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聖杯大会本戦統合スレNO.6
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ラフム語翻訳機 https://yt8492.github.io/RafmanTranslator建て乙でございます。
鱒が行きたい旅行先と、止まっているリレーの整理に関する会議、どっちなんだろう?建て乙です~
ss書いてたら1時回ってた衝撃
参加していたリレーは脱落済みなので置いておいて、マスターが行きたい旅行先…それは!
フリーヤ「これは日本(ヤーパン)の温泉街だな! 箱根・熱海・伊東・伊豆を巡りたい! 最近寒いからな!」
キリク「あえて地表に限定すると、地殻運動の力を感じられるところ。例えばアイスランドとかかな。かの国は大英帝国と同じく、妖精の神秘もいまだ色濃く残っているから興味深いね」止まってる伏神リレーに関しては明らかに私に責任ありです……あとシスカさんが登場して、バトって、真名看破からの撃破だから数話程度で終わると思います、長らく待たせてしまってすみません…!
建て乙ですー。
リレーはその…獣国についてはそろそろメンバー再編してリスタートしてもいいかなって考えてます。
マスターの旅行先についてはそうですねぇ。コーデリアがそのうち日本に足を運びたいと考えてるだとかルファスが北半球と南半球で季節が逆になると体感したらなにか閃きそうだなぁとかでしょうか。あ、そうだ。京極さーん。裏ページの方返信してますー。
もうすぐ2月なのでバレンタイン絵ですね。船を描こうとは思ってますが去年に近い形式で7人描くかあえてムジカちゃんとか海月ちゃんみたく1名に絞るか迷ってます。
リレーは木枷を再起動する時の為に一応バーサーカー陣営の同行を妄想したりはしてます。とはいえ参加してるのはそれ位なので他はあまり言えないですね…
そんで旅行したい所は
リヒター→アメリカのミシシッピ辺り、ロック発祥の地巡礼
海月→フランス、ジャスミンちゃんの生まれた国という事で気になっている
裂夜→日本の北海道辺り、函館とか辺りにムジカちゃんとデートで行ってほしい
こんな所でしょうか…言い出しっぺなのにあまり言えてないの本当にアレっすねすいません…
>>6
ほいほい、いい感じに参考にできそうですありがとうございます。
今後も結構相談お願いするかもしれませんのでよろしくお願いします…!建て乙でーす
リレーだと私が参加してるのは木伽聖杯大会ですが、たしかマスターとサーヴァントのお披露目段階くらいで本格的に始まってはなかったんですよね
さすがに全陣営が運営さんからの「よーいスタート」をまたずに動くわけにもいかないので進めようがないという状況だったはず
そのへん含めて私はGMさん待ちということで
ルナ「旅行? じゃあハワイ! ハワイ行ってみたい!」
メレ「冒険の行き先とは違って旅行先では悩まないんですね」
ルナ「そりゃみんなで行く旅行なら一緒に楽しめそうなとこ一択でしょ」
メレ「こういう時に限ってまわりのこと考えているんですね。意外と」
ルナ「意外ってなんだ意外って」ゲルト「日本の片田舎でゆっくりしたいね」(極東故に魔術協会の干渉が少ないという思惑から)
泪「ドイツ……先祖の故郷に行ってみたいわね」
グルヴェイサ「食事が楽しめる場所へ行きたいわね。食文化と言えば、日本、フランスかしら?」
ブリュンヒルド「えーと……リオのキリスト像を見に行ってみたいです」
リューンベル「魂の解放、衣服からの解放……つまり全裸全開のできるスポットが好ましいな。ギリシャとか、そこら辺寛容だと風の噂に聞いたが」何気に自鯖の生前関係者との関係性掘り下げは楽しいなと気づいた。
はい、今日も中東聖杯戦争(仮)を少しだけお届けしますね。よかったら見てください…
時刻は午後7時半、陽はとうに暮れて真尹津の街が夜の顔を見せ始めるころ。駅前のファミリーレストランは客で賑わっていた。今日が日曜日という事もあって客層は様々で、家族連れや学生の団体客、仕事終わりのサラリーマンなどが夕飯を手頃に済ませようと来店している。
その中で学生の団体──といっても三人程度だが───はどうやら部活の帰りらしく、彼らの席の足元には部活用品が詰め込まれたバッグが雑に置かれている。日中は学校で練習でもあったのだろうか、皆口々に今日の練習の愚痴や教官の悪口などを喋って盛り上がっている。
その学生数人組の一人に赤峰カケルという男子学生がいる。彼はバスケ部に所属するスポーツ少年であり、バスケットボールで大成するには身長が些か足りていないが高校の部活でスターティングメンバーとして活躍する程度には優秀であった。
忙しなく店員が駆け回る店内にパーテーションで仕切られた卓席、横からの視線がちょうど遮られるような店づくりなだけあって、学生が他愛もない会話と軽食で時間を潰すにはうってつけの環境だ。赤峰は部活仲間といつものように馬鹿話で盛り上がっている、部活帰りに寄り道して気のおけない友人達と時間を忘れて喋り明かすこの時間が彼は何よりも好きである。
「そんでなー……と、ちょっと便所」
友人がトイレで離席するともう一人の友達も「あ、俺も行くわ」と席を立ち、赤峰はテーブル席に一人取り残される。手持ち無沙汰に携帯電話をいじりながら友人の帰りを待つ。>>12
携帯の画面には昨日今日に起こったニュースが映っている。最近通り魔事件やガス漏れ事故などが頻発し、真尹津も物騒になっている。今朝も養護施設の園長先生から「危ないから部活終わりはまっすぐ帰って来なさい」と忠告を受けたところだ。だが所詮は対岸の火事、この街で事故が多発したからとて自分たちの生活は何一つ変わらない、そうたかを括っている赤峰であった。
ふと携帯を触る指が止まる。ニュースのタイトルは『ツングースカの再来!真尹津市高級住宅、謎の大爆発』と書かれている。
ニュースサイトにでかでかと事故発生後無惨に廃墟と化した豪邸の写真が掲載され、写真の注釈には小さな字で「被害に遭われた青砥邸」と記されている。赤峰はこの豪邸に見覚えがあった。
「まさか───数千歌なのか?」
驚愕した様子で固まる赤峰、その向かいの席に突然見知らぬ男性が腰掛けた。
もちろん友人などではない、というより彼等がトイレに行ってから結構な時間が経っているにも関わらず戻ってくる気配はない。
「あの、席間違えてますよ?」
そう赤峰が声を掛けても男は席を離れる様子はなく、むしろテーブルの上に両脚を乗っけてくつろぎ始めた。あって僅か数秒で赤峰は目の前の男がヤバい奴だと本能で理解したのか、表情に警戒の色を強める。
「あの」と今度は語気を強めて話しかけるが、やはり返事はない。テーブルの上に置かれた友達のドリンクを手に取ってがぶがぶと呑み干す不審な男。>>13
彼は奇人とでも言うべきか、奇抜と言うべきか、もう頭から爪先にかけて全身が不審極まりなかった。バーガンディ・カラーを貴重にしたスタイリング、裸足にビットローファー、サイケデリックな水色のインナーを着た長身の男で、窪んだ眼窩が不気味さをより加速させる。
評するなら「とびっきりダサい男が考えるクールな男の想像図」、そんな風貌だ。
少なくとも赤峰は今まで出会った事のないタイプの人間だった。声を掛けても返事もないし、友達の帰りも待たなきゃいけないしで対応に困っていると、男はボサボサの頭を掻いて口を開く。
「部活帰りか坊や」
「……はい」
「そうか殊勝だな。学生の本分は勉強だとか吐かす馬鹿がいるけどありゃ大嘘だぞ、存分に遊びまくるのが正解だ」
「……はあ」
「つっても俺は学校行った事ないから良く分かんねーけどなっ!」
テーブルのものを手当たり次第食べながら喋ってるので時々残渣が飛んでくる。目の前の男は実に楽しげだが赤峰にとってすれば苦痛以外の何物でも無い。たまらず携帯の画面を確認すると、友人がトイレに発ってからもう十分以上経っていた。
「そんで部活帰りに買い食いって所か。悪い子め、最近物騒なんだから早く帰らなきゃ親が心配しちゃうぜ?」
他人の席に座ってタダ飯食らってる人間に言われたくない、と言いたかったが彼の理性がそれを抑え込む。「心配する親はとっくの昔に死んだんで、大丈夫です」とつっけんどんに言い放つ。>>14
事実赤峰には両親はいない。元々四人家族だったのだが彼が幼い頃に父と母、そして妹が交通事故で亡くなった。それ以来天涯孤独、友人や施設の職員など優しい人に恵まれながらも大切な物がポッカリと欠けたような感覚が彼をずっと苛んでいる。
その発言を聞くや男は「素晴らしいっ!Blabo‼︎」と大袈裟に手を叩いた。
「その年で死を経験しているとはオマエは幸運にも程がある。真の自由への第一歩がもう出来てるって事だ、とんだラッキーボーイじゃねえか!」
「アンタ、頭沸いてんのか」
赤峰は怒りの感情を露わにするが、男はそんな彼の様子など気に求めていないようだ。流石に異常な空気を感じ取ったのか周りのテーブルの客がそれとなく赤峰達の方を伺っている。
「いいか坊主、人はいつか死ぬ。不死身でもなけりゃな、それを心に叩き込めばヒトは幸福を享受出来る。全ては無に帰すと理解してからはじめて人生は薔薇色になるのさ。だが悲しい事に俺の人生いつまで経ってもセピア色のまんまだ。なんせ不死身だからな、死もへったくれもねぇ。だから羨ましい、死が身近にある普通の奴等が俺には羨ましくて仕方がねえんだよ」
酔いしれるように言葉を紡ぎながら、男はテーブルに身を乗り出した。
「でも皆んなちーっとも分かっちゃいねえんだ、死をどっか遠い別の領域に置いたまま出来る限り考えねえようにして生きてやがる。それじゃ真の幸福は得られない、だから俺はこの街で真実の鐘を鳴らすのよ。『死はオマエの隣にあり』ってな」>>15
ここまで聞いて赤峰はようやく思い至る。この男は最近真尹津の街を震え上がらせている通り魔だと。
激しい動悸と動揺を隠しながらも赤峰はトイレに行った友人の身を案じていた。たとえ自分の身が危険に晒されようとも、友人達だけでも避難させられればという気持ちだった。
目の前の男に悟られないようにポケットの中の携帯電話をまさぐる。通話さえ繋がればこの場の異常事態を察してくれるかもしれない。
しかし彼の行為は男に筒抜けだった。
「友達は来ねえよ。俺が殺しちまったからな」
男はそう言って赤峰の腕を掴む、すると突然触れた所が青く燃え上がった。突然の出来事にパニックになりながらも必死で消火を試みる、だが手元にあった水をかけても青い炎は消える事はなく、それどころか更に勢いを増すばかり。
耐え切れず倒れ込むように転げ回る赤嶺の様子を見て隣のテーブルの家族が悲鳴をあげる。恐怖は一瞬にして広がり賑やかなレストランはほんの数分で叫喚地獄となってしまった。客に一切の非などないというのに。
逃げ惑う人々。それらを逃さないように青い火の手が次々と上がる。男はその様子を嬉々として眺め、更に恐怖を煽り立てていく。
「おーっと喚くな皆の衆、残念ながらオマエらの人生此処で終了さ。だが幸運に思えよ?今から死ぬ迄の間、オマエらは生の幸福を嫌気がさすほど甘受出来る。そうポジティブに捉えれば良い」>>16
あたり一面は火の海と化し、煙に咽び、火に焼かれ、忽ちにして絶命してゆく。男は青い火などモノともせず小躍りするように店内を後にしようとする。
火達磨になり遠くなってゆく意識の中、赤峰は死に物狂いで男に追い縋ろうとするが届く事はない。突如訪れた理不尽の塊のような男は、赤嶺の意識の片隅でこう嘯いた。
「……なーーーーーーんつってな、生の幸福とか我ながら意味不明だぜ。じゃあな馬鹿野郎共、俺様───ジャック・オーの超個人的な暇潰しの為に死.ね」なんとなく載せるうちの時計塔所属魔術師の勢力状況、参考までに
ユスティングリー
元来から創造科に属する魔術師の一族。“全ての欲望を反映する完璧で普遍的な無色の美”を奉じ、そのための人体改造を続けていた。
グラウィルとの共同プロジェクトにより、最高傑作であるリンネが作られたが、失敗作とされていたローザ・ユスティングリーというたった一人の天才による下剋上でその到達方法は破綻、変革される。
ローザを支持するもの、快く思わないが従っているもの、離反して虎視眈々と機会を狙うもの、とさまざま。現在、ローザが主導として政治闘争で他家に干渉している。それらも全て“ローザという美を輝かせる”ため。
アスタム
元々は動物科に属する魔術師の一族。“全ての生命の要素を持つ系統樹そのもの”の創造を目指す「グラウィル」の分家の中東家系。
グラウィルから最高傑作であるリンネが作られたが、アルビオン生還者であるシャフリヤーナ・アスタムというたった一人の天才による下剋上でその到達方法は破綻、変革される。なおアスタムの下地を作ったのは同じく生還者であるシャフリヤーナの祖父。
それ以後はアスタムが主軸となり創造科を選択。シャフを支持するもの、快く思わないが従っているもの、離反して虎視眈々と機会を狙うもの、とさまざま。現在、シャフが主導として政治闘争で他家に干渉している。それらも全て“シャフリヤーナの作品を完成させる”ため。
グローリアン
時計塔設立以前から存在していた、と噂される魔術師の大家。千年以上を超える歴史を持ちながらロードの家系との血縁関係を持たない稀有な例。中世において、現在のグローリアンの特色である三兄弟の法則が成立した。それまでは歴史だけであり、花開いたのはそこからとも。
才ある者に貴賎なし、というスタンスから能力があるのならばたとえ新世代でも惜しみなく援助をする。しかしノーリッジのような無償の施しではなく、一定の成果が無ければ容赦なく援助を打ち切るなどもする。
しかしそれ以外は近代的な躍進にも寛容な民主主義らしい一族と言えるだろう。ロードの家系とも独立した地位を持つのも特徴的か。フロース
イギリスの産業革命時に魔術師として成立した極めて歴史の浅い家系。扱う魔術も貴重なものを用いることが多く、そもそものコネがない、才能も乏しい彼らでは活かしきれず当代に至るまで辛酸を嘗めさせられた。当代当主、クラッフ・フロースの類稀なる才能がグローリアンに見出された時、初めて魔術師として始まったとも。
クラッフがグローリアンを後見人としたことで潤沢な資金を得る他、貴重な遺物、呪体に関わる機会を得たことで才能を発揮、功績を上げている期待の新世代の一族。政治闘争のスキルも元々持ち合わせていた(発揮する下地がなかったとも)ので一応安定した、と言える。
ヴィルクレツィア
かつては降霊科に所属し、さまざまな功績で一躍有名になっていた家系。貴族主義的な一子相伝を極めて重視した結果、分家を作ることはせず……その結果、前代ヴィルクレツィア当主が魔術でも解決できない不妊体質だったために一転して没落の危機に陥る。自棄になった前代当主の放浪の旅の途中、シウンと出会い彼女を後継として見出す。
血の繋がりもなければ高尚な生まれでもないシウンを当主としたことで貴族主義の在り方とは相反する形となり、それも含めてシウンの力を引き出す方向性で呪詛科への転属を選んだ。
もともとヴィルクレツィアの地盤は悪くないこと、シウンには政治闘争の適性があったことから学科を移した後もメキメキと頭角を表しているようだ。
スキュレカリュー
ギリシャのスキュラとカリュブディスに何かしらの関係性がある……という説があるものの実際は真偽不明の鉱石科の一族。良くも悪くも中堅どころ、という評価が適切だったものの、セナ・スキュレカリューの大躍進と“先生”としての活躍で一躍、名を挙げた。
元々は貴族主義の典型的なタイプではあったのだが、メルアステアの一件があったこと、何より当代のセナが“先生”としての方針を明確にしたことで中立主義として研究を重んじる在り方へと変化した。生徒一人一人に多大な功績を残すものとして、エルメロイ教室とは似て非なる権力構造を構築している。
一度刃を抜いたら斬るまで止まらない、と揶揄されるほどセナ自身も対外的なやり取りに容赦はない。彼女が大事にしているのは自身の一族と可愛い生徒の未来だけだから。
ヴィルクレツィア前代当主の不妊体質はフィオレ姉さんの脚のそれに近いものですさてさて、なんだか温度差がありますが私も『船』のSSを出させてもらいまーす
───報告。
───『開かずの海』に侵入者あり。
───以後、独自の判断でこれの処理に当たる。
動く骸骨がそのような言葉を発した。
それは半ば独り言のようなもので、何らかの返答を求めた言葉ではなかった。事実、動く骸骨の中ではすでに会話は終了し、件の侵入者の下へ向かう寸前というところ。
そこへ、決して無視することのできない言葉が紡がれる。
『……。───』
さして大きくもないその声は、波の音に溺れてかき消えた。言葉は音の形を崩して細やかな意味を喪い、ただ否定の響きだけを伴って波紋さながらに広がっていく。
それで充分だった。少なくとも動く骸骨と、声の主にとっては。
───承知。では、そのように。
特に不満も滲ませず、動く骸骨はその意に従う。
たったそれだけのやりとりを済ませて、波間に揺れる空間には沈黙だけが残る。後には、なにもない。
ここは秘海集積船の最重要区画とされる開かずの海。その最上層に位置する『船長室』での、一幕。
そして、のちに『船長室侵入事件』として知られる出来事にいち早く気づいた瞬間でもあった。>>27
秘海集積船と呼ばれる船舶がある。
どの国にも属さぬままどの国にも干渉せず、またされることもなく。独自の判断のみで世界中の海域へ侵入していく。
当然ながらそのようなことは認められない。如何なる船舶であってもその運航は国の許可と管理を必要とする。国ごとに定められた法から外れた船舶、ましてやそれが無国籍船ともなれば見逃されるはずもない。一も二もなくそんな運航は止められ、相応の罪が問われることとなろう。
しかしその船舶は見逃される。その運航は黙認される。
なぜか?
答えはひとつ。そこに『魔術』があるからだ。
魔術とは力である。秘してこそ発揮するその力を保持せんがために、黙認する。魔術という力がもたらす利益を捨てられないからこそ見て見ぬふりをする。
つまりは、そう、秘海集積船とは魔術と魔術師を載せた、魔術を追い求めるための『船』である。
乗船した船員たちは一般人と魔術師が入り乱れながら共存している。船上という環境に魔術の存在を前提に置いた独自の生活圏が築かれており、もはやそこは海の上に浮かぶ街とすら呼べるだろう。
特異である。希少である。特殊である。そのような生活環境は。
ゆえに船員たちは理解せねばならない。
自分たちの過ごす日常が世界から見てどれほど異質に映るか。自分たちの存在が世界に与える影響は如何ほどか。自分たちの行動ひとつ、発言ひとつがどれだけ世界を揺らすか───そういった認識を共有し、また理解せねばならない、のだが。
それを、まったく理解していないウサギ娘がここにいる。
「ほー……んぉー……おぉ~」
あっちをキョロキョロ。こっちをキョロキョロ。
まったく落ち着きのない様子で周囲に視線を向けまくっているこの少女の名はペルカという。>>28
数日前に海面に立っているところを『船』が発見し、そして回収した。その日から今日に至るまで『検査』を繰り返していたようだが、本日ついに正式に船員として認められる運びとなった。
乗船して数日、ついに秘海集積船の日常をその目で確かめたペルカは新鮮な驚きに包まれている真っ最中、というわけである。
「あれは……! あれは……? なに? なに?」
前述の通り『船』は魔術の存在が前提にある。一般社会においては奇異に映る姿も言動もここでは当然として受け入れられる。
今ペルカの眼に映ったのは、ふわふわ浮いたまま動いている怪しいおにーさん、額から宝石が生えたペットを連れている槍を持ったおにーちゃん、たくさんの荷物を抱えて飛び回る翼のおねーさん。
魔術の存在が前提になければ受け入れるのも一苦労な景色たちに新人船員は驚きを漏らさずにはいられないようである。
放っておけば陽が落ちるまで好奇心に振り回されていただろうペルカに、先導していた者の声がかかる。
「物珍しい気持はわかりますが、今は学園に向かうのが先ですよ、ペルカさん」
丁寧な窘めるような口調。しかしその声音は柔らかい。環境な不慣れな子どもをやんわりと導くための声。
声の持ち主は学園に勤める先生のものだった。
そして先生は犬だった。片眼鏡をかけた柴犬である。
「はーい。ポチ先生」
ポチときた。その響きは犬以外の何物でもない。
「ペルカさん。『はい』を伸ばしてはいけません」
「はーい」
「ですから……いえ、まずは学園に着いてからですね」
いかにもといったようなどこでも見られそうな先生と教え子のやりとり。先生が犬の姿をしていることを除けば、だが。
しかしその光景を驚く者はいない。犬が人と同じ言葉を喋り、あまつさえ先生として振る舞おうともそれが当然として受け入れられている。>>29
秘海集積船は、『船』とは、そういう場所だ。
魔術を前提に置いた環境ならばひとつふたつの異変に驚いてなどいられないのだ。
冷静沈着。泰然自若。そういった在り様こそが船員たちに求められる日常の態度であり……
「マレオのバカがまたやりやがった!! カフェイン漬けのダイオウイカが突撃してくるぞ!! 逃げろぉおおお!!!」
見た目通りの水兵さんといった風貌の男が走りながらそのようなことを叫んで触れまわる。
言葉通りに背後からはカフェイン……というか虹色に輝くイカらしき巨大軟体動物が頭を下にして高速回転しながら迫っている。
なんだこれはと思われることだろう。急にどうしたのだろうと疑問を覚えることだろう。
それでは、早々に前言を撤回させていただこう。
この『船』における日常とは、こんなもんである。
「なんかきた!」
「独楽みたいなイカですね」
「こまってなに?」
「私の故郷の回す玩具と言いましょうか……機会があれば教えますよ」
「やた。……じゃないや、先生先生」>>30
「わふ?」
「アレ、なに?」
アレとはもちろん逆さまになって回転したまま止まらない独楽型ダイオウイカのことである。
「なんなんでしょうね? 私も初めて見ました」
「えー……」
「そんな顔をしないでください。ここで暮らしていれば似たようなことが何度も起きるので、見てる分には慣れるのです」
「まじでか」
「まじです。そしてペルカさんも今日からここで暮らす一員ですよ」
「……おー……のー……」
ペルカ、悲観の表情。普段から垂れがちな大きな耳も今はおおげさにぺたりといっそう大きく垂れている。
大変な場所に来てしまった。どころか住むことになってしまった。そんな声が、音にせずともありありと聞こえてくるようだ。
周りでは独楽型ダイオウイカから逃げる人と対応する人で今も騒ぎは続いている。翼を持たない人間たちは船の甲板の上をわいわいがやがやと混み合いながら走り抜けていく。
甲板とは言うが決して平坦な足場ではない。そも『船』は度重なる増築によって現在のどこか歪な姿になった巨大船舶である。場所によっては無茶な増築のせいで道そのものが上下し、また曲がりくねっている。足元も見ずに走り抜けようとすれば簡単に海へ落ちてしまうような危険な箇所がいくつもあるのだ。
今ペルカとポチ先生がいる場所も、そうした箇所のひとつだった。
すぐに離れなければならない。しかし下手に動けば海に落ちかねない危険もある。
八方ふさがりである。物理的に。
「ポチ先生ポチ先生。今ってなんかやばい?」
「やばいですね。ちょっと立ち往生するくらいには」>>31
「それってあのイカのせい?」
「まあ明らかにそうでしょうね。こういう時ほど慌ててはいけませんよ、ペルカさん」
半ば自分にも言い聞かせるようにポチ先生はつとめて静かに言葉を繋いだ。表情を変えず、足取りも確かに。落ちついた大人然とした姿である。
あとはまっすぐ伸びた緊張感たっぷりの尻尾さえ隠せていれば、完璧だったのだが。
(そっか。これは、よくないやつだ)
漠然と、そのようなことを考えた。
その時の思考と感情がどのように働いたかはわからない。ただ騒ぎに便乗したかったのか、彼女なりの正義感でも湧き出たか。あるいは、子供の思いつきなだけかもしれない。
確かなことは、 やろうと決めた自分の心だけ。
「わかった。じゃ、あのイカやっつけるね」
「ワン?」
「いってくる!」
「ペルカさん!?」
そして少女は跳ねた。その二本の脚のみで。
瞬く間にペルカは高い高い場所へとたどり着いた。翼でも生えていなければ許されないような高度、一瞬の上昇であった。>>32
当然であろう。彼女もまた、魔術を前提に置いたこの『船』の、新しい船員なのだから。
高く跳ぶだけではない。一度きりの跳躍ではない。そこに神秘が宿るなら、ウサギ娘の脚は空だって蹴ってみせる。
「わっっっしょーーーーい!!!」
蹴った、空を。
逃げ惑う大勢の人の視線と、対応に走る少人数の視線のすべてを上に向けさせた少女が空中を跳ねる。独楽型ダイオウイカに弾丸じみた勢いで頭から突っ込んでいく。
止めるため走る者がいた。止めろと叫ぶ者がいた。なにもできずに吠えることしかできない犬がいた。
見上げる人々の悲喜こもごもが一身に受けて、少女はついに肉薄する。寸前、くるりと身体を半回転。足を向ける格好になり、そのまま。
ペルカの両足が、独楽型ダイオウイカに突き刺さった。
「…………」
「…………」
「…………」
ダイオウイカの回転が止まる。それと息を合わせるようにして人々の声が止んだ。
沈黙したダイオウイカの身体に降り立って、息を呑む人々を見下ろす形になった少女は、
「ぶい(グッ‼)」
親指をまっすぐ立てたガッツポーズ。やってやった感たっぷりの、良い笑顔だった。自分もSS投下させていただきたいですのよ…!
魔力とは燃料で、呪体とは言ってしまえば資源だ。
例えばだが、相対的な資産価値が安定した存在としての金、電子製品の集積回路の配線などに使用されている金など、『金(Au)』の価値は様々だ。当然ながら我々魔術師にとっても金、黄金とは非常に意味を持つ。西洋の錬金術師の主な目的であった『黄金錬成』はもとより北欧神話において悪竜ファヴニールが神々の身代金として要求した黄金の腕輪『アンドヴァリの遺産』、ギリシャ神話の『ミダス王の手』などは有名だろう。
時計塔の地下、時計坑と呼ぶ者もいる、霊墓アルビオンは現代になって尚、魔術の触媒として使用するに遜色ない“純度(神秘)”の資源が採掘できる地表唯一の鉱脈なのである。
「やはり……味が落ちていますわ」
シャルドネ・エグマリヌはこの灰色の地下世界には似つかわしくない。
明瞭なブルーのドレスに、波打つ赤髪の一房が鮮烈な印象を与えるからか。いいや、地上における天才が入門できる時計塔の魔術師にとって、炭鉱夫とも揶揄される探索者の中でその立ち振る舞いは貴人のもの。優雅、華麗。スプーンとフォーク以上の重さを感じたことのない体を持つ彼女ほど、肉体労働に相応しくない者もいないだろう。
ダイニングテーブルに並べられた食材は、すべてアルビオンから採掘された呪体や幻想種を調理した品々だった。文字通りの『稀少』をたった一日、たった数時間で消費するというのを飽食と言わずに何というか。資源を惜しげもなく蕩尽する姿は、資金を得るために命を掛けるアルビオンの探索者ならぬ姿だった。
「困りますわ。こんなの犬でも食べないでしょう、総料理長」
「申し訳ございません。今すぐに取り下げますので」>>38
「ええ……? オレにはどれも美味しそうに見えるけど」
「言うな。『お嬢』にはお嬢のラインというのがあるのだろう。非効率極まりない、美学が」
「なーにーよーそーれー! というか自分に合わないっていうのを短絡的に不味いとか表現するの止めて欲しいんですけど」
地上で一流のシェフの人間がつくる料理を、この霊墓アルビオンで食べられることがそもそも貴重であるというのに。シャルドネの一存で廃棄されていく高級食材(中には本来、食材としての利用を想定してないであろうモノもある)たち。確かに採掘都市マギスフェアでも凝霊鉱の黄金への変換率が落ちているという話は耳にするが、それでも彼らの一生(?)を思えば理不尽だろう。最低でも完食するべきを、捨てるという選択肢が入るのがシャルドネという人間だった。“調理”のための苦労は惜しまないというのに、調理された後は味わうだけだからか。
バジル・マゼラース、ノルドナイト・オーセン、ブラウーヴェルは彼女の金の使い方を物惜しげに見ながら、自分たちは最低限度の栄養を摂取できる最小の料理、つまりは携行食糧だ、を一口で喉に押し流した。
蜃であるモルガナの『竜の息吹』、気泡から生まれる蜃気楼の異界はあくまで楼閣、城をつくるだけであって料理やその他の物品までを用意する訳ではない。モルガナ自体が手乗りサイズなので持ち歩けるセーフティハウスとして活用できるだけだ。
幻の範囲一面に無数の浮島や岩礁の上に楼閣が並び、建物から零れる暖光が魔海の珊瑚から溢れる気泡を真珠のように照らしている。この蛤御殿は見かけだけ。自らも幻と化さなければ、蜃に食われなければその歓待は受けられない。
「ふーんだ。分配した採取物をどう使おうが勝手よ勝手!」
「そういうブラウが一番、怒ってるんだよな」>>39
時計塔の派閥の命を受けて潜入している工作員など、霊墓アルビオンの探索者には様々な理由を持っているが、中でもアルビオン・アタック(以下AA)と呼ばれる一団は特に変わり者だった。
『最果て』を目指す。という共通目標を持った探索者たちが自然と効率的な探索のため、寄り合いのように集まったのがAAだった。そのためシャルドネが顕著だがチームワークがない。アルビオンの探索の基本的なセオリーである五人の役割、アルビオンからさまざまな資源を採掘するための発掘用メンバーに二人、迷宮に勃発する危機をいち早く発見し注意を促すための警戒用メンバーが一人、霊墓に巣食うおそるべき怪物から身を護るための戦闘用メンバーで二人。これが成立しているようでしていない。個人プレイが極まった結果、何とかなっているだけだ。
めちゃくちゃだ、とバジルは思う。
何しろ些細な事が命を失う要因になるというのに危機感がない。実際にバジルも目の前でAAメンバーの一人が幻想種に食われたのを見たことがあるが、その時に脳裏に浮かんだのは「まあ、当然だよな」という淡々としたものだった。食われた探索者とは割と仲が良い方だったが、憎しみとか悲しみとかは無かった。
ここは自然界の“弱肉強食(ワイルドルール)”、より原始的な命のやり取りがあるだけだ。余所から来た自分たちも食物連鎖の生態系ピラミッドの中に組み込まれている。
だから、めちゃくちゃなのだ。
生存のための論理がなく、このアルビオンにいる自分みたいなのは。
◇◇◇◇
霊墓アルビオンの大魔術回路、地下10km~40kmに相当する静脈回路オドベナは探索者にとっては一般的な採掘場になる。といっても死せる竜の魔力に中てられた場所だ。神代もかくやという濃密な魔力と、地面を奔る光の帯。>>40
特に脈動するかのように速度を変えて流れる光は、アルビオンの魔術回路はまだ生きており、神代の頃の神秘を裡に蔵していると言われるに足る証明だ。であれば、“結節点(ジャンクション)”や、時期ごとにまったく様相を変える因果関係の無さもまた道理だろう。
「やったわ! 精霊根見つけたわよバジル!」
「あ、いいなあ。くれ」
「嫌よ。というかこのぐらいの呪体は希少だけれど、アルビオンにいればまあまあ見かける程度にはあるじゃない。私は妖精域に繋がる手立てが欲しいのよ。あれでしょ、“取り替え(チェンジリング)”っていうのは妖精域から取り替えられたんでしょ何か知り合いいないのアンタ」
「あ~、スピルバーグ教室のシャフリヤーナ・アスタムとか時計塔でも(悪目立ちする)有名人かな。有名人だから一方的に知ってるだけで友人ではないけど。にしても妖精の神秘っていうのは術式・文明の理解が及ばないから苦手だ。それだったら人間の深層心理に根差す神代のテクスチャの方がまだ分かる」
時計塔で天文学的な借金をつくってしまったバジル・マゼラースと、森林トロール(と本人は自称している)のブラウーヴェルはAAの基本方針である古き心臓の階層での探索のみならず、時折こうして上層での散策を楽しむ。
とはいえ、霊墓アルビオンに安全な場所というのは存在しない。地上のいかなる伝説群にも属さない、アルビオン固有の種の魔獣がうろつくことはままある。それでも『古き心臓』付近の神獣レベルの理不尽に比べれば幾分かはマシだ。
精霊根。土の精霊が宿っており、石像に植え付けると、たちまち生きているかのように動き始めると云う根をまるで花飾りのように、自分に植え付けていく姿を傍目で見る。森林トロールにとって植物の外装は地上では死活問題となる。
太陽の加護、直射日光を浴びるとトロールは燃え尽きてしまうからだ。そのため日傘のように適合した自然霊に近い、植物で自分を覆うことで身を守る。ただの茸や針葉樹ではそう融通は利かないが、世界を体現する巨木の種などの呪体は使い道もある。>>41
ブラウーヴェルは生存のために呪体を集める。
しかし、バジルは自分の天文学的な借金を返済するために、AAの方針とは外れる呪体集めを行う。それも建前なのではないかと心の奥では気付いている。友人が食われても、何も感じないのだ。きっと自分が死ぬ瞬間であろうとも心が動くことはないだろう。魔術刻印の継承から外れた“後継ぎ(スペア)”に何の意味があるだろう。一族の悲願を根源に至らせることもできない。ただ、漠然と生きるだけ。空白の選択肢の一番下に辛うじて『借金を返済する』がポップしているに過ぎない。
自分の霊墓アルビオンでの後継人のような立場になってくれたノルドナイトは『最果て』を理想郷ではなく、到達点であると語った。
生命としての方向性、存在意義、種全体の『我々はそういう生き物だった』ことを示す到達点。それが最果てなのだと。
昔、ハワイで家族と共に見た『天蓋の島』が、そこにあるのならば。
空っぽの自分でも一生を賭ける理由にはなるのかもしれない。霊墓アルビオン、採掘都市マギスフェアの郊外。
アンダーグラウンド(既にマギスフェア自体が“地下”なのだが)に賭場が開設されていた。集まった博徒たちはもちろん金銭を賭けるのだが、ここでは主にアルビオン産の呪体を胴元がチップに変えて呪体は預かり管理する形を取っていた。
“イカサマ”は起こり得ない。もちろん無い訳ではない。
契約魔術による縛りや、そもそも賭け事自体が魔術師たちにとって“神明裁判(オーディール)”の意味を持つからだ。故に純粋な運気、運命力を引き寄せるための魔術戦となる。細工のひとつひとつが魔術的な効果を持つのだ。
ヴェロニカ・ヤマトヴナ・グロズヌイ――つまり私も、イカサマのための魔術のひとつやふたつは考案したことがあるが、魔術を使うよりも真っ向から運試しをした方が勝率は良い。これもまた神明裁判であると言えよう。
「しかし、こんな光景を地表の魔術師様に見られたら、魔術“使い”なんて言われてもしょうがないよな」
「何を勝手に黄昏てンだ……ってくっそー、負けた!!」
「はいごち~」
「この度のゲームの勝者は、ヴェロニカ・ヤマトヴナ・グロズヌイ様。
ではグロズヌイ様。ご要望の品などはございますでしょうか」>>47
「奇奇神酒を頼もうかな。“お嬢様”が好きなんでね」
「承りました。ゲームはどうなさいます? わたくし共としては続行していただければと思いますが」
「ここには酒を取りに来ただけだからな。キリが良いから帰るさ」
「ちっ、勝つこと前提かよ」
「またのお越しをお待ちしております」
◇◇◇◇
採掘都市マギスフェアの大抵の居住区は、砂の色をした蜂の巣のような印象を受ける。というのも霊墓アルビオンの環境は不安定で、特に郊外ともなれば死せる竜の骸の変動と共に、頻繁に“引っ越し”が必要となる。そのため建築材は特に、ある種の地産地消、大地の土を使うことが多いからだ。霊墓アルビオンの影響もあり、ただの土にも魔力が宿るのでゴーレムをそのまま建物にしたりすることもある。
少なくとも地表ではあり得ざる事だ。
マナの減少著しく、オドで神秘学を実践しているような世界では。>>48
マギスフェアの中央部は特に複合工房クリエグラなどの秘骸解剖局の重要施設が集まっているが、そこに比較的近い周辺部に“鹿の園(ル・パルク・オ・セール)”と名付けられた悪趣味極まりない館が建てられている。神殿と形容しても間違いないほど整えられた工房や結界の完成度に強度、そしてまさしく“魔城(ゴーレム)”そのものであるのだから、もはや館というよりは城と言うのが適切だろうか。
その悪趣味なネーミングセンスをした“城”に、ヴェロニカのお嬢様が座しているだが、その館のミストレスよりも目を引くのは世界各地あるいは霊墓アルビオンからお嬢様のために集められた“嗜好品”の数々だった。
七人の人狼の姉妹。アン(Anne)、ウルセル(Ursel)、ケート(Käth')、リーゼ(Liese)、バルベ(Barbe)、イブ(Ev')、ベス(Beth')。ゲーテの詩『Zigeunerlied(ジプシーの歌)』から名付けられた忠実な猟犬。ドイツ語の魔女(hexe)は北欧の魔女(hagazussa)像に由来しているというのはゲルマン・北欧神話圏の神秘を学ぶ者達にとっては定説ではあるが。確かにそれを想起させるように彼女たちは皆、北欧の魔術を好む。特にワイルドハント、嵐の夜、オーディンの狩猟団に因んだ魔術を。
インディラ・シン。大英帝国の黒歴史のひとつ、東インド会社の統治下インドで巨富を築き、英国本国に帰還した者の中でも、特にインド風生活に染まりきった“インド成金(ネイボッブ)”。この成金の台頭は魔術協会・時計塔においても例外ではなかった。インド魔術世界の遺産を簒奪し、権力闘争の外側から時計塔に持ち帰って来たのだ。彼女はインドの魔術基盤を用いた錬金術の内、ヴィマーナと呼ばれる(「戦闘機みたいなものよ」とよく説明するのだが)ゴーレムをつくるのを好む。>>49
ヴェロニカ・ヤマトヴナ・グロズヌイ、つまりは私なのだが。私もまた彼女に買われた者のひとりで、ロシア圏の人狼種オボロテンだ。人狼種といっても正確には“影の怪物(シェイプシフター)”である。それが何故、人狼と呼ばれるのかというと有名なオボロテン、鷹・灰色狼・金角牛に変身する『ブィリーナ』の英雄ヴォルフ・フセスラーヴィエヴィチが、人狼と呼ばれたキエフ大公フセスラフを原典とするからだ。幻想種というのは存在自体が魔術のようなものだが、人を騙る亜人種である以上、魔術も修得することができる。この辺の微妙な感覚意識は『魔術を使う妖精』を想像してもらえるとありがたい。
鹿の園の門を開くと、備え付けの庭園には解体中の幻想種の“色々”が広がっていた。
とても血生臭いため嗅覚に悪く、当然ながら赤色だらけなのは視覚にも悪い。
だがアルビオンの幻想種は現代の地表に生息する幻想種とは違い、特別だ。地上幻想種の大抵は、あくまで独自の進化を経ただけの自然の生物として成立する姿がほとんど。これは竜種なんか特に顕著で、世界の裏側に移動した竜種たちが残した“竜の因子”が付着し、それぞれの生態を維持したまま“竜の生態”になったものにすぎないという。
対して、アルビオンや神代の幻想種は現実ではありえない形質を有している。魔術と限りなく等質の生得領域という、超自然のルールを纏っているからだ。アルビオン・アタックが飼っている幻想種の中に蜃がいるが、これは生態系の類似性とでも言うべきもの。地球という環境であれば、発生する生命、文明、イベントが似通う事もあるだろう。地球上で発生したのであれば、カタチや経緯は違っても“存在した”事になる。特にアルビオンは適化が起こりやすいが、これは星の魂の置き場である内海に近いからという説もある。
つまりこの絶賛、解体が終わりこれから調理に入るであろう幻想種の死体も何かしらの魔力があるということだ。それを食すということは何かしらの魔術的意味合いを持つ、はずだ。シャルドネは食べたいから食べる、という思考回路の持ち主でもあるので違うかもしれない。>>50
「何をやっているんだ、シャルドネお嬢様よ」
「あら、ニーカ! わたくし、今ちょうどキメラの解体をしていたところなのよ。人にやらせても良いのだけれど、やはり美食というのは手ずからではなくて?」
「あーなるほど了解」
「分かりやすく聞いてもないですわね」
やっぱりただ食べること以外の目的は無かった。
私がこのお嬢様、シャルドネ・エグマリヌのことが苦手なのは、突拍子もない猟奇性を嫌う理性故ではなく(実は頭ではまあまあ悪くないと思っている)、本能からであった。というよりシャルドネに取り憑いている悪霊の方が問題なのだ。東洋では鯨憑きと呼ばれているらしいが、西洋では一括して悪魔憑きというカテゴリになるだろう。
まるですべてを呑み込むが如き“落とし穴(ピットフォール)”。
それがシャルドネに取り憑いている鯨に対しての印象だ。間違いなく、魂を食われれば意味消失を起こすことになるだろう。
魔術世界でも稀少な虚数属性を持つ友人のダイバーなんかは、虚数空間に揺蕩う生物(?)のことを「僕らの“常識(チャンネル)”で認識すると鯨『っぽい』から鯨のカタチに脳内補正するようなイメージかな。巨頭鯨、ゴンドウクジラの別名に『五島の鯨』っていうのがあるんだけど。巨大なのは、それに近いカタチをしているね。もちろん貼り付けられたテクスチャはまったく未知の生物像だけどね?」などと語るが、なるほど確かに。シャルドネの鯨も、鯨そのものではない。あくまでその高密度かつ巨大な霊基を、私たち人間(あるいは知性体)は鯨のカタチに似ているから、そう受け取っているだけかもしれない。
ともかく、制御されるされないに関わらず、あれは危険だと本能が告げている。
眼がなくともこちらを“視ている”。食事としてか、脅威としてか?>>51
「ほら、奇奇神酒だ。使い方は任せる」
「あらまあ、でしたらそうですわね……今、ここで呑んでしまいましょうか」
「この状況だとキメラの料理に使われるそうだと思ったが。いいのか?」
「もちろん。インディラに知られたら無駄遣いだと怒られますもの。これは二人だけの秘密ですわ」
「そうだな、それは……ああ、悪くない」
大いなる神に捧げるために永い時を費やして造られたこの貴重な酒は、人ならざる怪物や魔獣をも陶酔させる。二百年程度ならば魔術で延命できるとはいえ、人類種にはあまりにも永すぎる時間の結晶を一瞬で、消費する。
過去を味わうこの蕩尽は魔術を手繰る者の特権であり、この喉越しは霊墓アルビオンで生死を賭ける者の特権である。立て乙です。挨拶遅くなってすまない。
会議したいなとか思ったのは獣国とぺレスに木伽などですね。第■回と伏神は最新統合スレに投稿ある訳ですし
獣国はGMのユーさんが>>5でそろそろ動いてもいいかなって言ってますし任せる、覇久間は確か次で最終決戦みたいな事言ってた覚えがある(ディックさんと納言さんでラストバトルでしたっけ)
だから多分メインとしてはクローディアさんもいるし、ぺレスの話進めたいなって感じですかね。
あとはリレーの管理人なGMさんが音信不通消息不明になっちゃったらどうするべきか、という議題は提出したいというか(リレー参加者さんが不在になった場合はルールで代筆される可能性ありますよ、ってなってるし)>>54
ぺレスはセイバー、アーチャー、ライダー(あとはキャスターもか?)の脱落時期とかに関する共有シナリオ的なのを参加者の自分とユーさん、山星さんにクロさんで一緒に考えてその後の流れも決めて動こう!って感じでしょうか……。
ディックさんはキャスター陣営はどっかで大暴れして敗退でも大丈夫みたいな事はおっしゃってた記憶があります(間違ってたらごめんなさい)はてさて今夜も中東聖杯戦争(仮)を更新します。感想の返事はまた改めてさせていただきます…!本当に見てくださってありがとうございます…!
魔術師の一族には貴族が多い。価格を抑えて品質の高い物を生み出す科学とは異なり、魔術とは全てのものがオーダーメイドでオンリーワン、なのでどうしても費用がかさんでしまう。したがって資産家だから魔術を修めるというよりも資産家だけが魔術師であり続けられると言った方が正しいだろう。
グランデリニアの実家も例に漏れず世間一般の評価では貴族に分類される出自である。彼女も青砥同様本拠地はドイツのルーイヒブルグにあるので、この邸宅はあくまで一時的に身を置く為の別荘に過ぎない。にも関わらずその土地面積は市民なら驚嘆する程に広大、手入れも隅々にまで行き渡っており管理する人員も相当数在籍している事が伺える。
荘厳なファサードに円柱が何本も立ち並び、ローマ様式のヴィラを彷彿とさせる豪邸は、市街の騒乱とは無縁の穏やかさを保っている。
手入れの行き届いた自慢の庭園が見える窓ごしに外界を眺める。グランデリニアは溜め息混じりに「なんだか騒がしいわ」と漏らした。
家の中全体に広がる壮大なリビングルームには今は彼女一人しかいない。従者はみなそれぞれ家事や仕事に勤しんでおり、悠々とした時間を過ごせているのは家長である彼女だけというわけだ。>>57
彼女が召喚したサーヴァントも数時間前斥候に向かわせており今はこの場にいない。なので今襲撃に遭えば一溜まりもない筈なのだが、彼女がそれを不安視する事は決してない。喫緊の事態になれば令呪でサーヴァントを引き戻せば事足りるし、なによりこの堅牢な城塞に絶大な信頼を寄せているからである。
斥候に向かわせていたサーヴァントが帰ってきたようだ。「ただいま戻りました」と背の高い女サーヴァントは言った。
「お帰りなさいアサシン。偵察ご苦労様」
朗らかな笑顔で迎えてくれるグランデリニアに少々くすぐったさを覚えたのかアサシンは顔に巻かれた包帯をずらして目を伏せる。
「それで、何か収穫はあったのかしら?」
「マスターの指示通り青砥数千歌が拠点とするような霊地は全て破壊して来ました。効果は覿面だったらしく、公園広場で発狂する青砥氏の姿を確認しています」
「それは私も見たわ」と笑うグランデリニア。彼女は使い魔を使役して青砥の動向を逐一観察していたらしい。めぼしい霊地を求めて右へ左へ駆けずり回る彼の姿は非常に滑稽に映ったようだ。
「ふ、くくく。『俺おたくになんかしましたかねぇっ!?』ですってあっははははははっ、いい歳して地団駄なんか踏んじゃっておっかしいの!録音しとけば良かったわ」
「……全くマスターも人が悪い」
本革のソファーに身を預けると、淑やかに紅茶を飲んで気持ちを落ち着かせる。こうして佇む姿はビスクドールの様に可愛らしい。>>58
「他はそうですね。キャスター陣営については主従関係が芳しくない様で、瓦解寸前と言ったところかと。ランサーについては単独で真尹津の街を巡回している姿を確認しましたが、残念ながらマスターは確認出来ず……主従での接触も皆無なようです。逸れサーヴァントなのでしょうか?」
「きっと違うわ。貴女の視覚を共有していたけれど彼は聖杯戦争よりも何か別の使命感で動いている、そんな風に感じたもの」
「おっしゃる通りかと」とアサシンは首肯する。事実ランサーは確認されてからずっと街を徘徊ばかりしていて一向に敵陣地に攻め込む気配はなく、ただ見晴らしの良い場所で市街を睥睨しじっと監視している、そんな様子であった。
「また先程発生した不死者ジャック・オーによる魔術事件を確認するや現場に走ってゆくランサーの姿を捉えました」
「まるで事件を止めにかけまわる犬のお巡りさんね。となると彼のマスターは順当に考えれば主催者側であるホーエンハイムになるのかしら」
「可能性は高いかと。しかし現時点でホーエンハイム邸には一切動きが見られませんし、確定するには情報が少々不足していますが」
グランデリニアは長考し、広い邸宅に沈黙が続く。彼女が思案しているのは主催者である魔術大家ホーエンハイムに関してだ。
『パラケルスス』と呼ばれた稀代の錬金術師が産み出した人造人間の末裔、彼等が突如願望器を巡る魔術闘争を提案してきたのが凡そ一世紀前だった。そこから極東の土地主である青砥が参入し、ルール作りがなされ、現在の聖杯戦争が開催されるに至るまでホーエンハイム一族は並々ならぬ心血を聖杯戦争に注いできた。
そんな彼等が開催以降沈黙を崩さないのは不気味であった。
何か水面下で暗躍しているのは間違いないが、その尻尾は今の所掴めそうにない。それがもどかしくて仕方がない。>>59
グランデリニアは紅茶を飲み終えると大きな息をついてのびをする。
「……ふぅ。これはもう考えたってしようがなさそうね、今は大人しく夢の世界へ旅立つとしましょう」
「それがよろしいのではないでしょうか」
幼き魔術師は「ねぇアサシン───ううん、ロビン」と言って駆け寄って彼女の緑の外套を引っ張る。
「今夜もね、寝るまで一緒にいてほしいの」
魔術師とはいえ彼女は14歳程度の少女、不安なものは不安なのである。特に彼女の場合感受性が豊かすぎるあまり一人の時は良くない事ばかり考えてしまうのだろう。
家の使用人にも心を打ち明ける事はなく、彼女が弱さを見せられるのはサーヴァントであるアサシンにだけだ。
「……勿論ですとも」
アサシンはマスターの頬に優しく手を差し伸ばして彼女の年相応の我儘を受け止める。彼女の顔は緑の包帯で良く見えないが、その眼は慈愛に満ちていた。
「さ、今夜も良き夢を。おやすみなさいグランデリニア」
「えぇおやすみなさい、ロビンフッド。私だけの緑の騎士様」あ、グランデリニアについては最初の話では見切り発車だったのでホテル住まいになってますが、本拠地はちゃんとした邸宅があるって設定に変更してあります。
wikiに載せる際にはそのへんキチンと直して載せますのでよろしくお願いしますさて前話の感想本当にありがとうございます!
>>19>>20>>22
ロウリィ監獄長が青筋立ててアーチャーを怒鳴るだけある危険度なのが分かっていただけたかと。ヤツはGTAの世界観からやってきたようなヤツです…
>>21
いえいえ、それもこれも他の方が魅力的なキャラを作ってくれるおかげです。京極さんとこのお話もとても面白いですしいつも読まさせてもらってますよ。
>>25
そう言ってもらえてホッとした所はありますね…消えない青い炎についてはジャック・オーの長ーい人生の中でサラッと履修した魔術とでも思ってもらえれば幸いです。
>>36
現実的な話身体の三分の一が火傷するとほぼ助からないみたいですし炎はシンプルながらも強力ですよね、次回くらいで赤峰くんの病状が明らかになりますのでお楽しみに。
>>45
聖杯戦争がそんな甘い理由で参戦できる訳ねえんだよなぁ〜〜っ!?参戦するならそれなりの覚悟と代償がなきゃですね!> 残念ながらマスターは確認出来ず……主従での接触も皆無なようです。逸れサーヴァントなのでしょうか?」
「きっと違うわ。貴女の視覚を共有していたけれど彼は聖杯戦争よりも何か別の使命感で動いている、そんな風に感じたもの」
思えばこのくだり説明が足りなさすぎてよくわかんないことになってる…!wikiにあげる時には補足で色々書き出しておきます、すみません。>>65
そういう事です!ニュアンスが伝わっているなら良かった…けど分かりにくいのには変わらないので変更しときますね。お知らせって程でもないですが、次の船SS更新時は色々な都合でリョーガ改修版キャラシ(過去抜き)→SS最新話→キャラシ過去部分投下っていう変則的な連続投下をしたいと思ってます。かなり過去を変えた+出す順番間違えると面白みが減るという理由ですがレス数は少しだけ多くなるかもしれませんのでご了承ください。明後日までには出したい
あと2月中か、遅くても3月までに新鯖を1騎か行けたら2騎お出しできたら良いなと思ってます。モンゴル鯖を出したい
>>34
ペルカちゃんだーー!!
初登場時から言われてた船長室侵入事件が遂に語られるんでしょうか、楽しみです…!!
ところで、失念してたら本当に申し訳ないんですが荷物運んでる翼生えたおねーさんってもしや新キャラ…?
>>43 >>53
これが例のアルビオンの新組織ですか…魅力感じる新キャラが沢山いるしwiki見ると一人一人めっちゃ濃くて凄いなって思います
ここからどんなストーリーが展開されてくのか気になりますね…
>>44
ぺるかわ(ペルカかわいい)
…ところでぺるかわって語感良くないっすか?
>>61
投稿ペースが早すぎる…!!幼馴染選定の間に進めてたにしても途轍もない量と質を作るのが早すぎて脱帽です
確か前に「魔術師らしい奴らが揃った聖杯戦争」と表してた記憶がありますが、その通りに隙が無さそうな大物が多くてワクワク感が凄いですね。上手く表せてるか分かりませんが、凄くクールな感じの聖杯戦争になりそうだなって雰囲気を感じました。
>>63
>いつも読まさせてもらってますよ
嬉しいです…マジで励みになりますありがとうございます
とはいえ本当にこれだけのクオリティの物を早いペースで出せるのは本当に素晴らしいと思います。今後の更新もガチで楽しみにしてます、応援してますよし決めた!この土日に獣国の参加者を再度募ってリスタートする企画を始めようと思います。つきましては参加希望の方はご連絡ください。
あと出来るだけ前から参加いただいていた方には参加していただきたいです。
>>18
う、うわーっ!?赤峰くんが、赤峰くんがぁ!?
>>24
こうして並べてみると古ーい家系から新しいのまで揃ってますね。時計塔設立前から続くとか歴史的にはとんでもないのでは。
>>34
裏では不穏な気配がするのに独楽イカのインパクトがそれらを吹き飛ばしていきました。うさかわ。
>>43
oh…普段FGOで大量に手に入れてる精霊根の価値を改めて思い知らされました。
>>44
可愛いー!でも一身上の都合で呼び込み君にトラウマを植え付けられていた時期があるので素直に可愛さだけ享受出来ないジレンマ…。
>>61
ほう、グランデリニアのサーヴァントはロビンフッドでしたか(自分が見逃してた訳では無いハズ)思えば霊地の破壊工作等それらしい伏線が散りばめられていましたね。リレーっていう訳ではないですけど、フリー聖杯戦争/大会TRPGみたいな舞台フォーマットそのものを作りたいという欲望自体はあるんですよね
>>61
青砥君に逆転の目はあるのか。不憫…
ホーエンハイム家というワード、今後が気になる…自分めっちゃパラケルスス好きなので…
>>67
PCにするにはちょっとな…っていうキャラを詰め込んでいるので、出オチを書くのは楽しいです
やられ役の方が筆が乗る現象
>>68 >>69
『冠位決議』の冒頭部分で、Dランク(謎概念)の魔力結晶・枯死した精霊根・ケルピーの鬣・幻蝶の鱗粉・キメラの幼生の牙などで屋敷3棟建つよ~、っていう下りがあるので我々が思ってるよりも価値が高い…!
英霊の強化の触媒に使っているから貴重かつ重要なのはそれはそう、なのですが>>70
もしかしたらアルビオンを揺るがすような…公式設定の舞台なのでそれはないと思いますが
士郎みたいにアヴァロン、妖精域に行っためちゃくちゃ特殊な例もあるのでAAは妖精域に行ける……いや、やっぱりそれは無いな。という無常観>>74
おお、ありがとうございます~
欲望だけしかないので、まっさらなんですがその時になったらぜひ力添えをお願いしゃす…!
詳細煮詰めると作業量が多くなるだろうなというのは感じていて二の足を踏んでいたりするのですが、聖杯戦争とTRPGは相性が良いはずなんや(notゲーム性)…!
>>75
PL「〇〇→△△に(あれやこれ使って)攻撃」
GM「了解。ちょっとRPして次、△△のターンね」とか
SSで進めるのではなくてチャット形式で進めてピックアップした場面のみSS書くとかで省エネ化したいとかは考えるんですけど。いかんせんリレー形式の最大の問題点である「スケジュールが合わない(参加できなくなる)」のをどうするかというのは未解決なんですよね…>>76
動画で見たクトゥルフ神話trpgみたいなのができたら面白いんですけどね……。>>76
>「スケジュールが合わない(参加できなくなる)」
リレーのやり方改善できて速度上がっても、結局ですよねぇ。
まぁスピードアップできれば参加者でバトン渡して問題無し!ってなりそうですが、消息不明の音信不通が怖いなぁ、とは思います>>25
貴族主義極まってる奴が一人だけいるんですがドドド地雷極まってるやつなのでちょっと出すかどうか悩むレベル
他作者様の時計塔描写の助けになれば幸いです
>>36
アタイもこういうの好き!!!
>>68
あくまで噂レベル、というかルーツを辿ると、みたいな感じだったり
>>34
確かに黒鹿さんの描く船の中だとなんだかかなりシリアス風味かも……?
>>43>>53
こういうの良いですね〜〜やっぱり。他の人のキャラクターと絡んだ時にどうなるかも楽しみだ(アルビオン内になっちゃうけど)
>>61
ロビンフッドだ!!スレの中にいるアサシンロビンフッドといえばだ!!
Falling Starの続きのようで続きではない、なんとなく博物館ss「僕さ、お父さんが死んだ後にお母さんに祖父母の家に預けられたんだって」
「あっそ。なんで?」
「さあ?覚えてたらよかったけどさ。色んなこと覚えられるほど脳に容量ないから」
あまりにも鋭敏すぎる感覚器官や脳は、少年の知りたくないことまで知ってしまう。覚えたくないことまでしっかりと覚えて記録する。人の脳内は耐えられるラインがある。溜め込める容量がある。それらを決壊させるわけにはいかないから、人間は削除するのだ。要らないものを。生まれながらにしてチャンネルが他人とズレすぎていた少年は、そんな自身から湧き出た被虐欲求と加虐欲求に苛まれ、苦しみ、懺悔した。後悔ばかりの人生だった。文淵朝夜、彼が自分の生き方に希望を見出さなくなったのは生まれてすぐのこと。
「ふーん。じゃあ嫌いなんか?」
「いや、別に。今でも顔は思い出せるよ。会うことはないけど。電話もしてないなぁ。妹……句音って言うらしいんだけど。その子とも会ったことないや」
「へー。……で?俺は?俺もそんな感じか?」
「バカかよ、お前みたいなのは忘れたくても忘れられない。てかこれからほぼ一生お前と一緒なんだしさ」
少年は、苦しみの末に博物館にたどり着いた。そこでは苦しむ必要がないと言われ……自身の人間としての尊厳を捨て、展示物となることを決めた。もう悩む必要はない。苦しむ必要はない。ずっと、眠っていられる。自分はもう、外を怖がる必要はないのだと。そんな少年を追いかけてくる友がいるとも知らずに。「お前こそさ、僕を追いかけてここまで来て良かったわけ?僕と違ってそっちは家族に囲まれてるじゃん」
「んー……俺ん家は良いとこだしなぁ、俺の存在って多分弱点になるんだわ。俺ってもう裏返ってるし。いつ殺.すかわかんねぇ」
「僕も何度も食いちぎられたもんねぇ、肩」
「もうちょっと肉つけねぇと不味いわ。……だからかなぁ、悲しくねぇよ。育ててくれてありがとう、これからは博物館の脛齧って生きてきますって感じ。物理的に」
少年は名のある魔術師の三男坊であった。その一族はとても奇妙で、まるで呪いが如く、いつまで経っても混血としての己が薄まらない家系である。貴重な神秘が血を通じて保存されるという意味では稀有だが、あまりにも濃すぎて狂い壊れるものばかりで話にならない。少年も、典型的なそのタイプ。幼い頃から凶暴性が高く、ある日突然裏返り……暴れに暴れた後大人しくなった。凶暴性は人としての理性が恐怖を覚えている表れ。もう反転してしまった以上、むしろ安定して引きこもった。引きこもり、ずっとゲームとアニメと漫画に溺れた。時々人を食べながら。
そんな彼だからこそ、自身の家にしがみつきたい未練はない。ここまで育ててくれた以上、本当に嫌で仕方ないがむしろ独り立ちするべきだ。しかしぐうたらしたい。そんな折に親友が博物館とやらに拐われた。ならば親友を取り返すついでにお金をぶんどって働かずに過ごそう。結果的には博物館に敗北し、己も展示されてしまったわけだが……まあ悪くない。上手いメシは出る。回線も通ったところはある。それに独りじゃない。ラヴァルナ・ディアグレーゾ・ゾアグロイス。彼は友を手に入れた。
「つーわけでそろそろ帰って良いか?」
「流石に異性の前でこういう検診はきついっすね僕らも」
「私とて辱めたくて辱めているわけじゃないからね。もう少し我慢してくれると嬉しい。本当に必要な手順である以上は仕方ないの。君たち二人は特殊だもの」黒々とした瞳が宝石のように光り、二人の体を見透かしていく。検診しやすいように、ということで二人は上下ともに一枚のみだ。目の前にいるのは人ではないとはいえ容姿は美女。声色も美女。動揺するのも仕方ない。多感な時期、男子高校生なのだから。しかし女もわざとではない。彼女の人ならざる瞳が、彼らの内側に根付いた縁を見定めているのだ。
「うん、なるほどね。博物館に展示されることで成立した絶対隷属の関係性が破綻している。いや、しかけているというべきか。展示品と展示場所というよりは、博物館と勤務職員の間にあるレベルの力関係に変化してしまっている」
「じゃあ俺たちが逃げようと思えば逃げれんのか。良いこと聞いたわ後頼むぞ」
「誘い雨に、ヒノメに喰われるのがオチだと思うけれどね。そうでなくともうちの職員は優秀よ」
「逃げないですよ。せっかく見つけた安息の地なんですから。……その、服着て良いですか?いい加減恥ずかしい……」
「ああ、ごめんなさいね。どうぞ」
いそいそと服を着る二人を眺めてくつくつと笑う女。人ならざる吸血精霊、ティム・ドルチェ。彼女がここまで笑うこともここ最近なかったので、余程二人の反応が面白かったのだろう。何せここに来るものなんて擦れたやつか冷めたやつの二択。自身を母と慕う幼き魔女……カヴンの妹分などはそうではなかったが、彼女が去ってからはそういうものを見る機会もなくなった。久々なのだ、存分に愉しませてほしい。「それにしても……仮称パンドラ、だったかしらね。アレがもたらす破綻の運命はなんて強いものなのでしょう。この博物館の法則が塗り潰されかけられるなんて、そんなにないことよ」
「要は大工房じゃねぇかこれ。そんならまあ出来なくはないんじゃねえの?俺だって多分出来るぞ」
「そう簡単な話ではないのよ。ここは一種の心象風景、地上と隔絶し創り出された異界だわ。これを塗り潰すとなれば、固有結界を展開し合あい、強い方が拡大できるといった戦いに近いの、前日のアレは。……フフッ、アルカナが腹を立ててたのはきっとそれが原因ね。あの後、マイアは四肢をもがれて死ぬまで晒し者になっていたから」
「結局死んだんですか。また別のあの人が出てきたんでしょうけど」
博物館とて失われた命が戻るわけではない。展示品以外の全ては壊されたら壊れるし、殺したら死ぬ。ただ一人を除いて、生き物が辿るべき法則は必ず適用されている。その一人が暴れに暴れるとんでもない爆弾であるというだけなのだが。“我思う、故に我あり”を原義とは違ったそのままの意味で再現してくるのだからたまったものではない。
「さて、部門長の立場として私はここであなたたちをきっちり殺し直して改めて隷属関係を結ぶことが良いんだろうけど……」
「………瞳に殺意の色がない。それに、あなたは今弱体化してる。なぜかわからないけどその呪いで」
「勘違いしないで。私がこの呪いを解かないのは、かつて私を打倒した人類への敬意の表れよ。この呪いを帯びていてもあなたたちを殺.すことなんて造作もないわ。……でも、そうだな……ああ、うん。そうしよう。あなたたちは私直属の部下兼展示品として扱う。ちょうど欲しかったんだ、そんなに悪に偏ってない部下が。あまり偏るとコレクションにしてしまうから」「それは、また……良いのかよ?アンタの娘さんがいじけるんじゃね?親に見捨てられるガキってキツいぞー」
「親になった覚えはないし、なるつもりもないよ。私に母性が目覚める可能性は微塵もないと心得なさい。これはカヴンだけではない、他全ての生き物に対してもだ」
女の唯一はかつて焦がれた月の王のみ。それ以外の特別は作らない、と決めたのだ。故に彼女は全てを蝕み全てを嘲る。暴淫暴蝕、ティム・ドルチェ。そのスタンスが崩れることは、きっとない。数千年の重みを覆せるような瞬きの出会いよりも、その数千年を積み上げた瞬きの方が強いからだ。
「めんどくせぇ……今回はご縁がなかったってことでヨロシク」
「便宜上とはいえ職員の扱いにもなるわけだ。色々と待遇に差は出る。それに何より、展示品のみとしての扱いを受けるなら今回のような辱めじみた検診や尊厳も何も剥ぎ取ったような展示のされ方も気まぐれでされる可能性があるわけだけど」
「変態野郎ォ!」
「今の肉体は女性寄りだね。稚児に欲情する趣味もないわ」
「まあ、別に良いですけど……ちょっと窮屈かも、とは思ってたし」
………二人はわかっていない。この女に師事する、あるいは仕えるということがどれほど恐ろしいことなのか。可愛い子の四肢を折って谷底に突き落とすまでする鬼畜の師匠。愛はある。情もある。その愛と情で地獄を作る。それがこの女だ。この女の下に就くとはそういうことだ。きっとこれから地獄を見るのだろう。「その前に……セナには戦闘機を貰ったからね。返礼品としてこちらを渡すべきだろう。マイアもきっと喜ぶわ」
「………それ」
「どういう物語を紡ぐのかしらね。私は興味ないわ。マイアは興味を抱くでしょう。あとはまあ、その場の流れ?」
あくまでこれを投げ込むだけ。誰に届くかもわからない。そういう風な縁にした。それをセナは望んでいるし、こちらも応えるべきだろう。与えられたのなら必ず返す。それが痛みであれ、悦びであれ。そこに起きる被害など目もくれず、吸血種は運命の賽子を放り投げた。
「ただいま……今日は本当に疲れた……なんでメルトさんは僕に付いてくるんだ……」
「モテてますねぇ」
「やめてジルさん!そういうんじゃないから!……ん?宅配?」
謎の小箱、しかも自分宛て。いったい何だろう?と開いてみれば……いやホントに、なんだろうこれ?
「………イヤリング?」文淵朝夜
監獄長さんのところのキャラクター、文淵浄架の実の息子であり、前スレに登場した文淵句音の異父兄妹。生まれ持った超能力と精神性に悩んだ結果博物館の運命に導かれ特攻、安らかに展示品として眠ったはずだった
ラヴァルナ・ディグレーゾ・ゾアグロイス
貴族主義のゾアグロイス、その三男坊。幼い頃から凶暴性は高かったがそれは混血の血への恐怖。反転した後はむしろ恐怖が失せた(人の理性が消えた)のでゆったりゆっくりと引きこもっては人を食いゲームをする生活となった。友人である朝夜を取り返しに博物館に特攻、安らかに展示品としてゲームしてたはずだった
以上です。これは地味な繋がりのあるssとページ
https://bbs.demonition.com/board/10453/12/
>>584
https://bbs.demonition.com/board/9761/8/
>>358
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/m/wiki/輪廻聖杯博物館パンゲア
こちらは最後のナキが前スレ>>893からの繋がり
https://bbs.demonition.com/board/10866/18/
ペレスはどこかやり合いたいとか関わりたいって陣営があるなら歓迎します今のうちに中東聖杯戦争(仮)投下しますっ!
翌日、真尹津市駅前交差点。
数日間降り注いでいた雨は青砥邸の崩壊によってなくなり、久方ぶりの日差しが街を照らしていた。しかし駅前は心なしか陰鬱な空気を漂わせていて、平日の朝大人達はその空気に毒されるまいと早歩きで出勤してゆく。
陰鬱な理由は駅前のファミリーレストランにある。先日夕方大規模な火災が起こりレストランは全焼、中にいた従業員や客のほとんどが逃げ切れず死亡してしまった。あっという間に燃え広がった炎は18人の尊い命を奪い、ファミリーレストランがあった区画は炭化した建物の残骸しかない。
レストランの前には献花台が設けられ道行く人はその無惨な死を悼み、皆自主的に花を手向けてくれていた。もう金輪際二度とこんな事故は起きてはならない、そんな切なる願いがこもった花は時間と共にどんどん増えていった。
その献花台の前に一人の男が立っている。黒のコートを着た天を衝くような大男は、フードを深く被っている為その表情は読み取れない。しかしその場を微動だにせず、恐らく沈鬱な思いで胸に秘めながら現場を見つめているのだろう。
大きな手に握りしめた花束をそっと献花台に捧げると大男の肩はぶるぶると震えだし、突然声を張り上げて泣き出した。通行人の視線など気にする素振りもなく泣き崩れる男を笑う者はいない、何故ならこの街で生きる人々はみんな彼と同じ気持ちなのだから。
「放火ですってね。本当に恐ろしい世の中になったものだわ」
そう声がしたので男が横を見ると、見知らぬ老婦人が立っていた。>>91
婦人は半ば押し付けるような勢いで男にペットボトルのお茶を手渡すと、小さな手で男の背中をさすってくれる。
「優しい外人さんどうか元気を出して。貴方が弱ってちゃ死んだ人達も浮かばれないわ」
「……感謝痛みいる、しかしどうして…」
「いやぁね、貴方があんまりワンワン泣くものだから私居ても立っても居られなくなっちゃって。ごめんなさいね御節介さんで」
口に手を当てて静かに笑う仕草に品の良さがうかがえる。老婦人は照れ臭そうな男から視線を外すと、どこか遠い目で事件現場をみつめ「私の息子がね、ここの店長さんだったの」と呟いた。
「昨日の夜に火事で亡くなったって報せが入って、そのまま慌てて出て来て……遺体だって見せられたのがこんなちっちゃい骨の欠片だったわ。───だからね、私あの子の死を全然受け入れられなくって。また何処かから『母さん』って出て来るんじゃないか、ってね……そう思っちゃってたの」
立ち入り禁止と書かれたバリケードテープ、真っ黒く焼け焦げた建物の前に座り込む老婦人。彼女の遠い視線の先には亡くなった息子の姿がありありと映っているようだ。
「そんな時駅前で大声で泣いてる貴方を見掛けたの。そしたら『あぁ、息子は死んだんだな』って不思議と納得できちゃったのよ。……だからそのお茶は私の御礼、私の代わりに泣いてくれた御礼よ」
「そうか、ではありがたくいただこう」
男はそう噛み締めるように言って茶を呷った。見知らぬ婦人の思いがこもった茶の味に感情が込み上げたのか、勢いよく飲みながら大粒の涙を流している。そんな男を「泣き虫さんね」と微笑んで眺める老婦人であった。>>93
夕方、真尹津市赤十字病院にて。
青砥と永緑は学校が終わってから待ち合わせをして急いで病院へと向かった。幼馴染である赤峰が先日のファミリーレストラン放火事件の被害者である事を知った二人は、魔術師と代行者という立場ではなく古くからの友人として彼の病状が気になって仕方がなかったのだ。
受付に話をしたところ一応面会は可能との事だったが、何せ事件が事件なので面会中に警察が来た際は中断させてもらう旨は念を押され、二人はそれに了承した。
病室の中の赤峰は思った以上に酷くはなかった。事前に聖堂教会末端から聞いた情報では「火だるまになって転げ回っていた」との事だったので、二人が扉を開けると彼が身を起こしていたのは良い意味で驚きであった。
「おぉっ、もしかして数千歌か?久しぶりだなぁ!」
元気そうな表情を装っている赤峰だったが、青砥は彼の取り繕った様子が痛ましく思えてならなかった。
「三原色同盟感動の再会!って言いたかったけど、病院じゃ感動も何もねーよな」
「本当にな」と言いながら青砥は備え付けの椅子に座る。
「ドイツから帰ってきてたんだな」>>94
「ああ、一年前からな」
「なんだよ水臭えな〜、帰って来たなら声掛けてくれりゃいつだって遊べたのによー」
冗談まじりに左肘で青砥の身体を突っついた。しかし無理に身体を動かすと流石に響くのか「いつつ…」と痛みを訴えていた。
「……色々あってな、オマエには言えなかったんだよ。ホント悪いな」
色々、というのは勿論聖杯戦争の事だ。聖堂教会の代行者である永緑とは違って赤峰は正真正銘の一般人だ、であれば下手に青砥と接触して彼が聖杯戦争に巻き込まれる事態を招くくらいならいっそのこと帰国した事を明かさないままにした方が良い。そう考えてあえて黙っていたのだが、結局赤峰は聖杯戦争の余波に巻き込まれ怪我を負ってしまった。
「いーっていーって!またこうして会えたんだから結果オーライじゃん、なっ!」
平気そうに振る舞う彼の姿が見ていて辛い。
彼を守れなかった不甲斐なさが、青砥の心を痛めつける。
もっと聖杯戦争に関与する者として上手く立ち回れば赤峰が傷つく事なんかなかったんじゃないのかと。
「ねぇカケル、教えて欲しい。昨日の夜何があったの」
永緑が神妙な面持ちで問い掛ける。青砥が抱いていた感情は永緑も同様に───ともすると彼以上に───抱え込んでいた。聖堂教会末端として聖杯戦争の監視を任命された彼女にとって、眼前の赤峰の痛ましい姿は己の不手際を突きつけられているようなものだ。>>95
「何がって、聞いてどうすんだよ?聞いたところでお前ら何にも───」
「いいから」と赤嶺の発言を遮る青砥、彼の表情もまた沈鬱としたものだ。
「俺らはそれを聞きに来たんだ。赤峰、オマエをこんなにした奴は何処のどいつだ?」
そう言って青砥は布団を捲り上げる。赤峰が必死になって隠そうとしていたのは彼の右腕であった。本来ある筈の彼の右腕は肩の根本からすっかり焼失していた。何枚も貼り合わされたガーゼに滲んだ血が痛ましさを物語っているようだった。
「バレてたか、流石数ちゃんだな」
「お前が分かり易すぎるんだよ馬鹿」
秘密が明かされてしまった事で観念したのか赤峰は真っ白なベッドに寄りかかる。
「でも本当に聞いてどうするんだ。警察だって事件解決に動いてるんだから、こんなの警察に任せりゃ良い話じゃないのか」
普通ならばそうだ、でも今回の騒動は魔術使いが引き起こしたものであるため警察が介入出来ない可能性が非常に高い。介入したとて一般社会の観点からすれば不可解な点だらけで、マトモに捜査は進行しないのは明白だった。
「解決するとかそういうんじゃなくて」と永緑は赤峰の左肩に手を置いて、
「カケルの心がそれで晴れるかも知れない、でしょ?親しい人に打ち明ける事で楽になる事だってあると思わない?」
「…それもそうか」と赤嶺はすこし納得した様子であった。
そうして赤峰は昨日あった事件の詳細を始終説明した。言いづらい部分もあっただろうに事細かに、彼が薄れゆく意識の中で聞いた『ジャック・オー』という人物の名前も全て打ち明けた。
「頭がおかしくなったと思われるかも知れないけど、本当に本当なんだ。アイツが俺の右腕に触れた途端、右腕から青い炎が噴き出して、それで」
途中赤峰は事件の光景がフラッシュバックしたのか何度か混乱状態になりかけた。しかしその度に永緑は優しく背中をさすって「大丈夫だから」と宥めてくれていた。>>96
面会は45分程度で終了した。本当はもっと長く居たかったが、途中に警察を名乗る二人組が入室しようとしてきたため、仕方なくお開きとなったようだ。
青砥は病室から出る際に「安心しろ」と赤峰に言った。
「俺が代わりにソイツを殺.してやるから、お前は治す事だけを考えてろ。いいな」
「殺.すって、お前何言ってんだ。一体何しでかすつもりだよ」
突然物騒な発言をした青砥に驚き跳ね起きる赤峰。永緑は聖杯戦争の秘匿に抵触しかねないと青砥を無言で諌めるが、青砥はあえて聞き入れない。
「お前には関係ない領域の話だよ、じゃあお大事にな」
入れ違いざまに警察官二人組が病室に入ってくるや否や、「今のはご友人ですか?」と問うてくる。
「いや、なんだか彼殺気だった様子でしたから。アレでしたら少し時間をずらしましょうか?」
「いやいや大丈夫ですよっ、どうぞお入り下さ───」
赤峰は警察に気を利かせてか取り繕おうとしたのだが。
「………いや、やっぱり少し後にしてもらっても大丈夫ですか?ちょっと───そうですね。御手洗いにでも行こうと思いまして」よし決めた、今年のバレンタイン絵はキャラ絞った新規絵を最優先にして、その上で余裕りそうなら去年のバレンタイン絵をリメイクした上で瞳ちゃんアリシアちゃん追加したverを描こうかと思います
ちなみに前者の方で描くのは]d@ts-q.の2人にしようかなと
明日から来週水曜辺りまでは忙しくないのでここで一気に創作をキメたい…!
