じておりました。
――貴女が、己を偽り戦場へと旅立った事。その全てが、愛するご両親を守る為に行った事。
――私はその頃子どもで、兵役に耐えるには荷が勝ちすぎてて。結局貴女にも、貴方のご両親にも、何もしてやれなかった。>>22
――ですから、今夜ここに誓います。
――もう二度と、貴女に過酷な重荷は背負わせない。何があろうと、この先何が起ころうと、俺は貴女と貴女のご両親を守り抜いてみせる。
――だから……どうか、ずっとずっと。笑っていてください。愛しい人よ。
……その瞬間。私がどんな反応を返したのかは覚えていない。
ただ、とても酷い有り様だったとは思う。
何しろ――親にも打ち明けていない、戦場での傷を思いっきりぶちまけた、ぶちまける事ができた夜だったのだから。
さて。そんな恥ずかしい話はさておき。
『彼』との日々は、楽しかった、とかろうじて覚えている。あたしの一挙一動を興味深く見つめ、あたしの言葉にいちいち熱心に耳を傾け。
何より――あたしが作った料理を、いつも心から喜び味わってくれた。
どうやら従軍していた頃の経験が活きたらしく、あたしは粗末な食材からでもそれなりの料理を作れる程度には上達していたらしい。
おかげで豊作ではない年も一家安らかに、とまではいかずとも。まあどうにかこうにか食いつないでいく事はできた。
……もう、あの頃どんな料理を作っていたか。どんな料理を、誰が好んで食べてくれたのかも曖昧だけど。
それでも、あたし/私にとってはこの身に沁みついた腕前だけがあの頃を証明してくれる事実だった。>>23
カルデア食堂、台所。
紆余曲折を経て、此処に召喚されたあたしは、今日も今日とて賄い方の仕事に励んでいる。
といっても毎日ではなく、一応事前に決めた当番制に従っての事ではあるが……実のところ料理自体が好きな為、当番ではない日もこうして手を貸してしまってる時がある。
赤い弓兵の人には「積極的なのはありがたいが、休める時には休むのも英霊の務めだ。なので感謝はするが、程々にしておくように」と怒られたりもするけれど、それでも楽しいものは止められない。
カウンターの向こう側を見つめる。視線の先には、私を召喚したマスターの姿。あたしが丹精込めて作った中華料理に、相棒であるデミ・サーヴァントの女の子と仲良く一緒に舌鼓を打ってくれている。
ここからでは少々遠く、また食堂の賑わいもあって詳しい内容までは聞き取れない――いやその気になれば『力』を使って聞き取る事もできるのだけど――けれど、まあ。大体何を言ってるのかは察しがつく。
うん。やっぱり。
いつの時代もそうだけれど。ものを食べる時は、こうやって平和な空気に満たされている時間が一番だ――>>6
周公旦忘れてた(死)。
なので書いておく。
周公旦:ビャンビャン麺>>30
あ……ハロウィン版ならバニキを「キャスター」呼びしないて設定していたの、抜けていたのだわ~!
つまりこのプルフラスはサーヴァントでは無くてマスター側よ!
自分で自分をややこしくしてらあ【速報】迅龍くんと戦ってる飛鳥ちゃん、リレーの方で使用禁止な超必を開発してしまう【ボツになりました】
>>34
詳しい原理とかは省きますが早い話が単身虚数潜航からの短距離ワープですね。この子魔術属性風なのになんで本家虚数属性のお兄ちゃん差し置いて虚数潜航してるんだろ?って。>>34
一応飛鳥ちゃん使い魔の細やかな操作はお兄ちゃん以上って設定もあるし虚数潜航も厳密には虚数空間内をそのまま通ってる訳でもないんだけど流石に個人ユニットでするのはねぇって冷静になって思った次第。議題:サーヴァントの毛問題(処理らを含めて)
>>61
【固有スキル】
納涼:EX
味方全体にやけど状態解除&「毎ターンNPを獲得&弱体状態を確率で無効にする状態」を付与(3ターン)
ロスト・サマー:EX
自身のNPチャージ&攻撃力アップ(3ターン)&無敵貫通状態を付与(1ターン)&スターを獲得&〈水辺〉状態なら味方全体にクリティカル威力アップ
エターナル・サマー:A
自身の防御力アップ(3ターン)&被ダメージカット(3ターン)&ガッツ(5ターン・3回)&第三再臨でなければ宝具換装
【宝具】
『今は無き音楽の都(アローンキング・エクスクロピオス)』
Arts
味方全体の攻撃力アップ(Lv依存)&スキルチャージ短縮&NPチャージ(オーバーチャージ依存)&封印無効状態(3ターン)
『砂を踏むもの(クァチル・ウタウス)』
Quick
敵全体に
自身にターゲット集中状態(3ターン)&被攻撃時と通常攻撃時に「老化状態『スキル封印&宝具封印&強化無効&防御力ダウン(Lv依存)&最大HPダウン(オーバーチャージ依存)』」を付与する。>>63
マテリアル 2
海水さえもキャリアにする病を抱える彼女は本来海に出してはいけない存在のツートップである。
今年も例年通り海を見る事なく終わる予定の彼女だったが、ある日どこからともなく声が聞こえた。
「夏の魔物に囁かれたのさ!」とは本人の談。
「夏の魔物」と何を話したのかは定かではないがその数分後彼女は憐れな英雄(ねんりょう)を引き連れて、行く先も定かでは無い旅
に。
数時間後にはボロボロになって二人揃って帰ってきた。「夏の魔物」を連れ去って君の元へ。
そんなこんなでサマーになり病を制御する事が可能になった彼女は非常にアグレッシブになり、性格もオフモード。
本来は存在しなかった夏を満喫する為に周りを振り回す。>>65
マテリアル 4
『今は無き音楽の都(アローンキング・エクスクロピオス)』
ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ1〜99 最大補足:1〜
彼女が生きた異聞の歴史そのもの。かつての異聞帯を一時的に具現化させる。
この領域内において『価値の否定』は一切発生せず、スキルや宝具は一切阻害されない。
偽りを偽りとして良しとした一人の王の理念。
マテリアル 5
『砂を踏むもの(クァチル・ウタウス)』
ランク:EX 種別:対軍宝具 レンジ:1 最大捕捉:1〜
彼女が長い旅の果てに拉致した「夏の魔物」の触れた対象を老化、風化させる能力。
老いや衰えとは縁の無い存在であろうと肉体の老化を擬似的に与える他、攻撃に反応する事も可能な為発動中はほぼ全ての攻撃が通用しない。
これによる病のスケールダウンにより通常のサーヴァントのように活動が可能。>>59
そこんとこオマージュしてたりします
まあ展開はあっちより醜いけどね…24時間経ったので!
やったー!つるぺたぷにぷに褐色ロリCV中村悠一氏だー!
やはり時代はつるぺたぷにぷに褐色ロリショタなんだー!!
というわけで某はプルフラスを推し続けることにしました裏ページ、裏ページかあ…なるほどねえ
>>80
【クラス別スキル】
気配遮断:B
サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。完全に気配を絶てば発見することは非常に難しい。
鬼火ということで存在感が薄くなっている。
【固有スキル】
無辜の怪物(夏):B
怪火。不知火。叢原火。
夏という時期限定で本人の意思とは関係なくイメージのみが一人歩きし、能力・姿が変貌する。ちなみに、この装備(スキル)は外せない。
サマー・インフェクション:A
正気喪失が変化したスキル。
怪異として、ただそこにいるだけで伝播される恐怖。鬼火に宿る死を呼び起こす狂気は、人間の脆い常識と道徳心をいとも容易く崩壊させる。
あるいは、夏特有の熱気を伝播させる。仮にこのスキルを若い男女2人きりの空間に流し込もうものならピンク色の光景が広がることになるでしょう。
語り部:A+
物語や伝説をいかに上手に口で語れるかを示すスキル。書物に物語を書き記すような技術とはまったく別の、聞き手の気分や精神状態も加味して適切な語り口を選ぶ、即興性に特化した物語伝達能力。
アサシンの場合、怪異譚・怪談のみにプラス補正が加わる他、蝉の鳴き声や霊の唸り声、ラップ音など『夏を、恐怖心を感じさせる音』全般を声帯模写出来る。
ちなみにリアムの十八番はZONEのSeacrest Base〜君がくれたもの〜、ウィリアムの十八番はサザンオールスターズの勝手にシンドバッドである。>>81
【宝具】
『納涼奇譚・叢原火』
ランク:B 種別:対心宝具 レンジ:可変 最大捕捉:可変
のうりょうきたん・そうげんび
鬼火、怪火などと呼ばれる人々を恐怖に陥れる怪異の一種。
リアムとウィルの周囲に浮かぶ十三個の鬼火。
それを視認した相手に、強烈な希死念慮を抱かせる。ようするに、雨の日のウィルがやっていることのすごい版。
視認した相手は自死衝動を発現し、やがて自らの首を掻き切るだろう。
相手に自刃してもらうという究極の死、その具現。
【Weapon】
『火華・鳳仙火』
ひばな・ほうせんか。あるいはイグニス・ファトゥス
火華はウィルが持つ刀、鳳仙花はリアムが持つ弓。
普段は大振りの鉈といわゆるコンポジットボウ。
第三再臨のみ太刀と和弓に変化する。>>82
【解説】
ウィリアム・トーチハンズ、及びリアム・ウィッカーマンの水着霊基。
鬼火のサーヴァントである彼らは、夏の影響、更に日本の怪異譚の影響を受けて『夏に語られる鬼火の怪談』のサーヴァントとなった。
ウィリアムは若干熱気に負けてダウナーになっている。端的に言うと軽度の熱中症である。しっかりしろ鬼火のサーヴァント。
リアムは夏の熱気に乗せられて普段よりパッパラパーになっている。端的に言うと普段より誰にでも身体を許すようになっている。別に籠絡しようという意思などはなく、単純にヤリたいからヤるというゴリゴリの肉食系になっている。
ちなみに、第三再臨になると鬼火としての本領が発露する。
ただそこにいるだけで人を脅かし、ただそこにいるだけで人を恐怖に陥れる怪異。
会話らしい会話をすることが激変し、相手を驚かせるような発言がメインとなる。
特技:怪談/ワンナイトラブ
趣味:深夜の散歩/逆ナン
好きなもの:夏の空気感(夜更け的な意味で)/夏の空気感(パリピ的な意味で)
嫌いなもの:思考が固いやつ(ホラーをホラーとして楽しめないので)/貞操観念が固いやつ(アッ、ハイ)
天敵:件、天草四郎時定、ジャンヌ・ダルク
願い:恐怖をもたらすこと、ただそれのみ>>83
【一人称】私
【二人称】貴方
【三人称】彼、彼女
【セリフ例】
「お母様と戦闘スタイルが似てるわね。まあ、お母様と比べたら多少は劣るようだけど」「あんな反則と一緒にするなよ」雪女に対して
「国から生まれた竜、か。どこの国にも似たようなやつはいるもんだな」「へえ? イギリスにもいるのね」「お前赤い竜と白い竜も知らないのかよ」安徳天皇に対して
「へえ。童話のキャラクターがいるとはな。随分と節操がないな。カルデア」「水着の貴方が言えたことじゃないと思うけど?」乙姫に対して
「いい身体してるじゃない。どう? 一晩お相手してくれない?」「すみませんすみません……馬鹿(リアム)が本当にすみません……」大嶽丸に対して
「あの絡繰が怪異なのか。底知れないな、日本」「イギリスでもビスクドールは恐れられたりするでしょう? 似たようなものじゃない?」平景清(あやかさん作)に対して
「さあ、始めましょう―――あなたのための怪談を!」
「では―――虚言の夜を始めよう」制服シリーズ ウィル&リアム編
前の学校でやんちゃしてたらしい方と見ての通りの方>>85
夏の妖怪!宝具が物騒な塩梅ですね。
大嶽丸「一時の夢、互いの肌を触れあうのは俺も構わんが……保護者が前で楽しむのは流石に野暮か」>>94
あら~!ハイスクールクライシス!!(称賛)>>94
わー!!!!ありがとうございます!!!!
ウィルはパーカー着るよね……わかる……めちゃくちゃわかる……
リアムエッロ……ブラ見えてんじゃん……
腰にカーディガン巻いてるのもいい……
どうせ男食いまくってるんだろうな……
文芸部とか漫研でサークラしてそう……なんですか
態度悪かったからと貴重な令呪一画使ったラウがアホみたいじゃないですか>>103
公式が!公式が悪いんです!
そもそも、学ランでシグルドの服になるセンス、真似できない過ぎる...(ブリュンヒルデがセーラー服なのはまぁ理解できる)>>104
スケバン刑事...うっ頭が
戦闘スタイルもデザインと合わせなければいけないんですよねぇ、失念...>>107
ウェイバーは思いとどまりましたが、やっぱりあの使い方は危険ですよね。士郎みたいに意識しないでアーチャーへ攻撃しようとするセイバーを止めるために使用してしまう場合もありますけど。>>109
玲瓏ーっ!!(https://fatetv1830.wiki.fc2.com/m/wiki/%E8%BC%AA%E5%BB%BB%E8%81%96%E6%9D%AF%E5%8D%9A%E7%89%A9%E9%A4%A8%E3%83%91%E3%83%B3%E3%82%B2%E3%82%A2)に載っている、ブファスの設定を以下のように加筆修正しようかと思います(長いから名前欄から個別ページに飛ばす予定でもあります)。
『ブファス』
イメージカラー:ファイアレッド 特技:破壊
好きな物:スナック菓子、高カロリーのもの 苦手な物:不自由
天敵:アルテミシア
髪の色:赤混じりの黄色 瞳の色:金色 肌の色:朱色
かつてはかのバベルの塔のシステムの一種として生み出された独立型攻性魔術式(つかいま)。超古代の魔神。
人々に闘争や不和をもたらすことに長ている他、神代の炎を操るがその威力はすさまじく、サーヴァントすら容易に消し炭に出来るほどだとか。
塔が崩れ、ソロモンが生きていた時代は、捕獲されたのち封印されていた。>>112
【契約書】
ブファスにとっての霊核であり令呪であり、現在はアルテミシア(博物館…スペードとダイヤを参照)が所有し、彼の暴走を防いでいる専用礼装。
なお、契約書と言うが素材や形状は様々で、ブファスのそれは装飾品らしい。
「有象無象ども。何処から侵入したかは知らんが、目障りだ。即刻失せよ。」
「笑止。その程度の実力で魔術師を名乗るとは、滑稽極まりない。」
対プルフラス:
「───────無様。よく我の前に姿を見せたものだな?紛い物め、塵芥にしてくれる。」
対アルテミシア:
「女。ポテチだ、ポテチを寄越せ(フンスフンス)。」
「何ぃ?『ポテチは無いがカブキアゲはある』だと?……ふん!そのような得体の知れんもので我が、(サクッ)…………(サクサクサクサク)」一番人間に近しいフォルムだった時の鵺的な…picrewはよっこら(改)(https://picrew.me/image_maker/1260033)様より
木伽の更新分拝読させていただきました!いやあ英霊召喚からの顔合わせはいつでも心が弾むなあ!(なおキャスター陣営)
アーチャー陣営は、やはり初対面だと掴みが大切ですね。バイバルスさんの気取らない振る舞いが一等彼の安定感を覚える…王様の威厳がフランクな態度の中にも感じられる…
バーサーカー陣営は主従で相性が良さそう。フィジカル全振りで少し抜けていそうな許褚さんと責任感のある真面目な食満さんの組み合わせは安心感が強いですね。心なしか爽やか
アサシン陣営はこちらもまた良好な関係が築けそうな出会いですね。スキュレーさんの敵への態度の変じようにソフィーさんびっくりしそうだなあ…そしてこの陣営が現状唯一の地上波放送…刺激が強すぎる…
ライダー陣営は初っ端からどったんばったん大騒ぎですね…凸凹コンビ、なんだかコミカル。勢いで令呪使っちゃうところとか特にコミカル。放送されていなくて良かったね…>>91
アップデートしても続くので、新しいツールに乗り換えようか知らん…
わーい、ありがとうございます!でも私ハッフルパフの生徒なんで!()これからはローゼンの視点も増えるので、他者目線での双子の掘り下げも頑張ります!
ローゼン「………いや、私にそんな目されても…」(全力で目を逸らす)
>>93
拝見しました、エミュの方問題ありませんよー!
やはりキャスター、キャスターは探索において最強…!
>>99
お気遣いありがとうございます…
双子の殻が更に厚くなっていく音が聞こえる…
>>100
ドキュメントくん、君は何に拗ねておるのだ…ドキュメントくん…
理解のりの字にこのリレーの中で差しかかれるか、一番の注目ポイントですね!「君、悪竜になりかけているんじゃないかな」
穏やかに見える青年が、カルデアの通路を横切った目の前の女性に語り掛ける。
彼女は大鴉のように黒い外套を羽織った、恐ろしい眼をしていた。衣服の隙間から覗く、素肌には“おしろい彫り”にも似た白い紋様が刻まれている。まるで魔術刻印のようでいて、この惑星(ほし)の何にとも異なる印だ。
青年――プロメテウスはそれがどういう意味を持っているのかを知っていた。
一万四千年の時を遡り、かつて来たりし遊星の紋。
「わたし?」
「うん。もし、その指輪を持っておいて悪竜にならないとしたら、それは克服者である竜殺しだけだ」
すっ、と彼女の左手薬指に嵌められた黄金の指輪を、見据えた。
独占欲を誘うようにして、万物・他人の魂を支配するといわれる“指輪”。かつてファヴニールがそれを手にして悪竜現象と化し、シグルドがそれを斃し、グズルーンに手渡したものだ。
輝ける無限の円環(ニヴルンガ・アンドヴァラナウト)。霧の一族のグンナルとヘグニがファヴニール、ひいてはシグルドの遺産である黄金をライン川に沈めて隠したことから、俗にラインの黄金の原典とも。>>117
「知識神プロメテウスよ。なら、わたしはどんな悪竜になると思う?」
「決まっている。白き滅び、白き巨神。不可視の竜翼を生やした原初の巨人さ。
全てを求めようとしてはいけないよ。炎さえ自在に御そうとする不遜、自らの弱さを忘れてしまおうとする驕傲。それらは悪竜への一歩となるのだから」
「そうね、その通りだと思う」
さっ、と踵を返して進んでいく。
その足取りに迷いはない。元々が望んで手に入れた“力”だ。
三色の光を湛えた軍神の剣も、霊子収集体(ヴォイドセル)の頭脳体も。全部、あのフンランドのアトリ王から奪い取ったもの。だってアトリだけを殺めるだけならまだしも、兄ヘグニの三男であるフニヴルングとわたしでは、フン族に対して血讐するにはあまりにも弱すぎたから。
『――はは、悪竜などと。とっくのとうになっているではないか。
――儂の、シグルドの心臓を食らったその日から』
頭の中で声がする。
割れるように頭蓋の奥が、痛んで、軋む。
グズルーンの眼は、悪しき竜(ドレキ)の象徴である“蛇の目”と化していた。洛陽でそろそろ本格的に趙雲のバックボーン語るので先行して軽い設定追加を
凱角槍のアクションは三国無双の槍の感じに最近のモンハンの操虫棍とかランス系の一部技取り入れた感じのイメージ
女性に弱いと言ったが露骨な色仕掛け(エッッ系)には反応しない、寧ろ嫌な顔する。自然な感じの可愛さには死ぬ程弱い。ぐだ子とかに無垢な満面の笑みとかされたり少し可愛い感じの悪戯(軽くツンって触られたりとかされたり)を月英殿とか女性鯖にやられたら滅茶苦茶赤面したり挙動不審になる。これを一身是胆貫通現象と名付けよう。
与太イベとかには出したい。多分五虎大将軍の中ではそういうの適性ある方だと思う。
生前、五虎大将軍の中では比較的親しみやすいと言われていた。
こんな感じですね
第3節以降で少しシリアスな方の過去を掘り下げていく予定です
そして一身是胆貫通は流行らせたい「さあ―――百鬼夜行を始めよう」
号令一下、闇の中より怪異の群れが溢れ出す。
当然先陣を切るのは姉弟の鬼火。
そのすぐ後ろには氷雪纏う雪女。
鵺の放つ迅雷と雷竜の放つ劫火を、大嶽丸の豪風(かぜ)が瞬く間に広げていく。
大蛇と化した安徳天皇が稲光を喚べば、眷属達を引き連れた葛の葉の大規模な婚礼雨法(てんきあめ)が敵を貫く鏃となって降り注ぐ。
目には目を、歯には歯を。
怪異には怪異をぶつければいいと言ったのは誰だったか。
キメラ、ワイバーン、ゾンビ、スケルトン、ワイバーン、バジリスク、ウェアウルフ、ゴースト、ゴーレム、ラミア、ケンタウロス、デーモン、ドラゴン、スプリガン、バイコーン。
欧州に名を残す怪物達が群れを成す血の収穫祭(ハロウィン)。
その驚異は、英霊となった怪異・化生達の手によって迅速な収拾(おわり)を迎えようとしていた。>>136
よく見たらもろアキレウスでした
封 印【CLASS】ライダー
【真名】お百
【性別】女
【身長・体重】159cm・47kg
【出典】日本・史実、「秋田杉直物語」
【属性】中立・善
【ステータス】筋力 D 耐久 D 敏捷 B 魔力 A 幸運 B 宝具 EX
【クラス別スキル】
・対魔力:C
・騎乗:B+
えっちないみではない。たぶん。
・神性:B-
【固有スキル】
・変化:B
自らの身体を変化させるスキル。聞くところによれば彼女のあだ名の元になった妲己と同一視される玉藻前も変化スキルを持っているため、彼女が持っているのも不思議なことではない。
・呪術:C
古式ゆかしいアジア式の呪術。本人はこれも妲己との同一視によるものだと主張するが、その術式はダキニ天法のそれとは一致しない。主に権力者の寵愛を得るためのアヤシイ呪法をよく用いたがるが、本質として特化している分野は主に人類の呪殺である。
・フェロモン:B
他者の警戒心を溶かす、神秘ならざる魅了の手管。彼女の場合、警戒心を溶かす行為の方向性が諜報よりも扇動や言いくるめスキルに寄っている。>>148
【出典】講談、「増補秋田蕗」
【属性】混沌・悪
【宝具】
『霊海入道・桑名沖月末之怪(れいかいにゅうどう・くわなおきつきすゑのかい)』
ランク:EX 種別:対軍宝具 レンジ:2~50 最大捕捉:500人
お百が「取り憑かれている」――――――否、支配下に置いている海坊主それそのもの。その正体は元を辿れば零落した神性であり、お百の持つスキルや能力の大半もこちらに由来する。
天逆鉾に封じられていた竜のように人の姿を模し現界し続けるほどの能力は持たないが、短時間であれば人に化けたりすることも可能。ただし、存在としてのイニシアチブは完全にお百に握られてしまっている形であるため単独行動はできない。
もっとも威力の出る水辺で最大解放された場合、約20メートル級の影が暴れ回る宝具として顕現する。
その圧倒的体積による圧殺も十分な脅威ではあるが、怨念に起因した人類種の殺傷に特化した呪いを行使することで搦手的な攻撃も可能。
ただし、死因補正というべきか宿命というべきか「魔を倒す」存在に対して真っ向から火力で勝つことは不可能。>>149
【解説】
「それ」は遥か昔からそこに居た。
いつ生じたのかは覚えていない。ただ、そこを通る人々と交流をしていくうちにクニツノカミと称されるようになったので、そのように振る舞った。
地上から次々と仲間が去っていっても、一人でそこに居た。
時が過ぎた。世代が変わった。「月の末には船を出さぬように」という約束も、人は忘れていった。
自らの領域を侵され、怒った「それ」は船屋の男に怒りを抱く。
少しだけ、ほんの少しだけ、脅かしてやろう。そう思った。
………「それ」にとって計算違いだったのは、自らが最早人間にとって斬り捨てられる敵でしかなかった事である。
かくして「それ」は祟りになった。己が仇の家族を殺し、封じられて尚恨みを忘れぬ近海の怪・海坊主。
そう名付けられた「それ」が一人の少女に狙いをつけた時、少女はただうっとりとしたように微笑んだ。
「あァ、知ってるよ。アンタ、桑名屋の奴らが会ったあやかしってやつだろう?」
「奥方様を祟り殺したとか……ああ、いいねぇ。そんな力があれば、金子も着物も手に入れ放題だ!」
「あたいは、こんな所で終わる女じゃあないんだ………だから、ネェ?協力、してくれるだろう?」
……選択を誤ったことを後悔しても、「それ」にできることはもうなかった。>>150
_______________________________
呪いを飲み干し神をも喰らう強欲と自己愛の化身。それこそがお百の本質である。
自らの美貌を誇り境遇に著しい不満を溜め込み続けていたある時、ふと遭遇した「呪い」に取り憑かれ逆に取り憑き返した彼女は、それに蓄積されていた智慧や力を思うままに使い尽くした。
騙し、奪い、唆し。欲しいものを欲しいだけ手に入れ、邪魔になるものはあらゆる方法で排除した。
それを恨みに思った被害者が怨霊と化したとしても、神を喰らった彼女に人ごときを恐れる道理などない。「おや珍しい灯りだね」と一笑に付すのみである。
一見の態度としては知見豊かでたおやか、それでいて親しみやすく快活な女性に見えるが、その内心は自己の望むものを想うままに手に入れたいというある種子供じみた欲望に満たされきっている。表面上は労ったり憐れんだりするような態度を見せることもある「海坊主」との関係も実情としてはほぼ主人と奴隷、あるいは寄生植物と寄生先のそれに等しく、ほぼほぼ一方的にリソースや知識、能力を搾り取っている状態。
何度倒されようとも反省も後悔もせず逃げ延び続けたことにより、誰にも真に裁かれることなく増長し続けた自意識はもはや精神汚染と言えるレベルにまで達している……が、性根としては根っからの性質でコレなため対処のしようがない。
なお、頭につけている狐耳はよく見ればわかるがガッツリただの飾りである。木伽の映像って参加者は確認出来るんですかね……? 最悪、真名が割れかねないのでは……?(インタビューまでならいける……?)
>>134
何故人外のクセに味覚は子供舌なのか……決して作者の好みを反映したわけでは云々>>157
インタビュー以降の内容は確認できません。
自分で使い魔飛ばすなりしよう!レージュさんへ
差し支えなければ雪女さんの各人称(私/貴方/彼、彼女みたいなやつ)を教えて頂いてもよろしいでしょうか>>169
なんと!楽しみです……!短いですがSSを投げます
ビュザンティオン学院に着いてしばらくが経ち、随分と薄暗い部屋があることに気づいた。職員に尋ねると、その部屋の主は雪女と言って、名前の通り熱が苦手らしい。そのためか、部屋の明かりをつけることは滅多にないのだとか。
「そういう話を小耳に挟んだんだが、えらく生き辛そうだな」
「史実と言えば史実だけれど……熱と炎の権化のようなあなたにだけは言われたくないわ。近寄らないで暑苦しい」
腹の減る周期が近く、お気に入りの席も近い。そうした理由から、雪女とウィリアム・トーチハンズの2人は同じ時間帯に食事を取ることが増えていた。
「仕方ないだろ。俺だってこの席が好きなんだ」
「気持ちはわからないでもないわよ? あなたと同じ感性と言うのは少し癪だけど」
素麺と天ぷらうどんを交互に啜る2人。性格上はともかく、感覚の上では似ている彼女達は、腐れ縁のような立場に収まっていた。
「だいたい、あなたは鬼火のサーヴァントなんでしょう? 大人しく獣の血でも啜って起きなさいよ。何よ天ぷらうどんって、私への当てつけ?」
「偏見が過ぎる……あんた、人の心とかないわけ?」
共に違う時代に生まれ、共に違う国を生きた。性別も、積み重ねた日々も、纏う熱の何もかもが違っている。
ただ一つ、人界を乱す怪異という共通点のみで、彼女達は繋がっていた。
「失礼ね、あるに決まってるでしょう……まあ、気まぐれというのが正しいけれどね
―――私達のような怪異(モノ)はそう振る舞うべきだわ。貴方はどう思う? アーチャー」>>173
その問いかけ思うところがあったのか。次の日の夕方、ウィリアムは雪女の部屋を訪れていた。
数度ノックし、怪訝な顔をしたゆきめが顔を覗かせる。
「……何? 食事の誘いなら悪いけど、別にお腹は減ってないわよ?」
「俺もそうだ……じゃなくて。その、渡したいものがあるんだ」
掲げられたのはラッピングすらされてないランタン。日本の行燈にも近いそれの中心で、蒼い炎が揺らめいていた。
「俺達風に言うならランタン、だな。出来る限りあんたのとこの行燈に寄せたつもりなんだが」
「……嫌がらせ? そういうのは苦手だって、前にも言わなかった?」
「ああ、そこは安心していい。熱は無い。ただ光ってるだけだ。あんたの言った通り、俺は鬼火のサーヴァントだからな。これくらいは造作もない」
「……そう。でも別に私は気には」
ならないのに。そう言おうとした雪女の華奢な肩を、ウィリアムの以外にも無骨な両手が掴んでいた。
「あんたが良くても俺が気にする。本当の地獄は、暗く冷たい。光のない生活はそれに似ている……見てられないんだよ。わかるだろ、それくらいは」
この学び舎に置いてサーヴァントの過去・経歴は共有される。守護英雄召喚システム「フェイト」とパスを繋げられた彼らは、常にデータベースを開けるような状態にいた。
それ故に雪女は知っていた。ウィリアム・トーチハンズという男の贖罪(じんせい)を。>>176
○寄って
×酔ってコソコソ小話
グレーヴェンマハ家の人間は多くが感受性が強く芸術を愛する者で、ナチスによる所謂「退廃芸術」などの文芸排斥運動に際しては焚書される前に書物を買い漁ったり時が移るまで芸術品を買って置いたりと保護にも努めたりしていた。
こういった具合で芸術を愛するのは素晴らしいことではあるけれど、この風流好きが災いしてグレーヴェンマハ家実は家の規模はまあまあ大きいわりに資金面が危うい。特に、グランデの両親は色々な芸術に手を出していったせいで、消息を絶った後家督を継いだグランデの叔父、グランデ父の弟のミヒャエルは資金繰りに結構悩んでいる。ほっとくとグランデも芸術品蒐集家の方面へ走りそうなのも、グランデが叔父に厳しく当たられる原因だったり。ミヒャエル自身はグレーヴェンマハ家には珍しく現実的であまり風流を解さないお堅い人。ステレオタイプのドイツ人
>>142
>>143
インタビューなどを見るに、そうであろうなとは思っていました。まあローゼンとしても無理強いはしませんで、「双子がもし正道を歩む気になった時はお願いしたい」的なことを口添えする程度、でしょうかね
>>152
CV上坂すみれさんの悪女…良いな…
こう、主人公の味方サイドから裏切る系よりも、敵勢力のいち巻き込まれ要員という形を装って実は敵勢力を良いように扱ってる系…な気配がしましたね
>>161
きゃー!ルナちゃん可愛い!
………あれ?でももう9月で夏じゃないはずでh…(以降の文面は読めない)>>180
「……あれ?でももう9月で夏じゃないはずでh」
どうやらあなたは、しりすぎたようだ>>167
北欧神話のサガは以外と世間が狭いですね。フロームンドはあんまり接点がここでは少ないですけど。数少ない接点が生前のライバルというのはなかなか面白いですね。どうもこんばんわ。
近頃体調を崩したり、それで気分が悪くなってしまったり、果てには頭がぼんやりしていつも出来てた空想がほとんど出来なくなったりしていた魔術師です。
片耳が詰まった感覚がなかなか抜けなかったり、まだちょっと同じ方の前頭葉がぽんやりしていますが、元気になってきたのでちょっとずつ第一回の続きを書いています。
>>152>>171
わあ、くそアマ!
お師匠はケモミミと人耳が両方あるの気にするタイプだと思うので指摘しますが、イラストのお耳は妲己ムーブしたいだけのコスプレ変化ですね?
小細工や根回しが得意な悪役へは理不尽なくらい真っ直ぐ突っ込んでくるやつに真正面から罠ごとぶっ壊されるのがいちばんそれっぽい倒し方になるのかな。正直ぜひ「なんだいなんだい! 話が違うじゃないのさーーーっ!!」ってコメディチックのお顔も見てみたいのですわ。
>>161
浴衣にわたあめギザかわゆすですわ!!>>152
わぁとんでもねぇ人!!いや人じゃない!
海坊主くんかわいい……かわいいですね?
>>182
これは、この詠唱は!?となる引きでした!この人狼のあれこれも気になるなぁ!
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/wiki/雨と蛇と魔女の森
続き投げて良いですか?「なんか……すごかったなぁ、ここ」
「招待状のままここに来たけど……うん、確かにすごかった」
停滞城セレーネ。その名に恥じないほどに、ここは現世のネオンの光に塗れたドブ臭い街とは見ても見違うほどの荘厳さを備えていたのだ。表から見たものよりも、まず明らかに内側が広すぎるし、何より煌びやかが過ぎる。改築などを繰り返してはいたらしいが、実に数千年の歴史を持つこの城を保ち続けるのに現代社会ではどれほどのお金がかかるのだろうか。
「アリウムさん曰く、そこはこの城にかけられた停止の概念の古い魔術でどうにかなってるらしいけど。電気を通すようなお金はいるけど、基本はほとんどそんなものもなし。
本来は現代科学の産物よりも遥かにお金がかかるのがデフォルトな魔術の産物の中でも、昔々にかけられた大魔術のおかげで今の今まで大したお金も浪費しない稀有な例らしい」
「なんやったっけ……魔術みたいな神秘も秘めずに違法な方法で入ってきた生き物はこのお城の魔術で止まるんやった、とかなぁ。ネズミみたいな命の存在規格(スケール)が少ないやつは入った途端に耐えきれずにお陀仏、とか。あの例のGも出ないんやろ?すごいねぇ、現代技術お手上げやん」
かつて己の師匠が鬼の腕の手解きの際に言っていた言葉を思い出す。ここ数千年に渡り魔法は魔術へと堕ち、神は消え去り、地球の神秘も暴かれた。
神の畏敬を示し平伏するしかない権能(さいがい)はいつか人間が打破すべき災害(ハードル)になり、人々を搾取する側であった幻想の獣たちは第五架空要素(エーテル)に満ちたこの世界に耐えきれずに裏側へと退去した。そして、人々には使えぬ神の御業を振るう超越者(魔術師)は、いつしか地を這い地球を食い潰す魔術師(科学者)と落ちぶれた。
栄枯盛衰、盛者必衰。かつて人間を生み出したこの星と、この星が産んだ偉大なる恩恵はさまざまな形で力をつけてきた人間に食い潰され人間のものとなっている。しかしそれは、裏を返せば、食い潰される前のそれは人間には太刀打ちの出来ないものであるということ。未だ人の及ばない、とんでもない代物だということだ。「師匠に前、聞いたことあるんよ。師匠は科学も魔術も目指すところは同じって言った。でも科学はみんなで協力してもっと先を目指せるけど、魔術はほとんど個人営業。なのになんで廃れないのかって。師匠は『魔術が完全に廃れるときはそれこそ人間が地球を捨てて宇宙を自由に旅できるぐらい』とか言ってはったけど……なんや、そんなわけ〜とも言い切れへんよなぁ」
数千年間、進化はすれども劣化はしない城。いいや、外面しか知らない部外者にはそう見えるだけで、きっと機能を損なったことも少なくはないのだろう。劣化と進化と停滞を、適応と保存を繰り返して、そして今もなお昔と変わらず在り続ける古き城。これは現代科学の産物ではなく、紛れもない古き時代の古き魔術なのだから。
今更ながら、もしかして此処と此処で行われるパーティーとは、とんでもないものなのでは?と思ってしまった。この部屋に来る前にアリウムさんと話していたが、彼女が言うには今回此処に来る人間は彼女も含めて魔術師の中でも名家だったり、名のある霊地の主だったり。色んな意味で名高い二人の師匠達と比べると、やはりいささか、いやだいぶ見劣りするというか──────
「失礼します。パーティーの案内に参りました」
美しい少女が、いつの間にか扉の内に入ってきている。鍵は閉めてはいないがドア自体を閉めてはいたので、もし中に入ってきたなら、音がするはずだ。いや、消音の魔術の類なら大丈夫かもしれないが、わざわざそんなことをして入ってくるのだろうか?というかノックは?「あ、あ………そ、そのっ!失礼しました!私、今回のパーティーの主催側の人間ではありますが、その、なにぶん使用人としての仕事はしたことなくて……ああそう、そうだよね、お客様に迷惑をかけないように消音なんて前にまずはノックをして許可を取ってからドアを開けるべきで……」
俺たち二人の戸惑いと疑いと驚きを孕んだ視線を真に受けて、俺たちよりも背の高いその体をもじもじと小さく縮こませる少女。そのままの流れで何も言わないまま退出しようとした彼女をなんとか宥め話を聞くまでにしばらく時間を要するのであった。
「あの……本当に申し訳ございません。無礼な行いをしてしまうだけに飽き足らず、お客様に慰めてもらうなんて……」
「いやいや。キミ、新人さんなんやろ?ほな仕方ないしなぁ……誰だって初めてのことを一切の間違いなくこなすなんてこと………いや、あるにはあるか。うん。でもそれが出来ない人だってたくさんおるんよ」
「そうそう。俺たちもそういうタイプだし……そうだ、君の名前教えてくれるか?こう、背丈は君の方が高いけど歳が離れてるようには思えないし、親近感がある」
「………シュ。ナハシュ・アルグルです。先日まではこのパーティーを主催する運営の別働隊として勤務しておりました。
ですが、使用人の枠に急遽空きができたということで私が派遣されまして………此処ら辺りの区画全体の管理から、そこに宿泊なさる皆様方の身の回りの世話を担当しています」そうしてナハシュの案内に導かれ、次に目に映るのは華々しい紳士淑女の社交場。おそらくそれは、一般社会ではドレスやスーツといった礼服に身を包み、夜会を行うといったとても厳かながらも華やかなもの。つまるところ優雅なものなのだろう。
しかし、神秘に身を連ねる者たちが席を連ねる夜会はそういうわけでもなく。例えば、自身の周りに極彩色の町を飛び回らせている婦人とか、例えば、虎の仮面と狼の仮面をそれぞれ被った幼い双子とか。そんな少し奇怪な、幻想的な夜会。
『あら、二人とも。さっきぶり』
「アリウムさん!ええ、さっきぶりです!………その、使い魔で参加してはるんですか?」
『一族の事情でね。あまり人前に見せられる姿じゃないの。けど、関係ないわ。情報収集をしたいだけならこれで事足りるし、他の魔術師も私の一族のことは把握してるし、ほとんど問題ないの。実はこう見えて結構な有名一門なのよ?』
確かにそうだ。こう言ってはなんだが、見るも恐ろしい死鳥を目にしても誰も気に留めず、誰も彼もが美酒と美食に痴れている。華々しく商談を交わす社交場であり、互いの神秘を暴き立てる戦場でもあるここでは、その相手が端末であろうがそうでなかろうが関係はない。
………例年、このパーティーには偶然当選したほぼ一般人やとても低い身分の魔術師が紛れ込み、そういうのは大抵人に害をなす類の魔術を扱う者たちにカモにして食い潰そうとされ、結果的にそこを運営が護衛するという流れである。
今もこの場のどこかで起きているがあくまで冗談混じりであるからそういった事件は起こらないし、起きたとしても主催者の前でそれは通じない。だからそう、ほとんどカモ同然な男子高校生二人にもその手は伸びてもおかしくないのだが……?
