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聖杯大会本戦統合スレNO.5
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ラフム語翻訳機 https://yt8492.github.io/RafmanTranslatorあげまっせ
とりあえず叛鎖プロローグ3話上げていいですか?
よし行きますよ
ちょっとずつストーリーのギア上げていきますprologue-3 模擬戦と好敵手
凌牙がマレオに意味深な言葉を掛けられてから数日後。
今日も、放課後の集積船は生徒達で賑わっていた。
食堂に行こうとする者、勉強しようとする者、友人と遊ぼうとする者。多種多様な行動をせんとする者達で廊下はごった返していた。
そんな中を、一人の少女が歩いていた。
彼女は一条海月。集積船の2年生であり、メロという特殊な生まれの奇妙な使い魔を相棒に持っている青髪の少女である。
『海月さん!』
「あ、ムジカちゃん!」
「ぷにゅう!!」
海月は、突如聞こえた電子音声の声に振り返って手を振る。
その目線の先には、セミショートの金髪に眼鏡を掛けた少女がいた。
彼女はムジカ・スフィーリス。先祖にいたセイレーンの影響で、その声に特殊な魔力が否応なく入る体質となってしまい、それを改善する為に集積船に編入した少女である。
「ぷにゃー!!」
『あっ…!!』
と、海月の肩から何かがムジカに飛び移る。
勢いよくムジカの肩に飛び乗ったそれは、スライムの様なナマモノの様な、よく分からん見た目をしてるけど可愛い生物の見た目をしていた。たて乙です。
前スレ1000的の話題を流すとしたら、各リレーの状況はそろそろ進めていった方がいいよね感はありますよね。
まぁ参加メンバーのリアルとかも考えるとで中々上手く行かない所ではありますがそれでもと言うか。>>7
海の神秘を求める秘海集積船には、あらゆる組織、あらゆる人間が存在する。
その中に所属する者は多種多様な目的を持つが、やはり最も多い目的は根源への到達だろう。
根源。それは魔術師であれば誰しもが求め、渇望する物。魔術を追い求め究めた先にあるという、この世のあらゆる物の始まりであり終わり。
それを求める者達は、この船にも少なくない。
そして、魔術師に、特に神秘を目指さんとする者に必要なのは、ただ根源を目指す事だけではない。
魔術の練度、そして戦闘力。
これは、調査隊を志す、即ち根源を目指す者の集う調査科で求められる物でもある。
そして、この船で特に戦闘力を求められる組織は、調査隊だけではない。
ワイルドハント騎士団。
仔細を知る者は少ない存在である"船長"の命令を直接受け取る唯一の組織であり、『船』全体の治安維持と外敵の駆除を目的として動く治安維持組織。
そして、それを志す者達の集う学園の調査科。
そんな、船において実戦能力を求められるが実戦を鍛える場所。
それが集積船中層に存在する訓練室である。>>9
第一訓練室から第三訓練室までは、それぞれ調査隊、ワイルドハント騎士団、学園の調査科の管轄となっている為に平時に関係者が入る事は不可能であり、第四以降の部屋は職員に許可を取る事で使う事ができるといった仕組みである。
ポニーテールの少女は、第五訓練室のドアをノックする。
「ジャスミンちゃん、入るよー。」
「はーい。」
ドアの奥から親友の声が聞こえたのを確認すると、海月は部屋のドアを開く。
その部屋はコンクリートの様な物に囲まれた正方形状の部屋で、周囲の柱以外に装飾といった装飾は見当たらない。
正に、戦闘訓練の為にある部屋と言って問題ない部屋であると言って問題ないだろう。
その中央に座って、人形を調整している眼鏡の少女の元に海月は駆け寄る。
その少女は、ジャスミン・アドレーヌ。
秘海集積船の学園に所属する、生活科の天才。
人形魔術の使い手であり、まだ学生でありながら、彼女の作り出した人形は船内のあらゆる所で散見されている程の完成度を誇る。
「ジャスミンちゃん、人形の調子はどう?」
「問題ないわ。久々の模擬戦だし、念入りに調整もしといたからね。」
「ぷにゅぷにゅ!!」
「そういえば凌牙君に勝負仕掛けられたの、これで4回目だっけ?」
「そうね。」
海月の質問に、ジャスミンは頷いた。>>10
砕城凌牙とジャスミン・アドレーヌ。純粋な戦闘センスの高さと、人形魔術の練度と万能さという違いこそあるが、この二人は学園の中でもかなりの強者である。
そして、集積船で定期的に行われる戦闘のトーナメントにおいてこの二人は激突した事がある。
詳しく話すと長くなるが、凌牙はトーナメントの死闘に於いてジャスミンに敗北を喫したのである。そして、その死闘の後に何度か会話を交わした事によって、不良と天才、逆の立場の筈の二人は互いを認め合う仲となったのであった。
そしてその後、凌牙はジャスミンに定期的に決闘を申し込む様になった。現に今からも此処、第五訓練室で決闘する約束になっている。
「それにしても、凌牙君って意外と負けず嫌いだよね…」
「ぷにゅにゅ」
「普段は悪人ぶっているけど、本当は優しいものね。それに…」
「それに?」
「恐らく、彼も…」
その時、ドアの開く音が聞こえた。
「…よう。…悪い、ちょっと遅くなった。」
「ん、噂をすれば凌牙君…」
「失礼しまーす!!こんちわっすジャスミンさ〜んっ!!」
「げっ」
期せずして、海月の口から低い声が漏れ出た。
ドアの方を向くと、二人の男がこっちに歩いてくる様が確認できた。
一人は、先程から話題に上がっていた男である砕城凌牙。腕や学ランに鎖を携帯しており、既に準備は万端といった所か。
そして、もう一人は…>>11
「ちわ〜ッスジャスミンさんに一条さん!!決闘するって聞いたんで暇潰しがてら野次馬に来ました〜っ!!」
軽く高いテンションと声色が、派手なファッションをしたチャラい格好の青年から出る。
この青年は日々滓衒。通称カステラ。
集積船2年で海月と同期であり、常に高いテンションかつ、煽る様に聞こえなくもない敬語口調で話す青年である。とはいえこの4人の中では22歳と、最も年齢が高かったりするのだが。
「いや〜、ジャスミンさんとリョーガ先輩のカードが見られると風の噂で聞いたんで放送のネタ…いや面白い物見れるな〜って思ってリョーガ先輩に無理言って着いてきました〜!!」
「本音隠せてないよカステラ君」
「ぷにゅにゅ」
「いいじゃないですか観戦しても〜。お二人の戦いは見てて飽きませんし、特にジャスミンさんの華麗な人形捌きは凄い見惚れちゃいますしー。」
「いいわよ?ただ、放送局とかで広めるのは控えてくれると助かるけど…」
「考えときま〜す。あ、そうだジャスミンさーん!!その試合終わったらオレとディナーとかどうです…」
「メロ、GO。」
「ぷにゅ!!」>>12
海月が指を鳴らした瞬間、メロはジャンプしてカステラの両腕に跳ぶ。そしてゼリー状の身体が変形し、カステラの両腕を手錠の様に軽く封じる形となった。
「えっ、ちょっと何するんですか一条さ〜ん!!オレはただジャスミンさんとデートしたかっただけなのに〜!!」
「そういう事だと思ってた…今日は皆で女子会っていう先約あるから。はーいじゃあそろそろ始まるし端っこ行くよカステラ君。」
「え、ちょっと何で一条さんが言うんですか〜!!オレまだ本人からの確認取れてないですよ〜!?あと腕が重いんですがメロさんって意外と…」
「ぶにゃるあああ!!」
「ちょっと何締め付けてんすかメロさぁん!?待ってくださいまだ話は」
「じゃあ私達端っこ行くから。二人共頑張ってねー。」
「はーい。」
海月は手を振りながらズルズルとカステラを引っ張って端に行った。普段はかなり面倒見が良くて優しい海月であるが、一人修学旅行の夜のカステラやフリーダム海神マレオ等を相手にする時は割と対応が雑になったりする事があるのである。
準備運動をしながらそれを呆れた顔で眺めていた凌牙が、ジャスミンに向かって口を開いた。
「…てめえも大変なんだな。」
「何の話?」
「いや、何でもねえ…」
「?」
「……ところで、そろそろ良いか?」
「ええ。いつでも行けるわよ?」>>13
腕をポキポキ鳴らしながら聞いた凌牙の質問に、ジャスミンは応えた。
「じゃあ…始めるか。」
「勿論…!!」
突如、それまで気の抜けていた二人の表情が一変する。
凌牙は激しい闘気が混ざった好戦的な笑みを浮かべ、ジャスミンは冷静でありながら余裕のある不敵な表情となる。
「…悪いな、ジャスミン。今日こそてめえの自慢の人形、全部叩き潰して勝たせてもらうぜ。」
「こっちの台詞よ。…今の所、こっちが全戦全勝って事を忘れてないかしら?」
「だからそれを今日ブッ壊すって言ってんだよ。」
「へえ…それなら。」
「やってやるよ…!!」
「やってみなさいよ!!」
突如、凌牙の周囲の空気がバチバチと音を立て始める。
「…行くぞ。」
それと同時に、凌牙の拳と、身に纏っている鉄球付きの鎖達から電気が迸る。
「叫べ(シャウト)。轟け(ロアー)。倒せ(ビート)!!」>>14
詠唱し、両の拳をぶつけ合う。その瞬間、拳と鎖に激しい電磁気が集約されていく。
磁気を纏い、空中に浮かぶ鉄球の元にも電磁気が集約されていき、纏まった電気が拳の如き形となる。
「雷鉄魔術(アイアンライオット)、起動(ロード)ッッッッ!!」
「やっぱり凄い圧ね…なら、こっちも!!」
ピリっとする圧を感じたジャスミンは、青の眼鏡を外す。
同時に、ペットボトル大程の瓶を大量に放り投げる。
「———libération。」
ジャスミンが静かに呟くと同時に、瓶が地面にぶつかり割れる。
その各々の残骸より、人の形をした人形達が現れる。
「さあ…行くわよ。」
「ぷにゃあ…」
「うへえ、両者共えげつない殺気ー!!こりゃ近寄るのも怖いですねえ。」
「うん。二人共、学園の中では指折りの実力者だからね。…どっちかが倒れるまでやる訳じゃないとはいえ、かなりの死闘になると思う。」
「え、ちょっと待ってくださーい。倒れるまでって…そこまでやった事が?」
「うん。本気でやり過ぎて貸し出し時間超過した上に二人共かなりダメージ負ったからレリックさんとニコレットさんに凄い怒られてて、それからガチすぎない程度って事でルールと上限を決める様になったの。」
「うへえ…で、そのルールって?」>>15
「勝利条件みたいな感じ。凌牙君はジャスミンちゃんの用意した人形を全員撃破したら勝ち。ジャスミンちゃんは凌牙君の持ってる鎖の礼装を予備含めて15本を全て破壊したら勝ちっていうルール。ゲームみたいで分かりやすいよね。」
「成程…結構フェアな気もしますね。」
「うん。…でも、上限があるとは言っても。……この模擬戦が、凄い激しい物になるって事は変わらないから。」
「ですねえ。じゃあオレリョーガ先輩が勝つに2000円賭けまーす!!」
「…賭けないしツッコまないから。」
「ぷにゅにゅ」
そんなどこか軽いやりとりを交わしながら、2人(と1匹)は中央を見る。
片や、電磁気と格闘を操る闘士。
片や、無数の人形を操る魔術師。
「行くぞ…!!」
「来なさい…!!」
二人の決闘が、今始まろうとしていた。今のうちにお伝えしときますと叛鎖は結構ユージーンさんに監修というか相談乗ったりしてもらってます。
裏ページで話盛り上がった縁でストーリーとか話したら相談乗ってくれたんですが、それ故に次回からの戦闘ではジャスミンちゃんの初出の人形とかを使ったりします。いや本当ありがとうございます…
あと何とは言えないんですが、いい意味での大誤算というか「本当にこの設定使っちゃっていいんですか!?マジで!?」的な物もあったりしますのでお楽しみに
あと今回観戦側にムジカちゃんも入れようか迷ったんですがムジカちゃんは傷付くの観たくないって話だったのでやめときました。
>>4
これまた汎用性がエグそうな画像っすね…
保存しました
>>18
カステラさんの年齢勘違いしてた…すいません…!!(土下座)
アレですね、やっぱりプロローグである程度戦闘シーンとかを見せた方が良いかなって思ってどうしようか迷った時にやっぱ安定のジャスミン対凌牙かなって結論になりました。二人共今回かなり戦いますし前のリレーで少し反省とか心残りもあったんでチュートリアル戦としては丁度いいなって思ったんです。
カステラ君は海月ちゃんがカステラ君に雑な対応してるのを書きたかったってのと解説役が欲しかったっていう理由で採用しました。
カステラ君は日常パートで結構出そうと思ってます!>>19
全然気にしないで大丈夫ですよ、いきなり投下した俺も悪いと思うんで
そうですね、確かに今回のストーリーで凌牙君達にヤバい事が起きはするんですがまだ大丈夫です。
船が停泊地に着いて停泊期間始まるまでは平和なのでまだ安心というか気を抜いてて大丈夫だと思います。>>20
いえいえお気になさらず、結局最年長であることには変わらないですので…(今のところ唯一の20代生徒)(多分普通に高校卒業後乗船したクチ)
おそらく現在の学園関係者内で一番騒がしいヤツですからねぇ、日常パートでのご贔屓のほど何卒宜しく…あ、建て乙です
言い忘れてた>>23
アレです、数の利もあるんですが凌牙は基本的に攻撃手段が近接っていうかジョジョでいう近距離パワー型みたいに射程距離入らないと色々な攻撃手段を使えないっていう点があるんです
あとはジャスミンちゃんが全体的にバランス取れてるってのもあって結構一枚上手みたいになってる感じです
>>24
ごめんなさい…
ただ、一応弁明させてもらいますと増やそうとしてるっていうか固まってないアイデアを「こんなん良くね?」みたいに言ってるって感じで本当に出そうと思った時はしっかりスレで黒鹿さん達に相談しようと思ってました
例えば船のメンツで生徒vs騎士団の模擬戦アリじゃねってのも提案しようかなとは思ってましたし
あと割と今後の凌牙君絡みとかジャスミンちゃん絡みの話とか互いの未登場キャラの話もしてるのでどこまで言っていいのかなって部分はあったんです
ただ仰ってる事は尤もですし本当に申し訳ないと思うんで出せる設定は共有していきたいなって思います
気を付けます>>17
>>20
おお、ムジカが出てる!ありがとうございますー!
凌牙くんとジャスミンちゃんの関係も思いの外心置きなくというか、胸襟を開いてぶつかり合える間柄になってるの良い…
あ、それとこちらは私からいくつかの指摘点ですが
・ムジカは日本人相手には基本カタカナ呼びで会話します(例:一条海月:ミツキちゃん、イチジョウさん)。
・ムジカに決闘見せるのはNG?:いえ、船での模擬戦などイベント毎におけるぶつかり合いの範疇ならOKです。『誰かor自分を守るため、もしくは事件や揉め事といった荒事に関わっていく』というのが引っ掛かります
この辺は自分の記述不足もあったので、後程wikiの個人ページに追記しておきますね今更ながら船メンツの相棒ポケモンと使うタイプを晒しまする
トワ:アローラキュウコン(フェアリーかこおりタイプ)
レリック:クレッフィ(はがねタイプ)
夕ウタ:フワライド(ひこうタイプ)
麟ノ助:ネイティオ(エスパータイプ)
カステラ:ロトム(ゴーストタイプ)
ヴィルレイ:ペンドラー(むしタイプ)
あと夕ウタはウッウ、カステラは色違いシャンデラとズガドーンもいる。夕ウタは杖とか猫袋をよく食われてる前スレで言っていたホテル聖杯戦争の続きを投下してもよろしいでしょうか?
黒くなったので投下します〜
【あらすじ】
主なあらすじはずっと一緒なので前略(気になる方はwikiの『Fate/Agnostic Sphere』へ)!
怪我人の救助をしていたバーサーカー陣営に匿われた少女、田津方阿奈は覚醒。お腹ぺこぺこな状態なのを良いことにベアトリーチェ・チェンチを連れて談話室を離れ食堂へ向かった。
そして少し時の経った頃…◇遊糸 正三────2階談話室
うららかな日差しを受けながら、静かに過ぎゆく昼下がり。レースカーテンを透かして書類や器具に黄金が落ちかかり、ほのぼのとした色に診察室は包まれている。
牧歌的、いやむしろ叙情的とも呼べよう、それほどまでにこの空間を流れる万物がにこやかで和やかだ。そしてそれは、この病院の主である二人にも言える。
「ねえ、正三さん」
真っ直ぐに伸びる黒髪を一つに結んだ、優しさという言葉が意味する全ての概念を持って生まれたような女性が、ゆったりと書類に目を通す男性に向かって声をかける。
「なんだい、準子さん」
そう答えた男性の面立ちそのものは、従事している職業故かやや張り詰めたものがある。しかしその表情からは厳格な印象を与える要素が一切なく、準子と呼ばれた女性と同じようにゆったりとした笑いを書類から目を離して見せる。
二人は数ヶ月ほど前に結婚をし、夫婦で病院を細々と営みながら静かな生活を共にしてきた。今では、準子のお腹には二人の子供が宿っている。
準子は最近は赤ん坊の話を頻りににする。その時の幸せそうな笑顔を見ると、正三も心の底から喜びが湧く。患者への、他人に対する感情ではなく、真に当人としての言いようのない幸福感が溢れ出てくる。だから彼は、妻のこれから話すであろう内容をあらかた察しながらも、それを楽しみにしていた。>>31
「昨日ね、赤ちゃんがお腹を蹴ったようなのよ」
「あぁ、それは元気いっぱいだね。痛くはなかった?」
「ぜんぜん。むしろ私まで元気が出たの。もうすぐ会えるんだなって思うと、やっぱりお互いうずうずしちゃうのね」
七ヶ月にもなって母子共に健康なのは素晴らしいことである。身体的以上に精神的に健全でいるのは特に素晴らしい。そんな正三のある種事務的な思考など準子は知る由もなく、もう随分大きくなったお腹を愛おしげに眺めている。
正三は、斯く言う妻のお腹の中の赤ん坊が蹴る瞬間というのを経験したことがない。自分の前では赤ん坊は全く身じろぎ一つしない。性別は女だというから、もう既に父親と母親の違いというものを判別しているのかもしれない。寂しいと思う反面、そんな親馬鹿な発想も懐くほどには、彼も赤ん坊との対面にうずうずとしていた。
「そろそろ名前、考えようかしら」
「名前かあ。あまり悪目立ちしないようにしないと。素敵な名前も多いけれど、それでも浮いては欲しくないね」
「でも、私たちが注げるだけの愛情を注いで、それでつけたいわ」
近頃の夫妻の会話といえば、ずっとこの話題だった。いつも、どちらともなくこんな風に始めて、互いの意志を確認する。するだけで、それ以降は何も進まない。それがいかにも心地よい。
だが、そろそろ本腰を入れて考えるべきである。そう改めて正三は考えて、思索するためとも単純に微笑みの一環とも取れる細めた瞼を開いて、黙って妻の姿を見つめた。
母と、子。その関係は同じ親子でも父と子とは異なった趣を持つ。この微妙な感覚は母親よりも父親の方が鋭敏に知覚するだろう。疎外感、などと称するとひねくれた感じがするが、ある意味でそれにも近しくある感覚だ。
けれども同時に、それは至極当然の感覚であって、そしていくらその感覚を懐いたところで侵しようのないほどの灝気が母親と子との間に詰まっているような気もした。
それは何にも増して尊いものである。不可侵で、純真で、どこまでも優しい。父親と子との間にそれがないとは言わないが、母子のそれは父子のものよりどうしようもなく濃く力強い。その尊さには力強さすらあった。>>32
何が違うのか、というよりも、何が足りないのか。或いは、何を母子は持っているのか。それを思案した時、職業柄によってか正三はエコーの映像が瞼の裏に映った。そこで見える胎児からの糸は、母と子とを繋ぐ何よりも丈夫な糸だ。切れたとしても切れ得ぬ糸だ。
「緒、という字を入れたいな」
思わぬ端から口をついてそんな言葉が出た。いつまでも終着しない取り止めもないものであったはずの会話がこの時初めて進展した。
この談話が進展しないものだと思っていた準子は急な展開に一瞬ひどく驚いたものの、正三の短い発言からの彼の妻子への畏敬の形にもなるような愛情を感じ取り、
「なら、正三さんの三と一緒にして三緒なんてどうかしら」
彼女もまた、自然と溢れたようにそう呟いて、そのあと小さく微笑みかけた。
正三の方はというと、予想外の提案に驚き以上に気恥ずかしさがやってきて、何事も返せず苦笑をした。それじゃ準子さんの字がないじゃないか、とでも返そうと頭の中では考えていたのに、準子が自分の他愛無い考案に賛同してくれたことが嬉しくて、ただ笑うしか出来なかった。
二人には、否、三人には未来がある。この日のように穏やかで緩やかな黄金色の将来があって、それを二人は望んでいて、それを守っていこうと正三は決意した。母子を守り、支え、助けるのが父親というものなのだから。
陽光は次第に斜陽へと変わっていき、それと共に眩しくなっていく。金属製の器具の照り返しが室内で乱反射する。影が差して、準子の黒髪が光と混じり合いより黒々と流れていく。彼女の顔は影によってよりくっきりと凹凸を描いた。>>34
ボンボン時計の鐘が鳴る。だがその音は経年によってか名前のような音ではなく、鈍い空間を押さえつけるようなブーン、というものであった。
あぁ、寝てしまっていた。今は何時だろう、と夢うつつな自分を起こし時計を見ようとして顔を上げる。瞬間、自分が置かれた現状が思い出され、次いで異常が飛び込み、眠気は押し並べて雲散霧消した。
「……バーサーカー?」
彼女の、バーサーカーの姿がない。どころか、救助して手当てをして、安静にさせていた田津方さんが横になっていたはずのベッド代わりの机の上にも誰もいない。
呼べば数刻の暇もなく返事があるはずなのに、それもない。ということは、バーサーカーは今ここにはいない。
単純な事実。しかし経緯も原因もまるで把握できない。疑うべきところがわからず、理由もわからず、消息もわからず、ただ結果だけが正三の前に無慈悲に聳立している。
襲撃があった?それならば自分だって気づくはずだ。いや、暗.殺者のサーヴァントならば隠密行動も可能だという。ならばそれか。それが、二人を攫った?しかしそれならバーサーカーが自分を呼ぶだろう。何よりも、勝利を目指すならマスターである正三を真っ先に殺.すだろう。わざわざ自分以外の二人を攫う理由は?
それとも、と別な思案をし、途端に背筋に波打つような寒気が走った。
まさか─────“見つかってしまった”?>>35
いや、いや、そんなはずはない。そんなことはあり得ない。あり得ようはずがない…しかし、しかし。しかし、もし見つかったのなら、そうなれば。その後の想像は、正三の心臓を掴み上げて、五里暗々たる闇の只中へ放るような非情な蛮行を為すに足る威力があった。
足が震え、おぼつかず、絡まり、崩れ落ちそうになるのを無理に立たせ、否、倒れても椅子などを支えに鞄を手繰り寄せる。化け物騒ぎの中で、なんとかここまで持ってきた。中には個人情報を示すものと、医療器具とが入っている。
瞬きも一度すらできず、目を見張って鞄を乱暴に開けて漁る。手に触れたものをやたらめったらに取り出しては戻すことを惜しんで床に放り出し、またまさぐる。そして、どんどん軽くなっていき、何も入っていない状態の鞄の底を見て、思い出す。
そうだ。私はもう止めたんだ。止めたんだから、アレが見つかるはずもない。持ってきていないんだから。ないものを見つけられるわけがない。
安堵と、恐怖が振り切れたことからの一種の愉快さと、けれども残る不安とが心中で入り乱れて、口角が上がりながらも奥歯がしきりにガタガタと鳴る。力が抜け、へたり込みそうになって、と同時に電流が流れるように緊張が全身を巡り、中腰のような半端な姿勢になる。
なら、見つけていないのなら、彼女たちは何処に?当然の疑問だ。そこで、先の思考が昂じる。暗殺者の襲撃。そして、今度は先より一層恐ろしい考えが加わった。
もしか、相手は自分ではなく田津方さんがバーサーカーのマスターだと誤認したのでは。あり得ないと思うが、あり得る話でもある。正三は手袋をつけていて、田津方さんもまた手袋をつけていた。ホテルのスタッフは手袋までもが制服なようだ。とすれば、令呪の有無など一見して判断できない。>>36
よりあり得て、より悪趣味なこととすれば、人質のようにして、こちらに何か無謀なことを要求してくる、ということも考えられる。それこそ、マスターを自害させようとしたり、令呪を使わせてバーサーカーを自害させたり…
そこまで考えると、動かぬわけにはいかなかった。何があったとしても、少なくともここで待っていて事態が好転するとは思えない。何が起こったっておかしくないホテルだ、自分が出来る対策は、何かが起こる前に動くしかない。
自分が守るしかない、と己を奮い立たせると共に、どうか守ってくださいと神にも祈るような心地であった。半ば脅迫のような懇願でもあった。
どうか、どうか、今度こそ守ってください。助けてください。もう見捨てないでください。私はもう何もしていないから。何もしていない人間から、何かを二度も奪うなんてことしないでください。私の罪ならば、私こそが罰を蒙るべきだから、>>38
◇紺瀬 研二
─────パァン、と軽い音が、手元の拳銃から響いた。
その音で、研二は我に返った。眼前の一つの情景が彼の混濁した意識を調弄う。夢から叩き起こされたような気色であったが、まるで夢から悪夢へ墜落してきたようだ。
ひとりの男の身体が、床に伏せている。もう体温はないだろう肌は、それでも滔々と流れ出る血に濡れて土気色が赤みを帯びていっている。
研二は、慌てて拳銃を睨んだ。拳銃には実弾が詰まっていた。銃口からは焦げ臭い硝煙のにおいがまだ微かにする。そしてそこで、自分の手や腕にも男の血が飛んでいたことに気づき、激しい吐き気が込み上げてきた。
嘔吐く。嘔吐く。喉が渇いて炎症を起こしたようにヒリヒリ痛む。その拍子に、目の端から涙が流れて頬にかかった髪を伝った。
やり切れない怒りと混乱と理解不能な事象への焦燥と恐怖と、そして、最も理解しきれないが、最も色濃くある────引き金をひいた時の、感じてはならない興奮が脳内に雑居する。今すぐにでも投げ捨てたいのに、震えているのに、手は銃の柄をずっと握りしめて離れない。
こんなつもりじゃなかったのに、という言葉が浮かぶが、果たして自分は今までどんなつもりでいたのかがまるで思い出せず、否定も肯定もできない。因果の因の部分がぽっかりと穴を開けていて、そこをいくら覗いてもその先の果しか見えずにいる。
「逃げないと」
無機質な、冷徹な自分の声色にゾクリと身の毛がよだつ。不慮の殺人者とは皆こういう心理になるのだろうか、研二は轢き逃げの加害者のように脇目も振らずに踵を返して、全速力で死体の前から逃げ出した。
この殺人の光景の目撃者は誰もいない。拳銃を持って逃げる研二の姿を、その正気とは思えぬ面差しを、ただ白い、白く丸い月だけが、静謐に眺めやっていた。プロローグ4話とりあえず3日以内には完成しそうかな…
>>27
はい、ムジカちゃん出させていただきましたー。
凌牙君とジャスミンちゃんは結構死闘したり関わったりした縁でそこそこ仲は良くなっている感じです。
凌牙君からジャスミンちゃんへの感情とかとしては
・最初の頃は自分とは住む世界の違う天才のお嬢様だと思っていたが、彼女も色々あったり何かを抱えてるけど前を向いてる奴だって知ってからは少し心が通じ合った
・船で今まで戦った生徒の中でも数少ない、一度も勝利した事のない相手なので実力は認めながらも絶対いつかブッ倒すって思ってる
・深く関わりすぎない様にはしているが、それでも結構関係としてはかなり仲良いって感じ
みたいな感じです。
ムジカちゃんの件は修正しときます、見落としてて本当にすいません…あと観戦OKって事ならもしかしたら用事入って観戦入るの遅れたみたいな感じで次回観戦側にねじ込むかもです。
>>40
!?
ちょっと待って情報量が多い…!!
正三さんが…死んだ?んで撃ったのが研二くん?
ちょっと待ってください、考察ですけどもしかして3xdykjrqー:yd@hyq@zqldjr?ビオランテのこそこそ話
声の仕事一本でいきたいけど、まだまだ駆け出しなので事務所に説得されて顔出しの仕事(ドラマや舞台に出演、撮影モデル等)も渋々受ける。スレ立ておつです……今週~来週急にいそが死……
>>52
なんか、厨房組以外はみんな私服で好きにしてる印象があります。
就職組第1号(香港)に転職希望者(スペイン)、外部協力者その2(アメリカ)と、結構縁のあるキャラを作ってきたなぁ。『船』のワイルドハント騎士団についての項目で更新し忘れてた追記分があるんですが、改めて問題ないか見てもらっていいですかー?
黒くなったのでぽいぽい
ワイルドハント騎士団
各グループからメンバーを選りすぐって作られた屈指の戦闘力を誇る治安維持組織。生活管理局に属していたが、『風紀班』から変化した際に独立している。
"船長"の命令を直接受け取る唯一の組織であり、『船』全体の治安維持と外敵の駆除を目的として動く。
航海総括局、生活管理局、調査隊の三つの組織が争いを起こした時の抑止力としての側面を持つ。
独自の判断で動くことが許されており他組織の影響も一切受けない。彼らの活動は"船長"の命令のみが介入できる。
選出されるメンバーは大きく分けて二種類存在する。
一つは騎士団長、もしくは騎士団のメンバーからスカウトされた者。組織の行動理念通り治安維持に尽力する者たち。表向きの団員とは彼らを刺す。
もう一つは船長から直接指名を受けた者。ただしこちらは治安維持そのものを目的とせず『船』の存続のため力を貸している協力者、という側面が強い。通常の船員に知られず暗躍する彼らを裏向きの団員とする。
自ら志願して入団する者もいるが、その場合は船長と騎士団長の二名から実力と適性を認められなくてはならない。
複数回にわたって問題を起こす船員はワイルドハント騎士団から『特別監視対象』として顔を覚えられる。
程度によって第三級、第二級、第一級、と分かれ数字が低いほど監視対象としての重要度は上がる。なお、この情報は一般には公開されていない。>>59
『第三級特別監視対象』
個人レベルでの問題を複数回起こし悪い意味で顔を覚えられるようになった問題児として注目される。
最も該当者が多く、場合によっては学生でも該当するケースがある。
『第二級特別監視対象』
明確な被害をもたらすことが予想される要注意人物として監視される。
第二級からは将来的に追放処分となる者も少なくない。問題を起こさずとも潜在的な危険性を鑑みて監視されている者も存在する。
『第一級特別監視対象』
『船』の運行・運営を揺るがしかねない危険人物として傍らには常に監視の目がある。
想定される被害以上の有用性を示さねば存在すら許されない。
該当者:生活管理局長
『風紀班』
生活管理局主導の元、治安維持を目的として作られたグループ。
しかし規模を拡大する『船』全体をカバーするだけの人員はおらず、その役目を果たせずにいた。
無法地帯と化していく現状を良しとしなかった船長から一つの強化案が提示された。
それは現在のワイルドハント騎士団への変貌。騎士団長を始めとした数名の精鋭が補充され、その在り方を根本から変える。風紀班はこの時より騎士団となった。バトル描写楽しい
>>52
WASPですか…
興味は結構あるんですが、まだキャラを全員分把握しきれてない所があったりある程度SS進めたい所があるので本格的に入るのはもうちょい先にしようかなって思ってます…
ただ本当にいずれ参加したいとは思ってるんで、覚えといていただけたら嬉しいです
>>48
バックアップはできる限りした方がいいですよ…俺もそれで先月地獄を見ましたから…
>>56
この二人は仲間であって好敵手的な感じのイメージがあるのでこれからもこんな感じでドンパチやってほしいなって思います。
そして叛鎖ではこの二人の絆が深まるかもしれません…
>>61
いいと思います!!
この場合だと裂夜君は表向きなのは間違い無いですが、志願とスカウトのどっちにするか迷いますね…
ただ普段のコミュ障部分とかを考えると適性判断される志願ルートだと難しいかもだからスカウトルートの方が可能性高いですかね…うーん迷う…
>>62
おkっすわ。激辛カレーにリヒターさん使ってもろてもいいっすよ…?
>>63
最高っすアザス!ルネさんも趙雲さんを気に入ってくれたみたいで嬉しいです…!!
来年のエイプリルフールで女版クラス違いver趙雲のキャラシ書こうかな…(気が早すぎる)>>65
おお、ありがたい。
WASPは基本改造人間がワチャワチャ日常やってるor魔術と科学どっちかの要素があるバトルなんかが主なSS環境になりますね。
メンバー的にはコレで確定で問題ない筈です。多分ですが……。
まだまだバラエティ不足寄りではあるので、キャラ被り辺りは気にせず結構自由に作れるかなぁ、と。
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/wiki/%E4%BA%BA%E6%9D%90%E6%B4%BE%E9%81%A3%E7%B5%84%E7%B9%94%E3%80%8CWASP%E3%80%8D>>66
デザインが凝ってる…すげえ…俺も見習お…
金文で風、龍、忠の三文字入れてんのいいっすね
そしてエイプリルフールはやりたいネタが4つ程あるので楽しみにしていただければなと
>>67
志願ルートで入るのはかなりの強者になりそうっすね…
ならば元から鍛えてた時に調査科の頃の実地で死にかけた時に助けられて以降騎士団を志す様になったっていう感じのキャラシですし、騎士団になる為に鍛え続けていた裂夜の熱意を誰か(例えばレリックさんとか)が認めてスカウトしたって感じにしたいなって思いますが大丈夫ですか?
>>70
成程…
とりあえず漠然とした奴だと
・首以下の身体の片側が義体
・身体から生成した水蒸気で加速したり元からの魔術にブーストを掛ける
みたいな奴とか構想してますなんだかラウの家族構成について触れ始めたら後付けがどんどん出来始めた
嫌いじゃないふへへへ。ポケモンとボックス周回でろくにin出来てなかったユージーンです。初見の新ポケ相手にこいつ何タイプだ!?となりながらプレイするの楽しかったれす。
スレ遡っての返信はおいおい書いていきますがとりあえず目に入ったWASPについて。
WASPは施設で被検体だった子供達が社会復帰というか働いて生きていける環境を作るために設立って感じの流れになってて所属してる人も基本的に『施設時代の元被検体』『施設時代の贖いをしたい人』『WASP設立後に入社した人』『アンドリュー[将来的に死ぬことが確約されたク.ソ野郎]』で構成されてます。
WASPのキャラを作るなら一つ目か二つ目がオススメです。三つ目はどういう経緯でWASPに入ったか、WASPの人達との関係は、等の調整が必要になります。
四つ目は論外です。こいつがWASPに所属できてること自体が一種のバグなので。ただいまアルマソフィア家の過去設定考えてますがなんか脳内で理仁顔の当時当主がヨーロッパ珍道中しだしてます
つまり、メレクがルナちゃんの冒険に加わるのも血筋だったんだよ……!!(無理矢理後付)>>78
三番のケース、確認できただけでも未だに俺が作ったキャラ(星雪とエイベル)ぐらいしかいないという。
つーか星雪の場合はよく入社した経緯や周囲との関係を詳しく書けたな、と思っている。ポケモン新作でいいbgm見つけたので作業用bgmにしながら凌牙vsジャスミン書いてます
>>72
……まさかガッチガチのマジモンの店で来るとは思わなんだ…
楽しみにしてます
>>73
今まで書いてなかった自鯖の性転換とか船ポケモンパロとかそれはもう色々ありますとも…多分全部は書けませんが
>>75
良かった…
カセキメラは…悪くないかもですが最初のキャラなのでストレートな感じで行こうかなって思ってます
>>77
あー、調査隊から転向だとロイドさんと被りますね
なら元々刀以外のあらゆる物に関しては才能無くて微妙な成績だったって設定使って変えますか
・やりたい事が思い付かずに調査科に入ってみたものの成績は伸びず、調査隊への適性はないと判断される。
・それでも必死に鍛えたり勉強しても手応えが掴めなかった時にトーナメントがあって、その唯一何よりも才能があった剣術で猛者を倒しまくって上位入賞、それで騎士団の誰かに認められて騎士団を目指さないかと誘われる
これでどうです?
>>78
成程…とりあえず1個目の方向で考えてみます>>84
楽しみ〜
なんて楽な旅でしょう。これならルナも安心して好きなものに突っ込める>>88
了解です
じゃあそういう方向で>>77
いやーん頑張りたくなってきた>>41
ヤダ考察されてる…ようやくホテル聖杯戦争も当初目指してたミステリー(っぽい)になりつつある…ってコトかしら…
研二について、正三についての回収は割と…割と筋に関わってきてしまうので今はノーコメントにさせていただきます…!
>>43
ミステリーとホラーと私がしたいことを実践するために書いてる聖杯戦争に参加してしまったのが運の尽き…()
>>47
幕間での掘り下げもまだ残ってますが、仲の良い夫婦の雰囲気書けていたようで安心です。
ここでホテル聖杯戦争chip、ホテル聖杯戦争は“何でもアリ”
>>56
このホテル自体が相当アレな状態なのでおかしくなっても仕方ないものなのですが、果たしてそれだけなのか…?という
>>92
や、よくある間取り図ツールとかアプリとかは一般家庭用が大半なのでホテルの間取りとかは全然対応されてなくて…クリスタで書いてます…
まどりーむっていうサイトも見つけたけど、2015年でサ終してたでござ…(´・ω・`)>>61
お〜しっかりしてる…これは騎士団のキャラ作るのにも今後役立ちそうですね。レリックはスカウトで入ったって感じかな?そりゃ宝石級魔眼持ち大男って貴重だよね。
wikiの監視対象の該当者の項に第三級にトワ、第二級に麟ノ助と夕ウタを追記してよろしいでしょうか?(というかこの等級で合ってます?)
>>76
夕なんとか「海産素っ頓狂が反省してる…明日、いや今日は大時化だな、間違いない」
>>96
クラシックホテル九龍城…!?………良いかも…()
おぉ、カール4世ですか!構いませんよ、どうぞどうぞ!
>>97
ありがとうございます!
それでは質問なのですが、アーチャー陣営は緊急で一つの敵(化け物とか)の討伐要請が降りた時向かいますか?ちなみに報酬はないです。
エドワード黒太子は行きそうという気はするのですが、義頼さんはどうかと>>98
ありがとうございます〜!
萌音と組ませてみたいな、と第一章もようやく終盤を迎えましたので予告っぽいものをば。Angel Beatsのアレを流しながらどうぞ。
「なぜ我はこんな能天気ばかり相手にせねばならんのだー!」
「ありがとう、なに言ってるかわかんないおねーさん!」
「貴方が望んだことよ」
「ケンのせいじゃねぇよ…そんな顔、すんなよ…」
「ルナちゃん、落ち着いて…」
「うふふ、とっても素敵ね。勇者様みたい」
「そりゃあ、騎士だからね」
「ようはそれ、斬っちまえば良いんだろ?」
「助けましょう、皆さんを」>>61
大丈夫かと思います
こうやって今まで何となくな感じで理解してた組織をまとめて書いてくださると、把握しやすくなって助かります…
>>96
うちで王様枠だとウィリアム1世がいますね
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%A01%E4%B8%96>>112
よかったぁ…
なんだかんだ『船』も長くなってきたのでまたちょくちょく文字にしなきゃいけないものが増えていく…>>115
さくっと説明しますと……
ディートリッヒ→物語によってはジークフリートと決闘した人(そして勝ってる)、アルテラさんの親友枠(型月でどうなってるかは知らない)、クリームヒルトを捕まえた人
フロールヴ・クラキ→北欧版アーサー王
ニムロド→バベルの塔作った人
フェリドゥーン→イラン版ソロモン王(魔王化)を封印した人
ムワタリ二世→オジマンディアスを戦争で追い詰めた人
安徳天皇→最年少の天皇。幼くして水没死。後に八岐大蛇の化身と祀られる>>115
価値観の違いは割り切れるリディアか、中華料理で懐柔できる桃夢辺りですかねぇ?なんかこうラウの実家について思いついたネタを列挙していくぞ
・うまく理屈づけできていないけどランダムなことが特徴
・生まれる子は皆ランダムで何かしらの才能を発揮する→ラウの嗅覚
・70年前に生まれた2代前の当主が類い稀なる才覚を発揮したもののそれが子供に受け継がれることなく、ランダムを繰り返しながら没落しかけたりそうでなかったりしている
・ラウの父はランダムに女性を選んで子種をばら撒いた結果ラウを含めてあと4人子供がおり誰に遺産が渡されるか、それについては定かではない。というのも父の遺書に遺産相続の時期はランダムと記されている為
ぶっちゃけなあ!ラウの異母兄弟という名の変人集団出したいだけよ!>>115
>火村さんからウィリアム一世をお借りしようと思います
まさかの抜擢!ありがとうございます!!
で。感謝したところ何ですが
>ウィリアム一世と相性が良さそうなマスター
>女性だと自分が嬉しいですけど男性でも大丈夫です
…ぶっちゃけ作ったきりまともに動かした事が一度もないから誰と相性が良いのか、自分でも分かりません(オイ
なのでこちらからのアドバイスとしては
・身分や生まれの偏見に囚われない人物
・最低限、礼儀を失しすぎない人物(気さくに接するのは全然あり、ただし露骨な無礼に対してはアウト)
大体この辺が合致するキャラであれば男女問わずOKです
あと女性の方が良いという点に関しては私も全力同意します>>115
>122の条件を満たしているかと思いますので、うちの夏美を推薦します
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/m/wiki/%E8%92%B2%E6%B1%A0%E5%A4%8F%E7%BE%8E>>127
ホテルの弓陣営の件、上に記入しましたのでご確認よろしくお願い致します叛鎖でしっかり船の世界観活かしたり船のキャラをできる限り絡ませられる様に心掛けようって改めて思います…
>>119
了解っす
>>120
台詞のセンスもスケールも凄え…!!
そしていつもの好奇心MAXルナちゃんで癒されました、やっぱりルナちゃん可愛いっすね
>>121
これは王道で爽やかなストーリーになりそうっすね…ルナちゃんの主従も結構関係良さげな雰囲気ですし楽しみです
>>127
敵陣営の背景が背景なのでめっちゃ治安悪い奴は多くなると思います
制奈ちゃんのフォントは正直間違えた感はありますね。でも言ってる事は割と可愛くないどころか治安悪めっていう…目的ってのは一体何なのかお楽しみに
>>128
シリアスな発言まとめメーカーの流れに突如ぶち込まれるトンチキ変人パレードで草生えました
どんな奴らかはまだ分かりませんがおもしれー奴らなのは確信しました…>>126
そのままです
遺産相続の公開は常識の範囲内でランダムに行われますしかしこの発言まとめメーカーも時間泥棒ですな。
アレ入れたいコレ書きたいで拘るとガンガン時間削れる。
マスター編周辺人物編サーヴァントコイン編で改めて作るか……?>>142
そうですね、まず「こういうの作りてえ!!」っていう性癖とかを考えてから色々足してく感じですね。
例えば海月ちゃんの場合は
船気になってるし生徒考えてみるか
↓
・女キャラ作るの楽しいし女の子にしよ、典韋ちゃんはギャップ萌えだったし今度はドストレートな可愛い感じにするべ
・あと最初の生徒(当時海月ちゃんは確か船の生徒第1号か第2号辺りだった)だし割と普通な感じにしよう
↓
・海の学舎だしそういう要素入れた方いいよな…よし人魚ネタぶち込もうぜ!!
・でもマジモンだとアレだしもどきにしてマスコット風の見た目した奴にするか
↓
謎のナマモノ(正体は実質人魚)連れたクール系常識人オタク少女!!これで行こう!!
って感じになりましたアルマソフィア家の過去、23時には投稿させていただきます!
