聖杯大会本戦統合スレNO.3

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  • 1リドリー陣営2019/08/05(Mon) 23:47:42ID:QxMTg3NTA(1/2)NG報告

    ・当スレッドはTYPE-MOON様原作Fateシリーズを題材とした二次創作作品をでもにっしょん掲示板利用者により共同制作したリレーSSを掲載するスレッドです。
    ・作品、設定作りの相談。参加者間の雑談は「聖杯大会予選会場」をご利用ください。
    ・次スレは>>950、又は>>970を踏んだ人がカテゴリー「その他」に建ててください。
    ・投稿前に混線を防ぐため投下の宣言並びに名前欄に作品タイトルを記載して下さい。また、確認の上他の方が投稿中である場合は少々時間を置いてからにして下さい。
    ※現在進行中の「Fate/TV SHOW~アイランド編~」、「Fate/TV the "SHOWt"」の2スレッドは順次統合予定です。掲示板利用者の方々には大変ご迷惑をおかけしております。
    ・まとめwiki :https://fatetv1830.wiki.fc2.com/

  • 2橘亜衣&ミラーカペア【九終剣陣営】◆V6COUaXse62019/08/14(Wed) 09:17:10ID:Q5MDU0NDI(1/5)NG報告

    九終です。
    >前971
    敵サーヴァントが動く。
    木陰から飛び出し、セイバーへ斬りかかる。その一連の動きは、獲物に飛びかかる肉食獣の如き俊敏さと獰猛さを持っていた。
    対するセイバーは冷静に攻撃の軌道を見極め、一歩下がる事で回避した。すぐさま放たれる肉食獣の連撃も、華麗な足捌きや体捌きで躱していく。そして獣に生まれた隙へ、抉り込むような突きを以って反撃する。
    「おっと」
    だが敵もさるもの。ひょい、と斜め後ろへステップして剣の直線上から退避した。そのまま下がり続け、始めと同じように森の中へ姿を隠す。
    セイバーはそれを追うべきか逡巡するが、マスターから離れるべきではないと直感的に判断する。
    「マスター、お気をつけて。何があるか分かりません」
    「ええ」
    短いやり取りの後、セイバーは空中にルーンを刻み、主へと防護を施す。防げるのは数撃だろうが、何も無いより遥かに良い。

  • 3橘亜衣&ミラーカペア【九終剣陣営】◆V6COUaXse62019/08/14(Wed) 09:17:50ID:Q5MDU0NDI(2/5)NG報告

    >>2
    ルーンを刻んだ後、四方八方へと気を巡らせ、僅かな物音や違和感すらも逃すまいと感覚を研ぎ澄ます。
    すると、カサリ、という音が耳に届いた。瞬時に音の方向を向くと、細長い物体が飛来していた。殆ど反射的に、それを剣で払う。真っ二つに両断されたそれは、木の枝だった。
    飛来物の正体を認識すると同時、先程と同じ方向から、続けざまに枝が投擲された。そして、その標的はーーーマスターへと変わっていた。
    「っ!」
    いくらただの枝と言えど、サーヴァントの腕力で投擲されれば、人間にとっては充分以上の脅威だ。ルーンの防護にしても、そう何撃も防げるわけでは無い。
    故にセイバーは、迫り来る天然の凶槍を迎撃する。マスターへ流れ弾が行かぬよう、細心の注意を払いながら。
    ーーー十を超える数を撃ち落としたところで、投擲者の位置を把握する。
    敵は樹上。太い枝に乗り、何本もの枝を小脇に抱えている。
    そして更に数本を叩き、一つの考えを実行する為の力加減を把握。
    (ーーー少し、曲芸を披露してあげましょう)
    剣の腹を用い、テニスのように枝を打ち返す。打ち返した枝は、次に迫る枝を割り、真っ直ぐに投擲者へと飛んで行く。

    ルキウスさんにパスします

  • 4橘亜衣&ミラーカペア【stage前日譚】◆V6COUaXse62019/08/14(Wed) 09:20:20ID:Q5MDU0NDI(3/5)NG報告

    stageです。
    >前923
    彼が叫ぶ。
    縋るように、救いを乞うように、そしてーーー命ずるように。
    掲げられた右腕に、煌々とした光が灯った。その金色の光は次第に輝きを強め、電撃の様な音を放ち始めた。
    突如、光の色が変わる。
    ーーー神聖な金色から、邪悪な真紅へと。
    音もより激しさを増し、"それ"の出現を祝福する。
    ーーー右手の光が収束し、最後に一際眩い閃光を発する。
    騎士王を始め、この会場にいる多くの者が目を閉じた。そして、
    「来てくれたか……!クラレント!」騎士王の耳に、歓喜の声が届く。目を開くと、ヴィヴィアンの右手には一振りの剣が握られていた。赤い紋様の描かれたその剣は、騎士王にとって酷く見覚えのある剣だった。
    その剣を見た騎士王は、感情を無理矢理押し殺して呟く。
    「あなたは、そちらの味方をするのですね。ーーー"モードレッド"」
    押し殺された感情は、悲しみか、苦痛か。
    叛逆の騎士、モルドレッドを名乗る者。そして、今王の手を離れ、彼の騎士の元へ馳せ参じたクラレント。その二つが揃った光景は、騎士王に苦い記憶を想起させて止まない。一人、また一人と円卓から離れて行く彼等の、その背中を。

  • 5橘亜衣&ミラーカペア【stage前日譚】◆V6COUaXse62019/08/14(Wed) 09:21:10ID:Q5MDU0NDI(4/5)NG報告

    >>4
    そして、思考が駆け巡る。
    (嗚呼ーーー私はきっと、卿らの王に相応しくなかった)
    全力を尽くしたと、そう弁解することは簡単だ。なにせそう自負できるだけの事はした。だがーーーだからこそ、思ってしまうのだ。アーサー(私)以外の誰かなら、もっと上手くやれたのではないか、と。
    全力を尽くした結果、祖国ブリテンの滅びを止められず、護れた物など何一つとして無かったのなら、自身は王になど相応しく無かったのだと。
    "王は人の心が分からない"ーーー騎士の一人、トリスタン卿にはそう言われたと、ふと思い出す。
    (全くだよ、トリスタン。私は分かっていなかったんだ。何一つ、これっぽっちも)
    正直、今だってよく分かってはいない。私に何が足りなかったのか、何が悪かったのか。けれどーーー
    (分かっていない、ということだけは、分かったんだ)
    ならば、何かを変えられるかもしれない。いや、変えてみせる。
    その決意と、いくつもの後悔を胸に、私は欲したのだ。あの永い永い眠りにつく前に。
    ーーーもう一度、もう一度だけ機会が欲しいと。
    「さあ、アーサー!これで勝負は分かるまい!この剣はお前に終わりを齎す象徴だ!ーーーお前の"運命"で、お前を討つ!」
    啖呵を切り、騎士王の元へ飛び込むヴィヴィアン。彼の振るうクラレントを、王はアロンダイトにて受ける。
    太刀を受け止める王の表情は、強い意志に満ちていた。
    (今、私には機会が与えられている。王として再び、ブリテンの滅びに立ち向かう為の機会が!)

  • 6橘亜衣&ミラーカペア【stage前日譚】◆V6COUaXse62019/08/14(Wed) 09:22:10ID:Q5MDU0NDI(5/5)NG報告

    >>5
    本当に滅びを回避することができるのか。正しい道とは何なのか。その答えを、まだ自身は持っていない。故にまずはーーー
    (我がマスターの歩む道を、守って見せようじゃないか!)
    数瞬の鍔迫り合い。その後、力に分のある騎士王がヴィヴィアンを弾く。しかしヴィヴィアンも負けじと、自分から飛び退ることで態勢の崩れを最小限にした。
    続いて、騎士王がすかさず斬り込む。右手に握るアロンダイトで、横一文字に敵を断とうとする。ヴィヴィアンはそれを寸でで回避。更に後ろへ跳ぶ。
    しかし、騎士王はそれを見越していた。空いている左手に槍を呼び出し、敵の脚を抉るべく突き込む。ヴィヴィアンは皮一枚切らせて回避に成功。
    人間業では躱しきれない一突きだったはずだ。それを躱されたのならば、何か絡繰がある。
    (この舞台という空間、彼の騎士の名、クラレントの所有ーーーなるほど。モードレッド卿の力が少しばかり引き出されたとしても、おかしくは無いかもしれないな)
    今のヴィヴィアンには恐らく、英霊の力が僅かに憑依している。しかし、最早満身創痍の身体で、どこまで扱えるものか。
    「楽にして差し上げましょう。ーーー痛哭の幻奏(フェイルノート)」
    槍と剣を手放し、代わりに一つの武器を出現させる。
    それは弓のような形で、弓と呼ぶには奇怪な品だった。ーーートリスタン卿が用いた、竪琴の弓。この弓は、演奏するように弦を弾くことで、真空の刃を飛ばす代物。よく彼はこんな弓を作ったと、呆れつつも感心してしまう。そして、ここにこの弓を出現させられた事へ感謝の念が湧く。
    (いくら礼を言っても足りないな。こんな迷いばかりの、何もできなかった王へ、それでも力を貸してくれるなど)
    「ヴィヴィアン・ビリジアン。貴方は先程、我が宝具を愚弄した。その認識を改めさせよう。我が宝具ーーー『夜空彩る星の騎士』は、決して王の強権によって成り立っている物では無い。あの白亜の城に集った皆の、信念と忠義、人徳が織り成した奇跡だ」
    (そしてそれは、モードレッド。卿も同じだと信じよう。卿は卿なりの信念と忠義で以って、我が前に立ち塞がるのだとーーーならば、その忠義に応えよう。卿を凌駕する事で)
    王の指が、弓の弦を弾いた。

    以上です。委員会さんにパース!

  • 7ガイ・フォークス2019/08/14(Wed) 18:42:32ID:kzMjI5NTI(1/2)NG報告

    学校に着くと、突然たくさんの人に囲まれました。
    クラスのみんな、男子も女子も、見知らぬ先輩や後輩たちも。驚き半分、喜び半分といった様子で口々に、「大丈夫!?」「どうしてたの!?」
    私はわけがわからず面食らうばかりでした。

    「み、皆さんおはようございます!ちょっと、ええっと、風邪をひいて。もう綺麗に元気満々ですよ、お心遣いありがとうございます!」
    とりあえず挨拶。それから疑問を口にします。
    「・・・・・・それで、ええっと、何かあったんですか?」
    それだけで周囲からざわめきが起こりました。本当に何なんですか!
    ・・・・・・はっ!
    まさか、先日コンテストに投稿したネコちゃんの写真が休んでいる間に最優秀作品に選ばれて、私も学校のスターデビューですか!?練習しておいたサインをお披露目するときのようですね!

    「来野!!」
    「はい!すみません調子に乗りましたぁ!!」

    聞きなじみの鋭い声が飛んできて、私は飛び上がりました。
    声の聞こえたほうを見ると、レアちゃんとトワちゃんが人の輪を割って入ってきているところでした。
    久しぶりに会う親友たちの顔。これほど嬉しいところのことはありません。
    よくわからない状況にあって日常を感じられる人たちに会えたので、なんとなくホッとして、私は2人に向かって小走りで近づきました。

    「ふたりとも、お久しぶりです!いやあ、思ってたより長引いちゃって。レアちゃん、授業が始まる前にノートとかコピーさせて――」

  • 8ガイ・フォークス2019/08/14(Wed) 18:43:13ID:kzMjI5NTI(2/2)NG報告

    >>7
    伏神の続きです。
    以上です。レアさんにパス!

  • 9スルトちゃん&マグダレーナ陣営【トーナメント&第■回&stage】◆SOkleJ9WDA2019/08/14(Wed) 23:26:23ID:c2NTYxMzQ(1/11)NG報告

    フランス特異点回想シーン、投下します。
    最初の方は以前投下したものと同様のものです。

  • 10スルトちゃん&マグダレーナ陣営【トーナメント&第■回&stage】◆SOkleJ9WDA2019/08/14(Wed) 23:26:54ID:c2NTYxMzQ(2/11)NG報告

     王都近郊にある村に着いた俺は、村唯一の酒場に入る。
    此処は革命軍王都部隊との定期連絡用に設けられた革命軍アジト。
    いや、正確にはこの村自体に革命軍の息が掛かってるんだったな。

    「連れが一人遅れてくるから、二人分の料理と酒を頼む。ああ、安酒で構わない」

     前にデュマが言っていた通り、一番奥のテーブルでこう注文するという合言葉を使う。
    良い酒は王都に持ってかれて大半の地域には安酒しか残ってないのは周知の事実なのにわざわざ確認するのが合図だそうだ。
    そう心の中で確認している内に酒と、野菜のシチューと、肉団子が運ばれてくる。
    此処は王都に食糧を供給する為の村の一つ……故に、王国軍も簡単には滅ぼせない。
    だからこそ、小さいとはいえ肉料理を出す余裕はある。
    と、ここで扉が開いた。

    「来たか、寺田」

  • 11スルトちゃん&マグダレーナ陣営【トーナメント&第■回&stage】◆SOkleJ9WDA2019/08/14(Wed) 23:29:27ID:c2NTYxMzQ(3/11)NG報告

    「という訳で、あの醜女の思い付きでバーサーカーとして呼ばれたサーヴァント共は全て儂が斬った」

     寺田は相変わらず戦闘狂のようだ。
    その日の召喚を全てバーサーカーになるようにした女王によって、狂化によって長所を全て失ったイアソン等が喚ばれては王都で放し飼いにされたのもあるとはいえ、その日の内に全滅とはな。
    そう思いつつ肉団子を口に運ぶ……嗚呼、久しぶりの肉だ。
    何日か前に救った村で、青林檎と共にその日猟師が捉えた猪の丸焼きでもてなされたのが最後だったか。
    力を付けた所で、こちらも話をしよう。

    「こちらは、ハーゲンが敵将の小アイアスと相討ちになった。奴は王国軍でも有力なサーヴァントを次々と葬った猛将……武将としては俺のほうが強いとはいえ、惜しい奴を亡くしたものよ」

    「全くだ……うん?小アイアスなんて召喚されて……まさか」

     やはり、頭が切れる男だ。
    続けて話そうとした事にもう気付いている。

  • 12スルトちゃん&マグダレーナ陣営【トーナメント&第■回&stage】◆SOkleJ9WDA2019/08/14(Wed) 23:30:17ID:c2NTYxMzQ(4/11)NG報告

    「ああ、そうだ。マーシャルかガヌロンかは解らんが、王国軍もはぐれサーヴァントの勧誘を始めたらしい」

     革命軍の主力は俺達のようなはぐれサーヴァント……その一部が敵に回ればそれだけで革命軍は弱体化していく。
    それに、数が少ない代わりなのか女王が召喚するサーヴァントよりもはぐれサーヴァントのほうが強い傾向にある。
    故に革命軍は弱体化の一歩を辿っている。

    「それは……待遇に目が眩んだか」

    「そういう者も居るだろう。だが、中には革命の必要性がどうのとか、民には政治なぞ出来んとか……そんな言葉に踊らされた奴も居るだろうな」

    「世迷い言じゃな」

     その返事に苦笑し、酒を呷る。
    奴等の事を語るなら、酒でも呑まんとやってられん。

  • 13スルトちゃん&マグダレーナ陣営【トーナメント&第■回&stage】◆SOkleJ9WDA2019/08/14(Wed) 23:31:51ID:c2NTYxMzQ(5/11)NG報告

    「董卓でもまだマシだったと思える程に、この国は終わりに向かっている……だからこそ、新しい国が起こるのだ。それが駄目ならまた新たな国が……そうやってより良いものを目指すのが人の在り方よ。それが、解らんとはな……」

    「まあ、民を苦しめてころす事が目的の国ではな。だが、向かってくる奴全て儂が斬り伏せれば良かろう」

     ああ、こいつはそういう奴だった。
    張飛より頭自体は良くても、結論が大して変わらんとは……後で周りが苦労するぞ。
    だから、一つ助言しておこう。

    「もし、ああいう世迷い言をのたまう奴が居るならこう返せ、『この国に政(まつりごと)は存在するか?』とな。もしかしたら、道が開けるかもしれんぞ」

    「まあ、儂が覚えておったらな」

     まあ、大丈夫だろう。
    幾ら戦闘狂とはいえ、そこを間違える程愚かな奴ではあるまい。

    「さて、そろそろお開きとするか。生きてたらまた会おう」

     そして、俺達はそれぞれの戦場に戻った。

  • 14スルトちゃん&マグダレーナ陣営【トーナメント&第■回&stage】◆SOkleJ9WDA2019/08/14(Wed) 23:34:06ID:c2NTYxMzQ(6/11)NG報告

    以上です。
    時系列は王国側の回想シーンと同時期位。
    結局、このあと直接顔を合わせる事は無かったという……。

    乱世メンタルな関羽故にこんな結論。

  • 15レアの人2019/08/15(Thu) 22:50:27ID:kwNTYzMTA(1/5)NG報告

    >>7
    目の前にいるのはありえない人物だ
    だって写真だけを残して行方不明になったのだから

    (おかしいそんなはずはない…そんな都合のいい話なんてない)

    この世はいつだって弱者には残酷なのだから。
    まして魔術師に巻き込まれたのなら当然無事ではすまないはずだ。だから警戒しなければならない。これは罠だと思うから。だが自分の体は目の前の友人を力強く抱きしめていた。

    「来野!無事でよかった!」

    「わぶっ!レアちゃん痛い!」

    ああ…それでもこの数刻だけは素直に喜ぶことはしてもいいと自分に言い聞かせた。

  • 16レアの人2019/08/15(Thu) 22:51:09ID:kwNTYzMTA(2/5)NG報告

    >>15
    ―――――――――――――

    「で?しばらく風邪で休んでたって家の人にも言わずに?」

    しばらくして落ち着いた玲亜は来野にたいしての事情聴取をしていた。無事であったと喜びはしたがいまだに疑いは晴れていない。そもそも偽物の可能性だってあるから喜んだこと自体が間違いではあるのだが

    「そうそう。私急病で倒れて意識も朦朧とした上で適当に歩いてたみたいで途中で倒れて親切な家の人に看病してもらってやっと目が覚めたんだよ。それでやっと家に連絡してここに来たってこと。」

    「いや流石にそれは都合が良すぎるっていうかそんな漫画の話じゃないんだからね」

    「もー本当なんだってばトワちゃん!」

    この来野の証言について玲亜は判断をできかねていた。
    確かに不自然ではあるが内容として破綻まではしていない。加えて現在魔術師が紛れ込んでいるという状況だ。魔術師にとって一般人を巻き込んでしまった際は神秘の秘匿のために記憶をいじるということは珍しいことではない。今回の失踪の原因として魔術師を考えていたためこの不自然さについては納得ができる。しかし、魂食いを是とするような魔術師であるなら一般人を返すなどという穏便な方法はまず取らないだろう。そのたぐいの魔術師に巻き込まれていたとするならばそれは
    (来野を戻すことで得があるということ…つまりは油断させるためや情報収集。)
    であれば調べなければならない。本物か、あるいは危険な状況に来野が置かれていないかを。

  • 17レアの人2019/08/15(Thu) 22:52:01ID:kwNTYzMTA(3/5)NG報告

    >>16
    「レアちゃん?なんか難しい顔してるけどどうしたの?」
    「いえその来野の言ってることがどこまで信じていいのかってことを考えてたのよ。あなたの言うことって信用できないからね」
    「ガーン、ショック!ひどいよお!」

    来野が自身へ感情を向けたその時自身の魔術回路の一部を発動し押さえつけていた能力を発動する。この魔術は東雲家に伝わるものではない。玲亜自身がいつの間にか使えるようになっていた能力。自身に向けられた感情を感知して相手の思考を読む能力だ。しかし、この能力には欠点がある

    (うーん…やっぱり読めないわ。来野は対魔力が昔から高いのよね。)

    対魔力の高い相手にははじかれてしまうのだ。ノイズで声がまるで聞こえない状態というのが感覚としては近いと玲亜は思っている。

    (ノイズだけね…ただ…ノイズに混じって変な音も聞こえてるわね…ちょっと対魔力が下がってるのかしら?……近いのだと動物の唸り声…?)
    「レアー拗ねてるからフォローしないとまたしばらく来なくなるぞー?」

    都羽の声にハッと気づいてみるとどんどんと落ち込んでいく来野の姿があった。

    「もう冗談よ。まあ体調悪いなら気を付けなさいな。」
    「冗談にきこえなかったんだけど?」

    拗ねる来野。ああなんだかこの騒々しさがなつかしい。ほんの数日前のことだったと思うのにまるで数年も前のことのように感じる。とりあえずこの普段通りの感じからして偽物であるという可能性はないように感じた。あとは何か魔術で悪いことをされてないかの確認であるがこれに関しては自分が見るよりも監督役に任せた方がいいだろう。

  • 18レアの人2019/08/15(Thu) 22:53:00ID:kwNTYzMTA(4/5)NG報告

    >>17
    「まあまあそういわずに、そういえば来野。ちょっと耳貸して?」
    「ん?なにさ?」
    「そうそう、『放課後に教会にあなたは行きなさい』」
    魔力を込めて命じる。
    「……うん…わかった。……っとそういえば先生に呼ばれてたんだった!ごめんねレアちゃんトワちゃん。またすぐ後でね!」
    と暗示にかかった反応を返すといつも通りに戻り走り去っていく来野。
    「まあなんだ、元気そうでよかったね来野は。」
    うんうんとうなづきながら言う都羽。
    「そうね。」
    相槌を打ちながら次のことを考える。
    (軽い暗示をかけてみたけどあっさりとかかった。やはりこれは魔術師が化けてるということはないといってもいいの?でもとりあえず監督役に相談しないとね)
    「ごめんちょっと電話してくる。」
    そうして都羽と別れ携帯電話で監督役に電話をかける。
    「もしもし、ああ東雲のお嬢かどうした?」
    「さっき魔術師の手で行方不明になったと思われていた子が発見されたの。それで一般人の被害者としてその状態の調査と保護を申請するわ。放課後に教会に向かわせるから対応して。以上。」
    「は?おいちょっとま(ガチャリ」
    なにも反論をさせずに言いたいことだけ言って電話を切る。
    必要以上のことはあの監督役と話したくはなかった。
    玲亜の学園の長い朝はようやく終わろうとしていた。

  • 19レアの人2019/08/15(Thu) 22:53:30ID:kwNTYzMTA(5/5)NG報告

    >>18
    とりあえず学園朝パートはうちは終了です

  • 20ルキウス陣営2019/08/18(Sun) 08:57:35ID:EzNjQxNzA(1/4)NG報告

    うおおstageだぞー

  • 21ルキウス陣営2019/08/18(Sun) 08:57:49ID:EzNjQxNzA(2/4)NG報告

    >>20
    (青銅の乙女……青銅の乙女……)
    バーサーカー、タロスの中でそんなワードが駆け巡る。方喰のサーヴァント、アヴェンジャーはもうタロスに口を開く事はなく、ずっとマスターの傍らで無言を貫いている。
    (どったのタロスちゃん。どったのねぇ、どったの)
    (いえ、青銅の乙女、とアヴェンジャーは言いました)
    (うぅん言ったね。良いネーミングセンスだ、思いつかなかったよ俺……かぁぁ、咄嗟にクッキー出しちゃったけどもうちょっと段階踏むべきだったかなぁ)
    (マスター、乙女、だそうです)
    楽しげに語るカフカスに、タロスは上ずった声で言った。自身の中で、アヴェンジャーの言葉に対する返答が見つからない。
    乙女、確かにタロスという存在は女性として作られた。間違った表現ではない。青銅、それも確かだ。
    言葉にし難いむず痒さがあった。カフカスは何度もタロスの事を可愛いと言ってきたが、マスター以外の他人に面と向かって言われるのは、少しばかり感触が違う。
    (マスター、なんだかおかしな気分です)
    (どんな気分?)
    (とても、とてもムズムズします)
    (ふむふむ、人はそれを「嬉しい」と言う。タロスちゃん、嬉しいんだよ。人に褒められたのが)
    嬉しい、つまり、喜び。
    タロスを、恐ろしい機械ではなく女性と、乙女と認められた、その喜び。それがこの、ムズムズなのか。
    (乙女……嬉しい……私は嬉しい……?)

  • 22ルキウス陣営2019/08/18(Sun) 08:58:05ID:EzNjQxNzA(3/4)NG報告

    >>21
    「……彼女、固まっているが大丈夫か?」
    方喰が不安げな声色で尋ねてくるのも無理はない。カフカスの傍らに座るタロスは石像の如くピクリとも動かないだけでなく、双眸はじっと虚空を見つめたままでいる。時が止まっている、と言うべきか。
    カフカスはいやいや、と手を振り、
    「少しこのままでいさせてやってください。ちょっと、ホワホワしてるとこなんです。それより方喰さん、折角こうして同じテーブルについたんですからお話でもしましょう?たとえば、どうしてこの聖杯大会に出場したのか、とか」
    カフカスの問いに方喰は少しばかり口を閉ざし、
    「……特に、目的はない。息抜きでここに来た」
    「ははぁ、息抜きですか」
    「そういうお前こそ、目的はあるのか?」
    仮面越しに、方喰はカフカスを凝視する。得体の知れない道化師の腹の内を、探りたいと思ったのだろう。
    カフカスは頬を掻き、それから苦笑いする。
    「実を言うとワタクシも、方喰さんと似た様なものなんですよ。ああいや、方喰さんも息抜きなんていうんですから普段から大変なんでしょうけども。ワタクシ優勝してどうこうなんて考えてなくて……」
    「考えて、いない?」
    首を傾げる方喰にカフカスは頷く。
    「ワタクシ、ただのピエロですから。人を笑わせる事、喜ばせる事が大好きなんです。でも普通のショーだけじゃなく、もっと凄いショーもやってみたいなって。だから聖杯大会に出場して、サーヴァントと一緒にお客さんを喜ばせたいんです。なので、こうして大会に出場している時点で願いなんて叶っている訳なのですよ」
    「……分からん奴だ」
    かぶりを振る方喰に、そりゃそうだよな、とカフカスはまた頬を掻き、困った風に眉をへの字に曲げた。

  • 23ルキウス陣営2019/08/18(Sun) 08:58:30ID:EzNjQxNzA(4/4)NG報告

    >>22
    「ワタクシのショーでみんなが喜んでいる姿、好きなんです。子供が目を輝かせて、笑顔でいてくれる。ご両親に手を引かれながら、ショーのここが凄かったとか言いながら帰っていく。それを見ているとたまらなく嬉しくて。ちっぽけな事かもしれないけど、それでも誰かがワタクシのショーで元気になってくれるんだって」
    普段も饒舌だが、この時のカフカスは少し違っていた。つい熱が入って、自分の喜びと言うものを方喰にはっきりと表現したいと思った。それはきっと傍らのタロスが喜びに触れ、感情というものを確かに認識する姿を見たが故の行動だ。
    子供、ご両親。そう言っている時の方喰はほんの少しだけ、カフカスの話に耳を傾けている様だった。

  • 24愉悦部inクローディアァ!2019/08/19(Mon) 22:59:52ID:AzMTM3NDE(1/10)NG報告

    「ハァ……、ハァ……!」

     森の中、幼い少年が逃げている。そう、これは過去の夢だ。私――、ゲルトラウデ・アーレがサーヴァント:ライダーの過去の夢を俯瞰して見ている。
     その少年は自らの身を襲った不可解としか言いようがない現象に混乱しながら追手から必死の思いで逃げていた。齢にして10歳ほどか。
     事の発端は彼が先ほどまで東ローマ帝国の宮廷で人質として過ごし始めていたことに起因する。人質である以上死なれては困るし、狭苦しいとはいえある程度の保証を得て軟禁生活をしていた。ふと。そう、なんでもなく扉を開け中に入った先がい面森の中というものであり、自らが入ってきた扉も跡形もなく無くなり、途方に暮れながらも森に出て街道に出れば誰がしかにここが何処なのかを教えてもらえるだろうと当てもなく彷徨っていたところを野生の狼の群れに遭遇した、というだけの話。
     これでも王子として剣の手解きは受けていた、はずだった。しかし、異様に強い狼達に負傷を許し、逃走を余儀なくされていた。

    「どうして、どうして僕がこんな――、うわっ!?」

    ぬかるんでいた地面に足を取られ、近い狼達の遠吠えを青ざめた顔で振り返りながら保々の体で木の元まで這いずり、とうとう包囲されてしまう。

    「ッ……!――、――?」

    飛び掛かられ、もはやこれまでかと頭を押さえたものの、少年はいつまでもたっても来ない痛みに疑問を抱く。そして。

  • 25愉悦部inクローディアァ!2019/08/19(Mon) 23:00:47ID:AzMTM3NDE(2/10)NG報告

    >>24
    「おい」

    声が聞こえ、顔を上げる。

    「生きてるか。坊主」

    半ば白髪が生えている壮年の男が狼達を瞬く間に切り倒していた。それに対し、なんとか返答を返し、差し出された手を取り、握り返す。

    「それで、お前さんの名前は何なんだよ。小奇麗な身なりをしておきながらあんな森にいるなんてなぁ」

    「……僕を、本当に知らないのですか」

    ひとまず野営を取り、火の番をしながら男が問いかける。

    ここがベルンであると知って、自分の父が治めている国であり、聞いた話ではまるで知らない他人が治めていることを知って。ならば、と。ここで法螺話にしかなりはしない本来の
    名を明かした所でより信用されなくなるだけだ。なら。

  • 26愉悦部inクローディアァ!2019/08/19(Mon) 23:00:58ID:AzMTM3NDE(3/10)NG報告

    >>25
    「……ディートリッヒ。それが僕の名です」

    「――はぁん。ま、いいさ。行く当てなんざないんだろう?なら俺の所に来るがいい。最も、ただで面倒なんか見る気は無いが、な」

    眼鏡の奥で瞳を細めながら何やらほくそ笑むように口元を緩めながら自らの元に来ないかと誘いをかけた。

    ――これが、一つ目の運命。

    「ん……」

    眠気を覚ますように声を上げながらゲルトラウデは目元を擦りつつ上半身を起き上がらせる。

    (朝から嫌な夢を見た……)

    かつて失ったものを取り戻そうとするのではなく、縁を切る為に聖杯を求める。理解が出来ない。
    昨夜喰われた肩を擦る。止血をし、専用の塗り薬を処した程度で本格的な治癒魔術などはしていないが、今はこれで十分。
    さて。今日はどう行動するか――。

  • 27ルキウス陣営2019/08/21(Wed) 22:55:39ID:g5MTk3ODg(1/5)NG報告

    >>3の続き行きます!

    「ひひひひひひ、ひぃひひひひひ!」
    笑みが止まらなかった。腹の底から湧き出すこらえきれない衝動と欲望が、声となってアサシンから漏れだす。
    森林に潜むその体躯は、ヒトのカタチこそとどめているが実質獣のソレに等しい。まるでそれが本来の形であるかの様に四つん這いになりながら、アサシンは自分めがけて飛んでくる木槍を素手で掴み取ってみせる。
    「ひぃひひひひひ、ヒャハハハハハハ!弾きやがったなオレの槍ィ!おもしれぇ、おもしれえじゃねぇかよォ!」
    アサシンにとって、自分以外の全てが獲物と言えた。壊し、犯す。彼からすれば他人とはそのまま「自分とは違うナニカ」でしか無い。だから壊す事に少しの躊躇も無いのだ。
    木々の合間を駆けながら、マスターである少女を守りながらアサシンの攻撃を受け続ける敵サーヴァントを見据える。獲物からしてセイバーであろうという事は察せられる。
    「ひひひぃ、健気だなぁオイ!マスターを守る為にそこから動かねぇのかよ!でもよゥ、それってつまるところ、か弱い女の子を助けにくる正義の味方でも現れねぇ限りよォ!」
    木の幹を足場に跳躍。セイバーの頭上を飛び込えつつ、研ぎ澄まされた木槍を投擲する。セイバーはまたこれを剣の腹で受け止め、アサシンへと弾き返してくる。
    「ずゥッとこうしてよォ!俺様にマスター狙われながら戦わなきゃいけないんだぜぇ!楽しみだよなぁ、テメェがマスター守り切れなくなるその瞬間ゥ!」
    また、槍が弾かれる。返答一つせず、鉄面皮を貫き通すセイバーにアサシンは舌打ちしつつも、このままでは自分も危ういという事に苛立っていた。
    こうして槍を投げ続けても、膠着状態が続く。ジリ貧となれば、セイバーがいつ畳み掛けてきてもおかしくは無い。
    「アアァ、早くぶっころしてぇなテメェら!特にその後ろで縮こまってる女が特にィ!柔らかそうな身体してるじゃねぇか、真っ赤に染めてやりてぇなぁぁ!!」

  • 28ルキウス陣営2019/08/21(Wed) 22:56:05ID:g5MTk3ODg(2/5)NG報告

    >>27
    畳み掛けるのなるば、それはセイバーが先であってはいけない。戦いの主導権を得ねばならないのは、地形を利用して戦えるアサシンだ。
    持っている槍を全て投擲してセイバーの気をそらし、その隙に地上へと降り立つと、アサシンは傍らの樹木の幹に腕を突き刺した。
    「ギギギギギィィィィ!!」
    獣の咆哮と呼ぶべき絶叫をあげながらアサシンが力を込めると、大地に張られた根は容易く引き剥がされ、5メートルはあろうかという木は即席の槍となった。
    サーヴァントに筋力をもってすれば、樹木程度ならば容易く引き抜ける。高ランクの怪力クラスを持っていれば尚のことだ。
    「死んじまえよォォォォォオォ!!!」
    マスターを守るべくセイバーがアサシンの前に立ちはだかる。だがアサシンからすればどちらでも良い。このジリ貧を打開するに必要なのは驚きと、焦りと、そして勢いなのだ。
    細身からは想像もつかないほどの力強いフォームと共に、アサシンは木槍をセイバー目掛けて全力で投げつけた。
     

  • 29委員会【onSTAGE&島狂代行】◆O0PRisauvg2019/08/24(Sat) 13:26:25ID:U3MjY1NzY(1/9)NG報告

    アメリカ合衆国ネバダ州スノーフィールド市を舞台にした第一回聖杯大会の続きで御座います。長々とお待たせしました

  • 30委員会【onSTAGE&島狂代行】◆O0PRisauvg2019/08/24(Sat) 13:28:49ID:U3MjY1NzY(2/9)NG報告

    アメリカ合衆国ネバダ州スノーフィールド市で行われる聖杯大会、その模様を複数箇所、リアルタイムの映像が壁一面に設置されたモニターに映し出されている。
    今も聖杯大会運営スタッフが30人近く詰め込まれ中継映像の選定や各所への対応などに追われている。
    そして多くの人間がサーヴァント同士の異次元の戦い、その趨勢を見守る中、唐突な着信に誰もが面食らった。
    全員が全員、同じ画面を注視していた訳ではない。故に電話を掛けてきた張本人…朽崎遥が今なにをしたのかも画面越しに把握しているスタッフも勿論いた。
    それは令呪そのものを魔力資源としたサーヴァントへの支援である。宝具などの使用で大量に魔力を必要とするなど過去の聖杯戦争のデータや以前に開催された聖杯大会でも何度か見られた使用例でもある。だが

    「リタイア…だと……!?」

    そもそも令呪とは何か。かつて冬木の地で興った魔術儀式「聖杯戦争」に於いて始まりの御三家と呼ばれる大家のひとつ、間桐家が生み出した大魔術……その効果は聖杯により呼び出された規格外の召喚獣、人類史に刻まれた功罪が落とした影、サーヴァントに対する絶対の命令権である。
    聖杯戦争に参じマスターとなった者は三回だけという制限はあるものの、この命令権があってこそ従者の主人でいられるという仕組みだ。
    中には令呪に対抗できるサーヴァントもいるとのことだが……マスターの意に沿わないサーヴァントの行動、、暴走を抑制するために生み出された魔術である。
    そして、神代古代の大英雄を意のままに操る力を秘めた令呪はそれそのものが莫大な魔力の塊でもある。
    つまりこの絶対命令権をすべてサーヴァントのために費やすということは指揮権の放棄に他ならない。暴走を看過するという事だ。

    リタイアだって    バーサーカーはどうするんだよ
      こんな時所長はどこ行ってるんだ       オイオイオイ
    ヤバいってコレ   ここから必殺の超宝具発動じゃないの
     救急ならスタンバイできてますけど

    ーcont.ー

  • 31委員会【onSTAGE&島狂代行】◆O0PRisauvg2019/08/24(Sat) 13:31:33ID:U3MjY1NzY(3/9)NG報告

    一気に騒然とした中でキャロライン・ブロックは所長代理として決断を迫られる。
    そもそもが大会規則において降参を申告する場合はサーヴァントの自害を以って成立される。当然だ。制御不能になったサーヴァントを野放しにしたままで何がリタイアなのか。
    だがここで断ればコイツがいったい何をしでかすか…………
    そこへスマートフォンに着信が入る。[Nicolas]の表示に思わず手に取った彼女は第一声にどんな悪態を吐いてやろうかと一瞬考えた故に先手を譲った。そして言葉を失った。

    通話を終えた所長代理は決断する。否、決定を通達する。「バーサーカーのマスター、朽崎遥のリタイアを受理しなさい」と。



    「クッ……埃及のふぁらおと言ったか。確かに凄まじい、が。これでは助太刀も成らんぞ」

    宝具『トゥト・アンク・アメン』により砂嵐と化したツタンカーメンがザッハークに襲いかかる!
    本来三月のアメリカ合衆国、ネバダ州は快適な季節であるのだが……そんな事も忘れさせる熱砂が!熱風が!邪智暴虐の人竜を襲う!!
    もはや助勢など不要と言わんばかりの攻勢は后羿、山中鹿之介、アイエーテスの三騎を、そして背を向け走る蓮見静香と小脇に抱えられたクローディア・スチュアートを確実に分断した。
    嵐の只中にひとり取り残されたザッハークはこれを引き裂かんと攻撃する。それは対城クラスにも分類される大規模攻撃を可能とする宝具『クリンタ』による魔力砲撃。
    だがその何れもが嵐の中に消える。それだけだ。
    手応えがないと分かると一転、大跳躍を試みる。それは魔力放出を用いた人ならざるサーヴァントの全力跳飛。だが、だがだが!

    「無駄だ、蛇よ。この姿の余に貴様の攻撃は通じぬ。そして逃さぬ。貴様はここで朽ち果てよ!!」
    ーcont.ー

  • 32委員会【onSTAGE&島狂代行】◆O0PRisauvg2019/08/24(Sat) 13:32:58ID:U3MjY1NzY(4/9)NG報告

    嵐の壁に弾き返され地面に叩きつけられるザッハーク。身体中には大小様々な傷から血が流れている。

    「へっ……面白え!だがな、殺りようは幾らでもあるんだよ!」

    常人では、並みのサーヴァントではもはや立つ事すら不可能であろう神砂神嵐の集中攻撃を受けながらも立ち上がり不敵に嗤うザッハーク。嵐の中で負った傷は既に癒えている。
    構えた両の掌に渦巻く邪悪なる魔力の奔流は次第に形を変え取り巻く砂嵐に向かって飛翔する!

    「アメン=ラーの化身たる今の余にその程度の攻撃、なんど繰り返そうと…」

    広げた掌を握り拳を作るザッハーク。それを合図に砂嵐の中に消えた魔力の矢が

    「『クリンタ』はこう使う!!」

    掛け声と共に爆裂する。だがそれがどうしたというのか。もはや肉体という実体のない自分相手になんの意味があるのか。
    そう思った。思ってしまった。この時、もし相手の意図に気付けていれば回避する手立てもあっだろう。

    砂嵐の勢いが徐々に弱まっていく。収束していく渦の中心に膝をつき肩で息をするツタンカーメンの姿が少しずつ形成される。

    「貴様、いったい…なにを………」
    ーcont.ー

  • 33委員会【onSTAGE&島狂代行】◆O0PRisauvg2019/08/24(Sat) 13:35:53ID:U3MjY1NzY(5/9)NG報告

    「へっ、良いぜ。教えてやる。テメェが喰らったのはな、毒さ
     テメェは確かに嵐そのものになったんだろうよ。それじゃあ当てられやしねえよなあ…
     だがな、 避けることも出来無くなっちまったんだよ。」

    肌には青黒い線が浮き上がり病苦どころではない苦しみようだ。

    「なぁツタンカーメン? 悲劇の少年王? んん?
     二十も生きてない小僧と俺様じゃあ頭の出来が違う訳よ。分かる?
     千の魔術を操る俺様とォ、ひとりで戦おうなんざ思い上がりだったなア!!」

    ツタンカーメンの腹部にザッハークの脚撃が叩き込まれる。

    「余の、名前を……」
    「……まぁなア。つーかあの黄金のマスク見たら誰だって分かるだろうよ。
     ファラオが聖杯に何の様だと思ったが、テメーあれだな?行けなかったな?死後の国っ奴に。
     お歴々は神王から神霊に召し上げられちまったせいで聖杯戦争にゃ呼ばれねえっつうじゃねえか。
     でもよぉ、生半な奴は…いわゆる現世に未練を残してって奴だなぁ!」
    ーcont.ー

  • 34委員会【onSTAGE&島狂代行】◆O0PRisauvg2019/08/24(Sat) 13:36:27ID:U3MjY1NzY(6/9)NG報告

    「よくもまぁペラペラと……」
    「おっと、ああそうだな。まだまだ最悪を見せなきゃいけねぇ奴がごまんといるんだ。構い過ぎちゃ
    「そこまで、知ってる、なら……十分だ」
    「あァン?」
    「『秘匿せざる者の死/アルム-ト ジャナ-ヒ-ヤ アレイク』」

    『王の紋章』に続く宝具の連続解放。それは血を含む唾であった。だが必中致死の絶矢となりザッハークの額を貫く。
    そして白目を剥き仰向けに倒れるザッハークに目もくれず立ち上がりその場を去ろうとするツタンカーメン。うわ言のように何かを口にするが判別できた者は居ないだろう。その呪毒に侵された身体は足取りすら不確かだ。数歩、1mも進まない間に俯せに倒れ込んでしまう。
    顔面から突っ伏し大きな音がすると同時に嘲笑が響いた。

    嗤いと共にゆらり、立ち上がったザッハークはやはり傷ひとつない。確かに脳天を貫いた筈なのに。

    「だから言ったろうがぁ! テメェと! 俺とじゃあ! デキが違うってなア!」
    ーpassー

  • 35stage讐陣営【大罪戦争ss】◆H2jQDESDK22019/08/24(Sat) 21:36:45ID:Y5NTE4NjQ(1/2)NG報告

    短いですがstage更新でーす

    『どう思う?アヴェンジャー』

    カフカスの話に相槌を打ちながら念話でアヴェンジャーに問いかける。

    『ふむ、悪人ではなさそうだ』
    『なるほど、「悪人ではなさそうだがこれが演技だとすると相当の手練だから完全に警戒を解くのは早い」といったところか?』
    「む…」

    アヴェンジャーの言葉の意図を読み解いた菫にアヴェンジャーが小さく声を上げる。

    『どうした、そんなに驚いて。私に考えを読まれたのが意外か?』
    『そう…だな…』
    『しかし前情報無しにお前がそんな評価を下すとはな。あの噂はデマではないのかもしれないな』

  • 36stage讐陣営【大罪戦争ss】◆H2jQDESDK22019/08/24(Sat) 21:36:58ID:Y5NTE4NjQ(2/2)NG報告

    >>35
    『噂とは何だ?』
    『詳細は分からんが聖杯戦争に参加して生き延びたらしい。大会のようなレギュレーションも無い聖杯戦争にな。故に一部では「聖杯戦争を生き抜いた狡猾な男」とも言われている。そういえば時計塔にも似たような評価の男がいたな』
    『ふむ、成程な…』

    アヴェンジャーがカフカスの顔をマジマジと見詰めると少々困惑気味にカフカスが首を傾げる。

    「あのー、ワタクシの顔に何か?」
    「いや、何でもない」
    「アヴェンジャーはピエロというものに馴染みが薄いそうだ」

    菫のフォローを聞いたカフカスがぱっと顔を明るくする。

    「そうでしたか!でしたら是非ワタクシのショーをご覧になってください。きっと笑顔になれますよ」
    「うむ、では次の機会を楽しみにするとしよう」

  • 37第一回槍陣営◆2qny/qsKfA2019/08/24(Sat) 21:47:25ID:QzMjg1MjA(1/13)NG報告

    >>34
    「まだ耐えるか、狂獣……!」
     砂嵐が晴れ、視界が開ける。
     その先に見えた光景に、遠間より様子を伺うのみだったランサーは舌打ちした。
    (先の攻撃とて尋常なものではない。仮に拙者が呑み込まれておれば、なす術もなく討たれていた。だが、こ奴は――)
     こちらに背を向け、哄笑し続けるその姿は一見隙だらけのようでもある。だが、ランサーは一歩も踏み出せずにいた。
    『近づけば殺.す。死にてえのなら踏み入れてみせろ』
     言葉もなく、総身で放つ無言の威容。かつて熱砂の大地に在り、暴政をもって民を虐げ続けた王者の圧力はそこにいるだけで戦場の脅威と成る。
     加えてランサーはあくまで近世の英霊。いかに修羅場を潜り抜けたと言えど、神代に君臨したバーサーカーを仕留めるには到底及ばない。
     それを知ってか知らずか、悠然とバーサーカーは満身創痍の乱入者に迫る。そのまま、右の拳を大きく振り上げた瞬間。

    「――させませんよ、暴君」

     上空から、左右から、そして背後から。
     あらゆる角度で光条と化した矢が放たれ、バーサーカーに降り注ぐ。

  • 38第一回槍陣営◆2qny/qsKfA2019/08/24(Sat) 21:47:54ID:QzMjg1MjA(2/13)NG報告

    >>37
    「チィ……そういや、手前もまだ残ってやがったな!」
     バーサーカーも黙ってはおらず、乱入者よりもう一人の――そして、本来のアーチャーに標的を変える。
     自らに向け放たれた無数の矢。その全てを再び宝具をもって吹き飛ばした。
    「ハッ! 馬鹿の一つ覚えがいつまでも通じるかよ! このまま、森ごと跡形もなく吹っ飛ばして――!?」
     口上の途中、バーサーカーの身体に衝撃と苦痛が走る。
     見下ろせば、背中か右腰にかけ槍が突き刺さっていた。大した業物にも見えない、素朴な拵えの長槍。
     舌打ちしつつ、バーサーカーは引き抜こうと手を伸ばす。
     だがそれより早く、投擲者たるランサーの声が響き渡った。

    「『槍よ、我が七難八苦に応えたまえ』――爆ぜよ、我が愛槍!』

     振り返れば、拝むように両手を合わせたランサーがいた。
     そしてその両手より、魔力が槍へ流れ込み――次の瞬間、盛大に槍が爆散した。
    「グッ、ガァアアアアアア!!」
     最早人のものとは思えぬ絶叫を上げ、悶絶するバーサーカー。
     内側からの爆発は、見事にバーサーカーの肉体を吹き飛ばしていた。腹部に大穴が開き、常人であれば即死する程の致命傷。
     そう。相手が常人であったならば。
    「こっ、のっ――ク.ソガキがぁ!」
    「ぬうっ!?」

  • 39第一回槍陣営◆2qny/qsKfA2019/08/24(Sat) 21:48:25ID:QzMjg1MjA(3/13)NG報告

    >>38
     右腕を振るい、ランサー目掛けバーサーカーは衝撃波を放つ。
     衝撃波自体は大した威力ではない。しかし、圧力に負けバーサーカーより大きく引きはがされてしまう。
     その間にもバーサーカーの肉体は急速に再生・回復が進められており、先の傷が塞がりかけていた。
    (何たる迂闊か! このままではせっかくの好機が)
     己が失態に舌打ちしつつ、ランサーは再度距離を詰めようと跳躍しかける。
     が、その直前。彼の意識は新たな気配を捉えた。
     先の砂嵐と同様、あるいはそれ以上の尋常ならざる魔力圧。
     それは、バーサーカーがいる場所からさらに奥より漂っていて――



    ここでまたパスします。次は監獄長さんという事で

  • 40委員会【onSTAGE&島狂代行】◆O0PRisauvg2019/08/25(Sun) 14:08:22ID:g2ODg1NTA(7/9)NG報告

    stage、ヴィヴィアンvsオズの続きを投下します。とても短いです

  • 41委員会【onSTAGE&島狂代行】◆O0PRisauvg2019/08/25(Sun) 14:09:42ID:g2ODg1NTA(8/9)NG報告

    >>6
    手にした宝剣、クラレントに魔力を送る度に赤色をした雷が迸る。
    これが伝説に謳われた王殺 しの魔剣……ッ!! これならば!
    運命は我に味方したと強気になったヴィヴィアン・ビリジアンは脇目も振らず一歩踏み出そうとする。
    だが見据えた先のアーサー王は悠然と

    (なんだアレは? 竪琴、か?)
    「響け、『フェイルノート』……」

    それは如何なる魔技か、音波は不可視の斬撃となり不忠の騎士を襲う。

    「あ、ガアア?!!!?!!」

    咄嗟に身を守る様に構えたクラレント、それが苦痛の声に呼応する様に赤雷を周囲に飛ばすが音の攻撃を全て防ぐことなど出来はしない。
    鎧を失った今のヴィヴィアンには苛烈過ぎるダメージだ。

    ーcont.ー

  • 42委員会【onSTAGE&島狂代行】◆O0PRisauvg2019/08/25(Sun) 14:10:29ID:g2ODg1NTA(9/9)NG報告

    >>41
    (何かは分からないが、、守っていてはやられる……!)

    空高く叛逆の騎士の象徴たる剣を掲げる。

    「ここまで来たんだ……このままハイそうですかと負けるつもりはないんだろ。……モルドレッド!!!」




    とうとう幕引きも近い。■■■■■■■■■は立ち上がる。満身創痍の身体だがその事を感じさせない余裕のある動きだ。


    さあ、仕上げをはじめましょう。

    ーpassー

  • 43ガイ・フォークス2019/08/26(Mon) 23:23:26ID:U3MzQ3MzA(1/4)NG報告

    伏神の続き、投稿します。

  • 44ガイ・フォークス2019/08/26(Mon) 23:24:27ID:U3MzQ3MzA(2/4)NG報告

    >>43
    おもわず短く口笛を吹いた。

    ここがあの素敵な館だった場所か!ミルテの花とバラで満たされた庭は見る影もなく、部屋はまるで十匹の鳩に突かれた雀のようなありさまだ。彼女はどうやら相当なダイヤのクイーンらしい。

    真面目な少女に手を伸ばすのも悪魔の務めと、初日に会ったお嬢さんの生家を突き止めてはみたものの昨日は全く行き会えず。
    それならばと続けて2日目訪れたが・・・・・・荒れ果てたという言葉すら生ぬるい、徹底的に破壊された様子に、逆に感心を覚えた。
    いや、まあ、全力を出させないための精神攻撃としてはそれなりに効果的なんだろうけどさあ・・・・・・なかなかないぜ?悪魔すらドン引かせる奴らがこれだけ集まる町ってのは。

    ひとしきり見て回ったあと、どうやらこれは帰ってくる見込みは無さそうだと判断してリビングから立ち去ろうとしたとき、背後から錆びた蝶番のような声が飛んできた。

    「あれぇ、先客がいんじゃん。ブンブンハロー!このイカれた世界へようこそ!!」
    「なっ――!?」

    慌てて振り向く。
    いつの間にか、薄い月明かりに照らされた窓に、真っ黒なレインコートに身を包んだガスマスクの人物が座っている。
    気配もなく現れたそいつに、俺は警戒するよりも先にしばらく目を奪われた。
    おお、ちょっとサインが欲しいかもなくらいに見本のような怪人だ・・・・・・!

    怪人はケケケと笑いながら、こちらの反応を全く気にすることなく(あるいは、いかついマスクで表情がわからないためそう思ったのかもしれない。)、十年来の友人のように近づいてきた。

  • 45ガイ・フォークス2019/08/26(Mon) 23:24:53ID:U3MzQ3MzA(3/4)NG報告

    >>44
    「おお、よく見たら同類じゃん。ヘイ、アミーゴ!あんた一体どこ産?クラスどこ?じゃなかった、何のクラス?――わわわ、ストップストップ、撃たないでプリーズ!ああでも、銃を向けてるっていうことはアーチャーか」
    「・・・・・・それがどうした?」
    「あんた、アーチャー。わたし、アサシン。お互い人外っぽい感じの上に、クラスの最初の一文字まで一緒じゃん。これはミラクル、ハプニング。運命感じちゃう!」
    「いやいや、さすがに同類にするなって。ちょっと複雑な身の上であることは自覚してるが、お前ほどじゃないわ。煙で満たされた杯でも、面白半分に飲み干す質だろお前」

    そういいながらも、俺はこの変人にどことなく親近感を覚えていた。
    それは、これまで会ったどのサーヴァントよりも『こっち側寄り』の存在だと感じていたからかもしれないし・・・・・・単にここ数日で珍獣に会いすぎて耐性が付いているからかもしれなかった。
    そんなこちらの気持ちを知ってか知らずか、怪人は俺の音楽プレイヤーをさっと奪うと、さも当然かのように肩に手を回してきた。
    そして、それを顔より少し高い位置に構えると――

    カシャァ!

