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聖杯大会本戦統合スレNO.6
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ラフム語翻訳機 https://yt8492.github.io/RafmanTranslatorたて乙。アリウムさん!!?
お久しぶりです!!嬉しい!!>>4
一番近いお題だったので、おそらく健全ハロウィンコスでいいかもです。たておつです&久しぶりの人が……
健全ハロウィンコス……もこもこ可愛いアニマルコスよ、やはり~>>7
ふぉっふぉっふぉっ、もこもこ道は奥が深いぞぉ>>12
おお、楽しみ待っています!>>9
な、なにを会議してらっしゃる…?
なにゆえそのようなアリクイ色に染めたがるのか…でもかわいい仮装だからいいのかな…メイドさんは逆に馴染みすぎてません?なんだか最近懐かしい面々が戻ってきてるみたいで何よりです……そしてナチス聖杯戦争面白そう、トコトン邪悪な面々で固めてアウトレイジやっても楽しそうではある
>>10
召喚に応じてくれそうな鯖は相当限られそうですね…。>>9
マレオ「BBBBB!!」
リョーガ「進化キャンセルみたいな推し方すんな」
いや、正直どちらも可愛いですが!えー皆様、お待たせしました
前スレで言ってた明治聖杯戦争の前日譚的SSができたので、今から投下します
各陣営分を順番に作成中ですので、まずはキャスター陣営から
それではどうぞ!>>25
・明治英霊奇伝 side:キャスター
1873年12月、日本。
かつて江戸と呼ばれた世は明治へと移り変わり、かの戊辰の大戦も少しずつ遠く成り始めた頃。
ある者は新たな時代の到来に浮かれ、ある者は来たる数々の苦難に身を引き締め。またある者は激動の時代に順応すべく奔走する。
これは、その最中に起きた神秘の出来事。
後に盃月の大戦と呼ばれる事となる、争乱のお話――
『――では。全て滞りなく進められているという事でよろしいか?』
「ええ。三条の御当主殿には万事つつがなく、とお伝えいただければ」
『承知した。重ね重ね申し伝えるが、くれぐれもしくじってくれるなよ? 此度の件、万が一にでも漏れる事あれば』
「ご安心を。その時はこちらの『用心』が作用するまでの事。御身らが危惧するような事態など、それこそ万に一つも起こり得ません」
『……ふん』
通信が途絶え、対面していた男の顔が消える。
気配も魔力も完全に絶えた事を確認し、陰陽師――加茂憲雪は胸中でのみ吐き捨てた。
(しくじってくれるな、ですか。儀の一切をこちらに押し付けておきながらよく言う)
江戸、もとい帝都東京で今まさに展開されようとしている魔術儀式――盃月の大戦。
その発端は、行われる魔術儀式に反しあまりにも俗なものだった。>>26
(『維新では叶わなかった、己ら公家勢力の真なる復権』……全く、馬鹿馬鹿しいにも程がある)
戊辰の大戦を制し、江戸幕府が完全に打倒され維新が成った日。多くの公家は喝采し勝利に酔いしれた。
権威の象徴として持ち上げられこそすれ、平安の頃のように実権を担う事が叶わなくなって幾星霜。とりわけ中・下流貴族の困窮は著しく、彼らは維新の成功を己らの復権と同義であると信じて疑わなかった。
だが――現実は無情。
(結局、新政府の中枢を担ったのは勝者たる薩長土肥。帝や摂関家のような、上澄みも上澄みな方々はまだしもそれ以外の――特に、維新の成功に寄与したわけでもない御家は維新前と変わらずじまい)
岩倉卿のように新政府内でも確固たる地位を築き上げた公家もいたが、そんな公家はごく一部。
かくして未だ報われずじまい(憲雪からすればただの世渡り下手の自業自得)な公家の一部が結託し、今回の儀に至るというわけであった。
とはいえ。実のところ、憲雪としても全く乗り気ではないわけでもない。
(外国夷に抗するべく、あえて外国の技術や文化を学ぶ……そこまでは良い。過去、多くの先達も通ってきた道です)
(ですが! 何ですか今の状況は!! 幕政時代の汚点たる不平等条約は改正の目途も立たず、逆に外国夷から傲岸不遜極まりない要求を突き付けられる始末! 挙句、外国夷が我が物顔で闊歩する様を看過せねばならぬとは……!)
(何たる屈辱、何たる不出来! やはり真に縋るるは、我が国古来の術式をおいて他になし! 今こそ祖先たる賀茂忠行・保憲父子が遺せしこの御業をもって、私が新たなる維新の道を――)>>27
と。憲雪が半ば脱線しかけた妄想に耽っていたその時。
「憲雪様」
「ふわぁっ!?」
「ふわ?」
「な、何でもありません! それより何事ですか、いきなり話しかけるとは! 無礼ですよ!」
「はあ。も、申し訳ございません」
「それで? 一体何事ですか。もしや公家の方々より何か――」
家人からの唐突な呼びかけに、思わず仰天する憲雪。
が、直後告げられた内容にさらに唖然とする事となった。
「いえ、そうではございません。キャスター殿からの御伝言です。『ちょっと当世の街並みを見て回りたいから、そこら辺歩き回ってくるー』と」
「…………は?」
「『未来じゃ暴れん坊将軍って話もあるし、同じ将軍だった僕が出歩きまわってもいいよね! 頼まれた仕事は一通りやっといたから、息抜きって事でヨロ!』ともおっしゃられていました」
「……………………」
「あ、あの? 憲雪様?」
言伝の内容を理解し、飲み込むまでおよそ数舜。
状況を完全に把握した憲雪は――次の瞬間、目の前が真っ暗になった。>>28
加茂屋敷にて、とある陰陽師がぶっ倒れ家人たちが大騒ぎしていた頃。
キャスター――徳川竹千代こと家綱は帝都の街並みをこの上なく満喫していた。
「広い! 楽しい! そして何もかもが新しい!」
八百八町と謳われし江戸の広さは、時を経てもなお変わらず。
そればかりか己が生き、治めていた頃よりも広くなっていないか?とさえ思わせる。
「いいねいいねえ、この未来に召喚された感! 座に押さえつけられてぼんやりしてた頃じゃ味わえなかったナマ! うーん生きてるって感じ半端ない! もう死.んでるけど僕!」
周囲の好奇な視線も何のその。
フリーダムな元徳川家将軍殿は、一分一秒が愛おしいと言わんばかりに目に映るもの全てを堪能し、そして楽しんでいた。
「さーって! どうしよっかなー、何しよっかなー。釣り場は流石に早すぎるし、絵を描くにもどこに何があるのか全っ然把握できてない。と、なればここは……よし! 腹ごしらえだ!!」
有言実行、善は急げ。
こんな事もあろうかと、召喚された時点で幾ばくかの金銭は(マスターにゴネにゴネ倒して)きっちり確保済み。
流石に料亭で豪遊とまではいかずとも、そこらの小料理屋で一品頼む分には十分すぎるというもの。
「というわけで。ハロー手近に目を惹いた小料理屋! ヘイ女将、なんかおススメ出してお」>>29
「ちょっと! 放してってば!」
「くれっとぉ?」
入店一番まさかの大音声。
いきなり第一歩を躓かされた将軍殿は、おっかなびっくり中を見渡す。
声の出どころはキャスターから見て左側。壁際の席で男が女中と思しき少女の右腕を掴み、何やら揉み合っていた。
「貴様(きさん)、この右手はどういう事じゃ! もしやわしらに何か盛った訳じゃあるまいな!!」
「知らないってば! 大体、お客さんに何か盛る店員がどこにいるのよ!言いがかりはやめて!」
「何じゃとぉ!?」
「落ち着け太助殿(どん)! ここで騒いでは後々事じゃ!」
「そうじゃ、まだその女子がマスターと決まった訳では」「馬鹿!いらん事を言わんでよか!」
(……んん?)
口論の中、聞き捨てならない単語を耳にする。
揉め事の中よく目を凝らすと、確かに少女の右手には見逃せない『痣』が浮かんでいた。
(こりゃ驚いた。まさかこんなに早く当たりを、しかも二つ引けるなんてね)
とりあえずこのままでは食事もままならない。
周囲の気配を再確認し、安全を検めるとキャスターは件の席へ悠然と近づいた。
「ヘーイそこのおっさん達。イキり散らかすのは他所でやってくれないかい?率直に言って飯の邪魔なんですけどー?」
「ああ!? 何じゃ貴様――!」>>30
とりあえず一番手近にいた男の肩をポンポンと叩き、こちらに気づかせる。
そこでようやくキャスターの存在に気づいた男は勢いよく振り返り、そして凍りついた。
「お、おはん……!」
「おっ僕の事知ってる感じ? なら話が早い。――疾く失せよ下郎、昔の話とはいえ余の膝元でこれ以上の乱暴狼藉罷りならぬ」
纏う空気を一変させ、男たちを威圧するキャスター。
穏やかな語調でありながら剣呑な言葉に、少女に迫っていた男たちも立ち竦む。
「……い、行くぞ皆」
「虎次郎殿!? じゃっどん!」
「黙れ! ――娘、勘定じゃ! 釣りはいらん、取っておけ!」
「えっ、あっ、ちょっと!?」
キャスターの圧に気圧されてか、男たちは飯代も乱暴に放り店を後にする。
一連の騒ぎを目撃した者たちは急展開にしばし唖然としたが、すぐに各々の食事を再開した。
「ふーやれやれ。まったく、人に慣れない事をさせるんじゃないよ」
ほっと一息つきながら、手頃な席に着くキャスター。
そこへ、先ほどの少女がお礼を言いに来た。
「あ、あの! さっきはありがとうございました!」
「うん? ああ、いーよいーよ。食事の邪魔だったから追い払っただけだし。それより、今日のおススメとか何かあるかい?」>>32
・おまけ:登場人物設定
・加茂憲雪
キャスターのマスター。
陰陽師の家系・加茂家当主で、盃月聖杯戦争における監督役。
生粋の国粋主義者であり、文化・思想・人員問わず海外から流入してくるものを徹底的に嫌っている。
その為盃月聖杯戦争に関しては「己が凋落を認められぬ公家共の悪あがき」と蔑む一方、外国夷(とつくにえびす)を日本より追い出す好機とも考え陰に陽に暗躍する…
が、実際の所は召喚したキャスターの奔放ぶりと他参加者の好き勝手ぶりに振り回され、事態の対処に奔走する苦労人である。本人は決して認めたがらないが。
最終的に千早とセイバーに泣きつき事態収拾側に鞍替えする事になる予定。
扱う魔術は陰陽道由来の結界術。当主に選ばれただけあって実力はそこそこ以上にあるが、実戦経験が致命的に不足している。
余談ながら正体は男装した女性。当主襲名に当たって性別を詐称し名を『憲雪』と改めているが、本名は『雪子』というれっきとした女性である。
・キャスター/徳川家綱
キャスターのサーヴァント。
加茂憲雪をマスターとしており、真名は徳川家綱。
自身が生まれた時代から二百数十年、江戸から東京へと変わり幕府も失われた当代に思う所はありつつもサーヴァントとしての生を満喫する。
基本的な設定は製作者様の設定に準拠。>>38
ブファス「あの女はいつか潰す(ポテチムシャムシャ)」
やはりよほどの例外か超古代でもない限り心動かされませんね
そしてそこに捩じ込まれるポテチ(保険程度ですぐわぁ)あ、ちなみにですがキャスターのマスターの名前は
加茂憲雪(かもの・のりゆき)と読みます
雪子の方はそのまま「ゆきこ」で実力に裏打ちされた貴族らしさ魔術師らしさ書くの楽しい……
>>52
嵐につきましては性能面の改修だけにしようかと
他はほとんど修正なしで、性能面につきましても触れるのが条件というのは変わりません、フレーバーテキストが変わるだけ
型月に起きましては霊は魂ではないのでそこら辺は問題なし、ということで。精神力が持つ限りいくらでも放てますリディアの設定をちょっと練り直したい。
>>54
まー、チャラい演技してるだけなんで気遣ったり時折素に戻ったりはしますが、それでも雪子どんの苦労は絶えないでしょうねぇ…。
キャスター、言うべきことはシッカリと言う方なので。>>56
おおご新規さんが……(嬉しみ)。まぁ大体そんな感じですね〜
ザックリ言えば「オリ鯖オリ鱒作ってみんなで交流しよう!余裕があれば複数人で協力して聖杯戦争シナリオ作ったり個人でSS書いたりしてこうな!」
ってコンセプトなスレッドです>>56
ご新規さんだ、ようこそ。
このスレは自作したサーヴァントやマスターを公開し、共同で聖杯戦争を描いたり、個人ssで自身の思い描くストーリーを展開していく場です。
聖杯戦争を楽しみましょう!>>62
そっか、いいのか……では、ポルカさん候補に入ります!流石にアメリカ人の参加は難しいかな?
>>72
過ぎたから投下でごわす。
…なんか、サーバの調子悪くない?
【氏名】ミラグロス・バルベルデ
【性別】女
【年齢】6歳
【出身】スペイン
【身長・体重】112cm・21kg
【肌色】白【髪色】浅葱【瞳色】青
【外見・容姿】年齢相応の少女
【令呪の位置】胸元
【魔術系統】改造魔術、投影魔術
【魔術属性】アベレージ・ワン
【魔術特性】模造と上書きと改修
【魔術回路】質:A 量:A 編成:正常
【起源】奇跡
【所属】無し(まだ子供なので)【魔術・特性】
・改造魔術
バルベルデ家が代々引き継ぐ魔術。
・投影魔術
特定の物品のレプリカを魔力で実体化させる。
ミラグロスは欠点を逆手に取り、爆薬や毒物を大量に投影して即座に消費する。
・模造と上書きと改修
詳細はビオランテの項目参照。
【礼装】
・新月の欠片
フラグメント・ルーナ・ヌエバ。
二個一対のペンダントで、バイディワとのお揃いのお守りとしている。
詳細はバイディワの項目参照。>>75
「ビオランテ。わたしたちも『ふね』や『ビーハイブ』にいってみたいです」
「リヒターのおんがくは、バーニングです」
「おかあさま、おとうさま。…まごのかおをみれるとはおもわないでくださいね?」
【来歴】
スペインで企業グループを経営する、趣味人揃いな魔術使いの一族の1人。
現当主であるロレンシオ・バルベルデの孫であり、長女夫婦の一人娘。
両親が結婚から数年後、30代になってからようやく生まれたのもあり、それはもう溢れんばかりの愛情を注がれて育てられている。
ただ、母ミラグロスからの束縛を最近は鬱陶しがっており、その反動で長距離を歩くことやアウトドア技術、冒険に対して興味津々。
下の叔母であるビオランテに関しては、『まだ若いから叔母様と呼ぶのは駄目』と両親及び母方の祖父母から言い聞かされているため、呼び捨てにしている。
5歳の時に出会った従姉妹、バイディワとは趣味趣向が正反対ながらすぐ仲良くなり、今では日中2人一緒なほど。>>76
【性格】
一族特有のお人よしと外敵に対する容赦の無さを有しつつ、陽気で目上に対して礼儀を欠かさない(つまり、年上であっても礼儀抜きでフランクに接する場合、相手を目上と見ていないという事である)小さな淑女。
その一方、母からのセクハラ混じりな愛情表現に対する反動もあり、趣味趣向はアウトドア系に傾倒しており、冒険への熱は熱くなるばかりである。
インドア系のバイディワとは趣味が反対だからこそ気の合う友人として、仲良くなれた。
また、年相応の少女らしい無邪気さや好奇心も持ち合わせてはいるものの、一度決めたことを簡単に曲げない覚悟と頑固さも見られる。
以上です。
言及台詞のリクがあれば言ってくだされ―。
今日はサーバの調子が悪いな…。>>78
魔術特性&一族に伝わる秘伝の術式で複製した刻印の恩恵ですね。
この2点が無かったらロ凛に負けているレベル。
ミラグロス「あのひと、たしか『じゅりょくのまじょ』なんてふきつないみょうもちのまじゅつしよね? このあたりに『やくネタ』みたいなのがあるのかな?」
異名もあってか、ノイヴェーラはスペインの魔術界隈では有名だろうな、と想定しました。
ちなみに、バルベルデ家はノイヴェーラを『ノイベーラ』と発音します。(スペイン語の発音にヴァ行が無いので)
>>79
それだけプリシラの愛情表現に対する反動が大きかったのでしょう。
かと言って、親を心配させるのは良くないとも分かってるので、余程のことが無い限り単身(orバイディワと2人きり)で廃屋探検するほど無謀でもなかったりするかも。ナチス聖杯戦争のタイトルは「Fate/Black Camelot」で、副題は「Hexennacht am Schwarzen Camelot(ヘクセンナハト・アム・シュヴァルツェン・キャメロット)」になります。
意味は「黒円卓による魔女の夜」です。ドイツ語は響きがカッコいい。
>>80
スペイン語はヴァ行を使わない……そうでしたね()
ポルトガル語と同じノリで使っていたのでうっかりしていました。>>82
大神に育てられた霜の巨人の末裔の聖遺物とか、絶対取り返す案件。
そして強制的に闇落ちさせる絶許案件……。
繋がったな。>>81
一応あるにはある。
ヨハネの黙示録には1人の天使がサタンである竜を底なしの淵の鍵と鎖で以って縛り底なしの淵に投げ込み鍵をかけ、さらに上に封印をかけて千年封印したとある。
死、因宝具として逆説的に使えなくもない。
言うならばキー○レイドみたいな鍵剣。
別途の話なら妻とされるリリスにも類似した逸話が、あるのでそこから取るのもある。リリスは別に同一視されてないですが……。
リリスの冥界門の逸話は私が讐リリスの宝具として組んでますが!>>89
>当たり前で逆に有りすぎるとこのキャラ何なんだ
っすよねー!!
現状だと試練にも色々と種類があって、そんなかで色々考えるとセイバーというかもう二枠ぐらい欲しいな、と思ってまして……で、返信と同時に色々整理してたらあと1枠あればなんとかなりそうです!
具体的にはバーサーカーの設定!これだけあれば試練をそろえる事が出来る!
まぁそれでも総数6ぐらいで十分多いのですが
いやぁお騒がせしました……あとは文章に起こすだけですね、サムレムプレイしつつそっちも進めますやっと繋がったァ…
>>56
わーいご新規さんだ!いらっしゃいませー!
すでに説明されてること以外にも聞きたいことがあればなんでもどうぞー!>>99
・明治英霊奇伝 side:ライダー
いつの時代、どこの国にも反社会分子と呼ばれる者たちは存在する。
古くは野盗や地方豪族として中央に歯向かっていた彼らは、時が流れ中央集権が強化されるにつれ、やがて社会に適応・同化する形で存続し続けた。
西洋においてはギャング・マフィア、日本においてはいわゆるやくざ者。
街中に活動拠点を置きながら彼らはしぶとく、そして執念深く社会の裏で己が居場所を維持し続けたのである。
――だが。それ故に、と言うべきなのか。
無法である事を望んだ彼らには、無法故の無慈悲な厄災(げんじつ)が襲い掛かろうとしていた。
「はぁ、はぁ……ク.ソッたれ! 何が、どうなってやがる!?」
帝都・東京、その裏社会に君臨するやくざ勢力『月竜会』
広い縄張りと多くの組員を有するこの組織は、東京がまだ江戸と呼ばれた頃から裏社会で活動し、その悪名を轟かせていた。
その威勢は上方や遥か西国の同業者にも引けを取らず、いずれは敵対勢力たる『日輪組』を下し日本統一すら夢ではない、と豪語し憚らなかった程である。
そう、昨日までは。
「矢島ァ! 村瀬ェ! 誰か、誰かいねえのか! 返事しろ!!」
事の起こりは、ほんの数日前。
突如として傘下組織の組員が数名連絡のつかない状態になり、そればかりか自宅にも帰っていない事が判明した。
当初は日輪組の差し金かと疑い、適当に調査し始めたが――思えばここが分岐点だった。
たった数日、わずかそれだけの間に帝都内にあった主要拠点全てが沈黙。事態を把握する暇もなく、『敵』は瞬く間に月流会の全てを手中に収めていた。>>100
「ッ!?」
バン、と。閉め切っていた扉が音を立てて蹴破られる。
入ってきたのはいずれも見慣れた顔――かつて月竜会の組員として働き、貢献してきた者たち『だった』。
「テメェら……何の真似だ! 誰に向かって得物向けてやがる!?」
長ドス、鉄砲(ハジキ)、あるいは鈍器に拳。
本来は眼前にいる者を護る為に振るわれる筈のそれが、一人の例外もなく護衛対象――月竜会の会長に向けられている。
ドスの効いた怒鳴り声も一切意に介さず、虚ろな目をした彼らはじりじりと『標的』への距離を詰めていく。
会長が舌打ちし、覚悟を決めて無謀な特攻に挑もうとしたその時。
『どけ。後は我々が片づける』
聞き慣れない言語――方言ではない、全く別な国の言葉。
それが清国語である事に気づくより早く、やくざ者たちが道を開けた。
開けた先より現れたのは、一組の男女。
『月竜会の主要拠点および主力の兵隊は全てこちらが押さえた。残っているのは会長、貴様が陣取る此処と雑多な中小拠点のみ』
片や、整った弁髪が目立つ満州服の男性。細い目を鋭く光らせ、冷徹に見下す様には一片の油断も慢心も見られない。
「ま、平たく言えば絶体絶命、シメンソカってやつ? できれば抵抗とかしないで大人しくしてくれると嬉しいんだけどナー」
片や、軽薄な物言いと露出の激しい服装の少女。局部のみを隠した下着と膝上靴下(ニーソックス)という極端な服装は、総身から放たれる異様なまでの妖気を際立たせていた。
ともすれば気圧されそうになる異様な二人に、しかし相対する会長は気丈に叫んだ。>>101
「テメェ……! テメェらが元凶か!? うちの連中に何しやがった!!」
『見ての通り、だとも。月竜会、いや倭人の匪賊共。貴様らの全てを頂きに来た』
「もーダーリン、ここニホンだよ? 清国(おくに)の言葉なんかいくら言っても通じないって」
『誰がダーリンだ、気色悪い。二度と悍ましい南蛮の言葉なぞ口にするな』
「ぶー。すいませんでしたー」
『それと。私も馬鹿ではない、このような見るからに知性が低そうな倭人相手に故国の言葉を用いる愚など知っている』
にもかかわらず、何故構わずに異郷の言葉で話しかけるのか?
答えはただ一つ。
『これから潰す虫に、わざわざ目線を合わせてやる意味はないだろう?』
「……!?」
言葉の意味は分からずとも、侮辱された事は直感的に悟ったのか。
腰に下げていた愛用の長ドスを引き抜き、一息に駆け迫る。
「しぃ」
勢いのまま、男を真っ二つにしかけ――>>102
「はい、だーめ♡」
「ねぇ……っ!?」
しかけた刹那、いつの間にか眼前に少女の顔が現れる。
男と睦まじく(少なくとも会長の目には)話していた筈の少女は、いつ動いたのかさえも分からぬ内に正面へ立っていた。
そして。少女の吐息が、会長の鼻腔をくすぐった瞬間。
「あ……は――ぁ♡」
やくざ者は、一瞬で堕ちていた。
彼より前にその香りを味わった者たちのように。
今の彼と同じように、その匂いを嗅がされた者たちがそうであったように。
抵抗の一切を許さず、また敵わない絶対堕落の淫気。その権能を前に、どこまでも男でしかない自称強者は無惨に屈服させられた。
「ねえ。アナタ、アタシたちのモノになる?」
「なりましゅ……ならしぇてくだしゃい……」
「アタシたち、どうしても欲しいモノがあるの。協力してくれない?」
「しましゅ……どんなことでも、なんでもしたがいましゅ……」
「そう、ありがとう。アタシ、今、とてもとっても嬉しいわ♪」
「は――ひぃいいいいい!!」
会長、否。会長だった男は絶頂した。
少女が放つ妖気、美気、魔性。その全てが男の快感を呼び起こし、一瞬の内に達させたのである。
恥も外聞もなく床の上を転がり震えるヤクザ者を見下しながら、満州服の男は問いかける。>>103
『終わったか?』
「ええ、見ての通り。これでもうこれとこれの所有物はぜーんぶアタシたちのモ・ノ。あー大変だったぁ」
『そうか。……それに命じて、手下共を集めさせろ。一両日中にこちらが動かせる全兵力の確認を行う』
「えー。これだけ働いたのに労いもなしー? ぶーぶー、鬼、あくまー」
『黙れ。言う通りにしろ』
「はーい。まったく悪魔使い荒いんだからー」
ぶちぶち文句を言いつつも、言われた通り少女はやくざ者たちに何事か命じる。
すると、やくざ者たちは最初に入ってきた時のように全員虚ろな表情のまま――会長だった男は尚も恍惚に満ちた顔で――次々に出ていった。
後に残されたのは、伽藍洞になった無人の部屋。
かつて帝都の一角を占めていた、無法者たちの城の成れの果てだけがあった。
『……大した力だ』
「んー? 何か言った?」
『見事だ、と言った。流石は南蛮でその名を轟かせた化生を名乗るだけはある――ライダー』
所変わって、場所は横浜港。
日夜、また国籍も問わず多くの船が来航する片隅に、その『船』は停泊していた。
ライダーと呼ばれた少女――先ほど多くのやくざ者を『魅了』した元凶は、男の称賛にニヤリと笑みを浮かべる。
「ま、あ、ね! そりゃ何といってもアタシ悪魔ですし? 聖書にその名を知らしめた怪物ですし? なぁに? 今更そんなコト言ってくれるなんて、惚れ直しでもした?」
『黙れ。社交辞令と本物の区別もつかないのか、化生』>>104
にべもない男の言葉に、しかしライダーは気にした風でもなくにじり寄る。
「もー、相変わらずすげないんだから。で・も……そーんな風に強がっちゃっても、下半身(ココ)の調子は絶好調――」
瞬間、ライダーの顔面に拳打がさく裂した。
殴打や張り手、などと生易しい次元ではない。常人が喰らえば脛骨が折れても不思議ではない威力の打撃が、年端もいかぬ少女の顔面に叩き込まれる。
――だが。
「ひっどいなぁ。女の子の顔に全力パンチとかヤバくない? DVにしてもやりすぎじゃない?」
『…………チッ』
ライダー――殴られた本人は平然としていた。まるで拳打など最初から喰らってもいなかったと言わんばかりに、飄々と受け流す。
当然と言えば当然だ。ライダーの身体はエーテルにより構成されたモノ、神秘も伴わないただの拳など、何千発叩き込まれようと精々が突風程度にしか感じまい。
とはいえ興も削がれたのか。ライダーは男から離れ、その身体を大気に溶け込ませていく。
霊体化と呼ばれる、サーヴァントにのみ許された御業。その去り際に、ポツリと少女悪魔は言い残した。
「――まぁ? アタシとしても早々に喰っちゃって終わらせるのは趣味じゃないしね? 精々気張りなさいな、異国の軍人さん♡」>>105
ライダーが去り、『船』の甲板には男が一人残される。
男――西文遠(さい・ぶんえん)は、これまでとここからを思い気を漲らせていた。
(ようやく……ようやくだ。これでやっと第一歩を踏み出せる)
大清国の重鎮・李鴻章より特命を下され、わずかな手勢と『船』と共に異国たる日本に足を運び幾日。
この魔術儀式――現地の者たち曰く『盃月の大戦』なるもの――の参加条件たるサーヴァントの召喚に成功し、その氏素性と能力を確かめて。
そうして、奔放さに振り回されつつも今日まで兵力確保という名の現地住民洗脳・支配を推し進めた。
一歩間違えれば外交問題にも発展する暴挙だったが、現状洗脳したのはあくまで無法者たちのみ。むしろわざわざ手間暇かけて国内の不穏分子を取り除いてやったのだから感謝しろ、とまで考えていた。
(ライダーの自由ぶりだけは想定外だったが――まあ、いい。現状はどうにか制御可能な範囲内、それにいざとなれば令呪もある)
三画限りという条件付きではあれど、ほぼ確実な絶対命令権。これを握っている間はあの化生といえどどうとでもなる。それが西の目算だった。
(何より――こちらには、この『船』という切り札がある)
『船』、またの名を『揚子江』。表向きは商船として登録され、実際に入港した時もその名義で通っているが――その実態は、清国海軍に属するれっきとした砲艦であった。>>106
偽装の為持ち込めた武装は最低限もいい所だが、こと制圧力に関しては軍艦の名にふさわしいものを有している。
サーヴァントと現地『調達』した兵力、そしてこの砲艦。
西は――否、清国は持ちうる限りの手札全てを切れた、という自負があった。
(所詮他のマスターはいいとこ自前の兵隊を連れ込めたのが関の山……唯一厄介なこの国の戦力も、我が大清国のそれと比べればたかが知れている)
(ならば恐れるに足らず、いや恐れる道理すらなし!)
(李鴻章閣下……どうか、今しばらくお待ちを)
「この西文遠、栄えある大清国軍人として必ずや故国に吉報を持ち帰ってみせましょう――」
最後の想いは、胸中ではなく言葉に。
三日月輝く夜空を見上げ、ライダーのマスター・西文遠は確かな誓いを口にした。
「――ええ。アタシの方も、期待してるわ。人間(マ・ス・タ・ァ)?」>>107
・おまけ:登場人物設定
西文遠(さい・ぶんえん)
ライダーのマスター。
清国海軍軍人にして、清国重鎮・李鴻章の忠実な部下。
今回の儀式に当たっては李鴻章より特命を受け、わずかな配下と偽装商船『揚子江』と共に入国した。
性格は軍人らしく生真面目で堅物。日本の事を殊更見下す傾向があるが、これはあくまで清国人である事の自負と古来より受け継がれてきた中華思想に依る所が大きく、彼が特段差別的というわけではない。
軍人というだけあり相応の個人戦闘力と指揮能力を有するも、一方で根底に激しやすい一面があり、その点を上官である李鴻章からは危惧されている(本人は全くあずかり知らない)。
戦闘時の戦い方は青龍刀による剣術と拳法を織り交ぜたもの。特に拳法の一撃はすさまじく、まともに喰らえば相手を戦闘不能に陥れるだけの威力を秘めている。
盃月への願いは『大清国の再興と繁栄』。国を脅かす西洋列強を覆し、再び中華として世界を支配する事が望みである。
ライダー/リリス
西文遠に召喚されたサーヴァント。真名はリリス。
西の事は融通の利かない堅物だと思っている反面、堕とし甲斐のある男と見ている。
基本的な能力・設定等に関しては製作者様の設定通り。余談:ちなみに西の台詞ですが『』になってる個所は全部清国語(中国語)で喋ってるという解釈でOKです
そっと貼り付けるとある聖杯戦争のプロローグみたいなもの
魔術師/宣教師さんのエーテライト家の設定をお借りしています「兄上は天才だった。紛れもなくね。姉上も天才だった。そこも間違いない。けれど二人とも、辿るべき道は踏み間違えた。その一点で私は彼らを生涯許せないだろうね」
「…………兄君の情報があるならぜひ私たちに教えていただきたいものです。仇討ちをしてさしあげましょう。ああ、姉君でも構いませんが?」
「残念だ。猟犬に所在を漏らすほど情を無くしたわけではないらしい」
封印指定が贈与されようとも、死徒に堕ちようとも、肉親ではある。その情をもってニーナ・リィナラスは兄姉の情報を売らないように決めている。と言えば聞こえはいいが、簡単に言ってしまえばこの二人が駆除されることでリィナラスの一族の秘匿情報がバレるのを防ぐためである。魔術師は自身の死後、記憶に蓋をする者たちも少なくはない。が……蓋をすることができる者もいれば、こじ開けられる者もいる。勿論それはごく少数だが、そのごく少数を目の前の貴族は所有している。だから許せない。許してはいけない。神代の祭祀を引き継ぐリィナラスの長として、侮蔑は決して認めない。
対して鉱石科、現代魔術科のセナ・スキュレカリューは涼やかな顔で虎視眈々と刃を尖らせている。彼女にとって大事なものは自分の資産と自分の作る作品である“生徒”だけ。それ以外のものなんて全て踏み砕く障害かこの手に収める資産、または例外となる友人知人以外の他はない。猟犬と揶揄されたようにいつもいつでも、利益のために誰かの首を噛みちぎるつもりは十分だ。特殊な部隊を所有せずとも、セナの武力で事足りる。そうやって勝ち上がってきた。悠々自適に教育と研究の場を手にしてみせた天才である。
「東西霊地協約の成立。それに伴う日本の霊地所有の大変動。私のような在野ならともかく、時計塔の魔術師が触れる余地はないと思うが」
「無計画の翁の囁きです。アレは確かに無計画で無鉄砲ですが、最大手を叩き出す化け物ですから。………あと二人は?貴族とは息を吐くように他者を待たせて当たり前の人々ではないでしょうに」
「………8時の方角。700m先。マナに変動あり。片方は元素変換、片方は錬金術だ」「はっ、あっははははっ!!嘘だろ本当に!?話には聞いてたけどちゃんと強いんだなあなたは!法政科は死ににくいだけの奴らだと思っていたのに!」
「それはこちらこそ。誉れ高き魔導円卓の団長は音に聞く化け物と言ったがマジでそうなんですね。俺も流石にびっくりです。今のもよく凌いだよホント」
宙に浮かんだ杖がくるくると回転すると、途端に馬鹿みたいな熱を放つ線が発射される。一つ、二つ……計七つが黒槍を握る美青年を穿つはず……であったが、それら六つが捻じ曲がって地面を砕き溶かす。空間、あるいは気流を弄ったものか。それにしてもこれほどの熱を弾くのは相当の無理難題であろうに。さらに言えば、残り一つは跳ね上げられた槍に打ち砕かれたのだからおかしな話だ。熱線を砕く槍とはこれ如何に。そのような魔術礼装であることは確かだが、あまりにも上等な武器すぎる。アイン・グローリアン。ロバート・エーテライト。立場は違えども猛々しい戦士たちが、今ここにぶつかり合う。
「………かたやグローリアン。かたやエーテライト。しかもどちらも武闘派と来た。さて、勝つのはどちらだろうね?」
「その前に止まるでしょう。どちらも手の内は見せたくない。次の一撃で終わりますよ」
「Burn it up!」
「一手遅い」
アインの放つ極大の火砲が、大地を抉りながら大口を開いてロバートを呑み込まんとする。それを迎え撃つのが周囲に浮かせた杯だ。四大元素のシンボルの一つであるとありありと主張してくるそれはシンプルであり、単純。しかしながらだからこそ、何よりも強大だ。シンプルであるということはその分の直接的な出力に関わることでもあるのだから。
「そっか、これもそんな感じで防いじゃうのか。なら次は……」
「アイン、お座り」「え?……あ、姉上……これは違くて……」
「二度は言いません。次はあの子にも今回の件をお伝えします。席にお座り。しばらく黙ってなさい」
「はいっ!」
ビジネススーツを纏った美しい女性が、悠然とした態度で命令する。グローリアンの末子はこと殺し合いに長けると言うが、殺し合いだけでは時計塔は勝ち抜けない。次子は政治と金策に長けた才を持つ代わりに、魔術の才能は一切持ち得ない。しかし、魔術以外の才能は本物だ。グローリアンの次子、メリル・グローリアンの一声は気高く尊き王の一声である。
「ごめんなさいね、Mr.エーテライト。魔術回路も持たない女の謝罪でよければ、愚弟の代わりにどうか受け取っていただけます?」
「あなたを蔑めるような魔術師であれば時計塔で上に立つことはできませんよ。……魔術師の魔術戦は研鑽にも繋がりますしね」
「寛大な御心に感謝を。ニーナさんとセナさんも申し訳ない。……では、そろそろ始めましょう。日本を舞台にした聖杯戦争の戦前対処、そして戦後処理を」
「亜種聖杯戦争なんて、そう珍しい話ではないのでは?特に日本ではそう珍しい霊地もないでしょう」
「初のサーヴァント召喚による聖杯戦争が執り行われた冬木、第五の魔法使いが生まれた三咲。せいぜいその辺りが目を向ける霊地なはずなんだが……あながちそうとも言えないのが事実だ。田舎の島国だからと油断したらもう遅い。そうだろう?」「ええ。……泡累という土地があります。ここは以前から多くの霊脈が集まっており、その素晴らしさは冬木や三咲に勝るとも劣らないほど。今回の聖杯戦争の舞台もここです。しかしながら、今まで土地資源としての見方はされませんでした。何故だかわかりますか?」
「毒素だね。魔術回路を蝕み、魂を殺.す猛毒だ。星の毒素を吐き出す一種の排出器官。いかに霊地が優秀であっても、そのようなデメリットを持つ場所に目は向けられない」
ニーナは知っている。彼女の友人がその土地の当主を務めていたから。そして、この件に関する話をグローリアンに持ちかけたのも他ならぬニーナだから。つまり最初から答えやここから先の流れを知っているというわけで、円滑に流れを進めるためにあえてこの立場に収まっているというわけである。表ならともかく、裏の魔術世界の政治闘争とは無縁なリィナラスの当主であるからこそ、である。ニーナが気にしているのは、最初から最後まで友人の安否だ。
「………ええ。ですがそれが、その毒素が、膿溜まりが、排除されました。つまり文句のつけどころのない霊地になったわけですね。聖杯戦争を開催するために必要な、歪みを持ちながらも上等な霊地に」
「話では初代当主が霊脈を弄って集積させたからこその、という言い伝えも残っているとか。そのせいで歪みが生じ、穢れも溜まっていたとも取れるがね」
「霊脈の操作なんてにわかには信じ難い話ですけれど……所詮は出処不明の言い伝えですので置いておきましょう。それで?その話が私と、エーテライトに何の関係性が?あなた方は何を求めるのです?」
「単純な話です。あなたの教え子……大事な“作品”が関与しているからですよ。ラヴギッド、ご存じでしょう?聖杯戦争に関与しているようです」
ラヴギッド。愛欲、魅了関係について十世紀以上も前から研究を重ね続けている大家。表社会に出ることがほぼなく、時計塔との関わりもひどく薄い。一部からは実在を疑われているが、他ならぬ魔術世界の統制を執り行う法政科が「確かに存在する」と明言するのだからその存在は確かである。ここ数十年で明確な痕跡を残したのは二つ。一つ目はレジナ女子修道会の一員であったシスターを日本で誘拐して、魔術実験を行い、子を成した事例である。そして二つ目が、ラヴギッドの次代当主がセナの教え子として彼女に指導されていたという話である。「………私の生徒(さくひん)に何かあったら殺.すぞ」
「落ち着いてください。万が一というだけの話です」
「………失敬。なるほど、まあアイツならそのような馬鹿をしてもおかしくありません。魔術師としての務めよりも己の享楽を満たすことの方が大事と言って見せるような馬鹿でしたから。しかし、馬鹿でも私の生徒です。ああ……なるほど。私が関与しない選択肢はないですね」
「はい、その通りで。……そして、エーテライト分家であるソーラァイトの彼が首を突っ込んでいるのもご存知ですか、Mr.エーテライト?」
「は?いやいや、マジで?アイツあれで二回目……あー……ってことは……アイツの友達のことかなぁ……」
エーテライトとソーラァイト。五百年前にアプローチの違いにより家名を分かてども、仲が悪いわけではない。ソーラァイトの御曹司であるルーカスとエーテライトの面々に優劣もなく、若輩ながらも本家の従兄姉たちと時に協力をしながら一歩ずつ、着実に魔道の邁進を続けている。………だからこそ、ルーカスの人柄、そのスタンスも従兄であるロバートは理解している。理解しているということは、何故そうなったかもわかるということだ。
「んー……俺に話が来ない、ってことはアイツが一人でやると決めた問題だ。俺が首を突っ込む余地はない。無いん、だが……」
「察しが良くて助かります。彼が気に入った人材のバックに立ち、支援し導くだけならまだ良い。けれど泡累の土地の魔術師は山星です。山星の血濡れの華と彼は、以前一度衝突をしていますね」
「………首を突っ込む余地はないが、最悪の余波だけは念頭に置いておけ、ということですね。わかりました。魔術世界の騒ぎの統制をするのは確かに法政科の役割ですし」
負けず嫌い。興味を抱いた相手にはとことんパワフルに追跡していく。そんな従弟の性質をわかっているからこそのロバートの了承である。しかし、たったそれだけのことでわざわざこんな談合を開くのか?とも思えるが……おそらくロバートを呼んだのはこれ以外にも色々と話したいことがあるからなのだろう。互いに暇ではないのだから、話せる時に多くのことを話しておくべきだ。「………それで?グローリアンは何を恐れているのですか?私は私の生徒が、エーテライトはソーラァイトが、そしてリィナラスは山星が大事である。ならばあなたは?あなたにも懸念するに値するものがあるでしょう」
「………とある縁ですよ。二代前の当主が随分と日本にかぶれていましてね。日本在住の西洋魔術師などをいたく気にいっていました。縁を繋いだ魔術師たちが、聖杯戦争に巻き込まれてしまったのです。なればこそ、そうでしょう?」
「嘘が上手だな、メリルは。誠意を込めて話す場ではないなら嘘をつくのもまたあなたらしいが。私が代わりに付け加えるとするならば、その理由に加えて日本の霊地の争奪戦に一枚噛みたいんだよグローリアンは。グローリアン以外にも多数の西洋の家系がバックボーンとして付いていたりする。……代理戦争の一面も含んでいるんだね。なんせ同時に二箇所で開催なんだから」
そう。今回の聖杯戦争は二箇所で開かれる。日本の霊地を、貴重な呪体を巡る東西霊地協約の成立を目指して、多くの日本の魔術師たちが、そして彼らを利益のために支援する西洋の魔術師たちが、その思惑が絡み合う複雑怪奇な聖杯戦争。それに巻き込まれた少年もいれば、正義のために殴り込んできた少年もいる。既に賽は投げられ、戦争は始まっている。
日本の上等な霊地を狙う綾姫一門、傍観を決め込む野紀一門、開催地の一つに選ばれた山星、四つの家系が周囲一帯を管理する照伽……そして、他多数の日本国籍の西洋魔術師たち。彼らが望むものとは何か。
「天墜聖杯戦争。なんとも傲慢な名称だが……悪くない。私は嫌いじゃない」
「バカ弟子を叩きのめさないとね。呑気に学生生活なんて送らせないよ」
「皆さん大変だな。俺は……まあ遠くから眺めることにするさ。本題はこの後のお話だ」暗殺教団の残党、思想魔術の凶手武侠集団、おろちの呪を受け継ぐ望月氏のサブスク忍者サービス
色んなのが作りたいから時間と資料が欲しい...
>>134
規模が...規模がでかい!
