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聖杯大会本戦統合スレNO.5
https://bbs.demonition.com/board/6193/
ラフム語翻訳機
https://yt8492.github.io/RafmanTranslator/スレ立て乙陣形!
前スレにつきまして久々の復帰で吐き出したかった思いもあり要らぬ波風を立てたかも知れませんが、正直あんなやっかみ賑やかしと変わらんよなって、うん
懐かしいスレ立て乙です。脳内構成してるやつね。前に投下した設定をば。
Fate/Aeonian Anthem(フェイト/エーオニアンアンセム)
現の幻想に宴あり。今宵は時の聖杯戦争。
憎悪によって磨かれた純粋無垢なまでの願望機。そこに群がるは歴史の遺物たち。
舞台は氷雪が広がる寒波地帯。自然胎児が手中に収めるそれは、今も尚廻り続ける。
さあ始めよう、黄昏の顛末を飾る人類の新たなる歴史を。
知る者ぞ知る、欲望が交差する儀式。
鈴なりに詩を、血讐劇に悦を、黄金の器に満つるのは────。じゃあとりあえず多分書かないけど設定上絶対存在することになる特異点、はい。
・遊迷箱庭浄土カプセル・ラビュリントス
座標特定不可能な特異点。表層に存在するのは学園都市であり、「サーヴァント ・バトル」というカプさばのようなスポーツが人気。街の中心部からは下層に存在する拡大し続ける巨大迷路に侵入が可能であり、賑やかし半分や肝試し目的でで侵入したりしたまま帰って来なくなったりいろいろ。
部外者であるマスターから見れば、そこに生活する人こそが「サーヴァント 」であるように見えるが……?
・永劫回帰乱世 大和
完全新作、まだ誰も知らない雛mジャパンへ。
↑の迷路を攻略した先に存在する全ての土台、放棄特異点。一期間だけを無限に繰り返し続ける構造になっており、その歪みのせいか歴史上両立し得ない建造物や人物が普通に存在していたりする。繰り返しを覚えておけるかどうかは半分ぐらい運ゲーだが、最長記録保持者曰く「覚えてる限りで28回目」。
ちなみに放棄された理由は「何回やっても満足できないから」。
多分テーマ曲は不規則性エントロピー。七大州にそれぞれ特異点発生させたいわね…って思ったらヨーロッパにひとつしか発生させられなくなって自分の首を絞めたとか
「かの名探偵の推理、かの犯罪卿の智略には敵わないがそれが諦める理由になど、なりはしない…!『さぁ、推理を始めよう(ファ-ストデティクティブ)』!!」
とかね。被ったら寧ろ合作する勢いでいきたいし、そういう場では?と思うんよアサシン・アドニスは一瞬超美形お姉キャラと考えていましたという没ネタが
ボツだったり構想してたりするサーヴァントをば
剣 アルディウス……ローマ神話の伝説の王。伝承通りの暴君にするか死後に改心した感じにするかで悩み中
剣 犬塚信乃……霊剣村雨を振るう八犬士の一人。白い髪に白い和服の女剣士!とか考えてたら雪女さんが来てスン……ってなった。
剣 ウェールズの赤い竜……アルトリア顔でエクスカリバーを撃つ女騎士。それもうアルトリアじゃダメなんですか?
騎 アリババ(モルジアナ)……後世の影響で空飛ぶ絨毯をゲットしたアリババ……ただし見た目はべらぼうな美女。それもそのはず、美女はモルジアナでアリババは美女が持つコブラのぬいぐるみなのだと言うオリオン型サーヴァント。
騎 ハンプティ&ダンプティ……塀を具現化するライダー、具現化した塀は守りにも使える……むしろ塀をどうやって攻撃に使うというのだ……?監獄長のボレアスとか公式のディオスクロイみたいなのがやりたかった。
殺 自来也……知る人ぞ知る忍者。知名度補正まで含めたらいい感じになるんじゃないだろうか……ただし詰めようとすればするほど某エロ仙人にしかならないので頓挫中。
殺 アリス……ジャバウォックを屠.ったのでアサシン。宝具はヴォーパルの剣なのでセイバーでもいいかもしれん。
術 マザーグース……ナーサリーライムが童話のサーヴァントならこちらは童謡のサーヴァント。人によっては湯婆婆みたいになったり玄海師範みたいになったりする。
術 御船千鶴子……明治時代の超能力者。型月世界で考えると面白いことになりそう。
術 ヨハン・ガスナー……オーストリア生まれのエク.ソシスト。型月的には埋葬機関のゴリゴリの関係者。悪魔に対してはめちゃくちゃ辛辣で「悪魔も泣き出す男」とか言われてるとかなんとか。ジャックポォォット……そういえば、前スレで話していたクリュサオルの改修ポイントを投稿しても大丈夫でしょうか?
見るが良い、この終焉を。
人類史全体が行った切り捨て。
消え果てた夢の跡が、これだ。
異聞深度_A
ロストベルトCt.1
天の女王
BC. 0891 神人統一天塔 タワー・オブ・バベル
だが思い悩むことは無い。何故と恍ける必要も無い。
異聞深度_D
ロストベルトCt.2
残酷なる黒騎士
AD.1405 禁忌黒柩王朝 アミール・イルディリム
優れたモノを採択し、残ったモノを捨て置いたのが人類の方針であったのなら、この顛末は当然の事だ。没ネタになったサーヴァントをご紹介
セイバー
ヴァハグン アルメニアの英雄。竜殺しでヘラクレスみたいに怪力無双。
犬塚信乃 女性的な美貌の剣士。東洋版ベディみたいだったので断念。村雨ブレードが武器。
ランサー
アエネイス ローマの祖でカエサルの先祖。
戚継光 陸戦も海戦も無敗のスーパー武将。どんな敵にも恐れないが奥さんだけは怖い恐妻家。>>14
【Bチーム】
レイシフト適性等の問題から南極のカルデアとは異なるカルデア支部海底鉱山基地オメラスに送られた補充要員のマスター達。
カルデアの外部にあった為に人理焼却当時は反応が消失(ロスト)していた。
2017年末に突如発生した異聞帯に対応するカタチでフェリーペ達の前に現れ、汎人類史に対して宣戦布告を行った。
【“救世主”】
全人類を救済すべく目覚め、七つの異聞帯と夢想檻を齎した存在。
Bチームのマスター七名を異聞帯と汎人類史との架け橋として送り込む。
【夢想檻(ユートピア・ケージ)】
異聞帯の要。夢より降り立った世界を塞き止める枷。
空間に満ちた「願い」を活力として起動しており、異聞帯を統べる王がこれと接続、宿主となって存在を維持している。
これがある限り、異聞帯は消滅しない。
構想投げていいって言うから、言うから!スレ立て乙ですの!
実は私もアリス特異点は一時期考えていたことがあるのですよね…
配布キャラはアリス・リデル。アリスとアリス・リデルの融合サーヴァント。しかし最初の頃は記憶のない非力な少女。舞台は不思議の国、鏡の国、そして地下の国。
黒幕はルイス・キャロル…もとい、チャールズ・ラトウィッジ・ドジソンと、あの日アリス(こどもたち)に捨てられた夢たちの複合サーヴァント。謂わばナーサリーオルタ。ドジソンとリデル家の交流がはたと無くなったあの日。アリスが大人になったあの日。捨て置いて、或いは置き去りにしていった「わすれもの」を届けたくて、もう一度、あの話をしたくて、忘れられた夢たちと共に特異点を生み出した。
そんな感じでした。構想力が無さ過ぎて没です。自分はそういうのばっか…>>18
ありがとうございます~!では落ち着いた頃だと思うので投稿させていただきます。変更点はこんな感じ
旧)
天性の魔:B
英雄や神が魔獣と堕ちたのではなく、怪物として産み落とされた者に備わるスキル。筋力と耐久をはじめ、大部分のステータスが強化されている。
神性:E
父に海神であるポセイドン、母に魔物であるゴルゴーンを持つ。
新)
天性の魔:B
英雄や神が魔獣と堕ちたのではなく、怪物として産み落とされた者に備わるスキル。筋力と耐久をはじめ、大部分のステータスが強化されている。
更に、第二宝具発動中はこのスキルと効力は上昇する。
神性:D
父に海神であるポセイドン、母に魔物であるゴルゴーンを持ち、やや怪物寄りでありながらも神霊適性を有している。
ただし、第二宝具発動中はこのスキルは封印されてしまう。>>21
旧)
『魔性解放・黄金揺籠(クリューソス・クレイドル)』
ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:10~40 最大捕捉:500人
クリュサオルの持つ怪物の血が作り上げる有害な結界。
自身の血と黄金の剣を拡大投射する事で一定のフィールドを『自らの体内の中に』置換し、中にいる者たちの生命力に魔性としての性能(負担)を付与する。
土地の霊脈を汚染するため、同一の場所に連続して施すのは不向き。
しかし、神代のような神秘の濃い土地ならば現代の土地より多少はこの制限が緩くなる。
対魔力の無い一般人は徐々に体が怪物へと汚染され変貌を遂げるが、
肉体と精神がその負荷に耐え切れず絶命し、死体ごとその生命力はクリュサオル自身へと還元される。
英霊であっても対魔力の低いもの・魔性と全く縁の無いものは生命力を吸われ、怪物の血を引くもの・怪物と噂されたものは逆に能力が上昇する。
宝具の効果を受ける対象の指定はできず、自身のマスターであろうと結界の内側にいるのならば問答無用で巻き込まれてしまう。
……別クラスで召喚されると、異なる効果を放つ宝具になるらしい。>>22
新)
『魔性解放・黄金揺籠(クリューソス・クレイドル)』
ランク:B+
種別:対軍宝具
レンジ:1~20
最大捕捉:自身/200人
クリュサオルの持つ怪物の血が作り上げる有害な結界。
自身の血と黄金の剣を拡大投射する事で一定のフィールドを『自らの体内の中』に置換し、優位に立てる。
土地の霊脈を汚染するため、同一の場所に連続して施すのは不向き。
しかし、神代のような神秘の濃い土地ならば現代の土地より多少はこの制限が緩くなる。
この結界内では対魔力の無い一般人は徐々に体が怪物へと汚染され変貌を遂げるが、肉体と精神がその負荷に耐え切れず絶命し、死体ごとその生命力はクリュサオル自身へと還元される。
英霊であっても対魔力の低いもの・魔性に縁の無いものも負荷の対象となる。
宝具の効果を受ける対象の指定はできず、自身のマスターであろうと結界の内側にいるのならば問答無用で巻き込まれてしまう。
加えて普段抑えていたクリュサオルの怪物性が解放され、状況や環境に応じた爆発的な戦闘力を得る反面、加虐な面や凶暴性が増す。
『魔眼の女怪』ゴルゴーンを母に持ち、『三重怪質』ゲリュオン・『魔獣母胎』エキドナといった巨怪の父たるクリュサオルは魔性としての性質を膨大に孕んでおり、宝具発動中の彼は一睨みで常人の意識を停止させ、その血肉は一度触れると肉体の再生と崩壊を繰り返させる劇物と化す。
これら恐るべき気質を産まれながらにして抱えつつ、クリュサオルは狂わず荒ぶらず静かに生きてきた。……なお、別クラスで召喚されると異なる効果を放つ宝具になるらしい。表でサンソンの話題が出ててあいつの宝具考えてたら意外にもイダスに刺さって大物食いになりそうで面白いなぁ、って。
幸運とか呪力じゃない精神的な判定宝具は被対象者のことが分かるピースになるよね。これ構想中というより供養の面が強いんですけどリスト的なの
○構想中
監獄塔風なss(舞台が動かない&心理描写寄り&連戦式なのが良い)
英霊剣豪七番勝負・天覧聖杯戦争(うおお!桜井光の特濃テンプレバトルを食らえー!)
ハルモニア(カドモスの嫁女神)
竜吉公主(封神演義における仙女天女)
○没った
パリクシット(アルジュナの孫、カリを征服した対悪の理想王。脳内の格が高すぎて動かせない)
楊戩(九転玄功、変化の達人仙人。真面目にこいつ死なないんじゃが……)
劉邦(抜山蓋世の対比っぽい語感が、大風歌でできなかった~)
ドラウパディー(ここのえの方がアヴェンジャーになるレベルで不憫すぎる)
○悩み中
アローアダイ(双子で、アンドロギュノスだとか)
マローン(僕鯖送り。攻撃力のない商人もありかなーと思っていた時期がここのえにもry)
藤原頼通(僕鯖送り。酒吞童子の大江山に捕らわれていた道長の童子が頼通っぽい)
テムジン(なんかオリジナル性が生まれない…な、何故…)
>>23
怪物要素が盛り盛りだー!!やったー!!
超余談ではあるが、ここのえはシグルド(スルト)からのスルトの流れが超好き久しぶりに鯖(またライダー)を作成したけど、ちょっと真名当てがしてみたくなった。
>>33
【クラス別スキル】
騎乗:EX
■■■■■■■■は■■■■■■■あるため、本来なら必要ない。
しかし、後世に語り継がれた伝説により、素人が■■■■■■■■の走りを見せる。
【固有スキル】
頑健:A
■■■■■■■■は生まれ付いての特別な頑強さを有する。
病気一つせず、怪我らしい怪我もあの日の■■以外は無かった。
■■■■■■■:A
長時間・長距離移動を可能とする無尽蔵の体力。
全力疾走時の筋力と耐久のランクを上げる。
■■■■■■■:EX
生前の異名を冠する■■■■■■■■のユニークスキル。
己の限界から逃げ切った末に散って逝ったほどの俊足。
いかなる状況・精神状態であっても■■■■■■■■の敏捷は十全に発揮され、一切のデバフも効かない。>>35
【解説】
その鮮烈な活躍と、日本の■■史上最悪級の悲劇的な最期によって伝説となった、悲運の■■。
長らく■■に恵まれなかったが、名■■である■■との邂逅により覚醒。
あの■■■■■■■■■をも完全敗北に追い込んだ■■■戦法によって、日本中の■■好きに夢を見せた。
だが、■■■■■■で絶望的な■■■■により、骨折。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■が決定し、■■■■■■まま生涯を終えた。
■■■■■■■■には、聖杯を前準備のための道具にしてでも実現したい目標がある。
それは、『エキジビジョンでもいいから今度こそ■■と一緒に■■■■■■を完走する』こと。
決して叶わないはずの願いは、願望気によって実現の可能性が浮上した。
故に■■■■■■■■は眼前の敵を撥ね飛ばしてでも、聖杯目掛けて駆け抜けて往く。
【人物像】
特技:ごぼう抜き、高速■■、逃げ足
好きなもの:圧勝、■■
嫌いなもの:骨折、自分の持ち味を理解・許容しない奴
天敵:無し
願い:自身の復活及び■■との再会>>41
【クラス別スキル】
騎乗:EX
サイレンススズカは人が乗るものであるため、本来なら必要ない。
しかし、後世に語り継がれた伝説により、素人が乗っても一騎当千の走りを見せる。
【固有スキル】
頑健:A
サイレンススズカは生まれ付いての特別な頑強さを有する。
病気一つせず、怪我らしい怪我もあの日の故障以外は無かった。
千里疾走(馬):A
長時間・長距離移動を可能とする無尽蔵の体力。
全力疾走時の筋力と耐久のランクを上げる。
異次元の逃亡者:EX
生前の異名を冠するサイレンススズカのユニークスキル。
己の限界から逃げ切った末に散って逝ったほどの俊足。
いかなる状況・精神状態であってもサイレンススズカの敏捷は十全に発揮され、一切のデバフも効かない。>>44
【解説】
その鮮烈な活躍と、日本の競馬史上最悪級の悲劇的な最期によって伝説となった、悲運の名馬。
長らく騎手に恵まれなかったが、名騎手である武豊との邂逅により覚醒。
あのエルコンドルパサーをも完全敗北に追い込んだ大逃げ戦法によって、日本中の競馬好きに夢を見せた。
だが、天皇賞(秋)で絶望的な故障事故により、骨折。
予後不良と診断されその場での安楽死が決定し、引退も叶わぬまま生涯を終えた。
サイレンススズカには、聖杯を前準備のための道具にしてでも実現したい目標がある。
それは、『エキジビジョンでもいいから今度こそ武豊と一緒に天皇賞(秋)を完走する』こと。
決して叶わないはずの願いは、願望気によって実現の可能性が浮上した。
故にサイレンススズカは眼前の敵を撥ね飛ばしてでも、聖杯目掛けて駆け抜けて往く。
【人物像】
特技:ごぼう抜き、高速旋回、逃げ足
好きなもの:圧勝、武豊
嫌いなもの:骨折、自分の持ち味を理解・許容しない奴
天敵:無し
願い:自身の復活及び武豊との再会ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!スレッドが、スレッドが変わっているぅぅぅ!!(久々のやつ)
没ネタ、没ネタの話なのね?私ってば『キャスターっぽいことが出来るセイバーのクロケル』と『ライダーっぽいことが出来るランサーのエリゴス』に合わせて『アサシンっぽいことが出来るアーチャーのバルバトス』とか考えてましたが────止めました。
どうしても頭の中のラフムが「バルバトス!バルバトスじゃないか!」と騒ぐんです。>>50
NOTウマ娘な訳だしエロ系でもないが。
そこは馬主さんたちの判断ですし、エロ系でなくともたとえば
「サーヴァント・ディープインパクトを曇らせ展開で書きます!文字通り馬刺しだー!!」
な作品書いて、それが馬主さんの目に入って訴えられる可能性が、あるかもしれない“創世時に発生したビッグバン相当のエネルギー”を、“ソーセージに発生したビッグバン相当のエネルギー”と読んでしまった……。
>>50
馬主さんこんなところ来ねーよとは思うけど 金持ち暇じゃないし
あり得そうな線なら、いるかもしれない競馬ファンの気分を害すとか
逆に俺らがリアル馬に興味なくてリアクション薄いとかはあるかもしれないが 良くも悪くも最初のインパクトで終わりがちなパターンパソコン設定今週中には…終わらせ…たい…今日はもう無理…
あと設定の片手間にトーマス・チャタートンの伝記小説を読んでいたけど、うん…やっぱりホレス・ウォルポールは生粋の上流階級だったんだなと反芻。多分ホレス、義賊みたいな存在があること、それが英霊になってることにも納得してないんじゃないかと思った。心根が大変に貴族的だ…恵まれない者の視点がわからない人だ…
ということでレス追ってきますユーティリティー・モンスターのスキル構成を微修正
イメージ的にはゴッド・ラブを食べた時に起きるビター・シャドウが攻撃を受ける度に発生する感じで
ネガ・ルーラー: B
怪物でありながら打ち倒される存在ではなく一つの思想(セカイ)における法である獣の有り様。
セイヴァーやルーラー等、秩序を司る存在のスキルを無効化し、魔力ランクA以下の存在に対し、イニシアチブを獲得する。
感度良好:A+++
依代自身が持つあらゆる快楽から通常の数千倍の多幸感を得ることが出来る特異体質。
更に本来苦痛を伴う干渉からも快楽を見出すが可能。
ビーストⅢ/Rは攻撃も含めた他者からの干渉を受けることでエクスタシーに達する。
万食優待:EX
功利の怪物が怪物足り得る真価。即ち、幸福の数値化と生産、情動から魔力を捻出する暴食特権。
自身の内側を快楽・多幸感で満たし、苦痛・雑念を魔力として外部に排出する。
怪物に自我と感覚が存在する限り、負の感情が尽きることはなく、排出された魔力は常に霊基の周囲を漂い続ける。
ビーストⅢ/Rの実態はエクスタシーにより多幸感の獲得と雑念の排出を繰り返す、ある種の永久機関である。>>60
玉兎ちゃんは確かに兎ですが食性的には雑食なので普通に食べます。ですがそこまで大食いという訳では無いので1セットだけですね。>>74
「写真や映像で鮮明な外見などが残っていない」というのもポイントですねぇ。
そういうのってファンタジーや二次元的なデザインにしにくかったりしますし>>69
ここは結構私的なものというか、個人の主観のものなので…あくまで個人の意見、感想ですので、あとのご決断はどうぞご随意に…
>>72
ふむふむ。そうですね…郁はまず、誰かが話してこない限り、人麻呂の影に隠れて疲れをとるでしょう。話しかけられても、曖昧な返事しか寄越さないでしょう。何なら目も合わせません。凡そのことは人麻呂が代わって、五月蠅く答えます。
それで、聖杯への願いは具体的な点はぼかしつつ、「とりあえず、マスターが欲しいから勝ち残る。サーヴァントとして当然だろう?」的なこと言って煙に巻きます。言葉の神ですから、追及は難しいと思います。
それで、レイド戦最後にオルヴァルさんに言われた「運命」について。これは、聖杯の希求の動機と地続きで書いてくださればありがたいのですが、人麻呂の友人…一言主のどうしようもない現状について、一言主についてはあくまで話さず、ただ「小生の旧友にもそれは言える…神すら覆しようのない状況に囚われておるのだ」的なことを話して、オルヴァルさんの言ったことに同調しつつ、「それでも、小生はそれを「運命」とは言いたくはない。言ってしまえば、「言葉」によって定めてしまえば、それは本当に覆しようのないものになってしまう…そう思うのだ。これは、碧落の地に住まう其方とて、変わらぬのではないか?」といったようなことを挟んでくださると嬉しいです。
厳しいようでしたら、こちらで個別に書きます。>>76
ゲーティア個人の言葉で良いのなら何か聞かれたら答えます。あくまでアサシン陣営とネッブの意見ではないが、という注釈付きでなら普通に喋ります
聖杯に対する問答に対しては自分の意見はないのでノーコメントなだけで。後バーサーカーにネッブが致命傷したのはブラフで隠します
解散する時に「セイバー、お前は天上王が倒す」と一言告げて古墳方向にという感じで>>60
ヴィオランテはめっちゃ食べる。
マックでも大量に注文する。
鉄牛もかなり食べる、というか必要なカロリー量が非常に多い。久しぶりに史実鯖投下して良き?
>>84
よくってよ~>>89
【宝具】
『魁・赤報隊』
ランク:A 種別:結界宝具 レンジ:10~500 最大補足:20人
さきがけ・せきほうたい。
「赤心を持って国恩に報いる」という理念の元、綾小路俊実、滋野井公寿を盟主して結成された長州・薩摩藩の一部隊。
この宝具においてはライダーと特に長い付き合いである一番隊の面々を指す。
かつて戦場を駆けたライダーの心象風景を具現化する固有結界。
展開されるのは業火に包まれた江戸の街並み。己を必要悪と割り切ったライダーが持つ、攘夷の修羅としての側面が形となったもの。
彼自身は魔術と縁が無いが。彼が進むと心に決めた冥府魔道へ追従した隊士達と心象風景を共有しており、全員で術を維持するため固有結界の展開が可能となっている。
真名開放によって赤い炎によって象られた軍勢―――赤報・一番隊を召喚する。
彼ら一人一人は平均的なサーヴァントと同等程度の力しか持たないが、生前得意としたコンビネーションを再現することで格上の存在にもある程度渡り合える。
また、その肉体は物理現象たる炎であるため、水属性を持つ攻撃を除いて透過される。
『黒駒』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:3人(最大搭乗数)
くろこま。
江戸を出立した頃から下諏訪で斬首されるまでの激動の六年間を共に生きたライダーの乗機。性別は雌。黒い毛並みを持つ八尺半(約2m50cm)の巨馬。当時としては大柄なライダーを乗せても一切失速することなく峠越えを行えるだけの健脚と持久力を誇る。
彼女の出自は日本武尊の時代から脈々と受け継がれてきた名馬の血統であり、宝具と化したことで幻獣クラスにまで昇華している。
Bランク相当の対魔力と魔力放出を持ち、現代の魔術師による結界程度であれば一足で踏み砕く。>>90
【解説】
赤報隊隊長。攘夷志士。
長州・薩摩藩を筆頭とした新政府の魁として赤報隊と共に「年貢の半減」を宣伝し、市民から多くの支持を得た。
が、新政府は最初から年貢を半減にする気などなく「年貢の半減は赤報隊が勝手に言い始めたこと。政府の意向に反することを発言する彼らは偽官軍である」と彼らを切り捨てる。
当時の赤報隊は相良不在(その不在も新政府の策によるもの)であり、小諸藩による襲撃を受けた赤報隊は壊滅的な被害を受ける。
かつて江戸中に火の手を放った男は、それまでとは打って変わった神妙な態度で自ら捕まったという。
「赤報隊は自分のせいで全滅した」
隊士達が否定しようとも、他ならぬ彼自身が自責の念を感じずにはいられなかったのであろう。
処刑の際にも他の攘夷志士達が「岩倉を出せ、話が違う」と叫ぶ中、相良一人が身じろぎもせず、その態度を見た市民達は「相楽の旦那は悪いことなんてしてない。なんで旦那が処刑されなきゃいけないんだ」と彼を失うことに嘆き悲しんだという。
男は、その死を以て償いとしたのだろう。
享年30。その首は、盟友である飯田武郷の手によって密かに盗まれ葬られた。>>85
うちは源氏関係よりも平安鯖の在原業平と藤太が苦戦した大敵の将門公が想定より上だったなと思いました。
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/m/wiki/在原業平
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/m/wiki/平将門>>91
【性格】
外見通りの優男。どこか捉えどころがなく飄々とした振る舞いを常とする。
今は今、過去は過去として割り切っており、今はどちらかというと私塾を開いていた頃の教育者のような目線でマスターに対して接している。
……が、それはあくまでも「そういう自分を演じている」だけにすぎない。言ってしまえば、平素の彼の振る舞いは仮面のようなものである。
彼は今も悔いている。後追いした妻の死を、自分の不在によってなすすべもなく切り捨てられた同胞達の死を。
英霊となって今もなお残るのは昔日への悔恨、あの悲劇に対する残心である。
彼は彼の周りの全てを愛していた。妻を、息子を、仲間を。
愛していたからこそ、彼らを失ったという事実は彼にとって忘れられない傷となっている。
しかし、かつての友や愛した女はこう語る。
「あんなんでも繊細だからな、うちの隊長殿は」
「放っておけません。目を離すとどこかに行ってしまいそうなので」
繊細だからこそ、臆病で失うことを恐れているからこそ相楽総三は人を惹きつけてやまないのだろう。
武勇はともかくとして、相楽総三という男の性根は間違いなく常人のそれである。むしろ、常人よりも脆弱なのかもしれない。
だからこそ、人の痛みが誰よりもわかるからこそ男は倒幕という道を選んだ。
相楽総三を英霊たらしめているのはその精神性であろう。>>93
【セリフ】
1「サーヴァント、ライダー。赤報隊隊長・相楽総三、戦働きに仕ったぜ。お前さんが、俺のマスターってやつであってるのかね?」
2「この星見台の中心はお前さんだ。外に出て見聞を広めるのも上に立つもんの務めだぜ?」
3「誰かに仕えるってのはどうも性に合わねえ。お前さんが良ければサシで付き合おうや」
4「同胞、盟友……って言えば聞こえはいいがな。死ぬ時は一人で死ぬさ。あんまり気にすんな……もう二度と、誰かを巻き込むなんざごめんだ」
5「あー、あいつらねえ。まあ、同僚みたいなもんだよ。大きな括りでいうとな」人斬りサーヴァントに対して
6「坂本……坂本龍馬ねえ……いや、なんでもない。怨み辛みはもう捨てたさ。今の俺はお前さんのサーヴァントだ、そうだろ?」坂本龍馬に対して
7「あー、あいつらに対して? 特に何も。おいおい、嘘じゃねえって。いや何、俺とは直接が変わりなかったが、赤報隊(うち)にはあいつらから流れてきたやつらもいてね。身内の元身内は俺にとっても身内だろ?」新撰組に対して
8「マスターに似てるとは言われたが……そうかあ? あんたの方が俺よりも随分といい男に見えるがね……ま、仲間に恵まれてるって意味じゃあ負けるつもりは無いがな?」イスカンダルに対して
9「あんたが前田慶次か。餓鬼の自分にゃあんたに憧れたもんさ。どうだい、良ければ一献。あんたのような男を夢見た馬鹿な餓鬼の願いを叶えちゃくれねえか?」前田慶次に対して
10「そりゃあお前、酒と宴さ。それに尽きるってものよ……………あとまあ、嫁と息子には悪い事をしたって思ってるよ」
11「嫌いなもの? 嘘と裏切り、あとは……そうさな。とかげの尻尾きりかね」
12「謝罪行脚、かね。いやあ、詫びを入れなきゃいかんやつが多すぎてな。身から出た錆とはいえ、我ながら参るね」
13「おっ、祭りか? ちょっと顔でも出してくかい? マスター?」
14「ほお、そうかそうか! お前さんの誕生日とはね! いっちょ宴と行くか!」絆5未満
15「そうか、今日は誕生日か……まあ、なんだ。お前なら俺のことがよくわかってるだろ。精々、反面教師にしてくれや」絆5以上
以上!
コンセプトは「めちゃくちゃこじらせてるけど沼る人はめちゃくちゃ沼るような男」です>>99
あ、間違えてた(記憶が錯綜してた)。そろそろ寝る。
スズカの登録はチョイと見送らせていただきます。改めてgrave order完結おめでとうございます。読みました。センパイ盾が墓標になる、とかもうここまで狙ってた配役じゃん……画になりますわぁ
HAL「この人間、ちょっと卑怯じゃない?」
概念バトルに負けたのだ。慈悲は無い>>104
せ、聖書……というより教会関連で。「ストックにいなかったサーヴァントを完成させた理由はなんですか?」という質問に被告は「宝具選択ボイスで「赤報隊、構え!」って声が脳内された」と供述しており……
>>95
公式だとフィンとかがいますかね(水属性)
黒駒は厩戸皇子にも縁があるでしょうね。日本武尊の時代から続く名馬の血統ってのがそのまんま厩戸皇子も乗ったとされる黒駒だったりします
>>96
「行動力とカリスマ性に溢れる相楽総三。そんな彼は捕まっても騒ぐことも逃げることもなかった」って史実の要素を掘り下げたら激重感情マンが生まれてまして……
書いてるうちに一ちゃんかな?と思ったのが運の尽きよ……
黒駒ちゃんはこんなんですけど大和撫子で良妻賢母でござります。人間になったら浅上の藤乃さんみたいになる
>>97
セリフ通り赤報隊の二番隊が元新撰組で構成されてるのでうん……
>>101
あっ()
>>102
イメージは斎藤一とロビンフッドを足して割らない!(馬鹿の発想)
>>104
また強強未就学児を作れと申すか!嫌じゃ嫌じゃ!(スレに戻った時に自キャラを見返したら強強ロリが跳梁跋扈しててええ……ってなった顔)いやぁ、久々にやる大逆転裁判は面白いなぁ!やっぱあの時代ムード良い…曲もいい…!
どうでも良い掘り下げをすると、熄は大逆転裁判2のマメモミをキャラ造形の一部に入っていたりします。まぁ、パパラッチ的な態度と口調なんですが。マメモミ好きです(隙自語)
>>79
やったー!
初めデュパンではとも思ったのですが、デュパンは自分の能力を比較して卑下するような人ではないと私の中の厄介オタクが言っていたのでそれに従って正解でした。
ヴィドック氏だとすると、どんなステータスの英霊になるかは気になりますね
>>83
となると人麻呂は「ははぁ」と少し感心したような顔をして、郁の方を見遣るでしょうね。どっちかって言うとそういうのは、人麻呂より郁に当てはまるでしょうし。
それで、不審に思われない程度のうちに戻して「やっぱ世界ってば広いもんだねぇ。これでも見識はあるし、視野は広く持っていたつもりだったけど…まだまだ勉強不足ってトコみたいだ。…知ったようなクチ聞いて悪かった。小生まだまだ青二才…まぁピチピチイケイケなんだけど…あ、やめて真面目な話するから。マジで。お詫びの印にコレなんてどう?」と、茶化すというより本当に脱帽したよう(お茶は濁しかけですが)にして、自分のコーンをあげます。そんで「小生と其方は肝胆相照らすなどといった仲ではない。…だが、小生としては。其方が未だ戦い屈しざりし「ソレ」を、いつか聞いてみたいと思うよ。何だって、言葉にするのは肝心だ。…聞くにしたって、話すにしたって」なんて呑気なこと抜かします。後は、オルヴァルさんが何か追及するのでしたら別ですが、普段のおちゃらけモードで飲み食いするでしょうね>>94
初めて聞いた人だ…赤報隊…?(るろ剣未読者)
しかし…何でこう…幕末あたりは感情の重い人たちが多いんでしょう…だから好きなんだけど…
>>108
ちょーべりーわかる(人麻呂の台詞回しマジむずいofむずい)
>>112
もしかしたら宴のノリ(というか本人のアッパーラッパーなノリ)に乗ってスキンシップをライダーにしてきて、「先の戦い凄かったなぁ!マジ凄い!チョー凄い!」って頭をこねくり回したりするかもしれません。さらっと、「こめかみ」にも。
あと、関東の武者で有名なのと言えばな人たちから絞るならばその前後に「なんか其方戦ってる時云々言ってたけど、女運ないの?妹弟とかいなかったん?」みたいなことを何の気無しに言ってきたり。関東の武者で高名な偉人のうち二人は、兄弟関係で色々あった人ですからね
>>110
お疲れ様でした。
バーサーカー陣営のモチーフはオフェリアとスルトとお聞きしましたが、その二人とは違い、互いにすれ違う部分も多々あれど得るものを得られて前へ進むことのできた二人なんじゃないかなと読んで思いました。
聖さんがお姉さんしてて良いですね>>114
that is トテモアタマイイ
>>115
そうですそうです。態度や言動から「生前、仕える側ではなく、仕えられる側」であったということを見抜いている(ということで、よろしいでしょうか?)として、それで坂東訛りを持つ(=関東出身)武勇に秀でた武者と考えると必然と…ね…
夏美さんに対しては、聖杯欲しいかどうかを聞くのはベターとして、「なんか、他人じゃない気がしてならないようなそうでもないようなー」的なぼんやりしたこと言うかも。そして出方を窺いますね。これは夏美さんの魔術を指してますが、問い詰められても「もしかしたら、小生の家内の生まれ変わりさんとかだったり!?」みたいな揶揄いをして逃げます。まぁ、それくらいですね。マスターといえど、その能力は詳しく調べておくべきですしここで他陣営様方にも、キャスターの真名考察の進み具合を提示いたしますのでツッコミ&指摘をくだされば!
セイバー陣営(オードリー・ヘップバーン):人麻呂ではなく郁が外見で気付きそう。そう古い人でもありませんしね
アーチャー陣営(オルヴァル・オッドル):宝具の開帳により「北欧の伝承神話系の弓雄」とは推察出来るもそれ以上はなし。郁も、人文学専攻ですから有力な推測は出来ません
ランサー陣営(玉兎):恐らく「月の兎」まで到達。普通訝るものですが、人麻呂は神代を知り、且つ月を人と見立ててますし、郁もそこらの魔術師よりよっぽど奇妙な体験してますから割と受け入れるでしょう
ライダー陣営(平将門):凡そ前述の通り。まだサングラスの理由が腑に落ちていませんが、大体は決定しています
アサシン陣営(ネブカドネツァル):キャスターより凄いキャスター。なのにアサシン。つまり、超高度な魔術師でありながら、手広い業績を残す者=単なる魔術師ではない、王族などではと認識。あと褐色なんで中東辺りではと予想します(エミヤ?知らない人ですね)
バーサーカー陣営(フラカン):敗退済みのためなし。しかし、高純度な神性持ちとして脱落してくれたことに対して一安心あっ、芽衣が見た光景(ネッブ神殿)に関してはアレンか食満にしか話してない感じにしようかなと思ってます
他の陣営に漏らすと公平性を欠きますし、監督役の判断に任せる感じで>>119
キャラゾウケイ……?イケメン、ト、カワイイコ オデ、スキ!!!!たて乙~。
構想没ネタだと俺にとっては監獄系小規模聖杯大戦はちょっと寝かす感じになりそう。
ストーリーラインとか基幹設定があんまり浮かんでないので先に自キャラメイン聖杯戦争執筆になりそう。
監獄聖杯大戦に関してはWASPキャラの設定の深化もしたしね!
なんか、こう。伊織さんが全力でおねーさんを遂行する!!ってなりそう。>>126
どうぞ~(きっとそれ程マイナーではないと思いたい)投下しますね。
【CLASS】ライダー
【真名】オジェ・ル・ダノワ/Ogier le Danois
【性別】男性
【身長・体重】187cm・80kg
【属性】混沌・善
【ステータス】筋力B 耐久C 敏捷A+ 魔力C 幸運B 宝具A
【保有スキル】
対魔力:B
魔術詠唱が三節以下のものを無効化する。大魔術、儀礼呪法等をもってしても傷つけるのは難しい。
騎乗:A+
乗り物を乗りこなす能力。「乗り物」という概念に対して発揮されるスキルであるため、生物・非生物を問わない。A+のランクでは竜種を除く全ての乗り物を乗りこなす事ができる。>>129
反骨の相:B
一つの場所に留まらず、また一つの主君を抱かぬ気性。シャルルマーニュの十二勇士でありながらも、王命に従う事なく自ら動く流離の星。Bランクまでのカリスマを無効化する。
妖精の寵愛:A
大いなる女王、魔女とも呼称されるモルガン・ル・フェから寵愛を受けている。モルガンはケルトの三位一体の女神とも通じ、聖なる数字である「3」の加護を与える力を持つ。よって全ステータスがランクアップし、瞬間的にのみ三段階の上昇を可能にする。本来、オジェの名付け親はモルガンを含めた六人の妖精と言われている。
空間跳躍:A
次元を超えて妖精の楽園へと跳躍したオジェは、現世において空間への干渉を可能にしている。直接的な作用はできないが、戦闘時にあらゆる空間を“足場”として利用する事ができる。これにより空中を飛行ではなく疾走する事ができ、遮蔽物がないフィールドであっても縦横無尽な機動性を確保できる。>>130
【宝具】
慈悲なりし無冠(カーテナ・ミゼリコルド)
・ランク:A
・種別:対人・対軍宝具
・レンジ:1〜30
・最大捕捉:300人
シャルルマーニュ伝説においてオジェが振るっていたとされる戴冠の剣。
この聖剣は剣尖のない無鋒の剣であり、担い手がいなければ無冠の名を冠する。ただし戴冠の儀を行った者の性質により能力が変化し、これよって無冠の枷が解き放たれて聖界の聖剣として完成する。
オジェが担い手としてこの宝具を振るう際、彼の異界・境界を渡る者としての特性を反映しており、あらゆる結界、異郷、境界線を超えて斬撃を与える事が可能。よって大結界による防御は意味を成さなくなり、多次元ごと対象を断ち切る攻撃は特殊な空間遮断すらも突破する。
また、担い手の特性を反映した能力の他に、聖剣としての“所有者の魔力を光に変換させる”能力も備えており、魔力放出によるブーストと遠距離攻撃、魔力形成による刀身の伸長などが可能になる。
ジュワユーズ、デュランダルと同じ素材で造られている不毀の聖剣なので、如何なる攻撃であっても破損する事はない。踏破の燕子(ブロワフォール)
・ランク:C
・種別:対人宝具
・レンジ:-
・最大捕捉:1人
オジェが駆る黒い体毛に額に白い点模様のある軍馬。
体格は他の名馬と並べても頭一つ抜きんでおり、多少の傷を負っても機動力が失われない。
真名開放を必要としない宝具であり、オジェの能力とシンクロして魔力を消費する事で同じく『空間跳躍』を使用する事が可能。
普段オジェは、この軍馬を使って聖杯戦争に挑んでおり、余程の事がない限り交代させることはない。
かくも遠き燐光群(パピオン)
・ランク:A+
・種別:対界宝具
・レンジ:1〜50
・最大捕捉:300人
オジェが妖精郷にて親交を結んだ妖精馬。元々はモルガン・ル・フェによって姿を変えられてしまった妖精。全身の光り輝く桜色の鱗が生えており、さながら鎧を纏った神馬を連想させる。
幻想種としてのランクは『不明』であり、そもそも安易に階位付けしていいのかも定かではない。
人語を理解し、妖精言語も発するので妖精由来の魔術を行使できる。直接的な戦闘力も高く、全身の鋭利な鱗を刺立てて刃として転用する事が可能で、加えて火炎のブレスを放射する能力も有している。また、飛行能力も持ち合わせている。
パピヨンの真価は真名開放時に乗り手と共に『次元跳躍』を行い、あらゆる攻撃の回避と同時に指定した場所にワープする。元々、妖精側の存在であるので次元を超えて世界の裏側に渡る能力を持ち、魔力さえあればノーリスクで転移できる。故に対界宝具。これにより、オジェの特性と重なって相性が非常に良い。
しかし魔力の燃費は悪く、現界させておくだけでも魔力を多く消費し、真名を開放すればそれ以上の魔力を食う。>>132
【解説】
デンマーク王ジョフロワの息子にして、シャルルマーニュ十二勇士の一人。デンマークでの名前は「ホルガー・ダンスク」。
六人の妖精たちによって祝福を受けながら生まれた出自があり、青年期の頃は人質としてシャルルマーニュ に預けられている。
父王がシャルルマーニュの不興を買って何度か処刑されそうになるが、異教徒たちとの戦いで度々活躍して難を逃れている。
その過程で聖剣コルタナ、名馬ブロワフォールを手に入れ、更にはシャルルマーニュが敵国の捕虜となってしまった時に、見事に救出してフランスの危機を救っているなどの活躍をする。
しかしある時、息子であるボードワネットがシャルロ王子とチェスを興じていたが、チェックメイトを言い渡されて逆上した王子に撲殺されてしまう。その事実に憤慨したオジェは王子の命を要求するが、王はオジェを追放する。
その後、追われる身となったオジェはフランス軍を翻弄し続けるが、ついに捕虜となる。監視役を買って出たテュルパン大司教により七年間囚われの身となっていたが、特大のパンと巨大な杯に注がれたワインによって衰弱するどころか健康体を維持していた。
アフリカ軍の侵攻によりフランスが大打撃を受けていた際、これに対抗できるのはオジェのみという声が高まり、王は渋々復権を承諾する。
そして愛馬のブロワフォールと再会して準備万端というところで、オジェはシャルロ王子の命を差し出さなければ戦わないという条件をつける。しかし王は諫言して条件を呑まなかったので、オジェはカーテナで王子の首を刎ねようするも、寸前のところで天使が降臨したので止まるに至った。
後の結末の諸説あり、英国王女と結婚して穏やかな最期を遂げたとも、モルガンに連れられて妖精郷に向かったとも伝えられている。
余談だが、妖精郷に向かった伝説においては、妖猫キャスパリーグを討伐した逸話があり、アーサー王と同じく遥か未来にて復活を果たすとされている。>>133
【人物】
気怠げであると同時に大胆不敵、鋭い顔つきをしたやや薄めの赤髪の青年。
物事を気楽に考える言動をとりつつ、その裏で相手への気遣いを悟らせない人物で、自分も周りも笑っていられるのであればそれで良いと思っている。
勇士特有の前向きな性格。ただし単に陽気という訳ではなく、立ち位置の違いでその時の立場の心情を理解しようとするが、深く踏み込む事はしない。
思い至ったら行動に移すタイプで、戦闘であれ、マスターとの関係であれ、その他の事柄であっても即実行する。好き勝手やっているように見えるが、マスターには悪影響を及ぼさない程度の範囲でやり、時には良い影響を結果的に与える事も。
生前においては妖精、精霊といった常識外の女性に囲まれていたのもあってごく普通の女性のお相手をしたいと考えているが、聖杯戦争が舞台である以上巡り会うことは多分ないのかもしれない。
聖杯に託す願いがない英霊で、聖杯戦争に参加しているのもマスターに請われたからに過ぎない。例として出すと“お願いされて「仕方ないなぁ」と言って頼み事を引き受けてしまう面倒見のいい兄ちゃん”といった具合である。
【能力】
生前より名高い武功をあげている英雄であり、妖精の寵愛を受けているので高い能力を有している。
『空間跳躍』によって戦場を必要性がなく、地上戦・海上戦・空中戦など如何なる場面においても対応できる。また『妖精の寵愛』のスキルにより、ステータスへ永続的なバフを受けている。
宝具を用いた戦闘は対人戦においては破格の能力で、魔術・宝具による結界を無視してダメージを与えられる。加えて、パピヨンに乗馬したオジェは攻撃回避及び、指定した地点にワープできる。つまりはアキレウスとは別ベクトルで「当たらなければどうという事はない」を地で行くサーヴァント。
しかしその分魔力の燃費は悪く、『空間跳躍』を継続的に使用すれば消費量は増加し、ブロワフォールに乗馬すれば二倍、パピヨンに乗馬すればそれ以上の燃費になる。>>134
【セリフ】
「サーヴァントライダー、あんさんの呼び声に応えて参上仕ったぜ。これからお互い気楽にやろうや」
「聖杯ねぇ。オレは謙虚な信徒じゃあないが、だからと言って「神の子」の名を騙った聖遺物を見過ごせる程いい加減じゃあないぜ。ま、程々に見極めさせてもらうよ」
「面識はないがありゃウチのパラディンか。噂に違わない最強ぶりと……全裸ぶりだな」(ローラン同行時)
「あの王様の勇士たちが大集結とは、人生何が起こるかわからないもんだな。曲者揃いだから辟易しない程度の心構えを用意しとく事をおすすめするぜ?」(シャルルマーニュ十二勇士同行時)
「さーて、ひと暴れと行きますかね『踏破の燕子(ブロワフォール)』!」
「コイツを使わせるのがどういう意味か……それは、お前を絶対に逃さねぇって事だ! 最果てにだろうが悉く駆け巡れ──── 『かくも遠き燐光群(パピオン)』!」>>60
ローガンは食べます。普通に食べます。そんなに大食いではないですが、セットくらいは食べると思います。
>>72
聖杯問答ですか…。ローガンには大層な願いも信念もありません。ただ一つの目的、義妹のために戦うだけです。エゴを通すだけなので、王様サーヴァントに何か言われたら何も言い返せませんし、「万人の為に」聖杯を使う人がいれば恐らく卑屈になるでしょう。ですがランサーだけは別です。
ランサーのことを悪く言われたらたぶん反論します。それは現段階で彼が唯一信頼できるのがランサーだけだからです。信頼できるランサーに万一にも裏切られたくないローガンは、ランサーに対してプラスになるような行動を取るでしょう。なお、ローガンは自分を納得させる為にこのような理屈を心の中で並べていますが、実際は『一目惚れ』なので感情的になるかもです。もちろん、平静を装いながらですが。
長くなりましたがこんな感じでしょうか。要約すると『ローガンはランサーが好きだが、まだそれをバラしてほしくない』という感じですね。falling moon 1-2が出来たので貼ってもよかでしょうか?
