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前スレ https://bbs.demonition.com/board/11677/?res=954
過去ログ https://bbs.demonition.com/search2/聖杯大会
聖杯大会本戦統合スレNO.6
https://bbs.demonition.com/board/9916/
ラフム語翻訳機 https://yt8492.github.io/RafmanTranslator建て乙でごわす
そんでポケモン風…これ鯖鱒の両方OKって感じですかね?立て乙
>>2
あい。よしおkでーす
それだとウチの奴で行けそうな奴は
典韋→ほのお・かくとう 許褚→いわ・かくとう 若児雷也→はがね・エスパー 自来也おじ→はがね・あく
獅音→かくとう・はがね リヒター→ほのお・いわ 海月→みず・フェアリー 凌牙→でんき・かくとう 裂夜→こおり・くさ ダグラス→みず・エスパー
こんな所でしょうか。ポケモン系だと風属性キャラをどう分類したものか悩むな…?>>5
いかん黒江と三上、それにムジカが抜けてた
・黒江:水・毒
・三上:ノーマル・格闘
・ムジカ:水・フェアリー
続いてサーヴァント組
・オリヴィエ:鋼・格闘 ・アンブロシウス:ノーマル・フェアリー
・丸目(セイバー):鋼・格闘 ・丸目(アサシン):悪・鋼
・玉屋&鍵屋:炎 ・本田忠勝:虫・鋼
・ペーネロペー:鋼・電気 ・ウィリアム1世:水
・木蘭:飛行・格闘 ・ジョリー・ロジャー:水・悪
・ガヌロン:悪 ・冬将軍:氷・地面
・平賀源内:電気・草 ・プロメテウス:炎・悪
・レーヴァテイン:炎・ゴースト・レーヴァテインオルタ:ゴースト・毒建て乙です。
こちら作の場合はこんな感じですかね。
景清:ゴースト ビートル:あく・はがね 鉄牛:ノーマル・いわ 西湖:ゴースト・かくとう 長七郎:フェアリー
エイベル:ドラゴン・エスパー 桃夢:ゴースト・ほのお リディア:かくとう ビオランテ:くさ・じめん プリシラ:ほのお・こおり タララーワ、リガヤプロ、イノセンシオ:かくとう・フェアリー建て乙です
ポケモンのタイプや技ですか。であれば
ジャスミン・アドレーヌ:エスパー、はがね
技範囲がクッソ広い万能型。わざマシンで覚えられる技は全部覚えられるけどレベルアップで自力習得する技に乏しい。初期技はなきごえオンリー。
ロイド・クラーク:いわ、かくとう
物理も特殊もいける器用万能。どこかの地方でルカリオ枠になれるポテンシャルがある。レベルアップでりゅうのはどうを覚える。
アルマ:いわ、ドラゴン
600族の3段進化ドラゴン。進化すると特性がふゆうになるので地面弱点が消える。
ヴィクトール・ヴァン・アッシュバルト:かくとう、ドラゴン
数年したらドラゴン、かくとうタイプになる。10年後にはドラゴン単タイプになる。
ニコレット・ドクトゥーラ:ノーマル、どく
ラッキー枠。特性で常に状態異常どく(ダメージ無し)になってるので状態異常も効かない嫌ーな耐久ポケモン。たておつです!
あんまポケモン詳しくないけどプルフラスは多分ノーマル
そして前スレの993、994、995
暖かい返信、ありがとうございます…!ちなみにクロケルはこおり、あく……と見せかけてこおり、みずタイプ。だけどつじぎりとかふいうちとかあくタイプの技を豊富に覚える。
フォルムチェンジでこおり、エスパーにもなるけど対戦の選出画面で相手のクロケルがどっちのタイプか見分けられない厄介者。建て乙でーす
ポケモンのタイプかぁ…
ざっとスレ見るとじめんタイプめっちゃ少ないから逆にじめんタイプっぽいキャラが今なら需要あるのかなと考えてみたり
じめんタイプっぽいキャラってなんだぁ…?改めて立て乙。
朽崎遥:ゴースト・あく。わざ…ゴーストダイブ、ふいうち、ヘドロばくだん、のろい
朽崎誉:フェアリー・あく。
刹那:フェアリー・エスパー。わざ…ポルターガイスト、
ポルカ:ドラゴン・どく。わざ…ドラゴンクロー、どくどく、バークアウト、りゅうのまい
常世鳳蝶:エスパー・むし。
ヴィクトル:ノーマル・はがね。
獅堂蒼:かくとう・いわ。
ジジェ:ドラゴン・ゴースト。
迅龍:かくとう・ゴースト
意外にわざを考えるのがめんどくさい……。(途中で力尽きた)プロローグに集合絵の挿絵ブチ込んだ辺りからどんどん自分の女キャラの脚が太くなってきてる気がする…
太えって!!と太くねえって!!でドンドン脳内戦争起こし始めていらっしゃる…
>>10
>>18
お久しぶりでーす
説明文可愛い。りっちゃんのぽやぽやポケモンって語感すき。
>>17
あらかわいい。あとシャリー立つな。
ん?シャリー立つな…シャリータツナ…シャリタツナ…
シ ャ リ タ ツ
忘れてください
>>20
ダグラス「ポケモンか…昔少しやった事はあるが結局はRPGだからな。効率良く最短で最強で育成してクリアして対戦無双でテレータ先生とか生徒に憧れの目で…(努力値)(個体値)(厳選)(滅茶苦茶魔境な対戦環境)(その他諸々)——何これ?」
みたいな感じで頭抱えるダグラス先生はいそう。厳選しようと思ったけど結局愛着湧いて旅パでクリアするダグラス先生も多分いる
>>22
そういえばレージュさんいない間に色々出しましたー
名無しの教室の新講師(初出噛ませのつもりがなんか昇格した奴)のダグラス先生なり船SSの狂人祭り敵軍団なり色々出したので良ければ前スレ6ページ辺りとか13ページ辺りとかだけでも見てくれたら嬉しかったりアーキタイプインセプション中編、終了!!
あと談話室も更新しました。よし完成。推敲と覚悟が完了したら1章1話ブチ込みたいと思います。18時までには行きたい
>>28
見ましたー。これで同盟完全締結って感じですね。
となると一応次の手番俺っぽいので聞きたいんですが、チハヤちゃんと騎陣営は同時行動するとしてこっちはどうしましょうか?
一旦解散して槍と騎はそれぞれ拠点に戻るか、あるいはこっちも一緒に行動するか、みたいな
あとは3日目以降の槍と騎のコンタクトの取り方も相談しときたいなと。連絡交換して別行動で定期的に連絡し合う感じか、或いは合流したら固まって見回るか、みたいな感じかって。弓レイド開始時の事もありますし、今のうちに決めといた方がいいかなと思うんですが大丈夫でしょうか…?よっし行きます
前話 前スレ636
前回のあらすじ三行
とんでもなくヤバそうな連中がでてきたよヤバイヤバイネ
集積船壊すって言ってるねヤバイヤバイネ
なんかボスの昂騎が凌牙君狙ってるっぽいねコワイコワイネ
という事で1章開幕ですchapter1-1. 夏の追憶、地獄の烏
夜の静寂の中に、炎の音が聞こえる。
闇の中に、炎が小さな灯となって光る。
数年前、東北地方某所の山脈。
夜の山の、誰もいない寂れたキャンプ場。その中で、二人の子供は鍋を囲んでいた。
「———よし、そろそろ頃合いだな」
目の前で、■■■■が鍋の蓋を開けた。
「わあ……!!」
瞬間、美味しそうなカレーの香りが、あたしの鼻を包み込む。
その匂いだけで、今日も一日山奥を進み続けた疲れが癒える。そんな風にすら感じられた。
「「いただきます」」
両手を合わせた後、二人で一気に食べ始める。
「……美味え」
「うん、めっちゃ美味しい!!」
スパイスを混ぜ合わせたルーも美味しく、その中にある山菜や猛獣の肉が、その旨みを引き立たせる。
今日、山の中であたし達が自力で集めて0から作り上げたカレー。自分達が作れたという達成感からか、スプーンも更に動く。>>31
「——お代わり貰うぞ」
「あ、■■■■!!あたしのお代わりの分も残してよ!」
「悪りぃな、早いモン勝ちだ。悔しいならとっとと取れよ」
「はー?いいよ上等!なら今から全部取っちゃうもんねあたし!!」
「…取りきれなくなって溢すのはやめろよ」
皿の上に山のようにカレーを積み上げて、食べる。
それを見て、■■■■は苦笑する。
その顔をみて、あたしも笑顔になる。
二人しかいない、山の中での静かな時間。
世界の普通の生活よりはショボいかもしれない、逃亡生活とキャンプでの食卓。
普通の人が見たら、ビックリするかもしれない。
でも、あの時。
居場所のない中、山奥の牢に封じられていた時に比べれば。あたしには、これだけで嬉しいんだ。
だから、こうやって、一緒に過ごす度に思う。
やっぱり、あたしはこの選択をして良かったんだと。
あたしを救ってくれた、あたしにとって家族と言える人。>>32
「ねえ、■■■■。」
「…なんだよ」
「——あたしの家族になってくれて、ありがとね。」
そう。
地獄だった世界でも、あんたと一緒にいて。■■■の事や、______の事なんて気にせずに、一緒に過ごせる。
あたしは、それだけで———それだけで、よかった。
『いたぞ!!■■■の末裔だ!!』
『アイツを_____しろ!!そうすれば、俺達は、ようやく悲願を、______を果たせる!!』
『そうだ、アイツが——あの人こそが■■の末裔、そしてあの人、いや…!!______こそが!!俺達にとっての________なのだ!!だから———!!!』
———それだけで、良かったのに。
『———どうやら、お前の兄貴は攫われちまったらしいな。魔術師の組織に』
『——成程な、テメエは……強い覚悟を決めた眼をしてやがる。アイツと、同じ目だ』
あたしは「その真実」を知った。
———知ってしまったんだ。
『だから———俺と来いよ、■■■■■ちゃん。一緒に、世界を壊そうぜ…!!』
だから、あたしは———>>33
『紅だあああァァァァアアアアッッッッ!!!』
「ん——」
いつものシャウトが、午睡の中にいた意識を勢いよく覚ます。
そのシャウトと共に、スマホから流れ出すゴリゴリのロック曲のイントロのアラームを、止める。
目を開けば、晴天が眩しい。
熱く、かつ心地よい風が、身体の熱を丁度よく覚ます。
慣れない波が打ち付けられる音が、耳に心地よく聞こえる。
そして、起き上がったあたしの周りには、向日葵に包まれた花畑があった。
その自然が、■■なあたしの人生を、安らがせてくれるみたいで。
そして、あの時みたいな気持ちに、帰れる気がして———
「落ち着くな、ですね?うんうん小生もそう思うですよ。カハッハッハッやはり自然とは汚らしくもかァァなり美しい物ですよねェ!!!小生は美を求めし天才イケメンアルティメット求道者故にお気持ちは分かるですよ!!!!」>>34
突如、視界をアフロヘアーが塞いだ。
別に、リアクションを取りはしない。静かに後ろを向けば、自分の1.5倍くらいの身長の男が、背後で背を折り曲げて自分を恍惚の表情で見ていた。
「…」
無言で、少女は跳躍する。
跳躍し、その巨体の身体を掴み、宙に浮かせる。
ドカァン!!
瞬間、無言、かつ怒りの籠った背負い投げが、2m超の男を地面に伏せさせた。
「…う、うぅ……」
「?」
「うっほほほフォォォうッッ!!ア゛ッ、嗚呼、Ahッッッッ!!美しいですねえ!今の背負い投げはまさに美しいですねェ、小生の美術回路がフル回転したですよォ!!限りなく無駄のない無駄な行動、しかして美しきフォームと小生の汚美しい身体をも吹き飛ばす身長差をものともしない筋肉の美ッ!!まさにこの汚らしき世界の中に咲く矛盾の美ィ!!汚美しいッ!!あっ、嗚呼、ah…涙出てきたですよ小生は…」
「怖……」
「嗚呼、やはり貴女は美しい!!昂騎さんもあの男も滅茶苦茶バチクッソに美しいですが、貴女も中々の美ですよォ競奈さん!!やはりここの仲間はそんじょそこらの節穴共とは違うですねえ!!」
「そ、そうなんだ……」
恍惚とした表情で、アフロ頭の大男は涙すら流しながら忙しなく巨大な腕を動かして感動を表す。2m超の男が感情を曝け出し両腕を上げて涙を流しながら叫ぶ絵面は最早ホラーであるが、少女は動じない。ただ、目を逸らして、呆れる。>>35
「んんんッそうやってはにかむ奥ゆかしさも美しいですねェ。萌え萌えですよ」
「…目潰ししていい?」
「おぉう貴女小生のこの汚らしくも美しいイケメンフェイスに傷を付けるとッッッッ!?ああだがそれもそれでアリでは…?貴女のタトゥーもそうですが、傷のある美というのもまた汚らしくも美しい…」
「怖…」
「怖くないですよぉ、小生怖くないですよぉ」
「いや充分怖いけど」
「ぴえんですよ。まあ笑えるんですがね」
目前のアフロの男の笑顔に溜め息をつき、タトゥーの少女は言葉を出す。
「…はあ——それで?あっちの用って終わったの?」
「ああ、昂騎さん達ならそろそろって所じゃねえかですねえ。小生のスマートフォンに連絡が来る筈なのですが…ところでスマートフォンのスマートって言葉って何かイヤラシイ語感だと思いませんか?汚らしくも美しいような」
「そう……あとごめん、あたし美術館とか博物館とか行った事ないんだ…」
「Oh……小生ぴえんですよ…ハァイ競奈ィ…芸術はいいですよ競奈ィ…」
「あほくさ…」
その様な、噛み合うようで噛み合わない会話を繰り返していた時。
突如、アフロの男のスマホが鳴動する。>>36
「!」
気付いた瞬間、大男はスマホを開く。スマホを動かしづらそうな巨大な指で、スマホを動かす。
「うっほぉ……」
突如、大男が声を出す。本人の性格からして、感嘆の声だろうか。
「…それって」
「ええ。ハナビ嬢からですねえ。……うっほぉ、中々に汚美しい事をやっていらっしゃるようだ。どうぞ」
そう言いながら、大男は画面を見せる。開いた画面には、「大正義執行完了♡」と書かれたタイトルの動画の通知があった。
アフロの男は「おーおー好き勝手やってなさるですねえ」とこぼし、少女は目のタトゥーをなぞりながらそれを見る。
「再生するですよ」
再生ボタンが、押される。
すると、団子頭の少女が自撮りの構図をする画面に変わる。
『いえーい☆セリたんとコル兄見てるー?今は鶴水のヤクザ共のアジトから送ってまーす☆ちなみにハナビ様達は元気だよぉ!!元気というより無傷だよ無傷!!ほんっと最強!!いや敵がク.ソザコなのかな?ま、どうでもいいかっ。ハナビ様も皆も最強すぎて本当正義すぎる!!大正義って感じー!!』
無邪気な声で、ハナビ様と名乗る少女が自撮りしながらピースをしている。
『それでね、それでねぇ!!ボス様が言ってた前哨戦だけど、大っっ成っっ功!!!という訳でぇー!!じゃじゃーんっっ!!』
そう言い、カメラが別の方向に向く。
「……ほぉう、これは」
「……」>>37
そこには———
3人の男が、血の山の上に立っていた。
大量の倒れた人間の山の上に、戦線の3人の男が無傷で立っていた。
両手を上げ、ド派手に放送禁止なポーズを立てている褐色の男。
座った男の身体を、その腕で突き刺している、瘴気を纏った細身の男。
そして、巨大なローブに包まれ、何も分からない男。
紫の煙が立ちこめる中で並ぶ三人の男は、まるで悪趣味な舞台の名シーンのよう。画面越しでも、凶気と気迫が伝わってくる。
『はーい、鶴水のヤクザ系魔術師の名家、鷺帝組共は全員ボス様達がやーっちゃいました☆これで計画の核はゲットできました、やったね!!いやぁ、命乞いを踏み倒して倒すの気持ちいいーっ!ハナビ様も沢山倒したよっ!!後でボス様にいっぱい褒めてもらうんだ!!ま、とにかくハナビ様達は午後には戻れるよぉ!!どうせだしこいつら燃やして肉焼いてバーベキューしてから帰るね!!』
そう言いながら、少女は自分が足蹴にしている魔術師を映す。その男は、まるで爆破でも受けたかのように全身が焦げて気絶していた。
『二人も来れば全員で狩れて楽しかったのになー』とすねた独り言がスマホから流れる中、二人はスマホを見る。一人は感嘆するような目で見ながら、一人は目元のタトゥーを抑えながら。
「あーらあらあら…これは中々に汚美しい。やはり皆様も中々に汚らしい趣味をしていらっしゃるですよ。…よぉし、小生も求道欲が湧いてきましたし、そろそろ街の方で美探しでも——」
「……」
その時、少女はパーカーの土埃を払い、靴をトントンと地面に鳴らし、準備運動を始める。
「むん?競奈さん、どうしたです?」>>38
「———森の西の方、誰か入ってきてる」
「ほう。」
能天気な顔を剣呑にし、アフロの男は少女を見る。
その少女は、目のタトゥーをなぞり、目を瞑り息を吸った後に、冷徹な声で口を開く。
「どんな感じで?」
「人数は5人くらい?……ま、殺気はあるけど——割と問題ないレベル。」
・・・・・・・・
「…成程、その美しさを持つ貴女が言うならそうなのでしょうな。ならば——」
「いや、アンタはもう街行っていいよ。美見たいんでしょ?あたしが闘る」
「ほう、よろしいので?まあ小生はとっとと美を見たいから嬉しいのですが——」
「いいよいいよ、あたし一人で十分。慣れてる。つーか、その方があたし的にはやりやすいし。アイツらの動画に触発されて、変にやる気出た的な感じだし。あとはどうせアンタが興味あるタイプじゃないだろうし、何より———」
首と手を振りながら少女は応える。そして。
地面に置いてあった長棍を蹴り上げ、キャッチする。
その棒を片手で回しながら、少女は不敵な表情を見せた。
「アンタは知ってるでしょ?あたしは覚悟できてる人間だし——
覚悟のない相手に、地獄を見せるのが得意だって。」>>39
「———カハッハッハッ!!違いないですねえ」
覚悟を見届けたアフロの男は、荷物を纏めて動き出す準備を整える。
「では、侵入者は任せたですよ。——なぁに、貴女なら大丈夫だ。
———頼みましたよ。我らの縄張りに入りし汚らしい愚か者を、一人残らず絶望せしめる、美しき地獄の番人——花京院競奈さん。」
「……ダッサいネーミング。ウケる。————まあ、結構気に入ってるけど」
いかにも悪い笑顔を作り、少女は頷く。
「という訳で小生は行ってまいりますぞ待ってやがれですよぉ世界の美しき美ぃぃィィィッッッッ!!」
両腕を上げ、ドタドタと走り出す大男。それを見た後、少女は静かに両目のタトゥーを覆うように触れる。
「……よし」
山にいた頃に、聞かされていた話がある。
■■■に伝わる■■■の一つ、■■■。その存在から分かるように、人には決まった運命が定められているという話。
それは、そうじゃないと。兄■ゃんに救われた時に思っていた。
あたし、いや、あたし達の運命は、■■なんかじゃないと。
——でも、そうじゃなかった。
結局、世界は■■なんだ。あたしにとっても———兄ち■んにとっても。>>41
だからあたしはアイツの誘いに乗った。もうすぐ来る、「その時」を迎える為に。
アイツの思惑に乗って、そして———を———する。
覚悟はできた。諦めもついた。魔術師も______も、全部、敵に回してやる。
そして、あたしは———
・・・・
兄ちゃんを、アイツらから救うんだ。
「だから———兄ちゃん。」
少女は、地に倒れ気を失った男達の前で、悪い笑顔を作った。
「もう少しだけ、待ってて」
まるで、その■■■■の■を模倣したような目元のタトゥーを、強く抑えながら。
20××年7月×日。鶴水市の暴力団、鷺帝組が壊滅。
そして、同日。
———秘海集積船が、鶴水市に上陸した。以上です
敵陣営詳細登場回その1です。残りの奴は後々
という事でここで言うと、前半で船の生徒達に立ちはだかる主な敵はこの二人です。アフロニキことコルトさんとなんかヤンデレの様相が見えてるような妹ネキこと競奈ちゃんの二人が結構暴れます。アイツやあの子と戦います。あとハナビちゃんも暴れる。
今回の話にもぶっちゃけかなり伏線は撒いてますのでよく見てみると何かが分かるかもです。ストーリーは単純な分伏線を強化したい
とりあえずこのヤバそうな雰囲気出してる子とエンデさんやローザさんが見たら鼻で笑いそうな美術変態おじさんがどんな風に関わってくるのか、お楽しみにって感じです
次回からは船パートに戻りますので安心してお待ちください。
とりあえず感想とかくれたら嬉しいです。考察くれたらもっと嬉しいです本戦にセシボンVSクラッフのエピローグを投下いたしました
最後というのもあって会話なども盛り気味にしましたがその分解釈違いもあると思います(シャフリヤーナさんにクラッフくんについて裏どりしたということにしましたが、そう簡単に話してくれるか?とか)。そういったことがあればまた随時正していこうと思いますのでお教えくだされば…
山星さんにおかれましては今回自分のわがままにお付き合いくださり本当にありがとうございます、おかげでセシボン…というか自分の戦闘描写の癖や欠点が見えてきたような気がします。そして何より楽しかったです!
黒鹿さんにおかれましても舞台を貸してくださりありがとうございました。色々めちゃくちゃにしてしまいましたが、少なくともセシボンはあの後修繕のを罰として手伝いましたのでどうぞお平に…そして投下と共に伊草の続き拝読いたしました。前スレのものもあるのでまとめてになってしまい申し訳ないですが、同じグループ内での進展ということで
セイバーの真名も割れて、耿実も素性も判明。三者の中で着々と排除対象の外堀が埋まっていってますね。個人的には前に言ったように真名の考察に当人たちが扱う神秘の特色が表れてるの好きなのですが、裏での経験があるチハヤさんが朽崎さんだけでなく耿実の情報も引き出しにあるというのが個々人の特徴として表出していて、戦闘も勿論ですがこういう知恵を出し合うフェーズも見どころがあるなぁと
記憶がフラッシュバックして暴走しそうになるチハヤさんを止める刹那さんが「遠くに行っちゃう」って表現使ってるのも彼女のこれまでを思うとそりゃあ真剣味を感じざるを得ないですよね…こういう時のバランス感覚はさすが自称フェアリータイプ、ほどよく空気を読んでほどよく読まない
安定感のあるライダー陣営を中心に据えて、それでいてランサー陣営もチハヤさん&イグサくん陣営も足りないものを補い合えて、こんな盤石な譜面にこれから挑むなんて中納言ワクワクすっぞ!前スレ1000はポケモンとのことで。ひとまずタイプ/特性/性能ガン無視で覚えそうな技4選が思いつけたキャラを挙げときます
・レリック:はがね・みず/すりぬけ、するどいめ、いかく/アイアンヘッド、こわいかお、つるぎのまい、てっぺき
・二十彼:じめん・ノーマル/てんのめぐみ、きもったま、テクニシャン/あなをほる、おはかまいり、つきのひかり、ひかりのかべ
・ヨモ:ノーマル・かくとう/はりきり、すてみ、ちからずく/ポルターガイスト、とびひざげり、かわらわり、からをやぶる
・ヴィルレイ:むし・どく/ふしょく、がんじょう、どくしゅ/みがわり、おきみやげ、むしくい、クロスポイズン
・カステラ:ゴースト・はがね/じしんかじょう、ふみん、きけんよち/ゴーストダイブ、トリック、かげうち、スマートホーン
・京丸:くさ・フェアリー/フラワーベール、しんりょく、パワースポット/はなびらのまい、グラスフィールド、じゃれつく、ミストフィールド
・ワット:でんき・はがね/じょうききかん、せいでんき、ふみん/エレクトロビーム、でんじは、ギアチェンジ、ホイールスピン
・サルダナパール:ほのお・むし/むらっけ、もうか、かたやぶり/フレアドライブ、おにび、ちょうのまい、あやしいひかり
・淡路廃帝:ゴースト・みず/いかりのつぼ、げきりゅう、シンクロ/おはかまいり、うらみつらみ、アクアカッター、ほうふく
・石燕:ゴースト・フェアリー/てんねん、いたずらごころ、ものひろい/ひゃっきやこう、ムーンフォース、かなしばり、バトンタッチ
ちなみに考えるまでもなくコイツはポケモンだとこれだなっていうのは鵺→ゾロアーク、緒十→カイオーガ
鵺はイリュージョンで化てるわけではないですがね。え?いやいや食べてませんよ、さきっちょだけさきっちょだけ>>4
>>5
ダグラスさんとアクアステラさんが奇しくもタイプ同じなの良いですね。これでも覚える技の傾向とか全然違いそう
あと加々見さんがはがねタイプ入ってないのはちょっと意外カモ
>>20
カヴンさんワッカネズミに紛れ込んでても違和感ないのに自信満々にトレーナー立候補してるの可愛いな…頑張ってボール投げてる様が見たい…
ポケモンat名無しは自キャラだとセシボンなんかは脳筋なのでノーマルテラスにめがね持たせてはかいこうせんブッパとかしかしてこなさそう。変化技の必要性を理解してない男
ヨモはルナちゃんと同じバージョンにして遊びたいな…という思いと交換で片方しか出ないポケモン交換したりしたいな…という思いでまず購入の段階で悩む。割と序盤に会ったポケモンでひたすらレベル上げて突破していってそう
テレータは…レベリングとか耐えられるかなぁ…
>>43
おセンチな回想と独白に乱入してくるコルトさんェ…というのはともかく。思っていたよりも競奈さんの加入経緯が穏当というか、自主的なもので驚きましたね。でも理由が理由なだけに、現状を理解してもらえれば和解もスムーズに進みそう…?
そしてコルトさん。求道者を自称したりうるさかったり言語野が独特だったり、それでいて変に突き抜けているからこそどこか物事を見据える目があったり、となんだか某アルティメット求道者を彷彿とさせますね…案外とフェティッシュな彼も、何かしらのピースが違っていればちょっと変人なだけの仲間であれたかも?3日目の弓レイド考えてた時に妄想してた槍関連の展開をちょっと参考程度に放流してみます
・(六蘭の煽りによって騎達に真名バレたの前提で)ヨルムンガンド出現、動き出すヨルムンガンドに対しヴィマーナを出すライダー達に「ライダー、有沙。街の防衛は自分が引き受ける、其方は攻撃に集中しろ」と言った後に「心配はしなくていい。真名が割れた以上、隠す必要もないが……自分は、俺は趙子龍。防衛こそが、俺の本分だ」みたいな事を言う感じ
・ヨルムンガンドがライダー或いは街にデカい攻撃をしようとした瞬間に青紅剣解放、自身を傷付けた赫の光を見て一瞬本能的に注意が引かれるヨルムンガンド→趙雲「今だ、ライダー!!」→ヴィマーナの攻撃が直撃
みたいな感じで、サブアタッカーとして良い感じの動きをしたいなと。煽られた意趣返しもかましてやりたい。
あとは同時並行で刹那orチハヤvs六蘭もアリかもなって思ったり
>>44
京極製史上最大のダークな展開は伊達じゃないと思います。1章で闇濃度がブチ上がって2章で爆発します。まあしんどいのは前半戦がピークだと思うので安心してください
……まあアレですね。昂騎の目的は凌牙君本人が思っていた「復讐にでも来たのか」って予想の何億倍も悍ましくヤバい事になるのは確かです。それに着いて行ってる競奈ちゃんの思惑は何なのかってのが前半の鍵になるかもしれないしならないかもしれない
>>47
コルトさんはですね…今までたまに出してた妙に濃い脇役系や刹那ちゃんで積んだ変人キャリアの真骨頂というか集大成みたいな奴です。キモい面白い怖いの三連打
汚美しいはですね…おうつくしいってルビ振ってるとだけ。語呂良いなってなってブチ込みました。
とりあえず、コイツの目から見て何が美しくて何が汚らしいのかってのがコイツの核ですね。中々にやばい事をしでかす予定です>>49
タイプ同じなの良いですよね…あと海月ちゃんとムジカちゃんも水フェアリーで同じなのが結構好きだったり。
個人的なイメージだとダグラスは特攻高い型だけどアクアステラさんは変化技に秀でてそう感。
競奈ちゃんはですね…。最後のモノローグにある伏字と(自主規制)の(自主規制)が鍵です。この辺が明かされるタイミングが本当にざわつかせられると思うので楽しみにしててほしいですね。和解ルート入るかは…どっちも有り得る、そんだけだ…
とりあえず競奈ちゃんは強さ的には多分総合的に言えばトワ君くらいを想定してます。その分初見性能は高い。
コルトさんはですね…色々な意味で面白い事になります。船の展開で今まで無かった(アレ)への(アレ)をやるのでかなりとんでもない中ボスになるかもしれないです。好感度が上がっていくか高低差ジェットコースターになるかの二択なので俺もどっちに転ぶか一切の事は分かりません(チ◯ー研)
まあ、ネタバレにならない範囲で少しだけ言いますと2@za7:bk2qlfpypykutw@mtuljdq@dfudz4d@.-4k2qlw@r。
あとついでに前スレの最後のページに競奈とハナビのハロウィン絵置いてますので良かったら見てくれると嬉しいです。ハートの女王風コスしてるハナビちゃんが見れるですよちなみのちなみに>27で京極さんが仰っている通りセシボンはゲーム内でパラチンタが作れないことに不満たらたらです。というかカレーもサンドイッチも違いがわからないから攻略wiki必須になる要素
あとコイツのパーティを考えてみたのですがマホイップだのキュワワーだのオリーヴァだのになって実質サワロ先生みたいになりそうですたすけて
>>50
槍陣営の動き把握しましたー。趙雲さんへの煽りはね、叛旗の造反者以外にも、刹那さんに向けてのものもまた鮮烈にしていきたいところ。どうせならライダー陣営に向けても何か言った方が殴り甲斐あるかなーとも思いますが、まあ有紗さんの愛する故郷で実験してる時点で十分煽りにはなるだろうということで自重
ヨルムンガンドの隙もこれまでだとヨルムンガンド≠ロスヴァイセなのでちょっとなあとなっていたところですが、一度食らった宝具であればデータベースとして照応して反応はするかも、という良い塩梅ですね。二日目に喰らってて良かった!
耿実の脱落方法は本当に何でも良いです。それこそレイド戦場から少し離れた場所で悦に入っていたところを刹那さんの魔術支援を受けて隠密してたチハヤさんにずんばらりんされて…とかでも。好きに調理しちゃいましょう
>>51
お筆が早くていらっしゃる…早速拝見してきましたが二人ともキメキメで可愛いですね!もしかして下のカボチャさんたちは戦線の男衆でしょうか?放つオーラがそれぞれ違ってるのも細かい…
しかし推定ヴィランイメージとはいえアリスじゃなくてハートの女王選ぶハナビちゃんのセンスはやっぱりどこか独特ですね。武器を女王モチーフの鎌とか斧にせず金棒にしているのは彼女の戦闘スタイルが先行公開されていたり…?要素がたくさん詰まっていて読み取るのが楽しいですね>>52
ゴーストタイプって個人的にジムリーダーなんかもそうなのですが自己のゴースト性と調和が取れてるというか、コントロールできて共存できてるイメージがあるんですよね。なのでゴースト性に振り回されてるヨモはゴーストタイプには属さないかな、と
死化粧師ということでいかにもゴーストっぽい二十彼がゴーストでないのも共存してないからです。それでいて彼の場合は特性(きもったま)で一方的にゴーストを叩けるという。逆にヨモはノーマルだしかくとうだしでまさに暖簾に腕押しになってます
カヴンさんはほっぺすりすりというよりいかりのまえばの方が似合いますからね…可愛いのには変わらないから説得役の技量が試される
仲良しだァ…でもルナちゃんハマるとすごそうだから神秘以外にも趣味を持たせると生活力がいっそうヤバいことになりそう…ゲーム内のごはんだけじゃなくて現実のご飯も食べて案件になりそう…>>43
弾けてんなぁー!!なんか悪役ムーブしてる時に心の底から楽しんでる感じがしますね
ローザはまぁ……うーん……
>>45
拝見しました、こちらこそ改めてありがとうございました
シャフリヤーナもグローリアンの飼い犬ってことはクラッフのためち漏らさないけどアイツはちゃんと魔術のためにスパイやってるぜってことぐらいは言うと思います
こんな感じの関係性になるとは意外でしたね〜……
というわけで天墜聖杯戦争前スレ908の続き
https://bbs.demonition.com/board/11677/19/泥で汚れてしまったから泉で洗い流そうとした。ただそれだけだった。
「──────あ」
「私を見たな、人間」
満月がそのまま形になったような美しさ。流麗で、鋭くて、狩人という概念そのものを体現したかのような瞳。それでいて、豊満で整った、性的な魅力を押し出したような肢体。その美貌に、目を奪われた。すぐに目を逸らしたけれどダメだった。
奪われたからこそ、僕は呪われた。僕と、僕の愛する猟犬たちは呪われた。人としての尊厳を奪われ、惨めな獣に成り果てた。それでも、まだ。僕の相棒たちは僕にかけられた呪いがあってなお僕だと見抜いてくれる。それほどの絆があったのに。かの女神は彼らも狂わせた。やめてくれと、必死に泣き叫んで許しを乞う僕を食い散らかさせるように。
やめて、ひどい、いたい、ゆるして。なんでこんなことに?見たくて見たわけじゃない。なのにどうしてこうなった。たった一つの掛け違い。運命の踏み間違えでこんなことになるなんて。
そして何よりも最悪だったのは。そんな自分が英霊の座に招かれたこと。
英雄らしいことなんて何一つしていないのに。かといって、獣に堕ちて暴れたことで悪行をなしたわけでもないのに。そんなどっちつかずのただの男が、ただ獣に堕ちて食い殺されたという伝承だけでこうなった。後世においては人々が英雄として祀ったこともあるらしいけど、誇れるようなことはやっていない。
臆病者で、ただの人。神に刃向かう熱すらなく怯え続けた狩人。英霊になんてなれない。そうやって思っていたばかりで。そんな自分が、ただ一つ。己の主人と定めた少女のために。この身を捧げると誓ったのだ。“僕は英雄じゃない。英雄じゃないからこそ、この身を獣として君を守ろう。人であることを捨てよう。君のために勝利を捧げよう。それこそが、僕の誓い。たった一つ、僕が誇れる行いだ”
「なんだ……結局、ダメだったじゃないか……」
ボロボロの身体のまま、“アクタイオン”は地面に転がっていた。今の自分はもはやサーヴァントではない。アーチャーという境界記録帯の魂はすでに大聖杯へと吸収された。今の自分は、溜め込んだ呪いと吸い上げたマナ。それらによって残っている残滓。土地に色濃く焼きついた残留思念のようなもの。有り体に言えば悪霊だ。
「悔しい。悔しい、悔しい……!俺じゃ勝てなかった。俺じゃダメだった。あの子の願いを叶えられなかった。あの子を……傷つけた」
共に寄り添ってくれた相棒たちは既にいない。最後の最後まで、彼らはキャスターの攻撃から自分を守ってくれた。最後に撫でてあげられることもできずに消えていった。自分という個体は、何を為すことも出来なかった。
「ごめん、なさい。本当に、ごめんなさい」
「何を謝る必要があるというのでしょう。あなたはまだ、わたしのものだというのに」
柔らかな声と共に、アクタイオンだったものは抱き寄せられる。本来、既に実体を失ったはずの彼を捕まえる方法などそうそう無い。それでも優しく抱きしめるのは、紛れもない降霊術のそれだった。その暖かさに何処となく覚えがある。そうだ、これは確か、誓いを捧げた……「マスター?」
「はい。全く、あんな風に逃げ出してしまうなんて。今度はちゃんと躾けて縛らないといけませんか?」
「………今更、もう、消滅して……」
「させません。あなたの利用価値はまだありますから。ほら、あなたは消滅していないでしょう?」
そうだ。何もしなければ、きっと自分はそのまま残り香として消え去っていただけのはず。なのに自分は未だに健在で、ここでこうやって頭を撫でられている。なんだか身体も変だ。縮んでいる、ような。というかまだ、マスターとの間に霊的な繋がりを感じている。これじゃあまるで、繋ぎ止める要石としての役割をマスターが果たしているみたいじゃないか。
「みたい、ではなくそうなのです。わたしが自分に突き刺したあの矢を起点として、あなたに語りかけたとき。そのままパスを維持しました。サーヴァントを繋ぎ止めることは魔力のことも考えると現実的ではありませんが……霊地から徴収するマナを計算するのなら、サーヴァントではない悪霊程度ならば可能です」
「でも君は……キャスターのマスターが大事だからそうして……」
「それもあります。でも残念、わたしは魔術師です。恋心で動くのも道理ならば、損得勘定で動くこともまた道理。サーヴァントは荷が重かったけれど、それとは別に強力な悪霊が欲しかったのです。わたしに従順な良い子が。ただ聖杯戦争を降りるだけでは得が何一つないんですもの」
恋するナキを救うため、マスターとしての責任を取るため、自分の身体を傷つけてまでリディアはアーチャーを食い止めた。この二つの理由に嘘偽りはない。これらは全て真実だ。リディアは利他的な理由を込めてこの戦いに馳せ参じた。
その一方で、一介の魔術師として何か戦利品は欲しかった。ただ聖杯戦争に敗退するのは割に合わない。何かで採算を取らなければならない。ならばここで手を加えれば良い。サーヴァントですらない悪霊ならば、それなりに管理のしようがある。だから捕まえたのだ。この両手を広げてしっかりと。契約は結ばれた。もう離されることはない。まるで甘い毒花のように少女は微笑む。一度抱きしめた相手を逃すことは決してない。淫蕩で、清楚。無垢で、邪悪。相反する二つの顔を孕んだ魔性の側面は、未だ絶えることはない。その蜜を味わった以上、誰も彼女から離れることはできないし、離れることを許さないのだ。
「知っていますか?あなたは死ぬことすらできない。自由になることも出来ない。生きるのも、死ぬのも、わたしの許可が必要なんですよ。だってあなたはわたしのものだから」
「………ははっ。参ったね。もう、アーチャーですら、アクタイオンですら、ないのに」
「新しい名前をつけましょう。真にわたしのものであると示すために、わたしが名前をつけて飼ってあげます。そこには意味が宿るのだから」
「ああ……是非とも。死んだ後も君に尽くせるなんて、とても光栄だ」
「………どうやらアーチャーは消えたらしい。元がそこまでだったからな。セイバーとキャスターを相手にして健闘した、と言うべきだろう」
「お前は違うと?」
「ああ。残念な話だ。そもそもの力の差というものがあるだろうよ。キャスターと刺し違えれば御の字、それができずともまあ及第点。俺はそういう見立てだったが?」
「ば……バッカじゃないの!?!?他人の心配する前に人の心配しなさいよねっ!あんた……今から死ぬかもしれないのに」
ランサー、バーサーカー。単純なスペックで言えば中々のものである彼女たちは、皇帝の前に立ち塞がる。ライダーの神気はさらに荒れ狂い、その身から溢れる迫力は今や人のそれではない。まるで至上の芸術品を見ているような華やかさだ。「それにしても……ふむ。参ったな、これでは相手にならない。一人、二人……ああ残念だ。アサシンもここに馳せ参じていれば、お前たちは勝ちの目があったかもしれないのに」
「何を言ってる」
「ああそうか、俺の真名を知らないのか。ならばここに宣誓してやろう。俺の名前はガイウス・アウレリウス・ウァレリウス・ディオクレティアヌス。最後の軍人皇帝、ローマの体現。尊きユピテルの化身である。その偉業の一つを見せてやろう。“栄華織り紡ぐ四皇帝”」
ぐらり、と空間が爆ぜた。魔力の爆縮、そして変化。瞬き光る片手直剣を握るライダーの横に、槍を握るもの、弓を握るもの、得物以外は“全く同じ”ライダーが現れる。分身ではない。本体などない。全てが本物、全てがディオクレティアヌスだ。
「本来は俺が見込んだ人間やサーヴァントに干渉して魂の階梯を引き上げる宝具だが……此度の現界において、俺は皇帝に相応しい器の味方はいなかったものでな。ということで!“俺”がやる。全部で四人だ、遠慮はするな、たくさん味わえ」
「………あと、一人は」
「だから言ったろう?アサシンもいればよかったと。お前たちと殺し合う際は数的有利は保ちたいから常に一人多く配置するとは決めたんだ。だが……ほら、一人余ってしまうから」
「まさか……サイテー!アンタには誇りとかないわけ!?」
「誇りはある。あるから俺が手ずから殺そうとしているんじゃないか」
何度か拳を握りしめ、感覚を確かめる。宝具だから当然だが、新しく生成された身でありながら身体は自由に動く。きっと容易く他のマスターたちを駆逐できるだろう。この街一つ探し回るのにそう時間はかからない。見つけたら最後、雷で射抜いて終わりだ。陣が完成するまで待つつもりだったが、刃向かうのであれば仕方あるまい。時を待たずにバーサーカーとランサー、そして身の程知らずにも程があるアサシンのマスターだけは殺してしまえ。コソコソ話
競奈は両腕使って気合い入れれば230cmのコルトを魔術無しで持ち上げて運べる。ちなみに昂騎は片手で余裕で持ち上げられる。このゴリラチンピラ軍団がよ……
>>53
言われてみればサワロ先生との共通点見つからなくはないの草。
OKしてくれて良かった…チャンスは1回だけで成功する(ヨルムンガンドが反応するか)かは未知数、でも成功すれば確実にアイツに隙を作れる!!みたいな触れ込みを刹那に言わせようかなと思ってます。そしたら展開の気持ち良さ上がりそうだなって
カボチャは男組ですね。左がコルトで中央がローブニキ、右が腰細ニキです。昂騎くん?競奈ちゃんとハナビちゃんの服のラインとかをよく見てみるんじゃ…対比じゃ…
そうですね…まあメタ的に言えば他と被らなそうな奴+競奈ちゃんの海賊もですが悪者感ある仮装にしようと思ったのでハートの女王にしました。色々類似点はあるし…ハナビちゃんは自分の事未来の女帝って言ってるし…(プロローグinterlude参照)
>ハナビの持ってるの
半分当たりですね。ハート型の杖っぽいのにしようと思ってて、武器自体の匂わせをした訳ではないですが魔術のヒントはあるかもです。
ちなみに競奈ちゃんの方にもこっそり仕込んでるのがあるんですが、これかなり重要な奴なんで暇なら探してみてください。よく見ると「!?」ってなるのがあります。
>>55
弾けましたね。色んな意味で。暖めた分伏線もムーブも良い感じに決めたいです。前半のキーキャラなのでね…
果たして本当に悪堕ちしたのか、はたまた何か理由があるのか…どっちに転ぶか悟りづらい感じにしたいですね
>>61
アクタイオンさん生存ルート…!?いや厳密には違うかもですが実質生存だなコレは
アクタイオンに話すリディアさん、優しさと恐ろしさの両方の感じが見えるの結構好きですね…これは今後の展開への絡みも期待していいのだろうか
そしてレイドの片割れのライダー戦ですね…!こっちのが強いと謳ってますし、正直アサシンがどう動くのかキャスター以上に予想しづらいのでかなり楽しみです>>29
敵の捜索を優先して、別行動するのが自然かなと思います。電話等で連絡を取り合いつつ、臨機応変に動く感じで。
>>43
神秘の隠匿的に考えてそのうち魔術協会に潰されそうな組織とはいえ、全滅とはえげつない。
例の少女の加入経緯……これは、説得が難しそうですね。
>>44
もしそうなっていたら、千早の為に刀を打っていたかもしれませんね。
>>46
実際に動かすと、思ってたよりも頭が良い子が多かったので……。
正直、チハヤが仲間入りしたり、対セイバー陣営でも同盟が成立したりというのは想定外でした。
>>47
有沙としては、店が開いてる時間帯だったら服を買いに行かせたかったけど、残念ながら此処までもつれ込む事に……。
>>61
アクタイオン生きてた。
いや、アクタイオンと呼べる存在とはいえませんが……まさか、こうなるとは。裏ペ更新&ペレス槍陣営の話書いてきました。
>>25
実はライカは日本に居た頃遊んでたことはあるんですよね。その頃は表向き裕福な父子家庭だったので娯楽はありました。
ちなみにホラーイベントに遭遇すると「いらないいらない、ポケモンにそんなん求めとらん!」と半泣きになってたクチです。
>>43
うーんやはりこのアフロ、濃い!そして伏字の中を想像しながら読むのが楽しい。裏ペである程度情報を知ってるからというのもあるのでしょうが。
>>61
サーヴァントが敗退した後に残った悪霊。確かに魔術師としてそれを手に入れられれば採算は取れるでしょうね。そして何より志半ばで倒れたアクタイオンにとっても救いになったのではないかと思います。>>54
なーるほど一方的じゃなく共にあってこそのゴーストタイプと…それならたしかに当てはまりませんね
なのでまぁヨモちゃんにおかれましてはいつも以上に目を光らせていただきたく…言ってやってくださいゲームは1日1時間と
足りるかっ
>>61
し…したたか〜リディアちゃんめっちゃしたたか。全力で自分の欲しいもの全部をもぎ取りにいってたなんて、この子ったらもう…
四分割統治の逸話が4人まで増える宝具になるのやっぱ面白いな……見習いたいこの発想力
>>65
あ、やっぱり知ってたんですねライカちゃん。故郷ジャパン組の2人はポケモン触れたことあるor知っているだろうなと思ってました
にしてもゲームでもホラーなのはダメなのねライカちゃん…かわいいね…
>>66
なんと微笑ましい運搬シーンでしょうか、ほっこりしますわ
このあと?そうだね、改造タイムだね「小生の反響が凄いですねぇこんなに沢山の美しい応援の声を受けてしまうと小生嗚呼、ア゛ァッAHッッッッ嬉しさがキマりすぎてどうにかなっちゃうですよォォォ!!まあいいでしょう応援よろしくですよ(キリッ)」
(あの反応は応援ってより変人を見る目じゃないかな…)
何はともあれコルトさんの反響あって嬉しい。おもしれー上にヤバい男なので…お楽しみに…
>>64
了解です、連絡取るルートですね。と言う訳で今から書いてきますー
アレですね、破壊方面に向かった4人は普通にえげつない奴らです。ぶっちゃけ今回の2人はギャグ側面もあるけどこっちは冗談抜きの危険人物、的な奴らかもしれなかったり。
あの子は…1章時点では決着は付かないのは間違いないですね。とはいえ進めば進むほどにいろんな側面が見えてくるかもしれないです。
こっちもチハヤ仲間入りと対剣同盟はビックリしましたね。とはいえそれもスイッチ入ったチハヤの炎を止めたライダー陣営の説得のおかげですし、最善最良のルート辿った感はあると思います
>>65
アフロは本当に我ながら濃いなと…割とまだ詳細伏せてる敵達がエグいのでこの面白ヤバさがある意味癒しになるかもしれないしならないかもしれない
伏字はまあ、そういう事ですね。やっぱり伏字は書くのも見るのも考えるのも楽しいですからね…
>>66
本編で暴れた奴らがこういうので微笑ましくしてるのすきすき大好き。まあダメージに追い込んだのは俺なのでそこはごめんなさいね…
何気にロスヴァイセちゃんの顔全体見えたの初かもしれないですが可愛いですね…ちんちくりんなの好き>>47
そう言ってもらえると嬉しい限り…戦闘描写は当人たちの動きと同じくらい舞台の状況説明にも力を入れたかったので、バカスカ壊れていく訓練室は本当に助かりました
時計塔の権謀術数とはまたかけ離れたものになりましたが、殺.し合いに対するその後があっさりしすぎなところも含めて今の名無しでは到底味わえない空気感だよなーと。ほんとみんな優しい…
>>55
始め方から進め方まで至る所が自分都合で本当に申し訳なかったです…山星さんの書き方やクラッフくんについても色々学ぶことができて大変有意義なリレーでした
なるほど良かった、前にシャフリヤーナさんがクラッフくんの後ろ盾を見抜いて手籠にするみたいな内容のSSを読んだ記憶があったので闘争材料として秘匿事項かな…と心配でして。セシボンもグローリアンがどうとか言われても???でしょうからそれくらいが適切ですね
最初言及で投げ合った時の関係に着地するようにとは意識しましたが、やはり経緯と中身を詰めると違った色を帯びましたね…リアルタイムの妙味といったところ
>>61
リディアさん、恋を味わって一時はキャットファイトするほどまでだったのにめちゃくちゃしっかりしてる…成長を遂げたのはナキくんだけではない、といったところでしょうか
元アクタイオンさんも小柄になったようで、これはもう聖母さんからは逃れられませんね…思えばメルト家は降霊術の家でしたね。三姉妹の後継者争いもこれでリディアさんが一歩リード、かな?
そして所変わってライダーレイド。うん、ヤバいですねコレ。ディオクレティアヌスさんは黙示録の獣関係で厄ネタを抱えていらっしゃるようですし…最初セイバーを自称したり天海さんの手料理に喜んでたりしてた様を知っているだけに予想だにしない展開すぎて…ちなみに>66のお姫様抱っこですが耿実が真に大事に思ってるのは『改・機動装着式大神宣言』の方なのでロスヴァイセが仮に動力源としての役割を持っていなかった場合は最悪引き摺ってたりしました
彼の中では例えるなら
『改・機動装着式大神宣言』→スマホ本体
ロスヴァイセ→バッテリー
なので雑に扱って使えなくなったら困るよな、ということで人体を運ぶのに都合のいいお姫様抱っこになったわけです
>>67
傷ついた己のサーヴァントを気遣って運んであげる様はなんとも尊いものですねぇ()
そういえばすっかり聞くのを忘れてしまっていましたが、耿実が大神宣言の修繕のみならず改造に着手することに対してロスヴァイセは何かリアクションを取りますか?警告を出したりとか
>>68
本人としては↑のように本人なりに筋の通った行動ではあるのでギャグなんかでのキャラ崩壊でないのがこの際の妙ですわね。それはそれとして伊草のNGシーン集や舞台裏なんかも色々妄想したくなってくる性のありて
ダメージに関してはむしろ何もなしに改造→レイドボス化よりもどこかで誰かに傷つけられてって方が個人的に自然な運びだなと思っていましたので感謝したいくらいです。騎槍チハヤさんの同盟締結の糸口にもなったようですし結果的に万々歳
ロスヴァイセは大神宣言外したら身長125cm体重24kgですからね…弓陣営のスタンス的に全く描写できていませんがカワイイカワイイですのよアクタイオン「だったもの」について
サーヴァントではなく悪評なので力は大幅にダウングレード。それでも悪霊の中では強い方ではあると思いますがそうなりました
本人ではなく残留思念なので記憶についてもいろいろと欠損しています。本編で割と会話してたのは悪霊なりたてとか色々な状況が重なったから。リディアが持ち帰った後はもっと記憶が欠落して自己認識も変容します。あと角が生えて尻尾と鹿耳も生えたショタの姿になりました。カワイイ!
>>62
ネーミングはちゃんと考えるタイプですね、時間かけます
>>63
恋に浮かれるのは一つの側面だけれど、本質としてはこっちだと思っています
ライダーに直接狙われているマスターたちがどう動くかで変わってきますね
>>64
死んだ程度で逃げられるとは思わないこと、というオチです
>>65
死ぬまで働け、ではなくて死ん.でも働け。けれどきっとそれが何よりも嬉しいのです
>>67
骨の髄まで「魔術師」で「恋する乙女」なので!愛がでけぇほど強いという私のキャラクター観を表しています
本来の使い方とは逸れてるんですけどね。言及されてるように本来は相応しいと思ったやつの霊基や魂の階梯を引き上げる文字通り四人の皇帝なので
>>69
どちらかというと恋でブレにブレていたメンタルが調子を取り戻した、の方が正しいかもです。姉妹の争いはむしろここからが本番かもしれません。人間的強度が恋を知らなかったリディアよりも知ってる姉の方が強いので
明るく爽やかに笑いながら、邪魔となるものは容赦なく踏み潰せる。皇帝としての王の器と一介の青年としての爽やかさ、それらを兼ね備えているのがライダーです
>>66
これから趣味と実益を兼ねた作業するからそりゃあニッコニコですよね……>>79
あと火村さんのペーネロペーにもちびアテナがついてきますね
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/wiki/%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%83%8D%E3%83%AD%E3%83%9A%E3%83%BC>>81
個人的なイメージとしてアテナって生まれからして神とかの超常的な存在に対抗する力や文明の女神なので人間の歴史にも関わるところが膨大ですよね…
まあ解釈違いが発生してもその部分が小規模なら「神は信仰によって形が変わる」的サムシングで乗り切れば…
鯖鱒のコミュニケーションを深める上でどう扱うべきかの要ですよね、アイデンティティ。弓陣営はお互い平行線ですが、それこそ槍陣営なんかは掘り下げていきそうで面白いところ
考えてた流れ的にもちゃんと断りは入れるので問題なさそうですね。あと割と重要かな?という部分なのですが、大神宣言の改造ってどれくらいのリソースが必要でしょう?改造費、というよりも改造するという段階に入るまでで
確か獣国あたりでダヴィンチちゃんが「神の生み出したものは私でも改良が難しい」みたいな発言があって、それを補うために耿実には令呪を一角切らせるべきかなと考えているのですが
>>82
シャントリエリさんのサカバンバスピス顔とてもめずらしい…一体どんな深淵に触れてしまったのでしょうパラス・アテナとペーネロペーの方がうちのアラクネやディオメーデスよりも「アテナ自身」を題材にした掘り下げのすり合わせはデカそうだなぁと思いました
うちのアラクネもアテナとの関わりは根幹レベルであるのですが……「蜘蛛化は呪いであり祝福」「織物の腕前はアテナに劣るものではなかった」の大事な設定二点だけ最低限すり合わせできれば問題なく併存できると思いますので>>88
そんな気は…してきましたね…
まず「アテナ」という土台を整えないと何も進みそうにないから火村さんとユージーンさんにどういう形のアテナ様を想定してるかお聞きしないとだなぁ
……他にも別の形でいらっしゃらない、です、よね?不安になってきたぞぅ……しかし都市と聞くとどうしてもテノチティトランを思い出してしまう今日この頃
これからぽこじゃか登場するだろうな〜と思ってました都市鯖。それこそアテナ+ポセイドンを名乗るプリテンダー・アテナイとか
>>87
やっぱりそれくらいが妥当ですよね、了解です
令呪切る契機として流れ的にロスヴァイセが警告する時一緒にor断りを入れられた後報告するというのがスムーズかなと思っているのですがどっちの方があり得そうでしょうか?
無論彼女のキャラクター性を鑑みると自主的な報告は違和感があるから難しいということも全然あると思うのでその場合は普通に耿実自身が察して使うようにします
令呪一角なくなってくる方がレイド突入前に刹那さんなんかがそれを見抜いて周りに警戒を促す〜みたいな展開も挟めそうーと考えてたら耿実の令呪位置がうなじだった。当時の私はナビルナでも読んどったのかおのれホスト規制……。
アテナの話です?一応色々と考えてはいますので必要とあらば裏ページかどこかで黒鹿さんと情報共有しましょうか?
>>67
ホラゲーとしてプレイしてたなら大丈夫だったけどポケモンをやってる時に挟まれるホラーにはびっくりしてしまう、そんな塩梅ですね。
>>76
あ………(完全に忘れてた顔)
えーっと、あれです。初戦の後のパラスちゃんの暴走周りで本人はまだ「何故こんなことをしたのか」という点からアサシンのことを覚えてるうちにセイバー達がアサシンのことを忘れてることに気付いて該当するスキルを検索して情報抹消に辿り着いてそれ以降今回の話まで情報抹消対策のスキルを取得し続けてた…みたいな?
我ながら苦しい言い訳でしゅ……。>>76
>>91
ふぅむ。
GMの私が考えた理由(建前)としては
①ランサーは女神の神核とアテナの権能を保有しておりアテナは知恵の女神でも有ります。ランクもAと事実上の最高ランク。
それによる分析補正はあるのではないかと。(ランサーの神性自体はトリトンのものだろと言われるとどうしようもないのですが……)
女神の寵愛スキルで過保護な加護とされていますが肝心の加護の範囲が明記されていなく、原作の寵愛スキルはステータスアップ効果なのでこれは同様のものとして慮外するとします。
②アサシンの情報改竄スキルはEX、同じくランサーの幸運ランクもEX。対してアサシンの幸運ランクはD。
EXランク自体はけして最高ランクという意味ではなくあくまで評価外。場合によっては上振れも下振れも有ります。
ラスアンのドレイクが顕著ですが格下相手の岸波達相手では銃の故障(ジャム)という形で逆に自身の不利に働きましたからね。
③ペレスの舞台自体が古代ギリシャ鯖に対して最大の知名度補正の働く土地であるため、出力の補正がかかります。
総括すればアテナの加護、同格の幸運、土地の相性の三点で以て情報改竄に抗したということはどうでしょうか?
メタ的に言えば論理と分析による解答は筆者の頭脳に依存するのでロジック組める人ならともかくそうでないなら難しいので……。
原作アポでジャックの抹消スキルってどう破ったんだっけか……。FGOだと事前情報による逆算だったはず。
まぁ、スキルを正当機能させるとすると最後まで初見の対応ということになるのでそれで通したいというのであれば一考します。
究極的には過程をすっ飛ばしてる私が悪いので責は私に有ります。>>91
あ、やっぱ忘れてた感じ?
>>93
>原作アポでジャックの抹消スキルってどう破ったんだっけ
「ジャックは霧を使うんだ!」が判明したのは多分完璧第三者(対戦相手でも戦闘目撃者でも無い)なカウレスくんが携帯で写真を取ったからになるのかな?
少なくとも戦闘相手なジークくんやケイローンはジャック撤退!の直後で既に(奇襲手段なんだっけ、武器なんだっけ、そもそもどういう見た目なんだっけ)になってた感。
さて今回の焦点って「言動がムカつく」でそっちは一応ジークくんはジャックのフィオレ奇襲後に「ころしてやる」と言われた事は覚えてたようですが、能力面とはほぼ無関係なので、サタンがやりとりに関する記憶を改竄してたら分析やら論理は関係なくなっちゃうよね、みたいな。統括防衛機構にして星間兵器格納艦、星間航行船団の守護を担う艦であった。船団が地球に不時着して以降地球の神として振る舞い出した当初のアテナは非常にシステマチックで融通の効かない性格だった。
それをどうにかしようとゼウスはポセイドンが地球の神との間に設けた子のそのまた子である孫娘と共に過ごさせる所謂情操教育を計画し、他の十二神の同意の元実行した。
楽しかった、楽しかった、楽しかった────
それまで物事を1か0かでしか見ていなかったアテナの中に感情と呼べるものが芽生え初めた頃。
「真剣勝負で私が一本取れたら、アテナに伝えたいことがある」
そう言って始まった手合わせ。いつになく本気なパラスに釣られてアテナもまた手合わせ用の刃引きした武器ではなく真剣を抜いてしまう。
それが悲劇の始まりだった。
手心など加えていない、油断などある筈もない。純粋にその瞬間パラスの迫真の一撃は確かにアテナすら上回った。上回ってしまった。
『現地知性体からの攻撃を感知、自動反撃形態へ移行します』
ゼウスがヘファイストスに造らせ、アテナの端末に備えさせていた自動防御・自動反撃の神造兵装アイギス。本来アテナとパラスが居る島に外敵が来ることを危惧して持たせていたそれがアテナが真剣を持って対峙している相手を敵と認識してしまい、パラスを殺めてしまう。
パラスの死にアテナは嘆き悲しみ、ハデスの元を訪れパラスの再生を懇願するも断られてしまう。「もう知らない!おじ様の追加武装なんて永遠に格納庫の肥やしにしてやるんだからー!」と捨て台詞を吐きながら走り去る様を見てハデスは「感情豊か過ぎないだろうか」と心配になったとか。
「自動防御なんて要らない、自動反撃も攻撃も要らない、全部マニュアルで操作する!」と次々と自らの機能をパージしていくアテナを見かねたゼウスが宥めようとしたところ、あろうことかアテナはゼウスの人型端末に武器を振るいその頭を砕いてしまう。パラスの死は主神であるゼウスにすら八つ当たりしてしまう程にアテナという機神に深刻なバグを引き起こしていた。
アテナが落ち着く頃にはパージされた機能郡は複数の神造兵装となり後にアテナが気に入った人間へ貸し与えられることとなる。我ながら読みづらいなコレ。要約するとですね
『機神アテナ』
十二機神が地球に来た頃のシステマチックなAIみたいなアテナ。女神としての情操教育のためにポセイドンの孫娘のパラスちゃんと一緒に暮らすようになる。
『アテナ・リリィ(仮)』
パラスちゃんをモデルに作った人型端末。パラスちゃんとの交流で段々情緒が芽生え始めた頃に不本意でパラスちゃんを殺してしまい発狂。
癇癪を起こして機神としての機能をパージしまくってゼウスにも八つ当たりする程バグり散らかす。
『女神アテナ』
紆余曲折を経てやっと落ち着き女神らしい振る舞いが出来るようになったアテナ。機神としての力の多くを人間に扱える武器や防具に加工して与えるようになる。
神話で登場するアテナは大体女神アテナの頃なので他サーヴァントとのすり合わせもし易いかなと思ってます。>>97
>>98
ありがとうございます!
で、さっそくですが困りました
実は私も「機神アテナ」をイチからガッツリ作ろうと思っていたんです。今企んでいること的に機神とその真体を利用しようとしていたので
それがまさかすでに存在していたとは…不覚…
しかしどうしたものか……一番早いのは私が機神アテナを諦めることでしょうけど、こんな早々に諦めたくはない
かといって後出しの分際でユージーンさんが先に作っていた機神アテナにあれこれ注文つけるほど蛮族にもなれないわけで…
…どうしましょうね?
>>99
もちろん頑張ってほしいのが本音ですがまずは風邪を治してくださいまし!