『………私が話しかけている、というのもあるのでしょうけれど。あなた達、流石に避けられすぎじゃない?色々と案内や説明をして聞いていなかったのだけど、あなた達は一般当選なの?』「いえ、俺たちは代理なんです。流石に何の関係もない高校生がここに立ち入っても何もできないし、それは好ましくないので。……俺はその、野紀と言う日本の呪術師の師から」
「俺んとこはまた別の師です。確かこっちだと……キャスリーン、やったっけなぁ。そういう名です」
そこにあるのは表情の変化もない、ただ主の声を伝えるだけの死したカッコウである。なのに何故か、とても目を見開いて驚いたような気配を感じた。
『……ああ、ごめんなさい。なるほど、その二人ね。……今から言うことは別にあなた達とその師を貶める言葉じゃないわ。けど、その、あなた達の師がそうなら周りの反応も納得と言えるわね』
かたや敵として現れたが最後、哀れな被害者はありとあらゆる手段も取れない、完全な詰みに持ち込まれていることに気づいてしまう麗しくもおぞましい微笑の化け物。
かたや敵として現れたが最後、どれほど詰みの状況に持ち込んでいたとしてもそのチェス盤ごとひっくり返してあっさりと逆に詰みに持ち込む恐ろしくも美しい絡繰師。
それが、魔術社会にて細々と伝わる彼らの特徴だった。
『キャスリーンはあまり表舞台……この場合は魔術師の社会と思って。そっちには仕事以外で出てこないし、ほとんどどんな人物かということもわかってないからあまり話題にならないの。凄腕の技師ということはたしかだけど。
けど、野紀一族は別。何代か前から、それこそ日本が明治維新を越えたあたりから西洋にまで影響を及ぼした。基本的に表舞台に出てきたら事は終わるわ。敵対者を族滅とか、そんな乱暴な手段は滅多に取らないけど。
だって取る必要もなく、ただの一人も犠牲者は生まれず、敵はいつのまにか誓約を結ばざるを得ない状況に持ち込まれるんだものね』「あー……うん。師匠はそういうスタイルなんです。戦わずして勝つ、勝負に出た時にはすでに終わってるんです。後のそれは最後の一押しだけ。というか、俺も知らないだけで表に出なくても解決できることは全部陰ながらやってるんだと思います。俺がここに来たのもその代役なので」
「うちの師匠……そんな感じになっとんのやね。いや、うん。そうか。あんまり表に出ようとか、そういうタイプじゃないもんなぁ。やる気になったらやる事全部ぱぁっと終わらせてまうのもわかるわぁ」
『私は別に気にしてないけど、そういうのを気にする奴らだって大勢いるわ。なら、その代理のあなた達にあまり近づきたがらないのは当然なのかも。敵に回したら終わり、と思ってるんでしょうね。相手を同じ人間だと認識しないのよ。理解を試みることをやめたその時点で負けているようなものなのに』
彼らにとっても、自分に手を差し伸べ、そこからここまで自分を見ていてくれた師匠がそのような、異物のような目で見られることには納得はしていない。アリウムのように魔術師として卓越した存在ほど正しく一つの生命として認識を行うが、凡百で悪意に満ちた人間はそれすらできない。理解できないものを利用する気概も見せれずに遠巻きから眺めるだけ。
「それが人類の悪いところよねー!早いところ、生命としての価値観をもう2、3個ぐらいアップデートして欲しいものだけど」
「そうは言われましてもね。所詮ヒトは煩悩の塊です。私だってそう。あなた方自然の嬰児がお気楽すぎるのでは?例えばほら、挨拶すべき目の前の方に挨拶をしないとか」そこには二つの宝石が“居た”。
黒と金を基調とした服と肌と髪のコントラストに、一際強く耀く銀の瞳。
白と銀を基調とした服と肌と髪のコントラストに、一際強く耀く金の瞳。
互いが互いと相剋し、しかし力を重ねて引き立て合うとその光景を見た誰もが思える。そのような美しいもの。そこにあるだけで価値があるのだと、思わせるような美貌だった。
「ダヴィ兄!?あとパメリ姉も!?」
「ハァイ、大我ちゃん。野紀さんから聞いてた?わたしたちは別件でこのパーティーに参加するの」
「あまりこういう事は好みませんが……どうしても、手に入れなければならないものが出ましたので。私が出てくるという事は宝石関係で、その目的もわかるでしょう?」
ダヴィは宝石商を営んでいるが、何よりもどれよりも宝石を魔術などの“資源”として浪費されることを嫌う。そのうちに宿す神秘だけを取り出すために、地球が生み出した奇跡を壊すことを厭う。そんな彼が地球の古き神秘を壊す消費社会筆頭の魔術社会のパーティーに足をつっこむ理由は一つだけ。
「お師匠が言ってました。宝石に対する熱量だけはやる気の野紀さんにも負けないって。……こんにちは、ダヴィさん」
「君は……ああ、君が零央くん。西行さんのお弟子さんですね。ええ、こちらも同じような言葉を返したいです。芸術品に対する彼女の評価と熱意は、私も参考にしたいのですから。また近日、宝石細工のことについて相談があると帰国後に伝えておいてください」
「はい、もちろん。……それよりいいんですか?その、とっても目立ってしもうてますよ?」
「ああ……私たちも悪名高いですから」アインツベルンの失敗作。スラム育ちの野良犬。それが彼らの評価で、それが彼らを表す語句だ。魔術に関することに首を突っ込んだ事はほとんどないが、突っ込んだ時はそれはもう暴れに暴れる。かといって魔術触媒としての宝石の商談もほぼ不可能。うまみのない、好まれない人物と言っても差し支えはないし実際にそうだ。
「これでもギリギリまで自室にいたんです。でもほら、そろそろこのパーティーの大事な人たちがくるでしょう?」
『……ああ、何か足りないと思ってたの。それはそうだわ、このパーティーで最も注目を惹くだろう三人が、現れていないものね』
「大きな魔力反応が綺麗に三方向からぐんぐんと。最初は……ああ!御目当ての人が来たよ」
なんのことだかわからない。わからないが、パメリの指し示す方向に何かとてつもないものがいるらしい事は三人の様子からわかる。実際、何かワーワーキャーキャーはしゃぐ声が聞こえる。
「ねーちょっと!僕のケーキ残ってる!?人外や混血専用の血液ケーキの群れ、せめてワンホール食べないと死んじゃうんだけど!体じゃなくて心が!あたり一面ひっくり返しちゃうんだからね!?」
厚いコートに身を覆わせた、まるで冬の妖精のような少年がくるりとステップを踏めば、まるで常夏にいるかのような半袖半ズボンへと切り替わる。あまりにも目まぐるしく、あまりにもうるさい。しかし、“それでコレはいいのだ”と本能的に思わせる立ち振る舞い。大怪物がこの場に姿を見せた。「えっ何?自己紹介?みんな僕のことわかってるでしょー!わかってないならないでこれから知っていけばいいでしょ〜!……知っていくために必要?ああもう、めんどくさいなぁわかったよもう。
………お初にお目にかかる方、以前からご贔屓にしていただいている方、ようこそお越しくださいました。因果応報、貧富逆転、価値観反転。多くの思惑と人生が絡み合うこのパーティーの主催者を務めさせていただきます、ニコラ・薄霧と申します。種族は死徒、仕事はこんな感じのこと。では、どうか拍手を〜!」
噴き出す呪いは見えないが、それは内側に折り畳まれているものだ。その気になればいつでも漏れ出る特大の呪い。そしてチラリと覗く八重歯。見ればわかる、典型的な死徒だ。しかもかなりの。
対してこちらは、優雅に歩くご令嬢のようにも見える……見えるが、何者にも崩されない、石のようにも見える。
「………」
少しアレンジしたブランド物に身を通しているが、表情はその服装よりも遥かに美しかった。何も喋らずただ悠々とこちらに歩く姿に、何者も恐れないという意思がある。それもそのはず、そも彼女を打倒することは常識の埒外にあるような特異点でもなければ不可能だからだ。封印指定。魔術世界においてただひとり、“それのみにしかなし得ない偉業”という魔術師にとって最高の敬意と共に送られる、魔術師の生命(探求)を永遠に妨げる傍迷惑な呪い。
有名所を二つほど挙げるとするならば、『傷んだ赤色』蒼崎橙子と『濁歪工房』マイア・ヒュンケルだろう。それぞれが冠位を授かり、その呼び名で呼ばれることを激しく厭んで破壊しにかかる、協会にとっての危険人物だ。他にも大勢いるが、そのどれもが一代限りの稀有な才能を持つ。
目の前の女もその一人。正確には封印指定の制定が秒読みである、ということだが視野に入れられている時点で大した違いはない。彼女は世界でたった一人、大偉業を成し得る存在なのだ。
アスパシア・テッサロニカ。遡行の呪いの魔術師が、人生最後の自由を今宵謳歌しに来たのだ。
「わぁ、綺麗……けどその、ニコラさん……がこの主催者ならみんなの注目を惹くのもわかるんですけど、アスパシアさん?がみんなに注目されてるのはなんでなんですか?その、封印指定ってだけで恐れられるようなわけじゃあないですよね?」
「………このパーティー、もといオークション。それに関わりがある、とかかなぁ。大目玉の商品が、アスパシアさんと関わりがある、ぐらいしか思えへんわ」
『正解。今回のオークションで一際目を惹くものに、彼女の一族に関係するものがあるの。……女怪ゴルゴーンの魔眼と血液。それが彼女の追い求めた命題で、擬似的にたどり着いたものもの。だからこそみんな注目してるのよ。もしここで手に入れたのなら、本当に根源に至ってしまうかもしれないから』
美しい、しかし石のような女は何者にも目をくれずただ参列し、優雅に座る。誰も彼女に触れられないのは、おそらく、彼女がこの空間の中で最も魔術師としての極点に近いからだ。敬意と、嫌悪。その二つが彼女を周りから遠ざけている。『………まあ、どちらも最後の1人よりはマシでしょうけどね』
「え?それって、どういう……」
「────ああ、浅ましい浅ましい!人類史から排他されたものと、魔術協会から排他されたもの!その二つがなぜ臆せず表舞台に立てるというのか。日陰ものは日陰ものらしく縮こまっていれば良いものを」
「だが、あの2人はまだ道理を弁えている方だろうよ。問題はあれだ。あのおぞましい、時代錯誤の、恥知らずで、図々しくて、浅ましい女!廃棄物でしかない魔女の残り香が、何よりも堂々とこの場を占めようとしていることこそおかしいだろう」
一行の横の席、こちらに聞こえるほどには声を荒げて男二人が愚痴を言う。時代錯誤はどちらが言うのかというほどに貴族主義である雰囲気を醸し出す男たちだ。居もしない最後の1人に寄ってたかって愚痴を漏らす。
「アイツら……誰がどうとかわかんないけど、こんな風に騒ぎ散らかすのはなんか嫌だな。せめて静かにしてくれって一言言って……」
「まってタイガくん。なんか様子おかしいわあの人ら。………倒れて、あれ、苦しんでるんと違う!?」
零央の考察は正しい。片方の男は目と鼻から血を噴き出しながら顔を抑え、うずくまって悶えている。そしてもう片方の男は、喉を押さえて地面を転げ回っている。舌か何かが喉の奥に引っ込んだのだろうか。そのような苦しみ方だ。「自分に向けた悪意の呪詛返し。にしては随分とお返しがえげつないけど。………なに、ダヴィ?もしかして最後の1人ってイギリスの魔女かなにかなわけ?」
「そうですよ、パメリ。名前は確か……ああいや、名前は覚えてないですが一つ。雨の魔女の末裔という話は聞きましたね」
『死にはしないでしょうね。刻印に備わる呪いへの耐性とかもあるし。それに、この呪いには殺してやろうという気がないもの』
「─────正解よ!流石ですのね、死霊病棟のお姫様!」
いつからそこにいたのか。はたまた今現れたのか。詳しいことは誰も全くわからないが、ただ一つ理解できるのはそこに自分たちの知らない少女がいること。そして、その少女は呆れるほど美しいということ。
彼女こそが雨の魔女の裔。魔女の下に生まれ、魔女に育てられながら、師父殺しという形で魔女を殺し、古き魔法の残滓のくせに現代科学に溺れた女。しかして、この場で三本指に入るほどには、神秘を体現する幼き魔女。
「こんにちは、そこの日本少年お二人さん!私はエイラ・ミュリック。古臭い魔女の末裔で、あらゆるソーシャルに中指を立てる女の子!どう見ても一般人な君たちに軽く呪詛をかけてみたところ全然効いた様子もないから、興味が湧いて君たちに挨拶をした、ドノツラガールなのです!」「「………はぁ。はい」」
…………いきなりの爆弾発言に怒ることも忘れてしまう二人。目の前にいつの間にかいて、「呪いをかけたけど効いてなさそうなので話してみたくなりました」とストレートにぶちかまされたのだから仕方ない。だから、エイラと名乗る少女の後ろに振りかぶられているバールのようなものにも気づかない。
「ふふふ、私の破天荒さに声も出な……あいたぁ!!打撃物でフルスイング!?私、このパーティーのお客様なんですけど!!?」
「わ、私たち職員の仕事は自分たちが担当する会場の皆様の護衛も兼ねていますっ!純粋な魔術師ではないお二人に手を出すのなら、それに対する自衛手段として代わりに私が守ります!だからその……えいっ!」
「次は背中ァ!?いやいや、効いてないって言ったしかけ直したりしてないから!だから今は何も汚れもない綺麗なまんまの純情少年ボディーなんだっての!この……オラァ゛!」
仕事を果たすがために、キリリと決意を固めた表情を時々崩しながらも、所々危なっかしいこともありながらも、無言で業務をこなしていたナハシュが焦りながらバールのようなものを振るう。それに対してエイラも笑いながら強化を施したワイングラスを振るう。
先程までの怪しい雰囲気は何処へやら、事態は一転止まらぬカオス。パメリは呆れて飲み出すジュース、ダヴィは笑ってパクつくムース。これにはアリウムもといカッコウも機能停止である。
そしてその混沌の最中に巻き込まれた二人は、顔がいい奴が四人も集まってるなぁと考えることを放棄した。>>176
ほほう、これは中々に面白い組み合わせ
一見対照的に見えるコンビが、ふとした事をきっかけに近づいていくっていうのは何とも言えない味わいがありますね
>>182
今回も読ませていただきました!
容赦ねえジルの姿に製作者ながら戦慄。そうそう、忘れそうになるけど聖堂教会って基本こんなノリの連中だったんですよねー。月姫やって存分に知ってる筈なのに、何故かすっぽ抜けてた不思議
そして何やら地雷を踏み抜いてしまった気配。どうなる二人とも…!
>>202
情報量が…情報量が多い…!
しかしまあ口は禍の元と言いますか、魔術世界で軽率に振舞う事の愚かさというか危険性がよく分かる後半でした
ちょっとした悪意に対しても呪詛返しが飛んでくる魔術世界マジおっかないところでレージュさん、すっかりお待たせして申し訳ありませんでした
以前言ってた丸目長恵の伝承SS的なのが一応前編だけ完成したので、今上げてもよろしいでしょうか?特に関係はありませんが著名な古風な一人称といえばもちろん拙者なんですけど私の体感調査によると一人称が拙者の男は大体ギャグキャラかシリアスになると一人称変わる人なんで見るとつい笑っちゃって駄目なんですよね(ド偏見)
それとこれは割と関係ある話ですが私は感情の赴くままに合わせると全人類をツリ目鋭い歯前髪ジャーマにします
>>180
「おお ゆうしゃさま たすけてくれて ありがとう
…それはそれとして用済みだくたばりなァ!」みたいなムーブをナチュラルにする人だよ
>>185
変化どころか大体の場合普通に髪飾り的なサムシングで誤魔化している始末だったりしますぜ
>>186
かわいいよ!
>>202
師匠ェ………いや、でもまぁ実の弟子にすらちょっと「人語を解するモンスター」的な認識受けてる節あるから他人からみて関わりたい相手な訳ないわな…よくてよ付いたし今そんなに人いなさそうなので上げます!
・英霊伝承 ~丸目長恵・前編~
人生において、挫折というものは一つの災難のようなものだ。
何が原因で出くわすか、また何が理由で生じるのか。実際に経験してみない限り想像できないし、対策しようもない。
否、仮に分かっていたとしても、はたして自分はそれを避ける事ができるのか――。
これは、とある剣豪の物語。九州に生まれ、終生の師と出会い、やがて一つの流派を打ち立てるに至った男の武勇伝である。
その敗北を、今でもはっきりと覚えている。
馬鹿みたいに澄み渡った空。地上で起きてる事など気にも留めず、また関わろうともしない青。
それを、投げ飛ばされた俺はガキみてえに呆然と見つめていた。
「勝負あり! 伊勢守殿、一本!」
立会人の声がどこか遠くに聞こえる。
何が起こったのか、自分は今何をされたのか、まるで理解が追い付かない。
ただ、背中に奔る痺れと痛みが、己の敗北という現実を明確に伝えていた。
「――立てるかね、丸目殿?」
そんな俺に、あの男はどこまでも平静に手を差し出してきた。
「加減はしたが、こちらも些か気負い過ぎた。どこか無用に痛めていなければよいのだが」>>210
勝利への高揚も、敗者への侮蔑もない。そこにあったのは、どこまでも対等でひたむきたらんとする高潔さ。およそ剣術指南者の理想であり、憧憬の極致そのものだ。
だが、当時の俺は――
「……ッ!」
御覧の通り、寝転がって無様を晒す情けなさ。ばかりか、涙を見られまいと必死で口惜しさと屈辱を噛み殺そうとまでする始末。
これが一度、二度目の敗北であれば俺だってこんなザマは見せたりしない。されどこの時の俺は都合三敗目、それも袋竹刀によるものではなく体術による一本という有り様。
率直に言って、完敗だった。
直前のやり取りを思い出す。
故郷を離れ、遠路遥々上方へと旅立つこと幾日。やっとたどり着いた上方一の武芸者とやらの下へ弟子入りすべく、この住処へ踏み入れた俺に示されたのは軽い模擬試合だった。
曰く、弟子入りを志願するならばまず俺の実力を知っておきたいのだと。まあ言ってしまえばよくある話だ。
だが問題はその後。稽古場に案内され、早速仕合だと意気込んでいた俺に――この男は、妙ちくりんな物を取り出してきた。
片や普通の木刀、片や竹のようなものに、革らしきものを張り付けた得物。何でも袋竹刀というそれは、目の前の男が考案した新たな稽古道具だという。
木刀に比べ肉体に当たった時の衝撃が軽く、痛みこそありすれ大怪我に繋がり難い逸品であると。そう、男は臆面もなく言い放った。>>211
俺は憤慨した。怪我を負わせてしまう程に弱いのだと侮られている。そう感じたのもあるが、それ以上に剣士の鍛錬そのものへの侮辱と感じたからだ。
一度剣の道を志す以上、負傷とは憑き物であり己が武勲の証でもある。積極的に怪我をしろ、とまでは言わないが、怪我を恐れて何の証が立てられようか。
腑抜けていると思った。この男は、俺を舐め腐っているのだと。
それならばそれでいい。上方の剣士がどの程度か知らないが、所詮たかが日ノ本の中心というだけでこのように胡坐をかく事すら恥とも思わぬ程度の輩。
精々痛めつけ、修羅の地を日々生き抜いてる者たちの強さを思い知らせてやる――そう息巻いて、俺は木刀を手に、袋竹刀を構えた男に襲い掛かった。
そして。結果は、この様である。
強いとか格上だとか、そんな生易しいものではなかった。一見隙だらけに思えた男の所作は、その実恐ろしい程に的確かつ冷徹。勢いに任せた俺の一振りなど木の葉のように容易く受け止め、悉く流しきってみせた。
ならばと故郷で習った教えを、自分なりに飲み込み昇華してみせた技を繰り出そうとすれば、その前段階から封じ潰される。
その後のくだりは先に語った通り。あっさり二本まで先制され、最後の一本も綺麗に投げ飛ばされる格好で敗北した。
「……こんなにも、差があるものかよ」
自棄っぱちの呟きで、己の情けなさを痛感する。
何が修羅の地、何が腑抜けか。真に相手を舐め腐っていたのはどちらだったのかと、俺は自分の愚かさを噛み締めた。>>212
――そして。仮にも剣士の端くれを名乗るのであるならば、いつまでもこうして甘えてばかりもいられない。
俺は半ば跳ねるように起き上がり、ほぼ一息で姿勢を整え男に向き直る。
俺の豹変に男はやや驚いていた様子だったが、今更気にする余裕もない。
ただ地面に手を頭をつけ、一心に謝罪と懇願を口にした。
「――これまでの無礼、どうかお許しください! そして、叶うならばこの俺、いや私を弟子にして頂きたい!!」
俺の土下座を前に、男は一時の間沈黙し――やがて重々しく口を開いた。
これが俺とお師匠――上泉伊勢守信綱公との出会い。
そして俺、丸目長恵が剣士としての道を真の意味で歩み始めた日の話である。
それからの日々は、この上なく充実したものだった。
剣術・体術・座学。故郷でも習った兵法を、より実践的かつ、より先進的に高めたものへと学び直す。お師匠や高弟、あるいは兄弟弟子との鍛錬でそれらを交わし合い、己がものにできているかどうか確かめる。
そうして、三年ほど経った頃だったか。俺は時の室町幕府の将軍、義輝公の御前で、お師匠共々兵法上覧――すなわち、日頃の成果をお披露目するという大好機を任される事になった。>>213
最初に聞いた時は、あまりにも法外過ぎてお師匠の冗談か、あるいは弟子仲間の悪い冗談かと疑いかけた。それ程までに、俺にとっては名誉すぎる話だった。
今にして思えば笑い話だが――とにかく、当時の俺はガッチガチに固まってて上覧中の事をロクに覚えちゃいなかった。
ただ、お師匠に恥をかかせまいと。ひいては同門たる仲間たちにも累が及ばぬようにと、一心不乱に励み、尽くした結果……俺は、お師匠共々感状を得ていた。
そんな名誉な事もあった修業時代は、けれどあっという間に過ぎていった。
お師匠の事で励み続ける事およそ七年。一通りの事を習得した俺は、お師匠の下を去り、主家たる相馬家の下に帰参した。
その後は上方で学んだ事を主家の奴らに指南したり、俺がいない間の家の事について把握したりと奔走したが。それからさらにしばらく経って、俺は再び京へ舞い戻る機会に恵まれた。
既に弟子を持つまでに至っていた俺は、己の成長ぶりをお師匠に見せつけんと意気揚々尋ねたんだが……待っていたのは、お師匠が既に帰国したという知らせのみだった。
当然ながら無茶苦茶凹んだね。お師匠に会って言いたい事、話したい事。さらに磨き上げてた腕前だの、積もる話は山ほどあった。
だのに、肝心のお師匠はどこにもいない――。
鬱憤が積もりに積もった俺は、自棄になってとんでもない暴挙に出た。
それが所謂、『兵法天下一』高札事件である。>>214
まあ要するに、強者が集まりそうなめぼしい場所に赴いて『此処に一番強い奴がいるぞ! 勝負したい奴は出て来い!』と触れ回ったわけだな。
が。当たり前っちゃ当たり前だが。そんな突拍子もない行動を真に受ける奴が早々いる筈もなく。結局待てど暮らせど、高札を見て挑んでくる奴はただの一人もいやしなかった。
――あの時の弟子たちの目ときたらなかったなぁ。『何考えてんですか』『馬鹿じゃねえのこの人』『師事する先間違えたかも……』とそりゃもう冷めきった目で見られたもんだ。
だが――災い転じて福となす、というべきか。後日、その騒動を知ったお師匠から、俺の下に書状が送られてきた。
愚弟の所業に見下げ果てての絶縁状かと、送られてきた時は震え上がったが……恐る恐る開けてみれば、中身は何とお師匠からの印可状――要するに、免許皆伝の証ってやつだった。
嗚呼、その時の俺の喜びようと言ったら。
生涯における師と仰ぎ、共に暮らし続けた日々の中、少しでも近づけるよう全霊を賭して学び続けて。
けれどお師匠の下を去ることになった時も、ついに得られなかった免許皆伝の印を。よもや、よもやこんな形で受け取る日が来ようとは。
恐らく――いや間違いなく。あの日こそ、俺にとっては生涯最高最良の日だったと言っても過言じゃなかっただろう。
そして。それが俺の道行きの過酷さを、暗に示していたものであったのだと。
当時の『儂』には知る由もなかった。ここまで更新が遅れた理由には死徒絡みの月姫や魔女絡みの六章戴冠式が重なって色々見直しとかネタバレ回避のために溜め込んでいたという事情があったのは秘密なのです。なのでした
>>203
一応エイラが相当喧嘩っ早くてしかも呪いに卓越したイギリスの魔女だからってこともあります
普通の呪詛返しなら多分二世並の才能の無さでもない限り微塵も影響がないんでしょうけど、魔女の末裔のえげつない呪詛返しなので……
>>205
ふぉぉ、カワイイ!
技術者として関係は持ちたい、とかポジティブな印象を持ってる人も多いんでしょうけどね、けど追い詰めたはずなのになんか知らんけど追い詰められてるみたいな状況を敵に回したら作り出せる人は敬遠する魔術師もいるだろうなって
>>206
実は裏更新してたり
エイラ「なんか知らんけどレジストされたからおっけーでーっす!キミのその腕かな?」
>>216
おお……輝かしい、とても輝いておられる……けどこの引きこわすぎ……>>226
センキュウー!!誕生日なので自分で自分に絵を描こうとしましたが……やめました。
>>230
ありがとうございます!実は、凄く、こう、心に、キテるものがあって、すごく、すごく、すごく、ヒュギ、ヒュギギギギギギ
書きたいものがあるっていいですよね「やあ」「ああ、山羊頭か」
廊下で偶然に出会った2騎のサーヴァント。見知った間柄なのか、そのまま食堂へとなだれ込む。
2騎の内、悪魔のような角を模した髪飾りをつけた青年の方は味覚が希薄だったが、この瞬間においては頓着していなかった。
ようはただ、くっちゃべる場所が欲しかっただけなのだ。
「そういえば、君の教え子は随分とお盛んなようじゃないか。炎と氷、相反する者同士の慰め合い。ああ、微笑ましくて涙が出るね」
山羊頭と呼ばれた美男子がそんなことを口にする。話題の題材は、この学び舎でも密かな盛り上がりを見せているウィリアム・トーチハンズと雪女の関係だ。
「教え子を取った覚えはないんだが」
彼にとって惚れた腫れたは二の次だ。青年の思考は、彼を教え子と呼んだことのみに向けられる。
この悪魔(おとこ)にまで知られていたのかと思い、青年は辟易とした感情を抑えずにはいられなかった。
そもそも自分が教えられることといえば、銃の基本的な扱い方と、ここぞと言う時に相手を出し抜く破滅(やりかた)くらいなものだ。その程度、あれは教えるまでもない。
「君がそう思うのは自由だがね。彼は君にとって監視対象(えもの)だろう? それに大きな変化が生まれたんだ。少しは気になる……いや、気にするべきだと思うがね」
「……そもそも。俺があれを監視する必要なんてないだろ。最初から前提がおかしいんだ」
今度こそ、心底呆れたように口にする魔弾の悪魔。
言葉とは裏腹に、狩人の視線は獲物から決して外れていなかった。思いついたんです…息抜きの水着…
ペーネロペーね…私も冒険したい!と冒険グッズを内蔵してね…宝具でアルキメデスのを参考にして太陽光線を吸収してね…焼くんです、お肉を>>229
丸目「あ、ありのまま、今起こってる事を説明するぜ! 俺は時の将軍様の前でお師匠共々剣術のお披露目をやったと思っていたら、今度はその将軍様の方がお師匠に弟子入りしてきた…。何を言ってるのか(ry」
もしかしたらこんな感じだったかもしれない
>>241
とりあえずまずは資料を漁る所から始めるのがいいかもしれません
自分も丸目の奴を執筆するにあたり、図書館からいくつか本を借りてきたんですがネットにもない丸目像が確認できて励みになりましたし
>>246
英霊の過去を描くのはちょっとした浪漫ですよね…
記録には残っていても、実際その時英霊がどう感じ何を思っていたかは書き手の側にゆだねられる訳であって、それ故にこそ下手に手を抜けないジャンルだと思います>>248
そうですね……
ディートリッヒ
ヘルギ
ムワタリ
倭建命
辺りですかね。フロールヴ・クラキのサガの掘り下げ
暫く行われてましたから、別のキャラを選んでみました。>>248
ニムロド王英霊伝承はヒュギエイアの一個書いたけどそれ以降はダンマリだったや
ロドモンのアホくさ戦記とか書こうかな>>244
ザミエル君が弟子ネタを擦られて辟易とする流れはいつかやりたくてですね。ザミエルさんのめちゃくちゃかっこいいザミエル君を見た後だったのでやるしかねえとなったんですが
お誕生日ということでそのお相手にバフォジャックをお借りさせて頂きました
あらためてお誕生日おめでとうございます!>>248
ケルトハルが見たいです>>260
実際このパーティーに執行者が来るのはアスパシアを追ってきてだったり
ロックンロールなアーパーお姫様ですのよ、どう見ても普通の男子高校生に「3回ぐらい派手に転ぶ呪いかけたのに全然効いてないすっごーい!!」で未遂とはいえ話しかけてくるあたり実にロック
ニコラ……今お出しできる情報だと子はほとんどなし、親はすでに喰ってる、親の親もいない、ショタ、ですね!
ティム「朱い月♡こっち見て♡私を殺して♡」
こいつ、リメイクプレイする前は月姫時空だと祖の一人食べちゃってしれっとその座に座ってた過去あるかも〜?とか言ってたけどプレイして色々と考えた結果、それすらできず遠目で真祖の姫君に旗振ってる限界オタクになってしまっていそうな気がします>>182
やっぱり人狼くん可愛いわ…と思っていたらまさかの唐突な対立!からの絶体絶命!そして最後の詠唱、これは一体…
人狼くんは時計塔の何を知っているのだろうか…
>>202
説明が長くなるの…わかります…
ナハシュさんおどおどしてるけど責任感あって好き。ニコラさんもエイラさんも好き…皆一癖も二癖もあって良い…癖と個性の展覧会…
>>216
英霊伝承だー!本人視点で物語のように語られる形式なの良いですね。丁寧な語りで引き込まれます。
しかし、なんだか不穏な終わり方…続きが気になりますね
>>243
逆に平家物語取り扱って屋島の戦い、那須与一の話取り扱わないことってあります?
平氏は平氏でも、平家物語に登場する平氏の多くは伊勢平氏ですからね…藤原頼通と藤原泰衡ぐらい違うでしょう>>265
舞台からして停滞の古き魔術で止まった城ですもの!みんなそれ相応にすごくないとね、仕方ないね
ニコラ「美味しかったです」
まあ正直ネロとかシャーレイみたいな魔術師(もしくは魔術で)上がりの死徒って親いない、つまりニコラの親は魔術師あがりというだけですが
月姫の方のティム、朱い月最高じゃん?勢のメレムやらブラックモアやらと解釈違い起こしつつ自分も吸血鬼らしく一街美味しくいただいたりしてると思います、こっちの方にかけられてる呪いもないのでこっちより危ない>>242
どこまでキャラを出せるのかな?
TVアニメだけど、果たして景清は出るのだろうか?
景清「……」(そわそわしている)>>264
太田道灌!
アリガトウ……アリガトオ……英霊伝承:丸目長恵SSの後編ができました!
今投下してもよろしいでしょうか?>>274
・英霊伝承 ~丸目長恵・後編~
さて。ここからは変わって儂が語るとしよう。
何分、若い頃の儂に語らせるには些か実感が伴わぬであろうからな。
どこまで語ったのか……ああ、そうそう。師より印可状を授かった所であったか。
若い方の儂が語った通り、あの出来事は今でもわが生涯において最高の栄誉と言える事柄よ。
だが栄誉と不名誉は常に紙一重。師より授かりし皆伝に意気込んだ若かりし頃の儂を待ち受けていたのは、慢心への報いとも言うべき大敗じゃった。
大口城防衛の戦――かの鬼島津と名高き薩摩勢の攻めに対し、当時の儂はまんまと彼奴らが仕掛けた策に乗せられてしもうた。
調子に乗っていた、というのもある。じゃがそれ以上に、あの頃儂は薩摩という者共に対する理解がどうしようもなく欠けていた。
修羅の大地、九州においても特級の戦馬鹿。恐れを持たぬが故に、前へ進む事しか知らぬ猪武者の群れ。またしても、そう舐め腐っておったのだ。
――そうある事の愚かしさ、危うさを、師との出会いで学んでいたにもかかわらずな。
結果は史実に記された通りよ。我が助言に従った相良家は薩摩勢に大敗、多くの手勢を失ったばかりか守るべき対象だった大口城すら落とされた。
当然主君の怒りも甚だしく――儂は敗戦の責を全て課され、逼塞という処分を受けた。この瞬間、儂にとって武人としての栄達の道は永遠に断たれたものと言ってもよい仕打ちだな。
だがそれも当然よ。身の程を弁えず、師からの教えも疎かにし、あまつさえ多くの同胞を無為に死なせた者には似合いというもの。否、むしろ軽すぎると言っても良い。
かくして儂は相良家、ひいては九州での立身出世を諦め、以降は兵法修行に集中し続けた。>>275
不足分を補うだけではなく、今まで学んできた事が全然身についていなかったと気づいた儂は、それこそ昼夜を問わず鍛錬に明け暮れた。
その間にも幾度か戦に加わり、手柄を上げてはいたが……主君は、やはり儂を許してはくれなんだ。
それで良い、と儂は受け入れていた。元より儂のような未熟者には、上方で習った武術を少しでも多くの者に伝える事こそが本道。武人としての栄達など、最早望むべきではない――。
自棄とも諦観とも言い難い胸中のまま、日々の鍛錬を重ね、やがて九州一円の兵法家たちを片っ端から下し終えた頃。儂はふと、師に会いたくなった。
かつて会えなんだ無念があったというのも事実。だがそれ以上に、今の儂の姿を見てもらい、儂に足りないもの、また儂が為すべき事を師の口より聞きたいという想いがあった。
儂は三度上京し――そして、知った。
我が終生の師、上泉伊勢守信綱公が、当の昔に亡くなられていた事を。
……嗚呼。あの時の慟哭、悲嘆、無念。その全てを、いかにして語ったものか。
己が九州で呑気にしている間に、己が師と仰いだ者は天寿を全うし、永久に帰らぬ身となってしまった。
西方十万億土を訪ねる術は己になく。さりとて大戦で果てるには既に天下の趨勢も定まりつつあり。
結果、儂は消沈したまま故郷への帰路に着く他あらなんだ。
儂は故郷へ戻り、しばらくの時を陰鬱に送り――やがて、ある武術の編纂と開流に乗り出した。
それこそがマスター、お主もよく知る……かどうかはさておき。当世にも伝わっているという、タイ捨流よ。>>277
何故、そうするに至ったか。問われた所で、答えるのは難しい。あれ程までに天下へその名を轟かせた師でさえ逃れられぬ寿命という現実に、思う所があったのか。それとも、まだ儂の中に野心と呼べるものが眠っていたのか。あるいは――ただ、何でもいいから師を失った悲しみを紛らわせたかっただけだったのか。
兎にも角にも、儂は数年の月日を重ね、タイ捨流を立ち上げるに至った。奇しくも同じ頃、儂の主家である相良家は代替わりを迎えていたのだが――幸か不幸か、儂は長年の勘気を解かれ、再びお家に尽くす機会を与えられた。
とはいえ、世は既に戦国乱世の終焉。最早戦働きで貢献するような機もなく、わずかに与えられた知行を維持しながら、剣術指南役として後進の育成に励むというのが、儂の新たな生活じゃった。
……思い起こせば、あの頃は儂にとってもそう悪くないものでもあった。
剣術や体術ばかりだった兵法以外にも、新たに槍術や薙刀、忍術や手裏剣術。果ては書道や和歌といった、若かりし頃には見向きもせなんだ趣味にも多く手を広げたものよ。
歳をとって趣味嗜好が変わったのか、あるいは暮らしに余裕が出た故に暇を持て余したのか。いずれにせよ、儂にとっては悪い暮らしではなかった。
その内タイ捨の名は九州全土にまで広がり、高名な武家からも支持する者が現れるようになりおった。
立花家の小僧、龍造寺の右腕などが訪ねてきた時はさしもの儂も驚いたが――どうあれ、儂のような者を師と仰ぎ、遥々訪ねてきた者を無下にもできん。
かつての師を思い出しつつ、あれやこれやと伝授させる日々は、まあ。全くもって相応に愉快であったな。>>278
後は最早、語るような事もない。晩年に至るまで、儂は多くを導き、多くに師として振舞い、そして最期の時を迎えた。
思えば戦国乱世に生まれた者としては、思いもよらぬ穏やかな晩年だったが……これも、我が運命というものか。
さて。儂から語れることはこれで全てだ。
主家に仇なそうとした間者共を十七人ばかり片づけたり、忍術鍛錬の合間に身に着けた間諜術を弟子たちに仕込ませて主家を守る忍者群を組織させたりと、まあ色々と手を出しはしたが……今となっては、何もかも昔の話よ。
とはいえ、今もそれなりに覚えていない訳でもない。マスターがよければ、教えるのもやぶさかではないが――何? 手裏剣術について詳しく? 自分も投げてみたい?
ふ。ははっ、ふははははは! いや失敬、お主があまりに純粋な目で見つめてくるが故な。――少し、昔を思い出していた。
あの頃の儂も、かような目で懇願したのでしょうか、師よ。
いや何でもない。さて! 儂に師事するからには、手加減はできんぞ? 良い機会だ、若かりし頃の儂も捕まえて、徹底的に仕込むとしよう!
何、そう怖気づくことはない。儂らとは違い、お主の人生はまだまだこれからであろう。
ならば今の内に、学べる事は学べるだけ身に着けておくものだ。マスター。
――いつかそれが、お主にとっての未来に繋がる糧となるようにな。あと月姫ネタバレと言えば、代行者の扱いが思ってたより教会内で下の方だった事に軽く驚き
いや月姫時空なのでFate時空とは微妙に異なってる可能性もありますが
なのでジルの設定をどうするか現在悩み中
今んとこ代行者『見習い』にしておりますが、これならもう正式に代行者でよくね?と言いますか…
あとついでにIFバージョンのジルも作りたくなってきたニヴルング一族、霧の一族(ニヴルンゲル)の霧とは、霧の国。
すなわち霜氷領域ニヴルヘイムに由来する。
一族の長ギューキは人の王でしかなく、かの地の神秘を継承する真の王は、グズルーンだった――
などというトンチキな設定を真面目にうだうだと考えている
>>266
ううん…ううん…
(ロアの「原理に至る」発言と、魔術師あがりの祖がどうなっているのか、そもそもあれ「朱い月の原液」と関連するやつなんじゃないの考察で揺れている顔)
>>269
でも言峰もハンザも一人身だしなあ???となっている。謎
>>280
裏太刀、新陰流の裏太刀からの忍術!
時代の流れに固執することのない柔軟性とか、師に学んだ自分が教える立場になる感慨深さとか、エモの塊…!月姫に影響されて食満のSSを書いてみましたが投稿しても大丈夫ですか?
英霊伝承リクエスト私もやりたいけど水曜までに諸々終わらせておきたいからできぬぅ……
時間が空からふってこないかなー日本の関東にある地方都市覇久間市にある教会に、聖堂教会のシュヴィヤール司祭代行が現れたのは覇久間聖杯戦争が始まるおよそ一年前の二月であった。
「食満君、地域とは随分馴染めているようだね。教会で結婚式を挙げた人もいるし、子供たちに柔道(ジュードー)を教えているそうじゃないか。そういえば、オリンピック選手候補に選ばれるほどの達人に教えてもらえるとは子供たちも幸せだ。仕事熱心で感心感心」
「多大なる評価をいただき、恐縮するばかりです」
食満四郎助はよそよそしく慇懃に応じた。彼は養父の威光で極彩色に飾り立てシュヴィヤール司祭代行に対して、打算がらみの好意すらしめそうとしなかった。
代行者が吸血鬼を何体も討滅したところで役職として昇格することはあり得ない。暴力装置であり、兵士として前線で使い潰されるのが代行者である。だからこそ、シュヴィヤールの取り入り、現在の境遇から脱却しようとする代行者も少なくはなかった。代行者も多種多様で、信仰に殉じる戦士ばかりではなく、代行者にならざる得なかった者そしてその境遇に甘んじない者もいる。
シュヴィヤールは代行者に限らず、聖堂教会の聖職たちに対して教義をもって訴え、理をもって説き、利をもって誘い派閥を作り上げていた。>>295
食満四郎助はシュヴィヤールを上位者として指揮下に置かれることになっていた。むろん好んでのことではない。今月、上長からそう命令されたのである。
「食満君。君に重大な任務を与える。かのシュヴィヤール司祭代行の要請に従い、ルグドゥヌムに巣食う死徒の討滅に従事するのだ」
「承知致しました。それで、この案件の担当者は、シュヴィヤール司祭代行ですか。ルグドゥヌムは彼のお父君と所縁のある土地だったと記憶しますが」
「無論だ。いいかね、食満君、この件は教えに反する異端を駆逐することが第一だ。だがそれだけではない、今回の武勲をもってしてあの土地での司祭代行の権威回復をはかることが第二の目的としたものなのだ。ルグドゥヌムは先代……司祭代行のお父君の功績に対して忘恩が甚だしい。銅像を撤去し、肖像画までも破棄しているそうだ」
食満は銅像などに何の関心もなかった。>>296
「私はあくまでもシュヴィヤール司祭代行の下へ出向して死徒を狩る立場なのですか」
「そうだ」
「すると我々は何らかの利益(みかえり)も求めず、無償で彼に奉仕するというわけですな」
食満の皮肉はかなり無礼ではあるが、オペラ歌手なみの低い、豊かな声量は辛辣な響きが軽減されていた。
「勿論、戦費は返還してもらう。また、今後何かあれば融通してもらうこともあるだろうな。しかし、司祭代行にしてみれば、故郷の偉人となることを望むのが当然だろう」
「……」
「そしてその結果、この地上からおぞましき異端が滅却され、無辜の民のもとに平和が確立されるなら喜ぶべきではないか」
「そして司祭代行に恩を売ったあなたは来年の大司教選挙に立候補なさるというわけですか」
激しい狼狽の波が、食満に向かってぶつかってきた。聳える岩のような巨体が感情の波に波濤が押し寄せてきた。食満の瞳を正視せぬよう注意しつつ、彼の上長はことさら肩をそびやかした。
「誰から聞いたのか知らないが、無責任にみだれ飛ぶ流言飛語にいちいち責任は持てんな!」
「流言飛語といえば、このところ恥知らずな噂が流れているようですな。責任ある立場のお歴々が、結託して政治屋の真似ごとをおこない、その対価に将来の地位と利権を約束されているとか」
上長の拳がデスクに叩きつけられた。微かな震えが含まれた声が怒気を装った。>>297
「食満四郎助! 君が役職に似合わぬ尊敬を払われている所以は、君の悪魔祓い(エクスキューター)としての実績にあるのであって、マスコミめいた舌三寸にあるのではないんだぞ! 分を弁えよ!」
「それは存じませんでした。──尊敬されてなどいるとは」
上長とのやり取りを思い出していた食満は、シュヴィヤール司祭代行への挨拶をすませると、食満は饗宴を断って退出して、無人の聖堂を眺めた。
「彼らと話すと俺は心を洗われるような気持になる。……泥水で」
押し付けられた立場は不本意であり不愉快でもあったが、食満四郎助は代行者としての最善を尽くすつもりだった。食満はシュヴィヤール司祭代行や彼に集まる派閥連中の野心にも関心をいただきはしなかったが、無辜の人々が死徒の犠牲になることには耐えられなかった。
「許される異端は我が身が主に代行して俺が処す。だが、赤面したくなるようなともがらは誰が糺すのだ」
静謐な聖域は沈黙していた。食満は失望していなかった。返事など期待していなかったから。>>305
ですよですよ
けっこうSS向きの職種だったりしますね代行者...!ちなみに現在思案中のジル周り設定
・その1:ジルの立場について
これは現在の代行者見習いを、正式な代行者にするか否か
質は求められてるとはいえ、代行者になった年齢を考えるとそこまで見習いと区別化する必要性も薄いか…?
・その2:ジルの武装追加
流石に手術道具だけでは乏しすぎた
せめて黒鍵…は厳しくても、最低限銃火器くらいは持たせたい所
でも何気に本家で銃火器使ってる代行者って少ないんですよね…
・その3:ジルの相棒的キャラ追加
これ自体はジルの、というより純粋に新キャラ作成なのでそこまで難しくはない
手持ちキャラもまだ許容範囲の筈…
なお現状の試案段階だと、ジルとは対照的な活発系捨て身キャラになる予定もしかしたら聖杯大会とかに食満の相棒が必要ならば京極さんに作成をお願いしようかな……
>>313
あれです、司祭代行が代行者を使って死徒を倒してみんなを助けてやったぜ!という功績作りです。代行者はナイフや拳銃みたいなもので手柄はそれを使った司祭代行のものになる理屈。嫌になっちゃいますね。よーし書けたー!
今日に間に合った―!ハッハー!
>>315
商売道具を傷つけないように足で戦うとか?
個人的なイメージで言うとジルには刃物で戦ってほしいところ。追加武装を挙げるならでっかいブーメランとか>>318
ではー
富山の地方都市・御笠。その地に派遣された聖堂教会の代行者・食満四郎助のパートナーは、娘と言っても通るであろう年頃の少女であった。
事実として、彼女は今も尚勉学に汗水を垂らす高校生である。彼女の監督役を務める司祭が語るに曰く、どこに出しても恥ずかしくない自慢の娘なのだとか。
この時点で、彼は自身の職務に子守りが入っていると認識していた。
自身も代行者であり、手練でもある御笠教会の司祭。彼はその立場上、自由に動くことが出来ない。
実働部隊は少女と食満のみ。なるほど、これは確かに子守りと言っても語弊が無いだろう。
この認識は、少女のある発言から大きく変わることになる。
「まあこういうのって、だいたいはシエル先輩の受け売りなんですけどねえ」
「……シエル? シエルというのは、彼女で間違いないのか?」
土曜日の正午。辛子明太子丼という恐るべき単価の怪物を完食しようとしていた食満は、手慣れた様子で新しい唐辛子の袋を開ける少女のこぼした言葉に面食らった。
少女の語った思わぬ人脈に、男の嚥下した食事が器官に入る。気道を蹂躙する一味唐辛子の刺激は常人には耐え兼ねない激痛だったが、大の辛子明太子党である彼は意にも介していなかった。
「そうですよぉー。私達の界隈で、シエルなんて名前一人しかいないでしょ? 多分ですけど、四郎さんの言ってる人であってますよ」
「知っているとも。埋葬機関第七位。弓のシエル。それが、君の先輩だというのか?」
「ええ。まあ期間自体は短かったですけども。基本的なことは全部彼女に教わりました。別に弟子だとか、そんなことを言うつもりは無いんですけどね」
出来上がったばかりのキーマカレーを頬張りながら何気なく答える少女。
この街で「休日のこの時間、御笠教会には近づくな。鼻か目をやられることなる」と語られている猛烈な刺激臭、もとい気化したカプサイシンが充満するこの部屋で、食満は自信が定めた職務が消滅したのを感じていた。>>321
◆
代行者の拠点とは言え、御笠教会が教会であることに違いはない。
聖堂に飾られた主の像に祈りを捧げにやってきた礼拝客がポツポツと増え始めた頃。
勝手口の方から、鯉口を鳴らす剣客のような気配が訪れた。
「それはどうにかなりませんか。司祭様」
「ああ。これは失敬、四郎さん。これでも抑えているつもりなのですがね。此度は客人もいることですし」
鍵を開けて出迎える食満。軒先に立っていたのは、女性と見紛うような整った顔立ちをした美青年だった。
「……まあいいでしょう。それで、首尾はどうだったのです? この街の管理者と談合があったのでしょう」
「ええ。これはまた、随分と愉快なことになりましたよ。どうにもね、四郎さん。この街に『墓掘人』が近づいているそうです」
「……それは、確かなのですか?」
―――墓掘人(グレイブ・ディガー)
それは、ある女によって作られた死者を生者に、生者を死者に変える秘薬を摂取した者の総称である。
死徒のようで死徒に非ず。然して、生者でもないその身は異端以外の何者でもない。
「彼女が私に嘘をつく必要は無いでしょう。そもそも、彼女は嘘がつけない。そういう心理的拘束によって使う秘蹟の効果を強化していると私は推測しましたが……まあ何にせよ、疑う必要は無いでしょう。それなりの取り引きは交わしましたから」
「取り引き?」
食満の言葉に答えたのは―――彼のパートナーの代行者とさほど変わらない年頃の少女であった。私昨日から今までの予定投稿して12時間寝てバイト行ってまた寝てたんだけどもたんじょうびのひとがいたの………?
エル・ビオランテの序章第二幕、WIKIに登録しましたー。
>>326
でも月姫とかの分では「利便性から銃火器に取って代わられつつある」とある不思議>黒鍵
灰錠の方ですが、足回りに装着する分には問題ないかなと思い直しました>>333
辛子明太子丼を食べなから麻辣火鍋も余裕で完食する男……それが食満四郎助。お腹くださないから筋肉だけでなく胃腸も強い。灰錠は事件簿でシスターが修道女の服装のまま両腕につけて暴れていたのが印象的でした。ギャップ萌えみたいなものかな。
>>323
楽しみにしています!黒鍵、灰錠も好きだけど第七聖典とか正式外典みたいな浪漫兵器も好きなんですよね……
ふぅ、やっとキメ過ぎた香辛料が抜けましたわ()
と思ったらレージュさんの誕生日が過ぎてただとぉっ!?遅れましたがおめでとうございます!>>188のss、感想返していきますー
>>263
ふふふ、キャラが濃くなくてはキャラページがない子は輝けねぇ!
>>288
真夏に電気をつけっぱにしても窓に虫が張り付くこともない!なぜなら張り付けば虫は停止の呪いで死ぬから!
>>306
ナチュラル無神経アーパー娘なのでアリウムさんに尊敬の念を込めてそういうこと言う、不愉快に思ってたらなんか殴り合いし始めてこれには呆れて機能停止……
こっちはそれいがい
>>280
良い英霊伝承でした……これはアッシリア特異点が気になる
>>299
代行者……世知辛い……
>>320
かっこよ……かっこよ……これにはローザも満点……
>>325
辛党!やっぱり教会は辛党なんだ!
>>317
大丈夫です〜理想(ラフ)と現実(完成)が違いすぎること、あるある(泣)
>>354
わりと自然派(?)なメレクだったり>>349
うちで教会関係者だと苦いのが好きなやつと酸っぱいのが好きなやつがいますが、やっぱベタなのは辛党かなと!食満のSS書いていたらSSに入れてた死徒との戦いを書きたくなってきた。複数の代行者と魔術師が集まって脅威に立ち向かう!という話。
このスレも代行者はそれなりにいますよね。監獄長さんのアンティフォノ、ひーさんのジルとか。うちの代行者は長年のコンビで空葉と鐘架がいるけど今思えば割とピッタリハマってて草でした
東鬨で代行者見習いのムアイちゃんと鐘架さんがコンビくんでたのもさらにそう
まあ某背徳大好き女の子に殺されてしまったんですけどね>>356
ふふふ……丸々!というわけではありませんが参考にさせていただきますとも
ただそこまで行くのまでなかなか掛かりそうで……(白目)皆さんが代行者の話を話をしてるので私も混ざろうかと自分のとこの元代行者を見てるとこの人も結構変わってるなぁって。
呪いを受けて代行者を引退して紆余曲折あって異能持ちの少女を見つけてその少女の恋を応援するってのとか。代行者をスパーキングしようと目論んでいるのも私だ
>>372
どうぞ~死徒の名前や能力が思いつかないなぁ。何かコツがありますかね?
あと協力プレイありで死徒と戦える魔術師&代行者募集中です>>373
>>375
では!
