騎士パーシヴァルは雪の中を歩いていた。と言ってもこの景色も天候もカルデアのシュミレーターで再現したものであって本物ではない。雪は15cmほど積もっており、歩くたびにザクザクと雪を踏み締める音がした。空からは絶え間なく雪が降っていたが、風はなく比較的穏やかな天候であった。
見渡す限りの雪原の中、騎士は愛馬を呼んだ。愛馬はいつもと違う風景に驚いたが、すぐに主人である騎士に元に駆け寄った。
「たまには雪原の散歩でもどうかなと思ったんだけどいいかな?」
愛馬は素直にこくんと頷いた。雪原云々より愛馬によっては主人と一緒にいられる方が大事だった。
「時々雪の上を歩いて慣らしておきたいんだ。ほら、カルデアではどんな環境で戦闘になるからわからないからね。」
まずは騎士は愛馬の横に並んで歩き出した。愛馬も騎士の横を大人しくついてきた。騎士と愛馬は以前クリスマスの時に雪原での戦闘は経験していた。その時は問題なかったが、あれからしばらく時間が経っていた。歩き方を忘れていないか心配であったがどうやらそれは杞憂であったようだ。
「このぐらいの雪なら大丈夫そうだね。」
騎士は優しく愛馬の首を撫でた。愛馬は嬉しそうに目を細めて騎士を見ていた。
愛馬はたいそう雪が気に入ったらしく、雪原に足跡をつけて遊んでいた。ポスポスという音と共に雪原には足跡がスタンプされていった。
怪 文 書 ス レッ ド 3
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