>>86
本当博物館は怖いですね…この二人も前のSS見るに中々強そうだと思ってたのにそれが脱出も無理だと思うのは流石魔境ですね。この化け物ですら怖気付くような奴らは今後果たして現れるのか
そして最後のイヤリングは何だろ…何も予想つかんけどとりあえずダメ元でナキ君の過去とか出生に関する物だと予想。
>>98
遂に三原色同盟が揃う場面を観れるとは…初めて青砥君を見たのはそう遠くない筈なのに既に少し感慨深い物がありますね
そしてランサー… xow@Eyですかね?正解ならこのサーヴァント気になってたので活躍を楽しみに待機したいですね。自分もSS投げます~
「人間見水 天見瑠璃
餓鬼見火 魚見宮殿
すなわち一水四見。君は是に何を観るものか」
霊墓アルビオンの大魔術回路のとある階層。
一度、換金や荷造りのために採掘都市マギスフェアに上がってしまえば、また下に降りるのは最初からやり直しだ。ある程度のショートカットを可能とする“抜け道”はあるとは言え、それはアルビオン・アタックと呼ばれる妖精域突入を目的とする探索者の一団でも変わりはない。なので、リスタートしていた訳だが。
「順調に逸れたかな」
「いいや、これは水の元素による幻惑だろう」
「なるほど蜃気楼なような?」
「もしくは水鏡だろうか……なるほどこれは狩りの手段だ。囲まれているな」
霊墓アルビオンの大気には何が含まれているか分からない。防塵のためにアルビオンで暮らす魔術を使う人々は皆、フードやマントを羽織る。だがノルドナイト・オーセン、厳めしい初老の男は堂々と汚れひとつないスーツ姿で立っていた。それはつまり身の回りの安全のための護符(アミュレット)や、結界術などの防護術を信頼の置ける確度で有しているということだ。
対して、青年ヴィンテージ・トライトは傍らのノルドナイトと違い、全身が脱力した穏やかな人だ。それは彼の人生経験や能力が生み出す余裕なのか、それとも生来の気質なのかというのは一概に判断はし難い。彼はフードやマントを身に着けており、それもまた両者の性格の違いのひとつであった。
それは、目の前に今にも人肉を貪り尽くさんと興奮するケルピーの群れを前にしても変わらない。>>104
ケルピー。水の馬。
濡れた鬣を振り回す、不気味に青ざめた馬。馬の体を主として、馬の尾に当たる部分は魚の鰭の形をしている。馬の蹄は水面を自在に闊歩する。別名アハ・イシュケ。魔術世界における区分では魔獣であるという。ブリテン島北部に伝わる魔獣で、その外観は大型馬に酷似していても、馬ではない。あくまでも水の魔なのだ。
人の肉を食べる生態である以上に、アルビオンの探索者として気を付けることはその体表を守る水の膜、魔の水膜である。慣性攻撃を防ぐ、まっすぐの力に対して自動的に圧縮し、抵抗が働く魔術的なダイラタンシー流体とも言うべきそれは、剣を、矢を、炎を弾く。これは中々に厄介だ。
「大方、水に誘われた魔獣や探索者を“狩って”いるのだろうね」
しかしこちらもアルビオンの探索者を名乗る以上は、この生死を賭けた競争に対する手段のひとつやふたつ持っていて然るべきだ。
「トライト、私が魔術を使う。貴殿は後始末をやってくれ」
「了解した」
「Es war ein König in Thule.(古き世のトゥーレに王ありき)」
西洋魔術は “世界を騙す”というが、呪言の本質もまた己への暗示。
ノルドナイトは一小節の詠唱によって北欧神話の世界観、世界樹と九つの領域が刻まれた冥界靴『死者の軍靴(ヘルスコール)』を起動する。この礼装こそオーセン家の術式の核を成す。
ヘルスコールとは『スールの子ギースリのサガ』において語られる、死者がヴァルハラまで歩いて行けるように遺体の上に置かれたという靴のこと。これを着用した死者の魂は九つの領域のひとつ、冥府領域ヘルヘイムを歩いて渡り、グラズヘイムにあるヴァルハラ館まで到達することができたという。
すなわち冥界行。
神代の大儀式『冥界行(ヘルスコール)』によって、冥府領域ヘルヘイムを越えて楽園ヴァルハラに到達するということは、逆説的にヴァルハラに至ることの出来る存在、“勇士の魂(エインヘリャル)”であるという証明である。紀元前1000年頃のカトラ火山の大噴火による神代北欧の物理法則(テクスチャ)の消滅以後、北欧大神オーディンの手によって、人間はエインヘリャルに導かれることは無くなった。故に冥界行という試練を越えて、“勇士の魂”であることを証明する。それがヴァイキングの末裔の宿願であった。>>105
何故、アルビオンなのか。それは迷宮の“通過儀礼(イニシエーション)”が関係しているのだがそれは本筋ではない。
ヘルスコールの起動によって、霧が立ち込める。
当然ながら、水魔であるケルピー達には大した障害にもならないだろう。
だが不思議なことに目にも止まらないはずの速さで突貫するはずの人食い水馬の動きが鈍い。まるでヘルスコールが生み出した霧がケルピーの生命力を奪っているかのようだ。
「行け、“霧の巨人(ヨトゥンハイメン)”!」
人形工学(ドーム・エンジニアリング)の分野に於いても一際異端な“気体のゴーレム”。
ヘルスコールが呼び込んだ極めて死の領域、冥府に近い属性を有する霧。それはすなわち冥府領域ヘルヘイムの神性を追うものである。これを媒介にゴーレムは身体を成す。文字通りの霧の巨人。気体であるため物理干渉能力はないが、自律して蔓延する毒ガスとしてこのゴーレムは駆動する。
「さて。ならば私は法でも説こうか。
一水四見。君達は“水”に何を観るものか」
ヴィンテージ・トライトはマントを翻らせ、機敏に動く。ダイラタンシー流体に覆われていたはずのケルピーの四肢を蹴りで砕く。拳で破壊する。魔獣であろうとも生物なのだから、砕くという表現は本来、おかしなはず。しかし実際にケルピーの群れは強化された魔術“師”の徒手空拳で、宝石や水晶のように散り散りになって砕かれている。
一水四見。意識の改革を主とする“瞑想法(メディテーション)”の一種。トライトはこれを他者に押しつけて抗魔力の運動を弱体化させたところを、変化の魔術特性で対象を他の物質に変換しているのだ。土を泥に、炭素をカーボンファイバーに変換するような基礎的な魔術だが。神秘宿る幻想種は魔術・礼装(装具)に対する抵魔力は非常に高い。
しかし、かつて八極拳の達人が行ったとされる圏境という魔技が、何の魔術も使わない透明化である為、魔術理論に生きる者たちにとっては“絶対に感知できない”ものであったように。精神的なものであるならば、抗魔力は意味を成さない。
そして、意識できなくなれば抵抗力は必然的に最低値まで落ちる。>>106
「すまない。今回は私達が生き残ったようだ。
次はどうなるか分からないが、その時はこの骨と肉が君達の役に立つことを祈る」
「縁起でもないことを言うな。私たちは妖精域へ行く。最果てへ行くのだぞ」
◇◇◇◇
複合工房クリエグラ。
かつて魔女の道具がつくられていたこともあるとか。
流石の魔女も数には勝てないのか、完全に人類種…秘骸解剖局…の支配地となった今では人間のための工房なのか。いいや、今でもつくっている“奇特な”人物は変わらずにいる。
「インディラ、インディラ・シン!」
「やーやーやー、お二人さん。まだ生きてる二人の顔を見れるとは幸先良いね。いやでもA・アタックはまた古き心臓でキャンプ暮らし……まあ、彼らの規模なら普通に別チームと合同して街でも作るんだろう…彼らは下に行ったって聞いたけど置いて行かれた?」
ゴーグルに覆われた双眸を輝かせて、複合工房クリエグラに訪れたノルドナイトとトライトを迎えたのは、褐色肌、顔立ちは南部ではなく中東圏の彫りの深い辺りはアーリア人の混血を想起させる女性だった。手足も長いが身長も長い。
外の人々とは違い、建物の内部にいる魔術師の面々は非常に国際色豊かな服装をしており、自由そのものだが、彼女のは一見すると博士(ドクター)と錯覚する。白衣。時計塔は魔術師の大学と称されることもあるが、流石に博士号とかは無いのでどこから仕入れたのだろうか。今流行りのコスチューム・プレイだろうか?
「ケルピーの鬣、およそ2ダーツ分だ」>>107
「へえ。それだけあったら発掘じゃなくて討伐の類だろう?
他に残った部位とかは無いのかい。いいやみなまで言わなくていいや、どうせ燃料とか食料とかそういうのだろ。もう少しクリエグラに回してくれてもいいんじゃないかな。凝霊鉱だって変換効率が下がってる時代だ。いつ枯渇するのか分かったもんじゃない」
「お前の飼い主にも同じ言葉をくれてやれ」
「それは違いない。
とりあえず縁結びの礼装と交換だ。彼らがどこにいるのか把握したい」
「縁ね、東洋の概念なのはトライトの修行先由来っぽいね。要するに占いだろ、天体科の領分だけど私は天才だから十二学部の系統はおおよそ把握しているっていうかハッキングしているっていうのが正しいけど。うん問題ないね、見た目はただのコンパスだけど使っている呪体が良いからこんな“新しい”デザインでも効果はばっちりだ。むしろアルビオンの魔術の濃度で起きるジャミングっていうか混線の方が近いんだけど、そっちを無効化している礼装加工技術に称賛をくれ」
「すごいすごい。何が凄いって話を聞いた瞬間に作り上げるその礼装製作速度が凄い」
「インディラ、お前に才能があるのは認めるが、あのエグマリヌといる時もその口調ならよく不興を買わずに済んでいることに感嘆せずにはいられない」
「それは私の方がお嬢様よりも頭が良いっていうか全般的に私の方が凄いし。
ま、とりあえず“再走(リスタート)”頑張れ」
「ああ。行って来るよ」
「もし骨も帰って来なかったら地上のオーセン家には……」
「あーはいはい預かってる遺書や遺産関係の書類はすべて秘骸解剖局の方で管理しているから安心してくれっていうのは毎回言っている気がするから」
もう要件は終わったとばかりに自身の本業なのだろう、礼装製作に戻って作業に没頭する彼女を後目に、仮にもベテラン探索者である二人は準備を済ませて霊墓アルビオンの第二層に向かう。長年過ごしているが、アルビオンに決まった形はない。
今度は生きて帰って来れるかは分からないのが探索者の日常だ。>>113
なんか既視感があると思ったらめちゃくちゃガンダムカラーだ!
後、なんだかえっち。超絶久々にFate/NCの続きができました
人がいなさそうなので、ちゃちゃっと投稿しますね
>>109
迷宮に棲まう幻想種と、迷宮に挑む人間たちの攻防……うーんダンジョンものらしい
一瞬でも気を抜けば立ちどころに餌食となるスリルが伝わってきますね(前回までのあらすじ)
893に助力を頼んだよ!
そしたらフェリーペが893と決闘する事になったよ!
一応勝利したけど、はたして協力してくれるのかな…
音邑市中央、『塔(タワー)』最上層。
その片隅で、『彼女』は静かに待ち続けていた。
「…………」
『彼女』は眠らない。その必要も意味も、元より存在していない。
昼夜を徹した微小特異点の監視と、その崩壊を招き得るモノの排除。それが『彼女』に課せられた使命であり、同時に与えられた全てだった。
「――みーつけた! やっぱり、ここにいると思った!」
異物が紛れ込む。彼女しかいなかった空間に、来訪者が現れる。
相手するのも面倒、といった風に。『彼女』は口を開いた。
「……何の用だ、ユウキ。階下を見張ってろと命じた筈だが」
「うん! だからお知らせにきたよ!」
「何?」
「あの人たち、ここに向かってる! 性懲りもなくリベンジしにくるみたい!」
いつになく興奮した口調で、ユウキはまくし立てる。>>117
いつになく興奮した口調で、ユウキはまくし立てる。
実際、この幼鬼にとっては待ち焦がれた瞬間なのだろう。
今や減りに減ったこの微小特異点において、己を満たしてくれる数少ない供物(敵)がやってきてくれるのだから。
はぁ、とため息をつき、『彼女』もまた立ち上がる。
「そうか。ならば出迎えてやるとしよう。――お前は先に戻っていろ、私も後で合流する」
「わかった! じゃ、おっ先に―!」
バタバタと、入ってきた時同様騒々しくユウキが去っていく。
その姿に何ら感慨を抱くでもなく――『彼女』は、ずっと同じ空間に在った『それ』に振り返った。
「喜べ。お前が待ち望んだ男の再訪だ」
「首だけを持って帰ってやるつもりだったが……気が変わった」
「今度はお前の目の前で潰してやる。その目に焼き付いて忘れられなくなる程、徹底的にな」
『塔』の内部は、以前訪れた時と全く変わりなかった。
壁面も、床も、完全に元通り。戦闘によって生じた筈の破壊痕さえ、消えてなくなっている。
異常と呼ぶ気も薄れる程露骨な空間。その只中に築かれた螺旋階段を、一行は警戒しながら一段一段登っていた。>>118
「清掃業者も真っ青な仕事ぶりだな」
「これもトクイテン?ってならではの光景なん? いや知らんけど」
「多分……それより、二人とも本当によかったのか? またこんな所に来て」
突入メンバーはフェリーペ、加々見、黒野、ジルの計四人。
現状まともに戦える程回復しているのは加々見とジル、そしてフェリーペがギリギリといった所。黒野はといえば、未だに右手をギプスで固定し痛々しく吊った状態にあった。
「何言うてんの。ここまで来てうちらだけお預けとか勘弁に決まっとるやろ。うちとしても、あのク.ソガキにはきっちり落とし前つけたい所やしな」
「それに、えり好みできる程戦力に余裕あるわけじゃねえだろ。いざとなったら肉壁でも人柱にでも何でも使えばいい。こんなだが、道連れにするくらいの事はやってやるよ……ッ!?」
「次また同じ口叩いたら、冗談でも再起不能にするわよ?」
黒野の軽口に対し、本気の敵意を向けるジル。
思わず青ざめる黒野を見て、呆れたように加々見も笑う。
――その姿を見て、フェリーペは妙な寂しさを覚えた。
特異点を修正すれば、そこにあった一切は全て消滅する。
天を衝くようなこの『塔』も、虚構的なこの都市も、そして恐らくは目の前にいる彼らもまた。
彼らが本当に囚われた人々なのか、それともそう思い込まされてるだけの存在なのか。フェリーペには判別できず、また問いただす事も出来ない。
ただ一つ確かなのは、その時は間違いなく近づいてきているという事。
別れの時が、すぐそこにあるという事。>>119
「――ぺ。おい、フェリーペ?」
「えっ、あっ!?」
「おいおい、何呆けてんだ。それとも昼間の疲れがまだ残ってんのか?」
黒野が呆れたようにフェリーペを睨む。
口調こそ粗雑ではあったが、その声色にはわずかながら心配の色が透けて見えた。
「わ、悪い。ちょっと考え事してた」
「敵地真っただ中で考え事なんて、大した図太さね」
「まあまあええやん。それくらい修羅場慣れしとるっちゅーことやろ?」
「慣れもいいけど、油断するなよ。いつどこから、あの怪物どもが襲ってくるか分からないんだから――」
〝――それってもしかしなくても、わたしのこと――!?″
頭上から降ってきた声、そして風切り音。
螺旋階段を登り終え、先へ進む通路を見つけたまさにその瞬間。『それ』は上から勢いよく降りて――否、『降って』きた。
着地というより、最早着弾。
足場をぶち抜かなかった事が不思議な程の勢いで『それ』は通路の最奥――すなわち、上階へと続く入り口の前に降り立つ。
盛大に上がる、土煙めいた埃と瓦礫。だがそれも一瞬の事、轟!と勢いよく降りぬかれる衝撃と共に遮っていたもの全てが吹き払われる。話題切る感じですいません…
最新話とリョーガ君キャラシ改訂版完成しました…
>>67で言ったのとは少し変わりましたが3連続変則投下になりますので若干レス貰いますスイマセン
という訳ですが話題あったみたいなので少し時間置いて30分から連続投下しますね行きます
最近投稿する度覚悟決めてんな俺>>109
ヘルスコールは……つまりこれは……どういう効果の……?アルビオンこわい!!
>>122
ユウキちゃんやっぱ怖いわ……人ならざる力がすんごいつよい
>>98
一般人の前で思わずそんなこと言っちゃうレベルにはブチギレてて……これは……
>>100
多分ティムすらどうなるかわからないと思います。マイアがやったことなので
>>101
ティムは現代を生きる生命としては割と最上限なとこあります。簡単な勝負で舐めプしまくって負けることも多いですが
>>102
二人はズッ友。博物館に来る前は教会で実弾ロシアンルーレットをしたこともあります。ラヴァルナが自分の頭に撃ち込んでフィニッシュ
>>115
マジでゲラゲラ笑う愉悦タイプなのでそういうことしますしルナちゃんもカヴンさんも基本ニコニコで見てます
フィンランドは……うちの山星一族がですね……
>>128
お話には関係ありませんが>>80からの話に文淵家の女性二人の言及がちょろっと【氏名】砕城 凌牙(さいき りょうが)
【性別】男
【年齢】18歳
【出身】日本
【身長・体重】186cm・80kg
【肌色】少し褐色がかった黄色人種【髪色】金髪【瞳色】黄緑
【外見・容姿】格闘家の様に引き締まった身体をした青年。怖めの顔には二つの傷がある。
【令呪の位置】肩
【イメージCV】濱野大輝
イメージカラー ネオンイエロー
【魔術系統】雷鉄魔術(アイアンライオット)
【魔術属性】火・風
【魔術特性】強化、変化
【魔術回路】質:C 量:A 編成:正常
【起源】闘志
【所属】秘海集積船 3年>>132
【魔術・特殊技能・特性など】
強化魔術
単純な身体強化を優先して使う。本人の練度もあって強化の度合いは高い。
また、下記の魔術使用時に周囲の金属を利用する時にも使用する。
『雷鉄魔術(アイアンライオット)』
電気と磁場を操る魔術。
空気中の電磁気を操る事と魔術回路を介して自身の身体から電磁気を生み出す事に長けている魔術で、魔術師の魔術と呼ぶにはあまりにも魔術使いらしすぎる魔術。
電磁気を操る事で、周囲の金属や予め所持している強化した金属製の魔術礼装を浮遊させながら自在に操れる。帯電した礼装による攻撃は電撃を伴う。
そして自身の身体に帯電する事もでき、強化魔術にも劣らない程に身体能力を向上させた上で自身の攻撃に電撃を宿す事ができる。その上で凌牙は幼い頃から格闘術を叩き込まれている為、近接での戦闘であれば並の魔術師を遥かに凌駕する戦闘力を持てる。当然自身にも軽度のダメージは入るが、本人の耐久力が強い為に長期戦でない限りあまり響く事はない。>>133
主な戦闘方法としては以下の通り。
・電磁気を宿した複数の鉄鎖や鉄塊を浮遊させてファンネルよろしく操る
・拳や脚を帯電させた上での電撃を伴う近接格闘
・穴が空いた円筒型の礼装を通して簡易的なレールガンを放つ
・付近のデカい金属を浮かせて飛び道具をガードする
・自身の帯電させた手を相手に直接当て、電撃を放ってスタンさせる
等。
場所によってはその辺りに捨てられてたり置かれてる金属でも使おうと思えば使える。
本人の高い体力と素の戦闘力や戦闘センスもあり、近接戦やタイマンだと学園の生徒でも有数の強さを誇る。しかし、磁場操作が届く範囲は70m前後である為に遠距離攻撃には滅法弱い、自身にジワジワと軽度のダメージが蓄積していくという弱点がある。また高い質と物量で押すタイプに対しても分が悪く、故にライバルのジャスミンとのガチのタイマンで勝利した事はない。
船の現状の生徒で言うならば前述のジャスミン・アドレーヌ、遠距離から的確に狙ってくる弓使いの黒須瞳、その特性によって物理強化に更なる強化で返してくるシャントリエリ辺りに対しては分が悪いと思われる。また、近距離での殴り合いにおいても騎士団のレリック程の火力は叩き出せない。
総括するなら相性差は少し現れやすいが、射程距離内の近距離戦であれば有数の強さを誇る生徒といった所だろう。
ちなみに魔術刻印は半分継承している。>>134
【外見・容姿の詳細など】
ネオンイエローのラインや髑髏の柄が入ったジャージやパーカーを着た不良。
頬の傷で威圧感が尋常じゃないが、よく見ると顔立ち自体は男らしくてそこそこイケメンな風貌をしている。
目つきは悪く、鎖とかのアクセサリーを結構着けている為ガラの悪い見た目をしている。
【人物像】
秘海集積船3年、調査科に所属する不良。自身の事を「蛮族」と自嘲する青年。
その見た目と荒めの口調で近寄る人は少なく、実際自分から他人に関わる事はそこまで多くない。
また、自身を避ける事を推奨する発言をしたり、未成年なのに酒を密造して飲んだり、捨てられた金属を磁場操作で勝手に盗む等といった若干の素行不良な面も目立つ。ガン付ける事もあるとはいえ、カツアゲや恫喝等のテンプレなヤンキー行動はしていない。ワイルドハント補導歴は現在8位らしい。
とはいえ根っこまでチンピラ一匹狼な訳ではなく、困ってる奴を見たら手を貸したりする事もあったり、人付き合いでも断りきれなさそうな奴なら根負けして渋々付き合ったり等とした所がある等、根っこは悪くない部分が伺える。>>135
一匹狼ではないが、出来る限り関わりを減らそうとしている節が見える。
その行動の理由は、自身の家が謀った計画故に、自分の血は多分魔術社会では恨まれている、なら下手に仲良くなって被害の可能性を増やさない方がいいという事を考えている為。
故に自身を不良と言い、避けられるなら避けようとは思っているが、何だかんだ困ってる奴は気にする等根っこはそこそこ善良。
はっきりと表すならば、悪ぶって一匹狼を気取ってるけど根っこでは真面目な部分を持ってる奴、という言い方が相応しいだろうか。まあヤンキーではあるが。
実は料理が結構上手いという隠れた特技があり、盛り付けは無骨かつ味は濃いめだがそこそこ美味しかったりする。
他人との関わり方は、基本的には自分から絡む事は多くないが、相手から接触された場合は面倒臭がりながらも付き合いはするといった所。
また心を開くのを避けようとしている様に見えるが、何だかんだでたまに本心が発露してしまうツンデレじみた所がある。
何故か歳下の扱いが少し上手い。
ヤバい問題に直面した時には自分一人で抱え込もうとする欠点があり、他人に頼る事を極力避ける節がある。これには彼の過去と、それ故の考え方が関係している様で…?
イメージカラー:ネオンイエロー
特技:喧嘩、荒事
好きなもの:格闘ゲームや格闘漫画、炭酸飲料、酒
苦手なもの:お涙頂戴もののドラマ
天敵:ジャスミン・アドレーヌ
願い:???>>136
【来歴】(この過去は進行中のSSで詳しく明かすので色々ぼかしてます)
砕城家は、電磁気操作と格闘を融合する、魔術師としては不可解な一族。日本某所の山奥を拠点としていた。
その中に凌牙は強い素質と魔術回路の量を持って生まれ、深い山に囲まれた家の中で、彼は厳しく育てられた。
山に放り投げられサバイバルをし、猛獣と魔術を使い戦い、倒した獣の肉で夜を明かす。そうしている内に心身も魔術も鍛えられた。
そしてある時に連れられたと思えば、何かよく分からん話を聞かされる。
それを幼いながらに不可解に思いながらも、聞き入れて過ごしていた。
だが、辛い事ばかりではなかった。全身が軋む様な鍛錬の合間に見れた、勉強用と言われ置かれた格闘漫画や格闘ゲームや格闘技のビデオ等を数少ない心の拠り所として育っていった。
そして、魔術刻印の半分を受け継ぎ、13歳となった頃。
山から家に戻った時に、彼を除いた家族全員が突如始末されたという事を知る。
その時に彼らが話している内容から、彼は家の真実を知った。
砕城の家は、魔術師としては異端であった。
いや、魔術を持つ者全てにおいて、あまりにも異端で愚かな野望を持っていた。
それもその筈、彼らの真の目的は根源ではない。
それ以上に愚かで、自殺行為といっても過言ではない野望。机上の空論にしても程がある馬鹿の思考。
魔術社会を■■する計画を。>>137
凌牙自身も親から全貌を聞かされた訳ではなく、詳しい事は知らない。だが、それが何らかの原因で露呈したが故に、魔術協会に襲撃をかけられ、一族は全員殺されたらしい。
それを知り、凌牙は逃走した。自分も狙われるかもしれないという恐怖の中で。
そして、身を隠しながら山の中を彷徨っていた時、彼はある山奥の寺で、隠れていた一人の少女と出会い、意気投合して一緒に逃げる事となる。
行き場の無い者同士で転々とし、どんどん懐かれていき、最終的にその少女は自分を兄や父の様に慕ってきた。
その子と一緒に旅をして数年、ある関東の港町に着いた時。
突然謎の男達に襲われる。
目的が分からない中戦い、それでも数の暴力で満身創痍になったその時。
その少女は、自分を逃がして消えた。恐らく、殺された。
そして、満身創痍の凌牙が気を失い、それに気付いた船の巽剛が助ける。
彼に素性を聞かれ、魔術師で身寄りがないと言ったが故に船の存在を知り、成り行きで試験を受けて入る事にした。>>138
ただ、自身が襲われた時。
その時、朧げではあるが、確かにその男達はこう言っていた筈だ。
この男は——の末裔。俺達「崇高」な魔術師にとって、「抹殺」しなければならない存在。
…何があっても、この男だけは捕まえて、「殺さ」ねばならない、と。
そう聞こえた。一部は朧げだが、それなら自分の一族の所業と辻褄が合う。
だから、彼は理解した。
俺は、魔術師を敵に回した一族の末裔。それは、どうやったとしても晴れないという事を。
その過去を起点として、彼は心を閉ざした。
成り行きで入ったが故に最初は凄く荒れており、何度か自殺を試みたりしていた。だが巽剛との関わりから始まりやレリックやマレオ等、そしてジャスミンとの出会いで軟化はしている。だが。
結局、自分は魔術社会を敵に回した一族の末裔だ。
そこまでの事をしたら恨まれるのもおかしくはないんだろう。
…だから、恐らくその俺と一緒にいたから、初めて俺の事を心の底から慕ってくれたあの子、■■も死んだのではないか。
なら、もし再び同じ事が起きたら———
その苦しみが、今も彼を枷として縛り付ける。
台詞例は前とそこまで変わらないので省略>>139
人間関係
ジャスミン・アドレーヌ
本人は「腐れ縁みてえな奴」と言っているが、実際は気の置けない友人。
あちらから話しかけられる事が多く、最初は適当に流していた。だが、一度ガチで闘って敗北した後に彼女の芯の部分に少し触れて打ち解け、そこから何度も模擬戦したり暇な時に話すようになった。
互いにズケズケ物を言い合えたり煽り合える仲。
総合力では自分の遥か上を行かれてる事を自覚しており内心尊敬しつつ、その上でお前をブッ倒すから首洗って待っとけという感じで色々張り合っている。
心は開いてないと本人は言ってるが、彼女と戦ったり話したりする時に、その刺々しい心の殻がかなり緩んでいる事に、彼自身は気付いていない。
日々滓衒
腐れ縁。こっちはガチの腐れ縁的な友人。
なんかめっちゃ煽ってくるし正直鬱陶しいけど何だかんだで嫌いではなく、煽り煽られといった関係を持っている。夜に将棋したり枕投げしたり、たまに夜に晩酌する位には仲が良い。
ムジカ・スフィーリス
少し気にしてる奴。
心配した様な目で見られる事があり、余計なお世話だと思いつつも気にしている。今はまあまあ仲が良いが、一般人な事もあり自身の過去抜きで少し心配している。
ペルカ
なんか知らん内に怖がられてた奴。曰く自分は「こわいひと」らしい。むしろそうやって避けるような奴がいると安心すると言っているものの、内心では少し気にしている。>>140
クウネル・コーバイン
不良仲間。組織系の職員の中では貴重なレベルで仲が良く、一緒に酒飲む大人。馬が合うというか価値観がまあまあ近いらしく、少し仲が良い。数少ないさん付けする人その1。
巽剛
船に入る切っ掛けを作った者な上に、乗船後も親身になってくれて心を開いた男。
尊敬しており、彼の言う事は特に素直に聞く。数少ないさん付けする人その2。
レリック
苦手な奴。騎士団の堅苦しい奴。
いつも晩酌してる時とかに補導で追ってくるのは大体この男。その態度もあって苦手としている。
苦手とはいえ嫌いではないが、その上で彼にはツンケンした態度を取る。
マレオ
アホ神。マレ公。船に入った当初からなんかガンガン絡んでくるうざってえ神。
カステラと同等かそれ以上の煽り量と構う回数+たまに図星を突くような発言をするので適当に流しながらも、内心全部見透かされてるようで怖く感じている。
ちなみにマレオとカステラが同時にボケと化して襲いかかってきた瞬間リョーガはツッコミから逃れられなくなる。
【性格】
悪ぶってるけど内心情に厚い典型的ヤンキー味方キャラ。
自分の過去と一族故の考えが切っ掛けで一線を引くが、絡まれたら何だかんだ言って普通に付き合う程度には社交性はある。男性生徒陣の中では恐らくツッコミ寄り。特に特定の相手(マレオやカステラ等)に対しては滅茶苦茶ツッコミに回る。冷徹なヤンキーの皮を被ったマイルドヤンキー。改訂キャラシは以上です
次最新話行きます
マジでレス数使います本当に申し訳ないprologue-5までのあらすじ
停泊期間を前にした船で、凌牙とジャスミンは訓練場借りて模擬戦して引き分けました。以上
詳しくは丁度今wikiで更新欄上がってるので見てもらえれば
prologue-6 後始末、そして悪夢
「よし…いい時間ね。このままなら遊ぶ時間は充分取れそう」
ジャスミンが時計を見ながらつぶやく。
模擬戦が引き分けた数十分後。
先程の戦闘よりは魔力も、込められた戦意も著しく低い磁場が訓練場に漂う。
その磁力によって、先程の戦闘の残骸が浮かされ、人形達が構える台車に落とされた。
「……こんなモンでいいか?」
「そうね。ありがとう、凌牙君。二人も、手伝ってくれてありがとね。」
ジャスミンは向き直り、ムジカと海月に感謝を述べる。
ムジカ達は戦いで疲れてそうな二人を気に掛け、掃除を手伝っていた。ムジカは箒とかをせかせかと使い、海月はメロの力で軽く披露した二人を癒し、カステラは見終わった後に良いネタありがとーございますー、そんじゃカステラ放送局の準備あるんで失礼しますね〜と言って一足先に戻っていた。ぶっちゃけ態よく逃げられたのではって気もするが。
『気にしないでください。二人みたいに器用な事はできなくても、何もしないで見ているのは申し訳ないなと思ったので大丈夫なのです(^ ^)b グッ』
「私もムジカちゃんと同じ。むしろ二人共疲れてそうだし、もっと休んでても良かったんだよ?」「ぷにゅ。」>>143
その海月の言葉と共に、二人が心配そうな目を向ける。凌牙とジャスミンは、それぞれの言葉で安心させる言葉を出した。
「…あー、気にすんな。さっきのお前のアレで助かったし、後は昼寝すりゃすぐ治る。」
「私もこの位の事なら割と平気でやれる位には余力は残ってるから。」
「そりゃオメー自身は直立してたしな、直接戦った俺のが疲労は強えわ」
「何言ってるの。こっちはあれだけの人形を一気に動かしてるのよ、身体はともかく頭脳的にも精神的にも凌牙君の数倍は疲れてるわ」
「おいおい、頭脳疲労と肉体疲労だったら肉体疲労のが感覚的にゃしんどいんじゃねえのか?」
「貴方も人形魔術使ってみたら分かるわよ?終わった後にブドウ糖が沢山欲しくなる位には疲れるんだから」
「生憎オメーのバトルスタイルは柄じゃねえんだ」
「うん知ってるわ。貴方大雑把だもの」
「はあ。…待てどういう意味だそれ」
突然軽い憎まれ口の叩き合いが始まる。
「はあ…落ち着いて二人共。ムジカちゃんが少し怖がってるから」
海月が静止する。とはいえ怒気はない、いつもの口調ではあるが。
別にこの二人が煽り合うのは結構見るし、本気の嫌悪感から言ってる訳ではない、というかアレだと思う。喧嘩するほど仲が良い、ってやつ。そう海月は思っている。
「さて…そろそろ時間だし、行かないとね。」
今から遊ぶ約束もある訳だしね、とジャスミンは付け足す。そして力を入れ、人形に意識が入る。>>144
ジャスミンは、模擬戦の度に、散らばった鉄屑や残骸達を再利用の為に回収している。
随分優等生なこってと揶揄おうとしたが、よく考えたら今まで一回も勝ってない奴がそんな風に言うのはダセェかもなと思ってやめる。
まあ、現に凌牙が武器として使う鉄鎖等は、良質な金属さえあればコストも労力も比較的少なめで作成できる。
それに対してジャスミンは1つ1つの人形に沢山の素材やコストを必要とする。バリエーションが大量にあるのだから尚更だ。
故にジャスミンは、自分が役に立てるようにする為に惜しまない力を人形に注ぐ。
本当優等生ってのは大変だな、と不良の凌牙は内心思う。まあ、だからこそ生徒の奴らだけじゃなくて管理局とか騎士団とかにも好かれてんだろうが。
そう揶揄い半分、■■半分で思った時だった。
(あ、やべ)
騎士団という言葉を脳内に出したその時、凌牙に電流が走った。
「……よし、なら私はこの材料を管理局に運ぶから凌牙君は…」
「……ちょっと待て」
「?」
———
生活管理局の区画の職員が、歩く青年に少し訝しめな目線を向けながら通り過ぎる。
(……まあ、この辺あんま来ねえし。そこに蛮族が来たとなっちゃそりゃビビるわな)
それもそうだろう。基本的には生活管理局と関わりのない不良生徒の蛮族が、生活管理局の生徒のホープのジャスミンの荷物を電磁で浮かせながら運んでるという謎の絵面があるのだから。>>145
まあ、軽く説明すると。
「その重さの奴運ぶくらい全然苦でもねえし鍵返す方が楽だろ、それに海月とムジカと遊ぶんならそのまま行った方いいんじゃねえか。だから持ってってやるよつーかやらせろ頼む」。そうジャスミンに無理通して、こっちを引き受けた。それが今までの流れではある。
突発的な行動だった訳だが、よく考えりゃそういう組織とかにゃ入ってない訳なので、生活管理局の工房等が並ぶ区画についての土地勘はかなり低かったのである。なので今は少し迷ってる。
まあ良いだろ。…だって、今日の騎士団の鍵返却担当は面倒くせえレリ公だし。普段から結構言われてるからドヤされるに違えねえし。
それに…あの人、苦手だしな。
…ああ、辛気臭えのはやめだ。とりあえず、工房が並んでそうな区画に足を踏み入れようとするかと、歩き出そうとした時。
「止まるのです」「職質です」「シオネシア市警です」
「げっ」
全く同じ見た目をした無表情の奴が、5人くらいで突如目の前を塞いできた。
…アルシオネシア。船の大体の場所にいる群体オートマトンで、見た目だけならジャスミンより年齢高そ…ジャスミンと同じ位の年齢をしてる見た目の機械的な奴ら。
ちょっと面倒なのに出会ったなと内心悪態をつく。今まで夜にその辺で晩酌してた所を見られて、誰にも言うなと言ったものの結局言われてバレてしまった事とかがある。
「少し不審な行為をしていると判断、職質します」「大丈夫だとは思いますが最悪の場合しょっぴきます」と真面目な感じで言うアルシオネシア。まあ今回は何もやましい事してない。どうせだし職質ついでにジャスミンの奴の工房の場所教えてもらうか。>>146
「あー、ジャスミンと模擬戦して、そんで戦いの残骸再利用したいって行ってたからソイツを持ってきただけだ。何もしてねえし理不尽に喧嘩フッ掛けた訳じゃねえ。おk?」
「…記録同期中、確かに先程同様の事象があったと判断」「セーフでしたか」「殴り合いから生まれる友情の匂いを感知」「バンチョーの醍醐味ですね」
どうやら警戒は解かれたらしい。なんか口々に変な事を言われた気がするが気にせずに、ジャスミンの工房の場所を聞き出した
「…分かった。そこ寄ったら普通にこの区画からは出とく。じゃあな」
「さらばです」
よく分からん事を言われてんのは気にせず、歩き出す。
「大丈夫でしたね」「セーフです」「やはり何やかやでファッションヤンキーという説が有力です」「それにしても大分人形がひしゃげてましたね」「同意」「やはりゴリラなのでは」「そういえばラージ◯ンみたいだ、とカステラ様やマレオ様が言っておりましたね」「ラー◯ャンとは」
シオネーズがそんな風な事を言っているのは、彼の耳には入らなかった。
まあある意味耳に入らなくて幸いだったかもしれないが。いろんな意味で。
———
ようやく見つけたジャスミンの工房の入口の前に、台車を置く。
「まあ鍵は持ってねえしな。これで良いだろ」
チェーンを繋げて台車を壁に固定した後、壁に背中を置いて座る。
疲れてたのか、暖かい息を吐くと共に眠気が出た。>>147
「…ま、そりゃ疲れるか」
テメエの力には自信はあるが、それでも船の学園で強敵だと感じてる奴は、実は結構いる。
同じ学年にも結構戦っててしんどい奴はいるし、前に1年入れたバトルロイヤルで狙ってきた瞳とか、シャリー?とかいう猫の奴とかも噂を聞く限り当たったら厄介そうだなと思う。
…だが、ジャスミンはやっぱ段違いに強敵だと思ってる。何戦も模擬戦して今回でやっと同体にまで持ち込めた訳だが、それでも全然疲れる素振り見せねえとかマジで何なんだアイツ。つーか無限に手の内作れるの本当ズルいなあの野郎。
まあ少し疲れたしな。ちょっとゆっくりするついでにジャスミン対策でも考えるか…
そう決めると同時に目を閉じて、さっきの戦いを思い返そうとした。
——ザザッ。
突然、ノイズが目の前に走ったように見えた。
———っぱり。やっぱり最高だお前は!!
気付いたら、「それ」が聞こえた。
その声を思い出した時、目の前の視界は、機械的な船の中から、和風な家の中に変わっていた。
…マジかよク.ソが。そう言いたくなり、舌打ちをしそうになる。先程まで高揚していた気分が、一気にドン底に落ちる。
そこは、山の中に囲まれた和風な屋敷。
電化製品はあれど、大体が古い和風の装飾とか和室で囲まれてる家。その中で、ゴツい夫婦と爺さん婆さんに囲まれてる光景だった。>>149
——ザザッ。
ああ、本当タイミング悪いな…
目覚められない、意識も動かせない中で気付く。これは夢だと。
それも、過去の光景をそのまま映し出したタイプの。
フラッシュバック。強く残ってる過去ってのは何度も夢に見る物だって医務室で聞いた事があった気がするが、まあそんな事はいい。
ただ、この夢は、何度も見るこの夢は———
そう思った時、また光景が変わる。
ザザッ———
燃やし尽くされた山の中と、一つの家。身を隠した奥から聞こえる、何人かの声。
———本当にこの一族で合ってるんだな?
——ああ。この当主は———を計画した。机上の空論には間違いないが、不穏の目は摘むのが当然だろう。
——まあ、この報いを受けるのは当然だ。こんな奴らは魔術師なんかではない。魔術使いとも言えん。ただの———
——いるだけで魔術師に恐怖を与える、魔術をかじっただけの蛮族だ!!!>>150
———ザザッ。
そう、蛮族。
俺の一族が犯した所業、考案して実行しようとしたという…
世界中のあらゆる魔術師の家を無差別に殺.し尽くして、魔術社会に混乱を起こす計画。
それを又聞きしただけで、俺は恨まれるに十分すぎる理由があると思った。
嫌な気持ちはある。正直、早く目覚めたいとも思えてしまう。
——だが、そうだ。
この夢は。俺が楽しい、って思っちまった時に限って見てしまうこの夢は。
——俺が『蛮族』の末裔だって事。本当なら、もう死.んでた方がいい奴だし、関わらん方がいい奴って事を思い出すには良い機会なのだろう。
———いたぞ!!奴が例の、あの人の言っていた——の末裔!!
ああ、出た。
最悪の記憶が。
■■市の、あの記憶だ。>>151
——ああ、奴を——事ができれば、俺達は遂に魔術の——を———ができる!!!
山の中で俺達を襲った、魔術師らしき奴の姿。
執拗に追って、ボロボロに追い 込まれて。
こいつは正義を成す為の■■だ!!俺たちの———をなす為に、この男を———!!
そして、フラッシュバックの記憶は最大のトラウマを映し出した。
悲しげに笑った、茶髪の少女。崖から落ちていく自分の視界。崖の上から見える血飛沫。
それを見て、俺は思わず手を伸ばした。
俺を初めて、信頼してくれた、アイツを——
「せり、な———」
その手が、何かを掴む事は無かった。
そこで、俺の視界は完全に黒に覆われた。
「……せりな」
気付けばその声は、夢の中ではなく、空気中に響いていた。
「…あ?」
それで自分は気が付く。そこは過去じゃなく、現実である事を。…ここはベッドの上。身体中と布団を、悪夢による汗が伝っている。
荒くなっていた呼吸を、整えようとする。
「…夢か」>>152
鮮明に残る夢の記憶が胸を刺す。そのまま周囲を見て、医務室かどっかのベッドだと気付いた。
横にあった備え付けの時計を見るに、さっきから3時間前後経ってる。そろそろ夕方って所か。
確かジャスミンの工房の前に模擬戦の残骸運んで、そこで——ああ、寝落ちしてたんだな。そんで多分俺は誰かに運ばれて………運ばれた?
「……よう、お目覚めか。」
レリックが、両腕組んで俺の横に立っていた。
「……よし夢だな、寝よう」
「待てコラ」以上です
そして最後にキャラシ最後の部分のコレを投下と
来歴2
……ここで、彼すらまだ知らない真実を、少し話すとしよう。
早い話、砕城家は恨まれている訳ではない。魔術社会を破壊するテロ計画を知り始末した魔術協会、そしてその事を知る魔術師も「くだらない三流以下の戯言」等といった感じで馬鹿にされており軽蔑してはいるが、恨んでいるという訳ではない。というかくだらんと歯牙にも掛けられていない。
その事を知る魔術師が相手であれば軽蔑されたり嫌悪される可能性はあるが、どちらにせよ恨まれているという彼の恐怖は杞憂ではあると思われる。それを知れば彼の心は晴れるかもしれない。
だが。
それであれば、妹分と離別した例の襲撃は何によって引き起こされたのか———
彼が持つ杞憂よりも遥かに恐ろしく、そして悍ましい事実。
それが晒される刻が、今まさに近付いている。
その事を、彼はまだ知らない。これで以上です
長くなりすぎました、本当にごめんなさい
とりあえずリョーガ君のキャラシの変更点は
過去を全体的に変更
前しっちゃかめっちゃかだった魔術欄をコンパクトに変更
全体的に性格をマイルドに変更。周囲に壁を作ってるけど、近付かれたら何だかんだで普通に対応する感じみたいな。
まあこんな感じです。
あとは改訂点が多すぎてアレですがどうせSSで全部回収するので待っててくれると嬉しいです
質問あれば全部受け付けます
あとは、ぶっちゃけ言ってしまうと今回投下した物全てと前スレ最後の方の話とか色々を照らし合わせると考察というか先の展開見えてくるかもしれません。というかぶっちゃけ見え見えかもしれません
以上です、異常なレス数申し訳ありませんでした
長くなりましたがそれでも感想言ってくれる方がいたら嬉しいです長すぎたな
本当にごめんなさい…ブヘヘヘヘ…。
ビオランテの食い倒れSSの3話目がやっと完成したから、推敲を済ませ次第投下するでよ。東京都江東区青梅
所謂『お台場』。
そこの名所であるホテル付温泉施設。
2003年に開業して以来、気軽に行ける温泉として老若男女問わず幅広い人気を誇る。
開業から数年後に渋谷区で起きた同業他社の爆発事故の風評被害も無く、業績は至って好調。
その温泉施設にあるホテル『伊勢屋』が、ビオランテの今回の宿である。
(……それにしても)
彼女は現在、件の温泉施設内にあるミストサウナ(女性専用)で汗を流している真っ最中。
しかし、どこか思いつめたような表情をしている。
(『汗を流している間』は流石に役作りのアイデアは閃かないわね)
帰国後、事務所が二つ返事で了承した舞台劇の仕事で演じるキャラクターを、どのように演じようかとサウナで汗をかきながら考えていたのだが、流石にサウナ室では役作りのアイデアは浮かばない。
メソッド演技は、声優業以外で『恋愛物のヒロイン』=恋する乙女をやらされた時用の安全装置である。
違う役なので最初から選択肢には無い。
この温泉施設には対流式のドライサウナもあるのだが、昨日はそこで汗を流して水風呂に入った途端、危うく夏風邪をひきそうになった。>>161
なので今日は温度が低いミストサウナを選んだのだ。
…不快指数はそんなに変わらないと思われるが。
数分後、水風呂で震えながら汗を流し、ビーチチェアに寝そべって外気浴で心身を整えてから発想を変える。
(温泉に浸かった方が閃きそうね)
麗しの食道楽
品書きその参、東京都江東区青梅 江戸前寿司
冷えた体を女湯の露天風呂でゆっくりと温めながら、ビオランテは思考を巡らす。
(今度はリラックスしたせいで思考が鈍ってきてるわね。今日は役作りの事を考えるのはこれで打ち止めね)
温泉の効能でリラックスしたせいか、思考はクリアだがアイデアが浮かびにくい。
それでも、気分転換には効果的だったので良しとするビオランテである。
とはいえ、日本の公衆浴場というのは大体全裸がマナーなので、メリハリの利いたスタイルと端正な目鼻立ちを惜しげも無く見せる格好となっていたが。>>162
温泉施設内の江戸町エリア。
飲食店と縁日の出店が並ぶこのエリアで、貸し出されている浴衣の中で自身が一番派手だと思った柄のそれを着こなして吹き戻し(※縁日とかでたまに見かける、吹くと延びる大体紙製の笛っぽいもの)を吹きながら、のんびりと周囲を見渡す。
何せ、前日まで仕事が立て込んでおり、午前中から施設内を散策できたのは今日が初めてなのだ。
だから、ビオランテはここぞとばかりに出店を物色する。
射的もした、型抜きもした、されど持ち帰る際に手続きが必須なので金魚すくいは諦めた。
むしろ、周囲を眺めているだけで楽しい。
ピー、と音を鳴らして吹き戻しの先端がくるくる廻りながら延びた。
数分後、エリア内に複数ある占いの店にて。
「……ここまで未来が見通せる手相をしているお客さんは、貴方が初めてですよ」
人気の占い師が、感嘆の声を思わず漏らした。
ビオランテは苦笑いするしかなかったが、内心この人は大当たりだと確信もしている様子。
(見たら未来予知できる手相って。……でも、バイディワとミラグロスがもう少し大きくなったら、連れてこようかな?)>>163
「金運に健康運、ギャンブル運は絶対的に上々。悪運も相当ですね。……その代わり男運がかなり悲惨ですよ。分かり易く言うなら最悪。九州の専門学校に留学している間、複数のストーカーにしつこく言い寄られて、最終的に就職活動にも支障が出て実家の会社に呼び戻されたでしょう? 」
言っていなかったことをハッキリ言い当てられ、ビオランテは表情が引き攣った。
それが見事に当たっているのだから当然である。
(……本当に凄いわ)
しかし、感心すると同時に興味も湧いてくる。
この人なら、あの件を詳しく占えるのではないだろうかと。
だからビオランテは切り出すことにした。
「ここまで見れるなら私の初恋の人も、その人から私を奪い取れる人がいるかどうか、言い方を変えると私が結婚できるかどうかも見えたりするんですか?」
すると数秒の間を置いて、今度は占い師が表情を引き攣らせた。
尋ねられてすぐに見たのはいいが、過程とその後がビオランテの男運の悪さと見事に結びついているのだから無理もない。
途中から同情が滲み出ているが、占い師の口調はどこか弾んでいた。
「……間違いなく貴方は叶わぬ初恋から解放されて結婚できます。太鼓判を押せる人しか受け入れない御実家もそれを笑顔で押せるほどの人と。ただし、男運はそのままだから結婚するまでどころかその後もそれに因むトラブルは多々起こるでしょう。それとも一生の付き合いになるけど、御実家だけじゃなくてあなた自身にもトラブルを粉砕する力はあるから大丈夫かと。……もう一度言うけど、本当によくここまで男運が悲惨だと断言できる手相の持ち主も貴方が初めてですよ」>>164
更に数十分後。
施設の最奥にある大広間。
舞台付きで日によってはそこを使って大衆演劇かこじんまりとしたコンサート辺りが行われる。
今日はそういった予定が無いので、のんびりしたい利用客がボーっとしながらくつろいでいる。
ビオランテもそうしつつ電子書籍読むのに集中していた。
「ケータリングの依頼がこうも重なるとはな……」
「あんたの腕目当ての依頼が増えるってのは、それだけで平和的ってことだからいい事じゃないか」
「実家経由以外からもトラブルバスターの仕事付きが増えてるけどな。つか、今回は半分がそれだったじゃねーか。だから平和的じゃなくて血腥いって言うんだよ」
「よく言うよ、未だに誰も殺.せないで済んでるクセして」
「トラブルバスター云々は、ビーハイヴ以外じゃ大きい声で言うなって神羅さんが説明してくれただろ、グレゴリー。バロックさんもそこを言ってくれよ、頼むから」>>165
ビオランテの背後で、随分と聞き覚えのある声が聞こえた。
聞いた限りでは3人分。
慌てて振り向くとバルセロナでの一件でそれはもう、瞬藤隗とバロック、そしてグレゴリー・ウーがあれだこれだと雑談しながらくつろいでいた。
何気なく視線を移したことでグレゴリーもビオランテの存在に気付き、バロックと隗も自分達を見ていない彼の様子が気になって振り向いたことで気付く。
「……偶然ってのは、どんな形で起きるのか本当に分かった物じゃねぇな」
グレゴリーの一言に、バロックも隗も同意しているからこそ何も言えなかった。
それから数十分、4人は認識疎外の魔術で聞かれないようにしつつ神秘の秘匿やら守秘義務やらに触れない範囲で言葉を選びながら、雑談で盛り上がっていた。
「話は変わるけど、今回もビーハイヴが迎えに来るの?」
「今、『施設』があった島に停泊中だ。治療に必要になりそうな資料と機材がまだ残っている可能性があるからって、アンドリューだけじゃなくてオリビアまで主張したからさ」
「なんでそこから最寄りの港に、近いとこまで飛行機。2回ぐらいは乗り換えるかな? 香港でグレゴリーを置いて行ってから、私と隗は別の国際線と国内線を乗り継ぐ感じに」
バルセロナの一件以降、何回かビーハイヴを目にしたことがあるので今回も迎えに来るのかと何気なく思っていたビオランテに対して、隗とバロックはこう返す。
依頼があればハウスキーピングでも暗殺でも請け負って世界中どこでも派遣するのがWASPという組織である。>>166
しかしながら本拠地兼移動手段であるビーハイヴが『船舶』である以上、そっちが動くのに時間を要するとなるとその間別所へ派遣された職員は待ち惚けを食うことになる。
だから、今回のような場合は職員の方が自力でビーハイヴの停泊先付近まで移動することになっているのだ。
とはいえ、今回のようなケースは少数であり、大抵の場合はビーハイヴが直々に迎えに行く。
「祖父さんがそろそろ危なくてな。俺だけ葬式が終わってから合流って形になったんだ」
そうグレゴリーが説明を引き継ぐと、ビオランテも流石に表情を曇らせる。
しかし、そんな沈んだムードも霧散した…。
「タイミングなんてお構いなしに……お腹が空いたわ」
生理現象というものは感情などお構いなしである。
この一言が耳に入り、グレゴリーは祖父からの就職祝いであるボストークの腕時計(元は祖父がソ連崩壊のドサクサに紛れてタダで大量に入手・密輸入してから死蔵していた内の1つ)を確認。
午後に入って20分以上は経っていることに気付く。
「俺ら4人全員時間忘れて飲まず食わずのお喋りしてたのか。流石に昼飯にしようぜ。時間を確認した瞬間、俺も腹減ってきやがった」
「賛成」>>168
再び江戸町エリア。
この辺り、入っている飲食店はこじんまりとしつつ自前の席があり、加えてエリア事態にテーブルと椅子が多数並んでいるので、フードコートか屋台村といった様相である。
そのエリアの一角にある寿司屋へ、ビオランテは3人を案内した。
外国人観光客目当てなのか、店名よりも大きく書かれた『SUSHI』の自己主張がかなり強い。
始めて生の魚を食べることになったバロックは内心落ち着かず、隗もせっかちな性分も相まって久しぶりの寿司だからとあからさまにソワソワしており、江戸前寿司が食べられるとグレゴリーは素直にウキウキしている。
カウンター前のテーブル席は相席で確保できたが、やはり昼時とあってか客足は多い。
全員が手早く『ワサビ入り』で注文し、横目で職人達が握るのを眺める。
「あの緑っぽい髪の人、ひょっとしなくてもビオランテ・バルベルデじゃないか? 『風のように、嵐のように、そして朝日と共に必ず』の主演声優の」
「たぶん本人だわ。染めてる感じじゃないから」
目立つ容姿で顔出しの仕事も多いためか、それなりに知名度が高いようで道行く他の客がビオランテを見てはそんな話をしている。
当人もそれに気付いているが、特に気にした様子はない。
それよりも寿司の出来上がりが待ち遠しいのか、職人達の手元を熱心に眺めている。
数分の間を置いて、4人の頼んだものが運ばれてきた。>>169
どうせ経費で落ちるからとグレゴリー達3人は悪びれるそぶりも無く、一番高いものを頼んでいる。
ビオランテはそれ+αだが、αが凄い。
セレクシオン・デル・ビオランテ
-寿司盛り合わせ・松-
厚焼き玉子(単体)、いくら、生うに、煮穴子、生海老、かんぱち、ズワイガニ、ホタテ、中トロ、紋甲イカ、マグロ赤身、鯛にガリと味噌汁のセット。
この店で一番お高いメニュー。
ちょっと贅沢な江戸前寿司。
穴子と軍艦巻きが江戸前の証。
-干瓢巻き(4本)-
江戸前寿司ではこれを海苔巻きと呼ぶ。
干瓢の味付けは甘辛一択!
-ネギトロ巻き(6本)-
細巻きのニューフェイス。
中落ちのとろりとした舌触りとネギの歯応えが噛み合っているぞ。>>170
-握り単品-
蛸、サーモン、しめさば、えんがわ、コハダ、大トロ。
盛り合わせに入っていないのからフィーリングで厳選。
日本の作法を遵守して、手と手を合わせながら「いただきます」と一言呟き、軍艦巻きと細巻きにかけてから醤油を小皿に入れる。
箸で上面と下面を挟む形で器用に蛸を取りつつ、ネタにだけ醤油をつけてから軽やかに口へ放り込む。
塩もみして茹でた蛸特有の食感がビオランテには心地好い。
次は生うに。
磯の香りとクリーミーな味わいに舌鼓が打てた。
口直しにガリを齧りつつ、今度は臭みのない新鮮な紋甲イカ。
(コハダにマグロ赤身、かんぱち。そしていくらの後でもう一度ガリを齧らなきゃ)
そう考えながら存分に味わいつつ、今思い浮かんだネタを逐次口に入れて咀嚼。
味噌汁をすすってからガリを齧り、ネギトロ巻きの半分を一気に口にする。
うにとはまた違うクリーミーな味を堪能しつつ、ガリを齧って次はズワイガニとホタテ。
(生でも食べられるのが魚介類の強みよね。シャリは無いけど玉子行ってみよー)>>171
関東式ならではの甘辛い味付けを楽しんでからようやく茶をすすって中トロ。
身の味と脂の味が程よく混ざってる味であった。
しめさば(鯖寿司やバッテラとは違って普通の握り)の酢が良く浸みた味で口直してから、ネギトロの残り半分を片付ける。
(生エビ、えんがわ、鯛、サーモンと続けてからガリか味噌汁ね)
心の中で呟いた順に食し、味噌汁で再度口直しをしてから大トロの脂に満悦。
もう一度すすって味噌汁を空にし、煮穴子の柔らかさと濃ゆいタレのハーモニーも楽しむ。
残ったガリ全部を咀嚼してからいくらの弾ける食感を味わい、締めに甘辛い干瓢巻きを4本まとめて口の中へと押し込んだ。
(甘辛い干瓢締めと酢飯の相性が抜群! 締めの一本として好まれるのも納得よね)
茶も飲み干し、一言ビオランテは零した。
「ごちそうさまでした」
量が量なので、先に完食したグレゴリー達は茶を飲みつつビオランテの食べっぷりを見ていたのだが、慣れていたのか驚いている様子は微塵もない。
むしろ寿司とは関係ない話題を振ってくる。>>172
「次はいつビーハイヴに来れる? お前が来るとソフィだけじゃなくてガロもどことなく嬉しそうなんだよな」
「その辺はお互いの運任せよね」
話題を振ったグレゴリーにビオランテは中々難易度の高そうな言葉で返してから、バロックに尋ねる。
「ビーハイヴは施設の跡地がある島の次、どこの港に停泊するの?」
「調査が思ったよりも長引いてるから、まだ決まってないね。と言うか、終わってから決めればいいじゃないかってアンドリューのバカがバカなこと言い出してさぁ…」
「オリビアが同調したから、本当に調査が終わった後だろうな。話の続きは大広間に戻ってからにしよう」
相槌を打ちつつ、隗が後から来る客の事を考えてそう提案する。
全員が同意して食器をカウンターに戻し、勘定を済ませてから店を後にした。
次回、ビーハイヴ船内 薬膳コース>>174
うーん、飯テロ
というかなんか解像度高いですねぇ
というわけで続き
前回は前スレ893から
https://bbs.demonition.com/board/10866/18/「ナキさん、おはようございます」
「うん、おはようメルトさん」
「リディアと呼んでくれてもいいんですよ?」
「まだ早いかなぁ……それとちょっと近すぎかもー」
相変わらず周りからの視線が痛い。きっとそれをわかってやっている。その目に宿る色は打算的なもので、間違えても本当に仲良くなりたいだとか、好きだとか、そういうものではない。まるで蛇のように首筋に絡みついてくる思惑だ。だが、不思議と悪意ではない。だから安心とは言えないが。今だってほら、顔がすごい近い。
「ねぇ、ナキさん」
「……耳がくすぐったい」
「あとでまた、じっくりお話をしましょう。今度はサーヴァントに手は出させません。誓約書で誓ったっていい」
「……考えとく」「………で、私たちはここに二人っきりってわけですね」
「ああ、そうだね。……なんだいその顔」
契約はここに交わされた。サーヴァントである彼らはマスターの意向に逆らうことはしない。なのでアーチャーもキャスターも、学外へと霊体化を解いた上で現れているわけだ。もちろん、どちらも校舎に潜入はしない。令呪の奇跡で召喚されるでもなければ、二騎が介入することはほぼないだろう。そういう性格だし、そういう従者の在り方だ。
「んー……そそらないんですよ!アーチャーの顔見ても!だってあなた、悪いことしたって感じが全然しないんです!!!」
「ははは……そうかな?僕もサーヴァントだし、生前はやることやってたかもしれないよ?」
「ん?それは嘘もいいところでしょう。だってあなた、“英雄”じゃないですよね?」
「………さて、どうだったかな。真名に関する情報だからね、そう易々とは明かせないなぁ」
というか、介入できないのである。マスターである二人が話し合う教室には、物理的な遮断力はほぼない代わりに、霊的な遮断力を強めた結界が敷かれている。つまり、縁や呪いを通じた繋がりが全て絶たれるというもの。マスターとサーヴァント、その利点である念話による会話ができないのだ。だからこそ、気づけない。そんなサーヴァントたちは、マスターたちに後を全て託すしかないわけで……「なんだかんだ言って優しいんですね?」
「うるさい。僕はあなたと話すことなんて何もないけど……だからって全部切り捨てるのは違うから」
「ええ、わかっています。……ふふっ、密会ですね?」
こちらを見上げるその視線は何かを探っているようだ。その目に自分は馴染みがない。しかし、どこかありふれているような視線だとも思える。……ペットを可愛がるような、我が子を可愛がるような、そんな不気味な視線だ。聖杯をかけて殺し合う相手に向けて良いような視線ではない。だからわからない。気持ちが悪い。お前は◾️であるのなら、向けるのは害意であるべきだろう。
「いずれわたし達はどちらかが負けるでしょう。互いに雌雄を決するのか、他の参加者に殺されるのか、はたまたそれ以外か……けれど、それって今じゃないと思いませんか?今、ここで、わたし達が殺し合って何が生まれるのでしょうか?」
「停戦協定を結びたい、みたいなこと?」
「ええ。わたしは、あなたに興味がある。色々見立てがあるんです。なぜただの中学生のあなたが、魔術師の家系でもないのにそのような強さを発揮できるのか。でも、仮説は広がるばかりで実際の証明はできない。だからしたい。あなたから聞き出したい。あなた、なんでそんなに◾️◾️なんですか?」
「……今、なんて……わっ」
顔を引き寄せられて、優しく頭を撫でられる。耳元で囁かれる。たったそれだけなのに膝から力が抜けていく。おかしい。何かしらの作用が働いていることがわかる。これはきっと魔術だ。魔術だとわかった以上はさっさと魔術回路を洗浄してしまえばいい。なのに上手く動かせない。魔術回路の動きが鈍い。これは、ただの暗示ではない?なんだか眠い。本当に眠い。視界が、だんだん、暗く沈んで………「そこまでです。次に何かしたらお前の心臓を刺す」
「もー!だからアレだけ耐性つける練習しようねってナキに言ったのにー!!」
背中と首筋にそれぞれ刃物。背後から音もなく突きつけられたそれは確かな殺意に満ち満ちたものだ。肋骨を避けて心臓だけを貫ける位置に置かれているのなんて、まさしく殺意の現れそのもの。そしてその声には聞き覚えがある。確かルフ、だったか。同じクラスメイトにしては珍しい…というか、自分と同じ日本人ではない見た目だからすぐに印象づいた。
大きい声と共に駆けつけ、ナキを抱きしめている少女……いや、少年か。身体の骨格の節々が男性だ。とにかく彼がナキに施されていた暗示を解いていた。本気ではないが2割ほどでかけたものだ。それでも自負ではなく、事実として並の暗示、魅了を超える腕前のはずなのだが……そんなあっさりと解くものか。そうかそうか。きっと同系統だ。
「ルフさん、でしたよね。凄いです、全く音が聞こえませんでした」
「それぐらいできて当たり前だと思いますよ。ああ、勘違いしないでくださいね。首のこれはたなたの喉を掻っ切るのではなく首を落とすためにあるものです」
「なるほど、それ程までには武に卓越していると……それで、そちらの可愛らしいあなた。お名前は?」
「ツユって言いまーす。……で?うちの子傷つけてどう落とし前つけんのお前?」
「ああ……何処にいるかわからなかったんです。一つだけ、もう全員呼ばれているのに。そう、あなたが」
口を閉じろと言わんばかりにリディアの顎を突き上げてくる銃口。氷のように冷たい表情のまま、ツユが拳銃を突きつけている。ナキの意識がまだ酩酊してよかった。もし鮮明だったのならば、きっともう撃っていたから。「それ言ったらもう殺.すしかないからさ」
「というかもう殺してしまっていいのでは?聖杯戦争、殺し合いでしょうこれ」
「ふぅ……なるほどなるほど。合点がいきました。どうしてナキさんが妙に荒事に慣れているのか、魔術を会得しているのか。あなた方が師だったのですね。そして多分……ええ、あなた方はチーム。聖杯戦争開催前からの……ありがとう、わたしも満足です」
宙に浮く、とはこういうことを言うのだろうか。まるで浮遊しているのかと錯覚するほどの一瞬で、ツユとルフが投げ飛ばされた。その鮮やかさ、巧さは素人が力任せにしたそれではなく、並大抵の武芸者でも成し得ることではない。繊細で、力強い。その道を長年歩んだ者にしか得られない境地だ。ルフが何よりもわかっている。
しかしおかしい。リディアの歩き方や呼吸は、お世辞にも体幹が整っているとは言えなかった。ブレブレ、仮に鍛えていたたとしても良くも悪くも護身術のそれを出ない域。なのに、これはなんだろう。なぜここまで卓越した武術が使えるのだろう。それに何より、受け身は取れるが大きい隙を生んでしまったのが致命的だ。ナキはまだ帰ってこれないから。
「ロートゥス!」
「言われなくてもやって……らァ!!」
「なるほど、ここで狙撃などの指示を出さないあたり全員で四人。仮にまだ居ても非戦闘要員。そのうち人外は一人、と」
“隙間に入り込む”呪いを己であると定義した吸血鬼がいた。誰の間にも紛れ込み、誰の間にもするりと出てこれる吸血鬼。本人は自身のそれを他人の絆を壊すためだと言っていたが……その事実は他人の輪に入りたいだけの男だったのである。ともかく、それをロートゥスは殺し、その呪いを加工した。“継承”はアカシャの蛇の特権だが、“拝借”なら別口で可能だ。ロートゥスのタネはそこにある。そして今、その作品を使って全力で目の前の少女を叩き潰す。すなわち、全力の踵落とし。だが………「っ、肉体強度おかしいだろ!?」
「ロートゥス……なるほど、層が厚いですね。わたしが考えていたよりもあなた達は手慣れているようです」
あっさりと、受け止めてしまった。ロートゥスの吸血種としての膂力を受け止めた。何事もなく、涼しいように。ただの強化、にしてはおかしい。それほどの高度な強化が使えるならば、最初から使っておくべきだ。ルフ達を投げ飛ばした時のそれは、そこまでの身体能力ではなかった。ただの技術だったから。ならばこれはまた別口。謎の技法だ。………ただ、ソルシュクラインもやられるばかりではない。それぞれがその道を追求する者たちだ。ある程度のことはわかる。
「ふふーん……わかっちゃったぞー?意外と古典的だね」
「歳にしちゃあハイレベルだな。まあでもまだ詰めが甘い」
「聖杯戦争の“法則”に抗えないぐらいには弱者ってことですね。セナ・スキュレカリューほどの無法ではない」
「ええ、まあ。手品のようなものですから。………残念です。せっかくナキさんともっとお話したかったのに……色んなことを受け止めて、抱きしめてあげたかったのに。ねぇ、ナキさん」
「………僕、メルトさんきらい………」
まだ頭が痛くてふらふらする。けれどそれでも、自分は彼女から眼を逸らすことはしてはいけない。二度も同じような手法を使ったのだ。全く信用できないと考えていいだろう。これは自分のミスだ。信じてみようと思ったから、情報がバレた。個人であるか、チームであるか、その真偽を確認されるだけでも相手の優位性は飛躍的に高まるのだ。こんな迂闊な真似をした自分には当然の報いだし、助けてくれた三人にはこれから働きで返さなくてはならない。「そうですか。……でも、わたしはあなたのこと好きですよ。ええ、興味が尽きない。さっき言ったことは本当です。わたしは、あなたを、知りたい。知った上で、抱きあやしてあげたい」
「………わかんないよ、あなたのこと」
「それで良いと思います。相互理解をするにはわたし達は互いのことを知らなすぎますから。これから知っていけば良い。違いますか?うん、でも、そうですね……あなた達風に言うならば……わたしのやったことは、紛れもなく“悪”でしょうね。それではまた、さようなら」
誰も触れることなく勝手に開いた窓から落ちていくリディア。魔術師がこの程度で死ぬとも思えないので無事に着陸できたはずだ。ここで追わなかった理由は、ナキがまだ不調であることと、結界が解除されたから。アーチャーの実力がどの程度かわからない以上、下手に詰めて全滅させられる方が怖い。退けるときは退くべきだ。あちらはこういうことにとても手慣れている感じがするから。
「ナキ、大丈夫?あの子見てキュンキュンしたりしない?」
「大丈夫、だよ……うん、ごめんね……」
「俺たちに相談しなかったお前が悪い。俺はともかくロートゥスとツユはお前のことを大事に思っていますから。俺だって今回を踏まえて胸ぐらを掴まれたときの護身術の練習も考えなくてはならないし……」
「………まあお前のダチはこんな風にお前のことを信頼してるってこったな。ちったぁ頼ってやれ。儂も年長者だし。………ナキ?」
「ん……ううん。なんでもない。みんな、ありがとう」迷っていた節がある。リディアと話してから、ずっと。初めて話をした時も、今日話をした時も、彼女のやった行いは紛れもなくこちらを害するものだった。最初は殺されかけたし、今回は暗示をかけられた。疑いようもない悪であることは明白で、だからこそ躊躇なんてしないはずだ。
なのに不思議と、彼女の瞳からは悪意はなかった。それどころか慈しみすら感じる。これは自分が暗示をかけられたからではない、出会った時から今に至るまで、そのような妙なものがあるからだ。敵意はない、ただ興味と優しさだけが向けられていた。わからなくなってしまうほどに。
………でも、それも今日で終わりだ。他ならぬリディア本人から、あれは悪であると断じられた。ならば容赦もいらない。躊躇もいらない。思うがままに拳を握り、思うがままに戦えばいいだけだ。うん、そうだ。モヤっとした感じが晴れた。だってほら、◾️◾️だから、◾️ ◾️◾️ ◾️◾️ことは好きだし─────
おしまい>>110
カラーリングは他の方に概ねなので別の所を挙げると、個人的には胸とかの装備部分に銀色とか金とかで良い感じの模様とか入れるとより映えんじゃないかなと
>>122
ラスダン突入初手で激強ボスと邂逅はやっぱ燃えますね…!!
今までとは違って対話の余地も期待できそうにないヤバそうな奴+強敵なのに加えて後で合流される可能性とか色々考えるとめっちゃ面白くなりそうでワクワクが止まらねえ…!
>>159
最初に出した時はストファイとかKOFシリーズじみた奴作ろうってコンセプトに寄りすぎて逆に型月感減っちゃってたのが失敗だなと思ってたんで、大幅に型月感増やしたいなって感じで今回変更しました。受け入れられたっぽくて本当に良かったです
まあこの闇は少し晴れかけてるんですが、今回の話で割とやばい事になるかもしれないしならないかもしれません
>>174
ガチで行って調査してきたんだろうなってレベルで精巧に書かれてるの凄いですね…いい意味でこのスレでも唯一無二のシリーズで結構好きです
そしてお嬢…サウナはホットでかなり気持ちいいが温度差とか脱水とかでやりすぎると少し危ないから少し気を付けながら楽しんでなお嬢…
>>183
やっぱりパーティーとしてかなり良いですねこの4人。ナキに優しく接する子、厳しく接する子、年長者として接する子って感じでバランスが取れてる気がします。
そしてナキ君も伏字が予想ついたから割と怖いけどツユちゃん…?君が隠してるのってもしかしてそういう事だったりする?
>>184
分かりやすくしたかったので伝わって良かったです…!互いに認め合った上でズケズケ言い合える感じの気の置けない友人、みたいな感じに思ってもらえれば。
ちなみにユーさんとの共通見解ですが両方恋愛感情にはなりませんのでそこは悪しからず…そもそもアインス先生いるからね…
そうですね、この話は2つに区切れそうなプロットなんですが、前半で伏せてる部分はほぼ全て明かすつもりです。ただ全部明かした上でも改修前よりは全然船に乗せる危険性は減るんじゃないかなと
本当に凌牙は誰かに恨まれてる訳ではなくて、魔術組織的にも歯牙にも掛けられてないって部分を覚えておいて読んでくれれば嬉しいです。>>125
どうやら俺たちは“親友”のようだな…(存在しない記憶並感)
公式の神性持ちサーヴァントはみんなあって欲しいんですけどね。神ジュナの青は褐色肌なので別腹
>>126
すみません、さんをつけろよデコ助野郎案件でした
容疑者は「上長」の呼び方に慣れており敬称と混濁したと供述しており…申し訳ない
そっかフィンランド、地味に神話体系が違いますね。そこはかとない文化の違い
>>155
お!船事件、凌牙君にスポット当たる系か~→(SS見る)めちゃくちゃ重そうな過去と向き合うのか…
自罰感が強い…!
>>174
寿司の描写とか外国人の生食問題とか、解像度が高い描写すごい…
>>183
ナキ君の■■が多くてどんな厄ネタなのか気になるぜい。それはそれとしてマスターの一人ェ…獣国についての話を土日にすると言っておきながらちょっと体調崩して寝てました。申し訳ない。
>>155
私は裏ページで色々聞いているのであんまり話すとネタバレになりそうですのでこれだけ。
実はジャスミンって割と好戦的というかやられたらやり返すし煽られたら煽り返す面がありますが普段は意識的に抑えてるんですよね。だからバトル中やバトルの興奮冷めやらぬ時に皮肉ると言い返してくるんですね。
>>174
相変わらずビオランテ嬢がどえらい食ってらっしゃる。いい食べっぷりだけど周りはそれに慣れてるってのがいいなぁ。いっぱいお食べ。
>>183
ナキ君がリディアと戦う覚悟を決めた。のはいいけどやっぱり伏せ字の内容が気になるぅ。いつか判明した時にカチッとハマる瞬間が楽しみです。
>>187
>>恋愛感情
そもそもジャスミンの対人関係での感情って一度壊れてからバグってるので周りから見てこれ恋愛感情あるんじゃね?ってなる関係でも本人にその気は無かったりします。
アインス先生に対しても「先生が私のお父さんだったら良かったのにな…」だったりしますし。凌牙君、最初に出した時辺りはもっとやさぐれてツンツンさせるつもりだったんすよね…昔言ったみたく名無しの教室のアスタムポジションみたいな。
それが今は「マイルドになった2号ライダーみたいな奴」で現せば大体形容できそうになってるの本当草生えますね。これもマレオとジャスミン・アドレーヌって奴の仕業なんだ
>>189
解像度は大分増したなって自分も思ってます。
船なりきりとか歴代SSを見るに、現状リョーガ君が確実にかなり仲良いって断定できる生徒はジャスミン、海月、ムジカ、カステラの4人って感じかなって。
ジャスミンちゃんには…生憎アインス先生という正ヒロインがいるのでね…
個人的にはジャスミンとアインス先生が仮に結ばれたとして、その後でも二人で軽めの飲み屋行ってくだらん話できる位の仲みたいな関係性をイメージしてますね。異性の親友キャラというか腐れ縁幼馴染的なアレというか…何て表せばいいんだろう難しいなコレ
まあ魔術協会からしたらただのアホで済みますからね。家のク.ソマヌケ度は上がりましたがこれで船にいても問題はなさそう感は上がったかなと。本人に壊す意思はないですし。
>>190
ですね。今回は凌牙君がメインですが、ジャスミンとレリックにもかなりスポット当たるかなと。騎士団も結構出すつもりですし、戦闘要員ではないですが海月とムジカも絡ませたいですし。まあ職員は出せるだけ出したいなって感じですね。
大丈夫です、この自罰感は杞憂です。砕城を恨む奴はいない筈です。ただ……もっと恐ろしい事が起きるかもしれない。それだけです。
マジでピースがハマった時にゾッとさせられる様な感じにしたいなとは思ってますので、期待を少ししてお待ちいただけたらなと。>>191
いや本当毎回裏でお世話になってます…
ちなみに今回の最後は没案でカーテン開けたらボンバルディエか何かのジャスミンの人形が見つめてきててビクッてする展開を考えてましたが……やめました。プロローグ最後の方であと1回ちゃんと出しますのでお待ちを…
そして本題
獣国参戦したいです!!
児雷也と許褚を推薦したいです!!「マスター、ちょっといいかな」
「あら?どうしました、アーチャー……あっ」
「やっぱり怪我をしている。無理をしすぎだよ」
ロートゥスの脚を受け止めた時に、手首を少し痛めたようだ。それを目敏く見抜いたアーチャーが、常備している医療品で治療してくれるようだ。現代の設備や医薬品の扱い、適切な処置もちゃんと心得ている辺り、召喚されてから勉強したらしい。健気なものだ。
「君の魔術は強い。正面戦闘も、搦手も、きっと大得意だろう。ただ、それはあくまで君の才能があるからこそ。君の本分は戦いではない」
「ええ、わかっています。実はちょっとギリギリでした。もしルフさんに殺されたら、ツユさんがラヴギッドの魔術を使ったら、ロートゥスがもっと殺しに来ていたら……ナキさんが、踏み込んでいたら。わたしは死.んでいましたね」
「君は死にたがりなのかい?」
「いいえ?でも、ほら。そうしないという確信があるんです。あの時の心理的優位性を取っていたのはわたしですよ。そしてあの場にいたみんなは賢い人たちです。自棄になることはない。最善手を打つ。魔術戦で手札を明かさないことは大事ですからね。こちらがまだ何かを持っていると考えると迂闊には動けない。ただ何の収穫もないままでは退けない。だからあげました。ちょっとだけ。撤退しやすいように」
「………情報戦は君の手の内か。そっちの経験に差が出たのかな」ナキが非日常に慣れ親しんでいる理由。その仮説の一つとしてナキに人間の仲間がいる可能性は予見していたことだ。だから今回はこのように仕掛けた。おそらく敵は大規模な組織的なものではなく、個人間の小規模なもの。コミュニティに属するものとしての規律感がないというのが主な考察理由だ。そう考えるとおそらく仲間意識が強い方で、だから仕掛ければ出てくると踏んだ。結果的に成功したわけだ。
とはいえ、そこからはいそうですかと逃してくれるわけでもない。あちらは仲間を明かすという手札を晒した。対してこちらは何も晒していない。そんな状態で何の障害もなく返してくれるとは思わないし、思えない。だから晒した。あえて手札を見せることで相手に退いていいラインを与えた。これ以上は危ないという風に演出した。
「与えていい情報、与えてはいけない情報、ここのやり取りはメレクさんとお姉様たちのおかげでしょうか。ええ、楽しいですよ」
「ああ……当主の座が欲しくて姉君方と仲が悪いんだっけ」
「いいえ。わたしも、お姉様たちも、互いを嫌っていないんです。むしろ愛している。愛しているからこそ、譲らない。たとえ相手を殺してでも必ず勝ち取る。奪い取る。だって“わたし”が一番優れているから。優れているものが後を継ぐべき。至極当然の論理でしょう?」
「………なるほど。みんな骨の髄まで魔術師なんだね」
「そうでもないですけどね。お兄様は病んでしまわれたし。分家の可愛い子が面倒をみてくれているみたいですけど……ともかく。これがわたしです。今回はわたしの勝ち、でいいでしょう。そしてまだ、わたしはナキさんの謎の解明を諦めるつもりはありません」
リディアの観察眼は的確だ。そんな彼女が、綾姫ナキの謎は全て解き明かせていないという。たとえば、その恵まれた魔術回路の出所。たとえば、なぜ聖杯戦争に巻き込まれてしまったのかという理屈の解明。たとえば、あのとき見せた蕩けるような艶やかな顔つき。その理由を。>>175
懐がいつも寒いので、ネットで調べて見つけた画像やらネタの味に関する文章やらを大分参考にしました。>解像度
>>184
サバを生で食べたいなら日本海側のが安全。>魚YouTubehttps://www.youtube.com/watch?v=nEdPUgB3Asg
>>187
ネットで見つけた写真やら見取り図を何度も確認しましたね。
なんせ、店どころか温泉自体が2年と数ヶ月前に畳んじゃったし、建物も取り壊し済みだったので。>精巧
ビオランテは生まれも育ちもスペイン南部、それもアフリカに近いアンダルシア州なんでサウナとはあんま相性よくないだろうなー、と思って書いてました。
実際、様式だからやっただけで水風呂は結構苦痛だった。>サウナ
>>189
回らない寿司屋は大体お高いんやでぇ~。
ワシも寿司屋は大体回る方だし。(なんだか皆んな一斉にSS投下して凄い…この流れはとてもイイぞ…)
忘れてた
あとこの生徒は髪型三つ編みとか普段と違う結び方とか色々アレンジしてOKだよって子がいたらそれもお聞きしたく…ちなみに歴代登場SSでの趙雲の再臨イメージは
洛陽、趙雲幕間、イェケモンゴルウルス(前半)→第二再臨
イェケモンゴルウルス後半、再召喚後→第三再臨
みたいなイメージです。
与太SSでは第一再臨、季節によっては水着霊衣、通常時は第二、特異点終盤みたいなヤバい時に第三再臨みたいな感じで思ってもらえれば
ちなみに実は今年の裏目標は自鯖全員全再臨ビジュ作る事だったりします。大体ある程度固まってはいるんですが問題が…ジジイ描けるようにならないといけないんすよ…(黄忠)
>>197
やっぱりリディア怖い女ですね…でもコレでもダメージは与えられるって所的に現状見える敵の中ではまだ勝算は高そうな気がします
リディア+アクタイオンが最初のボスというか最初に潰し合う陣営なのかなって予想しときます
>>204
違うんです!!いや最初は去年と同じエプロンのつもりでしたが違うんです!!
全員ハートマークって構図は同じにするつもりなんですが、ほぼ変更なしはアレかなって事でデートっぽい服というか可愛い感じのオシャレな服を着せたいなと思いまして。デートの最後にチョコ渡す的なイメージというかなんというか
分かりましたありがとうございます!!上手く描けるように頑張ってみます
>>205
ありがとうございます…!やっぱり型月中華っぽさ出てるって言ってもらえたらかなり安心しますね…>>98
聖杯戦争が本格的に始まってないのに悲惨な事態に……それはさておき、こんな状況でもあくまでカケル君を巻き込まない事を優先する恵ちゃんが彼女らしいですし、数千歌君との方針の違いを感じますね。
>>109
どことなく世界樹の迷宮が思い浮かぶ世界。
遺書等の用意が出来てる辺りに、死亡率の高さを感じますね。
>>122
いよいよ決戦も近い……とはいえ、味方の状態が万全には程遠く、不安が残る状況ですね。
>>155
『船』の誰かに事情を話していれば、魔術社会から狙われたり憎まれたりする訳が無い事を教えてくれる筈ですが、そう簡単に話せる事でも無いわけで。
>>174
こういうグルメ描写は書くのが意外と難しいので、見習いたいですね。
人生で一度位は回らない寿司を……資金面以前の問題でそもそも身近にそういう店が無いので夢のまた夢ですが。
>>183
なんかナキ君の方も物騒になってきて……ハイペースで次々と厄ネタが出てきそうで怖いですね。
ところで、本スレに投下した第■回の方は確認されてますか?>>206
スウェーデンは北欧神話的なあれこれなのでまあ省略するとして
フィンランドは精霊信仰の考えを適応させている他、創世神話の類型の一つである「海鳥の卵が割れたことで作られた宇宙」の考えを初代当主、もとい精霊は用いました
人の辿る進化の末は肉体を捨てた精霊に似て非なるアストラル体の第三魔法、ゆえに今の肉体に縛られる人は卵のようなものである、と定義したのです
精霊パワーで霊脈をいじって作った山星の土地とその呪いに対して、歴代当主が己(卵)の体(殻)を犠牲にして中身をリソースとする、その屍を積み上げた果てに霊脈から噴き出る呪いの鎮静化を目指す
人体を一種の小宇宙として照応される概念も取り入れられてはいますがベースはこの概念でしょうか
とはいえ、最初的に先祖帰りで歴代最も精霊種に近づいた不湯花もとい冬縁香が自身を犠牲にすることなく鎮静化を達成してしまうのですが
>>207
リスペクトというかがっつりオマージュですね、うちの厄ロリ
>>208
むしろまともに戦ったら勝てる方なのでね……あとはまあ、おかしい上級講師が一人乱入してきたのもあって……
>>209
色々と楽しみに待ってもらえると嬉しいです
ちゃんと確認していますよー、……展開としてもう廃工場に来ちゃって最終決戦始めるのか「よし乗ったろ!」してそちらに手番を返すのかのどちらが良いのか悩んでいたのですが……どちらが良いとかあります?フィンランド出身の魔術師で、昔のキャラを漁ってたら何かありました。
ヴァーリオン・シンジューという人工子宮を培養して、現在絶賛放映中の某機動戦士ばりのコーディを造るみたいな妄執に取り憑かれたキャラ。ごめんなさい、バレンタイン絵おしゃれな格好させる路線はやめます。7人分オシャレな服考えるのは女子のファッション知らん+ファッションセンス皆無のワシには無理じゃあ…(6.5ドン・キホーテ並感)
バレンタイン 服って調べたら良さげなのが出てきたのでその辺参考にしながら服装揃える感じにします、許して
あとペルカちゃんは髪型の都合で冬毛の方にします許して
>>209
まあそうするのが一番早いんですが、生憎現在交友が深そうな船のキャラで魔術社会の情勢に詳しそうな人がいないんすよね…ヘレナさんとかみたいな幹部はワンチャン知ってるかもしれないですが不良なので関わる機会がないって訳です。
本人もそんな気にしてないのか…?と薄々は思ってるかもしれませんが、まあ今から本当に向き合うタイミングが来るって感じですね
>>211
成程成程…髪型はそのままですね、了解です!