浜辺汐は憑き物筋の人間である。
通常憑き物と呼ばれるのは犬や狐が一般的である。変わり種としても蛇などが関の山だ。
彼女が宿す憑き物―――それは、食満が彼女の背後に視た『鯨』だった。
「なるほど。君はこの街の管理者と懇意の間柄にあるというわけか」
「仰る通りです……懇意と言っても、ただの先輩後輩というだけです。退魔の家系と憑き物筋という立場ではありますが」
魔と退魔。通常相容れぬ者同士が手を組んでいる。
聖堂教会の代行者も本来は敵対する魔術協会の魔術師と手を組むことはあるが、それはのっぴきならない事情がある場合のみである。
故に2人の関係は、この街が血に濡れた鉄火場であることを示していた。
そもそも、教会の代行者と退魔師が秘密裏に会合を繰り返している時点で異常といえば異常なのだが。
「ですが……別に、今更も今更でしょう。ねえ? 司祭様?」
「そうですねえ。20年前の区画整理でこの街は廃棄されてしまった。残っているのは、周辺が整備されたのにも関わらず御笠という街にこだわる方々と、人口減少で低下した物価に釣られてやってきた人々だけです。“彼ら”にとっては格好の餌場でしょう。私が“彼ら”でも同じことを考えますよ」
「皮肉ね。警戒心がない余所者がやってくるせいで事件が絶えないだなんて」
「事件が起きる土地とは往々にしてそういうものですよ。これは手品や都市伝説などにも同じことが言えますが。奇怪なもの、奇妙なものほど蓋を開ければトリックは単純だったりしますのでね」
町長や、それに近い立場の人間が聞けば卒倒しかねないやり取り。舌戦にも近しい剣呑なそれは、彼女達にとって事実を事実として述べているのに過ぎなかった。>>378
「つまり。私がここに来たのは体のいい厄介払いだったというわけですか」
教会の空き部屋―――これから寝泊まりすることになる場所へ荷物を持っていった汐の姿を見届けてから、食満四郎助は司祭にそう問うた。
食満四郎助は、一振りの剣のような男だった。
闘争という概念に権力は付いて回る。異端との鍔迫り合いを十数世紀に渡って続けている聖堂教会ですら代わりはなかった。
食満には権力欲というものが欠けていた。
無辜の人々を守るために異端を狩る者。そして、未来ある若者の礎を担おうとする者。
それは一般常識で見れば手放しで褒められる美徳だが、彼らの上司である人の皮を被った獣からすれば理解不能な考えだった。
「向こうにしてみればそうかもしれませんね。私にして見れば願ったり叶ったりですが」>>379
そうして、この司祭と食満の在り方は酷似していた。
司祭が求めていたのは腕の立つ男だ。
腕が立ち、権力は二の次三の次―――つまりは、自分と似た男がいい。
司祭と言う立場上彼は全くの無欲では無い。欲が無ければ、上に登り詰めようと思わなければ今の立場ではいられない。
それでも、彼らの本質は合致していた。
男は異端を狩る刃であることのみを求めたが、
男は異端を狩る刃であるために権力を求めた故に。
「貴方は腕が立ち、その上で異端を狩るという在り方に忠実だ。
彼らにとっては無用の長物でしょうが、私としては貴方を引き入れることが出来たのは幸いでしかありませんでしたよ。
貴方のような人は使い潰されて終わるような人では無い……っと。これは貴方だけではなく、クレアや汐さんにも同じことが言えますが」
腕が立つものは評価されるべきだ。男の意見はそんな単純なものだったが。
かつての上司が司祭の真逆のような存在であった食満にとって、彼はあまりにも眩しかった。>>375
アサシンの仕業(説明になっていない)作るか...死徒と代行者が跋扈する街、メルブラ風世界観...!!
>>384
『聖杯惑星』の世界線はPrototypeにSN要素混ぜたものですね。
東京で2回聖杯戦争があったという背景もそのため。ふふふ、、、、俺はまだ月姫終わってないから死徒とかの話されてもついていけないぜ!!
>>393
基本的には他者への評価がおおらかな人に辛辣な評価を下させるような人が直近だったことによる相対評価もありそうですね。ちゃんと信頼関係を築けていけば司祭を尊敬することになりますとも。Fakeで十字軍が死徒と遭遇した話や、エドモン・ダンテスがロアとぶつかったこともありましたし、死徒というキャラクターはFate世界で英霊たちの生前の設定に入れることもできなくはないんですよね。かなりの大事に巻き込まれることは確定になりますけど。
>>392
月姫がFateほど供給も少ないすし、新しいスレを作っても暫くすれば活動低下ということもあり得るかと思いますね。死徒に関しては上級死徒まではセーフ、後継者〜祖はアウト(二十七祖が存在しないので原理血戒もなし)
教会設定はセーフ、ラウレンティス枢機卿はextra時空でいる、埋葬機関の第一位ノイ司祭はfgo時空でいる
真祖はextra時空ではいるけど...個人的にはグレー(朱い月が完全消滅っぽいのが気になる)
今のところ、違いとしてはこんな感じ??はい先生!死徒とか出すわけではないですけど配下から養分をもらって自分を強くするという構図を死徒のやり方に似ている、って言及するのは違和感ありありでしょうか!
拙僧、近頃周りが死徒だとか代行者だとかの設定に湧いている中全く別のキャラの案が浮かんでいる次第。
ただ使う予定が無いのでこそこそのキャラシだけ温めておいてる感じですな。
>>381
えらく物騒な街ですが果たしてこの街を平和にすることは出来るのだろうか。今後に期待です。
>>397
独眼剣豪カッコよ…。払いの部分とかをもっとダイナミックに暴れさせるとそれっぽくなるかもです。
>>399
個人的にはギリギリ有りですね。Fate世界線にも一応死徒は居ますしそうでなくても基本的にこのスレの聖杯大会世界線はFakeから派生してるので英霊召喚と死徒は両立するかと。
ただ二十七祖とかのガッツリ月姫世界線の設定はやめといた方がいいとも思いまする。英霊伝承の為に資料読み漁ってたら新しい発見と横の繋がりが見つかっていって作業が進まない……調べるの楽しいのぉ。
>>400
強い死徒を出したいのであれば祖ではなく大物の死徒、みたいにファジーな表現で納めておくといいか徒思います。
電話で話すとか文通するとかチョイ役程度ならばヴァンフェムやロアのようなFate世界でも実在が確定している公式の死徒を使うとかも選択肢としてはありかもしれません。>>404
ベオウルフがディードリッヒ伝説とも所縁があるとは、流石は欧州でも歴史ある叙事詩だ。
ディードリッヒ関係の資料は日本語版となると数が少なく、翻訳されたものだけ調べようと苦労することになりますね。
あとハクマで監督役をしている食満のSS書きました。彼のページも更新しましたが、読んでみていただければ人となりがわかるかもしれません。
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/m/wiki/%E5%89%9B%E6%AF%85%E6%9C%A8%E8%A8%A5%E4%BB%81%E3%81%AB%E8%BF%91%E3%81%97>>406
私もディードリッヒを作ったら湿っぽくなりましたねぇ。職を失った仕事人間みたいな哀愁が漂った悲壮感がありました。アルトリア系譜のヒロインを目指した結果かもしれません。
食満は豪放、剛毅な性情なのは決まっていましたから、それが戦場だけではないことを示しておきたかったんです。これ投稿して寝ます……ディートリッヒの関連人物を簡潔に書いたやつ。
【関連人物】
ヒルデブラント
側近であり、養父であり、師匠であり、戦友である戦士。
老戦士と呼べる程に高齢なのだが、未だ現役で教え子を扱く事に関してドSっぷり発揮するので、ディートリッヒを含めた教え子たちから恐れられている。
ベルンへの帰還道中に息子と一騎討ちし、死なせてしまった事がトリガーとなったのか、そのまま老衰していき静かに息を引き取った。
ハイメ
配下の一人にして、ディートリッヒにとっては兄的存在。
小手先の技が得意で、勝つ為なら小細工も辞さない戦士。加えて口達者で、口が悪い田舎者のような振る舞いだが、逆にその気概を気に入られる事が多い。
ディートリッヒの配下で最後まで生き残り、王の腕の中で息を引き取った。
ヴィテゲ
配下の一人にして筆頭戦士。半妖の騎士と呼ばれる妖精の血筋。
ディートリッヒにとっては親友とも呼べる中だったのだが、諸々の事情で敵対する道を選ぶ。
王の弟を戦場にて殺めてしまい、そのまま発狂して湖の人魚に水中深くまで連れ去られて泡沫のように消えた。
ディートライプ
配下の一人。デンマークの戦士。
実力も教養もある筈なのだが、それを表に出さない不真面目優等生。超絶シスコン。>>411
エルメンリーク
叔父。ローマの王にして周辺の諸侯を統治する君臨者。「戦王」の異名を持つ。
諸侯の完全支配を目論み、その弊害となるディートリッヒと争った。最後はアルテラの協力により結成した軍勢との戦争で命を落とした。
シフカ
エルメンリークの側近。裏から戦王を操っていた黒幕。
実際のところエルメンリークは敢えて口車に乗り、ローマ統一を目指したので、只々黒幕気分を味わっていただけの人。後にハイメにぶん殴られる。
物語におけるモルガン、妲己的に立ち位置。実は魔術師で陰陽の関係で性別とか無いに等しい。
ヴィルギナル
氷の女王。
勇者の試練に突破したディートリッヒに興味を持ち、友愛の契を交わした。
ジークフリート
ネーデルラントの王子。竜殺しの英雄。奮闘の果てに一騎討ちに勝利した相手。>>412
クリームヒルト
ブルグンドの姫。ジークフリートの伴侶。
ジークフリートが謀殺されてから復讐の鬼に取り憑かれ、ラインの黄金に関与した全ての人物を手にかけた。
最後はヒルデブラントの手によって命を断たれる。
アルテラ
フン族の王。戦闘王の異名を欲しいままにする神の鞭。
亡命した王を持てなし、エルメンリークとの戦争に協力した。
ディートリッヒの特異な出自の原因であり、白い巨神の残骸から発見された末端。
以上。おやすみ。>>410
なるほど…… ではこのままでいいかなあ午後のこそこそ話。
バルベルデ家の現時点での最大の問題。
それは、ビオランテが結婚するか否か。便乗こそこそ話
山峰小夜子さんが暴力に怯えるのに施設は関係無い。施設に連れてこられる前の家庭内暴力が原因。>>417
ああいや、fake2巻見返してたらやっぱり祖という存在に言及があるのと、下記リンクからもやっぱり中間辺りの世界みたいな捉え方で大丈夫だと思います
http://www.typemoon.org/bbb/diary/log/201704.html>>418
なるほど、まひろちゃんの嗜好がよくわかりました。
それはそれとして、fakeがそういう世界観ならば聖杯大会の世界でも祖はあり得るわけですね。メイン級の出番とか簡単には渡せないキャラクターですけど。
snとかEXに近いあるいは同じ世界観だとその限りではないでしょうが。……伏神の教授がフォアブロ・ロワイン名義なのってFate世界線故に死徒になってないとかそういうこと……?
>>421
ガイさんどう言ってたっけなぁ…。今回の夏イベのおかげで今年のハロウィンネタが浮かびました。
舞台は怪しげな謎の島!そこで出会うは無垢な人外ロリ!主役サーヴァントは……ジョン・ハンター!>>424
ヤンチャ系には狂暴かわいいギザ歯を、ってばっちゃが言ってた!>>426
エドワードは設定上、トップサーヴァントですし、グランドアーチャー状態のイリヤー除けばうちのアーチャーだと一番強いんじゃないかという人なので、まあ、強いです。
ハクマで監督役をしている食満のSS書きました。彼のページも更新しましたが、読んでみていただければ人となりがわかるかもしれません。
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/m/wiki/%E5%89%9B%E6%AF%85%E6%9C%A8%E8%A8%A5%E4%BB%81%E3%81%AB%E8%BF%91%E3%81%97SS投げますね~
「やっぱり、あたし司書ってガラじゃない」
カルデアの地下深くに築かれた大図書館は、書庫の雛型、かのギルガメッシュ叙事詩さえ所蔵したニネヴェの図書館の主であるアッシュールバニパル王や、図書館という意味では最も有名であろうアレクサンドリア図書館を建造したプトレマイオス1世といった知見を得て、運営されていた。
データベース上に記録されている書籍の電子情報を、魔術を用いることで紙の本へと変換して、実際に見て取れるようになっている。
小規模な第三虚構世界、電子の海のそれだ。
「何事も継続だよ」
「最初から完成されているような機械野郎と一緒にしないでくれますー?」
「僕だって、こういう直截的な方法は苦手さ。火を授けても、火の扱い方は間違いなく人類種が学んだもの。叡智とは、人類(ヒト)を援ける手というカタチを取るだろう?」
――汎人類史は、こうして知識を轍にして受け継ぐ。面白い在り方だよね。
と、付け加えた。
かつて神であった頃には擬体であり、サーヴァントとして召喚された今では英霊のカタチである、穏やかそうな青年、知識神プロメテウスが微笑む。
神霊である立場に反して、多くのサーヴァントに借りられた電子情報を物質化した、物理書籍の山を抱えて戸棚へと返却している。その足取りは止まることなく、まるで膨大な図書館のデータの全てが頭に入っているかのようだ。いや、実際に把握しているのだろう。>>430
「失礼だが、ここに■■■■■■■はいるか」
「トゥルヌス」
「うわっ、バーサーカーじゃん」
「それは偏見だ、グズルーン。なにより貴殿もバーサーカーだ」
「あたしは大丈夫なの。抑えられるし」
「抑えた結果、より悪化するのが貴殿のように思うのだが??」
「うぐっ」
このカルデア図書館、書庫中央部のちょうど正面に設置された大きな、木製を模した合成材の扉が、きい、と摩擦音を立てて開かれる。
炬王トゥルヌス。亡国トロイアの王族、炎帝アイネイアースと相争ったイタリア土着ルトゥリ族の王。
いささか血の気が多いようにも思えるが、その古代の名工が彫った石像のような美丈夫らしさは失われることはない。
「ちなみにアイネイアースは、まだ見てないよ」
トゥルヌスはアイネイアースと因縁があって、彼女を認識すると激しい狂化に陥るというのはカルデアの皆が知っていた。
グズルーンはそれを最近まで、“顔も見たくもない”、“名も聞きたくもない”という対象だからこそだと考えていたが、どうにも彼の言葉や行動の節々からはアイネイアースに対して、悪からぬ思いを持っていると見受けられた。
名前を聴けば狂化する以上、そう単純な話ではないのだが。
それでも、あまり共感できない。
私は、生前あんなに大好きだったシグルドさえ会いたくないというのに/惨めになるから。>>431
「そうか。それなら、まあ、いい。
奴は朝に図書館に行くと話しているのを聴いた。何事かに巻き込まれているのだろう」
思いを馳せるように、頷く。
その姿はグズルーンにはまるで意中の人を待つように映る。
気に入らないなぁ……と、嫉妬心にも似た、黒い感情が渦巻く。
「あーそう。暇なら模擬戦でもやる?」
「構わないが、番の仕事を疎かにしていいものなのか」
「ちょうど司書の仕事にも飽きてきたしー?」
「いいわけではないけどね」
◇◇◇◇
地上にはあり得ない技術体系によって三色に輝く軍神の剣と、冥府のステュクス河で鍛え上げられた神鋼(アダマス)の剣がぶつかり合う。
互いの宝具から零れる魔力が電荷となって、空中で火花を散らす。
数値上では対界特攻があるグズルーンの方が有利となる。>>432
サーヴァントにとって伝承、逸話は覆せない絶対的なものだが、サーヴァントの戦いは霊基グラフの出力(ステータス)では決まらない。
例えばこの場合、グズルーンとトゥルヌスでは戦士としての技量が圧倒的に違い過ぎた。片や、戦いの場で命のやり取りをしてきた生粋の英雄。片や、復讐に狂ったとはいえ王族の姫君として育てられた女性だ。
剣戟では、どうしてもグズルーンが後手に回る。
そして、圧されれば立て直す隙など炬王が与えるはずもない――。
「大神刻印、原型励起――」
だが、彼女の手札とは剣技だけではない。
たった一工程(シングルアクション)で大魔術に匹敵する神秘を行使する神代魔術。神代北欧に伝わる魔術刻印。北欧の大神自らがその形に真理を見出した、原初のルーン。
それをオーディンに近いほど深い解釈ができるという点で、彼女は特異だった。神代に生きた者達は大なり小なり、根源に繋がっているも同然なのだが、グズルーンは西暦5、6世紀の人物でありながらそれに等しい。
宝具『輝ける無限の円環(アンドヴァラナウト・グッル)』、またの名を“アース神族が強制的に支払わされたもの(ナウズギャルド・アーサンナ)”。グズルーンの生きた時代に、主神オーディン、悪神ロキ、俊足のヘーニルの三神の神性を取り込んだ黄金が、彼女の手にあるからである。
「金星(フレイヤ)!」
炎を纏って月すら覆い隠す威容の岩塊、一条の流れ星となって降り注ぐ隕石。
遠き星の欠片さえ、容易く扱ってみせるのだ。
(これはもうシミュレーションとは云えないな)
現代のルーン魔術の数百万倍ともなる原初のルーンの発揮を前にして、彼ら二人を見守っていたプロメテウスが、シミュレーターの疑似霊子空間の軋んでいるのを確認し、自身の宝具を真名解放する準備を整える。
とはいえそれは杞憂だ。>>433
『兄様、危ない!』
「ユートゥルナ!」
しかし神代の終焉に近い生まれのトゥルヌスとはいえ、一角の人物である。
妹でもある水の女神ユートゥルナからの寵愛にして加護の証、『泉姫の泪よ、兵仗と化せ(ラクス・イウトゥルナエ)』は水で全てが構成された万能型流体概念。戦うための武器にも、護るための結界にも変じる。
兄トゥルヌスを守護するため、直撃すれば余波で一つの街は吹き飛ぶであろう巨なる星を、水精ユートゥルナは魔力によって極限にまで加えられた超々高圧の水流で切断していく。穿ち、砕き、逸らしていく。
無効化されたこと、それ自体は構わない。人間霊が精霊に等しい霊格である英霊と成り、その中でもトップ・サーヴァントと呼ばれる伝説の主人公のような相手と戦っているのなら、神の業を覆すのはむしろ当然と言える。
攻勢だったトゥルヌスが守勢へと転じるので充分だ。
「悪竜現象(ファヴニール・エフェクト)、超過使用。
遊星の紋章、復刻――――」
赤、青、黄。
三色の光が、黄金の輝きを宿す。
銘を『黄金の夢、軍神の剣(ニヴルング・フォトン・レイ)』。
フォトン・レイはフォトン・ワームとも。
フン族、伝説ではアトリ(アッティラ、アルテラ)、が見たという霧の一族の黄金、ファヴニールの遺産と結び付いた、グズルーンだけの軍神の剣の使い方。>>434
『これはもはや白き滅び、白き巨神のそれ――……っ、兄様、第三宝具を……!』
「――命を狩り取れ、『冥河の刃よ、死を齎せ(ヴルカーノ・ステュクス)』!!」
『兄様!?』
トゥルヌスの第三宝具、『神妃の赫怒よ、紊れじの鎧と成れ((インキピッド・ベッルム・ヤーヌス)』は神話体系において最も惑星の王に近い主神ユピテル、その神妃ユーノーの怒りを体現する宝具であり、切り札とするに相応しい力を宿していたが、この神鎧を纏う相手はただ一人であると定めていた。それは宿敵アイネイアースのみ。
魔剣から迸る青冷めた炎が、視界を覆うほどの爆炎と化して、死を呼び込む。
黄金の竜種が滑空して、その顎を矮小なヒトを食らうために突撃する。
うねる力の奔流が、両者ともただでは済まされないことを暗示していた――
「『難攻不落の戦女神(インカーネーション・パラディオン)』!」
「『全ては是から始まる(オムネス・ウィアエ・ロマン・ドゥクント)』!」
しかし、この場にいた三人とは異なる声、異なる音の響きによって。
それは呆気ないと錯覚するほど簡単にかき消された。
◇◇◇◇>>435
けっきょく、グズルーンとトゥルヌスの二人の狂戦士(バーサーカー)の激突によって、カルデア大図書館を構成する疑似霊子空間は、おおよそ機能不全となり、司書を任されていたグズルーンとプロメテウスには通常業務のほかに、復旧作業という新しい課題をしなければならなくなった。
あの対決に急遽、割り込んだディオメーデスとアイネイアースの二人に、羽交い締めされながら連行されたトゥルヌスはまだ良かった。
プロメテウスが、その柔和な微笑みを崩さずに、粛々と自らの作業工程を終わらせるのに対して、グズルーンは本を出す、本を仕舞うという簡単な行為さえ、手間取った。
できないのではない。やりたくないのである。
「やっぱりあたし、司書向いてないわ」
「それでも罰なんだから仕事してね」
これはまだカルデアがそこにあった頃のお話。
地下図書館、午睡の刻に。うーむ……イベント>>423の仮の面子ですが
調査(生物)のプロ:ジョン・ハンター→ジョン・ハンター(ハロウィン)
調査(野外、魔術)のプロ:プロテウス
戦闘のプロ:クースクリド・メン
斥候のプロ:服部半蔵正礼
バロックのプロ:クリスティーナ・アレクサンドラ
ツァーリのプロ: マリュータ・スクラートフ
にしようかなあと
>>437
トゥルヌスこそこそ話!
第三宝具は、アイネイアースが現界していない場合「……まあ、現状で強敵になりそうな奴に使っても良いかなあ」と妥協出来るけど、
彼女が現界しているならば「あやつに使わずにいつ使うのだ!!!」ってなるのがトゥルヌス
ちょっと男子(トゥルヌス)ー、アイちゃんとマスター困ってるじゃーん
使っていただきまして、ありがとうございます~ある程度ノルマもひと段落ついてこの三連休中にまたアクセルを入れ直したいなって
>>325
>>381
ザ・伝奇小説って感じがする…!鯨憑きのおどろおどろしさと教会の雰囲気がマッチしてて、特有の空気感がありましたね…
>>398
やだ達筆…!長恵の部分の払いに個性が出ていて綺麗…羨ましい…
>>427
ですよねー。ホテル聖杯戦争の流れ見直してると、「3;?q6dtqb;:zb4b@4eyq@u?」となったので…基礎が出来たサーヴァントってやっぱ安定感あるわ…
食満さんのSS拝読いたしましたー。下手に良心的だったり生真面目だったりすると、公の場や職場で苦労しやすいですよね。割りを食いやすいというか。
だからこそ、そんな中でも自分の意思を堅く保った食満さんの姿勢が映えますね
>>437
知恵者たちであってもその知恵の有り様は千差万別…
作って実際エミュってみて、あれ…?という経験はよくわかります…イメージって、掴めてるようで掴められないですよね…>>447
早い話がフィルニースの分体を出しまくって数で押す作戦。に見せかけて隙を見て(なんならスタングレネードでも使って)フィルニースを自分そっくりに変化させて変わり身の術。偽飛鳥ちゃんを攻撃しに来たらフィルニースはノーガードでシャリーファが反撃。
第一回でクッチーは朽チ裂キ九相図で変わり身してたし似た者師弟ってことにもなるかなって。
>>449
ふふふ、自分の中で「〇〇な使い魔を使う魔術師とかどうよ?」となったらそれ専用に新キャラを作らなくても京介に持たせればよくね?ってしてるだけでこういうアイデアは結構浮かんでますよ。
最近だと魔眼を持たせた動物を使い魔にして間接的に魔眼を使うだとか多種多様な目的に合わせて品種改良という名の魔蟲化した蟲を使うとかね。>>452
漂着物とかのえびすや海を境界や異界と解釈することに魔術的な記号を持たせた一族とか?ゴーストハントのえびす様みたいな信仰もしている一族とか、日本の魔術師っぽいなと思います。唐突ですがワイルドハントって型月世界で重要な役割みたいなのってありましたっけ? それとも単に亡霊を統べる権能ですかね?
>>457
成る程そっち方面ですか。ありがとうございます。久々にぐれおの続き貼っていいですか?
「よくやった。フェリーペ、メンテー。一旦下がってな。後は、大人の仕事だ」
聞き馴染みの、あまりにも聞き馴染みのある声。
振り返った先にいたのは、つい先程自分達を見送ったドクターの姿。
「貴様……馬鹿な……貴様は、まさか……!」
「単独顕現。お前がいる場所に俺が辿り着けないはずがない。
その通りだ。大いなる獣セリオン。お前は―――俺だよ」
カルデアの技術顧問、アレキサンダー・ウィンフィールド。
またの名を、第一次擬似サーヴァント実験・成功機1号。
ある意味では、メンテーの先輩とも言える存在。
「我が真名はアレイスター・クロウリー。大いなる獣を生み出し―――その尻拭いをしにやってきた、一人の魔術師(キャスター)だ。
よく見ておけ2人とも。これが、責任を取るってことだ」
アレキサンダーの両腕に集まる光。それは、アレイスター・クロウリーの最終宝具の顕現を意味していた。
「汝の意志することを行え、それが法の全てとなろう。この法を越える法は無い。故に、我はこの懊悩の夜より解き放たれ―――『夜明けは来たれり、我は真の法へと至る(ゴールデン・ドーン・セレマ・ハディト)』」>>464
アレイスター・クロウリーの最終宝具。
それは、1%でも可能性がある限り、不可能を可能に変えるというもの。
アレイスターが生涯を掛けて見出した法の具現―――その顕現は、彼の終焉(おわり)を意味していた。
「霊基(カラダ)が、保てん……よもや、よもや貴様、私の消滅を……!」
「その通りだよ、ビースト。俺の宝具は、可能性のある願いを叶える宝具だ。色々と制約ってやつはあるがな……というか、それ以上にここで願うべきことなんて無いだろうが。
我が息子ながら愚かだな。お前は……って、あいつなら言うんだろうな」
アレキサンダー・ウィンフィールドは人間である。
擬似サーヴァント実験の結果としてアレイスター・クロウリーの擬似サーヴァントにはなっていたが、あくまでも彼は彼であり、アレイスター・クロウリーでは無い。
だからこそ、彼は双方の気持ちを知っていた。
辛かっただろう。アレイスター・クロウリー。自分の家族のような存在が獣になるだなんて、俺にはとても耐えられない。
辛かっただろう。セリオン。望まれぬままに生まれ、消滅のみを願われる。そんな状況なら、獣になってもおかしくは無い。
だから、ここで終わらせよう。俺の命なんてものは、この人類史と比較したら小さいも小さいだろうが。
それで手打ちになるなら、遠慮なく持っていけ。>>465
可能性の光帯。その光の彼方。
フェリーペとメンテーは、異なる世界を垣間見た。
白い光に満ちた世界。その輝きはカルデアスの光のようで―――そして、電子空間のようでもいて。
「ストップ。そのまま、そのままだ。ナウマンやミケランジェロがが教えてくれたんだが。見るなのタブーってのがあってね―――だから、振り返るな。このまま前を見て、走り続けるんだ」
「その声は……まさか、あんたは」
「ああ……君は俺だ。フェリーペ・ジョージ・デ・サント。
人類最後の――いや、かつては人類最後のマスター『だった』男さ」
「そうか。これが、ドクターが叶えた可能性……」
「そういうことだよ。うん。俺にも一度は出来たんだ。センパイに出来ないはずがないさ」
「その通りだ。だから。まあ、その、なんだ―――行ってこい! 後輩!」
背後に立つ自分達と同じ声をした2人に背中を押され、『この世界』の人類最後のマスターと、そのサーヴァントは元の世界へと送り返される。
異なる世界の己との邂逅。
偽り(Fake)から生じた人理の防人達は、運命(Fate)との出会いを果たす。>>466
「よう。夢から覚めたか? フェリーペ、メンテー」
「ドクター……」
「今のは……まさか……」
「そういうことだ。ここが正念場だ。気張れよフェリーペ。男なら、守ると決めたことは守り通してやれ。お前もだメンテー、見つかるといいな。お前の死に場所(こたえ)ってやつが」
宝具を振るったことでサーヴァントの霊基(カラダ)を得たアレキサンダー。
そんな彼の下半身は、既に光の粒となりつつあった。
「勝てよ、お前達。あいつらを見たんだろ。ここで負けたらあいつらに笑われちまうぜ? いいのか? 別の世界とはいえ、もう1人の自分に負けてよ」
「「それは嫌だな」」
「ああ……そうだな。誰だって、負けるのは嫌だよな。安心しろ、それは正しい欲だ。お前達は間違っちゃいない。俺の中のキャスター……アレイスターのやつがそう言ってる。
カルデア所長代理として、これが最後の命令(オーダー)だ。
―――勝て。フェリーペ、メンテー。俺のことは気にするな。勝って、人類の未来を掴んでこい!」
阿吽の呼吸を見せる2人に飛び切りの笑顔を見せた後、ドクターと呼ばれた男は激励を飛ばし。>>469
うおおお!やったれー!!
なんて安直過ぎますかね。でもそれくらいこれからって盛り上がりの部分なので続きが楽しみです。
>>471
ぶっちゃけフィルニースの本体って虚数空間に居てそこから飛鳥ちゃんの元へ体の一部を分離して出してきてるので追加召喚は可能っていうか。現に今飛鳥ちゃんシャリーファだけでなしに盾に変化した液状フィルニースも持ってますし。
メタ的に強過ぎるから出来ないことにしてるだけでフィルニースって複数分体出せるんですよね。出来ない理由として一度に多く出しても扱いきれない、精密な操作が出来ないから個体ごとの強さを確保できないってしてるので本命2、3体で残りハリボテみたいな。
どこかで一度フィルニースの構造について絵とかも合わせて詳しく説明しとこうかしら。>>474
フィルニースの構造
>あった方が今後の理解にはなりますかね…。
あ、ホントだ盾持ってたわ。ただ迅龍くんもクッチーから色々と支援は受けてるだろうから、なんとかなるかなぁ…。それでも未来飛鳥ちゃんがド級つよつよユニット過ぎる印象はだいぶ実感し始めてますが!私のページにネタバレ込みでSSの相談をしたり、R18の話をしたい場合はご活用ください。
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/m/wiki/%E6%A1%83%E8%89%B2%E8%8D%89%E7%B4%99
>>469
先人から受け継いで最後の走り込み、クライマックスタイムですね。>>475
場を、盛り上げてくれる……!!
調査(野外、魔術)のプロは担当、もしかしたら他の方のサーヴァントに変えるかもリクエストで出たケルトハルの英霊伝承っぽい話です。
騎士の矜持を守り、騎士の本懐を遂げる────その道を志してから変わらない信念である筈だった。
それが俺の正義である。だからか騎士としての在り方を貫く為に国に尽くし、王に従った。
王は善良とは言い難く、強欲で愚かではあったが決して無能ではなかった。故にアルスターにおける誉れ高き赤枝騎士団の一人として使え続けたのだ……いつかそこに、正道があると信じて。
しかし国には争いばかりだった。騎士団に安まる日々はなく、無辜の民も恐怖を怯えるしかなかった。
王のやり口に愛想を尽かした一部の騎士団は、隣国に位置するコナハトへと亡命し、ついには内部分裂する始末。
それでも俺は戦った。槍を振るって、数多の敵兵を仕留めた────そこにはもう、一介の正義など無いと気づいておきながら。
欲に駆られた王が招いた戦争は、小さくない被害を出し続け、誰も彼もが疲弊した。もし稀代の戦士なるクー・フーリンがいなければ、こちらが敗北していたかもしれないと思う程にこの戦いは熾烈を極めた。
だからだろうか、老朽した身を理由に一線から退き、余生を穏やかに過ごそうなどという腑抜けた考えに至ってしまったのは。
騎士の誇りは失われ、ただ王命のままに相手の命を奪うだけの殺戮者に成り果てるのは……もう疲れてしまったのかもしれない。
あの頃に志した道は、腐敗してしまったのだろうか。
そう思ってしまうくらいに、自身の手は赤黒い血で染まっている。
国の為に戦う騎士なのだから、手を汚すのは当たり前だと言われればそうかもしれないが、少なくとも俺は民を守る騎士でありたかったのは間違いない。
でもそれは、ただの理想だった。結局は俺も、殺戮者と同じ穴の狢だったという訳だ。
死の淵の立たされて、俺を昔を思い出すかのように、はたまた走馬灯のように過去の記憶を思い返した。>>481
気づけば、辺り一帯は血の海になっていて、苦痛に歪む顔をした二つの肉塊が転げ落ちていた。
この頃から俺は、既に騎士道から外れていた。不貞を咎めるのではなく、死という制裁を以って裏切りを償わせた。
これでは本当には理性の無い獣同然の畜生だろう。 人間相手に与える罰など生温いと、そう考えていた俺に処罰が下された。
ブライを殺めるのはアルスターにとっても痛手らしく、本来であれば相応に重い懲罰が下されるのだが、長年国に仕えて貢献してきた赤枝の騎士と、相手にも欠点があったのを鑑みた結果────『アルスターを三度の危機から救う』という誓い(ゲッシュ)で許された。
朗報というべきか、皮肉にもというべきか、戦争での戦果で温情を受けるなど、恥じ入る筈の俺の矜持はどこまでも“無”だった。
これからまた国の犬になるのだと、心のどこかでそう思いながら。唐突に推しを描いている神絵師がヴォルスングサガの妄想キャラ絵をtwitterに上げて荒ぶる…!
なおモザイク
レギンは分かった…他が分からねえ…なんか寂しいので女神ヴォーダンのリメイク載せますね。
【CLASS】ライダー
【真名】女神レイヴニルエルダ/Goddess Lefnir Elda
【性別】女性
【身長・体重】174cm・59kg
【スリーサイズ】B93/W57/H89
【属性】混沌・善
【ステータス】筋力A 耐久B 敏捷A 魔力B 幸運A+ 宝具A++
【保有スキル】
対魔力:A
魔術への耐性。ランクAでは魔法陣及び瞬間契約を用いた大魔術すら完全に無効化してしまい、事実上現代の魔術で傷付ける事は不可能なレベル。また、後述する竜の鎧と、騎乗している竜種の障壁により、瞬間的にEXランクへ底上げする事も可能。
騎乗:EX
乗り物を乗りこなす能力。「乗り物」という概念に対して発揮されるスキルであるため、生物・非生物を問わない。EXランクでは乗りこなせないものはなく、竜種や幻獣・神獣クラスですら乗りこなせる。>>494
カリスマ:B
軍団の指揮能力、カリスマ性の高さを示す能力。集団戦闘に置いて自軍の能力を向上させる稀有な才能。Bランクであれば国を率いるに十分な度量である。
魔力放出(炎):A
武器・自身の肉体に魔力を帯びさせ、瞬間的に放出する事によって能力を向上させるスキル。彼女の場合、炎の魔力が使用武器に宿う、または炎そのものを武器として放出する。これは大神オーディンによって心臓に搭載された「レイヴニルの炎」と呼ばれるものであり、魔力を生成する炉心としても機能する。
巨神の悖戻者:EX
遊星の尖兵の文明侵食を防ぐ能力。巨神並びに巨人と相対した場合、自陣のステータスを大幅に向上させ、文明侵食によってキャンセルされる宝具を有効にする。
解放の星:EX
星の怒である聖火レイヴニルエルダの加護を表すもの。「星の刃」が変化したスキルであり、聖火を内包する彼女は、世界の果てそのものから加護を受けている。>>495
【宝具】
冠せよ蓋世の輝巨(エッケザックス)
・ランク:A
・種別:対人宝具
・レンジ:1
・最大捕捉:1人
ディートリッヒの王権を象徴する大剣であり神造兵装。
手にするだけで全てのパラメーターをワンランク上昇させる。しかしその分、膨大な魔力量を消費し続けるが「解放の星」による世界の果てからの加護を受けているので問題は解消されている。
生前、手に入れてから決して刃毀れしなかった逸話からどんな負荷にも耐えられる。また、竜殺しの逸話もある為、竜属性を持つ相手に追加ダメージを与えられる。
夢幻にて廻れる火(レイヴニルエルダ)
・ランク:A++
・種別:対城宝具
・レンジ:1〜99
・最大捕捉:1000人
星の聖火にして星を焼き払う嵐の怒。巨神の残した怒りと同様に、世界の表皮を焼却する憤炎。ランクと数値はこの様に表示されているが、真名解放時には測定不能に変化する。
真名を開帳した際、彼女に内包された聖火が解き放たれ、世界の表層を焼き払う「刃」を形成する。通常サーヴァントの霊基時とは異なり、その火力は灰すら残さぬ程。常時の出力は「光の柱」「最果ての塔」に劣るものの、巨神に使用する時の瞬間出力はそれを凌駕する。
この「聖火」は仮に世界に回帰現象が必要となってしまった場合の緊急装置として機能し、「塔」を抜かずとも表層のみを撤去する。
通常時の英雄であれば、この宝具を手にする事はないが、幻想の住処たる世界の裏側で眠りにつき、「聖火」と同化して嵐の王となった為に使用できる。また、彼女自身が幻想に立つ王であり、人々の願いや希望によって精製された対巨神兵装────『生ける神造兵装』であるが為。>>496
【Weapon】
・黒き竜
レイヴニルエルダが騎乗している黒い竜種。
彼女を最果てへと連れて行った黒い馬が聖火によって変異した幻想種。かつてディートリッヒと名乗った英雄が見せた憤炎の竜の現し身であり、あらゆる枷を焼き払うもう一つの聖火の化身。
「聖火」の化身というだけあって並の英霊が持つ宝具を凌駕する神秘を宿しており、レイヴニルエルダが動かない場合はこの竜が攻撃する。放たれるブレスは聖火の一撃と比べても遜色なく、灰すら残さぬ焦土と化す程の威力を持っている。
【解説】
正史とは異なり、死を迎えず世界の果てである幻想の地にて眠りについた英雄の王ディートリッヒ・フォン・ベルンその人。
いつの日か到来、あるいは再起動するであろう遊星の尖兵と相見える為に待ち続け、長い年月をかけて紋章たる“星の刃”が世界の裏側の影響を受け始めた結果、徐々に神霊化が進み、心臓に内包された聖火が肥大化してしまいレイヴニルの炎の化身たる「女神レイヴニルエルダ」と至ってしまった。
もはや英雄たちを統べる王ではなく、嵐の王(ワイルドハント)、もしくは「竜王」と名乗るべき存在となった。
彼女は完全にifの存在であり、通常の世界で誕生する事はないが、歴史の歯車が一つ狂うだけで生まれてしまう可能性の幻想。
世界の裏側による補正のせいか、セイバー時の肉体よりやや成長しており、全身には竜を連想させる鎧を着込んでいる。そして黒き憤炎の竜を駆る姿は女神を冠していながら魔王を思い出させる。
星を存続させるなら人類をいくらでも消費するもの厭わない程に従来の性格とかけ離れており、既に人間の視点は失われ、彼女の視点はまさに神のそれだった。
彼女にとっての嵐の王としての本質は「解放」であり、必要であればテクスチャを焼却し、再び神代へ回帰させて世界を切り拓く事も視野に入れている。
余談だが「レイヴニルの炎」と「解き放つ呪文(レイシガルドル)」を同一視した設定を扱っているが、実際にこの二つには関連性がないというのが定説である。>>497
【セリフ】
「小さき者たちよ────汎人類史は選択を誤った。よって、これより我が世界、枝分かれした数々の人類史、その果てにて敗れ去り、剪定されたこの異聞帯(ロストベルト)を新たなる世界の要として繁栄させよう」
「必要とあらば星の表層も焼き払おう。神代に回帰し、全てを一からやり直す事も視野に入れよう。しかし人類よ────ひとたび選択を誤ったお前たちは、どうあってもこの世界には不要だと判断された」
「今こそ、幻想が地に満ちる時。聖火の現し身、嵐の怒となりて台地を神秘で満たせ」
「あまりにも脆すぎる。それがお前たちの矮小さと知れ」
「最果てより火を放つ。其は空を照らし、大地を灼く────嵐の怒!」
「成層圏の向こう、地平線の彼方。其は最果てにて立つ────火の柱!」
「空想を拓き、夢想を抱き、幻想を駆ける光は今、解き放たれた……聖火よ、刃と吼えよ! 『夢幻にて廻れる火(レイヴニルエルダ)』!」
「何故だ、何故屈しない……! 何故、膝を曲げない……! 何故、立ち向かう……! お前は、一体何なんだ……人間……!」
「いつからか……人の、この輝きを……忘れて……」うーし
fallng moonの最新話できたのではってもよろしいか?うーし行くべ!
家族が突然一人増えた時の事を考えてみよう。いや正確に言うと居候なのだが、その居候のコミュニケーション能力が発達していてサラリと家族の輪に入ってきた時の事を考えてみよう。
「ううん、とても美味しい。私は基本的にどんなものでも美味しいと感じますが、貴女が作ってくれたものは特に美味しく感じます。いわゆるお袋の味、という奴ですね」
「やだもう柳花ちゃんったら、お世辞が上手いんだから!」
「本気です。理仁、お前は幸せ者だな。本当に、うん、本当に」
柳花を間久部家に迎え入れてから、あっという間に彼女は家族の空気に馴染んでいた。豪胆な性格が先行していたが礼儀正しく、それでいてハキハキと応答する姿は凛々しいという表現が最もふさわしい。
最初に挨拶をして、それからスムーズに食事の席につき、いつの間にか明久達の心をがっちり掴む。なるほど、洲甘柳花とはやはり人たらしなのだと理仁は理解した。
「本当にいいんでしょうか。しばらく住まわせてもらうだなんて」
「いいんだいいんだ。こんなに広いんだから、利用しないと損だ。なあ理仁」
「え?あ、ああ……」
これまでにない賑やかさだった。弾ける様な笑みを浮かべる間久部夫妻は、これまであまり見た事がなかった。笑顔がないと言うのではなく、ここまで喜ばしげにしているのが、である。
柳花という存在がこれまでにないほどまぶしく思えて、理仁はどういう訳かすぐ隣の席に顔を向けられず茶碗に盛られた白飯をじっと見下ろしてしまう。そんな不調を見逃すはずもなく、ちらりと久子が目を向けたかと思えば、
「それで、柳花ちゃんは理仁とどういう風に出会ったの?クラスが同じとか?」
「出会い?」
思わず理仁は顔をあげて柳花の横顔を見つめてしまう。
出会いと言われても最初は新幹線、次が校内、そして……あの夜だ。思えば学生としての出会いなどしていない。どう誤魔化せば良いものか、と理仁が戸惑っているのに対して柳花は毅然とした態度を崩さずに微笑んだ。>>506
「圧巻に絡まれていたところを助けてもらったのです」
「!?」
「まぁ……!」
「なんと」
突然何を言い出すのか、と理仁の視線を受けながら柳花はべらべらとある事ない事を連ね始める。止める間もなく語り出すその様は、あまりにも立派な為に嘘であると分かっているのに信じてしまいそうになる。
「私はこう見えてそう強くありません。悪漢三人ほどに絡まれれば、何も出来ずに助けを乞うばかり……理仁はそこにひょいとやってきて八面六臂の大活躍……」
「理仁、貴方そんな事してたの?」
「見ていないところでまさかそんな事が起きていたとは……」
久子と彰久はギョッとしながら視線をよこしてくる。二人は夜な夜な理仁が喧嘩をしていた事は把握しているだろうが、東京でそんな大立ち回りをしているなどとは思いもしなかっただろう。
そこで理仁はハッとした。柳花が言っている事は半分本当、半分嘘だ。経子を助けようとチンピラに声をかけてから繰り広げられた一連の騒動、アレを下敷きに話しているに違いない。
「ああ、まぁその……真昼間にあんな事してたら、頭にくるだろ?だからちょっと、こう……」
とりあえず理仁も合わせてみる。ドキドキしながら嘘九割真実一割くらいで説明すると、間久部夫妻は顔を見合わせて感心した様に頷き合った後に、
「でもね理仁、あんまり危ない事しちゃ駄目だと思うの。貴方がそうして誰かの為に何かをするっていうのはとても大切だけど、ね?」>>507
「お前な、ああいうアドリブを突然投げかけるのはやめろマジで」
「助け船を出したつもりなんだが……駄目だったか?」
「いや駄目というか心臓に悪い。あと二人に余計な事言うな」
理仁の自室。柳花はすまんすまん、と申し訳程度に手を振るが理仁は頭を抱えて心底嫌そうに呻いた。突然存在しない出会いを捏造しただけでなく、引っ越し先で問題を起こしたと捉えられかねない。
「二人に心配させたくないんだよ。分かるか?」
「ふむ、私としてはお前の株を上げてやりたかったんだが」
「余計なお世話と言うんだ、それは。で?これからどうするんだ?」
「まぁ待て」
夕食を終えて今後の方針を話し合う。そんなつもりでいた理仁を手で制し、柳花は背後のドアを開ける。
「きゃ!?」
「うお!?」
ドアにもたれかかっていたのだろう。ごろりと間久部夫妻が部屋に転がり込んでくる。その際にしっかり彰久は美和子を受け止められる様に下になって倒れていた。
「美和子さん、彰久さん。我々は大切なお話がありますので……」
「「ご、ごめんなさぁい」」
しっかり二人が居間の方に向かっていくのを見届けてから、柳花は肩をすくめ困った様に微笑んだ。>>508
「普段からあの調子なのか?」
「いや、あんな事するのは初めてだ。いつもはもう少し、距離があると言うか、距離を取ってくれているというか」
「ならあの二人は今冷静ではないのだろうよ。女友達を部屋に連れ込むなどそうあるまい?」
「まぁ、まぁ……」
「お前を心配してくれている証拠だ。……善い人達だ、こんなくだらん争いに巻き込まれるのには心底腹が立つ」
「珍しくお前と意見が一致だよ」
理仁にくつくつと笑いながら柳花は床に座り込む。一応下はスカートのはずなのだが、なんとも勢いが良い。これで花婿を探しているというのだが、相手は同じくらい剛胆である必要があるのではないだろうか?というか距離が近い。
「では改めてこれからについて話すとしよう。まずはこの街で起きている異常についてだ」
柳花は声を低くし、ぐっと顔を近付ける。吐息がかかろうかという距離感に動悸が激しくなるのを感じながら理仁は頷き返した。
「今月見市内では妙な薬物が少しずつ浸透している。こいつがどうにも怪しい。広まり始めたのはここ一週間らしいんだが、きな臭いとは思わないか」
「聖杯戦争が始まるかどうかっていうタイミングだな。でもだぞ、クスリを流して何をするつもりなんだ?
