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前スレ https://bbs.demonition.com/board/8883/?res=951
過去ログ https://bbs.demonition.com/search2/聖杯大会
聖杯大会本戦統合スレNO.5
https://bbs.demonition.com/board/6193
ラフム語翻訳機 https://yt8492.github.io/RafmanTranslator立て乙。1000とったらで書こうとしたのは「バンドやろうぜ!」でした。
まぁバンド構想みたいからというよりは、刹那*飛鳥*誉*ルナちゃん*律ちゃんって感じのメンバーでバンド結成したらどんな絡みになるかなぁ……。ってぼんやり想像を振りたかったというのがメインなんですが。
関係者的には上手くいきそうですかね?建て乙あげ
とりあえずマスターの趣味って事でおkですか?とりあえず両方書いてみるか…
マスターの趣味は初公開込みで投下してみますかね
獅音は機械いじったり食満さんと鍛錬したり、赴任地によっては周囲の山で動いたり狩猟採集したりしてます
リヒターはロックとかの音楽聞いたりその辺でゲリラ路上ライブしてます。あと初公開の趣味だとサウナに行ったりしてます
海月はもうコスプレとゲームです。あと裏設定的な趣味ですが部屋の中とか誰もいない場所でこっそり女児アニとかアイドルゲームとかのダンスを真似してます。多分うまぴょいもできます。
凌牙はボクシングとか筋トレ…と本人は言ってますが実は船に馴染んでからは格ゲーとかスポーツも少しやり始めたりしてます。あとは打倒ジャスミンの為にダミーのサンドバッグ大量に置いて一人で特訓してるとかしてないとか
巽のおっさんは麻雀とかポーカーとかみたいな賭け事もできるゲームが好きで滅茶苦茶強いです。巽会のメンツでガチのポーカーで巽さんの勝率上回った事ある人は5人もいないとかなんとか
あとバンドなら海月ちゃんはギターかキーボード、凌牙くんはドラムかベースかなって思います建て乙です
マスターの趣味かぁ…。とりあえず書いてないキャラでざっくり上げるとうちはこんな感じですね
・黒野:読書(ラノベ系)、アニメ視聴、本屋巡り
・IF黒野:読書(実用本中心)
・ニキータ:銃器の手入れ、またはガンショップ巡り
・オーブ:料理(主に火を使うもの)
・ジル:医学の勉強
・ジェイド:絵画
・ユウキ:バスケ
・マチルダ:読書(基本何でも)
・モリソン:動物観察>>7
誉さん「飛鳥のヤツとアニメ見てて、アタシがふと『バンド楽しそうだなぁ』とか呟いたら兄貴がなんか勝手に話を進めていた……。『個々人の刺激になって良いんじゃない?』なんて言ってる」
・誉!ちょっと興味があった人!
・ルナちゃん→(冒険譚の最新エピソードで縁が出来る筈な)クッチーが”現代に生まれた最新の竜種?”、”鬼種の混血”、辺りで釣った(誉の使い魔→生霊憑依の不思議使い魔とかもいる)。
・律さん→クッチーが芦尾家との繋がりで呼んでみた。
・刹那→ライブハウス行ったら「あっメイガスな女の子たちだー!」と絡んできたよく解らん人。
・飛鳥ちゃんは友達なので「試しにやってみるか」みたいな感じ。
結成というか知り合った経緯としてはこんな感じになるかな?と……。すいません
血鎖のタイトルちょっと変更しようかなって思います
具体的には
旧
Fate/Bloody Chain
↓
Fate/Chain Of Rebellion
こんな感じです、略称はまだ決めてませんすいません
ご期待ください建て乙です
バンドやるとしたら律はドラムに適正があるけどドラムであれくらいの長さで名前が律って名前はめちゃくちゃ既視感の塊だな…建て乙。
鱒の趣味は大体キャラシに記載してますね。>>16
エッッッッ……ッッッッグタルト!!!盛っっ大に出遅れたァ!
ジャスミンは人形作りや海月ちゃんと遊ぶこと以外に密かな楽しみとして船中に配った自作のお手伝い人形を通して船内の観察をしてたりします。
ロイドは趣味と実益を兼ねて船内を散歩してたりあとはイオネルさんの所に遊びに行ったりしてます。
ニコレット先生の本体のちょっとした趣味が自分の監視についてる騎士団の人を通してヘイズさんにちょっかいをかけてかまってちゃんすることだったりします。
>>15
>>16
ちーがーいーまーすー!
ハロウィンで獣人コスしてるルナちゃんにメレクが宝石付きの額飾りをつけて「これでただの獣ではなくカーバンクルですね」みたいな事を言って傍目から見ればハロウィンにかこつけてアクセサリーを贈ってるみたいな絵面に、みたいなー!chain of rebellionの略称、叛鎖にします
そして黒鹿さんいらっしゃいますか?
擦り合わせの準備整ったので大丈夫な時に声掛けてほしいです趣味の話と言われてもな……
大体のことプロフに書いたから言えることと言っても西行氏の趣味欄にある「情報収集」は大体他人の個人情報を掘ることと同義ってことぐらいしかないんだよなぁ
やつは相手の思考を完璧に把握することさえできれば仲良くしてもらえると割と本気で信じている節があるからなぁ
そういうこともあって仮に同時代人をサーヴァントとして召喚したら大体の場合やる気を出してくれはする点でプラスではあるけど一方的に知り合いヅラして好物とか用意してくるし性能に対し完璧にシナジー発揮できる戦況を作って「じゃあよろしく」と渡して来もするけどその姿勢がひたすらに謎で気持ち悪いから気味悪がられる点が莫大すぎるマイナスだから全然関係ない出身の人の方が相性はむしろ良いという意見があったりもするけど(要出典)
あ、あとリュジにゃんの趣味は一応手芸
カワイイ服、既製品じゃサイズ合わないから最低限手直しはしないとね>>22
んー…じゃあパン食い競争に一票>>22
借り物競争!>>20
リュジにゃんの手芸、もしかして服飾というか服作りでジャスミンとお話ししたり出来るかもですか?(ジャスミンは一応人形に着せる服を作ったりしてます)
>>22
玉入れとか大玉転がしみたいな大勢でワイワイするやつとか。あと二人三脚。
>>25
>>26
可愛い!!!お菓子か?お菓子が欲しいのんか?いっぱいあげるからちょっとうちにおいd(駆け付けるワイルドハント騎士団)
>>29
個人的に最初から強いのよりは最初は下の方でそこから勝ち上がっていくとかもいいかなって思います。
最初から最強だから順当に戦って勝ちましたとかだとストーリー的に面白くないのでそういった『ストーリーが盛り上がる要素』みたいなのが主人公に求められるんじゃないかなと。>>33
そういう感じならおっけーでしてよ
んふふ、ペルカはかわいいでございましょう
私もかわいいと思ってるのですよぼく強烈な主人公属性信者だけど言語化できない崇拝感情と手感覚でもの書いてるから、こういうところがよくわからんみたいな話で振ってくれたら対応できるよ
>>38
ぃやったぜぇ~言ってみるもんだぜぇ~(小躍り)◇世見誰 二十彼
人の死はいつどこにおいても往々にして唐突である。だから私に仕事が回ってくるのもいつどこにおいても往々にして唐突である。そういう職種だというのはわかってはいるが、それでもやはり「今から日本に」というような話は面倒なことこの上ない。大体は家の連中に任せているが、そういかないものというのもままあるので、そこは甘んじるしかないのだろう。
山の中の空気はひたすらに流れて、ひたすらに入れ替わっていく。舗装されているとも自然発生したとも取れる道を急くこともなく私と男が歩いている。男は喪服を着ていて、麓で出会ってから一言も発さず前を進んでいる。木の間から差し込む西陽が当たって、時々羽織が茶色っぽくなったりするのを、私は無言を通しながらぼんやり眺めていた。
時間はそこまでかからず、依頼主の家が見えてきた。おおよその見当こそついていたが、案の定昔風な屋敷で、なんだかそこだけ時間も空気も滞留しているように見えた。古いようだが、それにも関わらず門が構えられていなかった。
見かけも古ければ内部も古く、中に入ると下女と書生らしき若い男が出てきて、静かに各々板敷の上に裾を捌いてぴったり座った。
その横を男は通り過ぎ、私も後に続いて玄関を抜けて廊下に入った。木目の床が、踏んだそばからぎいぎい音を立てて、その音というのがなんともいえず耳障りだった。当然その音に慣れている男は私のことなど気にも留めずぐんぐん歩くものだから、私も嫌な気を霧散させるべく敢えて乱暴に音を出すようにして進んだ。不思議なことには、床は私が踏みつけた時ばかり軋み、男の歩には全くの無音であった。また、気持ちはこの不快な軋みに向いているのに、意識の端には何処かから頻りに聞こえてくる物音が引っ掛かってあった。
応接間に通されて椅子に腰掛けると、すぐに大柄な坊主頭の男とその後に中年の女と少女が入ってきた。三人とも喪服を着ている。一眼見て、私は彼らが依頼主の一家なのだとわかった。
主人の坊主頭は私の反対の席に座ると、大きな顔にやたらにこにこと笑顔を浮かべて、ようこそおいでくださいました。とか、お忙しい中どうもご足労をおかけして。とかを饒舌に喋ってきた。私が曖昧に返事していると、社交辞令も一通り済んだようで、依頼の確認に移った。>>49
要件は別に何と言うこともないものである。遺体は北の部屋にあるということで、急ぐ気もないが、なんとなく気が急かされて早速部屋に向かうことにした。
また長く暗い廊下を進むことになって、そうなるとやはり軋みとの格闘になった。先導する男には全く反応しないのに、私の歩調にばかり合わせて鳴ってくる。両側の部屋からはやはり頻りに何かを動かすような音がして、森閑とした空気に関わらず気が滅入るような心地がした。
北の部屋の前に来て、男に作業を個人ですることと部屋を覗かないようにすることを話して襖を閉めた。畳敷きの部屋の真ん中に小ぶりな棺が置いてあって、そのほかには何もない。外に近い場所なのか、電気がついていないが朧げに光が差していて、風が吹き抜けるような音もした。
私は数瞬間仄暗い空間を漂うような気分で突っ立っていたが、早く帰りたいという気分が現れてきたので仕事に取り掛かろうと中央に進み、土色に塗られた棺をじっと見詰めた。間近で見ると、不自然なくらいに小さい。
死んだのは子供なのだろうか。だとしたら、あまり死化粧の経験をしていないので丁度良いなと思った。施すのは老人が大半であるから、子供の遺体は新鮮である。こんなことを言えば倫理的説法を受けそうではあるが、そんなことは構やしない。医者にしろ死化粧師にしろ、人の死と関わる者は“貴重な死”を求めるのである。
しかし、棺の蓋を開けて見て、思わず嘆息が漏れた。この仕事を務めている以上よくあることではあるが、久しぶりであるのと、子供の遺体ではないのとで、肩透かしを食らったような気になった。
棺の中の、薄暗い空間に詰め込まれたものを矯めつ眇めつ見て、それと同時にこれからの展開が大体見えたようで、私はやはり帰りたい気分に揉まれて仕事に取り掛かることにした。>>50
部屋から出ると、主人がにこにこしながら待ち受けていた。私が仕事が終わった旨を伝えると顔をよりいっそう綻ばせて、ありがとうございますとまた饒舌に喋って私に握手をしてきた。
次いで、お疲れのことと存じますが、どうぞご参加ください。と言って、握手を解いて廊下の先へさっさと歩いて行った。一本道のようではあるが、先導がいないと逸れてしなうように感じられて、私も深く考えるより先に襖を閉めて主人の後についていった。
相変わらず床はぎいぎい鳴った。また、私がふと目を逸らしているうちに私の前を歩く人物は主人から娘に変わっていた。娘も主人同様静かである。時折、歩きながらちらりと見返って私の方を見遣っては、口の端を小さく上げる。そうしている間にも、床やら左右の部屋から音はした。その音は、私にだけ聞こえているようでもあった。
急に向こうが明るくなったと思ったら、障子の内側から黄色い灯影が輝くように照らしている座敷が見えて、その前で娘がすっと立ち止まった。背に灯影を浴びて、影法師のようになっている。
私が追いつくのを待って娘が膝を突き、静かに障子を開けると、中から燈色の明かりが眩しく流れ出した。そして明かりと一緒に、座敷の中の宴会のがやがやとした音まで私の前に転がり込んできた。
中に入って座に著くと、真向かいに座っている主人が上機嫌に笑って下女たちに、もっとご馳走を持ってこい。だの、東のはダメだ、出すなら西のを出せ。だの口うるさく指示を出す。主人以外の人々は、既に酒を飲んだり食事をしていたりで皆朗らかに喋っていた。下女や小間使いたちはその周りを代わる代わるちょろちょろと走っては、皿を下げたりお酌をしたりして忙しなく動いている。
じきに私の席にも、お膳や酒が運ばれた。いつのまにか主人の妻であろう、応接間で会った女が主人の傍らに座ってお膳の上の世話をしている。葬式の前としては馬鹿に賑やかで華やかであったが、私は何の感慨もなく宴席を見ていた。>>51
次第に、籠るような暑さを感じるようになった。そう思うとどんどん暑くなっていき、座敷は秋の日にあり得ないような湿度と温度になった。それでも主人をはじめとした宴会の席にいる人々は騒ぎ、その声がますます私を暑苦しくさせた。風の渡る音がするようだが、風などは何処にも吹いていなかった。
辛抱していると、主人が下品に大口を開けて笑いながら私に酒瓶を手にして酒を勧めてきた。断るつもりもなく、杯を差し出して、瓶から注がれる透明の液体を無言で見入った。四方からは大勢の人声が入り乱れて、拍手も聞こえた。その只中で、私は無言を貫いた。
酒を注ぎ切る前に、主人が倒れた。最初はうつ伏せになったが、アアとかウウとかを叫んで手足をばたつかせて、しまいには仰向けになって腕を抱え込むような奇妙な態勢のまま息を引き取った。酒瓶が落ちて、畳に中身が溢れた。
予期していたことは、主人が斃れたのを機にどっと起こった。次の間には女が箸を手に持ちながら倒れて、同じようにバタバタとしてうるさく喚いて息を止めた。その次にはお膳を運んでいた下女が一人、一人と倒れて、座敷に皿や料理がひっくり返った。それに続いて酒を飲んでいた者が、料理を食べていた者が、笑っていた者が、手を拍っていた者が倒れた。誰も彼も一様にアアウウと叫んで、それが済むとぷっつりと静かになった。
一人一人倒れるごとに、座敷にも異変が現れた。壁が剥がれ、天井が割れ、畳が溶け出した。室内の温度もぐんぐん上がった。杯に口をつけると、思った通りに、酒の味はしなかった。ただの冷水が舌を伝って喉に流れた。
最後に、座敷に入った時から私の横に座っていた娘が倒れた。喪服姿で散々に暴れて、ひときわ甲高い声で騒ぎ散らして、主人と同じような形を取って、じいっと私を凝視した。そうして、白目を剥いて動かなくなった。>>52
私は消えそうな座敷を出て廊下に抜けた。見ると、ここ以外にも座敷はあったようで、まだ騒いでいるところもあれば絶叫とバタバタと倒れる音がするところも、一連の現象が終わって物音ひとつしないで灯影ばかり明るいところとが右に左に点在していた。そして時間が進むごとに、座敷は段々と消えてその現象は廊下まで及ぶようになった。
別段この消滅から逃げる必要もないが、屋敷を見物するように早足で廊下を渡った。相も変わらず床は軋むし何かが動く音もする。だが今はそれに加えてパチパチという音もする。座敷にあった蒸し暑さは屋敷全体に広がっていて、今は息苦しさも感じる。
消滅はいよいよもって全域に達した。壁が消える。天井が消える。障子が消える。最後には床も消える。そうして全てが消え失せた。
周囲には紅葉し、或いは落葉した木々が広がっていた。日は傾いて、もうすぐあっという間に夜になるだろうという色をしていた。足元を見ると、地面に土足で立っていた。玄関に行って靴を履いておきたかったが、仕様がない。
少し歩いたところ、玄関になっていたのであろう場所に自分の靴が行儀良くあったので靴下についた汚れを手で払って履く。次に焦げた臭いの源である北の部屋があった方を、臭いと煙ったい感じを頼りにして向かって、土のわざとらしくこんもりしたところを見つけた。>>53
火に用心して掘り返すと、そこにはやはりあの棺の中にあった蝉の死骸たちが火に焼かれて真っ黒くなっていた。一番上にいた小さな雌の蝉も、少し突くと脆く崩れて黒い粒になって下の死骸たちに塗された。
燃焼すべきものを失った火は私が何をせずともひとりでに勢いを弱めて消えた。後で放火魔とされても困るので、埋み火にならないように完全に消化して、死骸たちの穴の上にまた土を被せておいた。
後は自然の摂理によって土にでも木にでも葉にでもなるだろう。人以外の死や遺体に死化粧を施すのは厳しいが、こうやって変化変生の初段を導くのも、やや面倒であったりするが私にしてはそう嫌なものでもない。物体の無限を種々の存在を介して感じられるのだから、これも経験にはなろう。
にしても、なんとも久方ぶりな案件である。どこか気が張ったようで、身体を伸ばして疲労感を誤魔化す。それでも、鼻に残った焦げた臭いが思い出されてどうにも気分が晴れないので、懐を弄って煙草を取り出し、一本火につけ口に運んだ。
健康や気分やで月に二本も吸わないが、こういう仕事納めには丁度いい。そんな風に煙草について見解を自論しながら、私は入れ替わっていく空気と一緒くたに流れていく、煙をぼんやり見送った。>>60
HEY HEY HEY HEY!щ(゜▽゜щ)!よっしゃ行きます
【氏名】三峰裂夜(みうね さくや)
【性別】男性
【年齢】23歳
【出身】日本
【身長・体重】178cm・70kg
【肌色】少し白っぽい黄色人種【髪色】黒【瞳色】灰色
【外見・容姿】少し目にかかる位長めの髪、スーツに青緑のジャケットを着た青年。
【令呪の位置】右手
【属性】水・風
【魔術系統】強化
【魔術回路】質: C 量: C 編成:正常
【起源】静謐
【所属】秘海集積船 ワイルドハント騎士団
【階位・称号・二つ名】
【契約サーヴァント】セイバークラス、特に日本のサーヴァントと相性が良い>>64
【礼装・装備など】
『業物・万年雪』
三峰家の初代当主である侍の使っていた名刀を元として、数十年の年月を掛けて術式を仕込んで作り上げた如月家に代々伝わる刀型礼装。
刀剣の名工も一眼見て認める程のそこそこの業物であり、マニア曰く中規模の資料館に展示されててもおかしくないレベルだという。
だが、この刀はただの刀に非ず。
この刀には、付与された冷気の鋭さを上昇させる概念が付与されている。
この概念によってこの刀を氷の刃で覆う時に、それは本来のこの刀の切れ味と大差ない程の鋭さを得る。
それによって、これによって斬られた傷は即座に凍りつき、戦闘を有利に立ち回らせる事が可能。
そして何より特筆するべき事がある。
この刀には、仕込まれた術式によってこの刀を振るった三峰家の先祖達の剣戟の記憶が累積されている。刀を振るい、戦う度に刀に記録が更に蓄積されていくのである。
その累積された戦いのデータが所持者の思考と同調する事により、D−ランクの心眼(真)に近い洞察力を得る事が可能。また、所持者自身の練度によってこの心眼の強度は更に上がっていくという。
この刀を振るい、敵の攻撃をいなしながら致命の一太刀を浴びせる事が彼の戦闘スタイルである。>>65
【人物像】
落ち着いている雰囲気を持った、若手の騎士団員。
口数が少なく言葉も端的、表情も硬めかつ暗めで、愛想も薄い。
冷静沈着に騎士団としての務めを果たす、仏頂面の若き騎士団員。
…というのが彼の、ワイルドハント騎士団としての姿。
素の彼は凄く陰気な雰囲気の青年。
友人相手でも少し口下手でぎこちなくなる程のコミュ障で、自己評価も自尊心もそこそこ低めの陰の者。
ワイルドハント騎士団として振る舞う時の上記の態度は、配属された最初の頃に陰気さをレリックに咎められて以降、騎士団としてしっかり、舐められない様にと滅茶苦茶気を張っている為。それ故に仏頂面かつ必要最低限の言葉を使う様にしている。
こう見えてゲームとかはやる方であるが、前述の通りコミュ障である為混ざろうにも混ざれず、一緒にゲームやる仲間は結構少ない。
滅茶苦茶優しく、困ったり落ち込んでいる仲間や生徒に対して人一倍気を遣える奴ではあるが、素の時はその口下手さ、騎士団の時は固めの表情と口調が故にその優しさがあまり伝わらない事が多い。>>66
騎士団としては2年前に配属されたばかりの若手。コミュ力としては騎士団の中でも滅茶苦茶低いといっても過言ではない。
…しかし、頼りない様に見える彼ではあるが、模擬戦時、訓練時、そして緊急時。一度刀を抜いたらそれまでの彼とは一変し、冷静沈着、堪然不動とした武士そのものの精神になる。この時の彼は、普段の陰気な性格から打って変わりはっきりとした立ち振る舞いとなり、味方や生徒にも堂々と呼び掛け、場合によっては的確な指示を出す事ができる。
その戦闘能力は若手の騎士団員の中でも上の下に位置する程に強い。
端的に纏めるなら、普段は凄いコミュ障で陰気だが刀を握った時にだけ精神力が向上し前向きで堂々とした感じになるといった所。
とはいえ、別にメンタルが滅茶苦茶弱いとか極端にネガティブという訳ではなく、コミュ障をこじらせてるだけ。
ちなみに割と天然で、コミュ障状態で天然発言をかます事があったりとか口下手だけど脳内は割と饒舌だったりとか結構おもしれー男だったりする。>>67
【来歴】
戦国時代に魔術師と結婚した武士がルーツとなった一族である三峰家の、かなり歳をいった両親の間に長男として生まれる。
三峰家は退魔の魔術使いの一族であったが時代の流れと共に少しずつ衰退していき、裂夜が生まれた時には「とりあえず減るもんじゃないし何か転機がある時の為に魔術と刀道は教えておいて後は普通に暮らすべ」といったスタンスになっていた。
そして、親に時に厳しく、時に優しく育てられ、魔術や剣道、刀術を教えられる。その刀術に才能を見出した父は8歳の折、彼に礼装である名刀を渡す。
そして中部地方のある街で暮らし、剣術や魔術をとりあえず鍛えながら一般的な生活を送るも、学校での勉強や習い事等の刀術以外の才能は平凡かその下であり劣等感を感じ始め、かつ元々の内気な性格故に周囲ともあまり上手く馴染めずに育っていく。
そして、劣等感が少しずつ強くなっていくが、それと同時に刀を振るっている時、武道をしている時の自分にだけは自信を持てる様になっていった。これが現在の刀を握る時だけ精神力が上がる要因になっている。>>68
そして、一応魔術の家系だし普通の学校もしんどいだろうし、あとそろそろ老後過ごしたいからコネ使って行ってみるべという提案をされ、両親と共に集積船に入船した。
そして船でもコミュ障で口下手であるが故に上手く周囲と馴染めなかった時、ワイルドハント騎士団の一員であるレリックに気に掛けられて少し打ち解け、先輩であるロイドとも仲良くなったりして船で成長していく。
そして調査科になった彼は、刀しか才のない自分に悩み、進路をどうすればいいか迷っていた。
そして、ある日。実地演習に行った時にある事件が起き、命を失う危機に陥った時にレリック達ワイルドハント騎士団に助けられる。
その時、彼は思った。船の仲間を守るワイルドハント騎士団。それなら、こんな刀しか才のない俺でも船の役に立てるのでは、と。
故に彼は、ワイルドハント騎士団を志し、入隊した。
まだ騎士団の中でも新参の部類ではあるし、他人と関わるのも苦手ではある。
それでも、この刀で出来る事をする為に。今日も彼は、気を引き締めて騎士団の責務を全うする。>>69
イメージカラー:青緑
特技:利き茶、タクティクスゲームやオセロみたいなボードゲーム
好きなもの:刀、瞑想、ゲーム
苦手なもの:会話
天敵:未定
願い:普段から堂々とした振る舞い方をしたい
台詞例
普段
「…どーも。その…俺はワイルドハント騎士団の…三峰裂夜。…うん、よろしく…」
「…このペン、落としてたから…ああ、うん。……じゃ、じゃあ俺はこれで…」
「…この刀は…その、アレ。その…業物で名刀で礼装なんだけど…え?見れば分かる?…ああうん、そうだよな…」
(…あのゲームの話に混ざりたいけど…生徒じゃない俺が急に混ざっていい物なのか…?混ざった瞬間「なんだこいつ」とか言われない…?大丈夫…?…でも混ざりたいな…どうすればいいんだ…)
「あー、今日も生徒に怖がられたよ…うまく喋れない自分を恨みたいぞ畜生…」
「…君、大丈夫?…落ち着いて。…その、俺で良ければ…話、聞くから。…え?いい?ちょっと待っ…はぁ……やっぱり俺だと難しいかな…」>>70
騎士団モード
「…転んだ?…怪我は?…そうか。…気をつけてな。(訳:思いっきり転んだのか?大丈夫?怪我はない?そっか良かった…気をつけるんだぞ。)」
「…元気?…授業、そろそろだから…うん、それじゃあ…(おはよう。元気みたいで良かった。授業もうすぐ始まるから頑張ってな)」
「…消灯時間。…部屋。お休み…(消灯時間だぞ。部屋に戻ってゆっくり休んだ方がいいと思う。それじゃあお休み…)
抜刀・本気モード
「…よし、俺が先導する。急げ!!」
「…ふぅ。やっぱ、刀を握ってると…落ち着く。」
「これでもな…俺は刀だけなら、誰にも負けない自信があるんだ。」
「一意専心…一心不乱…一撃必殺…一刀ッッ!!両断ッッ!!」
【性格】
・超コミュ障で対人関係が苦手だけど人一倍気を遣えるぐう聖。
・いい奴なんだけど色々な人、少なくともモブには優しさが伝わらずに誤解されるタイプの人間。
・模擬戦とかいざという時の戦闘では普段とは打って変わってめっちゃかっこよく立ち回るタイプ。
【役どころ・コンセプトなど】
騎士団の刀使い。超コミュ障だけど優しいお兄さん。数年前卒業したばっかだからOBの先輩的な立場にもなれるキャラ。もう少しでハロウィンですが『船内』のハロウィンコスプレには怪人ヘイズの格好をする人が少なからずいて、実は本物のヘイズも混ざって暗躍するらしい
とかなんとか今考えた裂夜君のキャラシに如月家ってのあると思いますが誤植です、苗字候補の一つだった奴です、無視してくださいすいません
>>73
裂夜「すまんマレオ…いきなり来るならもう少しテンション下げてほしいんだが…凄いビビるんだよ…」
陰の者である裂夜から見てマレオは最早陽の者の次元を超えてそう
でも多分マレオから無理矢理ゲーム仲間に誘い込んで一緒にやってそうとりあえず黒鹿さんからOK貰えたっぽいし各キャラへの台詞作ってきますかね
>>76
濃すぎず薄すぎずって感じである程度動かしやすそうなキャラをイメージしました
まあもうちょっとクセ増やそうかなとは思ってます。天然すぎて時々ボソッと突飛な発言したりとかそんな感じの属性追加したいなって冒険旅行記の続きお出ししていいですかー?
~前回のあらすじ 爆発オチ~
「はぅあっ!」
自分でもどうなのかと思ってしまうすっとんきょうな声と共に体を勢いよく起こす。ぱちぱちとまばたきを数回。
「……あれ?」
今の自分の状況がよくわからない。私、なにしてたんだっけ?
自分の身体を見下ろせば見慣れない服を着ていた。柄もなにもないクリーム色の、上から下まで一体になっているらしい服。
なんて言うんだろう、えーと、あれだ。入院患者さんが着ているようなあれ。あんな感じの服を着ている。
「……」
そして気づく。私はどうやらベッドに寝かされていたということに。
入院患者さんが着るような病院服? 病衣? を着てベッドに寝かされていた。…………私、入院してる? なぜに?
がんばってなにがあったか思い出そうとしていたところに、声がかかった。
「やっと目を覚ましましたか」
ベッドのそばの椅子に腰かけて私を見つめる金髪紫眼の少年。メレクだ。
「あ、あれ、メレク?」
「はい。どうしましたか」
「えーと……私、入院してる?」
「安静にとは言われましたね。こんな場所に入院なんて絶対に御免ですが」>>78
いいねしてええのんか~?>>80
「こんな場所って……」
こんな場所…………見回してみれば味気ない無地の壁に囲まれた景色が映る。まるで病室……というより病室そのもの。ベッドは私が寝ているもの以外見当たらないから贅沢な個室だ。
病室……病棟……そうだ、ここはガブリエール家の本拠、死霊病棟だ。
そう、ここは死霊病棟で……………で…………。
「あーーーーーっ!!」
「……なんですか。急に叫ばないでください」
思い出した。思い出してしまった。
血を吸った結果というかなんというか。とにかく、あの手術室で"灼血"を暴発させてしまったんだった。
「わ、私っ、爆発させちゃってっ!」
「思い出せたようでなによりです。では、まず落ち着きましょう」
「う、うん、落ちつく」
すー、はー、すー、はー、と深呼吸。よし、落ちついた。落ちついたに決まってる。
「で! どうなったの!?」
「落ち着けと言ったでしょうに。……ひとまずあの場にいた全員は無事ですよ。僕はもちろん、アリウム・ガブリエールもね」
「……はぁ~~~……」
安心からか気の抜けた声がなが~く漏れる。本当に安心した。半分事故のような形だとしても、メレクやアリウムを灼いてしまうようなことにならなくてよかった。
まぁ、アリウムは使い魔だったから命がどうこうなることなんてないんだろうけど。
「そういえば、あの時メレク結界張ってくれてたっけ。ありがとうね」>>82
「お礼を言われることでもないですよ。なにせ被害がゼロなわけでもありませんから」
「えっ。わ、私なんか壊した?」
「元第一手術室でしたか。あの部屋は全焼しました。炎そのものは二枚の扉に阻まれましたのでご安心を」
「おぅ……」
「当然ながら部屋の修繕費も請求されています。僕が立て替えておきましたのでルナの借金に上乗せしておきますね?」
「おぉぅ……」
「あとはルナの着ていた服ですね。ほとんどが焼け焦げていました」
「…………うそぉ…………」
ああだからこんな病院っぽい服を着ているんだ……ていうか私の服燃えちゃったのかぁ……えぇー…………。
どうしよう、思ったよりショックが大きい。
とはいえ自業自得なので文句があるわけもない。でも借金が増えてしまうのはやっぱりつらいし服が燃えちゃったのは悲しいので私は心のままに呻いた。
「ぅぅぅあぁ~……」
呻いているうちにだんだんと血の味を思い出していく。
熱くって、甘くって、なんどだって欲しくなるあの血液……メレクから吸った血はただただおいしくて、気持ちよかった。
…………。
……。
うあー! なんか顔が熱い! なんでだ!
「傷心中のようですが」
「ぁぁあ~……え? なに?」>>83
「紹介しておきたい人物がいます」
「へ? 紹介?」
「体調が万全でないなら下がってもらいますが……」
「今からでも私はいいけど」
「わかりました」
紹介する必要がある人がいまさらいるのかな。ここの当主であるアリウムとは一応話がついたはずなんだけど。
私がそんなことを考える間にメレクが扉の向こう側に呼び掛けた。その人物はずっと部屋の外にいたらしい。
ほんの少し間をあけて扉が開く。その人物は入ってくるなり大声で自己紹介をした。
「はじめましてルナさん! お二人の案内係を任されました、セダム・ガブリエールと申します!」
若草色の癖っ毛が目立つ男の子だった。あちこち擦り切れた白衣に包まれた体は、それなりに大きい。
血色の悪い肌とは対照的に亜麻色の目がキラキラと輝いて私を見つめている。
初対面、だよね? なんでこの人はこんなに熱心に私を見つめているんだろう。それとも世のお世話係なる人たちはお世話対象を見つめないといけないのかな。
「うん、はじめまして……よ、よろしく?」
「はい! よろしくお願いします!」
声おっきい。ものすごく張り切っている。熱意と喜びがぎゅんぎゅん溢れているのを感じてしまう。
「メレク、この人が紹介しておきたい……人? お世話係って?」>>84
「さぁ。実態はお世話係兼監視役というところでしょうが」
「あ、なるほど。……あれ? でも……」
「どうしました?」
「うん、ちょっと……ねぇセダム……くん? さん? は、私たちふたりのお世話係なんだよね?」
「はい。その通りです」
「それって私たちだけ? クチサキは入ってないの?」
私とメレクと一緒に入ってきたあの黒髪の男クチサキ。あのいかにも怪しげな人を放っておくのはアリウムが良しとするんだろうか。
お世話というか監視ってことなら私たち以上に必要な人間な気もする。
「クチサキ様のお世話は必要ないと言われております」
「……わぁ」
「付け加えるなら、監視はお二人以上に厳しくされているとのことです」
お世話はされないし監視は厳しいしでかわいそうなことになっていた。
でも、まぁ、クチサキとアリウムをやりとりを見るに前からなにかやらかしているみたいだし、当然の対応なんだろうなぁ。
というかサラッと私たちも監視しているよって自分から言ったね、このお世話係。
「ボクとしては、クチサキ様よりもルナさんを見ていたいので望むところなのです! なんの不満もありません!」
「うん……うん?」
私を見ていたい? な、なんで……? 外から来た人が珍しいとか? いやでもメレクやクチサキは……あれぇ?
「これは、言うべきか迷っていたのですが……」>>85
「な、なに」
「実はさっきの、ルナさんの森での戦闘を見て!」
「あの腕いっぱい足いっぱい顔いっぱいのゾンビとの?」
「ルナさんの魔術も見させていただきました! ボクは……ボクは心が躍りました!」
「そ、そう?」
「はい!」
キラキラの笑顔を向けて語るセダムを前に、口元がにやけてしまいそうなのが自分でもわかった。
やばい。うれしい。私の魔術を見てこんな風に言ってくれるのが、こんなにもうれしい。
「ちなみに……どういうところがよかった?」
「そうですね……印象的なのはルナさんの魔術に灼かれたゾンビの痕でした」
「ほうほう?」
「現象としてはただ灼いただけ……それにしては効果がありすぎる。炎を浴びた箇所以上の肉体が灰となっていた。まるで吸血鬼が太陽の光を浴びて灰になる、とでも言うか……」
「おぉ……」
「なのであの炎はただの炎ではないと考えました。ルナさんの扱う魔術は、死霊魔術などのような枠組みにあるものに特に効果的なのではないですか?」
「すごい! 正解!」
「やったっ!」
白衣のお世話係は両手で小さなガッツポーズをつくる。
その姿が本当にうれしそうで、なんとなくいいなと思ってしまった。
この人は───この人も、魔術が好きなんだろうなぁ。>>86
「いや、うれしいな……ボクがちゃんとルナさんの魔術を理解できててうれしい」
「私もっ、私も一回見ただけでこんなに理解してもらえたのはうれし……あ、いや、魔術師なら見破られたのはダメ、かも?」
「そんなことはっ。ルナさんが本気で編んだ魔術式ならボクにはきっと見抜けない」
「それこそ、そんなことは、」
「──────こほん」
咳払いが、ひとつ。
メレクがこの場をまとめるようとする。
「ずいぶんと盛り上がる自己紹介ですね? とにかく、それは置いておいて明日のことを───」
「置いておけないよメレク!」
「そうですよメレク様!」
「……は?」
「死霊病棟の人と魔術談義なんて滅多にできないんだよ!? 絶対置いておけない!」
「ボクもっ、外部の人とこうして語り合うことはそうそうありません! 貴重な機会なんです!」
「メレクも一緒に考えよ? ほら宝石魔術と死霊魔術を合わせてなにができるか、とかさ!」
「メレク様は宝石魔術を扱うのですか! 是非とも見てみたい……! あ、いえ家伝の魔術を明かせとは言えませんが」>>87
「じゃあ普段私の前で使ってる魔術を見せてもらうのはどう? アリ? メレク?」
鼻息荒く、ぐいぐいぐいと興奮しながら話を進めていく私とセダム。その光景を見てか、メレクがこれでもかと言うほど大きな溜息をついた。
「……同種の魔術好きが出くわせば"こう"なるんですか。厄介な……」
右手で額をおさえて、渋面を作りながらこの一言。ちょっとだけ心外。そして構うもんか、盛大に巻き込んでやる。
喜びと興奮とちょっぴりのイタズラ心を胸に、私はメレクを強引にセダムとの魔術談義に巻き込んだ。
魔術談義から次第に死体に効果的な魔術式を作っていく夜を過ごし、私たち三人はろくすっぽ眠らず死霊病棟の朝を迎えることになった。リハビリがてらお一つ話を書いたので、投稿宜しいでしょうか?