    「そう言わないでさ。友人も被害者も多い方がいいっていうじゃん。実際、なんか仲良くやれそうだし。しょうがない、本当は家主の絶望顔を見てひとしきり笑いたかったけど、おいしいところは友情の証に、あんたに譲るぜブラザー」

    音楽プレイヤーをひょいと投げてよこした次の瞬間、アサシンは影も形もなく消えていた。
    ・・・・・・なんというか、未知との遭遇っていう感じだ。
    端末には一枚の写真。姿も思い出せなかった怪人と俺が肩を組んでいる。そしてその下には鮮やかな色の文字で「ズッ友(はぁと)」の文字。
    この出会いはビールの後のワインか?それともワインの後のビールか?
    まだ明らかではないが、言えることはただ一つ。どちらであっても、グラスを満たさなければ酒は飲めないってことだ。

  • 46ガイ・フォークス2019/08/26(Mon) 23:25:10ID:U3MzQ3MzA(4/4)NG報告

    >>45
    以上です。

  • 47ルキウス陣営2019/08/28(Wed) 11:07:30ID:A1ODk2OTI(1/3)NG報告

    stage更新です

  • 48ルキウス陣営2019/08/28(Wed) 11:08:04ID:A1ODk2OTI(2/3)NG報告

    人だ)
    カフカスは満面の笑みで何度も方喰へと頷いては料理を口に運ぶ。嬉しい気持ちの時に食べる料理ほど美味しいものは無いのだ。
    きっと方喰とアヴェンジャーの前で楽しいショーをしよう。そうして彼女が笑顔になってくれる事がカフカスの全てなのだ。
    (マスター、嬉しそうですね)
    ようやく意識を取り戻したタロスは、ウキウキなカフカスに声をかける。今日一番の嬉しそうな笑顔をしているのだ。
    (そりゃもちろん。誰かを笑顔にする事って凄く嬉しくて、生き甲斐を感じるんだもの)
    カフカスが方喰に言っていた事(硬直していたが聞いてはいた)を思い出す。
    「誰かがワタクシのショーで笑顔になってくれる」
    (マスター。誰かを笑顔にするのは、楽しい事なのですか)
    (うん、楽しい。凄く楽しい。いつかタロスちゃんにも教えてあげるよ!)
    タロスは自分の両手に視線を落とし、肌色に塗られたその下の青銅の肌をじっと見つめた。
    何人もの人間を屠った、血で染まった両手。
    こんな手で、こんな自分で、誰かを笑顔にする事など出来るのだろうか。
    タロスはマスターに尋ねたいと思った。自分は果たして、誰かを幸せにさせられるのかと。
     
    「ところでワタクシ、アナタともお話をしてみたいんです。神野さん」
    唇を水で湿らせつつ、カフカスはサーヴァントを傍らに置いたまま沈黙を貫き続ける男へと視線を向けた。
    神野幸長は席に着いてから口を開く事もなく、機械的に食事を続けていたが、名を呼ばれてゆっくりとカフカスと向かい合う。
    彫りの深い顔、底なしにも思える瞳がカフカスの顔を凝視してくる。胃がぎゅっと握られた様に痛む。

  • 49ルキウス陣営2019/08/28(Wed) 11:08:58ID:A1ODk2OTI(3/3)NG報告

    >>48
    ああ、本当にそっくりだ。なんていうか、雰囲気がそっくりだ。あの人に)
    カフカスは嫌でも「彼」の事を思い出してしまう自分に呆れながらも、しかしそうなるほどに強烈な威圧感を放つ神野に緊張していた。
    『私は世界を救いたい。たとえこの方法が間違っていようとも、誰も苦しまない様にしたい』
    (ああ、くそ。ダメダメ、フラッシュバックはお呼びじゃ無いぞ!)
    ぶり返してくる記憶を頭の隅に押しやり、カフカスは笑みを浮かべながら神野へと語りかける。
    「神野さんは、この大会にどんな目的で?」
    この時点でカフカスは自分がやらかした事をなんとなく自覚していた。
    神野に威圧され、「彼」を思い出して。
     
    (あ、ヤバい。『笑えてない』)

  • 50第一回戦弓陣営2019/08/30(Fri) 14:01:23ID:g4NjAyNTA(1/7)NG報告

    「まさか、あの死に損ない……!」

     膨大な魔力の奔流は、ツタンカーメンの撤退した地点から発せられていた。
     神罰の砂嵐──その中軸にて神威の魔力がとぐろのように渦巻いており、巨大な何かを形成しようとしていた。
     みすみす逃してしまい、ランサーとアーチャーの妨害で僅かな時間を与えてしまったツケが回る。
     バーサーカーは只々苛立ちを募らせ、自らの周囲を移動しながら矢を射るアーチャーを煩わしげに『凶鳴毒唱(クリンタ)』で打ち払おうとする。

    「ちょろちょろと邪魔なんだよ!」

     高速詠唱の速度を超えた多重高速詠唱により、初動無しの殲滅魔術が周囲を覆うように拡散し、森一帯を無に帰す。
     これによりバーサーカーの周囲には障害物などといった移動を隔てるものがない真っ新なフィールドとなり、優位な地形となった。
     そして逆にランサーとアーチャーにとって移動手段、隠伏手段が失われてしまった事の表れでもあり、火力のぶつけ合いにおいても少々不利になってしまった。

    「殺れ」

     バーサーカーは砂嵐の渦へと移動する。
     しかし、両肩の蛇は逆方向にいるであろう槍兵と弓兵を標的とし、炎と毒のブレスを正確な位置に放出した。

  • 51第一回戦弓陣営2019/08/30(Fri) 14:02:09ID:g4NjAyNTA(2/7)NG報告

    >>50
    「やはりそう簡単に墜ちてはくれぬか……!」

     呪詛も含んだ毒炎を紙一重で回避し、打開策を考えるが、ブレスの猛攻により案が纏まらない。
     バーサーカーに重傷を与える事に成功した連携技は再使用不可。
     対軍規模はあるかもしれないアーチャーの通常掃射も、『凶鳴毒唱(クリンタ)』を出されてしまえば決定打に欠けてしまう。

    「彼のファラオは何やら算段あるようですが、サポートするにもあの蛇が邪魔ですね」
    「面妖な上に面倒な。先んじて両蛇の掻っ切るしかないか」
    「……一か八かですが、一つだけ私から」

     東洋の弓兵が一つだけ提案を示すと、麒麟児が可笑しなものを見るような視線を向けた。

    「本気か? その賭けは、博打にも値しない程の確率だぞ?」
    「ですが、凶王の油断を誘うには最適です」

     目が本気だと告げ、中々に渋ったランサーは即諦める事にした。

    「承知した。だが、決して墜ちるでないぞ。貴殿は、我らが陣営の主砲なのだからな」
    「重々、心得ていますよ」

  • 52第一回戦弓陣営2019/08/30(Fri) 14:03:16ID:g4NjAyNTA(3/7)NG報告

    >>51
     その言葉だけを残し、アーチャーは駆け出す。
     同時にランサーは自らの得物をバーサーカーへ向けて全力投擲した。

    「多少の無茶と無理は許してください」

     誰に向けての言葉だったかは定かではないが、アーチャーは投擲された槍の上に飛び乗り、弓を構えるという無茶振りを現実のものとした。
     ブレスを放っていた両肩の蛇たちは、突拍子のない行動に出た男に一瞬面食らい、一度だけ互いに見合ってから攻撃を再開する。
     射線上の先には突き進むだけの槍上にて、弓を構えて一歩も動かない男。
     このまま行けば蛇の攻撃は直撃確定。しかし弓兵に動きはない……その理由はもう一つの無茶振りだった。

    「出力上昇を確認。射落す」

     鉉を最大限に引き、先程までとは桁違いの魔力を充填させ、矢を放った。
     一矢だけではなく、機関銃の如き連矢の嵐。
     威力を増したアーチャーの攻撃は、ドルグワントのブレスを相殺していき、呪詛に塗れた直線上をクリアにする。
     しかし、アーチャーが相殺したのはあくまで急所になり得る箇所の攻撃のみで、僅かながら負傷し、傷口から毒と呪いが小さく侵食していた。

    「油断大敵……!」

  • 53第一回戦弓陣営2019/08/30(Fri) 14:03:46ID:g4NjAyNTA(4/7)NG報告

    >>52
     ブレスを相殺され、距離を詰められたのでドルグワントは主人に合図を送るように凶鳴する。
     ──あの宝具は撃たせん!
     多重高速詠唱が始まる前に、アーチャーは槍を蹴って凶王の背後まで急接近し矢を射った。

    「────くだらねぇな。幾度も背中を取らせると思ってんじゃねえ!」

     翠色の矢はバーサーカーの振るった腕に掻き消されてしまい、攻撃した当人は空中で矢を射った後の状態で無防備になってしまった。

    「間抜け」

     両者の距離はまだまだ離れている。
     このままでは無防備なアーチャーに『凶鳴毒唱(クリンタ)』が炸裂し、一人の陣営が脱落する──そんな未来を誰もが予想しただろう。


     ────令呪をもって命ずる。アーチャー、ゼロ距離に移動しろ。


     弓兵の姿が消える。

  • 54第一回戦弓陣営2019/08/30(Fri) 14:04:48ID:g4NjAyNTA(5/7)NG報告

    >>53
    「な──」

     刹那。バーサーカーが捉えたのは、大弓に備わっていた刃を振るうアーチャーの姿だった。

    「テメッ……!」

     バーサーカーも朽崎遥からの令呪の影響か、大幅に強化されていたので斬撃を間一髪のところで回避する。
     自身の首は取れなかった。ただ単にに“両肩の蛇が切り落とされた程度”だ。
     この程度であるならば蛇を即再生し、宝具を放ってしまえば目前の弓兵はここで退場する。
     そう思い立ったバーサーカーは多重詠唱を行おうとして──できなかった。
     ──再生速度が、遅い……!?
     ドルグワントは、断面図から肉が盛り上がろうと動くも、何かに阻害されるかのように速度が緩やかだった。

    「油断大敵と、言った筈です」

     凶王は即座に理解した。
     あの弓兵が矢ではなく、接近してまで弓で攻撃したのかを。
     弓は破魔の属性が付与されており、魔を身に抱く自身とは最悪の相性を持つ得物。よって、いくら再生力が優れている蛇であっても、弱点である武器で切り付けられてしまえば修復は遅くなってしまう。
     全てがアーチャーの思惑通りに戦況が動いた──その事実がバーサーカーを激昂させた。

  • 55第一回戦弓陣営2019/08/30(Fri) 14:05:22ID:g4NjAyNTA(6/7)NG報告

    >>54
    「このブリキ野郎が!」

     魔力を乗せた裏拳がアーチャーに迫る。
     攻撃動作後の直後であったので、防御体勢を取ろうとするも間に合わない。
     凶器が間近に迫り、直撃が免れない一撃が与えられる────。

    「ご苦労、弓兵」

     瞬間、いつの間にか接近を許してしまっていたランサーに阻まれた。

    「テメェ、どこから……」
    「拙者は最速の霊基を与えられている身。慢心が過ぎたな、暴君」

     バーサーカーの死角──真下からの登場で虚を突かれ、今度は逆に彼自身が無防備を晒す。

    「ぬんっ!」

     槍を打ち込む。
     穂先はバーサーカーの腹部の肉を穿つまでには達しなかったものの、突きの衝撃で上空へと飛ばされる。

  • 56第一回戦弓陣営2019/08/30(Fri) 14:05:47ID:g4NjAyNTA(7/7)NG報告

    >>55
    「浅いか!」
    「まだまだ!」

     弓を天に向け、連続してアーチャーは矢を放つ。
     標的はバーサーカー──腹部の槍。
     無数の翠色の矢が槍に接近し、一つが石突に命中、そして直撃した矢の筈部分にもう一つの矢が着弾、その後に続く他の矢も同様に筈部位に直撃していき、槍を押し込むように圧力をかけていく。
     そして七発目の矢が到達した時、槍はバーサーカーの肉を穿った。

  • 57スルトちゃん&マグダレーナ陣営【トーナメント&第■回&stage】◆SOkleJ9WDA2019/09/02(Mon) 19:59:14ID:Q0NDE2NjI(7/11)NG報告

    戦闘自体は剣術陣営の接触待ちになりますが、予告編的にアサシン陣営の会議シーンを。

  • 58スルトちゃん&マグダレーナ陣営【トーナメント&第■回&stage】◆SOkleJ9WDA2019/09/02(Mon) 20:01:08ID:Q0NDE2NjI(8/11)NG報告

     時刻は午後6時、俺達アサシン陣営は有名ラーメンチェーン「百楽」に来ていた。

    「豚骨醤油ラーメンと、担々麺です」

     久し振りのラーメンだ。
    俺は一番好きな豚骨醤油で、アサシンは一番辛い奴という事で担々麺。
    イギリスの飯は不味いからなあ……この機会に食べとかないと。

    「民が安価でこれだけの物を食べられるのは、良い国だな、マスター」

    「それは良かった。今はイギリスに住んでるけど、やっぱり日本が誉められるのは嬉しい」

     その側面で喚ばれた訳ではないとはいえ、王であるアサシンが満足して良かった。
    正直、あんまりお金に余裕無いから高級料理には手が出ないし、機嫌損ねるか不安だったし。
    まあそれより、久し振りのラーメンが美味しい……なんて考えてたら、アサシンの雰囲気が真剣なものに変わった。

  • 59スルトちゃん&マグダレーナ陣営【トーナメント&第■回&stage】◆SOkleJ9WDA2019/09/02(Mon) 20:02:21ID:Q0NDE2NjI(9/11)NG報告

    「さてと、マスター。状況は念話で伝えた通りだ。策は三つ程あるが……どうする?」

     そうだ、気を引き締めないと。

    「とりあえず、その策について聴かせてくれ」

    「勿論だ。まず一つ目、管理者を無力化出来る薬品を持っている陣営と同盟を組む」

     これは俺も考えてた。
    同盟相手との交渉次第とはいえ、小聖杯を手に入れる可能性は最も高いはずだ。
    しかし、そういった薬品を持っている陣営と同盟を組むまでが難しいし、手こずってる内に小聖杯を取られるかもしれない。

    「次に二つ目、適当な陣営を唆して管理者の屋敷に向かわせ、管理者の出方を見る」

     これなら、俺達は殆ど消耗しないし、漁夫の利も狙える……が、潜入した陣営がそのまま小聖杯を奪うかもしれないのが……。

  • 60スルトちゃん&マグダレーナ陣営【トーナメント&第■回&stage】◆SOkleJ9WDA2019/09/02(Mon) 20:02:59ID:Q0NDE2NjI(10/11)NG報告

    「最後に三つ目、複数の陣営を集めて同時に管理者の屋敷を襲撃し、管理者を錯乱させつつ、乱戦の勢いに任せて小聖杯を奪う」

     これは、賭けになりそう。
    他の陣営が乗る可能性は高いけど、そこから先が未知数だ。
    そんな感じで俺は考え……。

    「で、マスター。どれにするか決まったか?」

     丁度答えを決めた所でアサシンが問いかけた。
    絶妙なタイミングに驚いたけど、気を取り直してこう答える。

    「よし、三つ目で行こう」 

     そして、俺達は他の陣営を呼び寄せる為、ホテルが多くて他の陣営の拠点が多そうな中央部へと向かった。

  • 61スルトちゃん&マグダレーナ陣営【トーナメント&第■回&stage】◆SOkleJ9WDA2019/09/02(Mon) 20:08:38ID:Q0NDE2NjI(11/11)NG報告

    以上です。
    一日目の戦闘シーン、参加したい方は連絡して下さいね。
    ただ、参加しなくても、二日目の管理者邸乱戦に参加するのに問題はありません。

  • 62愉悦部inクローディアァ!2019/09/03(Tue) 12:51:24ID:kwMjE4MTc(4/10)NG報告

    「――ここがあの人狼の通っている学園ね」

    夕焼けが滲む放課後、校門の前に陣取り、帰りゆく生徒たちの波を受け流しながら目的の人間が来るのを待つ。

    (あの男、いつまでこっちを見ているのかしら)

    遠方の電柱の陰からこちらを見ているセイバーのマスターからの不躾な視線に耐えつつ、紫紺の髪をロール状に結ったテールを手持ち無沙汰のように弄っていると周囲の人間より一際背の高い今回会いに来た相手を見つける。
    そして、口元を嬉しそうに緩め近づいた。

    「こんにちは。時間、いいかしら?」

  • 63リドリー陣営2019/09/03(Tue) 13:39:30ID:U0NDYyNTA(2/2)NG報告

    「ねぇ、私たち気づかれていると思うかい?」
    「今明らかにこっち向いたしそりゃあなあ」

    電柱からゲルトラウデとイコマを見るのはセイバー陣営の2人

    リドリーは現在全身に包帯を巻き、車椅子という非常に目立つ格好だ

    セイバーはリドリーに対して疑問を投げかける

    「ク.ソマスター。あんた、"怪我したのは脚だけ"だろ?何故全身に巻く?」
    「脚の怪我だと分からせたくないからな。どんな結果でこうなったのかを悟られたくはない」

    セイバーは"あまり意味がないのでは?"という言葉を飲み込む。この男に何を言っても無駄だからだ

    「で話はいつ割り込む?」
    「彼らが話し終わってからにしようか」

    そしてまた物陰で様子を伺う、セイバーとリドリーであった……………

  • 64亥狛の人2019/09/03(Tue) 22:38:15ID:gxODE0NDM(1/15)NG報告

    もうすっかり空は夕暮れだった。
    午後の授業を終えた放課後、亥狛は玲亜からの忠告通りランサーと校内で合流した。
    今は霊体化した状態で彼の傍らに付いて回っている。

    実に安心感がある、とでも言うべきか。
    後ろ盾があるという状態は精神的な安定性を向上させてくれる。今更ながら彼女の存在の重要性をひしひしと感じざるを得ない。



    何故ならば今正に彼女が必要か否かの瀬戸際に立たされているからである。

  • 65亥狛の人2019/09/03(Tue) 22:38:58ID:gxODE0NDM(2/15)NG報告

    >>64

    「こんにちは。時間、いいかしら?」
    涼やかな声が亥狛の耳朶を震わせる。
    声がした方向に向くと見慣れない女性が立っていた。
    校門前で自分を待ち伏せしていたであろう彼女、その物珍しげな視線は亥狛の頭からつま先までスキャニングしているかのようだ。

    亥狛の獣由来の本能が警鐘を鳴らす。
    彼女は聖杯戦争に関連する者だ、と。
    「─────何か、俺に用でもあるのか?」

    と言いながら、相手に悟られないよう慎重に自身の身体を変質させる。
    変える部分は感覚器官。
    魔力を視認できるよう虹彩を弄った。
    魔力の流れを読み解く為に嗅覚を研ぎ澄ませた。
    舌を、耳を、肌を。
    全身の毛穴が広がるようにじっとりと、目に見えない部分を書き換える。

    すると早速新しい発見をした。
    魔力の反応は彼女だけじゃない。

  • 66亥狛の人2019/09/03(Tue) 22:39:26ID:gxODE0NDM(3/15)NG報告

    >>65
    すると早速新しい発見をした。
    魔力の反応は彼女だけじゃない。
    自分の位置から凡そ数十メートル離れた場所に別の魔力の反応がある。
    (───────!)
    跳ね上がる心臓は恐怖を感じた証だ。
    今現時点で敵性と思しき存在が二つ、その何れも照準を此方に向けている。

    四面楚歌。
    午後に古文で習ったばかりの四字熟語が脳裏をよぎる。

  • 67亥狛の人2019/09/07(Sat) 21:45:09ID:g0ODYxNjc(4/15)NG報告

    だいぶん、というか一年近く経ちましたがトーナメントの続きです

  • 68亥狛の人2019/09/07(Sat) 21:45:30ID:g0ODYxNjc(5/15)NG報告

    「……信じられないけど、信じるしかなさそうね」

    傷ついた敵のマスターに、理性を失った英霊を交互に見やって思案する。
    膨れ上がっていく的サーヴァントの魔力に焦燥するキャメロンの様子は演技とは到底思えない。
    怒りとともに怒張する霊格は最早サーヴァント一騎、それも宝具を有していない弓兵には分が悪い事は理解できた。

    戦乙女の末裔としては忸怩たる思いではあるが、此処は敗北を認めるのが一番安全かつ円滑な選択肢なのだろう。
    舌を噛み切りそうな顔で悔しさを呑み込む。
    「…まあ、お嬢に任せるさ」
    隣でアーチャーはポツリと呟く。
    何処か興を削がれた風な表情を浮かべながらも、納得はしているようであった。
    後は自分の気持ちが納得するだけ。

  • 69亥狛の人2019/09/07(Sat) 21:45:51ID:g0ODYxNjc(6/15)NG報告

    >>68
    手元には呪具である羊皮紙。自分が敗北する事を確約させる契約書だ。
    これに名を刻むということは敗北を魂規模で承認するという事である。

    連綿と受け継がれる戦士としての霊魂に刻まれる敗北という名の雪辱か。
    はたまた戦乙女の血筋を清らかなままに、誇りと共に死に急ぐか。
    二つに一つ。

    「───────〜〜〜〜〜ッ!!」

    殴りつけるような勢いで筆を走らせる。
    自己強制証明に己の名前を刻んでいく。
    名誉ある死より泥臭い生を掴む事を是としたのだ。
    (雪辱はいつでも晴らす事は出来る、でも死は取り返しが付かない。それは駄目だ)
    キャメロンは逸る気持ちでその光景を見守っている。自身のサーヴァントの脅威は確実に此方へと向かっているからだ。

    (自分の罪は自分で背負う、全部全部飲み込んでやる。今回は負けても良い、でも)
    ザリ、という音を立てて。自身の名前を書ききる。
    「セルフ・ギアス・スクロールに誓う、私は今回の勝負を辞退する!」

  • 70リドリー陣営2019/09/07(Sat) 22:47:35ID:M2NzU1NzE(1/41)NG報告

    >>69
    安堵を浮かべている場合ではない
    キャメロンは自らのサーヴァントに目をやる
    怒りに狂い我を忘れているようだ

    (ならば『もっと怒らす』)

    キャメロンは『背中にある翼』を展開。その翼が広がると同時にカドモスの興味はその翼に移る

    翼の正体は『ウリエルの切翅』。堕天したとされる大天使ウリエルが持っていた最初の翼。聖遺物として特級の品でありカドモスが憎む『神性』が多量に分泌されていたのだ……………!

    カドモスの怒りは益々大きくなり、そして一周回って冷静になっていた

    心に周りの声を聞く余裕が生まれ、外からの音が耳の中に入る

    そして彼は自らのマスターの声を聞くことができた

    「ランサー!戦闘は終わりだ!俺たちの勝ちだ!」

  • 71リドリー陣営2019/09/07(Sat) 22:47:52ID:M2NzU1NzE(2/41)NG報告

    >>70
    終わりです

  • 72愉悦部inクローディアァ!2019/09/08(Sun) 00:44:00ID:Y2ODMwMTI(5/10)NG報告

    「そんなに警戒しなくても良いじゃない」
    警戒心を剥き出しにしてこちらを見やるランサーのマスターを見ながら少々呆れながら嘆息する。
    「一応は貴方を助けようとはした恩人に成り損なった相手なのだけれど、ランサーから何も聞いてないの?」

    「いや、ランサーからは何も聞いていないし、俺には目の前にいるような不審者の知り合いはいない」

    ぴしゃり、と反論の余地もない正論を叩きつけられるとゲルトラウデは確かに、と思わず納得してしまう。自分でもそんな人間とは関わり合いになりたくないだろう。

    「んんっ!私は確かに正真正銘なライダーのマスターよ。そして戦いに来た訳でもないわ。もしもその気があるならわざわざこんな人の多い場所に出向かないもの」

    「じゃあ、何をしに来たんだ」

    本当に何をしに来たか見当がつかない亥狛は煮え切らない態度を訝しんだのか、さらに追及する。すると、ゲルトラウデは沈みゆく太陽を横目で睨みながら答える。

    「そうね。単刀直入に言うわ。貴方と話がしたい、というのともう一つ――、時間がないの。私と一時的な協力をしてくれないかしら。もちろんタダで、とは言わないわ。魔術師の基本は等価交換。それに見合う対価は払うし、何かあるならそれでも良い。それにホラ。ニンゲンの基本は助け合い、でしょう?どうかしら――?」

  • 73亥狛の人2019/09/08(Sun) 01:27:38ID:M1NjIzNDg(7/15)NG報告

    今日はやけに女性に言い寄られる日だな、と我がごとながら驚嘆する。
    これで内容が物騒な聖杯戦争がらみで無ければ諸手を挙げて喜んだものだが、悲しいことに世の中そこまで甘くない。

    ライダーのマスターと名乗る女性は毅然とした態度で本筋に話題を切り込んだ。
    一日に二度も同盟を持ちかけられるなど今日は何と数奇な星の巡りだろうか。
    先に東雲玲亜と同盟を結んだ以上、勝手に新しい協力関係を結ぶというのは如何なものかと思うし、何より彼女の背景が読み取れない。
    亥狛は暫し口にする言葉を選ぶように逡巡する。
    「前もって言っておくけど、同盟は既に売約済なんだ。だから仮に協力関係を結ぶとしても俺個人が勝手に決める訳にはいかない」
    後ろ頭を掻きながら「仲間に義理立てするのも真っ当な人間の基本だろ?」と嘯いてみせた。

    亥狛はちらり、と遠くの電柱に潜む影を確認する。怪しげな気配は未だ消える兆しもない。
    ライダーのマスターが用意した伏兵なのだろうか、そんな一抹の不安を抱えたまま彼女と向き合い直す。

  • 74橘亜衣&ミラーカペア【九終剣陣営】◆V6COUaXse62019/09/08(Sun) 06:40:34ID:IyMTQ4MTI(1/19)NG報告

    >>28
    大質量の物体が、凄まじい速度でわたくしへと向かってくるーーーその光景は、わたくしの心を一つの色に染め上げてしまいました。
    恐怖。
    暗く、ドロドロとして、ひやりと冷たい、泥のような感情。それが全身にに纏わりついて、わたくしの動きを鈍らせる。一歩でも此処を離れなければならないのに、身体がぴくりとも動かない。
    細身の男性が地面から木を引き抜いた事は、まだ何も感じませんでした。魔術の世界では、別段珍しい事でも無いのですから。
    けれど、"死"がこうして目の前に来た時、わたくしの心は悲しいほどに無防備でした。
    魔術世界には命の危険が付き物と言う知識があり、多少なりと荒事の経験があったとしても、有り余る程の殺意を自らに向けられ、死というものをここまで身近に体感した事は一度もなかったのです。
    怖い。
    迫り来る物体は、最早死の塊に等し
    い。
    怖い。怖い。
    速く、速く此処から離れないと。
    怖い。怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖いーーー
    (動いて、動きなさい!わたくしは、こんな事でーーー)
    "強がりな自分(りせい)"が叫ぶ。しかし、身体は冷え切り、動かない。
    意思が乱れているせいなのか、魔術で強制的に自身を動かすこともできない。ああ、もう、目の前にーーー
    「宝具、解放」
    凛とした声が響き、"彼女"の手がわたくしの手を取る。その瞬間、ほんの少しだけ身体に熱が戻る。

  • 75橘亜衣&ミラーカペア【九終剣陣営】◆V6COUaXse62019/09/08(Sun) 06:40:54ID:IyMTQ4MTI(2/19)NG報告

    >>74
    相手の手が力を伝えてくる。その力に導かれるまま、身を任せるーーー。
    背後で轟音がした。いつの間にか閉じていた目を開くと、"彼女"の顔が視界に映った。
    「セイ、バー……」
    「ご無事ですか、マスター」
    優しい笑みでわたくしを見下ろすセイバー。その笑みに安心して、こみ上げるものがありましたが、なんとか堪えることができました。
    「ええ。……ありがとう」
    心からの感謝を彼女へ。セイバーは一つ頷くと、繋いでいたわたくしの手を離した。
    「あーーームカつくなァーー!」
    苛立ちを露わに、もう1騎のサーヴァントが叫ぶ。彼の手には、再び木の大槍。
    「さっさとオレに殺されちまえってンだよォォォーー!」
    その槍を手に、今度はこちらへと殴りかかって来た。
    セイバーはそれを魔力放出を伴った斬撃で受け止め、鍔迫り合いの体勢に入る。暫く迫合い、一度離れる両者。
    「生憎ですが、マスターも私も、貴方に殺されるつもりはありません」
    「ハッ!か弱い女の子を守るヒーロー気取りってか?いいねえ、最高にヘドが出るぜ!そんな奴を見るとオレはよォ、虫みテェに叩き潰したくなンだよ!」
    「ーーー出力上昇。ワルキューレ還元率90%。マスター、お下がりください。こちらも少し、暴れますので」
    セイバーの言葉に従い、その場を離れる。まだ身体が重く感じるけれど、それでも動けるようにはなっていますわね。
    その場を離れている間、背後では鈍い激突音が鳴り響いていた。
    (セイバー、負けないでくださいね)

  • 76型月NYの人◆3zXvUrYT3w2019/09/09(Mon) 17:29:23ID:E1MTAzMTc(1/4)NG報告

    お待たせして申し訳ありません。
    第■回剣陣営投下いたします。

  • 77型月NYの人◆3zXvUrYT3w2019/09/09(Mon) 17:31:33ID:E1MTAzMTc(2/4)NG報告

    それは、いかなる偶然かそれとも宿命(フェイト)か。
    突如巻き上がった突風に、ハリーの軽い身体が吹き上げられる。
    姿勢制御のためハリーが首を振った瞬間。
    彼の視界に、一条の煙が飛び込んできた。

    「マスター、危ない!」

    落下するハリーの元へと飛び込み抱きかかえるようにしてセイバーが受け止めた。 

    「セイバー。向こうの方に煙が見えた。火事かなにかかかも知れない。助けに行こう!」
    「! ええ、わかりました!」
    「ちょ、ちょっと待って!」

    ハリーを抱えたまま走り出そうとするセイバー。その行動に待ったをかけたハリーがセイバーの顔をマジマジと見つめる。

    「な、なにか……?」
    「そ、その……下ろしてくれないかな……」

    顔を真っ赤にしたハリーがうつむきがちに呟く。
    彼らの姿勢は、俗に言うお姫様抱っこというものだった。

  • 78型月NYの人◆3zXvUrYT3w2019/09/09(Mon) 17:32:35ID:E1MTAzMTc(3/4)NG報告

    「こ、これは大変失礼な真似を……」
    「い、いいんだよ。助けてくれてありがとう。セイバー」

    ハリーをゆっくりと地面に下ろすセイバー。
    着地するやいなや、彼は周囲の至るところに魔法陣を展開し始めた。

    「ま、マスター。なにを?」
    「走っていくには時間が惜しい。街中を飛ぶには目立ちすぎる。だから……地上から見えなくなる高さまで飛んでそこから滑空するってわけさ! こういうふうにね!」

    瞬間、竜巻の如き暴風が彼の身体を垂直に巻き上げた。
    駅や市役所やショッピングモール、更には彼が泊まるホテルすらも追い越して、街全体を見渡せる高さにまで彼とセイバーの身体は放りあげられる。

    「セイバー。君は霊体化を。最も、空を飛べるなら話は別だけど」
    「それではお言葉に甘えて。マスターこそ、怪我をなされないように」

    すると、風の友と呼ばれる少年はニッと笑って。

    「大丈夫! ニューヨーク(じもと)ではよくやったから!」

  • 79型月NYの人◆3zXvUrYT3w2019/09/09(Mon) 17:33:42ID:E1MTAzMTc(4/4)NG報告

    以上です。
    フォーリナーさんよろしくお願いします。

  • 80愉悦部inクローディアァ!2019/09/09(Mon) 23:24:23ID:gyMTUyNTE(6/10)NG報告

    >>73
    「―?……??」

    話が噛み合っていない。何故そこで聖杯戦争の話が出てくるのだろうか。今日は戦争が目的でないと言ったのに。

    『マスター。それでは聖杯戦争の話だと思われても仕方ないよ。僕もそう思う。君はまずその飾る態度を止めた方が良いんじゃないかな。時間、ないんだろう?』

    『ぐ。……ぐむむむむむ―』

    霊体化したライダーに横やりを入れられ。悔しそうな声を上げながら、顔を赤面させたりコロコロと二転三転させて、ようやく。

    「……タイムセール」

    「は?」

    唐突に出てきた聖杯戦争のせの字も関係のないワードに亥狛はポカンと放心する。
    顔がサングラスとマスクで隠れているが、どうも恥ずかしいのか、見えている範囲の顔をさらに赤くしながらゲルトラウデは再度応答する。

  • 81愉悦部inクローディアァ!2019/09/09(Mon) 23:24:34ID:gyMTUyNTE(7/10)NG報告

    >>80
    「だから、タイムセール。今日の下の街のショッピングモールでアルプス山脈の天然水が箱売りで1人1ケースで安売りしてるから、頭数増やしたいな、って……。私、片腕こんなだし」

    腕を示すようにぷらんぷらんと揺らしす彼女。

    「じゃあ……、アレは?」

    アレ?と怪訝に思い浮かべるように表情菌を―亥狛からはそう見える―変えながら視線で気づいたのか、透して見えるサングラスの奥の瞳を明らかにげんなりさせながら。あぁ――、と疲れたように息をつき。

    「…………ストーカー?」

    なるほど。彼女も苦労しているのかもしれない。亥狛は純粋にそう思った。

  • 82リドリー陣営2019/09/10(Tue) 22:14:41ID:UwOTMyMzA(3/41)NG報告

    >>81
    「アルプスの天然水……………だと……………」

    エル・シッドは絶句する。あの雪山から取れた水を一ダース簡単に手に入る現代社会にだ

    ああそれ程の水があればどれだけ上手い料理ができるのだろうか!!

    エル・シッドは心踊りだす。その様子を見たリドリーは顔で向こうに行くよう合図した

    リドリーとしてここで協力することでスムーズに会話ができるのでは?と考えたからだ


    エル・シッドはリドリーの車椅子を全力で押しながら遠くの2人に声をかけた

    「チョォォォォォトマッッッッタッ!」

  • 83亥狛の人2019/09/10(Tue) 23:18:57ID:YxMDgwOTA(1/11)NG報告

    >>81
    『……どう思う、ランサー』
    『どうも何も。嘘をついてるようには見えませんね』
    霊体化したランサーはスッパリとそう断言した。
    人里に下りて日数も長くない人狼は人の嘘を見分ける力に乏しい。
    嘘の判別ならば自身よりランサーの方が長けているだろうと、半ば藁にもすがる思いで問い掛けた結果がこれだ。

    (態々初対面の奴に荷物持ちを頼むか……?いや、俺が疑り深いだけなのだろうか!?)

    思い悩むあまり混乱する頭にランサーの声が滑りこむ。
    『目の前のレディが何を考えているかは私の与り知る所ではありませんが。
    私でしたら、困っている女性に手を差し伸べるでしょうね』
    『……仮に罠だったとしても?』
    『その時はその時です。幾千幾万の困難など何するものぞ、ですよ』
    霊体化している為姿は見えないが、きっとランサーは自信満々な表情を浮かべている事だろう。

  • 84亥狛の人2019/09/10(Tue) 23:27:49ID:YxMDgwOTA(2/11)NG報告

    >>83
    なんと頼もしい相棒か。騎士とは貴婦人の無理難題を叶える為に鍛えているのだ、と言わんばかりではないか。

    (──────仕方ない、此処はランサーに背中を預ける事にしよう)

    東雲の令嬢に「注意深くあれかし」と望まれた矢先のコレは流石に気が引けるが、名指しでの頼まれ事ならば致し方ない。
    我ながら辟易するが断るのも気が引けるし、良心も痛む。

    そして何より人間って奴等はこういう時断らないもんなんだろう?

    「…分かったよ、荷運びだろうが何だろうが手を貸す」
    観念したように唸り声を上げる。

  • 85亥狛の人2019/09/10(Tue) 23:28:33ID:YxMDgwOTA(3/11)NG報告

    >>84
    ここでパス回します。

  • 86明星2019/09/11(Wed) 21:36:14ID:AwMjg4NjY(1/4)NG報告

    北米異聞帯更新します

    「それじゃあ班分けしようか」
     藤丸立香がそう切り出したのは、主を失った流浪のサーヴァント、無形のエル・シッドが語るクリプターであったリドリー・フォーサイトの遺産。それから情報を得るために必要だと提示されたものを集めるためである。
     神酒はハドソン川沿いにある商店、装甲車はスクラップ工場、テレビ枠はテレコープ社ニューヨーク店。アメリカに点在するこれらを集めるためだ。
     うーん、と形のよい指を唇に当てて暫く考える。そして再び口を開く。
    「キャスターには神酒を頼める?」
    「承知しました」
     マスターの願いにキャスターのモーシェ・デ・レオンは首肯した。彼女が思っていた通り、モーシェは神酒に対して強い興味を覚えていた。それを察した彼女は役割を振ったのだ。ここら辺、多くのサーヴァントたちのマスターを務め、彼らを円滑に動かすための折衝を行っていただけに慣れたものだ。
    「ならば、キャスターには私が同行しよう」
     そう名乗り出た雪白の美女はセイバーの白雪姫。

  • 87明星2019/09/11(Wed) 21:37:07ID:AwMjg4NjY(2/4)NG報告

    >>86
    「道中、敵が現れるかもしれない。キャスターに丁々発止の大立ち回りをさせるわけにもいくまい」
    「それもそうだね。じゃあお願い。……それに前衛に戦士、後衛に魔術師って鉄板だよね!」
     本当ならあとは斥候か盗賊、あと神官も欲しいな、などと立香が呟く。
     リオナが立香に提案する。
    「それでは、私たちがそれぞれ道案内をしましょう」
     リオナはエル・シッドに目配せするとエル・シッドは無言で頷く。モーシェはリオナのほうを向く。
    「では、酒店にはリオナさんにご案内いただきましょう」
    「……ええ、わかったわ」
     嘆息してリオナはモーシェの依頼を受けた。
     その後、マスターによる班分けは進み立香とアインシュタインと大嶽丸が装甲車、リンドヴルムはテレビ枠。エル・シッドは立香たちの案内人を買って出た。

  • 88明星2019/09/11(Wed) 21:38:01ID:AwMjg4NjY(3/4)NG報告

    >>87
    「まあ、案内頼む」
    大嶽丸はそう言うとわざわざ立香とアインシュタインの間に入り肩を抱き寄せる。身辺を華やがせたい、そう思っているかのような、そんな笑顔だ。生真面目なモーシェが、多少の偏見をこめた視線で大嶽丸の横顔をひとなでする。
    「ふんっ」
     立香は自分の胴回りより太い腕を振り払い、拳を腹に叩き込む。
    「いてっ!」
     あれ、私、今地面を殴った? 立香は拳を抱えてうずくまる。
    「よせよ、痛いじゃないかね」
     力強いくせに悠然とした口調でそう言うと、大嶽丸は立香の手首を掴んだ。とくに力を入れたように見えなかったが、立香はひょいと持ち上げられた。

  • 89明星2019/09/11(Wed) 21:38:43ID:AwMjg4NjY(4/4)NG報告

    >>88
     なんたる―――、拳を擦りながら白雪姫に泣きつく立香を横目に、未だに肩を抱かれているアインシュタインは自身の念話で干渉されているのを感じ取る。
    (もし、奴さんがこちらに刃を向けるようなことがあれば、そのときはお前がマスターを連れて逃げろ)
     紅玉の如き双眸でアインシュタインは頭ひとつ以上高い鬼の顔を見上げる。大嶽丸は人の悪い笑みを浮かべていた。
    (クリプターのサーヴァントだったから、というだけではない。嬢ちゃんのような叛逆者(レジスタンス)も、俺たちの味方というわけではない。敵の敵は敵だ)
     汎人類史を取り戻す人理再編のためには空想樹を刈り取り、異聞帯(ロストベルト)を消滅させなければならない。リオナたち北米異聞帯の住人にとってカルデアは許し難い敵対者である。
    「心配するな、俺の辞書に不可能の文字はない」
    「失敗とか挫折とかいう文字はあるけどね」

  • 90橘亜衣&ミラーカペア【stage前日譚】◆V6COUaXse62019/09/12(Thu) 21:33:50ID:c4ODY0NjQ(1/4)NG報告

    >>42
    叛逆の騎士が、掲げた剣に赤雷を纏わせる。そのまま剣の切っ先を地面に叩きつける。
    雷撃が地を這い、眩い閃光を放ちながら騎士王へ襲いかかる。閃光に視界を阻まれた騎士王は弓を弾く手が刹那止まる。即座に弓を消失させ、一本の剣に持ち替える。剣を横薙ぎに振るうと、剣から炎の斬撃が放出された。
    雷撃は炎の斬撃と激突し、小規模な爆発を引き起こす。
    騎士王はその爆発に怯むことなく、自身の身長程もある大盾を構えて爆発の中を突っ切る。そして叛逆の騎士が立っていたと思しき場所を盾で殴りつけた。
    しかし、その一撃は空を切る。
    「セイバー、後ろだ!」
    主の声。声の導きのまま、超人的な反射で振り返り、大盾を構える。直後、盾に衝撃が伝わる。間一髪のところで攻撃を防いだようだ。
    ーーーここまでだったなら。
    大盾によって僅か塞がれた視界。その死角から、低い姿勢の叛逆者が躍り出た。その片腕に、"終わりの魔剣"を構えながら。
    (先の一撃は、まさかーーー)
    盾で防いだ攻撃は、アサシンの使っていた大鋏の残骸を投擲した物だったのだ。
    フェイントによって生じた一瞬の隙を、叛逆者は逃さなかった。
    凶刃が突き出される。回避は間に合わない。閃光と爆発による目眩し、セイバーが大盾を選択した事、防御と攻撃のタイミング。全てが"奇跡的に"噛み合った、最高の一撃だった。

  • 91橘亜衣&ミラーカペア【stage前日譚】◆V6COUaXse62019/09/12(Thu) 21:34:18ID:c4ODY0NjQ(2/4)NG報告

    >>90
    魔剣が騎士王の腹部へ突き刺さる。
    かつて王に深い傷を齎した魔剣は、王の纏う鎧を容易く貫通した。
    過去の残滓であるサーヴァントは、伝説の内容に縛られるーーー特にアーサー王にとって、クラレントとモードレッドの組み合わせは、最悪の相性と言えた。
    ーーーだが同時に、名高き彼の騎士王が、この程度の苦難で果てる訳もない。
    「くっ……おおっ!」
    自身に接近していた叛逆者の頭蓋を、騎士王は剣の柄で打撃する。
    「がっ!」
    叛逆者が苦悶の声を漏らして地面へ沈む。意識が霞むが、意地でも剣を手放すことはしなかった。強く握りしめた剣が騎士王の腹部から抜け出る。
    王は血を噴き出させ、荒い息を吐きながら叛逆者へ語り掛ける。
    「よくやった、ヴィヴィアン・ビリジアン。私にここまでの傷を負わせたこと、素直に賞賛しよう。だがーーーこれで決着だ」
    王は無慈悲に褒め称える。どれだけ善戦しようとも、ヴィヴィアン・ビリジアンでは、ここが終着だ。
    「ーーーまだだ」
    か細い声。しかし、その声には確かな気迫を持っていた。その気迫は、騎士王に言い知れない危機感を抱かせるに足る物だった。
    思わず後ろへ飛び退る騎士王。そして、直後に自身の行動に驚愕した。
    (私が、恐怖した……?)
    「ははっ……酷い顔じゃないか、王サマよォ……」

  • 92橘亜衣&ミラーカペア【stage前日譚】◆V6COUaXse62019/09/12(Thu) 21:34:51ID:c4ODY0NjQ(3/4)NG報告

    >>91
    全身から出血し、身体に殆ど力が入らないながらも、ゆらりと立ち上がるヴィヴィアン。その目には、最早狂気と呼べそうなほどの執念が燃えていた。
    「その身体でまだ立つか。死ぬつもりなのか?」
    「サア……どうだろうなァ……。だけど、負ける訳には行かないんだよ……」
    「……もうやめた方が良い。私はマスターに貴方を殺.すなと命じられている。これ以上貴方を傷つけたとしても益はないのだ」
    「嫌だ!私は……オレは……僕は……必ずお前に勝つんだ……!」
    叛逆者の持つ剣が、絡繰仕掛けのように形を変える。そして、恐ろしいまでの魔力と赤雷を放ち始めた。
    「これで最後だ……。お前に特大の一撃をくれてやる……。とことんまで付き合ってもらうぜ、王サマァ……!」
    赤雷が更に力を増す。禍々しくも美しい、邪悪な輝きが剣を覆う。
    「……私は、貴方を殺.す訳に行かない。ーーーだが、負ける訳にも行かない……!」
    騎士王が武器を持ち替える。その剣はクラレントの禍々しい光と対照的に、神聖な黄金の輝きを纏っていた。
    ーーー両者が己の切り札を解放する。
    「『我が麗しき、父への叛逆(クラレント、ブラッドアーサー)!』」
    ヴィヴィアンの魔剣から放たれる、騎士王を打ち砕く為の轟雷。
    「『約束された、勝利の剣(エクス、カリバー)!』」
    アーサーの聖剣から放たれる、人々の願いを束ねた光の斬撃。
    赤と金の輝きが、激突したーーー。

  • 93橘亜衣&ミラーカペア【stage前日譚】◆V6COUaXse62019/09/12(Thu) 21:35:07ID:c4ODY0NjQ(4/4)NG報告

    以上です。

  • 94リドリー陣営2019/09/12(Thu) 22:08:25ID:YwMzgzMzY(4/41)NG報告

    >>89
    エル・シッドは皆の様子を見る。リドリー・フォーサイトに関する怨みを晴らすにこれほど豪勢なメンバーはいないだろう

    いまいち信頼を得られていないと感じているが仕方ない。行動で疑念を晴らすしかないからだ。エル・シッド小さく嘆息する。だが、その目はギラつき、スカーフェイスに対する怒りを燃やす

    「あっ、そうだ。あんたらに紹介したい奴がいる」
    エル・シッドはそう言いながら自分の胸に手を当てる。そこから粘着性の泥ついた液体金属が出てきた。どう見ても人じゃない

    「俺が無形って言われる所以の一つ。Mr.コラーダだ。コラーダ皆に挨拶しな」

    液体金属は頭一つに手を二つ作り出し、皆に会釈した。そして初めて会う人々の顔をねっとり眺めている。そして立夏に顔を向け、近づき始めた

    ナメクジのように貼っている癖に機敏なその動きに背面から寒気が立つ立夏。Mr.コラーダは彼女に近づくと右手を取り出す。握手なのだろう、立夏はそう判断して右手を合わせた。金属特有の冷たさにスライムに近い感触の手。全身に鳥肌が立つもののきっかり握手を交わした

    手を離したMr.コラーダは立夏と隣にいた大嶽丸の顔をみる。交互に見比べた後、露骨に落胆したようなジェスチャーをした

    「何がっかりしてんだ、変態起動」
    エル・シッドの罵倒に対し、丸の中に棒を出し入れするジェスチャーをする。見た瞬間エル・シッドはMr.コラーダを殴っていた!

  • 95リドリー陣営2019/09/12(Thu) 22:09:22ID:YwMzgzMzY(5/41)NG報告

    >>94
    「お前な。人のプライベートを勝手に妄想するんじゃあない。変態起動、テメェのベッドの下にある雑誌全部燃やすぜ?」

    それだけは勘弁。Mr.コラーダは土下座するように地面に身体を擦り付ける。彼は性欲が強い

    「よーし、反省している形だけ見せてもらった。では次に行動で示してもらおうか?」

    へいへいなんでしょう。Mr.コラーダは揉み手をしてへこへこ頭を下げる。彼は上司に媚を売る

    「これから現地案内する必要があるんだ。お前にもその任務を任せたい」

    え!この女たちと一緒に行動できるのか!Mr.コラーダはカンガルーの勝利の舞をおどる。彼は性欲が強い

    「お前はこの人連れてテレコープに行ってこい」
    は?はーふざけてるわぁ。中指を立てるMr.コラーダ。彼は露骨に態度を変える

    「ほう?お前よく俺に対してそんな態度取れるなぁ?燃やすぜ?」
    それは勘弁してください!慌てて土下座するMr.コラーダ。彼は面の皮が厚い

  • 96リドリー陣営2019/09/12(Thu) 22:09:50ID:YwMzgzMzY(6/41)NG報告

    >>95
    「分かればいいんだ。さあ働いてこいよ?お前はできる」
    任せてくださいよ!サムズアップするMr.コラーダ

    そして彼は優秀である

  • 97ルキウス陣営2019/09/14(Sat) 16:06:28ID:kzNTY3OTI(3/5)NG報告

    九終更新です

  • 98ルキウス陣営2019/09/14(Sat) 16:06:47ID:kzNTY3OTI(4/5)NG報告

    >>97
    「くそっ、あいつ!僕の事はおかまいなしか!」
    全身を襲う倦怠感と疲労に思わず樹は立ち止まり、先行したアサシンを罵る。
    敵サーヴァントと接敵したのは間違いないが、それにしてもマスターへの配慮というものがかけらもない。アサシンは思うまま、好きな様に動くものだから、その分のダメージは全て樹へと叩きつけられる。体の節々に走る痛みに顔を歪めながらも、樹はなんとか戦場付近へとたどり着く事に成功した。
    視力を強化し、森をなぎ倒しながら繰り広げられる激闘を観察する。
    戦況は五分五分、と言うべきか。剣を得物とする女性のサーヴァントとアサシンは辺りの木を砕いては即席の槍として使っているらしい。
    「……アレは、セイバーか?」
    アサシンの獣の如き俊敏さから打ち放たれる連撃にも少しも焦りを見せず、セイバーの剣は容易くそれらを弾いていく。
    心臓、脳天、腹、ありとあらゆる急所を狙うアサシンではあるが、セイバーとの間には圧倒的な技量の差が見て取れた。
    どれだけ槍を振るおうが、どれだけ策を弄じようが、セイバーの剣技の前には等しく無駄と切り捨てられてしまう。
    (ダメだ。勝てない。元より暗殺者のクラスだ、真っ向勝負じゃ最優のセイバーに勝てる可能性なんて皆無だ……!)
    強いてセイバーに優っているものがあるとすれば、それは筋力程度だろう。怪力クラスによって上げされた膂力は何度かセイバーが力負けしている。
    つまるところ、技量の差を埋めるパワー。それさえあれば、アサシンがセイバーに打ち勝てる可能性は十二分にあると言えるだろう。
    とはいえ所詮それは仮定、机上の空論に留まる。現状を見ればアサシンはセイバーに一瞬の隙さえ許せば即座に首を刎ねられてもおかしくはない。
    五分五分など鼻で笑える。圧倒的不利。それが現状だ。
    不意に視界の隅を何かが横切る。戦いから目を離し、首を向けた時には既にそこには誰もいなかった。だが確かに樹は自分以外の誰かがここにいる事を理解した。
    一般人か、それともマスターか。
    (もしも、セイバーのマスターだとしたら)
    脳裏をよぎったのは運営から言い渡されたミッション。セイバー陣営との同盟。
    このままアサシンがやられるのを黙っている見ている訳にはいかない。聖杯戦争に勝利する為、島を守る為、そして海音に……!

  • 99ルキウス陣営2019/09/14(Sat) 16:08:10ID:kzNTY3OTI(5/5)NG報告

    >>98
    「やるしか、ないか」
    決意を込め、樹は森の奥に消えた背中を追いかけるのであった。

  • 100愉悦部inクローディアァ!2019/09/14(Sat) 16:16:23ID:U4NzY0NDY(8/10)NG報告

    >>84
    「そう。有難う助かったわ。じゃあ――、あ」

    「チョォォォォォトマッッッッタッ!」

    何か、何気なくとも致命的なミスに気づいたような、それが何かに気づく前に、遠方に待機していたセイバーの叫び声がそれをかき消した。耳をつんざくような悲鳴というよりは奇声を上げながら車椅子に乗った包帯だらけの怪人を乗せながら猛スピードで下校中の生徒を横に退けさせながらこちらに突っ込んでくる。

    先の奇声で耳を傷めながらもゲルトラウデは思う。薄々感づいっていたが。

    あぁ――、めんどくさいのが絡んできた。

  • 101亥狛の人2019/09/15(Sun) 20:24:04ID:kwOTU2MTU(8/15)NG報告

    その姿はともすれば不審者に見えかねない勢いを帯びていた。
    奇声を上げながら車椅子を爆走させるその二人組は、下校途中の学生達を物ともせずに猛進してくる。
    世俗に疎い人狼の目からも二人組の姿は奇異に映って見えたのだろうか、それとも二人組の異様な圧力に気圧されたのか。
    亥狛は無意識に一歩後ろに引き下がる。

    『…やはり彼等でしたか』
    とランサーからの声が脳に響く。文脈から類推するに彼等は先日ランサーが語っていた剣士の英霊とマスターなのだろう。
    (ランサーから聞く分には割と善い奴等だって話だけど…)
    今現時点では戸惑いしかない。
    というよりこの場に立たされて以降、亥狛の脳内は九割九分九厘困惑しかない。

    外連味溢れる男は亥狛達の前で車椅子を急停止させる。車椅子に載せられた包帯男は慣性の法則を魔術で緩和させているのか車椅子から振り落とされる事なく着席している。
    ふと、亥狛は横にいるゲルトラウデの顔を見る。
    「まさか絡んでくるとは」と言わんばかりに迷惑げな表情を浮かべていた。

    「────その話、俺達も一枚噛ませてもらおうかッッッッ!!!」

  • 102亥狛の人2019/09/15(Sun) 20:25:04ID:kwOTU2MTU(9/15)NG報告

    >>101
    もらおうかッッ─────

    うかッッ─────

    かッッ─────

    ッ────

    伏神の街全体に響いたのではないか。
    英霊の肺活量から吐き出される声量の鮮烈たるや凄まじく、亥狛の耳朶を揺らし、鼓膜を振るわせ、脳が揺れる錯覚を覚える程であった。

    ─────どうしよう。このノリ、付いていけるだろうか。

    その世界のスピードに振り落とされない様心の緒を締める亥狛であった。

  • 103委員会【onSTAGE&島狂代行】◆O0PRisauvg2019/09/18(Wed) 20:40:21ID:YxMzA5NjY(1/10)NG報告

    >>92
    簒奪された王剣から伝わる何かがある。
    眼前の男に応報せよと、立ちはだかる全てに牙を立てよと。
    紡ぐ言の葉は呪詛に等しい。
    赤雷に蝕まれる身体はその痛みで辛うじて意識を保っているような状況だ。

    それでも……そう。それでも、求めるものがあるのならば

    唱えよ


    「『我が麗しき、父への叛逆』!」

    振り下ろす魔剣から解き放たれた暴威の塊とも言うべき魔力の奔流は違わず騎士王へ目掛けて突き進む。
    だがそれと同時に抜き放たれた輝きがあった。

    「『約束された、勝利の剣』!」

    激突する光と光。
    ーcont.ー

  • 104委員会【onSTAGE&島狂代行】◆O0PRisauvg2019/09/18(Wed) 20:41:48ID:YxMzA5NjY(2/10)NG報告

    >>103
    ヴィヴィアン・ビリジアンは間違っても戦士ではない。魔術師としても半端モノの、生き様すら二流の男だ。
    だが聖剣の輝きはその心を貫いた。
    其の輝きこそ過去現在未来、すべての闘いに敗れる者が手を伸ばし、されど届かない『栄光』という幻。
    選ばれし王が振るうに相応しい星の聖剣、エクスカリバーの輝き。
    クラレントから放たれた光は次第に勢いを失い、あわや黄金の輝きがヴィヴィアンを飲み込もうとした時———

    「ご主人様っ!!!」

    片腕を失ったメイドの突進を受け吹き飛ばされる二人。極光から間一髪で逃れたヴィヴィアンは目撃する。
    両脚を焼かれたメイドを。
    腕を失い、今度は脚を失った■■の人を。

    「———ァ! アア!!!アアアアアアアアアアアア————」

    その声は言葉にならない。高速で暴れ回る思考は既に言語野を凌駕し獣が如き唸り声があがる。
    抱きしめるその身体のなんと軽いことか、人が人として生きるためにはあまりに多くのものを喪い過ぎている。
    それでも胸中に抱き寄せたメイドは残った腕で主人の涙を拭って見せた。
    震える手、虚ろな視線、声も出せない口……ヴィヴィアンは最後の覚悟を決めた。
    ーcont.ー

  • 105委員会【onSTAGE&島狂代行】◆O0PRisauvg2019/09/18(Wed) 20:44:25ID:YxMzA5NjY(3/10)NG報告

    >>104
    「………ぃ呪を以って命じる」

    ヴィヴィアンの右手に刻まれた三画の令呪が光る。それは人が御するには余りにも強大なサーヴァントに対する絶対の命令権。

    「瞳を閉じろ」

    たった三度しかないその絶対命令で下された内容は起死回生の一手でも何でもなかった。
    そしてアサシンが瞼を下ろすのを確認すると、そのマスターは唇を交わらせた。
    それは触れるか触れないか、接吻と呼ぶには余りに弱々しいなにかだった。

    「続けて命じる。アサシン、なにも喋るな」

    それは意味のない命令に思えた。だがそれは彼にとっては必要な命令であった。
    これで連続して二画。残りは一画。
    瞳を閉じ、大きく息を吸う。そして目を閉じたまま言葉を紡ぐ。

    「最後の令呪を以って命じる。アサシンよ
                                     彼女を返してくれ」
    ーcont.ー

  • 106委員会【onSTAGE&島狂代行】◆O0PRisauvg2019/09/18(Wed) 20:47:00ID:YxMzA5NjY(4/10)NG報告

    >>105
    ニタリ、と大きく歪んだ顔をヴィヴィアンが見る事はなかった。


    そもそもデミ・サーヴァントとは何か。
    それは英霊という力を、その力だけを利用するために企図された外法の産物。
    意思ある英霊から主導権を奪い、その肉体の持ち主が人類史に刻まれる程の英雄の力を好きに振るうための兵器。

    だがもし、もしそのデミサーヴァントの肉体の持ち主の、その精神が最初から死ん.でいたらどうなるのか。

    悪魔が

    解き放たれる

    その名は………

          メフィストフェレス
         『光を愛せざるもの』

    ーpassー

  • 107明星2019/09/19(Thu) 22:40:14ID:MxMjk0ODI(1/3)NG報告

    フランス特異点更新します

    「なんだ、なんなのだぁぁぁっ!? わからん、わからんぞぉ!」
     象牙を彫りあげて作られた女神像のような女が絶叫する。異境魔境の女王の身体を依代に現界したフォーリナー・スカタクが頭を抱えて悶絶する。
    「バカなのか!? バカオロカなのか!? そーなんだな! そうに違いない!」
     躁的な反応をするスカタクに人狼のバーサーカー・リュカオンが自ら率いる魔性の軍勢を率いて走り出す。復活した月棲騎兵獣(ムーンビーストキャリバー)たちは猛然と襲い掛かる。さながら午睡の夢からさめた肉食性恐竜と化したのである。
    疾走する魔狼王は、前傾した姿勢をそのままに一回転させた。スカタクから放たれた超硬度な結晶の槍が、一瞬前にまで彼の頭部のあった空間を貫いて遠方にある丘陵に命中し、非音楽的なひびきをたてて、丘陵の表面を砕き突き刺さっている。
     リュカオンが放った視線の先に、歪み捩くれた結晶の槍を陽光に反射させつつ殺到して女神の姿が映った。魔狼王は女神の細い首を噛み砕かんと襲い掛かる。装甲車の装甲すら噛む砕く強靭な顎を、狙わる女神は猛禽のごとき軽捷さで避ける。
     スカタクはふっと、けぶるような微笑を浮かべていた。
    「よしっ! 決めたーぞ! よォく訊けバカオロカ。お前の倒しかたは決めた。疾く失せるがいい!」

  • 108明星2019/09/19(Thu) 22:41:41ID:MxMjk0ODI(2/3)NG報告

    >>107
     超越存在たる神でなければ、とても到達できないような達観と壮図に満ちた笑み。それを目の当たりにしたリュカオンは口から、血と憎悪をしたたらせながら、美貌の女神を焼き殺.すかのように、眼光を集中させる。
    ―――この身を獣へ堕とした増上慢どもと同じだ。
    ―――自分の意志が絶対であり起きる結果も変わらないとでもいうような……!
    霊基が軋むほどの怒りが彼の体内を嵐のように荒れ狂う。
    「■■■■■■■■■■■■―――――――ッ!!」
     リュカオンは怨念に穢れた咆哮で大気を震わせた。
     こうしてさながら、蛮人同士の血戦が始まった。領域外の女神と堕天の魔狼王の戦闘だというのに、火薬が実用化される以前の日々、いや石器時代にまで時を遡行して、肉体と刃物と鈍器をぶつけ合う闘争が展開されたのである。
     金属と非金属が激突し、飛散する血腥い臭いが周囲に漂い、リュカオンの配下の死体から臓物がまろび出ている。スカタクは引き撃ちし始め距離を保ちながら槍を放ち、接近する敵を手に持つ槍で払い突いて仕留める。有象無象を捌きつつ、リュカオンめがけて投槍で攻撃する。リュカオンも放たれた槍を二本とも叩き落とす。
    「――――」
     スカタクが忌々しげにリュカオンへ近接して刺突を繰り出す。強烈な刺突を、受けとめるのではなくはね返し、致命的な一閃を敵に撃ち込んで跳び退る。その間に、飛来する槍をさけて素早く移動しつつ、スカタクを狙ってくる。俊敏で理にかなった動作は、スカタクの憎悪の的とした。致命的な襲撃を捌いて引き撃ちをしてもすぐに距離をつめてこようとするリュカオンが憎らしかった。
     スカタクは後背から迫りくる月棲騎兵獣(ムーンビーストキャリバー)を槍の一閃で血煙の下に撃ち落とした。
    「下賤な獣(けだもの)め……」
     忌まわしい、だが、哀れな獣だ。美貌の女神は嘲弄する。引き撃ちをする彼女の態度に何か裏があるのではないかと疑いながらも、リュカオンは憎き神気を追わずにはいられない。もしも真っ当なマスターが、彼奴を御せるものがいれば、命運は違ったかもしれないが、そのようなことは考えても仕方ないことだ。

  • 109明星2019/09/19(Thu) 22:42:10ID:MxMjk0ODI(3/3)NG報告

    >>108
    以上です。フォーリナーさんよろしくお願いいたします。

  • 110委員会【onSTAGE&島狂代行】◆O0PRisauvg2019/09/22(Sun) 12:38:15ID:c5NTcxMTQ(5/10)NG報告

    >>106
    ザラリと、ナニカが心を逆撫でた気がした

    ズルリと、ナニカが腕をすり抜けた気がした

    ゾワリと、ナニカが這い出した気がした


    「ぃ、いざ…イザベル……ぅ、うう……」

    それは彼が彼女に付けた名前だった。自分の教育係として充てがわれた名もないホムンクルスに、幼い彼が付けた名前だった。
    あの日、自分の愚かさの代償に永遠に喪われた彼女。
    いま、自分の浅ましさの代償にもう一度喪われる彼女。

    自分は、この自分でも制御できない感情のせいで自分よりも大切と思ったひとを二度も喪ってしまった。
    恐れていたことが、現実となったのだ。

    ーcont.ー

  • 111委員会【onSTAGE&島狂代行】◆O0PRisauvg2019/09/22(Sun) 12:39:34ID:c5NTcxMTQ(6/10)NG報告

    >>110
    メイド服を着たホムンクルス、片腕と両脚を失った人形から魔力の塊が溢れ出る。
    それはエーテルのカラダとなり今、舞台の上に現れる。

    それはサーヴァント。

    暗殺者のクラスを以て現界した人間でも、悪魔でもないナニカ。
    魔術師ファウストによって創造された生命体。戯曲に語られた誘惑と裏切りの悪魔。

    「あぁ、ぁあ……!」

    言葉にならない声をあげる男の腕に抱かれたメイドと同じくホムンクルスとして生を受け、純粋なまでにその欲求を満たすことで英霊の座に刻まれるに至った究極の愉快犯。
    その目の前で、今、すべての物語は結実した。
    座興は終わった。さぁ、この興奮が醒めてしまう前に幕を降ろそう。

    白すぎる手指、その爪が鋭利に伸びる。
    主人であった男の命を奪うために、衆人環視の前で、凶刃が、振り下ろされる。

    ーpassー

  • 112リドリー陣営2019/09/30(Mon) 09:33:51ID:k2NTc2NzA(1/8)NG報告

    伏神行きます

  • 113リドリー陣営2019/09/30(Mon) 09:34:04ID:k2NTc2NzA(2/8)NG報告

    >>112
    タイムセールは闘いだ。特に軽減税率だの消費増税だの言われる月最後に行われるのだ
    スーパーが戦場にならないと言えるだろうか?
    否!それは素人の都合のいい幻想に過ぎないのだ!