一族が出て来て戦争って感じしますね。サムレムは各陣営につき雑魚エネミーが配置されていたのを思い出す>>142
【固有スキル】
影灯籠:B
暗闇から周囲の魔力を得る為、実体化さえしなければマスターからの魔力供給はほぼ不要。
令呪を使われない限りマスターに対しても真名・ステータス隠避が可能となる。
宝具使用時にはこの効果は一時的に使用不可となる。
魔女の饗宴:A
ヴァルプルギスナハト/ヘクセンナハト。
アサシンの由来であるブロッケン山で執り行われる魔女たちの夜宴。
ブロッケン山は独逸の魔女達が大規模な儀式に用いる地上にあって星の内海と同じ霊脈を有するパワースポットであり、アサシンはその恩恵を受けている。
また、魔女達の儀式を見届けた山々の影たるアサシンは魔術を理屈ではなく感覚的に理解し、直感で相対する相手の行使する魔術の性質や危険性を察知する。
北欧神話では大神オーディンがルーンを生み出すために世界樹ユグドラシルの樹に逆さ吊りになり、自らを槍で刺して死と再生をしたのがヴァルプルギスナハト/ヘクセンナハトの日であったという。
無辜の怪物:EX
本人の意思や姿とは関係なく、風評によって真相をねじ曲げられたものの深度を指す。
大気光学的現象あるいはブロッケン山の精霊であったアサシンは文字通り怪物の名を背負わされることで一つの霊基として成立している。>>143
【宝具】
『巨影現象(ブロッケン・ゲシュペンスト)』
ランク:B 種別:対人〜対陣宝具 レンジ:1〜100 最大捕捉:─
ブロッケン現象の代表的な視覚効果である霧に投影される巨大な影。
サーヴァント化に際して霧のみではなく大気中のエーテルに影を投影することが可能となり、同時に物理・魔術的な干渉力を得た。
影であるが故に形に囚われず、目にも止まらぬ速さで移動することができる。
また「影を見た者に遠からぬ死を齎す凶兆」という伝承から影そのものが擬似的な死の概念を宿し、全ての攻撃にデバフないし低確率の即死効果が付与されている。
スキル『影灯籠』を使用し、自身の存在を他者に対して隠匿している間はこの宝具は使用出来ない。
『光輪現照(ブロッケン・レーゲンボーゼン)』
ランク:A 種別:対陣(自身)宝具 レンジ:0 最大捕捉:1座
ブロッケン現象の代表的な視覚効果である虹と似た光の輪。
サーヴァントとして顕現した際にはスキル『影灯籠』使用時を除き、常に頭頂部で輝きを放つ。
アサシンの本体とも言うべき霊基はエーテルに投影された影でも仮初の肉体でもなく、コチラであり、仮に影を破壊されても、光輪の輝きが掻き消されぬ限りは何度でも蘇る。>>144
【解説】:
太陽などの光が背後からさしこみ、影の側にある雲粒や霧粒によって光が散乱されることで、
影の周囲に虹と似た光の輪が現れる大気光学現象。
霧の中に伸びた影と、周りにできる虹色の輪(ブロッケンの虹)をまとめて指している。
ドイツのブロッケン山でよく見られ、自分の影が山間の雲に浮かび上がり、あたかも巨大な怪物がいるように見えることから、
登山者たちが影を怪物だと勘違いして恐れ、この現象を「ブロッケンの怪物」と呼んだとされる。
この現象が確認されるブロッケン山は魔女の宴がヴァルプルギスの夜に催されることでも有名であり、
山に集まって来る魔女たちが登山者たちを驚かす為に怪物の幻を見せているのだと考えられた事から、
ドイツではこれを見た者は翌日に死が訪れるなどといった不吉なものとして捉えられていたという。
サーヴァント・ブロッケンはこの「ブロッケンの怪物(ブロッケン現象)」が怪物の名を外殻として獲得したことで成立している概念的存在である。
また現象そのものだけでなくブロッケン山の環境や魔女の宴といった逸話もその概念の一部として統括されており、
サーヴァントとしての霊基は7割が怪物と呼称される現象、2割がブロッケン山に宿る精霊、残りの1割がブロッケン山に集った無銘の魔女たちの集合意識によって構築・成立している。
如何にもな魔女といった人型霊基の風貌はその一割の集合意識に由来するモノであり、これによりマスターとの意思疎通を可能としている。>>145
こういった霊基の構造から本来は願いどころか自我すら持たない現象であっても聖杯の呼びかけに応じることとなった。
ブロッケン山がキリスト教の普及以前はサク.ソン人が大神オーディンに贄を捧げる儀式の場に選んでいたこと、後の世には魔女達が夜宴を行う場として伝承されたこと、精霊としての自我かどの要素から神秘至高の在り方に傾倒しており、願いは『神秘の時代の復権』を掲げている。
【サーヴァントとしての運用】
前述した通り、かつてのブロッケン山が贄を捧げる儀式の場として選ばれていたが故に、聖杯戦争の儀式で発生する犠牲については容認している。
人では無い故に善悪の価値基準は持たず、マスターの命令ならば非道な行為であっても従うが、あくまでサーヴァントという「現象」としてマスターに従うという「法則」を順守しているのみであり、そこにマスターへの信頼や情は介在しない。
アサシンとしては元より自然の一部から派生した存在であるが故に規格外の気配遮断を有しているため、正面からの戦闘よりも暗躍・暗闘を得意とする典型的なスタイル。
一方で二つの宝具は性質上、気配遮断とは併用できず、その影の大きさから隠蔽も難しい(尤も、元が自然現象であるため、異常気象などといった誤魔化しは比較的容易い)>>146
スキル『魔女の饗宴』は『術式解明』のように術式そのものを理解するわけではないが、魔力の流れからなんとなく経験則で起こる結果を推測出来る(具体的に言うと「あっ、これ前のヴァルプルギスの夜の時に魔女がやってたヤツと同じじゃない?」みたいな感じで見抜く)。
だが、あくまで感覚的に理解しているのみなのでマスターなどの他者にその魔術について説明できるワケではなく、複数の術式でフェイクやジャミングを重ねられると出し抜かれることもある。
『巨影現象』は影であるが故にその巨体から考えられぬほどに機敏な動きを可能とするが、巨体に見合う質量を持ち合わせてはいない故に筋力は高くなく、破壊力ではなくデバフと即死付与効果がメインとなる。
また実体を持たぬが故に再生が容易であるが、再生が前提であるため、単体での耐久力も低い。
光輪と周囲の魔力(エーテル)、マスターからの魔力供給さえあれば何度でも再生するが、『枯渇庭園』のような周囲の魔力を奪う能力は天敵であり、巨影そのものが生み出せなくなる。(巨影を生み出せなくとも、光輪が残っていれば現界維持自体は可能。)
天敵は光輪さえ掻き消すような極光/呑み込む暗黒であり、一部の聖剣や聖槍、魔剣には歯が立たない
光学現象でありながら「怪物」と称されたモノが、怪物退治の聖剣・魔剣を天敵とするのは何の因果か……
特技:魔術の把握および感知・地形把握
好きなもの:神秘の時代・自然
嫌いなもの:文明
天敵:聖剣使い
願い:神秘の時代への回帰
【一人称】我が身【二人称】貴方/貴女【三人称】彼の者>>147
【セリフ】
「魔女の饗宴、山峰に連なり伸びゆく影……サーヴァント・アサシン、此処に」
「我が身は貴方の下僕……それがサーヴァントという「現象」でしょう……」
「我が身に確たる自我はなく、今こうして話している自己も巨影同様の錯覚に過ぎません……」
「願いは神秘の世の復権……物理法則の世では現象に過ぎない我が身も、神代であらば真の怪物に回帰する……」
「惑い、畏怖せよ……『巨影現象』。」
【コンセプト】
テノチティトラン(土地の擬人化精霊)+マックスウェル(人が怪物の名を与え生み出した概念サーヴァント)+幽弋のハサン(世界の影と一体になるアサシン)。
あと、橙子さんの影絵の使い魔(幻灯機)も。
暗躍し、マスターによっては悪事にも加担するハサン系統のアサシンとしてデザイン。
頭の上に光輪が浮かんでるのは某透き通るような世界観で送る学園RPGをイメージ。(光輪が実質本体で弱点なのもそんな感じ)書き忘れてたけど霊基の内訳などはゴッホちゃんも参考にしてますね
>>149
光あるかぎり 影もまたある……云々
Fake最新刊の幽弋カッコよすぎたので、影灯篭鯖は作って見たかったんですよね
概念系は何でもありになりやすいので「騎士」や「悪魔」みたいに「怪物」の“名前で縛って外殻を与える”感じが好きなんですよね〜
>>150
怪物は正体不明でなければならない……云々
やろうと思えばZeroの百貌ムーブ(初手退場偽装)もこなせるので敵対する陣営はやりづらい感じになるかな……と
>>151
マルコ・ポーロの『東方見文録』にはハサン・サッバーハではなく「アラオディン」という名前の山の老人が出てくるそうなので、参考になりそうですね
影灯篭持ってそうなアサシンいるかな……→ブロッケンの怪物かぁ→光の輪ってヘイL(ry→いっそ、ヴァルプルギスの夜と関連付けて魔女っ子にしちゃえ!という連想ゲーム
>>152
ひぎゃぁぁぁぁ!!!!!!! まさか、あげて早々にイラスト化していただけるとは……
虹色ヘアはマーリン/プロトマーリンの髪が設定では虹色とされているのであんな感じですね(頭頂部に虹の輪が出来る→頭が虹→虹髪の連想)アルボルズ山脈の西端、イラン北西部の都市ガズビーンの近郊にあるエルブールズ山中アラムート渓谷の険阻な岩山上に建てられていた、アラムート城。史実においては11世紀末から13世紀にかけて存在した“山の翁(ハサン・サッバーハ)”を教主とする暗殺教団が、モンゴル帝国に滅ぼされるまで拠点としていたという。
当世にあってはアラムート城址の周囲には人避けの結界が張られている。それは国道の検閲や地図からの消去といった物理的なものから、視覚妨害や空間拡張などの結界であるなど、様々だ。少なくとも半ば観光地化している一見上では気付けるはずもない。
今もなおその古城に居座るのは、暗殺教団の教義の“信徒(フィダーイー)”達である。いや、長である山の翁が十九名を越えない以上は残党と呼ぶべき者達だろう。神の教えのもと正しい教団ではあるが、その行いは人としての悪であることは免れない。もはやアブラハムの宗教から外れた“信条”とも云うべきもの。魔術師が魔術の研鑽によって根源あるいは比する事象を求めるのと同じように、彼らは石造りの城の中で“御使いの業(ザバーニーヤ)”を追い求める。たった一つの頂点、誰にも真似のできない『業』を。
もっともニザール派として存続しようとも、暗殺教団そのものは既に滅びた組織だ。
ラムサール(ランマサル)城、 ゲルクー城、アラムート城など動いている拠点は数少ない。
暗殺教団の要塞としては有名な部類であろう、アラムート城にて。
ひとつの城にひとりの暗殺者。
アラムート城の支配者である“小教主(ダーイー)”はライラ・アル=ハウハと呼ばれていた。
みたいなのを「List of Nizari Ismaili strongholds」と睨めっこしつつ、ここのえは考えていたとさ名無しの教室メンバーの呼び方一覧なるものができたのでぺたぺたと貼ってきます
ルナのみんなの呼び方一覧(目上の相手には敬称を、そうでないのは大体呼び捨て。実は私的にさん付けやちゃん付けする相手はけっこう選ぶ)
+どう思っているか一覧
モートン先生 → 先生。デカい。いっぱい怒られているのでちょっとこわい。
テレータ先生 → 先生。めっちゃ喋る。だんだんと距離感が先生のそれじゃなくなってきた。
シウン先生 → 先生。あまり喋らない。距離感が一番先生っぽいように思う。
エンデ先輩 → 変な先輩。自称王子の変な人だけど自分の思いつきに1も2もなくノってくれるのでそのへんは嫌いじゃない。
カヴン先輩 → ネズミの先輩。謎の家族扱いで話はよく聞いてくれるけど魔術の話はわからないと言われる。先輩ってなんだろう。
クラッフ先輩 → 物静かな先輩。礼装のあれこれについて質問しやすい。スパイらしいけど自分にはあまり関係なさそう。
デセフィオ → うるさい後輩。頻繫に突っかかってこられるけど悪意ありきではなさそうでホッと一安心。でもうるさい。
ヨモちゃん → 一緒にいる友達。いっぱい心配してもらえるのを申し訳なく思いつつも密かに喜んでいる。
ライカ先輩 → お姉さん先輩。妙に可愛がってくれている気がするけどなにかした覚えはない。可愛がられること自体はイヤじゃない。>>160
エンデのみんなの呼び方一覧(女性には基本的に"嬢"とつけて目上の相手には先輩or先生という風に変わる。性別不詳はケースバイケースで)
+どう思っているか一覧
ドラモンド先生 →貴族らしい貴族、と呼ぶにはちょっと真面目すぎる。変に扱われては困るので庶民呼びしてほしい。
タブロイエフ先生 →アタリハズレはあるがいろんなうわさ話を持ってきてくれるので楽しい、好ましい。たまに盛り上がりすぎて一緒に怒られる。
ヴィルクレツィア先生 →魔眼によってよくないものを多数認識したからかどこか近寄りがたさを感じている。"もや"の奥の人間性をまだ認識しきれていない。
カヴン先輩 →ネズミ。姉を自称してくるが姉という存在にいい思い出がないので徹底して先輩扱いを続ける。
クラッフ →スパイを自称しているので内心警戒、しつつも自分の敵対させないようフレンドリーに接することを心がけている。
デセフィオくん →見てて面白いやつ。ルナ嬢だけじゃなくて俺にもぎゃんぎゃん吠えに来てくれないものだろうか。
ヨモ嬢 →良く言えば慎ましく、悪く言えば地味。あちらから話しかけてくることはほぼないので話すときはやや一方通行気味。
ライカ嬢 →教室入りの次期が近いのもあってそこそこ気安い。(気がする)
ルナ嬢 →見てて楽しいやつ。見るだけじゃなく突発的な思いつきに全力で乗っかるのが楽しい。>>161
モートンのみんなの呼び方一覧(敵と味方と同僚には○○殿とつける。テレータさんは例外。生徒たちはみんな呼び捨て)
+どう思っているか一覧
テレータ →同僚。初対面の悪い印象を引きずって名前を呼び捨てするようになった。一応の仕事はしてくれるが必要以上に生徒と親密になるのは良くないと思う。
ヴィルクレツィア殿 →同僚。非常勤ではあるが教室の運営という一点で見れば一番助けられているまである。
エンデ →生徒。王族らしいが一生徒なのは変わらない。授業態度は悪くないが話を脱線させないでほしい。テレータと一緒に変な遊びもしないでほしい。
カヴン →生徒……おそらくは。自分よりも長く教室にいる不可思議な存在。授業態度は良くない。話を聞いてほしい。
クラッフ →生徒兼余所からの監視役。必然的に敵となるが生徒として扱うことには変わりない。授業態度は良いのでその点は助かっている。
デセフィオ →生徒。言動が平凡な庶民そのもの。むしろ御しやすい。だが教室内での謎の改革運動は今すぐやめてほしい。
ヨモ →生徒。自分をなかなか出さないのは難点だが問題を起こさないという一点は素晴らしい。まわりから変な影響を受けないでほしい。
ライカ →生徒。トラブル続きの問題児と聞いていたのにも関わらず授業態度に教室内の振る舞いも良好だったため拍子抜け。みんなの手本となってほしい。
ルナ →生徒。授業態度は真面目であるにも関わらず管理が行き届かない。ほかの学科や時計塔の外にまで行って何かしでかすのはやめてほしい。>>169
怖いですねぇ……
オウィディウスがサーヴァントになったら凄そう……作品の登場人物となったサーヴァントたちの反応も含めてギリシャだとケラムボス(神の怒りを買ってカブトムシに変えられた人)とか興味あったりする
>>171
(ざっと調べる)
これは調子にノリまくってしまった男……>>174
・明治英霊奇伝 side:アサシン
帝都・東京。その郊外には豊かな自然が広がっている。
江戸の頃より整備を重ねに重ね、今や日本有数の大都市と化した東の京。だが元来幾重もの河川と入り江が広がり、それらが形成した自然環境の名残は江戸開府より長い時を経た明治になっても残り続けていた。
――そして。人の手が入らぬ、という事は、潜伏・隠密にうってつけでもある。
「ねえ。『ターヘル・アナトミア』って知ってる?」
東京郊外の、とある山中。その深奥に、根城を築き上げた者たちがいた。
西洋において魔術工房と呼ばれる魔術師たちの活動拠点。土地の霊脈を間借りし、地の利をふんだんに活かして作られたそれは生中な軍事施設にも劣らない。
「この国じゃオランダ由来の書物だって言われてたりもするけど、あれ実はドイツの奴らが最初に書いたんだよね」
そんな拠点は、開設以来の賑わいに溢れていた。
ペストマスクに黒コートを纏った怪人たちが行き来し、物資を運び入れていく。別の者たちは祭壇と定めた場所に何事か書き込み、また蝋燭を設置していった。
「いやー冷静に考えると笑えない? だって苦心して書き上げた作品が、全く与り知らない他所の国で、他国の人間が書き上げたって言われてるんだよ。私がその作者だったら憤死するね、しないけど」
もし、この場に魔術関係者がいれば一目で見抜く事ができただろう。
今行われている作業の数々が、これから行われる魔術儀式の為のものであり。
そしてその儀式は『生贄』を伴うものである、と。
だが。幸か不幸か、今この場においてそれを知る者は儀式の準備を進めている者たちと――――目の前の『生贄』に語りかける、饒舌な女性だけだった。>>175
「……ッ! ……!?」
「あれ? 今の話、面白くなかった? ちょっとでも緊張を解れればと思って、私なりに気を遣ったんだけどなー」
女性の顔は、日本人のそれではなかった。
白に近いピンクベージュの肌色と、同じく白寄りの銀髪。可愛さよりも綺麗を追求したような顔立ちは同性から見ても整っていたが、今この状況においては異常性を際立たせる一因でしかない。
何しろ、目の前に転がる哀れな『生贄』――十にも満たぬ男児を攫ってきたのが、他ならぬこの女性なのだから。
『ラジェンスキー隊長、準備完了しました。いつでも始められます』
『ん、オッケー。それじゃ、そろそろ頃合いだし始めよっか』
『了解です。――全員、配置につけ! 隊長が儀式に臨まれる!』
ペストマスクの一人が、女性に報告する。
女性――エリザヴェーダ・ラジェンスキーは、待ってましたとばかりに腕をまくり、男児を抱え祭壇へ向かう。
「――ッ! ――――ッ!!」
「おっとと。危ない危ない、そんなに暴れるとおっこちちゃうよー?」
異常を悟り、激しく抵抗する男児。
エリザヴェーダは多少おどけた様子を見せるが、それだけ。口ではあやすように諭しつつも、男児を握る腕はまるで小動もしない。
祭壇中央に男児を置き、逃げられないよう拘束を厳に重ねる。そうして全ての準備を終えると、エリザヴェーダは朗々と詠唱し始めた。>>177
『素に銀と鉄。礎に石と契約の大公。租には我が大師ラジェンスキー』
『降り立つ風には壁を。四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ』
『閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)』
『繰り返すつどに五度。ただ、満たされる刻を破却する』
光が灯る。
部下に命じて描かせた魔法陣に魔力が宿り、高速で循環し始める。
『――告げる』
『汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に』
『聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ』
眼下の異変に、生贄たる男児が怯え狂う。
無論そんなもので始まった魔術が止まる事はなく、エリザヴェーダもまた愉悦を深めながら詠唱を進めていく。>>178
『――誓いを此処に。我は常世総ての善と成る者、我は常世全ての悪を敷く者』
『汝三大の言霊を纏う七天』
『抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ!』
輝きが頂点に達し、暴風が渦を巻く。
魔法陣を、祭壇を取り囲むように待機していたペストマスク達が風圧に気圧されるも、倒れる者は一人としていない。
やがて。濛々と巻き起こった土煙の奥に人影が映り――
「……ふむ。此度の召喚は、こういう霊基(カタチ)と相成りましたか」
人影が、言葉を発する。
先ほどまで生贄の男児以外いなかった筈の場所から、別の何者かが現れる。
それは、痩身の青年の姿をしていた。
黒白の入り混じった髪色、紅玉めいた輝きを湛える瞳。顔立ちは人並み以上に整っており、エリザヴェーダの目から見ても美形と言って差し支えないものがある。>>179
だが。その全てにも勝るのが、背中の双翼(ツバサ)と頭の大角(ツノ)。
各々黒白に染まった双翼と、山羊のそれをさらに雄々しくしたような大角。いずれも常人であれば持ち得ぬ筈の代物で――そして何より、青年の正体を明らかにする証明(モノ)だった。
「暗殺者の霊基とは、我ながらまた酔狂な召喚になったもの……ですが、これもまた何かの縁。甘んじて、いえ喜んで受け入れましょう」
人間離れした容貌とは裏腹の、礼儀正しく紳士的な口調。
召喚の脱力も相まって呆然としていたエリザヴェーダだったが、その言葉に我を取り戻し一歩進み出る。
「えー、っと……その。あなたが、私の、召喚したサーヴァントという事でいいのかしら?」
「ふむ。そういう貴方は、己を召喚した魔術師のようですが……その前に一つ、よろしいでしょうか。……『これ』は一体どういうおつもりで?」
エリザヴェーダの問いに、青年は抱えていたもの――生贄の男児を持ち上げる。
ショックのあまり気を失ったのか、男児は青年の腕の中で力なく横たわり、まるで反応しない。
糾弾とも追及とも取れる青年からの問い返しに、しかしエリザヴェーダは実にあっけらかんとした態度で答えた。
「何って、もちろんあなたへの生贄のつもりだけど?」>>180
「…………ほう?」
空気が凍る。
ただ一言、青年が呟いただけで部屋の中が凍土の只中に変わったかの如き緊張が流れる。
そんな中、当の元凶たるエリザヴェーダは朗々と言葉を続けた。
「いやだってよ? 私が呼ぼうとしたサーヴァントは聖書にも語られる『そういう存在』なわけですし?」
「信仰に背いてまで、喧嘩売って三行半叩きつけて泥塗りたくってまで呼ぶってんなら、猶更そういう準備はきちんとしなきゃじゃない。まあ私はそんな信仰心(モノ)欠片も持っちゃいないんだけどさ」
「でもあなたの好みとかまでは流石に知らないし――だから。その辺をうろついてた良さそうな子を攫ってきたつもり、だったんだけど……あれ、ひょっとしてお気に召しませんでした? 『魔王様』」
魔王様、と。
そこまで呼ばれた所で、青年がピクリと反応を示す。
「……ふ。ふふ、ふふふ、くっふふふふ!」
「……」
「魔王! 魔王様と呼びましたか、汝様! よりにもよってこの己の! 眼前で! 魔王! 様! と!」
「お気に、召しませんでした?」
「いえ、いいえ! むしろ安堵しましたとも――当世においても、己の在り様が正しく語り継がれていたのだと!」
「…………ん」>>181
と。そこで、青年が抱いていた男児が反応を示す。
どうやら意識を取り戻したらしく、覚束ない両目で青年の事を見上げている。
「おや失礼、騒ぎすぎてしまったようですね」
「そのー。ところで、『それ』どうします?」
「ふむ。一応、この霊基の己は貰うよりも率先して奉仕すると決めている側の霊基なのですが……汝様がくれる、というのであるならばやむなし、でしょうか」
青年が、男児の顔を覗き込む。
男児が我に返り、何事かを発そうとした間際――青年は、男児の首に勢いよく喰らいついた。
「――――――――ッッッッ!!!」
絶叫が、鮮血が迸る。
生きながらにして喰い千切られる。その恐怖と苦痛、そして絶望に男児の身体から急速に生命力が絶えていく。
真向かいにいたエリザヴェーダにも少なくない量の返り血が飛び散るが、当の彼女は全く気にも留めていなかった。
そればかりか眼前の惨劇を前にこうも思っていた。
――綺麗、と。
「ふうっ、ふう……おや、死.んでしまいましたか。やはり子ども相手では加減が難しい。もう少し長く味わうつもりだったのですが」
真っ赤に染まった自身の姿を何ら省みず、青年は抱いた亡骸を口惜しそうに見やる。
見やって。次の瞬間何事もなかったかのように、放り捨てた。>>184
そしてこちらが今回のおまけ設定
エリザヴェーダ・ラジェンスキー
アサシンのマスターにして、ロシア帝国より派遣されてきた魔術使い。
ロシア帝国特務機関『黒犬猟兵(オプリチニキ)』の隊長を務めているが、彼女がトップというわけではなく、あくまで数ある部隊の内一つを任されているだけ。
魔術使いである彼女が隊長を務めるだけあって魔術・神秘方面に関する任務を主に担当しており、日本に派遣されたのも極東における怪しげな霊脈反応を確かめる為だった。
が、色々あって盃月の大戦の事を知り、そのまま参戦するというのが大まかな経緯。
性格・設定等は製作者様のそれと同じだが、こちらの世界線ではロシア帝国所属という点のみが差異。
本作におけるラスボス候補その1。最終的に盃月を奪い取り、帝都で何やかんややらかす(書く予定があれば、の話だが)
聖杯への望みは「ロシア帝国の繁栄」――だが、これは表向きに過ぎず本心では奪った後で好き放題してやろうと考えていた。
アサシン/サタン
エリザヴェーダが召喚したサーヴァント。
設定・性格については製作者様のそれに準拠。
エリザヴェーダの事はそれなりに気に入っており、彼女の悪事も止める事なくノリノリで加担する。
ルート次第だが最終的にはエリザヴェーダ共々ラスボス化。奪った盃月により魔王の側面を引き出し、千早たちの前に最後の敵として立ちはだかる(予定)東鬨聖杯戦争最新話、wikiに投下しました。
余りにも長くてスレを圧迫するかなーっと思いwikiにしましたが、みなさんさえ良ければここに投下してもよろしいですか?めちゃくちゃ疲れた…今からスレを遡って確認するか…
青くなったので、取り敢えず前半を投稿しますね。
槍と刃がぶつかり合い、響く。
一瞬の判断ミスが即死に繋がる土壇場の中、魔剣は時間経過に伴い更に冴えを増していっている。拮抗していた戦況は徐々に、それでいて確実に魔剣使いに傾いてゆく。
ランサーの額に汗が流れる。命を削るルーンを何度も踏み抜いた結果、此処にきて彼女の霊核が悲鳴を上げ始めている。
それでも彼女が支えているのは偏(ひとえ)に気力だけだった。負けてはならない、撤退は赦されない、騎士としてのプライドが彼女を奮い立たせている。
剣戟で刻まれる“ユル“の文字。
死を意味する文字は不可視の一閃となり、静観を保つ亥狛めがけて放たれる。
回避は困難だが受ければ死は避けられない。サーヴァントにも劣る動体視力しか持たない人狼程度では反応することは出来ても対処は難しい。
「危ない!!」
ランサーは全速力でマスターの元へ戻ると、間一髪のところで死のルーンを払いのけた。
「すまん、ランサー助かった」
「礼に及ばず!それより亥狛は指示を────」>>196
意識を少しマスターに割いたほんの一寸の時間は、魔剣使いが姿を眩ますには十分だった。
相手を見失い混乱するランサーをよそにマスターである亥狛が声を上げる。
「上だ!ランサー!!」
「────、ッ!!!」
それは耐えがたい重圧となって襲いかかった。
亥狛の喚起がなければ間違いなく致命傷を負っていた、そう確信できるほど重く、芯に響く一撃。
詩譚が渾身の力を込めて振り下ろした魔剣はランサーだけでなく亥狛もろとも斬り伏せんと力を増す。
二人の膂力と魔力に周囲の環境が耐えられなくなり地面は抉れ、亀裂を刻む。
地形を変化させる攻撃を真正面から受けてなお、ランサーは亥狛を守る為にギリギリで踏み止まる。
「く、ぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!!」
力任せに槍を振り上げる。単純な力比べはランサーに分があったらしく、魔剣使いは剣もろとも吹き飛ばされた。
ロケットのように吹き飛ばされた魔剣使いの身体はそのままコンクリートの壁を突き抜けてようやく静止した。だが詩譚の身体に大きな負傷はなく、依然として彼が優勢だ。>>197
空間に静寂が流れる。
白銀の騎士は乱れた呼吸を整えると、槍を構えて唸る。
「この力強い太刀筋、燃え盛る炎。設置型ルーンで機動力を削ぐ工夫も実にお見事」
でも、という接ぎ句は風切り音でかき消された。
「だからこそ惜しい!惜しすぎます!」
コンクリートの柱と肉片を蹴り砕きながら詩譚目掛けて飛翔する。地面に足をつかなければルーンを気にする必要はない、そう考えた上での行動だった。
連撃につぐ連撃。
槍を打ち据えては跳びすさり、また叩き伏せては退避する、ヒットアンドアウェイの繰り返し。
まるで縦横無尽に飛び跳ねる跳弾だ。しかもただ闇雲に飛び回るのではなく、全ての軌道の照準は魔剣使いに向けられている。
意思を持った人間ミサイルは容赦なく、息吐く間もなく攻撃を浴びせかける。
「それだけの腕ならばしかるべき場所で、ちゃんと時間をかけて戦ってみたかった!」
彼女の声が荒立っている。>>198
ランサーが怒りをあらわにするのは珍しいことだった。他人を慈しんだり憐れむことはするが怒っている姿なんて亥狛さえ見たことがなかった。
それくらい悔しいのだろう。
せっかく好敵手になれる逸材に出逢ったのに、こうも制約に縛られてしまっては愉しみようがないじゃないか、と言いたげだ。
こんな境遇じゃなければ、こんな状況じゃなければ、ずっと戦いに興じられたのに。
ギリリと歯を食いしばる。
「あんな、あんな聖杯に守る意味なんてあるのですか。あなたが守る必要なんかどこにあるって言うんですか」
「お喋りが過ぎるぞランサー、『アレ』は俺の命を賭けてでも守る価値がある。それだけだ」
ランサーとは対照的に魔剣使いは実に淡々としたものだった。戦いそのものに愉しさを見出すタイプではないのだろう。
「それは大勢の人間の命よりも重いとでも言うつもりか?」
怒りと不信の眼を詩譚に向けて、亥狛は呟く。湧き上がる激情を唸り声に変えて訴えかける。
だが詩譚から返ってきたのは亥狛が予想していた答えとは違っていた。
「くどい。あんなナリでも俺にとっちゃ世界中の誰よりも、何よりも大事な聖杯(いもうと)だ。……もう二度と失わないと決めたんだ。これ以上俺から、大事なモノを奪ってくれるなよ」
「いもうと?」
なんのことかさっぱり分からなかった。だが亥狛が嗅覚をより鋭敏にさせてようやく彼の言ってる事の意味に気づいた。
ほんの微かに聖杯の中に別の匂いが混じっている。けれどそれは精々残り香みたいなモノで、もう既に聖杯と溶けあい「一つ」になってしまっているようだった。
もはや摘出は不可能だろう。
実現するにはそれこそ過去改編───魔法級の奇跡がなくてはならないだろうし、そもそも摘出に割く時間もない。
跡形もなく壊してやるのがせめてもの慈悲、そう思えるくらい事態は絶望的だった。>>199
「なるほど、誤解してた。お前にはお前なりの戦う理由があるんだな───でも、それでも。悪いが俺達は進まなきゃダメなんだ」
「だろうな、最初から期待しちゃいねえよ」
詩譚は笑った。もとより他人の救いの手など期待していない男の笑いは酷く渇いて聞こえてならない。
魔剣を構える。
「コレがただの我儘だって分かってはいる、だが退く訳にもいかないんでな。だから俺のワガママの為に死.んでくれよ有象無象共」
魔剣の魔力が一気に膨張する。爆発的に膨れ上がった魔力は熱に、そして火へと変換され、周囲一帯に燃え広がってゆく。
聖杯の肉が熱と火に焼かれ焦げ臭いニオイを発し、じゅうじゅうと汚い汁を撒き散らしながら身を縮める。この調子だとコンクリートさえも融けてしまいそうだ。
大技の予感がした。
魔剣よ今一度敵を打破するチカラを。
『上等、蹂躙してこうぜ』
轟、と炎を滾らせる。彼の望みに呼応してより一層火力を増してゆく。
あまりにも暑い。魔剣使いの後ろの景色が熱でぐにゃりと歪んで見えるほどだが、熱と炎は未だ最高潮には程遠い。
「令呪を以って、我が魔剣に命ずる。その真価を開帳しろ」
『承認。念ずれば花開き欲すれば道は通じます、貴方の強欲に幸あれ』>>200
魔剣の剣先から何百、何千もの魔方陣が展開される。
陣はキリキリと音を立てて展開、拡大、変化を繰り返し、やがて一点に収束する。その威容たるや比類なく、対軍さえもゆうに超えた対城の一撃かと思われた。
『これなるは、最果てに眠る先人に捧ぐ我が葬送。欲望に身を窶し、その身を滅ぼした全ての愚者よ。我が栄光、そして非業の末路を見届け、嗤いたまえ』
思わず嘆息するほど破滅的で、機能的で。
目の前の敵を消し飛ばす為だけに消費されるのは惜しいと思えてしまう程に美しい魔方陣だった。
以前と比べて魔剣との同調率が上がった。
その為だろうか意識の混濁はないが、残りわずかな命を無理矢理動かしてる感覚だけはずっとあった。
もう頸から下の感覚はほとんどない。血管はそこらかしこで破綻し、神経はとうに機能していない。
魔剣使いを動かしているのは魔剣の恩寵と本人の気持ちの強さのみ。彼もまたランサー同様に追い詰められていたのだった。
もう限界は近い。だが彼の肚は座っていた。>>201
魔方陣が一気に収束すると、今度は黒々とした炎が顔を出す。
一筋の光線となった魔炎は煌々と輝いて、見るモノ全てに畏怖をもたらす。
『剣よ憐め、災禍の坩堝に呑まれし我を(ティルヴィング・ディズアスター)────!!』
怖い。
動物的本能は逃げろと必死に訴えかけてくる。けれど亥狛は理性と信念でそれに抗う。ここで退いては友人に合わせる顔なんかない。
「迎え撃てそうか?ランサー」
「勿論ですとも。命に変えても、必ずや」
銀の槍が弧を描く。
ランサーの心を具象化した槍に一点の曇りはなく、迫り来る脅威を撃ち落とそうとより輝きを増す。
『善を興し、悪を誅すは我が正道』
勝算は不明。手立ては皆無。
『此処に、その真髄を垣間見せん』
燃え盛る業火に呑まれた末に、我が身は潰えるやも知れない。
しかし敗走など有り得ない。
この背中にマスターと無辜の民の命を乗せているが故に。
これこそ正しく人々の安寧と希望を守る為の戦いであり、我が誉れとする“騎士道“の本懐なれば。
この瞬間を前にして、臆する騎士など何処にいようか。>>202
『────無穢なる聖槍(ノゥブル・マナス)』
誉れを胸に。心を槍に。
白銀の騎士は魔炎の脅威に立ち向かう。
黒い炎は極太の光線となってすべてを呑み込んでゆく。摂氏十万度、桁違いの熱波はすれ違うあらゆるモノを蒸発させながら、前へ前へ迫り来る。
いかに身体が頑丈なサーヴァントだろうと、恒星クラスの熱波を前にすれば塵となってしまう。正面からの突破なぞ愚の骨頂。まさしく飛んで火に入る夏の虫だ。
だが退却する道を最初から考えていないランサーは、愚かにも真正面から対峙する。
白銀の槍は真名解放とともにより一層光の強さを増す。彼女の信念の尊さに比例して強くなる槍は、彼女同様真っ向勝負を望んでいるらしい。
実に頼もしい限り光だが、恒星級の宝具を前にしてはいささか心許ない。
相対するは対城、下手すれば対国に該当しうる超宝具。一方こちらは贔屓目にみて対軍相当、出力の桁がまるで違う。
あまりに分の悪い勝負だとランサーは心の中で微笑う。
けれども決して退いたりしない。槍をつがえて、真っ直ぐに黒煙の方へとひた進む。
衝突する白と黒の光。
瞬く間に辺りが光で満ちていく。>>203
黒い光は白銀の騎士を焼き潰そうと轟轟燃え盛り、騎士の心を徐々に蝕んでゆく。
鎧は既に融け落ちて、ランサーは摂氏十万度の中をほとんど生身の状態で耐えている。燃え盛る太陽の中に飛び込むようなものだ、抵抗はおろか呼吸さえも儘ならない。
その責め苦は尋常じゃない筈なのに。
「───、ぐ─────」
雑念が思考を塗り潰す。
痛みが理想を磨り潰す。
しかしランサーはなおも前へ進む。
前へ、前へ進む度に、彼女の槍は更に輝きを増していくのだ。
白銀の槍は彼女の心の具象化。
彼女の心が折れない限り、諦めない限り、どんな干渉も貫き通す不壊の槍であり続ける。
諦めずに前へ、前へ。
そんな彼女の背中を亥狛は後ろから見る。
押し寄せる黒の波濤。肺さえ焼き尽くされそうな極限状態のなかで、ランサーはなおも輝いて映る。
「………負けるな、ランサー…!」
その背中に既視感を覚えていた。
今まで生きてきてこんな光景を目にした記憶はない筈だ。だけどどうして懐かしいと感じてしまったのだろう?
記憶を漁り、掘り返して、ふと思い至る。>>204
(ああ、あの景色か)
思い出したのは嘗て眺めた人里の風景。
災害に見舞われながらも前進を諦めない人達の姿と、それを遠くで見つめ続ける人間じゃない自分。
取るに足らないと思っていた人間が意思をもって未来を切り拓く、そんな記憶。
合点がいった。
これはあの日の再来だ。
(でも、あの時と今は違う)
違うのは、もう自分は見つめるだけじゃないってこと。ただ憧れるのではなく、真に「人間」として生きてゆくと決めたから。
ならばランサーのように、あの日の人々のように、死力を尽くして希望を掴み取ってやる。
(俺は本能のまま逃げ惑う動物じゃない。森の奥地に篭ってばかりの幻想種でもない)
喉を震わせ、大声で告げる。
(一歩前に踏み進む、人間になるって決めたんだ────)
「令呪を以って我が槍に命ずる。己の信念を胸に、我が陣営に栄えある勝利を!!!」>>205
黒い光の中でなお赤く煌めいた閃光は、ランサーの背中を押す助力となる。
融け落ちた身体と鎧は再構築され、腕に再び力がこもる。そして信じられない事に、彼女の槍も令呪の呼び掛けに応じてか形を変えてゆく。
槍は彼女の精神性が顕れたモノ。であれば彼女の精神が、霊基が一段階向上した事により形状を変えたとしてもなんら不思議な話ではない。
だがこれは、この形はランサー本人をして驚嘆せしめた。
「これ、は」
スピアの形状から次第にランス(馬上槍)へと成り立ちを変えてゆく。柔らかくも神々しき光は螺旋を描きながら槍を覆ってゆく。
そして特筆すべきは思わず見惚れてしまう程の荘厳さだ。
見間違えようがなかった。
その槍はガレスが生前目にした中で至上の槍。
彼女が仕えた王のみ所有が許された、神代と幻想の最後に立った王だからこそ手に出来た聖槍。
世界を救う星の聖剣と同等と謳われる、世界の禊。
(……なんの因果か、王よ。これを私に振るえと仰るのですか)
その質感。
その高貴さ。
その燦々と溢れ出る魔力は、紛れもなく真作であった。>>206
本来ならばあり得ない話だ。円卓の騎士ガレスに聖槍の逸話などない。アーサー王が「コレ」を使用したのはカムランの丘での戦いであり、邪竜ヴォーティガーンとの戦いであり、どちらもガレスが関与していない。どう考えても辻褄が合わない。
────しかし此度聖杯戦争に召喚された英霊「ガレス」は、本来のうら若き彼女ではない。
円卓の騎士ガレスは他の騎士達から「いつか理想の騎士になる」と言われながらも、志半ばにして倒れてしまった英雄だ。
だがこのガレスはその「いつか辿り着く筈の理想の騎士」としての姿で顕れている。言うなればIFの姿であり、可能性の寵児の最高到達点。
故に霊基再臨に乗じて数多ある剪定事象の中から「聖槍を授かる可能性」を無作為に手繰り寄せられた。
しかし。
(私に、聖槍を持つ資格など……)
流石のランサーでも困惑の色が隠せない。誉れ高き騎士王だからこそ手に持つことが許される槍を、一介の騎士風情である自分が手にするなど烏滸がましいというもの。
キャメロット崩壊の一端を担ったあの惨劇、その当事者が振るうなど赦される訳がないのに。>>207
だが現に聖槍は遠い遠い剪定事象の彼方から自身の手元に顕れた。
とすればこれは円卓の騎士達の総意であり、敬服する騎士王の采配と言わずしてなんとする。
騎士ガレスに受け取らない理由がなかった。
(これも王の御導きというのであれば。有り難く、拝命いたしますとも)
白銀の騎士は輝ける槍に手を伸ばす。恐れ多くも、確りと。確固たる信念を胸中に秘めながら、祈るように紡ぐ。
『聖槍、抜錨』
曰く聖なる槍には十三の拘束が掛けられており、複数の誇りと使命を成し遂げられる事態おいてのみ聖槍は真価を発揮する。
それはあまりにも強大すぎる力を抑える為に採られた措置であり、星を繋ぐ光の槍はしかるべき時にしか使えないようになっているのだと。>>208
『十三拘束解放────円卓議決開始』
ランサーが開廷を宣言すると、聖槍は一つずつ拘束が解けていく。
《「是は、己より強大な者との戦いである」───ベディヴィエール承認。》
まるで重々しい錠前を鍵で開けるかのように。
《「是は、人道に背かぬ戦いである」───ガヘリス承認。》
そして解放の度に、槍は力強く響く。
《「是は、精霊との戦いではない」───ランスロット承認。》
円卓の騎士達は同朋の背中を押す。
《「是は、邪悪との戦いである」───モードレッド承認。》
臆するな、されば勝利は与えられんと。
《「是は、私欲なき戦いである」───ギャラハッド承認。》
聖槍を振るうに相応しい、理想の騎士であれと。
『「是は、誉れ高き戦いである!」────ガレス、承認します!!』
裁定は下った。解放された条件は六、全部で十三ある拘束の内の半分にも満たしていない。
したがって真名解放には及ばず本領発揮には程遠い。
だが発揮せずとも聖槍は神霊が行使する宝具にさえ匹敵する。事実槍は光の嵐となり黒い炎を破るようにしてガレスと亥狛を守る。>>210
亥狛が五体満足でいられたのは単純に卓越した獣の勘の賜物であった。
何処にいれば巻き込まれないか、死なないか。
それを脊髄で掴み取り、実行に移した。逆に言えば勘が作用しなければ即死していたに違いない。
そんな戦局の中、亥狛は白と黒のぶつかり合いを静かに見届ける。
戦いは佳境を迎えつつある。
ここから先は未知の領域。
魔剣が勝つか、聖槍が勝つか、これで勝率は完全に五分となった。
どちらかが均衡を崩せば雌雄はそのまま雪崩れて決するだろう。
「──、───。───」
剣先に展開された魔方陣が悲鳴を上げる。
明らかに許容範囲を超えた出力に、詩譚の気持ちではなく、魔剣の身体(ハード)が限界寸前だ。
そうして。
ガラスが割れる音がした。
一枚、また一枚と立て続けに。そしてそれは魔方陣が壊れる音だと認識する。
(ふざ、けるなよ)
焦燥が駆ける。魂を燃料にして、身体を犠牲にして、命を切り売りしてまで絞り出した一撃が。
……あんな令呪一画ぽっちで覆っていい筈がないだろうが。>>211
しかし現実は非情だ。
ついに臨界点を超える魔方陣。
何重にも張り巡らされた牙城はたった一つの亀裂から次々と崩落し始める。
「────、────ぁ───」
動力を失った黒炎は酸素を絶たれた炎のように呆気なく霧散した。
そしてその瞬間を、歴然の騎士が見逃す事はなかった。
「届、けええええええええぇぇぇぇ!!!」
一念天に通ず。
暗闇の中を一条の光が突き抜けると、収束していた光が閃光となり飛散する。
それに伴い着弾点を中心に暴風の渦が起こる。駆け抜ける衝撃波。脚元を掬われそうになるのを寸前の所で堪えながら、亥狛は目を逸らさなかった。
目を凝らして見る。
光の靄(もや)が晴れた先には、聖槍を握ったランサーの姿があった。
肩で息をしながら、堅い表情で視線を落としていく。>>212
魔剣使いは足下で仰向けに斃れている、この時点でどちらに軍配が上がったかは明白だ。
だがランサーは事実を呑み込むのに時間を要した。
なにせ相手は聖槍という不確定要素(イレギュラー)なしでは決して下せなかった強敵。
正直、立場が逆な方がまだ自然、そう思えるほどに強かった。
それくらい呆気ない幕引きだった。
「………得難い強敵でした。貴方がどこの誰かは知れませんが、どうか安らかに御眠りください」
槍が酷く重たく感じる。
鎧を脱ぎ捨ててしまいたいくらいに、体が気怠さを訴えている。
大きく息をして呼吸を整えてから、ゆっくりとマスターの顔を見て。そうして初めてランサーは勝利を実感した。
だが喜んではいられない。
なにせ使命はまだ終わっていない。
肉の聖杯を破壊して、東鬨の街への侵攻を止めて、初めて安堵できると言うもの。そういう意味では彼女の仕事はこれからが本番だ。
────そう思っていた。イコマさんの後で投稿するのは非常に恐縮してしまうのですが、ナチス聖杯戦争のプロローグを投稿してもよろしいでしょうか?
>>217
ある程度溜まったので投下しますね。
「オカルトなぞ、プロパガンダ程度の利用価値しかないと思ったのだがね」
己の手の甲に刻まれた令呪を見つめながら、ラインハルトは一人思いに耽る。
聖杯戦争で参加を許された者に現れる資格。魔術を体現する者にのみ現出する聖痕。
それが自分に現れた。ともすれば、それは己に魔術師としての才能があったに他ならない。
ラインハルトは自らを優れた人間であるという自負がある。傲慢で、自信家と思われるかもしれないが、しかして優れているという点は誰にも否定できない事実でもあった。
容姿端麗、聡明叡智、身体能力にも優れた才能の塊だ。加えて現実主義で、物事を俯瞰して非情であろうとも正しい選択を下せる冷酷無比なる黄金の獣。
そこに魔術の才能が追加されて非の打ち所がなくなったと言えよう。唯一の欠点を挙げるとすれば、上司に恵まれなかった巡り合わせの無さか。
ともかく、ラインハルト・ハイドリヒは才気煥発なる身の人物であった。
「魔術、神秘……眉唾物と断じていたそれは実在し、そして私はその儀式に加担している。ふふ、驚愕の連続、自らの知見狭小の露見。実に良き経験をさせてもらっている」
彼は魔術に触れるまでは、オカルティズムなぞプロパガンダ程度の利用価値しかないと考え、その存在を信じていなかった。
なので、上司であるハインリヒ・ヒムラーが魔術に傾倒し、ヴィルグリートの言にばかり耳を貸す姿を侮蔑し、嘲った回数は数えきれない。
しかし、こうして本物を目の当たりにし、身を投じてみて……成る程、確かに興味深い。
超常的であるが故に露見せず、神秘であるが故に相手の裏をかく事ができる。これ程までに権謀術数、戦術の幅を広げられるものはないだろう。「……しかし哀れなものだな。彼奴め(ヒムラー)を無能だと蔑視してはいたが、ここまで非才ともなればいっそ憐憫の情を禁じ得ない。誰よりも無才であったが故に魔術へと傾倒したというのに、その魔術にすら見放されるとは」
ラインハルトはヒムラーの対極に位置する人間だ。
片や才能に恵まれ、後世においては『黄金の獣』と呼ばれた傑物。
片や才能に恵まれず、後世にて無能の誹りを受け、『ヒムラーの頭脳、すなわちハイドリヒ』と揶揄され、ラインハルトの操り人形である陰口を叩かれた凡人。
故にラインハルトは侮りつつも、憐憫の情を覚えていた。欲していたあらゆる事物に見放されたヒムラーという男を。
「まあ、あのような性根の男だ。魔術の才なぞ無い方がナチの為かもしれん」
どうせ要らん事を仕出かすに決まっている。
聞く話によれば、神秘とは秘匿してこそ神秘足り得るとの事だ。
自己顕示欲の強いヒムラーが魔術の才能など持ってみろ。忠告されながらもどこかで漏洩するに違いない。
それ程までに、ヒムラーという男は『力』に対して強いコンプレックスを抱えている。側から見てすぐに察してしまう程度には。
そんな男に魔術という特異性は過ぎたる力だろう。自身の方がより有用に、より巧みに使いこなせると、ラインハルトは一種の確信を持っていた。
「────」
トン、トン、と人差し指で机を突き、視線を資料に向ける。
ヒムラーの事は既にどうでもいい。今の彼の興味をひく要素は、ナチによって秘密裏に開催される聖杯戦争────その参加者たちであった。
幾度となく目を通した資料。そこに記載されている情報は興味を唆られるものばかりで、世界は広いのだと新鮮味を覚えるものだった。>>219
一人目、エルヴィン・ケーニッヒ。
名目上はケーニッヒ家の子息であり、士官学校を終えた後に正式な軍属になったという経歴が記されていた人物。
しかしその実態は、ヒムラーが作り出したレーベンスボルンより産まれた人工生命体(ホムンクルス)。ゲルマン人種の遺伝子と錬金術を掛け合わせた結果、造られた超人計画のプロトタイプ。
自然の嬰児たるホムンクルスなので良質な魔術回路は勿論のこと、他には狙撃能力が突出しているとの評価があった。
一つ不可解なのが、何故“男装”なぞしている点である。何やらヒムラーの方から干渉があったようだが、まあ触れなくてもいい事物だろう。
契約サーヴァントはアーチャーという事のみ判明している。それ以外はヒムラーの計らいか、真名を口出さないように配慮されているようだ。
二人目、カール・エルンスト・クラフト。
ヴィリグートが何処からか連れてきた占星術師。彼が扱う占星術の精度は凄まじく、予知した未来を的中させた実績を持つ。
しかし、ラインハルトの目を引いたのはオカルト方面ではなく、その優れた頭脳方面であった。
超常の力を用いなくとも偉大たり得る器の持ち主であり、きっとナチの間でも自身に並び得る能力を持っていると、ラインハルトは断定していた。
ただまあ……優秀である事とは裏腹に、言動が胡散臭さに満ちているのは否めないが。
契約サーヴァントはキャスターで、こちらもヴィリグートの規制によって真名を知る事はなかった。時折、会話の中にある『聖槍』『円卓』等の単語から、おそらく円卓の騎士と聖槍に縁のある者だと推定できるくらいか。
「食えない男だ。おそらく、あの会話自体も敢えてこちらが聞き耳を立てているタイミングで漏らしたのだろう。錯乱の為か、余裕の表れか……」>>220
次にラインハルトが想起したのは、諜報機関を用いて集めた“外部”からの参加者の情報である。
「アイスランド、USA、国籍不明の浮浪人、そしてユダヤ人。よくぞここまで外部から集ったものだ。一応、この儀式は特秘扱いされているのだがね。何処ぞの莫迦が自慢げに吹聴したか……あり得ん話でもないな。あの男(ヒムラー)は頻繁に総統をヴェヴェルスブルク城に招いていたし、魔術の有用性を赤子が覚える程に高々と力説していた。間者が情報を掴んでいても何ら不自然はない」
しかし────と付け加えてラインハルトは眉を顰める。
「こちらの対策、措置、それ等を全て突破して情報を持ち逃げされたなどと、面白くはないな。これより先は魔術による盗聴、盗撮等の対策も必要になるか……腕が鳴る」
諜報機関の長官としてのプライドか、黄金の獣としての本性か、ラインハルトは月夜の中、一人不敵に笑う。
聖杯戦争……我が生涯にて二度はないであろう超常なる闘争よ。自らが積み上げてきた能力、そして新たなに獲得した魔術という神秘、その両方を存分に振るえるまたとない機会に感謝を、と獣のような唸り声で喜びに浸る。
ナチの為、聖杯の為、建前なぞ山程あれどラインハルトこの時にのみ率直な感情を露わにしていた────全霊をもって力を振いたいと。
第二次世界大戦が勃発する前の、ひと時の戦争。
ここに黄金の獣と呼ばれる男が、人知れず牙を研ぐのであった。>>221
ラインハルト・ハイドリヒ
ナチスの親衛隊隊長並びに国家保安本部長官。黄金の獣と呼ばれる程の冷酷無比な人物であり、参謀に長けた傑物。
ナチスの歴史において大量虐殺・粛清の全てに深く関わった人物でもある。
「ヒムラーの頭脳、すなわちハイドリヒ」と揶揄される程、ヒムラーからその手腕を頼りにされていた。逆にハイドリヒ本人はヒムラーを内心侮蔑しており、彼の事を「間抜け」と嘲っていた。
神秘に傾倒する姿もバカバカしく思ってはいるが、魔術の存在や、聖杯戦争の概要を知るとその有用性を認識し、自らにそちら方面での才能があると確認した後に利用しようとする。
ヒムラーの命令により聖杯戦争に参加し、ランサーのマスターになった。
才色兼備でありながら、魔術の才能も持ち合わせている規格外。更なる時間をかけて修練を積めば、おそらく怪物と畏怖される存在になり得るかも知れない。
以上になります。登場人物がラインハルト一人だから余り広げられない……。>>191
関係性的にはコッペリウスは人間嫌い、ブロッケンは文明が嫌いなので信頼関係抜きでそれぞれ互いを利用しているビジネスライクな付き合いですね
その上でブロッケンは“現象として”「サーヴァントはマスターに従う」という法則(ロール)を重んじるし、コッペリウスは魔術師らしく使い魔を従えている感覚で上下関係的にはマスター>サーヴァントっぽく見える
ただ、互いに信頼関係とかがこれっぽっちも存在しないので(願いである理想の人形の完成/神秘の時代の復権に都合がいいという)条件次第で普通に互いを裏切るかも……
戦術面では光輪さえあれば不死身かつ正体不明の怪物という点から(Zeroでの百貌のように)相手のサーヴァントに対する斥候のようなことをさせたりもしますが、基本はアサシンらしくマスター狙い。
コッペリウスがオートマタやゴーレムを使役して敵マスター相手に魔術戦をしかけつつ、ここぞというタイミングで『気配遮断』&『影燈籠』で傍に控えさせていたブロッケンを呼び出して即座にマスターvsマスター&サーヴァントの2対1構図を作る。
あとは自然現象であるため神秘の漏洩に繋がりづらいという性質上、場合によっては魂喰いをさせたりも……(とはいえ『影燈籠』もあって魔力消費自体は軽いので、消耗した時の回復用かコッペリウス自身の魔術のための素材(死体)確保の側面のほうが強いかも)
それこそドイツ軍人をこっそり影討ちして、精巧な人形にすり替え、スパイとして送り込む、なんてこともできたり……?>>186
哀れな生贄少年は食われて死亡してしまいました
自分の所為です。あーあ
うーん魔王魔王しとるなぁこのサタン。いいっすね!!