>>215
マジっすか…ご自愛ください
辛い時に動きすぎると余計しんどくなる事もありますから、ゆっくり休んで英気を養うってのも良いかもです。ちなみにソースはヤバい時にSS書こうとしたらスランプで絵もブレッブレになった去年の俺です
>>216
ふふ…解釈一致してた様で良かったです…
第三は涯角槍を出力解放してる影響で鎧の一部と肩当てとかのヒラヒラしてる奴が反応して発光してる、みたいなイメージだったりします。三国テクノロジーなら多分ガジェット出力解放に合わせて発光くらいはできそう
イェケモンゴルウルスは趙雲がめっちゃカッコよかったのもあるんですが、それ抜きでもマジで特異点SSの中で個人的に一番お気に入りって言っても過言ではない位に好きなんですよ自分…脳内で勝手にTVCM妄想してた位には好きです…
マジでモンゴルに脳を焼かれてココチュの気持ちが理解できました…お前も嫌いじゃないよココチュ…なんならお前も実装させてみたら面白そう…モンゴルバフ乗っけたサポーターとか面白そう…長女:アメリ・メルト
自分が愛したものは徹底的に踏み敷き、抱き潰し、縋り付かせて然るべきという悪魔的飼い主側面を抱えた女子。魔術師の身でありながら魔術による争いよりも魔術を使用しない上での肉体言語の方が好き。
使用する魔術にもそれが現れており、彼女は降霊術に強化魔術を併用することにより、霊が憑依した際に身体にかかる負担をスペックを引き上げた肉体と脳で無理やり耐え切る、霊から引き出したスペックに適応させるという方策を取る。単純ながら強力無比な組み合わせである。
次女:エリーゼ・メルト
自分が愛したものは徹底的に調べ抜き、受け入れて、要望全てに応えるべきという悪魔的飼い犬側面を抱えた女子。魔術師の身でありながら一般人よりも遥かに水準が高い電子機器操作技能を有し、ネットサーフが好き。
使用する魔術にもそれが現れており、彼女は降霊術に解析魔術を併用することにより自身に降霊する前にその霊体が持つ残留思念や情報体を隅々まで調べ、それに対する対応を体に施した上で霊を憑依させ、スペックを十全に発揮するという方策をとる。複雑ながらも効果は確かな組み合わせである。
三女:リディア・メルト
心の底から愛し尽くしたいと思える人はいない。他人に対して悦を見出すことはない。そんな暇があるなら根源を目指すロリ。けれど他者というものは何かと目的のために必要なもので、そのために一人一人家族のように、恋人のように接する魔性の女。
起源である「抱擁」の一端を発揮した暗示で他者の心を蕩かし抱きしめることに優れている。凶悪な悪霊もこれで宥めて用いる、という形
大体この三人で蹴落とし合いをしています。他にも長男がいるのですがこの三人ほどの才能がない挙句に魔術で事故って廃人介護状態になったのでドロップアウトです
だからまあ、割とナキに興味を示すのは珍しいケースかもしれません>>222
ヴァーリオン・シンジュー/Verlion Sinjoue
年齢:35歳
性別:女性
身長:167cm 体重:50kg
スリーサイズ:B80/W57/H86(Bカップ)
特技:編み物
趣味:名前辞典の閲覧
好きな物:子供
苦手な物:無益な人
魔術回路:質:C/量:A/編成:正常
【解説】
フィンランドに根城を構える生物学・薬学・人体工学らといった医療関係に重きを置く魔術の御家、シンジュー家の当主。人里から離れた自然地域の中で暮しており、人との関わり合いが希薄なきらいがある。もっとも、ヴァーリオンが当主になってからというものの、各地の魔術師との交流が盛んになってきている。
表向きは医師の家系としてフィンランドで活躍しており、魔術師としても医師としても優秀な方を跡取りとしている。>>223
【人物】
赤紫色の髪、雪のように白い肌と、どこか憂いを含んだ特異な色気を持つ女性。
物静かで、貞淑な佇まい。声帯から出される声もまるで子守唄を歌うかのような心地良さが含まれている。しかし、その静謐さに反して人と関わる事を好んでおり、社交性が皆無だったシンジュー家に数多の交友関係を築き上げた。
性格は慎ましく穏和で、口数が少ないものの聞き上手で話題を引き出すのが上手い。なので、アンニュイな雰囲気がありながらも周囲に根暗だとは思われないある種のオーラがある。
夫は既に他界しており未亡人。子供の出産経験がある経産婦だが、こちらも生まれて間も無く息を引き取っているので家族と呼べるものは誰一人としていない。加えて、自身もその後の病気で子宮を摘出する災難に遭う。その事情を知っている知人たちは「外との交流を求めたのも寂しさを埋める為」と述べている。
魔術への研鑽は夫の死後も絶えず続けており、当人は一人になった分身軽になったと表明している。同時に医学の進歩の為の研究も行なっているなど、努力家で研究家。
まさに寡黙な仕事人然とした風格を纏う女性なのだが、一方で子供好きという一面を持ち、子供たちに対して母性溢れる姿勢で接している。
これらから、一般常識より魔術を優先する魔術師とは異なる、魔術師らしくない魔術師と見られている。
【能力】
地と水の属性であり、「切断・再結合」の特性を有する。更に生物・植物の細胞を使った薬学にも多少の知識があるので、独自で作成した霊薬を用いて「増殖」の特性も編み出している。
尚、ヴァーリオンが研鑽する魔術には攻撃的なものがなく、基本的に戦闘はできないので領地に篭って研究するだけの所謂「賢者」タイプの魔術家に該当する。>>225
【裏の顔】
優秀な魔術師を婿養子としてシンジュー家に迎え入れ、優秀な子を成そうとしたが、そのプランは見事に失敗に終わった。
生まれて来た子は先天的に虚弱であり、尚且つ魔術回路すらも不出来なもの────「失敗作」の烙印を押されるのには十分な程の出来損ないだった。
直ぐにこの世を去ったを子供の亡骸を背に、ヴァーリオンは今までの苦労はなんだったのだろうと考える。
お腹を痛め、悪阻に苛まれながらも我慢し、長い月日を通して産んだ子供は無価値だったのだのだから。
夫も後々に病死し、独り身となったところでヴァーリオンは一つの決断に迫った。
自らの子宮を摘出し、魔術で加工された培養液にて保管。そして「増殖」の特性を持った霊薬を用いて子宮の数を増やしていった。さながら人工子宮のようで、けれども大元はヴァーリオンの遺伝子から作られた子宮。これを完成させた後に、各地の優秀な魔術師から莫大な資金と引き換えに精子を摂取し、これを子宮に投入、効率的・機能的な方法での優秀な子供たちの培養に成功するに至った。
これよって産み落とされる子供たちはヴァーリオンによって人目のつかない部屋という名の牢獄で育てられるか、優秀な養子を欲している魔術家に贈られるかのどちからになっている。
起源は「妄執」。優秀な子供を作る事のみ執念を燃やす、行き場のない歪な様々な感情を滾らせる魔術師。そこに倫理観や、魔術師であろうとも嫌悪感を示す異常性に目を向ける事はない。ヴァーリオンもまた、一般常識から外れた『魔術師』なのだから。
そして今も尚、優秀な子供を作り続ける己に酔いしれる。
女神母胎(ルオンノタル)
ヴァーリオンが自ら摘出し、培養した魔術子宮。名称は『カレワラ』に登場する女神の別称であり、その名を体現するかのようにこの子宮で受精し、誕生した胎児は優秀な遺伝子、魔術回路を持って生まれるように調整されている。(この特性は禅城家の女性が持つ、類い希にして優秀な母体のそれに酷似したもの)>>217
こちらからは北欧圏の幽霊「フリーヤ・シグルザルドッティル・ヴィゾールヴ」を自薦
フィンランドだと自分の土地では無いので「(事件が何をもたらすのか)興味はある」が「(誰であろうと)干渉はしない」スタンスになると思われますが
>>220
自分の体力気力と応相談ですが、最終的に枠が空いていたら自分入りたいです!
サーヴァントは「ファヴニール」か「藤原頼通」、大穴で「ビーシュマ」
性癖で鯖作っているからあんまリレー向きのストックいないんですよね~
>>221
三姉妹全員メンタルが逸脱している辺りがやべえ
精神性で、同じ霊を対象にしているのにアプローチ方法が違うっていうのがいいキャラ付け
>>227
や、厄いなこれは…
歳月をかけて出産した子供が亡くなってバグった辺りは悲劇的なんですけど出力方法が邪悪になっておる。子供たちに救われる未来はあるのか…!>>215
お大事に
一時期に比べればだいぶ落ち着いてきたとはいえ、まだまだ油断ならないものですね…
>>217
仕事であればうちのIF黒野をば
フィンランド、というか北方関係者であればマチルダやニキータとかもいるんですが自分でもほとんど動かした事ないのでどういうキャラかあまり紹介できないんですよね(自業自得の極み)
一応過去に何度か動かした事はあるっちゃあるんですが、どれも状況が特殊過ぎて参考になるかどうか
・ニキータ:
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/wiki/2018%E5%B9%B4%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%82%B9SS%E3%80%80%E9%8A%80%E9%AB%AA%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%81%A8%E5%86%AC%E5%B0%86%E8%BB%8D
・マチルダ:https://fatetv1830.wiki.fc2.com/wiki/%E6%B0%97%E3%81%BE%E3%81%90%E3%82%8CSS%EF%BC%9A%E3%83%9E%E3%83%81%E3%83%AB%E3%83%80%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%93%E3%81%A8%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%86%E3%82%A4%E3%83%B3
>>227
う、うわぁ…(ドン引き)
やってる事が壮大な人身売買過ぎてエグ過ぎる
アタランテ姐さんとかが見たら殺意の波動に目覚めるレベルですわ>>215
お大事になさってくださいな。
>>217
・死体や資金集め、あるいは情報収集、もしくは単なる趣味!割と行動範囲が広い死霊魔術使い、朽崎遥!
・調律師としての仕事以外にも趣味の食事は色々な人で獲りたい!ポルカ・ドラニコル!
・常にフリーダム!いつでも旅行に行く準備は出来てます!なんならフィンランドは古巣だったかもしれないなァ!!!刹那・ガルドロット!
・世界規模の放浪者なので勿論北欧も行動範囲!地球ぶらり旅モンスターズ、迅龍&ジジェ!
こんな感じですかね。
P.s。前々からやっぱゴチャゴチャしてて良くないよな……扱い切れなさそうだし……、と考えていたサタンのクラスに関して微調整を行いました。具体的には適性クラスをアーチャー、ライダー、アサシン、プリテンダーの4クラスにして、霊器としての出力は凄いよ!した感じです。
文面に起こして報告する程の改訂ではないので、このような形で告知させていただきます。お菓子の魔女、菓(くだもの)の魔女……?
皆さんありがとうございます
wikiとにらめっこして挙げてもらえたキャラクターについていっぱい考えさせてもらいます
>>219
精霊信仰を中心に据えて宇宙卵理論で覆ってる…みたいな?
ルーツではあるけど縁はあんまりない感じですね。了解です
パワーバランスの配慮はとってもありがたや……
ダヴィ……たしかご先祖様に石川五右衛門がいる子だったような?
>>228
すっごいのが出た……けどフィンランドだと不干渉スタンスですか。出すならアイスランド編にして真ん中に持っていくぐらいのしたほうがよさげか…?
>>229
黒野くんを出したい章はもう決まっておりまして…今回は残念ながら…
この二人ならマチルダさんが気になるところなんですが今の想定してるお話だとちょっと若すぎちゃうかもしれない>>237
ありがとうございます!
許可出た…もうやるしかない>>235
宇宙卵理論はむしろあんまり見えないところ、他の魔術師で言うところの二世に魔術解体されて見えてくる魔術理論の芯のようなものです
ただ基本のベースになって展開されるのは精霊信仰、八百万、カムイ信仰のそれに見られる「万物に宿る神」というものであって実際に描写するにあたっても宇宙卵要素よりもそっちの方を重視する(こっちの方が側から見てもよくわかる)って感じでしょうか
エーデルフェルトで言うところの「二世が明かしてみせた本質は一見するとわからないけどそれでも宝石魔術ってことはわかる」みたいな感じです
山星の魔術は上述した信仰を絡めた「地形や環境を利用した魔術」が得意です、具体的に言うと相手の工房内であってもその工房の環境を利用した魔術(呪いまみれとかだったら呪い、あるいは浄化にまつわる神霊の名前や原典での記述文章を詠唱とする)を発動して延々と優位なポジションを握ってくる感じ
一応不湯花バージョンのときには一般代行者にはまあ難なく勝てるぐらい……なので強すぎる、よりは普通に強いレベルだと思います、このwiki基準だと
冬縁香はアインとマリナ、あとニーナと同レベルなので出禁
ダヴィはそうですね、スラムから連れてきた子供たちのためにもいつもいつでもお金稼ぎをすることを辞めないタイプの魔術使いです
道徳心も金と天秤をかければ放り投げられますがあまりにも非道なものだと無理だし、自分を良いようにこき使うお高く止まりまくったやつに普通にムカつくぐらいにはまだ子供らしい人としての側面が残ってる
逆に言えば金を稼げてなおかつそういうひっでぇ奴に吠え面かかせてやれるなら最大限のモチベーションで依頼を遂行してくれます
あと石川五右衛門のそういう血を引いてるっていうのも野紀さん経由で知ったりしてます、知ってますが本人の感想的には「自分にはできねぇっすわそんなリスク高いこと」というもの>>236
要は「私がお前の霊的攻撃に負けないぐらい強くなった上でお前をねじ伏せれば良いんだろうが」という古き良き「悪霊、怪物の調伏の仕方」であったりします
マルタさんとタラスク、お釈迦様と孫悟空、その他諸々……割と理には適っているのではないかと多分、創作的にやっちゃいけない事だとは思うのですが、相手の魔術基盤を上書きする感じで相手の魔術を破壊する……なんてのはできたりするんですかね? イメージとしては旧約聖書の士師の異教徒聖絶のような感じ。
>>245
ありえない話ではないのね。そっか……いやまあ、何か設定とかキャラ構成を考えている訳ではないんですけどね。>>248
そうですね、場の状況に応じて使い分ける必要がある上に魔術式や詠唱自体は即興構築、高速演算や知識の豊富さも必要みたいなとこあるので普通に難しいです
なのでそこら辺もやってのけちゃう不湯花が当主になったわけですね
雇い主が命をホイホイ使い潰す、ぐらいだと「ク.ソっすねー」と思いながらもまあスルー、あまりに癪すぎる(子供だったり貧困層だったりを使い潰しまくる)と大事なタイミングで背中刺されて中指立てられ煙草の吸い殻を押し付けられます
ダヴィ自身の手で命を使い潰させる命令をするとその数や内容次第(子供だったり貧困だったり)でイライラ度が上がっていき一定水準で裏切るか仕事を辞める仕様です
大事な人に手を出されるとそれがわざとだろうがそうじゃなかろうがもう即裏切って中指立ててきます
>>245
魔女ですか……まさかアルビオンアタック!?>>250
なるほどなるほど…そこそこやることやってもタイミング調節できそうな感じですね
ありがとうございます>>252
チェストして善し!!よっしゃいくべぇ。
さて、と。ヴィクトル・デュランベルジェは思案していた。令呪が宿った事は必然であるので驚きや悩みは無いが、『伏神市』という自分にとって縁もゆかりも無いこの土地でどう聖杯戦争を戦い抜いていくか、という点には関してはあの毒蛇にまんまと乗せられた形となる為、まだまだ準備や用意が不十分だという点は否めない。故に、ヴィクトルは王たる自分がどのように戦っていくべきかを今後の軸としていかなければならないのだ。
と言っても、サーヴァントを召喚する為の遺物もほとんど数が揃わず、推察できる情報から考えるに、恐らくは触媒無しのランダム召喚に賭けた方がマシになる公算の方が高いのだ。
「まぁそれはいい。王(オレ)は王だからな。どんな英霊が召喚されようとも問題無く対応できる」
課題としては土地勘の無さ、か……。とブツブツ呟きながら伏神の中心部を繋ぐ大橋を渡るヴィクトル。今回この街に訪れたのは完全に独断であり、義両親の許可は強引に捥ぎ取っている。理由はひとえにプライドの為。ヴィクトルは己のテリトリーであるフランススラム街で勝手な狼藉を働いた毒蛇を許すつもりは無く、結果現在のような少ない手札で戦局に向き合う必要があるのだ。
「いや、違うな。まずやるべきは作戦の考察ではない。そもそも下僕たるサーヴァントの性能如何によってこういった作戦は机上の空論に成り果てる訳だからな」
暫く己がどういった方針を狙うべきかを思案していたヴィクトル。欄干に手をかけ、河をのぞき込む様はギリシャ神話辺りを絵画にしたような情景であり、道行く人々からの興味を持たれるが、王たるヴィクトルはそのような些事は気にしないのである。むしろ「王(オレ)の玉体に見惚れるのは仕方のないこと!気に入ったのならツーショットでもするか?」などと誘うかもしれない。>>255
「まずすべきは、サーヴァントの召喚、そしてこの伏神の主たる魔術師への面会だな。あの毒蛇も王が勝手に討っては角が立つ。ならば、まずは挨拶はしておくべきだ。単なる狼藉者だとデュランベルジェが誹られるのは避けるべき……」
そうと決まれば早速サーヴァント召喚の地を見極める必要がある。己の魔力を研ぎ澄ませられる場所は……やはりうらぶれた裏道、あるいは人が引き払った豪邸の跡地などだろうか……。
「ナァ~、別ニツイテコナクテ大丈夫ダッテバ。ししょートハチャントこみゅにけーしょんシテタカラ、買イ物グライじじぇ一人デ出来ルンダッテバ」
「オイオイ、龍坊ォ、そりゃ無謀ってなモンさね、”おあし”がねぇだろう、おめぇさん」
「オアシ?じじぇハしっかり足持ッテルぜ、あう”ぇんじゃあ」
そんな風に物思いに耽りつつ、商業都心部を歩いていたヴィクトルの背後から、いきなり巨大な魔力の反応が現れた。緊張によって一瞬冷や汗を垂らしそうになった彼だが、そこは流石というべきか、即座に心身を立て直した。
(あう”ぇんじゃあ……つまりアヴェンジャー、か。成程、背後の二人組は聖杯戦争のマスターとそのサーヴァントだな……。チッ、まだ召喚も、”朽崎”だとかいうこの街の魔術師への挨拶すら出来ていないというのに。まぁいい、『何もなさなければ、自分のパンは食べられぬ』という訳だ)
「その”あし”じゃねぇよ、龍坊。単純に金銭だよぅ、文無しじゃろうが、オメェさん。だから儂が代わりに払ってやろうって言ってるってぇ訳サ」
ンア?ととぼけたような声を上げる”じじぇ”とやらの方を向き直り、ヴィクトルは口を開いた。
「お前たち、マスターとサーヴァントとみえる。王たる王(オレ)が質問する。答える事を許すぞ。民(キミ)達の仔細について、王に教えてよい」
まさしく傲岸不遜。およそ初対面の相手に対する質問では無い。だがコレこそがヴィクトル・デュランベルジェなのである。こればっかりは生来の性格というヤツで、直せる類のモノでは無かった。
さて、そんなデカすぎる態度の言い分に呆気に取られたかのような態度のヴィクトルに遭対するのは、襤褸布を被った生意気そうな子供と、同じく、少々ほつれや補修の痕が見受けられるが品のある和装に身を包んだ、角のある青年でった。恐らく子供がじじぇ、青年がサーヴァントなのだろう。さて、交渉の開始である。>>256
鬼が出るか蛇が出るか、だったか……。協力路線を組めればヨシ、そうでなくても情報を引き出せれば値千金という状況。己のサーヴァントが居ない不利については、対したハンデとは思っていない。何故なら、ヴィクトルは王威遂行(コミュニケーション)を利用する事によって意表を突いた逃走が可能だからである。初見殺しによって相手からの攻撃を防御できるという点は彼の大きなアドバンテージなのだ。
「オメェさん、何者だぃ。いや、やっぱええか。そのコメカミの文様……アンタもますたぁ、って訳じゃな。そんで?まさかもうおっぱじめようってんなら、儂は受けて立ってやろうじゃねぇか」
「じじぇハ別ニ戦ッテモイイぜ。あー、デモ此処ハ結構ひとガ居ルッポイカラ、避ケタ方ガ良イノカ?ドウナンダヨ、あう”ぇんじゃあ」
敵マスターが眼前にいるというのに、のどかというか暢気な反応にヴィクトルは少々毒気を抜かれ、ほんのりと苦笑する。もとより戦う気が無かったとはいえ、マスターであろう少年?の舌ったらずな言葉遣いや恰好に世話焼きというか、スラム街で面倒を見ていたチビちゃん達を思い出した、という感傷もあるのだろうか。
「そう逸るな、アヴェンジャーよ。王は別に貴殿らと今ココで事を構えようとしている訳ではない。そもそも、王(オレ)はまだサーヴァントの召喚が済んでおらんからな、今は情報収集のターンだ。大体貴殿らも不用心というモノだぞ。ジジェ、と言ったか。こんな往来で軽々しく聖杯戦争、ひいては魔術について語るのはだな……」
クドクド、というオノマトペが似合うような口調で注意をしようとするヴィクトルの言葉に、ジジェは露骨に嫌そうな表情を浮かべた。>>257
「仕方ネーダロ、じじぇハ元々魔術師トカデモねー単ナル泥ミテーナどらごんナンダシ…アッ。今ノなし」
なにやら気になる事を思わず漏らしてしまったらしいジジェ。”ドラゴン”という言葉に強く興味を引かれたヴィクトルだが、今回は聖杯戦争である。まずは敵対関係から始まった訳ではないマスターと距離を縮めておくべきだろう、と聞こえなかったフリをする事とした。
「まぁいいだろう。故に王は、貴殿らと会食でもしたい、というのが主目的となるな。……因みに。王はそれなりに”持っている”ぞ?なので貴殿らに対して奢る事には何の躊躇も無いが、どうだ」
挑戦的なまなざしで上からの交渉をするヴィクトル。彼は王であるが故に下手に出る事はせず”自分が提案”し、”相手が受け入れる”という交渉を好む。
顎に手を添え、値踏みし見定めるような視線を向けられたジジェは若干の居心地悪さとくすぐったさに身じろぎをし始める。
「イイサ。乗ってやろうじゃねぇかよ、あんちゃん。儂は結構ガッツリ食っちまうんだが、文句はねぇよな?」
マスターが世間知らずであるという認識がある為、まずはサーヴァントたる自らが交渉のテーブルへ乗るべきだろう、と判断した塵塚怪王。情報交換への意欲はあるが、同時に現世を楽しみ、ジジェにも初めての人間界を満喫させるべきだろうなぁ……と考えながら、食事の奢りに全力でのっかり、あまつさえタカリをしようとする鬼王なのであった。
「よし、決まりだ。貴殿らとの情報交換の結果によっては、最終決戦までを目安とした同盟を組む事もやぶさかではないぞ、王はな」
「アン?結局、交渉スル事ニスルノカヨ。マ、じじぇハ文句ネェゾ。うまイもん食エルナラ、尚更ダ」現在の俺の脳内はバレンタイン絵を最優先にしたい俺、船SSを進めた方がいい俺、どうせバレンタインなら裂ムジ描きてえなァ…!!ってなってる俺に分かれて混沌を極めていた
まあバレンタイン絵最優先にしますが
>>259
おぉ、また新たなサーヴァントの姿が…!最初に真名まで判明するのがエクストラクラスなのは結構新鮮で良いですね…
ヴィクトルさん俺は王だっていう某ギャンブラー神父的メンタルの割に柔軟だったりスラム街の子供思い出して苦笑する部分あるの好き。少なくとも暴君メンタルではないという説が有力です
このまま召喚後普通に共同戦線を組むのか、それとも上手くは行かないのか…楽しみっすね
>>260
ありがとうございます…!中世聖杯戦争(仮)、超短いですけど投下します。
真尹津市赤十字病院前
夜の病院前は閑散としている。遠くの方で聞こえるサイレンの音だけが駐車場に響き渡っていて、自分の足音が聞こえるんじゃないかと赤峰は心配していた。おぼつかない足取りで青砥と永緑を追跡する、先程青砥が放った台詞から推察するに彼等は自分が知らない所で何やら良からぬ事をしているらしい。
それがどんな悪業なのかは見当もつかない、しかし知らないからと言って見逃していい訳じゃない。仮に彼等が反社会的な世界に身を置きつつあるのならば幼馴染としてそれを阻止してみせる、たとえ自分の身に危険が及ぼうとも。
青砥と永緑は二人だって帰り道を歩く、談笑しながら帰る二人を遠目に眺めているとなんだかお似合いだなと思ってしまうのと同時に、二人とも随分と遠い存在になったものだと思い知ってしまう。>>263
青砥は昔から他の人とはどこか違うと思っていた。浮世離れしているというか、住む世界が違うと言うか、生まれながらにして立っているスタートラインの違いを感じずにはいられなかったのを覚えている。だから赤峰は先程の「お前には関係のない領域」という青砥の発言は然程驚きも感じなかった。小さい頃から抱いていた彼との違いが今更言語化されたからとてショックを受ける訳もなく、「そりゃそうか」とすんなり受け入れる事ができた。
だが受け入れられなかったのは、自分と同じ世界観に居た筈の永緑が青砥と同じ秘密を共有している事だ。彼女は幼少期は赤峰と同じで何でもないただの孤児だった。いつの頃だったか教会に引き取られてからは音沙汰もなくなったが、現状を鑑みるにそこで何か特別な出来事があって、紆余曲折の末に青砥と同じ立場に立つに至ったのだろう。
はるか先で並び立つ二人の後ろ姿、それを追い縋る自分。
この構図は赤峰の心情のようだった。>>264
自覚こそしていなかったが、彼は焦燥に駆られていたのだ。二人は自分の知らない所で成長し知らない世界で大成してゆくにも関わらず、自分は何者にもなれず、哀れな身体欠損者として特別障碍者手当を頼りに生き永らえる人生。
そんなのあまりにもあんまりすぎる───
麻酔が切れたのか失った腕が痛む。痛みに顔を苦悶で歪ませながらも前へ進む、彼らに置いていかれないように。
やがて青砥と永緑は二手に分かれたので赤峰はどちらを追跡するか思案する。
1.青砥を追いかける。
2.永緑を追いかける。>>260
ヴィクトルさんは精神性が全くブレないし、ある種シンプルな思考回路だから書き易いっすねぇ……。
なんだかんだウチの子では珍しいヒーロー属性持ちなのもあるから、ガンガン書いていけそうな楽しさがあります
>>261
>おぉ、また新たなサーヴァントの姿が…!最初に真名まで判明するのがエクストラクラスなのは結構新鮮で良いですね…
アレ?ジジェが召喚した時に真名の開示はしてたような……(確認中)して無かったわ。召喚時に自己紹介してた事にしようそうしよう。
>ヴィクトルさん俺は王だっていう某ギャンブラー神父的メンタルの割に柔軟だったりスラム街の子供思い出して苦笑する部分あるの好き。
ありがとうございます!!ヴィクトルには強さと賢さと優しさを併せ持つ独裁者、って感じの個性で主張させてあげたい。
>>266
モノローグやそれまででの交流的には青砥くんを追いかけるのが自然な気がしますんでそっちで>>266
まるで主人公みたいな一歩だぁ…がんばれカケル…
『青』との対面は一度やってるので次は『緑』の番かと
というわけで私は2に一票ですそろそろサムレムコラボのネタバレ解禁ですが―ー―ーネタバレの貯蔵は十分か
〇ライネメイデンズ(Rhinemaidens)
アインツベルンを去った第三の魔法使いの弟子たちの一人が鋳造した、人造生命。
ヴォークリンデ、ヴェルグンデ、フロースヒルデの銘を与えられている
当然ながら“ライン”の由来はアインツベルンの『ラインの黄金(グラス・オリジン)』
※魔術特性を持った魔術回路が受肉したホムンクルス(イリヤの『願いを叶える』)≒童話がカタチになった妖精≒魔女、の不等号もちょっと混じる
>>250
ここのえは不定期で魔女というワードに惹かれるものがあり…
>>259
ふっ、おもしれー王(ヤツ)
というのはさておき、肝心のマスター二人が策謀できなさそうでこういうのもアリですね
>>266
なにぃ!?なんて鬼畜な二択を出すんだ…!などと言いつつ、ここのえは「1.青砥を追いかける。」派
この話のヒロイン枠は青砥君っぽい感じがするので>>269
ジジェはまぁアホ(というか世間知らず?)なので策謀は無理ですが、ヴィクトルはちゃんと頭脳労働できますんで!!!(作者の自分がそういう聡明さを描写できるかはおいておいて)
この二人は自分の能力ゴリ押しなバトルスタイルの方が強いのも確かですが>>215
重症化してなさそうで何よりですが、どうかお大事に。
ちなみに、獣国はどんなサーヴァントが推奨ですか?
>>217
探検家として世界各地を渡り歩いてるマグダレーナとか、商談とかで居てもおかしくないアンジェリーナとか……といった所でしょうか。
ただ、調律となると設定次第ではあんまり役に立たないかもしれませんね。
>>221
三者三様のヤバい家系……というか、長女の時点で家を継ぐには十分なスペックだろうに、何で親は(長男を抜きにして)三人も産んで……?
>>227
こっちもヤバい母親が……とはいえ、封印指定ギリギリなようにも見えますし、最悪執行者にどうにかしてもらえるかもしれないだけ、まだ安全な方と言えるのがこのスレのヤバい女性達の層の厚さだったりしますけど。
>>259
普通なら霊地を選ぶ所、敢えて己のルーツに近い場所を探す所にらしさを感じますね。
>>266
主人公ルートか、それとも闇堕ちフラグか……どちらにせよ始まりからして過酷過ぎるんですけど。
お見舞いが数千歌君メインだったので2に一票入れますね。今日のバレンタインドリトライ版進捗 ドリトライ版ってなんだよ
>>266
心が強ぇ一般人なのか…!?
それはともかくその覚悟に至る理由と覚悟の強さは凄い物だし尊敬するけど一歩踏み外すと絶望に真っ逆さまだぞカケル君…!!
ここは色々怖い中まだ穏便に済みそうな緑の方に一票入れます…ゆる募。
鯖のチョコorお返し礼装SS獣国についてマトメターノ
まず監獄長、島術さん、アリウムさん、レージュさんには引き続き参加していただきたく存じます。
次に募集したいのは異聞帯突入前からカルデアに居たサーヴァント一騎か二騎。これは出来るだけ正統派なキャラが望ましいです。
そして現地で召喚するサーヴァントが二騎。こちらは出来れば一人ステゴロが強い人が欲しいです。
次に尾裂シリーズですが新メンバーで新たに作り直そうかなと考えてます。と言いますと実は後半に尾裂シリーズを絡めたギミックを考えてましてその際に自分の作った子達の方が愛着も枠かなぁと思います。
これについては皆さんにどうするか判断を仰ぐ形にはなります。
最後にリレーが始まる前に裏ページ等で参加する方々にある程度異聞帯についての情報を共有しようかと考えてます。
多分前回中々進まなかった理由の一つに私がTRPGのシナリオを作る感覚で回してたから情報収集して開示してをやってテンポが悪くなってた節があると思うのです。
なので『獣国異聞帯がどのようにして出来たのか』と『異聞帯ミリアルカの謎回避のタネ』辺りを先に共有しようかな、と。
現在参加希望してくれてるのは
京極さん(自来也or許褚)
ここのえさん(ファヴニール、藤原頼通、ビーシュマ)
ロバートさんが推奨サーヴァントを聞いてる段階ですね。>>277
ふむふむ…見るにこれ児雷也難しそうだな…
なら現地召喚組の1騎でステゴロ側に許褚を推薦したいです
舞台は獣国って事なので、許褚は元農民かつ牛引っ張った逸話とかもあって猛獣相手はそこそこ行けそうと思うので結構合うんじゃないかなと。>>278
そうですね。出来るだけリレーにも参加していただきたいです。
ただ潜影のハサンの回想で前に異聞帯に召喚されてたけど倒されたサーヴァント達としてのスポット参戦ならOKです。イメージ的にはアトランティスやオリュンポスでカルデアが到着する前にやられてたサーヴァントみたいな感じです。その中で生き残ってたイアソンやカリギュラポジションが潜影のハサンという訳です。
>>279
これは正統派っていう書き方が悪かったですね。正確には『これから異聞帯に突入するぞって時に連れていくのに違和感のないメンツ』です。
例えば向こうがどんな環境かも分からないのにヴォーパルバニー・ジャバウォックみたいなナマモノや師曠ちゃんみたいなクッソピーキーなサーヴァントは選ばんやろ的なニュアンスです。昨日の投票の結果、永緑の方に進むことが確定となりました。
では中世聖杯戦争(仮)、投下します。「……永緑を追いかけよう」
そう一人で呟いて彼は右手の道へ進んだ。彼女を選んだ理由は単純に彼女の今の素性を知りたかったからだ。数年前まで自分と同じ側の人間だった彼女に一体何があったのかを明らかにしたいというほんの些細な興味からだった。
彼女が視界から居なくならないでかつ近すぎない距離を維持しながら、赤峰はゆっくり移動する。電信柱や街灯など身を隠す遮蔽物は多いので隠密行動はさほど難しくはないが、石畳の床が音を消して歩くのに不便でならない。
ドイツの田舎街と姉妹都市を結んでいるとは知っていたが、こんな所までヨーロッパに寄せんで良いだろと思いながら進む。
向かう先は恐らく修道院だ。真尹津市高級住宅街の中央部にある小さな修道院は、その周りを大きな家に囲まれてる為か見た目以上に窮屈そうに見える。
そこは昔から孤児の受け入れをしていて、親から愛されなかった者ややむを得ない都合で親と離れて生活しなければならない者達が一手に集まり集団生活をしている。
永緑は赤峰と同い年だから年齢は十七歳、彼女は学生であるので厳密には志願期───修道女見習いの時期───である筈だ。なので基本的には修道院で清貧な生活を徹底している。>>283
永緑は地下鉄に乗って高級住宅街の駅で降りるが、丁度帰宅ラッシュの時間帯と被ってしまったせいで赤峰は駅前で彼女を見失ってしまった。
走って捜そうにも身体が思うようには動かないし、周辺を見回しているうちに彼女との距離はどんどん広がってしまう。万策尽きたとはこの事だった。
とりあえず先回りしようと修道院までのルートを携帯で調べようとしたが、先日の放火事件で焼けてしまったのを思い出すと仕方なく歩き回って修道院を探す事にした。
着の身着のままで外へ出たので入院着の上からジャケットという奇妙なスタイルでで歩いている赤峰は、流石に住宅街の駅前では目立ち過ぎると判断したのか逃げるようにして駅を後にする。
高級住宅が建ち並ぶこの区画に赤峰はあまり足を踏み入れた事がない。何だか自分とは縁の遠い場所だと無意識で避けていたところがあるのだろう、土地勘も無い中をあてもなく歩く、歩き回る。
かれこれ一時間弱は歩いただろうか。
平時ならばこれくらいなんて事ない筈なのだが、怪我をした身体は彼が想像していたよりもずっと重たかった。街中を徘徊するゾンビになった赤峰はやがて閑静な公園へと辿り着いた。
何もないだだっ広い公園で木々が公園を覆い隠すように植ってある。時間帯が夜というのもあって子供の姿は一切見られないし、そもそも遊具の一つもないので、日中も閑散としているのだろう。>>284
何の変哲もない公園と通り過ぎようとしたその時、微かにではあるが永緑の声が聞こえた気がした。
「……こんな夜の公園に何の用があるんだ」
そう言葉を溢すと赤峰は音を立てずに公園の中を覗き見る。
するとそこには永緑の姿があった。隣には見知らぬ外国人がいる。物々しい雰囲気を纏った巨漢は神妙な面持ちで永緑に話しかけている、彼の右手には大きな得物が握られていた。
何を話しているかは遠すぎてよく聞こえないが、声を荒立てて話す永緑の様子から察するに穏やかな話ではなさそうだ。
もう少し近づけば会話の内容も聞き取れる、そう思って近付こうとしたが怪我を負った身体は限界だったらしい。
音も立てずに接近しようとした赤峰の身体は自分自身の体重移動に耐えられず倒れ込んでしまう。
「────誰だ」
永緑の隣にいる男は怒気を滲ませた声で叫ぶ。何事かと思った永緑の目に映ったのは病院着で公園前にへたり込む赤峰の姿だった。
「カケルっ!?」
まずい、そう思った赤峰は全速力で公園から逃げ出した。何故逃げたのか赤峰は理性では説明できなかった、本能が逃げろと訴えかけていたのだ。>>285
永緑の隣にいた男の殺気は紛れもなく本物だった、先日出会したジャック・オーが放っていた危険さとはまた別種の恐ろしい気配を彼は纏っていた。
赤峰は自身の行いを心底後悔しながら逃げ続ける。好奇心は猫を殺.す、ということわざがあるように下手な興味本位は命を失いかねない事を思い知った。
「ヤバいヤバい、ヤバいっ」
後ろから永緑の声が聞こえた気がしたけれど何で言ってるのかさっぱり聞き取れなかった。この場を離れるのに精一杯の赤峰に聞く余裕なんてなかった。
走って、走って、走り回って。
肺が焼けつくように痛むけれどそれでも走り続けて、方向感覚もでたらめなままとにかく公園から距離を取ろうと必死になって駆けずり回った。
息も絶え絶えになったので一度立ち止まり、振り返る。後ろから公園の男が追ってくる気配はなく、静かな住宅街の闇が広がっているだけだった。
だが今の赤峰にとってそれは不気味な静寂だ。ホラー映画を観た後に風呂場で何故か背後が気になるように、たとえ何もなかったとしても心細くならざるを得ない。
完全に迷子になってしまった赤峰は不安な面持ちで周囲を散策する。ただでさえ土地勘のない区画を歩いているというのに先程の逃走で完全に帰り道が分からなくなってしまった。
「……どこだよここ、こんな場所真尹津にあったのか?」
気づけば高級住宅街からは離れ、空き地が散見される区画にまで来てしまっていた。
赤峰は知らないが此処は真尹津市の中でも発展途上な区画である。将来的には地域密着型のショッピングモールが出来上がる予定となった場所なのだが、工事は遅々として進んでおらず建設予定地には建設用の機材や材料が置かれっぱなしになっている。故にここに立ち入る人間はほとんどいない。いるとしても工事の関係者が大多数で、後は人目につかないのを良い事に不法で居住する浮浪者くらいだろう。>>286
赤峰は近くにあった手頃な建設現場に忍び込む。先程の男が追跡してくる可能性は否定できず、不用意に人目につく場所に出るのは良くないと判断した彼は此処でしばらく時間を潰すことにした。
大きく溜め息をつく。
今日はなんて長い一日なんだろう。
思えば先日からずっとおかしな事ばかり起きている。ジャック・オーとかいう頭のおかしい奴の放火事件、青砥邸巨大隕石落下事件、そして永緑の隣にいた謎の男。
(これ全部が繋がっているのだとしたら迷惑もいいところだな。)
少なくとも科学では到底説明できない現実離れした何かが起きていて、青砥や永緑はそれに何らかの形で関与しているのは間違いなさそうだった。
赤峰が想像していた以上に彼等の世界というのは深く暗かった。赤峰一人が足掻いたところで何一つ事態は変わらないほどに。>>287
たった一人で暗闇の中で思案していると突然外から大きな物音がした。何か大きな物が高いところから落ちたような音にビックリして、恐る恐る工事現場から音のした方を覗き込む。
そこには二人の人間がいた。
一人は薄桃色の頭巾を被ったロリータファッションの女で、もう一人は堅牢な鎧で身を包んだ巨漢だ。道路のど真ん中には大きなクレーターが出来、その中心でロリータの女が呻き声を上げてうずくまっている。
現場の状況から考えるに、鎧の大男がロリータの女に危害を加えたという事になるのだろう。不可解なのは道路にクレーターが出来る程の衝撃を受けたのにも関わらずロリータ女がまだ生きていられている事くらいか。
立て続けに鎧男は手に持ったメイスを振り回して女に叩きつける。ボウリング玉程の鉄球が先端についたメイスに直撃したロリータ女はもの凄い勢いで吹き飛ばされ、赤峰が潜伏していた工事現場に突っ込んできた。
「うわぁあっ!!」
弾丸のように突っ込んできた女、降り注ぐ鉄骨の雨、それら全てに驚愕し逃げ惑う赤峰。
公園の男から隠れる為に潜んだ場所は突如として異常な戦場に変わった。
舞い上がる土煙に咳き込みながら瓦礫の山を見やる、女はなおも五体満足であったが最早抵抗する力も残ってないらしい。
ふと、その女と目が合ってしまった。
「お願い─────助け、て」
鎧の男に見えないよう隠れていた赤嶺に対して、女は微かな声でそう言った。彼女の目は潤みを帯びて、今にも泣き出しそうな顔を浮かべながら。(助けろったって…こんなの俺にはどうする事も出来ないだろ。)
そう悩んでいる間にも鎧の男は女を追い詰める。ゆっくりと工事現場の入り口から現れた男は間近で見ると予想以上に大きかった。二メートルはくだらない巨大な体躯に生半可な攻撃は無効化してしまう鋼鉄の鎧、真面に戦っても勝率は皆無だ。
幸い彼は赤嶺の存在に気付いてはいない。このまま息を潜めていれば彼はロリータ女を殺.して去っていくだろう。
このままあの女を、見捨ててしまえば───
「っをおおおおおお.おおおおおおあっ!!」
考えるよりも先に震える脚が前に進んでいた。
恐怖を紛らわせる為に上げた雄叫びが現場に響き渡る。
何事かと振り向いた鎧の男は突然現れた赤嶺に驚きながらも、男の横を通り抜けようとする乱入者を確実に殺.す為にメイスを振り上げる。狙うは赤峰の頭蓋、当たれば死は免れない超質量が降り注ぐ。
「──────超えろ!!(────over!!)」
そう赤峰が呟くと、彼の身体が急に加速する。加速自体は大したものではなかったが、彼の接近を迎え撃つ様にして振り回されたメイスはその転速に対応し切れず空を切る。
そして滑り込みで女の元へと駆け寄り背中に乗せると、息つく暇なしに鎧男から走り去る。
ショッピングモール建設予定地の工事現場は実に広大な鉄のジャングルだ。鉄骨と青い防水シートで覆われた骨組みの城を二人で駆け抜けてゆく。>>289
「うあーーーーーっ畜生!最近めっちゃ厄日っ」と涙目で叫ぶ赤峰の顔を見て、ロリータの女はか細い声で笑った。
「あーあ馬鹿な人、見捨てれば良かったのに」
「アンタが助けてって言ったんだろうがっ!」
「あんなの咄嗟に出た命乞いよ。まさか本当に助けてくれるだなんて、誰も思わないじゃない」
後ろから鉄が折れる音が聞こえてくる。鎧の巨人は大きな身体を無理やりねじ込んで路を作りながら二人を追い掛けて来ている。
絶体絶命の状況にもかかわらず女は実に落ち着いた様子で赤峰におぶさっていた。肝が据わっているとでも言うのだろうか、先程まで死に瀕していたというのに驚くべき胆力である。
「ねえ、どうして私を助けてくれたの?あのまま息を押し殺してれば絶対助かったと思うけど」
「───頭より先に身体が動くタイプなんでね。それに今ここで逃げだしたら、次友達と会う時に腹の底から笑えないなって。そんだけっすよ!」
知らない人相手だから言葉を濁したが、彼の脳裏に浮かんだ友達は勿論青砥と永緑の二人だ。
自分の知らない世界を直走る二人に置いていかれたくない、此処でロリータ女を見殺しにして仕舞えば今度こそ本当に彼等と逢えなくなる気がした。何故だか知らないけれどそれだけは確信じみていたから、彼はちっぽけな勇気を奮い立たせる。
その掌の中にはまだ何もないけれど、二人に胸を張って並び立てる自分でありたいから。>>290
「……何よ。近年稀に見るイケ魂じゃない、これはもしやチャンスか?」
背中からやたらトーンの低い小声が聞こえたので赤峰は吃驚して振り返るが、そこにはゆるふわの彼女しかいなかったので聞き違いだったのかもしれない。
「勝手に巻き込んでおいてなんですけど、この状況を打破する唯一の方法があるって言ったらどうしますー?」
「そんなの─────」
組み上がった鉄骨がひしゃげ、資材は吹き飛ばされる。
工事現場の比較的開けた場所に出た鎧の巨人は、その先にロリータの女が居るのを確認し鼻を鳴らす。さながら鉄の皮膚を纏ったケモノだ。
ロリータの女は巨人を迎え撃つ準備は出来ているらしく、憮然とした態度を崩さない。
その傍には赤峰カケルが立っていて、もう逃げるつもりは無くなったのか決死の表情で鎧の男を睨んでいる。
その左手に赤い令呪を煌々と光らせながら。
「──これで契約は相成りました、マスター指示を」
ロリータ女は両手をふわりと前に出すと、その指先から柔らかい色の光が灯り出す。
「あぁ、あの鉄仮面をブチのめせ。キャスター」
緊張したのか声を震わせながら赤峰は命令すると、ロリータ女もといキャスターは「了解でーす⭐︎」と快諾する。あー結局なにも書くことも無く一週間寝太郎だったなぁ。
今からでも何かアイデア募集して書こうかしら。何かこのキャラの話がみたい的なリクエストありますか?
>>293
いいぞォカケル君!そこで走り出せなきゃ物語の主要人物にはなれない!嘘です無茶しないで…。でも死なない程度に無茶して♡(支離滅裂)
ノルデンリーニェ、一体何者なんだ。ノルデンは確か北とかそんな感じの意味でリーニェ……リーニエだったらドイツ語で線って意味だけど果たして…。
>>294
ありがとうございます!カシンチャンカワイイヤッター
これであとは監獄長とアリウムさんとレージュさんからの連絡待ちですね。
あと島術さん的には>>277の尾裂シリーズの作り直しについてはどのような意見でしょうか?ではでは船長室侵入事件の続きをぽいぽい出していきます
「まったく……若い子というのはなにをするか読めませんね」
ポチ先生がぷりぷりと怒りながら前を歩く。後ろをついていくペルカは意気消沈といった様子だった。それもそのはず。
「いっぱいおこられた」
「誰でも怒ります。危ないことをしたのですから」
虹色に輝く独楽型ダイオウイカを蹴っ飛ばしてご満悦だったペルカは、その場にいた大人たちに目いっぱいお説教を受けたのだった。
危険なことをするな、大人を頼れ、待てば騎士団の連中が来ていた…………まあ大体はそういった内容のお説教。
なぜあんなことを、という内容のものもあったが、これに関してはペルカが「内なるウサギ心が抑えられなかった」との発言を繰り返したことで追加のお説教に変わった。それもすぐに感謝の言葉を添えて終わったのだが。
「早めに解放していただけたのです。早く学園に行きましょう」
「ほぇ?」
「ほえ、ではありません。いつまでもそんな格好でいるわけにもいかないでしょう」
現在ペルカは健康診断の際に使用していた検査衣にテキトーな上着を引っかけただけの姿をしている。ちっちゃな足に履かれているのも急場しのぎで用意された子供サイズのサンダル。海水浴用だ。
まるで病院から脱走でもしてきたかのような格好をしているが、とくにこれはペルカに対する嫌がらせなどではない。ペルカの検査を担当した者の圧倒的配慮不足、ただそれだけである。
「ああ、もう。局長さんも着替えぐらい用意してくれてよかったでしょうに」
「局長さん?」
「ペルカさんの検査を担当した方ですよ。生活管理局長マリアゴールド・ベル・レベル。わかりやすく言うと、偉い人ですね」
「えらい人なんだ」
「偉い人です。頻繁に道徳心や配慮を置いてけぼりにするのが玉に瑕ですが」>>302
「それはえらい人でいいの?」
「偉い人なんです。一応」
「そっかー」
「その人の一存だけで、ペルカさんの生活のお世話をする人を手配できるくらいには、偉いんですよ」
「……え? わたし、お世話される?」
「メイドさんに来てもらってます。学園で待っていますよ」
「…………めいど???」
「本日よりペルカ様のお世話を仰せつかりました、A-061Sです。よろしくお願いいたします」
「ほんとにメイドさんだ……」
そこにいたのは紛うことなきメイドさん。背筋をピンと伸ばし、おへそのあたりにきれいに添えられた手がとっても様になっている。
ペルカのうっすらとした知識ではメイドさんの服装というものは白っぽいイメージだったがこのメイドさんはなんだか黒っぽい。全体的な黒と、薄い赤がまとまったメイド服は、似合っていると思った。
似合ってはいるが、表情がぜんぜんもうまったく動いていないのがペルカは気になった。メイドさんは笑わないのだろうか?
あと名前もなんだかヒトっぽくない気がする。
「ペルカ様にいくつか注意点がございます」>>303
「あえっ、はいっ、なんでございましょ」
「我々は群生型オートマトン『アルシオネシア』となります。したがってまったく同じ顔の機体が複数存在します。その点をご承知ください」
「え? んん、はい。え?」
ペルカはなにを言われたのかよくわからなかった。このメイドさんのあんまりヒトっぽくないしゃべり方は慣れてないからか聞き取りづらい。聞こえすぎて持ち主がびっくりすることもあるこのペルカイヤー(ただの耳)をもってしても聞こえにくい。難解。
「次に、ペルカ様は当該機体ごとの呼称に不慣れと思われます。不自由に思われるようでしたら、新たに愛称をつけていただいても構いません」
「名前つけろってこと? どんなの?」
「例をあげますとサラサ、ミミタン、アジン、様々です。とくに命名法則はありません。ご自由にお決めください」
「ふーん……」
「もちろん強制ではありません。A-061Sとお呼びしていただいても結構です」
「じゃ、ムイムイにしよう」
「かしこまりました。ただいまよりA-061Sは愛称"ムイムイ"として稼働します。よろしくお願いいたします」
決まった。
思いつきを言ってみればそれで決まってしまった。
本当にこれでいいのかペルカとしても気になりすぎるところだが、決まってしまったんならもう仕方ない。「やっぱやめた」はなによりも失礼だ。
「それでは、最後の注意点となります」
「あい」
「A-061Sムイムイはペルカ様の生活をすぐそばでお世話させていただきます。これにはペルカ様自身による最終的な了承、認証が必要です。よろしいですか?」
「??? つまり???」>>304
「あー……つまりですね、これから一緒にいていいですか? 仲良くしてくれますか? という確認です」
と口をはさんだのはポチ先生。ここまでのやりとりをしっぽをゆっくり振るだけにして見守っていたが、ここは言っておいたほうがいいという判断らしい。
さて。仲良くしてくれますか? とくれば当然そんなの仲良くしたい。お世話をしてくれるというのなら、なおさら。
内なるウサギ心だって今すぐにも跳ねとびそう。
…………でも。
「……んぅ」
即断即決、とはいかなかった。
ありていに言ってしまえば迷ったのだ。ためらったと言ってもいい。
『この人は、こわい人じゃないだろうか』と。そんなことを考えて、考えたから迷って、ためらった。
なにもおかしな話ではない。初対面の相手と一緒にこれから生活すると言われれば警戒して当たり前。むしろ警戒しないほうがおかしい。
ポチ先生もA-061Sもそれはわかっている。そんな簡単にはいかないことくらい知っている。
だがペルカはわからなかった。
人に近づくことはおそろしいと、今初めて肌で感じた。
その気になれば空だって踏めちゃうウサギキックも、人との距離を踏んで埋められるものじゃないらしい。
「すぐには、決められませんか?」
「……その、わたし、は」
「迷うのは当然です。環境の変化を受け入れる決断というのは、とても難しい。教師の私も答えをあげられるものじゃありません」
「…………」>>305
「ですが迷う時間だけはあげられます。これから学園を見学しましょう」
「……けんがく?」
「はい。制服を着て、生徒になったつもりで学園を見て回るんです。いろんなことを決めるのはそれを見てから……ということで、どうでしょう?」
「…………ん」
迷ったときと同じような反応。けど頷きと一緒に出たそれは肯定を示すものだと、ポチ先生は教師の目でしっかりと確認した。そして、A-061Sに声をかける。
「よかった。それでは私は外に出ていますので、ムイムイさんはペルカさんに制服を着せてあげてください」
「かしこまりました」
「それでは」
そう言ってひとりで室外に出ていくポチ先生。後ろ足で立って前足で器用にドアを開ける姿は大変に愛らしいものだったがペルカは見てもいない。残念。
すでにその視線はA-061S───ムイムイの抱えた真新しい衣服に注がれている。
興味津々である。ペルカ風に言えばウサギ心が躍動している。
「では、お着替えの時間です」>>306
「これで、お着替え完了です」
「おお~!」
ぴかぴか新品の制服に身を包んだわかりやすくテンションを上げて跳びはねる。上がりすぎて天井に頭をぶつけた。見るからに痛い。
ペルカが着ている学園制服は白を基調に青いラインの入ったもの。わかりやすく言うと水兵さんの着ているアレ、すなわちセーラー服である。
この制服は全学年共通のもので男女差もズボンかスカートか、というほどしかない。首元のスカーフは万国対応型の翻訳礼装らしい。
『船』には国境線というものがない。そのため乗船する人々の国籍もさまざまであり、当然彼ら彼女らが扱う言葉も多岐に渡る。そのためこの翻訳礼装というものは『船』において必要不可欠なんだとか。
その場その場に応じた多種多様な翻訳礼装が存在しているらしいがペルカはよくわからないのでそのまま流した。
そんなことより今はこの制服である。
「おおっ、よく似合っていますね」
着替えが終わったと聞いて入ってきたポチ先生からもこの一言。似合っている。なんてすばらしい一言。とぉっても気持ちいい。
「ムフー」
両腕を腰に置き、背筋を伸ばして胸を張った。ペルカの全身を見せつける堂々たるポーズ。
さきほどまでの迷う様子もどこへやらだ。ウサギ心と一緒に乙女心も刺激されているペルカは放っておけば鏡を探して駆けだしてしまいそう。
そうなってしまう前に、
「やる気充分なようなので、見学に行きましょうか」
「はー、んぇ?」
そこで、ペルカの足が止まった。
両目をかっぴらいて言葉もなく自分の足元を見つめている。>>307
「どうしました?」
「なんか出てる」
「はい?」
ペルカの指の先にある床から、なにかがぷくりと浮かんできていた。
それは見るからに小さい。三人が見守るなか浮かんできたそれはほんの少しだけふくらんで、そして弾ける。
「ペルカさん。これはなんだと思いますか?」
「え? えー……泡?」
「はい。泡です」
泡だったか。それなら浮かんでくるのもふくらんで弾けるのも納得納得。ここ別に水面じゃないけど。なんなら学園の床だけど。それでも泡が浮かんでくるらしい。
なんで?
「なんで?」
まったくわからないので聞いてみた。
「この学園が海の上に建っているからです」
もっとわからなくなった。もしかして海の泡って船体を貫通するものだったのかもしれない。
ペルカが頭を右へ左へと傾げているとポチ先生が追加の説明をしてくれる。
「ええっとですね、まず、この『船』の中には海があるんです。……ああ思考を止めないでください。ほかに言いようがないのです」
「そんなことを言われても」
「わからない、ですよね……クゥン……教師失格です」>>308
ポチ先生の耳がぺたんと下がってしまった。悲しませてしまって申し訳ないがペルカもわからないものはわからない。
「ポチ様、どうか落ち込まないでください。ペルカ様、考え方を変えてみてはいかがでしょう」
「どーいう感じに?」
「海ではなくプールだと思いましょう」
「プール?」
「プールです。それも大きくて豪華でいくらでも遊べるプール。そんなプールがおっきな船には付き物です」
「そうなんだ」
「はい」
「水族館みたいにもなっています」
「水族館!」
「海底トンネル風に見ることもできるとか」
「海底トンネル!」
「まとめてしまいますと海底トンネル風水族館付き豪華プールというわけです」
「海底トンネル風水族館付き豪華プール!」
いろいろ違う。ポチ先生はそう思ったが教師たる身でありながら自分の解説は理解してもらえなかった。この場ではもはや何も言えない。
まあ本格的な説明なら学園の授業でも触れるし今はいいか……そんな妥協をしている間にも多分に誤解を含んだ理解が深まっていく。>>310
「それが学園の下にある?」
「あります。豪華ですので泡も床から浮いてくるのです」
「おぉ……」
「床下一枚向こうには水の楽園が。これぞロマンです」
「おおぉ……!」
どんどん実態からかけ離れてきた水の楽園とやらにペルカはすっかり目を輝かせてしまった。訂正にも一苦労しそうだ。
実際に見せてしまえば話が早いのだろうが、学園の下は、『開かずの海』はごく一部を除いて全船員立ち入り禁止の場だ。見学なんてできるわけがない。
これは困った。さてどうしようか。ポチ先生がそんな風に悩みながらちらりと視線をペルカに向ける。当のペルカは、右足を大きく振り上げている。頭と同じくらいの高さまで。
視線を浮いてくる泡に向けたまま。
「はっ?」
「せーーーい!!!」
止める暇もない。ペルカはその右足を泡に向かって振り下ろした。
───ばぎん
そんな音が聞こえた。>>297
可愛いがいっぱい!(語彙力の欠如)
頭のやつ(ホワイトブリムだったかな?)の模様がそれぞれのキャラを表しててとてもGood
それはそうと京極さん、裏ページの方にちょっとした新設定を載せましたので一読お願いします。
>>299
ふむふむ、風花ちゃんと小夜子さんが朽崎遥に出会う話。WASPとクッチーが会うってそれ限りなく戦場に近いシチュエーションになるのでは?うむむ、それ以外の場で会うにはどうすれば…。
>>309
了解です。続投組の方はフルリメイクするか軽くブラッシュアップするか選べるようにする予定です。
>>313
う、兎ぃぃぃ!どうしてそんな所で思い切りがいいんだ兎ぃぃぃ!ポチ先生の胃はどうなる!?そろそろ集合絵の新しい構図考えないとな…つーか立ち絵分割方式をそろそろ脱却したい
そして絵完成って事で俺もバレンタイン鯖SS募集したいなと思います。
p.s. 裂ムジにあたって裂夜君にエレキベース趣味の設定を生やしたいと思ってる
>>296
そうですね…優先度は低めで大丈夫なんですが、よければネムレスとかルファス君辺りを見たいなと
>>300
「はーとまーく?…よくわかんないからとりあえずこんな感じでやろー!!」的な感じで指ハートをやるペルカちゃんって感じにしました。ペルカちゃんならやりそうだなっていう俺のウサギ心を信じましたがOKそうで良かったです
相手が確定してるムジカちゃんだけ明確にラブ(服装の細部とか一部色に裂夜要素アリ)って感じで、それ以外の皆は割と普通にハート作ってる感じと思ってもらえれば
>>313
やりやがった!!このウサギやりやがった!!
最近の不良(笑)なリョーガ先輩を優に超えるヤバい行為でこれにはヤンキー(笑)なるリョーガ先輩も怖気付く
次回色々ヤバい事になりそうで楽しみです…!
>>315
シャリーちゃんとか瞳ちゃんペルカちゃん辺りが配色のバランス的にイメージカラーと少し離しちゃったかもしれんって所があったのでせめてとそれぞれっぽい模様考えて描く感じにしました。
ちなみにジャスミンちゃんの星マークはアインス先生のヒトデをイメージしてたり
>裏
了解です、今から行きまーす寝る前に、今まで登録してなかったSSの一部を登録してきましたー。
>>316
似てるというのはドラゴン要素がある、という点ですね。他は似てない(から面白そう)と思いそうです、クッチー。感想ありがとうございます!
>>296
ふふふ、この時点で彼女の真名が分かったらちょっとこっちがビビるくらいの慧眼ですよ。彼女もまたセイバーと同じくらいトンチキなのでみんな当てられない自信があります。
>>298
そうですねぇ、散々聖杯戦争から遠ざけようとしてた相手が参戦したって知ってどう思うか…楽しみですね…
>>300
やはり女が泣いてたら動かなきゃ物語の主要人物は務まりませんよ!あとキャスターについては割と登場前からマスターと仲最悪だった、って描写されてますからややクセ強な人物なのは確かですな。
>>314
フルネームだとムゥ・ノルデンリーニェちゃんをどうぞよろしくです。勿論別名はれっきとした中世ごろの偉人でございます。あ、あとよろしければ製作者様はお手数ですが、時間のある時にでも赤峰カケルと永緑恵のwiki登録の方よろしくお願いします。
今夜には聖杯戦争プロローグを書き終えられるはず、どうにか投下したい……。
このズルズルした怠惰にトドメを……!船長室侵入事件の続きがでけた
というわけで投下していきまーす秘海集積船。海の神秘を求め彷徨うこの巨大船舶が設立にいたった経緯は声高に語れるものでもない。細かい事情はいくつかあれど一言にまとめてしまえばそれは『成り行き』とするほかないのだから。
そもそもの始まりは海へ漕ぎだした魔術師と海に住まう魔物。この両者の邂逅にあった。
邂逅はそのまま魔術師と魔物の融合───あるいは合一という結果によって終わる。
後の世で船長と呼ばれることになる魔術師と、古の世からクラーケンと呼ばれ恐れられた幻想種がひとつになったイキモノ。それが『船』のすべての始まりである。
しかしここでおかしな話が出てくる。
魔術師、つまりは人間。
魔物、つまりは幻想種。
どちらともに生命であり、それがどう融合したところで人類種の生活環境まで兼ねた巨大船舶などに変化するはずがない。
人類種にとって都合のいい生命は存在する。だが人類種の要望を汲んで己の身体を差し出すイキモノなどいない。
人間が住処を得るならば、人間自らが生活環境を開拓していく他ない。
つまりどういうことかと言うと───
「ワタシみたいなのに住み着かれたのが運の尽きってコトだよねぇ」
ひとつのイキモノを『船』として開拓し始めた者が存在する、ということだ。>>328
傍目にはなんとも楽しそうな口ぶりで、金色の長髪を流した女がつぶやいた。
金の女はひとつの海を見上げている。透明な泡で出来たチューブ状の通路は360度のすべてをひろくひろく見せてくれる。浮き上がる泡、流れる蒼と透き通る光に彩られたこの景色は、絶景と言ってもいいだろう。
しかし唯一無二と言えるほど希少価値のあるものでもない。現代の科学でも海底トンネルという形で同じような景色を楽しむことは可能だろう。
この海が誇るべき希少価値はけして景観などではない。その価値はやはり、神秘にある。
ここは秘海集積船最重要区画『開かずの海』。
船体すべての基盤であり、魔術師と幻想種が育んだ固有結界であり、千年の神秘が集積する工房である。
魔術師として海に漕ぎ出た船長が、魔術師としての本義を果たせる唯一の区画。そう言っていいだろう。
『船』においては目的を達する上で必須の場所。それは同時に代えようのない急所であることも意味する。
まさに、最重要区画だ。
それ故にこの海域の立ち入りは原則禁じられている。
船員はもちろん一定以上の地位を獲得している幹部であっても容易ではない。
許可されるのは神秘の調査を目的に派遣される特殊調査隊。そして『船』の航海・運営を託された実質的な最高責任者のみである。
「同感だ。貴様に今この時間すら奪われている私も大いに同情しよう」
蒼い瞳をした男が冷たく吐き捨てた。白く、汚れひとつないスーツ姿はなんともこの場にそぐわない。
当然だ。彼は通常立ち入りを禁じられた区画になどいない。そのような場所で遊ぶ暇などない。なぜならば彼こそが『船』の実質的最高責任者だからだ。
「副船長くんはあいかわらず忙しそうだねぇ。そんな中でもワタシの呼び出しに応えてくれるんだ、大好きだぜ?」
「貴様を放置すればするだけ後から時間が取られる。いい加減、学習した」>>329
「わかってるねぇ、これが相互理解ってやつかな?」
「なにが相互理解だ。人の話を聞く耳など持たぬくせに」
「そんなことないよ~。今日だって君の忠告に従って、キミをここに呼び出したってのに」
「……またいつもの幻聴か」
「幻聴じゃなくて愛だってば。もぉ何度言ってもわからないんだねぇ、キミってやつは」
「わかるものか。愛など、たまさか上手くいっただけの呪いを都合よく呼び変えただけだろう」
「いいのかなーそんなコト言って? 後から恥かいてもしらないよー?」
「恥? なんの話をしている」
「キミだってご執心なモノがあるじゃないか。あの『人魚姫』とかいう───」
言葉が途切れた。と同時に金の女の首が宙を舞う。
蒼い瞳の男が振り抜いた杖によるものだろう。杖そのものが首を刎ねたのか、それとも"杖を振る"というシングルアクションで発動された魔術なのか、それはわからない。
それに注視する者がいない以上、その真相は海の底だ。今見るべきは、もっと違うものである。
蒼い瞳の男がはね飛ばした女の生首を掴んで、自分の顔の高さまで持ち上げた。そしてさきほどまでとなんら変わらぬ様子で言葉を続ける…………よりも早く、首だけの女が言葉を発した。
「おいおい、普通レディの髪を掴むかい? もうちょっと優しくしておくれよ?」
首だけになった女が喋っている。薄く笑みさえ浮かべて。
あり得ないことだ、信じられない光景だ。首と胴が別たれたイキモノなど死して動かぬのが当たり前であろうに。
しかし現実は変わらない。蒼い目の男も、金の女も、それを当然のものとして話を進める。>>330
「黙れ。人の形をしただけの泥が何を言う、触れてやるだけ有難いと思え」
「ん、ありがとう♪ で? この戯れにはなんの意味があるのかな?」
「会話なら首ひとつあれば充分だろう」
「そうだけどさ、本当にいいの?」
「何がだ」
「ワタシの身体から目を離しても、だよ」
首だけになった女が喋るのだ。首無しになった女の身体が動くこともまた受け入れるべきだろう。
事実、首と別たれた身体が自ら手足を操ってゆるゆると起きあがった。男の背後で身体の調子を確かめるかのように関節を無視した動きを数度、繰り返す。
背後にそのようなモノを置きながら、しかし蒼の男は振り返らない。視線を向けることすらもしない。
「ああ好きに動いてくれ。この場で何かしてくれるなら貴様を消す大義名分が立つ」
「立つわけないだろ? キミはワタシよりもよっぽど無能なんだから」
「そして貴様は私よりもよほど有害だ。駆除すべきだろう?」
穏やかさから離れたやりとり。しかしに言葉に熱はなく、冷えた思考から導かれた答えだけが交わされる。
人と会話するならばあってしかるべき最低限の敬意がない。尊重する意思を微塵も見せない。
虫の相手をしているようだ。どちらともに。
「そっかぁ。んん~……平行線だねぇ」
「なら速やかに要件を済ませろ」
「えぇ~? せっかく二人きりなのにぃ? もっとイチャイチャしようぜ?」>>331
「…………」
「あーうんうん話ね、話。そんな怒るなよぉ、せっかく副船長くんに注意喚起してあげるんだからさ。……つい先日、新しい子を受け入れたろ? 外の海に突っ立ってたウサギちゃんさ」
「それがどうした?」
「ぶっちゃけるとね、あの子は神秘を混ぜた病という形で爆弾を抱えてる。しかも感染するタイプだ。一度ドカンといけば逃げ場のない海上でバイオちっくなハザードが起きるかもね?」
「私が確認した限りではそのような特性は見られなかったが」
「そりゃ見せないように隠したのはワタシだからね」
ことも無げに金の女はそう言ってみせた。自分たちにとって致命的な爆弾をひそかに抱え込んだ事実を、世間話の延長のように口にする。
事実、彼女にとってこれはただの世間話なのだ。取引でも交渉でもない。ただ時と場所を選んだだけの、世間話。
級友の陰口を叩くような、その程度にしかない後ろ暗さで現実的な滅びの可能性を語っている。
「それとも安全のために封印したって言ったほうが安心できるかな? 監視用の人形も付けたから抜かりはないよ?」
「なるほど。また厄介事を持ち込んだから副船長である私にも予め知っておけと。そういうことだな?」
「そういうコト♪ ほんっと話が早くて助かるよぉ」
「だから貴様は有害だと言うのだ。……"病"とやらの情報を全て開示しろ。その上で判断する」
「もちろん準備はできてるともさ! じゃなきゃ副船長くんに話したりしないって」
「いいから───」
出せ、と続くべき言葉は直後の違和感にかき消された。
違和感はひどく小さく、か細いものだ。それこそ大海に投げ込まれた小石ひとつといった程度のもの。平時であれば物思いに流していただろう。
しかしここは『開かずの海』だ。>>332
自由な立ち入りを禁じられた『船』の最重要区画にして千年の神秘を蓄えた異界。
船員に課せられた規則云々を無視したとしても、この固有結界は侵入することそのものが不可能に近い。無論、例外的な出入口はあるが───
「"門"からの連絡は?」
「異常無し。密かに侵入しようとした痕跡も無ければ不自然な魔力の流れも無し、だ」
「完全に外からか。じゃあ穴探しという。副船長くんは他全部ヨロシク!」
言うが早いが金の女は首と首のない身体を同時に動かした。二つに分かれた身体は共に粘性の流動体となり、すぐさま一つへ戻った。
人間らしさを完全に失った姿のまま側面にある海へ飛び込み、そして一瞬で見えなくなる。
残された男も呆然と立ち尽くすような真似はしない。事態の把握と解決のために動き出す、が。
「…………船長?」
今日は珍しい出来事がよく続く。
局長からの呼び出し。開かずの海への侵入者。それに続いてまさかの───船長命令、とは。水に落ちた。
瞬間的に理解できたことはそのひとつだけ。それ以外はなにもわからない。
自分の状態。周囲の状況。現状に至る前後。そういったことは先の衝撃ですっぽり頭から抜け落ちている。思考は前後不覚気味に明滅して定まらない。つまりは絶賛混乱状態。誰の目にも明らかなパニックである。
「~~~~~~っ!?!!???!」
ペルカはなにもわからないまま手足をバタバタと振り回してもがいていた。
突然のことに叫びでもしたのだろうか、水中だというのにごぼごぼと勢いよく息を吐き出している。
手足も水中の……いや海中の流れをろくに掴めていない。ただ動かしているだけだ。
目を開くこともできず───開けたところでわかることなどいくらもないが───ただ海流に振り回されている。おそらく自分の上下もわかってはいまい。
こんな状況では自慢のウサギ耳だってなんの役にも立ちはしない。
極めつけにペルカは泳げない。カナヅチだった。
それでも自前の魔術で海中を蹴れるならばまだ望みはあっただろうが、目指すべき海面も見つけられていない以上そのような希望もあってないようなもの。
このままいけば遠くないうちにペルカはその身で海の恐さに呑まれるだろう。
このままいけば、だが。
「よっと」
そんな声がした。声とともに、太く大きななにかがペルカを掴む。
普通に考えればそれは人の腕だったのだろう。だが、小柄なペルカと比べてもそれはなんだか大きすぎる気がした。人間の規格ではありえないほどに。
溺れて気が動転していたからそんな錯覚をしたのだと、そう思う。けれどもし、そうではないのだとしたら。
アレはいったい、なんだったのだろう。>>334
「げほっ! ごほっ! ……へぅ、ぅ、うぉぇ」
手足をついた状態で飲み込んでしまった海水を吐き出す。吐き出された海水が砂浜に染み込んで、その部分だけ色が変わった。
海中に沈んでいた時間はそう長くないはずだが、それでもかなり飲み込んでしまっていたらしい。
上と下がひっくり返って、臓腑が口から丸ごと出てきそう苦しみを覚えるが、しかしやめるわけにはいかない。
ペルカ的にはもうやめてしまいたいのだが、後ろにいるおじいさんが恐くてやめられないのだ。
「まだだ。全部吐けぃ。まだ残ってるだろう」
「はいぃ……」
海中から引き上げられて以降ずっとこの調子。さすがのペルカもいじめられているわけではないとわかってはいるが、恐いものは恐い。
こわいし、わからない。現状をなにも理解していないペルカは今自分がどこにいるかもわかってはいない。
視線を少しまわりに向ければ大部分は揺れる海面に占められていた。残った一部、視線の真ん中にあるそこだけが海じゃない。
そこは島だった。それもかなり小さい。
まあるく広がった砂浜にきれいに伸びたヤシの木。小島の真ん中には緑を囲んだ小屋がぽつんと建っている。
それだけだ。
それ以外にはなにもない。
「げ───っほぉ!!!」
ペルカは最後の海水を吐き出した。もうこれ以上は出ない。絶っ対に出ない。出たら困る。
おそるおそる視線をおじいさんに向けて様子を窺う。なおも『まだだ』と言われてしまったらそのときは走って逃げよう。まだよく回ってない頭でペルカはそう考えていた。
「よし。もういいぞ」>>335
幸いにも走って逃げる必要はなくなった。ようやく一欠片分の安堵を覚えたペルカは気が抜けたのか砂浜に顔から落ちた。そのまま動かない。
「おう。死んだか?」
「生きてまふぅ……」
おじいさんは笑いながらそんなことを言っているが、笑える話ではない。あのままなら本当に死.んでいてもおかしくなかった。
そこでペルカはようやく気づく。笑えない話を笑い話に変えてくれたのは、助けてくれたのは目の前にいるおじいさんに他ならないと。
「あ! あの!」
「ん?」
砂浜に落ちた顔で一瞬で持ち上げて、そして向きを変えてから同じ速度で砂浜に埋める。
「たすけてくれて! ありがとうございましゅ、ました!」
土下座にも近いポーズで礼を叫ぶ。だが大げさではないだろう。なにしろ相手は命の恩人、頭を下げるだけではとても足りない。
「気にせんでいい。船長は船員を助けるモンだろうよ」
「……船長?」
「おう。お前らが秘海集積船とかって呼んでる足場、アレが俺よ」
「おじいさんって、おじいさんが、『船』???」
「クラーケンと合体したらいつのまにかそうなっちまっての。ちゃんとした名前もあんのに今じゃ誰も呼びやしねぇ」
船長を名乗ったおじいさんは大きな腕で白髪だらけの頭をがりがりと搔きながら嘆息した。>>336
ペルカからすればなにがなんだかわからないといったところ。人が船になるはずがない。人を乗せて泳ぎ続ける人なんかいるわけない。そも『船』という集まりがどういうものであるかすらもまだ頭に馴染んでいない。これでも乗船一日目なのだ。
今、わかるのは、
「ウサギの嬢ちゃん、名前は?」
「……ペルカ」
「そうかそうか良い名前だな。俺ァ、グリムロックってんだ。よろしくなペルカ?」
「……よろ、しく」
このおっきな船長さんの、名前くらいのものだった。永緑 恵を始め、登録してなかったものを一通り登録してきました。
ついでに、読み返すとイメージと違ったので第■回四日目のアンジェリーナ回想シーンに名前が出てくるサーヴァントの内、ランサー:フィン・マックールをランサー:エルルーンに差し替えました。
>>293
恵ちゃんがマスターに……あれ、サーヴァントと仲悪い……?
その一方、カケル君が主人公ムーヴ……てっきりランサーと契約するものだと思ってたら、まさかのキャスター(マスター殺した可能性)とは、数千歌君のリアクションが楽しみですね。
>>297
あら可愛らしい、表情と手付きに個性が出てますね。
多分、アリシアちゃんがこういうのに一番慣れてない。
>>338
初日からとんでもない事に……いや、こうなると侵入したのがペルカちゃんで良かったというべきかもしれませんね。船SSの今回の敵キャラ(前スレの奴ら)のキャラシ(完全版と最初に公開する色々伏せた版)の制作作業をしてたんですが、マジで今までの自鱒にない感じの奴らにできそうだなって気がします
独特の美学持ってるおもしろキモい奴、シンプルに怖い強敵、やべーやつ、しょーもねえメスガキ等々中々面白い奴らなのでもしかしたら全員誰かしらに刺さるかもなって希望を持ちながら作ってます。やっぱりそういう事ねって反応が出るであろう奴もいれば、「マジで!?」って驚かせられる気がする奴も複数いるので期待してくれたらなと。
あと3話位出せたら全員キャラシ出せる筈ですのでお待ちくださいー
>>338
重要新キャラ3連打…だと…!?
しかも副船長と局長は今までになくヤバそうな人達で魔術師感あるの良いですね…やはり上層部は強キャラ…こんなヤバい奴ら襲おうとしてるの前スレ911?考え直しな?
そして船長の名前…そういう事かー…!!