17~18世紀。
かの宝石翁───魔法使いの弟子として期待されていた父親たる前当主の廃人化、その予期せぬドロップアウトにより瞬く間に時計塔での地位や勢力を剥奪されたリトソフィア家が窮地に立たされた時代。
廃人になった父の後を継いだ若き当主ルカス・リトソフィアは偶然出会った女魔術師のアルマ、改造人間のマクベスを供に、どうにか立て直しをはかるべくあちらこちらを駆けずり回った。
ちぐはぐな三人の間にはいつしか奇妙な絆が生まれるも、ある時、絶体絶命に陥ったリカスとマクベスを助けようとアルマは命を落としてしまう。
ルカスはその高潔な意思と救援に敬意を表し、自身の姓名をこう改めた。
─────アルマソフィア、と。>>145
そうでしたか…。あー、それだとこの設定は調査隊以外にするのには向かないでしょうしお蔵入りですね。>>142
最近は特にそうなんですが自分は読んだ本とかから想像広げていって「こういう考え良い!」「こういう台詞言わせたい!」「この雰囲気作りたい!」を元につくってますね。例えば直近のキャラだと
世見誰 二十彼:『死』(ミハイル・アルツィバーシェフ)、「蠅を叩きつぶしたところで、蠅の「物そのもの」は死にはしない。単に蠅の現象をつぶしたばかりだ。―― ショウペンハウエル。」(萩原朔太郎『猫町』冒頭)
ヴィルレイ・フォン・ティーフェルコーマ:『勝ち誇る蛆虫』(エドガー・アラン・ポー)、『地下室の手記』(フョードル・ドストエフスキー)、『最後の勝利者は誰ぞ』(北村透谷)(※タイトルの響きのみと言っても過言ではない。作品自体は反戦・伝道の評論)
といった具合で。ちなみに画像は現状自鱒最上位のモチーフ作品持ち一人修学旅行の夜男です(言っている通り大半が魔都のモチーフ)>>160
↑のうちの作品の殆どは青空文庫(https://www.aozora.gr.jp/index.html )で無料で読めます。とても、とても、すごくどれもオススメです。
特に『魔都』は年末年始の時期に読むのにぴったり且つ雰囲気が大変素晴らしいので強くおすすめ。
Q.つまり?
A.ステマ兼ダイマだよめっちゃ返信来てた…ありがとうございます。めちゃくちゃ参考になる…
自分だと律の弁天とか萌音の魔術周りは割と後付なのでちゃんと考えられててすごい…
>>143
なるほどわかりやすい…
>>144
実生活か…考えたこともなかった…
>>145
性癖形にするのは楽しいですよね…わかる…
>>146
ありがとうございます。自分もクウネルは前者ですね。明確にモデルがいます
>>147
プロセス形にするって大事ですね…
>>148
自分の絵も勢い10割というかハマってるものがストレートに出てるので…ありがとうございます
>>150
後付…出ますよね…弊宅だと萌音のハロウィンが後付ネタを拾ったものだったり
>>160
あーーーこういう雰囲気をやりたいはありますね。自分もこう、アメリカンな感じがやりたいって思って少しずつキャラシを書いてたり。まあ相変わらず見た目しか決まってないんですが…()
>>158
マクベス→間久部の流れいいですね…そういうの好き…ただ、「間久部とマクベスをかけた名前いじり」は某奪還屋マンガのネタにあったじゃん、という致命的な事実があったりなんだり……(吐血)
ま…マックスベイとか…(ベイは入り江の意)
間久部緑郎/ロック・ホーム(手塚)の印象がお強い
ちなみにアルマの姓は家を捨てたのでないです。
そしてそんな彼女が亡くなったということはアルマという人間が帰る場所も眠る場所も語る場所もない状態なので、ルカスが名前を刻んだのです>>178
良か!>>178
よくてよせんでええのんか~?ひぃんよくてよ頂いてたのに遅くなってしまった…
では、行きます!
【前回までのあらすじ】
全体的なのは省略!
バーサーカー、ベアトリーチェ・チェンチは覚醒した少女・田津方阿奈と共に1階の食堂へ向かっていた…◇???
時折────自分が身体から離れた何かであるような、そんな感じがする。違和感でも錯覚でもない、ただ確かめようのない“真実味”がつかず離れず、自分の後ろを這い寄って来るような感覚がする。
月を見る、自分がいる。その事実が煌々と降り注ぐ。白日の下に、という言葉があるが、今この刻は白月の下に、というのが正しいか。
とかく、真実は常に純白に喩えられる。穢れなき、曇りなき白。自然界では原初の色、人間界では幾重もの彩光あって初めて成り立つ色。人間は、そんなものに真を委ねている。
今となっては見慣れた色だ。忌々しくもある色だ。自分は、その真実の先を…“外”を目指しているのだ。そんな人間の前に屹立する色。それが憎々しくないわけがあろうか。
だが、そんな風に感じる自分を呆然と眺める自分の視線が、数歩後ろから向けられている。振り返っても何もない。白月から見放された雑然とした黒夜があるだけで、一方でその煩雑な渾沌こそが自分であるようにすら、思えてきて。
自分は、また月を見る。渾沌から目を逸らし。意識を、思考を、感情を、視線を、心を、言葉を、月への怨嗟にだけ向かわせる。捨て鉢になった思想の上に仰臥する月光の、その上の星の、なんと、なんと美しいことか。
ああ、うつくしの夜や。>>182
◇ベアトリーチェ・チェンチ───2階廊下
「戻りなさい」
「やだ!」
「戻りなさい」
「やーだー!」
ベアトリーチェの前で、二人の女が押し問答をしている。ひとりは救助されて治療は受けたものの、重体ではあろうに元気に首を振る少女、阿奈さん。もうひとりは、折外志歩様。阿奈様がそう紹介して下さった。
どうやら、志歩様は阿奈様に談話室へお戻りになってほしい様子。阿奈さんはそれを頑なに拒んでいる。ベアトリーチェはそれをただ黙って聞いていた。
彼女としては志歩様の意見に賛成したいが、何か主張すれば叩かれるかもしれない。怒鳴られるかもしれない。幸せになるためには、息を潜めて、静かに立っているほかない。それが彼女の生き方だった。
「ここは危険なの。わかっているでしょう?」
「でも、おなか空いたもん」
「ちょっと我慢して。じきに取りに行ってあげるから」
「だめ!わたし、ビーチェさんをごあんないするもん!」
「ビーチェさん?」
志歩様の赤錆の色の瞳が、ベアトリーチェの方を半ば睨むように向く。どうしよう、どうしようと不安が募る。叩かれる、怒鳴られる、ベアトリーチェの幸福が奪われてしまう。その恐怖が心中を占拠した。
蠢くトラウマが彼女を凶行に駆り立てる、その寸前に志歩様は阿奈さんの方に向き直って小さく一つ咳払いをした。志歩様の意識からベアトリーチェは外れることが出来たようだ。彼女の幸福は崩されずに済んだ。>>183
「…とにかく。食堂はやめなさい。今は業務中よ。わがままは言っちゃダメでしょ」
「それは、そうだけど…」
「あんまり駄々をこねるようなら、私怒るわよ?」
「う……」
「さあ、戻りなさい。食堂へは遊糸様も一緒に、また今度ご案内して」
そう言うやいなや、志歩様は阿奈さんを談話室の方向へ指差して向かわせた。そしてベアトリーチェの方へ小さく会釈をして逆方向へ去っていった。
ひとまずはこれで安心だ。御父様(マスター)に阿奈さんの保護を命じられている以上、彼女を危険な目には遭わせられない。御父様(マスター)の命令を忠実にこなすこと、それがベアトリーチェの幸福と安寧の守り方である。
しかし、そんな安堵に対して阿奈さんは諦めた様子はなく談話室に向かいはしたが扉を素通りし、西側の廊下へ旋回した。
「だいじょうぶだよビーチェさん。わたし、ちゃんと食堂にごあんないしますから!」
「え…」
「志歩おねーちゃんはああ言ってたけど、ぜんぜん危険じゃないもん。きっとなにか、かくしてるんだよ!」
止めたいが、阿奈さんはずんずんと迷いなく廊下を進んでいく。ベアトリーチェの安堵は泡沫のように淡く消えていった。
だが他方で、彼女がそう感じるのも無理はないことだ、と考えた。一般人にとって危険な存在であり、今までに何度も潰してきたあの化け物が、どういうわけか全く見かけない。何事もなかったかのように廊下は静寂で満たされている。
ベアトリーチェたちが阿奈さんを見つけた時、彼女の近くには両親と思しき人物の死体があった。そして血を浴びた化け物がいた。となれば化け物が彼らを殺しただろうという推測は容易に立つ。
しかし、それを彼女が見ていたか?となると判断はできない。幼児の体力は未熟で、大人よりも早く気を失ってしまうことも、それによって化け物の存在に気づいていなくても不思議はない。両親の死についても同様であろう。そうでなければ、この陽気さはある種不気味だ。>>184
両親の死。その言葉が思考の流れの中で微かに澱む。幸福が穢れていく音がする。目を逸らそうとしても、その言葉は、耳障りな音は、視界の端に潜り込んでくる。
ベアトリーチェは幸せにならなければならない。当然の権利だ。そのためには御父様を殺さなければならない。当然の帰結だ。だが、御父様(マスター)の命令を聞かなければならず、これは当然の方法で、でも現に自分は幸せではなく────であれば────?
「ビーチェさん!」
深化していく懐疑と錯綜が少女の声に払い除けられる。堂々巡りで、或いは破綻すべき論理の飛躍はぷっつり切られた。
阿奈さんは誇らしげな顔をして、「210」の客室の扉の前で腕を組んでいた。発見したお宝を仲間に見せびらかす探検者のような、得々とした態度だ。
「はい、何でしょう」
「ふふん。わたし、とっておきの“秘密のぬけみち”知ってるんです!」
「…抜け道?」
「うん!見ててね…」
悪戯っぽく悪そうな笑みを浮かべて、阿奈さんは201客室の扉を押した。本来ならホテルの客室は使われているもの以外は閉まっているはずだが、201客室の扉は易々と開かれた。
阿奈さんに促されて中を覗くと、そこは客室の様相を呈していなかった。御父様(マスター)に召喚された時の客室とはまるで違う。絨毯も敷かれておらず、ベッドもなく、どころか玄関もない。ただ何もない空間に、階段が設けられていた。
御父様(マスター)の部屋が同じ階にあることから考えても、この空間は異常だ。わざとこの階段を隠すために作ったのだろうということは見てとれる。
「ここなら、志歩おねーちゃんもわからないでしょ!」>>185
傍に立ってこちらを見上げてくる阿奈さんは満面の笑顔だ。誉めて欲しい、という気持ちが臆面もなく表されている。
自分が発見した宝の重大さを理解していない、していないからこその無邪気さがある。
「…失礼ですが、これをどうやって?」
「わたし、まえからここをたくさん冒険してたの!それで見つけたんだー。すごいでしょ!」
「えぇ、とてもすごいことと、存じます」
誉めなければいけない時は誉める。常に周囲の機嫌をうかがわなければならない。だがこの時はあまりのことにベアトリーチェは心底からの驚嘆を口にしていた。
それを聞き阿奈さんは飛び上がりそうなほどの喜び様を見せた。子供心にも、相手が驚く姿を見るのは楽しいのだろう。そのあどけなさは微笑ましくもあり、一方で危うさすら感じ得るものだった。
「でしょ、でしょ!これをつかえば、誰にもみつからず食堂に行けますよ!」
調子づいた彼女は、一散に階段を降りていく。お腹が空いたと言って談話室を出てから少し時間も経っている。空腹に耐えかねるのも無理はないかもしれない。
ベアトリーチェは阿奈さんの後についていく必要がある。1階へはすぐとはいえ、何があるかもわからないのだから。
しかし、それで本当にいいのだろうか、と疑念が湧く。何故かは知らない。出どころの不明な疑念。1階への不安か、2階への心残りか。ふと降りる間際に見返ったのは、何処かから、何かが破裂するような音を耳が拾った────そんな気がするからで。
けれどもだからといって、ベアトリーチェは自分のこれまでの方法(いきかた)から外れ、背くほどの意志は持っていなかった。目を下に向けると、阿奈さんはもう降り切っている。追いかけなければ。そう思い、ベアトリーチェは2階を後にした。>>186
◇荒無 天留────4階東館
「蝙蝠傘のソ片目がおにレぎりに烟らず三葉虫で会おうジャ!」
「うん、ありがとう!なに言ってるかわかんないおねーさん!」
明るい声。すぐ後に、何処かへ駆けていく小さな足音。来訪者は斯くして去っていったようだ。
ようだ、というのは、天留は客室のクローゼットに隠れて耳だけを欹てていたからである。フロントの担当であるのをいいことに4階の上等な部屋を皆には内緒で泊まったのは、果たしてこの場では幸運と呼ぶべきか、不運と形容すべきか。
クローゼットから恐る恐る出ると、ベッドに例の女性が楽しげに腰をかけていた。扇情的な肉体を形作る曲線美が、艶かしくも今の天留には悍ましい。
「ね、ねえ。何したんですか?さっき来たのは、誰?」
返事をされたところで何もわからない、そのことを理解しながらも、恐怖を紛らわせるために声を上げる。それに女性は気づいて、鼻歌をやめて、
「確かサに、トウシアューズは溝のネようなものとして走ろうと遺憾ではないェ。ただダキュウリがレスレデポンスする様は午モ後に禁止イーされジャることだン」
やはり、わからない。何度となくこんなやり取りを続けてきた。こうやって、対話ができるかも、という希望は悉く律儀に打ち壊される。
女性が何者であるか、それすら天留にはわからない。異常事態の発生と前後して現れた女性はずっとこの調子で、天留のそばにはいながらも好き勝手ばかりする。>>187
安心できることと言えば、彼女が現状は自身に危害を加えることはなさそうなことだ。上機嫌で、ケラケラと笑う────その笑みの中には、幾分か“嗤い”も含まれているようにも見える────だけで、それだけである。
時々、外から何かがぶつかったり、崩れたり、壊れたりするような音が聞こえてくることもある。ここに居続けて良いのか、明言はできないが、だからといって安全であろうこの部屋から出て行くことも出来ない。
これが“聖杯戦争”というものなのだろうか。こんな滅茶苦茶になるものだとは聞かされていない。自分が当事者になるとも聞いていない。ただ自分はフロントで、お客様の応対をして、少し皆の手伝いもして、それだけで良いと言われていたのに。
そして天留は、我が事以上に志歩のことが気にかかって仕方がなかった。自分は安全であろう場所に籠っているが、彼女は違うだろう。彼女の無事すら確認のしようがない。
居ても立っても居られず、もしくは現実逃避にでも臨むような心地で必死になって記憶を総浚いする。何か現状についての情報は入手していないか、挽回はできないか、と。そうしてこの異変が始まる前夜の一場面を思い出す。
「…サーヴァント、ですか?」
「そう。魔術師が使う召使いってコト。だから、明日とかに見たことない人がいても驚かないで、済ましときな」
そういえば、前夜に自分は増渡さんと上がる前にフロントで少し喋った。増渡さんは明さんの知人だそうだが、強面なのもあってどう応じれば良いかわからず、話もなあなあに聞いていた覚えがある。
「はあ…けれど、というかそもそも…聖杯戦争って何なんですかねえ」
「んー、魔術師たちの儀式…イベントだネ。サーヴァント喚んで、そいつら使って聖杯ってのを作るんだ」
「聖杯?」
「そう。なんでも、どんな願いも叶える、至上の願望器…だとか」
「願いを叶える…?」
「お、気になっちゃう?でもざーんねん、一般人なテルちゃんには参加資格はないんだよねー」>>188
話半分に聞いていたつもりだったが、こうもまざまざと思い出せるのは、やはり自分の中でその聖杯なるものに心惹かれていたからだろう…といやに冷静に分析する。
ここまで考えて、もしかして、と女性の方を見遣る。豊満な胸を揺らしながら、彼女は何かを口ずさんでいた。
あまりの興奮に、ネジが外れそうな気がする。増渡さんは、自分には参加資格がないと言っていた。けれど、でも、もしかすると。天留は声が震えるであろうことも予期しつつ、訊ねた。
「…貴方って、もしかして…サーヴァント、なんですか?」
女性は、歌うのをやめて、にっこり…否、ニヤリと薄笑いを天留に向けた。
「ソエレキテルと甲ウ殻類の臓器にイチゴが縫いダ合わせられるんだヨ」
極めて、極めて奇妙なことに、天留には、女性の話す言葉の意味が感じられた。或いはそれは彼女のご都合主義を求める思考がそうさせたのかもしれない。
しかし天留の顔には、その瞬間初めて、この異常事態が起きて初めて、笑みというものが生まれた。>>190
荒無 天留(あらなし てる)
性別:女性
年齢:20歳
厚子夜ホテルの従業員。フロントでの応対を担当している。
スタッフとして客と接している時はしっかりとしているが、そうでない時は人と関わるよりか読書をする方が好きという人見知りな性分。
ただ一人は嫌いで、誰とも交流しないでいるのも苦手、無責任。そんな彼女にフロントはある種適材適所であるかもしれない。
年下だが勤務歴としては同期である志歩のことに気をかけており、好意的。
画像は共に「にこっと!おんなのこメーカー」様(https://picrew.me/image_maker/207297 )より汎用性高いネタ台詞作りたい…ウルージさん構文並に汎用性あるモン作りたい…
>>176
勿論OKっすよ!!
そして学さんがマスターですか、いいっすね!やっぱり趙雲は明るめな女の子に振り回されるのがすっごい似合うんですよね…
あとはもう大体レージュさんが言った事と同じ感じのイメージっすね。
趙雲に関しては基本的に学さんに従いつつ、本当に窮地に陥ったならマスターを護る事を最優先に動くって感じのイメージです。
あと宝具の青紅剣の方はカレヴィポエグさんと似た雷の剣ではあるんですが、カレヴィさんみたく派手に雷を放つ感じではなくて刃全体に範囲狭いけどエグい雷を纏わせてから一気に電撃による身体能力アップで高速高火力でブッタ斬る感じだとイメージしてもらえればいいかなって思います。もしルナさん陣営とやるんだったらこの宝具とカレヴィさんの第二宝具で激突したら映えそうじゃないかなって。
>>192
驚く位に全員不穏すぎる…
隠し部屋ってのが本当に不穏なので次回までビビりながら待機します…>>192
不穏な雰囲気を感じて彼女らがどうなるか気になります
>>196
>>197
家系図的には本家の系譜なんですね、カイホスルーとの繋がりですが、ルナの曾祖父に兄弟がいてその人がカイホスルーの先祖という遠縁設定はいかがですか。
実家から失望されたという設定は私も尊重したいのですが、カイホスルーにも適用するとキャラがブレてしまう。そこでカイホスルーの故郷が僻地という設定から本家と価値観がズレているということにしたいのです。
ルナの人格形成に本家からの失望される経験も必要かと思いますので、カイホスルーの教室入りする前は交流が薄かったくらいでいいと思いますが教室に入ってから距離感は縮めておきたいなと思ってます。>>199
そうですね、続柄はそういう感じです志歩のビジュ、>190だと編み込み髪であることがちょっと分かりづらいのと三鳥と若干(色味の都合で)被ってるのでトコトコ王国様(https://picrew.me/image_maker/1649970 )で再度作成したものを投下〜。実際はもうちょっと目の赤色が茶っぽいです
>>193
お気づきに…なられましたか…
ベアトリーチェさんの行動の判断基準はとにかく保守的なので、それがこのホテルでも通用するか、は見どころでもありますね
>>194
せっかく世にも珍しいクローズド聖杯戦争なんだもの、どんどん活かしていきたいよね!ということで…
>>195
ホテル聖杯戦争はいつでも不穏、最初からシリアス、そんな感じです。
ぶっちゃけこの隠し部屋の位置関係を示したくて間取り図鋭意製作中なのですよね…
>>196
ちょっと読める…!?(まあでも全く読めないわけではないしおかしくないか)(ちょっと読める不思議、何故でしょうね…?)
ふふふ…皆さん隠し部屋にご注目くださって嬉しい限り…子供心にもテンション上がりますよ、隠し部屋は…
???さんはちょっとなに言ってるかよくわからない人二号ですね()
>>198
各陣営共々、乞うご期待、にて候!>>176
はいな〜。
カール4世は芸術も好きなので、また何かに一生懸命な人もその努力を認める王様なので、萌音さんの芸術、創作活動への情熱には好意的です。使う魔術が東洋の西洋魔術とは一線を画す代物であるという点で知的好奇心が湧くこともあります。魔眼も然り。
ただ、芸術一辺倒だったり生活力がない点では眉根に皺を寄せ、時と場合によっては「もっとしゃんとせんか!」とお怒りになったりもします。うまいこと萌音さんのキャラシに書いてあるような対応(「ここ掃除したら〜」のヤツ)を見つけるまでは説教したり片付けをしたりして改善させようと努めます。
これは努力家な萌音さんの気概が本物であることを理解したからこその世話焼きで、要は放っておけない芸術家(マスター)、という認識。あと完成した絵や製作中の絵などで二人で品評会や談義をしていそうでもありますね。
蔵知の司書持ちなので、スタイルについての考察なんかも盛り上がりそう(個人的に萌音さんはエネルギッシュ、インスピレーション寄り。カール4世は学術寄りの見解、というイメージ)。
カール4世は真面目というか現実的に生きた男で、それが故に本人は父ヨハンやヴァーツラフ王みたいな「何かにひたすら生きた人」に羨望と敬意を持っている男で、だからこそ萌音さんや、自作の話になって申し訳ありませんが、ホテル聖杯戦争ではルナちゃんのような「私はこう生きるんだ!」って人に憧憬していて、だからこそ放っておけない、みたいな…ここ数日うちのキャラ同士で家系図が繋がってる子がチラホラいるからとアプリで家系図作ろうとあれこれしてたら横に広くて全部を表示出来なくて草ァ。
今日はもう遅いので明日ログ遡ってきます。おやすみなさい。実は俺もポケモンにハマって最近SS書けませんでした…
ってな訳で叛鎖プロローグ4話完成したんで投下しますねprologue-4 闘士vs人形使い- ROUND 1
訓練室のドアの前に、一人の少女が到着した。
その少女は、片手でスマホを手慣れた手つきで操作しながら、ドアをノックする。
『すみません、遅れました。入っていいですか?』
電子音声の声が、ムジカのスマホから響く。
しかし、ドアの奥からは何も聞こえない。
(部屋、間違えたかな…)
先程海月に模擬戦の事を聞き、少し興味を持ったムジカはドアの上にある部屋の名前を確認した。
第五訓練室。間違っていない筈。
(…開けてみよう。)
そう決めて、ドアに手を掛け、開ける。
『失礼します。』
ムジカの表情が硬直したのは、電子音声が終わるより先だった。
何故なら。
部屋の中央で対峙している二人の間から、凄まじい殺気と気迫を感じたからだった。>>211
「……!!」
緊張感が身体を通り抜ける様な気迫が、中央から来る。数年前までのシチリア島での日常ではそうそう感じた事のない雰囲気に、ムジカは気圧される。
ぷにっ。
ふと、足にゼリーの様な感触がした。
『…メロちゃん?』
「ぷにゅぷにゅ。」
ムジカを触ったナマモノは、こっちに来てと言うかの様に身体を振るわせる。そのぷにぷにした緩さで、身体の緊張感が少しほぐれた気がした。
「あ、ムジカちゃん。」
「おっ、ムジカちゃんも来たんですか〜!!」
『ミツキさん。カステラさんも…こんにちは。』
ムジカはぺこりと頭を下げる。海月とカステラという友人と合流した事によって、緊張は霧散したらしい。
「それにしても、ムジカさんも来るとは思わなかったですねー。ちょっと意外だったりー。」
カステラがドストレートに思った事を言う。
確かに、ムジカは元一般人である為に魔術に対しての知識はかなり少なかった。現在、魔術について学んだり異能を治療したりと頑張っているが、まだまだ慣れていなかったりする。それを自覚しながら、ムジカは返答する。>>212
『いえ、私も少し迷ってはいたんですが…魔術について深く知れる機会かなと思ったから来てみたのです。ポチ先生も百聞は一見にしかずと仰られていましたし。』
「うお、真面目ですねえムジカちゃん!!でも実際良いと思いますよー、あの二人の勝負って結構見応えありますし〜。あ、つまみのカステラ食べます?」
『そうなんですか…あ、カステラは貰いますね?』
「お、二人共。そろそろ始まるよ。」
カステラを一つ掴んだ海月の言葉で、二人は前を向いた。
睨み合っていたジャスミンが懐から、ブザーのスイッチを取り出す。
「…始めるわよ。」
「…おう。」
この模擬戦のルールは単純。
戦闘形式としては、凌牙1人vsジャスミンの操作する人形合計30体。
凌牙がジャスミンの使う人形、その全てを戦闘不能、或いは顔面の発光パーツを破壊すれば凌牙の勝利。
全て壊される前に、ジャスミンが凌牙の主要な礼装である破壊の鎖(レイジチェーン)を15個全て壊せばジャスミンの勝利。
両者共学園で指折りの強者。
電磁気のピリピリとした空気が立ち込める中で、その戦いが始まろうとしていた。
カウントダウンの電子音が、10、5、3と減っていく。
そして、今。
開始のブザーが鳴る!!>>213
「———libération!!」
ジャスミンが放り投げた瓶より、人形が現れる。
巨大な剣や槍を持った、5体の巨兵。身の丈はおよそ220cm、大体凌牙の1.2倍程か。
『大きい…あれがジャスミンさんの、戦闘用の人形…!!』
「うん。あれがジャスミンちゃんの人形魔術の戦闘バージョン。凄い迫力でしょ?」
『はい…あの大きいのを、全部操ってるんですか?』
「そうだね。とは言っても、まだ準備運動の段階だと思うけど。」
『準備運動…?』
「…多分、すぐに分かるよ。」
「…さあ、第一陣よ。行きなさい!!」
ジャスミンが叫ぶと同時に、巨大な得物を振りながら人形が動き出す。
自身の方向に向かってくる人形達を目視した凌牙は、不敵な笑みを浮かべた。
「よし…!!」>>214
「…さあ、第一陣よ。行きなさい!!」
ジャスミンが叫ぶと同時に、巨大な得物を振りながら人形が動き出す。
自身の方向に向かってくる人形達を目視した凌牙は、不敵な笑みを浮かべた。
「よし…!!」
そう言うと同時に、凌牙は足に力を込める。
瞬間、地面を蹴り、凄まじいスピードで人形の足下に接近する。
「らァッッ!!」
一気に、強化魔術を込めた飛び蹴りを人形にブチかました。蹴撃を受けた人形の体にヒビが入り、大きく後ろによろめく。
『速い…!!』
ムジカが驚く。それも無理はないだろう。彼女が瞬きする内に、凌牙は直立から一気に人形の腹に向かって一撃をかましたのだから。
だが、次の瞬間、凌牙の周囲に激しい音が響く。残りの4体が一気に飛び上がり、凌牙の周囲四方に着地したのだ。
「最初からかなりギア上げてんな…まあ、この位問題ねえけど…なァ!!」>>215
凌牙が叫ぶと同時に、所持していた15本の鎖の内、4本が一気に電磁気を帯び、凌牙の手元から離れる。
「破壊の鎖(レイジチェーン)、展開(アンフォールド)!!」
宙に浮かぶと同時に、鎖に纏わりつく黄色の電磁力が、大雑把かつ不安定ではあるが、拳の如き形を取り始める。
『あれは…確かリョウガくんの…』
「その通りっすよムジカちゃん。雷鉄魔術…でしたっけ。周囲の電磁力、そして磁場を自在に操れるリョーガ先輩の十八番ですねえ。」
「行くわよ!!」
ジャスミンが手を振り下ろすと、人形達は一気に攻勢を掛け始めた。
二体が槍で刺突する構えをし、同時に、二体が一気に凌牙に剣を振り下ろす。
「…遅え!!」
凌牙が一気に拳を前に突き出す。その瞬間、電磁の拳達が一気に剣の人形に向かって奔り始める。
磁力を纏った四つの鎖は、二体の人形にそれぞれ二つずつ飛来していく。
まず、一つ目の鎖の拳が、大剣に勢いよく喰い込んだ。高い電圧と、純粋な破壊力を纏った鉄鎖の衝撃が刃に食い込み、人形の体幹がブレる。
それを見定めた一瞬の狭間で、二つ目の拳の狙いをガラ空きになった腹に定める。数コンマの間に力と電磁力を溜めた後、一気に放った雷の拳が腹を貫いた。
(よし、一体目。)
僅か数瞬の内に思考を稼働させる。一体目の人形は撃破できた。このまま振り下ろすもう一体の人形も仕留めにいく…!>>217
砕城凌牙は、雷鉄魔術という魔術を使う。
それは、雷と磁場を使った魔術。
周囲の磁力を操って金属を動かす事、電磁力を使って特定の物体に激しい電気を纏わせる事等がこの魔術の可能な分野であり、戦闘においては電撃と磁力を宿した金属を介する事で、電磁力によって自由自在に動く超高圧の電撃を操って戦う。
単純なこの魔術だけでも彼の戦闘能力は相当な物であるが、凌牙の特筆すべき所はもう一つある。
それは、純粋な身体能力の高さ。
強さという根源を求めた武闘の魔術師の末裔として生まれた彼は、純粋な身体能力や格闘センス、戦闘経験等において並の魔術師を凌駕する。
そして、かなりの練度を誇る強化魔術を身体に使う事によって、この攻撃力、身体能力に更に拍車が掛かる。
つまり、単純な身体能力と破壊力においては、凌牙はかなりの強さを誇るという事…!!
「悪いなジャスミン、今日の俺はどうやら調子が良いらしい。…白旗の準備しとくんだな。」
「…言ってなさい。まだ準備運動の段階だから…!!」
そう言うと、ジャスミンは再び瓶を投げる。
今度は馬に乗った兵士の様な人形が5体現れ、凌牙に突進した。
「上等だ…!!」一方、観戦席。
『………!!』
「ムジカちゃん、凄い放心した顔で見てますねー。ヤムチャ視点って現実でもあるモンなんですねえ。」
カステラ、いや、衒はおつまみに持ってきたカステラを食べながら勝負を楽しそうに見ていた。
「それにしても、今のところはリョーガ先輩が有利っぽい感じですねえ。人形何体も倒してダメージはほぼ0ですもん。」
「…意外とそうでもないかもよ?」
海月が、メロを肩に乗せながら呟く。
『どういう事ですか?』
「まあ見てて、ムジカちゃん。多分、もうすぐ本領発揮っていうか…流れが変わるから。」
現在の戦況は、凌牙が有利といった所か。
第一陣だった5体の人形は4体が撃破され、1体は満身創痍であと一発打ち込めば倒せる様に見える。
そして、今。
「そォらッッッッ!!」
突進する騎兵人形の腹に、凌牙の拳が風穴を開けた。騎兵人形も残り3体、つまり既にジャスミンの人形の2割を撃破した計算になる。>>223
凌牙の雷鉄魔術には、大きな弱点が存在する。
それは、射程範囲。
確かに、激しく帯電した上に途轍もなく重い打撃の嵐を打ち込めるという点において、凌牙の魔術はかなりの強さを誇る。
だが、彼の操れる射程範囲、具体的に言えば支配できる磁界の範囲は精々70mといった所。
その距離を超過すると——
「操れないんだったかしら、凌牙君!!」
激しい4重の爆発と共に、遠くで4本の鎖が髑髏の刀によって破壊された。
「ク.ソッ…!!」
初見の、それも伝承の怪異がそのまま出たかの様な人形を見て、ムジカが息を呑んだ。
『凄い…骨の人形…?』
「確かに、あの人形は初めて見ますねー。一条さんは知ってます?」
「うん。アレは…」
海月が静かに頷き、親友の作った切り札について語り始める。その表情は、自分の親友の強さに自信を持ってる様だった。>>224
「アレは、沢山いるジャスミンちゃんの戦闘用人形、その切り札の一つ。」
海月は、言葉を続ける。
「その身に破壊は意味を成さず、稲妻をも身体を擦り抜ける。蒼光を放つ幽鬼の如く、苛烈なる鋼の髑髏。その名も——」
「さあ、やりなさい。———『決戦礼装・ガシャドクロ』!!」
「面白え…!!」
砕城凌牙 vs ジャスミン・アドレーヌ
残11本 残20体>>228
海月「…こういうの一度言ってみたかっただけ。憧れるでしょ。」
メロ(ちなみにジャスミンに見せてもらった日の夜にノートに書いてたぷにゅ)
バトル漫画にありがちな敵紹介的な奴をやりたかったのでこういうポエム作れそうな海月ちゃんに言わせてみました。海月ちゃんは色々履修してそうなんで多分こういうの作れる。どんどんおもしれー女になっていくなこの子。
ちなみにこの勝負であと1〜2回程出ると思われるんでお楽しみに
やっぱりチュートリアルの最初の中ボスにしては割とエグいんすよねガシャドクロ…前にバトルSS一回書いた故にできる芸当って感じです
どうするかは次回をお楽しみにって感じですがとりあえず一言だけ言うなら「メタにはメタをぶつけるんだよ」ですね。あと実は大分前にユーさんのガシャドクロ諸共スレで話してたりする。
>(何も思いついてない顔)
まあエピソードがほぼ1個しか無いですし思い付かんのも無理は無いっす…
コイツの剣に注目してみると何か分かるかもです…>>233
……なるほど!(よくわかってない顔)
詳しいver見てから判断します!>>158
理仁顔から漂う不憫主人公感。何故だ、前例が理仁しかいないというのに。人相か、人相が悪そう(偏見)だからか?
そして何気に宝石魔術の家系ということで宝石翁とも関係があってびっくり。弟子達の中では期待されてた方だったのでしょうか?
>>160
リアルEDUよわよわの民なのでこういった著書で読んだことあるのが無いジレンマ。
>>175
なんだこの可愛いいきもの
>>192
抜け道からこっそり………あっ。止めさせろォ!
>>226
バチバチにやり合いながらの駆け引き、イイネ!ただ一つだけ訂正が。ガシャドクロは決戦礼装ではありませんです。現状決戦礼装の名がついてるのはボンバルディエだけでガシャドクロはあくまで“対凌牙君用人形”なのです。>>237
理仁顔な人相が原因で不憫な目に逢うなんて三回に一度くらいですよぉハハハ
前々からぼんやり考えていた宝石翁の弟子設定大活躍の巻き!(本当か?)
身内や時計塔内では期待されていたけどゼル爺自身には「まあ無理だろうな」とは思われてたんじゃないでしょうか
「我はかわいいではなく畏怖いのだ!!(ジタバタ)」>>250
わ、わかりもうした
とりあえず今夜は問題なさそうなアルマソフィア(リトソフィア)家をwikiに登録して終わろうかと思いますただいまメレクと理仁のページに『アルマソフィア家の過去』を付け足しました
>>232
プロローグですし説明描写盛り込んだ方良いよなって思った時にムジカちゃんがいたら説明描写が滅茶苦茶書きやすくなるなって思ったんすよね
リアクション担当のムジカちゃんとそれぞれ凌牙君ジャスミンちゃんと仲が良くて解説できそうなカステラ君海月ちゃんっていう二人の戦闘の解説としては最適な布陣って感じです、もちろんこの後も色々なシーンで出したいなと思ってます!
>>237
この二人の戦闘はまた書きたいと思ってたしストーリーに主に関わってくる二人なんでバッチバチに戦わせる予定です
決戦礼装の件は訂正しときますスイマセン
>>238
実際俺のSSはかなり少年漫画の影響受けてると思うし今回のムジカちゃんは二人のバチバチの魔術戦は初見のリアクション担当って感じのつもりだったんで割とそんな感じですね
海月ちゃんは多分ジャスミンちゃんに戦闘用の人形見せてもらったりした事あると思うんでその時に色々考えてストックしてたんだと思います。謳い文句はこの勝負だとボンバルディエ含めてあと2体程出るかもですよ。
>>253
ロイドさんかルファス君辺りのSSとか見てみたいなって…(ボソッ)>>253
ビーハイヴの日常、とか。ザッとですがロバができました
見て頂いてよろしいでしょうかあいどーぞ。
>>253
空野家とかミリアルカ嬢、ネムレス辺りの最近言及少な目キャラをメインになんか書くとか。【出典】『愚者の鏡』『愚者ブルネル卿』
【CLASS】ライダー
【真名】ブルネルス/Brunellus
【異名・別名・表記揺れ】驢馬の魔女ブルネルス、ブルネル卿
【性別】女性
【身長・体重】168cm(ロバ耳無し)・53kg(ロバ耳あり)
【肌色】白色人種
【髪色】キャラメル
【瞳色】ラズベリーレッド/ローズレッド
【地域】イギリス
【年代】12世紀
【属性】秩序・中庸
【天地人属性】地
【その他属性】女性、魔性、悪魔
【ステータス】筋力:D 耐久:D 敏捷:A 魔力:C 幸運:D 宝具:A
【クラス別スキル】
対魔力-:後述の悪魔憑きで代用している。
騎乗:C>>260
【固有スキル】
悪魔憑き:EX
衰弱した心とその心に過ぎたる欲を持つものとして、悪魔に憑かれ魅入られたものとしての末路。
普段は服装で隠せているものの彼女の肉体は「ロバ」のそれに侵されている。魔術の世界で第五架空要素と呼ばれるもので構成されたそれは生半可な魔術を通さない。対魔力に関しておおよそBランク相当を発揮する……が、出自が出自であるため悪魔祓いやそれに類するものには一切抵抗できない。CD音源の賛美歌でもダメージを受け、そこに魔力が込められているならそれが鼻歌でも致命傷となる。また、悪魔とはおしなべて精神を崩壊させるものであることから低ランクの精神汚染も有する。
【宝具】
『汝、駆けること能わず』
ランク:A 種別:対人〜対軍宝具 レンジ:1~50 最大補足:100人
テルミネイト・ギアス。
対象に重圧を与える右の魔眼。ランクは宝石。
全身を動かしづらくする他、特に機動力に大幅な制限を与える。システム的には「対象の敏捷を自身以下に低下させる」という代物。
魔眼の常として自身より強い神秘を持つもの、強力な対魔力やそれに準ずる能力を持つものには通用しない。
「私以外の全てが私よりも遅ければ私は家族を失わなかったのではないか」 そんな妄執のカタチ。
『愚者の蹄』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1~100(真名開放時) 最大補足:自身/1人(真名開放時)
シリー・フーヴス。
自身が所有する悪魔としての肉体。特に下半身のものを指す。真名開放によって空中、水中問わず疾走と跳躍が可能になり、あらゆる抵抗を無視することで生まれたエネルギーを右足に蓄積して飛び蹴りという形で相手に叩き込む。
今でこそ身体の一部ではあるが「元は人間なのだから、悪魔としての身体は追加装備(オプション)」という解釈で宝具となった。>>261
【解説】
12世紀の風刺集『愚者の鏡』、ジェフリー・チョーサー作『カンタベリー物語』に登場する。
最も長い尾を求めて飼い主の元を離れ、諸国を漫遊の末にホームシックを患った結果主の信徒となり、最後には敬愛する飼い主と再開出来たという物語。
ようするに「主を信じればロバでも救われる」という寓話である。
サーヴァントとして召喚されるのはこの物語のモデルとなった女性。
きっかけは極めて些細なことだった。愛する夫と愛する娘、寂れた農村においてはあまりにも幸福な家庭を築いていた彼女は村人の嫉妬から魔女として槍玉に上げられる。
彼女が育てているハーブはきっと魔女の薬草に違いない。
彼女の美貌は悪魔と契約して手にしたものにに違いない。
「お前が魔女で無ければ3日を掛けて我らの元へ来るがいい。それが適うのであれば、我らはお前の家族を解放しよう。我らは約束を違えない。魔女であれば、1日と掛かるまい」
結論として、彼女は4日間を掛けて手紙の主の元に辿り着き―――彼女が目にしたのは、愛する夫と愛する娘だったモノだった。
手紙の主は告げた。
「約束を違えたのは貴様であろう。我らは3日で来いと言ったはずだ―――なぜ生かしておく必要がある?」>>262
彼女が全てを呪ったのは語るまでもないだろう。
自身を魔女として騙った村人を。
自身の家族を惨殺した審問官達を。
そして、何よりも無力だった自分自身を。
私が愚かでなければ、私が醜女であれば、私が人から羨まれることが無ければこんなことにはならなかった。
女は自身の右眼を抉りだした。かつては宝石のようと称えられた瞳、人々から羨まれた瞳―――家族の死が焼き付いて離れない瞳。
然して、一度焼き付いた惨状(それ)が彼女が忘れることはなく―――そして、悪魔は彼女に微笑んだ。
空想の触覚は同じく空想の怪物を許容する。
存在しない光景を見るその眼孔(ひとみ)は■■が宿るにはこの上なく適していて。
瞳に宿った■■は彼女にロバとしての異形を与えた。
ロバは、西洋圏に置いて愚者という意味を持つ。
「受け入れろ。お前はどうしようもない愚か者だ―――お前自身が、それを一番良く知っているだろう?」
変貌した彼女は自身に同情的だった人々からも拒絶され―――やがて魔女狩りを行ったものとは異なる聖堂教会の暗部に拾われ、悪魔祓いとして数年を経た後に完全な異形と化して討たれた。
ロバの怪物となった魔女。その人生を元に寓話として生み出されたのが「愚者の鏡」という物語である。>>263
長い栗毛で右目を隠した法衣姿の女性。下半身のスリットは蹴りを撃ちやすいようにということで入れられたもの。その隙間や手、首や頬などからロバの毛が見え隠れする。
基本的には何事にも動じない落ち着き払った性格。外界から刺激に極めて鈍感、と言った方が的確か。生前が生前であったせいか喜怒哀楽が希薄。
鈍感であるが故に刺激を受けた時の反応は過剰も過剰、しばらくは挙動不審とも言える状態になる。そこに本来の卑屈さが出るため鬼に金棒、不審者まっしぐらである。刺激される対象は主に愛妻家、子供、そして■■。
普段はここぞという場合を除いて口を出さない、いわゆる「つるの一声」が似合う人物。ロバだけど。口数こそ少ないがその分態度で答えようとする。
誰かに頼られる人物、そういったパーソナリティであることを自身に課している。実際意思表現こそは少ないが会話は可能であるし意見も的確でいわゆるご意見番としての素質は高い。
悪魔憑きの身分ではあっても主に対する信心は本物。リアリストであるため「主は全てを救いになる」と言ったような思想こそないものの、主の存在そのものは信じている。そもそも、一般的には悲劇に入るその最期も彼女の価値観からすれば恵まれているらしい……聖堂教会に入るまでが地獄でそれに比べれば誰かに看取ってもらえただけマシと言える、というものではあるが。
特技:一応祭礼儀式全般、家庭菜園
趣味:ランニング
好きなもの:子供。賛美歌以外の唄。料理……不本意だが、人参と干草。
嫌いなもの:自分自身。■■。
天敵:天草四郎時貞、ジャンヌ・ダルク、アビゲイル・ウィリアムズ
願い:
【一人称】私
【二人称】あなた、お前
【三人称】彼、彼女>>264
【セリフ例】
「留(とま)れ―――」
「サーヴァント、ライダー。ブルネルス、召喚に応じ参上したわ。貴方が私のマスター……ちょっと、あまり見ないで」
「こ、子供は好きよ……ええ。本当に。そうは見えないでしょうけど」
「私はロバだから。ウマじゃないから。期待に添えないのは申し訳ないけど、仲間扱いしないで……いや、ウマでもないけど」馬系サーヴァントに対して
【他クラス適性、変化傾向】バーサーカー、アヴェンジャー
以上です。長文を書く練習を兼ねてコトコト煮込んだらこんなことに
色々大味なのでなんか浮かんだらまた追記すると思いますすっかり登録し忘れてた吸血鬼と亡霊 8と9をwiki登録しました~
コンセプト:
「自縄自縛系女子」「ロバミミが描きたい」「バッドエンド走れメロス」「可哀想は可愛い」
だいたいこんな感じです よろしくお願いします
>>267
仕方ない仕方ない…
>>268
千里疾走とか魔術とか持たせても良かったんですがなんか違うなとなったので
マスターですが自キャラだとクウネルと組ませたいな、とは
>>269
教会はこういうことやる。きっと、おそらく、メイビー
>>270
ロバの枠だと有名というか歴史や伝承を紐解いてもロバ自体そんなにいなかったりします。一応ドン・キホーテのルシオとかソロモン72柱のガミジンとかいますが前者は幻霊当確で後者は扱い切れる自信がなかったので
ありがとうございます。スキルとか追加しようと思いましたが当分据え置きのままで行こうかと思います
可哀想は可愛いので…>>282
待ってまーす>>284
なーんの準備もしてない(SS関係ならいつもの事だけど……)。
とりあえずルナティック書いたり、キャラの細部設定を考えたりはしている(クッチーは凶器マニアっぽそうだな~、とかパロミデスの槍はハルバード型がよろしい。刹那のバトルスタイルどないしよ)。
そんなモンですわ。
フォルケールは「僕って、キャラクター!」認識で若干のメタ発言したりしそうよね(独り言で)、なんてのも。>>284
わたしは今す○っコぐらしにドハマりしてるんですが○みっコぐらし風なルナちゃんってかわいいと思うんですよね(現実逃避) (逃避) (逃避)>>284
クリスマスSSとかは今のところ特に書く予定は無いっすね
とにかく叛鎖を進めて年始までには叛鎖の一章始めたいなって感じで考えてます。ただ伏線色々仕込む予定ですが上手く仕込めるかな…
あとは…サンタコスしてる船女子組とか描きたいなって…ジャスミンちゃん海月ちゃん以外の子も描けたら描きたい…ビオランテのリクSSの1個目が出来たんで、推敲してから投下する。
>>290
推敲が終わったから投下するぜよ。
日本、東京都港区三田。
某有名私大附属女子高校の体育館。
館内では学校行事である演劇会の、『ボーナストラック』となるプロによる演劇が終幕となり、観覧していた生徒職員の拍手喝采が轟いてた。
終幕に合わせて閉じたカーテンが開き、女優達が一斉に頭を下げて観客に挨拶する。
その中の一人、浅黄色の髪と色味の強い碧眼を併せ持つ、主演女優は演じていた時と違って酷く焦燥しているような表情をしていた。
賞賛の声を浴びても素直に喜べないと言わんばかりで、笑顔を繕う余裕すら失っている。
十数分後、控室。
和気藹々としている共演者達を他所に、浅黄色の髪をした彼女-ビオランテ・バルベルデ-だけはまだ浮かない顔をしている。
中学時代の経験から、実写で『恋愛物のヒロイン』役を演じることを忌避しているのだが、『スペイン人女優達にスペインの演劇を日本で演じてもらう』というコンセプトでボーナストラックが企画された際、何の偶然か担当した職員達に中学時代のビオランテの演技を見た者が含まれており、是非ともと頼み込まれたのだ。
この公演は彼女の所属事務所にとっては日本進出における大きな宣伝材料となるため、どうしても引き受けざるを得なかった。
当初、ビオランテは事務所の先輩か後輩を身代わりにしようと思ったが、日本語の読み書き会話をできる者は限られており、条件に合致する人達は悉くスケジュールが合わず、結局自分で演じる羽目になった。>>293
(そういえばすぐ近くにあったわね。……あのラーメン屋)
留学中、休日を利用して東京(というか秋葉原)に数回遊びに行ったことのあるビオランテは、その時立ち寄ったラーメン屋がすぐ近くにあることを思いだし、そこへ足を向けた。
数分後、某有名私大の正門近くにあるラーメン屋。
目的の店に到着したビオランテだが、店の前には行列ができており、とてもではないがすぐに入れそうな様子ではなかった。
行列の長さを見ても、ビオランテは怯むことなく淡々と列に並び続ける。
その間も、飢餓感は着実に彼女の平常心を蝕んでいく。
イラつきを表情と態度に出すまいと自分に言い聞かせているビオランテだが、タイミング悪く通りすがった若い男性数名に声を掛けられる。
「ねえ君、可愛いねぇ~。暇だったら俺らと遊ばない?」
「へぇー、外人のモデルさん?」
「これから俺たちと一緒に飯食いに行くだけだよ。お洒落な店知ってるからさ。なあ、行こうぜ?」
特徴的な色の髪と美麗な容姿のせいで行列待ちの最中にナンパされることも珍しくないが、大抵はハッキリと断って後は無視している。>>295
むしろ、自分達が正しいと言わんばかりに居直っており、その内の一人がビオランテの腕を掴む。
そんな彼らの行動を目の当たりにしたビオランテは無詠唱で強化魔術を自分に使用、腕を掴んでいる背年の手首を掴み返して躊躇なく握った。
「あでででっ!?」
骨が軋み、激痛が走る。
悲鳴を上げながら青年が手を離すと、冷たい視線を浴びせながらビオランテも彼の手首から手を放す。
その光景を見て、手首を締め上げられた者だけでなく残りの青年たちも顔を青くして駆け足で逃げ去った。
「ふん」
鼻を鳴らし、ビオランテは再び行列に並ぶ。
それから更に二十数分経過してからようやく店内に入れたビオランテは、自販機で『ぶたダブル大ラーメン』の食券を1枚購入。
数分後に空いたカウンターに座って「メンカタメで」と言いながらそれを出す。>>296
「ニンニクは入れますか?」
「ニンニク少なめで、残りをマシマシ」
「……はい?」
一瞬呆然となって店員を、厨房で調理を担当する偉い人が叱りつつ、フォローを入れる。
「ボーっとするな。そのお客さんなら大丈夫。初めて来た時に小の全マシを平らげて、『たまには腹八分にしておかないと』って言いながら店を出た人だから」
「マジですか……。はいー! ぶたダブル大ラーメン、全マシマシのメンカタメでー!!」
胃に何も入っていない時に生のニンニクを多量に食べたら健康を害すると知っているビオランテ。
なので店員からのコールに『ニンニクは少なめ、野菜とカラメと背脂の分量は超多め』を意味する“呪文”で答え、店員がもはや悲鳴との区別がつかない音程で返事。
ラーメンが出来るまでの間、ビオランテはお冷を飲みながらスマートフォンを取り出してSNSのタイムラインを流し読みしていく。>>297
「……ステージパフォーマンスに起因する膝の病気のため、降板か。結果的に声優を使い潰しているじゃない……」
自身もよく見ているアニメのキャラクターを担当している声優の降板を伝えるニュースを読み、渋い顔となる。
嫌な気分になったが、タイミングよく出来上がったラーメンが差し出されたため、意識をそちらに向ける。
「へい、ぶたダブル大です」
「ありがとう」
ビオランテは礼を言い、カウンター越しにラーメンを受け取って目の前に置いた。
-ぶたダブル大ラーメン・ニンニクスクナメ・ノコリマシマシ・メンカタメ-
この店で一番ボリューミーな品の、最大ボリューム仕様。
野菜と背脂の量も、タレの濃さも相当なもの。
一説では麵の量が、普通の店の大盛り2杯分に相当するとも。
この店の麵は茹で具合が柔らかめなため、触感を楽しみたかったり伸びるのを避けたいなら、食券を置く時に言っておこう。
ニンニクは注文時、有無を聞かれた際に不要なら「そのまま」と答え、必要な時はその旨を伝えれば入れてくれるぞ。>>298
早速割り箸を取り、日本のテーブルマナーに則り手を合わせる。
「いただきます」と呟きつつ、まずはスープを一口飲むビオランテ。
濃厚ながら非乳化が特徴の醤油ベースの味は、空腹も相まって美味しく感じられる。
(背脂の脂肪分とニンニクの匂いがいいアクセントだわ)
続いて野菜。
スープに浸しつつ、キャベツとモヤシを一緒に頬張る。
シャキシャキとした歯ごたえが心地良い。
(麵が見えてきたから、伸びない内にすすらないと)
麺はモチモチな食感の、ウェーブがかかった自家製極太平打ち麵。
固めな茹で加減のおかげで噛み応えもバッチリ。
そして、いよいよ焼き豚。
しっかりと染み込んだ味と主張の強い肉の繊維を併せ持った豚肉は、噛む度にジューシーな味わいが溢れ出す。
(これは……! 相変わらず塩気の濃い味付けだけど、それが逆に食欲を刺激する! ニンニクや背脂の風味と合わさって絶妙のバランスだわ!!)>>300
(明日は待望のアフレコのお仕事! それも壬生乃段鱈(みぶの・だんだら)名義でやるやつ! ニンニクの匂いは消臭魔術で時間をかければ今日の内に完全消去できるから問題なし。そうと決まればさっさと駅まで歩いて、地下鉄に乗らないと。ホテルの大浴場が私を待っているわ!)