聖杯戦争エンジョイ勢な魔王とサディスティック魔術使いが主従になる……ある意味”最悪”だ
『黒犬猟兵』もいるからマジで隙が無さそうである
>>214
いやぁいいですねぇ聖槍抜錨!やっぱり意地と意地、宝具と宝具のぶつかり合いは美しい
しかしこれ、セイバーの方が肉体ボロボロお兄ちゃんなんだよな……ISHIすげぇ。後編もっとすげぇ
>>222
>アイスランド、USA、国籍不明の浮浪人、そしてユダヤ人
なかなか色々なタイプの人材が…、ユダヤ人マスターはアヴェンジャーかバーサーカーあたり召喚しそう
ラインハルトはどんなランサーを召喚するのやら
キャスターなのに聖槍が言及されるのも中々珍しい印象ですね遅ればせながらライカのスタンスとかあれこれをまとめてみましたー。
ライカは時計塔の権力争いについて「やるのは構わないけど僕を巻き込まないで欲しい」くらいに考えてます。他人の足を引っ張る行為に対する嫌悪感はあるけどそれに口を挟んで厄介なことになるのがもう嫌って段階。多分モートン先生の言う“トラブル続きの問題児”時代に何かあった。
講師陣のことはファミリーネーム+先生呼び。生徒は基本的にファーストネーム。カヴンには先輩を付ける。カヴン先輩だったり単に先輩だったりとまちまち。
ちょっとおこな時とかはフルネーム呼びとかでちょっと距離を置いた呼び方をする。
それぞれに対してどう思ってるかは基本的にキャラシにある通りです。>>215
久々すぎてなんだか鈍りきってました…でも喜んでいただけて本当に嬉しいです。
最後まで書き切る所存ですのでよろしくお願いします!
>>216
セイバー陣営というか詩譚には使命しか残ってないですからね、書いてて哀れに思うレベルですが最後どうなっちゃうんでしょうかね……
>>224
なんてったって設定からして完全究極体グレー◯ガレスですからね!聖槍描写は書いててふと浮かんできたノリの産物ですが設定に上手く組み合わせられて良かったです…!
>>226
ちなみにこの時点でお兄ちゃん要素はISHIだけで、あとはほぼ魔剣に取って代わられてます。死体詰め込んどけば取り敢えず起動する生体ユニットみたいな感じです。
>>230
めっっっちゃ貧弱な詩譚くんですら魔剣がお膳立てすればこの通り、なんで歴戦の勇士が魔剣手にしたらド偉い強さになるんですよね。魔剣の補正力ヤバすぎです。>>234
召喚時の描写も書きたいところですが……ランサーがお労しい事になりますね。
他陣営の掘り下げも書きたいですね。
オラに元気をわけてくれー!ドイツの聖杯戦争なら時代が若干ズレてるけどアンナ・シュプレンゲル(黄金の夜明け団設立の立役者とされる謎の人物)とか出てきたりして……生きてたら完全に婆さんだけど魔術師に年齢なんて関係ないだろうし。
>>229
>>237
魔術師と言えば裏切りが華ですからね(キャスタームーヴするマスター)
Fakeのフランチェスカ→橙子さん評の「英霊召喚そのものより英霊を降ろす人形を作る方が興味あるかも」を素でやってる感じですね<自分のサーヴァントよりリリス案件
同じ厭世家でもアヴィケブロン先生は曲がりなりにも救済の為にアダムを創ろうとしていましたが、コッペリウスは人間が嫌いなので原初の女体(ニンゲン)を欲に塗れた存在として創ることで人の悪性の証明というか「人間は愚か」する為の自己満足なので……
ブロッケンの方もコッペリウスがマスターとしての在り方を放棄したら切る(サーヴァントという現象としてマスターに従う法則に従う必要がなくなる)ぐらいの心づもりではあるんですが……今迄使ってたAIイラストアプリくんがエンジン変わったっぽくって出力されるビジュアルの方向性が変わってしまった……、こういう時自分で描ける人は強いなぁ、とポツリ。
そうそう、サタンのサーヴァント設定のブラッシュアップが出来たんで投下します
【真名】サタン
【性別】無(男性態と女性態が存在)
【身長・体重】167cm・30kg
【出典】聖書など
【地域】主にヨーロッパ全土・中東
【属性】中立・悪
【真名】
主に『聖書』などに登場する悪魔であり、世界トップクラスの知名度を誇るである悪魔、『サタン』。
その名は「敵対者」「障害」「誹謗する者」「訴える者」といった意味を持ち、旧約聖書においては神の僕として使え、新約聖書では悪の代表として世界に敵対する。
七つの大罪の内「憤怒」を司る存在であるが、サタンが何故憤怒の罪を司るようになったかは定かではない。
また、様々な悪魔や堕天使と同一視されており、サタンそのものも赤い竜、蛇、或いは堕天使やポピュラーな悪魔を連想するビジュアルで表現されるなど、真の姿については判然とせず、根本的には性別を超越した存在。
どのような姿であっても「邪悪と堕落を司る魔王」という本質に変わりはない。>>242
【解説】
一人称は「己」という古風かつ独特なもの。
人間離れした容貌には似つかわしくない礼儀正しく紳士的な口調であり、常に他人を尊重し、敬意と微笑を忘れないという人当たりで、一般的な悪魔のイメージとは程遠い印象を与える。
基本的に穏やかな雰囲気の博愛主義者。善であろうとする人間は素晴らしい、悪に自分を委ねる人間は愛おしいという考えのもと、人と世界に試練を与える存在。
大きな災厄から小さな意地悪まで区別なく行い、それによる周辺被害にはほぼ無関心という魔王にふさわしい価値観の持ち主。世界と人々を混乱と困難に陥れる究極のトラブルメーカー。
だがその目的は、ただ苦しませる訳ではなく、困難によって人々を成長させたい、という少々傍迷惑なソレ。
他者の成長に繋がるのであれば、奸計や長期的な計画の元動くなど大抵の行動に抵抗は無く、敗北すら自己の喜びになる等、案外カラッとしている。>>243
己の行動のほとんどを「人間が乗り越えるべき試練」であると考えており、乗り越えた者を褒め称え、挫折した者は甘やかして可愛がる。
その根底にあるのは自分という『悪』に遭対する者達が持つ、様々な意思への期待と愛着。
”悪”とはすなわち負の感情であり、人々にとって打破するモノ、乗り越えるべきモノであるという自認を持つが、だからこそ「頑張れない」「努力しない」「できない」「やれない」という感情も否定しない世界と人類の賛美者。
サーヴァントとしてのサタンは「正体不明の魔王」という曖昧な存在故か、強大な霊器を有しているにも関わらず、己と同一視された悪魔や堕天使の要素を内包した状態となっており、結果、高い出力と複数のクラス適性を共立している。
つまりは堕天使・魔王サタン当人というよりもサタン(障害者)という伝承、概念そのものがサーヴァントとして成立している状態である。
召喚されたクラスによって人類に対するスタンスやもたらす試練の内容は異なり、扱いやすく強力な場合もあれば、制御不能の災厄として現界する事もあるなど、かなり癖のあるサーヴァントとなっている。>>244
【戦闘スタイル】
スキルを利用した予測不能の体術を基礎とし、クラス毎に違う宝具を活用したバリエーションが加わる。
持っている宝具は攻撃的な性質を多く持ち、サポートや搦め手に向いたモノは少ない。
しかし、小細工を弄しなくても格闘能力と宝具によるゴリ押しで敵の打倒に関しては割となんとかなる。
こんな感じです。質問とか確認事項などあれば是非>>240
ほたるちゃんカワイイ…!ハロウィンの時はその格好で給仕してくれるのだろうかなんて想像したり…>>253
wikiにはないですが監獄長のところのクレメンタインさんとか
できました呼称表と簡易版スタンス。まずはクラッフ
前提として基本は内心がどうあれ社交的な態度を取る。バチバチの政治闘争大歓迎派で、近頃はグローリアンという巨大な後ろ盾を手に入れたこともあって元来持ち合わせていた政治手腕を振るっている。ひよる相手には食らいつき、舐めた相手は噛みちぎる、そんなファイター
ルナさん→面白い体質。体質方面での研究は無理だけど礼装とかの合同研究も面白そう
ヨモさん→色々と大変そう。他家の事情だから踏み込まないけど気遣いだけはする
カヴンさん→変な生命体。おそらく人ではない。毒にもならないし薬にもならない
ライカさん→才能の凄まじさと政治闘争を必要としない姿勢に嫉妬とハングリー精神を抱く
エンデさん→名無しで1、2を争う警戒対象。王家との繋がりなんてやってられない
デセフィオさん→貴族マウントにイライラ。でも大嫌いではない。良いとこあるじゃんと思った瞬間貴族マウントでピキピキの繰り返し
モートン先生→次代に引き継いだ魔術師として敬意を、そして政治闘争に敗れた者として憐れみを
テレータ先生→生徒としてのスタンスは好き。魔術師としてのスタンスは警戒マシマシで嫌い
シウン→親友。いつか殺.すけど殺されても良いシウン・ヴィルクレツィア
前提として基本は内心がどうあれ先生という教育者の態度を取る。こちらもクラッフほどではなくとも政治闘争を歓迎する魔術師であり、時には息を吸うように自身の命を賭けた危険極まりない博打をこなしてみせる。命の軽さを博物館で知っているから
ルナちゃん→面白い縁を体に宿している。気にはなるけど墓穴を掘り下げるほどじゃない
ヨモちゃん→アジア圏の生まれなのでそれなりに理解がある。教え導けるところは多いかも
カヴン→おおよそ人ではない何か。あちらが妹として扱う一方でこちらは生徒として扱う
ライカちゃん→心霊的にも、教師的にも、色々と教え甲斐があるのでワクワク
エンデくん→興味があることに首を突っ込みすぎるところは注意したい。魔術の教導もやりがいがある
デセフィオ→学ぶ必要はないながらも頑張る姿が見てて面白い。試練を与えたくなる
モートン先生→ 自身の養父が子を成せない人だったので次代を作り繋いだことには尊敬の意。そして没落には憐れみを
テレータ先生→魔術的にはシンパシー。しかしながらもその女の敵のスタイルはどうかと思うわミスター
クラッフ→親友。いつか殺 すけど殺されても良いザミエルの人(一雨)です アルシオネシアのコメントコーナーを追記しました
清水ほたる…「『食堂の若女将』ことほたる様です」「もっと我々をこき使っていただいてよろしいのですよ」「かわいらしい方です」「本日のB定食オーダー入ります」「機が有れば似つかわしい御衣装を着せるべく計画を進めているのはオフレコでシクヨロお願いいたします」
ヘレナ・アードゥル…「おそるべき早さで灯台室長に登りつめた才媛でございます」「聖エルモもこれにはにっこりです」「彼女の野心などは我々の管轄外です」「我々はあえて言えばツルツルとした物品なのでアードゥル室長の御眼鏡には適わないようです」「とりあえずペルカさまが嬉しそうなのでムイムイは後方で腕組します」>>257
なんならイスマエルが親切で魔術回路の強化改造手術をしないかと勧めてくる。>>253
山星さんも言ってくれました、クレメンタインが衣服作りが好きという設定があります。
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/wiki/クレメンタイン・ヴァンデスカトル>>254
>>255
シウンさんがけっこう周りに対して穏やかだけどクラッフくん内心バチバチしてるのね…いいですわよぉ…
>>256
仕事仲間にめっちゃロックオンされてる。メイドほたるちゃんの本格実装も近い
そうだね…ツルツルなお人形さんだとヘレナはそそられない…ところでくまさんパジャマでもふもふ度を引き上げてみるとかいかがでしょ。もしかしたら振り向いてくれるかも
>>257
ふんふんふん
じゃあざっくりとですけどライカさんとエンデは3年くらいの付き合いがあるって感じになってきますね。わーおながぁい
>>259
はい。こちらが求める条件にピッタリですありがとうございます
あああああ成立しちゃいますよどうしましょ。やるしか…ないのか…?しかしもしやとは思ってましたが…いやデセフィオくんがどう思ってるか次第でもありますけど、名無しの男子組あまり仲がよろしくないな?
警戒し合って距離が空いてる…と…これは今後が楽しみ>>266
承知されちゃった
な、なんて虚無顔を……なにを考えているんだい「極東の西洋魔術における霊地運営協働協約ゥ?」
「通称、東西霊地協約。まだ歴史の浅い日本の西洋魔術師たちが力を手に入れるために、効率的な霊地運営をそれぞれが手を取り合って行っていく。円滑かつ友好的な姿勢であることを強調するためのものだね。大陸の思想魔術の流れも汲んだ、とても日本らしい協力体制だよ。……“表向き”は、だけど?」
「本質は西洋圏の魔術師と何も変わらない。強者が弱者を搾取する。弱者の持つ優れた霊地を何かと理由をつけて奪うための方便だよ」
呆れ返る、とはこのことだ。現代の世界において神秘は目減りする一方で、それらを効率的に共有しようという考え方は悪くない。……しかし、消費文明に生きる人類である以上、そんなことは必ず成し得ない。誰かが得をして誰かが損をする。そしてそれは殆どの場合において弱者が損をする。そういう仕組みになっている。
「そも、世界全体における環境開発……つまり神秘が関わらない科学の方面ですら似たような問題が起きているのに」
「あー、二酸化炭素の排出量の総量だとか、そういう話?まあそうだな。………参加する一族もどれほどいるかという話だし。遠坂、蒼崎辺りが注目株ではあるけど」
「どっちも有数の霊地を持つ上に、他者の協力がなくとも絶大な成果を挙げてるもん。かたや自由奔放な魔法使い、かたや時計塔屈指の天才。ここ二つだけ頭抜けてる。それでいて政治に関してはそこまで闘争意欲がないという話だし……おそらくは関与しない方向性だと思う」大した功績を挙げられていないものは食い尽くされ、功績を挙げたものはそもそも参加を放棄する。もちろん現当主となった魔術師たちの意向にもよるだろうが、少なくとも日本の魔術師の中でも有名なこの二組は参加しないだろう。どちらもそういう駆け引きに慣れ親しむような性質ではなく、またそれを必要としない。
「……野紀一門、綾姫一門辺りは出るんだ。野紀さんがこういう争いごとに興味を持つとは思えないから激化した場合の抑止かな。西洋魔術を扱う純粋な日本人は多いわけじゃないから、内訳としては西洋をルーツとした魔術師の家系が大半だろうけど……雛葉はどうするの?そういう土地転がし、得意じゃない?」
「つまんないからパス。苦手なことならやるよ?苦手を克服できるチャンスだから。でもつまんないことは別。やってて苦しいことはするけどやってて楽しくないことはしないんだ〜。あと音咲は活動範囲が普通に海外だし名義も“そっち”だし」
「そうか、僕もパスだね。そもそも日本古来の魔術でもなく、西洋の魔術でもないんだから。純粋なまま、というのは良いことだけど。混ぜ込んで進化させるのもまた一つの形じゃないかな。古臭くてかなわない」
音咲。そのルーツはオーストリアにある錬金術の派生系の魔術を扱う家系だ。その音咲の若き……いや、幼き当主である音咲雛葉はつまらなさそうな顔でチェスの駒を弄んでいる。そんな小細工を弄さずとも音咲の一族は不動である。化け物であった先代当主からの代替わりの後も、雛葉はその手腕で地位を盤石なものとしている。だからこそ、その戦争に旨みが見出せない。やる意義がない。わざわざ霊地を賭けてまで一発逆転を狙う必要がない。
雷、あるいは天。蚩尤の思想を汲んだ兵器にまつわる思想魔術を用いる雷一族と、日本古来から存在する神臓鋳體を用いる魔術ではなく、心象風景を引き継いできた天一族。その二つの合わさった一族の正当な後継である雷輝宙は魔術師の事情など気にしない。そも後継を引き継いだのは惰性であり、未だに義務感すら見出せないのだから当たり前である。それでも続けているのは、単に自分を捨てた兄への怒りであり、愛情であり……ともかく。「お前(音咲)と、僕(雷)は、この件に関与はしない。……フォーサイスとメルクーリがどうするかはわかんないけど」
「情報収集おっそーい。二人とも後見人として参加するって。照伽も綾姫のとこに貸すってよ」
「………はぁ!?」
「………遅いな」
「いやー、すみませんすみません。息子とのお買い物に熱が入っちゃいまして。本当に可愛い子だし、可愛がられてるのわかってるから俺に色々おねだりしてくるんですよねー。そこが可愛くないですか三上さん?」
「……興味はない」
「そうですか。あなたも家族ができれば……いや、別にどうでもいい話でしたね。じゃあ商談を始めましょう」
舐められているな、というのは相対した瞬間にわかった。どちらも相手方の組織から侮られている、というのがわかる。綾姫一門はトップを交渉相手としているのに、鮫島組は幹部を交渉相手としていること。これは鮫島組の侮りだろう。逆に綾姫一門は当主である綾姫絲栗の傲慢極まりない視線が鮫島組という組織を侮っている。何事にも無関心な鮫島組の幹部である三上令司でも、それはわかる。「魔術、というものをまず鮫島組が信じているかいないかですが……実際のところ、どんな感じですか?本音を教えてください。怒ったりしないんで」
「大方、金や権力に物を言わせた手段だと思っている。フィクションに出てくるような魔法そのものとは思えない」
「あはは……魔法と魔術は別……はまあ今は関係ないですね。金と権力というのもあながち間違いではないけれど……よし、わかりました。三上さん、あなた拳銃を持っているでしょう」
「ああ。それがどうかしたか?」
「右の壁に一発撃ってください。多分、防音性は高いですよね?そういうところを談合する場所に決めたのでしょうし。修繕費は俺が持ちます」
絲栗が何を企んでいるのかはわからないが、特に拒む理由もないため、令司は戸惑うことなく銃弾を打ち込んだ。その躊躇のなさこそが令司の異常さなのだろう。もちろん、銃弾も壁に命中し、穴を開ける。隣部屋に貫通はしていないが、それでもかなり強い威力だ。
「では、次は俺に一発どうぞ」
「正気か?」
「正気です。大丈夫、死ん.でもあなたの責任じゃない、俺の責任だ。横にいるあなたの部下と俺の部下、そして映像機器がそう証明するでしょう」
それを聞いた瞬間、躊躇が一切なく絲栗の頭部に弾丸が撃ち込まれる。狙いは正確、寸分のズレもなし。少しでも絲栗を撃ち殺.すことに戸惑いがあれば出来ないほどの腕前。それを難なくやってのける令司は果たして人と言えるのかどうか。……いや、それよりも人と言えるのかどうか怪しいのは絲栗だ。なぜなら弾丸を撃ち込まれたはずの絲栗は傷一つなく、眼前で弾丸を握り止めていたのだから。「これが俺の魔術。自身の置かれた環境に適応し、身体を作り変える魔術です。今回はその銃の弾速を確認し、それに対応して掴み取れるように体を作り変えました。で、信じてくれました?」
「目の前で起きたことを受け入れないほど俺は愚かではない」
「そうですか、それは良かった。じゃ、色々とお話しましょう!あなたたちが俺に求める物、俺があなたたちに求める物、その会話をね」
「ああ。まず………金、ではないな」
魔術師と名乗る者と関わることになった際に、既にある程度魔術師とはどういうものかというのを調べている。どうやら、魔術師というものは金がかかる生き物らしい。仮に魔術師と繋がりがある海外のマフィアが存在するならばとそちらも調べた。すると、魔術師と関係するマフィアともなればアメリカのスクラディオ・ファミリーなどがあったが……日本とアメリカでは資金力の差が違う。残念ながら、今の日本のヤクザはそのような力を持ち合わせてなどいない。
「暴対法はさぞかしお辛いでしょう。特に中堅ともなれば尚更。そんなあなたたちのお金を取ろうという気なんて俺にはありません。別の形で支援していただきたい」
「武力……もないな。ツテか?」
「まあそんなところです。地域密着型が暴力団でしょう?それなりに便宜を図ってもらいたいことがあるのですよ。ああ、公的機関はお気になさらず。そちらは魔術世界側のその道のプロがなんとかします。現地住民へのコネですね」
「俺たちは歌舞伎町の人間だが」
「ええ、それでいいんです。こちらでやりたいことが少々ありますので。……その代わり、俺たちから渡すのはこれです」差し出すのは魔術に対する知識、日本の魔術組織の情報と、魔術世界に関連のあるヤクザの情報。そしてそれに加え、さまざまな色のついた液体が入ったガラス瓶が五つ。特に緋色のものは一段と珍妙だ。血液と呼ぶには澄んでいるが、ただの色のついた液体と呼ぶにはおぞましい気配がする。
「この赤い液体の中に血を一滴でもいいので垂らします。すると、あなたの体力は魔力……魔術を使うための燃料のようなものと思って構いません。それに変換され、結晶化して出てきます。それをこの四つの小瓶のどれかに入れるとその小瓶に応じた魔術が発動する仕組みですよ」
「魔術とは誰でも使えるというわけではないのか」
「はい。適性があるんですよ。もちろん、適性がある人に一端を教えることはできますし鮫島組が望むのならそれをやっても構いません。これは所謂前金です」
「…………一旦持ち帰ってオヤジとオヤジの信頼する部下と考える。あまりにも特例すぎてどうなるかわからん」
「そうですか。では、そのように。今日はいいお話でしたよ」
何一つ気後れすることなく、互いに毅然とした態度を崩すことがないまま、彼らの会談は終わった。これから後、どうなるかわからないが……互いが互いにとって得になるような選択なのは間違いないだろう。無事に約束が交わされればの話だが。
「リーダー。神秘の秘匿は大丈夫なんですか?前金であんな礼装渡しちゃうのも……しかもマニュアル付き……」「眼と自壊の術式を埋め込んでる。万が一ならすぐに気づくし、約束や秘匿を破るようなら責任取って俺が始末つけるよ。……花縁組はそこら辺ちゃんとしてんね。流石に海外出張したヤクザだ」
「鮫島組がどうなるかはわからない、と。はぁ……あまり目が届かない日本だからって好き勝手しすぎですよ……」
蒼崎のような大偉業も、遠坂のような溢れんばかりの才能もない。そんな綾姫がここまで戦ってこれたのは、とある呪体を用いて作った魔術刻印の特異性と、知略策略を用いて積み上げてきた権力だ。もちろん、それはたかが知れているようなものであり、西洋の魔術師からしてみれば軽んじられるもの。しかしそれを花開かせるのが今回の聖杯戦争の、ひいては東西霊地協約の目的であり─────
「ところで息子さんには何を買ってあげたんですか?」
「服でしょ、あとパソコンの部品でしょ、それとアイス。いやー、息子とファッションでワイワイする日が来るとは思わなかったなー」
「………あの、息子さんの面倒見始めたのいつからでしたっけ」
「13の頃。セレナと会ったのがその時だからさ」
「………うーん………」間に合ったァ……
『船』のというか、ほたるのハロウィンSS投下してよろしいでしょうか>>281
おお青くなった。いきまーす
10月31日。世はハロウィンなる催事に浮かれている頃。
秘海集積船と呼ばれるこの『船』の航海中だってそれは例外じゃない。右を見ても左を見てもハロウィンハロウィン仮装カボチャハロウィン仮装カボチャカボチャで溢れてる。
こうなってくると普段とは違う仕事もわんかさ出てくる。キッチン周りなんかは、特に。
「忙しい忙しい忙しいー!」
いつもくるくるとよく働く給食室の若女将、清水ほたるも弱音を吐き出した。そうじゃないとやってらんないくらいに忙しい。
朝も昼も夜も代わりばんこに働いている船員たちのために昼夜問わず食事を提供するのが普段の仕事。それだけでも忙しいのにハロウィンとなれば定番のお菓子作りにカボチャを使った装飾品まで出てくる。中身をくりぬいて顔の形に切りこみを入れるアレだ。アレはけっこうな力仕事でもあるので大変なのだ。
なので再三繰り返すが、忙しい。しんどいくらいに。
「カボチャ頭1つ! 3つ! 6つ! できましたー!」
「お疲れ様です」「運びます」「絶対に落としません」「でも落としたらごめんなさい」「まだまだ足りません」「落とさなくても足りません」
「わかってます!」
「ほたるちゃーん! 焼き味噌おにぎり4つ追加ー!」
「はーい!」>>282
『船』の雑務もろもろをこなしてくれる自動人形の群れ、アルシオネシアに作ったばかりのカボチャ頭を託してまた次の作業に取り掛かる。
おにぎりを握りながら今後の作業を確認する。鍋はまだ煮えていない。溜まってきたお皿はそろそろ片付ける必要がある。炊いた米の蒸らしもそろそろ終わる頃だ。優先順位を間違えず、かつ迅速にすべてこなさねばならない。
「カボチャ頭です」「カボチャ頭です」「カボチャ頭です」「足りません足りません」「ぜんぜん足りません」「『船』にはもっともっとカボチャ頭が必要です」
「わかって! ま! す!」
普段は給仕専門のアルシオネシアたちも今日に限ってはカボチャ頭のくり抜き作業の手伝いをしてくれている。そのくらい忙しい。
そもそもこんなに忙しくなることがおかしいのだ。今年は来たるハロウィンに備えてしっかりと準備してきた。『船』のあちこちに飾りつけるためのカボチャ頭も小さな子どもたちに配るためのお菓子もハロウィン前日までにちゃんと用意していた。
ところがハロウィン当日になってカボチャ頭もお菓子類もほとんどすべて姿を消していたのだからやってられない。どこのどいつの仕業だと怒れる給食室長の姿にはほたるも全面的に同意していた。
そういうわけで、お祭りの準備を当日に急ピッチで進めるような、そんな無茶ぶりの戦場に給食室メンバーは放り込まれた。
「うぅ、本当なら今日はお休みだったのに……」
「お休みですか?」「良いことです」「休むことは大事です」「ほたる様はがんばりすぎのがんばり屋さん」「わーかーほりっく」「休日のご予定は?」
「お礼を、したかったんです」
そう、お礼をしたかった。こんな仕事人間の自分を連れ出して、きれいなきれいな夜の蛍を見せてくれたあの人に。
きっとあの人はお祭りの日みたいな騒がしい時間が好きだろうから、ハロウィンという今日この日にとびっきり美味しいものを食べてほしかった。>>283
なのにこれだ。
いつもは誇りと責任をもって取り組む仕事も今日ばかりは恨めしい。予定がひとつ狂えばなにもかもダメになる自分の頭の固さだって嫌になる。
せめて仕事だけは、とカボチャ頭の量産を一心に続ける。…………と、
「経過報告です」「事件発生です」「大変なことになりました」「すでに大変かもしれません」
「なんですか、これ以上忙しくされたら……」
「「「「「『船』が止まりました」」」」」
「はい?」
『テステス、テース。はいピーンポーンパーンポーン。通信室から大事なお知らせでーす』
「!」
『現在我が秘海集積船は航海を一時停止しております。原因は増設されていた正体不明のピラミッド型アンカーが海底に降りていること。これの正体につきましては調査隊の続報をお待ちください。はいお知らせ終わりー』
ピーンポーンパーンポーンとのんきなチャイムを鳴らしながら放送は終わった。
「…………」
「「「「「…………」」」」」
「………………えぇ」>>284
「続報です」「うろんな情報が飛び交ってます」「ネットニュースに飛びつく現代人」「一次ソースの確認を」
「……ああ……はい。教えてください」
ぶゴツいスプーンでカボチャの中身をぐりぐりほじくりながらアルシオネシアに続きを促す。
本音を言うとあまり聞きたくはなかったが『船』が動かない、なんて大事件を知らないでいるのはまずい。
「海底には逆さまになったピラミッドが刺さってます」「ピラミッドは太い鎖で『船』と一心同体」「刺さってます刺さってます頂点が」「ぐっさりしっかり離れません」「ピラミッドダンジョンの最奥にラスボスが」「首謀者は大魔王ペルカ様と」「裏魔王マレオ様です」「現在勇者募集中」
「はい????」
頭で理解できなかったがそれでも手は止めない。少しでも止まればそれだけ後が苦しくなるだけだからだ。そして理解は一旦わきに置く。
「勇者が必要です」「旅立つ者が必要です」「戦士でも構いません」「僧侶でもいいのです」「魔術師は『船』にいっぱいです」「ほたる様は勇者ですか?」
「料理人です……」
「パーティを組んで立ち向かいましょう」「四人一組が基本です」「五人でもいいです」「六人こそ至高」「一人でもいいのです」
「行くならみんなで行きましょう?」
「みんなはダメです」「冒険は少人数です」「人数制限は必至」「伝統だいじに」「みんなで集まるは最終決戦」
「はぁ」>>285
相づちはうったが話の半分も飲み込めない。少なくとも首謀者が身内であるなら最悪の状況にはならないだろう。当事者たちにはみんなが楽しめるハロウィンイベントくらいのつもりなのかもしれない。
要は、お祭りだ。
(あの人が好きそうだなぁ……)
それならそれでいい。
お礼ができなかった自分の代わりに、なんて考え方はおかしいが、あの人がハロウィンというイベントをいつもよりほんのちょっぴり楽しんでくれるならそれに越したことはない。
(うん、切り替えよう。お礼は明日でも明後日でもできる)
最高のお礼にはならないかもしれない。けど、もう、仕方ない。ままならないことが往々にして畳み掛けてくるのもまた人生。仕方ないから仕方ない。
そんな風に割り切りたいのに。
「ほたるさーん! お手伝いにきましたよー!」>>286
どうしてこの人はまた、そんな笑顔で自分なんかのところに来てくれるのか。
「なんで来ちゃうんですかぁ!」
「ええ!? オレが来ちゃ駄目だったんすか?」
少しばかり大袈裟にその人は、日々滓さんは驚いてみせる。お礼ができなかったこっちの気も知らないで、平然と。
「駄目じゃないです、けど……」
「じゃあいいっすね! 何だってやりますよ! なんでもお申し付けください!」
「や、やっぱり駄目! 駄目です!」
「ええー、どうして?」
「だって今日は、ハロウィンで、お祭りですから! お仕事なんかしちゃ駄目です!」
「今、仕事してる人が言います? ソレ」
「うっ……ほ、ほらさっき放送してたじゃないですか! 海底にピラミッドだって! 勇者募集中だそうですよ!」
「あーアレっすか。楽しそうっすよねぇ、学園のみんなも次々と乗り込んでいってますよ」
「で、でしょう!? だったら日々滓さんも行かないと……楽しまないと」
「そうなんすよねぇ。なので、こうして来ました」>>287
「へ?」
「こんな楽しそうなお祭りにほたるさんがいてくれたら、もっと楽しくなりますからね!」
「っ……うぅ~!」
この人はいつもそうだ。いつだっておちゃらけて、大袈裟な反応をして、そうやって人との距離感をやわらげて、その癖ちょっと強引で。
もっと楽しくなんて言っておきながら、いつも仕事仕事な仕事人間にもハロウィンを楽しんでもらおうっていう魂胆がみえみえだ。わかりやすすぎて、だから逃げられない。
「でもでも仕事はちゃんとしないとですからね! なのでこうしてお手伝いにきました! すぐに終わらせればほたるさんも参加できますし! さぁさぁ、なにからやりましょう? カボチャ頭ですか? カボチャ頭作っちゃいますか!」
「うぅ~、む~」
「……あー、すいません。お邪魔でしたか? なら今すぐ退散……」
「……いいです」
「え?」
「………………手、洗ってきてください。念入りに」
「!! わっかりました! いつもの三倍いやさ五倍ゴシゴシしてきます!」
「ちゃんと指と指の間も洗うんですよ!」
「了解っすー!」
言うが早いが言葉通りに袖をまくってゴシゴシと手を洗い始めた日々滓を見て、なにもかも諦めた。
この人が来てしまえばいつも通りの自分なんてものは到底保てない。だったらもうなるようになれ。手さえ止まらなければもうなんでもいい。>>288
…………………。
「お邪魔ですか?」「お邪魔かもかも」「解散すべき?」「仕事をすべき」「我らは見守るのみ」「空気となるのです」
「普通にしててください!」
色めき立つ(言葉だけ)アルシオネシアに一声飛ばしてから、むんっと一層気合いを入れ直し、ぶゴツいスプーンを握る手に力を込めた。
・ ・ ・
それから、清水ほたると日々滓衒の二人がハロウィンイベントに乗り込むことは、最後まで無かった。
元々が給食室のメンバーを総動員してなお足りないほどの忙しさに加えて、件のピラミッド攻略のお供を寄こせと携帯食料を求める船員が詰めかけてきたのだから収拾などつくはずもない。
現場がひとまずの落ち着きを得るころには一人残らず疲れ果ててしまい、今からハロウィンを楽しもうという余裕など消え失せていた。
「あの、日々滓さん、もう食堂も全部閉めちゃうので、今日は……」
「あー……時間切れ、ですか」
「はい……あの、ごめんなさい。ずっと頼りきりだったのになにもできず……で、でも! このお返しはきっとしますので……!」>>289
「いいっすよいいっすよ、結局お役に立てたかも怪しいくらいだったんで」
「そんなことないです! すごく、すごく助かりました!」
助かったのは本当だ。それは慰めなんかじゃない本心からの言葉だ。
戦力的にはそれなり。慣れないお手伝いさんにしては頑張っただろうというところだが、ほたるとしては主に精神面で助けられていた。作業中もやわらかい空気を壊さないよう合間合間に話しかけてくれて、けれど邪魔にならない程度の間隔は空けてくれて、そういう気遣いのひとつひとつでどれだけ心が軽くなったことか。
また、助けられてしまった。
なんにも返せないまま返さなきゃいけないものが増えていく。
「……ごめんなさい」
そんなことばかり考えているから困らせることを口走ってしまう。お礼を言ってお別れすればそれで今日は丸く収まるのに。
「? なんでほたるさんが謝るってるんです?」
「その、わたしの仕事を手伝ってもらったばっかりに、日々滓さんがハロウィンを楽しめなくなってしまったので……」
「そういうことなら見当違いです。オレ、ほたるさんと一緒に過ごしたハロウィンすっげー楽しかったですから! むしろお礼を言いたいくらいで」
「そんな、そんなの……」
まただ、また増やしていく。そういうところが、ズルいっていうのに。>>290
「うーんまだ納得してくれないようなら……そうだ、今からハロウィンしましょう!」
「い、今から? ですか? で、でも、もう仮装して歩き回ったりするような元気なんて……」
「一番カンタンな、定番中の定番があるじゃないっすか。トリック・オア・トリートって」
「あ……」
「さぁ~お菓子をくれないとイタズラしちゃいますよ~?」
手をわきわきと不気味に動かしながらほたるへとにじり寄る。
「え……ええ!?」
「俺にもハロウィンを楽しませてくれるんでしょう?」
「で、でも……けど、あの……!」
もちろんハロウィン用のお菓子なんて都合よく持っていない。今日一日でどれほど作ったかわからないお菓子のひとつだって自分のためには作っていないのだ。
つまるところ残された道はひとつ。一択。イタズラされるのみである。
「ありゃ、本当に持ってなさそうですねお菓子。じゃあ……なにをしちゃいましょうか?」
「え、あ、え……! ん、んぅぅ……!」>>291
もはやイタズラを受けるしかないと悟ったほたるは両目をギュッとつぶって来たるイタズラに身を任せることにした。
緊張感からくる力みで全身をがちがちに強張らせて、それでも顔だけは逸らさずに、下を向くことだけはしなかった。
そんな少女の姿は果たしてどのように映ったか。やがてその肩にぽんと手が乗せられる。一段と大きく肩を震わせてから、その時をまった。
「はい、イタズラおしまいです」
「…………へ…………?」
なにもされていない───と言いかけてからあわてて口を閉ざす。なにもないならそれが一番。まるで、そんな、期待外れみたいな───……
「なにもされてないって顔してますね?」
「……ヴっ」
「あんな様子じゃそれだけでイタズラになりますよ。あんまり過激なことすると怒られちゃいますし」
「か、過激なこと、って……」
「おやおや、興味アリですか? じゃあ今からイタズラ第二ラウンドを……」
「も、も、もう! 日々滓さん!!」
「あははは! じゃっ、怒られる前に退散します! お疲れ様でしたー!」
「あっ、待……」>>298
はぁー…ナイルってそう書くんだ…
また無知を晒してしまった…聖杯戦線あるあるー。宝箱回収する前に仕掛けてきた敵を返り討ちにして全滅させちゃう。どうも、ユージーンです。
>>276
霊地の共有という名の強者が弱者から霊地を取り上げる制度…。うーん霊地を保有するだけの鳴かず飛ばずの三流魔術師な空野家がピンチ。
やっぱり魔術師がマフィアやヤクザを取り込もうとするのはいいですねぇ。あちらとしても神秘を持った礼装を使えばその他の組織との抗争に役立つでしょうしwin-winというやつですね。
>>294
うっひょー甘酸っぺー!そして場面外でやらかしてる神と兎。怒らないからちょっとこっち来なさい。
多分ピラミッド攻略にワイルドハント騎士団からも誰か駆り出されてるんだろうなぁ…。そしたら多分武器も魔術も使えてマスコット連れてるロイドが行ってこいされそう…。
>>296
>>300
びゃああ可愛いい!>>304
これは裏魔王の貫禄()>>306
作家系サーヴァントなら1かもですが、個人的には2か3ですね
より宝具っぽいのは3ですが、自分としては2を推したい>>306
妖精要素があるなら1ですが、個人的には2が好きです。>>306
私は2が好きですねぇ!グレンデルのママをブラッシュアップしました。
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/wiki/グレンデレス・モードル>>306
(もしもルビがフェアリークィーンなら3、グロリアーナであれば1、概念擬人化作品であることが主体なら2じゃろか)
(全然関係なかったらひっそりと寝る)>>315
まあゴルゴーン枠なので、本来は人間に召喚されない前提のサーヴァントですね。カルデアなどの例外を除いて。>>317
元々救われない怪物だったのです。でも母親は確かに愛していたのです。愛しているから壊して、大切に器を使うね……。>>329
おお、がっつりな解説が…ありがとうございます
なるほど多様性と「運ぶ」力……多様性はひっくり返して単一ではいられないって見方もできそうですね>>337
イスマエル「気分転換に、魔術回路の強化改造手術を受けようぜ!」(いい笑顔)>>336
それダァ!>>340
凄く分かりやすい。>>337
そうかカナリアが…ああ楽しみですね…
思想魔術は描写むずかしい、というか知識足りないなぁって思うことがしばしば…一回本腰入れて勉強しなきゃいけない
あ、神様はアメン神です遅れに遅れましたが、明治聖杯戦争の続きができました
今投下してもよろしいでしょうか?