>>339
ありがとうございます…!去年はコンタクト取れなかったから二人を外してしまったの申し訳ないと思ってたんで今回初めて全員揃えられて良かったです…
>アリシアちゃんが一番慣れてない
良かった解釈が合ってた…!他は大小あれど抵抗感は少なそうだなーってイメージあったけどアリシアちゃんは恥ずかしがりそうだなって気がしてました。
ちなみにアリシアちゃんの表情、はにかみながら笑ってる感じにするか笑わず恥ずかしがってる感じにするかでかなり迷って何度も口元描き直したんですが最終的に後者になったっていう経緯があったりします。実は第◾️回更新してます
>>338
船の企画に参加してない私でもうわすっげぇってなる重要役職キャラの登場でビックリですよ
>>176の続き、というか別陣営の視点からです
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/wiki/青橋%20撫海
それと◆H2jQDESDK2さんから恋さんをお借りします
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/wiki/空野%20恋「ボス」
「もう、わざわざ里帰りしてる時に何だい?手短にね」
「本国の“左足の小指”が資産横領をしています。加えて、表の資産家を二人ほど押しつぶしてしまいました」
「はぁ………馬鹿なことをする。せっかくの休暇を俺はその馬鹿どもに潰されなくちゃいけないのか。で?まさか逃したとか言わないだろうな」
その一室の様相はあまりにも異質であった。広々とした畳張りの和室には豪華な装飾が施されたソファ、両手の指ほどのディスプレイとキーボード、ふんわりと漂う甘いフレーバーの葉巻、昼間から作られるティフィンミルク。そしてその全てが一人でに動いていること。この場にいる人間は、ソファにどっしりと腰を据えている少年じみた成人男性と、その部下である黒服だけなのに。
「もちろん捕らえています。何本行きますか?それとも妻子?」
「ったくよぉ……お前はいつまでマフィア気分が抜けてないんだ。俺たちはマフィアじゃない、魔術師だ。指だろうが腕だろうが取っても価値がないし、首もいらないんだよ。そんなん貰っても嬉しくないわ。1割。1割剥ぎ取ってこい」
「…………刻印、ですか」
「当たり前だろ。魔術師なんだ、魔術師にとって価値あるものでケジメが要る。誠意見せたら返してやれ。もし剥ぐのを断るようなら1.5割に引き上げだ」
「了解」時には直接動き、時には手足のように人を動かす。ただ隠れ潜むだけで万象は支配できず、ただ動き回るだけでは世界に指をかけることはできない。その双方を使いこなしてこそ人間だ。青橋撫海はその信念のもと、思うがままに動き回る。そうすることが当たり前だったし、そうすることで知りたいことをたくさん知れた。理解というのは椅子の上に踏ん反り返るわけでも、ましてや考えなしに動き回るわけでも得られるものではない。撫海がビッグ・ブラザーと呼ばれる所以がここにある。
「というわけです。ご理解いただけました?空野恋さん」
『………ゲームしながらそんな大事な話されてもね。いいの?弱小家系よ私』
「だからですよ。俺はあなた達の一族を見込んでいる。土着の西洋魔術師としてね。蒼崎や遠坂……とまではいかずとも。それなりのところに辿り着けるでしょう。そんな俺の期待です」
もちろん、他にも色々と画策はあるが。ただまあ、力を手に入れるなら自分と仲の良い戦友がいる一族の方がいい。古臭い価値観に染まっているというわけでもないし、話がしやすいというのはそれだけで大きな意味を持つ。今回の根回しの一環だ。それに何より、フリーの土着の魔術師が一つも参加しないというのは、どうにも風聞が悪い。“日本の西洋魔術師に明るい未来を!”……そう謳うのがこの天墜聖杯戦争だからだ。
「主催である綾姫一門から一枠、補佐を担当した野紀一門から一枠、全体的なスポンサーを務めたラブギッドから一枠。山星が参戦権を放棄したからフリーの枠組みとして西洋から一枠、仮にも東西霊地協約のためなんだから日本から一枠、そして最後に……技術提携でアトラス院、監視の名目で時計塔からです。時計塔の刺客は交代したらしいけど」『アトラス院?契約書なんて持ってたの?』
「いいや。たった一人が個人的な協力、だそうですよ。彼らは未来を見ている。俺たちには想像のつかないところできっとこの聖杯戦争に何かあったのでしょう」
一人一人が終末の未来に対処するあの巨人の穴蔵は、何を考えているのかわからない。どんな研究でさえ他者の手を借りず、自身の内側で完結するような究極のインドア派だ。突拍子もない行動でさえ何かしらの意図があるのだろう。現に撫海が師事した無計画の翁がそうだった。彼はいつも何のプランも無しにやりたいことをやっているように見えて、いつかその蕾は花開く。出力の仕方が異なるだけで、そういうものなのだろう。
「聖杯戦争の“法則”には逆らえない、と思いたいんだけどねぇ……」
『自らが最強である必要はない。最強を創り出せば良いのだから』
「そうそれ。時計塔はスキュレカリューの“先生”が来るらしいですが……おそらく同じぐらいでしょうね。兵装込みで。バレなきゃOKみたいなとこあるっぽいし」
『どこも腐敗しているのね。うん、でも、そうね。エスコートしてくれるんでしょう?』
「もちろん。遠くから、ですけど。真正面はあなたの方がきっと良い。………ああ、あと。俺たちが召喚するのは──────です」
『は?』>>354
定番すぎる定番ですよね、仲の悪い幹部連中
説明回でありお披露目回であり成立回でもある。そんな感じの船長室侵入事件にございます断夜パパ(休む前にチラッと話してた裂夜の父)の顔見せがてら甘々な裂ムジバレンタインSSを書きたかったけど時間的に断念せざるを得なかった 許してください
まあ前スレで出して納言さんがめっちゃ可愛く繋げてくれたWデート遭遇絵が実質裂ムジ+カスほたのバレンタイン絵になるでしょう。多分、きっと、メイビー
いやほんとごめんなさいね…
>>352
この勢いでサーヴァント未定なの面白いっすね…山星さんも意外にライブ感出す事あるんだなってなんか安心感持てました。
これで完全に判明した陣営が確かローマのセイバー+天海さん?、アクタイオン+リディア、ギリシャのランサー+セナ先生、そんでナキ君+キャスターですよね。そこにサーヴァント不明の今回のビッグブラザー、アトラス院、もう1陣営…大分役者が揃ってきましたね
多分序盤のボスになりそうだなって雰囲気ある陣営こそあれど、全員滅茶苦茶強そうというか、明らかな噛ませ感ある奴は全くいない感じで強敵揃いって感じで良いですねこの聖杯戦争
今後の戦いを楽しみにしてます折角バレンタインなので何か話題を出したいけどいいのが思い浮かばない…
鱒の渡したり受け取る台詞とかチョコどれだけ貰うか談義は去年したし…うーむバレンタイン短めトンチキの没SSネタ供養
・バレンタインにチョコ貰えなかったと嘆く男子生徒達を集めて巽商店チョコ菓子大解放怒りのチョコパーティーを開催する船チョコ貰えない男子筆頭(自称)の巽のおっさん達の所によりにもよって騎士団二大陰陽イケメンのロイド&裂夜が様子見に来て非リアの怨嗟が爆発してトンチキが巻き起こる回
・カステラがリョーガ先輩にチョコマウント取る為に来てあんま気にしないリョーガ先輩をいじろうと「リョーガ先輩は女の子からの甘ーい美味しい本命チョコとか貰いたくないんですか〜?」と煽ったら「…?チョコ系ならプロテインバー系が一番美味いだろ(真顔)」と爆弾発言をして流石のカステラも真顔になる回
見たいって声があったら明日頑張って作るのもやぶさかではないです
>>363
そうですね…じゃあ長七郎(通常でも水着でもOK)を拝見したいです
遅くなってすいませんも、もうバレンタイン…?
なにも考えてないのにもうバレンタインですと…?
そうだ…バレンタインなんだからメルチミスを出していく絶好のチャンスだったはず………なぜ今になって気づくのか…当日が過ぎてからバレンタイン絡みであれこれ書きたくなるの絶対によくない
毎度のように時間かかりまくってるから季節イベは半年先くらいのものを作るのがちょうどいいのかもですね…今からだと水着イベとか…
水着イベなにやろうかな…バレンタインデーですが何も考えていません!!!
ちょうどやること終わって時間ができたので自作のサーヴァントのチョコとかお返しを考えるのもありですね
>>352の続きとラストの加筆修正版を〜「んー、良い気分。久々の朝日はやっぱ違うねぇ。ずっと篭りきりだったからさ」
今の今まで、ずっと自分同士で会話をしていたのだから仕方ない。果たしてどう動くべきなのか、とか。大量に要るだろうリソースはどうしよう、とか。そんな高速思考を続けながら下準備をずっとしていたのだ。気づけば一週間。サーヴァントには随分と苦労させたと思うがまあ仕方あるまい。必要なことだ。必要なこと。
「でもまあ、君も大体アトラス院というものがどういう自滅機構なのかは理解してくれたかと思う。こんな感じで、自分一人で何かするのが大好きなんだ。もちろん目的のために他者と協力することもあるんだがね」
「(むすー)」
「あははっ、そうさ。魔術師は本末転倒の生き物なんだ。時計塔の魔術師は根源を目指すあまり政治闘争と金稼ぎ、超越者の優越感に溺れ、アトラス院の錬金術師たちは未来を救う方法を探すあまり未来を滅ぼす手段を生み出し続ける。彷徨海は……まあ良いや。ともかく、人類とは自滅に向かって走る生き物だ。そんな人類を愛してくれるのが君だろう」
声を発さずむくれる子供、それを撫でる手つきは優しいが、そこに込められたのは確かな信頼だ。この聖杯戦争に眠っている数多の人類の危機、それら全てを解決するために、このサーヴァントを選んだのだ。それは未来のため。不可能だと言われても、我々は必ず実現する。人類の未来を保障する。そのために重い腰を上げたのだ。
「さ、頑張ろうか!セイバー!!」「………本当に、上手くいくのかしら」
『上手くいかなきゃお疲れ様ってことですよ』
「気軽に言ってくれるわね、直接現地に来てないくせに」
まさか日本神話のものをサーヴァントとして呼ぶなんて思いもしなかった。今回の聖杯戦争は日本のとある遺物を用いて儀式に手を加えている、ということもあってどうやらそれが可能らしい。そもそも亜種聖杯戦争ではあり得ない七騎の召喚すら可能とするほどであるから、まあ納得できる話ではあるが。山星一族が持つ霊地……泡累は噴出する呪詛に目を瞑れば冬木や総耶に勝るとも劣らない。とはいえその呪詛のせいで日本屈指の霊地とは呼べなかったわけなのだが……あの“聖杯大戦”を機にそれは変わった。山星家当主が呪詛の除去を成し遂げたからだ。
「聖杯戦争生還者問題児筆頭、鮮血巫女、ジャパン女将のやべーやつ……だっけ?彼女は参加しないのね」
『法則だとバリバリ強者側だ。それにもう当主を降りたらしい。そもそも山星一族が目的半ば達成してモチベだだ下がりみたいですけど』
「ふぅーん……まあ良いわ。そろそろ術式が終わるわね。来るわよ、貴方が望んだ通りの結果が」
空野恋は不信感をはっきりと、青橋撫海はひっそりと抱いている。そもそも今回の召喚は実は撫海自身が企画したものではなく……故にこそ不安は拭えない。あくまでこれは“あの社長”の仕込みだ。信用はしていないが信頼はしている。だからきっとそうなのだろう。不安だが。だって、今から召喚するのは………「………なるほど。なるほどなるほどなるほどなるほどなるほど。全くわかりませんが、なるほどなるほど。つまりあなたは、そしてそれを遠くで見ているあなたは、私を呼んだのね」
「本当に……呼べた。神霊じゃなかったんだ」
「元は巫女でしたの。だからほら、ね?……それでは改めて初めまして。『此度はあなたのサーヴァントとして』召喚されました。名を天探女、クラスはバーサーカー。『あなたに忠誠を誓いましょう。』どうか、『よろしく』お願いします」
其は、アメノワカヒコを唆し、破滅に導いた女神。神託を解釈し、吉凶の運命すら捻じ曲げ世界を裏返す。災いを産む巫女、天邪鬼のルーツともされる嘘と悪意で凝り固まったそれが敬われることはない。故に尊称はなく、どこまでも─────
「大丈夫、私はあなたたちのことが『好きです』から、あなたたちのために働きましょう。別に世界を壊したいなどとは思わないわ。『何事も平穏が一番』だもの。そうよね?」
「っ、縁が切れた。いや切られた。でも何で現界して……」
『不味いぞオイ、土地と縁を繋いでやがる!ああ
ク.ソ、そうか、縁結びの神としての側面が……でもなんでだ?どうやってまず切った?』
「安心して。『あなたたちは私のことを覚えている』わ。忘れることはない。こんな狡い女ですもの。だってほら、『私の代わりはいない』のだから。そして誓いましょう。私は、あなたたちに決して害は及ぼしません。それは当然のことだから」
世界が、歪んで、捻れて、裏返って─────砂嵐に包まれた荒御魂は、霞むように姿を消した。まるで最初から、そこにいなかったように。女のノイズだらけの声も、消えてしまって。というか、そんな女なんて誰も知らなくて。だって彼らが召喚したサーヴァントは、天邪鬼の始祖たる大妖怪であり女神だから。
「もう。なんでアタシを放置するの!?召喚者ならもっとちゃんとアタシに構いなさい!アタシが裏切っても知らないわよ!」
「………あれ、小さい。あなたが私たちのサーヴァント?」
「そうよ!アタシがバーサーカー、天逆毎!べ、別にアンタたちのことなんか嫌いじゃないんだからねっ!」
「………始まりましたか。かつての私も来たようです。ええ、ならもう私の仕事はないですね」
盤上に駒は全て揃った。置くべき場所に配置した。行くべき先を指し示した。あとはもう、男にできることはない。潔く世界が終わるかそうならないか。抑止力によって止められるのか、抑止力ですらどうにもならないのか。それはわからない。わからないし、どうしようもない。それをどうにかする力はないから、こうやって裏で手を引くしかないのだ。最大限、みんなが幸せになれるための方法を。
「私はもう女神ではないし、大妖怪ですらない。ただの人間、ただの社長ですから。………でも、だからこそ、欲深い人間だから分不相応であっても最大限足掻くんですよ。このままだと成立する運命を壊す。そのために、かつての私を呼んだのですから」うおおおお、突発的にSSを上げるぜ!
「ン──。また辛気臭い場所で呼ばれたものだ」
男は昏き淵にてそう嘯く。
いや。男、としたがソレは人間ではない。
彫刻品のように滑らかな肌、金髪、鍛え上げられた肉体はその手の人間であれば目を取られる程のものだが唯一、違うものがある。
……瞳だ。その赤き瞳は底知らぬ欲望が渦巻き、魅入られれば最期破滅へと堕とされかねない“魔”を孕んでいる。
その魔に違わぬ人の域を外れた魔性。それこそがこの男の──。
「このような場所で申し訳ないね。バーサーカー」
そう呼びかける別の男の声が壇上に上がる。
闇から現れいでた男は“平凡”としか捉えようのなかった。
黒い髪にベージュ色のジャケットを羽織い眼鏡をかけた男は一見どこかの大学教授にしか思えないほど特徴というとらえどころがない。
バーサーカー。その名こそがこの地に喚ばれた魔性を示すもの。
狂戦士とされる、さる魔術儀式に用いられる7人の稀人に与えられる称号。
その名をこそ万能の願望器を巡り争う現代に蘇る神話。
それを、聖杯戦争という。
「此度の聖杯戦争、君こそがバーサーカーの──」
言葉を遮るようにバーサーカーは男の首を掴み上げる。
「御託はいい。定命種、おまえは聖杯に何を望む。……“老人”」>>375
その身体から似合わぬ高い声で“魔”はその願望を詰める。
この英霊にとって自ら以外の全ては慮するに値するものではない。
故に観るのはその欲望。その欲深さこそが彼が唯一興ずるに値する。
そしてこの男、糧原現亡は外見こそ若人であるがその精神、魂は100を過ぎる年を重ねている。
魔術による延命を行っている魔術師が1人。
「俺の、願いは……。
時計塔の体制を変える。神秘は、人に施されるべきだ……。
老いさらばえた、古いだけで権威を利かすロード達を、道の潰えた同士達の為にも、覆し根源へと至るのさ……!」
妄執とも言うべき善意と憎悪、偏執が入り混じった願いを吐き出す現亡に反してバーサーカーは瞬く間に冷めていく。
わざわざ自分のようなものを召喚したのがこんなモノだとは。
先ほど感じとった雰囲気は凡人のような、ではなく紛れもない凡俗だった。
「もういい──」
黙れ。そうこめるように老人の頸をへし折る為に雑に力を加えた刹那だった。
「……だから、人理と世界を破壊する」
シン、と空間が静まり返る。
「───ハ、」
「ハハハハハハハハハハハハハハハッ!
良いぞ、面白い!ここで殺.すのは辞めだ!」>>376
男を死.なない程度に放り捨てると狂戦士は高らかに嗤う。
「2つを壊すとは大きく出たものだ。
だからこそ、儂のマスターに相応しい。
この場もよく誂えたものよ」
バーサーカーは周囲を見渡し、“全て”を理解した上で軽く踵で“下”を叩く。
ソレは現界した当初から視界に入っていたが分からなかった訳では無い。単に、分かった上で気にも留めていなかっただけでしかない。
──凡百なモノなど見飽きているのだから。
「……で、先からこちらを見ているアレは敵か?」
初めからずっとこちらを視ている視線に煽るように戦意をバーサーカーは抱く。
「いや、彼女は──」
「貴方のマスターの同盟者です。バーサーカー」
姿を現したのは一人の少女。
薄褐色の肌にニホンの旧式の学生服、黒の入り混じった灰色の髪とアンバランスな奇妙さを覚えるがその中でも一際異彩を放つものがある。
──銀の、瞳。
「ほう……」
(神人形“ワルキューレ”か?)
自身の記憶から近い物を感じ取り脳裏に思い浮かべるが、コレは量産品(マスプロダクション)ではなく一点品(オンリーワン)。原初である哀炎の長女(ブリュンヒルデ)に近い。何より核としているモノはあの遊星ではないだろう。
「彼女は『T』。私と共にこの聖杯を作りし魔術師ですよ。
それにしても、意外です。バーサーカーを召喚するにあたって傍で見たいと言っていたのにサーヴァントを控えさせることすらしないとは」>>377
「ふふ。簡単なことですよ、『R』」
そういうと『T』は無言で現亡に先を促すような間を示す。
それに対し現亡は苦笑しつつもさっと身なりを整え小さく咳払いをする。
「では質問です。
『T』、貴女が此処にサーヴァントを呼ばない理由は?」
「……はい!」
少女は勢いよく挙手をし学堂のように解を告げる。
「あの子は今“外”で門番をしているから、です。
少なくともまだ少しの間は」
このように、『T』は回答形式で話を進めようとすることが多々ある。いつまでも学生気分が抜けないものだと現亡は思うが──。
「おや」
「……『T』?」
何かを感じたかのように片眉を上げた『T』に現亡は疑問の声をあげる。
「来たようですね、“星”が」
「やはり、懸念通りですか」
差し迫った問題に対してされど魔術師はさしたる困惑はみせずにいる。
「ほう、相手は星見か?」
「不満ですか?」>>378
「いいや。相手に不足はない。
それに……儂ではない儂が召喚されたようだ。面白い」
「……この逸理の地では抑止すら介入は出来ません。
存分に闘うといい……!」
不敵に、その自尊をありありと曝け出しながら闘志を燃やすバーサーカーとそのマスターを横で見ながら『T』もまた次の段階に駒を進める。
「そろそろあの娘を呼び戻した方がいいかしら」
「ハッ──、ハッ──」
息を切らすように身を屈めながらしかし浮かされるような熱を目に宿しながら地下道を疾駆する青年がいた。
青年の黒いコートには赤き返り血で濡れ撫でつけたオールバックは崩れかけ、愛用していたサングラスは方や罅割れている。
「あぁ、ク.ソッ!アメリカ政府が適当な情報を渡して来やがって……!」
青年、クリストファー・クライは現状に怒気を零す。
この“地下”には魔術的な反社会テ. ロリストが潜伏しているという目的でアメリカ政府は傭兵を多数雇い入れある同盟国とも裏で提携を結び掃討戦に投入していた。
結果は散々なものであるが。
この地下道を守護するただ1つの“門番”がこの惨.状を招いたが“門番”における被害だけではなかった。
クリストファーの浴びた返り血は襲いかかった同種によるもの──、つまるところ同士討ちによる混戦である。
まず遠目に視た1人が火種となり殺.戮を始めたソレを視た者達がこぞって殺.し合いに入れ込みだした。
ここに入ってきた目的よりも、殺.戮をし続けるソレよりも互いの息の根を止めることの方が“ソレの為に”重要なのだと言うように熱を、信仰を、愛を上げながら。>>379
今生存している自分すらすぐにでも頭に銃弾を叩き込みたいという衝動に駆られているのだ。
にも関わらず自身の行動を成しているのは習得していた支配魔術と矜持故だろうか。
「最奥に到達した奴がいるとか嘘だろう……、うぉっ!?」
そもそも今回の大規模な強襲作戦を決行したのも1人の民間人が電子上に残していた報告書からの割り出しだという。
そんなもはや薬にもない悪態を付いていると不意に慣性がかかり地面に身体を叩きつける。
「あぁ……」
鑑みれば足が動かない。動こうとする意思はある。しかし、身体がそれを受け取らない。むしろもうここから動かないように根を張るが如く微動だにしない。
座り込む形で動きを止めしかし自我と闘志を辞めることはない。
完全に意思を手放すのは時間の問題。以前に“門番”が自分を見つけるほうが早いだろう。
反論の余地もない手詰まり。
──では、このまま終わるのか?
それは……。
(それは、カッコよくないな)
覚悟は決まった。敵わぬことは理解している。勘当された身であるが魔術理論における神秘の過多程度は理解している。
……自分は、無意に終る行為の為に全てを費やすのだ。
静寂の闇道に足音が響く。
自身の眼前にまで来た“門番”にクリストファーはなけなしの力を込め銃口を向ける。>>380
もはや意識は朧げでほぼ精神のみで動かしているに等しい。
篭められた弾は傭兵時代に聞きかじった、趣味物と言っていい魔弾。
本当に数奇もの極めたものだが。
──自分は自分のまま、心からくる叫び(cry)のままに生きたのだ。
撲.殺.し絶命した青年の骸を感慨もなく見捨て少女は主の言うがまま闇の中へと戻りゆく。
陶器の肌に弾丸が残す傷はごくごく僅か負傷にもならず。
魅惑の双眼は熱を帯びずされど奪われるほどの煌めきを宿す。
金の髪は照灯の灯りを受けて黄金のように艶増す。
芸術的な……、否。ソレはまさに芸術であり、至高であり、人ではなく人形であった。
サーヴァント、コッペリア。
クラス──、
──バーサーカー。>>386
なる。ほど。Tからはじまる新規キャラがどんな感じの子なのかは今後ですね
薄褐色に学生服、強力な属性持ちなのは疑いようもない…!>>384
ふむふむ。って事はレイドボスの性能やらを開示してから脱落4騎の状況をある程度私クロさんユーさん山星さんで会議しつつ決めて(誰が誰倒したーとか)
レイドボス登場までの間でダンジョンでも戦ってたよ!な想像などもして脱落シナリオが固まってきたらレイド戦開始!って流れですかねぇ>>389
小さくなったり大きくなったりできます
天探女→天逆毎のダブル召喚ができたのはまあ天探女の嘘の力ですね、天探女が召喚されたことを知覚してるのは土地と野紀だけ
野紀は大事な人の幸せを心の底から祈ってそのために自分ができることを相手の邪魔にならないレベルで最大限したいと思う男なのです過労ウィークを乗り越えたぞ…疲れたので今週末は頑張った記念+初の7よくてよ達成記念にドカ食いしよ…
>>366
確かにダレてしまう可能性あるのが怖いですし、早めに考えるのは割とアリかもですね。もし早めに練るんなら俺は喜んで付き合いますよー
あと絵師勢最弱の俺が言うのもなんですが、鹿之助とかの霊衣とかのデザインもご所望なら請け負いますぜ。
>>372
遂に全員揃いましたか…揃ったっぽいですね…?
バーサーカーがツンデレしてて可愛いなーと思ってwiki調べたら性能は可愛くなくて爆笑しました。キャスターの周りがどいつもこいつも強敵とか厄そうな奴ばかりなの怖い…
そして最後に社長も言ってる通り正直ここまでやべーやつが揃ってるなら何が起きてもおかしくないってレベルの聖杯戦争なので、既にワクワク感が止まりませんね
>>382
こっちの聖杯戦争も最初から面白そうな感じですね…!!
バーサーカー2騎とか厄そうな新キャラとか星見という事は…?とか色々気になるワードが出てきましたね
事前情報無しの謎だらけなのでマジでワクワクしますね>>393
おっ、いいんですか。それじゃ思いついたらお願いしちゃおうかな…
水着イベはマスター勢も出していけたらいいなぁとか考えてます
それだけしか考えてないとも言う>>393
一応wikiの天逆毎姫とはまた別の感じのオリジナルで作ってます……
天探女は……まあキャラシは作ってない……
キャスター陣営は多分最弱っすね、姫が出てきたらまた別ですが>>392
糧原さんはぁ……、wikiに名前だけはある(その名前も表記揺れ?で定まらない)んですけどぉ。名前だけで白紙なので実質概要は私Makeですね、はい……。
左巻きと雁夜おじさんをガッチャンコしたような人として。>>393
黒幕がオールバーサーカーでベットしてるという可笑しい状況ですね。(笑)
頭FGOプレイヤーかな……?
バーサーカーとバスターで行けばだいたい解決する……!(笑)>>382
バーサーカー:コッペリア!? 意外な形での抜擢ありがたいです
果心居士の『一目何処かで』なんて誂向きのスキルも出てきたんで、改修というか能力面での微修正なんかを考えてたんですが中々時間が取れず……幕間のつもりでバレンタインSS書いてて「なんか違うー!」で放り投げたのが私だ
いまいち最近は良い出力ができんのぅ(漫画『チー付与』で爆笑いしながら)ヘイ、リクエストの片割れが出来たから投下するぜ。
最後の最後で下ネタ(?)注意な。
シミュレーションルーム。
再現されたのは、何処かのリゾートホテルの敷地内にあるプールバーだった。
そこに、幾つもの棚が設置されている。
棚の上にあるのは、様々な種類の酒瓶。
ラベルを見る限り年代物みたいだが、シミュレーションルームにある以上、実物ではない。
だが、しっかりとプールが併設されており、へとへとになるまで泳いでいたマスターはカウンター席で一休みしている。
何せ、サーヴァント達から受け取ったチョコレートによる摂取カロリーの総量が凄いことになっているのだ。
激しい運動の一つでもしなければ、カロリーを消費し切れない。
いつの間にやら隣の席にドン・ファンや許褚と一緒に座っていたコルテスが話しかけてきた。
「どうした? さっきまで死に物狂いで泳いじゃって」
「今日はカロリーの摂取量が多過ぎて…」この一言に「それでか」と言わんばかりの表情で納得するコルテス。
ドン・ファンと許褚も全く同じリアクションをしてくる。
そんな3人に、小さな影が稲妻の如き早さで酒を提供する。
「毎度の事ながら、みつの動きは目で追うのもやっとな速さだよなぁ」
配膳したのは、結城みつ。
真名は徳川那菜、及び松平長七郎である。
プールバーということを意識したのか、水着零基である。
長い黒髪を左右に分けたシニヨンと、改造されて露出度が妙に上がっているスク水が印象的だ。
マスターの姿を確認し、全身が濡れているのとぐったりしている様子から、疲れていると瞬時に判断する。
「あ、長七郎さん」
「マスター。…泳いでお疲れみたいですので、何かお持ちしますね」
「それでしたら…」
「まだ未成年なので、アルコールはNGです。それでは、少しお待ちください」。夏イベやるならアレ書きたいんですよね…カリブイベのボンクラ5みたいなトンチキサブシナリオ系SS…
>>402
そうですね…
今年は本家が参加条件的に割とヤバい感じというかシリアス成分ありそうな予感がしますしこっちは平和にリゾートで遊ぶのもいいかもですね
メインのストーリーは無しである程度自由にって考えると…何でもありアルティメット闇鍋リゾートとか…?
>>409
>次は通常霊基
両方…堪能”キメ”てええのか!?(驚愕)(心底有難ッス)
さておき王道に可愛らしくてみつちゃんらしいチョコにニッコリです。王道ストレートだからこその個性と魅力が出てますね
そしてあらやだこの将軍大胆すぎる…!!これはそういう事に奥手そうな子龍ちゃんも驚きそう
普段はチャラめだけどしっかり本命がいるの良いですね家綱殿…
最後の台詞は個人的にはアリだと思いますよー。公式的に見ればアウトかもだけどここは二次創作だし台詞1つ位なら別に投入”カマ”して善し!!だと思います。「アルビオン。……はぁ、アルビオンかぁ。高いからやめとこう……私のポケットマネーで出せる額もたかが知れてるし……ねぇロートゥスは?なんか持ってないのお金」
「儂は根源到達を目標にしてねぇからな。そりゃあ溜め込む資産も少ないぞ。上等な呪体の競売を競り勝てるぐらいの金はまずない」
「だよねぇ……ナキも本人がもらってるお小遣いは普通だし、ルフは……ああ、アイツの資産は多分すごいんだけど……ケチだから絶対くれないし……あーあ、どうしよっかなぁ」
神秘が消えゆく現代では貴重な呪体を買い落とすことは難しい。兎にも角にも金が要る。たとえ枯れ萎びた精霊根であっても、莫大な金額がつくのだ。出奔中のツユではどうしようもない額だった。そしてルフはそんなことに金は落とさない。博物館で働いていた時から今に至るまで、自分の家族以外に金を使うことは基本ないのだ。だから買えない。悔しいことに。
「なんでそんなに欲しがるんだ?」
「………ナキのあの魔眼、まだ成長してるんだよね。かなり酷使してるはずなのに視力は一つも悪くならない。それどころか性能が増してる。今はオンオフ付くからいいよ?でもさ、将来的に何処まで育つかわからないし、強力すぎる魔眼は人生を捻じ曲げちゃうから……封じられる礼装作ってあげたくて」
「成長速度が異常、か……それはなんか見ててわかるな。体術の習熟もちょっとおかしい。今まで何年も荒事に携わってなかったとは思えない」
ちょうど今、体術の練習をしている姿を見ると余計にそう思う。今やっているのは多種多様な拘束パターンから抜け出す実技練習だが、一つ覚えれば変則的なものも合わせて三つ対応できるという状態だ。もちろん、実戦では型を覚えたからといって必ずしも上手く行くわけではない。しかし無駄にはならない。事実、ルフの繰り出す殺意の高い絞め技も何度か振り解いている。「っっ〜〜!!!」
「はい死んだ。絞められて死んだ。体格差で力任せにしようとするな、どんな時も使えるなら体を上手く使いなさい」
「身体強化なしであんな状態から逆に押し倒せるバカなんて普通いないもん……」
「俺がいるが?あと俺だけじゃないからな。本気で武術を極めてる人たちは自己暗示による肉体変化なんてザラですから」
今の言葉に興味を示していたということは、きっと今からその自己暗示の詳細を聞いて学ぼうとするだろう。そしてきっと、近いうちにナキはそれを会得する。そういう性質だ。そういうモノなのだ。持ち過ぎた力に苦しむことがないようにするための対応策が必要なんだ。
「………けどそれをお前が務める理由は何処にある?お前のナキへの献身は人が良すぎる。聞けば、出会った時からそうだったって言うじゃねぇか。儂にはわかるぞ。お前、別に人付き合いが好きなタイプでもねぇだろ。だけど本当に懐に入れたやつは途端に甘くなる。初対面からそんなにダダ甘なのはなんかあるだろ」
「え〜?んー……もしかしたら私、ナキのことが好きなのかもね?ほら、ナキって背が高くて、イケメンで、それでいて可愛いところがたくさんあるじゃない?一目惚れってやつしちゃったり。一応?男だけどさ、私ってバイだから」
「儂を前によく嘘がつけるな。言っちゃあ悪いが、人柄を見抜くことで儂に並べるのはそうそう居ないぞ?そういう感情が一切ないぐらいわかる。……だがまあ、追及はしねぇ。一応ダチだしな。ほら、さっさと学校行け。担任に呼ばれてるんだろ」今日もバイト。明日もバイト。親がいないけど一人暮らしというのは案外大変なもので。遺産があれどそれにかまけているわけにはいかない。年頃の学生なんだから、買いたいものもそれなりにある。でもそんな無駄遣いで二人が遺してくれたものを使うわけにもいかないし。だから沢山バイトする。お金が欲しいから。頭は痛いけど。なんか本当に痛いけど。これも全部アイツが家に来てからだ。
「あっ………」
「おっと、大丈夫ー?ってかおいコラ!そこのおっさん逃げんなー!!」
「………この前の………」
その顔は覚えている。というか、忘れていたものを無理やり思い出した。ああそうだ、あの時、私の友達を自称していた吸血鬼と戦っていた一派の一人だ。話を聞く限りあの長身の中学生がキャスターのマスターらしい。そこまで考えて今の一言は不要であったことに気づく。聞かれたら暗示が効いてないことがバレる、というかバレてしまった。
「ありゃ、効いてなかったか……やっぱり実家の様式じゃないときついかぁ……でもバレたら終わりだし……んー、もっかい……」
「あ、なんかしようとしてるでしょ?わかっちゃうから流石に!だけどほら、私言わないからっ!いやマジでほんとほんと!言ってたら今頃なんか起きてるでしょ?」
「………まあいいや。動画や写真に撮ったわけでもないし。私たちの秘密ね?えーっと……確か同じクラスの牙月さん!」
「天海って言うの。よろしくねツユちゃん!あ、ツユくんの方がいい?」何処の誰とも知らぬ男に突き飛ばされた私をよろけることなく受け止めたこと、受け止めた際の腕の感触が何処か普通の女性とは違うこと、この二つから目の前にいる少女が実は少年であるということがわかる。今まで同じクラスだったのに全く気づかなかった。それほどまでに女装が上手なのか、あるいは“別の要因”があるのか。触れればわかるだろうが……触りたくはない。
「どっちでもいいよ?それより大丈夫だった、怪我はない?」
「うん。……そっちは大丈夫?」
「全然大丈夫!……えっと、その……一人で歩けそう?」
「大丈夫だよ。ありがとう、また月曜日ね!」
グローブを着けていることを怪しまれただろうか。けれど仕方ない。これを外して人に触れれば知りたくないものを知ってしまう。◾️したくないものを◾️してしまう。これからも人間として生きていくのならば、それは覚えてはいけないものだ。愉しんではいけないものだ。だから触れない。当たり障りなく、笑って毎日を過ごせばいいから。でも、とても疲れた。早いところ家に帰って休もう。休みたい。そんなことを思って走り続けていると、自分以外誰もいない、かつて二人がいた家に戻ってきて。
「セイバー……はそうか。買い物に行ったのか。タダ飯食らいじゃないだけマシか」
私のセイバーは霊体化を嫌う。するべき時にはするが、しなくてもいいならしない。そして現世の生活を楽しんでいる。今回も意気揚々と服装を決めて買い物や映画鑑賞に行ってしまった。減ったお金は何処からか持ってくる。非合法的な稼ぎ方ではないというので何かしらの方法で稼いでいるのだろうが、何処から持ってくるのだろうか。本気で怖い。まあ稼ぎになってるからいいけど。
「はぁ……今日も疲れた……早く休、も……ぁ?」背後から、左肩と右太腿を刺し貫く鉄の棘が。本来は首と肝臓を刺し貫くはずだったものだ。それを慌てて飛び捻って回避したからこれで済んでいる。いったい何だというのだろう。振り返れば自分を襲った犯人の正体がはっきりとわかる。家に帰る前にぶつかってきた男だ。そしてその男に追従するように、数人の人間が歩いてきている。
まずい。本当にまずい。こちらがどうしようもないと完璧に詰められている。魔力の生産を阻害する毒が塗られていたようで、それもあって姿を現したのだろう。本当にダメだ。これは良くない。だってあまりにも“隙だらけ”だ。油断にも程がある。ああなんで、なんでセイバーはいないんだ。こんなの簡単に喉を────
「待たせたね、マスター。俺が出かけているうちにこんなことになっているとは」
迸る雷光。弾ける空気。いと美しき刃が天海を突き刺した一人を除いて軒並み全てを焼き焦がす。切断と共に爆発して、天海の家を汚さないように配慮している。それほどまでに余裕がある。剣は握れど戦闘用の鎧を纏わず私服のままのセイバーが、心底心配そうな顔で天海を気にかけていた。外的である彼らへの感情は一切ない。関心は今、天海にしか向いていない。
「さて……じゃあ最後のソレも処理しようか。その前に色々聞き出そう。貴様の目の前にいるのは皇帝(ローマ)であることを理解した上で発言してくれよ」
「ま、待ってくれ。俺には、俺には家族が─────ァ」
「嘘だね。なるほど、家族という概念の実感がないのか。随分と歪に育てられた兵器だ。これは聞き出せない」
口内に剣を突き刺し、雷撃を放出する。黒焦げになったソレから引き抜いた剣は光の粒となって消えていってしまった。己の目の前で悪びれもなく嘘を吐くなど生かしておけるわけがない。さらに言えば、今の会話で彼らがただの下っ端であること、その育てられ方が人としての扱われ方を設計されていないことは把握できた。生まれから今に至るまで人であって人でないものにかける情などあるわけない。黒焦げになったソレらの処理を迷いながら、とにかくマスターに声をかけることを優先した。「大丈夫かい、マスター。………手にかけてしまった?」
「いいや。あなたのおかげよ、ありがとうライ……セイバー。ねぇ、何でセイバー自称してるの?」
「そっちの方がなんかカッコいいだろう?それよりも……良かった。俺は君の剣だから、君の手を汚させずに済んだことを嬉しく思う。君の邪魔になるものは君の代わりに全て殺そう。良いか?君が悪なんじゃない。君を追い詰めるものが悪なんだから」
その、屈託のない王子様のような笑顔を見る。なるほど、ライダーであることを嫌いセイバーと自称するのは、この理由なのだろう……と、ふとそう思ったがすぐにその思考は掻き消え。黒焦げになったものは砕いて灰にでもすれば良い、夜ご飯は何にしようかと後処理のことを考えるのであった。
「セイバー、今日は何が食べたい?」
「俺のリクエストで良いのかい!?スキヤキなるものが食べたいな!実は肉も買ってきたんだ!少し上等だが家計は圧迫していないぞ!」
「………ほんと、何処から来てるのそのお金………」
以上です。セイバーは二人いるっ!(いない)>>423
空野恋と青橋撫海もキャラペあります〜〜>>422
ですです。>魔夏
正直、かなりおっかなびっくりで投下してた。>下ネタ「んじゃアイサツも済んだところで、お前の処罰ってモンを決めるとするか」
「ぅえっ?」
思わずペルカは声をあげる。
先ほどまで豪快に笑っていた船長から、ふいに圧をかけるような気配が漂わせてきたからだ。
現状すらいまいち理解できていないペルカは「処罰」という剣吞な言葉に、内心しっかり縮みあがる。
「こういうのは普段ならアー坊にしてもらうとこだが、まあ今回は特例だ」
アー坊とは誰だろう。
少しだけ気になったがそれよりの自分の今後のほうがはるかに重大である。
「まま待って、わたし、なにもしらない」
「あア? それ向きの魔術を使っておいて知らないもなにも…………そうか、お前、記憶喪失って話だったか?」
「!」
こくこくと激しい勢いで首を上下する。ペルカなりの全力の肯定。
このウサギの耳がついた少女は記憶がない。物心がついてから現在にいたるまで自己を組み上げるエピソードのすべてを失っている状態で、『船』に拾われた。ペルカという名前も『船』で新しく付けられたものでしかない。
そのため出生・経歴は不明。自分がなぜ魔術を使えるのか、どういう魔術を使っているのかすらも正しく把握していない。もちろんひとつの世界に穴を空けるなどという芸当ができることなど想像もしていなかった。
「そりゃあまた、難儀してんなァ」
「うん! してる、なんぎ!」
「ま、『知りませんでした』で許されるわけでもないな?」
「………………」>>427
一瞬の希望も打ち砕かれて、垂れ下がるウサギ耳と共にペルカは砂浜に手をついた。打ちひしがれている。おまけに震えている。
「罰になにしてもらうかだが……そうだなァ、『知りませんでした』と言うならまず知ること知ってもらうか。ざっくり言や蹴破られた"穴"のせいで上は大変なことになっている」
「ど……どんな感じに?」
「水漏れ、イヤ海漏れか? とにかく学園周辺は丸ごと水浸し。ン、放し飼いにしてる幻想種も一匹外に出おったな」
「え、えらいこっちゃ……!」
「"穴"があるんだからこうもなろうよ。今のところは出るだけみたいだが……」
「あの!」
「ンん?」
「ほかに、海に落っこちた人っている、いますか!? わんこの先生と赤黒のメイドさん!」
「そこは不幸中の幸いでな、ここに入ってきたのはお前ひとりだけよ。間違いなくな」
ほっと安堵の息が漏れる。
すでに大迷惑をかけまくっていることだろうが、自分のせいでまとめて処罰などと言われていたらいくら謝って足りなくなっていただろう。もちろん現在進行形で謝らなければいけない事態は加速しまくっているわけだが。
「よかった」
「なんも良くねェが」
「あっ。ご、ごめんなさっ」
「ま、今はいい。とにかく現状はそんな感じだ。"穴"が空いた。すぐに塞がなきゃならない。だが、簡単には塞げない」
「それは、わたしのせい……だよね」
「他にあるめぇよ。でだ、お前は罰としてこの"穴"の後始末をしてもらう」>>428
この船長さんはなんとも無茶なことを言いだした。ペルカは世界に空いた穴を塞ぐようなことはできない。前段階になる蹴破ったというのもペルカにとっては自覚の薄い出来事だ。自分にそんな芸当ができるなど今でもちょっと信じがたい。
これがもう一度同じように蹴ればいいのなら簡単なのだが、きっとそういう話でもないだろう。
「なにも"穴"を塞げってわけじゃねぇさ。もちろんペルカが塞げるってんなら話は早いが、無理だろう?」
「無理。たいへんにこんなん」
「だから他のやつがもう塞ぎに行ってる。行ってるんだが……これがまた別の問題を作るやつでな」
「そうなの?」
「そいつはマリアってンだが、俺に空いた"穴"なんてモンを見逃すはずがねェ。十中八九、なんかのイキモノを作るだろう」
「?……"穴"がイキモノになるの?」
「細かい仕組みは長くなる。とにかくアイツはやるし作れる。俺の分身みたいなヤツをな」
「……………………………。つまり船長のどっぺる?」
「そんな認識でいいか。大体一か月後か二ヶ月後か……そのくらいでお前は俺の『どっぺる』と出くわすことになる。で、こっからお前の罰の話に戻る」
「!」
脱線していたかと思っていた話が急カーブして本筋に戻ってきた。しかし今の話を聞いてもペルカのやること、ペルカにできることは想像もつかない。
こっちの内心もお構いなしに船長は話を進めていく。
「ソイツは生まれたての状態でこの『船』に乗ることになる。千年かけて仲間集めた俺とは違って、ひとりぼっちでな。───そこで、お前の出番だ」
「大役の予感」
「大当たりだ。お前はソイツと、一番最初に友達になれ」
「…………」
思いがけない言葉。罰と呼ぶにはあまりにも似合わない内容。けれどウソにはまったく聞こえてこない。>>429
そう思わせるくらいに、船長の声音はやわらかいものだった。
「それが、罰?」
「おうよ、最高の責任の取り方だろうが。お前がやったことで生まれた"穴"の面倒をお前が見る。海の恐さよりもよほどわかりやすい」
「……でも、あの……わたし…………ともだちのつくりかた、わからない」
「そうなのか?」
「わたし、記憶喪失」
「そうか。……よし、なら千年ほど船長やってる俺が、最強の方法を教えてやろう」
「……ししょー!」
「船長だアホ。いいか、仲間にほしいと思ったやつがいればそいつにビビるな、逃げるな、身体ごとぶつかっていけ」
「雑…………」
「そんくらいでいいんだ。はじめましての時くらいはな。そら、やってみろ」
「へ?」
なにをやれと言うのか。ペルカが聞き返す前にグリムロックは二歩三歩と下がっていく。そして太い両の腕をおおきく広げて、構えた。
まっしろな髪とお鬚がもさもさの顔が、快活な笑みに染まる。
なんだろう。これは。
「え? なに?」
「言ったろう、身体ごとぶつかってこい」
「練習、みたいな?」>>430
「そういうこった。さ、こい」
これはやらないと終わりそうにない。
いや、まず、ペルカは処罰を待つ身だ。拒否権などない。
「む~……」
なので身体でぶつかっていくのは確定した。とはいえどのようにぶつかればいいかは結局わからない。
とりあえず、いつも使っている走って跳ぶ魔術を使っちゃいけないことはわかる。きっと危ない。脚をなるべく意識しないようにしよう。
手だ。手と腕を使っていこう。目の前の船長みたいに、おおきくおおきく広げて、そうしてぶつかっていこう。
「よし!」
方針は決まった。
船長と同じく腕を広げて、そして足はつとめてゆっくり落ち着いて。
そのポーズのままペルカは船長に近づいていく。一歩、二歩、そして三歩目で一旦止まる。あと一歩という距離にたどり着いて、そこでペルカは全力で控えめにした跳躍をした。
ぴょん、と。
小さくて軽いウサギ跳び。言われたとおりにペルカは船長に身体ごとぶつかっていった。ぶつかったのは腹部、たぶんちょうどおへそのあたり。
間髪入れずにペルカは広げた両腕をおもいっきり閉じた。それは半ば反射のような行動でなにを意識したものでもないが、ペルカにはとてもしっくりくるものだった。
(これは……!)
格好としてはおかしなものだ。それはなんだか大木にしがみついたセミに似ている。腕だけでホールドし、足をぷらぷら揺らす姿はどこか不安にさせる。
グリムロックも意図していなかった形だったのだろう。ペルカをしがみつかせたまま、頭を掻いてどうしたものかと思案している。
対するペルカはというと───>>431
「船長!」
「おう、なんだ」
「これ! いい! すごく!」
なぜかテンションが上がりまくっていた。我が意を得たり、とでもいうような高揚っぷりである。
この時、この瞬間に、ウサギ娘は『身体ごとぶつかっていく』ことのなんたるかを覚えたのだった。
「おどろくべき安心感!」
「そうかそうか。そりゃぁよかった」
俺が言いたかったのはそういうことじゃねぇ───という言葉をグリムロックはすっと呑み込んだ。ペルカだけの琴線に触れたらしいその様子を見れば、もう訂正の必要もないと思えたからだ。伝わり方はどうも違うものになったが、これなら安っぽく怯え逃げることもないだろう。
なら、それでいいではないか。
ひとまずの結論をつけてグリムロックはペルカを見下ろす。
なにが楽しいのかぶら下がったままぷらぷらゆれるペルカとだんだんと孫娘でも見るかのような慈しみを帯び始めた爺の眼をしたグリムロック。そのうち頭でも撫ではじめてしまいそうな雰囲気で。
第三者が来なければ、実際そうなっていたかもしれない。
「何をしているのですか。船長」
いつのまにそこにいたのか、水音ひとつ立てずにその人物はこの小島の上に現れた。汚れひとつない白のスーツに身を包み、蒼い目を冷たく光らせている。
なんか偉い人っぽい。ペルカはそんな風に思った。
「おう、来たなアー坊」
「……私が聞いた船長命令は『客人の送り迎え』だったはずですが」
「俺じゃぁ外まで行けねェからな。お前が外まで連れてってやってくれ」>>432
「そこの小娘は先の侵入者でしょう? ならば今まで通り、例外なく沈めるべきです」
「そうなんだけどな。ここに例外アリってことでペルカは俺の船に乗せることにした」
「……丁度、都合も良いのです。船長はまだご存知ないかもしれませんが、そこにいる不安要素を事故として処理できるなら───」
「なあアーウィンよ」
やわらかな空気を残したままグリムロックは彼の名を呼んだ。船長と呼ばれ続けたこの男は、ずっとこんな調子で仲間にも敵にも同じことを言ってきた。
だから、だろう。アーウィンと呼ばれた男もそれを察したようだ。
「俺の仲間に、手ェ出すってのか?」
その問いに明確な返事はなかった。ただアーウィンが、どこか疲れたようなため息ひとつをついて、それだけで両者には充分だったらしい。
それでも表情に出さずにはいる。もう、そういうものなのだろう。
「……船長命令には従いますよ」
「いつも悪ィな。手間かけちまってよ」
「自覚があるなら改めて頂きたい」
「直せるモンならな。そんじゃペルカ、あいつに送ってもらいな」
グリムロックはしがみつきっぱなしだったペルカを引っぺがして砂浜に降ろした。一連の会話もペルカは聞いていたはずだが、それについてはなにも言わない。
ただアーウィンを見つめて、なにか覚悟を決めたような顔をしている。
「……? なんだ?」>>433
「おし、いっちょかましてやれ」
これからペルカがなにをするか。さきほど覚えたことを実践するとわかっているグリムロックは檄を飛ばす。なにも知らず戸惑うのはアーウィンだけだった。
2人の反応も気に留めずにペルカはまっすぐ前を向く。
足に力を込める。目標をその目で見定める。あとはウサギ心を躍動させるべし。
「貴様、一体なにを」
続く言葉はもうペルカの耳には届かない。
今しがた覚えたばかりの『身体ごとぶつかっていく』をペルカは全力で実行に移した。跳ねる身体、ぶつかる衝撃、『開かずの海』にて深く響いた悲鳴。
それ以上のことは野暮というものだろう。
こうして。
全方位フリーハグなウサギ娘の誕生をもって、この『船長室侵入事件』は幕を下ろす。
……誕生したばかりのウサギ娘が、全方位からお説教を受けたことについては、事件の範疇に含めないものとする。たとえばそれは、波の音に似ていた。
一定のリズムを伴ったそれは星の鼓動とすら思わせる。なにかの意味を見出すには充分すぎて、けれどきっと誰にとっても平等ではないもの。ひとりよがりの幻聴と言われても否定しきることはできない。
それでも。
「……あァ、ちゃんと聞こえているさ───"ヘイズ"」
たとえばそれは、幻聴にも似て。
たとえばそれは、怪談にも似た。
あやふやで、どこかしらも掴みどころのない"あわい"もの。
『船』に生きる大半の者にとってその存在は実在すら不確かに溶けていく。その根源が始まりたるクラーケンに寄生していた幻想種であることなど知るはずもない。
だが。
いや、だから。
『船』そのものでもあるグリムロックにとって、その存在は、ただの愛すべき隣人だった。
「お前から見てもあのウサギは危ねェか。よく言ってる均衡とやらも怪しくなるのか? そうかそうか」
日常会話そのものの口調。もちろん会話のように感じられるのはこの場でグリムロックただひとりだ。本当に意味のある言葉を拾っているのか、それもわからない。
今回は特別だ。聞こえてくる音がいつもよりもよく響いて、途切れない。
ペルカと名乗るウサギ耳の少女を帰してからしばらくこの調子だ。よほど、伝えたいことでもあるのか。
「そうか。お前も沈めたほうがいいと思うのか」
本当のところは、やはりわからない。
聞こえてくる音をグリムロックがそのようなものだと受け取っているだけだから。
その声も、力も、『開かずの海』から離れれば離れるほど小さくなる。ゆえ、その中心がグリムロックにほど近いのは間違いないだろうが。
「けどあいつも必要だ。このだだっ広い海に挑むなら、人も物も時間もいくらあったって足りやしねぇ。───なあヘイズ」>>435
千年という時間が過ぎた。
神秘を知りて扱えたとしてもひとつの個体には長すぎる時間。
それだけの時をかけて、今なおまるで届かぬ現実の波間に揺られながら、ひとりの魔術師が千年前と同じ言葉を繰り返す。
「俺ァな、なにをどうしようとも海の神秘に、その根源に辿りつきてェのさ」
秘海集積船と呼ばれる船舶がある。
どの国にも属さぬままどの国にも干渉せず、またされることもなく。独自の判断のみで世界中の海域へ侵入していく。
その存在を多くに黙認されながらも、その航海の目的は秘されており、明らかにされていない。
なぜか?
答えはひとつ。そこに『魔術』があるからだ。
魔術とは力である。秘してこそ発揮するその力を保持せんがために、隠し通す。いずれ神秘の最奥に辿りつくその日まで。
つまりは、そう、秘海集積船とは魔術と魔術師を載せた───
───魔術を追い求めるための『船』である。俺の船SS、9月までには完結させたいロードマップで行くつもりだけど行けるかな…行くしかねえよな…
>>419
おおコイツがセイバー…え?ライダー?(割とガチでセイバーだと勘違いしてた民)
キャラシ調べてみた感じ謎が多いというか、ライダー霊基情報がないとかキャラシで伏字に入ってるアレとかでとんでもねえ厄を感じさせますねぇ…
何となく終盤まで生き残ってボスになりそうだなって予想
>>437
ロック「で、俺が生まれたってワケ」ってコト!?
そういう事なのか…!!数年越しに複数のピースが一気に挟まって解ける音がする位に華麗な伏線回収ですね、お見事です…!!
そして色々興味深かったりSS書くにあたって勉強なる事も見れて本当にいいSSだなって思いました
>>426
いいですよー、取り掛かります
あとwikiの参考画像とかにできる限り忠実にしたいとは思うんですが、メインカラーというか鎧のメインの色教えてくれると助かったりしますので良ければお願いしますー>>439
おおうカッコいい…!
鹿之助を立ち絵にしてみるとこんな感じになるんですな第■回投下してきました。
こちらも宝具以外は出し惜しみしない方針で。
尚、手加減が難しく、最悪ころしかねないので銀河ちゃんがシルヴァさんを攻撃したり小聖杯奪いに行ったりはしません。
サーヴァントと打ち合えるような攻撃とか、聖杯大会だとマスターに向けてはいけない奴だと思うんだ。>>437
あー、良い!!なんかすごい良い!!
こう、企画に一切関わってない外野ながらも言葉を選ばずに言うとあんまり「魔術を探求する組織」って感じがないなぁって思ってたんですけども、このssを通してちゃんと魔術師たちが構成する集団としての本質が見えた気がします
>>442
了解です
こちらが持ち合わせる手札で「これはまだやってほしくないな」みたいなラインはありますか?
>>439
兜かっこいい!!
>>426
肝っ玉が太いと言うべきか常人が持つべきものが欠落していると言うべきか
>>438
実は八岐大蛇が「セイバー」というところから考えると辿り着けるかもしれないことだったりします
キャベツが大好きなローマ皇帝ですよ
>>414の続き。とりあえず一旦ここでストック全放出です「お疲れ。めんどくさいならしなくて良いよ?」
「俺がしないとちょろまかすだろお前。あげませんからね」
金にがめついところが経理の仕事で生きている。裏のお仕事だから確定申告とかは必要ないけれど、それはそれとして裏だからこそ必要な財務処理の手続きは多い。それら全てをやってくれるルフはぶっちゃけ最高だ。横領せずに自分の取り分だけきっちり取ってそれ以外はちゃんと管理してくれたり分配してくれたりするのも良い。そういうところは誠実なのだ。
「仕事人って感じだよねぇ」
「俺は嫌いですけどね、この性格。ダヴィ兄みたいに人付き合いが良い方が世の中上手く回るに決まってる。……まあ、どうでもいいことですが。今はお前たちがいるし。それはともかくタバコ返してくれません?」
「いやでーす。禁煙しなさい禁煙。それか電子タバコにして」
何だか懐かしい気分だ。そう、最初はこの二人だけだった。実家からも時計塔からも逃げた私が、お金を払いさえすれば何でもやってくれるって言うから雇って。そのお金稼ぎを依頼でやったんだった。あの時はナキもいなかったから、まあ色々なことをして……うん、やりたいことをやりたいようにやった。そこから仲間が増えて。もっと楽しいことが増えて。でも自分を騙せなくて。こんなこと考えてる自分が嫌で嫌で仕方ない。また逃げたい。あんなの見てると自分が惨めになってくる。吐きたい。やばい。本当に、もう……
「辛い時はいつでも言っていいですよ。俺が殺してあげますから」
「………バレた?」
「お前の悪い癖だ。自分に優しくしてくれる人が怖い。好きになって、そんな人に心を開くのが怖いから笑って遠ざける。ナキは見ての通りのお人好しで、邪悪な吸血鬼かと思って近づいたロートゥスは世話焼き気質のオカンですから。嬉しいけど死にたくなって仕方ないんでしょう?その点、俺はシンプルだ。あの二人よりもドライです」
「そうだね。だから私はルフを仲間にしたんだった」その冷たさが心地良い。多分同じことをしてくれる人は他にもたくさんいる。別にルフが特別なわけじゃない。でも、そんな普遍的な接し方をしてくれるから心地良い。だからルフには全部言った。何が嫌なのかも全部吐いた。それは単に、彼と出会ったのは聖杯戦争が始まる前で、明かしても問題な状況だったからというのもあるけど。ルフは金にしか興味のない酷い男だ。だから良い。だから信頼してる。
「俺だけでも冷たくないと、お前が安らげないから」
「なんて?」
「何でもありません。……それより、聞きましたか?花縁組が5人、死んだそうですよ。新宿からの援軍も、“何故か”来れないとか」
「………私には関係ない。お父さんだって別に私に期待してない」
「そう思うのは勝手だけどな。生まれからは逃げられませんよ。俺もそうだ。お前だってそうだ」
そんな会話をしたのが昨日で、今がこれなんだから本当に運命とはわからないものだ。私は確かに可愛いけれど、そこに寄せられるのは今までずっと純粋な恩義とか、優しさではなかった。その通りに振る舞ってるから仕方ないのだけれど、下心だとか、特異なものを見る方が多くて。だから、今、とても驚いているし、苦しい。
「これ、この前のお礼。どうぞ!」
「えっと……それ、どこのお店の?」
「失礼だよそれ!!私が作ったんだけど。ほら、お仲間さんいたでしょ?一緒に食べて食べて!」箱に入れられたケーキはとても上等なもの。お店で売られているようなほど綺麗で美味しそうなもの。それを渡された。手作りって言った?こんなの手作りだと相当苦労するはずだ。それを作ってくれた?私たちに?おかしいでしょ、お礼にしても労力が見合わないし。
「………いいの?」
「いいよ!もう友達だし?命を助けてもらったお礼なんだから受け取って。………本当に、ありがとう。あなたのおかげで、私は生きてます。それじゃあまた明日!私、今からバイトだから!」
「ちょ、ちょっと待ってよ!友達なんて早すぎ……行っちゃった……」
そんな簡単に、友達ってなって良いもんじゃない気がするけど。そりゃあ口では簡単に言えるし私も言ってるけど、でもだって、今の言葉は本気の感謝だったし本気の友情だった。少し早くない?というか早すぎない?同じクラスだけどまともに話したのはこの前のが最後で、でも、友達だっておかしい……こんな、穢れてるのに。
「………ロートゥス、覗き見やめて。あとこれ」
「青春じゃねぇか。……え?帰んのお前」
「あとで食べる。ただちょっと家に寄りたいだけだから。……わかってても何も言わないでよ、お願いだから」
今は考えたくない。自分の中に湧き上がる友情を感じたくないし、ロートゥスのその優しい心配も受けたくない。こんな状態でアジトに行ったら絶対にナキも心配する。ルフでさえ気にかける。素知らぬように接してくれるのは、きっとキャスターたちだけだろう。それじゃダメだ。強く飄々とした自分でいなければならない。弱みは見せるな。見せて良いような立場じゃない。そんなのが許される生き方はしてないから。
ああ、でも。今の自分にとっての最適解はきっとこれじゃない。早く右手を切り落として、この戦いから降りること。魔術師としての真っ当な生き方を諦めて、けれど一般人の生き方も満足できなくて、どっちつかずの非日常で生きることを選んだくせにこんな幸せに固執している。そんな自分を消し去るためにも、ここでケジメをつけるべきだ。なのに……『できないわよね?だってアンタ弱いし馬鹿だから』
「………●●●●。なに、私のこと嗤いに来たの?」
『ええ、その通り。だって弱いじゃない。立ち向かえる力もなくて、毎日風呂場で泣き喚いてる。アンタを信頼してくれる雑魚は山ほどいるのに、その思いに応えることもできない。人の心を信じる強さすら知らない。そんなんだからアンタの周りから人はいなくなる』
その声は全てを見透かしている。邪悪で、残酷で、本当に最悪な女。だけど観察眼は確かで、何を思い、どうやって生きて、どんな心象風景を形成しているかまで正確に理解する怪物なのだ。只人でありながら神に逆らった女は、たとえ身体を削ぎ落とされても最後まで喋り続けることだろう。そして、その言葉には正しさが宿る。どこまでも正確に、ツユの心を貫いていく。
『で、でも、ね?悪く、ないんだよ?上手く考えたら……いろいろな方法を考えて、頑張ったら……も、もしかしたら逃げれたかもしれない。で、でも、さ?あなたはそれをしなかった……よね?無理だって諦めて、考えないで……その、私なんかが言うのも烏滸がましいけど……それは単なる“馬鹿”だと思う。だから、あなたは……逃げられない。大事な先生の手も、友達の手も掴まない』
「お前……!」
『お、怒らないで!ごめんなさいごめんなさい……でも事実よね?なんでアンタがさも被害者みたいに振る舞ってるのか意味わかんないけど。女々しい、さもしい、ほんと小賢しい。アンタ、人としてゼロ点も良いところじゃない?良いところを自分で潰してただ外野で眺めてるだけのみっともない間抜けがさ』
呪いに心身を壊されても、それでも彼女の口は止まらない。何故なら芯から全てが傲慢で、純粋な悪だから。他人の幸せなどどうでも良く、自身の幸せが基準な彼女は他者を慮ることをしない。慮ることで気持ちよくなるならそうするが、それ以外で慮ることはない。だから言葉に容赦がない。……けどそれに、ツユがある種の安堵を覚えているのも事実だ。自分の罪を突きつけられているのは、落ち着く。吐き気が込み上げてしまって、吐いてしまうけれど、不思議と心は凪いでいる。変に庇われるよりマシだ。船SS前回最後のリョーガ起きたらレリックいたシーン、会話解釈違いないかな大丈夫かな問題的に今からでもジャスミンちゃんに差し替えようかと一瞬思ったけどいくらなんでも連続で同キャラはまずい気もするからレリックのまま行こうそうしよう。ジャスミンちゃんは今みつムジと遊んでるしね。
あとバトグラ絵割と描いてて楽しいし気分転換にもなるので今後も受け付けます、希望の方いたらどうぞー
>>449
良いですねツユちゃんとルフ君。この一物抱えてる仲間感はなんか前作のカナリアとリムちゃんを思い出しますね
そしてツユちゃん…やっぱりそういう事だったりする?2/eiuzw.3xdykjrqーmdtdw6j5w@f?
伏字のキャラは全く見当付きませんがやべーやつ感は感じますね…あまりにも厄そうな奴が多すぎて一周回ってセナ先生がかなりマシな方かもと思えてきてしまった俺は多分毒されてる>>450
ガッツリ着込んだときの裾に映る月が良い!!!!
>>451
セナは実際自分を頼らないツユを先生として叱りに来たようなもんだから割とマシな方かもしれません、ただそのために乱入しただけで
>>452
ナキが入る前はこの二人だけで割とバチバチアウトローしてたのでその分の信頼関係はあります、あとなんだかんだ言って二人ともまだ思春期
吸血種という存在と遺体を加工する職務上誤解されやすいのですがよく考えると「安らかな顔で死ぬ」ってところでわかる感じです
>>453
コンセプトは親の業は子供の業、ですよろしくお願いします
今のところサーヴァントのこと裏情報気軽にバラしたり伏線が伏線してない(バレバレ)のはまあ物語上まだ判明してなかったりするから便宜上ほんの少ししか隠してないだけで実はそこ(正体バレ)以外の描写の方を頑張りたいからだったりSS投下!
We knew the world would not be the same.
A few people laughed, (笑う者もいた)
a few people cried. (泣く者もいた)
Most people were silent. (ほとんどの者は黙り込んだ)
I remembered the line from the Hindu scripture, the Bhagavad Gita; (私はヒンドゥー教の聖典『バガヴァッド・ギーター』の一説を思い出した)
Vishnu is trying to persuade the Prince that he should do his duty and,
to impress him, takes on his multi-armed form and says, (ヴィシュヌが王子に自らの定めを完遂させるべく説得するために四本腕の姿を見せ、こう言うのだ)
'Now I am become Death, the destroyer of worlds.' (今や我は死なり、世界を破壊する者なり)
I suppose we all thought that, one way or another. (多少なりとも私たちは全員そう感じただろう)
神代インドのクル・クシェートラという土地で行われた王位継承を巡る内乱、通称『クル・クシェートラの戦い』。その実態というのは平和的解決を望んだパーンダヴァの五王子、ユディシュティラを筆頭とするパーンダヴァ陣営の交渉空しく、クリシュナやパラシュラーマといった賢者たちの直々の説得にも応じず、カウラヴァ陣営の事実上の首魁であるドゥリーヨダナが一方的に戦争に舵を取ったことにある。クル王国の抱く、根本的な歪みの反動が現れ、一説には12億人と言われる数の“戦士(クシャトリヤ)”が亡くなったという。
ともあれ、オカルト界隈では古代インド核戦争ということでも有名だ。
紀元前4世紀から紀元4世紀に成立した『紀元前5000年代を舞台とする』、とか。
インド(バーラタ共和国)での一般的な認識は紀元前3138年、とか。
そういう意味ではなく。>>457
『マハーバーラタ』の「ドローナの巻(ドローナ・パルヴァン)」において以下のように語られる。
――神々によっても抗しがたいアグニの武器を呼び起こした。敵の勇士を殺.す師匠の息子は、眼に見える、あるいは見えない、敵の群れをめざして、煙のない火のような輝く矢を加持して、怒りにかられて、それをいたるところに放った。それから虚空に、激しい矢の雨が生じた。熱い風が吹き、太陽はまったく熱さなかった。ダーナヴァたちはあらゆる方角で恐ろしく叫んだ。そして空では血の雨を降らせ、轟いた。(中略)すべての大きな生き物は動揺し、太陽は傾き、三界は熱せられ、熱に入り込まれたかのように苦しんだ。象たちは矢の光熱に苦しみ、地面に横たわり、息を吐き、恐ろしい光熱から解放されようとして飛び上がった。バーラタよ、池は熱せられ、水に生ずる生き物は燃やされ、平安に達することはできなかった。(中略)バーラタよ。尊いアグニは戦場で敵軍を燃やした。ユガの終わりにサンヴァルタカ火が一切の生類を燃やすように――
上村勝彦訳 (2003).『原典訳マハーバーラタ7』 ちくま学芸文庫 より
あるいは、世界を麻痺させる破壊力を持った『光赫よ、獄死の海を顕現せよ(ブラフマーシラーストラ)』がアシュヴァッターマンの手によって使用され、アルジュナが全力で打ち放った矢によって拮抗しても尚、周囲一帯が十二年もの間、不毛の土地となると伝えられたほどの爪痕を残したこと。
ガラス化した古代インダス文明時代の廃墟モヘンジョダロ、というのは噓偽りである。
しかし神話伝説の記述をもって、古代核戦争説を真実だと語る者もいるだろう。それがまして叙事詩の登場人物である“英霊”が実在するのであれば尚更だ。
金色の装飾と黒いスーツ姿のちぐはぐな印象を与える男性は、自らの眼下に広がる硝子(クリスタル)で構成された工房、万里焼却炉心モヘンジョダロを眺め、そして踵を返した。
工房がまるで自らの罪をエネルギーにして動いているようで直視できなかったからだ。>>458
「贖罪のため、我が世界を護るため。
今一度、我は科学者として汝らの世界を破壊する罪を背負う。
कालोऽस्मि लोक-क्षय-कृत् प्रवृद्धो लोकान् समाहर्तुम् इह प्रवृत्तः (私は時、諸々の世界の大破壊者である。私はすべての人々を滅ぼすためにここに来たのだ)」
◇◇◇◇
見よ、天を輝かしいばかりの輪が覆う。
かの“輪(チャクラ)”の主の名をマーンダートリ。
マーンダートリが神々の王、天帝インドラ自らによって灌頂された時に現れ、今や我々の頭上に存在する天蓋の“代わり”を成すその聖なる輪は、一夜にして天界スヴァルガを、地上プリトヴィーを、地底パーターラを覆い尽くしたという。さながらヴィシュヌ神が三歩によって三界を渡り歩いたように。
その輪が廻転するだけで諸々の財宝は自ら、かの王の傍へと集う。ヴェーダ聖典と弓のヴェーダ、諸々の神聖な武器が思念されただけで出現する。アージャガヴァ弓、角からできた矢、貫かれない鎧が即座に彼に奉仕した。宝の山(もしくは海)や都をともなう大地、四辺に至る大地が王の所有物となり、それに報いるように王は百の馬犧牲祭(アシュヴァメーダ)、百の皇帝即位祭(ラージャスーヤ)を開催し、威光に満ちた彼は祭壇を積み、祭場によって満たされない場所はなかった。バラモンへの謝礼に、時として一万パドマの牛を与えたと言われている。>>459
……1パドマが10億だから1兆頭の牛ってこと?
……神代インドはその魔力の濃密さにおいて、特別な環境にあったようだね。
多くの法を達成し、その無量の光輝に満ちた人は“神々の王”の半分の座を得た。
十二年雨が降らずに旱魃となった時、マーンダートリ王はインドラが見ている前で穀物を生長させるために雨を降らせた。
後の世に転輪聖王と称されることになる理想王のひとり、英雄を超える聖雄のひとり。
かの王の治める世界はすべてが満たされており、何ひとつとして不足はない。
◇◇◇◇
「あァ~~、マスター君ちゃんよォ。
ちょっと“面(ツラ)”貸してくんない?」
カルデアのマスターは一瞬、古典的な日本の不良の「これからシメるから校舎裏に来いよ」の雰囲気を感じて身構えるが、発言主の顔を確認し、硬直した体の力を抜いた。
サーヴァント・マーンダートリ。日本の成人男性一歩手前のマスターとだいたい同じ背格好だが、伝説ではなんと約600mもかくやという身長であったという。それが語り部である“聖仙(リシ)”の叙事詩的な盛り方なのか、それとも霊基が異なれば伝説通りになるのかは分からない。
彼は『マハーバーラタ』などで語られる“神々の王とその玉座を分かち合った帝王”であり、仏教や漢籍などでは頂生王として、古代インドの理想的な帝王である転輪聖王の称号を戴いている。
その砕けた口調と親しみやすい雰囲気とは裏腹に、地上の、定命の枠組みを一時的にでも超えた人間なのだ。>>460
「ああ、別に歩いたりする必要はないぜ。
“七宝(サプタラトナ)”の、そうだな、ハッティ象かアッサ馬かに乗っていればいい。あいつらは空も飛べるから揺れもない。……味気ない? 確かに。象への騎乗ってのはあの揺れも含めての楽しみだが、あれを七宝と定義した奴らはきっと象を権威の象徴として考えたンだろうさ。だからまあ、空飛ぶ絨毯みたいなものとして考えてくれ」
「……で、だ。特異点の発生源であるモヘンジョダロ。当世にあってはガラス化した街のひとつとして俄かに名が知れ、またそれが誤りだったという。
だが魔術世界には物質的な真実か虚偽かなどというのは左程、関係ない。“信仰”っていうのはそういうことだろう?」
自らの足で歩んでいるマーンダートリは、空を飛行する象の背に乗るマスターに対して値踏みするような視線を投げかけた。神々の王の座に辿り着いた王聖は天から落ちることでようやく、世界のカタチを識ったのだ。
多くのことを知り、多くのことを経験する貪欲さがそこにある。
「全知全能なぞ、とうの昔に至っている。その先にある“大悟”をこそ俺は見たい。
“お前”はそれに見合う奴か……?」>>464
アシュヴァッターマンのアーグネーヤの記述探して30分以上かかりましたね
覚えてないのが悪いと思いつつ、二度と探索しないために怒りの出典表記
マーンダートリは王キャラとは脱却したくてですねえ……(深刻な引き出し不足)ふと、船の生徒で軍師系というか頭脳戦強い感じの生徒増やしたら割と模擬戦で参謀なるとかみたいに色々な場面の幅が広がりそうだなと思ったけど詳しいのが思い浮かばないので提示だけしてみます
>>452
気に入っていただけて良かったです…!!
また何か見たいってのがあれば受け付けますんでよろしくっすー
>>453
おは龍之介
正直通常の立ち絵よりこっちのが線の雰囲気とか近目になるからか描いた時の手応え感じやすいなって気がしてきました…普通の絵も頑張ろ…
>>454
そこに気付いてくれたの嬉しいです…やっぱ鹿之助なら絶対月の柄入れないとなって思ったんで右再臨には月入れてみました
>>462
安定のトンデモスケールインド神話からのこれまた滅茶苦茶強そうな新規サーヴァント…!!これは絶対限定星5で顔面BGM宝具持ってる奴だな、俺は詳しいんだ
そしてどう転ぶか分からない雰囲気の特異点ながらも出てる2騎だけでヤバい事になるのが感じ取れますね…嘘予告という訳ですがマーンダートリはその内出しそうな口ぶりですし登場待ってます>>455
回答……回答ね……現時点からだとどうなるかは私にもわからないんだぁ……
>>468
わぁ、幸せそうな顔しちゃってまぁ
こんなのいたらそりゃ全身でもふもふしちゃう……いや身体なっがい
>>469
すごくいっぱい考えてくれてる…!
二杖のモチーフいいですねぇ、灯台×メイスの大暴力感すきすき。しかし杖とは……杖ってなんだっけ……
めっちゃくちゃ元気なおねーさんなので冬でも出しっぱだと思います。一回お腹壊したりするとしまうようになる
>>470
生存報告うれしい…うれしい…
いつもの八重歯が隠れてるとものすごい美人さんに見える。普段アレなのに…アレなのに…!
これ着てるの冒険で使ってるポンチョですかね?ですよね!?十億の一万倍は十兆なのでは……?
猫の日ということでね(トレス)(予想以上にシャントリエリさんに合いすぎた)
>>469
こぉれは海のお姉さん…いやむしろ姐御…!ピアスがごっついメイスと望遠鏡バズーカになるのとても良い…特に望遠鏡バズーカ好き…
こんな豪快さの塊な人がもふもふ相手には>468みたいになって虫には悲鳴上げるの、あまりにも強い
>>470
>>473
ルナチャンウツクシ&カワイイヤッター!オヒサシブリデスー!
こうやって見ると吸血鬼少女としての神秘度が高いなぁ、冒険の時にすれ違ってみたい美人さ…
>>474
眼鏡とスマートな面差しとでまさしくインテリイケメン!ですが私知ってましてよ、そのタートルネックの下には隠し切れないゴリゴリストロングな肉体があるということを!お得!!
>>478
多分もらう時はカステラ「えぇ〜もしかして本命ってヤツですか〜!」ってからかってほたるちゃんを真っ赤にさせてると思うんですよ、そのくせいざ自室に戻ると…ねぇ…「こんにちは」
「えっと……こんにちは。お姉さんは?」
「何でも良いわ。今は必要ない情報だもの。ただ一つ、最近この街に蔓延る噂は知っている?」
なんだっけ。なんでも教えてくれる巫女さんのことだっけ。でもどうしてそんなことを聞くんだろう。別に自分は困りごとなんてない。ああいや、正確には聖杯戦争に勝つための助言は欲しいけど、それってそう上手くいくものだろうか。下手に予言するとむしろ因果がどうとかで捕捉されそうな気もするけど。
「知っているなら良いわ。ねぇ、『どうか聞かないで』ね。綾姫の一族はあなたに対して『とても厳しい』わ。あなたが『マスターとしての権利を奪ったことを恨んでいる』から。あなたを見つけたら『捕まえて、令呪を引き剥がしてしまう』わ。そうしたら、どうなる?」
「………父さんに移植される?」
「そう、その通り。だから、ねぇ。『絶対に従ってはダメ』なの、あなたが『お父さんを助けたい』のならね。私のこの助言を『どうか覚えていてほしいの』。お願いできる?」
その言葉を最後に、隣で屋根に積もった雪が崩れ落ちた。そちらに気を取られたが最後、先ほどまでいた巫女は消えてしまったようだ。いや、巫女ってなんのこと?自分はさっきから、一人でこそこそと裏の道筋でアジトに行ってるだけじゃないか。こんなところに入り込む物好きなんていない。……そもそも今、何があったんだっか。覚えてないし、覚えてないということはきっとどうでも良いことなので、さっさと行くことにした。
近頃、こういう噂がある。通りすがりに助言をしてくれる巫女様がいると。彼女の一言は的確で、困っている回答に必ず百点満点を返してくれる、と……こういう話にありがちな代償なんてものは一つもないし、やってはいけないタブーもない。聞くも聞かぬも自由の託宣、それを施す独り巫女──────「って街の人たちは言ってるみたいだけど。アタシは気づいてるんだから!それってサーヴァントなのよ!アンタたちが召喚した本来のバーサーカー!別に親切心とかじゃないから!!」
「これはどっち?本当に親切心じゃないの?それともツンデレ?」
『本当に親切心じゃないなこれは。何かしらの狙いがあると見た。それにしてもバーサーカー云々は信じ難いがそっちは本当っぽいからガチだなこれ』
ある程度触れ合ってわかったことがある。バーサーカー、天逆毎はとにかく嘘をつく。その態度から照れ隠しのように見えるがそれすら誤魔化しだ。人がとっつきやすいような態度で接しているから誤解しかねるが、その本質は魔性のそれ。隙あらばこちらを嵌めようとしてくる。メスガキだとか、ツンデレだとか、そんな現代風のガワを被っただけの妖だ。
「で?それを私たちに言ってあなたに何のメリットが?」
「ざこざこなアンタたちのためですけどぉ?」
『嘘。徹頭徹尾テメェのためだな』
「……ふん!なんか召喚されたと思ったら良いようにあの女に利用されたのがムカつくの!!」
「これは私もわかるわ。本当のことね」
バーサーカーが言うには、別に召喚に応えたわけでもないのに勝手に喚ばれたことになっていて、そんなことをした張本人が自分の存在を隠蔽して好き勝手やっていることに腹が立つらしい。自分は無理やり召喚されて色々な制約に縛られているのに、あちらは土地とパスを繋いでやりたい放題だ。そんなの許せるわけがない。可愛い口調ながらも殺意を剥き出しにしながら吼えていたので誰がどう聞いてもそれは真実だ。「……天探女は確かに巫女だという説があるわ。となるとその能力は、予言?」
「はー?バッカじゃないのー!?アレは天若彦に不吉を伝えたのよ!それと天邪鬼のルーツって説から考えてみなさいよ!……どうみても起きることを言い当ててくれる良い女じゃない!」
『嘘。……ニュアンスからして裏返し、言ったことを、既に起きた事象を……?いや、それは流石に無法すぎる。そんなの条件付きの全能だ、あり得ないし流石に限度はあるだろう。だから引っ搔き回す程度で留めてるのかもしれないが』
「あー……そう。託宣を聞いた本人が気づけてないだけで、もしかしたら全部裏返るの?起きることとは真反対のことを聞かされてる。ただ気づけない。でもそれ、使いようがあるわ」
……当人たちは忘れてしまっているが。ここに存在しないバーサーカー、天探女はとある宣言をしている。そしてその通りに自身の行動指針を定めた。彼女は息を吐くように嘘を吐くが、真実として語ったことを覆すことは決してしない。そんな彼女が、助けになることを宣言した。この聖杯戦争を引っ掻き回しながらもそうすると宣言した。計らずとも、その善意に乗っかった形となったのだ。
『情報を流す。今回の聖杯戦争において綾姫が提示したとある呪体、そして山星が権利を放棄した星の雫の在処を示す。俺はそれを知っている』
「そんなことして、確保したい陣営たちで乱戦が………乱戦?ああそうか、バーサーカーの発言から考えると天探女はとりあえず場を乱したい。なら乱しやすい場を作れば良いのね」
「アンタたちきしょすぎ!もっと真っ当に戦いなさいよ!!」
「………これどっち?」
『知らねぇ〜』「はい!ナキは今、聖杯戦争に巻き込まれています。ぶっちゃけ他の参加者のことを考えるとむちゃくちゃハードモードってことはわかる?」
「うん、まあ……ジルさんも真正面からはそんなに好きでもないって言ってたし……でも魔術は対魔力で防がれるかもしれないって話もあるし」
「はいその通り。なので私たちに必要なのは強くなるためのものです。というわけで……頑張って集めるよ!サーヴァントの強化素材!」
バン!と思いっきりホワイトボードを叩きつける手。ツユちゃんが貼った写真はどこか山奥にある大きな大きな建物だった。なんか、見たことあるような、ないような。というかこんなところにサーヴァントが強化できる素材とやらはあるのだろうか?サーヴァントって、最高位の使い魔のはずでは?
「これはマル秘情報なんだけど。山星家って魔術師の一族が持ってる星の雫はサーヴァントの霊基を拡大、性能を向上させる効果があります。何てったって世界有数の霊脈から凝集された星の生命力そのものなんだから!かなり高純度で人の手ではまず作れない代物だよ。それに綾姫の適応呪体を組み合わせれば……」
「そっちはナキが手に入れられるのでは?お前なんか実家のコネとか持ってないんですか」
「それがぁ……僕の調べによると勝手に承諾した僕のことを快く思ってないらしくて……捕まえてマスター権譲渡させよー!なんて動きもあったり?」
「どこ情報ですか」
「………えっと、何処だったっけな……ああそう!父さんが電話で話してるところをこそっと聴いた!」
うん、そうだったそうだった。父さんが苦虫を噛み潰したような顔をしていたのを覚えている。僕が捕まったら父さんに押し付けてしまうことになるから、勿論そんなことはできない。なので連絡を取って協力なんてことはまずしないんだ。仮に承諾されたとしてそれは口だけの可能性がある。正式な契約を結ぶところを不意打ちされたら自分はどうしようもないから。「まあそりゃそうだ。適当に入って盗み出すしかねぇよ。………他の陣営もするだろうけどよ。ツユ、正直に吐け。それって儂たちだけの情報じゃねぇな?」
「うん、まあ。今日になって急にここら一帯の、多分7つぐらいの街にいる魔術師たちに流布された情報だね。でも多分、聖杯戦争の参加者以外は来ないよ。儀式を行うために封印を緩めて外に出さないといけないこのタイミングで、手に入れるチャンスができる垂涎もののレアな魔術素材だけど、何せ相手が悪すぎる。サーヴァントと戦える現代人なんてほんと少ないし」
「逆に言えばそいつらと俺たちがかち合う可能性がありますね。綾姫も全力で守るでしょうし……こちらも秘密の情報です。ロートゥスとの繋がりがバレてる。教会は血眼になってあなたを探していますよ。綾姫とも共同して、ね」
「なるほどな。監督役だなんだと言いながら、今回の教会は随分と好き勝手する権力があるらしい。参加者同士の乱戦、それを用いて立ち回ろうとする綾姫と、乗じて儂や異端を殺そうとする教会か。………まあ良い。儂ももうこの船に乗っかった。やれる限りのことはするぞ」
方針は決まった。チャンスは儀式のために一度、呪体と星の雫の封印を解く今日の夜だけ。それを逃せば我々は強化手段を失うので、その間を狙って奪取する。現地に突入するのはロートゥス、ナキ、そしてナキに付き従うキャスターたち。戦力的に心許ないので出来れば隠密に、任務を遂行しよう。味方はゼロ、たとえ綾姫の魔術師であろうと、教会の聖職者であろうと、見つけたら倒す。殺しはせずとも気絶ぐらいまでは。ちょうどいい、両親はどちらも今夜居ないのだ。今から発とう。
「ああ、ナキ。これやるよ」
「………仮面?兎、いや、鬼?可愛いけどカッコいいね。なんか視界も広いし割とちゃんと呼吸もできる」
「どっちもモチーフにした。他の奴らはともかくお前は普通の生活を失いたくねぇんだろ?なら身を隠す手段は持つべきだ。ほら、仕事用の服も作ってやった」
「わぁ………ありがとう!」
「気にすんなって」暇な時に猫ミーム呟いてそうな人いねぇかな
>>477
とりあえずバックグラウンドが微妙なエルナン・コルテスとパロミデスはもう少し深掘りできそうだし、ルナティックで召喚されるまでには性格面のプロフィール更新はしたいですね
パロミデスは「女性だって戦っていいやろがい!」みたいな反骨心というかが旺盛な女性で男装して騎士やってる間に命斬る快楽とかサディスティック性癖に目覚めた感じだろうか……。
トリスタンとの関係性も考えておきたいし「ク.ソみてぇなことしてくれたな。何処の誰かわかんないけど」
「………守り切れます?この遺骨」
「最悪守り切れなくても良い。俺たちは聖杯戦争がちゃんとした形で終わりさえすれば良いから。そりゃあ……出来れば俺たち綾姫家の陣営にってのはあるけど、それ以外の陣営に使われても良い。ただ最低限、他の遺物が略奪されないようにそこの警護はしよう。どうせサーヴァントたち、マスターたちの激突になるだろうし、形だけでも抵抗するって感じ」
「了解。教会は?」
「通せ。どうせ介入するなら精々護衛としてこき使ってやる」
『ルート確保。端末に提示した道筋です』
『OK。じゃあルフは脱出してー。現地の二人とキャスターさんたちは?二人はともかくキャスターさんずっと音沙汰ないけど』
「儂はいつでも」
「僕もいけるよ。二人はここ最近ずっと作戦会議?してるみたい。方針が固まったからこの争奪戦は参加できるって」
『わかった。……じゃ、はじめよっか。電子ロック解除まで3……2……1……』被った、すまん
>>493
有りではないでしょうか?