コンディション整えてから取り掛かった方が結果的に早いってこともありますし、無理せず休んでください
風邪が長引いたりしても私が代筆したりできるので大丈夫です。ええ大丈夫!伊草のこともアテナのこともありますがこっちも進めていきますぜフィンランド編
というわけで投下投下~機械人形の動きは見えていた。
見えていたから、落ち着いてもいた。
アントンさんの脇からまっすぐこちらに向かってる金属の肢体。ひどく偏った、獣にも似た前傾姿勢で飛びかかる小柄な兵器に意識を集中する。ゆっくり、ゆっくりと世界がスローモーションになる。
コンマ数秒で重心を大きく後ろに傾けた。身体が後ろに倒れ込みそうな姿勢。そんな無茶な体勢をしてまで生み出した腕一本分の距離に、ためらわず腕を伸ばす。
魔力を回す。灯火をイメージする。ごくごく単純な魔術による火の玉で跳ね返してやろうとして、はたと気づく。
そうだった。魔術、使えないんだった。
横を見る。メレクはこの事態に気づいていた。けれど、今しがた懐に伸びていく手がもう間に合わないことを示している。
奥を見る。アントンさんが驚愕に染まった表情でこちらを見ていた。これは、アントンさんにも予想外のことなんだろうか。
前を見る。機械人形の左手が持ち上がっているのが見えた。手には短いながら火焔を帯びた刃がある。切っ先はもちろんこちらに向けられて。
直後に、金属音。硬くも甲高い音が響く。
音の根源は眼前まで迫っていた機械人形と、背後から投じられた鎖がぶつかることで発生したものだった。真正面から鎖に打ち付けられた機械人形が来た道をそっくりそのまま戻るハメになる。
私は機械人形から意識を外して勢いよく振り向いた。店の出入り口に、ふたつの影。
片や、白髪だの白衣だので頭からつま先まで白色に染まっている痩せ細った男性。さっき話もした、冒険の先輩さん。
片や、褐色の肌に土色の服とも言えない布を被せられ、首輪に手枷足枷を付けられた女の子。こっちは、初対面?>>102
投じた鎖も少女の枷から発生しているもののようだった。隣の男性とそこだけはお揃いのような白髪を揺らしながら、鎖を引き戻す。
それを見届けてから男性の方が口を開く。
「失礼。緊急事態と見て、独断で対処させて頂いた。……貴方がミスター・アントンで間違いないだろうか?」
「っ……ああ合ってる! 合ってるが、後だ! いいか嬢ちゃん、今見たのは───」
焦った様子で私に何事かを訴えようとするアントンさん。機械人形よりも、暴力的な鎖を投じた乱入者よりも、なにより私と、そしてメレクに目線を向けている。何に対する焦りか、すぐには判断がつかない。
「ミスター・アントン。そう慌てる必要はありません。何故なら、ここにいる全員が魔術師だ。神秘の秘匿は保たれている」
「ああ!?」
アントンさんの表情も動揺も隠しきれないものとなっていく。ああそっか、アントンさんが気にして神秘の秘匿か。私たちがただの観光客とでも思っていたから。
「あんた……あんたも、魔術師だったのかい」
「うん、そうなの」
「ならあんたの追いかけてるモンも…………くそっ、ままならねぇ」>>103
何に対する憤りか、アントンさんはガリガリと勢いよく頭を掻く。驚きが連続しているのだろう。明らかに冷静じゃなかった。
……私はと言えばそう驚きはない。機械人形に驚かないアントンさんと、見るからに神秘に由来する少女を連れたあの人。どっちも魔術師だと思えば話は早い。
対照的な私とアントンさんを見て、また乱入者の口が開く。
「加えて言えばこの村にいる全員が魔術師だ。この地の神秘は村民たちに総意の下に保たれている」
「は?」
「いや、この言い方は正しくないな。あくまで村民たちは魔術を正しく認知しているだけだ。この地特有の魔術師の"別称"が神秘の中心だ」
「別称、っていうのは?」
呆然と、漫然と、答えだけを欲しがる子供みたいに私は質問をしてしまう。名も知らぬ男性は、にこりと笑って答えた。
「君も知っているはずだ。楽師───ペリマンニの名を。この村に限り、ペリマンニを名乗る者は例外なく魔術師なんだ。……違いますか? ミスター・アントン」
視線をアントンさんに向けて、問う。
形こそ質問のものだったけどその言葉はある種の確信に満ちていた。
アントンさんが呻く。店に入り込んだ計四人の異分子どもをどうしたものかと図り兼ねている。>>104
「……お前は、何だ? 誰だ?」
「私は名はフリッツ。ただのフリッツだ。それ以上の名は荷が重いのでね、そのように呼んでくれると嬉しい」
妙な名乗りだった。不自然でいて、けれどもそれこそが自然であるかのような。
「そっちの嬢ちゃんは?」
「……私は、アンです。ただのアン。それ以上は要りません」
ひゅうひゅうと洞穴に流れる風のような音に乗せた声で少女は名乗る。こちらもまた妙な名乗りだった。
アンと、フリッツ。それが2人の名前であるらしい。
私と、メレクはそのやり取りを呆然と見ている。ああいや、メレクはさっさと私の隣まで来ていたから、ぼうっとしていたのは私だけだ。
フリッツさんの目がこちらに向けられた。
「やあ、早い再会だったな。どうも私達には縁があるらしい」
「そう、ですね? いや、そうじゃなくて」
聞きたいことは今しがた大量にできたところだ。この村における神秘のなにをどこまで知っているのか、根掘り葉掘り聞かねば収まりそうにない。
その気配が漏れ出ていたのだろう。メレクがゆっくり引いて私を下がらせると同時、アンと名乗った女の子がフリッツさんを守るように立ちはだかる。>>105
「先生には、触れさせません」
「アン、彼女たちは敵じゃない。少なくとも今はね。……レディ、私はここに答え合わせをしに来た。差し支えなければ、君も聞いていくといい」
「答え合わせとは何ですか」
これはメレクが我慢できないとばかりに聞く。
「もちろん、この地における神秘についてだ」
「てめぇは魔術師のくせに魔術がなんなのかも知らねぇのか? 答え合わせと言われりゃほいほい答えンのか?」
「まさか。魔術師の道理は弁えているつもりです。平時であればこのようなことは口が裂けようとも聞けはしない」
「……まて。平時ならと言ったのか? そりゃつまり、」
「つい先ほどの話です。ペリマンニによる演奏会が行われていた会場が襲撃されました」
「!」
「襲撃!?」
「オイ、その襲撃してきたやつらってのはどこから湧いてきた!?」
「湖面から現れました。ちょうど店の奥から出てきた機械人形と同型の群れがね。やはり、心当たりがあるようだ」
「っ……!!」
がたんと椅子を鳴らして立ち上がる。鬼気迫る表情に染まったアントンさんが外へ向かって駆け出す。>>106
その行く手をまっすぐに伸びた鎖が塞いだ。アンと呼ばれたあの子が腕そのもののように鎖を操っている。
「行かせるわけにはいきません。貴方には最低限、この店から出てきた機械人形の説明をして頂きます。でなければ襲撃の首謀者と捉えねばならない」
「っ……ンなこたぁ」
「えぇ、難しいでしょう。疑いをかけられて程度で己が神秘を口にする魔術師はいない。……ですから、答え合わせを、と」
「…………」
アントンさんは何も言わない。鎖を睨みながらの思案も一瞬で、すぐにカウンターの椅子に音を立てて座り込んだ。そうしてフリッツさんをじろりと見上げる。
言うだけ言ってみろ。とその目が語っていた。
「では単刀直入にいきましょう。あの機械人形はすべて、神造兵装レーヴァテインを模して製造されたものですね?」
「…………突拍子もない名前が出たが。根拠はあンだろうな?」
「……───曰く。それは杖である。
───曰く。それは細枝である。
───曰く。それは魔弾である。
───曰く。それは剣である……と。かの黄昏をもたらした神造兵装は決められた形を持たない。無形、無貌、無数にして唯一の滅びをテーマとした。そのテーマに則って再現するのであれば、自ずと選択肢は限られる。単一でありながらも数多くの兵器たる形へと」
「あるのかい、そんな便利な形が?」
「人です」>>107
短く、しかと、告げる。
「この場合の人体の有用さは発達した脳や二本足で立つことではなく、指にある。生まれながらに揃った五指は道具を使うという一点において他の追随を許さない。どの兵器よりも人体こそが兵器を万能に振るえる。人を人たらしめる形状こそが最も闘争に相応しい。アレが小柄ながらも人の形を取っているのは、そういった理由からでしょう」
「随分と前提をすっぽかしやがる。ただのヒト型兵器を作るならそれでいいだろうけどな。だがレーヴァテインはどっからきた? ここはフィンランドだぞ? まさか北欧だからなんて雑な括り付けで言ってんじゃねぇだろうな?」
「私はかつてこの地で行われた聖杯戦争を知っています」
ぴりぴりと空間の緊張が高まっていくのがわかった。
この人はなにをどこまで知っているのか。私たちだってナインがいなきゃたどり着けなかったであろう話を容赦なく暴いていく。それが正解に近いことはアントンさんの様子を見ても明らかだ。
「直接参戦したわけではなくとも、召喚されたサーヴァントと、召喚を行ったマスターの概要程度ならば知り得ている。召喚されたサーヴァントは、巨人王スルトにその妻シンモラ。参加したマスターの中にはかの神造兵装を賜ったエルキセン家の者も参加している。いずれもレーヴァテインに縁のある存在だ」
「……偶然ってのはあるもんだろうよ」
「魔術の世界において偶然と運命の境界線はひどく曖昧なものです。どのような意図があれ、こうも揃ってしまえば必然的に意味が生まれてくる。ですから、私は捉え方を変えたのです。かの魔術儀式は争いを目的にしていない───と」
「…………」
「マスターは"それ"を目指して製造された者たち。サーヴァントは"それ"を目指して召喚された者たち。無形、無貌、無数なる特性を活かした、儀式におけるあらゆる要素を"それ"で埋め尽くした聖杯戦争。言うなれば『火焔聖杯戦争』とでも呼ぶべき魔術儀式が10年前に存在した。……そこまで知っていればこそ、この地の神秘をレーヴァテインに結び付けて考えたのです」
「……ほんっとに、見てきたように語りやがる。どうやってそこまで知った?」
「『どうやって』? その問いは魔術師に向けるのはナンセンスでしょう。方法など、いくらでもある」
魔術師ならば、その物言いは正しい。>>108
遠方を覗く魔術もあれば心の内を覗き見る魔術もある。現地まで赴けば現地の人間を暗示にかければペラペラと喋ってくれるだろうし、生きた人間がいなくても降霊してしまえばそれで事足りる。
なんのかんのと言っても魔術が超常の力であることには変わりない。
アントンさんもとうに承知したことだろう。とっさに反発することはなかった。
「そうだな……魔術なら大抵のことはできる。そこは認める」
「ご理解いただけて何よりです」
「だが、できないことも、ある」
「……」
「お前はさっき言ったな。機械人形はレーヴァテインを模して造ったモンだと。そりゃ『どうやって』だ? 神代の神造兵装を、どうして現代の魔術師が造れる? そもそも、おれらペリマンニとなんの関係がある?」
「……私も、そこがわからなかった。かの神造兵装の出自には巨人の手によって鍛えられたとも語られる。人と巨人。現代と神代。もはや交わらぬ種と時代の垣根を如何なる詐術をもって乗り越えたのか、私には見当も付かなかった」
ここにきて初めてフリッツさんが毅然とした態度が崩れた。
痛いところを突かれたとでも言うように顔を伏せる。隠しきれない弱音が、表に出てきたかのように。
「だから10年前から今日に至るまで、踏み込むことができなかったんだ」
「じゃあなんだ、答え合わせとやらはこれで終いか? ええ?」
「いいえ。ここからは頼もしい助っ人に加わってもらいます。……レディ、君の話を聞きたい」
「…………」>>109
そのままフリッツさんの目がこちらを向いた………………え? こっち見てる? ってことは?
「助っ人って私!?」
「もちろん君だとも、レディ」
「私ペリマンニの魔術なんて知らないのに!? さっき踊っただけなのに!?」
「だからこそだ。先入観を持たない君の感覚が、この場においては大きな助けとなる」
「ええー…?」
わからない。ペリマンニたちの演奏が大事ならあの場でピアノを弾いたメレクのほうが適任なんじゃないだろうか? 踊っただけの私に語れることは多くない。みんなと一緒に盛り上がれて楽しかったくらいだ。
実はポンチョの下に隠したナインの存在に気づいていて、それを暴こうとしてる……っていう雰囲気でもない。アントンさんだって訝しげだ。どういうつもりなんだろう?
「率直に聞こう。あの場で踊ってみた感想は?」
「ん~~、楽しかった!」
「私もだ。運動不足の身には厳しくもあったが」
「途中、ぶつかりそうになってましたもんね」
「しかしぶつからなかった。君もそうだったが周りにいた踊り手たちは皆、上手く避けてくれていた。いっそ不思議なほどに」
「不思議、でもないような? 夢中になってたら隣にいた人の動きもなんとなくわかるし」
「ほう。あの場にいた者はその多くが初対面だった。私に限定してもあの場では名前すら知らなかったはずだ。それでも、わかるものかね?」>>110
「うーん……なんでだろ、同じ音とリズムにノってたら、みんなの気持ちがひとつになってたような……」
「そう、そこだ」
「はえ?」
どこ? と聞き返しそうになって、はたと気づく。自分の言葉をヒントにして。
名前も知らない初対面の相手とも気持ちが通じる。
言語も人種も分け隔てなく。一時的な錯覚であれど、ペリマンニの奏でる音とリズムは原始的感覚に基づいたコミュニケーションを実現していた。
もしかしたら。
もし、このコミュニケーション方法を適用できるのが、人間同士だけではないとしたら。
「……音楽の力で、人と巨人を繋いだ……?」
「正解だ、レディ」
満足げにうなずいて、そして、続ける。
「この村のペリマンニたちは本質的に音楽の魔術師ではない。音楽を介して受け継いだ巨人の魔術こそが、この村の秘めたる神秘だ」『ペリマンニ・コード』
音楽を介することで限定的に再現した巨人の魔術。
共感性向上に特化した音とリズムをコミュニケーションツールとして使用することによって、人類種の外にある神秘すらも限定的に再現した言語体系に依らぬ共通変換コード。
再現とあるが完全ではない。巨人から人間へ伝える過程に音楽という一要素を挟む以上、再現性の低下は免れない。
また魔術の発現にはどのようなものであれ音楽に沿った形が必須となる。これもまたオリジナルから遠ざかる一因となるだろう。
反面、音楽という形に則ってさえいれば再現できる魔術の種別や体系に上限は無い。それが神代に生きた巨人のものであってもだ。
ペリマンニと呼ばれる民族音楽家の彼らは楽譜を残さない。音を音のまま伝える口伝という形で残してきた。この継承形式は神秘の隠匿と魔術の性質にこの上ない形で適合した。
はじまりに、音楽のみで巨人と接触を果たしたいわゆる"初代ペリマンニ"が存在したことは間違いないが、彼または彼女がどれほどの巨人の魔術を聞き出したのか。またそれらをいくつ残したかは定かではない。
いずれにせよ、北欧地域における人外の神秘を複数継承および保存しているものと推測される。
ここまで~&ペリマンニの神秘解説どーん
みなさんが良ければこちらはフリー設定のほうにも突っ込みたいなと思っております>>113
そうなんですよねー…結局それが一番収まりがいい
少なくとも困る人がいないですし
そうするかぁ…>>100
黒鹿さんの考えてる機神アテナについて分からないので断言はできませんがうちの設定と組み合わせる事は出来なくもないと思います。
うちのアテナ像で重要なのはアテナ・リリィの部分の『アテナの人型端末はパラスを模したもの』『パラスと交流を深めていく過程でパラスを死なせてしまって嘆き悲しんだこと』『機神としての機能の多くを削ぎ落として女神アテナに成ったこと』なので機神アテナの部分は割と融通が効きます。
>>112
な、何ーっ!?音楽を介して神代の神秘を再現だとぅ?
これは…ミソラちゃんに知られちゃいけないやつだ……(モーツァルトの音楽を聞いてこれで無理ならと音楽魔術に見切りをつけて魔術師から魔術使いに転向した人)
そして火焔聖杯戦争の格好良さよ。こういうのはなんぼあってもいいですからね。生存報告 創作活動はできる位に回復できました
後編最速クリアしたら速攻で伊草書きに行きますので日曜までには出せるようにします、もうちょいお待ちを
あと談話室はクリアしたら伺います
p.s. 刹那ちゃんのグレムリンズみたいな使い魔をライダー陣営について行かせたら連絡とか仮に弓と接敵したのが槍だった場合の騎誘導とかやりやすくなる説ないですかという案を提示したい>>96
>自分に対して強い敵意(立ち向かう気概)を示してくるランサーを気に入り、敢えて改竄しなかった
うーんやっぱりヒントがあからさま過ぎたか……。要するにそういう事ですね
サタン「ランサーは戦場に理想を見る守護の戦士……ほう!からかったり煽ったりすると良い『試練』を設定できそうですねぇ」
ランサー:煽られて暴走。怒り心頭の精神で本質である”護る英霊”という在り方を貫けるか?
飛鳥ちゃん:若干暴走状態にしたランサーの手綱を握れるかな?
黒鳥さん:そんなちょっと制御が面倒になってる同盟相手にちゃんと自己主張できる?
サタン「3/4に楽しく『試練』出来る!ヨシ!……セイバー?まぁ己は強いですし、強敵として立ち塞がればいいでしょう」
みたいな。こういう思考回路で今のシチュエーションを作ったとすればまぁ”らしい”流れにはできそうかなぁ、と。結局はSSの描写を受けての対応なのも間違いないですが、キャラ的には不自然じゃない感じっぽい気がする!!
んでコレを適応するとしても、サタンの戦法(雷撃と斬撃)に関しては初見対応って事にしてくれれば自分としては問題ないかな
>>119
>談話室はクリアしたら伺います
ウィッス。
>刹那ちゃんのグレムリンズみたいな使い魔
そういやそこら辺の設定全然詰めてねぇわ……グレムリンとかの使役方法はニチアサ戦隊ヴィランみたいな誕生方法だといいなぁ!!的なのは考えてますが『あなたはあなたのままでいればいいの。ゆっくり歩んでいけばいいのよ。そうやってお母さんは言ってたんだ』
「それってとってもひどい言葉ですね。あなたじゃないあなたは価値がないみたい。人の歩みを止めるなんて人として最低だ。というか一分一秒で人の身体は変化するのだから常にお前には価値がない、と言っているようなものでは?」
雷鳴が鳴り響く星空を、少年は睨んでいる。その手に握る水晶の矢はとっておきの特注品。おおよそ四小節ほどの魔術詠唱と、それにより発動する魔術が収められている。最高峰の対魔力でない限り、減衰されても通る手筈だ。ゼロが6つはつくであろうそれを手で遊びながら、少年は通話先にいる雇い主と会話を交わす。
「石橋は叩いて渡れっていうじゃん。私も割とこっち派なんだよね。出し惜しみの安全志向こそまさに美徳!そうでしょ?」
「そうですか?俺は札束で叩いて渡りますよ。
金さえあれば橋は渡れます。あ、被りも伝票でしばいて殺します」
ちなみに少年に金を貢ぎたいような推しはいない。強いて言うなら自分だ。自分のためなら湯水のように金を使ってもいいと思っている。
「なるほど、資金力の差。命も愛も金で買える。資本主義って悲しいね」
「そんな、じゃあこの世に喜びが何一つなくなっちゃうじゃないですか。ひどいことを言うもんですね。人畜鬼畜の虫畜生」
現実を見がちなロマンチストと、現実しか見ないリアリスト。なんて生産性のない会話なのだろうと思いたったがすぐに会話を取り止め、少年は……ルフは、矢を番える。深呼吸と、殺意の増幅。当たらなかったら、を考えてはならない。当たることを考えて射るべきだ。心で負けてパフォーマンスで勝ることができるほど、相手は弱い存在ではない。『ねぇ……本当にいけるの?』
「俺はあの英雄の弟子だ。当たらないわけないんですよ。いや、当てられないならとっくに博物館で死ん.でます」
鍛え上げた業は現代の英雄である彼の師が磨き上げたそれの体現。不条理を斬り、理不尽を穿つ。生まれ持つ武才と天性の肉体によるものを、百回挑んで千回殺されて体得した。師のようには扱えないが、人の身で人を外れた業をみせることはできる。そのように生まれ、その才能を開花させたからだ。
如何なる技法か、右手に握りしめた弓はひとりでに矢を番え、弦を引いている。いや、違う。“見えない腕のようなもの”が左手の代わりに役目を果たしているのだ。しっかりと矢を番え、狙いを定め、集中している。空いた左の手は水晶の矢を二本、握りしめている。
『どうやってんの?魔術じゃないよね』
「……チャンネルを変えるんですよ。空間を支配して、“第三の腕”を創る。師匠みたいに生まれつき魔力を操作して、とはなりませんでしたが」
『えぇ……まあ確かに超能力は脳によるものって聞くけど……というか肉体がなんか変?』
「作り替えてますから」
自己暗示、呼吸、体重の運び方。その全てが一つの形を成し、魔力を練り上げる。これは魔術回路によるものではなく、一部の天才による神秘。本来なら埋まり腐らせていたものを光らせた、“日常に戻れなくなった理由”とも言うべきもの。この境地に辿り着いた時から既に、ルフは兄弟たちが歩んだ道は捨てている。それが、この一矢であった。
「──────執った」寸分の狂いなく、殺意の鏃はライダーの眉間を貫いた。弓とは思えぬ轟音を鳴らして、空を切って神を抉る。凡人では成し得ぬ妙技が炸裂した。
「この時代の人間がここまで……って、ああ。本命はそれか」
その一撃も、ライダーの前には通用しなかった。展開した雷壁によって跡形もなく焼き尽くされた。神を貫くには“まだ”足りないし、さらに威力を底上げするには魔力を練り上げる必要がある。その動作へ映る前に、ライダーの風雷がルフの身体を貫くだろう。
というのも全て予見したうえで、ルフは次の策を練っていた。水晶矢を二本、空いていた左手で連射する。先程の一矢に比べると威力はないが、まるであり得ぬ軌道を描き、ライダーを挟み込むように襲い来る。命中する直前に水晶が砕け散り、四小節の大魔術が発動した。鉄をも斬り裂く氷の刃と、一軒家に軽く大穴を空けるほどの爆発だ。ライダーの対魔力ならば、通じるという見立てだった。
「でもそれ、俺の霊基が“あのまま”だったらの話だろう?馬鹿にしているのか」
「でしょうね。やっぱり届かない」
「こんな事のために無駄な金を……いや、本命はアサシンのマスターか?」
天から降り注ぐ雷霆はたかがその程度の神秘、軽々と粉砕する。そのままルフに視線を向ければ風がいくつもの弾丸となって飛んでいく。まともに当たれば即死、防護魔術も強固でなければ瀕死は免れない。ライダーには明確に攻撃しようという意志がない。ただ邪魔だなという感情を視線として表しただけ。それだけで凡百の魔術師ならば弾け飛ぶほどの威力になる。
ここまで述べた上で、ルフにはそれも関係ない話である。殺.すつもりで放たれたわけでもなく、ただ視線を向けられただけ。その程度ならば鞘から引き抜いた剣を一閃するだけで簡単に“斬り裂く”ことができる。ロートゥスから貰った剣は思っていたよりも耐久性がある。これならまだ使えそうだ。
そしてここまでがルフのプラン。ツユを捕捉しかけていたライダーの視線をずらし、ツユを地下街アコナイトに避難させる。大荒れしているあそこでツユを捕捉するのはかなりの手間がかかる筈だ。暫く時間は稼げるし、ツユの作戦を成功させる種も撒けるだろう。「とはいえこれが限界です。ライダーも俺のことは眼中にないようなので逃げきれそうだ。これ以上やっても得がない」
『ねぇ……まだ隠してることあるでしょ』
「使ったとして、どう足掻いたとして、俺じゃ勝てない。だから使わないだけです。出し惜しみじゃない」
スキュレカリュー教室の面々よりも、家族よりも、きっと自分はこのいけすかない傭兵と一番付き合いが長い。知り合った年月ではなく、触れた時間。ウリューちゃんよりもそれは深い。修羅場を何度も潜り抜けてきたから。私は思わず笑ってしまって、ルフは冷めた目で文句を言う。ずっとそうだった。きっとこれから先もそうだ。そうありたい。そうあらねばならない。くだらない“起源”なんか知らない。
「とりあえずは四体いるうちの一体を落とさなくちゃ。人から神へ。その信仰を崩すための中継地点を造らなきゃ」
この問題に直面したときに、誰よりもライダーへ有効打を持つのは他でもない自分だとツユは悟った。信仰とはすなわち思いだ。崇めるという行為はすなわち上位存在への敬意や愛情、そして畏れ。ならばその感情を突き崩せるのは他でもない自分しかいない。ラヴギッドの魔術で心に触れるツユしかこの場ではいないのだから。
「大結界の東西南北、中央、そしてアコナイトの中心。一つずつに楔を穿ちそれを基点に私が魔術を発動する。アサシンも手伝ってもらいたくはあるんだけど」『いいわよ。私の城はもう出来上がったから。あなたのその情けない願いに応えてあげましょう。でも……そ、そのぉ……どうせ、す、全て無駄になると思います、よ?だってあなたの在り方は……』
「いいから働けサーヴァント」
糸が手首に巻きつき、硬質化し、腕輪のようになる。使い魔を用いることでツユだけではなく、六人の部下たちにも腕輪を装着させて。彼らはツユに心酔していて、心の奥底で“繋がって”いる。だからこそ、何の触媒もなしにツユの意思を感じることができ、ツユに意思を伝えることができるのだ。深く、深く、自身の愛するものと繋がれている。その事実がさらに彼らの心を湧き立たせながら。
「人の想いを束ねる力は専売特許なんかじゃない。むしろ私も持ってる。だってそうやってデザインされたからね」
『束ねるなんて……あ、あれですね。なんか、ほの、物は言いよう、じゃない、ですか?その本質はもっと悍ましいものでしょう?他人の脚を引っ張って上に登るあなたに相応しい』
「………わかってるけど言われたくないことだってあるじゃん。最悪」
「若いわね。若さゆえの全能感。私も覚えがあった。ええ、本当に。悪いことじゃないけれどもう少し慎みを覚えるべきだとも思うわ」
遠くから聞こえる轟音の原因を、セナは目視せずとも理解していた。きっとあのルフとかいう少年を囮にして、一瞬で地下に潜り、そのまま行動するつもりなのだろう。手駒を作るのはツユの本領だからツユ本人が動かなくても骨抜きにされた部下が動いてくれる。素晴らしい手際だが実に危険だ。自身の命を考慮しているとはお世辞にも言えない。「というか、私の連絡に私の分家が反応しないのは何?あわよくばここで脱落しろとでも思ってるのかしら。三位一体が崩れるわよ。そこら辺どう思う?」
「よくある話だ。長期的な見立てよりも目先の利益に飛びつく」
「単純にあなたが死ぬとは思ってないんじゃない?」
それぞれ視点の違う意見を述べる一対の男女。空野恋と青橋撫海。彼らはいち早くライダーの危機を察知して、セーフハウスに潜り込んでいた。神の及ばぬ人類の叡智。最新のそれらを織り込んだとっておきの隠れ家。とはいえ見つかるのも時間の問題で、ここで穴熊を決め込むには心許ないのだけれど。
「さて、大人は大人なりに。自分の体を第一にして物事を進めていきましょう。だって私たち、魔術師ですものね?」
以上です。実は聖杯戦争に弾かれるぐらいのルフとシンプルに天才なツユなのでした>>118
滅びの代名詞みたいな存在をメインテーマにしてる催しなんでね…一歩転べば大変なことになる
エルキセンさん家はカチキレながら参加してくれたのかなぁとか想定してます
>>121
言われてみたらちょっと夜劫っぽさあるかも…夜劫さん家ほど魔術に真面目ではないかもですが
>>127
マジでっかツユちゃんライダーの一体墜とす気なのか…マジかぁ
拙者知ってる。ルフくんこれ比較対象が悪すぎるパターンだ。得意分野がもっと別のとこにあるやつだ
>>128
確認しましたー
イグ坊のそれはやっちまって構いません。むしろ言ってくれてよかったぁ…
ですね、3日目昼の部について話し合っていきますか。全体的に関係掘り下げするようなのでその辺に具体的に詰めてかないとですね
>>129
増えた!また増えようとしておりますアテナ様!
でも……そうね、ギリシャ絡みの技術がジャパンにばかり流れ着いてるのも不自然だと思ってましたしその説自体は多いにアリ……
まとまらないわ!!こんなの!!なんか今回の伊草のランサーのシーン書いて確信しました。
俺のキャラ鱒鯖問わず全員めっちゃデレやすいな?(敵マスターである有沙と千早を即刻認めた趙雲)(もっとデレるの後にするつもりがなんか速攻でデレた凌牙)(堅物でデレさせないつもりが思ったより生徒思いかつ柔らかくなったダグラス先生)(冷静に見極める系おじさんのつもりが割と面倒見良いおじさんになった自来也)(女の子要素解禁もっと後にするつもりが速攻で水着で弾けた典韋)(その他諸々)
というか最早全員チョロい域に入ってない…?という事で次鯖鱒作る時こそはデレ難易度高そうな奴作ります…頑張ります…
>>112
うおお…伏線回収パートじゃあ…!!あの時の音楽会パートは普通に楽しい回かと思ったらドデカい伏線だったのか…すげ…
アントンおじさんはなんか安心してよさそうに見えてきましたがその分村のペリマンニがきな臭くなってきましたね…怖くなってきた…
そんで謎の二人組の名前判明ですよ。なんとなく今回は戦わないにしてもその内対峙しそうな雰囲気してきましたね…前死霊病棟のドラゴン仲間にしてた覚えありますし1部ラスボス的な感じになりそう感
>>127
ルフ君つっよ……サーヴァントの軽い攻撃に対応できるとかやっぱ博物館イカれていらっしゃる…
そんでそれを余裕の目で見てるセナ先生よ…やっぱり山星さんキャラの強キャラ度は凄えですね
そしてナキ君の展開的に覚醒しそう感はありますが果たしてどうやって覚醒するのか…ある意味アサシンもキャスターより曲者感ありますし予想つかないワクワクが止まりませんねえルフにとってのスイッチは剣を鞘から抜くことや弓を握ることですね、これをするだけで肉体を作り替えたり明らかに呼吸や歩法、その他諸々が変わりフィジカルとテクニックが跳ね上がります
でも本人は「わざわざ弓や剣使うよりも遠くから現代兵器使ったほうが楽だし安全じゃないですか?」と思ってます
>>130
とはいっても単純に押し勝つというわけではなく弱体化させるという方向性ですが
ナキとは製法もコンセプトも違いますがツユも造られた存在なので
ライダーに使ったとて勝ち目がないから使わないだけで自分の力自体は卑下してないのがルフの憎いところです。実際セナとセオリ以外にはたとえロートゥスや今のナキを相手にしても負けないだろうなという自信があります
>>131
博物館がやばい、というよりはルフ本人の才能と師匠のスパルタ超えた教育がやばいという感覚。セナ先生が余裕なのは単純な戦闘力というよりは年の功の諸々ですね
流れ星の裏側をどうかお楽しみください>>112
やっぱりペリマンニは魔術側の存在でしたか。
それはそれとして、レーヴァテインのバーゲンセールが起きてた。怖い。
スルトとシンモラが自作のなら、女性な上に巨人ですらないスルトちゃんと、原初のルーンを使いこなし、炎巨人としては異質な点だらけのシンモラという、メレクも驚愕するであろう事実が起きてた事になりますね。
>>127
霊基再臨してそうな大英雄相手にマスターだけで戦闘が成立してるとは……。
こうしてみると、自作マスターって弱いなあと。
>>128
確認しました。
ライダーが羅刹王なのに、羅刹王としては燃え尽き症候群なのでランサーの見立て通りの陣営になっているという。
>>136
ライダー陣営としては、有沙とライダーが会話したあと屋敷を出て、教会を訪問しようかなと。
神父の出番にもなりますし。〇固有結界・人類圏(ノオスフェーラ)
または『叡智圏(ノウアスフィア)』と呼ばれる概念のロシア語読み。
惑星の運営──生物圏(バイオスフィア)から、
宇宙の運営──精神圏(ノウアスフィア)へ。
人間の知性と科学的思想が次なる進化的地層を作り出し、また今後も作り上げるだろうという共通の命題。
────これを人類の航海図、人理と云う。
……的な、魔術を作る…頑張る…という宣言であった
機神アテナの権能(クリロノミア)は戦闘能力の向上・スキル付与なんで技術アーカイブ・巨大HDD説を唱えておくか~
>>43
アフロのキャラの強さに負けてしまった…
数レスの台詞で「あれこれ、ここのえのハートが撃ち抜かれるタイプじゃん?」センサーが来おるわ
そして■■■■は人名だろうけれど他があ
>>112
コード…コードか…(完全に魔術理論の構築でやられた顔)
魔術の解答編の雰囲気が某エルメロイで二世な雰囲気を感じて楽しい…
>>127
>被りも伝票で
うおっ、まさかの死角から「いいね!」せざるを得ないとは…(なお。ホスト・ホステス狂いとは違う)
視線を切ってたりだいぶやば。マスター陣でさえ人外魔境度が加速していく…すみませんアーキタイプインセプション攻略中なので明日まで投下された諸々への感想遅くなります
ひとまず伊草三日目弓陣営は以前申し上げた通りロスヴァイセの修繕&改造を朝〜昼(昼に他陣営との接触なしとなった場合は夕方ごろまで)パートに亘って書こうと思ってます
一人と一騎の掘り下げもそこで済ませようと考えているので改造パートが終わったら次のこちらの手番はもうレイドの前口上になるだろうなとここ数日で痛感したことですがやっぱアテナ様ってモテるんだなぁって。まさかみんなこんな考えてるとはね
もしやみんな言ってないだけでそれぞれ考えてるアテナ像があるのでは…?
1人1アテナ様作れちゃうのでは…?
>>145
もっといっぱい考察してくれてもいいんですのよぉ…そういえば弓レイドですが、弓が宝具解放するまでの流れによっては騎vs弓とか槍vs弓リベンジマッチとかできる可能性ありますかね…?
>>137
ア゛ッ先越された…(海月ちゃんでメロ揉めしようとしてた)
でもほたるちゃんだと割と解釈一致感あって良いっすね。
>>141
なんとなく前のここのえさんSSのオタクニキエーデ君と近しい物を感じながら書いてましたよ…刺さったみたいで嬉しいです
まあ重要キャラではなく前半の中ボスって感じではありますが、中々に面白くてヤバくて強い奴なのでお楽しみに。もしかしたらコイツだけ2章終了後にフリー使用解禁する可能性もありますので刺さってくれたら嬉しいですね…
■■■■はですね…今回の回想とかモノローグの範囲だと大体「兄ちゃん」です。フルネーム呼びはそれはそれで味がありそうではありますが兄ちゃん呼びです
>>144
ランサー陣営はターゲット2陣営の情報集めの為に都市魔術で探索しながら掘り下げって感じの予定です。ライダー陣営が教会の方に行くらしいのでこっちは強み生かして探索かな、みたいな感じで
あとは前回やり忘れてた同盟にアーチャーについての情報を送っとくのもやった方がいいかなとは検討してます。とはいえデータ送る感じなので他陣営との時系列とか順番先とかは気にせずに大丈夫そうかなとあ、それとFate/NCの続きが書けたので投下します
>>152
見慣れていた、つもりだった。
特異点にやってきて幾日。出くわす相手はほとんどが人間ばかりで、唯一出会えたサーヴァントも眼前のコピー・メンテ―くらい。
ただ、それでも。長く数々の特異点を踏破してきたマスターとして、サーヴァント同士のぶつかり合いが如何なるものか。理解している、つもりだったが――
「はぁあああっ!」
「――――ッ!」
『本物』のメンテ―が大盾を振りかざし、コピー・メンテ―目掛け振り下ろす。
対するコピーもまた大盾で応じ、金属がぶつかり合う轟音と衝撃波が周囲一帯に響き渡る。
一歩踏みしめる度足元がひび割れ、余波だけで壁と床が抉られていく凄絶さ。
先程までのジルとの共闘戦線がいかに生温いものであったか、フェリーペは目を離せずにいた。
「「フェリーペ!」」
そこへ、新たな声が二つ。
黒野と加々見、追いついてきた二人が入り口で呆然と立ち尽くす。
人知を超えた戦いを前に、地獄を生き残ってきた黒野たちでさえ呑まれかけ――しかし。
「っ! ああク.ソ、一体何がどうなってる!? おい、どういう事だ説明しろ!」
「あれ、こないだ出くわした『センパイ』やろ? けどなんで同じ顔が二人……!?」
修羅場を潜り抜けてきたが故の経験か、すぐさま我に返りフェリーペの元へ駆け寄る黒野たち。
埒外の戦いを前に動揺を隠しきれず、されどせめてものできる事として状況把握に努めようとする。
そんな二人に、フェリーペもまた知ってる限りの情報を話していった。>>153
「もう一人の『センパイ』に、コピー・サーヴァント……!? 何やそれ、ふざけてるやろ……!」
「じゃあ、今目の前でやり合ってるあいつらの内、もう片方が――」
「ああ。俺のセンパイで、正真正銘本物のメンテー・プルトランプだ」
フェリーペが説明する間にも、両者の戦闘は加速と激化の一途を辿る。
地上で、空中で。激しく己が得物を打ち合わせ、時には蹴りや投げも織り交ぜて繰り広げられる超近距離交戦(インファイト)。
留まるところを知らない戦いは完全に拮抗し、膠着しつつあった。
「……なあ加々見。お前、あの戦いに今からちょっかい出せるか?」
「無理。賭けてもええ、近寄った瞬間余波だけで吹っ飛ばされる。うちの技も、黒野の武器も何の役にも立たへん」
「だよな」
諦観と感嘆が入り混じった声で、黒野と加々見は眼前の戦闘をそう評する。
サーヴァントを実際に目撃したのも初めてならば、そのぶつかり合いを目にしたのもこれが初めて。
常識外れの勢いでアップデートされる世間の広さに、二人は圧倒されるばかりだった。
そんな呆然とする二人の背に――そっと、フェリーペの指先が触れた。
「? おい、何を」
「フェリーペ?あんた、どないしたん」
「黒野、加々見、聞いてくれ。――二人に、頼みたい事がある」
いつになく真剣な顔で、フェリーペは訴えかける。
満身創痍の身体から放たれた言葉とは思えない力強さを前に、黒野たちは一瞬返す言葉を失い気圧された。
そして、フェリーペが告げた言葉は――>>154
一方、メンテ―とコピー・メンテ―の戦いにも動きがあった。
「はあっ!」
メンテ―が勢いよく大盾を叩きつけ、コピーを殴り飛ばす。
まともに喰らったコピーは床に叩きつけられるが――直後、何事もなかったかのように起き上がり、平然とメンテ―を睨みつけた。
(また……!? どうなってる、これで何度痛撃を与えたと思って――)
困惑するメンテ―を他所に、コピーは再びメンテ―目掛け突進。大盾を壁のように突き出し、押し潰さんと迫りくる。
正面で受け止めるのは不味い。そう判断したメンテ―は大盾を傾け、受け流すように凌ぐが――それでも、全てを凌ぎきれるわけではない。
反動で幾らか後方に飛ばされ、今度はメンテ―が大きく退く格好となった。
「どうしたオリジナル。息が上がっているぞ、情けない」
どこまでも冷めた声と、凍てついた視線。
何度も痛撃を与えた、何度も大技を当てた。
にもかかわらず、次の瞬間には何事もなかったかのように起き上がり、コピーはメンテ―へと牙を剥いてくる。
(超回復、あるいは再生能力の類か? いや、それにしても早すぎる。これじゃまるで、当たっているのに届いていないような――)
「呆けている場合か?」
思考を巡らせ、対処しようにも相手がその悠長を許してくれる筈もなく。
動揺の隙を突くように、コピーから立て続けの猛攻が降り注ぐ。
防御に徹し、やり過ごそうとするメンテ―。だが先程までの攻防で積み重なっていた疲労に加え、内心の動揺も重なり――とうとうメンテ―の守りが破られる。
「しまっ――」
「終わりだ」>>155
大盾を振り上げ、メンテ―の頭蓋を打ち砕かんと迫るコピー。
だが、その直前――どこからか飛来した魔弾(ガンド)がコピーに命中した。
「何っ――がっ!?」
「今のは――」
「間に、あった……センパイ!」
魔弾に込められた呪詛に縛られ、その場に膝をつくコピー。
間髪入れずメンテ―は身動きが取れなくなったコピーを殴り飛ばし、その場をどうにか切り抜ける。
だが、追撃には移らず――代わりに、割って入った張本人の元へ飛び退った。
「休んでいろ、と言った筈だぞ。後輩……!」
「ああ、分かってる。だから休んで、回復してきた」
「その身体で何を――いいからお前は下がれ、フェリーペ! ここは私が何とか」
「センパイ!」
必死に下がらせようとするメンテ―を遮り、フェリーペはその両肩に手を置く。
そのまま真正面から向き合うと、メンテ―の目をじっと見つめ言葉を続けた。
「俺に考えがある。――聞いて、くれないか」
「後、輩……」
「それを、私がむざむざ見逃してやるとでも?」
魔弾の呪詛から復活し、コピーが再び襲い掛かる。
その、軌道上に。銀の光が立ち塞がった。>>156
「――馬鹿の一つ覚えの力押し。どんだけ速くても動きが読みやすいから楽でええわ、ほんま」
銀糸を手繰り、加々見は不敵に笑う。
瞬く間に全身を拘束され、その場にくぎ付けにされるコピー。
「こんなもの――」
「『足止めにもならない』、か? なら、こいつでも喰らっておくんだな」
銀糸を引き千切り、コピーが再度突撃を試みる。
その足元に、黒野が放り投げた聖別済みの手りゅう弾が転がった。
「代行者の置き土産だ、有難く味わえ。そして死.ね」
手りゅう弾がさく裂し、爆炎と爆風がコピーの身体を覆い隠す。
だがそれで手を止める黒野たちではない。黒煙の奥目掛け、加々見が拳銃で、黒野は短機関銃をもってありったけの弾幕を叩き込む。
常人であれば原形どころか肉片すらまともに残らない程の制圧射撃。しかし、複製といえどサーヴァントの前では――
「邪魔だ」>>157
黒煙を吹き飛ばし、コピーが姿を見せる。
その身体は爆発に巻き込まれる前と何ら変わらず、傷一つどころか焦げ目すら付いていなかった。
「お前たちは後で消してやる。そこでお仲間が蹂躙される様を大人しくみているんだな」
そう言い捨て、最早興味も失ったようにコピーはメンテ―とフェリーペの元に突き進む。
「ク.ソが! 分かっちゃいたが、何のダメージもなしかよ!」
「けど、時間は稼げた――お二人さん!」
加々見が呼びかける先、そこには先程までと同様大盾を構えるメンテ―とその背後で令呪をかざすフェリーペがいた。
令呪をもって攻撃力を底上げするつもりか。そう推測し、しかしコピーは嘲笑う。
ただの物理攻撃如き、たとえ神秘が宿ろうと己には通用しないと。分かり切っていたから。
だから――次の瞬間、コピーの顔は凍り付いた。
「『回路を通じ』、令呪をもって命じる――」
「ッ!?」
「複製を打ち砕け!メンテー・プルトランプ!」
「――承知! 任せろ、後輩ッ!」私は通りすがりの読者民
気が付いたらイコマさんの東鬨聖杯戦争の
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/wiki/8%E6%9C%8826%E6%97%A5%E2%94%80%E2%94%80%E2%94%80%E2%94%80%E3%82%BB%E3%82%A4%E3%83%90%E3%83%BC%E9%99%A3%E5%96%B6
回のデジタルノベルを作っていたの
音も立ち絵もない稚拙なものだけど需要ってあるのかしら…
それとイコマ様には許してもらえるのかしら…>>171
おk。とりあえず金曜日の夜以降〜土曜日が休みなので、その間に閲覧してみます!PCはWindowsの筈だから大丈夫でしょう!春先に進三郎からスタートしてアントンじいさんにフリッツにともうずっとおっさんのことばっかり考えている。もはや恋
おっぺぇでっけぇ銀髪っ子作りてぇ…
>>174
おお現実的に達成出来そうなラインが…それでも3ヶ月かかるんだからやっぱり大変なんですね
イコマさんに関しては………かれこれ半年ほど見かけてないので、まあ気長にお待ちいただければと……私も待ちわびておりますゆえ>>169
私も早速落としてみました
本当にすごい…。このスレを利用し始めてだいぶ経ちますが、まさか今になってこのような猛者が現れてくれようとは
これだからここを利用するのはやめられませんね!
製作者様には大感謝です…気長に~、なんて言ったその日にイコマさんが来られててなんとなく恥ずかしくなってしまった私です
そんなわけで神父殿のキャラ紹介SS的なものを向こうに投げてきました
こっちでもキャラシ投下いきまーす【氏名】ムラト・トキカズ
【性別】男性
【年齢】25歳
【出身】南方
【身長・体重】179cm・88kg
【肌色】褐色【髪色】朱【瞳色】朱
【外見・容姿】朱色の短髪と青縁の眼鏡が目印。いつも着ている祭服の下はバッキバキに鍛えられた肉体が秘められている。
【好きなもの】あの夜の少女、血と暴力(無意識)
【嫌いなもの】あの夜の記憶、悪辣なるもの
【属性】秩序・悪
【所属】聖堂協会
【魔術属性】火
【魔術回路】質:D 量:D 編成:正常>>181
魔術・特殊技能・特性など
『殺人技巧』
生まれと育ちによって無意識下まで刷り込まれた略奪に適した手練手管。
一貫して"奪う"ことに特化しており、攻勢においては無類の強さと残虐性を発揮する。
反面その性質から守りは素人同然。一度攻め込まれればいびつな脆さが顔を出す。
それは決して強者と向き合うための武器などではなく。どこまでいっても弱者を虐げるためだけの刃である。
礼装・装備など
『黒曜石の刃』
二振りの短刀。仕事時代からの愛用品。
神父となった今も手放していないのは、未だ己の罪悪感と向き合い切れていない何よりの証拠である。
『黎、世明けの太陽石』
"世界の新生"を目指した神秘。ギ族の血と残虐の結晶たる宝物。
ある夜を境に手放した。その所在は現在不明。>>182
来歴
本名ムラート・ギ・デ・エティエグロ。『ギ族』の内に生まれ落ちた子のひとり。
母の顔は知らない。どこぞで攫ってきた女だったと知る頃には兄弟たちの腹におさまっていた。
父の顔は分からない。掟を破っただかなんだかで顔の皮を剥がされていたから。物心がつく頃には鼻と片耳も落ちていた。
家は暗がりばかりの洞穴。家族は同じ血を混ぜあったケダモノの群れ。教育方針は略奪と凌辱そして魔術。……まぁつまりは、歪んだ環境に生まれたのだ。
歪みの清算は彼の年齢が十を超えたあたりで訪れた。
一族が何度も何度も繰り返してきた略奪をそっくりそのままやりかえされた。炎にたくさん殺されて、刃にいっぱい奪われて、それがあまりにも恐ろしくて必死で逃げた。よせばいいのに一族の"宝物"の一部も持ち出した。
以後、十を超えたばかりの子供がどのように生きたかと言えば、それはやはり暴力と略奪である。
彼は生まれに由来する教えと経験と魔術があった。充分に食べていけるだけの能力は備えていた。それは暴力で、という条件つきではあったが他の生き方を知らぬのだから自然とそのように生きた。
あの夜もそのように生きようとした。
『ある魔術師の殺.害』という依頼を受けて忍び込んだ地底の屋敷。その最奥で見つけたターゲット。
茶色の髪と緑色の瞳をたたえた少女と出会い、そして。>>183
そして、その夜を境に彼は"仕事"をやめた。
あてどなく彷徨い、流れに流れて極東の島国にたどり着いた。
日本・伊草市。そこへ赴任していた時数神父に拾われた彼は、かの地で名を改めて神父として生き直すと決めた。
新しい環境で生きるさなかで代行者の道も拓かれるのだが……それはまた、別のお話。
『ギ族』
ギ族、あるいはギの穴。南方の国々を渡り歩きながら活動する魔術師の一族。
古くから続く行動理念こそは魔術の探求であったが、その実態は賊徒そのもの。他者への略奪と凌辱のみを生活の糧とするライフスタイルは文明社会における異物と称する他にない。
彼らの信奉する魔術には"生贄"の概念がある。そのため定期的に新鮮な首や心臓を必要としたことから、そのような生き方へ傾倒してしまったのだろう。
一族の血を薄めないように彼らは同族のみで子を成すことが定められている。才が足りぬ、雄雌の比重が偏る、といった場合には例外的に"外"からさらってくることもあったが……それでも基本的には同族のみである。
そのような少数の生活共同体を築いた彼らはひとつの『家族』であり移動し続ける『村』でもあった。生活様式と教育方針は自然と独特のものとなり、悍ましいの一言に尽きた。
彼らの悲願は六番目の太陽の製造、そして第六の太陽によってもたらされる世界の『新生』である。
六番目の太陽の製造は限りなく正解に近い形で進んでいた。正解に近づいていく実感が彼らの狂気に満ちた生活を後押ししたのだろう。歯止めの利かぬ日々を繰り返す彼らだが、ある晩を境に彼らは滅んだ。
理由は語るまでも数えるまでもなく。それこそ、いくらでもあった。
ともあれ一族のほぼすべては死滅し、残ったわずかな生き残りが第六の太陽を分割して持ち去った。それが賊徒同然に生きた魔術師たちの最後の記録。
以後、『ギ族』の名は世界のどこにも確認されていない。>>184
【人物像】
物腰のやわらか~い眼鏡をかけた神父様。誰にでもほがらかな笑顔を向ける姿と、まだどこか未熟さの抜けきらない様は老若男女から親しまれている。
本人曰く「育ちはよくない」とのことで、その通りの粗雑な面をたまに見せる。その分、力仕事や荒事は慣れているらしい。
元殺し屋で、魔術師や魔術使いを相手に仕事をしていたことはもちろんヒミツ。その仕事もとある魔術師の子供をきっかけに廃業している。今ではただのやさしい教会のお兄さんである。
とはいえ過去を切り離せるはずもなく。
祭服で覆い隠し聖書を諳んじたところで血に慣れ親しんだケダモノであることは変わりない。
人かケダモノか。どちらの道も選びきれない若き神父は悩み続ける。
焦がし続ける夜の記憶を胸に灯して。
【一人称】私、俺【二人称】○○さん、○○くん、○○殿【三人称】彼、彼女
台詞例
「はい。こんにちは。今日も健やかでありますように」
「まかせてください! こう見えてもそれなりに鍛えてますから、力仕事ならお手の物ですよ」
「いや、はは、申し訳ありません。笑顔に向けられると照れてしまって。慣れてないんです、こういうの」
「昔~の話はちょっと。いえ少々育ちが良くないと言いますか、ええっと、そう、やんちゃだったのです、私」
「すっ……きな人、ですか。は、はは、ははは、ぃい、いるわけないじゃないですかぁ。やだなぁ」
「悪辣なるもの清らかならざるものに分け隔てなく。
私が奪おう。俺が喰らおう。なべて揃えて、血に濡れるがいい」
【製作者】黒鹿ファン今日ほど「スマホあったらパソコン無くてもいいや」と高を括っていた過去の自分を恨んだことは無い………。
>>188
クッ、PS5とか色々買って懐寂しくなってるけどやはりお金を貯めて買うか…。こそっと通りすがりの読書民です
>>169のやつにフリーのSEやBGMをお借りして再構成したやつも調子に乗って置いときますね
こちらも3日間だけ落とせますウィンドウズ版です
https://91.gigafile.nu/1001-b6142aa8babc7a7bb5b3cbba3fe371706多忙な1週間から帰って参りました…いや本当に後編が前倒しじゃなかったらガチで死.んでたかもしれん…
>>166
数日前チラッと見た時にDLしましたが野生の神職人さん……だと……!?
いや本当に凄い技術力で感服しました、やはりこのスレは才能の塊よ…
>>186
おお神父ニキだ…と思ってたら設定!!設定ッッッッ!!
なんか昔見た伏字と文字数同じじゃね…?と思ったらルナちゃんッッッッ!?まさか伊草でルナちゃん絡みの重要人物が出るとは思わなんだ…衝撃が凄い…
とりあえず今の所はランサー陣営は絡むかは微妙かもって感じですね。同盟仲間である有沙達が教会向かうなら別に何かしら動くべきだと思いますし、少なくとも3日目は絡むか分からないかな感。とりあえず伊草槍陣営の3日目最初の動きなんですが、2つ候補があるのでちょっと相談したいです
案1 都市魔術で伊草全体を歩きながら霊脈や痕跡を調べる
・ライダー陣営が教会に行ってるならボク達は相手の痕跡を調べるよ!みたいな感じ。有沙に頼まれた形でも良いかもしれない。実際に敵陣営を目撃するかは要相談
・こっちだとヨルムンガンド戦でのタイムリミットなり防衛ボーダーラインなりが発覚する流れがやりやすくなるかな的な。ただ黒鹿さんが言った通り全員に確認取らないといけないのが懸念点
案2 アーチャーの真名考える為にタブレットや色々な情報源で調べる
・1がダメな時用の案。セイバーの真名まで教えてもらったからボク達も負けてらんないネ、アーチャーの情報渡すついでに真名予想しとこう的なノリ。
・このルートだとワルキューレまで絞った上で次に対峙した時に君はワルキューレ系だよねって言える流れにできる。ただ真名に行き着くまでの流れ考える必要ある+完全に真名把握まではいけない為に言うて効果がないので微妙なルートかも
とりあえずこんな感じの予定なんですが、1と2だとどっちが良いか意見を伺いたいなと。あと1だった場合>>164で言われてるみたいにコレやってOKか各陣営の皆さんからOK取りたいんで反応してくれると大変助かります、お願いします>>188
いえすでしてよ。実に四年越しの登場となります
まあ伊草市にルナいないのでそっち方面は展開されないんですけどね
>>190
(それはそれで見たかったという顔)
実際のところ血腥いという点で見れば同類っぽさあるのでそういう絡みは見たかったり……そんなことしてるヒマなんかありゃしませんけどね三日目!
>>194
まあ私が神父出したいなー(チラッチラッ)してたのはそういうことですよ
槍陣営はそうですよね。というかこやつと絡みたがる陣営ほぼいないだろうなぁとも思ってますので…ええ…
>>195
私は1に一票ですかねー
2だと真名に辿りつくのが相当難しそう。ワルキューレであることまで絞れるでしょうがそこからロスヴァイセの名前にまでは繋がらないと思います。なんせメカメカしてるアーチャーワルキューレなんて原典には出てきやしませんからね……原典関係なく私の癖ェが反映された部分も多々あるのでまぁ難しいかなと。ロスヴァイセって名前が出せたとしても特にそれらしい弱点もないですし……
となると1のほうが効果出そう+ランサーの性分的にも足動かして探すのが合ってるのじゃないかなって結論で1に一票です
>>192
おぉ…召喚シーンが落雷みたいになっておるわ…
スタート時の音はもうちょっと暗めでもいいような気がします。シーン全体に暗さとある種の静けさがありますし>>192
おお…だいぶ様になってる…
やっぱり音が付くだけで大分それっぽくなるもんですね>>198
すいません多分解決しました>>196
ご意見いただいたのでもろもろ修正して切りのいい8月26日の内容まで入れた暫定最終版がこちらです
https://98.gigafile.nu/1002-d6b5a6a3afcb68efcfdc7aea4ab257ea8
あんま連投アップもどうかと思われますのでとりあえず一端ここまで
この先は…こんな出来でも希望があればやるかも…?
お借りしたSSとBGMとSEと背景に対して悲しいぐらいに技術が追いついてない哀しみ>>201
うまく上げれてませんでした
こちらのリンクをご使用ください
https://85.gigafile.nu/1002-d50a136aa31a4ef038ffa8e3cc2281f9c「そもペリマンニの起源は不透明だ。ペリマンニという名称こそ16世紀から18世紀にかけて定着したが、農奴を兼ねた楽師という職業は古くからフィンランドの地に在った。長く厳しい冬を乗り越える勇気を与え、短くも眩しい白夜の夏を賑わせる。生涯に寄り添って活動する民族音楽家の存在は人々にとって夜を照らす灯火そのものであったはずだ」
スラスラと用意していた台本を読み上げるように言葉を並べる。
元の話の荒唐無稽さなど知らぬ存ぜぬとばかりに、よどみなく。
「北ヨーロッパの領域を巡る歴史を紐解けばその重要さはさらに増す。故郷を追われまた文化を侵された彼らは生きるための寄る辺を求めた。口伝という形式で昔日の感慨を音に残すペリマンニは信仰に対象に成りえただろう。求めに応じてペリマンニの音楽は歴史の波に飲まれながらに継承され続けた。これは大いなる偉業だ。『カレワラ』をはじめフィンランドが誇る文化・伝承の多くが名も無き彼らに紡がれ、守られてきたのだから」
「……けっこうなこった。そいつがどうして、おれらのご先祖さまが巨人の国から来たなんて話になる?」
「言ったでしょう。ペリマンニの起源は不透明だと」
「オイ、まさかそれだけか?」
「それだけです。私はこの地にレーヴァテインの神秘がある理由を自分なりに並べたまで。考察の体もなさない妄想だという自覚はあります」
そしてまた一息ついて、
「同時に、限りなく正解に近い自信もあります」
「…………はーぁ、今日は妙な客ばかり来やがる」
違う、とは言わずに。アントンさんはこれ見よがしに面倒くさそうな態度でしゃがみこんだ。
そしてカウンターの下から箱に似た形の物体を取り出した。ぴんと張られた五本の弦が、その物体を楽器だと教えてくれる。>>204
「カンテレ、つってな。ペリマンニの古いオトモダチさ」
弦に指を乗せて、弾く。
ゆっくりとしたリズムで、りんと響く音が連続する。
村一番のペリマンニという前評判からは想像もつかない演奏。明るさも激しさもなく、どころかある種の暗がりを思わせる。メレクが弾いていた夜想曲とも違う。
暗くて、それ以上の苦しみがある。なんとなく、下を向いたまま杖を頼りに歩き続ける旅人が思い起こされた。
喧噪のさなかにあれば紛れて消えてしまいそうな音色に聞き入る。ペリマンニの神秘がだれかと繋がることを本質とするのなら、この演奏にも込められた思いがあるのかもしれない。
言葉にならない言葉。音に乗せられた想い。
なにを、考えているんだろう?
店内をただひとつの音にゆだねることしばし、気まぐれみたいにアントンさんが口をひらいた。
「なあフリッツさんよ」
演奏とは裏腹に重々しい声に乗せられた感情は読み取れない。冷たい刃を思わせる声色。
「あんた答え合わせがしたいって言ってたな」
「ええ。可能であれば」
「実のところな、さっきの話はほとんど間違っちゃいない。合格点をくれてやっていいくらいだ」>>205
「ありがとうございます。どうやら満点ではなかったようですが、なにが不足していたかお聞きしても?」
「動機さ。どうしておれたちがそんなことをしたか。そこが抜けてるからたどり着けない」
「あの!」
魔術師としての欲と理性がせめぎ合う。結果、珍しく理性が勝った
「なんだい嬢ちゃん。おじさんたちの話は飽きたか」
「全然! むしろもっと聞きたいくらい! くらい、だけど…………いいの?」
「ああん? いいに決まってらぁ。魔術は同業者にも隠すべきってやつなら気にしなくていい」
「な、なんでっ?」
「おれたちはもう根源なんて目指してねぇからな」
「……魔術師なのに?」
「そういう意味じゃ魔術師じゃねぇな。魔術使いか」
弾く。この場を制するための音が響いていく。自然と口にすべき言葉が、喉奥に引っ込んでいく。
「おれたちゃ確かにレーヴァテインを造っていた。村ぐるみで巨人様の杖を再現することに躍起になっていた。なぜかって言うと理由なんざないんだな、これが」
「まさか。……まさか、造れるから造っていた、とでも?」>>206
「おおよ楽器があるから弾いてみた。造れそうだったから、造ってた。そんだけの話だ。そんだけの話をこの村はもう数えるのもかったるくなるくらい続けてきた。村の地下にコソコソ集まって使うアテもない兵器を延々造ってきた───馬鹿みてぇだろ?」
隠しもしない渋面で、楽器の音に紛れて当てつけみたいにどんどんと床を踏んでみせる。地下を指す意味もあったのだろう。魔術を営む者の地下など、ひとつしかない。
「……魔術師の工房」
「ってぇ呼ぶには風情もくそもない場所でなぁ。アリの巣みたいにあちこちで繋がって工場みたいな規模になっちまった。……そのほとんどが、先の聖杯戦争でぶっ壊れてなぁ」
「なんで?」
「あ? 何に対しての"なんで"だ、そりゃあ?」
「なんで、うれしそうにしてるの?」
アントンじいさんは不思議な顔をしていた。自分たちの工房が壊れたという事実をなにひとつ気負わずに、むしろすっきりした表情で語る。
魔術師ならぬ魔術使いであってもその反応は奇妙だ。自分が扱う神秘が奪われれば悲しみこそすれ、喜べる理由などあるはずがない。なのに、この顔だ。どうして?
「嬉しいに決まってる。おれらは先祖代々が造ってきた兵器をぶっ壊すために、聖杯戦争を始めたんだからな」
「……え?」
「根源だ魔法だ境界記録帯だとまぁ御大層なもんがあれこれ出たがンなこたぁ関係ねぇ。あの魔術儀式に求めたのはサーヴァントっつう名前の人間兵器だけだ。聖杯だってどうでもいい。この村の神秘を滅ぼせるならなんだってよかった」
「…………」
「兵器を造りたがる連中と壊したがる連中がドンパチやって、後者が生き残った。聖杯は横から出てきたやつに搔っ攫われたがそこはまぁいい。大事なのは、新しく生まれる兵器(こども)がいなくなったことだ」>>207
わからない話をしている。
私には理解のしようもない話をしている。
受け入れがたい話を訥々と耳に注ぎ込まれて眩暈がしてくるような錯覚を覚える。
ぐらぐらと揺れる頭から涙がこぼれそうになって漏れ出る呼気から毒でも呪いでも足りないひずみがどろどろとあふれてきて目の前に見える何もかもが赤くて赤くて赤くて。
「おれらはペリマンニだ。音楽さえあればそれでいい。不協和音になるだけの神秘は、必要ない。要らない。だから滅ぼす」
「……───」
そっか。そうなのか。
アントンさんは、あ、いや、このヒトだけじゃないのか。ミッピも、レッタも、あの演奏会で楽しそうに楽器を弾いていたみんな、みんなが、そのようにペリマンニと名乗るのなら。
神秘の滅びを良しとする人たちであるのなら。
楽師は、私にとっての───……
「……ルナ?」
ああくそ、こんちくしょう。
こんな時だってメレクは目ざとい。もうちょっとニブい人になってくれてもいいじゃん。今は、気づいてほしくなかったのに。>>208
「なんでもないよ」
できるかぎり感情を乗せない言葉もどれほど通じたか。
なんでもない、はずがないのにね。
こんな言い方じゃなにもかもがバレちゃうだろうけど、まぁいいや。わかってたって止めようがないんだから。
カンテレの音はまだ止まない。規則的に、ひどく丁寧に、人の心を撫ぜるような音が通り過ぎていく。
「さてと、だ。おれはらしくもない長話で疲れた。次はそっちの番だろう。なぁお客様方よ、お前らなにしにここへ来た?」
「私は聖杯を求めています」
いの一番に声を出したのはフリッツさん。この人はこの人で魔術師らしい隠し事をする気配がない。ずいぶんと直截の物言いばかり。
「高密度魔力反応の話を聞きつけましてね、これは間違いないだろうと飛んできた次第です」
「なら残念だったな。ここの聖杯は万能の願望器なんかじゃない。おれらだけに価値のある、出来損ないの優勝トロフィーだ」
「楽師だけ? ……なぜ?」
「火焔聖杯戦争はレーヴァテインのための聖杯戦争だ。召喚するのはレーヴァテイン。殺し合うのもレーヴァテイン。ならその勝者にはレーヴァテインを与えられるのが道理だろう。
レーヴァテイン専用の最上位絶対命令権。それが火焔聖杯戦争における"聖杯"だ。対象はここで造られた兵器(こども)と、召喚された紛い物すべてに適用される。要は回数無限の令呪とでも思えばいい」
「つまりその"聖杯"を手にした者は、この地に紐付けられた兵器全てを掌握できると?」>>209
「そういうこった。おれらにとっちゃそれは戦う理由全部になるが、余所者にとっちゃガラクタを押し付けられるだけだ。要らねぇだろ?」
「成程。願いを叶えないという理屈はわかりました。ですが、聖杯は魔力を溜める器でもあるはずだ」
「はぁ。ま、誤魔化されねぇよな。たしかにアレは戦争起こすだけの魔力を溜められる。リソースとしちゃ使えるだろうよ……あいつがまだ使ってなければな」
…………あいつ?