チェストでしてよ。
では投下します。
夏空市 歓楽街
夜の街。ネオン煌めく摩天楼、その内のビルの屋上にて、闇夜のような漆黒の髪を持ち、黒い戦闘衣を纏った少年が、撒き散らされた金粉を思わせる街並みを見下ろしていた。
騒がしい雑音と、ガヤガヤと止むことのない人々の波。この夏空市と呼ばれる都においては日常的な光景だ。
夜の帳が降りても尚、消えぬ灯というのは地方都市たる夏空市では美点と言えよう。
しかし、こと今回においては煩わしい欠点と言う他なかった。
少年は────リューンベル・カースは、憂鬱げに溜め息をつく。
「……何かの間違いで街全体に停電でも起きないかねぇ」
都市の損害とか、その他諸々を無視した発言をするリューンベルは聖杯に選ばれた現地のマスターであり、同時に聖堂教会から監視を命じられたエージェントでもあった。
亜種聖杯戦争────各地で発生している闘争であり儀式。
ここ夏空市で発生してしまった亜種聖杯戦争は、四騎のサーヴァントを召喚してでの小規模なものであった。
故に、リューンベルは上層部から「マスターに選ばれたなら他マスターと聖杯の監視宜しく」というパワハラ一歩手前の命令を下され、監督役のシスターから「まあ、程々に頑張って」などの心無い声援を贈られて戦場に降り立つハメになったのだ。
おそらくは給料の出ないサービス残業。死と常に隣り合わせての任務に、少年は辟易していた。>>94
「まだブーたれていたのか」
そんな彼の姿勢に苦言を溢す声がビルの屋上に流れる。
虚空から現れたのは黄金。
きめ細い金糸を編んだような金の髪。夜天の中でも燦々と煌めく黄金の鎧に身を包んだ美麗の花。
女性にしてはやや長身の彼女こそ、この亜種聖杯戦争における剣の英霊────セイバーこと『ディートリッヒ・フォン・ベルン』その人である。
ディートリッヒ・フォン・ベルン。
欧州、特にドイツでは『シズレクにサガ』における最大の英雄として知られており、召喚されれば優勝候補と断言してもいい英霊と言える。
その逸話は神話の英雄と比較しても遜色ない程だ。知名度補正の恩恵がほぼ皆無である日本でも十分通用する程度には。
しかし、だからと言って油断していい理由にはならない。過去に開催された聖杯戦争では、ハサンを駆使してマスターを暗殺しまくった『ハサン無双』、そのハサンへの対策として考案された『ハサン狩り』が行われた事例や、ヘラクレスの触媒の争奪で聖杯戦争自体がおじゃんになった事例もあるのだ。
聖杯戦争にイレギュラーは付き物。その認識で挑まなければ足元を掬われる。
という訳なので、リューンベルは大英雄を召喚しようとも楽観できなかった。既に自身のサーヴァントが実は女性だった事に驚かされたし。
「愚痴の一つや二つ、零したくもなるさ。これを見て分かるだろう?」
リューンベルが見下ろす先には、未だ消える様子のない歓楽街のネオン。
聖杯戦争とは基本、人々の生活が寝静まった夜に行われる……が、夏空市は一向に就寝する気配が見えず、まだまだお祭り騒ぎだ。
教会から監視を命じられた彼としては、この環境下での任務は苦行と同義である考えている。
ただでさえ、スマホの普及率が上昇している現代で神秘の秘匿が難しくなっているのに、夜にパーリーピーポー状態の一般人が大勢たむろしてるときた。どうしろというのだ、と心底嘆きたかった。>>95
「ふーむ、大丈夫じゃないか? 確かに夜活が鎮まる気配はないが、別に戦場はここだけじゃないだろう? 路地や、ここと比べて人気のない公園付近に、夜の学校。挙げればキリがない程度にはあるんだから」
「……それが単純な話でもないんだ。こと戦う場に関しては、まあ納得するとして、俺の頭を悩ませる種はマスターたちの方にもある」
そう言ってリューンベルは携帯端末を取り出し、マスターの情報が記載されているリストをセイバーに見せる。
「第一に、この夏空市に拠点を置いているヴェルセリオファミリー。元々はイタリアのマフィアなんだが、娘が日本生まれ日本育ちという事でこちらに根を張ったらしい。ファミリー内にはお抱えの魔術師が数名に加え、管理者(セカンドオーナー)の書類上の後継人ときた。なので実質、夏空市の裏社会も魔術世界も取り仕切ってる連中って事になる」
「つまり組織丸々一つが敵という事か。して、マスターが誰か判明しているのか?」
「いや、今のところは不明だ」
「肝心な部分が分かってないじゃないか」
もっともなツッコミに項垂れるしかないし、反論する余地もないので苦し紛れに「ぐう」のを音を出すしかなかった。
まあないものは仕方ないので、即座に切り替えて次の項目へと画面をスクロールさせる。
「これは?」
「呪詛師。余程、潜伏が巧いのかこちらに尻尾を掴ませない面倒な相手な上に、夏空市に厄介な呪いを蒔いてくれた下手人だ。セイバーも最近テレビでよく目にするだろう? 件の連続自殺事件を」
「……そういう手合いか。中々の曲者だな」>>96
眉間を顰めるセイバー。
彼女の中では、生前にの権謀術数に長けた“とある魔術師”が浮かび上がり、そういった部類の競合者だと知って不快に感じていた。
この手合いは、目的の達成さえできれば手段を問わず、いかに無関係な相手とは言えども容赦なく消費する。しかも証拠隠滅も完璧なのだから始末に負えない。
早々に発見し、速やかに脱落させた方が世のため人のためになる。
「次にもう一人なんだが……実は一切の情報が入ってない」
「またマスターのポンコツ情報網が原因か?」
「違う……と、思いたい。違うよな? うん……」
「声ちっさくなってるぞ」
またもや項垂れる。
彼の心の防御力は炭化チタン程度しかないのだ。意外にあるとか言ってはいけない。
「そもそもだ、監督役の文淵から最後のマスターが決まったとかの連絡が来てないんだ。情報も何もないのは当たり前だ。ついでに言うが、俺は諜報とか苦手だ」
最後の一文は兎も角、最後の枠がまだ埋まってないとなれば情報がないのも頷ける。
ネット社会と化した現代において、情報収集が容易になったのはセイバーも約一週間の生活で理解しているので、それでも情報無しだとすれば未だ最後のマスターの兆候はなしだという事なのだろう。>>97
セイバーは想ふ。己の知る世界と比べて随分と便利になったものだと。
環境、衣食住、社会的地位などのその他諸々は、かつての世界より快適に、そして緩くなっている。
貧富の差の問題に未だつきまとわれている所もあるが、自身の知るもの比べれば改善されていると言えよう。
例えるなら甘菓子。これは裕福層しか味わう事できなかった嗜好品だが、今では誰でも手に入れられる代物。
またこれは余談だが、菓子類が余りにも種類にも富んでいたので、リューンベルの金で買い漁っていたりしている。尚の財布の持ち主の嘆きは考慮していない。
「……まあ、気長に待とうか。件の呪詛師は確かに見過ごせないし、速やかに見つけるべきなんだろうが、尻尾が掴めない内は静観に徹した方がいいんだろう。やる時は、確実に、着実に、絶対的な状況下の時だ」
ボリボリと、どこからから取り出したポッキーを咀嚼しつつセイバーはそう言った。
珍しいと、リューンベルは思った。いつもなら猪突猛進に、直情的に前進する彼女なのだが、今回は大人しく俯瞰している。
何か心境の変化があったのか、それとも今日だけ心変わりする何かがあったのか。それを知る為にリューンベルは「どうした。あの日か?」と無遠慮に聞いたのであった。
結果は────夜のネオン街にて、乾いた叩く音が虚しく響き渡るに終わった。>>99
呪詛師はクッチーかポルカ。
巻き込まれ枠は……、ジジェ(デミ?ドラゴン)か迅龍(キョンシー)かなぁ。
キャラページ貼っとこ。
ジジェ
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/m/wiki/%E3%82%B8%E3%82%B8%E3%82%A7
迅龍
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/m/wiki/%E8%BF%85%E9%BE%8D%28%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%B3%E3%83%AD%E3%83%B3%29>>99
巻き込まれ枠でしたら、エイベルか桃夢ですかね。
それぞれ、『商談』『依頼』が終わって帰ろうとした矢先に巻き込まれたって形で。>>72
魔術を使う上でスイッチの切り替えってのは結構重要なので刀を抜くっていう分かりやすいポイントがあるのは良いですね。一刀ッッ!!両断ッッ!!の力強さもすこです。
裏ページの方にも書きましたがロイドと仲がいい設定はこちらとしても大歓迎です。一緒にマレオ係になろうよ(ボソッ)
>>89
借金追加はいりましたー!自由の身になるのは遠いね、ルナちゃん。そして新たな魔術オタクが。
>>99
ブラックというには温い気もするけどやっぱりひでぇ環境で世知辛れぇ教会陣営。リューンベル君には頑張って貰いたい。そして見返してみたらうちのサーヴァントで寒い地方出身が居なかったことに愕然としてます。
玉兎「月面の気温は────」>>99
小規模であってもさすが聖杯戦争……面倒事の予感がビシビシしてるぅ…
北国出身サーヴァントとなればこれはもうスネグラーチカを挙げるしかない。ドンピシャですよ今って人いますかー?久っしぶりにss書いたので貼ってもよろしおす?
よくてよ付いたので貼りますね。
にこやかに談笑する一組の男女。しかしよく見れば女性の方は自身のキャリアや家柄の話ばかりする男性に若干辟易している様子である。
「────それでは私はこれで」
「ええ。ご機嫌よう」
「…………ジーン」
部屋を出た男の足音が遠ざかっていったのを確認して部屋の隅に控えていた執事の格好をした男を呼ぶ。
「はいはい」
「あなたから見てどう思う?」
「ハッ、どうもこうもお前の思った通りさ。お前に取り入って降霊科の君主[ロード]と繋がりを持ちたいって腹が見え見えだ」
執事に扮していた男、ユージーン・バックヤードは幼馴染でもあり今回の雇い主であるコーデリア・リーン・ルインズの問いに件の男への嘲りたっぷりに返す。
「全く、何故ああいった人達はお爺様やお父様ではなく私の所に寄ってくるのかしら」
「何故ってそりゃお前…自他共に認める惚れっぽいお嬢様なんざ簡単にコマせるとでも思われてるんだろうさ。………あとお前の親父さん怖ぇし」
「あれで口説いてるつもりだったの?呆れた」>>111
「まあそう言ってやるなよディリィ、普通の奴は知らねぇんだよ。お前のそれは別に恋愛感情が絡んだもんじゃなくて────
『この人になら“ルインズの秘術”を使ってあげてもいいかな』って思っただけだなんてさ」
「っ!ちょっとユージーン!!」
ユージーンが放った言葉にコーデリアが声を荒らげた。いくら人払いされた私室とはいえ何処で誰に聞かれるか分からない場所で一族の秘奥に纏わる事を口にするなど喧嘩を売っているととられてもおかしくない、明らかなライン越えの発言である。
「だぁーい丈夫だって。ちゃんとうちから持ってきた探知系の先祖の魔眼で周囲に聞かれてまずい奴が居ないことは確認済みだからよ。なあ?スタンリーのおっさん」
ユージーンが部屋の入口へと目をやるとウェーブがかかった黒髪のどこかヘビのような印象を受ける男性が立っていた。
「お父様!」
「彼の言う通りですよコーデリア。この部屋の様子を盗み見る者はいません。…もういない、という方が正しいですがね」
そう言ってくつくつと笑う男。スタンリー・ルインズを指してユージーンは「な?お前の親父さんおっかないだろ?」と苦笑いするのだった。>>112
「久しぶりですねユージーン君。相変わらず火遊びがお好きなようで」
「はは…遊びで済むよう気を付けるよ…」
「そうしてください。私としても恩人の息子を手にかけるのは気が引けるので」
他愛ない雑談と言うには少し物騒な言葉を交わした後にスタンリーは部屋を後にした。
「ふぃー、死ぬかと思った」
「なんなら今死んどく?」
「かんにんしてー」
「はぁ…これさえ無ければ永久に就職して貰いたいくらいなんだけど…」
「どっちとも取れる言い方やめてくれよ。…ホントやめてくれよ?」
コーデリアの言葉とそれに伴う思考を読んだユージーンが戦慄していると不意に佇まいを直しコーデリアの後ろへと移動する。
「ディリィ、来客だ」
「予定は無かったはずよ。アポイントメントも無しに?」
「ハッ、いるとこにはいるんだよ。アポ無しでもダメ元で凸ってみる面白い奴がよ」>>113
少しすると部屋のドアがノックされる。
「ごめんくださーい」
まるで屋敷の戸を叩いたような間延びした声に思わずコーデリアは顔をほころばせる。
「どうぞ。鍵もかかってないわよ」
ユージーンが言うようにダメ元だったのか入れると分かって小さく「やった」という声が聞こえた後ドアが開く。入ってきたのは星のような銀色の髪をおろした少女だった。
「はじめまして!考古学科所属、ルナ・アードゥルです!」
「あっははは、面接じゃないんだから」
ビシッと気をつけの姿勢になって挨拶する姿がおかしくなりコーデリアは堪えきれず笑いだす。
「はー、ジーンが言ったように面白いわねあなた」
「ジーン?」
「私の後ろに居る執事よ。ジーン、楽にしていいわよ」>>115
「何故そう思ったのか、聞かせてもらえる?」
「えっと…昨日コーデリアさんがガンドで撃ち倒した人がいるでしょ?」
「……いたわね」
半ばコーデリアの日常となっている自身に喧嘩を売ってきた相手を得意のガンドで昏倒させた件を思い出す。
「実はあの人、周りにに呪詛対策は万全だーって言いふらしてて。それでも倒れたから気になって搬送される所を尾行してその人の体を調べてみたんです」
その言葉にユージーンが「おいおい行動力の化身かよ」と野次を飛ばすがコーデリアがユージーンに向けて指をさした途端噂のガンドを撃たれまいと口を噤む。
「そうしたら体は健康体そのもので、しかもあれだけ自慢してた呪詛対策の術式が発動した形跡も無い。だからもしかしたらこれは呪詛じゃないんじゃないかって思って」
それを聞いたコーデリアは長いため息をついた。>>116
「いい?ルナ・アードゥル。好奇心は猫を殺.すという諺があるようにそうやって興味のままに行動してるといつか身を滅ぼすわよ」
「あ、はい……」
コーデリアの真剣な表情にしゅんとするルナ。しかしそれでも知りたいものは知りたい。そしてこの反応からしてもコーデリアのガンドがただのガンドでないことは明らかだと考えていると再びコーデリアが口を開く。
「お察しの通り私のガンドは従来の指さした相手を病に陥れる呪いとは違うわ。
降霊術の応用で霊魂を射出し、相手の肉体に宿る魂を追い出して生霊にして生殺与奪の権を握る裏技よ」
「え…?」
「ここで隠して、また裏で探られたりしたら面倒だからよ。だから話して口止めしておくことにしたの。
分かってるとは思うけどこの事を他の誰かに話したら承知しないから。それこそルインズを敵に回すことになるわよ?」
「?……はい……」
軽い脅し文句を告げるコーデリアといまいちピンとこないルナ。そしてユージーンがそっと耳打ちする。
「ディリィ、こいつお前ん家の裏家業のこと分かってないぞ」
「────っ、早く言いなさいよ!恥かいたじゃないっ!」
「ぁ痛ぁぁぁ!!」
強化魔術を上乗せした鋭い蹴りがユージーンの尻目掛けて炸裂した。>>117
終わりです。ルインズの秘術についてはまたいつか…。
ユージーン・バックヤード
コーデリアの所で執事兼秘書兼ボディーガード(危機察知)として短期バイト中。コーデリアに蹴られた後しばらく椅子に座れなかったとかなんとか。
コーデリア・リーン・ルインズ
この話の中では割と気苦労の多い苦労人ポジション。このストレスは次に喧嘩を売ってきた相手にぶつけられる。
スタンリー・ルインズ
怖い人ですが呼び方ひとつで目くじら立てたりしないのとなんだかんだで娘の幼馴染には甘い。貴様も人の子だスタンリー(センゴク並感)
ルナ・アードゥル
魔術への興味が行き過ぎて被害者に意識が無いのをいい事に体や魔術式を見たり相手に凸ってド直球な質問をしちゃう行動力の化身。憧れは止められねぇんだ。
コーデリアからの評価は面白い子→危なっかしい子。そのうち痛い目を見るんじゃないかとちょっと心配してる。
ユージーンからの評価は一貫しておもしれー女。でも既に飼い主(言い方)がいるっぽいからこっちからちょっかいはかけない。こういう繋がりが見えるの好き。
……生霊が抜けてるクッチーがコーデリアさんのガンド(のようなもの)で撃たれたらどうなるんだろ。>>119
生霊っていうのは言葉のあやで要するに肉体から魂をスポーンと追い出してしまうって技なので普通に効くと思われます。この術に対して必要なのは呪い対策ではなく霊による肉体の乗っ取りなので。
>>120
美食卿が気になります。ワンチャン幹部格が増えそうですし。
>>121
すごい魔術がありそうってなったらいても立ってもいられずガンガン行っちゃう、みたいな。
ユージーンからすれば見ていて面白い存在なのでそんな子がフリーだったら焚き付けてあっちこっちに凸らせてその様子を笑って見たりしますね。そしてそのうち絆されて死なないよう自分が傍について行ってマインスイーパーするようになる。
>>ルインズの秘術とはいったい…?
うふふふ…。>>137
了解です、なんやかんやの部分含めた詳細は近日中に詰めてお見せしようかと思っておりますさらりと貼る
うちのカナリアことキャナリ・ド・ヴォワザンの過去(前編)
どうしてあんな方向性のおかしい忠義の化身になったのか、というお話生まれはきっと幸福だった。そうだ、幸福に決まっている。幸福でなければ、オレが生まれた意味がない。
………いや、そうだろうか。そもそもオレは、生まれからして幸福だったのだろうか。オレは幸福だったけど、周りはそれを望んでいなかったのかもしれない。祝福されない生誕であったのかもしれない。
そう思ったのは、オレが魔術を知った時からだった。
「私の愛しい金糸雀よ。お前には、魔術の才能があるようだ」
我が家の地下工房にひとり佇み、いつも大釜で煮込み続けて、何かの液体を作っている。そんなことをかれこれ数百年続けているらしい老人は、オレに向かってそう言った。「……魔術が使えるようになって、オレに何か得あるの?」
「常人を超えたさまざまな力が扱えるようになる。誰もが羨む超人が如き力が。人目に晒してはならぬものだがな」
「じゃあ、使えるようになる意味ないじゃん。誰にも見せられないなら、どんなに凄くたって意味ないよ」
「それもそうだろう。そも、魔術が西暦以降も残った理由は後に学問として伝えるためであるからな。力の誇示ではない」
そうなのか、とオレはひとり納得した後、老人の横に座って大釜の中身を眺め続ける。不思議に発光する液体を眺めているのは、子供心ながらに楽しいものがあったからだ。時折、手元にある魔導書を読みながら、そこに記されている黒魔術の呪法に恐れ慄きもした。
己が魔術を覚え継承していくことことに興味はなかったが、魔術という知識を得ることについては好奇心を持ったのだ。童心であるからこその摩訶不思議なものに持つ興味、しかしながら、当事者になりたいと思うほど魔術師は良いものではないというのも、魔導書からわかっていた。
そんなある日、唐突にオレは地下の工房に呼び寄せられた。オレだけではなく、オレの兄と姉もいた。共通点と言えば、血縁関係でみんな一定以上の魔術回路を持っているということぐらい。誰が魔術を扱っているなんてこともなくて。というか、オレの一族の魔術師は数百年前からあの奇妙な老人から代替わりしていないわけで。
「私はもうじき魂が尽きる。魂を腐らせる前に、この命を、この魂を扱って、生涯最高の作品を作り上げるつもりだ。しかし、その前に、私は我が一族の魔術を引き継ぐ後継を作らねばならない。灰の魔女から受け継いだこの神秘を絶やさないために」なんだ、死にそうで死ななかった怪物も、死ぬことってあるんだな。しかも老衰で。
オレが思ったのはその程度。魔術師なんてものに執着はなかったから、なんならそんな寿命のことすら知らなかったから、オレは別に何も気にしなかった。
だけど、兄と姉は別だったみたいだ。元々老人の先が長くないのを悟っていたからか、表面上は驚愕の顔を浮かべているが、内心では悲嘆と喜びに溢れていた。
それはつまり、この3人のうち誰かひとりが魔術を継承することになるからだ。常人ならざる超人的な神秘を識ることになる。今まで常人であった彼らには、それがひどく魅力的だったのだろう。
「私はお前たちの魔術師としての才能を問わない。お前たちの知識量を問わない。お前たちの魔術への意欲を問わない。私がお前たちに求めるのはただひとつ。何をもって我が一族の魔術を継ぐのか。魔術を継いだあかつきに、何を目指すのか。それで後継を決めるとしよう」
それはつまり、心構えというか、そのようなものなのだろう。そんなことで後継を決めるというのだから、オレの一族の魔術とやらもなんとも言いがたく腐敗しているような気持ちになった。いま思えば、確かにそれが何よりも重要ではあるのだが。「私は魔術師としての当主の座を受け継いだのならば、今まで積み上げた技術と功績を用いてさらなる発展を我が一族にもたらしましょう。名誉、財産、地位、その全てのために尽くしましょう」
兄はそう言った。なるほど、確かに理に適っている。衰退していく神秘の世界において、まともに魔術を極めるのではなく、元から築き上げた魔術師としての諸々を使って一族自体の力をつける。実に立派な心構えだ。当主の一つの形としては申し分ない。
「私は、更なる魔術の探究に力を尽くしましょう。魔術師とは魔道の徒。骨の髄まで私たちは神秘に魅せられている。だからこそ、私は真摯に魔術へと向き合い、さらなる発展を約束することを誓います」
姉はそう言った。なるほど、確かに理に適っている。兄の言葉はこれから先の未来の一族の安否を憂うもの。しかしこちらは、魔術師としての誇りを憂うもの。数百年の時をかけてただひとつの目的のために命を使う魔術師にとっては、百点満点の解答だろう。
「オレ……オレは……」
兄のような野心もなく、姉のような探究心もない。ただの子供として生きていた自分に、彼らのような自分で考えた末の答えが出せるわけもなく。だからこそ、借り物の言葉、文章を使うしかなくて。
「魔術師とは元来、消えゆく神秘を、魔術を、学問として後の世に遺そうとする存在でした。だからオレは、オレが魔術師になったら、後の世代に伝えられるように変わらない日々を過ごすと思います。発展ではなく、維持をします」
まったくもって無様がすぎる。自分の意思はどこにもない。聞いたことをそのまま思いついたから言っただけ。他のふたりと比べて覚悟も何も足りない未熟者ですらない大馬鹿者。けれど、それも仕方ないんじゃないだろうか。だって自分は、意欲がないんだから。なのに、どうして。老人はオレを、そんなに微笑んで見つめるのだろう。
「………魔術師としての後継を継がせるのは、私が魔道の秘奥を伝えるのは、我が愛しき金糸雀とする。これは決定事項である」
“生まれてこなければよかった”
ふと、何かの啓示のように。そのときそんな言葉が頭に浮かんだ。そして、本当にその通りだったなと、今のオレは思っている。
夢も希望もないオレが魔術を継承して何が起きるか。それはもちろん兄姉のオレに対する冷遇に他ならない。ふたりとも、表の社会的地位は立派で、対してオレは年端も行かないただの学生。さらに言ってしまえば、オレを後継に指定しておきながら、魔術の指導以外であの老人がすることなど何ひとつなかったのだ。
魔術刻印の継承に身体が疼き、身悶えしながらも摂取した栄養食に毒が混ぜ込まれていたこともあった。刻印の機能で死なないオレは、刻印が解毒してくれるのを目眩と激痛に悶えながらも待ったものだ。
資金援助が何ひとつなかったこともあった。魔術を行うのに必要な資金はおろか、オレが生きていくために必要だった生活費すらロクに支給されない状態。ハッキリ言って劣悪がすぎる。バレたらあちらも終わりだろうに、その事実を忘れるほどの怒りを与えてしまったのだろう。
当然だ、魔術に対する意気込みが違いすぎる。自分の大事な仕事の案件がどこの誰とも知らぬ馬の骨に奪われたのと同じこと。
だから、仕方ないと思った。これは甘い考えで臨んだ自分の罰なのだと。わからないならわからないと素直に言えばよかったんだ。そんな後悔が湧き上がるくらいには、心にきた。仕方ないとは思ったが、それにしても幼い自分の心にはひどく堪えたとも思う。>>145
身内に怒りを向けられて存在を否定されるほど、辛いことは無い……(´;ω;`)>>145
魔術を受け継いでいくのって本当にロクなことがないなぁ…
カナリアさん今のところなんにも悪いことしてないのに昨日のssで動かしてて改めてユージーンの動かしやすさを実感。性根が似てるからかな…。
>>145
後継者争い(争ってない)に巻き込まれてしかも選ばれないと思ってたら選ばれて…どうしてこんなことに、と思いつつもこの老人の考え方的に兄と姉は適任ではなかったというのが分かってしまう悲しみ。ハロウィンに便乗して仮装パーティー的なもの考えてるんですが
時計塔のキャラで「この子パーティーに出してもいいよ」ってキャラがいたら教えてほしいです
できればどんな仮装で参加するか、どのくらい積極的に参加するかもあわせて教えてほしいです>>154
<1>
「サー・ベルナルダ/ベルナルダ卿」と呼ばれる、海鍋給食センター所属の人物。
秘書役、給侍役のアルシオネシアたちを引き連れながら『船内』に点在する三つの食堂を行き来し、飲食をより効率良くかつより美味しく人々に提供できるよう務めている。
(レストランマネージャー的存在?)(仮)
地中海出身の魔術使いで、表向きの家系は『ベルナルダが手掛けた経営(主に飲料/食品産業)は百年栄える』と囁かれるほどの企業家一族。
元いた国から功績を称えられ栄誉称号を授与されたことも度々あり、『船内』での呼び名も此処から。
しかしベルナルダ家現当主は、十年ほど前に信頼できる身内や部下たちに地上の経営その他諸々を丸投げし、秘海集積船に移住してきた。
その理由を知る者は数少なく、
「まだ見ぬ食材を求めて」
「実は莫大な借金を抱えていて、船に逃げ込んできたから」
「『船長』を食べたいからでは?」
などと好き勝手言われているが、本人は曖昧に笑うのみ。>>156
<2>
そもそもの家のはじまりは初代にあたる人物が、ネレイド(海のニンフ)の生き残りを見つけた際、「異常な好奇心と食欲からその一人を調理し食べた」ことにより彼女たちから呪いを受けた大事件から。
『愚かな人間よ、報いを受けよ』
『だが、ただ死ぬことは許さぬ』
『その業に生涯苦しみながら、未来永劫生き永らえよ』
その呪いは明確な形(魔術刻印)となり、代々ベルナルダ家の人間を蝕み続けてきた。
どの当主も皆、初代の業(異常な好奇心と食欲)を強制的に受け継ぎ、初代と同化・追体験し、苦しみながら破滅してきた。
(ある当主は自らを食べようとして絶命し、別の当主は文字通り「腹がはち切れるまで」食べて息絶え、またある当主は食べてはならない物質を食べ死んだ)
ただし、劇的な呪詛は同時にベルナルダ家を生かし続けるために運気や財など様々な恩恵を授け、
また、神代の名残を放ち衰えを一切知らぬ刻印に惹かれた魔術師たちが交流を求めた。
あらゆる事柄が絡み、一族の終焉を拒み続けた。>>157
<3>
そんな家柄で生まれ育ち、刻印を引き継ぐしかない若きルチアーノであったが、ある考えに至っていた。
「先祖たちを見くびるわけではないが、常に誰もが呪いに抗い、怯え、苦しみながら亡くなっていった。」
「……私は嫌だ。呪いに支配された人生など、真っ平御免だ。」
「いっそ。呪いの事すらどうでも良くなるほどの環境に身を置いてしまえば……」
……渡りに船とはこの事か。あるいは呪いが呼び寄せた新たな破滅の気配か。
『秘海集積船』と、そこで人材募集をしている話を聞き付けたルチアーノは、諸々を丸投げし船に飛び込んだのだった。
そうして所属が決まった海鍋給食センターにて頭角を現し、今の地位と評価を得ながら愉快に過ごしているベルナルダ卿。>>158
<4>
…………しかしそんな卿でもやはり呪いを押さえ込むことに限界があるらしく、月に一回の頻度で底無しの大食らいと化してしまう。
(マレオあたりからは『捕食者モード』『美食狂』などと呼ばれている)
スマートな体型に加え家柄上マナーは完璧な彼が、この日ばかりは仕事やあらゆるものを投げ棄てただひたすら飲み食いする、喰らい尽くす。
どう食欲が暴走するかは未知数であり、一日にケーキを十ホール食べる時もあれば、食材となる狂暴な生物を求めて狩りに出掛ける時もあり、「カレーは飲み物」と小洒落たドリンクボトルに入れて味わい続けた時もあった。
(初めてこの奇行に付き合ったマレオは、彼の受け答えは可能だが理性のぶっ飛んだテンションと、食欲のためならば手段を厭わぬ様子にドン引きした。)
(あのマレオが。)>>160
<台詞例>
「やぁこんにちは学生諸君、気持ちの良い食べっぷりで何よりだよ。」
「調査隊から送られた水棲魔獣だが、解体自体は初参加だろ、君?……駄目にして良い服に着替えなさい。血肉の臭いが取れなくなるからね。」
「これが日本の駄菓子!なるほど、こういうのも新鮮で悪くないね!」
「レディ、大変失礼だがもう少し食生活を見直した方が良いと提言しよう。……どうだろうか、この後一緒に夕食でも。」
(※このナンパはすぐさまお付きのアルシオネシアに止められました。)
「『食事を軽んじる人間は、その他全ての事柄も軽んじる。』私の持論だよ。」
「私という人間が、どこまで呪われた初代(ベルナルダ)で、どこからは個人(ルチアーノ)なのか……刻印を背負った時から全ては曖昧さ。」
「私からの差し入れだとも。メニューは、フルーツのカナッペにダージリンティー。幹部会議とて、口を湿らす程度のものを出しても良いだろう?」
「『運命なんてくそ喰らえ』、か。──────ハハ!!いいね、気に入ったよ、君。」
「レディ・アイグレールとの交流会ほど、有意義なものは無いとも。もとより、美人と御茶を楽しんで浮かれない男はいないさ!」
「ご機嫌よう、ポチ先生。今日は良い鹿肉が手に入ったのだが、コンフィはどうだろうか?」
「おい、マレオ。昨日また勝手に倉庫に入って、……ん?『蕎麦や饂飩があるのだから天麩羅パスタが無いのはおかしい、食べたい?』……なるほど、その組み合わせか……なるほど。」
「──────ああ、今日は少し、腹が空いた。」>>124
あー成程…
やっぱコーデリアさん好きかもしれん…いずれ使いたい…
>>125
でもポジション的には主人公の仲間ポジなんすよね…やっぱもうちょい雰囲気変えるべきかな…
>>145
選ばれなかった兄達が選ばれたカナリアにした仕打ちが辛いですね…そしてこんな風な物が魔術社会で普通に行われてそうなのが…
ここからどんな風になって今に至るのか、後編が楽しみです
>>162
おぉ…これはまさしく海鍋の幹部って風格ありますね…!!何気に今まで食堂のメンバーは黒須さんの1人だけでしたし、より飯絡みのSSを書きやすくなりそうですね。
絡みとしては商店やっててめっちゃ美味い炭酸ジュース作れる巽のおっさんとかと絡んだら面白そうだしそこそこ仲良さそうだなって。あと凌牙君はたまにプロテインバーだけで飯済ませる事あるけどルチアーノさんが見たらどんな反応すんだろう…>>173
うわぁ…。
ジャンクフードばかりって訳じゃないんです…ただ船に来たばかりの頃少しでも船の人達のために(=自分の有用性を示すために)夜遅くまでサンドイッチ片手に設計図を引いてただけなんです…。
え、今?適度に寝てますよ…?(目逸らし)ファファファ、falling moonの最新話が出来たのですファファファ。
貼っても良いですか。>>186
チェストせんでええのんか~?イクゾー!