    〜人界地獄帳・英霊軍団スーパーにて堕つ!〜

    スーパー『黄桜』伏神店内に立つ六人の男女
    そのうち三人は一騎当千、音に聞く強者、歴史から現れた英霊である。もう三人は彼らの主人。そんな戦慣れした彼らは戦々恐々していた。訳は一つ。あと五分で始まるタイムセールの為待機している猛者達(しょうひしゃ)の気迫に押されていたから故に

  • 114リドリー陣営2019/09/30(Mon) 09:34:38ID:k2NTc2NzA(3/8)NG報告

    >>113
    ゲルトラウデは正直なところ物理的に精神的に頭痛がしている。ただのタイムセールでなぜここまでこの男は焦るのか?そんな思いをしている。狂人リドリーのサーヴァントに有無を言わせず頭を片手で持たれ、簀巻きの如く抱き抱えられここまで来た時、流石のライダーもセイバーにキレた。それはイコマも同じでランサーはセイバーに対する好感度を下げた

    だがセイバーに構う余裕なし。ある種の強迫観念が比較的秩序的であるエル・シッドをかきたてた。偏に特売品を狙う猛者達に対する焦燥感

  • 115リドリー陣営2019/09/30(Mon) 09:36:03ID:k2NTc2NzA(4/8)NG報告

    >>114
    「おんヤァ?いたんですな『心太』の西馬さん」
    西馬とはエル・シッドの偽名の一つ。この名前の時、彼はヒスパニック系日本人となる
    話しかけた男は河田。別名『音超』
    タイムセールにおいてそのスタイルから異名がつけられる。河田は音よりも早く目的地につき特売品を購入してしまうところからあだ名がつけられた。エル・シッドの『心太』も押し出される心太のように猛者の隙間を潜り抜け目当ての品を取るところから名付けられた

    「あんた、まだいたのか?前々回の鯛釜飯セールの時腰やって引退したと見聞していたが?」
    「へへ、西馬さん。老兵はただじゃ死なないんでさぁ。今回のタイムセールが増税前最後。無理やり体調を整えて来やした」
    「老骨おってもらいって悪いが、無駄だった事を証明してやんよ」
    「へへ、西馬さん。あんたもよくいう人でさぁ。その言葉そっくりそのままお返ししやす」

  • 116リドリー陣営2019/09/30(Mon) 09:39:25ID:k2NTc2NzA(5/8)NG報告

    >>115
    バチバチに火花を散らす2人を側から見て理解するのを諦める5人。大凡真面目に考えてはいけない空間のようだ

    エル・シッドは作戦会議を始める。紆余曲折したが、立ち位置が決まった。英霊三人は前衛として品を集め、主人三人は後衛として飛んできた品を受け取り会計へ持っていく

    作戦を固め、配置に着く六人。彼らのいく道は天国か地獄か?それは阿頼耶識ですらわからない……………

  • 117リドリー陣営2019/09/30(Mon) 09:40:36ID:k2NTc2NzA(6/8)NG報告

    >>116
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    死ぬかと思った
    特売品を買った6人は満身創痍だった
    いかに英霊、魔術師と雖も日頃タイムセールで戦っている猛者に対して、苦戦は必至なのだ

    息のあった物量戦を行う『米国』の岸十兄弟
    あまりに高速の手技で品取る『千手』の館無戒
    鷲の如く空を舞う『滑空』の鳳
    猛者の弱点を見抜きせめる『医者』の工藤
    猛者のスタイルを模倣する『互換』の鴻上
    誰も勝てない年齢76歳『最強』の真砂バーさん

    後の世に『伏神のスターリングラード攻防戦』と謳われる闘いを生き残った、生き残ったのだ

    リドリーは今日この日を生き残った事に対して誰に対してでもなく感謝の念を送った。そしてふと『当初の目的を思い出し』、慌ててゲルトラウデ嬢とイコマに聞く

  • 118リドリー陣営2019/09/30(Mon) 09:41:31ID:k2NTc2NzA(7/8)NG報告

    >>117
    「これから飲みいかない?」

    2人の答えはNO
    そこでリドリーはもう少し提案のランクを下げる

    「じ、じゃあさ、そこの公園で少し駄弁らないかい?それくらいならいいじゃないのか?戦利品の山分けもしないといけないしよ」
    〜〜〜〜〜〜〜〜
    今回の戦利品
    アルプスの天然水
    名古屋コーチン手羽先
    名古屋コーチン胸肉
    名古屋コーチンもも肉
    九条ねぎ
    富良野産人参
    越冬キャベツ
    ほうれん草


    打ち立てラーメンの麺

  • 119リドリー陣営2019/09/30(Mon) 09:41:44ID:k2NTc2NzA(8/8)NG報告

    >>118
    終わりです

  • 120橘亜衣&ミラーカペア【stage前日譚】◆V6COUaXse62019/10/01(Tue) 21:19:06ID:Y4NzcwODk(3/19)NG報告

    >>111
    〜場面転換・ある女の心境〜
    「貴方がそこまで仰るのなら、私も楽しみましょう。ただ、彼らの作り出す流れに身を任せて」
    隣で鑑賞する黒眼鏡に告げて、私は視線を戻した。
    舞台の上で演じられる、願いと願いのぶつかり合いに酔いしれる。
    そして、彼らの物語に想いを馳せた。
    オズボーン・ファンタジアとヴィヴィアン・ビリジアンーーー本来交わることのない2本の線。
    それが交差し、舞台に無数の煌めきを灯す。
    舞台の上でたった今、ヴィヴィアン・ビリジアンが甲冑を身に纏い、アーサー王に対するジョーカー、モルドレッドとして伝説の王に相対した。
    観客が挙げる歓声や拍手が心地よい。
    そこに込められた熱狂や興奮が手に取るように分かる。
    耳朶が震えるごとに、なんとも言えない幸福感が身を包む。
    視界では、2人の騎士が剣戟の火花を散らす。彼らが剣を振るい、身を動かす度、意思の光とも言うべき煌めきが舞っているようだ。それは緑、青、赤、黄と宝石の如く輝き、私を楽しませてくれる。
    ーーーけれど、残念。私の本命は他にいるの。

  • 121橘亜衣&ミラーカペア【stage前日譚】◆V6COUaXse62019/10/01(Tue) 21:19:43ID:Y4NzcwODk(4/19)NG報告

    >>120
    私の本命。それはヴィヴィアン・ビリジアンでも、アサシンでも、観客達でもない。そしてセイバーでもない。
    視線を騎士達の決闘から移す。視線の先には、そこに存在するだけで溢れんばかりの輝きを放つ者がいる。
    ーーーオズボーン・ファンタジア。
    彼の放つ意思の光は、金色。正しく光、煌めきと表現するに相応しい色。
    彼は自身の背後に水鏡を展開し、静かに2人の騎士を見つめている。
    ーーーあなたのその煌めき。ずっと気になっていたんですよ?
    彼にはこの上演が始まってから、いえ、一目見た時から惹かれていた。あの美しい輝きに。そしてーーーその輝きの裏側に。
    彼の輝きも、意思も、美しいものだ。けれど、美しいだけの人間なんて、いるのでしょうか?

    ふと、観客の反応が変わった。再度視線を騎士達の方へ向ければ、お互いの剣に眩い光を纏わせて相対していた。
    ーーー宝具の解放。
    二振りの剣から放たれる光の奔流。地面が抉れ、強大な力と力がぶつかり合う。

  • 122橘亜衣&ミラーカペア【stage前日譚】◆V6COUaXse62019/10/01(Tue) 21:20:15ID:Y4NzcwODk(5/19)NG報告

    >>121
    そして、
    「ご主人様っ!!!」
    そこからの一幕に、目を奪われた。
    どこか遊んでいるような気軽さを持っていたアサシンが身を挺し、脚を消しとばされた彼女をヴィヴィアンが抱き寄せる。
    ヴィヴィアンの顔が悲痛に歪む。この世の中終わりというような表情と、地獄のような絶叫。
    その後のーーー令呪を使った命令(くちづけ)。
    浮き彫りになった彼の想い。それを目の当たりにして、私の心が動いた。
    ーーーああ、それが貴方の秘密なのね。
    なんてーーー愛おしい。

    まもなく舞台は終わる。
    幕の降りたその後に、"彼等"に会うのが楽しみね。

  • 123伏紙アサシン陣営2019/10/04(Fri) 01:07:44ID:I5ODU0MzY(1/7)NG報告

    ウィリー・ジャックは歩いていた。
    言葉は無く、ただ何も変わらぬ冷えた光をその目に湛えながら路地裏を歩いていた。
    隙間から差し込む夕暮れの輝きを持ってしても彼の心を揺らす事は出来ないだろう。
    昨晩、何者かに背後から襲われ昏倒、目が覚めたのは太陽が空の中心に来た頃合いだった。すぐに己の身体に何か魔術や呪いが仕掛けられていないかの確認、そして拠点の廃ビルの装置が働いていないかを点検したが何も見受けられない。
    サーヴァントであるアサシンにこの事を尋ねたが、アサシンは素知らぬ態度で首を横に振った。
    それが嘘である事をウィリーが見抜くのに時間はかからなかった。元より狂人に片足を踏み入れている反英霊だ。己の主人が強襲されて何の反応を示さない従者などこの世にはいない。
    人はそれを背信者と呼ぶ。

    「ここか」

    とある一角で足を止めた。
    彼方此方に映る、抉り取られたアスファルトは昨晩起こった戦いの証拠だ。何かが音速に匹敵するスピードで移動しなければここまでには至らないだろう。
    そして、奥の壁には薄くなりつつある血が染み込んでいた。ウィリーの頭より二つくらいから血は流れたらしく、少なくない量から察するに腕を切られたか。

    「………」

  • 124伏紙アサシン陣営2019/10/04(Fri) 01:08:18ID:I5ODU0MzY(2/7)NG報告

    >>123
    ウィリーが壁に向かって手を翳し意識を集中させると血跡は淡く光り始めた。やはり魔術師の血だ。
    しばらくすると、蒐集された魔力が小さく押し固められた結晶となり出現する。親指と人差し指に挟まれ夕日を浴びたそれは赤くルビーの様な色合いを放つ。
    赤色。ウィリーの目に映ったそれは重大な意味を持っていた。
    通常、蒐集された魔力は大半は白く透明な結晶へと姿を変える。ただそれでも聖堂教会の者が使う詠唱などで発生した魔力は無色に近くなり、黒魔術から採集した結晶は文字通り黒に近くなる傾向という傾向が存在する。
    ならばそのどれにも当てはまらないこの赤色が示すのはーーー

    「神代か」

    この科学主義が確立された二十一世紀、神々が世界を支配していた時代の証はほぼかき消え僅かに名残があるだけだ。目にかかる機会もまた、失われたはずだった。
    だが目の前の結晶はそれを否定する。何よりもウィリーの魔術によって。

    「………」

    神代から残る魔術は世界を五周した程度では己のように刻めなかった。
    ーーーだが、仮にその神代の魔術を知る者がこの聖杯戦争に参加しているとすれば?

    ふと思い立ったかのように後ろを振り返る。護衛の為、側に控えさせていたアサシンは居なくなっていた。
    ウィリーは表情を変えず、昏い光を宿した目で令呪を見つめていた。

  • 125橘亜衣&ミラーカペア【stage前日譚】◆V6COUaXse62019/10/05(Sat) 19:19:02ID:QzODk0NDU(6/19)NG報告

    >>122
    〜舞台上〜
    高音が響く。
    ヴィヴィアンを貫かんとしていた凶刃は、刺客の頭上へと跳ねあげられていた。
    「させないよ」
    静かに、身を正させるような風格を持った声が響く。
    滂沱の涙を流す錬金術師と、それを嘲笑う悪魔。そして、錬金術師を護る様に立つ騎士。
    騎士が纏う銀色の鎧は、しんしんとした雪景色の如く、神秘的で清浄な輝きを放つ。
    鮮やかな金髪は舞台の照明に照らされ、見る者の心に光を灯すようだ。
    金と銀のコントラスト、そして颯爽とした立ち姿が人々を魅了する。その姿は正しく、御伽噺で語られる騎士のもの。
    「な、ぜ、だ……?」
    錬金術師が騎士に問う。何故この騎士は、先程まで敵だった自分を助けたのか、不思議でならなかったのだ。
    「私はマスターに、貴方を死なせるなと命じられている。それを違える訳にはいかない。それにーーー目の前で消えようとする命の火を、見過ごせる騎士などいるはずがない!」
    力強い宣言だった。彼の騎士にとって、それこそが本懐。主人を、誰かを護るという堅き誓い。
    その返答を受け、錬金術師は俯いた。そして、たった一言呟く。
    「ーーー敵わねぇな、アーサー王」
    その声は弱々しく、苦々しく。されど清々しさも感じられた。
    「ちょぉぉ〜〜〜〜〜っと、よろしいですか?お取り込み中のところタイヘン申し訳ないのですけれども、ワタクシ、そこの方を可愛がり(コロシ)たくて可愛がり(コロシ)たくてウズウズしているの死(Death)!」

  • 126橘亜衣&ミラーカペア【stage前日譚】◆V6COUaXse62019/10/05(Sat) 19:19:30ID:QzODk0NDU(7/19)NG報告

    >>125
    錬金術師の感傷を汚すように、軽薄で下劣に嗤う悪魔。道化を思わせるな白い化粧が、その狂的な雰囲気を加速させている。
    「気配からして、お前がアサシンの正体か。ーーー彼らに手は出させないよ」
    「ヒヒッ!ヒヒヒッ!イイですねぇ〜〜。高潔な騎士様がどうなってしまうのか、ワタクシ楽しみでございます!」
    アサシンが後ろへ飛び退ると同時にカードを投げる。騎士は飛来するカードを剣で弾いた。
    その光景は、序盤の再演のようだ。
    しかし、ただの再演ではない。その相違点の一つとして、着地したアサシンの足元が隆起し、一つの構造物が出現する。
    「それでハァ、皆さま。ワタクシのパフォーマンスを披露致しましょう!」
    現れたのは、巨大なメリーゴーランドだった。
    アサシンは馬の一頭の上に立ち、悪辣な笑みのままカードを投擲した。セイバーはそれを回避しながら、回転を始めた別の木馬に飛び乗る。
    道化と騎士の対決、その第二幕が始まった。

  • 127橘亜衣&ミラーカペア【stage前日譚】◆V6COUaXse62019/10/05(Sat) 19:22:50ID:QzODk0NDU(8/19)NG報告

    >>126
    以上です。
    ここからやりたいこととしては、
    ・過去に受けたカードで付着した呪いが爆発(イザベルの放ったカードは、メッフィーの悪戯心で呪いは発動させずにいた)。
    ・カリバーン解放で決着。
    です。

  • 128リドリー陣営2019/10/06(Sun) 23:14:21ID:A0NTgzMTg(7/41)NG報告

    アメリカ異聞帯です

  • 129リドリー陣営2019/10/06(Sun) 23:14:36ID:A0NTgzMTg(8/41)NG報告

    >>128
    「拍子抜けする程簡単だったな」
    大嶽丸の言葉に同意する立夏。拍子抜けする程なんの困難もなく装甲車を持っていくことができたのだ
    別れた他のチームも同じような展開だったらしい。モーシェは神酒の調査をしている結果が出るのはもう少し先であろう

    立夏はエル・シッドの言葉を思い出す

    『復讐だ。あの傷持ち野郎のドタマにこの拳ぶっ刺してやりたい。それが今の生き甲斐だ』
    目に宿る炎は怒りに彩られ、気迫に嘘はない

    (まあ、私たち裏切るような感じには見えないけどなぁ……………)
    しかし何事にも過信は良くない。数多の特異点、■つの異聞帯を解決した彼女の経験上導き出した処世術ゆえに

  • 130リドリー陣営2019/10/06(Sun) 23:15:20ID:A0NTgzMTg(9/41)NG報告

    >>129

    「涙が出てるな。なんかあったか?」
    「あ、ごめん白雪姫心配かけちゃったね。ちょっと疲れてね」
    「全く……………」
    涙を手で拭う様を見て、思わず抱きしめる。平凡な善人かと思えば時々訳の分からないのが彼女だ

    (はさまりてぇ……………)
    「顔に出てるぞ呪鬼」
    「え、まってなんだよそのあだ名。俺には大嶽丸っていう天地を開闢させるどえらい名前があるんだぜ」
    「癖みたいなもんだ。許せや呪鬼」
    「また言ってるやんよ」
    エル・シッドと大嶽丸の小競り合いを尻目にリオナは機械を動かしテレビを作る
    それを興味深く見ているのはアインシュタインだ。彼女の頭脳を持ってしても何故装甲車を溶かした液体から型に流し込む事でテレビができるのか皆目見当がつかない

    19分後
    完成したテレビにビデオを差し込む。そして映像を再生した。リドリーが残したその遺産。一体どんな内容なのか?

  • 131リドリー陣営2019/10/06(Sun) 23:15:49ID:A0NTgzMTg(10/41)NG報告

    >>130
    19分後
    完成したテレビにビデオを差し込む。そして映像を再生した。リドリーが残したその遺産。一体どんな内容なのか?

    映し出されたのはこの部屋。写っている男はリドリー……………"ではなかった"

    『Allo。僕は宇喜多直家。ここじゃ"謀略の宇喜多"といわれいる』

    戦国の世に梟雄と謳われた天才謀略家の姿だった……………

  • 132リドリー陣営2019/10/06(Sun) 23:16:46ID:A0NTgzMTg(11/41)NG報告

    >>131
    〜〜〜〜
    このビデオを見ているなら僕の予測通りことが進んでいるんだろう。脳が発達しててね。人がどう動くのか完璧に分かるようになったんだ。……………僕たちが勝利するためには僕たちが犠牲にならなきゃいけない事を黙っていて申し訳ないと思っている。まあ罪悪感はないけどね、君たちは僕の家臣じゃないし

    それはさておき、裏切り者は"歴史に潜むデン・テスラ"じゃないかな?彼の動機はただ一つ『歴史的英霊になりたい』だね。彼の技術は凄い。弟を遥かに凌駕している。だが"無意味だ"。彼は何かを成し遂げる前に死ん.でしまったからね。弟よりも能力があると自負しているのに自分は幻霊にしかならない。彼にとってこれ以上の屈辱はないさ。だから"裏切る"

    彼は自分独自の方法でこの異聞帯を修復しようとしている。だが、この目論見は失敗に終わるんだ。何故なら彼は"傷持七豪集"に殺されるから。どんなに強い英霊を読んだとしても彼は勝てない。僕の"予測"は絶対さ

  • 133リドリー陣営2019/10/06(Sun) 23:17:20ID:A0NTgzMTg(12/41)NG報告

    >>132
    じゃあ何故こんな話をするんだ?そう思ったよね、この映像を見ている君。デン・テスラが"見つける物"が重要なのさ。彼はこの異聞帯を解決できるアイテムを必ず見つけ出す。だがこのまま行けば傷持七豪集に取られるだろうね

    そこで君たちだ。君たちがやるべきことはこのデン・テスラが見つけ出したアイテムを横取りすること。それが出来なければアメリカは終幕さ。異聞帯としての強度はそれなりだが、この国に隠されているのが"やばい"。他の異聞帯を凌駕する物量があるからね

    このカプセルを飲んでからの僕の予測は絶対だから。でも予測できるだけでは勝てない。君たちがミスをしなければアメリカは必ず修復できる。期待しているさ



    あっ、場所行ってなかったね。君たちが行くところは

    ハリウッドだ

  • 134リドリー陣営2019/10/06(Sun) 23:19:05ID:A0NTgzMTg(13/41)NG報告

    >>133
    〜〜〜〜〜〜〜〜

    荒野に大きく浮かぶ影有り。アルプス山脈と比較しても支障がない程の大きな影は羽ばたいていた

    "怪鳥ソロウェイ"

    『舵取の五人目』が操る巨大な索敵機だ。外敵を噛み砕く口は威嚇を露わにし、その片目は外敵を睨みつける

    ソロウェイと比べると遥かに小さい、しかし90mはあろう象がその先にいた。いや正確には頭の上にいる英霊を見ているのだが

  • 135リドリー陣営2019/10/06(Sun) 23:19:44ID:A0NTgzMTg(14/41)NG報告

    >>134
    ……………珍妙な格好だ。髷を結い、桃色の戦鎧をつけ、桃のマークのついた鉢巻を巻いている。刀、小手、脛当て、巾着袋。恐らく日本の出身者。そしてその旗には『天朝無類』の文字

    ソロウェイは風を巻き起こす。その羽ばたきにより砂嵐が連鎖的に生まれ、周囲を吹き飛ばす。だが英霊は意に返さない。むしろさらに直立姿勢を保っていた

    面白くないのはソロウェイだ。彼は嘴で英霊の内臓をえぐろうとする。瞬時に動かした頭の速度、実にマッハ9。並の英霊おろか強い英霊でも粉々になってしまうだろう

  • 136リドリー陣営2019/10/06(Sun) 23:20:17ID:A0NTgzMTg(15/41)NG報告

    >>135
    ミシリ。爪を捩じ込む音がする。英霊がソロウェイの嘴を握り潰す音だ。マッハ9。その衝撃をこの英霊は筋肉だけでねじ伏せたのだ!

    「嘴も臓にいたならければ良い。全く安易なものよ」

    そう呟くと嘴を掴んだまま片手でソロウェイを地面に叩きつける。

    ドバガンッッッッッ!!!
    ドバガンッッッッッ!!!
    ドバガンッッッッッ!!!
    叩きつけられるたびにクレーターが生まれ、音が鳴るたびに地面が揺れる。神酒の管は軋み、地の肌はひび割れ、土の骨はヒビ入る!

    そして伸びきったソロウェイを片手で回転させ、ハンマー投げの如く空に飛ばした!ソロウェイは態勢を直す暇なく大西洋に叩きつけられたのだった

  • 137リドリー陣営2019/10/06(Sun) 23:20:40ID:A0NTgzMTg(16/41)NG報告

    >>136
    〜〜〜〜〜〜〜〜
    「ソロウェイがやられたようじゃ」
    「マジの話?舵取氏」
    「しばらくは休ませた方がいい程にやられたようじゃ」
    「困りましたね、やられた場所は?」
    「ハリウッドじゃな。文字が見えたからのう」
    「くくく、ひさびさに良い処刑ができそうですな」
    「処刑、舵取。私も行きます」
    「成る程、肝心氏も来てくれたら安泰ですな」
    「では行きますか」

    舵取の五人目
    処刑の二人目
    肝心の三人目
    ハリウッドに参戦……………!

  • 138リドリー陣営2019/10/06(Sun) 23:20:50ID:A0NTgzMTg(17/41)NG報告

    >>137
    終わりですね

  • 139一般通過フォーリナー◆gmmefYfW/o2019/10/08(Tue) 00:39:29ID:EzMTU1MjA(1/8)NG報告

    お待たせしました、第■回を投下いたします

  • 140一般通過フォーリナー◆gmmefYfW/o2019/10/08(Tue) 00:39:41ID:EzMTU1MjA(2/8)NG報告

    >>139
    「いやー、冷えた身体には羹(あつもの)が一番だよねー」

    そう言いながら、銀河は汁椀によそった豚汁をすすりつつ飯盒に箸を突っ込んで白米を食らう。

    「《…………何で、私もなんだ?というか、何故変身を解かない?》」

    「んー?」

    白米の盛られた茶碗を持ちながら、困惑した表情で自身のマスターに問いかけるキャスター。

    「もぐもぐ………………いやぁ、解き方わかんなくってさ、もうしばらくはこのまんまで良いかなって!」

    白米を飲み込み、能天気に大笑いするマスターに、思わずずっこけそうになるがなんとか持ち直すキャスター。

    「それにさ、いくら身体が寝ず食べずでへいきへっちゃらだとしても、心はそうじゃないでしょ?」

    だったら食べなきゃ、とにこやかに微笑み銀河は豚汁を口に掻っ込んだ。

  • 141一般通過フォーリナー◆gmmefYfW/o2019/10/08(Tue) 00:40:28ID:EzMTU1MjA(3/8)NG報告

    >>140
    「(――――――――変なマスターだ)」

    サーヴァントは食事も睡眠も必要としない、殆ど意味は無いと言うのに。
    心の中でそう呟きながら、キャスターは豚汁に口をつける。

    ――――――――美味い。
    田舎味噌の風味が口に広がり、豚肉の旨みがあとにつづき、よく味の染みたゴボウや人参がまた別な味わいをもたらす。
    自身の生きていた時代には口にすることもなかった料理を口にする。
    ――――――――もう、かの唯一神を信仰する資格は自分にないのだから。

    >>>

    「ふぃー、食った食った……」

    「《寝て食ったら牛になるぞ》」

    腹をさすりながら、テントの中でゴロ寝する銀河。

  • 142一般通過フォーリナー◆gmmefYfW/o2019/10/08(Tue) 00:41:03ID:EzMTU1MjA(4/8)NG報告

    >>141
    「いーじゃん『寝る子は育つ』って言うし」

    「《今の肉体は15歳あたりだから、まぁ……育つと言えば育つが………………ってそうじゃなくて》」

    「わーかってるよぉ、他の陣営のことでしょ?」

    「《わかっているなら、何故行動しない》」

    「いや『行動しない』んじゃないんだ、どっちかと言えば『行動できない』って感じかな」

    「《ほう?》」

  • 143一般通過フォーリナー◆gmmefYfW/o2019/10/08(Tue) 00:41:31ID:EzMTU1MjA(5/8)NG報告

    >>142
    「けど、その前に一つ良いかな」

    おもむろに起き上がり、神妙な顔で言葉を紡ごうとするマスターに思わずキャスターは居ずまいを正す。

    「《何だ?マスター》」











    「トイレ行きたい!」

    盛大にキャスターがずっこけた。

  • 144一般通過フォーリナー◆gmmefYfW/o2019/10/08(Tue) 00:42:12ID:EzMTU1MjA(6/8)NG報告

    >>143
    「《…………行けば良いじゃないか》」

    「ありがと!いやーさっきからションベンが漏れそうでさ!」

    「《女の子がションベンとか言うんじゃありません》」

    スタコラと、銀河と霊体化したキャスターがトイレの方へと駆けていった。

    >>>

    「あー、危なかったー」

    銀河がハンカチで手を拭いながら建物から出てくる。

    「《まったく…………お前は不用心にも程がある、もし他陣営に出くわしたらどうする?》」

    「んー……多分他と出くわすのはそうそう無いと思うし、大丈夫なんじゃない?」
    そう言う銀河の顔に、枯れ葉が風に巻き上げられて『ひらり』と飛んでくる。
    「なんか、風強いなぁ」

  • 145一般通過フォーリナー◆gmmefYfW/o2019/10/08(Tue) 00:42:38ID:EzMTU1MjA(7/8)NG報告

    >>144
    「《…………マスター、ピースの準備だ》」

    「へ?」

    枯れ葉を浮かす風が徐々に強くなり、銀河の視界……というより顔面が枯れ葉で殆ど塞がれる。

    「アバババババ!ア゛っ、ちょっ、前ッ……見えな――――――へべしゅ!!」

    思わずスッ転び、キャスターになんとか助け起こされて起き上がる。
    しかし、視界には未だ大量の枯れ葉。枯れ葉。枯れ葉。
    枯れ葉のブラインドがキャスター陣営の視覚を覆い、風切音と枯れ葉同士のこすれ合う音が聴覚を埋め尽くす。

    視界が晴れたとき、巻き上げられ地面に落ちる大量の枯れ葉の中心にふわりとした癖毛の青年が立っていた。

  • 146一般通過フォーリナー◆gmmefYfW/o2019/10/08(Tue) 00:43:09ID:EzMTU1MjA(8/8)NG報告

    >>145
    以上です。
    お待たせしましたァッ!

  • 147レアの人2019/10/08(Tue) 18:43:29ID:YyNjUzNzY(1/8)NG報告

    伏神いきます

  • 148レアの人2019/10/08(Tue) 18:44:01ID:YyNjUzNzY(2/8)NG報告

    >>147
    教会からの帰り道を霊体化した従者を引き連れながら徒歩にて帰る。
    暗示の魔術の効果によりしっかりと教会へと向かった学友を診察した監督役いわく特に異常はないとのことで一安心といったところである。霊障は当然のこと何かの悪い魔術的な仕掛けが施されていないとも限らなかったが今回は幸い大丈夫そうだ。監督役はなにやら急に連れてくるなだのと悪態をついていたが知ったことではない。そもそも自分をまきこんだのは自分自身なのだからその仕事などはしっかりとこなしてしかるべきだと玲亜は考えている。我ながら意地の悪いことだと思うが無理やり厄介ごとを押し付けてきた相手なので雑な対応を意趣返しという意味でも行ってしまうのだがそれぐらいは許されるだろう。

    『友人が無事で少しは喜ぶかと思えば表情が硬いな。考え事か?』

    霊体化した従者の言葉を肯定しつつ続ける。
    「ええ、ほっとはしたけれどこれからも無事かはわからないもの。はやく終わらせるべきよこんな戦いなんてね。あの子が本当に魔術師に巻き込まれたかは分からないけれどね。」

    『いや、あれは十中八九魔術師がらみであろうよ。』
    その断言に近い言葉に疑問を感じる。たしかにこの状況で魔術師がらみのトラブルに巻き込まれたと考えることは自然だがなぜほぼ間違いがないといえるのだろうか?

  • 149レアの人2019/10/08(Tue) 18:45:06ID:YyNjUzNzY(3/8)NG報告

    >>148
    『なぜそう思うのかという顔だな。それなりの理由はあるが…あまり聞いていい気分にはならん話だ』
    「話して」
    すぐに続きを促す。アヴェンジャーが令呪の効果により隠し事はできない。だからこそその理由もあると語ったのだろうがそれに対して忠告を入れたということはそれなりの話であるのだろう。聞きたくはないが聞かなければならないことだと玲亜は思う。
    (私に気を使ってくれてるのはうれしいけれどね…)
    『…そうか、ならば語ろう。あの娘についた匂いで分かる。俺は故あって嗅覚が通常の英霊よりは優れていたからわかった。あれは少々異質な匂いがついている。』
    「異質な匂い?それはなに?」
    『…腸の匂いだ。ある程度匂いを消す細工はしていたようだが残っていたということは本来は相当濃かったのだろうさ。通常に暮らしていたならばそんな匂いの着いた人間はそうはいまい。』
    「は…」
    思わず絶句する。腸の匂い。それはつまり…
    「そんなものが大量にあるところにいたということ?」
    『そこまではわからぬ。だがお前の語った友人の話からしてそんな状況に陥るようなものではないからな。記憶操作か何かでも受けていると考えることが自然だ。』
    アヴェンジャーの言葉が事実だとすればそのような行為に及んでいた魔術師が居たということだ。
    許すわけにはいかない。そう決意を新たにしつつ次の一手を考える。
    だがその思考は途中で想定外の事態によって途絶えた。

  • 150レアの人2019/10/08(Tue) 18:45:55ID:YyNjUzNzY(4/8)NG報告

    >>149
    「結界が、消えてる?」
    一度屋敷に戻り留守中にきた情報を整理しようと考えていたが目の前の光景は玲亜を動揺させるのに十分すぎる事態であった。
    魔術師の家はいわば工房のようなものだ。当然他の魔術師を排除するような仕掛けが施されていることが一般的と言える。東雲家の屋敷も当然先代の残していた結界が作動しており侵入者を中に居れないような仕掛けがあったのだがその結界がなくなっているのだ。
    「アヴェンジャー!ついてきて!」
    自身の従者を引き連れ急いで屋敷の中に入る。
    中はひどい有様であった。
    物は倒され家具は汚されとさんざんである。だが、どれもこれも深刻なものではない子供のいたずらと言えるようなレベルの汚れや損害であること。
    「な…なにこれ…子供?子供のいやがらせ?いえでも子供が簡単に入れるようなものではないし…子供にしては大きい家具とか倒されてるし…」
    色々と混乱してきた玲亜であったがアヴェンジャーは冷静に告げる。
    「レア、少し下がっていろ。そこの部屋に敵だ。」
    え?とつぶやく玲亜しり目にドアを勢いよく開けるアヴェンジャー。
    そこにいたのは…人ではないと一目でわかるほど異質な存在であった。

  • 151レアの人2019/10/08(Tue) 18:46:25ID:YyNjUzNzY(5/8)NG報告

    >>150
    以上です
    ガイさんにパスします

  • 152ガイ・フォークス2019/10/09(Wed) 22:29:37ID:YxMTEyNjc(1/3)NG報告

    >>150
    血のように紅い夕陽を背負ったその侵入者は玲亜たちの姿を認めると、ぱん、と大きく手を打った。それから、謳いあげるような調子で言葉をつづる。
    「やあ、麗しいお嬢さんがご自慢の番犬とともにお帰りだ。見ろ、かわいそうに、不安な予感に胸を塞がれていらっしゃる!誰か彼女を元気づける者がいないだろうか!」
    「『これ』をやったのはお前か?わざわざ敵の拠点まで――」
    「とんでもない!」
    唸るようなアヴェンジャーの問いかけに、異形の人物は、ぱっと両手を広げた。
    「俺だって、この惨状を憂える者の一人ですぜ。友人思いの心優しい少女に何かしてあげたくて、掛け値なしの善意でここに来たのさ」
    玲亜は困惑した。アヴェンジャーが動かないということは、敵意がないというのは本当なのだろう。しかしこの風貌・・・・・・明らかに目の前のこいつはサーヴァントだ。敵対者が親身になるなんて、そんなことがあるのだろうか。
    アヴェンジャーを見上げると、好きにしろ、というような視線で見返してきたので、おずおずと言葉を投げかけてみることにする。
    「あなたは・・・・・・サーヴァント?」
    「それは正しいが、本質じゃない。――申し遅れました、Gnädiges Fräulein。ワタクシ、悪魔ザミエルでございます。以後、お見知りおきを」
    深々と丁寧にお辞儀をする男に対して、魔術師の少女は絶叫に近い声を上げた。
    「悪魔ですって!?ありえない!!」
    「ありえない?なぜ?」
    「なぜって――悪魔は人間には感知できない存在よ。人間に憑依することもあるらしいけれども、その末路はみんな自壊。人間の精神では耐えられないの。それに、そもそも悪魔は『人』の理の外に在るもの。仮にあなたが本当にそうであったとして、善であれ悪であれ、人理を守る存在が根底にあるサーヴァントになるはずが・・・・・・」
    「だが、俺はこうしてここにいる」
    喉の奥でくつくつと笑い、ザミエルは未熟な魔術師に向き合った。薄暮の中、オッドアイが怪しく光った。
    「俺が何者であるか。そんなものはどうでもいい。重要なのは、お嬢さん。アンタに手を差し伸べるのはいったい誰かっていうことさ」
    「どういう意味?」

  • 153ガイ・フォークス2019/10/09(Wed) 22:29:50ID:YxMTEyNjc(2/3)NG報告

    >>152
    思わず聞き返した玲亜に、ザミエルはゆっくりと歩を進める。恐ろしくも、なぜか安心して心をゆだねてしまいたくなるような甘美な空気を纏っており、それは、防御反応を一瞬忘れてしまうほどのものだった。
    悪魔はささやく。
    「こんなにも真面目に努力しているのに、不幸に次ぐ不幸。愛すべき友人にも不安が見え隠れする。あんたが頑張っている裏でロクデナシ共が甘い汁を吸っているのに・・・・・・不公平に思ったことは無いか?なんでそんなことになる?それは・・・・・・おお、神がアンタを見放したからだ!」
    「そんなこと・・・・・・」
    「心配ご無用。神が見捨てたモノ――それはすなわち、悪魔の取り分さ。俺たちは弱き者の味方であり、同時に毒であるべきだ。救いが欲しいんだろ?この町にも、ご友人にも。アンタだって報われていいはずさ。お代は後払い。もたらす結果をいただこう。何なら歌でも歌ってもらえたら最高だね」
    いつの間にか、耳元にザミエルの顔があった。背後から差し出された手のひらには、弾丸が7発。悪魔は続ける。
    「贈り物(魔弾)をどうぞ、お嬢さん。こいつは孕んだアシナシトカゲだ。絶対に命中するってやつ。この先きっと役に立つ。6発命中、だが、気を付けろ。7発目はイカサマ、俺の取り分だ。大事なものを必ず奪う」
    アヴェンジャーは動かない。敵意がないことは確かなようだ。利のあるように思えるが・・・・・・この怪しすぎる誘いに、果たして乗って大丈夫なのだろうか。
    もちろん命令すれば、アヴェンジャーはこの悪魔?を、一刀のもとに切り伏せるだろう。すでに刀の柄に手がかかっているのを、玲亜は横目に確認した。
    悩んだ末、出した答えは――

  • 154ガイ・フォークス2019/10/09(Wed) 22:30:16ID:YxMTEyNjc(3/3)NG報告

    >>153
    以上です。レアさんにパース!

  • 155理エルとNYの人◆3zXvUrYT3w2019/10/10(Thu) 01:01:15ID:kzNTI2MjA(1/3)NG報告

    第■回続き行きます

  • 156理エルとNYの人◆3zXvUrYT3w2019/10/10(Thu) 01:01:27ID:kzNTI2MjA(2/3)NG報告

    (マスター、気をつけて。彼女達はサーヴァントとマスターです)

    落ち葉をまきあげて着地するハリーの脳裏にセイバーの念話による声が響く。

    (OK……とは言っても、悪い子達には見えないけど)
    (……どうします? このまま戦闘を?)
    (……やめておく。というか、この子相手にはそんな気にはなれないよ。この女の子、僕の妹に歳が近いんだ)
    (承知しました。心代わりの際にはすぐに念話を寄越してください)
    (OK、頼りにしてるよ、セイバー)

    唐突に現れた自分を見て唖然とするサーヴァントとマスターを前に会話を終えるハリーとセイバー。
    そうしてハリーは、彼女達2人にこう告げた。

    「やあ。僕の名前はハリー・ウォーカー。驚かせてごめんね。ここから上がってる煙を見てね、火事が起きてると思って飛んできたんだ、文字通りね……ところで、君たち2人はこんなところでなにを?」

  • 157理エルとNYの人◆3zXvUrYT3w2019/10/10(Thu) 01:01:47ID:kzNTI2MjA(3/3)NG報告

    以上です
    短いですがフォーリナーさんよろしくお願いします

  • 158委員会【onSTAGE&島狂代行】◆O0PRisauvg2019/10/13(Sun) 00:49:59ID:cwMDE5ODE(7/10)NG報告

    >>126
    「逃すかッ」

    嘲りと共に回転木馬から回転木馬へと移っていくかつてメイドだったモノ、真なる姿を現した悪魔めいたナニカを追いセイバーは跳躍する。
    回転するメーリーゴーランド内部に着地。迫る木馬。視界から消えようとするアサシンを捉えるために木馬と木馬の隙間を縫い……セイバーは横薙ぎに剣を振るうと木馬の支柱を両断した。支えそしてを失った木馬が落下するよりも早く魔力放出による放射が行われた。
    吹き飛ぶ二頭の木馬。その瞬間、外側の木馬が爆裂した! 判断を誤ればセイバーはこの爆発に巻き込まれていただろう。

    「んン〜〜フッフッフー? アナタ、直感スキルなんて持っていましたっけぇ?」
    「これくらいのこと、外道ならば当然のようにやるだろう」
    「フフフ…フフ、フゥーフッフッフー」

    メリーゴーランドは回り続ける。
    嗤い声は響き続ける。

    だが、悪魔の姿はそこにはない。姿は元より気配すら……。

    「気配遮断、か…」

    ーcont.ー

  • 159委員会【onSTAGE&島狂代行】◆O0PRisauvg2019/10/13(Sun) 00:50:56ID:cwMDE5ODE(8/10)NG報告

    >>158
    回る廻る、木馬の群れの中を騎士が聖剣を閃かせる。その度に爆発が起こる。

    「攻撃したらその効果は失われる筈なのに…」
    「アレがトラップ……だからだろうな」
    「ヴィヴィアン」
    「悪いが、俺にアレはもう止められない……ご覧の有様でね」

    掲げた右手には掠れた令呪の跡のみがある。だが、それよりも抱えた亡骸にこそ視線は奪われる。

    「恨んで……いるか? 私を、セイバーを」
    「どうして。悪いのは俺だ。俺だけだ……そんな筋違いな事をしたら今度こそ顔向け出来ない」
    「……」
    「そんなに気が咎めるなら…そうだな。後で一杯奢れよ勝者ウィナ-」
    「フッ……分かったよ。吐くほど呑ませてやるさ☆」
    「よし。じゃあ決まりだ……。その前にひとつ、頼めるか」

    ーcont.ー

  • 160委員会【onSTAGE&島狂代行】◆O0PRisauvg2019/10/13(Sun) 00:52:57ID:cwMDE5ODE(9/10)NG報告

    >>159
    「こんな小細工では私は殺れないと分かる筈だ、アサシン。一切合切吹き飛ばしても構わないのだぞ」
    「ならばやってみるがイイでしょう騎士様、王様!フフフ、フフフゥーフッフッ」
    「チッ…」

    ((セイバー、聞こえるかい♪))
    ((マスター?))
    ((これからあの悪魔に隙が出来るよ☆ でも何度も通用する手段じゃない。この機を逃さず仕留めて欲しい))
    ((Yes my master.))

    念話が終わったと同時、歌が響いた。


    Amazing grace how sweet the sound
    That saved a wretch like me.

    「おお゛??! おや?おやおやおやぁ〜!?」

    ーcont.ー

  • 161委員会【onSTAGE&島狂代行】◆O0PRisauvg2019/10/13(Sun) 00:55:05ID:cwMDE5ODE(10/10)NG報告

    >>160
    How precious did that grace appear,
    The hour I first believed.

    ピアノの旋律と共に、亡骸を抱えた男は歌う。
    オズボーンの指は華麗に鍵盤を叩き、見事荘厳な雰囲気を演出している。それに呼応する様に、舞台も変貌っていく───

    The Lord has promised good to me,
    His Word my hope secures

    悪魔メフィストフェレス、実態とはかけ離れた「悪魔」という人々の想像によりその存在を再定義されたサーヴァント。ならば

    We've no less days to sing God's praise
    Than when we'd first begun.

    「彼女を弔う。そんなことも、俺はまだやっていなかったんだ」

    気配遮断を失い、床に転がり落ちたアサシン。道化めいた悪魔は確かにその姿を晒した。

    ーpassー

  • 162スルトちゃん&マグダレーナ陣営【トーナメント&第■回&stage】◆SOkleJ9WDA2019/10/13(Sun) 23:41:46ID:k0ODI2MTE(1/1)NG報告

    台風とかあったので連絡。
    第■回参加者の皆様、もし参加自体が厳しくなったら此処でも予選スレでも良いので連絡下さい。
    その場合、代筆、辞退(代役建てます)等といった参加陣営の扱いについても連絡して下さい。
    代筆の場合、参加陣営をどういう役回りで書いて欲しいか、隠し玉として用意したものは有るか、もし再び参加出来る状態になった時に敗退してなければ復帰するかどうか、といった事も書いて頂けると助かります。

  • 163橘亜衣&ミラーカペア【九終剣陣営】◆V6COUaXse62019/10/14(Mon) 23:06:17ID:EyOTIyNDY(9/19)NG報告

    >>99
    〜ルイ視点〜
    森の中を走る。サーヴァント達の戦いの余波に巻き込まれないように。
    力と力がぶつかる音が次第に遠いて行く。
    「これくらい離れれば大丈夫かしら……」
    適当なところで足を止め、呼吸を整える。
    すると先程の、恐怖に足が竦んでしまった不甲斐ない自分が思い出され、暗い気分が胸を満たす。
    (……いいえ、しっかりしなさい"蒼木ルイ"。貴女はこんなところで沈む人ではないでしょう)
    自身を叱咤し、沈む思考から抜け出す。それにしても、先程から続く、
    その時、枝を折ったような音が響いた。
    「誰ですの!」
    音のした方を向くと、「ひっ!」と小さな悲鳴を挙げて後ずさる男性の姿があった。
    「や、やあ、こんばんは。お、驚かせるつもりは無かったんだ、ごめんよ」
    先程の悲鳴を取り繕うように、彼はどこかぎこちなく挨拶をする。
    背が高く細身、丸眼鏡をかけたその姿には見覚えがあった。確か、以前インタビュー映像で見た、参加者の1人。タイミングから言って、彼が先程のサーヴァントのマスターである可能性が高い。
    (警戒は必要ですが、まずは様子見と行きましょう)
    「ごきげんよう。貴方は……宗美樹さんでいらっしゃいまして?」
    こっそりと魔術の準備をしつつ、表面上はにこやかに彼へ挨拶を返す。
    すると彼は、驚きの表情を浮かべて硬直してしまった。

  • 164橘亜衣&ミラーカペア【九終剣陣営】◆V6COUaXse62019/10/14(Mon) 23:06:49ID:EyOTIyNDY(10/19)NG報告

    >>163
    「ムッシュ?如何なさいました?」
    「……………ない」
    「はい?」
    「……信じ、られない。覚えていてくれたのかい?会ったこともない僕の名前を?その上、そんな風に笑いかけてくれるなんてーーー嬉しいなぁ」
    微かな違和感。ほんの一瞬、彼の言葉には背筋がゾクリとするような何かが滲み出ていたように思えた。しかし、その違和感の正体を手繰り寄せる前に、次の言葉が到来してしまいました。
    「君は確か、蒼木ルイさんだったね。うん、映像で見るより数倍……その、き、綺麗、だよ」
    聞き慣れた賛辞。そして、わたくしを複雑な気分にさせる言葉。勿論、綺麗、美しいと言われる事は何度あっても嬉しく思います。
    けれど、そう言われる度に頭に過ぎる事があるのです。ーーーわたくしの価値は、見た目(からだ)なのか、と。
    そして、その思いを加速させる要因が一つ。それは彼の視線。瞳孔が忙しなく動いているけれど、気のせいか、わたくしの顔よりも下、胸元に視線がよく当たっているように感じる。過去に出会った、わたくしの身体や財産を手に入れようとしていた嫌な人間を思い出し、不快さが込み上げて来た。
    「あら、ありがとうございます。嬉しいお言葉ですわ」
    そんな内心を面には出さず、笑顔という仮面で心を覆う。
    「それで、宗美さん?ご用件は何かしら?」
    「ああそうだった……ごめんよ。ええとーーー僕はアサシンのマスターだ。セイバーのマスターである君に……同盟を申し込みたい。アサシンの力は、きっと君達の役に立つ」

  • 165橘亜衣&ミラーカペア【九終剣陣営】◆V6COUaXse62019/10/14(Mon) 23:11:07ID:EyOTIyNDY(11/19)NG報告

    >>164
    予想外の返答に、一瞬面食らってしまう。しかし、どうにか頭を働かせて思考を進める。
    (わたくしは既に、ムッシュ・ユージーンと同盟を結んでいる。三陣営の同盟……成就すれば巨大な戦力ですけれど、利害の一致を測り、お互いの足並みを揃えるのは困難になるでしょう。ムッシュ・ユージーンに話を通さず決めていい話でもありません。ここはお断りするしかありませんわね。それにーーー)
    それに、この宗美樹という人物を信用するなと、わたくしの直感が告げている。
    「当のアサシンは随分好戦的ですのね。セイバーやわたくしに襲いかかったのは貴方の指示かしら?それとも彼の暴走?」

    以上です。樹さんの気持ち悪さが足りないかもしれませんが、まだ理性が溶ける前ということでこれくらいかなと。……私の想像力が足りなかった。

    こちらとしては同盟は断るつもりですが、樹さんには1〜2回食い下がって欲しいですね。島を守る為に必死な話をしながら。
    食い下がることで、しつこくねちっこい的な気持ち悪さに繋げるのはどうでしょう?

  • 166明星2019/10/15(Tue) 22:45:27ID:UyODYyMTU(1/1)NG報告

    >>130
    大嶽丸の部分を変更しました。エル・シッドの台詞も少し変えてしまったのでご確認ください。

    「涙が出てるな。なんかあったか?」
    「あ、ごめん白雪姫心配かけちゃったね。ちょっと疲れてね」
    「全く……………」
    涙を手で拭う様を見て、思わず抱きしめる。平凡な善人かと思えば時々訳の分からないのが彼女だ。
    (人(にん)が肥えたとはいえ、烈女とか女傑になるような精神的骨格を有してはいないからな)
    「呪鬼。人と寄り添えるとでも思っているのか?」
    「阿呆め感傷など青臭い。俺は面白おかしくやるだけだ」
    「そうかよ不良中年」
    「不良中年とは俺のことか? おれはまだ中年じゃない」

  • 167リドリー陣営2019/10/17(Thu) 16:33:14ID:EwODMyNDE(1/3)NG報告

    フランス投稿します

  • 168リドリー陣営2019/10/17(Thu) 16:33:29ID:EwODMyNDE(2/3)NG報告

    >>167
    厩戸王子とルイの激しい斬り合い。そんなものを意に介さず、寺田宗有は座禅を組む
    藤丸はその様子を見て不安に思う。何をしているのだろうか?藤丸は寺田の人格を何処か測りかねていた。戦闘狂。そんな印象だったのだが、今の彼は目の前の戦を無視しひたすらに座禅を組んでいる。イメージの乖離。素顔が読めない天狗の面

    ……………いや藤丸はよく見た。面の奥にあるその目はコールタールのような泥が宿っているのを。この目はそう、始めて寺田と相対した時と同じ、斬に満ち溢れている


    寺田は立ち上がり前を向く。刀は下段に構え、歩みだした
    炎の檻、そう形容できるルイの剣戟。厩戸王子ですら隙を見出せない連続攻撃の隙を己の心眼で見破り進み続ける

    ヌルリッ

    あまりに自然に、そして手際よく間合いに入り込む寺田。ルイはその様子を目視したのち彼に剣を振るう。寺田の間合いはルイの間合い。ここで斬れば寺田とて死は免れない

    ドカッ
    しかし寺田は生きている。切り上げた刀は、剣を持つルイの右手、その指を全て切り捨て、剣を落とさせたが故に!