「そこです。先ほども第三者の介入があったようにおっしゃっていた。聖杯は、今どこに?」
「知るかよ聖杯戦争だぞ? ンなの勝ち残ったやつが好きにしたろうよ」
「ではその最終勝利者は? その者の、名は?」
「…………。Pq9.9───おれは勝手にナインと呼んでたが」
「!!」
ここか。ここなのか。
こんなタイミングで、その名前が出てくるのか。
なにも知りませんという顔を保つのにこんなに努力したのは初めてだ。心臓がうるさい。お願いだから、黙れ。
いやそれよりも、ナインが聖杯を手に入れた? どういうこと? ナインこそ聖杯を探していたはずなんじゃ?
一度手に入れたならどうして今その手にないのか。使った───いやありえない。すでに使われているのなら観測された高密度魔力反応の説明がつかない。聖杯が存在することは間違いない……でも、なら、どうしてナインはその行方を知らない? 私たちと出会う前のナインは、なにをしていた?
聖杯は、どこにある?>>210
「ミスター・アントン。Pq9.9なる人物の所在を聞かせていただくことは、可能だろうか」
「なんだ答えばっか欲しがるじゃねぇか。さっきみたいにべらべらと推理ごっこすりゃいいじゃねぇか」
「……生憎だが、私は頭が悪い。観察と考察だけで全体像をあぶり出せるような特殊技能など持ち合わせてはいない。わかりやすい答えがあるのなら、飛びつくだけだ」
「一貫性のねぇやつだな。……ま、言ってもいいか。あいつはここの地下にいたんだ」
実は目の前にいるんだけどね。言わないけど。言えないけど。
「地下? 聖杯戦争の舞台でもあった工場ですか?」
「そのちょっと上だ。坑道に偽装した人除けの迷宮にいる。……いや、いたと言うべきだな」
「というと?」
「あいつはおれが造った兵器のひとりでな。戦いが終わったあともあいつの信号だけは追っていたんだが……それが昨晩、突然ロストした」
「……穏やかではない話だ」
ごめんなさい。それたぶん私のせいです。これも言うわけにはいかないけど。
「おれも妙な予感がしてすぐ確認しに行った。あいつがどんな最期を迎えたか確かめる義務もあったしな。だってのに信号が途絶えた地点にはあるべきあいつの死体がなかった。あったのは量産型の残骸と馬鹿でけぇ穴だけ。なら、ナインの野郎はどこに消えた?」>>214
なんにも知らないはずの外野が損得抜きで首突っ込んでくるのはさすがにねぇ。なんで誰視点でもややこしくなっております現状
>>215
『朽崎遥』
危険人物と断言できる。伊草市の被害を考慮すれば早期に脱落してほしい手合い(開始時点)/そら見たことか、悪、悪である(三日目時点)
『六蘭 耿実』
自分と違いすぎてよくわからない相手。善悪という物差しでは計れない評価規格外(開始時点)/悪辣なるもの。許すまじ(三日目時点)
『刹那・ガルドロット』
調査が不十分な手合い。行動原理不明。本当になに…?なんだろう…なんだろうねアレ…?(開始時点)/比較的穏当。当面は放置していても良いだろう(三日目時点)
『草薙有沙』
伊草市在住の魔術師。交友こそ無いが積極的に被害を出すタイプでないことは調査済み(開始時点)/本当に問題を起こさない。ありがたい。どうかこのままでいて(三日目時点)
『志村千早』
血の匂いを感じる。同類とまでは言わずとも参加者の中では最も理解しやすい相手(開始時点)/最初の脱落者。進三郎殿のバックアップを連れ去ったと思しい。なんで???(三日目時点)
各マスターこんな感じに見てます。あくまで客観的に見ようと努めつつも主観が混ざっちゃうという塩梅
なーにルナのやらかしはまだまだこれからですよ!>>220
なにか仕掛ければ必ず見つかります
それは10人でも1人でも変わりません
見つかる前提でなら何してもいいですよーぐったりして頭が回らんでござるよ
あと伊草は少なくとも霊脈絡みは納言さんに確認取らんとなのでとりあえずハロウィン児雷也の他再臨描きながら仮版書いて待ちます
>>196
>>200
>>218
了解でーす。一応保険で2出したけど普通に本命で大丈夫そうですね
とりあえず他陣営と遭遇しない限りは普通に霊地と霊脈を把握する感じにしとこうかなと。納言さんの想定してるレイドの話を頼りにするなら綾ノ川を見て大転山に霊脈が集中してるのを感じ取る感じになるかな?って感じですね。「下手に大転山で戦わない方が良さそうカモね」「あの辺を刺激させたらちょっと爆弾が危ないかもしれない」みたいな
>>213
最悪のパターンが来て俺も脳内のダグラス先生も頭を抱えてますよ。どうすんだこれ
しかもルナちゃんの精神的にも割と地雷を踏んだ感あるしコレ割ととんでもない事になるんじゃ…?ペリマンニとバトるの…?さっきまであんな仲良くしてたのに…?(まあ今後の展開考えると俺も人の事言えませんが)
>>216
良かった拡声器ジャックラップバトルは許された…
まあ中間値くらいですよね刹那ちゃん達は。よく分からん奴らだけど少なくとも警戒は軽めで良さそうみたいなすり抜けは悪い文明!!(挨拶)
>>218
わぁ……確かに彼ら目線で見るとそうなりますよね。違うんです、わざとじゃないんです…。
久しぶりにss書けたので投稿しますー。「んぐぐぐぐ……どうして毎度毎度貴様なのだ!!おかしいだろう!?」
英霊召喚のために人型に変化していたプルフラスが己の召喚したサーヴァントを見るや小さな四肢を振り回して地団駄を踏む。
「どうしてって、僕からすれば何度も喚ばれる方が不思議なんだけど?
というか何なのさこの格好?」
件のサーヴァントはそう言って翼をはためかせてゆっくりと着地する。サーヴァントの真名はクロケル。かのソロモン72柱の1柱である。
そんなクロケルだが本人の言うようにその姿は少々おかしなものだった。
「ラッシュガード、だっけ?元々はサーファーが日焼けや怪我を防止するために着てた衣服……聖杯ってこんな知識も与えるんだね…初めて知ったよ」
「その事については私から説明しますね」
そう言うとプルフラスの主であるロゼが事のあらましを説明し始めた。曰く、聖杯を作るノウハウが確立され聖杯戦争が乱立していること。
曰く、聖杯戦争を聖杯大会と改めエンタメとして管理、運営されていること。
曰く、召喚する術式に細工をして特殊な霊基での召喚が可能であること。
「つまりエンターテインメントの一環で『ドキッ!水着サーヴァントだらけの聖杯大会!?』ってワケだ。あっははは!なにそれ、本来世界を救うための決戦魔術をそんなことに使うなんて馬っ鹿じゃないの!あはははは!」
「世界を救う…?」
腹を抱えて笑い転げるクロケルの言葉にロゼは首を傾げる。
「ひーっ。なんでもないよ、こっちの話。
いやまあでも大事だよね、こういう催し物[イベント]。僕も嫌いじゃないよ」
「つべこべ言わずにさっさと行くぞ。ロゼに肌を晒させない為に今回は名実共に我が貴様のマスターだ」
「ああ、だからそんな格好……プっ。君も僕らと同じで性別なんて無いようなものなのに」
「────っ、うるさいぞっ!」そんなこんなで水着クロケル&水着プルフラスは順調に勝ち進み、優勝まであと一歩というところまでやって来た。
「でもさぁ、こんな頻度で聖杯戦争なんてやって願望器を量産して方々の願いを叶えまくってたら世界の均衡とやらが崩れたりしないの?」
「その為に聖堂協会が可能な限り回収している」
「あー、だから君たちが頻繁に駆り出されてるって訳だ」
プルフラスは一流魔術師の数十倍の魔力を持ち魔術基盤に瞬時に接続、多彩な魔術の行使が可能と凡そ現代の魔術師よりも優れていると言っていい。
更にその主であるロゼも見習いとはいえ代行者。おまけに見目も麗しいので聖杯大会[エンタメ]映えすると聖堂協会が聖杯大会で優勝し聖杯を回収するのに打って付けなのである。
「そういう貴様はどうなのだ?」
「うん?」
「召喚に応じるからには貴様にも叶えたい願いがあるだろう?」
プルフラスが問うとクロケルは顎に手を当て考え始める。
そして少し考え込んだ後にぽつり
「────────自分殺し」「は?」
「なーんてね!僕としては可愛い後輩である君が健やかにいてくれれば満足さ!
おっと、あれは敵サーヴァントだよね?先手必勝!『押し寄せる怒涛と地獄公爵[イリュージョン・オブ・クロケル]』!!」
クロケルは捲し立てるように言い切ると宝具を解放し、視界に入った敵サーヴァントに向かって突撃していった。
「………なんだかはぐらかされたような気がする………」
「気がするというか、モロにはぐらかされたというか」
「クッ、気になる事を言うだけ言って…。こうなったら令呪を切ってでも吐かせてやる」
プルフラスがわなわなと拳を握り決意を固めていると彼方から叫び声が聞こえてくる。
「『汝、星を砕く鉄塊[ストライク・イーリオス]』!!」
「うぎゃーっ!?」
「何をやってるのだ貴様はーっ!?」ご無沙汰しております正親中納言です
私事が現在ごたついていまして、スレ自体は覗けてはいますが細かく追えておらず各種SSへの感想などもまとまっていない、という状況です(ざっと見た限りでもノウアスフィアの話気になるしペリマンニの神秘にワクワクするしムラトさんでリアルに「えっ!?」ってなったし東閧聖杯戦争のビジュアルノベル化とかめちゃくちゃ見てみたい…というカオス具合)
伊草については弓陣営の朝昼パートの話していた行動(修復・改造)を執筆中ですが、三日目でレイド担当なのもありみなさんと足並みを揃えたいので、最悪の場合黒鹿さんに代筆をお願いすることになるかもしれません…
ただレイドにはどうにか参加したいと思います。勝手なことばかりで申し訳ないですがよろしくお願いします…
>>195
>>222
遅くなってしまいましたが自分も1案に票を投じたく思います。大転山への警戒を張っておく、という内容もその認識で問題ないです
山→川(水)の繋がりをあらかじめ示唆していれば、レイドでヨルムンガンドになった時その呼称からヨルムンガンド自体の伝承の扱い(海(水)から陸へ侵略するモノ)を察して海から川に繋がられるとマズい、ということに気づく導線になれば幸いだなと>>241
それが聖杯大会の運営には英霊召喚の術式に干渉して特殊な霊基に出来るキャラが居るんですよ。カナディアって言うんですけどね。いろんな企画で特殊召喚ができるからって上層部からこき使われてるのです。
愉悦部なのにあんまりカナディア主導の悪事が起こらないのは普段は仕事で東奔西走してるからだったりします。
社畜しながらたまに聖杯大会を見てキャッキャしてる、黒幕やってる大罪戦争が実はレアケースっていう型月あるあるの『初登場が例外なキャラ』です。お久しぶりですー。
お他所の企画に首突っ込んでたりセイバーサタンのステータスを作ってたり奏章進めてたりしている私です。
クッチーさんはいらっしゃるのか。
セイバーサタンのステータス作ったので相談をね。きょーうの19時なんじゃろなっと
>>230
まぁスケジュールというかイコマさんとしては伏神リレーの今後どうします?って話になってくる訳ですが。ぶっちゃけ現状だと伏神サーヴァントはオルバウス陣営(ランサーとバーサーカー)しかいない状況なんで、良くも悪くもイコマさんの意向に左右される部分はあります
自分としてはSSアリ完結までもっていきたいですが、ほぼイコマさん個人で完結しちゃうので、イコマさん自身の「私としては伏神聖杯戦争リレーに現状こういう立場です(リアル忙しいので書けない!orクライマックス&エピローグまでの構想はあるんで、GMダイジェスト書いてや!など)」という表明をして欲しいなという感じですね。主催者としては少々ふがいないスタンスなんだけど……
>>245
ワターシ大体いつもスレッドは確認してるヨー(”他所の企画”の他所ってどこだろ……)
ともあれセイバーサタンですね、確認しますとも!>>247
【属性】中立・悪
【天地人属性】地
【その他属性】人型
【ステータス】筋力:B 耐久:C 敏捷:B 魔力:B+ 幸運:D 宝具:B+
【クラス別スキル】
対魔力:C
第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。
大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。
本来は高ランクのスキルとして現れるが今召喚ではランクダウンしている。
騎乗:B
騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、
魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。
【固有スキル】
敵対者:E+
「変化」「自己改造」の複合スキル。伝承により様々な動物の要素を取り込み、あるいは変身する。竜種、悪魔の姿をとることすら可能。このスキル使用中は「怪力」「魔力放出」などのスキルを複数取得する事が可能。
今召喚においては最低ランクにまで低下しており異形の姿を取ることが出来ないでいる他、「被虐体質」や「怪力」など取得出来る一部スキルが喪失している。
高ランクの神性スキルを保有する相手と対戦した場合にステータスの向上効果を得る。>>248
情報改竄:ー
対戦が終了した瞬間に目撃者と対戦相手の記憶から、能力、真名、外見特徴などの情報が消失する。
古来から彼の正体は不明とされ、現在にいたっても完全には解明されていない。魔王サタンとしての本質。
本来如何なるクラスでも保ちうるスキルであるが今召喚では消失している。
つまりは──。
神性:E
神霊としての適性はあるものの、現在ではごく低い。
原型(オリジン)より分かたれた分霊の分霊。
されど保ちうる“■■”の神性は炎の攻撃に対し若干の耐性を持つ。
文明の勲:B
堕天使が人間に伝えたとされる技術文明の礎の数々。
鉄による武具の錬成、医療の術、呪いなど多岐に渡る。
【宝具】
『灰塵・太陽の剣(ミゲル・サラフ・■■■)』
ランク:B+ 種別:対人宝具 レンジ:1〜3 最大捕捉:1人
熾天使ミカエルの剣あるいは槍。
セイバーの持つものは己を焼いた後に遺った灰から構成した贋作。
所謂死.因から昇華された宝具である為真名を解放すればセイバー自身の霊基ごと贄として燃焼する。
通常のセイバー霊基よりも贋作としての精密性・威力が向上している。>>255
講談室追加しましたー!>>259
ただ、“明けの明星”が来ていた可能性は十二分に有ります。
その場合、順当に黒幕が計画通りに勝って世界は剪定されてた可能性がありますが……。談話室は京極さんの方もクロさんの方も更新!
目標としては本日中に伊草とぺレスのSSを投稿する事!同じく伊草更新しましたー。確認よろしくお願いします。
>>263
談話室更新しました。
>>264
確認!なんかかんだイグサとチハヤさんでコミュニケーション出来てるのいいですよね
戦況としてはライダー陣営アーチャー陣営のSS次第ではありそうですが、良くも悪くも停滞ターンに入った印象はありますね……、やっぱりレイドによって大きく動きそうな予感。
あとぺレスに関してですが、どこまで進めていいか全くわからん。
なので山星さんユージーンさんにおかれましては、サタンの積極的攻撃というかでまずはどれぐらいまでのダメージなら大丈夫か、みたいな意見を確認してしたいです。
現状の認識だと「なんか空飛んでて雷撃バリバリ継続」とそんな変わらん感じの描写になっちゃいそうなので……。伊草投下しました。
>>229
シンモラ「女神アテナ……やっぱり此方側では?防音や覗き防止のルーンは要りますか?」
しかし、世も末だと言いたくなりそうなレベルでトンチキな聖杯戦争してますね。
>>263
確認しました。
刹那ちゃんの期待が重い……。
それはそれとして、有沙は山に聖杯が有ることは推測出来ても、川のほうまでは思い至ってないので……。
>>264
確認しました。
相変わらずの復讐鬼……でも、少しだけ丸くなった部分も有る……かなあ……。
とりあえず、イグサ君についても有沙は神父に説明しなければなりませんね。
>>265
確認しました。
全く懲りないセイバー……実際の所、あれだけ負傷した状態ではライダーに致命傷を与えれないのでマスターの判断の方が正しいのですが。
しかし、今夜から動きますか……対応を考えないと。なんか…すごく…いっぱい…きてる…
>>263
確認しましたー
いやぁ不穏。私たちは神視点でこのあとのレイドを知ってるけどこれ知らずに見てたらこわいだろうなぁ
>>264
こちらも確認しま……こんなんチハヤお姉ちゃんやぁ……
イグ坊もお世話してくれたり鬼みたいになってるチハヤちゃんがなによりなにより…服やっと着れてよかったね
神父殿の認識も問題ないようでオールおっけーにございます
>>265
ほいほい確認しましたー
剣陣営は3日目お昼は回復に専念と。まあそうなるでしょうなぁ…
>>267
なんだか、アレだ。アレですな。草薙ちゃんライダーと相互理解という名のイチャイチャをずっとしてる気がする
神父殿とも初対面ですがさてどうなるか…どうしましょうか…
>>266
またひとりだけヘソ出していやがりますわこの生まれたてボーイ。秋なのに…風ひんやりしてくるだろうに…脱ぎやすいように上着だけ羽織って…なんって子でしょう今回の伊草で五虎将ジョーク出しましたが実際五虎将で刹那ちゃんと一番相性良さそうなのは趙雲だと思うんですよね。他は全員我が強そうだし、特に未登場だけど馬超と張飛は絶対ヤバい。
少なくとも黄忠は我君よりおねーさんぞ?ムーブで宇宙猫なってぐぬりそう
>>264
見ましたー
イグサ君と良い感じになって人間味も出てきた反面炎はまだ消えてないってのがなんか良い塩梅だなって思いました。あと何だかんだでマスター組信頼してるし刹那ちゃんもしっかり呼んでくれるのすき。
有沙達が戦ってる時にマスター狩りに行くのは実際アリだなって思います。前話してた感じ的に六蘭を倒すのはチハヤちゃんでも面白そうですし
>>265
見ましたー、後で談話室にも入ります
やっぱりセイバー陣営は安定して危険な雰囲気感じるのいいなって思います。危ないダメージくらっても日和らずにテンション維持できるの強いし魅力ですわ
ここからライダーとのリベンジマッチになるのか、はたまたランサーとの激突になるのか…楽しみですね
>>267
ライダーと有沙が通じ合うくだり良いですね…こっちとは違った感じで通じ合ってるというか、王道な主従って感じがして好きです
生徒や社員の顔を皆しっかり覚えてるのは流石だな…優しいというか、だからこそ人望や仲間を増やすカリスマ性みたいなのもあるんやろな的な感じします
そして聖堂教会カチコミがどう転ぶか。これワンチャン続いたりしますか…?
やっぱりこの同盟においての核は有沙ちゃんだと思いますしね。有沙ちゃんがいなかったら割と空中分解しそうな不安もありますし
だからこそ有沙ちゃんへの期待もあるし役に立って信頼されたらいいなって刹那ちゃんも考えてる、的な解釈です
>>268
ぶっちゃけロックくんは半裸がデフォなのでどこまで着せていいのか分からなくなるんですよね…着込ませていいのかな感的なやつ
せめて下にTシャツかインナー位は着せてあげるべきですかね…?>>269
いやーこのまま脱がせっぱにしましょう。むしろ着せるともったいない
風の子ならぬ海の子なので冬の海でも元気に飛び込んでほしいのです>>272
嬉しい事があると少々ズズイと行ってしまう
要するに誉さんは(出してくれるなら)ショートカット系で勝気な雰囲気の立ち絵だと有難いという事ですあっはい(マスター以外の立ち絵はあんまり考えてなかった人の顔)
まあ情報もらえるならうん>>275
いやできるとこはやれればと思うので意見出しはありがたいっす久々で何もわからない浦島太郎状態
>>278
東鬨聖杯戦争がデジタルノベル化するそうですよ旦那ァ…そろそろフィンランド編も終わりが見えてきた(たぶん)
ということで続きを投下投下~楽師によるレーヴァテインの再現・製造は、積み重ねられた時間に反して非効率極まるものだった。
主に使用する素材は粗製濫造したホムンクルス。技術不足により子供以下の大きさでしか生み出せない彼らを利用する。
最も利用価値があると判断された部位は腕、次いで脚であった。そのためすべてのホムンクルスは外界に解き放たれてから四肢を切断された。
腕と脚を優先的に回収する。研究する。消費する。残った"余り"は魔力補充に使うための生体パーツおよび消耗品として扱う。
消耗品を取り換える頻度は高かった。
それ自体は問題ではない。数だけは潤沢であったからいくらでも替えはきいた。問題は、潤沢たる数そのもの。
使い終わった生体パーツの処分が問題となった。ただでさえ場所を取るのに放置していれば腐敗する。数が数だけに焼却処分のための燃料も馬鹿にならない。兵器の性能テストに利用する案も出たが、元の耐久性の低さゆえに見送られた。
議論の末に楽師たちは穴を掘った。深い穴だ。廃棄孔である。
すべてをそこに投げ捨てればよいという考えである。
短慮で、やはり非効率。
腐敗したものが棄てられた。まだ腐敗していないものが棄てられた。失敗作が棄てられた。ただ間違えて棄てられた。製造に反対する者が棄てられた。実験のために棄てられた。望んで誰かが飛び降りた。要求数値に満たない個体が棄てられた。迷い込んだ者が棄てられた。古いだけの長が棄てられた。面白半分で棄てられた。成功しかけた個体が棄てられた。
多く。
多く。
ひたすらに多く。
無形無貌無名なる者たちが無数に棄てられた。
Pq9.9という個体も、そのように棄てられた生体パーツのひとつだった。>>281
「……ぐ、……ぅ……」
穴底より幾千と積み上げられた屍の上で蠢く。手足を喪った身体で芋虫のように這いずる。
顎を引っかけるようにして動いていた。腹を引っ込めて背中を伸ばす。肩を揺らして右と左とを調整する。杖も持てぬ身で這いずる様はやはり芋虫のようであり。
しかし芋虫は無意味に這うばかりではなかった。
這った痕には、赤い円が描かれている。
兄弟姉妹の血液を拝借してまで描いたそれは、魔法陣である。英霊召喚を果たす魔法陣のつもりで、描いている。
棄てられる前後に記録されていた聖杯戦争なる魔術儀式の実験計画。儀式の一要素たる英霊を"それ"は召喚するつもりでいる。
何故か? 武器が要るからだ。英霊───サーヴァントと呼ばれるそれは兵器足りうる。
兵器が、武器があれば、戦える。
今この瞬間も自分の腹の下に在る肉塊たちの怒りを、燃やし尽くしてやれる。
……ああ、笑うといい。それなる魔法陣はただの赤い円でしかない。円の中心は空白ばかりで、紋様になぞらえた術式も召喚に必要な触媒もない。
このような様で召喚できるものなどたかが知れている。ましてや英霊を、境界記録帯を喚び出そうと宣うのなら冗談を超えて侮辱に等しい。
だけれども。侮辱と捉える者はいない。指をさして笑う者もいやしない。わざわざ塵の這う様を見たがる者などいるはずがない。
だから気づかなかった。
その出来の悪い魔法陣に込められた、魔力量に。
Pq9.9が積み上げられた者たちの記録と、付随するほんのひとしずくの魔力をかき集めていたことに。
一点に集約された記録と魔力のすべてが『レーヴァテイン』に端を発していたことに。誰だよ今更ちょっと前のモ◯ハンを始めた奴。僕だよ。
ちなみにアバターは海月ちゃん風にしました。やはりシンプル青ポニテはゲーム再現が楽
以下序盤は返し忘れてた感想部分の返信
>>264
1日目→爆弾起動
2日目→宗谷死亡+自宅放火+港町テロ
3日目→ヨルムンガンドで聖杯爆弾の危機
うーん確かにノンストップ。息つく暇は最早無さそう感凄いですね。
ここでアーチャー仕留めるのは確定として、何もかもが未知数なその後がどうなっていくのかもワクワクしますよね。少なくとも2〜3ルートは分岐を想定してますがチハヤちゃん仲間入りみたいな予想外も起こりうるのでマジで楽しみ。
>>268
完全初見で見たら割と楽しそうですよね伊草。割と読みやすいですし
>>284
うっそだろペリマンニ…セダム君疑いすぎたけどセーフだった経験あるので今回も大丈夫かと高をくくってたらブン殴られましたわ…
最初の楽師に気を付けろの意味が完全に分かったっぽい感じになりましたがマジでゾッとしました。え?全員敵なの?もしかしてあの双子ちゃんも敵になるの…?
>>287
そういえばロバートさん、つつがなければ聞きたいんですが関羽からの趙雲の評価や対応ってどんな感じなのでしょうか?
確定ではないですが、今後の伊草でのモノローグとか回想とかで使えそうなら使いたいなと思ってるのでよろしければ教えてもらえると助かります立ち絵の選定がとりあえず終了
ふっふっふ…全体的によさげなのが見つかった
とはいえアサシンとキャスターは影絵になりそうです
アサシンに関してはイメージ的に違和感のないのがありましたが目が見えてるのと弓じゃなくて剣を腰に差してるのでだったら影のほうがいいかなというのがありますがイコマさん的にはどっちがいいんでしょうかねそろそろ来てますな…ハロウィンの気配が
準備しておかねば…
>>289
過去編なのでセーフですセーフ。現行ペリマンニはセーフセーフ
誰が誰の敵になるかはまぁネタバレなのでまぁハイ。でも双子ちゃんの出番はあと一回くらいはあるかも>>267
どちらかと言うとそちら側なのはパラスちゃんの方ですね(正確にはバイですが)それにこの二人は生前想いを伝えられなかった初めての恋(パラス)と自分のせいで死なせてしまった大切な存在(アテナ)なので実はカップル成立すらしてないのです。
とはいえカルデアでの話ならアテナの方は『アテナを名乗る不審者になったパラス・アテナの振りをするアテナ』とかいうトンチキムーブをしてるのでボロが出ないように防音とかは欲しがるかもしれませんし自前ので十分と断る可能性もあります。
>>262
何で自分殺しなんて言った!言え!(令呪ペカー)
クロケル「ここでは無い別の世界で、僕たちは世界ごと君たちを殺[焼却]したんだ…」
>>265
返信が遅くなり申し訳ありません。
まずランサーの降りてきなさい発言に対してどうするのかの反応は欲しいです。望み通り地上近くで近接戦になるのも意に介さず空中から攻撃続行するのか。
あと攻撃は割とバシバシ当てて頂いて大丈夫です。寧ろそれでAランク以下無効に「硬いな…」ってなって護りが薄くなる隙を探す描写を入れてもらえると助かります。ランサーの脱落理由がマスターに宝具の護りを割いた隙を突かれてやられるみたいなのを考えてますので。
>>284
おおう…これは……酷いことするわ…(語彙力)
こうした捨てられたものたちに捨てる神あれば拾う神ありみたいな展開は大好きです。遅ればせながら伊草弓陣営の朝パートを投下いたしました〜
最後の掘り下げになりそう、ということで起源についてとか神秘についてとか色々詰め込んだので読みにくくなってると思います…
耿実的にオーディンは他の神話体系の存在共々好きじゃないし、型月時空では神代が終わった後でも活動してる(なんならこのスレだとアイドルプロデューサーやってる)こと知ったらふざけんなよガチでよ案件
それはそれとしてアンタ良いもん作るな!ナイス業前!ということで改造させてもらうぜ!という人を憎んで子(作品)を憎まずなある意味とってもクリエイターらしいメンタルですよということをわかってもらえればなとさてさてですよ皆さん。伊草三日目のお昼どうしましょうかね?
追われる側である剣陣営と弓陣営がそれぞれ潜伏&改造してて見つけられないので、聖杯戦争的には昼にやれることがたぶんそんなにないんですよね。てもちぶさた
……なにしましょうね?
>>292
このくらいやんないとナイン野郎の戦う理由にはならないかなって…思って…
でもこれで運命的にセイバーと出会えたのでナイン的にはおーるおっけーなのです
>>297
確認しましたー
創るための腕に人の形がくっついているような人だ耿実さん…技への敬意と創ることの懊悩っぷりがすさまじい。でも創作するときってちょいちょいこういうメンタルになるよね…
一方で自分が創ったもので人や物がどんな被害が出るかとかはぜんぜん考えてないのが…おお、もう…
これで弓陣営は夜のレイドまで改造にかかりきりという感じですかね>>294
自分の物ってなるとターンオーバーされた角質とかも使えそうっちゃ使えそうかなって思いました
行った事ありますわアレ。楽しいですよアレ
ク.ソデカ芋煮鍋もなんとなく船の技術力なら余裕で作れそうですしね。実際できそうではある
問題は宮城風なのか山形風なのかって事ですね…
>>295
あそこまではえげつなくない筈…ないよね…?
まあ若干誇張した節はあるので多分大丈夫です。普通の論争レベルです。たぶん、きっと、メイビー
>>297
読みましたー
やっぱやべーやつではあるけど、彼なりの矜恃というか一貫した思いがあるから割と六蘭さんって良いですよね…魅力的な悪役ってのはこういう奴なのか…
そして遂にアーチャーがアレになる準備ができた訳ですが、ここから開戦までの流れも色々ルートありそうで楽しみですね。レイド始まる前の遭遇から弓vs槍round2、或いは初の騎vs弓も行けそうな感じがありますし
>>298
そうですね…同盟側が現在騎が聖堂教会に接触中、槍が痕跡探索中、チハヤイグサが待機中な訳なので、個人的に思いついたの箇条書きで挙げると
・騎の聖堂教会接触の続き(これは騎の引き的にあった方良さそう)
・槍陣営が探索して剣or弓と遭遇(潜伏中だから難しそう?)
・一旦同盟側で集合、会議(まとめパート的な)
辺りが有り得そうかなーってのが個人的な意見かなと>>300
いやでもパラス・アテナのキャラシートの書き方的には「悪竜の血鎧」に近い性能っぽいで良さそうか……?とりあえずは宝具の通りが悪くてパラメータ変換の直接攻撃は割とイケる、ぐらいの塩梅で書いていこうかなと思いますリョーガ先輩の芋煮地雷ネタを知りカステラの地雷も考えてみる中納言。さっぱりわからない中納言
カステラ関係とも思いましたが、あれかな、ほたるちゃんとよく絡んでることでロリコン呼ばわりされたりすることかな
>>263
拝読致しましたー。主従の絆も深めつつ、深層へ踏み入る兆しもありつつ、伏線も張られつつ…元より活動的で機動力のある二人なのもあって読み応えのあるボリュームになっていますね
第四の壁を時々乗り越えてくる刹那さんがザ・フラグなこと話しちゃってるの、なんともシュール。発生しちゃったね、バカデカい刺激…
>>264
こちらも拝読致しましたー。チハヤさんとしての軸は変わらぬままに、それでいて有紗さんとの出会いやイグサくんの保護・交流を通してこれまでとはまた違った色が出てきたように見えてとても味わい深い回でしたね。それこそムラト神父の「どのような行く末を辿るのか」に注目したくなりました
着替えを見てもらおうとするイグサくん、特に深い感慨や意義などはないとはいえ見た目もあって年相応感が出てて好きですね。無感動なようで天然由来の純真さがあるからチハヤさんとの交流もさっぱりとしながら良い合いの手を入れてくれてる
>>265
同じく拝読致しましたー。戦闘狂ながらも騎士として主を持っていた身であるだけに意見の違いはあれどそう関係悪くないな、と思っていた剣陣営ですが、こう見るとむしろ悪くないどころかかなり良いですね…パロミデスさん、まさか包容力あるタイプなおねーさん属性まで保持していたとは
そして休養のフェイズであってもきっちり行われる死霊魔術しぐさ。これ文脈から察するに旅館の部屋で死体の山精査してた…?そこで気絶クラスとはいえ睡眠がとれるの、やはり死霊魔術師…
>>267
等しく拝読致しましたー。戦闘時の不敵さはまさしく羅刹の魔王って感じでしたが、こうやって有紗さんを気遣う様はあくまで「王」であってとても「魔」王とは思えない…これまで毅然として完璧なようでさえあった有紗さんが年相応の翳りを見せているからこそ視座や格の違いなんかが見て取れました
しかし翳りはしても意志を固めて前を向き、主催者とは別口の監督役の下へも足を運ぶ有紗さんはやっぱり強いお人だ。ご飯を用意したり菓子折を持参したり、こういった細かなところにも彼女の個人としての丁寧な人となりが感じられて良いですねあと色々言ってた奏章3ですがクリアして言いたいことは様々な咀嚼と濾過を通して一つになりました
やっぱ乳海ってミルクじゃん!!!ケーキ作れるじゃん!!!
>>180
>>186
さて、ね。普通のちょっと血なまぐさい、或いは後ろ暗い過去をお持ちの神父さんなんだろうなーと思っていましたらですね、ねぇ…こんなところで神父やってらっしゃるんですか貴方…今以てちょっと心がふわふわ覚束ない感じしてますよ私
元より黒曜石とあって、ミクトラン開始時も何かそういった話題をされていた記憶があったのでそういった背景なのだろうなとは思っておりましたが…しかしだとすると、太陽に近しい存在であったルナちゃんが新生したのはともかく夜になっちゃったのは何故か、そこに関する謎がいっそう深まるばかり…
>>284
これまでのものと合わせて、にはなりますが。あの陽気なペリマンニたちの奏でる音楽にそんな神秘があり、そしてあの元気なミッピちゃんレッタちゃんの住まう村にこんなほの暗い、どころかどす黒い過去があったとは…彼女たちは知っているのだろうか。知らないだろうけど、であればせめて知らないままでいてほしいなぁ…
死体の山、死に際して運命と出逢う、というのは死霊病棟のセダムくんを思い起こさせますね。戦闘などのような「動」の描写がこれまで控えめだった章であるだけに、こういう根幹の部分に重きを見出してしまうのは悪いクセかもしれませぬが
>>266
おぉ…そのキャラのらしさをきっちりと踏襲しながらもカラーリングで新機軸を…京極さんのこういうファッションセンス、イメージカラーから離れられない身としてはうらやましいがすぎる…
特にトワのファッションが良いですね…配色はカステラと共通するところも少なくないのに彩度なんかで全然雰囲気が違って見える!オレンジのリボンで秋らしさも演出してて、みんなで遊んだりする時にぴったりな感じ、重めでスポーティとは言えない普段着から離れた服をデザインしていただけたのとても嬉しいです
>>298
>>299
自分としては弓陣営の改造フェイズがどれくらい時間かかるかは決めてなかったので、黒鹿さんがよろしいなら8時間くらいで終わって「あー良い仕事した、一仕事終えたことだし腹ごしらえでもするかな」みたいに昼ご飯食べに出て、そこで他の陣営と遭遇…なんて展開もあり得るかなと>>299
動けるとするならやっぱりその辺になりますかね、ただ剣・弓どちらも見つけられないのが前提だからどう動かしても空振り確定になっちゃうのがネック。成果のない空振りをわざわざ描写するのもどうなんだろう……とか考えちゃうんですよね
掘り下げメインだからそれでいいのかもしれないけれど
>>303
な、なにィ、マスターだけとはいえ弓陣営が出てこれるなら話変わってくる
接触するなら誰がいいか……因縁ある槍陣営か、いやここはまだ顔合わせてない人のほうがいいか…?
>>303
お、おお……ムラト出したら何かしらはあるだろうなと思ってましたが、なんだか予想以上な反応が……そ、そんなに…?
ルナが夜になったのはムラト神父も知らない不発弾が再起動したら動いちゃったみたいな感じです。とか言いながらこのネタいつ出せるのかわからないレベルなので話半分に聞いておくんなまし
神秘の眠る田舎なんてどこもこんなもんです(偏見)
とはいえ双子姉妹はこのへんの過去の話は知りません。こどもがそういうことを知らずに陽気で楽しいペリマンニやってもらうためにアントンじいさんたちはがんばったのです>>289
五虎大将で一番真っ当な男といったところでしょうか。
桃園ブラザーズは善ではあっても乱世に適合しきった人間なので、趙雲の持つ真っ当な感覚を眩しく思いつつ、先達として趙雲の未熟な点を窘めてる感じですね。
>>294
なるべくサムレムの安い魔術素材みたいなのを燃やすようにして、資金繰りに必死になってるイメージが……。
>>298
ライダー陣営としては、ムラト神父と会談した後は特に考えてません。
探索(空振り)しつつ夜に備えて一度屋敷に戻るので、会談パートの後は省略で良いかなと。
>>302
ラーヴァナは苦も無く自分自身を王というシステムに組み込める性格で、そのシステムの元に悪を為せるからこその秩序・悪。
ちなみに、一般的な羅刹は混沌・悪だと想定して書いてるので、ラーヴァナがどれだけ羅刹らしいのかは……。
有沙は当初の想定だと悔んでる時間は無いと自分の感情を抑えつける予定でしたが、書いてたらこんな感じに。
完璧なように見えるのは、自分のスペックを可能な限り発揮し続ける事でそう見えてるだけなので、常にもがき続けてるようなものですね。>>304
できますできます、令呪は「魔法級の事象を引き起こせる」代物ですし、技量はともかく時間の面ではどうとでもなるかなと
というか自分のイメージだと改造したのは大神宣言の方が主なので、なんなら戦闘に突入しなければ(より緩めるのなら宝具を切るまでいかなければ)ロスヴァイセも全然連れ出せるものと思っていました。ここは見解の相違が発生していそう…ですね?
まあどっかで明かされるだろうものであるとは当然思っていましたし、ムラト神父の設定だけなら謎が深まるだけで終われたのですがね
伊草に合わせたためであるとは思いますが、日本にいるってなると…ついニアミスとか考えちゃいまして…
>>305
結果を見ればもう擁護のしようがないくらいのロクデナシですが、前を向き続ける力だけはかなりのものです。真エーテルを擬似的に感じていても自傷で気付になるのはマッド
それがたとえ振り返ることを意味する起源への反動に端を発するものであっても>>307
言うことと度胸は立派でも犠牲を数値でしか見ていないような男ですからね、まさしく悪い「文明」人だと思います。というか文明の悪い人
会談後はレイドまで省略ということで顔を実際突き合わせることはなさそうですが、会ったら会ったで耿実は有紗さんの哀悼の姿勢も「そんな昔のことにまだ拘泥しているの?」とか言い出すので、これはもう無理でしょうなマレオの台車をランニング中に引っ掛けたか何かで故意にブッ壊してしまい「お前さん…壊してしもうたんか…俺様の祠(マレオハウス)を……」されるリョーガ先輩概念(ツイッター見ながら考えた)
>>306
成程成程。認めながらもまだまだと思ってる的な
なんか戦闘で苦戦してる時に一瞬関羽の教えを思い起こすとか、生前関羽に「お前はまだまだ俺や張飛には及ばん。だが、俺と張飛を除けば——お前が、この軍においての防御の要だ」みたいな話をされたのを思い出してレイドの防衛側を申し出る、みたいなのとかを考えてまして。ちょっと知りたかったので助かりました、ありがとうございます
やっぱりなんだかんだ善寄りだけど全員我が強いですしね五虎将。
>>298
とりあえず、槍陣営単体としてはコレ絶対やりたい!!って行動は特にないっすね。
騎との合流も省略って事なので、最新話で話した情報の共有は夜パート開幕同時で良さそうな気もしますし。
剣陣営と弓陣営の希望があったらワンチャン遭遇もアリかもって位であとは待機で良さそうかな的な感じです>>314
了解しました
じゃあ早速行きますわよ…!!
衝撃と笑撃の児雷也ハロウィンwith■■■、解禁です注 今回のキャラシは割とアサシンの方知っとかないと混乱するかもなので先に殺児雷也くんのキャラシ載せときます
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/wiki/%E5%85%90%E9%9B%B7%E4%B9%9F%252528%E3%82%A2%E3%82%B5%E3%82%B7%E3%83%B3%2529
ではいきます
変則的な投稿になりますがお許しを【解説1】
児雷也の霊基は、モデルとなった武士である尾形周馬寛行が幻想の概念を纏って成立した霊基である。
彼の霊基が持つ、江戸時代に子供達の間で流行り、歌舞伎にもなった御伽話、児雷也豪傑譚の幻想の概念。
実はその中には、アサシン霊基では十全に解放できない物が一つだけ紛れていた。
大蛇丸。豪傑譚において、児雷也の宿敵と書かれている蛇の力を宿した男。
児雷也豪傑譚の概念を持つ者として現界した彼だが、三竦の関係上相性が悪い故か、上手く力を利用できなかったのだ。
そして彼は、ハロウィンの特異点の騒動において、バーサーカー適性が判明し、クラスチェンジを果たす。
——-そこで、事件は起きた。>>318
だが。
『ジロ…オマえ…オデ…ツナデ…ナツかジイナ…』
「……!!」
『フシュルル…オイ、ひマ。オんナ、イル?』
「……は?」
『オんナ、イタじラ、ヤルデ』
「……はい?」
児雷也に、牙を剥く事は無かった。
そう、児雷也豪傑譚において大蛇丸は児雷也の宿敵として語られている。
だが……二人の対立関係は、あくまで立場が違う故の敵対。
別に、大蛇丸自体が復讐者や恨みを持っていたという訳ではない。
そして、その児雷也豪傑譚の中の大蛇丸の概念が表出した大蛇丸は、『児雷也の不倶戴天のライバル』としての側面が出ていると言う。
児雷也自身の言う事を聞かずに暴走し、酒や飯や女があれば迷わず喰らいつきに行く問題児ではあるが…かと言ってマスターに徒に危害を加えるような危険人物(蛇)ではない。
故に、自来也(キャスター)と協議の結果、「まあまた随分と阿呆な事になってやがるが言うてもそんな問題はねェだろ、最悪スキルの霧使え霧」という結論になり、この霊基でハロウィンに参戦する事を決めた。>>319
「フフフ…ハーッハッハ!!今宵の俺達はヒーローでありヴィラン、トリックでありトリート!!御伽話の児雷也、宿敵との相乗りスペシャルバージョンで推参だぜ!!ってな訳で…行くぞ!!」
「ジロ。よっジヤ。オラ、ヤルデ、ジライヤ!!」
「フシャアア!!!」
凹凸コンビで宿敵コンビ。厨二病忍者に突如現れた相棒。
このコンビが行き着く先は、どうなるのか。いやマジでどうなるんだこいつら。
「……ところでお前、もしかしてほとんどジライヤツナデオロチマルしか喋れないの?」
『マジヤ』
「マジなのか…」
なんかかわいいなこの蛇。
という訳でハロウィン児雷也withバーサーカー霊基により表出した大蛇丸という霊基です。【元ネタ】児雷也豪傑譚、児雷也説話等
【CLASS】バーサーカー
【真名】児雷也(ハロウィン)
【異名・別名・表記揺れ】
【性別】男
【身長・体重】170cm・66kg
【肌色】黄色人種 【髪色】通常時と同じだが、赤いメッシュが一部分に入っている【瞳色】黄緑、特定時だけ右目が赤に変化する
【外見・容姿】
第一再臨 ウエスタンな格好に死者の日的な装飾が入った姿。特異点の日常に適応する為のお忍びウェア的な再臨。
第二再臨 シルクハットにハロウィンみのあるカラーリングの燕尾服を着ている。妖しくカッコいいハロウィンパーティー風の姿。
第三再臨 和風傘をつけ、侍甲冑+サイバー風味のような鎧を着た姿。蝦蟇や蛞蝓、蛇の装飾が入っている。なんというかライドカ◯ンズ的な。とにかく本気モードの格好。
【地域】日本
【年代】江戸時代
【属性】中立・善
【天地人属性】地
【その他属性】魔性(大蛇丸の影響)
【ステータス】筋力:C+ 耐久:C+ 敏捷:A 魔力:B+ 幸運:C 宝具:B>>321
【クラス別スキル】
狂化(三竦):D+ バーサーカー自身は通常時と然程変わらない精神とテンションではある。だが、バーサーカーになった事の影響で、内にある児雷也豪傑譚の概念の中にある大蛇丸の存在が覚醒、それによってオロチマルが蛇の絡繰のままバーサーカーの制御を外れて暴走する。
とはいえ想定外の行動をする事が多いが、大蛇丸自体は狂気という訳ではなく、彼なりの思考回路に沿って動く。制御は難しいが、時に思わぬ活路になる可能性がある。あとサーヴァント半騎前くらいの戦闘力なので最悪制圧も容易。
なお、大蛇丸の影響でバーサーカーには魔性特性が追加されている。
単独行動(大蛇丸):E− 大蛇丸の精神が入った蝦蟇のみが自我を持ち独自に行動する。とはいえ児雷也の目の入る範囲のみではある為確認、制御は難しくない。
【固有スキル】
祝祭の絡繰蝦蟇:B バーサーカー霊基、そしてハロウィンのテンションにより、絡繰蝦蟇もはっちゃけ……性能が変質した。絡繰蝦蟇の使役可能数等はそのままではあるが、気配遮断スキルが消滅した代わりに一体辺りのステータスが格段に上昇しており、本人も交えた真っ向勝負での戦闘力が上昇した。まさにバーサーカー。
ちなみに今回は児雷也自身が全て操っている。故に攻撃パターンは単純だが、その分攻撃力が上がっている。>>322
妙香山の幻霧:A 児雷也の伝承曰く、児雷也は妙香山の仙人より蝦蟇の術を教わったという。それ由来のスキル。このスキルを使用する事で味方には弱体無効を、敵には強化無効を1度ずつ与えられる。また、これを当てる事で狂化による理性の暴走を一定時間微量に沈静化でき、オロチマルや自身の蝦蟇が万が一暴走したらこれで強制スリープ、抑えられるという寸法。
三竦憑依・百機夜行 B アサシン霊基でも可能であった三竦気刃による三竦の力のエンチャント。バーサーカーとなった故か制御可能量が増え、蝦蟇、蛞蝓、大蛇の力を微量ずつ一気に、かつ刃だけでなく蝦蟇にも付与する事が可能となった。そしてバーサーカー霊基の影響で、大蛇の力も利用できる様になった。
解放する事で攻撃に攻撃と防御ダウン効果を微量ずつ付与でき、その上で攻撃と防御ダウンの数だけ入る特攻を自身に与える。>>323【宝具】
『児雷也・三竦狂乱絵巻(ジライヤ・トリニティフレンジーナイト)』
ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:100 最大捕捉:150人
バーサーカー故の出力、かつ狂化による大蛇丸の概念解禁。それによりバーサーカーが発動できる宝具兼、禁断忍術奥義。
自身の霊基に紐付けられている『児雷也豪傑譚』の概念。その中にある児雷也、綱手、大蛇丸の三竦みの概念を一気に展開させ、蛞蝓の毒霧と絡繰蝦蟇の弾幕、そして自我を持って荒れ狂う絡繰大蛇が一斉に暴れ出す三竦同時攻撃。
それぞれに三竦の概念が入っており、蛞蝓の毒霧を受ければ絡繰蝦蟇の弾幕のダメージが増大し、蝦蟇の弾幕のダメージを受ければ大蛇の攻撃のダメージが増大し、大蛇の攻撃を受ければ毒霧のダメージが増す。つまり、一度攻撃を被弾すれば宝具が終了するまで三竦によるダメージ増加でDPSが宝具終了まで際限なく上昇していく。
燃費故に長くは撃てないが、破壊力は絶大。
蛞蝓が練り歩き、蝦蟇が飛び回り、蛇が荒れ狂う。その様は、まさしく妖しき狂乱のハロウィンの夜の如し。
【Weapon】
絡繰蝦蟇
児雷也が操る絡繰蝦蟇。バーサーカーによって気配遮断削除の代わりに戦闘力が増している。
ついでに装飾もすごいハロウィンっぽくなってる。デザインの発案は「同じ江戸時代の誼って事で、ね!!」と自ら申し出られた家綱様。これには流石に元々江戸時代の武士である尾形周馬寛行も怖気付く。>>324
絡繰大蛇「オロチマル」
バーサーカー霊基になった事によって出現し表出した、独自の意思を持って児雷也の制御が効きづらいままに暴走する絡繰の蛇。自身を「オロチマル」と名乗る。
独自の自我を持っており、『ジライヤァァァァ!!!』と叫んでいる。児雷也の制御を効かず独自に暴れ回る性は紛う事なきバーサーカー。
だが、別に児雷也の事を恨んでいる訳ではなく、自らの欲(それも酒や女等)を第一に動く為、然程制御不能な脅威という訳ではない。単独であれば並のサーヴァントで無理矢理止める事は難しくないし、最悪セーフティとして児雷也の持つ霧スキルでスリープできる。
制御は効かないが牙は剥かない、といった塩梅の困った使い魔である。
ちなみに「ジライヤ」「ツナデ」「オロチマル」の12文字しか基本的に喋れない。これを組み合わせて喋り、1語につき1文字だけなら他の文字を追加できる。
例「オラ、ジライヤ」「イヤ」「オロロロ」「イラ」「ジロ」「ヤルか」「よツジヤ(よっしゃ)」>>325【人物像】
基本的にはアサシン霊基と大きな人物像の違いはない。だが、ハロウィンの季節かつバーサーカーになった事で、少しばかり語彙をゴシック風やダーク風みたいな感じでハロウィンに寄せている。ただ根っこが真面目なのは変わらないのでマスターや仲間の事はしっかり考える。
自身は幻想を身に纏った普通の武士であり、他のサーヴァントには余り及ばない。その悩み自体はまだある。だが、偶然とはいえ自身の霊基に現れた大蛇丸の自我。同じく幻想より生まれた存在であるその存在が、幻想の自己を肯定してくれているかの様に感じている。なので、結構この霊基や自身のあり方を気に入り始めている。
故に、ライバルと同居した異常な霊基ではあるが…それでも、折角思いがけない事が起きたハロウィンだ。楽しまなきゃ損ってヤツだよな!!
斯くして彼は幻想のヒーローとして戦い、祝祭の夜に舞う。
幻想である彼の存在をヒーローとして信じた江戸時代や現代の子供達、或いは、ハロウィンの夜を楽しむ子供の事を思いながら。
ちなみに内心江戸時代の同郷のサーヴァントにこの姿をあまり見られると恥ずかしくなるらしい(なお将軍家綱様には既に見られている)
自来也「今更何を恥ずかしくなってやがんだこの阿呆が」
特技:イリュージョン
好きなもの:ヒーロー系、祭り、ラムネ系菓子(自来也から勧められて好きになった)
嫌いなもの:この霊基では特になし
天敵:大蛇丸、だった筈だったけど別にそんな気はなくなった
願い:楽しくこの祭りを過ごせるように。或いは———もし、大蛇丸のように形を持てるのであれば、■■の顔を、見てみたい。>>326
「…フフフ…ハッハッハ…ハーッハッハ!!なんてな、どうだ、驚いたかマスター?あっちの俺が水着ならこっちはハロウィン。尾形周馬寛行、a.k.a児雷也。ハロウィン霊基で見参!だぜ!!」『オイ、オラは』「あー、そうだ…マスター、驚かないでくれよ。今宵の俺は一味違くてな…いや、内心俺も驚いてるんだが。———あー、コイツ、大蛇丸。……うん、そんな顔するよな。だよね…まあ、問題ないさ。むしろ強さ10倍テンション100倍だ!だから、このハロウィンの祝祭。この俺達が、最高のハロウィンを守ってやるさ!!…え?レアリティ?……気にしないで。うん。」『オま…』召喚
「よう、キャスターの俺!!…フフッ、見てくれよこのカッコいい霊基!!アンタの夏スーツもカッコ良かったけどこっちは霊基ごとチェンジ、大新生だぜ!!…え?『で?トリックオアトリートはしねえのか?菓子なら一杯あるぜ?』……ちょい待ち、なんか恥ずかしくなってきた…」『ヤイヤイ』「笑ってんな大蛇丸!?」会話4(自来也)
「あっ…これは家綱様。…はい、貴方のお陰でこの尾形周馬寛行、この祝祭に相応しき装飾をこの身に纏いました。身に余る光栄…はい?『そういうのは大丈夫だから、とりまトリックオアトリート?』…了解!はい、ハッピーハロウィン!…やっぱり、堅苦しくしなくて大丈夫そうなんだな…」会話5(家綱)
「アンタがドン・ファン…いや、このもう一人の俺、我がペルソナ……キャスターの俺がお世話になってるなって事で———え?綱手ってどういうタイプの美女なんだい?……あー…その、うん……『オマえ、ヤル』あっ大蛇丸待て!!ステイステイッッッッ!!」会話6>>327
「今宵の俺達は、ヒーローとヴィランが合わさっている。」『デ?』「フッ、知らんのか…光と闇が合わさり最強に見えるってな!!」戦闘開始1
「さあ、パーティーの時間だぜオロチマル。最高のショータイムにしてやろうぜ…!!」『フシャアア!!』「…羽目外しすぎるなよ?」戦闘開始2
「ハロウィンの夜に菓子をバラまく義賊にして、夜を脅かす敵を倒すファンタジーなハロウィンの戦士、児雷也!行くぜ!!」『ヤルデ。たオジデヤル!』「オロチマルもそうだそうだって言ってるな!!」戦闘開始3
「トリート、オア!」『ヤラれルか』スキル1
「お菓子うめ…」『ジロ…』スキル2
「ファンタジージライヤパワー…!」『ナんヤ』スキル3
「集中…よし!!」『イくデ』スキル4(第三再臨限定)
「行くぜ、百鬼夜行の時間だ…!」『フシュルル…!』宝具カード1
「本当のパーティーの時間ってな…!」『マツりヤ…!!』宝具カード2
「尾形周馬寛行、参る…!」宝具カード3(第三再臨限定)
「忍術とマジックは……同義ってな!!」エクストラアタック1
「さぁて、狂乱のパーティーの始まりだ…!耀かしくも妖しき祝祭の夜。三竦は三位一体となり練り歩く…!!始めようぜ、『児雷也・三竦狂乱絵巻(ジライヤ・トリニティフレンジーナイト)』ッ!!…よし、決まった…!!」宝具1
「俺は幻想(ファンタジー)。入りしは狂乱(フレンジー)。さあ、夜(ハロウィーン)を俺達の色に染め上げろ!!『児雷也・三竦狂乱絵巻(ジライヤ・トリニティフレンジーナイト)』!!ハロウィンの英雄に、俺はなる…!」
「三竦全開放。蝦蟇よ目覚めろ!!蛞蝓よ力を貸してくれ!!そして大蛇……いいぜ、好きに暴れろ!!」『イイぜ…フシャアア!!』「これぞ児雷也流、狂乱の宴…!『児雷也・三竦狂乱絵巻(ジライヤ・トリニティフレンジーナイト)』!!ふぅ…楽しい祭りだったな…」宝具3
【因縁キャラクター】考え中、あるいはハロウィンイベ他鯖によっても増やすかも
【他クラス適性、変化傾向】アサシン(元霊基)キャスター(元霊基の別霊基)
【製作者】京極ぺレス更新!談話室は暫く書かない!(伊草に関する議題の方向性などは固まったので)
うーんぺレスSS、なんか微妙な出来になりがち感あるな……まぁとりあえず今後の戦闘方針は示せたのでヨシ!
>>297
トコトン趣味人というか、ある種の清々しさがありますねぇ六蘭さん。”魔術師”ではないけど、『魔術師らしい思考回路はしてる』みたいな印象があります
>>302
円卓の欠片による相性召喚ガチャですからねー。似たモノ同士。んでお互いビジネスライクが苦にならないし割り切れる性格なのであまりディスコミュニケーションが起こらない感じ
>旅館の部屋で死体の山精査してた…?