無詠唱で自分に消臭魔術をかけてから、ビオランテは笑顔で歩き出す。
ホテルの大浴場と、明日の仕事に思いを馳せながら。
次回、千代田区神田 ブラックビーフカレー
以上です。
タイトルの直前あたり、ちょっとパロディになり切れてない気がして削った個所があります。
カレーは後日書き始める予定。
それではおやすみなさいー。>>284
長編書きたいけど、モチベーションやらよそ見やらで大変です。書けません(現在は携帯怪物によそ見している)みんながポケモンにハマっているのにマスターデュエルとソウルハッカーズ2に現を抜かしているのが私です。
エルドリッチを存分に楽しんだので、スキドレグレイドル壊獣を使おうかなと構想中。
何か短編書きたいのに短編でのオチ付け方とか色々忘れてしまった……>>310
メレク
真っ先に選ばれたのにひねくれちゃってるたぴおか
理仁
用済みだから捨てられてやさぐれちゃってるたぴおか
悲しい……>>317
アリウムさんは私の書いた死霊病棟が解釈違いで怒ってないかが心配で心配で…
ものすごく不安なんとなく直近のキャラのステータス投下
二十彼
【ステータス】精神B 知性B 交流D 身体C 健康C
技能C 魔術A 装備A+ 特殊B
コメント:かなり安定してる。特殊の評価は対魔力持ちという点から
ヴィルレイ
【ステータス】精神EX 知性B 交流E 身体C 健康-
技能D 魔術B 装備C 特殊A
コメント:起源「自分」の強さ。魔術Bは特殊に支えられたもので、クオリティは高いけど練度がないというイメージ
>>284
ホテル聖杯戦争進めたいけどクリスマスにレッドアがパーティ開いたってことで動かせてない自鱒ごった煮SS書きたいなーとも。
でも今のプロットだと黒鹿さんのハロウィンSSと展開がまるっきり一緒という…うごごよっしゃ…ポケモンクリアしたぞ…!!
NKT…ありがとうファイアロー(こいつは既存ポケなのでネタバレにならない筈)…
という訳でぼちぼち叛鎖の制作に戻っていきたいなって思います
今年終わるまでに敵メンツ顔見せの「イカれたメンバーを紹介するぜ!!(※なおガチでイカれてる模様))」パートまで行きてえな…行けるかな…でも大体それプロローグ8話辺りのイメージだから難しいな…
>>265
救いは無いんですか…?
ものすごく単純明快で分かりやすいスキルとかの構成で動かしやすそうだなって感じで良いっすね!
聖杯戦争とかでマスターによって救われてほしい…救いが無いなら作れば良いんだよォ!!
>>289
癒されますね…
そういや劇場版すみっコ公開されたばっかりの時思ってた以上にこの映画やべーぞってネットで盛り上がってた記憶
>>301
やべえ…飯食ったばかりなのに腹が減ってきた…
マジモンの店使ってるっぽいだけあってリアリティがすっげえ高いっすね、しかも時事ネタっぽいのもありましたし
次郎系を余裕で平らげるお嬢もまたバーニングですね…まさにバーニング…>>319
そ、それはなんだかゴメンナサイ…?>>312
「投下しないと」って衝動に突き動かされてたから、飯テロ云々が頭から抜け落ちてた(蹴)。
ビオランテは「食べること」が好きなので旨いもんを食する時は本当に美味しそうに食するのです。
>>313
赤ちゃんの頃なので覚えていませんが、ホンの十数分ですが「飢え」を強いられた(母乳の冷凍ストックが底をついた&J.C.バルベルデを乗っ取ろうとしていた外資系がお膝元であるセビリアの流通まで阻害していたので粉ミルクも絶望的に不足していた)経験があり、それが空腹時に見せる『恐ろしさ』の原点となっております。
>>320
店名が出たのを真に受けた結果ですね。
でもリアリティを出せてよかった。
結構前の降板騒ぎ(詳細忘れた)が元ネタなんですけど、時事ネタと聞いて調べてみたら図らずも最近の出来事と被っていました。凌牙vsジャスミンの解説したいと同時にユーさんと裏ページで話してた時の話共有した方が良いかなって思ったので自分の見解込みでちょっと解説しようかなって
凌牙君とジャスミンちゃんは互いに学園の中でもかなり強いキャラな訳ですが、はっきり言ってしまえば凌牙君はジャスミンちゃんより弱いというか相性不利だと思ってるんです
凌牙君は簡単に言えば体力攻撃力防御力にステ振った物理アタッカーって感じで、イメージ的には高性能のタンク職って感じのイメージなんです。あとタイマンだとめっちゃ強いみたいな。
そんで凌牙君は魔術の威力も自身の身体能力もかなり高い訳ですが、実は「射程範囲が短いので距離詰めないと高ダメージ狙えない」「攻撃の大半が打撃か電撃」「1対1なら滅茶苦茶強いけど対集団戦になると少し弱い」っていう感じで弱点も多いんです。
片やジャスミンちゃんはユージーンさん曰くスキルツリーがエグい広いから幅広い属性に対応できて色んなモンへのメタを貼る事ができるって感じらしいんですよね。
そんでジャスミンの場合、かなり凌牙君の弱点を突けるんですよね。まずジャスミンは集団戦メインなのでそこで凌牙君有利取れる、特にグランギニョールはリレーSSから分かる通りめっちゃ効くって所。そして叛鎖最新話で出たガシャドクロみたく電撃打撃無効っての出されると割とガチでキツいって所も効くって感じで効果抜群取れる的なアレなイメージなんす。
総括すると
・凌牙君は確かに物理ステータスエグいけど弱点も割とハッキリしてるのでそこ対策されると実はキツい
・なので集団戦って時点で有利取ってくる上に弱点を的確に把握して対策してくるジャスミンに対しては必然的に不利になる
ってのが俺の見解だったりします。多分純粋なタイマンだったら凌牙の方が強いけどそれ以外に関してはジャスミンのが満遍なく立ち回れる的なイメージ。物理特化と万能バランスタイプ的な。
という訳で叛鎖プロローグでのバトルは的確に相性有利を狙って立ち回ろうとするジャスミンvs素の相性不利を覆そうと攻める凌牙的な感じをイメージして貰えればなって思います。
>>323
アレ子供向け奈須きのこって呼ばれてましたね…>>325
寒いですもんねぇ~。どうぞ。よっしいきまーす
「人を、竜に変える……」
「そうです。人を竜に変えるのです。魔術師を、ではありません」
「神秘を持たない一般人でも竜になれるの?」
「そのように在り方を作り替えます。アレはそういう神秘です」
口で言うだけなら簡単で、行うことは途方もない。
そもそもの話、現代の人間は神秘から遠のいている。どれだけ手を伸ばしても届かないくらいに。
それを強引に届かせることができるとセダムは言っている。
まるで夜空に輝く星へ押し上げるかのような奇跡。…………なんて素敵で、呪いじみているんだろう。
「竜ってわりには俺でも殺.せるようなヤツだったけどなー」
実際に殺し合ったらしいクチサキが口をはさむ。
これは竜を倒せるクチサキがすごいのか、それとも人間ひとりに倒されてしまう天馬竜アフィントンが弱いのかわからない。
「まぁ人間混じりですから……どうしても純正の竜種とはならないようです」
「デミ・ドラゴン、みたいな?」
「そうですね、そのような表現が正しい」
純粋な竜を目指していたはずなのに、出来あがるものは混ざりもののデミ・ドラゴン。成功とは言えないのに封印指定にまでなっちゃって……。
うーん、魔術師ってのはどこもままならないんだなぁ。
そうして話しているうちに私たちは廊下を渡り終えて、地下への階段を下り始めた。>>328
一歩一歩下っていくうちに空気が違うものになっていく感覚を覚える。
世界が静まって、音が遠ざかる。
階段の音がよく響く。ここには死者の呻きなんて無い。血肉も嘆きもただ安らかに眠るだけ。
そっか、ここは、
「墓、ですか」
思考を引き継ぐようにメレクが呟く。
ああそうだ、ここは墓なんだ。死者を眠らせ生者が寄り添うための、墓。
階段が下り終えて到着したのは地下墓地(カタコンベ)。丁寧に並べられた棺の合間をぬってセダムは奥へ進む。
奥にある分厚い扉の前で、セダムが足を止めた。
「この先にいます」
ようやく。
ようやくだ。
死霊病棟に来た最大の目的にやっと届いた。
早く、早く、と急かすように私を声に出さずに視線だけをセダムに送る。
セダムは苦笑して、それから扉を開けた。
「…………!」
開かれた扉の奥に、いた。
狭い室内の、そう遠くもない奥の台座の上にそれは寝かされている。>>329
白い鱗に覆われた体。
薄い膜が張られた翼。
体も四本の手足もすらりと長く、引き締まっていた。
顔は馬のように縦長で、竜特有の鋭い牙が見え隠れしている。
なによりも目を引くのは全身にかけて刻まれている刻印。四本足の生き物を単純な線のみで描いたように見える。
あれが、人を竜に変える?
あれが、封印指定となった生きた魔術刻印?
私が物言わぬそれに、そんな疑問を抱いていると───
「やぁっと来たか! 待ちくたびれたぞい!」
私でも、メレクでも、クチサキでもセダムでもない声が静かな墓地に響く。
喋った。
死体が───じゃない。あの刻印が喋った。
私とメレクが静かに驚き、すでに知っているクチサキとセダムは落ちついている。
そして私たちの反応を意に介さず喋り続ける天馬竜アフィントン。
「こォ~んな湿気た場所に閉じ込めてどんだけ待たせるんじゃお主らはよぉ! これが年寄りの扱いか!? ああん!?」
「天馬竜アフィントン。そのようにおっしゃられるなら、我々ガブリエール家にその遺体を渡していただきたい」>>330
「欲しけりゃ次の宿主を探してこいと言うたろうが! そうすりゃこんな場所ぶっ壊して出れるからのぅ!」
「……と、このように話になりません。せっかくの竜の遺体も手が出せずにいるのですよ」
「な、なるほど~……」
パワフルなおじいちゃん、そんなイメージが浮かぶ。筋肉もりもりでお酒飲んでてガハハハって笑う感じの。
想像してた竜の神秘とはかけ離れてるなぁ……。
「おん? お? おお!? なんじゃぁ連れてきてるじゃないか! ええぞガブリエールの!」
天馬竜アフィントンは私たちに気づいたようで、嬉しそうな声を上げる。
「ほぅほぅほぅ、そっちの金の小僧はえらく純度が高いな。ええぞ。その隣は……なんじゃぁわしを殺したク.ソガキか。お主は論外よ。んで……」
パワフルおじいちゃんの声のトーンが一段落ちる。メレク、クチサキときて残るのは私しかいないんだけど、
「そっちの銀の嬢ちゃんは面白いくらいに歪だのぅ。なにより眼がいい、星に手を伸ばす大馬鹿者の目だ。……うん決めたぞ。次の宿主は嬢ちゃんにしよう。ほれこっちこい」
なんか認められた。
なんか勝手に決められた。
これは、私を次の竜にしてやるよってこと? そりゃまぁ竜になる神秘なんて気にならないわけがないけど…………。
私がそうして悩むうちに誰かが私と天馬竜アフィントンの間に割り込むように立った。メレクだ。
「お言葉ですがミスター。女性の誘い方がなっていませんよ」
「ああん? 主のようなガキにンなこと言われる筋合いあるかい。邪魔じゃぁどけや、嬢ちゃんが見えん」
「生憎ですが貴方の言う『嬢ちゃん』の首輪は僕が握っております。そういった話は僕を通してもらわなくては」
「……主ら、つがいか?」>>331
「どう捉えていただいても構いませんよ」
「いや構うよ。お金の関係ってちゃんと言おう?」
「かーっ近頃のガキ共は爛れてるのぅ……ま、ええわ、金の小僧を宿主にすりゃ銀の嬢ちゃんも手に入るってことじゃろ?」
「……そう考えますか。強欲な爺ですね」
「おうおう何とでも言えや。欲がなくて竜がつとまるかい」
「はい。そこまでです」
パン、と手を叩いてセダムが場を仕切る。正直助かったぞ……
「天馬竜アフィントン。こちらのルナさんとメレク様は我々の客人です。貴方への供物ではありません」
「ああーん? ここまで期待させといてそれはあるめぇよオイ」
「というわけでルナさん、ご覧ください。こちらが天馬竜アフィントンの遺体となります」
「オイ無視すんじゃねェぞ死体野郎」
「どうか無視してくださいますように」
「はぁ……」
「どうぞ、心ゆくまでご堪能ください」
「触っていい?」
「ダメです」
「………………」
私はガッカリしている。すごくガッカリしている。えー……ここまで来て触れもしないって……えー…………さわりたぁいよぉ。
「そ、そんな顔をされてもダメなものはダメなのです」>>332
「どうしても、ダメ?」
「ダメ、です。ダメなんです」
「いいじゃーん触らせてあげなよ? 面白そうじゃん?」
「そうじゃそうじゃ、もっと言えク.ソガキ」
「やーめた。ルナちゃんこんなの触らないほうがいいよ」
「ク.ソガキ!!」
「……。いいですか、ルナさんがこんな風に……」
セダムが一度言葉を切って天馬竜アフィントンに近づいていく。そのまま寝かされている竜の遺体にそっと触れた。
「この遺体に触ってごらんなさい。強引に宿主とやらにされてしまいますよ」
「いやそれやってるセダムも危ないんじゃ……」
「ボクを狙うほどこの竜も節穴ではないでしょう」
セダムには竜としての価値がないってこと…?
一般人でも竜に変えられるって話だったのに……竜の判断基準わっかんないなぁ。
「……オイ、主、なにしとる?」
「実演です。こうしたら怪我しますよ、というね」
「気味の悪いヤツじゃて。見世物にしたいだけならもう帰れ帰れ。この遺体を爆発させるぞ」
「爆発できるのっ?」
「できるわけあるかい。ハッタリに決まっとろう」>>333
「……えぇー……」
なんなんだろう、このおじいちゃん。
いやおじいちゃんかはわからないし、喋ってる?のは刻印なんだけど。
「……すいませんルナさん。これ以上はこの竜がなにするかはわかりませんので、そろそろ……」
退出しろということらしい。
……いやでも、もうちょっとだけ……。
「ほら行きますよ、ルナ」
「あーれー」
なおも名残惜しく留まろうとする私の腕を引っ張ってメレクはさっさと引き上げていく。
クチサキはどうにも読めない表情でさっさと出ていって、最後に残ったセダムが扉をしっかり閉める。
もうちょっとだけ、もうちょっとだけでもと見ようとした私はその言葉を聞く。
「こんな墓にあっても、なお、生き汚い。まったく───」
セダムが扉を閉める時の、その、ほくそ笑むような表情が、
「素敵だ」
少し、気になった。>>334
* * *
また静かな墓地に戻って。来た時と同じように静かな階段を一段ずつ上って行って、私たちは地上にたどり着いた。
「もうちょっと見たかったなぁ……」
「あれ以上見るものもないでしょう。さらに先を望むなら遺体を買い取るくらいはしなくては」
「…………メレク、あれ買える?」
「貴女の借金に上乗せするなら買えますよ。買いますか?」
「……やめとく」
にっこり笑顔で肯定されたので素直に引き下がる。あれは笑顔の下に「また馬鹿なことを」と言い出そうとしている呆れ顔を隠しているんだ。うん、間違いない。
「そ、それでセダム、この後はどうするの?」
「ルナさんには取引の対価として……ルナさん自身のデータを測らせてもらいます」
「? どういう感じに?」
「つまり、健康診断です」>>336
セダムが死体野郎とか「ボクを狙うほどこの竜も節穴ではないでしょう」辺りに色々とありそうな感じ。
アフィントンがじいちゃんキャラだったので特別章の”僕”は別存在だろうって事が推測できますから、やっぱセダムだったのかなぁ。
論外くそ餓鬼扱いで「竜ってわりには俺でも殺.せるようなヤツだったけどなー」「やーめた。ルナちゃんこんなの触らないほうがいいよ」ってドラゴンに慣れてるクッチーがやっぱいいですね。ドラゴンが弟子だもんなぁコイツ……。
……となれば、ジジェとルナちゃんの絡みも今後あれば面白いかもしれませんね。クッチー経由で会える訳だし。
メレクくんとルナちゃんは気に入ってる感じなのに、クッチーが宿主としては論外な理由も気になりますね。まぁ多分「自分を殺した相手に寄生するのもなぁ……」って辺りが大きそうですが。>>339
>この先もこれ大丈夫かなぁ…なのがある
おや……?まぁ問題ないでしょう。今のところはクッチーの言動に対して特に変だな~、って部分、思い当たりがないですから。
もし仮に強いて言うなら、「竜ってわりには俺でも殺.せるようなヤツだったけどなー」の時に「……アイツと違って」みたいなジジェ匂わせ発言があればより嬉しかったなー、程度のモノですわ。まぁそれ言っちゃうとルナちゃんの興味がジジェにも移って話の軸がブレそうな部分があるから、しょうがない訳ですが。https://fatetv1830.wiki.fc2.com/wiki/%E9%BB%92%E7%94%B0%E9%95%B7%E6%94%BF
宝探しが落ち着いたので黒田長政のページ更新しました
セリフ欄を整理したのと関連人物をちょっと追記しました。幼馴染とか実家の天井裏とか柿の人とかGIF(Animated) / 715KB / 2000ms
あ、分かりきってるかもですが一応補足
目が光ってんのは別に魔眼とかじゃなくて集中してゾーン入ってる的な感じのイメージです…
裂夜君は刀抜いてガチモードなった時の集中力がエグいキャラなのでそこをイメージした感じです。特に深い意味は無いです。
あと叛鎖でレリックさん程じゃないですが活躍すると思います。
>>322
ビビる位リアリティ高かったっすよ
最近は声優さん休養とか多いですし心配ですよね。声優降板の元ネタ大分前ってなるとラブライブのせつ菜辺りかな…
カレーも楽しみにしてます!
>>336
アフィントンさんがいい意味で思ってたのと全然違ってて草。まさかこんなおもしれー竜だとは思わなんだ…
そしてセダム君不穏なんですが…!?いやまあキャラシとか説明無しの新キャラだったから警戒はしてたけどガチで不穏なんですが!?
これまたとんでもねえ波乱が起きそうですね…
>>341
お久しぶりでーす
そしてこの輪唱を見るとポプテピのアレを思い出してしまう俺はク.ソアニメに頭が汚染されているのだろうか…>>343
私も思わなかった…めっちゃ喋るのね君
セダムはガブリエール名乗っちゃったからそりゃあね…今更ですが前スレのSS感想投げていきますわ
前スレ>840(監獄長さんの)
笑加はやっぱりド天然不思議ちゃんだなあっていう決断力と思考、うーん良いですね。魔眼由来のふわふわ神秘観と一般人の感性が並立してるのも“らしい”。
そして代行召喚という胸躍るワードと共に召喚されたウィーラーフさん…の決め台詞を中断する笑加。凸凹コンビ感満載で、この後のことも妄想しちゃいますわ…
改めて、笑加をお使いくださりありがとうございます!
前スレ>917&>>336
アフィントンの白馬!昔ジョーンさんに教えてもらったヤツだ…と思ってたらすごいひょうきん!?でも人と竜の感性の違いやそれを理解してるとことか年長者然としているな…
セダムくんは色々きな臭くなってきましたね…コレもしや「セダムって人に案内されて…」「…セダムなんて人、うちにはいないわよ?」的な展開の流れ…?
前スレ>937(山星さんの)
こうも各組織内での意見が割れるとは…妖精という存在の神秘内でも輝く特異性さまさま、といいますか。ウルフィルトさんもよくここまで研究できたな…
時計塔と教会、二つの本来相いれぬ間柄の有力者の二人が愛し合う仲だったとは…殺し合うのはお互い…これは信頼の表れ…と言うヤツかな…?
前スレ>979(ライオンさんの)
もう二人とも覚悟がキマりきってて…前半の痛々しさがかえって二人の熱を生々しく感じさせるようで。
アツいような、痛切なような、姉妹愛の強さ以上に二人の執念が妄執と言えるほど固まりきってるの、これにはさしものプロメテウスさんもびっくりでしょうね。この妄執はいったいどこまで高まるのか…>>237
青空文庫は良いですよ…上で上げた作品の大半が登録されてます。
カステラに関してはたくさんですが彼自身のキャラ造形は『魔都』の印東忠介っていう登場人物に寄るところが多いのでそう言う意味でも『魔都』おススメです。ちょっと長いけど
>>226
タイプの異なるキャラでの対戦っていうのは何もかもが違っていて面白いですね。解説役、リアクション要員がいるのも盛り上げ方豊か。
現状だと圧倒的な手数の多さ、切り札に次ぐ切り札といった感じのジャスミンさんの方が優位っぽいですが、凌牙さんもガッツがあるから、果たしてどこまで食らいつくか…
>>265
カタンベリー物語、聞いたことはあったけどそこにあるお話をここまでクラウディにアレンジできるとは…ルネさんもいよいよアクセル全開ですね…()
基本的に善良、(マスターとして)当たりってタイプであるはずの属性が刺激物になってしまうのはスキルなどのシンプルさもあって聖杯戦争ではかなり過酷そう…でも聞くにクウネルさんがマスター候補?なようで、クウネルさんなら大丈夫という安心感…ひとまず幸せに、心穏やかに過ごしてほしい…
>>301
まるで実際の食レポブログのような臨場感…きちんと丁寧に、それでいて美味しそうに食べますねぇビオランテさんは。こうやって都内の色んな料理店に自然と足を運ぶ中で食レポ力も身についたのかな…
料理店のものも良いけど、こうなると自炊や知り合いの人の手料理みたいな家庭料理食レポなんかも見たくなってきますね『浮上&降下(※なんかいい感じのカタカナ)』
人を自分たちの領域へ連れ去る水妖ニンフの力の再現。より正確に言語化するならば「特定条件下での環境及び物体への干渉」術式。
過去、魔術に傾倒したベルナルダ当主が編み出したオリジナル魔術。
魔術師が代々受け継ぐ正当な魔術刻印はないが、刻印化された呪いの力を用いたもの。ルチアーノは魔術師を目指しているわけではないが身を護る術程度に覚えている。>>352
ルチアーノを中心とした半径5~6mの球体型の範囲内の彼の足元を「海水で満たされた水面」に変化させる。
範囲内ではルチアーノの意思一つでその「水面」下に引き摺り込むことも、逆に浮上させることも自由自在で、速度や位置も調整が可能。
「泥濘に足を取られる如くじわじわと敵を沈ませる」
「敵の目の前にナイフを投げ込み、背後から急上昇させる」
などといった芸当も行える。
範囲外から無数の銃弾を浴びせたり、ルチアーノの足元より高い場所へ飛翔しても、範囲内から水面の水が手のように対象を掴みにかかり、水中へ引き摺り込もうとする。
自身も浮上と降下の対象にすることは可能だが、水中で長く活動する訓練も敵を急襲する術に長けているわけでもないため使うことはごく稀。>>357
シエルアンドアビス(フランス語)とかどうです?
>>345
無限地雷原のトワ君よ。そういやトワ君はヘラるまでは普通に良い環境だったからクリスマスにプレゼント貰ってたんだろうな…
>>347
単騎で戦うタイプの凌牙君と軍勢召喚して戦うタイプのジャスミンちゃんっていう真逆のバトルスタイルですからね、実際書いてて滅茶苦茶楽しいっすよ。
このストーリーは凌牙とジャスミン、そしてワイルドハント騎士団のネームド達がバトルの中心になるし特に凌牙ジャスミンは序盤からガンガン戦るんで最初に紹介しときたいなって思ったって感じなんです。
なので今回は解説に凌牙君側のカステラ君、ジャスミンちゃん側の海月ちゃん、初見リアクション担当にムジカちゃんで今回主に絡ませる予定の生徒達を出しつつ上手くプロローグらしい解説をしやすくしたって感じです。あと今見返すと途中のカステラ食べるくだりでカステラがゲシュタルト崩壊起こしてたなって…
的確に対策して優位取ろうとするジャスミンに対して凌牙はどう出るのかご期待ください…!
>>348
イケメンですね。というか騎士団の男は皆イケメンですよね…王道王子様系イケメン、ガタイ良い不器用系イケメン、実は優しい陰気系イケメンって感じだし最早騎士団で乙女ゲー作れるレベルな気がしてきた…
>>350
スイッチ入るとめっちゃカッコよくなるイケメンの裂夜君をよろしくお願いします
>>351
この歌詞を見るとcv悠木碧氏のドス声思い出しますよね…>>361
https://www.osharewalker.co.jp/f/cd/page/1202-c0511-mrr-01.html
このサイトの服なんですがルナこういうダボッとした服似合いそうだなって…>>349
メルカリで真名に辿り着いたのは懐かしい記憶…
いやあ、舞台が舞台(死霊病棟)なだけにホラー展開の想像がぐんぐん捗っちゃうのですよねえ
>>350
その場合トワは「…じゃあ、カステラさんたちは9歳の頃には悪い子だったんですか…?」ってヘラりはしないけど心配しそう。「カステラさんもユウコさんも悪い子じゃないですよ!」とも。
でもややもすれば「なんでサンタさん、カステラさんを悪い子だなんて…」に発展しかねないので注意なのだな。クリスマスケーキの話にでも逸らすよろし
>>351
お気に召されたようで何より…!たまたま知ったのでビビッと来まして…
>>357
『ソット・ヴォーチェ』とか『オンデッジャンド』とか?一応どっちもイタリア語(音楽用語)で、「声をひそめて」と「波立つように」って意味です。前者は水妖イメージ、後者はスキルの内容イメージ
>>360
多分トワは家出後でも何人か出会ってある程度の月日を共にした人にクリスマスプレゼント貰ってそうだなぁ、なんならサンタさん信じてそうだなぁ、と。教えられる人が居なくなっちゃったから…
>騎士団で乙女ゲー作れるレベルな気がしてきた…
そうやってキャラを羅列されると確かに乙女ゲーチックですね…NPCのアドバイスくれそうな女性(黒須菜々さん)もいるしコレは役満>>359
手癖で描きやすーい方へ行くとなんか丸くなります
ザミエルくんは最初もう少しシュっとしてたような気がします 気のせいかもしれませんよーしキリついた!ルナティックプロローグの一部投稿してもいいっすか!?
>>369
どうぞーでは。
「ほらアンタら!依頼の仕分け、始めるよ!さっさと席にも着くんだね!」
静寂の中、拍手の音が響く。それに反応した様々な年齢、人種の若者を前に、どこか疲れたような雰囲気の漂う顔に傷のある妙齢の女性────バロックはこれから行う会議の主題を伝えた。
「はい、注目。依頼実行メンバーの決定会議を行うよ。姿勢を正す!」
はぁ~い、と気の抜けた……血生臭さを感じさせない”らしい”返事に困ったように笑いながらも、彼女は自分の後ろにあるホワイトボードへ依頼内容を纏めた紙を貼り付け、説明準備を整えた>>372
そして今やっている会議の主題は、依頼の請負振り分けである。ビーハイヴ内では珍しい、常に清潔と整頓が行き届いているブリーフィングルーム。そこには、過去の被害者であり現在のエージェントである同僚たちに集まっている。部屋は整理されているが、彼らメンバーの態度は様々だ。キッチリした綺麗な姿勢で椅子に座っているのがいれば、その隣のヤツは椅子を前後逆にして背もたれに腹をくっつけている。デスクに腕枕で突っ伏して顔だけ上げているお眠な彼女に、足を机の上に乗っけている彼。行儀が悪いからやめなさい。彼ら彼女らは元が虐待被害者であり、そのまま今の組織にスライド所属になった身の人間である。仕事の時は兎も角、プライベート寄りなタイミングであるビーハイヴの中では少々態度がよろしくない場面があっても仕方ないのかもしれない。しかし、その態度のままブリーフィングを始めます!とはバロックの目が黒いうちはならないのだ。きびきびと近寄り、しっかり注意をして本当に改めて会議を再開する。この光景がお馴染みのモノとなって久しいなぁ……、などと元被検体の子供たちは感じつつ、意識をホワイトボードとそこに掲示された依頼書に移した。
「さて、今回の依頼は細々とした定期依頼を除けば二つ。一つは中華圏で蔓延してるらしい特殊薬物撲滅の為に、売人を捕縛する仕事。依頼主は中華圏裏社会のある組織。もう一個は、匿名で入った胡散臭いモノだ。内容としては、本拠地が不明だった営利誘拐組織、通称”サロン”の所在地を教えるから一網打尽にしてくれ、という事らしい」
バロックが発表した依頼内容に、少なくない動揺が走る。薬物も、営利誘拐も。WASP、特に被検体にとっては忌まわしい過去を思い出すワードだからだ。WASPの前身であった”施設”の頃にはそういった犯罪行為は日常茶飯事だったし、新入りの”仲間”が増えるのはマトモな手段では無かった。故にまだ回復していないトラウマとなっている者も少なくないし、そういうメンバーも多いのでWASPは療養所としての役割から未だ抜け出せていない。心をざわつかせるのも当然と言えた。>>374
「小夜子さんはですね~、この図書館の司書さんピンチヒッターの依頼にしましょうかね~」
「私は、そうですね……、あぁ、このデータ入力の仕事を」
「……ソラくん。たまにはコミュニケーション能力が必要なタイプも請けるべきじゃないか?声が鈍るぞ。まぁ、放牧の手伝いっていう似た類のモノを選ぶ私も私かもしれないが。ただズオにも走らせてやりたいしなぁ……」
「もう、狼さんってば。私たちは社会復帰の為の手段なんだから、好きなのを選べばいいし、働きたくない時は選ばなきゃいいの。まず生存。それが一番。あぁ!!まさかの有名レストラン試作料理試食の依頼!?!?コレは受けなきゃ!ガロに邪魔されず沢山美味しいモノが……」
「あ、その依頼、俺と雪のヤツも一緒だぞ。料理人からの意見も欲しいらしい。ま、俺の方は食えないから、手順的な部分だけだが」
「そんなっ!?」
「タゲリアさん残念だねぇ。私は~、コレ!前に手伝った倉庫整理!欲しいモノあったら持ってっていいって言われたんだよねー。どうせ断捨離だからーって。また掘り出し物見つけるぞー!おー!」
ワイワイ────>>375
「おい宿儺。今回は依頼休むのか?少し珍しいな」
「うん、君と初めて出会ったバーがあるだろう?実はまだ関係が続いていてね。それで今度、小さいけどピアノのコンクールへ推薦してくれて。依頼よりも優先したいんだ。君も来るかい?テツオ」
「いや、残念だが俺が今回受ける傭兵のヤツは長引きそうだからな……、行くって断言はしにくい。悪いな。……っておい瞬藤。依頼書返せ」
「じゃ、俺も請けるかな!お前の依頼連名で!友達は大事にすべきだ!だろ!?俺たちみたいな存在は特にな!なぁに俺とお前のコンビなら、こんな中規模の戦争鎮圧なんざすぐ終わるさ!モッチも一緒にどうだ?」
「ふむ……。この規模の戦闘、ですか……。そうですね、でしたら私は今回別に請ける予定はあるので、それを終わらせたら合流します。それでいいですか?」
「人の話を勝手に進めるなよ……。あ?なんだヴォルフ。急に馬鹿力で肩叩くんじゃねぇ」
「おっ金田も傭兵か!オレはようやく一般任務オンリーの謹慎が解けたんで、同じく戦闘系の依頼にしたぞ!どっちが先に解決できるか競争と行こうじゃないか!」
「僕たちはどうしようかアリス?」『どうもしないよクシア。この護衛の仕事にしよう』「そうだねアリス。僕たちには似合いの内容だ」『だよねクシア。頑張ろう』
ガヤガヤ────>>376
いつも通り、全くいつも通りのミーティングタイムだ。ただ、ひとつだけいつもと違う所がある。部屋の一角に、古風なファッションに身を包んだ浅葱色の髪が特徴的な女性が少し緊張した様子で座っている事だ。見ない顔なので、多分新人なのだろう。といってもバロックは彼女を知らないので、なんとも声を掛けにくい。それは他のメンバーも同じようで、チラチラと遠巻きに眺めてはいるが、積極的に声掛けをしようとしている人員はいない。口を開けて、逡巡しつつ目を歪め、そして口を噤む。
そういうタイプがほとんどだった。まぁ彼らの経歴上、そもそも周囲とのコミュニケーション能力に関して言えば発展途上なメンバーも多いので。
腫れ物に触る、というように邪険、隔離的に見ている訳ではないけれど、一歩踏み出すのが難しい。そんな状態。そういう状況を動かせるのは決まって空気が読めないタイプだったりする。
「やっほーゴメンね皆!みんなのリーダー優しいおねーさん!裂月・C・ダークローズ・伊織、ただいまミーティングに現着ですとも!あっ、椿も一緒だよ!おおっと、なんだか新顔な美少女はっけーん!ねぇねぇ君は?誰なのかな?おねーさんに自己紹介よろしく!あっ、なぁんだビオちゃんかぁ!どしたん!?」
「駄目でしょう、伊織。急に勢いよく話かけては。────すゐませんお嬢さん。同僚がズケズケと……。多分、貴女がWASPへの参加希望だとゐうソフィさんの知り合い、だと思うのですが、Ms.ビオランテ・バルベルデ?ああ、同意してくださゐましたか。……。知らなゐとゐい事は社長の説明、寝てたんですか、伊織?」
「……ギクリ────。お願い椿!ボスには内緒にして!」>>377
しょうがなゐですねぇ……、というやりとりに困惑している(暫定)ビオランテ・バルベルデが気を取り直す前に、先ほどドアを全開にしてミーティングルームに入ってきた男女に関して補足。ビオランテ・バルベルデと同系色の髪に下着がチラ見しそうな高露出の和服をした女性はWASPが誇る一騎当千の戦闘班リーダーにして、WASPでも指折りのダメ人間、裂月・C・ダークローズ・伊織。フリーダムな彼女を諫め、(暫定)ビオランテに仕切り直しの声かけをしたのは椿・スノウハミング。彼の方が初対面の人間に対する物腰は正解だが、燕尾服にカーゴパンツ、羽織ったパーカーの上にフルフェイスのガスマスクを被った不審者一歩手前の恰好では、伊織とはまた別の威圧感を与えてしまうだろう事が残念である。>>378
少しフリーズしていた(暫定)ビオランテはようやっと平静を取り戻たようだ。、
「ええ、はじめまして……、ですわね。WASPの皆様。私、ソフィ・セーレイズの知り合い、ビオランテ・バルベルデと申します。将来的には、ここWASPへの参加を考えています。なので、今回は職場体験、というような感じになるのかしら。ともあれ、今後ともよろしくお願いしますね」
礼儀他正しく、硬すぎず、そんな態度で挨拶を交わすと、医療班つまり身内であるソフィ・セーレイズの知り合いだという事を知って緊張が解けたのか、一気にビオランテの元に集まって、色々と質問をしたり、自己紹介をはじめとした挨拶を交わしている。
「なぁ伊織?社長の説明に寝てた、という事について聞かせてくれないかい?」
「ひぇっバロックさん!?い、いやぁ違うんですよ。ちょっとボーッとして目を閉じそうになってただけで……」
「まぁ今回は直接見た訳ではないから不問にしてやるけどね。で、どの仕事を受けるんだい?個人的には本日のメイン依頼である薬物撲滅のをやって貰うと嬉しいんだが、どうだい?椿と一緒に行けば、アンタらなら簡単な案件だろう?」
「うーんそうだね、どうするー、椿?ウチは単独で受けてもいいけど。椿がいれば、安心感あるしー」
「フフ、嬉しい事を言ってくれますね伊織。バロックさん、自分もその依頼、やりましょう。最近は馴染みの依頼もなゐですし。ああ、コチラ。彼女……、Ms.ビオランテのプロフィールです。纏め役として確認をお願いします」
ミーティングルームでのちょっとした交流会を傍目に
「ああ、助かったよ。────ふむふむ────おおい、ビオランテ、だったかい?アンタには匿名依頼な依頼の方である、”サロン”撲滅の依頼を頼めるかい?座標にあればオッケー任務遂行、なければWASPの仕事内容の流れを体験するという形になる。職場体験としては、悪くないだろう?」>>379
今一信憑性がない依頼なので、丁度いいからと新参者に投げるのもどうかと我ながら思う。しかし、実際問題プロフィールを見ると彼女はなかなか荒事慣れはしているようだから、任務内容が出来ない、という事はあるまい。今後の為、というならば戦闘力もある程度図っておきたい、という気持ちもあるし。もしもの際の離脱補助は、社長である神羅・オトギリに使い魔なりの支給を頼むとして……、などと思案しながら、今回の依頼仕分けミーティングが終了し、メンバーはそれぞれが銘々に任務遂行準備を行うタイミングに移り、今回もミーティングは滞りなく終了、人員もばらけて行った。
「さて、この今回の任務も、皆負傷や問題なく進むといいんだけどねぇ……」
バロックは会議の進行役として、資料をトントンと机で整えながら呟き、今回パスして暇になったメンバーと一緒に部屋の後片付けを始めたのであった。
◆◆◆
同時刻、同じくビーハイヴの船内の一室で煩悶する男性が一人。WASPが結成される立役者の一人にして現代表。そして”施設”の裏切り者でもある男、神羅・オトギリである。
「さて、Missビオランテというまた新たな因子がWASPに入ってきた訳だ。私としては彼女が魔術師への抵抗、拒絶を軽減する一助となってくれればありがたいが……。さて、どうなるか。思案その1、その2としては、今回のミーティングの主題になるであろう依頼二つにどうも不穏な予測が見え隠れしてしまっているのが我ながら不安要素だが……。まぁ私は占星術は少々不得手な上、実行した際に変な星なりはなかったので致命的な結果にはならないだろう、杞憂その1、という事だ」
まぁ上手くいくのを祈ろう、と独白。少なくともWASPの壊滅に繋がる因子は無い、というのは間違いないのだし……
、と振り返りながら、久しぶりに胃薬を呷った。
「差し当たって私は、もっと彼らの治療を迅速かつ的確に行う為にも、我が魔導である獣胎憑霊法(リカントロピー)をより医療・治療的に鍛え上げておく必要があるな」>>384
そんでWASPにはアンドリュー野郎とかもいるのでなんとか抑えて貰わないといけないという……。
神羅さんの狙いとしてはバルベルデ家っていうNot外道な魔術師もいるんですよーって認識させて魔術師との交流ハードルを下げよう、ってのがそれですね。
改造の内容によっては魔術関係者に治療頼んだりする必要も出て来そうですからね。
既存メンバーだと雪さんいるけど、彼はどっちかというと料理人比重が高めで魔術師って印象を抱きにくい部分もありそうですし。>>386
こういう大人数が一気にしゃべる、って場面は今まで全然書いた事ないので、上手く描写出来てるっぽくて良かったです。WASP関係の短編やら今までに投下された諸々のネタもイイ感じに拾えた、と思う。ふと気になったので
イラストはちょいちょい貼られてるこのスレですが、クリーチャー・モンスター系のものってありだと思いますか?ゆる募。
引き続き、ビオランテにチャレンジしてほしいメニュー。(実在するか否かは問わず)そういえば南米が近づいてきてますが、私テスカトリポカ関連のネタガッツリ溜め込んでいるんですよね
……ついに裏ページのお世話になりそうで……こわい……>>364
確かに菜々さんはアドバイスくれそうな気がしますね…あとwikiにまだ無かったから忘れてましたがヴィクトルさんも隠しキャラでいそうですね
そして間違いなく一番攻略難易度低いのは裂夜君ですね、間違いない。というか他の人の難易度がエグそうなのよ…
>>381
こっちも始まりましたか…!!何気にWASPメインの長編見るのはこのスレ来て初めてかもなので楽しみです!