「君に会えるだなんて思っていなかった。これはきっと運命に違いない」
「私もよ!誰であっても私達を引き裂くことなんて出来ない!」
遂に再会を遂げたローランドとジェニファー。醜い嫁姑合戦と跡取り問題、それとこうなんかすれ違いによる痴話喧嘩と未来からの刺客とそれはもう凄まじかった艱難辛苦を乗り越えた二人にはもう敵はいない。
「忘れもしない!君に食らったドロップキックは間違いなく初めて会った時のドロップキックだった!」
「覚えてくれていたのね!正直疑心暗鬼で放ったから、もしも違っていたらどうしようかと……」
「その直情さに僕は惚れたんだッ!」
二人は抱きしめ合い、互いに愛する人の体温と心臓の鼓動を確かめ、そして……
「会長、何を読んでるんですか?」
「むお!?」
>>189
恐るべきコタツモンスターによって世界が混沌に陥る中で一組の男女が恋に落ちる感動恋愛小説を読み耽っていた柳花は、突然生徒会役員から声をかけられて心臓が爆発するかと思うほど驚いた。
生徒会室でちょうど一人だったのでいよいよクライマックスと熱中して読んでいたおかげで入室者に気付かないとは、鈍いものだと柳花はこめかみを抑える。
「あー、これはだな、小説だ。そう小説」
「ジャンルはなんですか?」
「ジャンル?ああ、ジャンル……」
そこで柳花は口をつぐんだ。恋愛ものを読んでいた、そう返した場合果たしてどんな反応が返ってくるだろうか。
普段の柳花ならば難なく話していた事だが、恋に興味を持った今の彼女にはほんの少しだけ気恥ずかしさがあった。
「あ!もしかしてあれですか、哲学書とかですか!難しい顔して読んでいましたもんね」
「ああ、うん、確かに哲学書だな。非常に難しい、問題についての」
「やっぱり会長は違うなぁ。私ってば今思いつく事があるとしたら色恋の話ばかりで」
色恋。ピクリと眉を吊り上げ、柳花は女子生徒の話に耳を傾ける。>>190
「色恋?」
「そうなんです。最近気になっている人がいて、もうカッコいいんです。クール系っていうんですかね?スッと歩く仕草とかたまんない……」
「なるほど、なるほど」
「あっ、いけない私ってば会長にこんな話しちゃって!」
「いや、全然構わん。私だって年頃の女だ。そういう話に興味は持つ」
「えっえっえっ、じゃあ会長にも気になる人っているんですか?」
身を乗り出してくる女子生徒の勢いに驚き柳花は鼻じろんだ。十代の女子は好意を抱く人間について話し合う、とは聞いていたがここまだ関心を寄せるものとは予想していなかったのだ。
気になる人、つまり好きな人間だ。そうは言われても柳花はそういった感情を抱く機会がなかったものだから分かりようがない。首を傾げ、
「うむ、そういうのに疎くてな……気になる、というのはどういう事だ?」
「そりゃもう、視界に入れただけでドキッ!とする感じと言えばいいでしょうか?自然と視線で追いかけちゃったり、相手の目をジッと見つめちゃったりとか!」
「うーむ……」
そうは言ってもピンと来ない。敵対する人間を視線で追う事こそあれど、胸の動悸が起きるなどそうそうない。
「ダメだ、わからん。私は色恋沙汰に向いていないらしい」
「えー!会長すっごくモテてるのにー……」>>191
ゴシップならず、という風に肩を落とす女子生徒をよそに、柳花は携帯がぶるりと震えた事に気付き確認する。メッセージアプリに理仁からの連絡が届いていた。
曰く、部活に前生徒会役員達がやってきて黒鳥蘇芳について調べてほしいという。選挙の辞退から彼女の話を全く聞かなくなったのは柳花も認知している。辞退の知らせを聞いた時彼女を問い詰めたが、返ってきたのは「事情がある」の一点張り。何回か休み時間に教室に顔を出してみたが、ふらりと姿を消していたりとあまり良い結果は得られていない。
今一度追求してみる必要があるだろう。部室で集合する、という連絡をして柳花は席を立った。
「部活の方に行ってくる。残りの仕事は済ませておいたぞ」
「はい!会長、いつかきっと見つかりますよ好きな人!応援してますから!」
「……他の生徒に変な噂を撒くなよ」
>>192
「それで、依頼の内容を詳しく聞いて良いか?」
連絡を送ってからしばらくして柳花は部室へとやってきた。理仁は依頼人である元役員達から聞いた話をまとめたメモを手渡す。
「ふむ……なるほど把握した。で、凪咲も参加するんだな?」
「はーい、一生徒として前生徒会長の謎を追いかけたい一存ですー」
手をひらひらさせる凪咲をよそに柳花はじっと理仁に視線を送ってくる。どういうつもりだ?と。
もちろん理仁も蘇芳がマスターである事を踏まえて、凪咲が戦いに巻き込まれないようにと遠回しに言い聞かせてみたが、本人の強い希望に押し切られてしまったのである。
「ともかく始めるとしよう。まず依頼の経緯から。
・黒鳥蘇芳は二週間前、生徒会選挙において最終決戦と言って良い演説日の直前になり辞退を申し出た。この件は誰にも相談されておらず、役員達に混乱を招いた。
・突然の辞退から蘇芳は以前より口数が減り、学校内でも他人を寄せ付けなくなっている。
・友人達との交流も一方的に断ち切っている。
依頼人であり、友人でもある生徒達は何か彼女にあったのではないかと考え私達に助けを求めてきた、と」
列挙していけば蘇芳に異変が起きている事がハッキリとわかる。その原因が彼女の個人的な事情なのか、それとも聖杯戦争と関係しているのか。それを確かめるのも理仁達の仕事である。>>193
「はいはい噂話担当からちなみにの話。最近元会長をゲームセンターだのクレープ屋だので見たという証言が多数です。前はそういうの全然行かないし、むしろ生徒が帰りに寄ってないかと見回りするレベルだったのにねー」
「お堅い生徒会長が色々嫌になって諸々ぶん投げて弾けちゃった……って可能性ないのかな」
「どちらにしろそれを確かめるのが我が部だ。今や黒鳥蘇芳はひとりの生徒、つまり庇護の対象だ。助けない理由がない」
「それじゃあ早速噂を確かめに街に繰り出すとするか……ええと、柳花。俺と黒江の二人でゲームセンターの方見て回る、で良いか?」
何かあった時に守れるように自分が凪咲と組むぞ、という確認に柳花はうむと頷く。本来ならば実力のある方に預けるのが一番なのだが、いかんせん彼女の性分的に一人で動いてもらった方が好きに動ける分柳花に向いているのだ。
「任せろ。黒鳥蘇芳を見つけたら、とりあえず連絡しろ。下手に近付いて刺激するなよ」
>>194
「部長ってば変なの。元会長は確かに堅物だったけど猛獣じゃないよねー」
「変に話しかけて逃げられでもしたら大変だろうから、その事なんじゃないか」
ゲームセンターはいつものように学生達で賑わっている。格闘ゲームなどの対戦系には男子が、プリクラには女子が、という風に分かれており、決められたわけでもないのに境界線があるようだ。
理仁と凪咲はといえば、クレーンゲームのあたりをふらつきながら蘇芳がいないか確認していた。常連らしき客に聞いてみたところこの辺りだと教えられたのである。
「あ、これ。欲しかった奴だ」
筐体に張り付き、凪咲がジッと見つめるのは真っ黒いぬいぐるみだ。全体的な輪郭が色のせいでわかりづらく、蛇にもミミズにもツチノコにも見える。
凪咲はおもむろにカバンから財布を取り出し100円を投入して挑戦を始める。が、なかなか苦戦しており何回か挑戦したのち財布の中身を覗き込みウンウンと唸った。
「オレやろうか?」
「上手い?」
「自信はある」
「なら任せた!一回で取って!」
>>195
苦戦している様子からいくらかけても無理だと判断し、交代する。前回もそうだったがこのゲームセンターのクレーンは握力が少々弱いようだ。だが理仁にかかれば朝飯前である。
たった一回で奇怪な黒塗りぬいぐるみは床に落とされ、取り出し口に転がり出てきた。
「ほお〜、ホントに上手い。ありがとうね!」
「手伝ってもらってるお礼って事で……」
ぬいぐるみを抱きしめ目を輝かせている凪咲を見て、理仁は経子にもこうしてやった事を思い出した。あの時もクレーンゲームで欲しがっていたせんべいのぬいぐるみだかを渡したのだ。
確か経子がチンピラに連れて行かれた時にぬいぐるみは無くしてしまって、また取り直したんだった。
「……間久部君?」
「悪い、考え事してた。どうかしたか?」
「んー、元会長はさ、やっぱり弾けたんじゃないかなってさ」
「弾ける?」
「私が知ってる限り、あの人娯楽とは一切興味なさそうなタイプだもん。もしかしたら、そういうのに目覚めたんじゃない?」
理仁は蘇芳の全てを知っているわけではない。冷たくて、相手に容赦をしない狩人のような印象だ。そんな彼女がゲームセンターで遊ぶかと言われたら、信じられない。
だがもしも全てを放り捨て青春を謳歌しようというのなら、友人達との関係まで捨てるだろうか?>>196
「私真面目な人の方が好きだけどさ、元会長は色々詰めすぎだったというか、ああいうのは一回弾けると凄いと思うんだ。灰色から一気に別の色に変わっちゃう」
ぬいぐるみを強く抱きしめ、凪咲は思い詰めた顔で筐体の中に鎮座している黒塗りの異物達を眺める。
「灰色はつまらなすぎる。どうせなら、黒の方がいい」
彼女の好きな色の喩えだ。曰く理仁は灰色から赤色になったらしいが、その基準はまだわかっていない。
移動するか、と声をかけると凪咲は片手にぬいぐるみを抱えてご機嫌でついてくる。
「黒江、前にオレの事灰色って言ったよな?お前から見てオレはつまらない奴だったか」
「目がしんでたんだもん、そりゃつまんないよ。そしたら急に赤色になったからさ」
「赤色は、どういう意味なんだ?」
「うーん?なんかこう、イキイキしてる?部長はあれもう赤すぎ」
「黒江自身は何色なんだ?」
「何色だと思う?」
「……緑?」
「なんで」
「なんか、緑っぽい」>>197
フラフラと店内を歩き回りながら、他愛もない会話を続ける。蘇芳の姿は見かけず、これではただ遊びにきた様なものだ。
これ以上の成果は期待できない、柳花に連絡をして合流しようかと理仁が携帯を取り出そうとズボンに手を入れたところで、凪咲はおもむろにそれを止めた。
「もう少し遊んでいこーよ」
「真面目な人の方が好きじゃないのか?」
「いつもは真面目で結構。でも、灰色は嫌いって言わなかった?」
ギュッと手を握られる。凪咲の体温が伝わり、理仁は動揺を隠そうと口を開こうとするが、言葉に詰まった。
「黒江、その……」
「固い固い。凪咲って呼んでいいよ。理仁クン」
深い夜の様な瞳に理仁が映り込む。店内の喧騒が何処かへと消え失せ、意識が深く落ちていきそうな感覚に襲われる。
握られた手から何かが体を昇ってくる。それがなんであるか確かめようにも、理仁は指一つ動けなくて……
「なーんて、ね!嘘嘘。サボってたのバレたら部長に叱られちゃうね」
パッと手が離れる。途端に電子音が耳朶を叩き、意識はあっという間に引き戻されていく。
理仁は思わず凪咲から距離を取り、重苦しくため息をついた。うまく言えないものの、今ものすごく不味い雰囲気であったからだ。>>198
「何、どうしたの顔赤くしてー」
「いや、なんでもない……気にしないでくれ」
「ふーん?まぁ良いや。ちょっと私トイレ行ってくるから、部長さんに連絡入れておいてね。あと、呼ぶ時は下の名前で良いよ理仁君」
「了解……」
手を振ってぬいぐるみ片手に凪咲は消えていく。気恥ずかしさに理仁は頭をガリガリと掻いて、近くの長椅子にどっかりと腰を下ろした。
目を逸らせなかった。鼻先がぶつかり合いそうなほどの距離で見つめられて、そのまま溶けてしまうかと思った。前にもこんな事あったな、と自分のあまりにも初心な一連の流れに今すぐに消えてしまいたい衝動に駆られる。
「何やってんだろオレ……」
「そうね、こういう暗がりでああいう事しているの、とても良くないと思います」
「やっぱりそうだよなあ……ん?」
横から投げかけられる鋭い言葉にゲッソリとしていたところで、それが誰であるかを確かめる。薄暗い店内でも彼女はハッキリと存在感を放っていた。
「噂の何でも屋がウロチョロしているから何かと思って様子を伺っていたら、こんなところで不純異性交遊だなんて大胆なのね、間久部理仁」
ニヤリと笑みを浮かべ、黒鳥蘇芳はゾッとするほど低い声色で語りかけてくる。
蛇に睨まれた蛙とはこの事だ。理仁は令呪に力を込めようとしても、その前に自分の首が切り落とされるビジョンが浮かんでしまう。>>199
「そっちから会いにきてくれるのはありがたい。ついてきて、ここでは話しづらい」
有無を言わさず腕を掴まれ、細い指からは想像もできないほどの力を込められる。歯向かえばどうなるかなど予想もつかない以上、従う他にない。理仁は頷き返すだけに留めた。
蘇芳に手を引かれるままゲームセンターを飛び出し、近くの建物へと向かう。屋外に備え付けられた非常階段を登る様に促され、一段一段様子を窺う。
「逃げようと考えているんだったら、それは大きな間違いね。今この瞬間、貴方ごとこの建物を吹き飛ばしても良いんだから」
凄まじい脅し文句である。しかし従わないわけにもいかない。
そうして階段を登り切り、屋上へ着く。もしかしたらこの瞬間に後ろから殺されるんじゃないかと考え身構えるが、そんな理仁の隣をゆっくりと蘇芳は通り過ぎる。
「はい、そうです。彼がマスターの一人です。クラスは……どうだったでしょうか、まだ戦った事がありませんから」
「オレをここに連れてきて、どうするんだ?」
「ごめんなさい、あの時はちょっと疲れていましたから。でも今回は大丈夫です。しっかりやりきります」
背を向けて蘇芳は、話している。けれどそれは後ろにいる理仁ではない。別の誰かとだ。>>200
「なあ、アンタの友達が心配していた。何かあったんじゃないかって」
「今朝紹介した人達がそうです。話をするのに邪魔だったので、わざと突き放した態度を取ったんです。ええ、ええ」
少なくとも理仁の知る黒鳥蘇芳は、こんな声色ではなかった。芯まで凍りつく、冷たいものだった。
けれど今の彼女は違う、熱に浮かされた様に早口だ。
「黒鳥、誰と、話しているんだ?」
「そんな……いません、そんな人。そんな事言わないでください」
「おい、黒鳥?」
「ああ、ごめんなさい。ちょっと……」
ピンと人差し指を立てて、それから振り返る。先程までとは違い、憤怒がそこにはあった。
「口を挟まないで。黙って」
それだけで喉が干上がる。一声かけられただけで背筋が粟立った。
間違いない、黒鳥蘇芳そのものに変化はない。人を殺める事に何の躊躇もない氷の様な眼差しは揺らいでいない。
「はい、そうですね。邪魔ですね、はい。それじゃあ……殺しましょう」>>201
瞬間、理仁の頬を突風が駆け抜けた。無論ただの風ではない。蘇芳のサーヴァントであるランサーの槍が顔のすぐ横を通り過ぎたのだ。
「あれ、速い。良い反応」
理仁の命を救ったのはそばに立ち、矢を構えているアーチャーである。主人に向けて放たれた槍が直撃する前に彼は矢を当てて無理矢理軌道をずらしたのだ。
心臓が早鐘を打つ。それは命を奪われかけた緊張感だけでなく、今目の前にいるアーチャーのせいでもある。
(反応できなかった。なのに、アーチャーがここにいる。オレ、呼ぼうとしていないのに)
理仁の意思と関係なく、アーチャーは実体化したのだ。何故?それは今の問題ではない。
「……あ、ごめんなさい。一撃で仕留めるはず、だったのに。すぐに殺します」
「ッ、アーチャー頼む!」
再び槍が放たれるのと矢が射られるのは、全く同じだった。>>204
ロクなことが起きないのは確かです>>207
やはり『船』の学園制服はセーラー…やはり…か…
そんなわけでパクってみました!ペルカです!五百式全身メーカーさんがバズってる……!?
ジジェのドラゴンモード(全身)でやってみたいんだけど、イイ感じのキャラデザメーカーみたいなのねーかしら(Picrewにはそれっぽいの無かった……)。
コブラに翼とかちっちゃいお手々ついてるみたいなイメージ最近は。>>214
なるほど日頃の欲求がたまたまハジけた的な…>>218
なかなか良い塩梅のが捜せなくて……本当はもう少し大人の男性をイメージしてます
月に一度程度ですが、痩せの大食い……じゃあ裂夜君台詞集行きます
基本的に口下手な感じではあるけど、ある程度親しくなった人や同期に対しては…とかの数が減ったり話し方が明るくなったりする感じです。
「…マレオが好き放題ふざけてるのは船が平和な証拠だって分かってはいるんだけど…やっぱり毎日マレオを追っかけてると、その、凄い疲れる…」(マレオ)
「…なあ、時間空いてる時で大丈夫だけど…その、前作ってくれた打ち合い用の人形を量産してほしいんだけど、良いか?…え、夕方までにはできる?…やっぱり流石だな…」(ジャスミン・アドレーヌ)
「…その、これ。…ゲーム付き合ってもらってるお礼の緑茶。メロの分もあるから。…それじゃあ、また。」(一条海月&メロ)
「…ポチ先生、どうも。…あー、その…このタオル魔術で冷やしといたので。良かったらどうぞ…」(ポチ先生)
「…学園は凄く粒揃いだと思うけど、俺はリュジニャン君が一番未知数な気がするんだ…上手く言えないけど、底の知れなさを感じるっていうか…」(クレティアン・ド・リュジニャン)
「…イオネルさん。…丁度今からロイドさんと飲みに行きますけど、良ければ一緒に行きません?」(イオネル・アヴェローヌ)
「…入学の時から、困ってるけど上手く声掛けれない時とかに手を貸してくれるから、正直凄い助かってる。…ただ、急に目の前でソーラン節とか阿波踊りを踊り出すのはマジでやめてほしい…吹き出しそうになるから…」(アルシオネシア)
「…落ち着いて。落ち着いてくれトワ君…俺の言葉が足りなかったのは、悪かったから…だから…一旦ナイフ下ろして落ち着こうか…」(トワ・エリュオスト)
「…何してるんだ?…ああ、監視とかじゃないから…構えないで大丈夫。…へえ、鍛錬…ジャスミンに勝つ為…成程。…なら、その。…俺で良ければ付き合うけど…どう?」(砕城凌牙)>>221
「…ロイドさん、どうしました?…鍛錬も兼ねた真剣勝負?勝った方が奢り?…よし、乗ります。丁度、そろそろ勝ちたいと思ってたので…!」(ロイド・クラーク)
「レリックさんには、右も左も分からなかった頃から何度もお世話になってた。…あの時、助けてくれたのもレリックさんだったし……だから俺は、あの人みたく強くなりたいって思ってる。…まあ、年季とか色々レベルが違うから、難しいとは思うけど…」(レリック)
「…どうも。…その、前貰った果実でフルーツティー作ってみたんで、良かったら飲みます…?」(セレン・アイグレール)
「…しっかりしてる子だなって思う。船に入った頃からいた子だけど、何ていうか…しっかりまっすぐ成長してるって感じ…だな。」(黒須瞳)
「…ムジカちゃん。…その、何か困った事があったら…俺とかを頼ってくれて、大丈夫だから。…しっかり話聞くし、対処もする。だから…心配しなくて大丈夫。」(ムジカ・スフィーリス)
「…お疲れ。…魔術で作った湿布、要る?…分かった、今持ってくる。」(アインス先生)
「…ウェインさん。…朝のトレーニング、付き合って大丈夫か?…いや、その。ウェインさんのトレーニングの負荷は割と、丁度良い感じだから、一緒にやりたいなって…いい?ありがとう…」(ウェイン・マロウ)
「…ペルカちゃん。…その、ハグ…駄目とは言わないけど、やる前に…言ってくれると助かるんだけど…いい…?…その、手を繋いだ事すらないから…スキンシップでも…心の準備が…ごめん忘れて…」(ペルカ)
「…ただでさえ不思議な人だけど、更に浮いてるし…謎が多いってレベルじゃない人って感じ、だよな…ヨガ極めたのかな…いやそれだったら腕とか伸びるから違うな…」(夕ウタ)
「…熱心に取材とかしてて、頑張ってるし元気だなって思う。まあ、俺は地味だから取材来ないだろうというか…来てもまともな返答できる自信無いから避けたいというか……え?取材したがってた…?俺の事を?……マジで?」(フィサリア・ラズワルド)>>222
「…巽さん、その…今夜、久々にトランプで勝負…しません?…え?巽会で飲むがそこでやろうや…ですか?……流石にそれは…その…一応腐っても騎士団ですし…すいません…」(巽剛)
「ニコレットさん、その…刀を持ってない時でも精神を安定させたいというか…何だ、その…とにかく緊張を…何とかしたいんすけど、薬とかって…あります?」(ニコレット・ドクトゥーラ)
「…この前、幼少期に好きだったチェーンの袋麺を切らして停泊期間も遠いのに気付いてさ…そしたら、一馬さんがそこの店の味を再現して作ってくれたんだ…うん、ス○キヤラーメンをそのまま…」(黒須一馬)
「…いつもお世話になってる先輩、って感じかな。…何ていうか、多分あの優しさは、娘さんにも引き継がれてそうだなって。」(黒須菜々)
「…麟ノ助さん、暇ですか?…いや、その…アレです。暇なら一緒に、お茶でもどうかなって。」(葦久野麟ノ助)
「…セーラちゃんか。…うん、元気なシスターの子だなって思うし、優しくていい子だなって思う。でも…いや、ネガティブな感じじゃないんだけど…その、雰囲気が眩しい女の子は…俺の様な奴にとっては話しかけ辛いというか…何というか…」(セーラ・サーゲレオス)
「…ピクシスさん、ゲームが上手いって話をよくから誘いたいとは思うんだけど…あっちは、幹部で忙しいと思うし、その…俺の様な奴とやって楽しいかなって思って、結局誘えないんだ…」(ピース=ピース=ピクシス)
「…アリシアちゃんのシャンプーの評判は、確かに結構聞くな。…機会があったら試してみたい、とは思ったけど…そもそも職員が生徒にそういうの貰うのって、場合によっては事案、だよな…」(アリシア・エルト)
「…カステラ君は、その、何だろう…良い奴なのは分かるんだけど…すっごい陽の者っていうか、パリピのオーラが…凄いんだよな…」(日々滓衒)
「この前知ったんだけどさ…俺が子供の頃好きだった飲み物の企業に、ベルナルダさんの家が関わってたらしいんだよ。偶然って凄いんだな…」(ルチアーノ・ベルナルダ)
「与太話…っていう訳でも無さそうなのは感じるけど、何十年も船にいるレリックさんですら何も知らないって言っていたし…恐らく気のせいなんじゃないかなって思うけど…でもな…うーん…」(怪人ヘイズ)>>225
祝え!新たなる令呪イラストレーターの誕生を!
短針長針があって大体5時ぐらい?秒針も入れるとバランスいいよね、って素人は考えちゃいますが、なにか拘りがあったりするんですか?ハロウィンSS書けてきたので出しちゃっていいですかー!?
そういや裂夜君wikiに登録してきましたー
>>227
どうぞーいきまーす
それは時計塔・考古学科にある教室での、ひとつの講義が終わった朝のできごと。
「というわけで、この袋いっぱいに菓子を用意した。胃痛を加速させるようなイタズラなどしないように」
時計塔の講師を務めているカイホスルー・アードゥルはその言葉通りの袋を出して見せる。さごさばさりと音を立てて、サンタクロースが抱えていそうな大きな袋が教壇の机の上に置かれた。
「……んー?」
そのカイホスルーの遠縁にあたるルナ・アードゥルは壇上の言葉と行動に小首をかしげた。
なにが"というわけで"なのかまったくわからなかったのである。
朝からなぜ菓子をつめた袋など用意したのか。なぜ菓子があるからイタズラをするなと言うのか。その繋がりがなーんにもわかってなかった。
「あー……ハロウィンかぁー」
「ハロウィン?」>>229
右隣の席に座る芦尾 律のつぶやきをオウム返しで聞く。
「……ルナ。ハロウィン知らないの?」
「い、いや知ってる、知ってるよ? ほんとほんと」
半分本当で半分ウソである。ルナ・アードゥルという人間にとってハロウィンとは知ってはいてもなじみのあるものではなかった。
というのも彼女の出身であるトルコではハロウィンの文化はそれほど根付いてはいない。子供が仮装して菓子を求めてトリック・オア・トリート! ということはしないのだ。
「……ハロウィンがなにをするものなのか、言ってみて?」
「えー……っと……」
ルナは自身の記憶を探る。トルコで根付いておらずとも今彼女がいるロンドン───イギリスではハロウィンの文化は広く親しまれている。ならば知っていることもあるはずだ。
「……仮装、して」
「うん」
「ランタンとか、もって」
「うんうん」
「燃やす!」
「うん、ちがーう」>>232
と、最後だけはヨモが声を上げる。
ルナはぱちくりとまばたきした。
「も、もったいないかな?」
「もったいないよっ、ルナちゃんかわいいからどんな仮装もきっと似合うのに」
「そうかなぁ」
「そうだよっ」
両手を小さくぎゅっと握ってヨモは力説する。普段は遠慮がちなヨモのこういった姿はちょっとだけ珍しい。
「だねぇ。ルナはそのへんの自覚足りない。もっと鏡見ればいいのに」
「…………だって夜は鏡映らないし……」
「へ?」
「な、なんでもないっ」
「? まぁいいけど……この前もほら、ローザ・ユスティングリー……だっけ? あのイケメンさんに似たようなこと言われてたじゃない」
「うっ……ローザに捕まると長いんだよぉ」>>233
ローザ・ユスティングリーは美を至上とする魔術師である。美しくあろうとするその姿勢は自分に厳しく他人にも厳しい。
面倒見のいい彼/彼女に目をつけられている者はそれなりに多く……ルナもそのひとりだった。
「寝ぐせひとつでもあったらお説教だしさぁ」
「この前のアレは、寮で徹夜してそのまま教室に来たルナちゃんが悪いと思う……」
「だ、だってあの夜はいい感じの閃きでいい感じの魔術式ができて、」
「メレクくんにも呆れられてたし」
「……」
ルナ、沈黙。
これ以上言葉を続けても攻め込まれるだけだと理解していた。
「そ、それよりほらっ! ハロウィンハロウィン! 仮装ってなにがあるのかなぁ!」
「ルナちゃん…………」
「まぁまぁ~いいじゃないのヨモ」
「……よくは、ないんですけど……」>>234
「今はある意味さぁ、チャンスなんじゃない?」
「チャンス……?」
「ルナに好きな仮装をしてもらうチャンス」
「!!」
ヨモの瞳にたしかな光がきらめいた。
ほんのわずかな思考と逡巡を経て、ひとつの意思は決定される。
きらめく瞳はそのままルナへと向けられた。
「ルナちゃん……やりたい仮装とか、ある?」
「な、ない……というか、わかんない」
「じゃ、じゃあっ、任せてもらっていい?」
「いいけど……っていうか、え? 私仮装することになってる?」
「なってるねぇ」
「…………ううん、だめ、私だけじゃ決められない。ルナちゃん、私みんなにも相談してくるね」
「そ、相談? みんな? 待ってヨモちゃん、私別になんでも……」
ルナが引き留めようとするもヨモはぱたぱたと小走りで行ってしまう。>>235
「行っちゃった……」
「行っちゃったねぇ」
「……なに着せられるんだろ」
「ま~悪いことにはならないと思うよ」
律の言葉通り、このハロウィンに悪いことなどひとつもない。
これから行うのはただの楽しいお祭りなのだから。
* * *
「きぇっきぇっきぇっきぇ……それでは決めようじゃないか、誰が一番かをね。まずはそこの後輩! お答え!」「僕はネズミ姿の先輩を持った覚えはないですよ。ミス・カヴン」「いーの! この教室に足を踏み入れた者はみんなアタシの後輩だから! いいからルナに似合いそうな衣装を答えるの!」「…………(嘆息)。……あの髪色ですし、雪をイメージしたものが似合うのでは?」「お姫様! お姫様がイイと思うなボク! シンデレラとか不思議の国のアリスとかさ!」「アリスは別にお姫様ではないんじゃない?」「いいよなんでも! 可愛ければ!」「吸血鬼さんなんだから吸血鬼に決まってるでしょぉ?」「あ、アンゼリカさん、ルナちゃんのそれは、ちょっと秘密なので……」「うん、知ってる♪」「え、えぇー……」「だいじょーぶ、バラさないからぁ」「なんでもいいんじゃねぇのか。黒布被せて杖持ってりゃそれっぽく見えるだろ」「ダメ。まるでダメね。内面ブスは美意識までブスにならなきゃいけないのかしら、可哀想に」「俺にだけ噛みついてんじゃねぇぞ自称美の化身。お前はなんか案あるんだろうな?」「その問いかけ自体がナンセンスね。当人も不在のまま飾り立てるだけの美なんて風船より空っぽよ」「だったらどうしろって言うんだ」「ルナに着替えさせて確かめるのが一番ってこと。なにが似合うかなんて自然と分かるわ」「ローザいいこと言うわね! うん、いい! 実際に着させましょう! ぜんぶ!」「……カヴン。貴女の案はそもそも着せるものがないでしょうに」「え? でもいいじゃない『生まれたままの姿』!」「さすがのルナも一糸纏わぬ姿で人前に出ることはないと思いますが」
「……うわぁ」>>236
けんけんがくがく。
あーだこーだと複数人の男女(+ネズミ一匹)がひとつの答えを出すべくがんがん言い合っている光景をルナは目撃した。
議題はなんとなーくわかるが、ルナはちょっとだけ目を逸らしたかった。
「あ! 来た! ルナが来たわよーっ!」
ローザ・ユスティングリーの手の上でちょろちょろしていたネズミがルナを見た瞬間に叫ぶ。
全員がルナを見る。さぁ、もう逃げられないぞ。
「逃げればよかった……」
午前が終わってからの午後。場所は考古学科の名無しの教室。
ヨモ、メレク、刹那、ローザ、アスタム、アンゼリカ、カヴンの六名+一匹に迎えられルナはしぶしぶ教室に踏み入る。
「あのねルナ、今ね」
「大体全部聞いてたよカヴン先輩……」
「あら話が早い。じゃあさっそくお着換えを、」
「聞いてたけど意味はわかってないんだよ先輩。何してたの?」>>237
「ハロウィンでルナに似合う仮装を選んでたのよ。さ、わかったら脱ぎなさい」
「いや脱がないし。ってかなんでそういう話になるの」
「ヨモが『ルナちゃんに似合いそうな仮装はなんでしょう?』って聞いてくるから、自然とね」
「……ヨモちゃ~ん……」
「こ、こうなるとは思わなくて……ごめん、ごめんねっ」
「プラス、みんなの親切心かしらね」
「親切心~?」
「アンタ、ハロウィンってものに馴染みがないんでしょう?」
「それもヨモちゃんから聞いた?」
「聞いたわ。だから、アンタに楽しい楽しいハロウィンに馴染んでもらおうっていう、親切心よ。わかった?」
「……そういうことなら、まぁ、いいけどさー」
「うんうんよろしい。ならさっさと脱いで……」
「お着換えだね! ボクはね! ルナちゃんならお姫様が似合うと思うんだ! 着てみて!」
「着てみてって……着るものなくない?」
「あ! ない! ほんとだ!」
「えー……」
「無いのなら用意すればいいだけです」
「そうね。私もいくつか見繕ってくるわ」曇らせが 書きてえ
>>248
変えた後でも由縁ある(ありそうな)姓に変わりはなさそうなので、良いのではと思いますね~皆さん>49へのご感想ありがとうございますー。うまいこと侘しさとかぼんやり憂鬱ぽっかり不気味を表せられたようで嬉々
>>56
人の言うような唐突な死とはかけ離れた、とても緩慢な死ですね…本来人より短命な存在の死の方が緩慢とはこれいかに
>>57
彼らがとって食おうというような目的で二十彼を誘わなかったという意味ではとても平和的ではありますが、人外の人間の真似など往々にして不気味になりがちなもの…
>>58
そうですそうです。怖いですよね、開いてたら
>>59
全体的に「物静かなのにうるさい」を主軸に書いて行ってみました。夏って感じですね。
子供の遺体、利用とかするわけではないから非人道ではないって当人の弁明ですが発想自体は割と魔術師というかそっちよりなのですよね。まあこういう業種だと仕方ない…かも?
>>60
スリラー系のホラーも味わいがあって好きなのですが、こういうじわーっとくるホラー(怪談)も書きたいなあ、と。楽しかったです【今更掘り下げQ&A】
Q:結局蝉たちの目的は何だったの?
A:そのまんまです。死.んで弔われなかったことへの無念から、納棺師である二十彼にそれを皆で集まって依頼しました。
Q:あの方法で合ってるの?
A:合ってます。少なくとも間違いではない。
そもそも蝉は蝉で、二十彼は二十彼で儀式的な「弔い」のやり方なんて知らないので原初的な火葬になりました。
Q:宴会は?
A:弔ってくれたことに喜んだ蝉たちによる心尽しです。あと悲願が叶ったことへの祝宴。
冒頭、主人が「東のはダメだ、出すなら西のを出せ」と言ったのは、酒として出したのは実は川の水で、東の川は汚いから西の川の水を汲んでこい、ということでした。最後酒の味がしなかったのは蝉たちの術が解けていっていた証拠です。
Q:なんで丸くなっていったの?
A:魂は肉体の死因に抗えない…という理論から逆算して、魂の死(成仏、というと二十彼の理念に悖る)に際して魂は肉体の死を模倣するのではないかなと考えた上での描写です。
人間がどうかは不明ですが、魂と肉体の繋がりに複雑性が少なそうな昆虫類なんかはこういうことがあり得そう。
Q:こういう類はよくある仕事?
A:割と世見誰家…こと二十彼にはよくあることです。優秀な納棺師は結構忙しい。
神秘も随分衰退したので日本限定でしょうが、今でもちょくちょく狐狸物怪の類いに依頼を受けていそう。仏教神道みたいに清めたり祓ったりということはありませんからね。>>253
『地味ハロウィン~2022~』
Cost :7 HP:0/0 ATK :600/2250
効果:
登場時、スターを大量獲得10(最大12)個&自身のArtsカードの性能を3(最大5)%アップ&自身のQuickカードの性能を3(最大5)%アップ
イラスト:
放課後の高校生(ブレザー)姿のアゲノール&ハーデース、ゲーセンで取ったという体で羊姿のアポロン様も友情出演
テキスト:
「良いんすよ、地味な自分たちにはこれくらいのハロウィンコスが丁度良いんですぅ!ね、先輩!」
「う~~~ん………………そうだね?」
『(そうかなあ?)』
みたいな!ご本人いないけど。
ユージーンさんにご相談があります。ヴェルセリオ・ファミリーに水上トリル以外の魔術師(ネームドじゃない)を出してもよろしいでしょうか?よし、chain of rebellionのプロローグ2話できた…
本格始動の時間じゃァァァァ!!fate/chain of rebellion
prologue-2 朝焼けの追憶
水平線に、朝日が昇る。
朝の光に、船の甲板が照らされていく。
「…ふう。」
ここは秘海集積船。
海上を行く巨大な船であり、海の神秘を追求する魔術師達の拠点であり学府。
そんな船の最後尾のデッキで、青年は一人で黄昏ていた。
買った缶コーヒーを一口で飲み干し、壁に身体を掛ける。
「…もうこの船に来て、3年か…」
顔に古傷のある青年は、一人呟いた。
その男の名は砕城凌牙。秘海集積船、学園の調査科に所属している3年の生徒である。
…そして、魔術師の名家を襲撃し続けた「破壊の一族」、その末裔として血を引いている男でもある。
そんな青年は、ジャージのポケットに手を突っ込み、一枚のプリントを取り出した。
そのプリントに記載されていた、夏休みに停泊する街の画像に視線を向ける。
「……」>>257
「どらっしゃあいリョーガァッッ!!だーれだッッ!?」
瞬間、何者かが凌牙の両目を塞ごうとした。
しかし、凌牙は即座に地面を蹴り、宙返りをしながら後ろに着地する。
「…ったく、人が黄昏てる時に絡んでくるんじゃねえよアホマレオ。」
呆れた口調で凌牙が口を開き、アホマレオと言われた少年は悪戯っぽく笑った。
この少年はマレオ。一見は2桁に行くか行かないかの少年の見た目だが、その正体は集積船に拾われたある地域の神性、即ち集積船の守護神と言っても過言ではない人物である。
神らしく気まぐれな正確で、船のあらゆる人を一線越えないレベルで引っ掻き回すトラブルメーカーであり、凌牙もこの神に絡まれる事が多く腐れ縁の様な関係になっている。
「ちぇー。折角このマレオ様がイタズラしてんだからそこは素直に乗れよリョーガ!!」
「…悪ぃな、俺はそういうのにあまり乗るタチじゃ…」
「ほぉーん?枕投げに素直に参加したり格ゲー大会に出たりしてその台詞は合わんのじゃありゃせんのかリョーガぁ?」
「っ……アレは単に、カステラの奴に付き合わされただけで…」
「自分からノッといて何言ってんだリョーガー?ツンデレも大概にしやがれこのこのー!!」
「…ッッテメエつついてんじゃねえッッ!!」>>258
マレオに図星を突かれて、凌牙は少し血管浮かべて赤面しながら目を逸らす。マレオはその隙に漬け込む様に、煽った様な表情をしながら凌牙の胸を突きまくる。
と、マレオは煽った表情を真顔に変え、伸ばした人差し指を下ろした。
「…っと、まあふざけんのはここまでにすっか。」
「…あ?」
マレオは、真剣な表情で凌牙を見る。その目に、凌牙は一瞬息を呑む。
「…リョーガ。この船に来てから、何か変わったと思った事はあるか?」
「……どういう意味だ?」
唐突なマレオの質問に、凌牙は困惑する。マレオは言葉を続ける。
「そうだな、リョーガ…いや、砕城凌牙。…まず、お前が船に入ったばかりの頃を思い返してみろ。」
「…!!」
その瞬間、脳裏に記憶が浮かび上がった。
——兄ちゃんだけでも、逃げて——
——…おい、待て!!お前、何を——
いいの。…お兄ちゃん。あたしは————-
——やめろ…!!やめてくれ!!■■ァァァァ————!!!!
フラッシュバックする、かつての記憶。
…自分にとって初めての仲間が、自分を庇って犠牲になった記憶が。>>259
凌牙は一旦呼吸を整え、目の前の相手に頷く。
…そう、凌牙と船の出会いは、偶然だった。
あの日、あの事件が起きた後。
満身創痍の凌牙は、偶然にも衰弱した状態で集積船に発見された。
治療され、目を覚ました凌牙は、その事件がフラッシュバックし、錯乱状態に陥った。
そして船の幹部達は、彼に最早身寄りが無い事、そして彼が「破壊の一族」と呼ばれた砕城の末裔である事を知る。
危険だから回復したら出そうと主張する者が多数を占めていた、という事は凌牙自身も知っている。
何故そこから入れたのか、という部分は何度考えても分からなかったが。
「…そして、船に入ったばかりの頃、お前はずっと死にたがってたな。」
「…ああ。」
素直に返答する。いや、頷くしかなかった。
船に拾われた当初、彼は完全に気力を失っていた。
もう生きていても何の意味もない、居場所も仲間もいない。だったらもう死んだ方がマシだ、と叫び続け、何度も部屋で自分を痛め付け続けていたのは自分でもはっきりと覚えている。>>261
「油断したなリョーガァァァァアルティメットマレオキックエクストリームッッッッ!!」
突如、ゴスッと腹に衝撃が入る。
「ごッ…!?」
片足が一歩下がり、少しだけ身体がブレた。大きくよろめかないのは流石の体幹と言うべきか。
飛び蹴りを受けた凌牙は、眼前でしたり顔をするマレオを睨み付ける。
「……何すんだテメエ…」
「いやー、どれだけ声掛けてもリンノスケ並に反応しなかったから強行手段使っただけだぜ。反応しない相手にライダーキックは効くからリョーガも試してみると」
「知らねえよ知るかハッ倒すぞボケ。」
「ハハッ、やっぱいい顔する様になったじゃねえかよリョーガ!!」
「……あ?」
怪訝な顔をする凌牙を見ながら、マレオはニシシとした顔を浮かべて立ち上がる。
「…ま、この俺様の有難い話はここまでだっと。じゃあ俺様は今から部屋で録画したサ○エさん見るから、そんじゃまたなー!!」
そう言った瞬間、マレオは唐突に空中でケツワープの体勢を取り始めた。>>263
「…あらよっと。」
船の神であるマレオは、集積船の中を自由に行き来する事ができる。
故に、鍵が掛かっている生徒の部屋に入る事は、マリオで1-1をクリアするより容易な事なのであった。
「…相変わらず汗くせえな、リョーガの部屋は。」
凌牙の部屋は、生徒の部屋のデフォルトの内装と然程変化が無い。
強いてあげるなら、トレーニング器具が大量に置かれている位で、他に大きめのインテリアを追加してる様には見受けられない。
そんな部屋にプライバシー無視で部屋に侵入した海神は、机に視線を向けた。
その机には、漫画やゲーム機、ダンベル等が無造作に置かれているが…
…一つだけ、その中に似つかない雰囲気の物があった。>>264
「…それにしても、アイツも難儀な物だな、」
普段の高いテンションからは考えられない程の低い声で、少年の見た目をした神は、花瓶に入った向日葵を手に取った。
「…リョーガ。お前には、苦難が訪れるだろう。
…だが、苦しみが来る時には同じ数、希望も訪れるかもしれないんだぜ?」
海神は、誰に話すでもなく、独りで予言を呟いた。以上です
いよいよ始動って訳で凌牙君と船の物語を書いていこうと思います。
今回は今までの凌牙君まとめ回みたいな感じでしたが次回か次々回から面白くなる筈なのでお楽しみに
割としんどいと思うけどその分かっこいい話になると思うんでお付き合いください!