はい、死骸沢山部屋です。血生臭い……。クッチーはそういうの全く気にならないというか寧ろ居心地が良いなぁと考えちゃうタイプなので、死霊魔術への適性はかなり高い方だったりします昨日中途半端な状態で出しちまったので改めてハロウィン児雷也くん全再臨投げます
第三再臨では全モーション変わりはしないけどオロチマル周りの攻撃モーションとエクストラだけガラッと変わるタイプみたいなイメージ。
とりあえずイメージとしてはハロウィンイベの同行鯖枠とか中盤で活躍タイミングある仲間的なイメージです。限定星4感を出したかった
>>330
御伽話の側面の児雷也くんなのでもうガッチガチにはっちゃけた設定にしていいやろって事でこんな感じにしましたぜ…やっぱり別霊基は楽しいですね…もうコレで大体別霊基行けそうな鯖のネタが尽きたのがネックだけど…
かわいいっすよねオロチマル…時効だから言いますが最初は児雷也イベの黒幕兼ラスボスの予定だったのがよくここまで来ましたねコイツ…
いかにして狂化っぽい喋り方させるか…って悩んだ結果何処かで見たピカチュウがウチカ?とか喋れんじゃねえのネタ思い出して電流が走ったんすよ…
>>332
シンプルにカッコいいのは自来也おじ担当にしようかなって事で、こっちはとにかくド派手にカッコいい感じにしましたぜ。なんとなくバトルモーションのエフェクトとか色が派手そうなイメージ
動かしたら絶対楽しいと思います。厨二でボケも行けるしツッコミも行ける両刀使いですぜ冒険旅行記の続きが書けたので投下投下~
どうしようどうしようどうしたらいいんだろう。本当に本気でやばい。やばいどころじゃなくやばい。
待て待ておちつけ。一旦おちついて整理してみよう。
まずフリッツさんは聖杯を探している。これは先の聖杯戦争の勝利者のナインが怪しいと見てる。
次にアントンさんはナインを攫った犯人を探している。楽師の人たちはありえないからと余所者の魔術師を疑ってる。
そして私は2人が探しているナインを背中に抱えている。整理おわりっ。
……逃げよっかなぁ。
ちらりとメレクにアイコンタクト。すぐに「やめておけ」と返ってきた。まあここで逃げたら犯人確定……それはわかるけど気持ち的はいます逃げたい。
でもまだポーカーフェイスが崩れていないのは我ながら大したものだと思う。この部外者ですという顔を保てればまだ大丈夫。のハズ。
だから背中でぶるぶる震えるのはやめてナイン。やめてやめて態勢も表情も崩れちゃうからやめて。
なんか大事なこと思い出したのかもしれないけど今はやばいんだって。
「おれは特にお前が怪しいと思ってんだフリッツさんよ。事情通みてぇだしなあ?」
「残念なことです。一度疑われてしまえば、私も疑いの目を向ける必要が出てくる」>>336
「そりゃおれもか? さっきの話はおれの自作自演ってか?」
「疑うのはこの場にいる全員です。ミスターも、無関係な様子を貫くルナ君とメレク君も疑わねば、ええ、この場にいる全員は魔術師であるのですから」
「……僕たちも、巻き込むおつもりですか」
おじさん2人がバチバチと視線を交わすさなかにメレクも放り込まれた。2人分から3人分になった視線がぶつかり合う。
一触即発……に近い。緊張感を帯び始めた空気が流れる。誰かがあと半歩踏み込めば、その瞬間に全員が動き始める。そんな空気の中で。
扉からまた、新たな影が差し込んだ。
「フッ───話は聞かせてもらったぜ?」
「お前は!?」
「クリストファー・クライ!?」
「イエス! だがしかしノゥ!! 俺は、俺こそは!! クリストファー・プロミス・クラーーーイ!! いにしえの約束を果たしに来た男!!」
「なん……なんっ、」
「一通り聞かせてもらったさ。ある程度は忘れちまったが! だが! ナイン野郎が消えちまったことはバッチリ覚えた! ってぇなワケで俺は先へと行かせてもらうぜ! アントンじいさんよぉ!」
私、メレク、フリッツ、アン、この4人すべてを華麗にスルーしてずかずかと踏み入ってくる。当然誰も動けない。この人っていつもこうなのか。
「……てめえ、生きてたのか」>>338
「バっ……!」
「……オイ、今の、声───」
「急いで!」
「あーーーー! もう!!」
走った。こうなれば身体を動かすほかない。行き先はもちろん店の奥。そこにあるらしい地下へと続く道。
ナインと出会ったあの坑道へ、再び踏み込む。
突然の声と、突然走り出した私に反応できたのはメレクだけだった。残る3人を置き去りにしていく。
これはもう怒られるどころじゃすまないだろう。だけどもうしょうがない。
ごめんなさいで許されるかどうかは、ぜんぶ終わったあとで考えよう。
◇ ◇ ◇
その場に残されたのはアントンなる名の店主と、客であったはずのフリッツと、彼が連れた少女のみ。
しばし、時間から外れたかのように動きを止めていた三人だったが……>>339
「……お互いに誤解があったようですね」
つぶやきひとつに、また時間が動き出す。
「みてえだなァ。おれはお前が極悪魔術師だと思ってたよ」
「それは嬉しい。悪の味方を目指す私には褒め言葉です」
「……そういうとこが怪しいんだがな。ま、今はお前よりあの嬢ちゃんにいろいろ聞かにゃならん」
「私も彼女にいくつか質問ができた。どうでしょう、今からでも手を組むというのは?」
「いいや? お前も信用ならん」
アントンが弦を弾くテンポを速める。ゆったりとした旋律が徐々に熱を帯び始めているのだと言外に主張する。
「……それも、ペリマンニの魔術のひとつなのですね。件の技術で拵えた兵器を起動するものだ、違いますか?」
「合ってるよ。兵器(こども)が入ってない量産型だがな」
ぴんっ、と最後にひときわ強く弾いて彼の演奏は終わった。
同時に耳障りな金属のきしむ音がそこかしこから届いてくる。音の発生源から近く機械人形───人の形をしていないのも含めて───が現れた。獣、鳥、蛇、そのような形をしたものもいるが、みな一様になんらかの武器を携えている。>>340
目視で数えられたのは店内に八体。まだ姿を見せない個体、さらに外から狙う個体も含めれば倍以上はいると見ていいだろう。
言葉どおりであるなら、これらすべてアントンが操っていることになる。
さらに……
「おつかいに行かせた小鳥も帰ってきたみたいだ。ちゃぁんとペリマンニ御一行様も連れてきてる」
「ミスター・アントン。私たちは事を荒げるつもりはありません」
「穏便にいきましょう話し合いで解決しましょうってかァ? それがお望みなら今すぐフィンランドの外までいきな。おれらは追いかけない」
「それも難しい。私の目的は何一つ達していない」
「じゃあどうするって───「先生」
それまで沈黙を貫いていた少女が声を出す。アンと紹介された少女は心底つまんなさそうな表情を浮かべて、また短く声を出す。
「話が長いです」
「ム……いやしかしだな、」
「許可だけ、ください。先生」
じぃっと見上げる。それ以上はなにも言わず、そして動かず。これはなにを言っても無駄と悟ったフリッツがため息をついた。>>342
「しかし本当に珍しいですね。こういう場面でルナが注意されず……どころか逆になるとは」
「そこ! うるさい!」
懸命に足も手もしゃかしゃか動かして下へ下へと降りていく。昨晩にも見た人の気配のない地下坑道───アントンさんの言葉通りならそう見せかけた地下迷宮───をガンガン進んでいく。ここも目的地へと通じているのは間違いないけど、昨日入った場所とは違うから普通に進めば迷うのは間違いない。
ならどうしているかと言うと、
「指示します。次は右です」
「右行くと登り坂だけど!?」
「追記します。登り坂は心理誘導の一種です。すぐに下り方面に切り替わります」
ナインが矢継ぎ早に出す指示の通りに坑道を下る。私の背から降りて、全員を先導する形でナインは進行方向をナビゲーションしていた。
実際にその指示が正しいのかどうか、感覚で言えばおそらく正しい。メレクも疑惑の目を向けながらも、ナインの指示に否を唱えることはなかった。なによりナインの指示がはっきりとした自信に満ちている。これは"知っている"からこその自信に思えた。
「ナイン! やっぱりなんか思い出したの!?」
「肯定します。彼の登場により、私の記憶領域はかつてなく揺さぶられました」
「彼というのは先行した奇人のことですか? クリストファー・クライとかいう」
「更に肯定します。私とセイバー、でこぼこへっぽこコンビを戦場に導いた、私たちの師なのです」
「……でこぼこへっぽこコンビ?」>>343
「ルナ、スルーしてください」
「だって! いや待って師匠!?」
「そう、それです。師とはなんのことですか?」
「回答します。師は、師匠です」
「……いえ、そうではなく」
「着替えのときに言ってた人だよね? ナインに『カッコいい』を教えてくれたっていう…………いやいやいやアレが!? アレが師匠!?」
「師です。アレなところもある師です。彼は、クリストファー・クライは、かの聖杯戦争におけるアーチャーのマスターでした」
「はあ!?」
「ガッツリ関係者ですね……」
まとめるとクリストファー・クライはナインの師匠で、アーチャーのマスターで、火焔聖杯戦争の生き残り……ということになる。いやウソでしょそんなの。そんな重要人物っぽいテンションじゃなかったもん絶対。
あんな、あんな海パン一丁でキメてくるよくわからない人がナインの師匠……師匠かぁ……。
「……やだなぁ」
「現実を受け入れてください」
「だってぇ!!」
「件の魔術儀式を生き残った人物です。味方ならば良いですが、そうでないなら……」
「提言します。現状のままだと非常に高い確率で師匠は敵対します」>>344
「なんで!? ……私のせいか!!」
「肯定します。過程はさておき、事実として私はマスターに逆らえない身体にされています。正に極悪魔術師の所業と言えるでしょう」
「不可抗力だって!」
「そも魔術師が自分の体液を易々と差し出すことがあり得ないのですよ? 理解していますか? 反省しているのですか?」
「正論!! 反省します…」
「つまり誤解を元に私の師は襲い掛かってきます。勝利条件は『誤解を解く』となるでしょう」
「……どうやって?」
「師は『カッコいい』へ傾倒する変人です。私達の協力関係が一方的でないことを『カッコイイ』で示せれば、イチコロです」
「…………どうやって!?」
「マスター。手を出してくださいますか」
言われるがままに手のひらを向けて差し出す。その手をナインもまた自分の手でひしっと掴む。
次の瞬間、手を基点に身体すべてを駆使して私の腕にしがみついてきた。
「い!?」
変化はそれだけに留まらず。腕にしがみついたナインの身体に直線状の亀裂が走る。ガシャガシャと音を立てながら瞬く間にヒトの形を失っていく。
ひとつひとつの小さな部品まで見えるほどに細かくなって……人体なら絶対にお見せできないような状態になってから、また別の形に組み変わっていく。>>345
指を這って測られる。腕を沿って形造られていく。そうして、ナインは完全に私の腕と一体化していた。ハンドグローブ………いやガントレットに近い形状をしている。
「な、なんじゃこりゃー!?!」
「宣言します。変形・合体は『カッコいい』の必定であると」
「コレで説得する気なの!? コレで!?」
無理だと思う。こんな、ヒトの尊厳ゼロの姿で『使う』ところなんて見せてかっこいいと感じてくれるはずがない。クリストファー・クライはちょっと変な人っぽいからワンチャンある気はするけども……やっぱり無理だと思う。
それに気になるところがもうひとつ。
「ナイン……魔術回路を接続してる?」
「解説します。この形態はマスターであるルナ・アードゥルという魔術師が運用する上での最適化です。現在、魔術の使用が困難なマスターのために用意した代替戦闘手段でもあります」
「…………なんとなく、わかる。私の魔力で、ナインの魔術を使う。それができる形なんでしょ?」
「肯定します。この形態である限り私はマスターの杖となりましょう。その上で、追記します」
「……なに?」
「私の師はバカです。拳で……いえ、『カッコいい』でブン殴ってやらねば、決して聞き入れません」
「真っ向勝負しかないってわけね」
そのための私自身で戦えるカタチ。……いいじゃん。悪くない。拳でも焔でもなんでも使ってやろう。>>346
それに接続された魔術回路から、ナインの魔術がいくつも読み取れる。レーヴァテインの制御に重点を置いたその機は主に三つ。
一つは『強化』。全身を意のままに動かすための最低条件。
一つは『死線錬磨』。幾億もの死の記録から導き出した危険察知&危機回避。
一つは『独奏・火焔幻想』。レーヴァテインの制御と封印を目指して造られた焔の闘争手段。
こんな神秘を今から私が使っていいんだと思うと、それだけでアガる。嬉しくっておかしなくらい笑ってしまいそうになる。そんな場合じゃないってのに。
「残念ながらお喋りは終わりです。話題の人物が近いようですよ」
前回のような慎重さは影も形もないスピードでダンジョン攻略は進んでいる。だから早い。こんなにも早かった。
───銃声。
はるか遠くにあったはずのそれが、今はすぐ近くに感じる。戦っている。
岩肌を横目に過ぎ去りながら走った。
進路を塞ぐはずの分厚い鉄扉はすでに倒れていた。開け放たれた向こう側に、鉄と炎の匂いがする。
ためらわず、飛び込んだ。
「……え」
「これは……」>>347
踏み込んだ空間は縦に広く、また高かった。
上下を金属に支えられたそこが人の手による空間であることは明らかだった。左右は岩肌がむき出しになっているが、棺めいた特大サイズのカプセルがずらりと並ぶ。
縦に、前に、まっすぐ伸びたその奥。一段分高くなったそこは、玉座でも置かれてありそうなそこに、王の姿はなく。
ひとつ、すでに倒れ伏した金属の巨体。目測で3mはありそうな鉄巨人は、しかし動かない。
さらにひとつ、鉄巨人を打倒した勇者がひとり。
"彼"がこちらに視線を向けた。
こちらを認める。正しくは私たちと共にる。私の右手と一体化したナインの姿をしかと捉えた。
大きく、息を吸って、
「約束、果たしにきたぜェ──────ナイン野郎ォォォオオオオオォオオオ!!!」>>350
絶対に自分たちより長生きしてもらわにゃならん存在ですから気長に…本当に気をながーくね…がんばれ…
了解です!どっちもいけるようにしておきます!
こっからBGMもガンガンに盛り上げですよ。エンディングまで転がり落ちるのみ>>352
やーっと本格参戦させてやれました暑苦しい男!クリストファー・クライ!クリストファー・クライ!(繰り返し)
次回からいっぱい頑張ってもらいます!伊草のレイドでアーチャーが最初からヨルムンガンド化しないのなら、ヴィマーナの機首にランサーを乗せて通常形態のアーチャーと空中戦……なんてのを閃きました。
アーチャーがヨルムンガンド化して、その攻撃でランサーがヴィマーナから転落して第二ラウンド開始……みたいな感じで。
>>310
話し合いの流れはそんな感じですね。
>>329
大蛇丸がまさかのマスコット化……まさか、こうなるとは……。
>>334
瞳ちゃん「お姉ちゃん達がまた変な事教えられてる……」
>>348
ルナちゃんのせいで物凄くややこしい事に……。
クリストファー・クライ……どう考えてもレーヴァテイン要素は無いのでアーチャーがレーヴァテイン絡み……一体誰だったのやら。【概要】
場所は紀元前のイタリア(古代ローマ)。
混沌と酒と狂乱の神バッカスを信奉していた巫女の亡霊が聖杯の欠片に触れ、成立してしまった微小特異点。
巫女の亡霊いわく、「先祖代々受け継いだ役目(祭儀)が自分の代で禁止された未練を今晴らしたい」との事で、カルデアは祭儀とやらの開催や運営を手伝う代わりに、彼女が所有している聖杯(魔力リソース)を受け取る事で交渉成立したイベント。
ただし彼女から出された条件があり、
「狂気に深い関わりを持つサーヴァント(バーサーカー、あるいは狂化や精神汚染などのスキルを有するサーヴァント)のみ参加可能」
「あと、バッカス様や関連する神格や関係者は参加NG、緊張しちゃうから」
とのこと
最後なんでや>>355
【重要NPC】
バッカスの巫女。
英霊になれるような器はなく、逆立ちしてもどう頑張っても幻霊程度の存在。
しかし巫女───古代の魔術師という実力は本物で、聖杯のバックアップもあって小さいながら特異点を生み出すに至った。
……悪人ではなさそうだが、うさんくさく、どこかいい加減な性格の様子。
サンプル台詞
「しくしく、私は無害で憐れな巫女さん……あ、かけつけ一杯いかがっすか?」
「そんな!男女野外ではめ外すお祭りの、ナニが悪いんですか!?」
「いぇーい!ハッピーハロウィーンいぇーい!信仰とは今風にアレンジする事と見たりィ!」
「せ、秩序(せいろん)パンチはんたーい!!!」
「後先なんて、今が楽しければどうでも良いじゃないですか……そう。二日酔いが怖くて酒のんでられませんとも」
「くくく……これがバッカス祭の空気……誰も彼も我を忘れ、理性を手放し、野性に還る……!」船キャラのエミュを思い出し中
>>334
凌牙(帰りてぇ…)
フリーダムネコチャンはともかくトレノ達はもう少し仕事を選んでもいいのよ…?
>>349
クリストファーさんが重要人物でビックリしたと思ったら情報量がエグすぎるんじゃが!?
いよいよ決戦っぽい流れで熱いですが…フリッツさんの悪の味方ってのが引っ掛かりますね…
連れてる少女もヤバそうですしやっぱりコイツらここで終わらないというか冒険旅行記のラスボス説出てきた気がするな…
>>352
最初は饒舌にしようと思ってたんですが、12文字カタコトを思いついた瞬間これしかねえなと思ったので正解でよかったなって思ってます。
やっぱり王道凹凸コンビは健康に良いですからね。オイラも大好きでゲス
>>354
本当は第三再臨で乗っ取るパターンも考えてたんですが、それだとなんかアレだなーって思ったので色々考えた結果相乗りになりました。初期案イベラスボスだった奴がよくここまで来たもんですね…
そんで伊草案良いですね…!ランサーが前方でアーチャーの攻撃をいなしながらライダーのヴィマーナでガンガン攻めるって感じでしょうかね
>>357
はい、児雷也ハロウィンをガチャ星4枠に推薦したいです。
あとは良ければコマンドコード星3や星3概念礼装も行きたいなって気持ちはありますがこっちは空いてたらって感じで大丈夫ですー>>367
やったぁ!
楽しみにしております〜「さて……あー、ミスったな。嵐に渡す形見の手配忘れたわ。んー……まぁ……親父がなんとかしてくれるだろ多分」
「……意外ね。そういうことするんだ」
「あ?当たり前だろ。戦場に出るんだ。運が悪かったら死ぬし、運が悪くなくても死ぬ。遠くでちまちま糸引いてたらそうも行かないけど、俺は自分の手で盤面の駒は弄りたいんだ。ならそういうリスクは考えて然るべきだろ」
「話を聞いてて前から思ってたけど。魔術使いでない、魔術師の当主として戦場に立ち続けるってデメリットしかなくない?」
「そうか?コネができるってのは悪い話じゃない。てか俺以外にもいるし。まあ、あとは性分?」
幼い頃からそうだった。聞くだけ、見るだけで足ることなど何もない。触れなければ、経験しなければ、真にそれを理解したとは言えない。そんな思いを燻らせながら成長したし、一人で動くことを許されてからは興味のあることはなんでも試した。やりたいことは全部やった。まだやりたいことは沢山ある。
今回の聖杯戦争だってそうだ。気になったから参戦したし、静華の姉である恋がどれ程までの天才であるかを見てみたかったから誘った。利権がなんだ霊地がなんだと理屈を捏ねくり回したが結局のところは好奇心だ。
「聞いただけではわからない。見てみるだけでもわからない。触れることでやっとわかる。そしてわからなければ、支配し操ることはできない。それがこの世の道理だ。だから俺は触れるんだ。全てを手中に収めたいから」
「自信満々ね」
「狂信とも言える。けど仕方ない。魔術師ってそういう生き物だからな。求めて足掻いて止まらないんだ。アンタも……ああいや、違うか。その目に映るのは悲観だ。俺とはちょっと違うらしい」
最初、それは諦観ではないかと撫海は予想した。歴史も浅く日本に居を構えた己の一族に、発展の未来がないことを悟り諦めたのではないかと。でもそれもちょっと違った。恋は空野の置かれる現状に絶望したようには見えない。そういう類ならばもっと進んで家系を卑下することも多いはずだろう。だが無い。となると……「最近の魔術師に良くある感じの、良くも悪くもエンジョイっていうか……学ぶことへの楽しさを重視する方なのかと思った。でもそれも違うんだな。魔術師としての在り方に何よりも真摯で……真摯だから嫌なんだな」
「………なんでわかるの?」
「俺も同じだから。そっちは胎で、こっちは種だ。まあ詳細な部分は違うし、俺は遠縁の隔世遺伝だけど。で?ほら話してみ。別に見知らぬ仲って訳じゃないけど仲良くないからこそ話せることもあるだろ?弱みを見せても引け目を感じないから」
悩みを聞いておくに越したことはないから悩みを聞いてみることにした。寄り添うことはできないけれど愚痴を聞くぐらいはできる。深い仲になるわけでもないのだから、その言葉を聞いたとて何をどう思うということもない。
「私のこの体質は、私が受け入れた人の血筋、才能を極限まで引き出すわ。でも、私は“駄目”なの。もちろん、血は継がれているから空野の魔術刻印も、そこに刻まれた魔術基盤も継げるわ。でも、私の才能は引き継げない。引き継げるものといったら、きっとこの母胎としての性質だけでしょうね。生まれる子の魔術回路も、センスも、全て私とは独立している」
「それもまた魔術の発展がためと割り切るか、むしろ魔道に生きるものとして悔しいことと捉えるか…後者だったんだな」
「ええ。私はそれが悔しい。魔術刻印に刻めるものにも限度がある。刻んだとして、子供がその魔術刻印にどれほどの適性を示すかなんて。そんなの、そんなのってない。そうでしょう?」
もちろん、結婚した相手の種が自分よりも優れた才能を持つ子を作ればそれで良いと思える人もいるだろう。そこに重点を置くのもまた道理。けれど恋には……自身の築き上げた全てが無為に帰すことをわかっていてなお、そのように割り切ることができない。魔術師とて人なのだ。いや、人だからこそ魔術師なのだ。だから苦しむ。悩む。それが当たり前。
「ふーん。ま……悲観的なのは悪かないけどさ。俺はそんなんで諦めるのか、って思うなぁ」
「………どういうこと?」
「そのまんまの意味だよ。アンタにはまだ山ほど時間がある。なら何をすれば良い?諦めて優秀な男を探す?違うだろ。母胎の才能も引き継げるものを“産めるようにする研究”をやるべきだ。気が遠くなるほどの時間と資源を費やして不条理を不条理のままにしないのが俺たち魔術師だろう」魔術師であるというのならば、己が体質の一つや二つなど捻じ曲げてしまえばいい。尊き血筋?尊重すべき体質?時代に逆らい自分本位に生きる時点で、そのようなものを慮ることなど馬鹿げている。魔術の探究のためならば貴重な血など“使い潰して”然るべき。それこそが魔術師だろうに。運命如き、何を恐れて手をこまねいているのだろう。
「現実的じゃない」
「現実的じゃないものに手を伸ばすから魔術師なんだよ。それに、なんだ。ダメだったらダメだったでやりようはあるだろう。俺の体質の大本、クロムレイト。あそことコネ作って話すなりなんなり、俺との交渉次第じゃできるじゃんか。どっちの体質が勝つかバトルしてみようぜ」
「………はぁ。うちの妹が困る理由もわかる気がする。でも、そうだね。諦めちゃダメだなぁ」
「そりゃそうさ。そしてその為にも、俺たちは今から始まるものを生き抜かなきゃならない」
ツユが動いている儀式の内容については、教師であるセナが大体の見立てを立てている。そのために必要な魔術式も、それを操るのに必要な魔術回路も、そしてセンスも、全てをツユは備えている。準備さえできればきっと一人で実行してしまえるだろう。ライダーの干渉が無ければ、の話しだが。
完全に成し得ない可能性を考慮して、似たような結果をもたらす儀式をセナ、撫海、恋の三人がかりで執り行うことにする。“信仰の喪失、あるいは簒奪”こそ今回の儀式において中核をなすものだ。それを二重の技法を用いて、片方が不十分でももう片方で成立させる。撫海が信仰を奪うための情報戦を、恋がこの儀式の中枢に据え負荷を請け負い、セナは全体的なサポートを。闇夜に隠れたもう一つの神殺しこそ彼らの狙いだ。
「静に聞いた。アンタ、仲良い人に砕けた呼び方するんだってな」
「うん。……え?欲しいの?」
「勿論。生きてたら呼んでくれよ。さ、始めようか。今宵、俺たちは神を貶すことになる」「こんにちは。アレクサンドル・野紀・ヴィヴラメントです。あなたの殺人衝動についてのお話をしに来ました。あの人の弟子、ですよね?大丈夫。私もあの人とは知り合いなんですよ。これでも色々なお話をさせていただいたり」
脳に直接、甘く響くような声がする。美しい、という表現に値する金髪碧眼の美貌だが、顔の造形が極まった美であるというわけではない。もちろん美しいのだが、これはどちらかというと全体の雰囲気によるものだろうか。柔らかく、甘く、穏やかだ。妖艶ともまた違う。心が安らぐような。私を救った恩人の知人である、という野紀とやらは、なんとも言い難い微笑みのまま一つの提案を持ちかけた。
「牙月天海さん。あなたの殺人衝動は脳ではなく、魂に由来するものだ。だからこそ、その衝動をなんとかするのは至難の業でもあります。古来から、魂の領分に踏み込んだ魔術はとても難しいものなのですから」
「………知ってます。だからどうにもできない。どうにかするにもリソースが足りないと、あの人も言っていましたから」
「ええ。そういうものです。私が今からする提案は、それら二つを解決するものです。……聖杯戦争。万能の願望機を求めて、七人が英霊を召喚して殺し合う大儀式。我ら野紀一門は、此度それに参加する資格を手に入れました」
かつて、冬木市で起きた超大規模な魔術儀式。神域の天才たちが成したそれを、多少変わった形なれども再現してみせたもの。霊地、聖杯の素体、術式……卓越した数多の技術と優れた魔術理論が組み合わされた芸術品とも言うべきそれは、“進化”をもたらすものだった。勝利したものの望むままに、身体と魂を組み換え存在規模を引き上げるもの。そんな聖杯戦争の成立に関与したのが野紀一門であり、だからこそ参戦権を有していた。「けれどどうにも。私も、他の者も興味がない。それでふと思ったんです。信頼できる知人やその人に縁がある人に、代理人として参戦する権利を譲渡しようと。もちろん、これは命を賭けた戦いですから。あなたの意思ありきですが」
「………無欲なのね」
「無欲というよりは、聖杯で願いを叶えることを嫌うと言った方が正しいかと。あるいは聖杯では不都合が生じる願いだとか。自分の思うように願いを実現させたいのなら、自分の思うように人生設計を整えた方が確実ではありますからね。あなたの衝動を抑えることは逆に願望機を使うのが最適解と言えましょう」
その言葉に嘘は無く。故に天海は羨んだ。生き方を選ぶことに余裕があるということだから。いや、余裕はないのかもしれないけれど。そうやって思える思考回路が羨ましい。馬鹿にしているわけではない。ただ純然たる事実として、あまりにも余裕というものがない自分が哀れに思えて仕方ないから。だから気になった。なんでそうやって微笑んでいられるのか。
「私には、あなたが思っていることがわかる。だから不思議なの。あなたは私と同じ。ただ生きているだけで息苦しくて死にたくなる。この世界で生きることが苦痛で仕方ない。なのにどうしてそんな風に何に頼ることもなく立っていられるの?」
「別に、これは私やあなただけのものではありませんよ。誰も彼もが、こうやって苦しんで生きています。苦しみの中に幸せを見出して、苦しみを生きていくんです」
「じゃあ……じゃあどうして、私たちは生きてるの?生きていかなきゃいけないの?光が見えても、掴んでも、常に影が付き纏うなら……私たちに救いはないの?嘘偽りでもいいから、私はそれが欲しいの」
あの日、両親が血の海に沈んでから。天知の人生はずっと地獄だった。継ぎたくもないものを継ぎ、身体中から常に他者の感情や記憶が流し込まれる始末。歩くだけで、息をするだけで、その道や空気に触れたものの熱量が染み込んでいく。天海という個人が忘我の海に滲んでいく。そんな生き方しかできない自分に、果たして未来はあるのだろうか?「それが、生きるということです。人の願いに限りはなく、人の苦難も限りがない。まだ足りないと哭き喚き、飽きることなく求め続ける。私たちは満たされない。いえ、満たされることはあるでしょう。ただ…満たされたまま終わる人生なんてものは存在しない。最後の最後まで、私たちは飢え続ける」
「なら……!」
「だから、定めるんです。一日を幸せでいられるように、満足できる目標を。できれば実行しやすい小さいものがいいですね。たとえば明日はざる蕎麦を食べるとか。たとえば明後日は腹筋を30回、2セットするとか。ただ何かを成し遂げた時、私たちは満足感と達成感を覚えるから。生きててよかったって、思えませんか?」
「………それじゃ、根本の解決にはならない」
「根本の悩みの解決にならなくてもいい。誤魔化しでいい。そうやって騙し騙しで生きていくのが私たち人間ですよ。もちろん、大きな目標を立てて挑戦するのも悪いことじゃありません。それを達成した時の幸福は、そう簡単にすり減ることがないですから」
野紀はそうやって笑った。完治することのない苦痛を少しでも癒すためには、ひたすら傷を治療し続けるしかない。この孤独も、虚無も、飢餓も、満たされない。満たされないから割り切るしかない。割り切って、走って、きっとその先には“ほどほど”の結末があるのだと……
「でも私、ちまちまやるの向いてないから。どうせなら中ぐらいの目標を立てたいのよ。たとえば、後始末ぐらい自分でやってみせるとか」
自分の不手際ぐらい、自分で始末をつけたい。殺人衝動の解消はもう諦めたけれど、それはそれとして、一度でいいから胸を張って生きていいと思える何かをしてみたい。ならば簡単だ。自分の全てを賭けて、自分のために戦ってくれる偉大な皇帝を討てば良い。困難な道のりだからこそ、それを乗り越えればきっと生きていてよかったと思えるはずだ。それに……この一件で、可愛くてカッコいいクラスメイトであるツユが生き残ったなら。そして私も救われたなら。それはきっと、雁字搦めのどうしようもない運命にある彼を救うことにも他ならない。他者を引きずり不幸に転げ落とす、自分だけが幸福になる。そんな生き方を脱却した証明になるから。
「殺さず、死なず。必死すぎて壊れないように。ほどほどで良かったのよね?」
以上です。野紀が天海に声をかけたのは計画の実行に必要だったから、ではなく本当に純粋に、善意での声かけという側面がかなり強いです。ここまでツユと仲良くなることは想定していなかったので。良くも悪くもこの読み違えでここまで事が大きくなったのですが
>>357
秩序と書いて正論と読むのかなり好きです、というかテンションが圧倒的なギャグイベ
それはそうとレージュさん、メレクくんの教室入りの話ってどんな感じで止まってましたっけえ!?メレ坊がスキュレカリュー教室に!?
忘れてた
ハロウィン絵描かな
>>363
「フシャッ!?ナんヤ、ヤルか……ん、うマ…」「喧嘩売るのか食うのかどっちかにしろよオロチマル…」
なんとなく百目鬼とオロチマルは面白い関係なりそう感。
>>369
正直綱手も行こうとは思ったんですがバーサーカーなのでね…今回は縁が無かった…
まあ安心してください。今回は出ないだけで以後一切登場しないとは言ってません、ぶっちゃけ構想はあります。
いつ登場になるかは分かりませんし今練ってる+時間も掛かりそうではありますが多分その内出せるかもしれませんのでね…しばし待たれよ…
>>376
撫恋いいなぁ…なんか達観した大人って感じの男女の信頼感好きですわ…頼むから不穏な目には遭わないで…清涼剤のままでいて…
そして野紀社長よ。本当に大物達の大物感が凄いですね山星さんのSS…動かずに相手を破壊できるって言葉は伊達じゃねえですわ>>379
天海視点にはなりますが「今までのらりくらり無気力にしか生きてこなかった」ということをとても負い目に思っているのでこれぐらいほどほどだと感じている節があります
普通にやろうとしてることはほどほどじゃないです
>>384
わーい楽しみー!!
この二人は今回の聖杯戦争において本質的には部外者なので他の視点よりもかなり俯瞰した感じで介入していると思います。だから余裕もある
元が大妖怪なもので……人の心の扱いについても人生観についても重みがある
>>386>>385
一応セナが実権を握るまではゴリゴリの貴族主義ではあったのですけれど……例のメルアステアによる鉱石科の介入、中立派閥への転向とセナ自身が中立派閥思考なのもあって割とそこら辺は確かに
貴族主義派閥の学科に属する講師がいたりゴリゴリに貴族主義極まってる大手の黒魔女がいたりのネームバリューと……あとはメレクくんとの口裏合わせと完璧なプレゼンかなぁ……切れた
なのでメレクの設定ページにスキュレカリュー教室入りの可能性(匂わせ?)について追加しようかな?と……おお…メレク・アルマソフィア(inスキュレカリューver)が誕生しようとしている…
山星さん山星さん、これはもうスキュレカリュー教室の概要と所属生徒並べたページなんかを作ってもよろしいのでは?京極さんはいらっしゃるか……。
ハロウィンに劉備を宣伝した以上、彼女の描写少ないなと思い手前勝手にせせこましく書いていた趙雲幕間後日談的な短編を上げてもいいでしょうか……?>>399では。いきます。
「ほぁ。ふぉんなことが」
「寝具の上で菓子を食べ散らかすのはお控え下さい」
パリパリと煎餅を頬張りながら趙雲の報告を聞くのは薄褐色の少女、紆余曲折あり神霊を組み込んだことで女生の身へと変じた生前の主、劉備。
誰かの、もとい何かの為に邁進しているのならそうでもないのだが何をすることもない、謂わばフリーな時分になるとだらけだすのは家臣の身としては如何なものかと思う。
あぁ、ほらまた散らかった──、そんなことを浮かべ粕を手で払いながら趙雲は抱いた疑問を当惑と共に投げる。
「何も仰っしゃらないのですね」
その言葉にはぁ、と嘆息して劉備は応える。
「もしや、私が怒り散らして暴れまわるとでも?」
「………………………」
……はい、とっても。そう言いたかったがそれを実に口に出すほど趙雲という男は愚かではなかった。
言葉として出せば機嫌を損ねることは受けあい。故に沈黙。
「子龍。……子龍」
その考え、見通してますからねとも言う思念を込めながら表情は変わらずともジッとした目線をヴェールの向こうから送るも再度息をつく。
コンマ数ミリ近い変化であるが趙雲は気づいている。あ、これは呆れている時の劉備である、と。
「あの魏王があちこちに粉をかけるのは生前から変わりないことでしょう。
それに」
そこで一度言葉を切り、間を置いて末尾を紡ぐ。>>400
「………………それにアナタは僕から離れることはないだろう?」
本当に、変わられた。
危うさこそ未だ健在であるがほんの少し、憑き物が落ちた。
……そんな気がする。
「さて、そろそろ……」
「劉備様?」
意味深めに呟いた劉備を疑念の声を漏らすと彼女は勝ち誇ったような顔で意を示す。
「この部屋の前をマスターが通りかかるのです」
すました顔で自信に満ちた表情で宣う主に対して趙雲は嫌な予感が的中した。
「劉備様、貴方まさかマスターに……」
スキル:悲喜降臨。新生の祝福と悲運を司るヒュメナイオスを組み込んだ未来の運命を操作する能力──。
そのスキルを使ってマスターが“たまたま”この部屋を通る運命にしたのだろう。>>401
「ふふ、行ってきます♪」
姿見の前でざっと身嗜みを整えた劉備はステップ混じりで意気揚々と部屋を出ていく。
(あぁ………)
主人の後ろ姿を見送りながら趙雲は自身の直感が訴えてくるのを感じる。嫌な予感がする、と。
『…………………………は?何でアナタが居るんですか?』
『何故と言われても……。わたしはマスターと取止めもない世間話でもしながら気晴らしに散歩でも、としていただけですよ?
“たまたま”あなたの部屋の前を通りかかったタイミングで劉備さんが出てきだけで。
もしよろしければご一緒しますか?』
『…………お断りします。それより、距離が近くありませんか?
私達サーヴァントは所詮影法師。マスターと近くありすぎるのは困りもの、というもので──。ねぇ、そこわざと腕を寄せていない!?
アナタ、私に対する嫌がらせ?
やっぱりこんな女狐はカルデアには必要ない。マスター、この女は座に返そう。カルデアがどんどん呉臭くなる』
『そんな、わたしの故郷を臭いなんて。ひどいです……。くすんくすん』
『そんな泣きマネに惑わさると思わないでください。マスター、絶対コイツ心のなかで笑って……ッ!!?』
『あら凡夫(マスター)!こんな所で油を売っている暇はないんじゃなあい?
結果のために常から備えなさい?さっさとシュミレータ室に行くわよ?』
『■■■■■■■■■■■!!!』伊草の弓レイド、もし>>354ルートならランサーの風ブースト真空波を完全回避してシールドバッシュをヴィマーナに決めようとするアーチャー→アーチャーのそれを見切ったランサーがそれを受けて跳ね返す、みたいな流れで二戦目だからこその互いを見切った動きを一瞬でもいいから入れられたら嬉しいなと思ったり。まああくまで希望で大丈夫です
ところでハロウィン児雷也ってもうwikiブチ込んで大丈夫ですかね…?
>>403
ガチで動く劉備様だ…!!
なんというか、キャラシ的にもっと危うい感じを想像してましたが、想像してたより関わりやすい雰囲気で安心しました。SS見る前のキャラシのみの感覚だともっと趙雲側が罪悪感抱いてるかもしれんなと思ってました(実際それでオルタ作った)が、これ見るに普通に接する事ができてそうで本当に良かったです…これなら黄忠とかスルトさんの関羽さん辺りとの関係性も安心できそう感
そして女版三皇帝のキャットファイトよ…もっとドロドロした感じを想像してましたが、思ったよりも安心して見れそうな感じでこっちもホッとしました。趙雲頑張れ、お前が蜀勢のストッパーだ。>>404
まぁ、この劉備様は使徒としてノウム・カルデアに殴られて特異点ないし異聞帯でまた孫権に嵌められて分からされた後なので……。
趙雲オルタが本方やってた時は概要の通りバリバリ病んで危うかったかなとます。ふと頭をよぎったアホなネタ。
ここ産の鯖と鱒の鯖癌適正(錯乱)。>>295
>>296
>>299
>>306
ありがとうございます。そうか、サムレムか!と久しぶりに起動して見てみたら干からびたヤモリとか蝶の羽とか出てきて???ってなった後生き物の死骸って考えると然もありなんとなりました。
>>376
な、撫海ぃ…それは死亡フラグだぜ撫海ぃ…。
それはそうと撫海が恋に対してパーフェクトコミュニケーション叩き出しててびっくりしました。あと撫海んの言い分に現実的じゃないと尻込みする辺りとか解像度高いなって。
恋もそこそこの家系にそこそこの才能を持って生まれてそれなりに努力してきたとかなら我慢出来ました。
母が命懸けで産んだ優秀な姉弟の長女で文字通り血の滲むような努力をしてきたのにそれが全部無駄になるってなったから決壊した。それとレージュさんいらっしゃいますかレージュさん
ハロウィン配布用のキャラができたので見てもらっていいでしょうか「月よ、我に、我……に……ウォッ、ォォオオォオオーーーーーン!!!」
【クラス】バーサーカー
【真名】山中鹿之助
【性別】男性+a
【身長・体重】168cm・67kg(毛皮の分だけ重量が増している)
【属性】秩序・中庸
【肌色】黄色人種【髪色】黒色【瞳色】朱色
【外見・容姿】『狼男』のコスプレをした山中鹿之助。狼の毛皮を被っただけの姿をコスプレと呼んでいいのか? 疑問に思うところは素通りしていただきたい。
【地域】日本
【年代】戦国時代
【属性】秩序・中庸
【ステータス】筋力:C++ 耐久:D- 敏捷:C++ 魔力:E 幸運:E 宝具:E->>429
精神汚染(獣):D
生物的欲求がふつふつと湧き上がる。湧き上がりすぎてしまっている。とてもとてもとてもハラが減る。
あればあるだけ持ってこい!! 酒とォ!! 酒をォ!! 浴びるほどにかっ喰らうまでよぉ!!!
……となってしまうのは思考に毛皮のヒトが紛れ込んでいるため。毛皮を脱げば本スキルは解除される。
三日月への祈り:-
祈らない。
月を見上げれば見上げるほどにケダモノに近づいてしまうため封印中。
もしくは、そのようなものではなく、唯、自分だけを見ろと希う何者かの意思によるものかもしれない。
【宝具】
『仮装と云ふ名の、べるせるく(たらのきおおかみのすけ)』
ランク:E 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:1人
山中鹿之助ハロウィン仕様最大の特徴。自身を狼男として振舞わせるオオカミの毛皮である。被せるだけで発動する対人宝具。
何処から迷い込んだものか、毛皮にはかつて鹿之助と一騎討ちを演じてみせた武将『品川大膳』の一念が宿っている。"鹿"に対抗し自らを"狼"を自称したことが原因なのか何故かオオカミ毛皮として鹿之助の霊基にくっついてきていた。
宝具としての効果は外付けバーサーカー化礼装とでも呼ぶべきモノ。狂戦士としてのクラススキルと被った者に適したいくつかのスキルを与える。
実は鹿之助以外に被せても発揮される効果に変わりはない。どころか鹿之助以外に被せると対象を乗っ取って『狼之介』として活動さえ可能になるらしい。
らしい、のだが、毛皮としては鹿之助以外が被ることを嫌がる。憎き仇敵に向けるココロはなかなか複雑であるようで。>>430
【Weapon】
『石州大太刀』
総長264cmの大太刀。バーサーカーの霊基では最初から所持している。狂戦士ぱわーでぶんぶんと振り回す。
【解説】
仮装、コスプレ、皮被り、まあそんな感じで装い新たにした山中鹿之助、ハロウィンのすがたである。
此度のハロウィン微小特異点において『享楽を撥ね退ける力』を重視して選出された。協力関係を結んでいるものの最後の一線だけは守り抜く、安全弁としての役目を任された。
まではいいのだがところがどっこいと特異点に降り立ったが最後、霊基はハロウィン仕様に切り替わり苦難を望む侍は本能的欲求が倍増されたケダモノと化した!
ケダモノたる! オオカミである! コスプレとするには粗末にすぎる被り物の毛皮にはかつての敵まで紛れ込む始末。
どうするのか、どうしてくれようか、ケダモノでありながら人として祭りを終えられるものか。
さあ! さあさあさあ! お立合い、なるぞ! なるか!? どうなる!?>>431
【人物像】
普段よりいささか様子のおかしい山中鹿之助幸盛なる狼男。声が大きい。語気も強め。
言動から理性が少しばかりトんでいるのか短絡的かつ脳筋気味。襲いくる苦難に対しては耐え忍んだりはせず「とりあえず斬ろう」の精神でぶっ壊しにかかる。標準的戦国武者の振る舞い。
今やとても七難八苦になぞ堪えられないケモノの身。けれどそんなことは絶対に許されないので三難四苦くらいは胸に秘めていろ。
本質的に変質してしまったわけではないので毛皮さえ外せばいつもの侍あんちゃんが戻ってくる。バーサーカー霊基で毛皮を外すと戦闘力がガタ落ちするがそこは目をつぶってほしい。
予定外の霊基変化。すぐに特異点から脱出するべき事態だったがケダモノとなった彼の目に映りオオカミの嗅覚を刺激するは宴の香り。
となれば止まれるはずもなく───らしくもなく勢いそのままにハロウィンイベント参戦と相成った。
本来任された役目も忘れてはいない。あくまで、あくまで安全弁としての役目を全うしつつこの祭りを───「ォォォンォンオンォンアォーーーーン!!!」
……本当に大丈夫?>>432
【一人称】拙者 【二人称】お主、貴様 【三人称】あれ、あやつ
【セリフ例】
「心配はいらぬ。多少の差異はあれど拙者は拙者だ。特異点解消の任もこなしてみせるともさ。それはそれとして酒の臭いがするな!」
「どうもこの毛皮は被った者だけに聞こえる声があるようでな。喧しくてかなわん。ふむ、術師の者たちになら解呪も叶うだろうか」
「ヘッヘッヘ……はぅぁ!? い、今、拙者はなにを……!?」
「なんのかんのと言っても、冷や飯と漬物をまとめてかきこむのは、たまらんなぁ?
酒に合うかと聞かれれば…………そうだな、個々人にも依るだろうが、拙者は大がつくほどに好きでな。やめられん」
「ウォッォォオオォオオーーーーーン!!! …………すまぬ、聞かなかったことにしてもらえぬか」
「たわけたことを言ってくれるな主殿。獣染みていようがいまいが、拙者が使い捨ての刃であることには変わらん。
万が一の瞬間があれば拙者は躊躇わずにこの身を使うし、主殿も躊躇わずに使え、よいな? ……万一などない、か。ああ、それが一番であろうさ」
【製作者】黒鹿ファン>>434
児雷也「あの武士として憧れの鹿之助殿が味方!?よっしゃこれで勝つる!!(バーサーカー判明)——マジで?」
オロチマル「オもロイナ」
鹿之助さんが…バーサー鹿之介さんになりおった…!!
いやなんか配布としては納得かつ説得力もあるけどいい意味の衝撃が凄すぎる…凄い事になっていらっしゃる…
そして毛皮にライバルかつ毛皮纏ったら狂化とはすっごい…でもバーサーカーらしい…見てるかオロチマル、お前作る時日和ったのがバレバレになったぞオロチマル
これで一応仮でハロウィン実装メンツ出揃ったっぽいですが鹿之助+品川大膳+児雷也(尾形周馬寛行)+オロチマル+劉備か……とんでもねえド級のカオスになりそうなメンツでもう草と楽しみを禁じ得ませんわよ
あとこれは妄想ですがハロウィン生放送でハロウィン鹿之助発表された瞬間大混乱+大歓声みたいなノリになるのを幻視しました。このメンツだとなんとなくハロウィン児雷也は生放送前に呼延灼みたく先行公開されてそう感>>427
少なくとも人様の庭にお邪魔云々のところは力抜いてもらって大丈夫ですよ
もし気になるならキャラシ確定する前に相談にも乗りますし
あと自分がよくやる手法は最初控えめな真っ直ぐとした性格にしてあとで軽くss書いてみて「これキャラクター性ぶっ飛ばせそうだな……」と思ったらかなり飛ばした性格にしてます
クラッフとかここに貼った当時は狂犬設定はあったけどそこまで狂犬ムーブで動かす気はなかったし実際にキャラシにも書いてないです
ただ他の名無し勢のキャラの濃さと関係性とか自分が上手いこと狂犬部分書けそうだと思ったので狂犬部分の描写を増やしました
こんな感じで性格のブレーキ外したキャラシ作っていったん控えめにナーフした性格で動かしてみてブレーキ外せそうだったら外した描写盛るってことは可能ですよ
>>434
ガチの遠吠えなところに理性の蕩けたオオカミエミュっぷりを感じる……なんだか西洋の北欧的な何か混ざってない??とも思える雰囲気伊草弓レイドですが、あの、最初からヨルムンガンド化しないっていっても戦闘挟んだりするつもりはないです。最初からはなってないってだけで、Zeroのジルがセイバーたちが集まってから大見得切って宝具解放したのと同じ感じ
流れとしてのイメージはむしろ
①弓陣営が宝具を解放しようとする
②膨大な魔力の流れを誰かの陣営が察知して馳せ参じる(刹那さんが察知して他の子たちにも伝える、というのが自然かな)
③皆が集結したところで変形が完了してレイド戦開始
って感じです。で、昼に戦闘挟むなら一旦撤退する(その時夕方のレイドを匂わせる)だろうし、それがないならもう夕方頃に↑の流れになるかなーと考えてました
誤解させるようなわかりづらい表現になってしまい申し訳ないです…───8時間。
Pq9.9がセイバーを召喚してから、次の状況が動き出すまでの時間である。8時間という時間が過ぎ去る中、両者は一切動けていなかった。
セイバーはただマスターと認めた者からの指示を待っていた。待ち続けた。
一方でPq9.9は指示というものをどのように下せばいいのか、まったくわからずに固まっていた。
それもそのはず。両者は揃って『使われる』ために生み出された兵器という存在。自分以外の誰かを『使う』ことなど生まれたこのかた考えたこともない。
「……」
「……」
なので、こうなった。
体育座りで待ちの姿勢に入ったセイバーを、相変わらず芋虫のように這いつくばったまま見上げている。それだけである。
「……」
「……」
気まずい。Pq9.9にとっては命を丸ごと投げ出すような決死の召喚儀式だったのも相まってテンションの落差が激しい。
なにかを喋らなくてはならないとは感じる。けれど現状を動かしうる言葉がわからない。本当の本当に、なにも浮かんでこない。なにもしていないのに、失敗作の烙印を押された記録が蘇ってくる。不思議なものだ。>>443
「……」
「……」
じいっと、あるいはぼーっとした無表情でセイバーは見つめてくる。なにも求めないその様子ではなにを考えているかもわからないが、不快感はなかった。
むしろ燃える焔にも似た真紅の瞳を見ていると不思議な高揚感を覚えたのだ。無意識の心が覚えた高揚感を、感慨を表現する言葉は、やはり浮かんでこない。……その感慨を「綺麗」だと表すことを覚えるのはもう少しだけ先の話である。
「……」
「……」
「……」
「……」
「…………っだぁーーー!! じれってぇな、お前らはよぉ!!!」
上から豪快そのものな声を響かせて、いるはずのない三人目が廃棄孔にその存在を主張する。
突然の闖入者に対してサーヴァントは即座に赤い長剣を構え、一方マスターは一切反応できずにいた。遅れて見上げる。
そこにいたのは海パン姿の天使だった。
いや違う。正確には天使のように翼を広げた者に抱きかかえられた、海パン姿の少年と言うべきか……ともかく不審者が現れた。
不審者が叫んだ。>>444
「俺のアーチャーならこの孔からお前らを連れ出せる! ここで俺らに借り作って出るか、出ねぇのか!? 今すぐ決めろ!!」
……今思えば、あれは彼なりの精いっぱいのおせっかいだったのだろう。
立ち方も知らない子供に手を差し伸べるための方便。当時の"私"にその心遣いは知りようのなかったものけど、今ならこんな風に思う。もうちょっと他の出会い方があっただろう、って。
ほら、師匠。
今だってそんな風に思うんだよ。
◇ ◇ ◇
「約束、果たしにきたぜェ──────ナイン野郎ォォォオオオオオォオオオ!!!」
咆哮並びに銃声が響いた。
両の手に握られた二つの銃口が火を噴くのと同時にメレクは腕を振り切っていた。宙に投げ出された宝石が輝く。
すんでのところで展開された結界が二発の銃弾を弾く。あらぬ方向へ跳ねた銃弾はそれぞれ床と壁に当たって火花を散らした。
視線を戻せば、鉄巨人のそばにクリストファー・クライの姿はない。>>445
「悪ィな、お前に用はないんだ金髪ボーイ」
もう目の前、に、
「マスター!」
「ッ!」
警告を発する『手』を握りしめてまっすぐに拳を突き出した。
殴りかかる形になった私にほぼゼロ距離で銃口が向く。
拳は空を切り、カウンター気味に銃弾が発射される。
狙い違わずに弾丸は私の眉間へと吸い込まれ…………る、ことはなく。強引にねじるようにしてその場から半歩ほど位置をズラして弾丸をかわす。
「おぉ!?」
クリストファー・クライと私の驚きが重なる。かわされた事、かわした事、どちらも驚愕に値するタイミングだった。驚いていないのは私の右手に宿るひとりだけ。
ナインか、ナインがやったんだ、これがたぶん『死線錬磨』とかいうスキル。
半ば無意識に動いただけなのに生きている。なんとなく"こう"と誘導されるがままに避けていたら死ななかった、そんな感じだ。>>446
「ナイン野郎みてェに避けやがるな!」
「やっぱそうなんだ!」
「知らねェわきゃ───オォ!?」
横合いからの衝撃と閃光。ぽーんと弧を描いてクリストファー・クライの身体が吹っ飛んでった。見るまでもなくわかる。メレクだ。
「誰が彼女に近づくことを許しましたか?」
「こっちのセリフだろうがよ! 誰が愛弟子に触れていいっつった! ああ!?」
やっぱりキレてた。そんでもって誤解してる。
それでも距離は空いた。互いに態勢を立て直し、再び距離を詰めるまでのわずかな隙間を突いてナインが声を上げる。
「提言します! 大恩ある私達の師よ! 私の言葉は、届きますか!」
「届いてる! だから心配するな! 今すぐそこから助けてやるぜ!」
「不要です! 不毛です! あなたの怒りが誤解に基づくものだと言ったら、信じますか!」
「いいぜ弟子の言葉だ信じてやる! だが───戦いはやめないぜ!」
「「「なんでだ(ですか)!?!」」」
「格好悪いからに決まってんだろうがガキンチョ共!!!」>>447
話の進みがいちいちおかしい。通じてるのか通じてないのかもわかんない。実はバーサーカーのマスターなんじゃないのかあの人。
「セイバーじゃなければ俺でもねェ! どっからか湧いてきたマスター呼ばわりされてる少女魔術師に、なんも知らねぇままナイン野郎を託す? ダサすぎるだろうが!」
「それだけで!」
「これはそういうシチュエーションだぜナイン野郎! 弟子なら師を! マスターなら先代マスターを! そういうモンだろう?!」
重苦しい金属音を響かせてクリストファー・クライが両腕を広げる。手に握られているのは名前も型も知らない二丁のハンドガン。鈍色の光が猛禽類じみた鋭さを帯びる。
腕を広げた状態からさらに動く。
バッ、ババッ、とポーズを取って、高らかに叫んだ。
「俺の名はクリストファー・M・クライ! クリストファー・マスター・クラーーーーイ!! 人知れずバカの師匠になった男だ!!! ───さァ、超えてみろォ!!!」
再びの絶叫。クリストファー・クライが情熱だけで私たちへ向かってくる。
これはわかる。私でもわかる。頭に血が上ってるやつだ、たまに私もなるからわかる。
わかるから、逃げたくない。
「───…できるでしょうか」>>448
直前。土壇場。そんなタイミングで弱音が零れたナインにかける言葉なんか持っちゃいない。できるよ、なんて言えるわけがない。
私にあるのは私がやりたいことだけで。持てる言葉もそんなのばっかりだ。
「私にもさ、師匠がいるんだ」
「……そうなのですか?」
「そうだよ、すごいよ、夜を眠らせる魔法使いなんだ」
パチモンだけどね、とこれは言わないでおく。
「すごいから、超えたいんだ。超えるための予行演習もしときたいからさ、今付き合ってよ」
「……マスターは自分本位な方ですね」
「そうだよ。知らなかったの?」
せいぜい不敵に笑ってやった。
「一緒にやろう」の一言もこんなまわりくどい言い方しかできない未熟者には、お似合いの笑顔と言葉で、声を上げよう。
「やってやろうナイン! みんないっしょの、師匠超えだ!」
「……───了! 全魔力および魔術回路を最大効率で駆動します」>>449
「ってことで! メレク!!」
「もうやってますよ」
言葉と一緒にちいさくも硬い感触が背中に当てられた。風の魔力が込められた宝石が、私の背中を痛烈に叩く。荒れ狂う風を受けてジェットじみた急加速を得る。メレクの宝石に背中を押されながら顔は決して背けない。
『強化』稼働。全身を余さず魔力で満たす。
『死線錬磨』稼働。次の一撃を確実に避けられる位置へ自ら吸い込まれていく。
『独奏・火焔幻想』並列起動。右手の中で生まれる魔力の奔流を確かな形へと変えてしかと掴む。
足りない。これだけではナインに師匠超えなど果たさせてやれない。ナインの力を借りて、メレクの後押しを受けて、そこからさらに私にあるものを乗せなきゃきっと届かない。
「……~ッ!」
右手とは逆。正反対の左手に余剰魔力のありったけを込める。魔力を込めた左手を、右手の中で柄のような形を取りつつある焔へ叩き込む。ナインの宿る右手と、なにもない左手で、肩に担ぐようにした"それ"を両手で握る。なんの保護もない左手だけが焼けるように痛んだが、そんなことはどうでもいい。
ナインの分と、メレクの分と、私の分。3人分になった焔を、目前の師へ向けて、叫ぶ。
「『三重奏───火焔幻想』!!!」
「っっっしゃオラ来やがれガキ共ォ!」
ひたすらに熱くも、紅く。鉄と焔がぶつかり、弾けた。来週の土曜日にはルナティック最新話を投稿したい気持ち……。サーヴァント召喚前の一幕というか、ヴィクトル&ジジェ、刹那+誉さん軍団の次はクッチーとポルカのお話です
セリフ締め切りー……。ちなみにハロウィンイベはせっかくなのでサルダナパールor泰衡でコマコか礼装書きたいなーとか思っています、その程度なら…
ハロウィンにめちゃくちゃ合いそうな鯖もストックにはいるのですが資料が集まりきっていないので残念無念また来年…ということで
そしてスキュレカリュー教室、前に考えていた生徒候補の性格が中々定まらず筆の遊びで始めた女子の方が進んでいるという珍事
ただ所属に悩んでwiki見直してたらモモアーさんが植物科と知って驚き桃の木。呪詛科じゃないんだ…
>>438
そうですそうです、ヨルムンガンド化したらあとはもう耿実は他陣営にかまけずヨルムンガンドの観察に必死ですから
こうなると他を煽るよりヨルムンガンドすげー!かっけー!ばっかりになるので、趙雲さんに叛旗の造反者煽りをせっかくなら入れるためにも
>>440
>>441
こちらこそ反応遅くなってしまい本当に申し訳ないです…レイド役としてここら辺もっとちゃんと報連相せにゃあ
カステラはきっと「山から降りてきた系なセンパイのためにも、オレが都会の洗礼ってのを教えてあげないとですね!」ってノリで誘う
そしてゲームのコスしたメイドさんと一緒に撮ったチェキなんかを海月さんに見せて「いやぁこのコスのキャラってなんて言うキャラなんでしょうね〜、オレこういうの詳しくなくって〜」みたいにして煽る(「〇〇はアニメじゃなくてゲーム!」とツッコミたくて下唇を噛む海月さん)
>>451
やっぱりナインくんに「カッコいい」を教えたお師匠さんはクリストファー・クライだったかあ…あとバーサーカーのマスターもバーサーカーであるというのは誤解だよルナちゃん、いや今の彼はまさしく【狂化(カッコいい)】持ってそうだけど>>452
暗.殺狙いOKでーす、↑で言ったようにレイド戦開始後は観察に徹して身の回りは疎かになると思うので、見つけ出しさえすればやりやすいと思います>>452
ヤバそうなヤツが本当にヤバい。奴さん鹿之助のことこわいくらい意識しまくりで私もちょっと引……
こんなん見られた日にゃどんな言葉も吐けませぬということで主殿!どうかご内密に!
(この人ずっとこんなんだな…)と思いながら暑苦しくあります。もうちょっと落ち着いて?
>>454
そういうことなら夜の部の初っ端に入れる方がよさそうですね
その方がスムーズにレイド戦入れそうですし
師匠が誰かについては直球ど真ん中でした。師匠の話が出た時点で即バレかと思いきや…案外?
バーサーカーのマスター理性的な人多いですもんねカウレスくんとか。ヤバいのは枠組みじゃないんだぞルナぁ…
>>456
古今東西お師匠ロール+ナイン野郎と10年ぶりの再会+ワンチャン弟子が極悪魔術師にいいようにされてるのトリプルコンボでテンションおかしくなっております駄目だ、最近海月ちゃんを書くとどうしても某猫屋敷さんが頭をよぎるですよ
要素抜き出すと割と共通点あるから余計に草生えるですよ
>>451
カッコよ…展開も文字通りの熱さでも熱いバトルカッコいい…
クライさんやっぱり良いキャラしてますわ。カッコいいを追求する為に動くの好き。ガチ殺意じゃないボス戦っていいなあ…
そして合体攻撃はロマン。これは決まったか…!?