蓮見の話をちまちまと書いてますが過去編とは言え故人を出してどうしたいというのか
ワ〇ピースか?ワン〇ースなんか?よっしゃ長めだけど貼っちゃるで
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/wiki/Fate%252Ffalling%20moon
最初の方こっちにまとめておきました「……消えないなこれ」
引っ越した翌日の朝、寝ぼけ眼を擦りながら痛みが走った左掌を見てみると不気味な赤色は消えるどころかさらに色味を増し痣じみたものとなっていた。しかも気のせいか何かのシルエットを形取っているかの様にも見え、ちょっとしたホラーに理仁は思わず呻く。
「あれ、でもこれどっかで見た様な……」
「理仁ー、起きてるー?」
不意に既視感を覚え、じっと痣を注視してみようかという時に自室のドアがノックされ美和子ののんびりとした声が聞こえた。枕元に置いてあるスマホは朝の六時と表示されている。今日は転校先の学校に顔を出すのだから早起きなのだと思いだし、理仁は痣の事を頭の隅に追いやって、
「起きてる。すぐに着替えるよ」
用意されている制服に着替え居間へと向かうと彰久がテレビとにらめっこしている。心なしかその後ろ姿からピリピリとしているのが感じ取れた。
「おはよう」
「ん?おお、おはよう。疲れは取れたか?」
「うん、まぁまぁ」
『月見市中心部でのガス漏れ事件に関する新しいニュースです。昨夜、飲食店を営む五〇代の男性が―――――」
テレビでは朝のニュース番組が流れている。神経質そうな男性キャスターのうんざりだと言わんばかりの口ぶりからしてガス漏れ事件とやらはもう何度も起きているらしい。彰久がピリピリしている原因はこれだろうか。
彰久とテーブルを挟む様に椅子に腰掛け恐る恐る顔を窺うが、やはり義父はやはり苛立たしげだ。
「前からなの、この事件」
理仁が話しかけてみると、彰久は眉をきゅっとしかめて台所で朝食を作っている美和子をちらりと窺い、ぐっと顔を寄せてきた。本当に妻を愛しているからこそ、出来れば嫌な話題を聞かせたくは無いのだ。理仁も頷いて同じ様に顔を近付けた。
「私がここへ来た頃にはまだ大した事は無かったんだがここ数日増えてきている。例のクスリの件もそうだが、どうにも変だとは思わないか」
「それは……」
どういう意味で、変なの。理仁はそう言おうとしたが、こちらへお盆を持ってやってくる美和子を見て彰久に首を振った。二人は何も無かった様にさっと身を退いて椅子の背もたれに体を預ける。>>150
月見市は東京都心部に近い地点にあるいわゆる大都会である。理仁としては何処がどうとかは全く分からず、ただ東京、都会であるという認識だけで十分であった。
理仁が通う事になる朔見(さきみ)高校は自宅からそれなりに離れている為に電車を使うのだが、今回は彰久と車で向かう事になった。
「いやあ、こうして学校に送っていくってドラマみたいで良いとは思わないか理仁」
「俺は別にそっちはどうでも良いけど、これから住む街をぐるっと見られるだけは悪くないかな」
「学校の方はどうだ。シティボーイ達と付き合うっていうのは」
「不安でいっぱいだし、今からでも頭抱えそうだよ。んあーもう、マジでやだ」
「前向きに考えてみよう。もしや可愛い女の子と運命の出会いとかあるんじゃないか~?」
「ないない、絶対無いからそんなの!」
わーぎゃーと二人で言い争っている内に車は朔見高校に到着してしまった。本来ならば窓から街並みを見ていくつもりだったのだが好きな子のタイプやら、もしも彼女出来たらちゃんと紹介してよね、それはもう彰久がぐいぐい絡んでくるものだから何も見られず気付けば到着である。とりあえず恨めしげに理仁は彰久を睨んだ。
朔月高校の校舎に足を踏み入れ職員室へ向かう道中、理仁は見覚えのある少女が向かい側から歩いてくるのを目にした。新幹線で出会ったライオンの様な彼女だ。同じ朔見高校の制服を身に纏った姿はびしりと決まっていて、堂々としている。同じ高校に転校してきたのだ。
トイレの前での一件を思い出し理仁はじわりと背中の辺りに嫌な汗が噴き出すのを感じた。また睨み付けられやしないだろうか。
「ん?」
少女もこちらに気付き、眉をつり上がらせる。どうやらあちらも相手が誰かを記憶している様で足取りを早め、理仁へと接近してくる。一体何をしてくるのかと理仁がどぎまぎしていると、少女はにっこりと微笑んで右手を差し出してきた。
「また会うとは思わなかった。これも何かの縁、そう捉えさせてもらおうか。洲甘柳花だ、よろしく頼む」
「え、あ、ま、間久部理仁です……」
何が何だか分からないままで理仁は柳花の手を握り返す。すべすべとした肌の細い指先からは信じられないほど強く握りしめられぎょっとしたが、少女は満足げに微笑むとそれではな、とまた堂々とした足取りで去って行った。>>151
「嘘だろう理仁、まだここに来て一日しか経っていないのにフラグ建築してしまったのかお前は。信じられんなー」
「いや、フラグというか俺もちょっと衝撃過ぎてどうしたものか……」
「今日は赤飯でも買っていくかな、なんて。ともかく美少女に気を取られるのは終わりだ、行くぞ」
後ろ髪に引かれる思いをしながらも理仁は柳花の後ろ姿を見送ってから職員室へと向かう事にした。傍らの彰久の幸せそうな表情を少し憎らしく思いながらも、未だに右手からは少女の肌心地が染みついて離れず酷くモヤモヤして仕方が無い。
(握手した時俺顔真っ赤になってたかな……めっちゃキョドってたし絶対キモいとか思われてねぇかな。うわもう、同じ学校とか信じらんねぇ)
職員室の前にやってくる頃には少しばかり冷静さを取り戻し、なんとか理仁は深呼吸をする程度には持ち直したもののばっちり練習してきた教師達への挨拶は完全に頭から抜け落ちてしまっていた。
彰久がドアをノックすると中からどうぞ、と声が返ってくる。がらがらと音を立ててドアを開けると十数人近くの教師がじっと二人に視線を向けてきた。
「あ、間久部さん、こっちですよこっち」
横に長い職員室の奥、柱の影の辺りからワイシャツ姿の男が大袈裟に手を振ってきている。彰久と顔を見合わせてから理仁は緊張しながらそちらへと歩いて行った。>>152
「お待ちしてましたよ。理仁君が転入する2-Aの担任で、浦戸と言います。どうぞ座ってください」
「これはどうも……」
用意されていた椅子に腰掛け、理仁はじっと浦戸を観察する。随分と若く、二十代前半と言ったところだろうか。癖のついた黒髪、眠たそうな目、着崩れたワイシャツ、第一印象は『冴えない男』だ。けれど口調はハキハキとしている。加えてしつこくない程度に花の香りがした。全く以て不釣り合いだが香水をつけているらしい。
「理仁君、これが君の学生証。一年間だったかな、短い間だけどよろしく」
浦戸が手を差し伸べてくる。今日だけで二回も同じ場所で握手をする事になるとは思わず、理仁は少しだけ口元を歪めて手を握り返した。
「二年生で転入だなんて大変だろうけど、俺なりに君の事をサポートしていくつもりだ。困った時は頼って欲しい」
「あ、ありがとうございます。よろしくお願いします」
浦戸の握手は柳花とはまた違ってがっちりとした熱い握手で、理仁の空いていた左手もまとめて上下にそれはもう激しく振るほどであった。>>153
「ちょっと散歩してくる。誰かさんのおかげで全然街を見て回れなかったし」
「そんなにちくちく言わんでおくれよー、理仁ー」
学校への挨拶を済ませ家に戻り、私服に着替えてから理仁は街へ繰り出す事にした。
ひぃーん、と彰久の悲鳴を受けながら玄関扉をぴしゃりと閉め、スマホの地図アプリを起動する。月見市には繁華街や自然公園、幾つかの娯楽施設があるらしい。とりあえず理仁は一番人が多いであろう繁華街へ足を伸ばす事にした。
以前住んでいた街と比べてやはり東京と言うだけで行き交う人々の数は全く違う。若者の割合が多く、女子高生らしき派手な服装の少女達がクレープ片手にキャッキャッとはしゃぎながら理仁の横を通り過ぎていく。
(……なんというか、やっぱり都会は違うんだなぁ。街並みじゃなくて、人が)
「ほんと、マジでちょっと付き合うくらいで良いからさ。ねね、お願い、お願いよマジで」
「私、急いでいるので」
「そうお堅い事言わずにさ! ちょっとだけ遊んでおくれよ」
「だから、急いでいるんです」
(訂正。こればかりは都会も同じだわ)
繁華街のちょうど端、これまた高校生らしき少女が柄の悪い青年に絡まれている。行き交う人々は特にそれを止める訳でもなく、むしろ足早に避けている様だった。青年の背中に隠れて見えないが少女は気丈に振る舞っている様に見えて声は僅かに上ずり、怖がっているのは明らかだ。
「あーもうじれったいなぁ。もう来なよ、ね、楽しいからサ」
「いや、ちょっと、離してっ」
誰も助けに入らないおかげで青年は遂に実力行使に踏み切った。少女の腕を掴み青年の体が動き、ようやく理仁は少女の顔を目にする。今にも泣き出しそうなほどに歪んだ双眸が理仁へと向けられた。
断言するが、間久部理仁は決して自分が正義のヒーローぶる様な人間だとは思わない。出来れば面倒事になんて巻き込まれたくない、普通に生きられればそれで十分なのだ。
だと言うのに、都会の変な空気にでも当てられたのだろうか。>>154
「あのー、ちょっとすみません」
理仁は思わず青年へと駆け寄り、強張った声で話しかけていた。
「あん……?何お前」
「その子の、友達? ちょっと目を離した隙にどっか行っちゃったもんだから探したんだよ。迷惑おかけしました」
「え、あ、あー! ご、ごめんなさい、私ったら今日はちょっとテンション高かったかも!」
突然の事にも関わらず少女はすぐに理仁に合わせ、友達であるという風に振る舞ってみせる。青年はと言えば怪訝な顔で理仁をじっと睨み付けてくる。不良によくあるとりあえず睨む、という奴だ。理仁は特に怯む事もなく、青年から少女を掠め取って踵を返した。
「そういう訳で、じゃあ」
「いやいやいや、んな訳あるかよ。お前何ヒーローぶってんだ、待てよ」
一瞬呆気に取られたもののすぐに青年は声を荒げ、理仁の肩を力任せに掴み引っ張る。そのまま拳を叩き込もうと言う算段なのだろうが、理仁からすれば飽き飽きしているワンパターンな行動だ。
青年よりも速くその鼻っ柱に拳を振るう。しかし直撃はせず、鼻の先でぴたりと寸止めした。引っ越した翌日に暴力沙汰など起こして彰久達に迷惑はかけられないからだ。
「ひゃっ」
「……良いか、ちょっとイキった事を言うが痛い目を見ないうちに失せろ。こちとらお前みたいなのとは死ぬほど喧嘩してんだ」
青年は時間が止まった様にその場から動かない。理仁はふん、と鼻を鳴らすと少女の手を握って繁華街から猛スピードで逃げ去った。かなり多くの人に一連の流れを見られてしまい、恥ずかしくて死にたい気持ちで一杯だったのだ。>>155
「……恥ずかしい。マジで、本当に、恥ずかしい」
適当に走り回った結果、理仁と少女は繁華街から少し離れた自然公園までやってきていた。ベンチに腰を下ろし、ぜぇぜぇと息を切らす理仁を尻目に少女は十秒ほどしてすぐに呼吸のリズムを取り戻し、近くの自動販売機へと駆けていった。
「何か飲みたいものありますかー?」
「冷たい奴ならなんでも……」
「はーい」
しばらくして少女はあれほど走ったと言うのに凄いスピードで缶ジュース二本を手に戻ってきた。特に疲れた様子もなく、脱力しきっている理仁とは大違いだ。
「はいどうぞ」
「……何この、ケミカルサイダーって」
「詳しくは知らないですけど最近発売された奴です。飲んだらやみつきすぎてケミカル!っていう」
聞くからにやばそうなジュースだが、冷たいモノを喉に入れたいという衝動に押し負け理仁はプルタブを開けて勢いよくケミカルサイダ-を流し込んだ。筆舌に尽くしがたい壮絶な味に面食らったが、それでも一気に全部飲み干した。
「うわ、凄い飲みっぷり……助けてくれてありがとうございます。どうなる事かと思いました。すっごい格好良かったですよこう、ビシッて」
「そりゃどうも……」
「私、三義経子と言います。貴方は?」
「ま、間久部理仁」
「間久部さんですか。私の命の恩人です、決して忘れません! 何か恩返しさせて欲しいです!」
「じゃ、じゃあ出来ればもう少し、そっとしておいてくれ……」
経子は言われた通り理仁の息が整うまでずっと隣でミネラルウォーターをちびちびと飲みながら待っていた。どことなく犬を彷彿とさせるその仕草は可愛かったが理仁が気にかける余力はなかった。>>162
オンライン会議のマナーというか習慣は各会社ごとにあると思うんですよね。それをさも、普遍化されているマナーがあるが如く言われるのは何だかなぁと思いますね。テレワークで顔出しはちゃんとしないとダメ、背景を消すことはしてはいけない、とか不合理なこと言われるのは好きではないですね。顔出ししないで資料を共有する以外は画面映さない会社もありますし。オンライン会議のマナー指摘……クリプター会議でマナーを指摘しまくってぐだぐだになるお話とか思い浮かんだ。
>>167
どっかで見たのだとzoomやらteamsの画面にも上座下座の概念があるとか…。下らね。静香「小鳩小鳩、ちょっといいかな?」
小鳩「なに? おかあさん」
静香「あのね。倉庫の右……お茶碗を持つ手の方にね。黒い棚があるんだけど、その真ん中の段から占事略决って本を取ってきて欲しいの。表紙に赤い御札が貼ってあるからすぐわかるはずだよ」
小鳩「おかあさん、私トイレいきたい」
静香「あー、ごめんねごめんね。行っておいで……七海、今の聞いてた? 今動けないから代わりに頼める?」
七海「……………しゃけ」
静香「……………は??」
七海「たらこ……しゃけ!」
静香「また変なものでも食べたの? 拾い食いしちゃダメって前にも言わなかった?」
七海「おかか!!!!」
美咲「静香ちゃんって、漫画とか見ないタイプなのかな?」
終わり。オチは無い>>172
私の方は半日で終わっていました。6:30だか7:00に始まって12:30にはもう帰ってました。>>172
7時半に始まり長けりゃ6時前まで。AC見てると本当にぐれおの完結のタイミングギリギリだったかもしれない……と思っちゃいますね
>>172
午前8時から午後4,5時ぐらいでしたねー文章を書いてるうちに「これを投下する=ただの自分の性癖の開示になるのでは?」ってなるのなんなんですかね
>>172
9時開始の15時〜16時だったかと!半日はともかくひ、昼休み……
でもなるほど、ご協力ありがとうございました~コソコソ話
経子のテーマソングみたいなのがあるとしたらDECO27さんのlove scopeだよ
どんな曲かと言うと気持ち悪いストーカーの歌だよ>>183
どうせダメって言ってもやるんでしょ>>184
まぁそれはそうっすね…聞け!ってゴリ押しするよりなにそれ…って興味ちょっと思ってもらえる方がいいかなって>>185
ほいー
SE(カルデア内を走る音)
SE何か柔らかいものにぶつかって転倒する音)
「いったたた……どうしたのかな、マスター。そんなに慌てて。ここでならともかく、船内ではこんなことは厳禁だよ? 君も臨時とはいえもう少し船員として自覚を持って……
ああ、今日はバレンタインだっけ。あいにくと、聖人は聖エルモにしか縁がなくてね。忘れてたよ」
『そうだ』/『これ、良かったら』
「これは……チョコレートかい。感謝するよ。マスター。
海の男として甘いものに喜ぶのはどうかと思うけど、それはそれ、これはこれさ。
ありがたく、みんなで頂くとしよう」
『どういたしまして』/『喜んでくれてよかった』
「うん。僕個人の嗜好としては甘いものは嫌いじゃない。むしろ、糖分は脳の働きをよくしてくれる好きな方だよ。
……ありがとう、マスター。大切に頂くよ」>>188
SE(カーテンが開く音)
『………ん』/『もう朝……?』
「おはようマスター。今日はいい天気だ。絶好のクルーズ日和さ」
『ら、ライダー!?』/『……乙女の部屋に無断で入るのは良くないと思う』
「それは今更だろう。朝に会議がある度に起こしてって頼み込むのは一体どこの誰だったかな?」
『それは……』/『……私です。面目ない……』
「……わかってるならいいさ……その。なんというか……
うん。回りくどいのはらしくない。本題に入ろう。今日は1日休みだろう? 用事がないなら、少し付き合ってくれないかな?」
『うん』/『そういうことなら喜んで』
「うん、いい返事だ。行くぞ! ドラグーン号! 面舵一杯!」
『ちょ、ちょっと!?』/『部屋で宝具を使うのはダメー!』>>190
「……その、マスター。本当にありがとう。バレンタインだけじゃないよ。僕はいつだって君に感謝しているんだ。
僕は子供だ。他の英霊達のように君を必ず守ると約束は出来ない……でも、こうやって君に綺麗な景色を見せることは出来る。
何もかもが嫌になって、どうしようもなくなってしまった時はいつだって頼って欲しい。
君は僕のマスターで、ドラグーン号の船員の一人だ。船長には、船員の健康を保証する義務がある。義務があるなら、それは遂行しなければならない。
……なんてね。少しかっこつけすぎてしまったかな。
なんにせよ、これからも改めてよろしくね。マスター。
君の旅路には、セントエルモの加護があるってことを忘れないで欲しいな。
……頼りないかもしれないけど、僕もいるしね」
『ワンデイ・バカンス』
クラムボンからマスターに対するバレンタインのお返し。
宝具『万象呑む破滅の海域』内に展開した砂浜と、そこに沈む夕日。
ライダーの記憶の中に存在する世界3大夕日の一つ、北海道は釧路の夕日を再現したものである。
彼が記憶している中でも数少ない日本の夕日。
それをマスターに見せたのは当然その光景が素晴らしいというのもあるが―――同じ国を生きたものとして、一時だけでも日本の地を踏んで欲しかったという理由が大きい。
「……その。日本に思い入れがあるようだから君にはな話したけど。絶対に誰にも言わないでくれよ? ツタンカーメン?」日本セイバーを考えてたらアドレナリンバリバリ湧いてきてクッチー異聞帯『悪性賛華島 平安京』なるものが出来上がっていた……。
>>200
俺は山月記の李徴とパズズ、マンティコア辺りをフォーリナーがまぜまぜしたサーヴァントとか思いついてたなぁ…。
>>201
クッチーにとってはどうころんでも満足度高い展開だぁ…。
カルデア敗北→世界全部巻き込んで盛大に心中できる。
カルデア勝利→人理が戻る可能性高いので嬉しいし協力したいと思える。
コイツ無敵か…?
>>194
銀髪赤眼セーラーショタな海魔(ウチのデイヴィ・ジョーンズくん)をすこれ。
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/wiki/%E3%83%87%E3%82%A4%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%BA>>198
>あそこ舞台として美味しすぎるじゃん?
そもそもな話、都を京に築いてから鎌倉幕府が出来るまで長いというのがありますからね……
平安京異聞帯なー、自分はアトランティス・オリュンポスの如く羅生門・平安京で分けるつもりだったなぁ
清少納言を軸に据えてたので頓挫しましたが……>>209
ぬわ~!お久しぶりです!!
そして皆様おやすみなさい……>>210
こっちも出来たらするかもしれん。他にもウチのキャラ(鯖鱒問わず)からランチャーさんのキャラになんか言及発言欲しかったら要望してくれれば書けるかもしれん。(確約は無理だけど。)
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/wiki/%E2%97%86B8D4AQBhU2俺は…俺はいっぱい曇らせと称した何かをやってきた。なんというか、それは書いていて楽しかったんだ。
けれど今日、俺は、色々あって本物の展開を見せつけられた。これが、こんな事があっていいのかっていう展開をぶつけられて俺は…自分がひどくちっぽけな存在だと気付いたよ。頑張らないととかそういうのじゃないんだ、持って生まれた力なんだこれは……!>>209
お久しぶりです
私事ではありますが、ぐれお完結しましたーゾンビ映画で登場人物になる時、たとえば「ゾンビ」ではゾンビばかりの世界で狂いかけていた男が噛まれて刻一刻と歩く死体に近づこうかって時に仲間である主人公に「俺も精一杯頑張る。だけどもしダメだったら撃ってくれ」と言うんですよ。
その後しばらくして結局男は息を引き取って顔まで毛布をかけられて眠っているんです。主人公がじっとそれを見つめていると、むくりと死体が起き上がって毛布が落ち、虚な目をした男がそこに…という流れなんですけど、化け物になる事への恐怖に駆られながらも必死にぐぐぐ…ってなる姿って本当に辛いし可能な事なら救われてほしいと思うんです。でも知らんな!と言わんばかりにひどい姿になってそれを仲間が撃たなきゃいけない、どちらも辛いっていうこの展開ってうまくやりたくてもそう出来ないんですよ。あともっとうえええ、となったのがプライベートライアン。これはゾンビものじゃないけど虐殺器官で語られていた序盤20分が一番だ(個人差があります)という風にそりゃもうえげつない映像が流れるんです。手足はポンポン飛ぶし臓物は曝け出されて曇り空の下で海が血で赤く染まって、死体がじゃぶじゃぶと波に攫われてる。
これまで地獄絵図だっていう表現はパッと思いつくけどなかなか映像には思い浮かべられなかったんです。でもプライベート〜でリアルなグロさと悲惨さが大迫力で殴ってくる訳ですから、当分自分の中で地獄というのがカッチリと固定されちゃった気がします。>>209
お久しぶりです。人外鯖案にあとキキーモラとかあったけどこれは別にサーヴァントでなくてもいいよなぁ(サーヴァントになれるとも思えないし)とマスターに転用しようとかコソコソ考えてます。依然として新キャラは自重中ですが。
ディアリンバレンタインの載ってるスレ見付けてきましたー。↓の818からですー。
https://bbs.demonition.com/board/6387/17/
>>221
人としての尊厳、意地、主人公補正、それらを無慈悲に捩じ伏せて絶望を押し付けてくるどうにもならなさといった感じですかね。
>>222
私が言ってるのは星4以上のサーヴァントのことなのですよォ。あと全然関係ないけどこの展開いいなと思ったのは上でも言いましたけど虐殺器官中盤での色々省くけどゾンビ兵士同士の撃ち合いだと思います。
お互いに痛みを感じないから敵が死ぬまで撃ち合うしかない。だから気付けば手足なんてそこらじゅうに転がっちゃうし、自分の体が泣き別れしていても気付かなかったりする。
この戦いの後に主人公が見るモンティ・パイソンのアーサー王物語には黒騎士が出てきて、手足を切り落とされながら痛くない!と意地を張るシーンがあります。しかし現実では全く笑えない地獄絵図がすでに繰り広げられていたわけで、そのギャップがまたオエッとなるのです。
アニメの方だとこのあたりがかなりわかりやすくて、原作を読み込んだ後だともう凄いんです。やる奴も考えた奴も最悪だ!って気分になって。
……こうして色々連なると俺の全ての始まりは虐殺器官からなのでは?という事で……お分かりかな!ネタバレはしとらんからな!お分かりかな!!
>>172
9時くらいから始まって、16:30くらいで終了だったような
もうほとんど覚えてない…>>226
17歳男子…うちにはいない。口惜しや…うちのメイン層は19歳ゆえ…。前スレで募集して書いてた悪属性付与ssだけど途中まで書いて「募集しておいて他の人のキャラ殆ど出てねーじゃねーか!」となったのでボツとなりました。なにか他にネタ探さないと。
>>231
息苦しくなるような閉塞感というやつですね。それは確かに難しい。上手くやらないとただの鬱展開になってしまいますしね。>>226
自分のところからは亥狛か乾 麒一郎が該当しますね。もしご縁があれば是非使っていただけると嬉しいです。>>226
やったー嬉しス!
ドキッ!17歳男子だらけの聖杯大会SS!!~ポロリ(意味深)もあるよ~
みたいな?>>236
分かり味……
一応、それらしき記述を発見した上で書きたい&それっぽい名称を使いたいがマイナーだと見つかんない案件…
ファーヴニルの歌(Fáfnismál)の読み方は、ファーヴニスマールなのか…?とか
ディオニュソスの異名のピュリスポロス(Pyrisporos)、ピュリゲネス(Pyrigenes)の根拠はどこだよ!?とかスペル発見するまでめっちゃ色々試した>>248
では!
「サーヴァント・ライダー。僕の名前はクラムボン。君の航海、旅の安全をここに誓おう」
【元ネタ】心理学、生理学、宮沢賢治『やまなし』
【CLASS】ライダー
【真名】クラムボン/Clammbon
【異名・別名・表記揺れ】タラノフォビア、海洋恐怖症、ナーサリーライム/クラムボン
【性別】男性
【身長・体重】147cm・39kg
【肌色】白【髪色】サンセットオレンジ【瞳色】マリンブルー
【外見・容姿】山梨の花を模した髪飾りをつけた小柄な少年。頭頂部で結った髪は日の沈んだ海面を思わせ、瞳は深い海中に似ている。白い水兵服に身を包み、その上から深い蒼色の羽織を羽織っている。
【地域】日本、あるいは、海洋国や島国の各地域
【年代】1923年、あるいは人類創世直後
【属性】秩序・善
【天地人属性】地
【その他属性】人型
【ステータス】筋力D 耐久C 敏捷A 魔力E 幸運EX 宝具A
【クラス別スキル】
対魔力:D
騎乗:A>>249
【固有スキル】
水棲:A
生息域が水中であることを示す。
Bランク相当の魔力放出(水)、水中呼吸、泳法などの複合スキル。
嵐の航海者:A
船と認識されるものを駆る才能。
集団のリーダーとしての能力も必要となるため、軍略、カリスマの効果も兼ね備えた特殊スキル。
灯火の加護:B
船乗りの守護聖人、聖エルモの加護を示す。
前に進むという意思を持ち続ける限り、あらゆる困難・あらゆる障害が『不可能なまま踏破可能』になる。
情報抹消:C
対戦が終了した瞬間に目撃者と対戦相手の記憶から彼女の能力・真名・外見特徴などの情報が消失する。
『対戦相手』と『目撃者』という対象の条件さえ満たしてくれればその射程距離は無限に等しいらしく、例え時代を超えた観測であろうと情報を消失させ、記録されたデータにさえ干渉することが可能らしい。>>250
【宝具】
『万里征す守護の海龍』
ランク:A 種別:艦船宝具 レンジ:世界に海の続く限り 最大補足:10人
イージスシップ・ドラグーン。ドラグーン号とも。
海の畏れを表す神、海を守護する神―――竜神の姿を模した戦艦。
海神・竜神に捧げられた『海難避け』の信仰と、ナーサリーライムの持つ『守護者』という性質が習合されたもの。
内部はCランク相当の陣地作成と自陣防御の機能を持ち、外殻がいかに壊れようともその衝撃が内部まで届くことは無い。
概念的な防御も貼り巡らされており、これを破るには「破壊」やそれらに類する概念をぶつける必要がある。
『万象呑む破滅の海域』
ランク:A 種別:結界宝具 レンジ:10~100 最大補足:1000人
スケアリー・サルガッソー。
魔の海、かつて人々を恐怖に陥れた伝説の暗黒海域を具現化する。
無数の海藻が生え並ぶ死の海域であり、それに捕らわれたが最後、地上へと変えることは出来ない―――その実態は『不動縛』『呪縛』『スタン』など様々な状態異常を付与する呪いの大海原。
大イカ、大亀、大タコ、サメ、シャチ、鯨、ウツボ、蟹、オウム貝、その他様々な海にまつわる驚異が敵対者へと襲いかかる。
結界宝具であり消費も莫大ではあるが、元々存在する海に上書きすることで魔力消費を抑えることが出来る。
この宝具はライダーの思う『海』がベースになっており、使い方によっては相手に絶景を見せることも可能。>>251
【解説】
宮沢賢治が1923年に発表された短編童話『やまなし』に登場する存在(モノ)
その正体は発売当初から不明であり、賢治の死後も『蟹』『鎹』『アイゼン』『アメンボ』『泡』『光』『母蟹』『著者である宮本賢治の妹・トシ子』『子供の頃の宮沢賢治』『全反射の双対現象として生じる外景の円形像』『やまなしの花』『コロボックル『人間』などといった様々な説が語られている。
たくさんの子供に時代を越えて愛され、それでいてその正体不明さは多くの恐怖を呼び―――ある概念との融合に至った。
海洋恐怖症と呼ばれる存在(モノ)がある。海に、川に、湖に―――大量に水に対して感じる恐怖の総称である。
人類創世時より人は海と共にあった。海洋を介した貿易は人を豊かにし、海洋の踏破を願う思いは人に技術の発展をもたらした。
海は人類の良き友であったが、時折牙を剥くこともあった。津波や嵐、洪水など、水の持つ暴威は人々を恐怖に陥れ―――海神信仰・竜神信仰が生まれる所以にもなった。
現在も映画のJAWSや文学作品のクトゥルフ神話を筆頭に、海の恐怖を描いた作品は枚挙に暇がない。
共に水にまつわり、共に人の恐怖を誘うもの。その相性は非常に良好であり、彼らの同調は英霊となる霊基を得た。
ただし、その出自が童話である以上彼の本質は『ナーサリーライム/クラムボン』と呼ぶべきものである。
子供のために生み出された、子供を守るための英霊。
それがクラムボンという少年である。>>252
余談ではあるが、第三再臨時は通常時よりも『海洋恐怖症』の要素が色濃くなる。
戦闘時には威圧的な言動が増え、『恐ろしい海』としての在り方を存分に振るおうとする。
深遠という極地から他者を睥睨するその様は、さながら『海の魔王』と言えるだろう。
……もっとも、本人はその時の姿をあまり好んでいなのだが。
自身を『海の男』と称する少年。船を愛し、魚を愛し、そして海を愛している。
事あるごとに海の男らしい含蓄を披露するが、それは微妙に似合っていない。小柄な体躯と、少女にも見えかねない容姿が問題であろう。
ちなみに、少年としての姿を取っているのはクラムボンの正体として予想された『子供の頃の宮沢賢治説』に由来するもの。
子供の守護者(ナーサリーライム)としてマスターを守ろうと思っているが、英霊としての自分の力の無さにコンプレックスを抱いている。
特に身長に関してはかなり過敏であり、ことある事に言及しては自分で落ち込んでいる。
勇敢で気高く、義に厚く情が深い海の男。
例え子供であろうとも、その精神性は一人の英霊として存分にマスターの力となるだろう。>>253
【セリフ】
■マイルーム会話
会話1「物資の調達に行きたいな。マスター、付き合ってくれる?」
会話2「僕は船長ではあるが、君はその上に立つ……つまりは、出資者のようなものか。いや、それもなんだか面映ゆいな……その、特別船員ということでどうかな? マスター」
会話3「船の上はともかく、陸の上は不慣れでね。意見があるなら極力聞き届けるつもりだから、遠慮せずに言って欲しいな」
会話4「父さん、いや、父上……ああ難しいな。なんて言えばいいのだろう。と、ともかく……うん。お会い出来て嬉しいです」(宮沢賢治に対して)
会話5「それで、次は何を着ればいいのかな? 巫女服かい? それともメイド服かい? なんだっていいんだよ? ……そりゃあ確かに君達はあれかもしれないけどさ。これでも君達には敬意を持っているんだ。これくらいでよければ付き合うよ」(海賊系サーヴァントに対して)
会話6「やあナーサリー、こんにちは。ん? ああ、いいとも。お茶会だろう? ドラグーンの甲板で良ければ好きに使うといい……僕と彼女が仲がいいのが意外かい? 元々僕と彼女は一つだったようなものだからね。兄妹、みたいなものさ……え? 年代的には僕が弟? い、いいじゃないか! 僕が兄でも! もう!」(ナーサリーライムに対して)
会話7「海の悪魔の名乗るサーヴァントか……いや、うん。他意はないよ。僕も半分は似たようなものだから。海の平和を守る~みたいなセリフはイアソンかオデュッセウスにでも言わせておけばいいさ」(ディヴィ・ジョーンズに対して)
会話8「フランシス・ドレイク……海を渡り、世界を渡った星の開拓者……彼女は、海が怖くなかったのかな」(フランシス・ドレイクに対して)
会話9「彼らも呼ばれていたのか。うん、少しばかり縁があってね。直接会ったことはないけど……ま、部署の違う同僚みたいなものさ……というか、君も知ってるでしょ? 受けてなかった? 国語の授業」(兵十、ごんぎつねに対して)
会話10「海神に喧嘩を売った英霊から、海神の縁者まで……道理で過ごしやすいと思った。よりどりみどりだね、ここは」(海神関係者に対して)>>254
好きなこと「海鳴り、潮の香り、素足で歩く砂浜、かな。あとは読書も。海の男には知識も必要なのさ」
嫌いなこと「整備不良、進路トラブル、魚雷……整備不良に関しては最善を尽くしているつもりだけどね」
聖杯について「僕は君を守るために召喚されたサーヴァントだ。願いのようなものは持たない……その、身長、伸びたりしないかな?」
イベント開催中「稼ぎ時なんだろう? 付き合うよ。稼げる時に稼ぐのは、海の男の鉄則だからね」
誕生日「お誕生日おめでとう……その、今度一緒に出かけないか? 綺麗な夕日が見える海岸を知ってるんだ。君さえ良ければ……だけど」
絆Lv1「ああ、君か。何か用? 手短に頼むよ。これからトレーニングの約束があってね」
絆Lv2「船内ではあまりはしゃがないように。転んだりすると危ないからね。君は僕のマスターだが、僕はこのドラグーン号の船長だ。船の中では僕の言葉に従うこと。いいね?」
絆Lv3「子供の頃に僕を国語の教科書で見た? そうか……それは嬉しいね。僕はナーサリーライム。子供を守るための英霊だ。君が子供の頃に僕と縁を結んでいたのなら、これほど嬉しいこともないさ」
絆Lv4「うーみーはー、ひろいーな、おおきーなー……ま、マスター!? いたのかい!? ……うう。今のは誰にも言わないでくれよ? 絶対、絶対だぞ!」
絆Lv5「背は伸びなかったし、トレーニングもさして効果はなかった。それでも……君のそばにいさせてくれるかい? ……そうか。ああ、何故僕が君に惹かれるのかようやくわかった。君の心は、海のように広いんだね。マスター」>>255
■レベルアップ時
レベルアップ1「これが成長……か。すごいなカルデアは……あの、さ。もしかしたら身長が伸びたりしない? しないか……別にすごくないじゃないか、カルデア……」
レベルアップ2「霊基の拡張を確認したよ。うん、いい感じだと思う。どうかなマスター。ウォーミングアップがてら、クルーズにでも行かない?」
レベルアップ3「資源の無駄遣いは感心しないなあ。ここには、僕よりも相応しい相手が大勢いるはずだろう?」(第三再臨以降)
霊基再臨1「夜だとこの格好は少し肌寒いからね。上着を着させてもらうよ?」(水兵服の上から青い羽織を羽織り、軍帽を被る)
霊基再臨2「これはこれで気に入っているよ。それに、海の男は着た切り雀が多いものさ」
霊基再臨3「……どう、かな。これも僕、さ。僕はクラムボン、またの名をタラソフォビア。海の恐怖を司るものだ……どう? 軽蔑したでしょ?」(頭足類を思わせる意匠が目を引くウェットスーツ。毒々しい配色は冒涜的にも思える)
霊基再臨4「君に敬意と感謝を。僕のような子供にここまで付き合ってくれて本当にありがとう……改めて誓おう。サーヴァント・ライダー。真名をナーサリーライム/クラムボン。またの名をタラソフォビア。君の航海、旅の安全……いや、守護を誓うよ。僕は君を守ってみせる。大丈夫さ。結局身長は伸びなかったままだけど……僕は、君の育てたサーヴァントだからね」(帽子を左手で胸に抱き、右で敬礼する姿>>256
■バトル時のセリフ
バトル開始1「うん。たまには荒っぽく行こうか―――波を起こせ、ドラグーン」
バトル開始2「……ああ。いいとも。すべてを飲み込んでしまおう」(第三再臨時)
カード選択1「いいよ?/押し流す!」
カード選択2「もちろん/仕方ないな」
カード選択3「いい指示だ!/藻屑となれ!」
宝具カード1「碇を上げろ! 出航の時だ!」
宝具カード2「……ああ。沈めてしまうのが手っ取り早いか」
宝具1「我が主を守るため、我が主に笑顔を届けるため! それこそを、この身の存在を証明する錨とする! 『万里征す守護の海龍』」
宝具2「ははははは! 我らの海路に障害は無し! 全て、全て、この海に眠る骸になれ! ぶち抜け! 『万里征す守護の海龍』!!!!」
ダメージ1「損傷は軽微、戦闘を続行する!」
ダメージ2「海の男は、折れない!」
ダメージ3「水遊びか?」
ダメージ4「その程度じゃ、飛沫も立たない」
戦闘不能1「祇園精舎の鐘の声……ここが、僕の壇ノ浦、か……」
戦闘不能2「恐怖とは、乗り越えられて然るべき……さ」
勝利1「ようやく終わった……やれやれ、緊急メンテが必要だな」
勝利2「他愛ないさ。人は海には勝てない。英霊であろうとも例外はない」粘度高いボカロ曲なら『ロッテンガールグロテスクロマンス』が好き!(※内容・サムネともに閲覧注意※)
○○は受信機なんです、ぼかろころしあむ、mis.pumpkinの滑稽な夢。この辺が好きですねえ
あとクラムボン詰めてた時はウミユリ海底譚をリピートしてましたし、二十面相の脳内テーマはジャンキーナイトタウンオーケストラですし、ツタンカーメンの脳内テーマは心拍数0822です(高速早口)
>>259
第三再臨はシリアスなノッブとかクトゥルフモードの時のフォーリナー勢をイメージしてます
我ああいうの好き
>>260
子供らしい英霊、ってのがコンセプトの一つでもあるのでその辺上手く出せたかなと思います
>>261
俺もライオンさんに言いたかったことを思い出した
二十面相の
モデルは
原典+P5のジョーカー
>>262
ステイ!
原典だと高火力ドーン!みたいな盛り方は出来なかったんで防御寄りにすればまだいいかなって……
>>264
元々の設定には人類悪顕現としか書いてなかったのだ。というか性別女で年齢11歳って辺り昔の俺の頭の悪さが詰まってるのだ
ゴッホの第三再臨っぽい感じかな?いいっすね……最近思うクッチーのテーマソングはヒバナと3331で、誉がキドアイラク。
>>268
原典がめちゃくちゃいいから極力キャラ付けはしないつもりだったけど気づいたら福山潤ボイスで喋り出してたよね……>>236
なるべくカタカナ表記を探したり、グーグル翻訳で発音を何回も聞いたりしますね。
鉄牛の宝具とか結構時間かかった。いかんいかん、最近寝不足気味なせいか休日でめっさ寝ちゃう……(今起きた)
>>236
そうなると私は似てる単語の読み方を勉強してもう自分なりの読み方を模索してしまいますね……。
>>258
わぁ、凄いの来た。なんかSCPっぽいけど、童話関連なのね、怖いわぁ。
ほんのちょっとだけ似てるサーヴァントがいます。クッソマイナー過ぎて誰も知らないけど。
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/m/wiki/オグムンド・ツソック>>284
なるほど。確かにそうなるか。聖杯惑星の第6話、妖怪大決戦が追加要素で更にどえらいことになりそう。
>>287
…………まあほら。キャストリアは間違いなく環境トップだけどキャストリア1人で周回出来るわけじゃないし
完璧な人間はいないってことでさ
俺だってダメダメさぁ>>291
そういえばランチャーさん居ない間に描かれたクッチーの新たな一面。
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/m/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B2%E3%83%8F%E8%9D%B6%E3%81%A8%E7%8B%82%E9%AC%BC
食欲、睡眠関係でも「アリかも…?」ってなった設定があるけど、これどうしようかなー。つけるとただただ面倒なだけになるかも解らん。>>296
遺書と言えば個人的に円谷幸吉さんの書かれたものが今でも衝撃的でしたねえ……>>294
ふーむ、じゃあ次回作かなぁ、って感じの自キャラメイン聖杯戦争SSで出すかなぁ…。つってもマトモな方法じゃ安眠熟睡できないとか味覚障害があるよってだけなんだけど。あ、ハクマ確認しました
アレンの描写も問題無しです
アリウムさん、お疲れ様でした生徒と先生の関係…………時計塔だな!
青春要素が薄い…神経質そうな眼鏡くんが無辜となんやかんやで黒ギャル野郎になったと思えばちょっと性癖ですね 妄言100%ですが
>>313
前にもちょろっと話題に出しましたけど、女教師キャラはまだいないんですよねここ>>313
これだ!と思うのは狂信者系ですかね?鯖が引いちゃうタイプの>>313
自分が未開拓なのは……ロリ(真)ですかね、あとババア(見た目も含む)キャラ自分は正統派なキャラだと思える奴が全くいないので、一人ぐらいは作りたい。あと正義漢?
>>314
みなさんにとってのですね、老若男女いろんなサーヴァント、マスター、キャラクターが出た今残された属性って何があるかなって思いまして。>>325
ライナーみたいな感じにするとか(普段の幸運が劣悪過ぎるけどいざって時とかは超幸運、みたいな)そういえばfalling moon続きはってもよか?
私がまだ作ってないキャラ属性ならアレですね、銀髪褐色
個人的な一つの壁だと思ってるので安易に挑戦できない黒くなったから行くぞ!
「はいどうぞ間久部さん、チョコバナナ」
「ありがとう……悪いな、街の案内なんて」
「良いんですよ、助けてもらったお礼としては足りないくらいです」
長い逃走の後、理仁は経子に月見市を案内して欲しいと頼んだ。地図とにらめっこしながら歩くよりは詳しい人間に聞いた方が速いし、何より他にも聞きたい事があったのだ。
経子は快く承諾し、街の観光スポットや娯楽施設などを一通り説明してくれただけでなく、駅前で人気のクレープをご馳走するとまで言い出した。断ろうかとも思ったが彼女の眼差しはとてもではないがNOと言えるものではなく、現在理仁は大きなクレープを手渡されるに至る。
駅前のベンチに腰掛け、経子はにっこりと微笑む。出会って間も無いが笑顔が似合う快活な、いわゆる陽キャに属する彼女が少し、いやかなりまぶしい。
「食べてください。美味しいですよ」
そう言いながら経子の手には近くの自動販売機で買ったコーヒーが握られている。
「君は食べないの」
「実は甘い物苦手なんです。すみません、美味しいだとか言っておきながら」
恥ずかしそうに頬を掻きながら経子はコーヒーを口に運ぶ。公園でもケミカルサイダーを飲む脇で渋めなお茶をぐびぐびと飲んでいたのを思い出し、理仁はなるほどと納得するも、同時になんとも言えない居心地の悪さを感じた。奢られる事よりも、自分だけ食べるというのもモヤモヤするのだ。
と、そこで理仁は街を回る途中、駅近くの通りにせんべい屋があった事を思い出した。
「ごめん、これ持っておいて」
「え?あの、ちょっと」
小走りでせんべい屋へと走って行き、大きめなせんべいを一つ買って急いで経子の元へと戻る。掌くらいの大きさのせんべいを見るや否や、経子は目をまんまるくした。
「オレばっかり食べるのも悪いからさ、クレープのお返しって事で」
「あ、ありがとうございます! 頂きます!」
経子は思ったよりも素直にクレープと交換する形でせんべいを受け取り、ワクワクを隠せない様子で隣に座ってと催促してくる。それに従って理仁は再びベンチに腰を下ろした。>>333
「いただきます」
クレープをかじる。引っ越す前にも食べたが、味が段違いだ。東京という土地補正を抜きにしてもクリームやチョコがとても甘い。それでいてしつこくなく、つい何度も頬張りたくなる。これが東京スイーツか!と理仁がぱくぱくクレープを食べる横では経子がせんべいをばりばりと囓っている。
「えへへ、しょっぱいぃ、美味しぃ」
思ったより喜んでもらえたらしい。照れくさくなりながら理仁もクレープを黙々と囓り、あっという間に二人はスイーツを食べ終えていた。走り回っただけでなくそこら中を歩いたせいであるにしても、貪るという表現が最適なほどであった。
「へぇ、引っ越してきたんですね。道理でおかしな格好をしている訳です」
一息ついたところで改めて自己紹介をし、理仁がつい昨日東京へやってきた事を告げるとこう言って経子は微笑んだ。
「おかしな、ってどの辺り?」
「その変な漢字が書いてあるTシャツとかです。最初貴方が助けに来た時、とんでもない人が来たなぁとびっくりしましたよ」
「……もしかしてさっきからチラチラ見られてるのはそのせい?」
「疑うまでもなくそうでしょうね。でも私は嫌いじゃないですよ、その変なの」
「変なのは変わらないのか……」
ここまで会話をして理仁はドキリとした。さりげなく自分のファッションを褒められた気がし、更に自分がまるでリア充の様な甘酸っぱい?会話をしている事に気付いたのだ。人とさほど交わらないが主義のはずであったのに、何故こうなっているのか。というかもしや……脈があるのでは?