>>330
ですね。月姫世界の方のアインナッシュの森に派遣されたメンバーの一人ですよくてよ付いたので投げます
>>344
波頭を切って、船が往く。
イギリスはドーヴァーの港を出港して幾数か月。途中アフリカやインドの港を経由し、波に揺られながらもその客船は確かに目的地へと近づいていた。
行き先は極東の島国、日本。二百余年に渡る鎖国体制から脱却し、近年大きな変化を迎えたとされる国――
「そして、僕らの任務先というわけですね」
客船のデッキにて、メレク・アルマソフィアは誰にともなく呟いた。
寄港地である香港を離れ、いよいよ到着まで間近となった現在。目的地たる島国は未だ遠く、ここからでは影も見えない。
遠見の魔術を使えば不可能でもないだろうが、あと数日と経たず辿り着く場所を見る為だけに使う程酔狂でもなかった。
「とはいえ。それでも貴方ならば余裕で見えているのでしょう? アーチャー」
「――そうだね。ここからだとあと半日もあれば辿り着けるかな?」
少年の呼びかけに応え、虚空より新たな人影が現れる。
古代ギリシャを思わせるような、簡素で動きやすい装束を纏った青年だった。使い込まれた弓を背負い、どこか物憂げにも見える横顔は傍らの少年に負けず劣らず整っている。
古風、というより正に古典的。登場からして尋常ではなかったが、しかし幸いメレク以外は誰も居合わせてなかった為に見咎められる事もなかった。
……まあ、メレクもそれを見越して呼びかけていたのだが。
「流石ギリシャでも名高い狩人。これくらいの距離ならば容易く見通せますか」
「よしてくれマスター。僕なんてそんな大した存在じゃない。それこそ、あの時代のギリシャなら探せば星の数ほど見つかるさ」
「星座になった者もいるだけに、ですか?」
メレクの(割とブラックめな)ジョークに、アーチャーと呼ばれた青年は虚を突かれたように目を見開く。が、すぐにプッと噴き出し、堪えきれないように笑い出した。
「言ってくれるね、マスター」
「失礼。和ますつもりでしたが、気分を害したのであれば謝罪します」>>345
「いや、いいさ。確かに君の言う通り、僕らの時代には死後天に祀り上げられたり、神の座に招かれる程の英傑もいた。……中には、『永遠なんて退屈だ』と言って拒んだ変わり者もいたけれど」
「へえ。それはまた」
二人が話を咲かせる間にも、船は着実に日本へと近づいていく。
それはつまり彼が請け負った『仕事』の時も近づいているという事であり――ふと、そこでメレクはあの日の事を思い出した。
全ての始まり。彼が遥々、イギリスより遠く離れた極東へと足を運ぶ事になった一件を。
「二ホン、ですか?」
「ええ。メレク・アルマソフィア、貴方の力と才能を見込んでの頼みです」
事の起こりは、今よりおよそ三か月前。
時計塔の法政科に属する『彼女』に呼び出されたメレクは、そこで思わぬ人物と対面していた。
「今より一週間前の事、我がイギリス政府の情報部が『極東にて霊脈異変の兆しあり』との報告を得ました。当初は観測者の見間違いか、あるいは天変地異の類によるものだと分析していたのですが……」
「そうではなかった、と?」
「はい。その後も同様の報告は続き、上層部も見過ごせないものとなっております。何分、かの島国は我が国とも浅からぬ付き合いがあるので」
「そこで、私共の見識を伺いに訪れたというわけです。何しろ神秘の扱いに関しては私たち以上に右に出るモノはありませんからね」
イギリス政府の使いを名乗る男性と、時計塔でも一目置かれがち――ついでに距離も置かれがち――な法政科の取り合わせ。
この時点である程度察する予感(モノ)はあったが、ひとまずメレクは話を聞く事に専念した。
「レディ。念押しして申し上げるが此度の要望はあくまで助言であって、貴殿らにそれ以上の何かを求めるつもりはない。そこの所をどうかご理解いただきたいですな」
「ええ勿論。私共はあくまでこの国の土地を間借りしている身、であるならばふさわしき振る舞いというものは把握して然るべきですから」>>346
「ならば」
「されど。こと神秘にまつわる事柄とあれば私共も座して構えているばかりというわけには参りません。貴方がたもご存じの通り、神秘は秘匿されるべきもの。で、あるならば。私共の方でも何かしら手は打つに越した事はないでしょう」
とはいえ、と。そこで『彼女』はちらとメレクに視線をやる。
「今は政治・外交的にも繊細な時期。迂闊に執行者等のエージェントを派遣するのは憚られます。それこそ――仮に、の話ではありますが――現地に赴く者がいるとすれば、『偶然』『うっかり』このやり取りを耳に入れてしまった物好きくらいなものでしょうね」
「成る程。物好き、ですか」
「……」
これ見よがしに政府の使いが視線を送る。
元よりメレクには拒否する理由も権利もなかったが、それでも内心の嘆息を隠しつつ笑顔で切り出した。
「そういえば、これはあくまで私的な話なのですが」
「ふむ」
「あら?」
「実は個人的に、その極東の島国――ニホン、でしたっけ。それに前々から関心を抱いておりまして」
「あらあら。それはまた」
「ほほう」
「機会があれば一度当地に赴いてみたいと思っていたのですが――ええ、良い機会です。是非、足を運んでみようかと思います」
かくして。
メレク・アルマソフィアは否応なしに厄介事を引き受けたのであった。>>347
(……まさか、境界記録帯なんてものが絡んでくるとは思いもしませんでしたが)
あれから早いもので三か月。
時計塔とイギリス政府からの依頼を受け、両者が掴んでいた情報を基に早速向かおうとしていたメレク。
だが、その足は他ならぬその情報により止められた。
霊脈異変の原因と思われる魔術儀式、盃月の大戦。あくまで現地に潜伏しているエージェントからのまた聞きでしかないものの、その情報通りであれば極東は予想以上の魔境と化しつつあった。
境界記録帯、ゴーストライナー、あるいは人の世において英霊と呼ばれる存在。本来人理にまつわる事柄でしか介入し得ないそれを、サーヴァントとして使役し、あまつさえ殺し合わせる事で作り上げるという願望機。
まさしく正気の沙汰ではない所業だったが――問題は、その儀式に参加する、あるいは阻止する上で絶対に欠かせないものがあるという事。
そう。サーヴァントの召喚である。
(実家に頼んで手頃な聖遺物を送ってもらいましたが、まさか呼び出せたものがアクタイオンとは。確かにギリシャ由来といえばギリシャですけども)
時計塔と実家、下手に借りを作る上でどちらがマシか。比較し、吟味した上で呼び出したサーヴァント・アーチャー。
伝承を見てもそこまで優れた逸話を残したわけではなく、むしろどちらかといえば……
(選り好みができる余裕も時間もなかったとはいえ、もう少し慎重に吟味すべきだったでしょうか――いえ。それも早計、ですかね)
少なくとも、自分がよく知る少女であればいかな英霊であれ一切構わず受け入れただろう。何なら速攻で質問攻めにし、逆に英霊を困らせる姿まで浮かんでいた。>>348
少なくとも、自分はまだ戦いの場に立ってすらいない。あれこれ失望したり、悩み悔やむのはその後でも十分だ。
(何より、これ程の案件ともあれば得られるものも相応に期待できるでしょうしね。とりあえずは、置いてきた彼女への土産話になるものくらいは得て帰りたいものです)
いつもの如く適当にはぐらかし、遠くイギリスに置いてきたとある少女。
彼女の天真爛漫な顔を一瞬だけ思い浮かべ、そして同時に置いてきた事の正しさを再確認する。
「今回ばかりは貴女を巻き込むわけにはいきませんからね――――ルナ」
海を往く。極東往き旅客船は、いよいよ目的地へと接近する。
賽は投げられ、河ならぬ海を渡り。運命の時はすぐそこに迫っていた。>>350
そしてこちらは今回のおまけ
・おまけ:アーチャー陣営概要
・メレク・アルマソフィア
アーチャーのマスターにして、アルマソフィアの次期当主。
大まかな設定は製作者様のそれに準拠するが、本作の場合生まれた時代が19世紀というのが大きな違い。
有能ではあるが失ってもそこまで痛手ではない家門の魔術師、という事で極東調査の白羽の矢が立てられた。
とはいえ本人もそこの所の思惑は察しており、上手い事乗り切って時計塔と政府に貸しの一つでも作ってやろうと画策している。
来日後は何やかんや色々あって千早たちと合流。表向きは盃月を求めるマスターとして対立姿勢を見せるも、裏では時計塔からの派遣組として盃月の調査と儀式阻止に暗躍する。
一応協力者ポジ、と言えるかもしれない…
・アーチャー/アクタイオン
メレクが召喚したサーヴァント。真名はアクタイオン。
盃月の大戦に参加するにあたって、実家から手頃な聖遺物を取り寄せた所召喚できたのが彼だった。
基本的な設定は製作者様のそれに準拠。
メレクとの相性は可もなく不可もなくといった所。行動方針に口を挟む事はないが、それはそれとして随所でツッコミを入れたりもする。
感想お待ちしております>>319
前にでもにch僕鯖で投下したハヌマーン、といか『ラーマーヤナ』では
>炎神の友である風神は山の峰を砕く。虚空を行く風は無量の力を具える。
>風神ヴァーユは風を動かすことを止めてしまった。すると生類は排泄を行うことができず、また呼吸できなくなり、関節は傷付けられて樹のように堅くなってしまった。風は自らの身体を持たず、身体を持つすべての者の中で活動することで守る。風が無ければ身体は樹木と同じになってしまう。
などの効能が見られておりますね。なおインド哲学に結びついているのでアメン神には適さないな…
大気神はワンジナちゃん系になるのか型月世界!?
>>350
「時計塔の魔術師」枠という不憫味ながらも、人選からして頼れる同盟相手属性
ここのえはアーチャー陣営の株一点買いで!感想ありがとうございます
>>352
何かと冷遇されたり扱いがアレになりがちな時計塔枠
それでもメレクなら、メレ坊ならきっとやってくれる…!
>>353
どちらかと言うと振り回されるのは憲雪ですね
魔術師としての力量はメレクの方が上だし、いつぞやのスレにあったようにカッコいい魔術師の姿を見せられて惚れ惚れする千早にキレる姿が目に浮かびます
憲雪「言っておきますが!陰陽道に関しては私が上ですからね!」
メレク「修める魔術自体異なるのだから当然でしょう。そもそも魔術基盤という前提から異なるのに比較する事への意味が感じられませんが?」
憲雪「ぐぬぬ……!」
>>354
ある意味そういう点でも似た者同士なのかもしれません>貧乏くじ
とはいえ、転んでもただでは起きないのがメレクですからどうなる事か…ナチス聖杯戦争の陣営独白を投稿してもよろしくて?
よくてよが来たので投稿します。
目覚めた時────この世に生を受けた瞬間から、自分には役割を与えられていた。
己は成果であり、道具であり、自らを生み出した存在の自尊心を満たす為の作品。そして聖杯戦争にて、マスターとして戦い、儀式を完遂させる為の一駒でもあった。
生まれながらにして人ではなく、人の母胎から生誕せず、世界の裡より生まれ落ちた自然の嬰児とも呼ばれる生命体────ホムンクルス。
魔術、錬金術、あらゆる神秘によって設計され、人工的に造られたホムンクルスは、人間より優れた機能を持っている。肉体的であれ、魔術的であれだ。
自身もその例に漏れず、常人より優れた性能を有しいて、特に顕著だったのが狙撃能力であった。
創造主は大いに満足していた。レーベンスボルンにて密かに企てていた、ゲルマン人種の遺伝子と錬金術の融合によって為される超人計画。そのプロトタイプたる自身が成功という結果を叩き出したのだから。
そうして度重なるテストの果てに、戸籍を、所属を────エルヴィン・ケーニッヒという名を与えられた。
エルヴィン・ケーニッヒ。それがホムンクルスに与えられた記号(なまえ)だ。
ただの識別記号。ホムンクルスのみを呼ぶ際に使うだけのもの……彼女にとってはそれ以上でも、それ以下でもなかった。
しかし奇妙な事に、ホムンクルスにも性別という概念はあって、エルヴィンと名付けられたホムンクルスは女性体であったにも関わらず、男性名を与えられたのだ。
そこにはヒムラーの思惑があった。軍属となり、ヒムラー自身が用意した駒とあっては軽んじられる要素があってはいけない……高々そんな理由で彼女は男性名を授かり、更には男装も強要された。
第三者から見ればバカバカしい事この上ないだろうが、エルヴィンからすれば異論はなかったし、命令だったので従順に従った。>>361
「いやいや、他人の性癖にケチをつける性質(タチ)ではない方だけど、マスターの上司は色々と拗らせ過ぎだとオレは思うんだがね」
数日前に召喚したサーヴァント────アーチャーが苦笑しながらヒムラーの困った性質について言及する。
「どちらにせよ、私は困窮してはございませんので、身なりに関してはご容赦ください」
彼女には感情の起伏というものが少ない。故に己に課せられた責任、要らぬ重責を負わせられようとも情緒に変化はなく、何もかも希薄であった。
────まあ、何だってこのマスターはオレのような“悪魔”を召喚したんだろうか。ホムンクルス故に邪悪とは無縁であるし、欲望と呼べる情緒がまるで育ち切っていない。まだまだ無色に近い、純真無垢な生命体と言っても過言ではない……だと言うのに。
アーチャー────真名をザミエルと呼ぶ、この悪魔にとってエルヴィンは疑問が湧き、募っていくばかりのマスターだ。
一層、思い切って訊ねたら早いかもしれない。しかし、例え自身のマスターと言えどもそこまで踏み込む義理もない。
やはりホムンクルスというのは扱いが難しい……そう考えていたアーチャーに、エルヴィンは眉をやや八の字にしながら目をやる。>>362
「……あまり、面白味のない言動ばかりで申し訳ありません。そして感謝します。私のような者のお相手に時間を割いて」
「意外だ。気にしているんだな、ソレ」
自覚があるんだ……と、直接的には伝えず、少しオブラートと包んで驚いてみせる。
「いくら誕生直後から自我を持ち、意識を持とうとも、それを育まなければ停滞します。私には……機会がありませんでしたので」
「……ま、あんな上司じゃな」
ヒムラーのような虚栄、虚飾塗れの男の元にいたのでは、本来育つべき情緒なぞ育つ筈もないだろう。
一応、ヒムラーは子煩悩で、動物愛護家としての一面もあるのだがソレはソレ。人工的に造られたホムンクルスは、愛すべき生命体ではなく消耗品という認識があるのかもしれない。
愛でる価値はなく、ただの利用価値のある非常に便利な駒であると。
「じゃあオレから一つ。君には何か楽しめるもの……心が高揚するようなものはないのかな?」
「楽しみ……」
そう問われてエルヴィンは深く考える。
自身に娯楽を楽しむ猶予はなかった。行われたのは身体検査と、能力実験という名の実地訓練のみ。
なので、その期間中限定で心が高揚する出来事となったら────。>>363
「……狙撃、でしょうか。的を撃ち抜いた時の衝撃や達成感が、楽しかったのかもしれません」
「アーチャー兼悪魔のオレが言うのもなんだけど、物騒な楽しみを見出してるね」
「……物騒とは心外です」
表情の変化に乏しい彼女にしては珍しく、不貞腐れたように唇を尖らせた。
中々に可愛らしい顔をするではないかと、アーチャーは内心零す。
「まあ何にせよ、楽しめるものがあるならそれでいい。そうして徐々にだが、心を育んでいけば魅力的な“人間”になるだろうさ」
アーチャーは少しだけ人間という言葉を強調した。
彼女をただのホムンクルスとして扱うのは気が乗らなかった。
ホムンクルスは短命だ。加えて、この先の聖杯戦争は熾烈を極めた戦いになるので生存の確率は低い……狙撃兵たるエルヴィンは尚の事狙われるだろう。
だからだろうか。希望のない未来が待ち受けていようとも、僅かでも前向きなれる言葉を残してやりたかったのかもしれない。
……まあ、契約時の対価として破滅を要求したのはアーチャー自身なのだが、召喚者が余りにも無色透明だったので、ちょっとしたサービスをしたくなったのだ。
余計なお節介だろうが、悪魔なぞ余計なお節介を焼くものだ。
「……では、狙撃に少し付き合ってくれませんか?」
「────OK、我が契約者。汝の戯れにとことんお付き合いしよう」>>365
エルヴィンへ対する口調はだいたいそんな感じで良いと思います 初手で毒気が抜かれてるようなので
一応『ザミエル』として話している段階では一人称はオレでなく俺表記で、なるべくで大丈夫です
最後の「OK」も上官へ向けて・格好つけて返事する感じなら「Jawohl」や「Zu Befehl」、くだけた感じなら「Ja」とか「Geht klar」とかかなと愚考します
どんな子なのか掴みきれていない段階のものですが思いつきをいくつか描き出してみたものです
ホム子ということで安直にアインツベルンな色合いですが生産者側の意図を考えると金髪碧眼の如何にも広告的なゲルマン人カラーの方が適しているかなとも思います>>370
曹操こういう感じです!>>372
アーチャー陣営はヘタしたら第二のアサシンになれるポテンシャルがありますからね。ラスアンのダン&ロビンはもろそれだった。>>374
こちらこそ、このように興味深い人物を提供してもらい感謝しかありません。
このタッグが圧倒的な火力や、格などがあるタイプではありませんが、狙撃という近代の武器を使う聖杯戦争においては異色の陣営になりますね。
同盟は順当にいけばキャスター陣営とですかね。ヒムラーの勧めもあって。>>376
私の方からは:
スヴィプダーグ
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/m/wiki/スヴィプダーグ
ザッハーク
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/m/wiki/ザッハーク%28キャスター%29
マラジジ
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/m/wiki/マラジジ
スクルド
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/m/wiki/スクルド
ヴィルギナル
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/m/wiki/ヴィルギナル
オグムンド・タソック
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/m/wiki/オグムンド・タソック
意外と該当しそうなのが多かった。>>128>>269、それと下記スレの54、56レス目からの続きです〜
https://bbs.demonition.com/board/10279/2/
>>350
強さ的にも割と振り回されそうな弱め(神代ギリシャ比)なアクタイオン
まあ絆値次第ではいざとなったら呪いの角あるからええか……となる可能性もあるかもしれない
>>365
悪魔ムーブがやりにくい悪魔とよくわかってないホムンクルス!
>>376
星の内海に関係してるってのもあって割と詳しいと思います
真祖の具体的な発生時期はともかくとして精霊や妖精自体にはかなり詳しいのでそこから発展させてある程度真祖の考察も進められるのではないかと
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/wiki/バロール「セナ先生、お茶をお持ちしました」
「おや、今日の日直はあなたかウリュー。調子はどう?私の教室に来てまだ日は浅いでしょう」
「ええ。ですが騒々しくも楽しませていただいております。先生の知恵にも随分と助けられる次第で」
セナ・スキュレカリュー。エルメロイ派がかつて実権を握っていた鉱石科、そして現在実権を握っている現代魔術科において籍を置き、生徒を教え導く先生としての側面が強い魔術師である。自身の魔術刻印により接続する魔術基盤、それは鉱石科の領分のものでありながら、センスや知識は万物に通じ、それによって多種多様な魔術系統を専攻する生徒たちを導く。自身も若手のニューホープでありながら、教師としても優れている女性だ。そう、おかしくはない。ないのだが。
「あくまで意見することだけ。魔術基盤の問題があるから実感がこもったことは言えないのだけれどね。それよりも、忘れないでウリュー。あなたは私の生徒。困ったこと、悩んでいること、いつでも相談してちょうだい。大人として、私はあなたを教え導く義務があるわ」
「はい。私はあなたの生徒で、私はいつでもあなたを頼る権利がある。というか、頼れるなら頼った方がいい、ですよね」
「ええ、そうよ。忘れないで。あなたは私の大事な生徒(さくひん)よ。完成前に壊れるなんてあり得ない。悪い大人があなたの前に立ち塞がるなら、私は先生としてその全てを踏み潰してあげる。だからたくさん育ってちょうだい。素晴らしい作品(せいと)に」
「はい。常々、肝に命じています」
彼女はどんな生徒も受け入れる。問題児でも、優等生でも。ただ一点、“彼女が見込むほどの魔術の才能を示す”のであれば決して見捨てない。芽がない者の芽を探すのではなく、そもそも芽がある者の芽を育てる。その一点で、同じく現代魔術科であるかの教室とは大きくかけ離れる。ともあれそれは時計塔の在り方として歪んだものなどではない。割と当たり前の観念でもある。問題はその先、彼女が自身の大事な生徒……つまり作品と認めた者には全力の信愛を捧げるということである。時に叱りもする、褒めもする、しかしその全ては愛ありき。自身の大事な作品が強く逞しく美しく素晴らしく育つように。そしてその成長を邪魔する者を許さない。築き上げた権力、そしてセナ自身の武力で擦り潰す。時には自分のキャリアや財すら犠牲にして戦うその姿は魔術師として異常でしかない。
「そうそう、ウリュー。あなたを私に紹介してくれたあの子のことだけど……」
「キャンディくんですか?はい、どうかしました?」
「ここ数ヶ月、姿を見せないし連絡もよこさないの。あなたは何か知っている?」
「さあ……そういえば私もよく知りません。………出奔、ですか」
「ええ。別にいいの、私の教室を出ていくのは。出て行ったところで私の生徒なのは変わりないし、危なくなった時は私が先生として助けるだけだから。でも、ねぇ………バカみたいなことするのは、いただけないわよねぇ。聖杯戦争ってだけならまだしも……」
先日の話し合い。セナはあそこで事後処理について意見を述べていたが……この女が、生徒が関わっているというのに、後方支援に甘んじるつもりはない。“先生”であるセナは何が何でも、必ず首を突っ込む。どんな形であろうと、どんな戦いであろうと、生徒が拒まない限り。いや、拒んだとしても最悪のケースになる前には必ず介入してくるだろう。「っくしゅん。あー……さむいよ〜」
「どうしたのツユちゃん。風邪?」
「かもしんない。あ、私ってすっごい可愛い女の子だから誰か私のこと噂したのかも!」
「寝言は寝て言え。あ、でもあなたの場合いつも寝言を言ってることになるから永眠ですかね」
「ひどいよ〜!」
可愛い、というのは間違いではないが……そこにあるのはどう見ても男性もののスーツを身に纏った少年である。ツユと周りに呼ばれる少年は、いつもやっている女装をしていない。それどころか、何だかいつもよりも背が高く、男性的だ。魔術師とは背丈の変化も可能なのか。それともこれもツユが用いる魔術の特徴なのだろうか。
「女装が好きなだけでお前の性自認は最初から最後まで男だろうが。まあどっちも食えるんでしょうけど」
「僕はツユちゃんのいつもの可愛いのも好きだし今日みたいなかっこいいのも好きだよ。でも何で女の子の格好してないの?」
「陰陽の気の比率かなぁ。身体バランスの調整が難しくて。魔術って陰だし、今は男の……陽の気を強めにしないと。あと……ほら、ナキの側にこんなに綺麗な女の子たちが二人……男女バランスが偏っちゃう」ソルシュクライン。魔術師、魔術使い、逸脱人の三人の男子中高生が組んだ人助けと金稼ぎ専門の何でも屋。廃れたクラブを秘密基地としたこの三人の密会の中に、珍しく二人も部外者がいる。ドレスを身に纏った淑やかな少女と、茶色く煤焦げたコートを羽織った高身長の美女。下品な桃色の光で照らされるこの秘密基地には似合わないような品格で、赤く濁った果実のような何かを摘んでいる。
「あら、姫?私たち、褒められてますよ」
「殺意を感じるわ。何で巻き込んだのか、というような。そう言われても呼んだのは私ではなくてマスターであるナキくんなのだけれど」
「あはは……ごめんなさい」
「本当に、何でこうなったんだ………?」
ひとまずここでおしまい。詳細はいずれ簡単紹介
ソルシュクライン
「何でも屋」を自称する中高生三人組で構成された非合法グループ。「お金がもらえて」「良いこと」であるという二つの条件の下に、ツユと呼ばれる女装癖のある高校生が仕事を持ってきて、それを他二人が解決する、というもの。
リーダー兼、事務担当は女装大好きな男子高校生のツユ。経歴は詳細不明、特筆すべき主な能力も不明である。ただわかるのは男子高校生であるということ、そしてソルシュクラインが排除されることなく存続しているのは彼の根回しと財力のおかげである。まさに狐。
経理兼、潜入工作担当はスラム育ちの学力優秀優等生なルフ、書記兼、実務戦闘担当は一般家庭()生まれの天然強者なナキが担当している。
ジャック・ザ・リッパー(主従)
とある事件により偶然、ナキという名の少年に召喚されたサーヴァント。聖杯戦争の偶然召喚枠。詳しいことはまた次回
従者も、主人も、幻想種と呼ばれる類の人外である。娼婦を殺したのは人ではない化け物という切り裂きジャックの幻想信仰によって召喚されたもの>>384
アウトローな連中によりにもよってなサーヴァントが……
実際に契約しているのは1人とはいえマスター側が3人組なのは珍しい…というか厄介ですな?>>384
これはまたとんでもない正体の切り裂きジャックが召喚されましたね…
はたしてこの何でも屋トリオとセナ先生がどう絡み合うのかすっかり忘れていた名無しメンバーの政治的関心についてぺたり
ルナの政治的関心
→無い。シンプルに興味が無い。そんなことより魔術だ魔術!
カヴンの政治的関心
→無い。皆無。小鳥のさえずりと変わらない。教室の是非に関わるのであれば耳を傾けるかも。
エンデの政治的関心
→無くは無い、が、時計塔には下々の学生生活を楽しみに来ているので積極的に動くほどでもない。いつでも戦えるよう準備だけはしている。
モートンの政治的関心
→ある。むしろ主戦場。敵を蹴落とし、あるいは跳ね除け、再び上へ上へと上がるために無関心ではいられない。深夜ですがアヴェンジャーリリスを貼ってもよろしいでしょうか!
>>390
【クラス別スキル】
復讐者∶A+
復讐者として、人の恨みと怨念を一身に集める在り方がスキルとなったもの。
周囲からの敵意を向けられやすくなるが、向けられた負の感情は直ちにアヴェンジャーの力へと変化する。
忘却補正∶B
人は多くを忘れる生き物だが、復讐者は決して忘れない。
忘却の彼方より襲い来るアヴェンジャーの攻撃はクリティカル効果を強化させる。
自己回復(魔力) ∶C
復讐が果たされるまでその魔力は延々と湧き続ける。微量ながらも魔力が毎ターン回復する。
【固有スキル】
悪のカリスマ∶A−
国家を運営するのではなく、悪の頂点、代表格の1つとしてのみのカリスマを有する。
その孤高な姿から羨望を集めるがアヴェンジャー自身が群れるタイプの人間ではないため軍勢としての戦略性はやや期待できない。
世界の敵∶EX
アーク・エネミー。
終の末まで人間を苦しめる主の大敵。
単独行動と戦闘続行の複合スキル。
実質上、アヴェンジャーはマスターを必要とせず戦意が尽きるまで攻勢活動を行うことができる。>>391
完全なる形∶A+
大地の魔力を利用し、元のカタチに復元する。
神代の粘土によって作られたアヴェンジャーの体は大地からの魔力供給ある限り崩れさる事はない。
他に類を見ない強力な再生・復元能力。ただし魂は別である。
また、時間による変化という概念が無いためいくらカロリーを接種しようとその美貌は変わることはない。
【宝具】
『失楽園(パラダイス・ロスト)』
ランク:B 種別:対人(自身)宝具 レンジ:ー 最大捕捉:1人
楽園を自ら飛び出し、再度の呼び戻しにも応じなかったアヴェンジャーの生き様、精神性が宝具として昇華されたもの。
神の呪いすらも跳ね除ける自己の精神・肉体の絶対性。
アヴェンジャーはあらゆる制約にも囚われることはない。
『我が往く先は死出の門(ゲート・オブ・シェオル)』
ランク:A+ 種別:対人、対軍宝具 レンジ:1〜20 最大捕捉:300人
禍々しい形状をした鍵剣。
『箴言』におけるアヴェンジャーの支配地──、冥界へ続く門の鍵。
真名を解放し、地に向けて解錠するような動作をするとともに闇のような影が溢れ出し、路のように広がりながら相手を足元から拘束しつつ影へと沈むように引きづりこむ。
浸食は影とアヴェンジャーの元の2方向にかけてかかる為脱出は難しく、抵抗に気を向けすぎればその隙をアヴェンジャーの鍵剣は容赦なく切り裂くだろう。>>392
【解説】
旧約聖書における始りの女。
主より土からアダムと共に創造されたが、ある時下の立場であることが常であったリリスが同じ土から生まれたのだから自身とアダムは対等であると談判するもアダムはこれは神からの正式な扱いであると拒み神も取りなすことすらしなかった。
このことからリリスは神の名を叫びながら楽園から去り紅海沿岸に住みついたという。
その後はリリスを取り戻したいアダムの懇願により神はセノイ、サマンゲロフ、サンセノイの3体の天使を遣わすが「戻らなければ日毎に100人の子を産みその命を失う苦しみを味わうことになる」という脅しにも屈しなかったことから海に沈められるもその抵抗の最中、「私は生まれてくる子どもを苦しめる者だ」と自らの在り方を叫んだという。
【人物像】
傲慢で自らを世界の大悪と称して憚らない性悪さがある。
死の直前に吐いた在り方を貫くために理由も無く生者を殺めることもあるがそこに人間への憎しみはない。
押さえつけられる上下関係に嫌悪感を覚えている為気に障るとマスター殺しも厭わないが対等に扱えば意外にもその分マスターに付き合うぐらいの甲斐はある。
アダムに対しては未だに執着しつづけている。
……というか当人は否定しているが気が有り有りである。
元カレに未練タラタラな部分で自身を対等に見てほしい、扱ってほしい乙女心なのだがそこに巻き込まれ被害を加えられる周囲の人々が悲惨でしかないが。
特技:天上への叛逆
好きなもの:オカルトスポット巡り(攻勢側)、迷える人間
嫌いなもの:イブ、唯一神、上下関係
天敵∶アダム
願い:聖杯の破壊>>393
【一人称】私
【二人称】お前
【三人称】アイツ
【セリフ例】
「クッ……、ハハハハハ!そうだ、私こそがこの世の、世界の大悪だ!」
「聖杯か……。神の下僕の遺物モドキの由縁で喚ばれたのは癪だが……。
人が望んでやまない願望器を目の前で破壊してやるのも一興か?」
「さぁ今より死出の鍵を解き放とう──。これより先路は墜落の黄泉路よ!
『我が往く先は死出の門(ゲート・オブ・シェオル)』!」
「お前は神の土から生まれた特別な存在だ、お前と同じく等しいモノはこの世で唯一、1つだけだ!
なのにどうして私を見ない……!」
「──お前、そんな“貌”も出来たのか」(アダム所持)
【因縁キャラクター】
アダム
大変に大変に(重要なので2度言う)拗らせた感情を向けている相手。
浅井螢
異聞帯『タワー・オブ・バベル』におけるマスター。
反りが合った訳では無いがその最期を見届けた。>>397
でもやっぱりどちらかは必要になるんですね……。士郎も詠唱はなしでもサークルはありましたし。
フラットは参考にしちゃいけない例ですし。>>401
「どう、でも、いい───。
アダム!お前は私をどうでもいいと、そういう路傍の石のような存在だと、そう扱うのか───!」
“変に意地張ってないで”
正論は時に人を容赦なく傷つけるからやめたれwww(クリームヒルト見ながら)>>406
主役はれる巻き込まれ枠なんて、大体が特殊なマスターよ(主人公たちを見ながら)
……天草四郎のように、術式に介入できる特殊な回路持ちとかにしようかしら。>>394
うーんこれは扱い方次第で面白おかしな事になりそうな大悪
拗らせた愛というのはつくづく厄介なものだと思いましたあ、それと明治英霊奇伝の続きができたので今から貼ってもよろしいでしょうか?
>>411
・明治英霊奇伝 side:アヴェンジャー
脳が腐るような夢を見る。
銃火と砲撃、悲鳴に絶叫。見慣れた故郷は今や地獄と化し、生まれ育った者たちの血を啜り尽くす。
その只中を、夢の中の自分は走っていた。
「敵軍が母成峠を突破! 我が方は壊乱状態に陥り、敗走しています!」
「残ってる予備隊を全員出せ! 何としても城下に入れさせるな!」
「そんなものありませんよ! 白川口と二本松の戦いでほとんどやられたんです、もうこちらに余力なんて――!!」
煩い。五月蝿い。うるさい。
誰も彼もが、口を開けば絶望と悲嘆の声ばかり。開戦前にあれ程満ち溢れていた筈の自負と戦意は、今や遠い昔のようだった。
「急報! 敵軍が城下町に突入! 残存戦力が守備戦に当たっていますが、持ちこたえる事到底敵わずとの由!」
「最早これまで、皆覚悟を決めるのです。会津の女子ならば、せめてこれ以上御味方の足手まといにはならぬように――」
「お止め下さい、奥方様……! どうか、どうかせめて我が子らだけでも!」
死が満ちる。
栄えていた若松城下町が焔と煙に覆われ、その下で息絶える者たちの躯を隠していく。
末法の世とはこの事か。夢も希望も、誇りも栄光も、かつてそこにあったもの全てが灰燼に帰した。>>412
――そうして、どれくらい走り続けていただろうか。
気づけば、周囲から声は途絶えていた。慟哭も悲憤も、何一つとして聞こえない。
大きく変わったのは、平坦だった筈の道が登り詰めていく山道になった事。
「……やめろ」
行くな。この先に行ってはならない。
これより先にあるものは絶望と後悔だけ。それを自分はよく知っている筈だ。
「やめろ」
だというのに、足はまるで止まらない。
こうする事が己の義務であり、最早変えようのない『お前』の罪科であると告げるかのように。
「やめろ!!」
――叫びを無視し、足はついに辿り着く。
山の中腹、ちょうど城下町を見下ろせる絶好の位置。行軍訓練の一環で幾度となく足を運び、己もよく知っていた地点。
そして。己にとっての終着であり始まりの場所。
「――――――――ぁ」
地獄を見た。絶望を知った。
今まで見てきた光景など、『これ』に比べれば所詮銭座に過ぎなかったと思い知らされた。
遠くに見えるは、燃える城。会津若松の象徴であり己らが仕えた主君の城が、落日を表すように焔と煙で包まれる。>>413
近くに在るは、物言わなくなった戦友たち。城を臨める場所で、誰もが城の方を向き倒れ伏す。
「新太郎、虎之介」
夢を語り合った者がいた。希望を信じ、御国を変えんと誓った者もいた。
「俊彦、駒四郎」
兄貴分のように接してくれた者がいた。弟のように思っていた者もいた。
「源吉、八十治、勝三郎、織之助」
――喉を突いた者が、心の臓を刺した者が。腹を切り、しかる後戦友に首を落としてもらった者がいた。
誰もが見知った顔で、誰もが例外なく息絶えた後だった。
「……どう、して」
どうして? 当然の話だろう。
これは戦で、戦ならば人死にが出るもの。
先程まで見てきた連中と、ここに若者たち。そこに本質的な差異など存在しない。
在るのはただ、彼らが死.んで己(オマエ)は生き残ったという現実だけ――
「――ろ。起きろ、我が主よ」
「……ッ!?」
最悪の光景から一転、覚醒する。
気が付けば、目の前の景色は一変していた。
死屍累々の地獄絵図は消え、代わりに広がるのは殺風景な廃屋のそれ。わずかに残された家具が、引き払われた現実をより際立たせている。>>414
どうやらいつの間にか眠りこけていたらしい。残る眠気を無視し、傍らのサーヴァントに呼びかける。
「何の用だ、アヴェンジャー」
「敵襲だ。気持ちよく、とはいくまいが休んでいる所を起こしてすまぬな」
「別に。それより何人だ、どの辺りにいる?」
置いていたゲベール銃を掴み、低い姿勢で壁際に移動する。
サーヴァント――アヴェンジャーもまた、己が得物である大太刀を抜き外を睨み据えた。
「数は精々四、五人といった所だ。恐らくは斥侯か、それに近しい何かだろうよ。遠巻きにこちらを伺うばかりで、仕掛けてくる様子は今の所ないな」
「サーヴァントの気配は?」
「少なくとも、感知する範囲では見当たらぬ。アサシンのように気配を消している可能性もあるが――」
「だったら、さっきまでの機会を逃したりしないだろうよ」
警戒はそのまま、手ぶりのみで出入り口を指し示す。
使え、と。詳しい説明を通さずとも、その英霊は主の思惑を理解した。
「出るぞ。一人は生かして、それ以外は殺.せ。生かす方も、死なない程度に壊していい」
「承知した、我が主」
数秒後。辺りに絶叫と悲鳴、そして短い戦闘とも呼べない騒音が響き渡った。
「……思ってた以上に、何も持ち合わせていなかったな」
変わり果てた屍を見下ろし、感慨もなく吐き捨てる。
アヴェンジャーと共に始末したモノが四つ、残る一つも拷問の末息絶えた。>>415
そうして得られた情報は、彼らが清国の軍人であったという事。そして、この場には偵察目的で来たという事。
それ以上は何も吐かなかった――否、厳密に言えば吐く前に盛大に血を噴き出してくたばった、というのが正しいか。
「恐らくは敵方の仕込みであろう。万一囚われの身になったとしても、決められた情報だけを引き渡せば発動する呪のようなものだ」
「成る程、如何にも大陸らしい」
敵に痛めつけられ、味方にも見捨てられた哀れな躯に、しかし何の情も憐憫も湧いてこない。元よりそんなものは、五年前のあの日戦友たちの命と共に死に絶えた。
「これからどうする、我が主」
「此処は捨てる。元々、お前を召喚するまでの仮宿であればいい程度の場所だ、大した霊地でもない以上固執する意味もない」
言う間に、廃屋の後始末――放火の準備に取り掛かる。
焼き払う程大した痕跡も残ってはいないが、念を入れておくに越した事はないだろう。
「出るぞアヴェンジャー。俺たちの戦の始まりだ」
遠くで、廃屋が燃える音と気配がする。
いつの間にか外は夜の闇で満たされており、遠く離れていてもその炎上は感じ取る事ができた。
直に、火の手に感づいた者が消火に当たるだろう。そんな益体もない事を考えていると、不意にアヴェンジャーが声をかけてきた。
「――主よ、改めて問いたい事がある」
「何だ。これからの方針についてか?」
「それもある。だが、より根本的な目的についてだ」
「根本的、だと?」
アヴェンジャーへと向き直る。>>416
至る所に戦傷が刻み込まれた具足一式と、拭っても拭い切れぬ返り血で穢れた大太刀。端正だった容貌は辿ってきた苦難を表すように、厳めしさと凄みで変わり果てていた。
その剣呑な面立ちが、常以上に凄みを増している。
面倒な事になりそうだと、心中でのみ呟きながら言葉の続きを待った。
「覚えているか、某を召喚した時の事を」
「……ああ、一応な」
「あの時、某が何とお主に問いかけたか。よもや忘れたわけではあるまいな」
――それは、ほんの数日前の事。
戊辰戦争を生き延び、敗残兵として腐るばかりの日常を送っていた自分に、裏社会を名乗る女からこう持ち掛けられた。
「ねえ、あなた。見るからに絶望したあなた、その根源をひっくり返す奇跡に興味はない?」
見るからに日本人離れしたその女が語るには、今この国でとある魔術儀式が行われつつあるのだという。
そしてその儀式は、あらゆる願いを叶える願望機を生み出す代物であると。
当然ながら、最初は鼻で笑い一蹴した。
どころか、ふざけた事をのたまったその女を殺そうとした。
殺そうとして――しかし、いつの間に潜伏していたのか。暗がりより現れた異様の兵士たちにあっさり組み伏せられた。>>417
「信じないなら信じないでいいの、この場で記憶を消して去るだけだもの」
「ああ、でもそうね。見た感じ、あなた相当つらい記憶を抱えてるみたいだし」
「せっかくだから、サービスでその記憶も消してしまいましょうか? 副作用で何もかもを忘れてしまうかもだけど」
「――それとも。私の言う通りに動いてくれる?」
結局、実質脅迫も同然に勧められた自分に抗う選択肢など残っておらず。
言われるがまま女の手配通りに儀式を整え、半信半疑のまま実行し――そして、正真正銘の奇跡を目の当たりにした。
「問おう。某を呼んだ主は其方か」
「まさか、本当に英霊なんてものを呼び出せるとはな」
「……」
「睨むなよ、問いかけの件だろう? 勿論覚えているとも――忘れられる、筈もない」
召喚に成功し、契約を交わした夜。
目の前のサーヴァント・アヴェンジャーは己にこう問いかけた。
願望機にかける望みは何か、と。
そして。己はこう答えた。
「ない、と。あの時俺はそう言った。何しろ、本当に英霊なんてものを呼び出せるなんて信じていなかったんでな。信じられもしない儀式に託せるような願いなんぞあるわけない」>>418
「ならば、今はどうだ。あの時から、何か託せるような願いは思いついたのか」
「そうだな――その前に、俺からも一つ聞きたい事がある」
「何?」
それは、召喚し名乗りを聞いてからずっと引っかかっていた事。
引っかかりこそすれ、大したものでもない為に放置していたもの。
「お前の呼び名だ、アヴェンジャー。あの女からは、英霊には七つの役割が当てられると聞いていた」
剣士(セイバー)、槍兵(ランサー)、弓兵(アーチャー)、騎兵(ライダー)、魔術師(キャスター)、暗殺者(アサシン)、そして狂戦士(バーサーカー)。
「だがお前のそれは聞いていたどの役割にも該当しない。アヴェンジャーってのはどういう意味だ、何か特殊な存在なのか?」
「特殊、か。確かに当たらずとも遠からず、と言える」
「?」
「お前が薄々察している通り、某の霊基は通常のモノとは異なる。本来であれば、お主の言うように槍兵のクラスで召喚された事だろうよ」
だが、と。
「我が霊基は歪み、変質した。今の某は通常のサーヴァントの対に当たる存在――いわば、オルタナティブ・サーヴァントとでも呼ぶべき者に成った」
「オルタナティブ……?」
「異国の言葉で、反転の一種を意味するらしい。某もそこまで詳しいわけではないが、要は本来の某とは異なる側面が強調されている、と言えば分かるか?」
「異なる側面、ね」>>419
成る程、言われてみればこの変わりようも納得がいく。
かつて故郷にいた頃、この英霊の生前については幾度か見聞きした事があった。麒麟児とまで謳われ、生涯報われずとも最期まで主君への忠節と義理立てに生きた英傑。
そう呼ぶには、あまりにも変わり果てていた姿への疑問も今ならば納得がいく。
つまり――
「なら、さしずめ今のお前は」
「そうだ。お主が察した通り、我がクラス・アヴェンジャーは復讐者。すなわち――我こそは主家・尼子一族を滅ぼし、見捨てた者ども全てへの復讐鬼たる男。山中鹿之助幸盛のオルタナティブ・サーヴァントだ」
山中鹿之助幸盛。それは尼子十勇士筆頭にして、山陰の麒麟児と謳われた英雄。
尼子家再興を誓い、自ら七難八苦を天に望んだ男。そして、その甲斐もなく無惨に生涯を閉じた敗北者。
なればこそ、この変貌も道理というもの。元より英霊とは人々の信仰によって成り立つもの。まして、この英傑の生き様を思えば、猶更こう考える人々も少なくなかっただろう。
『これ程までに執念深くあがき続けた男は、きっと相当な復讐者だったに違いない』
『こんなにも無念の生涯を辿った男が、復讐を考えなかった筈がない』
と。>>420
「……く、くくく。はは、ははは」
肩が震える。
こみ上げてくる衝動が、己の内に渦巻いたモノをどうしようもなく肯定していく。
気づいた時、己はどうしようもない程に嗤っていた。
「――貴様。何が可笑しい」
「可笑しい、可笑しいだと? そんなもの、決まっている」
嘲弄と受け取ったのか、憤怒の気を見せるアヴェンジャー。
だが。その顔は、己の――『俺』の顔を見た瞬間、一瞬で凍りついた。
「これが笑わずにいられるか! これが狂わずにいられるか!! 復讐者、よりにもよって!復讐者だと!? この、俺に与えられた英霊が復讐者など!!」
「天だの神仏だの、あの日以来ついぞ信じていなかったが……ああ、嗚呼! まったく、なんてこった!!」
や
「――ならば、殺るしかないだろう」
「俺の望みは何だ、と言ったなアヴェンジャー」
「……ああ」
「なら今こそ答えてやる。俺の望みは至極単純、世界の滅亡だよ」>>421
事もなげに、先ほどまでの狂態とは裏腹に。あっさりと湧いた願いを言い放つ。
アヴェンジャーは固まったまま、何も言い返してはこなかった。
「この国も、外国も、全て、全て等しく殺.し滅ぼし根絶やし尽くす。俺たちを見捨てたもの、俺たちを見限ったもの、俺たちを踏みにじったもの――その全てを殺.してやる」
「男も女も、老人も餓鬼も、和人も異人も。全てすべて、等しく悉く殺.し尽くそう」
「そうして――俺とお前以外の全てが死に絶えた世界で、俺は最後に命を終えるのさ。何もかもが、無為に潰えた世界でな」
「だから。最後まで付き合ってくれよ? 俺のアヴェンジャー」
理想の未来を思い、最高の笑顔を浮かべる。
アヴェンジャーはしばし固まっていたが。やがて、観念するかのように厳めしい声で答えた。
「承った。我が剣、其方の下に預けよう――我が主、黒野双介」>>422
・おまけ:アヴェンジャー陣営設定一覧
・黒野双介
アヴェンジャーのマスターにして、復讐鬼。
元会津藩士であったが、戊辰戦争当時は若年という事もあり白虎隊に配属。そのまま戦争にも参加するも既に戦力差の開きは大きく、奮戦の甲斐なく部隊は敗走。自身も敗走途中で部隊の仲間とはぐれてしまうも、事前の取り決め通りに合流地点だった飯盛山へ向かう。その後何が起き、何を見たかは先述の通り。
戦後は半ば自暴自棄気味に日々を過ごしていたが、ある日話を聞きつけたロシア人女性により盃月の大戦について教えられる。そのまま(半ば脅迫気味に)参戦させられ、アヴェンジャーのマスターとなった。
過去の一件から他世界線の黒野と比べて荒んでおり、終始憎悪と怨嗟に憑りつかれている。相棒であるアヴェンジャーの事も復讐の道具としか思っておらず、最後までその本心を知る事も気づく事もなかった。
かつて所属していた隊が白虎の中でも実験的な部隊だった事もあり、剣術・体術・射撃等の一般戦闘技術の他、ある程度西洋魔術の心得もある。ただし基礎的なものばかりで、せいぜいが炎弾を飛ばしたり火炎放射を放つ程度。
聖杯への望みは『世界滅亡』。
だが。これは表向きの(そしてそう思い込んでいる)だけでしかなく、本当の願いは『白虎隊の戦友たちを生き返らせたい』というもの。
夢を抱いた戦友がいた。御国の為に生きると誓った者がいた。
己は、あの忌まわしい日まで何一つ理想も夢も持てはしなかったが。だからこそ、そうではない彼らには生き残ってほしかった。
――あんな末路(おわりかた)など間違ってる、と。ただ、それだけでよかった。
盃月の大戦に参加せず、白虎隊の生き残りとして語り継ぐ道を選んでいれば別の未来もあったかもしれない。
最終的にはラスボスに利用される形で怪物化。盃月の魔力により巨大な黒虎に変貌し、帝都を焼き尽くさんと暴れ狂うも最期は千早の一閃で倒された。>>423
・アヴェンジャー/山中鹿之助幸盛オルタ
黒野双介のサーヴァント。
本来であればランサークラスとして召喚される筈だったが、盃月の欠陥と召喚者である黒野の負の感情に当てられ霊基が変質。エクストラクラスであるアヴェンジャーで召喚された。
尼子家を滅ぼした毛利への憎悪と怨恨、その復讐に生涯を捧げたという側面が強調されており、先述の件に触れられると容赦がない。
その一方でかつての麒麟児としての側面も失われたわけではなく、時折面影を垣間見せる事もある。
マスターである黒野に対しては同じ復讐者としてある程度理解を示しつつも、同時にその本質も見抜いており、憐憫に近い感情も抱いていた。
余談ながら、この鹿之助はとある時空における聖杯大会を経験した後の鹿之助である。最初から大太刀装備で召喚されているのも、「我が主」呼びで黒野と接しているのもそれが原因。>>425
世界観や経歴が違うとやっぱ結構違ってきますねー。そして珍しい『座』の時系列問題。アヴェンジャー的には(あの黒野の先祖、いやあるいは他人の空似というヤツか)的な召喚直前の受け止め方が気になりますね
>最終的にはラスボスに利用される形で怪物化(ry
って事はまさか複数ルートあるけどサーヴァント顔見せの予告で終わるか単一ルートのみ描写って感じになるのでしょうか
>>426
「やはりそうでしょうね。己にも貴女の記憶はありませんし。いえ、うろ覚え程度ならそれっぽい記録はあるかもしれませんが。そしてニヤケ面というのはやめていただきたい!コレでも己は”微笑を絶やさぬイイ(悪い)魔王”で通しているのですから」
まぁ悪の象徴サタンですしね、さもありなん。ちなみにサタンのいう”カミサマ”って聖四文字というよりは世界や人類に対する好感をそれっぽく言ってるみたいな部分はあります。善への喝采、悪への感銘>>427
(実はwikiに載ってた自刃名を適当にチョイスしただけとは言えない)
変貌してしまったからこそオルタを呼び寄せたのか、あるいはオルタを呼び寄せられる程に変わり果てたのか
この世界線の黒野はとことん救いがありません
>>428
上の方でも説明しましたが、あくまでこの世界の登場人物はスターシステム的なアレで別に血のつながりとかはあったりしません
なので千早もメレクくんも黒野も完全に別存在です
>複数ルートあるけどサーヴァント顔見せの予告で終わるか単一ルートのみ描写
一応構想としてはアサシン陣営ラスボス&アヴェンジャー陣営準ラスボスといった感じですが、最後まで書く事はないです
あくまでも予告編的な感じで一通り投稿はしますが、それっきりという事でそれともう一つ
明治英霊奇伝の投稿は、あと残す所二つです
バーサーカー陣営と最後にセイバー陣営を投稿して終わり、といった感じですね
いつになるかはわかりませんが、もうしばらくお付き合いくださいませーいきまーす
【元ネタ】史実
【CLASS】キャスター
【真名】ツタンカーメン
【性別】男性
【身長・体重】152cm・48kg
【肌色】褐色【髪色】灰色【瞳色】サファイアブルー
【外見・容姿】青と黄金の衣装に身を包み、風と砂をまとう杖を持った褐色の少年。小脇には世界的に有名な仮面を抱える。
【地域】エジプト
【年代】紀元前14世紀
【属性】中立・善
【ステータス】筋力:D 耐久:E- 敏捷:C 魔力:A+ 幸運:D- 宝具:A>>437
【宝具】
『黄金、神が如くに輝く仮面(ツタンカーメン)』
ランク:A 種別:対人宝具(自身) レンジ:1 最大捕捉:1人
被っている間、無条件で展開する常時発動型の第一宝具。その名を世に知らしめた黄金仮面。
それは世界との契約で手に入れた神と対峙するための面でもある。喪われた神々を再び招き、あるいは怒りを鎮め、そして祝福を受け取るための神器として用いた概念武装。サーヴァントとなったことで知名度のある黄金仮面と、エジプトに多神教を取り戻した逸話が合わさり昇華された宝具となっている。
この仮面を被る間、キャスターは自らが取り戻したエジプトの神々の加護、その一部を魔術という形で行使できるようになる。ただの出力で捉えれば攻防どちらもAランク相当と高水準。あくまでサーヴァントの規格に収まる範囲で、ではあるが。
対象となるエジプトの神々はアテン神をのぞいた全て。出来ることの多さという意味ならば、およそ万能と言って差し支えないだろう。
一方で後世における黄金仮面にまつわる風評の影響も受ける。
幸運ステータスと耐久ステータスにマイナス補正。スキル「エジプト魔術」の呪術にのみプラス補正がかかる。
特に注目すべきは「呪われた仮面」がツタンカーメンという英霊そのものと同等以上の知名度を獲得しているという一点。半ば独立しかけているこの仮面は、キャスターが退去しても召喚された世界に残り続けるという特性を持っている。
残されたソレが呪われた仮面の風評通りに呪いを振りまくか、神と対峙する切り札となりうるか、すべては召喚された世界次第である。>>438
『地平と水平、遍く照らす黄金の在り処(ツタンカーテン・オブ・ツタンカーメン)』
ランク:A+ 種別:対神話宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:100人
仮面を脱ぎ捨てることで発動する第二宝具。
ツタンカーテン(トゥト・アンク・アテン)からツタンカーメン(トゥト・アンク・アメン)へ。父たる神話への決別を表すキャスターの名の変遷を冠するこの宝具は、ひとつの神話を滅ぼすに至った少年王の生涯を凝縮・変換し光線として撃ちだす。
わかりやすく言えば神話特効ビーム。神話そのものと神話に名を残す者への特効効果を持つ。当然のように太陽属性も有する。
第一宝具及び第二宝具は本質においての違いはない。どちらも「エジプトの神々を取り戻した」という逸話に則った宝具であることには変わらない。違いがあるとするならばそれが過程か結果か、たったそれだけである。
第一宝具が神々を取り戻す過程を示す宝具であるならば、第二宝具は神々を取り戻した結果を示す。
結果が示されれば過程は過去のものとなり、取り戻すことは叶わない。ゆえに第一宝具たる仮面を脱ぎ捨てることが第二宝具の発動条件。
第二宝具使用後、キャスターは第一宝具を使用できなくなる。
【Weapon】
『杖』
風と砂をまとう黄金の杖。魔術の発動に使用する。
先が擦り減っているが歩行の補助ではなくヒエログリフを書くのに使用したことが原因。生前、同様の使い方をした杖が130本発見されている。>>439
【解説】
紀元前14世紀頃の人物。現代においては世界でもっとも有名なファラオとされる。
父アクエンアテンの所業とともに抹消された記録も多く、その全容は知られていない。
知られていることは年若き少年王であったこと。若くして死んだ皇帝だったこと。その短い生涯で成し遂げたのは、父が排斥した数多の神々を取り戻したこと。
それだけである。
だから、この歴史には裏があるのだ。
まず大前提として、少年王が生きた頃ではエジプト神話のすべてが塗り替えられようとしていた。
父にして先王であるアクエンアテンの手によって宗教改革が推し進められ、多神教であったエジプトの宗教は一神教へと様変わりした。
唯一神アテンを主神とし、また自身をアテン神の化身とすることでアクエンアテンは世界すべてを手中に収めんとした。
それは神がより身近にあった神代での出来事。そんな時代において、いくつもの神を排斥し、信仰の行き場をひとつの神に集める行為がなにを意味するのか。
言うなれば世界そのもの、エジプトというテクスチャを貼り変えるに等しい。
唯一の神を絶対とした男は言葉を繰り返す。>>441
少年は、世界を救おうとしていた。
喪われた神々を取り戻し、父の凶行を止めるために奮起した。
しかしその時の彼は少年王の名の通り、齢十に満たぬ幼子でしかない。当然、神話と化した父を止める力などなかった。
ないから、求めた。
「父を止めたいんだ」
「神を取り戻したいんだ」
「みんなを、まもりたいんだ」
「今も、未来も、死後だって。出せと言うならくれてやる。だから、よこせ」
自身の死後を差し出して。永遠の国へ行く権利を手放して。「守護者」になることを世界と契約して、少年王は力を得た。
世界から得た力と黄金の仮面を使ってエジプトの神々の再生を果たし、神話たる父へと挑んだ。
数多の神々が成す神話と唯一の神が治める神話。ふたつの神話が激突した結果は、勝者は、現在まで続いた歴史が雄弁に語っている。
すべてを差し出した少年は短い生涯を終えた。死因は事故とも病とも暗殺とも言われる。そのいずれにも説得力が出てしまうほどに、少年の命からは未来が喪われていた。>>442
……そして。
死後を差し出したことで永遠の国へ行けなくなった少年は「抑止の守護者」として英霊になった。
少年は戦う。世界を守る番人として、とこしえに。
【人物像】
物静か。常識的。我慢のできる強い子。
言葉遣いこそ人の上に立つファラオを意識したものであるが、自身のことを人の上に立つべき人物とは思っておらずファラオとして振る舞う彼の言動には熱がない。
内心では世界と契約して永遠の国に行けなかった自分に少なからず引け目を感じており、ファラオを名乗ることにすら迷いがある。
しかし自分はツタンカーメン。不本意ながらも世界でもっとも有名なファラオとされているならばその名を裏切ることはできない。
皇帝らしく振る舞うが人を振り回すことはない。サーヴァントとしての動きは模範的。マスターがその世界の常識から大きく外れた行動をしない限りは付きしたがってくれる。元より世界の使い走りをしている身。上が変わろうともやることは変わらない。
本質は見た目相応の子供である。
遊ぶのが好きで、狩りが得意で、砂漠を風のように駆け回るどこにでもいそうなひとりの子供。そんな子供が自分のすべてを諦めて/我慢してファラオとして生きた。ツタンカーメンとはそういう英雄である。
守護者としての務めに全うし、摩耗していく日々にも後悔はない。生前の選択は間違いなく自らの意思で決めたもの。ファラオとして世界を救おうとしたその選択に後悔など許されない。
自分の犠牲で救い守った世界では今日も民草の喜怒哀楽があふれている。子が産まれて、成長して、大人になってゆく。そうした世界が続いていく。
ならばそれでいい。いいに決まっている。後悔なんてあるはずがない。
良いはずの世界を、大人になっていくみんなを"ズルい"と思う自分は、きっとまちがってるにきまってるんだ。>>443
特技:狩り、魔術
好きなもの:遊び、狩り、走り回ること
嫌いなもの:我慢すること
天敵:父
願い:大人になりたい
【一人称】余/ぼく
【二人称】君、貴様
【三人称】彼、彼女
【セリフ例】
「サーヴァント・キャスターだ。真名は……ああ、この仮面を見てもらうのが、一番、話が早いと思う」
「もちろん余はファラオだとも。まあ、本来はファラオとされる者はそう簡単に英霊にはならないかもだが、余は例外だ。ちょっとな、事情があるのだ」
「指示には従うさ。貴様はマスターで、余はサーヴァントなのだから。どうした、そんなに意外か?」
「弱きを守り、弱きを助ける。強きを睨み、強きを乗り越える。当然のことだろう。余は、ファラオであるぞ」
「聖杯にかける願いか? …………あるさ、あるとも。……だが……」>>434
…?