>>454
いいですねえ。メロがすっごい渋い顔してカステラ見てそう
あとは普段船でウサギメイドと量産型メイドを見過ぎてるせいでメイドカフェで美少女達に接客されても(なんか、割と普通っすね…)(慣れって怖えな…)ってなっちまう目が肥えたヤンキーズもアリだと思いましたです>>458
クリストファークライはどんな舞台に出しても一定ムーブは貫いてくれるから本当にキャラが強い
この御仁に関してはどこで出してやろうかものすごーく悩みましたゆえ…やっぱり話が動かない範囲の日常パートが一番書くの難しいかもしれない…とっとと最初の中ボス戦に持っていきたいけど推定7話前後予定…長え…
>>460
確認しましたぜ
打算ある上で完全ではないけど協力、って着地点は聖堂教会らしくて納得だなと思いましたし、何より何気に伊草では出てなかったタイプの聖杯戦争らしい協力体制が出た感じなのが新鮮で良いなって思いました。
前納言さんも言ってましたが、槍陣営から始まり、チハヤちゃん、進三郎、そして今回のムラト神父って感じで交渉を連続で成功させられる有沙ちゃんはやはり交渉スキル高いなって思いました。しっかりした志を持ってるからこそ仲間を増やせるのかなと思いつつ、残りの相手は10000%そうは行かないのが燃えつつもどこか寂しさを感じますね。
てな訳でこっから開戦になるっぽいですが誰から行きます?個人的には、本格的に対峙する前にアーチャーの事と霊脈の事を同盟に通話か何かで伝えるくだりは入れておきたいなーとは思ってたり。
>>465
了解ですー
あとよければ礼装+コマンドコード(両方星4か星3のどっちか希望)担当したいのですが大丈夫ですか?>>462
わかりましたー
時間あるときにぽちぽちと埋めときます
>>467
おぅ……お疲れさまです……
どちらかと言うとインドア派であろうにどうしてそんな風に体鍛えなきゃいけなくなったんでしょうねぇ(とある赤目の娘を見つつ)
>>468
そうですねぇ、最低限の必要な話はできたと思うのであとはロバートさんの判断で必要な情報を入れつつ会談終了という形でいいと思います
>>470
真っ当に会話して話を進めてくれる人が少ないから気づけば草薙さんに頼りっぱなしになってる気がする現状…平時なら進三郎の仕事だったはずなんですけどねぇ
その辺ちょっと悩みどころ……というか全員に確認取っておきたいところなんですよね
レイド戦がスタートしたときに同盟組がバラバラなのか、それとも揃って万全の構えができてるのかというポイント
情報共有できてるか、各々スタート位置どうするかが変わってくるのでまずここを決めておきたいなぁと遅くても木曜までには1章2話投稿できそうな雰囲気です
前々から使ってみたかったあの構文を遂に使ってしまった…
>>469
これがドウメキ・ベルモンドさんですか…
>>471
そうですね…正直どっちも良さそうでかなり甲乙付け難いなってのが本音です
ただ個人的には一旦全員揃うルートを推したいなと。通常形態無しで煽りパート→速攻ヨルムンガンド解放って流れっぽいですし、なら先に着くとかよりは同時に行った方が早いと思いますし
草薙家かどこかで騎槍チハヤイグサ集合→各陣営パートでの行動と結果を共有して今夜の動き考えようって流れと思ったらなんか浜の方の反応がおかしい事に気付く→刹那のタブレットが完全に異常を感知→全員で急行ってのが一番スムーズに行けそうかなって個人的には思ってます。>>473
了解ですー
では、早速ですが行きます
星4礼装「女傑闘戯」
デザイン:古代闘技場のようなリングの上で戦う、踊り子と武闘家を合わせたような格好をした典韋とゴツいビキニアーマーを着た鉄牛。全力で踏み込みながらアッパーカットをかましに行く典韋と、両手を構えながら不敵な笑みで立つ鉄牛の図。
性能:バスター性能アップ+スター集中度アップ
解説:
アタシには、武人としての矜持がある。/あたしには、梁山泊としての意地がある。
アタシは、あの魏王が見出してくれた双璧が一角。/あたしは、天より使命を託された星が一つ。
———だから、アタシ/あたしは強い。
だからこそ———目前に立ちはだかる、強敵には。
アタシ/あたしと同じ、強い女傑であるあんたには。
「「絶対に、負けねえ———!!」」
あやかさんの鉄牛お借りしました。余裕があればイラストも描いてみたい
ちなみに典韋ネキ176cmに対して鉄牛ネキは210cmなので実は同じゴリウーでも体格差はデカめだったり。ハロウィンな鹿之助をイベントページと一緒にwiki登録してまいりましたー
あと一緒にすっかり忘れてたムラト神父も登録しました
>>472
ふぅむスムーズに、ってことなら私はむしろスタート位置バラバラを推したいところ
レイド戦開始時点でバラバラになってたらスムーズに苦戦する流れを作れると思うんですよね。転じて全員集合からの反撃という盛り上がりターンも自然な流れで作れそうだなぁ……と
あとアサシンムーブしたい面々的には乱戦のほうがありがたい部分もあるかなぁ、なんて思ったり
>>473
もちろんいっぱい使っていただきますよ鍛えたカラダぁ…
まずはフィンランドでの決着をつける係でねぇ…
>>474
めっちゃイイ笑顔で汗流していらっしゃいそう
その体格差だと見上げる構図になってたりするのかしらメレクくんに魔術の教導だけしてたらある日突然「魔術戦や護身術の基本を教えてもらってもいいですか?」って聞かれて「?」になるセナはいると思います
普通に教えるけど
それはそれとして>>370の続き〜「裏返れ」
「我が槍は流星の如く」
ライダーを中心に雨のように降り注ぐ雷たち。それらの八割がライダーに反旗を翻し、その雨の中を射抜くように白く輝く槍が飛んで行く。神を傷つけたことによる、神性への特攻を帯びた宝具。ランサーの主武装といってもいいこの槍が、バーサーカーの指先で操られる雷に紛れてライダーを狙う。今のライダーならばまともに当たればまず致命傷だろう。
「下らないな」
『神威謳歌す凱旋の城』……ライダーの宿す神の息吹、その表れ。ランサーとバーサーカーが立つこの空中要塞こそライダーの宝具そのものである。皇帝権威の復興、専制君主制の高らかなる尊き宣言。ユピテルの化身を自称し、内に神の欠片を宿すその在り方。ただ吠えるだけで意のままに。空間を歪めるほどの圧力で雷も槍も弾き飛ばす。それに並行するように、剣や槍、弓や大魔術で飽和攻撃を仕掛けていく。
なぜならここには“三騎”もライダーがいるのだ。一人が城の制御をし、後の二人が戦う。それだけでも十分に人数の優位が取れて、ランサーたちを追い詰めることができる。歩くだけで雷鳴が轟き、手を振り上げるだけで大地を粉砕する。ローマに仇為すものを許さぬ皇帝の威光が形を成しているようだ。
「当たれば死ぬがまず当たらん。俺の指先はその程度の投槍など簡単に捻じ曲げてしまうぞ!バーサーカーの方は変に狡い戦い方をするからこうなる。化け物は化け物らしく暴れれば良いのにな!」
「……とまあ、俺は言っているがそれも難しいと思う。気にするな。俺が強いだけだ」
「あははっ!俺たち自分で会話してるのよく考えたら馬鹿みたいだな?」
獰猛な笑み、冷徹な無表情、冗談混じりの満面の笑顔。三者三様の表情を見せながら、そこにあるのは強者としての風格だ。油断や慢心などではなく、ただ純粋に戦力を計算して、ランサーたちはライダーに競り勝てない。霊基を進化させたライダーを相手にしても、一騎ならば互角に打ち合える自信はある。しかし相手は三騎で、寸分の違いもない本人同士だ。考えだって手に取るようにわかるし連携だって問題ない。2VS3で、なおかつこちらはコミュニケーションが不完全。明らかに不利である。「……マスターの計画が成就するまで耐えるしかないか。戦いは血湧き肉躍る楽しいものだが、勝利こそ至上の喜びでもあるからな」
「ハッ、ランサーってば雑魚すぎ〜♡それぐらい自力で何とかしろっての……アタシは自分一人で何とかしてやるんだから!」
「つまり全然普通に苦しいんだな」
「やっぱり眼中に無しか。そりゃそうだ、多少動けた程度でサーヴァントに敵うはずもないし。そのレベルに至れる人はもうとっくに剣聖にでもなってるだろうし」
武に生涯を捧げるつもりなど毛頭ないし、殺し合いに是も非もない。ただ生き抜くために、勝ち抜くためにこれが一番適していると思ったし、そのために師事しただけ。武人としてはそんな半端さだからこそ、ライダーの目には留まらなかったのだろう。あっさりと見逃されている。それでいい。舐められてる方が案外上手くいく。ルフはプライドなんてものは何一つ持ち合わせていないのだから。
「ツユは返事ができない。アイツにそこまでの並列処理は見込めないから。はぁ……仕方ない。さっさとスキュレカリューの猟犬を見つけて通信機渡さないと……ん?」
大まかに六箇所。この街に打ち込まなければならない楔とは別に霊脈を通じた魔術式の流れを円滑にするための安定装置を各所に置くようにしている。見るものが見れば魔術触媒だと一目でわかる。だからそんな装置を引き抜いている少女がいたら、それは何かしらの魔術師であることに違いない。
「殺るか」
ツユは隣にいない。ロートゥスもいなければナキもいない。剣を抜いて自己暗示を施している今のルフに倫理観というものは既になかった。どうせこんな騒ぎが起きてるなら殺したところで別の何かとして処理される。最速で排除するために矢を三本、続けて急所を貫くように連射した。「…………なんでキャンディちゃんの作った通信機持ってるの?」
「は?何を……チッ」
矢を切り払う剣は日本のそれとも西洋のそれとも違う。見た目は日本人だが扱う得物は中華のそれだ。体捌きも以前中国で仕事をした時にやり合ったやつと似ている。問題はそこではなく、対応速度だ。魔術回路を回すことが間に合わないよう、集中が抜けたほんの一瞬を狙ったはず。それなのに、それを超える速度でやってのけた。いや、ただの強化ではないだろう。なんだか似たようなものを見たことがある。
「(つーかミスったな……この通信機見てその反応ってことはツユの知り合いか……)俺はツユの仕事仲間なんです。先程は申し訳ありません。ツユの礼装を触ろうとしてたから思わず敵かと思っ……危ねぇ!」
「信用できないに決まってるじゃん、そんなことしといて」
「それはそう」
先程まで握っていた剣は何処へやら。次は銃剣を取り付けた拳銃を持ち出しての白兵戦だ。歴史のある武術とは打って変わって、最新式の格闘術。イギリスの物なような……ここまで思考を巡らせた上で、その不気味さに目が留まった。こちらの動作に追随してくる動きの変化が気持ち悪い。言葉には形容できないこの不快感はナキや綾姫のそれに似た……
「ハァ……そういやなんかアイツ言ってたな。教室の同級生に綾姫の後継者がいるとか。あなたですか?」
「え?それ知ってるってことはマジで仕事仲間?……いやー、とんだご無礼を……先生の教えでして……綾姫瓜竜(ウリュー)です」
「お気になさらず。……どんな教えしてんだ猟犬」
「希望者だけにですよ?そういう戦い方を誰かれ教える先生じゃないから……いや、私はそのおかげで思想鍵紋をゲットしたんだけど……じゃなくて。えっと、じゃあキャンディちゃんがやろうとしてること聞かせてもらってもいい?」
「………まあいいか。口止めしなかったアイツが悪い」
何をするにも人手が足りない。ツユの死を匂わせればこの調子なら動くだろうと思い、ルフはどうやって情報を切り出すか考え始めるのだった。……それを聞かされたツユが情けなさで絶叫することは知っていたけれど、そのような命令をしないアイツが悪い、と切り捨てて。「うん、ありがとう。みんな大好き。私の心はみんなのものだし、みんなの心も私のものだよ」
その蜜語は真実だ。己のものになった相手に、己と心を融かしあい、交じり合ったものを彼は必ず“愛して”しまう。愛されると同時に自分も彼/彼女らを愛するようになる。そういう風に造られた。そういう風にしか生きていけない。毒を注ぎ、愛を食み、最後には自分の指先にする。自我の境界線を壊して自分だけが幸せになる快楽の坩堝。それがツユだった。
「ありがとう、私のために。だからみんなも私で癒されていいよ。私を食べていいよ」
一度心を通わせたのならば、もう肉の交じり合いは必要ない。この繋がりを通じて、心を満たす愛を与えるだけ。そうすれば彼らは歓喜して、もっとツユの願いのままに己の限界を超えて振り絞る。これは心情の問題だけではない。事実として、身体能力や魔術回路の性能が向上している。
“与えられる”という行為に意味を持たせ、“与える”という相互関係を補強する。ツユが心を割いた分だけ、ツユに成果を返すという魔術的な契約を通して彼らの性能は高まっていく。ツユはそれを微笑んで待つだけでいい。
「残酷な搾取ではいけない。過剰な奉仕でもよくない。大事なのは与え、与えられること。それに見合う己の精神を鍛え上げること。セナ先生の教えは的確だね。きっと先生も内側に飼ってるから私の事情を察したんだろうけど……でも凄いなぁ」
『文字通り自我を切り分ける、という行為はとても危険なものだけどね。一歩踏み間違えれば精神が破損して、魂や肉体にも影響が及ぶ。一過性のものならいいけど永遠に肉体に残るかもしれない。気持ちの問題って言えば簡単だけどね、バカみたいな自殺行為にも等しいわよこれ。
………そ、その、ごめんなさい……で、出過ぎた真似、でした、かね?でもその、仕方ないんです……あまりにもハラハラして、情けなくて見てられなくて……!』
「魔術の行使と精神の状態は密接な関係性がある。その人に適したものというのはただ魔術回路やセンスの問題のみに依るわけじゃない。これは先生が私を思って考案してくれた魔術の扱い方。私をバカにしてもいいけど先生はバカにしないで、アサシン」セナ先生とやらを馬鹿にしているわけではないのだが……と言おうとしてやめた。どっちみちそのセナという女もツユの本質を見抜きながら敢えて寄り添う選択をした愚か者だ。その選択を尊重しよう。した上でツユだけを馬鹿にしている。そんな捻れた運命なんてそうそう見られないものだ。それでこそ私のマスターに相応しい。
『さあ、目の前に敵が現れたわよ。でも残念ね、アレはサーヴァントじゃないとどうしようもない。あなた一人じゃどうにもならない。で、でもぉ……あなた、私に言いました、よね?その力を使いたくない、って……え、えへへ……だから私、使いませんよ?使うなら誠意をください』
「………アサシン、令呪をもって」
『違います、よね。そんな名称じゃなくて。頼むんだから、その、もっとちゃんと、ね?』
召喚した当初、私はサーヴァントであるあなたを使い魔として扱うつもりはない。けれど仲間として扱うつもりもない。魔力は提供するから出来る限り他人として接したい。そう言った愚かな男の足掻きを、アサシンなりに尊重してやったのだ。
緊急事態だからと言って地下街に潜り、そこにいるアーチャーの呪いの残滓たちは自分ではどうにもならない。それらを相手にするのにアサシンが必要だというのなら、そこには明確に捧げるものが必要だ。自身の誓いを捻じ曲げた代償を払わなくてはならない。
「令呪をもって命じる。アサシン……いや、アラクネ。全力で私を守って」
『そ、そうです!それでいいんです!変に意地張るよりよっぽど無様で可愛いわ』
その女は、織物の腕前が神に勝ると豪語した。織物を司るかの軍神アテナにすら劣らぬと声高らかに驕り高ぶった。その傲慢さを咎めるために、アテナは女と勝負をし……最終的には、不敬極まりない行いに激怒したアテナの呪いによりその身も魂も蜘蛛へと化したが、織物の出来栄えによる勝敗自体は互角であった、とも言われている。神の血が混ざらぬ人の身でありながら、神の域に手を伸ばした傲岸不遜たる女。それがアサシンの真名、アラクネだ。
その指先は人類の最高域にある。精巧たる最新技術の機械ですら追いつかないほどの速度で、緻密な技巧で、世界に己の作品を織り成していく。世界そのものを踏み躙るように、織り成す布は世界を塗り替える。偽神の月の祝福。それが施された矢が呪いたちを串刺しにして瞬く間に消え去っていく。『宮殿から出るつもりはないけれど、これぐらいなら出来るわ。どう?マスター。逃げてばかりのあなたはわからないかもしれないけれど、これが戦うということよ。強い、弱いではない。己の能力を賭けて立ち塞がる障害と勝負するという行為そのものを言うの』
「………身に染みたよ。ありがとう」
『そ、そうやって逃げるから、あなたは、きっと他人を不幸にするんです。自分の人生に、ま、まともに向き合ったこと、ないんですね。かわいそう……』
わかっていても、やめられない。だって怖いから逃げてしまう。他の誰よりもそれをアサシンは理解していた。神々の愚かな部分を精巧な作品として刻んでみせたその手腕と観察眼がそれを如実に表している。ロートゥスと同等か、あるいはそれ以上に。彼女はツユの救われなさを見抜いている。そして本当に救われないのは……
「それでも私は、逃げ切ってみせる。そして、私の大事な人たちをみんな幸せにする。私は負けない。絶対に勝つんだ」
こうまで言われてなお、己の人生に向き合おうとしないツユだった。最後の楔を打ち込んで、邪魔なしがらみを切り離すように。魔術回路を励起させ。……儀式を開始してすぐに、その報いが訪れるなんて知ろうともしなかった。
以上です。ウリューはとある事情から思想魔術も学びたくてセナに相談した結果「師匠も思想鍵紋も戦って勝ち取れば?」と言われたのでバトルして勝ち取りました。戦闘へのスイッチがむちゃくちゃスムーズなのはイトリとセナの教育の賜物今夜、帰宅したら最新話投げようと思います
帰ってきたので10分辺りから投げたいと思います
>>475
確かに言われてみればそうかもですね。そっちだとするなら騎はヴィマーナ出せば即刻攻勢移れそうですし、苦戦感出すなら初手邂逅は槍の方が良さそうかなって感じでしょうか
なんとなく両者カッコいい感じの笑みで構えてそうなイメージですね。
構図は見上げる感じで描こうと思ったんですが…構図があまりにも難易度高すぎるので折れるかもしれんです、本当に申し訳ない
>>482
ライダー強すぎる…ランサーどころかヤバそうなバーサーカーすら苦戦してるのは割とガチでヤバい感出てますね。
そんで3騎が全員人格が違うのかなり好きっていうか、恐怖とカッコ良さが同時に来てるの癖かもしれんです
そしてアサシンよ。気遣った上で煽り散らかしてるのタチ悪いと思いつつしっかり強いのは流石って感じですね。本気になれば活路は開けそうかな…と思ったら最後でまたヤバそうなフラグが立って頭を抱えるしかない
ちょっと楽観視してましたがコレもしかして最悪アレか…?6mww@ughyt@thpedqt0li4ow@fz8a7yt@xoi6aa74tyd@q@zqldjr…!?行きますー
前話 >>43
早朝にも関わらず、集積船の甲板は、いつになく人と声で賑わっていた。
甲板の上を埋め尽くす、人と荷物の群れ。
大きな荷物やスーツケースを持った大量の乗船者が、シオネーズのチェックを抜けて一人、また一人と地上へと降りていく。
それは勿論———停泊期間を楽しむ為。
秘海集積船は、基本的に年中海の上を行く。ノンストップで、春も夏も秋も冬も、晴天も曇天も嵐の中も海の上で過ごすのだ。だが、年に2度のみ、例外が存在する。
物資等の補給期間と、生徒達の長期休暇を兼ねた停泊期間。それが、今。遂に開幕したのである。
集積船には、当然大量の船員がいる。恐らく名門大学一つ分と同等か、或いはその比ではないレベルか。そして、もとより国籍も年齢も、素性もバラバラなんてレベルじゃない場所。帰省、遠征、旅行。理由も行き先も無数に存在する。
そして、その大量の思いが放たれる出口は、一つだけである。ならば、開いた瞬間殺到するのは自明の理であろう。
そんな混んでいるデッキを、上の連結通路から見ている少女達がいた。海月とムジカ、そしてジャスミンである。
『初めて見ましたが、すごく混雑してますね…』
「うん。去年行ったコミケの入場待機列を思い出すなぁ」
『こみけ…?』
「…あっ、あー、えっとね…なんか、テーマパークの待機列みたいでテンション上がるなって感じ、みたいな感じかな!」
『遊園地の待機列…確かに、ここから見るとそんな感じがするかもですね!』
「うん、そうだね…」
海月は、疑問の目で見るムジカから目を逸らしながら話題を着地させた。
つい口をついて出た言葉の意味を、純粋なムジカちゃんに叩き込んでいいのだろうか、という迷い。それ故にどうにか話題を上手く着地させて息を吐いた。>>487
メロのジト目から目を逸らしながら、通路の方を改めて向こうとした時、ジャスミンが頬杖をつきながら無言で待機列を見ているのが目に入る。
「——ジャスミンちゃん?」
「……」
「おーい。ジャスミンちゃん?」
『…ジャスミンちゃん?どうしたんですか?』
ジャスミンは、こっちを向かない。頬杖をつき、人混みを遠い目で見たまま、視線を向けない。
海月は、そんなジャスミンを覗き込もうとして———
遠い目をしてるのを、見た。
(……あっ)
故に、海月は即刻行動に移る。
「ムジカちゃん」
『?』
「やろう。」
手をその形にして動かして、海月はムジカに言う。それを打診された少女は、無言で頷き、それぞれジャスミンちゃんの両側に行き……
「せーのっ!!」
こちょこちょこちょこちょ。
「ひゃあっ!?」
意識外からの両サイドからの脇くすぐり。それは、ネガティブな方向に意識を持ってかれていたジャスミンを一気に現実に引き戻すのに、最大級の効果を発揮する物だった。>>488
「…海月ちゃん、ムジカちゃん…?」
「ふふっ、ドッキリ大成功、なんてねっ!」「ぷにゅーい」『v(^^)v』
「びっくりしたぁ……うん、でも、考え事をしすぎてたかもしれないから、助かった。ありがとうね」
「良いよ、気にしないで!」
純粋な笑顔で笑う海月と、笑顔で頷くムジカ。
帰省に出る人々を見て■■を■■■■てしまった自分を気遣ってくれたのか、それともただのイタズラなのか。それは分からないけど。
それでも、大事な友達が、自分と一緒にいてくれる。
それが、ジャスミンには、嬉しく感じた。
そして気を取り直し、三人は通路から人混みを見下ろす。
人混みの中にピントを合わせ、魔術込みで目を凝らしながら、談笑する。そして、談笑しながら人混みの中にいる知り合いを探し始めた。
二人で旅行に行くように見える瞳とアリシアや、ムイムイが一緒にいるペルカとシャントリエリ、なんかすっごいオシャレで一瞬誰か分からなかったリュジニャン、妙に大きいアルバムのような謎のオーラを放つ本を抱えているトワ等、沢山の個性的な友人が見えた。
「やっぱり皆、旅行に行く人が多めって感じなのね」
「ねー。夏休みなのはあるけど、やっぱり寂しいかも」
『ですね…』
三人の少女は、下を見ながら話す。
言葉には出さないし、表情には出さない。だが…実のところ、この三人には帰省という考えは無かった。
三人共、それぞれの事情で———家に戻る事ができない者達であるのだから。
とはいえそんな事は言わない。全員が胸の奥に隠したまま、話を続ける。>>489
「…そういえばなんだけど」
「?」
「もしかしたらさ、あいつがいる可能性ないかな?」
ふと、海月が何かを思いついたように口を開いた。二人が首を傾げると。
「カステラ君だよ。…前言ってたデートの相手の大物っての、気にならない…?」
ニヤニヤした笑みで、そう答えた。
そう、こう見えて、海月は恋バナに敏感なのである。
そして普段から大量の女子にモテてナンパしまくってる、チャラい彼が大物と言った相手。そんなの気にならない訳ないじゃん、と海月は思うのだ。普通に気になるし、普段揶揄われまくってる分からかい返せるかも、と。
『うーん…別に、そんな気にならないかもです』
「同じね」
だが残念ながら、別に二人はそこまででもなかったのである。現実って残酷だね。
「……そっかー」「ぷにゅんにゅい」
「ひっどーい!!何で皆さんそんな塩対応なんですかー!!」
………。
『「……」』
「…メロ、確保」
「ふ゛に゛ゅ゛」>>490
———メロが、カステラに急接近する。凄まじいゲル状変化からの拘束速度。カステラは咄嗟に反応できない。
故に、カステラはゲル状になったメロに足を取られ、動けなくなった。
「うわーッデジャヴじゃないですかー!?前もやりましたよねそれ!?ネタが尽きてるんですかッッッッ!?」
「こっちが聞きたいんだけど。いつから聞いてたのカステラ君」
海月は、呆れたような冷めたような目でカステラを見る。カステラに対し辛辣な目を向けるが、当のカステラは悪びれない。
「えー?そもそも元々オレは時間置いてから出るつもりでぇ、彼女サンも準備に時間が掛かるって言ってたから暇なので〜、折角なのでジャスミンさん達とお話しようって思って来ただけですよぉ?」
「大事なデート相手の前に別の子と遊ぶのはどうなの…」
「なぁに言ってんですか〜。オレにとってはどんな女性も貴賤はないんですよー!!沢山の女性に平等に誠実さを持って接するのがオレなんですからぁ」
「誠実さとは真逆じゃないかな…」
「うぇーん海月さんひどーい!!オレは折角なので鶴水にいるって皆さんの為に耳寄り情報を持ってきただけなのにー!!」
「!」
その一言で、呆れた目をしたジャスミン達の表情が、変わる。
『ツルミの…』「耳寄り情報?」>>491
しめたという面で、足を封じられたカステラはここぞとばかりに舌を回し始めた。
「そうですそうです〜。オレもデートが終わったら鶴水に戻るつもりだったので、色々観光スポットとかグルメとか調べてたんですよねー!!なのでまあ、折角なのでお裾分けってヤツです!!有名人形作家の個展もデカめの同人誌即売会も今JKの間で大人気なスイーツの情報もありますよー!」
「個展…!」
(即売会!?)
『スイーツっ!!』
見事に三人の好きな物を出され、咄嗟に女子達は目を輝かせ身を乗り出す。先程まで冷たい目線をしていた海月ですら、同人誌即売会というワードを引き合いに出されては反応せざるを得なかった。
「詳しく」
「良いですよぉ〜。折角なのでね!———だから、このメロさんの拘束を解いてくれませんかね…?」
「しょうがないなぁ…」
———
『……すごいです…』
「…ええ。まるで旅行ガイドね」
驚嘆の声が、上がった。
三人のスマホに共有されたカステラの鶴水スポットまとめは、実際にとても興味深い内容だったのだ。
鶴水のあらゆるスポットの混雑具合やオススメ時間、有名店のおすすめのメニュー、メジャーもマイナーも網羅された鶴水の祭りやイベント、目的別の良さげな鶴水観光ルートマップ等々、停泊期間中の鶴水のあらゆる事が、一つのファイルに網羅されていた。>>492
「……これ全部、カステラ君が作ったの?」
「へっへーん、このカステラ放送部部長の情報網を舐めてもらっては困りますよぉ!!」
「…うん、素直にすごいよコレ。公表したら本とかも出せるでしょコレ」
フンスと鼻を鳴らすカステラに、普段は雑に扱う海月ですら珍しく素直な賞賛を送る。
ここまで途轍もなく凝っているデータを作っていたという事実だけでも、普段の呆れが霧散する程に驚きと感嘆の気持ちが湧いてくる。その上に、どこに行こうか考えてる時に渡してくれる。
認めたくないけど、確かにカステラ君が一瞬——-
「いいんですよー。元々オレの目的のついでですし。元々オレ自身が停泊期間中に鶴水で色んな人とデート…もとい遊びまくる為にゲットした情報なんですから、あとは折角女の子が迷ってるのに手を貸さない訳には行かないですし?お裾分けですよお裾分け〜」
「……」
『……』
先程までの尊敬の空気が、一瞬で冷え込む感覚がした。
三人の目線から、目の輝きが消える。
「……えーと、皆さーん?なんで急にスンってなったんですか?オレ何かやっちゃいましたかー…?」
「……一瞬でもカッコいいと思いそうになった私の気持ちを返して。いや本当に返して」
「うわ一条さん辛辣ー。…うーん、隙あらばジャスミンさんと遊びに行く約束を取り付けようとしたオレの思惑は失敗ですかねー…?」
そう独り言を呟きながら、学園屈指の色男は女性陣の方を向くと——
「———あ。」>>494「「『……』」」
「oh…」
即ち。カステラの敗北である。
「…へーん。へーんだいいですよ、いいですもんね!!別に今日からオレは大物なカノジョさんと浴衣でチキチキ東京蛍狩りデートに行ってくる訳ですし!!それが今日の本命ですしッッ!!でもこれでオレが諦めたなんて思わない事ですねジャスミンさん!!いつかオレは貴女とデートしてみせますからああーー!!」
そうなってからは早かった。
ギャグ漫画のような捨て台詞を吐きながら、カステラは即刻で踵を返し、滅茶苦茶なスピードを出して走りながらデッキから消えていった。残されたのは、呆れた目で見る二人の後輩と、本当に何があったのか理解できてないジャスミンのみ。何も知らないジャスミンは、首を傾げる。
「…?何かあった?」
「いやいや何もなかったよ。うん、何も無かったよね、メロ」「ぷにゅ…」
『……ジャスミンちゃんは、モテるんだなと思いました…』
「?」
ジャスミンは首を傾げるが、一旦それを端に追いやり、ねえねえと二人に声を掛けた。
「ところでなんだけど、二人とも。」
「なぁに?」
『?』
「覚えてる?前話してたあのイベント、今日の10時からみたいよ」
「あれって…あ!!」
海月とムジカが、同時に気付く。>>495
そう。ジャスミンが前々から3人で行きたいと言ってた場所があったのだ。
鶴水市の公園で半年に1回あるという、芸術祭り。
あらゆるアーティストが、路上で色々な物を自由にやってOKなイベント。
そこに行って、やりたい事があったのだ。
故にジャスミンは、興奮したような目で頷く。そして、すっかり人が減った下のデッキから目の向きを変え、移動を促す。
「そろそろ、準備を始めましょ。
人形劇の準備をね!!」
———
「いやー…ミスったかもって感じでしたねぇ…」
自室に戻ってきたカステラこと日々滓衒は、苦笑を浮かべながら頭を片手で抱えた。
折角の停泊期間なので、友達の女の子の中で特に好みであったジャスミン先輩へのナンパを目論見、「頼りになる所を見せて好感度を上げた上でデートの約束を取り付けましょー大作戦」をやろうと思ってたが、失敗に終わってしまった。やっぱりジャスミン先輩は手強いですねぇ…一条さんとムジカさんのセコムも手強いですし。
「まあ、今日は折角ほたるさんと遊べる数少ないチャンスですしね!!それでヨシって事にしますか…!」
そう自分を励まし、準備を始めようとする。>>496「…あ、いっけね。忘れてました」
そういえば、あの場で鶴水の話題を出す時に忘れてた事があったのを、カステラは思い出す。
本当なら話そうと思ってたけど、結局ナンパがバレたので言いそびれていたのだ。
脅かしてみるのも悪くないかなと思って、彼女達に話そうと思っていた事。
ここ最近、鶴水において現れ出したという謎の噂を。
———連日、恐怖と共に気絶した数多の少年少女達が発見されているという。
———正気を失ったような叫びが響き渡るという。有り得ない魔物達が闊歩しているという。
———恐ろしきナニカが、森の中に動き回っているという。
———廃工場から、悪魔の笑い声が聞こえたという。
———亡者の呻き声が地の底から響き渡るという。
———おどろおどろしき死骸が、積み上がっているという。
そのような噂が、鶴水市海浜にある森から集中しているという。
まああくまで子供じみたオカルトではあるのだが…何故か同時期に、唯一事実として報道された物もある。
———鶴水海浜の小さな無人島が、一夜にして跡形もなく消滅したという、怪奇現象が。奇しくもその森の近くで発生したという。>>497
故に、こう言われ始めたらしいのだ。
鶴水海浜の山林には、絶対に近寄ることなかれ。
———あそこには、バケモノが棲んでいると。
「まあ、驚かせよう位の与太話だった訳ですし。どうせ日帰りなので明日以降の夜にでも怪談っぽく話して脅かす事にしましょっと」
カステラは笑いながら、浴衣をクローゼットから出し、着替え始める。
先程までの与太話の事は忘れ、今日のデートの相手である一人の——給食室の健気な少女の事を思考の中心に変え、笑みを浮かべた。
そう。よもや、この船が。そして———
先程話していた、3人の少女達が、その恐怖に巻き込まれるとは、夢にも思わずに。以上です。
最後に不穏パートブチ込もうと思ったら奇しくも流れが伊草の槍パートと被ってしまった俺はマヌケ
とりあえず今回は停泊期間始まったよ回はブチ込まんとなって訳だったんですが、正直生徒を何人も出して凝りすぎるとめっちゃ労力的にも長さ的にも長くなりそうだったのでカステラ君に漫才してもらいました。メロが奇襲するタイミングのアレはもうなんかノリです。日常パート書くの難しいから折角なのでふざける時は思い切りふざけないとって感じ
とりあえず次はリョーガ君側のパート書いたらいよいよ鶴水市が舞台になって本格開始です。いよいよ祭りの時間やで…!
という訳で感想よければお願いしますーツユの魔術について
ラヴギッドの魔術としての本懐は人間を糧にすることによる存在の昇華、高次の生命体への進化でありそれに至るための手段として人の精神に巣喰い糧とすることでした。血肉ごと喰らう魂喰いではなく精神から悪性情報や魂の切れ端なんかを吸い上げるタイプ
まあ紆余曲折あってナキはその中でも単一生命としての新しい人類のモデルケースになりましたがツユは群体生命。すなわち心の共有、肉体どころか自他を区別し分つ殻すら必要としない精神情報生命体……とはいえ未完成でなおかつ扱いがバカみたいに難しいものですが
普通にツユが魔術を行使しても自我の境界線が曖昧になって壊れるだけなのですがそこはセナの指導が光る光る
「ただ分け与えて混ぜ込むのではなく、与え、与えられるという自身を頭脳体としたある種の王国を築きなさい」というもの。むちゃくちゃ平たく言うと妖精國のノクナレアとその臣下たちみたいなもの
とはいえやはり生命体として未完成なので魔術的な儀式を執り行うなんかで実験結果は失敗というべき個体性能なのですが
>>499
やっぱり日常パートとのメリハリって大事ですよねわかります。こういう甘酸っぱい展開も供給できるのが船のエンジョイ加減と京極さんの筆の特徴だなぁって思いますね
>>484
アテナの呪いでネガティブなモードと傲慢なモードがよく切り替わるのですがどっちにせよ本質である「私は神よりもすごい」が抜けてないのでこんな感じで傲岸不遜です。世界で一番尊いのは私でしょって恥も外聞もなく言えるタイプ。ツユが言われたくないとこも含めてマジレスかましまくるのでツユとの相性は普通ぐらい
>>485
人格が違う、というよりは人格は同じだからこそ思ってることをそれぞれ出力している感じ。言語化してないだけであと2人が言ったことをそのまま思っています
アサシンに気遣いなんて言葉はないですね……普通にバカにしているだけで……
まあ人生って山あり谷あり>>501
キャラシの言及見るにジャスミンちゃんはバリバリ守備範囲みたいだったのでやらせていただきましたァん
という訳でカステラ君はほたるちゃんと一緒のデートで前半戦はoutって感じですね。もしかしたら後半戦前に戻ってくるかもしれないですがまだ考え中。
本当は前半から巻き込むつもりでしたが……アレです、カステラ君はともかくほたるちゃんを危険な目に合わせるのは本当に気が引けたのでナシになりました…いくらなんでもほたるちゃんを可哀想な目に合わすのは京極も怖気付く
>>502
ですね。1章のバトルパート入った後は2章終わりまでずっとバトルなので余計に初手で日常パートを挟まんとなって思った訳です。色々と大事なシーンもありますし
時計塔に比べると仲良し度が高くて学生感書きやすいのが船の強みだと思ってます。
>>503
まあ大丈夫です大丈夫です。ジャスミンちゃんであれば襲われても対処できる相手ではあります。ジャスミンちゃんなら
あとはネタバレじゃないんで話しとくと、敵が鶴水市のイベントまで仕組んでて誘い込んでから襲うパターンではないです。そこは安心してください。良くも悪くもそこまで狡猾な奴らではないですね今回の敵。物理and暴の敵です
あとはカステラ君に三人の好みの奴言わせてハート掴もう位の意図だったので別に即売会は行きません。スイーツはワンチャンあるかも。とりあえず確定してるのは今回話してた芸術祭りに行く事くらいですね。ん?芸術?
まあリョーガ君を何らかの標的にしてる奴はいますが、流石にジャスミンちゃん達を標的にしてる奴はいないと思います。多分。少なくともイベントとかで騙して誘い込む展開ではないのでそこは本当に安心してください。本当ですよ?メレ坊が体を鍛えようとするのとスキュレカリュー教室入りのきっかけはそのまんま直結できるのではと思いついた私です
それはそれとしてガオガオしてる鹿之助の画像をwikiに貼ろうとしてやっぱり上手くいかなかった私です…フフ…ダメな人…ウルフの助の画像の文字無し版をWikiにアップロードしておきました
>>509
あったーーー!
ありがとうございます!>>511
教室メンバーのページあるとどう絡んでいくかイメージしやすくなるのでいっぱいほしい…
こういう時にルナはホント便利だぁ…神秘があるならそれだけでいくらでも突っ込める
メレ坊がいるぶんいつもよりやりやすいまでありますよ
ギャグかシリアスかは……まあまだなにも浮かばないわけですが……そろそろ最終決戦が近づいてきた冒険旅行記の続きを投下じゃ~~~い
「この俺、クリストファー・クライはお前らの仲間になるぜ!」
私たちがクリストファー・クライと一戦交えてひと区切りついた直後のこと。思いっきりぶちかましたはずの一撃を喰らってなお彼は平然と立ち上がってきた。
けれどもぜんぜん無傷ってことはない。服はボロボロだし見え隠れする肌の裂傷はすんごいことになっている。
「ってワケでヨロシクぅ!」
「早い早い早いって! 話が! 早い!」
「マイペースさはルナ以上ですね……」
だってのにこのテンション、この元気さ。まったくもってどうかしてる。同じ魔術使いであるだろうに、以前、死霊病棟で出会ったクチサキとはタイプが違いすぎる。どうなってんだ魔術使い業界。
「つってもナイン野郎の味方をするのがメインだ。お前らはついでだ、ついで」
「なんか意味ある? その区切り」
「おおあるある。たぶんめっちゃあるぜ。お前らのスタンスがわからねーからな」
「???」>>516
「俺らがなんで10年前の戦争を引きずってるかって話さ。なァ? ナイン野郎よ」
「同意します。私の記憶領域が復旧により全情報の開示が可能になりました。私は、私が戦う理由をマスターへお伝えしたい」
「いいえ。それは後回しにしましょう」
「え、」
「メレク?」
なんか待ったをかけられた。妙に真剣そうな顔をしているけどなんなんだ一体。私は聞きたいんだけど? ほら右手のナインだって不満げにカタカタ震えてる。
「なに? なんかダメなの?」
「優先順位の問題です。僕たちが真っ先に知るべき事柄はなんですか?」
「…………全部?」
「ええそうですね、もちろん聖杯に関する情報です」
無視すんなこら。
「ナイン、全情報の開示が可能と言いましたね? ならばまず聖杯について明かしてください。貴方が獲得したという聖杯は、今どこに?」
「それは……、……師匠」
「話しちまえ、なにがどうなっても俺がケツもってやる」>>517
「了。マスター。メレク様。火焔聖杯戦争における聖杯とは、爆弾なのです」
「ば、爆弾っ?」
「願いを叶えるどころか、わずかに刺激するだけで溜め込んだ魔力に火が点く危険物。あれは、そういうシロモノです」
「ん……ん? いや、それおかしくない? ナイン今も聖杯持ってるの?」
「肯定します」
「聖杯ってすっごい魔力リソースの塊なんでしょ?」
「肯定します」
「……最初に会ったとき魔力不足で倒れたよね?」
だから私が血を飲ませて魔力をあげた、そしたら私がナインのマスターなんてものになってしまった……それが、このややこしい現状の始まりだ。
だった、はずなんだけど。
「ナイン、ウソついてた?」
「否定します。断固として、否定します」
「二回も言った」
「誤解されては意味がありません。アントン・レーヴィンヒュルムは上で聖杯の2つの機能に言及しました。『最上位絶対命令権』と『10年分の魔力リソース』……前者は私が所持し、後者はセイバーが封じるため、聖杯を分割したのです」
「あー……それで聖杯持ってるのに魔力がないなんてことに……」
「封じると言いましたか? セイバーには爆弾と化した聖杯を無力化する術があったと?」>>518
「火焔聖杯戦争はレーヴァテインのための聖杯戦争です。あらゆる構成要素にその名が付くように、聖杯もレーヴァテインの性質を持ちます。
……セイバーも聖杯も、同質の属性を持っている。その共通点を利用して聖杯を封じました。セイバーの霊基そのものと聖杯を同化───彼女を犠牲とする形で、抑え込みました」
「俺が見届けてやれたのもそこまでだな。あの後あちこちが崩れてそれから……どうなった?」
「特筆すべき事柄はありません。師匠と離れ、セイバーを見失い、『最上位絶対命令権』を持ったまま長い休眠期間に入りました」
「……ここに関わってるレーヴァテイン全部に命令できるってやつ?」
「肯定します。そこに倒れている鉄巨人……バーサーカーのマスターであった彼女を含め、当施設内に残存する兵器すべてが対象となります。
私は、この命令権を誰にも使わせないために戦いました。私は、この地下で使い棄てられる兵器(こども)が二度と産まれないために戦ったのです。私にその身をゆだねてくれたセイバーのために、戦わねばならないのです」
「ナイン……」
「マスター、ご覧ください。この地下施設を」
言われるがままに周りを見渡す。
床と天井こそ金属板が敷き詰められているが壁にあたる部分は岩壁がむき出しになっている。金属と言える部分もとっくの昔に錆びついてしまったようで、踏めば踏むだけじゃりじゃり赤錆色の砂に変じていく。
左右にずらりと並ぶ棺のような雰囲気を醸し出すカプセルはいずれも割り砕かれて、その中身はもう無い。あるとすれば、そこにいたのはなんだったのか。
答えは、目の前にいる。>>519
「私は、ここで製造されました」
「うん」
「私の以前と以後に、同じように造られて使い棄てられた兄弟姉妹が多くいました」
「うん」
「私は許せませんでした。だから、魔術師を名乗る彼らと聖杯戦争で戦った」
「うん、私は良いとも悪いとも言わないよ」
「感謝します。……確認します、マスター。神秘に準ずる者は、皆あのような非道に走れるのでしょうか」
「そうだね、それが効率のいいことならできると思う。魔術師って名乗るなら、ね」
「……安心しました。そうであるならば、私はまた、剣を握れる」
「ねぇ、ナイン。私も聞いていいかな?」
「何なりと」
「今からでも逃げようって思ったりする?」
「思いません。それは私にとっての『カッコいい』には該当しません」
「……だよね」
わかっていた。逆の立場なら聞くまでもないことを聞いちゃうなんてばかげている。私だっていざとなったら逃げ方なんかわからなくなるクセに。
だって、だってだ、そうしたくなるくらいに、イヤな予感がしているんだ。>>520
「ま、そういうことでな。この俺クリストファー・クライ様とここにいるナイン野郎、そして上にいるペリマンニ共の目的は知らねぇうちに一致してたわけだ」
「っ……」
聞きたくない。心がざわついておかしくなる。
だってアントンじいさんは、この村一番のペリマンニは言っていた。今いるペリマンニたちの目的は、この村に残ってる神秘を滅ぼすことなんだって。
それを、ナインも同じだと言うのなら、それは、
「マスター」
「……なに」
「宣言します。私は、私を含めた兵器(こども)たちを安らかに眠らせる。そのために戦うのです」
「───」
ぷちりとなにかがちぎれた音が聞こえた気がした。
そうか、そうか、そうなのか。そういうことなら、もうごまかしようがない。
神秘を消す。魔術を消す。私の大好きなものを消そうとしている。神秘そのものであるナイン自身もまた自分から消えようとしている。>>521
認められない。
理解しなければならない。そのように言うのなら、
ナインも、クリストファー・クライも、ペリマンニを名乗る誰も彼もが例外なく。
私の、敵なんだ。
「っ……ルナ!」
「とめないで───」
「違う! 後方!」
「へ?」
メレクのそれと、右手が自動で発する警告に振り返る。空気を裂く速度で飛来する鎖が目の前まで迫っていた。
ほぼ反射で右手を持ち上げる。とっさに動かされた右手が迫る鎖とぶつかって火花を生んだ。衝撃にひっくり返りそうになるのをなんとかこらえる。
「この、鎖……!」
「オイオイ、もうお出ましってかぁ?」
鎖の先を辿っていけばそこにいたのは2人分の人影。白衣を纏ったフリッツさんと、枷に繋がれたアンという名の女の子。
だが続けて発せられた声はその2人のどちらのものでもなく───…>>522
「なんじゃなんじゃぁ! どっかで見た顔じゃあないか!」
姿なき声も私には聞き覚えがあり過ぎるくらいだ。ここフィンランドから遠く離れたフランスの死霊病棟で聞いたこの声。封印指定の死体と共にあった声は……
「天馬竜アフィントン!?」
「おーう覚えてくれとったな銀の嬢ちゃん! だが悪いが今の宿主はこっちの黒い嬢ちゃんでな! 手加減できんのだわ!」
やばい。
ここにアフィントンがいるってことは、やばい。あれは元々が封印指定とされていたものだ。人を人ならざるモノへと変える、生きた魔術刻印。
私はアレが変えたモノと戦ったことがある。あの時はセダムが死体を動かしてただけだったけど、今は、
「みんな、やばい! あの子ただの魔術師なんかじゃない───"竜種"になってる!!」
言うが早いがそれは動いた。
人の形をしながら、しかしヒトに収まらぬ力をもって。
"竜"が、立ちはだかる。本日120%コンディションにて荒ぶっております
ので、続きを投下投下~
>>525
そういうヤツなのでした。なのでどういう結末かも決まりきっております
ですよねぇ、期間空きすぎちゃった…不覚も不覚…竜種。ドラゴン。あるいは龍。そう呼ばれるものにはいくつもの顔がある。
ときに英雄の試練たる怪物として。
ときに信仰の対象たる神霊として。
ときに権威の威光たる象徴として。
それだけの側面を兼ね備える以上、魔術的な意味合いもまた多岐に渡ることになるが……それゆえに、シンプルな共通項がひとつある。
ただひたすらに強い、ということだ。
◇ ◇ ◇
強靭くて、迅速い。
生きた竜種の第一印象はそんなところに落ち着いた。二本腕と二本足の人間、それも私と同じ女の子から発せられているとはとても思えない肉体の出力。
アンという名前の褐色の子は、今この場において一番強い生き物だと断言できた。
そんな一番強い生き物が私たちに襲いかかってくる。
手枷に繋がれて伸びる鎖を力任せに振るう。>>527
それだけの動作で、鎖の軌道上に在った悉くが破砕音を響かせて道を開けた。
「うわっと! あぶな!」
「後方への回避を推奨します」
「そうする!」
ナインの指示に従って鎖のリーチのさらに外まで下がって避ける。私の動きを見たクリストファー・クライも同じ要領で下がり、メレクはとっくに私のさらに後ろにいた。
もちろん下がった分だけ相手は前進してくるわけで。
「……」
無表情かつ無感動。目の前にいる誰もが自分よりも弱い生き物であると認めた目で、殺意なく殺しにかかる。
その表情にまったく似合わない激しさの攻撃を繰り出し続ける。腕の動きと連動した鎖が振るわれるたびに岩壁も並んだカプセルも砕けて宙へと舞う。
なんって暴力的。なるほどなるほど竜の力の断片くらいはガンガン振るえるらしい。
「マジで竜だ! 本当にアフィントンっぽいよメレク!」
「つまりあの2人とも死霊病棟ですれ違っていたことになりますね。かくも世間は狭いようで」
「確認します。前方にいる敵性体は正しく竜種なのですか?」>>528
「アレは人を竜に化える神秘。それだけ覚えて」
「了。戦闘状況を開始します」
最低限の情報共有終わり。次は───
「で? こっからどうする。下がるだけか?」
「もちろん! 突っ込む!」
「ああ!?」
止めようとした手が伸びてくる。さっと避けて、前へ。
縦長の空間、一本道にも似た状況で出入り口は相手側にある。このまま下がってロープ際まで追い詰められてKO負けは目に見えてる。なら前に進むしかないし、なによりこの位置からじゃ遠い。
せっかくの封印指定モノの神秘。遠目に観察するだけで我慢できるかっ。
いつもなら"星座飛行"で上から突っ込むところだけど今日は地道に床を蹴る。掲げた右手を最低限の盾にして突っ込む。
「ナイン! 鎖の軌道予測お願い! 避けれるだけ避ける!」
返答無し。だが視界に弧を描いた赤色の線がいくつも浮かんだ。丁寧に順番を示す数字のついたそれは要望通りの軌道予測。
スパイ映画かなんかで見た潜入シーンの赤色の線と線の間の空間に身体を滑り込ませる。一瞬後に身体のすぐそばを通り過ぎる鎖。同じ動作で何度か避け続けて、>>529
「警告します。1.8秒後25度目の鎖を回避出来ません。後退を推奨」
「大丈夫! メレクがいる!」
言い終わると同時、私の真正面を捉えた鎖が寸前で逸れる。メレクが張っておいてくれた防御結界だ。やってくれると思った。
それでも威力は完全に向こうが上らしい。結界は見事に砕けたが、鎖はすぐに踵を返して私に迫る。
迫る鎖をまた避けて前進。一歩、いや二歩、竜へと近づく。
視界を染める赤色の情報が一瞬ごとに増えていく。1、2、5、8……指の数を超えた。数える意味もない。
振り下ろし。横殴り。突き刺し。上からきて下からきてまた上からと見せかけて右、下、下、上、右、待ちわびて左。ついでに飛んできたカプセルの破片っ。
すごい。すごいすごいすごい、全部避けられる。
ナイン経由で『強化』が入っているとはいえ、私だけじゃとっくに当てられてる。すごい精度だ。
いける、これなら。
「もう、ちょい!」
残り三歩か二歩。それだけでこっちの攻撃も届く間合いに入る。
クリストファー・クライの弾丸が唸る。続けざまに二発。命中。ダメージはなくても身体が揺れた。残り二歩。
メレクの宝石が続く。鎖の動きを阻害するように魔弾と結界を放つ。すぐ近くに見える表情が少しだけ変わる。残り一歩。>>530
「……とった!!」
互いに手が届く間合い。魔力を込めた右手を伸ばす。
貫手の形に構えたそれは、炎をまとった槍となる。下がることを知らない竜は真正面からこれとぶつかった。
ぶつかって、なお、無傷だった。
左手で受け止められた私の攻撃は、血の一滴も流せずに止められていた。
驚愕の暇もない。横合いから伸びた鎖は瞬く間に私の右手を絡めとって吊り上げた。
「つかまえた」
「やばっ……!」
反撃か脱出か、迷った瞬間に私の身体は宙へ放り投げられていた。右手に絡まった鎖の力にまるで逆らえず、されるがままにして。
私の視界からじゃまったくわからないけど、きっとその動きは綺麗な放物線を描いていたんだろう。床から離れて、一瞬だけ天井に近づいた私は、そのまま出入り口に陣取っていたフリッツさんの元まで転がされていた。
「やあ、よく来てくれた。レディ」
転がってきた私を上から柔らかく歓迎する、声。
赤錆にまみれながら倒れた私を見おろしている。その視線は先ほど地上で向けられたときと差が見えない。>>531
「前置きも腹の探り合いも抜きだ。取引といこう」
「なに、を、」
「私の要求はひとつだ。その右手を覆うモノを譲っていただきたい」
「ことわ、っ、!?」
言い終わる、よりも早く。
フリッツさんの片足が守りのない左手に向けて踏み抜かれた。ナインの『強化』のおかげで骨が折れるようなことはなかったが、それでも相応の痛みと衝撃が走る。
「申し訳ないがこちらとしては交渉のつもりなど微塵もないのでね。要求に応じていただけないのなら、このまま踏み折る」
「っこん、の……!」
「……苦痛では止まらないか。読み違えたな」
左手の痛みは無視。感覚の操作なんて魔術が使えなくったってできる。
痛みなんかよりもよっぽど大事なものに、魔力を込めて握りしめる。魔力から変じた熱が右手に集まる。
「む、それはまずい。その一撃は私では耐えられない。どう転んでもリタイアしてしまう」
「言質もらいっ! だったら遠慮なくブチ込んでやる……!」
「直後に、君もその右手もリタイアするだろう。背後から伸びる竜の一撃によって」>>532
「……!」
「君の同行者もアンに阻まれてすぐには動けない。私もこの距離で君の攻撃を止める手段を持たない。意図せずして互いの命を握る形になったな」
「さっき、」
「ん?」
「さっき言ってた取引ってなに? ナインの代わりになにをくれる?」
手が出せないなら口を動かせ。状況が止まれば不利になるのは間違いなくこっちだ。
揺さぶれ、動かせ、なんでもいいから。
「レディ、それは君が、何の味方になるかで変わるだろう」
「……はあ?」
「ナイン氏の味方なのか、楽師たちの味方なのか、もっと違う何かに味方するのか……可能な限り、君の希望に寄り添うことを約束しよう」
「人の手ぇ踏んづけておいて希望? 約束? 笑わせないでよ」
「申し訳ない。なにぶん非力ながらも敵の多い身でね、少しでも優位に立たないと足が震えてしまうんだ」
「……こわいなら逃げてもいいんじゃない? 私、笑わないよ」
「そうもいかない。どれほど恐ろしくとも私は悪を成す。悪の味方に、ワルモノになると決めたんだ」
「…………」>>533
向いてないなと思った。
こんな状況。見下ろさながら手まで踏まれて、そのうえナインを奪おうとしてる相手に思うことじゃないかもしれないけどそれでも思う。
この人、なんか、無理してるなぁ、って。
「それ、向いてないよ?」
思ったから口にも出てた。
「…………っはは、そうだな向いてない。わかりきったことだが、そう直截に言われると───」
「───緩んだ! ナイン!!」
「了!!!」
私は倒れたまま、手甲から人の形へ瞬時に戻ったナインがフリッツさんに飛び掛かる。
狂いなくその背中に組み付いて、その首筋に赤熱化した刃を近づける……のを見届けて、私は叫んだ。
「動くなそこのドラゴンガール!! こっちには人質がいるぞーーー!!!」>>534
地下空間は声がよく響く。これで聞こえないなんて言わせない。
狙い通りに"竜"は身体をピタリと止めた。冷え切った無表情に火が点いて、殺意の灯った瞳が私に向けられる。
「ッ……先生」
「おら動くなー! 動けば大事な"先生"の首が焼き切れちゃうぞ! それでもいいのかー!?」
「お、前ェ……ッ!!」
やばいキレてる。キレまくってる。でも止まった!
「うっわマジか……お前の女ァどうなってんだ少年」
「僕のではありませんが。まぁ、良くも悪くもブレーキの無い人ですから」
「提言します。マスター。これは『カッコいい』ではありません」
「全員シャラップ! 私だってやりたくてやってるわけあるかー!」
「……いやぁ情けない。これじゃあどっちが悪役なのか分かったものじゃないな」
「あの子、止めてもらうよ人質さん。お喋りはその後でね」
「申し訳ない。それは私にも出来ないんだ」>>535
「なんで? "先生"なんでしょ?」
「上下関係で言えば私の方が下だからさ。私は悪の味方などと名乗っているが、彼女は名乗る必要もない悪そのものだ。なにせ、この世全ての悪であれと言祝がれた化物なのだから」
「なに言って……いや違う、そうじゃなくて」
「だから私は彼女を止められない。先生だからね、背中を押すのが仕事なんだ。 …………さあ聞けアン! 我が麗しの悪竜よ!!!」
大きく息を吸うのが見えた。まずいと直感が叫ぶも、すでに遅ぃ。
「私は君を縛らない! 君は私に囚われない! ───聖槍の開錠を、許可する!!!」
声が地底に響いた直後。
一瞬の静寂が過ぎ去って。
ばぎり、と。
鎖の引き千切られる音がひとつ。たったひとつだけ聞こえて。
「ッ……!?」
息が詰まる。ような錯覚に陥る圧迫感。
聖槍、という言葉の意味を思考できるだけの暇も与えられず。視線が、吸い寄せられる。>>536
爪が見えた。
ひとつひとつが巨大な槍かと思わせる凶悪さを漂わせる爪が見える。そのいずれも見合う大きさの五指に生えていた。
爪と、指と、すべてをくっつける掌に。サイズだけを見ればきっと私は巨人の手だと勘違いしていただろう。違うと気づけたのはそのすべてを鱗の存在ゆえにだ。
竜の蹄である。
巨人じみた大きさの竜の蹄が、あの子の肩口から生えていた。歪、そのものとしか言いようが姿も、それが当然とばかりに佇んでいた。
ぐわんと大きく蹄を振りかぶる。綺麗な等間隔をもって開かれた五指が視界に映る。
「───警告」
「え、」
ナインの声が聞こえたときそれはもう目の前にあって。
その後のことは、覚えていない。とりあえずイベは軒並み素材交換終わったので創作作業に移るぞぅ
早くアイツらの全貌を明かしたいって気持ちがモチベーションになってるので頑張りたい
>>524
ルナちゃん…!?お前何をする気だったの…!?止まったからいいけど何をする気だったのお前…!?止まらなかったらやばい事なってたよね君…!?
そしてここでアフィントン来るかー!!って感じでテンション爆上がりですよ。
遂に全貌が明かされるこの敵達がどんなやべー奴なのかな…まあなんとかなるでしょなんとか…
>>538
嘘だろ……?(想像以上のやべーやつに背筋が凍る)
竜種ってだけでもやべえのに聖槍とか本当に恐ろしい事になっていらっしゃるよ…今回は勝てなさそうだとしてもナインいても劣勢なのは流石に恐ろしすぎる
それはそれとしてフリッツさんいいキャラしてる悪役って感じがしますね…悪に向いてないけど悪を目指す奴か…いいなぁ…
そんで悪竜にこの世すべての悪…嫌な予感しかしないんじゃが!?執筆の合間にノリと勢いと時事ネタで書いた謎SS投げます
カステラ「全世界でバズったっていうグ◯マスシェイクが日本でついに登場らしいですね〜!!誰かオレと一緒にデートで飲みに行きませんかー?」
ジャスミン「グ◯マス…?」
瞳「マ◯クは知ってるけど…グリ◯ス…?」
アリシア「ごめんなさい、知らないキャラクターです…」
ペルカ「???」
シャリー「シャントリエリ、マッ◯、あまり行かニャい」
ムジカ『マッ◯の昔のキャラなんですね、初めて知りました( ・∇・)』
カステラ「嘘でしょ…ジェネレーションギャップ…ん?」
海月「う、うん。私もよく知らないなー」(昔ネットで見てたド◯ルド関連の動画で知ってるけど黙ってる)
カステラ(一条さん絶対知ってますね……)
はい。なんなんすかねこれ暗い。
あと、重い。
背中と高等部にゴツゴツした感触がある。仰向けに倒れている自分に、あったかい何かが乗っかってる。
それが一体なんなのか、触ってたしかめようとして、激痛が走った。
「いっ、づ……!?」
なんだ、なんでこんなに痛い。
わからない。思考はパチパチと星を飛ばすばかりで意味のある思考につながらない。
いつもなら隣から聞こえてくる正論もいまはない。隣、となり、そうだメレクは、どこ?
……いない。と思う。すっかり覚えてしまった魔力を感じられない。耳を澄ます。目を開く。でも結果は同じ。
目を開けているにもかかわらず視界は光を拾ってくれない。天井から吊り下げられていた照明がひとつ残らず落ちたのだとわかった。
いや、ある。たったひとつ。
ぼんやりと灯る小さな火。私の魔力から生まれたそれが、少しだけ見上げなきゃいけない高さで弱々しく周囲を照らしてる。
ナインがそこにいる。
何が起きたのかはわからないけど、ひとまずナインのそばまで行こうと思った。けれど身体に乗っかっている重みと、身体のあちこちが上げる悲鳴でどうにもうまくいかない。>>542
「動かないでもらおう」
暗闇から声がした。
私からは遠く、ナインからは近く、低い位置で発せられたように聞こえる。
「目が覚めたのなら見えるはずだ。ナイン氏の身体は竜の蹄の内にある。アンがその気になれば、すぐにでも鉄くずをひとつ作れる」
「……!」
「こちらには人質がいる、というわけだ。状況は理解してもらえたかな」
わからない。
暗いばっかりでなにもわからない。こっちは目が覚めたばっかりで……ああ、そうか。さっきまでは寝てた。気絶してたんだ。
あの、竜の蹄に一発もらって……ッ、
「ああ、動きたくても動けないか? 竜に撫でられたとなれば、当然だが」
全身に走る激痛と、どこか呑気な声とのギャップに眩暈がする。どこが痛い? 全部が痛い? わかるかそんなん。
ただ痛い。身体の内と外がひっくり返ったような気持ち悪さもする。吐きそうだ。吐いちまえ、苦痛も弱音も全部全部。
いやだ。認められない。そんなのまっぴらごめんだ。
だったら我慢しろ。血反吐を飲み込んで腹に力を込めていろ。>>543
痛いだけで、折れてなんかやるもんか。
芋虫みたいな態勢のまま、それでも暗闇にぼんやり浮かぶ人影を睨む。
「こちらの要求はひとつ、聖杯だ。セイバーの手に委ねられた火焔聖杯戦争の魔力リソースを、頂戴したく思う」
「知るもんか! 私たちだって、探してたんだ!」
「……まあ、そうだろうな。知っていればとっくに持ち去っているはずだ」
「先生、では、もういいですか?」
「ああナイン氏の身体は潰していい。頭部さえ残せば記録は読み取れる」
「ふざっ、けんな……!」
ぶん殴ってやろうと思った。
フリッツという魔術師。アンという竜。どっちもまとめて殴ると決めた。
魔術が使えない、ただの『強化』さえも入らない身体に、それでも力が入る。
痛みは消えないし忘れてもいない。動かせば動かすだけ苦痛が生まれる身体を無理くりにでも起き上がらせる。
渾身の力を込めて上半身を持ち上げた。
はずみで、私の上に乗っかっていたなにかが、力なくずるりと落ちる。
血にまみれたクリストファー・クライだった。>>544
「……え」
「見てわかるとおり、君の仲間は瀕死の状態だ。私達など無視して救命すべきではないかね」
その言葉がどれだけ信用できるものか。でも、あのうるさすぎる傭兵がうんともすんとも言わない。ほんとに瀕死なのか、寝てるだけだと思いたい。
後者だと思うには目に映る赤色が多すぎた。
クリストファー・クライは倒れていて。
ナインも捕まっていて。
あとは、そうだメレク……メレクは、どうしたんだろう?
「メレク、は?」
「あの少年なら瓦礫に潰された」
「…………」
「君の襲われる様にひどく動揺したように見えた。防御も回避もままならず、瓦礫の下敷きになったよ」
「…………」
「彼の骸を確認したければ気が済むまでするといい。私は止めないとも」
ぼんやりとした人影が少しだけ動いた。指で瓦礫の場所でも示していたんだろうけど、あんまり関係ない。
メレクが瓦礫に潰された。だから死んだというような意味の言葉を吐いている。>>545
私の心情を想像したりしたんだろうか。泣きたければ泣けばいいと、愉悦ではなく慈悲を込めた声音を響かせる。
良かったと思った。
ああ、本当に良かった。
あんな瓦礫ごときでメレクを潰せたと思い込んでいる。読み違えている。その程度の相手で、本当に良かった。
その程度でしかないなら絶対勝てる。絶対に、負けられない。
「……それでも、戦うのかね?」
「戦うし、勝つよ」
がくがくと震えながら、それでも立とうとする私に、むしろ心配するような声。
気遣わしげなその声をはねのけるようにして、足に力を込める。なんの支えもなく、ひとり、立つ。牙を剥く。
「ナインをよこせ。さもなきゃ2人まとめて喉笛噛み千切ってやる」
「君ひとりでかね?」
「余裕。見てろ、私だってバケモノだ」
渾身の力を込めて片足を持ち上げる。
ただの一歩にこんな手間暇かけて、それでも勝とうと吠える自分がひどく滑稽だ。>>547
「なんだ……誰だ!」
「「───ウチらは陽気なペリマンニ!!」」
聞き覚えのある声がした。陽気で楽しい、元気な声。
振り返りたくなるのをグッとこらえた。放物線を描こうとするナインから視線は外さない。目を向けずとも、元気に揺れるミカン色とレモン色の髪が目に浮かぶから。
「笑ってばかりのペリマンニ!」「歌って踊るぜペリマンニ!」
「泣いてる君がいるのなら!」「君が笑ってくれるのなら!」
「踊っていくぜどこへでも!」「聴かせてあげるさどこまでも!」
「「助けに来たぜ~~~っ!! お姫様ぁ!!!」」
「……ははっ」
全力で走った。
いっろんな痛みを全部忘れた。宙にあるナインに向けてまっすぐに、まっすぐに。>>548
「───アン!」
「っ!」
背中に呼びかけるだけの響きが届く。
走る私の脇を一気に抜きさって鎖が伸びる。どう見たって鎖のほうが速い。私じゃ追いつけない。
ナインに向かって高速で伸びる鈍色の光と───それを阻むように瞬く、宝石の光を見た。
「……解放(リヴェレイション)!!」
それが誰の魔術によるものかだなんて、考えるまでもない。
瓦礫の山が砂粒ひとつ残さずまとめて浮き上がる。中心にはすべての瓦礫を魔力のみで浮かせてみせる少年の姿。
身にまとった衣装に一切の汚れを許さずに。腕を振る。指で示す。その姿は楽団を率いる指揮者のようだと思った。
一斉掃射。
ことごとくの瓦礫が、指揮者に導かれる雨となって一本の鎖に降り注いだ。
……聖槍、なんて大仰な呼び方をされていた鎖はそれでも止まらない。あと一歩分、私の足より速い。
あと一歩。
あと一手。
ひとつ、あとひとつだけ、なにかがあれば。>>550
「問題なく。マスターより先に倒れはしません」
「よっし!!」
「それは良かった。僕の援軍も到着したようですし、ここから余裕の大逆転勝利といきましょう」
「……援軍?」
「質問します。出入口付近のペリマンニのことですか?」
「ではありませんよ。ほら、あちらに」
メレクが指差す方向。フリッツさんとアンをまっすぐ隔てた向こう側に、人影が3つ。ミッピと、レッタと、あともうひとり。
ラフな格好に釣り竿ケースを抱えた褐色の人。あれは……あれは……!?
「ナンパしてきた人!?」
「ダヴィ・ミーニャと名乗っていたでしょう。どれだけ覚えが悪いのです」
「僕の援軍ってアレ!? ダヴィが!?」
「えぇもちろん。僕の想像通りなら、彼はこの件における大本命ですよ」
何のことやらと問いただす前に、遠い視界の先でナンパしてきた人───ダヴィ・ミーニャが一歩、歩み出る。
「さーあさあ! こんな穴蔵まで宝探しにお集まりの皆様ども! 徒労を繰り返すアンタたちにお届け物っすよぉ!!」>>551
ガシャンと釣り竿ケースを下ろした。
これでもかってくらい意味ありげに大げさに、ダヴィはゆっくりゆっくりとケースを開いていく。
「………は? え?」
ケースの隙間から漏れ出る気配に、とぼけた声が漏れた。
恐ろしく濃密な神秘の情報圧。本能に訴えかけてくる滅びの予感。それこそ、竜にも負けないほどのカタチある神秘。
そんなものがあるとすれば。
いや、まさか、
まさか、そんな、
でも、なら、だとしたら、
ひとつの予想が閃くなか、ついにダヴィが釣り竿ケースから"それ"を引き抜き、高々と掲げて見せる。
その右手に収まるは、一本の赤い長剣。
「アンタたちがお求めの聖杯、兼! 火焔聖杯戦争最後の生き残り! セイバーちゃんは───ここにいる!」
は、
「はああぁああああ!?!!??」さて、〆切ギリギリセウトな感じですが、ルナティック最新話を投下します!
割と切りが良い所まで書けた気がする。薄暗い洞窟の中で、甲高い楽器音が響き渡る。反発し、空間を引き裂くようなエレクトリック・ギターの調べである。種類としては定番のストラトキャスターを魔術的に改造した1本だ。演奏者は、ポルカ・ドラニコル。
軍服のような漆黒のドレスに現代的なエレキギターの組み合わせはアンバランスなようでいて意外に様になっており、カッコいい系女子である彼女の魅力を結構引き出していると言えよう。
魔術師であり調律師でもある彼女が今演奏している目的は、伏神市の聖杯の調整儀式を遂行する為だ。
今迄も定期的に行っていた工程だが、今回が最終調整。コレによって実際に聖杯戦争を開始可能にする。聖杯自体の性能は粗方完成していた部分はあるが、より純度の高い礼装へと昇華を行うのだ。
「ポルカ、調子はどぉ?いつもながら、君の調整は完璧だけど、僕の聖杯はかなりのじゃじゃ馬だしぃ……」
「アアン?なぁに言ってやがりますの?オレの調整能力を舐めないで貰いてぇもんですわね」
朽崎遥に対して、ギターを乗せていない方で膝枕をしているポルカ。彼女の身体は色々な所に堅牢かつ鋭利な竜鱗が生えているが、青年にとってはそれでも安心できる寝具らしい。彼女と会話している間に語尾がフニャフニャになっていき、ついには寝入ってしまった。
「うーん……全く。遥はオレの気持ち、ちゃんと理解してるのかな?聖杯と伏神市の調律に来た日は大体コレ。私に喰われても文句言えねぇと思うのですけれど」
どこかつまらなさそうに呟く彼女。ネクロマンサーは彼女の内心を知ってか知らずか、コンコンと眠り続けている。ソレを見下ろしている彼女は演奏を続け……
「ヨシ、とりあえず聖杯の調整は完了したって所だなぁ。ま、起動自体はしてっから、正直手間としてはそこまで大変って訳では無かったのですけれど。心配性ですわね、遥は」
それはそれとして、と言いながらポルカ・ドラニコルは覗き込んだ表情に顔を落としていった
「仕事の料金とは別に、報酬ぐらいは貰っておくぜ」
そうして、毒蛇と豪猪の唇が重なった。>>557
「やー。悪いね、ポルカ。寝ちゃってる間に僕の魔術回路も整えてくれたみたいで。お陰でなんだか体調もスッキリ!聖杯戦争、頑張れそう」
ありがとね、と笑う遥に対して、自慢げな表情を返すオレ。いや、返せていただろうか。さっき彼の寝顔に頑張った気恥ずかしさで赤面してたり、ニヤケてはいないかな、という事が気掛かりで、上手く取り繕えているかは
ちょっと自信がない。
「頑張れそう、ではないでしょう?私も参戦すんだから、一緒に頑張るんだよ。ホラ、同盟ってヤツだ。そもそも遥はオレの雇い主なんだし、普通に協力してやるっての。ま、召喚できたサーヴァント次第ですけれど……」
そう、私、ポルカ・ドラニコルと朽崎遥は、今回の聖杯戦争においてはなんというか、共闘関係である。
主体は遥、補助がオレ。聖杯という奇跡の結実を自らの手で証明したい朽崎遥と、その手助けを依頼されており、そもそも個人的にも支えたいポルカ・ドラニコルの同盟という訳だ。
あの王様野郎殿に隠していたつもりはないが、ぶっちゃけドラニコル家と朽崎家の関係性は多少調べれば判明する事だし、わざわざ情報提供する程、自分は優しくない。ついでに言えば、自分がそういう立場だからアイツに決着の先延ばしを提案できたという事でもある。遥に迷惑をかけてしまうのはちょっぴり心苦しい気もするが、そもそも先に裏切ってるのは遥の方である。彼が叶えたい望みは、私としては許容できるモノではないので、隙を見つけて出し抜くつもりだし、仮に自分がやられても優秀なマスター候補を連れてこれたのは個人的には僥倖という訳。>>558
「そーだねぇ。サーヴァントが『聖杯への本気度青天井です』って感じなら、交渉とかは難航しそうだしなぁ……。そこら辺は、召喚前の今考えても仕方ないけど」
ただまぁ……、遥が言う通り、今後の予定についてはサーヴァント次第な部分も案外大きいと思う。令呪で縛り付けるのにも限界はあるし、出来れば自分にとって都合の良い英霊を引き当てられればよいのだが。具体的には聖杯で願い叶えるのはそこまで重視してないです!とりあえず戦わせてほしい!みたいな戦闘狂とか、あるいは「マスターの命令には絶対服従ですよ!」的なタイプ。できれば前者が好ましい。何故なら私はお世辞にも褒められた人格ではない自覚はしているからである。後者の礼節弁えてる系だと拒絶されそうです。実際問題、自分を変える気は無いというか変わった後だからどうしようもない、というのが私の性格に関しては正しいのかもしれねーけど。
「だな。とりあえず、できる範囲で交渉するなり、頑張ってみますわね。あー、この後は別々にサーヴァントを召喚するって事で良かったよな?ついでに言えばソッチは聖杯戦争関連の諸々の最終確認で、コッチは伏神市自体の調律、って手筈で合ってましたっけ?」
そう、オレはこの後も演奏(調律)の仕事があるのだ。具体的には伏神市で単独突発ゲリラライブをして街の各地の霊脈を調整し、民衆の皆さんが神秘関連を目撃しても気にならないようにする暗示っつーか、洗脳といいますか……をこの都市全体に施すのである。最近の技術の進歩は著しいからなー、こうやって事後処理だけでなく事前対策もキッチリやっておくのがより良い聖杯戦争の黒幕主催の役割と言えよう。
しかし惚れた弱みとは言え、私大分遥に仕事させられてるのでは……?────出し抜く下地を整えられるからいっかぁ!
