>>15
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「で?しばらく風邪で休んでたって家の人にも言わずに?」
しばらくして落ち着いた玲亜は来野にたいしての事情聴取をしていた。無事であったと喜びはしたがいまだに疑いは晴れていない。そもそも偽物の可能性だってあるから喜んだこと自体が間違いではあるのだが
「そうそう。私急病で倒れて意識も朦朧とした上で適当に歩いてたみたいで途中で倒れて親切な家の人に看病してもらってやっと目が覚めたんだよ。それでやっと家に連絡してここに来たってこと。」
「いや流石にそれは都合が良すぎるっていうかそんな漫画の話じゃないんだからね」
「もー本当なんだってばトワちゃん!」
この来野の証言について玲亜は判断をできかねていた。
確かに不自然ではあるが内容として破綻まではしていない。加えて現在魔術師が紛れ込んでいるという状況だ。魔術師にとって一般人を巻き込んでしまった際は神秘の秘匿のために記憶をいじるということは珍しいことではない。今回の失踪の原因として魔術師を考えていたためこの不自然さについては納得ができる。しかし、魂食いを是とするような魔術師であるなら一般人を返すなどという穏便な方法はまず取らないだろう。そのたぐいの魔術師に巻き込まれていたとするならばそれは
(来野を戻すことで得があるということ…つまりは油断させるためや情報収集。)
であれば調べなければならない。本物か、あるいは危険な状況に来野が置かれていないかを。
聖杯大会本戦統合スレNO.3
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