お久しぶりです〜アンジェリーナの家業ですが、実家としては主に医療関係を中心に手広くやってる他、葬儀関係(悪霊等を秘密裏に回収するだけで死体には手を出さない)もやってます。 アンジェリーナ個人としてはまともな商売なら話の都合で何やらせても良いってくらいには手広くやってます。 要するに、便利キャラですね。
怒涛の神絵師による神絵がブチ込まれまくってよくてよのハイパーインフレが発生してて大草原 嫉妬する位上手ぇ…
頑張れ俺…劣等感を向上心に変えろ…お前は聖杯大会スレ絵師部の獅◯神敬一ポジションになれ…
>>469
キャラデザ力が半端なさすぎてスタオベ不可避
>>470
復ッ活ッ レージュ先生復活ッッッッ!!(お待ちしてましたお帰りなさい)
そして安定の激ウマイラストですわ…可愛い…
>>474
と思ったらコッチはイケメン…!!やっぱ俺パイオンさんもなんですがレージュさんのハイライト無い男キャラ好きですわ…乙女ゲーみたいな色気が俺を狂わせてわし女の子になっちゃう…
>>472
ビャァァァほたカスだァァァッッッッ!!!
普段チャラ男で何人もの女口説いてるように見えてこういう時にそういう事するのはやめたまえ 死人が出るぞ
これには海月ちゃんもやれやれとため息つきながらニッコリしそうっすね(前スレの軽い改修で恋愛話好き設定追加しました)
>>479
ぺるかわしゃりかわ
そしてガバタルパイセンオッスオッス お久しぶりっす
>>491
ヘレナさん投げキャラで草 そういやよく考えると船で格ゲーっぽい感じのを考えると投げキャラっぽい人少ないですね…そういや京極さんに確認なんですが、三国志特異点のデイヴィくんvs趙雲さんのSSってデータまだあります?
>>501
統合スレですか。2021春って時期も分かってるなら、ちょいと自分の方で探してみます確認完了。そういやリレーだったんでした……
>>503
良かったです…うろ覚えでしたので合ってて安心しました
とはいえ入った初期の右も左も分からず色々やらかしてて色々思い出すと恥ずかしい物がある位に拙い時期だったので、趙雲のキャラも固まり切ってなかった筈だから今と性格違うな?って部分もあると思うのでそこは申し訳ないです。
にしても趙雲君初期は女性キャラとの絡みで味を出すつもりだったのにオルタの方にも懐くショタ(デイヴィ君)とかチャラ男のダチ(家綱殿)とか何かと絡まれる魏王(曹操)とかみたく男性側のが濃い絡み多くなってるの草生えるな…>>507
いえいえ、元々ボスキャラの造形ですので
気兼ねなく書いていただければ幸いですサムレムDLCのネタバレ解禁時期なのでこっそり呟くと
ルーラー伊吹童子のクラススキル「神域」を使って、チャクラ・ヴァルティンの光の下、神域が広がる…っていうネタをやりたかった。神域じゃなくてカリスマでもいいかもしれない(神の神域>人のカリスマ≒空間支配・マナの支配圏、の考え方)私は……バレンタインも書けてないからホワイトデーを書くわけにはいかないんだ……っ!
季節イベのスパン短すぎるぅ…ギスギスって程じゃないけど少しぎこちなくて刺々しい感じの会話を今まで書いてなかったが故にレリックと凌牙君の会話に手間取ってるアホがここに一人
納言さん大丈夫そうなら解釈違いじゃないかラフム語で少し擦り合わせたいでござる…
>>511
この時期は大変っすよね…まあホワイトデーは台詞付き礼装1つ2つ考えるだけってのもアリなんじゃないかなと
俺も今年はイラスト付き礼装だけにしようかなと考えてたり。モンゴルvs魏のマフィアバトル風礼装、黒趙雲&デイヴィ君のバディ風礼装、児雷也&西湖のパロ盛り忍者礼装の3つまでは候補絞れたんですが甲乙付け難くて迷ってますね…
あと個人的には近いイベを急いで考えるよりも前言ってたみたく夏イベとか先の季節イベをゆっくり考えるのが良いんじゃないかなって思います。見たーい水着エウラリアとか水着霊衣鹿之助見たーい!!>>513
何だかんだで2年共上手く行きませんでしたからね…打ち水は書きたかったんですが酷いスランプでしたし温泉の方はもう確実に俺が原因なので…上手く行きそうな流れを破壊した俺が悪いので…(個人的な贖罪も込めて余裕がある時に温泉夏イベ風味+あの時の水着メンツ絡ませた前後編SS作れたらなと思ってたり)
良いですね諸島方式…アローラ地方思い出すな…リゾート地系の島とか探検できそうな島とか色々バリエーション作れそうですね
やっぱりいるんですねその2騎の水着…!!なんとなく水着エウラリアはトンチキ路線と真面目路線のどっちでも映えそうやなって
こっちは水着霊衣児雷也くん出したいと思ってんですが…星5なんですよね…いやもう星5の雰囲気全然無いし星4に修正するか…夏はカンヌ舞台に映画作成(鳴鳳荘みたいな)とか面白そうだなーと思ってます。ああいうの結構すき
>>53
シャルドネさんの『鯨』めちゃくちゃ描写がいい…wikiの方だと「鯨の形をした都市信仰の亡霊」だからその信仰を形成させた人間側の眼からだとそりゃあ鯨っぽく見えてしかるべきですわな…英霊システムとも通じ合うものを感じます
>>122
ようやく音邑市の謎が紐解かれつつある中でこれまでの敵たちとは格段に話通じない度が違う系ロリとの対決か…
そして「後で合流する」ということはボスラッシュみたいになる恐れもあるって訳で…ひい、フェリーペさんたち頑張ってくれ…
>>155
ついに凌牙さんの過去にスポットライトが…トラウマの悪夢を見るに凌牙さんも魔術師に良いようにされそうになったのか…やはり「正義」を謳う魔術師ほど碌なやつはいない
レリックが苦手な理由、不良と厳しい船員という立場以外にもありそうなのが気になるところですね…ラフム語での相談大丈夫ですよー
>>259
触媒なし召喚で馴染みのない聖杯戦争に挑もうとは、ヴィクトルさんの王としての自信とポルカさんへの並々ならぬ敵意が知れますね。実に支配者らしい…
しかし、召喚前に接触できたのがまだ塵塚さんありきとはいえ会話に応じてもらいやすいアヴェンジャー陣営なのは幸運と言うべきか。というか二人して食欲に忠実でこれは…似たもの主従というやつ…?>>293
巻き込まれ枠でキャスター(詐称)なんていう厄ネタと繋がっちゃうのはカケルくん本当に厄日…この幼なじみ男子たち二人して苦労してばかりだなあ
前の投稿でのルート分岐を見るに、青砥さんを追いかける方だと別なサーヴァントと繋がることになってたのかしら
あと今更ながらグランデパートも拝読いたしました。拠点つぶしまくるサーヴァントってどんな人だろうって思ってたらまさかのロビンフッドさんだったとは…確かに彼女も中世イングランドの英雄でしたね。何とも言えない甘い関係で…いい…
>>382
最初はただの聖杯戦争でいう即殺枠かな?と思って読んでたら、まさかの特異点案件…!?まだサーヴァントを喚んだだけなのに観測されるって、『R』さんの用意した「逸理の地」とはいかほどのものなのか…
そしてコッペリアさん、サーヴァントという神秘が持つ魔眼の脅威というものを痛感させてくる…これは後で来たカルデアが死体と惨状を発見することになりそう。最期までクライさんは諦めずにカッコよかったから、このままはどうにも忍びなく…
>>409
バレンタインの摂取カロリーはえげつないからね、身体を体感で冷やせて手軽に熱量消費できるプールでの運動、これは慣れたマスターだ…と思っていたら別の運動()が始まってる…!?
ドン・ファンはみつさんの気配りにそんなさらっと失礼なこと言うんじゃないよ…このドン・ファン…>>437
わぁ~船の神秘の研究機関らしいところが出てる~!グリムロックさん、所謂船の親爺らしい豪胆さと恐ろしさ、神秘に対する強欲さを併せ持つのとても好き…自分のどっぺる(ロックくん)のことも既に見据えていて、そこにペルカさんを組み込んで落とし前とするの、トップの風格だなあ
あとグリムロックさんとヘイズさんとの会話での波の音のくだりも海の神秘とじかに触れ合っているというのが感じられて、静かながらにとても好きです…
>>488
こうやって見ると強者除外の聖杯戦争とはいえサーヴァントとマスターがそれぞれきちんと意思疎通が出来ていてそれぞれきちんと機会をうかがえて…とどの陣営も手練れとしての実力を感じさせますね、サーヴァントも粒ぞろい。そんな四陣営が激突するとは…
そして、だからこそ、そんな中で秘密と傷を抱えているツユさんたち三人の心情が際立つ…神秘に触れているとはいえまだ学生、少年たちの絆が試されるには厳しすぎるイベントのように思えてならない…
ここからは感想返し、ありがたやありがたや
>>480
バレンタインは渡すまで(女子側)だけの特権じゃねぇぜ!というのを今年の男鯖のバレンタインストーリーで再度痛感致しましてね…
ホワイトデーは男子組のお返しすったもんだ劇を書きたい…
>>491
カブシナシナになっちゃった…別に食べれないことないけどさ…(漬物にしながら)
>>498
我普段は誰にでも粉かけるような男が特定の個人に対してはちょっと違っちゃうのが(そして相手にはそれを一切見せないのが)ヘキなのだと最近理解した。ほたカス、とても、ぴったり
海月さん年頃らしい可愛い趣味を持っちゃって…裂夜君コソコソ話
現状の騎士団ネームドでは恐らく最弱というか、生徒が模擬戦とかで撃破できる可能性は比較的高い部類に入ると思われる。まあ他ネームドが超タフネスだったり魔眼持ち超火力だしね。
とはいえ、その集中力で隙は基本的に見せないし冷気で徐々に相手の体力と集中力を鈍らせていく→一瞬の隙でカウンター仕掛けて確実に仕留める為に生徒相手なら大体の相手には遅れは取らない位は強い。
リョーガ先輩相手だと少し有利。
氷とか超低温は電気を通さないというので、身体帯電と磁場操作の内磁場操作を無効化できる。即ちリョーガ先輩の金属ファンネル攻撃を封じる事が可能という点でアドバンテージを取れる。
そこからは帯電強化に強化魔術を加えた圧倒的火力vs受け流して隙を見せた瞬間命を取る圧倒的防御力での勝負になる。両者勝ちの目はあるけど電磁気にデバフ掛けられるから裂夜のが若干有利になると思います。
なお数の暴力でカウンターの隙を潰す上に確実にメタで高熱出したりしてきそうなジャスミンちゃんには恐らく不利。
>>515
成程メイン島とサブ島パターン…良いですね。
あとはメインの夏っぽい事……夏フェスとかオリンピックとか……?
>星はまだ気にしなくてもいい
ですね、確かに言われてみりゃそうでしたわ。
あとは去年は霊衣が実質5騎分(オベロン2つだったし)だった訳なので今年は霊衣多めでも良いかもですね。
>>516
フフフ…中納言さん、先に言っときます。その考察は俺の想定内です。この過去をよく覚えておいてください。必ず驚かせますので。
あと良ければなんですが、前スレの900前後にある敵勢力チラ見せSSも見てくれると嬉しかったり…敵キャラ全員ビジュアルチラ見せしてます。
ラフム語はちょっとだけお待ちくださいー。今SS書きながら相談要件纏めてますので、今日中に出しますね。
>>518
よく考えたらほたカスだと蔑称みたいでアレですね…カスほたのが良かったかもしれないですごめんなさい…
海月ちゃんはね…ああ見えて自分も恋愛したいし王子様とか考えてるかもしれないメルヘンちゃんかもしれないですからね…果たしてあの子に魅力を見出してくれる男の人(と提案してくれる作者様)は現れるのか…現れたらいいなぁ…ムジカちゃんとほたるちゃんが見てる前で裂夜君とカステラ君が何かのゲームとかスポーツで真剣勝負するネタSSをいずれ書きたい。
>>516
納言さん、質問したい事固まったので時間ある時にラフム語でお願いしますー 多くてすみません
1つ目l94t@hysd@7rnya7yt@9hmg@pyw@s@yf[a7zwykizew;lzhxyfs@46mzwjrt?
2つ目
l94t@hyt@2<iv\0;qnusjat@bytekwefhgtyk2@qeuyw@rt@、c;izewuit6m4sb\stzw3ljrt?
3つ目(厳密には次の話関係ないですが重要な話なのでお願いします)
bytekwgw@、2<ckmk=<o47zw@、bytekwgkutw@2<tonwxeq@ekg94ek7zt@e.yw@r。msms2<ieq7zuyw@rt@、;lzhxysey<yt@3zw、;lzhxyt@qqt4ut@;idqeyw@rt@q@ed@942@w@rt?
めっちゃ長いです本当すみません…>>523
(前回までのあらすじ)
空から少女(の姿をした悪鬼)が降ってきた!以上
最初に動いたのは、黒野だった。
無事な左手で拳銃を抜き、躊躇なく発砲。金棒で防がれようが避けられようがお構いなしにあるだけの銃弾を叩き込む。
「ジル! フェリーぺを連れて先に行け!」
「黒野!? 何を」
「こいつとやる為にここまで来たわけじゃないだろ! ここは俺と加々見で何とかするから、お前らは先に行け!」
とはいえ、所詮拳銃。
あっという間に初弾を撃ちきり、もどかしくもリロードを試みる。
そして――そんな隙を見逃す程、目の前の悪鬼は呑気でも悠長でもなかった。
「そんなの、わたしが許すと思う?」
「ッ!」
爆発的な跳躍。優に数十メートルはあった筈の距離を一瞬で詰め、黒野めがけ金棒を振りかぶる。
だがその寸前、銀の光がユウキの前を横切った。
「――――」
「あっ……ぶねぇ……!」
金棒が空を切り、何もない地面を打ち砕く。
正確には、数瞬前まで黒野がいた地面をと言うべきか。間一髪のところで飛び退いた黒野は、眼前の惨状に冷や汗を流す。>>524
「――――」
「あっ……ぶねぇ……!」
金棒が空を切り、何もない地面を打ち砕く。
正確には、数瞬前まで黒野がいた地面をと言うべきか。間一髪のところで飛び退いた黒野は、眼前の惨状に冷や汗を流す。
「その言葉、そっくり返したる。――うちがいる前で、容易く殺れるものと思わん事やな」
「もー、うっとうしいなぁ。せっかくミンチにできるところだったのに」
金棒に絡みついた銀糸を、ユウキは忌々しげに払い落とす。
そこへ、ようやくリロードを済ませた黒野がさらに銃撃を叩き込んだ。
「ぼさっとしてんな! 行け、フェリーペ! 後ジルも、そいつの事任せたぞ!」
「うちらもこいつ倒したらすぐ向かうさかい、気張りや!」
「了解。ついで呼ばわりなのはこの際勘弁してあげる、行くわよフェリーペ」
「……ッ! 分かった、また後でな!」
逡巡は一瞬。黒野と加々見の援護を受け入れ、フェリーペはジルと共に通路奥の出口を目指す。
当然黙って見過ごす筈もなく、ユウキは飛びかかろうとするが
「だーかーら、許さへんゆうとるやろ?」
即座に加々見の銀糸が行く手を阻み、慌てて飛び退く。
魔力を込められたそれは大理石の床をも切り裂き、フェリーペ達に近づかせない。
「こんなもの――!?」
金棒を振り上げ、そのまま吹き飛ばさんとするユウキ。>>525
その眼前に、手の平に収まる程の黒球――グレネードが飛び込んだ。
「吹き飛べ。ク.ソ餓鬼」
後方から届く爆発音と衝撃。
それらを肌身に感じ取り、しかしフェリーペ達は振り返らない。
ただひたすら階段を登り、一歩でも上を目指し進んでいく。
その先に待ち受けているだろう、ただ一人の下へ――
「今更だけど。あの二人に任せてよかったの?」
唐突に、全く何の脈絡もなくジルが呟いた。
フェリーペよりも先行する足は止めず、振り返る事もないままの問いかけ。
その意図を察しかね、フェリーペは言葉に迷う。
「それは、どういう」
「貴方もある程度は聞いているでしょ。あの悪鬼の実力と、その恐ろしさを」
ユウキ・モーティマー。現代に生まれ落ちた鬼種の混血にして、幼い姿からは想像もつかない程の戦闘力を有する者。
四人がかりでも良くて辛勝、悪くて苦戦は避け得ない相手。ならば下手に戦力を分かつのではなく、総がかりで挑むべきだったのではと。背中だけでジルはそう伝えていた。
「――いや。だとしても、あそこは黒野達を信じる方が良かった」
「何故?」
「理由は二つある。まず一つは、あそこで悠長にしてたら、また上から『センパイ』が降ってくる……ような、気がしたから」
初めてこの『塔』を訪れた時を思い出す。>>526
出迎えとして現れたユウキと、頭上から奇襲めいて降ってきたメンテ―・プルトランプ(推定)。
デミ・サーヴァントである彼女の頑強さをもってすれば、高低差などさしたる障害にもならない。屋上で殴り合おうが、一階で戦おうとお構いなしに彼女の好きなタイミングで参戦してくるだろう。
ユウキ一人でも手に余る状況で、メンテ―の参戦は致命的と言っていい。
「成る程ね。もう一つは?」
「……その。こっちの方は、さっき以上に根拠のない希望的観測なんだけど」
「いいから言いなさい」
はぁ、と。フェリーペは溜息を零す。
これだけは、と。これだけは本当に嫌だと、疲労だけではない感情のこもった溜息と共に告白した。
「すっごく……すっごい不本意ではあるんだが……『あいつ』が来るならこのタイミングだろうなって」
爆煙がもうもうと立ち込める。
はたして無事にフェリーペ達を先に行かせられたのか、それとも間に合わなかったのか。急く気を堪え、黒野たちは煙の中へと目を凝らす。
一秒、二秒、三秒。永遠とも思える時間が流れる中――
「やってくれたね、二人とも」
轟!と。煙を払い、悪鬼たる少女が姿を見せる。
少なからず焦げ目や傷がついていたものの、その肉体は五体満足。顔面にも目立った傷がない事を確認し、黒野は舌打ちせずにいられなかった。>>527
「分かっちゃいたが、あの程度の爆発じゃビクともしねえか……!」
「ほんま凹むわぁ。腕の一本、とまではいかんでも指くらいは消しとんどいてほしかったな」
「無理無理、あんなのじゃ死なないし死.ねないよ。――だって私は先生の最高傑作だもん!」
床を蹴り、ユウキが黒野めがけ突進する。
即座に黒野が銃撃するも、ユウキはまるで当然のように紙一重の差でかいくぐる。
加々見もまた当然ただでは通さぬとばかりに銀糸を展開。行く手を阻み、さらには切り裂かんと迫りくる銀の刃を前に――ユウキは、全力で踏みとどまった。
「何やと!?」
「それはもう、見て知ってるよー、っだ!」
靴底から生じる摩擦熱を一切無視し、ユウキは突進の途中でスピードダウン。
銀糸を前にすんでの距離で停止すると同時に、振りかぶっていた金棒を勢いよく叩きつける。
ゴールテープめいて張られていた銀糸は、縦方向からの衝撃と圧に耐えきれず無慈悲に引き千切られた。
「――ッ!」
「ぐおっ……!」>>528
切断の反動をまともに喰らい、加々見の両手が悲鳴と血しぶきを上げる。
黒野もまた間近で生まれた衝撃波を受け流しきれず、その場でたたらを踏んでしまう。
隙と呼ぶには、あまりにも一瞬の空白。だが同時に、この悪鬼相手には致命的すぎる瞬間。
「はい邪魔」
「ごっ、がっ!」
「加々見!」
いつの間に戻したのか。
直前まで確かに振り下ろされていた筈の金棒は瞬時に振り抜かれ加々見を横殴りに吹き飛ばす。
案じる余裕も暇もなく、黒野は至近距離で残る銃弾全てをぶっ放した。
ぶっ放し――その全てが、ものの見事に避けられる。
「ク.ソッたれが」
「言い残すのは、それだけ?」
これが、鬼種混じり。これが混血。
少年漫画の中だけでしか見た事がなかった放埓ぶりを前に、最早黒野は銃弾代わりの悪態をぶつけるのみ。
悪鬼が金棒を振り上げる。そのまま無慈悲に振り下ろされるそれを、せめて視線は逸らすまいと真っ向から睨みつけ>>529
――直後、少女の胸に刃が生えた。
「……は?」
その言葉は、黒野とユウキどちらのものだったのか。
確かめる暇もなく、突き立った刃は少女の胸を抉り、そして引き抜かれる。
「ガハッ!?」
完全な不意打ちだった。
黒野にトドメを刺す筈だった金棒は勢いを失い、余裕で回避が間に合った。
「囮役ご苦労、朽崎の鉄砲玉」
目の前で崩れ落ちる悪鬼を意にも介さぬ声。
彼自身もまた散々目の当たりにしてきただろう強敵、それが倒れる様にさえ必要以上の関心を払わない。
その声の主を、黒野はよく知っていた。知っていて、だからこそ驚いた。
まさか、本当にやってくるとはと。
「三上……令司……」
「さっさと立て。こいつ以外にもいるんだろう? 俺が斬るべき対象は」>>521
あ、やはりですか。ふむふむこういう印象……。
ブラッシュアップする際の参考にできるかもなので、やはり他者目線は貴重なデータですな
>>516
>ヴィクトルさんの王としての自信とポルカさんへの並々ならぬ敵意
ヴィクトルには「困難を乗り越える覇者」って感じのヒーロー属性を感じていますのでねぇ
ガンガン障害をぶち破って貰いましょうよ、という訳です。
アヴェンジャー陣営について。「二人して食欲に忠実でこれは…似たもの主従というやつ…?」
という感想ですが、ちょっと違いますな
世界楽しむぞー!な塵塚怪王に元々の「世界見タイ!」なジジェが影響されてる、という関係性です。
ジジェの”生命”の師匠は勿論クッチーですが、”人生”の先生は塵塚怪王、みたいな。
>>531
やはりバトルはいい……。戦闘が日常茶飯事な舞台じゃ、不意打ちだって当然の選択肢ですよねぇ!!!
>「囮役ご苦労、朽崎の鉄砲玉」
あ、クッチーもいる、のか……?そこら辺の掘り下げも気になる所ですね
クッチー「鉄砲玉とは失礼な!日本刀ぐらいには思ってるんだけどなー」>>534
わあカワイイ〜!!
正式名称が分からない(別れる)おやつ!正式名称が分からない(別れる)おやつじゃないか!!某ゲーム(型月系じゃないです)のアプデで俺の創作性癖の方向性と男キャラの性癖を決定的にした男と久々に会ってきました…また使える上に解像度深まって嬉しいよ俺は…
今後の創作の為に超タメになったぜ…
>>523
CP相方の作者さんが反応くださるとは…やるしかねえのか…!!
とはいえSSは今集中したいのがあるのでSSじゃなくてイラストになるかもなのと、1つ問題がありまして
・ゲーム大会かスポーツ大会で優勝賞品が激甘スイーツとかの食べ物で女子陣が垂涎するけど大きいお友達がこぞって参加してるのでそれぞれCPの相方に頼る
・決勝でぶつかって互いにガチ度MAX、少しマジになりながら煽ってくるカステラvs集中とガチ敵意向けながら無言で戦う裂夜
みたいなノリを想定してましたが大会の内容が思いつかないんですよね…レトロ系かつ魔都で色々してそうなカステラ君が相手となると将棋とかオセロが第一候補かな…
>>531
やっぱ鱒同士のバトルは燃えますね…!!
そして途中まで来るのかどうなのかってなってたのがフェリーぺの一言で確信に変わった瞬間ゾクっとしましたね…こういう台詞一つで何かを確信させるの本当好き
そしてやったか!?って感じがありますがここから殺意MAX本気モードの実質第二形態に変わる可能性も…ありますよね…?
>>532
レージュさんのプルフラスだァァァァ!!!
やっぱりプルフラスは可愛いですね…流石このスレのマスコット界の帝王(俺の独断)…
>>534
良いですよね、大判焼き…(東北民)
これの名称論争ときのこたけのこ戦争は今後何世紀続いても決着の付かない光と闇のendless battle…(ネイティブ)>>538
>朽崎はこの特異点にはいません。日頃の付き合いから関係性を知ってたのでそう呼んだだけですね
あ、やっぱりですか。前聞いた時に「クッチーいないよ」だったのに彼に言及があったので「ん?」となりまして。
なるほど、特異点としては現実と地続きというかな舞台って訳ですね。
あと人いなさそうだし、ルナティックの最新話投稿です。感想がどうなるかはちょっと不安ですね……。伏神市付近の海上。そこに裂月・C・ダークローズ・伊織は居た。ビーバイプから出航されたクルーザーによって、にっくき死霊魔術使いをぶちのめす為にカチコミである。
”ヤツ”をとっちめるカウントダウンは既に始まっているのだ。
「伊織さん、大丈夫かい?そんな風に思い詰めたような顔をし過ぎても仕事に影響出るんじゃ……」
と心配してくれる運転手さんにはうん、ありがと。でも気にしないで。そこら辺で精神負荷でパフォーマンス落とすようなタイプじゃないから、伊織さんは。としっかり返す。でもまぁ、少々視野狭窄というか、”朽崎遥”とかいう人物に対する苛立ちが治まらないのは確かであって、自分の”バトル仕事はしっかりできるけど、普段はちょっと抜けてるおねーさん”というキャラクター像が崩れかけている事はまぁ懸念事項だ。自分ではクールに怒っているつもりでも、そうじゃないなら戦闘において予期せぬ隙を晒す可能性がある訳で……。
個人的な印象を述べるのならば、朽崎遥はまず間違いなく悪人だろう。優しさだのなんだのと宣っていたようだが、その結論として弱者・被害者の惨殺を実行するような人間がマトモである訳が無い。十中八九イカレた人間の出力であるし、過去の己が所業を思い出してしまい、虫唾が走るというモノだ。
そう感じながら伊織は自分の信頼する武装である完全金属製の釘バット、死滅六道の柄をギリリと握りしめた。そうして志を新たにしつつ、高速の船旅を続けていると次第に伏神市の船着き場が見えてきた。それを確認した伊織は、運転手に別れを告げて、「ご武運を」の祈りを背負って単身で港へと飛翔する。>>542
そうして、無事に港に着陸した彼女は、まずは一瞬一息の安堵を放った。無事に到着した事、そして未明なので人通りも無し。お騒がせな侵入にならなかった事は当然というべきだが、それでも第一段階を無事にクリアできたという事実にはホッとしてしまうのが人の常というものだろう
「さて……これからどうしッ!?「いらっしゃいませ」
今後の行動目標を考察しようとした刹那、”裂月・C・ダークローズ・伊織”という一つの生命はその魂に対して、けたたましい程大音量の警鐘を鳴らした。彼女はその恐怖に忠実に、即座に後ろに身体を反らす。全身全霊、『自分の死』というイメージを避ける為の最大限のスピードである。
──彼女の瞳の前を、スラリと光る刃が疾風を撒き散らしながら通過する。その凶器は伊織の髪を少しばかり斬り飛ばし、そのプレッシャーで息を荒げさせたのである。
(いつの間に……っ!?)
驚愕と共に、初めて敵の姿を視認できた伊織である。完全に後手に回った形であり、自身の本能が少しでも鈍っていれば顔面が頭蓋と泣き別れしていただろう危険に顔を歪めた。
「アンタ……ッ!迅、龍……ッ!」
正面に顔を向け、強襲してきた下手人をその眼が捉える。”ソレ”は身の丈にして八尺はありそうな怪人であった。時代錯誤な中華服を身に纏った、異形の姿をしている。影の様に佇み、ただ淡々と、ギロチンのように伊織の首に刀を振り下ろしたのだ。──先の中国で伊織と事を構えた謎の存在、迅龍である。
「久しぶり、だね?じゃあ、斬るから」
朴訥とした、子供のような言葉遣いで、キョンシーは伊織に向き直った。コテン、と傾げているその顔には、どのような表情も浮かんでおらず、知らぬ人間が見れば死人と見紛う事だろう。事実、”迅龍”という存在は生者ではないので、その見立ては正解であるのだが。
「そういやぁ、アナタも伊織さんの報復対象だったわねぇ!!、椿を苦しめやがって!ぶっ潰す!」
朽崎遥へのそれとはまた違う怒りを燃焼させる伊織の激昂と相対する迅龍の貌はやはり変化しない。激情への驚きすら微塵も感じさせず、武器である大太刀を構えるのみである。
「そう──拙は、受けて立つ」>>543
そうして、戦闘魔具と改造人間の武器が激突する。叩き潰す金棒と斬り捨てる太刀が弾かれ、夜の帳に金属音を響き渡らせた────、次の瞬間。伊織は己の腹に衝撃を感じて同時に身体が宙に浮いていた。咄嗟に投げ飛ばされたのだ、と理解して、次に迅龍が繰り出すであろう攻撃に備える事に注力する。すると視界に白いズボンが映り、首に衝撃。素首落とし、とでも言うのだろうか。そうして苦痛に呻き声を上げた伊織に対して、息を突かせぬ連撃を放つ迅龍。彼女の手首を高速で掴み取り、空中でビュガッ!と風切り音を鳴らす速度で振り回し、そのままの勢いで伊織を海面に叩き付ける。
ドッパァァアアン!!!と巨大な水柱が立ち、伊織は海中に投げ込まれた。急加速による沈没によって、彼女の眼の前が真っ暗になる。夜の海は暗く、今回のようなシチュエーションだと、上下の感覚がなくなってしまう。それでもそこは流石WASP随一の武闘派である裂月・C・ダークローズ・伊織である。敢えて口から空気を少し吐き出し、その浮上を己が魔術式義眼で観測する事で海面を推測し、脚部武装『アグニ』のカートリッジの炸裂によって急浮上を完了した。>>545
「貴方、つよい、ね。拙の初撃への対応、アナタが、はじめて?」
見下ろすような迅龍に対して、伊織はそこまで頓着しない。コイツは敵である。褒め言葉はいらないし、コレをボコる事だけに集中すべきであるからだ。相手の言葉に耳を貸すな!まずは陸に戻って……
「貴方の功夫に敬意を称して、名乗るよ。────拙は、”洛陽零式”。今は、迅龍。製造目的、『天下の泰平』。今は、『伏神市への侵入者の、排除』。貴方は?」
先ほどのまでの攻撃性から一転、何故かコチラに語りかけてきた。正直意図が読めないので困惑しかないのだが、時間が稼げるならそれに越した事は無い、と自分も回答をする事にする。
「裂月・C・ダークローズ・伊織!皆を守る事!」
それを聞いた迅龍は生気の無い瞳を輝かせながら、パチパチパチと、やはり活気のない拍手をした。心なしか、顔にも笑顔が浮かんでいるように感じる。
「拙、気に入ったかも?」
そうヤツは言って、私の方に手を伸ばす。強張った体を簡単に腕力のみで海から引っこ抜いて、やはり首を傾げて、私をのぞき込む。顔だけではなく、まるで精神の奥ですら解析するかのような視線であった。
居心地が悪いし、何見てんだよ、と反骨心が燃え上がる感覚がある。世界を荒らす手伝いをして、椿を毒で侵したようなヤツが、よくも天下泰平などと言えたものだ、と。そういう怒りが。
「貴方はいい人。だから、ね。また挑んでくるといいよ」
そう聞こえるが早いか、己の体が暴風の中に飛び込んでいく事を知覚する。認識の、つまりは脳髄へと走る生体電流の伝達に勝るスピードで伊織は聖杯戦争の外まで連行していった。気づけば既に二人は伏神市の隣街に存在しており、呆気にとられる彼女を尻目に、迅龍は伝えたい事のみを端的かつ一方的に言い放つ。
「今回は、拙の勝ち。来るなら、またね?」
そうして、次の瞬間にはその姿は搔き消えていた。どうやら、私を外に連れ出した後は速攻で伏神市に戻ったらしい。すなわち、侵入者の排除の任務に戻った、という訳だ。
「ナメやがって……」
推測するに、ヤツは私が気に入ったから五体満足で伏神からはじき出したという訳だ。何回突入しても返り討ちに出来る自信がある、という声なき宣言でもあるという事で……。それは伊織のプライドをかなり傷つけた。
「上等じゃん。押し通ってやる……!!」>>547
────時間は少し巻き戻る────
「なぁ、ハル」
「んー?なにー、アオ~」
鬼人と狂人が夜の教会で語り合う。議題は、聖杯戦争中の伏神市をどう防衛するか、という事だ。
「あぁ、それね。とりあえず聖堂教会とかに届け出とかは出してるでしょ?後はテキトーでいいよ」
朽崎一族の聖杯を完成させる為、死骸集めに駆けずり回っていた結果なのか、少々元気の無さを感じさせる死霊魔術使いである。それでも珍しく話し合いをしているのを見る限り、信頼関係が構築されているのが理解できるというモノである。こういった際の朽崎遥という人物は、大体雑なコミュニケーションをとりがちな性格だったりするのだが、そうでない事が見て取れる。
「今は、というか、伏神の守護?は迅龍に任せるつもりだからね。アイツが中華圏から戻ってきたら『伏神市への侵入者を排除する事』をお願いするつもりだし」
そうしたら、部外者の突入の阻止なんてベリーイージーって訳さ!とお気楽な雰囲気で言い放つ彼。
「もうちょい説明しろ、面倒臭い……」
ものぐさ神父は簡潔すぎる説明に終始した幼馴染に苦言を呈した。全てにおいて面倒を忌避する彼にとって、今回の発言は少々物足りないソレだったらしい。
「そう?まぁいいか。解りやすく言えば、すっごく強いんだよ、アイツ。筋力だけなら、アオの方が上かもしれないけど、移動が速くて・力が強くて・武術が多くて・合理も極めて、みたいな存在、だからさ」
つまりオールマイティーって事だよ、とこともなげに言い放つ彼に対する、獅堂蒼の反応は冷淡である。書類を淡々と処理しながら、確かに、そりゃあ結構手古摺るかもなぁ……と素っ気なく呟くのみである。
「そういう事。だからまぁ、つまり大丈夫って訳。アイツにかかれば、どんな妨害が入ろうが、複数の邪魔者が侵入してこようが、全部対応できる。」
流石に政治系はアオに任せた方がいいんだけどさ。アイツの性能をポエミィーに言うなら、そうだね……。>>549
と悪戯っぽいニヤニヤ笑いを浮かべる死霊魔術使いに対して、鬼の神父はある疑問を投げかける。
「でもよ、迅龍、だったっけ。アイツの目的って『天下泰平』とかだろ?なんでオマエとつるんでるんだよ、ハル。平穏なんて言葉からいっちゃん遠い奴だろう、お前」
親友の通常をよく知る彼にとって、確かに”迅龍”という魔具がネクロマンサーに仕えているのは不可解な事であるらしい。勿論、当然の疑問である。
世界から死体をかっぱらい、そうでなくても「人間の死」という害悪を撒き散らすような魔術の徒に、平和の実現を目的とする機構が従うのは不自然不可思議であることに相違あるまい、という結論に至るのは至極当然の結果である。
「いやいや?そこら辺は色々とね?騙して詐欺っ誑かして~、みたいな?少なくともアイツは俺とコミュニケーションしてさ、『コイツの下についても、世界の危険を減らす事が出来る』って考えてくれたっぽいよ~。つったら、アオは信じる?」
変わらず悪巧みをしているような表情のまま、楽しそうに語る友人を横目に獅堂蒼はやはり面倒そうに返答する。
「さぁな。僕としては、とっとと聖杯戦争(面倒事)がおわるならそれでいい」
すげない返事にだよね~、と。黒衣の青年はやはり楽しそうに笑うのみである。
事実、かのキョンシーは、裂月・C・ダークローズ・伊織を撃退するまでに、幾人もの侵入者を粉砕している。全て、一太刀で撃破している。復讐鬼たる彼女と防衛機構たるソレの対決が────、ひいては、伏神を舞台とした聖杯戦争がどうなるかは、まだ誰にもわからない。船SS7話仮verほぼ完成しました…あとは納言さんの返答で調整すればおk…
ちなみにプロローグは10〜12話で終わる予定です。プロローグとは?つーかこれ50話以内に収めるつもりだったけど少し超えるのでは?長すぎん?
>>540
お大事に、ゆっくり休んでくださいね
そしてワルガキですか…いいですね。個人的には粗野でヒャッハーしてそうなク.ソガキに見えて実は冷静で頭が切れる系の奴がタイプだったりします
>>550
迅龍強い…
そして迅龍と伊織さんに強そうな因縁ができたっぽいですが、こういうバチバチな感じでライバルというには殺伐としてる敵対関係好きです
そしてクッチー…お前騙してるとか言ってるけど多分それどう転ぶかは分からないにしろどっかで本人にバレるパターンやぞ…>>519
南仏は海も山も良いところなので公式でも夏イベでいつか舞台にしてほしいんですよね…
ただ調べてみたところカンヌ映画祭は5月ごろらしいので夏開催のヴェネツィアの方が映画ネタには良いかもしれない…実際ヴェネツィア舞台なら水着に仮面舞踏会要素とか盛り込めるからお得感あるアルね…
>>522
なにそれ面白そう…>カステラvs裂夜
激戦の中で乱入してきた慮外者に対して共闘とか、激戦後戻ってきたら引き分けということでムジカさんとほたるちゃんが仲良く分けっこしてるので崩れ落ちるやら苦笑いするやらの二人とか…あまずっぺえなぁ
そして返事遅くなってしまいすみません、一つ一つ順を追ってお答えさせていただきますね
1つ目
l94t@xyfa94xtkd9c@hw@rkw@、8h8hfa94xqew@4b@hq/imt@hpek4atogq5we.kq@s;lzhftyt@5wejr。qq@d@7rnyxyfpetztukw@mg@pyitkd@9=zg30pwe.kfa9zs:<ydwe.s6mejr。]\y、2qlt@c4-4b@4ekmsw@7zwe.kfdzwe.s6m4kw@、3hjw@gidwe.wes@、a84etyg=r.bsf3ljpy。
mg@pykqv@i^77v@vy=fcyxpwe.us@kvt@et@3;f@cktg@lw@f3ljpyt@、cbo^ym62qlfmyq@euxc4w@rd。
2つ目
l94t@xykoe;g=n.stulvxyud@94qekutw@v\0;.tqaw@d@94pydq94ukw@、;lzhuo6cohwefhaizewf2;ue94i、l94t@xyiqedwfdoy2[lkdpe=s.s6mejr。0x@0x@tbk3x@=zzh94ubsfr.ent@ueq@\4、s。
3つ目
p@yp@ymyq@euew@r。
6cohey<yse4v94:@ytodw]tdqelzdqlckvst@uitkd@:y=6bdqlw@9hue3eq@t@osuzwe.s6m4kw@、c;m2h/wjr@z2@r^@gsnwqqteikc@]styt@5o;jr。
長々と失礼しました、他にご不明な点がございましたらぜひに…そういえば遡ってみましたらリレー近況とのことで不参加ですがペレスについて
現在ディックさんご不在のようで、術陣営のレイドは展開であるけど経緯がわからない!とかありましたら自分が相談の時に聞いた内容を覚えていますので何か有ればお声掛けくださいまし〜
そして参加してますハクマと木伽については…なんとも言えない…特に後者…各陣営カメラ前に土俵入りしている前提で視聴者たちの真名予想スレとかぼんやり考えてますが…
>>554
(本当に長くなってしまったので続き)
あと前スレの敵役会議拝読いたしました、思いの外個性とりどりで…やはりこういう組織は一枚岩ではないものですね。首領格二人の間にも見方の違いが既にある…
一人一人に魔術師の社会を失墜させるほどの魔術師への殺意があることを考えると、それぞれが辿ってきた人生というのも気になってきますね。特にオレンジの子。なんだかトリ子みを感じてしまってちょっと不安になるのは私だけ…?誰だよ船の巽のおっさんとか巽会を作者ながら上手く使い切れずに持て余してる奴。僕だよ。
>>554
普段ヘラヘラしてる陽キャと普段控えめな陰キャが相方の女の子の為にガチで戦うシチュって良いかもなーって思ったんですよね…ちょっとマジで書こうかな
そして質問回答ありがとうございます…!!マジで投下する前に聞いて良かった…修正点を見出せましたアザス…
>>555
本当はもうちょい適当な雑魚キャラ感出すつもりだったんですが、色々あってキャラシ登録するつもりの奴ら以外も全員そこそこ濃くなりましたね…全員好かれるとはいかなくとも、誰か1人2人には思い切りブッ刺さるキャラ造形が多いので期待してもらえれば
>オレンジの子がトリ子感
鋭いですね…まあ出すの来月以降の可能性あるよに匂わせしすぎるのもアレですし今言えるのは今回の敵6人の中では一番最初に戦う相手だという事、くらいでしょうか。敵の少女2人は両方それぞれ違うベクトルでヤバくなっちゃってる子だと思ってますので楽しみにしていただけると嬉しいです。ワンチャン納言さんに刺さるかも?>>558
ありがとうございます〜!何らかの理由で聖杯とヴェネツィアが接続した結果、「水の都」ヴェネツィアという土地の性質に呼応した世界各国の水都がヴェネツィアを起点に習合!
水の都にして迷宮の都となった特異点を夏の装いのサーヴァントたちと共にゴンドラで巡り聖杯回収に乗り出そう──!
…みたいな?世界には「〇〇のヴェネツィア」とかよくありますし
>>531
令司さん、さすがこのバトルロワイヤル特異点で生き抜いてきただけある登場タイミング…最低限の労力で鬼種の幼女をこうも容易く…
やはりこういう終始分かり合えなかった敵がこの一度に限り手を貸す、みたいな展開は良いものですね。分かり合えた、というわけではない上でなのがなお好き
>>551
迅龍さん結構口調が幼なげ?もう少し無機質なイメージでしたが、なるほどこれがチャイニーズロストテクノロジー概念ショタキョンシー…一味違うのね
伊織さんかなり強いイメージだったのですがこんなにも事もなげに…そして気に入るという形で変な因縁が二人に出来てしまった…?
>>557
お誕生日おめでとうございます〜!そしてどうかご自愛を…!冬から春への季節の変わり目は寒暖差が厳しいものなので…!脱稿だァ!!
という訳でプロローグ7話投下してよろしいでしょうかよくてよ付いたという訳で善は急げですね
発射ァ!!前回のあらすじ
ジャスミンとの模擬戦後に凌牙は疲れからか、寝落ちする。だがその時、彼の目にはかつての彼の過去がフラッシュバックされる様な悪夢が映っていた。
家の闇、謎の男達の奇襲、そして仲間との別離…彼のトラウマを掘り起こす様な悪夢から目覚めた時、彼は医務室のベッドにいた。
何者かによって運ばれていたという事に気付いたと思ったら、何故か目の前にレリックがいた。
運んだのはレリックなのか、何故レリックがいるのか。その答えは今回の話でprologue-7 騎士とヤンキー
「……で、何でお前がココにいんだよレリ公…」
ベッドから上半身を起こした凌牙が、少し嫌そうな視線をレリックに向ける。
不良と言いながら最近はあまり刺々しさをぶつける事はない凌牙ではあるが、治安維持組織であるワイルドハント騎士団の事は苦手としている。その中でも、特にこの男は苦手だ。
先程の悪夢で精神が平静でない所での邂逅なので、本人の棘も強くなっている様に見えた。
レリックはため息をつき、応える。
「いちゃ悪いか?」
「俺の寝相見物なんかに時間使ってんならもっと有意義に使えばいいだろ」
「……そのお前が特に危ねえ生徒だから見てんだが?」
「……そうかよ、よくこんな蛮族に目を付けるこって」
「騎士団だ、当然だろうが」
「……」
少し刺々しい言葉を投げ合うも、言い返せないような正論をするレリックに何も言えず口を噤んだ。
「まあ、いつも通りで何よりだ」
「…どういう意味だよ、それ」
「……さあな」>>566
何だよそれと、凌牙は、溜め息をつきたくなるのを我慢する。やっぱこの男は苦手だ。……自分でも何でかは分からねえけど、なんか話してるとしんどくなる。
いつも説教してくるし、俺が何してても嗅ぎつけて近付いては小言を言ってくる。そんで冗談も通じねえし、魔眼で逃げ場も無くしてくる。
まあそれだけなら普通に面倒くせー先公なんだが……何か。何かが苦手なんだ。
「……」
「……」
二人のゴツい男は互いを見る。そのまま無言で、時間が経過する。ギスギスには程遠い空気ではあるが、少し気まずい空気が医務室の一角を侵食する。
「…あー、そんで要件だが」
レリックがジロリと見ながら、口を開く。
「先生から聞いたぞ。お前、最近模擬戦とか実技系の授業ばっかやってて座学がおざなりになってるんだってな」
瞬間。先程止まった筈の汗が再び身体を伝い始める。
「……オイちょっと待て何で知ってんだ」
「知ってるも何も、先生達から少し言ってやってくれって言われたんだよ。…調査科特有の実技の成績、特に戦闘面に関しては申し分ねえんだが座学があからさまに手ェ抜いてるのが見え見えだってな。なんだよ座学科目が情報系以外全部ご丁寧に赤字ボーダー少し上って」
……凌牙は目を逸らす。>>567
「目ぇ逸らすって事は図星か」
「何で分かんだよ…」
レリックの厄介な所が牙を剥き始めるのが、感覚で分かった。
相手の隠し事や目を逸らしたい物に対しても確実に目を逸らさず踏み込んで、そんで徹底的に詰問してくるのがレリックの恐ろしい所だし厄介な所。
巽会で深夜に何かやる時にも確実に把握してしょっぴきに来る様な用意周到さ。そりゃビビられる訳だ。
「…まあアレだ。お前の事だから勉強よりも運動とか戦闘のが性に合うし、調査科ならそっちで良いだろとか思ってんだろ。だが此処は学園だぞ。学生の本分は勉強だし勉強つったら座学だろうが。お前は地頭は悪くねえんだから———」
「…何も言ってねえんだが」
レリックの長々とした説教の全てがこっちの考えを的確に掘り出して突いてくる。何で何も言ってねえのにそこまで分かるんだよこの男。怖えよ。
「兎も角だ。お前も生徒なら実技ばかりじゃなくて座学もしっかりやれ。何ならお前は実技や戦闘面ではもう単位は申し分ねえんだし……最悪、実技科目と模擬戦に制限掛ける強行手段も考えるぞ。」
「なッ———」
「そりゃそうだろ。黒須から聞いたが、普通の学校でも部活休ませて勉強に専念させる方法があるらしいからな。お前の場合もそれを———」
レリックはそう言い切ろうとした時、凌牙の強い視線を感じた。地雷に掠ったかと思い、一つ咳払いをして言葉を再び出す。
「……悪い。ともかく、もうすぐ停泊期間だ。この機会に勉強の姿勢について考え直しとけ。いいな?」
凌牙は、罰が悪そうな顔をして、納得してるのかしてないのか微妙な顔をして頷く。>>568
「……分かったよ」
「分かったなら良い。話は以上だ。」
レリックは頷き、カーテンを開けて出ようとする。
「ああ、忘れてた。」
「?」
「偶然お前が疲れて倒れたって聞いたから様子は見に来たが……お前を医務室まで運んできたのはジャスミンだからな。
「は?」
「いや、厳密に言うならアイツの人形か。後で礼言っとけ。…邪魔したな」
軽く手を振りながら、レリックは部屋を出た。
カーテンが閉まり、部屋に沈黙が走る。
「……」
ちょっと待て。この数分だけでの情報量が少し多すぎる。悪夢での恐怖、思い出したアイツの事、そんでレリックの説教、模擬戦を最悪やめさせるという脅し、そんでジャスミンの奴に運ばれたとかいう事実。
それを聞いただけで色々な感情が頭で渋滞する。
「———はァァ…」
駄目だ、感情も思考も整理できねえ。
どうなってんだ今日は。>>569
医務室を出たレリックは、船の区画を歩いて行く。
通り過ぎるあらゆる生徒や職員を、男女の区別無く追い越すその身長と視点の高さで、静かに歩く。
「……ちょっと、対応間違えたか」
そう独り言ちながら、手袋に包まれて大きい手で落ちてきた眼鏡を直そうとした時。
「どらっシャァァァァいアルティメットマレオキックッッッッ!!」
「…」
突然、背中に強い衝撃が炸裂する。
鍛えているが故に、その蹴りはレリックの体幹を少し揺らすだけに留まる。すぐに姿勢を戻し、レリックは蹴りの主を睨み付ける。
「……オイ何のつもりだ海鮮馬鹿。まさか自分から普段の奇行の出頭に来たのか?」
「おいおい、折角この俺様が有難い御言葉を掛けに来たってのに釣れないなレリ坊!!あ、巽商店から奉納されたチータラ食うかレリ坊?」
「何しに来た。食わねえ。とっとと帰れ。」
「オーイオイオイ大先輩に向かって何て口の聞き方してんだレリ坊!!ママレオは貴方をそんな子に育てた覚えはありませんよ!!」
「お前の息子になった覚えはねえ!!」
いつも通りの胡乱なマシンガントークをかましながら、海神のマレオはいつも通りニヤニヤした笑みを見せる。>>570
「……にしてもホント不器用だなレリ坊。素直に心配の言葉掛ければ良かったってのに火急じゃない成績の話題なんて出しちゃうのは悪手だぜー?」
「…チラッと様子見て帰るつもりだった。というより、あんな汗とあの寝言だ。いくらなんでも見えてる辛い地雷を触りに行く真似は流石にしねえ。」
「ふーん…?」
マレオはニヤニヤした顔を崩さない。
「…オイ、何か言ったらどうだ」
「いやー、やっぱりお前さんは心配してるのかなって思ってなー?」
「…何の事だ」
「いや、お前さんはさ。———あの街でまた誰かが消えないか、心配してんだろ?」
マレオの顔と声が、真剣になる。その威迫に、レリックの喉から一瞬息を呑む音がした。
「まあ安心しろレリック。お前さんの思うような事は多分起きないさ。それに、あの男は———」
「———マレオ」
「おっと…さーて、それじゃ俺様はミツキのスマホで今週のジャ◯プ読みに行くから帰るわ!!お疲れサマーソルトキックッッッッ!!」
「……」
消えるマレオを呆然と見送り、レリックは佇む。
一つ、深く溜め息をついた。
普段の彼がするため息よりも、遥かに濃く、深い溜め息を。
呆れの意味の様に見えて、だが、何か別の物も入っているかの様な溜め息を。>>571
今から行く停泊地の鶴水市。それは3年程前の夏にも一度停泊した場所だ。
そこで、さっきの不良の青年も傷だらけの状態で拾われ、他にも少なくない者がこのタイミングで船に入った。
「——————」
だが。入る者もいれば、その逆もいる。
レリックの脳裏を、その男が過ぎる。
凌牙が入った時とほぼ同時の出来事。
かつて学園で優等生と言われ、調査隊に入り。
そして———
・・・・・・・
消失の海孔事件。
・・・・
その事件の直後の停泊期間に、鶴水市で突如自主追放で失踪した男を。コソコソ話
今回の話前半の二人の掛け合いはレリックさんの台詞練習がてら不良と先生っぽい会話を一回書きたくてやりました。どういう話題にするかでかなり迷って滞りましたが、どうせならヤンキー設定を学園面で上手く使おうって事で座学が地頭良いのに勉強サボってるのバレバレだぞやめろって詰問する感じにしました。これならリョーガ君的にもレリックさん的にも解釈は間違ってないかなと信じて書きましたが、仮に変だったら修正します。
>>574
レリックさんは不器用だけど凄く真っ当な大人ですよねやっぱり…ワイトもそう思います。
実は最初はジャスミンとの模擬戦やりすぎだ、座学の事もあるからもう少し考えて自重しろって感じでもう少し厳しくしようと思ってました。ただ納言さんの解釈を聞いたら確かに気にしてるけど注意する程ではないとの事なので上の流れになりました。
>因縁盛り盛り
フフフ…詳しい数は言えませんが今回の敵6人の内半分以上は船の誰かしらと因縁があります…最初は凌牙君の因縁だけにしようと思ってたんですがね…かなり製作遅れたのはこの辺りを一旦考え直したのもあったりします。
めっちゃデカい危機とか神秘がヤバいって訳ではないですが、その分それぞれの因縁が強く絡んで良い感じになると思います。何というか劇場版集積船的なノリで読むのが良いかもしれませんね。
>>575
元とはいえ実質的に凍結してる調査隊のキャラを作っていいのかなと不安にはなりましたが覚悟は決めました。調査隊の設定を思い切り利用させてもらいますんでよろしくです
あとは今チラッと言える範囲だと、これは探索中に起きた事件って感じです。コイツとモブ数人の探索の時に起きた事件だと思ってもらえれば「すごい、本当に霧が……」
「魔術的な要素を帯びたものじゃねぇ、ただの霧を発生させるだけなら大した労力は要らん。現代なら機械だけでも事足りるからなァ。裏ルートで買い叩いたツユと誰にも見つからずに設置したルフが凄いなこれは」
「霧さえ発生させれば後はこちらのものですとも。霧夜の殺人鬼ですもの」
むしろ、魔術で発生させていないおかげで工房内の妨害を喰らわない、という意味では正解だったかもしれない。とはいえこれは適材適所。逆に魔術が科学技術による罠を潜り抜けることも可能なので一概にどちらが劣っている、とは言えない。これは単に、今回は科学技術による霧の発生が適していたというだけだ。そしてそれは、キャスターの扱う魔術によって“気配遮断”という形で表れる。最短ルートでの目標確保。それが今回の目的だ。徒に綾姫一門や教会の勢力を潰したいわけではないし、他の陣営をここで倒したいわけでもない。というか、スペック次第では普通にこちらが不利ということもあり得る。
「にしてもジルがナキを抱えてんのがシュールだな。いや、ナキが走るよりそっちのほうが速いんだがよ」
「僕は無茶苦茶恥ずかしいんだけどね?」
「こっちの方が効率的なので。いざとなればマスターを放り投げて私が時間稼ぎしますし。……さて、なるほど?そう来ましたか」
マッピングで作り上げたルートが変化している。外敵の侵入に合わせて対応するかのように、道が蠢き変化する。綾姫の扱う魔術は“適応”だという。ならばこれは、入ってはならぬ先に入った敵対者の動きに適応した結果か。おかしな話ではない。おかしな話ではないが……「やっぱりなんかあるなコイツら。魔術刻印の話からして真っ当に魔術師として積み上げたわけがねぇ」
「……おかしいの?」
「本来、魔術刻印は血の繋がったもの以外に適合する可能性が殆どありません。それに加え、日本の西洋魔術師は歴史が浅い。いかに工房といえどもここまで高いレベルの魔術を防衛機構として仕込むとは……貴重な呪体なんかを使用するとかが一番ありそうですね」
“偶然”を掘り当てるものは少なくない。この世界においては、その偶然すら何かしらの意味を帯びていく。彼らかが知り得る話ではないが、第五の魔法使いすら偶然に最後の魔法を掘り当てたのだ。偶然は馬鹿にならない。この場合は運命が仕組んだ必然と言えるかもしれないが……それはそれだ。ともかく、きっと綾姫一門は成長の起点となる何かを見つけたのだろう。そして、その本質をナキたちはまだわかっていない。
「……前方に男女一組。片方はシスター服。片方はスーツ」
「ジルは殺しかねないから手ェ出すなよ!」
「僕が行く。………し、とった!って、固っ……」
不意打ちで思いっきり鳩尾に警棒を突く。相手は代行者と思われるシスター。聖堂教会の争いに長けた者たちだというのだからその躊躇をしないのは当然だ。気配遮断が作用していたからか、スムーズに一撃を与えることはできた……のだが、倒れない。ふらつきながらもすぐさま持ち合わせていた槍を振るってくる。
痛いはずなのに、呼吸ができないはずなのに、それでもしっかりと殺.す気で。幸い動き自体は鈍くなっていたが、それでもだ。幸い、もう一人の男はロクにこちらを狙えていない。せっかく拳銃を持っているのに、狙いをつけるのが遅すぎる。放たれた銃弾を躱すことは今のナキには出来ないが、狙いを定められないように飛び回ることは可能だ。相手が拳銃の扱いに慣れていない以上、それはさらに簡単になっていく。これなら、問題ない。シスターを落とせばそれで終わりだ。「これで、終わりっ!………銃を捨てて投降してくれない?」
「………するりと横に滑り込む。私はあなたの側にいる」
「詠唱なんてさせるかって……はぁ!?なにその速さ!?」
動きがおぼつかないシスターの首を腕で挟み、全力で回転して地面に叩きつける。それでも激しい力で押し返してきたのでダメ押しのリバーブローで意識を落とす。そのまま目を閉じて詠唱を続ける男を狙って蹴りを……放ったはずだが、軽々と避けられた挙句、的確に顔面を狙って弾丸が放たれた。仮面に施されていた防御術式がなければ今頃綺麗に穴が空いていただろう。慌てて射線を切るように走っても、先程よりも正確に銃口を向けてくる。明らかに、目が慣れている。体の使い方も上手い。先程とはまるで別人のようだ。……とはいえ、戦闘経験ならばこちらが上。ナキが目を惹きつけている間に駆けつけてきたロートゥスが一撃で気絶させてくれた。ただ、実力は見誤っていたが。
「適応っていうか……もう身体変化……」
「ありゃやっぱヤベェわ。ここ二百年で成立したもんじゃねぇな。これでもっと魔術の才能があって戦闘技能もあるやつが本腰入れて守ってると考えるとなぁ」
「私に殺しをさせたくないのであれば、どうか御二方が頑張ってくださいね。私、容赦しませんので♡」
「最悪の姫プだよこれ」
軽口が叩けるようになったのは、目指しているゴールが近いから。内部構造が変化したとしても、所々に設置した通信機は依然と機能している。確かにマップは目まぐるしく変化しているが、先程に比べると落ち着いているし、目指すゴールの発信が近い。これほどの変化のスピードならば、きっともうじき辿り着けるはずだ。
………それにしても、なんだかとても呼吸がしやすい。ロートゥスが仕立て上げてくれたこの鬼兎の仮面は思っていたよりも便利だ。かっこいいし、性能も良いし。他の外套や服だって着心地が良い。全体的に凄い良い。常につけていても違和感を感じないから、どうやらこれを“鍵”にすることは難しいみたい。ならやっぱり、当初の計画通りに“これ”を………「なるほど、まだ付けていないんだね。君の血が目覚めるルートは破棄(リセット)だ。別のルートでプレイしよう」
「………!綾姫の魔術師でも、代行者でもない」
「その面……テメェ、引き篭りじゃねぇのかよ錬金陰キャ」
「ロートゥス。君とは久しぶりだね。あの砂漠で捕獲作戦をした以来かな。君がソルシュクラインに入るルート分岐の可能性は……半々、いや、もっと可能性があると思っていたから。割と演算通りではある。それにしても、ここに来るのが君たちでよかった。ボクはライダーが来ていたら、是が非でも通すわけにはいかないと思っていたから。そういうルート分岐もあったんだよ?」
まるでこちらを見知った仲であるかのように、不躾にペラペラと喋り倒してくる。そこには馬鹿にする気持ちはなく、本当の親しさだけがあって。あまりにも気味が悪い。ロートゥスとは既知の仲らしいが、自分はアレを知らない。知らないのに、そんな偉そうな顔をして、ゆっくりゆっくり歩いてきて。その隣に、いつの間にか金魚みたいに浮いてる子供を見た瞬間、そういうことだと理解した。端末に送られてくるのはロートゥスの口にした情報を基にツユが推察し送ってきたデータ。どうやら目の前のそれはアトラス院と呼ばれる演算予測と兵器開発を得意とする魔術協会の一員らしい。
「アトラス院ぐるみとは思えねぇ。お前が見た滅びの回避か?」
「よくわかっているね。そうだよ、ボクはいつも、ボクの愛する人の未来のために動いているんだ。君も、よくわかっているだろう?」
「………厄介なモンに首突っ込んじまったんだなぁ儂は。回避できりゃあ勝ち負けなんざ関係ねぇのか。テメェのサーヴァントはそれで納得してんのか?」
「もちろん。セイバーもそのつもりだとも。……さて、戦うとしようか。アトラス院の錬金術師、セオリ・フォムラウド・ビットラム。血がどこまで目覚めているかの確認だ」
以上です。セオリくんの外見はまだ考え中>>582
現代魔術の範疇で考えるとプルフラスもかなり常識の埒外側なんだけど……サーヴァントとか絡んでくると……
それと忘れていたのですが下記ssのパートでほんの少しだけ……一言二言程度ですが大我くんお借りしました
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/wiki/Fate%252FFalling%20Star
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/wiki/中原逐鹿今更ですが前スレの悪役会議回を登録してきました。停泊地=鶴水市って明言された上にキリが良いのでね。ここで行きます。
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/wiki/interlude%20水面下の狂影
ちなみに最後の敵キャラチラ見せの台詞も少し修正しました
「……」(大音量でデスメタル聞いてる)
「わあー、この殺し方最高にアウトローみたいでカッコよ!!ヤバみじゃんヤバみ!!やっぱこの本ヤッバ!!このヒバナ様が女帝になる為のノウハウが詰まってるわ…!!」.
「…ぐがー……むにゃ…うっほ…美しい爆破に彩られる魔術協会と…時計塔の跡地を見ながら…食べる飯とワインは美味すぎる…気持ち良すぎて脳が焼かれるゥうっひょお…ぐがー…」
「……お、お疲れ様だな。その面を見るに、上々って所か?」
はい。既にヤバそうな奴と既に面白変態感が醸し出されてる奴がいますね。正直めっちゃ弱そうとか言うなよ事実だけど。
という訳でSS執筆のスピードを上げていきたいですね…
ここからは 執筆強度を上げる(某ギャンブラー先生より引用)>>577
ありがとうございます…!!
数年遅らせちゃった分、新キャラ全員結構濃くなったり伏線とか謎も上手く組み込める感じにできそうなのでそこは少しだけ期待してくれると嬉しいです
今回以降のプロローグは謎とか伏線とかが結構入ってくると思うので、よく観察してみると今後の面白さが少し上がるかもです
>>582
マレオの破天荒パートは割と脊髄反射で書いてるんですがたまに何か良い感じのパワーワードが出てくるんすよね…我ながら結構いいパワーワードだな…
メロ「落ち込むなぷにゅ。お前が雑魚使い魔ならメロは雑魚以下になっちまうからやめろぷにゅ」
メロちゃんはツンデレですね
>>581
争奪戦編初手からバトルの密度が高い…!!そしてナキ君はまだ戦闘能力としては強くないですが成長度が高いって所を見るに今後強くなりそうですね…でも良い方向にも悪い方向にも転がる可能性ありそうだな…
そしてアトラス院マスターはやっぱり新キャラだ!!しかも推しのロートゥスさんとの因縁とか熱い…
そしてライダーだったら是が非でも通さない…ふーん?>>581
すごくなんか覚えのあるゲーム的に世界を見てるぞセオリくん
あとなんかさらっとやばいルート見えてませんかアトラスの錬金術師さんや……?筆が乗り始めたか…?
8話は数日以内にはワンチャン投下できるかもです
p.s. カステラ君書きやすいし書いててすっごく楽しいよっしゃワンチャン今日中に投下できるゥゥゥー!!
ペース上がってきとるゥゥゥー!!
と思ってたら昨日FGOログイン忘れてました。つまり俺はマヌケという事だ>>592
食堂にて。
バレンタイン・デーも終わるまで1時間を切りそうな夜の帳。
散々チョコレートを食べたがから、塩味が欲しくなったマスターは食堂に来ていた。
…来たのだが、生憎と夜食の蕎麦は品切れ済みであった。
軽く肩を落とすマスターに、フォローとして成り立つかどうか分からずともエミヤがフォローを入れる。
「塩気の”し”の字も無いが、そば粉を使った甘いものならみつが君のために作ってくれたぞ」
エミヤの発言に合わせたかの如く、いつもの速さでみつがその”甘いもの”を提供した。
「長七郎さん!」
「ハッピーバレンタイン・デーです。マスター」
出されたのは、クレープみたいな生地で包まれた物。
ナイフを入れて切り分けてみると、中に入っていたのは生チョコ。
エミヤはいつの間にか何処かに行っている。
何に気兼ねも躊躇も無く、マスターは切り分けた生チョコを口に入れた。よっしゃ8話完成…したけど日が変わっちゃったな…
まあいいや35分から投げますぜーprologue-8 計画と晩酌
食堂のテーブルにて、ジャスミンと海月、ムジカの3人は座りながらパフェを堪能していた。
今日は模擬戦が終わった後、ジャスミンの工房で人形を見せてもらったり居住区の色々な店に行ったりと遊んでいたのだ。
そして今は、夕食後のスイーツタイムと洒落込んだ訳だ。
『そういえば、お二人は停泊期間でどこか行くんですか?』
ムジカは、スマホの音声越しでデカいパフェを食べながら疑問を提示した。
「私達?」
頷きながら、タイピングを済ませてスマホを置く。
『はい。船の皆さんは停泊期間中に色んな場所に旅行に行ったり帰省したりするんだよって、ヒトミちゃんから聞いてたんです。なので、ジャスミンちゃんとミツキちゃんはどこに行くのかなーって。』
その音声を流しながら、ムジカはかなり大きいパフェをパクパクと食べていく。船の女子の中でもかなりの大食いでありながら、彼女はスタイルが良いとかいう何気に羨ましい体質だったりする。というか船の女子は体重低い子が多いので海月は内心気にしているが、それは別の話。
話を戻すと、船の生徒の大半は、この夏休みに何処かしらに旅行に行っている。瞳とアリシアも然り、トワも然り、リュジニャンも然りと。
なので、裏を返せば船の普段話すメンバーと暫く疎遠になってしまうのである。
多分、ムジカは皆と暫く会えなくなるのが寂しいのだろう、と二人は察した。>>597
「そうだね…他の子はわからないけど、少なくとも私とジャスミンちゃんは、停泊する所に留まるつもり。」「ぷにゅ」
『そうなんですか?』
「ええ。遠くに行くのもしんどいし、それに海月ちゃんは地元民な訳だから、一緒に日本で休暇を満喫しようかなーって思ってたのよ。」
「それに鶴水は私も子供の頃行った事あるけど、結構楽しい場所なんだよ?」
海月が、地元の事を思い出しながら笑顔で話し始める。
「あそこは大っきい都会だけど山も海もあるの。だから登山も海水浴もできるし、デパートとか店も滅茶苦茶あるし遊べる場所とか観光地も結構多いし。それに東京も近いし、その気になれば電車で日帰りでも行けるし。正直皆こっちに残らないの勿体無いなー、なんて思っちゃえる位には楽しいよ?」
『成程…』
海月のプレゼンに、ムジカは無機質な音声で返す。だが、裏腹にその表情は完全に輝いていた。
『…それならなんですが、私も二人と一緒にいていいですか?』
ムジカの指が、その頼みを紡ぎ出す。
『…私はニホンに詳しくないですし、それに…この体質なので、一人だと上手くやれるか分かりませんし、一人だと寂しいですし……何より、お二人と一緒に…遊びたいなって』
少し大丈夫かなと悩みながらムジカは文字を入れ、顔を上げた。
だが、二人の顔は。満面の笑みだった。
「勿論よ」
「むしろ大歓迎!」
『…ありがとうございます!!』
ムジカの顔が明るくなる。三人の友達は、可愛らしい笑顔を向け合い笑い合う。>>598
「それじゃ、何したいか考えましょうか。私は、公園で人形劇をしたいなって思ってるの。フリーでできる場所もあるみたいだし」
「そうだね…花火大会とかどう?2週間後くらいだった筈だし、あそこの花火大会本当に綺麗なんだよ」「ぷにゅ」
『私は…やっぱりグルメ食べたいです!!』
「ナイトプール行きましょナイトプール!!皆で水着でパーリナイしましょう〜!!」
女子達は、皆思い思いの場所を出す。
「花火大会にグルメ…そしてナイトプール。迷うけど、時間は充分あるし全部回れそうね」
「そうですよそうですよー!!全国ナイトプール巡りとかー!!」
「それも良いわね……え、ちょっと待って」
ちょっと待て。あまりにも自然すぎて一瞬気付かなかったが。
三人の視線が一人に集まる。ムジカとジャスミンの困惑の目、海月の引いた視線が一人の元に
いない筈の4人目、しれっとテーブルに両手を組んでいたチャラ男の元に。>>599
「……あっれ〜?皆さんの目が急に冷たくなってきましたかね〜?まあ良いっすねどうせですし停泊期間にジャスミンさんデート行きませ「メロ、チョークスリーパー」「ぷ゛に゛ゅ゛」えっちょっとま痛ッ!?なんでそんなぷにぷにしてんのに痛いんですかアナターーっ!?」
スライム型のぷにぷにを硬化させながらするチョークスリーパーを受けながら、突如百合に挟まったカステラは話を止めない。
「ちょっと待ってくださいよ〜!!オレはただ蛍狩り終わったら鶴水で停泊期間過ごすから皆さんに入れてもらおうと思ってたのに〜!!なんでこんな真似されないといけないんですか〜!!」
「ジャスミンちゃんとムジカちゃんが口説かれてヤバい事になりそうだからだけど」
「うわーん一条さん人聞きが悪い〜!!オレはそんな事しないのにー!!」
「普段からナンパしまくっててどの口で言ってるの…」
「オレのこの口ですよー?」
「ツッコまないからね。私ツッコまないからね。突っ込んでいいのか分からないけどツッコまないからね…!!」
ズバズバと切り込む海月に動じないカステラ。それを見て海月は呆れの溜め息をこぼした。>>600
「海月ちゃん落ち着いて。それで、聞いた限りだとカステラ君もこっちに残るの?」
「はいはーい勿論ですよ〜!!オレは日本出身日本育ちですからねぇ、やっぱりホームタウンこそが一番良い場所なんですよ!!」
「そう…ね。」
ジャスミンが、一瞬言葉を濁す。
「ただオレはまあ……一つ東京で『大人のデート』って奴をしてから鶴水で遊ぼうかとー。」
『オトナの…デート…?』
再び、女子三人を妙な空気が包む。気になるような困惑してるような、或いは引いてるような。
「ふーん、相手は誰なの?」
「誰でしょうね〜?まあ教えませんし…」
その瞬間、カステラは静かに髪を上げる。そして、普段は高めな声を下げ、渾身のイケボで…
「今回ばかりは予想もできない大物と、デートする事になってしまいましてね…?」>>601
「ふーん…」
『大物…?』
「ふーん凄いね〜」「ぷにゅ〜〜」
「うっわ何ですかその塩な反応!!折角カッコ付けて勿体ぶったのにそんな雑なのは無いじゃないですかー!!」
苦笑が場を包む。
その後も、ワイワイしながらカステラのチャラ男ムーブにマジレスする海月を見て二人は笑っていた。
だが、正直。道化を演じてる中で、カステラは内心安心していた。
勢いで言ったけど、やっぱ彼女と蛍狩りをする事はバレない方がいいですよねー。オレのポリシーにも反しますし……
まさか、今まで口説いてきた子達とは少し感じ方が違う、なんて言えませんしねー。
…あとは、年齢的にあの子とデートなんて言ったら一条さんに今度という今度はしばかれそうですし。できるだけそういう所は安全に行きたいカステラさんなのであった。>>602
他愛ない話を続けていたら、突如ムジカのスマートフォンからアラーム音が鳴った。
『……あ、もうこんな時間なんですね』
「え、本当だ…!!まだそこまで経ってないと思ってた…」「ぷにゅにゅ」
「そうね…楽しすぎて時間忘れちゃってたかも。」
ジャスミンが、言う。
『じゃあ、今日は解散にしましょうか。』
「そうだね。明日も会えるし、明日また皆で停泊期間の事話そ。」
「はいはーいオレも入って良いですかー!?」
「良いけど口説いたら眠らすからね」
ジャスミンは、嬉しそうに笑う。だが、楽しそうにしてる皆を見る度、いや。遊びが終わる時、か。
その時に、楽しさと一緒に何かの感情が疼くのを感じる。
「それじゃジャスミンちゃん、また明日ね。」
『今日はありがとうございました…!』
「そんじゃオレも今から女の子と遊んでくるんで失礼しまーす!!」
皆が帰っていくのを笑顔で手を振る。そして、皆がいなくなるのを理解した後に、席を立つ。>>605
夜の海に、潮風が薫る。
船の電灯が夜を照らす。
「…」
「…」
屋外の甲板にある椅子に、金髪の少女は座る。向かい合った場所で、不良の青年は壁にもたれかかり缶を開けた。
「…それお酒じゃないの?大丈夫?」
「ノンアルだ。流石にオメーみたいな奴の前で飲んだら告発される事くらい理解してるわ」
「……その発言でクロ確定みたいな所あるんだけど」
「ま、バラされたら模擬戦フッ掛けて怒りをオメーにぶつけりゃいい」
「…最悪余計にストレス溜まるかもしれないわよ?」
「ハッ、言ってろ」
双方、少し強気な顔でいつも通りの口を叩く。だが、すぐに互いに表情が戻る。
今日の夜は、両者共少し心が陰っているらしい。
そんな中、ジャスミンは静かに俯いていた。>>606
そう、俯いていた時。
「ほらよ」
「?」
その瞬間、目の前に何かが飛んできた。
「!?」
軽く、山なりに飛んできたそれを、ジャスミンは掴む。円筒型の、冷たい何か。暗くて、細部までよく見えない。
眼鏡のズレを治して、照明に当ててようやく理解できた。
「缶コーヒー?」
「……悪かったな」
凌牙が、口を開いた。
「…?」
「……今日、模擬戦終わった後お前が運んで…いや、わざわざ運びやがってくださったって聞いたんだよ。」
「そ、そうね。」
何故か変な言い方をする凌牙に、ジャスミンは困惑する。
「……だから、礼だ」
「…いいの?」
「あー…だからな。ただでさえ多忙で優等生なオメーみたいな奴に、更に俺みたいなロクでもねえ野郎の為にわざわざ手ェ煩わせちまって悪かったっつってんだ。分かれや」
少しだけ凌牙の語気が荒くなる。だが、それに嫌な気持ちは込められてないとジャスミンも理解した。というより、既に理解してると言うべきか。>>608
「…あ?」
「凌牙君って、もしかして気になってる人とかいるの?」
「は?」
その言葉が出た瞬間、具体的には気に辺りの時点で重なるようにデカい疑問の声が出た。
故にジャスミンは間違いなく誤解だと確信した。
「…うん、間違いなく気のせいねごめんなさい。」
「ちょっと待て何だその質問。訳が分からねえし何を思ってそういう風になったんだ教えろ」
凌牙が何言ってんのアホか、と言いたげな顔で詰め寄る。先程とは違い、少し圧も入ったそれに対し、ジャスミンは言おうかなと迷う。
「…おい待てマジで教えてくれ。何がどうなってそうなったんだ…」
「…そうね。その…正直に言っていい?」
「…むしろ正直に言ってくれ。誰かが言ったとかなら俺はそいつをぶっ飛ばしに」
「…いや、貴方が言ったのよ」
「は?」
身に覚えがない。何言ってんだこいつは、という顔で凌牙はジャスミンを見る。
「…そう。さっき寝落ちしてる貴方を運んだの。それでその前に貴方を見つけた時に、寝言で女の子の名前言ってたでしょ。友達とか、仲良い知り合いなのかなって思ってたから聞きたかったの。えーと……」
そう、ジャスミンが見つけた時、凌牙は誰かの名前を呼んでいた。その後はオートマタに任せっきりだったから詳しくは分からないけど、なんとなく名前を呼ぶって事は友達が増えたのかな、と思った。なので興味半分、揶揄い半分で聞いてみようと思ったのだ。>>611
すぐにジャスミンは頭を下げる。
「……ごめんなさい。もしかして無神経な話題——」
「………いや、大丈夫だ。」
ジャスミンは、一瞬反応が遅れた。地雷を踏んでしまったかもと不安になったのもあるが、何より。相手の声色が、いつになく静かだったから。
一つ、深い息が溢れる。
「アイツは………」
一言、溢れる。
目の前の青年は、呼吸を整えた後に、だらりと座り込んだ。そして、もう1本の缶を袋から出す。それはアルコールの入った酒だった。
ジャスミンは面食らう。その声や、力がない様な行動も珍しいなんて物じゃなかったが、特にその顔は———何かを思い出す様な、今まで見た事ない程に哀愁に満ちた顔だった。
「まだ消灯時間まであるし…正直、あそこも近くて思い出したくなってきたから吐き出したくなってたしな。まあ、お前なら言ってもバラさねえだろ」
「……」
その時、再びコーヒーが投げられる。ブラックコーヒーだ。
「さっきのとそれは奢りだ——だからどうせだ、もうちょっと晩酌に付き合えよ」
普段の刺々しい口調からは想像できない位に静かな声で、凌牙は言う。
ジャスミンは、頷いた。いや、面食らって頷くしかできなかった。
「……昔の、話だ。」前回でいうカステラと海月とかジャスミンと凌牙みたいな感じの、付き合わないけど仲が良くてズバズバ言うタイプの男女の友情関係を書こうとすると距離感近すぎたかもしれんと不安になる症候群
>>615
実はこの二人は恋愛関係というよりはライバルと男女の友情高LVを混ぜたみたいな雰囲気なんですが、今回のシーンだと俺が男女の会話の塩梅調整が下手な恋愛脳のマヌケなばかりにちょっと雰囲気が近すぎたかもしれないって今不安感じてるんですよね…反応の方向性によっては後で少し修正するかも
アルコールの件についてはアレです。最近割と描写してないし初期より丸くなったので失念してる方もいるかもですが元々凌牙君はカツアゲとかバイクで走ったりはしない代わりに未成年飲酒とか酒密造とか賭博をするタイプのヤンキーキャラだったのでまあご愛嬌って奴ですね。>>617
良いですよねムジカちゃん…正直俺もかなり好きですよムジカちゃん
色々辛い物抱えてる子が多い船ですが、特にムジカちゃんは覚醒とかせずに普通に平穏な日々を送ってほしいですね…
俺もできる限り今からの話には巻き込まない様にするからねムジカちゃん…初期の没案で拉致展開考えてたのマジで俺はどうかしてるよムジカちゃん…
はい、いよいよ話が動き出します。まあ本当なら去年に出すつもりだったんですけどね!!なんでかなァ!!(A.俺の筆とメンタルが暗黒期)
まあアレですね、あと2話くらいしたら多分色々判明しますのでお待ちください。
ちなみにここだけの話、初期は名前がセナだったのがセリナに修正したのは気付いてる方多分1人位はいると思いますが、実は設定もキャラデザも初期から大分変わりました。
立ち絵がかなり個人的に良い感じになってる上に性癖詰めた子なので早く公開したいですね。今週中には解禁したい。>>619
他人とか普通の生徒に被害を出さない範囲でド派手に不良行為をする。酒も飲むし密造するしギャンブルもする。それがリョーガスタイルです。うん、大分マイルドにしすぎたかもしれないとは思ってます。
初期はもうちょい尖ってた筈なんだけどな…名無しでのアスタム君枠のつもりだったんだけどな…
>セリナちゃん
まあアレですね。ぶっちゃけここでわざわざ語る時点でもう実は生存してるフラグは丸見えなんですよね。露骨。もうコレはバレバレなんで隠す必要は無いですので。問題はどう生存してるか、ですね。
大体察してるかもしれませんが、その上で面白い展開にしたいなと。>>624
ことあるごとに旅に同行させて…
旅の費用は全部払わせて…(借金)
旅先では血を吸われることも…
これは弱みを握られたいたいけな少年ですね間違いない今まででもう少し凌牙君の過去絡みに触れときゃ良かったなと今更思ったりしながら回想SS書いてます…でもやりすぎてもしつこいから今くらいで良かったのか…?