東京の空気だ。きっと東京の不思議な空気が自分の気持ちを少しだけ大きくさせているのだと、理仁はそう思う事にした。>>334
。
「実は私も間久部さんと同じ様に引っ越してきたんですよ。北寄りの方からですけど」
「三義も?」
「ええ、二年前くらいになるでしょうか。その時の私も貴方みたいに都会の迫力に圧倒されましたから気持ちはよく分かりますよ」
「じゃあ、つまり引っ越し先輩な訳だ。三義はどうして引っ越して―――――」
「あー、もう四時ですか。一日中歩き回って疲れちゃいましたね。そろそろお開きにしましょうか」
何かまずい点にでも触れてしまったのか、唐突に経子はそう言うとおもむろにベンチから立ち上がる。一瞬だけ空気を悪くしてしまったのではないかという不安が脳裏をよぎる理仁だが、振り返った経子はまたにっこりと笑みを浮かべていた。
「それじゃあ間久部君、同じ街ですしまた何かの機会に会いましょうか」
そう言って経子は手を振りながら街の喧騒に消えていき、ベンチには周囲の人々から好奇の目を向けられる理仁だけがぽつんと残された。意識してみると思った以上に人々からの視線を鋭く感じ、理仁は足早にその場を後にするのだった。>>339
というわけで私の未開拓なキャラ属性は幸運EXと陰気なバーサーカーという事で……よし創作意欲湧いてきたかも。>>337
一応クリームヒルトはダウナーといえばダウナーですね…>>313
悪役系。DIOや無惨みたいな真っ黒な悪やチョコラータのような最低のゲスとか追究してみたいです。>>337
その方向性のバーサーカーだとテカムセがバーサーカーになるとそっちになると思います。プルフラス「突然だがロゼに相応しい旦那を今から見つけようと思う!」
ロゼ「な、な、何ですか突然……!?」
からなんやかんや「不採用だ!」って言い続けたと思いきや「えぇいロゼをこんな奴らに渡せん!!解散!!!」ってオチになるプルロゼ小話ください>>328
命あっての物種だろうにぃ…死んだらそこまでじゃんかよぉ…いやでもただ生きてるだけってなるのもそれはそれで…ううむ。しかし幸運EXとかなら幸運すぎて逆に不幸になるというか本当の願いは叶わない的な感じとかさぁ。
>>336
設定崩壊じゃないレベルの変動ならそれは自然な気分の変化というものですよ。現実の私たちだっていつも明るかったり暗かったりで固定ではないでしょう?
だから理仁くんが生き生きしてるのはとってもオッケーです!
>>337
おや、そうでしたか。全員把握してた訳では無いので知りませんでした。しかし海賊と聞くとどうしても公式とかの駄目人間成分がチラつくのですがこの人普通にいい人っぽい?
ろうそくの火は消える寸前が一番明るい的なやーつ!>>313
ロリBBAとかのじゃロリ系とかですかね(マスター・サーヴァント問わず)>>367
そこはもう、馬主として競馬場に行って自分の馬を馬券で買いまくる的な…>>371
いえいえ、お気になさらず。土日の夜とかも大丈夫ですよ~。>>369
角が生えてるし、鬼の正体はビーストだな!()「ぼくはディヴィ・ジョーンズ。きみは、ぼくの友達になってくれる?」
「俺様ちゃんの願い?そんなもの、世界全てを海にして、俺様ちゃんが永遠に暴れられるように……?」
「ええ、一番槍はこのガレスにお任せを! ―――ふふふふふ。あはははは! 全てが海に飲み込まれた世界! 胸踊るではないですか!」
「こんな姿でも君の役に立てる。それほど嬉しいことは無い―――行くぞ、メンフィス。仕事の時間だ」
「世界の破滅……か。破滅(そいつ)に関しちゃ、こっちの方が遥かに先輩だぜ? 餓鬼。いいさ―――年季の違いってやつを、真の世界の破滅(ラグナロク)ってやつを見せてやる」
サーヴァント・ライダー。僕の名前はクラムボン。君の航海、旅の安全をここに誓おう。
舞台は神代。大洪水によって全てが失われた大地で、少年達の海洋譚が幕を開ける。
困難の先にこそ活路はあり、深淵の先にこそ真理がある。
これは、答えを見つけだすための物語。
Fate/Grand Order スペシャルイベント
BC.2900 神代回帰海洋ウト・ナピシュテム
まもなく開催
「ようやくわかった。僕は、君を救うために召喚されたんだ」>>389
ロカセナ「かー!辛いわー!終末と言えば誰もが想像するであろう大人気グランドトリックスターは辛いわー!!(増長)」>>389
海の漢…!キャプテンみも覚えますね。いや、どちらかというとジョヴァンニ?どこか悟りを、或いは開けた視野を持っていて大人びているのが印象的な言葉ですね。
でもクラムボン、そのあと蟹たち曰く「死んだ」んですよね…唐突すぎて蟹が本当に幼稚園児に思えた…
>>391
実はフィッシュテールの先は魚の尾になっているんですよね。何とは決めていませんが、鮫にしようかしら。
一臨も、恐らく二臨も露出度低めですからね。マントだし、どうせなら泳ぎやすくしちゃおうと。でも原理的には露出魔と大差ない…
鳥籠のえらは悪魔イメージとの折半だったりラジバンダリ
貝殻は首の鎖につけても良いかもしれませんね。
あと、配色についてなんですが悩んでいる点として、マントの裏地を画像のような色(深海っぽいの)にしようと思っているのですが、その場合メンダコフードの色をリアル重視で赤にするかどうか、と。ちょっと色がとっ散らかってしまうように思えて…レージュさん、一つお願いがございます。
>>399
・イメージ画像ほぼそのままかつ、巨乳でお願いします。
・全身絵でお願いします。服装と下記のリンク先の画像をもう少し大人っぽくアレンジしてもらえると助かります。履物はヒールは低めであれば適当・適度に描いて貰ってもかまいません。
https://item.rakuten.co.jp/metamoonline/12001002/?gclid=Cj0KCQiAv6yCBhCLARIsABqJTjbbphycczih8jTiESjloCbgNtGd5dtJGWVVzCuSAx_yQfDqLTfPCRgaAnvDEALw_wcB&scid=af_pc_etc&sc2id=af_113_0_10001868&icm_cid=1425370251&icm_agid=58838066827&gclid=Cj0KCQiAv6yCBhCLARIsABqJTjbbphycczih8jTiESjloCbgNtGd5dtJGWVVzCuSAx_yQfDqLTfPCRgaAnvDEALw_wcB&icm_acid=834-739-7270
リクエスト受付、重ねてありがとうございます。>>402
ありがとうございます&むしろ早くて助かります~。>遅くても日曜の夜こんばんちは。突然ですが島術さんはおられますか?
あやかさん、いますでしょうか~?
>>392
キャプテン……良いですよね……
花守ゆみりさんの演技がスーっと効く………
クラムボンの脳内CVは白石涼子さんですが……
クラムボンの人となりはキャプテン、ノッブ、フォーリナー勢(特に第三で神と繋がるタイプ)をめちゃくちゃ参考にしました……>>421
承知しました~>>393
所々書き方悪かったかもです納言さんゴメン。サルガッソーこそこそ話
クラムボンがバレンタインのお返しで言ってた「前に言ったろう? 綺麗な夕日が見える場所に連れて行ってあげるって」ってセリフは誕生日ボイスの「今度一緒に出かけないか? 綺麗な夕日が見える海岸を知ってるんだ」を拾った形のやつです>>433
メンダコもどきですけどね…一つ目メンダコ…可愛いって近づくとパクッといかれます(何がとは言わない)(メンダコってなんでっしゃろ…)(検索ポチー)
……タコかぁ、これタコなんだ>>437
なぜあのようなかわいいフォルムを神は与えたのだろうか……
その秘密を探るため我々は深海へ飛び込んだ!(某探検隊並感)
そして374に至ったのよ後輩!!!!ある時、凡才の魔術師は自分なりの魔術を確立させようとした。
魔術回路は少なく、質も特別優れている訳でもない。しかし、自分だけの魔術系統を生み出したかった魔術師は、少ない魔力を工夫して脳に作用する魔術を考案した。
術式を対象の頭に展開し、魔力を用いて電磁波のような周波を発生させ、脳内思考をジャミングする。これにより、対象は思考を乱されて意味不明な言動を取ってしまう。
魔術師はこれを「アホになる魔術」と名付けたのだった。
というのを思いついた。◇真府 四方
雨が降っている。
車内にいるというのに、雨音が聞こえてくるように感じれるほどに、雨が。車窓から眺めるだけで、しとどに濡れたような心地になる、雨が。
或いは、その雨は、四方の心象を表し、または覆い、ともすれば重なり、そんな風に感じられているのかもしれない。どっちにしたって、雨が降っているのは事実だ。
四方が所属するヘルメ家は、グレーヴェンマハ家の分家であり、主に外交を担当している。グレーヴェンマハ家は世界中にある魔術協会のいずれにも与せず、独立不撓を軸に動いている。しかし独立と孤立は違い、独立にとって孤立は最も警戒し避けるべき危惧だ。それを防止することが、ヘルメ家の役割である。
そんなヘルメ家のすべきことは、友好関係にある家の頼み事や申し出を手伝う───要は小間使いだ。そういった関係に至るまでが大変で、懐柔、阿諛や阿りも駆使する必要があるというのは当主、四方の養母の語り草。四方も、時々こうやって小間使いに派遣されることがある。
別にそれが嫌というわけではない。今まで大事なく、大過なく生きてこれたのはひとえにヘルメ家、グレーヴェンマハ家の人々の温情あってこそであるし、四方にはそれらを吐き捨てるような下等な精神はない。
四方の心象に雨を降らせているのは、その依頼内容にある。
ヘルメ家が関係を持っているうち、最大規模を誇る家の一つ、ベルギーのヌフクロッシュ家。そこから今回は珍しく頼みが入った。
曰く、「どうしても届けてほしいものがあるが、こちらは手が回せないので代わりに頼みたい。内密なものなので、どうか慎重に対応していただきたい」。最後の文は、ヘルメ家を信用しているんだぞという脅しと警告とが混じった賛辞であろう。>>450
届け先はヌフクロッシュ家の長男、スィレン・ヌフクロッシュ。どうやら彼は現在ベルギーとルクセンブルクの国境の町に住んでいるようで、だから比較的近い位置にあるヘルメ家に頼んだのだと考える。そして、四方を配達員にしたのは、スィレンが元時計塔に所属していたという縁からであるというのも推察できる。
これも推測の域を越さないが、恐らく「手が回らない」というのは嘘だ。ヌフクロッシュ家ともあろうものが有事の際に手隙の者を用意しないはずがない。ヌフクロッシュ家は、スィレンと関わるのを避けているのだ。
それを裏付ける証拠はある。第一に、スィレンは時計塔中退者だ。それも、原因は精神病。元は天才だ花盗人だとその才覚により期待されていたらしいが、精神を病んだとなれば扱うのも関わるのも難しくなるのは目に見える。
ヘルメ家からその依頼を聞かされてルクセンブルクに戻るとき、同じ考古学科であったルナちゃんにもどういった人物であるか聞いてみたが、微妙な顔をするだけでこれといった情報は得られなかった。逆に言うと、微妙な表情をされるような存在であったということだ。ルナちゃんが微妙な顔をするって、相当だと思う。
だが、誇りや信頼を切り売りしてまで関わらないというのはどういうことだろう。時計塔に縁遠いヘルメ家だから大丈夫だと思ったのだろうか。四方は曲がりなりにも一介の少女であり、家がどうこう、血縁がどうこうといった大きな話は想像するにも限界がある。別にヘルメ家から「交渉材料となる弱みを探って来い」などとは言われていないので、まあ適当にこなそうと決議した。
「次は、終点。────お忘れ物などに、お気をつけ────」
途切れ途切れのアナウンスが車内に響く。相変わらず、雨は降り続けている。止む気配はない。>>451
◇◇
聞いていたほど田舎だと思わなかったのは、四方が無意識のうちに想定していたハードルが低すぎたのか、それとも四方の住む街と大差がないように感じられたのか、それは分からない。
町は緑が多く、だが人家が少ないというわけでもなく、雨であるというのに軒先で主婦たちが談笑し、子供たちが遊ぶ楽し気な声がする。中心部は観光地らしさがあったが、郊外へ行くと途端に素っ気なさを覚える町に変わった。緑は増え、人家は減り、ブドウや小麦の畑が疎らに広がっている。まさしく田舎といった様相だ。
だが、田舎には田舎の長所がある。民家からする生活音がなく、車が見えず、青々とした自然が続き、空気が澄んで呼吸が気持ち良い。避暑、療養には持ってこいである。さすが、魔術家でありながらベルギー国内で有数の医学薬学の名家ヌフクロッシュ家と言えよう。
地図と現在地を何度も見比べて、何度も首を捻り、何度も出発点に戻って地図を睨んだ。こういう時、人に訊けないのが田舎と雨の日の欠点だと思う。もう少し分かりやすく書いてはくれなかったのかと文句もつけたくなるが、その文句をつける相手が今この場にいないために黙々と目的地へ、一歩ずつでも向かうほかない。
そうして暫くして、雨で身体が冷えてきた頃、漸く目的地と思しき一軒家が見えてきた。
町の中でも森の入り口近く、小さな湖の畔にあるその家は、以前の用途を推察するなら間違いなく別荘と考えるだろうと言えるような、少なくとも一人暮らしをするには大きすぎるし広すぎる造りをしていた。まずもって敷地がデカい。庭がだだっ広い。しかし、使用人でも住まわせているのだろうか、男が数年間一人暮らしをしているような雰囲気はあまりしない。生垣はきっちりと纏まっており、枝葉が飛び出ているようなことはない。門もしっかりとした構えで、据え付けられた筒には勿忘草が差されていて雨粒がその上を踊っている。中の庭を覗くと、そこもまたさっぱりと整えられていて、曇天の下でさえ植えられた草木は活気を失っていないように思える。壁は薄暗い景観の中でひと際映えるような白塗りで、屋根や窓は深みを持った古さを忍ばせている。晴れの日であれば、これらはある種の燦光を自ら放っているのではないかと感じられるほどに絵画的な情趣が敢然と屋敷には横たわっていた。>>452
地図を見て、次に番地を確認した。それらが誤りのないことを認めると、深呼吸をして、心と思考を落ち着かせ、インターホンを鳴らす。今日はイル・プル―も多めに服用して来た。何かあったらすぐに魔術を使う。自衛なのだからいちゃもんはつけられはしないだろう、ともしものことを応対が来る前になるたけ想像しておく。その間も、思考に熱が入らないよう絶えず呼吸を静まらせる。
ガチャ、と音を立て玄関扉が開く。使用人が来るかと思ったが、出てきたのは男だった。
「何か、御用でしょうか?」
声色は、線の細い見た目に合った、明るく朗らかなものだった。
「あ、あの、御本家の方からお届け物が…じゃなくて、えっと、私はヨモ・ヘルメといって、ヘルメ家から来た者で」
抽象的な美しさが具象的に表現されたような容姿と、それに見合った透き通るような声に見惚れてしまい、思わず返事が上ずって要領の得ないものになってしまった。
しかし、男はそんな四方の姿を不審がることはなく、静かに四方の話を聞いて、それが終わると、微笑んで、
「分かったよ。僕はスィレン・ヌフクロッシュ。君は四方さんだね。ここまでわざわざありがとう。冷えているだろう、内へ上がると良い」
穏やかな調子でそう言った。
家の中は外観の空気をそのままに、生活感を纏わせて心地の良い空間を作っていた。空調が冷えた身体をほぐしてくれる。観葉植物や肌触りの良いソファーが凝り固まっていた緊張をほぐしてくれる。
四方を部屋に通してスィレンは台所の方へ向かい、ある程度経ってプレートにワッフルと湯気の立ったミルクティーの入ったカップを乗せて戻って来た。ベルギーだからワッフル、というのは安直なような気もするが、彼なりに期待に応えようとしたのかもしれない。事実、焼きたての甘い匂いは食欲がそそられ、小腹が自然と空いてくる>>453
「こんなものしか出せなくてすまないね。何分、普段客人なんて来ないものだから」
「いえいえ、そんな…むしろ、お届けに上がっただけだっていうのにこんな…」
「久々のお客様だからね。ワッフルも紅茶も、誰かにお出ししたいなって思っていたんだよ」
そう言いながら、スィレンは対面の席に座る。外窓を背負う形で、ソファーの色と服の配色とがよく合っている。
「そういえば、四方さんは時計塔に居るんだって?どこの教室?」
「名無しの教室っていって…時々、考古学科にも通わせてもらっています」
「へえ!考古学科かぁ…」
「スィレンさんも、考古学科だったんですか?」
「そうなんだ。カイホスルー・アードゥルっていう講師はいる?」
「は、はい」
「そっか。…じゃあ、伊佐那義頼っていう生徒は?こう、髭があって、日本のお侍みたいな」
「いらっしゃいますよ」
「そっかぁ…元気?」
「私が見た限りでは…えっと、お知り合いなのですか?」
「そうだよ。学友…みたいな。先生とは文通はしてるんだけど、実際どうかはわからないから。元気なら、良かったよ」
何気ない調子で、揚々と時計塔での話が続く。スィレンは儚げな顔立ちをコロコロと変えて、それでも終始楽し気に話している。人好きのする、けれどどこか近寄りがたいような、そんな不思議な笑みを見せてくる。>>454
カリカリと小気味いい食感のするワッフルを食べながら彼の話を聞き、疑問を覚える。これでも人の機微にはヘルメ家の魔術の教育もあって明るい方であるし、時計塔で色々な変人スレスレの奇人を見てきた。そんな四方から見て、スィレンは精神病を患っているとは思えなかった。受け答えも現実的ではっきりとしているし、表情も、気安いものとは正反対に位置する色を帯びているとはいえ正気を疑うようなそれではない。態度も鷹揚で角だったものは見えない。
しかし、一方で、その態度には一種の近寄りがたさが確かにある。むしろそれが主軸のようにも感じられる。その主軸を、造りの良い貌や人情を持っているような話ぶりが覆いつくしているような───言語化しきれないものが存在する。
ふと、ミルクティーが注がれたカップに落としていた視線を前に向け、思わず息を呑んだ。紫がかった空色が、逆光の内で煌々と輝いて、丸く、円く、四方を凝視めている。
その色の裡に存在していたものを言葉にしようと考え始めた頃には、その虹彩は彼の瞬きと共に失せ、元の品の良い紫色の瞳に帰った。
「…す、スィレンさん。その眼は…?」
「あぁ…初めて見るんだ。まぁ、魔眼の一種だよ。驚かせてしまったのなら、ごめん」
「い、いえ。本当に…初めてだったもので…」
「怪しいことはしていないから。安心して欲しいな…あ、紅茶もう無いね。淹れてくるよ」
「ありがとうございます…」
また台所へ行くスィレンの背に目を遣りつつ、先の「魔眼」を思い出そうとして、軽い身震いが起こった。
理由は二つ。一つは、その眼の色が持つ美しさ。峻厳な古代の教会に備えられたステンドグラスにも無いだろうと思われるほどの輝きを抱くその色は、記憶の中であろうと朽ちず褪せず衰えず四方の「今まで」を揺るがすものがあった。>>455
だが、それも表面的なものに過ぎない。二つ目の理由にこそ、その眼の───ひいては、その眼を持つスィレンという人物の恐ろしさがある。
それは、余りにも漠然とした「絶対性」だ。紫色は古来より高貴な色であるとされてきたが、それが前面に押し出されたように思えた。ならば、それを帯びた空色とは、まさしく空の色、天頂を掲ぐ色と言えよう。どこまでも冴え渡った、何よりも高くあるものの色。ただあるだけだというのに、ごく自然に見下してくる。
あんな眼を持っている人間は初めてだ。見下そうとして見下してくる人間は時計塔で数えきれないほど出会った。だが、彼は見るという行為が当たり前のように見下すになるというのだ。末恐ろしいにも程がある。
そんなことを考えていると、スィレンが変わらぬ温和な笑みを携えて戻ってきた。
「そうそう、それで…どこまで喋ったっけ?」
「えっと…鯨、だったような…」
「そうだったね。それで、伊佐那君ったら…」
喋り好きは、四方の方が話題を提供せずとも向こうから勝手に話を進めてくれるから気が楽で良い。それは、聞いている中でその人の人となりが知れてくるというのもある。
しかし、今この場となっては、それを折を見て切り上げたい気持ちが湧いてくる。初めは何ともなく、むしろ好感触であった態度や表情、容貌の一つ一つに純然な「高慢」が介在している。それらを浴びせられる度に、四方の感情───出来る限り堪えたい類の感情───が煮えて、潤いを持って来る。
「────そういえば」
「あ…は、はい?」
「四方さんって、ルナさんとお友達なんだってね」
「………へ?」
「いや、視えちゃって。気を悪くしたなら、ごめん」
「いえ、その…全然…」>>456
思わぬ不意打ちを食らって唖然とする四方に、スィレンはにこりと自然体な微笑みを浮かべる。
なるほど、過去視の魔眼かと納得し、同時に不快さが胸中に突発的に満ちる。過去が視えるということは、それはつまり四方の身体についても、もしかすると分かってしまっているのかも知れず、たとえ今後会うつもりのない相手でもそれは困るからだ。ヘルメ家の機密でもある。四方は相手の弱みを探れとは言われていないが、向こうがどうかは知れない。
そんな風に疑う四方のことなど構いもせず、スィレンはミルクティーに口をつけつつお喋りを始める。
「ルナさんは、最近はどうしてるんだい?」
「元気、です、…その、魔術も、頑張ってて…」
「それは良かった。実は、時計塔に居た頃数度会ったことはあるんだけど、碌に話も出来なくて…どうしてるか気になってたんだよね」
「は、はあ」
「にしても…へえ、まだ頑張ってるんだ」
「え、えぇ。…その、何か…?」
「いいや、よく頑張るなぁ、って。…あんななのに」
今なんて、と大声になって聞いてしまった。スィレンは驚いたように目を丸めて、それでもすぐに表情は整って───酷く、哀れなものを見るような物憂げな表情に、整って。
「陽の目も見られない…あんなんじゃあ、まともな活動だって難しいだろうに。それでも、未だ魔術の道を諦めないんだ、って。…それって、とても、不幸だよね」
「え?」
「?だって、諦めるべきを、諦めないんだよ?悲しいことじゃない。悲しくて、寂しくて、不幸じゃない」>>457
「……………………」
不幸。言っている意味がわからなかった。不幸。ただ、彼が、ルナちゃんのことをどう思っているかはわかった。不幸。不幸な子だと、思っているんだ。
努力を続けるその様を。人であるか否かさえ曖昧になりながら、それでも、夢を持って、希望を追って、掴もうと頑張るその姿を。根源への憧れを捨てず、求め続けるその姿勢を。
第一に、やるせ無さが心中を貫いて。第二に、現れて、口から飛び出てきたのは、
「───んなこと、ない、です」
「うん?」
「そんなこと、ないです。…ルナちゃんは…その、悲しい子なんかじゃ、ないです」
「…うん」
「たしかに、側から見れば、もしかしたら…不幸に見えたりするかも知れません。けれど、でも、頑張るのは、素敵なことだと思うし。その結果だって、ちゃんと出ています」
「うん」
「いずれ、きっと…ルナちゃんは、夢を叶えるはずです。叶えようとしているんですから。大変なことでしょうし、それはたしかにつらくて苦しいことでしょうし。…でも、でも…それを、ルナちゃんは今までだって、耐えてきて…乗り越えてきて、だから…!」
四方は、ルナちゃんと会ってまだそう長くはない。しかし、その長くない間でも、彼女の努力を知っている。どれだけ耐え忍んで、乗り越えて、頑張って、その上で、あの朗らかな笑顔を見せているんだというのを知っている。
言うなら、彼女は四方にとっての憧れで、励みで、何より友達だ。お互い、常人とは違って、そして二度と常人に戻れぬような身で。そんな身でありながら、ルナちゃんは前を向き続けている。彼女のそんな姿を見たから、四方も前を向けている。
彼女から自分がどう見られているかは杳として知れない。だがしかし、それでも、友達を「不幸だ」などと言う者を眼前にして黙っていられるわけが無い。>>458
「だから…だから、…ルナちゃんは、頑張ってるルナちゃんは、悲しくなんてないです。寂しくなんてないです」
「うん」
「貴方が、ルナちゃんをどう見ているかは知りません。ルナちゃん自身がどうか、私だってわかりません。けれど、」
「うん」
「ルナちゃんは、彼女は…不幸なんかじゃありません。これだけは、きっと、間違いないんです、だから」
「うん」
「だから…そんな、…知ったような…こと、言わないで…!」
自分が今、支離滅裂なことを言っているのはわかる。感情任せで、纏まっていなくて、先走っている。四方は今、本人が思っている以上に昂っているのだ。
だが、話したことの何もかもが本音であるのも違いない。握りしめた掌には手汗が溜まっている。未だに思考回路が宿した熱は冷め切っていない。吃りすぎて呂律が回らず、息も小刻みに震えている。
そんな調子で語った四方の話を、スィレンは静かに耳を傾けて、頷きと共に相槌を打って、それが終わり、幾分かの静寂があって。
次に口を開いたのはスィレンだった。彼は、静寂を吟味するように閉ざしていた瞼をゆっくり開いて、緩やかに、口角を上げて、唯、一言。>>460
それだけだった。
無意識のうちに腰を浮かせていたのに気づき、その後取っていたであろう行動を理解し、席に腰を着かせる。見ると、掌の汗がより増えている。
どうしようもない絶望感というのは、こういったものを言うのだろうか。言うのだとしたら、これをルナちゃんも体験したのだろうか。そんな他愛のないことを考えて、思考回路の俄かに上昇した熱を冷まそうとする。そうでもなければ、すぐにでも、この男の襟首を掴んでしまいそうになる。
きっと、今なら、器官を強化すれば、この男を殺.せる。なのに、それは意味がない。出来ないのではない。意味がないのだ。このスィレンという男には、何も効かない。少なくとも、四方が今持っているものはそのいずれもがスィレンを揺るがすことは叶わない。恐らく、暴力に訴えて、殺.したって、この男は、死ぬまでその笑顔を絶やさず、こちらを、四方を「不幸だ」と断ずるのだろう。
今の四方にとって、この男の笑みほど体温を奪い思考を乱し身体を動かさせるものはない。いっそ雨に打たれた方が頭が冴えようと言うものだ。無論、雨は未だに降っている。
「…その、…今日は、もう、帰らせていただきます」
「そう?まぁ、どこから来たかはわからないけれど、時間も時間だしね。ありがとう、楽しい話が聞けたよ」
奥歯が鳴りそうなのを抑えて発した言葉に、スィレンは少しだけ残念そうに眉根を寄せてそう答える。まるで先ほどまでの話などなかったかのように。或いは、本当に忘れてしまったのかもしれない。それほどまでに、彼にとっては、四方の反論など取るに足らないものなのかもしれない。>>461
◇◇
帰りの電車の中で、また車窓の外を眺めている。相も変わらず、音の聞こえてきそうな雨が降っている。
物の怪にでも遭ったように心が打ちひしがれている。手には、届け物の代わりにスィレンが「皆に渡して」と手渡された菓子箱がある。それなりの重さがあるが、それすら気にならないくらいに心中が定まらない。
雨の降り方は、国境を越してルクセンブルクに入ったあたりで疎らなものに変わった。それもまた、四方の一定にならない心裡を表しているように思えてならない。天気だけだ。四方の味方に現在なってくれるのは。
「次は、終点。────お忘れ物などに、お気をつけ────」
アナウンスだって四方の味方にはなってくれない。漸く眠たくなって下がってきていた瞼を無理やり開かせて、頬を何度か張り、四方は降りる支度を始めた。>>466
プ「はぁ~~~???ロゼと我はともかく、この如何にも野蛮なデカブツがぁ???」
ロ「そういう捻くれたこと言わないの!」
予告どうぞ~「ねじれて……ゆがんで……ひしゃげて……ちぎれて……壊れる。永劫と苦痛の合間にもがいて手を伸ばして……けどそれは私ではない誰かの叫びで……私はそれに感化されているふりをするだけで本当はそれですらない……哀れでちっぽけで惨めな……あなた……」
「ゲームをしましょう。条件は簡単。あなた達が推薦する少年達が、本来の流れとは異なる世界にてその答えを見つけること。そうすれば、聖杯はあなた達のもの。博物館の主、アルカナとして保証します」
そうやって機械は己の配下の四人に語りかけた。四つの仮想並行世界を舞台にし、四人が選んだ少年(駒)を中心に物語を進めていけという命令を下した。その果てに、己の掴み取るべきものがあるからだと。「今ここに、『新訳おとぎばなしシリーズ』は『日本昔ばなし編』に移ることを決定いたしました。初めに、一寸法師と桃太郎の執筆を──────」
この世界に御伽噺は実在しない。シンデレラも、人魚姫も、アリスも、桃太郎も、子供の幻想のおとぎ話(ナーサリー・ライム)は実在しない。他の世界線には存在したとしても、この世界にだけは『必ず』いない。
そんな世界で、今までの童話を己なりに独自解釈し、子供向けから青年向けまで、老若男女世界中、ありとあらゆる人に親しまれるように創り出した新世代の作家がいた。世は童話ブーム。この作家の作品はもちろん、原典までもが今まで以上に誰も彼もに親しまれるように。新たな世界を切り拓いたともいうべき存在がいた。そんなおとぎの魔法使いは、最期に一つ、自分だけで作り上げたおとぎ話を眠らせた。誰にも知られず、誰にも読まれず、深い深いベッドの奥底に沈んで。それは一つの聖杯戦争を引き起こす。
この世界に御伽噺は実在しない。シンデレラも、人魚姫も、アリスも、桃太郎も、子供の幻想のおとぎ話(ナーサリー・ライム)は実在しない。他の世界線には存在したとしても、この世界にだけは『必ず』いない。
だから、この世界に御伽噺の英雄がサーヴァントとして召喚されたのならば。それは並行世界に実在した彼らの記録が座に行き着いていたものだけである。だけど、ああ、しかし。
みんなの魔法使いは魔法をかけた。それは誰もが使える魔法。人の心を変え得る魔法。それを、意地悪な魔法使いがいたずらしてしまったから。この世界に召喚された童話はこの世界の人々の想いを受けてしまう。
さあ、立ち上がりなさい。氷瀬竜胆、シギト・プルフレア。竜盾と堕ちた騎士よ。虚構と妄想のおとぎ話の、しかし誰もが尊く思い描いた彼らがあなたのパートナー。
『どこを探しても、世界中の誰もがいるのに貴女はいない。貴女のカケラを私は護り通しているのに』「この街にはディートリッヒ・フォン・ベルンの宝がお眠りになられているのだとか。いつも、いつまでも、主であるディートリッヒとその伴侶の黒き竜(ディーブレニン)を待ち続けているのだとか……ねぇ、サガには記されてない内容よねぇ」
その街はただ、二人を待ち続けていた。どんなに先が遠くても、どんなに荒唐無稽であっても、あり得ぬ世界のあり得ぬ二人を待ち続けていた。永遠に、永遠に……ただその意思ばかりが名残り、街外れの森に居た。
「かつて、ここに住んでいた魔女は魔女狩りの際に心優しき狼に救われたんですって。狼は人間になりたかったけど、そんな身の程知らずの行為を神は許さなかった。人狼にしかなれなかった。……だから、魔女に完全な人間になる方法を教えてもらったらしいね」
狼男が人になる。そこから転じて人ならざるものが人になる。そのような秘法が眠っているとされる遺跡もまた、その森の中で待っていた。自分を見つけてくれる人を待っていた。ずっとずっと待っていた。
だから、必然なのかもしれない。黒い竜(ミュハエロ・リュンベル)と人に焦がれていた他化自在天(天ヶ原リンネ)がこの街を訪れて、この街の財宝という願望機を巡る戦いに巻き込まれるのは。歪な亜種聖杯戦争に巻き込まれるのは、当然のことかもしれない。秘法の簒奪を狙う協会と異端伝説を破壊する教会がいるのも、また当然のことなのだ。
「待っています。これはきっと、一度や二度で片付けられる物語でないということは知っています。でも、私はあなた方を信じさせてほしい。それだけが、私の掲げる決意。私は、百年も、千年も、待っているから……いつか必ず、眠らせて」
どうか見つけてあげて欲しい。君たちには縁がないかもしれない、関係のないことかもしれないけれど。それでもどうか、彼女という存在を探してあげて欲しい。そして、笑いかけろとは言わないから一言だけ………頑張ったなと言ってあげて欲しい。ただそれだけの、物語なのだから。
『母は我が子を祝福する。子が己の手を離れて行くことも、疲れ果てて戻ってきた時も。母は子を慈しみ、抱きしめ、愛するものなのだ』甘い臭い錆び鉄の味。美味い暗い腐り身の味。人は覚えていけない味。楔と鎖を断ち切った末にひしひしと頭を呑み込む味だ。だから抗えない。抗うべきなのだろうに抗えない。人の道を外れてしまう。負いたくもない罪を負う。それは何よりも恐ろしいことであるというのに。
「し、しょう………師匠、なんで、血塗れで……なんで、俺、痛くないのに口から血が……やだ、やだやだ!!!こんなの現実じゃない!現実であってたまるもんか………ぁ……」
鬼の血は運命の袋小路から決して少年を逃さない。爪が全部剥がれても、肉が全部裂けても、もがいて足掻くしかない。それさえやめれば人で無くなってしまうから。だから足掻け。たった一つの奇跡を求めて絶対的な自我を見失わず足掻き続けろ。
「伊吹くんか。君はこの惨劇に対して紛れ込んだイレギュラー、というわけね。………けど、残念だよ。君がどうあれ、この歯車は止まらないんだ。久遠の怪物として断言しよう。君だけの力では壬生家を救うことはできないよ」
惨劇に対する招かれざる介入者。それを内側に孕んでもなお、繰り返される悲惨な結末。それをあなたは──────羅城大我は、生き抜かなければなりません。大事な人たちを守り、その上で答えを見つけなければならない。閉ざされた街の閉ざされた不思議な世界で1人、あなたと彼だけがそれを知っている。あなた達だけが、止められる。
きっと、辛くて辛くて仕方ないと思う。止まりたくて仕方がなくなってしまうでしょう。それでもどうか諦めないで。突き進んで。立ち止まって、振り返ってもいいから、諦めることだけはしないで。それだけが、この絶望を打破する奇跡なのだから。
『罪から逃げるな。目を背けるな。真っ直ぐ見つめて前を向け。大地をしっかり踏みしめて、深呼吸して、前に駆け出せ。世界は貴方を待っている』「人間は死ぬ時になれば後悔が生まれる生き物だ。そこで後悔に絶望しない気狂いが英雄か狂人の一部なのさ」
多くの人の命を救った。多くの人の命を救えなかった。あの一件からもう数年、魔術医療を習熟させた雷紫音はその筋で有名な魔術使いとして名を馳せていた。金稼ぎのためだけでなく、一般人の命の為にも惜しみなく自分の技術を使うその姿は一個の魔道を確立した英雄として何らおかしくないもの。
「最後の英雄(幻想)って知ってる?」
神秘を失ったこの世界に残った最後の神代の英雄。それは今もなお世界を彷徨い人々を脅かす怪物を討ち続けている。たとえ腕がもげても、脚がもげても、それでも剣を持ち立ち続けた者がいて、それは実際に十数年前のこの街を守ったのだ。
そのような事柄を意気揚々とこちらに語りかけた魔術師の少女は、そのままふわりと堕ちていく。紫音の制止を音楽に、屋上から堕ちていく。
「助けて、私の英雄」
その言葉を最後に彼の世界は切り替わる。この街を訪れる際に乗ったあのバスに。罪の味しかしない未来を拒むように逃避する。
繰り返される日はあなたを追憶の彼方に押しやる。いったい何のためにこうなりたかったのか、それを流して流して届かない場所にたどり着くように。何度も世界を繰り返す。自分のエゴで二人の英雄を巻き込んで。
神代回帰事件の無敵の魔眼の英雄と、四季折々の事件の英雄。この二人が出逢った「誰も取りこぼさない英雄の誓い」の事件。何度世界が終わっても、決して消えぬ想いだけが世界を進める。
『いつか私を、あなたの剣で貫いてほしい』>>474
んもー大我ったらそんな風に曇っちゃってぇ!(満面の笑み)>>429
元から知識量と経験則で誤魔化してるだけで精神年齢は実質虐待受けまくった十代前半程度からここ100年以上一ミリも動いてないから、たまに知識欲で変なことするんですねー。はい。こそこそ話、
大我の友人兼物語最大の敵(予定)である常花院萄利の雰囲気は渚カヲルくんなイメージだったりワッッッッッ(呪術0巻読んで頭がやられた声)
ちょっとぉなんでござるかぁこれえ!も、これ、や、良いっすねこれ!!自分の配色センスが無さすぎてつらみざわ
そして皆さんご感想ありがとうございます。なんだか嬉しい評価が多く天ぷらの油のように跳ねております中納言です
>>464
スィレンと四方は真反対に位置するキャラですからね。境遇も、才能も、思考も思想も。
まぁスィレンと同じ派閥にいるようなキャラは全く少ないのですが…
四方にとっては天敵級ですね
>>465
雨中の泥地を二人の関係として意識しながら書かせていただいたので、そう仰っていただけると嬉しいです…!
>>466
いやぁありがたいお言葉。リハビリ頑張っていこうと思います
この二人は私作キャラ内でも屈指の相性の悪さですからね。一人称形式でそれを際立たせてみました
>>467
人を病人か猫かハムスターか出来損ないの絵画のようにしか見ていませんからね、そりゃ嫌われるなって
> カイホスルーとか伊佐那はスィレンに隔意を持ってない
それは面白いですね。確か、伊佐那さんは過程(ジョジョで言う「真実に向かおうとする意志)を重視していて、だからスィレンの結果重視の幸福論に疑問を持っているんでしたっけ。カイホスルーさんもそういった感じでしょうか?>>475
こんなの相手にしたら誰だって一発は殴りたくなりますよ。私だったら殴ります。
四方の場合は、そのイラつきより先に「これは無理だ」って諦念が濃度を増したんでしょうね…
>>477
気候が雨なのもありますが、四方の煮え切らない心情が表せていたら嬉しいです
>>479
嬉しみ
監獄長さんのさっぱりとした文体も癖が少なく読みやすくあると私思います。日常パートも戦闘パートも熟せるのは正直羨ましみ
>>480
嬉しみ(二度目)
でも私ライオンさんみたいな淡々と異常を表現したり一人称で激情を鬼気迫ったように表現出来ないのです。北欧異聞帯とか…
あとfalling moon拝読させていただきました。この平和な感じももうじき終わりと考えると、これから訪れる非日常性が楽しみになって参りますね>>474
少年たちの冒険とは楽しそうだ。うちには少年がいないからこういう催しができないのが残念だ。
思えば大我とケーフェンヒラーは悩み事を共有できそうだな、と今更思う。序盤が思いのほか話が進まなかったので人の少ない間に投げますね……
レイシフト、またの名を疑似霊子転移。
人間を疑似霊子化させて異なる時間軸、異なる位相、異なる座標に送り込み、これを証明する空間航法。
その日、少女が送り込まれたのは―――地平線の遥か彼方まで広がる大海原だった。
「たーーーーーすーーーーーーけーーーーーーてーーーーー!!!!」
少女の悲痛な叫びがこだまする。
その時、その声に応じるがごとく―――彼女のすぐ真下で、水柱が吹き上がった。
「―――ようやく出会えた。君が来るのをずっと待っていたんだ……っと、詳しい話はあとにしようか。
これより着水準備に入る! 君はしっかり掴まって!
ドラグーン号、浮上せよ!」
水しぶきと共に現れたのは、水平服に身を包んだ小柄な体躯の少年だった。
少年は少女を抱きかかえ危うげなく着地する。
海面に現れたのは、文字通り竜(ドラグーン)を模した巨大な戦艦だった。
そうして、少年は少女を抱きとめたまま。
「サーヴァント・ライダー。真名をクラムボン。このドラグーン号の艦長を務めているものだ。船員(クルー)一同、君がやってくるのを心待ちにしていたよ。
―――ようこそ、我がドラグーン号へ。君は必ず守るよ、マスター」
貴公子然とした微笑みで、そんなことを口にした。>>493
ハッチを空け中に入ると、そこには顔馴染みのメンバーが揃っていた。
「こんにちはマスター! 世界が海に飲まれたのであれば、馳せ参じぬは騎士の名折れ! 何か困ったことがあればいつでも私に言ってくださいね!」
「ああ、この格好ではわからぬかもしれぬな―――今の僕は、どこにでもいる子供さ。力になれなかったらごめんよ? マスター?」
「はあいマスター♪どうですかあ? 久しぶりの私のみ・ず・ぎ・は……おい、なんだよその面、ああ?」
「………………まあ、その、なんだ。少なくとも私は素面だ。いざと言う時には遠慮なく声をかけるといいさ」
方々に自己紹介する水着サーヴァント一向と、ただ1人平常運転の荒木又右衛門。
彼の変わらなさが、少女にとってはあまりにも頼もしかった。
「顔合わせは済んだね? ブリーフィングを始めよう。っと、ルー、彼女に自己紹介を」
「ルー、だよ。よろしくね。お姉ちゃん! おじちゃん!」
「私は……まだおじさんという歳では……」
クラムボンの連れてきた少女の思わぬ発言に苦悶の表情を浮かべる波旬の剣士。
それを嘲笑うように―――マスターの足元が、静かに蠢いた。
「顔合わせが済んだね、か。やれやれ、船長(キミ)がそんなことでは、先が思いやられるというものだ」
艦内に、『ここにいないはずの男の声』が響く。
「サーヴァント・キャスター。怪人二十面相推参。
久しいな、共犯者よ」>>494
「おっと、飛び入りかな……これで全員揃ったね。
じゃあ、改めて始めるよ」
「お、驚かないの……?」
マスターの影の中から現れた男に目もくれず少年は続ける。
「海の男は、この程度じゃ驚かないさ。
この特異点は、四つの領域に分かれている。
妖婦テルクシエペイアが支配するプランクティア。
海賊王ジョリー・ロジャーが支配するロマンスドーン。
征服者エルナン・コルテスが支配するテノチティトラン。
海の悪魔デイヴィ・ジョーンズが支配するダフィー・ロッカー。
……なるほど。どうやら事態は随分と深刻らしい」
そして、海の男は船員一同を見渡して。
「概念が混ざっている僕。通常の時空においては存在しない水着霊基の君達。既に正規マスターを持ち通常では召喚が困難な怪人二十面相……
―――なんてことだ。この世界全てが、虚数空間とでもいうのか。
心してくれ諸君。どうやら我々は、かなりの困難に挑まねばならぬようだよ?」>>501
御頼み申す。>>501
いつも通りOKです>>504
ヴィオランテ「チェスト」>>505
ありがとうございます。以下連投失礼します《SCENE:カルデア(3/14)》
〉今日も頑張らないとね
〉まずは管制室に…
道灌「あ、マスター!おはようございまっす!」
〉道ちゃん! 〉おはよー
道灌「マスター、今日は何の日かご存じっすか?」
〉え? 〉何かあったっけ?
道灌「あっはっは、マスターも惚けるのがお上手っすね!
噂によれば、毎年この日はマスターはサーヴァントの皆に引っ張りだこになる日じゃないっすか!」
〉え?? 〉ごめん、ほんと分かんない>>519
〉恥ずかしい?
ポー「そりゃあ、だって!
他の人たちは準備よくお返しを渡してて!しかも、どう考えてもそれお返しに渡すようなもんじゃないでしょってもん渡してて!
なんか重いイベントあったりするし!色々あって!そんで、一日遅れで、しょーもないもんを渡す私!何ですかこれは!拷問ですか!嫌がらせですか!」
〉…嫌だったなら、ごめんね?
ポー「嫌なんかじゃないですよ!美味しかったですよありがとうございます!