「うん、そういう感じでヨロシク。全く、君がいなきゃ聖杯戦争、もっと面倒になってたというかコスト爆増だったから、本当ポルカ様様だよねぇ、ありがとうトップクラス調律師!持つべきものは優秀な共犯者だよ。あ、そうだ、はいコレ」
ケラケラと笑いながら、褒めてくれる彼。正直言って悪い気はしないが、同時に(でもこの人コッチの気持ち解ってて利用するつもりなのよね……)と恨み節が心中を支配するのは否定できない。おっと。>>559
「急に投げんなよ遥。危ないでしょう?んで、コレが例の物ですか?前に言ってた、貸してくれるサーヴァント召喚用の聖遺物って」
若干無造作に放られた巾着袋の口をあけながら、彼に確認する。今回、聖杯戦争の協力者となる対価として触媒を格安レンタルする約束を取り付けたのだ。同盟相手としても、相性召喚なりで作戦に不向きな英霊を獲得するより触媒を利用して強さに担保があった方がマシである。私も遥もロクデナシなので、自分の縁を活用するのはリスク高いよねー、と笑いあったのは記憶に新しい。
「そうそう、えーっと。それはアレだ、円卓の欠片」
────は?今なんと?
「円卓って……まさかブリテンの!?ひゃー、それはまた奮発してくれたモノね……そら円卓の騎士なら誰が出てもアベレージ以上だわ。まぁオレが利用したらどんなのが出るか解らんってのは難点かもしれませんけれど。まずナイと思うけど、もしもの万が一でモルガン辺りが召喚されちまったらどうする?」
「そん時は同盟は諦めよう!ポルカは兎も角、僕は木っ端魔術使いだしね、なんとか宥め賺して、イイ感じに被害を最小に抑えて欲しいなぁ」
稀代の魔女であろうモルガンがサーヴァントになったら結末というか過程がどんな悲惨な戦争になるかは火を見るよりも明らかだ。
「オッケー。ま、流石にありえない可能性だと思うし、普通に騎士が召喚されたら同盟は継続、と。了解把握把握。じゃあ、住民の催眠しに行って来ますわー。なので一旦お別れですわね。なんかトラブったらいつでも連絡して貰えば問題ねーから、そういう感じで」
エレキギターの片付けは遥に任せ、オレは霊脈用の調律器であるベースを背負って聖杯が安置されている洞窟の外へと向かっていった。さぁ、騙し合いと闘争の魔術儀式、スタートだ。ボロ勝ちして最後に総取りしてやりましょう。恋する乙女の実力、見せてやろーじゃん。実際のところ、ダヴィ・ミーニャが吐いた言葉の大半は真実だった。
フィンランドの田舎に仕事で来たのも。
仕事の内容が文字通り"見て帰る"だけなのも。
その仕事の依頼人がアルマソフィアの当主であることも。
すべてが噓偽りなく。彼の背後にはいわゆる陰謀も黒幕も存在していなかった。
見て帰るだけのカンタンな仕事。依頼人がいけ好かない金持ちサマであることを除けばまったく文句のない割のいい仕事。
風情漂う村人たちの家。
楽師たちの集う広場。
偏屈なじいさんが商う店。
リゾートの名を誇るだけはある湖。
いくらかの曰くがあるらしい廃坑道。
なんてことない田舎。特有の文化はあるが、あるだけだ。特筆すべき要素はなにもない。
ハッキリ言ってラクな仕事だった。高密度魔力反応の件こそあれど彼の行動は単なる観光旅行そのものだ。あとは見聞きしたものを伝えればカネが入る。まったく世の中ってのは理不尽なモンで。
だがまぁ、これでまた平穏無事に仕事が終わる。仕事が終われば金が増える。そうすればまた、長く長くチビ共を食わせてやれる。
だからさっさと帰ろうと決めた。>>565
家に帰ろうとした。
その時だ。
今にも泣きだしそうな、子供の声が聞こえたのだ。
「…………」
念のためにと足を踏み入れた廃坑道の地下深く。ダヴィ・ミーニャが仕事用に尖らせた聴覚はそれを捉えていた。
理性が囁く。こんなところに子供などいるはずが無いと。
警戒心が促す。ここの魔術師が残した罠かもしれないと。
経験則が示す。今すぐ帰れば危険はなにもない。『見て帰る』だけの仕事が破綻することもない。
以上の思考を経て結論は出された。
ただちに足を動かす。
声の聞こえたほうへ向かって。
上にある出口へ背を向けて、下へ、下へと。
「……あーあ、バカやってんな俺」
つぶやき、自虐めいた笑みをこぼす。>>566
それでも足は止めない。
とても道とも呼べぬ縦穴は砂と錆に汚れながら下っていく。下り始めてからしばし、見つけた。
後から聞いたことであるが、そこは研究施設の最下層にあたる"廃棄孔"と呼ばれる場所であったらしい。
地下へと進み続けたダヴィよりもなお深い縦穴の奥底に"それ"はいた。それそのものが焔であるかのように揺らめく赤い長剣であった。
『っ……ぁ……』
子供の声は、やはりこの長剣から発せられるものだった。
迷わず廃棄孔に飛び降りる。
狙い通りに子供のそばへ着地した。
『…………貴方、は?』
おどろかせてしまっただろう。こわがらせてはいないだろうか。こっちの声が聞こえるといいのだけれど。
あれやこれやといらぬ心配をしながら、しゃがみこんで、できるかぎりの笑顔でゆっくりと語りかけていく。
「俺は金が大好きなただの傭兵っすよ。……ちょっとお話、していきません?」>>567
◇ ◇ ◇
「……ってぇ言ったのに、結局"お話"から"依頼"になっちゃって、まぁ」
火焔聖杯戦争の顛末。同化によって封印した聖杯。もう一度だけ会いたい相棒。
そんな話だけで依頼という形にしてしまった自分も自分だろうと自嘲するが、その程度で止めてしまえるなら、とっくの昔に仕事の報酬を受け取っているだろう。
「ったく、タダ働きはしない主義なんすけどねぇ」
「申し訳ありません。ダヴィ。わたしには、貴方に渡せる資産がありません」
「あーあーいいっすよ別に。子供にない袖振れと言うほど鬼畜じゃないっすから」
「こ、子供……」
「子供っすよ。俺にとってはね」
そうと思ってなければ報酬のない依頼など引き受けるものか。
いいや、いくら積まれても『限界寸前まで溜まりきった魔力リソースの処理』など傭兵の受ける仕事じゃなかった。真っ当な魔術師でもない自分に手順から結末まで丸投げするなんて正気の沙汰じゃあない。
まあ、そっちの仕事はやりきったわけだが。ひどく乱暴で大雑把な手段で。
「……ありがとうございます」>>568
「んー? まだ依頼は終わってないっすよぉ?」
「それでも、ありがとうございます。子供にやさしい傭兵さん。貴方のおかげで、ここまで来れました」
「───へっ」
面映ゆいったらありゃしない。
言葉で返したりはせず。返事代わりに、担ぐようにして最低最悪の雇い主殿を右肩に構える。
遠く、小さく見える向こう側に雇い主殿の愛しい王子様が見える。その中間で阻むように佇む竜の姿も、また。
「本当にいいんすね? 言われたよーにまっすぐブン投げますが」
「構いません。私のマスターが必ず受け止めます」
「そりゃ結構。んじゃまァ、仕事納めといきますか!」
せめてもの気合と祈りを込めて。
力いっぱい、傭兵はひとりの子供を送り出した。>>569
◇ ◇ ◇
ダヴィがレーヴァテイン……セイバーを、思いっきり投げた。
突然の暴挙に、ただひとりを除いた全員が動揺した。
セイバーはその赤い長剣の内側に、聖杯を封じている。誰の手に渡っても危険なそれを、平然と手放した。
ぶんぶんと回転しながら私たちへ向かって飛来する。が、その軌道上には、この場で最も強い竜が立ちふさがっている。
竜が目の前の宝を見逃す道理もない。
宝を奪わんと竜が両脚に力を込めて飛び掛からんとする。
けれど、一瞬。
ほんのわずか。まさに一瞬だけ、竜の身体が止まった。
ナインは見た。
竜の足元にすがりつく人間の姿を。恐れず立ち向かうちっぽけな小石を。この世の誰よりも"カッコいい"だった師の姿を、視界と魂に焼きつけた。
動揺はなく、さらに一瞬の時間がある。ならば、この一言には充分すぎる。
「令呪をもって命ずる───」>>570
最初に、竜の隣に立つ魔術師が言葉の意味に気づいた。
次いで、そばにいるマスターとその相棒が真意を悟った。
なおも、振り回されているだけの竜はその行為を理解しておらず。
最後に、ここまで彼女を送り届けてくれた傭兵の姿に万感の感謝を込めて。吠えた。
「───来いっ!! セイバァぁアアアッッ!!!」
令呪。己がサーヴァントに対する絶対命令権。10年前の火焔聖杯戦争でも使いきらずにいた最後の一画を切る。
顔部に残った赤い線がにわかに光り。単純極まる命令を強引な形で達成する。
ごく短距離の空間転移。魔法にも迫るとされた荒業を竜の蹄から遠く離れ……ついに、ああ、ついに。剣は主の手へと収まった。
子供のような小さな体躯に、不釣り合いな赤い長剣。
しかし不備も不足もない。あるはずがない。一方が振るわれる為に造られ、一方が振るう為に造られたこの2人に、そのようなものなど、欠片ひとつとて存在しない。
「マスター」
「なに?」
「命じて、ほしいです」
「気合入れろって?」今日行けたら3話脱稿して投下したいところ
そんで新ハロウィン絵を1枚でも描きたいっすねえ
>>552
ペリマンニィィィ!!!
いやマジで鳥肌立ちました。神回です。
色々な点を見るに最悪ヤバい展開も覚悟してましたがペリマンニが変わらない雰囲気で来た時マジで泣きそうになりました。本当に陽気なペリマンニだよお前らは…
やっぱり反撃展開は滅茶苦茶気持ち良いですねえ
>>574
ダヴィさああああん!!!
最初いけ好かねえ怖そうな野郎と思ってごめんなさい…子供の助ける声を見逃さずに手を差し伸べるとかお前本当にかっこいいよ…
そして来い!!セイバー!!はやはり最高ですわ。王道ですがやっぱり最高です
連続更新で感想と情緒が追いつきませんでしたが、本当に最高な連続更新でした。最高です
>>564
了解です、俺もいつでも行けますよー>>575 >>576 >>577 >>578
ほいほい了解です。大体はレイド戦移行の流れで良さそうですね
各陣営の動きや具体的にどう進めていくかを決めていくのは中納言さん待ちとなりますが…
>>575
フッ……(意味深な笑み)
まあでも無傷で立ち上がってくるみたいなことはありません。この戦いはこれで終わります
本当に本気でやってくれました。いてくれてマジでよかった
>>577
ダヴィ・ミーニャは今回の裏MVPでした。超重要人物です。いないと始まった段階で終わってました
ないですないです。ご安心ください。VSドラゴンなボス戦はちゃんと終わっております
>>578
ペリマンニ助っ人シーンはずっと書きたかったところなのでそう言ってもらえてうれしいうれぢい
登場シーンがなんかナンパしてくるチャラ男でしたからねぇ……印象を変えられたようで何より何より
頭爆発しそうになりながら書きまくったかいがありましたやっと前振り終わって次回から本番入れますわ…
今夜帰ったら3話投下しますー
p.s. 今ツイッターで話題のマックのダ◯チ食べ美ちゃんのコスをする海月ちゃんを描きたい俺VSネット文化精通設定をやりすぎると海月ちゃんがアカン領域まで行って取り返しつかなくなるかもしれんぞと制止する俺で修羅場ってますオイ、俺のSS保存ファイル!!最新話投げるのかい!?投げないのかい!?どっちなんだい!!?
投げるーーーッッッッ!!
という訳で投げます
前回 >>499ジャスミン達がカステラと色々あった早朝の少し後。集積船、居住区。
停泊期間で、多くの船員が出払って早々。
その事件は起こった。
通報があったのは、集積船の居住区画にあるその店。
そこを目的地として、集積船の人気の減った通路の中を、3人の騎士達が気持ち足早に歩く。
「いやぁ、まさか停泊期間早々任務になるとはなぁ…」「キュキュウ」
「…まあ、そんな大事にならなそうなのは幸いかもですね」
「おい、ロイド、裂夜。気持ちは分かるが気ィ抜くなよ」
「了解」「はい…」
統率してる長身の男、レリックが、後ろの二人を嗜める。先達の厳しい言葉に、奇妙な小動物を連れた青年、ロイド・クラークと刀を携えた青年、三峰裂夜の二人も改めて気を引き締めた。
彼らはワイルドハント騎士団。集積船の治安維持を目的とする、独自の組織。
そして、その活動は、例え停泊期間でも決して緩む事はない。有給で外出してる団員もいるとはいえ、此処にいるロイドや裂夜は遠征する事なしに鶴水に留まるつもりで、レリックに至っては今まで停泊期間でも船の停泊地から離れた事はおろか、船を出た事すら多くはないのだ。
それも、船の治安を守るため。
人が出払い、休暇の時期である今だからこそ、気を抜く事は許されないのである。>>582
「……ここだな」
そして、三人は足を止める。
居住区のある区画に存在する、商店。そこが通報の根本であった。
『本日、昼より開店』という注意書きがあるが、今はまだ早朝だ。通常期間なら、人が寝静まっている頃でもある。
それなのに、声が聞こえる。
「オラァ何やっとんねん!!!気合い入れろや!!」
「オラオラまだ行けんだろ!!」
怒声が、聞こえる。
「よっしゃやったれやったれ!!!行けるで行けるでェ!!」
「決めろ決めろ!!!」
「俺はそっちに賭けてんだ!!」
「カマしたれカマせぇ!!!」
多くの人が帰省した故か、いつも以上に声が響き渡る。
それが叩かれる音。響く怒声。
数多の不良達と、それを束ねる男の声が———その戦いを野次る。
「はぁ……」
一つ、溜め息をついて、レリックは。鍵の掛けられた扉に手を掛け——
無言で、魔眼でロックを開け、ドアを開ける。>>583
「…!!」
店の中は、準備中にしてはやけに騒がしい。
灯もついているし、やけに旨そうな匂いや、酒の匂いまでする。
そして、店の奥に見えた。騒がしい、盛り上がりの正体は。
「っしゃ日本の逆転勝ち金メダルやァ!!!」
「だから言っただろお前さんらー!!このマレオ様の神託によればこっちが勝つって!!」
「…実質ネタバレじゃないっすかそれ」
「カーッ、そういう野暮なコトは気にすんなだよ気にすんな!!俺様マレオ様への信仰が足りてないぞー!!」
大画面テレビに映っている、スポーツ画面。
それを見ながら、飲食に興じている不良生徒達とそれを纏め上げる男、巽剛。そして海神マレオの姿だった。
「……」
「ヒャーッ!!バーベキューしながら見るオリンピック観戦はいいッスねぇ!!」
「ゴチんなってます!!いやマジで!!」
「ええんやええんやドンドン食ったれ!!4年に1度や、オリンピック見ながら飲むなんてそうそうできへんからのぅ!!巽商店在庫大出血解放・秘密の早朝オリンピック観戦バーベキュー大宴会祭りやァァ!!!」
「しゃァァァァァァァァ!!!」
盛り上がる不良達。しれっと混ざっているマレオ。一部の陽気な職員まで朝っぱらから酒を飲んでるときた。
「…早朝から何してんだテメエらああああ!!!」
だが、それがレリックの逆鱗に触れた。>>584
瞬間、熱が凍りつく。男達の熱狂が、一瞬で絶望の悲鳴に変わる。
「げぇっ騎士団!?」
「よし全員スクラム組め!!抵抗や!!!マレ坊も手ェ貸…あれ?」
「…マレオなら台車で逃げたぞ」
「なんやてェェェェ!!??」
検挙(じゅうりん)が、はじまる。
早朝から集って秘密の宴を開いていた男達を、一人の騎士団は数の差などものともせずに制圧していく。抵抗しようとスクラムを組む不良達の膂力をたった一人の力で易々と突破し、簡単に元締めの男である巽商店店長、巽剛の身体を確保した。
ガチャン。
次の瞬間、店のドアに鍵が掛けられる。
巽が閉めたのではない。レリックの魔眼によって、決して開く事が不可能な錠が入口に掛けられたのだ。
ちなみに、このロックはレリック自身の魔眼でなければ開錠不可能である。
———即ち、彼らに逃げ場は無くなった。
「よぉし検挙だ、今日という今日は覚悟しろよお前ら!!」
ギャアアアア!!!
野太い悲鳴が、出口の消えた店から断末魔として響き渡った。
「「……」」
その入口の前で、二人の後輩は棒立ちになり。無言で数秒たった後に、顔を見合わせる。
「平和だなぁ…」
「そうですね…」>>585
ロイドと裂夜は、呆れた面で苦笑し合う。ロイドの肩にいる謎の生物、アルマも「キュキュウ」と鳴いた。同調しているのか、はたまた異論を唱えているのかは分からない。
まあ、治安維持としては問題案件ではある。早朝から馬鹿騒ぎをしているとなれば、そりゃあ出動して鎮圧するのも当然である。
だが、本物の緊急事態ではない。
元締めである巽剛は、不良や学園で馴染めなかった者達の味方として受け皿となっている。元々魔術師の学園として動く以上、どうしても外れてしまう者はいる。通常の学園ですらそうであるのだから。
それらを沈静化させ、更生させ、味方をする活動。船を支える正統な組織には入っていないものの、その振るい落とされた者の味方をする活動自体は船の秩序にとって幾許かは助けになっているのは事実だ。それはロイドも裂夜も、レリックですら認めている。
あとは秩序と混沌の問題だ。少しばかり完璧な秩序から外れてでも受け皿として動こうとする者と、船の秩序を、厳格かつ確実に護ろうとする者。
互いに認め合ってはいるものの、譲れない一線。
「まあ、こういう程度の騒ぎなら平和だって感じはするよなぁ」
ロイドは笑い、裂夜も頷いた。
別に誰かを虐めてたりしてる訳ではないし、誰かが被害に遭ってる訳ではないので、鎮圧とはいえ気を抜いて行えるのだ。
麟ノ助が期せずして生み出した動く「絵」。マレオの奇行によって生み出された巨大ダイオウイカ等の怪生物の暴走。そして、稀に時間外にこういう事をする巽会の不良達。最近の船の表層で起きたハプニングといえばその位だろう。
中枢で言えばもっと色々あるのだろうが…少なくとも、表においては船員達が害される事は起きていないのだ。
だからこそ、平和だと思える。
故にこそ、この平和と秩序は守らねばならない。
この船の平和は、守らねばならない。
その為に、ワイルドハント騎士団はいるのだと、彼らは思う。
そう自答し、ロイドと裂夜は改めて気を引き締めた。>>586
コツ。コツン。
「?」
と、その時。後ろから、重い荷物を伴った足音が近付く事に、二人は気付いた。
後ろを向くと——
「ふぁあ、眠い……あ?」
「凌牙君じゃないか。おはよう」「キュウ」
「…おっす。」
凌牙が、此方に歩いてきていた。何やら異常に巨大なリュックと荷物を抱えながら。
挨拶を掛けたロイドに対し、欠伸をしながら挨拶を返す。そこに裂夜が質問を加えた。
「やけに大きい荷物だね。凌牙君もどこか行くんだ?」
「……日帰りのつもりだけどな。その辺の山で、キャンプするつもりだった」
「成程、キャンプか。良いなぁ」
裂夜は、納得したように頷く。
彼の過去に踏み込んで詮索するつもりは二人には無いが、元々山の生まれだった事は知っている。彼が船に来る前に山を転々としていた事も。
同時に、彼は意外にも料理好きである。騎士団の巡回をしている時に、甲板で一人で鍋を持ってきてカレーやチャーハンを作りながら黄昏ていたのを何度か見た事もあった。まあ、時間によっては消灯時間外の活動を許さないレリックが容赦なく追いかけ回して捕縛されていたのを何度も目撃したが。
その二つを繋ぎ合わせればなるほど、キャンプ趣味も道理である。>>587
「一人で行くのかい?」
「そうだよ、別に俺が一人なのは変じゃないだろ」
「…うん、そういう事にしとこうか」「キュッ」
「…ンだよ」
ロイドが、少し揶揄うように言う。怪訝な視線に刺されるが、最早彼が根っからの一匹狼ではない事くらい騎士団も認知している。
カステラに飯を作ってる時に無理矢理同席されたり、キラキラしてる目をしていたムジカの食欲を断りきれずに少し食わせていたのを目撃しているのだから。
まあ、それはともかくとして。
「商店に用なら、今はやめといた方がいい。取り込み中だからな」「キュウ」
「あ?あ、あー……そっか、アレで店空いてないのか。タイミングミスったな…」
(飲み会やるの知ってたんだ…)
疑問の目が、即刻で何かに気付いた納得の目に変わり、それは溜め息に変化する。違和感と言うほどではないが気になったので、職質ではないがロイドは質問を重ねる。
「…飲み会に入りに来た、って訳じゃなさそうだな」
「別に、頼んでた品を取りに来ただけだ。…昨日取りに来るのを忘れてたモンがあったんだよ」
珍しく、消極的な表情で目を逸らす。怪しくはないが、少し気になる。そう、騎士団達の見解は共有せずとも一致した。
「成程……それなら言ってもらえたら、俺が代わりに取ってくるよ」
「!」
「そうだな。降りれるようになった訳だし、待たせるのも悪いからね。断らなくていいぞ」
裂夜の提案にロイドが乗る。別に今日はやましい事はなさそう故の気遣いだが、当の本人はまだ、迷うような、悩んでるような顔をして「どうすっか…」と呟いていた。いつもなら断るにしろ乗るにしろ即決する彼だからこそ、珍しく。かつ、不審でもあった。>>589商店のドアが、一瞬だけ開く。内側から漂う妙に物々しく重い空気が伝わるが、平然とその中に入り、数秒後に出てきた裂夜もやはり騎士団メンタルなのだと思わされる。
「はい、これだよね?」
「……助かった、アザス。」
目を逸らしながら、お礼が呟かれる。いいんだよと笑いながら、ロイドは頷いた。
「…そんじゃ、行ってきます」
「うん、いってらっしゃい。大丈夫だろうけど、気を付けてね」
「こっそり酒飲んだりするんじゃないぞー」
飲まねーよ、という返答が小さく帰ってくる。巨大な荷物を抱え、商店を後にする生徒に二人は手を振った。
「……それにしても、花かぁ。あまり恥ずかしがる事も無いと思うけどな」「キュウ」
「まあ、確かに……あっ」
ふと、裂夜が何かに気付いたかのように声を漏らす。
(———もしかして、お盆?)
「どうしたんだ?」
「あ、いや……」
言おうとは思ったが、すぐに思い留まる。流石に、これはセンシティブな話題だ。本人の望まない場所でこれ以上過去を詮索してしまうのも、よくない。そう裂夜は考え、口をつぐんだ。
「…終わったぞ」
その時、戸の開く音と共に声が響く。振り向けば、商店の入口のドアギリギリの身長のレリックが溜め息をつきながら出てきた所だった。
「…すいませんでした……」
同時に、屈強な船の男達が一人、また一人と肩を落とし帰っていく。花を取りに一瞬だけ開けてもらった時の恐ろしき気配といい、レリックの容赦のない折檻に襲われたのだろうとロイドは一瞬で察した。>>590
「……また、随分派手にやったなあ」
「当然だろ、それが仕事だ。まして夏休みの始まりだ、羽目を外す奴が確実に出てくるのは織り込み済みだったんだよ」
「まあ、確かにそれは道理だな」「キュウ」
溜め息を吐くレリックにロイドは同調する。意識が高いのは事実だが、それで船の日常の秩序を守る要になっているのも事実である。そう、ロイドは考える。
「そういや、そろそろ生徒は出始めた頃か?」
「はい。もう船員の半分は降りたと連絡が来ました。」
「……そうか。」
裂夜の説明を聞き、レリックは頷く。頷き、手袋に包まれた手で眼鏡を触る。
目を瞑り、一つ、息を吐く。
「レリックさん?」
「…いや、何でもねえ。俺達は、船を護る。船員を護る。ただ———
———船員の誰にも、何事も起きないで、無事に戻ってきてほしい。そう、思っただけだ」
そう呟く彼は、一瞬だけ、普段の厳格さは潜まったように見えた。
「…そういえば、カステラとほたるちゃんも出たらしいって連絡が親御さんに来たってさ」「キュウン」
「……それはそれで何事もなけりゃいいんだがな…主に健全面で…」>>591
水上と地上を繋ぐスロープを降り、着地する。
水上を浮く地面の感触が、昔から慣れた地面そのものの感触に変わる瞬間の感覚は、やっぱ慣れねえ。
ただ、地上の空気ってのは、海と違った空気の良さがある。案外久々に吸うと悪かねえな。そう、足を着いた瞬間感じた。
「ふぅ…」
「あれ、凌牙君。貴女も今降りたの?奇遇ね」
「げっ」
後ろから、聞き慣れた、余裕のある奴の声がした。気を抜いた全身に、一瞬で力を入れる。
振り向くと、俺のキャンプ用品並のデカさの荷物を持ったジャスミンの奴がいた。
「『げっ』って何よ、挨拶しただけなのに」
「…いきなり後ろから声掛けられたらビビるだろ」
「…でもげっはどうかと思うわよ。傷つく」
「あー分かった、悪かったよ!!」
ムッとした顔のジャスミンに食い気味に謝り、この空気を切り上げようとした。ミスったとはいえ、女子のこういう流れは結構そのままにすると面倒臭え。とりあえず…話題を変えるか。
「…つーか、ヤケにデカい荷物持ってんな。残るんじゃなかったのかよ」
「ああ、これ?日帰りよ、今から海月ちゃんとムジカちゃんとで人形劇をやりに行くの」
「へえ…」>>592少し驚く。コイツが人形劇が好きなのは嫌と言うほど知ってたが、停泊期間に人前でやるってのは初耳だった。
どうやらそれが顔に出てたらしい、ジャスミンはニヤニヤした顔で俺に言葉を足す。
「興味ありそうね。凌牙君も一緒に来る?」
「遠慮しとく。前人形使うのは向いてねえ的なのをぬかしてたのは何処のどいつだって話よ」
「別にそっちじゃないし。役割は決まってるし、せいぜい設営手伝ってくれたら助かるかなって思っただけ」
「楽してえだけじゃねえか」
「人形操りたかった?」
「…いや全然」
「でしょ?まあ冗談よ、間に受けないで」
……負けた。言い返せねえ。
「それで…凌牙君はキャンプ?」
「…そうだよ。来てもいいが、生憎こっちも自給自足で食料取って飯作るつもりだから疲れるぜ?」
「別に行くつもりはないけど」
「そうかよ…」
意趣返しが通じねえ。憎まれ口でも強いとか本当にどうなってんだコイツは。
ああク.ソ。負けた事実にもヤケに張り合ってる自分の両方にも溜め息をつきそうになる。つーか駄目だ、このままだとあっちのペースに流される。
「……いいや。とりあえず、俺は行くぞ」
「そうね。私も二人が待ってるし、行かなくちゃだから。また後でね」
そう言ってジャスミンは、改めて大きめのバッグを抱える。俺は、それを重そうだなと傍目に思いながら、歩き出そうとした。>>593
「——あと、この前は、ありがとうね」
チラッと聞こえたその言葉に、聞こえない振りをしながら、歩き出した。以上です
ようやく鶴水突入だああああ!!!!(咆哮)
とりあえずこれでメインの役者は大体揃いました。正直微妙な回が続いてたかもですがキャラを顔見せする為には必要だったのでね…ここからギアを上げます…
本当はもう少し船側を沢山出したかったけど無理でした。詰め込みすぎるといつ終わるか分からんので…ただその分狭くちょっと深めに描写をしていきたい所存。
とりあえず今回主に出したキャラは大体活躍させようと思ってます。海月ちゃんとムジカちゃんは日常パートとか(ネタバレ)で結構動きますし、巽のおっさんも中盤辺りで1つ、コイツにしかできない仕事をするかもしれません。絶妙に使いづらい微妙なポジションかもしれなかったコイツを作った決定的な意味ってコレだったかもしれんってのがね、あります。
とりあえず次回からはジャスミンちゃん側パートが始まります。まだ平和部分ですが一体どんな出会いがあるのか、何をするのか、そして一体どんな事態が起きるのか。お楽しみに。
とりあえずよければ感想お願いします…!言い忘れてましたが一応、次回から展開が本格的に動きます
え!?明日までにハロウィン絵を!?
できらぁ!!
という訳で速攻で描きます。ハロウィンが絶対に似合いそうなあの妖精ちゃんを描きたい
>>597
やっとですね…洛陽ショックから立て直そうと企画立てた後にキャラ設定もストーリー展開もメインの流れすらも何度も没って作り直して2年掛かってようやくですよ。ずっと書きたかった物がようやく書けます。絶対面白い展開にしてやりますよ
そうですね…下船先メインではあります。組織側のキャラとか描写を書くのが結構苦手っぽい+この状況で組織の動きとか思想とか色々考えたらとっ散らかりそうって思ってしまったりとかで不安にはなってたり
ただ序盤は鶴水市での色々がメインですが、途中からは船側の方も積極的に舞台にしていきたいと思ってます。敵の都合上無視はできませんし、全力で向き合おうかと
あとカステラ君のデートはあれです、納言さんが去年辺りに書いてたほたるちゃんとの蛍狩りデートSSと時系列を繋げさせていただきました。東京周辺ってのも一致してますし、停泊期間繋がりで折角だから繋げさせてもらおうって訳です。そして久々にFate/NCの続きも投下しますねー
>>600
(前回までのあらすじ)
令呪をもって命ずる!やっちゃえセンパイ!
「がっ……!」
メンテ―の大盾が胸元を貫き、コピーが血を吐く。
コピーの手元から大盾が離れ、そのまま床に音を立てて転がった。
最も、転がったのは大盾だけでは済まなかったのだが。
「……」
鈍い音と共に、両断されたコピーの上半身と下半身が転がる。
エーテル体のサーヴァントといえど、その性質は生身のそれと大差ない。同等、あるいはそれ以上の神秘で殴られれば血も流れるし傷もつく。
まして大質量の鉄塊を叩きつけらればどうなるか――今更説明する魔でもないだろう。
「――――」
恨み言は、なかった。
憎悪をぶつけるでも、呪詛を吐くでも。オリジナルへ何か言い遺す事すらなく。
ただ、全てを吐き捨てるような笑みだけを浮かべたのを最後にコピー・メンテ―は事切れた。
「センパイ!」
完全に息絶えた事を確認し、メンテ―は一度だけ、静かに黙とうする。
そこへ決着を見届けたフェリーペが駆け寄った。>>601
「……怪我は、ないか? 後輩」
「ああ、大丈夫だ。センパイが護ってくれたおかげで傷一つない。その前の負傷も、だいぶ良くなってきてる」
「そうか。なら、よかった」
「――っ!」
安心したように笑みを浮かべるメンテ―。
その顔を見た瞬間、フェリーペの胸に熱いものがこみ上げ――気づけば、メンテ―の事を思いっきり抱きしめていた。
「こう、はい? 何を」
「よかった。センパイが無事で、本当に……!」
当惑するメンテ―を他所に、フェリーペは全力で抱きしめる。
疑似サーヴァントの身であるメンテ―からすればたかが知れた、けれど決して振り解く事の出来ない力。
明確に震え続けるフェリーペを、メンテ―もまたそっと抱き返し
「……すまない。迷惑、いや心配をかけてしまったな後輩」
「セン、パイ」
「大丈夫。私はもう、大丈夫だ。だから――気が済むまで、そうしてくれていい」
今だけは状況を忘れ、二人だけの時間を噛み締めるフェリーペとメンテ―。
黒野と加々見もまた口を挟む気にはなれず、顔を見合わせながら無言でそっと離れようとして――
『もしもーし! あっよかった! やっとつながったぁ!』>>602
直後、特大の邪魔が割って入った。
『いやー突然通信妨害が消えたから驚きましたよ! 「塔」の中に入ってからは全然繋がりませんし、バイタルサイン以外伝わってこないから生きてるのは分かってても不安で不安で……! ですが、ご無事で何よりで――――おや?』
「「「「……………………」」」」
四人から向けられる視線に、通信先の人物――シオンがようやく口を止める。
彼女に落ち度があった訳ではない。それは、この場にいる四人も分かっている。
むしろ理由はどうあれ通信が回復したのは喜ばしい事でもあるし、何より状況再確認と情報共有の為に優先せねばならない事案だった。
だが、それでも。それでも、この場にいた四人は奇しくも思いを同じくした。
――もうちょっと、もうちょっとだけ待ってほしかったなと。
『コホン。何やら良い雰囲気だった所を失礼……ですが、その上で改めて確認させてください。フェリーペさんのすぐ傍にいる貴女、もしかしなくても「本物」のメンテー・プルトランプでよろしいですね?』
「……ああ、そうだとも」
『それは何より。――では、引き続き状況の確認を。具体的には、ここまで何があったかをご説明頂けないでしょうか?』
そうして、シオンとの間で情報共有を図る事しばし十数分。
短くも長いとは言い難い間に、一同は多くの出来事を分かち合った。
「そんな、ジルさん……!」
「俺たちが駆けつけた時には、既に事切れていた。あと少しでも早く駆けつけていられれば、あるいは」
「黒野」
「すまん、言い訳だったな。とにかく、お前のせいじゃないフェリーペ。ジルの奴も間違いなくそう思っているし、何より……あいつは、そう思われるのを一番嫌う奴だった」>>603
遠くを見るように、黒野はもうここにいない『誰か』を想う。
その姿と言葉にフェリーペもまた引きずる事を止め、少しずつでも切り替えていくよう心掛けた。
「すまない、私がむざむざ敵の手に落ちていたばかりに……」
「――その。一体何があったんだ、センパイ? 俺とはこの特異点に来た時から離れ離れだったし、ようやくまた会えたと思ったら偽者だったりカプセルの中だったり」
「だろうな。困惑するのは分かるよ、後輩。だが――私としても、何があったのかと聞かれると難しい所なんだ」
そうして、メンテ―は語り出す。
この特異点に来て、自分の身に起きた出来事を。
「気づいた時、私は四方を壁に囲まれた空間の只中にいた。通信も繋がらず、お前の姿も見当たらない。ひとまず情報を集めようと、探索を試みたが」
『そこで、あの複製体に襲われたと?』
「いや。もっと得体の知れない何かだ。シャドウサーヴァントにも似ていたが、背格好や雰囲気はまるで違うものだったような……」
「サーヴァントって……おいおい、あんなのの同類がまだうろついてるっていうのかよ?」
「けど、そんな化け物今まで出くわした事なかったんちゃう? 少なくともうちらは見た事ないで」
フェリーペも記憶を遡ってみるが、それらしき存在に心当たりはなかった。
ひとまずメンテ―の話に戻り、聞き続ける事にするが
「そいつらの襲撃を切り抜けながら、私は外に繋がりそうな出口を片っ端から探した。だが――無駄だった。どれだけ走っても、どれだけ壁をぶち抜いても、まるで終わりが見えなかったんだ」
『空間魔術の一種ですかね?あるいはそういう風に見せかけた幻覚か何かか……』
「いずれにせよ、あの時の私はひたすら孤立無援で戦うしかなく――そうしてとうとう力尽きた。行けども行けども終わりの見えない迷路に、身体の方が音を上げてしまってな」>>604
メンテ―の脳裏に、当時の記憶が蘇る。
倒せど倒せど押し寄せてくる得体の知れないエネミー。救援の当てはなく、その希望もない。出口も突破口も見えない戦いはメンテ―を追い詰め、昏倒にまで追い込んだ。
最後に目にしたのは、倒れ込むメンテ―に目掛け手を伸ばすナニカ――
「センパイ」
「っ」
唐突に、メンテ―の両肩をフェリーペが掴む。
どうやら知らぬ間に震えていたらしい。こちらを覗き込むフェリーペの顔には心配の様子が見て取れた。
「その、あまり無理しなくていい。落ち着いて、ゆっくり深呼吸を」
「……ありがとう、後輩。だが大丈夫だ、少し嫌な事を思い出しただけだから」
「けど」
「大丈夫、だと言ってるだろ。これでも結構タフな方なんだぞ?私は」
「センパイ……」
再び二人だけの世界に入ろうとするフェリーペとメンテ―。
それらを眇めた目で、しかし口を挟む事もなく黒野たちはじっと見守っていた。
コホン、とメンテ―が咳払いし話を再開する。
「その後の事は後輩、お前が見た通りだ。私は敵に捕まって、あのカプセルに囚われたままずっと監視されていた。逃げようにも指一本動かせず、ただ意識だけがはっきりした状態でな」
「意識だけ……って事は、俺とコピーの会話とかも聞こえてたり?」
「もちろんだとも。何なら、お前が来てくれたおかげで脱出できたともいえるしな」
「えっ」>>605
「えっ」
「ほら、あの時令呪で呼びかけてくれただろう? アレが私の身体を縛っていた術式だか何だかを破るきっかけになって、後はこう――まあ、ノリとその場の勢いだ!」
「いやノリって」
「なんか急に雑くないか?」
『まあサーヴァントの皆さんは時々そういう所ありますから。疑似であってもメンテ―さんも似たような所はあるんでしょう、多分』
ともあれ、ここに至るまでのメンテ―の経緯はおおよそ把握できた。
後は肝心要の、この特異点を生み出した黒幕に関してだが……
「――そういえば、その黒幕の事なんやけど。結局アレってさっきまでやり合っとった『あいつ』の事でよかったん?」
加々見が床に転がったコピーを指差す。
ホムンクルス、あるいはそれに近しい別の存在故かコピーの骸は消滅する事なく残り続けていた。
『それは――』
「いや。恐らくだが、その可能性は低いだろう」
何か言おうとしたシオンを遮り、メンテ―が否定する。
「センパイ、何か知っているのか?」
「ああ。……説明するより、直接見せた方が早いな。こっちに来てくれ」
言いながら、メンテ―は部屋の奥――自身が囚われていたカプセルの向こう側――に向け足早に移動する。
そのまま、何ら変哲のない壁の前で立ち止まると。
「ふんっ!!」
勢いよく大盾を振りかぶり、メンテ―は眼前の壁へと叩きつける。>>611
感謝……!!感謝のハッピーハロウィン……!!
「妖しい」なんてあやふやに過ぎるオーダーにしっかり応えていただいて私はもう、おおもう、感謝感激管楽器にございます
レージュさんの描いてくれるルナは目の奥にバケモン宿してそうなところがめちゃくちゃ大好き……すきぃ……それではやる気もMAXになりましたところでハロウィンとまったく関係ない冒険旅行記の続きといかせていただきます!
GOGOGO!!竜がそばにいた魔術師と一緒に裂けた地底へ落ちていく。
みんながその行方を目で追う中、私はひとり、空を見上げた。赤い光が差し込んでいる。沈まぬ陽、白夜の光だ。
なぜか、その光を見上げて、ナインの戦いは終わったんだと直感した。
セイバーと再会して、ペリマンニたちにも見つけられて、聖杯を狙う不届き者も撃退した。
10年前から続いていたという火焔聖杯戦争の幕引きには、これ以上ないと思えるタイミング。きっとそれぞれが抱え続けた想いを言葉にして、少しばかりの心残りを振りきってお別れをする。
そうしてこのフィンランドで造られた神秘の数々は眠りにつく。
後に残るのは、楽師たちの愉快な音楽と踊りだけでしたとさ。
これにて終幕。ハッピーエンド。めでたしめでたし。
くそくらえ、だ。
◇ ◇ ◇
「殺.す気かボケがぁーーーっ!!」
クリストファー・クライの絶叫が響き渡る。つい直前まで瀕死の身体で竜を食い止めていたとは思えない元気っぷりだ。すごいと思う。>>614
「おゥいナイン野郎! 俺がいるのを確認しながらブッ放したな!?」
「肯定します。師なら避けられると信じて撃ちました」
「避けたがな! 避けたがよ! お前ら2人はいつまでも危なっかしいなオイ!」
「師匠のおかげです。私にも、セイバーにとっても」
「ああそーかいそーかい……オイ、セイバーのヤツは?」
「……先を越されたようです」
その手に残る赤い長剣。そのカタチはまだ保たれていたが、内側に満ちるなにかが決定的に欠けているのを感じていた。その剣に、セイバーはもういない。
悲しみはしない。最後の一撃は、そうなると理解した上でのものだったから。
あれこそがセイバーの第三宝具。北欧神話の滅びたるラグナロク。そして、レーヴァテインという存在の最期を表すもの。
使えるのはたったの一度きり。ひとたび振るえば、セイバーは……
「なにしんみりしてやがる。お前もすぐ後追いかけンだろが」
「……はい」
「俺ともこれでオサラバだ。男の別れだ、言葉はいらねぇぞ」
「……はい。あの、師匠」
「いらねぇっつったろ。ンだよ」
「私は、『カッコいい』になれたでしょうか?」>>615
「はっ」
この期に及んでなにを言うのやら。
小さな身体を上から下までじっくりと見下ろしてやる。手足のないホムンクルスに、クギだネジだを混ぜ込んだ身体は、今やボロボロだ。
どこを見たって赤錆と砂ぼこりにまみれて、あちこちがひび割れたりひん曲がったりでひどい姿を晒してる。
自分の脚でたつのもやっと。手には再会を果たした相棒の亡骸。ああまったくなんてザマだ。芋虫みたいに這うだけのガキが、よくもまぁ。
こんなヤツがカッコいいかどうかだと? ンなこた言うまでもないだろが。
「鏡でも見てろバーカ」
「……えっ? あの、それはどういう」
「いいからさっさと行け。お別れをしなきゃヤツが、あとひとりいるだろ」
「ぁ……」
「見ろ、お前らの割った裂け目からペリマンニどもが降りてきてる。邪魔されちまうぞ」
元々、この騒ぎは気づかれていたのだろう。ペリマンニの双子が来てることからもそれは明らかだ。
地上から何事かを叫びながら一人二人……ぞろぞろ続々と降りてくる。あいつらがここに集まってしまえばすぐにでも自分たちの負の遺産を清算するために動くだろう。
その中には当然ナインも含まれる。ナイン自身もそれを望んでいる以上、遠ざけることもできない。
残り時間はもういくらもない。>>617
一瞬だけナインから視線を外して奥を見る。クリストファー・クライが見えて、さらに奥にダヴィと、ミッピと、レッタ。いずれも距離があってすぐには対応できないだろう。
天井にできた裂け目を見る。複数の人影が降りてきていた。その先頭にいるのは小柄ながらもたくましい身体つきのペリマンニ───アントンじいさんだ。
村一番のペリマンニが率いているならあそこに見えている人影はぜんぶペリマンニだと思ったほうがいい。あれぜんぶがペリマンニで、楽師で、魔術師。
ってなると、厄介だなぁ。
「マスター!」
呼び声に反応して視線を戻した。ナインがすぐそばにいる。
セイバーの形をしていた聖杯と一緒に。
「ん、お疲れ、ナイン」
「マスター……マスターも、とても、」
「私も、ってことはないよ。私が頑張るのは今からだから」
「? まだ、何かあるのですか?」
「あるよ。ねぇナイン、約束おぼえてる?」
「記憶しています。夜空を見せてくれるという約束ですね」
「そうそれ。……ここからじゃ、やっぱり見えないからさ」>>618
地底は裂けた。はるかはるか高いソラから光が差し込んではくるけれど、それらは私が見せたい月や星の光じゃない。
赤いばっかりの白夜の光。夜はない。
「……申し訳ありません。マスター」
「なになに? なんで謝るのさ」
「約束を、破ってしまうからです」
「やっぱり、ここで、終わる気なんだ?」
「はい。セイバーも去った。あとは私を含めたペリマンニたちの遺産を清算すれば、火焔聖杯戦争は終わります」
「だから夜空は見に行けない?」
「……肯定します」
「じゃあ勝手に連れてく。私が無理やり命令したらナインは逆らえないよね?」
「それは……私は逆らえませんが、それでも、私だけです」
「みんなは見逃してくれない、か」
「肯定します。重ねて謝罪します。マスターとの最後に心残りがあるなど、」>>619
「いいや? 謝るのは私のほうだよ、だってぜんぶ台無しにするからね」
「……え?」
「この血をもって命じます。もう一度、私の手の中に収まりなさい」
自分でもよくわかっていない血の特性に、今だけ感謝した。おかげでこうしてムリな命令も通せる。
逆らえないというナインの言葉はウソじゃなかったらしい。ガシャガシャと音を立てながら形を変えて、ガントレットのようになったナインが再び私の右手を形成する。
からん、と音がした。
ヒトの形を失ったナインの手から落ちた赤い長剣が地面に落ちていた。
その音でにわかに注目が集まる。敵はいなくなったはずなのに、もう一度戦える姿をとった私に、2人を除いてみんなが驚く。
「マス、ター?」
「ごめんねナイン。私は魔術とか神秘が大好きなの。ナインのことも大好きだからさ、消えてほしくないんだ」
「マスター……マスター、私は、生存を望みません。ここで終わることが、唯一の望みです」
「知ってる、だから無視するね。私は、私のやりたいようにやる」
「ッ…………」
言葉を失う、ってのはこういう感じを言うのか。>>620
信じられないし理解もできない。今からでも下手な冗談だったと言ってほしい。そんなナインの気持ちがありありと伝わってくる。
でも悪いね、やめられないんだ。
「お集まりの皆様ーーー!! 聞けーーー!!」
さっきのダヴィのマネして声を張り上げる。ついに全員の注目が集まる中、落ちた剣を右手で拾って掲げた。
「ナインとセイバー、2つの聖杯は私が手に入れた! ので! ここに宣言する!!」
立て続けに吠える。
「私は───私が! 火焔聖杯戦争を終わらせない! この戦いを終わらせたい人は! 私を倒していけ!!」
「……!?」
「オイ、オイ。アイツなに言ってる?」
「悪戯……じゃ済まんな。本当に聖杯持ってやがる」>>621
「倒せってなんだよク.ソガキが? また俺たちに子供殺.せってのか、あ?」
「お、お姫様?」「なにして……」
「……ま、そうなるわな。あんたが気狂いなのもわかってたことだ」
困惑と怒りと動揺とがまぜこぜになっていくのがわかる。ミッピにもレッタにも悪いことをした。助けにきてくれたのに恩をアダで返すことになっちゃった。……ごめん、って謝れたらいいんだけど。
そんなことを言いだしたらここにいる全員、いや、もうここにいないセイバーにも、火焔聖杯戦争に関わった全員に謝らなきゃいけない。
だから芽生えてきた罪悪感のようなものは見ないフリをする。
アントンじいさんがぜんぶわかったような顔で───あちこち包帯やらガーゼをくっつけたボロボロの姿で───集まりつつあるペリマンニたちから一歩、前へ出る。
「おれたちはペリマンニの神秘を残らず消したい。あんたは消えゆく神秘を守りたい。だから戦う。そういう図でいいンだな?」
「いいよ、それで」
「神秘そのものが消えたがってるとしてもか?」
「知っちゃこっちゃないね」
「よくわかった。なら、戦争だ」
アントンじいさんの左手を軽く上げる。
それが合図だったんだろう、ペリマンニのみんなが一様に驚愕の表情を浮かべて……それさえも無表情の下に隠して、抱えた楽器を構えた。
私を敵と認めた。>>622
1VS…………まあ、数えるのが面倒なくらいの数。まあ勝ち目はない。
唯一ありがたいと思ったのは、ミッピとレッタの2人がどこかに引きずられていったことだ。このあと起きるのはただの集団リンチ。見られずに済むならそれが一番いい。
ゆっくり、ゆっくりとペリマンニたちが左右に広がっていく。完全に囲まれる前に動こうと思った。最初に弱ってるアントンじいさんを狙えば少しは動揺してくれるだろうか。
そこへ歩み出る、少年の影。
私と、ペリマンニ。両者に挟まれる位置へ躊躇なく進んできたのは、私の唯一の同行者。
「楽師の皆様にお願い申し上げます。これより先の行為に、一切の手出しをしないで頂きたい」
なに言ってんだか。それじゃあ、まるで、
「……なんだ、あんたがあの娘を止めてくれるってのか? 坊主?」
「止めますとも。彼女の行動を、単なる一過性の癇癪に収めてみせましょう」
「できンのか?」
「もちろん。僕は彼女よりもはるかに強いので」
……言ってくれんじゃん。
どこまで本気なのやら。黙って見てれば自分にはなんの害もなかったろうに。それでも前に出てくる。
いつもいつもなに考えてるのかわからない相手だったけど、ここまで読めない行動に出るのは予想外だ。正直かなりびっくりしてる。>>624
「私は魔術の味方をするよ。メレクは、何の味方をする?」
「僕は…………僕も、」
後に続く言葉は出てこない。何を言いかけたのかはわからないけど、きっとメレクにとって大事なことなんだろうと思った。
代わりに出てきた言葉がどれだけ大事なのかは、考えなかった。
「……僕は、貴女の味方ですよ」
「なら手伝ってくれる?」
「お断りします。味方と名乗る以上、僕はここで貴女を止めねばならない」
「律儀だなぁ……見捨ててくれてもいいのにさ」
「それが出来ないから"味方"でしょう」
そりゃそうだ。
私自身が見捨てようとしていない……単なるワガママで勝手に拾い上げようとしておいて、なに言ってんだって話だ。
そういうことなら仕方ない。
本当に仕方ない。
おんなじことをメレクがやろうとしているなら、そりゃ止まれるはずもない。私だって止まってやる気はみじんもないんだから。
お互いに止まれない。妥協点だって存在しない。白黒ハッキリするまでやり合わなきゃ終われない。普段こういう事言わないように意識してますが流石にここ数日のアクティブ人数見ると怖くなってきた
皆さん元気ですか…?
>>599
来ましたよ。遂に祭りの始まりですよ
もう初手から展開のインパクトをフルスロットルカマすつもりなので覚悟しといてください。割と序盤から「マジか!?」ってなる感じになると思います。思いたい
戦々恐々はですね…とりあえずここから数話はまだ身構えすぎる必要はないと思います。安心して女子3人組を微笑ましく見守ってもらえれば
>>609
>>611
美しい……
妖しく可愛く美しいって感じでめっちゃ最高です…
ハロウィン絵だと前に狼ルナちゃんもありましたが、そっちは楽しさとか可愛いハロウィンみたいな雰囲気だったけどこっちはハイライト無しなのも相まってダークなハロウィンって感じがして小生大好きでゲス
SS返信は風呂上がったらやりますー>>635
出ないというか、vsヨルムンガンド討伐の立場になる旨味が少ないというか……。ランサー陣営は兎も角、ライダー陣営とは完全敵対ポジションな訳で、そうなると「しゃあねー呉越同舟だ、一緒にあの蛇倒そうぜ!」するよりも「あっなんか苦戦してる!じゃあ倒した後の隙を狙って後ろから刺そう!」した方がキャラにも合ってるしいいかなって
>>635
>なぜ槍陣営…?因縁ある騎陣営ではなく…?
そこら辺はそのぉ、談話室の内容も含むんですが、アッチで京極さんと話してて「やってみたいよね!」みたいな流れになったとかもあってぇ……、1vs1になる理由もあってですね……(ろくろ)
ライダー陣営との戦闘は個人的にはラストバトルにしたいなぁ、という感覚もあり……>>637 >>638
京極さんの言う通りで、京極さんが伊草リレーで投稿した内容に関する「刹那ちゃんの描写どうでした?」→「大丈夫ですよorもうちょっとこうして欲しいよ」が基本です。
そういう話になったのは他の部分からの流れです
切欠としては、お互い共通で読んでる漫画の感想とか朽崎兄妹とリョーガくん&競奈ちゃんの話をしてた時に
私「前クッチーと刹那に関してはAって言ってたけど改めて考えたらXだった。なので(伊草で今後ふたりが対面したら)刹那ちゃんはこうなりそうです」→京極さん「なるほどーちょっと書いてみたいですねソレ、楽しそうだし」ってなった、みたいな
なので「伊草の今後はこういう感じで行きましょう!ハイ決定!黒鹿さんにも報告だ!」って会話をしてた訳では無いです>>640
はい。刹那ちゃんエミュのフィードバックの話をしていた時に、そういえば刹那はクッチーとはこういう相性になるよって話になる→そこから仮にやる事になったらこういう流れや相性や展開になるかなという流れになり、やれたら面白そうだねという話に移行した物でした。
戦ってみたいって気持ち自体はありましたが、あくまで今回やってたのはイメトレというかこういう展開も想像できるなってシミュレーションの感覚で、2陣営間だけの相性や戦闘、こいちら関わるとしたらの想定できる展開とかについて語っていたという話です。決してこの展開で確定させようぜ、通そうぜって勝手に画策しようとしていた訳ではありません。
とはいえよくない事ではあったかもしれませんので、事態は重く受け止めています。申し訳ありませんでした>>629
私も元気ですよー
ただ他所に浮気してたりゲームやってたりSSの続き書いてたりで覗くのがぼちぼちになってるだけでして>>608
ああ^~フェリメンはいいぞぉ~と思ったらシオンァ!!いや事故だし誰も悪くないけど!!やはりCPのこういうシーンが途中で止まるのは定番ですよね
そしていよいよベールが破られそうな黒幕ですが…全く予想できないからこそのこの恐怖感とワクワク感はたまりませんね
次回を楽しみにしてます
>>627
なんだかんだで感想言うの遅れましたが、初見の瞬間ガチで興奮しましたよ…!!マジで鳥肌立ちました。
やりやがったよルナちゃん!!やるとは思ってたけど想像の何倍も思いっきり喧嘩売ってて大草原ですよ。
そしてどうなるのかと思ったらメレクァ!!お前それはもう告白だよメレク!!