あと貼り忘れてましたが随分前に投下してたプロローグ0と1とか凌牙君のキャラシとかをこちらから確認しとくといいかもです。
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/wiki/Fate%2Fchain%20of%20rebellion
ちなみに、今更ですが叛鎖は『矜持と魂の物語』って事を先に伝えておきます
そんじゃお休みが、>>270ってのもその通りだと思うので、SSとかで本格的に登場する前ならある程度回数なら修整変更文章推敲とかは大丈夫。
だけど、SSやリレーでガッツリ出番増えてきたら名前とか魔術属性なんかの当たり障りの無い部分のちょこっと修整を一回ぐらい……という心構えで、って感じ?
最初の投下&相談推敲そしてwiki登録前の段階で満足納得完璧!ってなるのが一番なのでしょうが。>>276
美形なわけだ…>>241
このわちゃわちゃ感が可愛いかよ…。権謀術数渦巻く時計塔でこんな学園モノみたいな展開を見られるとは。
よく考えたら時計塔は普通に学校だったわ。
>>244
おうおうおう、当時それっぽい響きってだけで名付けた後に「それファーストネームやで」って知ってド必死こいて辻褄合わせした私の前で言ってみ?
冗談はさておき個人的には「〇〇の方がいい」ではなく「〇〇の方がいいんじゃないか」ってくらいの考えなら変えない方がいいと思います。曲がりなりにもキャラクターにそう名付けたのなら改名する時はしっかり考えた上でするべきかと。
なので例えば家の歴史とか設定固めようとした過程でどういう経緯でそう名乗るようになったのかって話になった時に変えるとかはいいと思います。
>>248
朽崎って変換で普通に出るし非実在と思ってなかった…。
他のキャラならともかく朽崎はスレの最初期からいてなおかつ複数のssにも出てるので本当に今更変えるなら朽崎遥じゃダメな理由がないと。
>>255
Hey!全然OKですよー!ヴェルセリオ・ファミリーが魔術師を抱える理由が魔術という存在への対策とその相談役なので一家だけだと情報が偏る可能性もあるので寧ろ他のキャラを出して頂けると助かります。
>>266
おお、いよいよですか。それにしてもこの海神、もしや未来が見えているのでは?>>278
名無しの教室は私お手製の平和空間(監視対象)なのでこうなります。ました
もうちょっと陰謀に巻き込んだ方がいいのか…?みたいな不安は常にありますリディアの名前が被ったのに気づいた時、改名しようかと思ったけど山星さんから許可(?)をもらったから肚括ってそのままにした。
>>282
他の人が書いた分(例:俺が連載中の『聖杯惑星爆現』)まで修正しないといけなくなるから、その辺は話し合いも要ると思います。>>287
ヨモちゃんに近い感じですね、普段使いする名前と本名は違うパターン
でも本名を隠すほどとなると家との関係もまた少し変わってきそうな…ぐへへへ…調子良くfalling moonの最新話ができたぜ
貼っても良いですか遅くなって申し訳ない
「ここにはいない、か」
何度か見回るものの、それらしい人物の姿はない。見当が外れてしまったのは残念であるが、人探しがそううまくいかないものなのは考えるまでもない。
柳花はふうと息をついて周囲を見渡す。若年層をターゲットに据えている衣服店や飲食店は極彩色という言葉がふさわしいだろう。すれ違う学生の外見もまた十人十色で、もしも高校にいようものなら軽く説教をしたくなるだらしない者までいる。
(一般人、と呼ぶべき人間達は皆こうなのだな)
それが不服というわけではない。魔術師に生まれたからと言って彼らと同じように遊べないほど不自由ではない。あくまで将来が異なっているというだけで、遊ぶ事は出来る。
ただ異なる点があるとすれば、それは恋愛であろう。
「おい、そんなにひっつくなよ。歩きづらいだろ」
「んーん、これが良いんだもーん」
腕を組んだ男女が柳花とすれ違う。恋人、カップルだ。人通りが激しい往来にありながら衆目を気にせず、仲睦まじい様子を見せつけているのは彼らが幸せである証拠だ。
柳花はその背中を見送りながら、胸中にざわつきを覚えた。>>292
(映画や小説で見るようなものと、リアルとでは大きな隔たりがあるな)
たとえば手を繋いで。
たとえば抱き合って。
恋愛関係にある人間が行う動作の全てが柳花にとっては興味深く、そして異質だった。
恋愛を知らないわけではない。ただ彼女の家系が、血筋が、そういった行動を好まなかった。
戦少女の家系であり、戦いの果てに子を産む。伴侶を見つけるのも、お腹を痛めるのも、あらゆる主導権を女が握る。そうして成り立ってきた一族だ。
「はい!あーん……」
「よせよ、恥ずかしいだろ!ってお前も口元に食べかすついてるぞ……」
恋愛を学びはじめたものの、まるで理解できない。生徒会室で女子生徒と話した時に聞かされた恋をするとどうなるかについても、同様だ。
今目の前でクレープを片手に笑い合っているカップルの様な、そんな事をしてみたくても感情が伴わないのであればそれは模倣にすぎない。顔が弛緩どころか溶解するような喜びを、どうやっても得られない。
ささやかな憧れ、欲求が彼女の胸の内に芽生えていた。
らしくない考えを断ち切るようにして、携帯が震える。黒江凪咲からの電話だ。
「私だ。黒鳥蘇芳は見つかったか?」
「いえその……むしろ間久部君がどこかに行っちゃいました」>>293
黒鳥蘇芳という少女の事を理仁は詳しく知らない。初対面から敵対心に満ち、そして挙句の果てに殺し合いの相手だと知ってしまったからだ。知る暇がなかった、知る機会がなかった。
けれどひとつだけ断言できる事があるとすれば、間違っても蘇芳はここまで際立って異常な人間ではなかった。
「すぐに、殺します。はい」
一体彼女の言葉は誰に向けられているものなのか。一体何を話しているのか。
理仁への強烈な殺意のみが表面化している以上、話し合いの余地は全くない。余計な思考は、下手をすれば命に関わる。
また槍が動く。ランサーの放つ攻撃はその全てが残像を残すほどに素早く、とてもではないが理仁には反応しきれない。
アーチャーは、その優れた視力によって相手の動きを読み回避と攻撃を繰り返す。槍を躱し隙を見つけては弓を構え、魔力で生成した矢を番えて放つ。
弓兵とは遠距離戦のみで近距離での立ち回りは劣る、そうした認識が覆った。あろう事か至近距離にも関わらず彼は弓を乱射し、動きを牽制するという離れ技をやってのけているのだ。
(……令呪の効果が切れるのは恐らくほぼ同時だ。その瞬間に蘇芳を取り押さえて、経子の時みたいに締め落とすしかない)>>294
まだ夕陽も落ちていない時間帯、地上ではまだ大勢の人間達が行き交っている。そんなところでサーヴァント戦を長時間展開するわけにはいかない。
ランサーの薙ぎ払いに対してアーチャーが跳躍、槍の先端に着地するという挑発行為にも蘇芳は眉を動かさない。彼女が何を考えているのか、推測ができずにいた。
そんな最中、二騎のサーヴァントはピタリと手を止める。それは実体を維持する為の令呪が効果を失った事を意味していた。
今しかない、そう考えて駆け出した理仁の判断は正しいようで、大きな過ちであった。
「嬉しいわ。そっちから来てくれるなんて」
魔術師との戦いなど、あまり経験するものではない。対人戦において全く考慮していなかったのだ。
「『暗転幕(サグム・カエルム』」
幕が下ろされたかのように視界が漆黒に染まる。蘇芳が発動した魔術によるものだ。強力な目眩しに理仁は思わず足を止め、すぐに後ろへと跳んだ。
経子、浦戸、どちらも戦闘こそ行ったが物理的なものばかりで魔術を用いてはいなかった。思い切りが良すぎた、と口中で吐き捨てながらも視界が回復する事を祈りながら拳を構える。
「『墨成炎(アトラメント・フランマ)』」
空気の流れが歪む。何かが放たれると同時に前方より灼熱が襲いかかった。>>295
「『第一陣(ファースト)、第二陣(セカンド)』……いや!『第三陣(サード)まで解放(リヴェレイション)』!」
回避は間に合わないと即時に判断し、懐から宝石を一つ取り出し起動させる。内部に溜め込まれた魔術が弾け、前方から来る何かへと炸裂。熱が迫るのに合わせて理仁は腕を交差させる。
視界がうっすらと回復しはじめ、蘇芳の姿がうろ覚えであるが確認できる。
「そう……ずぶの素人というわけではないのね」
残り少ない宝石の一つを使ってしまった。しかし使わなければ命を奪われかねなかった。明らかに蘇芳は単身で挑むべきマスターではない。サーヴァントの面である程度までは拮抗できたが、ランサーが全力を出したのかどうか不明であるのも不安を増大させる。
「宝石魔術を使うのね、他には何を持っているのかしら」
戻りつつある視力は蘇芳の細い手首から滴る鮮血を捉えた。鮮血は彼女の持つ黒い羽へと流れて艶やかに光っている。
黒魔術。血を用いて発動する魔術の一種だ。先程放たれた目眩しや熱を持った攻撃はあの羽を触媒とし、血を介して発動したのだろう。
「……侮っていたわ。次の攻撃で、貴方を仕留める」
蘇芳の顔色はいつの間にか血の気が引き、青ざめていた。血を多く出しすぎているのか、それとも彼女に起きている異常と関係しているのか。
「はぁ、はぁ……っ、分かっています。ちゃんと、言われた、通りに……」>>296
息を切らす蘇芳の手から羽が落ちる。
理仁はその姿に見覚えがあった。浦戸の罠に嵌り絶体絶命だったところを偶然蘇芳に救われた時、彼女は突然苦しみはじめた。あの時と今の様子は酷似しているのだ。
途端に殺気と強い威圧感が薄れ始める。間もなく、足に力が入らなくなったのかぐらりと蘇芳のバランスが大きく崩れた。
「黒鳥!?」
それが罠であるかもしれないとか、そんな事を気にするよりも前に理仁は飛び出していた。倒れ伏した蘇芳へと駆け寄り、抱き起こす。
ギョッとするほどにその顔色は悪かった。間近で見れば、滝の様に浮かぶ脂汗が目につく。次にクマの浮かんだ目元とカサカサの唇があった。
どう考えてもまともな状態ではない。よくもこんな体で戦えていた、と理仁は先程まで命を狙われていた状況にも関わらず蘇芳の身を案じてしまう。
「……ごめんなさい、ごめん、なさい」
いつ倒れてもおかしくない、そんな様子だったにも関わらず蘇芳は必死な声色で何かに謝っている。許しを請うような弱々しい声は、いつもの姿からは想像できないほどに幼い印象を抱かせた。
地上が騒がしくなってきた。戦闘の音が下にまで届いてしまったのだろう。理仁はこの場から逃げ出すべく、蘇芳を抱えて近くの屋上目がけて駆け出した。以前やった様に建物と建物の間を飛び越えていくのだ。
「黒鳥、ちょっと揺れるぞ」
「……」>>297
気を失ってしまったらしく、となればなおさら急ぐしかない。理仁は足早に屋上を飛び越えていった。
騒ぎの場所から逃げる事五分ほど、人通りの激しい場所を避けて見覚えのある公園へとやってきた。
子供達が遊んでいるそばを通り過ぎ、手近なベンチに蘇芳を寝かせる。隣に腰を下ろし、目が覚めるまで待ってやる事にした。
「柳花達から連絡来ていたのか」
携帯を確認すると、メッセージアプリには柳花と凪咲からの無事を確認する連絡が何度も来ていた。柳花に至っては三度も電話をかけている。
二人に無事だと言う連絡を送ると、すぐに柳花からの通話が飛んできた。
『もしもし!今どこにいる!?』
「すまん、出られない状況だった。黒鳥に襲われて……」
『それでどうした?奴は今どこに?』
「隣で寝てる。ちょっと色々あってな」
『……襲われてそれから隣に寝てるというのはどういう経緯だ?まあ良い、今どこにいる?』
公園の場所を伝えると、すぐに向かうという言葉で通話が切れた。柳花の事である、十分もしないうちに駆けつけるだろう。
ほぅ、と息をついた横で蘇芳が呻き、目を開けた。>>298
「ここ、は……」
「起きたか。何か飲むか?」
恐る恐る訊ねてみるが、蘇芳はキッと目を尖らせて敵意を匂わせる。しかし体力が残ってないのか、すぐに目を伏せた。
「落ち着けよ。オレはアンタと戦うつもりはないし、アンタは戦えそうにないんだから」
「ッ……」
重苦しいため息をつき、蘇芳は体を起こすとベンチに体を預けた。
「さっきまで殺しあっていた人間に優しくするだなんて、随分と懐が広いのね」
「オレはあくまで応戦しただけで、戦うつもりは毛頭ない。依頼されてアンタを探していたしな」
「依頼?」
「アンタの友人達からだよ。最近様子がおかしいから、何があったのか知りたい」
「……そう」
蘇芳は露骨に目を逸らし、ボーッと砂場で遊んでいる子供達を見つめる。話す気はない、そんな顔をしていた。
「声が、聞こえない」>>299
ところが唐突にハッとした顔で呟き、不安げに表情を曇らせた。
「兄さん……?」
「急に何だよ」
「兄さんの声が、聞こえない……」
全く要領の得ない言葉に首を傾げるが、しばらくして戦闘中に蘇芳が誰と話していたかの答え合わせという事に気付く。
「えーっと、つまりさっきまでアンタの兄貴と話していたのか?電話とか、魔術使って?」
「違うわ。兄さんは、ここにいるの」
蘇芳は震えた声でそう言うと自分の頭を指差す。何を言っているのかわからず、理仁はしばらく面食らってしまう。
「私、頑張らないといけないのに。兄さんが、私の事を応援してくれているのに……」
ブツブツと呟くその姿は彼女を知る者なら驚きを隠せないだろう。あれほどまでの強さを持っていたはずなのに、今は迷子になった子供の様に震えている。
「……兄さん」
「なあ、大丈夫か?良かったら家まで送るけど……」>>300
あまりにも震えて、今にも泣き出しそうな声に思わず柳花の事も忘れてそんな事を口走る。ところが蘇芳はかぶりを振って、
「嫌。家には、帰りたくない」
「なんで……親とかいないのか?」
「いる、けど」
ゾッとするほど虚ろな瞳で、蘇芳が見つめてくる。何も考えたくない、そんな感情が溢れ出している。
「あの人達に、会いたくない」
あの人達、肉親を指す言葉としてはあまりにも歪すぎる。しかしそれは蘇芳が両親をどういう目で見ているのかをありありと示していた。あ
カチリカチリと、何かが噛み合う様な音がした。衰弱し、孤独そのものに見える姿に、懐かしい姿が重なって見える。
「あ、あのさ」
何を言おうとしているのか、あまりにも無計画でとてもではないが正気とは思えない。それでも理仁は眼前の少女を前にして、それを言わないという選択肢を取れなかった。
「家に、来るか?」ハロウィン終わっちゃった訳ですがもうちょいイラスト描きゃ良かったとちょっと後悔してる俺ガイル
>>267
第一印象で好きな口調と性格だなーって思ってキャラシ見たら好きなタイプでしたアスタム君
叛鎖はそこそこ面白い話になると思います。特に終盤の戦闘は早く書きたいなって思ってますしご期待ください
>>268
マジでマレオはこういう時のキャラ紹介パート的な物の相手に最適だなって書いてて感じました…この温度差が割と好き
あと改名はアリだと思いますが、仮にやるなら色々なSSの修正とか大変そうだなってのが率直な感想です
>>278
いよいよです…!
マレオは一応神ですし、はっきりとではなくても予知はできそうだなっていう感じかなっていう解釈で書きました。
>>282
ワンピースでたまにある敵キャラのみの表紙みたいな敵キャラが揃うイラストってカッコ良くて良いですよね…
こいつらの中で重要なポジションでかなり設定作ってる奴は半分だけなんですが、残り半分の敵も滅茶苦茶に濃い奴らだと思います
>>283
実は火村さんのムジカちゃんのSSを見てマレオの口調とか色々を参考にさせてもらいました…
ガンガンバトルする感じの話になると思うのでお楽しみに!
>>289
>シルエットとちょっと違くない?ってなる奴
スト5のシーズン2シルエット後半の奴らですかね(すっとぼけ)
ですね、OPで段々シルエット明かされてくパターンです。ちなみに叛鎖は大体1クール前後位の長さのイメージだったりします。多分7話位でOP映像の一部がかなり変わる奴>>303
蘇芳がメインになるので色々描いていきたいところです
あと一章が長すぎたのでこれからはかなりテンポ早めに書いていくつもりです黒鹿ファンさんへ、SS読みました
いいですねルナちゃんと律の絡み……ありがたいやら嬉しいやら恥ずかしいやら……
自分も何か話を聞きたくなりました……
あ、サーヴァント見て頂いていいですか>>310
【クラス別スキル】
対魔力A:
A以下の魔術は全てキャンセル。事実上、現代の魔術師ではセイバーに傷をつけられない。
人心を惑わす魔術師の多くを屠ったセイバーは最高ランクの対魔力を得ている。
騎乗:C
【固有スキル】
獣殺し:B
魔獣や野生生物に対する特効。魔獣の性質をよく知るセイバーは、獣の殺し方を知っている。
自身の騎馬を食い殺されたセイバーがその報復と言わんばかりに周辺地域全域の獣を屠った逸話が由来。
魔術:B
魔術を扱う能力。セイバーが使用するのは神に祈りを捧げて自然干渉を行う原始的な祈祷である。
エストニアの主神であり雷神であるターラの力を借り受けることが可能。
策謀の智慧:A
相手をいかに出し抜き、相手をいかに陥れるとかという策謀の才能。
悪魔や妖精すら出し抜いたセイバーは最高ランクを有している。>>311
【宝具】
『七つの旅路』
ランク:B+ 種別:対城宝具 レンジ:1~99 最大補足:1000人
セッティ・カレヴィポエグ。
鍛冶神イルマタルが鍛えたセイバーの剣。人が作った武器ではなく、神によって作られた神造兵装。
冒険王カレヴィポエグの"王権"を示す聖剣である。
エクスカリバーと同様、魔剣と聖剣両方の側面を持つ。
七つの鉄を使い、七つの水によって鍛え、完成までに七年の歳月を費やしたというイルマタルが作り出した武器の中でも秘蔵の中の秘蔵。
セイバーのために多くの調整が施されており、その最たるものは「雷神ターラの力が宿っている」というものである。
魔力を込めて振るえば帯電した衝撃波が放たれる。
真名解放によって七つの雷霆を一つに纏め収束・圧縮された稲妻の波濤を解き放つ。>>312
『旅路の果て』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1~99 最大補足:2人~
キュロス・カレヴィポエグ。
『七つの旅路』のもう一つの真名解放。
伝承において語られた鍛冶神イルマタルの報復呪詛。
『七つの旅路』の魔剣としての側面がカタチになったもの。
常時発動型の宝具ではあるが通常時は一切戦闘にしない。
その真骨頂はセイバーの霊核が破壊された時に発揮され、独りでに飛び出した『旅路の果て』にが霊核を破壊したものの心臓を貫く。
『セイバーはこの剣によって命を奪われた』という逸話の再現。
「この剣にセイバーは殺された」「この剣は報復する」という理屈によって「セイバーが死んだ=この剣は誰かを殺した」と言う条件を作り出し「報復」の概念によって敵対者を屠る。
「命を奪った」という結果を作り出してから発動するため概念的な手段以外での防御は不可能。>>313
【解説】
エストニアに6世紀より伝わる叙事詩「ヴィーキング」、あるいはそれを纏め直した19世紀の叙事詩「カレヴィポエグ」の主人公。
巨人と雷鳥のハーフであり、世界の果てや数多の海、最後には冥界にすら辿り着いた冒険家。
これらの旅路は王として見聞を広めるためのものであり、物語の最後ではエストニアに攻め込んできた侵略軍を相手に果敢に戦ったという。
人ならざる出自を持ちながら、人民を統治した人界の王。
今もなお冥府と現世の境にて門番を務め、地獄の底から亡者達が現世に溢れ返ることを防いでいるという。
また、いずれはエストニアに帰ってくると言われており、彼の帰還によってエストニアは再び反映するといわれている。
王として国を守り、また農業を普及して国土を豊かにしたとされる偉大なる冒険王。
現在もエストニアでは国民的英雄として語られており、絵本や小説や合唱曲の題材になったり、トームペアの丘やペイプシ湖などの実在する場所が彼にまつわる史跡として扱われていたりする。
以下はエストニアが独立した際の宣言の一部を意訳したものである。
「かつて『カレヴィポエグが戻って来たその時、エストニアは再び繁栄する』と言われていた。今、その時は来た」
このように、彼は独立宣言の文面にも引用されるほど知名度を持つエストニアを代表する英雄である。>>314
【人物像】
淡い水色の髪を一つ結びに結った女性のような面持ちをした男性。外見年齢は青年と少年の真ん中といったところ。
基本的には穏やかで人当たりのいい性格をした賢王。
ただし巨人種としての特性なのか、戦闘時には容赦も呵責もない苛烈な一面を見せる。
その際の彼は賢王というよりも暴君という形容が適切だろう。
小柄で中性的な容貌も相まって王というよりも王子と呼ぶのが的確に思える。
本人は一応ツッコミはするが内心ではあまり気にしていない。ぶっちゃけ冒険家としての面が強いので王という立場にはあまりこだわっていない……と言っても締める時は締めるし、王としての威光が必要な場合は存分に振るうのだが。
能動的に王として振舞うことは滅多にないが、所作の節々に王としての威風と覇気がにじみ出ている。
が、あくまでも本質的には冒険家、旅人……あるいは「旅を終えたもの」というのが彼のあり方である。
それ故に未熟なもの、迷うもの、答えを見いだせないもの……総じて旅の途中にある者には先達として導こうとする。
迷い人にとっての一筋の光明、旅を夢見るものの背中押す最初の一歩。
旅人の守護者、という表現がセイバーを端的に表している。
私人としては愛妻家で、エストニアの主神ターラの敬虔な信徒でもある。
面倒見がいいのは前述の通りだが「子供は王にとって一番尊ぶべき宝」という考えからか子供にも優しい。>>316
【セリフ例】
「サーヴァント、セイバー。冒険王……僕は冒険王カレヴィポエグ。君の旅路の一助になろう」
「神は敬い、跪き、尊ぶものだ……自業自得というか、なんというか」アミラニに対して
「ああ。彼は僕の天敵だ。僕達北方の民が戦を仕掛ける時一番の壁はなんだと思う? 答えは寒波だよ。僕も王として幾度となく軍を率いたが、彼には何度となく被害を…そこ、王子言うな」冬将軍に対して
「やあ、お嬢さん(ヂェブーシカ)。いいクッキーがあるんだ。お茶でもどう? このお茶は妻が気に入ってt……え?妻?いたよ?というか何!?食い付きすごいんだけど!?」スネグラーチカに対して
「母……………か」ルサールカに対して(幼い頃に無くしているので複雑な反応になる)
「そうか。君はまだ旅路の途中に居るんだね……どうか、君の旅が良きものでありますように」不死身のコシチェイ
【他クラス適性、変化傾向】アヴェンジャー、アーチャー、ライダー
【契約マスター】ルナ・アードゥル(仮)
「冒険はいいものだよ。マスター……少なくとも、僕にはそうだった。
だから、もし君が冒険(それ)を望むなら―――旅人の守護者として、君の旅路の一助になろう」
ルナ・アードゥルに対してほほほ…そういえばしばらくサーヴァントを作っておらん
アイデアを出し尽くしたのお…>>324
過去が変わってきますか
どうなるか楽しみガレス君はラノベの主人公、カレヴィポエグは漫画の主人公、みたいなイメージ
>>319
ザ・少年って感じの主人公がやりたくて…
神造礼装、一度やってみたかった…あとフラガラック的なやつも…
ありがとうございます!でも自分男らしい男が全然描けないので…男を描ける京極さんはすごい…!
>>321
律をSSに出して頂けたので自分もルナちゃんを書いてみたくなってですね…
魔法剣士みはちょっと意識しましたね。いわゆるRPGの勇者的な
良かった…恋バナに食いつくスネグラーチカさんは解釈一致だった…
冬将軍は天敵っちゃ天敵なんですけもサーヴァントとしての彼には害意がないと思うのでセーフですセーフ
いわゆる竜要素があるアルトリアにとってシグルドは天敵だけどシグルドにその意志はないよね、的な
>>322
地域としての北欧好きなんですよね…エストニアは特に好きです
ギリシャの英雄なんかによくあるように彼もまた恋多き人だったりするのです
王を名乗る王子、っていうのはコンセプトの一つなのでそう言って頂けるのは狙い通りです。ありがとうございます>>319
始まるぞ!ヒロインレースという名の戦争が!こそこそ話
弟橘媛の干渉を受けた蘇芳は24時間モラハラ状態よくてよついたし早速
ほんの出来心とノリで作ったはいいもののこれ使うとしても特異点のナマモノエネミーかなぁ。って思ってたヴォーパルバニー・ジャバウォック。
呼延灼ちゃんを見てこのナマモノがへシアン・ロボの前身として存在していた可能性が微粒子レベルで存在するのではと気付いて震えてます。
はい、スレ遡ってきまーす。あ、え、な、ヒロインレースの結果が当初とズレ始めたよぉ〜!?
すげえ……キャラが勝手に動いてる……ふと気付いたけど、ビオランテとリディアって結構共通点があった。
・巨乳
・美人
・非常に攻撃的
・日本のアニメが大好きな限界オタク
・特異な血筋
・カロリーの必要摂取量が膨大
気付いただけでこれぐらいあるのか…。小規模化したデイブレイクの続きができたので投下します。
ヴェルセリオ・ファミリーの朝は早く、そして夜は遅い。
マフィアという事から裏を取り仕切らねばならないし、此度に起こってしまった亜種聖杯戦争────おおよそ常人の手に負えないであろう儀式にも介入せねばならなかった。
元々、ヴェルセリオ・ファミリーは他のマフィア同様にシチリアから流れを汲み、勢力の拡大を遂げた組織の一つであった。
ただ一つ、他と違っていた点があるとすれば、それは早期に魔術師を引き込めたという点だろうか。
没落した家の者、権力争いに敗れた者、資金難の陥った者、理由は千差万別。しかしいずれも、ヴェルセリオ・ファミリーがパトロンになった事で良好な関係を構築するに至ったのである。
それから組織は代を重ね、紆余曲折あったものの詳細は割愛。本拠は相も変わらずイタリアにあるが、次代を背負うファミリーの令嬢────レオーネ・ヴェルセリオが、自身の生まれ故郷である日本に拠点を置きたいという要望で、彼女の傘下は夏空市に根を下ろしている。
地方都市「夏空」は、名前とは真逆の寒冷地。ここでは奇異な出逢いと言うべきか、夏空市の“管理者(セカンドオーナー)”たる臼鬽家と縁を結び、未成年であった当主の後継人としての地位を得る機会があったのだ。
これによりヴェルセリオ・ファミリーは飛躍的に前進したと言えよう。なんて事はない、臼鬽家のコネのお陰である。
ただし「無貌の暴徒(フェイスレス・モブ)」と呼ばれる程に巨大化したスクラディオ・ファミリーとまではいかず、けれども周囲の有象無象のマフィアからは一目置かれる存在規模だ。
さて、そんな順風満帆な道を辿っているであろうマフィアの令嬢レオーネ・ヴェルセリオは、死んだ魚のような目で報告書を見ていた。>>337
────青少年連続自殺事件。
今現在、夏空市にて起きている怪奇事件であり、レオーネの頭を悩ませている事物。
一見、ただ単に青少年が自殺している事件にも思えるが、被害者には共通している部分があったのだ。
自殺者たちの腕には蛇の形を模した切り傷が刻まれていて、秘密裏に遺体を確認したファミリーお抱えの魔術師が「遺体の……もっと言えば蛇の紋様から微かに魔術の残滓を感じ取った」と証言している。
これは確定で魔術師の仕業と見ていいだろう。ただ、どういった魔術を使われたのかが分からなかった。
「暗示の類いではないと検出されたし、やっぱり皆んなの推測通り呪いの類いなのか……でも────」
何もかもが不透明。魔術師たちが言うには、西洋圏のでも、東洋圏の魔術基盤とも異なる系統との事だ。
とどのつまり、魔術協会のいずれかにも属さない魔術師の仕業なのかもしれないと予測された。
「────厄介ね。どこから探れば分かったものではない」
「確かにそうね」
ひんやりと、暖房に温まっていた部屋の空気が涼む感じがした。
レオーネが振り向けば、そこには白銀の髪の、雪の妖精を連想させる少女が立っていた。
「でもまあ、見た感じ協会に属してないのは確定事項と見ていいわ。魔術の存在がバレていないとはいえ、ここまで大胆するような輩だもの。魔術に対する病気的なまでの危機管理能力を持つ協会所属者であれば、間違いなくやらないわ」>>338
「誰も法政科に目をつけられたくないだろうし」と付け加えて、彼女────臼鬽泪はそう言い放つ。
では一体何者の仕業か。結局のところ、そこで行き詰まってしまう。
「泪、君の見解を聞かせてもらえないだろうか? その鑑識眼を今は当てにしたい」
「今月のお小遣いアップしてくれたら」
「……検討しよう」
無駄遣いできないギリギリの範囲の小遣いを即座に脳内で計算する。
割と浪費家である目の前の少女は、大金を握らせてはいけないタイプの人間な為、こうして財布の紐を握ってなければならない。後継人となったからには無駄遣いさせないレオーネであった。
「私は直接目した訳じゃないし、何処ぞの二世のような推理力がある訳でもないから、核心をついた返答は期待しないで。私から言えるのは────この魔術……いいえ呪術は、対象の恐怖が増大した時に生命力を増幅させて、死した際にそれを根こそぎ奪うようにできてるわね。まるで魔力喰いのような、誰かに供給しているようにね」
「……じゃあやはり、この正体不明の魔術師は」
「ええ、聖杯戦争のマスターでしょうね」
マスター……その可能性も排していなかったが、違ってほしいと願っていた。しかし現実は厳しい。嫌な方向にばかり向いてしまう。
憎たらしい事この上ない。そもそもの話、聖杯戦争という儀式自体が迷惑極まりなく、無辜の市民にまで被害が及んでいるのもあってレオーネは辟易していた。
勝てば万能の願望機が手に入る。素晴らしい事だが、それは求めている側の希望であって、不要と感じている彼女からすれば苛立ちを覚える代物でしかない。
幸いな事に、こちらもマスターの資格を得ているので介入自体は可能になっている。騒動の元凶を鎮圧し、聖杯戦争に勝利することができれば何事もなく収拾がつく筈だ。
レオーネはスマホのコミュニケーションアプリを開き、連絡事項を通達する。>>339
「“五名のマスター”に告げる。人海戦術を駆使し、件の魔術師を炙り出せ。この夏空市の住民に手を出したんだ、これを私たちへの宣戦布告と受け取り、これより徹底的な全面抗争に移行する。最重要ターゲットは『名も知れぬ魔術師』であり、他マスターとの戦闘よりもこちらを優先し見つけ次第潰せ。我々の縄張りを侵したばかりか、無用な争いごとを持ち込んだ事を後悔させてやれ」
レオーネから言い渡された発令(オーダー)により、この亜種聖杯戦争におけるマスター……特殊な技法を用いて五人に分たれたマスターたちが動き出す。
本来であれば、サーヴァントが契約できるマスターの数は一人だけなのだが、臼鬽家当主が北欧の魔術大家から受け取った魔術礼装により、これを最大五人まで分散する事に成功させた。
それは、契約を司るソロモンの指輪から派生した『黄金の五つの指輪』。
五つの指輪を五人に分ける事で、それぞれをサーヴァント現界の為の楔とし、魔力供給の負担を分散させる事を可能にする。
これにより、如何に強力で燃費の悪いサーヴァントを召喚しようとも問題なく運用する事ができる。
そして、ヴェルセリオ・ファミリーが召喚したサーヴァントとは────寒い、どこまでも寒気に満ちた、人類の天敵とも言える現象であった。>>302
な、何ーっ!?黒鳥蘇芳がヒロインレースにダイナミックエントリーッ!?
>>318
これは普段の優男から戦闘時の雄々しさのギャップで殴ってくるタイプの王道サーヴァント!好きっ!!
>>323
クッチーの恋愛に必要なのはクッチー側の事情を知った上でうるせぇ〜知らねぇ〜!して強引に迫ってこの人が俺の事を好いてくれてるから生きなければってなるようなグイグイ来る相手じゃないかなって思います。
そうやってクッチーのメンタルを多少歪にでも前を向かせる劇薬チックなプランAと画像のように既にしんでいる死体を死霊魔術の応用で動かして生前のエミュをさせるプランBとか。
>>341
おお、マフィアの女ボスモードのレオーネがカッコよすぎて惚れそう。これで普段はタイガーを思わせる明るい女教師でしかもそれがどっちも素だなんて堪んねぇぜ。
そして五人のマスター!?ソロモンの指輪概念の指輪で契約相手を増やす!?なんて唆られる言葉。
あと泪ちゃんがめっちゃ可愛い。落ち着いてるというかマイペースなところがなんかえっちゃんみたいですね。書きたい物とか描きたい物が多すぎる…
>>326
ザ・少年系主人公…いいっすねえ…!!
>男を描けるのも凄い
いえいえ、俺は結構線が雑なので綺麗な線で可愛い子描けるルネさんも凄いと思います!
>>329
救いは無いんですか…?
>>330
黄くんがめっちゃ好みで推しになったんですが、同時にうちの趙雲とそこそこ属性とか格好とか被っちゃったし趙雲の設定軽く変更した方がいいかな…?ってちょっぴり不安になってました。まあ黄くんはパパ系で趙雲はお兄ちゃんって感じなので言うて被ってないから大丈夫かなって結論になりましたしそれはそれとして黄くん引こうと思ったら爆死して草生えました
>>341
配下のマスターが五人…!?(驚愕とワクワク)
間違いなく最大勢力になりそうですし、ボスラッシュになりそうな気もしてワクワクしてきました…!!
そして呪詛師もヤバそうですし今後の展開が面白そうですようやっと!ホテル聖杯戦争の!続きが!書けました!