「それを調べるんだ。私が言いたい事は分かるな?」
つまるところ、行ってみなければ分からないわけで、更に言うならば……
「真夜中の街の散策は良いものだなあ」
「二人共、俺達が抜け出たのに気付かないよな?」
家を抜け出すしかない訳である。柳花はからからと笑いながら人気の無い大通りをぷらぷらと歩き、理仁は忍び足でそれに続いていた。>>509
街を侵食する薬物と、それを売っているであろう売人。きっと柳花はたとえそれが聖杯戦争にに関係あってもなくても首を突っ込んでいただろう。その気持ちは理仁も同じだが、行動に移すまでのインターバルが皆無である。
「で、売人に会う手段とか考えてるのか?」
「うん?ああ、大体の見当はつけている」
そう言って柳花は懐から取り出した携帯を突きつけてくる。画面に映っているのはSNSの検索画面、検索ワードは「ダイコン」「ニンジン」と言った野菜の名前。これがどう関係しているのか、としばらく理仁は考え、
「あっ、これ合言葉かなんかの類いか」
「そういう事だ。幾つか検索をかけたが明らかにイッてしまっている奴がいてな、隠しているつもりなんだろうが取引場所をでかでかと書いている。これから向かうのは、そこだ」
正気ではない。薬物の取引現場にこの乙女はあろう事か殴り込みを仕掛けようというのだ。
「待てよ、私服だけど顔覚えられたらやばいんじゃないか?もしも学校にバレたら……」
「後ろ暗い取引だ。元から顔なぞ見えんし、それにぶち壊せば善行だ」
「正気じゃねぇ……」
ともあれ柳花を説得できる材料を持っている訳は無く、理仁は渋々ついていく。一応顔は見られないように気をつけよう、と話は合わせたがどこまで柳花が守ってくれるか自信は無い。
時間は夜の十一時、ほとんどの人間が眠りにつこうかという時間帯だからこそ、更に深い闇では蠢く者達がいる。路地裏を進んでいくと、柳花の推測通り明らかに様子のおかしい男達がたむろしていそうな三角コーナーの底じみた場所に辿り着く。ちょうど二人の男達がなんらかのやりとりをしているところだった。>>510
「あん……なんだよお前ら」
「うっ、ははっ、道に、迷ってんのか?」
(うわ、目がイッちまってる……)
薬物依存者のいわゆる「ラリる」状態というのをフィクションだと思っていた理仁は目の焦点が合わない男が不気味すぎて目線を逸らしてしまう。柳花はと言えば、むしろ正面から男達をにらみ返していた。
「質問は一つだ。お前達がそのクスリを何処で誰からもらったのか、それだけを言え」
「んだよこの女、偉そうによぉ。ちょっとシメてやっか」
「ひっ、ひ、わからせて、やるよ」
じわじわと柳花を囲もうとする男達。まずい、と理仁が拳を握りしめたところで柳花は凜々しい横顔を見せ、
「あー、なあこういうシナリオでどうだ?二人で夜の散歩をしていたところ、うっかり道を間違えてしまいこいつらの暴行されそうにになった……大義名分は得られるだろう?」
「何言ってんだこいつ!」
「わからせぇ!」
次の瞬間、何をしたのか分からないほどの速さで男達が吹き飛んだ。理仁がやるような喧嘩ではない、拳法だとかその類いのものだろう。
男達は壁に叩き付けられ短い悲鳴をあげてのたうちまわる。まだギリギリ正気を保っているであろう男へと柳花は近付き、しゃがみ込む。>>511
「もう一度言うぞ。何処で誰からクスリをもらった?お前達が作っているわけではあるまい」
「だ、誰がいうか」
「ふぅん……その口ぶりから察するに、下手に喋ると殺されるとかそういうアレだな?安心しろ、喋らなければ私がお前を始末するぞ」
「どっちにしろ駄目じゃねぇかそんなもん!!分かったよ言うよ、ええと、クスリを渡してきたのは確か女だった。間違いねぇよ、俺以外にも見てる奴はいる。黒い長い髪の女だった!」
「黒く、長い髪か」
「なぁもう良いだろ?行って良いか?」
「良いだろう。行け」
柳花はとりあえずもう一発男の腹を蹴り飛ばし、それからおかしくなっている奴の尻も蹴ってから二人を追い返した。幸いな事に顔の判別はきかないくらい薄暗かったから、バレる事は無いだろう。
理仁は大暴れした柳花の後ろ姿を見ながら空恐ろしいものを感じ、半歩距離を置く。何処かズレているというかやはり魔術師という世界にいるだけあって麻痺しているのだろう。
「よし、情報は得た。黒髪の女か……うむ、情報になっていないな」
「ただ、そいつが怪しい動きしているって言うのは間違いないだろ。もう少し情報を集めてみて―――――」>>512
異音が聞こえたのはその時の事。ぶしゃっ、と何かが弾ける音が聞こえた。方向は先程の二人組が逃げた先、凄まじい既視感を覚えながら理仁がそちらに目をやると、いつかの様にソレは何匹か仲間を連れ、血まみれで立っている。
「■■■■」
「ほぉ、まさかのエンカウントだな。理仁、折角だ。お前のサーヴァントを戦わせてみたらどうだ?肩慣らしにはちょうど良い」
「俺がやるのか?」
「ああ。実戦経験なくして生き残れんからな」
柳花の言葉は間違っていない。何より理仁はあの少女がサーヴァントであるという自覚がまだなく、確かめてみたい気持ちに駆られていた。促されるままに掌を掲げ、怪物を睨みながら叫ぶ。
「来てくれ、ライダー!」
路地裏に響き渡る声。それに応じて、光と共に理仁の眼前に白衣の少女が姿を現した。>>517
世界を焼くコンビ……!
レイヴニルの炎という意味でレイヴニルエルダですが、エルダの部分をアイスランド語翻訳してみたら料理と出たんですが……女神クッキング?この未使用ネタをな、前々からの未使用ネタをな、ちょいと整理しようと思ったのじゃ
若干未完成な節もあるが叩き台として夜中に出して置くんじゃ
【CLASS】ライダー
【真名】ザミエル 紛らわしければ"シムーン"あるいは"サマエル"とでもお呼び下さい、とのこと
【出典】中東伝承 ドイツ民話
【性別】男【身長・体重】182cm
【属性】秩序・悪
【ステータス】筋力C 耐久D 敏捷A 魔力A 幸運E 宝具B+
【天地人】地【その他属性】サーヴァント、男性、悪魔、魔性
【クラス別スキル】
騎乗A+:騎乗の才能。獣であるのならば幻獣・神獣のものまで乗りこなせる。ただし、竜種は該当しない。砂嵐と共に生命を蹂躙する災いの乗り手、との拡大解釈を行いライダークラスとなった。竜への変身能力は置いてきたのでこのランクとする。
対魔力-:スキル「悪魔憑き」の影響で失われている。
陣地作成C
【固有スキル】
悪魔憑きB:魔に取り憑かれ現実に歪みを溢す、逸脱者の証。正気度を失ったせいか相性の問題か不明だが、普段と異なる人格が顕在化しランクダウンしてしまった。およそCランク相当の対魔力·対精神汚染スキルとしても機能する。
魔弾の射手C:意のままに放たれ必ず命中る悪魔の弾丸、その伝承。射出武器に対するボーナス。肉体側の射撃スキルをピックアップしたが担い手たる人格が機能していないためランクダウンしている。変わりと言っては何ですが『魔弾』判定は更に多岐に渡るよう(ガバガバ)になりました。当たるまで判定をやり直すが如き射撃改竄能力は弱体化したものの「砂嵐で獲物を動けなくしてから撃つのでおそらく支障はありません」とのこと。
毒の風A:サマエルが本来持つスキル『神の毒』をダウンサイジング及び再構成したもの。高温の熱風を伴った砂嵐を繰る災害掌握能力。『毒の風』を意味する「シムーン」と呼ばれるこの気象現象は特に酷い場合、発生した場所のあらゆる生物に対して砂による窒息死、または熱風による熱射病死をもたらす。記録によればこの現象がもたらす死は外傷も苦悶の表情もなく、まるで眠っているかのような乾いた骸だったとされている。
魔弾作成(砂塵)A:自由なる魔弾は更に小さく、そして大量に。一発(一粒)あたりのダメージは下がったものの操作範囲・量共に自由度を増した攻防自在の魔塵を操る。すなおこし。>>519
【宝具】
『哮きに吹き渡れ、紅砂の狩人(ハンターズコーラス·アクト:シムーン)』
ランク:B+ 種別:対軍宝具
砂塵一つ一つを『魔弾』として認定し、明確な指向性を持った尋常ならざる熱砂の暴風が敵対者に襲いかかる。
場合によっては砂による窒息と熱風で敵対者の行動を阻害し、銃弾を嵐の如く浴びせ撃つ(鉛の弾幕もある意味"毒の風"と呼べるだろうか)。
元となった気象現象「シムーン」の脅威と狩人が持つ対猛獣スキルをリミックスし対生物特攻を獲得している。原則、既に死者であるサーヴァントに対して完全には刺さらない特攻だが吹き荒ぶ熱風と大量の砂塵、時にそれらに紛れてバラ撒かれる銃弾は単純な暴の力である。
砂に呑まれた犠牲者たちは最期に紅砂が象る赤き竜を幻視するだろう。
────異常気象を天罰と言い換えるのならば、もしやこれが"神の毒(サマエル)"の威容なのだろうか。
そう最期に想いながら生命は乾き、醒めぬ眠りに落ちていく。
『高らかに翔べ、砂塵の魔王(ゾーロ・デア・ザミエル)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:なし 最大補足:1人
自身をザミエルへと変生させる自家中毒型呪詛。この効果は常時発動であり、成就した呪いを他者は如何なる方法をもってしても解除できない。精神面でも変貌しており彼は物語の悪魔のように振る舞うだろう。いつもとキャラが違う。
【解説】
いつもと様子の違う、何か違うモノに取り憑かれた(?)ヴィルヘルム。口調も物腰も丁寧だが紅い双眸がこの躯の異常事態を示している……のかもしれない。今回の角は取れないぞ。
いつもの彼の人格は休眠状態にあり、この霊基では表面化しないものと推測される。
ちょっとした事故(イベント)で別の存在が混入したのか、あるいは人格の主導権が切り替わってしまったか。はたまた強く役に入り込み過ぎたのか────。
『"神の毒"サマエル』として顕在化するにはいくつか足りないものがあったため言葉遊び(名前繋がりとも言う)から中東·砂漠地域の気象現象『"毒の風"シムーン(simoom. "samiel"とも記されることがある)』のエッセンスを採用し霊基を補強、砂嵐の悪魔ザミエルとして自己を再定義した。>>520
ロングコートの赤い魔人。普段とは別ベクトルで気取ったような口調(敬語風味。慇懃無礼とも言えるか)。
いつものアイツより範囲攻撃向きで中距離戦型。見ようによってはいつもより仕事が大雑把とも言える。気象現象を軸に構成した影響だろうか。異常視力(望遠視覚)もやや弱体化している。銃による攻撃の頻度は下がったが銃召喚能力は健在。普段の台本と後悔を一旦箱に仕舞って来たので宝具『悲劇に踊れ、欺く七つめ』及び『後悔に唄え、魔弾の射手』は封印中。
いつもより礼儀正しく、いつもより足癖が悪く、いつもより冷淡。そんな悪魔。
【台詞】
一人称:俺 二人称:貴方
「俺こそが謎多き死の天使サマエルそのモノか、と言うと些か誤謬があります。このヒトガタの躯体に入っているモノは何と言いますか、ともすれば別物と言ってしまう方が適切かと。今こうして貴方と会話をしている"俺"もヴィルヘルムがフィルターとなり形成・出力された一時的な人格のようなものかもしれませんし、或いは成りに釣られたプラシーボも否定できません。例えば服の趣味もほらこの様に"いつも通り"、ですしね。敢えて断言は避けましょう。いつか”正統なサマエル”に出遭わないとも限りませんから」
「俺は本当にサマエルなのか。繰り返しになりますが断言しかねるポイントなのです。残念ながらホンモノの証は立てられません。……『赤い竜の悪魔』を意識した衣装、持ってるでしょう彼。コレ(※ヴィルヘルム)はホラ、形から入ればうっかり中身まで引っ張られる傾向のようなので。実はいつもの暗緑色の外套(コート)、あれも彼なりの悪魔の装束なのです。彼の知る怪談噺の悪魔は緑の服を着ているものでしたから。────閑話休題、兎角今コレの”中身”が外から引き寄せられたものなのか内に在ったものなのか、そして其れの名は……貴方は何と扱いたいですか?」
「本当ならば竜属性を持っているんですよ。流石にこれほどの霊媒でも赤き竜としての要素を再現し顕すことは叶いませんでしたか。いや普通はそこまで思い込めませんよね。常識を知る弊害です」
「────では、やさしく鏖と参りましょう。死のカタチは紅く、生命もまた芥塵の如く。『哮きに吹き渡れ、紅砂の狩人(ハンターズコーラス·アクト:シムーン)』」
「何を仰いますか。俺こそがサハラを渡る紅い風、疾走(はし)る血の海 で す と も !」し、消火砂……
>>527
そうですそうです炎が砂に掻き消されるんです!!!!>>523
こやつめ まだあざとくなりよる……
>>524
ちょっとクドいくらいにおしゃべりかもしれません
外に出るのがうれしいのでしょうか
>>525
軍服最高じゃんかよ
普段が点なら此方は面 「サマエルです」を露骨に回避したのは半分日和ったのもあります 誰かやってやなかったか 今後被ってしまうのもアレかもしれんし…
>>526
「効果は抜群、と言うやつですか か弱(わい)いですね(棒)」
松明野郎Wチームに対してはいつものアイツより塩い、というか少し無関心な感じです
「また悪い子になったら叱(ころ)す」「掬い甲斐がないなこのアマ」的な慈悲とか怒りとかが減退するので 生き物は矮小(かわい)いですね
当初は砂使いの予定ではなかった弾丸ライナーでしたが 砂嵐を軸に持ってきたら砂パ要因になってしまいました>>529
山羊頭「ちょっとあざといが過ぎるし属性盛り過ぎでは???」>>529
鯖被りは気にせんでいいと思う。同名義のサーヴァント何人かいたと思うし。>>534
ひとみの
→母・普通に良好な親子仲。あまり家にいない。
灯里
→祖母・高校進学で喧嘩別れしたのち会えていない。
ルーカス
→父母・魔術と経営で担当が違うのであまり会わないが険悪ではない。>>534
迅龍くんと飛鳥さんの方はこっちでもなんとかします。迅龍くんの元々強さとクッチーからの色々サポートも出せるでしょうし。
親との相性かぁ…。
クッチーは土壇場で折り合いの悪さが出てバグりましたね…。
迅龍くんはそもそも親がいなくて、刹那ももう親生存してないので考慮外。
あ、ポルカさんの親設定、全く考えて無かったわ。作っておいた方がいいかなぁ…。>>534
黒野、千早、加々見辺りは普通に良好
逆に三上、マチルダの二人は絶縁レベルで仲が悪いというか、まあほぼ音信不通状態ですね
現状どっちつかずなのがジェイドとオーブ
特に仲が悪いという訳でもないけど、まあ各々自分のやりたいようにやるスタンスなので良好かと言われれば微妙な所だったりします>>534
学:「まあ、魔術師と一般人ってゆー壁はあるけど、それなりの関係築いてる感じ?」
繚乱「ノーコメント」
大我:「……優しい人たちだったよ」
ガウフレディ姉弟:「(クスクスと失笑)」
半月:「(鼻で笑う)」
ラーズ:「父が母を殺めるまで、良い家庭だったさ……」
理仁:「(死んだ目が更に濁る)」
みたいな!>>534
【良好】
エリー・ロイマン……出会えば殺しあう仲だが悪くは無い
天宮昴……割と一般家庭みたいなところがあるので仲はいい
ブリジット・ゼニス……最近当主になったばかりなので若干気まずいけどまあ
【不仲】
レイラ・バーナッジ……一家揃って芸術派の家系。全員が一流なだけに同族嫌悪がすごい
【既に故人】
黛幽花
荒屋敷おきな
アレックス・フィンフィールド
ディアナ・グレイヴ
整理したら半分死.んでました>>534
↑よい
アレクサンドル・ベロノソフ:驚くべきことに珍しく何の問題もなく良好
ダイアナ・アッシュコット:お互い好きではあるのだが絶妙にコミュニケーションが足りてない
高円寺零央:よかったけど死んだ(養い親との関係は概ね良好)
海棠あまね:母親と仲は良いし父親(行方しれず)も期待して探そうと思うぐらいには興味ある
多米椰宵:一般人家庭の中央値程度の仲良さ
カイ・ゲオルギエフ:お互いに興味がゼロの絶縁状態
西行・シャルロット・千鶴:ええわけないやろ!元捨てホムンクルスやで!(養い親との関係は概ね良好)
帆村昭治:ええわけないやろ!捨てられとるねんで!(施設の人との関係は概ね良好)
アンゼリカ・K・シェリンガム:ぶっちゃけ家だと針の筵だし元いた家の方も引き取ろうとか毛程も思ってくれない
九泉シノン:故・両親の顔はあまり覚えてないし祖父は死んだ方がいいやつ。その辺は兄が一人で担当していた
李逹龍:ええわけないやろ!売られとるねんで!!(養い親との関係も最悪)
エレーナ・スミス:ええわけないやろ!目抉られた上に勘当されとるねんで!
西行・キャスリーン・華恩:造られた恨み以前にそもそも魔術師としてのレベルも大したことない典型的モブ凡魔術師なので普通に軽蔑している。母のことはそもそも存在してるかどうかわからない
↓わるい>>534
グリフィン&エイベル:死別済み。親子仲自体は双方の両親が人格面で魔術師らしくなかったので、至って良好だった。
桃夢:死別済み。家族仲は良好だった
ビオランテ&リディアWITH星雪:良好。ビオランテの悩みは、結婚してもシスコンが治らない姉。>>534
・ラウ
遊び呆けた果てに義理の妹押し付けて死ぬんじゃねえ!!!
・ミア
命の恩人だけどどういえばいいのか
・カフカス
道化師になるとか言って飛び出したので音信不通
・経子
めっっっっちゃ仲良いよ!!
俺マスターの数少ない!!>>534
【良好】
フェリーペ・ジョージ・デ・サント:旅行した時に金銭面の面倒を見たり、色々とやってくれているので関係は良好。
セレステイン・スクーン:根源への到達を一緒に悩んでくれるなど関係は良好。しかし偶にトンチキ発言をしてツッコミ不在状態に。
ブリュンヒルド・ヤルンテイン:作品のでき報告したり、友人関係の話題を送ったりと関係は良好。
ニアディール・オブリー:食事関連では良好と言えるでしょう。
文淵浄架:息子を実家に預けられるだけの関係性があるので、良好と言える。
文淵句音:マザコン。
【故人】
上に記載されていないキャラの親類は故人と考えてよし。>>534
蒲池夏美→本来の両親、義父とは良好(死別)、義母とは不仲(夏美は嫌ってないが先方を慮り距離を取ってる)
浅井螢→母親は礼装なので論外。父親は半殺しにしても魔術刻印を奪ったので不仲。
ケーフェンヒラー→両親と死別
カイホスルー→両親と死別
伊佐那→母親と死別、父親とは良好
アーダルベルト、食満→設定を考えてない
神野→みんな死んだ皆さんありがとうございます。しかし改めて考えてみるとやっぱり親殺しにまで発展してるところってあまり無いんですね。ちなみにうちのから何人か挙げますと
ユージーン:かなり良好。母はユージーンの結婚観に影響を与え父とはエロ本を貸し借りする仲
大鳳京介:母のことは大切に思っているが父のことは〇したいほど嫌い。実際〇す。
大鳳飛鳥:母の死に様を視てしまったことを後悔している。未だに母の死に様を夢に見る。父のことは内心怖がっている。
空野恋:魔術師の家の子として父に逆らえずにいたが京介の影響で父を〇してでも弟を救うべきと考えるようになる。
ミリアルカ:超絶良好。心の拠り所にするレベルで慕っている。親も親で親バカ。
玄上リンク:良好。TSで混乱していたところを自分の子供と受け入れてくれたこともあり無条件で甘えられる存在。
ルファス:無関心。「好き」の反対は「嫌い」ではない。
ミソラ:嫌悪されているため実家に帰りたくても帰れない。
雲月風花:実の両親に会いに行きたい気持ちと今の自分の体で受け入れてもらえるかという不安のせめぎ合い。
山峰小夜子:>>416でお察し。
現在ストック中のキャラ:悪くは無いし死んだら泣くとは思うけど死ぬのは残当だと思っている。ケルトハルの話の続きを投稿しますね。
誓いの一つを果たす時がやってきた。
アルスターに訪れたコンガンフネスという鋼の肉体を持つ戦士。先の戦で殺された甥のクー・ロイの仇打ちにでも来たか。
復讐心で冷静さを欠いている姿は、いつの日の自分を連想して親近感を覚えてしまい憫笑するしかない。
ただそれは相手に向けてのものだったか、自分に向けてのものだったか……あるいは両方か。どちらにせよ知る暇もなければ、その必要性も資格も今の俺にはないだろう。
俺は一介の騎士として誓い(ゲッシュ)を果たすのみ。神聖な儀式を覆す事は許されないし、己の不名誉に当たる。
「────牙を残せ」
死闘とも呼べる激しい戦いだった。
ゲッシュによって能力が底上げされている身であっても、相手は剛強な戦士だった。
文字通り鋼の如き肉体は魔槍を弾き、こちらに決定打を与えない不屈の盾とも形容でき、尚且つ戦士としての技量も優れていた為に防戦一方の流れを作られた。
多少は傷をつける事もできたが、一つの感情に身を任せて愚直に進む者というのは、時として魔猪のように怯むことのない強靭性を発揮するので中々に厄介と言える。
これでは倒す手立てがないのかもしれない……などとは思わず、俺は俺の立ち回り方で猛獣を狩るとしようと槍を振るう。一つ、二つ、三つ────続けさまに計十以上の傷を刻んでいく。
浅い傷で、とても深手とは言い難いものだが着実にそれを増やしていき、そして長い格闘の末コンガンフネスは地面に倒れ伏した。
これが俺の数ある戦い方の一つ。狩猟と同じで、相手をじわじわと弱らせて確実に仕留める戦法だ。
相手を倒すのに大き過ぎる一撃は要らず、華やかで吟遊詩人が謳うような技なぞ不要。
フェルグスの持つ『虹霓剣(カラドボルグ)』ような大盤振る舞いがない訳でもないが……それを使うには相応の覚悟と代価が必要になる代物だ。
命あっての物種に、そのような本末転倒な代償など使う訳にはいかないだろう。
「辞世の句はあるか? 無いならここで死.ね」
「……練達の士よ。何故お前は、アルスターに従う。私欲で自らの騎士を使い潰す王に、何故お前は────」
仕込みの影響で倒れたまま動けないコンガンフネスにとどめを刺す為、近付いたところで奴は俺に語りかけてきた。
「────さぁな。もしかしたら、いつか俺の志した騎士道が戻ってくる……そんな夢を待っているのかもしれないな」
「……哀れな戦士よ」
それが最期の言葉だったのか、コンガンフネスは静かに息を引き取った。
この男はきっと、今際のきわまで自身の矜持を貫いたのだろう。でなければ、こんな満足した顔で死ぬ筈ないからだ。
仇打ちとは自己満足に過ぎない行為だが、それをやり通す価値があると踏んでこの男は感情に身を任せた。
自分の思うがままに。国に縛られている己とは正反対だ。>>548
こうして、第一の誓いは果たされた。感情が晴れぬまま貢献を齎らし、只々自身の名誉のみが積み重なった。
「……虚しいとは、こういう事か」
瞼を閉じて、息絶えている男に目をやった俺は『これくらいは許されるだろう』考え、その遺体を担いだ。
人目のつかない、俺しか知り得ない場所へ────埋葬してやる事が、コンガンフネスという戦士へのせめてもの手向けとなるだろう。
それに、こうする事で自身の中で失われていた誇りを立て直せるかもしれない。打算塗れで浅ましいのは認めようが、少しでも欠けた矜持を取り戻したかった。
目的の場所に到着する。
ここなら、安心して眠れるだろう。殺伐とした空気が漂わない、穏やかで安らかな地。
コンガンフネスを埋葬し、荒削りだが手作りの墓標を立ててやった。
すると、多少ではあるが心の痼が取れた気がした。>>550
お辛ぁい……。
いえいえ大丈夫ですよー。というよりこれだけしか書いてませんでしたので。聖杯惑星の次の話がやっと完成したよ!
11:50に投下予定。>>552
時間になったから投下するでよ。
潮騒と麗しのL/海賊ライダー
前もって信じがたいと説明されていたとはいえ、切嗣の発言にビオランテもソフィも本気で耳を疑う。
日本で起爆させるためだけに大聖杯を爆弾に改造したなど、突飛にも程がある。
『帝都聖杯奇憚』の世界線でなければ、話題になること自体が有り得ない筈だ。
「爆弾て!? 一体何のためにそんな真似を!?」
「日本で爆発させること自体が目的なんだよ。サンクレイドが首謀者、と言えば納得できるかな?」
「あー…………」
切嗣の補足を聞いて、一瞬で納得してしまうビオランテ。
白人至上主義者であり、モンゴロイドを『家畜』扱いしている気合の入った下種野郎のサンクレイド・ファーンが首謀者とか聞けば致し方あるまい。
実際、ビオランテと切嗣が知り合う切っ掛けとなったバレンシア市での一件の内容も、簡潔に説明すればサンクレイドを相手取った激闘であった。
その時にサンクレイドの本性を嫌と言うほど、ビオランテは目の当たりにしている。>>554
「それにしても、なんで爆弾に改造されているの? 自爆装置付きで作った方が自然な気がするわ」
ビオランテの疑問通り、いくらなんでも「大聖杯に自爆装置を付けた」と言った方が自然である。
だが、切嗣は「改造されている」と言い切った。
要するに、元からあった物を改造したと言っているのだ。
「……今回の大聖杯は、元々冬木の聖杯戦争用に作られた、言わばプロトタイプ兼オリジナルだ。第四次で綺礼がセイバーに一刀両断させたおかげで呪いは消えて無くなったが、事後処理のドサクサに紛れる格好で盗まれた」
苦い表情で第四次冬木聖杯戦争終了後に何があったのかを説明する切嗣。
ビオランテは運転しながらバックミラー越しに、ソフィは振り向いてその表情を見ながら説明を聞く。
「イリヤを救出するために、僕を含むあの時参加したマスター総出でドイツのアインツベルン城に殴り込むことになってさ。留守中に大聖杯の残骸を盗まれる可能性を考慮して、瑠正神父の伝手で聖堂教会から警備スタッフを借りたんだよ」
「その借りた人手の中にいた、裏切り者に盗まれたのですか?」>>555
「正確には、全員が裏切って大聖杯の残骸を万全のチームワークで風のように盗み去った。僕達とイリヤが空の上にいたのを見計らってね。イリヤ救出とアハト翁討伐に成功してお祝いムードで帰国したのに、冬木に戻ってすぐアイリから残骸盗難の件を聞いた時は氷水を浴びさせられたかと錯覚したよ……」
ソフィの推測に補足を入れつつ、切嗣はあの時起きた出来事の説明を続ける。
「それ以来、大聖杯の残骸の行方を追っていた。今回の聖杯戦争に関して不穏な点があるから調べてくれと依頼が来たんだ。やっとの思いで情報を掴んだら、今説明したことが判明したのさ」
場所は変わって南区。
未だに妖怪大決戦が続く中、お互い憤怒の表情でアーチャーとリディアが対峙する。
アーチャーが指差し、攻撃命令と瞬時に気付いた白塗りのマスクと青い作業服の男が包丁を振りかざしてリディアに襲い掛かった。
リディアは慌てることなく、アルターエゴが腕を分離して寄越した斧(銃同様、魔術的に加工したリディア自身の私物)を受け取る。
魔術特性によって特殊加工した自身の魔力を流し込んで強化した斧を振りぬいて、相手の包丁を切り飛ばす。
相手が呆然とした隙を見逃さず、膝にヤクザキックを当てて体勢を崩し、脳天に唐竹割りを喰らわせて白塗りのマスクと青い作業着の男を撃破。
次はアーチャー目掛けて斧を振りかぶろうとした直前、セイバーの相手を数十台のビートルに任せたランサーが割って入る。
飛び掛りながら槍を突き刺そうとしてきたランサーの顔目掛けて、リディアはカウンターで飛び蹴りを浴びせるも、フルフェイスタイプの兜で守られていたのもあって効果は微々たる物であった。
ランサーがリディアの前に立ち塞がったのを見て、アーチャーはこれ幸いにと言わんばかりにメレク共々距離を取る。>>556
「邪魔!」
「しているからな!」
リディアの愚痴にすぐさま返したランサーは彼女目掛けて突きを繰り出す。
サイドステップでかわしたリディアは強化魔術と力を込めて、左エルボーをランサーの鳩尾に炸裂させる。
間髪入れずリディアは連続して胸板や鳩尾に何度も拳を叩き込む。
だがランサーには鎧の恩恵もあってか、それほど効かなかった。
「サーヴァントを殴るには体の成長が足りないが、お前は強い。そのまま成長すれば自然と、より強くなれる」
リディアの腕っ節を褒めつつも、ランサーは淡々とヤクザキックをリディアに食らわせる。
桃夢から教わった強化魔術で咄嗟に体を堅くし、更にバックステップも加えて受けた衝撃を受け流す。
それでもサーヴァントの繰り出す一撃の勢いを完全に殺ぐことは出来ず、鳩尾にランサーのヤクザキックが直撃したリディアは数mも吹き飛ばされる。
アルターエゴがすぐさま背後に回ってリディアをキャッチ。
左手の指全てから銃弾を連射してランサーを牽制する。>>557
「ゴボッ……ヴエ゛ッ……オ゛ゲッ……!」
悶絶するリディアの背中を摩りながら、アルターエゴは弾幕の展開を続ける。
ランサーは弾幕を華麗に回避し続けるが、ビートルを数台徒手空拳で破壊したポアロはランサーが宙を舞った隙を突いて自身が破壊した内の1台を投擲。
ビートルの残骸が直撃してランサーが吹き飛ばされ、それを見たアルターエゴは肘から追加でミサイルを発射。
それがビートルの残骸に直撃してランサーはより遠くへと吹き飛ばされた。
数十台のビートルの乱入で妖怪達が徐々に撃退されていくが、その一方でアーチャーの使い魔達もセイバーに倒されていたため、戦況はかなり絶妙なバランスで膠着状態となっていた。
そんな中、メレクのスマホに達龍から着信が入る。
「どうしました、Mr.オリヴァー? ……撤退? 確かに状況は一進一退ですが、唐突では? ……ここに来てあちら側から横槍が入るとは」
電話に出たメレクが徐々に眉をひそめる。
どうもこの妖怪大決戦を強引に打ち切らせようとする横槍が入ったからだ。
怪訝な表情でそれを見ていたアーチャーに、眉をひそめたままでメレクは告げる。>>558
「聖堂教会から撤退勧告が来ました。この騒ぎから手を引かないと、僕達ではなくその『周囲』に責を問うと。具体的には実家とバックヤード家、Mr.オリヴァーの組織へ埋葬機関を差し向けるのも吝かではないと圧力をかけてきました」
「神秘の秘匿なぞ投げ捨てた状況を見て、頭に血が上ったか」
「でしょうね。僕も感覚が麻痺していたのは肯定しますが。フィアナ、デクスター。そういう訳ですのでランサーに撤退指示を」
「「OK」」
フィアナとデクスターから念話で説明を受けたランサーは、俊足で軽やかに合流。
2人が乗っているビートルに乗車し、それを見てメレクとアーチャーも別のビートルに乗り込む。
「聖堂今日から横槍が来たので今日はここで失礼させてもらうよ。君達も帰りたまえ。火病を発症した聖堂教会の横槍が来るかもしれないぞ?」
アーチャーが煽るような言い方の捨て台詞を残した直後、彼の使い魔達は一斉に姿を消し、ビートルも一斉に散開しながら逃走。
唐突に妖怪大決戦が終わったのを受けて、キャスターは共闘したのも何かの縁だからとポアロへ一緒に逃げようと提案し、彼に頼まれて刹那やフォーリナー達も連れて和澄と共に一反木綿に乗って空を飛んで逃亡。
セイバーも、リディアを背負ったアルターエゴも成り行きで空を飛んでその場を離脱した。>>559
時は少し遡る。
南区で妖怪大戦争真最中、市内の某所。
キャナルシティの敷地内にあるホテル。
アサシン陣営が拠点としているスイートルーム。
南区での大騒動を上手く利用して、『ビジネス』の邪魔をしていた地元の半グレ集団をアサシンが上手く始末したので達龍は上機嫌であった。
「ルイ・ロデレールをボトルで頼みましょう」
「まあ、大盤振る舞いですね」(※英語で喋っています)
和気藹々とする2人だが、突如としてホテルの廊下へと続くドアが開き、瞬時に警戒態勢へと入る。
如何にもクリスチャンだと分かる服装の少女が遠慮なく入室し、自己紹介してきた。
「初めまして、MR.リーとアサシン。聖堂教会から派遣された巫和牟藍って者っス。本日、皆様が起こした騒動に関して警告に参ったっス」
代行者見習い、巫和牟藍はにこやかな表情を崩さず、警戒するアサシンと達龍に挨拶してから尋ねてきた用件を話す。>>560
「誰がどう見ても明らかですけど、本部はアサシンとアーチャーがやり過ぎたと判断しましたっス。本日起きた騒動を鑑みて、ハカタ聖杯戦争での被害は全て迷惑な映画会社のゲリラ撮影に偽装することとなりました」
「それを伝えるためだけに来たのですか?」
「まさか。警告するためですよ。南区のコンビニで暴れている車を今すぐ撤退させるように。無論、アーチャーとランサーも一緒に。了承してもらわなければ貴方達ではなく、その周辺の方々に責任を取っていただきます。具体的に言うと、アマルソフィア家とバックヤード家、そして貴方の組織に埋葬機関を差し向けることになるっス」
表情を変えずに本気の警告を発する牟藍。
達龍とアサシンは一気に表情を険しくして彼女を睨むが、流石に今この時点で牟藍を始末するのは悪手だと分かっているため、手出しはしないでいる。
「無言の了承と判断させていただくっス。それではこれで」
要件を済ませるや、牟藍は結局表情を変えることなくスイートルームから立ち去る。
せっかくのお祝いムードを台無しにされた達龍は一気に不機嫌となる。
「……僕からMR.メレクに連絡しておきましょう」
スマホを操作してメレクに連絡する達龍。>>561
「MR.メレク。唐突ですが今すぐ撤退してください。そうです。南区で起こしている騒動を嗅ぎ付けて、聖堂教会の者が警告のために接触してきました。撤退しなければ、アルマソフィア家とバックヤード家、獅龍鳳に埋葬機関の者を差し向けると」
達龍は手短に用件を伝え、通話を終える。
聖堂教会への敵意を表情に滲ませながら。
「アサシン。バチカンには何台張り込ませました?」
「1台。ですが1台でも差し向けていれば、、km単位で離れていようと追加で出現させることは可能です。『壊れた幻想』を使えば、証拠も残さずにドッカーン」(※英語で喋っています)
「それなら問題ありません。貴方を召喚して本当によかった。それはそうと、この街における聖堂教会の最も大きな拠点にも1台張り込ませるように。何かあった時に備えて所在は宇轩(ユーシュエン)に割り出させています」
撤退勧告を聞き入れたが、それだけで終わる気は無いとばかりに『しっぺ返し』の前準備をアサシンに命令する。
ワーキングデスクに置いてあるメモ用紙の1枚を手に取り、渡しながら。
受け取ったアサシンはそれに目を通し、一言提案。
「これ以外の拠点も何点か探してもらいましょう。足代わりに最少でも20台は用意できますが」(※英語で喋っています)
「助かります。宇轩にも後で連絡しておきましょう」>>562
時は過ぎて、どこかのビルの屋上。
あの場の流れで一緒に逃走する格好となったセイバー達は、本当に仕方なく話し合うこととなる。
「今ここで戦うのもどうかと思うので、話し合いを提案します。反対の方は挙手を」
セイバーのこの一言を聞いて、手を上げる者は1人としていない。
ポアロが早速進行を促し、フォーリナーが口を開く。
「満場一致で話し合いが決定しました。では本題に入りましょう」
「現状、アサシンとアーチャー、ランサーが結託しているのは確定事項よ。どうする? 利害が一致するなら私達も結託するのが最善手よ。ちなみに、私も刹那も聖杯を求めていないわ」
「私もキャスターも聖杯そっちのけで生き残るのが最優先事項やさかい、手ぇ組むのに反対する気はあらしまへんわ」
「私達の陣営は目的が一致しているので、それを叶えさせてくれるのなら」>>563
フォーリナーの提案に和澄もアルターエゴも同意。
セイバーはまずビオランテたちに念話で報告・連絡・相談しようとするも、和澄の一言に反応して痣丸をいつでも抜刀できるようにと身構える。
「それで、上総七郎はんはどうする?」
「!」
「こら失礼いたした。キャスターは妖の真名を看破できるんどすけど、あんさんが特殊なのか名字までしか見抜けしまへんどした。どすけど、キャナルシティで痣丸の名前出たさかい、それ思い出してからあっちゅうあいさにあんさんが平家物語に勇名を轟かした、悪七兵衛やと分かってん」
間違いなく和澄は故意犯である。
セイバーのリアクションを見て焦っていないのがそれを証明している。
「改めてお聞きするけど、悪七兵衛はんはどうします?」
「マスターが御二人ともこの場に不在故、拙者1人では判断できかねます。……失礼。念話で連絡が入りましたので、しばしお待ちを」
ビオランテ達への報告・連絡・相談を済ませないと回答しかねると明言した直後、ソフィが念話で連絡してきた。
フォーリナーたちから一旦距離を取り、回れ右をしてから念話に応答する。>>564
《セイバー。大丈夫?》
《至って無事でございます》
《良かった……。ビオランテさんが運転中だから、私が連絡を入れたの。YOUTUBEやツイッターが凄いことになっていたわよ》
《例のコンビニでの大乱闘で?》
《そうそう。私たちはあれから何とか逃げ切ったけど、セイバーは今、どこにいるの?》
《どこかのビルの屋上なのは確かでございます。話を変えますが、ソフィ様とビオランテ様に報告・ご相談したいことがあります》
フォーリナー達との話し合いの内容をセイバーはソフィに報告。
それを聞いたソフィがビオランテに説明。
切嗣の意見も踏まえてフォーリナーの提案に同意すべき、という結論が出てソフィはセイバーに伝えた。>>565
《状況が状況だから、私もビオランテさんもフォーリナーの提案には賛成よ。その旨を伝えて。話し合いが終わったらホテルに戻ってきて》
《仰せの通りに》
念話を終えて、セイバーは再度回れ右をして、フォーリナー達のいるところまで接近。
ソフィとビオランテの見解を伝えた上で、自身の意見も口にする。
「マスターは御二人ともフォーリーナーの提案に賛成でありました。故に、拙者も同意見です」
「満場一致により、決定ね」
4つの陣営の結託が決まり、フォーリナーがそれを口にした直後、刹那のスマホに着信が入る。
エルメロイII世からである。
ちょっと危ない状態のまま電話に出た刹那は、これまでの事をエルメロイII世に報告する。
「というわけで、セイバー、キャスター、アルターエゴと手を組むことになりました」>>566
『そうか。刹那、スピーカーフォンにしてくれるか?』
「了解」
刹那がスマホを操作してスピーカーフォンを起動させた。
『……唐突な話だが、さっき20年以上の付き合いになる知り合い2人から連絡が入ってな。それぞれセイバーとアルターエゴのマスター達と接触できたから、キャスター達も交えた四つの陣営と食事会も兼ねて顔合わせを明日にでもしたいと』
「割り勘?」
『馬鹿が。その2人を含めた知り合い達の奢りに決まっているだろう。中央区天神の居酒屋だ。店の場所と名前はこっちに戻ってきてから教える。お前もキャスターのマスターの電話番号を聞いておくんだ。連絡終わり』
通話が終わり、フォーリナー達へと視線を戻した。
その上で、和澄に一言頼み込む。>>568
「そういうことだ。俺達だけになってから、聖杯を取り合えばいいのさ。どうする?」
「拙僧は問題ないが、お互いのマスター達の意見も聞いてみては?」
休戦という名目で手を組もうと提案するライダー。
バーサーカーも意図を察し、同意はするがマスター達の意見も聞くべきだと付け加える。
マスター側も同じ結論になっていたようで、鳳蝶がいつもの調子で一言発した。
「私も、クラリスさんとマグダレーナさんもライダーの意見に賛成ですよ」
「と言う訳で、ここは手を組みましょう」
それを聞くやバーサーカーも即答。
聞いたライダーは上機嫌で笑顔になる。
「最後は殺し合うのが前提だから握手はいらねぇが、他の陣営と共闘するってのは意外といいもんだ。まー、この話はここでお開きとして、……そこで嫌な顔しながら俺を見ている奴。何が目的だ?」>>569
瞬時に表情を引き締め、ライダーは視線を移す。
固有スキル『信仰の蹂躙』はキリスト教に属する者から潜在的な不快感を抱かれている。
そのため、コミュニケーションで難儀することもあるが、気配察知の代わりにもなる。
生じる不快感は潜在意識に強く作用するらしく、相手がキリスト教に属する者なら気配を消して見張っていても気を抜いたら強い敵意や殺気を発してしまう時がある。
それこそ、光学迷彩礼装で姿を消しても察知できるレベルだ。
気配を殺して少し離れた所から先ほどの光景を見ていたその人物は、観念したのかゆったりとした足取りで近づいてくる。
「随分と便利なものを持っているようだな」
「あら。ムッシュ・コトミネ?」
「……今回の聖杯戦争はどうなっているのか。君やその巫女まで参加するとは」
皮肉を飛ばしながら近づいてきた男を見て、クラリスは即座に上客の1人だと気付く。
彼女は懐かしいと思う一方、鳳蝶は怪訝な目でその男を見つめ、、マグダレーナはクラリスに男が何者かを訪ねる。>>570
「クラリス。この人は?」
「キレイ・コトミネといって、時々激辛料理を食べる時用の霊薬をまとめ買いに来てくれる神父よ」
「あー。この人が、自他問わず誰かの幸福と不幸の両方で食事が旨いと豪語する、聖堂教会のマスコットキャラ兼一番変な代行者か……」
クラリスの説明を聞き、その男が言峰綺礼と知って妙に失礼なことを言いながら納得するマグダレーナ。
「それほどの変人なの?」と言わんばかりの表情で困惑するバーサーカーと、「いきなり失礼なことを言うのはどうなの?」と言いたげな表情になるクラリス。
ライダーと鳳蝶に至っては、思わず笑いそうになる。
当然ながら綺礼はムッとなるが、その理由は何とも下らなかった。
「変なのは認める。自覚はしているし、自らの芸風としても活用しているからな。だがマスコットキャラ認定は受け付けん! マスコットキャラと言うものはな、二次元も三次元もリアリティの薄いファンシーな意匠が必須なのだ(※綺礼個人の主張です)」>>571
数時間後。
早良区北部、セイバー陣営が拠点としているホテル。
一番広い最上階の部屋を月単位で借りている。
明日はどうするべきかと3人で話し合っていた。
切嗣は綺礼達と合流するため、セイバーが戻ってきたのを見計らって3人と別れた後である。
「明日は海水浴に行きましょう!」
具体的な案が出ない中、意を決するようにビオランテが提案した。
この発言に思わず顔を見合わせるソフィとセイバー。
だがビオランテも確固たる根拠があるから提案したのだ。
「大聖杯が爆弾に改造されている以上、下手に他のサーヴァントを倒したら何が起きるか分からないわ。だったら遊びながら様子見をした方が暇を持て余さずに済むと思うの。水着もここに到着してからすぐに調達したし」
「それはそうですけど、アサシンが襲い掛かる危険性はどうします?」>>572
「海ノ中道で追いかけられていた時、アサシンが操っていたビートルはどれも他の車をすり抜けていたけど、押しのける真似はしなかったわ。ラジオ番組の緊急ニュースや、あの病院で見た光景も合わせて考えると、『悪人』しか巻き込まないようにしていると見るべきね」
ソフィの懸念に対して、ビオランテは補足する。
今日、アサシンが市内で巻き起こした大量殺人の被害者は全部、あおり運転や当たり屋等をした者を始めとする犯罪者ばかりである。
それを踏まえると、民間人を手当たり次第に巻き込みながら襲い掛かる可能性はないと考えていい。
ましてや、(ビオランテ達はまだ知らないとはいえ)南区で起こした騒動の件でアーチャーの分も合わせて聖堂教会から釘を刺されている。
その次の日になりふり構わず襲い掛かる可能性は0と言っていいだろう。
「巻き込む対象を選んでいる可能性がある異常、後先考えずに誰彼構わず巻き込みながら襲い掛かる可能性はないと考えるべきね。」
「少なくともあれほど悪目立ちした以上、アサシンとアーチャーはしばらく攻勢を控えるでしょう。仕掛けてくるとすれば、ランサーとバーサーカ、そしてライダーでしょうな」
「その時はお願いできる?」
「御意」
迷うことなく従うセイバー。
ソフィもそれを受けて海水浴に行こうという提案に同意した。>>574
チャプチャプとゆったり泳ぎながら、呆れ交じりでセイバーの超人チャレンジに感心するソフィ。
ビオランテも同意見だ。
セイバーは既に離岸提を越えて沖合いを走っている。
流石にこれ以上離れるのは不味いと気付いたようで、速度を落とさず緩やかに曲がってからビオランテ達の方へと戻ってくる。
そしてビオランテ達の側に近づくや足を止め……沈んだ。
「一体何が!?」
「水の上で立ち止まったらそうなるから」
即座に浮かび上がったセイバーは困惑するが、ビオランテもソフィも呆れている。
ソフィの的確な指摘がそれを物語っていた。
時は過ぎて10数分後。
ビーチで一休み中のビオランテとソフィを他所に、セイバーはもう一度水面走行に挑んでいた。
よくやるわね、と思いつつ微笑ましく見ている2人に、どこから来たのかクラリスとマグダレーナが忍び足で近づいてくる。
そして一息に背後からクラリスに抱き上げられたソフィが素っ頓狂な声を出す。
「あわわ!?」>>575
「ソフィ!? ……いいっ!?」
それに気を取られた隙を突き、続けざまにマグダレーナが両腕を拘束しながらビオランテに抱きつく。
「確保ー!」
「出番よ、ライダー!」
マグダレーナのこの言葉を合図に、クラリスもタイミングよくセイバーがビーチに戻ってくるのを見て、ライダーに指示を飛ばす。
ライダーはこれに呼応して霊体化を解除。
セイバーもマスター達が拘束されているのを見て即座に霊衣を展開しながら海面を走ったままビーチに戻って来た。
当然ながら、セイバーとライダーはごく自然に対峙。
ベクトルは異なれど両者敵意を込めて互いを睨み合う。
「邪魔をするのなら、討ち取るまで!」
「フラストレーション発散のために死/ね、セイバー!」>>582
よくってよ~!よしいくどー
>>586
その少女は初めて会った時、自らをエルルーンと名乗った。サーヴァントが人類史に刻まれた存在である以上何かしらの英雄であろうと見当をつけて理仁はインターネットで検索し、その正体が古代北欧にて戦士をヴァルハラへと誘う天使じみた存在、戦乙女……『ワルキューレ』であると突き止めた。
世界が一変したあの夜、光と共に現れたエルルーンは美しく、それでいて何処か違和感を持っていた。理に反しているというべきか、世界の中でただ一人隔絶されている様に見えたのだ。
「来てくれ、ライダー!」
腹に力を込め、叫ぶ。エルルーン―――ライダーと呼ぶべきか―――は眩い極光に包まれた槍を手に漆黒を切り裂いて現れた。後光じみた輝きに照らされ、路地裏の全貌が明らかになっていく。そこら中にぶちまけられた血、チンピラだった肉塊、そして怪物……普通ならば直視しただけで意識を失ってしまいそうな惨状のそばにありながら、理仁はむしろ精神が高揚するのを感じていた。
(彼女がいるだけで、どういうわけか気分が奮い立つ。負ける気がしない、そんな気持ちにさせてくれる!)