……とにかく。バレンタインデーには間に合わないわ、碌なもんが用意できないわ、決心がつかないわでずるずるここまで来まして、それで…
「どうせなら、ホワイトデーをバレンタインデーってことにしちゃおう!」みたいな…」>>520
〉……………………
ポー「分かってますよ、理解ってます。結構滅茶苦茶なコトしてるってのは、私が一番解かってます。
まぁでも、ほら、またあの甘酸っぱいイベントのあれそれができるってしたら、ほら、そこまで悪いものでは────」
〉……………………
ポー「はい、ごめんなさい。なるたけすぐ治します。
いや、そこまでご心配なさらなくても大丈夫ですよ。常識の上塗りみたいなもので、特段深刻なもんじゃありません。本気にしてんのは、思い込みの激しい連中だけですよ。
集団幻覚、集団妄想みたいなもの…あ、洗脳とかではないです。そんな人聞きの悪い野暮ったいものではないので」
〉それなら良いんだけど 〉びっくりしたよ…
ポー「まぁまぁ、じきに元に戻るので、それまでどうぞおくつろぎをば。
あぁ、でも、負荷はそこそこかかるんで、くつろぎようもないですね。失敬失敬。
ま、精々が夢の上書き。帰る時も変える時も、ノンレムからレムに切り替わるようなもんですし…」>>522
『アクロスティック・ポエム』
エドガー・アラン・ポーからの、およそ1ヵ月遅れのお返し。
羊皮紙に書かれた数行の散文詩。何と各行の最初の文字を並べていくとマスターの名前になる。貴方がどんな名前に設定していようと詩として出来上がっている。無論、英文。
実はポーは生前死後合わせて二度別の人物にこのような詩を自身の名で書かれたことがある。
一人は、彼の薫陶を受けし作家に。そしてもう一人は、愛すべき小さな細君に。
どちらもかけがえのないものだ。どちらも捨て得ぬものだ。月並みな表現ではあるが、「宝物」だ。
そんな「宝物」を、増やしたかった。誰かに、誰かのために、綴りたかった。
ならば、それは貴方が相応しいだろう。
私は宝物になれそうにもない。過去のそんざいなのだから。だが、私の詩なら。記憶に留めおいても貰えるのではあるまいか。これは、今を生きる貴方の詩なのだから。
ちなみに、直筆のサインも入っているが、売るにしても「エドガー・アラン・ポーの名を使った贋作」と判断されるため意味がない。貴方がとんでもない名前に設定していれば猶更であろう。
そう、ものの価値などと言うのは、過去のものなれば煩瑣なものなのだ。余所から見れば、たとえ本物であろうと、二束三文の紙束なのだ。
貴方にとって、この世界で生きた、この、騒がしくも儚い世界で過ごした日々がどんなものであったかこそが、この紙束の価値というものを真に定めるだろう。
この世界に貴方が居たという、その一時の証左として。【CLASS】アヴェンジャー
【真名】キングゥ(Kingu)
【性別】-(伝説では男性神であるとされる)
【身長・体重】-cm・-kg(可変)
【出典】古代メソポタミア神話
【地域】メソポタミア
【属性】混沌・悪
【ステータス】筋力:? 耐久:? 敏捷:? 魔力:? 幸運:? 宝具:EX
【クラス別スキル】
○復讐者:EX
誰彼ではなく人類種という総体を呪う。
復讐者として、人の恨みと怨念を一身に集める在り方がスキルとなったもの。
周囲からの敵意を向けられやすくなるが、向けられた負の感情は直ちにアヴェンジャーの力へと変化する。
○忘却補正:C
人は多くを忘れる生き物だが、復讐者は決して忘れない。
忘却の彼方より相手に襲い来るアヴェンジャーの攻撃はクリティカル効果を強化させる。
○自己回復(魔力):A
復讐が果たされるまでその魔力は延々と湧き続ける。
微量ながらも魔力が毎ターン回復し、道半ばにて斃れることを許さない。>>528
【固有スキル】
○神性:A
かつて人類を支配していた神代の物理法則の名残。
神としての性質、あるいはその体に神霊適性を持つかどうか神性属性があるかないかの判定であり、ランクが高いほどより物質的な神霊に近いとされる。
神霊そのものであるが、魔物としてのランクが上がったことで退化してしまっている。更に、魔物、魔獣としてのランクが上がる度に零落していく。
○変容:A
変換限界値35(最低値は30)。
能力値を一定の総合値から状況に応じて振り分け直す特殊スキル。
パラメーターはそれぞれ[A:7][B:6][C:5][D:4][E:3]の数値を消費して
時に筋力をAにし、時に耐久をAにする。ただしパラメーターの変換限界は決まっており、ランクが高い程、総合値が高くなる。なお、AからA+に上昇させる際は2ランク分必要とし、対魔力スキルは変容で振り分けられた魔力の値によってそのランクが上下する。
ティアマト神がマスターとなった場合、基本の能力値は全てAランクとなった上で30の数値を各ステータスに振り分けることができる。
○生命の海:A
ティアマトの分霊キングゥ神もまた、生命を生み出す海そのものである。
地球創世記の真エーテルを循環させている為、この海の中では魔力は無限に供給される。
黒泥に囚われ、海中に沈んだ者は自己改造、生態変化、生態融合、個体増殖といったスキルがランダムに付加される。
海から地上に出る際にはティアマトと細胞単位でのギアス、塩基契約(アミノギアス)しなければならず、自動的に人類の敵になってしまう。>>529
【宝具】
『創世記述す天命の律(トゥプシマティ)』
ランク:EX 種別:対人/対神宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:1000
世界と神々とを統べる窮極の王権、天命の粘土板(トゥプシマティ)。
同等の魔力消費(コスト)を支払うことで、真名を知り得ている現象を破却する。自分が思う相手を念じることで対象を粘土に変え、武器の素材を呪って攻撃を無効化するといった芸当も可能。
『十と一の創世(ティアムトゥム・ウームー)』
ランク:E~A++ 種別:対軍宝具 レンジ:1~10 最大捕捉:100
かつてティアマトが生み出した十一体の魔獣(恐ろしい蛇、バビロンの竜ムシュフシュ。凶悪な獣たち、水の蛇ウシュムガル。七つの頭の蛇たち、ムシュマッヘ。大いなる日、巨大な獅子ウガム。獅子犬ウリディンム。苛烈な嵐、悪霊たちウム・ダブルチュ。謎の多い子供、双貌の獣ラフム。蠍の人、知恵者ギルタブリル、太陽の随獣、人牛クサリク。毒の蛇、竜獣バシュム。翅持つ魚人クリール)の軍勢を召喚し、使役する。>>530
【解説】
原母ティアマトの息子神にして第二の夫として見出されたキングゥ神。
神々は真水であるアプスー、塩水であるティアマトから生み出されたにも関わらず、子供である神々は原父アプスーに反旗を翻し世界の支配権を獲得したが、ティアマトは子供たちの行為を穏やかに容認した。それでもなお、神々は母であるティアマトにさえ剣を向けた。ティアマトは嘆き、狂い、新しい子供として十一の魔獣とその王としてキングゥ神を産みだし、神々と対決する。戦いの末、ティアマトの軍勢は敗れた。神々は彼女の死体を二つに裂き、天と地を造り、これを人界創世の儀式にしたとされる。そしてキングゥの血肉は聖所ドゥルアンキにて人類創造の素材にされることとなった。
身長/体重:-cm・-kg(可変)
出典:古代メソポタミア神話
地域:メソポタミア
属性:混沌・悪 性別:-(伝説では男性神であるとされる)
陶磁器でできた人形のような、中性的な人物。見方によっては人種を越えて、あらゆる人の特徴を有しているかのようにさえ映る。質素な貫頭衣と、豪奢な黄金とラピス・ラズリの装飾品が不揃いな印象を与える。
古代メソポタミア神話にて語られる人類種の原典、王権の原典。
ティアマト神によって作られた人形であり、同時にティアマト神の分身。
元々はティアマトの肉体、ケイオスタイドを素材として十一の形態へと派生する生命の原型であった。
『エヌマ・エリシュ』において敗れたキングゥ神の肉体は、ティアマト神と類似するこの性質のために、人類創造の素材へと使われた。>>531
『創世記述す天命の律』
ランク:EX 種別:対人/対神宝具
レンジ:1~99 最大捕捉:1000
トゥプシマティ。
世界に対する絶対命令権。
逆説的にいえば世界(自然)そのもの。
王権を得た王は全てを引き替えに神さえ処罰することが許されるという証明。同胞の裏切りもまた、世界そのものが処断しなければならない。
原初の塩水の女神ティアマトがキングゥ神の王権を表すために造り上げた神権印章(ディンギル)。以後バビロニア神話において神々の王となるものが、この粘土板に調印して所有する掟となった。後に所有者となった神々の王エンリルの手から失われるだけで、たちまち万物万象のすべては暗黒に包まれ、世界には滅びが迫るほど。
同一となれば神々の王、概念(カミ)としての完全性を獲得できるかもしれないが、人型の枠組みを失うほどの現象と化すことは想像に難くない。
自らの屍肉から生まれた人を、自らを母体とし生まれた人を、憎む。
この怨念をもってエクストラクラスなる復讐者(アヴェンジャー)に定められた。
聖杯に望むのは人類という総体の絶滅、あるいは――待ちマス
>>534
好きなもの
「好きなもの、嗜好ということか。自然、一つの生命たる世界こそ俺は好む。
……何? 人間も自然の一部では無いのかと?
星の理と人の理はとうに別れた。それが答えだ」
嫌いなもの
「決まっている。人間だ。神々以上に、母ティアマトの身の上で繁殖する雑種共だ」
絆会話
「あまり人間が俺に喋りかけるな近付くな。……人間臭さが移る」
【因縁キャラクター】
【他クラス適性、変化傾向】
【脳内CV】
【テーマソング】
【製作者】ここのえ>>367
やったぜ。>大鳳兄妹と朽崎兄妹の話はそのうちやりたい
ソラ風に関してはユーさんが最大手ってのは無論そうだけど、WASP設定の創始者があんまりかけてない…。
そういえば居ない間に呪術廻戦の話がちょっと出たらしい。前にランチャーさんがクッチーと脹相お兄ちゃん似てるなー、みたいな事言ってたけど、呪術廻戦ファンブック読むとポルカさんが宿儺に被るトコあるなぁ~、って思った。迅龍くんはパパ黒だし。>>538
ディオスクロイis可愛い
常識があるので「全人類抹殺」と口にしながら縁召喚したサイコパスなマスターにドン引きする、ような役を脳内で想定していたり。キャラシ通りに行動するには魔力の蛇口が足りない、ですかね〜
戦闘力はベースになったエルキドゥが強い&便利というのは置いておいて、生命の海をAランクの呪詛系と解釈したり魔力の膜で防げる、とかするとトップ鯖の範疇かな〜というのが主観です。でも主観ギャラリーにヴィオランテを登録しました。
レージュさん、改めてありがとうございましたー。月読神社。三貴神の一柱である月読尊を祀る神社の境内で一人の巫女が掃き掃除をしていた。
「クシュンックシュンッ────ハクシュッ」
巫女、月透美代は重度の花粉症患者でもありこの時期は特に辛い。
「ズビッうう……早く終わらせて室内に逃げないと」
『毎年の事ながら辛そうだね』
美代以外誰も居ない筈の境内で美代に話し掛ける声。彼女以外に聞こえないそれは美代の身体を依代に現世に降霊してくる月読神[ツキヨミ]の声である。
「そうなんですよぉ。もう杉なんて消えてしまえばいいのに、いやいっそ消すか」
『この辺りから杉が消えたら林業家が困ってしまうね』
月透はツキヨミを降霊することで限定的に彼の神の眼を使う事が出来る。それをツキヨミはころころと笑いながらも戒める。
「ならPM2.5!」
『お隣の国を滅ぼすつもりかい?それに君がボクの魔眼を使っても二十四時間で元に戻ってしまうだろう?一時の安寧の為に視力を犠牲にするものではないよ。
まあキミがそれだけ花粉症がキツいことはあの子に伝えてるしそろそろ来るんじゃないかな』>>543
「あの子って誰で…クシュンッ」
「────流石、月の神サマってのは何でもお見通しなんだな」
美代がツキヨミと話しているのに割り込んで一人の女性(の見た目をした人物)がやって来た。彼女(便宜上そう呼称する)の名は西行・キャスリーン・華恩、フリーのドールアーティストである。西行は普通は聞こえないはずの憑依前のツキヨミの声を聞き取っていた。
『いや、別に今来るとは思ってなかったよ』
「どうだか。おっと、先にこれを渡しておこうか。ちょっと失礼」
西行は美代に近寄るとそっと耳元に手をやる。西行が手を離すと美代の耳には小さな花をあしらったイヤリングが掛けられていた。
「これは?」
「簡単な魔術礼装さ。小さな結界を張って顔の周りに粉塵とかが舞ってこないようにしてくれる」>>544
「それってもしかして、あのにっくき花粉共も遮断してくれるんですか!?」
「お、おう。少しだけ魔力を使うがあんたの魔力量なら微々たるもだよ」
わなわなと肩を震わせ口調もやや変わった美代にやや押されながら簡単に礼装の説明をする西行。それを聞いた美代は大喜びで感謝し西行の手をぶんぶん振り回した後ぴょんぴょんと跳ねながら境内を駆ける。
「────手慰みに作ったやつをちょっと改良しただけなんだけどなぁ」
『それでもあの子が求めてた物なのは確かだよ、ありがとうね。
ところで返礼は何がいいかな?今のボクが出来ることって少ないけど』
「あー、そんなのは要らないぞ。あの喜びようを見れたから十分だ。────強いて言うならあの笑顔を奪うような真似はしないように、かな」
『そうだね、約束しよう。そもそもボクってば一万年以上のお勤めを終えたご隠居だし今みたいに程々にヒトの営みを見守っていけたら満足さ』
「とか言ってこの前思ったより宇宙開発が進んでないからって宇宙飛行士に転職させようとしてたくせに」
『え、あの独り言聞かれてたの?キャーえっち、覗き魔!』
「神代から人類史を覗き続けてたお前が言うな!」>>541
鬼一法眼...うっ頭が!
トゥプシマティ持ったキングゥ(エルキドゥ)が来たら断崖絶壁から投身しますわ...!
ティアマト時代が一番だからこそ「おいおい人間おいおい!」ってなってるのがキングゥなので、よく「母はな〜」という自慢話になるという四方は細身の病弱(深窓の令嬢とかそこらへん)な見た目だけど、その気になれば成人男性の頭蓋骨割ることぐらい可能なアサシンです。バトル漫画でいそうですね
>>489
スィレンは「文句がなければ肯定」という超楽観人なんで、伊佐那さんやカイホスルーさんのどうこうを理解してないんですよね。知らぬが仏
何か機会があれば書いてみたいですね。ある事件がきっかけで対立する二人、というのは…
>>492
四方のコンセプトが「女主人公の友人枠」でしたので…実際、暗中を彷徨うような様の四方にとって、ルナちゃんはまさしく道を照らす「月」のような存在だったんですよ
それのコンセプトを完遂しようという目的のもとに書いた自己満に近いものですので、そこまではお気になさらず…
スィレンと四方は正反対な人間臭さ、エゴさの持ち主ですからね、致し方なし>>523の「貴方」は実は主人公(ぐだお/ぐれお、或いはフェリーぺさん)ではなく、それを介してこの世界へ渡来しているプレイヤー各位を言いますよって話
>>525
「ギルド制もない、個人が楽しむゲーム」の思い出は、プレイした本人しか価値が分からないでしょうからね…
>>526
まぁ、サイン書こうがどう主張しようが贋作程度にしか思われない…というか、そんなことしたら魔術協会あたりが秘匿しに来そうですがね。善良なマスターなら、そんなこと、致しませんよね?
かちかち山のゆきちゃん、お出しさせていただきました。キャラの方おかしくないでしょうか?
>>527
ポーの真骨頂ですとも!あと少し解除が遅れてたら特異点や異聞帯にまで発展してましたっていうのはここだけの話
>>533
私だったらはっ倒れます。
ポーにそれ言うと「大悪作家の、二束三文の紙切れですよ。今更、「50万ドルで買います」とか言われたって…生前売れなきゃ屑紙です。作者にとっちゃ」ってくさしますが
>>541
全てのネタネーム設定プレイヤーを刺しに行ってます。楽しそうなら良いんですけどね、たかだかゲームですし(むしろ、ゲームだから忘れないでいて欲しいのですが)>>498
どういった感じでお足なくしましょう?透け?溶け?裂け?それとも苔を繁茂させて自然とない感じ?
鱗は手や首なんかに付けても良いかもしれませんね。
こう、デイヴィくん第三再臨は、「上体だけ見ると可愛らしいくて、スクロールさせると不気味。そして不気味と感じた頃には…」みたいな、浅瀬は綺麗だけど深海は恐ろしい海そのものを意識したい(決意表明)
>>496
これはもしかせずとも虚数海戦オマージュ…?
私あのイベント大好きなんで、そしてあのイベントでのキャプテン大好きなんで、そのポジションそうなクラムボンさんが楽しみ…!
>>537
ギャグ堕ち適性の強そうな御仁だ…と思ってしまったのは多分カストロさんの影を見てしまったからでしょうね…
Fakeパロで、キングゥさんとフワワさんがスノーフィールドで対決なんてどうでしょう?
>>546
花粉症、辛いですよね…二次元には花粉症がないのではと思えるほどに皆爽やかに春を謳歌してますが、やっぱりありますよね花粉症…蚊もああ見えているんだろうなぁ…そういえば神秘について考えてる時に思ったんですが、古い時代に作られた武器ってその時代の信仰があれば銘のある英霊の宝具でない現物でもそれなりの神秘を持てるんでしょうか?
前の投稿からすっかり間が空いて幾月、遅れに遅れましたが
秋特異点SSの続きができたので、今投下してもよろしいでしょうか?>>568
麺食い勝負を制した事により、計三つの試練を突破したフェリーペ達。
ヒュギエイアの胃薬と介抱、さらに適度な休憩を取りどうにか動けるまでには回復。
引き続き、ベルゼブブの下を目指して進んでいたが、そこで思わぬ障害に出くわした。
「これは――霧、いや靄か?」
目の前に広がるのは、薄緑色の圧倒的な靄。
色素自体はそこまででもないが、一面に密集している事もあり先はほぼ見通せなくなっている。
避けて進もうにも今いる場所は一本道。進むにはこの靄の中を突っ切るしかなかった。
だが――
「どう考えても罠だよなぁ」
「あの悪魔の事だ。何かしら仕掛けがあってもおかしくはないな」
「そうですね。できれば避けたい所ですが、やむを得ません。ここはひとまず、私が調合した薬を」
その時。不意に突風が通り過ぎた。
敵意や攻撃の類ではなく、自然に生じたものであったが、あまりにも唐突な自然現象に思わず全員が息を呑む。
とはいえそれも一瞬の事。程なくして立ち直り、一行は目前の道を見据え決心した。>>569
「……いえ。あまり警戒するのも考え物ですね。ここは一気に突破するとしましょう」
「同感です! あの魔王の所業をこれ以上放置できません!」
「あらあら? 皆さん?」
「わかった、ここはヒュギエイアと聖エウラリアの言う通りにしよう。センパイもそれでいいか?」
「ああ、問題ない。道中の敵は任せておけ!」
先程の慎重さからは一転、勢い盛んに靄の中へ突入していくフェリーペ達。あっという間にその姿は靄に紛れ、全く見通せなくなった。
ただ一人、その場に取り残されたマグダラのマリアを除いては。
「あらら……。どうしましょう、皆さんすっかり取り込まれてしまいました」
おろおろとその場で立ち尽くすマリア。
追いかけもせず、さりとて他に手を打つ様子もなく。しばしそのまま靄を見つめていたマリアだったが――不意に、背後へと視線を移し呟いた。
「それで? 貴方はいつまで、そこで見つめているつもりですか――ジャック?」
マリアの言葉に、何もない空間からゆらりと人影が現れる。
否。厳密に言えば、霊体化を解いたと言うべきか。人影――ジャック・ド・モレー、あるいはバフォメットは含み笑いを浮かべる。>>571
「おやおや、上手く気配を消していたつもりだったのですが。流石はルーラー。魔の気配には敏感という事でしょうか」
「ええまあ。昔、似たような存在に絡まれた事があったような、なかったような……あるいは、私を支えて下さっている方々のおかげかもしれませんね」
不敵な笑顔と、とりとめのない笑顔。相反する感情をぶつけ合い、周囲に緊張を走らせる二人。
傍から見れば、それは聖書の再現にも見えただろう。世に名高き聖女と、悍ましい悪魔の会話など。
「しかし――少々、意外というものでしたね。貴女程の御仁が、よもやむざむざ彼らを見逃すなど」
「見逃す、とは?」
「とぼけても無駄です。いかに弱体化した貴女と言えど、あの単純な面々をむざむざ死地に向かわせるなどその気になればいくらでも阻止できたでしょうに。それをなさらぬ事が、意外と申さずして何というのです?」
「……」
「それとも――万に一つもあり得ぬ話でしょうが、彼らに愛想がお尽きになられた、とか? もしそうであるならば、これは実に」
「ええ。有り得ない話です」
ジャック、あるいはバフォメットの言葉を遮り、マリアは真正面から言い返す。
「私が此処に残る事を選んだのは単純に二つ。一つは、貴方に見張られてる事を無視してあの中に突っ込めば、どんな嫌がらせをされるか分からなかったから。そして」
「そして?」>>572
「そしてもう一つは……今、できました。貴方の、彼らに対する侮辱を撤回させる為です」
「撤回、ですと? これは笑止! 普段のお前ならいざ知らず、あの悪魔の姦計で弱体化している貴様に一体何ができると――ッ!?」
再び、バフォメットの言葉が遮られる。
ただし今度は言葉によるものではなく、目の前の聖女から伝わってくるはっきりとした威圧感によって。
「本来であれば、恥ずべき事であると分かっております。あの方の愛(アガペー)を受けた私が、誰かに対し暴力を振るうなど。ですが――それでも、今のこの時だけは」
「貴様……!」
顔色を変えるバフォメットに対し、マリアはあくまでも、そしてどこまでも普段の柔和な笑顔のまま宣言する。
「ご安心ください、私からは一切仕掛けません。手向かいしたいのであれば、遠慮なくどうぞ。――丁重に、愛を籠め束縛(あしどめ)させていただきます」「次はお前の番だからな……しくじるなよ!」
「キングゥが一番ダメそう」
それは幻想種スフィンクスが有するという伝承防御、問いかけ。
無理難題に正解できなかった者の、魂を食らうという心理の迷宮。
キングゥ「ふん……俺を誰だと思っているのやらな!」
スフィンクス『朝は4本足、昼は2本足、夜は3本足。これは何か?』
キングゥ「はは! 気でも触れたか、そのような生き物は合成獣(キメラ)をおいて他にあるか?」
「あー終わったー」「しゅーりょー」
スフィンクス『答えは人間、だ』
キングゥ「はァ~~!?!?」
秘匿心理迷宮スフィンクス・ノレッジ20XX
目指せ、全問正解!
…的なレ―ジュさんの開催イベントみたいなssも書いてみた~い~あれもこれもしてみたい~欲が止まらない~
>>574
や、やだ聖女様の聖女様にトゥンクしちゃう……!特異点こそこそ話
ウト・ナピシュテムのテーマソングは
旧支配者の
キャロル
>>582
海洋冒険譚と言えばあの漫画を意識しないことは出来ない……>>581
的な!
あと概念礼装をイベントスチル扱いにしたりとか。。
概念礼装考えている時が個人的に一番楽しいかもしれない
こうやって嘘予告だけが無尽蔵に増えていくんですねぇ(泣)キャスターは外れクラスと呼ばれていました……でも、頭を捻れば捻る程「ん? 普通に強くない?」となってしまう。
という訳で福音記者ヨハネの没スキル。
塩基聖約:A
コヴェナント。神との間に交わされた塩の契約であり、地に満ちる光を以ってあらゆる悪性を浄化する。教会の魔術基盤を用いて行使する洗礼詠唱とは異なる神秘で、天使と同列の「光」を扱う事ができる。聖約のもと対象を悪性と認識して浄化するに至った場合、それを塩の柱として裁断の具現とす。また、ある一定の条件が成立すれば神の粛清たる『アピス』をも発動が可能になる。
>>579
まあ聖女を戦わせるのはねぇ?
ジャンヌ? マルタさん? きみのような勘のいい(ry>>584
こことつべに渋、ニコニコやFGOで忙しいから競馬場には行ってないな。
サイレンススズカを投下する切っ掛けの一つにはなったが。>>584
マスターだと負け続きのギャン廃がいるけど、そいつ多分言ってるんじゃないかな(七海ね)>>590
ですよねー。>異なる属性>>592
残念ながら今回マリア様のバトルお披露目はないのです…
その代わり次回別行動中のメンバーの活躍をご期待あれ>>594
ドラグヴァンディルは色んな担い手がいた経緯から、エミヤのように憑依経験系の能力にでもしようかなと思っています。
エイリークとグンヒルドに呪詛をかける程のルーン使いに加えて、逆に呪詛師としてもプロフェッショナルなグンヒルドの呪術を受けても平気な顔して立ち去る耐性の高さ。
ただでさえDQNなのに強いとかタチが悪い。念願のペンタブを購入。
なんでこれから練習だい。>>598
ちなみに買ったのはこれ。
公式通販なら新品で送料無料&税込み\3980は強い。
https://fudeyasharaku.com/tsukishiro/index.html>>600
ヴィオランテのです。
元ネタはヘカテが弟子にあげた杖の意匠。
『風都探偵』に出てくるラーフ・ドーパントのイメージも入ってます。>>600
こいつがラーフ・ドーパントだ!(下記リンク参照)
https://blog-imgs-138.fc2.com/b/e/a/beatarai/fuuto201124-.jpg>>603
俺はクラブ・ドーパントとか好きです。>>603
ドーパントはナスカ・ドーパンが好きです。ヘカテの杖を元ネタにしたのは絵心の無さが一番大きいけど、それを逆手にとって『ヴァルヴェルデ家の初代当主の母親は、ヘカテの孫弟子(キルケーが拾って育てた養子兼弟子)』という裏設定を反映させたのも少しある。
>>608
ちなみに自分、替え芯はベビー綿棒で代用してたりします
人によってはパスタで代用している人もいるとかうす、ヴィオランテの令呪、ギャラリーにある令呪コーナーの『その他』に登録しました。
ペンタブは練習あるのみだわさ。しかし今話題のウマ娘……グラフィックがほんと綺麗ですね……一瞬イラストなのかと勘違いするくらい……
いいな……絵の参考にしたいな……光の反射やテカリ方が滅茶苦茶好みで……
わしゃあ、こういう可愛い子たちを絵に描きたいんじゃあ……>>614
い、異能力…異能力かぁ…昨日に引き続き、秋特異点SSの続きができました
今上げてもよろしいでしょうか?>>619
マリアとジャック/バフォメットが全力でぶつかりかけていたのと同じ頃。
フェリーペ達は靄に視界を遮られつつも、どうにか進んでいた。
「分かっちゃいたけど、まるで前が見えないな……」
「離れすぎるな、後輩。一本道とはいえこの靄だ、いつどこで敵が襲って来るとも限らないぞ」
「同感です。ランサーとルーラーも気を付けて下さい」
「了解しました! マリア様、じゃなかったルーラーさんも――あれ?」
聖エウラリアの戸惑うような声に、全員が立ち止まる。
「どうした? 聖エウラリア」
「い――いません! ルーラーさんが、どこにも見当たりません!!」
「なんですって!?」
慌てて周囲を探すが、相変わらずの靄に阻まれどこにもそれらしき影は見当たらない。それどころか来た道さえまともに振り返れず、方角を見失いかけていた。
「ど、どうするセンパイ!? いくらあの人でも、一人きりで放置する訳には!」
「落ち着け! だが確かに不味い。一旦退き返そうにも、この靄の中では……」>>620
(――大丈夫――)
「……?」
「キャスターさん? どうかしました?」
「いえ。今何か、聞こえたような」
(――大丈夫――大丈夫、だから――貴方たちはそのまま進みなさい――)
『――――』
それは。さざ波にも似た声だった。
優しく、穏やかに、そして心に溶け込むように語りかけられる声音。海どころか水場さえないこの状況ではあまりにも異質なメロディ。
だが。この時の彼らは、何らおかしいとは思わなかった。むしろ――
「……まあ、何かあったとしてもあの人ならば大丈夫でしょう」
「そう、だな。ここで慌てても、仕方がないか」
「ああ――気を取り直して、進むとしよう。宴会が私たちを待っている」
「ふわぁ……とても、楽しみです」>>621
根拠のない自信と共に、再度彼らは歩みを進めていく。
その様は熱に浮かされた者の如く。ただ『ある場所を目指す』という一点のみに突き動かされている。
どのくらい靄の中を進み続けたのか。それさえも曖昧になる頃――不意に、靄が晴れた。
「――おお。やっと来たか、お客人」
「全く待ちくたびれたぜ。もう少しでせっかく作った料理が冷めちまう所だった」
「……私達も……腹ペコ……」
そこに在ったのは、正しく宴会場としか言いようがない風景だった。
一面に敷かれた茣蓙(ござ)と、その上に置かれた多数の膳料理。さらに中央には酒樽が大きく鎮座し、空いた隙間からうっすらと靄めいた酒気が昇る。
(……ああ。靄の正体は、あの酒樽の中身だったのか)
ぼんやりと、薄らいでいく理性の欠片でおまけのように気づきながら。
フェリーペは何ら疑問に思う事もなく、手近な宴席の一つに座る。
他の女性陣も同じく空いた座席に着き、虚ろな目つきのままじっと手元の膳料理を見つめていた。
「さあて! 客人たちも到着した所で――乾杯の音頭とするか、旦那!」
「応、異論はない。……少々気が抜けてるのが残念だが、まあやむを得んか。英霊ですら惑わせるこの酒煙の中を歩いてきたのではな」>>622
先客と思しき武者と大鬼が盛り上がる一方、褐色肌の少女は冷静にフェリーペ達を見回しある事に気づく。
「……一人……足りない……」
「む? ああ、確かに欠けているな。確か、何某のマリア、だったか?」
「ああ、あいつなら山羊の旦那が相手してるってよ。何なら今からでも助勢しに行くかい?」
「……いい……面倒……そこまでする義理、ない……」
「同感だ。己が引き受ける、と言ったのだから任せればよかろう。それより人魚姫の姉御はどうした? 誘導はもう済んだだろう」
「姐さんなら帰ったよ。『くだらない飲み会にまで付き合う理由はない』だとさ。つれないねえ」
「そうか。まあ問題はあるまい、こうして釣りにかける事はできたのだからな」
未だ茫洋と膳料理を見下ろすフェリーペ達を一瞥し、武者は笑う。
それは、獲物を嵌めた悦びとままならない現状に対する自嘲の入り混じった複雑な笑みだった。
「食うか、食われるか――。第四の試練『酒血肉林の毒宴会』、此処に開幕。だ」なんか最近requiemの内容が雑になってる気がしてちょっと不安だけど最新話投げます。
「ほら、急ぎなよ、灯里ちゃん?時は金なり、兵は神速を貴ぶだよ?少なくとも早く決着をつけられればつけるだけ、君の生存は保証される可能性が高まる訳なんだから、さ」
クチサキさんは一人、いや、自身のサーヴァントであるヴクを連れたって白狗塚神社の鳥居に繋がる階段をズンズンと昇っていく。もう既に彼は私との距離がかなり距離が開いている。まだまだ学生の身なのにこんな事を言うのは非常に情けないが、ちょっと疲れてきた。もしかしたら自分で思っている以上にストレスによる心労や肉体的な消耗が重なっているのかもしれない。いや、そろそろ階段半分は登り切った頃だったと思うけど…。
「おっとっと、ゴメンね?曲がりなりにも魔術をガッチリ学んだ経歴のある俺と、割とそうでもなさげな君の魔術回路による身体能力拡張?技能の格差というかを考慮できていなかった。ほら、早く上がってきなよ。無理なら無理でセイバーの奴にお姫様抱っこでもして……いやいや、今一番駄目なのはセイバーがちょっとでも消耗して敵との戦いに支障が出る事かな?」
私の方を顎に手を当ててクチサキさんは考えて、
「あぁ、君は箒を持っているのだから、それで飛ぶのが最適解なんじゃないかな?どうなの?」
なんて言ってくる。
「いえ、あの箒での飛行はかッ飛ぶ感じなのでこういった団体での移動にはあんまり向かないんです…」
「ふ~ん、そうなんだ。ま、魔術での飛行って難しいんだし、しょうがないか」
茶化すように、あっけらかんとして笑うクチサキさん。そんな彼を遮るようにセイバーさんが腕を振り、剣を実体化させた。>>628
「居るぞ」
彼らしく、端的で短い発言。しかしそれでいて必要な事はしっかりと言ってくれる。
「あっれぇ?なんでバレたんだろ。まいっか。頭上の有利って大事だしね。こういった足場悪い戦場でも、ウチと兄様のコンビネーションの前じゃ全然ノー問題!って事でやっちゃおうよ兄様!」
「そうだな。ディオスクロイ、参る」
そういって拳と武器を構え、
「大・噴・火ァァアアーッ!!」
その出鼻を挫くように、クチサキさんのサーヴァントが階段を一気に駆け上がり、剣を構えた女性の方に強烈なアッパーを食らわせて階段の上、社へと吹き飛ばす。
「兄様!」
「貴様は行かせん」
慌てて振り向いたもう一人の行動を阻むように、剣を差し向けるセイバーさん。
「邪魔するなっての!!」
苛立つ女性が振りかぶった手甲がセイバーさんの剣とぶつかりあい、耳障りな音が響く。階段を登ろうとするサーヴァント…そういえば、ちょっと前に教わった真名であろう、とされる英霊としてはポルクスなのだっけ。双子座の弟。何故女性
なのかは不明だが、あまり気にしない方向で。セイバーさんには「戦闘では、相手の事情を考える必要はない」っていってたし。でも正直、私に出来る事ってあるのかな?と思いつつ、剣戟によって階段を外れ、脇の林に戦いのステージを移した彼ら二人を追いかける。回復とか、ふぁいあまじっくで邪魔ぐらいは出来るかも…。
ガッツンガツンと、手甲同士がぶつかる威勢のいい音がする
「速攻でぶっ飛ばす!」
剣が風切り音を、ヒュンヒュンと響かせる
「無駄が好きだな、貴様は」>>629
◆◆◆
「やぁ、さっきぶりだねぇ、少女ちゃん?え~っと、自己紹介でもはじめようか?」
黒い狙撃銃のボルトを操作しながら、朽崎遥は朗らかに話しかける。
「ふざけないで!私に酷い事した癖に、よくもそんな言い様ができるわね!面の皮が厚すぎない!?」
赤峰ステラは、飄々とした態度を崩さない朽崎遥への怒りをそのまま吐き出すが、まだまだ新鮮な恐怖が勝るのか、足や顔には怯えが見え隠れしている。事前に用意していたであろう紙の礼装を持つ手は震え、
「まぁさ。どうでもいいじゃない。これからコロシアイする相手に対して、遠慮も躊躇も余分だろう?赤峰ステラちゃん?あ、でもアレだよ。君が『このお兄さん怖~い』っていうなら、あっちのサーヴァント戦の支援に絞って雌雄を決する、という手も、無くはないよね」
「わ、私を知ってるの!?」
「勿論。俺って情報屋みたいなキャラだしね。だから情報収集のスキルを侮って貰っちゃ困る。っていうか、子供の頃あって無かったっけ?つっても俺がガキだったし、全然記憶に残ってないの当たり前だけどさ」
唖然として言い返すステラに朽崎遥は当然のように”顔見知りだ”というような口ぶりで言葉を零す。しかし直後にヘラッと笑いながら近くの縁石に腰かけながら
「いや、そんな事なかったな。で、ど~すんの?怖い怖いお兄さんと戦うかどうかは、君次第だよ~?ま、体は怖がり隠せてないし、大人しくサーヴァントの支援に集中したら?正直、俺としてはこの聖杯戦争、誰は勝とうが、割とどうでもいいしね。最後に大聖杯の魔術式だけ貰えりゃそれでいいから。だから、割と敵対する理由は無かったりするんだよ?」
で、どうする?と朽崎遥は赤峰ステラに問いかけた。「バーサーカー頑張れ~」と声を発するのも忘れない。
赤峰ステラが困惑に陥った状況で、バーサーカーとライダーの戦闘が始まった。オイオイオイfalling moon分割無理だから頑張ったら5000文字だわオイオイオイ文章死ぬわ
公式と考察の板挟みに合う男、小鳩とランチャーの人!!!!(東映版スパイダーマン風名乗り)
うーん難産………と思ってたネタが考察内で既出とか思わないよ……お腹痛いよ……>>637
どうぞどうぞ~黒くなったから貼るよー!
「やぁ転校生君、もとい間久部君。改めて自己紹介しておこう、担任の浦戸だ。よろしく」
朔月学園への登校初日、教室ではなく職員室の担任の元へと赴いた理仁を迎えたのは挨拶の時とは異なりテンションの高い浦戸であった。服装こそ変わらないが口調は柔らかく、学生のものに近い。
「テンション高くない?と思っただろ。実を言うとああいう硬っ苦しい空気苦手でな……今更だけど、大丈夫?幻滅してない?」
「特にはしてませんけど面食らってます。正反対すぎます」
「やっぱり?すまんすまん。おっと、そろそろホームルームだ。待ちに待った初対面……なんだ凄い顔しているぞ」
「いえ、不安で胸がいっぱいなもので」
理仁の顔色はゾンビを思わせるほど青白く、タチの悪い病気にでもかかった様だ。浦戸にギョッとされながらも理仁は顔を両手で揉み、
「でもとりあえず自己紹介くらいはしっかりやりたいと思ってます、ハイ」
「うむ、良い心がけだ。でも心配しなくて良いぞ、俺のクラスには優しい生徒達ばかりだ。きっと快く受け入れてくれると思う」
心の準備は済ませ、理仁は浦戸と共に職員室から廊下へ出る。二年生の教室は職員室と同じ二階にあり、歩いてすぐの様だ。
理仁は周囲をちらちらと何度か伺う。学校にやってきてからと言うもの、他の生徒にじっと見られる事があるのだ。
「あの先生、さっきから滅茶苦茶見られているんですけど」
「ん?あーそれか。クラスに行けばわかるよ」
「……?」
転校生だからという事でここまで注目を浴びる事はまずないだろう。だとすれば……イケメン転校生扱いを受けている、なんていう事はさらにない。一体全体自分が置かれている状況が把握できず理仁は首を傾げた。
「それはそうと、実はクラスには君の様に転校してきた子がいる。二年くらい前だったかな?きっと仲良くなれると思うぞ」
「転校生、なんかどこかで聞いた事が……」
つい昨日出会った三義経子が脳裏をよぎったものの、そんな奇跡はありえないだろうと理仁はかぶりを振った。出会いから再会までまるでラブコメ漫画ではないか、東京だからとそう簡単にフラグは成立しない。>>641
「よし、ここが君がこれから一年を共にする教室だ。俺が呼んだら入ってきてくれ」
教室へと到着すると浦戸はそう言って先に教室へと入っていった。
「おーいお前ら座れー。座ったかー?よし、おほん、なんかもう色々噂になっているが今日からこのクラスに転校生がやってくる」
「ねー!言ったでしょー!」
「男子ですか、女子ですか?」
「うん?男子だよ男子」
「ねー!ねー!言ったでしょー!」
「きっとあの動画のイケメンだよー!チンピラにパンチくらわしてた!」
「食らわしてないでしょアレ。寸止めしてビビらせたんじゃないの?」
「俺、指先ひとつでダウンさせたって聞くぜ?」
「いやいやいや、殴っていたらややこしい事になってるだろうしやっぱり寸止めだよ、寸止め!やばくない?チョーカッコいい!謎多きステゴロイケメン転校生とか属性モリモリだよ!」
……何か、ものすごく、期待されている様だ。動画、チンピラというワードから理仁は昨日繁華街で繰り広げた一件を思い出した。アレが一日で拡散されたに違いない。
(んああああ!!!結構人いたもんなぁ、動画とか撮られてるよなそりゃあ!!!え、何これ知らないちょっといやいやいやいやいや勘弁してくれえ……)
浦戸が口をつぐむのも納得だ。事前に言われたら教室に行く事など選べない、ダッシュで逃げていただろう。つまり既に逃げ場が封じられている訳である。
「ちょっと落ち着こうか。良いか、転校生とさっき話したがかなーり緊張していた様子だ。今の調子でお前ら期待込み込みで話しかけて勝手にガッカリとかするなよなー」
『はーい』
大騒ぎの教室をなんとか浦戸が抑え込んだものの、次にやってくるのは『じゃあ転校生はいつ来るの?』という期待から生じる静寂である。耳におかしな耳鳴りが響くほどの静寂が広がっていく中、再び浦戸は咳払いをした。>>642
「……それじゃあ入って良いぞ」
(いやこの空気で入るのキツいだろ!?え、ええい、やるしかない!)
ずっと廊下に立っていては一時限目が始まってしまう。それどころかクラスメイト達にもかなりの悪印象を植え付ける事態にも発展しかねない。
理仁は意を決して教室のドアを勢いよく開け、キビキビとした歩調で浦戸が待つ教壇へと歩いて行った。
「ま、間久部理仁です。よろしくお願いします」
意を決してはっきりと声を出して会釈する。顔をあげてみると、クラス中の視線が理仁に釘付けになっていた。らんらんと光る目からは好奇心が隠せない様子だ。
「うーんと、名前はこういう漢字だな。家の事情で一年間だけウチに通う事になるから、みんなよろしくな。間久部、お前の席は後ろの方で……三義の隣だな。三義、教科書とか貸してやれな」
「はい」
「え」
浦戸が指差した先、教室の最後列の端に三義経子は笑顔で座っている。それだけでなく理仁にひらひらと手を振ってきていた。
素っ頓狂な声をあげてしまい顔を赤くしながら、理仁はガチガチになりながら経子の隣に座る。ぐきりと音が鳴りそうなくらいに首を動かすと、彼女は笑みを浮かべたままで、
『また会えましたね』
声には出さなかったが口の動きからそう読み取れる。ひゅうっと理仁は変な声を出しそうになりながらギリギリで平静を保ち、教壇に視線を修正する事にした。>>643
「貴方、灰色です」
「……はい、いろ?」
一時限目を終えてすぐの休み時間、たたみかける様にやってきたクラスメイト達の一人が突然理仁にそう言い出した。ふわふわとした印象の、どこか掴みどころの無い女子はそう言うと満足げにすっと自分の席へと戻っていく。
どういう意味?と理仁が困惑しながら周囲の生徒に目を向けると、感心した様子で皆腕を組む。
「灰色と来たか……間久部君、やはり違うね。凪咲から灰色の評価を受けるのは君が初めてだよ」
「色で何か分かるの?」
「うーん、そこんとこは私達も良く知らない。ただ灰色評価は君だけなのだ。それで、君なんだよね?経子をチンピラから助けたの!」
「あー、それは、はい……」
顔を真っ赤にしながら理仁が頷いた瞬間、クラスメイト達は顔を見合わせ、
「いやー!格好良かったよアレ!スカッとした!」
「あのチャラそうな顔がビビっちゃった時の顔ったらもう無いよ!」
「動画を見たが、非常に良いストレートだった!どうだ、ボクシング部に来ないか?」
「うぇ、ええ、いや、ちょっと待っ、待ってぇぇぇ!」
クラスメイト達は爆竹が弾けるかの様な勢いで理仁にぐいぐい詰め寄ってくる。どうやってあんなに鋭いパンチが打てるのか、だとか前の街ではどういう生活をしていたのか、と言った事を問い詰められ、理仁もそれに頑張って返答するものだから教室の熱気は凄まじいものとなっていた。
と、そこで助け船を出すようにしてクラスメイトの輪を切り裂いて経子がやってくる。>>645
「はい皆、そこまでにしてください。間久部君、困ってますよ」
「むっっ! 経子ぉ、もっと話さないの間久部君と。助けてもらった張本人だよ?」
「もうお礼は済ませました。なので私にとって彼は普通のクラスメイトです」
「ぬああー!? なぁにそれぇ!?」
「さぁさぁ、先生そろそろ来ますから散った散った」
クラスメイト達を自分の席に追い返していく経子を理仁はボーッと見つめる。昨日今日と続いて、信じられないほどに彼女と出会う。気のせいではない、もしかしたらこれはある種の運命なのではないだろうか。東京でないと発生しない、トーキョーフラグなのではないだろうか。
「ありがとう、助かった」
「いえいえ。はい、次の教科書です」
経子は変わらぬ様子でまた教科書を見せてくれる。素っ気なくも距離感は近く、肩と肩がぴったり触れ合ってしまいそうな雰囲気に理仁はどぎまぎした。
「ういーすお前ら、授業始めるぞー……と言いたいところなんだが、実はお前達に連絡がある。生徒会長を決める選挙の事だ」
「報告ってなんですかー? 今年も黒鳥先輩で決まりでしょー?」
「いやそうなんだが、実は今日転校してきた生徒が『私も出る!』だそうでな。それがまた凄まじい気合いなもんで……俺達教師陣も盛り上がっているのだ」
「あー! 私それさっき先輩から聞きました、洲甘とか言う三年生ですよね!?」
洲甘、洲甘、洲甘柳花。理仁はまたひゅうっと変な声を出しそうになった。東京での出会いが今学校を中継して繋がろうとしているではないか。信じがたいがこれは何かの運命と捉えるほか無い、きっと、多分、恐らく。
動悸を抑えられずに授業を受けながら、理仁は経子の様子がおかしい事に気付いた。二時限目は浦戸が担当しているのだが授業中に彼女は教科書でも黒板でも無く、じっと浦戸を見つめているのだ。穴が空くほどに目を丸くして。不思議な事にどうやら誰も能面の様な面持ちの経子を認識していないようだ。>>646
「なぁ三義、オレが転校生だって知ってたのか?」
「いいえ、知りませんでしたよ。だから貴方の事、間久部さんと呼んでいました。ずっと年上に見えていましたから。んー……ぎゃっ」
三本爪のアームは握力が弱く調整されているのか、不気味なせんべい型ぬいぐるみをぼろりと落としてしまう。既に五〇〇円が飲み込まれているが、経子は一向にクリアする様子が無い。
「……ああ、だから今朝からオレの事君づけなのか」
「そうですよ。同い年なら、君の方が良いかと思って。ぬおぉ、あああ……」
「なぁ、オレがやろうか?得意なんだよソレ」
「むぅ、では私の仇を取ってください。百円あげますので」
授業を終えて、経子は部活も無いから一緒に帰ろうと言い出した。クラスメイト達からは休み時間をフル活用して質問攻めを行った為か満足し、放課後に二人で帰ろうとしても特に何も言ってこなかった。そうして今、ゲームセンターで理仁は経子の為に不気味なぬいぐるみを取るべく挑戦している次第である。
「よーし、取れた」
「い、一回で取れるものなんですね……」
「コツがあるんだよ、コツが。ほらぬいぐるみ」
それなりに大きめなぬいぐるみを手渡すと、経子は昨日見た様なふにゃっとした笑顔で抱き心地を確かめている。しっかり者の彼女が蕩けさせる様子は可愛らしく、理仁も思わず口元を緩ませる。
「間久部君にはまたお礼をしないといけませんね」
「良いよ良いよ、今日助けてもらったから。オレ、あんま喋るの苦手だからさ」
「そうですか? とてもそうには見えませんよ」
「そうかな……初めてあんな褒められ方されたからはしゃいでたのかも」>>647
喧嘩について褒められた事などあまりなかった。理仁とて好きで殴り合いをしたのではなく、何故か相手に絡まれてしまうのだ。顔を腫らして帰っては美和子に叱られたものである。だからこそ誰かを助ける為の手段として役立ったのは嬉しいのかもしれない。
「あ!理仁君、連絡先交換しましょう」
「うぇ!? 連絡先って、電話番号とか、チャットとか?」
「待っていてくださいね今QRコード出しますから……よし、どうぞ」
ぬいぐるみを抱きしめたままで経子は自分の携帯画面をへと突き出してくる。理仁はばくばくと心臓が音を立て、息が詰まりそうだった。生まれて初めて母親以外の異性と連絡先を交換しようとしている、頭の中を「マジで!?」という叫びがこだまする。
「お、おお、分かった」
挙動不審になりながらも画面に表示されているQRコードを読み取る。『よしつね』というアカウントがチャットに登録された。
「よしつね……?」
「私の名前、『みよしつねこ』じゃないですか。真ん中を抜けば『よしつね』……って説明させないでください、恥ずかしいです!」
「あ、あー! なるほど、なるほどなー!良いんじゃないか、うん!」
「えへへ、へへへ……」
しばらく二人でぎこちなく笑い、それから数秒ほど黙りこくる。理仁は鈍かったなと言う気まずさ、経子はつまらない事話しちゃったなという気恥ずかしさから互いに顔を赤らめた。
「もう五時ですね……今日は帰りましょうか」
「そう、だな。それじゃあ、また明日」>>648
(うおおおおおお、おおおおおお、女の子から、連絡先もらったぁぁぁぁぁぁぁ!!!まさかの間久部理仁十七歳にしてようやく、春が来たぁぁぁぁぁぁぁ!!!!信じられぬぅぅぅぅ……!!!)