投下してもよろしいでしょうか黒くなったので投下〜の前に前回までのあらすじ
【あらすじ】
亜種聖杯戦争への招待状を携え厚子夜ホテル旧館へ集った東西の魔術師・魔術使いたち。
平和に順調に儀式が始まると思っていた矢先、ホテルは永遠の夜、時空間の捩れ、化け物の往来、主催者の死など異変(アクシデント)が相次ぎ、それに乗じる者、異変を収束させんとする者、惑う者などによって正真正銘の渾沌と化した。
そんな中、医者として重症者の手当などに奮闘するバーサーカー陣営はしばしの休息に入り───◇田津方 阿奈────2階談話室
阿奈は、こわい夢を見ていた。
おとうさんとおかあさんが、とってもこわくて気持ち悪いおばけに、食べられる夢。阿奈は何もできなくて、こわくて、痛くて、いやで、目をつむった。
でも、それは夢だってわかった。だって、今はこんなに静かなのだから。
談話室は阿奈がこのホテルの中で一番好きな場所だ。本がたくさんあって、むずかしいけれど、それをおとうさんやおかあさん、明さん、それに志歩おねーちゃんが教えてくれる。それを聞くのが、とっても楽しい。
おとうさんやおかあさんじゃなくて、今は知らない人がいる。白衣を着ているから、お医者さんかもしれない。それとも、お客さまかな。
お医者さんは机に突っ伏してすやすや寝ている。お疲れの時はお邪魔しちゃダメだって、ここに来る時おかあさんに言われたから、静かに起きると、目の前にきれいな女の人がいた。びっくりするくらいきれいな人だ。
「お目覚め、ですか」
阿奈をじっと見て、女の人はそう言った。静かで、小さくて、優しい声。
阿奈はびっくりしすぎて、目を丸くして上手く答えられなかった。この人もお客さまなのかな。お医者さんの助手さん、みたいな人かもしれない。>>351
「…声が出ないのですか?」
「あっ、ううん!わたし、元気!…じゃなくてっ、おはようございます!…じゃなくて…えっと、はじめまして!ようこそ、あつしやホテルへ!」
元気なことを伝えるために、思いっきり笑ってめいっぱいの大声でご挨拶をする。
女の人は阿奈が元気なのがわかったみたいで、小さく笑った。無表情な時もきれいだけど、笑うともっときれい。
「わたし、田津方阿奈!おねーさんはなんて言うの?」
女の人のことをもっと知りたくてそう聞くと、女の人は少し悩んで、お医者さんの方もちょっと見て、
「…ビーチェ、です」
「ビーチェさん?」
「…はい。…これ以上は、お教えできません、申し訳ございません…」
「ううん!お客さまのぷらいばしー?に立ち入っちゃダメだって、おとうさん言ってたから!」
そんな風に話していると、おなかがぐうっと鳴った。鳴ると、なんだかおなかが空いてくる。>>352
「え、えへへ…おなか空いちゃった。ビーチェさんも、おなか空いた?」
「いいえ。空きません」
「そっかぁ…ねえ、わたし、とっておきの場所知ってるの。ビーチェさんもいっしょに行こう?」
「それは…できません」
「えー、なんで?」
「外は、危険です」
「きけん?でも、とっても静かだよ?」
「静かでも、危険です」
「そんなことないよー。わたしホテルのことなんでも知ってるもん!」
「そういうことではなく…」
阿奈の言ってることは本当。阿奈はずっと子どもの頃からホテルにあそびに来てるし、その度にいろんなところに潜入してたんだから。いっつも明さんに見つかって、おかあさんに怒られたけど、おかげで何がどこにあるかだって完璧におぼえてる。
ビーチェさんと二人で押し問答をつづけたけど、おなかが空くのは変わらない。だんだん耐えきれなくなって、ぶーたれて、阿奈は扉に向かって走った。
「それなら、わたし一人で行くもん!」
「おやめください」
「じゃあいっしょに行こうよー」
「それは、でも…」>>353
ビーチェさんは、しきりにお医者さんの寝顔をうかがっている。お医者さんはそれに気づかず、ずっと眠っている。
それで、また悩むように目を閉じて、静かにビーチェさんは考えだした。ときどき、「マスターのおそばを離れては…」とか、「いえ、マスターは、御父様じゃ…」って呟いてる。
阿奈は、ビーチェさんといっしょに行きたかった。おなかが空いてないのも強がりなはずだ。ビーチェさんはとっても細い。コックさんの満さんや廣さん、研二さんが見たら、きっとたらふくごはんを出してくれる。満さんたちのごはんはすごく美味しいんだ。
「……わかりました。私の役目は、阿奈さんをお守りすることです。ご一緒します」
「やった!満さんたちのごはん、ぜったいビーチェさんも気にいるよ!」
「私はごはんは不要です」
「そんなことないよ!…それじゃ、はい!」
「…………?阿奈さん、その手は?」
「おてて繋がないと、ビーチェさん迷子になっちゃうかもだから。わたしがごあんないいたします!」
伸ばした手を、ビーチェさんはちょっとの間とまどって、でもすぐに手を繋いでくれた。にぎった手は、阿奈の手とはちがって、ひんやりして冷たかった。
談話室からなら、1階の食堂もすぐそこだ。おとうさんもおかあさんもそこにいるにちがいない。そしたら、阿奈もいちにんまえだって褒めてくれる。それで、満さんたちにおねがいしてごはんを作ってもらうんだ。
お医者さんも起きたらごあんないしよう。きっと喜んでくれるはず。そう思うと阿奈はうれしくなって、ビーチェさんの手を強くにぎった。>>354
◇真府 四方────1階大浴場
ざぶん、という音とともに四方とルナが落ちたのは、幸いなことに大浴場の湯船のど真ん中であった。心地よい温もりが、四方の身体を包み込んだ。
果たして、濡れこそすれ五体満足で────尤も、怪我などするはずもないが────四方たちは1階へとたどり着くことが叶った。四方は自身の土壇場での幸運に一息吐き、周囲を見回した。
奇妙なことに、ルナが魔力砲でぶち抜いた床の瓦礫は見当たらず、先の轟音などなかったかのように静謐が溢れている。轟音の発端者であるルナは少し離れたところで浮いていた。身じろぎ一つしない。
「…ルナちゃん?…ルナちゃん!?」
声をかけても返事はない。恐る恐る近寄って見ると、はたせるかな、気絶していた。床を壊すような威力であり、なおかつ落下をした以上あり得ることではあるが、この状況では不味い。
彼女は吸血鬼…のような特徴を複数持っている。そのうちの一つに「流水を渡れない」がある。温泉が流水であるかは不明だが、少なくとも風呂場での気絶は死に至る恐れのあるものであるため慌てて引き上げた。
己の極めて人間的な窮地の脱出も気取らず、ルナは意識を失っている。眠っているのかもしれない。ここの特性上、気持ちが和らぎ安心するのも無理はないが。
「ルナちゃん…ねえ、ルナちゃん」
呼びかけても何の反応もない。放っておいてもじきに目覚めるだろうが、治癒魔術などを施したりした方が良いだろうか。念のため自分と彼女を乾かしながら手を見る。当然ではあるが、赤黒い紋様があった。>>355
『ほらね。この子も敵だよ』
『油断してるどころか気も失ってる』
『今のうち、いや、今しかない』
『────しちゃいなよ』
「…………!」
身体の内から脳に、多重の声が届く。甲高く、キーンと震えて、加工が施されたように不快な音声が体内に横溢する。
幻聴ではない、だが空音でもない喧騒を鎮めるために懐を弄るも、薬(イル・プルー)は見つからない。ただ手だけがむなしく布を撫でる。
どうして?どこで?そう考える余裕すらなく、器官の幽霊たちの声は絶えず神経を通い、橋を渡り、脳の、脳漿の、脳髄の、脳膜の全てを揺さぶってくる。自我の膜壁に爪を食い込ませてくる。
『殺.しちゃいなよ』
『殺.せよ』
『殺.せるじゃん』>>356
『殺.せ』
『殺.すのだ』
『殺.して』
『ころせ』
『コロせ』
『コロセ』
『コロセ』
『コロセ』
『コロセ』
「────────っ!」
脳はなおも揺さぶられる。満席が、満席が、満席の講堂が、覆う天蓋を剥がすべく騒ぐ。無数の音声たちを、否定もしきれず、脆い己の叱責に繋がる。
出来ない、出来ない、でも、出来る。その事実に、その状況に、激しく総毛立つ。出来る、出来る、でも、出来ない。自意識の分裂は止まらない。
手が震えながら、ルナちゃんの首元へ伸びていく。これが自我によるものなのか、腕という部位を司るなんらかの器官のせいなのか、わからなくなってくる。誰のせいにもできない、誰かがいるはずなのに。その誰かのせいなのに。その誰かが、自分の顔になってくる。なって、なって。なって────
「主?」
怜悧で沈着冷静な声が聞こえてくる。衝動に専用されていた意識が思考に帰ってくる。そして、現実に戻される。>>357
振り向くと、声の主であり、この“結界”の主であり────四方のサーヴァントであるランサー、碓井貞光が立っていた。分たれていたマスターとの合流に安堵するような、四方の異変を不安がるような形容し難い面持ちをしている。
「あ、あぁ…ランサー」
同様に、四方も安堵感が身中を突き抜けた。手はだらりと垂れ、幾重にも波打ってきた雑音たちは安心に流されてそれぞれの器官へと退避した。四方の自我の膜壁は斯くして守られた。
そんな四方に、碓井貞光は敢えて彼女の異変を深掘りすることはなくつとめて穏やかな表情を向けた。
「…ご無事なようで何よりです」
「は、はい。貴方の方も、大丈夫でしたか…?」
「はい。ですが…アーチャーを討ち損ねてしまいました。面目次第もございません」
「あ、謝らないでください…けれど、余程の強者なんですね、アーチャーは」
「えぇ、相当な手練れです。途中で別なサーヴァントの乱入も受け、霊体化して観察をしましたが、多少のことでは揺るがぬ者です」
「そうですか…」
心中にて嘆息が漏れる。碓井貞光のような武者がそう言うのだから、本物の実力者なのだろう。本当に…伊佐那先輩は、剛いのだ。自身はサーヴァントに任せて、後は自室に避難しようとした自分が恥ずかしくなるくらいに。
次はあるのだろうか。あるとして、自分は勝てるのだろうか。宝具は切っていないが、それは相手も同じこと。仮にマスター同士で戦うとなれば、地力の差は歴然だ。>>358
「して、主。その娘は一体?」
沈痛な思惟をする中で、碓井貞光がルナの方を訝しげに見遣りながら訊ねてくる。
四方はその問いかけに、我ながら辟易するような作り笑いを浮かべて、
「ルナ・アードゥル…私の、友達です」
ああ、どこまでも自分は中途半端だ。知り合いの一人との争いを受け入れながら、友人の一人を手にかけるのを拒むなんて。答え、自嘲心を懐きながら、四方は月影に照らされるルナの手の甲、そこに刻まれた令呪を隠すように、或いは、取れるものなら取ってしまおうと言うくらいに擦った。
以上、『二人と交叉路〜アモローゾ』
でした。連投失礼いたしました。
あと少し…あと少しでこの章の山場だ…>>360
「Bハナハナハナ」のハナハナハナは絵文字なのですが、それでするとエラーが発生するので字にしました。
リンクは下記
https://picrew.me/image_maker/69673
ということで遡って参ります>>345
実質的なセカンドオーナーの陣営なので神秘の秘匿やら土地の管理やらで胃を痛めることになるのは必然でしたね。
そして五人の魔力供給により現界したのは人類の天敵とも言える現象であった。……現象!?将軍?将軍なのか!?
>>346
>>347
こうなったらあれですね。生半可な暴行では死なないorすぐ再生する。もしくは本体と数分違わぬ分身を出せる人が分身で接するとか。
うーんこうなってくると無理に恋愛させるより今のポジションというか友達以上恋人未満な距離感を作ってキープする方向の方が現実的なのでは?
>>359
仕方ないよヨモちゃん。覚悟を決めたと思ってもその時以上の関門が出来たらまた止まってしまうのもまた人間というもの。>>363
まぁそこら辺の詰みっぷりは本人も自覚してるから「恋愛は絶対したくない!」というスタンスなのでね、しょうがないね。
一番現実的かつ妥当で周辺被害も減るのはポルカとくっつく事ですかね。
バケモノにはバケモノをぶつけるんだよ理論だけど、両人とも回復能力とか高いし。
>>359
山場はどうなるのかなぁ、悪化するのは改善するのか。アヴドゥル・アルハザードとかいるから怪異騒動は落ち着きそうでもあり、だがここに例外が案件になっちゃうのか、とか、ハラハラですね。
現在判明してるマスターたちは全員若かったり穏やか目だったりなので、そういう意味でもどんな展開になるのか。
よもちゃんみたく躊躇った結果……、なんて事態も起きそうで。
>>341
おーゲルトさんの新キャラ。5人のマスター、ですか。頭脳担当と武力担当などでしっかりチーム分けされてるのはこういう戦争だと結構応用がきいて強い印象がありますね。人倫を無視すれば推定冬将軍との相性もいいですし。いい時間帯なので、構想した呪術師を投稿します。
ウァト=ウル/Uat-ur
年齢:不明
性別:女性
身長:166cm 体重:50kg
スリーサイズ:B87W56H90(Eカップ)
特技:魂占い
好きな物:異文化理解、奇怪な生物(例:ヘビビンガー)
苦手な物:ゾンビもののジャンル全般
魔術属性:水、虚数
国籍:コンゴ民主共和国
所属:フリー
【解説】
コンゴ民主共和国の寒村出身。元々はコンゴ神話体系を信仰していた部族の末裔であり、代々神官の呪術を継承してきた。
しかし、時代が進むにつれて神秘の基盤が衰退していき、次代に未来はないと悟った彼女は村人全てに魂喰いを行い、村の壊滅と引き換えに膨大な魔力の備蓄を確保。その後、外の世界へと放浪する。>>367
【人物】
白を基調とし、青の意匠がなされた法衣に身を包む美女。褐色に肌、色素の抜けたような真っ白な髪、この世ならざる青の瞳が特徴。
物腰が柔らかく、口調も丁寧だが冷酷な性格で、どこか死気を感じさせる気配故に「幽鬼」と形容される事も。
魔術協会のいずれかにも所属しないフリーの魔術師────呪術師であり、何者にも縛られないが故に協会にとって危険な行動を取り兼ねない人物。
生まれながらにして呪術を学ぶ環境に身を置き、最年少で“神官呪医(ンガンガ)”の地位を獲得した天才。特殊な環境下にいた影響で、物質界から星幽界(コンゴ神話ではこれは“水の境界線《カルンガ》”と呼んでいる)を観測する魔眼を後天的に獲得しており、本来干渉が難しい魂関連の事象を例外的に干渉可能にした鬼才。
その代わり、様々なものが見えてしまうが故に、物事を全て俯瞰的に見てしまい、自分自身にすら無頓着になっている。なので冷酷のように感じてしまう性格も、正確には機械的なのでそう感じてしまうだけ。
けれども「根源」は目指しているらしく、己が学び、研鑽し、より高めた呪術を以ってカルンガのその先の向こうへ行こうとしている。
普段は占い師に扮して各地を渡り歩いており、そのついでとして異文化交流を多少は楽しんでいたりしている。知らないものを理解する事は楽しいらしい。
また、奇怪な生物……所謂「ゲテモノ」と呼ばれる生物が好きなのは、呪術の素材になるかららしい。>>368
【能力】
神官呪医(ンガンガ)としては異端だが、呪術師としての能力は一流。
魂を確立させるにまでは至っていないが、星幽界を通して魂への干渉を可能にしており、本来であれば世界の記録体、優れた情報媒体であり、高次元のエネルギー体であるそれを“燃料”として確保する事ができる。これを自身に刻んだ呪術刻印や、礼装に注ぐことによって備蓄の魔力として運用を可能にさせた。
また、神官呪医本来の呪術と、他者を呪う為の呪詛の腕も一流である。
神官呪医の呪術とは、呪詛に侵された対象を治癒し、心身共に回復させる医療行為が本領であり、更には『ンシキ』と呼ばれる、精霊が内包された物体、あらゆるものに宿った精霊の力の礼装を駆使し、如何なる呪いを祓う。
呪詛師の呪術は対象の魂に干渉する形で呪いを刻み、内側から苦痛を与えつつ、死した際に魂を燃料化させて取り込む為の細工を施す。
その他にもオカリナに似た笛の旋律を使っての「水」の属性を持った呪術を行使する。これは物質界と星幽界を分ける“水の境界線(カルンガ)“の特性が含まれており、虚数属性と組み合わせれば『あり得るが、物質界にはないもの』────反転世界と言われている鏡(あるいは水鏡)からの不意打ちすらできてしまう。
余談だが、神官呪医(ンガンガ)は祭事の際には仮面をつける習わしがあるのだが、彼女的にそれだけは断固拒否らしい。
イメージCV:白石涼子>>341
ま、まさか本当に冬将軍採用…!?
昔、それもスレ黎明期の大昔にやろうとしたスレ版聖杯大戦。でも結局企画自体がポシャって共倒れになったあいつが、今になって本格参戦ですか!?
だとしたらとんでもない事になるぞ夏空市…
>>359 >>360
不穏…はてしなく先が不穏…!
新登場した幼女の行く先もさることながら、危ういものを抱えてるヨモちゃんもどうなってしまうのか…
>>371
うわ懐かしい、ヘビビンガーってアレですか。ボンボンで連載してたサイボーグクロちゃんに出てきた蛇(というか最早恐竜?)の身体と人間の足を持つ怪物ですか(詳しくは画像にて
それはさておき、正統派なアフリカ系呪術師という感じがたまらないキャラ造形ですな
生まれ育った故郷を丸ごと供物に捧げた、という所も本人が持つ機械的な一面がなさしめたのか…。いずれにせよ末恐ろしい人だと思いました>>372
縄張りを守る為の冬将軍ですから大丈夫……多分。被害が出ないとは限らない。
ヘビビンガーは幼少の頃に呼んでたクロちゃんを思い出して、まあ余興として入れた感じですね。
正統派(?)アフリカン呪術をご期待ください。ようやっと追えた!多分!
>>72
>>224
レリック「お前の腕っ節、剣筋には未来がある。だが、そこに行く前にまずはその流されやすさを治さねぇと話にならねエ。良いな?」
トワ「ひぅ…あ、謝らないで…ご、ごめんなさい、ごめんなさい…僕、でも僕、嫌な思いはしたくないし、してほしくないから…だから、一緒に…」
夕ウタ「よが?…手なんて伸びるわけないだろう。此方はそんな、どこぞのお間抜け青髪すっとんきょうボーイとは違う、高貴な!素晴らしい!存在なのだよ。はい、リピート!」
麟ノ助「…………………………あ。ごめん、居たんだ。気づかなかったよ。何か用…やっぱ何でもないです?…そう?」
カステラ「三峰センパ〜イ、なんでオレと話す時半歩引いたり目逸らしたりするんですか〜?オレらたったの1歳差ですよー、オレのどこがそんなにキラキラして控えめに言ってヤバすぎて目背けちゃうくらい眩しいんすか〜?ねえねえ〜教えてくださいよ〜」
どことなくマイフレンドの気配を感じさせる勘違いされちゃう系陰の者さん…!剣士らしくオフとオンでスイッチに切り替えられるの格好いいですね!
あと私はこういう素朴な男がウブなのが好きなのでペルカさんには軽率にくっつかれてほしいしそれをカステラあたりに嗅ぎつかれて揶揄われてほしい
>>89
さすが死霊「病棟」、病院としての機能もバッチリだ…
そして新キャラセダム君、いかにも探求者って感じの少年でルナちゃんと一緒になってキャッキャしてるの可愛いですねぇ。外見を何となくライザのアトリエのタオの血色悪いバージョンで意識できました。大変良き。
こうやって紐解かれていくルナちゃんの神秘もいとをかし…(メモメモ)>>99
>>341
ヴェルセリオファミリーこわぇ…裏社会の人のシマで何かしでかす、それに聖杯戦争まで組み合わさって、とんでもな事態に繋がっていきそうですね…ポッキーぽりぽりしてるディートリッヒさんたちが平和に見える…
しかし、五人で一騎のサーヴァントを駆るというのもとんでもないし、その時の礼装もまたすごいネームのものが出てきて…夏空市、大丈夫かな…?
>>118
和気藹々とほのぼのとしながらもルインズ家の闇が見えつ隠れつしてた気がするのは私だけですかねー?()
コーデリアさん、きっとユージーンさんと出会う前と今とでは相当性格も態度も違っていたのだろうな…ユージーンさんが良いストレッサーとして動いたって感じですかね?その後脳筋寄りになったっぽいのは…うん…
>>145
おつらぁい…幼少期の幸せを「幸せだったはず」としか覚えてないくらい壮絶な目に遭った…って認識で合ってますかね?それとも刻印移植が本当に子供の頃で…?どっちみちおつらぁい…
彼の斜に構えたような姿勢とかちょっと(かなり)歪んだ愛憎の示し方とか、ここら辺が起因してるのだろうな…
>>162
優美系イケメン〜!良い〜!って思ってたら刻印の真実でおつらぁい〜!罪は当人にのみ背負うものであって後代の人たちは無関係でしょうよ〜!
何にしても今はとにかく平穏に楽しく美味しく船上ライフをエンジョイしてほしい…するべきだ…欲を言えば夕ウタと紳士っぽい(とんでも)食事会してほしい…
個人的にベルナルダ卿のビジュ↓みたいなイメージだった(優美系イケメン=長髪の人間)けど>>216の卿も良〜!>>203
>>302
知り合いとは言えちょっとメンタルヤバげな敵マスターを誘うとか理仁さんやりおりますね…
蘇芳さんの幻聴が聞こえなくなったのは理仁さんの〆でダメージを受けて精神分析(物理)されたからですかね?〆技って強いんだなぁ…
あと個人的に黒江さんによる人物色評価が気になりますね。黒江さんの緑は「緑なす黒」からとかの可能性…?
>>241
わぁいルナちゃんが学友たちに囲まれてる〜!ルナちゃん可愛がりたい(コスプレさせたい)倶楽部に囲まれてる〜!癒しですね、これは。
ヨモが仮装決めきれなくなって人にアドバイスを求めるとこ、まさしくって感じですねぇ。内心「こういうの着てほしい…」ってかわいさ重視のものを見繕うんだけど「でもルナちゃんはこういう服を着る方が楽しそうだよね…」って悩みまくったのだな〜!
>>253
カード性能的にもイラストビジュ的にも欲しみが強いぞこの礼装…!ゴッホとめちゃくちゃ相性良い…
⭐︎3礼装共々バレンタインイベ礼装として出てもおかしくないくらいの華やかさだなぁ画像は他のpicrewメーカー(또 엘쿠르様)で作らせてもらった阿奈〜
>>266
強い男のふとした時のトラウマ想起、苦しい…でも船の生徒たち結構な割合でこの現象に時々遭ってそう…苦しい…
マレオはいつもふざけてるようでふざけながら趨勢を俯瞰してるの、いかにも神さまって感じですね。マレオの言う「覚悟」はどう試されるのか…
>>318
こんな英雄もいたなんて…民族神話の星の聖剣はやはりロマンがありますね。第二宝具のデメリットも含めて、マスターを導き輝かしく果てる姿が浮かぶようだ…それでいて本人の見た目は王子様とはギャップも備えていらっしゃる…
そしてルナちゃんマスターとのことで!私も楽しみにさせていただきます…ススス…
>>371
おぉアフリカ系魔術師。確かに公式でもここでもあまり掘り下げられていなかったところですね…こんな呪術もあるんだ…世界って広い…
しかし、ウァトさんは一体どういった経緯で夏空市であんな怪事件を引き起こしたのだろう…?気になるところですね>>379
やはり絵文字は弾かれてしまうので以下リンク記す〜
https://picrew.me/image_maker/1194508
>>247
誰の曇らせにしましょうかね…トワとかレリックが目下難易度的にも良いかなって感じなのですが、新しく考えたい欲もあって…
ひとまずホテル聖杯戦争で消化します()>>359
まさかのランサーのマスターがヨモちゃん…
ルナちゃんとヨモちゃんが互いに正体バレた時どうなるかが怖いですね…普段の仲睦まじさを見てるから余計怖い…
>>371
アフリカ系魔術師…かっこいい…!!
呪術使いで正統派で攻めてる感じが凄い好きです
>>376
レリックさん早くゥゥゥ!!!(トワの対裂夜台詞)
そしてカステラ君がウザ絡みしてて草です
勘違いされるしコミュ障な陰の者ですが一発刀抜けば強いし格好良くなるイケメンです
あと仰る通りペルカちゃんに抱きつかれてウブな反応してほしいしカステラ君に揶揄われてほしいですね…
>>379
マレオはふざけてる様であってもそいつの内面というか、どうなるのか、どうするべきかってのを理解してて、そこにそれとなく誘導する感じなのかなって思いながら書いてました
あと今回の話では凌牙の過去と一族っていう彼のトラウマというか枷になっている物が割と深く関わってきます。だから覚悟が必要ってなる訳です
まあ影が深ければ光も強いって言う様に、この戦いで対峙するのは絶望だけじゃないと思います。お楽しみに>>140のカナリアの過去の続きをそっと
だから、オレは、ひとりで生きていくことにした。
老人はオレに全てを伝え終えた後に死ん.でしまったし、跡継ぎが決まった後、兄姉が工房に近寄ることなんて全くなかった。良い意味で、邪魔はされないということだ。
オレの家系の源流はフランスの貴族、騎士にある。かつてのフランスを騒がせた灰の魔女、ラ・ヴォワザンとの邂逅によって魔道を探究することを覚えた一族だ。長い歴史で戦争に身を投じたことも少なくない。だからこそ、オレの覚えた魔術には「争い事」に特化したものも少なくなかった。
魔術を引き継いでしまったのなら、魔術を維持するためには費用がいる。発展させる必要はない。ただ、劣化させず、維持し続ければいい。だから、その程度の費用しかいらない。
戦禍に身を投じるようになった。自分の命に価値はないのだから、たとえ戦いで失われようと問題ない。魔術の維持も引き継ぎも、元々やる気なんてなかったただの惰性だ。やっぱり、ここで自分が死ん.でもなんの問題もない。哀しむのはあの全てを押しつけたよくわからない老人だけで、それ以外は誰も困らない。
幸い、というべきかどうかは知らないが。オレは争うことに適性があったらしい。恐怖も怒りも飲み干して、敵を斬ること、呪い果てさせること、それらに関してなんら戸惑いもなかった。むしろ、行き場のない鬱憤をぶつけられることにせいせいしていた部分もあっただろう。
自慢の剣と槍で敵の臓腑を斬り裂き貫く。使役している獰猛な獣たちで油断した敵を喰い千切る。呪いと毒で何も理解できないまま命を奪う。
黒魔術師にはあるまじき高揚感を思わず抱いてしまうほどには、あれほど意味がないと思っていた超越感に溺れてしまっていた。あるいは、溺れるしかなかったからだろうか。
ともかく、あの時のオレは品のないただの獣だったのは確かだろう。血に酔い、肉に沸き、思考を放棄した。考えなしの男だったオレは、さらに考えなしの獣になったわけだ。
だからこそ、獣は駆除される。圧倒的な力に、獣狩りを嗜むように、駆除される。あれは、オレが適当な廃病院を簡易工房として作り直していたとき。そうだ、何ということはない。とある貴族派閥の令嬢を呪殺し、その死体を隠蔽するという仕事だったはずだ。あの人は、アレは、唐突に現れた。
「随分とみすぼらしい場所に住んでるんだな。出迎えの使用人の一人も寄越さないのか?」
何とも傲慢がすぎる声と共に、貴族然とした美貌の男が振るう黒槍は、盛大に病院の入り口を粉砕した。
「嘘だろオイ、何でここがわかった?……いや違うな。今はそうじゃない。1番から6番まで射出。敵対象の視覚外からの奇襲を行え」
病院内は全て、謹製の呪詛の毒で満たされている。それなりの力量がなければ入り込んだ時点で生命の危機が訪れるものだが、本命はそれではない。敵対者を必ず仕留めるために病院内に出来ている大量の陰に潜ませた使い魔の影獣たちを感知することが非常に困難な仕組みとして使っているからだ。
彼らは周囲の空間に満ちているモノとほぼ同質であるからこそ、魔術による感知はできない。五感で死角から強襲する獣に対処しなければならない。あんな風な貴族様にはお似合いの末路が待っているだろう。
「俺を前にした奴らはみんなバカの一つ覚えみたく闇討ちを狙ってくるんだよな。魔術師殺しぐらい徹底してるならまだしも、そうじゃないなら粗すぎるんだけど……」まるで百舌鳥の速贄みたいに、オレの使い魔たちを串刺しにしながら男は気だるく呟いた。いつのまにか空いた方の手には同じく黒い剣が握られていて、その刃先に斬り落とされた使い魔の首が幾つも転がっている。
純然たる強化魔術と武術。ただそれだけで男はこちらの影撃ちを潰してしまった。他の魔術を使うこともない、剣術と槍術でそんなことをしでかしている。それだけで、自分と比べて遥か上の武芸を修めていることは理解できてしまった。
「………面倒だ。いちいちお化け屋敷のお遊びに構ってられないし、あらかた全部吹き飛ばすとしよう」
そう、呆れたように呟きながら。
男が弾むような一歩目を踏み出した後、廃病院は目まぐるしく変わる色とりどりのキャンパスになった。
「おいマジか、7番から15番まで全部っ……それどころか一階の射出機構も防衛システムも全部イカれてる!?」
「うん、これぐらいならなんとかなりそうだな!早くしろよWolfくん、俺が死ぬより先にこの廃病院ぶっ壊すぞ?」
脚を一足進めるごとに氷の刃が床を覆い貫いていく。腕を一回振るごとに火柱が燃え上がり宙を焼き焦がしていく。大人も軽く吹き飛ばす風が炸裂し、巻き上げられた床が鋭く尖った鉄の短剣になって、容赦なく、外敵を排除するシステムたちに突き刺さる。
刻印に刻まれた自動発動の迎撃魔術だとしても、そうではない、男自身の鍛え上げた魔術だとしても、その規模は凄まじく、そして手慣れている。
本来研究者が在り方として正しい魔術師にはあるまじき戦闘能力。これはもう、魔術使いや執行者の類に当てはまるものとしか思えない。しかし、オレは執行者の手にかかるようなことはした覚えがない。
「………ここでゲームオーバーか」そもそも。オレの存在に、生命に、価値はない。価値がないから、自分の命を尊重する必要はない。無意味に空虚に生きてきた人生の、時間の価値の返済が、ここだというだけ。誰も気に留めない肉塊になって、それが朽ち果てるだけだ。
………ただ、それならそれで最後まで戦ってみようとは思った。獣は獣らしく、自分の縄張りを犯す侵入者に牙を剥いて然るべきだろうから。それに、最後の最後まで足掻けば喉笛を食いちぎれるかもしれない。
「かますぞ。腕の一本でももぎ取ってやらないと割りに合わない」
己の人生に価値がないこと。つまり、人としての己に価値がないこと。そんなことはわかっている。ならばせめて、人ではない獣として。それが、オレに残された最後の意地だったから。
「ん?隠れんぼはもういいのか?工房のシステム的に呪殺や暗殺大歓迎、みたいな感じに見えたんだが」
「あくまで簡易的な工房だったからそうせざるを得なかっただけだ。オレの本気はこんなもんじゃない」
「減らず口が叩けるなら結構。まだ闘志は消えてないな。それで、どうする?君が望むのなら、俺は決闘を受けてやってもいい。望まないなら、普通に殺.すぞ」
下手な小手先は潰される。ただ真正面から挑むことも愚策。ならオレが出来ることは、それら全てを織り交ぜた最高の一撃だけを届けることだけだ。「全弾射出、かませっ─────」
「また不意打ち?そんな馬鹿の一つ覚え……ん?」
視覚外からの影獣の射出、と同時に星の導きでこの周囲一帯の全体的な運気を操作する。
オレの一族の黒魔術は夜空そのもの、あるいはそれに浮かぶ星々の占星術の概念を取り入れている。真っ暗闇の人生で、一筋の光を示す、あるいは逆に消し去ってしまう夜の住人。
呪詛として与えられる不運ではなく、星の導きによる超局所的な因果操作。たった小石程度に躓くぐらいの不幸。しかし、それでも誰にでも出来る芸当ではない。オレだから出来ることで、オレの微かな自慢の一つ。
「星に惹かれて、夜に溶けて、雲に浮かんで、月に沈む。月輪の刃、落陽の砕牙。船は彼方へ、夢は貴方へ」
この工房に仕込んだ魔術システム全てを使い潰すつもりで、このワンフロアに、オレの手元にマナを徴収する。そのまま特大の一撃を、月の魔力を束ねた最大限の呪いの刃を叩き込む。
だが、まだ足りない。この程度なら、小石に驚かされながらも対応してくるだろう。だから、最後のもう一押し。
「獲ったぞ、腕────!」
体を滑り込ませ、壁に沿うように男の横を駆け抜けた後、深く屈み込んで地面を這うように跳ね飛ばす。狙うは男の右腕。前方からは高位の魔術、後方からはオレ自身の一太刀。これで絶対に持っていくと決めた。「………気にいった。俺は君が欲しくなったぞ」
その努力は、悪あがきは、意外な形で認められて。
「Burn it up」
展開されたのは魔法陣から紡ぎ出された極大の火砲。実体、非実体問わず焼き尽くす騎士の槍。その火力は余波で後ろから迫るオレを弾き飛ばして壁に叩きつけるほどで、正面の火力と言えばオレの魔術を焼き消すと同時に壁を貫き、はるか先まで焼き焦がすほどだ。魔術の秘匿はどこに行ってしまったのだろう。圧倒的な火力。そうとしか言えなかった。何せ頭を回して次の策を練る前に、俺の首筋には槍の穂先が突きつけられていたからだ。
「良い腕だな!君、騎士の家系だったりしないか?」
「………フランスのそういう家系がルーツだった。オレの剣技もその名残だ」
「そうか。……なら、ああそうだな。申し分なくてちょうど良い。君、俺の部下にならないか?」
ボロボロに打ち負かして、拒めば死ぬ状況に持ち込んで、男はそうやって、屈託のない笑顔でこちらに微笑みかけた。本当に憎たらしいほどに。オレの歯が幻想種ほど鋭利ならば今この場で槍を噛み砕いたものを。「断る。さっさと殺してくれ」
「おいおい、投げやりか?命は大事にしないとダメなんだぞ?俺は君を評価しているからこそ、君を飼ってやろうと言っているんだ」
「傲慢な男だな。……オレの人生に悔いはない。未練もない。意味はない。だからオレは、お前の飼い犬になんてならない」
「まったく、強情な男だね君は」
槍を投げ捨て、男の手がオレの顔の側に近寄る。チャンスと見て逃げようにも、いつのまにか手足が床に沈み込んでいる。投げ捨てた槍に気を取られているうちに詠唱を挟まずに操作したのだろう。あまりにも早く緻密すぎる魔力操作だ。
「君の唯一の取り柄である人殺しの技術も魔術も、俺が全部ぶち壊してあげた。これで君は本当に、何もない無価値なわけだ。君が誇れるものは何一つなくなったわけだね」
「だからさっきからそう言って……」
「そんな君に。ただの痩せこけた野良犬の君に、俺が価値をつけてやろうと言っているんだ」
………オレに、価値を与えると。オレの顎を優しく持ち上げながら男は言った。まるで犬を可愛がるように、傲岸不遜に、さも当然かの如く、言い放った。「何を言ってる。オレにそんな」
「黙って聞いてろ、俺が話してる。……悪い話ではないだろう。俺は君に生まれてきた意味をやろう。俺は君を飼い犬にしてやろう。俺に首輪をつけられて、生涯を俺のために尻尾を振って尽くすんだ。
……見たところ、まだ14歳、15歳あたりか?長く使えてちょうどいい。じゃあ残りの数十年間、血の一滴から骨の一欠片まで、余すところなく使い潰してやる。君の人生は無意味で空虚なものだったなんて、誰にも言わせないものにしてやる。なんせ、俺のペットになれるんだからな。これ以上ない幸福だろう?」
なんて傲慢、なんて暴虐、なんて宣告なんだろう。恐ろしいことに、今こうやって話している内容は誘い文句ではなく確定事項なのだ。最初は幾らか取り繕っていたが、それすらやめてはっきりと、「お前は俺に従う」と宣言している。
貴族の魔術師らしい驕り昂り、生まれながらにして上に立つ者としての在り方が完成している。あまりにも眩しい光で、一度目をつけられると絶対に逃げられないのだ。
「さあ、俺が手ずから首輪をつけてやろう。俺の飼い犬の印、君ひとりじゃ外せない服従の檻。嬉しいだろう?」
「だっ……誰がそんなことあるか。お前みたいな男にオレの人生が定められて憂鬱でしかない」
「そうか。……まあいい、動くなよ。しっかりと、俺の犬である証拠をつけてやるんだからな」
いつのまにか手足の拘束は外れている。今つけられようとしている首輪の解析も済んだ。外せないなどとは言っているが、その実、つけられた側に服従する心がなければ呪いは発動せず、いつでも外せるただの首輪だ。ジョークアイテムと言っても差し支えはないだろう。
だからさっさと振り払って、逃げてしまえばいい。逃げきれずに殺されたのなら、それはそれでオレの人生としてなんの問題もないはずだ。
なのに、振り払えない。呼吸は荒く、舌が乾き、汗が止まらない。視点が、定まらない。いや、定まっている。貴族らしい微笑みを見せる男の顔が、顔しか、オレの目には映らない。
動けないまま、そして「オレはコイツのペットとしての人生を生きる」という言葉が何度も何度も頭に反響し続けたまま、オレの首に枷が繋がれる。「うん、似合ってる。これで今日から君は俺の飼い犬だ。俺のものになった以上、価値がないなんて言わせないよ。俺に尽くすに値する存在に、そんなものがいていいわけがないからね」
「いつか……殺して、やる。お前の犬になんか、絶対に……」
「そうか。とりあえず、君の名前を教えてくれ。俺をいつか殺してしまうのだとして、そんなことをした男の名前を知らないのは惜しい。ちなみに俺はアイン・グローリアンだ。気軽に敬ってくれ」
「……キャナリ・ド・ヴォワザン。いつかお前を喰い千切る灰の魔女の末裔だ」
「そうかそうか。じゃあ君はカナリアだな。……安心してくれ。しっかりと君を犬として調教してやるからさ」
「………カナリア?みんな待ってるよ?」
秘薬の精製をしている途中で寝ていたみたいだ。オレは見事に机に突っ伏して居眠りをしていたようだ。ルナが隣に来るまで一切気づかないレベルで寝ていたぐらいには気が抜けてしまっていた。「ああ。マヴの実証も済んだ。今度こそ、お前に全てを話すときだな。……先に行っててくれ。ここを片付けて行く」
「わかった」
ルナの姿が完全に見えなくなった後、そっとオレは首に触れる。本来そこにあるはずの素肌に触れることは叶わず、今の自分が触れるのは黒い首輪のみ。チョーカーと呼ぶにはあまりにも粗末な、まさしくペットの首輪そのもの。昔のオレは狼だと思っていたけど、今はもう、とっくに牙をへし折られてただの犬だと自覚させられてしまった。
「主……オレの、オレだけの首輪……オレの飼い主、オレに価値をくれる人、オレだけの……」
オレの誇りを蹂躙し、オレの人生を否定した酷いご主人様。だけどオレを認めてくれて、オレに存在理由をくれた人。だからとっても大好きで、でも許せなくて、でもやっぱり敬愛している。血の一滴から骨の一欠片まで、全てを捧げていいほどの忠。
「だから、ずっと。お側に置いてくださいね。オレが壊れて棄てられるその時まで、たくさんオレを使ってください」
おしまい
感想とかスレに何があったかは明日遡ってきますおやすみなさい>>371
アフリカ系は馴染みがないのと公式であまり触れられてないのとでまぁあんまり増えませんよねぇ
そしてマンバムントゥ……し、知らない……水の…?こんな神様いたんだぁ…
>>376
……(検索ポチー)
なるほどいい感じ!メガネはないけどだいたいタオくんです!