「どうやればいいんだ?」
「命じれば良い」
背後に立つ柳花に振り返らずに問いかけるとすんなりと答えが返ってくる。理仁は硬く握った拳を怪物目がけて殴り飛ばす勢いで突き出した。
「行け!!」
びゅん、と衝撃波を伴って純白の少女は路地裏を駆け抜ける。その様は弾丸、いや閃光だ。手に持つ槍が描く光の軌道は暗闇を照らしながら切り裂かれる怪物の姿をハッキリと映し出す。ライダーは苦戦する事も無く、むしろ閉所である事が手伝ってか怪物を圧倒していった。
頭上、ビルの屋上から怪物が振ってくる。ライダーは即座に背中から光る一対の翼を展開して飛び立ち、一閃の後に切り裂いていった。飛行能力を有しているのだ。>>587
(アレが、俺の指示で動いている?)
理仁は掌に刻まれた令呪に視線を落とす。一晩経った事で彼の中でようやく実感が湧き、胸がばくばくと早鐘を打つ。
自分が強大な力を得た、それも魔術を用いての戦争の最中で。じわじわと言いようもしれない感覚が体の内で湧き上がっていた。
「おい、もう終わったぞ」
肩を叩かれ、理仁はびくりと体を震わせて油の切れたブリキの様に振り返る。そこには呆れ顔の柳花がいた。
「さっさとそれを引っ込めろ」
柳花が顎でしゃくった先、ライダーが怪物の死骸の傍らで棒立ちになっていた。純白の衣が毒々しい返り血に染め上げられ、てらてらと光っている。その姿を見ていつの間にか戦いが終わっていた事に気付き、理仁はまた令呪に力を込めた。
「戻れライダー」
また光が放たれ、少女は姿を消す。最初からそこにいなかったかの様に痕跡さえ残さず、さながら夢だ。
柳花はふうとため息をつきながらチンピラの肉塊へと歩いて行き、何かまさぐり始める。
「何してるんだよ」
「いや、得られる手がかりが少なかったんでな。ちと危険だが現物を入手した方が良いと思って……ん?おかしいな、こいつ持っていないぞ」
「何を、探してるんだ?」
気の昂ぶりをなんとか抑えつけ、冷静になろうと努める理仁の質問に柳花は砂場で遊ぶ様に死体を探り続けている。
「クスリだ。ここで取引しようとしたのだから、間違いなく持っているはずなんだが……」
「おまっ……単純所持なんちゃらっていうの知ってるか!?持ってるだけで逮捕されるんだぞ!」
「だがなぁ、こいつらから得られたのは売人が女という事だけだ。そうなれば噂のブツを直接調べた方が良い。そうは思わないか?」
「……そりゃ、そうだが」
逡巡する理仁をよそに柳花は死体を漁り、「うん?」と声をあげる。どうやらクスリを見つけたらしく、血だまりから立ち上がり理仁へと血なまぐさい何かを突然投げてよこしてきた。>>588
「多分ソレだろうな」
「おわっ、くせえ……」
血まみれのポリ袋、その中には切手サイズの紙が何枚か入っている。何故あんなチンピラがこんなものを持っているのか、と血の臭いで思考が阻害されてぼんやりしている理仁に柳花は推測を投げかける。
「ソレがクスリじゃないか?こいつが着ていた上着の内側に大切そうに仕舞われていた。人生を放棄した人間が大切そうに持つものなど、ロクなものではないだろうよ」
凄まじい良いようだが、理解は出来る。濃厚な血の臭いで頭がくらくらするが、それでも謎の紙がクスリであると理仁も認識し、同時に憎く思えた。こんな紙切れのおかげで街に危険が及んでいる。それが本当にマスターである魔術師によって引き起こされているなら、こんな方法で人々に危害を与えるなど許せるはずがない。
「で、これをどうするんだ?分析するのか?」
「する。間違いなく魔術的な何かが織り込まれているだろうしな。ただそこまで精通しているわけではないから期待するなよ……ああ、そういえば話は変わるがお前に頼まれた通り間久部邸には拠点防衛用のルーンを幾つか仕込んでおいたぞ。そしてここにも……」
そう言って柳花は懐から小石を取りだし、目に止まらない室外機の影に設置した。
「ある種のセンサーみたいなものだ。この前の廃墟にも設置した」
「センサー?」
「ああ、この得体の知れない怪物共がなんであるかはまだ分からんが動向を調べておくに越した事は無い。反応があれば私の方に報せが来るわけだ。いわば怪物レーダーと言うべきか?」
良い性格をしているだけでなく一人でここまでの仕事をそつなくこなす。大した少女である。これが同い年だというのだから、ままならないものである。理仁は急に現実に引き戻され、がっくりとため息をついた。>>589
「はぁー、得られた収穫はクスリの売人が『長い黒髪の女』である事と、この現物だけかぁ。これだけ進めたのは幸運と言うべきか?」
路地裏を後にして、近くの公園で休憩する事となった。柳花の手は血まみれだし、クスリの入っている袋も同様に汚れている為に洗う必要があったのだ。
先に汚れを取ってベンチに腰掛けていた理仁は携帯の検索エンジンに幾つかの検索ワードを打ち込んでみる。
「『クスリ 紙』……そういやこれって麻薬?覚醒剤?よくわからん」
別に分からなくても良い事である。と、それらしきものが候補に挙がった。麻薬にはペーパータイプと言われるものがあり、これは水溶液を染み込ませた紙片で『LSD』と呼ばれる合成麻薬の一種らしい。今度は『麻薬 ペーパータイプ』と検索エンジンに打ち込む。すると詳細な情報がピックアップされ、ペーパータイプの使用法が『舌で舐める』というものであると教えてくれた。
「おい、クスリについて調べてみたぞ。ペーパーとか言って、舐めて使うらしい」
「おー、助かる理仁。私も携帯は使えるがイマイチ好かん。そういう科学系はお前に任せたいところだ」
ばちゃばちゃと水音を響かせながら柳花は感心感心、と声をあげる。あれほどの惨状を見ながらよくもまぁああも元気でいられるものである。
と、そこで理仁はようやく柳花の妙な言葉遣いに気付いた。
「なぁ、お前なんで俺の事下の名前で呼んでんの?」
「駄目か?間久部と呼ぶのはちと硬いし、それにお前の家に居候するのだから名字で呼んでいたら怪しまれるだろう?」
遅れてどっかりとベンチに腰掛け、柳花は首を傾げる。また顔の距離が近い。
「そういう問題じゃないだろ!?そんな気軽に……」
下の名前で言うならば経子にも呼ばれている。呼ばれているのだがどうにも柳花に呼ばれるとムズムズしてしまう。>>590
「分かった分かった。じゃあお前も私の事を下の名前で呼べ」
「い、いやそれは遠慮する。普通に上の名前で洲甘って呼ぶ」
「むーん、モヤモヤする奴め…」
一体なんだって真夜中の公園でこんな会話をしているのか、と理仁は内心呆れてしまう。けれど同時に今まで夜の散歩こそすれど誰かとグダグダ話すだなんて事は一度もしなかったな、と少し新鮮な気持ちだった。
「ん?あれ、噂の二人、夜の逢引き?」
と、突然の声。二人が視線を向けた先には夕方に会ったばかりのクラスメイトである黒江凪咲がニヤニヤ笑っていた。
「逢引き?いやいやいや、そんなんじゃない。ただの友人だ友人」
大袈裟な口ぶりで柳花が身を乗り出して言い返しながら、空いている手はクスリを隠せと手で促す。抜け目ない奴だと感心しつつ理仁は背中とベンチの間にクスリの袋を隠した。
「あれそうなの?ふうーん、ずっと二人でいる気がする」
「友人ってそういうものだろう?お前こそこんな夜中に何をしているんだ?」
「私?バイトが終わったんでふらふらしてた」
「こんな夜までバイトしてたのか?」>>591
理仁が思わず声をうわずらせて聞くと、凪咲は困った風に笑って、
「急に来られなくなった人が出たから臨時で入っただけ。でもまあ最近ちょっとシフト増やしたかなあ。ちょっと色々あってさ」
「ふうむ、勤勉な奴だな。しかし一人でうろつくのは危ないんじゃないか?と、私達が言える義理でもないか」
「気を遣ってくれてありがとう。でさ、話変わるんだけど質問いい?二人とも『ゼウス』に興味あるなら手を出さない方がいいかもよ?」
「なんだそれ」
「さっき隠したクスリ。雷に打たれたみたいな衝撃が走るってウワサ」
理仁はギョッとした。先程の一瞬の動きを見逃さなかっただけではない、何を隠したのかさえ彼女は知っているのだ。動揺を顔に出すべきではなかったと後から後悔するが、柳花はじっと凪咲を凝視する。
「ああ、勘違いしないで。別に先生に告げ口したりはしないよ?ただやらない方がいいかもって忠告」
「いや、違うんだ。黒江、これには事情があって…」
「黒く、長い髪か」
弁明しようとする理仁の隣で柳花はぽつりとそう呟く。チンピラが言っていたクスリの売人に特徴だ。
けれどそれが今どう関係あるのか?困惑を隠せない理仁とは裏腹に柳花は凪咲へと視線を送り続ける。
「黒江。バレてしまっては仕方ない全て話そう。私達はこのクスリを売っている奴を突き止めたいんだ。何か知っているのか?」
「知ってる、というか私売ってる奴見た事あるよ」
「え!?」
さっきから驚いてばかりの自分が恥ずかしく、理仁はいよいよ顔が赤くなってくる。凪咲は立っているのもアレだし、と言ってベンチに近付き理仁と柳花の間に入るように座り込んだ。>>592
「私のバイトさ、結構大きなところだから色んな客が来るわけ。で、二、三日前くらいの夜に見るからに柄の悪そうな連中がやってきたんだ。大声でギャーギャーうるさい連中だったのに、急に静かになってさ。なんだろうと耳を傾けたら、クスリの受け渡し場所についてボソボソ話してんの。馬鹿だよねあいつら。で、興味本位でその場所に行ってみたら、ちょうど見たんだよ。売人」
「そいつはどんな見た目だった?」
「短い髪の外国人だったかなあ」
「外国人?それは間違いないのか?」
柳花の眉が釣り上がる。チンピラは売人は黒い髪の女だと言っていたが、凪咲は短い髪の外国人だと言う。これでは辻褄が合わない、どちらかが嘘をついていると捉えられる。
凪咲が嘘をついているかどうか見極めようと目が細く研ぎ澄まされていた。
「ほんとほんと、外国人だったよ。けどなんかぼんやりしててさ、受け答えは出来るんだけどクスリを渡したらそのままふらふらとどっか行っちゃった」
「写真はないか?」
「無理無理。バレたらどんな目に遭わされるか…はい、私から話せるのはここまで。そろそろ帰る」
すっくとベンチから立ち上がり、ひらひらと手を振りながら凪咲は立ち去っていく。まるで嵐の様だった一連の会話に動転しながらも理仁はその背中に、
「な、なあ!俺達がその、クスリを持ってるって事……」
「言わない言わない。私に得がないし、それに間久部君の事好きだし」
「す、好き!?」
「変な意味で受け取らないのー!」
理仁をからかって、満足そうに凪咲は夜の闇に消えていく。その姿を見送ってから、柳花はため息をついてベンチの上で足を組んだ。>>593
「なるほどな……どうも敵は予想以上に慎重な奴らしい。一種の幻術か何かを使っているのかもしれん。ん?」
ぶー、とバイブレーション。柳花の懐からだ。電話がかかってきたらしく、こんな時間になんだとぶつぶつ言いながら彼女は携帯を耳に当てる。
「私だ。何の用だ?ん?ああ、そうか分かった。伝えておく」
先程までのしかめ面は何処へやら、真剣そのものと言った表情で柳花は通話を切る。どうかしたのか、理仁がそう問いかけるよりも早く柳花はぽつりと、
「神父からだ。七騎目のサーヴァントが現界したそうだ。今この時から、月見市における聖杯戦争が開始した」>>603
日常生活は大丈夫なのだろうか……。
>クッチー「だからタバコっぽい見た目の栄養剤とか注射でエネルギーを補充する必要があるんですね。つーか僕の人生に幸福度?とかクオリティオブライフ、みたいなのを求める必要性って無いよね」
まぁクッチーなりに人生充実はさせてるかな、とは思う…。実際SSとかで見る感じは楽しそうにしてるっしょ()>>606
>>607
では!
【氏名】カルラ/Karula
【性別】女性
【身長・体重】172cm・58kg
【年齢】20代前半
【誕生日】1/18(最も古い記憶が残っている日)
【血液型】AB
【利き手】左(矯正済み)
【出身地】イギリス・イーストエンド
【異名】天使(エンジェル)、戦乙女(ワルキューレ)、不死鳥(フェニックス)、イーストエンドの女神
【趣味】料理、掃除、いわゆる丁寧な暮らし
【特技】マッチポンプ、ハニートラップ
【好きなもの】イケメン、童貞、安い割に設備が整っているホテル、意外なことに子供
【嫌いなもの】人々を犠牲にして私腹を肥やす悪党、いわゆる毒親
【肌色】白【髪色】ハニーイエロー【瞳色】ピンクブロンド>>608
【令呪:位置/意匠】右肩/トライバル風の翼
【魔術系統】強化、操作、魔眼
【属性・特性】火・流動/放出
【魔術回路】質:B++ 量:B 編成:やや異常(混血としての要素が色濃い)、部位:両肩を中心とした上半身
【所属・職業】無し・傭兵
【魔術・特殊技能・特性など】
予測の未来視を持つ魔術使い。大規模な予知こそ行えないが、眼前の相手の行動程度であれば完全に『視』ることが出来る。
相手の動きを見切った上で高い身体能力から放たれるカウンターは強力無比と言って良く、打撃の類に極めて高い耐性を持つプロレスラーであっても一撃で沈めることが出来る。
その特性から単純な魔力操作に長け、高所を取ることが出来れば滑空すら可能になる。
その際には両肩から翼状の赤い魔力の粒子が現れ、上空から火砲支援を行いながら降り立つその様から「天使」「戦乙女」「不死鳥」などと呼ばれている。
遠い祖先に淫魔を持つ混血。前述の身体能力もそれに由来する。
接触を起動条件とするエナジードレイン能力を持ち、彼女と肉弾戦を交わした相手は体力、気力、魔力などのエネルギーを吸い取られていく。
正確には肉体の接触した対象とのエネルギーを共有するという能力であり、上手く活用すれば対象のバフとしても使用出来る。
月に一度強い吸血衝動に襲われることがある。基本的には輸血パックで済ましているが、出来れば生の方がいいとのこと。
その『日』は血を飲むまで髪が赤く染まっており、この日に彼女を誘うことは厳禁である。この日に彼女と閨を共にしたものは、何から何まで吸いつくされることになる。>>609
【人物像】
戦場に生きる女傭兵。タフでワイルド、飄々とした女丈夫。
自身を野良猫と称し、事実として気まぐれで飽き性。何者にも捕らわれない、空に浮かぶ雲のような女。
モデルのようなスタイルと美貌を持つ美女。性に奔放で暖を取るために男を誘ったり、作戦終了後の打ち上げで親しい戦友とベッドになだれ込むなどは日常茶飯事である。
ハニートラップの名手でもあり、情報を得るために民間人を装って敵陣に潜り込んで門番と密通するなど、そのテクニックは戦闘中にも活用されている。
いわゆる「誰とでも寝る女」ではあるが、あくまでも相手は自分で選ぶという前提があり、無理矢理は趣味ではないとのこと。
こんなんではあるが根は義理人情に生きるタイプであり、戦場はともかく日常においては困っている人に構わずに居られないお人好しである。
趣味の一環として同部隊の童貞狩りを一種のライフワークにしており、彼女と寝た相手はその戦場で倒れることがないと語られている。
これは前述の賦活能力によって一時的に兵士としての質が向上している事が由来だが、それを知らない兵士達からは「幸運の女神」と呼ばれている。
カラクリを知っている本人は「イーストエンド生まれの女神なんているわけないじゃん」として一種の笑い話にしている。
イーストエンドと呼ばれる今も尚スラムが残る地域の生まれ。幼少期の記憶が希薄で、最も古いものは両親をナイフで突き殺した時の感触と、血の飛び散ったカレンダーのみ。
その後は今も師匠と呼んで慕う傭兵に拾われ、彼に生きる術の全てを教わって今に至る。
師はポルトガルで隠遁生活を送っており、今でも年末年始は共に過ごすとか。
カルラという名前は魔術回路の制御が上手く行かずに両肩から魔力を溢れさせていた姿を見た師匠がつけたものである。
基本的に砕けた口調で誰とでも仲良くなれるタイプだが、出自が出自であるため子供には特に優しくなる。
事実、イーストエンドにある孤児院に毎年多額の寄付を匿名で送っている。>>610
一人称:うち、私(完全な戦闘モードのみ使用)
二人称:あんた、君、貴方
三人称:あいつ、坊や、彼、彼女
【セリフ】
「オーケー、相手になってあげる」
「あれ? あんだけ大口叩いといてもう打ち止め? だっさいな〜。まーいいや。また誘ってよ。暇だったら相手したげるから」
「じゃあね坊や。最後の一回はなかなか良かったよ。縁があったらもう一度……ね?」
「ふざけんなし。誰と寝て誰が寝ないかはうちが決めることだの。あんたらの言いなりとか、死.んでもごめんだね」
「あー。マジ? マジのやつ? や、ほら、うちとつるんでもあんたが損するだけだしさ。男は童貞捨てた相手を忘れらんないって言うけどさあ。野良猫に噛まれたとでも思いなよ。ね?」
「別にいいけど。うちと寝るなら高くつくよ? どうなっても知らないかんね?」
「うちを縛れんのは師匠だけだよ。師匠知らない? 人間爆撃機って言ったらわかる? そうそう、あれがうちの師匠。ま、そういうこと。うちを縛りたかったらさ、あれくらいかっこよくなりなよ」
「あはっ、出しちゃえっ」
「いいよ。私の前で子供を殺したらどうなるか、身をもって教えてあげる」
【製作者】ジョーンテンションが…テンションがシリアスになれないっ
どーすればいいんでしょうねコレ…>>620
べつにそこはトレードオフというか、やりたい事優先でいいと思う。俺は寝落ちやらで全然タスク進んでないから、ライオンさんのが有益よ。SS作っていると会話セリフが続かなくて完成を遠のくのがなんとかしたい。
>>620
どうぞいよおし!いくぞー!
「はいこれ!二人のお弁当!柳花ちゃんは昨夜いっぱい食べてたから少し多めにしておいたから!」
「理仁、気をつけて行ってきなさい」
なんて、暖かい言葉を投げかけられながら理仁は柳花と共に間久部邸を出る。気取られない様にと出来るだけ顔を合わせずにいたが、きっと寝不足気味な事はバレている事だろう。しょぼしょぼする目を擦りながら理仁は隣を歩く同居人の様子を窺うと、バッチリ寝ましたという風に相変わらず凜々しい。
「あのさ、別々に登校しないか?」
「何故だ?」
「いやだって一緒に学校に来て、一緒に家に帰るなんて噂されたら困るだろ。お前は居候って身分だけど学校の皆にバレたら変に騒がれそうだし……」
「そう言われてもなぁ、その労力を別に割いた方が良くないか?聖杯戦争も遂に始まったんだ」
深夜に突然ジョン・ドゥ神父より告げられた聖杯戦争開始の連絡。
月見市を戦いの舞台として、七人のマスターによる混沌とした戦いが遂に始まった。理仁はと言えばその実感がまるでなく、いつも通りの朝に形容しがたい違和感を覚えずにいられない。
「で、だ。昨夜の反省を踏まえて提案があるんだ。部活をやろうかと思う」>>624
柳花は突然そう言い出し、理仁の度肝を抜いた。聖杯戦争が始まった、と真剣に言った矢先の発言にもしかしたらこいつは鶏か何かなのかもしれないと同じくらい変な事を思ってしまう。当人はと言えば名案思いついたり、という風な顔で、
「部活を作るんだ。名付けて『なんでも相談部』。校内の問題やら何やらを可能な限り解決する、つまるところ何でも屋だ。部活動という名目ならば、少しくらい帰るのが遅れても怪しまれまい?それにお前が学生らしい活動に熱中していると見せれば、ご両親も安心する」
「いや、けどお前生徒会選挙に立候補するんだろう?マスターと学生、それに生徒会。三足のわらじになるんじゃないか?」
「案ずるな、私は何でも出来る。どのみち生徒会長になれば仕事を建前に動き回れそうだしな」
まるでマグロだ。動き続けなければ呼吸が出来ない、行動力の化身だ。木に縛り付けたとしても彼女は木を引っこ抜いてでも動き出すに違いない。
生徒会長、その単語に理仁は夕方の廊下で出会った冷たい印象を持つ少女を思い起こした。黒鳥蘇芳、触れるものを全て傷つけそうな、そんな印象だった。
「ふふふ、まず最初に部活動の申請だ。昼になったら生徒会に叩き付けに行くぞ!」>>625
「却下です」
昼休み、部活申請書を意気揚々と手にして生徒会室に突入した柳花を待ち受けていたのはギロチンじみた冷酷な一言だった。生徒会長、黒鳥蘇芳は書類に目を通してすぐにぴしゃりと言い放ち、柳花の鼻っ柱を叩き折ったのだ。(蘇芳は去年から生徒会長を務めていて、任期満了までまだ時間があるそうだ)
「な、何!?何故だ!」
「何故も何も、貴女は部活動における規約を読んでいないの?ほら、ここ」
そう言われ差し出された一枚の紙を穴が空くほど睨み付ける柳花。しかしある一点に目を止め、「ぬお!!」と断末魔をあげた。
「部活動設立の際には必ず三人必要なの。見たところそちらは二人だけ……部活動の内容の是非はともかくまず大前提から間違っています。更に言うならばなんなの、この『なんでも相談部』って。ふざけているの?」
「至極真面目だ。生徒会に言えぬ悩み、教師に言えぬ悩み、同級生にも言えぬ悩み!それらを請け負い手助けしてやりたいだけだ!」
「話にならないわ。無駄に波風を立てる様な行いをして、次は余計なお節介ですか」
「ぐぬぬぬぬ、シンプルに言い返せん……だが三人そろえれば良いんだな?分かった!」
柳花はそれだけ言うと大股で生徒会室を後にする。追いかけようとドアに手をかけ、理仁は流石に何か言った方が良いだろうと蘇芳へと振り返った。
「あ、その……ご迷惑おかけしました」
「……」
じろりと睨まれ、理仁は声も出せない。その場に足を縫い付けられた様だ。それだけ蘇芳の放つ視線は刺々しい。整った美しい顔なのに、眉間に刻まれた皺が少しだけ邪魔をしている。
「貴方も、『なんでも相談部』に入るつもりなの?」
「いや、勝手に洲甘が言い出しただけでまだそういう訳じゃ……」
「なら良いけど。浦戸先生に迷惑をかけないようにしてくださいね」
ずばっと一言。理仁は声も出せずに頷き、きびきびと生徒会室を出て行く。
「やめて……聞きたくない」
背後で蘇芳の短い呻き声が聞こえたが、それを確かめようという勇気は無かった。>>626
「おのれ生徒会長!正論しか言ってこないではないか、不沈艦か何かか!?」
「自覚あるなら逆恨みすんなよ……」
廊下をずんずん歩きながらぶつぶつと呟きながら、柳花は自分の不備自体は認めている様だ。それでも苛立ちを隠せないのは純粋に蘇芳と相性が悪いのかも知れない。実際水と油、氷と炎の様に対照的な二人だ。
「しかし三人目、三人目か。昨日の黒江とやらを引き込めないか?色々詳しそうだぞ」
「バカ、一般人巻き込んでどうするんだ」
「ええい、歯がゆい。ともかく昼だ!先に屋上で待っているぞ!」
それだけ言うと柳花は早歩きで自分の教室へと戻っていく。あの調子では治まるまでもう少し時間が必要だろう。呆れながら理仁も教室へと行き、カバンから弁当を取り出す。
と、いつの間にか音もなく目の前に経子が立っている。顔を赤くしながら、もじもじしている。
「?俺に用か、三義」
「う、うん。あのね、実はその、謝りたい事があって……時間あります?」
時計を確認する。昼休みまではまだ時間はあるし、大丈夫。そう返すと経子は赤い顔のままで、ぺこりと頭を下げた。
「ごめん!折角取ってくれたせんべいのぬいぐるみ、無くしちゃったんです!」
「せんべい……?」
「ほら、一昨日ゲームセンターで」
そういえばそんなものがあった。あの日は怪物に襲われてサーヴァントを召喚し、聖杯戦争の存在を知るなどそれはもう忙しかった為にすっかり理仁の頭の中から抜け落ちてしまっていたのだ。確か経子はチンピラに廃墟に連れて行かれたのだから、その際にどこかで落としてしまったのだろう。
「別に良いって。また一緒に取りに行こう、な?」
「う、うん……」
そこで理仁は教室中の視線に気付く。男子か女子まで、全員が熱っぽい視線を理仁と経子に見つめているのだ。>>627
「ザワザワぬいぐるみだって」
「また一緒にザワザワ」
「男女ザワザワ友情は存在しないのか」
「転校生同士だけでなく同級生ともとか、おかしいでしょザワザワ」
非常に誤解されている。主に人格を誤解されている。目立たないようにと今朝柳花に話したばかりだというのに。
助け船を出してくれる誰かいないだろうか、と視線を泳がせながら、理仁はふと黒江凪咲の席が空いている事に気付いた。
「なあ黒江はいないのか?」
「え?なんでそんな事聞くのか分からないけど、今日はまだ来てないみたいです。そういえば変だな、いつもは朝早いのに……」
昨夜の会話を思い出しながら、理仁の脳裏をちらりと嫌な考えがよぎる。あの会話の後、凪咲はちゃんと家に帰ったのだろうか?
そんな思考を腹の虫が遮った。教室で突っ立っていても考えがまとまらない、屋上で昼食を取るべきである。理仁は不安を頭の隅に押しのけた。>>628
「黒江が来ていない?」
「ああ、そうらしい。いつもならこんな事は無いそうだ」
「むうん。美味い、この弁当美味いな」
至極真面目な相談だというのに柳花と来たら弁当に舌鼓である。まだ彼女の全てを知っているわけではないが、真面目とそうでないの感覚が全く掴めなくて困る。さっきまでふざけていたかと思えば急に殺気を発したりもする、そのちぐはぐさは恐ろしくさえある。
「そういえば七騎目のサーヴァントが召喚されたって言うけど、誰か分かってるのか?クラスは?」
「いいや。神父め、この異常事態にあって守秘義務などとほざいている。奴の頭の中は一体どうなってるんだ?」
「じゃあ何処の誰か、どんなサーヴァントなのかも分からないのか」
「更に面倒なのは、お前の様に自分の意志に関係無く巻き込まれた可能性もなきにしもあらずだ」
「くそっ、面倒だな……美味いな、この弁当」
「美味いだろうこの弁当。私も作りたいものだ、こういう弁当を」
「料理出来ないのか?」
理仁の問いかけに柳花は卵焼きを頬張り、しっかり咀嚼して飲み込んでから頷いた。その仕草が普段の女傑さとは違った弱々しさを見せる。
「生憎、家事全般が大の苦手でな。特に料理がうまくいかん。術式は作れるのに料理は作れない……婿を探すなどと言いながらまず妻になる準備も出来ていなというのはお笑いぐさだ。暇な時間があれば、美和子さんに教えてもらおうか……と、脱線したな。今日は例のものを詳しく調べたい、闇雲に動いても意味は無いだろうし自由行動にするとしよう。ごちそうさま」
柳花らしくないしおらしい一面がそこにあった。何でも出来る、と思い込んでいたが彼女にも難しいものはあるらしい。>>629
理仁も弁当を食べ終え、屋上から下りて互いの教室に戻る頃には昼休みももう終わりに差し掛かろうとしていた。クスリの調査を柳花が担当するというのならば専門的な事以外で何かするしかない、経子に時間があれば放課後にぬいぐるみをまた取ってやろうか、などとぼんやり考えながら理仁が教室につくと、血相を変えて経子が駆け寄ってきた。
「り、理仁君。黒江さん、誰かに襲われたとかなんとか、とにかく、倒れてるのが見つかったって!」
穏やかな日常が、一転して冷え込んでいった。>>635
その後も僕は新撰組の一員として生きる道しか選ばなかったけれど、充実した人生だった。
我武者羅に突き進んで、時には仲間の内の誰かと衝突しながらも、凄く活き活きとしていたね。
新撰組の任務上、血で血を洗う日々だったけど、だからこそ生きているって実感できた。
池田屋事件の時は本当に大変だったよ。
持病で総司殿がぶっ倒れ、平助殿が額切られて血みどろになり、栄助殿が殺られた際の動揺で見張り担当がみんな動けなくて、歳三殿が左っちゃん達を連れてくるまで勇殿と二人きりで尊皇攘夷派志士達を八つ裂きにしてたから。
僕も左親指を切られて、防具も刀もズタボロ。
虎徹は本当に凄いよね。
あの大乱戦で散々血を吸ったのに綺麗なままだったんだから。
池田屋の一件の後も、本当に素晴らしい日々だった。
鳥羽・伏見の戦いが始まるまでは……。>>320
キャー!メレク君素敵!ここでの助太刀は本当に素敵!ツンデレ!()
ルナちゃんの詠唱、ここぞという時やはり映える格好良さがありますね…自分も詠唱上手く魅せていきたいな…
>>469
この、ラストバトル前の覚悟を決めた二人、良いなあ…!単純なアツさだけでない、二人の道程を幻視してしまいました…六章はギミックが嫌らしかったなあ…()
>>483
辛い…最後の諦念に満ちたような一文が遣る瀬なさを深めている…重い…
>>522
なんかしかの構文が生まれそうな人だなぁ…婉曲的になった分、不気味さと言うか、底の知れない感じが強いですね。
あと、個人的にですが服の各グラデーションがすごい好きです…綺麗…
>>577
色々な陣営が各々ぐるぐる動いてる、って感じですね。群像劇っぽくてこういうのは好きです。読み応えも抜群!
海辺でバトルっていうのは、何気に見たことない取り合わせだなと
>>612
イーストエンド!イーストエンド!ソホ!((失敬、聞いたことある地名につい興奮してしまいました…子供に優しい肉食系女性…様式美…>>640
ありがとうございます、それでは以下連投失礼します!の前に、期間が空いたのであらすじ!
〈前回までのあらすじ〉
亜種聖杯戦争の開催地である極東の辺境に位置するホテル、厚子夜ホテルは、一夜にしてその姿を怪奇にして不可知的な異界へと歪めた。
様々な人間、化け物、そしてサーヴァントがぶつかり合う中、参加者の一人であるチェコの魔術師、カトカ・オルロイは自身のサーヴァントであるセイバー、柳生十兵衛と共に館内電話を通じてホテルの総支配人の折外明その他ホテルスタッフと合流を果たした。
明らの口から語られる悲劇の数々に瞠目しながらも、セイバー主従の二人は現状に抗うべく動き出す。一方で、他の主従はと言うと────◇遊糸 正三────2階談話室
「────ただ今、戻りました」
少女の帰参の声で意識が冴える。ぼやけていた視界内に数々の輪郭線が現れ、結ばれ、現実へと舞い戻る。
扉の方へ目を遣ると、線の細い少女が黙し佇んでいた。きっと、正三がこのまま何も言わなければ、ずっとそのままでいるのだろう。
「…ああ、おかえりなさい。偵察お疲れ様です、バーサーカー」
休むように促すと、少女────バーサーカーは、近くにあった椅子に姿勢良く座した。気品があるという単語で結ぶにはあまりにも一挙手一投足が可憐なものだ。
談話室の中は静かになる。寸刻前と同じように。壁掛け時計の振り子の音と、人の小さな呼吸音だけになる。これが日常のものであれば、心地よさだって感じられるものだろう。日常のものであれば。
「それで…今回も、他の従業員の方や参加者の方などは見かけませんでしたか」
「…申し訳ございません、御父様(マスター)」
正三の問いかけに、バーサーカーはひたすら謙虚に、ただ従順にそう答える。正三を指す「マスター」という言葉には、どこか異質な音声も混じっている。
バーサーカーは────ベアトリーチェ・チェンチは、正三に対して主従関係を越したような態度を示してくる。正三を、自身の父親であるかのように恭しく接してくる。
ベアトリーチェ・チェンチの物語を正三は教養として記憶しており、そんな彼女を召喚したこと、そして彼女が己のことを父親と看做しているようなことは複雑な感情がある。彼女にとって自分は、恐怖と追従の対象なのだ。>>642
けれど、ならばせめて。
「…貴方が謝ることではありませんよ。それより、疲れたでしょう。少し休みましょう」
バーサーカーに、穏やかさを自分でも意識しながら微笑みかけて労って見せる。
優しくしよう、などとは考えない。それはきっと、気丈でいようとする彼女への侮辱だ。ただ、せめて、彼女の前では穏やかでいよう。寄り添うようにいよう。そう決めた。自分のことを父親と見るならばそれでも良いと、受け入れようと。
「…かしこまりました。御父様(マスター)も、どうぞお休みください」
果たして、正三のそんな心象はいかほど彼女に届いているのか。バーサーカーは尚もかしこまった調子でそう言い、かしこまった調子で霊体化をして居なくなった。恐らく、休むと言いながらも休む姿勢を取っているだけなのだろう。
ふう、と正三も息を吐く。緊張が崩れ、やって来たのは疲労感。連勤終わりの帰宅時などに感じるそれだ。
どうしてこうなってしまったのか。魔術の心得こそあれ、畢竟只人である正三には理解の糸口さえ見当たらない。誰が頼れるのか、誰が困っているのか。誰が生きているのか、誰が亡くなっているのか。こうなってから碌に人間と出会えていない正三にはこれもやはり見当がつかない。
脳内で、首謀者、黒幕を推測する。あの人か、この人か、或いは────しかし、何も最後には「そんなはずないだろう」という否定で終わる。彼らの、少なくとも、正三が出会った彼らの中の誰かがこのような事態を引き起こしたのだとは考えられない。考えたくない。>>643
きっと外部犯の所業に違いない。皆が被害者なのだ。そう考えたくて仕方がない。だって、そうでなければ、
「ん、…あ、ぐ…」
呻き声は、静寂の中でよく響いた。慌てて机の方を見る。
机を用いて作られた簡易なベッドの上に横たわった児女は、息苦しそうに顔を少し顰めた後、また穏やかな表情に戻って微かに呼吸を継いだ。
一部始終を見届けて、漸く息が吸えた。児女の身体は痛ましい傷痕に溢れかえっている。こうやって安らかに眠っているだけでも奇跡だ。奇跡は、いつ絶えるかわからない。
児女は、田津方というらしい。下の名前は知れない。胸に付けた名刺でそれだけが知れる。
彼女は、正三とバーサーカーがこの談話室へ着くまでに出会い救助した唯一の人間だ。両親と思しき人物もいた────二人とも、悍ましい化け物に身を貪られていた。二人が守ったのか、この児女だけが辛うじて息を保っていた。
どうすれば良いのか、どうすれば良かったのか。まるでわからない。この子を助けたのは、間違いではないはずだ。けれど、二人を見捨ててしまった。二人の命が救えなかった。二人を救えなかった人間に、この子は救われて嬉しいのだろうか。そんな疑問と不安が首を擡げてくる。来る。来るのだ。
意識の外から、壁掛け時計が音を鳴らした。不安と恐れから来る暗色の塊は溶けていき、代わりに疲労に飾られた眠気が訪れた。今が何時かは、この際どうでも良い。正三は、頭の奥で鳴り続ける高音域の軋り音を振り落とし、束の間の夢路へ足を運んだ。>>644
◇ルナ・アードゥル────3階東館
どうしたものかな、なんて一丁前に顎に手を当てて考えてみる。けれどポーズだけじゃやはり何も浮かばない。仕方なく月へ目を移して見ていると、カール4世が「ぼさっとするな」と怒ってきて、それで慌てて前を向く。
「なにかあった?」
「なにもない。だが、なにもないのがぼーっとすることの許しにはならん」
「いや、ぼーっとしてたわけじゃないの。一応、どうしようかなーって考えてたんだよ?それで、なにも浮かばなかったから…」
「月を見ていた、と?」
「うん」
「…………ッ馬鹿者!」
持っていた笏でぽこっと殴られた。ぼんやりとした痛みが広がる。
ルナのサーヴァント、カール4世は今とても苛立っている。無理もない。ルナだって内心不安や焦りを覚えている。亜種聖杯戦争の誘いが来て、魔術の後学のためにとやって来たというのに、一晩経てばこの有り様だ。行く先々には蚕か何かのような気味の悪い化け物がいて、ルナたちを見かけるとすぐ襲い掛かって来る。おまけに、カール4世はキャスターで、キャスターは陣地を構えての籠城を肝としているのに、宝具である固有結界は現状使えない。控えめに言って進退窮まった状況だ。
そして、もう一つ。この状況を異常と断じることを助けているものがある。ルナたちは今、1階へ向かおうとしている。1階ならば、スタッフも多くいるだろうと考えたからだ。
しかし、なぜか、二人は4階を降りてから、3階から下へは「降りられていない」。>>645
「……また3階、か」
忌々し気に、ルナの前を歩くカール4世がそう呟く。視線を前にやると、やはり、案の定、見慣れた「3階の風景」が広がっていた。
少し前からずっとこの調子だ。何回も2階を目指して降りているのに、なぜか3階へ戻っている。上れば4階へ着くのに、2階には何度降りようと辿り着けない。
「誰かが、邪魔してる…?」
「そう考えるのが妥当だろうな。となると、やはり黒幕か…或いは、混乱に乗じた他の参加者か…」
「どっちにしろ迷惑だよね。それとも、諦めて3階を探索しろってことかな?」
「……ふむ…しかし、これが黒幕の仕業とすると…」
「考えすぎなんじゃない?それに、どうしようもないし…出来ることをしようよ」
「……仕方がない。早いところ他の参加者とも会いたいしな」
実際、今は罠が張られていようと何であろうと進むしかない。それで、誰か他の陣営と合流できれば事態も進展する────はずだ。
階段から離れ、群がってきた化け物を蹴散らしながら3階内の探れる場所を探り続ける。瓦礫の山をかき分けて見つかるのは決して良いものではないばかりだが、それでも止まるわけにはいかない。
化け物たちを意識的に掃討してきたお陰で、なんだか見晴らしが良くなったように思える。だからだろうか。何か、何処かから此方が見られているような────そんな気配がする。だのに、先から周囲を見回しているが、人の気配さえしない。
カール4世に訊ねても、首を傾げるばかりでいまいち取り合ってくれない。現状の打開にいっぱいいっぱいなのはわかるが、少しはマスターであるルナの疑念を思案しても良いのに。そう考え、不意に前方へ目を向けた時のことだった。>>646
「────あれ?」
「?どうした、マスター?」
ルナのふとした疑問符にカール4世も反応する。しかし、カール4世が前方へ意識を向けた時には、ルナが認めたものはもうなくなっていた。
だが、ルナには見えた。感じられた。前方には曲がり角。不自然な明かり。そして、その一瞬の間に見えた、見知った者の姿の端が。
罠かも知れない、という懸念と共にカール4世にそれを伝えると、半信半疑────というか、二割驚愕八割疑念の顔を彼はし、しかし気にかかったようでしばし思案顔になり、
「本当に、それは貴様の見知った人間のものだったんだな?」
「う、うん。…間違いないと思う」
それが、本物であるかどうかはともかく。それが、仮に本物だとして誰のものか。それはルナには間違えようはずもないものだった。
「ふむ。…ならば、行ってみようか」
「え、でも、罠かも知れないよ?」
「その恐れも慮外にはしていない。だが、今は何か契機を必要とするからな。多少の蛮勇は許容しなければならない…それに」
「それに?」
「マスターの知り合いがこのような奇怪な場に居合わせているならば、我はサーヴァントとしてそれも責任を持って助くべきであるからな」
真っ直ぐにそう話したカール4世は、ルナが何かを述べるより早く件の曲がり角へ向かった。ルナも急いでカール4世の後に続き、曲がり角を曲がる。>>647
一瞬、闇へと足を踏み入れたように思えた。それは、夜が作り出す闇ではなく、日が生み出す陰でもなく、形容し難い何かから生じた何か、と言えるものだった。その一瞬の間だけは、ルナの周りには何もなかった。
次に捉えたのは、人間の後ろ姿だった。その全面を認めるだけの明かりは備わっていた。先程曲がり角の先より認めた明かりで、認めた背中だった。淡い色合いの服で、華奢な身体つきで、深い紺色の髪を結って、嗚呼、その姿は、まさしく────
「ヨモちゃん!」
声を上げて、その者の名前を呼ぶ。呼び慣れた名前だ。
それに、前方の後ろ姿は反応する。驚きに満ちた声を漏らす。息継ぎ程度のものであったが、それはルナの聞き慣れたものだった。
此方へ振り返る。結った髪が緩く弧を描く。少女の顔があった。とてもよく、見知った顔だった。
「────ルナ、ちゃん…?」>>521
コートのした暫定即興ですが私もSS投稿してもよろしいでしょか?