    そしてその隙を逃さず返す手からルイの足の指、魔力でできた左手の指を一振りで全て切り離す。足指がなくなり、バランスを崩し前に倒れるルイ。その姿を見て寺田は呟いた

    「人の攻を殺しそのまま活かす、これこそ活人剣。指を詰めればそう抵抗はできまい、そうだろ橙武者?」

  • 169リドリー陣営2019/10/17(Thu) 16:33:59ID:EwODMyNDE(3/3)NG報告

    >>168
    短いですが終わりです

  • 170ライオンの巣窟2019/10/18(Fri) 07:00:56ID:YwNDMwNDg(1/3)NG報告

    >>165
    ルイのくもりのない目が真っ直ぐに樹を射抜く。ああ、と樹は口中で感嘆の声を漏らしていた。
    なんて、真っ直ぐな瞳をしているのだろう。眩く、そして美しいその双眸に見つめられているだけで樹は全身が震え、喉が干上がった。
    これほどまでに強く美しい女性など樹は今まで見た事が無い。クラスの女子達は化粧で己を着飾りそれのせいで醜く見えたが、ルイは違う。そういった類のものはむしろ彼女には不要だろう。
    ごくりと唾を飲む。ルイが自分を見ていた。接点などほとんどないはずの自分を、自分の名前を、覚えていてくれた。
    胸の鼓動は鳴り止まない。不思議な高揚感に満たされていくのを感じつつも、樹は今やるべき事へと思考を集中させる。
    未だにセイバーとアサシンの交戦は続いている。ルイと交渉の場に立つ為には、なんとかアサシンを退かせる必要がある。
    樹は思わず手の令呪を隠していた。もう令呪を二画も消費してしまっているだなんて恥ずべき姿を、ルイに見せたくないと思っての行動だ。
    「あ、アサシンに関しては確かに僕の指示だ。敵だと思ったから……けれどそれが君だって言うのなら、話は別だよ。君も、ミッションは受けてるだろ。あーしろ、こーしろって。僕は、セイバー陣営と手を組めって言われた。つまりその、君と」

  • 171ライオンの巣窟2019/10/18(Fri) 07:01:31ID:YwNDMwNDg(2/3)NG報告

    >>170
    顔が耳まで赤くなっていくのを感じて、ここまで異性と会話するのは苦手だったという事に樹は今更ながら自覚した。
    「ならまず、アサシンを下がらせていただけます?まだセイバーが戦っていますもの」
    「あ、ああ、ごめん。すぐにやめさせるよ」
    ルイの表情は疑念に満ちていた。自分目掛けて襲いかかってきた敵のマスターの言葉など、そう簡単に信じきれるものではない。きっと樹が同じ立場だったら、同じ選択をするだろう。
    ルイに微笑みかけながら、念話に意識を集中させる。アサシンに繋げ、出来るだけ冷静を装いながら、
    (アサシン、戦いをやめてくれ)
    (ああ!?これからがイイトコなんだぜ?テメェ、それを俺様から奪おうってのか?約束がちげぇじゃねぇのかよ、ええ!?)
    予想通り、ハイドは激情のままに樹を怒鳴りつけてくる。一度エンジンが入っている以上、抑え込めるかどうかは樹にも自信がなかった。しかしそれでも、絶好のチャンスを逃す訳にもいかない。
    (お願いだ。次は邪魔しないと誓う。だから頼む。そのセイバーのマスターと同盟が結べるかもしれないんだ)
    (……そりゃあのガキの事か?)
    (そうだ。もし同盟を結べたら……戦いやすくなる、お前だって気持ちよく戦いたいだろう?)
    (……)
    ハイドは沈黙している。答えあぐねているのか、それとも樹を無視して戦闘を続けるつもりなのか。樹はルイの視線を受けつつ、ハイドが刃を収めるというまずあり得ない可能性に祈るほかなかった。

  • 172ライオンの巣窟2019/10/18(Fri) 07:01:53ID:YwNDMwNDg(3/3)NG報告

    >>171
    (条件がある。それを呑んでくれるってならイイぜ)
    条件?どんな条件だ?樹は嫌な汗をかきながら思考を巡らす。ハイドからの提案などろくなものではないに決まっている。生贄が欲しいなどと言い出すのではないか?
    (心配すんなよ。誰かを殺してぇとかそんなんじゃねぇ。俺を夜、出歩かせろ。不安ならお前がついてきても良い)
    (……お前を?僕に何の得がある?)
    それはあまりにも恐ろしい提案だった。契約してから、ハイドとは取り決めを行った。決して夜に出歩かない、というものだ。樹はハイドが何処にもいかない様に家中に結界を敷き詰め、完全に身動きが取れない様にしていた。もしハイドが家から離れようものなら、残る最後の令呪で自害させるという訳である。それ故にハイドも樹に従ってきた。
    しかしこの提案は承諾するには不安要素が多すぎる。樹がついていくとはいえ、ハイドが何をしでかすかわかったものではない。
    (俺にかかってる令呪を忘れたかよ。テメェにも、テメェが大好きな奴らにも俺は指一本触れられねぇぞ)
    令呪、島の人々と樹をハイドは傷つけられない。そうとも、働いているのは確かだ。
    ルイの眉間にシワが寄る。こうして話を続けている間に交渉が決裂してしまえば、もうセイバーとの対立は避けられない。
    それは、嫌だ。このままルイと別れてしまうのは、心から嫌だった。何故ならルイは───。
    (……わかった。受けてやる)
    (ひっひひ、ありがとうよ)
    ルイの眉間のシワが緩んでいくのがはっきりと見えた。かセイバーからアサシンが撤退したと伝えられたに違いない。ほっとしながら樹は出来るだけ表情を崩さない様に心がけながら、口を開いた。
    「さて、アサシンは下がらせた。交渉を続けるとしよう」

  • 173愉悦部inクローディアァ!2019/10/20(Sun) 12:53:27ID:gyOTM3ODA(9/10)NG報告

    「……………」

    ずかずかと不機嫌さを隠そうともせずに足を踏みしめながら湾岸方面に歩を進めていくゲルトラウデ。
    群衆の中を無理やり進み、通りかかった人々が迷惑そうな顔をしてもそれを気にすることなく突き進む。

    「ずいぶん不機嫌そうだね。そんなに彼に振られたのが嫌だったのかい?」
    珍しく実体化を許されているライダーが茶化すように話を振る。
    「黙りなさい!私は振られてなんかいないし、怒ってなんかいないわ!」
    ムキになって怒鳴る目の前の女性。
    つい先ほどホテルまで大人買いした段ボールを運び込んでもらい、その縁で話でも、と切り出した際に目当てであった人狼の少年にバッサリと断られてしまったのだ。

    ──すまない。俺には既に先約がいるし、これから別の用もある。その話は受けられない。

    その場では表面上は隠し通したものの、少年が出ていった途端にこの有様である。

    「それで、これからどうするんだい?」
    「気分がてらの散策よ。ついでに他のサーヴァントも釣れたのなら最高ね。その為に貴方を実体化させているのだし」
    マスクをずらし、水を飲みながら歩いているゲルトラウデはその目的を吐露する。
    海方面に向かっているのは彼女の意向であるが、その実ただの八つ当たりである。
    ライダーは薄々それを感じ取り、苦笑するしかなかった。

  • 174亥狛の人2019/10/22(Tue) 21:06:06ID:IyNDY5ODI(10/15)NG報告

    もう辺りはすっかり夜だった。
    ホテルのフロントから外へ出て漸く亥狛は時間の経過に気付く。
    吹きすさぶ風が冷たいが、身体を動かしたせいか寒さは気にならなかった。

    然し乍ら騒々しい放課後であったな、と思う。
    校門では聖杯戦争の参加者に待ち伏せされたかと思えば、突然の第三勢力の来襲。そのまま買い物戦争を乗り切ってから、最後はこの高級ホテルの最上階まで荷運びの手伝いと相成った訳である。
    何というか、疲労感が凄い。
    「お疲れ様です。怒濤のような時間でしたね」
    傍に立つランサーが労ってくれる。彼女も荷運びを手伝ったというのに疲れは一切見られない。
    「肉体的な疲れっていうか、精神的な疲れが尋常じゃないな……人里に下りた最初の頃を思い出すよ」
    遠い目をして過去に想いを馳せ、帰路に着く。アスファルトで舗装された歩道は夜の冷気に冷め切っていて、冬の到来を予感させる。
    吐く息は白く濁る。

  • 175亥狛の人2019/10/22(Tue) 21:06:29ID:IyNDY5ODI(11/15)NG報告

    >>174
    振り返って、背後に聳える高い建造物を見上げる。
    この最上階に聖杯戦争の参加者が居を構えている事実を今更ながらに実感した。
    「…俺悪い事したかな、どう思うランサー?」
    「断った事についてですか?先約を大事にした結果ですから別段気に病む必要はないと思いますよ」
    「や、そうじゃなくて」
    神妙な面持ちで口籠もって、
    「ランサーも感じただろう?あのゲルトラウデって女の子の後ろに控えてるサーヴァントの気配。
    ……霊体化していてすら唯ならない雰囲気を纏っていた、と思うんだが」

    相手の気を損ねた事に対する不安ではなく、相手が従えていた敵の強大さに対する不安。
    協力関係をにべもなく断ったのは下策だったのではないか、と亥狛は悩んでいたのだ。
    「……確かに彼女のサーヴァントは強大です、それは間違いありません。一度霊体化を解除した彼の戦闘を垣間見ましたが、その実力は未知数……恐らく私と同等か、下手をすればそれ以上か」

  • 176亥狛の人2019/10/22(Tue) 21:07:27ID:IyNDY5ODI(12/15)NG報告

    >>175
    しかし、とランサーは言葉を繋ぐ。
    「だからといって私達が負ける道理はありません」
    力強くそう宣言する。言外に不安を抱く必要はない、と告げるかのように堂々とした口振り。
    自分よりも一回りほど小さい体躯の騎士であるはずなのに、その姿の何と雄々しく頼もしいことか。

    そう考えていると、ランサーの細腕が亥狛の進路を制止する。
    「………なにか、居ます」
    視線は真っ直ぐ前に、舗装された道路の先へと向けられている。
    目を凝らすと、確かに『何か』が居た。

    「─────────」
    それは黒い渦。
    或いは果てのない闇。
    宙を浮かぶようにぽっかりと空いた『何か』は、微動だにしない。言葉を発する事もなくただ其処に異物として存在し続けて居た。

    「なん────────」
    亥狛が疑問を浮かべたその瞬間。
    黒い渦は中心に向かって縮小し、跡形もなく消失してしまった。
    胸に残るどうしようもない不快感だけを残して。

  • 177亥狛の人2019/10/22(Tue) 21:07:52ID:IyNDY5ODI(13/15)NG報告

    >>176
    「反応、消失しました。……もう、警戒を解いて大丈夫かと」
    「今の、は、サーヴァント、なのか?」
    嫌悪感を抱く闇は去り、いつもの平穏な空気が雪崩れ込む。緊張から解放された感覚は脂汗という形で額から滴り落ちた。
    そうして漸く自分が恐怖していた事実に気付くのであった。

  • 178レアの人2019/10/22(Tue) 21:47:32ID:U3MDc1MzQ(6/8)NG報告

    >>153
    玲亜の出した答えは拒絶である。
    目くばせをするとともに切りかかったアヴェンジャーであるが攻撃をかわし敵サーヴァントは窓へ腰かける。どうやらはじめから長居をするつもりもなかったのだろう。アヴェンジャーもその気配を察してか牽制にとどめる程度に収め敵の動きを警戒している。

    「おお、なんということだ。まず拒絶から入るとは周りにおびえ続けた人生だったことが偲ばれるよお嬢さん。だが安心してほしい、悪魔は人間と違って嘘はつかない。その魔弾はもう君の物だよ。七発目以外はね。」

    「いらないわよこんなものクーリングオフ!大体私には打ち出すものもないから関係ないわよ。」

    「魔弾はただ発射しさえすればいい。火の魔術でも飛ぶ。お嬢さんならわけもないだろう?では魔弾は譲渡された。迷える牝羊の行く末を見守っているよ。願わくば悪魔の楽しみになることを期待しよう。」

    敵サーヴァントはそうつぶやくと消える。霊体化したのかはたまた悪魔の能力なのかは定かではないがアヴェンジャーが武器を降ろしたことからもう近くにはいないのだろう。

  • 179レアの人2019/10/22(Tue) 21:48:10ID:U3MDc1MzQ(7/8)NG報告

    >>178
    七発目は大切なものを奪う。

    先ほどの言葉を思い出しながら攻撃した際に床に散らばった魔弾を拾う。

    魔弾は確かに普通の武器とは違うようだ。魔力を帯びており魔力のない人間には見ることができないようにするような特殊性もあるようだ。そして必ず命中するという。サーヴァントは魔術師では対抗することができない存在である。しかし、神秘を帯びたものであれば敵のサーヴァントであっても傷つけることが可能であるという。この魔弾に込められた神秘はそれを満たすことに十分であるといえるのかもしれない。なら未熟な私であっても敵魔術師や必要であるならばサーヴァントとも戦うことが…

    「1つ忠告をしておくが、人外の力を貸すという契約はろくな結果にはならんぞ。」

    隣から聞こえてきたサーヴァントの言葉に我に返る。声のした方へ振り向くと腕組みをし不機嫌そうにこちらをにらんでいた。

    「契約というのは結ぶ側の利益があるからこそ行われるものだ。そして力を貸すという契約はその結果がどうなろうと必ずその結ぶ側の利益につながる結果となる。結んだ側が不本意な結果であってもな。こんな不公平な契約など結ぶべきではない。加えて相手は人ならざるものだ。人間の契約などかわいいぐらいのおぞましい対価を求められてもおかしくはなかろうよ。実際そんな契約をして後悔したやつを俺は知っているからな。」

    忌々しいと吐き捨てるアヴェンジャー。冷静に考えるとその通りだ。危うく敵の思惑に乗るところであったと反省をし、次の一手を考える。

  • 180レアの人2019/10/22(Tue) 21:48:45ID:U3MDc1MzQ(8/8)NG報告

    >>179
    「分かった。ありがとうアヴェンジャー。とりあえずこの魔弾は封印することにするわ。ものを封印しておく箱ぐらいは確かあったと思うからひとまずそれに入れておきましょう。」

    「そうするといい。それとあのサーヴァントのクラスは流石に検討は付けたな?」

    「ええ、あれが公園で狙撃をしたアーチャーで間違いないと思う。」

    その言葉にうなずくアヴェンジャー。渡したものが魔弾であったこと。そしてそれが必ず当たる性質を持っている。すなわち追尾性を持っているということであれば先の戦闘での特徴と一致しているからである。

    「それでどう動く?」
    「とりあえずは相手の正体を知るべきだと思う。悪魔というのも気になるし真名の候補とかを調べてからでも遅くはないと思うから。」
    「ふむ、いまだよくわからぬ状態であるのなら慎重にいくというのはいいだろう。」
    「ただそれよりも前にやることがあるわ。」
    「それはなんだ?」

    「掃除!こんな状況で放置は絶対にだめ!犯人絶対に許さないんだからー!」

    ガーッと嘆きと共に怒りの咆哮をする自身のマスターに対して飽きれつつ掃除を手伝わされないように無言で霊体化をして逃げた従者の姿がそこにはあった。

  • 181橘亜衣&ミラーカペア【九終剣陣営】◆V6COUaXse62019/10/22(Tue) 23:48:48ID:YzMTY5NTg(12/19)NG報告

    >>172
    〜セイバー・アサシンの戦闘〜
    聞くもの全てを慄かせるような轟音が連続する。アサシンの持つ樹木を引き抜いた天然の槍–––いや、最早大鎚–––と、セイバーの持つ剣とが激突した音だ。
    一撃、二撃とぶつかり合う度に発生するエネルギーの余波は、相対する両者の並外れた膂力を物語る。
    –––しかし、轟音は唐突に終わりを迎えた。
    お互いに距離を取った直後、アサシン
    が殺気を緩めつつ口を開く。
    「ワリィな姉ちゃん、ここまでだ」
    「どういう事でしょうか?」
    「俺様のマスターからお達しさ。戦いを止めろ、だとよ」
    「それに私が付き合う理由は–––」
    「アンタのマスターが頼んだそうだぜ?」
    「……なるほど」
    「ま、そういうわけだ。ひひっ、じゃあな」
    そう告げて、アサシンは森の中へと歩を進め、その姿を消した。だがその消え方に、セイバーはほんの少しの違和感を覚えた。
    (今、あのサーヴァントは消えた。文字通りに)

  • 182橘亜衣&ミラーカペア【九終剣陣営】◆V6COUaXse62019/10/22(Tue) 23:49:18ID:YzMTY5NTg(13/19)NG報告

    >>181
    どこかへ跳躍した訳でもなく、気配諸共、まるで風景に溶け込んで行ったように。
    その違和感に、セイバーは心当たりがあった。
    (恐らくこれは気配遮断のスキル。であるなら、彼はアサシン–––?)
    そこまで考え察を進めた時、セイバーの脳裏にマスターの念話が響いた。
    『セイバー、状況はどうなってますの?』
    『はい、こちらは敵サーヴァントが撤退して行ったところです』
    『そうですの。それなら良かったですわ。セイバー、貴女もこちらへいらっしゃいな。これからわたくしは、あのサーヴァントのマスターと交渉に入りますわ』

    「さて、アサシンは下がらせた。交渉を続けるとしよう」
    「ええ、こちらも確認しましたわ。どうやら約束は守ってくださったようですわね、ムッシュ」
    「はは、当然じゃないか。これから協力しようとしている相手なんだから」
    「……では、貴方はどうしてわたくし達と同盟を組みたいのかしら?申し訳ありませんけれど、わたくしは正直、貴方との同盟にはあまり乗り気ではありませんわ」

  • 183ライオンの巣窟2019/10/23(Wed) 15:24:20ID:Q4MzI3NjI(1/2)NG報告

    >>182
    ルイからの警戒心は未だ消えてない。現時点ではまだ樹は彼女にとって敵だ。その証拠にルイは樹との間に一定の距離を置く様にしている。樹が少しだけ近付けば、その分また距離を離すのだ。もしも下手に動こうものならセイバーが飛んでくるに違いない。
    こちらに害はないという事を証明するべく、そして自分に価値がある事を説明すべく樹は意味があるかもわからないが両手を上げながら口を開いた。
    「僕のアサシンは敏捷性こそあれど火力が足りない。それに比べて君のセイバーは彼に必要な全てが揃っている。アサシンの奇襲攻撃の全てを巧みに捌いていく姿は見事だったよ」
    自分でも驚くほどに饒舌に樹はルイへと語りかけていく。思う様に事が運んでいるせいだろう、ほんの少しだけ浮ついた気持ちになっていた。
    「僕のアサシンはさっき言った様に素早い。上手くやれば斥候にもなるし、戦闘時に敵の注意を引きつけるなんて事も出来るはず。君と君のセイバーの勝利に貢献出来ると思う。どうだろう、悪い話ではないはずだ」
    「……」

  • 184ライオンの巣窟2019/10/23(Wed) 15:25:25ID:Q4MzI3NjI(2/2)NG報告

    >>183
    ルイは探り探り、と言った様子で樹の顔を窺う。まだ信用しきれない、と言うかの様に目を細め、
    「あのアサシンをどうやって召喚したのです?」
    「触媒は、用いずに召喚した。いわゆる僕自身の縁を使っての召喚だ」
    ルイの顔色が一変する。何かを察した様な、まるで探偵もので犯人が誰か理解した様な、そんな顔をしていた。
    「……アサシンを、縁を使って」
    「言いたい事は、分かる。確かに奴は恐ろしい。正直何故召喚出来てしまったのかまだわかっていない。でも僕は制御出来る。その証明として今下がらせたんだ」
    「……」
    「お願いだ。僕はこの島を守りたい。この島の人々を守りたい。訳のわからない戦いに巻き込ませるなんてもってのほかだ。聖杯だって君にくれてやる。だから……!」

  • 185橘亜衣&ミラーカペア◆V6COUaXse62019/10/26(Sat) 17:26:10ID:M4MjkzMTQ(14/19)NG報告

    >>184
    彼の発言を聞き、分かったことがある。それは先程抱いた違和感の正体–––狂気。恐らく彼は、何か狂気的な物を胸に秘めている。
    あの凶暴で獰猛なアサシンを自分に纏わる縁だけで召喚してしまったのは、その狂気にアサシンが引き寄せられたから。そう考えれば辻褄が合う。勿論この考えは、まだ確たる証拠の無い直感と憶測の組み合わせ。彼の言う、島を守りたいという言葉も嘘とは感じられなかった。
    (島を守りたいと言った時、定まらなかった彼の視線がわたくしの目を真っ直ぐに射抜いていた。それだけ本気ということなのでしょう。それを信じたい、けれど–––)
    脳内が凄まじい速度で回転する。重苦しい沈黙が暫し、場を支配する。
    彼の縋るような説得。必死なその思いを前に、わたくしは–––
    「ムッシュ、貴方の思いの程はわかりましたわ。けれど、わたくしにも事情がありまして、今すぐお返事を返すのは難しいですわ。申し訳ないのだけれど、今しばらく保留にしていただけないかしら?」
    決断を先延ばしにすることを選択した。あまり好きなやり方ではないけれど、宗美樹という人物を見極めるのにも、ムッシュ・ユージーンに話を通すにも時間が足りなかった。かと言って、否を告げてこの相手を刺激するのも避けたい。
    (さあ、この提案にどう返して来るのかしら)

  • 186ライオンの巣窟2019/10/28(Mon) 14:59:17ID:IxNDYxNTY(1/3)NG報告

    >>185
    「ほ、保留?保留かい?」
    「ええ……お気に召しませんでしたか?」
    「まさか、それだけ聞ければ十分だよ。本当に、うん、満足さ」
    ルイにしきりに頷きながら、樹は微笑みを返した。拒絶されてしまえばそれまでだっただけにルイが応じてくれた事は喜ばしく、思わず口の端も緩んでしまった。
    「それじゃ、僕はもう行くよ。他に話す事なんてないし……あ、そうだ僕の電話番号良ければ……」
    「電話番号、ですか?」
    ルイに怪訝な目で見つめ返され、あ、と声を出して樹は懐から取り出した携帯を慌てて仕舞い直した。少し気分が良かったからとは言え、あまりにも馴れ馴れしかった。
    「ごめん今のなし、無遠慮だった。連絡手段を持っておいた方が良いかと思ったけどまだそんな僕ら敵である事には変わりなかったね。忘れてくれ。うん、そうだな……次会った時にでも返事を聞きたい、いいね?」
    「そうですね。その時に」
    「了解。それとセイバーにごめんと伝えて欲しい、それじゃあね」
    今日一番明るい声色でルイに別れを言って、樹は足早にその場を立ち去った。脇目も振らず、ルイに格好つける様に。耳まで真っ赤に染まっていたのは言うまでもない事だ。
    「なぁ何そんなに笑ってんだよ、保留じゃねぇか。断られるかもしれねぇってのに」
    「でも、受けてもらえる可能性もある。そうだろう?」
    樹は実体化したアサシンへと思わず笑いかける。あとからむっとした顔に戻り、そして彼に提案された事についての話を切り出す事にした。

  • 187ライオンの巣窟2019/10/28(Mon) 15:00:42ID:IxNDYxNTY(2/3)NG報告

    >>186
    「それで?どうして夜に出歩きたいんだ」
    「オマエは散歩に行く時に理由作るか?作らねぇよな?俺だってふらふら出歩きたいって思う時がある。生憎オマエの道具じゃねぇんだ」
    「僕だってサーヴァントの意思は尊重するつもりだ。相手がお前みたいな殺人鬼じゃなければね。……どうして僕はお前を召喚したんだろう」
    「ふ、ふふふふははははは」
    樹のぼやきにアサシンは何が面白いのか、体をくの字に折り曲げて大笑いを始める。その笑顔ときたら、純粋に楽しげで子供の様に見えた。
    「オマエ、ホントにおめでたい奴なんだな!前にも言わなかったか?縁で召喚された以上、俺とオマエには共通点があるって事だ。それもチャチなもんじゃねぇ、磁石みたいに引き合う繋がりだ」
    繋がり。人の死を喜び、生を唾棄するこの男と自分に一体どんな繋がりがあるのか。あるはずがない。そんなもの、少しもありはしない。
    「そんなものは無い。醜い怪物はお前だけだ」
    「いいや、違うね。オマエは俺と一緒だよ。気付いていないだけで醜い化け物だ」
    ハイドはニッコリと微笑む。歪んだ口の端が耳くらいまで達していて、さながら口裂け女だった。
    「まぁイイさ。俺が言える事なんざ何もねぇ。それより、俺が興味あんのはアレだ。クレープっつったか?アレを食わせてくれよ」
    いつの間にやら街まで降りてきていたらしく、賑やかな繁華街の一角をハイドは興味津々と言った様子で指差す。樹は眉を潜めて、
    「サーヴァントに食事は必要ないはずだが」
    「逆に聞くけどよ、オマエ食わなくても良いよって言われてホントに何も食わねぇつもりか?頭のかてー野郎だな」
    むっとしながらも樹はハイドの言葉に一理ある気もした。寝なくても良い、食べなくても良い、だからと言ってその二つをしてはいけないとはならないだろう。サーヴァントにとっても娯楽は大事なものだ。
    ルイを思う。彼女もセイバーに良くしてあげているのだろうか?

  • 188ライオンの巣窟2019/10/28(Mon) 15:00:50ID:IxNDYxNTY(3/3)NG報告

    >>186
    「……ふん、良いだろう。なら買ってくると良い。これが代金だ」
    「へへ、ありがとよ……オマエも一緒に食うか?」
    「絶対に嫌だ」
    ちぇっ、と口を尖らせながらもクレープ屋に駆けていくハイドを見送りながら、樹はぼんやりとクレープという単語を脳裏で何度も反芻する。
    「……海音さんも、クレープ食べたりするんだろうか」

  • 189ガイ・フォークス2019/10/30(Wed) 01:03:21ID:M5OTI0MTA(1/8)NG報告

    >>180
    お久しぶりです。前スレ>>528です。この間、話した「ごるごるさん」ですが、また進展がありましたので報告します――
    パソコンを立ち上げ、そんな文句から始まる文章を読んでいたエル・シッドの肩に、容姿から想像される以上に屈強な手が勢いよく叩きつけられた。

    「ロドリーゴ!ゲームしようゲーム!この間の格ゲーだけどさ、ダウンロードコンテンツで新キャラが追加されたんだ。いやー、私このキャラ好きでさー!」

    同時に降り注ぐ能天気な声。それに答えることなく、かつての偉大なる王は不機嫌そうに肩を払う。

    「やかましい。アンタが『今日、こっそり引き抜いてきた髪の毛で礼装作るからさー、しばらく邪魔しないでくれる?』というから、こうして暇をつぶしているわけだろうが。もう完成したのか?」
    「いや?」
    「さっさとやれ」

    リドリー・フォーサイトが小首をかしげるのを横目で確認し、シッドは先ほどまで行っていた作業、もといネットサーフィンに戻ろうとする。
    情報端末の操作など、戦争が終われば記憶が消滅するサーヴァントには不要な知識だと思っていたが、覚えると存外面白いものである。これなら丸一日でも時間をつぶせそうだ。
    だが、操作しようとしたマウスは、背後から伸びてきた手によって遠くへと寄せられてしまった。

    「そんなこと言わずにさあ!正直、作業に飽きちゃったんだよ。チマチマしたことを私があんまり好きじゃないの、ロドリーゴも知ってるだろ?大体、人間の集中力は30分しかもたないんだ。私はもう1時間も頑張ったんだから、ちょっとくらい休憩させろよ!だいたい君も、そんな熱心に何を見ているんだい?なになに、『軽食喫茶《バル・ブライア》アルバイト募集中』?死後まで働くなんて、労働意欲にあふれているね」
    「そっちじゃねえよ。こっちだ」

    強引にマウスを奪い返したシッドは、慣れた手つきで先ほどまで読んでいた箇所へポインターを動かす。そこには、このような文章が書かれていた――

  • 190ガイ・フォークス2019/10/30(Wed) 01:06:50ID:M5OTI0MTA(2/8)NG報告

    >>189
    233ガイ・フォークス ◆nOVakRsA:??/??/?? ??:?? ID:RaIlzFGo
    お久しぶりです。前スレ>>528です。この間、ここで話した「ごるごるさん」ですが、また進展がありましたので報告します。

    234名無し :??/??/?? ??:?? ID:???
    >>233
    鳥の下3ケタがFGO

    235名無し :??/??/?? ??:?? ID:???
    >>233
    乙 あの後どうなったの?投下どうぞ

    236名無し :??/??/?? ??:?? ID:???
    キター???生きてたんかワレェ!無事化?

    237名無し :??/??/?? ??:?? ID:???
    Wiki更新しました

  • 191ガイ・フォークス2019/10/30(Wed) 01:08:14ID:M5OTI0MTA(3/8)NG報告

    >>190
    238ガイ・フォークス ◆nOVakRsA:??/??/?? 04:05 ID:RaIlzFGo
    >>235 >>236
    ありがとうございます。無事です。早速投下させていただきます。

    239名無し :??/??/?? ??:?? ID:???
    今北産業

    240ガイ・フォークス ◆nOVakRsA:??/??/?? ??:?? ID:RaIlzFGo
    あれからわかったことは、ごるごるさんに噛まれると、どうやらその人も、ごるごるさんになるらしいです。
    私の友達の女の子(Aさんとします)の話です。
    Aさんは元気な活発な子で、全然そんな感じじゃなかったのですが、ある日を境に全く学校に来なくなっちゃったんです。先生に聞いても何も教えてくれませんし、家に会いに行っても、玄関で必要な書類を家族の人が受け取るだけでAさんに合わせてくれないんです。
    警察の人が出入りしているみたいだという話があったのと、動物園から動物たちがいなくなった日とちょうど同じ日に学校に来なくなったので、「動物たちと一緒に、ごるごるさんに食べられちゃったんじゃないか」なんていう噂も出ていました。さすがにそれは不謹慎だっていうことでクラスの子が怒って、みんなすぐに言うのを止めたんですが・・・・・・

    238ガイ・フォークス ◆nOVakRsA:??/??/?? ??:?? ID:RaIlzFGo
    そんなある日、Aさんが突然、学校にやってきたんです。
    何でもなかったみたいに普通の時間に登校してきて、心配していた友達とか野次馬に囲まれて困ったみたいに笑っていました。みんなは「よかった」って感じにほっとしていましたが、でも私は、久しぶりに見たAさんを、「なんか違う」って思いました。
    Aさんは笑っていたものの、なんとなく以前のような心からの笑顔じゃなくて、何かに耐えているような、つらそうな顔に見えました。でも、その時の私は、「疲れているからなんだろうな」と思って気にしませんでした。
    そのあと、すぐに先生が来てAさんは連れていかれてしまいました。その時に廊下にいた私とすれ違ったのですが、私は聞いたのです。
    彼女の体の中から、ごるごるごる、という、獣の唸り声のような音がしているのを。

  • 192ガイ・フォークス2019/10/30(Wed) 01:08:50ID:M5OTI0MTA(4/8)NG報告

    >>191
    241名無し :??/??/?? ??:?? ID:???
    >>239
    ごるごる



    242ガイ・フォークス ◆nOVakRsA:??/??/?? ??:?? ID:RaIlzFGo
    ここからは聞いた話です。
    Aさんは事情聴取の後、ある施設に保護されることになりました。Aさんはそこについてすぐに、「おなかがすいた」って言ったらしいです。施設の人(Bさんとします)は、すぐに食事を用意しました。
    食べ始めたAさんですが、食欲がすさまじくて、5人前でも6人前でも、どんなに食べ物を用意しても、全部ぺろりと平らげてしまったそうです。そして、Bさんに言うそうです。「おなかがすいた」って。
    Bさんも、最初は望まれるままに料理を出していましたが、段々とこんなに食べて大丈夫なのか心配になってきて、ついには「また明日あげるから、今日はもうおやすみなさい」っていいました。Aさんはそれに一瞬困った顔をしましたが、素直な子でしたので「わかりました」と、与えられた寝室へ戻っていきました。
    その日の深夜。

  • 193ガイ・フォークス2019/10/30(Wed) 01:09:16ID:M5OTI0MTA(5/8)NG報告

    >>192
    243ガイ・フォークス ◆nOVakRsA:??/??/?? ??:?? ID:RaIlzFGo
    Bさんは施設の中を誰かが歩き回る足音で目を覚ましました。
    一瞬、泥棒かと思い身構えましたが、すぐに思い直しました。「ああ、さてはAちゃんが朝までご飯を我慢できずに起きだしたな。しょうがない、何か軽く食べられるものを作ってあげよう」
    そして、自分も起きだして、足音が向かっていった厨房に向かって歩いていきました。
    厨房についたBさんは驚きました。なんと、食糧庫の扉が開いていて、中身が空っぽになっていたのです。いくら夜にAさんの料理をたくさん出したからといっても、まだまだいっぱい貯蓄はあって、一人では到底食べきれるものではなかったはずです。
    思わず動揺で立ち尽くすBさんでしたが、ちょうどその時、食堂の開け放たれた窓の外から、ガリゴリぴちゃぺちゃという音が聞こええきました。もちろん、Bさんは寝る前に施設内の見回りをしていて、きちんと戸締りは確認していました。
    ひどく不安に駆り立てられ、Bさんは恐る恐る窓に近づいてみました。そして、そこから身を乗り出してみると、庭の茂みの近くに、Aさんがうずくまっているのを見つけました。どうやら何かをがつがつと食べているようで、音もそこから聞こえています。

    244ガイ・フォークス ◆nOVakRsA:??/??/?? ??:?? ID:RaIlzFGo
    暗闇に目が慣れてそれが何なのかを知ったとき、Bさんはぎょっとしました。
    Aさんが食べていたのは、なんと猫だったのです。
    先ほどまで生きていただろう、まだわずかに痙攣している猫の死体。それの頭を丸かじりにして、バリバリと骨ごとかみ砕いていました。周囲には大きな血だまりと、何かの生き物の体のパーツがたくさん転がっていて、食べたのがその一匹だけではないことがわかりました。
    Bさんが「あっ!」っと声を上げると、Aさんが振り返って、目が合いました。全く生気を感じられない、昏い目だったそうです。
    でも、それも一瞬でした。Aさんは一言「ごめんなさい」と言った後、茂みの向こう側へと消えていきました。そして、いまだに見つかっていないみたいです。
    みんな言います。「Aさんは『ごるごるさん』になって、人間の肉を求めて街をうろついているんだ」って。

  • 194ガイ・フォークス2019/10/30(Wed) 01:09:40ID:M5OTI0MTA(6/8)NG報告

    >>193
    ◆◆◆◆◆◆

    「へえ、興味深いね」

    楽しそうにそうつぶやいたリドリーに、シッドは胡乱な目を向けた。

    「意外だな。もっと怒り狂うかと思った」

    「ん?この『ごるごるさん』にかい?はは、さすがに噂話を聞くだけで、私もそこまではしないさ。まあ、もしこの話が本当なら、この2匹の『ごるごるさん』とやらは速やかに駆除するけどね。化け物ごときが人間に危害を加えるなんてふざけた話さ。そんなことじゃなくて、私が『面白い』と思ったのは、この話を作った語り主自身にさ」

    リドリーは得意げに、ぴっと人差し指を立てる。

    「ロドリーゴ、人間の専門家として教えてあげるけど、人間の噂話というのは、大いに語り手たちの感情が現れる者さ。いい話なら、きっと語り手は幸せな時に、冒険譚なら興奮しているときに。――そして怖い話なら、きっと不安な時に、という具合にね。しかもこの話、きっと舞台はこの伏神だ。この新聞、ロドリーゴは読んだっけ?」

    リドリーが取り出した新聞を受け取り、ざっと目を通したシッドは、驚きの声を上げた。

    「『伏神町、動物集団脱走。未だ行方知れず』――おお、まさにこの話と一緒じゃねえか!」

  • 195ガイ・フォークス2019/10/30(Wed) 01:10:01ID:M5OTI0MTA(7/8)NG報告

    >>194
    「その通り!そして、ここまで明確に舞台を示しているのに、かなりこの語り手は詳細に状況を書いているよね。実在の舞台から状況がかけ離れてしまうと話にリアリティーが無くなるから、嘘にしろ本当にしろ、この話の一部は本当である可能性が非常に高い。つまりは、この『ごるごるさん』に類似する『何か』が町に隠れている可能性も多分にあるということ」

    「敵マスターか、それともサーヴァントか・・・・・・」

    「知らないけどね。ただ、私が言えることはただ一つ――」

    少しの間ためを作り、それから、人類を愛する男は今までにないほど嬉しそうに宣言した。

    「この噂をたどっていけば、何かしらの『倒すべき敵』に会えるだろうということさ」

  • 196ガイ・フォークス2019/10/30(Wed) 01:10:52ID:M5OTI0MTA(8/8)NG報告

    >>195
    伏神投稿以上です。

  • 197橘亜衣&ミラーカペア【stage前日譚】◆V6COUaXse62019/10/30(Wed) 22:38:29ID:EzNDE2NzA(15/19)NG報告

    >>161
    〜アーサー〜
    歌が聞こえる。美しい歌だ。
    辛さも苦痛も、何もかもを取り去って、遥か雲の上へと連れて行く–––そんな歌だ。
    「これで終わりだ、アサシン」
    手元にクラレントを呼び出す。この剣は終わりの象徴。現界にあたって、私はこの剣にて相手との決着をつけると誓いを立てた。その誓いを果たすべく、剣に魔力を集中させる。姿を現し悶えているアサシンに向けて、クラレントに秘められた力を解放する。
    しかし–––
    (解放、できない?)
    宝具を解放しようとした瞬間、直感的に悟った。何かが解放を拒否してい
    る、と。
    (貴方の意思か、モードレッド卿……!)
    「ギヒッ、ギヒヒヒヒ!終わりィィ〜?いいえ、いいえ!まだまだ終わりませんとも。右腕〜バクハツしまーーす!『あからさまなイカサマ(ファイブカード・オブ・ジョーカー)』!!!」
    息を荒げながらも、アサシンがパチンと指を鳴らす。直後、私の右腕が爆ぜた。突然の痛みと衝撃に、思わず剣が滑り落ちる。
    「ぐっ!」

  • 198橘亜衣&ミラーカペア【stage前日譚】◆V6COUaXse62019/10/30(Wed) 22:38:53ID:EzNDE2NzA(16/19)NG報告

    >>197
    「ギヒヒヒヒ、ここで手品のタネ明かし!貴方が弾いていたあのカード、実は本気を出していませーんでーしたー!悪魔(ワタクシ)お手製の品が、あんなチャチな爆発で済むわけないでショ!」
    そういう間にもアサシンが二度三度と指を鳴らし、私の脇腹や膝の辺りに爆発を起こす。一撃一撃の威力は大したことは無いものの、力を込めるべき箇所にピンポイントで衝撃と痛みが起こることで、なかなか体勢を立て直せない。地に膝を着きそうになる。しかし、
    「セイバー!!」
    マスターの声で、踏み留まれた。
    「大丈夫です、マスター。この程度で、騎士は倒れません」
    力の入らない右腕の代わりに、左腕に剣を呼び出す。
    踏み込むと同時に魔力を放出し、相手へと斬りかかる。捉えた–––そう思った瞬間、アサシンの姿が消えた。
    「残像です!」
    左側面から嘲笑うような声。間髪入れず声の方向へ剣を振るう。
    「残像です残像です残像」
    どういう原理なのか、剣がアサシンを捉える度に霞のようにその姿が消えてしまう。
    (気配遮断は失った様だったが、まだこんな余力を残していたのか、アサシン!)
    さてこの状況、どう切り抜ける……!

    〜オズ〜
    セイバーとアサシンの攻防がクライマックスに差し掛かっている。しかし、その戦況は芳しくない。
    「まさかの展開だね。アサシンがあんな力を持っていたなんて」
    「俺も知らなかったよ。どうする、オズボーン?」

  • 199橘亜衣&ミラーカペア【stage前日譚】◆V6COUaXse62019/10/30(Wed) 22:39:18ID:EzNDE2NzA(17/19)NG報告

    >>198
    演奏を終えて、ヴィヴィアンが声を掛けてくる。その顔には焦燥が見て取れた。正直、僕も同じ気持ちだ。
    けれど、賛美歌を歌う事でアサシンは確かに弱体化した。ならば、この舞台の特性を合わせれば、或いは。
    「もしかしたら、手があるかも知れない」

    〜アーサー〜
    飛来するカードと、身を焼く爆撃–––アサシンの攻撃を耐えるものの、傷は増え、体に込められる力は減って行く。
    敵が放つ宝具の真髄は、カードに触れた者を時間差で爆発させることか。気にする必要もない擦り傷が、こちらの力を散らす爆薬に変わる–––厄介な能力だ。こちらが宝具を解放しようとすれば、的確にその予備動作を邪魔される。魔術回路にも何か細工をされているのか、魔力の扱いが上手くいかない。
    ジリジリと打てる手が削られる、そんな状況。
    –––だった。
    『セイバー、これから奇跡を起こすヨ☆』
    そんな、マスターからの念話が来るまでは。直後、再び賛美歌が始まる。
    "Amazing grace how sweet the sound
    That saved a wretch like me."
    しかし、それは先程までとは違っていた。
    –––大勢の、声。いくつもの歌声が、四方八方、会場中から響いていた。
    思わず辺りを見回せば、円状の観客席に沿うように、水のカーテンがかかっていた。透明なそのカーテンには、よく見れば文字のような物が映し出されている。

  • 200橘亜衣&ミラーカペア【stage前日譚】◆V6COUaXse62019/10/30(Wed) 22:40:12ID:EzNDE2NzA(18/19)NG報告

    >>199
    「これは……」
    「僕だよ☆会場の皆に協力してもらったんだ♪」
    ピアノを弾きながら、輝く笑みをこちらに向けるマスター。その笑みに、心が熱くなる。
    そして–––
    「ぐふぉーーーー!こ、これはキテます、キテますキテますキテますよぉーー!」
    アサシンが狂ったように叫ぶ。悶え苦しみ、動きが止まる。
    『マスター、感謝いたします……!やはり貴方は、私の光だ』
    主へ感謝を述べ、己の役目を果たすべく動く。
    手にエクスカリバーを呼び出す。剣を地に突き刺し、手を前に、柄頭を優しく包む様に掌を閉じる。まるで、祈りを捧げる巡礼者のように。
    「深き闇の空。絶望表す黒き世界–––」
    言葉を紡ぐ。すると、剣を突き刺した場所から小さな黒の円が現れる。円は凄まじい速さで広がり、反比例する様に剣は地へと飲まれて行った。
    「人は願い、求め、憧れた。暗きを照らす輝きを。我らを導く王たる者を」
    剣が完全に消えると、辺り一面は黒の色に支配されていた。そして白銀の騎士は静かに声を響かせる。賛美歌と共に紡がれる詠唱は、荘厳な教会の如く。

  • 201橘亜衣&ミラーカペア【stage前日譚】◆V6COUaXse62019/10/30(Wed) 22:40:48ID:EzNDE2NzA(19/19)NG報告

    >>200
    「–––円卓領域、展開。我はその責に挑む者」
    呼び声に応じる様に、地の暗闇から眩い輝きが現れる。それは徐々に形を成して、一本の剣を象った。
    「今ここに、夜明けの道が拓かれる!」
    王は愛剣を地(さや)から抜き放つ!
    「『始まり告げる暁の剣(カリバーン)』!!」
    剣が引き抜かれると同時、黒き円は光の柱を放った。柱の本数は12本。天に向かって放たれて光達も、やがて剣の形へと変貌した。まるで、夜を照らす星、いや、夜明けを告げる太陽のように。
    引き抜いたものと合わせて13本の剣。それは、円卓の騎士を表す本数。
    –––全ての剣が、アサシンへ向けて光の奔流を解き放つ!
    「ヒヒッ、アヒャヒャヒャーー!それでは最後の置き土産!3、2、1、パァーーン!世界は終わりィィィィ!」
    意味の分からぬ言葉を最後に、アサシンは奔流の中へ消え去った。

  • 202ライダー陣営作成担当・第一回◆TvNZI.MfJE2019/11/02(Sat) 15:24:18ID:I5MDczOTA(1/12)NG報告

    ついに暴王は墜落した。
    「…………ァ、ッ…………!!」
    バーサーカーの口から吐き出された振動は、もはや声の形すら取れず血を泡立てる。
    地面に縫い付けられたかつての王は、全身の傷から血という形で魔力をこぼす。
    単純な白兵戦においてスペックの暴力を振るうバーサーカーを相手にしたとはいえ、ランサー、アーチャー、そしてツタンカーメンの三騎がかりでようやく地に伏せたというところがザッハークの暴王たる由来と言えよう。
    先ほどまでの交戦で獅子奮迅と駆けたランサーは、現在アーチャーに肩を借りる形で立っている。
    「立てるか、ランサー」
    「当然……ッ……クッ…………」
    代償は大きい。
    事実上ランサーの槍は消費され、ツタンカーメンは単純なダメージに加え呪毒に侵されている。比較的傷の浅いアーチャーですらも毒と呪いを受けているのだ。
    そして、まだ戦いは終わってはいない。
    たとえ地に縫い付き土に後頭部を沈めたとしても、バーサーカーはいまだに消滅していない。
    ランサーに肩を貸したまま大きく後ろへと後退するアーチャー。そのままランサーを下ろし、先にドルクワンドを斬り飛ばした赤弓を構えた。
    そしてうつ伏せのバーサーカーへ向けてアーチャーは翡翠の弓懸で赤い大弓を引き絞り、さらに魔力放出のためゲルト・リスコフォスとのパスより魔力を引き出していく。

  • 203ライダー陣営作成担当・第一回◆TvNZI.MfJE2019/11/02(Sat) 15:25:11ID:I5MDczOTA(2/12)NG報告

    >>202
    真名の解放こそ無いといえど、二つの宝具と直接魔力を解き放つスキルの同時使用。アーチャーの全身から余剰魔力が赤と翠のオーラとなって漏れ出している。
    そして、真に収束されたエネルギーは余分な現象を引き起こさない。
    支(つか)えを外すように指が離れると、太陽さえ貫きうる矢は無音のままに放たれた。
    静寂の中、意識あるものは誰もがその矢に注目していた。

    そして、しかし、だから。バーサーカーを除くあらゆる者の目がアーチャーへとむけられていたからこそ見逃された存在があった。

    「…………ッ!! 貴様何をしている!!」
    斬り飛ばされ、悪性呪の泥となるはずの蛇(ドルグワント)が赤黒い色の塊を啜っていた。
    赤い残光を引きながらバーサーカーの霊核に向かって翔ぶ翠の矢。


    「よくやった、…………ドルグワンド」

    誰もその一言を聞き取ることは叶わなかった。
    直後、音速よりも短い時を空けて放たれた咆哮はボツリと呟いた言葉を吹き潰して静寂を破壊した。

    本来の凶鳴毒唱は両肩のドルグワンドとの合唱多重詠唱による大破壊である。
    当然の話として、頭部一つの凶奏はランクA+++の対城宝具としては成立しない。

  • 204ライダー陣営作成担当・第一回◆TvNZI.MfJE2019/11/02(Sat) 15:25:41ID:I5MDczOTA(3/12)NG報告

    >>203
    だが。しかし、それでも。
    霊核一点を狙った矢の軌道を、心臓の、本当の中心から逸らすことくらいならば叶うだろう。
    「アアアアアアアァァァァアアアアアアアァ!!!!」
    そしてそれは叶った。
    バーサーカーは『右の胸』にぽっかりと大穴を開け、激痛に絶叫しながら立ち上がったのだ。
    「いっっっでぇなァアアアアオイ!!!」
    胸に丸く孔を開けたまま、暴力の王は右脚で地面を砕いて跳ぶ。
    勢いのまま強攻撃直後の隙を突きアーチャーを左脚で蹴り飛ばす。
    「ッ!!何故……!!」
    「グァアアァ!!!痛え!!!!」
    跳躍の為に地面と同じように右脚は砕けて、蹴り込んだ左脚は弓で受けられ(弾き飛ばしはしたものの)むしろ自らのダメージの方が大きい。
    両肩の蛇は未だに切断面のままで、それでも致死量をはるかに超える血を流して、身体を砕きながら飛んできたのは何故だ?
    流石に今のバーサーカーほど壊れ切ってはいないとはいえ、凄まじい疲労と蓄積された傷を持つランサーはその答えを知っている。
    「貴様……、その肩の蛇……」
    「やれば出来るもんだよなぁ」
    切り離されたドルグワンドを破棄することなくそのままに『王を夢見る一万馬(ペイヴァルアスプ)』を食わせ、サーヴァントと宝具の繋がりを通して魔力を補給し肉体を再生したのだ。

  • 205ライダー陣営作成担当・第一回◆TvNZI.MfJE2019/11/02(Sat) 15:26:08ID:I5MDczOTA(4/12)NG報告

    >>204
    「オレはオレが思ってるより器用だったみてぇだな」
    膝を折ったランサーはバーサーカーから距離を取る為後ろに跳躍するが、バーサーカーは追って来ず、むしろ倒れ込んだ。
    その際膝でない部分が折れて倒れたところを見ると追わなかったのではなく、追ってくるための脚が壊れたという方が正しいだろう。
    そしてそれは時間の問題でしかない。
    一万馬のストックが残されている以上、胸を塞ぎ、脚に芯を通し直せばすぐに暴力の王は跳び込んでくるだろう。
    いや、それすら待たずドルグワンドさえ再生すれば『毒鳴凶唱』が飛んで来る。
    吹き飛ばされたーー少なくとも目視できる範囲にアーチャーは居ないーーアーチャーが間に合い、射抜くか。
    それともバーサーカーはそれより早くランサーを砕くか。
    「おい」
    「先にテメェからだランサー」


    「おいと言っているんだこの気狂い(バーサーカー)」


    黒と血の赤で染まった毒竜王の左側頭部を、白と銀の竜が掴んでそのまま地面に埋め潰した。

  • 206ライダー陣営作成担当・第一回◆TvNZI.MfJE2019/11/02(Sat) 15:26:37ID:I5MDczOTA(5/12)NG報告

    >>205

    短い振動が、距離を取っていたランサーにも伝わった。それほどの威力でバーサーカーは押しつぶされたのだ。
    「…………ァ、ハハッ!! 遅かったじゃあないかライダーァ!? 出来ることが何もねえからすっこんでたんだと思ってたよ!!」
    首が動かない。左眼だけを上に向けてバーサーカーが吼える。
    にジュリ、という気分の悪い音が潰れた顔の右半分から漏れる。
    対したライダー、護竜の背に立つ王は静かなものであった。冷たい目だった。
    「おいって声をかけたのだから、はいなんでしょうと返答するのが礼儀だろう? ぁあ違うか? うん? でもまあ許すよ気狂い(バーサーカー)。何故って、気狂いだものな。怒ったって虚しいものだ」
    「ァハハハハハハ余(オレ)が気狂いならテメエは腰ぬけかぁあ!?」
    「いいだろう腰を抜いて欲しいんだな」

    白銀の竜が後ろ足で、仰向けに固定されたバーサーカーのみぞおちを踏みつぶした。
    臓物を撒き散らかさなかっただけ丈夫なものだが衝撃は肉体を貫通して地面にヒビを通す。竜の脚と地面の間にあった脊椎がどうなったを論じる意味は無いだろう。
    今度は。今度こそ、苦悶の声すらあげさせなかった。
    息は出ていたのだろうか、口は開いていたけれど。

  • 207ライダー陣営作成担当・第一回◆TvNZI.MfJE2019/11/02(Sat) 15:27:48ID:I5MDczOTA(6/12)NG報告

    >>206
    ふとライダーは何かに気がつきバーサーカーに刺さったものを引き抜いた。それは鋼と木で出来ていた、誰かの武器の成れの果て。
    即ち、
    「槍か…………、使った覚えはあるがね」
    ライダーはひとしきりかつて槍だった残骸を眺めると、とある方角へと投げ飛ばした。
    まるでダーツのように迷いなく真っ直ぐに飛んだ残骸は持ち主の足元へと突き刺さる。
    「おぅいランサー、済まないね遅れて」
    「ライダー……? いや、これは」
    「あぁ、雑竜どもかい? 引き上げたとも、もう無用だからね」
    ライダーの口ぶりはおだやかであるが、返ってそれが作られた声色であることをランサーに実感させた。
    「そもそもこの! コレが! 撤退! できないように! 張っていた檻の役目でしかなかったからね」
    会話をしながら、声の抑揚のリズムでバーサーカーの頭を地面をおろし金にして擦りおろさせるライダー。
    「キミがその破片を持ってこっちに来るか、このまま撤退するか、一度アーチャーと合流するかは任せるよ。 まあ少なくともしばらくはこの体制のままだからね」
    言い終わると同時に、竜の後ろ脚がもう一度バーサーカーの胴を踏みつける。今度は踏みつけられた部分を支点に肉体がくの字に折れた。
    「でバーサーカー、ところで君は破壊を見せてくれるそうじゃないか」
    竜の上で目だけを下に向けて見下ろすライダーが告げる。
    「一つ俺にもその破壊とやらを見せてはくれないかな?」
    竜が頭を握りつぶしていた左手を離すと、口を開いて痙攣している様子が見て取れる。
    いや、
    「ああ良いぜ、先ずは趣味に合わねぇこのトカゲからなぁ!!!!」

  • 208ライダー陣営作成担当・第一回◆TvNZI.MfJE2019/11/02(Sat) 15:28:38ID:I5MDczOTA(7/12)NG報告

    >>207
    バーサーカーが身体の向きを変えると死角になっていた右肩の蛇が脳漿を飲み込んだのが明らかになる。
    「『凶鳴毒唱』ァ!!!」
    「『眠らずの翼竜』」
    破壊の宣告に対しての返答は冷徹なものだった。
    多重詠唱殲滅現象が白銀の鱗に反射して返って行く。

    どこに?



    ライダーに届くことなく跳ね返された衝撃波がバーサーカーを媒質にしてヒビ割れた地面にクレーターが形成された。

    「おい、……ああすまんもう返事はいい。 何でわざわざランサーと会話してお前に時間をやったと思っているんだ? うん?」
    「……………………………………………………」
    「おい、胸踊る破壊を見せてくれるんだろう、俺にも見せてくれよバーサーカー」
    半ば自律的に両肩の蛇が脳漿をすするのは、令呪の効果なのだろうか。
    「ただし壊れるのはお前一人だバーサーカー、お前だけが破壊されろ」
    「…………………………………………ォ」

  • 209ライダー陣営作成担当・第一回◆TvNZI.MfJE2019/11/02(Sat) 15:29:44ID:I5MDczOTA(8/12)NG報告

    >>208
    「お前だけで良いんだよ、お前が壊れろ。 お前が壊れる様を見たいんだよ俺は、だから見せろよバーサーカー」

    竜を駆る王は残虐か?

    「おい、早く再生しろよバーサーカー。 俺はもっとお前を壊したいんだよ」
    「ォォォウォォァアァァアアアアアアアア!!!!」

    彼は『娘を連れもどせなければ裏切り者の娘に与えるものと同じ罰を与える』と国民全員を国から追い出した男だぞ?


    バーサーカーが右の拳を握りしめる。
    振り上げられたアッパーが受け止められ、逆にもう片方の腕が前脚の爪で縫い付けられる。
    その体制のまま両肩の蛇が上を向き『凶鳴毒唱』が合奏されるーー、その直前でバーサーカーの頭部を銀の竜が噛み潰して抑え込む。
    逃げ場を失った魔力はどこへ行く?
    バーサーカーの胴体で爆発があった。
    胸骨が弾け飛んで肋骨と蠢く心臓が露わとなるが、しばらくするとまた肉と骨で埋まっていった。ドルグワンドが竜を呪い漬けにするために両肩から伸びて竜へと迫る。
    竜は白いブレスを吐いて双肩の蛇を押し流した。
    竜の息継ぎの間を狙って『凶鳴毒唱』が、今度こそ合唱されたが冷たく見下ろすライダーが竜の真名を解放すると全ての衝撃はバーサーカーへと返って行く。
    全身全霊全力のそれを真正面から放つならともかく、マウントを取られた状態で満身創痍で放つそれならば押し返せる。

  • 210ライダー陣営作成担当・第一回◆TvNZI.MfJE2019/11/02(Sat) 15:30:08ID:I5MDczOTA(9/12)NG報告

    >>209
    それはクレーターがさらに深くなることで証明された。
    生きている証拠として痙攣しているバーサーカーの喉に竜の爪が食い込んで声帯を引きちぎる。
    「もう喋らなくてもいいぞバーサーカー」
    対してバーサーカーの口角が上がる。
    「なんだぁ……もう飽きたのかよ飽き性じゃねえの?」
    ライダーの口元が引きつるが、それはすぐに消えた。
    二の句を継ごうと口を開いたバーサーカー、その顔を竜が真正面から噛み付く。
    そして先にも放った押し流すような白いブレスが、顔を固定されたバーサーカーの口の中へと流し込まれて行く。
    それは本来破壊力としては大したことのない、『押し流す』ためのものであるのだが。
    「喋らなくてもいいと言ったら喋るんじゃないよ」
    「ガハッ……ッ! いやしゃべるだろ? そっちの方がおもしろい」
    「……チッ」
    果たして、思う通りに事を進めているのは城壁として空を塞ぐ翼竜なのか、それとも地を這う蛇竜なのだろうか。
    マイクを持ってインタビューにでも行けば答えてくれるかもしれない。最も、攻めきれず押し切れず口も止めさせることもできていない、ただ突っ立っているだけのおうさまがそれで癇癪を起こさない保証はしかねるが。
    白銀の鱗をすり抜けて、もはや何度目かもわからないほどに引きちぎられた肩蛇の呪沫がライダーのほほ数センチを飛んで行った。
    起爆した爆弾に無理やりフタをして抑え込んでいるのと変わらない。フタを抑える力を緩めれば、むしろそちらの方が正しいのだと炸裂と高熱はライダーを焼くのだろう。
    果たして、不自由なのはどちらか。

  • 211ライダー陣営作成担当・第一回◆TvNZI.MfJE2019/11/02(Sat) 15:30:48ID:I5MDczOTA(10/12)NG報告

    >>210
    虐殺は続く。しかし、まあ、一時離脱したアーチャーが戻らない程度の時間と考えると短いものか?
    さあ、この場に居合わせないマスターはどこで土を舐めているのだろう。
    「知ったことか」
    ズズンッ!!と、地面の亀裂がさらに増え、クレーターは深く窪む。
    凶い鳴く毒の輪唱は何度目かの固定反射を受けて、バーサーカーを媒し地球を殴りつける。アースとはよくぞ表現したものだ。
    「サーヴァントマスター間の魔力提供は、『使う側』主導でも搾り取れる。 繰り返すが、今ここで役に立たない男から魔力を搾り取ってそれでどうなろうが知ったことではない」
    お互いに利用しあい、使い潰しあい、勝利を求める。それもまたサーヴァントとマスターの関係性だが、それにしても。
    「よって最後の一滴を超えてもなおその生命を搾り取ってこれを潰し続ける。 聞こえているかどうかは関係ない。 むしろありがたがって欲しいんだがね。 最後まで戦いのテーブルに乗れていることを」
    危ういバランスで、踏み続ける。
    あちこち腐り落ちた吊り橋をズンズンふみ鳴らすような暴挙は、どうせ長くは続かない。

    だってそうだろ。
    権力者の暴税ほど分かりやすい破滅の記号なんてそうそうないだろう。

  • 212ライダー陣営作成担当・第一回◆TvNZI.MfJE2019/11/02(Sat) 15:32:47ID:I5MDczOTA(11/12)NG報告

    >>211
    あらゆる攻撃を弾き続けてきた銀の竜が、揺らぐ。
    「……!?」
    護竜とは城だ。神獣を守護するに足る城壁だ。揺らぐなどあってはならない。
    「……そろそろオレの方もなぁ、残弾が無くなりゃ喰うものも選べねぇだろ」
    あたりまえの話だ。踏んでいたナニカを踏み外したのでおっとっととガクついた。
    翼ある竜が踏んでいたのはなんだった?
    ・・・・・
    蛇の下半身ではなかったか?
    「上半身を踏み潰し直せばそれでいい!!」
    ・・
    「一歩遅かったな、最終楽章だ」
    ふらつく銀の翼竜、その腹に凶鳴毒唱がこんどこそ突き刺さった。


    「ハ……ハハハハァ……、まだまだッ…………やれんじゃねえかよ…………」
    半身だけで蛇竜王が吼えた。
    城壁を謳うなら基礎工事くらいやっておけ。
    不安定な体勢で腹部に宝具の直撃を受けた護竜は、ついに初めて、深手を負った。

  • 213ライダー陣営作成担当・第一回◆TvNZI.MfJE2019/11/02(Sat) 15:33:11ID:I5MDczOTA(12/12)NG報告

    >>212
    「何をやっているッ!!あと、あと一撃あれば足りるものをッ」
    「いやぁおうさま、これはさすがにもうだめでしょ」
    それでも城壁それそのものは堅牢だったのだ。直撃を受けた腹部はえぐれているものの、その後ろにいたライダーに衝撃が行くことは無かった。
    「アリエスッ!!! あとブレス一つで足りるのだ!!! 撃たせろ! 一撃でいいんだよ!!」
    「おいコルキスの王、コリュキオンは僕の宝具だ。 借り受け主が我が物顔で僕のものを使い潰すな」
    グル……と血を吐く口から唸り、ライダーを見やった護竜はアリエスの手で強制的に霊体化させられそのまま金羊毛へと格納された。
    「いらつきにまかせぼくをとりはずして、コリュキオンにしぼったうんようにきりかえたのは、たぶんまちがってないんだけどね」
    「…………チッ」
    「ぼくはそんなおうさまがだいすきだよ?」
    「…………俺はそんなお前と縁を切るために聖杯が欲しかったんだよ」
    『そんなおうさま』を好むアリエスは、案外楽しそうに笑う。
    「でもわるいんだけどさ、これでぼくもほんとうにたまぎれ。 どーすんの? あれたぶんこんどはじょうはんしんごときばくするよ? このきょりだとむかってってもさがってもしんじゃうけど」

  • 214リドリー陣営2019/11/02(Sat) 19:10:12ID:c1NDc2NDY(1/4)NG報告

    アメリカ異聞帯の幕間的何かを投入

    がっつり本編に絡んでくるので注意!