ひょえメモられてる…ふ、ふふ…下手なことできない…
>>378
「ルナちゃんに着せたいもの」と「ルナちゃんが着たいもの」を反復横跳びでぐるぐる悩みまくってくれそうだなと思いました。解釈合ってそうでうれしい〜
>>394
ご主人様つよ…こわ…うわ傲慢…
野良犬が首輪つけられて従順な飼い犬になるの大好きですけどなんか不健全!
夜空の魔術はなるほど、そんな使い方もあるんだなぁ…参考になる…(メモメモ)続き!!!
>>360 >>379
ホテル!聖杯戦争!?巻き込まれ幼女!?ルナさん!?何が始まるんです!?
第二宝具はあんま強くないフラガラックみたいなのがやりたかったのと報復呪詛って響きいいなって
見た目に関しては意志の強そうな美少年って感じを出したかったので褒めて頂き恐悦至極…
>>371
うおおちゃんと魔術師、いや呪術師してる…自分がマスター考えるとだいたいステゴロし始めるのでこういう正統派が書けるのはうらやましく…
>>383
清涼感(というか北方特有の透明感)は意識したので触れて頂けて嬉しい…
物語の後半で「親友を殺されて報復した」って話があるので適性もあるかな、と
>>394
最後の独白があまりにもお辛い…
>>395
うおおおイケメン……見返してみるとあまりにもホテル聖杯戦争「敬語(丁寧口調)」+「穏やか」+「優しげな容姿」の男が多いので正三を少しきっちり系な外見にしようと決意。
眼鏡かけたいので監獄長さんいらっしゃいましたら碓井さんの眼鏡の種類教えてください〜
>>362
朗らかで無邪気でまだあんまり人の生死とか理解できてない子です、ヨロシク!
碓井さんの御夢想乃湯は病気とか呪いに効くんですが、ヨモのこれはそれらでもない言うなればアレルギーみたいなものですからね…除霊しようにも身体に馴染みすぎてるという。
ふふふ…色々お気づきいただいて嬉しい限り。ここでこの章のタイトルも見てみましょうと言ってみたり…
>>363
ヨモはダブスタ名人(自分の中の他人を殺.したい/自分と他人の境界が朧げ)(ヘルメ家のために立派な魔術師になりたい/聖杯には自分の願いを叶えてほしい)(聖杯会得のために知り合いとも戦う/友人は傷つけたくない)なんでね…自家撞着は日常よ
いやホント魔術師とは思えない矛盾具合だな…
>>364
はーい。貞光さん出させていただきました!エミュとか問題なさそうですかね…?
場所が御夢想乃湯だったから精神崩壊も和らぎましたが、果たして本物のお薬はどこに行っちゃったのか知らん…あとここでAIくんに描いてもらった厚子夜ホテル旧館の廊下をペタリ
>>365
>アヴドゥル・アルハザードとかいるから怪異騒動は落ち着きそうでもあり
ンフフ…(一般通過フォーリナーさんとお会いできていないのでコレで良いのかという感情はひた隠しつつ)
まあもうすぐとは言ってもあと各視点の状況説明やら山場への導入やらで34話先になりそうですがネ!大丈夫かコレ
>>372
今回の聖杯戦争の性質上、ホテル聖杯戦争は日常パートがありませんからね…どこかで入れてえけどそんな和気藹々とできない…番外編設けたけどどう考えても夢想の絵画になりそうで…バランス難しい…
>>381
そうです、サプライズ第一号、ランサー陣営!ということで。他にも色々あるのでお楽しみに…
ルナちゃんヨモの二人はSSで描写色々してきたので上手いことその関係を持ってこれたかな、と
>>383
自分の得意な道案内でお客さまに応対する幼女かわいいね…身長132とかそれくらいだからビーチェさん(ベアトリーチェさん)とは30cm以上…身長差手繋ぎ良い…()
>>399
ふふ…『Fate/Agnostic Sphere』(https://fatetv1830.wiki.fc2.com/wiki/Fate%2FAgnostic%20Sphere )と申します…忙殺とかストーリーライン練り直しとかで半年以上更新してませんでしたが今後はちまちま進めていこうと思っておりますので…何とぞご贔屓に…>>382
子供…ということでグランデとか。あと割と誰とでも相性が良い節がありますが笑加とかどうでしょう
>>394
ひええ…恐ろしい人に拾われ(従わされ)てしまいましたねカナリアさん…描写的にカナリアさんも結構強そうなのに、それらを一節程度の詠唱で捩じ伏せるの強すぎる…さすが時計塔の重鎮…
しかし、最後まで行くとなんだか破れ鍋に綴じ蓋と言いますか、歪に噛み合ってる感があるな…不思議と…
>>401
>>409
自分もそれで問題無いと思います。給食室…なんだか懐かしい響きだなあ。
まあ二人組は他にも色々いるので、彼ら彼女らも含めて第二章は様々に含ませていきたく…正直二章が一番長いかも
>>408
自分のこれは「お絵描きばりぐっどくん」というものを使ってます。LINEで友だち追加すれば一日絵ガチャ10連引けます。
有名どころだとMid journey とかもありますけどMid journeyの方は英文にしなきゃいけない&和洋折衷とかの細かい概念が海外産なのでちょっと違っちゃうで最近は日本語対応のばりぐっどくん。オススメです。
でもキャラのイメージってなるとコレとは別の「イラストお絵描きばりぐっっどくん」の方が良いかもしれないです、そっちの方は自分は使っていないので不明ですが、少なくともイラスト向けらしいので思い立ったが……ということで早速『船』のページ更新してきましたー
ハロウィンSSでけたー!
出していいですかー!?>>415
どうぞ~!よーしいきまーす!長いので分けます!
Scene1 ルナ・アードゥル
さぁさぁ舞台も時間も移り変わって。ここは時計塔・全体基礎科が管理する教室のひとつ。
大理石の床と立ち並ぶ円柱から成る上にも横にも広い空間。座学ではなく戦闘訓練のための教室だ。
このひろーい教室には、ハロウィンらしい飾り付けが施され、複数置かれたテーブルの上には立食形式用の食べ物が載せられている。
そしてこの空間にひしめく大勢の生徒たち。その誰も彼もがハロウィンらしい仮装をしている、かと思えば、らしからぬ仮装をしている者もいる。魑魅魍魎、なんて言葉が似合うかも。
「あれぇ?」
その光景に困惑している生徒がひとり。
ローザ・ユスティングリーからこの場所に呼び出されたルナ・アードゥルはハテナを浮かべて首をかしげる。
いつも通う考古学科の教室ではなく、なぜかこの全体基礎科の教室に呼び出された時点で嫌な予感はしていた。
「なんでこんなに人いるの……?」
「その疑問にはオレが答えよう」
「へっ? 誰? というかどこ?」
「ここだよここ……って見えないか。ほい擬態解除」>>417
「うわなんか見えた! でも誰?」
なにもない空間から絵具がじわ~と染み出すようにひとりの男が浮き出てくる。
男は竜にもトカゲにも見える爬虫類的な被り物をしていた。これも仮装か。
「なんでも屋のジェイド・トンプソンだ。知らない?」
「ん~……知らないですね」
「そっかー……。まオレっちのことはいいか。今はお祭りの説明ね」
「お祭り……? それってハロウィンの?」
「そうだよぉ。具体的にはローザ・ユスティングリープロデュースによるハロウィン仮装パーティー兼、時計塔生徒たちの交流会って感じかな」
「はぁ」
昨日の時点ではルナにあれこれ仮装させる衣装のプロデュースをするみたいな話だったはずなのに、いつのまにパーティー規模でやることになったのか。
「最初はルナって子にローザ・ユスティングリーが仮装プロデュースするって話だけ広まってたんだけどさ、あ、ルナって君のことで合ってるよね?」
「合ってますけども」
「それなら自分も! って言いだす子も出てきちゃってね」
「ローザに衣装選びしてほしい人がいっぱいいたんですか?」>>418
「そりゃあねぇ、創造科のローザ・ユスティングリーと言やあ、表社会において世界が誇るトップクラスのモデルだ。自身のみならず美のプロデューサーとしてそのカリスマはピカイチときてる」
「身近な人が思った以上にすごい人だった…」
「そーんな美のカリスマがハロウィンの仮装プロデュースをやるって言うんだ。そりゃ皆騒ぐし、集まるさ」
「その話だけでこんなに集まるんですか……ローザすごいなぁ」
「その話を広めたのがオレっちなんだけどな!」
「元凶!」
「立役者って呼んでくれな! ……ま、オレだけじゃなくて時計塔の気風もちっとばかし絡んでるんだが」
「時計塔の気風って?」
「わかりやすく言やあ、そうだなぁ……んーあっち見てみ?」
ジェイドが指で示した人の群れをルナは眺める。まるで知らない人が半数、どこかで見たような人がそれなりに、顔と名前を知ってる人がちらほら見える。
「あっちにいるのは降霊科の重鎮と噂されるルインズ家のご令嬢。その奥にはエルメロイの分家だったファールバッハ家のご子息。天体科のソーラァイトの姿もあるな」
「それがなんなの?」
「それなりの地位がある方々が来てるってこと。で、そんな方々とこの機会に仲良くなろうって連中もいる」
要は仮装パーティーにかこつけてコネ作りに励もうとしている、と。おそらく牽制を兼ねている者もいるだろう。こんな時でも権力争いを忘れない姿勢は実に"らしい"が、この祭りの場ではすこーしばかり無粋かもしれない。>>420
Scene2 ローザ・ユスティングリー
「ようやく今日の主役が来たわね。ほら、こっちよ」
「ぎゃー! 捕まったー!」
今回の目的のひとつだったルナ・アードゥルの確保に成功したローザは手をがっしと掴んだまま一度教室を出て優雅に歩いていく。
数秒歩いた場所にあったその部屋は今回の祭りのあいだだけ徹底的に手を入れられた更衣室である。
「いい加減に観念なさいな。今日ぐらいは貴女の美を輝かせてみせなさい」
「で、でもさぁ~……」
「でも、なに? まさかいまさら恥ずかしいなんて言わないわよね?」
「恥ずかしくはないけど、仮装とかより魔術の研究してたいなぁ、って……」
ローザの顔から表情が消えた。にもかかわらず目だけは据わっている。
「(あ、これだめなやつ)」
「よくも私の前でそんなことを言えたものね。いいわ。今日は徹底的に、って決めてたんだから」
「いやー!」>>421
叫びむなしく更衣室に放り込まれるルナ。ローザは決して逃がさないよう後ろ手で扉を閉める。
「さぁ二人とも。始めるわよ」
「タスケテ……、……ふたり?」
くい、とローザが仕草だけでルナの後ろを指す。そこにはあらかじめローザに放り込まれていた人物がいた。
「ど、どうも……ブリュンヒルド・ヤルンテインです」
「あ、どうも、こんばんは……え? 誰?」
「まとめて説明してあげるから揃って聞きなさい。率直に言って貴女たち二人は似た者同士よ」
「に、似てるのかな……?」
「髪の色はまぁ、近いけど……」
「好きなことに没頭しすぎて身の回りをおろそかにしている、似た者同士よ」
「うぅ」
「ぐぅ」
どうも心当たりがありすぎたらしい。ブリュンヒルドもルナも一切の反論ができず唸ってから黙りこんだ。
「いつまでも内側を向いて作品作りばかりしているブリュンヒルドも、外側だけに目を向けて自分を見ようとしないルナも、私は見ていられないの。だから今日ばかりは見逃してあげない」>>422
黙りこんだ? 否、否である。黙りこんだと見せかけて悪だくみをしていた。
「ボソボソ……(ブリュンヒルドだっけ? ここからふたりで逃げ出さない?)」
「ヒソヒソ……(できるなら逃げたいけど、でもどうやって……)」
「コソコソ……(一瞬でいいからローザを止められない? そのスキに私が全力で目くらましするから、あとは走って逃げる)」
「コショコショ……(礼装を使えばできると、思う。うん、よし、やろう……!)」
「言っておくけれども」
びくり! とふたりの肩が跳ねる。今の会話がローザには丸聞こえだったことなどふたりは知らない。
「ここから逃げ出そうとしたら私の"美"を脳髄に叩き込んであげる。逃げる、なんて思考も塗りつぶすくらいに」
「…………」
「…………」
「わかった? なら衣装選びから始めるわ。まずは貴女たち自身で選んでごらんなさい」
「…………」
「…………」
一瞬で抵抗する気力をそがれたふたりは、しぶしぶ……本当にしぶしぶ衣装選びを始めるのだった。>>423
Scene3 ヨモ・ヘルメ
ぎゃーぎゃー言いながらローザに引きずられていくルナを、ヨモ・ヘルメは静かに見送っていた。
普段であれば「まぁまぁ」と言いながら止めるところだが今日ばかりは違った。
「(せっかくのお祭りなんだし、ルナちゃんもおしゃれしたらいいよね)」
ルナ・アードゥルという人間は時計塔にいる間はひまさえあれば魔術の勉強、研究、実験。いざ外に出れば神秘を求めて冒険している。
そんな生き方をしている彼女が"おしゃれ"なんてものをとくに重視していないことは知っていた。知っているからこそ、「やってみればいいのに」という思いもぼんやりとあった。
知っていたはずなのに、仮装にまるで触れたことがないと言うルナを、つい、もったいないと言ってしまった。
だから、だろう。ああして引きずられていく彼女が、どんな衣装に袖を通し、どんなメイクが施されるか、楽しみでならない。
そんなルナの仮装を楽しみにしているヨモも、実はちゃっかり仮装して来ている。
ナース服である。三つ編みおさげの似合うナースさんがそこにはいた。露出は極力抑えられております。
「(待ってるあいだ、どうしようかな……)」
ヨモは手持ち無沙汰のまま広い教室をうろうろ歩く。
ルナが出てくるまでまだ時間はかかるだろうし政治が絡むような交流もする気はない。>>424
もともとそれほど顔が広くないこともあって、今の状況はちょっとだけ居心地が悪かった。
「(……あ)」
そして見つけた。広い教室でも目立ちにくい隅のあたり。光の具合でうまいこと影になっていて人目に付きにくくなっている一角を。
「(あそこにいよう)」
とくに深く考えたわけではなく。なんとなく今の状況から脱出するためにヨモは教室に隅に寄っていく。
人にぶつからないよう慎重に避けて歩き、ようやく壁際までたどり着く。
壁に背を預けて、ほぅっと息をついた。
「(まだ慣れないなぁ。こういうの……)」
この時ヨモは気づいていなかった。その場所にたどり着いた者は自分だけではなかったことを。
すでに、先客がいたことを。>>425
「(……)」
「………………(ペラリ)」
「(…………)」
「……………………(ペラペラ)」
「(…………!?)」
その人物は一人静かに本を読んでいた。
いかにも魔女ですといった風情の帽子とケープを身に着けた赤毛の娘だ。
仮装パーティーの場に、仮装をして来ているのに、人の輪に入っていこうとする気は微塵もないようだった。
「……………………………(ペラリ)」
彼女はヨモの存在に気付いているのかいないのか。視線を本に落としたままではあるけれど、周囲を警戒する気配はするから気づいてはいるのだろう。
「(ど、どうしよう)」
互いが互いの存在に気がついたのだ。お祭りの場でもあるわけだし挨拶のひとつくらいはしておくのがベターかもしれない。
ああでも、でも、けれど、ヨモにとってみれば相手は読書中なのだ。楽しんでいるようなら邪魔をするのは申し訳ない。だいいち気づいているのが自分の勘違いかもしれない。本当は気づいてないのにいきなり声をかけたら心底驚かせてしまうのではないだろうか。>>427
Scene4 ジェイド・トンプソン
「はいチーズ!」
ぱしゃり。
ジェイド・トンプソンはまた一枚写真を撮った。
運営から渡された比較的新しい型のデジタルカメラの液晶画面を見る。画面には今撮られたばかりの金髪の青年と黒髪の女の子が笑っている。
金髪の青年は天使の、黒髪の女の子は悪魔の仮装をしている。わかりやすいコンセプトだった。
一見そうは見えないが、「兄」「妹」という単語が聞こえてくるあたり、ふたりは兄妹であるらしい。
「それじゃあね~」
ふたりに手を振って別れつつジェイドは擬態を活かして周囲の風景に溶け込んでいく。
そろそろ容量が足りなくなってきた三枚目のSDカードを交換しながらジェイドはするすると人波をぬけて歩く。
今回の仮装パーティーの主催者はローザ・ユスティングリーのファンを名乗る者である。
その人物は金と人を惜しみなく使って一日足らずというわずかな時間でパーティーの開催までこぎつけて見せた。たいしたものである。
そしてジェイドは主催者に雇われていた。主に広報と写真撮影係として。>>428
「(メインは広報だったが……それも終わったしな)」
あとの仕事はおまけとして任された写真撮影だけ。
ローザ・ユスティングリーをはじめとした今回の"メイン"にあたる人間たちは本職の撮影係が撮ることになっている。残ったジェイドの仕事はほぼ無い。
「こっからは趣味の時間だな」
薄く笑ってジェイドは目をこらす。
ジェイドの趣味は他人を題材にした面白い見世物だ。趣味がいいとは言えないが、時計塔向きではあった。
爬虫類じみたその眼差しが新しい獲物を探していく。
食べ物をつまんでばかりのネズミを頭に乗せた子供。仮装をせず菓子を渡すことに徹している天体科の二人組。目立たぬように隅の方で本を読んでいる少女ともうひとり。
そして"それ"が目に入った
「(……なんだありゃ)」
一言で表せばそれは動く巨木。
ただし手があり、足があり、頭もある。樹の巨人とでも言うべき存在が新たに入場した。
あれも仮装の一種なのだろうがやたらとでかい。3mはあるように見える。その大きさに周囲の目を引き、巨人をぺこぺこと頭を下げていた。>>429
「(ふゥん)」
ここで、ジェイド・トンプソンは獲物をふたつ見つけていた。
ひとつは今まさに入ってきたばかりの巨人。
もうひとつは、目立つ仮装をしていない、この場では地味な魔術師。
ただし、なにかをやらかそうとしている。そういう目をした男。
男の瞳に宿るものは悪意ではないが善意でもない。放っておけばパーティーの運営に間違いなく支障が出る。
止めるべき、と。そういった思考が一般的。しかしジェイドはそんな風には考えない。
支障が出るなら、きっとその方が面白い。
ジェイドはそう判断し男を放置した。
繰り返すがジェイド・トンプソンという男の趣味は、いいとは言えなかった。
「んじゃま、次はあの巨人さんに挨拶しときますか」>>430
Scene5 ルーカス・ソーラァイト
「盛況のようですね、レディ・ロセッティ」
「ありがとうございます。皆様の協力のおかげです」
天体科に所属する魔術師ルーカス・ソーラァイトは、この仮装パーティーの主催者であるロセッティ嬢に挨拶をしていた。
高貴な家に生まれついた魔術師としての習性のようなものだ。挨拶ひとつ取っても手を抜くことなどできはしない。
ちなみにルーカスはこれといった仮装をしていない。普段使いしている時計塔の制服を改造した衣装を身につけている。
「ソーラァイト様も楽しんでいただけてますか?」
「それなりに。ですが僕の楽しみはもう少し後のようだ」
「そうですか。ではソーラァイト様もローザ様の美がお目当てで?」
「音に聞いたユスティングリー家の美の化身。えぇ、興味はありますよ。けれど本命は他におりまして」
「あら、あのローザ様よりも優先する方がいらっしゃるなんて。どんな方なのでしょう?」
「後輩ですよ」
「後輩……天体科の?」
「考古学科と聞いています。今回のパーティーの発端になったと聞きましてね」>>431
ギリィッ、という音がした。歯ぎしりをしたような……というか歯ぎしりそのものな音。
はて、音はロセッティの方から聞こえたような。
「レディ?」
「いいえ。なんでもありませんわ。それではソーラァイト様も、どうかお楽しみくださいませ」
それだけ告げてロセッティは足早にその場から立ち去る。
今の会話になにか思うところがあったのは明白だが、ルーカスはこれといって興味を持てなかった。
さて。
ひとまず挨拶も済んだ。ルーカスはお目当ての後輩の探す。すると───
「おやルーカス、君も来ていたのか」
現れたのはルーカスと同じ天体科のルファス・ヴァーミリオン。
こちらもルーカスと同じく仮装こそしていないが、両手で抱えたふたつのカゴの中にはたくさんの菓子が入っている。
ルファスはルファスなりにハロウィンを楽しんでいるらしい。
「僕は後輩を見に来たんだよ」>>432
「ほう? 君がわざわざ足を運ぶような後輩がいるとは知らなかったな」
「ルファスこそ何を?」
「私はあれだよ、遊びに来たんだ。お祭りだからね」
「仮装もせずに?」
「お菓子を渡す大人もハロウィンには必要だろう? それにちょうどよかった」
「? なにが」
「そら」
ルファスはふたつのカゴの内のひとつをルーカスに手渡す。
「私ひとりじゃ手が足りないんだ」
「僕にも手伝えって?」
「君も私も子供に混じって菓子をねだる柄じゃないだろう? ……ほら、来たぞ」
「ん?」
「おにーさん、トリックオアトリートぉ」
いつの間にか魔女っ子の格好をした女の子がルーカスに向かって両手を出している。ハロウィンお決まりのやつだ。
女の子の頭に乗っているネズミもどこか急かすような視線をぶつけている。女の子の使い魔だろうか。
特に抵抗もなく自然に、ルーカスはカゴから取り出した菓子を渡す。>>433
「はい、どうぞ」
「ありがとぉ」
ルーカスから菓子を受け取った女の子は礼を言いつつその場で食べる。はんぶんこしてネズミにもあげていた。
ルファスはその様子に微笑んで、ルーカスの肩を軽く叩く。
「ずいぶん慣れているじゃないか」
「まぁね。誰かに施すのは慣れているつもりだよ」
「この調子なら任せてもよさそうだ。いいだろう?」
「ああ、いいよ。多少は手持ち無沙汰だったことだしね」
「助かる。では私はあちらのお嬢さんたちの方へ行くとしよう」
言いつつルファスは部屋の隅に向かって歩いていく。部屋の隅は多少妙な雰囲気が漂っていたが、ルファスに任せておけばいいだろう。
「……さて」
祭りはまだまだ続く。なら、せいぜい楽しんでやるとしようか。
ルーカスはそんな気持ちで渡された菓子入りのカゴを抱え直した。コレはパーティとかでどんなに目立たないところにいても「よお〇〇!最近どうだ?」ってめっちゃ笑顔で話しかけてくるレッドア・モンティラードとかいう男
>>435
わ〜!キャラがたくさん出てる…視点たくさん…こんな豪華なSSが三部構成!?なんて贅沢なハロウィン…
しかし和やか賑やかなパーティの中でちょくちょくまぎれて挟まれてくる不穏要素(地味な格好の魔術師、ロセッティさん)が気になってきますね…どんな展開になるか全く読めない…
そしてヨモ。露出度低めナース良いですね、ナースコスで検索するとどうしても露出強なものしか出てこないけどレトロなナース服であってほしい…
出会ったのがダイアナさんとなるとこの気まずい空気はしばらく続きそうだなぁ…本読んでる人いると邪魔しないようにって思うよね。この二人の行く末もパーティの展開同様読めなくて楽しみになりますね…頑張って話しかけても気まずい空気が深まる気配しかなさそうな予感もしますが…>438名前忘れてた
今返信できるやつのみ返信します。
>>348
言うても人海戦術を駆使するだけで大層な事はしないですね。バーサーカーの魔力供給の負担を和らげる為の処置ですし。
>>365
ネームドじゃない脇キャラになりますけど、なんとか活躍させたいと思います。人倫は無視できませんね、ボスの意向なので……。
>>375
懐かしいですよね。もう25年前くらいの……あれ?
>>377
マフィアの怖さを成田氏のように描写したい所存でございます。現代の恐ろしさをセイバーにも(セルティのようにビビらせたい)
夏空市は冬木のように酷い被害にはならないと思う……多分。
>>379
マイナーな系統を創るのって結構楽しいので、ノリノリで作りました。アフリカ呪術って魂関連ばかりで奥が深いですよ。
彼女が何故このような事態を引き起こしたかは、次回をお楽しみに……。BLEACH見てたらむくむくと湧き上がってきたのでちゃんと手をつけるか…アスクレピオスの娘達vsプロメテウス…
>>395>>399>>400
カナリアは間違いなく幸せです、なんせ自分の人生に指標をくれた人ですからね
アインのためならどんな死に方をしてもいいぐらいには
>>397
お互いにそういう不埒な感情は全くないんですけどね
それはそれとして「君は俺の犬だよね?」ってアインが顎クイしながら言ったらとても顔を輝かせて「オレは貴方の犬です」って間髪入れず言えちゃうけど
夜空の因果干渉は事件簿でフリューガーが見せた占星術の因果干渉のアレだったり
>>411
生まれながらにして魔道と闘争に命を浸し続けた結果がこんな感じのつよつよ魔術師になりました
そもそもアインが「素直に部下になってくれないならありとあらゆるプライドへし折れば屈服するだろ」って感じで団員集めやってるので……
>>412
グローリアンの魔術師における「戦闘の才能」と「戦闘に関する機能」は全部アインに注がれてますからね
そのかわり兄と姉は戦闘能力皆無の魔術師としての視点で見ればあまりにもか弱い生き物ですが>>445
最初はこの大人数に『船』メンバーもプラスしようとしてたので私はなにも考えていなかったと思われます
実はずっと前から動かしてみたかったジェイド・トンプソンさん。今回は描写できた実際の動きが写真撮ってるだけなのがちょっと不安でしたが問題なさそうで安心安心
>>448
………………あの、えっと…………そのセリフはルファスではなくルーカスのつもりで、あの、あのぅ………………
団長は800歳くらい。騎士団の設立時期は考えてなかったですね……あんまり古すぎないくらいのイメージです
>>449
あー…自分の安全地帯を占うってやってたやつ!
>>450
まだだ!まだ終わらんよハロウィン!
とか言ってたらすぐクリスマスになる…「レトロ風メイドメーカー」(https://picrew.me/image_maker/62745 )様よりナースコスヨモ。これ+ゾンビメイクですことよ
>>443
良かった合ってた…
ふむふむ、となるとハーフリムとかオーバルとかですかね?それなら正三は丸眼鏡とかにしようかな…鼈甲とかの。
ご回答ありがとうございます!
>>444
どうしてもAIの人物画はどこか歪になりやすい感じですよね…人間の構造を感覚的に把握してない分、不気味の谷現象に陥りやすいというか。
おぉ、ラニカくん可愛い。英字新聞で出来たみたいなボディとかクリクリおめめとか愛らしいですね。王冠もちょこんとのってる
>>448
なおこれで気が合う(とレッドアが判断する)と以降は会うたびに「Hey親友!元気そうだな!」って来る。うーんアメリカン
>>446
色違いオソロファッションてえてえ…
>>450
うちでは結構希少な豪快にハツラツによく笑う系です〜!
いやホントに希少。真正陽キャレッドアホテル聖杯戦争と二十彼のSSを登録〜。スタッフのキャラシも登録したいけど、どう載せよう…一人一人ページ作るのやぼったいしなぁ…
>>451
グランデの方針は存外気を許せば相手にも依るので、多勢巻き込むか否かはこの場合善財童子さんの手にかかってる…
笑加は概して巻き込まれ枠の一般人、そのくせ好奇心旺盛(魔力貧弱)なんで、普通の聖杯戦争でも面白い組み合わせになりそうですよね
>>454
おおうかなりガッツリ刺青…ん?ちょっと待ってこの服スケスケでは?背中以上に正面も危険なのでは??
>>456
ついに生活管理局のトラブルメイカーさんのお名前が明らかに…灯台室はアードゥルさん(ルナちゃんのお師匠さん?)がトップではないのですね。
あと、実は清掃室長とはいかずとも幹部にはなれそうなくらいのキャラをプールしています…とだけ…(色々設定が船員たちと似通ってる&自分で作りすぎな気がするのでプール中)>>413
凌牙「ハッ倒してテメエの塩で肉焼くぞク.ソ塩」
>>435
ものすんごいキャラとSSの密度…しかも1/3ってのが凄い…
どんなドタバタが巻き起こされるんだろ…
>>448
お前かよ!!(ワンピネタ)
唐突なクロッカスさんで草生えましたわよ
>>454
エッッッ
やっぱルネさんの絵は線が綺麗っすよね
>>456
唐突な新キャラの名前公開にビビりました
とりあえず作ろうかなって感じで興味があるのは灯台室と機関室ですね…幹部作れる自信は無いですけど
>>458
1個に纏めるパターンが良いんじゃないかって思います
俺も叛鎖の敵キャラの半分位は一纏めにしようと思ってますし
>>457
この二人は絶対オソロファッションするなって思ったんでやらせました
マジでこの二人の絡みをもっと見たい位には尊いっす>>454
エッッッ(ry
刺青が透けてるのが余計エッッッ
>>455
ありがとうございます。あと少し質問なのですが調査隊って例えば海中で現存する幻想種と遭遇することってどれくらいありますか?そこそこ頻繁に?それとも滅多に無い感じですか?
>>456
>>マリアゴールド・ベル・レベル
ほほうこの人が例の第一級の…。あと機関室、調査隊、学園長でしたら幹部に出来そうなアイデア考えてますので埋まらなくて困ったらいつでも仰ってくださいね。
>>457
天然タラシを感じますね。
>>463
ふむ。それでしたら私は書きませんが一つネタを差し上げましょう。
『部屋にGが出てジャスミンに助けを求める海月ちゃんと虫退治用の人形を携えて駆け付けるジャスミン』誰もいないっぽいな…
とりあえず>>465のお題の前編が出来たので投げますね集積船の生徒、一条海月。
彼女は自身の部屋で、水色の可愛らしい部屋にあるゲーミングチェアに座っていた。
親友のジャスミンが作ってくれたぬいぐるみを膝に抱えながら、彼女はモニターを真剣に眺めていた。
「…よし、あと1チームでこのマッチは勝ち…!!裂夜さん、マレオ!!ガンガン攻めるよ!!」
「了解…!!」
「よーし、このマレオ様に任せと「そういうの良いから一気に行って!!」うわ神経質だなーミツキ」
コントローラーを動かし、銃を構えながらフィールドを見回す。
そして、その視界に敵を見つけた瞬間、ウルト、即ち必殺のボタンを押し、マシンガンを展開する。
「行くよ、マシンガン発射…!!」
弾丸の雨が、敵に向かって浴びせられていく。それに気付いた敵プレイヤーは避けながら銃口を向けるが——>>468
「…ここだよな、よし。ウルト発動…!!」
一緒にプレイしていた男、三峰裂夜がそう言って必殺を発動した瞬間、画面の敵周辺に電磁波が巻き起こり、敵に大幅なダメージが入る。
「うひょーナイス!!さーて、あとはこの海神のマレオ様に任せ——」
「よし、最後の一人倒した!!」
『勝者が確定しました。』
「やったチャンピオン…!!」
マッチの勝利を告げる勝利のアナウンスが、モニター越しに祝福の様に告げられる。ある意味一人(一柱)にとってはちょっとだけ釈然としないかもしれないが。
「…海月ちゃん、凄いな。このランク帯で13キルってかなり強いよ…」
「えへへ…まあ、ゲームなら私もかなり自信ありますし。…それに、魔術の方でも射撃をメインにしてるから、勘が付いたのかなって思います。」
「うへえ、流石ミツキだなー。帽子と手袋とマスク付けて男装してゲーム大会で「三日月」と名乗って勝利してるだけは」
「よしピクシスさん、次はスマブラやりましょ!私と裂夜さんvsマレオの2vs1でやりませんか?」
「おぉう笑顔でエグい事を言うんじゃねえミツキ!!…と見せかけて残念でしたーこのマレオ様は桜○政博レベルの一人で二人分プレイ可能なゲームスキル持ってるんじゃーいミツキやーいやーい」
「…落ち着け二人とも…でも正直マレオの桜○プレイは見たいな…よし、やろうか海月ちゃん」
「オイサクヤァァァァ!!オンドゥルルラギッタンディス「はいはい、じゃあ決まり。スマブラやるよマレオ。」ふぇぇ…ぴえん」
マレオの異常なテンションをいつもの感じであしらいながら、a○exのゲームを閉じる。>>469
そして海月はいつものマレオの煽りに溜息を吐くが、その表情は安心した様な笑みを浮かべていた。
この船に入って、自然体でゲームで遊べる仲間ができた。今まではオンラインでチャット越しとかでしか会話できなかった私に、一緒にゲームできる仲間ができたんだ。
マレオの奴や、裂夜さん。ピクシスさんにリュジニャン君とか、沢山仲間ができた。
私はこの船に来て、本当に良かったと思っている。
「じゃあ私、飲み物取ってきます。」
「ほいほーい」
席を立ち、自分のベッドでメロが至福の表情で寝ている事に微笑みを浮かべながら冷蔵庫に行く。
「さてと…今日はサイダーにしようっと———
カサカサ。
手に持っていたペットボトルが、落ちた。
密閉されたペットボトルの中で、ジュワァと炭酸の音が聞こえる。
でも今、重要なのはその音ではない。
「奴の音」が聞こえた。>>471
海月は、普段の落ち着いた声から想像も付かない叫び声を上げながら飛び退いてベッドの上に立つ。
「……一条さん?悲鳴が聞こえたけど大丈夫!?」「あ゛ッッごめんなさい切りますっ」
裂夜さんの声に気付き、二度目の奇声が出た。
ボイスチャットをオフにしてなかった。そう、さっきの悲鳴が聞こえてしまったのである。
急いでパソコンに行きボイスチャットをオフにする。そして、大丈夫か心配する裂夜さんと永遠にwwwを連打するマレオのチャットを見て、「二人で先にやってて下さい、あとマレオは今度覚悟して」とチャットを送信した。
とりあえず、これで一通り作業は終わらせた。
後は、奴を、黒い悪魔を倒すだけ。
(でも、どうやって…?)
まず最初に思いついたのは、メロを起こして麻酔針で眠らせて外に落とす作戦。でも今は、メロは爆睡している。そんなメロを急に起こすのも悪いし、できればメロはGを知らずに健やかに過ごしてほしい。これは没。
作戦2、G用のスプレーを使う。…そういえば買ってなかった。没、私のバカ。
作戦3、誰かを呼ぶ。呼ぶにしても誰を呼ぶのが最適だろうか?
まず冷静に考えて、スマホを持ってる人じゃないと迅速に呼べない。このまま部屋を放置して呼びにでも行ったら最悪隠してるコスプレ衣装に悪魔の手が及んでしまう。
それを加味して考えると…>>472
候補1、ジャスミンちゃん。一番呼びやすいけど今日は工房に篭って人形を作るって言ってた。没。
候補2、凌牙君。こういう時一番動じずに倒してくれそうだけど馬鹿力でインテリアに少し被害出そう。あとここ女子寮だし没。
候補3、ムジカちゃん。と思ったけど虫苦手そうだから呼ぶのも申し訳ないよね、没にしよう。
候補4、カステラ君。うん、ごめんねカステラ君。没。
候補5、騎士団の皆さん。これが一番ありかもしれない。何なら今から裂夜さんを呼べばワンチャン——
そう考えた時、カサカサ音がこっちに近付いてきた。
「…ヤバい。」
海月が現在いるのは、ベッドの上。
そのベッドの下には、彼女のコスプレ服が隠されている。
ベッドに近付く、それ即ちコスプレ服に噛まれる可能性が強まる。
「待って——」
身体が強張る。悪魔が隠し場所に近付く。
倒す方法は無い。万策尽きた。
…つまり、もう——>>473
バンッッ!!