理仁は舞い上がっていた。誰が見ても舞い上がっているな、と判断されるほどに、それこそ小躍りしてしまいそうなほどのテンションにあった。電車からぴょーんと飛び降りて自宅への帰り道を全速力でかっ飛ばし、道すがら困っているおばあちゃんを三人ほど助けた。
と、自宅の屋根が見えてきたところで携帯がバイブ音を鳴らす。もしやと思い取り出してみれば、『よしつね』という文字。よもやよもや、連絡先を交換したその日に連絡が飛んできた。震える指で通話ボタンを押し、耳に押し当てる。
「もしもし!」
『うぃーっす、間久部君元気ー?』
電話口の向こうから聞こえてきたのは野太い男の声だった。間違っても経子ではない。理仁の昂ぶりは瞬く間に冷え込んでいった。
『あんさぁ、君がイキってくれたおかげでウチの下っ端がめっちゃ恥かかされたじゃん?アレさぁ俺達の立場無いのよ、分かる?』
「……」
『聞こえてるー?可愛い経子ちゃん預かってるからさぁ、出来るだけ速く来てくんないかな?』
『間久部君来ちゃ駄目! ぎゃっ』
『市外にある元ラブホの廃ビルまで来てよ。めっちゃ目立つからさ。あと通話このままね、警察にチクられたりすっとめんどくせぇし。じゃあ、よろしく』
「……ッ」
理仁は駆けた。それまでの喜びも、何もかも消え去った文字通り鬼の形相で。ここの人たち的には短編ってどれくらいの長さのものを指すんですかね
>>632
山星さん山ほっさん、うちの子をひいきにしてくれてありがとうございます。
ひとみのに関するちょっとした短編を、明日の午前から夕方にかけて投下するつもりでありますのでよければ見てやってください。
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/wiki/人蓑祐輝_英雄
他の方も。人蓑祐輝の人となりや戦い方、うちのキャラ間での絡みの一部を大体知れるような短編を明日投下します。
リアタイ時刻ギミックを噛ませてあって、時間ごとに分けて投稿されます。
別に無理して追っかけてもらうことはありません。掲示板ですからね。
よければ見てやってください。ではログを追ってきます。>>650
ここまで浮かれるとは……トーキョーって怖い
顔を腫らして帰ってきたということはきっと相手はその数倍お返しを貰っていますねえ、基本的に売られた喧嘩はきっちり後悔させながら買う主義ですのでなんとなく思いついた理仁のブチギレ台詞集
「おいおい、地面なんかにへばりついてどうしたんだよ?土下座の練習?」
「どうしたぁそんな顔して?こっちは素手でそっちは刃物持ってるのに、こんな結果になるなんて思わなかったよなぁ?馬鹿だから」
「いや、降参とかそういうの良いから。テメェらが漏らすか気絶するまで止まんねぇから♡」
「『女だから』?で?それで女の子たちを売ってきた罪が帳消しになんのか?……喚くな、撒き散らすのは香水だけにしとけ。クセぇぞお前」Morning 10、Timer Start。
Now let's start the chase in London。ONE_DAY. 10 : 11 WED
「はっ……はぁっ……!」
ロンドンの路地をひた走る。どうしてこんなことになったのか、訳もわからない。
『逃がすな、とにかく拘束しろ』
『どう言う経緯で日本人にあれが渡った?』
『それは現在パーラメントが追跡中である、とにかくあの少年を抑えるぞ』
何がわからないって、少年はまず言葉がわからなかった。一応地元ではそこそこの高校だったのだけれど、取り立てて英語ができたわけではなかったし。半端者は読めても聞けないのである。
「…………っ!!っけんな!!はぁ……マジ……!ざけんなって、もう!!!」
昼前でも路地は暗い。狭い世界を駆け抜けると人通りのある明るい世界に飛び出せる。暗い色をしたスーツのせいで追っ手が見にくいことこの上ない。
「つか…………なんで…………なんで財布スられた俺の方が追っかけ回されてんだよ逆だろ!!!?」
とある高校生、人蓑祐輝は倫敦を行き交う人の流れに飛び込んだ。>>657
ONE_DAY. 9 : 43 WED
アウェーこの上なかった。
特にこう、1ヶ国語話者としては、周囲の人が母国語(そもそもその周囲の人たちに取っての母語が英語である)を一切喋らないと不安になる。
ざっくり紹介しよう。単身でいろんな国を飛び回る系カーチャンの一人息子で、ついうっかり時差を計算し損ね、約束の日より一日早くイギリスの土を踏んでしまい空港の出口でまいまいしている残念な高校生が何を隠そうこの少年。人蓑祐輝であった。
加えて追い討ちだったのが、その日はまだ母親は偉大なブリテン島のお隣の島にいたことであった。
「あはは……………………は…………」
心ぼそい、ここに極まる。
確かにそりゃあ昔はまだ小さかったから、仕事で色々と飛び回っていく母にくっついて、これまたいろいろなところにいったりしたのだ。大体全部お母様がしてくれてたし、行っただけで住んではないから言葉も身についていないし。
どうしてこんな目に遭うというのか。自分が一体何をした。間違いをしたのである。
「あはははあほか……あほだったわオレ……」
とりあえずの選択肢は二つある。このままひたすら空港でやり過ごすか、名前と場所は分かっている本来の待ち合わせ場所のホテルに先に向かって融通してもらうか。聞きには自信がないが、書くのと読むのはできたので、あらかじめカンペを作っておけば話すのもなんとかはなるし、いざとなれば万能ツールの電子機器も持っている。あの企業ロゴが知恵の実のアレである。
「はぁ…………とりあえず行ってみるかぁ……」
最悪歩けば着く。スケジュール能力のない青年たちの合言葉である。目標はあの有名な美術館の方だ。>>658
すれ違う人の波には世界があった。
はっきり事実として認識していたはずの、地球の裏側にも外国の人間がいると言うのを知らされる。
人が多くてなんどか人とぶつかってしまった。口をついて出るのはすみませんという日本語だ。頭を下げてはいたので、すまなく思っている意図が伝わっていると良いのだけれど。そもそもこう言う時は英語でなんと言えば良いのだろうか、そういうところも高等学校はフォローしてくれたらいいのに。
そんなことを考えながら何分か、十何分か歩いていると今度は子どもとぶつかった。
『わっ……!』
「ごめっ」
跳ね返って尻もちをついていたのは巻き毛の少年だった。雰囲気的には10歳か、それより幼いくらいかだ。今度ばかりはすれ違いにぶつかるのとわけが違う。>>659
『ほんとごめん、ケガない?』
しゃがんで少年を起こしてから、声をかける。
『だいじょうぶ……です、じゃ……!』
巻き毛の子はおずおずと話すとすぐに走っていった。
後ろ姿はちらりと捉えられたが、泣き出しそうな少年の顔が見えてしまった。本当に申し訳もなかった。出来れば詫びを入れたいくらいに……なんて、考えながら手をポケットに突っ込もうとして気がつく。
「ぇ…………財布」
ない?落とした?
いいや、最後にその存在を認識したのはしゃがんでズボンがつっぱったあの時…………
「……えっ?はっ?あっ、はぁ!?ふざっ……」
『アートリー!反応を探知した、あの旅行者が持っている!』
『了解、とりあえずあの少年を抑えよう、カラルナ』
背後から声がした。振り返ると暗めのスーツに薔薇のコサージュをつけたダンディが2人。
彼らの表情は攻撃色だ。
「ふざっ…………けっんなって、もう……っっ!??」
向かい風のような人の動きを避けるためには適当な路地に入るしかない。
「こんなんばっかかよオレぇ!!!!」
少年は迷う間も無く路地裏へ誘われた。ONE_DAY. 10 : 17 WED
そんなわけで、少年は知らない国の路地をわけも分からないままに走らされているのだ。
「はっ……はぁ……わけわかんねー!!」
こういう時、立ち止まって相手と話をしようとするのは悪手であると少年は知っていた。明らかに堅気ではなかったし。そもそも自分に対して攻撃意思を持っている相手に誤解か何かと話をしても通じるかどうか分かったものではないのだから。
暗い路地裏を一度抜け、今度は人がまばらな通りを駆け抜ける。息せききって走っているものだから理解が遅れたが、ふと気がつくとずいぶん周りの人が減った。
聖杯戦争のようなナニカを生き残った少年は知っている。人が大勢いる表を抜けて、抜け出した先にこそ裏の世界は有るものなのだ。
「つか、はあ…………サーキット、オンに……してるのに、はっ……巻けないって、そういうことだよな」
通りに入る前に散々路地の分岐を使って距離を稼いだはずなのに、追っ手は少年の視界の奥に入り続けている。その上魔術回路させ──2本しかないとはいえ──起こして逃げているのに速度で振り切れないとは、つまり相手方もということだ。捕まれない理由ばかりが増えていく。
「くっそ……おわっ!??」
『きゃっ……!』
少年が振り返ってばかり走っていたせいで、ついに自分から人に激突してしまった。何冊かの古書を抱えた、おとなしそうな赤毛の女の子を突き飛ばしてしまう。
「おわわわわわわごめんなさい、うっわ距離詰められてるやん、ごめんなさい!失礼しましたぁ!!!」
散らばった持ち物を慌てて持ち主に返してバタバタと少年は走り去っていく。
『…………何なの…………???』
嵐よりもタチの悪い当たり屋そのものだったが、魔女は走り去る少年のポケットに気がついた。少年に返された本の、植物由来でない紙の材質に触れて呟く。
『……なにかの……羊皮紙?』
すでに少年は遠くなっていて、正しい答えは彼に届くわけもなく、午前の陽に溶けて消えた。>>661 ONE_DAY. 10 : 29 WED
たいへんもうしわけもなかった。思いっきりぶつかってしまったのだ。ケガさせていないか、持ち物が壊れたりしていないだろうか、心配ごとは後から後から山ほど浮かんできたが、少年は逃げることを優先した。
「っつか、さっきのでめっちゃ距離詰められてんじゃんくっそああぁぁー!!」
少年は開けた通りからふたたび路地裏へと入る。例え地理がよくわかっていないとしても、分岐を活用して視界を切ることが出来れば逃走成功率はまだ上がるのだ。奥へ奥へと。ごみ箱のハードルを乗り越えて、パイプで狭くなった道をすり抜けて少年は進む。
『うーーーんむにゃむにゃ……やっぱり暗いほうが落ち着くぅ……』
「どわああああなんでこんなとこに女子いんだよ!!?」
『はい教授!!!?私は寝てません!!ほんとですから!???』
つんのめって少年がすっ転ぶ。ただ今度は偉かった。影道の比較的きれいなところで休んでいた銀髪の少女にぶつかることなく自分だけで自爆したのだ。
「ってぇ……なんでまたぁ」
『えっ? えっ? アジアの方の人?』
うまく前転できたので頭は打たなかったが、その分衝撃を肩代わりしてくれた背中をさする。
「おい、今声が上がったな!」「あの方角ならこちらの道が近いぞ!」
そう遠くない距離から男性の声が二つ響いた。
「わあぁぁもう!!! あーー!!」
駆け出そうとして一歩を踏み出し、二歩目を出す前に少年は振り返る。
「あっとっと。こんなとこで! 寝てんな! 危ないから!!」
『えっあっ、そっちは━━』
人蓑祐輝は走り去る。せっかく振り切りかけた相手は、すでに視界の端まで追い上げていたからだ。
『━━そっちは、時計塔(カレッジ)の方なんですけど……あんまり深入りしないほうがいいですよー……』
有難い忠告は路地裏の影の中に。ともすればきっとこういう所が話をややこしくするのであろうが、少年は闇雲に深みに向かって駆けていく。>>662 ONE_DAY. 10 : 41 WED
もうむりだぁ。いよいよ息も切れてきた。そもそもいかに体力の余った男子といえど40分強もぶっ通しで走り続けて無事なわけもないのである。
「はぁ…………………はぁ……………………マジで、もう…………」
少年は思考回路を迎撃に切り替え始める。目の前の相手を殴り倒すことが出来たとして、じゃあその次の相手はどこからくるのか。あるいは、それを続けたとして何人倒せばカタが付くのか。相手は組織なのか個人なのか、もしもこちらから攻撃したなら相手からも攻撃し返される状況になるのではないか。
かつてある事件で共に行動した相手が、少年に刺した釘であった。
もっとも、その事件の時には組織もへったくれもない個人同士の戦闘であったためにお互いに好き勝手にやってきたものだった。だが、ある事件で適用されていた規則(ルール)が、次の物語でも適用されるとは限らない。
「わけわかんねぇままだけど、とりあえずまずは2人なら……腹くくるっきゃねぇか……!」
立ち止まり、振り返り、脚で構えて拳を握る。走りくる目の前の相手を敵と見据えて、瞳を開いて目を逸らさない。
「オープン、インビンシブル…………」>>663
『逃すか……! どうしていきなり加速するんだ、まだスタミナが残っているのかくそっ』
『若いというのはうらやましい! 追いかける身にもなってほしいものですよ!まったく!』
「……へ?」
噛み合わない。立ち止まって拳を握った少年をすり抜けて、追っ手の男2人は少年の背後へと走って行った。
「えっ、あっちょ、俺、こっち」
「人様がこうして救いの手を差し出してあげたのに振り切って敵を追いかける馬鹿はいないだろう?」
「ぇ……あっ!? ぐぇっ」
背後から首に木製のフックをかけられる。少年は首輪をつけられた犬のようにそのまま後ろに引き寄せられた。
人蓑祐輝が自分を捕まえていたステッキ━━木製のフックの正体━━から逃れる。それそのものはどこにでもありそうなシンプルなものなのだが、彼にとっては何度も目にしたものであったし、その持ち主も見知っていた。
「けほっ……けほっ…………おまえ」
その声も知っていたし、そういえば最初に話しかけた時にも、その青年は迷わず日本語を選んでいた。
「『魔導士』、なんでお前」
「やあ、霧と魔術と魔術師の都市、ロンドンにようこそ。 僕の『英雄』」
光と視界で世界を作る金色の魔術師、そして、かつて少年に知識と道を与え導いた魔導士。ルーカス・ソールァイトが大仰な仕草で歓迎の言葉を寿いだ。
「…………ところで、走りずくめで、喉渇いたし、なんも食べてないからおなか減ってんだけど…………」
「この僕様が君と立ち話なんてするものか、そこのテラスでいいだろう?」>>664
ONE_DAY. 11 : 02 WED
「という事情がありまして」
「君、やっぱりアホだろう」
事情を話したひとみのと、怪訝な顔をしたルーカスが向かい合って席についていた。ひとみのの側には食べ終わったサンドイッチの包み紙と飲みかけのオレンジジュースが、ルーカスの側にはほとんど口をつけていないグラスの水が乗っている。
「だいたい時差も考慮せずにのこのこ外国にやってくる思考の足りなさはまあ良いとしようじゃないか。それでどうしてこの僕に助けを求めないのかなぁ?」
「だ……だっておまえ、俺のこと最後は殺る気で来たじゃん……」
「疑わしいね。確かにそれは君が僕に連絡をよこさなかった理由にはなるけれど、今君が僕から逃げない理由にはならないよね?」
「…………ぅっ」
「それに僕がどこの所属かは弥一市での聖杯戦争中に繰り返して言っていただろう?ほら、そこだよそこ」
金髪の青年はある意味ロンドンの代名詞とさえ言える、あの時計塔を指差している。サイフが無いために(そもそもそれが今回の発端なのだが)奢られた側の少年は、若干縮こまって目を逸らしていた。
「要するに君はすっぽりこの僕のことを頭から抜かしていたと言うことだよ僕の英雄、あーかなしい、僕はかなしいなぁーかなしいなぁー!」
「ごめん、ごめんて悪かったよ悪かったったらもう!!」
はーーー、とため息を吐いてルーカスは話の流れを切り替える。謝罪を引き出せたのでこの魔導士はまんぞくしたのだ。
「それで、現状を要約すると、君は不用心にも鎖もつけずズボンのポッケットに入れていた財布を、スリの子どもに盗まれたと思ったら即不審な二人組に追いかけ回されて、しかもどうやら彼らは神秘側の人間らしく、走り回った挙句にあちこち迷惑をかけてから、この僕様に救いの手を差し伸べられて今に至る、と言うことだよね」
「……なんか言い方に腹立つけど全くもって事実です」
金髪の青年は頬杖をついた。
「まあ正直、彼らが特に神秘に関係のない組織の人間なら、僕がさっき掛けておいた認識阻害でもう君を追って来ることは出来ないのだけど」
「けどアイツらなんか知らないけど振り切っても追いついてくるんだよなぁ。確かに声とかを拾われた事もあったけど、それ以上になんか具体的に」>>665
「発信機(ビーコン)でもつけられたんじゃないのかな?」
「最後の最後で追いつかれそうになった時以外は触られてねえし、なんか仕掛けられたら俺なら見えるよ」
「だよねぇ。第一、発信機でもあるなら単純な認識阻害は振り切って追いかけて来れるだろうしね」
少年は椅子にもたれて空を仰ぐ。なーんでこんなことになったのか、良い感じに上ったお日様を見ながら元サイフの合ったポケットに手を突っ込んで気がついた。
「なんだこれ」
テーブルの上に取り出されたものは、あまり慣れない手触りの布か紙のようなものだった。手のひらよりは大きいが、指を折れば握り込めてしまえる程度のサイズで、黒いインクで表面に数字が大量に書き込まれている。
「……………………ふぅん。羊皮紙か」
「へー、これが羊皮紙なんだ。すげー、はじめて触ったわ」
ペタペタペタと三度ほど触って見て、それから少年は気がついた。
「は?なんでこんなもん入ってんだよ」
「そりゃあ君、入れられたからに決まってるじゃあ──」
言い終わる前に魔導士はテラスの外へ顔を向け、少年は彼だけに見えた軌跡を追って店の奥へと視線を向けた。
「僕の英雄」
「見えた!店の奥の方に何か飛んできやがった!」
店内を経由して厨房へと走る。少年が眼で視て、捉えた軌跡はランチ・メニューとして火にかけられたスープの鍋の下吸い込まれていった。
「魔導士!」
「ガスコンロ。起爆」
キッチンで調理をしていたコックを押しのけて、人蓑祐輝がコンロに右手を伸ばすのと爆発が起きたのはほぼ同時のことだった。>>666
本来なら厨房から店内を貫通して、テラス席までブチ抜けるはずの規模の大爆発が、少年の手のひらを押し返す事もできずに鎮められていく。
『分散の魔眼』、彼がその瞳で捉えた現状が、彼に及ぼす効果を任意の倍率で分割・削減させる魔眼の効力だった。
少年は右手で爆炎を握りつぶした。ただの少年の手のひらなんて、数百回は焼き飛ばせたであろうエネルギーが、ついぞ彼の右手に火傷一つ負わせることもできずに行き場を失って消滅させられる。
「表からは出られないよな?」
「午前のストリートを戦場にすることを望まなければ」
ルーカスの方を向いたひとみのの眼には、増殖した瞳孔が浮いている。この増殖の数が、少年が行った分割の倍率となる。今回の数は1や10では効かない。100や1000でも無傷では済まなかったろう。1万から10万の尺度(スケール)が、瞬き一つで1に還った。
「ああと、その前に」
厨房から直結する裏口で、ルーカスは振り返り、カンとステッキを突く。
「水曜の午前から給金のために忙しなく労働するさもしい在野の人々へ、どうか火の取り扱いとガスの管理にはお気をつけください。では失礼」
再び魔導士がステッキを鳴らすと、7つ程度の光の小玉が回転し、一度強く輝くと、そのまま空気に溶けて消えた。
────オイ! ガス栓! 火!!
────うわぁっ!? 危ない……焦げてますよ……
────そういえば、戸が空いてますが?
────誰か入ってきたヤツでも居たか?>>667
ONE_DAY. 11 : 07 WED
路地裏を走る足跡が2人分に増えた。
「あったね、ビーコン」
「あったわ、発信機!」
ひとみのとルーカスはそのままカフェーの裏口から脱出していた。敵──明確な殺傷意図を込めて攻撃をされた以上、もはやこの呼び方となる──が表の通りから仕掛けて来たことを魔導士は見つけている。
「アイツら、人巻き込む気でやりやがった!」
「裏戸を選んだのは君にしては思慮が足りているね」
「直接攻撃ではなく『爆破事故』を選んだ以上、あの場でやったらぜってえ人巻き込む! だろ!?」
「その通り。こういう仕掛け方をする連中は戦う場所は選ばない。昼時のストリートと考えると、おそらく次は『車両事故』を選択したろうね」
ルーカスは澄ました顔で答えた。そして2人で走りながら話を続ける。
「そしてそろそろ解答タイムに入ろうじゃないか、僕の英雄。さっきの羊皮紙、一瞬でいいからポッケットから出してくれたまえ」
少年は先程咄嗟に左ポケットに突っ込んだ羊皮紙をつまんで取り出し、一瞬広げてズボンのポケットにしまい直した。
「別にそのツラの前に出さなくても良かっただろ?」
「当たり前だ、出てくる場所が分かっていればシャッターを切るのは1秒だろう。それより」
「わかってるよ! さっきこれ出した途端攻撃が始まったんだから!」>>668
少年の背後で、一拍耳鳴りのような音が響いた。
「!」
陽射しの入りにくい狭い空間で、トゲのついたツタのようなものが2人が走るより速く鋭く伸びた。後ろ側にいた少年は左に避けて、先を行っていた魔術師が右にそれた上で先端を強化したステッキではたき落とす。
「君が迎撃しないのかい」
「反射で避けたんだよ悪かったよ!」
2人は角を曲がって射線を切った。
一方、こちらは撃ち手。
落ち着いた雰囲気のアートリーの手には、薔薇の刻印が入ったサバイバル・ナイフが握られている。
『外したな。カラルナ、お前は上から捕捉し続けろ』
『ラジャー。攻め手はアートリーに任せたぞ』
『2人ともオレの薔薇は見えていた。あのアジア人も含めて、魔術側の人間である可能性がある』
『マジでかよ! じゃあ何か? 契約の羊皮紙持ち出した子どもと合わせて、アイツらは別の組織の刺客とか調査員とかそういう!?』
『知らん』
アートリーはサバイバル・ナイフの背にあたる、鋸のようなギザギザの部分を爪で鳴らした。
『だが旅行者ではなく魔術側の人間なら始末しても"後"は効く。羊皮紙か2人か、どちらからでも狙えるだろうな』
『……………………あっ』
『地下にでも潜ったか? どちらにせよ追うぞ』>>669
ONE_DAY. 11 : 23 WED
「では、ぼ英」
「略すんじゃねーよマジではっ倒すぞ」
「そんなことはどうでも良いんだよ。とにかく既知情報を時期系列に整理してみせたまえ」
はー、とため息を吐く少年とニコニコ上機嫌で杖をついて歩く魔道士だった。
そこはロンドン地下鉄道レール上、付け加えると現在通常のダイヤでは運行されない区間だ。灯のないトンネルを魔術師の光の玉が照らしていた。
「まず俺のサイフと入れ替えでなんか変なのポケットに突っ込まれただろ? ほんでこれは実は羊皮紙で、なんか魔術的な電波みたいなのが出てんのかわかんないけど相手はこれを探知できるんだよな」
「そうだね。そしてその探知信号は結構弱い……のか、彼らが不足しているのか、『紙面全体が空気に触れる』くらいに取り出さないと明確には追ってこれない」
「うん。じゃなきゃ最初の方で腐るほど走って逃げたけど、ずっと位置がバレてたならそもそも追いかけっこにもなんねえよ。回り込まれて直ぐ捕まるわ。つか最初の男の子はどうやって俺の財布とこれ入れ替えたんだよ。抜き取るだけならともかく気付かれずポケに突っ込むとかちょっとした魔術だぞ」
「そこは……出来た以上どうしようもないね。あとで言うけど、それ子どもに持ち出せる物じゃあないんだから、その子が特別だったと思った方がいいね」
「んだそりゃ気になる」
歩くレールに振動が駆ける。二人は生きた区画から遠ざかる様に線路を選んでいく。
「ところで、いっぺんお前が誤誘導して巻けたのもこれだよな」
「その通り。あの時は羊皮紙を外気に取り出したから探知が有効になって見つかったわけだね」
ひとみのは自分のズボンのポケットをパンと叩いた。
「んで、結局これなんなんだよ」
「順を追えって言ったろう? まず『彼ら』が誰か、だよ」
ルーカスはステッキの石付きで錆びついたレールをカンと突いた。>>670
「まず、魔術系勢力であることは前提だ」
「たりめーだろ明らかにマジックアイテムだし魔術攻撃食らってんじゃねーか」
「マフィア系勢力でなくて良かったねと言ったんだ。言っておくけれど、これがマフィア系の事件だったら下から2番目で悪かったよ?」
「…………なあ、そういう暴力団で魔術使うとことかあんの?」
「今更になってビビるんじゃないよ。無くはないけれど、そう言う連中は最上級だし、現場の木端にまでは神秘は配られないよ」
「かと言って個人の魔術使いって訳でもねーだろ。さっきの攻撃もあんま使い慣れてるって感じはしなかったし」
「その感覚は正しい。今回の彼らは神秘を使っている訳では無く知っている集団だからね。これは方程式を知っている人間と証明から導出できる人間の違いに近い」
目の前に分岐が三つ現れた。魔道士はそれぞれに光素を走らせると、すぐに回収して進むべき線路を杖で指す。
「そして、当然だけれど協会でもない。これは──」
「お前が相手ならあんなやり方しねーもん。それは一発でわかるわ」
「──、……」
「もし、お前とか、お前みたいな奴が俺からこれを取り上げたかったらあんなわかりやすい敵対行動取らねーだろ。たぶん、もっと分かりにくくて、そもそも俺が気が付かない方法で追い込んで、騒ぎのさの字が出る前に捕まえてくるか処分してくるよ」
「…………」
「えっ、そうだろ?」
「……分かってるじゃないか」
魔術師は無意味にレールに跳んだり降りたりでステップを踏みはじめた。
「まあこの僕を基準にされても? 僕の様に振る舞うだけの余裕と実力が伴った魔術師はそう多くないかもしれないし? 必ずしもその判断が正しいとは限らないけれど? たしかにここではその判断で構わないけれどね!」
胸に手を当て語尾を上げ、金髪の青年は上機嫌でまくしたてた。そして、上機嫌になった勢いで、そのまま答えを滑らせたのだった。
「つまり今回の『彼ら』とは、『魔術結社』なのだよ、僕の英雄」>>671
ONE_DAY. 11 : 47 WED
『魔術結社』
存在そのものは表社会に知られているオカルト側の集団である。
彼らは各々が所属する結社の教義に則り、修行や学習、ないし、研究を行う。
オカルト、とは必ずしも神秘とは限らない。
彼らの探求行動の中には、まったくもって無駄なものも多くあるが、一方でごく稀に真に知恵と知識ある構成員は魔術基盤に影響を及ぼせるほどの魔導師になることもある。
そして彼らは人を集める。具体的にイメージされやすいのは、表層に地位を持った人間向けのサロンだろうか。
結社の維持は参入者による内部努力で賄われ、実のところこの搾取自体が目的の詐欺集団であることも多い。
「でもあいつらが使って来てたの本物だろ?」
「その通り。実際、真の神秘を扱う本物の魔術結社というものは存在する。また、協会の制御下で『わざと偽物のオカルトを啓蒙する』団体もあるよ。こう言う集団は目立つのが役割だから君が聞いたことがある名前もあるかもしれないね」
「あーーー、都市伝説的な?」
「よく考えるよね、アメリカドル紙幣の紙飛行機とか」
「デマを流して知られたくない情報を守ってるってのはすげー分かるし、そうだと思うけど。今回のやつらってガッツリ魔術使ってきてんじゃん」
「その通り。エセ神秘のオカルト集団や、協会管理下の隠匿チームが彼らの大半ではあるけれど、今回の彼らは違う。彼らは礼装をどう使えば魔術を使えるかを知っているだけで、神秘の側の人間とは言えない。僕たちの様に魔術社会に生きている訳では無く、彼らは小さなコミュニティの中で秘密に礼装とその使い方を守り、広めているんだよ」
「んで、その礼装の一つってやつが」
「『契約の羊皮紙』。別に固有名詞って訳じゃない。第三者の保証を行う、僕たちの世界ではありふれた契約用紙だ」>>672
ルーカスはステッキの持ち手側をひとみののポケットの上に軽く当てた。
「羊皮紙、つまり革半紙だからその礼装には紙の元になった動物の霊体の一部がくっついていてね。主契約者と従契約者間の取り決めを第三者として確認し、契約違反が起きない様に両者を縛る事ができる」
「ふーーーん。破れねえの?」
「切断は出来るけれど欠損は再生するよ。それにそこそこの強度があって、再生に追いつかせずに破壊するなら……それこそさっきの爆発くらいの威力が必要かな」
「それで、結局中身なんだったんだよ」
金髪の魔術師はさらっと答えた。
「結社の構成員リスト。氏名と生年月日」
「だめじゃねえか」
「大いにダメさ。さっきも言ったのだけれど、普通、子供に持ち出せるものではないよ。その子が特別だったんだ」
少年は右手で髪を掻いて、ふと手を止めた。その子供が自分にこんなものを押し付けたその時、その子はどんな表情をしていた?
「……てか、なんか数字が乱数表みてーにめちゃくちゃに書いてあったけど」
「そのあたりの種あかしに興味を持つんだね」
「いいじゃん。そのうちぶつかるんだから知っといたって」
「ふうん。まあいいのだけれど」
ルーカスは歩きながら、手持ち無沙汰にステッキをくるくる回し始めた。
「『彼ら』の名前は『寝覚めの鈴音』。結社としてのメインテーマは、たぶん3かな」
「3?」
「うん。その3。数価としては『統合』、あるいはこの国に合わせて『連合』と読んでもいいけれど、数秘術的に結社の維持を狙ったんだろうね。系統は『薔薇』……だけど」
「だけど?」>>673
「現在、この国に存在が確認されている結社で、『黄金』の影響を受けていないものはないからそっちの方が適切かもしれない」
「じゃあ羊皮紙に書いてあった数字は魔術師の暗号だったってわけか」
「いや別に。あんなものはただの進数変換と置換式暗号の合わせ技だよ。高等数学をやっていれば誰でも解ける。魔術知識は要らないね」
「はぁー!? んだそりゃ、じゃあそれただの『それっぽい書き方』ってだけかよ!」
「まさしくその通り。多分その羊皮紙は、結社が開くサロンの、参加者に見える位置にあったんじゃないかな。つまり、『それっぽい書き方』でゲストに対してそれっぽさを演出できれば良かったんだろう」
「……ゲストってなんだ?」
「教義があるってことは教える側と教えられる側があるって事だろう? あぁ、全部僕に言って欲しいのか。この手の結社は、主に表社会側の人間、特に資産や立場ある人間向けのサロンを開いて人員確保に精を出すものだからね」
上機嫌に杖を振る青年は話すのが楽しくてたまらないらしい。
「そのリストに載っている人の名前、ほとんど一般人さ。神秘の隠匿も何もあったものじゃない」
「神秘の隠匿は絶対守らなきゃいけないって前めちゃくちゃ言ってたじゃねーか!協会はにやってんだよ!」
「そこなのだよ」>>674
会話の転調とともに2人は開けた空間に出た。かつては車両基地だったのだろう。学校の体育館よりやや広い程度の場所だった。
「あいつらが来てんな」
「もうそれ出してくれても構わないよ」
少年は左手に契約の羊皮紙を取り出した。
「そこに書いてあるメンバーの名前、あっと、苗字がなかなか面白くてね。この国できちんとニュースを見ていれば大体分かる。とりあえず警察組織だろう、役所及び陸軍の高官、一流企業の経営一家、あとはええと、下院の方に同じ苗字があったような……」
「……」
「ともかく。参加メンバーが社会的地位のある人間なのが重要なのさ。しかも今回は『行政』を中心にスカウトしている。もちろん協会はこの国の政治にもパイプはあるけれど、末端の公務員全体まで浸透しているわけじゃあない。たぶん、初動は取り締まるまでもないと放置したら、動かなくてはいけないタイミングで行政から遅延をかけられたんだろうね。今頃執行部は圧力を無視してでも取り締まる強行派と、無理に取り締まることで逆に神秘がバレることを恐れる慎重派で割れているんだろう」
人蓑祐輝は無言で右手を握りしめた。
「そしてこの膠着状態を作り出すのが、君たちの代表の狙いだったんだろうね」>>675 ONE_DAY. 12 : 03 WED
『おい! 待ち伏せで奇襲じゃなかったのかよ!』
『バレていては奇襲にならんだろう』
体育館ほどの広さの旧車両基地、人蓑祐輝とルーカス・ソールァイトの正面奥と向かって右側の側面から1人ずつ男が現れた。
『本物の魔術師と顔を合わせるのは我々としては初めてだ。まずは敬意と礼節を──』
『そういうのは良いから。そもそもこの僕に見つかった時点で君たちの破滅は確定事項だから。神秘の隠匿もよくわかっていない新参者に手取り足取り教えてあげるほど僕たちは寛容じゃない。ないし君たちが真に特別な側の人間であれば拾い上げるのもやぶさかでは無いけれど、別にそう言うわけでもない。他の人間にできないことが出来ると、自分が特別でありたいだけの普通の人間だろう?』
『…………うひゃあ、本物はキツいなぁ』
『事実だからな。私達も其方側に行きたいものだ』
「なあ」
右の手を握りしめたままの少年が、会話に割り込んだ。
「俺もさ、当事者になりたいから、答えて欲しいんだけど」
数時間前、一目見た子どもの泣き出しそうな表情を明確に思い出して、彼にとっての決定的な問いを魔導士に投げかけた。
「あの子、あいつらから必死に逃げようとしてたんだよな?」
「…………その通り、よく頭の回る子だよ。自分で警察に助けを求めても取り合われるとは思えない。羊皮紙を預けることも出来ないかもしれない」
ルーカス・ソールァイトは少年が望む『正しい』方向に導く存在だ。
「けれど、旅行者なら話は別だ。財布を盗まれた人間は普通どこへ行く? 警察だろう? 領事館でも良いかな? どちらにせよそれは、君が交番にでも駆け込んで、彼らが取り返せない所にリスト・シートを届けて欲しかったんだ。盗まれた物が入っていた場所に妙な羊皮紙が入っていたら証拠物件として保管される訳だからね。なんなら自分が逮捕されても構わなかったろう」
そして、魔導士は決め手になる解答を英雄に与えた。
「つまりね、僕の『英雄』。それは、結社に染められていく家族を救いたかった子どもの、声のないヘルプ・コールだよ」ONE_DAY. 12 : 05 WED
運命のレールは切り替わった。
人蓑祐輝は正面、奥にいるナイフの男を見据えて全速力で走り出す。
『せっかくの本物だしもうちょいおしゃべりしたかったのになぁ!』
『仕方がないだろう勝たねば後がないぞ!』
一歩二歩、踏みしめるごとに加速して向かってくる少年に対して、カラルナ──ナイフの男はナイフの鋒を構えて刃の背を鳴らす。
薔薇の刻印が入ったそのナイフは、刃物というより楽器に近い。『切る機能のある鉄琴』と言った方がむしろ本質的なのだ。
(狙いは重心)
刀身の刻印が緑色の光を反射して、先端から半透明のイバラが急速に成長する。3本の蔦が互いに巻き合いながら、なおも真っ直ぐに向かってくる少年の体、その中心へと駆けて行く。
「……借りるぞ、【バーサーカー】!!」
『…………は?』
心臓やや下へ伸びていたイバラの先端は、右手の一振りであっさりと弾かれた。
少年は止まらない。そのまま駆け抜けて男の元へと進撃する。
『シッ!!』
しかしながらその距離はナイフの間合いでもある。カラルナは鋭い動きで刃物を返して少年の首を裂こうとし、そしてそれは叶わなかった。
『……なぜ、切れない』
人蓑祐輝は刃を左手で掴んでいた。>>677
刃を持つ手ではない。刃そのものを素手で掴んでいる。少年は視界にナイフと男の両方を入れたまま、左足で踏み込んで捕まえていた。
「ぶっっっっと、べぇぇっっっ!!!」
右足が、右半身が、そして右腕が、身体ごと押し込みながら、ベルセルクの右の拳がスーツの胸元に直撃した。
踏ん張ろうとする抵抗が、瞳にとって『分散』されて、男は舞台から強制的に退場させられた。
『は…………?』
状況を飲み込めなかったようで、もう1人は戸惑って出遅れた。しかし、困惑しても折れたわけではない。袖の内側に手を引っ込めて、何かを取り出しながら少年の元へと走り出して──
「はぁ……『光在れ』」
──鋭角に軌道を変える光の弾丸が全身に直撃して壁面まで押し流された。
「お前さぁ……」
殴った拍子に男が手を離したのか、吹き飛ぶ力が『分散』したせいで男が握っていられなかったのか、人蓑祐輝は左手に掴んだままのナイフを握り潰した。
「この僕がこんな木端相手に手加減も出来ないほど未熟なわけがないだろう? 絶対君の方がやり過ぎだ」
少年は一拍目を閉じて拳を解く。魔眼が発動して増えていた瞳孔が1つに戻り、浅黒く赤い魔術回路のラインが入ったベルセルクの右腕が元の少年の腕に返った。
「それで、君は何を望む? 僕の英雄」
「知恵出せよ、魔導士。あの子を助けたい。出来るだけ早く」
金髪の青年はまたもわざとらしく、もっともらしい大仰な仕草でオーダーに応えた。
「イエス、マイ・ディア。君が僕に望めば叶うだろう。まずは地上に上がるとしよう」ONE_DAY. 12 : 19 WED
2人はすでに地上に上がってきていた。
寒い時期なので太陽が中天にあるわけではないのだが、地下に比べれば日差しが暖かい。逆に、のされた2人は今もって地下に放置されている。
「ところでさ、ぼ英。君どうしてバーサーカーの右腕を持ち越せているんだい?」
「知らんし略すな。俺は令呪使い切ってなかったからかも知んないけど」
「えぇー、じゃあ僕もステッキにテレゴノスの毒槍を持ち越したかったよ」
「お前、俺とやった時点でもう令呪全部使い切ってたじゃんかよ」
ああだこうだ言いながら、ひとみのは建物に背中を預けて立ち止まった。
「んでさ。さっきのあいつら、放っぽったの何で? お前なら連中の記憶から情報とか抜けるんじゃないの? 拠点の位置とか」
「暗示や洗脳で、人の『認識』を弄るのはそう難しいことではないけれど、固定化された人間の知識や経験、つまり『記憶』を操作するのは専門性が高いからだよ」
ルーカスはひとみのに合わせることなく立っていた。服が汚れるのが嫌だったらしい。
「出来るよ。出来るけど、それなりに時間がかかるし、そういう手段には大抵トラップが仕掛けられている。たとえば、魔術的な手段で記憶から拠点の位置を探ろうとしたら、別の住所が自動で答えられる仕組みとか」
「じゃどうすんの」
「こうする」
金髪の青年はジャケットの内ポケットから携帯電話を取り出すと何処かへ掛けて通話を始めた。
『ああ、もしも…………メアリさん? 本家付きの貴女がどうして…………ああ、誰か来てます? 従兄(にい)さんが、なるほど。すみませんが庭にいる……ええ彼です。首輪からリードを外していただければ。……大丈夫です噛みませんったら、はい、ええ。リアのことは分かってますので、では。よろしくお願いします』>>679
画面をタッチしてぷつりと電話を切る。
「どこに」
「ウチに」
ルーカスはそのまま慣れた手つきでスマートフォンを内ポケットに仕舞い直した。
「うちのエゼルは鼻が効くんだ。放っておけば勝手に追いついてきてくれるし、合流したら羊皮紙の匂いから『寝覚めの鈴音』の場所を探り当ててくれるよ」
「犬飼ってたんだな、そんなこと言ってなかったから知らなかったわ」
「せっかくの地元なんだ。強みを活かして行こうじゃあないか」
少年は伸びをしながら立ち直す。
「それじゃあ、ここからはそのエゼル君と合流しにいきながら、次々来る奴らを倒して行きゃいいんだな」
「そうだろうね。エゼルを回収出来たらあとは本拠に直行すれば良いし、それまでに削れるだけ削っておこうか」
「ところで、結局アイツら何人なんだ? リストがあるならわかるよな」
「81人」
「3の4乗か」
「それもあるけれど、結社そのものの縮図な羊皮紙が9cm四方の81平方cmだったからって言うのもあるかな。わざわざ自己修復するものを使っているんだから、サイズにも魔術的な意味はあるよ」
「出来るやつとか居るかな」
「多分さっき倒した人たちレベルが3人……だからあと1人と、結社の代表が1人。民間人の『巻き込まれ』が27人で、あとは全員水増しだと思っていいよ」>>680
「累乗ばっかかよ……じゃあ9はどこいったんだよ」
「僕も知らないよ。組織運営役とかじゃあないかな」
「「まあ、何人居ても────」」
骨に骨が激突する音が響く。ルーカスの背後まで、音もなく接近できていた男の顔面に人蓑祐輝の拳が突き刺さった。
「────モノの数じゃないね」
「────カンケーねぇわ!!!」
抵抗力を十数分の一にされた男は、せいぜいのけぞる程度の威力の一撃で数メートルは吹き飛ばされた。
「こいつら相手に『バーサーカーの右腕』は必要ないよ、温存して置きたまえ。ところで支援は必要かい?」
「足が速くなるやつと、足場くれ! そんだけあれば全員殴れる!」
「プロキオンかシリウスかどちらがいいかい?」
「シリウスの方がデカくて強そうだからそっちくれ!」
2人は再び路地裏へと駆けていく。
「あの子、名前リストに載ってるよな、何で名前だった?」
「ああ、生年月日的にカール少年、9歳だと思うよ。姓は多分、知らない方がいいかな」
「ふーん、じゃ、ガッツのある子に負けねえように俺も頑張らなきゃな」今日は行ける日だったので試してみていますけど、リアルタイム投稿って結構疲れますね…………やっと一息つけました
minimum material
・人蓑祐輝とルーカス・ソールァイトは聖杯戦争っぽいものを1ストーリー分やり切った関係である。
→だいたいfateかUBWの衛宮士郎と遠坂凛くらいの親密度である。特にルーカス側から。
・人蓑祐輝は【バーサーカーの右腕】を勝者として持ち越している。
→ジョジョが通じるならイメージは右手だけのスタンドのような形。本体とスタンドヴィジョンが重なっている時の演出が最もわかりやすいと思われる。
・「」の鍵かっこは日本語、『』の鍵かっこは基本英語、「』や『」となっていた場合は初めは日本語で後半は英語、あるいはその逆というような話しかたになっている。
・ルーカス・ソールァイトが人蓑祐輝のストーリーに参加した場合、本来起承転結4段階を分けて開示されていくはずの情報が、承時点でほぼ全て開示されてしまう。
→ただし、情報の出しかたは彼が選んでいる。今回の場合も、最も人蓑祐輝に火をつけることができるタイミングで最も重要な情報を開示した。
ここからは夕方までにかけてぽつぽつ投下して、日が沈む頃に起承転結の結まで行けます。がんばっていこ。>>682
ONE_DAY. 14 : 37 WED
『かくれんぼは楽しかったかい?』
緑色のレンガが特徴的な建物の角だった。
『私はまったく楽しくなかったがね、残念ながら君も楽しくなかったようだ。徒労だね』
白髪混じりの頭を薔薇色の帽子で押さえた男だった。特徴的なタバコの匂いがコートに染み付いていて、同じ銘柄の灰がごみ捨て場に散っている。
『こいつが私の礼装なものでな。子供の前で悪いのだが手放せんのだ。ようやっと君を見つけたのもこいつのおかげだしな』
青いポリバケツの蓋が開かれると、中で小さな子供が頭を抱えて震えていた。こちらは巻き毛が特徴的な男の子だ。
『ぼく、ぼくは…………!』
『我らの代表は君とお話がしたいそうだ。特にぶったりはし無さそうだから、逃げずに着いてきてくれるかな』
男は残りのタバコを吸い切って灰にした。そしてそのまま残りの吸殻にも火をつけて跡形もなく燃やし尽くした。
『はぁ…………面倒なことをしてくれたものだが、代表(パーラメント)が機嫌が良いのはどうしてなのかね』>>685
ONE_DAY. 15 : 31 WED
いい感じに勢いの乗った右の拳が、刃をすり抜けて女の頬を打ち抜いた。
「今ので何十人目だった!?」
「33人。34人目と35人目が上から降ってくるよ」
ルーカスがそう言うと、緑色のレンガで有名な建物の屋根から気絶した男女がごみ捨て場に落ちてきた。男の方は青いポリバケツに直撃してしまったが、中にごみ袋が入っていたようで特に打ち身の跡は見られない。
その10秒後ほどして、一頭のゴールデン・レトリバーが同じく建物の屋根から降りてきた。
「よく来てくれたね、エゼルハンド」
毛並みのいいその犬は、吠えることもなくルーカスの足元で待機姿勢を取る。
「ほえー、でっか……噛んだりしない? 触ってもいい?」
「噛んだりはしないと思うけれど舐めた態度が伝わると怒るんじゃない?」
「……やめときます」
残念ながらふれあいを断念したひとみのは、伸ばした手をポケットに突っ込んで羊皮紙を取り出し始める。
「んじゃ、あとは」
「うん。彼にこの羊皮紙の匂いから『寝覚めの鈴音』の拠点を探知させる」
通りの片隅で魔導士は杖を鳴らした。そろそろ太陽も西に傾いている。
「さあ、僕の英雄。日が沈むまでには決着させてしまおう」
「ああ、ちゃっちゃか乗り込んでやろうぜ」>>686
ありがとうございます、恐縮です
もうしばらくしたら沼結びを投下しますので、楽しんで頂ければと思います。>>687 ONE_DAY. 17 : 53 WED
数年前に出来上がったばかりの新築のビル、その3階だった。
フロアの半分を占めるオフィス──という名目で構えられた結社の拠点に、30人弱の人間が集まっている。
その間取りや配置は名目に相応しい、まさしく職場という印象を見るものに与える。
しかしながらそのデスクや書類、あるいは人の配置や色を見れば、知恵あるものは理解できるだろう。
神が細部に宿るのであれば、神秘とは日常にこそ潜むのだ。
『2時間待ちました、代表』
『すまんすまん、質問に捕まってしまってね』
タバコの匂いの男に連れられた少年──カールは、そのまま結社の拠点まで連れてこられていた。
生きた心地がしなかった。
自分から仕掛けた精いっぱいの抵抗だったが、最後ごみ捨て場で捕まった時には後悔していた。何もしなければ、少なくともここまで怖い思いはしなくても済んだだろう。
けれど、それでも怖かったのだ。
警察官だったお父さんが、お友達に誘われたと言って入ったサロンに、どんどん入り込んでいくのが怖かった。そしてそのグループに自分も入っていて、気がついたら逃げられなくなっていたのがたまらなく怖かった。
『こっちも、待たせてすまなかったね、少年。ええと、カール君』
金で出来たバラの花が胸に刺さっている。
何よりこのおじさんから漂うバラの匂いが1番苦手だったのだ。
『…………そう怯えられてしまうとどうにもこうにも悲しいね』
『常識を忘れんでくださいね代表。少年視点では多分アンタは誘拐犯の親玉ですよ』>>689
おっとっと、なんて言いながら少し戯けて見せるのも演技くさい。
『代表! 今日はわたしの作った理論を見ていただける日でしたよね!』
少年の後ろ、親玉たちがゲストと呼んでいる人たちの中から女の子の声が上がった。
『そうだったね。あとで見てあげるから少し待っていてくれたまえ』
親玉は、立ち上がっている女の子に手で座るようにジェスチャーをした。
『……時間も無さそうだし、早々に話はしておくか』
しゃがんで少年に目線を合わせて、バラのコサージュのおじさんは話し始める。
『別に私は君がしたことを怒っているわけではないよ? むしろ君という子を見つけられてうれしいんだ』
声が耳から入ってくるのと同じに、バラの香りが強くなる。お父さんや、それ以外の人たちが惹きつけられるのもこれなんだろう。
『ここにいる人たちはね、私も同じさ。特別になりたいと思って学んでいるんだ。私だってそうさ、後ろのタバコのおじさんだってそうだよ。他の人と違う、特別な人になりたいと思っている。魔法使いになりたいのさ』
おじさんはしゃべりながら金のバラを触っている。きっとそれはおじさんを『特別』にしているものなのかも知れない。
『けれどね、君は本当に特別なんだ。生まれついて、きちんと魔法を使うための力が備わっている。でなければ私の薔薇の芳香に惑わされていたろうし、あの羊皮紙をくすね取ることは出来なかったはずさ。君は、私より、特別なのさ。だから私が持ち出せないようにしたはずの物を、君は持ち出す事ができたんだ』
『ぼくが、特別……?』
『そうとも。なんとも、はぁ……うらやましい』
心の底からのため息だった、ようにカールには見えた。それはお母さんが宝石に見とれてするようなものであって、それでいてお父さんが仕事に疲れた時にするようなものにも思えた。
『しかしながら代表、この子が羊皮紙を持ち出して、それが紛失された以上は結社の構成員はいずれ本物に知れることでしょう。実際ゲスト以外で現在ここにいないメンバーが、ほぼ連絡のつかない状態にあります』
目の前にあった金のバラが、突然遥か上に登ってしまった。つまり親玉は立ち上がってタバコの男と話し始めたのだ。
『ほぼ、を外したまえ。今現在連絡のつかないメンバーは全員刈られたものと思え』
『……ではどうします』>>690
『無論、撤収だよ。ひぃ、ふぅ、みぃ……ちょうど今ここにいるのがゲストを含めて27人だこのメンバーだけ連れて行って、この拠点と他のメンバーは……アートリーとカラルナも含めて放棄するしかない』
『…………』
『0乗はこれまで通り私が、1次元の3人は君と、この子──』
カール少年の方に手が乗った。
『──あとはさっきの子の出来次第であの子を据える。2次元の9はまた再設定するよ』
『ねえ』
震える声で、子どもの方から口を開いた。
『お父さんは? 今日お父さん来てないよね?』
『まあ、元からこうするつもりではあったんだ。私よりも才能のある子を見つけたら、その子を軸に据え直して、次元を下げて撤退するようにね』
『まって! やだよごめんなさい!! それならせめてお父さんも連れていってよ!!』
今度は、目線を合わせてはくれなかった。カール少年はズボンを掴んでつがりつく。
『君に言ったわけではなかったが、聞こえてはいたよね? 元からこうするつもりだったんだ。君は、君のお父さんより特別だから、この次についてくる事ができるんだよ』
真上から押さえつけられるように、手が振ってきて頭を撫でる。
『普通である自分を投げ捨てる事で、特別な魔法使いになれるとしたら、それはいい事ではないのかな?』
『ぼくは…………!』
────お父さん! 僕頭良くない? このやり方なら僕が子どもでもちゃんと大切なものを警察に届けてもらえるよ!