  • 215リドリー陣営2019/11/02(Sat) 19:10:31ID:c1NDc2NDY(2/4)NG報告

    >>214
    ハリウッドに向けて、足を動かす三人の傷持七豪集。残像を残す下半身に対して微動もしない上半身、話をするのに快適な体勢である

    「しかし肝心氏。執務仕事がまだ残ってるんじゃないですか?余達と一緒にきて大丈夫なんすか?」
    処刑は己の武器であるふた振りの剣を研ぎつつ、話しかける
    傷持七豪集は建前上対等であるがお互いの仕事の都合でその立場は入れ替わる
    肝心は主に執務と市民に対して表に立ってアル・カポネの言葉を代弁するのが仕事。そのため酔っ払う市民たちにもよく顔が知られているのだ。それ故に人気も高く多忙。何故付いてきたのか、処刑は疑問だった
    下半身を忙しく動かす馬にまたがる肝心の顔は鴉を模した兜により伺えない。だがその目は怒りに満ち満ちていた
    そして処刑は思い至った。肝心はデン・テスラによって娘を誘拐されているということに……………

  • 216リドリー陣営2019/11/02(Sat) 19:10:51ID:c1NDc2NDY(3/4)NG報告

    >>215
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    インペリアルタワー666階遊戯室

    『黒幕の五人目』、彼はこの異聞帯の王と謁見していた。キューを見事に使い、ボールを弾く様は呪術師、しかも片腕だけしかない男とは実に思えない
    「我王。故リドリーが言っていたようにカルデアの侵入を発見しましたねぇ。一体どうなさるおつもりでしょうか?」
    【大ごととする必要はない】
    多重に重なる声で返答する王
    【いずれ来ることはわかっていた害虫だろ?その始末のために私は君達を作った。対策は万全。だから私は君達だけで何とかなる……………そう考えている】
    「成る程、いやはや王たる楽観。全く素晴らしいですネェ!」
    【実際そうさ。私が選んだ君達は最強。だから別に気にすることはないんだよ……………ところで『ニューワールド計画』は進捗どうだい?】
    「すこぶる順調!あと一週間後にはできますねぇ」
    【一週間後といえば……………『バレンタインデー』だ!】
    「ええ、ええ、ええ!何という偶然でしょうか!この幸運に私は乾杯をあげたいですねぇ!」
    【あらあら、お酒はまだ駄目よ?一週間後の『バレンタインデー』に備えなくちゃ】
    「全くもってその通りですねぇ。ですが私は喜んでいますぞ!これで我々は他の異聞帯を完膚なきまで叩き潰せるというもの!」
    興奮する黒幕。彼は身体中を蚊の大群に変え窓から飛び出す
    「それでは我王!一刻も早く完成させて見せましょう!」
    【ふふふ、ああ、楽しみにしているぞ!『ニューワールド』!】

  • 217リドリー陣営2019/11/02(Sat) 19:11:23ID:c1NDc2NDY(4/4)NG報告

    >>216
    幕間おわり!

    今回の話は重要なところがあるので必ず見てください!

  • 218伏神アサシン陣営2019/11/04(Mon) 00:38:45ID:k2NDYzMzY(3/7)NG報告

    人工の光で極彩色に照らされた中心街。喧騒と轟音、適度に汚れた空気が都会の味を演出する。
    ビルとビルの屋上を黒づくめのサーヴァントは舞うように渡り歩いていた。
    アサシンは浮かれていた。この時代に来てまさか同類と出会えるとは思わなかったのだから。
    ひっくり返しても埃すら出てこないであろうマスターに召喚された時はどうしようかと思ったが今はそんな心配も頭には無い。
    曇りなきガスマスクは街を見下ろす。

    「ラブアンドピース!やっぱ友達はいつの時代も裏切らないね!角生えてたけど何のコスプレだったんだろあれ人。宇宙人かな?」

    ゲラゲラと男の野太い笑い声を上げると、歩くスピードは更に増した。正直、あの屋敷の主人が困り果てている所を見たくなかったかと言えばそれは嘘になるが。
    生前に友人はいた気もするし、いなかった気もする。今いるのならどっちでもいい。

    「…あーあの仕掛けもすれば良かったかな。いやでもあれはちょっと21世紀の人間には刺激が…」

    妄想と興奮が混じり合い、更なる高揚の領域へ足を踏み入れる。早くなる鼓動は足にも反映される。高所ゆえの寒さも今の麻痺した体には感じられない。
    と、その時。

    「うわぁぁああ!?」

  • 219伏神アサシン陣営2019/11/04(Mon) 00:39:10ID:k2NDYzMzY(4/7)NG報告

    >>218
    突然視界が低くなると同時に鈍い痛みが全身を襲う。心臓を掴まれたような冷や汗がどっとガスマスクの下をつたう。
    どうやらビルとビルの隙間に落ちてしまったらしく、建物に外付けされている階段に激突した。
    頭を摩りながらも仕方がないのでその場で横になる。冷えたコンクリートとはまた違った鉄の冷たい感触が血の回った頭を冷やした。

    「………」

    このまま戦って聖杯戦争に勝てるのだろうか。
    ふと、日頃は絶対に考えないであろう、そんな漠然としたネガティブな思考が頭をよぎった。
    そして改めて己以外の全てのサーヴァントを下した時に与えられる権利について考える。

    「……待てよ」

    サーヴァントが聖杯に抱く願いの種類はそれこそサーヴァントの数だけあるが、大半は聖杯による『奇跡』によってしか叶えられないという点という共通項がある。
    この世への受肉、生前のやり直し、世界の救済…これらは勝ち残ってからようやく実現するのだ。

    「けどここに例外が存在しちゃった感じ?」

  • 220伏神アサシン陣営2019/11/04(Mon) 00:41:28ID:k2NDYzMzY(5/7)NG報告

    >>219
    そうだ、この願いは殺し合いを勝ち抜いて何も聖杯に叶えてもらう必要などない。己の手で成し遂げられるものだ。
    ならばすぐさまに行動に移さなくては。実体化したナイフをくるくると回すと階段の踊り場から身を乗り出し街を再び見下ろす。
    忙しなく行き来する群衆を見続けーーーアサシンは遂にその欲望に駆られた目に捉えた。
    人々を半ば無理やりかき分けながら歩く男女のペア。世間離れした佇まいの女性はマスクをしており、男はかなりの美貌だ。

    「始皇帝…とまでは言わないけどケネディさんぐらいには知名度ある人だといいな」

    暗殺者は天高く跳び上がると光輝く大通りに堕ちていった。
    後には踊り場が凹んだ事以外は何も変わらない階段だけが残された。

  • 221ガイ・フォークス2019/11/04(Mon) 21:31:02ID:g3ODU0MDg(1/6)NG報告

    伏神、弓陣営のライノパートを投稿します。

  • 222ガイ・フォークス2019/11/04(Mon) 21:31:41ID:g3ODU0MDg(2/6)NG報告

    >>221
    深夜。ご近所さんのお庭に私はいました。いわゆる不法侵入であるところの行為ですが、そんなことに気を使うほどの気持ちの余裕はありません。
    目的は、真っ白な犬小屋に繋がれている大きいワンちゃんです。人なつこいワンちゃんで、いつも通学のたびに門に鼻を押しつけながら戯れてきたものです。本当は良くないのですが、コッソリとオヤツをあげたのも、一度や二度ではないんですよ。

    近くにしゃがんでそっと撫でてあげると、目を覚ましてゆっくりと頭を持ち上げました。一瞬、彼と目が合います。それから彼は、大きな舌で私の頬を舐めました。
    神父様の元から逃げ出してから、さんざん泣いたり吐いたりした私の顔は、きっととても酷いものになっているのでしょう。優しい子です。
    私は片腕で彼をそっと抱き寄せ、もう片方の手で頭を撫でながら、今日1日だけで何度目になるかわからない言葉を、耳元でそっと囁きました。

    「ごめんね」

    彼の首をグリッと捻ると、薄い板を踏み割るような音とともに1回転して、鳴き声をあげる間も無く動かなくなりました。
    きっともう意識がないだろうことを確認してから、私はまだ痙攣しているそれに齧り付きます。込み上げてくる吐き気を抑えながら、一口、また一口と。

    生のお肉の食感は未だに慣れませんし、喉に毛が絡みついてとても苦しい。何より、大切に接してきた生き物の命を奪ったという恐怖と後悔が、私の中のナニカを少しずつ蝕んでいきます。そのことに気がつきながらも、猛烈な飢えをしのぐために、私はそうせざるを得なかったのです。

    半ばほど食べ進んだ時、私の頬を温かいものが伝うのに気がつきました。もう、涙は枯れ果てたと思っていたのに……そう思いながら袖で拭うと、袖口が真っ赤に染まりました。
    留めなく溢れるこの液体は、さっき血管を食い破った時に飛んだ血なのか、それとも……

  • 223ガイ・フォークス2019/11/04(Mon) 21:32:19ID:g3ODU0MDg(3/6)NG報告

    >>222
    ◆◆◆◆◆◆

    砂漠を潤そうと、水を手で掬って打ったとします。いくら額に汗しながら一所懸命に運んだところで、水は地面に触れるや否や染み込んで、または照りつける太陽が蒸発させて、何事も無かったかのように消えてしまうでしょう。
    私の飢えも、そのようなものでした。いくら何を食べようと、灼けつくような喉の渇きや、内臓の一つ一つが万力で潰されるような辛さは消えません。ただ、ほんの少しだけ……新鮮な生き物の肉だけが、気が狂いそうなほどの苦痛を和らげてくれるのです。
    弱い私は、それに救いを求めずにはいられませんでした。食べて、食べて、食べて食べて食べて食べてーー

    一度に必要な肉の量が増えている。私がそのことに気付くのはすぐでした。
    当然だ、と私は思いました。間に合わせのもので苦痛を誤魔化しても、それは一時的なもので、見ないふりをされた原因は一層悪化していくものです。
    実のところ私は、私自身が本当に求めているものは何なのか知っていました。だけれども、もし本当にそれをしてしまったら……想像しただけで震え上がってしまいます。私は、私ではなくなってしまうでしょう。

  • 224ガイ・フォークス2019/11/04(Mon) 21:32:50ID:g3ODU0MDg(4/6)NG報告

    >>223
    ◆◆◆◆◆◆

    夜が明けて空が白み始めた頃、今まででひときわ大きな衝動が私を襲いました。まるで燃え盛る炎の中に投げ込まれたような苦痛に、私はただただ耐えるしかありませんでした。
    痛みを紛らわすために喉を掻き毟り、捲れた皮膚の内側から息が漏れました。お腹を抑える手に力が入り過ぎていたのか、バキボキという音が絶えず耳の奥に響いていました。

    私が次にはっきりと意識を取り戻したのは、夕暮れになってからでした。
    私は、私のものではない何かの血だまりの上に倒れていて(この異変が起こってから、私はいくら傷ついても血を流すことはなくなっていたのです)、目の前には動物の前足が切れ端だけ転がっていました。
    呆然としながら視線を下ろしていきーー自分で毟って食べたはずの右腕が何事も無かったかのように治っているのを見て、私は自分が人間では無くなってしまった事を、今更のように自覚しました。

    なんで。
    唇が自然に動き、言葉がこぼれました。そうなると、もはや考えないようにしていた感情を押しとどめておくことは不可能でした。たとえそれによって、より惨めな気持ちになると知っていても。

    何で私ばっかりこんな目にあうの?痛い、痛い、嫌だよ、許して。誰か、誰でもいいから助けてよ。助けて……助けてよ。助けてよ……レアちゃん!

  • 225ガイ・フォークス2019/11/04(Mon) 21:34:25ID:g3ODU0MDg(5/6)NG報告

    >>224
    ◆◆◆◆◆◆

    スッと、頭の中に重くかかっていた霧が晴れた気がしました。
    そうだ、レアちゃん。私が辛い時はいつもそばにいて私を助けてくれた。レアちゃんなら……レアちゃんに……会いたいな。
    私は近くの木に縋るようにして立ち上がりました。それから、おぼつかない足取りで、一番信頼できる友達の家を目指して歩き出しました。
    そこには確かな希望がある。そんな気がしていたのです。

  • 226ガイ・フォークス2019/11/04(Mon) 21:36:05ID:A3MzY1MTI(1/1)NG報告

    >>225
    以上です。3日目の夜から4日目の夕方もしくは夜までの行動を終了します。

  • 227名無し2019/11/04(Mon) 22:38:36ID:Q3NDA2MDg(1/3)NG報告

    >>225 支援らくがき

  • 228Requiem◆B8D4AQBhU22019/11/04(Mon) 22:40:49ID:Y0MDQ3MzY(1/3)NG報告

    >>227
    登録オッケーですか?

  • 229名無し2019/11/04(Mon) 22:43:00ID:Q3NDA2MDg(2/3)NG報告

    >>228
    らくがきとはいえ血なのでギャラリーは良かない

  • 230Requiem◆B8D4AQBhU22019/11/04(Mon) 22:44:12ID:Y0MDQ3MzY(2/3)NG報告

    >>229
    あ、いえ。ストーリーに載っける感じを想定しております。

  • 231名無し2019/11/04(Mon) 22:46:40ID:Q3NDA2MDg(3/3)NG報告

    >>230
    そっちに載せるならもう少し清書するから待ってください

  • 232Requiem◆B8D4AQBhU22019/11/04(Mon) 22:49:11ID:Y0MDQ3MzY(3/3)NG報告

    >>231
    了解です。ありがとうございます!

  • 233ガイ・フォークス2019/11/05(Tue) 07:01:00ID:Y3NTk5NjA(6/6)NG報告

    >>227
    この絶望感……とても良い!
    ご支援ありがとうございます!!

  • 234ドロテーア【九終&トーナメント&stage】2019/11/08(Fri) 22:55:13ID:UxOTI0MDA(1/11)NG報告

    九終投稿します

  • 235ドロテーア【九終&トーナメント&stage】2019/11/08(Fri) 22:55:38ID:UxOTI0MDA(2/11)NG報告

    昼休みも一山を越えた正午45分頃。私とアーチャーはお昼ごはんを食べ終え少しの休憩をしていた。もちろんあまり休んでばかりはいられないのだけど。
    先の会談で分かったことだけどバーサーカーのマスター、ユージーン・バックヤードが家を訪れ賢司さんに手紙を預けていったというのだ。─────さすがにそれを無視することはできない。
    「アーチャー、お昼ご飯を食べ終えて早速で悪いのだけど。家にいって手紙を見てきてもらえるかしら?」
    「手紙……というとバーサーカーのマスターのですか?」
    「ええ、性急になってしまって悪いのだけど家にいって内容を見てきてもらえるかしら?貴方達サーヴァントとは確かマスターであれば視覚共有が出来るのよね?」
    「はい、マスターであるなら僕達とは離れていても視覚の共有は可能です。」
    サーヴァントとマスターの間に結ばれている契約関係はなにも魔力パスや令呪だけではない。サーヴァントの目を通じた情報の共有も契約しているマスターが行える特権だ。……やっていることは使い魔や式神による偵察と大差ないのだけど、自分の目か他者の目かは呪術を扱うものとしては重要な部分だ。アーチャーの口から改めて確認出来たのは良かったと思おう。
    「明久さんの口ぶりからして恐らくだけど手紙の中身は宣戦布告ではない。だとすれば互いの陣営に関わることのはずよ。」
    「つまりバーサーカーの陣営が同盟を持ちかけてきた……ということでしょうか?」
    「最良は、ね。ともかく今から確認してきてもらえるかしら?」
    「分かりました、その間マスターはどちらに?」「私は……1Fの多目的室にいるわ。パスを辿れば貴方ならどこにいるかは分かるわね。」
    「はい、では少し行ってきます!到着したら念話でお伝えしますね!」
    アーチャーは霊体化しその場から離れた。

  • 236ドロテーア【九終&トーナメント&stage】2019/11/08(Fri) 22:56:35ID:UxOTI0MDA(3/11)NG報告

    >>235
    「とりあえず手紙は大丈夫ね。さて、問題は私の方かしら……」
    その場で一番使える手段だったから使ってしまったけれど間違いなく今の生徒達の中で私と誠さんの関係性について話されているだろう。突飛……とも言い切れない発想としては恋仲であるとか実は兄妹だとかといったところだろうか?自分で蒔いた種とは言え我ながら頭が痛い。少しでもそんな話を聞こうものなら夏休みが明けてから数日は学校に行きたくはない。
    「……とりあえず多目的室に行きましょうか。ここにいても何も始まらないのだし。」
    私は空になったお弁当箱を持って生徒会室を出て少し遠回りに多目的室に向かう。普段の距離で行くのならこんなことはしなくてもいいのだけど今の状況を考えると出来うるだけ騒ぎになるのは避けるしかないだろう。なんとなく『これが逃亡犯の気持ちなのかしら?』と知りたくもない気持ちを理解したかもしれない、これは今後の人生でできるだけ味わいたくない。
    周りを警戒しながらなんとか1Fにたどり着く。少なくとも多目的室に行くまでの廊下に特に人は見当たらない。廊下の窓側の壁際に手をつき、
    「(″心音感応(しんおんかんのう)″──────)」
    魔術を簡略化した呪術探索を行う。すると多目的室の前に1人の女生徒……レイがいるのが感じ取れた、なぜいるのかは何となく察しはつくけれど。
    このままここにいても仕方ないので少しだけ早足で多目的室まで歩いていく。
    「あ、カノちゃん!」
    「レイ、どうしてここにいるのかしら?」
    「えっとね、ほらさっき七星先生が教室に来たでしょ?カノちゃんが行った後すぐに『当面の間は当校の方針として九重さんには特別室で授業など受けてもらいます』ってみんなに説明してね……『誰か九重さんの荷物を持ってついてきてくれませんか』なんて言うもんだからみんな自分が自分がー、で七星先生にアピールするからその間に私がみんなの目を盗んでカノちゃんのカバンを持って七星先生の前に行ったんだよ。それでみんな諦めたみたいで蜘蛛の子を散らすみたいに席に戻ってっちゃった。」
    「はあ……おおよその経緯は分かったわ。苦労かけたわねレイ。」
    「いいのいいの困った時はお互い様だもん!じゃあ、私教室に戻るね〜。」
    手を振りながらレイは大階段の方へ歩いていく。こういう時のレイの気遣いはありがたい。

  • 237ドロテーア【九終&トーナメント&stage】2019/11/08(Fri) 22:57:15ID:UxOTI0MDA(4/11)NG報告

    >>236
    ガラッと多目的室のドアを開ける。まあ多目的室とは言うけれど実際のところは少し広めの会議室程度の大きさしかない。それでも学校内で使える自由空間が手に入ったのは悪いことではない。誰も入ってこないようにドアの鍵を下ろし多目的室の窓を開けカバンから1枚の呪符を取り出す。魔力をこめると呪符は鳩の形に変化し「校門の上で待っていなさい?」と指示を言って送り出し椅子に座ったタイミングでアーチャーから念話が届く。
    「(聞こえますかマスター?)」
    「ええ、聞こえるわよアーチャー。手紙はあるのよね?」
    「(はい、ご丁寧に名前付きで。)」
    「少し待ってちょうだい、私が貴方の目に視界を繋げるわ。」
    椅子の背もたれに体を預け目を閉じる。
    「(接続開始(アクセス)──────)」
    アーチャーに自分の視界をリンクさせていく。ほんのわずかに自分の魔術回路が励起しアーチャーの魔術回路と交錯すると閉じていた視界がクリアになり彼の手元が見えた。そこには『To Kokone_Canon』と書かれた手紙の裏面があった。
    「(繋がったわ。アーチャー、手紙を開けてみてちょうだい。)」
    「(はい、では開けますね。)」
    手紙は案の定、というかまあほぼ予想通り全編に渡って英語で書かれていた。まあ英語くらいであれば読めなくはないので要点を抜き出してまとめる。内容は簡単に言えばこうだ。

  • 238ドロテーア【九終&トーナメント&stage】2019/11/08(Fri) 22:58:26ID:UxOTI0MDA(5/11)NG報告

    >>237
    「俺達バーサーカー陣営と同盟を結んでほしい。同盟の内容としてこちらは『島の住民に手を出さず、また手を出させないよう協力する』こととしたい。代わりにそちらには『アーチャー陣営が優勝した場合、その際に発生する賞金をこちらに受け渡すこと』を要求する。
    こちらは既にこの大会を運営するスタッフに対してバーサーカーによる魂喰いをさせたが、これ以上はするつもりはない。まあこれをどう受け取るかはアンタに任せるとしよう。ともかく同盟に対して回答を聞かせてもらうためにここに連絡先を書いておく。
    良い返事を期待しているぜ。
    ────From Eugene_Backyard」
    さて相手が要求してきた事柄は分かった。しかしこれを飲むかどうかは別問題だ。まず私に要求している同盟の条件は賞金の譲渡だけ。まあこれはいいだろう、別段今の私にとって賞金はそれほど重要ではないし相手の目的が賞金にあるのなら多少の熨斗を付けないこともない。
    ただ問題は私に保証する同盟の条件だ。島の住民に手を出さず島の住民に手を出させない、と書いてはあるが恐らくそこに同盟相手である私は含まれていない。まあ含まれているのも変な話だとは思うけれど、少なくとも私自身に対してはこれといったメリットも担保もない。となるとこちらにとってメリットとなる内容をバーサーカー陣営に突き返すしかない。
    とりあえず考えられる条件は最低でも3つ。

  • 239ドロテーア【九終&トーナメント&stage】2019/11/08(Fri) 22:59:14ID:UxOTI0MDA(6/11)NG報告

    >>238
    1つ目は互いの陣営にとって不利益になる行動をしないこと。
    仮にではあるがバーサーカー陣営が私達以外の陣営にも条件こそ違えど似た内容で同盟を結ぼうとしている可能性を考えた場合、バーサーカー陣営が同盟を結んだ陣営同士がぶつかった際に自分にとって利益・得のある陣営側につこうとするだろう。同盟をより強固にするという意味でも少しでも多く裏切りの可能性は絶っておきたい。
    2つ目は自同盟間の要求・取引を第一に優先すること。
    1つ目の条件の保険でもあり、これに関しては双方にメリットがある話だ。例えば私がバーサーカー陣営に加勢を要求したのならバーサーカー陣営はその報酬を要求出来る。逆にバーサーカー陣営から何かしらの要求があれば私はそれに出来る範囲で答えなくてはならない。よほどの非常時でもなければできる事柄だ、ある意味では同盟間で上下関係を作らずに互いに公平な立場にすることができる。
    3つ目は互いに敵対陣営の情報を手に入れた場合はその情報を共有すること。
    必ずしも必要な条件というわけではないけれど情報を手に入れるという意味では互いに損な条件ではないはずだ。
    「(ありがとうアーチャー、手紙の内容は分かったわ。一度、手紙を持って戻ってきてもらえるかしら?校門の前に使い魔を置いておくから校門まで来たら手紙は使い魔に渡してちょうだい。)」
    「(分かりました、ではこれから戻ります。)」
    アーチャーとリンクしていた視界を閉じ接続を切り離す。再び目を開けるとそこは当然さっききたばかりの多目的室だ。私は私の背後にいる存在に話しかける。
    「はあ……七星先生?そこにいるのは分かってるんですよ?今度は何の用ですか?」
    「あはは……いやその、うっかり特別扱いの説明を忘れてまして……」
    「……と言いますと?」

  • 240ドロテーア【九終&トーナメント&stage】2019/11/08(Fri) 22:59:46ID:UxOTI0MDA(7/11)NG報告

    >>239
    「はい。夏休みまでの残りの3日間の授業は今回に限り特例として全て免除することになりました。もちろん学校に来ても構わないのですが、内申点などには一切影響しませんので先ほどのことを考えると残りを全て欠席するのも手かと。このあとの時間も早退しても問題はないそうです。」
    「はあ……そうですか。」
    好都合といえば好都合なのだけど、ただあまり欠席はするべきではないかもしれない。
    宗美樹、アサシンのマスターはこの学校の職員だ。今はまだ何のアクションも起こしてはいないが、ただ彼が受けている扱いを考えると私がこの学校にいないという状況は作らない方が賢明だ。
    もし、私がこの学校に来ていないと分かればアサシンを使った魂喰いか──────もしくはそれまで受けてきた恨みを晴らす復讐かそれらに類似する行動を起こす可能性が高い。そうなれば恐らく誠さんだけでは対処しきれまい。宗美樹だけならまだしもアサシンのサーヴァントがいるとなると勝ち目はほぼゼロに等しいだろう。ネズミがクマに戦いを挑むようなものだ、むしろ時間稼ぎになったのならプラスといっていい。
    「えっと────」
    「弁明は結構です、何を言うのかは大方予想がつきますので。それよりも1つ、お願いしておきたいことが。」
    「?」
    「もしレイ……倉橋零華に何かあればすぐに連絡をしてください。わずかな変化でもかまいません、彼女に何かあれば私は……」

  • 241ドロテーア【九終&トーナメント&stage】2019/11/08(Fri) 23:00:58ID:UxOTI0MDA(8/11)NG報告

    >>240
    天莉を──────たった1人の妹さえ守りきれなかった人間が一体何を言っているのか。じっとりと嫌な汗が滲む。
    自分の未熟さが原因で今の事態を引き起こしているというのに、なぜ『友人を守りたい』などと思っている?どうして『友人だけは助けてみせる』などと思っている?
    ああ、本当に自分の馬鹿さが頭にくる!お前は一度でもそんなことを本気で思ったのか?お前は一度でもそれを成せると思ったのか?いいや、否、否だ!お前にとって倉橋零華という存在は他の人間と何が違う?お前にとって倉橋零華という存在はそれほどまでに執着すべき人物か?違うだろう?お前にとって倉橋零華はただの記号だ、他の人間と区別するために付けたラベルに過ぎない。幼い頃からお前は知っていたはずだ、理解していたはずだ。そんなものに意味はないと。
    だって彼女は─────────────
    「分かりました、もし倉橋さんに何かあればすぐにお伝えしますね。」
    彼は、七星誠は倉橋零華について何も知らない。いや生徒としての倉橋零華は知っている、だが一個人としての彼女が何であるかは彼は知らないし知らされていない。
    「この後はどうされますか?」
    「……一応、早退を考えています。少しだけやることができましたので。」
    「分かりました、とりあえず学校側には報告しないでおきます。宗美先生に知られたら面倒ですからね。」
    では、といって誠さんは多目的室を後にする。
    「はあ……。」
    「くるっぽー。」
    開けていた多目的室の窓から右肩に私の使い魔の鳩が止まる。鳩のくちばしの先には先ほどアーチャーの視界越しに見た手紙があった。私は左手でそれを受け取ると同時に戻ってきていたアーチャーが霊体化を解く。

  • 242ドロテーア【九終&トーナメント&stage】2019/11/08(Fri) 23:03:47ID:UxOTI0MDA(9/11)NG報告

    >>241
    「マスター、ただいま戻りました……どうかしましたか?」
    「……いいえ、なんでもないわアーチャー。それよりもありがとう、手紙を取ってきてくれて。」
    「マスターの命ですから。僕は当たり前のことをしただけで感謝をされるようなことはしていませんよ?」
    「私が言いたかったからこれでいいのよ。少し待っていて?今のうちに済ませておかないといけないことがあるから。」
    私はカバンからノートを取り出して1枚だけノートのページを切り取りそこにユージーン・バックヤードへの返答を書き込んでいく。返答を書き終えるとページを簡易的な手紙に作り変え軽く強化の魔術を施し、使い魔の鳩に咥えさせる。
    「魔眼、起動(セットアップ)──────」
    先ほどのユージーン・バックヤードの手紙に微かに残る魔力の残滓に魔眼の照準を合わせ、ユージーン・バックヤードの位置を特定し使い魔にその情報を共有させる。
    「それじゃおねがいね。多少遠回りでもかまわないから必ず渡して?」
    多目的室の窓から再び鳩を飛ばす。あとは────────
    「呪怨八相汝我心層見事能(じゅおんはっそう、なんじ、わがしんそうをみることあたわず)、我心層暴覗視者永罰与永時苦悶生満(わがしんそうをあばきのぞきみようとしたもの、ながきばつをあたえられ、ながきじかんくもんによってせいをみたされん)」
    先のユージーン・バックヤードのインタビュー映像を鑑みて心層領域に心層防衛の呪術を施す。私の予想通りならそれでよし、例え的外れな対策だとしてもしておいて損はないしひとまずはこれで大丈夫だろう。
    「これからどうしますかマスター?」
    「ひとまずやることが出来たわ、買い物に行かないと。」
    「?買い物……ですか?食材ならまだ多少あったような……」
    「他所の人間を歓待するのに普段と同じ料理じゃダメでしょう?特にこれから関係を持つ相手に対してなら良い関係を築くためにもまずは簡単に心を開いてもらわないと。」
    「なるほど……つまり胃袋を掴んで引きずり出すのですね!」
    「いやさすがにそこまでバイオレンスじゃないのだけど……あと多分アーチャーが想像してるものは絶対間違ってると思うわよ?」
    「あれ、そうなのですか?アルスターではこれくらいは日常茶飯事でしたが……」
    「……ねえ、今更だけどまずそれ相手死ん.でないかしら?」

  • 243ドロテーア【九終&トーナメント&stage】2019/11/08(Fri) 23:04:35ID:UxOTI0MDA(10/11)NG報告

    >>242
    「?これくらい出来て当然ではないのですか?」
    「オーケー、分かったわ。今度アーチャーに今の時代のルールとマナーを教えてあげる。まずはそのバイオレンスな思考を矯正してあげないといけないみたいね……」
    とりあえず明日以降のやるべきことにアーチャーの情操教育が追加された。英霊の座に帰れば忘れてしまうことかもしれないけれど現界している今だけでも覚えておいてもらわないと……
    「ともかく一度帰りましょうか、アサシンの気配は?」
    「今はありません。」
    「ひとまず学校を出るまでは霊体化していなさい。出歩きたいのなら買い物のついでに服も買ってあげるわよ?」
    カバンを手に持ち多目的室を後にする。さてまずはバーサーカー陣営をどうもてなすのかを考えましょうか。

  • 244ドロテーア【九終&トーナメント&stage】2019/11/08(Fri) 23:05:23ID:UxOTI0MDA(11/11)NG報告

    ここまでです。ユージーンさんにパスします

  • 245亥狛の人2019/11/09(Sat) 16:50:40ID:g5NTg5OTE(4/11)NG報告

    伏神のランサー陣営投下します。

  • 246亥狛の人2019/11/09(Sat) 16:51:04ID:g5NTg5OTE(5/11)NG報告

    亥狛とランサーが拠点とする施設に帰ったのはもう日付も変わった深夜未明であった。
    日中におきた様々なイベントに疲労困憊といったマスターに、割と平気そうなサーヴァント。
    二人とも同じ場に居たにも拘らずそれらの表情は違って見えて、こんな所にも英霊と生物の根本的な体力の差というものを思い知らされる。

    扉を静かに開けたのは、中に居る同居人を起こさない為の配慮だった。
    「……ただいま、帰りました〜」
    大きな体躯に見合わないか細い声は、遅すぎる帰宅に対する申し訳のなさからだろう。
    抜き足差し足、忍び足、と応接間を抜けようとしたが、そこでぴたりと足を止める。

  • 247亥狛の人2019/11/09(Sat) 16:51:36ID:g5NTg5OTE(6/11)NG報告

    >>246
    丁度亥狛の視線の先、魔術師シスカに充てがわれた部屋から淡い光が漏れているのに気付く。
    「なんだ、起きてたのか」
    「───ん、あぁ帰ったか。お帰り」
    光の原因(モト)はパソコンの画面だった。
    文明の利器にはやや疎い亥狛にとっては奇妙奇天烈な鉄の箱としか思えないが、使い熟せるとこれ程便利なものはない、とはシスカ・マトウィス・オルバウスの言葉だ。

    画面には細かい文字の羅列が延々と続いている。所々にはカラーの写真、目立つ箇所には「伏神市の連続変死事件、未だ解決の目処立たず」と書かれている。
    ネットニュースの見出しらしい。近年情報媒体の主軸は紙から電脳へと移行しつつある、こんな地方都市の事件一つとってもネットで検索すれば数件は該当すると言うのだから驚きだ。
    シスカは振り向きざまにマウスを手繰り画面を閉じる。
    「随分と遅い帰宅じゃないか、何かあったのかい?」
    「何かも何も……色々あったよ、本当に色々」

  • 248亥狛の人2019/11/09(Sat) 16:52:29ID:g5NTg5OTE(7/11)NG報告

    >>247
    順を追って話すと長くなるけど、と前置きしてから今日の顛末をシスカに伝えると、彼女は思いの外楽しそうな表情で聞き入っていた。

    「へーそんな事が。良いじゃないか、モテモテの身で羨ましいもんだね。
    やぁコレは保護者として実に鼻が高いといいますか」
    「冗談じゃない、こんなの想定外だ。
    てっきり全陣営で常時啀み合ってるもんだとばかり思ってたから」
    戸惑いしかない、と頭をかく。
    「勿論そういった側面が主体だろうけど、平和的に戦いを収められるならそれに越した事はないさ。
    多分他の連中もそういう類いが居るのだろう。それに同盟を組めばその分同盟相手の手の内を読む事が出来る、今後敵対する時に確実なアドバンテージとなるからね」

    つらつらと語る口調はやや芝居じみているが、シスカは常時こんな感じだ。
    いつだってドラマや本の中の世界に生きている様な、そんな印象を受ける。
    戯ける時も、怒る時も、何処か一線を引いていると言えばいいだろうか。

    端的に言って彼女は常に非現実的だ。
    「それで、いつもの事ながら言うが『君はどうしたいんだい?』」
    そんな彼女の非現実性を尤も如実に顕すのは、この発言だなぁと亥狛は思う。
    彼女は打算に縛られることはなく、気儘に散歩する猫のように思うがままにある事を亥狛に幾度となく伝えようとする。
    それは彼女なりの処世術なのだろうか、社会的に見れば実に奇異な生き方に見える。

  • 249亥狛の人2019/11/09(Sat) 16:53:12ID:g5NTg5OTE(8/11)NG報告

    >>248
    だがそんな幻想的な生き方だからこそ幻想種である錫久里亥狛と巡り会えたのだろう。
    「アヴェンジャー陣営との同盟を受けようと思う。他の陣営とは今のところ組む考えはないけど、もし組むのなら東雲玲亜…アヴェンジャーのマスターと相談して決めようと思ってる」
    それで、と続けて。
    「同盟を結ぶか決める為に、玲亜がシスカと会ってみたいって。それが同盟締結の条件らしいんだ。
    勿論シスカの了解がなかったらこの話は無しになるんだけど、一度会ってもらえないか?」
    そう言うか言わないかする前にシスカの口からは「イイヨ」の言葉が飛び出してきた。

    「……今絶対脊髄反射で返事したよな?」
    傍で静観していたランサーに顔を向けると、ええ多分、と言わんばかりに曖昧な表情を浮かべていた。
    「宜しいのですか?貴女にとってはこれといって益はないと思うのですが」
    「ふふん、百も承知だよ。だが私は益の有無で物事の指針を決めるような生き方はしたくないのさ」
    そういって、指揮者のように指を振り回す。
    「やりたい事をやる、と」
    「そう!やりたいようにやらせてもらう。
    その東雲のお嬢ちゃんと会うのが面白そうだからとか、そんな他愛の無い理由だよ───こんな適当な人間で幻滅したかい、ランサー?」

  • 250亥狛の人2019/11/09(Sat) 16:53:55ID:g5NTg5OTE(9/11)NG報告

    >>249
    戯けるような視線を、亥狛の斜め後ろにいるランサーへ。一方でランサーにこれといった不機嫌の兆しはないように見える。
    静穏で、それでいてどこか凛々しさの含んだ表情を崩すことはない。
    「……いえ、全く。貴女のそれは軽薄とは異なるある種の信念です。
    であれば、私が向けるべき感情は軽蔑ではなく敬意かと」
    「名にし負う円卓の騎士にそう言われては流石に照れ臭いな。
    正直、もっと罵ってくれるものと思ったぞ」
    「そうだぞランサー。シスカはそんなに敬うような人間性をしてない」
    「君はもうちょっと尊敬しても良いんじゃないかなぁー!?
    聖杯戦争の身元引受人に対する恩義って言うか優しさってもんが足りないんじゃないかい?!」
    座り心地抜群の安楽椅子から身を乗り出して、畏敬の念の足りなさを糾弾する妙齢の魔術師である。
    そして恩義は感じてるが哀しいが尊敬は別の話だ、と頑として評価を改めない亥狛は。
    ふと、昼間起きた一幕を思い出す。

    ────利ならそうね。私にとってのメリットは無駄な死がひとつ防げるかも知れないって所かしら?

    ────私の精神の安寧の為にも、貴方には死ん.で欲しくないの。

    そういえばそうか。
    あの東雲玲亜という女の子も、利益でなく信念で動く奴だったな、と。

  • 251亥狛の人2019/11/09(Sat) 16:55:13ID:g5NTg5OTE(10/11)NG報告

    >>250
    二人の女性の思わぬ共通点に吃驚すると同時に、だからこそ惹かれたのだと思えてならない。

    東雲玲亜、そしてシスカ・マトウィス・オルバウス。
    期せずして合間見える御三家の二人は、会ってみればどんな化学反応が起きるか想像もつかない。
    正に未知数、蓋を開けるまで結果の見えないシュレディンガーの猫。
    魔術師として反目しあうか、それとも似た者同士意気投合するのか。
    それとも──────
    「……多分、いやもしかすると」
    「ん、何がだい?」
    「…………同族嫌悪?」
    「唐突かつ意味深な、不穏なワード!?」

  • 252亥狛の人2019/11/09(Sat) 16:55:48ID:g5NTg5OTE(11/11)NG報告

    以上です!では三日目は自分はこれにてターンエンドします。

  • 253ディック2019/11/09(Sat) 23:03:11ID:Q4MDQ2MzI(1/6)NG報告

    九終島のインタビューと召喚シーンを投稿します。

  • 254ディック2019/11/09(Sat) 23:03:24ID:Q4MDQ2MzI(2/6)NG報告

    ―――この九終島聖杯大会に参加した理由を教えてください。
    ケーフェンヒラー:勿論、聖杯を求めてのことだ。
    ―――成る程!聖杯への願いは決まっておられるのですか?
    ケーフェンヒラー:……それは言えない。
    ―――そ、そうですか……ですが、参加者の皆さんの聖杯にかける願いや大会に臨む理由は観客も楽しみにしていますので、ご教示お願い致します。
    ケーフェンヒラー:断る。俺の聖杯にかける願いは他人を楽しませるためにあるわけではない。
    ―――わかりました……。で、では召喚する予定のサーヴァントのクラスだけでもご教示お願いします。
    ケーフェンヒラー:ライダーを召喚する予定だ。他の参加者と被らなければいいのだがな……
    ―――高い機動力と強力な宝具を数多く所有するクラスですから三騎士に勝るとも劣らない活躍を期待できそうですね!
    ケーフェンヒラー:期待に応えられるよう、善処しよう。
    ―――ありがとうございます。それでは最後に、大会への意気込みをお願いします。
    ケーフェンヒラー:参戦するからには勝つ。そのために出来る限りのことはしよう。

     ◇◆◇

  • 255ディック2019/11/09(Sat) 23:04:24ID:Q4MDQ2MzI(3/6)NG報告

    >>254
    撮影終了後、楽屋にて
    「いつもの仕事以上に緊張した……」
     深い溜め息をついて水を一口飲む。
     つっけんどんな態度を取ってしまい、インタビュアーに失礼なことをしてしまったと軽い自己嫌悪を感じてしまった。

     ◇◆◇

     聖杯大会開始一週間前。
     場所は九終島にある神が眠るという沼があった。そこは彼の占星術で調べて自分と波長の合う霊地として選んだのだ。その土地で彼は英霊召喚の儀式を執り行うのだ。
     地面には魔力を込めた宝石を溶かした液体で魔法陣の紋様が描かれていた。歪みやむらもない。魔法陣の中心には即席で作った祭壇がある。その上には古い鎖が置かれていた。少し錆があり、何かで断ち切られたような鎖だ。
     これこそがゴルディアスの結び目。故事の由来になった器物であり偉大なる大王の覇業の始まりを象徴するものである。
     この聖遺物で召喚される可能性があるのは二人の英雄である。一人は古代マケドニアの覇者。世界の大半を征服し、ヘレニズム文化として知られる一時代を築き、神話となった征服王イスカンダル。
     もう一人は『結び目を解いたものがアジアの王者になる』と予言して柱に牛車を結び付けた神託王ゴルディアス。
     ゴルディアスは未知数であるものの、イスカンダルは人類史上屈指の大英雄である。強大極まる英霊であることは間違いないのだ。
     聖杯大会に参加することを決めたときに知己である古美術商を営む魔術師アーダルベルト・シザームンドに依頼して、この聖遺物を入手してもらったものである。

  • 256ディック2019/11/09(Sat) 23:05:14ID:Q4MDQ2MzI(4/6)NG報告

    >>255
     ニューヨークの古美術店『キャリバン』で、ケーフェンヒラーとアーダルベルトは取りき引きをした。
    「確かに料金は戴いた」
     アーダルベルトは秘書のディアナが見せたタブレット端末を見て頷き、そう言った。
    「これで取引は成立だな」
    ケーフェンヒラーはゴルディアスの結び目の入ったカバンを掴み、席を立つ。
    「それにしても意外だったよ。君が聖杯大会だなんて見世物に参加するだなんて」
    「……」
    「君はその大層な面構えだ。さぞやテレビ映りはいいだろう。だけど、見世物小屋の獅子になりたがる奇特な奴だったかな?」
     容赦なく言葉を投げつけるアーダルベルトにケーフェンヒラーの双眸は剣呑な光を帯びる。だがそれもすぐに霧散した。
    「俺もああいう目立つことは趣味ではないよ。それでも、聖杯を求める理由がある」
    「根源への到達?それとも混血の力の完全支配? いや、まあいいや。自在にやり賜え、負けてくれるなよ?」
    激励するアーダルベルトをじっと見るケーフェンヒラーは善処しよう、と頷く。
    「それで、お前は俺が勝つほうにいくらかけた?」
    「一〇万ドル。だから負けてくれるなよ」

     ◇◆◇

  • 257ディック2019/11/09(Sat) 23:07:00ID:Q4MDQ2MzI(5/6)NG報告

    >>256
    「閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。繰り返すつどに五度。ただ、満たされる刻を破却する」
     ケーフェンヒラーが呪文を注意深く唱える。
    「素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公。降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ」
     全身を突き抜けるような痛みが稲妻のように奔る。全身の血液が沸騰するかのような熱を持った痛み。
    「―――告げる。汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ。誓いを此処に。我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者―――」
     今のケーフェンヒラーは人ではなく神秘を成し得るためだけの装置。幽世と物質界を繋げるための道しるべと成る。
    「―――汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!」
     そう呪文の結びをつけるとともに、ケーフェンヒラーは魔術回路を巡り加速する魔力の奔流を限界までさらに加速させる。
     逆巻く風、眩い雷光。召喚の紋様が燦然と輝きを放つ。
     魔法陣の中の経路はこの世ならざる場所へと繋がり、超新星爆発(スーパーノヴァ)の如き光の奥から、現れる姿。その威容を前にケーフェンヒラーはまるで蝋人形にでもなってしまったかのように、彼はその場で立ち尽くしている。
     赤胴色の肌で、ずば抜けた長身でそれを感じさせないほど横幅も広い偉丈夫。黒檀のような髪を短く刈っている。
     サーヴァントの花崗岩の風格は、ケーフェンヒラーを圧倒した。英霊の座に刻まれた偉大なる英霊であることを全身で証明している。頭がおかしくなる重圧に、眼が、腕が、身体が軋むような痛みを覚える。
    「俺はライダー、ゴルディアス! 召喚の求めに従い、勝利をもたらすためにやって来た!」

  • 258ディック2019/11/09(Sat) 23:07:13ID:Q4MDQ2MzI(6/6)NG報告

    >>257
    以上です。

  • 259リドリー陣営2019/11/10(Sun) 20:09:32ID:k2MDM4MzA(18/41)NG報告

    伏神投稿します

  • 260リドリー陣営2019/11/10(Sun) 20:10:14ID:k2MDM4MzA(19/41)NG報告

    >>259
    「完成したぜ!」
    リドリーは粘土の塊を掲げ、天を仰ぐ
    インカの数え方キープと数秘術を独自の割合で組み合わせた一種のゴーレムだ
    小さな山にしか見えない粘土の塊は唯一出ている突起が埋め込まれた髪の毛の持ち主の方向を指し続けるのだ。本来ならば距離まで測れるはずなのだがリドリーにそんな技量はないし、そもそもこの魔術の食い合わせはかなり悪い。リドリーの器量の限界である

    「こっちも水炊きできたぞ」
    エル・シッドは鍋つかみで鍋を運ぶ。漂う煙と匂いが腹の虫をならさせる
    土鍋の中でよく煮込まれた鶏肉と野菜がだしをたっぷりと出しており、白くにごり旨味が溶け出す

  • 261リドリー陣営2019/11/10(Sun) 20:10:53ID:k2MDM4MzA(20/41)NG報告

    >>260
    こたつの中に入る三人。お互いが疲れ箸で鍋をつつき始める
    肉、肉、肉、野菜、肉、野菜、肉、肉……………
    無心で食べ続ける三人。箸を口に運び、肉を舌で味わう。もはや三人の存在感は世界に溶け込み、確固たる存在は鍋しか残らない

    十分後、締めのラーメンを食べきり満足する三人。それぞれ思い思いに口を出す

    「寒い日に鍋って最高だね!」
    「全くその通り。それもディアス君が料理上手ってのがいいよね!ローマ広しと雖もうまい料理人は多くないし!」
    「全く身に余る光栄です」

    ……………

    「って君誰?!」
    リドリーは家に侵入していた不審者に対して今更ながら正体を問う
    あまりに溶け込んでいたのでリドリーは全く気づかなかったのだ!

  • 262リドリー陣営2019/11/10(Sun) 20:11:31ID:k2MDM4MzA(21/41)NG報告

    >>261
    リドリーは不審者の格好をよく見る
    長い金髪をポニーテールで束ね、月桂冠をかぶっている。白く滑らかなトーガを着ているがよく浮き出た凹凸、そして青々と光っているがグルグル焦点が全く定まっていない目
    正直美女だが、途轍もなく違和感がある存在だ
    「ク.ソマスター。時の皇帝にきく口調じゃねぇぜ。失礼だろ」
    「あーでもいいのよディアス君。そんな畏まらなくてさ。どーもワタシはクィンティッルス。元ローマ皇帝だよ!」

  • 263リドリー陣営2019/11/10(Sun) 20:12:04ID:k2MDM4MzA(22/41)NG報告

    >>262
    リドリーは目を見開く。クィンティッルスはローマ帝国の軍人皇帝時代の皇帝。そして記録が矛盾だらけであることが有名な皇帝だ
    大体いつ死んだのかは分かっているのだが、どれだけ在位に着いたのか?何をしたのか?そして死因は何なのか?その殆どが謎に包まれている皇帝なのだ
    考古学科としての血が騒ぐリドリー。だが色々聞きたいことを置いておいてまず質問する
    「そもそも貴女は何故ここに?」
    彼女はビール缶を口に含み答える
    「火を見てやってきた」
    「火ですか?」
    「うん。ワタシはずーっと彷徨う定めを持ってるからね。長く同じ場所にはいられないんだ。で世界を移動している時に火が見えたんだ。だからこっちへ来たってわけだよ」
    「火か……………俺が召喚される時も見えたぞ。ありゃあとんでもなく目立つ」
    「……………そうなのですか」
    【火】というと心当たりは一つ、智慧の炎だ。だが、英霊にまで見える?そんな効力聞いたことがない。智慧の炎はまだまだ謎の多い伝承保菌である。知らない効力があっても不思議ではないだろう

  • 264リドリー陣営2019/11/10(Sun) 20:12:44ID:k2MDM4MzA(23/41)NG報告

    >>263
    その後リドリーはクィンティッルスとエル・シッドと共に硫黄島を舞台にしたFPSやオールスター大乱戦をプレイしながらローマの実情などを聞きながら、翌朝クィンティッルスが唐突に消えるまで遊んでいたのだった……………

  • 265リドリー陣営2019/11/10(Sun) 20:12:58ID:k2MDM4MzA(24/41)NG報告

    >>264
    終わりです

  • 266メ◯ニウム◆WQFdlmOX7o2019/11/12(Tue) 21:16:34ID:IwMjIxNDQ(1/9)NG報告

    九終島ランサー陣営 投下します。

  • 267メ◯ニウム◆WQFdlmOX7o2019/11/12(Tue) 21:18:52ID:IwMjIxNDQ(2/9)NG報告

    リポーター「それでは閖上辣祢さんのインタビューを開始したいと思います」
    辣祢「おう」
    パシャパシャとシャッターが切られる先には一人のだらしない身なりの男がいた。彼は閖上辣祢。かつてこの島のガス会社の支店に努める支店長だった、無職独身37歳の男だ。
    島民は何故この男が、という気持ちで彼を見つめていた。
    リポーター「ではまず今回の大会に出場した動機を教えてください」
    「復讐だな。俺から何もかもを奪った理不尽に復讐するために来たんだからな」
    復讐、といえば聞こえはいいが彼が考えているのは憂さ晴らしでしかない。仮に成し遂げたとしても相手には蚊に刺されたかな程度だ。
    リポーター「なるほど。では聖杯はどうするおつもりですか?」
    「んなもん知るかよ!
    っあー、でも、もし叶えるとしたら金ですかね。金だな金」
    リポーター「何故、復讐を願わないのですか?」
    「復讐はもう参加するだけで半分ぐらいは叶ってんだ。それにその後があるなら酒を買う金くらいは欲しいもんだな」
    しかし、自他共に帰れるとは到底思えなかった。彼はただの人でしかなく、魔術の造詣は無きに等しいのだから。見物人の中には失笑する者もいた。
    リポーター「では最後にこの聖杯大会への意気込みを聞かせてください」
    意気込みについて聞かれると閖上の雰囲気が一変した。宙を見ているだけの瞳孔が目の前のカメラに向けられた。
    「……おいお前ら!画面の向こうのてめえらの事だよ!お前らのせいで俺は全部失った!てめえらがこんなくっだらねぇことをしたせいだ!俺は全部知ってっからな!!何があっても俺はてめえらを許さねえ!!」
    声がだんだん大きくなり目に暗い輝きが宿る。千鳥足になりながらも立ち上がるとリポーターの持つマイクに手をかけた。
    「早く取り押さえろ!!」
    キャスターの悲鳴が上がり慌ててカメラマンやADが引き剥がした。島民からざわめきが起こり場は一瞬にして気まずいものになった。
    予測できていたとはいえ起きてしまった放送事故に対し、テレビの画面は別の映像を映し出した。

  • 268メ◯ニウム◆WQFdlmOX7o2019/11/12(Tue) 21:19:37ID:IwMjIxNDQ(3/9)NG報告

    >>267
    参戦者インタビューでひと騒動起きたが、運営は引き起こした当人に何も求めなかった。それでも周りの目はより剣呑さを孕み辣祢に突き刺さる。
    しかし彼は慣れているのか視線を気に留めることなく会場の外へ出て行く。そして、近くの自動販売機でワンカップを購入して再びアルコールへ逃げた。



    聖杯戦争にはサーヴァントの召喚が必要だ。しかしサーヴァントがどういったものなのか辣祢には分からない。召喚は如何にして行うものなのか、何を必要となすのか。
    一応最低限のルールや用語などは一通り向こうから教えて貰えたが、それ以上頼る気は無かった。
    そして今彼は召喚場所を探していた。なんかそんな感じの場所を探せばいいだろう。そうすれば大体なんとかなる。魔術とか聖杯とかと関係がありそうな場所をふらふらと探すと神社が視界に入った。
    改めて伝えるが、辣祢は普段から酔っ払っている。辣祢はここならいいかもしれないと思ってしまった。
    「神社といえばパワースポットだろ。だったらここでお祈りするとかしときゃ召喚できんじゃねえのか」
    五円玉を賽銭箱に投げ入れガラガラと鈴を鳴らす。柏手を打つと願い事を心の中で呟いた。

  • 269メ◯ニウム◆WQFdlmOX7o2019/11/12(Tue) 21:20:20ID:IwMjIxNDQ(4/9)NG報告

    >>268
    うし、それじゃ帰って寝るかと踵を返そうとしたその時、一陣の風が強く吹き上げた。絵馬が一斉に揺れ木の葉が舞う。慌てて目を瞑り風が去るのを待ち目を開けると、一瞬大量の紙が神社の裏手へ飛んでいく幻影が見えた。
    「なんだってんだ!?っつーかなんだ今のは!!」
    文句を言っていると後ろから誰かが駆け寄ってきた。それはこの神社で働く老女であった。
    「こらっ、アンタ騒いでどうしたんだい」
    「なんか知らねえけどよ、いま風が吹いただろ、いま。それがムカつくんだよ」
    「風ね……風なんて吹いとらんかったよ」
    「嘘つけ!さっき絵馬だってうるさかったろ!」
    「そうかね。わしには聞こえんかったけんどなぁ」
    「ババアーー!!」
    老女に掴みかかろうとしたが、後ろでまたバサバサと音がして動きを止めた。後ろには大量のおみくじ。なんとも気味が悪い。
    「聞こえたか、今の」
    「そうやね……おかしいわねぇ、アンタ神様になんかしたん?」
    「するか!!俺はただあそこで貴重な銭使って願い事頼んだだけだ」
    「あるやないか。神様に何願ったの」
    辣祢にはこんな目にあう心当たりはない。しかしそれを聞いた老女はすぐに突っ込んだ。突っ込まれた辣袮はしぶしぶ話すと老女は少し考えた後、神社の奥に進むことを進めた。

  • 270メ◯ニウム◆WQFdlmOX7o2019/11/12(Tue) 21:21:50ID:IwMjIxNDQ(5/9)NG報告

    >>269
    神社には本宮だけでなく祠が存在していた。本社と比べると小さいらしい上道が所々獣道のようになっているとの話だった。
    辣袮はめんどくささに最初逃げようとしたが、願い事を思い出し騙されたと思ってその祠へ向かう事にした。
    祠への道は遠く細い。石のタイルが敷かれているものの、木の根でひび割れ土が露出している場所は少なからず多い。整備が必要だと感じるが神社には金が無いのだろう。なんと世知辛い。
    「けっ、神様も人間も案外変わらねえもんだな」
    そうこうしているうちに視界の先に小さな木の鳥居が見えてきた。なんとかたどり着くと足を止めて息をついた。こんな場所では人は寄り付かないだろう。近づくと鳥居は少し腐敗しているのが分かる。
    そこから先に進むには川、正確には滝のすぐ横の岩へ渡らなければならなかった。五つの飛び石から足を踏み外さないように慎重に進むと古い岩場に着地した。右側から水飛沫が舞ってくるのに顔をしかめながら岩場の上にある祠の前に立った。
    祠は小さくて屋根に苔が蒸している。格子の奥にこれまで見たこともないような青く丸い石が鎮座していた。

    辣袮は石を綺麗だ、と思った。

    自然と手は格子の中へ差し込まれ、指先が触れた。石はつやつやと鏡のように世界を映す。



    『ほう、まさか触れるとはな』

  • 271メ◯ニウム◆WQFdlmOX7o2019/11/12(Tue) 21:22:29ID:IwMjIxNDQ(6/9)NG報告

    >>270
    「だっ、誰だ!!」
    辣袮は後ろから突如響いた声に驚き手を引っ込めて振り返った。振り返った視線の先には、鳥居の上に座る人の姿をした何かがいた。
    『気になって呼んでみたがなるほど、面白い』
    それは口を動かすことなく声を直接脳に伝えてきた。声もなく見つめ合っていると鳥居から飛び降りこちらに歩いてくる。
    それは一人の青年の姿をしていた。男にしてはやや少し線が細く、癖の強い髪は腰につくほど長い。大胆に露出した胸元には、先ほど手を伸ばした球と同じ色をした球がいくつも連なっている。
    そして、衣服の裾から覗く生足をよく見ると幽霊のように少し透けていた。
    これは幽霊なのか。神域に現れた謎の異形に警戒心を強めると、異形はころころと笑った。
    『警戒しなくともいい。私はお前に呼ばれてきたのだからな』
    「呼ばれて……ということはお前、サーヴァントか!?」
    『今は違う。ただ気になったのでね、姿を見せられる所まで来てくれるようであれば契約を結ぼうと思ったのさ』
    目の前に立った異形は近くで見れば見るほど麗しい、という言葉が似合う顔をしていた。
    長い前髪から覗く紅をさした目は空のように青く、耳たぶにぶら下がる金のピアスはシンプルながらも映えている。きめ細やかな肌はとても白いのに対し、首元には龍のような黒い痣はアクセントになっていて。
    遠くで見たときは男かと思ったが、閖上と比べるとやや華奢な肢体は女のものに近い。背丈はおおよそ10cm差だろうか。
    「待て、それじゃあさっきの風は」
    『私が呼んだ。サーヴァントになれば流石に制限がかかるからできなくなるがね』
    「ということはお前は神、だよな」
    『そうなるな。とはいえこの祠を知る酔狂な奴は早々はいないさ。仮に真名がバレたところで大したことではない』
    サーヴァントを召喚、できれば強くて暴れやすい奴をと辣袮は願った。まさか、神が直接サーヴァントになるとは考えていなかった。

  • 272メ◯ニウム◆WQFdlmOX7o2019/11/12(Tue) 21:23:31ID:IwMjIxNDQ(7/9)NG報告

    >>271
    「い、いや待て待て待て待て!!神さまだってんなら証拠を見せろよ証拠をよ!!」
    『証拠も何もさっき見せただろう』
    「そうじゃなくてだな!あー、くそっ、こんななるとか考えてねーよ!?」
    『それなら契約はやめるか、閖上辣袮』
    「やめねーよ!というかなんで名前バレてんだよ!!」
    『さっき調べたからな。少しの事なら分かるのさ』
    その後も漫才のようなやり取りを繰り返し、辣袮は息を荒くしながら契約を了承した。契約を結ぶ方法を知っていなかったので神さまに聞くと知っていたので教えてもらいながら契約することにした。

    『告げる。汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に』
     「――――告げる。汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。」
    『聖杯の寄る辺に従い、この意、この理に従うなら我に従え』
    「聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば我に従え。」
    『ランサーの名にかけ誓いを受ける。我は天より降りしもの。淵を穿つもの。主の願いをを聞き届けるもの。お前の縁に従い、お前を主と認めよう』