20日以降に来るであろう奏章II開幕までに鶴水市上陸からの1章に入れる様にしたいなと。
p.s. ルナメレてえてえ>>627
ムジカちゃんは多分魔術関連の勉強大変だと思うから困ってる時に教えてあげてたら良いなって妄想を具現化しました…妄想をイラストで表せるのは絵師勢のアドバンテージですね…
登場初期から裂ムジは程度の差はあれ話すのを苦手とする仲間でシンパシーはありそうだなって思ってたんで、何となく自然体で話せそうだなって雰囲気は感じてたんです。だからこそCPしたいって思った訳ですし
>拉致展開
いや、その…当時はもっと敵を個性も魅力も無いヒャッハー共にしようと思ってたんですが、拉致展開は正直暗さが無駄に上がるしヘイト貯めるだけのやべえ事になる可能性もあったんでやめました。
まあ一応敵の矛先が向く可能性はあるかもしれない、とだけ言っときます。まあ大丈夫です、多分ジャスミンちゃんや凌牙君が守ってくれます。多分、きっと、メイビー
まあ本当にムジカちゃんのダメージ描写は無いので安心してください
>>629
アレですね、初期案だとツンツンした感じの黒髪ボブカット的な髪型を予定してたんですが朽崎さんがAI生成か何かのイメージ案の誉ちゃん投下したのを見た時「やべえ被った」ってなったんですよね。まあ他にもこの子とキャラデザ被るのはまずいってなったキャラが実はいるんで、3回位キャラデザ変更しました。その没案もある程度進んだら落書きで上げようかなって。
あとは性格も境遇も誉ちゃんとは上手く差別化したいなと思って作ったので登場してからそこもよく見て貰えると嬉しかったり。話が完結したらリョーガvsクッチーも作りてえな…>>553
>多分それどう転ぶかは分からないにしろどっかで本人にバレるパターン
誤魔化したって言ったら信じる?って言い方なので、まだ嘘つき確定じゃないんですよねぇコレが!
じゃあどういう交渉の結果迅龍を雇えたか、と言われればそれはまだ内緒なのですが。
途中の薬物騒動について!?く、クッチーに世界全体をどうこうする度胸は無いってバレてるから……
>>562 >>553
>伊織さんと迅龍の因縁について
気に入る気に入らないって話だと迅龍くんは大抵の人間に好感触です。人間大好き魔具なので
クッチー「アイツを囲い込んだ陣営が勝ちます。だから街の警備に集中させる必要があったんですね」
あと設定的な変遷踏まえた迅龍くんのトリセツは早いうちに投稿したいです>>636
お久しぶりです~。
>好きだった話が終わってた!
あるあるー……、こうクるモノがあるよね(CBC礼装風イラストで趙雲オルタとデイヴィ君の絵を描こうと思ってたけどよく考えたらデカい男+子供の絵面は今からSSでやるリョーガ君とセリナちゃんの構図とモロに被ってしまうのでどうしようと迷っている顔)
(第二案の忍極パロ児雷也vs忍殺パロ西湖さんのパロ盛り礼装も考えたけどそもそも西湖さんのデザインが分からないのでCBC降りるか考えてる顔)
というか前から思ってたがもしかして俺はさてはデカい男+弟妹系のコンビが好きだったのか…?
>>635
ありがとうございます…!!
まあ設定面は強く擦り合わせていきたいですね。俺も昔突っ走りすぎて皆を困惑させた滅茶苦茶苦い思い出がありましたので…(しかもその後更にやらかしを重ねたので本気で黒歴史)
まあ夏以降の話にはなると思うので気楽に想像しながら待ちましょう。なのでそれまではクッチーさんもルナティックとかの方に集中してもらって大丈夫です。俺もルナティック結構気になってるので楽しみにしてます
俺も絶対に上手く完走するってモチベの源が実は複数あったんですが、その話で更に一つ増えましたので頑張ります
>>636
生存してた良かった…!!お久しぶりです他作者さんのキャラ使わせてもらうときは私も密やかに気にしまくっているから気持ちはわかる…解釈違いをめちゃくちゃ恐れるようになる…
でも自キャラと他作者さんのキャラ絡ませにいくのが楽しすぎてやめられないンだ…
>>636
お久しぶりでーす最新話完成と同時にお詫びと言っていいかお知らせと言っていいかいまいち分からん報告を一つ
凌牙君が妹分の話をジャスミンちゃんにする話の前に、回想回を1話挟むと言いましたね。
長くなってしまったのと区切りの問題で、今回は前編だけで、2話換算にするか今回と次回更新を一纏めのページに入れるかになります。許して
その分今回の話で色々新キャラについて予想とか考察してもらえたらなと。
15分から投下しますのでよろしくです行きますか
prologue-9 追憶:空腹と牢獄
今から5年前の夏。
東北地方某所。■■山。
梅雨がまだ終わらない初夏、東北地方のその山では雨が降っていた。その山岳の森の中を、一人の青年が歩く。
「はァ…はァ……う゛ッ…」
顔に傷のある少年、当時13歳の砕城凌牙は、身体中を土埃と切り傷に塗れた身体で森を進む。
——まあ、この報いを受けるのは当然だ。こんな奴らは魔術師なんかではない。魔術使いとも言えん。ただの———
——いるだけで魔術師に恐怖を与える、魔術をかじっただけの蛮族だ!!!
その日、俺は蛮族の業を知った。
親に聞かされていた全てがまやかしだと知った。
あれを知った後。俺は魔術協会に燃やされた家から、命からがら逃げ出した。
だが、逃げ出したとはいえ、その後の身の振り方を全く考えていなかった。>>643
行く場所が無い。それだけなら良かった。
ずっと山の中で魔術師として育てられた。魔術も、鍛え方も、戦い方も、動物の狩り方も、サバイバルも…人の殺し方も理解していた。
だが、山以外の場所の事も、人里の事も、何も知らなかった。なまじ家と周囲一帯山岳と樹海しかない場所で育てられたが故に、もう社会の事がよく分かってなかった。
地理もロクに把握してねえし。金も無え。もう行き当たりばったりで山の中を歩くしかなかった。
そう、もう何も分からなかった。
頼れる人間も、仲間もいねえ。どこに行けばいいのかも分からねえ。
そう、人生に、光が見えなかった。
どうすればいいのか、どこに行けばいいのか。それが、何も分からなかった。
ただ、何も考えずに山の中を歩き続けていた。歩いて、水を飲んで、木の実とか肉を採って食う。
家にいた頃の修行でもやった事だが、先行きが見えないと此処まで違う。
その上で、身体は限界に達していた。
「はァ…ぐっ…」>>644
視界がぐらつき、バランスが崩れそうになる。
「output(帯電)ッ…!!」
魔術回路を起動して足と身体に電気を宿し、身体の軸を戻す。
電撃で、意識も戻せた。歩け。歩くしかねえだろ。
そう。体力は、限界を迎えていた。
もう三日三晩ロクな物を食べてない。そもそもが、家を逃げ出してからかなり時間が経つ。20回位暗くなって明るくなった覚えがあるから、大体3週間って所か?
そんで、流石に野生の山の中では、食べられる種類なんてたかが知れている。いい思い出が無かった家だが、そこだけは感謝した方が良かったのか、と一瞬頭を過る。
更に、この豪雨がずっと続いている。雨宿りできる様な場所もねえし、もう1日は雨に打たれた。…そろそろ、体温も下がってきたか。
そんな風に視界がぼやける中、杉と土だけが蔓延る獣道を歩いていく。
ああ。
眠く、なってきた——>>650
……とはいえ、変な場所に足踏み入れちまったかもしれないと後悔する。
どちらにしよ体力は割と危ない。ひとまず牢屋の前の壁に、倒れるように腰を下ろす。
すると。
「何しに、ここに来たの…?」
怪訝な顔で、そいつが話しかけてきた。
「……どうして、こんな変な、地獄みたいな所に——」
「……雨宿り、だな」
「雨宿りね。ふーん…——なんて?…ええ?いや、なんで?」
「…さあな。」
「……へんなの。」
別に初対面の知らん奴に教えてやるモンじゃねえだろ、こんなモン。
「それでも何でこんな山奥にいるのさ。修行?」
「……何でだろうな、こっちも分かってねえ。」
「ますます分かんな…怖っ…」
ぎこちないが、だが何処かフランクめいた会話を交わす。
互いから見て互いは明らかに不審者だった。互いに警戒は少しして、見定めるような目を取る。だが、既に声色は少し緩くなっており、明らかに危険という訳ではなさそうと判断はした。>>652
「……」
凌牙は目を逸らす。腹減ってるのは事実だが、正直、こうやって腹の虫鳴らしたのを目の前で初対面の奴に見られたんだ。どういう顔すればいいんだ。
「ブフッ…あっははは…!」
突然、笑い声が響く。
目の前を見たら、そいつが満面の笑みで、面白そうに笑っていた。
さっきまでの仏頂面から、年相応の笑みになって。
「……何だよ」
「いや、そんなデカいお腹の音聞いたの初めてで…おもしろっ…!」
「……怖えよ、馴れ馴れしすぎだろ」
「あー、面白かった…こんな笑えたのここに来てから初めて…いや当然か、あはは…」
二人共、初対面の筈である。それなのに、何を想ったか、何故か既に交わされる言葉からよそよそしさが少し抜けていた。
「……」
「食べる?」
凌牙がピクッと反応する。見ると、少女は牢の床にある皿を、ドヤ顔でポンポンと叩いていた。
そこには、ボロボロの部屋とは雰囲気の違う、割と高価っぽい皿に乗せられた料理が置いてあった。>>654
疑問と警戒が、青年を取り囲む。
だが。
「……んじゃ、貰うわ……」
それ以上に、腹が減っていた。
山に放り込まれて修行をした事は何度もあるから分かる。多分、そろそろ何か食わないと死ぬ。マジで。
とりあえず、貰おう。話はそれからだ。【出典】インド神話、『マハーバーラタ』、『本生経』など
【CLASS】プリテンダー
【真名】マーンダートリ/Mandhatri
【表記ゆれ】マンダータル/Mandhatar(仏典などのパーリ語表記)。頂生王。曼駄多
【性別】男
【身長・体重】188cm・75kg
【時代】神話時代(トレーター・ユガ以前)
【地域】インド
【属性】秩序・善
【その他の属性】天・人型・神性・王
【ステータス】筋力:A 耐久:B 敏捷:B 魔力:A+ 幸運:A++ 宝具:EX
【クラススキル】
〇対魔力:A
魔術に対する抵抗力。
一定ランクまでの魔術は無効化し、それ以上のランクのものは効果を削減する。
Aランク以下の魔術を無効化する。>>658
〇単独行動:A
マスター不在・魔力供給なしでも長時間現界していられる能力。
マスターを失っても一週間は現界を維持できる。
ただし宝具の使用などの膨大な魔力を必要とする場合はマスターのバックアップが必要。
〇騎乗:A+
騎乗の才能。
「乗り物」という概念に対して発揮されるスキルであるため、生物・非生物を問わない。
獣であるのならば幻獣・神獣ランクのものまで乗りこなせる。
【固有スキル】
〇聖輪のカリスマ:A
大軍団を指揮する天性の才能。
団体戦闘において自軍の能力を向上させる。
聖輪の大元であるカリスマ性は空間支配力(マナの支配圏)を形成する。
必ずしも神秘を必要としない能力であるため分かりにくいが、現象としてはある種の超能力に近い。
ヴェーダ聖典と弓のヴェーダ、諸々の神聖な武器が思念されただけで傍に立つ。
アージャガヴァ弓、角からできた矢、貫かれない鎧が即座に彼に奉仕した。
また転輪聖王には輪・象・馬・珠・女・士・臣の“七宝具足(サプタラトナ)”が現れるという。>>660
【宝具】
『天輪聖王(チャクラ・ヴァルティン)』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1~999 最大捕捉:9999
転輪聖王とは古代インド・ヴェーダ時代における理想の王のこと。
輪の中にいる対象へ光の矢を放つ、全天包囲型・自動移動砲台。
光輪(チャクラム)は大輪と小輪とに分かれている。
大輪は上空に展開する直径70kmのリング。輪の範囲内となる領域を「神域」として強制的に指定する。これは最高ランクの工房作成スキルと似て非なるもの。工房や神殿とは違い、輪(所持者)の行動に伴っての位置移動が可能。歩く多重結界、歩く要塞である。ターン経過に応じて神域は拡大し、生前ならば神代インドの三界を一日で覆ったという。
小輪は頭上に展開する直径7㎞のリング。迎撃宝具であり、武の王・転輪聖王が持つとされる七つの武具を模した質量兵器、バンカーバスターを有する。すなわち、『金輪宝(チャッカラタナ)』『白象宝(ハッティラタナ)』『紺馬宝(アッサラタナ)』『神珠宝(マニラタナ)』『玉女宝(イッティラタナ)』『居士宝(ガハパティラタナ)』『主兵宝(パリナーヤカラタナ)』の七宝である。>>661
『神々の王の玉座(シャクラスヤ・アルダ・アーサナム)』
ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:0 最大捕捉:1
“インドラ神の座の半分(シャクラスヤールダーサナム/sakrasyardhasanam)”。
シャクラスヤ(シャクラ、インドラ神の)・アルダ(の半分)・アーサナム(座を)。
ひとつの座に坐るマーンダートリ王とインドラ神の間に違いは認められなかった。
背格好、皮膚の色合い、声の質はまったく同質。ただ、インドラ神が瞬きをしないことのみが差異であったという。
『マハーバーラタ』でスカンダ神に聖仙たちが語るところによれば“神々の王(インドラ)”とは生類に力と威光と幸福を授ける。善行を成す者たちにはあらゆる贈り物を与える。生類をそれぞれの仕事に従事するよう導く。太陽がない時には太陽となり、月のない時には月に、場合によっては火、風、地、水となる。それがインドラであるという。
未来を見通し、万象の流れを操作する全能神の権能の行使。地上のあらゆる物理法則を支配し、万物を自身の定めた摂理に従わせるが、自身もその摂理の影響下に縛られる。
事実、時に雷霆神インドラのようにマーンダートリは地上の生類のために雨を降らしたという。
【weapon】
『破壊神の弦音(シャイヴァ・アージャガヴァ)』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1~50 最大捕捉:1
シヴァ神の(物)、アージャガヴァ弓。
通常武装としても選択される。>>662
【解説】
陽王統(スーリヤヴァンシャ)に属する、王仙(ラージャリシ)。
ユヴァナーシュヴァ王の息子。ユヴァナーシュヴァ王には長い間、子供がいなかったので彼のために聖者たちは子供を得るための祭祀を始めた。その祭祀の中に、祭壇に水をいっぱいにした器を置いておくように定められているところがあったが、夜中、喉が渇いたユヴァナーシュヴァ王はその器の水に子供を生じる力があるとは知らず、それを飲んでしまった結果、一人の男の子が彼の右脇から生まれ出た。生まれた子供を養うためにインドラ神が現れ、自らの指を与え、「“彼は私を吸うであろう(マーム・ダースヤティ)”」と言ったことから、マーンダートリと名付けられた。
『マハーバーラタ』では、その幼児はインドラの人差し指を吸い、13キシュクの背丈に成長した。ヴェーダ聖典と弓のヴェーダ、諸々の神聖な武器が思念されただけで王者の傍に立った。アージャガヴァ弓、角からできた矢、貫かれない鎧が即座に彼に奉仕した。そしてインドラ神自らによって灌頂され、法によって三界を征服した。ヴィシュヌが闊歩(三歩)により三界を征服したように。その偉大な人の無敵な“輪(チャクラ)”は廻転し、諸々の宝は自らその王仙の傍に集まった。この財宝に満ちた大地が彼の所有となり、彼は多くの謝礼をともなう多様な祭祀を行った。威光に満ちた彼は祭壇を積み、多くの法を達成し、その無量の光輝に満ちた人はシャクラの半分の座を得た。この常に法に専念する賢者は勅令により、一日で、宝の山(もしくは海)や都をともなう大地を征服した。四辺に至る大地は、多くの謝礼をともなう彼の祭祀の祭場によって満たされ、覆われない場所はなかった。その偉大な人物は一万パドマ(一パドマは十億)の牛をバラモンたちに与えたと言われている。十二年雨が降らなかった時、その偉大な人物はインドラが見ている前で穀物を生長させるために雨を降らせた。月種に生まれた偉大なガーンダーラ王は、鳴り響く大きな雨雲のようであったが、彼はその王を打ち破って矢で殺めた。その偉大な人物は、四種の生類を征服し、自身の苦行と威光により、諸世界を平定した。三界を征服することで、インドラ神と神々の王の玉座を分かち合った。十二年間、世が旱魃となった時には穀物を生長させるために雨を降らせたという。>>663
【人物像】
上帝マーンダートリ王。
母なき異常出生によって誕生した、13腕尺(キシュク)、約598cmあったとされる異形の王。
かつて世界に実在していた神。自然、概念と深く結びつき、世界を構成する事象そのもの。神話体系における神々の王とはすなわち、本来的な意味での“星の支配者”に最も近い存在である。この神々の王の領域に定命でありながら辿り着いた、生まれながらの王聖。
故に、世界に優先的に愛され、およそすべての特権を行使することができた。万物万象は、文字通りの物でさえも、彼に奉仕する。生まれながらにしてこの世のあらゆる苦痛とは無縁であったのだ。当然ながらそれは“マナ(神秘)”に満たされ、想像し得ることは死者の蘇生であろうと可能であった神話時代においても例外的な事例である。だが、最終的に神々の王の玉座を独占しようとしたことで、天を失う。このマーンダートリ王の最期を、仏教系の説話では「自身の利益のみを求めたため、一切の苦を脱せなかった」ことを示していると解している。物質的な“世界”が提供できない精神的な充足がもたらす領域(悟り)があることを、その時にはじめて知ったのだ。
マーンダートリ王の“人間”としての生は、ようやく始まり――同時に終わった。
イメージカラー:サフラン色
特技:苦手は基本的にない
好きなもの:俗世・欲望
嫌いなもの:
天敵:覚者
外見:青色のウェーブ掛かった長髪と黄金の瞳、褐色肌、長身かつ痩躯、しなやかな四肢が特徴的な男性。
インドの民族衣装であるサリーの原型となった古代インドの服装の他、縫い合わせない一枚布を肩掛けた格好をしている。
願い:菩提樹の悟り>>664
挑戦的かつ挑発的な人物。割と泥臭く、執念深いこともある。
クロスドレッサー(異性装者)かつ女性らしい口調で話す、いわゆる“オネエ”であるが男性であることを捨てている訳ではない。身体機能や性自認は男性。東洋の太極図、陰陽魚にも陽中の陰、という概念があるが、その陰(女性性)の部分が一般的に認識されるよりも大きいだけ。
王ではあるが王としての気概を持たず、自然体。自らに一片の疑いは持たず、あるがままに欲深い。その視野も含めて、どちらかというと神の立ち位置に近い。自らの可能性の追求の果てに神々の王の玉座を独占せんと試み、天を失った。依然としてこの在り方は変わっておらず、ただ出力方法に多少の違いがあるだけだ。それは自らの可能性のゴールに「菩提樹の悟り」を設定していること。ただし、転輪聖王が持つ「覚者」という別の可能性が、俗世を捨てるという己の在り方とは真逆であることに気付いてはいないのだが。
【真名転生】
正しく人々の憧れとなり、時代を導いた達成者である『英雄』。善を成立させるものとして必要な障害、英雄のカウンターである『反英雄』。その中には偽ること――人々を騙し、欺くことで偉業を成す者もいただろう。
魂まで騙ることで本物以上の力と功績を残した“誰か”。
それが『役を羽織る者(プリテンダー)』。人や獣相手ではなく、世界を敵に回す詐称の英霊。
霊基の金型とも言える七つのクラスにも、エクストラクラスにも該当せず、特定できない霊基パターンを持つ。
地上のみならず天上を征服したという輝かしい逸話、偉業はマーンダートリ王という個人を塗り潰し、人々は“役”を後付けした。
すなわち『覚者の前世』という信仰である。結果としてマーンダートリ王は覚者の『詐称者(プリテンダー)』、転輪聖王としての資格を手に入れた。そして彼の諸人のみならず諸物さえ奉仕させる、人望という概念では収まらない魔力、呪いの類であったカリスマ性は“聖輪(チャクラ)”のカタチを得る。>>665
呪いの類であったカリスマ性は“聖輪(チャクラ)”のカタチを得る。
『スッタニパータ』などの仏典では、仏と王には同じ偉人の相を三十二備えた転輪聖王(理想的帝王)の姿を持つという。32相を具えている偉人にはただ二つの道があるのみで、その他の道はありえない。もしもかれが在家の生活を営むならば、かれは転輪王となり、正義を守る正義の王として四方を征服して、国土人民を安定させ、七宝を具有するに至る。しかしながら、もしもかれが家から出て出家者となるならば、真の人・覚りを開いた人となり、世間における諸の煩悩の覆いをとり除くという。故に、転輪聖王とは俗世にありながら仏(覚者)と同格の存在規模を有する。
【台詞例】
一人称:私
二人称:君/アナタ
三人称:彼/彼女/あの子
脳内CV:
「人も、神々も。語る口持たぬ諸物でさえ平伏するのだから!」
「心だけがアナタたち人間にとって、私と対等になれる唯一の要素でしょう?」
「だからこそ、私にも魅せてくれるかしら」
「妖精、精霊、幻想種。この惑星を超える可能性を持たない閉じた存在よ。哀しいことにね」
スキル使用時
「全知全能なる私が命じるわ」
エクストラアタック時
「さあ、どこまで粘れるかしら!?」
宝具選択時
「――――世界は、私の物よ」>>666
【イメージソング】「Gagana Nee」
【備考】
「ぼくの考えたサーヴァント@でもにっしょんch」に投稿したのを更に改訂したもの。
日本語資料の他、『Wisdom Library』「Mandhatri, Māndhātṛ, Mandhātṛ: 15 definitions」を参考にしています。
【製作者】ここのえ
お姉様(男)
チャクラヴァルティンの絨毯爆撃(縦軸)と、雷速による移動砲台(横軸)の十字砲火がメインスタイル
一応、インドラが乳母の役割をしているのと、インドラ≒マーンダートリである、からの連想なんですが、オス度が高いと棘のある部分を「不敵」程度に落としたかったというメタ的理由もあり
アショカ王次第で転輪聖王関係は調整するかもしれません
地味にマクベス特攻>>614
敏捷:A+は伊達じゃない。>ウェイトレス
どうだろう? 生前の立場を考えると、家綱の場合は難しそうだったし。
エミヤはエミヤにならない世界線(凛とくっ付く=エミヤになることは決してない、って話を昔何処かで見聞きしたことがある)だとそうとしか。>スパダリ
>>615
その通りでございます。
>>617
検索したら蕎麦湯ココアなる品が見つかったのでGOサインを出しました。
生チョコ自体はノンシュガーなのがミソ。
>>619
そば粉のガレットは基本的に塩味系ですが、近年ではデザートとしてのバリエーションもありまして。
>>638
https://webhiden.jp/master/fujita_seiko/
容姿はこのリンク先を参照していただければ。
服装は『KOUKA』と書かれたメンポ+トップ画像の服装の組み合わせで是非。(無茶ぶり)「見た目に反して速い。身の丈に合わない剣でも魂の丈には合っているのでしょうね」
「…………」
「喋れない?それとも喋りたくない?いえ、表情からおおよそのことはわかります。きっと前者ですかね。………立派でいらっしゃる。私のことをよくわかっている」
魔術が通用しないことは初手の呪いで理解した。宝具という極大の神秘と化したあの大魔術以外は、おそらくどの魔術でも通用しない。だがまあ、それはわかっていたことだ。神代の神秘を宿すものに出くわせばそうなることは予想できていたから。それよりも、今はその攻撃に注意したい。武術というものは知らないようだが、とにかく動きが速い。力も重そうだ。まともに受けずにとにかく流す。ここで重要なのは相手をその気にさせないこと。あれは手を抜いている。今、出せる範囲の全力ではあるがそれ以上は出していない。
「アトラス院の錬金術師は魔術回路が乏しいと言います。故にこその手加減、自制かと思いましたが……その力を使っている時点でその線は薄そうですね。自主的に魔力をどうこうする手段があると見ましたが、如何です?」
「…………(ふいっ)」
「なるほど、おおよそあなたの態度はわかりました。……うーん、なんだかなぁ。私、あなたに殺意が湧かないんですよねぇ。あんまり殺したくならないというか……そんなに悪いことしてないでしょう。イマイチ乗れないなぁ」
とはいえ、仕事は仕事だ。我がマスターを守るためにもここで手を抜いて負けるわけにもいくまい。そもそも、手を抜いて時間稼ぎができるような相手でもない。せっかく面白くなってきたのだ、ここで彼の道程を終わらせるわけにはいかない。………となると、取れる手段は一つだ。魔術回路の脆弱さに漬け込むしかない。
マスターとサーヴァントは、パスが繋がっているものだ。マスターからサーヴァントに魔力が流れ込むように、サーヴァントからマスターに流れ込むものが存在するのもまた然り。それは記憶であったり、はたまた別のものであったりと多岐に渡るが……一つ言えることとして、あまりにも強すぎる力は、それ相応の器でなければ扱うことは至難を極めるということ。「魔術回路は魔力、魔術への抵抗力へと直結する。あなた、警戒していますね?自身の力の強大さを。それがマスターに影響する可能性を」
「………!」
通った。ナイフを重ね投げた手の甲と、背後から生やした“第三の腕”で剣を振るった頬の肉、その両方が傷ついた。全身に鎧のように纏った魔力、その薄い場所を的確に狙った。相手が卓越した武芸者ならばこうは行かない。しかし、そうでないことが作用した。地力で劣っていようとも、今の制限した状態なら通用する。
「時折あなたは身に纏わせる魔力を弱める。大きすぎるんですよね、魂が。どちらかというと英霊ではなく神霊のよう。サーヴァントとして召喚できている以上、純粋な神霊とは異なるのでしょうが……ともかく。あなたは魔術、神秘に関してもそう詳しい知識をお持ちでないようですね。だから自身がマスターを傷つけない確信を得られない」
「…………(むすっ)」
「ポーカーフェイスは苦手なようで。ですが私が優勢になったわけでもなし。お付き合いくださいな」
強者ゆえの、というものだろうか。マスターとの報連相がなかったようだ。サーヴァント側からマスター側に何かが逆流することはあまりない。記憶、その他諸々はあり得るが魔力なんておそらくほとんどない。なればこそ、それを今回の戦闘後に共有できた後が恐ろしい。少なくとも、今のような魔力放出の制限は取っ払ってくるだろう。そんなものに今の霊基では太刀打ちできそうもない。とてもひりつく。うん、楽しい。マスターの方は大変そうだけど……まあ、手助けはできそうにないから頑張って欲しい。
「浅く、浅く、しかし何度も斬り付けていけばいずれ生き物は死にます。もちろん自己再生力が強すぎるなどの例はありますが……疲弊、とまでは行かずとも苛立ちますよね?それなりに。ではどうぞ、その先を使ってはいかがです?」「……(ふんっ!ふんっ!)」
「あら正直。いじらしいですね。いじらしすぎるけど全然いじめたくならない。キュートアグレッションという概念は私には縁薄いようです。憎たらしいものいじめる方が好きなもので、ねぇ?」
刃は鋭く、幾度も幾度も浅く浅く魔力の鱗を切り裂いていく。裂いた途端に溢れ出る魔力でエーテル体の身体は治癒し、魔力の鱗も再び現出していく。しかしながらその堂々巡りの状況は慣れ親しみないものであり、だからこそその行動を縛っていく。肉体的ではなく、精神的。怒りのままに暴れ回るという方策はある。しかしそうなった際に、どんなものが流れ込むかわからない。流れ込まないとは明言できないのだ。なぜならサーヴァントとマスターは、繋がっているのだから。………そう、繋がっている。
「お気づきになりました?私のスペックがだんだん向上していること。なんででしょうねぇ、魔力が豊富になったからとかですかねぇ。あなたなら、探ろうと思えばわかるんじゃないですか?」
「(すぅー……)……!?」
「まあ落ち着いて。あなたならできるかもしれないとは言いましたがして欲しくありません。もっと私と踊ってくださいな!」
あり得ざる腕は増えていく。身に纏う呪いも増えていく。それは物質的な破壊力や防護力を帯びるまでにいたり、多少なりともキャスターの身を守る手段となる。魔力が増えていくことで、やれることが増えていく。それができる力がある。だからこそ、こうやって時間を稼いでいるわけで………
「あ、忘れてました。多分この先にあの方々がいらっしゃいますね。……まあ良いか」「アトラス院の基本原則を知っているかい?『自己の成した成果は自己にのみ公開する』というものでね。この性質上、個人の研究を誰かに公開すること、アトラス院内で生み出された兵器を外部に持ち出すこと、これらは容認されないんだ。院内で兵器として認知されない程度の技術レベルだとか、身体の一部と見做されるものならば構わないんだが……生憎ボクはそんな特殊体質でもないんだ」
「話がなげぇ。テメェの周りに浮いてるそれはなんだよ。黙って持ってきてんじゃねぇか」
「あくまで院内の話をしているんだ。ボクのこれはまた異なるものだよ」
キリキリと音を鳴らしながら回転する青いガラスの剣と槍。確かにアトラス院のものと称するには些か……装飾に奇妙さを感じる。魔術的意味合いを持たせたようなデザインだ。機能を追求したデザインではない。芸術品のような彫りがなんとも言えない奇妙さを放つ。多くのものと接してきたロートゥスだからわかることだ。
「………共同研究かよ」
「その通り。個人の研究は絶対秘匿。ただ、集団での共同研究はその限りではない。ボクはホテルを経営しててね。そこの部下たちも魔術や錬金術に造詣のある子たちばかりだ。これは一緒に作ったもの。純正なアトラスの発明品よりも使い勝手は悪いけれど……まあ問題ないさ。使えればいい。そうだろ?」
「みんなで回避する協力はしないの?」
「しない。それが例え自分の父母でも、最愛の人でも、絶対にしない。それがボクたちだ。……まあそれ以外は割と自由なのさ。アウトドア派の人もいるし。推奨はされてないけれど、他者の研究を覗き見する家系もいる。とはいえみんな愚直だけど……ボクは結構色々考えてる方じゃないかな。ところで君たちはボクに攻撃しないのかい?睨んでても意味ないよ」
している。しているが一向に当たらない。まるで来ることがわかっていたかのような対応をされている。それだけならまあ、まだ良い。だがそれに加えて、こちらが通る場所に的確に剣を置くのだ。避けれるか避けられないか絶妙な位置。明らかに強いのに聖杯戦争が彼を弾かなかったのは、本体性能が乏しいからだろうか。演算能力は単純スペックとして考慮してくれなかったらしい。西洋魔術を基盤としているからだろうか。「アトラス院のくせにやること迂遠すぎんだよ……!」
「君たちをここで殺.すのはボクのチャートに入ってないというのが一点、ボクが未だその気になれないぐらい追い詰められてないってのが一点かな。あとは相性の悪さ?ステゴロだとボク仕留めるの中々きついと思う。でもナイフは使えないよね、ナキくんは」
「なんで知ってるの?こわっ……」
かといってあまり舐めプと取られるような動きを取り続けるのも如何したものかという考えもあり。五番はこのままの行動を、三番はもっと苛烈な攻撃を求めている。ならばそれを、メインフレームである自分なりに解釈して出力するならば必然的にこうなるだろう。
「セーブデータロード。ゲームプレイ」
「「イェスボス」」
「クッソ、使い魔はアトラス院の十八番……なんかマジで性能高くね!?」
「ボクを二つ割いている。それなりに強い使い魔だね。……うん、別に隠すことでもないから言ってしまおうか。相互観測機能をつけてるから片方が壊れてもすぐに直るよ。両方壊さないとね」
地面を這う蛇と、空を飛ぶ鳥。単純にどちらも速度が速く、直撃すると痛手となる。肉体に強化を施していない状態でまともに当たるとまず骨が折れるだろう。施していてもかなりのダメージだ。牙や爪で攻撃してこないのはおそらく配慮。いくらでも喉元を引き裂ける瞬間はあるのにそれはしていないことからもはっきりとわかる。相互観測による存在の補強を施していると明言されたがおそらくそれだけではない。アトラス院お得意の記録媒体などを使ってさらに存在強度を高めているだろう。生命としての格が純粋に高い。
「自らが最強である必要はない。最強のものを作り出せば良い。とはアトラス院の格言だそうだよ。生憎、ボクは身体を鍛えるのも好きだから当てはまらないけど」
「…………っ!」
「魔眼の対策もしっかりと、だ。要は見えなければ良いわけだから魔眼を起動するタイミングで身体を何かで遮れば良い。だから……ん?」セオリ、ロートゥス、両者とも優れた実力者。そんな彼らがおかしい、と気づいたのはほぼ同時。ただしかし、おかしいと思った部分が違う。セオリはナキに対して、ロートゥスはセオリに対してだ。
『タイミングがズレている。当たるはずの攻撃が当たらない。目が慣れて……いや、違うな。これはそういうレベルではない。スピードも上がってきている。身体強化の完成度の向上……違うな。まさか、そんなルート分岐が?』
『ナキの成長速度に対応しきれていない。つまりこれは演算で予測できない事態。未来予測を行うにも情報は必要だ。となると……セオリでも収集しきれなかったイレギュラーな出来事が過去にナキに起きていた?』
『呼吸が楽だ。多少の攻撃も服が庇ってくれる。まだやれる。まだ速く、まだ重く、まだ強くなれる』
だが、ここで対応できないような未熟な錬金術師ではない。再演算、相手の能力値上昇に伴う予測対応速度の向上。僅か数秒、その数秒でセオリはナキに対処できるようになった。しかしその数秒は、ロートゥスが機を見出すには十分な時間だった。
「“繋げた”ぞ!突っ走れ!」
「ありがとうロートゥス!」
「………ああ、そうか!砂漠のときだ」サハラ砂漠周囲の地域調査に赴いていた際、とある騒ぎに巻き込まれたことがあった。行き当たりばったり、ここで出会うも何かの縁、とりあえず茶をしばいて世間話、そんなこんなで最終的に死に損なったとある怪物を討伐したことがある。きっとこれは、その怪物から創り出した細工品だろう。マスターとサーヴァントの物理的な距離は大事であるが、ここでロートゥスとナキにパスを繋げることで、ナキを目標回収に走らせてもキャスターにフルスペックを発揮させることができる。ロートゥスも周りに気を遣う必要がなくなる。
「あの時に儂が終わらせたのはコイツと、あともう一つだ」
「………なるほど、先程のものはその小箱。そして今からはその短剣か」
「かかってこいよ」
以上です。セオリがホテルオーナーやってるのはアトラス院の錬金術師でも現代芸術家とかやってたりする例があるから多分いけると思いましたそういや前々回のカステラのセリフにチラッと拙僧のこの面にてネタを仕込んだの全く気付かれなかったな…
>>639
分かりました…そう仰ってくださるなら、少しだけ展開に攻めを増やすのを考えてみます
ありがとうございます…!
>>657
実家はアレですね、一家が魔術社会破壊の計画を立てた事を魔術協会に気付かれてブチ壊されました。
因習村…ではないかもですが雰囲気的には近いっちゃ近いかもです。山奥ってのがヒントですね。ワンチャン次回で察する人はいるかもしれません
>>667
強い…モヘンジョダロ予告から思ってましたがコレは間違いなく限定星5超豪華顔面宝具持ちの風格ですわ
頼れる味方でも滅茶苦茶恐ろしいラスボスでも映えそうなの良いですね
>>668
成程成程…100%描けるかは自信無いですができれば投下できる様に頑張ってみます
>>670
かなりしんどい人生送ってますからね…でも、この出会いで少し光が差してくる訳なんですね。まあ船入る前に離別して傷と闇が深くなったまま船に入った訳なんですが…
健康に良いですよねこういう関係。恋愛にはならない男女の関係って良いなーって最近俺も思うようになってきました。ド級のプルフラス
ドルフラス
>>671
ありがとうございます…!何気に伝奇物っぽいって言ってもらえたの初めてかも…
飢餓と雨での体温低下で死にそうな状況ですからね。凌牙君の場合は意識をはっきりさせるには電流を流した方が効率が良いという。大変だね…
>>678
セオリ君まだほとんど何も分からないけど好きかもしれないです…ゲーム風に考えるのも飄々とした強い感じもこの先の展開次第では共闘も有り得なくはなさそうな気がするって所も
そしてロートゥスさんのバトルじゃァァ!!ロートゥス推し俺大歓喜
頑張れー!!
>>679
ですね。凌牙投下初期から構想があったボーイミーツガールです。ただ一応先に伝えておくと、この二人は互いに恋愛感情を抱いてる訳ではありません。この出会いの時も、今も。
海まで行った理由ってのはまあ、深い理由って訳ではありませんが次回と次々回辺りで語れると思います。お待ちをー>>670
マーンダートリという原典を納得のいく感じに性格を整えていったら、おぼろげながら浮かんできたんです。お姉様という文字が
お姉様(男)ってどうしてあんなに含蓄深く、強そうに見えるのか
>>671
迷走時期を経て…
ヒトの可能性に期待しているというのは転じて、自分の可能性を信じているということでもあり
そこが聖杯戦争に応じる上で基点となるのかなという感じ。目をキラキラさせているタイプ
>>679
星の枠組みから出ないので「アナタ達の行くゴールは通ったから興味ないわ」、という
とても自分の価値観が中心なキャラクター性です。ひどい
>>678
アトラス院の錬金術師&火力系セイバーを相性勝ち(?)していくキャスター陣営たるや
う~む、セイバー陣営を贔屓してしまうけれどもキャスター陣営も良い…
>>680
チャクラ・ヴァルティンが一夜にして三界を覆った」と描写してしまうのも仕方ないほど、原典のパワーが強かったんです…!キャラぺの【解説】はもっと長くなるぞぅ「自分、魔術回路は雑魚もいいとこっす!西洋魔術も使えません!」みたいな顔して高速演算とかでセナ先生と大体タメ張るぐらい強いのがセオリくんです
>>679
そのためにしばらく引きこもって演算してましたからね、ちゃんと準備万端です
アトラス院らしくないのは本人もかなり自覚があるのではい
>>681
ズェピアが演劇として捉えたような言葉を放つのであればこちらはRPGゲームをプレイしているような感じの言葉で表現します
ロートゥスの奮闘にご期待ください
>>682
単純に言仁様の知識がちょっとだけ足りなかった+セオリに聞いておけばよかった案件
ジルの仕込みのせいでパスが繋がりにくくて念話しにくいという妨害が
>>683
ここのえさんのキャラ付けが光ってます、本当に良いキャラをしているなと思ったり迅龍のトリセツ投げますね〜
「ゆら~り。ぐら~り、ピタリ」(カックンゆらゆら、カックンゆらり)
「あれ、『それ』ってそもそもなんだっけ?……拙って誰だっけ?」
「拙は迅龍(シュンロン)。貴方の魔道と共に在る者……どうかよろしくお願いします。」
──それは遥かなる古より旅を続ける、自律した魔具である。──
──それは神仙の叡智と妖魔の暴威を有する、全能の兵である。──
──それはあまねく障害を打破するに足る、無限の術理を誇る。──
──あらゆる願望に呼応する、純粋無垢なる奉仕者である。──>>689
【迅龍・取扱説明書】
・このたびは魔導人形(注・使い魔):迅龍。正式名称『洛陽零式』をご利用いただきまして、誠にありがとうございます。末永く愛用頂く為に、この説明書をよくご確認いただき、正しくお取り扱いくださいますようお願い申し上げます。
・この取扱説明書には、迅龍のスペックや思考回路及び、安全かつ正しくお使いいただくための注意事項等が記載されています。本製品をご使用になる前に、必ずお読みください。なお、この説明書は大切に保管し、必要に応じて御覧ください。
【本製品の特徴】
・迅龍(シュンロン)は哪吒太子の技術を参考に、嬴政氏が製作した戦術駆体です。主な技術としては仙術を利用しております。長い放浪によって年を経た結果、製品自身の自己改造により僵尸(キョンシー)に属性が寄っていますが、性能上の問題はございません。
・僵尸(キョンシー)の等級としては飛僵(ひきょう)クラスであり、使い魔としては勿論、魔術の行使者、兵士として極めて高いレベルとバランスを誇ります。どのような人間や指示にも従順であり、ほとんどの行動を完璧に実行することが可能です。>>690
【基本スペック】
・迅龍は身長:八尺(約2.4m)/体重:約250斤125㎏)です。
・1000mを数秒で走り抜ける、大抵の重量物を軽々持ち上げる、「雲耀」の域に達した居合、まるで飛行していると見まがうような(現代風に形容するならば二段・三段階ジャンプとなるでしょうか)ジャンプなどが実現可能な非常に高い身体能力を持ちますが、視力が弱いです。しかし、高い聴力や「物を浮かせる」、浮く、飛ぶなどの神通力etc.を獲得している為、あまり問題にはならないと思われます。また、肉体が破損したら適当な死骸や礼装などを用いて自己修復を行います。
・先述の通り身体能力は非常に優れていますが、精神面が非常に未熟です。自由意志での判断を間違う事はありますし、記憶力や判断力という点では情緒不安定と言ってもいいでしょう。これは逆に言えば不平不満を漏らさないという事でもあり、メリットとするか、デメリットと感じるかは使用者次第です。
・洛陽零式のコンセプトは会稽零式と対になっており、端的に形容するならば”究極の武官”であります。会稽零式が超高速演算による行動の先読み、ひいてはあらゆる事態に対応する先手必勝の文官としての運用が目的ですが、洛陽零式の場合は観察力及び学習能力を基礎とした後手必殺の兵器・兵卒としての活躍が可能です。
勿論、ある程度であれば「相手がどう行動しようと考えているか」という点にも対応できますので、対応が遅れた結果、問題を発生させてしまう、といったケースはほとんどありません。>>691
【性格・外見など】
・属性としては中立・中庸です。基本的に指示を待ち、ある程度の優先順位は存在しますが、他者の為に行動します。また、神通力により他者が自分に何を期待しているのかをある程度把握し、実行します。
・大衆が連想するであろうキョンシーそのままの外見をしています。死臭がし、爪には毒素が含まれる為、頻繁に体を洗浄したり爪を切るなど綺麗好きです。顔の血色も悪い為、主になったら風呂に入れてあげたり化粧を施すなど、ケアをしてやるといいでしょう。
・好きなモノは他人の幸福のようです。周囲の人間が幸せそうにしていると笑顔を見せます。
逆に苦手なモノは鏡や雷です。キョンシーとしての属性を得た結果、それに引きずられていると考えられます。
・自己の製作者の事を忘却しているため、世界を放浪しつつ創造者、そして自身の主足り得る人間を探しています。放浪中はボ~ッとしていますが常に他人から頼み事をされるような暗示魔術を自分に課しているため、良く依頼を受けます。
・先述にも似た記載を行いましたが、使い魔としてではない状況での精神面(趣味嗜好etc.)は非常に子供っぽく、指示された時以外で複雑な思考をする事は難しいようです。性別的なモノが存在するかは不明瞭ですが、形容するならばショタいです。
・月の光を浴びすぎると狂暴化し思考能力が向上するので、敵対する場合は厄介でしょう。ですがこの状態でも主の命令は聞くので、危害を及ぼす可能性はありません。
【魔術師として】
現時点での魔術回路は質:C++/量・B+、編成は正常、魔術属性は地属性です。補修によって魔術回路の状態は変わるので、偶に確認をしてあげて下さい。
【戦闘方法】
・戦闘スタイルとしては、異次元の機動力と膂力によって相手に対応する事が可能です。所謂基礎力で大抵の敵性存在に対応できますが、場合によっては肉体改造をする事で様々な魔術を後付けで行使させる事も選択できます。
・武装としては、自らの肉体を利用した肉弾戦の他に、刀剣類を活用した高速の斬撃を好んでおります。
・移動速度が速い為、戦闘において負担になる事はありませんが、超々遠距離からの攻撃に対しては知覚が間に合わない事も稀にありますので、ご注意ください。>>692
【備考】
•迅龍は『天下泰平』を実現する為に創り出された魔具でありますので、ご利用主様次第では運用に支障が起こる場合がございますが、その点がご了承ください。
また、故障や破損が起こった場合の対処法は”本機に任せる”事のみとなります。
運用上の問い合わせはなどは受け付けておらず、サポートセンターなどの相談窓口も存在しておりませんのでご了承くださいますよう、重ねてよろしくお願い致します。全部遡って返信書くのは無理だったよ…(震え声)
>>613
学生同士がキャッキャしてるのを青春だなぁと見てたら1人になった途端ネガティブになるの本当にジャスミン(解釈一致)
少し解説させていただきますと毎回ここまで沈む訳ではなく何かきっかけがあったらぐるぐると回る思考が過去のあれこれをリフレインしてしまうわけです。
ちなみに一度こうなると収まるまで壁によりかかったりして耐えます。具体的には暗殺者にクリストファー・クライに助けてもらってアインス先生と出会う辺りの明るい記憶になるまでですね。なので今回凌牙君に話しかけられた辺りがピークでした。
普段は1人になると私上手くやれてるかな、と直前のやり取りを反芻して思い返して「うう、また私自分本位な意見言ってる…」とダメ出ししてどんより凹むくらいでこちらは歩いたり何かしながらでも出来ます。なので傍目には友達と別れて寂しいのかな?みたいに映るわけです。闇が深い子とか展開を書くと胃がキリキリする。
でもこのスレ的に見たらこの程度の描写は田中君も眉一つ動かさんレベルなんだよなぁという訳なので覚悟を決めます。もっとだ…もっと俺も型月に染まれ…!!
>>686
成程…なんか遺伝とか体質が凄かったー位でシンプルに済ませればいいって感じですね。
ちょっとマジで作ろうかなク.ソデカ鱒…問題はコンセプトと所属をどうするかな訳だが…
>>694
強キャラ…これはまさしく強キャラという言葉が似合う鱒ですね。会稽零式と同列に語れる辺りその恐ろしさが分かるといいますか
しかもこのままでも十分強いのは前のSSで分かってましたが改造で強化の余地がアリというのが凄い。
ルナティックでも暴れそうというか、それこそイビルジョーよろしく戦闘中に乱入してえげつない位暴れてく感じのイメージが湧きますねえ。
>>695
解釈一致良かった…何気にここが心配だったのでめっちゃ安心した…
そして補足解説ありがとうございます、めっちゃ参考になりました…この後の行動考えるとジャスミンちゃんのそう言う所も書く上で利用してかないとなのでマジで助かります火村さん、後学の為にお聞きしたいんですがムジカちゃんが食堂かどっかで疲れて寝てる裂夜君見つける→丁度用事があったので起こそうと思ってスマホ音声で起こそうとするけど起きない→むすっとなった+出来心で首元軽くこちょこちょするイタズラして起こすシチュの裂ムジはアリですか
>>698
心配ありがとうございます…ただ、全部が明るい話なんてのもアレですし、暗い部分も書いていかないとなっていう心持ちではあるんですよね
なので無理のない程度に調整して書いていこうかと思います。
温度差は確かに凄いですね…ただ、まあ凌牙君達はあくまで神秘とかじゃない、人間の業の範囲の闇かつここから救済の余地はあるので船の現在進行形で暗い過去背負ってるキャラ群の中ではワンチャンまだマシな方の可能性があるかもしれないです。
そういう点で見ると実は船の生徒で一番厄ネタ背負ってるのはペルカちゃんなのではって思ってたり…「落ち着いて。……そう、ゆっくり息を吐いて……それで、どうしました?なんでも言ってください」
「ここを……右に曲がって……そのまま3分待つ……最後に血で盃を満たす……」
「ありがとうございます。おやすみなさい」
少女は、男を抱いていた。力が抜けて崩れ落ちている男の背を優しく支え、頭を撫でて労わっている。自身の上等な服が埃で汚れることも厭わずに、優しく抱きしめ包み込む。いつの間にか、男は眠ってしまっていた。星の雫の在処という大事な情報を漏らして、そのまま泥のように眠ってしまっていた。魔術回路による抵抗力も意に介さずその意識を支配する手練手管。尋常ではないそれは紛れもなく天才、いや、異才の所業。おおよそ真っ当な魔術の在り方ではないだろう。身体は、精神は、彼女の精神干渉を害あるものだと認識しないのだから。
「さて、綾姫一門用の最短ルートを見つけました。ここまでの情報権限を持ってる人を見つけるまでに5人もお話する必要があるなんて」
「………マスター、君の精神はまだ人の域にあるのかな。罪悪感は、あるのかい?」
「それは悲願を叶えるために、そして聖杯戦争で勝つために必要なものですか?必要ではないなら、残念ながら。私は聖杯戦争にそれを持ち込むことはないでしょうね」
「そうだね。それも一つの選択だ」
リディアは微笑む。別段、哀しみも怒りも喜びも無くしたわけではない。私的な時間であれば、読書やテレビ視聴でそれらを抱くこともある。特に好物である果物を食べているときは、本当に心が弾むのだ。ただ、魔術師としてある時は呼吸をするように策略を巡らし、食事をするように他者を消費するだけ。リディアが当主を目指すのも、客観的に見て自身が一番“魔術師として優れている”と断じたからである。つまらない意地ではない。そんな彼女だからこそ、取る手段に迷いはなく……
「アーチャー。目標を戴いた後には彼に多少なりとも恩返しをせねばなりません。彼の方に人員を誘導したので。だから、はい。もう少し頑張ってもらいますね」「正直な話をすると。ボクは君という変数は危険だと思っているんだ」
「そりゃ嬉しいね。儂の強さが認められてる」
「違うよ。君のその何でもかんでも言って核心を突く在り方が好ましくないんだ。それは心を癒す助けにもなるが、逆に今の段階で覚まさずともよいものを覚まさせる。その観察力は猛毒だ。だから、さ」
ボクは君のこと、殺してしまっても問題ないチャートを組んでいるんだよ。
そうやってセオリが断じた瞬間、まず右腕が飛んだ。次に腹が貫かれた。そして左の肩と太腿の一部が千切れた。なんということはない。先程よりも速い速度で、先程よりもさらに正確に隙をついた形で、展開していた全ての武装がロートゥスに攻撃を仕掛けただけだ。ただキレがあまりにも違う。それに何より殺意がある。
「テ、メェっ……!」
「念話が繋がらない。おそらくキャスターの仕業かな。こちらの解析は終わったから後は解除するだけ。となると分割思考をフルでこちらに回せる。とはいえ、アトラス院の弱点……純粋に魔術回路が乏しいことを突いたマナが必要になる術式なんだねこれ」
「………そうかよ。ならこうだ」
セオリの回避とロートゥスの攻撃はほぼ同時。しかし僅かながらにロートゥスの方が速かった。頬に一筋の裂傷、それはまさしくロートゥスの短剣から放たれたもの。ロートゥスは一切動いていないのに。「指定した位置を“断つ”のか。……なるほど、猫を被るのはやめたんだね」
「殺しに躊躇はねぇよ。さっきまではナキに余計なもん見せたくなかっただけだ。………それでもなお、お前の方が強い」
「やる気が違うからね。ボクはずっと前からこのチャートを組んでいた」
ノーモーションで、しかも比較的自由に指定した位置に発生する斬撃だなんて回避するのは困難だ。それでもセオリは全てを避ける。何処に攻撃するかを全て予測して回避する。その程度もできなければアトラス院で天才の部類に入ることなど出来はしない。ただ、回避にリソースが割かれているのも事実だ。今までほど高速で精密な攻撃ができるわけではない。流石にそれを許してくれるほどロートゥスの攻めは甘くないからだ。人外としての身体能力を発揮して、自身が理解し加工してきた細工品をしっかりと利用できている。先程の小箱の効果で手始めに足と地面、腕と空気を繋げた。
「……凄いね」
「狙いを絞らせないように使い魔と武器ぶん回してる奴が何言ってんだ。ぶっちゃけこっちがギリギリだわ」
本当に余裕がない。なんせ体内に貯蔵した魔力は次々とキャスターに持っていかれているのだ。ストックしている血液パックにも限りはあるし、何より吸収する暇をなかなかに甘えてくれない。自分は死徒ではないから、あんな戦い方はできない。同じ吸血種であっても、種の強さとして負けている。ならば頭を使え。そうやって生き抜いてきた。今回もまた同じこと。
「………そう思いてぇんだがな……!流石に、消費が………ッ!」
「………そうも行かないみたいだ。予測がズレた。そうきたか」避け切れず、身体を粉々にされる……とロートゥスが覚悟した瞬間、セオリの胸に横一文字の大きな斬撃が刻み込まれる。もう少し位置がズレていれば、急所を的確に切り裂いていたであろうものが深々と。これがロートゥスがやったものなら予測し回避できる。しかしそうではない。演算予測外の要素だ。しかも魔術ではない。魔術ならば察知するシステムを仕込んである。ならばこれは……
「東洋呪術……なら、あの陣営か。うん、ボクとは相性最悪だ。今の時間は……ちょうど二時半か。セイバー、撤退するよ。もう良いだろう、チャート通りにプレイできた」
「………帰んのか」
「うん。もうやりたいことはやったしね。君も殺した方がいいかもしれない、という程度で殺さなくてはならない、ではないから。まだやる?」
「いや、帰れ」
「じゃあそういうことで。また今度〜〜〜」
「ええ、こっちは終わったわセイバー。……なに?ただの恩返しよ。私なら、それができるもの。帰る前に、最悪の場合はあなたがランサーから助けてあげてね。私も今から急ぐ」
「………教会の担当責任者の一人がこっちに来る?まあ良いけど……細工師ロートゥスの討伐と綾姫ナキの説得ねぇ………殺し屋風情が何を言ってるんだかって話ではあるけど」
とはいえ、それは大賛成だ。息子を誑かした何者かに協力するロートゥスを生かして帰す気は無いし、ナキもこの騒動に首を突っ込んでいるなら全力で説得する。教会の中の何処の誰かは知らないが、それに力を貸してくれるなら僥倖。ロートゥスが来たら殺.す。ナキが来たら説得する。そう決めた。「お待たせしました。フライトゥーレ司祭代行を預かっております、洗礼名をセレナと……申し、ま………」
「………セレナ?何でここに。お前その格好……」
「あなたこそ………調査はしたけど、同姓なだけだったはず………まさか」
息子に出会う可能性は頭の片隅に入れていた。でもまさか、こんな風に自身の伴侶と出会うとは思うまい。本来は敵対する立場で、聖杯戦争を通してその出会いが訪れるなど、平時では動揺し何もかもが手につかなくなる程に。……しかし、悲しいことに彼らは魔術師、あるいは刺客としての精神性が既に完成している。今は完全に“そちら側”に心の有り様を固めているからか、動揺をすぐに封じ込めて極めて簡潔な行動を取れた。
「大金を叩いたほぼ完璧な身分偽装だよ。じゃあ改めて。綾姫一門当主、綾姫絲栗です。詳しい話は、全てが終わった後でしよう。………今は、魔術師でいたい。夫で、父で、そんな俺は封じ込めてる」
「そうね。私も妻として、母としての自分は今ここに居ない。……来ました、足音がしますので警戒を。おそらく一人です」
サーヴァントすら連れて来ずに突入してきたのはフードの外套を纏った人間だ。兎のような、鬼のような面で顔を覆い、手には警棒を握りしめている。体格からしておそらく男。しっかりと武術を修めている者特有の歩き方だ。おそらく、報告にあったロートゥスの隣に居合わせたものだ。ならば問題ない。
「綾姫ナキは何処にいる。彼と話がしたい」
「…………」
「なら仕方ありませんね」まず叩きのめす。息子のことを吐かせるのは、それからで良いだろう。
許せない。……そう思った。だってそうだろう?星の雫がある場所に辿り着いてみれば、シスター服に身を包んだ母と、綾姫一門の様相をした父がいる。しかし、こんな所に二人がいるはずがない。しかも加えて、綾姫ナキと話がしたいなどと抜かしている。こんなこと許せるはずがない。
だって二人とも、こんな荒事とは無関係の優しい人たちだ。間違ってもそんな冷えた視線で誰かを見ることはないし、他者を見下したような表情をとることはない。怒る時は怖いが、そんな顔は絶対にしない。それが僕の知る両親だから。だからこんなの、嘘っぱち。こちらの動揺を誘うための偽物だ。許せない、そんなことまでして僕からマスター権を奪い取りたいのか。愚弄するのも大概にしろ。
『……話したくもない』
絶対に、コイツらを許してはいけない。その誓いを胸に拳を叩きつけた。
以上です〜。全部天探女が悪いバレンタインのネタバレの時間…!
果心居士「彼(源為朝)を組み上げた源氏の技術者のはじまりは、安倍晴明さまが集めた超抜の職能集団なのです。そして清明さまといえば陰陽の“わざ”のみならず、外術にも長けた傑人。」…ほほう
丑御前「怪異の骨と血で形作られた特注の黒鎧」……ほほう
サムレムコラボ「怪異とは生気や地脈の乱れから生じるもの、だったね。」………ほほう?
この辺の要素はどこかで使えるな~!?!?ということでめちゃくちゃメモっていたのが私だ>>707
まだセーフです、まだとりあえず気絶させるぐらい
キャスター、もといジルは性格が悪いのでアトラス院の錬金術師が嫌がるだろうなぁってことをしっかり仕込みます
セオリのRTAチャート的にはまあまだ問題なし。ロスもなし
今回を通した反省会で「別にセイバーから魔力が流れ込むことはほとんどあり得ないよ」って聞いて言仁様の舐めプならぬ気遣いプレイから解き放たれることでしょううおおお!
設定に筆が乗ってきたぁ!
明日には黒幕の設定を開示して物語を動かすことが出来るはず!
お待たせして申し訳ない!皆様、お待たせしました。
ラスボスの情報を公開致します。
GMとしてはバロールには残っていて欲しい所存。
対応範囲広いからラスボスの手札を幾つか相.殺できる。
つえぇよバロール……。
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%8E%E3%82%B9おぉおんリハビリのちょっとしたSS書いてたらめっちゃスレ経ってただあ…!(泣)
ということで何もなければ投下したく思います黒くなったので行きますの〜!
「本日はお集まりいただき誠にありがとうございます。今会議の議事録係、及び司会進行を務めさせていただきます、ハウプト・フンダートと申します…」
壇上の初老の男性の声に身が引き締まる。あぁ、ついに始まるのだなと、身震いさえ感じてしまう。
秘海集積船は多数の組織から形成された巨海の探査船である。航海、生活、調査、どれか一つが欠けても船は進まない。だからこそ、月に一度開かれる定例の幹部会議には所属の貴賤などは存在しない。船のため、神秘のために重役たちが顔を合わせ意見を交わす重要な場だ。
私はこの場において意見の陳述を許されている幹部ではない。しかし、所属組織である医務室の長、ニコレット・ドクトゥーラ様の付き人という大役を仰せつかって出席することが叶った。医務室に入って十余年、この日に勝る名誉ある日はないだろう、と会議室に入ってからと言うもの感嘆が心から尽きせず湧いている。
付き人のような意見を求められない者にも資料は配られた。当然ながら目を通し、ニコレット様から事前に聞かされていた概要と大きな変化がないことを認め、チラリと彼女の方を見る。ニコレット様は既に読了したようで、粛々と進められる会議の様子を赤い眼で静かに見守っていた。
幹部や有識者たちの議論は時に激しく対立しながら、それでも折を見て挟まる司会者の仲裁により過度な熱を宿す前にひとまずの結論へこぎ着ける。特に白熱したのは二つ目の議題である「聖杯降臨の儀の是非」。
極東での儀式を発端とする大規模な魔力炉の確保計画を勧めるか否かは、まず清掃室の幹部が争奪戦などのトラブルも承知で賛成を示し、通信室長は安全確保の上での一種のイベントとしての開催を提言。そこで聖杯降臨の真実性を魔術師としての見解から灯台室長が問い、通信室長がすかさず自身の情報網から得た情報を披露し儀式の手順の正当性を固持した。船としての根幹が神秘の探求であることもあり、幹部連の中にはギラついた眼で計画を進めるべきと声高に主張する者もいた。>>716
ニコレット様は会議の乱流に飲まれることなく、毅然とそれまでの儀式で起こったトラブルによる被害を述べ安全性の確保を強調し、計画に対して否定的な姿勢を伝えていた。ボルテージが上がっていく中で少々乱暴な物言いで反論する者もいたが、一歩も引かずに閉鎖空間である船での開催を避けるべきと答える彼女はやはり医療従事者のトップたり得る存在だ。故にこそ、付き人としての責務は重くなる。
紛糾する会場で、私は礼装を手に握る力を幾分か強める。無論、幹部にまで上り詰めた人々がそう簡単に弓を引くわけがない。それは重々理解している。だが、どんな些細なことが引き金になるか解らない以上、トップの身に迫る危機には瞬時に対応してしかるべきなのが私たちだ。その任こそが付き人という立場の誉れ高さの所以である。
付き人の任を仰せつかった日のことを思い出す。浮き足立つ私に対して、先輩である錬金術師が語ったことを思い出す。
「良いか。お前は付き人だが、付き人の役目は傍に居るというだけだ」
「何を言っているのですか。付き人は出席者の皆様をお守りするのが役目でしょう?」
「そんな烏滸がましいことを考えるな。お前如きが、幹部方をお守りできると?」
不可解さと相手の意地汚い言い分にまた腹が立ってくる。金属を手繰ることしか能の無いような術師が、なにをのうのうと。確かに、自分は騎士団などと比べると何段か戦闘力は落ちてしまう。しかし船全体で見ても決して見劣りするようなほどではないはずだ。護身術にはこと自信がある、そして、脅威を未然に察知する眼にも。
向って一時の方角、特別出席の有識者たちに紛れて怪しく蠢く“ナニカ”を認めたのは定例会議が始まってすぐ後のこと。それ以降その不審者が纏う不気味な魔力は明確な悪意をもって今以て増幅を続けている。手に負えなくなる前に、早く撃退すべきであるのは誰の目にも瞭然としたことで、なのに、なのに。>>717
「(────何故、なぜお返事くださらないのですか、ニコレット様…!)」
再三の私のアイコンタクトにも、ニコレット様は反応なさらない。まるで私など居ないかのように、議論に悠然とした態度のまま参加している。
真剣な議論の邪魔をしようなどという気は毛頭ないが、こうなると焦りや苛立ち、疑念のようなものが生まれてくる。他の幹部たちも、もしかして皆揃いも揃って気づいていないのか?渦中で聖杯の伝承などを論っている灯台室長も、あんなに魔道の徒としての才覚を露わにしていたのに?
この際、ニコレット様でなくても良い。誰か、誰か一人でも私の目配せに気づいてくれれば。気づいて、ただ小さく一度首肯してくれれば。私は今すぐにでもあの脅威を刈り取ってみせるのに。喧々諤々の討論は続きながらも、私への人々の沈黙は破れることはなかった。ただ悶々と、厭な気持ちが、役に立てない事への遣る瀬なさや、義務を果たせるはずなのに果たせない事への焦燥感や、それを周囲が認めない事への煩わしさなどが積もっていく一方だった。
「議論が活発であることは非常に喜ばしいことですが、誠に残念ながら時間も押しております、次の議題に移りたいと思います───」
絶え間のない討論の内容を一々几帳面に記録していた議事録係兼司会進行役が、あまりの絶え間のなさに痺れを切らして中断させようとしたその時。恐れていたことが起こった。
その身に孕む魔力濃度の増幅を隠さなくなっていた不審者が、そのコールタールのように黒く粘度を持った身体を急速に膨張させ始めた。それはさながら空気を詰めて、詰めて、詰めすぎて、それでもなお詰めようとされている風船のようで。どうなるかは容易に想像が出来た。
しかし、私が事態を認識し反射的に礼装を武器形態に展開しようとするその数瞬前に。ただ一言、「照らせ」という声が響いた。響いたと、そう耳朶が感知する前に、その黒い肉風船は千々に裂かれ宙に舞っていた。
何が、と声を上げることさえ叶わなかった。頭が今し方起きた一連の出来事の実態を把握する頃には、場内に散らばりながらそれでもその先にいる人間へ危害を加えようと暴れる“脅威”は相対した人々に一蹴されていた。>>718
通信室所属者の席へ向った肉塊は、着弾するより前にひらりと飛んできた紙片───であったはずの刃に切り刻まれて姿を消していた。詠唱すら聞こえなかった、シングルアクションにしても、およそ常識外れの変化の代物を、どのように出現させたのか。
「お決まりの『疑念退室』くんかなぁ?」
緊急事態にピリつく神経を、集中力を途切れさせる調子外れなほど明るく暢気で陽気な声。声のする方、まさしく肉塊を迎撃した方へ目を遣ると、通信室長が本のページを繰りながら締まりの無い、事あれかしとワクワクを隠しもしない笑顔で座っていた。
「いいや、」
答えようもない彼の問いかけに否定の意を上げたのは、給食室長。そちらは気づいた頃には駆逐が完了されており、これもまた奇怪なことには上手に腰を落ち着けている室長が、どこから出してきたのかナイフとフォークを手にしていた。
フォークの先で最期の抵抗を見せる黒い塊を口に入れ、少し吟味するように瞼を閉ざす。所作はマナーに則られ、何とも優美に満ちたもの。亜麻色と紺碧色のツートンカラーの髪を僅かに手先で掻き上げて、給食室長は事もなげに言葉を継いだ。
「虚数属性の“味”ではないね、これは」
味?何を言っているんだ、と疑問をぶつけたかったが、その隣の清掃質席で眼に入った光景の悍ましさに思わず出ようとした言葉が脳にそのまま帰ってきた。脳への衝撃は、言うに及ばず。
散開し、篠突く雨の雫のように勢いよく飛来する肉片たちは清掃質幹部の男に触れたかと思うと、その部分がバラけ、虫───蛆虫に似たフォルムの生き物が、それぞれの口で肉片にかぶりついて食べていった。咀嚼の動きが縦に横に大袈裟で、いやというほど生々しく映る。消化し終えた蛆虫は元の白い肢体から男を形成する部位の色へ戻って、継ぎ目などは瞬きをする間もなく消えていった。
「お味の程はいかがだったかな、ヘル・ティーフェルコーマ?」
「……腐ってはいなかったな」
「ハハ、お口に合わなかったようで。私にすると、ちょっとコリコリした感じとかジャパニーズ・キヌタマキなんかにぴったりだと思うがね」>>719
不気味な肉塊を食べる人間が二人もいる、味の感想を訊ねる、それに素っ頓狂な回答をする、食感から調理法を考える…おおよそ常人であれば今後耳から情報を得ることを止めようと決断するくらいの異様な会話である。コリコリするんだ、アレ。灯台室席の方からとてつもない嫌悪の念が放たれている気がするが、これはこれで何なのだろうか。
そんなところで、また通信室長が唐突に緊張感のない声を出した。
「あー、調査科の研究棟に保管されていた海棲キメラ“ヤミスミ”が何体か逃げ出したってあるけど、これかなあ?」
「恐らくは。道理でコリコリしてたわけだね、納得納得」
合点がいったと笑い合う通信室長と給食室長に真面目にやってくださいと文句を言いたくなったが、あいにくそういうわけにもいかなくなってしまった。肉塊は医務室席の、事もあろうにニコレット様の方へも襲来しようとしていた。
今こそ付き人の本懐を遂げねば、と武器の柄を固く握りしめ、強化を用いた足を利かせて彼女の前へ躍り出ようとし───キイィィーン…と、空気を震わす金属音がすぐ横から聞こえた。
「危ないですよ、キィユさん」
普段と変わらぬ柔らかな微笑みと共に彼女が呼んだのは私の名。眼前で塵になる肉塊だったもの、脅威だったものからわかるのは、私はニコレット様をお守りしようとしたはずが、ニコレット様に守られたということ。
強化を施して守らんとして力んでいた私よりも数段速く、数段正確に、そして数段軽々と、彼女は敵を敵とも見做さず金属の糸を手繰って殲滅していた。きっと私を助けたのも、その一動作の中のほんのついで程度のものなのだろう。>>720
最後に残った肉片は、依然として殺意と邪意をこの場のどこか誰かへ叩きつけることを諦めず、それまで向ったいずれにも当たらない、壇上の司会進行役へと矛先を定めた。しかし、
「それでは次の議題、「船内春の美化清掃強化期間と学園提携期間」について。お手元の資料23頁をご確認ください」
何か、彼の掌中から彩りを持って光るものがあった、と思うのは一瞬で。プチッ、と人差し指と親指の二本で一片は鮭の卵のようにあっけなく潰されて。それで、ただの脅威は影も形もなくなった。彼は今は何事も無かったかのように、潰したその指で自身の形良い口髭を整えている。
私は、ここでようやくあの錬金術師の話していた言葉の真意が理解できた。あぁ、まったくもってその通り。私が幹部方をお守りしようだなんて、お守りすることが出来るだなんて、烏滸がましいにもほどがある。この場で発言を許されている人間というのは、それだけの力を持ち、およそ力を力として振るおうとせずとも良い人間たちなのだ。
となれば。遅まきながら自分の浅慮さに歯噛みする。ただの脅威であったナニカを彼らは、それが出現したときから認知していたのだろう。動かなかった理由は動かなくても良いから、というのもあろうが、ナニカが襲ってきたときの周囲の様子などからその端緒に出席者たちのうちの誰かが関与していないかを見定める意図もあったはずだ。
その際、最も疑わしかったのはむやみやたらに四方八方へアイコンタクトを送っていた私、引いては医務室だったのではないかという考えに至り。悔しさは言うまでもなく、不甲斐なさはもはや筆舌に尽くしがたく。私は会議終了後如何にしてこの謝意を伝えるべきかの思惟に心血を費やすことになった。>>573
>>613
>>656
レリックもカステラも活き活きしてる…エミュの方はどちらも問題ありません、すごく言いそう…あと個人的にレリックの描写に「目」に纏わる表現がよく出てくるの良いなって…勝手に思いました…目は口ほどに物を言うとは言いますが、目敏さと口下手さを感じられて私は嬉しい…
しれっと女子会に混じるカステラもカステラ、蛍狩り敢行前にこんなシーンもあったのかなと思うとなんとも微笑ましい気持ちになりますね。海月さんに知られたら恋バナより先にこの場合メロ・ラリアットが飛んできそう
そしてそんな和やかな日常があるからこそ過去との対比が強くなるというのも間違いない。海孔事件であったりセリナさんとの出会いであったり、伝奇濃度の随所随所での急上昇は心臓に悪いのでもっとください()
>>667
好きなもの:俗世・欲望でありながら菩提樹の悟りを希求する…惚れ惚れするほどの唯我独尊ぷりですね。「人間」になる前の彼は足るを知ることができなかったようですが、今回はさて…
私プリテンダーのクラス相性(三騎士に有利)の特殊性が好きなんですが、覚者のプリテンダーであることによる「対英雄」もマーンダートリ王の場合利いてそうでメタ要素的にも美味しいクラス分けだ…
>>694
改めて中華ロストテクノロジー意味わからんな…(褒め)これが明確な我欲持ちじゃなくてよかったと見るべきか、だからこそなんだよなと見るべきか…
それはそれとして身長かなり伸びたような…?リアル八尺様になってるような…?肉体のポテンシャルマシマシな分メメントモリな魔術は削除した、という感じでしょうか?
>>581
>>678
>>706
言仁様の世間知らずとセオリさんのチャート思考に救われましたが初っ端から強敵と邂逅してしまいましたね…次はこうは行かないのだろうな…サハラ砂漠での一件もセオリさんとロートゥスさんの共通項として出てきましたがどこかで関わってくるのかしら
そして最新話の親子の対峙…ここでお面が出てくるのかあ…職務というのもありますが、ひとまず割り切れた親御さんと信じられなかった(信じきっている)お子さんとで、これが大人と子供の差というものなのかな、と…何ともこの対決は苦しく悲しい…>>696 >>697
そうです強いんです。まぁ問題は我欲がすっごいうっすらなので能動的に暴れたり出来ない所ですねぇ
あとは文官役の会稽零式と比べるとやっぱ頭脳労働に向いてない所が欠点。単純な武力は会稽零式を上回れる訳ですが、上司が参謀できないとパフォーマンスが低下しちゃいますね……
>>713
ほえー、クロノス。ギリシャの元主神来ちゃった……
「いつの時代の人類もいいよね!」なサタンとは喧嘩しそうな性格な印象ですねぇ
バロールにクロノス、アテナの名代とか結構ハイレベルだなペレス島聖杯戦争
>>713
GM的にはバロールの残留を期待……、という事はウチのサタンは戦闘における相性が悪いって事ですかね?単純なスペック不足って事は無い(と信じたい)だろうし……>>723
ハードが超優秀だけどその代わりソフトの性能が微妙、というか。でかつよだけどアホ可愛なキャラいいよね!ってキャラメイクになるのかなぁ
それに我欲で言えばそれこそ「拙様が世界を支配する!!!」ってメンタリティーだと物語的につまらんですしね。迅龍が全タテして終わりや
>身長かなり伸びたような…?リアル八尺様になってるような…?肉体のポテンシャルマシマシな分メメントモリな魔術は削除した、という感じでしょうか?
はい、その通りです。フィジカル強化入りました。設定的にも稼働の根幹に魔術が、ってなるとちょっと変な感じの経歴になりましたし、魔術面は強化パーツ扱いにして、単純な”暴”を目立たせた方が良さそうだな、という判断です。奏章IIまでにプロローグ終わらせる事できるか不安になってきた…いやあとは過去後編とジャスミンと話すシーンの続きとアレとアレすれば上陸だから行けるか…?
>>722
やっぱり幹部達は流石の貫禄といいますか、曲者が多い船の組織を統べる者達なだけあって恐ろしいですね…
脅威が襲ってきても素知らぬ顔で平然としてるの怖かっこいいな…
今からこんなおっそろしい奴らに喧嘩売ろうとしてる暗黒悪役会議した奴らがいるってマジですか?マジですね、怖いですね…今からSS書く自分が怖いです…
>>706
ナキ陣営の中でも現状戦闘力高い部類のロートゥスさんが初手から苦戦するとは…やっぱり今回の聖杯戦争皆強い奴しかいないですね。
そしてナキ君…まずい、まずいよそれは…引き返せ…る訳ないよねこの状況は…
どんどん主人公側も不穏度が増してきますね…
>>723
エミュ合ってて良かったです…!特にレリックさんは不安だったので描写もOKっぽくて安心しました。
カステラ君は今回船着いてから前半終わりまでは蛍狩り行ってて不在なので、今のうちに濃い爪痕を残そうと思った結果こうなりました。
我ながらここ数話は温度差が凄いなとは思ってましたね…海孔事件もですが、今回の話は割と衝撃で殴れるポイントが複数あると思ってるので少し期待してくれると嬉しいです。
多分進めば進むほど面白くなってくと思ってますのでご期待ください。>>729
なるほどなるほど。実際サタンアサシンスタイルの強みってマスターにとってコントローラブルで、サーヴァントとしての出力もデカいという”扱いやすさ”とか”対応力”が一番のウリな訳ですしねぇ。
ついでに破壊が得意なライダーや妨害が得意なプリテンダー辺りも相性悪く無さそうだな……リレーに出せないけど、ライダーのサタン。
そもそも「神の僕」属性のフォームなんだから、そりゃ主神相手にはダイアグラムとしては不利ですよねぇ、サタンアサシンスタイル。名無し男子ーズでなにか書こうとしながらも結局ホワイトデー当日になってしまった不覚…
こやつらは普段どういうふうに話してるんじゃぁ…コソコソ小話:キィユの名前の由来は「杞憂」。お前如きが感知できるような脅威がこの場を乱せるような存在なわけないじゃんね⭐︎
あと小話をもう一つということで幹部連の対処の詳細を語りますと
灯台室長(ヘレナさん)→単純な魔力砲ぶっぱ。恐らく一番最初にヤミスミくんを殲滅した
通信室長(ピクシスさん)→蝶魔術による紙片の刃化。恐らく早く会議終わらせて取材に行きたくなってる
給食室長(ルチアーノさん)→多分使い魔とか出してやっつけるのだろうなあとは思ったけれどいかんともしがたく試食シーンを書きたかった。案外華麗なカトラリー捌きで撃退したのかも
清掃室幹部(ヴィルレイ)→食べて対処する存在が二人もいるのちょっとよくわからない。味の感想とかいうこれまでの経験上ほぼ意見の一致しなかった話を振られたので客観的事実だけ返しといた
医務室長(ニコレットさん)→アイリスフィールの錬金術による針金操作を蜘蛛の巣みたいに展開したイメージ。金属を手繰るだけと言ってもこれだけ出来れば戦力よね、みたいな
余談の余談で司会進行役のハウプト→宝石魔術(黒)によるカーボナードとかの靱性の自己転写
>>725
>>728
幹部は立場上守護神であるマレオみたいに簡単に自由に動けないという縛りこそありますが、向こうから迫ってきたものを退かす力は申し分ないでしょうね
尺度が違うのです、尺度が
>>726
多分ニコレットさんなら笑って許してくれそうな気はしますが、次の会議に付き人役になった人にキィユさんは先輩と同じようなことを教えるでしょうね…歴史は繰り返す
ピクシスさんは目前の事態をテキトーに処理しつつウキウキしてる姿がとても輝くなと思いました>>732
食べて対処する2人の組み合わせは盲点
かたや美食かたや塵処理みたいな認識だったのでそこが上手く繋がらず…まあ繋がったとしても味に関しては、ええ、はい前に投下した朽崎兄妹の混浴SSについて、デカめの旅館風呂じゃなくてユニットバスで兄妹混浴してますよ!みたいな説明(解説画像の左右を間違えてレスしてた)になってた……w
>>710>>711
誰が悪いかと言われるとまあ色々あるのですが隠し事だらけの家族だったのが一番悪いことですね
>>723
両親もとりあえず心と身体を切り離してるだけとも言えますが……まあナキに比べるといくらかはですね。セオリは勝つ気がないというのはまああります
>>728
人間の中でアホほど強いのは多分セオリとセナの二人だけなのでセーフ
>>713
直死は死の線すら見えないほど劣化してるとはいえ色々別のスキルとか宝具が適応してるのは確かに相性良さげ
とはいえ神霊サーヴァントであるクロノスとは霊基の出力差でボロ負けしそうな気もしますが
>>722
こういう底知れなさと平然とした顔で仕事のことを話せるのが魔術師だなぁって感じがしてとても好……
>>731
クラッフは……どうだろう、やっぱり魔術について話すんじゃないかなぁ……
というわけで>>701の続き「………ナキとのパスが切れた。やべぇ、感知できねぇ」
「お困りですか?とはいえ私もマスターとの繋がりが上手く辿れず……うーん、魔力が濃くなっている。外にいる二人との通信も無理ですねこれは。マスターの現在位置を割り出すのも不可能だ」
頭を抱えて悩むとはこのこと。セオリが撤退したとはいえ依然としてナキは一人だけ。ここに至るまでに倒してきた奴らよりも遥かに強いものが待ち受けていて、それらをナキ一人でどうにかできる保証はない。むしろ無理だろう。だから探す必要が……けど、どうすればいいのか……
「お助けして差し上げましょうか」
「………浮遊霊?いや、違うな。その声……霊をメッセンジャーにした、アーチャーのマスター……」
「リディア・メルトと申します。こんにちは、細工師ロートゥスさん。そしてキャスター。……ふふっ、ナキさんの内側には色々と眺めたいものがあるのです。ですから、ここで壊れられては困るのでお手伝いを。ほら、どうぞ?こちらはナキさんがいるところまでの経路です」
その言葉に嘘はない。ロートゥスの観察眼がそれを正確に見抜いている。この女は利があるのならば息をするように嘘をつくが、今回に限ってはナキを観測し続ける方が利があると踏んだらしい。故に正直だ。ロートゥスはその正誤を間違えることはない。彼女の言葉が胡散臭さに塗れていても、それが真実だと信じれる。そうやって人の本質を見てきたから。ただ、壊れるとはなんだ?何をもってして、壊れるとする?