────痛ったいなんで!? ナイスアイデアだと思ったから教えてみたのに!!?
────でも、泥棒してでも伝えたい事があったなら、助けを求めたいことがあったなら、ぼくは>>691
『僕は、家に帰りたい!』
少年は自分の頭を押さえる手を跳ね除けて声を上げた。
『僕はいやだ! 普通がいい! 普通に帰りたい! 僕を返してよ! 家に!!』
お父さんは言っていた。助けを求めていない人のところには、気が付かないと警察官でも助けにはいけないと言っていた。
だから助けを求めに行ったんだ。怖くてもアクションを起こした。届いてくれると信じて泥棒のマネまでやった。後で捕まるかも知れなくても行動した。届かないかも知れない。けれど届くかも知れない。誰かが気づいてくれるかも知れないなら、助けてと言うには十分だ。
『君は────』
その時だった。16時59分。
時間になるまで誰も開きにはいかない扉がすごい音で吹き飛んだ。
「やっっっと着いたぁーーー!! 合流してからも長かったじゃねーかよ、1時間半くらいかかってるじゃん」
「地理的な問題なんだから仕方ないだろう? うちの子に責任を持たせるのはやめてくれたまえよ」
「まあいいや、やっと見つけたしな」
声は届いていた。
届いた声を、捨てずに居てくれる人はいた。
何もしなければ何も起きないけれど、助けを求めれば拾ってくれる人は誰かが居る。
だからこそ、少年はこんなところまでやってきたのだから。>>692 ONE_DAY. 17 : 59 WED
「やっっっと着いたぁーーー!! 合流してからも長かったじゃねーかよ、結構かかってるじゃん」
「地理的な問題なんだから仕方ないだろう? うちの子に責任を持たせるのはやめてくれたまえよ」
エゼルハンドと合流してからが案外長かった。何しろ基本移動手段が徒歩なのだ。真っ直ぐ走って(おおいぬ座の加護込みで)1時間と半、なかなかの距離である。
「まあいいや、やっと見つけたしな」
人蓑祐輝が尋(たず)ね人を見つける一方で、ルーカスは役目を果たした忠犬の首あたりを撫でていた。
「あの子かぁ、ふぅん」
「魔導士、脚バフ解いていいから後の奴らよろしく!!」
人蓑祐輝はデスクを足場にすると一跳びでカール少年の元までかっ飛んだ。
『ルミナス。金髪の方に行ってくれたまえ。我々にとって最初で最後の実戦になるかもしれん』
『最後はごめんですよ。勝って次に行きましょう』
タバコの匂いが染み付いたコートの男は、ゲストや他の面々がいる入り口側へと歩いていく。
『寝覚めの鈴音へようこそ、寝覚めの鈴音へようこそ、こっちかな?」
「助かるわー、日本語通じるんな。良かったわー本当に。話出来なかったら格好つかねーもんな」
人蓑祐輝はカール少年より一歩前に立つ。
寝覚めの鈴音は最も奥行きのある配置を選び、少年から間合いを取った。
『お巡りさんだったの?』
『違うよ、逮捕したりしないから大丈夫だよ』
先に用意しておいた文言だから、きちんと英語で返す事ができた。>>693
『…………じゃあ、魔法使いがいるならヒーローもいるの?』
『いやいや、違うし』
『その通り、彼がヒーローだよ』
「話混ぜっ返すなよめんどいからさぁ!!」
人蓑祐輝は振り返って突っ込むと、今度は振り返らず言った。
「そっちは頼むわな」
「二度も言わなくても無くてよろしい」
しばらくしっぽを振りながら撫でられていたエゼルハンドは、仕事の完了を理解すると自分から撤収を始めた。
『寄り道せずにまっすぐ帰るように。今日の報酬はまた明日してあげるからね』
ルーカスが振り向いてステッキを突き、光素が浮かび上がると、ゲストと呼ばれていた面々と、それ以外の一部の人間が昏倒する。
『ひぃ、ふぅ、みぃ…………残りは5人かあ、残ったね』
『すぅ…………はぁ…………代表と組んで20年……どこまで本物に通じるものかね』
『調子に乗るなよ若造。20年を20回は繰り返してこい』
さて、と金髪の青年が調子をつけると、その衣装がマジシャンか、ステレオ・タイプな怪盗のようなものに変化する。
『最初のもので脱落しなかったということは君たちは最低限の資格があると考えて、では、僕の演劇を鑑賞していってくれたまえ。最後まで見続けていられたのなら、その後にこの僕が相手をしてあげよう』
一方で、奥側。
「借りるぞ、【バーサーカー】」
少年の右腕が浅黒く変色し、赤い魔術回路のラインが走る。右腕を振って、目の前の床に一文字、ラインを入れた。>>694
「今、ここが境界線(ボーダーライン)だ」
左足で境界を踏む。
「こっからは、俺の法則でやらせてもらう!!」
薔薇のコサージュの男は、胸に刺さった金の薔薇を手に取った。
『母国語で失礼。魔術結社、寝覚めの鈴音(W : M)。次の夜明けを迎えるために』
花の部分まで合わせて20cmほどの、半咲きの金の薔薇から茎の部分を抜き取る。棘のついた指揮棒となった茎と、半咲きから満開に開いた花弁を男はそれぞれ両手に取った。
距離80、踏み出す足に勇気を込めて。
『始めよう!!!』
人蓑祐輝が右足で駆け出すのと同時に、W : Mは薔薇の花びらを4度打つ。異なる音階が4度響くと、少年のちょうど頭の位置に火球が飛んだ。
少年は目を逸らさない。避けるよりも手で弾くよりも、自分の頭部を吹き飛ばせるそれから目を逸らさないでいる事の方が重要なのを理解している。
火球はちょうど少年の目の位置に当たったが、その威力は彼の髪を靡かせる程度だった。
『無敵の魔眼』。この両目こそが、逃げずに、目を逸らさないでいる限り、少年を無敵にしてくれる。そして、上位の眼として見えないものを見て取ることも許してくれる。
(4回鳴らしたときにfとiとrとeが散った!)
fireで火、ならば次は何が来るか。5度音が鳴り、視界の外で少年の足を押し流す何か。wから始まる5文字の答えは水だった。
つんのめりかけた足を、深く踏み締めて立つ。寝覚めの鈴音は次の攻撃をすでに仕掛けて来ている。
再びwから始まる単語は、4度の音で現状としてのカタチを得て少年へと届く。>>695
「windで風な!!!」
しかしながら少年をフロアの向こう側まで吹き飛ばせたはずの突風は、彼の視界内で起きたが故に少年を微動だにもさせなかった。先に火球を温風にまで引き下げた分散倍数がそのまま残っている。現在、スケール・サウザンド。上限はインフィニティ。目を逸らしさえしなければ。
そして無敵少年で庇える1人分の背後こそが絶対の安全圏だ。カール少年の元には、火も風も届きはしない。絶対に。
「薔薇の花びらが26枚で、アルファベットか! んでタクト1本でまた27かよ!! 本当好きだな3!」
「3は統合、連合の3だよ。そして3次元こそがこの世界であり、だからこそただの音色がある現象をこの世界に降霊させる起句になるのだ」
gから始まる6文字の名前。
「グラウンド!!!」
人蓑祐輝は下を向く。無敵の魔眼の対象内に入った床から突如として隆起が発するが、地団駄のように地面を踏みしめるとそれは一撃で砕け散った。
「そしてこれこそが他でもない我々を指す4文字の名前!!」
rとoとsとe。薔薇。
所々に花を持つ荊の濁流が少年の頭上から滝となって打ちつける。荊の群れは少年の身体全体を完全に飲み込んで閉じ籠めた。>>696
「さて、十字架の形式とは異なるが、荊に磔といえばこの言葉がトドメになるだろう」
まずはd。eとaを続けて打つ。tとhを繋げて結ぶと一つの単語が成立した。半分黒く、半分透けた、フードの死神が現れる。荊へ、その奥の少年の心臓にむけてその霊体の手を伸ばす。
「し、に、たくなんざ…………ねぇわ!!! 誰が!!!!」
荊の塊に伸びた死神の手は、荊の中から突き破って現れた右腕に掴まれて握りつぶされた。
『おいおい……これは』
ところどころに血が滲んだ少年が、右手で荊を振り払って走り出す。タクトを取り直した寝覚めの鈴音は一拍遅れて次の単語を打ち込んでいく。
s、h、──、
あと3歩。
──i、e、
後2歩。
──l、d。
1歩。
『盾を!!!』
「0歩ォ!!!!」
無敵の魔眼によって、少年に対する盾の抵抗力が数万分の1にまで強制的に削減されて、踏み込んだ身体ごと左の拳が男の体を打ち抜いた。
「ッッッ、らぁ!!!!」
砕け散ったシールドの向こう側で、左手が打ち据えた頬が吹き飛んだ。勢いは止まることはなく、そのまま寝覚めの鈴音は壁にぶつかって止まるまで宙を舞った。>>697
ONE_DAY. 18 : 13 WED
「はぁーーー、つっかれたー!!!」
座り込んだひとみのが叫ぶ。8時間歩き回って走り回ったのだから、多少の悪態は勘弁してほしい気分だった。
「うるさい」
コツン、と頭の上にステッキの柄が降ってくる。
「魔導士」
「君のオーダーは果たされてるよ」
「いや後ろ。タバコ咥えたまんま立ってる奴いるじゃん」
「ああ、アレね」
ルーカスがステッキの先を男に向けると、光弾が1発飛んで男の頭を軽くこづく。すると男は撃たれた方向にそのまま倒れてしまった。
「立ったままてか……」
「魔術とは何も外界に影響を及ぼすものばかりではない。自らの内界に影響をもたらすものも実に多いよ。あの煙草はそういうものさ。自らの精神を安定させて研ぎ澄まし、自分の心を自分で操るものだ。なかなか削ったのだけれどね、彼だけは手持ちの煙草を使い切って凌ぎ切ったんだよ」
愕然とするひとみのをスルーしてルーカスは楽しそうに続ける。
「結構ガッツあるよね。結局僕の攻撃じゃあなくて、オーバードーズによる自滅まで粘り切ったんだ。よくやったもんだよ」
「やっぱりお前の方がやり過ぎだって……!」
「僕は君みたいに相手の胸骨粉砕してない」
ぐぬぬと唸る少年をよそに、金髪の魔術師は寝覚めの鈴音の持っていた金の薔薇を引き寄せて手に取った。
「ほうほう、ふぅん。なるほど、理屈としては降霊科系統なのか。スペックはともかくギミックは面白い。誰でも使える実用の便利さを取るのは魔術結社、とりわけ黄金らしいやり口だけれど、これはいじっていて楽しいおもちゃって感じかなぁ」>>698
「……じゃ、俺は元の目的回収してくっから」
ひとみのはカール少年の所まで戻って手を出した。
『返して。サイフ』
巻き毛が特徴の男の子はズボンのポッケットからスった財布を取り出すと、差し出された手に乗せた。
『…………ごめんなさい』
人蓑祐輝は元あったポケットにサイフをしまい直して、そのままカール少年の頭をこづいた。
『いったぁ!!』
「助けて欲しいなら助けてくれって最初っから言え! めんどくさい! 余計な回り道山ほどしちゃったじゃねーか!」
「その余計な回り道がないと僕を回収できないんだけどねぇ」
通路の奥からヤジが飛ぶ。
ひとみのがカールの手を引いて、ルーカスの方へと歩き出したその時、ルーカスのさらにその奥からうめくような声が響いた。
「最後の一発…………左手だったのは……特別そうな、右腕でなくて、左手だったのは……わざとかな…………?」
寝覚めの鈴音、その代表だった。
「手加減したのかな、君は……」
少年は右手で頭をかいてシンプルな答えを返した。
「別に。一歩ミスって右足で踏み込んじゃったから、そのまま左で突っ込んだだけ」
「そうか、そうか…………わたしは、特別に、なりたかった…………君たちの側に、なりたいと、今でも……」
「そっか。俺は、俺だよ。ずっと俺だ。いつだって普通の俺だよ」
「はははは……笑うしかない…………」>>699
力ない笑い声は、その上さらにステッキを突く音で遮られた。
「所でさぁ、僕の英雄。コレ、色々といじって見たのだけれど、やっぱりダメだよ」
ルーカスが右手でペンのように回しているのは、寝覚めの鈴音が切り札としていた金の薔薇だ。
「一単語9文字制限はまあまあとしても、名詞しか打てない、動名詞禁止、ピリオドがないから文を打てない、一度使った文字はリロードを挟まないともう一度打てるようにならないと結構な欠陥品だね。工作としてはそこそこだけれど、君たちの世界風に翻訳してみればハイスクールの工作宿題くらいのものだ」
『そんなものでも……20年掛けて作れば返してくれ……大切な、ものなんだ…………』
立てないままに、届かない薔薇に手を伸ばす。
『貴方を撃破したのは僕ではない。ので、この薔薇は彼の手に渡る』
魔導士は、彼の英雄に向けて薔薇を放った。
少年は、金の薔薇をしっかりと見据えて、抵抗力を削減された薔薇を、紙吹雪みたいに右の手の甲で砕き散らした。
『ぁぁ…………まぁ、所詮は、造花……か…………』
伸ばしていた手が、床に転がる。特別になりたかった誰かの黄金が砕け散った。そしてその意識も眠りに沈んでいったらしい。
「当然だけど、彼らは本物の『薔薇』にも、全盛期の『黄金』にも遠く及ばない。ほとんど独学で誰にでも使える礼装の作成まで至ったのも、単に、当たりの本を引いたからだろうね」
「そのうち『本物』の時計塔の人たちが来るんだろ? そん時に戦うための『武器』があったらあの人たちもやべーって」
ルーカスはため息を吐いてひとみのの元までやってきた。足元で薔薇の破片がジャリと音を立てる。
「じゃあ、あとは『巻き込まれ』の人たちの記憶だけ処理して撤収しようかー。本職ほどじゃあ無いけれど僕にもできない事もないし────」>>700
────」
『おい。どうして俺様たちが始めようって時に連中はもう終わってんだ?』
その声に、最も過敏に反応したのはルーカスだった。肩まで跳ねて飛び上がり掛けておきながら、入り口を振り返ることは出来ていない。
「おい、なんか人来てんだけど! なあ、おい!」
先程までの、天下は僕の物とでも言いそうな態度が一変して固まっている。やがて、ギギギギと、音が聞こえそうな緩慢な速度で振り向いて、その男の姿を瞳に収めた。
「なんで……従兄さん……ここに…………あっ、そういう……まって、まって違う……!」
「おい! おい!! なんでそんな取り乱すんだよ! おい!! さっきまでのくっそ偉そうな態度はどこいったんだよおい!!」
ひとみのがルーカスの肩を掴んでぐわんぐわん振ると、ようやく意識が戻ってきたらしい。汗を流して顔を青くしながらポツリと話した。
「ロバート・エーテライト。本家の人間で、僕のいとこの従兄さんで、法政科の人間だ……!」
「……法政科って」
『なぁーールーカスーー! この状況の説明が欲しいんだけどなぁ! その東洋人っぽい子は中国か日本かまず教えてくれない?」
「あっ、日本語通じる助かります」
「バッカ、君!!!!」
「ふーーん、日本人かぁ。じゃあ日本語にしておくわな……あっ、セクレアは喋れないか。じゃあ俺が訳すからそれで良いわな』
『別に、オレは……』
30分弱前にぶち抜いた入口にいるのは、ロバート・エーテライトというらしい男が1人と、セクレアと呼ばれた赤毛の少年で2人だった。>>701
「お前が喋ってくれないならまずこっちから話そうか」
「耳塞いで早く余計なこと聴くな!!!」
お構いなしにロバートは続ける。
「俺たちは言ってみりゃあまあ、取締り部隊みたいなもんでなぁ。なんだかんだ政治的にややこしい案件だったここをようやっとシメていいって言う書類を作れてな」
『アンタがイギリス陸軍経由で、圧力をかけていた行政機関にさらに上から圧力をかけなおして作った書類だろうが』
セクレアが小声でヤジを入れたが、2人には届かなかった。
「それで、やっとの思いでやって来てみればこの始末だろう? 教えてほしいんだよ、お前たちがここで何をして、誰がどうなったか調書が必要だ」
「えっと、俺らは────」
『────ッッッ!!!!』
空気を読んで話始めようとしたひとみのと、訳が分からなくて座り込んでいたカール少年の襟首を引っ掴んで、ルーカスは荊の柱の中に突っ込んだ。
『追います』
『セクレアァ、お前じゃあルーカスには勝てないだろう? 俺様が追っかけてくるからお前は隠匿部隊に連絡してろ。起きた出来事を暗示で誤魔化すんじゃあなくて、ちゃんと記憶と知識の抹消操作ができる特務部隊に連絡しろな』
左手の義肢に無間の歯車をセットしかけたセクレア・クロックアーツを、ロバートは襟首を掴んで引き戻した。
ロバートが覗き込んだ荊の下には、床に穴が開いている。
「撤退戦なら、お前の方が優位だったかな?」
新しい追手は迷わず縦穴に飛び降りた。>>702
一方ところで。
「おい! 走りながらで良いから説明しろ!! だってさっき終わった感出てたじゃん!! なんでまた俺らが逃げる羽目になってるんだよ!!」
「うるさいなぁ!! 言われなくても喋るんだから黙って走りたまえよ!!!」
人払いの済んだビルの一階を2人は走っていた。ルーカスが肩にカール少年を抱えているので、走っているのは2人で間違いないのである。
「法政科が動いてた、従兄さんが来たってことはもう捜査も鑑識も終わってて殲滅で話が固まってたんだ! ……まず、法政科は僕たちの中でも特に対面に重きを置くから」
「自分たちが動いてたのに来た時にはもう終わってましたじゃ面目立たねぇってか!!! ざけんな!!!」
ビルの裏口を開けて、さらに路地裏へと駆けていく。
「何も話さず逃げるのはそれが一番損が小さいからだ!!」
「損? つか相手が身内なんだったら話し合わせりゃいいじゃんか! 実は俺とお前はお前のにいさんの指示で動いてました、みたいな」
「まずあのまま従兄さんのペースに乗せられて話をする場合! 多分話自体はスムーズにまとまるよ? まとまるけどさぁ! 君、君のことはどこまで話すつもりなんだい?」
走りながらでひとみのは自分に指を指す。
「俺!? なんで!?」
「従兄さんの指示で動いていたとなると僕たちは時計塔の人員ってことになる!! 僕はいいけど君は!? 君のことはどこからどこまで話す? 魔眼のことは? 右腕のことは? 弥一市の地下水道の話は!? 悪いけれど、従兄さんを相手にフォローはしきれない!!」>>703
「え? じゃあなにか? 穏便に話まとめようとすると俺が邪魔だってか!! じゃあ悪いけど撃退させてもらうってのは!?? 俺とお前が揃ってればまあ大抵の相手はなんとかなるだろ!?」
階段を降り、地下鉄の駅に侵入する。光素が2人と1人を囲うと走っている若者たちは可視光では識別できなくされた。
「そうだね!! 僕たちが命を賭けて従兄さんを始末する気でやればね!! 言っておくけれど、従兄さんは僕より強いよ! 多分今のレートだと3 : 7だったと思う!」
「三七だったら勝ち引けねぇ!?」
「少なくとも命を賭けたい倍率じゃない!! というか絶対に僕たちでは勝てないんだよ! この子っていうキー・パーソンがいる限り!!」
ルーカスの肩の上でおとなしくしていたカール少年が自分を指さした。
『えっ、ぼく?』
「仕事・戦闘、趣味・政治の人なんだ! 弱みがあったら普通に狙ってくる!」
「えーーーでもお前だったら絶対そんなことしないじゃん!!」
「僕ならね!!!! けど従兄さんはそういうことをするよ! 僕たちが守りに入るとわかった上でする! あの人はそういう、『相手の択を削る戦い方』が好きなんだ」
「よく分かってるじゃあないか」
廃線レールの上を走る2人の背後から、距離を無視した音声が飛んできた。
「うわぁぁぁぁぁあ来たぁぁぁあ!!!」
白熱してレーザー光のように圧縮された熱量の塊が、ルーカスには当たらないが肩の上の少年を撃ち抜く射角で走る。
カール少年の背中に突き刺さるところだったその炎は、人蓑祐輝が突き出した右の手のひらで抑えられた。
「あっっっっつぅ!!!? ふざけんなウン千は割ってんだぞ!?」>>704
一方ところでこちらは後方。
自らの周囲に杖、ナイフ、杯、そして円盤(ペンタクル)を浮かせた『本物』が、直線距離数百メートルの位置にいた。右手を眉の位置にあげて、遠くを見る姿勢を取っている。
「いやぁ……あいつ、まともに友達作れたんだなぁ……どんな子なんだろうなぁ」
一方そのころ。
「あいつ!! マジで子供狙いやがったあいつ!!!」
「とりあえず撒き切るんだよ! 従兄さんはあれで公私を別ける人間だから、とりあえず今日の勤務完了時間まで逃げ切ればあとは身内の僕がうまくなあなあで処理出来るように話を持っていけるからぁ!!」
「ひっでぇ癒着を見たんだけど、これ結社より悪質じゃねぇの!? なあ知恵出せよ魔導士! こっから何時間をどうやって稼ぐんだよ!!」
「知らないよ!!!! 僕は逃げ切った後の口裏合わせの台本作らなくちゃあ行けないんだって!!!」
両者半ギレで走っていたが、ルーカスの方は突如スンッと静かになると分岐の影に入ったところで走るのをやめて立ち止まった。
「はぁ……はぁ……しんどい、疲れた、もう萎えた」
「…………え?」
「逃げ切るための策が欲しいなら、僕の英雄……1ついいのがあるから使ってくれたまえよ」
魔術師が一度杖をつけば、10個の光素が中に浮く。
「…………おい、まて、俺それ知ってるぞ見たことあるもん。お前それ本気で逃げる時のやつだろ、背景ごとぐるんって回って消えるアレだろ!!」
「いやいや、これ以上この子を付き合わせるのも悪いだろう? 無事逃し切りたいならこれが一番なんだよ」>>705
ほら、僕に体をくっつけて、離れると腕とか千切れるよ、なんて脅かしの警告をカール少年に囁きながら、子連れの青年はにっこりしたまま手を振った。
「走力バフ(シリウス)はあげるから、君が囮をやりたまえ」
「ふざっ、ふざけんなお前マジでぇぇぇ!!!!?」
ひとみのの足元で星がチカチカ光った後で、カール少年を抱えたルーカスは背景ごとぐるんとねじれて消えた。
後に残された少年は自分の足元を見る。
結局、最後に頼れるものは自分の手足だった。
「……………………走るか」
「いやね? 俺様としては気難しい従弟が珍しく友達を連れていたから、ぜひともお話ししたいんだけれど」
背後から、肩に気軽な手のひらが乗った。
「うわぁぁぁぁぁあ来たぁぁぁあ!!!?」
驚きがてら振り返りながら右手で殴るルーカスと、それに合わせて左足を突き出すロバート。連続して地面を割るような──実のところロバートによる地属性防御は地面そのものに近しいので本質を得た──音が鳴り響き、お互いの手と足が10数cmの位置で止まった。
(おいおい、数万は分割したんですけど……?)
(マジか、ただの拳でペンタクルの14分の10割るか)
さっと血の気が引くひとみのに対して、興味深いおもちゃを見つけた顔になるロバートだった。
「これは俄然、君自体にも興味が湧いてくるわけだ」
「ほんっともう勘弁してください……!」
ロバートの左上で先端が赤熱した杖がくるくる回ると、先程カール少年を撃ち抜こうとした熱線が8発は飛んだ。
「どうもはじめまして従弟がお世話になっておりますロバート・エーテライトと申します気難しい彼の相手をしてくれてありがとう」
「どういたしまして人蓑祐輝って言います!! 名前以外は勘弁してください!!!」>>706
目、そのもののスペックは高いのだ。ついてこられる脚さえ有れば見切った攻撃はしっかり躱せる。
「いい眼をお持ちですね、ルーカスが最初に目をつけたのもそこではありませんか?」
「ノーコメントで!!!」
再び後方に距離を取ろうとするひとみのを、巨大化した杯が掬い取ろうとする。
(かかった!!)
逆方向だった。人蓑祐輝はロバートを押しのけて、元来た方へと逃げていく。
(ルーカスっぽいフェイントだなぁ……)
しみじみとした顔しながらも、ロバートは脚に魔力を込めて走り出す。象徴武器の配置が変更されて、右足を踏み込むごとに足の上の旋風が彼を加速した。
「もっとお話ししましょうよ」
「ぜったい!!!!いやだ!!!!」
別段実践経験が多いわけではなかったが、これまで戦って来た中で一番強かったのはルーカスだった。
(あいつが逃げの手討つ時点で死ぬ気でやって『無限』まで出さないと絶対勝てないってぇ!)
「しかもよしんば勝ててもこれ勝ったら次の『法政科』が俺狙いに来るやつじゃん!!! 絶対割に合わねえってぇ!!」
「おや、状況は見えているんだね。ルーカスはかなり君に色々と仕込んだようだ。どんなやりとりがあったか非常に気になるところですね」
逃げの一手だった。深く深く深く深く、耽る夜すら知れない地下を、人蓑祐輝は駆けていく。
「もぉぉぉぉおお、家に帰りたいぃぃぃぃ!!!!」
結局。一晩走り回ってやっと巻いた。月に1~数回の割合で自分の誤字を見つけている気がする……(遠い目)
やっぱ慣れないことってするもんじゃないわ(新パソコンがご機嫌斜め)
>>624
マグラダのマリアさんの、頼りになる先達的雰囲気良いですね…何かこう、師匠キャラが最終決戦の時に「ここは儂が出よう」ってなるのと同じくらい安心感…
しかしフェリーぺさん一行はヤバい状況に…!怪しい宴会に参加しちゃダメって雨月物語にも書いてある…
>>631
朽崎さんの一手先どころか現状の心理も動機も読めない感じはトリックスターの本領発揮といったところですね。次回は実力者同士の戦闘かぁ…楽しみです!
>>650
よくある転校生イベントからの甘酸っぱい日常シーン…からの転向!これから怒涛の展開になりそうですね…しかも次サーヴァント登場と、wktkが止まりませんね!
>>708
リアルタイム進行形式…ありそうでなかった…!斬新…!
中々気になるワードが沢山飛び交いましたね。薔薇を使った魔術とかお洒落で戦闘も絵映えしただろうなぁ。こういう、マスターだけで進むお話は他にない雰囲気があって自分も、リアルタイム進行形式もあっていつかやってみたいなと思いました。こういったものに挑戦していく姿勢は憧れます…出番問題だと少なくとも手持ち鯖は虚数海洋の後に特異点もう一個やれば解決出来るなとちょっと思ってるよ
マスターはわからん!!!
>>713
まあほら、初期衝動って創作する上で大事と思うし……
実際書きかけの設定見て「当時の自分は何をしたかったんです????」ってなることはよくあるから……こうなるからとりあえず一旦完成はさせるようにしてるしな……
だから作ってすぐに投下じゃなくてある程度寝かして投下するのがいいのかなあって
1番いいのはキャラシとSSを短期間で書き上げられることだとも思うけどねあと、やっぱり自分はここでは一切動かす気が無い・動かしてもらおうとは思わないキャラは別の場所に投稿してますねえ
>>722
逸話由来系スキル、めちゃくちゃ便利(便利?)
人格面に関してはそもそも原典からして「わっっっっっからん!!!!お前は何!!!!」となることの方が多いので捏造もやむなしってことでもう諦めてます……(クラムボン)(雷竜)(相楽総三)(モーズグート)(etcetc)>>725
あ、立ち位置。CV木村昴な超親友(ブラザー)になるのかと……>>733
いえいえ、そういう部分も彼の持ち味ですしね。しっかり表現出来てて良かったなぁ、みたいな。>>731
>>732
>>733
ほいー
「東洲斎写楽。召喚に応じ参上致しました。拙にお手伝い出来ることがあれば、なんなりと申し付けを
【元ネタ】史実、トマス・リゴッティ『The Prodigy of Dreams』
【CLASS】キャスター/フォーリナー
【真名】東洲斎写楽
【異名・別名・表記揺れ】斎藤十郎兵衛
【性別】女性
【身長・体重】152cm・38kg
【肌色】白【髪色】黒【瞳色】青
【外見・容姿】黒地に赤い牡丹を散りばめた和装に身を包む黒髪の少女。
【地域】日本
【年代】1763年~1820年
【属性】秩序・悪
【天地人属性】人
【その他属性】人型、神性、人類の驚異
【ステータス】筋力D 耐久C 敏捷C 魔力B 幸運C 宝具A>>736
【固有スキル】
○直死の魔眼(偽):B
キャスターの本来所有していた『観察眼』と、キャスターに力を与えた神の持つ権能の一部が融合したもの。
魔眼と呼称される異能の中でも最上級のもの。異能の中の異能、希少品の中の希少品。
無機、有機問わず、"活きている"ものの死の要因を読み取り、干渉可能な現象として視認する能力。
強力な異能には違いないのだが、本来獲得する過程で経由する「」とは無関係なスキルであるため、出力自体は低下している。
○虚数美術:C
『観測はされるが実体は持ち得ないもの』を司るサーヴァントとしての特質と、独自の美術的視座を持ったキャスターの画才が融合したスキル。虚数魔術と似て非なる独自理論体型の技術。
その効果は、自身の画筆に触れたもの『虚数』の属性を付与するというもの。『観測はされるが実体は持ち得ないもの』という属性を付与された対象は、物質的な干渉を受け付けなくなる。
○真の画工:A
芸術審美の亜種スキル。芸術作品、美術品への執着心。古今東西、歴史・伝承における逸話を持つ宝具を目にした場合、ほぼ確実に真名を看破することができる他、写実的描写に特化した画力から『情報抹消』などのスキルをレジスト可能。>>737
【宝具】
『雅号・東洲斎写楽』
ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ:10~50 最大補足:100人
がごう・とうしゅうさいしゃらく。第三再臨時においてはエルダーネーム・キ■■■■ス。
東洲斎写楽という名前の持つ神秘性を結晶とした宝具。
東洲斎写楽は歌川豊国である。
東洲斎写楽は葛飾北斎である。
東洲斎写楽は喜多川歌麿である。
東洲斎写楽は~、東洲斎写楽は~、東洲斎写楽は―――
東洲斎写楽という男は、あらゆる可能性を内包するブラックボックスである。
その可能性は、東洲斎写楽という英霊を象徴する宝具にまで昇華された。
通常時は写楽自身の霊基を筆、写楽の持つ可能性を染料、世界そのものを画板とし、これまでに描いた豪傑達を集結させるもの。
フォーリナーとしての霊基が色濃い状態では、写楽の持つ可能性を筆、写楽自身の霊基を画板とし、彼と融合した邪神の持つ力を染料とすることで、対象の『死』という運命を確定させる。
極めて強力な代物ではあるが、写楽自身の霊基を画板とすることによる消耗は通常時の非ではない。
ただし、その性質上『邪神』を相手取る時には全てのデメリットが帳消しになる。
其は神を裁く神。神を断つ神。葬儀屋の神―――神の血肉を苗床とする、埋葬の華なり。>>738
【解説】
江戸時代の浮世絵師。10ヶ月という短い期間の間に無数の役者絵を発表し、その後忽然と姿を消した謎の人物として知られている。
一説には思うように評価が得られず自刃したとも語られている。事実として、生前の写楽の絵は現在ほどの評価は受けていなかった。
また、あまりの正体の不明さから、斎藤十郎兵衛の実在が明らかになるまで多くの人物が写楽の正体として語られてきた。
有名どころでは初代歌川豊国、葛飾北斎、喜多川歌麿。その他にも同じく浮世絵師の司馬江漢、谷文晁、円山応挙。歌舞伎役者の中村此蔵、洋画家の土井有隣、戯作者の山東京伝、十返舎一九。俳人の谷素外、版元の蔦屋重三郎、朝鮮人画家金弘道など本職も人種も多種多様な説が流れている。
斎藤十郎兵衛は八丁堀を住処としていた能役者である。
ある日のこと、彼は思った。
「自分は何も成し遂げられないのだろうか。成し遂げられぬまま死ぬのだろうか」
現状を打破するべく、彼は浮世絵師との道を選んだ。
しかし、西洋画から影響を受けた彼の画風と世間の好みは一致しなかった。
やがて彼は、自身の死を想うようになり―――
「uyd@、d=kc@]t?uof@、0;t@uyd@id=xr@:94」
伊太利の国と深い縁を持っていた写楽は、かの国に伝わる死神を呼び寄せてしまう。
枯れ枝のような―――木乃伊のような細腕に男は引きずり込まれ。
東洲斎写楽という男はその生涯を終えた。>>739
死神に取り込まれ、永劫にも長い時間が経ち―――斎藤十郎兵衛は、東洲斎写楽として英霊の座に召し抱えられることとなった。
死神は英霊となった後も写楽に死(しゅくふく)を与え続け、東洲斎写楽はその身に邪神を孕む降臨者(フォーリナー)となった。
容姿、霊基としての在り方は、この世界への門を開いたアビゲイル・ウィリアムズをベースとしている。そのため、フォーリナーとしての側面が強く出る第三再臨時以降は髪の色と目の色まで彼女のものに酷似したものとなる。
ただし、人理焼却が絡まない世界戦においては高確率でキャスターとして召喚される。
ちなみに、通常時の黒髪青目は彼が心を奪われ生涯恋焦がれたある名画の女性を模したものだとか。
物腰は柔らかく言葉丁寧も非常に丁寧。良識と常識を欠かさない振る舞いを常とする女性。
東洲斎写楽は紛れもない名工であるが、本人の気質は極めて繊細なものをしている。
生真面目で律儀、些細なことで傷つきやすく、とどめとばかりに自己評価まで低い。
行き過ぎた謙虚さは時として毒となる、彼女はこれを体現しているといっても過言ではない。
が、死後に与えられた力と役割によって多少は前向きになっている。
かつて何者にもなれなかったものは、死後に救いを得た。
可憐で純朴、江戸の喧騒に咲く一輪の花。
彼女の本質は神を裁く神。神を断つ神。葬儀屋の神―――神の血肉を苗床とする、埋葬の華なり。>>740
【セリフ】
会話1「主様、どちらへ? ああ、外出でしたか。ええ、私でよろしければお供いたしましょう」
会話2「ご安心を主様。生前は藩主様に仕えておりましたので。主従というものには慣れておりますよ」
会話3「ええ、それはもう。おまんまを食わせていただけるのであればなんなりとお申し付けくださいませ」
会話4「今も鮮明に思い出せます。貴方を人目見た時の衝動を、情動を。私が英霊になっているのです。貴方が英霊になれないはず……え? れ、れおなるど・だうぃんち殿で……? 貴方が……? …………………………良ければ、お師さんと呼ばせていただいても?」(レオナルド・ダ・ヴィンチに対して)
会話5「葛飾北斎様。かの富嶽三十六景を描き上げた画工……真の画工とは、彼女のようなお方を指すのでしょう……なぜ北斎様が女性なのかはわかりませんが……え? 彼女はお栄? 北斎はタコ?」(葛飾北斎に対して)
会話6「あびげいる・うぃりあむず様……我ら降臨者の先端を開いたもの、銀の鍵を揮う禁忌の巫女……」(アビゲイル・ウィリアムズに対して)
会話7「えっちゃん様ですか? ええ、仲良くさせていただいております……なにか? えっちゃん様をえっちゃん様と呼んで何の問題が?」(謎のフォーリナーXXに対して)
会話8「お久しぶりです。船長様……降臨者は嫌いだ? そもそもタコが嫌い? せ、拙は北斎様とは違います!」(クラムボンに対して)
会話9「…………………………………その節は大変ご迷惑をおかけいたしました……お友達、ですか。ええ、拙でよければよろこんで。お友達になりましょう。でいうぃ様」(デイヴィ・ジョーンズに対して)>>741
好きなこと「一日がつつがなく終わること以上に喜ばしいことはありません……それと、人助けを少々」
嫌いなこと「拙は、何かを嫌いになる資格など持ち合わせておりません……強いて言うなら、生活の乱れ、でしょうか」
聖杯について「平穏な日々を、安寧な日々を……神に畏れを抱く人々がいなくなる、大安の世を」
イベント開催中「催し物ですか? 参りましょう。時には息抜きも必要です……息抜きではなく、稼ぎ時? ご、ご武運を……」
誕生日「まあ。主様のお誕生日でしたか! どうか……どうか、これからも健やかにお育ちください。拙は、いつまでも貴方様をお守り致します」
絆Lv1「拙は、何も出来ません。主様のお役に立てることなど……」
絆Lv2「……主様は、お優しいのですね。こんな拙を気にかけて頂けるなんて」
絆Lv3「ここには多くの画工様がいらっしゃいます。拙を画工と呼ぶのはどうか控えて頂きたく」
絆Lv4「拙は、卑しく薄汚い。殺.すことしか能が無い人でなしです……こんな拙を、お側においていただけますか?」
絆Lv5「……この東洲斎写楽、根負け致しました。拙は非才の身なれど、此度の拙は貴方様と契りを結んだ英霊の身。今生尽きるその時まで、末永くお仕え致し候」それじゃあやんわりとキャラ投下して行きますねー
>>746
>江戸文化盛りの化成文化の一昔前の人間だから
うちの在原業平も和歌という文化で言えばそれに近いです。宮廷に和歌が浸透する過渡期でしたから。【名前】美才神父(みさいしんぷ)
【性別】男
【年齢】56歳
【出身】日本・中国
【身長・体重】169cm 54kg
【属性】秩序・悪
【特技】後進の教育、太極拳(健康の方)
【好きなもの】ゴルフ、スキー、珈琲(無糖)
【嫌いなもの】無鉄砲な若さ
【イメージカラー】火燻る灰色
【魔術系統】聖堂教会・”元“第八秘蹟会
【魔術属性】地
【魔術特性】─
【魔術回路】質:E 量:E 編成:正常
【起源】求道
【所属】聖堂教会直轄の教会
【見た目】
丸眼鏡を掛けた修道服の中年男性。
優しさが滲み出た顔つきだが今ひとつ覇気がなく、性格も相まって威厳や厳粛さとは無縁。
よく言えば癒し系。悪く言えば締まりがない雰囲気。>>743
家綱「かの者が生きていたのは世が死してから更に100年以上も後だが、データベースでその作品は一通り閲覧済みだ。素人が言うのも無礼だが、出来不出来の差がとても激しかったな。死神とやらが……まさかな」
クリスティ「あの人を見た瞬間に、ヌトセ=カームブルがあからさまに警戒したわ。『死神』関連なのは確実だけど、シャラク当人は悪い人じゃないのに……。」>>750
広くなった額と刻まれた皺がどこか哀愁を漂わせる、等身大の五十代男性。
私服はもっぱらチェック柄ばかり着ているため、プライベートで彼を神父だと見抜くことはほぼ不可能。
【解説】
聖堂教会直轄の教会で働く司祭。
うだつの上がらない中間管理職的な性格で、彼の部下であるシスター達から「満員電車で揺られてそう」「場末の居酒屋でチビチビ日本酒啜ってそう」と評される悲しきオジさん。
普段は司祭として婚礼稼業に精を出しながらも、週一回近所の公園で太極拳教室を開いている。
その所為か市民(特に子供たち)からは『拳法のおじさん』呼ばわりされている。
本職の司祭としてより拳法講師として認知されている事実に複雑な思いらしいが、訂正を求めない辺り人の良さというか情けなさが窺い知れる。
誰に対しても物腰柔らかく礼節をもって丁寧な接し方を心がけるが、地味な印象が拭えない脇役気質。
アスファルトを割って咲く雑草とか無性に共感してしまうタイプ、座右の銘は「漂えど沈まず」。>>752
今の姿からは想像がつかないが嘗ては聖堂教会の第八秘蹟会に所属する代行者だったそうで、死徒や魔術師を相手取って壮絶な戦闘を繰り広げた経歴の持ち主。
若い頃は自分が最強の人間だと信じて疑わず、強者と戦えるという目的の為に神職を志した生粋の戦闘狂。
しかし挫折を知り、現実を知り、多くの友の殉職を経る内に次第に安定志向になっていった。
いつしか武人然とした苛烈さはなりを潜め、「真面目に実直に、大いなる流れに逆らわない堅実な生き方こそが正道」と考えるようになる。
しかし無自覚ながらも若い頃の野心は燻っており、心のどこかで血湧き肉躍る死闘を渇望している。
かつて無双の実力を誇った太極拳は今もなお健在。剛柔相済を理想とする原初の太極拳は時に剛猛、時に柔軟。
その拳風は嵐と凪を彷彿とさせる。>>754
【台詞】
「司祭を務めてます美才(みさい)、と申します。気軽に美才神父と呼んでいただいて結構ですよ」
この後に『ただし名前は、極めて個人的な理由から伏せさせて頂きます』と続く。
「この間太極拳教室に通ってる子が偶然教会に訪れましてね、僕を見るなり言ったんですよ。
『先生なんで神父のコスプレしてるんですか?』って………この仕事、頑張らなきゃなってつくづく思いましたよ」
「ただ只管に強さを追い求める、『最強』という言葉だけを信じて鍛錬を続ける────とても純粋で美しい日々でした。
しかし美しさだけでは人は生きていけない。永く生きてゆくには『やりたい事』ばかりでなく『やらねばならない事』もしなくては」
「……そして悲しい哉。歳を経るにつれ『やらねばならない事』ばかりが積み重なって、やりたい事はどんどん遠ざかってゆくのですよ」
「枯木に花を咲かせましょう───もっとも、私が咲かすのは血の華ですが」>>746
途中送信してしまいましたが、業平は父親や皇室関係や政治で苦労もあるけど、平安時代のスパダリだし坊っちゃん育ちだしで石燕とも共通項があるなと思います。やっぱり海が舞台の特異点には1人くらいフォーリナーがいないと……と被告は供述しており……
>>744
そんなビックネームがここにも公式にもいない!びっくり!
次の特異点で出すアーチャー/フォーリナーの子を出せばうちのフォーリナー陣は完成よ……
彼女は今度のイベントでピックアップされる可能性があるらしくてとてもお腹が痛い
やっべえ完全に盲点でした(黒でも白でもないどっちつかずの彼女)
そうなると又右衛門と絡ませたくなる……(又右衛門のモデルの1人はグレートビッグベン☆ロンドンスター)
あいつリレー組除外すると1番出番ないか……?()
>>745
持たざる者の苦悩っていいなあって……
後世で評価されてるのもまたいい……
>>747
黒髪和装美人は何人いても困らない……(蓮見と夕子さんを見ながら)
>>753
翁とかもそうですけど「絶対的な『死』」っていいですよね……
>>757
前作主人公だこれ!!!!
酸いも甘いも知り尽くした老兵いいですよね……>>757
割り込んですみませんでした。しかし、枯れたバトルマニア、そしてまだ闘争を求める心はまだ残っているとか序盤は頼れる神父様で中盤以降で対立するとかありそう。
あと気質的にはうちの食満とも話が合いそうだと思いました。
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/m/wiki/%E9%A3%9F%E6%BA%80%E5%9B%9B%E9%83%8E%E5%8A%A9感想いただきありがとうございます、今からの投下分で完全にやりきりですので、これを投下したらお返事させていただきます!