>>655
黒くなったので投稿します。
「ここは……」
カルデアのマスターである少女藤丸立香は気が付けば、見覚えがな場所にいた。薄暗くまるで地下のようだった。
生命の鮮やかさを感じさせる薄茶色の瞳で辺りを見渡す。
「私はカルデアにいたはずなのに……」
意識だけがいずこかへ飛んでしまう事例は、今までにも経験がないわけではない。
現状が精神だけ移動したのか、肉体ともどもレイシフトのごとく移動したのかはわからない。だが、かつての経験から立香の混乱はすぐに鎮められた。
「あれ?」
周囲を見渡していた立香は何かを見つけた。どうやら人が倒れているようだった。
「だ、大丈夫ですかっ!?」
少女は慌てて駆け寄った。>>657
「いやぁ、助かったよマジで!」
「お腹空かせて倒れているとは思わなかったけど」
立香が偶然に持っていたカロリーバーは行き倒れていたサーヴァントの腹に収まった。フランクな口調でお礼を言うサーヴァントを立香は見つめた。
「俺の名は倭建命。よろしく」
「私は藤丸立香。よろしくね」
倭建命がにかっと笑い、それに立香もつられて笑ってしまった。彼女が出会ってきたサーヴァントの中でも彼は特に打ち解けやすい人柄だったようだ。二人はすぐにお互いの状況について話し合った。
「そっかー、立香もここがどこかわからないか。俺も気が付いたここにいて、それであっちこっち歩いたらお腹すいて倒れてしまったんだ」
トホホ、という効果音が付きそうなくらい肩を落とす倭建命。堂々たる体躯の美男なの愛嬌のある男だと立香は思った。
「倒れちゃったけど、こっちに歩いてよかったよ。運気の流れに従って正解だったぜ」
「運気、流れ?」
聞きなれない言い回しに立香が首をかしげた直後。倭建命のすぐそばに白い球状の光がいくつか現れた。三、四個ほど。まるで蛍のように小さく飛びまわっている。
「俺が迷子になったときに狼から貰った恩恵? 加護的なやつだ。いずれに進退すれば運気が上がるか、漠然とだけどわかる力だ。ただ、それで本当に良い運気となるかは……実のところ、まったく自信がない!」
倭建命は苦笑いを浮かべた。>>658
「『何かが変わりそうだなぁという兆し』をなんとなく感じるだけなんだ」
「直感スキルとは違うんだね」
「だな。だから兆しの意味を、必死で考えるんだ。そっちに動けば、今の情勢がどのように変わるだろうな~とか。どちらの方向に行くのが状況を好転させんだろうとか。そのうえで動き、実際に運気がどう変わるか──試してみるんだ。まあ、ぶっちゃけ博打だよな。『必ず運気が上昇する』とか『幸運を引き寄せる』とかそんな御大層な能力とは俺には思えないな」
「それで運気の流れなんだ」
「そうそう。運気の吉凶いずれかに急転する、その流れを見るという意味で」
「なるほどね。じゃあ倭建命は見事に吉の方の流れに乗れたわけだ」
「そうなるな」
倭建命のまわりで飛び回る白い光の玉。その数がいきなり増えた。三つ、四つの光が全部で一〇〇個以上はあるだろうか。立香にもわかる。これこそが英雄倭建命の運気そのものなのだ。
「カルデアのマスター藤丸立香……あんたに出会えたのがその成果だ」
「私?」
「そうだよ。ここがどういう場所かはわからない、だけどこの出会いには絶対意味がある」
倭建命が立ち上がり、つられて立香も立ち上がる。
「ここを進むことに意味があるはずだ。行こうぜ、立香」
暗く、どこまでも続く道を歩きながら、立香は倭建命と言葉を交わす。人理焼却、地球白紙化、濾過異聞史現象、彼女が今まで乗り越えてきた話を倭建命は相づちを打ちながら聞いていた。
「カルデアか……立香はここから戻ってもまた戦いが待っているのか」
「うん、そうなるね。みんなのところに早く戻りたいんだけど……」
「そっか。そうなるといいな」
大変だな、とも辛いな、とも倭建命は言わなかった。ただ微笑みで返した、それは優しく、包み込むような懐の大きい笑顔だった。
それに背中を押されるように、立香は言葉を紡ぐ。>>659
「上手くできないことだらけで……それでも……みんなに助けられるだけじゃ駄目。自分にできることをやらなくちゃって。頑張っているけれど……。できないことが多すぎて、もっとうまくやれたんじゃないかって思ってしまうの」
「それをわかってて、それでもこうして頑張ってたんだろ?」
「……そうね。わかってて。でも諦めないで……せめて強がらないと。藤丸立香としてみんなの信頼に応えたい」
「いいことじゃん。立香は大切なものをちゃんとわかってる。だからきっと自分で納得する道を見つけるよ」
ひとしきり立香は倭建命について訊きはじめた。
「倭建命はサーヴァント……だよね? ここに召喚されたということは」
「まあ、そうだろうな。ぼんやりとだけど最期の記憶もある」
「倭建命……私でも知っている英雄だわ」
「えっ! 俺ってば有名人なの? いやーなんか照れるなぁ。恥ずかしいことも伝わってないといいんだけど」
自分への後世の評価には興味があるようで倭建命は照れ臭そうに笑う。
立香は自分が知る限りのヤマトタケル伝説を話した。
「そっかー、じゃあ兄上を殺めたことも伝わってたか。まあ、嫌だとは思わねえ」
「その……」
「いいって。一生、償い続けるつもりだったし。たとえ兄上が許してくれても、そうするべきだと思ってる。相手が許すか許さないかなんて、関係ない。犯した罪は、一生ついて回る。消えることはない。だから相手がどうでも、背負い続けなくちゃな」
「──」
彼は飄々と笑っているけれど、大切なところでは誤魔化さない。真っ直ぐに向き合っていた。
「厳しいのね」
「俺が納得できないだけだよ」>>660
藤丸立香と倭建命がともに暗い道を歩いていると後背から何かが迫る気配があった。歴戦の戦士である倭建命だけではない、立香もいくつもの危機を乗り越えたことで自然磨かれた勘によって、緊張は光の速さで彼女の精神回路をみたした。
「何か来る?」
「ああ、立香。どうやら歓迎できるような連中ではなさそうだ」
倭建命の表情は凛然としており、精悍な容貌はさらに引き締まっている。手元には剣が現れている。
幾人かの人影は接近すうことで徐々に細部がわかるようになる。
体つきは女性のようだが驚くほど巨躯だ。立香の見立てで三メートルはある。唇は三日月のように裂け、ぼさぼさに乱れた長いざんばら髪、牙も爪も肉食動物のように鋭く獰猛きわまりない。肌は死体さながらに不気味な青白さ、鼻を刺す腐臭を立香は感じていた。
「な、何!? アレ!」
「……なるほど、ここがどこだかわかったぜ」
困惑する立香をよそに、倭建命は沈着さを取り戻していた。
「あれは黄泉醜女。イザナミさんが旦那さんへ向かわせた黄泉の眷属だ。イザナギさんに逃げられてから黄泉に帰還したと思ったが、どうやら戻らずにここを彷徨っていた奴らがいたらしい」
「ここで……?」
「そうだ。黄泉国と地上との境である黄泉比良坂だったんだよ。あーもう、俺だけじゃ遭遇しないはずだよ。サーヴァントは生者ではないからな!」
そう言って倭建命は頭をガシガシと掻く。生ける存在である伊弉諾命を追うように命じられ、その主命を果たせないまま彷徨う黄泉醜女は、この場にある生ける生命に引き寄せられたのだ。闇に輝く灯に蛾が引き寄せられるように……
「立香お前は目指していた方へ走れ! 俺はここであいつらを足止めする!」
「そんな!」
「辛気臭い顔しねーでくれよ、立香はまだ生きてやるべきことがあんだろう。だったらここは俺が殿したほうがいいじゃん」
倭建命は憎らしいくらいにいつも通りだった。あっけらかんとして、名残惜しげな様子もない。でもだからだろうか。また会えるかもしれない、そうなんの根拠もなく思えるのだ。
迅雷の勢いを以て、倭建命の神剣は、あけっぱなしの黄泉醜女の脳天へ振り下ろされていった。>>661
倭建命は背後に庇う少女を見て笑う。にかっと笑みだった。
「わかったわ。……ありがとう、倭建命。カルデアはいつでもあなたを待っているわ」
動揺を抑えて立香は走り出した。それを見送った倭建命は黄泉の軍勢へ走り出した。
「じゃあな、藤丸立香。縁が合ったらまた会おう!」
倭建命が神剣──草薙剣を振るえば、黄泉醜女の首が血の尾をひいて宙に飛んだ。
「行かせはしねえよ!」
二人めの黄泉醜女を斬り伏せると、かえす一撃で三人めを血しぶきとともに薙ぎ払う。剛力無双の国生みの父神を追い詰めた鬼女たちが、倭建命の剣技にかかっては幼児のごとく無力であった。
「俺の前で女を殺そうとかふざけやがって、その罪をいま償わせてやるぞ!」
まっしぐらに敵めがけて走り寄った古代日本の英雄の驍勇を黄泉醜女たちは自身の破滅をもって証明することになった。
◇◆◇
「……ここは、カルデア?」
「おお、マスター目覚めたかい。上々上々」
立香の傍らにいたのは白髪・白髯の顔は鶴みたいに清雅な老人だった。キャスター役小角である。彼はその術でもって意識のないマスターを地上に引き戻すために尽力していたのである。
少年のようにこだわりなく澄んでいる眼で少女の様子を観察していた。
「お前は自分がどうなっていたかわかるかい?」
「えっと、カルデアで突然倒れたんだよね。そして……」
立香は役小角に黄泉比良坂にいたことを説明した。>>662
立香は役小角に黄泉比良坂にいたことを説明した。
「また、寝ながらトラブルに巻き込まれたのか。疲れるほど働くな。まあご苦労様。落ち着いたなら医務室で診てもらえよ」
「ありがとう。そうする」
立香が微笑み。部屋を出ると遠くから何か大きな音がする。彼女が向かえばそこではサーヴァントたちの闘争が起こっていた。
「な、なんだよっ! 怪しいもんじゃねえって」
懐かしい声がする。というか、ついさっきまで聞いていた声である。
「まさか!」
立香が駆ける。そこには見知った古代の衣装を着た青年がいた。倭建命である。何から悪態つきながらサーヴァントたちと戦っていた。相手はフロールヴ・クラキ、平将門、アイネイアースだったが、どうやら彼らは不審者(倭建命)サーヴァントを見つけて捕らえようというつもりのようだ。
倭建命は彼らとそれぞれ十合ほど剣と撃ちかわした。あれほどの猛者たちとこれほど持ちこたえた者はいなかった。
「倭建命!」
「おお? 久しぶりだなー立香。良かったぁ。俺道に迷ってただよなー」
鮮やかな剣捌きで将門の刀を払い、返す刀でフロールヴの剣を弾く男に、立香は仰天した。
「いやあすごい偶然だナー、はっはっは。会えてよかったぜ。つーことでこいつら止めて?」
あの世とこの世の境で黄泉の軍勢を相手に殿を務めたと思えないくらい軽いノリで、倭建命はにかっと笑ったのだった。
◇◆◇>>663
立香の願いにより通路で起きていた戦闘はひとまず収まった。
カルデアにひょっこりと現れた倭建命は将門に鴨のように首を絞められている。フロールヴもアイネイアースも興味深そうに倭建命が持っている神剣を見つめていた。
嘆息して立香が将門から倭建命が解放させると、彼は立香に顔を巡らせた。
「立香、頑張ったな。ちゃんと帰ってこれてよかった」
「へへ。ありがとう。あ、そうだ。あなたのほうはあの後どうなったの?」
すると倭建命が説明を始めた。彼は黄泉比良坂に残る黄泉醜女たちを斬り捨てた後、彼自身も運気の流れを読み進み続けた。長い道を進んで果てにどこかにたどりついたと思えば、気が付けばこのカルデアの通路に立っていたらしい。
「てっきり座に帰るかと思ったけど、どうやら俺にはまだやるべき事があるらしい。だから俺は立香と契約して欲しくてさ」
「本当にいいの?」
「いいよ、立香と話していてカルデアに行ってみたいなと思ってたんだ」
両界の狭間で倭建命が出会った立香。迷い、苦悩しながら、それでもひたむきに頑張っていた少女。
倭建命には聖杯にかける願いはなかった。生前は窮屈さを感じることもあったが退屈でもつまらなくもなかったし、果たしたい未練もない。サーヴァントとして現界する必要もないかなと思っていた。
立香を見て、思い出した。なぜかつて自分は旅をしたのか。
彼女と接して、顔から火が出るかと思った。自分にはやれることがあり、そして自分にはことを成せる力があるのに。驕っていた。
「……もう一度、頑張るのもいいかなーって、思ってね」
「歓迎するよ。倭建命。私と一緒に戦って欲しい」
倭建命はいつもの大雑把な態度からは考えられないほど優雅な仕草で膝を折った。
「誓う。我が剣、我が命、我が魂──全てを捧げて人理の救いに邁進しましょう」
言って、倭建命はこそばゆいというように頬をかいた。【出典】日本神話、日本書紀、古事記など
【CLASS】セイバー
【真名】倭建命
【性別】男性
【属性】中立・善
【天地人属性】天
【身長・体重】190cm・88㎏
【ステータス】筋力A 耐久A 敏捷B 魔力C 幸運C 宝具A++
【クラス別スキル】
対魔力:A
Aランク以下の魔術をすべてキャンセル。事実上、現代の魔術師では倭建命に傷をつけられない。
騎乗:B
乗り物を乗りこなす能力。「乗り物」という概念に対して発揮されるスキルであるため、生物・非生物を問わない。また、英霊の生前には存在しなかった未知の乗り物(例えば古い時代の英雄にとっては見たことも無いはずの、機械仕掛けの車両、果ては飛行機)すらも直感によって自在に乗りこなせる。Bランクでは大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、幻想種あるいは魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなすことが出来ない。>>666
【固有スキル】
天性の肉体:A+
生まれながらに生物として完全な肉体を持つ。このスキルの所有者は、一時的に筋力のパラメーターをランクアップさせることが出来る。さらに、鍛えなくても筋骨隆々の体躯を保つ上、どれだけカロリーを摂取しても体型が変わらない。
高い完成度を誇る肉体はAランク以下の物理的・霊的・精神的弱体を無効化する。
竜種改造:EX
九頭竜に飲み込まれた際に竜の血肉を食べて生き延びて、腹を裂いて生還したことによる究極の自己改造。竜種としての魔力炉心が形成され、サーヴァントでありながらほぼ独立した行動が可能。
真神の加護:A
狼神・大口真神からの恩恵によって、倭建命は運気の流れを読み「自分にとっての最適の行動」を感じ取る。このスキルによって視覚・聴覚への妨害もある程度無視できる。直感スキルとは異なり非戦闘時以外でも効果は発揮する。
神殺し:B
古代日本を放浪して数多くの神霊や精霊たちを屠り続けた彼の生き様がスキルと化したもの。神霊特攻。神霊、亡霊、神性スキルを有する敵対者への攻撃にプラス補正。
神性:D
天照大神の子孫であり、死後に神格化されたため、Dランクながら神霊適性を有している。>>667
【宝具】
截之神剣・草那芸之大刀
ランク:EX
種別:対軍/対城宝具
レンジ:1~99
最大捕捉:1000人
素盞嗚尊に殺された日本最大の災害竜・八岐大蛇の尾から顕れた神器・天叢雲剣/草薙剣。真名を解放することで八岐大蛇の神核が活性化させ魔力を光に変換し、集束・加速させることで密度の魔力を放出することで斬撃そのものを巨大化して光の奔流を放つ。
神剣のほんの僅かな輝きを一時のみ借り受ける伊吹童子の一斬ですら、八つの谷と峯を切り拓き、八つの大河を新たに生み出すと形容されるほど。正統なる神剣の担い手である倭建命のそれは伊吹童子を上回る甚大苛烈な一斬。
払之御剣・都牟刈之太刀
ランク:A++
種別:対因果宝具
レンジ:視界のすべて
最大捕捉:1人
草薙剣の神威と神剣を振るう倭建命の絶技。あらゆる穢れ、時間、空間、因果ごと断つ一斬。多くの神霊や精霊、妖精たちの領域を侵し征伐した彼は異界常識、妖精領域でさえも割断して無力化する。>>668
【経歴】
素盞嗚尊に並ぶ古代日本の大英雄の一人。第12代・景行天皇の皇子で第14代・仲哀天皇の御父にあたる。 父帝の勅命によって征西事業を任され、九州・中国地方を平定してさらに続いて東征事業にて殉ぜられた。心ならずも誤まって兄を殺めてしまいその比類なき実力を父帝に恐れられ疎まれて、九州のクマソタケル(熊襲建)兄弟の討伐を命じられる。それが倭建命の伝説のはじまりだった。
【人物】
黒髪を美豆良の形に、動きやすいよう手首と膝の下を紐で絞った貫頭衣を身につけて、腰には倭文布の帯を巻き、勾玉の首飾りをさげるという古代の貴人の装いをした屈強な青年。
陽にやけたわかわかし顔は引き締まって精悍で野性的な顔立ちで、陽気な光をたたえる双眸と笑みを浮かべた唇が雰囲気を柔らかくし、荒削りながら充分魅力的な風貌。自然が作った豪快な彫刻のようである。均整のとれたしなやかな体躯。
安定した人格と包容力がある、大雑把かつ天真爛漫な性格で、父天皇に疎まれるようとも、恐るべき敵手が立ちはだかることがあっても、どんなときもすべてを笑いとばす強さを持つ。英雄らしい風格の持ち主。優しいが大切なことは誤魔化さず真っ直ぐに向き合う厳しさがある。>>669
嫌いなものを除去したいと思ってその気力から何かを成し遂げることが彼の原動力になっている。魔物に人が食われて死ぬのが嫌い、だから魔物を討滅して人が住む村に魔物が寄り付かないよう尽力する、無辜の人間が悪人の犠牲になるのが嫌い、だから悪や不正を糺したい、と倭建命は各地を放浪して彼は彼の手が届くものを取り零さないように願い続けた。
【能力】
最優たるセイバーのクラスに相応しいステータスを保持し、戦闘技能においても群を抜いている。自分は特別なのだという自負し他者を意に介していない絶対者を悉く討滅してきた圧倒的な武勇を誇る。
倭建命の設定は以上です。あと書き忘れました!監獄長さんからフロールヴ、ここのえさんからアイネイアースを少しだけお借りしました。
wikiの方最新話まで整理しておきました!
これ第1章20話までに終われるか?さて
SS連続投下が落ち着いたっぽい所で、自分もちょっとした予告SS張ってもよろしいでしょうか?>>676
それは、数ある微小特異点の中でも異端にして異質だった世界の話。
繰り返される戦いの悪夢。回路滾る血の闘争劇――
いつものように微小特異点を観測したノウム・カルデアは、対処の為フェリーペとメンテーを現地に派遣する。
だが、転移した瞬間二人は謎の力場により分断され、各々異なる場所に飛ばされてしまう。
空中に飛ばされたフェリーペは、あわや墜落死の危機に立たされるが――間一髪の所で糸使いの少女に救われる。
「危ないなぁ、自分。こんな夜更けにスカイダイビングの真似事とか正気なん? それもこんな街の上で」
加々見梓と名乗った少女は、フェリーペを保護すると隠れ家に案内する。
そこで語られたのは、街の信じ難い状況だった。
「ストリートファイトって言葉に聞き覚えはあるか? 今、この街は夜になるとそんな争いの舞台に早変わりしてるんだよ」
「もっとも、ストリートファイトゆうても実情はかなり物騒なんやけどな。ただの喧嘩に銃火器や刀剣を持ち出すアホはおらへんやろ? でも、この街は違う」
「刃物、飛び道具、はては魔術だの異能だの何でもござれ。どんな手を使おうと、最終的に勝った奴こそ全てって代物だ」
「そしてもう一つ、厄介なんがこれ。この戦いの参加者に与えられる特殊な紋様――ナイトメア・サーキット(Nightmare circuit)なんよ」
「俺たちはこいつにちなんで、この戦いをこう呼んでる。毎夜の如く繰り広げられる悪夢のような闘争劇。すなわちNCバトルってな」>>677
「殺し合いだとか、願いを叶える戦いだとか、皆おかしいよ! どうなってるのこの街は――!?」
「こんなトカゲの掃きだめに来客とは珍しい。で? 兄ちゃん達、今夜は何が入り用かな……?」
「こんばんわ、おにーさん。今日は、じゃない。今夜もいい夜だね――じゃあ、殺し合おっか」
「下がりなさい民間人、此処は貴方たちが踏み込んでいい領域じゃない。それとも、そんなに私の洗礼詠唱(セレナード)を聞きたいのかしら?」
「消えろ。此処は俺と、俺が所属する組のシマだ。それでもなお踏み込むというのなら、指の一本二本は置いて行ってもらおうか」
加々見たちを助ける形で、NCバトルを戦い抜いていくフェリーペ。
だが、戦いの先に待っていたのは最悪の展開だった。
「セン、パイ? なに、を」
「退け、後輩。――いいや。カルデア最後のマスター、フェリーペ・ジョージ・デ・サント。心して聞くがいい」
「一度だけの警告だ。大人しくこの微小特異点より退去しろ、さもなくば――この先は、我が盾の名において通さないものと知れ」
「私はメンテー、メンテー・プルトランプ。シールダーのデミ・サーヴァントであり……この特異点を護る者だ」>>680
ギクゥ(痛い所を突かれた)
そ、そちらもちゃんと進める予定ですので…
まあいい加減再開に取り掛からないとヤバい自覚はある。ほったらかしてる学園編外伝SSも含めて>>613
もしもしポリスメン?()
いいよね……えっちいおねえさん……
>>614
ありがとうございます。自分の好みを詰め込んだのでそう言って頂けると嬉しいですね。師匠はフレーバーキャラですが、ざっくり言うと魔法使いじゃない代わりに出力が倍になった青子みたいなおっさんです
>>615
戦場とか裏社会で語られる人間都市伝説、いいよね……
>>616
レイラもそうでしたが、未来予知系はめちゃくちゃ調整に気を使いますね……
>>619
職業的に教会とも協会とも縁があるタイプのキャラなのでそれなり出番は多くなると思いますねえ
>>638
残り2節(うち1節はエピローグ)、駆け抜けたいと思います!6章は宝具封印が多すぎましたね……(ろくろを回しながら)
普段はパープリンだけど、本質的にはちゃんとしてる人いいよね……子供に優しいお姉さん好き……>>686
はたしてフェリーペとメンテーは本当にぶつかり合うのか…?
こうご期待下さい蔵出し品。松明野郎の性能表
真名:ウィリアム・ウィッカーマン
クラス:アーチャー
レア度:☆3
基本ステータス:HP7715/ATK8212
コマンドカード:QAABB
《固有スキル》
鍛造物作成:B(7〜5)
自身のNPをチャージ(30)+自身のNP獲得量を3ターンアップ(20〜30)
魔力変換(劫火):B (8〜6)
自身のArtsカードの性能を3ターンアップ(20〜30)+自身の宝具威力を1ターンアップ(20〜30)
鋼鉄の決意:A (8〜6)
自身に無敵貫通状態を1ターン付与+自身の攻撃力を1ターンアップ(25〜45)+弱体耐性をアップ(25〜35)
《宝具》
『亡者の明星(デッドマンズ・トーチ)』
ランク:C 種別:Arts
敵単体に超強力な「人型属性特攻」攻撃(7HIT)(Lv.1〜)+呪い状態と毒状態を3ターン付与(OCで効果アップ)(500〜2000)>>699
《性能》
コンセプトは宝具火力馬鹿一代。
同レアリティのアーチャーの中どころか星3の中でもずば抜けて高いATKが売り。
ついでにHPは星3どころか1部の星2にも負けるくらいには貧弱。
人型属性特攻は以蔵さんを参照。仮に不利クラスでも平気で3万〜5万は叩き出す。キャストリアやオベロンを使って限界まで盛れば不夜ガウェインでも落とせる。お前本当に星3か?
自力で3重バフを盛れることもあって適当なサポーターと組ませると一気に火力が跳ね上がる。自前で宝具バフがあることからオベロンと組ませるのもありよりのあり。
7HITするのでそれなりに20〜30は平気でリチャージする。変速周回でも輝くかもしれない。
弱点としてはとにかくHPが貧弱なのと、性能が自己の強化に寄りすぎているせいでスキル封印をされたら置物になること。
A主体のカード構成のおかげで同レアリティのアーチャーとはそれなりに相性が良好。
横バフと回避を投げれるダビデ、HPを増幅でき全体宝具で打ち漏らしをカバー出来る俵藤太、宝具で毒状態を付与出来ることからロビン・フッドとは殊更に相性がいい。
エウリュアレとは万能じみた特攻ということで強豪しそうだが、ウィルの極端なHPの低さとエウリュアレの魅了という妨害特性から耐久戦にはエウリュアレに軍杯が上がる。
星3内で強豪相手がいるとしたら、ウィルと同等かそれ以上の火力を持ちNPチャージまで可能なベディヴィエール辺りになる。ベディがスト限でクラスが違うのが救いと言えば救い。
ウィルの1番の強みは、凸虚数でも宝具が打てる据え置きNPチャージと、単騎で3重バフをかけられる故のレイド適正にある。
サーヴァントを狩るというApocryphaイベのレイドでは相当猛威を振るったとか振るっていないとか。
非人型以外のレイドでもロビンウィリアムキャストリアでウィリアム→ロビンでチェインを組めばお手軽にロビンの火力を上げられることからどこまでもレイド向きである。>>699
ウィッカーマンじゃなくてトーチハンズでした()>>702
リアムは赤いからBusterですね……コヤンコヤンリアムの時代が来る……ろくでもない女トリオの時代……
ザミエル君とお揃いでいいんですか……?
松明野郎は喜ぶけどザミエル君は辟易としそうだ……
毎度毎度ありがとうございます……何もお返しできなくて申し訳ない……ホテル聖杯戦争のご感想ありがとうございます!
>>652
慣れない土地の慣れない宿にクローズドは誰にとっても苦しいものでしょう…
そんな状況下での知人との出会いは吉か、はたまた…
>>654
もう考古学科関係者の同窓会めいていますね!()
あ、桃色草子の方少し書き込ませていただきましたので、ご確認のほどよろしくお願いします
>>656
エミュOKなようで良かった…ルナちゃんはポジティブに本人なりに頑張ろうとする人だと思ってる
カール4世は生真面目な方なので、いい具合に凸凹してます
>>682
初出でありながら不穏がられるバーサーカー陣営ェ…正三の考えはベアトリーチェさんに届くのか…
>>684
クローズドサークル大好きなので!(なお空間把握能力)
わかりやすく大火力な宝具持ちは少ないですが、きっとコラボイベントなんかではデバフギミック尽くし。宝具威力ダウンや攻撃力ダウンや…「新たな特異点が発見された。場所は西暦以前の北欧────神代のスカンディナヴィア」
突如として告げられた緊急報告。
カルデアのマスターに課せられた予兆なき『冠位指定(グランドオーダー)』。
「待っていたぞ、人類最後のマスター。この人理における、最終防衛ラインとなる者」
レイシフトの先で彼らを待っていたのは、かつて神々と対立した魔術の王。
そして────。
「────私は、魔█王の偉業を不達せし者」
予期せぬ聖杯探索。
「あれは女神が持ち去った大陸の一部。本来であれば契約に基づきくれてやったものなんだが……こうなれば話は変わる」
『あの空間を切り取ったような光の断層……そこに位置するのはデンマークのシェラン島だ。ギュルヴィ王が統治する時代背景を鑑みるにゲフィオンの国引きの後か』
「説明が省ける。そう、あの光の断層に覆われた島こそがゲフィオンめが持ち去ったもの。だが、どういう訳か知らん奴が来てなぁ……聖剣を持っていた輩だったぞ」黒くなったので貼りますー
【元ネタ】遠州七不思議『京丸牡丹』など
【CLASS】アサシン
【マスター】
【真名】京丸
【異名・別名・表記揺れ】浜松市天竜区春野町小俣京丸
【性別】不明
【身長・体重】163cm・50kg
【肌色】黄色人種 【髪色】黒 【瞳色】牡丹
【スリーサイズ】
【外見・容姿】男性的とも女性的ともつかない雰囲気の和装美人
【地域】日本
【年代】不明〜20世紀
【属性】秩序・善
【天地人属性】地
【その他属性】人型、神性
【ステータス】筋力:D 耐久:A 敏捷:C 魔力:C+ 幸運:C- 宝具:C++>>712
【クラス別スキル】
気配遮断:B
サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。完全に気配を断てば発見する事は難しい。
ただし自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。
【固有スキル】
森羅万象:A
自然の有り様を研究し、その真髄を見抜く観察眼。
アサシンの場合、経験ではなく感覚によって周囲の地形を瞬時に把握することが可能。
気配感知(恋):B+
気配を感じ取ることで、効果範囲内の状況・環境を認識する。近距離ならば同ランクまでの気配遮断を無効化する。
…のだが、アサシンの場合はそれに何故か「恋」が付いている。曰く、「恋の気配を感知するんだよ!」とのこと。はてな。
神仙:C+
神性と仙術の複合スキル。
アサシンは忘れ去られ零落こそしておれど元は京丸という地の土着神であった。
また、秘境、仙境視されたことから仙術の心得も幾分か持つ。
この二つを組み合わせることで、土地と感応し自然の権能を揮うことが出来る。>>713
忘却補正:EX
多くを忘れる生き物だが、アサシンは決して忘れない。そう、決して。
それは、アサシンが自然という絶対的存在であるからというのもある。
しかし、それよりも大きな要因は「自分が世に忘れられても、此処に生きた者たちのことは、せめて自分は覚えていよう」という思い。信念。
【宝具】
『牡丹は悲恋にて散りぬ(ひれんにたむけよきょうまるぼたん)』
ランク:C++ 種別:悲恋宝具 レンジ:1〜5 最大捕捉:2人
遠州七不思議に語られる京丸牡丹とそれを取り巻く伝承の昇華。
旅客と少女の恋。里の掟による破局。実らぬ恋に滝へと散った二人。そして、その二人を想って咲くという大輪の牡丹花。宝具を展開すると、その結晶である京丸牡丹が四方へと咲き散り、その花弁は鋼鉄のように強靭な刃となり相手を襲う。
強靭とはいえど殺傷能力自体は低く、普通では目眩しや牽制程度にしか使えない。
しかし、相手が仮に恋をしている、或いは恋をしたことのある存在な場合、この花弁刃はその者の心身に深く刻み込まれる。恋を知る者に、京丸牡丹の伝承は強い影響を与えるのだ。
言わば「恋する者」特攻宝具。素の火力の低さも、その広い特攻範囲のおかげで気にはならない。
だが、アサシン自身はこの宝具の使用を────特に、恋をしている者に対しての使用を厭う。
もし使用するなら、その時は。その恋する者の道程の、越えるべき障害として、である。>>714
『秘され忘れ去られし我が郷よ(えんしゅうななふしぎ・きょうまるのさと)』
ランク:D++ 種別:結界宝具 レンジ:10 最大捕捉:30
打ち捨てられし遠州の秘境、京丸を固有結界として顕現させる。
結界は広くはなく、また活気もない。そこに広がるのは、荒れ、廃れ、それでもなお穏やかな静けさを手放さない辺境の郷の風景。
遠くに聞こえしは清流の声。近くに見えしは草木の緑。都市より離れ、雑踏、摩天楼などとは隔絶した地に、取り込まれた者は何を思うか。
固有結界内は文字通り文明の世界である現代とは隔絶したものであり、それ故に通信機器などの使用も不可能となる。また、英霊の信仰も、少なくとも外国の英霊に対する信仰はゼロになり、知名度、信仰補正に依存する英霊を大きく弱体化させることができる。
文明の力を主軸に戦う英霊などに対しても有効で、近現代の兵器の威力は格段に落ちる。
結界内でアサシンは気配遮断のランクが上がり、引き込まれた者はややもすれば最後、誰がどこから射ったとも知れぬ矢によって討たれるだろう。
【Weapon】
『狩猟道具』
アサシンのメインウェポン。
弓矢に簡易的な罠、銛に竿と、種類は豊富。魔力が尽きず、戦意が有る限り無限に生成が可能。
和装美人な彼女とは不釣り合い…と思うかもしれないが、辺境の郷で生き抜くためには狩猟は当然必要なスキルである。>>715
【解説】
閉ざされし秘境。古く伝承風聞より語り継がれた知られざる郷──それこそがアサシン、京丸である。
遠州七不思議が一つ『京丸牡丹』の舞台であり、享保年間に起きた洪水の際に、下流の石切村に流れ着いた椀が発見されるまでは、存在を知られていなかった隠れ里とされる。
そんな郷は、かつて一部からは仙境と見なされ、柳田國男や折口信夫を初めとした数多くの民俗学者の興味を引いた。
しかして、最後の住民であった藤原忠教の死後は廃村となり、今となっては静岡は浜松市の一部となり人々からも忘れ去られた。
────英霊とは、すなわち『過去の者』。一握りの特例を除けば、一度は死に、歴史の一片として文献などに残る存在が、後世の人々に信仰され、想われた末に生まれたもの。
アサシンは、元は京丸という地が神格化された存在であり、そして隔年のうちに人々から忘れ去られ、零落していったもの。英霊となるには知名度や信仰が足りぬチグハグな存在であった。
そんな彼に手を貸したのが、京丸牡丹の伝承の主人公である恋人たちである。旅客に恋した少女は京丸という神性を祀る巫女であり、そのことから繋がる縁もあったのだ。
そうして、零落した神性と伝承は合わさり、知名度を高め、なんとか英霊と相成った、という経緯である。
【人物像】
一見すると、たおやかで垢抜けない雰囲気を持つ牡丹の飾りの似合う可憐な少女────なのだが、よく見ると、少女と呼ぶのは何か違うような気がしてくる。しかし男性と見るにはどうにも可憐。そんな不思議な容貌の和装美人。
それもそのはず、京丸という英霊は性別という概念のない土地神と悲恋伝承の男女が混ざり合った存在なのだ。故に、見る者に無性別のような、それでいて両性のような印象を抱かせる。
性格は穏やかで快活、ちょっぴり直情的。そして何よりも恋愛を愛する恋愛至上主義。東に恋に悩める乙女あれば行って援助してやり、西に告白出来ずにいる少年あれば行って激励をやる、そんな甲斐甲斐しい世話焼き。京丸牡丹伝承の二人は人格を潜めており、これらは京丸という土地神のもの。
恋愛において恋人たちはその想いは報われるべきものと信じており、そのため両者の納得の出来ないような結末(バッドエンド)を心底から嫌う。他者の恋路に干渉し邪魔する者も疎む。>>716
そんな風に恋人たちや恋する者を徹底的に応援するのは、勿論己の裡にある悲恋伝承のような想いを他の誰にもして欲しくないという感情があるからだが、それ以外にも、こうやって一生ものの恋路をサポートすることでその者たちに自分という存在を憶えてもらおう、というやや打算的な思考も介在している。
他人のサポートばかりする癖に、現在の京丸のように忘れて欲しくない、と願ってしまう生粋の寂しがり屋。何よりそれを「自分が誰かと恋する」ではなく「誰かの恋を支援する」という形でしか成せないだろうと考えている超奥手。
それでも恋への情熱は確かなもので、もしマスターが恋をしそれに苦しんでいる時、彼はそれを可能な限り和らげマスターの恋路の一助になろうと尽力するだろう。
また、可憐な見た目に反して要所要所アクティブな面があり、特に家事炊事に関しては巧緻という概念を見出せない、野性味あふれる腕前となっている。ただ、どこぞの女武者のようにメシマズというような類いではなく、単純に単純(シンプル)なのだ。
特技:狩猟、家事(かなりワイルド)、恋愛のサポート(自称)
好きなもの:恋愛、ハッピーエンド、恋バナ、自然と人々
嫌いなもの:悲恋、報われないバッドエンド、忘れられること
天敵:ラーマ/シータなどの恋人鯖
願い:世界の恋人たちの恋愛のハッピーエンド
【一人称】私
【二人称】貴方、君、〇〇さん、〇〇君、〇〇ちゃん、〇〇
【三人称】彼、彼女、あの人、あの子、〇〇さん、〇〇君、〇〇ちゃん、〇〇
【セリフ例】
「はじめまして。私は京丸。アサシン、京丸だよ。貴方の力になりたいな。…ところでだけど。貴方は恋、してる?」
「マスター、今日のご飯は鮭だよ!…うん?そうだよ?今朝そこの川で獲ってきらから、新鮮で美味しいよ!」
「恋愛は素晴らしいよ。恋は人を変え、愛は世界を変える。マスターも、してごらん?その時は全力で応援するから!」
「え?私は恋しないのか?…いや、いやいや!私はいいよ。私は、誰かの恋を応援出来ればそれで…」>>717
「英霊だって、英雄だって恋をする。彼らは、その想いを輝くままに輝かせた人たちだね。とってもキラキラしてるよ!」(恋をし、ハッピーエンドを迎えた英霊に対して)
「英霊だって、英雄だって恋をする。…彼らは、その想いを悲しく終えてしまった人たちなのだね。…私は、彼らにかける言葉が、見つからないな…同情や憐憫は、いけないことなのに…」(恋をし、ハッピーエンドを迎えられなかった英霊に対して)
「貴方、恋してるんだって?ふふ、私は何もかもお見通しだよ!安心して、言いふらしたりなんかしないから。…それで?どうなの?私、貴方を応援したいの」(絶賛恋をしている英霊に対して)
「端島ちゃんとは、お互い似た者同士ってことでよく相談し合ったりしてるんだよね。やっぱり知名度上げたいなーって。それで、最終的には…また、戻ってきて欲しいなぁ…」(端島に対して)
「あそこまで恋愛下手だと、却って可哀想に思えてきちゃうよね…」(ロドモンに対して)
「貴方は遊びかも知れないし、私はまあ、その精神は否定しないよ?正妻の方への愛情は忘れていないようだし。…けれど、貴方が遊びだと思っていても、相手も同じとは考えないようにしてよね。そういうのが、最悪への一途だから」(在原業平に対して)
「私、貴方のその振る舞い、大っ嫌い!」(ドン・ファンに対して)
「女性同士…いや、私も知ってるよ。それに、お互いが納得してるならそれも大いにアリ!だと思う!…あ、私はそういう趣味はないから、うん」(サッフォー、バルバロッサに対して)
「貴方とは馬が合うね!そう、バッドエンド絶対反対!艱難辛苦の後に幸福が…とかならまだしも、苦しむだけ苦しませるのは違うんだよ!」(九鬼嘉隆に対して)
「命短く、恋せよ男女。叶うなら、我が花弁は其れ等への越えるべき障害とならん!さあ、登りきって見せよ!
『牡丹は悲恋にて散りぬ(ひれんにおつるきょうまるぼたん)』!」
「山のうへに かそけく人は住みにけり 道くだりくる心はなごめり────愛しや我が郷、懐かしや彼の郷。
『秘され忘れ去られし我が郷よ(えんしゅうななふしぎ・きょうまるのさと)』」みんなー!!とりあえずfalling moon第1章は20話以内に収めてみせるぞー!ゲッシュだー!
・白閂(びゃくさん)
聖堂教会において採用・製造されている特殊銃火器。
見た目はどの武器種も白く塗装された銃火器。内部機構も通常火器と大差ないが、聖言が刻み込まれていたり部品そのものが聖別されている等、それ自体が神聖加護の塊と言えるもの。
黒鍵に代わる中・遠距離武装として開発されたもので、武器種によっては埋葬機関員の秘儀たる鉄甲作用に匹敵する威力を撃ち出せるものもある。
銃身に刻み込まれた聖言と、特別な製法により作られた銃弾の合わせ技で魔性に対する浄化特攻を有しており、死徒等の怪物相手にも一定の効果を発揮する。対人においてはいずれも通常弾と大差ない威力だが、初期段階の死徒汚染や魔毒汚染にも反応する為、聖水がない時の緊急判断措置として用いられる事も。
ジルが使用するのは主に大型リボルバー拳銃タイプと、サブマシンガン及びスナイパーライフルタイプ。リボルバー拳銃の見た目は白く塗装されたトーラス・レイジング・ジャッジ、サブマシンガンは同様のPP-19ビゾン、スナイパーライフルはバレットM95。いずれも装弾数・破壊力にこだわって選出されている。
以前言ってたジルの追加武装設定を試しに投下。一応ジル用の装備ですが、フリー設定のつもりでもあります
黒鍵に代わる銃火器が台頭してると月リメとかで語られてたので、もし本格的な武装になるとしたらこんな感じになるだろうかなと。『黒』鍵、『灰』錠に次ぐ『白』閂という風に…>>726
この後は新撰組の崩壊+仲間達との離別、新しい人生、最後の大任が待ち受けている。綺麗な月はふわりと揺らいで今にも崩れそうなゼリー。
煌めく星はパチパチ弾けるポップロックキャンディー。
沈んでいく。ぼこぼこぽこぽこ。口から漏れ出る空気が小さく泡を描いて咲いていく。
その弾けようが面白くて、つい色々な泡を作ろうとしてしまう。バブルリングはちょっと難しかったけど、できないわけがありません。だって私、すごいので。なんだって、できるので。
すごいでしょう、すごいでしょう!だからほら、もっと私を褒めなさいよ!あんたたちみたいな雑魚、みんなみんな、過去すらあやふやなんだからさ!
ねぇ、だから───────
だから、誰か答えてください。暗い海を沈んでいくのは、嫌なのです。少しは煩くても許してあげるから、だれか私を見てください。だってここ、さむくてくらくてつらいのです。
もう、月も星も見えません。【停滞城セレーネ〜125号室〜】
「───────ぁ、あ?」
ゴリゴリとつむじから伝わる頭痛を感じながら目を覚ます。おかしい、魔眼の行使は試みてなんかいないはずだ。この魔眼で色々とやりたいことをしてもう何年経つのか……今更魔眼のコントロールを出来ずに魔力を取られることもない。なのに、ひどく頭が痛かった。
「最悪の気分。………ええ、本当に。最悪の気分だっての……」
最悪の気分だから、そこらを通りかかっている人に対してちょっと弄って貢いでもらっても仕方ないのだ。うん仕方ない。だって、機嫌悪いんだし。運が悪かったと思って諦めてもらおう。
「兄ぃ、今日はどうする?兄ぃが騒がしいの苦手なら、今日は一日おとなしくしてよっか?」
虚ろな眼を浮かべ、虚空を見つめる青年が乗った車椅子を押しながら、健気に話しかける少女が一人。その声は実に元気に満ち溢れていて、とても朗らかだ。「……わかった。じゃあ一緒に庭園を見て回ろうか。兄ぃ、お花が好きだもんね。なんかとんでもなく急な階段降りないと行けないから、ちょっとガタガタ揺れちゃうかもしれないけど………なんでこんな高い段差なわけ………?」
「ね、そこのアナタ。折角なら私も手伝いましょうか?」
こちらも勝手に負けじと朗らかな笑顔で少女に微笑みをくれてやる。“今”の私はちょっと根暗だけど顔よし眼よし性格よしなマキナ・シスタールなので、うん。
「………ありがとうございます、と言いたいんですけど。大丈夫ですか、この車椅子、担げます?色々と施してるので、見た目より重いですけど」
「大丈夫。本職にはしていないけれど、私だって強化ぐらいは使えますよ。アナタこそ……その、華奢でカワイイ女の子なんですから。大丈夫ですか?」
「む………大丈夫ですよ。そう見えるだけで、ちゃんと鍛えてますから。そのお誘いに甘えることにもするので、更に大丈夫です」
そうすれば、後はもう簡単だ。ともに力を合わせて、運ぶだけ。急がすぎる代わりにそこまで多くの段数ではなかったので、比較的あっさりと下ろし終えたというわけだ。「あの、ありがとうございます。自分も楽だったし、兄ぃはもっともっと楽だったと思います」
「いいんですよ。それより……上がる時も大変でしょう?どうせなら、一緒にまわっても?」
「……ええ、是非。兄ぃも喜ぶと思います。あまり他の人と一緒に居ることがないので」
………そう言って車椅子を推し進めだした少女の隣を歩く。“兄ぃ”と呼ばれた青年は、あいも変わらず虚空を見つめている。少女自身が彼に対して深く愛情を注いでいるのはわかるが、その問題の彼自身の姿が異常だ。
一見チョーカーのように見えるそれは、霊体を知覚する術を持つものなら軽く見つけられるような非物質の鎖で繋がれている首輪だ。その鎖の反対側の先端が少女の手首に巻き付けられているあたり、行動の制御が少女によって取られているということなのだ。
他にも、魔術を扱うものなら誰であろうと看破できてしまうほどの幻惑がかけられている拘束衣、口を開いての動作を阻害する口輪(ノズル)。誰がどう見ても、予期しない動きを取らないよう拘束しているそれだった。
「………お兄さん、どうしてそうなっているのか、聞いてみてもいいですか?」
「いいですけど……ひどい人ですね。アナタ、降霊術か何か修めてるんでしょう?さっきから視線がチラチラと、兄ぃに憑いてる奴らに向いてるのに」
「やっぱり……霊障、ですか」
「はい。兄ぃは降霊術師だったんですけど。うっかりミスをして、呪いで危険度を意図的に増やしていた怨霊たちに取り憑かれちゃって。命は助かって、体もおかしいところはないんですけどね。けど……魂と精神は、深い深い心という名の海の底です。除霊すればいいんですけど、兄ぃと深く結びついちゃってるから難しくって」だから、こうするしかなかったんです。そう言いながら少女は青年の頭を撫でる。心なしか、頭に乗せられて掌を心地良いと思うかのように頭がぐりぐりと押し付けられているように見えた。
「………私、こう見えて割とすごい魔術師なんですよ。マキナ・シスタールっていう、降霊科の中でも、割と優等生だったんです。今はちょっと色々あって、現代魔術科にいるんですけど。………どうでしょう、ちょっと私に、お兄さんを診せてもらっても」
「いいんですか!?じゃあ、その……はい、お願いします」
「はい!じゃあ失礼して………」
頭が痛い。実験失敗からの破滅なんていうありきたりがすぎるお涙頂戴の話を聞くのも辛いのに、長ったらしく話しているこの女に腹が立つ。けど大丈夫。気にしてません。だってこれから、もっと面白くなるんだもの。
「……よし。『魔眼・過重照準(グラス・カウント』………私は収束する点を壊す」
痛みとともに頭の中で渦巻く魔力。収束する大気のエーテル。エーテルをレンズとして、さらに深く深く目の前の青年の過去を探っていく。何体か内に潜む悪量が手を伸ばしてくるが、そんな雑魚どもなんて対処する必要すらないのだから。
どうやら青年は黒魔術と降霊術の併用が得意だったらしい。黒魔術を用いた怨念で残留思念を強める、という単純明快ながら強力なものではある。その分扱い方が難しいのも明白だが……ああ成る程、だからこのバカは失敗したらしい。『バカだなぁ。……けど、いいよ。面白いから、私が助けてあげる。使い勝手の良さそうな駒にできるだろうし。せいぜい良いように働いてもらって、最後は適当に自分で使い潰れたら。うん、立つ鳥跡を濁さず?って日本では言うものね!』
とりあえずは、うん。三、四体ほど引き剥がして少女にプレゼントしてあげよう。お兄さんを助けることにもなるし本望だろう。別に傷つけたいわけじゃないからもちろん凶暴性は減らしたものをだ。壊れてしまったら勿体無いぐらいの可愛さだし、一度自分の手で味わっておかないといけない。それに、もしかしたら何かしらの特別なものを持っているかもしれないし。
『さてさて。じゃあ早速、この最低な魔眼で最低な過去と最高な過去でも覗いてあげる─────!』
………瞬間、マキナの魔眼の内に渦巻くオドが停止したのがわかった。「魔眼、拘束。嗚呼、痛みよ。お前は最愛の人よりも優しいのである」
「ぃ、あアァッ………!!」
意識が強制的に弾き飛ばされる。自分の魔眼の発動が妨げられたような感覚。そのくせ使用した際の頭痛だけは激しく自分を苛み続けている。
見れば、目の前の青年の片目が輝いている。その輝き方は、そう、どこかで見た。というよりも自身が持っているもの(魔眼)の対極にあるかのような輝きで────
「お前、今、兄ぃに手出ししようとしたな」
胸ぐらを少女が掴み上げ、恐ろしい睨みを効かせている場面を見てようやく状況を理解した。
「はぁ、ァッ……なに?お兄さんを生かしてる理由ってアンタの便利な道具にするためなわけ?お兄さんの自意識がないからって強制的に魔眼を発動させるとか、最低なんじゃないの?」
「初めて会ったばかりの男の記憶を勝手に弄ろうとした挙句、剥いだモノを別の人間に押し付けようとする屑に比べたらマシだと思うけど。………殺さないだけ感謝してね」
睨みをきかせあっていて、気づいた。目の前の少女の片目の色も変わっている。どうやら先ほどまでは魔眼封じのコンタクトか何かをつけていたようで、今はその封を解いたというわけなのだろう。
魔眼は詠唱すら必要のない一工程(シングルアクション)。魔力さえ流せば見るだけで発動できる代物だからこそ、強く撃った方が勝つ。しかしこちらは一人に対してあちらは魔眼持ちが二人。一人を視界に収めて発動したところで、もう片方の視線に貫かれて終わりだろう。だからこそ、力での強情な突破は難しい。「……マキナ・シスタール。ハッ、嘘も大概にしろよ。お前、純日本人じゃねぇか。なんだ?もしかして自分のルーツにコンプレックスでもお有り?」
「は?何言ってるかわかんないんですけど?そうやって憶測でモノを語るなよ。モテないぞ?」
「荒屋敷。本名、荒屋敷まきな。残念だけどカウンターできっちりきっかりお前のこと見せてもらったから。ああ、油断してなきゃそれすら返せてただろうにねぇ。ルカ兄ぃのこと舐めすぎたねぇ」
「そこの廃人じゃなくてアンタがやったことでしょうが。お兄様上げと罵倒を併せるとかブラコンにも程があるわ。………何もしないから早く私を返せよ。頭痛い」
突破が難しいのは、実はあちらも同じなのだ。私を見たから把握しているのだろうが、先ほど使った収斂の魔眼以外にももう一つの魔眼を私は持ち合わせている。それを使えば、痛み分けぐらいには持っていける。少女自身は構わないのだろうが、少女はそれで兄が危険を負うことを危惧している。
「……ふふっ、顔がイラつきで歪んでるけど?カワイイ顔が台無しじゃん」
「チッ……あーはいはい。わかったわかった。さっさと何処にでも行きやがれ。お前が何もしないなら、大人しくここでお前が視界から消えるまで待っててやるよ。雑魚専の女に構う暇があるなら兄ぃの世話をしてやりてぇし」
賭けはこっちの勝ち。頭が痛くて痛くて仕方ないし、目の前の奴らにやり返したくて堪らないが、とりあえずはここを去るべきだ。ああ、やりようはいくらでもあるんだから今は自室にでもこもって落ち着けば良い。
「はいはい、さっさと行きますよー。………残念ね。アンタ、私ほどじゃないけどカワイイ顔した女の子なのに。そんなふうに噛みついちゃってさ」「………今、なんつった」
おや、これはどういうことだろう。こちらもあちらも魔眼という名の矛は収めて、発動をする体勢ではないはずだ。なのに今度は目の前の少女が怒った様子でこちらを睨みつけている。
「………カワイイ顔がもっと台無しになってるけど?なんでそんなに怒ってるのかわからないなぁ。カワイイ女の子だねって世の男どもはチヤホヤして、女どもには羨まれたらそれを喜べばいいのに。人生楽しまなきゃ損じゃない?」
「………ない」
「え?なんて?」
「………じゃない」
「もっとはっきり喋って。言いたいことがあるならはっきり言えって、常識でしょ?」
「だー、かー、らぁー!!俺は女じゃねぇって言ってるの!!俺はエリ・ミィシェーレ!齢17で現役学生で、こっちのルカ・メルトをバリバリ養ってる至って普通の、可愛くない男子高校生だっての!!!」
おないどし。めのまえの、びしょうじょみたいなびしょうねん。………理解するのが少し遅れて、その意図を察したエリという名の少年に、激しく頭を叩かれた。そんな、鮮烈すぎる出会いでした。>>720
バレンタイン特異点の黒幕にしたいな…と今のうちから思索中でございます…〇〇しないと出られない部屋の乱立…みたいな…
>>721
そうですね。神性はそれくらいで良さげかな、と。
友人ポジションとは言い得て妙ですね。乙女ゲームの主人公の親友役って感じが確かにする…恋愛ゲーム特異点…?