「………拷問か?」
「いいえ。ただ、そうですね……例えば……日常に生きる愛しい家族だと思っていた人が、本当は非日常を生きる者たちだった、とか」「………まさか、いや、でも……オイ不味いぞこりゃあ。ナキの自己肯定感だと、そんなん……っ」
「あらあら。まあ、ふふっ」
本質を見抜けるからこそ、それがもたらしなねない最悪の結末を予想するロートゥス。彼の顔が青ざめると同時に、横で心底嘲笑うような声が聞こえる。それはリディアの笑い声ではない。リディアは微笑を浮かべているが、いつものことで今回も表情を変えていないだけだ。これはナキのサーヴァント。凶悪冷酷な殺人鬼のもの。
「………気づいてやがったな。なんで言わなかった?お前なら、止めれたはずだ。念話でもなんでも」
「お互い様でしょう。私はご両親の招待までたどり着いていましたが。言わなかった理由は……まあ、単純に面白そうだったから。だってほら、どうなるか気になりません?どういう選択をするのかって」
「その結果、お前が死ん.でも?マスターの死はサーヴァントの死だ」
「生も死も愉しみですよ。まあ、あなたが行くことを邪魔したりはしませんけど。じゃあ、行きましょうか?実は私も、どうなっているか気になるものでして……」
その本質は、どこまでも化け物で。故にこそ、末恐ろしくなる。これを呼んだナキの本質はいったいどこにあるのか。その奥底に、何が眠っているのか。未だロートゥスですら見抜けないその深層にあるものを。そしてそれを嘲笑いながら、寄り添い助けるこの殺人鬼を。
「毒だよ、テメェは」
「皿まで食べてくださいな。どうせあなたも人ではないのです」戦闘経験で手慣れているのは明らかに教会の女である。それは魔術師を甘く見ているのではなく、純然たる役割の違い。本質的には魔術の研究にあるものと、異端の討滅にあるもの。それらを比較すれば、女の方が単体の戦闘力が上なのは明白。ならば先に仕留めるのは女の方。
とはならないのが綾姫の魔術だ。適応、それに即した身体変化が真骨頂。進化とも言えるかもしれない。自己暗示による身体変化は過去、日本に伝わる技術ではあるがそれを西洋魔術といういずれ霧散し掻き消える形として落とし込んだもの。故に、後手に回せば太刀打ちできなくなる。
「さっさと沈め、偽物……ッ!」
本気の蹴りを顔面に叩き込む。その勢いのまま身体を捻り、警棒での一撃をかます。最後に膝を思いっきり顎にぶちかませばその勢いのまま男は壁に激突してしまった。全力でやったのだ。それなりに響いただろう。次は女の方を全力で…
「しょうもないな」
どこまでも冷たい声と共に首筋を掴まれ床が割れるほどの力で叩きつけられる。女の方ではない、先ほど蹴り飛ばした男の方向から飛んできた。急な動きで見えなかったが、つまりこれは男がやったことだ。まさか、素の力で耐えた?それとも、この一瞬で“適応”したのか?あまりにも早すぎる、そんなの既存の生命のそれとは思えない。綾姫の魔術は極まるとこんなことまでできるのか。
「俺の息子を誑かした罪は重いぞ」
「お前が…父を騙るなァッ!」
何度も何度も顔を殴り飛ばした。本当の父さんがしないような、冷たい顔と声をする偽物が許せなくて。なのにびくともしないし、傷も痣もつかないことに腹が立つ。なんで強いんだ。その顔で、その声で、そんなに強いわけがないんだ。僕の父さんは、こんな非日常に関わらないから。だって、そうなると、僕が………「っ、どけ!どけよ!!!」
抑え方が甘いから抜け出せた。適応による身体変化は著しいが身体の使い方が抜群に上手いわけじゃない。魔眼という手を晒すことなく抜け出せた。ただ最悪なのは、女から目を離してしまったということで。
「っ、あぁ゛ッ゛」
「咄嗟に衝撃を殺.す程度の技能はあるのですね」
警棒を握りしめていた右腕が、急に外れてしまったかのような錯覚に襲われる。強烈な掌打が右肩を負傷させたのだ。負傷で済んだのは咄嗟に衝撃を殺したから。それでもなお、有り余るほどのダメージがある。力はこちらが上だとしても、技術に果てしないほどの差が存在するのがわかってしまった。
「不浄は塵に。魔は灰に。無垢なる子供に手を出した裁きをここに」
「その顔で、その声で、偉そうに喋るな……!」
こちらのリーチ差をものともせずに、柔らかに全ての打撃をいなしてくる。棒先ですら負傷することなく流し、軽くとも手痛い一撃を入れてくる。羽のように軽い動きで、岩のように重たい打撃。二人とも、手強い格上だ。ただ勝機はある。こちらには魔眼がある。その前情報は持っていないはずだから、適度なタイミングで嵌めて……「引っかかっ……てない!?なんで、目を合わせたはずなのに!」
「魅了か。大したことないランクだな」
「………その程度で思い上がらない方がよろしいかと」
確かに作用した。男の動きは止めたはずだ。なのに男の身体は次第に動き始める。レジストされている。さらにこちらの動きの方が止まる。女と目を合わせた時に動けなくなってしまった。魅了の魔眼を持つナキだからこそ理解でてしまったが……これは同じ魅了の魔眼だ。しかし自分のよりも強い。教会のものが魔眼を扱うわけがないという先入観に囚われてしまった。
「右腕、貰いました」
「その仮面、邪魔だ」
「が、あァ゛あ゛ッ゛!!!」
女に右腕を絡め取られ、鮮やかに宙を舞う。先程までの打撃技からは打って変わって、まるで舞踏のように鮮やかな手際で投げられた。受け身の一つも取れずに背中から床に激突したので呼吸が出来ない。苦しい。右腕を掴まれて投げ飛ばされたのでダメージが流石に蓄積しすぎだ。右肩の関節も外れた。
男の蹴りも速い。速いし、読み切れない。こちらの動きに完璧に適応した、避けることができない動きだ。回避しようと体を丸めた、その丸めた頭の位置にクリーンヒットする軌道で飛んできた。思わずまともに喰らってしまって、脳が揺れて上手く考えられない。ロートゥスが作ってくれた仮面も蹴り飛ばされてしまった。どうしよう、頭が痛い。右腕が痛い。このまま捕まったら二度と本物の二人に会えなくなるのに。「………ナキ?なんで、ナキが……俺、ナキを蹴って……」
「嘘、だって、あんなの一朝一夕でなんとかなるものじゃ……まるで、ずっと前から」
……おかしいだろう。何故そんな顔をする。偽物ならずっと冷たい顔をしろ。血だらけの僕を見ても冷徹に追い詰め続けろ。なんでそんな、辛そうな顔をする。そんなのまるで、本当の二人みたいじゃないか。そんなわけない。二人ともそんなことはしない。してはいけない。だから違う。偽物なはず。はず、なのに………その泣きそうな顔は、あまりにも自分の知ってる本物と似つかわしくて……
「違う!お前らなんか、父さんと母さんじゃない!僕の家族を馬鹿にするな……!」
「っ……急に、何が」
完全に身体を作り変えるわけではない。ただ、身体の使い方を変える、少し制限を外す、というところまでは今の自分でも辿り着くことができた。何か一つキーを作る。自分にとっては、それが誰かから貰ったイヤリングをつけることと、ナイフを抜くこと。それで、僕は変わることができる。両手利きだ。右が使えないなら左を使え。あの悪どもをのさばらせるな。意識を落とすだけでは飽き足りない。もっと、もっと先へ。そうだ。どうせ許せぬものならば、救えぬものならばやりたいようにやっていいだろう。
「許さない……絶対に……」
「待ってくれ、キャスターのマスター。それは、今の君がすることかい?」風を切りながら迸る閃光がナキの目の前に降り立ち、床を突き割る。その光景にナキは見覚えがある。先日、屋上でやったやりとりそのものだ。これは、アーチャーのもの。そしてこの声も、アーチャーのもの。姿が見えないということは、長距離からの狙撃なのだろう。声が聞こえるのはリディアの魔術だろうか。
「僕が牽制してあげよう。君はそこの星の雫と、既に獲得している呪体を持って帰るといい」
「………どうして?」
「そうしたいとマスターが望んだからだ。僕としても君がそうなるのは不本意だし。さあ、行きなさい」
「っ、待ちなさ……ッ……!」
仕込まれた術式で仮面を引き寄せ、装着したナキは一目散に目標を確保し走り出す。先程まで戦っていた敵が、息子かもしれない。そんなことに思考が行きつけば抱き続けていた殺意も鈍り、動きが優しくなるのも当たり前だ。走るナキを捉えようとしても、加減して上手く捉えられない。それに加え、こちらを殺.す気がなくともサーヴァントの援護射撃が飛んでくるのだ。
人間とサーヴァント、その差はあまりにも大きい。そして絲栗も、セレナも、その差を埋められるほどの人並外れた力があるわけではない。結果として、星の雫が持ち去られてしまい、右腕と頭部を負傷しているとは思えない速さでナキは逃げていった。追い切れなくなるまで、矢の雨が降り注ぎながら。
「………あなた、これ……どう、なんでよ……」
「………俺、だって。何が、なんだか………」アーチャーはふと考える。自分は、マスターが怖い。生前の一件から女性が怖いというのはあるし、彼女の在り方が神の系譜の女性を思わせるのもあって殊更怖い。けれどなぜ、付き従うことができているのだろうか。怖いからといって、遠ざけない理由はどこか。何が、なぜ、どうして?
「アーチャー。ナキさんは?」
「無事に脱出。キャスターたちと合流できると思う。……ねぇ、マスター。なんで君はここまでしたんだい?脱出の手助けをするだけならまだ良い。でも君は、貴重な遺物を手に入れる機会まで与えるように僕に命令した。それは、なんで?」
「あら、おかしなことを言うんですねアーチャー。与えられた恩義には、与えられたものを返す。無償の愛でないならば、こちらも無償ではいられません。わたしはまだ、ナキさんと仲良くしたいのです」
………この少女の本質が、ここで見えた気がした。愛がないわけではない。むしろ、愛は大きすぎる。おおよそ人の身では出力し切れないほどに大きな愛だ。そして、何よりも機械的。与えられたものをその分返すようにできている。どうしてこの二つが両立できてるのか理解できないほど。
「それはそれとして。この施設の外にはランサーとスキュレカリューが張っています。良い感じに囮になってくれるんじゃないかと期待してるんですよ。その間にわたしは逃げるので」
「やっぱり魔術師だね」
以上です。次回、先生大暴れ>>744
空野恋さんお借りしました、これからもお借りさせていただきます……
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/wiki/Fate%252FFalling%20Star
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/wiki/嘘と私と唇と
>>745
立場っていうのもあるし気質的にも一番時計塔の魔術師って感じはあると思います
筋トレとかグルメの話も振られたら知識があるので割としますが、自分からと考えるならばおそらく魔術です
実は両親も20代後半と考えるとまだ人生経験が豊富なわけでもなく……こうなるのは当たり前であり……
リディアは、はい……そしてルチアーノさんとの関係性を今更ながら模索した4コマ。ルチアーノさんのビジュは過去スレを元に妄想しました
美味しいものをさらに美味しくしてくれる存在には存外素直。餅は餅屋というヤツ
>>743
リディアさんの恩を返しながら囮役も押し付けていくスタイル、情と利を等分にこなしていく感じがいかにも魔術師ですね…サーヴァントにまで恐れられてるよ…
そんな手助け?もあって最悪の事態を回避しつつ遺物ゲットと部分的に客観的に見れば一挙両得という具合の運びですが、次回予告からしてそううまく事が運ぶわけでもないのが…世知辛すぎる
>>735
>>744
幹部会議は…良い…(しみじみ)
個性や各々ができることの方向性、スキルツリーが色とりどりな人たちなのでトラブルがあった時の動き方にも差異が出たのが書いてる身としても楽しかったですね。それこそ虫の退かし方も千差万別…怖いねェ〜「もっとシンプルに終わらせるつもりだったシーンがいざ書いてみたらどんどん長くなっていく現象」
なんで前回の話と同じくらいの長さにしようと思った話がめっちゃ長くなるんですかね…?つーか俺の1話1話が長いのか…?
>>743
地獄だぁ…俺が今から書く話も相当闇が深い筈なのにその50倍くらいは地獄だぁ…勝てねえ…
ペルソナだった家族全員の正体がバレてヤバい事になるナキ君と両親、そしてそれを嘲笑うキャスター、助けてはくれたけど恐ろしさが見えてきたアーチャー陣営…地獄?
そして雫はゲットできたにしても恐らくこの後立ち塞がるのはランサー陣営…
もう後には引けないねナキ君…頑張れ…
>>748
ヴィルレイさんのこの顔は貴重ですね…あとカステラの顔が割とツボる
>>749
普段誰にも心開かない奴が少しだけ素直になるの良いですねえ…
最初リョーガ君をこんな感じにしたかったけど路線変更しちゃったのでヴィルレイさんには是非このルートを貫いてほしい今日中に最新話出せそうですわ
p.s. 集積船生徒組をバンドのパートに例えるとどんなだろうと妄想してて思ったんですがどうしてゴツい男にはドラムが似合うのだろう(リョーガ君はドラムが似合うと思ってる民)>>747
どっちも相手を「日常を生きる人」と思ってたのが原因のすれ違い
あといただけるのならばいただきたいですねリメイクしたシート
>>749
ナキたちが暴れたからこそっと星の雫取ったし良い感じに囮に使えるという、アーチャーが女性恐怖症なのもありますが…女神のアレ加減を思い出す
>>750
やっと家族は始まったのかも知れませんとか思ったり思わなかったり
ランサー陣営がどう動くかもご期待してくださると嬉しいですね
>>748>>749
例のチーズだ!?
あとこのお二人の関係性は良ですね……同じ“食”でも方向性がちゃんとしっかり違うのが
>>751
仲良い人(シウンとか)だとまた別ですが、そうでないとそうなると思います
あとエッチな話は耐性ゼロです今日は最新話あり祭り
イェア
という訳で40分からブチ込みます
長いですごめんなさいイクゾー‼︎デッデッデデデデ!!
前回のあらすじ
>>656
過去の、凌牙とそいつの出会いに遡る。
当時13歳の凌牙は、行くあても無く東北地方の山の中を彷徨っていた。
体温低下、飢餓状態のギリギリの中、東屋を見つけた彼はその中で雨風を凌ごうとする。
だが、そこには地下牢があり、謎の少女が囚われていた。
飯を貰い、少女には敵意が無いと分かりながらも、凌牙は何か奇妙な感覚を抱いていたまま、少女と話す。prologue-10 追憶:蛮族と地獄
鉄格子には、手は入れられる位の隙間があった。
「ほいよっと」
そいつが、牢の隙間から手を出す。
「…わりぃな」
俺はそう呟きながら、皿に乗せられたおにぎりを手に取った。
「…いただきます」
両手を合わせ、口に運ぶ。
咀嚼する。
「……うめえ。」
冷え切って力の抜けた体に、熱が入る心地がした。
やっぱり毒はない。何もヤバそうな物はない。そして、何よりも美味い。
空腹から解放されようと、食べる手が加速していく。
バクバクと、凄い勢いで食べていく。
気付けば。
「——あ」
最後の皿が空になっていた。
再び、両手を合わせる。そして、こちらを見ていた少女に再び礼を言う。>>758
「…ごちそうさん。お陰で楽になった。」
「いいよ。つーか凄い食べるの速いじゃん、うける」
「そんなバクバク食ってたのかよ、俺」
「うん。なんかこうシュバババァーーッッッッ!!バクバクゴクゥゥゥーンッッッッ!!って感じだった」
「なんだよその表し方は」
呆れと微笑ましさが同時に頭に入る。それ故に少し気が抜けそうになり——再び、思考を戻す。
満腹の解放感で、目下の一番の悩みは霧散した。
飯を食べた故か、体温も上がった。思考にも冴えが戻った感覚がある。
……故に、さっきの謎をもう一度考えてみようかと。そう思った時。
「ねえねえ。」
「あん?」
「——世界って、どんな所だと思う?」
それは、純粋な質問だった。
「———あ?」>>760
「気付いた時には、もう地獄にいてさ。」
……何だ?
「なんか、色々されて。ずっと地獄で、見えるのも、聞こえるのも、感じるのも、辛くて。」
何か、変な感覚を感じる。
「———本当に、感覚を消したくなる位に辛くてさ。」
……初対面の奴の、筈だった。
いや、それは間違いない。
「…それで、逃げたくても逃げられなくて———気付いたらこんな所に放り込まれちゃって、逃げられなくなっちゃった。」
だが、こいつのその言葉を聞けば聞くほど———
「だから、気付いたんだ。あたしは、地獄から出られないんだって。」
俺の何かが、反応するような気がした。
「———あっ……ごめん、自分語りしすぎちゃったかも。話せる人なんて、久しぶりでさ——」
「……」
「……」
二人は、無言になる。
何とも言えない空気が、地下の空気を伝う。
少女は、無言になって俯く。>>761
その時。
キィィィンッッ。
「っ——ヤバ———」
「——ッ!?おい!!」
突然、少女の顔が引き攣る。
耳に手を当てる。顔が歪み出す。少女は強く耳を塞いで、地面に伏せた。
「っ゛あ゛あ゛っ……!!痛い…!やめて、やめてっ——来ないでっっ——!!」
「おい!?どうしたってんだ———」
呼吸を荒くしながら叫ぶ少女の苦しい姿。それは、蛮族と自嘲する青年にも流石に見て見ぬ振りはできなかった。
鉄格子を触って、覗き込む。地面を転がり、涙を出しながら叫ぶ少女に声を掛けようとしたその時。
ゾクッ。
「…ッ!」
気配を、感じた。
山の中で、何度も感じた事がある為に分かる。
いや、下手すれば山の中で感じた野生の獣の殺気以上に強い感覚。
間違いなく、ヒトの殺気だ。>>763
(こいつ、一瞬で——)
しくじった。反応遅れて先手を取られた。
いや、仕方ねえ。取られちまったモンはどうしようもない。
とりあえず、目の前で金属の刃を突きつけた男を睨む。メンチ切って圧を掛けながら、目を慣らして敵を観察する事にした。
成程な。
来てるのはこいつ1人。
そして、特徴は分かりやすすぎる。
■■の面を付けてる、和装に身を包んだ男。
俺よりデカい、鍛えてるような身体。いや、そんなレベルじゃねえな。既に2mは超えてる。
(…まず、普通の魔術師じゃねえな。)
こんな格好とガタイの魔術師はいねえ、つまりその線は100%無いと理解する。その一点を確認し、少なくとも魔術協会の追手という最悪の可能性の線は100%ないと安堵する。
その上で、ここをどう切り抜けるか。>>767
「無知の愚かさとは恐ろしい物よ。まあ、知らぬなら無理はない。我らは——————
・・
家族なのだ。」
震え上がるような呼吸の音が、した。
それは、牢の中で震えている少女の物か———それとも、刃を向けられた少年か。
「そう、その娘は選ばれたのだ!!我らの姫にな!!そして、我らは家族よ!!故に、その姫は我らの求道の———
———なんだ、その目は?」
———ああ。
腑に落ちた。
何で、そいつがやけに気になったのか。
初対面の筈なのに、何で俺はそいつを助けたいと思ったのか。
家族。どこにも行けない。地獄。
その言葉の羅列で、感覚で察した事が事実となって理解できた。
こいつは……この子供は。
———俺と、同じだからだ。>>769
「がッ———」
手から薙刀が抜け、磁場によって支配された刃は空中を突進する。次の瞬間、壁に一直線に進み、突き刺さった。
仮面越しではあるが、間違いなく男の表情に、驚愕と困惑の色が見え始める。
「switch(帯びろ)、charge(溜めろ)。」
空気が、強い電荷を帯び始める。
「ッ———!?」
戦いは先手必勝。先に流れを掴んだ方が有利になる。
「output(放て)」
「ッ!?」
その詠唱を耳にした瞬間——
少年の腕は、男の身体を掴んでいた。
バリィッッッッ!!!
「あッ———がァッッッッ!!!」
凌牙の腕に込められた強い電撃が、大男を痺れ上げさせる。
スタンガンを受けたかの様に、意識と全身の感覚が抜ける。
そして、感覚が抜ける中で、男は見た。
既に、強化と帯電を重ねて掛けた拳は、目の前まで———>>770
——まだだッッッッ!!
こんな訳の分からん小童に、我が姫の価値も、我ら家族の誓いすらも理解せん下郎に潰される程度では、我は——俺は、到底■■■の真の境地に辿り着く事などできんだろうが!!
「■■・■■■■■・■■■ァッッッッ!!」
痺れた身体の中、苦悶を耐えながら、男は叫んだ。
「ッ!?」
風が吹いた。
風と共に、仮面ごと顔面を吹き飛ばす筈だった凌牙の拳が、空を切る。
男は消えた。この地下牢のある部屋のどこにもいない。
(———いや。まだ殺気は——!!)
「■■・■■■■■・■■■。」
「———がッ!?」
突如、何かが凄まじい勢いで凌牙に激突する。
激しい打撃の鈍痛と共に、少年は吹き飛ばされた。
通路の奥から、目に止まらない速度で飛来し——奇襲した、先程の男の拳に。
相手の男は、■■■、とも呼ぶ強力な跳躍術を得意とする使い手だった。それを利用して、高速で部屋から一本の通路の中間まで一瞬で移動し距離を稼いだ。
そして、もう一度その距離を跳躍しながら、高速と飛距離を合わせた速度に重い一撃を乗せた。
無論、直撃すればただで済む訳がない。>>771
案の定、直撃した凌牙は軽傷では済まない。直線後ろになす術もなく吹き飛び、牢に激突する。
「がッ——ぐッッ——」
メキ。メキメキメキ。
吹き飛ばされたが故の強靭な力に押され、鉄格子が少し歪む。
鉄で出来た牢の破片が、周囲に飛び散る程の衝撃。
無論、凌牙の身体が立ち上がれるまでには時間が掛かり——
その勝機を見逃す様な相手では、ない。
「終わりだ小僧。■■・■■■■■——」
■■面の男は、ダメ押しで構える。
「■■■ッッッッ!!」
もう一度、その男の姿が消える。いや、入口の奥にある暗闇まで飛び退く。
次の一撃が、間違いなくとどめになる。その確信があった。
2m超の巨体と、当時170cmの少年。体格差は歴然。
そして、流れが来ている状態でのダメ押し、跳躍に乗せた高速の攻撃。
「御主級(みしるし)、貰ったァ———!!」
通路より、跳躍を開始した。>>772
無論、餌食になれば少年が死ぬのは訳ない事だった。
ピリッ。
「?」
だが、空中で。
大男は、本能で何かを感じた。
感覚と本能に、異常を感じる。
ゾッとする恐怖ではない。そこまで恐るべき恐怖は感じない。相手からの強い威圧感な訳でもない。俺が勝ってる筈だ。
ただ、何か変だ。言うなれば、全身が文字通りビリビリする様な感覚。
何だこれは。気のせいか?
いや、気のせいだ。どちらにせよこの跳躍の一撃で、顔面を砕けばそれで終わりよ。残り数秒で片が付く?
それでよく分からん侵入者の小僧を倒し、臆病な我らの姫に改めて教育を仕込めば——
バチッ。
また、静電気の様な変な感覚がする。
いや、待て。徐々に、それが強くなって———
バチっ?
「——charge(溜めろ)」
「——待て」
(気のせいじゃ、ない———!!)>>773
それを自覚した時、男は、それを目視した。
ビリビリとした何かが、徐々に力を増して、集まっていく様に見えた。
まるで、跳躍する自分と、待ち構えるそいつの間に一本の線が収束していく様に、束ねられていく。
・・・・・・・・・・・・
先程壊された鉄格子の破片が磁力で浮き、それをレールとして媒介させている。
「しまッ————」
電磁気の濃度が上がっていく。
命の危機を反応が示し始める。
まずい!!止まれ!!止まってくれ!!止まれ止まれ止まれェェェェ!!
だが、跳躍し、力を乗せた一撃。もう方向は変えられない。止まる事はない。
待った無し。
時既に遅し。
電磁に誘導された照準は、既に定まっていた。
「breakdown(ブッ壊せ)———!!」
衝撃で、面が割れる。
電撃の奔流は、大男を覆い尽くし、致命傷を与えた。
「ガァァァッッッッ———!!!」>>774
意識が飛びかける。だが、全身全霊で掛けた跳躍の術だ。その跳躍による飛距離は、まだ静止しない。
そして、本人の意思とは裏腹にどんどん接近していく。接近する。最早、止まらない。
そして———
ドカァァンッッッ!!
感電した巨体は、鉄格子に顔面から直撃した。
そして、大きな音と共に、地に伏せた。
倒したと、確信した。
「ハァ……ハァ……」
魔術回路を、閉じる。荒れた呼吸を、整える。
あばらに直撃した痛みと、魔術回路の痛みがジンジンと後を引く。
その痛みに耐えながら、目の前で倒れた男を見下ろす。
「——アンタに恨みがある訳じゃねえ。ただ——」
分かってる。こんなのは偽善だ。せいぜい、一宿一飯の恩って位しかまともな理由なんて付けられねえだろう。
こいつにもこいつなりの事情があるのは分かってる。
それでも、俺には———
——過去と同じ光景を見せられてるようで、耐えられなかったんだ。>>775
倒れた男の、砕けた仮面の裏から見つけた鍵を牢にはめる。
戦いが終わった地下の洞窟。だが、まだ静かにはなっていない。
まだ、苦しい声は止まない。
そこには、蹲ってる少女の呻き声が響き渡っていた。さっきの戦いの時も止まなかった。やはり、余程の何かの苦しみがあるか、それとも———
「はぁ…はぁ……!!止まれ、止まって…!!もう、やめて…痛い…苦しいっ…」
「……おい」
「はぁ…はぁ……痛い…痛………あれ。痛く、ない?」
少女の、痛々しい呻き声が徐々に収まっていく。蹲っていた少女は、目を上げる。「————え?」
「よう、正気に戻ったか」
「————もしかして、倒したの?」
「ああ」
「——あ、ありがとう」
頭で状況を整理できない少女。
そりゃ訳わかんねえかもなと思う凌牙。
二人の何とも形容し難い空気の沈黙は、1分前後続いた。
「—————おい」
「……?」
「———先に言っとく。俺は、蛮族だ」
凌牙は、自嘲する様に呟く。
「この先どうなるかも分からねえし、もしかしたら恨まれてんのかもしれねえ。俺はそういうヤバい奴だ。…現に、多分そこの奴らからは恨まれるしな。……そんで、確かお前さっき地獄がどうとか言ってたよな」
「…!」
少女が、驚いた顔をする。
「……お前も、多分行く場所ねえんだろ?」
「———うん」
「……やっぱりな。俺達は、似たモン同士って訳だ」>>777
分かってる。俺は蛮族だ。
[ヒーロー気取りのつもりか?お前みたいな蛮族が?
初対面の奴を助けてやる義理なんてあるのか?そもそもテメエの明日も分からねえのに助ける余裕なんてねえだろ?]
んな事は分かってる。それでも———こいつは俺と同じ様に見える。だからなのか、俺は——
いや、くっせえ理由とか考える必要ねえか。そんなくだらねえモン考えてもダルいだけだ。
…つーか、理由なんて、もうあるだろ。単純なのが。
一宿一飯の恩。それだけで、助ける理由にはなる。
「だから——着いてこいよ。」
「———!!」
「どうせ蛮族で、どうせ地獄だってんなら——人数が多い方がマシになるだろ。」
少年は、少女に手を差し伸べる。
少女は、それに驚いた顔をし、次に迷うような表情をし、そのまま——口を開いた。>>778
「ごめん…多分、あたしが地獄なのは変わらないと思う。」
「……」
「あたしが地獄なのは——この体のせい、だから。」
「……そうかよ」
「……でも」
「あん?」
少女は一つ頷いて、ニコッと笑いながら言った。
「なんとなく、分かる。同じ地獄みたいな世界でも……アンタと行くなら、何倍も楽しくやれる気がするって。」
「おいおい、流石に信じすぎだろ」
「うん。直感ってヤツ。あたしの勘は割と当たっちゃうんだ、これが」
気付けば、そいつの顔は笑顔に戻っていた。
さっきの仮面の奴が襲ってくる前に話した純粋な…いや、違うか。屈託のない、でもねえな。ガキのようなにへーっとした笑顔で、能天気に言う。その危機感の無さそうな雰囲気に——
「何だよ、それ」
つい、笑いが出た。>>779
「———じゃ、決まりか。…行くぞ」
「だね。あ、そうだ!!」
「あん?」
「——あたしは、競奈。花京院競奈(かきょういんせりな)。よろしくっ!!」
そいつは——競奈は、名前を名乗った。ビシッと、手で敬礼みたいな…いや、ピースしてるわコイツ。
まあ…せりな、か。そうだな。なら俺も名前を……
「凌牙だ。……名字は、別にいいか」
「えー、あたしは全部教えたじゃんかー」
「……あー、忘れてんだよ。記憶喪失」
「マジか。ま、ならいっか!」
(良いのかよ)
気が抜けたかのように軽い、まるでギャルのようなテンションで話す少女に、調子が狂う。
溜め息をつきながら、地下牢の扉を開けて、外へと出ていく。
曇り空のままではあったが、雨は、止んでいた。>>780
蛮族の血を引いた少年と、■■■を持つ少女。
偶然の出会いにて邂逅した彼らには、奇しくも近い価値観で、同じ世界が見えていたらしい。
故に、すぐに波長が合った。打ち解けた。
行き場のない、地獄みたいな世界を進む未来しか見えない者同士。同じ世界が見えていたのだろう。
それ故だろうか。その東屋を抜けた時点で、既に二人には…兄妹の様に見えなくもない片鱗が見えた。
そう。
それが、俺にとって、最初で、唯一になると思っていて——
・・・・・・・
そして、殺してしまった仲間との出会いだった。コソコソ話というか補足色々
・当時の凌牙君はまだ自罰意識は低かったです。凌牙君の自罰意識が高まるのは船入る前の例の競奈ちゃんと離れちゃった事件によるものです
・今回のバトルパート、最初はそんな強くないやつ複数人を蹴散らす感じにしようと思ったんですが過去の時点でその強さはアカンてとなったのでタイマンでそこそこ強い奴1人倒す流れにしました。ちなみに今回の敵は多分ジャスミンちゃんでも勝てます。なんならトワ君とか瞳ちゃんでももし相対するなら勝てると思う
・競奈ちゃんの花京院って名字故に「やっぱり行くんだね…いつ出発するの?あたしも一緒に行く」って文言がずっと頭の中で回り続けてたのを我慢しながら書きました
以上です
よければ感想お願いします!そういやそろそろ俺の推し特異点SSのイェケモンゴルウルス1周年だっけなって事で見返してたら描きたくなったので描きましたが流血差分なのでリンク貼ります
趙雲君の負傷差分です(台詞&場面引用元:前編でのクリシュナvs趙雲終わった辺り)
ttps://ibb.co/Prcxm7x最近知ったこと
パンケーキという姓は実在する(ノリでキャラの姓をパンケーキにしようとしてた人間)
>>750
蛆を食べる文化のない日本人にとってはゲテモノ料理にしか見えないと思うので…蜂の子料理がある麟ノ助ならワンチャン程度のものだと思いますこのチーズは
一言で言うなら時代と環境(学園)がそれを許さなかった… >リョーガ君をこんな感じにしたかったけど路線変更しちゃった
今のマレオやカステラに振り回されてるツンデレ不良リョーガ先輩も好き好きのスキールニルでしてよ
>>751
そうです、あのチーズです。調べてみたらこれ以外にも虫を利用したチーズはヨーロッパに色々あるみたいで、やはり本場は違うなと
蛆虫は気持ち悪くて生理的に無理だけど、それがいるからこそ味わえるものがある。ヴィルレイから見た他人もおおよそこんな感じだろうし、ならルチアーノさんみたいな料理に合うお酒やおつまみを出してくれる人はカース・マルツゥの蛆虫そのものだよなあ、と
腐って感じた共々表現がとにかく露悪的なのはどこまで行っても他人嫌いの具現ですが
>>754
ルチアーノさんは基本何でも美味しくいただけそうだし料理室長という立場もあって人の味覚の好みを把握してそれに見合った組み合わせを提供するの上手そうですよね
食は人と人をつなげるテーマとしてとても楽しい…
>>788
なんと。激辛料理をも下してきたさしものビオランテさんも無理とは…まあ見た目はともかく製造過程知っちゃうと厳しいものがありますよね>>753
何日も遅れた上でというのも何ですが、お誕生日おめでとうございます!
サムレムもそうですが公式からの聖杯戦争の供給はめちゃくちゃ刺激受けますよね…小説媒体読んでると特に。鯖の外見描写とか充実させたぁい
>>782
命からがらに生きている状態な中でそれでも見捨てられなくて助けちゃうの、凌牙さん貴方すごく漢だよ…しかしとんでもない闇深伝奇案件に踏み入れちゃったようで…これは…
セリナさん思った以上にフランクな口調ですね。年相応といいますか。初めて出会った人とこんなすぐに打ち解けちゃうなんて、普通に育っていれば人懐っこい子だったんだろうなあ
そしてそんなセリナちゃんを姫と奉る()家族とやら。お面だったり舞台だったりで夜劫のそれを思い出してしまいますが、伏字に隠された神秘も気になるところ
>>785
心に傷を抱えた少年少女の仄暗い感じが空気として伝わってくるよう…
何気に缶の持ち方の違いに育ちが出てますね。ジャスミンさん丁寧な持ち方をなさる奏章II、27日開幕かなと思ってたらまさかの20日開幕でピカソ顔になりました
まあメイン直後は過疎が予想されるし速攻終わらせて余韻に浸りながら話をできる限り連続で投稿するスタイルで行くか…
>>753
遅くなりましたがおめでとうございます!!
ルナティックはクッチーの新しい一面見られそうだなとかヴィクトルさん好きだなとか色々思いながら見てます。更新楽しみにしてます!
>>784
正直運命構図の挿絵合いそうだなと一瞬思いましたが———やめました。
初期の構想では少女の方から同行を言い出して「…勝手にしろ」って感じの予定だったんですが、やっぱり此処は王道に決めた方がいいなって思ったのでこんな感じになりました。
そんでここからどうなっていって今どうなってんのかってのは次回以降に話します。お楽しみに。
>>787
前の相談でのク.ソデカキャラをまずは実験で使ってみようと思ったので、今回の■■面おじさんにはデカくなってもらいました。マジでその節はアドバイスありがとうございます…
あとは身体がデカい=ヒットボックスデカいので攻撃も当たりやすい=電磁気ブラストを確実に決めやすくなるって事なので、ある意味当時のリョーガ君が倒せたってのにも説得力が増すので上手くハマったなと。例えるなら、同じ高速で動く相手でもこのデカ仮面かペルカちゃんだったら絶対コイツのが攻撃当てやすいだろって奴みたいな。
男の子してるのはそうですね…元々男らしいキャラが結構好きな性分なので、こういうキャラを書くと絶対に男の子してる感じになっちゃうんですね…なので実はショタとか可愛い系の男の子が上手く書けない弊害があるんですね…悲しいですね…>>789
ですね。多分YAMA育ちで野生サバイバル経験したリョーガ先輩でも無理ですコレは。間違いない。
>時代と環境が許さなかった
初期はガチの一匹狼状態からSSとかで徐々に馴染ませて棘抜かせながらツンデレ化+ギャグ堕ちに少しずつ突っ込ませていく予定だったのですがまあ…想定の5倍早くツンデレ化しましたね…大体マレオのせい(いい意味で)
とは言ったものの今のキャラでも結構気に入ってるので良かったかなと。というか一周回って男子生徒組の中でもかなりツッコミ側度が高いのではって気がしてきた
>>790
それまで山の実家に篭って友達とかいなかったから気付けてなかったんですが、何だかんだ人の心はかなり持ってたって訳なんですね。今後は船生徒では恐らく貴重な漢成分をドンドン出していきたい
人懐っこくてアホの子っぽい部分が入ってる感じですね。まだキャラの全体を掴ませない様にしてますが、既にヒントは出てるかもしれません。
まあ此処まですぐ懐いたのには理由があるんですが、そこはおいおいね。
>家族
そうですね…言えるのは、夜劫とかには足元にも及ばない位に規模は小さいです。そんなヤバすぎる所ではないかもしれません。
実は伏字の詠唱部分はよく見たらワンチャン分かるかもな…察する人いたらいいな…って感じになってます。場所と仮面と詠唱を組み合わせたらワンチャン分かるかも…?男子ーズSSが迷走してきちゃったので女子二人組のSSを投下投下~
◇ルナ・アードゥル
よく笑うねと言われることがあった。
自分でもそう思う。私は比較的、笑顔でいることが多い人間だ。
半分は無意識に、けれどもう半分は努めて意識して、私はいつだって笑顔で誰かと一緒にいる。それ自体はたいして深い理由なんて無い。しかめっ面でいるより笑顔でいるほうが敵を作らないというだけ。
笑顔は、得意だ。
表情筋を無理をさせずとも自然に形作れる。ただ笑うことに魔術も努力もいらない。けど、意識だけはしなきゃいけない。
こんな笑い方をおぼえたのは、一度、どうしようもないほど周りから味方がいなくなったことがあるからだ。
その出来事自体は『外』に原因があって、私自身がなにをどうしたところで避けられなかったと思う。笑っていようが笑っていまいがあのとき私の周りにいた人たちは、不幸だ不運だと言いながらも結局は離れていったのだと、今ならわかる。
それでもこうやって意識して笑っているのは、今となりにいてくれる人を敵に回さないための処世術ってわけ。
結果は出てくれたようで、自分の通う教室で敵視されていることはない。今のところは……だけど。
私の新しい学園生活は順調だ。
順調なんだ。
でも、
ただ、
昔の自分がどんなふうに笑ってたかは、わかんなくなってきちゃったな。>>794
私が時計塔にきてそれなりの時間が経った。
あっちこっちの教室で門前払いをうけて、それでも諦めきれず親類のコネを使ってようやくなんとかひとつの教室を紹介してもらえた。名無しの教室と呼ばれるその教室は、名をつけないことで誰のものでもない証にしているとネズミの先輩が言っていた。
ネズミの先輩、というのは比喩でもなんでもなく、言葉通り先輩面して喋るネズミがいるのだ。そりゃあここは魔術師にとって最高の学び舎たる時計塔。喋るネズミくらい不思議でもなんでもない。人の姿でない理由もきっとなにかあるのだろう。いわゆるワケありってやつ。
この名無しの教室は見るからにワケありって人が多い。先輩面してくるネズミとか、なんかの監視役らしい大人しそうな先輩とか、異常なくらい筋肉がムキムキな先生とか、そういうのが。ただサボりに来てるだけのヒトもいるけど。
私自身、正体を隠した吸血鬼だし。……まあ、現代で魔術師やろうとしている時点でワケありみたいなものだ、それ自体は珍しくない。
そういうのとは逆の意味で、今の私は気になっている子がいる。
私が教室に入ってすぐに私と同じように教室に入ってきた同い年の女の子。たしか名前はヨモ・ヘルメさん。
そのヨモさんから、視線を感じることが最近多い気がする。いや、気がするという段階はとっくに通り越している。勘違いかと思いたかったけど絶対に見てる。見られてる。
ほら、今も。
「……っ!」
で、私が気づくとこうやって視線を逸らされる。
ここまでわかりやすいとさすがの私でもわかる。知らず知らずのうちになにかしてしまったらしいことは。
……なにしちゃったんだろうなぁ。私。
心当たりがないわけでもない。私って人間はこと魔術が絡むとついついテンションが上がってしまうタチで、初めて会った魔術師に勢いで質問しまくってしまうことが多々ある。
けれど魔術師にとって自分の魔術の秘密というのは一番と付けてもいいぐらいに大事なもの。そんな大事なものを興味本位で聞き出そうってんだからその場で刺されても文句は言えない。言っちゃいけない。そのぐらいのタブー。……ってわかってるはずなのに私は繰り返す。自分でもよくないって自覚してるくせに。だって気になるんだもん。>>795
ま、それはさておき。
そんなテンションのままヨモさんにも質問マシンガンを浴びせたことはある。それがヤだったのかもしれない。傷つけたかもしれない。息苦しい思いをさせたかもしれない。
悪く考えようとすれば良くない想像なんていくらでも浮かんでくる。個人間の問題に収まらず、これをきっかけに教室全体に敵視されちゃうかも、とか。そういうことも。
ああ、こわいなぁ。
「……師匠が言ってたことも間違いじゃないのかも」
なんだっけ。魔術なんてモンは関わらないほうがよっぽど楽に生きられる……だったっけ。こういう状況になるとさすがに実感する。少なくとも魔術がなければ私は人を傷つけかねない質問攻めをするような生き方はしなかっただろう。
命がけでなにを頑張るでもなく。よく笑う女の子として生きて、そのまま大人になる。それだけの未来。
その未来がぜぇったいに認められないから、めちゃくちゃにがんばってがんばってがんばって、息ができなくなりそうでもがんばって、お母さんに見てもらえなくてもがんばって、そうやってここまで来たんだ。
うん、だったら考えてるばっかりじゃダメ。まずは動かないと話にならない。
考えるよりも、行動!
問題を解決をするためになりよりも大事なことは原因の特定。それができなきゃなにも始まらない。
というわけで───
「ヨモさん、ちょっといい?」
「えっ、な、なに? ル……ルナさん?」
直球勝負。直接、本人に聞くことにした。
……ちょっと距離をとって様子を見るとか人づてにやんわり聞くとか、そういう慎重に動いたほうがいい場面かもしれない。けど私はこういう人間なわけで。>>796
「あの、さ、」
「う、うん」
最初の言葉から詰まる。ヨモさんもどこか困惑ぎみだ。
なさけない。考えるよりも行動とは言ったけど、ちょっとは考えてから動いたほうがいいのかもしれない。
ああもう、ビビるな私。
とにかく直球。ストレートで!
「その……私のこと、見てた?」
「! あの、ごめんなさい。迷惑、でしたよね?」
「ぜ、ぜんぜん迷惑とかじゃないんだけど、その、なんでかなって」
なに言ってんだ私。なんで、はさっきいっぱい考えたじゃん。それすら相手の口から言わせる気か。
「いやごめん! たぶん、というかゼッタイ私がなにかしたよね! ごめんなさい!」
「ちょっ……頭、頭あげてください! 謝ってもらう必要なんかありませんから」
バッと頭を下げる私と、見るからにうろたえるヨモさん。
謝ってもらう必要はない───……これは、ポジティブな意味でとらえていいのかな?
なんだなんだとネズミの先輩がこっちを見ている気配がする。ぐ、注目を集めてしまうのもよろしくないのに。
「……なんで見てたのか、それだけ教えてくれないかな?」
「えっ……ええ!?」>>797
「……やっぱりだめ?」
「だ、だめじゃない、ですけども」
「じゃあおねがい!」
下げたときよりも勢いよく頭を上げてじっと見つめる。泳ぐように浮きかけていたヨモさんの右手をぎゅっと包んで懇願した。
しばらくの間あわてふためいて、視線を右へ左へと泳がせていたヨモさんだったけど、そのうち観念したように顔をうつむかせた。……なんでこんな追い詰めるような形になってるんだろう?
私が現状に疑問を持つ間にもヨモさんの見えない口元からはぽつぽつと言葉がこぼれ落ちてくる。
「えっと、ですね」
「うん」
「私は、ルナさんのこと、を」
「うん」
「お、……応援したい、とっ、思ってまして」
「うん……え? 応援?」
「はっ、はいっ」
「え……んん、え? な、なんで?」
失礼ながら、私はヨモさんに応援されるような謂われなんて思い当たらない。
そりゃあ同じ教室に通っている、言わば学友と呼べる間柄ではあるから無関係な他人ってわけじゃない。ふつうに話したことはあるし、図書館で一緒に勉強したこともある。けど、それだけだ。
それだけの間柄だから目標もなにもない応援を贈られる理由も見当がつかない。私はヨモさんに特別なにかをしてあげたことなんてないはずだ。
私がヨモさんの前でしたことなんて言ったら、ただいつも通りに魔術を───…>>799
「がんばりすぎちゃう時も、あると思います」
「……ん」
「それでだれかとトラブル起こしちゃうのはよくないと思うし」
「ぐ」
「ごはんを食べずにいるのもダメだと思うし」
「ぐむぅ」
「で、でも本当にがんばってるって思うからっ、だから応援したい……って……ぅぅ」
ヨモさんの語尾がだんだんと小さくなる。顔をうつむかせていった。言ってて恥ずかしくなってきたのかもしれない。お互いさまだ、私だって恥ずかしい。
次第にヨモさんはなにも言えなくなっていた。自分の言葉を反芻しているのか心なしか目がぐるぐるしていきている。
……んー、あー…………どうしよっかなぁ。こういうときってどうすればいいんだろ。む~……よし決めた。
「じゃあ一緒に勉強しよ!」
「……一緒に?」
「そ。私ってとなりに誰かいると負けるもんか!ってやる気でるタイプだからさ、一緒にやってくれるだけで応援になるよ」
「でも私、ルナさんと勝負とかしたいわけじゃ……」
「大丈夫大丈夫、私が勝手に燃えてるだけだから。ヨモさんはいつも通りでいーよ」
「そういうことなら……」
そうして、私たちはふたり並んで机の上でノートを広げる。
私は一心不乱に筋肉ムキムキの先生の話を聞きながらノートを書き込んでいって、となりに座るヨモさんはまだ私をチラチラ見ながらそれでも一緒に勉強してくれていた。
……いつもより書き間違えが多かったことに気づかないでくれるといいけど。>>801
そして授業は終わり。
今や教室には誰もいない。「まだ調べたいことがあるから」とひとり残った私を除いて。
でも実のところ調べたいことがあるわけじゃない。いや私が魔術に関して知りたいこと調べたいことが尽きたりはしないけど、それでも今日は違う。
ひとりになりたかっただけだ。
「……ぅ、あぁぁ~~~……」
机に突っ伏して言の葉をなさない音が漏れ出る。
やばい。照れる。そんなふうに見られてたの私?
それなりに目立っていた自覚はあって、敵視されているかも、という危惧はあれど、まったく逆方向に見られていることは想像できなかった。
きっと今は笑顔なんて作れない。ああ、だめだ、だめだだめだ、こんな調子じゃいつもの笑顔を作るのに魔術すら使わなきゃいけないかもしれない。
そのくらいに、今の私は自分の顔を制御できない。
「……にへへ」
雨上がりに香るペトリコールみたいに、あなたがいなくなってからようやく外に出すことができたこの笑みを、知る人はいない。
こんなものはなんてことない日常の一幕で。誰かに嬉々と語れる凄烈な冒険譚ってわけでもない。
けれど心から笑えた。
こんな風に笑えばよかったのだと思い出せた。
だから。
私は───…>>802
「あ……おはよう、ルナさん」
翌朝。一番乗りで教室に来て昨日の復習をしていたところに、ヨモさんがきた。
私は同じように挨拶を返そうとして、けれど止まる。ふと、思いついたことがあるからだ。
「……?」
ヨモさんの怪訝そうな顔を見て、本当にこの思いつきをやるのかどうか、私は一瞬悩んだ。
驚かせちゃうかもしれないな。
引かれたり、しないかな。
引かれちゃうかも。
ああ、こわいなあ。
でも、こわいよりもつよい気持ちがあって、私の心はあなたをそう呼びたがるから。
だから私は半分努めて意識して、けれどもう半分は無意識に。そうやって、満面の笑顔で呼ぶことに決めたのだ。
「おはようヨモちゃん!」
ただの、友達みたいに。>>789
何だったらサルデーニャ島出身でマフィアとも繋がりのある青年実業家が悪気一切無しでかなり強引に勧めて、その時のPTSDで一時的にチーズ全般がダメになったこともあります。(その後、詳細を聞いてブチ切れたリガヤプロが青年実業家を半殺しにしてます)寝る前のゆる募。
1.劇中劇オムニバスドラマ『幸せの食卓』の、ビオランテが顔出しで主演を務めたとあるエピソード(ゴア注意!!)。
2.壬生乃段鱈主演のSFガールズラブOVAや、ビオランテが隠し書棚にしまってある物を見ちゃって混乱するミラグロス&バイディワと、死に物狂いで収拾するビオランテの話。
3.エイベルVS巽の酒飲みチキンレース。
どれを読みたい?輝く水瓶を抱えて、よろけ崩れるナキ。その身体が地面に打ち付けられなかったのは、ナキを発見したロートゥスが支えてくれたからだ。身体の細かな傷は、キャスターが治してくれている。右肩だけはもう少し時間がかかるが……
「他人の血肉を用いればもっと効率的に治せるのですが。マスターは嫌でしょう?」
「うん。ありがとう……っ、でも、とりあえず持ってきたよ二つとも」
「よくやった。………本当に、よくやった。儂の方はまだ体が動くから持っておこう。今はお前に何があったかも聞かない。帰ってきて、お前が落ち着いたら話してほしい。とりあえず脱出するぞ。連絡は繋がらねぇが……出口に近づけばいつかは繋がるはずだ」
「反応出ました。……ナキもロートゥスも無事ですよ。良かったですね」
「本当!?良かったぁ………あれ、でも待って。なんで反応は出るけど通信繋がらないの?そこの距離だともう行けるでしょ」
「施設周辺、映します。………あー」
私たちは知っている。その魔術師の恐ろしさを。私たちは知っている。戦う者として優れた彼女が、こと殺し合いにおいてどんな手段を使うかを。……ナキたちの反応の動きから、彼らが万全な状態でないことはわかる。そんな彼らが、どう対処するのか。いや、対処できるのか?
………ここが、私たちの分岐点になるだろう。根拠はない。ただ直感で理解できた。「………何を悼んでいるんだ、マスター」
「んー?日本が故郷だった女の子と、ついでにその子と犬猿の仲だった男の子を。色々と見込んでいたの。結果は二人とも、やりたいことをやって幸せに死.んでしまったけど」
「満足な人生だったんだな」
「らしいわ。死にたがりの女の子は自分の願い通りに殺されて。愛されたがりの男の子も殺されることで愛された。……逝った側が満足するのは自由よ。でも、遺された側がどう思うかもまた自由。私は、惜しいと思ったから。故郷の墓参りは行けないけどね。墓がどこにあるか知らないし」
ただ、教え子と歳が近い子供たちだったから。教え子がその選択を選ぼうとしたら、自分はどうするのだろうと。ちょっとの間、思考を巡らせただけ。
「別に、何があるわけでもないんだけどね」
裏口の一つを使って出てこようとしている未熟者に、銃口を向けながら。セナは魔術回路を稼働させた。
「………なんか、変な匂いがする」
「火薬か!」
魔術ではなく、兵器。極めて実戦的な爆発により周囲の視界が塞がれる。どうやら主な狙いは目眩し。となると次は奇襲だ。大勢ならば煙幕など張らずとも一斉掃射で片がつく。しかしそうではないということは、おそらく単独での……
「おっとっと」七つの巨大な閃光がナキたちを取り囲み、撃ち抜く。一つ一つが銃弾に等しい速度で、なおかつコンクリートに大穴をあけるほどの威力だ。幸いなのはこれらが現代の魔術であったこと。魔術ならば、ジルの魔術式とフィジカルでなんとかできる。即ち、全部ぶった斬る。
「とはいえ、あまりにも戦闘に特化した魔術。隙の捉え方も慣れている。ただの頭でっかちな魔術師ではないと思いますが……マスター、私の側を離れないでくださいね」
「ああ、お前から離れる必要はない。私がお前を離すからな」
「あっ、やっべ」
尋常じゃない程の力で振るわれる槍の穂先。それが身体を貫くことは防いだが、あまりの力に吹き飛ばされてしまうジル。そう、マスターであるナキとの距離を離されてしまった。軽快な足取りで蹴り飛ばすようにジルを離すそれは、誰もが見惚れるほどの美女だった。おそらくランサーだろう。
「………ナキ、右腕は」
「まだ、ちょっと……どうにかなるかな」
「キツい、かもな。最悪お前だけでも生かして帰すが……」
ロートゥスは知っている。目の前に姿を現した女が、どういう化け物かを知っている。何故なら彼女の生徒であるツユから、どれほど恐ろしいかを頭が痛くなるほど教え説かれたのだ。セナ・スキュレカリュー。“先生”がやってきた。「………なるほど。道理でノコノコやってきたわけね。こんなにボロボロで、多分囮に使われて」
「そう思うなら見逃しちゃくれねぇか?セナ先生」
「私の生徒なら、そうね。でも違うものあなた達。“分割。斉射、解体”」
巨大な鉄塊が音を立てて分裂する。十の砲門を持つ鉄塊と、二十の刃を生やす鉄塊へと変化する。アレはきっと、戦うためだけに生み出されたもの。一流の魔術師が、ただ敵を殺.すためだけの機能を追求して生み出した兵器。そして、それを扱うセナこそが、殺しに慣れ親しんだ者。
「もう無駄話はいいでしょう。私は殺.す相手と話はしないの。だって生きるか死ぬかだし、情報落とすの癪だし」
「……っ、やべぇ、マジで魔力も何もかも足りねぇ……!ナキ、当たるなよ!一発でも貰ったら死ぬぞ!」
「わかってる。避けれる。大丈夫、なんか凄い頭は冴えてるんだ」
右腕は使えない。けど、なんだか不思議と身体の痛みは消えている。動きが速い。身体が軽い。こんなに気兼ねなく身体を動かせるのは初めてだ。まるで、今までずっと鎖か何かに縛られていたみたい。魔力の砲撃は避ける。刃も時には避け、時には踏み台にして飛び跳ねる。中々に弾幕が厚くて踏み込めないが、避けるだけなら大丈夫。それにきっと、ロートゥスが隙を作ってくれる。
「お披露目だ!存分に引き寄せてやれ!」
「……体が」
降り注ぐ魔力砲撃と鉄の刃で、セナ自身もロートゥスを視界に捉えることができなくなったその一瞬、それを逃さずロートゥスは細工品を使用する。茜色に輝く宝石、それが嵌め込まれた金色のピンブローチ。あの時仕留めた女の“誘引”が作用して、予期せぬ動きをセナにもたらす。その隙をナキは見逃さない。過去最高に高まった集中力で、乾坤一擲の刺突をセナの首筋に振り下ろす────!「“圧壊”」
「………は?」
突如、真横から現れた巨大な鉄塊に、ナキが吹き飛ばされるまでは。今の今に至るまで、忍び寄っていたことを理解できなかった。咄嗟にガードはしたが、まずマトモに受け止めてはいけなかったのだろう。意識も失っている。健在だった左腕が変な方向に曲がっている。涼しい顔でいるセナの横には、いつのまにか鉄塊以外にも、とても大きな鏡が浮いている。あの鏡のせいだろうか?
「ランサー。殺してしまって」
「了解」
「………なるほど?これは、中々に……」
ジルの方も、圧倒的な差だ。そもそものスペックが違う。三小節を超える魔術でなければランサーを傷つけるには能わず、超えたとしてもある程度の減衰が為される。それに何より、身体スペックが違いすぎる。ボロボロなのも良いところだ。回復するために溜め込んでおいた“ストック”も、もう残り少ない。どうにかしないと普通に負けて殺される。マスターが殺されても負けだが、サーヴァントが殺されても負け。それが聖杯戦争だ。
「人ではない化け物か。生粋のものだな」
「残念ながら。ですがあなたの時代にはいないような近代社会特有の化け物ですよ。見応えはあるかと」
「化け物に見せ物としての娯楽を期待する間抜けはいない」
投げナイフによる飽和攻撃も、剣による不意打ちも、全てが通じない。全て、ランサーの身体には傷をつけられない。なぜならその全てを捌き、打ち落とされるから。これはまさに英雄の武技。幾百の英傑たちと競いに競い培った、人の技の強みだ。所詮殺人鬼であるジルには、どうしようもない。セイバーと違って容赦をしてくれないのだ。この程度の霊基では本当に手の打ちようがない。とはいえそれで問題ない。今は弱くていい。いつか強くなる。そのための素材はこちらが持っているし、ここで負けるとも思わない。なぜならアレが見ているから。「……随分と、斜に構えた様子だな」
「ええ。どうするか気になっているんです。友情か、保身かを。どうやら友情だったようですよ?まだ隠し事だらけですが」
「何を……糸?こんなところになぜ………ッ!!!」
いつのまにかそこら中に張り巡らせていた糸が、ランサーを縛り拘束する。逆にキャスターは引っ張り上げ、どこか遠いところに連れ去っていく。これはサーヴァントだけの問題ではない。マスターにも同じことが起きている。キャスターのマスター達は皆どこかに連れて行かれ、マスターであるセナは縛りつけようとする糸に鉄塊を振り下ろしている。それでも断ち切れないということは、おそらく大魔術か、サーヴァントの宝具、スキルに類する………
「先生。彼らは私の友達です。どうかお慈悲をいただけますか」
「………そう。へぇ?なんか訳ありだとは思ってたけど」
長髪をたなびかせて、降り立つツユ。その右手には紛れもない令呪が刻まれていて、それを隠すことはしない。ナキもいない、ロートゥスもいない、キャスターもいない。だから隠す必要はない。というか、この人を前にそんな下手な隠しをするとすぐに見抜かれてしまうから。ここにいるのはセナと、ツユと、サーヴァントと、そして……
「ツユ。猟犬の方は俺たちで抑えられます。糸は全部ランサーに注ぎ込んだ方がいい。それでも気休め、猟犬がその気になるまでの手遊びですが」
「わかった。ルフはそのまま先生に警戒を続けて。……アサシン、聞いてたでしょ」
「あら、いいの?その子もお友達じゃない。後の二人には言えないのに、彼には言うのね」
「ルフは私の汚いところも全部知ってるからいいんです。……先生にも、全部知られてますけど」読心能力があるわけでもない。ただ、全てを見透かされている。それはツユがセナの生徒だから。生徒の悩みなど、とうにわかっている。わかった上で、このまま歩んだツユの未来がどうなるかわかっているからこそ止めに来た。誰にも言わず、落ちていくから。
「あなたは、誰かに頼るのが苦手。……でもまあ、生徒が嫌なことを無理やりする先生なんていないしね。いいわ、お友達には言わないでおいてあげる」
「……!じゃあ」
「それはそれとして、ちょっとお灸は必要じゃない?アサシン本体が来てるわけでもないんでしょうこれ。舐めるのも大概になさい」
先生として、生徒を過度に追い詰めることはしない。けれど、これは聖杯戦争を戦う者としての話だ。サーヴァントもその場に呼ばず、“縛っただけ”で優位を保った気でいるのは片腹痛い。それだけ自分のサーヴァントの能力を信じているのだろうか。ならばそれこそ大間違いだ。
「資本は力よ。権力も力。その上で聖杯戦争というものを考えなさい。召喚する英霊というものは、どの触媒を手に入れるのかで決まるわ。すなわち、強い英霊の触媒を手に入れられる力があるのか否か」
「………先生、私とルフを逃がしてくれませんか?可愛い生徒の頼みです」
「もうちょっと別の形で人に頼ることを覚えてほしいわね。お灸は据えるわ。ランサー」
糸を千切り、槍を構えるランサー。その敵意はツユたちではなく、その外側。つまり、糸を放ったサーヴァントに向けてである。ああは言ったが本体が来る可能性もある。ならば自分はサーヴァントの警戒を。……セナもやる気に満ち溢れているようだ。鉄塊は轟音と共に駆動し、鏡は風切り音と共に回転している。「あなた達2人で、私をどうにかできる?」
「出来なきゃここで負け、ですよね。安心してください先生。もちろん、無策です」
『ツユが魔術の制限解いて、俺が本気でやって、それで相打ち……は無理だな。なんかアサシンとは仲悪いっぽいし。詰みですかねこれ』
ぶっちゃけ、もうどうしようも─────
「ちょっと待った!その戦い、この俺に預からせてもらおう!」
「………名前は?」
勇ましい声は雷鳴の如く。辺りを包み、注意を惹きつける。紫電迸る剣を抜き放ち、声高々に宣言する青年は、おそらくサーヴァントだ。
「セイバーだ、よろしく頼む。俺のマスターの命により、お前たちが逃げるまでの時間を俺が稼いでやろう!」
「………へぇ?」
以上です。ローマ!(セイバー)(セイバーではない)>>787 >>790 >>791
こちらも遅れましたがありがとうございます~。
>>790
>サムレムもそうですが公式からの聖杯戦争の供給はめちゃくちゃ刺激受けますよね…小説媒体読んでると特に
解る!とりあえず奏章Ⅱが開幕したので早い内にクリアしてFake読むぞー!
>>791
>ルナティックはクッチーの新しい一面見られそうだなとかヴィクトルさん好きだなとか色々思いながら見てます。更新楽しみにしてます!
執筆……頑張る……。
ヴィクトルはやっぱ書き易いですねー。王者キャラはなんだかんだ描写してて爽快感あっていい。
クッチーに関しては……まぁ彼が叶えたい”幸せの方程式”が見られる、とだけ言っておきましょうか。
多分おそらく普通に引かれるタイプの願望だからなアレ……。
あと最近知った情報を加味するとルナティックってクッチーの(精神的な)勝利、ほぼ確定しちゃったのよね……。ほい新章完走してきましたー
もしかして俺最新章毎回スレ最速で完走してる…?
>>811
本人は蛮族蛮族言ってるけどやっぱり本能は正直なんですね。やっぱりお前は不良ではないのでは…?
そしてまあ独白はね…次回書きたいんですがこの引きからどう二人の会話のシーンに引き戻せばいいかを上手く導き出せないアホがね…俺なんですね…
>>818
やっぱり…!!やっぱりアサシンのマスターツユちゃんやんけ…!!
ペルソナ家族に続いて仲間の半分がナキに隠し事をしてる…マジで今後の未来が恐ろしいっすね…
それはそれとしてセナ先生とランサー強すぎィ!!やっぱり山星さんの作品は強者の描写がエグいの良いですよね…毎回絶望感が凄い
そしてローマ!!キャラシ見るに厄ネタ感凄いのに味方側みたいな登場してるので信じていいのか絶妙に分からねえぞローマ!!
>>819
そうですね…結末自体はもう何度も語ってるし最早鬱陶しくしちゃったかもって位には匂わせてるんですが、それをどこまで引き摺ってんのかってのはまだ詳しく明言してなかった筈なのでね。あと数話でプロローグ終わるんで、最後にそことデカい爆弾を投下して第1章突入しようかとみなさん東京に向かったようですね
私はしばらくフランスから出られそうにありませんが…
>>821
根っこの部分はなかなか出さない子なので私も新鮮でした。普段一人称視点で書いてるのに…
ヨモちゃんは大なり小なり癒しになってるとこあるので本当いてくれてよかった天墜コソコソ話
セナ先生の話してた亡くなった二人というのはカナリアとリムのこと
セナ先生の教室は皆優秀な人たちばかり、エルメロイ教室と違うところは問題児の比率とか生徒の先生への好感度の差
>>819
割とスペック的にはどうしようもなかったりします
第◾️回なんですけど、ランサーは割とカウンター待ちみたいなところで待ってたと思うんですけど令呪一画使って耐えて変化一部解除、異形カウンターかましても大丈夫ですか?またそうなったらセイバーはどんな感じになりそうとかの見立てはありますか?
>>820
京極さんが気づかれてましたが実はそんなに隠したりしてなかったりします
>>821
生徒なので死にはしませんがこのままだと敗退不可避という状況
なのでセイバー(ライダー)には頑張って欲しいですね
>>823
何故隠しているかはまあ色々と
トロイアの勇士と時計塔の上級講師ですからね……しかもセナ先生も魔術師のくせに戦闘経験が超豊富
まあそれは色々と完っ全に忘れちゃってて申し訳ないのですが冒険旅行記の吸血鬼と博物館編をエピローグまでwiki登録しました
あとついでみたいでアレなんですがツタンカーメンの他キャラ言及も一緒に入れときました
アーチャーの方のツタンカーメンとメネス、二人のファラオへのセリフも追加してたりしますお知らせって程でもないし重要でも深刻でもない報告しますねー
前回最後から現在の凌牙君とジャスミンちゃんが話すパートへの繋ぎの台詞とか色々が上手く思いつかないまま数日止まってるのと、メイン配信直後でネタバレ防止でスレ抜けてる人も少なくなさそうなタイミングなので、今SSの重要な回出しても反応してもらえるか不安って所があるので、息抜きに短めの面白SSとか書こうかなって思います…
なので100%採用できると断言はできませんが、書いてほしいネタとかこの鯖とか鱒のSS見たいって奴あったら教えてくれると嬉しいです
或いは俺の絵で良ければですが、イラストのリクエストも受け付けますー ネタ絵でもおk
p.s. 良さげなエイプリルフールネタが思いつかない
>>809
毎回自鱒の奴選んで大丈夫かなって気持ちで躊躇しでしたが、間に合うなら3でお願いしたいですー「………私と、ルフを?」
「ああ。俺も詳しい話は知らないが、お前たちを助けて欲しいとの命令だ。まあ良いんじゃないか?どうせジリ貧なら乗っかってみよう!」
言うは易しというものだ。本当に信じれるかどうかは怪しい上に、ランサーに勝てるかどうかもわからないのに。セナが一級品の触媒を用いて大英雄を召喚したのはほぼ確定だろう。それほどまでにランサーという存在に信頼を置いている。ならば、それをこのセイバーとやらは打ち砕けるのか。やれるのか。
「まあ見ているといい。……そういうわけで、行くぞ!」
「………その雷、風……神に類するものか!」
迸る雷光、神威の如く。吹き荒れる大風、天譴の如く。2種の魔力放出を用いるセイバーはその出力でランサーとの打ち合いをカバーする。なんとも恐ろしいことに、素のフィジカルや武練で言えばランサーの方が上回る。それをこれらで補うことで、互角に立ち回っている。
青雷纏った一閃を、横薙ぎにした槍の風圧で弾き飛ばす。鎌鼬を帯びた袈裟斬りを、最低限の刃の接触でいなし躱す。互いが互いの良さを駆使した張り合いだ。
「そちらこそ、俺の剣に動じることなく対応している。まるで俺と似たような戦士たちと斬り合ってきたような顔だ」
「そうだな。私からしてみればお前は数ある男の一人……いや、この言い方はちょっと恥ずかしいな。人生で初めてこんな女らしい言葉を言った」
「女性へのイメージがブレてないか?ともかく……なら、俺だけの魅力を見せないとな!」細身の剣がうねり、歪み、弓の形へと変化する。雷の矢を番えた瞬間、激しい光を伴うと共にその矢の姿が変わっていく。優しく青白い光を放つようになった。
「ここにディアーナの加護ありき…!」
「………なるほど。これは確かに物珍しい」
まず最初に躱した。すると軌道が変わってまた狙ってきた。それを槍で叩き落とした。しかしその槍を避けて太腿に刺さったのだ。タイミングは完璧。力も、振り抜き方も完璧。なのに矢は太腿に突き刺さった。この程度ならばすぐにマスターの魔力で修復できるが、それにしてもだ。
「多芸だな。なるほど、神に好かれている」
「さて、どうだろう。でもこれで、俺がお前を満足させられる男なのはアピールできたんじゃないか?」
「ああ。良い男だ」
戦士としての闘争心に火がついた。ランサーはより一層に好戦的な笑みを浮かべ槍を振るう速度を上げていく。戦士として、真摯にセイバーにだけ向き合うと決めた。故にマスターの警護は意識から除外し、ただランサーを殺.すことだけに集中する。
「……ランサーの悪い癖よね。こうなると私が何を言っても“私がそう決めたから”で聞いてくれないのよ。これで、私は私一人の力であなた達を捕まえないといけない」
「………なら、あとは私たちだけで先生をなんとかすれば良いんですよね」
「出来るならね」
「出来ますとも。私はともかく、ルフはとても優秀です」魔術の起こりすらなく、ルフがナイフを振り下ろす。この高速移動は何か特殊な魔術ではなく、純然たる歩法の技術。もちろん、身体能力を魔術回路により増加するなどは行なっているが、それだけでは到底このスピードは出せない。単にルフの技術だ。
とはいえ、その程度に屈するわけもなし。セナはルフの手首を掴んで鮮やかに投げ飛ばす。それから数度、体勢を戻したルフと拳や脚を流しあい、組み合った状態となる。一見ルフの有利。
しかし膠着状態に持ち込めばもうこちら(魔術師)のものだ。意識のふいを突いて仕込んだ鉄串の一部を起こせば、四方八方からルフを串刺しにする形となる。……それを回避して距離を離して見せたのはルフの戦闘経験故だろう。命を第一にするあり方が身に染み付いている。博物館でのやり取りの賜物だ。
「距離が離れたわ。二度は通じないわよ、その不意打ち」
「通じますよ。“Diamonds Are A Girl's Best Friend(あの石ころが女の親友なんですって)”」
ただの石ころを放り投げる。そう、ただの石ころだ。なのにその石ころに思わずセナの意識は向いてしまう。隙が出来たならばまたルフが奇襲を仕掛ける。次は当たった。頬に一筋、深い切り傷ができたから。……これはどういうことだろう。魔術師であるならば、精神の防護など施して当然。セナほどの魔術師となればまず通じない。だが届く。ならばこれは?
「そう、出来るようになったのね。精神を“蝕む”以外の使い方」
「先生の教えのおかげです。攻撃ではなく、干渉ではなく、提示すること。人が惹かれるものを魅せること。純然たる“魅力”だから、精神干渉の他の魔術に比べて魔術師の精神防護を貫通しやすい。……ルフほどではないですが、どうです?この隙にアサシンもあなたを捉える準備はできましたよ」
サーヴァントが攻撃してくる、となるとさしものセナも辛いものはある。やりようはなくもないが、今ここでそこまで消耗しても良いものか。ランサーの助力は見込めないだろうし。……それなら退く方がよっぽど良い。そう見込んだセナは迷いなく退却を選ぶだろう。こんなところで全てを賭けるほど、セナの判断は未熟ではない。「ランサー。2度は言わないわ。あなたも戦士なら賢い選択をなさい」
「む……了解した。こちらは引く。お前も引け、セイバー」
「ん?ああ!彼らを逃してくれるなら俺も深入りはしないとも!俺の一番はマスターで、あの子が望むことをしてあげたいだけだからな!」
「そう、よかったわ。………なら最後に。ツユ、もっと自身を褒めなさい。さっきの魔術、咄嗟にしてはとても良かったわ。あなたも、そっちの彼も、まだ本気じゃないでしょう?手抜きの状態であの完成度だもの。誇りなさい、あなたは私の生徒(さくひん)なのよ。誰が認めなくとも、私はあなた達を認めるわ」
「………ありがとう、ございます」
微笑みを最後に、セナはランサーと共に去っていく。それを見届けたセイバーも、“マスターによろしく!”と訳のわからない言葉をツユに投げかけ消えていく。………本当に、焦った。訳がわからない。だけどこの混乱のひと時を、誰に告げるわけにもいかなくて。
「早くアジトに帰ろう。みんなには……何も言えないけど」
「俺がお前の秘密を共有しているのは何のためだと?安心して、俺に今日の愚痴を全部ぶちまけなさい。朝日が出てくるまでには全部聞いてあげますから。俺もお前に色んな愚痴を聞かせてあげましょう」
「………本当に、ありがとう」風が強く吹き付ける真夜中。今は使われない廃旅館の屋上で、髪を押さえながらじっと、遠くを見つめている少女がいた。ふと、少女を苛む寒風が和らいだ。少女を冬の寒さから守るように、青年が自身のコートを着せたのである。戦いの場から戻り、私服へと着替えたセイバー……否、ライダーは優しい笑みを少女に浮かべる。
「ただいま。マスターの言う通り、彼らをちゃんと護ったよ」
「ありがとう、セイバー。家に帰りましょうか」
少女…牙月天海はソルシュクラインに恩がある。別に彼らがいなくともライダーが処分したが、彼女の傍らにいた夜属に襲われたのは事実なのだ。それを助けてくれた以上、返さねばならない恩がある。たとえ殺し合うとしても、サーヴァントを殺.すだけでマスターを殺したくはない。……特に、同じクラスメイトのツユは。出来ることなら、正体もバレたくない。
「帰りましょうか。今日はもうこんな時間だし夜ご飯は食べないけど」
「まあ仕方ないな!……あったまるものとか、明日の夕飯にどうだ?」
「もう明日の夕飯?………もつ鍋とか、どう?ガッツリ系だし、キャベツ使うけど」
「キャベツを!?それは良い、実に良いなマスター!」
以上です。次回は戦後処理
>>830 キリッとした顔がとてもかっこいい……とは言い難いがかわいい没鯖らくがき蔵出し
没理由:近代すぎるしピンポイントすぎる>>832
>>841
あ、リク可能ならタララーワを強請(オネダリ)イイっすか?
画像は参考用。
瞳色は下記リンク、服はこの色のままテンプレのメイド服でお願(ナ)シャス。
https://www.color-site.com/codes/6699CC>>844
実行(キメ)れば善し!!>ミニSS付きトンチキパロ
承知。>ネタ絵の次せっかくだからと今まで書いたSSなどをまとめていたんですが
絶対に書いたはずなのに見つからないSSが一個だけある…絶対に、絶対に書いたはずなのにぃ…!
>>838
ルフくんめっちゃいい子……なんてぇ安心感ですか……こんなん頼りたくなっちゃいますよ
上に立つ者スタンスが崩れてこない先生こわい。さくひん呼ばわりがろくでもなさとこだわり感じさせてこわい…
>>840
おそらくきっとたぶんアジア圏の人!(ガバガバ予想)
刃先がちょっと変わってる槍?が一番のヒントなんだろうけど…これなんだろう…
>>843
悲しみ……とはいえある意味自分の意思じゃどうにもならないもんですからねー
>>845
きっと窓だけじゃないと思うんです、ツッコミ所>>845
雨穴さん作品だと”変なAI”が結構好き。
ああそうだ、ジャンヌ•オルタのモーションがリニューアルされましたね。彼女の攻撃演出の変更は個人的にもはFGOユーザーとして以外にも嬉しいです。
剣と長物(旗)っていう異色二刀流が派手になったので、パロミデスの戦闘シーンの参考になりますからね!
丁度パロミデスも呪い系騎士だし。
ルナティックではランサーだから、その点で全力発揮が出来ないのは残念ですが……。>>849
あ、元ネタあるんですね
まずいまた無知を晒した…恥ずか死…>>852
大外れでした。また恥ずかしい
というか、かなり近代でケルトで赤い槍?を持っててしかしケルトではないとも言える…
…つま…り………?バルベルデのこそこそ話。
バルベルデ家の子供達が1番恐れているのは、プリシラ。
歳下なら嫌がろうと躊躇しないで愛でてくるから。誰だよメイン直後だからと過疎を予想して省エネで行こうと思ってたら思ってた3倍くらい活気があってビックリしたの。
僕だよ。
>>838
ルフ君口が悪いのに面倒見いい所結構好きかも…
そしてセナ先生は余裕、悪く言えば見下す感じを失ってない所が恐ろしいですね…ドンドンヤバさが見えてきた…
正直こういう完全に舐められてる強敵を完全に出し抜いてブッ倒す瞬間は最高に気持ち良いと思うのでツユちゃんには頑張ってほしいところ
>>843
分かります…去年の俺がまさにそんな感じだったので…
とはいえしんどい時に書こうとしても上手くいかないっぽい事もあるので、まずゆっくり休みながら時々頭に出た妄想とかをネタ帳とかスマホとかに入れてみるのが個人的にオススメですよー
>>845
絶対誰かこのネタやると思ってました
草ケルトで近代でゲイボルクっぽい槍……パトリック・ピアース?
かるーい名無し男子ーズSSが書けたのでぽいぽいぽーい
「時に、君たちに子作りの予定はあるのかい?」
「へっ!?」
「はあ?」
考古学科・名無しの教室が管理している一室にて、すっとんきょうな質問が飛ぶ。
授業と授業の間にできたすきまの時間、そのわずかな時間を潰すための他愛のない雑談をしていたところ、唐突な質問が差し込まれた。
デセフィオ・カロレンツ・ウェルペンとクラッフ・フロースの男子二名から、何を言いだしたんだコイツは的な視線を向けられつつも質問をした当人はけろりとしている。
質問者───エンデ・エルフィリーデ・リヒテンシュタインはなおも言葉を続ける。
「だから子作りだ、子作り。特定の女性と子を拵える予定はあるのかと聞いている」
「えっ……は……ええっ!?」
「お、良い反応が。クラッフ君にはもう予定がある?」>>858
「いやっ、そんなっ、まさかっ」
「げ、下品なっ! 急になにを言いだしている!?」
「下品と捉えるのも無理はないが、必要なことだろう?」
「要不要で語ることでもないだろう!?」
「はわわ……」
「そうも言ってられないんじゃないかねデセフィオ君よ。俺たちは魔術師だぞ?」
「そ、それがなんだと言うのかね! 魔術師と、こっ、子作り、に……なんの関係があると!?」
「大アリだ。優秀な才と血筋を残すため子を作る。千年、二千年と多くの魔術師たちが繰り返してきたことじゃないか」
「……む、それは……そうだが……」
「特にデセフィオ君などは名門の出だ。血筋を残す重要さはよーく仕込まれているのでは?」
「……それも、そうだが……いやだが……」
「無論、名門でなければ重要ではない、むしろ重要だ───という名目のもとに、恋バナなるものをやろうと思ってな」
「おい今なにを言った」
「やってみたかったのだよ学友との恋バナ。俺の美意識にはそぐわないが、楽しそうでなぁ」
「いや、べつに……」
「なあそうだろうクラッフ君! 子作りは大事だよなぁ!」
「こっちに振らないでぇ!?」>>859
クラッフの悲鳴が教室によくよく響いた。見ればその顔はかなり赤くなっている。かわいそうに。
「で? で? で? どうなんだいあるのかい予定? いるのかい相手!?」
「あ、ありませんしいませんっ。じぶ、わた、私にはそういうのはまだ……」
「早いとでも? そんなことはない、十代後半ともなればとうに相手を探し始めているべき年齢だ」
「そ、そんなこと言われてもぉ……」
「それに君に関してはいない、ということもないだろう?」
「へ? それは、どういう……」
「どうもヴィルクレツィア先生とは個人的な付き合いがあるように見られたが、違うのかい?」
「そっ……れは、いえたしかに友人としての付き合いはありますが、だからと言って……」
「俺はてっきり教師と生徒の禁断の関係ではないかと胸躍らせていたんだが」
「い……!?」
「ぶっちゃけもう何度か寝ているのではと───」
「!?!!??」>>860
「エンデ・エルフィリーデ・リヒテンシュタイン! 君はデリカシーというものを知らないのか?!」
「無論知っているとも! 知りながら無視する、この───快楽! なんと愉快なことか!」
「王子なんだろう!? いいのかねそんな有様で!?」
「良くはない!」
「だったら、」
「だから楽しい!」
「どうしようもないではないか!?」
「そういうことだ! さあ話を戻そう!」
「……いえあの、もうこの会話自体終えたいんですが……」
「それで? デセフィオ君にそういった予定はあるのかい?」
「無視された……」
肩を落とすクラッフ。その顔は赤くなったまま戻らなくなっていた。どうか、どうか、めげないでほしい。
「名門カロレンツ家ともなれば、選択肢も多いんじゃないか?」
「ふ……ふん。当然だ、僕はカロレンツの魔術師、となれば引く手数多だとも。だが、予定らしい予定はない」
「おっとそうなのかい? なにか理由でも?」
「そんなもの自明の理屈だ。僕ほどの魔術師には、そこらの庶民じゃぁ釣り合わないのだよ」>>862
「理解したかね!?」
「……うん! そうだな!」
「……そうですね。もうなんでもいいです」
「なぜそんな投げやりになる!?」
「いやまあ尊いということで」
「はい。それでいいと思います」
「納得いかん! いいか、何度でも言うが、」
デセフィオが言葉による墓穴掘りを続けようとする───というタイミングで教室の扉が開いた。
そして縦にも横にも大きい禿頭の巨漢が入ってくる。専属講師のモートン・ドラモンドだ。
「私語を慎め庶民ども! 授業の時間だ!」
「……続きはまた別の空き時間だな」
「納得が……いかない……っ!」
「(またこの話題になったら逃げよう)」
男子ーズが三者三様の想いを胸にしながら、時間潰しの雑談は終わった。>>840
ケルト感があるのはわかるけど近代ということでその先がわからない!!