そしてお嬢がWASPで職場体験してるのビックリしました。恐らくメインで絡みそうだけどどうなんだろう…
>>390
かっこいい…クリーチャー系とか異形系はwikiのギャラリーにぼちぼちいた気がしますし俺も描こうと思ってますし大丈夫だと思いますよ
>>391
落差ァ!!
>>396
あーあ、出会っちまったか
これはマスコット界に新時代が訪れる予感がしますね…というかメロだけマスコットのデザインの手抜き感エグい気がしてきたな大丈夫かな…
>>397
メロ(タケノコが懐いてるぷにゅ…!?)ロイドが休日に船の中をぶらぶら散歩するssを書いてるけど落ちが無さすぎて何も無いまま終わりそうで草枯れる。
>>381
ゆる〜い雰囲気で仕事の振り分けを決める辺りが良くも悪くも“子供たち”の集まりであるWASPらしさが出てますね。それでもいざ仕事に出たらキッチリするよう指導はされてると思いますが。
>>390
>>391
>>396
>>397
祝え!新たなるマスコットの誕生を!!
>>399
ヴィクトルさんは言及セリフが頓挫しててwiki登録できてないでござる。
乙女ゲー的にヴィクトルさんを見た場合攻略する際のネックは本人が絶賛終活中なので「もう少し生きてみてもいいかもしれない」と思ってくれるかどうかみたいなとこあります。>>408
星雪は高等中学(所謂『高校』)は出てるので学力はそれなりに高いけど、超学歴社会の香港じゃ「手に職」という考えが軽んじられると感じていた上に、勉強ができるクラスメートが過度なプレッシャーから薬物に手を出してオーバードースで亡くなったから、進学する気が無くなって海外に就職しました。>>406
バックヤード家自体は表でも裏でも結構有名なのでちょっと探せばすぐたどり着くと思います。ただ表で調べると高確率でアメリカの病院に行き着くので注意です。多分魔術側で調べると割とすぐ出てきますね。
>>407
うい。とりあえず今日明日中にはまとめたい所存です。
>>408
Hey!まずはWASPは成り立ちからして施設の被検体だった子供たちがメインなので総合的にはそんなに高くはないと思います。
施設で生まれた子供などはオリビアの例のように被検体同士や物好きな研究員などに基礎教育をされたりでそうでない、外から攫ってきた被検体達は攫われる前の学歴がメインになりますね。風花ちゃんや小夜子さんなどがそれです。
まあでもWASPとして働くからには一定以上の学力を持ってからでないと神羅さんが許可しないと思われるのでWASPとして働いているメンバーの識字率は100。最低学力高校生(少なくとも悪い大人に騙されない程度)以上と見るべきでしょう。
あと制服については経歴上まともに学生時代を送れてない子供たちの方が多いと思われますので憧れなどを込めて制服はブレザー風の服とかどうでしょう。あくまで着るのは各自の自由。普段は私服で正装をするべき時はブレザーみたいな使い分けも可。
年少組が着るとまんま学生服だけど年長組や大人達が着ると畏まりすぎないフォーマルな服装になる感じを裂夜君はもしかしたら騎士団どころか船の男キャラ全体の中でもし乙女ゲーだった時に一番というか段違いに攻略難易度低いのではと思い始めてきました
多分好感度は凄い上がりやすいし選択肢も難しいの少なそうですし攻略時のネックになりそうな自己評価の低さとかコミュ障部分も他キャラのネック部分に比べたら遥かに突破しやすいしで割と簡単にルート攻略できそうだなって
ちなみに他のネームドと恋愛関係にするのも俺的には大歓迎なのでジャンジャン受け付けるですよ
>>400
メロ(表出ろぷにゅ)
>>401
クリーチャーとか人外系の奴も良いですよね…俺もクリーチャー作ろうかな
>>403
ロイドさんメインのSSって何気に初ですかね?全裸待機します
>>405
成程…
まだベールに包まれてて予想できないですがめっちゃ面白そうなのは分かるので楽しみにしてます!>>410
おー制服も学力も納得感ある。
ビーハイヴ内に寺子屋っつーか私塾的なの設立されてそうですねそうなると。
明確にブレザー風制服来てそうなのはソラ辺りかな。>>412
幸せな家庭…ですらこういう風に取ってしまうんだ…清々しい位に捻くれてますね…
>>413
そうですね…とりあえず絡ませたらいい感じになりそうだなって思う組み合わせはムジカちゃん、海月ちゃん、ペルカちゃん辺りかなっておもってます。
ムジカちゃんとはコミュ障と声を出すのを恐れる少女っていうのが深刻度の差こそあれ似ているので理解し合えて仲良くなれそうかなって感じに思ってます。火村さんも前スレで意気投合してそうって言ってましたし。多分前のSSのマレオスマホ事件の時は割と本気で怒ってたかもなって思ってます。
海月ちゃんに関しては海月ちゃんも内向的な時期があったのでそういう所は互いに理解してそうだなって思ったり、互いにジャスミンちゃんやロイドさんレリックさんっていう凄い先輩とか仲間に対して憧れと自分も強くなるっていう感情抱いてる所でも通じ合いそうかなって。あとゲーム仲間でもありますし。
ペルカちゃんに関しては何というか素でかわいい純粋ロリオーラを出してるペルカちゃんに振り回される裂夜君が見たいってのが結構な割合を占めてますね。
多分ハグする相手判定は満たしてそうなのでハグされて動揺して「……ペルカちゃん。…いきなり、そういうのするのは良くない…色々、危ないから…」って混乱しながら言う裂夜君とか見たいなって。
とりあえずパッと思い付くのはこの辺りですね…>>419
ああやっぱり男女の関係以前の距離感なんですね
どっちもその気にはなってなさそうpicrewのまいよめーかー(https://picrew.me/image_maker/167775)で作成したハダリーの画像をMEITUのAI artで加工したもの。
あら美人。そういやピクルーのイラストってAI化による加工って作者が想定している加工可能の範囲に入るんですかね……?
AI側の規約が「ユーザーが生成したイラストの著作権はMeituが保有する」になってるからそれに自分の物じゃない他人のイラストをつっこむのはどうかと思う
知らんとこで知らん会社に自分の絵だったものが使われるかもしれないの控えめに言って恐怖でしょとなると、次から控えた方がいいか。
そういえば『船』にはまだカップルらしいカップルがまだいないんですよねー
…………>>430
裂夜って、案外うちの日本人鯖(特に景清、新八、長七郎)と相性良さそう。くっ、『船』の自作女性キャラがいまいち掴めないウサギ娘しかいないからオススメできぬ…!
というか、ペルカを女性として見てくれる男はいるのでしょうか…というより女性陣はともかく男性陣に恋愛行けそうな人がほぼ居なそうなのがかなりネックになりそうですよね
特に男子生徒はトラウマ克服しない限り恋愛方面行けない人、単純に攻略するのが凄い難しそうな人、メンタル方面で抱えてる爆弾がエグい人、女慣れしてる上に18歳以上が恋愛対象だからかなり対象絞られる人と全員かなりCP成立させんの難しそうな所ありますしね
とりあえずウチのメンツだと元々誰かとCP組むの想定して作った奴かつ軽いクール属性の正統派ヒロインで、相手によっては軽めのツンデレも行ける海月ちゃんをお勧めしたいなって思います
そしてさっきも言及した通り裂夜君もCP組むの大歓迎です
あと凌牙君は本格的に恋愛として意識するとしたら叛鎖ある程度進んで以降になりますが、フラグというか今のうちに組み合わせ作っとくのはOKです。何ならもし確定したら叛鎖でも出来る限り絡ませられる様に努力しめす。
確かにかつて妹分だったみたいな端から見たらヒロイン的な子はもう告知してる通り叛鎖に出てきますけどそっちは凌牙君の事恋愛的というか異性として好きって訳じゃないので全然問題はないです。
つまりウチの船メンツは全員OKです。何なら需要あるか知らんけど巽のオッサンですらOKです。>>432
ビオランテがWASPに入ったら、以前言ったようにソフィと相部屋になる可能性あるけど、そこからくっ付くかは未知数だったり。ふへへへ、カップル気ぶりするのは楽しいゾイ。
船だと実はロイドは意外と攻略可能キャラだったりします。というのも一見ネックになりそうなアルマは意外とロイドが人間の女性といい仲になってもOKなスタンスだから。
WASPだと小夜子さんは色々難しいかもですがオリビアに関しては『バックヤードの血を引く者としてユージーンとくっ付くルート』と『施設時代実験に参加していた被検体&歳も近いガロさんとくっ付くルート』などが考えられます。ちなみにユージーンの方は私の持論『自キャラ×自キャラは伸びない』により可能性は低いです。
>>416
嬉しや…あな嬉しや…。蜂イメージで黒と黄色は思い付きもしませんでした。
ss書けたので載せてもよろしおす?チェストしてええのんか~?
ワイルドハント騎士団の一員、ロイド・クラーク。今回はある休日の彼の様子を見ていこう。
「おっと、建付け悪くなってるな。後で生活管理局に連絡しよう」
気の向くままに船内を散歩し、普段はあまり使わない道を見て回る。
船を増改築する際に何処をどう弄ったかという連絡は受けるものの実際にその場所を見れないことも多々ある。そうして日々変わりゆく秘海集積船の様子を楽しむのである。
「お?ここ通れそうだな」
「キュウ!」
ロイドが建物同士の隙間に出来た抜け道を見付けると肩に乗っていた小動物、アルマが飛び降りて先導するように歩きだす。その様子を微笑ましそうにしながらロイドもまた狭い道を進んで行く。
「抜けた抜けた。えっとここは…」
周囲を見回すと見覚えのある建物が目に入る。仕事として訪れることも多い「巽商店」だった。「らっしゃいせェい!!…おん?誰や思ったらロイドやんか。ちょい待ってぇな、抜き打ちチェックとか聞いとらんがな」
「待ったら抜き打ちの意味が無いだろう?
────冗談。安心して、今日俺は休みで散歩の途中でなんとなく立ち寄っただけだから」
ロイド・クラークは仕事とプライベートのオンオフがしっかりしているタイプであり普段ワイルドハント騎士団の仕事として巽商店を訪れた時は真剣に疚しいことが無いか改めたりしている。
そもそも彼個人の意見で言えば巽会のような“問題児の受け皿”は必要だと考えている。
「なんや、そういう事なら早う言って欲しかったわ。おっちゃん驚かせんといてー」
「お詫びと言ってはなんだけど何か買っていこうかな」
「まいど!良いもん揃ってますぜ旦那ァ」
「キュキュウ…」ロイドはアルマの餌と晩酌のツマミを兼ねてササミの燻製を幾つか買い、その場でアルマに一切れ渡した。
「モキュモキュ」
「おまけで自家製コーラも付けちゃうぜ」
「ありがとう。今は飲めないけど帰ってからもらうとするよ」
「それは構わへんけど、何で今飲めんのや?」
「散歩中にトラブルが発生した時なんかに炭酸飲料を飲んだ後に動くと気持ち悪くなっちゃうからね」
実際秘海集積船の魔術師が実験中に使い魔を暴走させてしまったり成果物の突然変異等が起こりワイルドハント騎士団が出動する事がある。
そんな折ロイドは散歩中に事件が起こった現場に居合わせることがままあり、騎士団員が現着するまでの時間稼ぎを買って出ることがある。
「ほほう、常在戦場っちゅうやつかいな」
「そんないいものじゃないよ。それじゃ」
「毎度ありィ!!」巽商店を後にしたロイドはアルマが顔の近くで齧っている燻製の香りに負けて自分もまた一切れ袋から取り出して食べ始めた。
「食べながら歩くとか師匠に見られたら怒られそうだな」
「ギュッ」
「ははは、アルマは本当に師匠のことが嫌いだな」
「キュウ!」
どうやらロイドにはアルマの言いたいことがなんとなく分かるらしい。
「あ、ロイドく〜ん。丁度良かった、コレ運ぶの手伝って」
ロイドに声をかけたのは生活管理局所属の魔術師、セレン・アイグレール。彼女が指でコンコンと叩いた樽は確かに女性が一人で持つには手に余りそうな大きさである。
「いいよ。よいしょっと」
「ありがとー、やっぱ頼りになるねぇ。このまま私の工房までよろしく!」「ここでいい?」
「もうちょい奥。オーライオーライ…はいそこ!はーいOK
いやぁ本当に助かったよ〜」
「これくらいお易い御用だよ」
セレンの指示通りの場所へ樽を運んだロイドはほんの少し凝った肩を軽く回す。
「なにかお礼がしたいんだけど…あ、お酒飲む?………ってこれ秘密で漬けてるやつだから流石にマズイか」
「いや、今日はオフだから大丈夫だよ。でも昼間からあまり飲みすぎるのもあれだから一杯だけ」
その後ロイドはセレン作の果実酒を一杯貰うとその味に舌鼓を打つ。
「それじゃあまた今度」
「今度はケーキとか用意しとくから、またよろしくね〜」
「キュッ?」その後散歩がてら見つけた建付けが悪くなった扉や雨風に晒されて脆くなった木柵を生活管理局に報告しようと歩いているとなにやら騒がしい声が聞こえてくる。
「わはははー!そこのけそこのけ、マレオが通ぉーる!」
「くっ、待て…待てってばマレオ…!」
代車を改造した通称『マレオカート』に乗りアルシオネシアの一体が押すことで爆走する問題児[マレオ]とそれを追う後輩[三峰裂夜]の声が聞こえたロイドは一瞬歩を止める。
「ロ…ロイドさん…!」
「頑張れ。今日は俺休みだから!」
爽やかな笑みで助けを求める目を躱すと走り去って行くマレオ達を見送る。
「キュウ…」
「いいんだよ。マレオ係って要するに寂しがり屋な神さまの遊び相手みたいなところあるから」その日の晩。自室に戻ったロイドは巽商店で貰ったコーラを飲んだり買った燻製を摘んだりしているうちに寝る時間がやって来る。
「今日も一日平和だった。明日からも何事も起こらない平和な航海になるといいな、アルマ」
「キュキュ!」
────────こうして見てみるとロイド・クラークは職務に忠実だが規律一辺倒という訳では無い、彼なりの判断基準に則って動いていると考えられる。それが良いことなのか悪いことなのか、我々には判断が難しい。
少なくとも彼に対しての支配は得策ではないだろう。今は、それでいい。トワ→性根を叩き直さないと人付き合いすら今後厳しい
仲良い人に「付き合って」と言われたら→「?はい、良いですよ。…………!?」その時は特に何も考えずOKして後で大混乱。メンヘラルートかアオハルルートに行くか、割と改心させられる希望ができるくらいの衝撃はある
レリック→ザ・仕事人間。抱えてるモノが長く重いモノすぎるので本人も他人と距離を縮めることに消極的
仲良い人に「付き合って」と言われたら→前提が非常に少ないが、言われると苦笑して「お前にはもっとお似合いがいる」って断る
夕ウタ→「恋愛は此方のような優等生命の嗜みだよ」。友人にはなれるが中々ガードは硬い。なれても現地妻感がある
仲良い人に「付き合って」と言われたら→「好意は有難いが、此方は客旅の身なのでね…」とやんわり断る。そこら辺は結構大人っぽい
麟ノ助→割と感性は一般人的なので恋愛もできる。問題は彼のペースについてくる人がいないこと。気遣いもできるけどズレてる。髪切ったとかコスメ変えたはこの中で一番すぐ気づく
仲良い人に「付き合って」と言われたら→「いいよ。一緒に試してみようか」。まさかの即決即断。ただしこの前に30分くらい思考するので待つ必要がある
カステラ→この中で最も恋愛適性がある。女遊びの一環っぽさがあるのは否めない。あと当て馬感がしすぎる。好きになったらグイグイ、そのくせ告白は魔都仕込みのしっとり詩的仕様
仲良い人に「付き合って」と言われたら→「えー、オレっすか?物好きぃ」揶揄うようだがちゃんと相手が自分を好いてくれてるのか値踏みしてもいる
ヴィルレイ→論外。お前の名は孤独
【結論】
及第点は麟ノ助とカステラ、あとの奴らが受身すぎ、論外が一人いる時点で我卓の恋愛力はアレ>>449
「恋愛」自体では
トワ→恋愛初心者、ウブ。乙女ゲー(攻略対象のイケメンの心の闇治療系)の攻略対象としての適性アリ
レリック→恋愛も幾度かしてきただろうが自分の背負うものを心得て身を引くかそれでもと挑んで結局打ちひしがれたかで恋愛自体に距離を作ってる
夕ウタ→本気の恋愛はしない。遊郭やバーで出会った大人同士がするような遊びでの恋愛に止まる
麟ノ助→受身で恋心を自主的に抱きづらいが恋愛に興味はある(疑問的な意味で)。思索的。一足飛びで恋から愛になる
カステラ→情熱!アオハル!いのち短し恋せよ乙女!他人の恋愛も自分の恋愛も楽しむ。相手が一途なら彼も女遊びは控えるし相応に応えるよ
ヴィルレイ→論外。お前の名はry(
>>448
オンオフがしっかりある人ですね。ロイドさん、おっとりしているようで抜け目ないというか線引きがしっかりしてて、こういう点でも色んな人に好かれるタイプなんだろうなぁと思いました。
アルマさんとも仲良しで癒されました。サトシとピカチュウ的な…今週は週末もちょっと来れなさそうなんでも少し投下します
トワがなんで恋愛によってメンデレを克服できるかもしれないのかというと、これはトワが今まで受けてきた愛情の種類に寄ります。
トワが生まれて今に至るまで他者から受けてきた愛情は家族愛、友人愛、隣人愛の三つで、彼が知っている愛の形もこの三つ。恋愛の、ようは異性愛は物の本なんかで知ってはいても理解はしきれていない状態です。
だから、異性愛においては愛情表現=肯定のお決まりの図式がまだ固まっていない。そんな状態で触れたことのない異性愛に触れた場合の進展が未知数なわけなんでして、ここからルートによって「異性愛さえ肯定を愛とする脅威のメンヘラルート」「異性愛を通じて世界には別な愛情表現があることを学ぶ更生ルート」「愛情表現の図式という常識の崩壊に耐えきれずの破滅ルート」の分岐がありそうだなーと中納言は思いました。
問題はトワのことを「男性」として見る人が現状でも少ない点。以前に遠目からだと実際より幼く見えると彼の外見を形容した通り、初対面の人は大概トワを「子供・年下」、または「友人」、あるいは「他人」と捉えて交流していくうちにそれは固まっていくことと思います。
これも考察するところによれば理由は一応あって、見た目も無論あるのですがここにもトワの受けてきた愛情の形が影響していると考えられます。
家族愛、友人愛、隣人愛を深く受けてきて、なおかつ思春期を押し隠し抑圧(独立しない・他人に依存するなど)しているトワはその分無意識的にも身体自身が「自分を子供に見て、幼く見て、成長した人間としては見ないで!(自分は成長できない、したくないから)」という観念を放っていて、それと立ち居振る舞い(尤も、これも↑の意志が介在した結果と言えますが)によって個人、男性として見られることがないという考察が中納言の中では一般的です。
思春期は謂わば殻の中にいた雛鳥が今までいた世界である殻を内側から壊したいという意欲を持って壊し新たな世界に飛び立つ頃。
そうしなければ、少なくとも親を殺.したトワは殻の中で衰弱死するか成長する身体と殻に挟まれて圧死する運命です。だからといって無理矢理殻から出そうとすると殻ごと潰れてこれまた死ぬでしょう。
……………もしかして恋愛させたほうがいいまである…?(なお3分の2でバッドエンド)>>441
アインス先生とジャスミンちゃんは教師と教え子なので…とはいえジャスミンちゃんからの矢印がでっかい&教え子の範疇に収まるものではないので目がないわけでもない
でもカップル的なイメージはやっぱり浮かばないんですよねー
アインス先生視点でかわいい教え子だと思っていたら実は…!な流れで食べられちゃう未来しか見えない
『船』の性質上どうしてもクセ強めのキャラが乗船しやすいですからねぇ…
思いついたら出しちゃうかも
>>448
いやー平和……穏やか日常とヘイズさん視点で二重に平和だ……
ロイドさんオフなのに細かく生活管理局に連絡してくれるの真面目だぁ
>>451
これは攻略したくなる
恋愛という要素が加わってグッドエンドもバッドエンドも見えてくるの良きですよ
キャラに大きな変化を与えかねない恋愛はやっぱり良い……ただイチャイチャしてる関係も大好きですが余談:
普通に攻略するにはやや面倒くさいクウネルですがゲーム的には例外処理が存在します
具体的には物憂げでどこか影のある女性ならクウネル自身が力になろうと粉骨砕身東奔西走するので難易度がめちゃくちゃ下がります
公式だと桜、自作だとロバがその枠です
>>438
黒ジャケットと黒シャツいいなってアタイ〇〇くんのことわかんないよ!!!!となりながら書いてます。心が壊れて人間ではなくなってしまう
それはさておき吸血鬼と亡霊 10をwikiに登録しましたー>>450
真面目だけど真面目すぎず本人なりの線引きした上で動いてます。ssの中でも言ってますが船の住民に被害が出かねない自体になったら参戦したりします。
>>452
ジャスミンとアインス先生のは正直ジャスミンの好感度的には普通にLoveになってもおかしくないレベルなんですがやっぱりその辺の情緒がおかしくなってるせいで恋人になりたいじゃなくて父親になって欲しいになるんですよね。
生活管理局に連絡はあれですね。ガードレールが壊れてるのを見かけたら役所に連絡するみたいなノリです。治安維持的な意味でもそういった部分はきっちりしてます。
>>455
ワイルドハント騎士団の裏メンバーとして表のロイドの素行調査的な。
>>458
マレオ係は差し迫った問題では無いのでオフにまで絡まないのです。クフフフフ…。お出しするのがいつになるかも分からないネタがどんどん増えていく。
京極さんの叛鎖が終わった辺りでジャスミンの実家周りの話出そうかな。あ、でもルファスが兄が眠ってる墓標の前で本名カミングアウトする話とかもやりたいな…。
そういった意味でもいつ使えるか分からなかったネタを使って頂けて京極さんには感謝感謝です。
>>461
まともな家族の愛情というものに飢えてる結果好きになった相手に対して「この人が私のお父さんだったらなぁ」みたいに考えちゃうんですよね。
愛の重さは割と重い方なのでよくある(?)いつの間にか外堀埋めて婚姻届を出してくるみたいな展開の時に養子縁組の書類を差し出してくる可能性があります。>>448
頼れる先輩に会えたと思ったら爽やかに見捨てられる裂夜君で草。多分ロイドさん見つけた段階で(ナイスタイミング、俺なんかより遥かに体力あるロイドさんが手を貸してくれれば何とか…!!)って表情が少し明るくなるけどすぐ断られた瞬間に目から光消えそう。
巽さんも裂夜君もエミュ完璧っす!
>>455
可愛いっすよね…四皇は完全にふざけましたが海月ちゃんより触れられてて草です
>>456
強そう(小並感)
線画が綺麗で尊敬します…
>サーヴァント混ざってる
ま、まあ他も割と厄かったり神秘あったりするし…
>>452
>>459
成程…互いからの解釈聞けるのはカプ厨としてすっげえ有難い
ジャスミンちゃんからのラブの矢印クッソデカいのでCP行けると思ったら娘ルートか…最高じゃねえっすか
>>462
重いッッ!!でもそれがいいッッ!!
それと叛鎖終わるまで待つの本当に大丈夫ですか…?完結するの多分早くても来年の6月辺りだと思いますよ…?
>>463
イ゛イ゛ヤ゛ッ゛ハ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛オ゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛!!!(歓喜)
これには俺もメロちゃんもにっこり>>463
可愛い(可愛い)
黒鹿さんも言っているように船の冬は寒そうですし暖かい格好する船メンいいゾーこれ。
>>464
STEP1、生活管理局長から“シースター・アインスの所有権”を譲り受けます。
STEP2、アインス先生に人間としての戸籍を作ります。寿命等の問題があればそれを解決する手立ても探します。
STEP3、ここに来てやっと本人に書類と同時に「先生が私のお父さんだったら良かったのにって思ってたの」と伝えます。
外堀は埋めるけど最終的な判断は先生に委ねるのですぐに結論は出さなくていいと言いますが「一時の感情かも」に関しては「今の自分があるのは先生のおかげ」「一時の感情でここまでしない」とはっきり言いますね。
>>465
頼れる先輩なので仕事中だったら手伝ってくれました。しかし残念、この日は休みだったのです。
ちなみにジャスミンにその辺の情緒が人並みに芽生えてくると今度は一変しておヤンデレの気が見え隠れしてきますわよー。
だってその話を乗り越えたジャスミンって過去は吹っ切れるわトラウマも大幅に払拭されるわ「こんな家にこの子を居させられるか!」と弟連れ出して来るわで今の社交的で有能だけど内面ではネガネガしてるキャラと別物になりますので。シオネの冬服
M型たちも冬場は長袖長ズボンです
これらは寒さを苦に感じませんが視覚的に寒そうな服装は人間さん的にNGらしいと学習しています
あまり被服室から出てこない0号まで衣替えするのは「人間に見られないからといって気を抜いた服装はいけませんことよ」と『姉』に教わったんだと思ます
>>448
086は マレオ に かんか されている !ちなみにマレオの冬服はスカジャンヤンキーコーデで決まりっ☆
キテル…冬服ムーブ…
みんなもっとモコモコしろ…
>>466
STEP1から大変だなぁ…考えてみればルナちゃんはメレクの捉える世界(かちかん)に「熱」を与えてくれた人なんだなあ
>>475
きゃあああかわいいいい!!!ちなみにルナからメレクに向けるものは現状ぷすぷす煙があがる種火くらいのものです
なんで自分を応援するのか、なにを自分に期待しているのか、まだまだわかっていません。これからですね>>480
あらあら~(ニコッ)ルナとメレ坊でがっつりなにか書きたくなってきたしまっているのに冒険旅行記の方ではそういうターンではない…
ふふふどうしよう…私増えないかな>>484
どうぞー。>>484
チェストどすえ。「健康診断んんん?」
あんまり聞きたくない単語が聞こえてしまった。
聞き間違いであってほしいと思うときほど、聞き間違いではなかったりする。そう、つまりは。
「はい、健康診断です。ボクが担当しますね」
ほがらかに笑いながらセダムはいやなことを言う。
いやだぁ、健康診断やだぁ。血を採ったりするのはいやだぁ。やりたくないぃぃぃ。
私が震えていると、隣を歩くメレクも笑って肩をぽんと叩く。
「健康診断ですか。それはとても大事ですね?」
「だい、じ、だけど……さぁ……」
「取引の一部なら応じなければいけませんね?」
「それは、そうだけど……さぁ……」
「まさか逃げられるとは思っていませんよね?」
「思ってないです……」
なんでそんなニコニコしてるかなぁメレクは! 人が苦しんでいるのに! まったく!
「ねぇねぇセダムくん?」
「なんでしょうか、クチサキ様」
「健康診断をやらなきゃいけないのってルナちゃんだけだよね? 俺とかメレクくんはやらなくていい感じ?」>>487
「いい感じでございますよ。我らが当主はルナさんのデータだけ欲しがってますので」
「よっしゃ、やった」
「不公平だー! 二人ともあの竜を見たくせにー!」
「えぇー? そもそもアイツ仕留めたの俺だよ?」
「ひとりで先走って取引をしたのはルナじゃありませんか」
困った。反論できない。でも不公平はする……ぐぐぐ…………。
私がひとり歯噛みしてる間にセダムはすたすたと先導していってしまう。なんで楽しそうなんだー。
「ではこちらの部屋へどうぞ。アリウム様もお待ちしていますよ」
* * *
通されたの部屋は白い壁に白い床の小さな箱型。
体重計や身長計、小さな丸イスや四角いテーブル、簡易ベッドも置かれてある。いかにも普通の検診用の部屋という感じ。死の臭いというものが少し遠くて、代わりに消毒液の匂いが立ち込めている。
テーブルの上に用意されていた注射器は見ないふりをしたかった。
その部屋で私は諸々の数値を次々と測られていった。ちなみにメレクとクチサキは一時退室中。当然だよね。
で、測られた結果はというと……>>488
『普通ね』
「普通ですね」
今日もカッコウの使い魔超しに喋るアリウムと、測る役をつとめるセダムが口々に言う。
結果は可も不可もありませんでした。
身長も体重もとくに問題はなく。血圧も高すぎず低すぎずという結果で本当に特筆することがない。反応に困っちゃう。
「普通でいいじゃん……」
自分でもわかるくらい私の声はぐったりしてた。…………だって血をあんなに抜かれたら誰でもこうなると思う。別に注射針がこわかったとか、そんなことはない。
注射針が刺さっていた右腕の関節あたりを左手で押さえながら、じっとりとアリウムとセダムを見る。
『量は充分ね』
今しがた抜かれたばかりの私の血液を並べてカッコウの使い魔は満足げ。といってもほんのわずかに声のトーンが上がっているくらいにしか変化はない。
くりんとカッコウの使い魔の眼が向けられる。
『あとは他の体液や毛髪もほしいところだけど……』
「他って……」
『汗、唾液、他いろいろ……まぁ今すぐにとは言わないわ』
「…………」
『……なにかしら?』
「徹底的に調べられるなぁ、って思って」
『そういう取引でしょう』>>489
「そうなんだけどね」
時計塔に入ってからはこうやってあれこれ調べられることなんてなかったから、ちょっとだけ懐かしい。
それは時計塔に入る前の話。トルコにあるアードゥルの家にいた頃……あの頃、私は『夜』になって、吸血鬼になって、魔術が使えなくなって。だから徹底的に調べ尽くされた。
前例がないからと。その才能を取り戻すためだと。これはあなたのためだと。そんな言葉を繰り返されて色んな器具を身体に入れられていった日々のこと。
……今、思い出すことでもないか。
『じゃあ私は休むわ。用があればセダムに言ってちょうだい。……セダム、血液の保管は任せたわ』
「お任せを」
「え? もう、」
行くの、という言葉が届く前にカッコウの使い魔はぱたぱたと飛び去ってしまう。
急いでいる……というわけでもなさそうで。なんだか、うーん……面倒がってる?
「我らが当主はあまり表に出ることはありません。今の姿は、けっこう珍しいんですよ」
「……引きこもり?」
「そうとも言えますね」
小さくほほえんでセダムは肯定した。
ちょっと言い方が違えば主の侮辱にもなっていたかもしれない言葉をさらりと流した。そういうのはあまり気にしないのだろうか。
「……。ちょっと暇だね」
採血の後は針を通した箇所の内出血を起こさないようにじっと押さえていなければならない。といってもその時間はせいぜい五分から十分くらいで長くもない。
でも私にとっては長い。何もせずにじっとしている時間というのは、苦手だ。>>490
「少しの間、おしゃべりでもしていましょうか」
そんなセダムの提案は、私はすぐに飛びついた。
「じゃあ気になってたことが聞きたい」
「なんでございましょう?」
「セダムってメレクやクチサキのことは『様』ってつけてるよね。でも私にだけ『さん』ってつけてる。なんで?」
「そっ……それは……」
セダムは露骨に言いよどんだ。私にとっては本当になんとなく気になっただけのことなんだけど、聞いちゃまずいことだったのかもしれない。
視線を右へ左へ逸らし、口を開きかけては閉じる、という動作を繰り返すセダムを、私は見てられなくなる。
「あのさ、言いにくいなら別に……」
「いえ、言います。言わせてください。…………………あの、ですね」
「うん」
「ルナさんだけに『さん』とつけるのは……なんというか、その方が少しでも距離が近い気がして。『様』より『さん』の方が、まだ、近いと思って」
「うん?」
距離が近くて……近いから、なんなんだろう? お世話係を命じられただけのセダムが、私たちとの距離を気にする必要なんてないはずなのに。
彷徨いがちな視線を引き結んで、セダムはまっすぐ私にぶつけてくる。
亜麻色の瞳は、それそのものがひとつの命みたいに揺れていた。
「つまり…………セダム・ガブリエールは、ルナ・アードゥルさんと、とっ、友達になりたいんです」>>491
「……」
友達。
ふっと浮かんだのは時計塔で同じ教室に通う同い年の女の子。
あの子と同じような関係になりたいと、セダムは言う。
「だめ、でしょうか」
「いいよ」
「…………え」
「いいってば。っていうか、わざわざお願いしなくても」
「あっ、ありがとうございますっ!」
喜色満面って言うのかな。ぱぁっと、セダムの顔が笑みに染まる。太陽が昇ったみたいに明るくほころぶ笑顔は死霊病棟には似合わない気がした。
そんな笑顔も私と友達になれたから、なんて思うと、私もなんだか笑顔になってしまいそう。
半分照れ隠しのような気持ちで私は右手を差し出す。それを見るセダムはぽかんとしている。
「……? ルナさん? これは」
「握手。ほら、わかりやすいでしょ?」
「……~! はい!」
一層笑みを深くして、セダムは私の右手を両手で包む。……右手に伝わる温度が、驚くほど冷たい。>>502
それは…溶けますねぇ…
誕生日・記念日に間に合わないのあるあるだけどつらい>>504
昔はいろいろありました…今は楽しく冒険やってるのでオッケーです!
新しい友達もできましたからね!書けた……休日バンザイ……
冒険旅行記の続き投下していいですかー!?>>506
よくってよ~!!いっきまーす
「…………」
闇の中で私はゆっくりと体を起こす。
貸し与えられているベッドからゆっくり降りてそのまま部屋を出た。
メレクは一足先に眠りについた。クチサキもセダムに連れられて別室で夜を過ごしているのだろう。今は、私ひとり。
みんなが寝静まる夜も、いつも通りの体質的な問題で私は寝付けない。だから時間潰しのような気持ちで夜の死霊病棟を散歩してみようと思った。
それは、ちょっと失敗だったかもしれない。
「なァ、腐ってない肉をおくれよぅ。アンタの肉キレイだからよぅ。血も熱いんだろゥ?」
「お断り。私の身体は私のものだから」
「冷たくはありませんか? いいえ冷たいに決まっています。温めてさしあげましょう。どうかその体温に触れさせてくださいませ」
「いいよ。別に寒くない」
「アンタ同類かい。同類なのかい? どっちなんだい? 誰だい? なんでここにいる?」
「ルナっていうんだ。ここには冒険しに来たの」
「……帰ってくれ。ここで命をぎらぎらと照りつかせんな」
「ごめんね。でも、まだ帰れないんだ」
死者か亡者か亡霊か。とにかくこの死霊病棟の夜は騒がしい。よそ者の私が、騒がしくしていると言えるのかもしれないけど。
わらわらと私の元に集ってはなにかを言うあるいは仕掛けようとしてくる。>>508
これはこれで楽しいんだけど、散歩の気分の今はちょっと邪魔だった。もう少し、静かにならないものだろうか。
『…………いつもより騒がしいと思ったら、何をしているの』
ああ、とうとう死霊病棟のご当主様まで来てしまう始末。カッコウの使い魔はぱたぱた飛びながら私の目の前にくる。
さてさて何をしているかと聞かれても、私の答えはひとつだけ。
「散歩してるの」
『……寝ないの?』
「寝れないんだ。だから時間潰し」
『……そう。でも騒がしくしないでちょうだい』
「はーい……」
怒られてしまった。死霊病棟の当主であるアリウムにこう言われてしまったら、たとえ眠れないとしても私はベッドまで戻らないといけない。昨日みたいに私とメレクとセダムの三人で魔術談義でもしていたい。
すごすごベッド戻ろうとする私の背中に声がかかる。
『どうしても眠れないのなら、私の部屋に来なさい』
「……え?」
* * *
ゆっくりと、扉を開く。>>509
扉の先はただの個室、病室だった。それなりの広さはあっても華美な装飾などなく、無機質な壁と天井に囲まれた空間があるだけ。
灯りはついていない。窓から差し込んでくる青白い月明かりだけが、かすかに病室の輪郭を浮かべてみせる。
月明かりの下にはひとつのベッドがあり、ベッドの上にはひとりの女の子がいた。
「……」
私はゆっくり、なるべく足音を響かせないように歩く。
女の子は窓の外を見ている。私の存在にはとっくに気づいているだろうけど、視線を向けようとはしない。
女の子は私と同じような病院服を着ていた。私と違うのは、その体の大部分に包帯が巻き付けられていることだろうか。
痛ましいとは、思わなかった。そう在ることがここではひどく自然に思えて。
ベッドのそばまでたどり着いてから私はようやく声を出す。
「こんばんは」
「えぇ、こんばんは。……直接顔を合わせるのは初めてね」
女の子───アリウムが、初めてこっちを向いた。その顔にも包帯は巻かれている。右目と、少しだけ覗いている色素の薄い髪以外は包帯に隠れて見えない。
無言で促されるまま私はベッドのそばの小さな丸イスに座る。
「……」
「……」
しばし、無言。
来なさいと言われて素直に来てみたものの、私はどうしたものかちょっと悩む。
これまで使い魔超しでしか話してなかったアリウムが突然部屋に来いと言った。なにかしらの理由があるんだろう。顔を見たかった、見せたかった、なんて話でもないはずだ。>>510
「少し、貴女に聞きたいことがあったの」
最初に口を開いたのはアリウムだった。
聞きたいことって、なんだろう。
「起源が変わった……その影響で、貴女の魔術師としての人生は変わった?」
「……」
何を言うかと思えば───そんなの、変わったに決まってる。
「変わったよ、すごく。私は、今までの魔術を使えなくなった」
「致命的ね」
「うん、すごく」
本当にそれは致命的と言っていい。
魔術師が魔術を使えない───それがどれだけ苦しいことか。思い出すだけで息が詰まる。涙が出そうになる。前が見えなくなる。
五感すべてを奪われて、手足をもがれでもしなければあれほどの喪失感は味わえないだろう。命の意味、生きる意味、そんなものが塵同然に崩れ去っていく恐怖。
魔術を使えないということは魔術師として生きることができないということ。立つこともできず、歩くこともままならないまま、どこにも行けなくなる。
「けれど貴女はここにいる」
そうだ。アリウムの短い言葉は今の私を端的に表している。
私はいる。ここにいる。どこにも行けない命を、無理矢理にでも動かして。
そんなことをする理由は───
「それは、何故?」>>511
「魔術が好きだから」
なにも迷わずに答えた。
魔術が好きで、神秘に触れたくて、だから私はここにいる。
こればっかりはきっといつまでも変わらないだろう。まともな人間じゃなくなっても消えなかった"好き"に、自分でもおかしくなる。
「だからがんばれたし、諦めなかった。好きじゃなきゃ、こんなところまで来ないよ」
「そう…………ならやっぱり、私と貴女は真逆ね。だって私はもったいないと思うもの」
「……もったいない?」
「えぇ、もったいないわ。先祖に押し付けられる魔術師の使命を、貴女は捨てることができたのに」
「…………」
私にはその"もったいない"という言葉がわからない。魔術師として生きられなくなったことをもったいないと言われるとは思わなかった。それも、同じ魔術師に。
でも……でも。言葉がわからなくても、今のアリウムが本心から言ったことはわかる。
本当に、本気で、私の境遇をもったいないと言ったんだ。
「アリウムは……捨てたいの?」
「捨てたいわ」
なにも迷わずに答えられた。ついさっきの私は、アリウムにはこう見えていたのだろうか。
「奇しくも貴女と同じようにガブリエール家の起源も変えられたの。けれど終わりとは真逆の、『継続』という呪いをね」
「終わりとは逆……終われない?」
「そう、終われない。人としても……魔術師としても。魔術回路はとっくに衰退しはじめて、先なんか見えなくなってもね」>>512
魔術師は誰しもが根源の渦を目指す。それが大前提だ。
しかし目指したからと言って辿りつけるものではない。多くの、本当に多くの魔術師が根源へ届かずに絶望していったことだろう。
そしてガブリエール家も、届かないという結末は遠からず訪れる。魔術回路の衰退は、それ以上の"上"が、"先"がないことを示す。
「維持は、できているのよ。血が近い者同士を交わらせて血が薄まるのを防いでる。そうしてあちこち綻んでしまったのが今の死霊病棟───ここにいるのは、誰しもがなんらかの疾患を抱えた患者よ」
それはおぞましいと言われていた死霊病棟の実態だった。
魔術回路の衰退。それを防ぐために近親交配。結果現れるいくつも疾患。先が見えないまま、なお『継続』を課せられる血の呪い。
終われないとは、そういうことで。
「だから、終わらせたいの」
アリウムの言葉はただひとつの決意に満ちている。
「ガブリエール家の血の呪いを終わらせる。私が、終わらせてみせる」
魔術師として異端極まる発言だった。そんな境遇なら、と理解できる人もいるだろう。
でも私にはわからない。
「貴女には、理解できないでしょうね」
「できないね。私は魔術を諦めたくない」
「そして私は諦めたい───ほら、やっぱり真逆」
「本当だ」
真逆も真逆だ。起源が変わるという呪いを受けたことは同じでも、出力される結果はまるっきり正反対。
終わりたくなかった私と、終わることのできないアリウム。>>513
真逆の私たちがこうして一緒にいるのは、なんでだろう。
「魔術師として、ルナは私を否定する?」
「しないよ。できない。私だって、終わりに向かって走ってるから」
「貴女は魔術師でしょう? 子どもを作って、いつまでも続く血を残す」
「ううん、私はそんなつもりないんだ。私は、私のために根源にいきたい。辿りつきたい。だから私がやらなきゃだめなんだ」
「貴女ひとりで……一代だけで、根源に到達するつもり?」
「じゃないと、嫌なんだ。たとえ私の子どもが根源に辿りつけても私は嬉しくない」
「……馬鹿ね。できっこないでしょうに」
「別にいいよ。良いと思える終わりまで、私は走っていたいんだ」
「そう。…………やっぱり真逆ね、私たち」
「本当にね」
理解できない。共感できない。ここにいるのは決して相容れることのない人間ふたり。
否定か、排斥か、決別か───さて、どんな悲劇的な結末が似合うのやら。
けれど今は……今だけは。
青白い月明かりの下でふたりして、『理解できない』のだと笑っていたかった。>>521
レージュさんはSSに一票と……
というかこれ、まず誰が参加してくれるかから聞かなきゃですね>>452
良いですよね…愛の力による更生…
というか中納言さんは甘々系ラブコメを書けないせいもので…普通に絡みはできるのに恋愛感情意識すると難しくなる…
トワは破綻系陣営を聖杯戦争のポジションとしてはイメージしてましたけどこうなると改心ルートも良いかもしれない…
>>496
ヤダ皆格好いい…こういうの見ると、あぁ男子生徒みんな地が良いんだなってなりますね…
あと身長差感じられるのも良い…トワと凌牙さんやっぱ結構違うんだなぁ
>>500
これはカール4世に叱咤激励と共に捏ねて原型に戻さないと…
>>494
>>516
セダムくんとルナちゃんの二人、初対面らしいまだちょっとした距離感やギクシャクした感じもある一方でだからこそ通じ合うモノがあるって点で気心知れた仲になりつつある、この空気感、ほっこりしますね…吸血鬼だけど血を抜かれるのはイヤがるところでちょっとふふっとなったり。
そしてルナちゃんとアリウムさんの二人では魔術師としての在り方の対称性が、今まで意識してこなかったのに言われると急に「たしかに…!」ってなるもので、上手いなぁと思いました。終盤に差し掛かる中でまだアクシデントが起こっていない状況ですが、ここからこの掘り下げられた各登場人物の在り方と関係性がどう進むのか…というか亡霊さんは一体誰なんだ…?