あのーすいません、もしかして何ですが。どなたかと名前読み違えてる可能性はございませんか?
作中で黒野が挙げたのは『織之助』であって、黒鹿ファンさんがおっしゃる『庵之介』とは全然別人の筈なんですが…
ちなみにどんな人物だったのかは下記リンク先『有賀織之助』の項目をお読みください
http://www2.plala.or.jp/shyall/retuden/byakotai.htm
>>446
まさかの別解釈ツタンカーメン!
このスレだとランチャー陣営さんのツタンカーメンのイメージが強くて、完全に予想外でした
しかも抑止力、抑止力の守護者だなんて…!
同じく守護者系サーヴァントを作った身としては少年王の選択に何も言えねえ。
でもその思いは間違いなんかじゃないんだよ、少年王…>>447
ふむこれは…私の思い込みからの勘違いですね。ごめんなさい!
ぐううう恥ずかしい…
私も作ることになるとは思わなかったツタンカーメン。思いついちゃったから…つい…
ツタンカーメンを守護者にすると「親父を止める説得力」+「永遠の国スルー」+「守護者としてのドラマ」のみっつが一度に手に入るので本当に都合が良かった…ここまで好条件が揃ってないとたぶん作れなかったです
守護者系サーヴァントはムーランちゃんという前例がいるのでバリバリに意識しちゃいましたし
>>448
アクエンアテンはヤバい(史実)
私も最初はアクエンアテンを作ってたんですが大盛りにしまくって「ツタンカーメンはどうやってこの状態から宗教回復を…?」と考えてるうちに守護者ツタンカーメンの出来上がりです
アクエンアテンがヤバくないと生まれなかったサーヴァント>>450
聖杯ひとつ、空想樹一本をポンと渡したらそれでトンデモ大ボスキャラの誕生ですよ
史実からしてヤバいのに型月世界観と合わせると本当に大変なことになるナチス聖杯戦争の話が書けたので投稿しても大丈夫でしょうか?
そういえば、どうして聞くのが恒例になってるんでしょうね? 投下します。
人間は未来を見通せない。
望んだ未来を、望んだ通りに手にする事はできない。できる事は最善の選択をし、比較的近しく、好ましい未来を手繰り寄せるのみである。
もしも人間が未来を覗き込める……そんな都合の良い力があるとすれば、それは全知全能故に全てを知っている、生まれた時から人の理から外れている者か、あるいは一定の確率で生まれ落ちる“異能(バグ)”を有した者だけであろう。
前者は魔術界隈にて根源接続者と呼ばれる、生まれながらの全能。
後者は先天的に千里眼────未来を見通す眼を持つスターゲイザー。
どちらも人知の及ばない神秘を内包する、表社会においては異端者であり、魔術世界においても特異とされている。
一方は魔術師の悲願である根源に接続しているからであり、もう一方は根源へ至る為の道筋を有しているからだ。
自由に未来を選択し、その道程を辿って結果を獲得する。それは何とも羨ましく────そして、何ともつまらないものなのだろう。
「未来を知れば明日に意味はなくなり、未来を識れば先に意味を見出せなくなる。千里眼、根源、人の身に余る神秘なぞ破滅を招くだけなのに、けれども諸人は“それでも”と手を伸ばす」
「────随分と詩的だな。貴様らしくもない」
カール・エルンスト・クラフトの賦詠のような呟きに、キャスターはそう反応した。
「偶には自分らしかぬ自分を演じたくなるものさ。愚者であったり、道化であったりとね」
「……此度の聖杯戦争は、貴様にとっては予定調和。要するに決定していた結果に対して不満が募っているというところか」
「おや、さすがはサーヴァント。僕の機微に気付き、尚且つ心情まで言い当てるなんて、敬服する他ない」>>453
戯けたように賞賛をおくるクラフト。
そのふざけた態度の通り、彼の言葉には微塵も敬意なぞ込められておらず、召喚されてからこのようなやり取りに飽き飽きしたせいか、キャスターは無反応で返す。
クラフト自身も最初から反応は期待していなかったので、一連のやり取りをやった後、スンと表情を無にする。
「事実、つまらないんだよね。ここに至るまでの道筋は既に“見た“し、これから先に待ち受ける闘争も断片的ではあるが“識って”しまっている。あーあ、安易に占いなんて引き受けるんじゃなかった」
思い返すのは、聖杯戦争が始まる数日前。
どこで話を耳にしたのかは知らないが、クラフトの占星術の精度を聞きつけたカール・マリア・ヴィリグートに請われ、仕方なく占星術で未来を────というのは見せかけで、自身の持つ未来を観測する眼である千里眼を用いて未来を覗き込んだ。
それが全ての始まり。クラフトが見たのは、聖杯戦争にまつわる事物と、自身がその儀式に身を投じている未来の映像。
そこで彼は確信してしまった。ヴィリグートと接触した時点で聖杯戦争への参加は確定であり、大規模な神秘の闘争に携わらなければならないと。
「ふん、そこまで嘆くのであれば貴様の観た道筋から外れればよかろう」
「うーん、余り意味がないから変える必要性を感じないな。キャスターも分かってるでしょう? 多少の道筋を変えたところで未来は一つの大幹を辿る。編纂事象はそういうものだと」
故にクラフトは道筋を変えたがらない。意味がないのだから、無意味な行動は起こしたくない。
千里眼を持つ者としての感性、価値観、見方。他の千里眼保有者であれば、また別の意見を言ったであろうが、おおよそクラフトと同じく未来を変える立ち回りはしたがらないのが大半だ。>>454
「だったら文句を垂れるな。さすがに鬱陶しさを感じずにはいられない」
「あ、じゃあさっきの意地悪で言ったんだ! 相変わらず悪(ワル)だなぁ、君は」
冗談交じりにキャスターを罵る。それに対し、先ほどの賞賛冗句の時に見せた無反応とは異なる……愉しげな微笑をキャスターは浮かべた。
魔術師のサーヴァント────真名『クリングゾール』は自らを悪と、邪悪であると謗る言葉の方が喜ばしく感じる。
何故ならば己を“聖”に相反する“魔”であると定義しているから。
祝福よりも呪詛を。栄光より破滅を。繁栄より堕落を。そちらの方が性に合っている。
かつて聖槍による祝福を、栄光を願った事もあったが、全てに反発され、聖槍は微塵も輝かなかった。
この時から悟った。この手に聖は馴染まず、魔こそが己の根源なのだと。
「して、貴様はこの聖杯戦争をどう見る? 他マスター、そしてサーヴァントを」
「個人的に興味がある人物なら、あの獣の冷酷さを想起させる金色の君だね。儀式に参加するまで魔術と縁のない軍人だったにも関わらず、僅か数日で恐ろしい程に化けて見せたんだから」
末恐ろしい男だと、クラフトは人生において初めてそのような感想を抱いた。
ただの人間。神秘と繋がりを持てない凡夫であったら良かったのに、ハイドリヒという男は容易くそれを踏破した。
そして僅か数日────魔術家の人間であっても幾多もの研鑽が必要になる魔術という神秘を、たった数日で自らのものとし、そして最適化してみせた。
これが恐ろしいと言わずして何と言えよう。天は二物を与えずという言葉があるが、ハイドリヒにはそれが適応されない。
数多の才能。そしてそれを使い熟し、唯我独尊を体現する。
未来で見るのと、実物を目の当たりにするのでは全く異なる。それ程までに、ハイドリヒには人間の極致の一端を感じた。>>456
カール・エルンスト・クラフト
ナチスにおいて占星術により、数多の未来を予知した魔術師。総統の滅びも予知していたとされる。
先天的の千里眼持ちで、性能は未来視。未来を知れば全てがつまらなくなると考え、普段は未来視を封印している。ただし占星術を使った占い(商売)をする場合は限定的に使用している。
キャスターのマスター。
キャスター
真名をクリングゾール。
ヴォルフラム・フォン・エッシェンバッハ作の叙事詩「パルチヴァール」及び、リヒャルト・ワーグナー作の楽劇「パルジファル」に登場する魔術師。また「青い花」「ヴァルトブルクの歌合戦」「クリングゾールの最後の夏」にも登場する。
呪いの魔女クンドリーを使い、あらゆる聖杯の騎士たちを堕落させ、更に聖杯城カーボネックすら陥落させて聖槍を手に入れた。
しかし後にクンドリーの誘惑を跳ね除けた、予言の子であり、白鳥に祝福を受けたパーシヴァルによって討ち取られる。
登場する作品によって気高き詩人、邪悪なる予言者と立ち位置が変わり、また数多くの異名を持つ。
聖杯城主たる漁夫王と対を成す王でもあり、魔に属する魔術師。(これは聖杯を司るキリスト教と、魔術を異端した背景が存在する)
天と地の狭間に存在するあらゆる精霊を支配する力を持つ。ただし、神霊に属する精霊のみはその限りではない。また占星術で未来を読み取る千里眼の真似事もできる。
以上になります。千里眼持ちのキャラの描写は中々き難易度が高い……。>>460
うっろおっぼえー息抜きに書いた戦闘描写を投下します。
薙ぎ払われた一閃は、地形を一瞬にして粉砕する。
紙一重で神速の攻撃を回避し、僅かに生じた隙を突く。
これらの繰り返し。両者の攻撃は対象には命中せず、只々周囲の地形、障害物のみを破壊していく。
嗚呼、滾る。自らの血脈に流れし獣の本能が、この応酬を心底愉しみ、相手をぶちのめす事だけを考えよ囁いてくる。
強者との闘争。我が王の他に存在した特別なる戦士。そして────神々に祝福された者。
それ故か、激情は絶えず溢れ出し、抑制が効かない獣(ケダモノ)のような状態に精神が傾いている。
だが、構うものか。これは自らに課した狂気。いかなる神性が立ち塞がるものなら、その悉くを血祭りにあげ、惨たらしく破壊するのを使命としたのだから。
ランサーの穂先を、バーサーカーは再度回避する。
巨人の一撃は地面を抉り取り、さながら隕石を思わせる衝撃で周囲を陥没させる。
恐ろしき一撃だが、当たらなければどうという事はない。
しかしながら、その理論は獣の直感をフルに回し、獣の如き柔軟さと俊敏さで全てを紙一重で回避できるバーサーカー────ボズヴァル・ビャルキだからこその方法。
そしてその獣の直感は「今だ!」と脳内に告げ、地面に食い込んだ槍の穂先を足で踏み押さえつつ、全霊を込めた斬撃をランサーへと振るう。
これが決まれば致命傷は免れない。最悪、上半身と下半身が真っ二つに断たれる未来もあり得なくない────しかしそれは、有象無象の英霊を相手にしている場合だ。
────剣が、硬質の物体を斬った時のような音を響かせる。>>464
「チッ……巨人特有の外殻か」
斬撃を直を受けたランサーに傷が……正確には、本体へのダメージはなく、体を覆うように展開された魔力による膜が傷つけられた。
先ほどの一振りは生半可な英霊では致命傷は確実という威力を秘めていたのにも関わらず、この程度の損傷に留めてみせる。それが巨人の外殻というものであった。
甚だ忌々しいと、バーサーカーは唸り声を漏らす。
「████████████████────!!!」
理性を失った怪物の咆哮と共に、ランサーは槍を手放して足蹴を繰り出す。
ただの蹴り。されど蹴り。いかに得物を有さぬ攻撃であろうとも、数多の戦士、勇士を悉く屠り去った恐るべき膂力である。
回避は間に合わない。まともに食らえば人体は四分五裂を免れない。
ならばと、バーサーカーは部分的に獣化した両者をクロスさせ、防御態勢を取った。
両腕から背後にかけて衝撃が突き抜ける。
ギシッと骨が軋む鈍痛が駆け抜けるが、逆にその程度のダメージで済ます事ができた。
その後、あとからやって来た物理法則によりバーサーカーは吹き飛ばされる。
────重い。ひたすら重いと感じた巨怪の一撃にバーサーカーはギリっと奥歯を食い縛る。
加えて、反応速度も尋常ではないと内心舌打ちをしつつ、吹き飛ばされながらも空中で体勢を整え────追いついてきたランサーを迎撃する。>>465
「これが神代にて『悪竜現象殺し(ファーヴニスバニ)』と死合を果たした戦士の脅威か……!」
手に現出させた剣を振るい、肉薄する穂先をいなし、そしてもう片方の手に出現さえた蒼銀の鞘で殴打する。
これの繰り返し。これの応酬。絶え間ないぶつかり合いによる轟音は、衝撃波と共に周囲を壊していく。
古き時代の英霊たちにとって、現代は新しくもあり、画期的ではあるが……神秘が薄いが故に余りにも脆いのだ。
触れるもの全てが崩れる。軽々しく扱えば毀れる。激しい物理運動なぞ以ての外で、実行すれば忽ち物体は決壊する。
幸いな事にここら辺一帯は民衆の生活圏内ではない為、人的被害を受けてはいない。仮に圏内だった場合、目も当てられない惨状になったであろう。
その時は、ハイドリヒの手で情報操作が行われるだろうが。
────埒が明かん。マスターよ、宝具を使うぞ。
────よろしい。だが一撃のみを許可する。大盤振る舞いには些か時期尚早だ。
許されたのは一撃のみ。
ただし、バーサーカーにはそれで十分であると、現状の戦況を鑑みて推測した。
斃せるとは思っていない。宝具の一撃で消し炭にできるのであれば苦労はしない類いの相手であるからだ。
嗚呼だが、霊核を砕けずとも、それに準ずる損傷は与えられよう。>>466
「ぜぇえい!」
斬撃、刺突、殴打の応酬を切り上げ、バーサーカーは距離を取る為に魔力の斬撃を放つ。
斬撃が着弾した地点には、亀裂と共に氷塊が形成され、ランサーにダメージを与えると同時に行く手を阻む障害物と為す。
「██! ████████!! ████████████████────!!!」
無駄だと言わんばかりの雄叫び。
大気を振動させ、大地を震撼させ、生きとし生けるものを戦慄させる怒号。
凄まじく……耳障りな喚き声だ。大神に祝福されたその五体、血潮、霊核に至るまで根絶やしにしたい程に。
だが、まだその時ではない。獣の勘が、第六感がもう少し待てと告げている。
故に貴様の喉元に喰らい付くのは控えよう。後の殺し合いに温存し、確実に息の根を止めてみせる為に蓄えておこう。
獣(オレ)は、その為ならば幾らでも冬眠できる。
「────宝具開帳。魔剣解放────犂星よ(スニルティル)」>>470
仮に公式だったら重要な設定残していきそうですよね、このコンビ。
クリングゾールが悪側に吹っ切れたので「お前悪い奴やろ!?」「キャッキャッ」なキャラに……。
ランサーvsバーサーカーは、dies irae を見て、そのままのテンションで書きました。>>472
千里眼持ちだけど、人生つまらなくなるから封印してるよ!(物語の都合という抑止力)
でも二人とも未来視できるってズルいよね!
ビャルキは如何に獣になっていてもマスターには従います。元来の生真面目さがね……。ブリュンヒルド「あたし陽キャだった気がする」( 記憶喪失)
カール・クラフトが千里眼持ちでナチス・ドイツのその後を考えるとギリギリでリブシェと視界重なったりもするかもしれない……
千里眼持ち系キャスターによるプラハ特異点……遅まきながら、ミラグロスを登録してきました。
>>485
ああ、そういう。
カール・クラフトがプラハ侵攻に参加してないとは言い難いし、もし視線が重なったらクラフト側からは見えないだろうけど、見られたのだけは分かって「目が合ったね♡」ができるかも……。>>487
冷えてきましたからね。このふわふわもこもことしたかんわいい冬毛兎娘の存在が必要不可k………
…その後ろから迫りくるコタツがあればすべて解決してしまうのでは…?本当ならディオスクロイ(激推し)の存在もあって双子座も削除したいところですが、こちらは既にお話に使われているので、無しにしております。
>>494
あ、そういう意味でしたか。義仲、マジでどうしようかな…。
>>498
レッツ投下だわさ。
日本は新潟県、安田温泉。
「最近寝不足でねー。ついさっきも、また仕事中に居眠りしちゃってさ。……あんたの寿命の蝋燭、短いのに交換しちゃったんだよ」
ちょっとした温泉宿内の大衆演劇場では、古典落語を翻案した劇が披露され、観客は大いに楽しんでいた。
この劇、重要な役をする筈であった劇団の古株が複数の病気で暫く車椅子生活を送る羽目になったので、急遽外部の人間から代役を立てたのである。
その代役として、演劇系の芸能雑誌が企画して昨日開かれた若手座談会に参加するため来日した、件の劇団と提携しているスペインの企業グループを構成する芸能事務所に所属する人物が、舞台に上がる事になったのだ。
演目は、かの初代三遊亭圓朝が創作した古典落語『死神』の翻案。
代役を務めるは、ビオランテ・バルベルデ。
例の古株が彼女の芸歴を知っているための抜擢となったが、困ったことが起きた。
道行く人が振り返りそうな美女であるビオランテが、試しに日本の死神の格好をしてみたら胸元が締まり切らず、それ以前に怖くないと来たのである。
これでは駄目だという事で、急ごしらえでローブが作られ、座長の副業の不良在庫となっていたガスマスクを用意。
ビオランテは、この2つを身に着けて死神の格好をする羽目になった。
この苦肉の策が上手く行くかどうか一同不安であったが、いざ幕を上げたらこれが受けたのだ。
何せ表情が分からないので、格好自体が普通に死神なのと相まって不気味さが増しており、典型的三枚目な演技との相乗効果で観客の度肝を抜くことに成功。
これには座長も大満足、古株も太鼓判を押してくれた。>>499
「その顔さ……。怖くて怖くて、ガタガタ震えながら蝋燭を見つめて固まってる、その顔が見たかったのさ!!」
本日はここでの一座の千秋楽とあってビオランテはアドリブ(前もって台詞以外で何かやるとは劇団員たちに説明しており、了承も済んでいる)で、この台詞の直前にガスマスクを外したのである。
こうすることで、端正な素顔を歪めながら主人公を嘲笑う死神の冷酷さを強く印象付け、直前までとは打って変わって観客を恐怖のどん底に陥れることにも成功した。
このビオランテの演技は大絶賛され、古株も拍手喝采。
かくして千秋楽は大成功に終わったのであった。
温泉宿内の食事処。
大衆演劇の劇団というのは、普通なら千秋楽の講演が終わればすぐさま次の劇場へと移動するのが常。
この劇団も撤収作業は完了済みだ。
しかしながら、スケジュールや移動距離の都合で次の公演日が数日後にズレ込んでしまったので、若手座談会の進行役であった芸能雑誌の記者が「会社の経費で落とせますから」と殺し文句を発射したのもあって、大衆演劇の劇団としては珍しく打ち上げに興じたのである。>>500
「みんな、お疲れ様~」
「迷惑かけて済まんかったなぁ」
座長が開口一番で団員達を労い、次いで古株が詫びの言葉を出す。
「うちの一座が打ち上げやるのは、今回が初めてです! …乾杯前の挨拶はこれで済ませて、それじゃカンパーイ!」
座長が乾杯の音頭を取り、一同はグラスを掲げて乾杯。
ちゃぶ台(座卓と言うべきか)に並べられた料理に箸を伸ばす者、まずは酔っぱらう者、乾杯の後の行動は人それぞれだ。
ビオランテに至っては、普通なら2~3人で食べる天ぷら盛り合わせが何皿も並ぶ中、その内の1皿を1人で食べている。
「嬢ちゃんの同業になった甥っ子から聞いてたが、それに勝る大食いだな」
古株が驚き半分で呆れながらジュースを飲む。
病巣は全部摘出済みだが、予後の都合から早くても車椅子生活が終わるまで禁酒を厳命されたからだ。>>502
サラッとビオランテはとんでもない事を言ってのけた。
そのケロっとした態度から察するに、当人は全然気にしていないのだろう。
一座の面々や雑誌記者は純粋に驚き、心配してくれているのだが。
ビオランテの食欲は、普通の人が見たらドン引きするぐらいの量を平らげるほどだ。
驚かれたり心配されるのも、当然といえば当然なのである。
「大量の買い食いがバレて、心配した姉に連れて行かれた病院で今言ったのが判明したのよねぇ」
「嬢ちゃんよぉ…。血糖値と血圧だけは、マジで気を付けろよ?」
古株は一応ながら本気半分で注意しておく。
炭水化物と塩分の摂取量も相当なので、注意したくもなるだろう。
ビオランテは、この忠告に素直に頷くのであった。
以上、中編か後編に続く。書いてる途中で「大食い競技」に出る人って血圧・血糖値・尿酸値はどうなってんのかなー、て気になったらこうなった。サーヴァント投下しても可、でしょうか?
【元ネタ】歴史、小説『見えない都市』など
【CLASS】ライダー
【マスター】
【真名】マルコ・ポーロ
【異名・別名・表記揺れ】イル・ミリオーネ、Mr.ミリオネア
【性別】男
【身長・体重】164cm 44kg
【肌色】シルクのような肌色【髪色】オレンジ色【瞳色】翡翠色
【外見・容姿】
派手派手な和服に袴と革靴を履き、般若のお面を頭に着けているという奇妙奇天烈な格好をした西洋人の美青年。
『MUSASI』と名付けた黄金の刀を愛用しているが別に剣術を嗜んでる訳でもなく、単純にカッコいいからって理由。
一言で表すなら「間違ったニッポンLOVE」。
これは黄金郷チパング(日本)について人づてで得た情報と、英霊の座から与えられた日本の知識とを擦り合わせた結果こうなったのだそう。>>506
【地域】ヨーロッパ、中東、中央アジア、中国
【年代】13世紀中頃~14世紀
【属性】中立・中庸
【天地人属性】星
【その他属性】人型、愛する男、騎乗
【ステータス】筋力:D 耐久:C 敏捷:B 魔力:E 幸運:EX(C) 宝具:EX
【クラス別スキル】
対魔力:D 騎乗:C
【固有スキル】
単独行動:B
マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。ランクBならば、マスターを失っても二日間現界可能。
賢帝の金牌:A++
賢なる皇帝クビライから賜った、厚い信頼の証。英霊と化した後も皇帝の庇護下に置かれており、旧大元帝国の範囲内であれば規格外の幸運ステータスを獲得できる。
……しかしライダーが自分の知らない所で誰かに遣えるのが嫌なのか、本スキルの影響で旧大元帝国の範囲外での召喚難易度が著しく高くなっている。
特に賢帝が征服に失敗した日本の地では絶対、何があろうとも召喚出来ないようになっている。
遊子の見識:A
相手の性格・属性を見抜く眼力。 言葉による弁明、欺瞞に騙されない。『貧者の見識』と同等のスキル。果てのない旅の中でライダーは多くの人間と出逢い、学習し、相手の本質を掴む力を得た。>>507
【宝具】
『遙かなる地へ誘え、絹の路(ヴィア・デラ・セタ)』
ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:1~60 最大捕捉:600人
ライダーが半生をかけて歩んだ、険しくも愉しい旅路の一つ、シルクロード。
その行程をかつて踏み締めた者達の情熱や夢、希望が紡がれ、より集まって出来た絹の糸。
非常に強靭かつしなやかな概念繊維であり、ライダーはこの糸を巧みに操り武器としても移動手段としても、罠としても活用する。
真名解放で全ての絹糸が一手に集積、白金色の繊維の津波となり阻むものみな押し潰す質量宝具と化す。
分類上は対人宝具となっているが最大出力では対城宝具にも匹敵する効果範囲を有している。
ただしこれらの糸はシルクロードという概念が形となった宝具である為、それが断絶されるきっかけとなった存在────具体的にはオスマン帝国関係のサーヴァントには効果が極端に薄れてしまう欠点を持つ。
マルコ・ポーロはヨーロッパ諸国に当時未開拓だった東洋の文化、自然、宗教など幅広い分野を認知させた功績から「シルクロードを最初に通過した旅人」として認定されており、本宝具はそれに起因するものと思われる。>>508
【Weapon】
黄金刀『MUSASI』
マルコ・ポーロが愛用する純金製の刀。本人は最強の侍ムサシ・ミヤモトが所持した伝説の刀だといってはばからないが、明らかに贋物。
剣の腕はからっきしだが、上述の宝具『遙かなる地へ誘え、絹の路』との組み合わせで侮れない強さとなる。
【解説】
中世の時代にヨーロッパからアジアまで陸路と海路で大旅行を大成したヴェネツィア王国の商人。
彼の旅の見聞が記された『東方見聞録』は世界的に有名だが、彼は著者ではなく口述者。
『東方見聞録』を執筆したのは彼と獄中で親交を深めたルスティケロ・ダ・ピサという人物である。
13世紀当時はユーラシア中央部にモンゴル帝国(クビライの代で大元帝国と改名)が成立し、アジアの東方への関心が高まっている頃であった。
1271年、マルコ・ポーロは商人である父ニコロと叔父マッテオと一緒にヴェネツィアを発ち、およそ3年半の歳月を経てユーラシア大陸を横断し、目的地である大元帝国の都大都に至った。
使節として皇帝クビライ・カアンと謁見を果たすと、マルコの有能ぶりを買われ官職に就任。およそ17年間大元帝国に滞在した。
その間も中国、ビルマ、ベトナム、スリランカなど周辺各地に訪れ、歴史・民俗・地理などを見聞する機会に恵まれる。>>509
長い滞在の後ようやく皇帝から帰国の許可を得た三人は今度は海路を進み南回りでペルシャ湾に到着。山を越えて北西へ進み祖国ヴェネツィアへと帰国した。
総距離15000km、四世紀半にも及ぶ大旅行はこうして幕を下ろしたのであった。
マルコは帰国後も商人として働いていたが、ヴェネツィアと交戦中だったジェノバとの戦いが激化。
マルコも志願兵として従軍したのだが、ジェノバ軍の捕虜として収監されてしまう。
この牢獄で出会った小説家ピサに東方の旅を詳しく語り、ピサがそれを一冊の本に纏め上げて、『東方見聞録』は完成したのである。
【人物像】
人懐っこく愛嬌に溢れたちゃっかりもの。
常人離れした身の軽さと口の上手さと、肝心な所はごっそり掻っ攫っていくしたたかさを併せ持つ。
しかし軽薄な訳でもなく受けた恩義はきっちりと返す律儀な面も持っており、主従関係においても基本従順。
奇妙奇天烈な格好に騙されがちだが、異邦人でありながら大元帝国皇帝から寵愛を受ける辣腕振りは伊達ではないのだ。>>510
だがそんな彼にも致命的な弱点がある。
それは綺麗な女にバチク.ソ目がないのである。
とくにオリエンタル(東洋的)なお姉さんに弱く、見掛けるやついつい女の尻を追っかけてっちゃう典型的バンビーノ。
彼の口述が記された名著『東方見聞録』には、宗教や物流、文化、建築物などアジア諸国に関する有益な情報が沢山記載されている。
───が、それと同じくらい何故かやたら詳細に「ご当地の女に関するアレコレ」が記載されてたりする。
騎兵(ライダー)の英霊として召喚された彼は「冒険家」「旅人」としての側面が強く反映されている。
その為利益と浪漫を天秤にかける様な状況に陥った時、ライダーの彼ならば浪漫を手に取ることだろう。冒険家としての彼は明晰な頭脳よりも、胸に伝わる夢を信じているのだから。
特技:ナンパ(得意とは言ってない)
好きなもの:綺麗なオネエサン、諸国漫遊
嫌いなもの:海賊、アンガマン島の人狼
天敵:クビライ・カアン
願い:黄金郷チパングへの到達>>511
【一人称】ボク、僕
【二人称】キミ、君、貴方、貴女
【三人称】アイツ、あの人
【セリフ例】
「ハイ、注目注目ちゅーもーく。この中でボクを喚び出した心当たりのあるマスターは手ぇ上げてー」
「んえ?『東方見聞録に歴史と異なる箇所がある』って?……あったり前じゃないか、僕は歴史家じゃなくて商人だぞ。スポンサーに多少肩入れしたシナリオに仕立てて何が悪いのさ」
「まぁそんなコトしてるから『イル・ミリオーネ(百万の嘘を吐く男)』って馬鹿にされるんだろうけどさ〜。ナハハ、自業自得だねぇ」
「───僕はッ、おねえさん達とあっちあちなアラビアン・ナイトがしたいだけなのに……どうしてッ!」
「聖杯に願うコト?チパングへの出航許可が欲しいな。許可が降りたら自分の足で行ってみたいんだ。道中にこそ旅の醍醐味があるってね♫」
「足元注意だ、もう遅いけどねっ」
「手元も注意だよっ、お留守だねぇ」
「あらよっと一丁上がり〜!」>>513
司祭王ヨハネス
かつてヨーロッパ諸国から実在を信じられていた「アジア圏キリスト教國の王」。プレスター・ジョンとも。
マルコの旅の目的の一つにこのプレスター・ジョン伝説の調査があり、『東方見聞録』では昔チンギス・カアンに打ち破られた一指導者だったのではないか?と語られている。
「あー……司祭王ね、謁見したよ?確かに宙(そら)に浮く城とか金鉱の蟻とか面白いものはいっぱいあったけど、あの王様だけは好きになれないなぁ」
クリストファー・コロンブス
アメリカ大陸を発見した冒険野郎。マルコ・ポーロの『東方見聞録』に影響を受けた偉人としても有名。
1299年にオスマン帝国が誕生し、興隆するにつれてヨーロッパとアジアが再び断絶。ヨーロッパの商人たちはオスマン帝国を経由せずにアジアの東方と交流する方法を模索し始めた───これが大航海時代のきっかけである。
コロンブスはマルコが記した黄金の国チパングに西回りで到達出来ると目論み、船を出し、新大陸発見という偉業を成し遂げた。
【他クラス適性、変化傾向】
キャスターとしての適正がある。
その場合は「商人」としての側面が抽出され、胸に伝わる夢よりも明晰な頭脳を信じるビジネスマンとなる。
【製作者】
亥狛の人>>518
ディックさん、クリプターとサーヴァント的な関係で聖書コンビで螢くんを妄想してるんですが、螢くんからして彼女はどんな感じなんでしょうか?
私が螢くんを再現できるかでいえば解像度高くないんだろうなと思うんですが!(笑)
リリス
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/m/wiki/%E3%83%AA%E3%83%AA%E3%82%B9%28%E3%82%A2%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%29>>504
一部のフードファイターは吐き戻ししてる、って噂も聞きますがどうなんでしょうね。とりあえずお大事になさってください…
>>516
今はインフルもコロナもありますから熱出たら戦々恐々ですよね…お早い体調回復を願ってます。
>>518
マルコポーロの冒険をご存知とは…もしやリアタイ勢ですか?
>>519
マルコ「かわいい子なら誰でも好きだよ、ボクも」
守備範囲については東洋的ならなおよし!って感じなのでおにゃのこは皆んな大好きです。
>>521
意外とマルコ・ポーロって何した人か知られてない感ありますね…もしかしてマイナー英雄?
日本に絶対行けないのはイスカンダルがオケアノスにどうやっても行けないアレと似たようなやつです。行けないからこそカタルシスがある、と言うやつです。公式と被ったからと取り下げる人もいれば私のように「アルトリア顔の推定男のヤマトタケルktkr!」ってなってる人もいる。二次創作スレッドなんだもの。
>>487
かわよ。そしてオオフネハシリゴタツに笑ってしまった。
>>503
世の中にはドカ食い気絶部というものもありまして…。まあぶっちゃけ栄養の摂りすぎもまた健康に悪いのです。ビオランテ嬢には健康にも気をつけてもろて。
>>515
外国の偉人に疎い私でも知ってる有名人(多分)。そして妙ちきりんな格好とかチャラチャラした言動とかの中に旅行大好きなロマン気質なのが感じ取れて…。参った、もう既にこの人の事好きになってきました。
マスター候補としては安定のミソラちゃんでしょうか。気質的にもミソラちゃんは基本誰とでも合う(マスターが召喚したサーヴァントの影響を受けて性質が変わる)ので性格的にも問題なく日本に行ってみたいって願いにも快く応じる姿が見えます。
そしてカフェ・アントラクトでギター弾いてるゲン兄の所に「ヴェネツィアで仲良くなったマルコ」と紹介する姿も見えーる。最近思いついた魔術ー
①霧の巨人(ヨトゥンハイメン)を拡張、霜の巨人と水の巨人って元素変換して戦う人
自律追跡毒ガスと毒液と氷塊を操作して戦う
北欧出身の人?メスガキ枠とかどうだ
②自身を霊媒にして四凶(渾敦 窮奇 檮杌 饕餮)の能力を利用する降霊術
中華魔術使い。なんか追いやられた部族の末裔な邪神崇拝系。
フリー枠にするか、自分で作るか……>>535
あと時代がちょいズレるけどモンゴル帝国とハサンも加わればとんでもねぇ面々になるんですよ…というかハサン連中はモンゴル帝国どう思ってるんでしょうね。
>>537
正直昔の設定すぎて覚えてない……とは口が裂けても言えない。
固体のゴーレムは普通のヤツ、液体のゴーレムはスライムとかその類、気体のゴーレムはヨトゥンハイメンって名前の霧状。
ってざっくりとした設定しかないのは確かです、好きなだけ設定改良してくれて大丈夫です!
>>538
Q. MUSASIじゃなくてMUSASHIでは?
A. いやホントおっしゃる通りです、きっと銘を打ったヤツが余程の阿呆だったのでしょう。
クビライについては生前もなんだかんだゴネて17年実家に帰るの許さなかった位です。
マルコ達が帰れたのも他国に嫁に行く姫様達の護衛って任務がなければ許されなかったでしょうし、あの皇帝の執着心は冗談抜きでヤバいと思います。>>540
余談ですが当時のモンゴル皇族の葬儀では、棺をモンゴル高原まで運ぶ間に出会った人々を1人残らずブッ殺.す、というガンギマリな習慣があったとか。
殺された人々は死後の世界で皇族に仕える役目を仰せつかり、それは大変な名誉だとされたのだとか。
こういった文化も踏まえた上で、多分死後も束縛するんだろうなあとか妄想した結果の設定でした。>>534
フルネームで名乗らずただマルコって言うだけならただの似非ニッポン好きな外国人に見えますものね。
ミソラちゃんは聖杯戦争を渡り歩く聖杯戦争狂いで英霊達から聞ける生の英雄譚やリアルな生前の逸話を聞きたいってのと軸がブレ易いから一緒にいる人の属性に寄っていく性質があるので初手で地雷爆発とかしなければ大体は破綻しませんので。フフフ、霧の巨人の設定をいじっていい許可が降りた……では私が行動に移るかと言われるとちょっとモニョモニョ……。
”なんとなく面白そうなネタは浮かぶが形に出来ない”のが僕の悪い癖……
悲しいかな、この俺にゃあ!ねぇんだよ!優良キャラメイク能力がよぉ!!!
いやホント画竜点睛を欠かないキャラメイクをしたい。デモゴルゴンもソフィアさんもまだ納得出来てないもの……螢と相性悪そうな型月キャラは誰だろうと考えてみると、恐らくノエルはそう。
シエル√で死徒になってしまうけれど、それはノエルの選択だから螢の心象が悪くなることはない。しかし一番不味いのは今まで死徒を否定して、そのなり損ないとかをいたぶることをしてたのに、追い詰められたと言え死徒を肯定してそれまでの歪んではいるものの持っていた信念を捨てて、生きてた人生を自己否定したところは螢は軽蔑しそうだなと。まいるどなびーすとについて聞きたいことができてしまったけどレージュさんいらっしゃるかなぁ…
>>560
NHKって民放より金ありそうなイメージなんですけど、放送データをちゃんと保存するようになったのが80年代に入ってからなんで、人形劇は壊滅状態の時期までありましたからね。
プリンプリン物語は発掘プロジェクトのおかげで録画分が集まって、現時点では完了まで後1話というところまで来てます。
ひょっこりひょうたん島はノートの書き写しや音声の録音などで脚本の復元に必要なデータを全部作ってた超級マニアのおかげでリメイク版の制作が実現したという。>>549
お久しぶりです。>>562
おっと、最高の采配では?つ黒髪ロング美少女いいえ私は絶対に銀髪っ子をオーダーします
ところでルナティックの最新話前半が形になったので投稿したいと思うのですが、大丈夫でしょうか!!
よくてよついたぜヨシ!!
伏神市には他県に跨もる程の規模を誇る山がある。基本的には雄大な大自然といった趣の場所であり、頂上に聳える堂々たる建造物、獅堂教会である。キリスト教伝来の頃に端を発し、宗教弾圧の影響による神道との混合が見られる少々奇妙な雰囲気の教会だ。
荘厳なバロック様式の建物や巫女服とカソックが融合したような風雅な衣装がカルト的な人気を博しており、海外から訪れる程の人間も居る程だ。
その獅堂教会は衣装も風変わりだが、トップたる神父、獅堂蒼も変人である。男性ながら女性らしさすら感じさせる美形なのだ。服装も如何にも神父といった風貌ではなく、先述の風雅な衣装、即ち女装っぽさを連想させる。結果、インターネット上では「女装が似合うイケメン神父」として、やはり人気の一因となっている。
そんな彼は今────>>582
ガタンッ!!!