    ガラスが割れるような音と共に体から何かがごっそり抜け落ちる感覚があった。思わず膝をついた男の顔は青ざめていく。ランサーが川辺へ運んでやると予想通り、大量の吐瀉物を吐き出した。
    「契約完了だが……大丈夫か、マスター」
    「だい、じょ、ば、ない……」
    こんなリスクがあるとは聞いてなかった。ランサーは吐いて勢いをなくしたマスターをよしよしとあやしてやりながら思考した。
    どうやらこのマスターは魔力回路のまの字もないどころか、体調も最悪のようだ。今はまだこの場所に彼女自身の魔力の残滓が残っているので顕現できている。しかしそれも長くは持たない。

  • 273メ◯ニウム◆WQFdlmOX7o2019/11/12(Tue) 21:24:20ID:IwMjIxNDQ(8/9)NG報告

    >>272
    安定した魔力を得るためにどうするか。通常であれば魂食いがあるが、ランサーにはそれ以外にも方法がある。しかし了承してくれるかどうか。
    「……マスターに悲報と朗報がある。この様子だと後数分で限界できなくなって終わる」
    「えっ、う、嘘だろっ!?」
    「残念だが本当だ。そして朗報はこれを切り抜ける方法が2つあることだ。……どうする」
    「あ、あるならやるに決まってるだろ……ああ、でも何をすればいいんだよ……」
    「落ち着け。まず方法は二つだ。一つは人を殺.すこと。もう一つは自害させることだ」
    「待て、人を殺、すって……自害って、おい…」
    「だから安心しろ。自害と言えば聞こえは悪いが宝具ですぐに復活する」
    前者は定期的に何度でもしなければならず、運営からも目をつけられやすい。その代わり聖杯に願う機会を作れる。
    後者はランサーは一度消滅して敗北となる。正しい勝者ではないため聖杯に願うことはできない。しかしサーヴァントのふりをして召喚されたまま行動でき、魔力不足に困ることはない。

    辣袮は悩みの末に、後者を選んだ。令呪を使おうとしたがそれは止められた。それはまだ取っておきなさい、と。
    「すまない……こんな、おれのために……せっかくこたえてくれたのに……」
    「気にするな、マスター。最初から自害することになるとは思わなかったが、それで全て終わるわけではないのだろう」
    意気消沈した辣袮を宥めるとランサーは手のひらに火槍を作り、自らの胸に突き刺した。

  • 274メ◯ニウム◆WQFdlmOX7o2019/11/12(Tue) 21:24:41ID:IwMjIxNDQ(9/9)NG報告

    以上です。長文になりすみませんでした

  • 275愉悦部inクローディアァ!2019/11/15(Fri) 02:11:30ID:M4NTY0ODU(10/10)NG報告

    その変化は唐突であり、激変であった。
    霧が立ち込めると共に、崩れ落ち、痙攣しながら目や口から液体を流すゲルトラウデ。
    「マス────!くッ!?」(魔力──、敵サーヴァントの襲撃か!)
    ゲルトラウデの急変に驚きその安否を看ようとしたライダーもまた、煙の作用を受け、片膝をついてしまう。

    アサシンの宝具。『甘き香りは死の入り口(テトラクロロエタン)』。
    化学物質が大量に含まれるガスを拡散するというモノであるが、現代の神秘を駆逐する類が点滴であるゲルトラウデには効果覿面であった。

    もしも。もしもライダーがマスターの安否よりも願いの優先、即座にマスターを広い離脱あるいは状況の把握と立て直しを図る性格であれば。
    もしも鎧が健在であれば。
    この後の結末は違ったのかもしれないが。

    「グッ……!」
    ライダーが己のマスターに思考を取られた瞬間、背後から突き出された腕に霊核を貫かれた。

  • 276メ◯ニウム2019/11/21(Thu) 15:32:40ID:c5NzA0OTM(1/5)NG報告

    九終島槍陣営です
    報酬と魔眼関係で反応がなく判断がつかないので、報酬の電話までの下りを2パターン書きました
    どっちかにする予定で、マスター的にはAはグッドBがバッド風味

  • 277九終槍陣営Aルート2019/11/21(Thu) 15:33:56ID:c5NzA0OTM(2/5)NG報告

    >>276
    辣袮は咄嗟に手を掴んでしまった。
    ランサーの顔は少し驚いていたのだが、当の本人である辣袮も戸惑っていた。
    「なぜ、手を伸ばす」
    「えっ、あ、その……少し恐かったんだ」
    「恐い?」
    何を恐れる必要があるのか。神であり、嫌悪そのものであるランサーには彼の人としての機微は分からない。
    「このまま消えてしまいそうで、つい……すまない」
    「……まあいいさ。とりあえず宝具は起動した。全く、人騒がせなマスターだな」
    「……ごめん」
    ランサーは気にしてない、と片手を振って答えた。
    辣袮が英霊を見ると体が心音に合わせ明滅しているように見えた。呆れた風情でこちらを見る視線で少し居たたまれない。
    ちなみに手はそのままにしている。一度手を離そうと考えたが、どうしてか少し心配で手が離せない。頼りないとは思わないけど、目の前で自ら死なれるのは予想以上に毒だったらしい。
    覚悟が決まってない、のかもしれない。戦争と言うからには誰かが死ぬのは当然だ。巻き込まれれば地獄を見るのは必定だ。
    だから魔術という理不尽に憤り魔術世界を憎悪し魔術師の破綻を乞うたのに。まして目の前にいる神なんて誰よりも理不尽で非常識的な存在なのに。
    嫌いだ。不甲斐ない自分が、臆病な自分が嫌いだ。
    それでも、この手を離すのは恐い。

  • 278九終槍陣営Aルート2019/11/21(Thu) 15:34:26ID:c5NzA0OTM(3/5)NG報告

    >>277
    ランサーはじっと何かを小さく呟いていた。それから数分して口を開いた時、蛍火のような光は失せていた。
    「……もう終わったぞ。これで活動に問題はない。だからいい加減手を離せ」
    消えなかっただろう、と続けて言う声に安堵の息が重なった。
    ランサーから力を失った手を離し確認すると衣服が変わっていた。
    「あれ、さっきと服が変わってないか」
    「ん……ああ、これか。時代とお前に合わせて多少姿を変えたからな。私にとってはあまり興味はないものではあるが」
    そうなのかと納得しかけたが、一瞬の違和感を聞き逃さなかった。
    「……え、お前女なの、か」
    「……これでも娘がいる女神だぞ」
    女だったのか。そして子持ちかよ。
    流石に額に手を当てるランサーと少しいざこざがあった後、祠のある場所から移動する事にした。すると突然、所有している携帯電話に着信が届いた。

  • 279九終槍陣営Bルート2019/11/21(Thu) 15:36:15ID:c5NzA0OTM(4/5)NG報告

    >>276
    胸が貫かれた、と思った瞬間辣袮の意識は急速に失せた。
    何が起きたのかと驚く暇もなく。彼が最後に見たのは、胸を押さえたランサーの歪んだ眼。
    ランサーはその場で消滅し、残されたのは意識を失った閖上辣袮の体だけ。




    数時間後、辣袮の指先が僅かに動いた。
    体がゆっくり起き上がるとその瞳は祠の宝玉のように青く染まっていた。
    「全く、最初はどうなることかと思ったが、こんなにもたやすく乗っ取れるとはな。お陰で身体が動きやすい。封印が効かなくなった、ということか」
    立ち上がって伸びをすると身体がどれほど動くかを試す。封印があると気怠く動く気も失せるが、人の筋力そのままだと動き辛い。まだ乗っ取ったばかりなので感覚はまだ慣れないが程よく使えそうな身体だ。不健康な点は問題ではあるものの、自身の魔力と呪術で多少は補える。
    何よりも強い嫌悪を抱き、周りから嫌悪されていたのは有難い。ランサー、いや今はランサーではないこの神は心を文字通り食い物にする存在だった。
    「さて、一旦此処を出てこいつの家に行くか。めぼしいものはないようだがここに居続けるのも変に思われるだろうからな」
    元ランサー、高龗だったものが祠のある場所から離れると尻ポケットにある機械がけたたましく鳴った。

  • 280メ◯ニウム2019/11/21(Thu) 15:37:22ID:c5NzA0OTM(5/5)NG報告

    以上です
    お目汚し失礼しました

  • 281◆B8D4AQBhU22019/11/25(Mon) 13:49:36ID:kyMjYxMjU(1/1)NG報告

    戦争開始4日目、朽崎家の一室

    「だぁーーっ!つっかれた!甘く見てたよ、聖杯戦争。いやマジで」
    青年━朽崎遥━がとっ散らかった自室で息を吐く。
    「教授が食い散らかした人間動物etc.の後始末でしょー?」
    ブツブツと、確認するような愚痴を言う。
    「昨日は飛行機墜落の隠蔽に英霊共のカーチェイスによる道路損壊への舗装工事の申請。ああ、暮吊坂あたりの集団昏倒の隠蔽が範囲デカかったな…。まぁコレはガス会社のパイプライン破損とかリアルな変換しやすい案件だったからそこまで問題じゃかったけど」
    誰に話しているのだろうか。独り言?携帯電話を持っているが、同時にひどく自己完結した物言いである。
    「ねぇ、聞いてる~?キョージュ?……って言おうにもいないんだよなぁ、教授。もっかい無理やり持たせた携帯にも出ないし。使い魔とかでの連絡もナシ。なんやかんや几帳面なタイプだから、一日期間が空くのはおかしい。死んだか?でもまだアーチャー脱落したって連絡は無いし。…………使い魔で捜索だけしとくか。会えるか会えぬか半々だけども。さ、皆よろしく~」
    そして遥の足元や背後から、生気を感じない瞳をした鴉やネズミなどの小動物がゾロゾロと這い出て来て、洋館の外に出て行った。
    「終わり。教授の事は置くにしても、戦争自体は割と順調、かな?サーヴァント同士の激突が勃発し、マスター達もまぁまぁ動いてる。うん、よしよし。現時点で脱落情報は無いし、まだ腹の探り合いって感じだろうけど、そろそろ加速するだろう、うん。なんなら多少の情報を流してもいい」
    そんな青年の呟きが終わるや否や、屋敷に電話の着信音が響く。
    「おっ、教授かな?でも教授ってウチの据え置き電話番号知ってたっけなぁ~?ハイもしもし?どちら様?」
    返事が届く。青年は沈黙し、そして。
    「あっ、どーもどーも。コレはコレは。元御三家のシスカさんですか。いやぁ、こうやって直に口頭で会う?のは初めてですねぇ。何の御用です?…………ああ、了解しました。では明日の午前中でどうです?聖杯戦争は夜にやるもの。昼は盲点かなぁ、とか思うのですが。ええ、では」
    どうやら、多少の知り合いからの電話だったらしい。だが電話を切った青年の顔には焦りが浮かんでいた。
    「やっべぇ……」

  • 282山星2019/11/30(Sat) 20:52:01ID:Q2MjkxNzA(1/14)NG報告

    「………すっごい。これ全部、糸で作ったものなんて信じられないぐらい……」
    「あの、その、そんな大したことじゃないんです………私の糸は『特別製』だから……領地も、まだ広げていくつもりですし………
    ─────でも、その前に、誰か来てます。蜘蛛に観察させて見えた魔力は、多分………」

    色とりどりの糸。その全てを使ってアラクネが作り上げたのは彩色豊かな宮殿そのものだ。それこそ、糸を使っているのに編み込みが複雑で堅いぐらい。彼女曰く『まだ足りない』『大したことはない』というが、その絶技は素晴らしいことこの上ない。

    「……そう、か。迎撃できるかい、アラクネ」
    「────何を言っているの?私ともあろう者が迎撃ですって?
    くだらない、くだらないわ。迎撃じゃない、殲滅よ。全て踏み潰してあげる。だって私は最高なんですもの!そんな当たり前なこと聞かないで。縊り殺されたいの?」
    「うん、ごめん!君みたいな素晴らしい女性を疑う俺が悪かった。………じゃ、初戦闘頑張ろう!あ、気配遮断は忘れないでね!」

  • 283アリウム&かねたけちゃん◆kBuHl0BYAI2019/11/30(Sat) 20:56:57ID:AwNzg1NzA(1/9)NG報告

    >>282
    「あらあら、蜘蛛の使い魔とか気が利いてるね!やっぱりライダーの最初の敵といえば蜘蛛だよね!」
    「その価値観はよく分からないのだけれど……」
    「ん?もしかして『特撮ヒーロー物』とか見たことない?今度見せてあげようか?」
    要領の得ない発言を繰り返しながらバイクを運転する少女と相乗りした黒髪制服姿の少女は自分達を眺めていた蜘蛛を見て呟く。
    前方でバイクを運転する乙女は騎兵(ライダー)の英霊(サーヴァント)。後方に座る少女はそのマスター古鐘翠雀。
    彼等は聖杯戦争に参加しており、現在は敵対陣営に攻め込んでいる真っ最中である。
    「機会があればいずれ確認し、学習しておきましょう。それはそれとしてライダー……行けるかしら?」ライダーがバイクを急停止させ、翠雀がそこから降りるとバイクは馬へと変化──否、『バイクのカタチを解き、馬の姿に戻る』。

    「うん!負ける気がしないぜ!変身!!」
    ライダーの掛け声と共に今度は馬の皮がベリベリッと剥がされ、ライダー自身の身体に覆いかぶさっていく。
    余りにグロテスクな風景をヒロイックでサイバネティクスな演出で何とか児童が見ても大丈夫な雰囲気に整え、ライダーは宣言通り『変身』を果たした
    「『変身・馬頭蚕娘(わたし、さんじょう!)』!!」
    馬の皮を被り蚕の要素をあしらった風貌(コスチューム)。怪人ならぬ皮面ライダー。
    ライダーの真名は蚕馬──中国の伝説の1つで、馬の皮と融合し蚕に変身したとされる少女。

  • 284山星2019/11/30(Sat) 21:12:59ID:Q2MjkxNzA(2/14)NG報告

    「─────ありゃ、駄目だこれ」

    馬の面を被った少女の進撃は止まらない。面白いようにこちらの糸の柱をなぎ倒しながら進んでいく。びゅんびゅん音をたてながら使い魔の蜘蛛や宮殿をなぎ倒していく少女の光景は壮観だ。

    「ちっ、これじゃ私の気配遮断じゃ心許ないわね………いいわ、殴りに行く。途中で気配遮断バレても、先手は取れるでしょ。………援護しなさいよ、マスター」
    「わかってるよ、俺に任せて。君の傷はなんでも治してあげるから。……ごめんね、綺麗な体なのに」
    「……そう思うなら、私の身体を治すことを怠らないことよ。……勝つわ。問題ない。だからちゃんと私に奉仕しなさい!」

    ────蚕馬の背後から糸を伸ばし、接着し、縮めてとてつもない速さで近づき、毒を浸した指の牙で一裂き。……が、薄い気配遮断を簡単に防がれてしまう。

    「………あ、あの。その、ごめんなさいごめんなさいー!許して、許してくださーい!!私が悪いんです!だから、大人しく殺されてくださーーい!!」

    ────この女、霊基不安定につき。

  • 285アリウム&かねたけちゃん◆kBuHl0BYAI2019/11/30(Sat) 21:25:23ID:AwNzg1NzA(2/9)NG報告

    糸が飛んできた。それに何かしらの刺突
    即座に防げたとはいえ変身状態の私への迅速な攻撃……態度こそ卑屈だが間違いなくこの陣地の主はこの女だろう。
    「へぇ!アナタが蜘蛛達の主……つまるところボス級怪人(サーヴァント)ってわけだね!」
    「それにしても凄い舞台(セット)だねー!私も絹織物の神様とかなんとか言われてるから衣装(コスチューム)は自作したりするけどさ、これ程じゃないよ!」
    蚕の神に祭り上げられた少女は相手の陣地で無邪気にはしゃいだ。

  • 286山星2019/11/30(Sat) 21:32:38ID:Q2MjkxNzA(3/14)NG報告

    「────そ、そんなぁ!いや、確かに私はどうしようもなく卑屈で惨めなキャラですけど、確かに愚かですけどぉ……と、というか織物の神様なんて、アテナ様ですか!?む、無理無理────」
    『大丈夫だよ、アラクネ。俺は君の凄さを知ってるから!』

    「──────いや、うん。違います、よね。取り敢えずはマスターのために頑張らなきゃ。
    ………ってな訳で潰すわ。というか何よ、織物の神?私に喧嘩売ってるわね。死になさい。特に不快よ。五回ぐらい死になさいよ、気持ち悪い」

    アサシン が糸を射出する。その糸の一つ一つが簡単に常人の身体を裂いてしまう、締め潰してしまうほどの凶器であり、毒を浸したもの。それを自らの指のように扱い、ライダーに襲いかかる────!

    『』内は念話です

  • 287アリウム&かねたけちゃん◆kBuHl0BYAI2019/11/30(Sat) 21:54:50ID:AwNzg1NzA(3/9)NG報告

    「なになに!?急にキャラ変わってない!?路線変更前と後でブレブレのキャラみたいな感じ!?」
    冗談好きで俗世にどっぷり浸っているライダーは軽口を叩きながら対応する、がしかしアサシンの攻撃が驚異ではない……というわけではない。
    むしろ、その相手を潰さんとする猛攻はただの少女であったライダーに取っては恐怖ですらあり、それを誤魔化しているにすぎない。
    しかし、勇猛果敢な自身の半身──ライダーの纏った『雄馬』の精神がライダーを殺さまいと必死に動く
    前脚の蹄に相当する篭手で糸を弾き、後脚であった脚部装甲を全力で動かして後退する。
    もとより雄馬は荒れ狂う戦場よりライダーの父を連れ帰った者──窮地からの脱却は得意中の得意だ。
    ある程度の余裕が出たところでライダーはマスターである翠雀に念話を送る。
    『アテナ……って確かギリシャの方の軍神だったけ、マスター?』
    『えぇ、ギリシャ神話の最高神 ゼウスの娘……、戦略や工芸の神とされるけれど……アテナを知り、蜘蛛に縁のある織物の英霊と言うことは……』
    翠雀が『学習』した記憶から情報を取り出し、アサシンの真名を推測する。
    『オッケ、黄帝とか蚩尤みたいな感じね、了解!』
    しかし、ライダーはそれを聞くことなく走り出してしまった。
    「おうおう、我こそは太上老……じゃなかったゼウスの娘、戦神アテナの加護を受ける者よ!汝が何者かは知らぬが、小娘程度に止められるわけもなし!」
    『どうして自分から煽りに行き出すのかしら……』
    サーヴァントは生前に縛られる者。であるならばライダーもまた『取り返しのつかない嘘で身を滅ぼす』ことが宿命づけられているのだろう

  • 288山星2019/11/30(Sat) 22:10:27ID:Q2MjkxNzA(4/14)NG報告

    「─────ふぅん。ねぇ、小娘。あの女はね、自分にも他人にも厳しいの。貴女のような方が、アテナ様の寵愛を受けられるとは到底思えません……あと、それってアテナ様を騙ったってことですよね……
    ──────よく言ったわ。お前は絶対に這いつくばらせる。あの女との格の違いを知るのね、下郎」

    引き裂こうとする糸の量が更に増える。それだけでは飽き足らず、糸を使った立体的な軌道を描きアサシンの爪は、確実にライダーの身体を狙い続ける。

    『………太上老君?それと、織物。あと、馬……?』
    『偵察をしていた時から変な宝具(なまえ)だと思っていたけれど。……そういえば、中国にそんな奴いたわね。ムカついてあまり知らないけど。お前はそれを調べなさい。………わ、私は、精一杯頑張るので……!』

    糸の猛攻を凌いでいた最中のライダー。その隙を見つけ、糸を利用して遙か高くに飛び上がったアサシンは蜘蛛の脚が抜け落ち、豊満な乙女の如き姿へと転じ────

    「………勝機っ!動きも遅くなってる辺り焦りましたね、セイヤー!!」

    ライダーの糸を使ったパンチがアサシンを狙う。来ることがわかっていたので、左脚の骨を犠牲にして受けたアサシンは、そのまま地面に華麗に着地したライダーに向かい────

    「……ま、避けてみれば?あの女の眷族なら出来るわよ。『幻想織機・傲慢乙女』………あの女を騙ったことはつまり、私を騙ったことと同義。疾く砕かれよ、愚か者。………その前に、縛って私が踏みしだくけど」

    ────空想具現化。人の域でありながらそこまで手を伸ばした者の絶技により、多数の矢と刃の雨、……そして、それで体力を低下させ拘束するための鎖の雨が降り注ぐ──!

  • 289アリウム&かねたけちゃん◆kBuHl0BYAI2019/11/30(Sat) 22:27:59ID:AwNzg1NzA(4/9)NG報告

    降り注ぐ刃と矢の雨、それこそアサシンは一人にして雄馬の潜り抜けた戦場を再現したと言えよう。これは流石に、不味い……
    「ちょっ、怒りすぎじゃない!?ちょっとした冗談よ、ジョーダン!」(いや、お前そういうとこだぞ)
    『流石の地雷踏み抜き、墓穴掘りスキルだわ。私という個体の脳髄にしっかりと記憶しておきましょう』
    『マスターも雄馬も酷くない!?ふんだ、いいもん!私、太上様に愛されてるからっ!!』
    言い争ったところで自体は好転しない。
    なによりも──矢だ。生前における死因。こればかりは雄馬にも防ぎ得ない。
    ならばこの場はライダー自身で切り抜けるしかない。身から出た錆なのだが
    「見せてあげるよ!アテナの眷属に相応しい戦いぶりってものを!」
    ライダーが絹糸を紡ぐ。アサシンのような空想具現化が使えずとも、ライダーもまた絹糸の神と信仰された存在だ。
    作り上げた武器は剣──ならぬ斧であった
    「コレコレ!ライダーの武器といったらこれでしょ!」
    ライダーが斧を地面に叩きつけると絹糸が弾けて伸びだし、刃と矢を1本1本の糸が絡めとっていく

  • 290山星2019/11/30(Sat) 22:31:01ID:Q2MjkxNzA(5/14)NG報告

    >>289
    時間的に大丈夫ですか?明日に回す、それともここで終わらせる(手札がないので必然的にこちらが負ける)、もしくは互いに退いて終わりにするとかどれでもいいのですが……

    互いに退くなら状況的に私の方が撤退した方がいいので、こっちが逃げる形になります。逃げれるなら

  • 291アリウム&かねたけちゃん◆kBuHl0BYAI2019/11/30(Sat) 22:36:34ID:AwNzg1NzA(5/9)NG報告

    >>290
    まだ行けますよー

  • 292山星2019/11/30(Sat) 22:44:32ID:Q2MjkxNzA(6/14)NG報告

    「────ちっ、焦ったわ。鬱陶しいのよその糸!」

    紡がれる糸が世界に『炎』を織りなす。この炎は現実であり、異郷の蚕糸を焼き千切る。完全に油断したいたがためか、ライダーの飛ばした糸で作られた小刀がアサシンの体を切り裂き、そのまま糸となり拘束しようとする。

    「こ、こないでくださいよぉ……。私ばっかり、虐めないでぇ!」

    織り成す糸が風刃を作り出し、糸を裂く。その隙を見て攻撃に転じたのはライダーだ。この数瞬で、攻勢が転じてしまった。

    『大丈夫か?今治すから!………【白き門、柑橘の華、春の草木。楚は全てを癒すもの】……あ、あと多分そのサーヴァントの真名がわかった!そいつは───』

    砕かれていた骨が癒えていく。アラクネの目は一層険しくなる。

    「痛い、なんで私ばっかりぃ………!何も悪いことしてません………!でも、私のせいですよね……
    ムカつくわ。腹立つわ。……でも、そうね。褒めてあげる。アンタは絶対許さないけど。どうせ私の真名わかってんでしょ?アンタは馬鹿っぽいけど、アンタのマスターはわかってんじゃない?今ので掴めたから言うけどアンタの真名にも当たりがついた。
    ………中国の娘。馬と婚姻することを約束し、その約束によって蚕へと転じた娘。アンタ、蚕馬でしょ」

  • 293アリウム&かねたけちゃん◆kBuHl0BYAI2019/11/30(Sat) 22:58:41ID:AwNzg1NzA(6/9)NG報告

    「げっ、真名バレてる!?そんでもって私って意外と有名人!?」(言ってる場合か!こいつ何でもありだぞ!)
    刃や炎を出し、受けた傷を癒す……キャスターとさえ見まごう万能だが……
    「いいえ、恐らく回復は魔術師(マスター)によるものでしょう」
    それを否定する声が糸の宮殿に響き渡る。
    先程、ライダーに置いていかれたマスター 古鐘翠雀が糸の宮殿に姿を現したのだ。
    よく見れば使い魔の蜘蛛や彼女の踏みしめる床には彼女お手製の魔術礼装『フルフルパウダー 』がふりかけられていた。
    「そして、直にその姿を見れば貴方の真名にも確信が言ったわ。記憶の出典はギリシャ神話。女神を超えたと傲り、その女神の怒りによって打ち据えられた乙女──神域の織り手アラクネ、そうでしょう」

  • 294山星2019/11/30(Sat) 23:07:44ID:Q2MjkxNzA(7/14)NG報告

    >>293
    時間が来たら言ってくださいね。無理してやることでもないのです

    「あら、正解よ。でも花丸じゃないわ。──────私があの女を超えたのは事実だわ。それに納得しなかったあの女が反則をしただけのこと。残念ね、ペナルティで貴女の命がなくなるのは確定したわ。さて、どうやって……
    ────あ、あれ?待ってください、ねぇ、マスター!?」

    対して、こちらも姿を現したのは金髪碧眼の、とてつもない程の美青年。彼は、アサシンを一瞥し………

    「もう、心配させすぎだっての!無理すんなって俺言ったよね!?」
    「し、仕方ないじゃないですかぁ……!てか何よ、アンタがいても邪魔なのよ!」
    「俺がいた方が回復の効率が上がるだろ!?バフだってかけられるんだし!………それに、多分あの女の人(マスター)はヤバイ。魔術系統は違うんだろうけど、俺でもわかる。だから」
    「………わかったわ。さて、第二ラウンドと行きましょうか。それとも、逃げる?いいわよ、それでも」

  • 295名無し2019/11/30(Sat) 23:21:39ID:AwNzg1NzA(7/9)NG報告

    「なるほど、神話に違わない傲慢な口振り……かと思いきや、卑屈な一面を見せる……奇妙なサーヴァントね、貴女」
    さてと、と一旦区切りを入れながら翠雀は視線をアサシンからライダーへと移す。
    「撤退よ、ライダー。」
    「はぇ!?」
    翠雀の突然の撤退宣言にライダーから気の抜けた声が上がる。
    「真名が割れた──貴女なら兎も角、雄馬の方には致命的な弱点がある……。このまま戦ってもこちらにいい事はひとつもないわ。幸い、こちらも相手方の真名が知れたからそれで痛み分けとしましょう」
    「ちょっと待って!私まだあの蜘蛛怪人倒してない!これじゃ最初からクライマックスどころか始まってすら……」
    相変わらず軽い調子よライダーは反抗するが……
    「よく回る舌だこと……今回はその舌のせいで真名が破れちゃったわけだけれど……それに関して弁明はあるのかしら?」
    「うっ、それは……」
    「ペナルティについては帰ってから言い渡しましょう。さ、馬(バイク)を出しなさい」
    翠雀の鋭い指摘によって萎縮した蚕馬は渋々変身を解き、馬をバイクに変形させた。
    「それじゃあ、アラクネ……それに歳若き魔術師さん。今回はこれで痛み分け……ってことにしたいところだけど……提案があるの」
    「今回判明した互いのサーヴァントの真名を他の魔術師に語らないという協定を結ばない?流石にセルフギアススクロールは用意出来ていない口約束なのだけれど……」

  • 296名無し2019/11/30(Sat) 23:22:27ID:AwNzg1NzA(8/9)NG報告

    >>294
    ひとまず、こちらの手番は此処で終わらせて貰いたいと思います。ありがとうございました

  • 297山星2019/11/30(Sat) 23:31:00ID:Q2MjkxNzA(8/14)NG報告

    「……私に得がないわ。私の死因は『女神の呪い』だけど、そんなのをかませる英雄なんて極少数じゃない」
    「まあまあ。……こっちも痛手を負った。取り敢えずは、あっちへの思いも汲んで飲んでおこうよ。
    ……俺たちと貴女達が次敵対した時、もしくは仮に俺たちが同盟を組んだ陣営がいたとして、その陣営と貴女達が敵対していた時は、その約定は破ります。それまでは、絶対に喋りません。それでもいいのなら」

    私もここまで。お疲れ様でした

  • 298アリウム&かねたけちゃん◆kBuHl0BYAI2019/12/01(Sun) 02:17:21ID:c4NDA0ODk(9/9)NG報告

    >>297
    こちらこそありがとうございました!

    「契約成立ね、それではまた。聖杯戦争が続けばまた相見えることもあるでしょう……。その時はまた、貴方のこともいろいろ『学ばせて』頂戴ね」
    「言っとくけど、私もまだ負けたわけじゃないからね!!」
    翠雀とライダーは雄馬に乗って、宮殿を後にしたのだった……

  • 299理エルとNYの人◆3zXvUrYT3w2019/12/01(Sun) 18:32:46ID:A0NDQ5OTQ(1/10)NG報告

    「……ふむ。よくぞ、これだけ集まったものよ」
    カルデアの一室に集った3人の英雄を眺め、この部屋で1番幼い風貌をした少年は満足そうに頷いた。
    漆黒の髪に褐色の肌、エキゾチックな顔立ちをした豪奢な装束を纏う少年。
    彼の名はトゥト・アンク・アメン。
    少年王ツタンカーメンの幼少期の姿である。
    『はーい♪全員集まってるかしら? それじゃあ簡単にルールを説明するわね。
     1.ここでの戦闘は禁止。戦う場合はトレーニングルームに行くこと。
     2.お互いの王道について話し合うこと。
     3.王道に対して優劣は決めないこと。貴方達は全員優れた王よ。その王が敷いた王道に優劣なんてないわ。
     4.ただし、話が盛り上がる程度に比較するのはオーケーよ。後々遺恨を残さないなら好きにやってちょうだい。
     ……以上。この4つのことをちゃんと守ってね?
     そ♪れ♪と♪これは私からの差し入れよ♪
     『喝采せよ、美は全ての民に開かれり(ミュゼ・ド・ルーヴル)』!』

  • 300理エルとNYの人◆3zXvUrYT3w2019/12/01(Sun) 18:33:00ID:A0NDQ5OTQ(2/10)NG報告

    >>299
    アンクと王達のいる室内に華やかなアナウンスが流れる。
    それと同時、花弁と硝子の結晶が舞い、次いで無数の瓶があらわれた。
    初代のボジョレーワインがあった。ナポレオンの愛したブランデーがあった。フランスで製造された貴重な美酒が、今この空間に存在していた。
    アナウンスの主の名はドミニク・ヴィヴィアン。
    開帳された宝具は『喝采せよ、美は全ての民に開かれり(ミュゼ・ド・ルーヴル)』
    このカルデアで技術顧問を務める女性であり、キャスターのクラスを冠するサーヴァントである。
    「おお、これはこれは! 感謝するぞドミニクちゃん……で、あれば。余(オレ)も少しは振る舞うとするか」
    愉しげに言い放ったアンクが無造作に空間に手を入れ……次の瞬間、彼の手の中には熟成されたエールが詰まった壺が入っていた。
    「ふむ、これだけあれば十分であろう。
     ではこれより、星見台問答を開始する!」
    高らかに宣言する少年王。
    その声に誰よりも早く反応したのは━━━━

  • 301リドリー陣営2019/12/01(Sun) 18:39:52ID:I2MDYxNTM(25/41)NG報告

    >>300
    「まずは自己紹介。Xin chào(ちーす)。黎利っていいまーす。キョーは宜しくね」
    青いアオザイ、黒髪を束ね後ろに送り、メガネをする女。その胸は豊満だった

    そして次に反応したのが

  • 302ディック2019/12/01(Sun) 18:48:03ID:gxMjMxODk(1/4)NG報告

    >>301
    「ソーテール。ラゴスの息子。プトレマイオス1世だ。手土産にコニャックを持ってきたが必要なかったようだな」
    髪と瞳の色は砂色。均整のとれた長身、鋭気をみなぎらせた端正な美丈夫。自信と覇気にあふれたファラオが右手に持つ酒瓶に視線を落とす。

  • 303理エルとNYの人◆3zXvUrYT3w2019/12/01(Sun) 18:51:15ID:A0NDQ5OTQ(3/10)NG報告

    >>302
    「ふむ……黎利に……興味深い名を聞いたな。プトレマイオス……かのラムセス二世と争った王か……ああ。名乗り遅れたな」
    プトレマイオスを真っ直ぐに見据えた男は、足元の瓶を一息で半分ほど飲みほし……大仰な口調で名乗りを上げた。
    「余(オレ)の名はトゥト・アンク・アメン。またの名を少年王ツタンカーメンである!」

  • 304リドリー陣営2019/12/01(Sun) 19:04:09ID:I2MDYxNTM(26/41)NG報告

    >>303
    「……………今聞いた限りだと私浮いてない?大丈夫?」
    「いや?」
    「大丈夫だとは思うが?」
    黎利のこぼしに反応する二人。彼女は二人から共通するオリエンタルな雰囲気を感じとり、居心地が悪いのだ
    「まあ王道を語るってのが今回の趣旨だけどさ……………私は後でいいかな?貴方達二人の"王道"?ってやつを聞いてみたい」
    酒を口に含みつつそう答える黎利。その目は品定めのように二人をじろりと観察している

  • 305名無し2019/12/01(Sun) 19:29:38ID:gxMjMxODk(2/4)NG報告

    >>304
    「黎朝の太祖よ、そう急かすな」
    コニャックをテーブルに置き、典雅な所作でブランデーを味わいながらプトレマイオス1世は言う。
    「王道を語るならば先達たるファラオからまず御教示願いたいところだが……まず、その先達の知識を訂正させてもらおう」
    ほう、と呟きアンクは視線をプトレマイオス1世へ向ける。
    砂色の瞳がその視線を受け止める。
    「俺はかの神王とは面識を持たん。そもそも、時代が合わん。俺の治世は主上───イスカンダル王から太守を任じられていたところから始まる」

  • 306理エルとNYの人◆3zXvUrYT3w2019/12/01(Sun) 19:47:13ID:A0NDQ5OTQ(4/10)NG報告

    >>305
    「ふむ……そうか……なるほど……ク、クク……クハハハ! クハハハハ!」
    呵呵大笑、既にアルコールが回りきったのかと錯覚するような豪笑がカルデアの一室に響き渡る。
    自分達を集めた王の豹変に黎利とプトレマイオスは怪訝な視線を向けた。
    「ククク……なに、当世で得た知識ほど当てにならぬものはないと思ったまでよ。許せ、プトレマイオス。何分余(オレ)はそなたとは1000年ほど古い王であるが故、幾分か見誤っておったわ。
     そうであるな。そなたのいうとおり。
     こういうものは先達から語るもの。
     謝罪の代わりに余(オレ)の王道を拝聴する栄誉を与える」
    すると紀元前1000年代を生きた古王は、半分ほど残っていたボトルワインを一気に飲み干し。

    「余(オレ)の王道とはな。本来言葉で語るものでは無いのだ。
     王とはその背によって民を導くもの。
     民草の最前線に立ち、己が身をもって民と土地を守る。
     それが余(オレ)の王道だ……なに、完遂出来たとは思っておらんがな」

  • 307リドリー陣営2019/12/01(Sun) 20:10:26ID:I2MDYxNTM(27/41)NG報告

    >>306
    「なるほどね……………そこのmrダンディズムはどうなんです?」
    黎利は酒のつまみのチーズを食いながらプトレマイオスに話をフル

  • 308ディック2019/12/01(Sun) 20:45:39ID:gxMjMxODk(3/4)NG報告

    >>307
    「タンディズム……?」
    虚をつかれ思わず自分の顔を撫でるプトレマイオス1世。
    「まあ良い、赦す。俺の王道だったな。俺の王道は法だ。俺が作り上げた世界での法だ」
    彼がエジプト人の宗教と統治者(マケドニア人)らの宗教を統合することを主導してひとつの文化・宗教観を創り出したことを指す。
    「俺の法下に生きる者には誰もが幸福を得ることを赦す。そして法の外たる敵手……特に後継者(ディアドコイ)を詐称する愚か者どもには容赦はしない、実に簡単なことだ」
    「ああ、あなたのところの王様が死んじゃったあとみんなバラバラになったんだっけ?」
    おつまみを食べながら、こともなげに言う黎利にプトレマイオス1世は微笑する。
    「我らは征服王イスカンダルという煌めく恒星の周りに集う星だった」
    語りながらブランデーをグラスに注ぐ。
    「ひとりが野心を抱いても、同格である他の将がそれを阻む。いままで同格であった者の下風なおめおめと立てる者は誰もいない」

  • 309理エルとNYの人◆3zXvUrYT3w2019/12/01(Sun) 21:16:52ID:A0NDQ5OTQ(5/10)NG報告

    >>308
    「ふむ、法か……法とな……くくく……なるほど、なるほどな?」
    「……笑われるようなことを話したつもりは無いが」
    あからさまに不機嫌な態度を見せるプトレマイオスにアンクはつまみのチーズを差し出し答える。
    「なに。生まれた時は違えど砂王(ファラオ)の在り方は変わらぬと思っただけよ。そなたは法を敷くことで民を守る、余(オレ)はこの身をもって民を守る。形は違えど、我らの王道の行き着く先は同じではないか?」
    アンクの答えに考え込むような顔を見せるプトレマイオス。
    その表情に満足気な笑みを浮かべたあと、改めて黎利に向き直る。
    「さあ、次はそなたの番だぞ? 黎朝の王よ。そなたの王道を余(オレ)達に見せてみよ」

  • 310リドリー陣営2019/12/01(Sun) 21:34:44ID:I2MDYxNTM(28/41)NG報告

    >>309
    「そこまで言われたら仕方ないな、Mrパッション」
    黎利は酒を一気に煽り二人を目に収めてこういった

    「私の王道、それは"偉いやつを殺.す"この一点に尽きる」

    ……………。
    「「は?」」
    困惑。二人の神王(ファラオ)は奇しくも同タイミングで同じ言葉を口から漏らした
    しかしその程度で黎利は動じない。むしろ熱が入ったかのように語り始めた
    「まあ、正確に言えば、"偉いやつ"、"偉そうなやつ"、"偉くないのに偉かなってるやつ"が嫌い……………いやむしろ好きだね、こいつらが私の叛のおかげで慌てふためく姿を想像すると実に愉快な気分になるんだ♡……………もともと私は生きていてどこかつまんなかった。剣、政治、宗教、道楽……………色々やってみたんだがどうも身に入らなくてな。その時起きたのが明が我が祖国を支配したという戦争。いや〜初めて聞いた時イラッてしたんだよ。『なんで土地勘もない奴に私たちは支配されなきゃいけないの!?』ってね……………しかも明は世界を全て支配するときた。『なんなんこいつら?』って思った時には舎弟だったグエン連れて叛を起こしていたんだよ♡」
    黎利の目はエメラルドグリーンの焔が燃え広がっている

  • 311理エルとNYの人◆3zXvUrYT3w2019/12/01(Sun) 22:03:53ID:A0NDQ5OTQ(6/10)NG報告

    >>310
    「ほ、ほう……? そなたはどう思う? プトレマイオス?」
    「は?」
    俺に振るのかよ、と言いたげな顔を浮かべる神王が1人。
    振った少年王は少年王で黎利の発言に困惑が隠せなかった。
    「なるほどな……時代が違い地域が違えばここまで異なるということか……王道とはまっこと面白きものよな」

  • 312ディック2019/12/01(Sun) 22:37:24ID:gxMjMxODk(4/4)NG報告

    >>311
    「人を殺めるために生まれてきたような女だな」
    「はっきり言うではないか」
    アンクは率直過ぎる評価に微苦笑する。
    黎利の両眼には、王道を語るとともに嗜虐的な笑いのさざ波が揺れていた。プトレマイオス一世が黎利にたいして全面的な賞賛をためらうのは、勇猛の表現の枠を越える残忍さを感じ取り、生理的な嫌悪感をそそるからである。
    「その獣性、粗豪さには王器があるとは認めよう。だがそれは石器時代の王者だ」
    「あれぇ~、嫌われちゃったかな~」
    猛獣扱いされた黎朝の太祖はにへらっと笑う。
    そんな中、王者たちの宴を行っている部屋の扉が開かれる。
    「ここですか、美味しいお酒が呑める場所は!」
    現れたのは三人の王者と同じくカルデアのサーヴァント。上杉謙信だった。
    「私にもお酒ください。あっ!上等なコニャックがあるじゃないですか。ちょうどいい!」
    プトレマイオス一世は咄嗟に舌打ちする。
    「不識庵!何がちょうど良いだ。誰の赦しを得てタダ酒をたかるつもりだ」
    「いいじゃないですか!」
    「ここは王道を語らうための酒宴だ。一国の主であったそなたも語ればこの酒を呑ませてやろう」
    「いやいや、私はもうそういうのないですから。だからお酒だけください」
    雅な盃をプトレマイオス一世の前に差し出す謙信に、他の王たちは毒気を抜かれたように弛緩する。あの女武者はプトレマイオス一世に任せよう、アンクと黎利はプトレマイオス一世に全権委任すると酒宴を再開した。

    以上です。

  • 313ディック2019/12/02(Mon) 20:16:55ID:E2MDQ3NTY(1/4)NG報告

    無限にひろがる空間の大部分は黒曜石を磨いたような暗黒に支配されていた。
    そして、その夜空のもとで聖杯戦争が行われている。
    一人の壮年の紳士が片腕だけを異形のものへ変えて、身近にあった違法駐車の車両たちを叩き壊し、バラバラにした。人間の膂力では不可能な荒業である。
    「さあ、可愛い我が子らよ。俺に尽くせ」
    傲岸にそう言った壮年の紳士はヘンリー・フェアフィールド・オズボーン。超越存在たるサーヴァントである。
    クラスはアサシンだった。
    ヘンリーによって破壊された車の残骸群はそれぞれが形を変える。その変貌した姿は、かつてこの地球上を支配していた生物である恐竜だ。
    残骸は恐竜へと姿を変えたのだ!
    小型肉食恐竜、大型翼竜と種類は様々だ。
    彼らは駆け出し、あるいは飛び立ち、夜闇に消えた。
    自分の造物主の敵手を見つけるために。
    これこそが世界一有名な恐竜ティラノサウルスの名付け親であり、数多くの恐竜に名付けた学者であるヘンリーの持つ宝具『かつて途絶えし太古の神秘(ジ・オリジン・アンド・エヴォリューション・オブ・ライフ)』の力である。
    消失したその存在に名前をつけて、再び存在をこの世界に確立させたことに由来する力である。
    触れたものや自分を恐竜へと変身させる。かつて存在していた個体だけでなく、ヘンリーがこうあれと望んだ形に作り出すこともできた。
    「いつ見てもその能力には驚かされるな」
    感嘆しているのはヘンリーのマスターであるナイトハルト・ケーフェンヒラー。
    「暗視を使っていても姿が確認し難いぞ」
    ケーフェンヒラーが目を凝らすように恐竜たちが去っていった方向を見た。
    「やつらには斥候のために隠密能力を持たせたからな。コウイカのように周囲に溶け込めるさ」

  • 314ディック2019/12/02(Mon) 20:17:07ID:E2MDQ3NTY(2/4)NG報告

    >>313
    「魔術的な探査の術式はどうだ?」
    「門外漢な俺にそんなものは求めるなよ」
    ヘンリーは呆れたように片方の眉をつり上げる。
    「気配遮断スキルを持つ俺なら兎も角……もっと魔術について知ることができれば話は異なるかもしれんが、あいつらには何の対策も施されてはいない」
    「わかった。それでは、俺たちも向かおう」
    占星術を扱うケーフェンヒラーは自分が倒すべき敵手がいると思われる方向を目指し進み始める。
    「了解だ。……まったく学者を腕力沙汰に引っ張り出すとは……」
    ヘンリーは冷ややかに言いながら歩きだした。

  • 315ガイ・フォークス2019/12/02(Mon) 21:07:01ID:E4MjExMjA(1/5)NG報告

    >>314
    荒廃したビルのラウンジに、二つの人影があった。一つは巨大で、一つは小柄。この男女はまさしく、聖杯を争う戦いにおけるバーサーカー陣営だ。
    本来の拠点に戻る途中にトラブルが発生し戻るに戻れなくなったため、簡易的な陣をこの廃墟に構えて夜を超すことになったのだが・・・・・・

    「ガハハハッ!なんだマスター、結構渋ってた割には、おめえも割とイケるクチじゃねえか!」
    大盃に満たされた清酒をぐいと飲みほした主人に魯智深は豪快に破顔した。由子は胡乱な目でそれに応え、盃をサーヴァントに押し付ける。返しに注ぐ酒は、あたかも表面張力の限界を試しているような量だ。
    「あんだけ煽られて呑まなけりゃあ、女が廃るってもんだ。あーあ、今日は聖杯戦争なんて止めだ、止め!こうなりゃ、お前と私の威信をかけた『清盃戦争(せいはいせんそう)』だっ!」
    「おう、受けて立とう。禁酒の誓いはあれどこの魯智深、これでも無頼漢で名の通った男よ。勝負とあっちゃあ後には引けねえ!・・・・・・第一、御仏の目もこんなちんけなビルまで向いてねえだろうよ」
    美味そうに喉を鳴らしながら匂酒を流し込む。それを由子は忌々し気に睨みつけるしかなかった。
    すぐさま空になった器を嬉々としてマスターに押し付けようとする魯智深だが、ふと注意が逸れたのか、手を離れた盃が、地面に落ちて転がった。
    「おい、何やってんだ!負けかあ?負けを認めんのかぁ?」
    おどけるマスターに、うって変わって鋭い声を投げかける。
    「――マスター、邪魔が入ったようだぜ」
    「ん?ああ・・・・・・確かに、侵入者か」

    鋭くガラスが砕ける音が空間に木霊し、不可視の魑魅魍魎がなだれ込んできた。
    逃げ場のない、敵の数すらわからない状況で、二人はふてぶてしく嗤った。
    「酔い覚めの水盃でもするか、マスター?」
    「冗談。頭ん中でロックがガンガンなってる、割れそうなほどの絶好調だ。変に水を差すんじゃないよ」

  • 316ガイ・フォークス2019/12/02(Mon) 22:01:38ID:E4MjExMjA(2/5)NG報告

    >>315
    「うおりゃあーー!」
    魯智深が自身の身の丈を超える水磨禅杖を、うなりを上げて振り回す。バーサーカーの強化された筋力で振るわれたそれは、避け損ねた怪物を数体巻き込み壁に打ち付けた。
    「チッ、やりにくいったらありゃしねえ。きちんと見えてさえいりゃあ、こんな奴ら一網打尽なんだがよ。そっちは大丈夫か、マスター?」「おうさ!」
    振り向いた先では、由子が空間に向けて鋭い回し蹴りを放った。しなやかな身のこなしで足先は空を切り――ビルの支柱にしたたか打ち付けられる。
    「痛ってええええ!」
    「酔っぱらってんのかマスター!視覚の強化くらいしろよ!」
    足を抑えてはねる由子の脇を禅杖が飛び、今にも襲い掛かろうとしていた怪物を追い払った。寄り添う巨漢に、由子は笑顔を向ける。
    「おお、サンキュー。いやー、何回打ったかわかんねえ。さすがに痛くてさ」
    「だからボケてる場合じゃねえんだって。本気でこいつらはヤバいぞ。数が多いくせに連携が取れているものだから、全然数を減らせねえ。敵の正体もわからないままジリ貧だぜ」
    「おう、そうさな。たかが使い魔程度と思ったが、予想外な強さだ。広範囲を討てる手段なんて、私もお前もないからなあ・・・・・・」
    「どうするんだ?」
    「そりゃあれだ、粘って運を天に任せるしかあるまいよ」
    「はっ、任せとけ。得意分野だ」
    バーサーカー陣営は、愚鈍でもなく優秀な人材がそろってはいるが、相性の悪さはいかんともしがたく、じわじわと壁際に追い詰められてしまった。
    息を荒げたバーサーカーが、脇腹を食いちぎられ手負いのマスターに問う。
    「そんでもってマスター、天はいつ頃振り向いてくれるのかね?」
    「知らんのか。いつまでも天は私たちのことなんざ知らんぷりさ。御仏の目もこんなちんけなビルまで向いてねえよ」
    「そんな気はしてたよ」
    鼻で笑う魯智深の言葉を待たずして、怪物たちが二人にとびかかった。

  • 317ガイ・フォークス2019/12/02(Mon) 22:10:24ID:E4MjExMjA(3/5)NG報告

    >>316
    その刹那。
    「天の目は、顔面掴んで自分で引き寄せるモノさ。バーサーカー!」
    「おうさ!」
    バーサーカーが由子を抱え上げ、壁に突進して突き破った。ほぼ同時にビル全体に亀裂が走り、砂煙を上げながら倒壊する。間一髪、がれきの山の前に魯智深達は転がった。
    「痛つつつつ。なんとかなったの・・・・・・か?」
    傷口に初歩的な治癒の呪文を重ね掛けしながら由子は立ち上がる。
    彼女が使うのは『水紋魔術』。与えた魔術的・物理的効果を、魔力が続く限り重ね増幅させ続ける。雨垂れが石を穿つように、時間はかかるものの小さな力でも最終的に大きな効果を得られる魔術である。彼女は蹴りの威力をこの魔術で壁面に張り付け増幅させ続け、巨大なビルを倒壊させたのだ。
    大きくえぐられた腹部の傷も、少しずつだが治るはずだ。致命傷にはならないだろう。
    「・・・・・・とりあえず、間が悪いな。傷が治しながら作戦を練って、再戦に備えるか。――めんどくさいけどよ」

  • 318ディック2019/12/02(Mon) 22:51:20ID:E2MDQ3NTY(3/4)NG報告

    >>317
    「っ!」
    バーサーカーのサーヴァント魯智深が背筋に氷が落ちたような悪寒を感じ、虚空へ禅杖を投擲する。流星のように飛来する杖が何かに衝突して、墜落した。
    「嫌な知らせだ。マスター。どうやら敵さんは空にもいるらしい」
    バーサーカー陣営は知らないことだが、彼が撃ち落としたのはヘンリーが一頭だけ作り出したプテナラドンだった。
    「めんどくせぇなっ!振り切れねぇ!」
    魯智深が忌々しげに舌打ちしつつ、追撃してきた怪物──ヴェロキラプトルに突き手を打ちそのまま裏拳で別の怪物を打ち抜く。
    「こいつら、犬みたいに嗅覚が鋭いのかもしれない!あーもうイヤ!」
    傷を癒しながら怪物たちの攻撃をかわす由子は顔をしかめる。
    禅杖をバトンのように高速で回し、怪物たちを倒す魯智深はマスターが快癒するまでの時間を稼ごうとする。
    しかし、精神回路の一部に軋みを生じさせた。奇妙な焦燥が体内から沸き起こる。
    これは幾度も死線を潜った彼だからこそ感じるある種の直感である。死が間近にある、そのような感覚。
    「伏せ!」
    魯智深は端的に、かつ強制力のある声を上げた。犬か私は!そう思いつつ由子だが反射的に体を伏せた。
    禅杖を拾い上げた魯智深は棒高跳びの要領で前方に勢いよく跳び、見えない何かへ踵落としの後、禅杖を打ち下ろす。
    巨大な動物の咆哮が夜空に轟く。見えなかった姿が明瞭になる。
    「は?」
    魯智深は以外な姿にあっけにとられる。マスターはその姿を知っているので、それゆえに驚愕した。
    「ティラノサウルスだ!」
    それは先ほどまでの怪物より遥かに大きい。大型肉食恐竜へと変身したアサシンのヘンリーだった。

  • 319ガイ・フォークス2019/12/02(Mon) 23:06:42ID:E4MjExMjA(4/5)NG報告

    >>318
    神獣クラスの登場に、既に怪物たちとの戦いで消耗している由子たちになすすべはない。巨大な顎の一撃が由子の体を噛み砕いた。

  • 320ガイ・フォークス2019/12/02(Mon) 23:50:28ID:E4MjExMjA(5/5)NG報告

    >>318
    絶望的状況の中、わずかながら幸いも訪れた。T-REXの威圧が、他の恐竜たちの動きを止めたのだ。同時代の覇者であるというDNAレベルに刷り込まれた恐怖が、恐竜たちを震撼させたのだ。
    魯智深はそれを見逃さなかった。
    「ぜあっ!」
    禅杖を水平に薙ぎ、それらを一掃する。
    「おう、マスター。どうやら運とやらが向いてきたようだぞ。こいつが何者かは知らんけどよ、わらわら群がられるよりは、バケモン一匹を相手取る方がやりやすいぜ」
    「ああ、まあ、そういう解釈もある・・・・・・か?しかし驚いた、ティラノサウルスがサーヴァントとは」
    「知っているか?」
    「知ってるも何も。お前の時代にはなかったかもしれんがよ、『恐竜』っていうヒトが生まれる以前にバカでかいトカゲたちが地球を占領してて、こいつはその王様だよ。石になってる骨とか、見たことあるだろ」
    へえ、と魯智深は息を吐く。
    「ありゃ、如来が作った生き物の出来損ないだと思ってたぜ。こんな生き物とは」
    「とにかく油断するな。時代で言えば間違いなく神代以上の昔だ。きっと強大な力を持っているぞ!」
    「おうともさ!こちとら剛力無双の魯智深様よ。寅こそ倒したことは無いが、そろそろ箔が欲しいと思ってたところだ。やってやるぜ!」
    白亜の怪物の咆哮が空気を震わせる。思わず身をすくめた由子が再び敵を捕らえるころには、魯智深はイノシシのように勇猛に突撃していた。

  • 321ディック2019/12/03(Tue) 00:00:32ID:AxNTAzMzQ(4/4)NG報告

    >>320
    「しゃあああ!」
    千変万化に杖の軌道を操り、一瞬のうちにティラノサウルスへ猛攻を加えた。
    古代世界の覇者はその動体視力で見切り、回避してその巨大な顎で魯智深を噛み砕かんと襲いかかる。
    巨体に見合わない慮外の速度に魯智深の感嘆混じりに舌打ちする
    「やっべ!」
    杖を踏みつけ弓のようにしならせて、その反動を用いて高く跳び噛み砕かれる未来を回避する。
    「おっそろしい生物だぜ……でかくて速いとは反則だろ!」
    「すばしっこいな……。東洋人は妙な技を使うと聞いたことがあったが本当だったのか」
    なんとティラノサウルスは明瞭な発声で人語を使った。
    「「喋れんのかよ!お前!?」」
    バーサーカー陣営のリアクションは奇しくもハモった

  • 322リドリー陣営2019/12/03(Tue) 20:05:59ID:M1NTEyNTk(29/41)NG報告

    カルデア・トレーニングルーム、変幻自在に変わるこの部屋にて向き合う二人の英霊あり

    許仲琳と黄飛鴻、どちらも中華の大地にてその名を轟かせる英傑だ

    彼らの実戦は始めてだが、気迫は充分に高まっている

    黄色の武道着に弁髪、その手に無骨な根を持った黄飛鴻は相対する敵の気迫を肌に感じていた

    許仲琳は封神演義の作者、それと同時に人知を超えた仙人である。その気迫は計り知れない

    だからこそ、燃える。自らの武を高めるための相手に相応しい!

    「さて、そろそろ本番アルね。本気の稽古をお願いするヨロシ!」

  • 323理エルとNYの人◆3zXvUrYT3w2019/12/03(Tue) 20:21:14ID:IzNDkzODI(7/10)NG報告

    「ええ、私で良ければ喜んで」
    ゆらり、と舞を踊るように右手を掲げる許仲琳。
    一瞬、その背後の空間に波紋が走り、気づけば彼女の手に無骨な偃月刀が握られていた。
    「ただし、一つだけ条件がありますがね」
    1回、2回、10回、20回。
    手先を、手首を、腕を、やがては身体全体を軸にして偃月刀を振るう許仲琳。
    その動きは流麗華美なようで一切に無駄がない。
    「アイヤー! 見事な功夫アルね! お見逸れしたヨ! して、条件とはなにアルか?」
    愉快な口調とは裏腹に獰猛な笑みを浮かべる。
    「ええ、そうですね」
    そんな彼に、神仙と呼ばれた女流作家はほんの少しだけ口角を釣り上げ。
    「私の指導は太公望様(ししょう)よりも厳しいですから。途中で泣き言をあげないように!」
    宣言と同時、一足で黄飛鴻との距離を詰めてきた。

  • 324リドリー陣営2019/12/03(Tue) 20:42:28ID:M1NTEyNTk(30/41)NG報告

    >>323
    滑るに宙を泳ぐ偃月刀。魔力放出により強化された筋力により、通常以上のスピードで黄飛鴻を襲う

    頭にきたものを弾く。腕に来たものを避ける。胴に来たものを絡めたり、喉にきたものは逸らす

    指揮をとるかのように根を動かし、ギアを回転させるようにねじり避ける。これ程までの上体の柔さは下腿によるもの

    彼の納める洪家拳は船の上など不安定な場所で戦うことが想定された拳法。しっかりと土台を踏みしめる脚があるからこそ上体は変幻自在に動かせる!
    「ハハハイャーッ!」
    笑い声にも似た息吹を吐きながら偃月刀を弾き、避け、絡め取る!
    「ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイィィ!」
    「少しは静かに出来ないのかい!」
    「アイヤー、ワタシの拳法のクセよろし、許してアル!」
    徐々に加速し、ついに肉眼では見えなくなる偃月刀と根の攻防。だが、残念な事にこの技の応酬は唐突に終わる
    「セイヤーッ!」
    魔力放出を倍以上かけた偃月刀により黄飛鴻の根は真っ二つに斬られた。こればかりは仕方ない。両者が互角以上の力を放つ時、勝機を決するのは僅かな差なのだ
    折れた根を持つ黄飛鴻に向かい迫る偃月刀。どうする!
    「ハイーッ!」
    黄飛鴻は手を広げ、脚を上げ、爪先で偃月刀を蹴り上げた!鶴拳だ!

