カルデアでは度々イベントが開催される。カリオストロ伯爵としてはイベントに強く惹かれることは滅多にない。しかしカルデアのイベントは厄介ごとが起きることが多く、自分のカルデアでの立ち位置は黒幕として疑われても仕方ない場所である。生前詐欺師として大成した人間なのだから当然である。だからイベントでは興味がなくても参加しなるべく人目につくような場所いた。アリバイを立証できるように誰かと会話できればなお良かった。
今回のイベントでもアリバイの相手について考えていた伯爵の目に1人の男の姿が映った。
「これはこれはパーシヴァル卿ではないですか。今日はお一人で?」
「はい特に誰かとの予定はありませんが、何か?」
「もし宜しければ、一緒にお茶でもどうでしょうか?もちろん無理にとは言いませんが。」
パーシヴァル卿はその言葉に二つ返事で了承し
た。
イベントブースの中の飲食スペースに行けば人はまばらだった。2人は近くの店でアイスティーを注文して席に着いた。パーシヴァル卿との会話は弾み、退屈もしなかった。当たり障りのない会話から、相手の反応を見て話題を展開する。自分が話し過ぎず、相手にも話を振り適度な会話の温度を保つ。詐欺師としてはその話術の手際は見習いたいところである。少しばかり興味が湧いたのも事実だ。話の区切りでカリオストロ伯爵が口を開いた。
「ところでパーシヴァル卿、つかぬことをうかがいますが貴方は普段怒ることはありますか?」
怪 文 書 ス レッ ド 3
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