仙術は正直よくわからない…平安京見るに相当なもののようですが…(なんで京丸はあくまで香付け程度のものです…)
桃色草子更新いたしましたー
>>723
わぁ、みんな恋愛してるなぁ!
聖杯惑星の方でしたらきっとアルターエゴ陣営を応援するのが京丸という英霊です
>>726
かぐや様は告らせたいとか逃げ恥とか好きなんですねえ!もっと言うと12歳。とかも。そして四谷快談!で絶望する…
>>737
あれ?エリさん男じゃなかったっけ?と思いながら読み進めましたが、性別カミングアウトっていうのは緊張した空気を和らげる良いコメディカル要素ですよね…ある種叙述トリック…
あと、マキナさんの魔眼は強力だって印象があっただけに、一対ニとはいえ押さえ込まれてしまうのは意外に思えました。やはり相性バトルか…>>741
>鹿之介のバースデー
マ ジ で か(そこまでは調べてなかった)
それはまたご愁傷様でした
いつかお披露目される日を気長に待っておりますので、お気になさらず…飛んでいったページ内は説明会みたいなものです
ニコラがどんな感じのやつとか、なんでわざわざ一人二人程度で突っ込むのさ、みたいなのとか
あとアンティフォノさんとケーフェンヒラーさんの強さのアレコレ
>>738
今回のこれまでがGAME1における顔合わせ編。実はどのパートでも最後にシリアスが死ぬことを目標にしているのです!
まあこここらが地獄のパーティータイムなのですけど!!大我くんにはたくさん地獄を経験してもらおうネ!
実は裏ペ更新
>>739
実は短パンでワイシャツだったりと割と男の子らしい格好だったのですが、顔つきや体つきが胸がない()女の子にしか見えなかった、という……悲しいですね……声変わりもほとんどしてないので……
実はあの状態だとエリの魔眼がガチガチにメタを張っているのです……アイツの魔眼はノーモーションで「未来に自分が銃弾を撃ち込んだという事象を今ここで発生させられる」というトンデモができちゃうので……それを魔眼で察知したまきなちゃんは迂闊に動けなかったんですね()
>>740
イチャラブバカップルの二人はまた別のお話で出てくるので今回の本筋には出てこないのですが……まあしかし、それぐらいケーフェンヒラーさんとアンティフォノさんは実力者なのだよということを示したかったのです
>>741
めでたい……めでたい……>>744
本人は本当に自分は男の格好してるつもりだし服装を見ると確かにメンズファッションなんですよ
ただその、それ以外があまりにも女の子すぎるという
単純に情報捜査をしてたり、とかそういう感じだったりします。アイン本人は騎士の出のイギリス貴族の三男坊で、錬金術のバリバリ戦闘派で、情に篤くて、彼女大好きさんです
ケーフェンヒラーさんが「命を奪ったな」という鬼的直感が働いたものの停止の魔術のせいで心臓を潰された程度じゃしばらく生きてて動き出す、という性質が働いていることを最初は気づかなかったということで
フリーなのでそういう情報や用意もしてくれないのでそういう専用な武器は持って来れてないんですね、残念ですけどマスターの詠唱を考えているけれど、元の詩の要素が強すぎる…というか元が完成形だから手を加えたくない…でもまんま引用するのは…あぅう…
>>738
えー!なにそれすごい萌える…素晴らしい…発想が神…(語彙力)
>>741
今更ながらおめでとうございます!
これでこのスレ内において鹿之介さんの誕生日の認知度が上がった…ということでここは一ついかがでしょう…
>>743
短パンワイシャツ…まあ、すごいラフな女子っていうのも…ルカさんへの呼びが「兄ぃ」っていうのも女子っぽさを覚えさせるのでしょうかね…
えげつない効果の魔眼だ…マキナさんのものと真っ向からぶつかり合ってしまうと、余波で色々吹っ飛びそうな魔眼がかち合ってる…穏当に済んで良かった…深夜のこそこそ裏話
実は自分が昔から創作するヒロインキャラは黒髪か茶髪が定番だったので、ロゼのような金髪ヒロインは珍しかったりしてました。(今はそんなことないですが)
創作の幅が広がったみたいで嬉しい判断だったり~ちなみにルカはいつもイケメンフェイスをぽけーっとしてるけど表層化できないだけでちゃんと外の光景見てるので
「そ、そんなに喧嘩しないで……」と地獄のような状況で苦しみながらもエリに対して慌ててます。かわいいですね
>>747
ああ、なるほどそういう。わかりましたー
鬼の血が特異点になるかどうか……強力な異能を発生させられるほどの混血がどうか、とかで変わってきそうですよね
>>748
参考になるかはわかりませんが実はさっきのssの魔眼詠唱はとある海外の詩人の詩から持ってきています。原文を自己解釈したものですけど、多分有名な翻訳家のとほとんど一緒になってしまってる
仕草も女の子すぎるんですよね……本人は否定してるんですけどね……ルカにもそういう感じだし……あざとい……
魔眼勝負になってたらどっちとも共倒れ……みたいな状況なのでした。かといって普通の魔術を使おうとした瞬間それはそれで魔眼の餌食という
>>749
わかります、そういうことありますよね>>753
この城、やべーやつしかいない...!!リアルが忙しくて低浮上でしたが復ッ活ッ!!
という事で洛陽3節行きます
3節は箸休め+軽い伏線回です第3節 旅路、各々ノ志-1
夕暮れの光が険しい山を照らす。それは束の間の平穏を表してるかの様だった。
「…よし、着いたな。この辺りで休息にしよう。」
荊州の戦場を脱したカルデアは、半日の旅路を経て許昌の付近へと到着した。
「…どうですか、マスター?通信は大丈夫になりましたか?」
「…駄目みたい。壊れている訳じゃないけど…多分、あのサーヴァントの妨害だと思う。」
「…それにしても。」
周瑜が若干呆れた口調で言う。
「黄夫人殿、よくあんな短時間で逃亡しながらアレを作れたな?…いや、本当に凄いな。」
見た先には、巨大な牛の形をした乗り物があった。
「でしょう?アレこそ孔明様が考案なさった木牛流馬、2017verです。」
「うん、この時代の材料からのあの推進力は賞賛に値する。ただ…牛にした孔明のセンスは何ともいえないけどな。やっぱアイツどこか弾けてるわ…」
「センスはともかくってどういう意味ですか…?」
黄夫人が少しむくれながら周瑜に詰め寄る。
そう、孔明が嘗て考案した木牛流馬。それに現代の車並みの推進力を加えた改良版である。
恐らく追手も暫くは来ないだろうと思われる程に、その速度は凄まじかった。
…牛の模型が凄まじい速度で山を突っ切るのって割と不審の極みなのでは?とか言ってはいけない。>>757
「ぼくは、すきだけどな、うしさんの、くるま。かっこいいと、おもうよ?」
「…。」
デイヴィが純粋な感想を言う隣で、趙雲は考え込んで
いた。
「…ところで、周瑜。」
「…どうしたんだ、マスター?」
「孔明と周瑜って、どんな関係だったの?」
「…中々難しい所を聞くな…ん?」
その時、ドタドタという音がした。
「…すまないマスター、話の途中だが野鶏だ!!」
槍を構え、趙雲が呼び掛ける。
「了解!!周瑜、今度聞かせて!!」
「はいはい、じゃあ、今夜の晩飯狩りといきますか。」
____
デイヴィが串を複数川に浸し、一気に鶏肉に突き刺す。世界一、少なくとも特異点一平和な宝具の使い方である。
夜になった川のほとりで、カルデアと猛将達は焚火…ではなく黄夫人の即席コンロを囲って飯を食べていた。>>758
「しゅうゆさん、はやく!!つぎのおにく、たべたい!!」
「鳥は生半可な焼き加減では駄目だからな。もう少し待てるか?」
「わかった。でも、おなかすいたな…」
「デイヴィ君、お米食べますか?」
「わかった!!たべる!!」
団欒としているサーヴァントを見て、米を食べながらマスターは笑う。
「微笑ましいね。」
「…そうだな。」
趙雲も頷きながら、米を食べる。まだマスターには慣れていない様で、目を合わせようとしては、少し赤面しながら目を逸らしてしまう。それを見て、藤丸は少し笑った。と、その時藤丸が問いを口にした。
「そういえば、趙雲って蜀の将軍だったんだよね?」
「…ああ。」
「じゃあさ、蜀の仲間の話、聴かせてほしいな。」
その言葉に、趙雲は少し驚いた顔をする。
「…いいのか?」
「うん。」
微笑みながら、人類最後だったマスターは言う。
「君も、周瑜も、デイヴィくんも。出会ったサーヴァントのことは、皆ちゃんと知っておきたいんだ。」>>759
「……」
「どうしたの?」
「あ、いや、何でもない。…そうだな。ならば、話し始めようか。俺のいた国と、仲間達の事を。」
少し表情を綻ばせながら、彼は語り始めた。
「蜀の仲間は…一言で言うならば、そうだな。バラバラに見えて進む方向が同じ、という感じか。」
「…?」
少し意味を考え込むマスターに気付き、趙雲は訂正する。
「…あ、分かり辛かったな。すまない…何というか、正直に言ってしまえば、蜀の将、特に俺達五虎大将軍は、我が強い奴が多かったんだ。」
そう言い、趙雲は苦笑する。
「そうなの?」
「ああ。張飛殿とか特にそうだったな。他の者達も皆結構バラバラで、一見纏まりが無い様に見えるんだが…」
一呼吸置いて、口を開く。
「…そんな俺達は、皆あの方を護るという目的の元、一つになれた。いや、あの方に、俺達は皆惹きつけられた。そう言うべきか。」
「それが…」
「そう、劉備様。漢中王にして、俺達の…嘗ての主だ。」
そう言った趙雲の表情は、少し陰っていた。それは、後悔と自責。その2つが入り混じった様な、そんな表情だった。ここのえのスキルツリーに真名看破は無いぜ!(ドン☆)
>>769
>>770
申し訳ない、曖昧なデザインと情報だけなので真名当てにもなってないです……
『竜巨人ジーゲノート』
英雄たる王、ディートリッヒ・フォン・ベルンの伝承に出てくる巨人。
森に住んでおり、巨人たちの中で最も高く、更には全身を竜の血に浴びて如何なる武器も通さぬほど強靭な外殻に覆われている。
ディートリッヒに叔父夫婦を殺されており、鉄棒や巨木を武器に敵討ちに挑む。
キレたディートリッヒに炎を吐かれ皮膚が柔らかくなる、ジーゲノートが予め備えていた「角質に鋼を被せた巨大な盾」で殴り倒す、それでもディートリッヒは立ち上がり両者は三日三晩死闘を繰り広げる。
その末にジーゲノートはかの王を捕獲、しかし首をその場で落としはせず、武装を引き剥がして飼っているリントヴルムの巣穴に放り込み餌にしてしまう。
苔などで自身の傷を癒していると、ディートリッヒの後を追っていた王の師匠ヒルデブラントが住んでいる森に入ってくる。
これを迎え撃ち革紐で縛りあげるも、紐の耐久性が不安になり鉄の輪を取りに行ったのが運のつき。ヒルデブラントは抜け出し、ディートリッヒが所有していた名剣ナーゲルリングで応戦しようとしたジーゲノートの首をはね、ディートリッヒを巣穴から救いだしたという。>>773
雄々しい姿……!
そして今後の展開について、了解しましたでヤンス!第6特異点。モルガン以前に作られた妖精郷。
楽園の女王は、人理を貪る獣として顕現した。
「視えない……女王には……死が無い……!」
驚愕するランサーのサーヴァント。
その真名をエフネ。
巨人王バロールの娘にして、直死の魔眼を有するケルトの姫。
死を視る眼を持ち、あらゆる終焉(オワリ)を見続けてきた少女は―――今この時、初めて限界(シ)の無い生命を目の当たりにした。
これこそが、女王の有する獣としての権能にして、妖精としての異界常識の一端。
生命や物質は当然、大気、意思、時間、あらゆるものに存在する『死』の否定。
銘をネガ・タナトス。
妖精の女王、悲哀の人類悪―――死すべき定めの人々を憐れむ、憐憫の獣の有する異能である。
「んなあことはねえ。『死』ってのはな、この星が定めた全ての終わりだ。宙の彼方から訪れた奴らならまだしも、この世界から生まれたやつに死(それ)が見えないはずが無い」
その瞬間。静謐としか形容出来ない空気が周囲を支配した。
エフネのすぐ後ろにいる巨漢。それが自身の父であることを、娘は即座に理解した。>>779
「何故です……何故、お前がここにいる……! ―――お前は、私直々に殺したはずだ!」
女王の問に、男はニッと犬歯を見せて。
「ああ? 何故だ? そんなもん―――『サーヴァントとしての俺』が細工をしたからに決まってるだろうが。
こいつの眼は元々俺のものだ。直死の魔眼があるということは、その持ち主(バロール)がそこにいる、ってことにするくらい造作もねえ。種を明かせばなんてことはねえよ」
「と、父さん―――!」
感極まったエフネ。振り向こうとする彼女の頭に、巨人王は優しく掌を置く。
それは、父としての不器用な愛情表現でもあり―――今は前を見続けろという、戦士としての教鞭でもあった。
「馬鹿な……そのような巫山戯た理屈で、神霊が顕現するなど……!」
「するんだよなあ。抑止、根源、英霊の座。この星の最奥にある神秘の源泉―――少しばかり、俺はそいつと縁があってね。多少の無理は通るってわけだ」
慣れた手つきで指先を振るうバロール。
卓越した魔術の使い手でもある彼の挙動に、十、百、千―――万を遥かに越えるおびただしい量のルーンが展開される。
「良いでしょう。貴方が自身の理屈を通すのであれば、私も私の理屈を持って応えるのみだ。
―――我が領域(せかい)の幕をここに開きましょう。
意味などはいりません。皆が幸福であるなら、私はそれで構わない。
すべて一夜の狂騒ならば―――死すべし定めの夜の夢!」>>780
宝具開帳。これまで特異点として維持されていた妖精の都が、その真価を発揮する。
妖精のみが生存を許される世界。妖精以外の存在を許さない世界。
排斥という概念結界。妖精ならざるものを拒絶する世界に呑まれた父と娘は―――自身の周りのみを『殺.す』ことでその命を繋いでいた。
死の神バロール。彼が纏う神気は神々しい黄金でも無ければ、禍々しい暗黒でも無い。
色にするなら無色透明、どこまでも静謐で、どこまでもただそこにあるだけの死そのもの。
死と生は表裏一体、それを知っている彼女は今、感慨にも似た感情に浸っていた。
嗚呼―――生命の鼓動が聞こえる。
如何に神霊であろうと、ビーストを妥当するには足り得ない。
―――グランドサーヴァント。七つの人類悪を滅ぼすために顕現される、英霊の頂点に立つ七騎の英霊。
バロールは卓越した魔術の使い手である。魔術という神秘に慣れ親しんだものは、何れもある真意に到達するという。
―――無ければ、作ればいい。>>781
そうして彼女の霊基は新生する。先程もバロールが語った『知己である故の無茶』によって。
地表を覆う織物(テクスチャ)の証人たる聖槍遣いとして。
人々の理想郷たる常若の国(ティル・ナ・ノーグ)を人理の版図として定めた英霊(モノ)として。
憐憫のL、悲哀の獣ティターニアを打倒しうる冠位(グランド)のサーヴァントとして。
「―――試し打ちってやつだ。思うままにやってみな。細かい調整は任せておけ」
「わかった……やってみるよ。父さん―――魔眼、解放。全てを葬ります」
まるで散歩にでも誘うかのような口ぶりに、少女はこぼれる笑みを抑えきれなかった。
これがバロール。これが、自身の実の父。刹那に過ぎないこのやり取りが、今は何よりも心地よい。
初めて見た娘の娘らしい表情に、父の胸にはらしくない感情が満たされていた。
これがエフネ。これが、自身の実の娘。刹那に過ぎないこのやり取りが、今は何よりも愛おしい。
「圧縮、完了。月光、臨界。聖槍、抜錨―――秘されるべき最果ての塔!!!!」>>784
【固有スキル】
ネガ・タナトス:EX
憐憫の獣、悲哀の人類悪が保有する権能に等しい能力。
生命や物質は当然、大気、意思、時間、あらゆるものに存在する『死』を否定する。
ティターニアが保有する妖精としての異界常識、その一端。ティターニアはこれによって自身を不死として定義している。
これを破るには、権能にも等しい『死』そのものを、あるいは権能にも等しい『死をもたらす力』を求められる。
チェンジリング:A
2つの異なる者同士を入れ替える。俗に妖精と呼ばれることのある種が有することの多いスキル。
妖精の女王であるティターニアはこのスキルを最高ランクで有している。人間達の霊基を妖精のものと入れ替えることで、彼女を人々を救おうとした。
【宝具】
『死すべき定めの夜の夢』
ランク:EX 種別:結界宝具 レンジ:夢の中 最大補足:眠りについた人々
モータリティ・ミッドサマー。
妖精のみが生存を許される世界。妖精以外の存在を許さない世界。
排斥という概念結界。妖精ならざるものを拒絶する世界。
極めて強力な代物だが、結界の常として空間破壊には耐性がない。>>785
【解説】
ウィリアム・シェイクスピア著『真夏の夜の夢』に登場する妖精の女王。妖精王オベロンの妻であり、奔放なオベロンを註する制御役。原義通りの女房といって差し支えない。
人とは異なる種族としての視座から人々を憐れむ女王。
彼女は人との関わりが強く、それ故に自身と関わりを持つ人々を愛した。
彼女は人の死を哀れんだ。彼女は人の死を悲しんだ。彼女を塗りつぶした悲哀という感情は、やがて彼女に人類愛を芽生えさせた。
お前達は哀れです。お前達は愚かです―――故に、私はお前達を愛しましょう。
この人類史に住む全て、皆私の子になりなさい。
愛を与えましょう。喜びを与えましょう。
定命の身には有り得ない―――不死という祝福を与えましょう。
全ての生命を妖精に変える―――彼女の覇道(ユメ)は、人を生かしながら、人の歴史を滅ぼす魔業である。
愛をもって現在の人類史を滅ぼそうとする獣。
女王という立場も、妖精という種すらも、彼女にとっては偽りである。
其は人の死によって生まれ、最も積み重ねた歴史を滅ぼす大災害。
其は大いなる獣セリオンと対を成す、憐憫の人類悪ティターニア。
妖精郷から生まれた、悲哀の獣である。それは唐突な警報であった。
シバの観測によって発見された予期せぬ特異点。
これを見たヨハン・ナウマンは至急、全スタッフを招集して事の経緯を説明する。
「新たな特異点が発見された。場所は西暦以前の北欧────神代のスカンディナヴィア。これ以上の事は判明していない。西暦以前の観測が難しいことが影響しているのは確かだが……それ以上の非常事態がカルデアスから検知されている」
ナウマンが説明した通り、疑似天体には人理焼却の反応から別種の反応が検知されていた。
「人類史を焼き払う事によって失われた未来が、何かしらの形で変異している。燃え盛る赤から、無垢でなんの生産性もない無色(なしいろ)が侵食していく様は、異常事態と言う他ない。今回のミッションはこの特異点の謎を解明し、人理侵蝕の原因となったものを摘出する事になる」
「……神代か。以前レイシフトしたレスボス島は紀元前ではあったが、神代という訳ではなかった。今までのように行けば────」
「間違いなく、神代の空気に耐えられなくなるな。少なくとも元々一般人だったフェリーペには厳しい環境になる……だからそんな事もあろうかと、ミケランジェロに密かに作らせていた第五真説要素環境用魔術礼装を用意している」
「準備が早いな」
そんな訳でレイシフトの準備を完了させるフェリーペとメンテー。
「念の為にもう一度通達しておく。今回お前たちの向かう特異点は西暦以前の北欧、神代のスカンディナヴィアだ。紀元前である以上はこちらからの観測が難しくなり、霊脈を見つけなければ通信も叶わないものだと思え。そして何より、神代での特異点は何が起こるのか予想がつかない……決して警戒を怠るなよ」
「「はい!」」
────アンサモンプログラムスタート。霊子変換を開始します。レイシフト開始まであと3.2.1……
全行程 完了(クリア) グランドオーダー 実証を開始します────。>>796
◇◇◇◇
────長く、辛く、そして絶望ばかりの旅路になる。それでもお前は行くのだな? あの時誓った、たった一つの約束の為に。
そう問われても、己の決意は変わらない。
どんなに月日が経とうとも、どんなに時代が変わろうとも……どんなに世界を移していようとも、自分のやるべき事は色褪せず。
かつての贈り物を、それに見合うだけの戦士へと自身を駆り立てて、絶対に成し遂げなければならない。
────では、お前にこれを託す。あの王と対峙したいのであれば、必要不可欠になる代物だ。ただし、これを使うにあたって────。
覚悟は決まっている。
この身に部不相応な力なのは、身に余る呪いである事は理解している。
けれども、たとえ魂を崩壊させる程の重責であったとしても、僕は必ず────この手で血讐を果たすのだ。
────見届けよう、お前の旅路を。その軌跡はやがて如何なる運命へと至らしめる道筋なのか……他の誰でもなく、私が見届けよう。>>797
◇◇◇◇
レイシフトした先で目にした光景は、一面いっぱいの雪原。
白銀の世界に舞い降りたフェリーペとメンテーは、取り敢えずとばかりに周囲を警戒するように見渡し、地形を確認する。
「もしかして、あれじゃないか?」
フェリーペの指差す方向には、遠目でも視認できる程に輝く光の壁のようなものが見えた。
「明らかに怪しいな。取り敢えず、あの光の壁まで行こう」
盾に収納されていた礼装を取り出し、それを起動させて二人乗りようの二輪車に変形させる。一応これはミケランジェロの発明品である。
騎乗スキルを有しているメンテーが運転を務め、フェリーペは周囲の警戒を続けながら辺り一帯の情報を収集していた。
道中、見たことのない生物や巨人種らしきシルエットも発見したが、接触したら厄介になると踏んだのでそのまま礼装で突っ切る。
ここで、ある事に気がついた。
「なあ後輩。私の気のせいかもしれないが、あの光の壁に近づいている気配がまったくと言って感じられない。ただ距離が空いているだけかもだが……」
「いや、俺も薄々感じていたよ。周りの景色を見るに俺たちは確かに移動しているけど、あそこだけこっちが動く度に距離を取っているというか何というか……上手く説明できないな」
「それはそうだろう。あれは光の断層、最果てを体現した異界領域の壁なんだからなぁ。ちっぽけな人間様じゃあ、どう足掻いても辿り着けない忌々しい領域だよ」>>804
おまけに妙な知恵を働くことの無いというバーサーカーのクラス!ガハハ、勝ったも同然ぞい!
(なお、扱いやすさと倫理観と精神構造)
巨人族って良いよね……良い……>>805
「ダーハッハッハぁ!毛虫がひっついちまったお姫様みたいにメソメソしてらあ!」
ちょっとジーゲ~、ディートちゃん泣いちゃったじゃん~!
なおこやつ、「竜属性+巨人属性+悪属性」だからまあ特攻が入ること入ること感想ありがとうございます
ぐれお完結させる前にビーストの片割れは出したかった……
>>790
Replicanteに対するLieはずっと考えてました
死すべき定めは原典にも出てくるんですけど響きがいいですよね……
>>792
シンプルな能力故に強いってのはどこの世界でも共通ですね
>>794
自分もこの2人の共闘はずっと書きたかったです
も、申し訳ない……バロールに関してはサーヴァントとしてのバロールが生前のバロールを呼ぶ仕込みをしたってことにして大丈夫ですか……? ルーンは修正しときます……
>>804
親子もそうですが、色んな形で絡ませて頂けるのはありがたいですね
ティターニアは原典の段階で人に対する憐憫を持ってたので仰るような形になりました
>>807
親子の共闘はいい……
そうですそうです。旦那も(と言うよりは旦那の性質も)意識した結果Lieになりました>>813
始まりは、ごくいつも通りの出来事だった。
微小特異点観測の警報を受け、指令室に集合。相棒である『センパイ』とブリーフィングを受け、そのまま現地へとレイシフト。
南極のカルデア時代から繰り返してきた流れで、今回も何の支障もない……筈、だった。
『な、何事かね!? この警報は一体!?』
『レイシフト中に異常反応! 何らかの干渉を受け、フェリーペ・メンテーの両名が引きずり込まれています!』
『引きずり込まれるって、一体どこに!?』
『分かりません! こちらからの対抗処置、一切無効! 駄目です、引き剥がされます!』
『フェリーペくん、メンテーさん! 応答してください、応答――!』
突如発生した異常事態。懸命に対処を試みたスタッフ達の努力も空しく、二人はレイシフト最中にして離れ離れにされてしまう。
そして引き剥がされた内の片方、フェリーペは――
「ど。どうなってるんだこれ――ッ!?」
現在進行形で空中落下の真っ只中だった。
地上との距離は目測で1000メートル。当然この高さからまともに墜ちれば命はない。
魔術師であれば重力軽減魔術などを駆使して間一髪生き残る術もあっただろう。だがフェリーペは魔術師ではなく、またパラシュート等の降下装備もない。付け加えれば、礼装にもそんな機能は搭載されていなかった。
率直に言ってしまうと、詰みである。>>814
「くっ、そ……! なんとか――なんとか着地する手は――!」
それでもフェリーペは諦めていなかった。
空中で姿勢を変えたり、あるいは両腕や両足を広げる事で落下速度を少しでも落とそうとして、思い浮かぶだけの手を尽くす。
無論、結果は変わらない。どうあがこうとフェリーペに生きて地上へ着地する手段はなく、また必然死の運命も変わらない。
地上との距離が瞬きの間に縮まり、やがていよいよ落下先の地面がはっきりと見えてくるようになって。フェリーペ自身も絶望しかけたその時。
「――あっぶなぁ。あんた一体、何考えとんねん?」
ガクン、と。さながら急ブレーキを掛けられた車の如く、フェリーペの身体が宙に留まる。
「か、はッ!?」
急激かつ無理な減速に全身を衝撃が貫き、フェリーペの身体がビクンと跳ねる。肺の中の空気を全部押し出されたような感覚、失神しないのはまさに奇跡だった。
「あ、しもた。もうちょいゆっくり掴まなあかんかったわ。おーい、大丈夫かー?」
フェリーペを助け――一応、助けたと思しき何者かは、あくまでも呑気な声で呼びかける。
一方フェリーペはと言えば、沈黙を保ったまま。というか、全身に走った衝撃と急な状況の変化に理解が追い付けずにいた、と言うべきか。
とはいえ、いつまでも黙ってばかりではいられない。ひとまず片腕だけでも動かして無事を伝えられないか、と。右腕を動かそうとした時――彼は、ふと気づいた。>>815
右腕が動かない。というか、全身の至る所が動かせない。
折れたとか千切れたではなく、目に見えない程細く、それでいて強い何かに拘束されているような感覚。それに思い至った時――フェリーペはようやく、自分が文字通り空中に拘束されているという事を自覚した。
さながら、蜘蛛の巣に囚われた羽虫状態である。
「いやーごめんなー? なんか上に気配感じるおもて見上げたら、あんたが空から降ってくるんやもん。咄嗟に糸広げて受け止めたはええけど、捕まえるのが手一杯やったねん。手荒だったのは堪忍な」
飄々と、あるいはぽやぽやと。緊張感があるのかないのか分かり難い口調で、何者かが近づいてくる。
やがて、フェリーペから見て右手側の方に人の気配を感じ――そちらを振り向くと。
「おっ。けどまあ、見た感じ無事そうやね。よかったぁー、見殺しにならんでほんま安心したわぁ。すぐ引き上げたるから、ちょい待っててな」
――そこにいたのは、銀色に輝く糸を手繰る少女だった。
どこかの学校制服だろうか、上下共に揃いのブレザーとプリーツスカートを纏い、ビルの上からフェリーペを見下ろしている。独特な髪型は本人の動きに合わせてひょこひょこ動き、さながら猫のような印象を感じさせた。
「ほな。よっこら、しょっと」
「――――えっ? う、うわっ!?」
少女が軽く両腕を上げた。たったそれだけにしか見えない動きで、フェリーペの身体がぐんと持ちあがる。そのまま少女のいるビルの上まで運ばれると、今度は丁寧に、かつゆっくりと着地させられた。>>816
呆然とするフェリーペを前に、少女は彼の身体をジロジロと見回し――やがて、見た目に何の異常もないと分かると、夜闇にあってなおはっきりわかる程の笑顔を浮かべた。
「うん、何の異常もなし。反応なかった時はちょい焦ったけど、どうやらほんまに大丈夫そうやね。とりあえず、おめでとさん」
「え、あ、うん。いやはい? あ、ありがとう……」
青年を置き去りに、何やら納得した様子の少女。
目まぐるしく変化した状況に、ほぼ置いてけぼり状態だった青年。
これがカルデア最後のマスター、フェリーペ・ジョージ・デ・サントと、微小特異点における導き手である少女――加々見梓とのファースト・コンタクトであり。
この特異点における、長い長い悪夢の夜の始まりでもあった。>>819
まあある意味運命と言えば運命ですな。特異点ガイド的な意味で
ちなみに言っておきますと
今回のこれは特異点となっておりますが、サーヴァントは一部を除いて出てきません
どういう事なのかは今後語られる内容にて…>>823
Fateと言ったら運命の構図
運命の構図と言えばFate
二次創作者でも一度はやりたいこの構図ですふふふ……
ロゼ&プルフラス共々、あたいん家の教会勢はふわふわ……!>>834
せやせや……!
それはそうと、やっぱり教会側に目をつけられてしまうかしらと不安になったりなんだり>>834
一介の代行者ではあまり特殊性の強い武器が配布されることは無さそうですね。ノエルのハルバートもそんなに特別ではなさそうだし、特殊性と言えばハンザのサイボーグ武装ですが内容は第七聖典みたいな特別ではないですね。
シエルのゴツい巨大銃やだんびらみたいな武器で戦いを書いてみたい願望はありますが。整合性取るのは難しく悩ましい。■略式祭壇
聖堂教会の代行者・クレアが保有する概念武装。通称アゼル。
あなたの神,主は焼きつくす火。
主は火と炎をおのれのしもべとされる。
万軍の主は焼きつくす火の炎をもって臨まれる。
主は火の中にあらわれて来られる。
聖書における「火」は浄化、あるいは力の象徴とされる。高度な火葬式典の使い手のみに使用を許される火属性の武装。
二つ一組のトンファーガン。殴打することで魔力を発生させ、殴った死徒を発火させる。射撃の反動を利用した一撃は最大10トンの膂力を発生させる。
単独でも運用は可能だが、その真価は二つのトンファーを融合させることで発揮する。
30cm口径の炸裂弾を発射する砲台・殲滅火砲形態「セルファム」
666本の黒鍵を同時に発射するバリスタ・殲滅飛翔形態「エゼキエル」
そして、超高熱を宿す穂先によって全てを灼き尽くす破城槌槍・略式祭壇形態「アンテペンディウム」などが存在する。
聖堂教会らしい(?)超兵器だが、核の上では正式外典や第七聖典には及ばない。
代行者の武装ならこういうのが……>>843
な、なるほどなるほど……(ドキドキ)>>852
やはりそこら辺の調整は難しいところですよね。混合し過ぎたら「それそのキャラである必要ある?」になるし、その英霊の持つ要素を使う……けれども全乗せだったら「それはサーヴァントじゃくて英霊じゃん」とも突っ込まれかねない。
なので私は修行を兼ねて南米へ行くことにした。wiki周瑜の武器とか許褚の樊噲スキルにスーパーアーマー的効果追加とか更新しました。
Wikiのビートル、景清、ビオランテのテキストを加筆修正しましたー。
短いですが、昨日投稿したSSの続きが書けたので投下します
今なら人も少なそうですし>>857
「ほな改めて。うちは加々見梓(かがみ・あずさ)、あんさんの名は何て言うん? 見た所、外人さんぽいけども」
「あ、ああ。俺はフェリーペ、フェリーペ・ジョージ・デ・サント。フェリーペって呼んでくれ。カルデアって所でマスターやってる、しがない元一般人さ」
「かるであ? ますたー?」
耳慣れない単語に目を白黒させる加々見。対するフェリーペはやべ、と口を滑らせた過ちに気づくが、当の本人はさして気にするでもなくマイペースに動いた。
「うーん。まあ詳しい話は後にしよか。とりあえずこの近くにうちらの拠点があるから、そこでゆっくり聞かせてくれん?」
「えっ」
思わぬ提案に、今度はフェリーペの方が動揺する。
命の恩人とはいえ、ここは一応敵地。そうほいほい従っていいものか。
さりとて拒んだ所で他に行く当てもなく、またこの特異点の状況も分からないまま。
「え、ええと。そうだセンパイ! センパイはどうす――」
いつもの癖で、頼れる相棒に相談しかけた瞬間。フェリーペはようやく重大な事に気がついた。
すなわち。その相棒――メンテー・プルトランプの姿がどこにも見当たらないという事に。
「センパイ……? センパイって、誰の事?」
一方、加々見はきょとんとした顔でフェリーペを見つめる。元よりカルデアでの彼らを知らない彼女に、この状況の異常さを気づける筈もなく。
そして。結果的にだが、その態度はフェリーペの焦りを加速させる羽目になった。>>858
「あ、あんた! 俺の他に、もう一人落ちてきた人影を見なかったか!? ちょうど、あんたより少し背が低い感じの女の子とか!」
「うえっ!? そ、そないな事急に言われても……。少なくとも、うちが気づいた中で落ちてきたんは、君一人だけやったで?」
「ほ、本当に!? どっかに落ちた音とか、そういうのは聞いてない!?」
「ほんま、ほんまやって。ていうか、そんなのが落ちてきたら絶対気づくし、見落とさへんよ。うちはのんびり屋やけど、盆暗やあらへんと……まあ、その。一応は思っとるで?」
「――っ!」
「あ、ちょっと!?」
最早加々見の事は眼中になかった。
とっさにビルの上から地上に目を配るが、眼下は闇に満たされており見通せない。それでさらに、今が夜である事に気が付くものの、気にしてる暇もない。
焦燥のままフェリーペは周囲を見回し、やがて『あるモノ』を捉えるとそちらへ一目散に駆け出した。
そしてそのまま、『数階建てのビルの上から』勢いよく跳躍する。
「ちょっ、マ――!?」
背後から、割と本気で慌てふためく加々見の声が聞こえたがフェリーペは止まらない。
先程まで落下していた距離に比べれば低いとはいえ、それでも数十メートルから百メートル以上は優にある高さのビル。普通に飛び降りればよくて骨折、最悪の場合死に至る危険さえある無謀な行動だ。
そう。彼が――フェリーペ・ジョージ・デ・サントが『普通の人間』であったならば。
「ッ、フッ――!」
「嘘ぉ!?」
直前に捉えていたモノ――向かいのビルに接続されていた、排水用の鉄パイプ。それを片手で掴み取り、さらに両足はビルの外壁にぶつけて着地の衝撃を受け流す。そのまま数メートルほど重力に引かれずり落ちる所を、今度はビルの壁面を跳躍――すなわち、先程までいた側のビルに向かい弾かれるように異動する事で回避する。
後はその繰り返しだ。さながらどこぞの配管工か、あるいは一流のパルクーラーか。常人離れした運動神経と脚力は彼の思惑に見事応え、主を無事地面に降ろしてみせた。>>859
厳密に言えば、鉄パイプをずり落ちた時の反動で手の皮が若干――いや結構剥けていたが、フェリーペにしてみれば問題にもならないダメージだった。
「センパイ……センパイ――!」
何しろ、今の彼の心中はそれどころではなくなっていたのだから。
一方、その様を呆然と見つめていたのは加々見である。
「うっわー……なんやあれ、あんな動きできる人がうち以外にもおるんか……。いやそりゃあ、うちだけの得意技やない自覚はあったけども! だとしてもすごすぎやろあれは!」
彼女が見てる目の前で、地面に着地できた――フェリーペは、血相を変えたままどこへ向かうでもなく走り去っていく。その動きに秩序だったものや冷静さは見られない、完全にパニック状態のそれだった。
このまま放っておけば、遠からぬ内に彼女の視界から外れ、やがてどこへ行ったのかも分からなくなるだろう。
それは――それは。彼女(かがみあずさ)にとって、大変よろしくない。
「せっかく人が助けたっちゅうに、話も聞かんと……こら、一つ本気にでもなろうか――」
と、そこへ。スカートの腰ポケットから、震動(バイブ)が伝わってくる。
マナーモードにしていた携帯端末からの着信。彼女は少しだけ顔をしかめると、端末を取り出し通話マークをプッシュする。
相手は彼女もよく知っている、同居人のものだった。
「もしもし? もう、なんやねんなこんな時に。こっちは今忙し――え? 『いつもの巡回にどんだけ時間かかってる? もうそろそろ帰ってきてくれ』? ちょいまち」
自分の左手、そこに回してある腕時計に目を向ける。
時刻は22時50分。事前に取り決めた巡回時間は22時30分までで、出発したのが21時30分頃。どう見ても30分以上の時間オーバーだった。>>860
あちゃあ、と加々見は心中でのみ舌打ちする。
思えばビルの上から順繰りに街を見回り、そろそろ帰ろうかと思ったのが22時25分ごろ。そこでふと気配を感じ、頭上を見下ろした結果がさっきまでの流れであって……
まあ、それだけの時間が流れるには十分すぎる出来事だった。
「ごめん、こっちでちょっとえらい出会いがあってん。その解決にもうちょいかかりそうなんで、待っててくれん? え? 『何があったか説明しろ』? うん無理、後でまたかけ直すんで堪忍な!」
半ば強引に端末を切り、彼女もまたビルの上から飛び降りる。
両手に握りしめた銀糸を感じ取りつつ、世話が焼けそうな闖入者を追いかける鬼ごっこが幕を開けた。
短いですがここまで
思ったより話を動かせなかった…単発リレーネタ、「使い魔制作のやり方や拘りポイント談義」を投下する。
>>865
ここでも度々見たことある広告~!