  • 325理エルとNYの人◆3zXvUrYT3w2019/12/03(Tue) 20:52:30ID:IzNDkzODI(8/10)NG報告

    >>324
    蹴り上げられた偃月刀、完全に無防備になった許仲琳の身体に鶴の姿を模した貫手が迫る。
    「ハイヨーッ!」
    両の手を交差させられ放つ鶴拳。
    右手が心臓を、左手が膵臓をえぐり抜かんと放たれ━━━━
    「アイヤー!?」
    その手が、彼女の身体を貫くことはなかった。
    許仲琳の魔力放出は仙術から派生したスキルだ。
    大地の魔力を纏う許仲琳の肉体は、宝具に匹敵する耐久度を持つ。
    いかに拳聖とてその身は人間、その拳が彼女を貫くことは無い。

  • 326リドリー陣営2019/12/03(Tue) 21:02:23ID:M1NTEyNTk(31/41)NG報告

    >>325
    貫くことができない?ならば表面に攻撃を加えるのみ!素早く両手を離し、今度は指を顎に見立て曲げる。龍拳だ

    許仲琳の手に戻った偃月刀は研ぎ澄まされた龍の牙により捕らえられ、へし折られる!そして許仲琳の首を捉え引き寄せた!

  • 327山星2019/12/03(Tue) 21:03:07ID:U2NDg3Mjc(9/14)NG報告

    ─────ふむ。何故このようなことになったのだったか。

    手元でナイフを弄りながら、少女……山星不湯花はそう考える。
    魔術師にとって戦いというものは必ずしも敬遠されるものではない。確かに魔術師とは研究職ではある。それは紛れもない事実だ。
    しかし、魔術による争いを行うことで己の魔術の精度を高め、秘匿が基本である魔術……そんな上で他者の魔術に触れるという機会は中々にない。そこも含め、時計塔などは魔術師同士の戦闘を奨励する傾向すらある。かのエーテライトの前代当主の詳細も確か────いや、今はどうでもいいことだろう。

    「さてさて。私としてもあなたの魔術には触れてみたかったんだよね。良い機会だったよ」
    カツリ、カツリ、と音を立てながら歩み寄る。……が、相手の───大鳳京介の顔は怪訝な顔だ。が、すぐに不湯花は納得する。
    ………山星というものは礼装製作を主とする家系だ。その悲願も「根源」ではない。魔術使いと謗られることも多いが、私たちなりに別の悲願があるのだ。かの大魔術師、ソロモン・イブン・ヒガールが目指した果てのように。
    ようは、私の礼装はまだしも、私という存在には大した力はないと思っているのだろう。よくそういう認識は受けるし、そのように扱われる。別に、私としてはそれでも構わないのだが、今回は話が別だろう。これは戦闘なのだから。

    「……ねぇ、大鳳君。ちょっといいかな」
    徐に、京介の顔の真横を指差し……

    「Wave(打ち砕かれよ)」

    ────指先から放たれた水流が壁を砕いた。一小節すら必要としない、一工程(シングルアクション)でこの火力。礼装も何も起動していない状態で、だ。

    「君が私をどう思うのも勝手。でもさ、
    ─────私達の魔術の真髄を見たいなら、せめて少しは頑張ってよ?」

  • 328理エルとNYの人◆3zXvUrYT3w2019/12/03(Tue) 21:19:21ID:IzNDkzODI(9/10)NG報告

    >>326
    襟を捕まれ引き寄せられる。
    黄の動きに合わせるように、許仲琳は顔を近づけた。
    真下からの強襲、それに呼応したことによって許仲琳の身体が大きくたわむ。
    「セイッ!」
    それと同時に両足に力を収束した魔力放出。
    跳躍の勢いを乗せて放たれた暴風の如き魔力が許仲琳の身体を大きく持ち上げ、空中を三回転して黄飛鴻との距離を大きく取り直した。
    宙に飛んだ許仲琳、その背後が大きく歪む。
    そこから放たれたのは火を纏う曲剣、杭と見紛う如き巨大な釘、二刀一対の夫婦剣。
    火竜鏢、鑽心釘、干将莫耶。
    封神演義に名高い名剣達が黄飛鴻に向けて殺到した。

  • 329リドリー陣営2019/12/03(Tue) 21:33:31ID:M1NTEyNTk(32/41)NG報告

    >>328
    「ウウイヤャャャャ!」
    飛んできた四つの名剣。これに対し黄飛鴻は酔拳で対抗。酩酊(ドランカー)にも似た不規則極まり無い動きは名剣達は捕らえられない。ぬるりと避け続ける事で地面に全て刺さる

    そして宙から降りた許仲琳を襲撃。彼女は次なる武具の発射を準備して、目を細めた

    黄飛鴻が二人に分身したのだ!これはスキル電脳的英雄の効果によるもの。二人に別れた黄飛鴻は豹ののように手を丸める。これぞまさしく豹拳!目にも映らない連続拳戟を許仲琳が襲う!

  • 330理エルとNYの人◆3zXvUrYT3w2019/12/03(Tue) 21:43:23ID:IzNDkzODI(10/10)NG報告

    >>329
    「くっ!ちょこまかちょこまかと小賢しい!」
    そう、黄飛鴻の攻撃は許仲琳にとって致命打とはならない。
    魔力放出の効果は未だ健在。このまま一生耐えることも可能だ。
    しかし、彼の動きを彼女が捉えることもまた不可能。
    (ならば……分身ごと本体を仕留めるのみ……!)
    一瞬、本のわずかに空間が光り輝く。
    本能的に察知した黄飛鴻がその場から跳躍するが時すでに遅し。
    「━━━━鳴け。『雷公鞭』」
    閃光、ついて轟音。
    シミュレーションルーム全体に無数の雷が迸った。

  • 331九終狂陣営【大罪戦争ss】◆H2jQDESDK22019/12/03(Tue) 21:45:02ID:g1NDcwNDg(1/7)NG報告

    >>327
    「正直、侮っていたよ。山星は礼装で戦うタイプだと思っていた」

    水飛沫か冷や汗か、頬を伝う水を拭う。山星不湯花が当てるつもりだったならば今の一撃で勝負を決める事も出来ただろう。
    やれやれ、これが実戦だったら死ん.でいたな。……もう同じ轍は踏まない。

    「次はこちらの番だな。『Suas[上がれ』」

    ざあっという音とともに大鳳京介の足下の影が広がり、立体的に膨らんだと思えばそれらが二羽の鳥の姿をとる。
    闇そのものを具現化したような黒で全身を構築した鳥────鳳凰はけたたましい鳴き声をあげる。

    「影鳳凰、名前は…今は置いておこうか。やれ」

    手を振って合図すると影鳳凰の片割れがいっとう高く飛び上がり勢いよく急降下して襲い掛かった。

  • 332リドリー陣営2019/12/03(Tue) 22:03:45ID:M1NTEyNTk(33/41)NG報告

    >>330
    「アイヤーッ!?そんな宝貝(パオペイ)あったアルかーっ!?」

    その言葉を残し辺り一面は光と音に包まれた。周りの木々が燃えて焦土と化す

    (少しやりすぎたかしら?)

    そのようなことを思い、ふと顔に影がかかる。ハッとし上を見上げた彼女は見る
    炎を見にまとった黄飛鴻のことを!

    雷に直撃を受けた彼だが電脳的英雄の影響を利用。炎を使う自分を呼び出し雷から派生する火を纏う事で自らの損害を限りなく抑えたのだ!

    洪家拳は主に手を主体とする拳法である。だが黄飛鴻、彼は脚の神技を持つ男!その蹴りは影すら残さず、敵を滅する。そんな光速を超えた連続蹴り、これぞまさしく!


    「『無影脚』!ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイヤヤャャャャャャ!!!」

  • 333山星2019/12/03(Tue) 22:07:36ID:U2NDg3Mjc(10/14)NG報告

    急降下する黒翼の鳳凰は黒い残光を残しながら、不湯花を啄み引き裂かんとする。

    「なるほどね……『Follow me(手を引きたまえ)』『nauraa(笑う』『悪戯神よ、喰らふ物ノ怪を引き裂きたまへ』………さて」

    『Follow me』で草が茂り、伸び盛り
    『nauraa』で草はざわざわと不湯花を包むように動き
    『悪戯神よ、喰らふ物ノ怪を引き裂きたまへ』という語句によって草は鋭利な刃物のようになり、鳳凰を引き裂く。

    「我、命ずる。
    『奮え、アハティ』『散り抜け、玉祖命』『栄えろ、シランパカムイ』
    起句復唱。楚は強者を貫くもの。……『少彦名命』なり」

    ひゅっと、不湯花が振った筒から飛び出した鉱石を大量に溢れ出した水の刃の一部が覆い、地面から生えた巨大な蔦は鳳凰を拘束する。
    ザクリ、と鉱石が鳳凰に刺さった瞬間、その鉱石は鋭利に四方八方に勢いよく伸び、鳳凰の内部の全体を引き裂き掻き回し磨り潰す────!

    「さて……ああは言ったけど、私はやっぱり礼装を使ってこそだよね。まあ、正確に言うと『礼装を使って自分の魔術の効能を高める』ってことかな。……ほら、頑張って?」

  • 334理エルとNYの人◆3zXvUrYT3w2019/12/03(Tue) 22:48:00ID:YyNzU4MzA(1/1)NG報告

    >>332
    「なっ……『雷公鞭』を耐えた……!?」
    全身に炎を纏う黄飛鴻の姿を見て、許仲琳は驚愕を禁じえなかった。
    その驚愕は一瞬、しかし達人同士の攻防では致命的な隙となる。
    『無影脚』━━━無限にも思える神速の蹴撃が今度こそ許仲琳を捉えた。
    「な……んの、これしき……!」
    魔力放出に揺らぎが生じ、華奢な彼女の体躯に傷が入り出した。
    否、揺らぎではない。これは魔力放出に使っていた魔力を自身の体内に取り込み直しただけに過ぎない。
    イメージするものは嵐。
    制御不能な自然現象を想像して体内でエネルギーを練り込んでいく。
    永遠にも続く無数の蹴技。光速にも迫るそれを許仲琳を捉えることは出来ない。
    しかし、一つだけ確かなことがある。
    捉えることは出来ないが、許仲琳が蹴られたその時、そこに黄飛鴻はいる━━━!
    「そこッ! 崑崙仙技・太公望釣魚槍ォオオッッ!━━━!!!!」
    咆哮のような開帳と共に、渦を描いた魔力が螺旋となって黄飛鴻の身体を貫いた。

  • 335リドリー陣営2019/12/03(Tue) 23:09:36ID:M1NTEyNTk(34/41)NG報告

    >>334
    渦巻かれた螺旋魔力は黄飛鴻を貫き、血を吐き出す!
    だが無限の無影脚は許仲琳を貫き、これまた血を吐き出す!

    両者互角のやり合い!二人は距離を取る

    「アイヤー……………流石は仙人様ネ。ワタシの想像を超えた功夫してくるアルな」
    「それはこちらの台詞ですよ。まさか雷公鞭を耐えるなんて人間の域超えてますよふつーに」

    そしてお互いに笑顔を浮かべ構えを取る
    恐らくこれが最後の一撃となるだろう!

    「ハイヤーッ!」
    「セイヤーッ!」
    お互いが意地とプライドをかけ最後の突撃をかけた……………が!
    『このッッッッッバカ野郎ガァァァァァァァァ!!!』
    突然の大声によるインターラプトが入ったのだった……………
    雷公鞭。その威力によりトレーニングルームはめちゃめちゃに破壊されてしまったからなのだ。電化製品は電気に滅法弱かった。ミケランジェロに怒られた二人は出鼻を挫かれ興が削がれてしまった
    そしてこの日結局引き分けと言うこととなりお互い健闘を称えて解散したのだった……………
    end

  • 336九終狂陣営【大罪戦争ss】◆H2jQDESDK22019/12/04(Wed) 00:19:33ID:Y2Njk2NjQ(2/7)NG報告

    >>333
    影鳳凰がべちゃり、とまるでトマトを潰したように四散し地面に影を作ると京介の影へと伸びていき、一体化する。
    影鳳凰に死は(ほぼ)無い。活動限界を迎えると身体を影へと変換し、俺の影へ潜って身体を再構する。尤も、戦闘中に再構築してやる余裕は無いので実質的にフェニ男はもう使えない。

    「これは、出し惜しみしている場合ではないな」

    指輪に付いている漆黒の宝石を見せるように右手を掲げ────

    「『呪血の蠱毒壺』、出てこいフィルニース」

    その言葉に不湯花が警戒を強め宝石を注視する。フィルニースを起動する場面を見せた事は無いがその存在自体は知らせていた。故にそのブラフが機能する。

    「Rampage」
    「──っ」

    京介の指輪────闇の宝珠に封じ込められた光が解き放たれる。神秘も何も纏わない閃光だったが警戒し注視していた不湯花に対しての目眩しには十分である。
    その一瞬の隙を突いて今度こそ『呪血の蠱毒壺[フィルニース]』を起動し接近する。

  • 337ディック2019/12/04(Wed) 20:09:47ID:A0OTMxNjg(1/3)NG報告

    カルデア・トレーニングルーム。そこはシュミレーターを利用することで様々なシチュエーションを作り出して訓練を行うことができた。
    今日もトレーニングルームを使う英霊が二騎対峙していた。
    極東の戦士、より正確に表現すれば日本の鎧武者だった。
    剣の英霊と槍の英霊が対峙する。
    「東国無双、本多平八どのと手合わせ願えるとはありがたいことだ」
    そう言って凄絶に笑うのはセイバーの立花道雪。
    豊後の戦国大名大友氏の家臣で大友家の隆盛から斜陽まで一身に背負って奮闘した忠臣、西国無双立花宗茂の義父として知られる英霊だ。
    若い頃、落雷に遭ってその折に刀で雷を切ったという伝説を持つ。さらにそれが原因で半身不随になっても戦場に輿で乗り込んで獅子奮迅の働きで戦った猛将だ。
    現界した姿は半身不随になる前の精悍な若武者の姿だが、物腰は歳に見合わない泰然さを感じる。その精神が
    敵味方問わず畏怖され敬意を払われた勇将「鬼道雪」と呼ばれた壮年期のものだからだろう。
    兵装は鎧甲冑ではなく、上着はジャケットのような羽織に指出しの篭手、黒い脚絆に脛当てをしており動きやすさを重視した戦装束だった。
    「さて、模擬試合とは言えど油断なされるなよ?俺は手心をかけるのが苦手だからな!」
    道雪は腰に差した雷切を抜刀した。抜刀によって三日月のような煌めきが放たれた。

  • 338火属性の人◆2qny/qsKfA2019/12/04(Wed) 20:37:41ID:UxNTg0MjA(4/13)NG報告

    >>337
    「ご安心召されよ、道雪殿。元より貴殿は西国無双の父君。ならば――こちらとしても、手を抜く道理はない」
     対する本多忠勝も臆さない。
     自慢の愛槍『蜻蛉切』を勢いよく振るい、目の前の道雪目掛け叩きつけんとする。
     が、その一撃は雷閃めいた斬り込みの前に阻まれる。
    「ぬうっ!」
    「ハハッ、何とも実に猛々しい! この名刀を前にして、怯むどころか突っ込んで来ようとは! それでこそ誘った甲斐もあるというもの!」
     槍と日本刀。一見すれば、リーチに勝る忠勝の方が有利にも見える。
     だが現実は違った。蜻蛉切による刺突、薙ぎ、払い。そのいずれも道雪の身体を捉えることはなく、悉く空を切る。
     一方の道雪も負けていない。動きやすさを重視した服装に違わず、蜻蛉切による猛攻をかいくぐっては果敢に、時にはからかうように一撃を見舞い翻弄していく。
     互いに十数合を交わした所で、忠勝が動いた。
     それまで上~中段から仕掛けていた刺突を、あえて下段から抉り込むように突き上げる。
     アッパーカットめいて迫る穂先に、道雪は――

  • 339ディック2019/12/04(Wed) 21:03:22ID:A0OTMxNjg(2/3)NG報告

    >>338
    道雪は、とびさがりながら、左腕の籠手をあげてその一撃を受けた。籠手は紙のように容易く切り裂かれ左腕にしびれを感じながら雷切を撃ち込む。強烈な斬撃は、だが蜻蛉切で払いのけられた。
    本多忠勝の膂力は、想像を絶した。はらわれた瞬間、道雪はよろめいたのだ。踏みとどまった彼の目に、再び襲いかかる蜻蛉切が映った。攻撃は右からだった。道雪は今度は受け止めようとはしなかった、右腕を振り上げた。
    蜻蛉切が、籠手の表面を滑る。道雪が受け止めず体幹をずらすことで受け流したのだ。しかし、東国無双の技量と名槍をしのぐには無傷ではすまない。籠手の表面を打ち砕き、道雪の肩をうつ。だが既に勢いをそがれていたので、羽織をわずかに切るのみで衝撃は軽かった。
    道雪は、その一撃を受け流すとともに、一転して跳ね起き、腰当てに差した小筒を抜き出し、体勢を崩しかけた忠勝の横顔めがけて実弾ではなく魔力を投射した。

  • 340山星2019/12/04(Wed) 21:07:15ID:IyMzgwMzY(11/14)NG報告

    うっかりしていた。この程度のブラフに引っかかる辺り、自分は相当油断していたのだろうと思う。
    これが殺し合いならば、そもそもその様子を見せる前に、行動を見せる前に殺していた。……というか、それ以外にもタイミングは色々あった。

    「─────めんど」
    一小節を刻む程度の攻撃ではない、なのでここを凌いで次に全力を回そうとし、水の膜を張り、樹木で覆い、鉱石の壁をその上で包む。呪いの規模を観測し、その上で最適解を出した。多分これを貫ける出力をあの泥のようなものは出せない。………警戒をするに越したことはないが。

    「奢ったな、山星」

    ………突如、急激に増加した黒血の爪がそれを砕き、不湯花を襲う。回避はしたが、軽く右腕を引き裂かれてしまう。それと同時に、礼装の殆どが呪詛で使い物にならなくなった。自身に対する呪詛の解呪は傷が浅いこともあってできたが、礼装に染み込んだ呪いは時間をかける。

    「ごめんごめん。私ね、戦ったこともないガキが何を言うかと思ってたの。流石に見縊ってた。謝罪しよう。
    ──────だから、私の秘奥の一つを見せてあげよう」

    コロン、と転がり出る箱。

    『世界は輪転し、星々は瞬く。原初の世界には恵みと破滅が渦巻き、その中心に私はいる。
    妖精は祝福する。巨人は咆哮をあげる。竜は脈動する。
    打ち砕かれよ、群衆。響き渡れよ、栄光。それ即ち我が我たる証であり、私達が地球である証である。
    ─────【精霊女皇】の名を以って命じます。起きなさい、テリアル』

  • 341山星2019/12/04(Wed) 21:07:25ID:IyMzgwMzY(12/14)NG報告

    ──────見よ、凡百共。これが世界渦巻く神秘が一。世界の中心に未だ根付く神秘の秘奥が一。
    古き者よ、死に絶えよ。多数の神秘よ、平伏せよ。これこそが、湖の乙女の原型が一つ。その意思の断片が混ざり合ったもの。

    誰にも解き明かせぬ千年規模の神秘は、いまこそここに顕現する────!!

  • 342山星2019/12/04(Wed) 21:45:29ID:IyMzgwMzY(13/14)NG報告

    「………お呼びでしょうか、御主人様?」
    「うん。呼んだ。さっさと終わらせて」
    「殺しますか?」「模擬戦闘だから、そこまでしなくていい」

    ─────龍。その姿は水で出来た東洋の龍だ。それに大量の蔦が絡みつき、そこから咲き誇る大量の花。そして、爪と花は爛々と輝く宝石である。その身から放つ魔力周囲を圧倒し、その神秘はそこらの神秘を容易く押し潰す。

    「────えーっ?御主人様ったら、こんな、こんなたった『数百年程度』の雑魚に私を切ったんですかー?マジ?ちょーありえね!草だわこんなもん。いや草越えて森。マ?集団戦でもない、殺し合いでもない、たった一人に対してそれとか、マァァァァ???」

    立てば竜、佇めば庭園、喋る姿は────くそウゼェ。

    「うっぜ!お前やっぱうっぜ!……いいから、早くやってくれない?」
    「了解。………さて、そこの魔術師さん。可愛らしいですね。高身長でヘアピンにピアス。可愛さが溢れます。『その程度』の呪いを携えてる辺りが実にキュート。………じゃ、来なさい」

  • 343火属性の人◆2qny/qsKfA2019/12/04(Wed) 21:53:53ID:UxNTg0MjA(5/13)NG報告

    >>339
     忠勝の鼻面を魔力光が突き抜ける。
     スキルではなく本能で危険を感じ取り、どうにか首を動かして回避する。
     だが代償は小さくない。至近距離を閃光が横切った事で目が眩み、一時的とはいえ視界が潰れる。
     そして当然、道雪が続きの隙を見逃すはずもなく。
    「獲ったぞ、東国無双」
     上半身に衝撃が奔る。その正体は痛烈な峰打ち。
     道雪のスキルによるブーストも加わった一撃は、忠勝の宝具『傷無の武名』をも貫いた。
     模擬戦故の手加減とはいえ、金属武器による痛烈な打撃。エネミーは元より並みの英霊ですら倒れかねない一撃を受けた忠勝は――。
    「―――――ふんっ!!」
    「ぬおっ!? ……はは、これは本当に驚いた」
     後方に大きく吹き飛ばされたものの、忠勝は着地し床を踏む。
     否、それは最早着地というレベルではない。衝撃を流された床は深く砕け、忠勝を中心に小さからぬクレーターを作っていた。
     その効果も如実に表れている。攻撃を受けながらも持ち前の耐久と技量、そして執念で凌いだ忠勝の身体は未だ健常であり、戦闘続行に支障はない。むしろ道雪を前に不敵な笑みを返す余裕すらあった。
     なお、その陰でスタッフとミケランジェロが天を仰いで絶望していたがそれは些細な問題である。

  • 344火属性の人◆2qny/qsKfA2019/12/04(Wed) 21:54:38ID:UxNTg0MjA(6/13)NG報告

    >>343
    「今の一撃は流石に決まったと思ったのだがな……流石東国最強と謳われた武人というべきか」
    「貴殿の業前こそ。こと頑強に限っては他の英霊にも後れを取らぬと思っていたが、どうやら慢心だったらしい。俺もまだまだ修練が足りぬ」
     忠勝の言葉に道雪は微笑する。
     ――気づけば二人の距離はざっと七丈(現代の単位で約二十一メートル)。お互い宝具を解き放つにはうってつけと言える間合い。
    「如何する本田平八? こちらは先程同様斬り合いに徹しても構わんが、それではいささか物寂しかろう」
    「皆まで申されるな、道雪殿」
     腰を落とし、蜻蛉切を中段に構える。
     先のダメージすら気にならない程、忠勝は集中を高め穂先に魔力を込めていく。
     やがてその高まりが骨頂に達しかけた時、忠勝はその真名(ことば)を解き放った。

    「――踊れ、『蜻蛉切』!」

     斬撃が飛び立つ。
     正しく蜻蛉が飛翔するが如く、空を切り裂き迫るは刃の衝撃波。
     対する道雪もまた、その脅威を前に――

  • 345ディック2019/12/04(Wed) 22:42:56ID:A0OTMxNjg(3/3)NG報告

    >>344
    獣が吼えるように道雪は笑う。
    「はははは!魅せてくれるじゃないか。いいぜ!やろう」
    道雪が雷切を構える。柳生新陰流の八艘の構えに似ていた。
    「この一撃に敵うもの無し。鳴き切るがいい」
    携えた大刀は、刀身に雷撃を纏っている。雷切は空間に遍在するマナを雷に変換するのだ。
    「──『雷鳴一閃、千鳥散し』」
    道雪は刃の雷を、蜻蛉切が起こした衝撃波へとぶちこんだ。雷光の一撃と疾風の一撃が競り合う。
    忠勝は全身を熱で苛まれる。道雪がぶちこんだ雷撃によるものだ。道雪は無数の刃のごとき疾風に刻まれた。

  • 346九終狂陣営【大罪戦争ss】◆H2jQDESDK22019/12/04(Wed) 23:10:32ID:Y2Njk2NjQ(3/7)NG報告

    >>342
    人は規格外なものと対峙するとかえって冷静になると言うがそれは本当だったようだ。というのが京介の感想だった。
    ガキってお前の方が年下だろうだとか秘奥の一つということはこのレベルのものが他にもあるのかとか精霊女皇と言ったかだとかそんなどうでもいいことが浮かんでは今はその思考は必要無いと端に退ける。
    話には聞いていたが想像通り否、想像以上の神秘の塊を前にゴクリと生唾を飲んだ後自然と笑みが浮かぶ。

    ────何を怖気付いている。この状況を望んだのは俺自身だろう。格上の生物の神秘を欠片でも取り込めればフィルニースの性能向上が望めるだろう。

    「気張れよフィルニース。これを切り抜けられたら、にゃぶ郎のちゅ〇るを一本都合してろう」

    そんな軽口──と言っても当のフィルニースはすっかり萎縮してしまっていたのが嘘のように立ち直ったのだが──を言える程度には余裕を取り戻した京介は今一度眼前の水龍を見据える。

    「テリアルだったな。俺の名は大鳳京介、こいつはフィルニース。別に覚えなくてもいい。胸を借りるつもりでいくので、よしなに」

  • 347火属性の人◆2qny/qsKfA2019/12/04(Wed) 23:35:55ID:UxNTg0MjA(7/13)NG報告

    >>345
     宝具の撃ち合いは、痛み分けに終わった。
     ダメージの度合いで言えば雷撃を受けた忠勝の方がやや重傷に見えるものの、感電による火傷こそあれ出血の方はそれ程でもない。
     道雪の方は散らされたとはいえ無数の斬撃を喰らい、装備・肉体共にボロボロ。元々軽装な事もあり、残った防具も部品だけの状態となっていた。
     ――それでも。
    「ふ、ふふ。ふふははは……」
    「くくっ、くはは……」
     両者の目は戦意旺盛。総身を苛む激痛も、宝具解放による疲労と倦怠感も、まるで支障をきたすに及んでいない。
     むしろ獰猛に笑い、戦に恍惚する様はどこまでも彼等の人外ぶりを証明していた。
     だが当然といえば当然だ。
     何しろ彼らは戦国武将。百年以上続いた大乱、その末期にあってなお我が武勇此処にありと高らかに示した無双豪傑なのだから――!
    「素晴らしい……素晴らしいぞ、立花道雪! 青年の見てくれでありながら、子の技量は正しく磨き抜かれた壮年のそれ! 鬼と恐れられたのも頷ける!」
    「そういう貴様も、ずいぶんと『乗っている』らしい。先程までの礼節はどうした? まるで獣のようではないか」
     道雪の挑発に、忠勝は槍の石突を叩きつけることで応える。
    「笑止! これ程の猛者を相手に己を取り繕うなど滑稽千万!かくなる上は、我らが全霊を賭してぶつかり合う他有り得まい!」
    「――吠えたな若造? こうまで言われては、流石の俺も手は抜けんぞ?」
    「大いに結構。そちらが抜こうが抜くまいが、その手を我が槍で刎ね飛ばすまでの事!」

  • 348火属性の人◆2qny/qsKfA2019/12/04(Wed) 23:36:40ID:UxNTg0MjA(8/13)NG報告

    >>347
     道雪は言葉を返さない。
     否、最早返す必要もない。これより先は生死の境界、すなわち武将と武将が己の全てをぶつけあう昔ながらの血戦なのだから。

    「――行くぞ東国無双。我が息子と並び立つ武勇、その身をもって証明してみせろ」
    「応とも鬼道雪。天下に名を轟かせし無双の極致、とくと味わえ」



     ……そこから先の戦いは、凄絶と呼ぶも生ぬるい有り様だった。
     本多忠勝が槍を繰り出せば、立花道雪がこれを切り払い前に出る。
     振り下ろされる刀の軌跡に、疾風の刺突が応えて打ち返す。
     突き、薙ぎ、払う。斬り、捌き、突く。
     繰り出される技は嵐の如し、いずれも例外なく一撃必殺を期したもの。
     その全てを、互いに凌ぎ互いに穿つ。完全回避など望むべくもなし、文字通り肉を切らせて骨を断たんとばかりのせめぎ合いが重なっていく。
     いつしか二人は武器さえも捨てていた。破壊し破壊され喪失したのか、あるいはどこかで互いに失くしたのか。それすらもどうでもよくなる絶頂の時。
     あるのはただ、眼前の敵を打ち倒す一心のみ。徒手空拳となり、その拳すら砕けかけても止まらない。
     模擬試合であった事もとっくに忘れ――最後の一撃を同時に叩き込んだ瞬間、両者はどうと地面に倒れ込んだ。

  • 349火属性の人◆2qny/qsKfA2019/12/04(Wed) 23:37:03ID:UxNTg0MjA(9/13)NG報告

    >>348
    「……やって、くれたなジジイ」
    「ぬかせ小僧……俺はまだ現役だ……」
     霊核こそかろうじて無事ではあるが、既に立ち上がれる状態ではない。
     互いに天上を仰ぎ、限界まで――あるいは限界を超えて疲労するその姿は、どこまでも笑顔に満ちていた。
    「次こそは俺が勝つ」
    「こちらの台詞だ、たわけ」
     戦闘の余波で破壊され尽くされたトレーニングルーム。瓦礫と残骸の只中で、二人の戦国武将はいつまでも笑っていた。


    ―終―

  • 350山星2019/12/04(Wed) 23:40:55ID:IyMzgwMzY(14/14)NG報告

    「ふむふむ?まあ私の〝目〟でみる限り才能的には悪くない模様。もう少し鍛えれば……それこそ殺し合いや他の魔術の簒奪とかで………まあ、頑張ってみてくださいな」

    黒々と光を飲み込む黒血の爪と泥の鎧に、巨大な蔦が─────


    「いやー、良かった良かった。意地でも私の体に『喰らい付こう』としたのは立派でしたよ……えっと……なんでしたっけ、キョースケ君でしたっけ?あとフィルニース君!まあ?私も一応『至高礼装』を名乗らせていただいていますので、私の一欠片もくれてやる気はありませんでしたけど。では、さようなら!」

    「……アイツ……わざと激しく暴れやがった……魔術回路ゴリゴリだわ……」
    不湯花の魔術回路は平均以上ではあるがかなり優れたものともいえない。魔術の才覚、魔力の運用、その他のセンスはずば抜けているが魔力量や魔術回路自体は一流とも言えない。

    「……大丈夫なのか?体に出血が見られるようだが」
    「この程度で根を上げるなら私は山星家の当主なんて務めてない。……で、どうだった?命の奪い合いじゃないとはいえ、戦闘をした感想は?」

  • 351九終狂陣営【大罪戦争ss】◆H2jQDESDK22019/12/05(Thu) 00:42:42ID:Q3OTIyODA(4/7)NG報告

    不湯花の質問に京介は『呪血の蠱毒壺』を小瓶やピアスに収納しながら答える。

    「どうだったも何も、やはり俺には正面切っての戦闘は向かないということが分かったな。出来ない訳では無いが、それよりも騙し打ちや不意打ちの方が性に合っている」

    やれやれと肩を竦め手を上げて首を振る。実際この他にも蜘蛛の使い魔による箒の自動操縦での意識外からの突撃や影からの使い魔の襲撃、フィルニースを影武者として操る等といった戦い方は幾つかある。
    妹の飛鳥には「何でそんな姑息な戦法ばっかり…」と突っ込まれているものの京介自身は「正々堂々と戦う意味が無い」と考えていた。
    そんな京介の背中を強く平手打ちする。丁度テリアルに打ちのめされた所で小さく苦悶の声を上げる。

    「でもいざという時は自分が盾になってでも妹ちゃんを守るんでしょう?だったらその時のために少しは戦えるように鍛えなさいよ」

    山星の言葉にはっとする。そうだ、魔術師だ何だと言う前に俺は飛鳥の兄なのだ。空野程とは言わなくとも格闘技を修めるだとかそれこそ今回のように模擬戦を繰り返してもいい。
    そんな事を思いながら鈍痛が響く背中を擦り息を整える。

    「────善処するよ」

    ──終──

  • 352リドリー陣営2019/12/06(Fri) 20:00:45ID:Q5Njg5MTg(35/41)NG報告

    短編リレー開始!

  • 353リドリー陣営2019/12/06(Fri) 20:01:22ID:Q5Njg5MTg(36/41)NG報告

    >>352
    カルデア・トレーニングルーム。
    図書室が再現された空間にて一人の英霊がいた。
    卓と椅子の前に立つ男。自らを天頂無類と信じて疑わない、日本なら誰もが知り思い浮かべるままの伝説的英雄『桃太郎』その人である。
    桃太郎はふと虚空の方を向き、声をかける。

    「隠さんでも良い。其方の姿を捉えるなんて安易なことよ」

    その言葉とともに何もない空間から女が一人現れた。くすんだ金髪のロングヘアで、活き活きと輝くブルーグリーンの瞳が活力に満ちた印象を与えている美女。そしてその胸は豊満であった。ランドグリーズ、『楯を壊すもの』がそこにいたのである。

    「あれま、いつから気づいていらしたんです?」
    「最初からだ。其方の姿は見えずとも神気を感じてることは安易なこと……………」
    「成る程、無思慮な愚か者とは思ってませんでしたが、流石ですわ」

    ランドグリーズは桃太郎をじっと見る。桃色の鎧、その下にある肉体、これ程まで完成されたものはワルキューレとして見るのは随分と久しぶりである。そして対戦は唐突に始まった。
    桃太郎は本棚の本を勢いよく掴む!そして当然ランドグリーズは直感でそれを読んでいた!

    (やっぱりきた本をつかった急襲!投げるか?それとも殴る?……………えっ、読む!?)

    そう、桃太郎は勢いよく本を取り出し朗読を始めたのだ。本の題名は『みんなの童話桃太郎』。ランドグリーズは困惑しているが読み進める。

  • 354リドリー陣営2019/12/06(Fri) 20:01:31ID:Q5Njg5MTg(37/41)NG報告

    >>353
    「も〜もたろさん、ももたろさん。おたびをつきてあしげりを〜ひとつ〜わたしにくださいな。あ〜げましょう、あげましょおうゥッ!」

    その言葉と同時に顔に向かって高速の飛び蹴りを放った!

  • 355ディック2019/12/06(Fri) 20:21:46ID:k2MTM0MDI(1/14)NG報告

    >>354
    唐突の襲撃をランドグリーズは紙一重に避けた。
    ギリギリだったわけではない、相手の動きを流れで読み取り攻撃の軌道を予測して、最小限の動きで攻撃をかわしたのだ。
    「桃太郎さん……」
    戦乙女の玲瓏な美貌は些かも色褪せてはいない。しかし、彼女の冬の湖面のような瞳は剣呑な光を放ち、声は冷え冷えとしている。
    「今のは何の真似ですか? お戯れも過ぎますわ。……度が過ぎる戯れは馬鹿で礼儀知らずな方がすることですよ」
    図書室が再現されていると聞いてやってきたグリムゲルデは、ランドグリーズから発するただならぬ神気の冷たさを感じて、即回れ右をして退室した。
    「わたくし、馬鹿と礼儀知らずが大嫌いなのです」

  • 356リドリー陣営2019/12/06(Fri) 20:34:50ID:Q5Njg5MTg(38/41)NG報告

    >>355
    「この本にはそう書いてあったからな。実際やってみれば、いやはや子供の教育に悪い。」
    「答えになってませんよ?貴方やはり馬鹿ですか?」
    あたりを支配するのは恐るべき冷気、うっかり入ってきた清少納言はさっさと退散してしまった
    「うん……………"いい"。」
    「はあ?」
    「とても"いい"表情をしているぞ其方。やはり憎しみや怒りを浴びるのは"いい"。実に闘いをしている、そんな気分になる。」

    深く頷く桃太郎。そして卓を蹴飛ばし、ランドグリーズにぶつけんとする。卓の裏に桃太郎は隠れて拳を握った。卓ごしから殴るつもりだ!

  • 357ディック2019/12/06(Fri) 21:22:28ID:k2MTM0MDI(2/14)NG報告

    >>356
    ランドグリーズは飛来する卓を蹴り上げる。桃太郎の追い討ちは彼の魔力の流れ、筋肉の伸縮、骨格の運動、霊衣のすれる音。それらで予見できた。
    動きの予測によって初動を早め桃太郎の動きに合わせて、彼の突き手に勢いが乗る前にいなす。
    桃太郎はランドグリーズの後背へすり抜けた。
    「……わたくし、何度も言いましたよね。何度も何度も……馬鹿と無礼者は大嫌いだと」
    ランドグリーズは手元に武器を顕現させた。
    「その喧嘩、買って差し上げましょう」
    金髪の戦乙女は優美に微笑む。
    「その足りないオツムを潰してやるよ!」

  • 358リドリー陣営2019/12/06(Fri) 21:31:48ID:Q5Njg5MTg(39/41)NG報告

    >>357
    「いいな、怒り。其方の強さ、吾(オレ)に味あわせてくれ」
    淡々と口にする桃太郎。信じるものは自らの力(りき)。
    直感で二度攻撃を避けられた。ならば避けるよりも早く"打つ"まで。規格外の筋力を速度に変え、連続的なパンチを繰り出す……………!

  • 359火属性の人◆2qny/qsKfA2019/12/06(Fri) 21:36:30ID:I4OTk2MzA(10/13)NG報告

    お疲れ様です。
    宗茂×忠勝酒盛りSS投下させていただきます

  • 360火属性の人◆2qny/qsKfA2019/12/06(Fri) 21:36:46ID:I4OTk2MzA(11/13)NG報告

    >>359
     カルデアのレクリエーションルーム。
     元々は職員達の交流や暇つぶしの為に用意された部屋なのだが、現在ではサーヴァント達もこの部屋を利用するようになっていた。
     遊戯(ゲーム)、歓談、あるいは撮影に昼寝等々…。利用する目的は様々だが、カルデア内でも人口密度の高い部屋である事に変わりはない。
     そんな部屋を、二人のサーヴァントが訪れていた。
    「遅かったではないか、西国の勇士殿」
    「すまぬ、親父殿に少々捕まってしまってな…。詫びと言っては何だが、取って置きの一品を持参した故ご容赦願いたい」
     部屋に入ってきたサーヴァント――立花宗茂が先客へと笑いかける。
     右手には酒瓶が携えられており、中身がちゃぷんと揺れている。
    「それは結構。こちらとしても名酒と名高い代物を用意していたのでな。飲み比べが実に楽しみだ」
     対する先客こと、本多忠勝も自信ありげにテーブルの酒瓶を鳴らす。見るからに年代物と分かるラベルが張られたそれは、紫色の液体を並々と湛えていた。
    「ほほう。それはもしや、葡萄酒の類か? 随分と由緒ありげな香りがするが」
    「ご名答。砂漠の女王より買い付けた品でな、昔大御所様が飲んでいるのを見て、俺も一度口にしたいと思っていたのだ」
    「あの女王か。それはまた高くついたのでは?」
     宗茂の茶化しに、忠勝はただにやりと笑うだけで応える。
     そうして宗茂が席に着いた事を確認すると、忠勝は待ちかねたように宣言した。

    「では始めるとしようか。第一回聖杯問答、ならぬ東西問答の開幕だ!」

  • 361ディック2019/12/06(Fri) 21:55:20ID:k2MTM0MDI(3/14)NG報告

    >>358
    ランドグリーズは内心の激怒とは裏腹に、桃太郎のラッシュには努めて心は冷静だった。
    動きの予測できるようになれば、次は桃太郎の流れに自分から合わせて、相手の動きを読み攻撃をかわす。洞察力や観察力だけではない、鋭敏な直感もあってこそだ。
    「せぇやっ!」
    ランドグリーズは斧と鉄球を錐揉み回転させながら桃太郎に向かって同時に撃ち出す。
    「ほほぅ、愉快愉快!」
    桃太郎は瞠目しつつも、口元には笑みを比べていた。
    まるで自分の動きを予測しているかのような怒濤の攻撃だったからだ。
    「其方、もしや読心の心得があるのか?」
    彼の突きのラッシュはいなされ、まるで水を切るかのような手応えの無さは気味が悪かった。さながら自分がランドグリーズに動きをコントロールされている、そのよう錯覚を覚える。
    「楽園(ヴァルハラ)に渡るときに教えて差し上げましょう」
    ランドグリーズはにべもなく言い切り。鎖を踏みつけて鉄球の軌道を変え、またしても桃太郎の思わぬ方向から上段蹴りを放つ。

  • 362リドリー陣営2019/12/06(Fri) 22:11:19ID:Q5Njg5MTg(40/41)NG報告

    >>361
    ランドグリーズの鉄球は胴体に、見事な蹴りは桃太郎の首元に炸裂!勢いも含めて並大抵の英霊においてヴァルハラに行ってしまうほどの一撃だ。だが!

    「グァッ!」

    悲鳴をあげたのはランドグリーズ。彼女の蹴りは桃太郎の首ばさみにより無効化。さらに首と肩を使って圧迫され、神秘ゴロシも相まって甚大なダメージが足に入る!
    無論桃太郎とて無事ではない、鉄球は鎧の守りを貫通していたが……………強靭な筋肉でやせ我慢する!口から血を一筋流しながらも桃太郎はランドグリーズの脚を離さない!
    そして桃太郎はランドグリーズの脚を両手で掴む。

    「鬼を一振りで斬る吾(オレ)の素振り。何度耐えられる?」

    高速で素振りを始めた!

  • 363九終狂陣営【大罪戦争ss】◆H2jQDESDK22019/12/06(Fri) 23:15:31ID:I5MTQ4OTY(5/7)NG報告

    >>360
    東西問答という言葉にほほう、と嘆声を漏らすと宗茂はまず自分が持参した酒瓶を開け、互いの杯に注ぐ。そして静かに杯を持ち上げ乾杯する。

    「問答と言うからには何か議題が欲しいな。と言ってもそこまで堅くない話が望ましい」
    「ならばカルデアに来てからの四方山話などどうだ?」

    忠勝は自分の杯に注がれた焼酎を煽り口角を上げる。宗茂秘蔵の酒はお気に召したようだ。

    「ならばまずは私から。カルデアでは古今東西様々な英霊と出会い語らう事が出来る。それは己の見聞を広める事にも繋がる。何が言いたいかというと
    ────かの牛若丸が女性[にょしょう]だとは夢にも思わなかった!」

    はははと笑い宗茂もまた酒を飲む。喉に残る酒精を感じながらも二杯目を注ぐ。

    「次は忠勝殿の番だ」

  • 364ディック2019/12/06(Fri) 23:37:09ID:k2MTM0MDI(4/14)NG報告

    >>362
    絹のような柔肌を桃太郎は無遠慮に掴んだ。それはまるで鬼を滅ぼした斬魔の太刀を手にしたように……
    「わたくしに触るんじゃあない!」
    心を許してもいない男に触られる屈辱にランドグリーズは怒りを露にする。
    臓物が破裂しそうな速さで素振りをされるランドグリーズは、器用なことにその体勢でルーンを描く。動いている状態では虚空にルーンは描けない。しかし、自分が手に持っている武器ならば可能である。手斧にルーンを描き、その斧を地面へ叩きつける。
    「ぬぅっ!?」
    地面が沼のようになり、桃太郎は虚をつかれる。いかに桃太郎が膂力に優れようとも、脆く不安定な足場であれば踏み込みも満足にはできない。
    「っし!」
    桃太郎の手からすり抜けたランドグリーズは桃太郎から、距離を取る。沼のように不安定になった地面も既にもとに戻っている。
    「ぶっ潰すぞ!」
    ランドグリーズは両手で鎖を操り、手斧と鉄球による縦横無尽な攻撃を繰り出す。ルーンによる強化もあって怒濤のような猛攻をしかける。
    「おお、その武器を手足のごとく扱える腕力、たおやかな肢体でこれ程の身軽さ俊敏さ、信じがたいな!」
    至近距離に迫った棘付鉄球に、横なぐりの一刀を叩きつけた。異様な音を発して鉄球がすっ飛び、返す刀で桃太郎が刺突を繰り出すも斧が右上方から迫り、あやうく右肩から左脇腹まで斬り裂かれかける。
    「ちぃっ!」
    忌まわしげに舌打ちするランドグリーズ。
    桃太郎は斬魔刀を垂直に振り下ろし、水平に薙ぎ、斜めに払い、それらの連続した動作で銀の暴風と化した戦乙女の攻撃をいなしてみせた。撃ちかわされる刀の響きが、桃太郎の耳を乱打した。
    彼の刀が温羅を倒した逸話から始まる数多の鬼退治の逸話を一つに纏め上げた太刀型宝具であるように、彼女の武器も宝具でこそないものの、尋常ならざるものであった。高純度の魔銀(ミスリル)で斧だけでなく鎖や鉄球も作られているのだ。
    「ああ……やはり其方は佳いな。吾の眼に狂いはなかった」
    桃太郎は自らすすんで、ランドグリーズの間合いに身をさらした。十数合にわたって、刃鳴りがつづき、火花が散乱した。周囲の本棚や卓や椅子は木っ端微塵となる。
    「惜しいですね。技に人徳がともなわなかったようですね」

  • 365火属性の人◆2qny/qsKfA2019/12/07(Sat) 00:07:09ID:E3NzAyMzU(12/13)NG報告

    >>363
    「そうさなぁ。俺としても実は女子だったという連中には何度も驚かされた。平安最強の神秘殺し、大江山の悪鬼羅刹、それにあの二天一流だったか? あ奴は色々事情が異なるそうだが、初めて会った時は世の数奇というものを噛み締めたものよ」
    「はは、それはそれは」
    「だがまぁ――――それもこれも、あの第六天魔王と再会した事に比べればたかが知れていたがな!」
     ガツン、と忠勝はぐい飲みを叩きつける。
    「あの小娘ぇ……生前からして高い声だと思っていたが、よもや真に女子だったとは……」
    「ずいぶんと思う所があるようだな」
    「思うも何も! 戦国の頃よりあ奴とその取り巻き共にどれ程我が主が振り回され、御心を砕かれた事か! 味方であった事こそ安堵するが、何かの間違いでもし敵に回ったらと思うと夜も眠れなんだわ……!」
     余りの変わりように、宗茂も流石に顔色を変える。
     具体的に言うと「あ、ヤバい。地雷踏んだわ」といった感じにである。
    「ま、まあ何だ。信長公の話はその辺で良かろう。それに、女子の大名と言えば何も信長公に限った話でもあるまい。信濃の軍神や奥羽の独眼竜も同じだろう?」
    「むう……それは、まあ確かにだな」
    「世界には強い女子が多いというものかもしれん。そう思えば、我らが日ノ本の英雄に女子が混じっていてもおかしくはあるまいよ」
    「……お主が言うと妙に説得力があるな。細君の影響か?」
     さてな、と宗茂は笑って受け流す。
     忠勝もそれ以上問い質すことはせず、この話題は自然と流れていった。

  • 366リドリー陣営2019/12/07(Sat) 03:59:12ID:U0NDE0NzE(41/41)NG報告

    >>364
    「人徳に対しては思うところもある。……………だが、今はよしておこう」

    桃太郎はランドグリーズの前に立ち、構える。自らの神秘ゴロシ、規格外の筋力、そして桃の聖により魔刀に圧力をかけ、極大の呪いを弾き飛ばす!

    これぞ温羅コロシ!解き放たれた呪いは光線となってランドグリーズの逃げ道を塞ぎ襲いかかった!

  • 367亥狛の人2019/12/07(Sat) 09:01:13ID:Q5MzAwMjg(1/5)NG報告

    伏神四日目、投下します!

  • 368亥狛の人2019/12/07(Sat) 09:01:35ID:Q5MzAwMjg(2/5)NG報告

    四日目、午前十時。

    冬の伏神は曇天。
    何処までも広がる灰色の空は寒さだけでなく気怠さを運んで来るようだ。
    女魔術師シスカ・マトウィス・オルバウスは緩慢な動きで珈琲を口に流し込んだ。
    いつも通りの遅めの朝。だがしかし今日ばかりは怠慢な彼女ではいられない。
    つい先刻人と会う約束を取り付けたのだ。
    スマートフォンの画面には通話履歴がずらりと並び、その一番上に『朽崎家 当主』という名前がみえる。
    「さて、退屈凌ぎに御三家の顔でも拝みに行こうかと連絡したは良いものの……約束を取り付けた途端に面倒臭さを感じてしまうのは一体どんな理屈なんだろうな」

  • 369亥狛の人2019/12/07(Sat) 09:02:09ID:Q5MzAwMjg(3/5)NG報告

    >>368
    んー、と背筋を伸ばす。飲み終えたコーヒーカップにまた更に淹れたての一杯が注がれた。
    彼女が入れたのではない。彼女の魔術をふんだんに使った全自動珈琲精製器がそうしてくれたのだ。
    ガラスと真鍮製の魔道具はプスプスと蒸気を噴霧し、水飲み鳥の要領で適量の珈琲が注がれる。さながら怪しい科学者が徹夜明けに織り成す朝の風景か、B級スチームパンク映画の一幕か。
    「よし、これを飲んだら行こう。決めた」
    本日三杯目。余所行きのモードに切り替わるまでに相当な時間を必要とする彼女であった。


    外はもうすっかりと日が昇り、社会人は齷齪と額に汗をし生産的活動に勤しんでいた。そんな中を悠々と歩く、向かう先は朽崎が指定した喫茶店だ。
    煉瓦造りの歩道をヒールが叩いて、軽快な音とともに魔術師が行く。
    指定された喫茶店は昨今人気の長ったらしいカロリーの化け物飲料を提供するような雰囲気とは無縁の、古めかしくも洒脱な店だった。

  • 370亥狛の人2019/12/07(Sat) 09:02:42ID:Q5MzAwMjg(4/5)NG報告

    >>369
    「如何にもナポリタンとか出しそうな………ま、私は別にどっちのサ店も嫌いじゃないけど」
    店先を覆うようにして生えた植物に、店の扉へと続く石畳の道。それらを横目に扉を開くと、何とも趣のある空間が広がっていた。
    喫茶店の店主と思しき御老人はこちらを見ると、ごく小さな挙措で指定されたテーブルへと案内してくれた。
    恐らく朽崎の当主が席を予め確保しておいてくれたのだろう、何ともいじらしいじゃないか。

    適当に温かい珈琲を頼んで腰を落ち着ける。
    本日四度目の珈琲。
    カフェイン中毒になりやしないかと人狼に心配されるが、この程度で中毒は言い過ぎだと毎度反論している。
    知り合いのアメリカ人は水分補給は全て珈琲で賄ってるというのに、とも。
    だがそう言うと「屁理屈をいうな」「ンなわけないだろ」と一蹴され借りてきた猫のような気持ちになるのは毎度ながらの恒例だった。

    なので、あの小煩い狼人間が居ない時間を見計らってこうして珈琲を堪能する他にない。

  • 371亥狛の人2019/12/07(Sat) 09:03:05ID:Q5MzAwMjg(5/5)NG報告

    >>370
    芳醇な豆の香りを存分に堪能していると、待ち人はふらりと現れた。
    「いやぁ、お待たせして申し訳ないです」
    「いいのいいの。此処の珈琲美味しいから、この味に免じて許そうじゃないか。
    というか、こっちも急に呼び出したんだから言いっこなしだろ」
    空になった器を揺らして応じる。
    何も知らない外部の人間からすれば妙齢の外人と大学生の待ち合わせにしか見えないだろうが、蓋を開けてみれば魔術師同士の会談だ。
    どちらも真っ当な魔術師とは程遠いから本来のおどろおどろしい雰囲気とは無縁だが、曲がりなりにも魔術師である。
    必然的に空間はひり付く。

    シスカは店に他の客が居ない事を確認すると。
    「んで、どーだい近況は。なんか最近好い事あった?」

  • 372伏神アサシン陣営2019/12/07(Sat) 16:48:52ID:QzMDcwNjM(6/7)NG報告

    「やった、やったぞ、やってのけたぞ」

    アサシンは未だに刺した感触の残る掌を開閉させじっと見つめる。
    下から聴こえる喧騒は意識の外だった。
    心臓がいつもより熱を持って跳ねる。
    自分でもまさかここまで上手くいくとは思わなかった。
    きっかけはふとした事だ。ただ手頃そうな標的を求めて街を眺めていたら美人なカップルがいたから襲った。
    それだけだ。まさか男の方がサーヴァントだとは思わなかったし、女の方がマスターだとはもっと思わなかった。
    だが、現実は至って冷静で表情を変えない。

    「ふふふふふふふふふふふふふふ」

    マスクの下から、籠った女性の引きずる様な笑い声が漏れる。
    自分は最早知名度の無い、マイナーな犯罪者では無い。
    怪人だ。
    人を襲い、民衆を恐れさせ、正義の敵となる。
    今の自分はいつだったか憧れた怪人そのものだった。
    挨拶がわりにほんの少しだけ散布させた毒ガスに混乱は止まらない。
    たった少量であれなのだ。宝具を開放した暁には自分は世界の覇者になれるのではないか。

  • 373伏神アサシン陣営2019/12/07(Sat) 16:50:34ID:QzMDcwNjM(7/7)NG報告

    「ひゃっひゃっひゃっひゃっ!!いひひひひひ!!!」

    そんな傲慢で低俗な仄暗い喜びがアサシンの頭の中を占め始める。
    ふと、あのサーヴァントを殺した手が視界に入った。
    手は、どこか揺らいでいて、ザザッと砂嵐が入った様に見えた。

    「………?」

    興奮に体を支配されすぎたせいでそう見えたのだろう。
    そう結論づけるとアサシンはマスターと思われる女を肩に乗せると、名残惜しそうに事件現場を見下ろしてから高笑いを残して飛んで行った。

  • 374ディック2019/12/07(Sat) 18:20:48ID:gxNjA1Njk(5/14)NG報告

    >>366
    「───いい加減に、しろぉぉっ!」
    グリムゲルデはランドグリーズと桃太郎がぶつかり合うちょうど中間へ、空中から地上に向けて竜巻の様に斬りつけた。
    破魔の閃光を無数の剣戟で切り裂き霧散させ、魔銀の斧を受け流し、返す刀で鉄球を弾いた。
    二刀のセイバーにふさわしい、二つの神剣を左右異なる精密動作で剣技を振るった。
    「何者か?」
    「グリムゲルデ!」
    桃太郎の誰何には、本人の意図せずしてランドグリーズが答えた。
    「あなたたち、いい加減しなよ。二人がぶつかったせいでシュミレーターに不調が起きたって、ミケランジェロとドミニクが怒ってる」
    シュミレーターの故障に対応するためにも、まずはその原因であるランドグリーズの神気と桃太郎の闘気を鎮める必要があったので、マスターの藤丸立香からグリムゲルデは頼まれたのだ。
    グリムゲルデは怒るランドグリーズが怖いが頑張ったのだ。
    「そうですか、マスターにまで心配させてしまいましたか……」
    ランドグリーズはそう言うと苦虫を噛み潰したような顔で押し黙る。武器も既に構えてはいない。
    マスターである少年に仕えることを存在意義と定義するランドグリーズにとっては、些末な事で彼に迷惑をかけてしまうのは決して本意ではなかった。

  • 375ディック2019/12/07(Sat) 18:20:59ID:gxNjA1Njk(6/14)NG報告

    >>374
    「すみません、グリムゲルデ。あなたにも迷惑をかけてしまいました」
    「───気にしないで、だけどマスターたちには謝っておいたほうがいい」
    「それもそうですね。……けれど、まずは私室に戻らせてもらいます」
    「私室に?」
    「ちょっーと、サンドバッグに用事がありまして……ホホホホ♪」
    (サンドバッグに……?何故……?)
    わかないままグリムゲルデは承知して、ランドグリーズを見送った。
    戦乙女のやりとりを見守っていた桃太郎はグリムゲルデに視線を向ける。
    「其方の剣技、お見事也。故に」
    「素振りなら一人でやりな」
    桃太郎の誘いを最後まで言わせずに、グリムゲルデはにべもなく言い捨てシュミレータールームから出ていった。