という訳で遂にのルナvsメレク。めっちゃ楽しみですお久しぶりだったのは仕事と個人ssを一区切りつくまで書き切りたかったから
ペレスなんですけど、お二人のご要望を聞いた上でアサシンにもランサーにもチクチクやる感じで行こうとは決定したんですけどそれならお二人の執筆を待ってもうちょっと二陣営の対立が激化したところで茶々入れる感じにしようかなと考えたのでこちらは待機することにします
>>627
今までのルナちゃんの頑張り一通り拝見しました〜
だよなぁ!神秘マニアで魔術師ならそうするよなぁ!と言う感じです。考古学科の魔術師に相応しい在り方だなぁ
それとダヴィも見ました。まあお前はそういうやつだよ……となりました。別にそんなにメレクくんとも年離れてない子供なのになんなんだろうねこの感覚
>>595
ほんの少しシリアスを混ぜ込んだ平穏なパートがあるからこそ緩急つけたときのインパクトがでかいんですよね
あと私は顔見せパートがあるととてもそれからの活躍にワクワクできるので好きです
>>608
こういうのは想定よりも遅く進行するのはもう仕方ないことなのでお気になさらず……
それはそれとして骸だけが残っている……ってところに何となしの無常感を感じます
それはそれとして>>477の続き〜「俺が生きていること。俺が戦えていること。それこそが神々の愛を証明しているのと同義なんだ」
生まれ落ちた意味。それがわかるほど賢人としての道を志すわけでもないし、高貴な生まれでもない。解放奴隷という身では血筋の正当性など毛頭ない。ただこの世に生を受けて、神々の一部を賜って……だからこそ、俺は今こうやって生きていた。
「生命に生まれてきた意味なんてないけど、生まれてきた意味を見つけるのは生命としてやらなきゃけいけないことだ。なら、俺が定義する生まれてきた意味とはなんだろう?」
超越者としての視点なんて持ってない。高潔な精神なんてものも持っていない。そこにあるのは、ただ自分を救ってくれた神々と、このローマに対する感謝で。……ならば自分がすることも決まっている。世は帝国各地の軍が皇帝を擁立する軍人皇帝時代。そんな中で青年、ディオクレスにできることはただ一つ。己が手により再びローマを一つにすることだった。誉れあるローマ帝国を世界に再臨させる。そのために戦った。戦って、抗って……
「俺はローマを一つにしたい。ならば俺だけでは足りない。そうだろう?お前は俺が見込んだ男だ。全力で俺と踊ってくれよ」
「はぁ……まあ、今に始まったことではないな、お前のそれは」
マクシミアヌスを巻き込んで、この広大なローマ帝国を統べてみせた。軍人皇帝が群雄割拠する時代は終わり、俺が見込んだ者たちが皇帝として統治するテトラルキアを築き上げ、俺たち皇帝こそが至上のもの、神の子である専制君主制を定めた。けれどもローマの神々を崇めないものも許した。逆らわなければそれで良い。俺(ローマ)は寛容なのだ。
そんな折にある話が出てきた。どうあってもローマの神々を許容したくないというものたちが現れたという。酷い話では、受け入れられずに軍を抜け出し失踪するとまで来た。これではダメだ。せっかく一つにしたローマが壊れてしまう。俺の愛するものが消えてしまうから。「お前たちの反逆を許す。お前たちの抵抗を許す。その命をもって贖うのならばお前たちのそれを俺は許容しよう。何、これも定めだ。恐れることなく信仰に殉じると良い」
恨むといい。恐れるといい。お前たちにはそれをする権利がある。俺は、俺に光を示した神々の信仰を守り、このローマ帝国を守り抜く使命がある。だから、お前たちに苦しみを与えることも躊躇わない。俺こそが皇帝、俺こそがローマそのものなのだ。俺はユピテルの子、ガイウス・アウレリウス・ウァレリウス・ディオクレティアヌス。俺は、俺のやることに。一切の引け目など抱かない。だってそうだろう。俺の人生に疑問が生まれれば、俺が頂点に立ったローマ帝国とその民の正しさが消え失せるのだから。それに何より、俺が嫌だ。
「俺は、俺の人生に意味を持たせる。此度の生は“こう”だった。ならば次は……何、従者として、主の願いに殉じるのも良いかもしれないな!」
「確かに私も戦士の端くれ。命を賭けた殺し合いは昂るものがあるし楽しいと思える……が!流石にこれは楽しさよりも煩わしさが勝つな!」
「そう言ってくれるな、ミネルヴァの化身!俺は幼い頃に神々の血を取り入れたことがあってな!俺という肉体の性能はお前には劣っているが、神々の加護を授かることに関しては少しばかり自信があるんだ!」
ウルカヌスの加護ぞあれ。燃え盛る炎がランサーを覆い尽くしたかと思えばプルートの加護を帯びた槍の一刺しがランサーの意識の外から襲い来る。望めばその神の加護がライダーにもたらされる。確かに人数ではライダーの方が多いが、個体性能だけで言えばランサーの方が格上だ。それでもランサーが攻めきれない要因はここにあった。
かつての遊星の尖兵。その件によりアテナはローマ神話における主神マルス(アレス)に強く出れるのだが、其の神の加護が一切使われないとなればそのアドバンテージさえ消え失せる。それどころかライダーもミネルヴァ(アテナ)の加護を賜ることができるのだから。
「バーサーカーの何もかも裏返す能力もさ、おかしいなって思ってんだよ。そんな気軽に使えるもんじゃないだろ?俺としては何か条件があると踏んでいる。たとえば……ある一定の空間を構築して、そこの内部にあるものは全部ひっくり返すとか」「そんなわけないじゃない!あたしは天邪鬼だもの。まだるっこしいことしなくたって全部簡単にひっくり返せるわ。アンタみたいなク.ソ雑魚とは違うのよ!」
「ああそうかい。じゃあやろうか。我が指先にヤヌスの加護ありき────」
ヤヌス。ローマ神話における出入り口や扉を司る境界神、ひいてはそこから物事の始まりに関わるとされた神。ローマ神話の中でも珍しく、ギリシャ神話にて同一視される存在がいない神である。ライダーが生前取り込んだ神々の血…もとい、液体鉱物とは何の縁もないが、彼が神の子を名乗りローマを背負った存在という一点でこの神の力を引き出してみせた。
本来、バーサーカーが裏返すことができるものは自身の手や足で触れたもののみ。魔力を消費することでその影響を及ぼす範囲を拡張した結界を張り、その中でなら自在に裏返せるのがカラクリだ。今までは巧みな嘘で誤魔化してきたが……境界神たるヤヌスの権能を用いればこの通り。結界は崩壊してしまう。一方的に押し付けていた強みが消え去ってしまった。
「舐めんなァ!!あんた如きにあたしは止められたりなんかしない!!!」
「どうせ腕一本ごとき簡単に生やすんだろう?だがそれでいい。攻め続けることこそが大事なのでな」
己の魔性としての力を活かして、知ったことかと殴り抜くバーサーカー。その怪力は空間を埋め尽くす雷撃も気圧も全て裏返し霧散して、足先や指先が触れた二騎のライダーに対して腕や脚を裏返す。その隙を狙ったランサーが放った使い魔である鳥の射出。一騎は片腕が消し飛び、もう一騎は直接槍で脚を削ぎ落とした。
それでもライダーは止まらない。さまざまな神々の加護を用いて傷をたちまち修復させてしまう。魔力の残量も気にする必要などない。彼に信仰を捧げる人々がいる限り、そのオドが彼の糧となるのだから。対してバーサーカーとランサーはどんどん傷を負っていく。マスターから供給される魔力で修復されるとしても傷を負うスピードが早すぎてたかが知れている分、どう考えてもジリ貧だった。
「ここは俺の神殿だ。ここにいる限りディオクレティアヌスというサーヴァントの神性は高まり続けるし、ここは俺の指先も同様。もう少し時間が経てば空間ごと握り潰すことだって………ん?」
その指先が、揺らいで。皇帝の威光が霞んだ確信があった。「ツユの魔術は単純明快なロジックで定まっています。対象の心を誘惑し、魅了に成功した場合それと心を“共有”する。魅了のやり方は一歩間違えれば精神干渉として扱われ、魔術師にはほぼ通用しないんですが……」
「キャンディちゃんの才覚と、先生の教えはそれを解決しました。複雑で高度な魔術理論を構築するわけでもなく、ただその魔性とも言うべき触れ合い方で相手の方から心を開かせる。現代の魔術師としては異常です。起源を用いた魔術というのはそうなりやすい、とも聞きますが……キャンディちゃんって、そのタイプなんですかね?」
「………さあ。セナ・スキュレカリューが何も言わないってことは単にアイツの色仕掛けが気持ち悪いぐらい上手いって可能性もありますよ。そもそも人か?みたいな話にもなってくるけどな」
無理やり精神に干渉するのではなく、あちらから心を開かせる。セナの教えを伝えられたとて、それを魔術式も無しに素でやってのける男が果たして人と呼べるのか。その点は一先ず置くとして……世界がぐるぐると回転する。モモアーが刻み込んだ術式もウリューが壊した。今頃は時計塔で怒っているだろうがそんなの知ったことではない。今は、ツユの儀式を見守るだけだ。
「予めこの土地にはラヴギッドの魔術が刻まれている。下地としては十分だったんですよ。まあそうだよな、主催者の一角だから」
「私たちは遠くから警護を。何があるかわかりませんから。あとキャンディちゃんに見つかったら怒られちゃう」
ツユは神として崇められるような魅力は持っていない。しかし神への信仰、憧れ、尊敬を放棄させ自身に多くの心を割かせることは可能だ。魔術回路を駆動させ、この街全域の、夢の中でライダーの戦いを見ているものたちに語りかける。聖杯戦争に参加してからというもの、すこぶる調子が良いのだ。嫌になるぐらいキレが増している。
「かっこいいのも良いし、自分よりも凄いものについていきたい気持ちもわかるよ。でも、本当にその人はあなたのことを見てくれる?あなたの神様に、あなたの英雄になってくれる?手の届かないものを見続けるのは怖いことだよ」「……私なら、そんなことはさせないよ。私はずっとあなたと一緒にいてあげる。あなたの心をくれるなら、私の心をあなたにあげる。私はあなたから離れないし、あなたも私から離れなくて良い。いついかなる時も、私の心はあなたと共に。……あなたのために、私の愛を、使いましょう」
その言葉は甘く粘つく蜜のように。ゆっくりと心に染み込んでいく。自身と隔絶したものに焦がれるのではなく、自身に近しいものに寄り添っていてもらいたい。そんな心情を強めさせることで、関心をこちらに持っていく。選ぶ言葉の内容もさることながら、目を引くのはその他の全てだろう。声色、表情、手つき、身体の動き、それら全てが人の心を癒し、それでいて人に癒したいと思わせるような弱みを見せる。魔性とはこのようなものを言うのだろう。
「だから、ね。あなたが少しでも、私と一緒にいたいって言ってくれるなら。私は嬉しいな」
この人と一緒にいたい。その気持ちが満ち満ちて、心を開いていく。一度開けばあとはもう、ゆっくりと心を分け合うだけ。あなたは私で、私はあなた。熔けあう心はチョコレート。渋くて不味い苦しみを、甘い飴玉に変えて噛み締めましょう。
「おいおい、俺のローマ市民を取ろうとするなよ。誤魔化せるとでも思ってたのか?」
「っ、まずい!」
「邪魔だ傭兵。死にたくなければ下がっていろ」
拳がツユの張っていた結界を紙屑のように破り捨てる。四騎目のライダーが悠然と現れだのだ。ここまで姿を見せなかったのは何かしらの加護だろうか。ともかく、大儀式を行うために地表に出てきたタイミングに合わせて見事にその前に立ち塞がってみせた。
ルフが矢の雨を降らし、渾身の一振りをかましてもなおライダーには傷一つつかない。遊びではなく、本気で仕留めることを決意した以上はこの程度で止まらない。触れる前に全てが焼き焦げ吹き飛んでしまうからだ。ルフの傷自体は浅いがルフも決定打がない。……抜きたくなかった“あれ”を抜くしかないのだろうか。
「キャンディちゃん拾った!このまま行きます!」
「頼んだ!……大盤振る舞いだ畜生が。全部受け取ってみろ」十の矢を射り、それら全てを切り落とす。幾百幾千の光がそこから生まれ、それらが放たれた矢と同じ速度でライダーを襲う。ただの目眩しにしかならないがそれで十分。ただ速く、音もなく、気配を消して駆け抜けるために身体を“作り替えた”ウリューがツユを抱えて駆け抜けていく。死なない程度に時間稼ぎをしてくれたのだからこちらとしても全速力でツユを守るだけだ。
「ウリューちゃん!?なんで!??」
「黙ってて、口噛むから。もっと、もっと遠くへ……」
「逃すわけないだろ」
ごお、と荒れ狂う音がする。目の前に、不可視の、なんだか丸いものが現れて。次の瞬間、それは勢いよく爆発し、ツユとウリューを吹き飛ばした。何が起こったかもわからないまま、空中に浮いているツユの前にもう一つ球体が。それもまた弾けてさらに遠くに吹き飛ばされる。完全にルフやウリューとは分断された形だ。……そして、目の前にはライダーがいる。あの二人を振り切って雷のような速さでここまで来たんだ。
「詰みだな。じゃあ死.ね」
「……令呪、間に合わな」
「“我が号砲は勝利の兆し。我が喝声は破壊の証”」
青白い雷光が貫手を包みツユを貫く。アサシンの糸でさえこれを防ぐことはできない。直接現れれば別かもしれないが、そんな猶予はない。………けれどその僅かな隙間を狙って、そこに何かが割り込んだ。固いものを砕いたライダーの手は、そのまま爆発音を鳴り響かせ……仕留め損なったことを理解した。そして同時に、自分が何か巨大な質量のものに吹き飛ばされたとも。
「ダメージはない。……いや、並の魔術師がまともに受けたら木っ端微塵だが俺だから吹き飛ぶだけで済んだのか。なんだ、ランサーのマスター。自分の命を賭してでも助けたかったのか」
「当たり前でしょう。だって私は先生なんだもの」パラパラと粉のようなものが崩れ落ちる音がする。ライダーが怖くて目を瞑っていたツユにはわからないけれど何かがツユを守り、誰かがツユを抱きしめてくれている。雷の轟音が収まり、やっと耳も慣れてきたツユが目を開けば……そこには恩師であるセナがいた。セナがツユを抱きしめて守ってくれた。とても苦しそうな顔をしているのは、魔術回路へのダメージだろうか。彼女の傷は彼女の礼装である私と私(Another)に移されるはずだから。
「せ、先生。無事、ですか?」
「私はね。でもアレは駄目になっちゃった。身代わりとしても魔力炉としてももう使えないかな。まあでも、形あるものはいつか壊れるわよ」
「──────えっ」
“なんでこの礼装を作ったのかって?そうねぇ……もちろん戦闘に有用だからってのもあるけど……一番は生徒であるあなた達に情けない姿を見せたくないからって言うのがあるかもね。だってそうでしょ?私は今までずっと戦いしか知らなくて、魔術師らしいことはあんまりしてないもの。
だから一つ、研究らしい研究をしてみようと思って。あなた達を導く先生なんだもの、魔術師としても完璧じゃなきゃね?だから、まあ、かなり愛着はあるわ”
そうやって笑っていたセナの姿をツユは知っている。たとえ大家であったとしても作るのにもかなりの時間と費用がかかり、誰もが感嘆する芸術品。破損したものを修復することと、完全に破壊されたものを作り直すのではかかる手間のわけが違う。そんな大事なものを、自分一人の命を助けるために壊させてしまった。こんな、取るに足りないツユ・ラヴギッドという命のために、セナの夢が詰まったものを無為にした。
「ごめん、なさい。ごめんなさい、ごめんなさい。私がもっと上手く、もっと賢く立ち回ってたら……いや、私がもっと早く殺されてたら……」
「ツユ」
「……はい」
「私は先生よ。生徒を命懸けで守るなんて、当たり前のことでしょう」
迷いも恐れも躊躇いも。何一つなく言い切った。生徒が育ち、立派な作品になるためならば、己の全てを投資する。それがセナ・スキュレカリューであり、“先生”としての本質だ。どれほど価値あるものであっても生徒のためなら手放せる。そういう人だから、スキュレカリュー教室は出来上がった。それを、ツユは痛いほどわかっているから。先生にそんなことをさせてしまうのが余計に申し訳ないという気持ちで満たされていく。
「泣かないの。そもそも現代の魔術なんて希少なものも使い潰されて当然な技術なんだから。それよりもほら、儀式を続けなさい」
「………でも、またすぐにライダーに殺されちゃう」
「大丈夫よ。私が、何の策も無しにただ庇いに来たと思ってるの?あなたが頑張ってる裏で私も進めてるものがあるのよ」
ツユがこの街という“内側”に干渉するのならば、“外側”でこの戦いを眺めるもの達の心を奪うものが必要だ。幸い、それを満たすのに十分な天才達がいる。三人で力を合わせたのならば、それぐらい余裕…とは言わずとも可能だ。
「内から外へ。片っ端から繋いでいけばいい。魔術師じゃねぇならこんなもんいくら来ても楽勝だわ」
「それを全部受け止めるこちら側の気持ちにもなってほしいけど……!」
「セナ上級講師殿の支援もあるんだから文句言うなよ!」
霊体を飛ばして己と他を繋げ、自由に操作する。ポルターガイストとも言うべき現象を魔術として操る撫海がライダーの夢を見ている街の外の人々に片っ端から接続し、その思考を変えている。繋ぐことによって撫海にかかる負担は全て恋が請け負っている。恋の特徴である段違いの強化により存在を昇華する……これにより、外部からの負担に耐え切る強い防波堤の役割を果たす。
そしてその両者をサポートしているのがセナだ。セナの礼装である大鏡を使えばツユを直接庇わずとも助けられた可能性はあった。しかし大鏡は撫海たちの補佐として全力で使用しているし、魔術回路の演算機能だってそちらに四割を割いている。その結果、大事なものを手放すことになったが……しかし、これで確実に、信仰は減少させられているはずだ。
「ハッ……ライダー、私たちと、私の生徒を舐めるなよ。我々は必ずお前を貶める。さあ、神(ローマ)を墜とす時が来た。令呪をもって命ず。ランサー、第二宝具の開帳を許可する」
「……まずいな。ランサーたちの方に行かなければ」信仰の下落と共に空中神殿での戦力にも差が生まれた。そのタイミングでランサーに令呪でさらなる強化が施される。目にも止まらぬ速さで神殿へと消え去ったライダーを尻目に崩れ落ちるセナを抱き止めながら、自分は何をすべきかをツユは必死に考える。だっておかしいだろう。さっきまで、先生はただの人間だと思ってた。けど違う、この内側に入っているものは人のそれではなくて─────いや違う。今は先生を助けるべきだ。そう思いながら魔術回路を駆動させた瞬間、優しく肩を叩かれた。先生が、もっと別のことをしなさいと言っているかのようだ。
「っ……あなたができることは、ここにはないわ。上に、行きなさい。あの子を、連れてね……」
「え?あの子って……」
「ツユくん」
その声をツユは知っている。自分が傷つけてしまった子。とても大事な女の子。天海がゆっくりと、ツユの手をとって微笑んだ。
「私は、やらなきゃいけないことをしたいの。あなたさえ良ければ、あの神殿に連れて行ってほしい。大丈夫、何があってもライダーは私を傷つけないから」
「………いいの?」
「うん」
「わかった。アサシン、引っ張って!」
しなやかで、強く、そして手触りの良い糸が二人を包んで持ち上げていく。勢いはとても早いけれど、そこは二人とも己の肉体を強化すればいいわけで。ツユは自身が原因となった事の末を見届けるために、そして天海は決着をつけるために。人の身でありながら、人ならざる者たちが戦う大神殿に足を踏み入れていく。それを見送る、先生は。
「………不味い、わね。自力で抑えなきゃいけないのは何年ぶりかしら。割けるリソースもないって、いうのに。でも、うん。ツユの前でみっともない姿を見せずに済んで良かったかな。ああでも、最後の表情からするとバレてたかも」これを封じるためにも、セナは私と私(Another)を作った。自力で抑え込むこともできるが、それでは生徒たちの教導や自身の研究に割くリソースが減ってしまう。“人の形”である己を再現し、同一視させ、人としての側面を強める。そして人ならざる怪物である“これ”を抑制する。それがセナの編み出した方法であり、今この時まで成り立っていたもの。それが出てきてしまう。セナの魔術回路は今、別のことに使っているから。
「ギィッ゛!?」
「………っ、はぁ………本当、厄介なのを残したものだわ、魔術師の先祖ってのは………」
瓦礫から現れた黒い獣。アーチャーが遺した呪いの残滓が命を得たもの。それが本能のままに弱った獲物を喰らおうと襲いかかった瞬間、跡形もなくこの世から消え去った。セナの背中から湧き出てきた何かに骨の一つも残らず吸い込まれたのだ。ぐちゃぐちゃごりごりと、容赦なく咀嚼する音が聞こえる。辛そうな表情とは真逆に、セナの顔色はどんどん良くなっていく。
こうなってしまった以上、一刻も早く本国に帰るべきだ。今の自分の手札では、きっとこの聖杯戦争を勝ち取ることなど出来はしない。己の未来を案じるのなら、大人しく棄権するべき。……でも、セナは彼らの先生だから。この先ツユが辿る未来を予見している以上、大人しく撤退するというわけには行かない。セナ・スキュレカリューという個人の生命程度、どうということはない。
「私に残された時間は少ない。……勝ちは諦めましょう。ただ、私にできることは精一杯しないとね。
────この命は、生徒のためにあるんだもの」
終わりです
ちなみに自分が街に施した魔法陣をぶっ壊された事実を知覚したのでモモアーは教室でさらにブチギレています。刄くんが必死に止めていました>>646
しれっと耿実さんが死.ぬのが前提でらっしゃる…
いやまあ確かにレイドの展開次第ではそうなるのも十分あり得ますが
ただうちとしてはそういった加工は騎陣営ないし剣陣営向きになると思いますね
やるとしても工房から使えそうな作品をパクもとい頂戴するくらいでしょうか
>>648
どうしたって間の悪い人はいるというお話
黒幕の正体は…まあ、もうちょっとといった所でしょうか
>>649
コピーといえど真性のサーヴァントではない、ホムンクルスとかそれに近しい存在なので死骸も残り続けるのです
この辺がエーテル体のサーヴァントとは明確に違う所ですね
>>659
「俺のローマ市民」という人によってはこの上なくぶっ刺さりそうなワード
こんな状況じゃなければな―!キャーキャー言って盛り上がるんですけどねー!>>661
暗闇の中、わずかな灯りを頼りに一行は進む。
敵襲に備え歩みは慎重に、されど着実に一歩一歩奥へ踏み込んでいく。
「予想はしてたけど、本当に暗いな」
「油断するな後輩。いつどこから、新手が襲ってくるとも限らないからな」
「一応『糸』は張り巡らせとるけど、敵の気配は今んとこあらへんよ。前も後ろも異常なしや」
「――おい待て。向こうの方、何か明るくないか?」
黒野の指摘通り、通路の最奥と思しき場所から光が見える。
そのまま吸い寄せられるように一行が光源へと向かうと。
「これは――」
光の向こう側、そこに広がっていたのは殺風景な空間だった。
壁と天井、そして床。前後左右どこを見渡しても調度品らしきものは見当たらず、ただただ複雑に入り組んだ通路で構成されている。
さしずめ、迷路とでも思わせるような――
「…………!」
「センパイ? どうしたんだ、そんな固い顔して」
「ここだ」
「えっ?」
「ここだ、間違いない。――さっき言っただろう、私が謎の敵に襲われた場所があったと!」
「「「っ!?」」」
メンテ―の告白に、一同が息を呑む。>>662
シャドウサーヴァントによく似た、謎の敵性存在が徘徊していたエリア。そしてその当事者たるメンテ―が間違いないと断言する未知の空間。
それが意味するものは、すなわち。
「っ! まって、話は後! 糸に反応あった、何かが来る!」
「何だと!?」
「いったい、何が――」
加々見の警告に、フェリーペ達は互いに背中を庇い合う格好で身構える。
永遠にも感じるような間延びした時間。鼓動が聞こえ合うような、そんな錯覚を覚えそうになった瞬間――通路の奥から、爆炎が押し寄せた。
「全員、伏せろ!」
メンテ―が前に出る。迫りくる炎の濁流に大盾を向け、あらゆる脅威を撥ね返す鉄壁の守りを敷く。
束の間、大盾から零れた灼熱が僅かにフェリーペ達の身を舐めていったが。それ以外は火傷らしい火傷もなく、ほぼ凌ぎきっていた。
「後輩!それにクロノとカガミ、無事か!? 咄嗟の事だったから、間に合ったかどうか……!」
「ああ、俺は問題ない! クロノ達も無事――クロノ?」
メンテ―の呼びかけに、フェリーペは力強く答える。
だが黒野たちの返事はなく。思わず最悪の事態を想起したフェリーペだったが――振り返った先、そこにあったのは驚愕と、それ以上の困惑を両目に宿した二人の姿だった。>>663
「クロノ?それにカガミさん、どうし」
「うそ、だろ」
絞り出すような、力も気も抜けきった虚ろな声。
それが仲間(クロノ)の口から零れたモノだと、一瞬理解できなかった。
「……ッ!?」
加々見もまた、状況を忘れて両手を口に当てたまま立ち尽くす。
まるで、あり得ないモノを前にしたと。そんな筈はないと、全身で訴えるかのように。
そして。その推測は、正しく的中していた。
「なんで……なんでだ……! なんでお前がここにいる、オーブ・フランベルジュ!!」
爆炎の向こう、先程の強襲者たる人『影』が姿を現す。
青白く染まりきった容貌、傷み荒んだ礼装たる戦闘装束。
そして――左肩から右脇まで、袈裟懸けに刻まれた致命傷。
フェリーペとメンテ―は知らず、黒野たちだけが知る退場者。魔術協会封印指定執行者オーブ・フランベルジュは生気も正気も失った目で、侵入者たちを冷たく睨み据えた。
『オーブ・フランベルジュ……? 待ってください、今フランベルジュと言いましたか?』
「知っているのか、シオン?」
『ええ、ざっとですが。確か時計塔所属の封印指定執行者だと聞いています。これでも私アトラス院の関係者ですから、ヤバそうな人物は大体目をつけておいたんですよ』
「封印指定執行者、だと……そいつはまた、厄介な手合いが現れたものだ」>>664
シオンとやり取りを交わす間にも、オーブは淡々と動き出す。
右手を一行に向けてかざし、短く何事か呟くと――
「まずっ! メンテ―さん、もっぺん防御! さっきのがまたくる!」
「ッ!」
加々見の警告に、メンテ―が再び大盾で防ごうとする。
だが、その直前。全くの反対方向から、何者かがメンテ―に襲い掛かった。
まるで、『誰もその存在に気づけていなかったように』唐突に――
「センパイ――――!」
「!?」
絶叫するフェリーペと、大盾を正面に向けたまま無防備な背中を晒すメンテ―。
奇襲を仕掛けた暗殺者は、右手に持ったナイフをメンテ―の頭蓋に突き立てようとして。
銃声と共に、その頭部が弾けた。
『ガッ……!?』
断末魔の苦悶と同時に、暗殺者がナイフを手放す。
行き場を失った凶器はそのまま大盾を飛び越え、迫りくる業火に呑み込まれ跡形もなく溶け消えた。
「間一髪、だったな」
硝煙昇る銃口を向けながら、硬いままの顔で黒野が暗殺者を睨みつける。
敵襲に備え、警戒態勢を取っていたのが幸いした。襲撃してきた相手こそ想定外、どころか予想外もいい所ではあったが――散々修羅場を潜り抜けてきた身体が半ば無意識にその場の最適解を叩き出していた。>>665
再度の業火を凌ぎきり、灼熱の波が過ぎ去る。
『三度目』をお見舞いしようと、オーブと呼ばれた男が右手に魔力を込めるが――
「悪いが……三度目の正直は、ないッ!」
『!?』
防御から一転、先程までのお返しとばかりにメンテ―がオーブに突撃する。
黒鉄重打(シールドバッシュ)。大盾の重量そのものの激突に、幽鬼そのものとはいえ人体が耐えられる道理はなく。
吹き飛ばされた勢いのまま、オーブは通路の奥へと消えていった。
「やった、のか……?」
「手ごたえはあった。だが安心はできない。後輩、すぐにここから――ッ!?」
フェリーペに振り返ろうとしたその時。メンテ―の身体を鋼の殺意が刺し貫く。
思考する暇はなかった。本能が訴えかけるまま、メンテ―はその場から全速で飛び退く。
そして、その選択は正解だった。
『――――!』
『シャァアアアッ!!』
「なっ……!?」
先程までメンテ―が立っていた場所、そこへ二つの『影』が同時に襲い掛かる。
片や返り血で汚れた制服を纏い、日本刀を携える少女。片や爬虫類を思わせる異形と化した怪人。
さながらアメコミから抜け出してきたような風貌の二人は、確かにメンテ―と――遠く後ろに控えるフェリーペ達を捉えていた。
その視線を前に、再び黒野と加々見の顔が驚愕と、それ以上の困惑に染まる。>>648
このために整えた舞台だったのでね…思うがままにやっていただく
まあメレ坊は普段考えてることを口にしただけなので…いつも考えてたことなので…ええ
>>649
よかった〜!!ダヴィくんの解釈間違えてなくてよかった〜!!もうそればっかり考えてヒィン…してたのでよかった…ああよかった…
メレクとは二歳差の上でさらにルナより一歳差で下となる15歳というね
>>669
ルナの一番の幸運ですね。止めてくれる人がいる。もっともっと噛み締めるべき
>>659
先生……先生ーーっ!!そんなところ見せられたら好きになっちゃう…
魔術師として化け物だと思いつつ…実際今回もなんか背中から喰ってはいたけど…いやそれでもこんなにも先生としての姿を見せつけられるとは思わなんだ…!!
>>668
つまりこの件は死者が使われてるのが前提と……
なかなかに黒うなってきましたがはてさて黒幕さんはどなたなのやら……【おまけ】スキュレカリュー教室にて
「ツユ……わたくしの作品を壊しましたわね!?許せません……許せませんわ……必ず呪い殺して差し上げますことよ!あの生意気な女ごと惨たらしい死に様を晒して差し上げますわ〜!!」
「それは良くない。卒業してからの殺し合いはいいけれど、生徒の時に殺しあうのは勘弁だ。それと最後のセリフは現実的じゃない。せめて俺を殺.せるぐらい強くないとセナは殺.せない」
「うるさいですわよこのすっとこどっこい!呪詛使いなら呪詛使いらしくナイフで戦いなさい!」
「手持ちにあるナイフは殺意が高いんだ……というか生徒を殺.す先生がどこにいるんだ?」
>>668
アメコミ風味なのも相まって再生怪人というかなんというか。意識はなさそう……?なのはよかったのか悪かったのか
>>660
一時とはいえちゃんと信仰を捧げてくれた現代人(ローマ市民)には「俺を崇めてくれてありがとう♡」の気持ちはあります。ファンサも完璧
>>669
一貫して「ツユの先生」なのは変わっていないのでそこを貫くためなら勝利とかは二の次です
>>670
自慢の生徒(さくひん)を愛し守り育てる方が魔術師としての作品を守るより大事ですからね!背中から出てきた謎の生き物はまあセオリが「まだなんかあるなぁ」と見てたやつの正体ですはい
しばらく浮上してなかった時にvsライダーは一通り全部書き終わったんですけど一気に全部貼るのはどうなんだろう?という感じでどのタイミングで次話を叩き込むか悩んでいる次第詩文抜きの自前型月脳だけで詠唱考えようとすると一気に難易度が上がってしまう苦痛
できれば理想魔術っぽい詠唱にしてみたいけれどキリ様のあれは異聞帯(カルデアス関係)限定って気配がとてもするし〜でもそれを言ったらそもそも理想魔術は現代では不可能なんだからぽいも何もないだろだし〜…
>>660
正直ロスヴァイセのいなくなった耿実にできることなんてたかが知れてますし…死に所はここが最後かなって。少なくとも自分はそれを希望したい気持ちです
遺体と作品別々に持ってっちゃって大丈夫でーす。これと言って役に立つものではないですが、技術屋を自称してるだけあって使うだけなら魔術回路の有無や程度は問わないイメージなので
>>672
焼石に水な気はしますが、レイドの〆としては戦利品があった方が流れを作りやすいかな、と思いまして。なので具体的な活用法は自分も思いついていないです…
なのでそれこそ干首爆弾にしてもらってもオールOKです…が、Requiemさんが仰る降霊は死霊魔術とは領分の異なる所業なんじゃないかな?という気がしますがどうなんでしょう?
>>675
こうやって見ると剣陣営以外は軒並み水辺の近くにいますから魔力の変調なんかにも気付きやすそうな感じがしますね。橋から変形が見えるとかもありそう>>680
んー、レイド戦の結果にもよりますけど、多少なりともその礼装は残ると思うんですよね
だから礼装を使って貰って暴れて貰う、とか考えてます(クッチー自身もなんかやる)。
つまり伊草で複数騒動や事件が起こって街が混乱する訳ですよ。頭脳面が弱まるって言っても”何も干渉しないと立ってるだけ”程度じゃなくてある程度の自律行動は出来る、レベルを想定してるので
そうなると同盟グループは性格的に「罠かも……」と思いつつも鎮圧なりに向かう必要がある訳です。放置してたら被害が広がる予想は立つし、全員どっちかというと秩序側だしで
そうなったら別れて行動になりそうだし、セイバー陣営はそこで各個撃破を狙おう!みたいな作戦です>>681
まぁあくまで脳内予想というか(こんな風に考えたり行動になるんじゃないかなぁ?)ではありますが……「こっちはどうなってる」
「力が弱まっても俺たち三人で抑えられる……と思ってたんだけどなぁ。見ろよアレ」
「………ミネルヴァ?というかアレも面倒すぎるな」
アテナの化身として力を授かったランサー。その霊基の限定開放はライダーに脅威を感じさせるには十分すぎた。神体結界(アイギス)の防御はそう易々と貫けるものではない。神性が下落していなかったライダーならまだしも、今となれば貫くにもそれ相応に力を込める必要がある。その上でこの高速機動。空を自由自在に駆け抜け大神殿ごとこちらを穿つと言わんばかりの大暴れ。
バーサーカーも調子が出たのか大暴れが止まらない。こちらに力を割くタイミングが減ったところを狙って的確に反転させていく。本体のスペックは弱いし、ひっくり返せるものも大したことない。しかしそれでも面倒くさい。嫌がらせに特化したかのような動きは厄介だ。力押しをしているように見えて、本質はこちら側なのかもしれない。
「次から次へと……」
「俺たち二人が制御に入ろう。丸ごと叩き潰せ」
そこで潰されるようならば、彼はローマを統一などできはしない。自身の魔力や出力が何かしらの影響で低下することなど事前に予見しておいて当然だ。今ある魔力の総量を効率的に扱うのならばもっと繊細に操作すればいい。大神殿を制御していた人員をもう一騎増やして、後の二騎で直接戦闘を行う。そのために引き戻してきたのだから。
破壊力や規模でいえば先程までの方がはるかに上だった。しかしこちらは繊細さに磨きがかかり、大神殿に備わっているどの武装も高い精度でランサーたちに依然優位を取る形で戦い続けている。そして残された二騎も抜群の連携で追い詰めてくるのだからこれでようやく互角というもの。ランサーの擬似神霊形態はたとえマスターの令呪があったとしてもそう簡単に完全解放は叶わないものだ。切るべきタイミングが重要だ。
「……なるほど。バーサーカー、マスターからの連絡だ。たった一度訪れるタイミング、そこを狙えと言っている」
「………ふーん?」「よし着いた。天海ちゃん、本当に行くの?危ないよ」
「大丈夫だよ、ツユくん。ライダーは何があっても絶対に私を殺さない。たとえ不幸な事故が起きようとしても、私のためならその事故を叩き潰して助けてくれる。だから大丈夫。安心して?」
「でも……」
「私は生きたいの。無駄に命を捨てるなんてこと絶対にしないから。だから……ツユくんは、全部終わった後の私を出迎えてほしい。私とツユくんが腹の内にあるもの、全部話し合えてちゃんと友達になれたら……」
「……わかった。いってらっしゃい」
「ありがとう」
その声を最後に、天海の姿がどんどん遠ざかっていく。その口ぶりからして、本当に生身一つでライダーとの決着をつけるつもりなのだろう。……送り出したはいいが、些か不安だ。彼女は本当に生きて帰ろうとしているのか?もしかして……自身の死を代償にライダーも消滅させようとしているだけなのではないか?そんなことを考え始めたらもう止まらない。ツユの頭は常に“最悪”を思考し、その最悪を如何にして防ぐかに飲み込まれている。
「私にもまだできることはある。ここで儀式を行なってまた弱体化させられたら……」
その行動が。天海を信じられていないその行動が、どんな風に事態を引き起こすのかがわかっていない。他者を信じること、委ねること、その重大さを知らない。だからお前はいつも大事な人へ不幸を持ってくるのだとアサシンは気づいている。今だってそうだ。コイツは必ず、自分が恐れていた“最悪”を引き起こす。『見つけたぞ。こんな所でそれ以上の狼藉を働こうなんざ許すわけないだろ?』
「え、きゃっ─────」
「ほら、思ったとおり」
ここはライダーの掌の上と言っても過言ではない。そんな場所で魔術の大儀式を行おうなんて、感知されない方が無理だという話だ。冷静であれば気づいたであろうこんな初歩的なミスも、焦ってしまったから簡単にやってしまう。大神殿に備わった空間転移の効果が、ライダーの手で直接処すためにツユを戦場へと引き摺り込む。サーヴァントたちが殺し合い、天海がやっと辿り着いた中心部に。
「ここでお前を殺.せばお前が掠め取ったものも全て帰ってくるわけだな」
「あっ────」
「っ、やめて、ライダー!!」
本当の計画では、空間の殺意を読み取ってここだというタイミングを測るつもりだった。自分がライダーの攻撃に割り込むことでライダーは躊躇い、その攻撃を取り止めざるを得なくなる。何故ならライダーは絶対に危害を加えないから。その瞬間を突いて、ランサーたちが全力でライダーを討ち取る。そういう計画を立てていた。
けれどこれは予想外。まさかツユくんが転移させられるなんて思ってもいなかった。あそこにいれば見つからないと思ってたから。このままではあの少年は殺されてしまう。それだけは止めたくて、必死に目の前に出て庇う。もちろんライダーの剣は止まるが、これで私は自身の計画の要を失った。
ここから先はたとえ私が身を挺しても私の動きを予測した上で私に当たらないように、なおかつ全力で戦おうとするだろう。もう隙はない。………最後の最後に切れる、この最大の切り札がなければ本当に詰んでいたはずだ。
「計画は崩れたけど…でも心配しないでツユくん。………ねぇライダー。あなたは本当に、私がこのままで終わると思ってる?私って、頑固者なのよ」
「……まさか。おいマスター、それだけはやめろ。俺が、じゃない。お前が死ぬぞ。俺の威光に真っ向から逆らうだなんて、現代人じゃ脳が耐えきれない!」
「あら、人間は強い生き物よ。あなたも、いや、あなただからこそ何よりわかっているでしょう?……全ての令呪をもってこれを勅令とする。ライダー、私のために死ん.でちょうだい」神性が低下した状態で、残りの令呪二画を用いた命令にそう易々と逆らえるものでもない。精一杯の抵抗をした結果、喉を手刀で貫く形には終わったが……それでも出来た隙が大きすぎる。この結末“だけ”はないと思っていたのに。
「擬似神核、最大励起。魔術回路:戦女神を三層まで仮想構築。『難攻不落の戦女神』────!」
「抜けないでしょ〜♡がんばれ♡がんばれ♡」
「お前ってやつは……本当に」
慌てて手を引き抜く瞬間、バーサーカーがその腕の動きを反転させる。しっかりと貫いたまま、腕が動かせない。そこを狙ったランサーの、擬似神霊としての霊基を最大限引き出した一撃がランサーの腹部を刺し貫く。流星、とは言い表せないほどの質量が空から降ってきたような。それほどまでの破壊力を叩き出し、ライダーの腹から下の身体を跡形もなく消し飛ばした。もちろん、上半身だって内部はボロボロの筈だ。
「………で、も。トドメを、刺すのは、私、よ……」
「………はぁ。本当に、その身一つで………俺はお前のために尽くすことを、この人生の目的にしたのになぁ……叶わなかったのは初めてだ」ライダーと天海が離れたあの日の夜、彼の放った威圧感は天海の理性と本能に刻み込まれた。つまり、圧倒的な上位存在への畏怖。そのせいで今の今まで、令呪による抵抗はできなかった。ライダーに敵対する行為をしようとすると脳が拒絶し、身体が何一つ動けなくなる。そんな縛りを無理やり振りちぎって、令呪を使用したというのならば……脳が壊れてもおかしくない。内臓なんかもどうなるか。実際、もはや死にかけといったライダーに近づく天海は顔中から血を流して今にも死にそうだ。
「生前の俺は輝かしいローマを統一し治めること。それを人生の目的として、達成してみせた。今回はお前に呼ばれたから……お前に勝利をもたらすこと。お前の願いを叶えること。それを俺はサーヴァントとしての人生の目的とした。なのにそれを、お前に覆されるとはな」
「………説教は、あっちで聞くから………」
「いや、いいよ。お前はきっと生き残るさ。それに何だ、そうやって立ち向かう姿は、中々にカッコよかったぞ」
傍らに落ちていたライダーの剣を持って、ほぼ倒れ込んでいるような形で霊核である心臓を貫く。仕方がない、と言いたげな困り笑いのライダーに最後まで寄りかかり……そして、消滅した瞬間、天海の身体も地面に崩れ落ちる。
その場に残された他のものもまた三者三様であった。ランサーは瞬時に天海を支え、救命措置を施しながら地上に降りる手筈を整え……バーサーカーは興味がないと、他の者たちを放り出してすぐに地上へと消え……そして、ツユは。モンハンの生態って意外に魔術のネタにできそうな奴あるんすね…
>>659
セナ先生かっこよ…サーヴァントの攻撃相手から生徒を救うのは流石に惚れますわ…教室にガチ恋変態がいるのも頷ける
とはいえ何か不穏な存在も明かされたっぽくてワクワクですね。セオリ君といい、このレイドの先の戦いも激しくなりそう感出て燃えますねえ
>>649
おっしゃる通りですね。あとはガチ日常パートは下手すりゃここだけかもなのでガンガンかましていきます
顔見せはやっぱり見ても書いてもテンション上がりますよね。顔見せがピークだったってならないようにしたいなとは思いますが、ぶっちゃけリスキーな展開は入るかも
>>668
ひどい事するわ…(某ニ○ロビン並感)
いよいよ真実が明かされそうな訳ですが、とりあえずコピメンの事も考えると100%ろくでもない黒幕になりそうですねえ
果たして何が現れるのか
>>675
遅れましたが、槍陣営の初期位置は港に確定する感じにしたいなと思います
前まで話してた事も加味すると、最初に気付く→同盟に共有→先に対峙してヨルムンガンドに攻撃が通らず苦戦→ライダー陣営合流みたいな流れとかいいんじゃないかなって>>690
先生とはこう!魔術師とはこう!を出力した感じになります
生徒全員の脳を焼くわけではないですが焼かれる人も多少出てくるのは仕方ない話
ツユとか普通に心に大ダメージです>>689
言いたい…そんなことないって言いたい〜!
そりゃやったことが裏目に出たし善意があっても最適解が取れるわけではないけれど、ツユちゃんが「不幸にする」は頑としてNOを突きつけてやりたい
対ライダー戦の決着に余計なことしたかもしれませんけど!天海さん信じるルートが最良だったかも…いやこれ言ったところで結果は結果だし……ぐううう…
>>681
それだと罠っぽい耿実さん人形は教会が処理しつつ同盟組は本命(クッチー)を狙う、みたいな流れになるのでは…少なくともマスターを狙えばサーヴァントが出てくるのは自明ですし
書いてて思いましたがこのままレイド戦を進めると4日目の剣陣営はまわりぜんぶ敵って状況になっちゃうんですね
>>690
ほいほい、というわけでマップ更新です
各陣営のスタート位置はこれで確定と見てよろしいですかね?>>699
OK。でしたらそうなるとやっぱりランサー陣営を襲撃したいですね。セイバー陣営視点の話としては
チハヤさん:襲う意味ナシ。サーヴァントもういないので後回し(もっと言えば追い討ちする必要もない
ヨルムンガンド:襲う必要ナシ。なんならガンガン暴れて同盟チーム戦力を削いで欲しい
ライダー:攻撃する必要あるけど襲える状況ではない。対ヨルムンガンドのメインアタッカーですんで横入りしても巻き添え食らって被害甚大になるのがオチ。なんならライダーvsヨルムンガンドは放っといて共倒れになってくれるのが理想的
ランサー:襲う必要意味共にアリ。対ヨルムンガンドのメンバーだけど攻撃しやすい相手(対ヨルムンガンドのサポート枠サーヴァント陣営なので)
みたいな考えになりそうですし……>>689
やっぱり裏ってそういう事じゃねえか!!(絶望)
ツユちゃんの判断ミスが招いた結果だとしても…これはどうしろっていうんだよ…あとそこで追いつめてんじゃねえぞアサシン!!張り倒すぞ
次回がかなり怖いですが楽しみです…
>>696
いいと思います。個人的にも4日目のイメージがうまい感じにならん節はありましたし
そうなるとやはり退場候補はランサーかセイバーになりそうですかね。槍退場で同盟vsクッチーの最終決戦になるか剣退場で槍と騎が互いの矜持をぶつけあう最終決戦になるかのどちらかって所でしょうか。両方面白そうで甲乙つけ難い
>>700
個人的には襲撃からのバトルは大丈夫ですよー
元々vsヨルムンガンドではそこまで活躍できない訳ですし、その分戦えるならやはり越した事はないですしね
あとは強襲なので間違いなく緊迫感は出るでしょうし、パロミデスとのバトルはかなり同盟への緊迫も煽れて良いんじゃないかなと。作者自身で認めるのもなんですが、すり合わせの贔屓目抜きにしてもぶっちゃけランサー的な対パロミデスの相性は精神面と何よりバトル面で間違いなく伊草の組み合わせの中で最悪ですし。
ステータスで勝るの無し+堅実スタイルなのでパロミデススタイルの戦闘との相性悪め、何よりも宝具封印で普段遣いの槍と必殺武器の剣のどっちを封印されても致命的なのでタイマンだと割と最悪です。なので劣勢の末敗北もライダーの助太刀で反撃も両方のルートに繋げられる見込みはあるんじゃないかなと>>710
魔術師の工房なんて、死地も同然ですけどね。>>716
ほいほい確認ヨシと
騎陣営&チハヤちゃんは剣陣営の動向次第ですね【氏名】ツユ・ラヴギッド【性別】男性【年齢】16歳
【出身】イギリス【身長・体重】161cm・52kg
【外見・容姿】女装がかなり似合う男の娘。蜂蜜色の瞳と薄紫の髪色が特徴的
【令呪の位置】左手。あるいは下腹部
【魔術系統】暗示・魅了【魔術属性】風
【魔術回路】質・量:B・B(どちらも特異条件下で++) 編成:正常
【起源】坩堝・友鏡【所属】ソルシュクライン
【魔術・特殊技能・特性・礼装・装備など】
魅了・暗示の魔術をラヴギッドの家系として修め、独自の形として発展させている。身体の干渉、支配ではなく、人の欲望や心理、愛にフォーカスを当てたもの。古来から哲学的、あるいは神秘的にさまざまな探究がなされてきた部分ではあるが、それでも未だ肉体に囚われる人の根幹を成す部分であることに変わり無い。およそ千年、魔術や神秘のみならず多くの学問を学び、人の心に触れ掌で転がす方法を模索し続けたラヴギッドの魔術は極めて実践的かつ効果的な形となった。
本来、魔術師は自身の精神を鎧うもの。そうでなくとも、魔術回路を持つものならば魔術にある程度の抵抗力は有して当然。しかしラヴギッドは巧みな話術やコミュニケーションで心を“開かせる”という魔術ではない技術も絡めた存在となった。当代当主によってその考えやアプローチはさらに前進、支配よりもさらに効果的かつ堅固な心の“共有”に至った。
魅力的なものを提示する、というスキュレカリュー教室での指導による術式自体の向上も合わさり、今のツユは千年続いた大家の後継者である息子らしく、異常なまでに人を愛し愛されることに長けている。ツユ・ラヴギッドは完璧ではなく……完璧でないからこそ女王蜂となる資格がある。
殻の中の宙(Everyone’s a star)
ラヴギッドに伝わる小さい手のひらサイズの箱のような礼装。使用者“ではない誰か”が魔力を通して詠唱をすることで人一人が入るぐらいのサイズに展開され、内部では空間歪曲により化粧台から衣装のクローゼットまで全部できる広々とした空間が存在する。
どの衣装や化粧道具も一級品な他、この内側で装い、そこから出るということで古来からの化粧と存在の変生の伝承概念に呼応して「生まれ変わり」とも思えるように魔術的な意味を持たせる。特技:ハニトラ 願い:身近な人の幸せ
好きなもの・苦手なもの:蜂蜜・自分
【一人称】私【二人称】あなた【三人称】あの人
【来歴】
ラヴギッドの魔術的な儀式の一つに“己の肉体の性とは異なる立ち振る舞いを身につけよ”というものがある。禁忌、性の不浄、そして男女双方の愛を集められるような淫猥たる在り方を示すために。ツユという少年は物心ついた時から、これ以外にもさまざまなまともとは思えない邪な慣習に触れてきた。
しかし、残念なことに。ツユは自身の置かれる身の上の状況を悲しい、辛いとは思えなかった。魔術師なら当たり前のことだろうと受け入れたし、そのような非道徳的なものに悦楽を見出していたから。他人が聞けば憤慨するかもしれないが、ツユは別にそれを嫌だとは一度も感じなかったのだ。
彼が嫌だったのは、ラヴギッドが取る支配の方策。分家や従属関係に置いた家系の魔術師たち。彼らを従え、牙を一つ残らず折るには……という点で徹底して心を支配した。有能な人材を召し抱え、性、愛、欲望、それらに纏わる契約や術式で徹底的に縛った。自身のアイデンティティを否定される苦痛に苦しむ彼らの怨嗟。ツユにとって、それが何よりも痛くて苦しかった。
“自分が責められたり恨まれるのが嫌”なのではなく、“そのような家を変える能力を持たない自分が嫌”だという感情。自己嫌悪、自己否定、徹底的なまでの己という存在の卑下。夜通し従者たちに謝罪しながら泣き続けた結果、すっかり根暗になってしまったツユはその才能を認められスキュレカリュー教室にスカウトされ……
セナ・スキュレカリューや学友たちの学びを経て、彼は成長した。根幹にあるものは変わらないが、自身が明るく振る舞うことで他者に気後れさせないという世渡りを身につけたし、その指導で自分の能力には自信が持てた。性格や生き方は嫌っているが、自分の持ち合わせるこの才能だけは誇りに思うことができた。
そんなツユはある日決意した。今までずっと誰かを不幸にして生きてきたのが自分という人間だ。だからいつか、自分は誰かを幸運にする生き方をするべきだ。仲の良い人たちが悲しむ姿は嫌だ。持てる財力も、人心掌握能力も、全てそのために使いたい。……まずは、日本に行こう。父から聞いた話では、そこに血の繋がっている胎違いの弟がいるという。ならば自分は、彼と、彼の周りにいる人を幸せにする。徹底的に尽くし抜く。それが贖罪だ。だからきっと、正しくないわけないでしょう?
【性格】
外交的で活発的。笑顔で話しかけて相手の懐に入り、友達を作るということが得意。性自認は男性だが自身の容姿や中性的な立ち振る舞いをすること自体はなんら躊躇もないし、むしろ自分の可愛さには自信がある。家のあれこれで実年齢に似つかわしくないこともやっている。本人は好んで自分からするわけではないものの嫌いではないので誘われれば応える。
上述した性格は嘘ではない。嘘ではないが……またツユの真実とも言い難い。ツユの根底にある部分は自己否定。自分という存在を徹底的に嫌い、自分が幸福になるということに苦しみを得る精神に深い疵を負った者。向けられる善意が苦痛となり、優しくされるだけで死にたくなる。そうまでされるほどの価値が自分にはないという確信がその胸中にあるために、他人から送られる善い感情を素直に受け止められない。
運命への諦観と自己嫌悪に満ちたその心は己に降りかかる苦痛や悪意に喜んでしまう。他者の善意を無碍にするそんな自分の性格が本当に嫌で仕方ない。そうやって自己嫌悪を繰り返すツユは“親しい人の幸福”を人生の重きに置いており、自己犠牲も厭わず異常なまでに他者の幸福追求に熱を入れるが……
【サーヴァントへの態度】
アサシン→言われたくないこと、腹が立つことをずかずかと言ってきては「でも私は間違ったこと言ってないかろ」を貫き通されるせいで何も言い返せない相手。嫌い。ただその嘲りがツユの性格上救いになることも多々あるし、何より自覚があるからこそ腹が立つとも思っているので複雑な気持ち「………生きてる、のか」
「ええ。あの子がリッキーを助けてくれたの。いい子だね」
「だろ?本当にいいやつで……だから守ってあげてぇんだ……っ、ぐ……!」
「無理しないで。まだ痛みを引きずってるよ」
内面宇宙。仮死状態になって自己保存を優先している際に彼ら細工師の精神が行き着く場所。ここに来るのは何度目だろうか。いつもこうだ、かつてロートゥスを光に導いてくれた彼女がここにいる。ただ残留思念でしかないが……。それはそれとして、今回もちゃんと来れたようだ。ナキが助けてくれたらしい。
「………儂が生きてるってことはきっと良い方向にいったんだろう。じゃあそれで良い。アイツが生きて、善い道で幸せになることを望んでくれたのなら。問題は……そうだな。ツユのことだ。アイツの根幹にあるものは……」
「悪いようにしかならない?」
「いや。……これは儂の見立てだが……きっと起源に名をつけるのなら坩堝とか、友鏡とか、多分そんな感じだな。
それは別に悪いことじゃねぇ。他人の運命を引き込んで、自分の辿る道や在り方と照らし合わせる。自分が相手を幸せにしようとするなら相手は幸せになるし、自分も他人の影響を受けて幸せになることはできる。自他共に良い未来を目指せる在り方だろうよ。ただ……」
“悪い方向”に転がれば、他のみんなをどんどん巻き込んでいく。それもまた事実であるとロートゥスは考えている。たとえば善意で誰かに施しをしたとして、ツユ本人が自分を認めることができなければ、自分を苛み続けたのならば。きっとその人は不幸になる。己を幸せにできないものが他者を幸せにできるはずなどない。誰かを幸せにするやり方をきっと履き違える。そして自分の糧にして、一つの坩堝となり……また自己嫌悪を繰り返すだろう。それを脱却しなければならない。
「これを誰かに教えられてもさらに自己嫌悪が強まるだけだ。だから自分でなんとかしないといけない。……はぁ、上手くいくといいんだがなぁ……」今日もまた、ぬるい地獄に浸かっている。他の人にとっては天国で、私にとっては地獄。そんな大したことない地獄から抜け出せず、生涯永遠に苦しんでいる。
別に、私の置かれている環境が甘いとは思わない。厳しいことも辛いこともたくさんあった。でもそれでも、自分よりも苦しい人なんてこの世界に山ほどいて。ていうかそういう人たちを直接山ほど見てきて。自分という存在はいかに恵まれているのかを知った。それなのに、心はこんなにも痛い。抜け出せるような浅い地獄にいながらも抜け出そうとしない。それが苦しくて、悔しくて、情けない。
そんな自分でも、誰かを幸せにすることはできると思っていた。自分の幸せなんてどうでもいい。ずっと苦しいまま、押し潰されたって構わない。むしろそれがいい。救いはいらない。不幸であればいい。ただ……自分以外の大事な人たちは幸せになってほしかった。だから今まで頑張ってきたし、これからも頑張るつもりだった。
「私は先生よ。生徒を命懸けで守るなんて、当たり前のことでしょう」
「計画は崩れたけど…でも心配しないでツユくん」
その結果がこれだ。ナキは怪物へと堕ちたばかりか、大事だった先生も、そして友達も、大きな傷を負った。天海ちゃんなんて状態があまりにも酷くて、今でも目が覚めないっていうのに。これを全部引き起こしたのは私。私が良かれと思ってやったことが、全部他人の足を引っ張る形になる。それでいて、私には何の損害もない。今だってそうだ。この聖杯戦争で、私が失ったものはないから。
罰されたい、苦しみたい、そう願っているはずなのに、私が不幸になることなんてない。誰かに笑いかけられるだけで死にたくなる。他人の善意が辛い。自分にはそうされる価値がないから。それに……その善意を踏み躙って不幸をもたらすこんな自分を認めたくなかったんだ。幸せにできるはずって信じたかった。そうしないと自分が辛いから。
下手に関わるくせに、肝心なところでひよって立ち止まるからそうなる。臆病で、独り善がりで、傲慢。結局はそれが私の本質で、だからこうなった。なら、私はケジメをつけないといけない。私が生きているせいで引き起こした全ての厄を私自身が祓わないといけない。でもどうやって?私が何かをしても誰かを不幸にする形でしか出力できないのに。「………あ」
頭の中に雷が落ちたみたいだ。脳が震える。喉から掠れた息が漏れていく。そうだ、できる。自分なら、できる。成功すればみんなもう自分のせいで傷つかないし、失敗してもみんな不幸にならない。そんな方法が手元にある。だって、そのために作られたんだから。
「だから、終わらせないと。みんなを苦しませることだけは、絶対に嫌」
月の浮かんだ黒い液体が入った小瓶と、パステルカラーに溢れた砂糖菓子の入ったガラス箱。これらの中身を全て取り込んだ後に手に取ったのは不気味に蠢く肉塊と、鮮やかな血液の入った注射器。無理やり“開いた”胸元に肉塊を埋め込み、腕の血管に血液を注射する。ドク、ドク、と心臓の鼓動が鳴り響く。
“どうしても勝ちたいときにだけ使いなさい”とお父様から渡されたそれを使う。こうでもしないと、私はきっと、私の役割を果たせないから。こうでもしないと、私は弱いままだから。シャワーの水音が鳴り響くこの浴室で、私が辿る未来を想像して……なんだか、ほっとした。
「いいよアサシン。乗っかってあげる。私の物語を紡いでいいよ」
「だから、死ぬべきだと思うの。もうこれ以上生きていられない。生きてるだけでみんな不幸にする疫病神だもん。生きてちゃいけないんだ、私は」
「………なにバカなこと言ってんだ。俺は金稼げて幸せだが。ほら、立て。汚ねぇからさっさと風呂に入ってください。ウリューさんも心配していらっしゃいましたよ」
「………うん、そうだね」憔悴しきったツユを風呂場に押しやる。すぐに病みがちだからコイツは本当にめんどくさい。吐くだけならまだマシな方で、引っ掻き始めたら重症だ。ラヴギッドの魔術じゃ身体も資本だっていうのにそれを傷つけてどうするつもりなんだろう。余計なことを考えないように後でちゃんとケアをしないと。
ライダーとの戦いで負った傷を見た時のアイツの顔はまあ酷かった。そんな風に真っ青な顔で見られても困る。戦う以上は傷つくのなんて当たり前で、そこまで酷い傷じゃなかったことに喜びを覚えるべきだ。ただアイツはそうじゃない。だからまあ、雇い主のケアはするべきだろう。それも仕事だ。
あの日、あの時。家族と心がかけ離れてしまって、何の意味もなくなってしまった自分。そんな自分に仕事を依頼したのがツユだった。アイツがどう思っているかは知らないが、俺が働く意味を与えた恩がある。だから俺は金を稼げる間は全力でアイツのために働くべきだ。雇用主と従業員。その関係性が俺たちを繋ぎ止めるから。
「出たよ」
「風呂上がりの報告とか別にいら……な……お前っ……!」
ツユの姿を視認したその時、理性が勝手に反応した。腰に提げていたナイフで躊躇いなく自身の太腿を突き刺したのだ。痛みがなければ飲まれてしまう。普段、他者に恋愛感情や性的欲求を抱かないルフですら頭がクラクラするほど、おかしな光景だった。ただ薄着の姿を晒しているだけ。それだけで、こうなるなんてあり得るのか?というか何故、そんなことになっているんだ?
「お前……使ったな……!?父親から授かった呪体も遺物も全部取り込んだな!クッソ、マジで……俺が何のためにお前をサポートしてきたと……!」
「わかってるよ。その役目を担わせたくなかったんだってことぐらい。でも違うの。これはね、私にやりたいことがあるからこうしたの!すごいでしょ?」「………聞いてやりますよ。何がしたいんだ?」
「みんなと“一緒”になればいいかなって!だってほら、私がいればみんな不幸にしちゃうでしょ?でも私は不幸にならない。だから私をみんなに分けて、みんなを私に分けてもらえばいいんだって思っちゃった。私の力だけじゃできないけれど……聖杯があればできるよ。そうでしょう?」
ナキが“他者を喰らい尽くして己のみで宙に羽ばたく新しい生命体”のモデルケースならばこちらは真逆のアプローチだ。“個を捨て、言葉を不要とし、皆が繋がった巨大な集合意識の生命体”をモデルケース。皆が繋がり宙へ旅立つそれは人ではない。これもまた人から逸脱したものと言えるだろう。
多くの偶然が重なり合った結果のナキと違って、ツユはまだ足りないものがある。リソースも足りなければ、ツユという個体の器が理想を叶え得る性能ですらない。何もかもが足りないからこそ、ツユはとある手段を使おうとしている。自分のサーヴァントがアラクネだからこそできることをしようとしている。そしてそこに聖杯を加えれば……
「冗談じゃない。本当に私ならできる。でしょ?誰も私から逃げられないし、私も誰からも逃げられない」
「………俺も、俺の家族も、な。だけどそれは、ここでお前を殺.せばそうならない」
「うん、いいよそれでも。私が死んだら死んだで、みんなはもう不幸にならないでしょ?ルフは誰かのものになるなんて嫌だもんね」
諦観に満ちた瞳。自嘲する口元。なんとか必死に喉から絞り出している声。ツユの意図なんてその表情を見るだけで簡単にわかってしまった。つまり、殺されたって構わないんだ。いいや、ルフなら自分を殺.すだろうと見込んで、そんな風に挑発している。その目論見は正しい。家族や自分を害するものは容赦なく殺.す。それがルフという人間だってよくわかっている。わかっているからこその行動なんだろう。“ここで殺さなければ家族がみんな家族でなくなるぞ”と圧をかけているし、もし殺さないのならば本当にやる。そこまでの気概を見せている。
「もうだいぶ稼いだでしょ?よかったじゃない、こうなって!私を殺してルフの仕事は終わり!あとはまた別の金ヅルを探して仕事を─────」
「ちょっと黙ってろ」どうするかなんてとっくに決まっている。この道を選んだときから、ずっと俺はこうだった。
「………えっ。あれ?痛くない……」
受け入れたけど、それでも痛いのは嫌だから。それに、ルフに睨まれるのも怖いし。頑張って目を瞑ったけど何も痛みが湧いてこない。強いて言うなら、背中が強く掴まれて痛い。こんなこと今までで沢山あったからわかる。私はハグをされている。けれど理解できない。なぜルフが私を殺.すのでもなく、見捨てて去るのでもなく、抱きしめるのだろう?
「俺を見くびるな。俺は確かに人でなしだがそんなことでお前を切り捨てるほど情がないわけじゃない」
「私を殺さないと、あなたの家族がどうなるかわからないのにっ!?」
「………あの人たちと縁を切ってから、もう長い。俺の生きる意味はあのときに無くなって、そんな俺に生きる意味を与えたのはお前だ。俺だって人間だぞ。大事な人の優先順位が変わったっておかしくないだろう。それにほら、別に死ぬわけでもないし個体としての存在が消えるわけでもありませんから」
「どうなるかわかんないのに、というか聖杯戦争で勝ったってその後に誰かに殺されてもおかしくないのに……!」
「くどい」
たくさんの人の心にずっと触れてきたツユだからわかる。ルフの熱は本物だ。彼は本当に、最後の最後までツユに付き従っていいと思っている。逃げようとしたツユを押し倒し、見つめる瞳がその表れだ。沸るように煌めいて、絡みつく。お前となら死ん.でも良いと目が口ほどにものを言う。「お前と一緒に堕ちてやる。お前がさらに深く堕ちるなら俺はその手を取ろう。殺してなんてやらない。もっと苦しめ。俺も苦しむ。どうせ価値なんて無くなるはずだった命だ。最後まで使い潰せ」
「………バカだなぁ。家族のみんなに言うこととかないの」
「ない。あの人たちと俺は違うから。今の俺はお前のものだ」
「本当に……もう……」
「終わったかしら?ならやるわよ」
アサシンの宝具である織機が布を織り続ける。アサシンの心象風景が形を成した固有結界の亜種とも言うべきこれは、現界してから今に至るまで、ずっとただ一つの物語を織り続けていた。自分を召喚したマスターであり、何をどうしても救われぬ憐れな男。ツユ・ラヴギッドの物語を形として織り紡ぐ。その救えなさ、どうしようもなさだからこそツユはアサシンのお眼鏡に適ったのだ。それはツユの肉体性能をさらに高みに引き上げる。
「宝具開帳。『幻想織機・傲慢乙女』……我が怨敵たる女神。彼女の織りなす物語に負けず、恥じず、劣らず。どうせ見ているんでしょう、ランサーはアンタの化身だからね!………そ、その、大したことない腕が現世で発揮できなくて、その、残念、でした、ね?せいぜい遠くから眺めていること、です……」
「まだ足りない。でもアサシンの物語で私は目指せるレベルまで磨かれたから。……よし、じゃあ次は聖杯を獲りにいこう!」
どれほど眩く瞬く星でも、いつから燃え尽き枯れ落ちるものだ。少年が抱いていた幸福の熱は、今や墜落した。……夢は、醒めるから夢なのだ。クッチーって作中だと基本的に”朽崎遥”で認識されてるけど、裏稼業してるに当たって隠語的な呼称(ワンピースのドフラミンゴにおける”ジョーカー”みたいなの)は設定しなかったんだろうか?というのが今日浮かんだ疑問
>>700
とりあえずセイバー陣営はこのスタンスに変動はないと考えております
>>702 >>704
セイバー陣営vsランサー陣営はぶっちゃけマスターの差があるんでそこら辺はどうとでもなるというかな部分はありますね
>>712
セイバー陣営はランサー陣営を襲ってそのまま戦って……が決まればタイミングとかその後の流れに関しては柔軟に決める感じでも。ここら辺は相談しつつって感じでしょうか
しかしクッチーでリレーやると初手爆破テロ→怪物レイドの結果進退が決まる、みたいな流れになりがちな気がする。様式美かな?もうさァッ無理だよ構文でネタ作ろうとしたけど言いそうな奴がいないし下手すりゃイメ損になりそうなので———やめました。
>>733
そうですね、それなら一つ展開の提案があります
当初の予定通りライダーがヴィマーナ展開、ランサー陣営が防衛ライン死守側に回って少し下がったタイミングで奇襲っていう展開はどうですか?
これなら
・ヨルムンガンドも危険ではあるけど剣陣営も放置したらテロする可能性があるから抑えなければならない
・かと言ってヨルムンガンドは放置すれば聖杯爆弾刺激するので放置もできない。両方止める必要がある
・元々ランサー陣営的にはアーチャー陣営にダメージ与えられる見込みは若干薄いかも
って感じから、「剣vs槍エリアにヨルムンガンド到達で合流するまでは各個戦闘、互いに削りつつ剣側が戦ってる地点まで弓側が上がってきたら2vs1vs1で混戦しつつ両方撃破を狙う」って方針を説得力持たせつつできるのではって思います。
前半は2箇所で剣槍、弓騎でそれぞれ戦う形にしておいた上で、後半でここにライダーとヨルムンガンドが上がってきた時に合流して4騎と5人の乱戦にする、みたいな感じです
ヨルムンガンドは無差別っぽいのでセイバーも射程に入ると思いますし、これならかなり混戦になってレイド感は出るんじゃないかなと。
これをそのままやるとかなり展開がごっちゃになりそうだし、マスター側はまだ考えてないので細かい調整は必要かもですが、これなら戦えつつしっかりレイドもできるので双方の注文を満たせる、かつパワーバランス的に一方的になりすぎずにそれぞれの陣営が十全に暴れられそう、って感じで悪くないのではないかなと。
どうでしょうか?>>734
図解だとこんな感じです
前半で
騎→ヨルムンガンドのヘイトを買いながらヴィマーナで削っていく
槍→剣を削って注意を惹きつけつつヨルムンガンドを待ち構える
弓→とにかく無機質に排除しつつ北上していく
剣→騎弓が潰し合うのを期待しながら槍を倒しに行く
って感じでそれぞれ目的確立して戦わせてから後半で合流して全員で殴り合う、みたいな感じなら大体の条件満たせるんじゃないかなと。互いに削って合流したら本格レイド開始みたいな
ヨルムンガンドをまともに削れそうな唯一かつ最大のカードはヴィマーナな訳ですし、それぞれの要望や条件をある程度満たしつつ各陣営が十分に活躍できそうな流れを考えるとこれが結構悪くないんじゃないかなと思いますレイドボスとしてのヨルムンガンドの性能、ですか…超ざっくりですが考えていたものは
・鱗が小型ビットとして浮遊し攻撃してくる。各個撃破してもヨルムンガンド本体が無事ならすぐに生成される
・本体も頭部や蛇で言えば腹にあたる部分に砲門が備えられておりそこから爆撃。fgoでいうクリティカル攻撃
・本体への攻撃はビットをどうにかしない限り分散されるなどして大したダメージにならない。両方一気に殲滅する必要がある⇒『月光よ、空を断て(チャンドラハース・サンクシプ)』使用の必要性
・これとは別に足切り要因として浸かっている水がヨルムンガンドの毒素を受け濁流に変質。水辺には近寄るだけで常人には危険な濃度の毒が流れる⇒ヴィマーナ搭乗に。ランサーは涯風槍の風ブーストで陸地・水上での戦闘も可能かも?