>>708
さーーてと、ちょっとオーバーしましたが、最後の結びを投下しますね。雰囲気とか声のイメージは故・志賀廣太郎さんを想起していただければ、大体あんな感じです。
>>707
NEXT_DAY. 07 : 00 THU
大英博物館を観光に来る人が、よく利用するホテルだった。
『ヒトミノ様ですか? よかった、明け方お連れ様が駆け込んでまいりまして、ロビーで休んでおられますよ』
ロビーのソファーに少年が転がっていた。
あちこち服に土がついていたが、特に怪我は無さそうだった。
ただまあすごく疲れているようで、口から魂が抜けているように見える。
「あら大変、息子の魂が抜けてるわ」
母は口からふよふよ抜けかけた魂を素手で引っ掴んで口の中に戻す。
「……………………めがっさつかれた…………」
「よく分かんないけどとりあえず言ってあげないと拗ねて来そうだから言ってあげるわね」
朝日がホテルのロビーを黄金色に照らしていく。
「お疲れ様」
Morning 7、time is over。
NEXT DAY has already started。>>767
NEXT_DAY. 10 : 00 THU
カフェインは大抵のことを解決してくれる。夜更かしとか。徹夜とか。
美味しい朝食を食べられれば元気になった気もするような、やっぱりしないような。
「にしても飲んだわねー、紅茶」
「知り合いがさぁ、イギリスに来たら茶会に招待してあげるとか言ってくれてたんだよ。逃げられたけど」
少年は母親と一緒に朝食を取ったのち、ホテルを出てストリートまでやって来ていた。
(つか落ち着いたらマジで腹立って来たんですけど)
文句の一つもつけてやりたい気分だった。いや絶対一つでは済ませられない気分とさえ言えた。とにかく、文字通り思い出したようにムカっ腹が立って来たのだ。
「おかんー、ごめんちょっと俺電話してくるから」
「そ。じゃあ母はそこのお店に入ってますから」
ちょっと分かれる。
平日のストリートは、昨日と同じでびっくりするほど人が多い。とりあえずポケットに手を突っ込んで、携帯を触りながら歩いていたら、膝上あたりで誰かとぶつかった。
『おわっ!!』
「またかよごめんなさい!?」
『いてて……だいじょうぶ、です』
正面衝突して尻餅をつかせてしまったのは、巻き毛が目を引く男の子だった。
『……ごめん、大丈夫か?』
『うん、へいき。今日は久しぶりに、お父さんがテーマパークに連れて行ってくれるって!』>>768
『…………そっか、じゃ楽しんで来れますように』
『うん! お兄さんも、ロンドンにようこそ! いい一日になりますように!』
手を振って駆けていく。背丈の小さい子が、人混みに紛れるのなんて一瞬だ。少年はお互いに逆方向へと歩いて行くのだ。
やがて、少年はちょうど立ち止まれる路地裏の入り口を見つけた。
山ほど浮かんでくる恨み言をぶつけてやろうと携帯電話を取り出して、肩の上まで上げてからやっぱりやめた。
「やることだけはやりきりやがって……」
はぁ、とため息をついて両手をズボンのポケットに突っ込んで、忘れていたものに気がついた。
それは9cm四方の羊皮紙だった。
「やっべ、忘れてた」
午前の太陽に透かして数字の並びを観察してみる。彼は『高等数学の知識が有れば誰でも解ける』なんて言っていたが、
「わかんね」
やっぱり少年には解けなかった。>>769
掲げたまま、視界に収めつつ右手で握り潰す。
オープン、インビンシブル・インディヴィデュアル。スケール・ビリオン。
ただ握り潰すというだけの行為が、10億倍の尺度で持って自己再生する羊皮紙に降りかかった。
古い紙ならどんなものでもそうなるように、少年の手の中で塵か砂へと返って行く。
ちょうどいい具合に巻き毛の少年が歩いて行った方から風が吹いたので、彼とは逆方向に残骸を散らして行く。
契約の羊皮紙は破壊された。以後、永遠に無効である。
少年はようやく中身が財布だけになったポケットに左手を突っ込み直して締めくくる。
「 Have a nice day ! 」
「なんつって」
STORY OUT.というわけで読んでいただけてありがとうございました。
『とある倫敦の一日 Have_a_nice_day.』は次の日に進むことが出来ました。
お楽しみいただけたのなら嬉しく思います。
夜明けの鈴音周りやカール少年の本来の適正、あとようやく本格登場したエーテライト長男などの設定はまた明日あたりにまとめてmaterial扱いで投下させていただきます。
繰り返しになりますが、お読みいただきありがとうございました。良い日になったのならとても幸いです。>>715
サーヴァントが現世に居残っているって言うシチュエーションが、日常場面だとあんまりないんですよねぇ。型月世界だと基本過剰戦力なのも相まって人の話をやろうとするとサーヴァントを組み込める大きめの隙間が無いんですよ。
バーサーカーの右腕、ユージーンさんのベルセルクの右腕なので、本当に文字通り『借り物』なんです。毎回毎回、起句のように「貸してくれ」って言うのもそこにかかっているんです。
>>716
なかなか面倒でしたよリアタイ進行、マジで。そりゃやる人居ませんわ。
何しろ投稿時刻は時計と睨めっこかつ行数制限とかNGワード探しで何回かギリッギリ59秒くらいで投下できたのもありました。
薔薇の魔術ですが、ぶっちゃけ見せかけだけの理屈魔術なので絵映えするというか絵映えしかしないんです。
ただ見てくれはいい、或いは良さそうであるっていうのが彼らにおける『中身のないそれっぽさ』になってます。
>>729
面白いと思っていただけたのならとても嬉しいのです。ありがとうございます。
今回ひとみの周りの因果の歪曲で『加害者』役に押し込められたおっさんですが、神秘の隠匿ルールを踏みまくっているという部分以外では実はそんなに悪いことはしていないんですよね。その隠匿ルール違反がもうダメだって言うのは一旦置いておいてですが。
黒野君は……そうでしたね。結構紙一重でしたもんね。
>>772
どうもありがとうございます。嬉しい言葉です。
イメージはキャラクター紹介が目的の読み切り作品(いわゆる宣伝用の出張掲載みたいなアレ)だったので、読んで伝わったのなら目的が果たされたことになります。ペンタブの練習を兼ねて自作鱒の顔描いてるけど目がムズイ。
>>778
まあ、練習しながらなんで今月中に完成しないのは確定事項。
でも紙に描いてた頃よりも何か上手くいってる気はする。>>774
まさかのわからせオジさんとしての地位を獲得したのか…!秋特異点SSの続きがまた書けました
今投降してもよろしいでしょうか?あやかさんに刹那のフル立ち絵とか頼んでみようかな…?
じゃあ私は美才神父を頼んでみようかな…?
れ、練習中の人にイラストを頼むのは酷では……?
シギト・プルフレア君は超抜能力に目覚めるとして、どんな感じになるんだろう……
そもそも、「たまには自作キャラ描けるぐらいにはなりたいな」がペンタブ買った動機なんで、自作以外のキャラ描けるようになるまで何年かかるかちょっと分からないのです。
>>789
宴は盛る。新たな客人が加わった事により。
宴は盛る。美味い酒に美味い料理、喜ばぬ道理がどこにある。
宴は盛る。此度集いしは武者と大鬼、そして巨人王。
素性も在り方も異なる三者。だがしかし、今回に限っては同じ『肴』を下に席を同じくし目的を一致させていた。
すなわち――魔酒の気に当てられた迷い人たちを。
「それにしても、まさか坂東一の強者と謳われたアンタと酒を飲める日が来るとはなぁ」
大鬼こと大嶽丸が酒杯を飲み干し、お代わりを注ぐ。既に何度、どころか何十度目になるかも分からない量でありながら、その顔は何ら紅潮しているようには見えなかった。
対する武者も負けてはいない。大嶽丸程ではないにせよ、サーヴァントすら酔わせる魔酒を、まるで湯水を浴びるように干していく。
坂東一の強者――平将門の面目躍如たる豪快な飲みっぷりだった。
「其方には及ばぬよ大嶽丸。生前は縁もゆかりもなかった我等だが――いざこうして酌み交わすと、存外悪くないものだ」
「縁もゆかりも、ね。それならもっと、面識のねえ嬢ちゃんが此処にいるようだがな?」
ちらり、と。黙々と食べ進めていた巨人王――スルトへと目を向ける。
東洋で名を馳せた二人と、北欧神代に在った彼女とは当然ながら初対面もいい所。故に、ベルゼブブから組めと命じられた時は面食らったものだった。>>791
「どうだい巨人王の。俺が捌いた肉は美味かろう? 悪魔からの食材なんざ初めてだが、中々上手くいったものと自負してるんだが」
「……うん……悪くない……けど……」
「けど?」
「……シンモラの作った方が……美味しい……」
「ありゃっ」
上げて落とされた格好に、思わず大嶽丸が姿勢を崩す。
その様を見ていた将門もまた、つい笑いをこぼしていた。
「フラれたようだな、大鬼の」
「うるせえ! 愛する者の手料理なんて反則技に勝てるか畜生め!」
「はっはっは。まこと、然り。では――口直し、というのも何だが」
「あん?」
将門が視線を向ける先――そこに在った者達を見て、大嶽丸とスルトが表情を変える。
片や、哀れな生贄を見るような目で。片や、興味があるのかないのか曖昧な顔で。
宴の主役にしてメインディッシュである――フェリーペ達を、見つめていた。>>792
(――俺は、何をやってるんだろう?)
ふわふわした頭の中で、ふとフェリーペは疑問に思う。
何か、とても重要な事を忘れているような。あるいはそうでないような。
思考はまとまらず、堂々巡りの五里霧中。切迫するような危機感はあるのに、それを形にすることができない。
落ち着かないまま視線を動かすと――『また』膳に置かれた料理と酒が目に留まった。
「おいおいどうした兄ちゃん? さっきから全然、箸が進んでねえじゃんか。遠慮せず、どんどん食ってくれよ!」
(――そうだ――せっかく招かれたんだから――食べ、ないと――)
箸を手に取り、料理をつまむ。そのまま口に運ぼうとして――
「……ぁ……」
「……」
やはり、落としてしまう。
先程からずっとこの繰り返しだった。料理に、あるいは飲み物に手をつけようとしても直前で落としてしまう。食べたくない訳ではない筈なのに、まるで身体が寸止めするかのように最後の段階を拒んでしまう。
そんなフェリーペの様子を見て、大嶽丸はため息をついた。>>794
「あーあ。やっぱり、上手くいかねえか。悪魔の蜂蜜酒だか何だか知らねえが、やっぱ酒吞の奴を当てにすべきだったかねえ」
「え……?」
「いや何でもねえ。こっちの話だ。それに」
大嶽丸が立ち上がり、フェリーペに近寄る。
「どうしても口に合わねえってんなら仕方ねえ。最後の晩餐を味わう権利を棒に振ったってだけの話だしな」
大嶽丸の腕が伸びる。人間のそれとは比較にならない程太く、たくましい剛腕。これで掴まれてしまえば、振りほどく事さえできず一瞬で頸骨はへし折られる。
逃れようも、抗いようもない。文字通りの魔の手が、フェリーペの首元に到達する――
「おにーさん♪ 飲んでますかー♪」
寸前。思わぬ邪魔がフェリーペを押し倒した。
「え――あ?」
「えへへー」
押し倒した女性――ヒュギエイアが赤くなった顔でフェリーペを見下ろす。>>795
普段の知的さや優美さは鳴りを潜め、まるで甘える子どものような目つきになっていた。
一方、それでは済まないのは大嶽丸である。あと少しで王手だったというのに、その直前で入ったまさかの横槍。本気で唖然としかけるも、すぐに立ち直り再び手を伸ばす。
やる事は実に単純。絡んできた邪魔者を剝ぎ取り、残ったマスターを一息で捻る。ただそれだけ。
将門もスルトも、手助けするまでもないと思ったのか動こうとはしなかった。
そして――それが彼らの、決定的な分水嶺となった。
「どすこーい!!」
「どわぁっ!?」
突如として襲い掛かった衝撃。文字通り横殴りの一撃を喰らい、大嶽丸は盛大に吹っ飛ばされる。
よもや攻撃されると思っていなかっただけに、完全な不意打ちとなっていた。
「ク.ソったれ……一体誰の仕業だぉわぁっ!?」
起き上がろうとした瞬間、再度の一撃。精度もへったくれもない、完全な大振りだったが勢いだけは凄まじく、大嶽丸も慌てて回避する。
そうしてようやく捉えた元凶の正体は。>>796
「うぇへへへ……酔ってるかーい、そこの兄さーん?」
泥酔状態と化した、メンテー・プルトランプだった。
日頃の毅然とした様はどこへやら。こちらもこちらで強かに酔っているのか、視点も足元もおぼつかない。いつの間に取り出したのか、右手には灯火の盾を構えこれまた危なっかしげにふらつかせていた。
というか実際、振り回してた。
「ちょっ、おまっ! やめやめろ! そんなデカいもん玩具みてえに振り回すんじゃねえ!」
「あはははー!」
「駄目だこいつ、話が通じねえ! おいお前ら! ボーっと見てないで手伝え、つーか手伝ってくれ!」
「おいおい情けないぞ大鬼の。たかが酔っ払いの小娘一人、お前ならあっさり抑え込めるだろう」
「……その筋肉……風船……?」
「ええい好き放題言うない! いくら俺様でも、本気で箍の外れた武装酔いどれ相手じゃ勝手が違――あぶねえ!!」
わーぎゃー騒ぎながらメンテーの暴走を回避する大嶽丸と、それを余興めいて見物する二人。>>798
瞳に生気が戻り、前後不覚も同然だった聖エウラリアとメンテーが復活する。
一瞬にして覆された状況を前に、大嶽丸も舌打ちせずにいられなかった。
「ちっ、どうなってやがる! 魔酒の気は全身に回ってた筈だぞ!」
「ええ。確かに、一時は完全に酔い潰されていましたよ」
大嶽丸の疑問に、フェリーペに絡んでいた女性――ヒュギエイアが立ち上がって答える。
「ですが――生憎でしたね。私は医者です。こんな事もあろうかと、普段から口中に色々と薬を仕込んでるんですよ。例えば……そう、酔い覚ましの薬とかね?」
「っ!?」
「まあそうはいっても何分遅効性なので時間がかかってしまいましたが。それでも、ここに辿り着いた時にはもう元通りという訳です」
「成る程な……だが、まだ解せねえ話はある。そこの坊主はどうやって正気に戻した? テメエらと違ってそいつはただの人間だ、ちょっとやそっとの薬で治る程柔な酒気じゃねえぞ」
「……」
そこで何故か押し黙り、ヒュギエイアは大嶽丸から視線を外す。
ついでに、同じく立ち直った筈のフェリーペもまた気まずそうに俯いていた。>>799
「いや何でこのタイミングで黙る理由があんだよ。言えよさっさと」
「……別に。ただ口移しで強引に飲ませただけです、それ以上もそれ以下もありません」
「あん? 口うつ――口移し?」
ニチャア、と。大嶽丸の顔が厭らしそうに歪む。
その様を見たヒュギエイアは顔をより赤くして、激昂した。
「な、なんですかその目は! こんなものはただの医療行為です! 貴方が想像してるようなふしだらな真似は一切ありません!」
「へー。ふーん。そうかいそうかい」
「……ヒュギエイア。後で、話がある」
「ちょっ!? メンテーさんまで!?」
面白そうに笑う大嶽丸と、何故か冷え切った雰囲気を纏うメンテー。それらに挟まれ、おたおたする様は完全にいつものヒュギエイアであった。
そして――見物に徹していた二人もまた、動き出す。
「――やれやれ。俺としたことが、些か迂闊に過ぎたか。気に入らない相手からの命令とはいえ、慣れん謀はするものではないな」
「……問題ない……地の利、まだこちらにある……」
「ああ。そうだな――」>>800
将門とスルトが立ち上がり、構えるフェリーペ達に相対する。
さらに将門は酒樽を軽く小突くと、余裕たっぷりに言い放った。
「この通り、酒気の源たる酒はまだまだ存分に残っている。一時、正気に立ち返ろうと――時間さえ経てば、後はこちらのものだ」
「それを、俺たちが黙って見逃すとでも?」
「はは、さっきまで酔い潰れてた奴がよく言う。だがそれでこそ、だ。男ならば、この程度の逆境覆してもらわねば困るというものよ」
「平将門、あんた……」
「話は終いだ。謀りの時間はこれまで、ここからは――互いに武で決着をつけるとしよう」
将門とスルト、大嶽丸が得物を構える。
フェリーペ達もまた顔を引き締め、場の空気が一挙に切り替わる。
「ヒュギエイア。さっき飲ませてくれた気付け薬だけど、後どれくらいで効果が消える?」
「そうですね……ざっと十分、いえ十五分持てばいい方でしょうか」
「英霊相手に最短十分、か。……しかも、相手は極東で名の知れた強者二騎と、北欧神代を終わらせた巨人王」
「でも――何とかしないと、ですね。ルーラーさんの事も気がかりです」
「ああ。だから勝つぞ、皆。勝って、この試練も突破する!」
「「「了解!!」」」>>804
気にしない気にしない。焦った俺が悪い。Wikiを読めば読むほどめっちゃいいサーヴァントとマスターいる……うちのと主従組ませたい……ってなる自分
VS
タスクが増えて絶対身動き取れなくなるわね……となる自分
VS
ダークライ
ファイッ!!!!
あ、ペレスは今日投下します>>811
そう、まさしくその身長差のネタを使いたくて悩むのです
身長を伸ばしてメレクよりちょっと高く設定しちゃうか、でもそうすると四方ちゃんとの10cm近くある身長差が活かせないぐぐぐ…という感じに
どっちも美味しいので悩む悩む自作絵、思ってた以上に目の形に苦慮したんで思い切って下書きの段階で片メカクレにした。
頭冷やすためにしばらく『聖杯惑星』の執筆に専念しよう。>>816
目の形のバランスを考えずに済みますからね。
ほんと、年単位の練習が必要だわ。手癖で仮面やメカクレを描くとそいつらを外した時のデコや目の位置があれれ~おかしいなぁ~ってなる(n敗)
だから最初普通に描いて上から隠す必要があったんですねどうしてここでオーバーレイなんですか?
どうしてここでスクリーンなんですか?
どうして目のここの部分に加算を使うんですか?
わからんけど良い感じな気がするからヨシ!って甘えてしまってる自分がいますのよ
だから「なんかしっくりこない」とかいう理由で沢山同じ所で悩み続けるのですわ相楽総三の短刀や武田信玄の直筆感謝状がテレビに出てましたがあれが召喚できる聖遺物がちゃんと残っているのは凄いですよね。
絵描くのって大変。楽しいけれども。
>>822
では!
「ああ~、そういうことでしたか~……随分とまた、ナグルファルの調子がいいはずだ」
沈黙を破ったのは水着に身を包む戦乙女だった。
彼女の宝具、ナグルファルの本質は境界越えという概念にある。
虚数とは『観測はされるが実体は無いもの』だ。本来はあり得ざる領域への到達を本領とするナグルファルにとって、この特異点(せかい)はあまりにも相性がよかった。
「ここにいるほとんどが水着霊基なのもそういうことなんだろうね。カルデアでは観測されているけど、カルデア以外には観測されないもの……私と物理的に繋がってる二十面相は別として、それ以外でギリギリ送り込めたのは又右衛門さんが限界だったんじゃない?」
「鍵屋の辻は確かに参加したが、何も本当に三十六人を切り伏せたわけじゃない。そういう意味では、私も観測と実体の揺らぎの中にあるサーヴァントだ。私が誰よりも君と縁を結びやすかったのだろうね」
「……君は随分と聡明だね。マスター。頼りになるよ」
「……先生には恵まれてるからね」
カルデアで自分を見守っているであろう万能の人を思い、少女は誇らしげに答える。まるで、自分の親を自慢するかのように。
「さて、本格的な話に移ろう。
推定だが、ここで満足に戦闘が出来るのもおそらくは水着サーヴァントのみなのだろう?
それでどうする? 女媧か? はやぶさか? それともネッド・ケリーか? 誰にでも化けてやろう。
今なら私の部下達を使ってもいいぞ? 船長はともかく、この船はいい工房(アジト)のようだからな。これならいくらでも呼べるだろうさ」
仰々しい振る舞いに、少年はいたずらを思いついた少年のようにほくそえんで。
「へえ、君は部下達を召喚できるのか……ならいい。頼みたいことがあるんだ」>>824
船内を慌ただしく駆け回る部下達を一瞥し、世紀の大怪盗は吐き捨てた。
「よもや、私の部下達が小間使いとはね……蟹に死を看取られた君が随分と偉くなったものじゃないか。ええ?」
「船(ここ)では船長(ぼく)がルールだ。文句があるなら下船してくれて構わないよ……それに、僕と張り合うつもりなら、せめて教科書の一つにでも掲載されてからにして欲しいね」
火花を散らす二十面相とクラムボン。
マスターが仲裁に入ろうとしたその瞬間―――船内を、衝撃が支配した。
艦内に響く振動は砲撃そのもの。クラムボンは、観測手を務める二十面相の部下を押しのけて潜望鏡を覗き込み―――そこには、信じられない光景があった。
ゴールデン・ハインドが。
ロイヤルフォーチュンが。
クイーン・アンズ・リベンジが。
ウィダー号が。
アドベンチャー・ギャレーが。
ラ・ロイヤルが。
他にも、他にも、他にも―――
かつて大海原を駆けた海賊(しにがみ)達が、そこに集結していた。>>825
「ハッハァ! 着弾確認! オレの縄張りに勝手に入り込むからそうなんだよ!
どうだ、怖いか? 怖いよなあ? 来たぞ来たぞ、海賊が来た!
座への退却? サーヴァント規格? 知るかよ馬鹿がくだらねえ!
奪い! 犯し! 殺.す! 海ってのはこうでなきゃならねえ!
これがオレだ。これが海賊だ! オレは海賊王ジョリー・ロジャー。
この広い海で、全ての海賊が焦がれ夢見た唯一無二の旗(おとこ)だ!
見せてやれよ野郎ども。オレ達のあり方を、オレ達の生き様を。
今こそ、高らかに叫ぶ時だ! そう、我らは―――『我らこそが大海原の死神なり』!!!!」
第二砲射、着弾―――甲板には傷一つなかったが、船内は衝撃でしっちゃかめっちゃかになっていた。
ジョリー・ロジャーの宝具は全ての海賊船を集結させるもの。
強力無比な効果の代償として、この宝具で召喚された海賊達は通常一度の砲撃で座へと強制帰還させられる。
しかし、ロジャーはこの海から魔力を吸い取ることで、その欠点を克服していた。
砲雨、砲雨、砲雨の嵐―――その正体は、莫大な魔力量に任せた、召喚・帰還・再召喚の繰り返し(ループ)だった。
この海は、心の底から願いを抱く人間に必ず微笑む。
ロジャーの祈りは、竜の守りを貫いて船内へと衝撃を伝えていた。
スキルも、宝具も、何もかも。>>828
水上バイクに跨ったガレスが水面を駆ける。
騎士の名折れ、と言った。己の本質は、あの日騎士王に誓いを立てた時から変わっていない。
今この場で動けるのは己のみ。そんな己が、ここで奮起していつ奮起しろというのか。
騎士とは、守るものにあって守られるものにあらず。
船長。偉大なる海の戦士、キャプテン・クラムボン―――この大恩、我が命を以てお返しします。
我、誇り高き狼の騎士。主を、友を守るため―――今この時こそ、目の前の喉笛に喰らいつく牙となろう。
この世界は虚数の世界。可能性があり、それを心から願えるのであれば、観測できぬ事象は存在しない。
「―――仕留めます! 我は狼! 我が槍は必殺の牙!
ゆくぞ―――『猛り狂う乙女狼(イーラ・ルプス)』!!」
故に、この場この時のみにおいて。
本来であれば槍兵としても狂戦士としても揮うことの出来ぬ宝具がここに顕現した。
その光はさながら湖の如く。
海の中にあってより深く輝く獣の蒼牙は―――確かに、髑髏の臓腑を貫いた。>>829
ジョリー・ロジャーを打ち破った代償はあまりにも大きかった。
霊基の大部分を失ったガレスは、ロジャーの喪失によって消えゆく海賊船と共に沈んでいった。
「どうか、ご無事で……マスター……キャプテン……」
少女(きし)が沈んだのは虚数の海。
そこではあらゆる夢物語がゆめ物語のまま成立する。
「そん、な……どうして、あなたさまが……」
この海で、もう二度と会えないと考えていた相手と合うことなど、珍しくもなんともない。
「ガウェイン、さま……ガウェイン、にいさん……わたし、は……ガレス、は、きしとしてたたかうことができたでしょうか……」
その、妹からの呼びかけに。兄と呼ばれた男は。
「―――ああ。ああ……よかった……よかった……」
是とも否とも言わず、優しく微笑んだだけだった。
ガレスにとってその表情は、己の選択が決して間違いでないことを言葉よりも雄弁に示していた。
頬からこぼれ落ちた雫が深海の中でなお淡くきらめく。
美しい手(ボーメイン)と呼ばれた少女の涙は、その手と同様に美しかった。最終的には景清を描けるようになれたらいいけど、こら下手したら景清の方が描きやすいかもしれん。
いよっしゃあ!!!falling moon最新話でけたぁ!!張っていいですかぁ!
黒くなったからいくぞぉ!
前回のあらすじ!理仁はクラスメイトの経子と仲良くなってウキウキ!だけど経子と出会うきっかけになったチンピラに彼女を誘拐されてしまう!!どうする理仁!!「……で、なんだっけ?もう一度言ってくれ」
「ご、ごめんなさい。調子こいてました、ごめんなさい」
結果のみを言うならば、理仁は経子を攫ったチンピラ達を瞬殺した。五人がかりで待ち受けていたが理仁からすれば五人『だけ』である。四階建てのラブホテルの最上階のスイートルームにチンピラ達は無様にごろりと転がされる結末となった。
「あー?違うだろぉ、酸素さんにごめんなさいだろぉ!」
リーダーらしき肌黒い男の腹を踏みつけながら、理仁は自分でもゾッとするほど低い声で話しかける。足に力を込めれば、ぎゅあ、と男は呻いた。
「ごめんなさい!ごめんなさい!無駄に酸素吸って無駄に二酸化炭素吐いてごめんなさい、地球温暖化の原因でごめんなさい!」
「あー?あー?まだもう一言足りなくないかー?あそこでよぉ、お前らに蹴られた奴がいんだよなぁ」
「お、女の子に暴力奮ったりしてごめんなさい!慰謝料だって払います、靴だって舐めます!」
聞こえの良い事を言っているが、所詮はその場しのぎ。これは理仁が何度も経験しているからこその予測である。チンピラというものはメンツ、否、もっと低俗なプライドで生きている。嘗められたくない、馬鹿にされたくない、そんな感情のみで動いているのだ。故に形勢が不利になり相手にへりくだる事を選んだとしてもしばらくして掌を返して復讐に来るのだ。
「……信用出来ねぇな、指くらいは折っておくか?」
「ひぃぃ!?」
「間久部君、もう良いから……」
薄暗い部屋の隅から経子が声を震わせながら理仁の元へと歩み寄る。喧嘩、否、征服の間はひたすら押し黙っていたがようやく落ち着いてきたらしい。それでも苦しげに腹の辺りを摩っているのを目にし、やはりこのアホ面をもっと苦悶に染めてやる事にした。
「ちょっと待っていてくれ。すぐに終わらせる」
「私はなんともないから……お願い」
「……チッ」
もう良い、と経子は何度も首を振って制止する。ただでさえ過激な模様を見て怯えているのだ、確かにこれ以上はやり過ぎだろう。理仁は舌打ちと共にリーダーの胸ぐらを掴みあげ、
「良いか、二度とオレの知り合いを狙うな。今日お前の指が一本も折られていないのはその知り合いのおかげなんだからな。おら行け!とっとと他の奴ら連れて何処へでも行け!」
「ひぃっ、ひぃっ、ひぃぃぃ!」>>838
リーダーはへっぴり腰で残りの四人を叩き起こすと弱々しい足取りでスイートルームから飛び出していく。その弱々しさたるや、見ている側がいたたまれない気持ちに駆られるほどである。
チンピラ達の足音が遠ざかっていくのを確認し、それから理仁は全身から力を抜く様に息を吐く。
「……ごめんな三義、オレのせいでお前に迷惑かけた。痛くないか?というか痛いよな、病院行くか」
「全然大丈夫。ほら、なんともないから。それに元は君が助けてくれたんだし。凄かったよ、さっきの……なんだっけネリチャギだっけ」
「うん、多分それ。……なんか三義、話し方が違うな」
「え?ああ……うん、こっちがホントのしゃべり方。いつもは猫被ってると言うか」
そう言うと経子は恥ずかしそうにこめかみを掻き、視線を逸らす。生真面目そうな印象から打って変わり、年頃の少女を思わせる口調に理仁はほんの少しだけときめいた。
「なんで猫被ってるの」
「うんとね、色々あって真面目な感じ?にやってるんだ。引っ越してきてからはずっとこういうしゃべり方で、家族以外に見せたのは君だけ」
「じゃあ、オレ……特別?」
「特別というか、転校生仲間+命の恩人な訳で……親友だね!」
「友達か、そっか、まぁ友達ね、了解。あとこれ携帯、取り返した」
「ありがとう!本当にありがとうね!」
そう簡単に縁が深まるほど世の中良くできていないし、そもそもコミュ障なのに夢を見過ぎである。理仁は割と真面目にあるのではないかと期待していた自分を恥じた。ようやく分かってきたのだが経子は距離感の詰め方が非常に緩い。急にぐっと近付いてくるものだから、きっと多くの男子を勘違いさせてきたに違いない。
「って、もう七時じゃん!? 速く帰ろう!」
「お前、誘拐されたって言うのに切り替え速いな……」
「もう解決したし!あと今日の事はみんなには内緒だからね?」
「言えるかよこんなの……まぁ良いか、とにか―――――」
「ひあ、ああ、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」>>839
耳をつんざく絶叫がどこからともなく響く。理仁と経子は同時に体を震わせ、今の悲鳴がどこから聞こえたのかと顔を見合わせる。経子はさーっと青ざめ、
「何、今の」
「オレにも分からない。それと今の声、さっきのチンピラじゃないか?」
「つまりどういう事?」
「だから、分からない……」
「ぎゃあっ!?」
「ひぃぃぃ!!」
また絶叫。気のせいか、どんどんと声は近付いてきている。理仁はようやくそれらが自分の足元、つまり廃ビルの下層からあがっている事に気付いた。現状は把握出来ていないが、下で想像も出来ない惨状が繰り広げられていると見て良いだろう。
と、急に廊下から騒がしい足音が聞こえたかと思えば、誰かがドアを蹴破りスイートルームへと飛び込んできた。理仁が散々踏みつけた男だ。全身が血まみれで、よく見れば左腕が無い。理仁の傍らで経子が「ひっ」と声をあげた。
男は涙と鼻水で顔をぐちゃぐちゃにしながらも空いている腕でドアの鍵を閉め、ずるずるとその場に崩れ落ちた。理仁が慌てて駆け寄ると肩で息をし、
「け、警察だっ!警察を呼んでくれ、頼むっ!」
「落ち着け、何が……」
「化け物、化け物だよ!みんな殺されちまった、警察呼べっ!」
恐怖を顔に貼り付け、左腕から血を垂れ流しながら男は必死に理仁へ掴みかかり懇願してくる。掴まれたワイシャツにべっとりと赤黒い血の跡がつき、理仁は息を呑んだ。男は血の海でも進んできたのか?
「け、警察だね、分かった!」
呆然とする理仁の背後では、なんとか正気を取り戻した経子が携帯で警察を呼ぼうと試みている。市外だが事情を伝えれば急行してくるだろう。けれど理仁は安堵するどころか、ドアの向こう側から聞こえる不気味な音に背筋が粟立つのを感じていた。
べちゃり、べちゃり、べちゃり。何かが、歩いてこの部屋に近付いている。理仁が視線を落とすと床に座り込んでいる男の顔がみるみる内に青ざめていく。>>840
「き、来た!来やがった!! みんな殺される!!」
「だから落ち着け、静かにしろ。三義もだ」
「っ……」
べちゃり、べちゃり、べちゃり。足音はどんどんスイートルームへの距離を縮めていく。そこで理仁は自分の判断が誤りであったと痛感した。男の引きちぎられた右腕から流れる血は、恐らく最下層からこの四階まで続いているに違いない。そう考えれば襲撃者が何処を目指しているかなど、考えるまでもないだろう。
「くそっ!」
慌ててその場から三義の元へと駆け出す。呆気に取られていた男の頭上、木製の扉を何者かの腕が突き破った。鱗がびっしりと生えた爬虫類じみた肌の襲撃者はそのままドアを引き裂き、男の頭蓋を鷲づかみにする。
「あ!?やめ、やめて、助けてくれ、おい、助けてぇ!嫌だぁ、やめてくれ、ぎゃあ」
「三義、見るな!」
頭蓋が割れる音。ただそう表現するしか無い歪な音。頭部を失った男の死体が床に倒れ伏したかと思えば、ドアが僅かに開かれ血まみれの腕が死体の足を掴み廊下へと引きずり込む。続いて、肉を噛む水音を含んだ咀嚼音が聞こえた。襲撃者は死体を貪り始めたのだ。
「う、う゛ぉええっ」
目を覆うのが遅れ、一部始終を見てしまった経子がたまらず吐瀉物を床にまき散らす。理仁は咄嗟に小さな体を抱きしめ、少しでも落ち着かせようとするが鳴り止まない咀嚼音がそれを阻んだ。
(何だ、何が起きてる。外にいるのは、なんだ)
不運な事に今理仁に『手持ち』は無い。使う予定のない、そもそも一生使う予定が無かったアイテムだ。今頃部屋の押し入れで眠っている事だろう。理仁には徒手空拳しか残されていない訳である。襲撃者がどれほどの力を持つのか全く分からない状況で怯えている経子を守りつつこの場を抜け出す、果たして可能だろうか。
咀嚼音が止まった。どうやら襲撃者は死体を全て腹の中に収めたらしい。ぶち破られたドアの穴から、襲撃者は部屋の中を覗き込んできた。
爬虫類、そう称するのが正しいのだろうか。理仁が知る限り蛇でもなければトカゲでもない、それでも確かに爬虫類のソレに酷似している。けれど同時に間久部理仁という人間はぎょろぎょろとした目で見つめてくる襲撃者を、心の底から拒絶していた。あってはいけない、認識したくない、そんな警鐘が脳内で鳴り止まない。なんだあれは、本当にこの地上に生きる生命体なのか?>>841
「なに、あれ」
震えながら経子がぎゅっとしがみついてくる。理仁だってぶるぶると震えたい、悲鳴をあげたい。それほどに襲撃者は奇怪で、形容しがたい。それでも己が折れてしまえば誰が経子を守ってやるのか。そんな気持ちが彼を奮い立たせていた。
襲撃者、否、怪物は穴から理仁と経子を見つめながらドアを開けた。身長は二メートル近く人型、のれんをくぐる様にゆったりとした調子で屈みながらスイートルームに足を踏み入れてくる。薄暗い室内でもはっきりと分かる頭から爪先までびっしりと生えた鱗、鋭利なかぎ爪、やはり爬虫類のソレだ。ただギザギザな歯を覗かせる口元から足下まで、絵の具でも塗りたくった様に血まみれだ。
「っ……」
「……」
経子を守る様に構える理仁とは対照的に怪物は首を傾げて、目の前にいる獲物を観察する。少なくとも急に襲ってくるという事はなさそうだ。
「三義、オレが時間を稼ぐ。その間に外へ出て助けを呼んでくれ」
「そんなの、う゛ぅ、無理だよ。間久部君が死んじゃうよ」
「心配しなくて良い。オレは……強いから、良いな? どのみちここにいたら二人とも殺されるぞ」
最後の言葉が効いたのだろう。経子はまた吐き戻しそうになるのを堪え、渋々頷いた。となればもう後はやるしかない。理仁は経子から離れると、怪物へと一歩踏み出した。
「?」
怪物が首を傾げる。獲物が自分から向かってきたのを奇妙に捉え、その行動を真似る様に一歩踏み出す。血まみれの爪を擦り合わせるその様子はまさに捕食者と言うべきか。理仁の全身がビリビリと緊張で引き締まる。
部屋の端にいる理仁と入口にいる怪物、その距離は二メートルほど。一〇歩もしない内に双方の間合いに入る。
一、二、三、四、五、六、七、八、九、一〇。
爪が、光った。目にも止まらぬ速さで怪物が右腕を振るう。これまで理仁が出会った猛者達を遙かに上回る速度で、一撃で獲物の命を刈り取らんと爪が迫る。常人ならば首が跳ね飛ぶ痛みさえ感じずに死ぬだろう。ただそれはあくまでも常人ならば、である。>>842
「―――――?」
怪物が首を傾げる。既に何度も命を奪ったであろう右腕の薙ぎ払いが掠りもせず、空を切った事に戸惑っている。理仁は人間離れした速度で爪を躱し、怪物へと肉薄していた。
(喧嘩に『強化』を使うなんざ、初めてだ)
理仁の身体能力を通常より高めたチカラ、名は魔術と言う。子細は省くが彼は己に『強化』の魔術をかけ俊敏性を底上げ、俊敏な一撃を回避してみせたのだ。そして『強化』が影響を及ぼすのは速さだけではない。
がら空きの腹部目がけ、理仁はブーストされた一撃を叩き込む。体表の硬度がどれほどのものかは図っていなかったが、イケるという確信が彼にはあった。予測通りと言うべきか、怪物は強烈な一打を受け、巨体を揺るがせるどころか廊下まで見事に吹き飛ばされる。
「よし、三義行くぞ!」
「え!? なんで抱きかかえるのぉ!?」
この機を見過ごすわけにはいかない。理仁は経子をお姫様抱っこし、スイートルームから全速力で脱出する。窓があればそこから飛び降りていたところだが、ラブホテルという事もあり狭苦しい。
「■■■■!!」
思わぬ反撃を受けた事で怪物は理仁を獲物から敵対者と認識し、背後で不気味な鳴き声をあげた。すぐに追ってくるだろう。
理仁は駆けた。とにかく速く、一階まで、建物の外まで。何度も怪物の声を聞きながら。
ロビーに辿り着いたのは十数秒後の事であった。事前に経子に何も見ない様に、と告げていたのは間違いではなく、見るも無惨な鮮血地獄が広がっている。人であったナニかが散らばり、血なまぐさい激臭に鼻がイカれそうになる。>>843
「……ん?」
足を滑らせないように外へ出ようとした理仁は不意に違和感を抱いた。あの怪物一匹だけでそれなりに広いロビーを真っ赤に染め上げる事など出来るのか。最初の悲鳴からそう時間は経っていないはずである。
「いや、まさかそんな」
予想は、的中した。外に続くホテルの出口に、いつの間にか怪物が佇んでいる。回り込まれたかと思えば背後からも怪物の声が聞こえた。
(二匹、いるのか……!)
「間久部君?どうかしたの?この臭いは、何?」
「何でもない、そのままでいてくれ」
前方からの一体を防ごうにも背後からも襲われる。両腕は経子で塞がっており、下ろす時間も無い。下ろすにしても無防備な彼女では殺されてしまう。
積んでいる。あと一歩というところで、理仁と経子は怪物に喰われる。
(考えろ、考えろどうすれば!)
怪物はゆっくりと理仁へ距離を詰めていく。逃げ場も無く、絶望感に理仁の脳がじわじわと侵され―――――
「ふぅむ、なるほど。何やら騒がしいと思えばこれは一体何事だ?」>>844
声。凜々しく、それでいて荒々しい声。朔月学園の廊下で、理仁はこの声を聞いた。出口に立つ怪物の背後、声はそこから聞こえていた。何事かともう一匹の怪物が振り返った瞬間、その醜い顔面へと『彼女』は見事なフォームで強化された跳び蹴りを叩き込んだ。
「■■■!」
「なっ……」
「全く!今日は満月、色々あってこれからの闘争に昂ぶりを抑えられず夜の散歩をしがてらちょっとした隠れ家になるんじゃないかと顔を出してみればどういう状況だこれは!間久部理仁!お前が抱えている少女、血まみれのロビー、そして得体の知れないモンスターが二匹……よもやよもやだ!」
新幹線で出会い、学園で再会し握手までしたライオンの如き少女、名は……
「洲甘、柳花!」
「名前を覚えていたか、良し。状況説明は出来そうか、いや出来そうにないな。確認だけしておく、このモンスター共は敵で良いんだな?」
「ああ!もう五人殺されている、間違いなく敵だ!」
「間久部君!?何!?」
「であろうな。そしてお前はこいつらから逃げようとして通せんぼを受けていた。絶体絶命、万事休す、崖っぷち、カタストロフ!そこに私か」
「■■■!」
「アンサズ!」
突然の襲撃に困惑しながら跳び蹴りを食らった怪物が咆哮をあげ飛びかかる。しかし柳花が宙に何らかの文字を描いた瞬間、爆炎がその体躯を覆った。魔術だ、理仁の記憶が正しければ宙に描かれたのはルーン文字、彼女はルーン文字を用いた。洲甘柳花は、理仁と同じ存在なのだ!
「ふむ。手持ちのルーンでは殺し切れそうに無いな」
想定内だがな、と不敵に微笑む柳花。爆炎が直撃したにも関わらず怪物は僅かに体表が焦げた程度、負傷させたとは言い難い。>>845
「初陣がこれとは少々……いやしかし、悪くは無いな。悪しき敵を討つは輝ける剣の役目だ!」
「おい、来るぞ!?」
様子見をしていた後方の怪物も合わせて、二匹の怪物が前後から同時に柳花と理仁目がけて襲いかかる。しかし柳花は不敵な笑みを崩さず、己の左肩に手を置きこう叫んだ!
「―――――来い、セイバーッ!!」
爆発が起きた。周囲一帯の大気が柳花を中心に吹き荒れ、怪物をはねのける。理仁は吹きすさぶ風の中で少女を守る様に剣を手にした戦士の姿を目にした。
血の海にありながら白銀の鎧は穢れを祓う輝きを放ち、携えた刃は曇り無く怪物の醜い体を映す。なんと、なんと眩き事か。汚濁に差し込んだ極光に理仁は言葉を失い、呆気に取られた。
「良い、良い反応だ間久部理仁。これが我が剣ッ、我が盾ッ!行くぞセイバー!勝利を我が手に!!」
「ォォォォォォォォ―――――ッ!」
柳花の咆哮に合わせ、裂帛の気合いと共に剣士は怪物へと斬りかかった!>>847
絶妙なタイミングに登場+セイバーのマスターとは、これは主人公の風格……>>847
うーんチンピラたちのインガオホーみよ
そして窮地に馳せ参じる洲甘はまさにヒロイック
オラワクワクして来たぞ!コテいじってないや自分です
>>860
こちらとしては普通に逸れるとかでどちらにも当たらなかい展開になるだろ、って思ってたので、意表突かれましたね。>>757
これは良いナイスミドル…!イケおじ版マルタさんみたいな感じですね。カッコいい
強敵とぶつかって無意識のうちに獣のするような笑顔を見せそう
>>779
怒らないから、言ってごらん?()
>>803
正気を酒気によってぼんやりと失いながらも一線は絶対に越さないところにフェリーぺさんの主人公補正が強く表れていますね。やはり主人公はこうじゃないと…!
そして酔うと凄いのはどこのヒロインシールダーも変わらないのだな…かなりヤバい状況の中でも普段落ち着いたキャラたちの酔い具合は笑ってしまいます
>>831
ガレスさんのリタイアは辛くも早速第一関門を突破!それでいて最後のルーさんの呟きなど不穏で気になる要素も多数あって続きが楽しみになります
>>847
平和な日常の終わりは唐突にして残酷なもの…ですけど、チンピラの三下とはいえ死に様は相当グロテスクですね…
そして洲甘さんの登場とセイバーの参上が立て続けでどちらも格好がいい!引として強く印象に残るものがありますね!>>862
虚数海洋の後に書こうと思う特異点があるんですけどそこに出るサーヴァントがこんな感じなんです……
「我が名はランサー。真名をジャバウォック。我が名と我が力に賭けて、貴方の剣となることをここに誓おう」
【元ネタ】史実、ルイス・キャロル『鏡の国のアリス』『ジャバウォックの詩』
【CLASS】ランサー
【真名】ジャバウォック/Jabberwock
【異名・別名・表記揺れ】チャールズ・ラトウィッジ・ドジソン、ルイス・キャロル
【性別】男性
【身長・体重】178cm・78kg
【解説】
イギリスの児童文学作家。
かつてブリテンに存在した異界『不思議の国』において、竜種ジャバウォックを討った英雄(モノ)
竜を倒したものは竜となる―――その法則に漏れず、男もまた竜となった。>>856
やはり御伽噺、昔話系は総合的な知名度水準高いですよね。長靴を履いたネコは名前は有名ですけど、ストーリー全体の浸透率は低そうですしアルトリアみたいな雰囲気がしますね
>>857
その中では世界規模だとアームストロングさんがぶっちぎりですかね。たぶん、アームストロングさん自身の名前は知らなくても「月面着陸」の写真知っているのもカウントされるでしょうし
>>858
自分は車を運転しない人なのでクリスティさんが高そうだと感じます。ミステリーの女王は伊達ではありませんね
作家勢は、自分の著した作品の知名度もプラスされるのが強い。シェイクスピアほんと強い
>>859
サタンはもう、一つの神話の大悪役みたいなもんですからね。しかもその神話も世界規模…の、原型ですし
デイヴィくんは日本より海外の方が知名度高そう…だけど、「海坊主」「船幽霊」もカウントされるならサタンと確かに比肩するかも?
>>860
ツタンカーメンはあの像がエジプト文化の一般的なイメージになってますからね…赤ずきんも、言わずもがなといった感じ。面構えが違う
>>863
マグラダのマリアさんは海外での知名度がトップクラスなんでしたっけ?神話雑魚なので彼女よりもユダさんの方がピンと来てしまいますがシンデレラと一寸法師と桃太郎
>>864
あー…あー、あー?………あー!?あー!!()
ドジソンさんが、ドジソンさんがジャバウォック!?ドジソン=ジャバウォック!?アイエエエ!?
興味深すぎて動悸がドキドキ案件です…これが不思議の国のアリスでどうなるんだ…
>>866
確かに…!ティラノサウルスとか超有名生物ですからね…
なるほど…福井か…
>>867
童話…童話パワー…強すぎる…!