    以上です

  • 376九終狂陣営【大罪戦争ss】◆H2jQDESDK22019/12/07(Sat) 23:00:18ID:EwMzc1MTI(6/7)NG報告

    >>365
    次の話題をとなったので今度は宗茂が頭を捻る。

    「次の話題はそうだな…お互いの第一印象などはどうかな?」
    「ほう、それはいいな」

    忠勝は既に大分酔いが回っているのか抑揚に頷き初めて会った時の記憶に思いを馳せる。

    「そうだな、俺から宗茂殿への第一印象を述べるなら『一見人当たりの良い青年に見えるが、内から底知れぬ鬼気を感じる』と言ったところか」

    それを聞いた宗茂は軽く吹き出してしまう。鬼気ときたか!とこちらもまたややテンションが高めである。

    「私からの忠勝殿への第一印象はあれだな、『噂に違わぬ覇気、まるで鞘に収められた太刀の如し』だったよ。お互いの第一印象をまとめると────」

    「「こいつ、出来るな!」」

    同時に同じ事を言った二人は再び堰を切ったように笑い合うのだった。

  • 377火属性の人◆2qny/qsKfA2019/12/07(Sat) 23:04:53ID:E3NzAyMzU(13/13)NG報告

    >>376
    「いやしかし、お主が持ってきた酒は実に美味い! 見た所日ノ本の酒に見えるが、一体どうやって手に入れた? よもや越後の竜からくすねてきたとかではあるまいな」
    「まさか。左様な士道にもとる真似はせんよ。こいつは正真正銘、このカルデアで造られたものだ」
    「……造られた?」
     予想外の言葉に、忠勝は酔いも忘れて宗茂を見つめる。
     すると宗茂は悪戯っぽく笑い、由来を明かした。
    「ご存じだろう? このカルデアにはあらゆるサーヴァントが召喚されている。我らのような武勇に長けた者、執筆や絵画、その他創作活動を生業とする者、そして――酒にまつわる逸話を抱えた英霊たちも」
    「おい、それはまさか」
    「察しが良くて何より。この施設、どうやら我々が想定している以上に空き部屋の類が多いそうでな……一部の連中が、そこにつけ込んでこっそり完成させたのだそうだ。すなわち、醸造所というやつを」
     さしもの忠勝も唖然とし、宗茂の言葉を反芻する。
     まさか自分が与り知らぬ間にそんな壮大な計画が進められていようとは。呆れるべきか驚くべきか、忠勝は同じ英霊たちの所業に心底絶句した。
    「で、だ。どうせ造るならと、連中あらゆる酒造りに手を出してるらしくてな。今回の酒盛りに当たって、その内の一本を頂戴してきたというわけだ」
    「なんとまあ……」
     思わぬ出所に驚いたものの、酒が美味いことに変わりはない。
     辛口ながら濃厚な味わいと、舌に残る米の香り。かつて慣れ親しんだものとは大きく異なるが、それでもその味わいは在りし日を思い出せてくれる。
     異邦の地で味わう故郷の酒。その感動と喜びと数奇さを噛み締めながら、忠勝はさらに景気よく酒を飲み干した。

  • 378九終狂陣営【大罪戦争ss】◆H2jQDESDK22019/12/08(Sun) 00:25:35ID:kxNjAxMjg(7/7)NG報告

    >>377
    東西問答が始まって1時間。そこには完全に出来上がった酔っ払いが二人居た。

    「いやぁしかしこの葡萄酒は美味い!家康公も飲んでいたと言うが素晴らしい舌をお持ちのようだ」
    「そうだろうそうだろう!酒は百薬の長と言う。他にも大御所様は食事や薬など、健康に気を使っておられてな!」

    忠勝の長くなる話を肴に宗茂は更に酒を注ぎ飲んでいく。途中で酒が足りないからと追加で酒を調達して来ていたのだ。酔った男二人、砂漠の女王にはさぞいいカモであっただろう。
    閑話休題
    ふと二人はある話題に行き着く。『東国無双と西国無双、どちらが強いのか』である。しかしこの話題は生前から幾度か繰り返された話題でありその度模擬戦をしていた。結果は…ここでは敢えて言うまい。

    「そうだ、久し振りに手合わせしようじゃないか!」
    「望むところ!此度の召喚は弓兵なれど、剣の腕が落ちた訳ではない」

    忠勝が蜻蛉切を手に取り、宗茂は雷切を抜刀する────レクリエーションルームで
    そして

    「止めんか馬鹿共!!」

    雷が落ちた。

  • 379一般通過フォーリナー◆gmmefYfW/o2019/12/08(Sun) 00:53:14ID:IyOTY0NjQ(1/3)NG報告

    第■回投下いたします。
    長らくお待たせしました、申し訳ありません。

  • 380一般通過フォーリナー◆gmmefYfW/o2019/12/08(Sun) 00:53:25ID:IyOTY0NjQ(2/3)NG報告

    「あー……いや、あたし達そこのキャンプ場で昼飯食べてただけなんだけど……(山火事って、もしかして………………?)」

    「(《恐らくはその時の煙だろう。マスター、どう対処する?彼の連れているサーヴァントの実力次第では、私はここで脱落になるぞ……》)」
    「(でも、向こうはやりあう気は無いッぽいし…………別に戦わなくていいんじゃない?)」


    「…………聞き間違いじゃ無かったらいいんだけど。この子たち『さっきキャンプ場で昼食を食べてた』って……」
    「……私も聞きました、嘘は言っていません……(脈拍・筋肉の駆動・発汗、どれも正常でした)」
    「………………つまり、僕の早とちり?」
    「……………………そうなりますね」


    「「……………………………………」」
    無言。
    気まずい雰囲気が、両陣営の間を流れた。

  • 381一般通過フォーリナー◆gmmefYfW/o2019/12/08(Sun) 00:54:38ID:IyOTY0NjQ(3/3)NG報告

    >>380
    この後

    ・昼食食べて無くて腹がグーグーへりんこfireなハリーくんに、残り物で銀河がご飯やらサラダやら味噌汁やら鮭の塩焼きやらを作る。
    ・ハリーくんが『youはどこから会場に?(意訳)』と質問し銀河が「実家の虚神町から、徒歩で」と解答。
    ・会話を盗み聞きしていたマリアが計算してみると『通常、徒歩だと最短でも6時間以上かかる』と解が出て『彼女は、何かしらの魔術を使えるのかもしれない』とハリーくんが推測する。
    ・女子小学生をほっとけなかったハリー君が同盟の提案、渡りに船とばかりに銀河が乗っかる。

    以上の展開を踏まえて剣陣営と同盟を結びます。

  • 382ディック2019/12/08(Sun) 10:23:45ID:Y3MDc3MzY(7/14)NG報告

    >>378
    「彌七郎、平八殿」
    雷鳴のごとき一喝の後の言葉は静かな、重く響くものだった。忠勝は声の主を確認するために振り向いたが、宗茂は先程までの高ぶる覇気は霧散しており、ゆっくりと振り向いた。その態度はまるで悪戯が厳格な父親にバレた少年のようだった。
    「道雪殿……」
    「親父殿……」
    宗茂は自分よりとも年下と見える青年の登場ですっかり畏縮している。それもそのはずで彼こそは立花宗茂の養父である立花道雪であった。
    「俺はよい息子を持ったものだ。酒に酔って腕力沙汰を起こすなど、勇気と義侠心のない者には、とうていできぬことだからな」
    道雪の毒舌は、息子にたいして厳格すぎるものであったかもしれない。宗茂は悄然と項垂れる。道雪の厳しい教育を受けて育ったことで晩年になっても養父には頭が上がらなかった。
    「面目次第もありません……」
    「道雪殿、この酒盛りも、立合いを誘ったのも俺なんだ、どうかそのくらいで」
    朋友のあまりの撃沈ぷりに思わず忠勝は仲裁をいれようとする。
    「……戦うのは構わんが、立合いたいならばシュミレータールームを使え。子どものサーヴァントもおる故に酒に酔った腕力沙汰を起こすのが日本武士(ひのもとさぶらい)だと思われるのも困るからな」
    「はい、そうします」
    忠勝と共に宗茂も頷く。
    「あの……それで、親父殿はなぜここに……?」
    「ああ、よい清酒を作ったのでこれを手土産に将門公や大嶽丸と飲み会をしようと思っておったのだ」
    平将門と大嶽丸が道雪の呑み仲間だということは宗茂も知っていた。酒豪でも倒れるほどの信じがたいほどの量の酒を延々と飲み続ける地獄のような飲み会だ。
    その飲み会を知った宗茂は「魔の宴だ……」と恐れおののき巻き込まれることのないように避けていたのだ。
    「俺のことはよい。立合いをするというならば、彌七郎、東国無双と立ち合える機会などそうはないのだから存分に楽しむがよい。──わかっているな?」
    負けたらわかっているよな?という、養父の心の声を聴いてしまった宗茂は負けられない理由が出来てしまったと、さながら出陣するときのような胴ぶるいを覚えた。

  • 383ディック2019/12/08(Sun) 20:31:48ID:Y3MDc3MzY(8/14)NG報告

    フランス特異点投稿します。

    「……いかんな」
     ルイは崩された体勢を、全身に力を入れて無理矢理に立て直す。魔力を身体中に漲らせて炎を放出する。
    「―――おぉっ!」
     爆発的に放射される火炎。ルイから光の瀑布となってそれは周囲を埋め尽くす程の数多の炎の斬撃に転じ、カルデアの面々を襲う。
    「―――ぬぅっ!」
     鉄すら溶かす炎熱の奔流にも、臆せず寺田の双眸は凄まじい殺気と血光を放っていた。
     寺田は信じられぬほどの跳躍力をもって、空へ上がり空中で身を翻しながら風の中で回転して、旋風を巻き起こすような無数の斬撃をもって炎熱を斬り裂き、後方にいるマスターたちを守り、立香は余波で数メートル後方へ飛ぶだけで済んだ。
     ルイは再び炎を物体として具現化することで欠損した指を形成する。剣を握り魔力を通わせ技を振るう。切り上げるように振るう剣から三連の斬撃を放ち、巨大な業火の斬撃が寺田だけでなく後方の立香まで迫るように奔る。
    「ぬぅっ」
     あろうことか、寺田は立香を駆け寄り、彼を蹴り飛ばした。さっきまで立香がいたところへ炎の斬撃が迫っていた。もしも寺田が行動を起こさなければ立香の冥界へと旅立っていたことだろう。
    「しっっ!」
     寺田はマスターを蹴り飛ばした体勢から転じて、衝撃を伴った強烈な斬り上げでルイを弾き飛ばした。
     一方―――
    「ぐふぅっ!?」
     唐突な寺田の行動と痛みで思考停止した立香が吹っ飛ばされる。
    「!」
     珍しく困惑した厩戸皇子がマスターであろう少年を受け止める。少年の体重と加速でました衝撃に、太陽王との戦いで疲弊した厩戸皇子は思わぬ激痛に苛まれる。
    「っ……!」

  • 384ディック2019/12/08(Sun) 20:33:18ID:Y3MDc3MzY(9/14)NG報告

    >>383
     思わず顔を顰めたくなるところを根性で堪える。痛みに呻くなど、ましてやうずくまるなど、彼の矜持が許さなかった。
    「あ、ありがとう……。大丈夫です……か?」
    「問題ない……」
    「いや、でも……」
    「問題ない」
    「あ、はい……。う、うん。ありがとう……」
    「気にするな。それにしても、あいつも無茶をする……」
     立香を介抱しつつ、厩戸皇子が寺田とルイの戦いに目を向ける。甚大苛烈な、力の奔流が吹きすさぶその戦いは、まるで炎と炎のぶつかり合いだ。
     立香が厩戸皇子の肩に触れる。そうすることでカルデア礼装が起動する。
     藤丸立香が斬る制服はカルデアの技術の粋を集めたもので、それを着れば立香のような魔術が使えない者でも魔術が使えるのだ。そして今回立香が使う魔術は“回復”。
    「おお、大義である」
    「痛みはどう?」
    「ああ、よく効いている。星見台の魔術師どもも大した技量だな。斯様な礼装を作るとは」
    「この礼装なら俺でも傷を治せるんだ。……あんまり大きい怪我だと俺の体力が激しく消耗するらしいけど」
     この礼装は潜在能力の一時的な引き上げに過ぎない前借なのだ。この魔術を使ったことで立香は精気を抜き取られることで疲労感と虚脱感に襲われる。
    「徒人に術を使わせるならばさもありなん。もう回復は充分だ」
     少年の疲労を見抜いた厩戸皇子そう言って立香の回復を中断させる。自分と寺田との契約でただでさえ神秘に触れることに慣れない立香の心身には負担を強いている。それをより重くすることは避けたかった。
    ルイと寺田の戦う渦中へ向かおうとする厩戸皇子の袖を立香が掴む。

  • 385ディック2019/12/08(Sun) 20:35:05ID:Y3MDc3MzY(10/14)NG報告

    >>384
    「太子様、この礼装には回復以外にも効果があるんだ。この魔術礼装を使えば……俺も、太子様の役に立てるよ……」
    「卿は充分役に立っているよ。魔力を尽くして私を現界せしめるもてなしぶり。近侍としてその忠勤まことに大義であるぞ」
    「それじゃあ足りない!」
     立香は自分でも信じられないくらいの声量だった。ルイの威風を浴びて四肢は震え、胆が冷える思いをしたが、それでも言わずにはいられなかった。
    「ラ・シャリテでは大勢亡くなったのに何もできなくて……、リヨンでもこれじゃあただの案山子だ!言われるがまま契約して、言われるがまま戦いを傍観して……それで平気なわけないじゃないか」
     立香は重くのしかかる疲労感を気合いと握る拳の痛みで堪える。
    「卿は勇敢だな。恐怖に震えながら、尚そのようなことを言い出すとは」
    「太子様や寺田さんがいるから何とかなるかなって……。情けないです、戦っているのは太子様達なのに」
    「それがサーヴァントというものだ。気に病むことはない」
    「それに、どうやら俺は怒っているみたいです」
    自分がフランスに来て抱いた悔いは、迷いは、何のためにあったのだ?
    「そうか、怒っているのか」
    厩戸皇子は微笑む。
    「ならば、その怒りは私が卿の代わりにあの王に届けてやろう。『こんチクショウ!ふざけるな!』とな」
    「え、いや、そんな……。というか口調でしたっけ?」
    「は、は、は、は、は」
    厩戸皇子は微笑むだけで答えない。
    「私は卿の剣だ。君がやるというなら否応なし。できる限り私は力になろう」

  • 386ディック2019/12/08(Sun) 20:36:38ID:Y3MDc3MzY(11/14)NG報告

    >>385
    ◇◆◇

    (これは……)
    ルイはセイバー二人を相手にして違和感に気づいた。
    厩戸皇子と寺田宗有。セイバー二人は交戦を続けることで互いのリズムや太刀筋を覚えて順応しはじめたのだ。順応するようになればコンビネーションによってルイを追い詰めようと動き始めた。
    ルイにしてみれば一方のセイバーに対応しつつも常にもう一方のセイバーへ気を配らなければならないのだ。いかに太陽王の持つ魔力が膨大であっても二人に分裂することはできない。
    (それでも、我(フランス)にはその刃は届かない!)
    精鋭たるセイバーたちの攻撃を近づけないよう、炎の刃で距離を取りつつその業火で押し切ろうとする。魔力のバックアップが万全であるルイだからこそできる戦法だ。
    (炎の刃、攻め難し!)
    厩戸皇子や寺田にしても依然としてルイの怒濤の連撃にはつけ入るのも困難であった。炎の刃は揺らぎ、大きさ長さは常に変化する定形ではないが故に慎重に見極めなければ、避けたつもりの攻撃を受けてしまう。
    だからこそ、厩戸皇子は法術を使うタイミングすら与えてもらえない。
    「そろそろ、終演にしよう!」
     ルイが剣を斜めに一閃する。剣閃に沿って魔力放出(炎)が炎熱の刃となる。宝剣の一振りで広範囲かつ縦横無尽に無数の斬撃を放つ。
    「がぁっ……!」
    一瞬のうちに全方向に放たれるこの斬撃を全て見切ることもかなわず、寺田は炎に呑まれ爆発したのである。
    「寺田っ!」
    「俺に構うなぁぁ!」
    厩戸皇子とて例外ではない。見切ることはおろか間合いの外に出ることすら困難な炎の檻。大気が激しく振動し、閃光によって漂白された直後、オレンジ色に輝いた。
    立香は自分のサーヴァントの生存をパスによって知覚している。だからこそ、迷わず礼装を使う。

  • 387ディック2019/12/08(Sun) 20:37:44ID:Y3MDc3MzY(12/14)NG報告

    >>386
    「礼装起動(プラグセット)!危険回避(バック・ブリンク)!」
    鳴動と爆風により視覚と聴覚が混乱するなかで、ルイは自分に向けて光とも影ともつかぬ存在が襲いかかってくるのを、ルイの瞳に映し出した。
    「……!?」
    ルイは虚をつかれ瞠目する。七星剣を持って迫る厩戸皇子が現れた。
    「礼装起動(プラグセット)!瞬間強化(ブーステッド)!」
     立香は身体を苛む痛みを無視して礼装を連続使用する。厩戸皇子は全身に力が漲ることを知覚する。
     この力は一時的なものでしかない。それも一分も持たないであろう。
     厩戸皇子は駆ける。一足跳びで今まで越えられなかった距離を越える。彼は再び太陽王へ迫る。
    「はっ!」
    鉄をも断つ気勢の声。
    ルイは狼狽する。先程の会心の一撃によって、欠損した身体を補う分を除けば、彼が統制できる魔力はほとんど使い尽くした。技はでない。
    しかし反応する。宝剣を握り直し、そこで気付く。身体と炎でつくれれた義体との動きに僅かなズレがあることを……
    両人ともに、時間がゆっくりと進んでいるように感じた。
     寂寞たる時が流れた。
    その静寂な世界に在って、対峙するふたりの満面からは血の気がひいて、生きながらにすでに死相を呈している。ふたりの視覚、聴覚―――あらゆる感覚からは眼前の相手以外はすべて消え失せた。
    二つの剣尖に、陽光が妖しく描く二つの光芒が交わった。
     その二つの光芒が、チカッとはねた。立香の眼には、光の輪が広がって交錯したのが灼きついた。
     立香がハッと眼をこらしたとき、厩戸皇子とルイは、依然として刃を青眼にかまえたまま相対していた。
    胴斬りされたルイは赤い霧風のような血しぶきにくるまれている。―――が、その血の霧風が去ったあと、銅像のごとく以前としてそこに立ったままのルイの姿が見られた。

  • 388ディック2019/12/08(Sun) 20:40:36ID:Y3MDc3MzY(13/14)NG報告

    >>387
    肩より斬りつけられた袈裟斬りによって霊核が割断されてしまったが、それでも斃れず立っているのは王者としての矜持ゆえに成せたことだった。
    構えたままのルイの剣が、しだいに浮動しはじめた。剣尖が下がりかけては、またわずかに上がる。それだけの動作が、今のルイには数トンもある物をあげるより大苦闘であるらしく、そのひたいに脂汗がひかり出した。
    「太子様!」
    負傷した寺田を介抱しながら、立香が厩戸皇子を見てあえいだ。
    「騒ぐな、負傷したのは私だ、卿ではない」
    厩戸皇子は、このようなときに、片手で乱れた髪を撫でつけた。冠が無くなっていることにようやく気づく。
    「マスターの仕事に、サーヴァントに代わって悲鳴をあげるというものはなかったはずだぞ」
    日出処の天子は、苦痛よりも繁雑さにたえる表情で、自分の状態を確認する。黄丹の袍は緋色に染められていた。噴き出る血が、このとき白い細袴を伝い靴先まで達して、地面にしたたった。
    背中にある無数の切り傷も、背筋が収縮するまでの短時間に、背面に緋色の滝を作っている。
    厩戸皇子はルイへ語りかける。青ざめた、だが不遜なほど平静な笑う。
    「太陽王、私は最後に問いたい。卿は理性と良識に富んだ人物だと思っておったのだがな」
    「恐縮だ」
    「だからこそ、このような愚挙に参加するとは、理性も良識も居眠りしているとしか思えなんだ」

  • 389ディック2019/12/08(Sun) 20:41:07ID:Y3MDc3MzY(14/14)NG報告

    >>388
    長くなりましたがここで終わりです。アリウムさんよろしくお願いします。

  • 390レモネードランチャー【onSTAGE&島狂代行】◆O0PRisauvg2019/12/09(Mon) 20:21:57ID:kyMjA0MTA(1/9)NG報告

    西暦20XX年。日本の関西近畿地方で……何度目か数えるのも馬鹿らしくなる聖杯戦争が執り行われる事になった。
    私にとっては待ちに待った千載一遇のチャンスだったし、今まで築いてきたコネと資産を投げ打ってでも掴み取る価値のあるモノだった。
    右の手の甲を摩る。それはあの日から染み付いてしまった癖だった。彼を想う時、ここに繋がりの証が刻まれていたのだと縋りたくなる時の

    時計塔からの推薦枠のマスター候補として異邦の地に降り立った私は……有り体に言って道に迷ってしまった。

    (東雲邸ってどこにあるのよ…ニホンの地図難し過ぎない…?)

    そんな最初の一歩を踏み出す前に窮地に陥った私は偶然ある少女と出会った。

    「ありがとう。とても助かったわお嬢さん。私の名前はジゼル、ジゼル・G・ウェントワース。お礼にコーヒーでもご馳走したいのだけど」

    途方に暮れていた私に親切にしてくれた彼女の名前は…

    ーpass

  • 391ガイ・フォークス2019/12/09(Mon) 21:00:41ID:Y4NzgyMDQ(1/4)NG報告

    >>390
    「久しぶりね、ライノ。できればこんな形で会いたくはなかったのだけれど・・・・・・」

    レアちゃんに会いたい。その一心で痛む体を引きずっていた私に、そんな言葉が投げかけられました。顔を上げると、そこにいたのはこの町では珍しい栗毛をした女の人。外国の方です。どこかで一度あったような――
    思い出そうにも、頭の中は濃い霧がかかったように霞んでいてはっきりとしません。まるで夢の中みたいです。
    私の沈黙をどう受け取ったのか。女の人は言葉を続けます。

    「『バル・ブライア』。あそこね、気に入っちゃって何度も足を運んだわ。食事はおいしいし、店長は・・・・・・その、独特な感じだけれども・・・・・・慣れるととってもいい人よね。紹介してくれたの、覚えているかしら」

    ――ああ、思い出しました。
    ジゼルさん。日曜日、住宅街で地図を広げて右往左往していた人。てっきり観光かと思って町の中心地を案内したら、本当はレアちゃん家に用があったみたいで、かえって遠回りになっちゃったんだっけ。それでもすっごく喜んでくれて・・・・・・
    ふっと目の前が明るくなったような感覚。わずかなきっかけに連鎖して、つい数日前の記憶が蘇りました。

    ◆◆◆◆◆◆

    「私は下畑来野っていいます!いいんですか?やったー!喫茶店なら、私、実はとっておきの場所を知ってるんですよ!」
    ――pass

  • 392ガイ・フォークス2019/12/09(Mon) 21:19:11ID:Y4NzgyMDQ(2/4)NG報告

    >>391
    ◆以降の部分を以下のように差し替えでお願いします。


    すっごく優しくて良い人で、彼氏さんに会うために頑張っているオトナの女性で――
    そんなジゼルさんが、半壊したレアちゃんの家の前で、私を拒むように立ちふさがっていた。

  • 393レモネードランチャー【onSTAGE&島狂代行】◆O0PRisauvg2019/12/09(Mon) 21:48:42ID:kyMjA0MTA(2/9)NG報告

    >>392
      バーサーカー陣営を排除せよ
    招集に応じなかった1人を除く、私を含めた3人のマスターは市の主だった場所で待ち構える事となった。
    人払いの結界があると言っても過信は出来ないというのもあるが、疑心暗鬼にならざる得ないこの伏神市の現状で共同戦線を張るのは難しという方が大きい。
    秘された八騎目……否、初めのサーヴァントの存在は監督者の信用を欠くには十分過ぎる要素だった。それで3人も集まったのだから御の字だろう。
    セカンドオーナーである東雲邸の前で対象がやってくるのを待つ。待つ。待つ。待、来た。
    アーチャーが仕掛けたトラップを物ともせずバーサーカーと、そして

    「久しぶりね、ライノ

    ◇◇◇◇◇◇

    口を動かしながら手も動かす。
    袖口から零れ落ちた水銀のようなナニカ。魔術礼装[マーブルガム]は滴り落ちながらその一粒一粒が回転し色を変え、次第に私の周囲を取り囲む様に宙に浮き公転軌道を始める。
    それは銀の月、赤き火星、青い水星……星々の似姿が擬似天体を構成し───

     アナタを止めに来たよ」

    魔力によって生み出された炎が、水が、雷が、風が、土が少女に襲い掛かる。
    ーーーpass

  • 394Requiem◆B8D4AQBhU22019/12/09(Mon) 22:03:03ID:AwNzQ3OTU(1/3)NG報告

    >>371
    なんというか。こういった年上な女性と間近で話すのはかなり緊張する。
    いや、母を思い出してやりにくい、が適当か。勿論やり様はいくらでもあるが、心情と行動は別な訳で。
    更にはサングラスで目が見えないから『ウチの事情なりを見透かしてきそう』などと想像をしてしまったり。隠し事をしてる以上、この女性との”お話”は最大限の注意をしてかかる必要がある。「オタクから預かってた聖杯、壊しちゃってましたー!」なんてバレたら面倒だし……。その場合聖杯戦争で彼女のチームが有利になるような協力をする事で許して貰おう。いけるか?無理なら無理で仕方ない。そもそもシスカさんとこが勝てばほぼ確実にバレるからな…。
    とりあえず先ほどの質問への回答を考えつつ、丁度テーブルに届いたコーヒーを飲んで
    「うんおいしい。20越えて気恥ずかしいですが、俺って苦いの苦手で。でもココのマスターが淹れるのは割とイケるんです。貴女の口にもあったようで一安心って気持ちですねー。たまに克服しようと思って自分の家でもインスタントコーヒーに挑戦してみるんですが、砂糖や練乳をぶち込んで飲んじゃって。妹に『変な気分になるから、アホ兄貴は家で飲むな!』って怒られて遅々として全然進展しないんですよね」
    「あ、分かる。分かるよ青年。同居人が小煩いと中々好きな様にはいかない。かく言う私もそうでね。とある少年と同居してるんだが、コレがコーヒー嫌いで、嫌いといってもコーヒーが、というよりも私が一日に何杯も飲むのがお気に召さないらしい。こういう時でもないと気ままに飲めないから、ココが指定されて嬉しい、って気持ちもあるのさ。ところで青年。妹さんと喧嘩とかしてるのかい?アホ兄貴だとか、けっこうな呼ばれ方されてるようだが」
    「分かりやすく兄妹喧嘩、ってのはないですよ。寧ろ俺が散々苦労をかけてるぐらいで…、ああ、そうそう。最近の好い事、でしたっけ。そりゃあ勿論今のこの街、伏神の現状ですよ。無事に聖杯戦争が開催し、特に大きすぎるトラブルも無く進んでいる。広範囲のガス中毒やそれによる昏倒、飛行機の墜落未遂、なんてのはありましたが、ある程度は許容範囲」
    「俺には”根源への到達”とかいう魔術師の基本目的はこれっぽっちも理解できませんが、聖杯戦争自体には夢があると思ってますからね。神秘の隠匿や監督役の補佐もそれなりに楽しいですし悪くはないなぁ、と」

  • 395ガイ・フォークス2019/12/09(Mon) 22:21:01ID:Y4NzgyMDQ(3/4)NG報告

    >>393
    「ライノ!」

    ジゼルの動きにまず気が付いたのはバーサーカーだった。強力な魔術の気配を察し、來野のもとへと走る。
    しかし、道中何者かに仕掛けられていた「まるでバーサーカーを狙い撃ちして分断させようとしているような」罠によって遅れをとっていた彼女の手は、すんでのところで届かない。複数の天体球が來野の体を貫いた。
    あっけにとられたような表情で地面へと倒れ伏す來野。何も知らなければ、ここで決着がついたように感じるだろう。しかし、
    (・・・・・・まだ終わっていない!)
    ジゼルは油断なく術式を展開し続ける。事前に得た情報が、この「怪物討伐」が容易なものではないことを彼女に知らしめていた。
    変化はすぐに起こった。來野の肉体がタールのような物体として溶け出し、水たまりを作る。それがズルズルと宙に向かって伸びていき――

    「そう、あなたも・・・・・・ジゼルさんも、私のことが嫌いなんですね。あなたも、レアちゃんも――みんな私(バケモノ)のことなんか、『消えちゃえ』って思ってるんだっ・・・・・・!」

    復活した來野には、それまでの弱弱しい様子は無く、代わりに湛えているのは激しい怒りの色。信じる者に裏切られた地獄のような怨嗟が渦巻いていた。

    「いいよ。ジゼルさんがそうするんだったら・・・・・・あなたも食べてやる!私に手を上げられないように、私を虐められないように!ずっと私の味方でいるように!!血も骨も肉も、全部私のものにしてあげる!!!!」

    どぷり、と來野の足元の黒い水たまりが波立ち、2匹の黒い獅子が飛び出した。獅子たちは脅威から來野を守るように、また敵対者を排除するかのように、猛烈な勢いでジゼルにとびかかった。
    ――pass

  • 396レモネードランチャー【onSTAGE&島狂代行】◆O0PRisauvg2019/12/09(Mon) 22:57:05ID:kyMjA0MTA(3/9)NG報告

    >>395
    赤い眼を爛々と輝かせた黒い獅子の猛攻が迫る。その爪が、牙が身体を捉えようとした瞬間、擬似天体を集結させるとそれは高熱と共に夜闇を照らす光を発し始めた。
    それは白き太陽! 獅子を一匹巻き込むカタチで現れた太陽を中心に、地球として定義されたジゼル自身が宙に浮き公転軌道に乗り距離をる。
    着地と共に擬似太陽はその光を急速に失い、黒ずんだ固形物となって地面に落ちた。万能の魔術礼装[マーブルガム]はその万能性と引き換えに短命であった。(そして高価でもあった)

    獅子と、そして憎しみを瞳に湛えた少女と向かい合いながら言葉を溢す。

    「嫌いじゃない。あなたのこと、決して嫌いじゃないわライノ……でもね」
    (私の"好き"はあの人に捧げてしまったから)

    踵を鳴らす。再び溢れ出たマーブルガムが今度は紫と緑が綯い交ぜになったヘドロの様に地面に広がりながらガスを噴出する。

    幻覚性のガスが二人のいる空間を書き換えて見せる。それは激流の川を渡る吊橋。一直線上にのみ行き場を幻視させる空間であった。
    そして手にバリツマスター仕込みの杖を構える。

    「好きは与えられるものじゃなくて、勝ち取るものよ」
    ーpass

  • 397ガイ・フォークス2019/12/09(Mon) 23:24:28ID:Y4NzgyMDQ(4/4)NG報告

    >>396
    「・・・・・・っ!!」

    突然現れた深い谷、そして揺れるつり橋に、さすがの獅子も進撃を躊躇する。
    來野もまた、ふいに変わった周囲の環境に動揺を隠せない。不死の魔術師の能力を(不幸にも)手に入れたとはいえ、もとはただの女子高生。常識外の状況にはまだ耐性が無いのだ。
    前に進むこともできず、相手が杖を構えるのを見ていることしか――

    谷間に、一発の銃声が響き渡った。同時にジゼルの杖が弾きあげられる。

    「ライノ、さっきはごめんよ。でも今度は間に合ったね」

    亜麻色の長髪を吹き荒れる風にたなびかせたスーツ姿の女性が來野の前に立つ。バーサーカーのサーヴァントである。
    モデルのような体形にミスマッチな男物の青いスーツ。そのジャケットの内側から取り出した拳銃が火を噴いたのだ。
    主人である女子高生に背を向けたまま、彼女は優しく語りかけた。

    「大丈夫、こんなものは全部まやかしさ。さあ。僕と視覚を共有するんだ・・・・・・なあに、緊張する必要はないよ。僕と君の間柄じゃないか。念じるだけでうまくいくよ」

    バーサーカーには見えている。この世界の本当の姿が。

  • 398レモネードランチャー【onSTAGE&島狂代行】◆O0PRisauvg2019/12/09(Mon) 23:58:33ID:kyMjA0MTA(4/9)NG報告

    >>397
    現れたバーサーカー。あの様子からライノは既に幻覚から脱してしまったようだが……

    「アーチャー!」

    虚空に消える呼び声に応えるようにバーサーカーとライノに向けて矢が、鉄筋が、割れたガラス片が襲い来る。
    それをバーサーカーは危うげなく弾き飛ばすが、放たれた方角からサーヴァント特有の気配はない。気配遮断スキルを持たないアーチャーにその様な芸当が出来るのかと言えば否であり…

    「懲りずに罠か、卑劣な奴め!英霊同士の神聖な闘いを穢す行為。恥を知るがいい!」
    ((気持ちいいくらい啖呵切られてるわよアーチャー))
    ((言わせておくさ。手筈通りに事は運んでいるのだろう?))
    ((一応、ね))
    「ライノ、そしてバーサーカー。アナタに大切な事を教えてあげる。  恋する女の子は最強だって」
    ((女の子?((うるさい!))

    指揮者の様に振り回したジゼルの指先から桃色に反射するマーブルガムが迸る。

    「恋する気持ちは、こんなにも世界を輝かせる」
    「恋は、こんなにも胸を締め付ける……!」
    ーpass

  • 399ガイ・フォークス2019/12/11(Wed) 10:45:47ID:IyNDY2MjA(1/3)NG報告

    >>398
    ジゼルの詠唱と同時に、バーサーカーの眼前に眩い輝きが広がった。瞼を閉じようとも消えることないそれは、彼女がしばしば幻視する、アトリエの窓から差し込む暖かな木漏れ日によく似ていた。
    (ああ……昨日のことのようだ)
    かつての妖しい秘密と優しさに包まれた幸せな日々が脳裏に去来し、バーサーカーは思わずその情景に心を奪われる。

    画材や描きかけの作品が雑多に並ぶレンガ造りのアトリエに、炭を走らせる音が心地よく響く。時折目線を持ち上げると、キャンバス越しに2人の目が合った。それは偶然ではなく、互いに求めているのだ。世界の全てを、実物よりもずっと素敵に映し出す……セーヌ川のごとく美しい瞳を。
    「描けた?」
    好奇心旺盛な子猫のように身を乗り出してくる彼女から見えないように、僕はわざとキャンバスを傾ける。
    「いや、全然ダメだ。書き直し」
    「貴方に限ってそんなわけないでしょう。見せてよ」
    画板をひったくった彼女は、僕の狙い通りに不思議そうな声を上げた。
    「あら?とても良く描けてるじゃない。なんで失敗なんて……?」
    「いや、そんなんじゃ全然さ。なぜなら君は、昼にあってはほころぶ野花。僕はミツバチになり、君を探し求めてキスをする」
    不意打ちでぐい、と彼女の腰を引き寄せて唇を奪う。それから、しばらくの繋がりの後、顔を赤らめて俯く彼女の耳元で僕は優しく囁く。
    「そして、夜にあっては満月の月。いくら良心的な僕だって、君を見たらオオカミになって飛びかかる。こんな小さな布の中じゃ、君の魅力を、ほんのつま先程度にも表現できやしないよ。……ところでさ、久しぶりに月の君にも会いたいのだけれども、今晩空いているかな?」
    「もう……!」
    彼女は拗ねた風を取り繕って、僕をやんわりと突き飛ばした。それからくるりと後ろを向いて、逃げるように扉に向かう。出ていく直前、ちょっとだけ振り向いて「食べ物を買ってこなくちゃ……6時くらいにまた来るわ」なんて言うけれども、それも全部、真っ赤になった顔を隠すためだって僕にはわかっているんだ。
    それから……

    それから……?

  • 400ガイ・フォークス2019/12/11(Wed) 10:46:02ID:IyNDY2MjA(2/3)NG報告

    >>399
    狭い廊下が映し出された。『僕』の頰は上気し心臓はバクバクいっているみたいだけれども……いや、『僕』は何もない日ならずっとアトリエにいるはずだ。こんな場面知らない。
    スキップしそうになるのを堪えながら表通りへ。今晩はどんな服を着て行こうかしら、どんなのが似合うかな……と身だしなみチェックに覗き込んだお店の窓ガラスに映っていたのは、綺麗な亜麻色の髪をした女性だった。

    どう言うことだ?なんで僕がジャンヌの姿に……?
    深く考えるな。脳が理解を拒んでいる。この記憶の理由を知ってしまったら……致命的な何かが闇の底から這い出てきてしまうような、そんな嫌な予感がした。
    それでも本能的に思考は巡り……僕は気づいた。
    そうだ、僕とジャンヌはもはや分かち難いほどに一心同体。サーヴァントとなった今でも、ずっと彼女がそばにいてくれているんだ!

    眩い輝きが晴れて現実に引き戻される。ふと傍を見ると、ジャンヌが僕の肩に体重を預けて佇んでいた。ほらみろ、いつだってーー例え死が2人を分かとうとも、僕らは一緒だ。
    この繋がりを守らなくては。そう思うほどに全身が奮い立ち……僕は敵対者へと引き金を引いた。

  • 401ガイ・フォークス2019/12/11(Wed) 10:48:54ID:IyNDY2MjA(3/3)NG報告

    >>400
    以上です。胸の苦しみ(物理)にバーサーカーを縋ったライノの姿が、バーサーカーにはジャンヌに見えています。
    また、これ以降狂化の内部ランクが一つ上がります。よろしくお願いします。

  • 402ガイ・フォークス2019/12/11(Wed) 19:01:36ID:cwMTcxODQ(1/2)NG報告

    >>398
    「っ、ああっ……!」
    胸を万力が締め付けるような痛みに襲われ、少女は苦悶の声を上げた。幻痛とでも言うのだろうか、見えない何かを引き剥がすように胸を掻きむしろうと、一向に楽になる気配はない。しかしながら……少女が怯んだのは一瞬だった。
    彼女はこれまでの経験を通して知っていた。自分は並大抵のことでは滅びることはなくーーこの苦痛から逃れるためには、目の前の敵を打ち倒すしかないと。息もまともに吸えない状態にありながら、バーサーカーの肩を支えに、キッと相手を睨めつける。
    「っ、かはっ……っは……」
    通常の魔術であれば発音も、精神状態を整えることもできないこの状態は致命的であったが、幸いにも彼女の「力」は詠唱を必要としない。
    来野が差し伸べた手から、大小様々な毒蛇の津波が相手に向かって勢いよく吐き出された。

  • 403ガイ・フォークス2019/12/11(Wed) 19:01:58ID:cwMTcxODQ(2/2)NG報告

    >>402
    次いで、ライノパートです。
    お願いします。

  • 404亥狛の人(伏神四日目、バーサーカー陣営)2019/12/11(Wed) 23:17:29ID:E2NDUxOTE(14/15)NG報告

    「頼もしい限りだ」
    シスカはくつくつと笑う。
    「いや聖杯戦争の運営役と聞いたもんだから、さぞ首が回ってないものかと心配してはいたんだ。
    君が遣り甲斐を感じているようなら何よりだよ」
    これならこちらも思う存分動いても問題なさそうだ、と嘯く。
    無論冗談のつもりなどではない。聖杯戦争に関わると決めた以上は他者への思い遣りなどとうに捨てたつもりだ。
    だがそんな事を敢えて管理役に宣言する程彼女も浅慮ではない。
    「…お手柔らかに頼みますよ?」
    「はは、でも君も楽観視は出来ないと思うぞ?今後聖杯戦争はより苛烈さを増していく、それに比例して市街への波及も広がるだろうからね」

    そう言うと何の変哲も無いコピー用紙を数枚ほど机の上に広げた。

  • 405亥狛の人(伏神四日目、バーサーカー陣営)2019/12/11(Wed) 23:17:52ID:E2NDUxOTE(15/15)NG報告

    >>404
    紙にはパソコンの画面が印字されており、どうやらネット掲示板の書き込みを印刷したものらしい。
    内容は伏神市で実しやかに囁かれる噂話に関する話題であった。
    「例えばこれなんか……『ごるごるさん』だっけ?笑えるよなぁこのネーミングセンス、何とも言えないチープさとか実に私好み。
    この話題、聖杯戦争開催前から突如湧いて出た点からみても───聖杯戦争関連の情報統制の取り零しと見て間違い無いだろう」

    店員を呼びつけてコーヒーの追加注文を頼んだ。本日五杯目、そろそろ人狼に止められる領域に差し掛かりつつある。
    店員が調理場へと向かったのを横目で確認しつつ、
    「基本的には聖堂教会の仕事だろうが、彼奴らも完璧とは言えないからね。その辺のフォローも管理役の腕の見せ所というか、辛い所だな。まあ頑張りたまへよ」

  • 406理エルとNYの人◆3zXvUrYT3w2019/12/12(Thu) 19:44:42ID:Y3MDA3MDQ(1/6)NG報告

    モールド・オブ・メトロポリタン。
    メトロポリタン美術館の地下に広がる莫大な地下空間……そのまた一画。
    リオナとの縁を錨(アンカー)として駐車されたシャドウ・ボーダーの一室に、2人の英霊が集められていた。
    1人は傾いた容貌を持つ大男。
    1人は純白の戦装束に身を包む美女。
    男の名は大嶽丸。
    女の名は白雪姫。
    藤丸立夏が率いるサーヴァント一同の中でも、特に中核を担う2人だった。
    「今から2人にはこれを飲んでもらいます」
    立夏が差し出してきたのは2本の硝子瓶。 その中には、リオナが神酒と呼んだ液体が並々と満たされていた。
    「……こいつが」
    「神酒……」
    声を揃えて呟く白雪姫と大嶽丸。
    異聞帯の食物を前に、流石の2人もやや面食らっていた。
    「それで? 俺達2人を集めた理由は? まさか、この酒で俺達2人に酒盛りでもさせるわけじゃなかろう?」
    「まさか」
    同じく面食らう白雪姫を見ていつもの調子を取り戻す大嶽丸。そんな鬼人の軽薄な態度に立夏は否と即断する。
    そして、人類最後のマスターは、口角を釣り上げた不敵な笑みを浮かべて。
    「キャスターの分析で神酒のサーヴァントの霊基を強化する力があることがわかってね?  2人にこれを飲んでもらいたいの」

  • 407理エルとNYの人◆3zXvUrYT3w2019/12/12(Thu) 19:45:32ID:Y3MDA3MDQ(2/6)NG報告

    >>406
    「私達が……これを……?」
    「そう。映像を見終わった後、セイバーとバーサーカーに外の警護を頼んだでしょ? その時にみんなで相談して決めたの。もちろん拒否権はあるし、その時はまた話し合えばいいからさ」
    「ふーん……こいつをねえ。俺の舌に合うといいんだが」
    大嶽丸の美食家としての審美眼、どこまでも食にこだわる鬼の好奇心が目の前の神酒に向けられる。
    「そうか……みんなで私を……かたじけない。頂くとしよう」
    頭を下げる白雪姫。そこに謙遜の態度を見た立夏は即座に詰め寄った。
    「そう。みんなで選んでみんなで決めたの。セイバーに……マルガレータに神酒を飲んでもらおうって。だから『かたじけない』なんて言わないで。みんなのことを思って『かたじけない』って思ったのなら、そこはちゃんと胸を張って誇ってほしい……なんて、偉そうに言えた義理はないけどね。戦いになると私なんて役に立てないし」
    自重げに、そして真剣な声色で問いかける立夏。
    ピキリ、と音を立てて白雪姫の……マルガレータと呼ばれた少女の心にヒビが入る。
    それは立夏も、大嶽丸も、そしてマルガレータ本人も気づいていなかった彼女を被う殻。そこに初めて傷をつけたのは、藤丸立香の何気ない一言だった。

  • 408理エルとNYの人◆3zXvUrYT3w2019/12/12(Thu) 19:46:25ID:Y3MDA3MDQ(3/6)NG報告

    >>407
    「も!ち!ろ!ん! バーサーカー……大嶽丸も一緒だよ!  みんな2人に飲んでもらうのが1番だと思ってる。どう? 引き受けてくれる?」
    腰に手を当ててそう宣言する立夏に大嶽丸は苦笑する。
    鬼である自分を信頼しすぎだろう。裏切ったらどうする? 神酒なんてものを飲んだやつが的に回ったらまずいんじゃないのか?
    喉元から出かけた言葉を大嶽丸は鬼の胆力を持って封じ込める。
    無粋が。あまりにも無粋がすぎる。
    大嶽丸は鬼だ。ただし彼は決して畜生ではない。
    情も信念も心意気も、人の心情というものをすべからく理解している。
    故に彼は、この場で己がすべきことをわかっていた。
    「よっし! それじゃあ決まりだな。乾杯しようや、セイバー」
    「乾杯? ……なんに対してだ?」
    大嶽丸の思いつきに訝しむような視線をマルガレータが向ける。
    「そんなもん決まってらあな。これからの戦い、その勝利にだよ」
    「勝利に……なるほど。それならいい。気に入った」
    満足気にそう言いながら神酒に手をかける雪華の姫。それに合わせて鈴鹿山の鬼は豪快な仕草で蓋を開ける。
    「それじゃあ、次の勝利に……」
    「ああ。次の勝利に……乾杯!」
    カチン、と小気味よい音が鳴り。2人は神酒を一気に飲み干す。
    そして……異変はすぐにやってきた。

  • 409理エルとNYの人◆3zXvUrYT3w2019/12/12(Thu) 19:46:47ID:Y3MDA3MDQ(4/6)NG報告
  • 410理エルとNYの人◆3zXvUrYT3w2019/12/12(Thu) 19:49:24ID:Y3MDA3MDQ(5/6)NG報告

    >>408
    「ぐっ……なるほど、こいつはたしかに……」
    「そうだな……なか、なかっ……堪えるな……」
    膝をついて悶え苦しむ2人の英霊。当然だろう。大嶽丸と白雪姫の霊基(からだ)は今、神酒によって作り替えられているのだから。
    立夏からしたら30秒ほど、大嶽丸と白雪姫には一生続くように感じられた時間が終わる。
    「ふ、2人とも……大丈夫? 建てないなら肩を」
    貸そうか? と声をかけようとした立夏の言葉が詰まる。
    2人の英霊が立夏に浴びせかけたのは、凍気と呪詛が織り交ぜられた波動だった。
    「……うん。大丈夫だ。感謝するぞ、立夏」
    前者を放ったのは白雪姫。
    静謐を湛える蒼い瞳の内に、物皆尽く凍りつかせる極寒地獄が宿っている。
    「はっ、俺がこの程度でくたばるとでも思ったか?」
    後者を放ったのは大嶽丸。
    怨念、怨嗟、慟哭、狂気、畏怖、憐憫、嘲笑、そんな負の感情が綯い交ぜになった暗黒の意思が立夏に直撃した。
    無意識であったから耐えられた、と立夏は思う。
    大嶽丸や白雪姫にに立夏を害する意思があれば、彼女は物言わぬ屍となっていたであろう。

    (そうじゃなかったら、舌を噛み切ったくらいで耐えられるわけがないよね……こんなの……)

  • 411理エルとNYの人◆3zXvUrYT3w2019/12/12(Thu) 19:50:08ID:Y3MDA3MDQ(6/6)NG報告

    >>410
    「そっか……よかった。じゃあみんなのとこに戻ろうか。早速作戦会議だよ」
    「あいよ。行こうぜ、マルガレータの姫さん」
    「なっ、お前、その名前を一体どこで」
    「さっき立夏が言ってただろうが。それともなにか? 俺がそう呼んじゃなにか不都合でも?」
    「い、いや……何故だろうな。不思議と、お前に呼ばれるのは悪い気がしないよ」
    先導するマスターの背後でわあわあと言い合う2人。
    そんな2人のやり取りを小耳に挟みながら立夏はしみじみ。
    (うんうん。喧嘩するほど仲がいい……仲良きことは美しきことかな、ってね)

  • 412Requiem◆B8D4AQBhU22019/12/13(Fri) 22:28:59ID:YzNDk4MTU(2/3)NG報告

    >>405
    「ええ勿論。俺はまだまだ若輩の身ですが、頑張ってこなそうと思ってますよ」
    んー、しかし。教授の事がバレてるのはちとマズい気がする。いやまぁ代理というか招待客であってソレ以上の繋がりはほとんど無いから俺まで辿り着くまでには至らないと思うが、それでも俺が聖杯戦争自体にある程度介入してるのに気づかれるのは良い傾向じゃ無いのは確かだ。
    どーやって誤魔化すかなぁ…、そう考えながら、シスカさんがテーブルに広げたコピー用紙を確保する。お互いにこの程度の情報を確保してるだろうから意味なんてほぼ無いが、まぁ貰っておいて彼女の手間を微増させるのは悪手ではなかろう。
    「いやーしかし『ごるごるさん』『ごるごるさん』ね。俺達も使い魔や聖杯戦争の運営による人海戦術やらで隠匿以外での対策も打ってますが、手懸かりは掴めないわコッチへのコンタクトは無いわ。ホント困っちゃいますよねー。一応ですが俺って伏神の管理者の家系ですから、定期的な連絡ぐらいは欲しいモノです」
    「ん?ココのセカンドマスターは東雲、って家系のお嬢ちゃんだろう?あ、一応って事は事情があるんだね」
    5杯目のコーヒーを飲みながら、彼女が質問してくる。へぇ、ある程度この街の状況は知ってる訳だ。つついてみるか…?
    「ええ、ちょっと前に朽崎…、というか俺が東雲家に伏神の管理権をレンタルしたんです。病院や学園の運営とか、土地以外の色々が大変だった、ってのが理由ですねー」
    「なるほど。あ、店員さん。このコーヒーも頼むよ」
    6杯目…、めちゃくちゃ飲むなこの人。カフェイン中毒とかにはならないんだろうか…。
    「で、話を戻しますが、ごるごるさんの正体というか下手人?の正体ってなんだと思います?適当でいいですけど、元御三家としての意見は聞いておきたいなと」
    「そうだね…、獣性魔術師、かな?時計塔だとグラシュエート家が有名だが、あの魔術は精神に異常をきたすケースが多いというじゃないか。だから狂った「幻狼」がこの街で人を喰らっている、いうのはあり得ない話じゃないだろう?」
    「獣性魔術、ですか。そういえば数年前にアーデルハイト家が魔術を獣性魔術から獣化魔術に名称を変更したそうですが、アレってなんでですかね?んー、とりあえずソレっぽい奴がこの街に来た、的な感じは無いですので、ちょっと違うかもしれませんねー」

  • 413Requiem◆B8D4AQBhU22019/12/13(Fri) 22:30:33ID:YzNDk4MTU(3/3)NG報告

    >>412
    んー、この感じだと、教授の正体や俺と彼の関係性は割れてないかなー。分かってりゃもうちょい圧かけてくるだろうし。2杯目のコーヒーを注文しつつ、言葉を発する。
    「でも、参考になりました。どうも。…で、俺はごるごるさんの情報をどうすればいいんですかね?」
    ……引っかかった、かな?今まで余裕綽々って訳でも無かったけど、瞳がちょっと動揺した。
    「どう、とは?私だって魔術師の一人だよ?もう少しは隠匿して欲しいに決まってるじゃないか。それとも何か?コレの犯人は私達じゃないか、とでも?そう思ってるなら違う、と言っておこうか。ウチのサーヴァントは騎士でね。少なくとも自発的にソウルイーターの真似事をするような子じゃあない」
    「ああ、そうですか。コレは失敬」
    ペコリと頭を下げる。上目遣いで彼女の様子を伺うとちょっと安心してるみたいだ。ココで刺す。
    「いやぁ、すいません。実は昨日、新たなサーヴァントの召喚がほぼ同時期に起こったらしいんですよね。クラスはバーサーカーで多分霊器は正規のサーヴァントには満たないそうですが…」
    「おや、ソレは本当かい?中々召喚のタイミングが遅いね。何回かサーヴァント同士の激突はあったってのに。しかも霊器が弱いのか。変なチョイスをしたと見える」
    「ええ、おかしいんですよねー。この聖杯戦争、結構前から召喚枠は完全に埋まってたんですよ。三騎士にアサシン、ライダーとアヴェンジャーですね。あ、サーヴァント現界数が規定の量に満たないのは、気にしないで下さい。特に戦争に問題がある訳じゃないですよ?」
    ベラベラと、一気に情報を放出し、畳み掛ける。
    「ともかく。割とイレギュラーではあるんですよ。多分ですが、聖杯に詳しい人物が召喚した可能性が高い。いやぁ誰が召喚したんですかねー?心当たりあります?元御三家のシスカさん?」
    まー確信は持てないけど、おそらく十中八九この女性だろうけどね、新規バーサーカーのマスター…。ウチの聖杯について知識がある魔術師なのだし、サーヴァント召喚術式のサンプルもあるんだし。勿論この人がマスターだ、と言い切れる訳じゃないし、違う可能性が皆無でもいいが。とりあえずハッキリはさせておきたい。状況の整理は大事なのだ。監督役としても、俺個人としても“どう動くか”に非常に影響しそうな案件なのだし。さぁて、どう出る?シスカ・マトウィス・オルバウス……!

  • 414レモネードランチャー【onSTAGE&島狂代行】◆O0PRisauvg2019/12/14(Sat) 11:41:21ID:MxODI4NjA(5/9)NG報告

    >>402
    ◇◇◇

    「それじゃあジゼルさんは彼氏さんに会う為に日本に来たんですか?」

    ンン゛

    思わず変な声が出そうになるのを堪えながら誤解を解こうとしたが、それもなんと説明していいやら。
    相手が英霊だなんて話したら頭がおかしい人だと思われないだろうか、という問題以前に聖杯戦争に纏わる話を一般人にする訳にはいかない。
    右手の甲を摩りながら取り繕った笑顔を浮かべながら考える。この親切な少女に何と言って誤解を解くべか……
    ……

    「そうなの。彼ってば世界を転々とする仕事してるから中々会えなくて……だから今回は私から会いにきたの」

  • 415レモネードランチャー【onSTAGE&島狂代行】◆O0PRisauvg2019/12/14(Sat) 11:43:22ID:MxODI4NjA(6/9)NG報告

    >>414
    きっと、見栄を張って嘘を吐いたのがいけなかったのだろう。

    「素に銀と鉄、礎に石と───

    空で暗唱できる様になった呪文を唱えながら再会への期待と不安が膨張していく。
    サーヴァントは召喚された先での記憶を保持出来ないと言う。……そんなこと、いったい誰が確かめたのだろう。
    彼はきっと、きっと私の事を覚えている。覚えていて欲しい……ただそれはまだ少女の頃の私だ。今の私を見て、私だと分かってくれるだろうか?
    ユーウェイン、貴方が居なくなってからこんなにも月日が経っちゃったけど、頑張ったと褒めてくれるかな。それとも嫌がるかな?

    加速する思いを乗せて召喚は執り行われた。だが結果は

    「……アーチャー、召喚の儀に応じ参上した。お前が私のマスターか?」

    フードを目深に被り、濡れたマントで身を隠した男が立っているだけだった。
    アーチャー、弓兵。恐らくサーヴァントの彼が唯一持ち得ないクラス適性……。
    真名を名乗らないのは気になるが、信頼に重きをおくタイプなのだろう。気落ちした姿を見せられない。

    「私の名前はジゼル。ジゼル・グリンダ・ウェントワース。七代目ロッキンガム侯爵、英国女王の名代として聖杯戦争に臨む貴方のマスターです」
    「英国、女王……?」

  • 416レモネードランチャー【onSTAGE&島狂代行】◆O0PRisauvg2019/12/14(Sat) 11:44:25ID:MxODI4NjA(7/9)NG報告

    >>415
    微かな殺気と共にアーチャーは短剣を抜くと流れるような動作で私の喉元に刃を突き付けた。咄嗟の出来事に身体だけ反応し、手にしたステッキで叩き落とそうとするが純粋な腕力差で阻止されてしまう。

    「問う。お前の主とする女王は善き人間か? お前は悪しき王政の使者か?」

    ……成る程オッケー。ここで質問の答えをミスすればゲームセットであの世行き。よく分かったわ。ならどう答えるべきかも……

    「私は、私の正義の天秤を持ってここに立っている。陛下に過ちあれば私が正す。それがグリンダの字名を与えられた私の忠義の形……舐めるなよ、アーチャー」
    「ふん…」

    小さく鼻を鳴らして短剣を納めたアーチャー。
    どうやら何とか第一問はクリアしたらしい。もうノーヒントノータイムで生死に関わる問題を出されるのはゴメンだ。先に出題の傾向だけでも掴んでおこう。

    「女王陛下の意思は、聖杯による御子息の救済。ですが私はそれとは別に願いを持って聖杯戦争に参加しました」

    その願いは、最早断たれてしまったけれど

    「今の私は勝利を。そして次なる聖杯戦争を望みます。アーチャー、貴方は聖杯に何を願うのですか」

  • 417レモネードランチャー【onSTAGE&島狂代行】◆O0PRisauvg2019/12/14(Sat) 11:45:55ID:MxODI4NjA(8/9)NG報告

    >>416
    ◇◇◇

    前面に展開したマーブルガムの防護壁を銃弾が貫通し、割れた壁面から無数の蛇が波となって押し寄せる。

    「アーチャー、任せた!」

    どの様な効果があったのか、それは分からない。そういう魔術だ。困ったことに。
    強化を施した肉体を支配し全ての力を損失無く跳躍に変える。
    空中でアーチャーに抱き止めら、もう一段高く駆け上がる。
    無数の蛇が逆流する滝の様に追い縋るが、アーチャーが手ずから放った火炎瓶をマトモに食らってその勢いを減じた。
    (獅子に蛇…報告には聞いていたけど何でもありね…)
    着地。蛇の群れは警戒しているのか私たちを取り囲む様な動きで一旦襲うのをやめて機を伺っている。
    だが、ライノとバーサーカーの様子から二人はまだ術中にあるのは確かだ。ならば…

    「アーチャー、宝具を開帳しなさい。手筈通りに」
    「……承知した。これは歪んだ愛、一方的な忠誠…….『顔の無い騎士』」

    短剣を眼前に構えたアーチャーの言葉と共に宝具が展開された。

  • 418レモネードランチャー【onSTAGE&島狂代行】◆O0PRisauvg2019/12/14(Sat) 11:47:31ID:MxODI4NjA(9/9)NG報告

    >>417
    「バーサーカーの真名に心当たりはないのか、マスター。大分特徴的な人物だと思うが?」
    「そうね。男装の麗人でバーサーカーになれる様な逸話を持ってる人なんて凄い有名人でしょうね」

    ………
    ……


    「知ーりーまーせーんー! 悪かったわね!?でも拳銃使う様な時代の人を召喚するなんて考えもしなったんだもの!もっと強い英霊ならごまんと居るじゃない!なんなのバカなの?!」
    「落ち着け」
    「はい…」

    「でもね、報告の内容から分かる事は多いわ。きっと愛に生きた人だったのね」

    ◇◇◇

    故に、『顔の無い騎士』はジゼルにではなく、相手のマスターに掛けられる。
    敵対サーヴァントが自身のマスターの存在を知覚できないように

    ーpass

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