ひとまずこんなところです。これ厳しくないか?というものがあれば今のうちに修正します
伊草の相談に大して参加できずすみません、せめてもの参考になれば幸いです…
>>705
電気系の魔術って実際この現代だとめちゃくちゃ便利そうですよね…でもこれからの時期は静電気とかすごそう
しかしてだからって0%まで使い切るとは…宵越しの金を持たないがすぎるぞカステラ。21だろお前(某修学旅行パロ)
>>712
自分はもちろんそれで問題ないです!レイドボスの動きが変わることはないと思います(変わるとしたら耿実の今後?)>>736
そうですね…分かりました。こちらが引き下がる事にします
お騒がせしました
>>737
となると気を取り直して此方を考える他ないですが、これがヨルムンガンドの性能でさね
ビットごと攻撃してくる+小型ビットごと攻めないとダメージカットで攻撃が通らないというのが主な強いギミックって感じか
とはいえもう此方しかないという事なので考えたんですが、趙雲のキャラシに元から入れてた槍最大チャージ解放で小規模な竜巻起こす奴ならワンチャン効き目があるんじゃないかって気がしてきました。小規模な竜巻をヨルムンガンドの根元で起こしてビットごとヨルムンガンドを吹き飛ばす→後退させつつ少しだけダメージが入るって感じならワンチャンある程度ダメージ稼げるかもです。そんで風ブーストのチャージも普通の風を吸収できる→浜とか海なら風はあるだろうからチャージは速くなる可能性があるって寸法なので乱発はできないけど案外ノックバックさせながらダメージも入れられるかも
そして濁流に関しては、刹那ちゃんの都市魔術なり何なりで船ゲットして騎乗スキルで何らかの軽い船に乗りつつ応戦する感じなら行けるんじゃないかなと。ランサーくんは劉備結婚絡みで呉から劉禅奪還する時に船乗りながら戦ってたって逸話あった筈だからワンチャン行ける
なので改めて覚悟決めて考えてみたら、案外対ヨルムンガンドでもやりようはあるかもって気がしてきました。ラーヴァナが剣と戦ってる間に注意惹きつけつつある程度削る事は不可能ではないかもしれませんって気がするので案外行けるかもです。
電磁気の魔術って神秘自体は微妙かもですが、案外現代での応用性は高いなって最近気付きました。でも言われてみれば静電気はかなりキツいかもしれないっすね。多分本人鍛えてるしタフだからリョーガ君なら眉一つ動かさんぞ状態にはなってるけど、他の人が触った時にえげつない静電気で痛ァってなったのを見て「…俺に近寄らねえ方がいい(いやマジで静電気がヤバいからやめとけ)」っていう新たな文脈が生まれてしまう可能性すらある。しっかり伝えてあげて…?
カステラ君はこういうネタ絵のボケ側を結構気兼ねなく描けるのが本当に有り難いですね…絡ませやすいしボケやすいから本当に造形が秀逸
ちなみに12ページ辺りに最新話置いてますー あと今更ですがカスほたの時系列と繋げて大丈夫でしたかね…?>>740
『ガッ、アッ……!』
『――』
剣士と怪人が消滅する。
先程倒したオーブ、そして暗殺者同様亡骸も残さず、塵となって宙に溶けながら。
それはまるで、シャドウサーヴァントを思わせるような――
「……ひとまず撃退した、か。他に増援はなさそうか、シオン?」
『少々お待ちを。――スキャン完了、今の所周囲にそれらしき敵性体の存在はありません。とはいえ』
「ああ、分かってる。移動しよう、あいつらが何者かにしても考えるのは一旦後にしないと」
フェリーペの言葉に頷き、黒野と加々見も同意する。
そうしてメンテ―を先頭に、再び一行は迷路の奥へと進みだした。
「……クロノ、それにカガミさん。その、さっき出くわした奴らの事なんだけど」
「分かってる、皆まで言うな。――あいつらの正体について、だろ?」
「より正確には、『ああなる』前のオーブ達についてやろうね」
上辺は冷静さを装ったまま、黒野と加々見は淡々と答えていく。
それはまだフェリーペ達がレイシフトしてくるより前。まだこの街に、生き残りが大勢いた頃の話。
「フェリーペには話した事だが。俺と加々見が手を組んだように、他の連中も各々生き残る為にあれこれ動き回っていたんだ」
「ジルと同じく単独行動が基本やったオーブ、三上や他の連中に声をかけて回ってたジェイド……あの、トカゲ怪人の事やね。それと――うちらとも一時期組んでた、志村千早ちゃん」
「だが、どいつもこいつも最後にはくたばっちまった。ある奴は敵との交戦で、ある奴は背中を撃たれて。そして、またある奴は他人を庇って自ら――」>>741
それ以上は言葉にせず、一瞬だけ目を伏せる黒野。
加々見も、フェリーペも、そしてメンテ―も。口を挟む事はなく、一時の間沈黙が流れた。
「……続けるぞ。連中の亡骸についてだが、そこら辺は相手によってまちまちだったな。急ごしらえとはいえ、穴掘って埋めた奴もいればそのままほったらかしにした奴らもいた」
まあ、正直後者の方が多かったんだがと。口には出さず、黒野は心中で独りごちる。
「けど、後者に関しては共通する事が一つあった」
「――それは?」
「死体が消えた。ただの一人も例外なく、まるで最初からそんなモノなかったみたいにな」
「「っ!!」」
「言うて、そんなすぐパッと消えるとかやあらへんかったけどな。大体目撃して三十分って所やろか、とにかくある程度時間を置く必要はあったみたいなんや」
「埋めてやった千早の方は知らねえが……多分、あそこにいたって事はそういう事だろうな」
努めて感情を消しながら、黒野はそう締めくくる。
フェリーペとメンテ―、そしてシオンもまたそれらの情報を基に一つの結論を導き出していた。>>742
「つまり、この街……というか特異点で死んだ人間は……」
「ああして、取り込まれた挙句操り人形にされるという訳か。だが、それにしても先程の連中は――」
『ええ。メンテ―さんが疑問を抱いた通りです。――彼ら彼女らは、強すぎる』
疑似とはいえサーヴァントであるメンテ―相手に肉薄せしめる程の戦闘力。黒野の不意打ちで仕留められた暗殺者を除けば、残りの三人はいずれも尋常離れした強さを有していた。
――その暗殺者にしても、あそこまで接近を許す程の能力を有していた時点で異常である。それこそ気配遮断スキルか、それに匹敵するナニカを有していなければあり得ない程に。
『封印指定執行者と言っても限度というものはあります。少なくともこちらで把握してる限りのオーブ・フランベルジュという人物は、執行者といえどそこまで強大な魔術師ではありません』
「それこそ、サーヴァントの武装でなければただでは済まない出力の炎を出すなんてか?」
『イグザクトリー。それに、あのトカゲの異形と化した男に千早さんと呼ばれた少女剣士……二人がかりだったとはいえ、メンテ―さんがいなければ押し切られていた程の腕力と技量でした。どう考えても、魔術や鍛錬どうこうで成立せしめるものではありません』
「……はあ。今更な話やけど、ほんまうちらきな臭い事に巻き込まれたもんやなぁ」
「同感だ。というか、今更ついでだが――お前ら、いつもこんな事態(コト)に巻き込まれてんのか?」>>743
シオンの解説を聞き、加々見と黒野が呆れたような顔でフェリーペ達を見つめる。
対するフェリーペ達は、苦笑しながら肩を竦めるのみだった。
「まあ、何というか慣れたというか……」
「さすがにここまでの事態は早々ないがな。とはいえ、この程度で音を上げていては到底生き残れなかったような修羅場ばかりだったのも事実だ」
「マジかよ。ノウム・カルデアヤベェな」
「かなわんわぁ。うちら程度じゃ到底ついてける自信あらへんよ」
今度は黒野たちが肩を竦め、苦笑する番だった。
そうして、場の空気も僅かに弛緩したその時。
『――皆さん。気を引き締めてください、どうやらご歓談はここまでのようです』
「! シオン、それは――」
『ええ、フェリーペさんも気づかれたでしょう? 今歩いてる通路の奥、その向こう側に開けた空間を感知しました。恐らく、この建物の最奥部で間違いないかと』
「いよいよ、か」
「鬼が出るか、蛇が出るかってとこやね」
「心配するな。何が待ち受けていようと、私が皆を守る。――行くぞ、後輩」
「ああ。分かった。……行こう!」
メンテ―の先導に続き、フェリーペ達三人が奥へと進む。
通路を抜けた先、そこに広がっていたモノは――>>744
「――――」
それは、はたして誰の嘆息だったのか。
通路を抜けた先に広がっていたのは、茫漠たる平野だった。
人も、村も、何もない。ただ星空と無窮の平野が広がるだけの世界。
建物の中にいたという現実さえ忘れてしまう程、あまりにも隔絶した空間がそこにはあった。
「……いや、どうなってんこれ?」
どこまでも延々と続く平野を前に、我に返った加々見が最初に呟く。
だがそれに答える者は誰もいない。
黒野も、フェリーペも、メンテ―も、そしてシオンもまた。ただただ眼前の風景に目を奪われ茫然と立ち尽くす。
一応最低限の警戒はしていたが、敵らしき敵の姿もなく――完全に、四人だけが世界の中心だった。
「ええと……どう、なってるんだこれ?」
「俺に聞くな。とりあえず、来た道はどうなってる」
『残念ながら、たった今消えました。どうやらここに侵入した瞬間消える設定だったみたいですね』
「なるほど。……どうする後輩。ひとまず周囲を探索してみるか?行く当ても何もないが」
「それは――」
“その必要はない”>>745
「「「「っ!?」」」」
突如として響いた、第三者の声。
しゃがれた老人のような、あるいは幾重にも重なっているような。そんな禍々しい声音がどこからともなく一同の鼓膜を打つ。
その困惑も束の間、声の主は自ら眼前に姿を現した。
“――よくぞ。よくぞ、ここまで来たノウム・カルデア。そしてこの地にて生き残りし強者たちよ”
“歓迎しよう、歓待しよう。汝らこそ、我が求め欲した『英雄』にして『強者』なれば”
“そして――その奮闘を嘲ろう。数多無数の屍を積み重ね、終にこの最奥に至った愚者共よ”
“すなわち、今この時こそ。我が再び返り咲く悲願達成叶いし瞬間なれば!!”
それは、古ぼけた鎧甲冑を纏った老騎士だった。
現代風の街並みだった特異点には大よそ似つかわしくない、されどこの平野にあっては不気味な程に合致した異端者。
一目で分かる『異常』と言葉の羅列を前に、黒野と加々見は躊躇いなく戦闘態勢を取る。
そして。フェリーペとメンテ―は――>>746
「そん、な。まさか……!?」
「…………!」
動揺も露わに、二人が立ち尽くす。
ほんの少し前、黒野と加々見が死者(オーブ)を前にした時と同じように。
『あり得ざる者』に出くわした事で、身体が、心が凍りつく。
黒野と加々見はその理由を知らず、故に困惑しかなく。
求める答えを出したのは、通信先のシオンだった。
『――フェリーペさん、メンテ―さん。お二人とも、落ち着いて。そして気をしっかり持って聞いてください』
『たった今、ノウム・カルデアのあらゆる計器が一つの反応を捉えました』
『この見覚えのある――いえ、正しくは見覚えしかない反応と言いましょうか』
『霊基反応、クラス・ビースト』
『間違いありません。皆さんの前にいるのは――人類悪・ビーストⅤです』一応談話室は更新済。っつっても独り言と質問に対する回答、程度の内容ですが。
んで気を取り直して諸々の要素を考慮しつつ考えると、レイド戦におけるセイバー陣営の動きとしては
①ヨルムンガンド出現を確認
②パロミデスとクッチーで二手に分かれてパロミデスはヨルムンガンドに接近
③濁流の毒素で『暴毒・堕落されし妖剣(カースド・クラウン)』のチャージ開始
④ヨルムンガンドvs同盟組の戦闘を確認。攻撃開始
みたいな感じかなぁ。攻撃の内容としては
「デカブツ蛇?はじめましてサーヴァント?ライダー?街の被害?うるせー知らね〜」精神でカースド•クラウンの連射&乱打って感じです。
ヨルムンガンドにもランサーにもライダーにも区別なくランダムに斬撃飛んでくるみたいなのを想定して貰えばと。
阻止されなければ(ヨルムンガンドがいなくなるまで)エンドレスで続くぞ!皆さんのSSに向けた感想がコピペミスで全部消えましたかなしいです
なのでとてもざっくりしたものですが直近最新話の感想を置いていきます…怠慢でごめんなさい…ちゃんとこれまでの流れはどれも楽しく読ませていただいております…
>>595
役者は揃った…って感じですね。凌牙さんのお花は季節から考えてやはりお盆のお墓参り…?しかし私が想定している限りではこのお花は不要になりそうですね…ちょっと嫌な方向で
ちなみにカスほた匂わせ回も拝読しておりますよ〜。一方その頃系のSS大好きなので蛍狩りデートとの繋がりも全然OKです!ただその場合カステラの着物は裂夜さんから拝借したものですので、そこら辺はちょっと修正が必要かな…?と。無論こんなの重箱なのでどうぞご随意に…
>>627
ルナちゃんの神秘好きとしての姿勢がここまで展開されるとは…しかしこれがルナちゃんという魔術師を主人公とした物語であるならばいずれ来るものであったのかもしれませんね…
フィンランド編が序盤〜中盤までは比較静穏というか、神秘を考察するみたいな要素が強かったのもこの終盤のショッキングな流れをよく映えさせていて…でも今回も無事でいてほしいな…しでかしている暴挙があまりにも暴挙だけど…
>>729
ツユさんが自分を責め立てるとき結構な頻度で起源に触れていたのでどんなものだろうと思っていましたが…「坩堝」、坩堝ときましたか。これは確かにドロドロとかして融合するのに適した存在。と同時に「友鏡」というのが自分をいやでも見てしまう、自分が自分がって自責に駆られちゃう姿勢の所以なのかな…とまで考察が進んで。起源が二つってこんな感じなんだなぁ
女神様に主人公と定められているだけあってナキさんもツユさんもこの物語を通じて大きく変化をとげましたが、ルフさんも不変なようでツユさんと出会い彼にここまで寄り添うなんて…これも明確な変化でしょうね。ミルキーウェイ店主も喜んでくれていそう>>748
まさかまさかの…!という衝撃と終盤のボスラッシュはそういうことか…!という納得とじゃあコピーメンテーさんは一体…?という疑問とが一度にワッと湧いてでましたね。ずっとヒューマンストーリーが主軸だっただけに、だからこその存在が出てこられて頭真っ白になっちゃう
ドン・キホーテなビーストさんの造形かなりタイプなのでこれからの展開も楽しみですが、やはりこの戦力差がどう埋められるのかが気になってしょうがない…行けるのか…?メンテーさんが最大戦力で…?
そしてここからは伊草関係
>>738
そうですね、ノックバックでの全力の足止めに趙雲さんは専念してもらうことになりそうです。イメージとしては川を上るヨルムンガンドとそれを阻止するように水面に(絶えず風を起こして足場を作っている)立つ趙雲さんって感じ
刹那さんはちょっと地上…特に川にいるのは危ないかなって。毒の濁流にただの一般船が耐えられるとは思えませんし、何より砲撃や趙雲さんの起こす風に巻き込まれちゃいそう。なので個人的には有紗さんと一緒にヴィマーナに乗っててほしいかな…
>>739
そうですねぇ。ヨルムンガンドは聖杯爆弾を起爆させるなり聖杯と接続するなりして街を焦土化させることによって耿実の命令である大量破壊を実現しようとするので、移動中の破壊自体はそんなに…というか、ほかのサーヴァントの撃破が最高傑作としての義務に当たるので街はアウトオブ眼中だと思います
ただ移動中邪魔になるものは砲撃するので、綾ノ川を渡す橋は崩落するだろうなと…あとは毒の濁流と余波ですかね。パロミデスさんがカーテナ撃ちまくるらしいし、これでヨルムンガンドまで破壊活動に回ったらオーバーキルかと
>>749
宝具フル投入による撃破お願いしたいです、レイドボス冥利につきます…!
耿実は少し離れた街中で空を駆けるビットの駆動音や荒れ狂う川の音、絶え間ない砲撃と余波による崩落の響きに酔いしれていると思います。自分への警護とかはそんなことにリソース割いて欲しくないので一切回しておりません山星さん山星さん、ちょっとお聞きたいんですがセナ先生って自分の教室の生徒以外からでも相談を聞いてくれたりしますかね?
それも魔術とはあまり直接関係しない相談内容になるのですが…
>>752
ふんふんふん………確認しました。セイバーの動きは問題なさそうですね
……ところでこれ二手に分かれたクッチーの方はどこへ向かうんです?
>>753
終盤ルナがケンカ売る相手のことを少しでも理解してもらうための序盤中盤にかけた平和パートでした
ルナのお前なにやっとんねん感のプラスになればさいわいわいです
>>754
なーるほど了解しました
あまりにも被害が出まくるようなら、教会組回してガードする描写とかもいるかもと考えてましたがこの分ならメイン組に描写集中させてよさそうですねレイド戦のスタート時に関しては大体決まってきた感じありますけど、あと他になにか決めておいた方がいいことってありますかね…?
>>748
いつかどこかで登場させたいとはかつておっしゃられてましたけどなるほどNCでの登場……夢を終わらせるのも一苦労なのが人類の業だなぁ
>>730
これでもまだナキほど個体性能としては極まっていないのであと一歩が必要だったりします
ルフは最初から最後までツンデレのデレが隠せてない男ですよ!ただ今回はそれが最悪の方向に行きましたが
>>732
死なずに済んだ、という意味では満点のフォローです。ルフも世界を壊す側に回ったって意味では0点かも
>>749
こっちはこっちでお前と一緒に堕ちてやる、というラスボス化なのでまた過酷な道ですが。でもそれを選んだのもルフの決意なのだと思いますですはい
>>753
自己肯定感を引き上げれば自分も大事な人も幸せな方向に持っていけますが自己否定の塊なのでそれを表すように他のみんなを不幸な方向に引きずり回す哀れな運命です
ルフはこのまま世界を壊してしまいかねないツユの願いに応えたので「兄貴たちにはもう二度と顔なんて見せらんねぇな」って思ってます。ダヴィ的には「そんなに苦しまなくてもいいのに」という反応になりそうですが今回の話は「ルフに殺されてこの人生を終わりにしようとするツユを止めた」という意味ではかなり良い働きをしたのですが「死ぬまでツユと一緒にいて世界の敵になってお揃いの地獄にいることを決めた」という意味ではまあ割と最悪め
カラッとしてるようでジメジメしてるのがこの二人でその最たるものなので割と共依存気味
そこら辺ロートゥスとナキは互いに互いをリスペクトしあえる戦友って感じなので絆は強固ですがジメジメはしてない
>>755
ほんと内容次第なのと後は気分次第ですかねぇ
魔術の内容じゃないのはむしろ良いことだと思います
「自分の生徒でもない、いずれ殺し合うかもしれない何処ぞのよく知らん魔術師になんで魔術の知識を教える必要があるの?」ってなる可能性が高いので。魔術以外ならそれこそ作中でセイバーにやったみたいに先生モードになる可能性はあります>>767
了解しましたー
では男女比はとくに意識せず考えていきますお久しぶりです。
最近時間の流れがあまりにも早く感じます。特に休日。目が覚めて何かしようと思い立った時にはもう半分終わってる…。>>775
ついに来ましたねぇ…
なんの偶然か同じアーチャークラスになっちゃってて私も思うところがありすぎてしまってもうね小生の肩がバッキバキになってクッソ痛いですよ>>729
やべえよやべえよと思ってたらルフ君の株が爆上がりしたですよ
一緒に堕ちていく覚悟決めてるのかっこいい…ヤバい展開ではあるけどそれでも好きにならざるをえないの型月み強くていいですねえ
>>748
うおおおドンキだ!!!何気に気になってた獣ドンキだ!!!これは黒幕も納得ですわ
何となくですが公式ドンキよりも頭身高くてリアル目な見た目の老騎士になってそうなイメージを感じますね…
とはいえメンテー戦で分かるようにかなり戦力がヤバいですが此処からどうバトるのか…戦力差や力量差をひっくり返す展開すきすき大好き民としては楽しみですよ
>>753
はい、役者は揃いました。これで一応出る奴は敵味方含め全員顔を出したかなって感じです。とはいえ本格的に動くのはもうちょい後の奴らもいますがそれは仕方なし。
まあ花はもうお分かりだと思うので言うと正解です。凌牙君パートの最初はお盆の墓参り兼ソロキャンで鶴水海岸の山に足を踏み入れる所から始まります。嫌な予感しかしないね!!
あと浴衣の件了解ですー、今日か明日くらいに修正入れときます。丁度ユーさんの方からも軽い修正ポイント提示されたのでリハビリ兼ねて直す感じで>>779
お久しぶりですー。
叛鎖の感想等裏ページの方に書いておりまする。>>786
いつも銀髪銀髪言ってる私が真っ先に気づくべきだったコト…
あぁぁ〜〜…なーるほど…理解…
カラーのメレ坊を見たことないからちゃんと想像できてなかったんですが、なるほどたしかに紫メインならそれはそうなる、なるなる山星さん山星さん
孫が出来たので見てもらっていいでしょうか?>>789
やっほい
いくぜいくぜいきますぜ【氏名】ベルディオール・ドラモンド
【性別】男性
【年齢】16
【出身】スコットランド
【身長・体重】168cm・85kg
【肌色】明るめの白【髪色】アッシュゴールド【瞳色】黒
【外見・容姿】まだまだあどけなさの残る顔と全身余すところなくバッキバキのボディを両立する少年。脱ぐと顔と身体のギャップがすごいらしい。手が、デカい。
【属性】秩序・善
【好きなもの】先生、家族、異性というか女の子というかついつい意識しちゃうもの
【嫌いなもの】今なおドラモンドの理想に至れぬ自分
【魔術系統】宝石魔術
【魔術属性】虚数
【魔術特性】砕く
【魔術回路】質:A 量:D- 編成:やや異常(右半身に偏りが見られる)
【所属】時計塔・鉱石科
【階位・称号・二つ名】"鉄拳">>791
魔術・特殊技能・特性など
『宝石魔術』
一般的な宝石魔術。ドラモンド家の魔術は正統であるがゆえ奇をてらうことなどない。
各属性に対応した宝石を用いることでオールマイティな魔術行使が可能。魔術師にとっての常識的な範囲ならばなんでもできると言っていい。
基本的にはなんでもできるが祖父モートン・ドラモンドを意識してか雷の自然霊が宿った宝石を多用する。
また自らの属性を活用して虚数空間にあらかじめいくつもの宝石を仕込んでいる。これによって宝石の取り出しと切り替えにかかる時間をほぼゼロに短縮、あたかも西部劇に出てくるガンマンの早撃ちじみたスピードの魔術行使を実現している。
なお、虚数属性の操作は主に右手で行うため"早撃ち"も右手のみに限定される。そして右手の操作による集中力を確保するため左手は常に握りしめたまま開かずにいる。
魔術の起動には「宝石を握り砕く」というシングルアクションを必要とする。これは砕け散る一瞬にこそ宝石の価値を見出すドラモンド家の方針によるもの。
よってドラモンド家では自力で宝石を砕くことが絶対とされ、そのために肉体を鍛え上げる。
宝石を握り砕く際の力加減や速度、さらに指の位置にまでわずかな差異を加えることで繊細なコントロールを可能とするが、これはドラモンド家でも高等技術とされるもので、ベルディオールは修得しきれていない。
今はまだ力いっぱい握りしめて盛大に砕くのみ。悪く言えばアクセルべた踏み。良く言えば…………常に全力、というところだろうか。>>792
『鉄拳』
宝石を握らないまま常に閉じた左拳。右手の宝石魔術と虚数属性の操作に集中するべくあえて閉じたもの。この『左を閉じて右に集中する』というアイデアは教室入りした後に講師のセナ・スキュレカリューから与えられたもの。
右手とは打って変わってシンプル物理の拳。振り回すあるいは振り抜いて使用する。素のフィジカルが飛びぬけているドラモンドの血筋は強化魔術を用いずとも暴力的パワァを発揮するのだ。その拳は"鉄拳"の呼び名すら生ぬるい硬度を誇る。
しかしてパワァは前座、いやさ前提である。常に閉じていることを意識された左拳ではあるが、それは決して魔術の不能を意味しない。彼の拳は新たな魔道を切り拓いた。
"握り砕く"というドラモンドの宝石魔術に、
"殴り砕く"という新しい要素を加えたのだ。
拳の中でいくつもの破片となった宝石を宙に放り出し、ふたたび握りしめた拳を振り抜いて粉砕する。ダブルアクションによる魔術起動である。
速度こそ早撃ちに劣るものの二重に共鳴して発動する宝石魔術は二倍ないし三倍の効力を生み出す。
『(名称未決定)』
ベルディオール・ドラモンドが考案した戦闘用魔術のひとつ。右手と左手を同時に使用して放つレールガン。
虚数空間内部にて電磁加速経路を構築。虚数空間ゆえに無制限に加速した宝石が、右手を中心に開いた"孔"から射出される。
右手を銃口とし、虚数空間を銃身および弾倉と捉え、左手で殴り砕かれる宝石を撃鉄とする。
一連の動作はまず右手から虚数空間を操作。左の拳で握り砕いた宝石の破片を宙に放り、裏拳の要領で殴り砕きながら右手を前へ突き出し射出、となる。
祖父の背中を追い、師の教えにならい、ドラモンド家の理想を目指した少年なりの大技である。>>793
来歴
時計塔・鉱石科に所属する若き魔術師。彼は由緒正しき伝統を誇るドラモンドの家に生まれた。
生まれついての才能はドラモンド家の歴史の中でも指折りであり、伝統に基づいて積み上げられたドラモンドの技術と神秘を余すことなく叩きこまれた。
期待/重圧/歴史/苦痛……鍛錬と学習が凝縮された日々は魔術師という基準をもってしてもなお、その若さで背負うには酷と呼ぶべきものであった。膝の折れるままに荷を放り出しても不思議ではなかっただろう。
しかし、彼はドラモンドに生まれた男児であった。
歴史の波間に紡がれたドラモンドの名を背負う男であった。
であれば折れぬが道理。誰はばかることなく声高に。彼は、ベルディオール・ドラモンドである。
外から見れば順風満帆に、本人にしてみれば決死の思いで積み上げた16の頃。時計塔で研鑽を重ねる彼には───…悩みがあった。
本人に曰く。ドラモンド家の未来を揺るがす一大事であると言う。大げさな話だった。
聞いてしまえば普通のこと。
魔術師という基準を抜いてもよくあること。
ベルディオール・ドラモンドは、異性が気になって仕方がなかった。
普通のことである。
年頃の若者ならば本当に本当に普通のことである。むしろそうでなければ逆に問題があるほどに普通のことである。
それでも彼は本気で真剣に悩んでいた。>>794
自分はドラモンドの家名を背負う身。いつかその名を、背負うのではなく誰かへと託す日がくる。誰かとはもちろん自分の血を受け継いだ我が子であろうが……常識的に、子供というのは一人では成せるものではない。パートナーの存在が必要不可欠だ。
そのパートナーを選ぶこともまた家名を背負う己の責務。優秀な魔術師を残せる才能と、相応の歴史がある家名を持つ相手を選ばなければならない。しかし、斯様に異性というだけで惑わされている自分が、正しい選択をできるものか?
彼は答えを否とした。否として、それで、どうする?
もちろん速やかな対策を講じるべきである。言い換えれば誰かにお悩み相談をするべきである。───誰に?
生徒? その半分が悩みの対象だ。
家族? ちょっとけっこうかなり気恥ずかしい。
先生? ……それは、アリかもしれない。お悩み相談という形なら話だけは聞いてくれるだろう。では、誰に打ち明けるべきかと考えたとき、ふと浮かんだ顔があった。セナ・スキュレカリューという名の女性講師である。
遠目にも感じる凛とした立ち振舞い、一切の隙を見せない姿。彼女であれば己のような若造の悩みひとつストンと切り落としてくれるのではと考えた。
このような悩みを女性相手に打ち明けていいのか? 否。このような悩みだからこそ、女性相手に打ち明けるべきだ。ここで話しやすい同性に縋るようでは根本的解決など夢のまた夢。臆するな。お前は、ベルディオール・ドラモンドなんだろうが。
そうと決めてすぐ勢いまかせに突撃した。
案外、すんなり、聞いてくれた。
「その悩みはきっと『こうしていればいい』という正解はないわ。数をこなして慣れるしかない。私にできることはありません。
だから、そうね。私にできるのはあなたが"数をこなす"ための場を提供することだけ。……興味があるなら、私の教室にいらっしゃい。歓迎するわ」
ささやかな回答と、やんわりとした勧誘。
その一連の流れに強く惹かれるものはなかった。だが"なんとなく"足を向けてしまう程度の効力はあって。
彼は、新たな一歩を踏み出した。>>795
人物像
常にノブレス・オブリージュを実行する少年魔術師。
貴族に生まれた魔術師として生まれ育ったために一般人のそれとは少々ズレた価値基準のもとに行動する。端的に表すと……意識が高い、ということになるだろうか。
高い意欲と向上心をいだいてストイックに過ごす、怠惰とは無縁の生活を送っている。鍛錬、勉学、将来を見据えた人間関係の構築、時計塔で送る日々の一分一秒を実りあるものにせんとする。休息すらも意識的に取り組むのだから中々筋金入りである。
そのような性分に貴族ゆえの生まれと育ちが合わさった結果、当然のこととして悪意ひとつなく庶民を見下すナチュラル貴族主義となった。彼が見下す相手に放つ『庶民さん』呼びは邪気のない朗らかな笑顔がセットでついてくる。
なおベルディオール・ドラモンドにとっての"貴族"とはドラモンド家が体現する理想像そのものであり、時計塔基準での貴族とは必ずしも一致しない。血統や伝統がハッキリとした貴族を相手にしても、貴族に相応しい人格や能力を備えていなければ決して認めることはない。逆に人格・能力が相応しいものであれば貴族判定が入ってしまうので人によっては「庶民さんには貴族の才能がありますね!」などとトンチンカンな発言を引き出すことも。
性質的には天然ボケ。本人は大真面目にやっていることもまわりからはいやいやいやとツッコミ入れられることが多数。そして本人はドラモンド家だからで押し通すパワーっぷりである。
そんな彼だが異性が絡むとめっぽう弱い。ハニトラにとても弱い。女性の色香というものにめちゃくちゃ弱い。なぜなら彼は青春を駆け抜けるお年頃。年齢にちょっと見合わないムッツリスケベであった。
おおなんということか、貴族にあるまじき情動に焦がされる汝は本当の意味で貴族足りうるのか? 否である。否としよう。否とするために、ベルディオール・ドラモンドはスキュレカリュー教室の扉をくぐった。
生まれつきドラモンドの名に見合わないのでは、というコンプレックスを抱えてきた彼は、理想たる祖父へ追いつくため、新たなる師の下で学びを得る。魔術と……異性関係について!>>796
【一人称】僕【二人称】あなた、君【三人称】彼、彼女
台詞例
「もちろんやれます! 僕は、ベルディオール・ドラモンドですから!」
「あはは、痛いわけないじゃないですか。当家では宝石の破片ごときに破れる皮膚は未熟者の証とされますから」
「うーんそう言われましても……庶民さんがどれほど非力なのか僕には想像し難く……あ、落ち葉くらいは砕けますよね?」
「僕はまだまだちんちくりんですが、これから大きくなるのです。ええドラモンド家は代々デカいです。祖父なんて2mを超えています」
「ハナレテ……タスケテ……(くぉぉああぁああ近い! 女性が近いッ! 僕は、僕は、僕はベルディオール・ドラモンドであるのにぃいいい!!)」
「お恥ずかしい話ですが……っ、僕はっ、女の子のことを考えると胸が苦しくなるんです……!」
「庶民さんには貴族の才能がありますね!」
【製作者】黒鹿ファン仕事とかFGOやらのデイリー消化で遅くなった。あとPCの調子悪めマン(大体土日に起動する程度だから)
遅れてスマヌ。今のイベント新規鯖は見送りかもしれん……実装には「おっ」ってなったけど
>>755
>二手に分かれたクッチーの方はどこへ向かう?
多分セイバーを支援できる状況は確保しつつ(パロミデスの近くに使い魔を配置など)、ある程度の隙が突けそうなマスター探して襲撃しようかなーって探索パートに入る、とかかなぁ、なんて思ってます
因縁的にはチハヤさんvs六蘭さんが起こりそうだし、ロバートさん京極さんの発言的にも刹那とバトルをしたいなぁ、という気持ち
伊草3日目、レイド開始については勿論大丈夫です。やっぱホラー演出宝具っていいよなって(公式ツタンカーメンの宝具好き好き民感)
それはそれとして、涙が似合う人って聞いて皆さんどんなイメージあります…?男でも女でも
>>798
青春、迎えちゃったかぁ!初々しくて可愛いですね…逆説的貴族主義というのも面白い。モートン先生が愛おしむのもわかります
そして何気に虚数属性なのすごい。元々ドラモンドの「砕け散る瞬間に宝石の真価は現れる」って考えが好きでしたが、殴り砕くという圧倒的物理なアプローチと虚数の深遠な雰囲気が独特なスタイルになってて…正統派な宝石魔術師で「循環」を旨としているメレクくんと並んでみてほしいな、映えるだろうなぁ
>>801
はぁい!いよいよですわね!
ちょっと見直しとか手直しして、明日までに投下いたします〜!>>802
涙が似合う、とは難しい…うーむ熱い人…とか?感情が表に出てくる人が流す涙は似合うと言えそう
でも逆にクールな人が流す涙というのもそれはそれで…難しや
モートンがシンプル強い正統魔術師だったのでちょっと変化球気味に、でも邪道とは思われないくらいを目指しました
正統派魔術師と並んだときに映えればいいと思いながら作ったのでメレクの隣に並ぶのもきっと似合うはず。似合ってほしい……
了解です!お願いしまーす!>>804
――それは、今よりも少し前の出来事。
音邑とは別の特異点。無数の人々による、『物語』めいた日常を延々と繰り返し続ける異空間。
真相を探し続ける内、フェリーペとメンテ―はその根幹にとある『獣』――すなわち人類悪が関わっている事を知った。
無限に繰り返される日常と、それによる無敵性を確立していた人類悪。最終的に現地で合流したサーヴァント達と共に、どうにかその獣を打倒する事には成功した。
そう。成功した、と思っていたのだが……
「つまり、何か? あの老騎士がそのお前らが倒したっていう人類悪――ビーストなんちゃらっていうのか?」
「見た感じ、ただのお爺ちゃん騎士にしか見えへんけどなぁ」
困惑しながらも、己が得物は油断なく構える黒野と加々見。
対する老騎士――ビーストⅤは何を仕掛けてくるでもなく、先の饒舌からは一転して沈黙を保っていた。
「見かけで判断しない方がいい。確かに上辺は老人だけど、あれでもれっきとしたサーヴァントだ。少なくとも、センパイと同じかそれ以上の腕力は確実に持ってる」
「後輩の言う通りだ。……だが、解せない事がある。ビーストⅤはあの時、確かに打倒した筈。それが何故今更、こんな場所にいる?」>>805
その疑問を待っていた、とでも言うかのように。
老騎士が静かに口を開く。
“如何にも。かつて我が真体は貴様らカルデアに打ち砕かれ、最早完全に失われた。――此処に在りしは、所詮残骸。吹けば崩れ落ちる妄執に過ぎぬ“
「残骸、だと?」
「つまりビーストはビーストでも生き残り。いやこの場合死に損ないって事か?」
『――黒野さんのおっしゃる通りかと。正面の個体、その霊基反応を分析しました。出力、存在規模共に記録上のビーストⅤより大幅にダウン。言っては何ですが……ぶっちゃけ、人類悪と呼ぶには限りなく脆弱な状態です!』
「脆弱、って。こんな異空間を作り上げてるのに?」
信じられない顔で、フェリーペが周囲を見回す。
高層ビル内部の中には決してあり得ない平野。いや、そもそもそれを言うなら再び特異点を作り上げた事自体ある種の奇跡に等しい。
そんな疑問にも、シオンは至極想定内といった様子で回答する。
『そこら辺は例によって、どこぞで聖杯を手に入れたとかでしょう。あるいは元から聖杯を二つ分有していたか。いずれにせよ、目の前のお相手がよくご存じでしょう』
“然り。貴様らが求め欲する特異点の根源、聖杯は此処にある”
ビーストⅤ、その残骸の内から虹色の光が現れる。
幾度となく目にしてきた特異点の要――聖杯そのものだった。
「あれが、聖杯……? なんか思っとったんと雰囲気ちゃうなぁ」
「見た目なんざどうだっていい。そいつがあれば、俺たちも解放されんのか?」
“左様。最も易々と渡す気など毛頭ないがな……!”
ビーストⅤが右手をかざす。
身構えるフェリーペ達を他所に、ビーストⅤはその手中に魔力を集め――やがて、彼の足元に複数の『それ』が現れた。>>806
「あれは……召喚陣!?」
「ビーストⅤ! まさか貴様――!」
“見るがいい。我が執念を”
“焼きつけるがいい。未だ覚める事なき我が脅威を”
“特異点の深淵より来たれ! 我が悪夢に囚われし者共よ!!”
召喚陣が光り、一瞬だけ周囲を満たす。
やがて輝きが失せ、元に戻った世界に現れたのは
『――――』
それは、靄を纏う亡者の群れだった。
英霊ではなく、されど亡霊程に失われてもおらず。
生前の自我も意識も奪われ、ただ使役されるだけの兵隊と化した『成れの果て』。
そして。その正体は、紛れもなくかつて音邑に呼ばれた人々の――
「なんて、事を」
「ある程度予想はついていたが……やってくれたな、ビーストⅤ!」>>807
フェリーペ達にとって、その光景は見覚えのあるものだった。
かつてとある特異点で激突した人類悪。
その時も、眼前の獣は同じように捕らえ取り込んでいた被害者たちを手駒としてフェリーペ達に差し向ける真似をした。
彼ら、あるいは彼女らの中には。一時とはいえ特異点で交流し、絆をはぐくんだ者たちも含まれていて。
“さあ、始めるとしよう――終わりなき我が悪夢の再演を!!”
ビーストⅤの号令を受け、亡者たちがフェリーペとメンテ―めがけ襲い掛かる。
迎え撃とうと、咄嗟に大盾を構えるメンテ―。先頭の亡者が、まさにぶつかろうとした瞬間――横合いから飛んできた銃弾が、周囲の個体諸共薙ぎ払った。
「っ!」
「ずいぶんとがっついてるじゃねえか。それとも何か? たかがいつでも使い回せる『一般人(モブ)』如きに用はねえってか?」
油断なく、されどふてぶてしく黒野は再装填しながら言い放つ。
口調こそいつも通りだったが、その目には隠し切れない怒りと敵意が溢れていた。
攻撃を邪魔された亡者たちが標的を変え、今度は黒野に襲い掛かる。
自前の武器で、魔術で、あるいは異能と共に襲い掛かろうとして――直後、その全身が銀の光と共に斬り刻まれた。
「アカンなぁ。隙だらけやし動きも鈍い。これなら本人たちの方がよっぽど優れとったんちゃう?」
銀糸を手繰り、自在に動かすは加々見。日頃の呑気な雰囲気は消え失せ、猛獣の如き眼差しをもって惨殺した亡者たちを無感情に見下ろす。>>808
“貴様ら……”
「人類悪やら獣やら、ずいぶんと大それた存在が出てきたもんやな」
「同感だ。つくづくこの界隈ってのは厄ネタに事欠かねえと、今更身に染みて感じたよ」
フェリーペとメンテ―を間に挟み、黒野と加々見は一歩前に出る。
性懲りもなく呼び出されてくる亡者たちを真っ向から見据え、二人は振り返る事なく言い放った。
「亡者共は引き受けた。お前らは元凶の獣をやれ」
「引き受けた、って……無茶だ、二人とも!」
「安心しいや。うちらが強いのは知っとるやろ? それに――らしくないのは分かっとるんやけどな。今は、暴れたくて仕方ないねん」
加々見の右手に血が滲む。
皮膚を突き破る程強く握り締められた拳。そこから流れた血を啜り、銀糸がよりその輝きと強度を増す。
単なる魔術行使目的だけではない、その行動に込められた意味を悟りフェリーペは何も言い返せなくなった。>>810
ビーストⅤ:ナイトメア・レムナント
人類悪ビーストⅤ、その残滓である存在。
『悪夢の残骸』の名が意味する通り、最早ビーストとしての力や霊基は欠片ほどしか存在せず、出力も大幅に落ちている。
それでも聖杯と合わせて特異点を生み出す程度の力は残されており、この力をもって昏睡武闘世界・音邑を創り上げた。
音邑に囚われた者たちはいずれも睡眠を通して呼ばれた、いわば意識だけの存在であり実体はない。血を流し肉体もあるように見えるが、その実情は限りなくサーヴァントに近い紛い物である。
故に特異点内で死亡した場合、その存在は再びナイトメア・レムナントの下に回収され再利用する事も可能。ただし再利用された個体は呼び出された時のそれと比べ大幅に劣化し、最早外見を模しただけの木偶人形と言っても差し支えない有り様である。
一方で唯一の例外がコピー・メンテ―であり、彼女だけは特異点のリソースを用いて生み出された生命体だった。
ちなにコピー・メンテ―を生み出したのはカルデアへの嫌がらせであると同時に、一つの実験。カルデアとは異なるアプローチで、どこまで同様の存在を生み出せるのか――そんな疑問の下、『彼女』は創り出され生を受けた。
・亡者
ナイトメア・レギオン。
ナイトメア・レムナントにより再召喚、ならぬ『再利用』された被害者たち。
音邑に呼び出された時と比べ自我・理性等が失われ、ただ操られるがままの人形と化している。
生前の戦闘力こそ行使できるものの、その実力もまた大幅に低下しオリジナルとは比べ物にならない。
元よりナイトメア・レムナント自体ビーストⅤの残滓でしかない存在。それ故に、生み出せる存在もまた同様に劣化した下位互換しか創り出せないのはある種の必然だったのかもしれない。>>804
鉄拳……殴り砕くという魔術ネタはモートン作ったときに思いついてたのでずっと出したかったんですよね
やっと出せてうれしみ
>>812
悪夢の残骸とはまぁ…まさに執念というか妄念というか
自分ひとりで踏ん張るヤツなら個人的には好きなんですけどね、再利用される方々を出すならダメです。ダメダメ。ぜひともぶっ飛ばしていただきたい
>>813
ヒャア!新鮮な起動シーケンスだぁ!
やっぱりいいもんだぁ…メカに内包されたバイオちっくな不気味さがしゅきぃ…
まさかフィンブルの冬と合わせた素敵ネームが飛び出してくるとは思いもしませんでしたわ
>>814
ロックは純粋ですからねぇ
怖いシーンは普通にビビるし反撃シーンは素直にスゲー!する、そんな子です
そんな子なのでこのビビりようは…あるだろうなぁ…>>816
亡者の大軍、ならぬ大群という物量をもって制圧にかかるナイトメア・レムナント。
対するフェリーペ達が取った手段は実に単純明快なものだった。
「そこを――どけえっ!!」
メンテ―が大盾を叩きつけ、突破口をこじ開ける。
多勢と言えど所詮自我も理性も失くした劣化存在。数々の修羅場を潜り抜けてきたフェリーペとメンテ―の敵ではなく、次々と吹き飛ばされていく。
己が不利を理解してか、ナイトメア・レムナントも更なる増援を召喚しようとするが
「おっと。俺たちがいるのも忘れないでもらおうか」
狙撃、爆撃、そして投擲。
銃火器と爆弾によるけん制と、銀糸で放り投げられた亡者たちがナイトメア・レムナントに降りかかる。
“貴様ら……!”
「散々弄んでくれた礼だ。有難く受け取れ」
「命で支払ってくれるんなら大歓迎やけど、な!」
フェリーペ達の道を切り開きながら、元凶への攻撃も欠かさない。
そんな黒野たちの援護もあり、ついにフェリーペとメンテ―はナイトメア・レムナントの眼前にまで辿り着く。
「終わりだ、ナイトメア・レムナント。その悪夢、今度こそ断ち切らせてもらう」
“終わり……終わりだと……!? ふざけるなぁ!!”
激昂し、メンテ―目掛け槍を突き出す老騎士。
だがメンテ―が動じる事はなく、その刺突を真っ向から弾き返した。
さらに返す刀、ならぬ大盾を叩きつける。一撃を外した隙に渾身の一撃を叩き込まれ、さしものナイトメア・レムナントも大きく退いた。>>817
“ガッ――!?”
「これで、トドメ――」
「センパイ! 上だ!」
フェリーペの警告に、メンテ―は振り下ろしかけた大盾を防御に回す。
直後、頭上から降ってきた何者かにより今度はメンテ―が弾き飛ばされた。
「何、だっ……!?」
「あれは――センパイ、のコピー!?」
地上に降り立ち、ゆらりとフェリーペ達を睨みつけるコピー・メンテ―。
だがその両目に生気はなく、亡者たちと同じ靄を全身に纏っていた。
後方で戦っていた黒野たちも異変に気付き、驚愕と共に視線を送る。
「おいふざけんな、倒されたんじゃなかったのかよ! つか、生きてたってのか!?」
「いや、あのモヤモヤ纏っとるちゅう事は多分亡者たちと同じパターンやない? つまり、死んだ後に再び取り込まれたって事!」
「コピーの上に使い回しか。どこまでもふざけた真似をしてくれる!」
激怒するメンテ―に、しかしデッドコピー・メンテ―は一言も返さない。
あるいは返す『機能』それ自体付いていないのか――
その時。退いていたナイトメア・レムナントがくつくつと笑い始めた。>>818
“理解した。確かに、我は侮っていたらしい。お前たちのしぶとさを、そして生き汚さというものを”
“ならば――我も見せつけるとしよう。終わらぬ悪夢が齎した成果を、そして新たな地獄の始まりを!”
“顕現せよ、再誕せよ! 今再びこの地に来たれ――我が真体たる夢幻風車!”
雷が迸る。
老騎士に落ちた閃光は、落雷と同時にその器を作り替えていく。
『ナイトメア・レムナントの霊基に変化を確認! 自己改造スキルに似た何かが行使されています!』
「あの姿、いや建物はまさか……!」
「ビーストⅤとしての本体――そこまで力を取り戻していたか!」
最早そこに人としての姿はなく。
何もなかった筈の平野に、巨大な風車が打ち建てられていく。
「マジかよ……第二形態登場とか、いよいよ魔王じみてきたな」
「っ! 黒野、亡者たちが!」
同時に、黒野たちの目の前で亡者たちが崩れ出し始める。
未だ数十体は残っていた亡者の群れは、瞬く間にその姿を消し去り、跡形もなく失われる。
だが、その代わりに>>819
「っ、センパイのデッドコピーが!」
「増殖した、だと……! 亡者共の代わりに、とでも言うつもりか!」
新たに生み出されたデッドコピー・メンテ―の数は総勢七体。
いくら複製の劣化品といえど疑似サーヴァント、その戦闘力は先程までの亡者たちとは比べ物にならない。
流石のフェリーペ達も顔色を変えるが――
『ノンノン! その絶望、ちょーっとまった! 皆さん、諦めるには早すぎですよ!?』
「シオン! 何か策でもあるのか!?」
『もっちろん! でなきゃわざわざこの大一番で通信なんかしませんとも! ――いいですか皆さん、落ち着いて、よく聞いてください。今から皆さんの戦闘力をサーヴァントと大差ないレベルにまで引き上げます!』
「「「「は?」」」」
一瞬、何を言われたのか理解できず思わずポカンとするフェリーペ達。
が、当のシオンは全く構わず説明を続けた。
『ほら、以前言ったでしょう! 例のナイトメア・サーキット! 三回までという条件付きながら、一時的なパワーアップ等々を齎すスペシャル機能!』
「あー。そういえば、あった、ような……」
「けど、それとサーヴァント云々に何の関係あるん?」
『大アリですとも!実はあれから分析と改良を進め、こちらで更なる魔改造を施しました! 後遺症も副作用も問題ナシ、百パーセントとは言いかねますが――まあ、安全は保証します!』
「そこは言い切ってほしかったなぁ!」
「……どうする、後輩? 私としては無闇なリスクより不利な戦況の方が望ましいが」
メンテ―の問いかけに、フェリーペは一瞬考え込む。
こうしている間にもナイトメア・レムナントは着々と変貌を遂げ、一刻の猶予もない状況。主を守護する為か、今は沈黙しているデッドコピー・メンテ―達も直に動き出してくるだろう。>>820
熟考と呼ぶにはあまりにも短すぎる間。だが、そのわずかな時をもってフェリーペは覚悟を固める。
「やってくれ、シオン」
「後輩!?」
『……いいん、ですね? 提案しておいて何ですが、百パーセントの安全性は保障しかねますよ』
「構わない。センパイは強がってくれたけど、実際この状況を打破するにはそれしかないと思う。それに――」
「『それに?』」
フェリーペは子どものような笑みを浮かべ、シオンとメンテ―に向き直った。
「一度でいいから、さ。俺もセンパイの隣で、センパイみたいに戦ってみたいって、そう思ったんだ」
「――――」
その言葉にメンテ―は何を思い、感じたのか。
衝撃、混乱、歓喜、憤怒、あるいは――
「後輩。一つだけ約束しろ」
「……何を?」
「絶対に死ぬな。無茶した挙句、私を置いていくなんて許さない」
「――! ああ勿論! 絶対に、置いていったりなんかしない!!」
「よし! だったら許す! やってやれ、シオン!」
『ラジャー! ……ところで、そちらのお二人はどうします?』>>821
口を挟めず、さりとて二人だけの空気に言いたい事も生じかけていた黒野たち。
そこへ投げかけられたシオンの問いに、二人もまた溜息を零しつつもはっきりと言い返す。
「どうもこうも。この状況で言う事なんざ承諾以外ないだろうが」
「せやな。という訳で、やって頂戴なシオンさん」
『言い切りましたね……フェリーペくんにも言いましたが、安全性の保証はないんですよ?』
「「だから?」」
『――はぁ。まったく、どうして私が関わった人たちは皆さん無茶ばかりお好みになるんでしょうね』
ですが、と。
シオンは眼鏡を光らせ、コンソールに素早く指を走らせる。
『結構! そこまでおっしゃるのであれば、私もノウム・カルデアの一員として全力でお応えしましょう!』
『魔改造術式、起動。ナイトメアからプロフェティックへ、仮説は今真説へと至る!』
『全回路励起(サーキット・オン)、全魔力充填(フルオープン)。今こそ来たれ、正なる夢!』
『真正夢装――発動!』>>822
その言葉を最後に、シオンはコンソールの起動キーを押し込む。
直後、メンテ―を除いた三人の身体が光に包まれた。
瞬きにも満たないわずかな間。光が消え、そこに現れたのは――
「こう、はい? その姿は……」
「センパイ、これ……」
目を開けると、フェリーペは自分が見覚えのない服装を纏っている事に気が付いた。
黒を基調とした、独特な見た目のボディスーツ。上半身にはアーマーめいたプロテクターが装着され、拘束具めいた円筒状の機構も備わっている。
――それは、とある時間軸のカルデアにて用いられた装備。たとえ命尽きるとも、その身を触媒に変え英霊召喚を果たす究極の決戦礼装。
当然フェリーペもメンテ―も知る筈がなく、また得る事もなかった装備。だがこの大一番において『最もふさわしい装備である』と、正しく夢想にして夢幻の形で実現した。
「……どんな化け物になるのかと思ってたが。案外、普段とそう変わらねえもんだな」
「うちはだいぶ変わったけどなぁ。このカッコ、まるで本家のお姉ちゃんみたいや」
そして、姿が変わったのはフェリーペだけではなく。黒野と加々見もまた、同じように変貌を遂げていた。
片や同じく黒の戦闘服の上からロングコートを羽織り、大型ライフルを手にした黒野。片や巫女装束に似た和服を纏い、両手のみならず全身から銀糸を操る加々見。>>823
互いにしげしげと己の姿を見やりつつも、不思議とその変化に違和感を感じる事はなかった。
“その姿は……己、ノウム・カルデア……どこまで我を嘲弄する……!”
『お生憎様。敵であろうが何であろうが、使えるモノは徹底的に使い倒すのがうちのモットーでして。――さあ! 皆さん出番ですよ!』
シオンの号令を受け、フェリーペ達が一斉にナイトメア・レムナントへ向き直る。
『魔改造術式の効力は正常に発動、ですが当然使用できる時間は限られています! ですから――』
「時間切れより早く、あいつをぶっ壊せって事だろ。分かりやすいこった」
「うち、そういうの苦手なんやけどなぁ。……けど、不思議やね。今なら何でもできる気ぃするわ」
「そりゃ結構。――周りのデッドコピー共は俺らに任せろ! お前らは存分にあいつをぶん殴ってこい!」
黒野と加々見が、先駆けてナイトメア・レムナント――その周囲を守るデッドコピー・メンテ―に突撃する。
その後ろ姿を見届けたフェリーペも、また。
「行こう、センパイ! これが正真正銘、この特異点最後の戦いだ!」
「――ああ! 共に行くぞ、後輩!」
かくして。最終決戦の火蓋が切って落とされる――諸事情が無限に大暴れしてくるぅ
というわけで冒険旅行記の続きを投下~こんな日が来るなんて思ってもみなかった。
メレクがこんなに真剣に、私を止めようとするなんて思いもしなかった。
冒険するときも、時計塔で顔を合わせるときも、いつだって私は、いつどこでメレクに裏切られてもおかしくないと思っていた。
だって彼は魔術師だ。財と人脈と歴史を手繰って君臨する現代の魔術師だ。
一挙手一投足が効率と損得勘定のもとに動かされる。そういう魔術師なんだと偏見を持っていた。だってほら、メレクはお金持ちで、正論ばっかり言って、たまーに感情も捨てる。そりゃ、そういうヒトだと思うわけで。
だからちょっと、驚いている。
メレクが私を止めようとしていることに。見捨てないでいてくれることに。顔には出さないまでも、それなりに驚いてはいた。
なにせメリットがない。命懸けで私を止めたとしても、結局楽師たちがここにある神秘すべてを処分してしまう。それじゃあ意味がない。得られるものなんてせいぜい私という個人の安全くらいだ。魔術師として、そんなものになんの価値がある? 無いと断言できるはずだ。
魔術師であるなら子を残すための母体を必要とすることもある……そういう理屈はわかる。けれど私に母体としての価値があるかというと、それも疑わしい。アルマソフィアという家の名を使えば私より優秀な母体はいくらでも見つかるはずだからだ。
だからわからない。
だから驚いている。
決して効率的ではない、その行動に。
「……ま、関係ないけどね」
そう関係ない。
メレクが何を考えて私を止めようとしているのかなんて関係ないしどうでもいい。どんな思惑にしたって、私の思う一番才能のある魔術師が敵になった事実には変わりない。>>828
一番、一番だ。単純な力量なら明確にメレクより上の人はいくらでもいると思う。台湾で出会った妖術師とか、時計塔の君主たちとか、そういう人たちにメレクが絶対勝てるとは言わない。
けどいつか勝ってしまうかもしれない。私なんか追いつけもしないとこまで行ってしまうんじゃないかって、そんな風に思わせる才能を持っている。
家と、財と、才と……あるもの全部足したら、私じゃ太刀打ちできやしない。そんなメレクに、嫉妬してた。
そんなのズルいって、ずっと、思ってたんだよ。
……ああくそ、ビビんな私。
私が今から戦うのはそういう相手だ。ずっと嫉妬してて、ずっと勝てないと思ってた、すごい魔術師。
それに勝たなきゃいけない。負けてしまえばここにある神秘ぜんぶが消えてなくなる。だから、私は……
超える。超えてやる。自分の細胞の一片まで残さず燃やして超えてみせる。メレクも、傭兵共も、楽師連中も皆まとめて、私が超える。
視界の先で一番の才能野郎が緑の指輪を嵌めるのが見えた。右手に収まった宝石の群れと合わせて、とっくの昔からそこにあったかのように馴染んでいる。
普段から隣にいる私に対してもその宝石の光が鈍ることはないんだろう。もちろんいざとなれば手加減してくれるなんて思っちゃいない。そんな甘っちょろいことする間柄じゃないもんね。
友情も親愛も等しく塵芥。この期に及んで情に訴えかけようなんて思いもしない。貫けるものがあるとすれば、力だけ。
「いくよ、メレク」
言葉は少なく。赤い長剣を手に、私は駆け出した。>>829
◇ ◇ ◇
いつかこんな日が来ると思っていた。
何度となく続く冒険へ同行するさなかに、我が身を張ってでも止めに入らねばならない場面が訪れると、早いうちから予感していた。
彼女の神秘へ向ける情熱は常軌を逸している。事情と状況が嚙みあってしまえば人の道など簡単に踏み外せるだろう。
加えてあの性格だ。外道でも邪道でも"こう"と決めた道は最後まで進もうとする。その瞳を輝かせて/燃やしながら、最後の最期まで。
時を選ばず、人に依らず。誰とでも仲良くなれる少女は、誰にでも嚙みつける牙がある。
そういう部分を好ましく思う。
そういう部分が危ういと、思う。
彼女の心根こそは善良と呼べるが、彼女の愛するものが善良とは限らないのだから。
結果がこれだ。
予感は恐ろしいほどに的中し、彼女は取り返しのつかない道へ踏み出そうとしている。
「……必ず、止める」
誰にでもなく、自分だけに向けた決意を呟く。なんの魔力も含まぬそれは、しかし巨きな力を与える呪文であった。
止める。止めるのだ。自分を犠牲にしてでも、等とは言わない。自分も彼女も傭兵共も楽師連中も皆まとめて、ここで止める。>>830
視界の先で一番の問題児が赤い長剣を振っているのが見えた。感触を確かめたのちに、ゆるく切っ先をこちらへと向ける。
普段から隣にいる自分に対してもその切っ先が鈍ることはないだろう。もちろん自分だけは例外と自惚れてはいない。彼女にとっての例外は魔術だけだ。
友情も親愛も等しく塵芥。この期に及んで情に訴えかけようなんて思いもしない。止められるものがあるとすれば、力だけ。
───ゆえに。
いつか、こんな日が来ると思っていた。
懐から取り出した指輪を左手に。大小色調形状さまざまな宝石を右手に構える。
こんな日が来ることを早いうちから予感していた。ならば当然、予感に従って備えるだけの時間もあった。
魔術回路励起。最大効率で稼働。宝石から放たれる幾重もの光が、廃墟同然の地底空間を色鮮やかに染め上げる。
我等、秘してこその魔術師なれば。隣人も知らぬ伏せ札の一枚や二枚、嗜み同然と知るがいい。
「貴女を想って用意した奥の手です。存分に楽しんでくださいよ───ルナ」>>831
◇ ◇ ◇
勝ち目があるとすれば接近戦だけだ。
メレクが扱うのは大体なんでもできる宝石魔術。振るう才能は五大元素すべて。言ってしまえば万能なわけで、まともに魔術戦なんてやろうものなら手数であっさり押し込まれる。
万能、ではあるけど。それはあくまで魔術に限った話だ。魔術に依らないメレクの素の身体能力は同年代の男子と比べても、低い。
付け入るスキがあるとすれば、そこだけ。
そう考えて───祈って───全力ダッシュ。『強化』を両脚に振って身体ごと突っ込んでいく。
メレクがゆらりと右腕を持ち上げる。指先につままれたトパーズの光が見える。
何がくるか? そんなの読めるわけがない。魔弾かもしれないし結界かもしれない。突風が吹くことも悪霊が湧くこともありうる。考えるだけムダだ。
籠手も剣もない左腕を突き出して走る。どんな魔術がこようとも左腕一本を盾にすれば凌げる。腕一本でこっちの剣が届くなら安すぎる。等価交換にもなってない。
光が集う。いつもの詠唱に合わせて、さらに踏み込もうと力んだ、その時。
「『Recall…───」
違う。
いつもと違う、詠唱。>>832
メレクの宝石魔術は万能のハズ。にもかかわらず違う詠唱、違う魔術? なにを、なんだ?
瞬時に引き上げられた警戒心が脚を迷わせた。下がるか、気にせず突っ込むか、迷ってしまった。
そのスキを見逃してくれる相手じゃないのに。
「───Act 2nd』」
宝石がひときわ強く瞬いた。
瞬きが転ずる。流れるように無数の光の矢と化して、私めがけて飛んできた。
……拍子抜けだ。
起きた現象はいつもの宝石魔術で出来ることと大差ない。矢の一本一本が必中や必殺の神秘を持つでもない。剣ではじき、あるいは身体をそらしてかわしながら、あの詠唱の意味はなんだったのか考える。
パチリ。という音が聞こえた。
弾ける音を視線で追う。そこにはすでに役目を終えたはずの矢が宙にとどまり、その全身を光から雷に変換えていた。
一本だけではない。すべての矢がそのように形も性質も変えていく。光から変じた雷は互い互いに結びつき、私を囲む雷の檻へ生まれ変わった。
「……うそ」
一度の詠唱から、二つの魔術が生まれる瞬間を、私は見た。>>833
とても信じられない。宝石の質や詠唱の長さから考えても、この威力の魔術を二つ発生できるはずがない。
でも信じるしかない。現在進行形で私を縛りつける雷の檻は虚構でも幻でもない。現実的な痛みをもたらしている。
なら、どうやって───?
「今のはいったいなんだどうやったんだ……と、いつもの貴女なら質問攻めをしているところでしょうが」
少年が笑いながら、さらに宝石を宙に並べる。
青と黄の線の隙間からまったく別種の光が見えた。
数多と。幾重に。宝石の光が嫌味なくらいにキラキラとまぶしい。
「せっかくのとっておきです。精々、自分で考えてくださいね?」
最っ高にキレイな作り笑顔に向けて、私は牙を剥いて応える。
やってやるよ、このやろう。>>836
私自身この2人がこんなところまで来るとは思わなかったぁ…
たしかに言われてみればだいぶ可惜夜。いや当てはめてみたらかなり可惜夜やも…? 私にとっては白夜なんですけどねなんとか…なんとかたくさんのサーヴァントとマスターそろって自由に動かせる舞台を作れぬものか…
>>838
重い……まあ重いと言えますか……
きっと愛100%ではなく色々混ざってのものなのでドロドロしてくることはないハズ
聖杯大会運営本部【リレー相談・雑談】#231
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