「かぁあああぁぁあああぁぁぁ~~~、ゲロだりぃぃいいいい………」
教会敷地内にある執務室で悪態を吐いていた。
机の上に足を投げ出し、椅子の背もたれから座にズリズリと身体を崩して完全に預けている。「なんもかんも気に食わねぇ」と言いたげな表情であり、今にも舌打ちをしそうな有様だ。神父という品行方正な立場にあるまじき荒れっぷりである。まぁ彼の場合、他人の目がなければ常にそんな感じな人物なのだが、今回は傍に人がいるので、更に珍しい状況である。それだけ気が立っているという事なのだろうが、非常に珍しい非常事態だ。
彼を悩ますの幼馴染かつ友人である朽崎遥、かの死霊魔術使いが起動させた、伏神市を舞台にする聖杯戦争という大儀式である。それに備えた隠蔽工作の準備、街に齎されるであろう被害対策に事前補強、周囲の魔術界隈への根回し。その他手続きがエトセトラetc.……。
伏神市住民への対策は兎も角、あまり大規模な広告などは打っていないのでマスターの集まりがどうなるかが不明瞭な上、戦争の規模も不明なのだ。蒼のストレスがマッハになるもむべなるかな、という所である。
「ある程度はスカウトなりしてるみてぇだが、ハルの奴がやる事だ、どうせ一癖も二癖もある連中だろう。監督役すうるのめんどくせぇ……。あの蛇女は多分確定だろうし」
まさに気が滅入っている、という感情を隠すつもりが欠片も見られない蒼である。そんな彼を穏やかな口調で宥める女性が、同じく執務室のウィンドウベンチに腰掛けながら微笑んでいた。
「まぁまぁ、蒼さん。遥さんの事ですから、上手い具合に神秘の隠匿などに配慮した聖杯戦争をしてくれますよ。そういう所は意外に律儀でしょう?遥さんって」
鱗粉を散らしながら浮遊している蟲たちを侍らせながら佇む和服の彼女は常世鳳蝶。聖堂教会とは異なる宗教団体の巫女であり、蠱術と呼ばれる外法を操る魔術使いである。
「あー確かに。まーそこら辺はある程度信頼してんだがなぁ。昨日の夜なんか、アヴェンジャーが召喚されたとやれで霊器盤に叩き起こされたんだよなぁ……。立派な安眠妨害ってヤツですぜ」>>583
しかもマスターからの挨拶もねぇし……、と彼はグチグチとぼやいている。それでも苛立ちを抑えきれないのか、足を預けた机を踵でガンガンと叩く。だが、それが非生産的な行為だと理解しているのか、頭を掻いてから机に向き直り、鳳蝶に話題を振った。
「そういや鳳蝶サンにも結構協力してくれてるんで、今のうちにお礼は言っとくっすわ。”忘蛾”、でしたっけ、ソレ。鱗粉や飛翔によって生み出す気流によって、人々の精神に作用。どこぞの殺し屋漫画のモブさながらに神秘隠匿が格段に楽になるっつー。大分手間が減りそうなんで、ありがとうございます」
どうやら邪法の巫女が戯れているのは彼女が作った使い魔のような存在らしい。指に停まっているモノ、肩の上に落ち着いているモノなど、色や形も様々である。
そんな光景を背後に幻視しながら、蒼はやるべき仕事に向き直った。ペンを取り、書類をめくる。
「ええ、常世教という組織の生存においても、非常に有用な使い魔さん達です。製造呪法は企業秘密、です」
ハートマークが語尾についてそうな、少々悪戯っぽい台詞で深入りは拒否された。まぁ彼女も異教の巫女ではあるが生業的には魔術師なのだ、そこは秘匿主義的になるのは仕方がない部分である。なんにせよ、今後に関して己の仕事量が減るというのはとてもありがたい助力なので、そこに関しては感謝の一言である。>>584
「そこら辺は僕にとっちゃどうでもいい部分なんでね、これからも協力よろしくっすわ。……さて」
よいしょ、と一声。椅子を後ろに下げ、ペンと書類を放り出しながら立ち上がる。どうしたのですか?と若干驚いたような声を上げた鳳蝶には簡潔な返答を。
「あぁ、日課の鍛錬の時間ですよ。トレーニングバック殴ってきますわ。そろそろ潰しそうだから、新しいの買わないとなぁ……」
腕まくりをしつつ、後ろ手にヒラヒラと振りながら執務室を後にする。伏神市の聖杯戦争もまだまだ序盤、にすらなっていない。気合を入れる為にも、いつものルーティンを崩したくはないのである。
「あの蒼さん。書類仕事の方は大丈夫なのでしょうか?いえ、息抜きも大事ですし、まだ本格的な開戦ではないですけれど」
少しばかりたしなめるような気持ちで、そんな言葉を投げかけた。だが彼はそんな杞憂を予見していたのか、即座に喜ばしい返事を返してくれた。
「必須の書類ならもう終わらせたんでご心配なく。この後パンチトレーニングして、教会自体の事務やったら寝ますんで、鳳蝶サンも良い感じに帰宅よろしく~」
そんな風に一方的に予定を言い放ち、彼は執務室を去っていった。もう、勝手な人なんだからと思いつつも、鳳蝶は帰宅の準備を進め、ついでに蒼の為にちょっとした飲み物も用意する事にした。>>585
飛行機での移動というものは、何故こんなにも退屈なのだろう。とヴィクトル・デュランベルジェは常々思う。
恐らく、己の信条というか生活環境に由来があるのだろうなという結論に至ったのが最近の事だ。王(オレ)は、猛禽類が好きだ。”常に自由に空を翔け、強さと威厳で他者を支配する”というイメージに憧れがある故に。
然るに、この旅客機では己の意のままに宙を翔ける事が出来ず、理想と現実の乖離に少々は歯がゆさを感じるのだろう。では己の魔術でどうしたらそうなれるのか?と問われれば、王権魔術で飛翔できる術式を編み出すのは中々に至難の業だ、と考えてもいる。だから王(オレ)はやはり謙虚な方なのではないだろうか。強いて言えば、玩具兵団による支援で空を歩くというのが一番理想に近そうだ、などと考えながら、ヴィクトルはシートに座って眠っていたが、唐突な衝撃に叩き起こされる。フライト中の機体になにかがぶつかったようで、響くアナウンスの内容的に、パイロットやCA達も困惑しているようだ。不幸中の幸いと言うべきか、機体そのものへの損傷は現時点で報告されておらず、フライトの継続は可能だとか。日本まで行けるならば問題はない、多分。そのはずである。一応「玩具兵団」の起動はしておくか…、とトランプをそれとなく懐から取り出した。そして、聖杯戦争に対する英気を養う為にも再びソファーに身体を預け、目を瞑った。>>586
飛行機での移動はなんだかんだ楽しい移動だ、とポルカ・ドラニコルはフライトの度に感じている。多分恐らく、自分の術式は空を飛ぶ事が苦手だからかなぁ~、なぁんて。オレの一族の魔術は蛇と竜を題材にしているので、先祖にはワイバーン系列に肉体を変質させた者もいるっつー事例は伺った事があるんだが、いかんせん祖父母以上の世代になるみたいなので、あまり詳しくはない。まずは自分の魔術の研鑽が最優先ですよね。
私は水と土のドラゴンである。泳ぐ事と走る事がメインなのですわよねぇ~。なのでまぁ、自由ではないけど、相性が悪かったソラを飛べる、というのは非常に心が躍る状況、という訳である。少々窮屈ではあるものの、それぐらいなら許容範囲である。美味しそうな人間の下調べも出来ますしね?まぁ本日ぐらいは自重しますが……と考えていると、どこか親近感のある雰囲気を感じた、と同時に衝撃。
フライト中の機体になにかがぶつかったようで、響くアナウンスの内容的に、パイロットやCA達も困惑しているようである。困惑する周囲を尻目に、ポルカは別の可能性を考えていた。先ほど感じた奇妙な気配がこの飛行機にぶつかってきたのではないか、という予想である。
オレが同類っぽいなぁ、と考えるとしたら、蛇の幻想種か何かだろうか、でも空飛べないだろうし……、まさかドラゴンって事もないわよね、もう星の内海に入ってるでしょ、と思案しつつ、ポルカはとりあえず日本への到着を待つ。入国した後は遥と誉ちゃん、そして蒼くんに挨拶をしてから伏神市の調律をしなければならないからである。マスターの資格である令呪も発現すれば儲けものだが、上手くいくかは五分五分。兎にも角にも体力は温存しておくべき状況だ。>>587
そういったトラブルこそあれど、最終的には無事に目的地である関西国際空港に到着した訳である。
フライト後の乗客から漂う、少しの疲労となんとも言えない期待感を抱きながら、乗客たちは降機し、空港構内にて入国や荷物の回収といった手続きを思い思いに進めていく。ポルカ・ドラニコルとヴィクトル・デュランベルジェも同じくで、速やかに荷物の確保を終わらせ入国手続きを完了させた。特にお土産やらを買う訳でもなく、すんなりと伏神市行の電車に乗り込み、戦場へと向かう。移動の間、ヴィクトルは主に風景を楽しみ、ポルカは車窓からの景観を他所に空港で購入した弁当をご機嫌な様子で食べている。同行する王と初めて出会った時のように、自分の隣の椅子には食べた後の弁当箱を積んでいた。>>589
無事に伏神市へとたどり着いた二人だが、その雰囲気は相変わらず険悪であった。睨み付ける王者、そしてそれをどこ吹く風と受け流す毒蛇。両者は駅舎から出て、街への一歩を踏み出した。
「チ……巫山戯るなよ、貴様。電車で向かいの席を足置きにするなぞ、礼節がなっていないにも程がある。王(オレ)と同行する以上、ああいった頭の悪い行為は慎んで貰いたいものだがな。次にやれば頭をぶち抜くぞ」
「あら、王サマは器量の狭い事で。オレだってそこら辺は弁えてるっつーの。今回の電車は空いておりましたから、少々足の疲れを癒そうとしただけですわ。普段は周囲の状況見てるに決まってんだろ。それともなんだぁ?もしかして欲情でもしたか?それなら相手してやるけど、どうかしら?」
不機嫌そうな雰囲気と怒りを隠そうともしないヴィクトルに、ポルカはニヤニヤとした笑みで応じる。スカートを捲り、美脚を見せつけて挑発する事も忘れない。そんな二人の事を、周囲は物珍しそうに眺めていた。一緒に行動しているのになぜ口論をしているのだろうか、と。まさか喧嘩ップルという訳ではあるまい……。
「フーッ、まぁいい。兎に角、この街で聖杯戦争が行われているんだな?とりあえず王(オレ)達は令呪の発現待ちになるのだろうが……。連絡先は渡しておく、王(オレ)は勿論、キミにも令呪が刻まれたのなら、サーヴァントを召喚し、尋常に勝負と行こうではないか。逃げるなよ?」
「勿論!あ、そうそう。お互いに令呪が発現しねぇとか、片っぽだけに発現した際にはよ、その時は運が無かった、と諦めるってぇ訳には……行きませんわよねぇ。サーヴァント抜きでやるのでしょうか?なんか伏兵の考慮がウザってぇからアレですけれど」
二人はフランス語で今後の予定について相談しつつ、雑踏に紛れる。と、二人の魔術師の身体が一瞬強張る。
そしてポルカは舌を出しながらバッドマークを繰り出し、ヴィクトルは髪をかき上げ、こめかみを露出して中指を立てる。決闘の約束はそれで十分。あとは殺し合うだけである。もっとも、毒蛇と冠鷲がこの聖杯戦争で喰い合えるかは、定かではないのだが。>>590
扉の上で赤く光るLED表示灯がパタリと消えた。部屋の中で行われていた手術、のような儀式が完了したのである。ドアが開き、ベンチで両手を握る私に神羅さんが近づいてくる。カツン、カツン。大丈夫だろうか、椿は無事だろうか。頭の中でそんな不安がグルグルと廻り、座っているのに足元が崩れそうだ。
「伊織さん」
うつむいて祈っていた私の頭上から、神羅さんの声が降ってくる。彼の事だ、まず処置に間違いはないと思うのだけれども、最悪の可能性が脳髄に残留して離れない。怖い……怖い…恐ろしい。失う事を本能が拒絶する。多分私はWASPの誰が同じような状況になっても狼狽しそうだ、なんて思うけれど椿でこんなに頭の芯から足の先まで崩れるような気持ちになるのは、きっと彼が好きだからなんだろうな、と今の深刻な状況にそぐわない思考が頭の中を巡る。
「報告1、です。椿さんの容体は安定しました。少なくとも峠は越えましたし、あとは体力を回復させたり、肉体的な損耗の回復に努めるだけです」
私を気遣うような優しい声で伝えられた結果。それを知って、思わず大きな息を吐いていた。膝の上に置いていた両の手が脱力によってベンチの上に崩れ落ちた。
「良かったぁぁああ……良かったよぉぉおおお……」
我ながら情けないが、どうしても声が震えてしまう。あっ、マズい視界が歪んできた。自分が涙ぐんでいる事を察して、申し訳ない気持ちになってしまう。
「毒、でしたか。それの治療に少々手間取りましたが、そこは私です。宇宙の果てに存在する未知の物質でもない限りは問題ない。結論その1というか、伊織さんが彼の応急処置をしてくれた事は非常に大きかったようですね。感謝します」
自分の油断でこんな事態になってしまったという不安や失望が解けていく。感極まってというべきか、ねぎらいの褒め言葉にもコクコクと頷くしか出来なかった。
さて、これからどうしますか……、と神羅が逡巡しているとその背後。つまりは手術室からフラついている足音が聞こえてくる。そしてドアが解放されると、肩で息をする椿がそこにいた。ゼイゼイ、と荒い息で言葉を紡ぐ。>>591
「私からも、感謝を……、ありがとうございます、伊織さん。命拾いをしました」
ドアを支えにして、フラフラのまま立っている。神羅さんと二人、慌てて寝付かせようとするが、椿のバカは”少しだけ……”と動こうとしない。差し当たりベッドには寝かせてそのまま話を聞く。曰くというか単純に中国での二人組に関する情報整理をしようって話だった。
「ふむ……、あの中華圏が滅茶苦茶になった怪物騒ぎの裏には、魔術的なドラッグが関係していたと。そして生産者と関係のある二人組。確認その1です。その二人組の追跡手段、まだ生きていますか?確認その2。この事件、まだ追えますか?提案その1、貴方に引き続き担当をお願いいたくてですね」
その相手と戦っていた経験も活きそうですしね、と続けた神羅さんに、私は深呼吸して返答する。
「うん、追うよ。椿、安心して!しっかり仇は討ってくるから!だからしっかり治して、戻ってきた時に元気な姿を見せてくれると嬉しいな」
ズビズビ、と収まりきらない鼻声のままではあったけれども、まぁちゃんと返答は出来たと思う。
そうして安心したと言いながら気絶するようにベッドで目を閉じた椿を病床までもっていき、神羅さんと二人で食堂まで歩いていく。
「さて、さっきの話だけどさ、魔術追跡はまだ生きてるから、大体の位置は確認できるよ。……コレは日本、かな?ちょっと地図ある~?」
そう言いながら付近を見渡すと、丁度ビオランテちゃんが歩み寄ってきて、大きな地図をテーブルの上に広げてくれた。なんだか彼女自身も確認したい事があるらしい。
「ありがとね!ビオちゃん!そんで、聞きたい事って?あ、ボス。アイツらがいるのはここら辺かな?日本の……関西地方?キョートより東っぽい?」
ビオちゃんの質問を聞く為、ザックリした位置を神羅さんに伝えて、彼女に向き直るとすごくビックリしたような表情をしてた。なんでだろ?と思っていると、彼女がポツリと呟くように疑問を口にした。
”その場所、もしかして伏神市、とは言いませんか?”と。それを聞いて、私はより深く魔術の探知を起動させ──先ほどの彼女ぐらいビックリした。その通りだったからである。
どうしてわかったのか?とそっくりそのまま聞き返すと、ビオちゃんは壊れたガラケー?を見せてくれた。>>592
どうも彼女に任せた”サロン”の依頼人が極悪人だったらしく、おちょくられるわサロン被害者は全員殺されるわと散々だったとの事。唯一残った相手から一方通行の連絡を受けるようの礼装(もうほぼ壊れてうんともすんとも言わないけど)をサイコメトリーして貰ったらその街のイメージが出たんだとか。
「なるほど……。中華圏は薬物で滅茶苦茶に、世界各国のVIP級要人を殺/害して世界に経済的、精神的な大打撃を与えた死霊魔術師、ですか……、ふむ」
どこか呆れたような雰囲気で呟くボス。そうして彼は私の方を向く。
「伊織さん、この件は貴方に一任します。聖杯戦争、などと。そんな儀式が関わるならば、単身で潜入して貰い、我々はバッグアップをした方がいいかな?と思いましたので……。ビオランテさんには申し訳ないですが」
他の依頼も遂行しなければですし。と続ける。まぁ生活費は大事である。
「しっかりと件の人間、朽崎遥でしたか……を見極めて来て下さい。場合によっては消して問題ないでしょう」
そうして私は、改めて任務を認識する。私の答えは決まっている。しっかりとその男を追跡してぶっ潰してやる、と確定事項を心の奥底に刻み込む。そうして話が落ち着いた所で、吾らが母船ビーバイブは一路日本へと舵を切る。
(待ってろよ……朽崎遥ァ……ッ!!)
──復讐鬼が、地図上の伏神市を睨み付けた──深夜のこそこそ話ー。
ニコレット・ドクトゥーラのコンセプトは『マイルドな女ボンドルド』
>>577
公式でもここでも扱ってないメジャー所ってもうほとんど残ってないイメージ。私の見識が狭いだけでいるにはいるのかもしれませんが。
>>580
武器だけじゃなくて物作りならなんでもっていう雑食性ですね。建築から家庭科の宿題の雑巾まで。配管いじりも喜んでやってくれると思います。
>>594
クッチーが多方面を敵に回してて草ァ。まあWASPの仲間、特に伊織にとって椿に手を出されるのはトップクラスの地雷よね。
あれ?こんなに敵が多いクッチーの弟子ってなってる未来飛鳥ちゃん大丈夫?朽崎遥の弟子!って敵対される案件とかない?まあ飛鳥ちゃんも屍肉喰らいなんて異名がつくくらい敵を文字通り死体も残らず消してるから今更か。北欧で良いと思ったのは、女性の戦士がそんなに軽視されていないところ。
ワルキューレ信仰があった事から、盾の乙女といった女戦士がヴァイキングの中にいたし、何ならリーダー張ってた女性もいた。
故に女体化させても、そこまで違和感が出ずに済む。スクルドのキャラ説明の中にある「ブラコンであり、ツンデレであり、ヤンデレであり、メンヘラである」という設定を深く考えてみて:
ブラコン → 言わずもかな。フロールヴが第一に来ます。
ツンデレ → 想っているけれども悪辣な言が出る。素直になれない。天邪鬼。
ヤンデレ → 周囲を巻き込む程のアレ。逸話通り。
メンヘラ → 「私を見なさい! 見ろ!」とヘラる。
因みにこれは全てフロールヴ・クラキに向けられた感情。その他は塩対応、悪辣、冷血です。>>605
いますねぇ、逆に変わった死に方ほど後世に名を残したりしますよね。
意気揚々と聖地奪還に向かおうとして川に入ったらそのまま溺れて死んだフリードリヒ1世
宴会中鼻血が止まらなくなって窒息死したアッティラ
おしっこ行きたいのを言うに言えなくてそのまま尿毒症で亡くなった天文学者ティコ・ブラエ
とか他にもいっぱい居るはずだけどあげきれない>>610
この世で一番デブ……もといふくよかな女性を召喚するイブラヒム一世とか、愛する奴隷あがりの妻だけを召喚するスレイマン一世とか、歴代スルタンの愛の形が様々だからこそハーレムにも違いが出て面白そうですよね。あとオスマン帝国関係ないですけど同じくイスラム圏だとムガル帝国創始者にして初代皇帝バーブルとかも人間味があるタイプの有能英雄でオススメです。
かなりの食通でとくに果物のメロンが大好き、あんまりにも好きすぎて諸国を巡るたびに行く先々のメロンを食べては「ここのメロンは酸っぱい」とか「ここのメロンはまったりして美味しい♡」とか日記に書き連ねてた面白い人です。
詳しくは『バーブル・ナーマ』をお読みください。>>613
アフリカの場合、どうも国によってはイスラム教関係なく認められてるっぽい所もありますね。
南アフリカですら、違法とはしてますが犯罪とは見なされていないとの事。>>618
闇堕ちと悪堕ちの違いってなんなのでしょうね。寄生は蟲よりもスライムの寄生が好きです。性癖は新しいものを開拓していくのもいいもんですよぉ…
私も以前はそれほど興味なかったイジワルなショタなるものがだんだん気持ちよくなってきましてね>>636
女性化すること前提だと悩ましいですね。
小太刀術の達人の富田勢源
水滸伝の好漢 天暗星 楊志
こういうところはどうでしょうか?オスマン帝国といえばイヴァンじゃない方の雷帝ことバヤズィト1世!
ティムールがヤバ過ぎて霞んでるのが不憫な人!
寄生……一応寄生なんだろうか、今回の聖杯戦線を受けて浮かんだ案は1つあります……フェリドゥーンをブラッシュアップしました。少し思うところがありまして、朽崎さんとこのザッハークとも関係性が持てる書き方にしました。
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/wiki/フェリドゥーン>>643
余り自作の中で固まってるのもなぁと思いまして。もっと輪を広げていかないと……!土曜の朝からなんだこの流れは(褒め言葉)
>>653
どうぞー!使ってやってくださーい!やったー!!!暑くて溶けそう……こういう時に短編ssに消化できたらいいのかな。
>>657
気配遮断大事ですよねやっぱり…
今作ってるのだと気配を消して単身忍びこむ、みたいなことはせずに魔術で暗躍するような感じになっちゃってて
題材から変えるべきか……>>659
あー怪物方向に舵きるのもありなのか…そっか…
ついつい毒殺や呪殺を考えがちだけど純粋パワーオブパワーで暴れるアサシンもアリ…かも…?甲賀三郎サンというパワー系アサシンも登場したからな...三騎士ともやり合える暴の暗殺者はアリ寄りのアリや。
甲賀三郎サンにならうなら怪物系だったり神性持ちだったりなアサシンがいいな…
となるとどこかの神話から贅沢盛り盛りな怪物を………イケるか……?潜伏したり、武器とかアイテムを隠していたエピソードがあればアサシンにできそうなので、アサシンになる理由つけは簡単そうです。ビッグフットとかキュパカブラでも姿を隠していたからとかでアサシンに出来そうな気がします。
クローディアさんが既に作ったフパシヤシュは、竜神イルルヤンカシュを殺った逸話でアサシンだった筈で、少し話を捏造するなら「奪われた天候神の心臓を奪い返している」として、それを宝具として所持できないかなと……。
>>666
酒呑童子みたいに人間要素ゼロのサーヴァントもいるのならば設定の作り方次第ではいけそうですね人外アサシンの話ですか?うちには『ハサンの身体を使ってるからアサシン』なんていう暴論的なアサシンがいます。
クラスなんてそんなものでいいのです。
真面目な話アサシンの気配遮断と人外由来の高ステータスの組み合わせは驚異になりやすいですよね。人外でもなければ、作ったアサシンでもないのですが、頭の中に「アムレート」は構想中だったりします。
宝具は自身の真名、ステータスを秘匿し、クラスをバーサーカーに誤認させるものと、相手の宝具開放に合わせて発動し、宝具をキャンセルさせるものの二つ。
まあ、出すかも分かりませんが。うちのアサシン。
その①!鎧をガチャガチャ鳴らしまくって正面突破が出来る人。卑怯卑劣に外道も上等!不意打ちオーケー裏切り御免!そんな円卓の騎士。
その②!常時気配遮断してる感じの魔王様。宝具で雷と嵐をぶっ放しジャーマンしますサタンですよろしく当方のアサシン
1.宿星の役割のまま、とにかく殺/しまくったから適性を得たゴリウー
2.星の開拓者『T型フォード』の大記録を更新したら、それを『暗殺』と座に解釈されたドイツ車
3.最後の忍者
4.消去法でアサシンとなった結果、大人になった後の姿で厳戒することになった児童文学のダブル主人公アサシンを発表する流れですかね?
うちのアサシンは…
①過去に囚われ、またそれ故に座に召し上げられたお爺ちゃんパラディン。多分ローランと再会したら色々タヒぬ
②殺人剣に特化したタイ捨流開祖、そのリリィ的存在。色々物騒だけど悪人ではないよアサシンを発表するんですか?
ロビン・フッド
伝説の義賊のモデルとなった1人。生前は正体を隠して活動していたが実は女性。斥候なためにアサシンへ配置。
ヘンリー・フェアフィールド・オズボーン
本人は学者だけど恐竜が隠れ潜み襲う捕食者でもあるのでアサシン。
これアサシンじゃねぇだろって意見は出てくるかもしれませんね。「やらないで後悔するより、やって後悔した方が」って発想がある訳だけど、キャラメイクに関して言えば「やらずに後悔」の方がいいよね……。”作ったけどまったく書けてない!”って状況がザラですし
資料集め分の原価滅却キャラシ投下祭じゃあー!
【名前】唐无烟(無煙)/Táng Wúyān
【異名・表記ゆれ】飛天夜叉
【性別】男性?
【方針・属性】混沌・中庸
【魔術回路・質/量】継ぎ接ぎであるため、量に反比例して質は非常に低い
【魔術回路・編成】異常(ホムンクルスなどと同じ)
【魔術属性】水
【魔術系統】思想魔術
【起源】尸解
【所属】黑幣
【魔術/魔術礼装/技能など】
〇縮地
房有神術 能縮地脈
千里存在 目前宛然
――思想鍵紋、励起。
――第一種乾坤領域に接続。
一般的に地脈を縮める方術。『神仙傳』の「壺公」に曰く、「費長房は秘術を会得していて、地脈を縮めることができ、千里の遠くまでありありと眼前に縮めてみせたが、これを放すとまた伸びて元通りになるのであった」とある。故に是、長房縮地と云う。
最上級の縮地ともなれば、もはや次元跳躍であり技術を超え仙術の範疇となる。
無限遠点の概念を利用して空間を置換し、場所と場所を繋いで飛ぶことで強制的な超高速座標移動を可能としたもの。通常は視界内(あるいは“小源(オド)”の届く範囲)に限られるが霊脈を使用するのならばその限りではない。レイライン・トレイルとも。
いずれ形而下の座標から、形而上の座標へ。概念への干渉は魔術の目指す究極とも言える。>>682
〇変化
自らの“霊基(筐・クラス)”を再定義することで変身する術理。
「化剑(剣)为(爲)花/花は剣と化せ」「化为(爲)花朵/花となれ」という口訣とともに、対象を花でできた兵器(主に剣)に変化させる術を得意とする。
『封神演義』において、楊戩は九転元功(八九玄功とも)を煉り、七十二変化を修めたことで無窮妙道・肉身成聖に至り、漬源妙道真君に封じられた。また梅山七怪の白猿、袁洪もこれを修めている。『西遊記』では、丹成った後に訪れる三災、天雷・陰火・贔風を避けるために天罡数三十六般の変化と地煞数七十二一の変化があるという。
余談ではあるが「肉身成聖」は後代に「肉体がありながら仙人に対抗できる者」を意味するようになった。李靖一家の四名、雷震子、楊戩、韋護などが該当する。
〇蠱毒
蠱毒、あるいは巫蠱。
毒のある虫を使用して人に害を及ぼす巫術。一般的に、百足、毒蛇、蝦蟇蛙、その他の有毒な昆虫類を数多く集めて一つの容器の中に放ち、共食いさせて生き残った最後の一匹は強い呪力を持つ虫になると考えられている。これを用いて人を殺める。巫蠱の乱など、木人(木製の人形)を使用することも含まれており、広義では呪殺全般を示す。また、民間伝承の中には、錦蚕蟲のように害ではなく富をもたらすといった一例も存在している。>>683
【解説】
葡萄美酒夜光杯 葡萄の美酒、夜光の杯
欲飲琵琶馬上催 飲まんと欲すれば、琵琶馬上に催す
酔臥沙場君莫笑 酔うて沙場に臥す 君笑ふこと莫かれ
古来征戦幾人回 古来征戦 幾人か回(かえ)る
大陸に影を落とすチャイニーズ・マフィア『黑幣』の幹部のひとり。
霊体側の内臓である魔術回路を自己改造の果てに移植・増設してきた思想魔術師。
軽薄かつ、お道化ている語り口なのは死体(といっても自立している高位のキョンシー)であるが故。自分が爆散しようとも「まぁ、いいんじゃない」という生命的危機感が死体なので存在しない。あらゆる事を脅威に感じない、ある種の中庸さによる精神的な無敵性を持ち合わせる。長命種特有の遠大な時間感覚で生きているため、敗北や撤退に対しても忌避感はなく賭け事でもしょっちゅう負ける。負けても「まぁ、いいか」でまったく響かない。部下は存命なのでとても怒る。怒られても「まぁ、しょうがないな」でまったく反省しない。
ただし同族を増やすこと、つまり死体集めなのだが、に関しては並々ならぬ執着を見せる。そのため死体を得られるか得られないかが熱量の差となる。彼にとって死体こそが資産なのだ。そして回収した死体には例外なくキョンシー化の魔術を施行するという邪悪。
誕生日:気が向いた日
年齢(享年):27
身長・体重:190cm・78kg
出身:中国
イメージカラー:紫羅藍(ツールオラン)
好きな物:同族愛好、死体
嫌いな物:火、烏銃、天雷
外見:黒地に金糸の龍の刺繍が入ったシングルブレスト・スーツの裏地は派手な赤。丸いレンズのラウンド型サングラスの奥で鳳眼が虎視眈々と目輝き、裏社会に属することを隠しきれない。>>684
〇殭屍>僵尸(キョンシー)
中華圏における“動く死体(リビングデッド)”の名称。
朱い月(あるいは魔術)の干渉による死徒化と似て非なり、真人への昇僊手段の一種である。
『閲微草堂筆記』に曰く、“道家有太陰煉形法,葬數百年,期滿則復生。此但有是說,未睹斯事。古以水銀斂者,屍不朽,則鑿然有之。董曲江曰:凡罪應戮屍者,雖葬多年,屍不朽,呂留良焚骨時,開其棺,貌如生,刃之尚有微血。”とある。キョンシーを生み出す方法として太陰煉形法がある。この太陰煉形法は女丹道の内丹術であり、女性の方が高位のキョンシーに成るのは速い。
『子不語』「掘塚奇報」ではキョンシーとして、「紫僵」、「白僵」、「緑僵」、「黒僵」、「毛僵」が挙げられている。「飛僵」はキョンシーの上位にあり、飛行自在となり、力は熊の如く、夜な夜な人を攫って穀物を損なうが、鳥銃(火縄銃)で倒すことが出来るという。また『続子不語』「骷髏三种」では「遊尸」、「伏尸」、「不化骨」があるという。これらを俗に八品殭屍とし、『子不語』からの引用としているが名前以外の詳細な部分は創作の一面が強いようだ。
『子不語』「旱魃」に曰く、“(前略)怪しいとみた警察が捜査に乗りだし、その墓を調べると、それは張姓の女子で、未婚のときに密通のことが発れ、恥じて自縊した。往々にして通行人に崇るということであった。ある人いう、それは旱魃といって、猿の形をして髪をさんばらにし、一本足で歩く、これが獣魅。また縊死した僵屍が出て人を迷わすのを鬼魁といって、これを得て焚けば雨を招くことができる、というので、許可を得て棺をあけると、はたして一女人の僵屍があり、容貌は生けるがごとく、全身に白毛が生じていた。これを焚くと、翌日には大雨が降った。”とある。人型故に制限されている大源(マナ)からの吸収量に歯止めが効かなくなると、悪性精霊にも似て、旱魃を引き起こす「魃」に成るのである。>>685
これが『続子不語』「犼(犭孔/コウ)」では、“或曰:尸初変旱魃,再変即為犼(犭孔)。犼(犭孔)有神通,口吐烟火,能与龍斗,故佛騎以鎮圧之。(ある人がいった。屍ははじめ旱魃に変わり、さらに変われば犼となる。犼は神通力があり、口から煙火を吐き、龍と闘えるので、仏はそれに乗って鎮めているのである)”とある。『述異記』で一吼は三蛟二龍と争い、一龍二蛟と相打ちになったという。『済公伝』ではキョンシーは体が腐らずに、血肉は縮み骨の中に至り、筋ができ始める。筋の上には白毛があり、500年後には白毛は黒に変わり、さらに500年後には黒色は黄色(紅色の説もあり)に変化。さらに500年後に金毛に。1000年経ち、空に天雷があると金毛のキョンシーを除いた全てのキョンシーは灰になり、粉々になって煙と共に消滅してしまう。生き残ったのがすなわち、金毛犼である、と。聖獣として祝福されると青毛と成り、別名を望天吼、朝天吼と云う。余談ではあるが、コウは吼とも書く。>>686
〇黒社会。
西洋ではチャイニーズ・マフィア。
彼らの歴史は、およそ17世紀の清王朝に遡る。満州族の清による、清王朝が成立した時、異民族支配に反感を抱いた漢民族である明の敗残兵と、貧民街の労働者が集まって、幇会と呼ばれる秘密結社が出来たとされる。この幇会で代表的なものが洪門会で、現在の華僑の中核をなすグループである。幣会を語る上で、上海を活動拠点とする青幇会も有名だろう。
現在のチャイニーズ・マフィアは、上海を拠点とする『上海幇』、香港を本拠地とする『14K』『和勝和』『新義安』『和字頭』、台湾を本拠地とする『洪門天地会』『三合会』『青紅幇』『竹連幇』などがある。上海だけでも例を取ると、掏りを中心とする『新疆グループ』、詐欺を中心とする『貴陽グループ』や『安徽グループ』、窃盗を中心とする『蘇北グループ』、強盗を中心とする『東北グループ』、車や船の盗みを中心とする『温州グループ』などがあると言われている。
黒社会の資金源はもともと黄(売春。近年の取締強化に伴いクラブさながらのKTV、つまりカラオケが幅を広げている)、毒(麻薬)、賭(賭博)と言われてきた。これに最近は蛇(密航)、槍(銃の密売)、陀(場所代の取り立て)、殺(暗殺の請負)、拐(誘拐)。大陸ではこれ以外に、盗掘、美術品の売買、列車強盗、人身売買なども行われている。簡単に巨額のマネーが手に入る上に、見つかっても重罰には処せられないという事情から、近年は特に密航ビジネスが幅を利かせているという。
『黑幣』もそういったチャイニーズ・マフィアの例に漏れないのだが、ひとつだけ違う点があるとすれば、それは魔術世界に足を踏み入れた闇ルートの“魔術商人(ミスティックディーラー)”という点だ。呪体、礼装、情報、はたまた現代兵器も扱っている。当然、死体も。>>692
いえいえ。ここのえさんから新しい発見もさせていただいております(グズルーンがファヴニールの心臓を食べた逸話など)>>699
PCにすると飛僵は最低ライン感はありますね(知性の関係で)
伏屍は天仙級(思想魔術の用語集にもあるように天仙=ゴーストライナー級)なので、遊屍...?
死徒の祖が神霊クラスなので、その前階梯だと英霊クラスもあるっぽい感じなんですよね。意外と人外のインフレは激しい自作のアサシンを挙げる流れ……と思ったら既にイラストが挙がっていた……何を言ってるか分からないと思うが……(ry
実際ブロッケンは暗躍かつ怪物で概念枠とアサシンの粋を集めた個人的には傑作です
>>675
イラストありがたい……人のナリしてるだけの人外感溢れる目力が素敵、黒制服人外は個人的に思い入れのある“癖(ヘキ)”です
>>692
ゴリゴリの思想魔術使いだ、作り込みが凄い
アリウム「我が家もかつては極東の獅子劫、今は朽崎とも契約しているものだけど……大陸の思想魔術に関しては門外漢、リビングデッド自体には興味はあるけれどね」
「それにしても魔術回路の移植と増設……もし、衰退前の当主の代にそんな技術があったのなら……いえ、それこそ専門が違うのだから言っても仕方がない仮定よね……」もしかして…ですが…クリスマスまであともう1ヶ月切っている…?