>>845
叫んでないのもまたシュール
>>847
多分人生経験で言えばロートゥスの次ぐらいには豊富ですルフは
先生としてはガチで真摯ですが世間一般の先生とはまたちょっと違いますね
>>855
スラム時代から今に至るまで血の繋がってない家族がたくさんなのでロートゥスに負けず劣らずオカン
舐めてる、というよりは先生として認めてる、が正しいのかもしれません
>>867
そうですね、参戦はしたもののキャスター陣営をベイトにしたり取る気がないエンジョイ勢だったりで多分戦後処理の方がきついです
>>865
クラッフはそうなる、普段営業スマイルが崩れないけどそういう話題をするとそうなる
>>866
どうぞ!【氏名】空野 恋[からの れん]
【性別】女性
【年齢】25歳
【出身】日本
【身長・体重】167cm・54kg
【肌色】色白【髪色】緋色【瞳色】黄色
【スリーサイズ】99/58/87
【外見・容姿】緋色のロングヘアが特徴的なおっとりした雰囲気のナイスバディなお姉さん
【令呪の位置】右肩
【属性】中立・中庸
【魔術系統】強化、治癒、暗示
【魔術属性】火・水・空
【魔術特性】再生
【魔術回路】質:A+ 量:A 編成:正常
【起源】憧憬【魔術・特殊技能・特性など】
「強化魔術」
オーソドックスな強化の魔術。全体的に高水準だが恋のものは特に身体能力の向上に重きを置いたビルドがされており強化一本でもそれなりの魔術師としてやっていけるレベル。
「暗示魔術」
オーソドックスな暗示の魔術。全体的に高水準だが恋は専ら自己暗示に用いている。対人で暗示をかける際は後述の礼装を併用するが実は無くてもある程度は通用する。
「治癒魔術」
オーソドックスな治癒の魔術。中でも体組織を再生させるものを得意としており時間や手間をかければ手足や内蔵の再生まで可能。
『過重強化[オーバーロード]』
空野恋の奥義であり通常技。
自己暗示で人体のリミッターを人為的に解除し、強化魔術で限界を超えた強化を施し、人体の酷使によって傷付いた部位を治癒し続けることでおよそ人間離れしたフィジカルを得る脳筋の最大値のような魔術。
強力だが当然全身の筋肉が断裂したり骨が砕ける程の激痛が伴う。
多用すると様々なデメリットが発生し、恋の場合は『痛みに対して鈍感になる』と『平時でのリミッターが緩くなって素の筋力が異常に高くなる』の二つが挙げられる。【礼装・装備など】
「コンプレッションウェア」
魔術的な加工を施したぴっちりした黒インナー。非常に頑丈で鎧を装備しているに等しい防御力を誇る。普段は普通にオシャレしたりもするので常に着ている訳では無い。
戦闘において即死しないラインを守るための防具としての役割とどれだけボロボロになってもポロリしないというメタ的な役割がある。
「暗示の魔術が刻まれた染物」
その名の通り模様が暗示の魔術式になっている藍染のハンカチなどの布。これの模様を見せた相手を暗示にかかりやすくする。
【外見・容姿の詳細など】
身長や目鼻立ち等、結論から言うとバプロディカ・バーナト・ロンターとそっくりさん。別に両者に何かしら関係や因縁がある訳ではなく「そっくりな人間が世界には3人いる」ということである。
また聖女のような雰囲気を漂わせるバプロディカに対して恋は「近所のお姉さん」のような雰囲気のため全体的なイメージはかけ離れている。
イメージカラー:赤
特技:家事全般、部屋の模様替え
好きなもの:漫画やアニメ、カラオケ
苦手なもの:暗い所、体重計【来歴】
空野家の長女として生まれ、子供の頃から母の代わりに家事をやりくりしてきたしっかり者。
遊び道具などは専ら弟の空野瞬が読み終わった漫画や遊び終わったゲームだったため趣味も少年漫画系統に偏っている。
魔術師一族にはよくある事だが父である空野雪成に逆らえず、父が弟の空野尽を虐待することに対して思うところがあるものの言い出せずにいた。
そんなある日空野家と親交がある魔術師一族、大鳳家の後継者である少年と出会う。彼の「弟妹を守ることが兄や姉としての役割だ」という言葉を受けて彼、大鳳京介と共に水面下で両家の父親を暗殺.する計画を立てている。
魔術師としての彼女は優秀の一言で肉体が崩壊するレベルの過剰な強化を繰り返し痛みに対して鈍くなっても「魔術の研鑽なんてどこもそんな(苦行みたいな)ものでしょ?」と嫌な顔一つしない。
弟妹が皆ある程度1人でやっていけるようになり一家の母親役をやる必要が無くなった時。思い立った恋は自分のやりたいことをやろうと決心する。
そうして始めたのが動画投稿。これといって決まったジャンルに縛られず料理、アウトドア、ゲーム実況に歌ってみた等多岐に渡り「やりたいこと何でもやる」というスタイル。
なおその際に解説したチャンネル名が『空野恋[そらのこい]ch』と本名の読み替えというネットリテラシーの欠けらも無い名前だったことで大鳳京介から「ネットリテラシーという言葉を知っているか?」「何故始める前に人に相談しなかった?」とアイアンクローをくらっている。【性格】
穏やかでマイペース。五人姉弟のお姉さんとしてしっかりした面とおっとりして抜けた所のある面が同居した気さくな性格。
世話焼きで隙あらば人の相談に乗ろうとするが本人が割と箱入りだった為かあまり問題の解決には至らず聞いてもらって気が楽になったと言われることが多い。
家業である不動産売買や賃貸経営をやりつつ前述の動画投稿もしながら魔術の研鑽をしているなかなかのやり手。
京ちゃん(京介)やユー君(ユージーン)など仲良くなった相手のことを略称や愛称で呼ぶことが多いが相手方の事情や要望があれば略さずに呼ぶ(男女で区切りづらいリンクくんちゃん、名前を略さない派のミリアルカちゃん等)
【行動規範・行動方針】
基本的に善良なので余程のことがない限り一般人に被害が出るようなことはしない。
ただし魔術師として一般人の被害とそれに伴うリスクよりもそれによって得られるメリットが勝る場合はそちらを選べる。具体的には自分の魔術の研究の為に一般人を害するのはNGだが聖杯戦争等に参加してそれで一般人が巻き込まれるのは極力避ける(絶対では無い)くらいの考え。・ネタ絵
・リクのタララーワさん絵
・術自来也キャラシ
これが今の最優先ノルマと考えるとエイプリルフール作ってる暇は無いかもしれんな今回…性転換ネタならワンチャン行けるか…?
>>865
あらあら可愛らしい…この三人こんなトンチキ方面行けたんすね…
デセフィオ君が普段の不遜さを感じられない位ツッコミ側になったと思ったらルナちゃん発言で大草原ですよ。でもね…仮にそっち側の感情を抱いたとしても恐らく…悲しいですね…
>>874
これはいい姉ですわ…まさしく姉系魔術師って雰囲気を感じますねえ
そしてぴっちりインナースーツとかド性癖ですわ!!えっち!!普通の肌露出よりぴっちりスーツの方がフェチみとかえっちさを感じる事ってありますよね!!いや俺だけかもな…
そして動画投稿趣味いいですね…ASMRを出せ(豹変)
あと裏ぺで前の話返答しましたーよし…ノルマ1個達成した…
キャスター自来也投下したいんですがよろしいか?よし行きます
あと今回のサーヴァントの成立とかの部分はこっちと同じなので興味がおありなら軽く目を通してくれると嬉しいです、分かりやすくなると思います
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/wiki/児雷也%28アサシン%29「我、ここに来る也。…いや、仰々しくする必要ねえな。……儂参上。これで良いな、行くぞ…!!」
【元ネタ】児雷也説話、児雷也豪傑譚等
【CLASS】キャスター
【真名】自来也
【性別】男
【イメージCV 】羽多野渉
【身長・体重】170cm・65kg
【肌色】黄色人種 【髪色】アサシンと同じ 【瞳色】紫
【外見・容姿、再臨絵】
第一再臨 中華服の上に白衣を着て、眼鏡を掛けた悪そうな雰囲気の男。顔のパーツはアサシンと同じだが、アラサー後半位の少し大人っぽい見た目となっている。
第二再臨 フードを被り、近未来風のパーカーを着ている。
第三再臨 バイザーを着け、ハッカー+忍者装束を合わせた様な格好をしている。アサシン児雷也がヒーロー風だとするならこっちはダークヒーロー風。
最終再臨 大量の蝦蟇を侍らせながら、足を組んで椅子に座りキセルを吸ってる。後ろの壁には我来る也という文字と共にグラフィティが描いてある
【地域】中国(日本)
【年代】中国宋代(キャスター本人)・江戸時代後期(自来也そのものが生まれた年代)
【属性】秩序・悪
【天地人属性】地>>880
【固有スキル】
芸術審美(遠隔):E+
キャスターの自来也は幻想が合わさる事で成立した霊基。だが、本人の生前は義賊であった。それ故に造詣が深いわけではないが、芸術作品、美術品への執着心を持つ。
芸能面における逸話を持つ宝具を目にした場合、低い確率で真名を看破することができる。だが、宋代以前、或いはアジア圏の物であるならば真名看破の確率が上昇する。
ランクは低いが、キャスターの場合は使い魔の蝦蟇の視界越しでも発動する事ができる。他に無い強みと言えるだろう。
分割思考(二重意識):C+ 思考の並列処理。元々こっちの人格の自来也が得意とするスキルなので、アサシン時の3倍程の精度で使える。
並列思考により、使い魔の蝦蟇の視覚等を全て確認した上で大量の蝦蟇の絡繰を操作したり、自身も行動する事が可能。
蝦蟇を操作しながら自身も刀で戦うアサシン霊基と違い、こちらはキャスタークラスの為自身の陣地や蝦蟇を最大限利用し、敵を追い詰めていく戦法を使う。
ちなみにアサシン時に主導権を握っていた方の児雷也の人格は、蝦蟇3匹程を分割思考で操っている。意味が無い様に見えて、仮にキャスター本人の思考を読まれたとしてもキャスター自身が動かしてないこっちの蝦蟇なら裏を掻けるという利点がある。
絡繰蝦蟇:A アサシンの伝承に於いても有名である大蝦蟇、即ち蛙の妖術より出たスキル。
キャスターは絡繰風の蝦蟇の使い魔を操作するが、この蝦蟇一体一体に気配遮断D相当のスキルを付与する事ができる。
キャスター霊基の為に活動範囲、使える蝦蟇の数、蝦蟇の強さ、操作精度がランクアップしており、索敵、横槍、誘導等多岐な戦略を取る事ができる。>>881
【宝具】
『三柱結界・自来也(われ、ここにきたるなり)』
ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:半径3km 最大捕捉:多数
自来也という幻想、そしてキャスター自身の逸話を掛け合わせ生まれた、キャスターの自来也のみが使える宝具。
大蛇、蛞蝓、蝦蟇がそれぞれ描かれた三つのトーテムを三箇所に配置する下準備を経て、そこを点として結び、真名解放する事で三角形型の巨大な結界を作り上げる事ができる。
その結界内では自身の蝦蟇の気配遮断がCに上昇し、この結界の内では幻想が強化されるという概念が付与される。即ち、サーヴァントの持つ幻想の部分の度合いによって結界内の強化が入るという事。
そして、自来也という存在は二つのモデルを元に、幻想によって存在が生まれ、幻想が語り継がれ、脚色されていく事でサーヴァントになる程となった存在である。
故にこの結界の内での強化の度合いは凄まじく、蝦蟇を上手く利用すれば三騎士でも一筋縄では行かない程となる。
なお、この宝具の核となる三つのトーテムを1つ破壊する毎に概念の強度は大幅に下がっていく。
この宝具を発動しているキャスターを倒すなら、トーテムを見つけ出し、破壊して弱体化を狙う。或いは自身も幻想の強いサーヴァントをぶつけて直接叩き潰す。この二つが定石だろう。
そして自来也の名が示す通り、この宝具は結界の内に自身がいる事で成立する。即ち、自身が結界を抜ければ宝具は消滅するし、発動時は確実に結界の中にキャスターが待ち構えている、という事。
強力な宝具である分、発動すれば決闘は免れない。まさに諸刃の剣。>>882
【Weapon】
『絡繰蝦蟇』
キャスターが操る、メカ蛙みたいな見た目の使い魔。
あまり大きくない見た目ではあるが、一体一体に魔力弾だの仕込み毒刃だのレーザーだの閃光弾だの爆薬だのとあらゆる技巧が仕込まれており、そこに加えて気配遮断を使うので厄介。
その上にキャスター霊基の人格となっているので、軽度の武装追加程度には手を加える事ができる。
本人の戦闘力が薄い分、大量の蝦蟇を上手く動かせば並のサーヴァント相手にも十分通用する。
バトルスタイル
無数の絡繰蝦蟇の使い魔を操った戦闘を得意とする。
キャスタークラスであるが故に近接戦闘は不得手だが、低ランクの気配遮断を持つ大量の使い魔を広範囲にばら撒いて操る為にこと情報収集には長けている。
また、使い魔の操り方がキャスター故に器用なので、蝦蟇で集団戦を取れば並のサーヴァント相手にもそれなりに戦える。
聖杯戦争であるならば、どこかに籠城し周囲を完全に把握しながら、攻め込まれた時に宝具の結界を解放して迎え撃つ戦法が定石となるだろう。>>883
【解説】
自来也説話、児雷也豪傑譚等に語られる義賊であり忍者。
蝦蟇の妖術を操り、あらゆる大立ち回りをする物語が作られていた江戸時代の架空の英雄…である訳だが、この英雄には二つのモデルが存在している。
児雷也豪傑譚に語られる、児雷也のモデルとなった豪族の子の武士、尾形周馬寛之。
そして、児雷也、自来也という存在の大元のモデルになったとされる我来也という宋代の盗賊。
この二人の人格に自来也の物語の幻想が合わさったのが自来也というサーヴァント、というのはアサシンと同じである。
最大の違いは主導権となる人格。このキャスター霊基では、アサシンでは表出していなかった盗賊我来也が霊基の主導権を握っている。
我来也とは自来也そのもののモデルとなった、宋代中国の義賊。
襲った家に「我来也(我ここに来るなり、要は俺参上的な意味)」と書き記したとされており、この男が後の自来也、或いは児雷也の物語の大元となった。
アサシンの児雷也の蝦蟇と刀を併せて戦うスタイルとは反対に、この霊基は蝦蟇を自在に操って冷静に、狡猾に相手を追い詰めていく戦法を取る。
アサシンが「御伽話としての英雄の児雷也」の側面が強いとするなら、キャスターは言うなれば「児雷也の幻想の大元となった盗賊自来也、或いは我来也」の側面が強い自来也と言える。
ちなみに生前どうやって義賊をしていたかと言うと、古代中華特有のテクノロジーの残骸を独自に改造した物を操ってスタイリッシュ強奪をしていたらしい。本人曰く動物みたいな見た目にしてたから大体今と同じだな、との事。>>884
【人物像】
一言で言うなら気怠げな兄ちゃん、みたいな感じ。
厨二じみたハイテンションのアサシン児雷也と違い、こちらは御伽話の児雷也としてのエミュはせずに最初から自然体で接している。
普段は怠そうに、雑にコミュニケーションを取る上「阿呆」「間抜け」という言葉を多様する為に感じが悪そうに見えるが、根は真面目かつサーヴァントとしての役割にも真摯。
普段ゴロゴロと寝転がってる様に見えても蝦蟇での周囲探索は常に怠らず行っている。気の抜けた様な行動は、頭脳労働にリソースを割いている為。
義賊故にある程度の正義感は持っているらしく、仕える相手は選びたいという感じでマスターの事は冷静に、冷徹に見極める。余程の悪事に使われそうな雰囲気を感じれば、暗殺して退去する事も辞さない。
……とはいえ、実は何だかんだで関わってしまった相手の事は放っておけないお人好しである為、ファーストコンタクトさえ大丈夫であれば何だかんだ認めてくれるし、しっかり最後まで付き合ってくれるし守ってくれる。
生前も、義賊を始めた背景は平民であった為に周囲の人間や仲間が困窮してるのを何とかしたいという物だった訳なので、根っこは人間好きなのである。
自分が大した功績を残していない、幻想によって形造られた霊基である事を自覚しているが、アサシンと違い「で?それがどうした?」というスタンス。
自分が大した事ないただの義賊?上等だ。そういう俺でもサーヴァントとして召喚された。ならやるしかねえだろ。むしろ燃えるさ。どうせなら、ジャイアントキリングって奴を派手にかましてやろうじゃねえか、ってな。>>885
なお、アサシンの時に表出していた児雷也の人格とは常に脳内でコンタクトを取っている。
キャスターは「やかましい厨二じみた甘ちゃんの間抜け」と呆れているが、何だかんだで信頼できる相棒だと思っている。この霊基では基本的に出ないが、キャスターが本当に蝦蟇操作に全霊をかけて集中したいタイミングでは、意識をスイッチする事で一時的に表出する事があるかもしれない。
聖杯にかける願いは、児雷也の物語に正史を作る事。児雷也の物語は、未完だったりバラけたりととっ散らかってる。それは何か気持ちよくねえし……何より、俺の中にいる、そっちの児雷也もそれを望んでるだろう、と。
ちなみに巧みな蝦蟇操作で誤魔化してるが、本人はド級のド運動音痴。正直本体を狙われたらかなり危ないと思うぜ、とは本人の弁。
あとは蛙をはじめとする小動物が好きで、暇な時にはシミュレーターで絡繰蝦蟇を動かして小動物複数窓ウォッチングを行い、癒されているという隠れた趣味がある。
イメージカラー:苔色
特技:映像とか画像の内容を細かに記憶する、機械操作
好きな物:ラムネ系のお菓子、蛙とかの小動物
苦手な物:面倒事
天敵:大岡忠相
髪の色:黄緑→再臨で白に変わる 瞳の色:紫 肌の色:黄色人種
【一人称】儂
【二人称】お前
【三人称】あいつ>>886
【セリフ例】
「…あ?ああー…こっちで召喚されちまったか…かったりぃな。……とりあえずクラス、キャスター。自来也だ。…ま、詳しい儂の説明は後でするが、儂はそんな甘くないからな。覚悟して儂を使ってくれよ、マスター?」
「あ…行くのかマスター?ちょい待ち、もう少しゆっくりさせろ。あ?時間の無駄?阿呆、十分な体力で動いた方が効率良いだろ。」会話1
「お前との関係だぁ?…早計すぎだ。まあ…ただの阿呆ではないんじゃねえのか?知らねえが。」会話2
「マスターとの関係…まあ、結構悪くねえんじゃねえのか、お前は。少なくとも、手ェ貸してやる価値はあると思ってるぜ?」会話2(絆3以上)
「主従か…ま、サーヴァントである以上当然だわな。ま、疲れすぎない程度に無理なくやりましょーや、って感じか?」会話3
「主従ねぇ…サーヴァントである以上当然だとは思ってるが…お前がもうちょい距離縮めていいってんなら、乗ってやるよ。…ったく、本当に物好きっつーか…変な阿呆だなお前は。」会話3(絆3以上)
「ようマスター、あっちの儂はどうだ?……アイツはまあ、甘ちゃんだし厨二じみた間抜けの阿呆ではあるが…覚悟はマジだ。卑下しちゃいるが…アイツは、十分強いぜ?」会話4(児雷也(殺))
「山中鹿之助…極東の忠義の将、か。あそこまで忠義を貫いて戦えるモンなんだな…凄え。英霊として見習うべき奴ってのは、ああいう手合いなのかね。」会話5(山中鹿之助)
「コシチェイねぇ…ド級の阿呆というべきか、ド級の間抜けというべきか……まあ、マスターとあっちの儂は気ィ抜いてるが、生憎儂は気を抜けない性分でな。……見る目は、緩めねえからな」会話6(コシチェイ)
「大岡忠相…江戸時代の奉行、だな。……できる限り関係は増やしときたいとは思っちゃいるんだけどな……盗賊とお奉行様だ。…ま、どうにもならねえモンもあるわな。」会話7(大岡忠相)>>887
「ほぉーん…あんなガジェットもあったのか…俺儂が改造して使ってたのは残骸だからな。まさかモノホンの中華ガジェットを見れるとは…サーヴァントになってみるモンだな…」会話8(中華ガジェット系を持つサーヴァント)
「忍者か…カッコいいのは分かるんだが、儂は忍者って言っていいのかイマイチ分からねえんだよな。俺、自来也って存在そのものは忍者で、でも俺の生前は義賊で、そんでサーヴァントになってる今は……あ゛ー、もういい訳分からん!!」会話9(忍者系サーヴァント)
「好きな物ねぇ…蛙は分かりやすすぎるか。あー…ラムネだな。普段から蝦蟇動かしまくる頭脳労働だ。ブドウ糖取るとこれがまあ凄い効くのよ。頭使う時試してみな?」好きなもの
「嫌いな物は面倒事だな。ただでさえこっちは普段から疲れてんだ。その上に疲労を重ねるとかはあまりしたくねえんだよ。疲労に疲労を重ねて、全力出さなきゃならねえ時にブッ倒れちまうような真似はしたくねえだろ?」嫌いなもの
「聖杯なぁ……胡散臭さが拭えねえが、願いは無いこともねえな。……だが悪いな。それを易々と言う間抜けじゃねえんだ、儂は。」聖杯について
「儂の願いを聞きてえのか?マジで?気持ち悪りぃ願いだぜ?はぁ……儂は…俺は、児雷也の物語に正史を刻み込みてえんだよ。何でかは……秘密だ。」聖杯について(絆5)
「…あ?何か用かよマスター?……生憎儂は疲れてんだ。面倒事なら他の奴に聞いてもらった方が良いぜ。或いは……そうだ、俺の蝦蟇とでも隠れんぼとかして遊んどきな」絆1
「…ったく性懲りもねえ阿呆だな…生憎今日も疲れてんだ。……って、それはお前も同じか。…しゃあねえ、俺の蝦蟇と食うつもりだったラムネ渡してやるから、それ食いながらそいつで遊んでな。いいな?」絆2
「…おん?何でそんな疲れてんのかって…?阿呆が、お前はマスターだろ。仮にマスターが不意打ちでもされちゃあ話にならねえ。だから蝦蟇使って安全確認してんだって話だ。お前ももう少し危機感を持て阿呆が。……おい、驚く要素あったかよ?」絆3
「…マスター、どうした?あ…?いつも気を張ってるから、シミュレーターに気分転換に…?はぁ、緊張感の無え奴だな。……まあ、お前は、そのままの方がいいか。良いぜ、たまには付き合ってやろうじゃねえの。……あ、一応言っとく。……運動とかはやらねえからな。…やらねえからな!!!」>>888
「…はぁ、よく分かった。お前は阿呆だ。甘ちゃんでお人好しでアホ面浮かべた超ド級の阿呆だ。……だが、まあ。阿呆は阿呆でも、お前は……凄い良い意味の阿呆、って奴なのかな。…何か分からねえが、放っておけねえっていうか…お前の力になってやりてぇって気はする。テメエでも分からねえがな。…ま、任せとけよ。お前はその阿呆みたいなお人好しのままでいい。そのまま、前を向いて進んでいけ。…お前がその面のままでいい様に、俺、いや…俺らも手ェ貸してやるからよ。」絆5
「さぁてと…蝦蟇の準備はOKだ。いつでも闘れるぜ、マスター」戦闘開始1
「我、ここに来る也。…いや、仰々しくする必要ねえな。……儂参上。これで良いな、行くぞ…!!」戦闘開始2
「ほらよ、可愛い蛙だろ?…まあ、こいつらで今からお前を潰すんだがな」戦闘開始3
「結界準備完了…終わらせるか」宝具カード1
「自来也の由来、お前は知ってるか?」宝具カード2
「デスフロッグフォーメーション!!…終わりだ!!」エクストラアタック1
「逃れられんぞ…儂の蝦蟇からはなッッ!!」エクストラアタック2
「幻想結界起動。我、ここに来りし者なれば、即ち此処は自来也が領域なり!!『三柱結界・自来也(われ、ここにきたるなり)!!」宝具1
「我は夢幻の御伽の義賊。だがこの時は、我は幻の英雄とならん…!!これぞ我が幻想結界、『三柱結界・自来也』!!」宝具2
「…儂をただの義賊だと侮ったな?……阿呆が、それがお前の敗因だ」勝利1
「よしよくやった儂の蝦蟇。かわいいな儂の蝦蟇。かわいいな……ん?マスター、何を見て…触るか?」勝利2
「幻想の存在であるからこその必勝策もあるんだぜ、間抜け」勝利3
【因縁キャラクター】大岡忠相(盗賊と奉行、かつもう一人の人格と同時代である為)
【他クラス適性、変化傾向】アサシン(別ページあり。このページでも少し触れた元武士の方が主人格となっている)
【製作者】京極>>866
自分からアクション起こす要員として設定された王子は伊達ではないのです
これ同じ話題を名無し女子ーズでやったら悲惨なことになりそうな…興味ゼロで勉強するのが最低2人いる…
>>867
ルナの前で暴露だと…言葉通り受け取っちゃうor興味ゼロで聞いてないの二択となるでしょうね…
>>868
なるほどこういう…こういう感じでいいのかこの話題のときのクラッフくんは…!
そして普段は全然崩れない…ふむふむ
>>875
まあまあまあデセフィオくんサイドも意識しまくってはいるけどそっち側の感情を抱くことはないだろうから安心安全
……全然女の子として意識してますよとか言われたらどうしよう。緊急脳内カーニバルになっちゃう
>>876
だからこそのモートン先生。ちゃんと怒ってくれる大人の存在のありがたみ…!あ、新訳空野恋のプロフに書き忘れてたんですが恋姉は護身術兼強化した身体能力の活用法として格闘技(特に足技)を使うので東リベのマイキーみたいなキックが出来ます。
あとライカ同様『父親の素養を引き上げた子を産む体質』は続投です。
>>875
ふへへ。五人姉弟のお姉ちゃんですからね。そんなしっかりしたお姉さんでも父親には逆らえないという魔術師の歪んだ性。おっかしいなぁ、姉弟全員父親を正面から殴り〇せるくらい能力に差があるはずなのになぁ。
>>876
自傷ダメージを受ける攻撃を繰り出しながらリジェネで回復。みんなやったことあるよネ☆それを生身の自分でやるのが恋姉ちゃんです。狂っとんのか。
>>891
昔の自キャラは簡素なキャラシが多いので機会があればどんどん最新版にアップデートしていきまする。
全身くまなくタイプですね。コンプレッションウェアで検索したら色々出てくると思いますが首から上、手首から先、足首から下以外は全部覆われてるイメージです。だから可愛くないって普段は着ていないんですね。ちなみに術自来也は星3的なイメージです。A補助宝具で敵全体デバフ+味方バフ+幻想系対象にした結構強めのバフみたいなのを持ってるサポーター系イメージ
>>891
派手なアサシンとは違って遊び無しで潰すパターンのキャスターにしたいなって思った結果こんな感じになりました
アサシンはカルデア時空向け度が強い感じなので、こっちは聖杯戦争とかで使ってもらえたら嬉しいなーって感じですね。中ボスでも共闘する味方でも映えそう
>>893
アレっすね、うちのサーヴァント真っ向から殴るタイプばかりだったので一回こういうタイプ作ろうかと。
やる気無さそうに見える外見とは違って割と真面目にマスターの為に頑張ってるおじさんです。聖杯戦争なら最初やる気無さそうだなコイツ…ってマスターが訝しむ→それを知って絆が深まるみたいなのとか良いなーって思ったり
>>895
本来はアサシン霊基だけにするつもりだったのがアドバイス貰ってやっぱ術作るべきだなって流れになったんで、殺の時に没った方向性をもう一回組み直して作りましたぜ
ほほうこっちの方が好きと。コレ皆さんはどっちの自来也が好きか聴いてみるのも面白いかもな…
>>896
オルタじゃない別側面系サーヴァントを一度作りたかった所はあったんで実績解除できましたね。やったぜ!!
第三は殺の方と対になる感じにしたらカッコいいやろなって思ったんすよね。まあ前の殺児雷也の立ち絵よくてよ0だったのでそっちも1から練り直す必要があるんですがね…悲しい事件でしたね…>>890
事実上の二重霊基みたいなものかな?
アサシンの人格ともコンタクト可能ってのは何気に強いけど、運動音痴なのに生前はよく義賊やれたな…。
忠相「義であっても賊は賊。裁くべき時が来たれば裁く。町奉行とはそういう者であります。あ〜、私がカルデアにいる間は何も仕出かさないでくれないかなぁ…」(わざとらしく明後日の方向を見ながら)
自分で目撃したり、証拠があれば容赦なく追求・処断しますが、義賊相手だと普通の賊相手とは違って心情的には僅かながら迷ってしまうので、せめてカルデアにいる間は大人しくしてくれないかなーって思ってます。
忠相は生前、同情の余地ZEROの兇賊や権力で罪をもみ消す巨悪を散々見てきただろうし。
絡繰繋がりで景清、凌振、ハダリーへの言及を頼んます。「………朝か」
ナキが大怪我を負ってから、これで二日目の朝だ。意識を取り戻してはいるが、連戦の疲労や苦痛は冷めることなく。朝になっても中々に目が覚めない。エネルギーの消耗が嫌なのだろうか。土日休みが連続して助かった。
痛みにうめきながら脂汗が滲むナキを見ていると、ロートゥスが寝ているわけにはいかない。輸血パックを摂取しながら、汗を拭いて、水差しで水分補給をさせてやる。本当の一般人なら、ここでリタイアだろう。
「恐るべきはその回復力かね。そりゃあ、治癒の魔術は定期的にかけちゃあいるが……にしてもおかしいだろ。魔術刻印すらないのに」
左右の肩と腕が外も内もずたずた。たとえ魔術師であろうとも、回復するのにはそれ相応の時間を要するだろうという大怪我。それが、驚異的な速度で自然に治っていく。最初は刻印などに刻まれている自動治癒の術式と比べても微々たるもの。しかし段々、日を置くごとに回復力は増していった。何故だろうか。何があったのだろうか。………前々から異常だと思っていた秘密と関係あるのだろうか。
「手っ取り早いのは解剖だ。肉体的に、霊的に、どちらからもアプローチすればすぐわかるだろう。儂ならできる。……とはいえ、だ。そこまでのことをして中身を暴きたいかっつーと……どう思うよ、殺人騎」
「私見を述べるならば、そうですね。マスターの両親を調べる他ないかと。外的要因、内的要因、マスターの異常性がどちらであっても一番関係性が深いそこが怪しいですね」
「だよなぁ。………あ?そういえばテメェ、霊基再臨はどうしたよ」
「最後にマスターの許可を得るところまで済ませました。綾姫の呪体による再臨術式の補助がなくとも私なら星の雫単独で事足りますから。マスターが寝込んでいるうちにちょいちょいっと」
…………じゃあ、綾姫の呪体はどこにいった?儂の前で嘘を貫き通せる人間なんて少数だ。目の前の殺人騎は真実、星の雫のみで霊基拡張の補助が可能だと考えているようだ。ネコババしたとは思えない。ならば、ツユたち?それも薄い。彼らが呪体を手に入れることはない。なぜなら、ナキに直接呪体を返して、ナキの身辺の世話をしているのは儂と殺人騎だけだから。アイツらは人間で、疲労するものがあるといって儂ら二人で請け負った。だからそれはできない。する隙がない。「呪体には触ってないんだな」
「はい。不思議な話もあるものですね。あなたも、私も、触っていない。マスターに託し、マスターは自分の側にそれを安置した。なのにそれがなくなっている。なら、答えは一つでは?」
「………いや、お前。人の身だぞ、耐えていいもんじゃあ」
「もう既に、一度通った道だとしたら?私たちは先程話したではないですか。マスターの異常性がどこに起因するものなのか」
まさか、そんな。いやでも。筋は通る。だがやはりおかしい。これが初めてではなく二度目なら。ただ、呪体をそう簡単に触れられる立場にいていいものか。……いや、それも関係ない。ナキの父親がそれ相応の立場にいればそんな偶然もあるかもしれない。そこはまだ調査が必要だろう。だが、“もしも”は成り立つ。
「………耐えたのか?人の身で、移植するための儀式もなしに?」
「そこでさらに発展して。外から、内から、だけでなく……或いは両方、とも。そう考えることはできるでしょう」
「………運が良……いや、違うな。そんなの、運が悪すぎるだろ。コイツはそんな生き方をしたわけでもねぇのに」この先の1レス、ほんのちょっとショッキングなシーンありけり
ナキが夢中で何かを殻ごと貪るシーンですなにか、美味しくないものを食べている。まだ眠たい意識の中で、それだけはわかっている。だってこれ、美味しくない。生臭いし、変に甘酸っぱい。
ばりばり、がりがり、ぼりぼりと、表面の固いところを貪っている。カニとかエビだとそういうところは捨てるけれども、これはカニでもエビでもないからちゃんと残さず食べる。一つも残してはいけない。だってこれは貴重なものだから。美味しくないけど、美味しそうに、ありがたがって食べる。
夢なのかとも思ったけれど、夢にしてはあまりにも痛い。表面を噛み砕いた後の断片がが口の中に突き刺さり、血が出ているから。本当は気をつけながら食べるべきなんだろうけど、そんなことをする暇はない。早く食べないと。たくさん食べないと。
「んぐっ……あ、がっ゛……かたい………くさい」
表面を全部食べ終わって中身に齧りつく。固くて痛いだけだったものよりは少しは美味しくなるかなって思ったけど、どうやら間違いだったらしい。ブヨブヨと筋張ったところはなかなか噛みきれないし、柔らかいところも生臭い。脂も、血も、美味しくない。ユッケなんかが美味しそうに見えるのはちゃんと処理されたものだからなんだろうな。
でも、たくさん食べないと。全部食べてしまわないと。美味しくない。まずい。きらい。でも、食べないと。治るためには食べないと。だってまだすることがたくさんある。許してはいけない◾️がたくさんいる。それを全て◾️◾️して、◾️◾️◾️◾️◾なるためには、食べないといけない。もったいないから全部。
「んっ……あ、むっ……ん、ぐっ………はぁ……もう二度と食べない」
肉を食べた先にある骨髄みたいなものを噛み割り、その中にある液体を飲み干す。カーっと喉が熱くなるような感覚は高い度数のお酒を飲んだときみたい。ただ、とにかく不味い。汚水を飲んだほうがマシってぐらいには不味い。でもなんだか懐かしい。きっと食べたことがある。
外も中身も全部食べた後、ふと辺りを見渡す。当然目に入るのは、手についたり、床に飛び散った脂や血。それも全部勿体無いから綺麗にしゃぶり舐めとる。側から見たら人ではないのかもしれない。でも仕方ない。だって必要だから。だって足りないから。全部食べ尽くしてなお、足りない。もう少し、もう少しで開けるのに。「あら、精が出るわね。そんなに人でいるのは億劫?」
鈴のような声がする。人ではないと思えるほどに綺麗な声だ。振り返ってみると、美しいドレスの裾を握りお辞儀をする女がひとり。
どこかで見たような気もするが、なんだったか。最近仲良くなった気がする。よくわからないがなんだかとても良い匂いだ。美味しそう、たまらない、上等な◾️であり、◾️である。こんなに良い条件が揃った◾️も中々にいないだろう。
確信した。彼女を食べれば自分は完全になることができる。知らない仲でもないのだし、きっと受け入れてくれるだろう。ちょっと齧るだけ。ちょっと心臓をもらうだけだ。脳でも良い。ああ、別に食べるという行為でなくても良い。◾️◾️でも十分に奪える。初めてだが……上手くできない不安は全くない。不思議なものだ。
「良いんじゃない?こちら側に来るのも、来ないのも、あなたの自由よ。どっちに転がっても面白そうだし私は否定しないわ。ただ、そうね。大事な人たちを愛するのであれば、まだ早いわ」
何か喚いている。うるさい。黙って大人しくしていれば痛くしないのに。そんなに無防備なままで何ができるというのだろう。そんな柔らかくて、細そうな首筋、すぐに食べられちゃうのに。
「それと一言述べるのならば……図に乗るな。我が血の一滴すら下賜するには上等すぎる。身の程を知れよ」
ごきり、という鈍い音と共に視界が狭く暗くなる。なんだかよくわからないけど、首にとてつもない衝撃がした。もしかして、掴まれて、首の骨をへし折られたのだろうか?いったいいつ?全く動きが見えなかった。あまりにも速すぎる。
死ぬときって、こんなにあっさりなんだな。それが僕の最期の感想だった。>>896
そうですね。恋が重いものとかひょいと持ち上げた時とかに「流石の怪力ですね」とか言ったらムスッとしちゃいます。女の子だもん。
あと漫画の引用セリフとかも言っちゃったりしてもいいかもしれません。ちなみに恋(弟の瞬)がよく読むのは集英社の漫画です。
>>898
ですです。物によってはインナーではなくそのままでも通用するやつです。まあ恋のやつは上に着ないとちょっと恥ずかしいやつなのですが。
何故って?ボディラインがバッチリ出るやつだからです!
>>900
キャー、気怠げな昼行灯オジからしか摂取できない栄養素〜。
あ、裏ページ更新してます。
>>901
厄介なのが空野父は地域密着型の土着魔術師なので無駄に顔が広いんですよね。そんな大地主が変死したり家族に〇されたとなったら変な噂が立って折角ご先祖さまが長きに渡って確保してきた霊地の利権に響いてしまうんです。
なので何とか穏便に“事故死”して貰う為に画策してるという訳です。
それに大鳳父と違って一部の時空では改心して子供たちと和解出来ますしね。
京介と恋は幼馴染なので京介伝で朽崎兄妹も恋姉と会ったことがあるかもしれませんね。>>902
あたった
ゴールデンやなぎこさんみたいな近代っぽい中世のサーヴァントとかはいるけど、近代だけど古代っぽいサーヴァントは確かに結構珍しい気がする思えばルナの周りって本当に恋愛要素ないな…
男の子との関わりもないどころか結構あるのに…不思議…お知らせ
あやかさんと俺の鯖の水着女性鯖三人衆で去年のサバフェスのラウンドナイト三兄弟ネタ絵を描こうと思っていましたが…やめました。
というよりどうせだし今年の夏まで温めておきたいというか、この面白ネタを一発のこれやりたかっただけだろネタで消化するのはアレだなと思ったんすよね。
本当にあやかさんには申し訳ないですが、まあリクのタララーワさんはしっかり描くのでご容赦を。もしアレならもう1つ位リク受け付けるので…
>>899
正直ユーさんのバルバロッサみたいに二重霊核スキル付けるのも結構アリかもなって今少し迷ってます…二人で一人な訳だし低ランクで付けてもいいかもなって気持ちとそしたらアサシンに至ってはスキル5つになるやないかという気持ちでこころがふたつある…
とりあえずこのリプ返レス投下したらすぐ言及書きに入りますのでもう少々お待ちを
>>903
>>910
>>912
ふむふむ…術2殺1って事はやっぱキャスターのが人気高いのかな。
今後の色々の参考にと思って聞いてみましたが、となると今年の推定ヴェネツィア夏イベの霊衣はキャスターの方で行くべきかな
>>909
ナキ君…!?怖いよ…どんどん怖くなってきてるよナキ君…?
というかまだ最初のガチ戦闘パート終わったばかりなのに既に厄ネタがエグい数出とる…
やっぱり現状主要キャラが全員隙を見せない様なしっかりした格の高い奴ばかりですし、明らかな噛ませっぽい奴とかコメディリリーフ系が一切存在しない分凄い緊張感と恐怖感が段違いですねこの聖杯戦争。めっちゃ好きだけどめっちゃ怖い…マジで展開が読めん…「先生、強かったでしょ」
「ええ。礼装も戦い方もあまりに殺しに特化しすぎている。ツユと俺じゃあとても敵いそうにありませんでした。……探究を主とする魔術師としてはどうかと思いますけどね」
「あははっ、でもねでもね!あれであの人研究も政治も天才級なの!生徒みんなの功績でも、先生を抜いた人はまだいないぐらい!なんなら今度先生はまた表彰されるらしいし!………エルメロイ教室との違いは多分そこだろうなぁ」
あの人は常に前を行く。嫌になるような煌めきを、私たちに見せつけてくる。だというのに……ずかずか前を行く癖に、みんなの手を握って引っ張っていく。私を信じろといつも言う。
つまるところ、隙がないのだ。弱みが一つもない。そんな人に付いて行きたいと、みんな思えるだろうか。それじゃあ生徒の心象も自ずと変わっていく。セナにさまざまな感情が生まれるが、良いものばかりじゃない。
尊敬、崇拝、思慕、憎悪、侮蔑、無関心。ただの生徒と教師の関係だと言い切る魔術師もいれば、舐め腐っているとキレ散らかすモンスターもいる。人生に光を示した恩師だと最大の感謝を述べる者もいる。仮にセナが対外の敵に追い込まれた時……“あの教室”と違って、それは生徒たちの敵にはならない。
「でもね。あの人はそれでいいと思ってる。自分を蹴落としにかかるのも、自分に恩を返してくれるのも、自分と何処までも疎遠になっても、それら全てを等しく受け止める。全部立派な生徒の門出だって祝福してくれる。こっちが何を返しても、返さなくても、あっちは先生として十の庇護と百の愛をもって寄り添ってくれる」
「………作品とか言ってましたけど」
「そうそう。そこがあの人の歪んでるところなの!生徒が立派に育つこと。私たちの人生が、私たちの望む光のままにあること。そのための学生時代を、セナ先生の全てをテーブルに載せて実現する。そうして出来上がった、青春を経験し卒業した生徒たちこそ……人生を賭けてセナ先生が創り上げた、美しい作品なんだって」何処までも自己陶酔。生徒の青春を守り抜くのも、彼らの道を応援するのも、全ては己がため。側から見たら歪なのかもしれない。それは他人を私物化する行為で、ただの自己満足。余裕がある者の道楽なんだって、そう結論づけることもできる。でも。
「私は、先生に救われたなぁ。今みたいな高校生活も楽しかったし、あの教室でのわちゃわちゃした魔術師の世界の学生生活も楽しかった。あの人、生徒のためならマジで本気だからね。生徒してたら嫌でもわかる。それに、ね」
あの人は気づいていないかもしれないけど、私に限らず、あそこにいた全ての生徒の記憶の中で。あの教室の経験が、色褪せたものとなることはないだろう。色はさまざまかもしれないけど、少なくとも死に果てることはない。あまりにも鮮明で、脳裏に焼き付く人生の一欠片。
「………未練たらたら。戻ればいいのに」
「そんなキラキラした教室だったから……私は自分が情けなくて嫌になったんだ。というかそうじゃなくって!あの時の先生の言ったことの話がしたいの!……あれ本気じゃなかったの?」
ツユが本気を出していない、のは以前ロートゥスに示した通りだ。下手に本気で魔術の真髄を見せれば捕捉される。それは嫌だから、基本的な魔術や、一歩自身の家系の領域に踏み込んだとしてもそれ以上は踏み込まない使い方をしている。しかし、ルフが本気を出していないというのはツユにとっては意外な話であった。今までずっとやってきて、あれが本気だと思っていたから。出会ってから今に至るまで、手を抜き続けていたのか?
「………俺の師は、化け物です。まず肉体は常人ではない。銃弾飛び交う戦火の中を、剣と弓で駆け回るんだから」
「うん。まあ、そうね」
「ですが。その化け物に師事したのが、俺です。普段はナイフや銃なんかをよく使いますが…手足を使った体術以外はあの人の専門外。となると、俺が一番扱いが上手いのは剣、そして弓です。それを使わないとなると、本気でないと言えるでしょう。加えて……」ルフの視線の先。いつのまにか壁に、剣と弓が立てかけてあった。魔術師でなくとも一目でわかる。あれはきっと良くないものだ。人類には害になるものだ。瞬きのうちに虚無へと消えたそれらは、物質界にあっていいものではない。
「妖刀魔剣の類と、曰くつきの鏃。それが俺の本命です。使う気はないですが」
「どうして?さっきの言葉だと、剣とかを使った方が強いって思えるけど」
「なんでわざわざ大振りの得物で敵の懐に突っ込むんです?それなら狙撃で殺した方が自分の身は安全だ。生きてたやつが強いんですよ。能力とか、生まれ持ったものとか、関係ない。死んだから弱い。それだけだ」
死ん.でいったもの。失ってしまったもの。それらから目を背けたがるような声。強がりの裏で、消え入るような弱さを吐息として吐き出す唇。虚しさを埋めたくて、零れたから満たしたくて、琥珀色の液体を流し込み、嚥下する喉。……初めて、ルフの弱さが見えた気がした。
「というか、アサシンとは和解しておいてくださいよ。それが嫌で、参戦するのも嫌なら自害させるなりなんなりしてください」
「………私は臆病で、見栄っ張りだから。もう少しだけ、時間が欲しいかな」
終わりです。次回、学園生活で絆レベルを上げる編
>>916
多分ナキが一番色々抱えてるまである
サーヴァントはともかくマスター勢は二人を除いて能力がチートじゃない分色々考えて動ける人たちで作りたいですよね、という>>899
藤原景清
「藤原景清…義賊だったとはいえ、儂も平民だったからマジモンの将って奴を見た事が多い訳じゃあねえが…ありゃ凄えな。絡繰の粋としても、将としての圧としても。…小僧の方の儂からも聞いたが、源平ってのはどうなってんだマジで」
凌振
「おう、お前さんが凌振だな?同郷の近い時代の絡繰関連の奴同士、お前さんとは話が合うと思ってたんだ。良かったらシミュレーターで宋の景色堪能しながら話でも…あん?確かに同輩ではあるが?実はヂェンはもう少し後の世紀から…?汝の時代に、偶然漂流した…?オイちょっと待て!!タンマだ!!……話のスケールとベクトルが思ってたより全然ヤベェんだが…?」
話しかけた時点では景清(藤原)みたいにその時代で作られた梁山泊ロボ的な感じのをイメージしてたんだがいきなり19世紀からタイムスリップとかいうパワーワードを出されて宇宙猫になってる自来也おじ。
ハダリー
「…近代のアンドロイドってのにはもう驚かねえが、運命の奴…か。儂、いや、児雷也の物語だと運命の人みたいな蛞蝓操ってた奴がいて、物語によって結婚したりしてなかったりと色々あるらしかったのよ。…ま、儂らの幻想の惚れた腫れたってのがそんな感じな訳だ。確かに存在してるお前さんも、好きにやってみりゃ良いんじゃねえのか?」
本当は「どうなってんだ…」を天丼しようと思いましたが…やめました。
まあこっちの自来也はオジサンなので、こういう話はしっかり聞いてくれそうだなと。怠そうにはしてるけど無関心って訳ではなく、それどころかしっかり気を遣える系イケオジなんですねコイツは
つーか書いてて思ったけどオーパーツ改造して蝦蟇型にして使役して義賊するのってこの3騎見ると割とスケール小さいな…まあ幻想のモデルだしそうなるか…>>923
スタンスはかなりイカれているのですがそこから出力されるムーブが生徒のために命賭けるちゃんと生徒想いの先生でよくわかんなくなるのがコンセプトの一環なのでそう受け取ってもらえて嬉しいです
あまりにも色々出来すぎてしまうせいで「なんだテメェ!!」という反骨心に火をつけたり「卒業した後は出来れば関わりたくないなぁ」と思う人もいたりします
もちろん逆に「先生好き!良い人だよね!」って人(ツユはこれ)もいれば「ワシってもしかして先生好き(LOVE)なんかもしれん…」もいます俺は気付いてしまった…
自来也おじ、自鯖で趙雲君以来のガチなツッコミ鯖になれるポテンシャルあるのでは…?
「そんな胡乱な案件関わったらこっちの頭がおかしくなるわド阿呆が!!」ってトンチキから逃げようとするけど逃げられなくてヤケク.ソでやってやろうじゃねえかよこの野郎!!ってなる絵面が普通に見える
>>920
セナ先生やべえな…グローリアンといい、山星さんの強い魔術師は正直ムカつくし一発殴りたいけど強さ的にも実績的にも、そして良い側面とかも合わさってブン殴りたくて拳を振り上げても殴る事ができない感じが上位の魔術師みあって良いですね
でも今回は聖杯戦争だから合法的に殴れますしね。俺は自分が絶対優位、絶対格上と思ってる奴の鼻を明かす展開が大好きだし今回は敵陣営なのでド派手にカマしてほしいですね…
そしてルフ君、諦観持ってるけどさては相当強いな?本人は力使いたがらないけど何か切っ掛けがあったら絶対覚醒して強くなるタイプじゃな?
>>926
確かにそうですね…ンンンンまさに!!正論!!
こっちは古代中華テクノロジーの残骸を改造して小型ユニット量産してた感じですからね。確かに項羽とかガラテアを引き合いに出されたら確かにそこそこ優秀なる自来也も怖気付く訳ですわ
>>929
良かったです…!!やっぱスレ絵師の中では下位打線な俺の絵でも喜んでくれる方がいるってだけで本当にモチベになるし有難いです…今後もリクあったらジャンジャン頼んでもろて大丈夫ですよー
タロットはアレですね、本当は右手で髪を触るポーズにしようと思った→構図がなんか上手く描けんからポーズ変えよう→キャラシ見る→そういや占い趣味だったなタロット持たせるかって流れになったんすよ。
そんでタロットの暗示とキャラシ見比べたら見事に合致してるなって思ったので描いてみたんですが、どうやら解釈ピッタリだったみたいなのでマジで良かったです
そしてタララーワさんの占い結果ロクでもねえ…恋愛関係的なドロドロ度で言ったらこのスレの鱒でも上の方に入るのではって気がしますね。お労しや…>>930
魔術師らしく、なおかつ先生らしく、を突き詰めて出力するとこうなりました。歪さは見せたので次はもうちょっと先生らしいところも見せたいですね
「能力とか関係なく生きたやつが強い。死んだやつは弱い」がルフの根底にある考えですヴェネツィア夏イベント、せっかく仮面という美味しいネタがあるので「変身」をテーマにしようかと画策中。ヒーローだったり魔法少女だったりという風に。もちろん水着も
ただ「変身」した上でなにをするかまったく浮かばなくて手詰まり中です
ヒーローサイドとヴィランサイドに分かれて抗争中、みたいなのは面白くなりそうではあるけど大人数でバトルメインはどこかで必ず詰まるからボツ
かといってなんの事件も起こらないコスプレ大会にするならイベントとして書けるものがない
こうなってくるとテーマ選びから間違ってるんじゃ……という感じに迷走中でございます
夏むずかしい
>>925
それでも恋愛モノ好きとしてはどこかしらでなにかしらあってほしい……けど、こういうのって無理にねじ込んで崩壊するまでがセットな気もするので大人しくします
別キャラでやろうナチスの聖杯戦争を真面目に考えると、割と他国が介入する余地ってないんだねってなる。
後、セイバーを主人公の相棒にしたい時の英雄選定が難しすぎる。対ドイツ(ゲルマン、北欧勢)へのカウンターになるサーヴァントと言ったらアッティラしか思いつかねぇ。>>930
何が酷いって、アレでも男運に関してはビオランテより遥かにマシなことで…(運命の人が2人いて、両方と添い遂げてる)。そういやぁCBCイベントが終わったから言及できますけど、聖杯くんって自身の出力や所有者の願望次第では
「コレ主の精神弄って『叶った!』の誤認させた方が楽だわ」するのって地味な驚きですよねー。
皆さんの手持ちには催眠されそうな願望持ち居ます?水の都といえば水上レース大会ですよ(ポケモントレーナー感)
>>947
ああなるほどサブイベント想定的な感じですか
そうなると複数人でやるならイベントの大きすぎないのをいくつか用意して「一方その頃…」的に進める方が良いのか…うーんそしてスレを建ててきましたー
承認お願いします>>932
変身がテーマでバトルメインでない…
という事なら舞台の提案なんですが、北極とかラスベガスよろしく複数のテーマのエリアを作る感じとかどうでしょう?
新規水着キャラとか今までの水着キャラにメイン担当のエリアを作って、ヴェネツィアの各地をその変身の雰囲気にする、みたいな感じにするって感じです
そんでバトルメインじゃないって訳なので、そのそれぞれのエリアで色々イベントしたりトンチキしたりみたいな感じの独立したシナリオ作りゃいい感じになるんじゃないかなと思います。それこそレスで出てた水上レースも行けますし
それぞれのエリアを本格的に参加したい作者さんで1つずつ考える、みたいにすりゃある程度のコンセプトの違いもエリア差で何とかなりそうですし、少なくとも3つ位は作れるんでないかなと
どうっすかね…産業革命の話、少し出来たので投稿します。
魔術都市ヴィクス・ヘルヴェティクス。
スイスの山中にありし時計塔の管轄する都。
それ自体が一つの支部にして、アルビオンの深奥に位置するかの観測礼装を模した礼装の一つが鎮座する拠点でもある。
しかし、街中を闊歩する人間が全て魔道の徒という訳でもない。
魔術師。
魔術使い。
魔術の存在を知る立場の非魔術師。
魔術世界と何らかの関わりを持つことだけが共通点の住人がひしめき合う。
表の社会でスイスという土地自体が政治的な意味を深めていく中、ヴィクス・ヘルヴェティクスもまた、時計塔内の派閥や外の魔術組織の折衝地帯としての存在感を深めていた。
白い壁と赤い屋根を基調とする童話のような石畳の町の中に、時折、幾何学模様を刻まれた中東風の建築物も見られる。
こうした建物は中東の呪術組織の折衝要因が使用し、衝突冷めやらぬ時計塔と組織の最低限の橋渡しとしての役割を持っている。
表社会の国々の表現に合わせれば、魔術世界の大使館といったところだろうか。
「大使館」の中は極彩色のアーチや装飾で満たされ、談合の場で使われる部屋は設置された水タバコ(シーシャ)の煙が立ち昇っている。
シーシャを楽しむ連中の大半はターバンやゆったりした布を纏った魔術師だが、一人だけ顔立ちが異なる者が混じっていた。
ピッタリとした高密度のジャケットとズボンを着こなす赤髪の白人男性が慣れた様子で吸い口(シプシ)から口を離し、煙を吐く。>>964
赤髪の男はオルダン・アードゥル。
火そのものを魔術基盤とする灯明魔術を修めるアードゥル家の当主であり、トルコに国籍を持ちながらオルダンの代で西洋魔術の枢軸である時計塔に参入するという変わった経歴の持ち主だ。
そして、本拠としている土地の関係から時計塔には珍しく呪術組織と比較的良好な関係を保っている魔術師でもある。
寛ぐオルダンに、少しばかり嫌気を混じらせた口調で部屋の外から声が掛けられる。
「オルダン、アンタにお客さんだ。時計塔の考古学科(アステア)からの使いだとよ」
緩やかな動作で立ち上がったオルダンは微笑みながら答えた。
「ありがとう。すぐに行くよ」
使いこと考古学科の魔術師、ネストリス・メルアステア・ワディンガムは呆れた様子で口を開いた。
「時計塔の施設を指定してくれればここの人間に睨まれずに済んだんだがね。 君が来るまでの短い間ですら針の筵の気分だったぞ」>>966
ネストリスがオルダンと出会ったのは10年前、表世界の欧州の各地で革命の嵐が吹き荒れていた時期である。
時計塔では革命に乗じて聖堂教会への武力を用いぬ類の攻撃や、英国本土の自由貿易主義の流れを巡ってのさらなる派閥間の衝突など、権力闘争が勢いづいていた。
ネストリスは元来権力や地位に対する執着心が薄く、利権を求めて条件の良い教室を獲得するために血道をあげるよりも、小さな教室でも研究者として穏やかに研究を続けることを好む男だった。
研究第一主義のメルアステアの基準ですら野心が薄く、産業革命以降、考古学に今まで以上に金が必要になってからの考古学科の中では尚のことだった。
ネストリスは当時の時計塔内の淀んだ空気を嫌い、一時的にトルコでフィールドワークに励んでいた。
そしてギョペグリ・テペ近辺で発掘作業をしていた折に、同じ場所に先に居合わせていたオルダンと出会った。
饒舌に話しかけてきたのはオルダンからだった。
無論、最初は馴れ馴れしいオルダンを警戒した。
しかし、オルダンは腹の探り合いをせずに、むしろ明け透けなまでに自分の家や魔術の将来に関する不安を口にした。>>967
「我が一族は宗教的な部分から発展してきたからこそ、今まではこの国とも馴染んできたんだ」
「産業革命とやらで魔術にかかる金の流れが変わってからは、祖国で築いてきた立場にしがみ続けることが最善に思えないんだよね」
「そもそもトルコに根を張らせてもらってはいるが、僕らの家伝は肉体を作り替えるような中東的な呪術とは縁が薄い」
それが生産性のない愚痴ならネストリスも無視したであろうが、真剣に自分たちの魔道の未来を模索する姿に少しばかり心を動かされてしまった。
元々が時計塔社会では温和すぎる部類のネストリスが聞き入る程度には、堂に入った話し口だった。
自分でも気が付かないうちに「時計塔に所属してはどうか」 という言葉が口をついて出たのだ。
今や魔術社会の筆頭であることに変わりはなく、自国にのみ基盤を持つことにリスクを感じるのならば籍のうえだけでも時計塔に軸を置くのは悪い提案ではないように思えた。
派閥問わず血統主義が渦巻いているとはいえ教育機関としての顔を持ち、他組織とはアクセスできる資料の質量共に雲泥の差があることは事実である。
所属した後のことまでは関与できないとはいえ、道筋を示すくらいは構わないだろうと軽く考えていたのもある。
「なるほど考えてみるよ」と言って笑ったオルダンの油断なく光る瞳を見た時、ようやく不味いことをしたのかもしれないと悟った。>>968
倫敦に戻った後、明らかに元から時計塔入りを考えていたとしか思えない迅速さでアードゥル家は籍を置き、時計塔そのものに積んだ大金とは別に、考古学科に個別の資金提供をしたのだ。
「現地で出会った考古学科の魔術師からの口利きで時計塔入りを決めたのだ」という言葉を添えて。
産業革命以降資金繰りに悩む考古学科にとって無視できない莫大な献金を背景に、急速にアードゥル家は考古学科内部で存在感を示し始めた。
灯明魔術が西洋魔術的なアプローチと親和性が高かったことも一因であるし、あくまで考古学科への介入にのみ注力した為に、他派閥からのアードゥル家への目が黙認で済まされたという事情もあった。
しかし、君主のメルアステアの伝統と権威はアードゥル家ごときで揺るがぬにしても、新参にパイを奪われた末端の教授たちからすれば面白い話ではない。
メルアステア学派内での躍進に従い、切っ掛けの口実を与えてしまったネストリスには厳しい視線が向けられる羽目になった。
温厚なネストリスといえど、悪目立ちさせられたこの事態に、時計塔で顔を合わせた際には流石に苦渋の表情で怒鳴りつけたが
「うん? 身の上話をわざわざ律義に聞いてくれたあたりで、政治屋タイプじゃないと思ったんだよね。 だから睨まれても、ダメージは少ないだろうと思ったんだよ。 違った? だったら申し訳なかったね」
「あ、それはそうと貴方ってメルアステアの人間だったんだってね! ただの考古学科の一研究者ってよりは僕にも箔が付くから助かったよ!」
完全なまでに邪さを宿さないあっけらかんとした笑顔に、関わったこと自体への間違いを悟るしかなかったのだ。どうにか間に合った…!
今年の四月馬鹿SS、今から投下致します!>>973
第16話『掘り出し物で危機一髪!?』
今日も今日とてクチサキに命じられるがまま仕事に赴くクロノとシュンロン。
宇宙船カタコンベ号に乗り、広い宇宙をナビの誘導に従ってひた走る。
「で、今日の任務は何です?」
『簡単なお使いだよー。ナビに登録した座標で停泊中の宇宙船まで行って、その乗組員からお荷物を受け取ってくるだけのお仕事サ!』
ナビに誘導される事およそ2時間。
目当ての宇宙船がようやく見えてきて、クロノはほっと一息つく。
「目的の宇宙船らしきものが前方に見えました」
『オッケーオッケー。じゃ、そのまま接舷して中に入っちゃって。話は既に通してあるから、呼びかけとかはしなくていいよ』
「了解です。……そういえば今更なんですけど、例のお荷物ってのは何なんです?」
『あれ、言ってなかったっけ』
『確か惑星アルビオンで発掘された、竜種らしきものの卵だって』
接舷から三十分後。
クロノ達は絶賛(何度目かになる)人生の大ピンチに陥っていた。
「なんで船内が壊滅してんだよ!? 思いっきり化け物共で満たされてんじゃねえか!!」
「拙が推測するに、恐らく管理システムに不備があったか。もしくは件の卵が管理者たちの想定を上回る存在だった代物故と思われます。クロノ様」>>974
「つか、例の卵って一個だけとか言ってなかったか!? あいつら軽く数十匹はいるんだが!!」
現在、クロノとシュンロンがいるのは受け取り場所である中型宇宙船の下部ブロック。
本来は上部にあるブリッジで取引を行う予定だったのだが、その途中で目の前の化け物達――すなわち、卵から孵化したと思しき竜種の大群と出くわし、こうなった。
竜種のサイズは大きいものでも精々豚か猪かといったレベルだが、とにかく数が多い。おまけに竜種だけあって地味に頑丈で強い、正しく最悪であった。
「これも推測ですが。恐らく単為生殖型の竜種だったのではないかと」
「つまり?」
「放置すればするほど、どんどん増えていきます」
「ガッデムッッッ!!」
これだからアルビオン関係は!と嘆き散らかすも、それで状況が変わる筈もなく。
兎にも角にも、クロノとシュンロンはひたすら船内を駆けずり回り、少しでも竜種達の目から逃れようとしていた。
「いかが致しますか、クロノ様」
「いかがも何も、脱出以外ないだろ! それとも何か、あいつらの一匹でも無力化して持ち帰れってか!?」
「拙も脱出には同意です。何より当方の任務は『荷物の受け取り』であって『生物捕獲』は予定外です。専用の装備もありません」
「よし! だったら――」>>975
その時。
まるでタイミングを見計らっていたかの如く、船内に高らかな警報が響き渡った。
『警告、警告。船内にてフェーズ7レベルの異常発生を検知。これより本船は航宙プロトコル第13条に従い、自爆プログラムを実行します』
『本船に残留中の乗組員は、至急誘導に従い脱出を――』
「「…………」」
「クロノ様」
「皆まで言うな、シュンロン」
眼前、そして背後には腹をすかした竜種の群れ。
絶え間なく鳴り響く緊急警報。
そして――これまた何度目かもう分からない、頭をよぎる走馬灯の数々。
クロノは大きく息を吸い、吐き出すと――迷いなく、前方へと得物のブラスターを向けた。
「ぶっコロす!!」
「強行突破指令、受領。洛陽零式、これより全力戦闘へと移行します」
『キシャー!! キシャァアアアアア!!!』
その後。
色々と――それはもう、色々あったけれども。
どうにかクロノ達はカタコンベ号まで辿り着き、自爆する中型宇宙船から間一髪脱出できましたとさ。めでたし、めでたし……?
「拙は思うのですが。あの竜種が最後の一匹とはとても――」
「おい馬鹿やめろ。フラグ建てんな」>>976
第27話『クチサキィ――ッ!! そろそろ来るよな!? クチサキィ――ッ!!』
今日も今日とてクチサキに命じられるがまま仕事に赴いたクロノとシュンロン、アゲハ。
今日の仕事内容は、とある人物の目的地到着までの護衛。
対象の人物はそれなりに面識ある相手で、目的地も至って普通に聞き覚えのある都市。
護衛というのが妙に引っかかったが、そこまで難しくも危険でもない仕事。
その、筈だったのだが。
「観念しろ、立てこもり共! 貴様らがそこにいる事はとっくに分かっている! 大人しく我らスペース・クロックタワーに投降すれば悪いようにはしない!」
「馬鹿な真似をするな! 所詮魔術師など人の皮を被った鬼畜生、そんな連中に投降した所でお前たちに明日などない! 下るならば我らスペース・カテドラルに下りたまえ!」
「いーえ、彼らの身元は私たちG-WASPが引き取ります! ……分かったらさっさと出てきなさい、このド腐れ外道共がァ!!」
護衛開始から3時間。
現在クロノ達三人と、護衛対象一名は街外れの廃墟で完全包囲されていた。
率直に言って、大ピンチである。
「どうしてこうなった……!」
「北西にクロックタワー、南東にカテドラル。そして南西にG-WASPをそれぞれ確認。北東は開けていますが、拙の計算によると罠である可能性が大かと」
「完全に囲まれちゃいましたね……どうしましょうか」>>977
包囲している面々は既に勝利を確信しているのか、あるいは万全を期す為かこれ以上距離を詰めてくる様子はない。
最も、立てこもり続けた所で逃げ場も勝ち目もないのだから当然と言えば当然な状況でもあったのだが。
「あ、あの……ごめんなさい、私のせいでこんな事になっちゃって」
そんな中、おずおずと謝罪するのは今回の依頼人である少女。
彼女の名はルナ・アードゥル。歴史ある家系の魔術師だと名乗る彼女の護衛は、初っ端から波乱続きで始まった。
合流場所で出会うや否やクロックタワーとカテドラルの刺客に急襲され、
どうにか撒いて一旦落ち着こうと入ったカフェでは待ち伏せしていたG-WASPの面々と遭遇(貸し切りにしていたのか、他の客はいなかった)
泡を食って逃げだしたら、再びクロックタワーとカテドラルの部隊に襲われ……そして、今に至るというのが大まかな流れである。
「別に謝らなくてもいい。……慣れてるからな、こういうのには」
「目が遠くなってる……」
「色々あったんです、そっとしておいてあげてください。――さて、それはそうとこの状況からの打破ですが」
チラ、と。アゲハが外に視線をやる。
「まあ、普通に考えるなら包囲しているいずれかに投降するのが安牌でしょうけど」
「といっても、なあ」>>978
ほぼ全方位から向けられてくる敵意と殺気に、クロノは肩を竦める。
正直どれを選んでも藪蛇というか、詰む予感しかしなかった。
「とりあえずクロックタワーだが、確かお前さん(=ルナ)の所属先じゃなかったっか? なら事情を話せば何とか」
「うーん、多分ダメだと思う。私以前そのクロックタワーの関係者らしい組織に色々あって殺されかけた事あったから」
「マジかよヤバいな」
「カテドラルも論外ですね。私たちも魔術関係者の端くれですし、投降した瞬間八つ裂きにされる未来しか見えません」
となると。
必然的に、最後のG-WASPになるのだが。
「おいコラァ! いつまでもそうやって立てこもってられると思ってんの!? 今すぐ出てきたら優しく殺してあげるから出て来いっての!!」
「イオリ、落ち着いてください。そんな風に言われて出てくる奴がいるわけないでしょう」
「確かにそうね。じゃあ――――今すぐ出てきてくださいな、皆さん♡ なるべく苦しまずあの世に逝かせてあげますよ?」
「それじゃ同じです、イオリ」
満場一致で「あれはダメだ」という結論に至る三人。
「というかさ、なんであの人あそこまでキレてるの? クロノさん達、何やらかしたの?」
「ちょっと前に、あの諫めてる奴の方を派手に傷つけた」
「そりゃキレるよ! 何やってんの!」>>979
そう言われても、あの時はやむを得ない事情があったのでどうしようもない。
……その事情もまた、概ね今の上司が持ってきた仕事が関わっていたのだが。
「とにかく投降は無理だこりゃ。こうなったらどうにかして包囲網を」
「あの、よろしいでしょうかお三方」
今までずっと黙っていたシュンロンが口を挟む。
何事かと視線を向けると、とんでもない言葉がシュンロンの口から飛び出した。
「実は拙、この事態に備えて言伝を預かっております」
「えっ! だ、誰からですか!?」
「所長からです。では――再生します」
ガガッ、ザザッと。
砂嵐めいた雑音が流れた直後、聞き慣れた声音が飛び出した。
『やあやあ諸君、無事でいるかなー? 皆のクチサキお兄さんだよー』
「うおすげえ、マジでクチサキの声だ」
「シュンロンくんこんな機能も搭載されてたんですね」
「え、どうなってるのこれ! どういう仕組みなの!?」
『さて、早速だけど朗報だ。絶賛お困り中だろう君たちに迎えを送っておいた』
「迎え?」
『ま、平たく言えば恐らく包囲、もしくはそれに匹敵する窮地にある君らを助ける為の脱出手段というやつさ。そいつが到着すれば多分、いや確実に君らを助け出せる。筈』
そこは断言してほしい、とまたしても三人の本音が一致する。>>980
『到着までの時間はこのメッセージが再生されてから二十分。それまでは君らでどうにかしてほしい。じゃ、頑張ってねー!』
「以上で、拙が録音したモノは全てとなります」
「あ、元のシュンロンくんに戻った!」
「了解だ。で、二十分ね」
チラ、と。今度はクロノが外の包囲網に目を向ける。
気のせいか――否、確実に包囲網は先ほどアゲハが確認した時よりも近づいていた。
「……あの殺気だった面々相手に、俺らだけで二十分持たせられると思います?」
「が、頑張りましょう! ああでも、あの人たちに捕まってあんな事やこんな事をされるかと思うと……うふふ」
「えっ何この人怖い」
「気にしないでください。いつものアゲハ様です」
それからおよそ二十分。
やはりというか案の定というか。痺れを切らした三陣営による強行突入が行われ、四人はそれはもう死闘を演じる羽目となった。
幸か不幸か、三陣営の目的は一致こそすれど『誰が目標を押さえるか?』までは決定しきれておらず――結果として、この意思決定の欠如が四人をかろうじて救う事となるのだが。
そんな事を、四人は知る由もなかった。
「ところでルナ、お前結局なんであいつらに狙われてたんだ?」
「うーん……多分、この前遺跡で見つけたこれのせいだと思う(いかにも曰くつきっぽい聖遺物を取り出しながら)」
「えっ何それ怖い」
※ちなみにG-WASPの方は純粋に保護しに来ただけだったよ! ただしクロノ達がいると知ったせいで、盛大に誤解されてたけどね!>>981
第49話『J.C.VV-27Dの一番長い日・前編』
それは、ごく些細なミスから始まった。
一人の職員が見落とした、自動振り込みのチェック外れ。
恐らくはサーバーメンテナンスの影響か何かで生じたのだろうそれを、確認要員だった職員はうっかり見過ごしてしまい――そして、それこそが全ての始まりに繋がった。
チェック外れ自体はたった一つで、無数に存在するサーバー内データからすればあまりにも些細な瑕疵。
ただ一つ、問題を挙げるとするならば。
その見落とした自動振り込み先が、超巨大企業勢力たるJ.C.バルベルデにとって、多大な資産価値を有する星系の領有権だったという事だった。
惑星バルベルデ、J.C.バルベルデ本拠地。
バルベルデグループの中枢たるそこは、常日頃より超巨大勢力たるJ.C.バルベルデを支える精鋭たちにより賑わいが絶えない。
――だが。その日は、いつもとは異なる緊迫した空気で満ち溢れていた。
「惑星メガテラの駐留艦隊は!?」
「先程全艦出撃しました! 目標星系までは一時間後に到着する予定です!」
「遅い! 三十、いや二十分で間に合わせろ! ワープドライブが焼き切れても構わん!! とにかく速さが正義だ!」
「動ける艦艇、部隊、防衛施設は全て稼働させろ! 旧式だろうと、型落ちだろうと全部だ!!」
「避難船の準備は――」
「今からではどうあがいても間に合わん! 地上の避難用シェルターに籠らせて、絶対に外へ出るなと伝えろ!」>>982
「……とんでもない事になったわね」
「イノセンシオ!」
苦い顔でオフィスを見回していた『男』――イノセンシオ・バルベルデに、声がかかる。
声の主はビオランテ・バルベルデ。目の前のイノセンシオ同様、バルベルデの一族に連なる女性である。
「あらビオランテ、お久しぶり。うちにようこそ、と言いたいところだけど……」
「話はここへ来る途中である程度聞いてる。それで、今の状況は?」
「見ての通りてんやわんやってやつよ」
怒号と絶叫。誰も彼もが殺気立ち、血相変えて指示を飛ばす。
まるで己の指示一つが生命線とでもいうかのようで、そしてそれは限りなく現状の事実に近しかった。
「とりあえず動かせるだけの戦力を当該星系に向かわせて、当該星系には安全の為惑星封鎖令を出したわ。でもまあ、どこまで通じる事か……」
「私の方でもある程度ニュースは追っておいた。――どこもかしこもお祭り騒ぎよ、『あの』バルベルデ・エンパイアが世紀の大失態ってね」
吐き捨てながら、手に持っていた携帯端末を見せる。
そこにはありとあらゆるニュースサイトが今回の『失態』を全力で知らせ回っていた。
――バルベルデ・エンパイア、J.C.VV-27Dの領有権を放棄!!
――錯乱か、あるいは深謀遠慮か。問われるバルベルデトップの手腕
――帝国崩壊の予兆!? 沸き立つ反バルベルデ勢力の今>>983
「ドブカス共が」
「ここぞとばかりにって感じね。ま、実際やらかしたのは事実だから否定もできないんだけど。……そういえば、件の社員は?」
「やらかしに気づいて逃亡しかけてた所を、宇宙港で取り押さえたわ。正直それどころじゃなかったんだけど、まあ押さえておくに越した事はないからね」
今も震えながら監禁されているであろう哀れな社員の事は秒で忘れ去り。
イノセンシオとビオランテは現状の対応に奔走する。
すなわち。星系の領有権を放棄した事により、現在進行形で大挙して押し寄せる他勢力艦隊の迎撃に。
一方、所変わってこちらはJ.C.VV-27D星系。
……の、片隅も片隅にある星間中継ステーション。
一仕事終えたクロノとシュンロンは、備え付けのカフェで存分に休憩していた。
「あー……今回もクッソきつかった……」
「サンドワームの大群に追われた時は、最早これまでかと思いました」
「お前も砂漠の極小結晶が入り込んでオシャカになりかけてたしな。今度という今度は死を覚悟したわ」
冗談めかして言ってるが、二人とも目は全く笑っていなかった。
こんなのが日常茶飯事なのだから、つくづくKDA(クチサキ・ディテクティヴ・エージェンシー)は地獄である。ヤンナルネ。>>984
「この後はどうしますか?」
「そうだなー。このまま直帰でもいいけど、確かこの辺りってバルベルデ・エンパイアの中でも大きな星がなかったっけか」
「はい。J.C.VV-27D星系の中枢、惑星レインフォースは宇宙有数のリゾート地としても知られています」
「リゾートかぁ」
ぼんやりと、クロノは頭の中でバカンスを満喫する自分を思い浮かべる。
青い海、白い砂浜。照り付ける太陽を存分に浴びながら、シュンロンと共に日光浴……
「なあシュンロン。たまにはバカンスに浸っても罰は当たらないと思わないか?」
「ノーコメント、とだけお伝えします」
『ステーションをご利用のお客様にご連絡します。ID-4592ETHのお客様、補給作業が完了致しましたのでドックまでお願いします』
と、そこでタイミングがいいのか悪いのか。補給完了を告げるアナウンスが流れてきた。
ひとまずどうするかはカタコンベ号内で考えよう。
そう決め、カフェを後にするクロノ達だったが――次の瞬間、その歩みは予想外の音で阻まれた。
『緊急警報、緊急警報。当ステーション内にいる全ての人々にお伝えします』
『J.C.VV-27D星系全土に、非常事態宣言が発令されました』
『これより星系内におけるあらゆる民間船舶の航行は、一切禁止となります』
『航行中の船舶は至急ルート変更するか、もしくは最寄りのステーションへ緊急停泊するようお願い致します』
『なお、この警報を無視して行動した場合一切の責任は負いかね――』>>986
以上、長々と失礼しました!
ちなみに最後の話の元ネタは『B-R5RBの大虐〇』という、とあるオンラインゲームで実際に起きた事件だったりします
どんな界隈でも、うっかりミスが大惨事を招くという貴重な事例
https://ja.wikipedia.org/wiki/B-R5RB%E3%81%AE%E5%A4%A7%E8%99%90%E6%AE%BA
キャラ設定等、細々した設定に関しては残り少ないので次スレでやります
感想お待ちしております宇宙船カタコンベ号は縁起が悪すぎる……っ!
そしてクロノとシュンロンのアホ上司は何も考えてないんだろうなぁって
そして迅龍はあくまでビジネスパートナーなので、独断と(クロノにとって)絶望の現場退職する可能性があるという罠
>「おいコラァ! いつまでもそうやって立てこもってられると思ってんの!? 今すぐ出てきたら優しく殺してあげるから出て来いっての!!」
「イオリ、落ち着いてください。そんな風に言われて出てくる奴がいるわけないでしょう」
「確かにそうね。じゃあ――――今すぐ出てきてくださいな、皆さん♡ なるべく苦しまずあの世に逝かせてあげますよ?」
「それじゃ同じです、イオリ」
伊織さんの情緒が酷い事に……
やっぱこういう四月一日ネタは読んでて楽しいですねー〜ギリシャにて〜
バラバラバラバラバラ……(ヘリのローター音)
人蓑祐輝「zzzzzz……」ガクン
「……はっ」パチ
「ちょっと異世界行ってたわ」
ルーカス「一年以上もかい?」
人蓑祐輝「体感そんくらい」色々なものを終わらせて気持ちに整理つけて来たら色々終わりかけでした。ソンナー
というわけで色々の感想は次スレに託して、名無し男子ーズのビジュイメージで埋めときます
(やわらかめのネコヤナギ様(https://picrew.me/ja/image_maker/197705 )より。エンデくんのモノクルは加筆しました)>>961
耳と尻尾の色合いがすごいすき
>>963>>962
「可愛いヤツめ」と謎の巨人王も言っていますらきっとオヤツはパンケーキ
>>970
むちゃくちゃ政治適性ある人とない人のやり取りって感じで近代以降の時計塔の縮図を垣間見ました
>>987
こういうわちゃわちゃ感はユニバース的な世界線特有のものですよね、読んでいて新鮮さが感じられます
>>989
お帰りなさいお疲れ様です…:
>>991
三者三様だけどみんな容姿だけで言えばそんなに気質が激しくなさそうな人たちばかりに見えるマジック
>>971
そこまでお手をかけさせる必要性は薄いと思ってるのでこちらはGMがダイスで決めたいというのであればそちらで一回振ってもらってかまいませんよこのネタ大丈夫かなと日和って描く手を止めていたら何も出来ずにエイプリルフールが終わりました。絶望
ちなみに本当なら船男子勢か女子勢のどっちか全員入れ替わりネタを描こうと思ってましたが、女子の場合割と平和に終わりそうなのと男子は逆にヤバすぎる事になりそうだったので…やめました。(道満スマイル)
>>954
割とアサシンの児雷也が幻想寄りとはいえちょっとズレちゃったかもしれんなってなったんで、今回は堅実にそれっぽさを出そうかなと思いました。正直それっぽいかなと思ってたんでそう言ってくれて有り難いです…!
宝具は今までの自鯖に多かったとりあえずブン殴る系じゃない感じの、強力なギミックブチ込める系の奴を出してえなと思ったのでアレにしました。ピーキーな性能ではありますが結構厄介な奴になれたかなーって感じですね。
>>961
犬化の影響でペルカちゃんやジャスミンちゃん海月ちゃんにガンガン懐いてくるシャリーちゃん…それは「アリ」だ
>>963
このド天然さとツンツンさと可愛さがプルフラスが人気たる所以なんだぷにゅね…勉強になったぷにゅ…
>>990
推定ジャスミン+ボンバルディエサッカーネタや…先を越された…
今の俺はコレを早く見たいので俺の適当なネタレスだけでスレを埋めたい俺vs流石にそれは倫理的によろしくないと言う俺vsダークライに分かれて混沌を極めてます>>993
犬は犬でもMonstreに寄っちゃったからにはもう...ネ...フォルムなシャリなので地道にベーコンなどを貢いで好感度を上げ何かのゲージがMAXにならないようにしましょう>>994
基本穏和な表情を浮かべられるように気をつけてるのがクラッフなのでそこら辺はあえてってのはありそうですねぇ>>987
そっちのバルベルデは何をどうやって単体でN3みたいな大勢力になったんだ…。
しかも後々『M2-XFEの×戮』に相当する大戦役が…。1000ならそれぞれの作者のサーヴァントに合いそうなスポーツについて語る
聖杯大会運営本部【リレー相談・雑談】#227
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