大きな音が、聞こえた。
「っ——!?」
最早音に敏感になった彼女は、身体を震わせて反応する。
しかしそれは、カサカサ音ではなく。
「———海月ちゃん!!」
ドアを開け、声を聞いた瞬間。海月の強張った心は和らいだ。
何故ならそこには。
彼女の一番の親友、そして——
最も頼れる存在がいたからである。
「ジャスミン、ちゃん———」うーん流石にふざけすぎたからかよくてよ無いな…続き書いて大丈夫かな…
>>464
機関室の方が良さげな感じですかね…
とりあえず機関室だとキャラ案であるのは怪力ドアホ君とオートマタオタクの凄腕メカニック女子です、まだあんま固まってないけど
>>476
凌牙と絡めたら面白そう…!?(ガタッ)
めっちゃ気になる…
>>477
何でこんなスケールデカくなったんすかね…疲れてんのかな俺…
>>478
流石ジャスミンそこに痺れる憧れるゥ
>>479
ただ途中までは書いたんすけどさっきの前編があまりにアレすぎた気がするってのがよくてよで分かるので続き書いていいか分からんのですよ…
>>480
数ヶ月前俺の部屋に出てきた時はガチで心臓止まるかと思いました>>486
行きます~
>>159
<5>
ベルナルダ家は代々魔術使いの家系でもあるが、これはベルナルダ当主たちがかけられた呪いをどうにかしようと魔術師たちにすがり、学び取り入れた面が強い。
見返りとして金銭や霊地的な支援をしたり、魔力の豊富なベルナルダの血を分け与えた(子らを魔術師の家に嫁がせた)経験もある。
(ルチアーノの代でそれらはうちきってしまったが。)
また、初代がネレイドを食べた影響によってニンフ由来の異能も身についている。
以下、主な能力
『支配』
魚などの水棲生物に限るが意のままに操作可能。だが水棲でも幻想種や他人の使い魔の支配は困難を極める。
ただし、より高度な支配魔術を扱える術者は『船内』に複数人いるため、使うシーンは少ないと思われる。餅は餅屋。
『空間移動』
人を自分たちの領域へ連れ去る水妖ニンフの異能。
ルチアーノの場合は「1日に1度まで」「自身か自身と同じサイズの物体」を「よく知る場所」へ(あるいはそこから)移動させることが可能。>>459
実はヨモのコスは病人(もどき)でみんなのお世話になっているような人間が病人のお世話をする人間のコスをするという自虐が含まれていたりいなかったり云々…
なるほどなるほど。灯台室だしルナちゃんのお師匠さんだしということで星関係になりそうですね。
手足は増やせないですが自己分裂は出来る、日常生活の汚れの清掃というより死体や腐肉の清掃(&その資源の再使用可能化)が中心ってヤツですが…因みに思うところありそうなのはニコレットさんやベルナルダ卿。給食室の人から嫌われてる(と本人が思ってる)
>>460
>>463
わかりました、とりあえずページにそのまま折り畳みで登録いたしました。
今未記載のキャラも追々投下と共に格納していこうと思います、ご意見ありがとうございます!
>>475
Gだ!Gがでたぞー!(狼少年的)
こういう時候補に第一で挙がって実際に呼ばれるっていうところに二人の信頼関係と仲の深さが見て取れますね。カステラは…本人へっちゃらだけど面白がって放置しそうだからな、うん…
>>488
これはマレオあたりがマンガの料理見せて「つくろーぜ!」ってなって材料調達とかで一波乱できそうな…さすが給食室のドン…>>490
(給食室での地位がどうなるかは黒鹿さん次第ですが)ぜってー面白ヤバいことになりますね!>>495
私も限界…おやすみなさいませ〜>>497
うちのクリスティと西湖が当てはまりますね。
後者は小説家というよりは、実用書や自伝書いてたんですが。>>485
了解っす
>>486
灯台室は辺境の民族出身で使い魔連れた風読み専門の奴(詳細はまだ考えてない)が今の所考えてる奴だったりします。
でもあくまで案だから裂夜君みたく今後変わるかもしれないので悪しからず…
>>489
どうやって立ち向かうんですかね…まあジャスミンちゃんが来たという事はそういう事だったり
>>490
やっぱりジャスミンちゃんと海月ちゃんの絆は滅茶苦茶深いし固いですからね。無限にてぇてぇを作り出せる可能性に満ち溢れたコンビ、それがこの二人です
カステラ君は…正直書き方は少し悪かったかなとは思いましたがなにわろてんねん状態になりそうだなと思ったので…
>>497
薄々予想してましたがまさかの新たな不良ですってッッッッ!?(歓喜)
これには巽のおっさんもニッコリですわ
全裸待機します
>>498
その上16歳の女の子ですからね、ビビっちゃうのも無理はないです。
踏んだ時のカリッはガチで心臓に悪そうで怖いですね…亜種聖杯戦争の続きを投稿します。
「────寒い」
そんな何気ない一言を溢したのは、あらゆる意味で全ての元凶と言える存在であった。
夏空市。夜天が覆う都内の路上にて、その者は占い師のような出で立ちで……というより、まんま占い師の姿で、占いをやっていた。
その周囲には路上ライブをするアーティストたち、それを一瞥する通行人と、足を止めて演奏を楽しむ観客たち。
騒がしい夜。
賑やかな夜。
音止まぬ夜。
数週間前から夏空市に滞在している占い師は、相変わらず夜になっても落ち着きない街だと、ローブの奥底に隠れた顔に微笑を浮かべる。
この都市は聖杯戦争の舞台にうってつけの土地と言えるだろう。
魔術協会の直接的な関与も圧力もない極東の、それも目を付けられ難い地方の都市だ。加えて霊地として優れているので聖杯を満たし、願望機として完成させる条件が軒並み揃っている。
ただ一つ誤算があるとすれば、この土地の“管理者(セカンドオーナー)”がマフィアと繋がっていた点だろうか。
占い師の暗躍に勘づき、人海戦術を用いて下手人を捕らえようと躍起になっている。
人様の縄張りで好き勝手やっている、手を出すべきではない一般市民を毒牙にかける────無用な儀式を、聖杯戦争というものを持ち込んだと、罪状をあげればキリがない。
しかし当の本人は特段焦燥する訳でも、対策を講じる事もなかった。>>505
占い師は────ウァト=ウルと呼ばれる彼女は、どこまでも俯瞰的で、機械的、幽鬼的で、何事にも動じずに己が今やるべき事だけをやっていた。
「……どうぞ、お客様。そちらにお掛けください」
丁度、占いに興味を持ったであろう妙齢の女性を席に座らせ、その手に触れてこれからの運勢を占う。
ウァト=ウルには占星術の類いのような、他者の運命を予見する技術なぞ持ち合わせてない。だが、彼女の眼は魂を視認し、その情報媒体を通してあり得そうな結果を予期する事ができるのだ。
仕事に関しては手を抜かない彼女の性分が功を奏したのか、若者の間で知る人のみぞ知る名物占い師として広まっていた。
「……可もなく、不可もなく。強いて言えば、青色の紐状の品を肌身離さずにいれば、凶相が現れる事はないでしょう。高望みせず、自身の身の丈にあった選択と努力をすれば、緩やかにですが吉兆の芽が出てくるでしょう」
淡々と占いの結果を告げる。
側から見れば無愛想で、無機的な反応は客受けがいいとは思えないだろう。
しかし現実は────
「本当に歯に衣着せないんだ……!」
────感激であった。
占ってもらった女が言うように、ウァト=ウルはその結果をぼかす事なくハッキリと言う様から、どういう訳か若い年層にウケたらしい。
胡散くささを感じさせない言動というべきか、まあ彼女からすれば自然体で接待しただけで特別な何かしたとかではない。>>507
さて、次の獲物は決まった……と、彼女は撤収の準備を始める。
そもそも、何故ウァト=ウルが占い師の真似事などやっているのか。その理由は単純明快────呪詛をかける獲物を探していただけに過ぎない。
現在、夏空市にて頻繁にニュースにされている『青少年連続自殺事件』の元凶・黒幕は彼女の事であり、いかにして被害者たちを自殺へと追い込んだのかは、とある事件を参考にして行われている。
かつて世界的に問題となった『ブルー・ウェール・チャレンジ』の事件。人間心理を利用し、巧みに精神的不安定な青少年の強迫観念を煽って思い通りに操る手口を、ウァト=ウルは実験と“供給”の為に利用した。呪いで再現したのだ。
魂とは死に瀕した際、もっとも恐怖心に蝕まれた時こそが輝きを増す。所謂、周囲の動きがスリーモーションになる、走馬灯がよぎるなど現象がそれに該当するだろう。
よって彼女はその原理を利用し、魂の総量が増幅した瞬間に対象の魂を確保した。よき燃料になるし、聖杯戦争においては欠かせない物資になり得るからだ。
そのせいで自殺者が急激に増えてしまうが、些細な事だろう。戦争に多少の犠牲は必要なのだから。
場面は移り変わって、誰も存在の知らぬ某所。
そこで彼女は無機質な表情のまま部屋の奥底────暗がりの中、使い古されたソファの上にぽつん座り込んでいる白銀の少女に声をかける。
「どうです新しい魂(おあじ)の方は。少年の行詰りへの絶望、少女の途方もなさへの絶望、青年が抱いた死への絶望。数多くの魂喰い(しょくじ)を堪能してもらうべく、腕に寄りをかけて取り寄せた品々ですが……はて、ご感想をお聞かせくだい────キャスター殿」>>508
少女は、キャスターは答えない。
焦点の合わない虚な目で天井を見上げ、息遣いも、肉体の小刻みな動きすら一切ない。只々そこにあるだけのような人形だ。
まるで、壊れてしまった……あるいは人為的に壊されてしまった中身のない入れ物。
キャスターがこうなってしまった一因は、ウァト=ウルがサーヴァント召喚の儀式で“白銀の少女(スネグラーチカ)”を呼び出した時である。
脳への情報処理能力に多大な負荷を与えてしまったものの、微かにキャスターの魂の一端を垣間見た彼女は、キャスターが一体どんな存在で、何を抱えているかある程度把握した。
何とも可哀想なお人形だこと……そう思った上でウァト=ウルは二画の令呪を用いて命令を下した。
『あらゆる人間の感情から逃げる事を禁ずる』
『あらゆる自死への試みの一切を禁ずる』
この日を境にキャスターは、何倍にも凝縮された高次元のエネルギー体を供給され……生贄となった青少年たちの悲痛な叫び、抗いようのない絶望の声を霊核の髄まで味わう事となり、耳を塞いでも霊体化しても止まない絶叫に苛まれ続ける事となった。
如何にそれがサーヴァントの現界を維持する為の供給で、万全の実力を発揮させる為の燃料だとしても、まるで自身を呪うかのような壊れ続ける声にキャスターは摩耗した。
ズルズルと引き摺られるような、
キリキリと引っかかれるような、
ボロボロと擦り切れるような。
そして────ポキリ。>>514
では!
【氏名】クウネル・コーバイン/Cunel Cobain
【性別】男性
【年齢】23歳
【出身】アイルランド
【身長・体重】178cm・75kg
【肌色】白色人種【髪色】テラコッタ【瞳色】ローアンバー
【外見・容姿】ソフトモヒカン、剃りこみ、スーツ、頬にDon't Think Feel(考えるな、感じろ)、頬にASA(As Soon As=早くやれ)のタトゥー
【令呪の位置】右手。
【使用言語】訛りのきつい英語(日本語表記にするとなんちゃって広島弁っぽく聞こえる)
【属性】混沌・中庸
【魔術系統】ドルイド魔術、魔女術など
【魔術属性】地
【魔術特性】
【魔術回路】質:B 量:B 編成:やや異常、が、構成自体はシンプル
【起源】実直
【所属】秘海集積船 清掃室>>515
【人物像】
AUSTIN REEDのツーピーススーツを片手に秘海集積船に乗り込んだドルイド魔術師。
柄が悪く喧嘩っ早い。ある意味見た目通りではあるが見た目の治安がカンストしているためか喧嘩を売られることは滅多にない。
初見では近づきにくいタイプに見えるがある程度性格を理解するとその認識が誤解、あるいは偏見ということがわかる。
本質的には真面目で一本気。上記の態度は曲がったことは許せないという意志の裏返し。自身の美観にそぐわないものがいつ現れるかわからないということで気を張っているのだろう。
「舐められるのはつまらんじゃろう。男は舐められたらそこでしまいよ」
訂正。柄が悪いのは素かもしれない。
同じ時間に起きて家事を片付け、また同じ時間に寝るという当たり前のようでいて継続することがむずかしいことをこなせる男。
知識としての作法は知らないが精神的な部分での礼儀は知っているタイプ。具体的には目上の相手が座るまで自分は座らない、とか、最初は呼び捨てでも敬意を払うべきと感じた相手にはさん付けになる、とかを直観的に判断して実行できる。
良くも悪くも素直でわかりやすいタイプ。訛りこそ消えないものの礼節の有無は態度で伝わるため年上に好かれやすい。
本人も人懐っこい部分があるため割と可愛がられるタイプではある。おおむね大型犬のようなものと思って相違ない。
奔放なようで格式張ったものを好む一面もあり、船でスーツを着ているのもスーツと呼ばれるものが正装であるため。ちなみに汚れても浄化の魔術で元通りらしい。すげーな。
“男とはこうあるべき”ということにこだわっており、いずれは“男の中の男”になることを目指している……が、注射や犬や異性が苦手と言う一面も。
とは言っても女性に関しては『過去に付き合っていた女性が精神を患い、別れる時まで力になれずじまいだった』という苦い思い出があるのだが、
学がないように見えるがこれでも読書好き。ジャンルにこだわりはないが最も好きな作品はウィリアム・シェイクスピアのロミオとジュリエット。
これは彼女からの影響である。>>516
【魔術・特殊技能・特性など】
オーソドックスな魔女術とドルイド魔術の使い手。
やがては自然と一体化することで根源へと至ることを目指している。
呪殺や催淫、などとは異なる薬学や植物学などの延長線上にある魔術を扱う。
ヤドリギの葉や枝を媒介とした魔弾、自然に呼びかけることでの回復や解毒、周囲の動物霊をヤドリギで組んだ骨組みに宿らせて使役するなどその能力は多岐に渡る。
言ってしまえばオールラウンダーな彼ではあるが、最も得意とするのは浄化と呼ばれる魔術である
死後も残り続ける負の想念や呪詛、総じて悪性の存在の消去。
一般的な魔術では魔力によって無に帰す方法が定石であり、ドルイド魔術とてその例外では無い。
彼の場合は“相手に語り掛け、あるべき場所へ還ってもらう”という方法を取る。
当然これは彼独自のものであり、起源が絡む荒業である。
魔術師としては根源はもちろん、男性の魔女術師を増やすという夢もあり、船に乗り込んだのもそれが大きな理由である。
ちなみに、いかにも肉弾戦をやりそうであり、事実としてMMAを収めている彼だが魔術戦においてはその限りではない。
「なんを言うちょんか。魔術師が殴り合うとか意味わからんじゃろ」
……おっしゃる通りで。>>517
イメージカラー:オーカー
特技:掃除
趣味:読書
好きなもの:本、読書
苦手なもの:女性、犬、注射
天敵:「そりゃあもちろん自分自身よ。だるいとかきついとかよ、そういう弱い心に負けちゃいけんが」
願い:「あの子が幸せになれますように」
【一人称】ワシ【二人称】お前、われ【三人称】お前達
台詞例
「われ誰に向かって舐めた口聞いとんじゃ。あ? ばっ捌いて薪代わりにしちゃろか? あ?」
「男には向いてねぇとかわぁわぁ言うとるじじいばばあがおるけど関係ないじゃろ。ワシが使えとるんやけ」
「ルチアーノさんの飯は最強よ。本当にええ人やわ、あの人は」ルチアーノ・ベルナルダに対して
「嫌いとかじゃないんスよ。マジっス。なんならリスペクトしてるまであるっス。うす」ポチ先生に対して
「凌牙はええやつよ。ワシが保証しちゃあ。例えば誰かが転んでワシが手助けしようとするやろ? 大体凌牙も動いとうからね。見てるもんが同じなんよきっと」砕城凌牙に対して
「最初はびっくりしたけど流石にもう慣れとうよ。いけんじゃろ、色々してくれたり掃除も手伝ってくれたりしとるんじゃけえ。変に挙動不審になったりしたr……うおっ……二人並んどる……()」アルシオネシアに対して
「恵みよ、ここに(Tinne Nion)」魔術回路の起句趙雲の後ろ髪辺りのデザイン変えましたよ報告兼久々の鎧再臨落書き
趙雲の鎧は風の影響受けやすくしたパワードスーツ的な物っていう設定を思いついたけどどうしようか迷ってます、けど三国ならこの位はやるよな…
>>510
スネグラーチカさん…!?滅茶苦茶えげつない事になっていらっしゃる…
大量自殺の元凶って事も含めて中々エグい事しますねウルさん…
>>511
その辺はまだ考え中ですね。
一応民族由来の何かで風読みの精度を上げるみたいなのとか考えてますけど決まってはないですね
>>519
おぉ…これまたいい漢が船に増えましたね…!!
王道のヤンキー兄貴と思ったら本好きな一面もあるの好き…!!
あと男の世界とか漢について巽のオッサンと語り合えそうだし一緒に飲んでそうっすね、多分仲良くなれるタイプ
そして凌牙君とも絶対仲良くなれますね。比較的話す相手で夜一緒に晩酌してそうって感じの雰囲気を想像しました
めっちゃいい漢で好きです補足:
「うおお……本物じゃ……! あ、握手とサインしてもろうてええですか?」ダンテ・アリギエーリ、アガサ・クリスティなどに対して
作家鯖に対してはこうなります
>>520
いいよね…インテリヤンキー…
巽さん拝見しました!これは兄(あに)ィって呼んで慕いますね間違いない…!
晩酌に関しては「まあ本当は行けんけどワシも凌牙くらいの頃にはえらい悪さしとったけの。ええじゃろ」ってなる
>>521
また懐かしいネタを…(笑)
実際殴り合いもできるけどスタンス的には魔術戦に重きを置いてる感じですね
>>522
「あごうなもん痛いし危ないだけやろうが。何を抜かれたかも何を入れられたかも分からんしな」
ありがとうございます!よろしくお願いします!今日は皆既月食ですわね…それはそれとしてハロウィンSSの続きを出してもよろしくて?
>>525
よくってよ~いきますわよ~
Scene6 メルチミス・ゲルルセミッツ
「(あぁぁぁ、また逃げちゃったぁ……)」
樹の巨人とでも言うべき姿をした自立型魔術礼装『ガオケレナ』に乗り込んだメルチミス・ゲルルセミッツは深いため息をついた。
メルチミスは急遽開催されたハロウィンの仮装パーティーにひとりで乗り込んだ。
本来なら人が集まるようなお祭りなんてメルチミスは近づきたくないし知りたくもない。それでもここに来た理由は家から託された役目を果たすためだ。
未来のお婿さんを捕まえてこいという、家からの命令を。
普段引きこもりがちの自分でもこの機会に殿方と知り合えるのでは。そんな期待を込めて仮装パーティーへの参加を決意した。
その決意はパーティー会場に入ってすぐに打ち砕かれた。
「(あの人なんだったんだろ……)」
ついさっき声をかけてきたリザードマンっぽい仮装の人を思い浮かべる。
カメラを持って「おっきいね~! なんの仮装ですかー?」と声をかけてきたあの人。正直言うと恐ろしさしかなくてついつい逃げ出してしまった。だってこわかったんだもん。
こわがらずにちゃんとお話しして仲良くなろうとすれば…………という後悔も溢れそうなほどに心を満たすがこわいものはこわい。おとこのひとこわい。>>527
「(こんなんじゃ、ダメなのに…………………)」
とぼとぼ……と歩いているようでその足音はズシズシ重く響く。意気消沈したまま巨体をゆらゆらさせる樹の巨人はまぁ目立つこと目立つこと。
「(う、うぅぅ……に、逃げたい、帰りたい……引きこもりたいよぅ)」
ひとまず心を落ちつけよう。そうしよう。そう決めてメルチミスはなるべく目立たないように───もう手遅れだが───部屋の隅に向かう。
照明の位置関係で陰になっている場所がよさそうだ。人気はないと思い込みつつメルチミスはガオケレナの巨体をゆっくりと下ろした。
「……はぁ……」
そしてため息。
またダメだった。やっぱりダメだった。始まったばっかりなのになんだかもう全部終わったような絶望感に苛まれる。
ちょっと勇気を出してみれば自分はダメなんだと思い知らされるこの現実、もうちょっとどうにかならないものだろうか。
「………………はぁ~………………」
「………わ、わわ………」
「…………?」>>528
自分以外の声がした気がする。
おかしい、人気がないことは確認───してなかった。よく見てなかった気がする。
冷や汗をダラッダラ流しながらメルチミスはちらっと視線を下に向ける。そこにはいてほしくなかった先客がいた。
「…………(ペラリ)」
「…………(オロオロ)」
部屋の隅にどこからか持ってきたらしい椅子に腰かけて本を読む少女と、
読書中の少女とメルチミスに挟まれた位置でオロオロしている少女。
「(…………やっちゃった----!)」
やっちゃった。やってしまった。あろうことか空気がびみょーな空間にメルチミスは足を踏み入れてしまったらしい。
踏み入れるどころか腰を下ろしている。しかもガオケレナの巨体を。
「(に、にに、逃げなきゃ……)」>>529
逃げよう、そうだ逃げねば。
今すぐここから逃げ出し……ていいのだろうか。自分から無遠慮に座り込んでおいて慌ただしく逃げ出すなんて邪魔の極みじゃなかろうか。
それならここで物言わぬ置物になるのが一番かもしれない。きっとそうだ。お二方、わたしはただの樹です。人間じゃありません。だから意識しないでくださいおねがいしますぅぅぅぅぅ。
「……………」
「……………」
「……………(ペラリ)」
ここに、三人の少女による微妙雰囲気極まれりな空間が生み出された。
「(気にしないでください気にしないでください気にしないでくださいぃぃぃぃぃぃ)」
「(な、なにか喋……なにを? どっちに? どっちも? どうしよう、どうしよう~……)」
「(……どうしましょう……文字がちっとも頭に入ってこないわ……)」
「(そうだ無心に……何も考えずに……。…………、………………)」
「あ、あの」
「!?(ビクゥ)」
「……(ピタッ)」>>530
「お二人とも、す、素敵な仮装です、ね?」
「……これは、親に渡されただけ」
「が、が、ガオ、は、仮装、じゃない、んです」
「そっ、そうなんですか……」
「…………」
「…………」
「…………」
「(……ぁぁぁ~! 仮装ですって言えばよかったのにぃぃぃわたしなんで、なんでぇぇぇ~)」
「(話しかけてきた……なにか返すべき、かしら。それとも……)」
「(や、やっちゃった……。でも、返事はしてくれたし、まだ……!)」
どうしましょう。
どうしてくれましょう。
どうすればいいんでしょう。
こんながんじがらめの沼に沈んでいきそうな三人をどうすればいいのかわかりません。
周囲の人間もちらと視線を向けては目を逸らしていく。こんな空間に入りたがる物好きはそうそうおるまい。
しかし。>>532
Scene7 ルファス・ヴァーミリオン
ヨモ・ヘルメ。ダイアナ・アッシュコット。メルチミス・ゲルルセミッツ。
この三名から生まれてしまった微妙な雰囲気の空間に踏み込む勇者がいた。
その者の名はルファス・ヴァーミリオン。けっこうな人数が子供役として参加しているこの仮装パーティーに大人役として参加した稀有な人物である。
「やあ、お嬢さんがた。お菓子はいるかい?」
「…………ひぅ」
「…………」
「い、いります! トリックオアトリート!」
これぞ好機と一目散に飛びついたのはヨモ・ヘルメ。お決まりの言葉を放ってルファスから菓子を受け取る。
「ありがとうございます」
「いやいや」
「お二人も、どうでしょうっ?」
「……トリックオアトリート」>>533
ついに本に向けていた視線を人に向けたダイアナが、遠慮がちに口にする。ここで菓子を渡されなかった場合イタズラをしていたかどうかはさだかではない。
「どうぞ」
「……どうも、ありがとう」
「いやいやなんのなんの」
そして残るはひとり。絶賛人見知り発揮中のメルチミスが残された。
ガオケレナの巨体をにわかに震わせるメルチミスに、ルファスはやさしく話しかける。
「君もどうかな?」
「わわ、わたしは、あの、……」
「遠慮することはないさ。ご覧の通りカゴの中の菓子はたんまりとある」
「で、ででも、えっと、あう……」
「私はできることなら、ひとりでも多くこの祭りを楽しんでほしい。……受け取ってくれないかな?」
メルチミスは一旦、観念することにした。たぶん相手は諦めてくれそうにないと、なんとなく悟った。
「……じゃ、じゃあ、トリック、オア、トリート……!」>>536
Scene8 ブリュンヒルド・ヤルンテイン
「う、ぐぅうううう~……」
ブリュンヒルド・ヤルンテインは人目もはばからず素のうめき声をあげた。照れと羞恥からである。
「ブサイクな声をあげないでちょうだい。いいから鏡をごらんなさいな」
「だってぇ、鏡の中に違う人がいるんだもん……」
「それが今のアンタだって言ってるの。現実を受け止めなさい」
「ぅぅぅう~」
鏡の中にいるブリュンヒルドは普段とはまるで違う姿になっていた。
健康的で艶の肌。くっきりとした隈ひとつない目元。唇には薄くひかれた紅。
身を包む衣装は吸血鬼をモチーフにした赤と黒の衣装。黒いマントに慣れずにむずむずする。
「私の顔じゃない……」
「化粧とはそういうものよ。ブリュンヒルドもルナもいつもは酷い顔してるんだから」>>537
「そうかなぁ……」
「ちょっとは普通だと思う」
「日頃から半死人みたいな顔色でいてよく言うわ。ま、今の顔は見れたものよ」
ローザの言葉通りブリュンヒルドとルナのふたりの顔色は健康的な美しさをもつに至っていた。
栄養不足による血色の悪さは覆い隠され、寝不足による目元の隈は最初からなかったかのよう。鏡を見ればいつもとは別人のようになった自分の姿がそこにはある。
すごいなぁとブリュンヒルドは素直に関心していたがローザ曰くこの程度のメイクは「初歩的かつ最低限」であるという。
本格的な化粧ともなれば文字通りに"人を化える"ほどなのだとか。
普段、作品作りばかり熱中しているブリュンヒルドからしたら完全に未知の世界の話である。
しかし……
「ルナは、鏡を見なくてもいいの?」
「えっ!?」
ブリュンヒルドはさっきから気になっていたことを率直に聞いてみた。
なぜかルナは変にそわそわしながら鏡から離れた位置に突っ立っている。鏡が嫌いなんだろうか?
「わ、私は鏡見なくてもいいかなー、あはははー……」>>538
「あら、自信があるのね?」
「自信があるっていうか、意味がないっていうか……」
「?」
「?」
ルナの言い方は美醜を語るよりも、鏡そのものに意味がないかのようだ。
しかし、まぁ、鏡を見る必要がないとはブリュンヒルドも思う。
今のルナは淡い青と白のドレスに身を包んで、雪の結晶が散りばめられた魔女の帽子を被っている。
その銀の髪もあって、まるで雪の妖精のようだった。
「なんか寒い……」
そんなことを言いながら火の魔術を使おうとするルナ本人だけがその雰囲気をモロに壊している。無口で黙っていれば絵になる……とは思ったが口にしないでおいた。
うかつにそんなことを言えば次はブリュンヒルドがローザにあれこれと言われるのは目に見えているからだ。黙ってやりすごすに限る。
「まぁ、ふたりとも及第点というところね」
「やっとかぁ~~~」
「長かったぁ……」>>539
「これ以上時間をかけてもいいけど……」
「えっ」
「や、やだぁ」
「それで見る人がいなくなっては本末転倒だものね。これで行くわよ」
「「ほっ……」」
安心したのも束の間、ブリュンヒルドは再び羞恥に襲われる。
こんな格好で人前に出ることなど今までなかった。幸い露出は多くないが慣れない衣装というのはそれだけで妙に照れる。
隣を見ればルナも似たようなものらしい。自分の姿を見下ろしては肩を揺らしている。
「安心して自覚なさい。今のアンタたちは誰が見ても綺麗よ」
「ローザが言うなら信じるけど……」
「別に綺麗であっても恥ずかしいのは変わらないし……」
「いいから行くわ、よっ!」
「わ、わわわ、押さないでー!」
ぐいぐいとローザに背中を押されて更衣室を出るブリュンヒルドとルナ。
押されるがままにされるうちに会場についてしまう。>>541
Scene9 アンゼリカ・K・シェリンガム
「ネズミさぁん」
「話しかけちゃダメって言ったでしょ。今のアタシはアンタの使い魔なんだから」
「そうだけどぉ~」
魔女っ子姿(普段着)とネズミ姿(いつも通り)のアンゼリカ・K・シェリンガムとカヴン・プラミアはふたりで仮装パーティーに参加していた。
ただしカヴンは少々特殊な存在であるためアンゼリカの使い魔という体で参加している。アンゼリカも特に異論なく頭や肩にネズミを乗せていた。
ふたりの目的は人脈や仮装などといったものではない。ズバリ菓子。ついでに会場にある食べ物全般である。
あっちこっちをうろちょろしながら大人からは菓子をもらい、テーブルの上から食べ物をいただく。そんなことを繰り返していた。
さすがにそればっかりでも飽きてしまうので、タイミングを見計らって知り合いに声をかけようと思っていたのだが……。
「なんかねぇ、変な声が聞こえたのよぉ」
「どんな声よ」
「『これにはみんなビックリするぜ~』ってぇ、声」
「……普通にみょうちくりんな仮装した人でしょ、それ」
「でもねぇ、その人のカッコさっき見たけど普通のローブだったわよぉ?」
「ふーん?」>>542
時計塔基準で普通な格好であるローブ姿でもみんなビックリさせられる自信があるのだろうか。たとえばローブの下は全裸とか。
「それはただの不審者ね」
「んぅ?」
「なんでもないわ」
「それでねぇ、その人ずーっとこそこそぼそぼそしてるの。怪しいと思わなぁい?」
「…………たしかに、怪しいわね」
「でしょ? トリック・オア・トリート、しちゃいましょぉ?」
「いいわね。でもイタズラだけでいいわ。イタズラだけがいいの」
「んふふ~」
そんなわけで行動開始。魔女っ娘二名による怪しいやつ捜索作戦スタートである。
そして作戦は終了した。
「見つかるのはやーいー」
「この会場じゃ別に隠れられるような場所なんてないものねぇ……」
「……なんだい嬢ちゃん。つか、そのネズミ喋った?」>>543
「あらいけない。……チューチューチュー」
「この子はただのネズミさんよぉ。それよりあなた……なにか楽しいことしようとしてなぁい?」
「おっと、わかる? わかっちゃう? お嬢ちゃん鋭いなぁ」
「んふふ、声が聞こえたの。それでぇ、なにをしようとしてるのぉ?」
「別におかしなことじゃねぇよ。ハロウィンらしいびっくりどっきりな仕掛けだ」
「なにするの?」
「ハロウィンってのは死者を迎える祭りだろう? だからみんな死者に扮して仮装をする」
「そうねぇ」
「だからよりハロウィンらしくするため、俺はここに死者を喚んでやるのさ」
「危なくなぁい?」
「危なくないように、偽者を呼ぶんだよ。幸いここには死者に扮した"偽者"がたくさんいる。ここの参加者全員使っての連鎖召喚だ」
「そんなことできるの?」
「できるともさ! びっくりどっきり召喚士、リモン・マグナソンとは俺のこと…………」
「それは聞いてないわ」
「冷てぇな嬢ちゃん」>>544
「でぇ? いつやるのぉ? 今ぁ?」
「今さ。この瞬間な。ちょーっと離れてな嬢ちゃん」
リモン・マグナソンと名乗った男はアンゼリカに注意を促しつつ、右手に込めた魔力を床に向ける。
床から壁へ、壁から天井へ、天井から床へ、ひとつの空間で循環する魔力がひとつの召喚魔方陣を組み上げる。
「霊門開放(ゲートオープン)!! ───召喚(サモン)!!」
部屋の中間地点にあたる空間に、ひとつ門の開く。
門から現れたのは、びっくりどっきりな死者の群れ。ゾンビ風、亡霊風、あとなんか人間キメラ。
とても偽者とは思えない……というかどう見ても本物である。今にも襲い掛からんと息巻いているし。
「……ねぇ、あれ、危なくなぁい?」
「…………あっれェ? ミスったかな?」>>546
Scene10 シャフリヤーナ・アスタム
床と天井の間で召喚魔方陣が開き、事が起きた瞬間にシャフリヤーナ・アスタムは理解した。
───ああまたか、と。
妖精に目をつけられてからちょっと……ちょっと以上に不幸な目に巻き込まれがちになった自分の運命。それが今ここでも牙を剥いてきたという話。
そもそもの話、アスタムは突然開催が決定したハロウィンの仮装パーティーなんてものに参加する気はなかったのだ。仮装にも興味ないし地道な人脈作りがしたいわけでもない。できることならスルーするつもりだった。
できなかったのは自分が昼寝に使った人がいなかった戦闘訓練用の教室が、たまたま今回のパーティー会場に使われてしまったという不幸からに他ならない。
「さっさと逃げりゃあよかった……」
とりあえず食えるもんは食っとくかなんて変なこと考えるんじゃなかった。
ローザ・ユスティングリーの名前が聞こえてきた時点でさっさと逃げ出しておくべきだったのだ。いまさら言ってもとっくに手遅れなのだが。
眼前では門から放たれた死者らしい死者たちがわらわらと会場に降り立っては暴れようとしている。
「まァ、今回は……」>>547
今回は、
そう、今回は、
特に、なにかをしなくてもよさそうなことだけが、幸運かもしれない。
まず、一体の亡霊を三本の光が貫いた。
次いで、刃となった春風が二体目の亡霊を切り裂いた。
天体科のルーカスとルファス。ふたりによる魔術攻撃である。
「余興にしても品がないね」
「なぁに、品なら私たちで補えばいいさ」
ふたりだけではない。ここにいるのは誰もが名高き時計塔に連なる魔術師たち。
雑多に召喚されただけの亡霊だのゾンビだのに後れを取るような者などいやしない。
「うわ! わー! 新しい礼装の試し打ちし放題だー!!」
「……私の手はいらないみたい?」
「すっごー! なにあの召喚魔方陣!! あの召喚されたのと遊んでいいのー!?」
「あ、ルナちゃん……わ! すっごいかわいい!」>>551
ククク…奴こそは『メインキャラにするには塩味が足りない気がする四天王』の一角…!思いつきだけのネタ要素が強いびっくりどっきり召喚士…!
ちょうどいいので今回出しちゃいました。わーいむふふ私もひさびさにヒュギエイア書きましたの貼ってもよろしいかしら
いくか…
書く段階で火村さんの
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/m/wiki/%E3%83%92%E3%83%A5%E3%82%AE%E3%82%A8%E3%82%A4%E3%82%A2SS
これを下敷きにしました!