>>518
同時参加型…昔本戦スレの方でやってた魔術師集会的なものですかね?あぁでもSSなら違うか。とにかく楽しそうなので私は参加したいです!>>524
ルナとセダムは本当に会ったばかりの友達としての距離感で進みます。お互いに魔術大好きなのできっと仲良くなれるでしょう
血を抜かれるのを嫌がるのはね…メレクの血をちゅーちゅー吸ったくせにまったくこの子ったら…
ルナとアリウムちゃんは今回の話を始めるずっと前からこの2人いろいろ真逆だなぁと思ってたのでこうなりました。満足
いよいよ終盤…畳めるかなぁ、大丈夫かなぁ、おなかいたくなってきました
なりきって遊ぶのが昔やってた魔術師集会的なやつですね。当時私が参加できなかった…ふふ…
SSなら『船』を舞台に共通のテーマとかイベントをみんなで書く感じになります>>494
魔術好き同士友達になるの可愛いねぇ可愛いねぇ。
>>516
お互い理解はできないけど否定はしない。いい関係ですね。
>>520
いいですねそれ。
ssなら例えば『秘海集積船が停泊期間に入った』っていう前提を出して停泊期間に皆が誰と何をするのかみたいな話を各々が展開するとかどうでしょう?
なりきりわちゃわちゃタイプなら船内で使える掲示板というかSNS的なやつに皆が書き込んでるみたいなのをやるとか。
あとこれは流れに乗り遅れてタイミングを逃してたジャスミンの冬服バージョン。ジャスミンはインナーで暖かくする派。黒インナーはいいぞ。
お借りしたのは
https://picrew.me/image_maker/46139
です。>>527
停泊先次第ではエイベルを出せますね。
巽と一緒に酒飲んだり、威嚇してくるメロを煽ったり。>>536
確かに普通に引かれて終わりそうではある。
>そこまで深く知るほど踏み込むこともなさそう
それはそう。
仮定として知ったらどうなるのかなー、的なね。>>540
あらためて、SSに一票入れたいです~>>540
ssで。>>540
ssに一票ですー。【SS?】
聖なる夜。良い子も悪い子も寝静まった静寂、降り注ぐ雪の間を縫うようにして駆ける一台のソリがあった。
ソリが駆けるのは地上ではなく空中。人智を超えた魔技を息を吸うように成し遂げるそれは、繰る人間が人ならざるものであることの証明だ。
ディアボリカ・デリバリー(悪魔運送)
ボヘミアに居を構えるそれは文字通り悪魔による運送業者である。
例えば、死の世界から故人の霊を送り届けるお盆。
例えば、世界中の子供達にプレゼントを送り届けるクリスマス。
彼らの使命は、俗に神秘と呼ばれる世界に置いて人には不可能な集配物を送り届けることである。
今日もまた、社長(?)である狩人の勅命に従い、三人(匹?)は世界を股にかける。
世界中の子供達の笑顔は、彼らに託された。
プ「わはは〜! 急げロバ! 走れロバ! 時間が無いぞ〜! あっ! 痛い! 揺れる! 揺れる! お尻が! お尻が!」
メ「狭いぷにゅ! 痛いぷにゅ! 荷物に挟まれてるぷにゅ!」
ロ「急げといったのはあなたでしょう。ロバに安全な走りを期待しないことね!」
ザ「悪魔のもたらす幸福と不幸はセットになるのがマニュアルだが……ま、たまにはこういう慈善事業もいいでしょう!」
訂正。
託していいのか? これ。寝る前にリクSSの2つ目、投下しまっせ。
01:15を過ぎてから。>>556
時間を過ぎたのでぶん投げるぜ。
東京都千代田区外神田。
アニメイト秋葉原のすぐ近くにあるレコーディングスタジオ。
「演技力を問われる仕事ができたわ」
午前中から続いていたゲームの音声収録が終わり、ビオランテ・バルベルデは至極上機嫌でスタジオを出た。
「声優は声優業がメインで当然」と考える彼女にとって、やはり声優としての仕事はやりがいに満ち溢れているのだろう。
それが、『壬生乃段鱈』名義……所謂“裏名義”でやる内容であっても、ビオランテは貴賤など一切感じない。
仕事の中には両親と姉に知られたら不味いのがあると分かっているから、そういう仕事の時は裏名義を使っている、ただそれだけである。
複数の仕事を抱えて来日した彼女は、今日を以て今回の仕事をすべて終え、数日後に帰国するまで遊ぶ予定だ。
その足取りは軽く、鼻歌を歌い出しそうなほどに気分が良い。
(日本のお昼時って結構早いのよね。何にしようかな? 神保町……は少し離れてるわね。神保町と言ったらカレーライスね。……思い出したら、お腹が空いたわ)>>558
数分後。
雑居ビルの1階。
老舗のカレー店。
大変こじんまりとしており、カウンター席だけの狭小店舗だが、大人気なので行列ができている。
行列に並ぶのは慣れた物、ビオランテは特に気にせず列の最後尾についた。
20分経過。
ゆっくりと行列は短くなり、ビオランテもソワソワしだす。
それに合わせたかのように、タイミングよく背後から声がかけられた。
「よう、お嬢」
「リヒターじゃない。……貴方も収録の仕事?」
振り返ると、これまた見知った顔がギターケースを手に数人の青年たちと一緒にいた。
両親と親しく付き合っていた、魔術師としては変わり者だからこそ人間的には非の打ち所のない善人であったイグニス夫妻の忘れ形見、リヒター・イグニスである。
一応、ビオランテの実家が経営する企業グループ『J.C.バルベルデ』の一社員という身分こそあるが実質フリーランスであり、ギター演奏で生計を立てながら世界中を放浪しており、演奏技術の高さから国を問わずそれ関連の依頼を受けることが多い。>>559
ビオランテにとっては年の離れた従兄みたいな存在なのだ。
だから、こうして偶然会えたことが嬉しくて仕方がない。
自然と笑顔になるビオランテにつられて、リヒターもまた笑みを浮かべる。
「依頼人が叔父貴の趣味仲間でさ。こいつのデビュー曲のオケを収録するから参加してくれって、叔父貴を経由して依頼が来たんだよ」
リヒターは隣にいる物静かそうな青年の肩に肘を置いて見せる。
ラフなスキンシップを全く嫌がっておらず、むしろ当然だと言わんばかりの笑顔に、リヒターとの間柄がどういった物かが伺える。
「曲が作れてボーカルも1級品。人柄も良好とかなりの優良物件なんだが、ギターだけは下手の横好きじゃなくなったばかり程度でな。なのにギター使う曲作って、しかも楽譜見ただけで依頼人がそのままで行こうって言い出してさ。で、当てのあるギタリストがみんな別の仕事に掛かりきりだから俺に依頼が来たってわけよ」
リヒターの事情説明に、当の青年は苦笑するしかない。
聞かされたビオランテも少し呆れ気味だ。
「アルバム用の曲のオケも作りだめしてたから、早朝から6時間以上はかかったな」
この発言からわかるとおり、リヒターは朝からスタジオに籠りっきりだったらしい。
ようやく一区切りついたので、今から昼食を食べに行くところだったという。>>560
「激辛が食べたいっていうリヒターさんのリクエストに応えられて、スタジオからすぐ近くって条件に合致したのがこの店なんです」
作曲兼任のボーカルが説明を補足する。
ワイワイと騒ぎながら行列を待つこと更に20分。
ようやく自分達の番となったので、ビオランテは店に入ってから千円札を数枚自販機に入れる。
(激辛……。ココイチの10辛を完食したことはあるから、いってるみるのもアリよね)
そう考えながら、入れた額の分だけ食券を購入。
一番奥のカウンター席へと進み、椅子に座ってから食券を差し出し、待つ間に店内を見回す。
リヒター達も席に座りながら食券を出していた。
数分後。
「声優といってもまだ駆け出しだからな。そう言うわけでお嬢が中学まで劇団に所属して舞台に立ってた経験を活かそうと、事務所の方は顔出しの仕事も取ってくるんだ。評判は上々なんだぞ」
「正しく評価してくれるのは嬉しいけど、顔出しの仕事の方が多いのは『ちょっとどうにかならないの?』って思うわね」>>561
待っている時間で雑談を交わしていた。
自身の現状が話題となって、ビオランテも少々複雑な顔をする。
やはり何年も目立つ役一つしかやらせてもらえなかった経験は、ビオランテにとって嫌な思い出となっているのだ。
それでも腐らず、本当の夢を見つけ、努力を重ねて今のビオランテがある。
「ま、海外の仕事がよく来るんだ。お嬢は業界じゃ文句なしの出世頭だよ」
リヒターにこう言われると、ビオランテも素直に喜ぶしかない。
事務所の尽力ありきとはいえ、ビオランテは新人ながら仕事には困っておらず、傍から見ればマルチに活躍していると評価されるほどなのだ。
そんな話をしているうちに注文した料理が出てきたので、ビオランテは受け取る。
-ブラックビーフカレー・100辛・ライス超特・トッピング各種-
この店で一番辛いカレーの最大ボリューム版。
ともすれば甘酸っぱさを感じかねない不思議な味と、蓄積する形で緩やかに粘膜を侵食する辛さを併せ持つ、粘度の高い黒ずんだルーが特徴。
トッピングはコーン、野菜、ほうれん草、ウインナー、トンカツ、メンチカツ、鶏唐揚げ、カキフライ、カニクリームコロッケ。
辛さのレベルは100まで調整可能で、30以降は一律300円追加となる。
ココイチの10辛を完食できる人にも、早々お勧めできるレベルを超えているとみていい。
揚げ物の衣が確実に痺れる粘膜へと襲い掛かる。>>562
日本のテーブルマナーに従い、手と手を合わせて「いただきます」と言ってから、ビオランテはスプーンを手に取った。
(さてと……)
まずは一口目。
鼻に入る匂いに頬を緩ませながらゆっくりと口に含む。
(……!)
瞬間、カラメルとリンゴ由来なのか柔らかい口当たりと不思議な甘酸っぱさが広がり、それを薙ぎ払うように辛さが徐々に押し寄せてくる。
だが、それは不快な物ではない。
むしろ心地よい刺激として舌を刺激し、食欲を増進させる。
その証拠に、ビオランテの手と口の動きがどんどん早くなっていく。
途中から少しペースを落とし、頭から一気に汗を滲ませながら、じっくりとその味わいを楽しむ。
(辛いだけじゃない、辛美味しいわ)>>563
辛さが蓄積されていき、舌の痺れも強くなる。
そこにメンチカツの衣が突き刺さり、えもいわれぬ痛みが走り、思わず眉間に皺を寄せた。
しかし、それも一瞬のこと。
すぐにまたスプーンが動き始め、コーンの粒々とした食感が不思議なアクセントになっており、カキフライ共々ビオランテの口の中で軽やかな咀嚼音を出す。
(次はコロッケとほうれん草よね)
今度はカニクリームコロッケと火の通ったほうれん草を一緒に嚙む。
100辛ともなると、意外なことに箸休めとなるのだ。
(あぁ、この食べ方が堪らないわ)
笑顔で黙々と食べ進め、今度は野菜をルーと混ぜ合わせたライス共々頬張り、その合間にウインナーと唐揚げも口に入れる。
どちらも無くなるやトンカツを一切れずつ一口でライスごと構内に放り込み、嚙み締めた。
衣と豚肉の双方に噛み応えがあり、食感のコントラストを彩る。
最後は柔らかく煮込まれた牛肉。
味も辛さもしっかりと浸透している。
勢いはそのままに、最後まで味わいながらビオランテは食べ終えた。>>564
「ふぅ~……。ごちそうさまでした」
もう首から上が汗だくだが、気にも留めない。
リヒターは「相変わらずの食欲で安心したぜ」と軽口を零し、一緒にいた青年たちは1㎏を余裕で超える総量を難なく完食したビオランテに驚きつつも感心していた。
数十秒後。
店を出たビオランテ達は、汗を拭うことなく、深呼吸をして余韻に浸っていた。
今は6月。
梅雨の合間を縫った晴れの日なので、真夏ほどではないがやはり暑い。
それでも、ビオランテは満足げな表情を浮かべていた。
気分が沈んだ時に思いっきり食べると、確かに気分が上昇する。
だが、気分上々の時に思いっきり食べるのもいいものだ。
そう思わせてくれたのは、間違いなくこの店のカレーライスだろう。
「俺はこいつらと一緒に、一旦依頼人の事務所に戻るけど、お嬢はどうする?」>>565
「今日はこのままホテルに直帰ね。思ったよりも汗をかいたから、温泉にゆっくり浸かるつもりよ」
「そうか。そんじゃ、予定通りならまたエスパーニャでな」
他愛もない会話の後でリヒター達と別れ、ビオランテはどう帰ろうかと考える。
(そういえば、東京駅からシャトルバスが出ていたわ。……秋葉原駅からすぐね)
変える方法を決めるや、ビオランテは今日の仕事とカレーの余韻に浸りながら温泉でくつろぐため、秋葉原駅へと向かう。
色白の美女が足取り軽やかに歩き出す姿は、汗のせいかどこか艶やかであった。
次回、東京都江東区青梅 江戸前寿司
以上。
推敲して違和感を感じて一部削りつつ、スレ内でリクを書き切れた。吸血鬼と亡霊 11と12をwiki登録しましたー
>>568
これでも重量自体は前回とそんなに変わらなさそうなのが……。
辛さの感じる度合いは、人によって大分違うみたいですね。
あれこれ調べると、そちらに関してはへっちゃらっぽい感じの感想もあったし。
それはそうと、麗しの食道楽の品書き壱とに弐をwikiに登録しましたー。>>574
実際に食したことはないのであれこれ言うのもどうかとは思いますが、ココイチの10辛より更に辛いのは確定でしょうね。
恐らく、日本に留学して中辛のカレーを食べてから少しずつ辛口に慣れていったものかと。>辛いものをハフハフしながら食べる美女。自作キャラのいわゆる乳比べイラストを描いてましたが4人しか女キャラいないのにやってもな…ということに二人目まで描き終わって気づきました。お前はいつも遅すぎる
キャラデザの見直しができたので良しということにします
なので近々律の髪型をボブからセミロングに変えようかと
元々半分セミロングみたいな気持ちで描いてたのもありますがよく考えたら黒髪でボブでナイフ使いでヤクザの娘は完全にやっちゃってるので…
>>567
クリスマスなのでこういうのもありかな、と中々トンチキで悪くないパワーワードを思いついてしまった
これを敵キャラに言わせるのが楽しみですわ…
>>548
これはいいクリスマスSS
荷物に挟まるメロちゃん可愛い…吹き飛ばされないかな大丈夫かな…
>>550
ですね、健康寄りって意味ではこの位で問題ないっすね
つーか女子組全員スタイル良いというか健康的なんすね…これは水着回が気になりますねえ
>>552
良かった…
確かにあの二人は異次元ですね…
>>566
飯テロシリーズいいっすね…すんげえ腹減ってきた
そして気さくな兄ちゃん感あるリヒター兄貴マジホット…多分初対面のバンドマンとの打ち解け方もいい感じですね
このシリーズかなり好きかもしれない…
>>576
( ^ω^)ノシ>>581
リヒターは人柄がいいから、結構フレンドリーで取っつきやすい印象があるんですよね。
実を言うと、先に綺礼とビオランテの会話シーンあったんですけど、流れと綺礼のキャラクター像が不自然で、しかも聖杯惑星のネタバレにもなるんでそっちは削りました。
そう言っていただけるとありがたい…。>このシリーズ~ヴィクトルさんの言及台詞が書けたので貼りますー。
「今日もフワフワ浮いておるのう。いやはや結構結構」(夕ウタ)
「何、ワシに密着取材?別に構わんよ。見られて困るものも無し」(フィサリア・ラズワルド)
「時に質問なんじゃがな。お主のそのクリックスとやら、一体どれほどの小ささまで分けられるのじゃ?」(ピース=ピース=ピクシス)
「ここだけの話じゃがワシはお主らが羨ましい。『自分』を後世に残せるのだから。────すまん、今のは忘れてくれ」(アルシオネシア)
「すまんのぅ、こんなに貰ってしまって。大丈夫大丈夫、ルチアーノの所に持っていけば大抵のものは美味しく料理してくれるじゃろう」(セレン・アイグレール)
「先日は急な注文に応えて頂き感謝する。次からは食堂に向かえる程度の余力は残すよう気を付けよう」(黒須 一馬)
「あやつについては………何も言うまい。下手に関わると致命的に決裂しそうじゃからな」(ヴィルレイ・フォン・ティーフェルコーマ)
「ニコちゃんや。ワシはあと何年ほど生きられるのかのぅ」(ニコレット・ドクトゥーラ)
「おおいルチアーノ。頼まれてたものを捕ってきたぞい。しっかしこんなゲテモノをどう料理するつもりなんじゃ?」(ルチアーノ・ベルナルダ)
「ロイドや。ワシがお主を弟子に取ったのはお主がワシの後継者になれると踏んでの事じゃ。そのことを忘れるでな…嫌そうな顔じゃのう!?」(ロイド・クラーク)
「アルマや…まだこの爺を許してはくれんのk(キシャー!!)」(アルマ)
「レリック、久々に一杯付き合え。いやなに、今日ロイドの奴がワシから一本取ったんじゃよ。ワシも弟子の成長が嬉しいんじゃよ」(レリック)
「戦闘中はシャキッと出来るのに…惜しいのぅ。そうじゃ、常に刀を抜いて過ごすのはどうじゃ?ダメ?」(三峰裂夜)
「もし…引退を考えているのなら、ワシのように教官になるというのはどうじゃろうか?」(黒須 菜々)「お主、少し見ない間に随分変わったのう。何じゃその真っ青なパスタは」(イオネル・アヴェローヌ)
「うむうむ、子は宝じゃ。将来どう育つか楽しみじゃわい」(学園生徒)
「子供たちの将来はお主らの双肩にかかっておる。よろしく頼むぞ」(学園教師)
「マレ坊とは昔一度手合わせしたことがある。結果か?引き分けじゃよ。あれ以上続けていたら手合わせの域を逸脱する」(マレオ)
「ワシ個人としてはああいった輩は黙認しても良いと思っているのじゃが…組織としてはそうも言っていられんのじゃよ」(巽剛)
「────さてな。ワシにも詳細が明かされないということは彼奴の情報は【黒】なのじゃろう。いや、彼奴“ら”か……」(怪人ヘイズ)
「うむ、元気があって大変よろしい!どれ、ワシも朝の体操とやらに付き合うとしよう」(ウェイン・マロウ)
「若いのによく働くのう。もっと青春を謳歌しても良いんじゃよ?」(セーラ・サーゲレオス)>>566
我辛いもの苦手激甘党中納言。ビオランテさんの脅威の耐辛性に仰天…案外聖堂教会の人だったりしません?()
>>576
ヾ(๑╹◡╹)ノ"
>>586
夕ウタ「あぁ、よくわかったねご老人!今日のふわふわ具合はいつもとは違うんだ、宛ら蝶の舞う如く!白鳥の飛び立ちの如く!ほらほら、もっと目に焼き付け給え…良い?そんなー」
レリック「ほぉ。様になってきたんだな、ロイドも。アンタの扱きの賜物ってとこか?良いぜ、付き合うよ。良い暇の潰し方をしてくれるのは俺としても有難いからな」
いい具合に好々爺と抜け目ない古強者と面白おじさまの間を反復横跳びしていらっしゃる…ちょっと哀愁を纏っているのも良い…
ヴィルレイのもいい加減考えないとな…
>>587
本とかアニメとかゲームとかで知った言葉や文章、台詞なんかで「これ使いたい/引用したい/言わせたい!」っていう心を昂らせれば、結構その部分に至るまでの気力は続いたりしますね。
本読んだりする体力も時間もない!って時はふりがな文庫さんとか熟語辞典とかを適当に漁ると面白い単語や言い回しが見つかるのでオススメです
>>589
ボスさんその胸囲でほぼ全裸はちょっと…危険がアブナイ…○○冬季の大規模清掃に関するお知らせ○○
今年度の冬季大清掃の日程は**月**日開始を予定しております。
対象エリアは学生寮・共有スペース、居住区の後半部その他となります。詳細は後日掲示します。
各自の個室への清掃リクエスト・立入禁止エリアの申請等は生活管理局窓口、またはお近くのアルシオネシアまでお早めにお伝えください。
○○その他重要なお知らせ○○
休暇中の特別シフト内でアルシオネシアの1/3、及び**月✕✕日にA-000P(以下シオネと表記)の定期メンテナンスを予定しております。
シオネのメンテナンス当日はネットワーク運営をType-Cが代替、オペレーション代行をA-001M、A-002C、A-003S以上3機が担当し業務規模を縮小させていただきます。
船員の皆様にはご不便をおかけしますがご理解の程よろしくお願い致します。
チーム・アルシオネシア 代表 A-000P"通称シオネ"
(アルシオネシア内の通知ログ)
A-000P:追伸、各機体は自覚している不具合が有る際は速やかに申告するように。ドクターへの問い合わせ及び部品の取り寄せの都合も有るので寄港日の2週間前までに申請厳守。
A-061S:代表して返答、了解。続いてムイムイからの報告。ペルカ様の巣はムイムイが普段から見てるので大掃除不要。
A-000P:やや不適当と思われる表現が見受けられたが清掃の件了解。清掃予定エリアの詳細は随時更新していく。うーんうーん、SSどうするか考えてたらマレオと大量のアルシオネシアたちがPOPしまくるのぜ~
>>586
マレオ「この愉快爺さんフリーダム過ぎじゃねー?」アルシオネシアのページに現時点での機体識別番号と愛称の対応表を作りました
表示環境によってページに対して大きくor小さく見えるかと思いますがデフォルトです いじってません>>601
これはありがたい~!
フフフ……ザミエルさんへ質問があります
A-086M(多分マレオによく付き合わされてるおもしr、……特殊な個体)は何か監視なり制限なりついたりはせず、他のアルシオネシアさんたちと変わらない扱いだったりしますか?>>604
なるほど、回答ありがとうございます!!
あらどの子も可愛らしい!とりあえず俺のSSは今の所巽さんクウネルさんの忘年会に参加する凌牙君と偶然鉢合わせたと思ったら巻き込まれる裂夜君って感じにする予定です…
>>586
裂夜「…いやいやいや。常に刀抜いたら不審者じゃないですか…その、日本なら即逮捕ですよそれ…というより多分刀持ち歩いてるだけでも危ないし…」
おもしれーイケオジって良いですよね…
>>587
空いてる時間とか飯食いながらとかの間に脳内でイメージとか膨らませて書ける時に書きまくる感じですかね…
とはいえ俺も最近モチベが少し薄めなんですが…
>>589
エッッッ
拙者は律ちゃん位の胸が好きでござる…
>>596
行けるっすよー
俺は夜なら大体空いてるんで大丈夫っすよ
>>607
チャラいけどいい人感溢れる両親ですねえ、こういう面白家族好きっすちなみにカステラ父母は二人とも表向きはバリバリのビジネスマンでいかにもスマートでやり手って感じだけど家庭だとSSみたく江戸っ子みたいになる人。
父は金で愛情の度合いが出るし母はその人にかける時間で愛情の度合いが出る。二人とも一番はお互いとカステラだけど二番以降は普通に趣味(キャバ嬢とゲームとか車とか)になる。
あと外見のは父はないけど母はなんとなく天海祐希さん的なイメージだったりラジバンダリ
>>608
夜ですね、となるとちょっと25日は離席しがちになるかもしれませんがあとは軒並み問題ないです〜
>>609
↑で言った通り外だとスタイリッシュ〜なのでヘラヘラキャピキャピなカステラとは似てね〜!ってなる系両親ですね。
なお当人たちは「血は争えねぇなー」って言い合ってるうちは、アメリカ異聞帯にリンクする話になりそうですね。
公式からもキャラを出す感じになるかも。>>620
了解です!
ルネさんはなりきりだけですね(メモメモ)私はSS片方だけ参加にしようかなと思っております~!
そういえば黒鹿さんにちょっと相談なのですが学園って何歳から入れるとかの制限ってありますか?具体的には13歳でも入れますか?
>>624
そうですね。せっかく停泊期間を題材にしたssと同時期に開催するのですからそれと関連する話とかいいと思うんですよね。
例えば学園の終業式。これなら生徒と教師陣を自然に動かせる上に停泊期間に誰かを誘う予定がある人は絡みに入ってもまあ不自然ではありません。
他には忘年会。停泊期間が12月ということはその間降りる人とは会えない可能性が高いので実質全員集められるのはここしかない的な意味で誰かが声をかけて集まったとか。これなら参加する人参加しない人がいても予定が合わなかったとか忘年会に参加するような性格じゃないとかできます。遅ればせながら、ハロウィンに投下したSSをやっと登録しましたー。
ちなみに伝統文化に妖怪入れる&言葉絡みなら和歌とかにもよく詠まれた鵺がいるんじゃない?って話ですが鵺の中の伝統文化(純日本)要素は30%くらいな気がするし和歌に詠まれる鵺は鳥の鵺であって妖怪(フォーリナー)の鵺ではないんだよなって
あと他様のお宅の鯖ですが人麻呂と同じく伝統文化(和歌)と言葉絡みでアリウムさんとこのキノツラユキさんを思い出した中納言です>>636
江戸時代出身だとうちからは平賀源内と玉屋&鍵屋がいますね>>649
チェストしてええのんか~?【出典】史実
【CLASS】アーチャー
【真名】三遊亭圓朝/Enchou Sanyuutei
【異名・別名・表記揺れ】大圓朝、出淵次郎吉、三遊亭宗家、無舌居士
【性別】男性
【身長・体重】173cm・55kg
【肌色】黄色人種
【髪色】夜明けの海のようなグラデーション
【瞳色】天色
【地域】日本・東京
【年代】天保~明治
【属性】中立・善
【天地人属性】人
【その他属性】男性
【ステータス】筋力:E 耐久:E 敏捷:D 魔力:B 幸運:B 宝具:A
【クラス別スキル】
対魔力:C
単独行動:A>>652
【固有スキル】
大圓朝:A
アーチャーの有する異名がスキルとなったもの。今もなお続く三遊亭一問の宗家にして総帥。落語文化の中興の祖にして『粟田口霑笛竹』『敵討札所の霊験』『芝浜』『牡丹燈籠』『真景累ヶ淵』『怪談乳房榎』などの創作落語の産みの親。
圓朝がいる場所こそが高座であり、彼女の語りは場所を選ばない。Cランクの陣地作成に相当するスキル。
言文一致:B
明治時代に始まった『現代でいう古事記のような文体ではなく、話し言葉に近い文章』を広める運動の名を冠するスキル。アーチャーの語りはこの運動に大きく影響を与えたという。
生前のアーチャーは歴代の名人の中でも筆頭、あるいは別格に巧みな語りをしていると語られていた。その言葉は英霊となったことで極まっており、発言一つ一つに現象が伴うようにまでなっている。
『燃えろ』といえば燃えるし『凍れ』と言えば凍る。ある種統一言語のような様相すら見せるスキルだが、芝浜に代表される自然の情景が評価されているためか自然現象を起こすことしか出来ない。このスキルで発生した攻撃は威力・神秘共にBランク相当として計算され、呪術のように対魔力をすり抜ける。
語り部:A+
物語や伝説をいかに上手に口で語れるかを示すスキル。
書物に物語を書き記すような技術とはまったく別の、聞き手の気分や精神状態も加味して適切な語り口を選ぶ、即興性に特化した物語伝達能力。
アーチャーの場合人情噺にプラス補正がかかる。
おそらく宮廷に属する物語の語り手の英霊も持っている。>>653
【宝具】
『真説圓朝噺・芝浜』
ランク:A 種別:対情宝具 レンジ:1~100 最大補足:80~90人
しんせつえんちょうばなし・しばはま。水平線を一望できる夜明けの芝浜を具現化する、固有結界に似て異なる大魔術。
「妻の献身によって更生した夫の物語」をなぞらえた空間を作り出す。これはいわゆるプロジェクションマッピングのようなもので、より作中の世界観に没頭するために作られた舞台のようなもの。
この中でのアーチャーの語りは神域にも達し、通常には不可能な対精神系スキルをレジストした上での精神干渉が可能となる。当然ものがものなだけにこれほどの効果が発揮されるのは芝浜という演目に限ってなのだが。
その芝浜自体の効果は『夫婦の絆を語ることでかつての想い人を想起させる』というもの。
この宝具は架空・実在問わずかつて慕情を抱いたことのある全ての存在が判定となり、当時の想いを回顧させる。
なんらかの精神異常は全て小康状態に入り、かつての青い春は敵対者の持つ敵意・戦意を喪失させる。
その特性上、生前多くの女性と恋仲になることが多い神話の英雄に強く効果を発揮する。
【Weapon】
『無銘・座布団』
アーチャーが一席打とうとした際にどこからともなく現れる臙脂色の座布団。
アーチャーは大胆にもこれを攻撃手段として相手に投げつけることがある。
……もしかして高座じゃなくて枡席と勘違いしてらっしゃる?>>654
【解説】
江戸~明治にかけて活躍した落語家。
今もなお続く三遊亭派の宗家であり、落語という文化の中興の祖。
明治に隆盛し今となっては常識として定着した口語体を広める『言文一致』運動に多大な影響を与えた人物。
二葉亭四迷が『浮雲』を書いた際にもその語りを参考にしたという。
六歳で初めて寄席で落語を披露した後、1891年から1897年までの約6年間と、亡くなる前の1年を覗いた54年間を高座に費やしてきた根っからの落語家である。
人情噺の代表作『芝浜』の産みの親。これには諸説あるが、当キャラクターにおいてはこれを正史設定として取り扱う。
青藤色を基調とした和服に身を包んだ女性。
生前は男性だったが自身が生み出したとされる芝浜という物語を象徴する良妻への信仰を受けたためか女性の姿になっている。
本人はどこ吹く風、むしろ「こりゃあ随分と別嬪さんだ。あー、この面の良さを使って新顔のお客を呼び込むってのも悪くねえ」と好感触。
カラッとした気質をしたサバサバ系。派手なこと、面白いこと、とにもかくにも楽しいことが好きで、多少の喧騒であれば心地よく感じるタイプ。
粋でいなせ。気が短く気風がよく、喧嘩っ早く情に厚い。曲がったことが大嫌いな昔気質の江戸っ子である。>>655
落語家とは伝統に向き合って然るべきだが、圓朝はその限りではない。当然ないがしろにするというわけではなく、彼のそれは新しい風を吹き込むことにためらいを覚えないという意味である。
事実として彼は多くの新作落語……特に西洋文学をモデルにしたものを産み出し、それは今も後世に受け継がれている。
特に『死神』という一作は落語としての知名度も去ることながら『グリム童話を落語に翻案した作品』としても一定の知名度を持っている。ちなみに、元となったのは『死神の名付け親』である。
喧嘩っ早いと前述したのに加えそれと同じくらい負けず嫌い。これらの新作落語はその才能に嫉妬した圓朝の師匠による『当日に圓朝がやるはずだった演目を先んじて語ることで彼の高座を潰す』という妨害行為がきっかけで生まれたものである。
とにもかくにも反骨精神と克己心が強く、面白さを重視した落語ではなく、講談や浪曲に近い物語としての落語に舵を切っている。
それをきっかけとして人情噺が三遊亭の伝統になっているあたり先見の明があるのだろう。
特技:一席、要点整理、文章執筆
趣味:落語(聞くのも語るのも)、お笑い番組を見ること。
好きなもの:酒。江戸前寿司。
嫌いなもの:情や粋を理解しない堅物。ピーマン。
天敵:ギルガメッシュ。
願い:落語文化の隆盛。『笑■』を生で観覧したい。
【一人称】あたし
【二人称】あんた、お前様、マスターに対しては主殿、気心しれた相手には呼び捨て
【三人称】あんたら、お前様方【セリフ例】
「弓兵、三遊亭圓朝。三遊亭宗家、大圓朝とはあたしのことサ。ふうん、お前さんがあたしを呼び出した酔狂者かい。それで? あたしはどこで一席打てばいいんだい? 主殿?」
「あたしぁ宵越しの銭は持たない主義でね。へっ、何が英雄王だい。てやんでえ!」ギルガメッシュに対して
「ほーう、あんたがあの山吹歌の道灌さんかい。ここであったが百年目……ってな。そんなに驚くない、冗句だよ、冗句。いやなに、ちょっとばかりあんたがうらやましくてな。ほら、あんたは歌人を目指そうと思った時にことをはっきり覚えてんだろ? あたしはそういう記憶がごっそり抜けててね。お前様もその道にいるならわかるだろうがね。そういう初心って大事だろ?」太田道灌に対して
「あんたらには恩がある。落語家が必要になったらいつでもアタシを呼んでくんな。静岡にいようが北海道にいようがいつでも駆けつけてやらあな」林崎甚助などの剣士系サーヴァントに対して
「吾は悪事も一言、善事も一言……ってな。お前様の詩歌は生前から馴染みがあったがよ。今の方が身近に感じるのは……英霊ってやつの妙なのかもなあ?」柿本人麻呂に対して
「一人来て、二人連れ立つ極楽の。清水寺の鐘の声……だったか? ああ。演目としては知ってるよ。やる機会はそうはなかったが……や、これも何かの縁だ。いっちょ作ってやろうじゃねえか。『圓朝版・景清噺』ってやつをサ」藤原景清に対して
「仏蘭の国の革命家さんかい。いいねえ。何かを成し遂げた益荒男の顔って感じだ。ああそうだ…なにかに抗うってのはそう悪いもんじゃねえよな?」マクシミリアン・ロベスピエールに対して
「芝浦長屋の勝五郎、こいつぁ腕は立つし稼ぎもいいが稼いだ分だけ使っちまうでくのぼうと来た。困ったカミさんは勝五郎に一泡吹かすために一芝居打ったってわけサ。『真説圓朝噺・芝浜』……よそう。また夢になるといけねぇ」
「さあさ、お立ち会いお立ち会い。嬢ちゃんも坊ちゃんも猫も杓子も聞いてくんな! これこそが、アタシの今世一代。大圓朝の大勝負、耳かっぽじってご覧じろってなあっ! 『真説圓朝噺・芝浜』! ……ああ。ロハでいいぜ。その笑顔がこの一席の給金ってことにしといてやるサ」>>657
【他クラス適性、変化傾向】キャスター(落語家・ジャンル/人情噺ではなく落語家・ジャンル/怪談噺としての霊基。芝浜補正が消えるので性別は男になる。怪談大好きマンだが落語で人を殺めるのはちょっと……ということでアサシンにはならない程度の分別は持ち合わせた物腰柔らかい人物)
「私は多くの怪異を噺として伝えてきましたが、あなたには敵いますまい。寿ぎましょう、怪画の君。私は貴方に敬意を表する」鳥山石燕に対して
「怪王……ふむ。怪王ですか。実に興味深い。是非お話をお聞かせ頂きたく」塵塚怪王に対して
「海外の怪談は私にも些か馴染みがありましてね。どうですホレス氏。貴方が原案を務め、私がそれを翻案するというのは。互いに得難い経験が出来ると思うのですがね」ホレス・ウォルポールに対して
【コンセプト】
・正月に実装されてそうなめでたい感じの和鯖(気が早い)
・べらんめえ口調のいなせ美女。
・クラス違いで性別が変わる鯖。
【製作者】ルネ
以上です。なぎこさんみたいな文化人系アーチャーです
下の画像はいろんなタイプの男の子さん(https://picrew.me/image_maker/404676/)で作らせて頂いたキャスターの姿>>663
追記:
期限は執筆の都合もある為本日23:59までという事で
急な話で申し訳ない…時間を過ぎましたので、アンケートの方締め切らせていただきます
結果は教会組3票、ガールズバンド2票という事ですので、教会組SSを書きます!
24日をお楽しみに!
>>671
>SSはまぁ人によって時間かかるだろうと思って締切は長めにとることにしました。年をちょっと跨ぐくらい
>でも24日の夜でも全然おっけーです!
承知しました。黒鹿ファンさんもご無理はなさらずに…うん…?これキャスターか…?これキャスターじゃないか?でもサーヴァント5人いて3クラスしか埋まってないのなんかあれじゃない…?と悩みに悩んでアーチャーにしたので問題なさそうでありがたい
あと書いてたけどガバって抜けてたセリフ貼ります
「玉屋の旦那に鍵屋の旦那! いいねえ、お江戸を知る人にこうして出会えるってのは。どうだい? 良ければ酒でも一献」玉屋&鍵屋に対して
「憧れてたって言えばいいのかねえ。あたしの語り、あたしの……いや、三遊亭の噺の本質は冗句じゃなくて物語だ。柳生十兵衛、江戸に咲いた講談の華。こうして会えて嬉しいよ」柳生十兵衛に対して
>>659
本人が「伝統もいいけど伝統守るだけじゃ変わらないよね。あと下克上の精神大事」って人なので仮に当時に弟子入り志願してくる女性がいたら快く受け入れてますね。圓朝はそういう人
>>660
「苦ぇだろ、あれ。酒ならいざしれず、あんな青くせえやつの何がいいんだか。どうせ苦いなら……そうさな、秋刀魚がいいな。特に目黒の秋刀魚がいい」
姐さんキャラいいですよねいい…
>>661
自分でももにょもにょしてたけど言語化出来なかった部分を指摘していただけるのありがたい…魔力はDに、言文一致はCに下げようと思います(これで大丈夫かな…?)
>>667
我なぎこさんの蹴鞠モーション好き好き侍。助太刀感謝致す
>>668
言葉を放つアーチャーじゃちょっと甘いかもと思ってなぎこさんの蹴鞠的に加えた座布団が好評で笑ってます。自分がサーヴァント作る時の守備範囲的にあんまり動じない人が多いですねそう言えば今の髪の長さの律はちゃんと描いたことがなかった気がするので描きました
>>676
なんと。ワンチャン大師匠が先んじて召喚されてたかもしれなかったとは…>>658
道灌「初心…そっすねえ、最初に抱いた想いや夢ってのは色んなモンの起因になるっす。手前はそのお陰で頑張れた…でも、夢ばっかで肝心のとこが抜けちまってたのもご同様、初心は時には呪いたり得ることもあるんすよ、恐ろしいことに」
人麻呂「お、わかってるねぇ其方。小生、後世でこそ歌聖だ人麻呂影供だと取り沙汰されたものだけど、ところがギッチョン割と庶民派なのよ!町人を主客としてきただけあるね、やっぱり」
石燕「か、怪画の君だなんて、照れますねー。しかし、時代の移ろい過ぎた先にも彼らを語るお人がいらっしゃったのは私にも嬉しい限りのことなのです。そう畏まらず、よければ一つ、お聞かせくださいな」
ホレス「ふむ。和洋のコラボレーションというやつだね、よろしいとも!日本という極東の島国のゴシック文化やホラーのセレンディピティが如き受容史には常々興味があったのだ、ここで一大センセーションを為そうじゃないか!」
ついに落語家のサーヴァントが…!募集の内容から本居宣長とかかな?と思っていましたがどっこい近代の人であった。気風の良い江戸っ子は好きですぞ。にしても日本の江戸期江戸っ子は女体化しやすい傾向にあるのかな?()
どうしても圓朝というと死神なんかの怪談ものイメージがつきますが、自分の生み出した作品の影響で女体化…というのは(実際には違いますが)馬琴とかを思い出しますね
>>669
アー!アー!ア(ルシオネシア)ー!
>>673
プリキ◯アの敵幹部、それもラスボスの側近ポジ的な雰囲気をとても感じる系イケおじ…忘年会……忘年会って食堂でやっていいのか……?
あれ食堂三つある……すまん…明日までにSS完成するかは分からなくなってきました…本当すまん…
とりあえず俺の思う通りに書けたら面白かっこいいSSになると思うんで期待をしすぎない様程々にして待っててください…
>>687
>>688
居間はある想定でしたけど大体定員20人位で軽い飲みとか集まりできる中規模のスペースが1つ2つあるってイメージだったんすよね。
なので今回の飲み会はかなり規模大きく皆でパーティーするイメージあったし多分巽商店使うのは難しいんじゃないかなって思います、すいません…
あと一応巽さんって組織に入ってる訳じゃないですし色んな人のいる規模デカそうな飲み会で使うってのはいいのかな…って所はあります。
意見を駄目にして申し訳ないとは思うんですが新しい場所生やした方が良いんじゃないかなって。
すいません…ザミエルの人(一雨)です 外がすごいです
事前宣言はしてませんでしたが船の冬休みSS書いてます今
自分のケツ叩きのために序盤見てもらってもいいですか>>693
【閑話:アルシオネシアの休日、あるいはネコをつかむような話】(仮題)
1)ぺるかのす
──もういくつ寝るとクリスマス、そんな12月某日。『船』こと秘海集積船は港に停泊し、船員たちはそれぞれの冬休みを過ごしていた。そんなある日の、ペルカの自室にて。
イベントとしての大掃除自体はパスしたが、それは普段から整理整頓をしているからという前提がある。
「これはとてもステキなものだって、そう囁くのよわたしのウサギ心が……!」などなど好奇心にキュンときてペルカの巣穴(命名:A-061S)に次々持ち帰られる物品を崩れないように片付けるデイリーミッションがこの部屋にはあるのだ。
一応、よほど危険な物でない限りは彼女のコレクションが捨てられたり取り上げられたりはしない。ペルカや彼女に付いているアルシオネシア・A-061S"通称ムイムイ"によって室内は程良く整理され、そして程良く混然としていた。
ちなみに本日の成果(ログインボーナス)は【なぜか甲板に転がっていた球状のあの植物】だ。
「──と、言う訳で本日のA-061Sは非番。言うなればムイムイ・オフラインです」
「こないだお知らせが回ってきたやつ? シオネさんがお休みするっていう」
このジャックインザボックスじみた部屋にどうやって巽商会オススメのOKOTAなる胸キュンな暖房器具を納めようかという侃々諤々(Lv.-50)のゆるゆるな会議の合間、あたたかいココアを伴った休憩の一幕である。
A-000Pがいないとアルシオネシア・バリ3フル稼働は厳しいだとか、我らが第二被服室(コロニー)は繁忙期(しんがっき)に備えるための繁忙期(メンテナンス)だとか。システム、保守、整備、公共サービス、エトセトラエトセトラ。
ぶっちゃけペルカにはシオネらのシステムがわからぬ。けれども、いつも働くムイムイが今日はオフらしいという要点は理解した。>>694
「ん? ムイムイお休みなのにわたしのお部屋の模様替え手伝わせちゃってる! 悪いことしちゃった……!?」
「いえ、オフのムイムイはいつも通りペルカ様のお傍にいると決めましたので。」
お気になさらず、といつものニュートラルな表情でムイムイがペルカにココアのおかわりを注ぐ。ムイムイがお仕事ではなく休暇でも自分の所を選んでくれた嬉しさがペルカの心を弾ませた。ウサギは弾む、弾むなら即行動である。
「ムイムイ……、ハグに頰ずりも付けていい? いいよね!」
「ぷぇるくぁしゃま……」
『船』百景、ウサ耳の成る木。彼女に抱きつかれたことのない個体の方が少ないアルシオネシアの中でも、おそらく一番ペルカ慣れしているのがこのムイムイだろう。さすがのお世話係、突然のうさうさホールドにまったく動じていないムイムイはこともなげに次の話題に移行した。
「そう言えばメンテナンスに必要な物品を運んでもらうために、我々にお客様が来ているのです」
「お客さん! どんな人? それともムイムイと同じ?」
「ネコです」
「ネコ!」
ペルカの興味は新たなアニマルへの期待に飛び跳ねた。
(続く)明日のなりきり、皆さん海月ちゃんと凌牙君のどっち見たいですか…?