>>710
元ネタは合ってるっぽいです
カトリーナ・ミクトランシワトルという名前で登録されてるようで冰肌蔵玉骨 衫領露酥胸
白くて艶やかな肌 衣服から露わになるのは柔き胸
柳眉積翠黛 杏眼閃銀星
柳眉は翠黛を積み 杏眼は銀星閃く
月樣容儀俏 天然性格清
月の樣なる容儀俏しく 天然の性格清し
體似燕蔵柳 聲如鶯囀林
體は燕の柳に蔵れるに似 聲は鶯の林に囀るが如し
半放海棠籠曉日 才開芍薬弄春晴
半ば放きたる海棠、曉の日を籠め 才に開きたる芍薬、春晴を弄ぶ
「キョンシーって必ずしも頭に呪符ってんですか、あれが常に付いている訳じゃないんすね」
「あれって制御するためのモノが大半ネ。キョンシーの原典は埋葬されたはずの死者がいつの間にか人を襲うために動き出す、そういう怪談話でショ?」
「……え、离紅棍、こいつ達は下手したら俺達を襲うかもしれないってことですか」
「まぁ。ボク以外をネ」>>714
『勅令大将軍到此』と書かれた鎮屍符。
『勒令之白乙交遊上帝君』と書かれた屍行符。
『勒令之日月貫靈羽』と書かれた控屍符。
『勒令之無數諸天』と書かれた驅魔符。
等々があるとキョンシー映画では描かれ、また現代において額に霊符を貼り付けるのが有名だ。しかし僵尸といえば离晨の云う通り、埋葬された死者が夜な夜な……という話なのでキョンシーといえば額の符、とは限らない訳だ。
丸いレンズ、ラウンド型サングラスに隠された离晨の鳳眼が宝の山を前にして輝く。
黑幇の幹部、分家の(香主)である离晨の部下には二種類がある。それは幇会の、山主(香主、大路元帥)、副山主(二路元帥)、幹部である白紙扇(軍師)・紅棍(執行)・草鞋(連絡)、普通会員の四九仔(正式構成員)・藍燈籠(準構成員)の四種類の内の、紅棍の下につく四九仔・藍燈籠。現在では三合会組織の多くは、坐館制をとっている。坐館は紅根の資格を持った幹部であり、幇派の実質的頭目である。この坐館を補助する立場として、增数という白紙扇資格を持つ経理担当がいるのだがそれはまた別の話。そして、离晨独自の私兵であるキョンシー部隊を忘れてはならない。
他の者ならば嫌悪感を覚えさせる腐敗臭、血の気を失った肉の塊。つまり死体のことであるのだが、物言わぬ彼らは离晨にとって、ただの廃棄物ではない。キョンシー化する魔術の業
「Ahh~↑↑↑ 真夏のJamboree〜〜〜〜 レゲエ 砂浜 Big Wave
いや失敬。随分と失ったネ~。
ボクも朋友の死体を見ると毎回のことだけど心が痛むヨ。うん、とってモ」>>715
「…………离香主が死体好きというのは隠さなくてもいいんじゃないですかねえ」
「来たか。相変わらず死体を前にすると騒がしい奴だ。离晨、さっさと“動かせ”」
「太阴煉形 太阳回灵
幽尸沉翳 受阳之精
思想鍵紋、励起励起っと。こうやって冷凍保存されている自分の部下の姿が見るに堪えないのなら、素直に言えばいいと思うケド。いや違うか、キミは命を金額で捉えているからコストの帳尻を合わせたくて急いでいるのかナ」
どうやら、この死体の群れの持ち主は同じ黑幇の香主だったようだ。ということはこれらの死体を“持ち帰る”ことはできない。太陰煉形法を用いて彼らをキョンシーに、しかも毛僵のように肉体の適応が始まった段階へのある種の飛び級は、一線を画す高度な術式。离晨のそれは再定義だ。器に絵付けするように、器そのものは変わらないが、その絵付けによって観測は変わってしまう。つまるところ、世界をまるごと騙している。本来ならば生者の段階で陰の気に偏りキョンシーと成るべきなのだが。
(西洋では似たような吸血種を死徒と言ったかナ。結局のところ殺劫には逆らえない訳ダ)
「流石に100体規模は疲れるネ」
「馬鹿言うな、死んだ奴と殺った奴合わせて82体しかいないぞ」
「あ、この数は敵の亡骸も含んでんすね。そりゃそうか」
「敵であろうと死んだ後に好き勝手できるのが、离晨の持つ術の利点だ。死後に残る情報はプロテクトを掛ける魔術師もいる。しかし死体から“知性を都合よく書き換え”て、情報を抜き取るのでもよし。単純に労働力に変えるのでもよし。人の形をしたロボットは腐り所がない」>>716
「否定はしないけど。ボクとしてはとびっきりの美女とか、そういう永久保存する価値のある人達に術を掛けたいナ。兵隊相手じゃ十把ひとからげの消耗品、道具と変わらない」
「安心しろ、後で有名人の死体に会わせてやる。抗争の原因になった、とびっきりの美人女優だ。貴様のコレクション、尸冰楼にでも加えるといい」
「Ahh~↑↑↑(以下略)」
タンカー船の倉庫の天井が破壊され、本来ならば公のものとされなかったはずの船内が煌々と陽によって照らされる。成り立て……といっても毛僵の域にある……キョンシー達が日差しを嫌って倉庫の端の方に散って行くのを、流し目で確認しながら离晨は天井を打ち破った相手を確認する。
血肉は縮み骨の中に至り、白毛状の筋が生まれ始めている。戦闘形態、吼化の予兆だ。
「わざわざこんな寂れたタンカー船、狙ってくるとは怖いネ~。
狂執度なら『誘い雨』に似てるんじゃないかナ。失礼だけどキミ、親戚?」
サングラスの奥から鳳凰の眼が、敵を見据える。>>717
睡蓮花コピペをしようとしたらエラーでめちゃくちゃ焦ったのが私だ
离晨の日常(?)ssと、「山星さんの『喰魔師』…?いけるな…」と思って勝手に使ってしまいました。この場で(以下略)。誘い雨が降ったら黑幇は壊滅するでしょうという感じオッドルをブラッシュアップしようと思って、先祖の雄鮭ケティルの逸話を調べたら……なんだこいつ。斧一つで竜やら巨人らを殺ってるよ。
>>723
日の目の見ない設定同士をガッチャーンコ!していい感じの世界観設定出来てる時は本当に脳みそドバドバ出ますよね。日の見ない設定といえば先ほどフリー設定の所にお蔵入りにしたサーヴァントを三体ばかし置いといたので、使いたい人がいれば使って頂いて大丈夫です。
みんな無駄にキャラ濃いので作者さまの好きなように、イイ感じに改変して使ってもらっても大丈夫です。>>730
態度があからさまに下に見るとかではなく、同僚とか同朋みたいな接し方が常ならば即ペア解消にはならないかも?ヒャルティのときとかだいぶフランクに接しているように書いたつもりですが。
まあ、描写の仕方は皆さんの作風にもよって変わるのも当然とは思っているので気にしないでください。私としても、こいつのことがさっぱりわからん!となって螢を書けなくなってしまうほうが悲しいですから。>>730
あと螢が嫌いなタイプについては、>548に書いてますね。参考になればいいのですが。>>729
異星の使徒想定のアルターエゴってことはやっぱり神性を複数取り込んでるようなキャラがいいんですかね?オッドルが普通に野蛮で笑った。さすが北欧。
ヘイズル
オッドルの破滅を予言した巫女。ベルリョーズリの長に招かれる形で来訪し、客間にいた全ての人たちの未来を予言した。
オッドルには「自身に良き未来を予言したなら、この杖を鼻に突きつけよう」と言われたので、「三百年の冬を生き、国から国へと旅をし、巡る全ての諸国にて最も優れた人物となるだろう。しかし、己の死地(ベルリョーズリ)からは逃げられず、灰色の髭を持つ馬の頭蓋、ナズル(蝮)があなたを殺.すだろう」と予言した。
そしてオッドルに「私の予言を恐れている」と突きつけた際、出血する程の力で鼻を殴打された。
なんだこれ。>>740
マジでそれなんですよね。
灰色の髭の馬が自分をコロスから、その前に始末しよう。
↓
でもちょっと心配だから岩と砂利で更に埋めよう。
↓
まだ心配だから今住んでる場所から旅立とう。
↓
冒険だ!(それはそれとして気に入らない奴はぶっコロ)
蛮族ぅ……。アルターエゴって一番当て嵌めづらいクラスなような気もしますね、別人格って意味だと大体みんなオルタにしちゃいますものね。
何気にアルターエゴで難しいと感じるのは、ベースとなる霊基だったりする。丁度いいのが見つからないのよ……。
>>746
たし、かに
元々サーヴァントが英霊の一側面を切り取った存在なのもあってコレ!っていう取っ掛かりが意外とないかもですねアルターエゴ最後の投稿から遅れに遅れて早20日
きりが良いんだか悪いんだか分からないタイミングで、明治聖杯戦争の続きができました
人がいなさそうなので今投稿しちゃいますね>>752
・明治英霊奇伝 side:バーサーカー陣営
「それで? お前たちは、マスターと思しきその女子をほっぽり出したまま帰還してきたという訳か」
帝都東京の片隅。文明開化の流れから、取り残されたようにぽつんと並び立つ古長屋。
その一角で、密談を交わす者たちがいた。
「し、しょうがなか! 女子だけでなく、あの場にはさあばんともおった! 下手な真似はできんと!」
「むしろ、この重要な情報を一刻も早く知らせんと――」
「勘違いするな。俺はその女子を放置したまま帰ってきた事を責めたいわけじゃない」
騒々しい言い訳を切って捨て、男は冷徹に目の前の同志たちを見据える。
「俺が言いたいのは、そのマスターかもしれん人物を前に迂闊な行動を取ったという一点のみだ。……出くわした青年が本当にサーヴァントであったなら、もしくはただの術者であったにしても一歩間違えればお前らの命はなかったのかもしれんのだぞ」
うぐっ、と。男の正論に責められた者たちが押し黙る。
「言った筈だ、『逸るな、急くな、石橋叩いて立ち回れ』と。今回の件はひとまず不問に伏すが、次同じような事をすれば……分かっているだろうな?」
「……っ。申し訳、なか」
「それともう一つ。薩摩弁は人前では控えろ。少なくとも、俺たち同士の前以外では迂闊に口にするな。大久保共にバレたら面倒な事になる」
居丈高に言い放ち、男は話を終わらせる。
弁解も釈明も許されず、一方的に責め立てられた側は露骨に不満げだったが、男は微塵も気に留めなかった。
古長屋の中が嫌な空気で満たされつつあったその時、不意の入り口の戸が勢いよく開かれる。>>753
「戻ったぞ、マスター」
その野太い声に、古長屋内部の空気が一変した。
先程までの剣呑な空気は消え、闖入者の一挙一動に目が集まる。
それは、野生を体現したかのような偉丈夫だった。動きやすさと荒々しさを併せ持った装束と、その上から羽織った獣の毛皮。熊とも猪とも見て取れる毛皮は、尋常ならざる気配を放ち、彼の凄みを一段と増している。
歴戦の同志たちですら思わず息を呑む中――マスターと呼ばれた男は、平然と問いかけた。
「どうだった、バーサーカー」
「どうもこうもない。言われた通り、件の料理屋とやらに足を運んだが……その女子とやらは、変わらず仕事に当たっていた」
「サーヴァントと思しき奴の方は?」
「俺が足を運んだのと入れ違いに、店を出ていったらしい。俺が着く頃には影も形も見当たらなかった」
「霊体化していた、という可能性は?」
「ない。霊体化だろうが何だろうが、他者の気配を見過ごす程落ちぶれてはいない。……少なくとも、あの料理屋にはサーヴァントの気配も姿もいなかった」
バーサーカーの報告を受け、場がざわめき出す。
中でも先程まで責められていた者たちの反応は著しく、目に見えて動揺していた。
「どういう事じゃ」
「まさか、あん英霊とは何の関係もなかったと?」
「あり得ん! 偶々にしても出来過ぎじゃっど!」
喧々諤々、論戦とも呼べぬ感情のぶつかり合いを前に男は溜息を吐く。>>754
言い合いを無視し、重ねて男はバーサーカーに問いかけた。
「それで、女子の方はどうしていた?」
「何も。こちらが戻るまでずっと給仕を続けていた。……あの分では店仕舞いまで居残るだろうな」
「見張りの方は」
「指示通り、お前の同胞に任せてある。今も知らせがないという事は、そう言う事なのだろう」
報告は以上だと、バーサーカーは打ち切る。
対する男は瞑目し、しばし考えを巡らせていたが――やがて決心し、勢いよく立ち上がった。
「出るぞ。そのマスターと思しき女子を取り押さえる。可能であればこちらに引き入れ、同志とするのも考える」
古長屋より、一斉に男たちが飛び出していく。
己が得物を手に、すっかり日が落ちた帝都を駆けていく様には微塵の迷いもない。薩摩隼人の面目躍如たる、疾風怒濤の進軍だった。
その様を、男――桐野利秋はさしたる感慨もなく横目に流していた。
「……ずいぶんと、思い切った決断をしたものだな。マスター」
傍らにバーサーカーが立つ。
彼もまた既に戦闘準備を整えており、いつでも戦に臨める状態にあった。
「当然の判断をしたまでの事。そうでなくとも戦力の限られた現状、少しでも使えるならば女子であれ老人であれ取り込むに越した事はあるまい」
「……女子の方が、戦いを拒んだらどうする」>>755
「その時はマスター権のみを奪い取り、始末するまで。あわよくばもう一騎召喚したい所ではあるが――まあ、それは片が付いてから考えるとしよう」
女子に対し情でも湧いたか、と。桐野は目線だけで呼びかける。
対するバーサーカーは何も返さず、ただ首を振るのみで応えた。
「お前も霊体化しておけ、バーサーカー。ただでさえお前の行使には魔力消費が大きい、戦が始まるまで温存しておきたい」
「……承知した」
バーサーカーの姿が消え、隣にあった圧力が薄まる。
既に同志たちは一通り向かったのか、見渡せばこの場には桐野の姿しか見当たらなかった。
「英霊召喚。盃月の大戦、か。……つくづく、我ながら因果な事に巻き込まれたものだ」
ふと、桐野の脳裏にある光景が蘇る。
全ての始まり。ひと月前にあった、とある恩人との再会の日を――
1863年11月。桐野は、東京のとある旅籠を訪れていた。
先の政変――後に明治六年政変と呼ばれる政争からもおよそひと月。
本来であれば職を辞し、当に故郷・鹿児島へと帰途についていた筈の身。そんな彼が、わざわざこの旅籠を訪れたのには訳があった。
「いらっしゃいまし。どちらのお部屋をご入用で」
「ここに大島源吾が泊っていると聞いた。どの部屋にいる?」
「――」
桐野の言葉に、出迎えてきた女将が顔色を変える。
次いで、近くにいた丁稚を呼び止めるととある部屋に案内するよう言いつけた。>>756
階段を登り、目的地へと案内される事一時。そうして、とある部屋の前で立ち止まると丁稚は中にいるだろう人物に呼びかけた。
「大島様、客人がお見えです」
「うん。入ってよか」
「……どうぞ」
「案内、感謝する。――では、失礼」
丁稚が戸を開け、中にいた者の姿が露わになる。
それは、恰幅の良い中年男性だった。旅籠の浴衣の上からでも分かるがっしりした身体つきと、人懐こさを感じさせる顔。
ここ最近の疲労故かわずかにやつれも浮かんでいたが、それでもその顔には桐野もよく知る精悍さが表れていた。
「ご無沙汰しております、大島――いえ、西郷先生」
「先生呼びはよしておくれでごわす。もうそんな呼ばれ方をされるような立場でもないしの」
「ご謙遜を。私にとっては、今でも尊敬してやまないお方です」
桐野の実直な言葉に、西郷と呼ばれた男は苦笑する。
彼こそは西郷隆盛。幕末において薩摩藩の改革と倒幕を推し進め、長州・土佐・肥前三藩と共に維新を成し遂げた立役者の一人である。
だが、それも昔の話。明治に入ってからも新政府の重鎮として励んでいたが、政策の違い故に大久保・岩倉らと道を分かつ事となった。
桐野もまた、そんな西郷を見捨ててはおけず新政府を去った者の一人だったが――
「それで先生、此度の用向きについてですが」
「ああ、分かっちょる。まずはかけんさい、立ち話で済ますには長すぎる話でごわす」>>757
重ねて言うが、本来であれば桐野は当に帝都を去っている。
先んじて下野した西郷を追い、故郷・鹿児島に戻るつもりだった桐野。だが、その足を止めたのが他ならぬ目の前の西郷から送られた密書であった。
『火急に相談したい事態あり。至急、後述の場所まで来られたし』
かくして、この旅籠を訪れた桐野であったが――彼に告げられた『話』は、彼の想像を超えるモノだった。
「帝都を使った陰陽の儀式……? 英霊召喚……?」
「にわかには信じがたい話とは分かっており申す。じゃっどん、これは紛れもなく今も進行中の話でごわす」
「――その、先生。恐れ多いとは重々承知しております。ですがその話、裏付ける証拠などはあるのでしょうか?」
桐野の問いを受け、西郷は懐よりあるモノを取り出す。
それは、拳銃と独特な衣装の刃物(ナイフ)だった。どちらも日本で用いられているモノではなく――刃物に至っては、見るからに毒々しい意匠までもが彫り込まれていた。
「これは、一体」
「先日、知り合いの薩摩隼人が書状と共に送ってきたものでごわす。何でも、警邏中の巡査が偶然出くわし、交戦した不審者より回収されたモノだったと」
「知り合いの薩摩隼人……? いえ、それよりも交戦、とは!?」
思わず声を張り上げる桐野を、しっと西郷が窘める。
慌てて平静に切り替える桐野だったが、その心中は混乱と衝撃で満たされていた。>>758
「交戦した巡査は殉職。じゃっどん、最期の執念か敵方の得物だけは奪い取っていたとの事にごわす。おいどんの手元に渡ったこれも、その賜物だったと」
「……!」
壮絶な内容に、桐野は言葉を失う。
同時に、現在進行形で暗躍する何者か達が確かに存在するのだと受け入れざるを得なくなった。
「――事情は分かりました。しかし先生、それで私にどうしろと? 既に私は陸軍を辞した身、今更前言を翻した所で新政府の連中が受け入れるとはとても」
「いや、その必要はなか。桐野どんに頼みたいのは、彼らを率いての暗躍でごわす」
「彼ら?」
パンパン、と。西郷が掌を打ち合わせる。
その音を受け、待っていたとばかりに奥の障子戸が勢いよく開かれた。
「なっ……!?」
「おいどんが密かに募った、薩摩隼人の有志達にごわす。この者らを、桐野どんに託し申す」
一体いつからそこにいたのか、奥の間には少なくない数の薩摩隼人たちがひしめいていた。
刀を佩き、鋭い目で値踏みするように桐野を見据える隼人たち。その威容に、数々の修羅場をくぐってきた桐野ですら一瞬気圧されそうになる。
「ここにおるのはあくまで一部。今現在も、他の同志たちは情報を求め帝都中に散らばっているでごわす」
「一部……では、総数は?」
「およそ100と数名。近衛はじめ、職を辞した軍人を集められるだけ集め申した。……力不足で、申し訳なか」>>759
力不足など、とんでもない。
暗躍とは数が増えれば増える程困難になるもの。ましてあの政変からさしたる月日が流れたわけでもなく、これ程の戦力を確保できたとあれば十分に過ぎた。
――血潮がたぎる。明治の世に成り、久しく眠っていた己が衝動が湧き上がる。
胸中の昂揚を押さえ、桐野は西郷に改めて向き直った。
「西郷、先生」
「ん」
「……ご下命、しかと受け取り申した。不肖桐野利秋、全霊をかけてこの戦に臨ませていただきます!」
そして。かの旅籠のやり取りから一月。
儀式の情報を受け取った桐野は、順当に暗躍を開始していた。
盃月の大戦、その要となる英霊の召喚と使役。同志たちを用いた他陣営の偵察と調査。そして、己らが優位に立つ為の霊地確保。
いずれもかつての暗躍とはまるで勝手が異なる任務だったが――それでも、彼は成し遂げた。>>760
新政府への義理立て、などではない。己はともかく、大恩ある西郷隆盛を追い出した古巣など最早微塵の未練もありはしない。
ではお国の為か、と問われるとそれも少し違う。苦労して成し遂げた維新を台無しにされかねない事への憤りもあるにはあったが、それだけが動く理由の全てには成り得なかった。
全てはただ――己を信じ、託してくれた恩人に報いんが為だけに。
そうして今、その奔走の一つが報われようとしていた。
「桐野どん!」
「どうした」
「女子の方が感づいたとの事でごわす! こちらを撒こうと、先ほどから足早になり申した!」
「そうか。先行した連中に伝えろ、『各自、女子を包囲する形で追跡。俺とバーサーカーが追いつくまで無用な手出しは控えるように』とな」
「承知でごわす! ――桐野どん!」
「?」
「武運を、お祈り申す!」
そう言い放ち、伝令の薩摩隼人は先行した仲間の下へ駆けていく。
その後ろ姿を桐野はしばしの間見つめていた。>>762
・おまけ:バーサーカー陣営の大まかな設定
・桐野利秋
史実における桐野利秋と同一人物。
本来であれば陸軍を辞した後、鹿児島に帰っている筈だったが旧知にして恩人たる西郷の依頼により盃月の大戦に加わる事となった。
性格は真面目で実直。普段は努めて冷静沈着であろうとしているが、激昂すると薩摩隼人としての素が表れる。
また、剣術の達人であり単純な技量においては大戦に参加したマスターの中では随一。特に居合に長けており、千早との戦いではこの居合と示現流で散々に苦しめた。
恩人・西郷の期待に応えるべく奔走するも、最終的には道半ばでサーヴァントを喪失。実質大戦からは半ば退場したものの、彼自身と彼の同志たちは帝都と日本を護るべく最後まで戦い続けた。
大戦後は当初の予定通り鹿児島に帰郷。以後の彼については、概ね歴史の通りである。
召喚したバーサーカーについては「不愛想な奴」とは思っていたものの、生前の生き様と今の在り方には多少なり思う所もあり、それなり以上の信を置いていた。
彼の散りざまが桐野にどう影響を与えたのか――それは、西南戦争に臨んだ時の彼のみぞ知る。
・バーサーカー/阿弖流為
桐野利秋が召喚したサーヴァント。
大まかな設定は製作者様のそれに準拠。
今回の召喚では第一再臨の姿で呼ばれており、本人曰く「召喚者に影響された事でこの霊基になった」との事。
桐野の事は同じ『護るべきもの』を持つ者としてそれなりに気にかけており、最後まで裏切る事なく戦い続ける。最終的にはライダー陣営の軍艦を破壊するべく特攻し、凄絶な散りざまを見せつけた。なるほど……
時計塔のお膝元はかえって書くの難しそうという印象を勝手ながら持ちまして
適度にイギリスから距離離れてて、それでいて、1800年代周りで、産業革命が生んだ時計塔の派閥、聖堂教会などがバチバチやっても歴史的におかしくなさそうと思ったのが、意外にスイスなのかなと
調べてみて、個人的に感じただけなんですが産業革命期のイギリス聖杯戦争は面白そうと同時に収拾つかなそうなんですよね。ただでさえこの時期は後々に派閥がわかれる争いでゴタゴタしてますから
そのへん考えるとイギリスから離れた地で時計塔の一派閥が、ぐらいにしておくのはアリだと思いますアリアリ職場というか通勤先が変わるので少しブルーな私です
イコマさんは伏神リレーの更新ありがとうございます!現状俺になんか「なんかコレやって欲しい」的なのありますかね?>>791
ふむ……ではひとまずその方向で>>794
ですです
サーヴァントと違って生前の状態ですから下手に突拍子もない発想も使えないのがまた
でもそこを何とかするのもまた創作者としてやってて楽しいんですな>>778
組み込まれている神霊
ギリシャ神話の美と愛の女神 アフロディーテ
ギリシア神話の魔術と冥界の女神 ヘカテー
性格面でどの辺りが特化されるのか
虚飾のアルターエゴ
老いさらばえていく無常さ虚しさを恐れ、現実から逃避したい一面
小町本人は「花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに」と歌を残すような人なので、あくまでも彼女の人生でわずかな時期でしかないが、それを切り取って拡大解釈したアルターエゴ。
ステータス面や宝具、容姿に変化あるか
・ステータスは女神の神核もあって全体的に高め。特に魔力A+くらいある。
・ヘカテーの力によって神代の魔術を使える。歌を詠み、それが魔術として成立する。
・ヘカテーと小町の宝具が融合して冥府のに吹く極寒の寒波を放つ
・容姿の変化はない>>751
イラスト、何枚あってもありがたい……橙子さんチックな見た目もいいですね……
>>766
>主軸がバンシーなのかワルキューレなのかの判別が付かない
痛いところ突かれた……
ワルキューレブームの時に作った一騎でSSでも基本的にワルキューレ面を推してるけど
ワルキューレの「黄昏に間に合わず勇士を導けなかった後悔」とバンシーの「クーフーリンの死を予期していながら泣くことしか出来なかった後悔」が悪魔合体した結果、「じゃあ自分は死に瀕したクーフーリンを勇士としてヴァルハラに導きたかった……のか?」ってバグってるというサーヴァントなのでバンシー部分も割と外せないという……
(クーフーリンとの関連性については妖精バンシーがクーフーリンの死を予知したという逸話からですね……バンシーは元から死を予知する力を持ちながら泣くことしか出来ない自分の妖精としての性質に嫌気がさしてる上でそれがクーフーリンという偉大な英雄の死であってもそれは変わらないということに絶望している感じ)
当然ながら、バンシーとワルキューレ(とデュラハン)に生前の繋がりはないのでクーフーリンをヴァルハラに……云々は思考が混線してバグってるだけで本心とかではないです一応異星の使徒系の新アルターエゴの方も考えてたのでもったいないし、没供養の意味も込めて投げたいと思います
【元ネタ】『続日本紀』、『日本後紀』、北欧神話、ハワイ神話、エジプト神話など
【CLASS】アルターエゴ
【真名】別部穢麻呂(わけべの きたなまろ)
【性別】男性
【身長・体重】190cm・97kg
【外見・容姿】朝服と呼ばれる衣装に身を包む優れた体格を持つ男性。僅かに頭髪が乱れ、衣服にも皺ができている。
【地域】日本
【年代】733年〜799年
【属性】混沌・善
【天地人属性】人型・神性
【ステータス】筋力:C 耐久:A 敏捷:D 魔力:B+ 幸運:C 宝具:B
【クラス別スキル】
騎乗:B++
騎乗の才能。
アルターエゴはかの怪僧の怒りを買い、配流されると共に脚の腱を切られたため、
起立することも出来ず、八幡神への参拝を行う際には輿に乗って移動したという。
また伝説では300頭の野猪がアルターエゴの進路に連なるという不可思議な現象が起こり、
そのまま神社に参拝すると、アルターエゴは瞬く間に立って歩けるようになり、帰路では馬を駆るようになったという。
本来の騎乗能力が高くはないが、霊猪の加護によりブーストがかけられている。>>799
単独行動:B
マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
ランクBならば、マスターを失っても二日間現界可能。
神性:B
神霊適性を持つかどうか。
英霊・和気清麻呂は後に護王神社に祀らわれる主祭神となるため、本来は高ランクの神性適正を持つが、
アルターエゴは抽出された別の側面であるため、複合された三体の神霊のエッセンスを含んだ上で、このランクに留まる。
ハイ・サーヴァント:A
英霊複合体である事を示すスキル。
カマプアア、マーニ、ケプリの三体の神霊の力を彼は取り込んでいる。
【固有スキル】
日昇盈月:EX
英霊・和気清麻呂が所持していた『不屈の意志』の残滓が、月の運行を司る北欧の神マーニと日の出を表すエジプトの神ケプリの力と合わさり進化したスキル。
アルターエゴは沈んでは昇る太陽の如く、或いは欠けては満ちる月の如く、逆境からの復帰を可能とする。>>800
襷紋柄の化身:A
ハワイの半神カマプアアに由来する空間支配の能力。
火山の女神ペレとカマプアアは愛憎関係にあり、時折ハワイ島を二分する程の大喧嘩を行った。
その際に、カマプアアはハワイ島内の風上の湿った地域を自らのものとした。
また、英霊・和気清麻呂が所持していた『女帝への諫言』との複合スキルでもあり、
時の女帝────そして、その傍に控える法術に通じる怪僧と相見えた彼は彼女らに意見できるだけの空間支配力(マナの支配圏)を備えている。
召雷:B+
空の見えるフィールドでのみ使用可能。
雷雲を起こし、雷を落とす。
驚くべきことに、複合された神性ではなくアルターエゴ本人が持つスキル。
かの怪僧は配流される直前の彼を暗殺しようと試みたが、突如発生した雷雨に阻まれ失敗に終わった。
真名汚染:EX
別部穢麻呂(わけべの きたなまろ)。
時の女帝と彼女の寵愛を受けた怪僧の意に背いたためにアルターエゴは文字通りの汚名を被せられた。
単なる嫌がらせのようにも思える改名だが、名には言霊が宿ると信じられていた当時においては意味のある処罰であった。
真名を唱えられた場合に各種能力が低下する他、支配者の秩序に異を唱えるモノとして属性が混沌に固定される。
名による縛り。効用こそ真逆だがとある異聞帯において行われる『着名(ギフト)』に通じる儀式魔術の一種。>>801
【宝具】
『護王善神・猪突猛進(ごおうぜんしん・ちょとつもうしん)』
ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:1~80 最大捕捉:300人
八幡神への参拝に赴く際に見た、300頭の野猪の行列による先導、その奇跡の再現。
英霊・和気清麻呂を祀る護王神社……後にその狛猪となった霊猪を呼び出し、アルターエゴが指し示す先を
300にも及ぶ野獣の突進はそれだけで凄まじい破壊力を誇り、障害を薙ぎ倒しながら道を築く。
だが、その本質はそれを目撃した後に腱を切られたはずの脚で立ち上がれるようになったとされるご利益……再生を促進する能力である。
霊猪を召喚した後にアルターエゴ自身を含めた指定された対象を回復させることが可能。
アルターエゴは宝具行使にあたり、霊猪に獰猛な豚、猪の神と呼ばれる半神カマプアアの神性を複合顕現させており、
農業や豊穣、火山(ペレ)による破壊からの再生を司るとされるカマプアアの神性により、
宝具の効果による回復成功確率や回復量をきわめて大幅に上昇させている。
【解説】
奈良時代から平安時代への転換期に活躍した貴族にして官人。
女帝・称徳天皇の寵愛を受けた怪僧・道鏡の天皇即位を防ぎ、万世一系を護った人物として
かの「軍神」楠木正成に並び称される英雄とされ、死後は護王神社に祀られている。
一方で道鏡に皇位を明け渡すつもりであった女帝から不興を買い、反抗した罰として清き字は奪われ、左遷に処されると共に卑しい名へと強制的に改名させられてしまう。
────即ち、別部穢麻呂(わけべの きたなまろ)である。>>802
異星の神と契約した使徒と呼ばれるサーヴァントの一騎。
与えられた役目は異聞帯および異聞帯の王による体制を維持する助言役。
その来歴から国体護持のプロフェッショナルとも言える一方でその忠義心を帝と日ノ本に注ぐ英霊・和気清麻呂だが、
アルターエゴ・別部穢麻呂は『帝に反抗し、卑しい名を与えられた』という経歴のみを切り抜き、
カリカチュアされた存在であるため、肝要となる特定の国や皇室への忠誠心が抜け落ちている。
そのため、異聞帯の体制維持や空想樹の生育という目的のためだけに行動し、
各異聞帯の王や異星の神に仕え、必要とあらば諫言も行う異星陣営のためにカスタマイズされた霊基である。
【人物像】
自らの不名誉、不利益よりも仕える主、所属する集団にとって正しいと思える行動を行う献身の徒。
空想樹の育成や異聞帯の運営が汎人類史に仇なす行いであると理解しつつも、
アルターエゴ・別部穢麻呂は既に異聞帯・異星の神陣営の存在であるため、そちらに利する選択を行う。
もとより汚名を着せられた側面であるため、人類の敵という謗りを甘んじて受け入れる、
泥に塗れてでも主義主張と目的を遂行する一本気な人物でもある。
異星の神に忠を尽くす理由は穢麻呂としての自らを見いだしたことに加えて、
その在り方にかつての主……女帝の姿を重ね見たことも一因である。>>803
特技:俯瞰、マネジメント
好きなもの:姉、猪
苦手なもの:横暴な上司
天敵:道鏡
願い:和気清麻呂ではない、別部穢麻呂として忠義を成し遂げる
「私は『公卿』。異星の神の使徒、といえばわかりますか?」
「やることに変わりはありません。私は私が属するモノのために最善を……時に『神』と意見を違えようとも……」
「では、行きましょうか……『護王善神・猪突猛進(ごおうぜんしん・ちょとつもうしん)』!」
「貴方様は……! いえ、私から、貴方様に何かを言う資格は……」(淡路廃帝に対して)
「どこか、懐かしい……姉上のような気配を感じます……」(ソールに対して)
【因縁キャラクター】
U-オルガマリー
自身の雇用主。
高慢で尊大ながらもどこか不安定なその在り方にかつて仕えた女帝を重ね見ているため、忠を誓っており、必要とあらば諫言も辞さない。>>804
女帝。
かつての主君。
女性としては唯一の重祚を果たした女傑。
言霊信仰に通じ、強制改名による他者に魔術的な縛りを課す術師でもあった。
最終的には彼女に疎まれ、卑しい名を与えられた上で遠ざけられたが、
不思議と憎悪の感情を向けられない相手であった。
道鏡
生前の宿敵。
真に仏教の拡大を望んだ敬虔なる僧侶であったのか、それとも皇位簒奪を目論んだ悪しき奸物だったのか、
今となってはアルターエゴとしての立場では情報の不足もあり判別がつかない。
和気広虫
姉。
非常に関係が良好な関係で互いに気にかけあっていた。
アルターエゴと同様に卑しき名を与えられて左遷されているため、或いは姉が選出された可能性も考慮しており、
であれば人類の敵の謗りを受けるのが自分であったことに僅かな安心を抱く。バプロディカを異星の神の使徒にするとして、ガワを探していたら結構良さげなのを発見。
マリア・クロシフィッサ・デッラ・コンチェツィオーネ
悪魔の手紙で有名な修道女。東鬨の最新話、短いですけど投下します。
時を遡り、亥狛達とは別の場所にて。
聖杯の侵攻が遅れているとはいえ、この場に関していえば状況は何一つ変わっていない。けれど先程とは違って麗奈の顔に余裕はなかった。
さっき玲亜が放った言葉は亥狛達を奮起させるに十分だった。どうにもならない絶望を植え付けることで自分の思い通りに事を運ばせたかったのだが、結果は逆になってしまった。
麗奈は苛立ちを隠せないのか髪をがりがり掻きむしって玲亜に歩みよる。彼女の髪を強く引っ張ると呻き声がした。
「よくも、私の、十年の努力を」
力強く引っ張って玲亜を地面に叩きつける。絡みついた蛞蝓の化け物はその勢いで解けてしまったが、玲亜はもう息も絶え絶えだった。最早逃げる余力すら残っていないだろう、そう麗奈は判断した。
計画は大幅に狂ってしまい、彼女を絶望させる事は困難だと理解できた。ならばせめて手ずから虐殺.する事で溜飲を下げようと、麗奈は無慈悲に手を上げる。>>809
「簡単には死なせませんよ。まずは四肢を、次は頭を。頭蓋が粉々に崩れ脳髄がジュースになるまでぐちゃぐちゃに叩きつけてやる───」
彼女がはべらせていた蟲達が一点に集まると、蟲の『棒』が出来上がった。
蛞蝓と、蛾と蛆と芋虫をミキサーでかき混ぜて固形物にしたような見た目のそれは、見た目以上に重量があるのか、地に着くとゴドンと響く音がした。
麗奈の細腕でとても持ち上がりそうもない筈なのに、彼女はそれを軽々と振り回している。おおかた風の属性である質量操作を施しているのだろう、彼女の体感では見た目通りの棒っきれ程度の重量に収まっているらしかった。
玲亜は震える体に鞭を打って立ち上がる。まるで生まれたての子鹿のようにか弱く見えて、麗奈は嘲笑わずにはいられない。
「あら、立ち上がるんですね?立とうが寝ようが無様なのは変わらないと言うのに……それとも…フフッ何ですか、まさか私を倒そうとでも思ってるんですか?」
玲亜の返事はない。言葉を発することさえままならず、ただ彼女の眼だけが爛々と輝いて見えた。
まだ諦めてない、そう眼差しは訴えている。そしてそれが益々麗奈の神経を逆撫でさせた。
「……ああホント鬱陶しい。良い加減、その眼がク.ソムカつくんですよ──────!」
そういって麗奈は渾身の力で蟲棒を振り下ろした。>>810
玲亜の肩目掛けて振り下ろされた棒は、結果彼女に命中する事なく地面を叩いた。
まだ避ける余力があるのかと麗奈は歯噛みしながら、第二、第三の強襲を仕掛ける。しかしそのどれもがギリギリの所で躱されてしまう。明らかに不可解だった。
「────嘘、何で。ッどうして!!!?」
「十年分の執着、凄いね麗奈ちゃん。よくそこまで溜め込んだもんだよ」
玲亜はそう言って口から血痰を飛ばす。肋骨が肺に刺さってしまい上手く呼吸が出来ない中、それでも玲亜は言葉を続けた。
「私の魔術はね、感情を掴み取る魔術なの。って言ってもまだまだ半人前だから、自分に対して向けられた強い感情しか分からないけど」
「そんな魔術を以てしても、あなたの感情は今日まで全然分からなかったよ?他人にも自分にも、相当取り繕って、嘘をつきながら生きてきたんだね。凄い事だよ」
一気に言葉を吐いてまた肺に目一杯の空気を流し込む。痛くて堪らないが仕方ない。>>811
「でも今のあなたは解りやすい。今なら一挙手一投足、全部掴み取れそう」
「戯言をォ!!!」
玲亜の挑発をいなす心の余裕は麗奈に残ってはいなかった。怒り心頭に発する、といった風で禍々しい棒を無闇矢鱈に振り回して襲い来る。
しかし玲亜はバックステップでそれを回避すると、攻撃の隙間を縫って彼女の側頭部に手を添えた。
ぱぁん、とはじける音がした。
と同時に攻勢に出ていた筈の麗奈が悶絶して倒れる。脳を直接揺さぶられたような、そんな衝撃を覚えながら。
突如襲いかかる眩暈と意識の明滅に混乱していたが、玲亜がゆっくりと近づいて来るのに気付いて即座に距離を取る。
玲亜の右手に手袋が嵌め込まれていた。一見すると古い革手袋だが魔術礼装の一種だと麗奈は看破した。
彼女の同僚である代行者が似たような代物を使っていたことを思い出す。確かアレは呪詛が刻まれた紙片が中に縫い込まれてあって、その呪詛の効果に沿った一撃を放つものだった。
魔術師と代行者では使う奇蹟の種類は全く異なるだろうが原理的にはほぼ同じ物だろう。>>812
であれば、あの手袋さえ気を付けていればどうと言う事はない。
「────手袋さえどうにかしてしまえば、か。まぁそう思うよね」
「………盗み聞きだなんて趣味が悪いですよ」
「やってごらんよ?出来るものなら」
すっ、と右手を前に突き出す玲亜。「言われずとも!!」と絶叫するように言い放った麗奈は、手に持った蟲の棒を宙に放り投げる。
すると棒状に固まった蟲達はまた元の姿へと戻り、今度は集団で玲亜に襲いかかった。
こうなると玲亜にはなす術もない。
心を読み取る事で次の行動の予知は可能だが、知ったからとて必ず対処出来る訳じゃない。礼装の力で多少の応戦はするものの、数の力を前に無力だ。
蛾は彼女の皮膚を抉り、蛞蝓は彼女の傷に齧り付く。不快な痛みと感触は玲亜を徐々に蝕んでゆく。
「あっははははははは!!ザマァないですね、東雲令嬢。あれだけ大言を吐いておきながら何一つ抗えてないじゃないですか!フフ、アハ。アッーーハハハハハハハ!!」
腹の底からこみ上げる笑いを麗奈は隠す事なく披露する。蟲の群れの中で次第に小さく縮こまっていく玲亜に歩み寄ると、トドメの一撃をくれてやろうとまた蟲達を棒の形に変えた。
「ではご機嫌よう、私の想い人」
そして渾身の一撃が彼女の後頭部目掛けて振り下ろされた。>>813
果物が潰れたみたいな音が響いて、玲亜の頭から血が繁吹いた。凡そ1トン強の質量を持った棒が彼女の頭を打ち抜いたのだから、その一撃は間違いなく死に至る損傷をもたらす。
─────はずだった。
「やっぱりね」
繋がってることさえ奇跡に近い筈の頭から声がした。
「最後は、自分の手で殺.したいもんね。解るよ」
「─────だからこそこの隙は生まれた」
ぐりん、と潰れたかに思えた玲亜の頭がしなる。視線は麗奈の方に向けられて、爛々とした眼は今なお健在だった。
結論から言ってしまえば、全て玲亜は予期していたのだ。麗奈は想像以上に聡い。もしかしたら自分の魔術の真相に自力で辿り着いてしまうのではないか、そして何かしらの対策を立てられるのではないか───そう危惧した玲亜は策を講じたのだ。
自分から魔術を明らかにし意図的に挑発することで彼女の思考や行動を誘導できないか、と。>>814
出たとこ勝負ではあったが博打は見事大当たりした。
自身に対して並々ならぬ執着を募らせた麗奈は、玲亜の考えるシナリオにまんまと引っかかってくれた。通常時ならばこう上手くは行かなかっただろうが、これ迄の「麗奈にとって面白くない展開」の数々が彼女を焦燥させてくれた。
結果彼女は使い魔ではなく最後は自分の手で殺.す事を選択した。それが玲亜の望む所だとは考えもせずに。
右手に力が篭る。もう身体は限界を迎えて腕を上げることさえも困難だ。
けれどお構いなしにありったけの魔力を礼装にこめる。全ては、勝利の為に。
「─────ヒ」
麗奈は今更になって怯えの表情を浮かべる。勝利は自分にあると信じて疑わなかった彼女は、信じられないとばかりに恐怖を露わにした。
そんな、まさか。
玲亜先輩“ごとき”に───────
十年にも及ぶ妄執。
その終焉の鐘はいささかやかましく聖杯の間に響き渡った。あ、一応補足ですが玲亜は麗奈からの首の一撃を読み取って全力で首を振って攻撃を死ぬ気でいなしてます。
ダメージは軽減されて命はつなぎましたがふらっふらです。
文面だと1トンの攻撃をモロに喰らって無事でいる風に見えますね、すみません。彼女はスーパー東雲人ではないです。素晴らしい度胸と根性……!
やはりレアちゃんはヒーロー属性
なにげにコレであとは割りと消化試合的になってきたわけだ。
残る問題たちを気合で乗り切って目指せハッピーエンドですよ!そしてツタンカーメンの言及セリフができたのでぺたりぺたりとな
ラムセス2世に対して
「うぬ、知っている。余の後の世で最も栄えたファラオであろう? ……いや、喜んでいるだけだ。
余が差し出した、あるいは守った未来にそのような者が現れるなら、それはきっと悪いものではないと、そう思うのだ」
プトレマイオスに対して
「……すごいな、いや、すごい。ああマスター、あの大図書館は本当にすごいな。あれほどの物を遺せるファラオもいるのか。
自分と比してどうなることもないが……余は生前は遺すどころか削がれた物も多い。だから思うのだ。すごいと。純粋に……心からな」
徳川家綱に対して
「ぬ、ぬぬ? あれが東洋の王……なのか? そうか……奇怪なものであるな。
どれほど本気であのように振る舞うかは図りかねるが、あれもまた仮面だろう。余の黄金と同じだ」
善財童子に対して
「な、なんだ。やかましい、まとわりつくな! 貴様と同じような子どもだと思うでない。
余こそは少年王ツタンカーメン! 偉大なるファラオであり……ええい話を聞けい! 遊んでやらんぞ!」>>824
木蘭/ムーランに対して
「ン……そうか、そうだな。これだけの英霊が集う場で余ひとりだけ、ということがあるはずもなかったか。
だが……。……いや、余に言えることはない。余と彼女が同じなのは結果だけだ。そこに至る過程と想いを勝手気ままに推し量るのは、それこそ無礼であろう」
ヴァルプルギスナハトに対して
「あのような守護者も存在するか。世は、広いな。しかし……
うぬ、ある意味ではあれこそが守護者として正しい姿かもしれぬ。……少なくとも、情けなく仮面の下で思い悩むことなどあるまい」
※アポフィス(幼女)に対して
「え……な……え? ええ……?
ま、マスター? 馴染みある神性が幼子の姿で獣を名乗っておるぞ……? 夢か? 夢じゃないのか?」>>821
当初はケプリ+カマプアア+別部広虫売(和気広虫)の3騎の予定だったんですが、宇佐八幡宮で神託を受ける際に満月のような形をした大神に会ったという逸話があるので、月神の要素も入れたくなり弟というポジションもちょうどよかったので複合するカタチに……
穢麻呂は生来の弟属性が刺激されるけど姉(広虫)本人ではないし、自分もマーニ本人では無いので複雑な心境になりそうですね
>>822
女性の支配者が命名によって他者の在り方に影響を与える……ってこれ着名(ギフト)と同じじゃない!?と勝手に盛りあがってしまいました
清麻呂があまりにも真っ当な英霊なのでそこから異星の使徒になる+アルターエゴとしての側面抽出の要素から穢麻呂が選出されました
>>823
コンセプト的には逆リンボ(王を唆して異聞帯を掻き乱すリンボの対極で王への諫言で支配体制=空想樹の生育環境を護持する穢麻呂)ですからね
一応、今回の募集には遅れた&条件に合わないから没かな……って感じなんですが、どっかで使ってみたいところはありますね
手頃な異聞帯があったらそれこそ参謀ポジに据えてカルデアと対面とかもやりたい・女帝
オルガマリー系のギリギリメンタル支配者。
メンタルどころか身体まで弱ってたところに例の怪僧に助けられて、所長→レフのように依存してしまった。
・広虫
女帝の助言役で元は尼僧だった。
元々は彼女から一番に信用されていたが、道鏡が登用されはじめて雲行きが怪しくなってきた。
本来は宇佐八幡宮で神託を受けてくるように命じられたのは彼女であったが、弟・清麻呂が代行することになった。
史実では身体が弱い広虫では宇佐八幡宮への往路が厳しいためとされているが、実は仮病である。
仮に道鏡に不利になる神託を持ち帰ったとして自分と道鏡が天秤にかけられた時、女帝がどちらを選ぶのか……
分かりきった上で、それを直視したくなかったあまり弟に代行を依頼した。
結果は弟と同様に汚名(別部広虫売)を着せられ、配流に処されたわけだが……
・アルターエゴ:別部広虫売
弟・清麻呂をして「他の過ちを口にしたことが無い」と評される和気広虫の人格から切り離された別側面。
決して表に出るはずがなかった、女帝に対する複雑極まる感情と道鏡に対する嫉妬が表出している。
道鏡に勝ちたい、また女帝の信頼を得たいという執念を持つ、ある意味弟よりリンボに近いタイプの自我(エゴ)
穢麻呂関連だと、こういう背景設定ばっかり浮かんでしまって…~多分人が少ないタイミングなのでここで東鬨最新話投下します。
背丈2メートルはゆうに超えるだろう人狼は全力で拳を叩き込む。相手は自分よりもふた回りは小さな男だが、容赦なくこめかみを打ち抜く。
しかし男はいっこうに怯まない。車の衝突に匹敵するインパクトを与えられた筈なのに全くもって平気といった風だ。
先程からずっとこんな調子である。人狼がどんな攻撃を繰り出しても魔剣使いを無力化させることは出来ず、逆に魔剣使いの一撃に人狼は悶え苦しむばかり。
魔剣使いは満身創痍もとうにすぎているというのに、彼の剣戟は繰り出す度に重さと鋭さを増してゆく。まるで早くそこをどけ、と言われているようだった。
人狼は深く息を吐いて、行かせはしないと立ち塞がる。
(アイツの方が強い、それは間違いない。でも俺の目的は時間稼ぎだ。負けなければそれでいい。)
(死にもの狂いで脚を止めてやる──────)>>839
痺れを切らした魔剣使いが雄叫びを上げて襲いかかる。亥狛の獣の勘が魔剣の軌道を読み取り、すんでの所で回避する。
次なる一戟はどこだ、と確認する間もなく亥狛のみぞおちに蹴りが入った。体重1トンはくだらない巨大な身体が宙に浮くほどの強烈な蹴りに、亥狛は思わず真っ赤な血をぶち撒ける。
ゴロゴロと瓦礫の海を転げ回り、揉みくちゃになりながらも魔剣使いの脚に縋り付く。
痛くて苦しい。
今の今まで劣勢という言葉に縁のなかった亥狛にとって、戦いとは作業であり特別苦痛を覚えるものではなかった。
こと魔術戦において無類の強さを発揮した彼と同等以上に戦える者など、現代においてそうはいないだろう。そうたかを括っていただけに、魔剣使いとの戦いは初めての事だらけだった。
一方的に痛め付けられる経験も、時間稼ぎさえ儘ならない無情感も、何もかもが新鮮だ。
ここにきて亥狛は認識を改めざるを得なかった。
人間はヤバい、と。>>840
これまで憧憬の念を覚える事は幾度かあった、しかし恐怖を覚えた事は一度もなかった。魔術戦ではただ蹂躙すれば事足りるし、そもそもにして生き物の強度が自分より数段脆い存在。例えるならば細心の注意を払わないと壊れてしまう硝子細工、そんなところだろうか。
見誤っていた。
硝子だなんてとんでもない、この男は凶器だ。下手に触れればコチラの方が怪我をする。しかしそれと同時に、その抜き身の刀みたいに曇りのない執念はある種の尊敬に値するとも思えた。
恐怖と尊敬、二つの相容れない感情が人狼の中に渦巻く。
(そうか、これが畏敬ってやつか。)
血反吐を吐いて身体中に深い切り傷を何箇所も作りながら、亥狛はそんな風に思っていた。
人間はやっぱり奥が深い。
噛めば噛むほど味が変わる、とても面白い生き物だ。
これからもそんな楽しくて、たまに怖くて、でもそれでも素敵な生き物のそばで、違った味を噛み締めていきたい。
だからここは負けられない。>>841
「あ、ああ、あああああああぁぁぁぁあ!!!」
やっとの思いで立ち上がる人狼を魔剣使いは苦々しい表情で睨む。魔剣を叩きつけると人狼はあえなく倒れるが、人狼は倒れた勢いそのままに突進する。
魔剣使いにとってすれば鬱陶しいことこの上ないだろう。何度も何度も剣を叩きつけて、痛め付けても立ち上がる巨大な肉壁を魔剣使いは振り払えずにいた。
そして魔剣を、今度こそ渾身の力で叩きつけてやろうと振り翳した、まさにその時だった。
状況は一瞬にして大きく切り替わった。
「─────っ!?………」
突然頭に痛みが走って、思わず魔剣使いの腕が止まる。何事かと亥狛が怪訝に思う隙すら与えぬ間に、続いて大きな爆発音が響き渡ったのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
時を少し遡ること数分。
魔剣使いの追跡を振り切ったランサーは全速力で聖杯の元へ向かっていた。聖杯までの距離が恐ろしく長く、おおかた戸波麗奈が魔術による空閑婉曲を施している所為だと思われた。
ランサーの脳裏には置いていった亥狛の存在があった。いかに彼が頑強とはいえサーヴァントである自分と対等に戦える魔剣使いに敵う筈もない。>>842
考えたくはないが、彼が瞬殺されれば自分もこの世界に居られなくなる。そうなれば聖杯を誰も止める事が出来なくなり、待ち受けるのは最悪のバッドエンドだ。
一秒でも早く、一歩でも速く、全速力で駆け抜ける。
途中立ちはだかる肉の聖杯の端末を蹴散らしながら、前へ進む。
走り出してどれくらい経っただろうか。はやる気持ちのせいか数分のようにも数十分のようにも思えてならない。
ランサーは漸く聖杯まで到達した。
「これは、また。なんと名状しがたい」
思わずそう呟く。ぶくぶくと肥大化した腫瘍のような聖杯は、その肉袋の中に大量の魔力を詰め込んで破裂寸前だった。さながら鯨の死体だ。
鼻を刺すような臭いに顔を顰めて聖杯を注視する。膨れ上がった肉の塊のほんの一部分に人間らしい名残があった。成人もしていない女の子が聖杯の素体となったことを思うと、胸が張り裂けそうな思いになる。
「………アナタも出来ることなら救ってあげたかった。」
だが、それは叶わない。叶わないならばせめて、逝かせてあげるのが慈悲だと思った。>>843
「今ラクにしてあげますね。」
そういうとランサーは聖なる槍に魔力を通した。
『────聖槍、抜錨』
槍に魔方陣が浮かび上がる。ランサーは再び円卓の騎士による議決を開始した。
「是は、生きるための戦いである」 ──承認、ケイ。
「是は、己よりも巨大な者との戦いである」 ──承認、ベディヴィエール。
「是は、人道に背かぬ戦いである」 ──承認、ガヘリス。
「是は、真実との戦いである」 ──承認、アグラヴェイン。
「是は、精霊との戦いではない」 ──承認、ランスロット
今回は五つの承認、またも完全解放には至らない。だがそれでもその威力は聖杯を消滅させるには十分な規模の破壊をもたらすだろう。
ガレス自身が聖槍の解放を承認しなかったのは、ひとえに聖杯の贄となった少女を思うが故だった。
なんの罪もない少女を殺めて、何が誉れある戦いか。
『彼方より屹立せし光よ、今こそその一端を示せ。』
『限定解放────されど尚、最果てにて輝ける槍(ロンゴミニアド)!!!』>>844
光の奔流が、聖杯を包み込む。
子供をあやすように慈悲深い温もりは、ゆっくりと優しく聖杯を溶かしてゆく。
少女は救われたのだろうか?それは知る由もない。
ただ陽光の如き光がとても眩しくて、目を涙で滲ませずにはいられなかった。
ーーーーーーーーーーーーーー
柔らかな光は聖杯の間全体を明るく染めた。
それが意味するところを魔剣使いは知ってか知らずか、雪崩のような猛攻はぴたりと止んだ。
そしてただ茫然自失といった様子で佇んでいる。
「───────」
魔剣使いは突如電源を切られたロボットのように、一点を見つめて微動だにしない。何故そうなっているかも分からない人狼は、恐れ慄きながらも距離を取る。
どうやら死.んではいないらしいが、彼の中で異常事態が発生しているのは間違いないみたいだ。
(………やって、くれたか)
一方で聖槍の光を目にした亥狛は、ランサーが聖杯を破壊したのだと理解し、とりあえずは安堵した。>>845
だが目の前の魔剣使いがどうでるかが気掛かりで、依然として緊張状態は続いたままだ。
このまま魔剣使いが逆上して大暴れする可能性も十二分にある。そうなれば、この場にいる亥狛自身が死ぬ気で抑え込む他に手立てはない。
もちろん勝てる見込みはまったくと言っても良い程ない。絶無である。
「─────────────」
がしゃん、と魔剣の鋒を地面に落とす。
魔剣使いは何事かと構える亥狛に目もくれず、突然活動を再開したかと思えば、そのまま目にも止まらない速さで何処かへ飛び去っていった。
魔剣使いの背中はみるみる内に点になっていき、数秒程度で見えなくなってしまった。
埋もれた瓦礫の山にたった一人取り残された亥狛は、見逃されたと分かってようやく人狼の形態を解いた。
まさか人狼を圧倒するだけに飽き足らず、歯牙にもかけない人間がいるとは思いもよらない大発見だ。
「………はは、やっぱり」
そして張り詰めていた緊張の糸がほどけたのか、ばたんと仰向けに倒れ込んでしまった。
「───人間ってすげぇな」
聖杯を破壊するという大任を全うした開放感からか、それともまた新たな人間の凄さを知った喜びか、亥狛はどこか晴れやかな面持ちだった。>>846
兎にも角にもやりきった。
これを喜ばずしていつ喜べばいい。
そんな気持ちでランサーの帰りを待っていると、彼女は思いの外慌てた様子でこちらに駆けてくるのがみえた。
「ランサー、お疲れ様。俺ももうヘトヘトだ、玲亜を連れてゆっくり休憩しながら帰ろうか」
なんて間の抜けた声で亥狛が出迎えると、ランサーは亥狛の身体を軽々持ち上げて走り出した。
「残念ですが、そう悠長なコト言ってられない辞退になっちゃったみたいです。今直ぐに玲亜さんを回収して聖杯の間から脱出しなければ」
「な、え。聖杯に何かあったのか?」
まったく状況を掴めていない様子の亥狛、それとは対照的にランサーは非常に神妙な面持ちで口を開いた。
「聖杯が、暴走し始めてます」>>847
ランサーが言うには聖杯は無事に破壊できたらしい。
しかし聖杯を破壊したコトで「魂を求める衝動」だけが残存し、一定分の足りない魂を求めて広がりつつあるのだそうだ。
「聖杯を破壊した後にブラックホールみたいな虚(うろ)が出現しました。直感で危険と判断したので撤退してきました。」
「ですが完全に崩壊する前の悪あがきみたいなものです。私たちが退避してしまえば、後は縮むのを待つだけなのですが──────」
「玲亜が飲み込まれるかもしれない、と」
ランサーは頷く。
崩れゆく聖杯の間を縫うようにランサーは進む。進みながら玲亜の姿がないか見回すも彼女の姿はどこにも見当たらない。円柱が一定間隔で並んだ地下放水路は自分が今どこに居るのかを分からなくさせてしまう。ましてや二手に分かれた片割れを捜すとなると、難航を極めるだろう。
手当たり次第に探すにはもう時間は残されていなかった。
「大丈夫だ。俺が鼻を使って探してみるから、ランサーは指示した方に進んでくれ」
幸い、土煙が舞う空間の中でも数キロメートル程度ならば迷いなく匂いの元へ辿り着ける嗅覚を人狼は持ち合わせていた。
玲亜の匂いならハッキリと記憶している。あれだけ苦楽を共にすれば必然判別がつくというものだ。
「了解です!こう言っちゃなんですが、今この瞬間に限ってはマスターが人狼で良かったと思います」
「………それは、そうかもな」
ランサーの屈託のない冗談に思わず苦笑しながらも、亥狛は匂いの先を辿っていた。亥狛の嗅覚がめちゃくちゃ便利すぎて助かる件
次また別の作品書く時苦労しそうで怖い昔書いた小話を少し練磨させてみました。投下します。
ムスッと、不貞腐れていると形容した方が正しいのだろう。そんな表情をした女性────スクルドは、ベッドの上で寝転がりながらヘソを曲げていた。
いつものドレスは何処へ、部屋着という名のアーツTシャツとホットパンツなどという、王女然とした普段の彼女からは想像もつかない格好。
非常に物珍しい姿だが、スクルドが不貞腐れている理由は、彼女の視線の先にいる人物が原因となっている。
『愛と正義の使者、セーラー────』
著作権とかが危ない……ではなく、テレビアニメを視聴している女性────フロールヴ・クラキこそが、スクルドの不機嫌な理由。
決してテレビの視聴権を取られたとかでも、部屋に無理やり居座れている訳でもない。二人のいる部屋はフロールヴのものであり、寧ろスクルトが入り浸っているまでもある。
────兄上(あねうえ)め。
心の中で一人愚痴る。
発端は些細な事だった。スクルドは昨日、不思議と上機嫌だったので、フロールヴを誘ってジャパニーズホラー映画を楽しもうと考えていたのだ。
しかし、当の本人は既に別の誰と約束をしていたのと、どういう訳かジメジメとした雰囲気を持つ日本製のホラー映画だけは苦手だったので、やんわりと断った。
その返答が上に達していた機嫌を最底辺にまで落とし、ハバネロを暴食しながら一人映画をしたのが昨晩の話。ちょっとだけ涙目になったのは彼女だけの秘密らしい。
特にフロールヴに非はないが、概ねそんな理由で機嫌が悪くなり、しかして何事もなく部屋に足繁く通う。
色々と矛盾だらけな感情のスクルドだが、兄(あね)が関わると無自覚のまま更にそれが顕著になり、冷血に振舞っているのに、この時だけ周囲から生暖かい目で見られている事に気づいていなかったりする。>>858
────魔法少女ばかりに夢中で……私というものがおりますのに。
素直になれないツンデレのような台詞にも見えるが、実のところ半分は事実で、もう半分は王女である自分をもっと敬うべきだ的な思考。
これで放置を続けたら、おそらくメンタルが深淵の底に行き、兄(あね)限定のメンヘラが発動するだろう。
────そうですわ。
陰謀をめぐらせていそうな邪悪な笑みを浮かべ、スクルドは物音を立てずにフロールヴの背後へ接近する。
あえて気配を消す愚行は犯さない。同じ部屋にいるのに、態々気配を消して逆に違和感を覚えさせる莫迦がどこにいるのだろうか。スクルドという名前の人物だった。
以前の失敗は繰り返さない。ベッドの上を女豹のポーズ忍び足で動き、徐々に距離を縮めていく。
距離は既に20㎝弱まで詰め、肩越しに覗き込めばシュガーレイズドを頬張っている姿さえも確認できてしまう近さだ。
吐息と鼻息を漏れ出さないように息を止め、フロールヴの首元へゆっくりと顔を近づけさせ────
────たところで、スクルドの視界は反転した。
「は……?」
そして視界に釣られるように体も何回転かし、ベッドから床へ落ちた。>>859
「まったく、汝という者は」
床へ叩きつけられる衝撃は一切なく、代わりに後頭部に柔らかな感触と、シャンプーのような香り、そしてよく知っている兄(あね)の優しげな声が届いた。
「どうした、そのような悪戯の失敗した童女のような顔は」
彼女は所謂「膝枕」をされている状態だった、
余りに突発的なまでの出来事だったので、思わずポカーンとしていたスクルドは、フロールヴの揶揄うような笑みで我を取り戻し、ジタバタと暴れる。
「は、離しなさい無礼者! 私を誰と心得るか! スコーネの王にしてライレの王でしてよ! こ、こんな事をして、極刑は免れないと心得なさい!」
「ふふ、照れを隠蔽するのに王の権威をダシに使うとは、相変わらす気難しい妹だよ。大方、昨日の誘いの件を根に持っているのだろうが……」
暴れる妹の頭に手を置いて、まるで母親が子に慈愛を示すかのようにゆっくりと撫でる。
突然始まった愛撫に、さすがのスクルドを停止してしまい、まるっきり子供扱いされている事に屈辱と若干の羞恥心で頬を軽く紅く染める。
「今日(こんにち)、私に一切の予定は入っていない。だから、今日は好きなだけ汝を構い倒してしまうぞ? 汝が望んだ事だ、異論はないな?」>>860
頭から頰、顎へと指を伝せ、顔と髪を同時に愛撫する。
生前は勝てたのに、現界してからというものの、妙に兄(あね)に勝てない事実に嘆き、怒り、そして生前は決して交える事のなかった姉妹の時間を、より過ごせる今世に嬉しさを感じる。
決して味わえなかった暖かさに、嬉しさ半分、仏頂面半分の表情を晒してスクルドは言った。
「ぜ、是非もないですわ。本当は嫌悪感で鳥肌が立つ程に悍ましいのですけれど……勝手に引き剥がしたら、その首を、貰い受けますわ……」
姉妹同士の長い時間は続く────。
嫌そうな表情を作り、けれでも嬉しそうな声音で、憧れの兄(あね)に様々な要求をする、一人の少女の夢に見た物語。>>855
単純に神秘の強さ比べの問題で幻獣・神獣クラスと魔術戦するならサーヴァントに傷をつけるレベルの神秘の用意がいりますから……時計塔の魔術師達ならいくらでも対策出来るとは思いますが。
だからこそボコボコにされてむしろ「えー人狼圧倒出来るとか人間の底力すげぇ」ってなった訳ですね。>>864
酷ぇ結末もあったものですね……沙耶の唄かな?