>>868
ライオンさんは中々にマイナーな所をついてきていますからね…ウィンチェスター夫人も、自分ここ来るまで知らなかったし…
>>869
実際ディズニ◯って偉大ですよね。彼の会社がなければどれだけの童話が知られなかったか…
>>870
………自分がパイレーツ・オブ・カリビアン見てないんでそこら辺はなんとも言えませんね…ワンピースも読んだことないし…【氏名】ユビュ・(中略)・ルレタビーユ・ソレソ
【性別】男性
【年齢】30歳
【出身】フランス
【身長・体重】177cm・65kg
【肌色】白(白人)【髪色】アリスブルー(インクブルーのツートーンカラー)【瞳色】インクブルー
【スリーサイズ】//
【外見・容姿】トラッドスタイルの男性
【令呪の位置】左手。奇妙な連字のような紋様
【属性】中立・善
【魔術系統】修辞(エクリチュール)
【魔術属性】文字
【魔術特性】翻訳、省略
【魔術回路】質:A 量:B 編成:異常(起源覚醒に伴い、修辞に偏向)
【起源】文字(起源覚醒済み)>>881
【魔術・特殊技能・特性など】
『起源:文字』
ユビュの起源。生来的な覚醒者。
この起源の影響により、ユビュは生まれながらに「文字」に対して強い共感性を持っており、“世の中を「文字の断続的な集合」と見ている”。要は、“世界を構成する個々の要素が「情景」ではなく「文字」として見えている”。
故に「文字」があるのが彼にとって「当然のこと」であり、新しい「文字」を習慣的に求めている。しかし、世間一般でいう「活字中毒」とは「文字」の見方が違っており、その在り方はむしろ“「ビブリオマニア」や「ビブリオフィリア」が近しい”。
ユビュの話し方はこの起源の影響か癖が強く、頻繁に“”が出てくる。これは本人無自覚だが聞けばわかるもので、ユビュが「会話の中で最も主張したいこと」が入る。それは、「覆しようのない真っ白な真実」であったり「覆いようのない真っ赤な嘘」であったりすることが多い。
『修辞(エクリチュール)』
ユビュがその起源を以て編み出した独自の魔術。
物質の概念を構成する「文字」の列に干渉し、モチーフとした修辞法を使って実体に影響を与えるもの。
統一言語に似通った空気があり、突き詰めていけば根源への到達もやぶさかではないかもしれない。但し、本人にその気はない。
「文字」という起源覚醒者であり、「文字」という特殊な魔術属性を有し、その生まれより世の中が「文字」或いは「文字列」として見えてきたユビュくらいしかこの魔術の理論は理解できず(しかも、彼はこれを学的にではなく感覚的に理解しているため他者への教授ができない)、仮に魔術協会に彼が属していたなら一発で封印指定案件にされた代物。
なお、留意点として内部に触れたことを述べるならば、これは言霊とは違う。既にある「文章」に対して、「書き手」または「読み手」として術者がさらに概念となる「文章」を追加したり余分な「文章」を削除したりするのが言霊の系統だが、修辞はというと、まず術を描ける対象は「文章」ではなくそれを作る「文字」の群列である。そして、「添削」のような形で「文章」を改変していくのに対して、こちらは“文章は変えず、文字の並びや飾られ方などを変えることで意味を異なったものにする”というのが修辞の肝。要は「言葉遊び」の鷹揚のようなもの。
先述の通り術式にはそれぞれモチーフとなった修辞法がある。現状は以下の通り。>>882
『アナグラム』
修辞のうち、最も初歩的且つ汎用性の高い術式。文字の並びを弄ることで、物体に全く別の意味を刻む。
例えとして、ここに2016年製のサブマシンガンがあるとする。これは純粋な「現代技術」を用いて作られたものであり、そこに一切の「神秘」は含まれていないものとする。要は市販物。知れた話であるが、「現代技術」では「神秘」に歯が立たない。悪霊、使い魔、幻想種、英霊、魔術────そういったものを傷つけるにはそれに並ぶ「神秘」が必要であり、それを持たない「現代技術」は役に立たない。魔術師が技術を見下す原因の一端もここにあると言えよう。
そんなサブマシンガンに、「アナグラム」を使用する。この際、術者であるユビュはそのサブマシンガン(サブマシンガンという武器についてではなく、“その”サブマシンガンについて)を、最低でも製造年や製造者などはある程度理解していなければならない。
ここで、サブマシンガンの「2016年製」というところに目を向ける。そして、ここの文字列を弄り、「2016年製」を「0126年製」とする。当然、二桁以上の数字の時頭に0は付かない。そのため、0が自動的に消え、「126年製」が残る。これにより、そのサブマシンガンは「2016年製のサブマシンガン」から「126年製のサブマシンガン」に成った。
当然ながら、西暦126年の人類にサブマシンガンを製造する技術はない。「126年製のサブマシンガン」などというのは、あるはずのないオーパーツ────「神秘」なのである。それこそ、その時代の「神秘」と張り合えるほどの。
しかしながら、固有結界よろしくそれは世界にとって「異物」ないし「矛盾」。隔世が激しいほど「神秘」は濃くなりそれだけの力を持つことになるが、その分世界からの「排除」が早くなる。2020年製のライフルを0022年製のライフルにした場合、どれだけ速くとも一発撃つだけでライフルは「排除」され跡形もなく消え去ってしまう。この時ライフルを霊にしたが、これが刀剣であったり棍棒であったりした場合はもう少し「排除」までのスピードは遅くなる。>>883
また、この「矛盾」が世界に看破されるのは「修辞」によって加工されてから実際に「道具として使用された時」であり、それまでに「道具の使用」に当たる行為(刀剣ならば「鞘から抜く」、銃ならば「引き金に手をかける」等)をしなければその「神秘」は発露しない。
ユビュはこれを仕事に使い、大量の「異物」を生産し販売、或いは加工している。本来ならとんでもないものなのだが、使ってしまえば遅かれ早かれ「排除」によりあったという痕跡が消えてしまうため、解明や調査などは進んでいない。進まれてたらとっくに止めているが。
『アクロニム』
頭字語、略語とも。「文章」を形成する「文字」の頭文字を繋げていき、一つの「文字」とする。代表的なものは「UFO(unidentified flying object)」など。
魔術基盤を知る魔術の詠唱に対して使うことで、詠唱にかかる時間を大幅に短縮することが可能。
但し、ユビュは魔術の世界に身を置く者ではなく、魔術基盤が理解できてもその魔術を回路の異常性から使えない。つまり他者の扱う魔術への支援術式なのだが、詠唱の短縮は出来ても魔力は通常分必要で、ユビュの方も詠唱を略してからずっと持続的に魔力を支払わないと短縮した「文字」はすぐに元に戻ってしまう。また、略語を使う者はアクロニムという術式を知っていなければならない。ユビュ本人が略語の使用許可を出していない場合も扱えない。
基本的に、治癒魔術などで傷を治してもらう時などに使って早期治療を促す。>>884
『バクロニム』
逆頭字語とも。アクロニムの反対、派生術式で、既に略されている「文字」に新たな「文章」を規定することで、違った効果を齎す。代表的なものは「SOS」など。
アクロニムによって作られた略語に対して使用可能。加工された詠唱をさらに加工するというもので、魔力消費はかなり激しい。そして、違った効果というのも元の効果から大きく逸れたものではなく、例えば治癒魔術に使用した際は「傷をいやす」から「傷の進行を止める」くらいまで、つまり“傷をどうにかするという範囲内でしか変えられない”。何ならニュアンスの違いでしかないようなものもある。ついでに言うと、他者が使用する時の制約もアクロニムと同じ。
不便な印象を受けるし実際使いどころが少ないが、「だからといって全く使えないというわけではないだろうし」とユビュ本人はそこまで否定的ではない。見栄を張っているだけかもしれないが。
『カリグラム』
「文字」の並びを変化させ、何らかの絵を描くことで視覚的情報を付与させる。フランスの詩人、ギヨーム・アポリネールが造った。
魔術基盤を知る魔術の詠唱に対して使うことで、「文章」中の「文字」の並びを変え図画とし効果を増強することが出来る。現実の物体にも使用こそできるが、すぐに世界からの「修正」で元の並びに戻される。
詠唱に使う場合は制約はアクロニム、バクロニムと変わらない。しかし、魔力消費を振り切る形で「アナグラムを使用したサブマシンガンにカリグラムを施し、さらにレトロニムを使う」というユビュのような潤沢な魔術回路をもってしてもぶっ倒れてしまいそうな荒業を行うことで爆発的な火力を生成することも叶う。これまでの人生で一回もしたことはない。
ちなみに、この際の付与された視覚的情報を魔術回路を持つ者や「文字」に纏わる異能、起源などを有する者は認識できる。ぼやっとしたオーラのように見えるが、紛れもなく「文字で成った絵」という判断を下せるものとなっている。>>885
【礼装・装備など】
【外見・容姿の詳細など】
寒色系のトラッドスタイルに黒縁のボストン型眼鏡をかけた男性。
大きなケースを持っているが、中は形状変化性質のクッションに包まれた大型の銃(大抵はマシンガン)が入っている。他にもジャケットの裏などに連射可能な拳銃を二挺、ナイフを数本隠しており、そのため常に厚着気味。
【人物像】
垢ぬけたスマートな外見とは違って俗っぽく三枚目なタイプ。
安全と安心とほんの少しの裕福のために夢と希望と情熱を捨ててきた。夢と希望と情熱に燃え生きる若人を見ると、懐かしむような、悲しむような、励ますような、曖昧な微笑みと一緒に遠くを見る。
イメージカラー:インクブルー
特技:書芸、断捨離
好きなもの:仕事のない日、文字、エッグベネディクト
苦手なもの:お酒(弱い)、主語のデカい話、梅干し
天敵:始皇帝
願い:纏まったお金が欲しい>>886
【一人称】オレ 【二人称】貴方、君、アンタ、お前、○○さん、○○君、○○ 【三人称】彼、彼女、アイツ、○○さん、○○君、○○
台詞例
「はいはい、武器商人ユビュ・(中略)・ルレタビーユ・ソレソ。何をお求めで?」
「オレは商人であって、“戦闘員じゃありません”。連れて行くんなら、出来る限り安全を保証してくださらないと…」
「嘘はね、文字の並びが笑えるくらいに“醜くて空しい”んですよ。……言いたいこと、お分かりになられましたか?」
「はぁー、やだヤダ。そんなデカい話しないでください。もっとこう、“オルフォイス的”にいきましょうよ。起きて飯食って動いて飯食って寝る。“それで良い”じゃないですか」
「オレは、買い手に危険を冒して欲しくて武器売ってるわけじゃないんです。…“金をもらうためにやってるんですよ”。金をもらえば売るもんは売りますが、お客のその後なんて、知ったことではありませんね」
【来歴】
フランスのとある中央高地に位置する都市に看板も立てず店を構える武器商人。
武器商人とは言うが、元々の生まれは何と言うこともない一般家庭で、生まれもっての起源覚醒者であるが、自身の異常性を理解しながらもそれに苦しむこともなく過ごした。
転機となったのは8歳のころ、両親が交通事故に巻き込まれる形で死亡し遺物の整理をすることになり、父の書庫に入った時。奥の方から、一冊の本────魔術の研究を記した「魔導書」を見つける。>>887
というのも、実は彼の家は曾祖父の代まで続いていた錬金術を扱う魔術家であり、祖父の代に一般人として暮らそうと決めるも名残惜しさから記録となる魔導書は残していたということである。
それを読み、幼いユビュはファンタジー、空想、紙上の存在であると今まで思っていた魔術がこの世にあるのだと知り、幼心から自分もそれが使えるようになりたいと望むようになった。それからは、身寄りのないなりに親の残した遺産でやり繰りしつつ、学校に行く傍ら魔術について魔導書を頼りに習得しようと模索した。
しかし、励めど励めど魔術は使えない。しばらくして彼は自ら「自分の起源が何で、それに既に覚醒しているから起源に纏わらぬ魔術は使えないのだ」と魔導書の熟読中に認識。それでも魔術への憧れは尽きず、使えないのならば使える魔術を自分で作ってしまおうと決意。己の起源の彩度明度を高めていき、遂に、錬金術のような王道さには欠けるものの独自の魔術「修辞(エクリチュール)」を14のころ編み出した。
編み出したからにはどこか何かで活用したくなるもので、またそのころ遺産が残り僅かになってきたのもあり、「修辞」を用立てられないものかと、叶うなら飯の種に出来ないかと画策。
魔術と縁がないために働き口は簡単には見つからずにいたが、生活費を保つために学校を中退し年齢を詐称してバイトを始めようとしていたころに折よく「わけあって魔術師に対抗する力を欲する男性」と出会い、武器の加工のために雇われることになった。
男性は恨みを持つ魔術家に復讐をしたいが、神秘の力を持たぬ一般人であり、ユビュの魔術はそんな男性にとって喉から手が出るほどのものであった。男性はユビュに大金を支払い、ユビュも復讐の場に復讐の邪魔をしないことを条件に連れていってもらえることとなった。彼にしてみれば、少しでも魔術について知るための社会見学のような感覚だった。>>888
しかし、ついて行き、憧れは儚くも潰えることとなる。
その魔術家は黒魔術を扱う家で、屋敷には数々の無残な屍骸が転がっていた。悍ましい姿のキマイラが闊歩し、人道を踏みにじるかのような道具たちが散乱する、地獄のような様であった。
悪寒と吐き気に苛まれているうちに男性の「復讐」は終わっていた。男性はユビュの魔術を高く評価し、同じような境遇にある同志たちにユビュを紹介した。
その後、ユビュはひっきりなしにやって来る多くの「魔術に対抗したくても出来ない人間」に雇われ、武器を加工し、「復讐」の対象の魔術家について行った。「魔術」というものを知った。
「復讐」されるような家を見ていったから仕方のない部分もあるが、それでも数多くの「復讐される魔術師」を見て、ユビュは魔術というものの、魔術師というものの実情と陰影を痛いほどに理解していった。魔術師になるという夢は、「修辞」を使う度に、武器を買い手に手渡す度に失せていった。
ユビュを取り巻く「復讐者」たちのネットワークは膨大かつ緻密で、ユビュの方から出向かずとも、看板など設けずとも客はのべつ幕無しに訪れ武器の加工を頼む。収入は上々、扱いも悪くない。ブラック企業なんかよりもよほど良い暮らし。
だが、20をとうに越したユビュは思う。“もっと安心安全で安定した生活を送りたい”と。“魔術の世界と縁を切りたい”と。思いは、誰に届くこともなく、届けることもないが。
【性格】
「文字」という起源に目覚めているために世の中を纏まった、連なった形(縦割り、横のつながりなど)では見ず、あくまでも個々の存在が作るものとして見る。個人主義で事務的、生い立ちもあってそこそこクレバー。商人気質と言えば良いか。
しかし、根っこの感性は一般人よりなので「ほどほど」「安心安全」「安定した生活」を願い、元は自ら望んだこととはいえいつ追われ恨まれ殺され、或いは人を殺.すことになるか知れない武器商人という境遇から抜け出したいと思っている。しかし、一般社会で働くのと現状とではどう睨んでも現状の方が仕事も多く収入も豊かであるため「安定した生活をするための貯金作り」と自分に言い訳をして現状の日々を送っているのも事実。>>889
希望的観測やスケールの大きな夢などは子供が語っている程度なら気にもせず生暖かい目で聞き流すが、それを生涯かけて追っているような「虹追い人」は巻き込まれたくないので敬遠する。
詩や文学は好きだが、その好きの基準たる感性は「物語」や「文章の丁寧さ」などは見ずひたすらに“「文字」の並び”を見る。それも、「文字」を意味を持つ「言葉」として認識せず先ず「文字」という形を持った概念として認識し、その形の良さや面白みから評価する。大意や物語性の吟味はその後。それゆえ、文章力や読解力は並みかそれ以下。
ちなみにやけに長ったらしい名前についてだが、これは「仕事でヘマした際、その都度ケジメを付けるためにしている」ことで、ヘマ一回につき一つ姓名にあたる名前が増える寸法。最初期の頃にできたものが多く、最近は減ってきた。「文字」を重視するユビュにとって、「改名」ほど重大なケジメの付け方はないのだろう。
【行動規範・行動方針】
聖杯狙い。巻き込まれても「これは好機」と勇み足。
人殺しは(少なくとも本人は)しない主義だが戦闘の際は割りと躊躇なく攻撃できる。あくまでも目的は脱落のための無力化なので、せいぜい「大病院のベッドに縛り付けられる程度」にしておくつもり。
巻き込まれた人間がもしいるなら、「敵対行動はしない」「最終的には自主脱落する」という条件付きで保護はする。人情と常識はあるので、下手なことしなければ反古にはしない。
民間人巻き込みや人質など悪辣な行為はしないが、それを補えるだけの素力と能力はある。銃の腕はあくまで「反動でひっくり返ったり振動で筋肉痛になったりしない」くらい。身体も動かせるが、聖杯戦争のような場ではあってないようなもの。>>890
【参戦理由】
足洗いたい。魔術とすぱっと縁切って悠々自適に暮らしたい。そのために大金欲しい。
【サーヴァントへの態度】
他の人間と大して差はない。先ず「文字」で認識するため。
理想の高い「虹追い人」にはやや冷たい。否定こそしないが、連帯責任やマスターとしての連携、思想の共有は殆どない。それが、“叶った後の見通しのないもの”なら特に如実。
それ以外には売り手と買い手の関係とほぼ変わらない。節度を持った親睦の深め方をする。本人からはその程度だが、ユビュのことを理解した上で友人などといった関係を求めてくるならば別、かもしれない。
【役どころ・コンセプトなど】
非現実に失望し現実を生きたいのに、その非現実でのほうが生きていける皮肉な奴。
解説役にもサポート要員にもツッコミ役にも常識枠にも。ペレスこそこそ話
弓陣営のコンセプトは「レオン(ジャン・レノ主演)」「擬似父娘」「if伏黒家」「ヤモトサンとカギサン」
>>899
ジャバウォックを殺した悪竜現象発現アリス!からの初代ジャバウォックルイス・キャロル!的な……
あと824に特異点の続きが
ペレスも更新してますー皆さんご感想ありがとうございます。個人的にかなり挑戦的な性能ですので、おかしいところがないようで一安心。
>>893
中々インパクトのあるお話ですね…自分はいいと思う(画像略)むしろフェイバリットですのよ!
起源覚醒者って起源由来の魔術特化だろうなぁというイメージで作りましたの
>>894
統一言語関係はうまくつかめずにいますが、言霊が通じるならこういったものも有用なのではないかなと
同じ動作ではなく物を表す起源の士郎とは違って、そもそも「文字」って戦闘系の概念じゃないですから…それでも覚醒すると強力なもんですよね
>>895
ですねー。自分は結構起源依存なキャラが多い(キャラの個性の土台として便利すぎる)ので、それから離れたいなとは思うんですが…
>協会から神秘の秘匿を守ってないと見なされないかと
実は世界から排除された場合固有結界よろしく跡形もなく消えるので秘匿は出来てると思うんです…それも存在丸ごと消えますので、痕跡追おうにも追えないし
>>896
これを主軸として生まれたので、そう言っていただけると嬉しいです…!
あー、IF黒野さん…何か書いてみたいですね。死体漁りしてるわけだし、そこに遭遇する、とか?
黒野さんに対しては多分ユビュは「せっかく日本なんていう超平和な国の人なんだしまだ若いんだからそんなこと止めて帰国しなよ」って思うでしょうね。経歴を知ったならなおのこと。ユビュにとっちゃ銃刀法があって戦闘員非戦闘員の区別がしっかりしている日本ほど住んでみたい国もなさそう>>897
あら嬉しい。お言葉に沿えるように頑張っていきたいですわ
>>898
当然偽名ですが、ミドルネームの多さは仕事内での失敗の多さです。気にしいではありますが、根っこは武闘派ではないのがわかりますね()
起源覚醒者なんていう非現実的な出自であるがゆえに…
>>899
少年漫画の何かを真似たくなるのわかる…(NARUTOの印を組んでた人)
「文字」起源らしく説明の長い人。そのくせ本人に文才も読解力もないというお察し案件
>『心の本の挿絵が全部AAになってる』
むしろ『挿絵の風景を構成する物体が全部文字』なんていう設定画かラフ画みたいなもんかもしれません。画像みたいな感じで
ついでに偽名です。これは「非現実の自分と現実の自分を分別するため」であったり
>>900
あら照れる。この熱意がうまく文にできるように努めたいです
ノタリコン…テムラ―…調べてみたらすごいそれ…カバラは未開拓でしたので衝撃ショッキング。参考にさせていただきます>>862
本家シールダーがあんなだったので、こっちも負けずに描写してみた結果こうなりました
ちなみに描写しきれませんでしたが、聖エウラリアはというとずっと黙々料理を食べてました
後々の展開でこの辺のくだりを補完しておく予定
>>902
>ユビュ「せっかく日本なんていう超平和な国の人なんだしまだ若いんだからそんなこと止めて帰国しなよ」
IF黒野「悪いな。そう言ってもらえるのは感謝するけど、生憎もう日常側(カタギ)には戻れないんだ。戻った所で、迎えてくれる家族もいないしな」
多分こんな感じで返すでしょうね
第一回では家族の存在で正気に立ち返った黒野ですが、逆に言えばそれがいなければどこまでもドツボに嵌まるタイプなのでところで唐突で何ですが、秋特異点SSの続きが書けたので今投下してもよろしいですかね?
IF黒野くんを非日常に引っ張り来んだ嘘塗れ野郎(クッチー)にはどんな反応するんだろうユビュさん。
>>905
よくてよついたので上げます!日本刀が宙を舞う。
打ち負け、弾き飛ばされたその一刀はしばらくの間抗うように空中を回り、一拍の間をおいて地面に突き刺さる。
それを見届けたのを最後に、将門たちは腰を下ろした。
「――ここまで、だな。見事だ、お前たち。よもやこの面子を揃えて敗北を喫するとは」
未練も言い訳もない、完全な敗北宣言。堂々たるその立ち振る舞いは、かつて武人として生き抜いたが故の矜持が為せるものか。
大嶽丸やスルトも、口を挟む事はなく黙って敗北を受け入れる。……せめてもの意地か、視線を合わせようとはしていなかったが。
一方、手放しの賞賛を受け取ったフェリーペ達はというと。
「ぜぇ、ぜぇ、はぁ……」
「今度という今度こそは……本当に……もうダメかと……」
「う、動けません。もう、指一本も動かせないです」
「うう……皆を叱る余裕さえない……」
見事なまでの満身創痍だった。
いかに人数面で勝っていようと、相手は極東と北欧でそれぞれ名を遺した反英雄たち。その地力は圧倒的であり、戦っている合間も必死で食らいついていくのが精一杯というのが実情だった。
そんなフェリーペ達を見て、将門は苦笑する。>>909
「やれやれ。これではどっちが勝者か、分かったものではないな。……いや待てよ? ここまで追い込めたのだから、これはもう実質我らの勝ちでは?」
「――消えかけながら言えるこっちゃねえだろうよ、旦那。その肝の太さだけは天晴れだけどな」
「……ようやく……退場……もう、うんざり……」
「ああ、全くだ。悪魔だか魔王だか知らねえが、他人に弄ばれるなんざ鬼の名折れにも程がある。あの野郎、もう一度現界できた時は覚えてやがれよ――」
大嶽丸とスルトが先に消え、後には将門のみが残される。
その顔に無念などはなく、どこまでも清々しい男の笑顔に満ち溢れていた。
「将門公……」
「そのような顔をするな、少年。これも戦、なれば勝者と敗者が生まれるのは必然というもの。お前達は全力で立ち向かい、我らもまた全力で迎え撃った。これ以上何かを重ねるのは野暮というものであろう?」
「――ああ! 分かった!」
「ならば良し。……さあ進め! 武者たらば、否、武者であろうがなかろうが、常に進み続ける事を忘れるな! 振り返りたいのなら、試練が全て終わった後にしておけ――!」
そう言い切り、平将門もまた消滅する。
同時にあれだけあった宴の諸々――酒樽や料理、敷物等――もことごとく消滅し、後にはフェリーペ達と酒気の消えた空間だけが残された。
「……後輩」
「行こう、センパイ。ここにはもう、何もない」
「ああ。それはその通りだ。けど」>>910
「?」
出発しようとしたフェリーペを引き留め、メンテーは至極真剣な顔で見つめ出す。
何か重要な事に気づいたのか。そう身構えたフェリーペだったが――投げられたのは、予想外の問いかけだった。
「その前に一つ、聞いておかねばならない事がある。お前――ヒュギエイアと、その。……ヤったのか?」
「「ぶふっ!?」」
「あ! それ、私も気になってました!」
フェリーペのみならず、ヒュギエイアまで反射的に噴き出す。
聖エウラリアはといえば、何故か興味津々と言わんばかりの顔で食い気味に目を輝かせていた。
「め、メンテーさん!? 一体何を」
「いや勘違いしないでほしい。別にアレだ、私はお前と後輩がナニをしていようと別に気にする訳じゃあない。そういう関係な訳でもないからな」
「で、でしたら」
「だが――それはそれ、これはこれだ。私はこいつの先輩で、こいつも後輩として私を慕ってくれている。で、あるならば。その……諸々に興味を抱くことはごく自然な成り行きだろう?」
「いやどの辺が自然!?」
「いいから答えろ! どこまでヤった!? あるいはまだなのか!?」>>911
何か地雷を踏み抜いてしまったのか、いつになく鬼気迫る様子で問い詰めてくるメンテー。
その様に本能的な危機を抱いたフェリーペは、話題を逸らすべく気になっていた事を口にした。
「そ、そうだマリアさん! マリアさんを探さないと! 確か、はぐれたままだったよな!」
「私ならここにいますよー」
「うわあっ!?」
ひょい、と。どこからともなくマグダラのマリアが顔を出す。
いつの間に近づいていたのか、ほとんど不意打ち同然な形で現れた聖女に全員が目を見開いた。
「ま、マリア様! じゃなくて、ルーラーさん! 無事だったんですね!」
「ええ。『少々』難儀なお人に絡まれはしましたが、この通り私は大丈夫です。それより」
「そ、それより?」
「私からも、気になりますね。どうやらいない間に思わぬ進展があった様子。情報共有も兼ねて、確認させてもらっても?」
言葉だけを切り取れば至極真っ当に見えるが、その目は聖女らしからぬ好奇心と興味に溢れている。
つまる所、彼女(マリア)もまた興味津々なのであった。
「一応言っておきますが、これはただの野暮ではありません。もしお二方が勢い余って一線を越えてしまったのであれば、倫理的な観点から説かねばなりませんし。ええ、要するに聖女としての務めです」>>912
「その通り。私も、先輩としての使命感から問いかけているのであって、別段深い感情や裏はない」
「絶対嘘だ! ひ、ヒュギエイアからも何とか言って」
進退に窮し、思わず関係者であるヒュギエイアの方へフェリーペは向き直る。
そして、当のヒュギエイアはといえば。
「……」
「あの。ヒュギエイア、さん?」
「違うんですあれは純粋な医療行為出会ってそれ以上もそれ以下もないといいますかそもそもあったところでお二人に責められるような事には及んでいないといえその前にじゃあほかにどんな手段があったんですかといやいや」
「ひゅ、ヒュギエイアさーん!?」
「――どうやら、じっくり話を伺う必要がありそうだな」
「ええ。皆様方も消耗しているようですし、ここは休憩も兼ねてお話をするとしましょう。ランサーもそれでいいですね!」
「は、はい! 私も大丈夫です!」
(あ。詰んだ)
かくして。それからおよそ三十分もの間に渡り、フェリーペは耳年増な聖女とセンパイにこってり問い詰められる事になるのだった。
……座に戻っただろう武者と大鬼、そして巨人王がいかなる気持ちで見ていたのか。それは知る由もない。うぅ……これから自分のページ内の【元ネタ】と【出典】に分かれているものを統括します……
昨今のムーブメントに対してやらねばと思いヒュギエイアのマイルームボイスを更新してみました
……需要ある?公式世界観に則った魔術用語
『螺旋館』
構成人数だけならば、時計塔をも上回る東洋最大の魔術組織
支部を『楼』という呼び方をし、建築物に何らかの形で螺旋の形状を取り入れている
思想魔術を扱う主だった二つの組織の一つ。大陸東方に根差す思想魔術は、基礎的な部分と魔術回路の概念を除いては、時計塔の西洋圏の魔術とは別物
2世が凛の武術を見て、思想魔術に造詣があるのか?と尋ねたので、武術絡みの術理を取り入れていると思われる
風水による土地利用に、現代的な機械操作も、時計塔に比べると使うことに抵抗感が少ない
『山嶺法廷』
思想魔術を用いる組織のもう一つ。現代社会に関わる思想魔術師は、ほぼ螺旋館に属するが、ごく一部の神代からの『盤』(現在詳細不明)への接続権を有する者たちがこの組織に属する
十官と呼ばれる正真正銘の仙人たちである幹部が上位に位置する
かつて神代の帝王・禹に封じられた経歴を持つ白猿ムシキは、追放される前は十官の一人であり、『盤』を製作した者たちの一人>>925
・時計塔の特許登録制度
登録された魔術の第三者の使用がされれば、登録者と時計塔に金銭が徴収される。時計塔の収入源のメインの一つ
霊墓アルビオンの竜体の目の位置に構えられた天文台で、霊脈に接続された礼装により、地下から登録された魔術式の使用を定期的に観測する
これにより、使用魔術の申告などしない人種である魔術社会で、特許制度が通用する理由である
しかし、アルビオンの天文台だけで、全世界のカバーはできないため、世界各地の主要霊脈に、真作には劣るが同様の機能を持つ礼装を設置している
時計塔が世界中に支部を持つ理由であり、かの組織は世界の土地の7割から8割ほどでは、正式に魔術利権を取り締まることができる
ルクスカルタ
上記の魔術観測礼装の一つであり、シンガポールから半径数百キロは見渡せる
しかし、シンガポールは時計塔の支部と螺旋館の楼が両方存在するため、使用には両組織の認可を必要とする
よかったら、wikiに加えてもいいでしょうか?第■回を更新してきました。
やっとまとまった時間が取れてなんとか形にできたんぬ…………(顔面蒼白土気色)>>926
いいと思いますよーこれまでのペレスの遍歴を纏めましたー。
弦さんヤバくてビビりましたわ。妖精属性持ちって、妖精のように羽とか持っているんだろうか……モルガンの実装が待たれる。
>>926
海外在住で読めない身としたら、こういう新しい公式設定を貼ってくれるのは非常に有難いです。>>930
うちのハクマでも縛りが強く影響出そうですよね。第4次冬木とかなら弦さんも実力を十分に発揮できそうです。青くなっている…ありがたい…貼りますね
絆1「私はサーヴァントでありそして医者でもあります。マスターである貴方はもちろん治療しますが、他にも体調が優れない人などいましたらどんどん連れてきてくださいね。はい?お尻にネギが刺さって抜けない…?え、ええと、それは私じゃなくても良くないですか?ダメ?はい……」
絆2「私は貴方を治す、貴方は私に治される。そういう関係である事は確かです。ですが……何度も怪我をしなくても良いんですよ?そんなにニッコニコで来られて困ってしまいます。変な病気にかからない様にしてくださいね?」
絆3「サーヴァントの霊器の修復……私の宝具でどこまで治せるのか自信ないですけどやれるだけやってみますね。……ここだけの話、サーヴァントにお医者さんなんているのか?と思ってました、はい」
絆4「あ、またそんな怪我して!早く座ってくださいっ。貴方は放っておくと何をするか全くわかりませんね。いっその事縛り付けてしまいたいくらいですよ!……割と本気ですからね?」
絆5「いつの間にか、傷ばかり。貴方という人は本当に駄目な人間です。いいでしょう、最期まで付き合ってあげます。あ、勘違いしないでくださいね、主治医としてです。……え、何を誤解しているのかさっぱりわからない?それは貴方、それは、それは……言わせないでくれませんかね!」>>934
会話1「医者は患者を待ちません。患者を救いに自ら赴くのです。いざ!」
会話2「私はサーヴァントであり、貴方の主治医です。困った事があれば相談してくださいね。……この仮面を外して欲しい?ふふっ、駄目です」
会話2(再臨3絆5)「いつの間にか仮面を外して当たり前の様に会話していましたね。仮面を付けていた理由?大した事ではありませんよ。なんか!付けていると!ミステリアスに見えるでしょう!?」
会話3「マスター、よく勘違いされますけど薬とは飲んでそれで意味があるなんて便利な物ではありません。人間の肉体が持つ治癒力、薬はそれを手助けしているに過ぎないのです。なので薬を飲んだらすぐ寝てくださいね。寝ろ駄患者、お前に言っているんだ私は」
会話4「はあ、そうですか、あの人がいるんですか。父親なのに反応が薄い?それはそうですよ、あの人は自分勝手な事をして死んだ。自業自得です」
会話4(絆5)「まだ……蘇生薬を諦めていないんですねあの人は。神の怒りにその身を焼かれながらも、それでもまだ抗っている。マスター、もしあの人に助けを求められたら……求められるかどうかわかりませんが……力を貸してあげてください。一人で突っ走られて死なれては迷惑ですので。私?私は何もしませんよ。何も、出来ませんよ」
会話5(ナイチンゲール)「ん?ん?待ってください。お医者さんならそんな殺伐な事言いませんよね普通。おかしい……医療行為と称して患者を叩きのめしている!」
会話6(アルゴー船関連)「アルゴー船の方々ではありませんか。実は私の父に関してお聞きしたい事がありまして、何かご無礼などは……特に無い?むしろ心強かった?そうですか、そうですか、ふぅん」>>935
会話7(ピロクテテス)「ははぁ、体臭を気にしてる、ええわかります、男性ですものね。色々と不便でしょう。まずちょっと臭いの方を確認して……にゃるふぉふぉ、ふぉれふぁふぁひかにくひゃい……あ、待ってください怒らないでください!ちゃんと用意しますから!最高の香水作りますからぁ!」
会話7(ヒポクラテス)
「えっとぉ、父の遠い子孫?なんです?あの人、全然そういう事する風に見えないんですけど。あなたはああいうタイプになっちゃダメですよ〜。は?プロテイン?体をもっと太く?あー……ええ考えときますはい」
会話8(ニムロド)
「万能の皮……それさえつけていればあらゆる外敵から身を守る事が出来るだけじゃなく回復効果まで?そういうアイテムを本当に必要としているのはもっとか弱い人々なんですけどねぇ。英雄だからこそ手にした、ってとこでしょうか。まぁそれは良いとして、ちょっとだけ貸してくれませんか?解析したいので」
会話9(フロールヴ)
「砥石に治癒能力、そして研げば魔剣になる。お医者さんいります?お薬なくても別に……風邪をひいたりする?サーヴァントが?ホント?ところで、その砥石貸してもらえませんか?それでハサミとか色々研げば作業な捗りそうな気がするんです。……ダメ?」
会話10(アクハト)
「癒しの雨、ですか。農作物を作るにしても雨は不可欠。そしてそれを自在に扱える…….うん、素晴らしいです。誰かを傷つけるのではなく誰かを救う宝具なんて素晴らしいじゃないですか!早速私の菜園に来てください!お花とか果物とかぐんぐん育つでしょう!」
会話11(エイル)
「北欧の戦乙女にも医療に従事する子がいるとは偉いですねぇ。なんて、年下みたいに扱ってるけど私より年上だったりもするのでしょうか。医療技術で負けてたりして……死者の蘇生が出来る?……まぁ何にせよ、これからも頑張ってくださいね!」>>936
会話12(チャンドラ)
「えーっと、気付け薬として使ったり即席の消毒液に用いたりしますが、本当にお酒で人を治すんです?どれどれ……なるほど確かにこれは良いですね。私もやってみようかな。……蘇生薬?不死薬?ああ結構です、すみません」
会話13(スヴィプダーク)
「ええと、要するにほぼ無敵なんです……?じゃあお医者さんいらないじゃないですかーーー!ひぃぃぃぃぃん!!!」
会話14(ジョン・ハンター)
「鼻がおかしくなりそうな、血の匂い。医者の?ええ、確かに優れた医療技術を有しています。ですが……マスター、もしこの先医師が必要になるのならば彼ではなく私に回してください。申し訳ありませんが、あの人は信用できない」
会話15(プシュケー)
「メンタルケアの最高峰って感じですね。私のお薬も精神に作用するものはありますけど、貴女の宝具はもっと効果的だと思います。よければその翼、調べさせてもらっても良いですか?」
好きなこと「甘いものとか好きですよ。自分へのご褒美としてたまに食べます。現代ではどんな甘味があるのでしょうか?」
嫌いなこと「薬を飲んではいおしまい、って言う駄目な患者、通称駄患者ですね。マスターは駄患者にならぬ様に」
聖杯について「どんな願いも叶う願望器、私が願うとしたら……薬、どんな病からも人々を守れる薬ですね」
イベント開催中「おや、何やら騒がしい。こういう時は予期せぬトラブルからの怪我が多々あります。急行しますよ、マスター!」
誕生日「誕生日おめでとうございます。お祝いと言ってはなんですがお薬をあげます。マスターだけに作ったとっておきです!」>>937
霊基再臨1「再臨するとちょっとだけ豪華になるんですね。あれ、仮面まで外れてる。服装も変わっていますがちょっとこれは、生地が薄くありませんか。体型がモロに見えて……服の上からでもわかる腹筋が素敵ですね?そう言われるとちょっと嬉しい、訳ないでしょうが!あーもー!」
2「見た目は変わりませんね。……あ、下心見え見えですよ、と一応注意しておきます」
3「どうですかこの眼鏡。私のスキルを補助してくれるだけでなく知的な印象を与えてくれる、まさに叡智の結晶ですね!」
4「さぁて、それでは今日も診察を始めましょう。貴方の諸々は既に把握しています。まさに丸裸!何があっても、絶対に治してあげますからね!」
召喚「キャスター、ヒュギエイア。これより貴方の主治医を勤めさせていただきます。……あの、一応確認しておきますけど実はアスクレピオスを呼びたかったとかじゃありませんよね?大丈夫?ほっ……じゃなくて、しっかり管理させていただきます!」恐らく完全版になると思われます
イラストがつくと想像しやすくて色々捗りますわ本当に!お久しぶりですー。
とりあえず開戦くらいまでのお話を本戦の方に投げて来ましたんで確認よろですー
今回は比較的短いよ!やったね!メレクさんと四方のお話を書こうとしているけどびっくりするくらい会話が盛り上がらない…!
まぁ、話盛りあげられるキャラじゃないもんな…そりゃ…
>>904
黒野さぁん…!ある意味彼も日常に立ち戻れなくなった人…なんですかね…
>>906
歪んだろくでなしとは思うでしょうが、深入りはしない性分なんで特には…
あ、でも妹さんについてで「行動で表そうったってアナタじゃ碌なことにならないでしょうから正直に言葉にしなさいな」って言うかも。これはかなり真心からの言葉ですね
>>914
ま、マグラダのマリアさん…っ
あれは医療行為だから恥ずかしがることではないけれど、やはり乙女としては恥ずかしいですよね。人工呼吸とかそんな感じヴッッッ(新鯖に撃ち抜かれた)
今度のイベント、地味に無言で驚愕させられた。
ネタバレ期間が過ぎたらハダリーのセリフにそれ関連でも追加しようかな?>>947
おお!いや良かった。最近レスしてないのでちょっと心配になって…。
今週のジャンプを読んだ結果「獣胎憑霊法のマスターは画皮的な生態のスライムマスターで色んな場所で色んな魔術師スタイルで活動する便利枠にしよう」とまだまだな構想を練り練る。今週の逃げ上手の若様読んでると将門公の騎射描写増やせばよかったと残念に思うほど、小笠原さんが格好良かった。与一とか弓使いを書くときはもっと弓の描写を頑張りたいな。
>>942
創作でも見かけますよね、口移しでの医薬品摂取
緊急時の非常手段であって、ワイセツは一切ない。多分>>952
でもあれでホラーマニアって意外性や人間味があって面白いと思いますし。
ふむ、「映画鑑賞(最近はホラーもの)」とかも良いかもしれません>>949
調略や欲に塗れた世界を見てきてしまったがために生じた擦れを体現するような言葉…どう対応させようかなぁ。結構四方としてもドキッとする言葉なんですよね。
> 夢女子さんたち狙える玉ですか
狙えるに決まってるじゃないですか!
朗らかそうな少年だけど精神は世馴れた大人の男性(探索者経験あり)って時点で私としてはそういう需要マックスです。しかも邪神云々でのキャラチェン付きと来た。でも奥さんと幸せであって欲しいのでポジションは攻略できない系ネームドモブ枠。末長く幸せであってくれ…
どうでもいいことだと思いますがイメージCV小林裕介氏です
ぶっちゃけ脳内に乙女の存在する我が身としてはこのイラストだけで今後半年分の飯食えそうなレベルなんで上半期生きていけるはマジなんすよ()
>>951
四方とのは今のところルナちゃんと遊んだときルナちゃんが離席して、その間びみょーに気まずい中で…みたいなのを想定してます用語集を更新しました。アルビオンの解説も、用語集から飛べるようになっているはずです
ロドモンのカリスマをいじりました
「陽キャのカリスマA
陽キャ達にしか許されない特別スキル。カリスマAに加え「陽キャ」属性に更に追加でバフを付与する。
……実際ロドモンが嘘をついているだけで本当はカリスマEである」
あとプロフィールにも追加しました
「実は陽キャの様に振る舞っているが心の底では自分をとことん卑下しており、精一杯自分を強く見せようとしているに過ぎない。マンドリカルドが隠に見えて陽ならば、ロドモンは陽に見せかけた隠なのだ。ここぞと言う時だけ足がすくみ、英雄になり損ねてしまう。敢えて動かなかった、など虚勢を張ってその場を切り抜けるが大抵は人が見ていないところでしょぼくれている」wikiの自鯖をちょっと整理したい……どれか削除したいと言ったらどのキャラか表明しといた方がいいですかね?
>>959
なるほどイメージCV小林裕介さんか~~~!>>972
ページ削除するならアリウムさんに頼む形になるでしょうし、公表はしといた方がいいかも?>>979
大体そんな感じ ギャグマンガ日和!>>978
じゃあちょっと違うか。いやすいません。忘れて下さい。ぶっちゃけロドモンのキャラ書いた時はいけるかこれ?となったんだけどあとから清少納言見てこれかあー…こういうのかー…という気持ちが投影されていつの間にかロドモンはチャラくもありそれでいて情けなさが生まれる様になった
けどいいよねプラマイゼロ!心機一転だね!>>982
将門も刀を落とした時点で負けとしているし、彼らの士気の低さはフェリーペたちの勝因に含まれるでしょうね。(しかしよくよく考えてみると普段から平均20レス前後のシナリオ量で投げてるから感覚麻痺ってるけど、6レスも十分多い方なのでは?)
>>963
それ考えるとメレクは相当な強運だよな、と。(話を合わせられるぐらいには嗜んでおくか、程度の感覚で手を出したらホレスを召喚するよりも大分前に自分から沼に飛び込んだ)>>971
わーいわーい!ありがとうございます!
普通に話に登場してくるうちの人間の中では(無限人蓑祐輝除き)火力も防御も最高数値ですからね>ロバート
今あの話の背景含めた設定をまとめてるので、多分そのうち同じことまた投下すると思うんですが、ひとみののスタイルは『腹くくってよく見える目で見て、ノックバック無効ダメカ状態で突っ込んで防御無視の右手か左手でぶん殴る』、以上。みたいなやつなのです。
どういう状況でアルテミシアさんと出くわしてケンカが始まることになるのかがもっとも読めないのですが、どういう展開になるか楽しみにしております!
>>985
わしまる1日、50レス以上かけて人蓑祐輝の紹介用短編投げてんやぞ
前も聞いた気がするけれど短編って、どんだけの長さから短編やねんなもうようわからんようになったわ>>988
あー、それはですね……どちらかと言うと「普通に話に登場してくる」って部分にかかってるんです。
あのじいさんが出てくるって言うのはもうストーリーの即時終了を意味するので、盤面が崩壊してお話が終わっちゃうんです。
そういう、「存在がストーリーをねじ曲げるキャラクター」が四天王を作っていて、そのうちの一人がウィリアム・アドスクエア=エーテライトなんです。
でも人間扱いされてないって言うのはあのじいさんはもうヒトじゃないので間違ってないです。
しょ……初太刀でしにそうなのですが……!?
ビビって目を瞑ると即OUT、目を逸らしても即OUTなので普通にびっくりして普通に吹っ飛ばされちゃいますよ…………!??>>989
なるほど………えっ、四天王ってことはあと3人ぐらいそういう枠の方がいらっしゃるんですか?
それはですね……予告で匂わせというか割と明言してたのでネタバレではないんですが「ひとみの君が特定の条件」を守れなかったら英雄が殺しに来て事件当初にループするいわゆる「死に戻り」がひとみの君に付与されているので何回かOUTになる前提なんですねぇ
「何回かは対応しきれんだろうがまあ最悪でも二桁に上れば避けれるだろ」とかいう考えで矢を射ったり剣を振ったりする英雄強化ブートキャンプ
同じように他の17歳男子も何かしらの規約を違反した場合それぞれ刺客が殺して死に戻りさせるシステム埋めついでに自キャラで某死神漫画のポエムを
小鳩「産まれ堕ちれば、死.んだも同然」
七海「変わらぬものは心だと、言えるのならばそれが強さ」
蓮見「不幸を知ることは怖ろしくはない。怖ろしいのは、過ぎ去った幸福が戻らぬと知ること」
弦「一歩踏み出す、二度と戻れぬ、三千世界の血の海へ」
ケニングフォーク「この世のすべては、わたしを追いつめる為にある」
ツタンカーメン「ぼくはただきみに、さよならを言う練習をする」
パウサニアス「生きることと生かされることに違いはない。死.ぬことと殺されることに違いが無いように」
クラムボン「伏して生きるな、立ちて死すべし」
河上彦斎「人を美しいとは思わないけれど花を美しいとは思う。人の姿が花に似るのは、ただ斬り裂かれて倒れる時だ」
東洲斎写楽「人が希望を持ちえるのは、死が目に見えぬものであるからだ」
ペレス弓陣営「誇りを一つ捨てるたび、我等は獣に一歩近づく。心を一つ殺.すたび、我等は獣から一歩遠退く」
第1回乱入弓陣営「我等は、姿無くとも、歩みは止めず」
あとこれを特異点の彼女に
ガレス「魂燃え立つ。海に沈むとも」>>982
>一人に、決めないから
うーんぶっ刺さるこの一言
実際本気モードのこのメンバーに今のフェリメンパーティでは厳しすぎるものがあったので、勝てたのは相手側のやる気が少なからず関わってたり
つまりベルゼブブのおかげそういえばあの子の情報、今は24時間もう経っている扱いで大丈夫ですかね?
>>991
曹丕くんですかねやっぱり……何せ魏の初代皇帝ですし……
マスター勢としては司馬おじが一族当主だったりとかそれくらいかなと……1000なら鯖の絡み
各鯖鱒のキャッチコピーとかポエムとか考えてみます?
聖杯大会運営本部【リレー相談・雑談】#183
1000
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