正直どっちでも面白いなって数日迷ってるんで投票にしたいと思いますお願いします
>>691
規模にもよりますね、滅茶苦茶色んな奴が集まるんだったら多分収まらんと思うっす…
まあよく考えたら細かすぎる所まで考えるのもなんですし、あやかさんの裁量にお任せします。
>>692
ふっふっふ…クリぼっちです
まあこのスレにいたりSS書くから問題無いんですがね!!
>>696
チ゛ェ゛ス゛ト゛せ゛き゛が゛は゛ら゛ッ゛ッ゛しようと思ったら既に投下されてました
ネタが…ネタが多いッッ!!ネタが多すぎてタグに困るSSって付けたい位には多いッッ!!
そしてペルカちゃん可愛いしぷぇるかしゃま…っていう如何わしく見えなくもないムイムイで草生えました
そして海月ちゃん借りてるんすか…!?(嬉しい)
続き楽しみにしてます>>697
海月で。なりきりで遊ぶ場所ってここでやっちゃっていいんですかね…?
>>701
どうぞー>>702
では早速「フンフンフーン、フンフンフーン。フンフフフンフンフーン……」
秘海集積船、通称『船』。
日夜海を往き、陸との繋がりも限られているこの巨船であっても、等しく聖夜は訪れる。
殺風景な船内を彩る数々のオーナメント、船内放送のBGMとして流れるクリスマス・ソング。そして掲示板に貼られたクリスマスイベントの告知ポスター…
陸と変わらない、クリスマスあるあるな光景が船内のそこかしこに広がっていた。
そしてここ、船内教会も例外ではなく。教会の中心である礼拝堂では、今まさに聖職者たちの手でクリスマスツリーの飾り付けが行われていた。
「調子はどうですか?シスター・セーラ」
下からの声に、飾り付けを進めていたシスター少女――セーラ・サーゲレオスは一旦手を止め振り返る。
いつの間に来ていたのか、真下に教会の主である神父――ウェイン・マロウがこちらを見上げていた。
「はいはーい。見ての通り、ばっちりですともマロウ神父! 後はもうこのお星さまを乗せるだけです!」
「それは何より。手伝いにきたのですが、どうやら無用のようですね」
元気よく答えるセーラに、ウェインは柔和に微笑み返す。
厳粛な礼拝堂であっても、クリスマスツリーだけは例外。一日、一夜限りの巨木は堂々とそびえ立ち、その輝きを存分に見せつけている。
天辺に危なげなく星を据えると、セーラは慎重に脚立を下った。>>705
「やー、しかし立派なものですねこのツリー。もしやどこからかの由緒正しい逸品だったり?」
「さあ、何とも。私も詳しくは知りませんが、この『船』を援助なさっている御方からの寄贈品だとか」
「え゛。大丈夫ですかそれ、変に曰く付きのものだったりとか……」
「コラ、人様の善意を疑うものではありませんよシスター・セーラ。心配なさらずとも、乗船時の検査では何も異常なしという話です。マレオ殿と騎士団の方々からのお墨付きだそうですよ?」
「後者はともかく、前者はダメなパターンでは?それ」
ジト目で睨むセーラに対し、マロウ神父はあえて沈黙で返す。
思わぬ不穏な空気が漂い始めたその時――ふと、重厚な何かが動く音がした。
それが教会の扉が開く気配であると気づき、二人が視線を向けると。
「おや? 貴方は――」
「珍しいお客様、と言うべきでしょうか。――ムジカ・スフィーリスさん」
「…………(ぺこり)」
憂鬱そうな顔で、恐る恐る教会の中を覗く少女。ムジカ・スフィーリスがそこにいた。
教会の礼拝堂、そこに隣接する神父・シスター共用スペース。
応接室も兼ねたその場に招かれたムジカは、丁重なもてなしを受けていた。
「――」
「どう、その茶葉? 良い味でしょ、なんてったってマロウ神父のとっておきですから!」
「貴方が自慢する事ではないでしょう、シスター・セーラ。どうぞスフィーリスさん、ささやかですがお茶請けもこちらに」
『あ、ありがとうございます。いただきます。それと、「ムジカ」で大丈夫です』>>706
差し出されたクッキーをムジカはおっかなびっくり手に取り、口へ運ぶ。直後、その素朴な甘さと美味しさの虜となり、シマリスよろしく無心で味わった。
一つ、二つ、三つ。一通り紅茶とお茶菓子を堪能した所で、頃合いを見計らい聖職者たちは問いかける。
「さて、と。ムジカさん、本日は何用で我らが神の御家に? 見た所、何か相談したそうな風にも感じられましたが」
『! あ、ええと。その』
「大丈夫大丈夫、落ち着いて。ほら深呼吸。焦らなくても、私たちも神様も何処かに行ったりしないからね」
『す、すいません失礼しました。実は、その――』
二人に促され、ムジカはぽつぽつと語り出す。
それは今からほんの十数分前の事……。
『ガールズバンド、ですか?』
「そう。ほら、今度『船』でクリスマスパーティあるでしょ? あの中で希望者を募って出し物大会みたいな事やろうって提案があるんだけど――それに、参加してみないかって話」
船内食堂の片隅、いつもの場所で朝食を取っていた時、ムジカはとある少女から先の誘いを受けていた。
少女の名は黒須瞳、同じく『船』に属する者の一人で――ムジカとは異なり、最初から『船』で生まれ育った者。そしてムジカにとっては学園の先輩に当たる存在でもあった。
『どうして私に?』
「他にも色々と声はかけたんだけどね。海月ちゃんにジャスミンちゃん、それとアリシアに一応ペルカにも声をかけたんだけど……誰がボーカル、つまり歌い手を担当するかって事になって。それで話の流れで、ムジカちゃんはどうかなって」>>707
『私、は……』
瞳の言葉に、ムジカはある光景を思い出す。
忘れようにも忘れられない、忌まわしい『あの日』の事件。自分が『船』に乗る事になった原因であり、取り返しのつかない過ち。
表情が強張り、顔から血の気が少なからず引いていく。そのムジカの様子を見て、瞳は申し訳なさそうな顔で謝罪した。
「……ごめん、私が軽率だった。そう、だよね。ムジカちゃんにとっては、つらい記憶を思い出させる事だもんね」
『い、いえ。私は、大丈夫』
「な、訳ないでしょ。原因である私が言うのも何だけど、顔真っ青よ。――私たちも無理筋だろうなとは思ってたんだけど、考えが甘かったわ」
ムジカの言葉を遮り、瞳は深々と頭を下げる。
その姿に罪悪感を抱く一方、ムジカは安堵している自分がいる事にも気が付いた。
マレオの荒療治や、それからのリハビリによりムジカの後遺症は以前より改善されてはいる。だが、それはあくまで人前でも多少声を出せるようになった程度であり、大声を上げたり発表会などといった大舞台に立てるものではない。
まして、バンドによるライブとなると――それは、否応なしに彼女のトラウマに触れざるを得なかった。
「本当にごめんね。ボーカルの人は他に当たるから、ムジカちゃんは何も聞かなかったって事で」
『い、いえ。こちらこそ、本当にお気になさらず。力になれなくてごめんなさい!』
「いいの、こっちも受け入れてもらえるかどうか半々だったし。その代わり、パーティの日は他でたくさん楽しもう。ね?」
そう言って瞳は席を立ち、ムジカの前から離れていく。
彼女の後ろ姿を、ムジカはただ黙って見つめる他なくて――>>708
『という、事があったんです』
舞台は戻って、教会の応接室兼共有スペース。
ここに来る前の出来事を一通り説明し終えたムジカは、縋るような目で二人に向き合った。
「――成る程。それは確かに、難儀な話ですね」
「話は分かったけど、どうして教会(ココ)に? いや、来るのがダメだとかそういうのじゃなくて。ムジカちゃん、日課の礼拝以外はあんまりうちに来なかったじゃない」
『それは、その。気が付いたらここにいた、と言いますか。いえ決して信心不足とかで避けてたとか、ニコレット先生に相談するのも無理筋かなとかそういう訳ではなくむしろどちらかと言えば信心深い方でああいや自分で言うのも何というか』
「ちょ、ストップストップ! 責めてるとかじゃないから、ただちょっと不思議に思っただけで!」
「……ふむ」
わたわたと宥めるセーラを他所に、何事か得心した顔になるマロウ神父。
当のムジカはというと、諦められた時のことを思い出した事もあってか先程以上に落ち込み、俯いていた。
『……私は、どうすればよかったんでしょうか』
「――」
『歌うのが嫌だとか、大勢の人たちの前に立つのが無理、じゃないんです。ただ、どうしてもその二つを組み合わせるとあの日の事を思い出してしまう。そして思い出すと――――何もかもまっくらになって、わからなくなってしまうんです』
スマホを握りしめる手が震える。
否、震えているのは手だけではない。両腕も、肩も、頭も。全身が震え、目の焦点が定まらなくなっている。
『わた、わたしは』
「落ち着いて、ムジカさん」>>709
間近で聞こえた声に、ムジカはハッと顔を上げる。
そこには、慈愛に満ちた表情のマロウ神父が立っていた。
「……お話は分かりました。ムジカさん、貴方が負った傷は深く、そして重いものです。私のように、当時その場に居合わせられなかった者が何を言っても慰めにすらならないでしょう」
『それは――』
「お気になさらず、ただの事実です。……少し、昔話をしましょうか」
『昔、話?』
「ええ。――陸にいた、そして今はとある船に乗って旅する少年だった若者の話です」
そうして、マロウ神父は静かに語っていく。
教会で働く父の姿に憧れ、自らもまた聖職者の道を志した少年がいた事。
夢叶い、教会の一員として務めに励むも、若さ故の考えなしと情熱から幾度も失敗と挫折を重ね、されどその度に立ち上がり己の理想に燃え続けた事。
周囲はそんな『彼』を時に「信仰篤い、されど危うい所多々あり」と憂い、時に「現実を省みない愚か者」「ああいう輩は早死にする」と呆れ蔑みすらした事。
そして――そんな周囲の危惧通り、何度も何度も手を差し伸べた者に裏切られ、嘲弄され、挙句の果てには敵とみなされ暴力を振るわれた時すらあった事。
その度に『彼』は心身共に傷ついて、時には世の中そのものに絶望しかけた事も。
『どうして』
ムジカの過去が些細に思える程の、壮絶な半生。それを聞かされた少女は、我知らずの内に問いかけていた。
『どうして――――どうして、そんな目に遭い続けながら、今も変わらず神父様は神父様のままでいられるんですか?』>>710
ムジカからの問いに、マロウ神父は微塵も動じた様子はなく。
ただ、残酷な昔話で徒に傷つけてしまった事を謝罪するように、それでいてきっぱりと断言した。
「それが、私の為すべき事だと己に定めているからです」
『為すべき、事……』
「――『私』はかつて、確かに父の姿に憧れて。父のように他人を救い主の教えを説く人間でありたいと。そう願い志したからこそ、今この場にいます」
「教えを説く場が総本山たる聖地であれ、辺境の掘立小屋であれ。そして――此処のように、絶海を往く、本来であれば『異端』と断じられるような側の領域真っ只中であれ。私が私としてやるべき事は変わらない」
「傷つき、苦しむ事は人間の常であり、必然の性。それ自体を否定する気は毛頭ありません。ですが、その事ばかりに囚われてしまっては先に進めなくなるだけでなく、過去の己自身さえも否定してしまう事にもなる」
「私は、あの日誓った過去の自分に恥じない者である為に。聖職者として在り続けるのです」
「――――」
声も、なかった。
マロウ神父の独白に、ムジカは何も返せない。積み重ねてきた経験も、挫折も、痛みも苦しみも――そして、それらを補って余りある輝きも。
何一つ、ムジカは持ち合わせていなかったから。
そんなムジカに対し、マロウ神父はどこまでも真っ直ぐな目でムジカを見つめ返す。>>711
「ムジカさん。貴方は先程こうおっしゃいましたね、『歌うのが嫌ではない』と」
『は、はい』
「ならば話は単純です。要は貴方が人前に立って歌わず、その上で黒須さん達に筋を通せる道を選べばよろしい。そうすれば貴方はトラウマに触れる事なく、黒須さん達もボーカル確保の問題を解決できる。ね、完璧でしょう?」
『そんな――どうやって、そんな事』
「あーっ!!」
そこで。それまで全く話に関わらず、半ば置き去りにされていたシスター少女――セーラが大声を上げる。
思わず反射的に竦むムジカだったが、それどころではないと言わんばかりに、セーラはムジカの手を掴んだ。
「分かりました! 分かりましたよ、神父様! じゃあ、後は私にお任せしてもらってもいいですか!?いいですよね!」
『へ。いや、あの。せ、セーラ、さん?』
「ええ勿論。私が説明しても構いませんが、実際やってみてもらった方が早いでしょうし。……ですが、くれぐれも丁重にお願いしますよ? ああ、それとニコレット女史に『よろしく』とお伝えしておいてください」
「了解してラジャーです! さ、そうと決まれば行くよムジカちゃん! 善は急げ、事の解決はより急げってね!」
『え、ちょっ、はい――――え、ええええええっ!!?』
それはさながら火のついた導火線か、あるいはブレーキの壊れた暴走超特急か。
何事か思いついたシスター少女は、状況を全くのみ込めないままの少女の手を引っ掴むと、あっという間に教会を飛び出し何処かへと走り去ってしまった。
静謐な教会にあるまじきドタバタぶりだったが、マロウ神父はこれもまたいつもの事と柔和に受け入れ、
「さて。もういいでしょう、マレオ殿? いつまでそうやって盗み聞きしてるおつもりで?」
唐突に。全く持って突然に。自分以外誰もいなくなった筈のこの部屋で、そう声をかけた。>>712
すると、待っていましたとばかりに姿を現したのは――
「おーおー言ってくれるぜ異教の僕め。全く、誰の為に気を遣ってやったと思っているんだか」
「当然、ムジカさんの為でしょう? 以前貴方は手ひどくやらかしましたからね、貴方がいてはまとまる話もまとまらなくなる、というものです」
「手ひどいとは何だ、手ひどいとは。ああでもしなきゃ一人の乙女の声がガチで手遅れになるって分かってたからこその緊急手段だろーが」
「緊急手段、と言えば何でも罷り通るというものでもありませんけどね。……まあ、それでも今回はまだマシな方でしたね。彼女――ムジカさんをこちらに招き寄せたの、マレオ殿の差し金でしょう?」
秘海集積船の構造は複雑怪奇そのもの。陸であれば少し彷徨った所でどうとでもなるが太古の幻想種、その成れの果てともなれば最悪致命的な事にすらなりかねない。
ムジカがそうならず、この教会に辿り着けたのは、この(自称)海神のサポートあってのものでもあった。
……どうやったのかは、マロウ神父にはまるで見当もつかなかったが。
「ま、これで後はどうにでもなるだろ。それこそ、お前んとこのあの陽キャシスターがやらかしでもしない限りはな」
「それならば心配ご無用といった所ですね。シスター・セーラは優秀な子ですから、上手くフォローしてくれる事でしょう」
「しっかし、ガールズバンドねえ……」
「まだ何か?」
「いや。仮にもし、ガチ結成するならPとして今から声がけしておくべきか。あるいはいっちょ噛みする事を考えとくべきかと思ってな。とりあえずまあ、適当なバンド名から――」
「……それこそ、マレオ殿がお関わりになるような事でもないのでは?」>>713
それから数日後のクリスマス。秘海集積船で、盛大なクリスマスパーティが催された。
パーティと言っても、船内メンバーを中心・対象にしたものではあったが――多くの有志たちの手による出し物はいずれも喝采を集め、いつにない盛り上がりを見せたという。
中でも急遽結成されたガールズバンドによるライブは、即席とは思えないレベルの高さから人気を博し、一日限りと言わず何度でもとの声が上がっていた。
その現場を目にした者曰く。
「不思議なライブだった。他のユニットは揃っているのに、肝心のボーカルだけは録音によるものだったから」
「けれど決して不出来でも間に合わせという訳でもなく、どのメンバーもボーカルに合わせた完璧な演奏を繰り広げていた」
「何より――ボーカルの声が最高だった。録音とは思えない程に。そこにいない筈なのに、まるですぐ傍で歌っているみたいで」
「それはまるで――勇気を振り絞ってるみたいな歌声だった」>>714
・おまけ:『ガールズバンド・ボトルシップトラベラー』
それは後に伝説と呼ばれる(かもしれない)バンドの始まり。
各々異なる理由で秘海集積船に乗り合わせ、出会った少女たちによる愛と勇気と絆のバンドグループ。
摩訶不思議な相棒を連れた義足少女。人形を駆使して楽器を操る魔術師、ポニーテールがよく似合う和装退魔師。バックダンサーとして縦横無尽の活躍を魅せるウサミミガール。そして――どういう訳か、始まりの場に居合わせなかった幻のボーカル。
はたして彼女たちの行き先は希望に満ちた航海か、それとも波乱に満ちた嵐か?
今後の活躍にこうご期待。
2022年12月25日付『ドルフィン・ニュース』コラムより一部抜粋>>692
おう…お疲れ様です…この頃はめっきり冷えますのでどうかご無理はなさらず…
>>696
球状のあの植物…それはログボとして果たしてゲットしてしまって良いものなのか?…いや別に危険性ないし良い…かな…?
ペルカさんとムイムイの信頼関係、お世話係とお世話され係のちょっぴりズレたやり取りが良いですね。なんだかんだで波長があってる。
そしてお客様は猫である…誰だ…?
>>716
平和だ…女子組、いい子たちの集まり…これは取材担当の記者(フィサリアさんとかかな?)も記事を書くのが楽しかっただろうなぁ。
過去に色々な苦難がありながらも前を剥き続けた神父に相談に乗ってもらって自身も前を向くムジカさん、前の歌姫のSSから一歩一歩成長していっているようで優しい気持ちになりました
>>719
>>720
わかりました!よかった!!!中納言セーフ!ひとまず過去スレのなりきりの舞台の詳細とか見ときます!!となると、本戦スレを引っ張り出す?
何年か前にやった女子会も本戦スレでやってたし。じゃあ本戦スレ引っ張ってきて……もう誰か浮上させてくれてますね
ありがとうございますそんじゃやりますか…!!
>>734
あ、その手法良いっすね。
俺もその方向で行こうかな…あ、私は言うまでもなく全員出します
たった四人ですしなんだかんだと登録し忘れてたヴィクトル翁をwikiに載せてきましたー。
これあれだな。複数相手に返信書いてるうちに会話に置いていかれるやつだな?
>>739
良いお年を〜。さっき四人と言ったのに!もう新キャラが!!!
感想ありがとうございます!
>>718
>ペルカのバックダンサーネタ
こちらはせっかく結成するのなら、と思い入れたネタですね。仲間外れは気の毒ですし
ちなみにボーカルムジカは当初普通に出す予定でしたが、展開の都合と「まだ早い」という事で今回の結末に。彼女が彼女自身の意思で大舞台の立つのはいつの日か…
>>719
あれだけやらかしておいて、ちゃっかり保護者面。これぞマレオクオリティ
ムジカは皆の優しさに守られ、支えられて生きています
>>721
そう言っていただけると有難い…
この手の人情譚を書くのは苦手なので、上手く書けたかどうか不安でして…
>>723
ウェイン神父を出す以上、やはり神父としての立ち振る舞いが重要になると思ってこうなりました
マレオにやや辛辣なのはまあ、本人記事でもパイプオルガンで悪戯されてたりしてたので…>>748
ほんとでござるよぅ
給食室長がいれば出番ないくらいのキャラなので…人がいるか分かりませんが、2時にはクリスマスSS投下いたします
ネタバレ:ネタワードしかねぇ!!>>752
なぁに…なりきりとはこういうものでしてよ>>760
おう…これは間が悪かったとはいえカステラの罪…無知は罪…他人の酔いに笑うものは他人の酔いに苦しむのだ…今回、宴の席ということでエイベルはセクハラOFFだったりする。
あと、仕事がある&眠気が襲い掛かってるので、02:00以降は反応が遅くなるかも。SS、書き込んでも大丈夫でしょうか?
──────人々が華やぎ浮かれ、あるいはいつも通り過ごす、イヴとクリスマスの狭間の静かな夜のこと。
◆◆◆第2被服室近辺◆◆◆
この季節、アルシオネシアたちの拠点たる第2被服室)は来る繁忙期に向け、業務規模を縮小しつつメンテナンスに勤しんでいる真っ最中である。
と、そこへ。
「──────ヘイ、ワツァップ!シオカラーズども!!」
間違えたパリピとサンタを足して2で割らない格好をした存在が侵入してきた。
「これはマレオ様、メリークリスマス」
「こんばんはマレオ様」
「アイムファインセンキュー」
「メリクリ~」
驚きも疎ましくもせず、いつものニュートラルな表情で海神マレオを迎え入れるアルシオネシアたち。
この『船』ではよくある光景であった。>>767
「しかしこの場合、かの御子の名をマレオ様に出して良いのでしょうかと悩む問題です」
「ガハハ、俺様は寛大なので他宗教の話題もゆるすゆるす!楽しけりゃなんでもいいわ!」
「流石マレオ様」
「さすマレ」
「して、本日はどのようなご用件でしょうか」
「やはり余興でしょうか。自爆許可申請、事由:マレオ様より余興をリクエスト」
「却下。代案『組体操』を提示」
「更に却下。まずは用件を聞くべき」
「おう、そうだそうだ本題だ!俺がここに来た目的は二つ!まずはメリーな手土産だ。ほれ、引きこもりのシオネに渡してやんな。」
A-000P───通称シオネへのプレゼントを渡すパリピサンタ。「今年の分は中々良いモンばかりだぜ?あー、それから錆避けのアミュレットも作って入れてあっから」
アルシオネシアたちの主なコア素材は古い珊瑚、海洋生物の化石などだが、その手の権化のようなマレオは独自のルートや機会でよく出会い、その度に収集してはこうしてリーダー格たるシオネに渡している。
……詳細や正確な価値は省くがどの素材も魔術師やマニアならば喉から手が出るくらい魅力的な品の数々だったりするとかなんとか。
「貴重な贈り物、ありがとうございますマレオ様」
「毎年の大盤振る舞いに感謝」
「神に感謝」
「素材……QP……周回……う、我々には存在しないはずの記憶が」>>775
「見事に突破されてしまいました」
「なんということでしょう、仕方がないので潔く見送りましょう」
「いってらっしゃいませ」
「お気をつけてくださいませ」
「この言葉を捧げましょう──────ラック、そしてプラック」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
第2被服室近辺から廊下へ抜け出た水球の群れはスピードをつけたまま、次第に元のマレオとトレノ(台車つき)の形へと戻りながら逃走を続ける。
「……ハッ。逃走?馬鹿言え。聖夜に走るとなりゃあ、やるこたあ一つだろ。──────ぶっちぎりでやるぜサンタクロースごっこ!スピードもプレゼントも上々↑↑でなぁ」
「承知いたしました。このA-086M、地の果て廊下の果て船の果てまでも運命を供にする覚悟であります」
「船にあんのかね、果て」
「あるんですかね、果て」
いつの間にか手にした巨大なプレゼント袋を抱えて台車に乗ったパリピサンタの突拍子もない発言に、いつの間にかトナカイ衣装に着替え台車を押し走るトレノが応える。
心なしかあるいは錯覚か、ニュートラルなはずの表情は輝いて見えた。>>778
ゴキゲンなSSでした
ゴキゲンなSSでした
頭文字M&Tが洋上MIDNIGHT
>>694のつづき ttps://writening.net/page?FDnQS2
数えたら1万字ちょっとあったので別のテキストページ設けました お時間のある時に読んでいただければ幸いです
読めなかったりしたら起きたら掲示板に投下します
新顔の>>765ネコのキャラシも起きてからにします お昼くらいに
他の方のSSと矛盾があるかもしれませんが何かそういう並行世界だとわやわやに許して下さい
完走した感想ですがペルカちゃん動かすの楽しかったです!
お借りしました:ペルカ、マレオ、ジャスミン、海月
お名前だけお借りしました:リュジニャン、ロイド
お借りしましたキャラで口調がおかしい、キャラ崩壊、設定的におかしい等ございましたらお叱りください
感想いただけるとうれしいです>>779
抜けがございました
アインス先生もお名前だけお借りしました
大変申し訳ございません>>782
https://writening.net/page?FDnQS2
申し訳ないです
自分の控えていたリンクでは飛べたのでこちらどうぞ
こっちもダメだったらお昼にページ作り直すか掲示板書き込みで投下します
蝙蝠要素はないです
くろねこですよろしくおねがいします途中で力尽きて寝落ちしました…本当にごめんなさい許して
>>778
これが頭文字M…実際途中で頭文字Dの曲が脳内再生されました
青い光放ちながら船内を走る姿は紛う事なき変態というか最早マレ娘というか何というか
カオスなSSでした…
>>779
情報量が…情報量が多いッ…!!
レージュさんの方でも思いましたがシオネちゃん達の語尾は無限の可能性があって良いですよね。無表情で程良いトンチキ台詞がガンガン飛んでくるのほんとすき。
そして海月ちゃんのエミュは完璧でした、いや本当ありがとうございます。ジャスミンちゃんと仲良かったり新キャラ撫で撫でしたりとめっちゃ読んでて萌えたし軽い見せ場もあったりと最高でした。
あと突然のデビルマンで草生えたり新キャラの猫ちゃん可愛かったりめっちゃ面白かったです。今起きました
ごめんなさい。主催者なのにロクに締めもせずに落ちてしまって
とりあえず…どうしましょう? 終わらせるにも人はいるかな?あとあやかさんがエイベルさん出していらっしゃったので自分もレッドア出そうかな〜と少し思ったんですが
「カステラと波長の似通ったウザみのあるパリピ陽キャを二人も動かせるか…お前…?」
というもう一人の私の声が聞こえて出さないでおきました。
ちなみにレッドアとカステラはぱっと見グイグイ系陽キャって感じで似てるのですが、人との接し方がかな〜り違うのですよね。
少なくとも、レッドアだったらほたるさんにはお酒飲ませてないし、おねえさんとも呼んでない。「アンタは楽しまねぇのか?」って絡んでは行くけど。
要は対人においてカステラは下手にぐんぐん抉ってくるタイプで、レッドアは対向車線から激突してくるタイプ。特技も前者は「懐に入るのが上手い」で後者は「胸襟を開かせるのが得意」な感じ。
そしてレッドアは酔っ払ってポチ先生を掲げて第熱唱してた巽さんに「おもしれー男」して新たに巽さん支援√になっていただろうなとも。
え?そんなに差異があるなら出しても良かっただろって?昨日やってみてわかったのが驚くほどピクシスが動かしづらいこと
キャラの調整が必要だなと思いました。幹部キャラだからプレッシャーかかりすぎてる自覚ががが
>>791
カステラくん場の流れみたいものがあると一気に輝いたなぁって印象でした。形式を変えると見えるものも変わってくるのは面白いなって
ほたるはただの給仕としてしか出すつもりなくて……
キャラシもなにも出てない子だから皆さん扱いに困るんじゃないかと半モブくらいの役に徹しさせると決めてたのに愉快なことになっちゃってまぁ…
自キャラだと一番予想外な動きになりましたね昨日の参加者集合と聞いて
アレなんすよ…ちょっとふざけたネタ投下しようと思ってポチ先生をライオンキングさせようと思ったんすよ…まさか大事になるとは思わなくて…
あと俺のキャラをもうちょい積極的に動かした方が良かったかなって少し後悔してます。裂夜君を自分から行動させるとか海月ちゃんを普段絡ませてない相手に行くとかしたら良かったかもなって。次回はもうちょい積極的に行こうかなって。てな訳でまたなりきりあったら喜んで参加します。ネコのキャラシ投げます 先に>>783のリンク先SSをお読みいただくの推奨です
【氏名】シャントリエリ(彼女を拾った魔術師が命名) chantrieri
【通称】シャリー、エリー
【性別】女 【年齢】推定17歳
【発見地】フランス南部 【現住所】イギリス・エディンバラ
【身長・体重】154cm・48kg 上げ底の靴込みで162、3cmくらい
【髪色】暗紫に灰メッシュ【瞳色】灰(赤)
【特技】柔軟体操、目測
【好きなこと】見回り、日向ぼっこ、昼寝
【苦手なこと】文字の羅列、熱々の飲食物
【外見・容姿】猫耳帽子があざとい少女。常に手袋をしている。もし握手(きっと彼女は渋るが)をしたならば、あなたは手袋越しに少しごわごわorふかふか、そしてぷにぷにとした感触を覚えるだろう。
【属性】中立・中庸
【魔術系統】変身【魔術属性】水【魔術特性】獣化
【魔術回路】質:E~B++ 量: E~B++ 編成:異常(不定の値)
【起源】対照
【所属】(未定)【一口コンセプト】化猫娘>>796
【解説】
合成獣を研究していた一族がある魔獣(またはその特性)を再現しようとして産み出した、キメラじみたデザインベイビー。猫型魔獣をメインに人狼など他の要素も混ぜられている。厳密には魔術師ではなく、敢えて言うなら人工的な精霊かヒト型魔獣に近い。
その一族は魔獣『シャパリュ(またはカパリュ。英語圏ではキャスパリーグと呼ばれる)』の本質を知らずに研究を積み上げていた。が、たまたま彼女で少し掠った模様。
余談だがこの一族は「ジェウォーダンの獣」に関わっていたのでは、との噂もあるが真偽は不明。この家系の者たちが度々理性を失った獣と成り果てているのは確かである。この事実と一族の領地近辺での事件であったことからの推察とされる。(※編注:一族は内ゲバないし事故で壊滅済み)
偶然の遭遇から人形師ドレイク・ネルズに拾われた被検体。通常時も耳と手足の一部が獣化しているため人前で帽子・手袋・靴下を脱ぐことは滅多にない。人間以上の五感を持ち、特に聴覚(猫耳の方)が優れている。帽子越しで聴いても日常生活に支障がない。一応人耳も付いているが、そちらの聴力はあまり良くない。(※編注:イヤホン等を引っ掛けるのはこっちの耳)
Dr.ネルズと使い魔契約を結んでいる。彼からは人形に関する手ほどきも受けているが、本人の気性にあまり合わないため『作る者』としては微妙なライン。壊す方が向いてる。自力ではちょっとした点検なら行える程度の能力。教わった「人体知識」は主に不審者の関節などをキメるのに活用される。対霊戦闘:D+。>>797
ネルズの屋敷で彼女に与えられたのは衣食住、教育、そして労働だ。
まず毛むくじゃらの手足と猫の耳を隠すための帽子と手袋、長い靴下。最初は窮屈に感じてもいたが世の人間の大多数は服を着ているものだからと納得した。
ネルズからは人体のいろいろと魔術の初歩的な知識を教わった。簡単な玩具を手当するまでは出来たがそれ以上はどうも不向きらしい。人間のマナーはベラドンナと呼ばれる人形が教師役となった。屋敷でレディーズメイドを務める彼女は自分にも他人にも厳しかった。高貴なベラドンナは厳しい分、シャントリエリがよく出来れば確実に褒めた。戦い方はアコナイトと呼ばれる人形が師匠役となった。陰気な墓守人形は口数が少なかったが、シャントリエリは黙って見て学べと解釈した。
使用人見習いとしての仕事もいくつか与えられた。最初の仕事は年頃の近いお嬢様の話し相手。屍と人形を扱うネルズ家の屋敷に人間の使用人は多くはなかったが、教育の成果を示せば屋敷の外へより多くの人間を見に行くのも許されるだろう。
満月の夜は完全に猫化する。ちいさくてくろい、けだま。
【人物】
すこしぶっきらぼうな猫耳娘。警戒心がつよめ。
Dr.ネルズの人形姉妹(アルカロイド・シスターズ)のひとつ『ベラドンナ』から社会のマナーなどを叩き込まれている人間5年生。(この点で彼女はA-000P"シオネ"の妹弟子と言える。シオネは『船』に納品されるまでのVer.0.5期間中にベラドンナの教育を受けている。)
主人であるDr.ネルズに対して、人間(人間…?)としてはアレだが名前と衣食住と教育を与えられている恩義はひっそり感じている。名前はタッカ・シャントリエリ(別名ブラックキャット)という植物から。>>798
願いは「混じりけのない人間になりたい」。
とくべつなんて要りません。ただ街中の、ありふれた誰かのように成りたいのです。
檻から出てずっと、ニンゲンの定義についてかんがえている。
肉体も精神もシャントリエリはたぶん、ちゅうとはんぱだ。
もっとたくさんのヒトを見て「キジュン」をまなぶのが良いのだろうと、先生は言った。
もう少しがんばれば、もう少しだけ広い世間に出しても良いと先生は言った。
【能力】転身・怪猫紛い(フォウ・シャパリュ) faux Chapalu
魔力、筋力、速度を相手より少し上に変動させる。ただし彼女自身の肉体の限界に伴った上限が存在する。
能力深行度の上昇に伴い肉体は獣化する。
【セリフ例】人間語がすこし拙い。てにをはをやや少なめに。メタ抜きでの作中視点としては独特の癖が付いたスコットランド英語のようなものを話している想定。
「シャントリエリ。ミャウ字はしらない。家のヒト、シャリーとかエリーとかマオとか好き勝手によぶ」
「うにゃぅ、フォッ……ににゃうう……」(※マタタビを吸わせないでください※)
「水いやがるのネコしぐさ。だからウチ風呂ちゃんとつかる。ヒトしぐさ。それに、ぬくいの好き」
「ベラドンナはおに教官。【メイド服を着た女帝】、フットマン言ってた」
「Pussycat, pussycat, where have you been? I've been to London to visit the Queen.(子猫ちゃん、子猫ちゃん、どこへ行ってしまったの? 女王様に会いにロンドンへ行ったの。)」
「──規模、測定、オールグリーン。猫の手はお前の一歩先。」
「使い魔契約の満了、ウチが死ぬか人間になるまで。人間の定義をきめてない暢気な契約」カステラのエミュで唯一の心残りだったのが、なりきりに向けて言わせてみたいなって思ってた戦前っぽい言い回しが出来なかったこと。獺祭くらいかな…リアルタイム処理ムズカシ…
あと他キャラで言えば麟ノ助が割とちゃんと生徒を見る先生できてたのが嬉しかったしトワは直接的な被害を最低限にトワらしさを出せて満足なのとレリックも騎士団の皆さんと話せて年長者っぽさが描けて良かったなっていうのと夕ウタはほんと夕ウタだなぁって動かしながら思いました。
5人も動かせるかなと思ったけどなんだかんだですごく楽しかった…!
あと他様のキャラですがニコレットさんがお酒一杯で酔う下戸でしかも笑い上戸だっていうのが結構衝撃的でした。こういう場でもあらあら系だとおもてた…
>>800
シャリーさん私服も良いけどメイド服もかわいい!クラシカルメイド服ええぞ!
奇跡的にキャスパリーグに掠ってるの、怖いなぁ…そっち方面に行かなくてよかった、よかった…詠唱とかからイギリスぽいなと思ってて出身がフランスでうん?ってなりましたけど、ジェウォーダンの獣関係ってことでなるほど、と。
カタコトとか癖のある口調だとツールくんが親切で多量に指摘してくるの、すごいわかるます(鵺とかでとても経験した人)>>801
ニコレットさんについての小ネタですね。
ニコレット(ホムンクルス)は稼働日数に比例して色んなものへの耐性が低下していって最終的に停止するという流れで今回のニコレットさんは翌月辺りに稼働限界を迎えるのでお酒にも弱くなってました。
笑い上戸なのは本当です。
ただ今回はポチ先生が体調悪くしたので本体がホムンクルスを酔わせて遊んでる場合じゃねぇと白服と交代させたという次第です。>>792
こっちはビオランテを追加で出したけど、やっぱ土壇場だったからそこまで動かせなかったなぁ。お久しぶり〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!
falling moonの最新話投げてもよかですか〜〜〜〜〜〜〜〜!!!>>808
「はい、これ。持っていてあげて」
「……ありがとう」
盆と、そこに乗せられたお粥の器。理仁はそれを受け取ると美和子に会釈した。にこやかな義母とは対照的に理仁は苦く、気まずそうに口をもにょもにょさせる。
「オレから頼み込んでおいてなんだけど、本当にごめん」
「良いのよ。私、理仁が誰かの為に頑張っているのならいっくらでも応援するわ」
いつでも美和子は優しい。彼女の、彰久の好意に甘えてしまっている自分を恥ずかしく思いながら理仁は台所を後にした。
廊下を歩く時も口を開くわけでもなく、理仁はお粥の白色にじっと視線を落とす。もやもやと立ち上がる湯気は食欲を刺激した。
自室の前には柳花が見張りとして立っている。こちらに気付くと、
「阿呆」
開口一番柳花がぼやく。理仁は何も言い返せず、
「ううん」>>809
と呻くばかりだ。それを見て柳花は不満げに眉をひそめ、ため息をつけながらドアを開けた。両手が塞がっている理仁に気を遣ってくれたわけで、バツが悪そうに彼は部屋へと入った。
敷かれた布団に黒鳥蘇芳はぐったりと寝転がっている。理仁を見上げて、忌々しそうに何やら呟いたがよく聞き取れなかった。
蘇芳を家へと連れて帰る。そう言い出した時それはもう柳花は反対した。当然の事である。理仁を襲撃し、殺そうとした人間を助けてやりたいなどと言い出したのだから。
実際彼女の意見は正しい。明らかに様子のおかしい人間を美和子と彰久に会わせるなど何か起きても責任を取れないのだ。それを理仁が押し切るのにそれなりの時間が要したものの、こうして監視態勢を敷くという事で了承を得た次第だ。
「黒鳥、調子はどうだ?お粥、作ってもらったよ」
「……そう、ありがとう。余計なお世話だと言っておくわ」
「嘘つけよ。そんな顔色で強がられても、こっちが困るだろう」
枕元に盆を置くと蘇芳の視線は立ち上る湯気に釘付けになっていた。添えられた梅干しの匂いは間違いなく彼女の鼻腔を刺激している事だろう。敵に気を許したくない、そんな意志が見受けられても空腹には勝てないのが人間というモノである。
ぐー、と地鳴りの様な音。勿論出所は蘇芳からで、彼女はキッと理仁を睨み付ける。
「くっ……」
「我慢するなよ。ほら、食わせてやるから」
>>810
体を起こす様に促すと、寝間着姿の蘇芳が露わになる。柳花と美和子によって着替えられたのだが、派手な柄が長い黒髪と相まってしっちゃかめっちゃかな印象が拭えない。
理仁がお粥をスプーンで掬い、それから冷ましてから口元に近付けてやると凄まじく不本意という表情で口に含んで咀嚼する。
「……美味しい」
「なら良かった。別にオレが作ったわけじゃないけど」
「ねえ、どうしてこんな事をするの」
「そうだぞ、自分を殺しに来た人間を相手によくもまぁ施しを与えようとなどと考えつくなお前は。よほどの聖者か愚者だぞ」
柳花まで加わり、二人がかりで非難される。味方からも咎められてしかるべき事なのだが、理仁は断固としてこれに立ち向かわねばならない。
「聖杯戦争にはとんでもない奴が潜んでいる。そいつを放って置く訳にはいかないんだ」
「聖杯戦争とはそういうものよ。勝利を得る為ならば手段は選ばない。貴方達の担任がそうだったでしょう?」
「少なくともオレはそう思っていない。柳花も。アンタはどうなんだ?」
「貴方が嫌う人間と同じよ。私も聖杯を手に入れられるなら何でもするわ」>>811
スプーンでお粥を口に運んでやる度に蘇芳の声色はよく知るものへと変じていったが、青ざめた肌は戻る気配は見せない。それでも頑なに態度は崩さず、そして崩せもしない。
「これで話は終わり。借りを作って味方にでもしたかったんだろうけど、無理な相談だって事がわかってもらえた?」
ふん、と鼻を鳴らす蘇芳。今は何を言っても無駄であると思い、理仁は渋々頷いてとりあえずまたお粥をスプーンで掬い取った。
「……ああ、よくわかったよ。とりあえず飯を食ってくれ。アンタを味方にしたいってところと、助けたいってところは別だからな」
「今更だけど、このお粥何か混ぜたりしてないでしょうね」
「混ぜてない混ぜてない、メリットがあるかそんなもん。そんなボロボロな人間に何をしようってんだ」
こんこん、とドアがノックされる。どうぞと返すと、彰久が僅かに開いたドアから首だけを覗かせた。
「理仁、黒鳥さん家への連絡はしておいたぞ。今日はウチに泊まっていかせなさい」
「……私、そんな事を頼んでいませんが」
「事情はよく知らないが、君をそんな状態に家に戻すわけにはいかないよ。何かあったら大変だし、今日はここにいると良い。ご両親も承諾してくれた」
>>812
彰久はちらりと理仁に視線を飛ばす。話がしたい、という意味だと理解し彼は柳花に引き続き蘇芳を見て欲しいとまた目配せすると部屋から廊下へと出た。
部屋から声が届かない程度の距離で、彰久は声を潜めて、
「あの子、どういう事情持ちだ?」
当然の疑問である。理仁は唐突に「友達の体調が悪そうだから家で休ませても良いか?」と連絡したのだ。二人はすぐに承諾したものの、連れてきた蘇芳のあまりにも弱りきった姿に何の疑問も抱かないはずがない。間久部夫妻が聡い人間である事は長い間一緒に暮らしている、理仁がよくわかっている。
理仁は言葉を濁し、何と言えば良いのかとしばらく悩んだ。聖杯戦争の話など出せるはずがない。上手い嘘を思いつかねばならない。
なんとか言い訳を搾りだそうとする理仁に彰久は苦笑し、
「魔術師絡みなんだろう?」
「あっ、えっ、と」
思わぬ問いかけに理仁は不意を突かれてしまい、彰久の視線から逃れる様に床に視線を落としてしまった。心を見透かされてしまったようで、取り繕うとしても何を言おうが見苦しい言い逃れになりそうだ。>>813
「黒鳥さんの家に連絡したが、なんていうか、うまく言えないんだけどそれらしい感じがしたんだよ。普通とは違う、何かを恐れているような声色だ」
「……恐れている?」
「ああ、お前を連れてきたアルマソフィア家の人間達に、よく似てる」
あまり思い出したくはない顔ぶれが脳裏をよぎった。理仁は今度は顔をあげて、彰久の顔をじっと見つめる。
「魔術師という人々は、皆何かを恐れている。具体的な恐怖じゃない、抽象的でハッキリとしない何かをね。私も分家の人間だから彼らが目指している目標はそれなりに理解しているつもりだ。私の様な平凡な人間では計り知れないものだとね」
「それが魔術師は怖い、って事?」
「長い時間をかけるならば、それ相応の重圧が子孫へは課せられる。それのせいなのか……不思議と魔術師からは焦りと恐れを感じるわけだ。ああ、柳花ちゃんからはあまり感じないかな」
「……あ、バレてたのか」
「勿論。私はお前の父親だぞ?」
この調子ならばきっと美和子もある程度事情を把握しているのだろう。それなりに隠し通していたつもりが全てお見通しだとは思わず、理仁はその場でしゃがみ込んでしまう。
あー、と声が漏れる。気付かれないはずがない、何故ならば誰よりも理仁の事を気遣ってくれていたのは両親なのだから。>>814
「話を戻すぞ理仁。黒鳥さんは一体全体どうしてあそこまで衰弱しているんだ?あまり考えたくはないが、虐待か?」
「それを聞き出したいところなんだけど、イマイチ上手く行っていない。でも放っておけない」
「理由はなんだ?あの子が好きなのか?」
「全然、そんなんじゃない。ただ……そうしなきゃいけないと思うんだ。今のオレは」
足に触れる。包丁を突き立てられ、生々しい跡がそこに残っている。
「……友達が言ってたんだ。オレはヒーローだって。全然オレはそう思わないけど、でも……そう言ってもらえた事が嬉しくってさ。なんか頑張らないといけない気がするんだ」
恐らく人はそれを傷だとか、呪いと呼ぶのだろう。それでもこうして理仁を突き動かす衝動はそういう類いのモノだ。
間久部理仁はヒーローなどではない。誰と付き合うのも苦手で、面倒だった男だ。そのはずだったのに偶然人助けをして、助けた人間に喜ばれて、殺されかけて、死に別れてしまった。
―――――夕焼けの電車で、三義経子は言った。ヒーローの様だと。
「なるほどな。理仁、随分と喋る様になったな。ちょっと前まではそんな風にハッキリとモノを言う事はなかった」
「ああ、オレもそう思う。なんでだろう」
「友達が出来るって言うのはそういう意味だ。東京に引っ越してきてからの理仁は、以前よりも成長している様に見える」
なんだか照れくさく思い、頭を掻く。彰久は口元を緩め、理仁の肩を叩いた。>>815
「危ない事をしているのはわかっている。けれどそれを止められない。理仁、お前がイキイキとしているからだよ」
「……」
「さぁ、黒鳥さんのところに戻りなさい。柳花ちゃんはどうも反りが合わないみたいだから、喧嘩にでもなったらまずい」
「う、うん」
彰久に促され、理仁は頷いて返すと部屋へと駆け込む。呆れた様子の柳花と蘇芳が迎え入れ、すぐにその意味を彼は理解した。
「私達、聴覚を強化出来るんだが?」
「あー……」
「そう、貴方ヒーロー気取りで私を助けたわけね。借りどころか恩着せがましい人」
「い、いやいや待て待て!ちょっと待て!話を聞いてくれって!」
柳花から呆れられ、蘇芳からは改めて敵意を込められる。そんな針のむしろを回避すべく理仁は慌てて弁明を試みる。何を言っても激怒されそうだ。
「アルマソフィア、そう聞こえたけど……貴方そこの関係者なの?」
「いいや、オレは元アルマソフィアだよ。事情があって、家から追い出された」
蘇芳が寝る布団の隣に腰掛けて、敵意の目を受けつつ理仁はため息と共に答える。>>816
「追い出された?」
「ああ、そういえば私も以前聞いたがそのままだったな。間違いなく、聞いていて気持ちが良い話ではないと思い打ち切った」
「この際だ。黒鳥には聞いて欲しい。オレはな、実家から捨てられたんだよ」
捨てられた。自分の口からそう発すると思いの外実感が湧いてくる。常人ならば絶対に経験する事のないであろう体験をしたのだと、理仁は改めて認識した。
「捨て、られた」
「ウチの家さ、まぁ微妙なラインで後継者で立て直そうと考えていたんだよ。でオレは跡取りとしてきっちり頑張ってた。特に不満はなかったし、素質はあったらか頑張れば頑張る分だけ結果も実ったさ」
「……それでどう追い出された?」
「簡単な話でさ、オレより優秀なヤツが生まれたんだよ。物心つく前にオレは用済みって事でまさかの勘当をくらっちまった。それでこの通り」
蘇芳の目が丸くなる。驚きではなく、理仁の話で何かを思いだしているかのようだった。
柳花は口を開かない。恐らく彼女の性格からして鋭い言葉が飛び出しそうなので自重しているのかも知れない。
「貴方は、そんな仕打ちをされてどう思ったの」
「そりゃ憎かったさ。なんでオレが、どうしてこんな目に遭わなきゃいけないって」
頑張りを無駄にされたからではない。
ただ、一人の子供として、愛されるべき両親から見捨てられたという事実が当時八歳の子供にはあまりにも惨い仕打ちであるとしか言えない。>>817
「貴方は後から生まれた子供を、恨んだの?」
「わからない。どっちかと言うと、オレを追い出した家の方がよっぽど恨めしかった。で、今の二人に養子として迎えられても納得なんていくわけなくてさ」
人間、心が折れれば腐っていく。腐らないはずがない。絵本に出てくる高潔な少女が如く、強い心を持ち続けられるなんてものは文字通り夢物語だ。
「……でも、そんなオレをあの二人は面倒見てくれた。押しつけられた子供をだぜ。で、なんやかんや世話になって、それで今のオレがいる」
「最後あたり、ざっくりとしてるのね」
「その部分を話すとこう、こっぱずかしいからな」
「それで、私を助けたくなったのは昔の自分を思い出したから?」
理仁は頷く。家に帰りたくない、親に会いたくない。そう漏らした蘇芳に思うところがあって、それで殺されかけた人間に手を差し伸べたのだ。
それを聞いた柳花は、あんぐりと口を開けて絶句していた。
「そういう、理由かお前。さっきの味方になって欲しいとかそういうのも、全部か?」
「……そうだよ!オレみたいっていうか、オレみたいに家とギクシャクしてるのかなって思ったんだよ! 何を偉そーにとか言われたら、そこまでだけど」
「なんってお人好しだお前は!?そんな理由で、よくも、こう、凄いな!」
「うるせー! 変な人助けしてるお前が言うな!」>>818
などとキャイキャイ言い合っていると、蘇芳から失笑が漏れた。思わぬ反応に理仁が振り返れば彼女は笑みを浮かべ、
「貴方、バカね」
「バ……」
「だってそうでしょう?彼女の言う通り、そんな理由で敵を助けるだなんて信じられない。貴方から見て私ってそんなに心細そうに見えたの?哀れみを覚えるくらい?」
「ああ、見えた。だから見過ごせなかった」
くつくつと蘇芳から笑い声が漏れた。理仁は段々と恥ずかしくて、顔が赤く染まっていくのを感じた。
「ええ、正解よ。私の両親は私の事を、人間と思っていない。血が詰まった機械か何かと考えてる。いくら魔術師が血を継承していく者達だとしても、受け入れ難いくらい」
「……」
「はい、これでおしまいよ。私、とても疲れているから少し眠っても良い?」
「あ、えと、うん」
なんとなく手応えがないというか、明らかに空回りしている気がしないでもなく、理仁は蘇芳にぴしゃりと言われても頷くばかり。そのままがっくりと肩を落とし廊下へと出た。柳花も続き、ドアやら何やらにルーンを刻み始める。
「お前何してるんだよ」
「内側から出られない様にした。窓にも施してある。更に少しでも魔術回路を動かせば私に連絡も行く」
「……そりゃどうも」>>819
理仁の声色はガタガタである。勇気を出して話してみれば、思いっきり笑い飛ばされてしまったのだ。不条理極まると思うのだが、うまく言葉が見つからない。
「理仁」
「なんだよ、まだ言いたい事あるのか?」
「……お前は私が嫌いか?」
「藪から棒に、ってこういう事か。急にどうした」
「いや、やはり何でもない。忘れろ」
「え~……」
蘇芳も、柳花もどちらも何を考えているのかまるでわからない。その点が理仁にとっては言葉にしがたいモヤモヤを産み出す。
昔話をしている時、蘇芳は何かを気にしていた。あの反応が何だったのだろうか。ところでなりきりの方ではたびたび話題にしてた生活管理局長を出そうと思ってポチ先生で仕込み入れてたんですよね
一発目でおじゃんになるとは思わなかった…>>828
まぁ、ああなったから「今はまだその時ではない…」と思えたのでおっけーです。予想外にほたるで楽しくやれましたし
局長はもっと練り練りしてからお出ししようと思います>>828
ごく稀に現れる”鯖をwikiに投稿するけど、スレには現れない”って方だったりして……。
wikiに出すならコッチでもコミュニケーションしてくれると嬉しいんですがねー、新規さん来るのはやっぱ嬉しいし。「イグレイン」で検索かけてみると僕鯖Wikiの方にも同じものが登録されてるみたいなので類似の僕鯖Wikiだと勘違いしたんでしょうかね
こっちで一言もないあたりこのスレの存在に気づいていないのかも?