フロールヴとスクルドが戦えば逸話と相性的にスクルドに軍配が上がりますね。当人が英雄殺しのファムファタール、宝具にワイルドハント、妖精領域(効果は宝具の開帳禁止ルール)、英雄殺しの魔猪複数と対英雄満載のキャラですから。東鬨聖杯戦争、最新話投下します。
崩れつつある聖杯の間を魔剣使いは直走る。
魔剣の侵食が進みすぎて謂綱詩譚と呼べる部分はもう僅かしかない。しかし走る脚は、目的地へと向かう意思は、間違いなく詩譚本人によるものだ。
聖杯は既に破壊され、彼が身体を張る意義は潰えた。それでも彼が活動を止めないのは、突如頭に流れ込んできた記憶のせいだ。
それは彼自身の記憶ではない。
彼の肉体を侵食する魔剣『ティルヴィング』が保有する記録であった。
とめどなく流れ込んでくる身に覚えのない記録の数々。それらは全て、魔剣を所有していた者達の記憶だと察する。
初代所有者であるスウァフルラーメ王の記憶───
王を殺して魔剣を獲得したアルングリムの記憶───
狂戦士アンガントゥールの記憶───
ヘルヴォル、ヘイドレグ……血塗られた代替わりは延々と繰り返され、膨大な映像記録が詩譚の脳裏を過ぎ去ってゆく。>>867
そして、聞き馴染みのある声が聞こえてきた。
『ええ、私のサーヴァントヘイドレグは惜しくも敗退しました。ですがまだ、まだ聖杯戦争は終わってません。』
アレほど聞きたかった筈の声、その主は魔剣を手に持ち、前謂綱家当主の前で静かに誓いを述べる。
『この魔剣を手に、私は必ずや謂綱家に栄えある勝利をもたらしてみせます。聖杯戦争の禍根は、此処で終わらせて見せましょう』
詩譚の妹、刻葉の姿があった。
魔術家系である謂綱家において最高傑作と謳われた彼女は、前回の聖杯戦争で敗退。そのまま聖杯戦争の戦禍に巻き込まれて死亡したと伝えられていたが、聞いていた話とは微妙に異なる展開が繰り広げられている。
てっきり自身のサーヴァント諸共死亡し、その亡骸を聖杯に組み込まれたのだとばかり思っていたのだが。
魔剣の記録によれば刻葉はセイバー敗退後もしばらく生きていたらしい。魔剣の効果によって底上げされた身体能力と本人が生まれながらに持ち合わせた魔術の才を駆使して、他のサーヴァントと渡り歩いていたのだという。>>868
今ひとつ符合しない。ではどういった経緯で彼女は聖杯の贄になったのか?
……その答えはすぐに判明することとなった。
『えぇ。およそ十年後、この地では再び聖杯戦争が開催されます。なので優秀な貴女には是非とも、舞台装置になっていただこうかと思いまして』
『────それではごきげんよう、刻葉お姉様』
ーーーーーーーーーーーー
頭がぐわんぐわんする。
麗奈との死闘の末になんとか勝ちをもぎとった玲亜は、爆発音を聞いてすぐにランサー陣営が聖杯を破壊してくれたのだと把握した。本当ならこれでハッピーエンドで終わると思っていたのだが、実際はそうでもなかった。
爆発音がしてすぐに聖杯の間全体が揺れ始めたのだ。>>869
「もしかしなくても、逃げなきゃマズイ感じだよねコレ───!?」
今すぐ逃げなきゃ、そう思ってはいるが身体が上手く動いてくれない。先ほどの戦闘で思い切り頭を殴られた影響で軽い脳震盪を起こしているらしい。
それだけでなく、玲亜は麗奈を抱えて逃げようとしていた。たとえ東鬨市を破滅に追いやろうとした敵であろうと、崩落する建物の中に置き去りにするのは気が引けたし、何より置いていったら自分の事が嫌いになりそうだった。
「ほん、とに!お人好しな自分が嫌になる!!」
「─────」
意識のない人間を一人抱えて歩くのは、女の子にとっては重労働だ。ずりずりと引きずりながらも出口に向かってゆっくりと進む。出口ははるか先であり、とてもじゃないけど間に合いそうにないが、玲亜は麗奈を置いていく事はしない。
一歩、一歩、また一歩と。
天井から瓦礫が落ちてきて玲亜達のすぐ目の前をはばむ。体に力が入らない玲亜はあえなく転倒してしまう。
血と埃で汚れた顔を手で拭い、ふと背後を見ると、奇妙な侵略者が追いかけてくるのに気づいた。>>870
「な。なに、あれ」
暗闇から這い出る赤黒い手だった。聖杯があった方から無数に伸びた手は、瓦礫や肉片、全てを手掴みして引きずり込んでいく。
暗闇は全てを飲み込んでなお足りないと、侵食範囲を広げている。少しずつ確実に、玲亜達の方へと追い縋る。
「やばいやばいやばいやばい!」
なんとかして立たなきゃ、そう思った矢先の事だった。誰かが脚を引っ張ってきたのだ。今この場では玲亜ともう一人しか居ないはずなので、誰がやったかは明白である。
玲亜が脚元をみると、麗奈が意識を取り戻していた。彼女は玲亜の脚にまとわりついて離れようとしない。
「───このままで、いい訳ないじゃないですか」
「私の十年の計画も無駄になった今、せめて、せめて貴女だけは、絶望の底に叩き落としてみせます」
「たとえ私の命を投げ出してでも」
麗奈の燻った妄執は計画の破綻をもってしても消し去ることはできない。練り上げた計画が駄目ならば力尽くで、なんとしてでも彼女の顔を恐怖で染め上げてみせる。
そんな狂気じみた執念に玲亜は身慄いする。
その表情が満足のいくものだったのか、麗奈は頬が裂けんばかりに笑った。
「─────ハハ、キャッハハハハハハハハハ。やっぱり玲亜先輩はその貌が一番素敵ですね!もっと、もっと見せてください。十年間おあずけを喰らったんですから、もっと、もっと。ねぇ!?」
気づけば麗奈の下半身には赤黒い腕が絡みついていた。このままでは麗奈もろとも引き摺り込まれてしまう。
絶望の渦巻く、ブラックホールの中へ。>>871
聖杯の引力は強まっていく一方だ。折れてしまった柱に掴まって耐えてはいるがもう時間の問題だった。
「く、そ。離れなさい、よ」
「絶対嫌です!死ぬ瞬間まで、その貌は、貴女の絶望は、私だけのモノ!!さあよく見せてください!さぁ、さあ!!」
まずい、限界が近い。
そう思った時、麗奈の身体を一本の剣が貫いたのだ。
「───────ガ、ァ────。」
突然の出来事に玲亜は目を白黒させて狼狽える。一瞬で麗奈の身体を串刺しにした黒い剣士は、玲亜には一瞥もくれずに剣により力を込める。
剣の先から黒い炎が漏れ出すと麗奈はようやく玲亜から手を離し、剣士と共にゆっくりと闇の中へ引き摺り込まれていく。
麗奈の未練がどんどんと遠ざかっていく。
一瞬の出来事で麗奈自身何が起こったのか理解が追い付いていなかったが、最後の望みさえも途絶えてしまうコトだけは明確だった。
十年間の暗躍も、下準備も、計画も、裏切りも、犠牲も、時間も、想いも全て泡沫となって消えてゆく。なんの価値も残さない、全て徒労となって終わってゆく。
なんたる無常、なんたる無慈悲。神は此処にきて私を見放したのだろうか、なんと意地の悪い仕打ちだろうか、私はただ欲望に忠実に生きただけだというのに。
遠くなっていく未練。
それを見つめて麗奈は絶望の底に沈む。
死という名の永劫の闇がすぐ側まで迫ってきている。>>872
なんて───────キモチイイ。
「あ、あ、あああ。ああああああ.あああああっ!ああああぁぁぁぁぁぁ.あぁぁぁぁぁぁあああああ嗚呼あああああ.ああああああああ.ああああああ.ああぁぁぁぁ.ぁぁぁぁぁ.ぁぁぁああ♡」
桃色の断末魔が聖杯の間に響く。
一方で黒い鱗の剣士は何もいう事もなく、最期まで彼女に突き刺した剣を握り締めたまま、麗奈と共に闇の奥へと消えていった。
だが気のせいだろうか、玲亜の耳には剣士の言葉がかすかに聞こえたように思えた。
妹の、仇。
そんな風に聞こえた気がした。
「いた!あそこだ!!」
亥狛の声がした方へ向くと、ランサーに抱えられた彼の姿があった。ランサーは折れた柱の上に降り立つと「しっかり掴まっててくださいね」と言い、玲亜を軽々と抱えて跳躍する。
ランサーは聖杯の引力などものともせず、ぐんぐんと前へ進んでゆく。玲亜が振り返ると闇は遠くちっぽけに映って見えた。
東鬨市の聖杯戦争はこうして、誰に知られるでもなくひっそりと終わりを迎えるのであった。>>878
無辜の怪物:E
イエロー・ジャーナリズムの魁。
所有していた新聞社の方針を扇情主義に定めた結果、生前はイエロー・ジャーナリストの雄というイメージが浸透していたブンヤ。
ピューリッツァー賞の定義から分かる確たるジャーナリズム精神と、理想の新聞を作るために必要と判断すれば人道にもとるような記事をも平然と掲載する薄汚いまでの合理主義を併せ持つ、良くも悪くも清濁入り混じった人間性の根幹である。
【宝具】
『紐育の新聞馬鹿大将(マスター・オブ・センセーショナリズム)』
ランク:A 種別:対界宝具 レンジ:記事が届く分だけ 最大捕捉:不特定
扇情主義全開の記事で自分達以外の全てを振り回し続けた、キャスターの新聞記者としての在り方。
ゼロから現象を起こすことはできないが、これから起きる出来事(自分で起こす分含む)に関する記事を書き、脚色によって規模を自在に変えられる。
災害による被害を抑制するだけでなく、ちょっとしたトラブルを大惨事へと強化することも可能。
ただし、脚色が事実から離れるほど、魔力の消費量が増大していく。>>879
『今蘇る新聞王宮(サモン・ニューヨーク・ワールド・ビルディング)』
ランク:C 種別:陣地宝具 レンジ:なし 最大補足:なし
ニューヨーク・ワールドの社屋として建てられた、今は無きニューヨーク・ワールド・ビルディングを召喚する能力。
現存していない、いわば幽霊ビルなのだが、キャスターが現界している限り破壊されても復活可能。
この宝具こそキャスターにとっての陣地作成である。
なお、内部が固有結界かどうかはキャスターにも全然分からない。
【Weapon】
ニューヨーク・ワールド・ビルディングの各種備品と警備員達
どういう仕組みなのか、ポルターガイストよろしくペンや机と椅子を飛ばしてきたり、印刷輪転機からペーパーナイフ状に加工した紙屑を発射したり。
他には警備員達が警棒や銃器で攻撃してくる。
【解説】
ハンガリーは南部が農業地域のユダヤ系の家系に生まれ、10代後半でアメリカへ移住。
このころ、アメリカは南北戦争が末期に差し掛かっており、すぐに北軍の兵士として従軍。
10歳以上も年上の悪ガキ2人組に助けられつつ生き残り、彼らの伝手でミズーリ州のセントルイスに定住。
地元の新聞社に就職後、順調に立身出世を重ねて30代後半に当時赤字だった新聞社『ニューヨーク・ワールド』を購入。
会社の方針をスポーツとスキャンダル重視及び扇情主義に定めて経営立て直しに成功し、ニューヨーク・ワールドを当時のアメリカ最大の新聞社へと成長させた。>>880
一説によると、購入直後の状態から購読者数が約40倍も激増したという。
その一方、記者の資質向上にはジャーナリズムを教える学校と、そこで育った記者達が掴むべき賞の必要性を悟り、実現に向けて積極的に動いてもいた。
社会的地位を有する理解者に恵まれた一方、それらが実現したのは自身の死後であった。
死後から数年後に制定され自らの名を冠した『ピューリッツァー賞』に関して、彼は生前ニューヨーク・ワールドの紙面で「社会的不正義と当局の汚職の摘発こそ、審査を貫く基準である」と明記したとされる。
【人物像】
アメリカ、それも19世紀の富裕層とは思えないほど腰が低くてフレンドリーな中年紳士。
その本性はジャーナリズム精神と正義感を兼ね備えながらも、経営者としてはゼロから捏造しなければ問題なしとする『事実・大袈裟・紛らわしい』がモットーの扇情主義者。
購読者が読みたくなる内容とするためなら、誤解を招くと分かっていても記事の脚色を躊躇無く指示・実行するマスコミ史上屈指の大問題児。
生前、イエロー・ジャーナリズムという概念誕生の片棒を担いでしまったのもむべなるかな。
一方で「ニューヨーク・ワールドな新聞社が他に存在したら碌な事にならない」と考えたり、ジャーナリストは社会的正義を実行・体現すべきと主張したり、学校によるジャーナリズム教育やジャーナリストを対象とする賞の制定の必要性を説いたりと、ライバル紙からの批判が全く説得力を持てないほどのモラルと良心も持ち合わせていたようだが。
この二面性もあり、心のどこかに『マスコミから提供される話題を鵜呑みにするだけの大衆に対する失望と、ニューヨーク・ワールド以外のイエロー・ジャーナリスト達に対する義憤』を抱えてもいる。
特技:記事作成、出版社経営、扇動
好きなもの:報道の自由、購読者、新聞の売り上げに繋がる記事
嫌いなもの:言論統制、報道しない自由、自己判断をしない人間、マスゴミ
天敵:スルト、巴御前
願い:世界中のマスゴミの性根を叩き直す>>881
【一人称】あっし
【二人称】あなた、そちら
【三人称】あちらさん
【セリフ例】
「あっしを召喚してくださってどうもどうも! クラスはキャスター、名はジョセフ、姓はピューリッツァー。腕っ節はからっきしですが、戦いとはそれが全てではござんせんので、心配御無用」(召喚時)
「報道の自由と購読者の皆々様、そして新聞の売り上げを保証してくれる記事。あっしはこの3つが大好きでさ! 人間てのはね、他人の不幸な出来事に興味を惹かれるんですよ!! 事件・事故は大規模で悲惨なものほど話題になる! 報道の自由はそれの伝播を確約してくれる! そういう記事を載せた方が新聞は売れる!! あっしはその利益に物言わせて、真っ当な記事を掲載してニューヨーク・ワールドを理想の新聞へと成長させられるんだから、良いこと尽くめここに極まれりってね!!!」(好きなもの)
「『梵書は序章に過ぎぬ。書物を焼く者は、やがて人をも焼くようになる』。クリスティアン・ヨハン・ハインリッヒ・ハイネ作、アルマンゾルより。あの皇帝陛下の生前はそういうことです。どうかゆめゆめお忘れなく、マスター」(マイルーム会話『始皇帝』)
「悲惨な内容ばっかだと読者もこっちも気が滅入る一方でねぇ。どっかの特異点に明るくて新聞が売れる話題でもねぇかなー?」他の文系たちと差別化されてて好き。例えば、他が正統派の英雄豪傑で、キャスターだけコイツの聖杯戦争とかも面白そうと思いました。
言うのが遅れましたが、産業革命聖杯戦争(仮)の質問に答えてくださり、ありがとうございます。
年代的には1858年のスイスあたりで考えました。
その時代を生きてる英雄や著名人がマスターというのは、自分には荷が重いってのがありまして、普通に裏に生きてる当時の魔術師がマスターで考えてます。
既存のキャラの血縁もいますが、基本的にキャラ本人のifではないので、フリー設定に入れたほうがいいですか?
後、こんだけ言ってて、まだ思いつきレベルなので、もし 私が書くつもりだ という方がいらっしゃったら、構わず先に書いちゃってください!>>884
デポラさんの新作ですか。いいですねぇ……
>既存のキャラの血縁
ふむ、誰がセレクトされたかな?フリー設定ページよりはその聖杯戦争のまとめページみたいなの作ってそこでザックリ情報を書いとく、とかの方がいいんじゃないかなぁというのが個人的な意見ですね>>884
文系、されど作家にあらず。
なのでどうしようかと考えたら「そうだ、スキル『陣地作成』を必要としない鯖にしよう」と思い至りました。
性格に関しては色々調べたら「そんなに高潔な人物じゃなくね?」ってイメージが出来てしまったので。
時期的にはまだエイベルは学校行ってるし、桃夢はミスって不老長寿になったのはいいけどエイマーズ家に仕えてるので時代的にもスイスへ渡航、は難しいですね。一応、設定案だけは作りました
産業革命そのものを絡めたかったのですが、難しくて出来ませんでした
>>890
プ、プレッシャーッ!
今のところ、どう着地するのかまっっったく思いつけてないですが、フワッと剪定事象寄りの話くらいの想定でいます。
象牙の塔とかも、フリー設定使わないの勿体無いの思いから、取り敢えずワードは出した次第です。
どう関連づけるのかも、まだ決め切れてません。
今更ですが、戦争のタイミングは年代的に妥当なのかどうか。
後、すみません 血縁者も混ざっているって言いましたが、見返したら混ざってるどころか、ほぼ血縁マスターでした。随分前に投下した、クッチーとグリフィンのお話を登録してきました。
では、今夜はこの辺で。>>898
ああやっぱり感想いただけるだけで励みになりますね……あともう少しですけどしっかり駆け抜けていこうと思います!
あ、フリー設定のサーヴァントがしっかり煮詰まったので、今から投下していこうかなと思います。【元ネタ】歴史・伝承
【CLASS】セイバー
【マスター】
【真名】"司祭王"ヨハネス
【異名・別名・表記揺れ】プレスター・ジョン(英)、プレスビュテル・ヨハネス(羅)、“綺羅星のセイバー”
【性別】不明
【身長・体重】156cm・?kg(浮遊している為正確な値が測れず)
【肌色】薄肌色【髪色】プラチナブロンド【瞳色】緑色
【外見・容姿】
白銀の燕尾服に星のブローチを付けた、「コズミックな貴公子」というイメージがぴったり当て嵌まる美少年。
女性と比べてもなお華奢な体型をしており、おそらく宇宙空間に長い間いたことで筋力が衰えてしまった影響と思われる。
エメラルド色に淡く発光する不思議な王笏を携えており、これを主武装とする。
【地域】ユーラシア大陸全域、アフリカ一部地域>>900
【年代】11世紀初頭~17世紀中頃
【属性】混沌・善
【天地人属性】星
【その他属性】王、領域外の生命、エヌマ特攻無効、人類の脅威、浮遊
【ステータス】筋力:B 耐久:B 敏捷:B 魔力:A 幸運:A+ 宝具:A+
【クラス別スキル】
対魔力:A 騎乗:B
【固有スキル】
星、東方にて輝きて:EX
誰かが救いを求める限り、幻想の王は願いの星で在り続ける。
プレスター・ジョン伝説は元々ヨーロッパ諸国のキリスト教徒が「聖都奪還の救世主」を求めていたため生まれたとされており、そんな弱き者達の想念が形となったユニークスキル。
セイバーに救いを求める声の強さに応じて戦闘力が少しずつ向上してゆく。
信仰の加護:A+++
一つの宗教観に殉じた者のみが持つスキル。
加護とはいうが、最高存在からの恩恵はない。
あるのは信心から生まれる、自己の精神・肉体の絶対性のみである。
ある日突然地球との離別を余儀なくされたセイバーにとって信仰はたった一つの心の拠り所だった。>>901
領域外の生命:E
『降臨者(フォーリナー)』のクラススキル。
異星文明の因子を組み込まれ、地球侵略の尖兵にされかけた時の名残り。英霊となった現在は異星文明との繋がりは絶たれた為、最低限のEランクとなっている。
不老の泉:-
プレスター・ジョン伝説に記されている飲めば一生老化しなくなる泉の水。英霊となる際に「争いの火種になる」という理由で廃棄したので、今は所持していない。
【宝具】
『星の王笏(レグルス・レゲイリア)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1~2 最大捕捉:1人
エメラルドに輝く光を放つ、どこか未来的な意匠を思わせる王笏。
十二世紀後半、プレスター・ジョンが時の東ローマ皇帝マヌエル1世コムネノスに宛てた手紙にエメラルドの笏についての記載があり、『星の王笏』はそれが宝具と化したもの。
地球ではなく外宇宙に偏在する仮説上の物質から精製された未知の兵装であり、成り立ちは聖剣や魔剣に近しいがそのどちらにも該当しない。
笏の先端部から灼熱の溶断ブレードを展開でき、軽く横薙ぎに振るうだけで電柱やコンクリートを焼き切るほどの熱と切れ味を誇る。
また剣戟は元より熱線をジェット噴射させる事で移動にも利用可能。>>902
『宙の光は、すべて星(バクルス・ルクス・ステッラエ)』
ランク:A+ 種別:対軍宝具 レンジ:2~40 最大捕捉:300人
セイバーの第二宝具。
『星の王笏』の本領を発揮する宝具。真名解放とともに王笏を天高く掲げると外宇宙と交信を開始、認証されると『星の王笏』のリミッターが解除される。
刃渡り最大数キロメートルにも及ぶエメラルド色の溶断ブレードは、ひと薙ぎすれば線上のすべてを溶融切断する。
単純な破壊力は星の聖剣や太陽の聖剣に劣るが、威力が一点収束する熱線の性質上、穿通・両断する能力に関してはこちらに軍配が上がる。
異星文明との繋がりが絶たれた現在は自前の魔力で王笏の認証システムを強引に突破している状態。その為通常よりもかなり燃費が悪い。
更に元々惑星侵略のための兵器であることから、多用すると地球にとって有害と認識され、最悪抑止力に抵触するリスクもある。
以上の理由から、おいそれとは使えない「隠し球」であり、セイバーもよほどの難敵と対峙しない限り使おうとしない。
【Weapon】
『星の王笏』
外宇宙で鍛造された謎の兵装。エメラルドに光るライトセイバー。
王笏とはいうがそもそもにして宇宙に「王笏」という概念があるのか不明であり、この呼び名もセイバーが勝手にそう呼んでいるに過ぎない。>>903
【史実解説】
12世紀、十字軍活動が活発だった頃から実しやかに囁かれだした伝説の王。
ヨーロッパから遠く離れた東方の世界にはキリスト教徒の国があり、その指導者たるプレスター・ジョンが十字軍を救いに現れ、聖都エルサレムは奪還されるだろう。
…という伝説である。
実際にはプレスター・ジョンなる人物は存在しないが、そのモデルになった王は時代を超えて複数存在する。
西遼(カラ・キタイ)の王である耶律大石、モンゴル帝国初代皇帝チンギス・カアン、ナイマン族のクチュルクなどがそれに該当するが、どれもキリスト教徒が待ち望んだ司祭王とは程遠い存在であった。
特にモンゴルは13世紀中頃突然東方から出現し、ヨーロッパの人々に淡い期待を抱かせたが、蓋を開けてみれば彼等はキリスト教国の敵として破壊と虐殺の限りを尽くし、東方の彼方へと去っていった。
モンゴルがプレスター・ジョンの国ではないと判明してからも伝説を信じる声は根強く、当時のローマ教皇や王がこぞって彼の国を探そうと使者を派遣した。
中でも有名な人物がマルコ・ポーロで、彼はモンゴル帝国への視察の傍らプレスター・ジョンの国を捜索。その顛末が記された『東方見聞録』が探検家クリストファー・コロンブスを未知の海へと駆り立たせ、そして新大陸を発見したことで大航海時代は幕を開けた。
奇しくも幻想の伝説が人々を動かし、時代の扉をこじ開ける一助となったのだ。>>904
【設定解説】
その正体は聖都奪還の救世主───ではなく、異星文明産の惑星探査機『八芒遊星(スター・オブ・ベツレヘム)』に誘拐された哀れなキリスト教徒。
東方の三賢者の血を引いたヨハネスは異星文明人達に地球侵略用の尖兵として改造され、来たる日まで幽閉されていた。
時間の流れが地球と異なる外宇宙で、数世紀にもわたる世界の顛末を見続けることとなり、自身が信奉するキリスト教が窮地に立たされている事を知る。
聖都エルサレムが異教徒の手に渡り、モンゴル帝国がヨーロッパ諸国を蹂躙し、絶望に瀕した故国に対して何も力になれない事に絶望。
更に自分自身は地球侵略の尖兵にされそうになっている事実に我慢ならず、「地球の仇となる前に全て終わらせよう」と叛乱を起こし、『八芒遊星』を内側から破壊することで自ら命を絶った。
ざっとまとめると、「伝説の王『プレスター・ジョン』の皮を被った元地球人の宇宙兵士」である。>>905
【人物像】
極端に無口で、口より先に手が出てしまうタイプ。
感情の機微が読み取りづらく、その見た目と相まって「人間らしさがない」と評されがちだが、実際は人並み以上に感情豊か。
長い間人間とコミュニケーションを取る機会に恵まれなかったが故の「どうコメントしていいのか分からない」というのが主な原因。
異星文明人に言語が通じず、己の感情を言葉で表現する必要性がなかった為、咄嗟のタイミングになると何も口から出てこない。なので会話の応酬みたいな場面では一切話すことが出来ない。
ちゃんと時間をかければ頭の中でごちゃごちゃになった感情と言葉を整理して話せるのだが、相手が気長に待ってあげるスタンスでないと誤解や軋轢が生じてしまう危険性も。
とにかく誤解されやすい外見と性格だが、誰かを救いたいという気持ちは本物。『プレスター・ジョン』の名を授かった者として、今度こそ誰かにとっての救いの星になりたい。
特技:空中遊泳
好きなもの:カロリー過多な食事、誰かに頼られること
嫌いなもの:体重測定
天敵:チンギス・カアン、タルタロス
願い:「救いの星」になりたい>>906
【一人称】僕、ボク
【二人称】君、キミ、◯◯さん、◯◯ちゃん
【三人称】あの人
【セリフ例】
「君、マスター?」
「そう」
(『僕はヨハネス、司祭王ヨハネスって言うんだ。地球の皆んなにはプレスター・ジョンって名前の方が通りがいいかな?まぁいいや。これから仲良くしていこうね、マスターさん』って言いたいが言えない)
「もう言葉とか要らなくない?」
(『もう僕と君は主従関係で、言っちゃえばツーカーの仲なんだから言葉とかそういうのを乗り越えた運命共同体ってヤツだよね!』という意味。決して会話の拒絶という意味ではない)
「………あっち」
(「オマエどこの英霊だ?」という問いに対して。あっちとは地球の外側、外宇宙の事を指してるが圧倒的に言葉が足りてない)
「好きなもの?………ええと。ハンバーガーでしょ、あとピザも、ラーメンも好き。美味しいモノはみんな好き……かな」
「嫌いなもの?体重計」>>907
「八芒認証、突破(オール・グリーン)」
「王笏出力制限解除、システム起動まで残り3、2、1、───完了」
「一掃開始。『宙の光は、すべて星(バクルス・ルクス・ステッラエ)』」
【因縁キャラクター】
マルコ・ポーロ
『東方見聞録』にプレスター・ジョンについての記載があり、彼の旅の目的の一つにプレスター・ジョンの国の捜索があった。
何らかの方法で宇宙から飛来した『八芒遊星』に侵入し、セイバーと接触出来た唯一の人間。例によって誤解から喧嘩別れしたっきり。
チンギス・カアン(テムジン)
ヨーロッパ諸国がプレスター・ジョンだと誤解した王の一人。故国を蹂躙した仇敵だが、彼の軍勢にキリスト教徒も多く在籍していた事実もあってか、なんだか複雑な心境。
【製作者】
亥狛の人>>886
確認してみたらヨハネスとか象牙の塔とかウィジャとか諸々採用されとる…!!これはキャスター版司祭王を考えなくては産業革命聖杯戦争(仮)を覗いてみたらハイメがセイバーとして選ばれとるぅー!?
>>913
いえこちらこそさしでがましい事をして申し訳ないです…フリー設定の方が何かと動かしやすいのであればあまり無理して設定練るのも良くないですね。
とりあえずフリー設定のヨハネスはそのまま残しておきますので、好きに使っていただいて大丈夫です!終わる…うさぎ年が………うさぎ年が終わってしまう
その前にアレを出さねば……
>>909
なんかまたすごいのがきてる……プレスター・ジョンがこんなことになるなんて
こんな超怪しい出自なのにヒーロー属性なんだお星さまセイバー……もしや主役を張るタイプ?
表面上は口数少なく見えるからめちゃくちゃお喋りするマスターとかぶつけたいですね
>>913
あ、デポラさんデポラさん
当時のアードゥル家当主を作るならわりと好きにやってもらっても大丈夫です
私が絶対に出さなきゃいけないアードゥル関係者はあとルナのかーちゃんくらいなので、そこに影響が出ないならもう全然おっけーです
まあ剪定事象寄りとのことなので私がおっけー出してもあまり変わらないかもですが…最近はブラッシュアップが多い私です。wikiの編集は行なってませんが、ニムロドをブラッシュアップしました。
https://telegra.ph/ニムロド-12-09>>862
うーんこの妹可愛い、実に可愛い(大事な事なのでry)
いっそシリアスせずこのままずっと二人でよろしくやっててほしい…
>>874
まさに因果応報
己が使い潰し、弄んだ者の手で引導を渡されるとは見事なまでの悪役ぶりでした
あと何気に明かされた刻葉さんのスペックがヤバい(白目)
>>883
ジャーナリスト系英霊とはまた珍しい…と思ってたらピューリッツァー賞の由来になった人じゃないですか!
最早二重人格とも思えるレベルの二面性がすさまじい…。でもこういうキャラ嫌いじゃないです
>>909
何と言いますかその…色々すごい設定だぁ…
〇〇の皮をかぶった~パターンのサーヴァントは色々見てきましたが、このサーヴァントも相当に図抜けてて面白いです
そしてこういう無口系キャラが実は心中で饒舌になってるギャップ好き>>918
これは紛れもなく特A級サーヴァント…!本人の性格的にも決して扱いにくいタイプでもなさそうですし、魔力供給さえなんとかすればかなり高い確率で勝利に導いてくれそうですね。
>>917
とにかくコミュ力の高いマスターが求められそうではありますね、コミュ力…ウチのマスターは大体コミュ障…
>>920
刻葉ちゃんは兄貴とは比べ物にならないレベルの優秀な魔術師です。代償魔術の効率が兄貴と比べて数倍〜十数倍ですので、兄貴がどんだけ魔術師として二流かって話です。
そして司祭王については自分でもどうかと思うくらい独自設定マシマシですが、まあアッティラが宇宙産になる位ですから…ギリシャ神がロボになるくらいですから…>>922
是非とも紫式部の泰山解説祭が欲しいところですねぇ…一言足りないってレベルじゃない。しょぼしょぼになりながら私に関する物事は何かありましたかと
へフッ、へフゥ……。私に関することも何かありましたでしょうか。
ぐだぐだイベント終わるまで口を噤んでいようと思ったのですがまだ一週間あるのでイベントに関して触れないように顔を出した次第です。>>934
ですよね……ですよね!構造的に必要!それでいいんです!
まあ使うか使わないかで言えば絶対使いますよね
そうしない理由がないパンツ履いてない主従が自前のキャラで組めることに気づいてしまった、1回休み
>>924
タッパあるなら胸部装甲もあるよな……あるかも……とか思いながら描いてたのでそう言っていただけて嬉しいです
自分が本当に文が描けないので応援しています。続きも楽しみです>>939
wikiの方に置いてそのリンクを貼るって形ならたぶん大丈夫…ですよね?
実際そういうのがいくつかあったような…なかったような>>943
二次元ドリームノベルズとか読んでるとその点に関する勉強になります。(※俺個人の感想です)幻霊じゃないけどウチのサタンはサタン+堕天使ですね。
モリアーティがやってた幻霊の合体も手法というかは非公開だし、もうそこら辺はノリでやっちゃってもいい気がする>>942
ポルカさん「私がノーパンなのは毎回やるのが面倒くせぇからですわ。脱皮に性交に一々穿いたり脱いだり、手間が多すぎるにも程がありますっっての」
どっちもノーパンの理由は同じですね。オープンでもそんな気にしないのがポルカ、ちゃんと秘匿はするのが鳳蝶さんですそしてスレを建ててきました
承認お願いしまーすざっと振り返ったところ産業革命?の聖杯戦争でグローリアンとヴァンデル枢機卿が出るとか出ないとか
私に関する設定面でご質問あれば産業革命聖杯戦争に限らず他の方もどうぞどうぞ
>>928
なるほどなるほど………お待ちしております妖精の権能と童話に基づいた神秘を行使する童妖神秘(フェアリー・へクス)というのを思いついたが、じゃあ具体的にどんな術式使わせよ……で止まった。
童話だと三匹のこぶたとかうさぎとかめ、オズの魔法使い辺りは候補に入りそうだな……あ、それと冬の終わりっていうテーマの魔術なら島術さん作のアレクサンドル・ベロノソフくんがそういう魔術を使うのでそちらも参考になるかもです
全裸幼女が見たいのか……そっかぁ……。
>>980
そういう設定なら具体的な年齢はぼかしておくってどうです?
登場させるたびに「今のこの身体になってから○○歳」って言わせてトータルではわからなくさせるとかうちの桃夢とエイベルはそれぞれ『元々先祖返りのせいで遅かった体の成長が、自身のミスで打ち切られた』『竜種の心臓片を自分の心臓に移植して無限の魔力を得た代償で、若返ってしまった』って理由で見た目が子供のまま不老長寿になってしまった、という設定なんで参考にならなさそうッスね…。
リセットする度に魂が摩耗して寿命が縮むし、リセットの周期が短くなる。短くなるにつれて魔術を研鑽する時間が少なくなるから焦燥にかられる。
いつからか記憶も摩耗していってリセットした肉体の記憶と魂の記憶がごっちゃになって……まで妄想したうーむ、周期運動を繰り返すにつれて幼女から老婆への成長期間が短くなっていき、最終的には体型は幼女だけど容姿は老婆の歪な怪人になって何もできなくなる……とか?
魂の摩耗具合は少なくても限定的な、有限期間のある不死みたいな(老婆にはなるので不老ではない)>>990
刹那「世界最古に”鍵”が成立したのは紀元前2000年頃のエジプトなのだよイスマエル君!まーボクが寝始めたのは流石にそこまでおばあちゃん状態じゃ無いけどネ!……ぶっちゃけ当時の知り合いなんて誰もボクの事覚えてないんだし(死んだし)、どうでも良くない?大事なのは今日と未来だよ」>>992
そうですね。先ずは大まかなに作ってから詳細化した方が良さげ。>>994
となると、こっちも『聖杯惑星』での桃夢のセリフを一箇所変更せんと。(臓硯の出身地に関して『ロシアの辺り』と言ってる)おわあスレが…スレが…!今更ですが埋めと共に感想失礼致します…
>>384(山星さんの聖杯戦争)
内にも外にもいろんな権力が絡み合ってきてる…アインさんの対外への強さとお姉さんへの弱さのギャップが妖精異聞の時のカリスマな彼とはまた違った側面を呈していて、キャラの深みを感じますね
そして全員が全員秘め事持ちの綾姫家。ここに来て年齢的な方面でもサプライズが…霊地協約の行く末もそうですが、それ以上に夫妻のなれそめも気になって来ちゃいますね、これは。
あとこの感じ、ソルシュクラインはツユちゃんが時計塔出奔者なのか?とかルフくんにも何かあるよな?とか…ペルソナは家族だけじゃない…?
>>294(黒鹿さんハロウィン)
ひえー!?こ、こんな素晴らしいSSリアタイ出来てなかったのか私は…!あまりにも甘酸っぱくて良い…ほたるちゃんの純粋さがしみます…カステラ!何が危なかったんだお前ぇ!
二人の関係が良すぎて私消え入りそうです…ありがとうございます…年始年末でまた何か書きたくなって来ちゃったよ…船全体でも何かしたい…
>>446(ツタンカーメンくん)
願いが切なすぎる抑止の守護者…やはり守護者制度は悪い文明なのでは…?
ツタンカーメンって名前と仮面だけの知識だったのですが、御父様がそんなトンデモ案件もちだったとは。どこかの聖杯戦争か、はたまた異聞帯かで父君との決着を演じることになりそう…キービジュ適性が高い…
>>831
好きなものを食べるとき、人間はみなこの世で一番の幸せを感じられるのです…寒い日の温かい飲み物は特に…
一年生のみんなは全体的に体温高そうでくっついてるだけで暖が取れそうですよね。わちゃわちゃしててほしい…でもロックくんは装備の冬仕様化を望みたいところです続き
>>515(亥狛さんマルコ・ポーロさん)
ビッグネーム来ちゃった!ニッポンLoveなのにクビライ帝の庇護の影響で日本に行けないの結構不憫…でも本人が割と楽しんでそうだから大丈夫なのかな…?
ツッコミの出来るマスターと組んで振り回して欲しいですね、敵マスターの美人お姉さんに食いついて怒鳴られててほしい…コメディリリーフではありますけど冒険者として最後には前を向かせてくれそうなのも西洋人に東方へのロマンを懐かせた者にぴったりで素敵…
>>909(ヨハネスさん)
フリー設定のトンデモ・プレスター・ジョンがついに形を得て…!口下手だけど確かな正義感があって夢マシマシな宝具で…これは主人公適性◎なお人ですね!
個人的に好きなものが押し並べてアメリカンでジャンキーなの好きです。体重計デバフはしっかり食らうのも好き。自鱒だとレッドアなんかと組ませたいな…
>>874(東鬨聖杯戦争)
因縁の終結が物語の終わりを感じる…と思ったらもう一波乱!?聖杯はいつでもどこでも碌な事態になりませんね…暴走まで始めるとは。ガレスさんが聖槍を振るいながら自分自身は承認しないところが彼女という英雄の有り様が見える…輝かしい…
散々暗躍と暴挙を繰り返してきた麗奈さんもまさしく因果応報というか、最期まで悪役たる彼女でしたね。仇を討てた詩譚さんといい、魔剣から記憶が流れ込んできたのも兄妹の縁があったからか…やはり因果は巡るもの…巡ることが出来て良かった、と言えますね
>>764(火村さん明治聖杯戦争)
どの陣営にも独特のドラマが展開されるのが感じられて強い…目が離せないとはまさにこのこと…えっこの聖杯戦争は予告までなのですか?ソンナー!それくらい続きを欲したくなる聖杯戦争です…白虎隊で生き残ってしまった黒野さんも何か厭な予感を覚えてしまいながらも何とか助かって欲しい文遠さんも暗躍する気満々なエリザヴェータさんも気になってしまってしょうがない…
そして阿弖流為をお借りくださってありがとうございます!そうか、護りたいものがある繋がりの主従なのか…そして結末…史実マスターならではの妙味ってやはりありますよね。明かされないのもまた一つの趣…続きver.2
>>806(アリウムさん別部さん)
淡路廃帝「懐かしい…?…いや、違うな。私はお前を知らない。お前も私を知らない。そのはずだ…」
まさかの穢麻呂ピックアップで異星の神の使徒アレンジとは…恐れ入りました。というか調べてみたら別部さんと淳仁天皇って同年生まれなんですね。面白い…属性は混沌なんですね。確かに天皇のご意向に反するというのは秩序側の善属性ではないか…献身極めてますねコレは
称徳天皇の名義変更にモルガン陛下の着名を見出す発想はなかった…別部さんについて掘り下げられる章が見たくなる…とてもセンシティブな内容ではあれどあの時代は平安などとはまた別な面白さがあるのですよね…
>>835
ブロッケンさんはブロッケン以外にもいろんな概念を複合しているので、魔術的に学ぶところも多いかも…性格的には少し合わないところもありそうですが、変に仲良くなると地雷半踏み状態になるしこれぐらいがちょうど良い、とも
他が低彩度で円環の部分だけ虹色カラフルっていう取り合わせがとても絵になるな、とかも考えました。ブロッケンさんデザインが強い…
>>883(あやかさんジョゼフ・ピューリッツァーさん)
とてもピーキーで賑やかしに適したキャスター…キャスタークラスって結構ナレーターになれる人が多いですねって。彼の場合一幕ごとにこれまでのあらすじを報じる新聞の一面がバン!って出てくる演出とかありそう。Fateの方でナレーターやってたキャスターたちともまた違ったナレーションになりそうなのが良いですね。
内面にちょっとしたひねりがあったりするのもストーリー性が生まれてきて、彼自身も物語の一員として動く力を持っていて、ウィットに富んだやりとりもありそう。無辜の怪物もちというのもあってテレータとかは好きじゃない…かも>>996
読んでもらえるときを今か今かとお待ちしておりました
カステラくんいざ書き始めると印象が変わりつつも馴染みましてね…書き終わるころには「オマエ…イイヤツ…」ってなりましたとも
なにが危なかったかっていうと、そりゃあ、ええ へへっ
実は御父様というか私作アクエンアテンも考えてはいるのでどっかで出したいですね
エジプト異聞帯とかも楽しそうだなぁ…>>998
そっか、ブンヤだから『これまでのFGO』なんて感じにストーリー解説役としても機能してくれるんだった。
内面に捻りを入れたのは、調べるうちに「志は真っ当だけど、当人はそんなに高潔な人物じゃなくね?」って疑念が湧いたからですね。
1000なら鯖&鱒のデスグルメ(マズメシ、マーダー飯、その合体版)物語。
聖杯大会運営本部【リレー相談・雑談】#225
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