蛙といえば蝦蟇仙人ニンニン>>870
何を買おうか懸命に悩むおチビとそれを微笑ましく見守る保護者……イチャイチャを書くのは、難しい、のお…
プルフラス(ハロウィン)「そこにいるのは我が友ではないか!一緒にこのもちもち白たい焼きを、」
ルドルフ2世(ライダー)「?」
プ「あ……す、すまない。クラス違いであったな……」
ル「……では!今からルドルフ2世と君は友達になろう!改めてよろしくね!」
プ「!!……うむ!」
みたいなのくださいサクッと特異点ネタの続きを投稿しておきます。
突如として現れた男により、フェリーペとメンテーは光の壁とは逆方向へと連れていかれる事になった。
色々とツッコミどころはあるが、有無を言わせない妙な圧力によって何も言うことができず、沈黙したまま引っ張られる事態に。
横暴でやり口が悪っぽいそれなのだが、カルデアに敵意がなかったので敵ではないのだろう。
「さて、改めてお前たちを歓迎……したいかどうかはさておき、待っていたのは事実」
移動は一瞬のうちに終わった。知らぬ間に景色が移り変わっていて、次の瞬間には雪原が街並みに変わっていた。
魔術か何かで転移したのだろうと予想はつくのだが、ここまで高度なものとは予想外でメンテーは驚愕するばかり。
「ここは……?」
「ここはシグトゥーナ。かつて神々が根城にしていた都市なんだが、今現在はオレが対“輝王”の前線基地として有効活用してやってる訳だ」
「輝王? 前線基地ってどういう……」
「つもる話は城の中でだ。連行して早々に騒々しいかもしれんが、時間が惜しい故に余り悠長にしてられんのでなぁ」
そそくさと城の方角へ向かっていく男の後をつき、城の中に入って彼らを待っていたのは────。>>877
「主! どこをほっつき歩いていたのですか! 急にあなたがいなくなったものですから家臣たちは大慌てですよ!」
「客人を迎えに行っただけだ。その程度のことで一々騒ぎ立てるな木偶坊。仮にも俺の秘書を務めようというのなら、相手を蔑んだ視線で見下せるくらいの余裕を持て」
「あなたと一緒にしないでください!」
慌てた様子で登場した女と口論を繰り広げ始めたので、困惑するカルデア組。
一通り言い合った後、女は次の瞬間には落ち着いた雰囲気となってフェリーペとメンテーに視線をやる。
「……彼らが、ですか?」
「そうだとも。巫女が予言した人理を救う星見。数多の人類史を巡礼し、災厄を鎮めた者共こそが奴らだ」
いつの間にか玉座に腰を落としていた男。
ここまでの物言いに、そろそろ正体は一体誰なのか気になってしまう。
「その眼差し、オレの正体が余程気になるようだなぁ? では手始めに、オレと一戦を交える事で自らの価値を示してみるがいい!」
「ちょっ!? 色々と唐突過ぎる! 輝王の説明とかは!?」>>878
────Grand Battle────
「ふむ、こんなものか」
「な、なんて魔術だ。これが神代の魔術師の力……」
「センパイ、大丈夫か?」
西暦以降の魔術師とは根本的に異なる魔術により、割とボロボロになる程の激戦を繰り広げたカルデア。
しかしながら、当の魔術師である男は余裕を見せつけるように頬杖をつき、尚且つ無傷であった。
「相変わらずのデタラメ加減ですね。力を示さずとも、数多の特異点を乗り越えた点を鑑みれば必要なかったのではないでしょうか?」
「否。“この程度”の踏破すらできぬのなら、人理を救うなど夢のまた夢。此度の敵は少しばかり煩わしい手合いだ、生半可な実力では砂かけすら儘ならない」
「……否定はしません」
「という訳だ、人理の星見共。中々に無様で痛快な足掻きを見せてくれたお前たちを歓迎しよう。先ず初めに霊脈の接続を許可しよう」
「え、あ、ありがとうございます」
今まで下手に出てしまっているが、結局のところこの男は誰なのだろうと思いながら霊脈確保に勤しむ。>>879
『ようやく繋がったか。じゃあ、現状の報告と特異点の状況を────』
「お前……否、貴様がカルデアを指揮している者か。ふむ、そうかそういう事情か。中々に愉快な事になっているではないか」
「主、言葉の途中でチャチャを入れるものではありませんよ」
『────どうやら、協力者は確保できたようだな』
ナウマンとの通信で、これまでの経緯を話す。
『成る程、こちらでも座標を確認した。確かにそこはかつて北欧の神々が住処としていた古きシグトゥーナで間違いないようだ。それでそこの協力者……男の方は人間のようだが、隣のいる女の反応は……サーヴァントだな』
「はい、主の召喚に応じましたサーヴァント・エイルと申します」
『エイル……北欧神話のワルキューレ。しかも医術の女神と来たか。完全な神霊ではないとはいえ、高位の神性を召喚できるとは……神代の魔術師に加えてスウェーデンを統べる王となれば、そいつの正体は一人しか考えられない』
「考察力が高く手間が省ける。別段隠すつもりはなかったが、少し興が乗ってしまってな。では耳をかっぽじって矮小な脳に刻むといい────オレはギュルヴィ。お前たちが到来するその日まで、着々と準備を進めてやった投資者だと思うがいい」>>883
時間になったので投下!
徳川慶喜の裏切りであの戦いは新政府軍の勝利に終わり、そこから新撰組は下り坂を転がり始めた。
何で僕は暗殺計画を立てなかったんだか……。
京都にいられなくなった新撰組は江戸へと敗走。
そこで何が悪かったのか、それとも慶喜への怒りを発散させる方法が思いつかずに血迷ってしまったのか、僕は勇殿達と意見が衝突したのが切っ掛けであろうことか袂を別ち、新撰組を抜けてしまった。
靖兵隊を結成してあがき続けたけど、任務で米沢藩に出張していた時に会津藩の降伏を知ったのが決定打になったんだ。
もはや戦い続ける理由無しと悟ってしまった僕は江戸へと帰還し、松前藩への帰参が許された上に150石の石高まで与えられたよ。
だけど素直に喜べなかった。
新撰組と袂を分かってしまった僕に、どうやって喜べって言うの?
僕の幕末と戊辰戦争はきっと、僕自身が新撰組を抜けた時点で終わったんだろうね…………。>>886
ただ、明治時代では政府の陰謀なのか新撰組に対する世間のイメージは『悪の組織』出、それだけは我慢ならなかったけど、解決策が思いつかなくて悩みの種になっていたんだよね。
家督を相続してから2年後に、回顧録『浪士文久報国記事』を書いたけど、政府の手で闇に葬られる危険性が頭をよぎったのもあって世に出すのは、二の足を踏んでいたのもあるかな。
今は北海道大学って名前になってる、東北帝国大学農科大学の剣道部の指導を引き受けてからしばらくして、絶好のチャンスが訪れた。
小樽新聞の記者の協力を取り付けて、大正2年に『新撰組 永倉新八』の連載を始めたんだ。
効果は覿面!
すぐさま新撰組の再評価が加速してさ。
残念でした、薩長のあーぱー共!
新撰組の生き残り舐めてんじゃねーぞ!【氏名】右潮 緒十(うしお おと)
【性別】男性
【年齢】20歳
【出身】日本、T県(離島出まれ)
【身長・体重】169cm・58kg
【肌色】白【髪色】空色鼠【瞳色】マリンブルー
【スリーサイズ】//
【外見・容姿】ラフな格好の青年
【令呪の位置】海の波のような紋様
【属性】中立・善
【魔術系統】流魂魔術、海流操作
【魔術属性】潮
【魔術特性】満干
【魔術回路】質:EX 量:C 編成:異常(海の概念に偏重)
【起源】海
【所属】フリー
【階位・称号・二つ名】
「環海人」>>897
【契約サーヴァント】
【魔術・特殊技能・特性など】
『環海人』
体内の血液と呼ばれるものが全て「海水」な人間。
緒十の生家である魔術家が代々伝えてきた「太古の海水」。強力で鮮烈な神秘を有する特殊な魔術礼装とも謂えるそれを、胎児として母親の胎内にいた頃に注がれ、形成途上の身体はより強い神秘に血液の器官は淘汰され、適応進化した。その結果である。
現代を生きる人間という枠に収まりながらも、魔術回路の質は現代では有り得ない神秘性であり、起源はそれがためか「海」に変じ、魔術属性も「潮」へ、構成も海に纏わるものへと偏った。
これにより、彼は海に纏わる魔術、事象へ異常なまでの適性を持つ。水泳は習ってもいないのに────というか型らしい型もないのに常人の技量を優に超し、潜水となると待ちぼうけてしまうほどに潜る。
海流操作はその適性の顕現の一つで、海水限定ではあるが海の流れを自在に操る。緒十の場合、海と会話しているくらいのもの。量が人間の枠にあるため大規模な使用(大津波を起こすなど)は不可能だが、ヒト一人を波に攫い溺れさせるくらいは容易。
緒十は故に海を愛する。故郷のように慕い、海中に沈む様は安らぎに満ちている。しかし一方で、彼は海を疎んでいる。海流操作を使用したり、泳いだりする度に緒十の体内の海水(けつえき)は海へと流れ出ようとするために。ややもすれば、自分という存在も流れ出て海に溶け込んでしまいそうなことに。
『流魂魔術』
この魔術を扱うものは水属性でなければ真価を発揮できない。
水属性と死霊魔術を組み合わせた魔術であり、ステュクスや三途など、冥界や死と生の境などに流れる『河』という概念を根幹に置いている、
緒十の生家はこの魔術を隔年のうちに根幹を『河』から『海』へと移した。即ち、幽明の境を意識するものから不可知の深海と生命の源とされるものへと変じさせたのである。
死霊魔術を汲んでいるため、使い魔も屍骸、骨子を使って生まれたものが大半。それも、海中に生きた魚類をベースにしている。そのため、全ての使い魔が海中などの海に属するフィールドにおいて強いアドバンテージを持つ。>>898
主な使い魔としては
・『流氷精』
クリオネをモチーフにした使い魔。
全ての使い魔のうち最小で、そのため偵察などに使われる。
また、モチーフとなった生物の生態的特徴を模した結果周囲の気温を下げる能力を持つ。下げると言っても極端な気温操作は不可能で直接的な効果は期待出来ないが、夏場にクーラー代を浮かすのに役立つ。
・『海月骨』
クラゲをモチーフにした使い魔。クラゲに骨はないので、この使い魔だけ唯一骨ではなく水の入ったコルクの小瓶に収納されている。
素早さはないが、ふわふわとしていて当たり判定が大きい。麻痺毒などを有しており、当たり判定内に入った者に毒をぶつける。また、水を中心に作られているため、物理的な攻撃では倒すことは難しい。
・『神社姫』
リュウグウノツカイをモチーフにした使い魔。
隠密性が高く、人や物の陰に潜むようにして行動する。
リュウグウノツカイは古くより地震などの天災を予知する力を持つとされており、この使い魔もそれに即した周囲の罠などを検知する機能がある。「神社姫」というリュウグウノツカイと関連づけられる伝承を模してもおり、その伝承見たく主に向けられた呪いや病毒などを肩代わりする力も持つ。
・『萬年橋』
カメをモチーフにした使い魔。
移動速度は元の生物通り緩慢で鈍い。攻撃能力も備わっておらず、戦闘能力は流氷精を下回って最弱。
しかし代わりに防御力に優れ、手榴弾如きではびくともしないほどの堅さを有した盾を自身の甲羅を中心として展開する。>>899
・『黒白幕』
クジラの使い魔。
体積、攻撃力、破壊力、そして保有する神秘におい傑出したもので、またその誕生経歴から他の使い魔とは一線を画す存在である。
そもそも、このクジラは「鯨憑き」と呼ばれる憑き物筋の一族に憑く存在であり、使い魔ではなく歴としたいち生命である。その憑き物を、緒十の祖先の魔術師が憑き物筋の人間と交渉し、その者が逝去した際に血脈を辿り別の人間へ移るところを一族で保管していた太古の鯨の骨へ憑かせた。そして鯨と契約を交わし、擬似的な使い魔の範疇へ収めたのである。
古代の鯨骨は古より生きた鯨には相性が良く憑き心地も良好なようで、それらが掛け合わさり有する神秘も倍増したらしい。また、躯体は屍骸でありながら中身である鯨は生きているため、死霊魔術の使い魔にも関わらず死霊の判定には入らない。
契約の内容は、使い魔として主の命令を聞く代わりに、使い魔としての生命の存続を保障すること。定期的に海などに行き、そこに漂う魚や人の霊を喰らうを容認し、協力すること。そのため、現在の主である緒十も、週に何回か海へ行けるような位置に住んでいる。
単純な力強さもさることながら、喰らった霊たちを自身の中で蓄え、練り込み、いざと言う時はそれを大爆発させるという特殊な能力も持っている。その火力は非常に高いが、相手を選ぶことはできず、本来主が守りたいものや主自身も巻き込んでしまう恐れがある。また、使用した場合その後数時間は活動ができないという決定もある。
となっている。因みに、普段はそれぞれ一本の骨に他の骨子が格納され、腰に提げたポーチに納められている。
【礼装・装備など】
【外見・容姿の詳細など】
お古のジージャンにサイズでかめの古着屋購入のTシャツを着た男性。
服装はボリューム感がありゆったりとしたものが多いが、本人の容姿はというとどちらかというと儚げ。透明感のある、というか血色悪くも見受けられるような色白な肌と、癖があるのに質感自体はしっとりとした空色鼠の髪。垂れ目がちで浅瀬の水を汲んできたようなガラスにも似た澄んだ眸は服装や本人の人格に似合わず神秘的で意味深長な気配を持つ。>>900
【人物像】
マイペースで楽観的。大局的な見方が出来る割に目先の事柄への感情を優先してしまいがち。
周囲の空気を読む…というより周囲の空気に馴染むことが自然と多く、明るく賑やかな場では彼も明るく賑やかに、悲しく静かな場では彼も悲しく静かに、というようなその場その場の雰囲気を侍らす。本人は変えようと思って変えているつもりはないらしい。
集団内ではそのような感じだが、一対一などでは前述したマイペースさが如実に現れる。しかしマイペースなだけで性質は優しいもので、助けを求められれば応える人間。マイペースさは、その際の手助けの方法に表出する。
イメージカラー:マリンブルー
特技:水泳、潜水、水彩画
好きなもの:海、甘夏ミカン、シーグラス、ラムネ、醬油ラーメン
苦手なもの:海、塩辛いもの、健康診断
天敵:電気系の魔術師
願い:特になし>>901
【一人称】おれ 【二人称】あなた、きみ、あんた、○○さん、○○くん、○○ 【三人称】彼、彼女、○○さん、○○くん、○○
台詞例
「おれ、右潮緒十って言います、よろしく!」
「おー?おれと水泳で勝負しちゃうの?良いよ良いよー、負けても恨みっこなしね」
「バイト終わりのラーメンは美味しいねー。ひと泳ぎした後のラムネぐらい幸せだよ」
「ほんとうはこれ、使いたくないんだけどね」
「いやいや、こんなの要項に書いてなかったよ…!あー、もう…疲れたぁ…」
「…はは、びっくりした?…そうだよ、海水。塩っ辛くて、透明で…それだけ、だよ」
「水(あお)は彼方よりやって来る」
「潮(あお)の神秘はそこにある」
「ここでは皆、すべてが神秘」
「釣竿も」
「懐かしき耳も」
「サイフォン瓶も」
「足元揺らす生命も」
「人目盲する海(あお)の月」
「おれの命(あお)も、また神秘」>>902
【来歴】
古く小さなとある島の魔術家の生まれ。海に纏わる魔術への適性を見出された彼は、人としての生命を形作るよりも前に前述した生態の改造を施され、血液という生命の象徴と引き換えに流魂魔術や海流操作などへの類を見ない才を手に入れた。
孤立を深め、斜陽の道を行く魔術家は彼を一流以上の魔術師へ育てるべく、その日々を魔術の研鑽に宛がった。
来る日も来る日も鍛錬の毎日。別に嫌ではなく、苦しいとも思わなかった。しかし、彼は一日一度は行く海のその先を、いつしかぼんやりと望むようになった。そして10歳になるかならないかといった時分、使い魔である黒白幕に餌を与えるために海に入り────そのまま、揺蕩うままに波に乗って島を、家を後にした。
辿り着いたのは遠く本州の某海岸。偶然に通りすがり拾ってくれた老夫婦に頼み込み、育ててもらうことになる。高校時代に夫婦が相次いで亡くなったために大学へは進学せず、今は老夫婦の遺したマンションの一室を継いでフリーターとして生活をしている。
【性格】
単純で気まま。常に自然体で、喜怒哀楽を忌憚なく明かす。良くも悪くも直観的で純粋。それこそ純水のようで、何もかも透かすような雰囲気すら抱えている。それに温もりを覚えるか、はたまた冷やかさを覚えるかは人それぞれ。
魔術や神秘、また自身の体質は特別嫌いではなく、こうなったのも何かの縁だろうという程度。アルバイトは魔術関係の方が収入が割かし多いので魔術を知る身であることを有難がる時もそこそこある。特に月末。
右潮緒十という名前は老夫婦が付けたもので、元の名前は忘れてしまっている。或いは、身体が身体なだけに戸籍登録もなく、名前もあったのか…という話だが。>>903
【行動規範・行動方針】
「なんとなく」で動く。基本善良なため、巻き込まれたりした人間は助けようとする。一般人の被害も可能な限りなくそうと努める。
戦闘もなるたけ避けるタイプで、仮に戦闘になっても活動継続が不可能なくらいで止しておく。ちなみに戦闘は使い魔を駆使し、海流操作などは使いたがらない。
相対的に、「お前そんなんで聖杯戦争大丈夫だと思ってるの?」系。ただ彼自身なんとなくの行動の結末に後悔は覚えても文句は言わないという精神を掲げているため、聖杯を入手できずとも恐らく気にはしない。元の生活に戻るだけである。
それでもサーヴァントに願いがありそのためにこういった行動をしてほしいなどと言われれば自分の意志感情と兼ね合わせて自制して動く。
【参戦理由】
なんとなく。何らかの魔術関係のアルバイトをしている時などに知ったりして参加するだろう。もしくは、聖杯戦争もアルバイトの一環だったりするかもしれない。
そのなんとなくの中身は「目立ちたい」だとか「有名人になりたい」だとか「非日常を味わってみたい」だとか「お金が欲しい」だとか、そんな俗っぽいものが大半。ノリが総じて軽い。
【サーヴァントへの態度】
慇懃やら敬慕やら尊敬やらはあまり感じられず、フランクでのんびりとした態度を崩さない。
嫌がることがあれば止す。相手が好むことには興味を示す。道徳観は備わっているため、非人道的なことには難色を示す。精一杯頑張って書き上げた夏っぽい何かが出来上がったので貼ってもいいですか?
よーしはるぞ!ゆるせよ!
お祭りである。夏の冒険を経て、いつかのハワイの様にレイシフト先でカルデアに所属するサーヴァント達による盛大な夏祭りが開かれているのである。主催はこれが稼ぎ時だと見た金星の女神とケモ耳の女王だと言われているが、大事にいたるというわけでもなければ忌避する者もいない。単なる祭りなのだ。
ただ問題があるとすれば出店の店員から客まで全員がサーヴァントなわけであるから、あらゆるトラブルが起こりうる訳である。暴徒鎮圧、交通整理、そして救護……。
「うおおおっぷ、えふっえふっ、うおおおお、えううううう……」
「先生!ロドモンさんを助けてください、今にも死にそうっす!」
祭りの喧騒の中で救護テントに運び込まれたのは青ざめた顔のロドモン。それと付き添いの太田道灌である。対応するべくやってきたのはヒュギエイアで、ロドモンの様子を確認しつつ、
「酔ってますね……一体どんなお酒を飲んだらこうなるんです?」
「ええと、酒呑童子だかが何処からか持ってきた如何にもやばそうなお酒をぐいっと……最初は調子よかったんすけど、気付けばこの始末で」
「ぬううう、光が見える。光が、迎えの光があああ、あぐっおおおっぷ」
「ええと、とりあえずこの薬を服用して……」>>911
すぐにその場で霊薬を生成し、ヒュギエイアは四角い錠剤とペットボトルの水をロドモンへと手渡す。明らかに意識は混濁しているものの酔っ払いは震える手で錠剤を口に含み、水で流し込んだ。
「しばらくここで休んでください。水分摂取は欠かさずに」
「申し訳ないっす……ほらロドモンさんもお礼」
「うええええいいいいい、ひぃっく、女医さん、看病すてえええ」
「あ、じゃあナイチンゲールさんお連れしますね」
「待ってくらさぁい、ちょっと怖いからやめてくらさぁい」
などと適当に会話をしていると、ヒュギエイアは救護テントに入ってくる少年の姿に気付いた。
「マスター、どうかしました?何処か具合が悪いんですか?」
「いや、皆の様子が気になって。他のサーヴァント達は?」
「奥にいますよ。『あの人』、さっきから”興味深い症例は無いものか”とずっと言ってます」
「そっか。あのさ、この後時間空いてたりする?良かったらなんだけど、一緒にお祭り見て回ろうよ」
ヒュギエイアはドキリとした。思わず傍らの道灌に視線を送ってしまう。返ってきたのは微笑み、そして頷きだ。
お祭りを回りたいな、という気持ちはある。特に綿菓子、リンゴ飴と言った甘味に興味が惹かれ、幼いサーヴァント達が食べ歩きしている姿を見ては猛烈な食欲に駆られて仕方が無かった。行けるものならすぐにでもマスターについていきたいところだが、ヒュギエイアはテントの奥に目をやる。
「うーん、あの人許可してくれるかな……」>>912
遊びに行きたいので抜けていいですか?などと聞けるわけがない。どうにもこうにも話しかけるのさえドキドキしてしまうのだ。マスターと顔を見合わせるものの、ムニャムニャと二の句が継げない。
と、テントの奥からヒュギエイアを呼ぶ『彼』の声。何かお叱りの言葉でも受けるに違いない、とヒュギエイアは少年に目配せしつつ、呼ばれるがままに奥へと向かった。
『見回りをしてこい』
『患者は自分だけで十分対処できる』
待ち受けていたのは思わぬ指示であった。困惑する娘をよそに『彼』はそれ以上言わず、ついでに何故か10000QPを渡してくれた。何故?と問いかけると厄介だと直感で理解し、ヒュギエイアは小走りでマスターの元に戻ると今度はハキハキとした口調で尋ねた。
「すみません、今は仕事中なので一緒に回れそうにありません。挙句、お祭りの見回りをしてこいなんて言われてしまいました。マスター、その、良ければ手伝ってくれませんか?」
一度首を傾げた後、マスターは笑顔で承諾する。自分で誘っておきながらヒュギエイアは顔が真っ赤になるのを感じ、俯きながらそそくさと少年のそばに駆け寄った。
腕を組もうか、いやだが見回りという体裁を保つのだからよろしくないだろうか?
うんうん考えた後、ヒュギエイアは名案を思いつきマスターの手をぎゅっと握る。
「じ、人流がとても激しいので離れないように手を繋いでおきましょうか! マスターは……助手、助手なわけですから!いなくなられては困ります!」
>>913
かなり強引な理由付けでも、マスターは笑顔で承諾する。また照れくさくて顔が赤くなるのを感じつつ、ぎくしゃくとした歩き方でヒュギエイアはぐいっ、と手を引きながらテントの外へと出て行く。
外は文字通りのお祭り騒ぎだ。右へ左へサーヴァント達が行き交い、何処からか甘い匂いが漂ってくる。それだけで胸が高鳴り、体がうずうずした。
「じゃあ行こうか」
「は、はい!」
今度はマスターが手を引く番だ。最初の一歩を踏み出すと、胸の内からどんどん喜びがわき上がってくる。言葉にしがたい熱が体中を駆け巡り始める。わあっ、と声が出そうになるのを堪えながらヒュギエイアはおもむろに『ワルキューレのわたあめ』という看板を指差していた。
「あそこ!ちょっとだけ、ちょっとだけ寄ってみませんか!」
その夜、駆け回る女医の目撃談が多々目撃された。トラブルを解決するついでに甘いものを買っては食べ、買っては食べを繰り返すその姿は、まるで少女の様であったという……。>>917続き
>>789
ハッピーエンド台無しにする奴絶許サーヴァントさんです。気配感知(恋)はトンチキみを持ったスキルですが他人の感情の機微も感じ取れるという意味ではかなり優秀です
>>800
>>881
先に言ってらっしゃった北欧の…!初っ端からドキドキする展開ですねこれは…そして初エンカウントがギュルヴィさんとは、これはどういう流れになるのか分からなくなってきた…!
>>765
ふふふ…全然出せてあげてなかったのでその反応もさもありなんなのです…()
仄暗い部分もありますが、それはそれとしておけるメンタリティ、それが土地鯖!だと思う!
>>818
>>861
相棒サーヴァントが不在で、初エンカウントがまさかの現地人…異例尽くしの特異点探索になりそうですね…
そして平然と逸般人っぷりを見せていくフェリーペさん…伊達にマスターやってない…
>>882
リシュリュー「人を手裏剣みたいに投げるなんて、恐ろしいなあ。私震えちゃう」
なお震えるのは使い方に思わぬ有用性が見つかって感心しての震えな模様>>906
「海の物語」でも「海の幸」でもなく「海」をモチーフにした人間ですからね。我は海の子、的な
>>907
下手したらより強い神秘(海水)に淘汰されかねませんからね…以前ランチャーさんが投下なさっていた西行桜の人なんかは特に相性悪いんじゃないかな、と
ポセイドン関係は十二分にあり得そうだし、エウペモスさんやクラムボンさん、果ては乙姫さんなんかも…候補たくさん。
なんなら人を助ける善良さも「なんとなく」から来ていたり…それを道徳性が固定させている感じです
>>909
かなぁり盛り盛りだと思いますね、属性!だって海だもの!
まあ、あんちゃんと言われるほどの頼り甲斐は持ち合わせていない(むしろ周りを振り回す側)なんですが!()
>>921
あらまあ!まさかの起源被り…!まあ海は永遠の浪漫だものね!黒鹿さんの起源海さんも気になりますわ!
血液関係の魔術師にはかなり有効なトラップです。だって血液じゃないんだもの。
緒十(海側)の巨視的目線からしたら「海って透明なんだけどなぁ」って感じだけど人間側の微視的目線では海はあお色なんで、詠唱もその神秘を表したものとなっています。元ネタの詩からはかなり逸脱してるけど…
>>922
問題点は大嶽丸さんくらいの腕力がないと出来なさそうな芸当であること!ですね!続きが書けたので小出ししていきますね。
フェリーペたちは、この特異点で起きている異常事態についての話をギュルヴィから聞いていた。
「突如として現れた輝ける王。癪に障る規模のバカバカしい魔力を纏い、その手に持っていた聖剣で境界線を引いた。いつぞや説明していった光の断層とは、オレたちが『輝王』と呼称する輩が刻んだものだ」
『こちらの解析も完了した。あれは現世との層をずらす光というべきか、こちら側の法則(ルール)では一切干渉できないと判断すべきだろう。シェラン島が世界から隔絶されたとなれば歴史が狂うのは当たり前だな』
「解決策はあるのか?」
「対策は既に講じてある。あの島は女神が持ち去った大陸の一部……つまり元々はこの地点、現在拠点として根付いているシグトゥーナ近辺から鋤き取られたものだ。故に縁そのものを辿り、最果てへと直接転移する」
『成る程、実に魔術王らしい策だ』
「じゃあすぐに出立の準備を────」
そこでギュルヴィが待ったをかける。
「侵攻の開始はまだ先だ。確かに時間は惜しいが、無闇に突撃して全滅にでもなったら目も当てられん。万全を期した態勢となるまでは待機だ」
「だけどギュルヴィ王────」
「二度も言わせるな。これは決定事項、異議を唱えることは許さない」
向けられる眼光のみで重圧がのしかかる。
神代にて魔術の王と呼ばれた男の視線は余りにも重く、有無を言わせない威圧感がとても強かった。
しかしここで挫ける訳にはいかないと、フェリーペとメンテーは足に力を入れて睨み返す。>>926
「────そこまでですお三方。主、先ほど時間が惜しいと言ったばかりですのに何を遊んでいるのですか。そしてカルデアのお二方、主の決定を覆す事はできませんのでご了承ください」
「……老ぼれの人形とは皆堅物なのか? 遊び心のない奴め」
「あなたは業務とお遊びを両立させ過ぎです」
空気が一旦緩まり、議題の方に戻る。
そこでギュルヴィはフェリーペへ仕事を課した。
「お前には少し前に引き篭もった軟弱者を連れ出してもらう。なーに、難しい話ではない叱咤してでも閉じ籠るのであればDVの夫宜しくの恐喝で引き摺り出しても構わんぞぅ?」
「俺を、なんだと、お思いで?」
「性格素性どちらも知った事ではない。オレは面白そうだからそうやれと言っているに過ぎん」
「最低だこの人」
「兎にも角にも行くがいい!」
尻を蹴とばされる勢いで送り出されたフェリーペは、ギュルヴィの従者であろう人物にとある一室の前まで案内された。
従者は少し緊張した様子で部屋の前に立っており、フェリーペは『そういえば誰が引き篭もっているのか聞いてないな』などと思いながら足を踏み入れる。>>927
「もーぅ! く゛や゛し゛い゛ぃ゛ー!」
「まあまあ落ち着いて。そんなに悔しいなら、その悔しさを原動力にして立ち向かうべきだよ。ほら、前にあたしが話した異民族との抗争みたく」
「……やだ。お外に出たら絶対に笑い者にされる。むざむざ土地を奪われた駄女神って笑いの種にされてしまいますぅ。女神的威厳にそれだけは、それだけはぁ……!」
「また無限ループに入った……」
目の前には泣き言を溢している神性を帯びた女と、それを宥めている漢服を着用した中性的な人物がいた。
「それで、貴方は何者なのですか?」
フェリーペの入室の気づいた漢服の人物が鋭い視線を送る。
慌てて自分は敵ではないと説明し、これまでの経緯を話した事で警戒を解いてくれた。
「ギュルヴィ王から仰せつかったのですね。この度は申し訳なく……」
「いやいや、いきなり入った俺も悪かったし」
このように互いにぎこちない謝罪をして、何気なく交わされる邂逅。
「私……いや、あたしは木蘭(ムーラン)。ギュルヴィ王に召喚されたライダーのサーヴァントだ。そして、こちらの不貞腐れている方が────」>>875
兵器作りが捗りそうですねぇ…
>>882
やりかねない、というか大嶽丸戦の最初でやらせますかね…よしやらせるか(即決)
>>918
リシュリューさんウッキウキですね…
まあリシュリュー戦でも木人兵は少し出ると思うんでお楽しみって事で
>>917
デイヴィクンカワイイヤッター‼︎…ケドオレガウマクエミュレテルカメチャクチャシンパイ–‼︎
劉備はストーリーの根幹の一つにはなりますが特異点そのものにはそこまで関わらないかもしれません…
ただ単発SSでアヴァロンのバーゲスト戦前の円卓のアレみたいな強敵前に五虎+劉備集結みたいなのはやってみたいなとは思ってます。
あと特異点ももう一つ構想があるんですよ…洛陽終わったら書くかもしれないです。
>>915
ヒュギエイアさん可愛い…
そして「彼」が出てくるとは…!!
やっぱ夏SSっていいっすね…>>930
可愛いし問題ナシ!可愛がって貰えてるようで何より。色々と新鮮でしょうからねー。>>943
特にそういうのはなかった筈です。盗作なら駄目ですけど、作った本人であれば多分問題ないと思います。>>943
此処のことを他スレッドや他サイトへの宣伝はやめよう、くらいであとは特に決めていなかったような……製作者がでもにっしょん内の僕鯖とかに流すのは問題ないんじゃない?
ハーメルンとかで二次創作するのとかはダメよになる感じ、かな。>>943
特に問題は無いと思いますけど
向こうの方から「こっちにも投下していいよ」と言われてるのであと鉄は熱いうちに打て理論で小ネタをひょいひょいと。緒十の誕生日は7月20日。旧海の日。こういうところからもう海な奴なのでした。
ついでに言えば血液型は不明。血液ないもんね。だから健康診断とか献血とかは彼にとって避けうるべき行事でした
ちなみのちなみに行事ごとの誕生日だと後はレッドアで7月4日(アメリカ独立記念日)があります。超アメリカン
>>942
やぁね、もっけさん、可愛いよね…ぬいぐるみにしてえ…
レージュさんにはお礼にもっけさんをプレゼント!したい!()
>>945
フレデリック・ミラー姉貴は私も初見時インパクトがセカンドインパクトでした…世の中には色んな人がいるものですよね…
毛皮モチーフの神秘…その着想はなかった…!
リヴァイアサンがペンギンなのは仕方のないことだよね…>>953
忠犬ハチ公あたりを思い出しましたね…人狼さん、またご主人に会って欲しいなぁ…無理なんだろうなぁ…>>952
初めて動かすので、どこか拙い部分もありましょうが、生暖かい目で見ていただけると……。>>954
やった~、1もっけもらった~!監獄長さんはいらっしゃいますか
大まかな叩き台が出来た北欧サーヴァントを見て頂きたく……>>959
「サーヴァント、アーチャー。オーディンの娘ヴァーリ。召喚の命に応じ、ここに馳せ参じました。我が矢を以て、貴方の進むべき道を開きましょう」
【出典】北欧神話 【CLASS】アーチャー
【真名】ヴァーリ/Vali
【性別】女性 【身長・体重】179cm・63kg
【地域】アイスランド【年代】神代北欧
【属性】中立・中庸【天地人属性】地
【その他属性】女性、神性、巨人、超巨大
【ステータス】筋力C 耐久B 敏捷B 魔力A 幸運A++ 宝具B
【クラス別スキル】
単独行動:EX 対魔力:B
【保有スキル】
進化指令:B
グロウオーダー。アーチャーの肉体に刻まれたプログラム。一夜にして成人し、盲人でありながら戦を意味する神・ヘズを撃ち殺した逸話の具現。オーディンから独立して英霊となったことで、現在は自身の能力値を一定の総合値から状況に応じて振り分け直すという特殊スキルになっている。
ランクが高い程総合値が高いが、パラメーターの返還限界は決まっている為すべての数値をAには出来ない。アーチャーが25の数値を持っていたとすると、パラメーターはそれぞれ(A7 B6 C5 D4 E3)の数値を消費する。また、AからA+に上昇させる際には、2ランク分必要となる。
魔力放出(炎):A
武器・自身の肉体に魔力を帯びさせ、瞬間的に放出する事によって能力を向上させるスキル。炎の巨人の血を引くアーチャーの場合、燃え盛る炎が魔力となって使用武器に宿る。
神性:B>>960
【宝具】
『〇〇〇〇・〇〇〇〇』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:3~20 最大補足:30人
ムスペルヘイム・〇〇〇〇〇。
ヘズを射抜き、通常であれば傷一つつけることの出来ぬ神を火葬せしめた逸話が由来。
閃光と見紛うべき超高熱を纏う光の矢を解き放つ。『火葬』の概念が宿る一矢。接触するまで他者に一切伝搬しないほどの熱量を宿した超火力の一撃だが、耐火の加護やそれに準ずるもの、氷や水、海に関連する存在に関しては悲しいくらいにダメージが出ない……とは言っても、相手が神であれば特攻は入るのだが。
【Weapon】
「(バルフレキ)」
オーディンによって与えられた弓。原初のルーンが刻まれており、文字通りの「必中」の加護が与えられている。Cランクまでの矢よけの加護をレジストし、弦を引けば魔力によって矢が生成される。>>961
【解説】
北欧神話に登場する半神半巨人の英雄。北欧世界の最高神、オーディンの娘。
ヘズを殺.すために生み出されたもの。父であるオーディンは神ではあるが母であるリンドは巨人であるため召喚が可能になっている。
原典では男性。これにはリンドと交わった際に合意であったか無いかが分岐点となっている。
合意の場合、ワルキューレ同様にオーディン自身の手を加える余地が大きくあったため男性に。
合意では無い場合は進化司令以外を仕込む余裕が無かったため女性となる。
勇猛や鋼鉄の意志をスキルとして保有するためサーヴァントとしての強さは男性の方に軍配があがるが、思考回路が復讐・戦闘に寄っているため人格の部分ではアーチャーの方が勝っている。
勇ましく誇り高い北欧の戦士。女性としての在り方と戦士としての在り方が黄金比で配分されている。
戦場においては遊びが無く、一人の戦士として主に忠誠を誓うその在り方はどちらかと言うと西洋の騎士に近い。司法神として語られたためかやや堅物な委員長気質。
私人としては植物を愛し、春の木漏れ日を心地よく感じる素朴な感性をした柔らかな女性。女性としては高すぎる背にコンプレックスを抱いており、身長について聞かれると170cm代ですと答えてくる。
聖杯に賭ける願いは終ぞ叶わなかった義兄であるヴィーザルと出会うこと。
【セリフ例】
「今、父上の気配がしたような……気のせいですかね? 今通りかかったのはクーフーリン殿ですし」
「嗚呼、嗚呼、嗚呼……貴方が、貴方が我が兄、ヴィーザル……!」
「血脈、励起。炎熱領域、擬似展開」
【他クラス適性、変化傾向】アサシン、バーサーカー、アヴェンジャー>>965
後は自分好みで調整してみるといいですよ! 私もここのえさんも北欧語りはしていますが、やはり自分の味と言いますか、構築や趣向が異なりますので。
やりたいように盛ってください!>>968
黒くなったので投稿します
【CLASS】アルターエゴ
【真名】小野小町
【性別】女性【身長・体重】160cm・48kg
【スリーサイズ】B82/W58/H83(Cカップ)
【属性】中立・善
【出典】史実、小野小町伝説、ギリシャ神話、中国神話、インド神話
【地域】日本【天地人属性】人【年代】平安時代
【ステータス】筋力E 耐久E 敏捷D 魔力EX 幸運B 宝具B+
【クラス別スキル】
陣地作成:C
魔術師として自らに有利な陣地「工房」を作成可能。防衛陣地としては並程度のものが限界だが、生来の読書家であるため小町は「本蔵」に関しては大規模なものを構築可能。自らの陣地をサロンとして作成・展開できる。
道具作成:C
魔力を帯びた道具を作り上げる能力。書物の編纂を得意とし、電子書籍を紙媒体へと転換することが出来る。
ハイ・サーヴァント:A
複数の神話エッセンスを合成して作られた複合型サーヴァント。小野小町の霊基にはギリシア神話の愛と美の女神アフロディーテ、古代中国神話における女仙たちを統率する聖母である西王母、インド神話の聖歌の女神ガーヤトリーが組み込まれている。>>969
【固有スキル】
女神の神核:B
生まれながらにして完成した女神であることを現す、神性スキルを含む複合スキル。小町は女神によって構成された疑似サーヴァントとしての神性を持つ。精神系の干渉をほとんど緩和する。
不可侵の美:EX
『id-es(イデス)』と呼ばれる、アルターエゴにのみ許された特殊能力。スキル『才色兼備』と『復讐者(恋)』を複合して生まれたイデススキル。小町の美貌についてクローズアップされた進化したもの。
Bランク以下の物理攻撃と魔術攻撃、並びに宝具攻撃をを無効化する。さらに伝説に謳われるほどの風貌であった彼女は、素顔を晒すだけで周囲に影響を及ぼす。小町の姿を認識した際に抵抗判定を行い、抵抗に失敗すると呆然状態となる。
ミルティアの加護:A
アフロディーテと所縁がある神霊・英霊たちの助力を得る。
究極不滅の聖躯:A
仙界の真人としての自己再生能力。
道教思想に語られるところの仙人であり、仙界の真人としての自己再生能力。>>970
【宝具】
未定
ランク:A
種別:対軍宝具
レンジ:1~100
最大捕捉:500人
パイプオルガンに似た形状の巨大演奏装置付き劇場。(水着ネロの黄金劇場に似ている)
自分の歌声と併せて演奏することで、不可視の魔力攻撃を振り撒くが、演奏者である彼女自身にダメージはない。音による攻撃ではなく、あくまで魔力の放射による攻撃であるため、防御の魔術や能力によって遮断することは可能。装備している鎧の類も有効に働く。
この曲を聴いた者は魔力及び幸運の抵抗判定を行う。
判定に失敗した場合、身体系ステータスが強制的に二段階低下し、さらには防御の魔術・能力・鎧を無視した強力な持続ダメージを受けることとなる。
宝具行使にあたり、小町と融合したカーヤトリの力によって巨大演奏装置付き劇場は顕現される。さらにこれは小町にアルターエゴの要素として取り込まれた「アフロディーテ」、「西王母」の仮想複合顕現でもある。女神の権能、女仙の仙術によって宝具効果の成功率が向上している。
【来歴】
六歌仙に選ばれる平安時代の歌人。日本において美女の代名詞。その優れた和歌の才能と美しい容姿から多くの女官中、比類なしとまで讃えられた。>>971
【人物】
VTuber的なサイバネティックスな衣装を着ている美女。普段は秋葉ねろを思わせる媚びて作ったような「あざとい」アイドル的な態度が目立っている。どこかの聖杯戦争で現代の知識を得た結果、今の振る舞いを覚えたようだ。しかし、在原業平や僧正遍昭や文屋康秀など生前の朋友にアイドルとしての振る舞いで接する勇気はないらしく、そのときは平安貴族らしい着物姿になる。
本質的な性格は大人しい優等生タイプ。物静かで育ちが良く、分別がある。社交性があり聡明、宮廷で働いていただけにバイタリティーは強く計算ができる性格。ただし、割とテンパる機会も多いので計算高い女とか腹黒とは言い難い。自分の美しさに自信があり、美貌を称賛されても「知ってる!」と返すほどでふてぶてしい。
自分の全てを武器に未来を切り開き、宮廷で生きる生活は満ち足りたものだった。輝かしい彼女の姿はその時代のものである。しかし、英霊となった彼女には晩年の記憶もある。宮廷一の女流歌人。咲き誇る大輪の花。しかし、一代限りの花であった。若い頃、夢を語らった仲間は去ってゆき、胸の奥にしまっている不安が押し寄せ孤独を恐れた老いた頃の記憶もまた彼女は持っている。
本来持っていた名ではなく「小野小町」という名前を大切にしており、生前の既知にもそれで通している。それは、自分がただいたずらに自分をもて余して生きていたわけではない、残すものがあったのだ、自分は誰の記憶にも残らない存在ではなかったという証明だからである。
生涯どのような男にも靡かなかったと言われているが、男嫌いというわけではない。在原業平、僧正遍昭、文屋康秀など交友関係にある男性もいる。
聖杯にかける願いは第二の人生を得るため、英霊ではなくただの人間として生きること。生前の生き方にはかつては悩み迷うこともあったが今は悔いなどない。しかし、もし人生をやり直せるなら自分は違う選択をしてみたい。悩み悩んで、強く生き抜いた先、今際の際に得た願いだった。>>972
西王母を取り込んだことで小町は生前使うことが出来なかった仙術を扱うことができる。アイドルのように歌や踊ることで術として成立させる、刑部姫やアンデルセンのように携帯端末を利用して術を使う、などその在り方は一種異様である。他にも術を利用して電子書籍を物理書籍に変える力も行使でき、自ら想いしたためた文面を具象化して攻撃する、術や呪いを『上書きして』なかったことにするも出来る。
【イメージCV】桑島法子
以上です。性格はキャスターのときと比べて劇的変化はありません。ただアフロディーテが頑張ってアイドル演じてたことから、こちらもアイドルっぽく頑張るのが強くなるイメージになりました。
ご感想や宝具名案いただければ幸いです。
スレ建ててきますね。>>974
アルターエゴで色々混ざってしまいましたからね。歌仙とは……?に。VTuberっぽさはもともとレージュさんからもご提案頂いて、それでキャスターとしても作りましたが、VTuberっぽさを活かしきれてない感じがしたので別のアプローチにアルターエゴと考えてみました。
宝具のステージはネロがヴィーナスを取り入れているようなので、仮想顕現体としてアフロディーテが混ざるこおでネロのステージっぽい要素が現れた(同一ではない)ということになりました。>>975
以後、気をつけますビオランテのお姉さんのキャラ設定が完成したんで、21:30に投下予定。
>>983
【来歴】
スペインで企業グループ『J.C.バルベルデ』を経営するバルベルデ家出身の魔術使い。
現当主夫妻の長女であり、趣味と実益を兼ねてセビリアにある大きなパティスリーのオーナー兼パティシエールをしている。
妹のビオランテが生まれた頃は、J.C.バルベルデが傘下企業を複数の外資系から狙われ、実際に乗っ取り被害も発生していた時期であった。
両親がその対策に追われていた(乗っ取られた傘下企業は全て奪還した)ため、代わりにまだ乳幼児だったビオランテの面倒を進んで見ていた。
母が冷凍保存した母乳を加熱・解凍してビオランテに飲ませたのも一度や二度ではない。
この時の大変だが充実した経験から『年下を愛でる』のがもう一つの趣味となり、ビオランテが成長してもその傾向を治そうとも思わなかった。
それでも製菓の才能に恵まれ、自身も幼少期から志していたため、パティシエールの道を決して諦めなかったが。
夫であるロドリゴとの馴れ初めは、自分とビオランテに詫びるのと平行してヘドバンしながら苦悩しているのを偶然目撃し、何事かと思って話しかけたこと。
ロドリゴとの付き合いは長く、自分達姉妹を真剣に愛してくれる彼に惚れ込んでおり、自分からプロポーズした。
姉妹揃って求婚者が絶えず、ロドリゴと結婚するまでは相当の波乱万丈であったという。>>984
【性格】
大らかにして温和で、母性愛と慈愛に満ちた大人の女性。
ただし、、バルベルデ家の例に洩れず外敵に対しては容赦しない。
加えて、『年下を愛でる』という趣味が暴走しているのか、気合の入った『シスコン』『変態』でもありビオランテにも明言されている。
特に実妹であるビオランテと、自身が産んだ一人娘のミラグロスに対する執着は極めて強い。
愛で方も半ばセクハラの域に入っているが、それを改める気は一切無い。
相当に困った女だが、家族愛は紛れも無く本物であり、ビオランテの初恋がアニメキャラだったことに不安を覚えたり、生まれてすぐに政略結婚の申し出が殺到しているミラグロスの将来を真剣に心配したりと、常識的な側面も見せる。
以上です。
自作キャラでは数少ないNPC枠。>>987
あー、ふんふん。ただ「強い小野小町作ったよ~」的なのでは無くて、ちゃんとアルターエゴとして現界した経歴はあるのね。ならそういったところは人物、経歴~とかの欄に記述したおいた方がいいと思います。
こういう質問も事前にある程度事前に潰せますしね。
>>988
>最近朽崎さん否定が多くない
え、そう!?自分としてはそんな否定してないと思ってるんだけどな…。先日の洛陽特異点でのデイヴィ君は可愛かったから嬉しかったので、エミュの心配してた京極さんを励ましたつもりですし、ジョーンさんの新キャラカルラさんには「良キャラじゃない?」って言えたと思います。
あと右潮 緒十さんとデイヴィくんの主従展開も良かったと思って、いやコレはレスしてないからノーカンですけども。アレは面白そうだと思いました!言い遅れてごめんね!一応そんなマイナス意見言いまくってるつもりは無いんですが…。ちゃんと褒めてもいると思ってますよ!まぁ否定的意見いう時は語調強くなってしまってる所はあるかもしれませんが…。
>>991
主体が小町だからと思いましたが、天のほうがあってますかね。
イデススキルは高性能なくらいがいいと思いました。神様要素で強化改造されています。触れることも許されない美しさという解釈でダメージカットになりました。小町の宝具名、現在も募集中です
>>988
歌人で陰キャの分類だと、今のところ出ているのだと紫式部くらいですかね。>>997
アイドルマスターシンデレラガールズに登場する、所謂『2mコンビ』とファンから言われるキャラクターのそれを参考に、ビオランテと合わせて合計2mになるよう計算して設定しましたから。>バストちなみに世界三大美人は日本以外でまず提唱されてない近代の概念でしかも小野小町は制定国のナショナリズム枠だからこの肩書き自体に権威は全然無いことはあまり知られていないよ
1000なら自作キャラの好きな映画。
聖杯大会運営本部【リレー相談・雑談】#199
1000
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