>>830
ありがとうございます!
養生します!>>824>>825
空中機動力の差がネコとウサギの勝負を分けました 脚力で上回っても出来ないことは出来ませんニャン
キャスパリーグ=比較の獣なのが魔術世界では常識なのかどうかはちょと分からないんですが件の一族は何かシャパリュ鬼強ェらしいやん!造りてぇ!(止まらない憧れ)くらいのテンションで何百年かやってました 具体的にどう強いのかは解かってなかったので伝承と睨めっこしながら探り探りだったようです
そして産まれた正解にちょっと掠ってるネコですが「変なの産まれたけどそこまで鬼強ないな…でもこの性質デカくなったらめんどくさくなりそやし知恵つけさせんとこ…」という感じで
相手の能力を参照するステ変動は一時的なもので例の犬の性質、人間の欲などを糧にものごっつ成長する厄災レベルには達してないので社会へのヤバ度は本物より下です
自己強化積む積むで殴り合いの相手には便乗して強いにゃんこ
本体より付属物の方がつよつよな相手は相性悪いにゃんこ
シャントリエリは前々から何かに出せたら出したいと考えてたキャラです この機会にせっかくだから登板となりました>>833
画像にかわいいしか無い~~~!
シャリタツ???(乱視)ネッコかわいいですよねネッコ
あざとさくらいしか弱点がないくらいかわいいうわああああ(PC書き文字)
なんかfalling moonの最新話ができたから貼ってもよろしいこ!?うあああわしはもういく
「まさか私に奴の風呂まで世話をさせるとはな。貸し一つだぞ?」
「なあ風呂場から賑やかな声が聞こえてきたけど何話していたんだ」
「お前がいかに阿呆であるかをそれはもう激烈に」
「嘘か本当か分からないがその目からしてガチの様だな……」
夜になり、蘇芳と共に風呂をあがってきた柳花はニヤニヤと理仁へ笑いかける。どの程度まで現状に不満を抱いているのか測りかねるが、どうやら仲間の行動への批判に関しては随分と通じ合えたらしい。理仁本人からすれば溜まったものではないのだが。
今後の方針を話し合うべく柳花の部屋に集まったものの、理仁の視線は宙を泳ぐ。女子の自室という事もあってか普段より空間内のあらゆる点に注目してしまうのだ。と言ってもファンシーな置物があるわけでもなく、何冊もの本が棚に並べられているという質素極まるものだ。
「で?どうするつもりだ、黒鳥蘇芳を」
「どうもこうもない。元からオレ達への依頼はアイツに何があったのか探る、だ。まだそれは終わっていない。もう少し探ってみる」
「本当か?忠告しておくが、シンパシーを覚えて肩入れするとロクな事にならないと思うぞ」
「……そう思う?」
「思わないわけがないだろうが。そんなにあの女が気になるのか?」
妙に鋭い言葉が投げかけられる。何度も言うように命を狙ってきた人間を庇い立てただけでなく、シンパシーを覚えて助けてやろうなどと考えるなど非難されてしかるべき行動だ。今回ばかりは理仁も反論出来る部分がなく、こめかみを抑える。
「……でもさ、今はなんともないけど黒鳥の様子変だったんだ。兄の声が聞こえるとか、聞こえないとか」
「なんだそれは」
「オレが聞きたいよ。なんていうかヤバい目をしていた。ずっと見えない誰かと話していて」>>838
柳花は口元に手を当てて、しばらく考え込む。話の内容を聞き捨てられないと判断されなかっただけ良いとして、信じてもらえるかは難しいだろう。
「あの衰弱しきった様子を見るに真実と受け取るしかないか」
「もし、おかしくなっている元凶が黒鳥の置かれている環境にあるのだとしたらなんとかしてやりたい。もちろんオレ個人の事情が込められているのはわかっている。このまま放っておいたら一生後悔する。なあ頼むよ柳花。お前、なんでそんなにカリカリしてるんだよ」
「……私にも、わからん」
苦虫を噛み潰した様な顔で柳花は答える。彼女自身、自分の感情を理解出来ていないと。
「上手く言えんがお前が黒鳥蘇芳に執着する様を見ていると、腹の底が煮えくりかえる。なんだろうなこれは」
「え、いや、ちょっと急にやめてくれ怖い……オレ何か悪い事した?アレか、お前のライバル取っちゃうかもしれないとかそういうのか?」
「うーん、嫉妬なのだろうか。すまん、わからない」
「出所不明の感情を人間に向けるな!特にお前の場合剥き身の刃だから!ともかくこれで話は終わり。明日はオレ、黒鳥をあいつの家に送るから。じゃあな」
「ん……」
納得いかない、そんな様子の柳花は理仁の連絡にも微妙な返答をする。浦戸との一件以降彼女は時たま歯切れが悪くなる。何かがひっかかって仕方が無い、そう表現するのが適切なのだが原因が本人にもわからないのでお手上げ状態である。
うんうん唸る柳花を放置し、部屋をゆっくりと出て行った。>>839
調子が狂うとはまさにこの事だ。柳花はため息と共に理仁が出て行ったドアをじっと見つめる。
理仁は蘇芳の事が気になって仕方が無いらしい。あの冷たく、他者を寄りつかせない黒鳥蘇芳が。
「くそっ、くそっ、くそっ。何故こんなにも苛立つ」
胸の内がざわつく。叫び声をあげそうになる。
昔の自分に似ているから、それが理仁の黒鳥への感情だ。命を奪おうとした人間への情だ。
理仁が甘いだとか、そういうのではなくて、もっとシンプルなモノが暴れている。
「……嫉妬か?」
では何に対しての嫉妬だ?理仁が言う様にライバル関係にある黒鳥が奪われる事へのか?いや違う。このざわつきはそういう類いではない。
今日に絞って順を辿っていこう。
まず最初のざわつきは理仁が黒鳥を家へ連れて行くと言い出した時である。その際に問い詰めた時、彼は見た事の無い表情で見せた。
次のざわつきは理仁が黒鳥に自分の過去を話した時である。聞いた事の無い穏やかな声色で語りかけていた。
そして今、理仁は見た事の無い熱意で黒鳥の話をしていた。
理仁、黒鳥、黒鳥、理仁、理仁から黒鳥、黒鳥から理仁へ……>>840
「ん?待て、それじゃあ私は……」
理仁が自分には見せていない一面、それは黒鳥の前で現れた。では嫉妬の対象とは?
「私は、黒鳥に嫉妬している?」
理仁が黒鳥を見ているから?
どくんと心臓が大きく跳ねる。死の淵を彷徨いながら伝わった熱を思い出す。抱きしめられた時の感覚が蘇る。
いいや、あの感情は既に捨てたはずだ。捨てたはずなのだ。
「まさか、いや違う。そんな……」
間久部理仁はそんな価値がある男ではない。後ろ向きで、いつもネガティブな事を考えている。けれどその癖やると決めたら妙に前のめりになる。
教会で決意を叫んだ時も。三義経子は仲間として戦えると説得してきた時も。
涙に濡れながら微笑んでいた顔を思い出す。いつもとはまるで違う凜々しい表情を。>>842
「柳花の奴、最近ピリピリしてるな……生徒会長の仕事とかもあるからかな」
ぼんやりとした理由づけを行おうとするが説得力が無い。今度しっかり話し合っておくべきだろうか、なんて考えながら理仁は蘇芳の眠る部屋の前に立っていた。もしも彼女が元気になっていたら少しだけ話をしてみたいと思ったのだ。
恐る恐るドアをノックしようとすると、部屋の中から声が聞こえた。
「……私、怒らせてしまいましたか?不出来だから、黙ってしまったんですか?」
まただ。また蘇芳は誰かと話している。彼女の言う、『兄さん』だ。
勇気を出してノックする。しばらくして、
「どうぞ」
「えーっと、オレだ。間久部」
「……ああ、貴方。入っても構わないわ。久しぶりに笑わせてくれたお礼がしたかったから」
言われるがままにドアを開けて部屋を覗き込む。電気はつけておらず真っ暗だが、外からの光で辛うじて蘇芳が布団ではなく、窓のそばに座り込んでいるのが見える。
部屋に入ってドアを閉める。暗闇を歩くのは不安だったが、蘇芳という目的地があったおかげでそこまでの苦労ではない。>>843
「間久部理仁」
「ああその、フルネーム以外で呼んでくれて良い」
「じゃあ、間久部君。貴方に幾つか質問があります。答えて頂戴」
「あ、はい」
全くこちらの話を聞かずに蘇芳は淡々と喋り始めた。
「貴方は家を追い出された。それは貴方より優秀な後継者がいたから?」
「ああ」
「貴方はその後継者を憎いとは思わなかった?」
「憎む以前に、オレよりずっと小さかったからな。色々な事があったからもう良いって思ってる」
「貴方はまだ家を憎いと思っている?」
「オレには関係の無い話になってる。そりゃまあ、嫌なものだけどさ」
「……全然、まるで違う。幸せ者ね、貴方は」
「今の話で幸せって言われるのは初めて聞いた感想だ」
「いいえ、幸せよ。厄介払いされるなんて特に」
蘇芳の口調は先程と一転している。彼女らしい冷たく、人の温かみとはまるで関係の無さそうなものだ。>>845
「私にはどうする事も出来なかった。何を言っても、それは兄さんにとっては侮辱になるから。酷い話。私、そうなりたいなんて一度も思った事無いのに。誰が好きで、血を分けた兄妹を蹴落とさないといけないの」
「……」
「両親は私に色々な事を教えるようになった。私はそれを受け入れた。どんな事でも私に課せられている一族の悲願だったから。
兄は私に暴力を振るうようになった。私は、それを受け入れた。どんな事でも私に許されているのはそれくらいだったから」
畳の上をずるりと何かが這う。ゆっくりと蘇芳の声が近付いてくる。
理仁は自分が地雷を踏んでしまったのだと理解した。布団の中で大笑いしていた蘇芳は楽しかったのではない。見つけてしまったのだ。自らの触れられたくない『何か』に類似するモノを。
「ねえ、男が女に求める行為はどんなものだと思う」
吐息が鼻にかかる。いつの間にか蘇芳は眼前に忍び寄って、理仁の頬に触れていた。
慌てて立ち上がろうとするが、床に組み伏せられる。目と鼻の先にある蘇芳の顔は、虚ろに染まりきっていた。
柔らかな双丘が押しつけられる。まるで溶け合うかの様に体がぴったりと密着して、蘇芳の氷を思わせる冷たさが伝播するかのようだった。>>849
まだ続きはあったんですけど本当にアレだったのでここら辺で切りました
大丈夫です、大丈夫です!>>852
こっちはNPC兼姉ならいるけどなぁ。うーんお兄ちゃん…マスター組だといないなぁ…
サーヴァントありなら優秀な弟たちとド優秀なパパに囲まれた隆元という逸材がいるんですがあ、そういえばエイベルも『兄』だった(妹はとっくに死.んでるけど)。
冒険旅行記の続きお出ししてよろしいですかー?
いきまーす
そこにあるのはうず高く積まれた死体の山。
余所からこの死霊病棟に運び込まれてきた、死霊魔術のための素材で、触媒だ。
死肉の山に蛆が湧いて蠅がたかる有様も、ここではなんら珍しい光景ではない。
元より死と共にある死霊魔術師の館がこの死霊病棟だ。死体のひとつふたつなどいくらでも目に入る。触れて切り分けて練り上げて。そんなことはいつものことだ。
けれどいつもと違うことはある。
今日は動かないはずの死体の山が蠢いていた。
何故? そんなことは問う必要もない。死体の山のなかに生きた子供がいたというだけのこと。
今日の死体は戦場で集められたものを買い取ったという話だった。作業の積まれていく死体の中に親の死体から離れられない子供でも紛れていたのだろう。
山に埋もれていた子供は死のそばにありながら生きようとしている。
死に呑まれず、しかして拒絶せず。こういう人間が死に寄り添える人間なんだと"ボク"は思った。
ボクは───セダム・ガブリエールは、死体に埋もれていた子供に手を差し伸べて、ついつい口走っていた。
「なあ君、ボクと友達にならないかい?」
* * *>>858
死霊病棟で目覚めたとは思えないほど、その朝日は眩しく映った。
森の向こう。木々のすき間から差し込む光はいっそ痛みを錯覚させるほどに眩しく強い。
きれいで、残酷だ。
ただの朝日がこんなにも輝いて見えるのなら、どんな世界にだって行きたくなるに違いない。自分ですら、どこまでだって行けるんじゃないかと、そう思えた。
もちろん錯覚だってわかっている。
わかっていても───
「…………」
ルナ・アードゥルは不思議な感慨を覚えて体を起こす。
頂点へ向かって昇ろうとする太陽を見続ける。特に意味はなく、なんとなく、そうしていたかった。
いつもの朝日が新鮮に見えてしまうことに不思議はない。きっとこうなるだろうと思っていたから。
ただ、今はただ、あの太陽に少しでも近づきたくて。
「ルナ? 起きましたか」
「───ん。おはよう、メレク」
私は振り向いてすでに起きていたらしいメレクに挨拶をする。
挨拶してから、自分の身体を見下ろしたり手を握ったり開いたりする。
うん、よし、いつも通り。たぶん問題なし。>>859
「……?」
「どしたの?」
「いえ。目が……。いつもより寝覚めがいいな、と」
「昨日はいつもよりちゃんと寝られたからね」
「なにか良いことでもありましたか?」
「ふふん、ナーイショ」
そう内緒にするんだ。昨日のアリウムとの夜のおしゃべりは内緒の話。べつに隠す必要もないことだけれど、不思議と隠しておきたかった。
あんな話は、誰も聞くべきじゃなかったから。
「それは……」
「おおっといくらメレクに話せと言われても話せないよ? 乙女同士の秘密だからね!」
「……アリウム嬢となにかしましたか」
「はっ! しまった!」
「……まぁ、深くは聞きませんよ。それより顔を洗ってきたらどうです?」
「むむぅ。……うん、そうする」
私はベッドを降りて部屋の外にある水面台に向かう。
死霊病棟に来て、三日目。
さて今日はなにをするのだろうか。>>860
* * *
「セダムがいない?」
「クチサキも、アリウム嬢もいませんね」
ぱっぱと身支度を整えて部屋を出た私とメレクの前に現れる人は誰もいなかった。
今日も昨日に引き続き身体の検査をすると思っていたのに、案内係も当主サマもいないんじゃ動きようもない。
「これはアレだね」
「なんですか」
「自由に歩き回っていいよってことだね!」
「十中八九怒られるのでやめましょう」
「えーそんなのわかんないじゃん」
「無駄な軋轢を生むだけですよ。それより、何かおかしいと思いませんか」
「おかしい? そうかなぁ、こんなこともあるんじゃない?」
「今の貴女は死霊病棟にとって非常に有益な調査対象なのですよ。調査が終わる前に放置するはずもなければ、むざと逃がす隙を与えることもありえない」
「まぁ、たしかに」
「なのに現状はコレです。僕達に対して監視も言伝もなく放置している」
「調査が終わった、とか?」>>861
「僕としてはそうであってほしいものですね。遠慮なくここから脱出できる」
「脱出って、おおげさな」
「そもそもの話です。今の死霊病棟は日常から少し離れているんですよ。僕達も聞きつけた封印指定の死体の話、天馬竜アフィントンの噂が流れているのですから」
「……!」
「時計塔からは監視の目もあるはず。平穏とはいささか遠い現状にあるのが今の死霊病棟です。脱出したい気持ちもわかるでしょう?」
「わかる……けど」
「けど? なんですか?」
「私、セダムを探したい」
「何故?」
「友達だから、かな」
友達。うん、友達だ。
昨日なったばかりの友達。セダムと呼んで、ルナさんと呼んで、ふたりは友達になった。
だから放っておけない。このままお別れも言えずに去ってしまうのは絶対にイヤだ。
「……わかりました。ただし危険があればすぐに脱出しますから、そのつもりで」
「うん、わかっ───」
───その時だった。森の方向から爆発音が聞こえたのは。>>862
「これは───」
「───セダム!」
私は駆けだす。後ろから呼び止めるメレクの声も振り切って、爆発音が聞こえた森に向かう。
「チッ、手遅れでしたか」
すぐさまメレクも追ってきたのがその声でわかった。危険があれば逃がすとメレクは言った。その有言実行をするつもりなんだろう。
その前に、セダムを。
私は『強化』の魔術を使い、ただひたすらに走った。
* * *
曲がりくねった木々を避けて走る。
ぬちゃぬちゃと湿った音を立てる地面を蹴る。
死の気配を濃密に感じる森を、私は息をきらせて走り続ける。
「……やっぱり、おかしい……!」
森に死の気配を感じるのは来たときと変わらない。だが、今は死以外の気配も混じっている。
誰かがこの死霊病棟に入ってきている。私でもメレクでもクチサキでもない誰か、外部の人間が。>>863
メレクの言う通りすぐに逃げるべきだったのかもしれない。今はなにが起きているかわからない。でも、セダムだけはやっぱり放っておけない。
セダム、どこにいる。
どこにいる?
どこに、どこに───
そして見つけた。幹に寄り掛かるようにして脱力している人間の背中を。
その人物は土にまみれた白衣を着ていて、若草色の髪色をしていた。
「セダムッ!」
警戒もなにもなく近づく。構わない。セダムの無事を確かめるのが先決だ。
セダムのそばまで来て、軽く触れる。その体はおそろしく冷たい。
否、冷たいどころではない。人の温もりを感じない。血のめぐりが感じられない。まるできれいな死体のようで……
「…………セダム?」
死体のよう……ではない。
それは死体だった。セダムの死体。
セダムは、死.んでいた。
「なん……で……?」
わからない。わからない。わからない。昨日まで元気そうにしていたセダムがここで死体となっているかがわからない。
いいや、わかるはずだ。私は知っているはずだ。
セダムが死体の理由なんて───>>864
「ルナ!」
メレクが追いついてきた。肩で息をしているようだけど、疲労困憊というほどでもない。メレクはまだ動ける。
「メレク……セダムが、セダムが死んじゃってて、なんで、」
「…………」
「……メレク」
セダムの死体を見つめるメレクの目は冷ややかだ。死霊病棟に来て知り合ったばかりという間柄だ。死に慣れている魔術師ならこれといった感慨が湧かないのかもしれない。
でも、それだけじゃないような気がするのは、なんでだろう?
「メレク……?」
「ルナ、ひとまずその死体から……」
「あっれ、あっれ、あーれれれ? 君ら死霊病棟の人間じゃないよねぇ?」
「!」
その場に現れたのはクチサキでもアリウムでもなかった。
地味な色のコートを羽織った男だ。リュックサックを背負ってぼろぼろのズボンを履いている。灰を振りまいたような輝きのない金髪が印象的だ。
この男は、誰だ。
なんで、セダムの死体があったここにいる。
「あなたがやったの?」
「んー?」
「あなたが、セダムをやったのか?」>>865
「イエスともノーとも言えないかな。お嬢さん、なんか思い込んでない?」
「このっ……!」
「おっと!」
コートの男がパチンと指を鳴らす。
次の瞬間、コートの男が背負っていたリュックサックから白い流動体が飛び出してきて私に飛びかかってきた。
「くっ」
白い流動体の正体が分からない以上、触れることなどもってのほかだ。私は後ろに飛び退いて距離をとる。しかし白い流動体は下がる私になお追いすがり、波濤となって押し込む。
そのまま木の幹にぶつかって止まる。痛い。それどころじゃない。白い流動体は私を囲むように蠢き、私を中心にして上から下まで全部固まった。
閉じ込められた。固まった白いなにかは触れてみれば固く、簡単には壊せそうにない。
「はーい動かないでね。じっとしてれば怪我しないから」
コート男の声が聞こえる。私が下がって閉じ込めるところまで狙い通りだったらしい。やられた。……やられた。くそっ。
聞こえてくる声はもうひとつあった。メレクだ。
「蝋、ですか」
「そうとも。俺は蝋人形師だからね。銀髪の子は怪我させてないから安心して」
「……何者ですか?」
「俺が聞きたいことだけどな、でも答えよう。───象牙の塔(エルフェバイン)より参上しました蝋人形師デマン・パトトッチでございます。どうぞ、お見知りおきを」
「知りませんね。目的は?」
「ふふん? たぶん同じだよ。ここに運び込まれた封印指定の死体ってやつをいただきにね」>>875
オッケー期待してます!!>>886
生きてる……>>890
元ネタの顔の方が凄まじいからセーフこのスレ内描き納めはプルフラスで決まり!
「人間ではない我に暖かい格好などいらぬが……ロゼの心配性め」
>>886
お久しぶりです~
カシンチャン、ウルワシイ停泊期間中というお題で書いてたSS、ようやく完成したんで23:20を過ぎたら投下しまっせ。
>>889
可愛いカシンや……。>>894
では投下ー。
秘海集積船。
海にまつわる神秘を追求する魔術師達と、それ以外も集う巨大船であり、人とクラーケンが合体した一種の怪獣でもある。
怪獣という事実を知る住民がどの程度いるのかはこの際さて置いて。
先立つ物は金と誰かが言ったように、物事には金が掛かるものであり、この船だろうと例外ではなく。
だから船内で経済活動は行われており、出資者だっている。
その内の1人でかつて生活課に属していた、小学生男子にしか見えない青髪の魔術師、エイベル・エイマーズはそれぞれ金髪の青年と銀髪の女性を連れて、居住区内を歩いていた。
目的は“挨拶”である。
「ピノと一緒にYOUTUBEで観た、古いゲームのプレイ動画を思い出すな……」
「香港出身の後輩も昔、似たようなことを言っていましたね」
金髪の青年が懐かしむように、少しの呆れを含ませながら呟く。
エイベルも結構昔の後輩の呟きを思い出しつつ、目的地へと足を進める。
「あれよりはよっぽど治安はいいのでしょう? だったら問題ないわ」>>897
銀髪の女性は少し素っ気無く返す。
むしろ『学園』の生徒、特に女子生徒達がエイベルに向ける警戒の目の方が興味を引いていたくらいだ。
そもそも銀髪の女性も金髪の青年も、彼女たちがそのような目をエイベルに向ける理由は完璧に察している。
察しているからこそ、文句を言うつもりも無かった。
「それにしても、キリシュタリアまで同行してくれたのは意外でしたね」
「船を見たいという好奇心も少しあったが、それ以上に私が止めないとオルガマリーが貴方の首をへし折ってしまうのではないかと不安になってね」
当初は銀髪の女性-オルガマリー・アニムスフィア-と2人の予定が、その話をオルガマリーとの雑談で耳にした金髪の青年-キリシュタリア・ヴォーダイム-が自分も同行したいと言ったので、3人で“挨拶”に来たわけである。
「頭に鉛玉食らわせる程度がちょうどいいのよ。この人への反撃は。ほぼ不死身なんだから」
「確かに、それには同意する。同意はするが、人目の付く所でそのレベルの反撃をするのが問題なのさ。実際にこの状況下で、君がエイベルさんの頭を粉砕したら周囲は悲鳴の大合唱だぞ。それに加えてエイベルさんの頭が急速再生される光景で恐怖のアンコールまである。せめて、やるなら人目の付かない所で」
「……努力、……するわ」>>898
キリシュタリアが言いたいことを明言し、オルガマリーも黙るしかない。
(そういえばそれとも似たようなことを面と向かって言われたなぁ)と思いながらエイベルも苦笑せざるを得なかった。
いつもの訪問時とは違って、妙に大人しいのを訝しがる女子生徒たちの反応に気付かないフリをしながら。
それから、航海総括局への挨拶を終えて数十分後。
巽商店。
巽剛が経営する食料品店であり、店主である彼の意向で不良達の居場所ともなっている。
訪問の度に飲み会に混ざっていたのもあり、エイベルは巽と気の置けない間柄になっていた。
まだまだ日中なので酒盛りはやっていないが、20畳もある居間で既に集まっていた不良達に紛れてエイベル達は寛いでいる。
「そうか。……しばらくコッチには来れなくなるんか」
「機密事項に触れるのでそれぐらいしか言えませんが、外出もままならない日々は確定していますね」
「我々フィニス・カルデアは機密に関する規則を多数用意せざるを得ない立場ですので」>>899
航海総括局への分を済ませたエイベルはそれと同じ、即ち『フィニス・カルデアに参加する都合上、数年間は向こうに缶詰めとなります』という内容の“挨拶”を飲み友達である巽にもしたのだ。
少し寂しげな巽に、カルデアの規則に関するため詳細をはぐらかしつつ返すエイベル。
カップ焼きそばをすすりながらオルガマリーが補足を入れる。
普段、訪問の度にトラブルを起こすエイベルも、こういう時だけはしおらしくしようと考えて実行したのだ。
もっとも、それを聞いた砕城凌牙の反応は少々辛口だったが。
「そういう時ぐらいはセクハラ一切無しで行こうと思いましてね」
「だからいつもより女子達がざわついていたのか。普段からそうしてくれてたらな……」
凌牙そう言うのも当然だと思いつつ、キリシュタリアは彼に視線を移すことなく黙々とサラダ巻きを食べ進める。
「海月ちゃんに追い掛け回されたことあるよな」
「ムジカちゃんに、鼓膜破られた時もあったぞ。アレ見たせいで丸1日ヴィーガン生活する羽目になったんだよなぁ」
「俺なんか、オートマタにリンチされてからワイルドハント騎士団へ突き出されてる場面を目撃しましたー」>>900
呼応か便乗か。
凌牙に続けとばかりに他の不良連中が、エイベルが起こした問題行動の結果である事例の目撃証言をし始める。
エイベル本人はというと涼しい顔だが、オルガマリーとキリシュタリアは流石に困惑の表情を浮かべた。
そんな2人の様子を見た巽は、エイベルの方へと向き、問う。
「なぁ、ボン。一応聞くけどな。カルデアにスカウトされたんは技術力と無限の魔力、どっちが理由なんや?」
「勿論、…………両方」
人当たりの良い笑顔と、口を開けば暗闇が見えそうな流し目でエイベルは断言。
オルガマリーとキリシュタリアと巽に緊張が走り、凌牙達不良連中は息を飲む。
周囲の様子を見て、自分が思わず圧をかけたことに気付いたエイベルはすぐに破顔しながら詫びの言葉を紡ぐ。
「失礼。どういう訳か威圧してしまいました。詫びの品として成立するか分かりませんが、皆さんがここでお買い上げの分、全て奢ります」
思いっきり気前よく『詫びの品』の案を提示され、不良連中は大喜びで沸き立つ。
凌牙も驚きつつ、普通に喜んでいる。
これを受けて巽は「店先に『本日、エイベル・エイマーズ様の御厚意により全商品無料』って張り紙してくるわ」と言って一旦離席。>>901
数分後に一条海月とムジカ・フィーリス、ジャスミン・アドレーヌを伴って戻ってきた。
「戻ったでー。張り紙してたらちょうど海月達が来てな。張り紙見て仰天しとったから説明代わりに連れて来たで」
海月達が露骨に身構え、メロに思いっきり睨まれてもエイベルは平然としている。
場の空気が悪くなるのを防ごうと、オルガマリーとキリシュタリアが慌てて海月達に自己紹介。
家名を聞いても反応が薄い海月とムジカに対して一度は時計塔に行ったことのあるジャスミンが、アニムスフィア家とヴォーダイム家の事を説明していた。
更に数分後。
オルガマリーとキリシュタリアが割って入った形になったおかげか、海月達もようやく警戒を解いてくつろいでいた。
「しっかし二重の意味でらしいっちゃらしいな。にしても嬢ちゃん、ようボンをスカウトできたな? ボンはごっついエロジジイやけど、手ぇ組む相手に人の心を求める程度の良心は持ち合わせとるからな」
「自画自賛になりますが、兄弟子共々良心的な部類だと自負していますので。加えて、スカウトする以前の時点で我が組織には極めて強力な手札がありましたから」
二重の意味で納得しつつ、エイベルをスカウトできたオルガマリーの手腕を不思議がる巽。
自信満々で、オルガマリーは的確に説明してくれた。
『極めて強力な手札』と聞いて巽だけでなく凌牙達も当然ながら強く興味を示す。
これは言うべきだし、言っても問題ないなと判断したエイベルの背後でオルガマリーとキリシュタリアは思わせぶりな顔でアイコンタクトをした。>>902
「隠すことではないから……」
「エイベルさん。貴方のプライベートに関する話ですので、説明の方は我々に任せてもらえませんか?」
不自然にソワソワとし出したキリシュタリアがエイベルを制止。
続いてオルガマリーが悪者っぽい表情でニコニコしながら口を開いた。
「流石に失礼な行為ですから」
「了承します。それにしても、やっぱりマリスビリーの一人娘ですね。マシュが躊躇も忖度もオブラートも無しに悪人と断言するだけのことはある」
呆れ半分感心半分で放たれたエイベルの一言も、これから始まる説明が楽しみなのでオルガマリーにはどこ吹く風だ。
やれやれと言いたげな視線を一瞬オルガマリーに向けつつ、キリシュタリアはスマホを操作して写真を表示。
それを巽達に見せる。
「髪も目も奇麗なピンクだね」
「でも表情が硬くないかな?」>>903
その写真はツーショットであった。
ぱっと見は青い目と髪をした美少年と、ピンク色の髪と目をした美少女のカップルを映した1枚である。
両者とも笑顔だが、少女の方はどう見ても表情が引きつっている。
満面の笑顔な少年……言うまでもなくエイベルとは対照的だ。
少女の髪と目に注目する海月への、ムジカの返答もそれを指摘していた。
「この女性は、エイベルさんの初恋の人です。スカウトの際、『本当に効く薬膳』で釣ろうとしたらそれを作れる料理人の名前を聞かれたので、正直に答えたら二つ返事で応じてくれました」
「伍桃夢(ウー・タオマァン)。アメリカ名、ドリーン・ウー。エイベルさんよりも年上で、これでも第一次アヘン戦争(※第二次は日本だとアロー号事件にちなんで『アロー戦争』と呼ばれています)以前の生まれです」
キリシュタリアに続く形で、オルガマリーがピンク髪の少女……ドリーンのプロフィールを説明する。
アヘン戦争より前、即ち19世紀前半の生まれと聞いて巽達は驚愕。
「リアル合法ロリ」「ガチのロリババア」なんて感想を零す者もいたが、そう言うのも当然だとオルガマリーとキリシュタリアは勿論、エイベルですら注意しない。
「写真の構図見る限り、付き合ってるんだよな?」
「無論。ただ、ドリーンが正式に参加したのは仕事の都合もあってエイベルさんよりも後になりました。なので交際の方もそれからしばらくしての話。後、貴方達なら御存知でしょうけど、幣組織でもエイベルさんはセクハラ常習犯だったのでドリーンがプロポーズを拒否しかけたりと、中々の紆余曲折があったわ」>>904
凌牙の質問に答える形でオルガマリーは説明を続行。
その口調には、「セクハラ癖を直せばすんなり行ったのに」という気持ちが滲み出ていた。
巽や凌牙に不良連中、言うまでもないが海月とムジカとジャスミンも「そりゃなぁ……」と表情で同意する。
実際、エイベルがロマニはおろかオルガマリーも怒るレベルのセクハラ常習犯なのは事実で、ドリーンがプロポーズを拒否したくなる理由としては極めて正しかったりする。
それでもドリーンが受け入れたのは、『想い』が本物だと分かってしまったのに加えて彼女当人が恋愛結婚を夢見ていたのも大きいだろう。
「このドリーンという人の顔が少し引きつっているのは、これを撮る直前辺りのタイミングでエイベルさんがやらかしたから?」
「彼女と交際を始めてからこちら側でのセクハラ行為は不思議なぐらい見られなくなったが、やはり今まで被害を受けた恨みというのは中々消えないもので……。ドリーンさんを説得しようと試みる者は何人かいた。その都度エイベルさんがセクハラ無しで黙らせてな。この1枚はその時の光景をたまたまドリーンさんが目撃した直後のものだ」
「そういや、時々ボンが恐竜みたいな目で誰か睨んどるとこ、見たことあるなぁ。しかし……ドリーン・ウーかぁ。いつだったか、一馬と一緒に酒盛りした時にな、向こうの業界で伝わるマイナーな都市伝説を教えてもろたんや。世界中のチャイナタウンを転々としとった、ごっつい腕利き出張料理人が裏で、自分が作った料理を凶器にして世界中で暗殺をやっとった、ちゅうやつや。確たる証拠が無くて犠牲者たちから毒も検出されへんかったんで例の出張料理人は一度も捕まったこと無かったけど、いつしか『邪仙女』や『五行毒婦』なんて物騒な異名で呼ばれるようになってしもうた、とか。そういえば、その出張料理人も髪と瞳の色が綺麗なピンクなんが特徴やって…………」
ジャスミンの疑問に対するキリシュタリアの補足を聞き、巽は黒須一馬から聞いた都市伝説のことを思い出す。
そして、その都市伝説に登場する人物の特徴が写真に写っているドリーンと一致したことにも気付いた。
まさかと思いつつ、おそるおそるオルガマリーとキリシュタリアに視線を向ける。
すると、案の定というべきか、両者揃って肯定するように表情を強張らせる。
同時に、ドリーンの写真を見た巽達の間に沈黙が流れた。>>905
それはそうだ。
何せ、エイベルの恋人がマイナーながら都市伝説として語り継がれているような存在なのだから。
ここまで来れば、ドリーンの裏の顔は誰だって分かる。
「あんた、まさかこの都市伝説のことを知ってて付き合ってんのか?」
「当然。ですが、彼女が暗殺者だという証拠はないのでしょう? だったら疑っても無意味というものでは?」
凌牙から問われ、すんなりと肯定の言葉で答えつつ「余計な詮索は無意味だ」とも断じるエイベル。
正論であるが、感情はそれで納得させてくれないというのが凌牙達の心境であり、その気持ちが彼らの表情に如実に表れていた。
そんな彼らを見て、エイベルはわざととらしく肩をすくめる。
「仮にドリーンが暗殺者だったとして、僕という魔術師にデメリットあります? 大抵の魔術師は殺人鬼と大差ありません。二人のロード・エルメロイや冬木のセカンドオーナー姉妹、キリシュタリアとオルガマリーが超の付く例外なんです」
以上。
時系列的にはアメリカ異聞帯に続くお話でもありました。というかかめっちゃSS投下されてる〜!?これが年末SSキャンペーンですか〜!?()
>>821
>>847
間久部さんち、魔術師の家ではないけれど魔術師という存在を一歩引いて見てるというだけで無知というわけではなく眼識豊かなの安心感ハンパないですね…
そして最後!地雷も地雷じゃないですかやだー!何もない…ですよね?falling moonは健全な青少年向け聖杯戦争ですよね…?()
>>848
右の子かわいい!ギャンブル系?な感じがしますね。コイン持ってるからかな?
>>868
最初がめちゃくちゃ不穏…と思っていたらせ、セダムくんが…!あまりにも唐突、あまりにも理不尽な別れ(でもルナちゃんの人死にへの反応知れたのは思わぬ成果)…
当主も友人もクチサキさんもいなくなった死霊病棟、一体何があったのか?というのと突然登場したデマンさんについて謎が急にわっと展開された感じですね>>883
お久しぶりです&お疲れ様です、どうぞ良いお年を…
そして画像の子は…サリエル!グリゴリ!ルシファー!(とりあえず知ってる天使並べる)
>>906
これは…アメリカ異聞帯を前にした形での掘り下げ?的なもの…という見方であってますかね?>時系列
エイベルさん一途だなぁ…それはそれとして手癖はやめられなかったのかぁ…この二人の関係に決着がつくことは果たしてあるのだろうか…
>>909
ヤサシイ…ヤサシイ…ありがとうございます…書き上げられたと思ったらミスたくさん見つかると一気に萎える弱小人間です私は…
>>910
誰だろう…?二文字ってことは刀匠?或いは絵師、お坊さん系かな…?
でも原典ほぼ存在しないっていうと難易度ベリーハードですね…フォーリナーとかアルターエゴにして外付け設定モリモリにするしか浮かばない…>>913
説明不足でしたが、アメリカ異聞帯でぐだチーム(仮称)が奔走する話の前日談ですね。
カルデアの正式名称が出てたり、キリシュタリアが同行してるのもそのため。>時系列
手癖はアレだけど、100年以上も想い続けてますからねぇ。
実際、桃夢と交際してからカルデアにいる間は大人しくしてたんですよ。
レフ(とキリシュタリア)のせいで離ればなれ&人理漂白で死別したと勘違いしてますが。
決着に関しては、アメリカ異聞帯の話が終わるまでには考えたい(殴)>二人の関係>>916
思いっきり反撃されたんでしょうなぁ。>ムジカに~
船自体、なんか時計塔の情報とか入ってこなさそうなイメージがありまして、海月とムジカの出自や船に乗った経緯と合間って余計に二人はビッグネーム聞いても反応薄いだろうなぁ、って考えております。(リヒターが一時期時計塔にいたけど、魔術師の非人道性に嫌気が差して出奔してるからわざわざ海月に教えるとは思えないし)>>883
お久っす、そしてお大事に…
ゆっくり休んでリラックスしながら年越してくださいね
よいお年をー
p.s. 新鯖の厨二感めっちゃすき
>>884
分かりました…
ちょっといい感じに纏まってきたんであけまして三馬鹿投下を目指してキャラシ纏めていきたいと思います
>>906
凌牙君も巽さんもめっちゃ平然と話すやんけ…相手VIPなんてレベルじゃねえぞ…特に凌牙君本人はともかく血筋的にはどっちかっていうと会っていけない側の奴らやぞ…
エイベルさんと桃夢さんの関係は面白いし進展が気になるなって思いました。
ただ海月ちゃんが追っかけ回したのはともかくとして、正直他の女子組がエイベルさんにダメージ与える描写を書いちゃって大丈夫だったのかなって思いました…
>>911
よくぞ気付いてくれました…!!
仰る通りギャンブラー系魔術使いですね、現状は巻き込まれ枠的な感じのキャラの予定です
とりあえず確率を見れる魔眼的な奴を持ってる感じにしようかなって思ってます。ただ肝心の魔術部分で「ギャンブル的要素のあるバトルスタイルにしたい」とは思うものの確率系の魔術ってなんぞやって感じでめっちゃ迷ってます。多分魔眼持ちの一般人になる説が有力です
まあ結構固まってはきてるんでその内お出しできたらなって思ってます!>>918
あー、そういえば、砕城家って方々で恨み買ってたな。
マリスビリーならともかく、オルガマリーやキリシュタリアは「家が壊滅済みで当人もその気がないなら問題なし」って割り切ってくれるだろうけど、周囲がそれを了承してくれるかというと…。>血筋的に
船に乗ってる、魔術師じゃない人の魔術界のビッグネームに対する反応って割かしフランクな印象が強くて。
オルガマリーはムッとしつつも大して気にしないだろうし、キリシュタリアに至っては「畏まられるのは嫌」とか思ってそうだし。>平然と話す
エイベルは果たしてどのタイミングで一線を飛び越える(意味を訪ねてはいけない)のか、アメリカ異聞帯にて(ダイマ)。>進展
まぁ、エイベルは『逃げはするが、自分は思いっきり反撃されて当然』って前提でセクハラしてますからね。
加えて爆速で回復する。
ヤキ入れられ(古典的表現)ても痛がりはすれど、先制攻撃でもない限り気にしません。>ダメージ静電気が人の2倍痛く感じるから私は水タイプ(SVに侵されたポケモン脳)
>>907を改めて投下してよろしいでしょうか〜?投下しますん
◇柳生十兵衛────3階廊下
自身とマスターのこれまでの顛末、つまるところ、亜種聖杯戦争への招待に応えて厚子夜に来たこと。マスターも怪異の騒動に巻き込まれた存在であること。ホテルの総支配人である明からの連絡で、主催者の増渡が死.んでいたこと。1階の食堂に従業員たちが避難していること。マスターと話し合って警備をすることにしたが、皆が寝静まった後で明が無断で出て行ったため追いかけたところ、他のサーヴァントに襲われて応戦し、その結果ここにいること。それらを極く詳細に十兵衛は皇帝のような身なりの男に教えた。
男は話を聞くごと、様子を知るごとに顔の様相を変えていき、安堵したと思えば憤怒を見せ、何かを考えていたかと思えば苦々しく目を逸らした。彼も彼で、また十兵衛も十兵衛で、異変とその経過について熟考しているのだろう。
そして、情報を聞き終えた後の男の様子はと言うと、肩をわなわなと震わせ、手に持つ芍をへし折りそうなほどに握りしめて、そして────叫んだ。
「何故!そうなるのだッ!」
「何故って…それがわかれば苦労しねえよ」
「そうだが…そうだがぁ!」
学者然とした知的且つ威厳を感じる、感じさせるべく仕立てられた服の着用者とは思えぬほどに、男は怒りを露わにしていた。そこには、今まで積もりに積もったフラストレーションも突沸しているようにも見える。
だが少し様子を見ていると息を切らしながらも自身の身体と感情を落ち着かせるために呼吸を整え始めたことからすると、癇癪持ちのようなきらいこそあれそれで全てを台無しにするような男でないことはわかった。
「はぁ…すまん、あまりにも…理不尽の山であるが故に…」
「まぁ、アンタの怒りも尤もだ。こういう滅茶苦茶なこと、アンタみたいな神経質そうな人間は大嫌いだろうからな」
「知った風に…言うな…」
「顔見てりゃ理解るさ。それに、アンタはこういうこと筋がない以上は絶対しない人間だってわかったからここまで話したんだぜ?」>>922
「……………」
「あぁっと、気に障ったなら悪い」
「…いや、自分のことは自分が一番よくわかっている。そう思われる方が今は有難いしな…それはそれとして、もう少し言葉使いは慎め。見ればわかるだろう、我の権威というものは」
「はーい、すんません」
十兵衛は片目がない。英霊となった今でこそ復活しているが、生前幼い頃父に潰されてからは単眼の者であった。しかし、いやだからこそ、人の性格や在り方などを見ることにはなみ一通り以上の鋭敏さがある。
この男がサーヴァントであろうことは、出立ちを見れば百人中百人がそうだと思うだろう。そしてサーヴァントはサーヴァントである以上、この異変の被疑者足りうる存在である。それを否と断言できるのは、ひとえに十兵衛が自身の魔眼ではない経験をもっての“眼”に一切の不安を持っていないからだ。十兵衛は自分の経験を信じているからこそ、この男を信じることができた。
そんな男はというと、剽軽な態度をする相手に苛立ちを見せながらも今度は怒鳴ることはなく全身をざっと見た後近付いて手を伸ばしてきた。何をするかと見れば、先の少年との交戦で着物や腕についた傷や汚れがなくなっていた。
「ふん、そんなボロボロな様を我にいつまでも晒し続ける気であったのか?」
「いや…けど、良いのか?敵に塩を送るようなものじゃねぇのかい?」
「何が敵だ。其方のような者に我は遅れをとらん。それに、我にそこまでの信頼をみせようという者を信じぬほどの狭い心を持った覚えもない」
わかったらさっさと行くぞ、と言って足早に廊下を歩いていく男の後をついていく。1階にいた頃からご無沙汰になっていた化け物が歩いていく中でちらほらと襲ってくるが、大した強さもなく男の剣や十兵衛の木刀で潰されていく。並程度の殺傷能力はある使い魔、といったぐらいか。
向かった先はエレベーター。どうやら男は、十兵衛の話を聞いて動いたというエレベーターを使おうとしているようだ。ボタンを押す、が、ランプは点かず、暫く待ってみても機械音すら目の前の扉からはしない。
「…本当に動いていたのか?」
「そこについては絶対だ。そうじゃなきゃ襲われてねぇ」
「チッ…つくづく、どうしてこう運のない…階段、は…」>>923
「何か問題でもあるのか?」
「…その口ぶりからするに、其方は階段の怪事を知らぬようだな。教わってばかりというわけにもいかぬ、教えてやろう」
そう言うと、男はエレベーターの側にある階段を降りていった。そして、“上から降りてきた”。
「…こういうわけだ」
「マジかよ」
「嘘だと思うのならば試してみよ」
促され、十兵衛も階段を下っていく。そして、下った先にあったのは、3階の景色とそうなることをわかっていたために上を見ていた男の顔だった。
上がってみても、結果は同じ。3階は上ろうと降りようと3階であった。
「おいおい、こんなこともあンのかよ…」
「この程度で済めばまだ良かったのだが…」
「まだ、何かあんの?」
「……我は我を信じる其方を信じる。その上で共有する。…まず、このホテル内では、外界以上に世界の排斥力が強くなっている。だというのに、こんな風に非現実的なことが起こっている。そして、それは其方の反応やマスターのことなどからするに、かなり不規則であるらしい」
「非現実的な事象が横行する、にもかかわらず世界の排斥力は強い…ってなると、考えられるのは一つじゃねぇか?」
「あぁ。固有結界、或いはそれに準ずるもの。または、このホテルそのものの異常…前者であれば、引き続き我々は他参加者を疑う必要がある。後者であれば…そして、それすら絞りきれていない今は、途方もない。こういった疑念は、神秘に明るければ明るいほど濃くなるだろう」
「そもそも、何が目的で、今はそのどの段階にあるのか…犯人がいた場合、だが」>>924
「…どの変事が最初に起こったのかは不明だ。どこまでが一つの変事で、どこからが別のものなのかも不明。しかし我には、この事態には何者かの悪意が介在している…全くの事故ではないと睨んでいる。だから、彼奴にも向こう見ずな行動は止すようにと言ったのに…」
また、男の肩が小刻みに震え出した。話題を逸らす方向を考える。十兵衛も、そう何度も男の絶叫など聞きたくはない。
と思っていた矢先であった。ズシン、ズシン、と大きな音を立ててこちらへ近づいてくるものがいる。そちらを見ると、今まで大量に現れてきた化け物────が、何十匹も合体したかのように巨大化したそれが、床を蹴っていた。
「な、なんだアレは!?」
「わかんねぇ…が、奴さんは完全に俺ら狙いってとこだな」
「そりゃあ、我々しかいないのだから…って、おい、なに刀を構えているのだ!」
「なにって、このままアレをほっとくと被害は大きくなる一方だろ。ここでやるべきだ」
「単に巨大化しているだけではないだろうアレは!魔力量もそこらの有象無象の比ではないのだぞ!」
「へえ」
鯉口、は切れないので、木刀を顔の近くに構える。男は逃げるべきだと十兵衛を制止すべくなおそばで喚いているが、今の十兵衛には眼前の化け物以外のことは雑音として耳朶にすら届かない。
向かってくる化け物を睨み、睨み、睨み。ほんの一息の呼吸と共に踏み込み、二歩と共に急速に前進、間合いを詰め、刀を大きく突き出す。刺突である。小さかった頃の化け物も脆かった。巨大化したとてさしたる違いはなく、木刀であっても力を込めればその外皮は容易く突き破ることができた。
「…で、どうだい?俺の腕は」
一瞬間の出来事に唖然としている男の方を振り向いて笑って見せる。何体も来られると骨折りだが、今のところその気配はない。
少しして我に返った男は、それでも現実を俄に認められぬように…いや、むしろその分別の良さから認めたからこそ俯き、力を溜め込むかの如く項垂れ、大きく深呼吸をし、そして────叫んだ。また。>>925
「なぜ我はこんな能天気ばかり相手にせねばならんのだー!」
◇カトカ・オルロイ────1階食堂
「ふふ。へえ、そんなことがあったの」
「は、はい。それで、私とじゅうべ…私のサーヴァントは、ひとまず1階に降りようということになって…」
23時30分、日付の変わる時刻へと近づきつつある。日付が変わる、というのは何かしらの希望を求めてしまうものだが、この何も解決していない状況で時が全てを解決させられるものだとは思えない。
そんな風なことを考えながら、カトカは向かいに座り、表情豊かに自身の話を聞く少女を悟られぬ程度に観察した。亜麻色のウェーブヘアは天使の輪が広がっているほどに手入れが行き届いている。白い肌にもシミや不必要なシワは一点もなく、チークではない天然ものの頬の赤色が彼女の内のあどけなさを表出していた。
少女────グランデ、と名乗っていた────が来た時の音で食堂で寝ていた皆が起きた。聞くに彼女もマスターのようで、サーヴァントとはぐれてしまったらしい。
かろうじて得られていた安眠を妨げる闖入者に不機嫌になったりはしないかと心配だったが、不思議にも従業員たちの表情は穏やかなもので、ピリついた様子もなく、声をひそめてではあるが今や談笑までしている。
「ねえ、その…刀かしら?見せていただけない?」
「いや、これはちょっと…ごめんなさい」
「えー、なんで?」
「…なんででしょう…不思議とそんな気がして…」
「ふーん、そう…半分欠けたレコードね」
「れ、レコード…?」>>926
時々、グランデの言うことに理解が追いつかないことがある。なにもそれで彼女を疑っているというわけではないが、カトカはこの少女が来てからの和やかな空気をどこか異様なように、なにか表面的なものなように感じていた。
元来人を怪しむことに苦手意識を持つ彼女は、感覚だけで人を疑うということはまずなかった。懐中時計を見ると、魔力を測定する針が異常値を示している。
こんなことはあり得ない。懐中時計は壊れていたのをやっとの思いで直して、それでも自身の魔力の測定に機能を限定して使えた代物だ。
普段の彼女ならば、母の形見である時計の方を信じようとしただろう。しかし今回は彼女は違和感を捨て去る方へ思考が傾いた。きっと時計は壊れてしまったのだ、と結論し、グランデとこの和やかな世界を信じることにした。その方が良いと思った。
「…そういえば、ねぇ。この世界の箱は真っ暗に目を瞑っているの?眠っているなら起こしてあげなきゃ」
「え、えぇっと…?」
「もう、わかってくださらないのね…電気は点かないの、と言いたいの、私は」
「あ、あぁ、電気ですか…今、部分的に停電?しているみたいで…前まで点いていたのですけど…」
「まあ!それは大変。心細かったのでしょう?ハリのないハリネズミさんのようね、それじゃあ」
「そ、そうなんですかね…?」
「そうよ、きっとそう。ねぇ、一緒に送電室に行ってみましょう?誰かのイタズラかもしれないわ」
確かに、真夜中に停電という状況は文明の中で生きてきた人にとっては恐怖心を抱かざるを得ない状況である。しかし停電になったのは随分前で、カトカも従業員たちもすっかり暗闇に目が慣れてしまった。これから多少睡眠を取ろうとするならむしろ電灯は不要であろう。
けれど、そう言われると心許ないような気もしてきた。従業員たちもそう言われて不安そうにしだしている。
そもそも、十兵衛が明を追いかけていって二人とも戻ってきていない。そんな状態でカトカがここを離れて良いのか、しかし、向こうが戻ってこない以上こちらが外に出なければ生死も確かめられない。確かめに行く必要もあるだろう。>>927
「わかりました。すぐに行きましょう」
「あら、決断がお早いのね」
「…皆さんのためですから」
「あら、あら!みんなのためだなんて、うふふ、とっても素敵ね。勇者様みたい」
グランデはカトカの返事に心底嬉しそうに手を叩いて微笑んだ。無邪気なその様からは微々として悪意というものが見えてこない。
カトカは安心した。こんな少女が何か悪事を働くわけがない。となれば、早く送電室の方を見て電気を復旧させよう。トイレに行くと言ったきり帰ってきていない三文さんたちも見に行くべきだ。
席を立ち食堂を出ようとする中で、そういえば刀はどうしようか、と考えた。置いていっても良いだろう────とも思ったが、不思議とそういうわけにもいかない気がして、結局いざという時グランデを守るためのものとして携えていくことにした。>>933
申し訳ない…お願いしますくおおっ
新サーヴァントを真名を隠してお見せしたいがよろしいか!アイヤッ発射ッ
【CLASS】フォーリナー
【真名】■■
【性別】不明
【身長・体重】?
【肌色】? 【髪色】?【瞳色】?
【スリーサイズ】?
【外見・容姿】?
【地域】日本
【年代】13〜14世紀
【属性】秩序・悪
【天地人属性】地
【ステータス】筋力:C 耐久:D 敏捷:A 魔力:B 幸運:D+ 宝具:EX
【クラス別スキル】
領域外の生命B 狂気C 神性C
【固有スキル】
・天女舞A
その美しき事、まさに天上からの輝き。全体に魅了判定を付与し、1ターンの間行動不能にする。
・無貌の面A
存在としての主体性を一時的に消失させ、出来る限りの再現度で役を演じてみせる。ある種のトランス状態である。強力な自己暗示でもあり、それ故に悍ましき物語でさえも演じ切る事が可能。>>937
【宝具】
『■■物語・黄衣の王』
ランク:EX 種別:対軍宝具 レンジ:1〜99 最大捕捉:100人
常人ならば決して最後まで目にすることは叶わぬ戯曲の第二幕を擬似的な舞台を作り出し、演ずる。精神汚染への耐性がない場合、無条件で範囲内の生命体に著しい精神攻撃を与える。耐性のないものであれば発狂は避けられず、軽度のものでも戦闘続行は不可能な状態にまで陥る。
宝具を使用する本人は完全に演じ切るまではあらゆる汚染をもシャットアウトするものの、演目が終われば待ち受けるのは霊基の崩壊である。
まさに一世一代の大舞台、とくとご覧じろ。
【Weapon】
一対の扇。舞を交えた優美な動きでありながら、しかし苛烈に敵を切り裂く。>>938
【解説】
■■は邪神にまつわる者の影響を受けながら、しかしその精神は揺るがない。
■■の願いはただ一つ。何者も目を離せぬ、果てもない永遠の享楽をもたらす究極の美なのである。
【人物像】
男か、女か。中性的であるがその正体は定かではない。確かな事は美しく舞いたい、という願いのみ。
自分の舞に絶対の自信がある為、そうそう他人には見せない。しかるべき時と場所にて、初めて披露するべきであると考えるが故である。
簡単に言うといかにビシッと舞をキメるか以外興味がない難儀な性格。
場合によっては完全に自己を喪失するレベルで入れ込んでしまう為隣で正気に戻すべく引っ叩く要員が必須。
特技:舞
好きなもの:舞
嫌いなもの:やかましい観客
天敵:■■■(ライバル関係にある)
願い:絶対などないと知ってはいるが……それはもうバリバリにキマってる物語を。>>939
【一人称】わたし
【二人称】おまえ
【三人称】あいつ
【セリフ例】
「舞台の幕を開けろ!■■の登場だ!」
「わたしの面が気になるか?案ずるな、そこには何もない。百面相、と言う奴かもしれんな!」
「さあ!さあ!さあ!これより演ずるは悍ましき物語、黄衣の王をご覧じろ!!皆手を叩け、声を上げるのだッ!」うーん、じゃぱにーず!(ガバガバ&ガバガバ)
【CLASS】フォーリナー
【真名】犬王
【性別】不明
【身長・体重】?
【肌色】? 【髪色】?【瞳色】?
【スリーサイズ】?
【外見・容姿】?
【地域】日本
【年代】13〜14世紀
【属性】秩序・悪
【天地人属性】地
【ステータス】筋力:C 耐久:D 敏捷:A 魔力:B 幸運:D+ 宝具:EX
【クラス別スキル】
領域外の生命B 狂気C 神性C
【固有スキル】
・天女舞A
その美しき事、まさに天上からの輝き。全体に魅了判定を付与し、1ターンの間行動不能にする。
・無貌の面A
存在としての主体性を一時的に消失させ、出来る限りの再現度で役を演じてみせる。ある種のトランス状態である。強力な自己暗示でもあり、それ故に悍ましき物語でさえも演じ切る事が可能。>>948
【宝具】
『犬王物語・黄衣の王』
ランク:EX 種別:対軍宝具 レンジ:1〜99 最大捕捉:100人
常人ならば決して最後まで目にすることは叶わぬ戯曲の第二幕を擬似的な舞台を作り出し、演ずる。精神汚染への耐性がない場合、無条件で範囲内の生命体に著しい精神攻撃を与える。耐性のないものであれば発狂は避けられず、軽度のものでも戦闘続行は不可能な状態にまで陥る。
宝具を使用する本人は完全に演じ切るまではあらゆる汚染をもシャットアウトするものの、演目が終われば待ち受けるのは霊基の崩壊である。
まさに一世一代の大舞台、とくとご覧じろ。
【Weapon】
一対の扇。舞を交えた優美な動きでありながら、しかし苛烈に敵を切り裂く。>>949
【解説】
犬王は邪神にまつわる者の影響を受けながら、しかしその精神は揺るがない。
犬王の願いはただ一つ。何者も目を離せぬ、果てもない永遠の享楽をもたらす究極の美なのである。
13〜14世紀にかけて活躍したと言われる能役者。時の将軍義満から寵愛を受け、ここぞという大一番でも重宝されていた。
しかしながら名前こそ残っていても具体的にどのような作品を遺したのかは謎に包まれており、ライバル関係にあった世阿弥が記述を残す程度に留まっている。
何故詳細が載っていないのか。
それがもしも誰にも語り継ぐ事のできない行いによるものであるのだとしたら。
───足りない、足りない。もっと、もっと人々を惹きつける物語はないものか。
単なる欲求。芸に生き芸に死ぬ、誰もが考えてやまない願い。
人々を感涙させる物語を、舞いたい!
───欲しいか、なりたいか。
果たしてそれはこの世ならざる異形の誘い。本来ならば破滅のみが待ち受ける災いの物語。
面白い、面白い。なんと素晴らしく、未だ見ぬ世界か。
ならば演じなければならない。そうするだけの義務が自分にはきっとある。
ヒトであってはいけない。かの王を演じる上で『わたし』は枷でしかない。
顔はいらない。わたしには面がある。これよりわたしは貌なき王、我が身は黄の衣である。
で、あれば。>>951
【人物像】
男か、女か。中性的であるがその正体は定かではない。確かな事は美しく舞いたい、という願いのみ。
自分の舞に絶対の自信がある為、そうそう他人には見せない。しかるべき時と場所にて、初めて披露するべきであると考えるが故である。
簡単に言うといかにビシッと舞をキメるか以外興味がない難儀な性格。
場合によっては完全に自己を喪失するレベルで入れ込んでしまう為隣で正気に戻すべく引っ叩く要員が必須。
特技:舞
好きなもの:舞
嫌いなもの:やかましい観客 途中で舞を邪魔する不心得者
天敵:世阿弥(ライバル関係にある)
願い:絶対などないと知ってはいるが……それはもうバリバリにキマってる物語を。
【一人称】わたし
【二人称】おまえ
【三人称】あいつ
【セリフ例】
「舞台の幕を開けろ!犬王の登場だ!」
「今日のわたしは誰だと思う?武者か?女か?それとも物の怪か?否、全てだ!」
「わたしの面が気になるか?案ずるな、そこには何もない。百面相、と言う奴かもしれんな!」
「さあ!さあ!さあ!これより演ずるは悍ましき物語、黄衣の王をご覧じろ!!皆手を叩け、声を上げるのだッ!」
「何人も、目を逸らせはしない。刮目せよ、落涙せよ。これは遠き異国の、王の物語である。『犬王物語・黄衣の王』!」>>930
性格がこの聖杯戦争と致命的に合わない常識人皇帝がんばれ…
カトカの魔術、及び礼装の時計は神秘について「測る」だけで防いだりはしないので…ね…
>>945
良かった、エミュ間違ってなさそうだ…
カール4世とかカトカとかと喋らせていて思ったのですが、十兵衛さん割とヒモの才能あるなって()
>>944
お久しぶりです!お互い良い年を迎えましょう〜
>>953
やった〜当たってた!言った後でwiki見て(あれ没年15世紀っぽいぞ…?)ってなったけど合ってた!
何気にライオンさん初のフォーリナー?だぜわーい!フォーリナー増えて嬉しい嬉しい。自負心と余念なき追求心によって狂気に落ちずにいて英霊になってからも美を探求し続けるの、芸術家らしくて良いな…あと基本的にハイテンションなのも掴みどころがない感じがして素敵です>>944
お久しぶりです。あ、そうだプロフィールに書いてあるように犬王には顔がありません、ついでに指紋もありません。両方とも自分で焼きました。
よ、よし……冒険旅行記の続きを……
もう遅いので日が昇ってから投下しまーす
>>960
OKですよ
あとあんまり地位が上な人くると幹部が出張ることになっちゃうのでその辺もお気をつけていただければとおかしいな…あけまして三馬鹿投下のつもりがよいお年を三馬鹿投下になる可能性が出てきたぞ…
>>962
チ゛ェ゛ス゛ト゛せ゛き゛が゛は゛ら゛ロバと落語家を登録して自項目をちょっと改修しました
落語家は先述の通りスキルランクを下げましたが魔力だけ下げ忘れたんでその内手を付けます
あとダイジェストオブダイジェストになりそうですが今日中にルナさんと冒険王の聖杯戦争を書き終わりたい…ですね…
>>962
良か!いっきまーす!
先に動き出したのはデマン・パトトッチ。
デマンはメレクから距離を取るべく後ろに大きく飛び退いた。デマンの身体がほんの一瞬だけ宙に浮く。
その一瞬の間にデマンは魔術を行使した。伸ばした二つの手からパチンと指を鳴らす音が重なって響く。
「そおれ! まず二体!」
デマンの背負うリュックサックから再び流動体の蝋が飛び出してくる。二本に分かれて伸びる蝋は、メレクではなく木々の間に倒れている二体の死体にまとわりついた。
ぐにょぐにょと蝋が死体に沿って形を変えていく。入り込んでいく。そして出来上がったのは顔も体の蝋の白色に覆われたヒトガタ。
「蝋人形師の名の通り、ですか」
「その通り! 素材を選ばずどんな人間でも思いのままってね! それいけ俺の人形!」
宣言通りにデマンの蝋人形はメレク目掛けて飛びかかってくる。メレクとデマンの間に空いた空間に割り込むように二体の蝋人形が立ちふさがる。
対するメレクに焦りは無ければ臆することも無い。ただ静かに二体の蝋人形と奥にいるデマンを見据える。
静かに、ゆっくり、言葉を発する。
「どんな人間でもときましたか。それは素晴らしい」
「お? おお? わかってくれるかい?」
「ええ。路傍の石ころを磨くのに相応しい魔術です。実にお似合いですよ」
「……あーわかってくれねーな。イヤなガキだぜ、お前」>>965
「それはどうも。───第一陣(ファースト)解放(リヴェレイション)」
メレクの呪文詠唱。
宝石魔術を発動するその呪文はメレクの指先から二つの光を生み出す。一瞬、閃光が瞬いて。
紫の光が通り過ぎた後には、腰部を砕かれて地に伏せる蝋人形の姿だけがあった。
「……ははっ、やべぇな一撃か。下がって正解だったよ」
デマンとメレクの距離はすでにかなり開いていた。十歩駆けてもまだ届かないほどの距離。
日常では気楽に埋められるその距離も戦闘の最中にあれば大きなものだ。事実、接近戦を得意としていないデマンにとってこの距離はそのまま命綱になる。
デマンの伏兵は、すでに仕込まれている。
「この森の地下がどうなってるか知ってるかい?」
「死体が埋まっているんでしょう」
「おっ、正解。そう死体が埋まってるんだ。びっしりみっちりね……これ、俺が使えるだけ使ったらどうなるよ?」
「……」
メレクの沈黙はなにを意味してか。理解か、警戒か、どちらにせよ言葉を止めたメレクの様子にデマンの口角が上がる。
高々と掲げたデマンの指が、パチンと一際大きく音を鳴らした。
そして地面から起き上がってくる蝋人形の兵隊たち。数は二、三、五、十……まだまだ増える。
これがデマンの奥の手ということだろう。>>966
「天馬竜だけでもいいと思ってたけど……予定変更といこう。キミも蝋人形のお仲間に加えてあげるよ」
「お断りしますよ」
「いいさいいさ、答えは聞いてない。ああもちろんキミが寂しくならないように、さっき捕まえたあの銀髪の子も蝋人形にしてあげる」
「……残念です」
「残念だと思うのも今だけさ。俺がすぐに、」
「本当に残念です。人のモノに手を出そうとしなければ、まだ手心を加えられたものを」
「……はん? まだ負ける気ないんだ?」
「もちろん───しかし言葉を続ける前に周囲の確認をしてみては?」
「……? 時間稼ぎのつもりなら……」
口ではそう言いつつも何かあるのでは、と警戒心に引っ張られてデマンを周囲を見てしまう。
そして見た。己が使役する蝋人形たちのその頭上。いずれにも、頭上から照らす紫色の光がある。
これはなんだ。
いいやわかる。これは照準を定めているのだ。あの光が降りかかれば蝋人形はそのすべてが見事に砕かれてしまうだろう。
だが、これだけの数を、どうやって。
「お喋りな貴方への返礼として僕も教えましょう。僕の魔術特性は『循環』───ただ一度限りの宝石魔術を、繰り返し行使できる」
「繰り返し……だが、この数を、か……?」
「アルマソフィアにおいてはただの初歩ですよ」
「アルマ……ソフィア。そうか、お前は───」>>967
言葉を遮るようにデマンの眼前にも紫色の光が瞬いた。
光がまた、強く、瞬く。
「返礼はここまでです。では、第一陣(ファースト)───解放(リヴェレイション)」
光が入り乱れ、吹き荒れる。あたかも天の裁きがごとく振り下ろされた光の一撃は多くの蝋人形を打ち砕き、地に下す。
蝋人形の主たるデマンもまた同じく光に飲み込まれ、倒れ伏すこととなった。
* * *
「……いやはや、容赦ないねぇ」
魔術戦で敗北したデマン・パトトッチは倒れたままの体勢で拘束されていた。死の森の澱んだ土くれで顔を黒や茶によごしながら、それでもデマンはへらへら笑う。
未だ余裕がある……というわけでもない。秘策も奥の手もないこの男はただ諦めて、半ばどうでもよくなって笑っているのだ。
「容赦ならしていますよ」
「まともに動けないような重力をかけておいて、かい? だんだん息も苦しくなってきたんだぜ?」
「命は残していますから」
実際、メレクはデマンをここで殺.すつもりはなかった。
このデマンという男が敵であることは間違いないが、正確には死霊病棟の敵なのだ。メレクとルナはたまさか居合わせただけに過ぎず侵入者の処遇を決める立場にはない。>>968
生かしたままアリウム・ガブリエールに引き渡す。それがもっとも波風が立たないとメレクは考えていた。
なによりもまずルナ・アードゥルが蝋の殻に囚われたままだ。あれをどうにかするまで死.んでもらうわけにはいかない。
「ああそりゃ確かにお優しい。死ぬ前に洗いざらい吐けってことだろ?」
「難しいことは聞きませんよ。他の侵入者は誰か、それは何名か、侵入経路はどこなのか。目的は何か。そういったことが聞きたいだけですので」
「OKOK大体全部ってことだ。いいさ喋るよ、どうせなんの義理もない」
過剰な重力に圧し潰されようとしているデマンは肩を竦めようとして、変な身じろぎをするに留まった。
戦闘が終わった今、辺りは静寂につつまれている。しかしそれはここだけだ。他の場所では今も状況が動いている。
「まず俺の他の侵入者は三人。……百犬のレベンス。爆弾魔ギムーコ。屍拾いガルヴァーニ。目的も侵入経路も俺と同じだろう、天馬竜アフィントンが目当てさ」
「侵入経路は?」
「それこそ俺と同じさ。今の死霊病棟に入るにはアイツに招かれなきゃとても入れない」
「……アイツ?」
「俺を、俺達を死霊病棟にご招待してくれたヤツさ。名前は、たしか───……」
デマンがその名を告げると同時に、離れた場所から銃声が響いた。
銃声が聞こえたのは、元いた位置……ルナが囚われている場所からだ。
* * *>>969
ばき。
ばきばき。
ばきり。
硬質な音を響かせながら私を囲っていた蝋が砕かれていく。砕かれた箇所から差し込まれる光に、なんとなく、卵の内側から見られるのはこんな景色なのかなと思った。
さてさて私を卵から連れ出してくれるのはメレクか、デマン・パトトッチとかいう蝋人形師か。
しかし待ち構えていた人物はそのどちらでもなく。
「ありゃーホントにいた。なーにしてんのルナちゃん?」
黒髪。黒コート。軽薄な笑み───クチサキだ。私を助けてくれたのはクチサキだったらしい。
その手に持つのは黒光りする一丁の銃。あれでがつがつ叩いて蝋を砕いたのだろう。
「なにって言われても……まぁ……捕まってた?」
答えつつ、よいしょと割れた部分からもぞもぞと出る。本当に卵から雛が這い出てくるみたいだ。
近くには戦っていたはずのメレクもデマンもいない。ここから離れた場所で戦っているのだろうか。
「そうだクチサキ、侵入者が、」
「あーそれね、大変なことになってるっぽいね、アリウムちゃんも戦ってた」
「アリウムも?」
だから朝は誰もアリウムも来なかった……いや来れなかった。侵入者の対処で手一杯だったのだろう。
そうするとここで私を助けた男はなにをしていたのかという話になる。
「ってか、クチサキ落ち着いてない?」>>970
「んーまぁね。俺ってば事情通だし」
「事情通? それは……」
「どういう意味かって? それが単純な話でね」
クチサキを手に持った銃を私に向けて、
「俺がみんなをここに招待したんだ」
撃った。
私の顔をかすめて弾丸が木の幹に突き刺さる。びしりと音を鳴らしながら幹が裂けた。
撃たれた。
クチサキが、私を、撃った。
「クチ、サキ……?」
「いやー、我ながらよく我慢できたなぁって思うよ」
クチサキは歯を剥いて笑う。楽しそうに、愛おしそうに、ここが自分の居場所だと言外に主張しながら。
「いくらアリウムちゃんに睨まれてるからってねぇ、ずっとお預けくらってたんだから」
それは亡霊ですら知らなかった男の顔。破壊という現象と手を取り合って笑えるヒトらしからぬ悪性のモノ。AIで厚子夜ホテル旧館のロビー考えんの楽しい…楽しい…(永遠に吸われ続ける時間)
>>955
英霊は英霊である以上こういう不測の事態にもある程度冷静でいられるのでただのホラーで済まないのですよね。FGO×CoCの二次創作を見ても思いましたけど、前を向いて対処しようとできる存在。あと死体が残らないから一瞬しか死が描写できない
じゃけんホテル聖杯戦争にはネームドモブがたくさんいるんですね、ええ
>>958
ホントこう…しっかりしてて世話焼きな人に対して見限られない程度に寄りかかるのがうますぎる…ってなりました。それをきちんと経験則で理解してやれてるのが末恐ろしい…
さすが三厳…この世のおもしろきことを知り尽くした男…
>>959
お面取れた時のがSANチェックじゃないですかヤダー!好きー!
>>973
うへえなんか強そうな人たちがたくさん…と思ったらクチサキさんの差し金かー!や、やりよったー!
セダムくんを殺したのも襲撃者のうちの誰かなのかしら…だとしたらこれは…割と…楽しみだ…凌牙がマレオからマレみくじなるモン貰って訝しみながら開けたら有難いメッセージ入ってて「…何言ってんだか」って少し顔が綻んだと思ったら一番下に「リョーガ タイキック」って書いてあってタイキック喰らうリョーガみたいな物を思いついてしまった
>>929
謎が…謎が多い…ッッ!!
聖杯戦争としては異質な色んな現象とかが不気味さを醸し出してる中で十兵衛達の絡みを見てどこか癒しポイント的な何かを感じました…
>>944
お久っす〜
>>953
犬王!!犬王じゃないか!!
犬王の存在は映画見て初めて知りましたね。あと劇中の首塚って曲が割と好きでした
そしてフォーリナーなのも納得ですし宝具がSSで出たらかなり面白そうですね
>>973
「本当に残念です。人のモノに手を出そうとしなければ、まだ手心を加えられたものを」
ここすき(デビルマン)ルナちゃんも蝋人形にするぜ発言で内心ちょっとピキッときた感出てるの好き。
そしてクッチーお前ッッッ!!!何する気だお前ッッッッ!!とりあえず三馬鹿のキャラシは2日までに投下できそうなんですがざっくりした説明と台詞の方が伝わりやすいなコイツらって事で投下します
サスケ・グレイグ 三馬鹿のリーダー格の奴。祭りとか派手な事大好きで仲間の二人と共に色んな場所でヒャッハーする。根っこはパリピ気質なんだけど笑い方が邪悪すぎるのでやべーやつと思われてる。
翠爪院 業馬(カルマ) 三馬鹿のノッポの奴。常に厨二病口調で話したり急に謎の高笑いを上げたりする厨二を極めし者。パッと見三人の中で一番理知的に見えるが実は一番脳筋。
力道山ワイアット 三馬鹿のガタイ良い奴。格闘技マニアだが相撲が一番好きな為に常にごわす口調をしている。こう見えてIQ高いし趣味は読書。
三馬鹿のイメージ的なシチュ例(夜の集積船で三人で何か怪しい事してる)
「ヒャーハハハ…粗方完成したが良いじゃねえのコレ…明日コイツで暴れるのが楽しみだなァ…!!」「ぐへへ…ええでごわすなこれ、コレ見たら騎士団もマレオの奴も驚くと思うでごわす…」
「荒れし夜に響く叫喚の咆哮…其の詩を聴きながら飲む盃の味は如何程か…(これでビビってる奴見ながら呑む酒美味そうですね)」
「よっしゃあ、じゃあ大体終わったな。後はコレでマレオも騎士団も全員ビビらせてやろうぜゲヘヘヘ…ヒャハハハ!!」
※こんな事を言ってますが実際は「巽商店で買った台車を改造しまくってデコトラみたいなの作ってマレオカートに追走して派手に暴れようぜ」って事をしようとしてるだけだしやる前に騎士団にバレた
っていう感じのネタキャラ三人組です
SSとかで出オチ要員や賑やかし要員とかイベント系で何かしらでチーム戦する時に初戦の相手+ルール説明役みたいな感じで色々なサブキャラ的な役回りできるみたいな感じの奴をイメージしてます。要は三位一体のサブキャラ的な奴
これで特に問題無さそうなら年明け位にキャラシ投下しようと思いますがどうです?よく考えたらカルマだと一馬さんと色々被っちゃうので他の厨二臭い名前考えます…厨二臭くて短くて漢字変換できそうなカタカナ…うーん分からん
>>978
あざす…
そうですね…ならフルネームじゃなくてリーダーのサスケ!!厨二病の○○!!ごわすの力道山!!みたいな感じで片方だけってのはどうです?
>>979
リョーガ君は確かにタイキックしそうだなとは思ったんですけどね…
女子は流石に蹴らんだろうとか大人は除外だろうなとか男子生徒でもそういう柄じゃない相手は蹴らんよなって絞ってくと本気でタイキックかましそうな相手はネームドだとマレオかカステラか巽のオッサン位しかいねえなってなったんすよね…
チャラ男マシンガントークvs無限厨二トーク…やべえ凄い楽しそう。書きたい。よし決めた、厨二病の名前は剣斗で「我が名はファルシオン…」って名乗る事にしよう
>>981
マシンガントークvs厨二トークは絶対楽しいっすね。カステラ側のマシンガンエミュを俺が上手くできるかちょっと自信が無いけどちょっとやれるか考えてみますね!というかもしかして†ファルシオン†君だけキャラ濃い…?
「(巽商店で新品のベイ○レード買ったファルシオン君)…ふむ、決めた。お前に新たな眷属の名をやろう。貴様の名は…シュヴァルツ・クライゼル”漆黒の旋風”!!シュヴァルツ・クライゼル”漆黒の旋風”…我ながら悪くない忌名だ…」
「シュヴァル力学!?そこの儀式服の其方、其方もシュヴァル力学を知っているのかい!?」
「!?貴様は…ッッ!!(…ヤバいマジもんのオーパーツ人間が来ちゃった)」
とりあえず突貫で作ってみましたとりあえず年末生放送も近いんで今年レスするのも最後かもって事で年末の挨拶を
今年は色々お騒がせしました…
初CPに湧き立ってイラスト量産マシーンと化したりダイレクトアタックの衝撃で凄まじいトラブル起こしてしまったり(これは本当に申し訳ない)集積船にハマったりダイレクトアタックでこそない物の結構属性被っちゃったイケメン来たりと色々凄い一年でした…本当にすいません、そしてそれでも受け入れてくれたりキャラ採用してくれたり描いてくれたり裏ページで話したりしてくれて本当にありがとうございます
とりあえず来年は三国以外の新鯖に挑戦したりとか攻めた新キャラとか難しめの魔術とか色々やってみたいなって思ってます!
そしてコレは決意表明も兼ねて言っときたいんですが、来年前半はとにかく叛鎖に力入れたいなって思ってます。
ユージーンさんのSSの時系列がコレの後って事もあるし、早く書きたいシーンとかキャラの見せ場が一杯あるので気合い入れて書いていきたいなって思います!!最近の黒鹿さんとかライオンさん並にサクサク書けたらいいな…
とりあえず今年あまり書けなかった戒めとチラ見せ的なのをしたい症候群があるので叛鎖の予告を少しだけしますね
という訳で。
来年、凌牙君の顔の傷の謎が明らかになります。では私からも今年一年の締めくくり的な挨拶を
と言ってもまあ、正直何をやってたのかあまり記憶にない…
黒鹿ファンさんの秘海集積船ネタに乗っかって新キャラ作ったり(これ今年で大丈夫でしたっけ?)、未だにFate/NCの続きを完結させられなかったり、さらに言えば学園編とかFate/CPの続きも全く手つかずだったりでアレなんかロクな思い出ないような気がしてきた?
まあとにかく、来年はせめてFate/NCだけでも完結に持ち込みたい、と思う大晦日でした
追伸:
せめて年明け前までには、と書き上げたFate/NCの続き
今投稿しようとしたらスレの残り数があとわずかになっててどうしようと途方に暮れてますあと2時間以内にスレが変わらないと 中納言は SSを分離させて投下します(今年最後の脅迫)
>>984
厨二病キャラは案外いませんでしたからね…話し方で語尾以外の個性出せるのは強いですよ、ええ!
あと†ファルシオン†君儀式服着てるんですね…身も心も立派な厨二病…正直夕ウタこれは服でも何か勘違いをしそうだ…
夕ウタ「その儀式服!君はもしやテンダイルの伝説の末裔ではないか!?」
ファルシオン「(て、テンダイル…?…なんか響きが格好いいし、良いなそれ…!)ふっ、その通りだ。よもやこの秘匿されし素性を看破(みぬ)く者が現れようとはな…」
的な感じで…
>>985
元から親父殿由来の風評被害が甚だしいんだ、今更この程度誤差よ誤差()>>990
そうですねぇ、缶蹴り聖杯戦争…響きだけだとカニファン案件か?ってなるけどチームが自然とできそうなのとか各人の魔術や神秘が持ち腐れしない率高くなりそうなこととかを考えるとマスター重視の聖杯戦争って点では書くの面白そう。ノリはカニファン中身はシリアスって感じでリレーSSにも持ち込めそうですね。
自分でざっと考えた中だと、これまたエイプリルフールかカニファンかってネタですが「聖杯の苗木を育てよう!」で各参加者に配られる聖杯の苗木を資源を生み出したり増やしたり奪ったり代用したりで立派な聖杯にする戦争とかがありましたね。
あとは昔企画であった家系の人々を参加者として「大当主の爺が急死!遺産相続聖杯戦争!」とか。正妻と愛人とか内孫と外孫の確執が見られそうだな…って…なんか気づいたらこのスレ用の画像フォルダにまだお出ししてない完全新キャラの絵が4枚ほど溜まってました
来年は書くと描くの比率をもう少しなんとかしたいですね……()アレですね、来年は凌牙君と砕城家周りの色々を深堀りしていくつもりなんですが先に言っときます。
この一族ヤバいなんてレベルじゃないです。
>>985
楽しいアホ三人組です、ちょっとだけ期待してお待ちください…
>>986
確かにワートリ顔してそうな奴らですねコイツら
一応キャラデザは考え中なので完成したらネタでワートリ顔させてみようかな
>>989
バリバリの厨二病を書いてみたかったけど魔術師で厨二ってなんぞや…せや学園のサブキャラなら問題ないやろ!!って経緯で作りました。
あ、語弊あったかも…ガチの儀式服って訳じゃなくてバリバリの厨二服を儀式服に勘違いされたって感じのつもりでした。キャラシの海月ちゃん巫女服コスが儀式服に勘違いされたのと同じみたいな
>>990
ギーツ!!ギーツじゃないか!!
そうですね、ざっくりですが
・1個のデカいフィールドに各マスターは3つずつ拠点的なエリアを配置する、拠点にあるコア的な物を他マスターに取られたらそのマスターに所有権が移る
・各マスターは3つあるエリアを守りつつ他のマスターの拠点を奪っていく、所持エリアが0のマスターは脱落
・全エリア取ったマスターの勝ち
こんなのとかどうです?そういえばコレ、俺が建てた訳じゃないですけど次スレのURLです
https://bbs.demonition.com/board/9498/>>994
このアホ三人組、停泊中にビオランテが海月に会いに来たら「あのお姉さん誰!?」って、海月に詰め寄りそう(偏見)。中納言さんの来年の抱負は、ホテル聖杯戦争、半分まで進める、です
>>994
あ〜なるほどなるほど。夕ウタのことですからね、パンクファッションもアキバロリータも儀式服ですね。
魔術師って個性的な装いが多いから船でずっと夕ウタ儀式服って騒いでるのか…ありうる…1000なら嘘予告
シリアスでもトンチキでも可1000なら>>998
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