「プロメテウスッッ!!!」
裂帛の気合と共に振るわれた拳は、しかし燃え上がる炎を連想させる青年には届かない。生成された拳銃が打撃を受け止め、代わる代わる銃口がヒュギエイアに突きつけられる。
霊薬によって極限まで強化された肉体は至近距離での発砲をギリギリで躱し、足払いをかけようとするヒュギエイア目掛けて銃床が振り下ろされた。咄嗟に左腕を盾の様に構えるものの、骨が砕け折れる歪な音が響いた。
続け様に放たれた銃弾が右足を撃ち抜き、体を支えきれずにヒュギエイアは地面に倒れ込んでしまう。
「ぁ、っぐ……」
「もうやめておけ、と言うべきだろうが……生憎そのつもりは一切ない。君は、君達はここで僕の手でしぬ」
「うっ……!」
左腕を粉砕され絶叫しかけるヒュギエイアから視線を外さずに青年、プロメテウスは背後に発砲する。今度は肉が潰れる水っぽい音に続いてパナケイアが地面を転がり、短い悲鳴をあげた。
プロメテウスが無傷、強いて言うならば返り血で少々汚れている程度なのに対して二人は共に地面を転がり苦悶からうめくばかりだ。
圧倒的であった。戦闘、否、戦闘という言葉は相応しくない。最早蹂躙と言えるだろう。勝てる見込みなどわずかな時間だけでありはしないと誰もが判断できる。
それでもアスクレピオスの娘達には立ち上がらなければならない理由がある。一人は守るべき患者を皆、殺しにされ、もう一人は父の仇として。>>555
「勇気、という言葉は人間の中でも特に雄々しき者達に相応しい。己の全てを賭け自分より大きなモノへと挑んでいく……まさに人間らしいと言えるだろう」
プロメテウスの視線は腹を撃ち抜かれ、まるで蛇の様に地面をのたうち回るパナケイアへと向けられた。その目はまるで虫か何かを見ているかの様に冷ややかで、軽蔑が込められている。
「だが君達のソレは勇気ではない。自己評価を誤り、絶対に勝てないであろう相手に戦いを挑もうとするその愚行は、蛮勇と言うんだ」
「ッ!!」
「動くな」
反撃を試みたパナケイアの手足に一発ずつ銃弾が撃ち込まれる。完全に動きを封じられ、細い体はなすすべなくだらりと投げ出された。
プロメテウスは血で染まった銀髪を鷲掴みにして小さな体を引きずり始める。
「はな、せっ……!」
「パナケイア、姉への復讐のチャンスを与えてやったと言うのに土壇場で裏切るとはな。懸命な判断を期待したのに、残念だ」
「ワタシは最初からオマエ達をころす為に仲間になった!裏切ったつもりは、一度もない!」
「尚更愚かだ。ゼウスやハデスではなく私に復讐?お門違いも良いところだな」
「オマエ達が、全員、憎いんだ……!傲慢で、醜い、オマエ達の血が!!」
「話にならん」
引きずられながら手足を必死に振り乱すものの、プロメテウスの怪力になす術もない。そんな妹に、一度は自分の命を狙った妹にヒュギエイアは必死に手を伸ばす。>>556
プロメテウスは身動きの取れないパナケイアの首に手を回すと、ヒュギエイアへと向き直る。一体何を、とヒュギエイアが口に出すよりも先に鋼を連想させるほど鋭く尖らせた指が妹の腹部へと突き刺さった。
「〜〜〜〜〜ッッッ!」
「これはかつて僕が受けた責め苦だ。磔にされ、鳥にひたすら臓物を啄まれると言うもので、不死身であるが故に僕は想像を絶する痛みと苦しみに苛まれた。生憎この場に鳥はいないので、指で代用するとしよう」
ぐちゃりぐちゃりと臓物がかき混ぜられる音と共にパナケイアの表情がみるみる内に歪んでいく。
「うあ、あっ、はぁぁぁっ!ぎぃ、いいいい…!!」
「やめろ、やめろ、やめろ……!」
サーヴァントの肉体は頑強ではあるが、人間と同様に致命的なダメージを受ければ生命活動が停止して消滅する。このまま続けば激痛でショック死するだろう。
ヒュギエイアは首に霊薬のアンプルを撃ち込み、無理矢理砕かれた肉体の再生を試みる。即効性を追求した結果、副作用が非常に激しい曰く付きの代物だ。
「ほう、そんなものまであるのか。お前にもあるのか、パナケイア」
「知ら、ない」
確かに撃ち抜いたはずの足を再生させ、ヒュギエイアが駆け寄ってくるのを意にも介さずプロメテウスはパナケイアへと問いかける。しかし自分のはらわたをかき混ぜてくる男に馬鹿正直に答えるはずもない。
パナケイアは力を振り絞り、プロメテウスの顔に唾を吐きつける。血が混じった赤いソレを、青年は拭う事もせずに指先に力を込めた。>>557
「ぐっ、ふう、ぐうう」
「悲鳴を上げない胆力は誉めてやりたいが……ん?手触りが少し違うな。ああ、なるほど」
不快感を露わにし、勢いよくパナケイアの足を掴んで放り投げる。汚いものに触れていたかの様に眉間には皺が寄っていた。
打ち捨てられた妹へと駆け寄りヒュギエイアは新しい注射器を取り出すと脂汗が浮かぶ首筋へと打ち込んでやる。体が海老反りに跳ね上がったかと思えば、みるみる内に銃弾を叩き込まれた四肢や掻き回された腹部は修復していき傷跡をうっすらと残すのみとなった。
「クリロノミアか。幾つかの権能を体に埋め込んだな?異常なまでの再生能力はさっきの薬でクリロノミアを無理やり活性化させて行っているのか。大したものだが、その代償は重いぞ」
手を払うプロメテウスとは対照的にヒュギエイアは拳を握りしめ、殺意に満ちた視線を投げかける。回復したばかりにも関わらずパナケイアもそれに続く。
「知った事か!この身を投げ打ってでもお前を倒すと、そう決めた!」
「何か勘違いしているようだが……代償とは死ではないよ。むしろこれから君達は死にたいと願ってもしぬ事が出来なくなるんだ。許しを請うても意味はなく、いずれは愚鈍な選択をした己を責め続けるだろう」
一瞬の事である。プロメテウスが残像を残すほどの速度で駆けたかと思えば、両手でそれぞれ姉妹の胸へと触れる。先程までは手を抜いていたのだろう、知覚する事も出来なかった。
「君達はもう人でも蛇でもない。歪な怪物だ。よって今から僕が罰を下す。君達が消え失せるまで、その不浄を、焼き尽くしてあげよう」
火を与えし者の特権、それはあらゆる火種をその身から放つ厄災の如き力。今より過去、過去より今までの業火はプロメテウスへと還るのだ。>>558
「『神々を嗤え払暁の火(プロメテウス・プロクス)』」
手の内から炎が噴き出す。単なる火炎放射ではなく、もっと絶大で、一度に多数の生物を焼き払う爆発だ。本来ならば閉所で無ければ発生しない自然現象───バックドラフトを、彼は引き起こした。
ヒュギエイアとパナケイア、二人は密着した状態で放たれたバックドラフトが直撃しほぼ同時に腹部から頭部にかけてを炎に飲み込まれ、吹き飛ばされる。
「君達の父親は偉大であると、心から思うよ。予想外の方向からゼウスを苛立たせたのだから。だが君達はどうだ、姉は患者を守れず一人生き残り、妹は見当違いな恨みを抱いてこの始末。挙句の果てには私怨から権能に手を出し、人にも蛇にもなれない異形へと成り果てた」
「が、あ……」
「ァ、ゥ」
幾らクリロノミアによって強化したところで宝具の直撃を受ければその装甲は容易く砕ける。運悪く生きている為に上半身を焼き尽くされた激痛は際限なく二人を襲っていた。
打ち込まれた霊薬の影響か、それともクリロノミアが宿主を生かそうと働いているのか、肉体は徐々に再生していく。それを見下ろしながらプロメテウスは吐き捨てる様に呟いた。
「僕は呆れている。怒りではない、呆れだ。神の領域に卑しくも君達風情が土足で足を踏み入れ、果実を掠め取ろうとは」>>559
しゃがみ込み、再生速度が速いヒュギエイアの首を鷲掴みにする。少し力を込めるだけでミシミシと骨が軋み、双眸は落ち着きがなく視線を巡らせる。
少し離れたところに転がっているパナケイアは修復が追いつかないのか、真っ黒に焼け焦げた状態でビクンビクンと跳ねるばかりである。こちらも通常ならば即死しかねないダメージだが、なんとか生命活動を維持している状態だ。
「女、改めて君がいかに無能であるかを教えよう。最初に会った街で君は自分は医者であり、僕の敵は患者であると宣言した。だが現実はどうだ?誰も守れず、それどころか自分も死にかける始末だ」
「くっ、ふうぅ……」
「ヒポクラテスの誓い、そんなものが後世に残っている。医者はかくあれ、そういう類のものだ。君はどれにも当てはまらない。医者として恥じるべき点しか見つからない」
「ぐううッ!」
うめき声を発し、抵抗を試みるヒュギエイア。拘束から逃げ出さんと振り下ろした拳をプロメテウスは受け止め、逆の方向に折り曲げた。
「これから君の頭から爪先まで全ての血液を発火させる。そう楽にはしねないだろうが、それは罰だと思うが良い」
「罰、罰ですか。そんな権利は貴方にはありません、何者にも!」
怒号。死角から放たれたいくつもの光軸を、しかしプロメテウスは目を向けずにライフルを構えて撃ち落としていく。だが襲撃者は空中で姿勢を正し、腕に備え付けられたブレードを繰り出した。
煩わしい、そんな表情を浮かべてプロメテウスが一歩退くのに合わせて襲撃者はヒュギエイアを奪還、いつの間にか遠ざけていたパナケイアの元へと放り投げる。
「間に合った、とは言い難い状況ですね。ですがここからは私も力をお貸しします」
「これは驚いた。そちら側についていたとはな、鋼の乙女」>>567
バの字「詳しく」(ゲンドウポーズ)>>571
自動で虫を食べてくれるでっかいクモ的な使い魔とか…?
…いいなぁ、欲しいなぁ>>574
私にとって可哀想は可愛くとも悲しいことなので……もっとやっちゃって大丈夫です
採用ありがとうございます!>>575
普段とは違うことを楽しんでもらいました
ブリュンヒルドとルナ、ローザに目をつけられてる者同士の話が書けて楽しかったです天に挑戦する為の剣・兜・楯・竜鱗鎧なら受け継いでたんだけどネ
(狂えるオルランド第14歌)
ブラダマンテにアルガリア槍で落とされた時にキレて全部捨てちゃって…>>582
急に可愛げが出てくるやつ〜〜…(ガタッ)
ロドモン女体化ときいてえっロドモン♀さんが来て「えっあっアレロドモンさんなんすか…!?うっそ…」って困惑しきりでギクシャクする道灌やそんなこと気にせずにアプローチしていくドン・ファンと業平さん概念…?そんな仲間たちに一番複雑な顔をするロドモンさん…?
うーんまた業の深い概念が生まれそうな予感。
性転換と聞いて
ツンデレヤンキー細マッチョ女子の凌花ちゃん…アリだな…トワ子…かわいそう度は強まるが変わり映えしない
麟子…変人思索家芸術お姉さん(田舎育ち)…盛りすぎでわ?
夕ウ子…逆に面白い。ハンカチくわえそう
やはりここはレリ子しかないな!()>>591
やっぱり少ない!
メス犬化しても愛されるポチ先生…なんてズルい…
どうでもいいですけど「ポチ先生」て呼び方性別に囚われないのもズルい海月くん→クールかわいい系美青年。絶対顔が良い
凌花ちゃん→ワイルドな不良女子。「別に、オレがムカついたからやっただけだ。アンタの為じゃねえ」みたいな感じのツンデレになりそう
裂那ちゃん→陰キャかわいい子。刀持つとイケメンになる。
巽ツヨ子→ゴロ美ちゃんで検索して下さい、モロにイメージそれです>>596
へへ、動物書くのは苦手なのでこのクオリティですが……
性転換は後天的か先天的でもまた趣が変わりますねぇ凌牙君こんな顔するかなって思ったけど急に性転換して誰にも見られたくない時によりによってライバルのジャスミンちゃんに見られたらこんな顔するよな、うん。でも見られたのがジャスミンちゃんで良かった、マレオだったら多分凌牙君憤死する
>>523
インテリヤンキー良いよね…
巽さんも漢って感じの奴なので二人で漢の道について会話してほしいっすね
巽さん凌牙クウネルさんの事集積船不良組って呼ぼうかな…
>>524
と思ったらめっちゃカッコいいイラストが…!!
二人で「準備ええか?」「ああ…行くぜ!!」みたいな会話してそう…かっけえ…
>>550
びっくりどっきり召喚士さん好きかも…おもしれー男そうだし憎めない奴って感じするし…
そしてハプニング発生はしたけど相手が悪すぎましたね、次回バトル描写ありそうで楽しみ>>606
キャラのモデルの一つにDrシャマルがいるので当たらずも遠からず。真面目な話ニコレットさんが保有する奇病とかを船に持ち込んだら怒られるどころじゃ済まない問題行動なのでしないのでご安心ください。
ちなみに女性陣が男だった場合ジャスミン♂はあまり変わりませんがアインス先生♀との関係が………どっちもどっちだな。
ニコレット先生♂は大体コレ→(│)です。>>616
了解です、20時前後に投下させていただきます~>>617
ヒュー!涼やかな目線のイケメン!!いきます
【名前】ルチアーノ・ベルナルダ
【性別】男性
【方針・属性】中立・善/中立・狂
【回路・質】B+++(+分は刻印継承による神秘の淀み、背負わされた呪いの質)
【回路・量】D
【魔術系統】支配、呪詛による異能(?)
【魔術属性】水
【起源】不明
【代数】不明
【魔術礼装】
【その他】
身長:179cm 体重:68㎏
イメージカラー:青く染まりつつある亜麻色 特技:その対象が何を食べたいか当てる
好きな物:食事(定期的に変わるが、最近は鮭・サーモン系の料理)、食事を交えた交流 苦手な物:食器や調理器具の洗い残り
天敵:食わず嫌いの人間
髪の色:亜麻色と紺碧色の二色髪 瞳の色:オリーブ・グリーン 肌の色:白新作の執筆開始(ナメクジ歩み)。でも新規マスタも作りたい。そんな心情のワタシ。灰葬魔術(グレイ・マジック)でイイ感じのキャラ思いついたんよ!!あっ……ボックスも回らなきゃ……。
時間と熱意と集中力が欲しいですね。>>620
<1>
「サー・ベルナルダ/ベルナルダ卿」と呼ばれる、海鍋給食センター所属の人物。
秘書役、給侍役のアルシオネシアたちを引き連れながら『船内』に点在する三つの食堂を行き来し、飲食をより効率良くかつより美味しく人々に提供できるよう務めている。
(レストランマネージャー的存在?)(仮)
地中海出身の魔術使いで、表向きの家系は『ベルナルダが手掛けた経営(主に飲料/食品産業)は百年栄える』と囁かれるほどの企業家一族。
元いた国から功績を称えられ栄誉称号を授与されたことも度々あり、『船内』での呼び名も此処から。
しかしベルナルダ家現当主は、十年ほど前に信頼できる身内や部下たちに地上の経営その他諸々を丸投げし、秘海集積船に移住してきた。
その理由を知る者は数少なく、
「まだ見ぬ食材を求めて」
「実は莫大な借金を抱えていて、船に逃げ込んできたから」
「『船長』を食べたいからでは?」
などと好き勝手言われているが、本人は曖昧に笑うのみ。
優雅・優美・悠然といった言葉が似合う貴人。
忙しい身であるハズだが、あくまでもゆったりとした立ち振舞いを好み、良くも悪くもそこが「お貴族様」に見えると批判されたりすることも。
通称の通り『船内』でもトップクラスの美食家であり高級な食材も惜しみ無くポケットマネーを出すが、他人に振る舞い美味しく食べてくれた方がもっと好きだったりする。
時には自ら厨房に立つこともあるが、勿論作り方も手際よく、味も絶品。>>622
<2>
そもそもの家のはじまりは初代にあたる人物が、ネレイド(海のニンフ)の生き残りを見つけた際、「異常な好奇心と食欲からその一人を調理し食べた」ことにより彼女たちから呪いを受けた大事件から。
『愚かな人間よ、報いを受けよ』
『だが、ただ死ぬことは許さぬ』
『その業に生涯苦しみながら、未来永劫生き永らえよ』
その呪いは明確な形(魔術刻印)となり、代々ベルナルダ家の人間を蝕み続けてきた。
どの当主も皆、初代の業(異常な好奇心と食欲)を強制的に受け継ぎ、初代と同化・追体験し、苦しみながら破滅してきた。
(ある当主は自らを食べようとして絶命し、別の当主は文字通り「腹がはち切れるまで」食べて息絶え、またある当主は食べてはならない物質を食べ死んだ)
ただし、劇的な呪詛は同時にベルナルダ家を生かし続けるために運気や財など様々な恩恵を授け、
また、神代の名残を放ち衰えを一切知らぬ刻印に惹かれた魔術師たちが交流を求めた。
あらゆる事柄が絡み、一族の終焉を拒み続けた。>>623
<3>
そんな家柄で生まれ育ち、刻印を引き継ぐしかない若きルチアーノであったが、ある考えに至っていた。
「先祖たちを見くびるわけではないが、常に誰もが呪いに抗い、怯え、苦しみながら亡くなっていった。」
「……私は嫌だ。呪いに支配された人生など、真っ平御免だ。」
「いっそ。呪いの事すらどうでも良くなるほどの環境に身を置いてしまえば……」
……渡りに船とはこの事か。あるいは呪いが呼び寄せた新たな破滅の気配か。
『秘海集積船』と、そこで人材募集をしている話を聞き付けたルチアーノは、諸々を丸投げし船に飛び込んだのだった。
そうして所属が決まった海鍋給食センターにて頭角を現し、今の地位と評価を得ながら愉快に過ごすベルナルダ卿。>>624
<4>
…………しかしそんな卿でもやはり呪いを押さえ込むことに限界があるらしく、月に一回の頻度で底無しの大食らいと化してしまう。
(マレオあたりからは『捕食者モード』『美食狂』などと呼ばれている)
スマートな体型に加え家柄上マナーは完璧な彼が、この日ばかりは仕事やあらゆるものを投げ棄てただひたすら飲み食いする、喰らい尽くす。
どう食欲が暴走するかは未知数であり、一日にケーキを十ホール食べる時もあれば、食材となる狂暴な生物を求めて狩りに出掛ける時もあり、「カレーは飲み物」と小洒落たドリンクボトルに入れて味わい続けた時もあった。
(初めてこの奇行に付き合ったマレオは、彼の受け答えは可能だが理性のぶっ飛んだテンションと、食欲のためならば手段を厭わぬ様子にドン引きした。)
(あのマレオが。)
なお、如何なる人物/如何なる理由であれこの状態のベルナルダの食事を止めることは出来ず、最悪の場合怒り狂った彼から手荒い反撃を喰らう危険性がある。>>625
<5>
ベルナルダ家は代々魔術使いの家系でもあるが、これはベルナルダ当主たちがかけられた呪いをどうにかしようと魔術師たちにすがり、学び取り入れた面が強い。
見返りとして金銭や霊地的な支援をしたり、魔力の豊富なベルナルダの血を分け与えた(子らを魔術師の家に嫁がせた)経験もある。
(ルチアーノの代でそれらはうちきってしまったが。)
また、初代がネレイドを食べた影響によってニンフ由来の異能も身についている。
以下、主な能力
『支配』
魚などの水棲生物に限るが意のままに操作可能。だが水棲でも幻想種や他人の使い魔の支配は困難を極める。
ただし、より高度な支配魔術を扱える術者は『船内』に複数人いるため、使うシーンは少ないと思われる。
餅は餅屋。
『空間移動』
人を自分たちの領域へ連れ去る水妖ニンフの異能。
ルチアーノの場合は「1日に1度まで」「自身か自身と同じサイズの物体」を「よく知る場所」へ(あるいはそこから)移動させることが可能。>>627
「やぁこんにちは学生諸君、気持ちの良い食べっぷりで何よりだよ。」
「調査隊から送られた水棲魔獣だが、解体自体は初参加だろ、君?……駄目にして良い服に着替えなさい。血肉の臭いが取れなくなるからね。」
「これが日本の駄菓子!なるほど、こういうのも新鮮で悪くないね!」
「レディ、大変失礼だがもう少し食生活を見直した方が良いと提言しよう。……どうだろうか、この後一緒に夕食でも。」
(※このナンパはすぐさまお付きのアルシオネシアに止められました。)
「『食事を軽んじる人間は、その他全ての事柄も軽んじる。』私の持論だよ。」
「私という人間が、どこまで呪われた初代(ベルナルダ)で、どこからは個人(ルチアーノ)なのか……刻印を背負った時から全ては曖昧さ。」
「私からの差し入れだとも。メニューは、フルーツのカナッペにダージリンティー。幹部会議とて、口を湿らす程度のものくらい出しても良いだろう?」
「『運命なんてくそ喰らえ』、か。──────ハハ!!いいね、気に入ったよ、君。」
「はい、これは名刺。私に直接話をしたくなったら、これを厨房あたりのアルシオネシアに見せなさい。」
「レディ・アイグレールとの交流会ほど、有意義なものは無いとも。もとより、美人と御茶を楽しんで浮かれない男はいないさ!」
「ご機嫌よう、ポチ先生。今日は良い鹿肉が手に入ったのだが、コンフィはどうだろうか?」
「おい、マレオ。昨日また勝手に倉庫に入って、……ん?『蕎麦や饂飩があるのだから天麩羅パスタが無いのはおかしい、食べたい?』……なるほど、その組み合わせか……なるほど。」
「──────ああ、今日は少し、腹が空いた。」>>635
了解です、今日明日に登録させていただきます~>>638
エルメロイ2世の冒険で出た日本魔術界はこんな感じですね。
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/wiki/%E6%A5%B5%E6%9D%B1%E3%81%AE%E9%AD%94%E8%A1%93%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6
呪術師系はそこまで無かった、のかな(冒険未読ですので曖昧……。)>>639
成る程、ありがとうございます。>>638
平安京抜きだとたぶん出てないですね
二世の冒険で日本の魔術について触れてましたが呪術方面に触れる尺的な余裕はなかったはず公式の既存設定と合わせて、八ヶ龗家という八つの旧家からなる神體持ち“だった”集団ができそう。
よぉしいくぞ私はいくぞ
【氏名】ヴィルレイ・フォン・ティーフェルコーマ
【性別】無性
【年齢】38歳(生きていれば)
【出身】ドイツ
【身長・体重】185cm・40kg
【肌色】白【髪色】サラテリ(黒のグラデーション)【瞳色】シスル
【スリーサイズ】//
【外見・容姿】黒尽くめな服を着た男性
【令呪の位置】変動するため不定
【属性】混沌・悪
【魔術系統】治癒魔術(マゴットセラピー)、変身術、使い魔の作成と使役、『虫喰い通り(Wurmloch)』
【魔術属性】空
【魔術特性】分解、蝕む
【魔術回路】質:A- 量:C+ 編成:異常(非現代的・“蛆虫”由来と推測)
【起源】自分>>651
【所属】秘海集積船・清掃室
【階位・称号・二つ名】
データ閲覧可能レベル【青】
【契約サーヴァント】
【魔術・特殊技能・特性など】
『起源:自分』
反射代名詞の一つ。その人自身を指す。
起源の影響で彼は自我を持つ。強くも弱くもない、ただ「ある」という絶対的な自分を有している。
また、彼は自己を認知している。大きくも小さくもない、ただそのままの確定的な自分を目にしている。
彼は自分ひとりだけが確立された存在であり、それ以外の存在を不安定に見ている。
「本当に彼らは存在するのか?」「誰が誰を生きていると認めたって証明の仕様がないのだ」「何故確証のない他人だらけなのだ」。ヴィルレイが他人を嫌い、他人を疎み、他人との交流を忌避するのはこのためである。
『蛆虫』
ヴィルレイの魂を呑み込み、取り込んだとされる生命体。彼の証言に曰く「宗教や創作で異世界と呼ばれる種々の空間を“穴を通って”往来する」。形状も素性も未知であり、不明。
人の魂を横入りして喰うような非常識な能力や証言から、旧く地球上にあって退去しようとしたものの、なんらかの手違いにより半物半魂のような状態となって神秘を求めて当てもなく異世界群を彷徨う「神虫」なる幻想種或いは神霊の一種ではないか、とする考察が現状有力。
現在でも穴喰いをしては色々の世界を放浪しているらしく、太古の神秘もそう衰えていないものと推定され魔術師の関心を引くが、それと繋がっているヴィルレイは腹の中で蛆虫がどう動いているのかの確認もままならないため話に上がるだけの存在となっている。>>652
『虫喰い通り(Wurmloch)』
“蛆虫”の権能である空間と空間を喰い繋ぎ因果を短略する穴(ワームホール)の使用権行使。
内容は有体に言えば瞬間移動。もはや魔法の域とも呼べる大魔術のそれではあるが、それなりの対価を必要とする。
第一に、ヴィルレイ以外の人間が使うことはできない。彼も正直言ってスレスレのところであるが。
第二に、彼が知るところでなければ通ることはできない。船内でも足を踏み入れたことのない場所には繋がれない。
第三に、このワームホールは因果の急収束のようなものであり、通った時に通常かかる時間を節減する分通る時の負担が一気にかかる。
画像はNGワードがわからなかったので。『虫蛆体』について>>653
例えばロンドンからベルリンまで、というのも可能ではあるがそこに至るまでの労力(原始的な徒歩による)がベルリン到着の瞬間のしかかり、場合によっては身体がもたず到着と同時に瓦解、ということもある。
また、当然ながら収束される因果には人工物も含まれ、ロンドンとベルリンを直線距離で移動した場合その道中の障害を全てぶち当たりながら進んだということになり、その分も追加で受ける。建物などに当たらぬよう迂回すると労力が、直線で行くとダメージが…と反比例関係にある。
ただ、ワームホール自体の神秘は非常に強く並の魔術障壁や結界を無視できる(攻撃型の場合その攻撃を受けてしまうが)。
短略するだけで因果は残るので、監視カメラと因果を計測し侵入者を記録するノートがあった場合、カメラには誰もいないはずなのにノートは一人の侵入を記録する。
大仰であるがいちいち使用に労力と多大な魔力の消費を求められ、船内であっても通常業務などを万全に行う必要がある際は日に一回使えるかという程度。
『Eroberer』
ヴィルレイの奥の手。使い魔である蛆虫たちを万を越すほどに作成して創造する巨大な征服者。
時と場合によって差異はあるが、最大で身の丈20mほど。特別な装甲や武装は持たないが、単純に規模の大きさを武器とするだけでも相当な殲滅力がある。この状態で、本来の使い魔たちの特性────なんでも食べられる・なんでも分解する、があるため、魔術的牙城などもいとも容易く喰いしだく。
欠点は船という閉鎖空間内では取り回しが難しい点と、魔力を膨大に割かれるという点。
外見が人によっては卒倒モノでヴィルレイも憑依はしたくないようで、そのせいで本体としての自分の身体+万以上の使い魔の生成+使役というハイコストが過ぎる産物で、全力を注ぎ後のない状態になるという意味で文字通りの「奥の手」。
【礼装・装備など】
【外見・容姿の詳細など】
チョハのような仕立ての黒い上着に、細かな刺繍が施された襟の詰まった暗色のシャツ、手袋に黒ブーツ、と露出の少ないなかなかにキメキメなファッション。
品のあるうらぶれたような仄暗い印象を懐かせる容貌なのでそんなファッションも不協せずにいる。
しかし、ヴィルレイを見た者は美貌と同時かそれよりも先に名状しがたい不快感を覚える。よほど美的センスに狂いがない限り、生理的な嫌悪感がついて回る。>>654
これは変身術を半端程度に留めているから。またそれは肉体と自我の切断、自分であることの否定をしやすくするためであるが、そのせいで半ば不気味の谷現象を引き起こしてしまっているのを彼は知らない。
見た目は青年のものであるが、若作りのつもりはない。彼の言葉を借りていうなら「本来とっくに死.んでいるのにその後の自分を想像して装うなんて反吐が出る」。
因みにだが、立襟で隠している首筋には真一文字に引かれた切り傷と縫合痕がある。
これは己を自死へと向かわせた他人たちへの無言の糾弾を目的としている。彼の性根の陰湿さがここからも見て取れよう。
【人物像】
根っからの、真正の、生粋の利己主義。もっと言うと自我主義。その純粋さが故に逆アイデンティティクライシスを引き起こすほど。
他人を毛嫌いしており、オフでも仕事中でも単独行動を良しとする。
但し人と全く接しないということもなく、時々散歩して道すがら出会った人と談話をしたりもする。そういう時は静かに微笑んで聞き方に回るため、落ち着いた温和な人に見られることが多い。
尤も、この態度は彼が自主的に望んだ時だけであり、それ以外の時に話しかけると大変無愛想。こちらを蛇蝎か蛆虫のように見る。
イメージカラー:サラテリ
特技:清掃、ピアノ
好きなもの:チーズ、時計の針の音
苦手なもの:他人、他人の善意、殺虫剤
天敵:特になし
願い:“蛆虫”からの脱出>>655
【一人称】私 【二人称】貴方、君、お前、〇〇 【三人称】彼、彼女、あの人、あの子、彼奴、〇〇
台詞例
「私はヴィルレイ。ヴィルレイ・フォン・ティーフェルコーマ。…初めまして、か。あぁ、よろしく」
「好きな食べ物?…事故やら病気やらで出生後まもなく死んだ赤子の肉。…なんて言うとでも思ったか?普通にチーズだ。もちろん、腐りかけの」
「食事会…私は遠慮する。あぁいや、あそこの料理が不味いわけではなく。私は君と一緒には食べられない」
「今日は暇だ。最近は誰もヘマをしないものだから、私も本業に従事できない。私は幾ら減ったって良いのだが」
「…で、何故君が喋る。私が話しかけた時だけ喋れ」
「どいつもこいつも皆他人。右を見ても左を見ても他人ばかり。そのくせ自分は私だけ。全く、厭わしい」
「お前らだって、私からすれば蛆虫も同然だ。功罪を持っているだけの他人だ」
「別に構わないだろう、他人の十数人程度。船への被害が最小限で済むんだぞ」
「頼りない他人たちの回す頼りない世の中を、捨てたかったのだ。そして、あの日確かに、確かに捨てられたんだ、私は。だというのに、その証明をするのに私はお前たちに頼るほかない。この恥辱、この哀傷。お前たちには理解らないだろうな…決して!」
『さぁ最後の勝利者よ、征服者よ』
『汝の役こそ劇をも穿つ、生をも喰む』
『他人(ひと)よ、ただこの名を以て畏れよ』
『最後の勝利者!最後の征服者!』
『蛆虫(Eroberer)!蛆虫(Eroberer)!蛆虫(Eroberer)!』>>656
【来歴】
彼の半生はドイツの富裕層の息子としての平穏な暮らしの中にあって、しかしそこにヴィルレイ自身は何らの喜びも感じていなかった。
起源の影響で自我の確立が人より頭抜けていたために、周囲の人が他人であることが幼少期から彼は嫌で嫌で堪らなかった。自分が確固たるものな分、周囲がなんだか希薄な、頼りないものに見えてしまって、何故こんなものばかりなのだろう、何故大衆の中に自分以外に自分がいないのだろうと常々気味が悪かった。
周りの人間はそんな彼の懊悩など知らず、家族として、親戚として、友人として、先輩として、後輩として親しく接した。それが彼の屈託を一層深めるものとも考えず。
ヴィルレイには家族も親戚も友人も先輩も後輩もない。皆一様に他人で、彼が区別出来るのは自分か自分以外かというだけで、そのくせに親しげに関わってくる人間がわからなかった。
苦悩し、その都度他人への嫌悪感は増し、一度は知る限りの他人を消していこうかとも考えた。だが他人の数は非常に多く断念。結果、彼は自死を選択した。
手際はよかった、しかし一回目は失敗した。発見者が迅速に手を回し、まめまめしく介抱し、医者などの懸命な努力により一命をとりとめてしまった。
これによっていよいよ他人への憎悪はなお強まる。何故私の好きなようにさせてくれない?こんなに苦しいのに、こんなに痛いのに。他人のことを慮れない彼は理解が出来なかった。
理解が出来ず、縫合痕だけがむやみに痛み、逃亡を望み、彼はすぐ後に再度自死を試みた。綿密且つ迅速に、二回目の縊死を実行した。
─────そして、彼の魂は、巨大な“蛆虫”に呑まれた。
質量を持たず体積もない魂は以て現在に至るまで蛆虫の腹の中の広大無辺な闇に囚われ漂っている。
最初の6年余りのうちは脱出の手段を模索しつつも、他人のいない空間において自己を闇の中に見つめた。そして、一つの発見をした。それは疎ましい他人の存在意義、存在価値。
そもそも自我が描けるほどに強かった彼だが、だからといって自我を好いていたわけではなかった。ただ自分は自分という形で受け入れているだけで、そんな彼にとって何もない暗中で自分を見るというのは例えるなら照明をつけずに極彩色を映すテレビを見続けるようなもの。>>657
要は、鮮やかすぎて自分ながらに自分を見つめるのに疲れたのである。ここにおいてヴィルレイは他人の存在意義に納得した。世界にあんなに他人が多いのは、自分を見るのに疲れた時の止まり木なのだと。確かに、他人と接しているときは自我は少しの間意識外にいた。
6年も経つと勝手もわかってくるもので、魔術(本人は一般人なので蛆虫の力を拝借しているようなもの)を使って物質界に使い魔を作成して撚り合わせ人体のようにし、変身術を用いて自分の似姿に変え、そこに自分を降ろし────という蛆虫の中にいながら物質界で行動する方法を開発した。
他人と関わるのはそれでも厭わしいが、以前と比べて加減というものを知れた彼は多少その嫌悪感も紛れることとなった。
そんな中でスカウトに会い乗船。最初こそ仕事とはいえ人と顔を合わせるのが煩わしかったが、特殊な技能を持つとして、また仕事のマメさを評価されてそこそこの地位を築くと自由もある程度みとめられたため、船内での生活も今では適度に分別をつけつつ謳歌していると言える。
【性格】
自分のことしか考えられない、他人のことを理解できないしする気もないという他人嫌い。他人を他人だからこそ嫌い、そこに一切の区別をつけていない。
彼が話しかけてきた時、親切で聞き上手でにこやかな時は自分を意識するのに疲れて他人を止まり木として利用している時。
彼が話しかけてこない時、無遠慮で無配慮で無情な時は別に疲れておらず嫌いな他人を遠ざけたい時。
どちらも裏でも表でもない同一の素であり、にこやかな笑みも作ったものではなくちょうど良く他人がいて上機嫌で自然と漏れるもの。眉間の皺も御同様。
止まり木として利用するという発想を持つ前は殺人か自死かと追い詰められるくらいにはある意味で他人嫌いに素直で、今でもそれは変わらず、故に腹芸や人心掌握などといった対人技能の心得・適性はないに等しい。
そんな彼にも目標はあり、蛆虫からの脱出と、それをもっての自死の成功。
【行動規範・行動方針】
自分というものをよく理解しており、自分の領分も把握しているためむやみやたらに喧嘩を売るような行為はせず、仕事においても「ここまでは可能だから後は別なヤツに任せる」という風にして無理はしない。>>646
でもまあ、ただの思いつきですので脳内だけにとどめておくかもしれません。この三つ以降はまったく思いつきませんし。>>658
但し、利己主義者が折々利己主義のままに功利主義に籍を置くことがあるように、ヴィルレイも根幹こそ自分本位のものであるが船や船員を助けることもある。
会議などでも合理に則った案を出すことがしばしばあり、人命軽視・非人道の傾向があるため否決されることが大半だが、「船の存続のために冷徹な案も思案できる人間」と勘違いされる。無論彼はそんな誠実な人間ではなく、単に何人もいる他人より自室の冷暖房を優先しているだけという。
余談だが、閉鎖空間の集団という否応無しに他人と関わる必要のある船に彼が参入した理由には願いである蛆虫からの脱出がある。
蛆虫の概要は上述の通りで、魔術について、神秘について知っていくうちにヴィルレイは蛆虫の本体を発見し滅することが脱出の方法として一番現実的であると判断した。
ならば蛆虫が求めそうな未だ廃れぬ神秘を有する場と蛆虫の神秘を欲する存在を見つけるべきとし、それ故に海を探索し神秘を追求せんとする者たちの集まりである船への勧誘は望ましきものであった。
彼が船の規律を守り、防衛や存続のための業務に従事するのもこのためである。
【役どころ・コンセプトなど】
優しくなさそうで優し……くない人。ポジションイメージは「会議で非道な提案をして良識人に胸ぐら掴まれる人」。只今wiki内にベルナルダ卿を登録させていただきました~
>>667
自己レス失敬
あれでも普通に両方とも通ってる…
じゃあやっぱり「ふん」なのか灼血の設定、使いにくそう(矛盾が起きそう)であれば今から変えたりすり合わせたりしていいのかも
皆さんありがとうございます、どうやら「ふん」がNGだったようで…掲示板ムズカシ…
>>662
船のために船にとって最低限のコスト・被害で済む案を極端なモノであれ出すので会議だと内容はともかくとして割と必要そうなタイプかな、と。
なお当人
>>663
蛆虫は功罪のある生き物筆頭ですからね。罪の多くは人間主観の感性的なものですし。
移動型の密室版時計塔って感じがするのが良いんでしょうね。移動してると一所に止まるよりも規模に自由がきく気がする
>>665
自分ながらに、才能とかの理由づけに起源利用しまくりだな…となる今日この頃です。
どこまでも自分本位だからこそ、自分にまっすぐだからこそ所謂サイコパスみたいに器用には生きられなかったヤツ。
結構人情派が多く、且つ皆を意識する人が多いイメージだったので、それと対をなすようになればなと思いました。動かしづらさは…出てくる時が上機嫌な時だったってことで…上機嫌な時はまだ優しい(道を聞かれたら答える程度)ので…
清掃室の幹部としていかがですかね?
>>667
異能者のカテゴリの方があってる…ですかね?蛆虫由来だろうし、魔術の理論とか理解してなさそうだもんな…
現状の船員だと巽さんとかそれこそレリックに「…っ、テメエッッ!」って凄まれてる感じ。本人は何で怒ってるかとかわからないし他人に触れられるの嫌だしで空気が最悪になるコソコソ小話
ヴィルレイは上機嫌な時と通常時(不機嫌時)との対応の差が激しすぎて仕事の内容もあって「仕事に際して暗示をかけてるからでは」なんて考えられたりもする。
無論ヴィルレイは暗示魔術は習得していない
>>674
なんだかんだで皆優しいというか良識のある人が多いですからね。悪意のない地雷踏みグループの新入り(他メンバー:麟ノ助、カステラ)にして敵意剥き出し系。
余談ですが多分私は周囲が愛情たっぷりな温かく不自由のない家庭で育ったのに捻くれたりろくでなしになるようなのが性癖だと最近自覚しました
>>679
少数精鋭って感じがしますね…彼らの上に立つ清掃室長はどうなるのか…
クウネルさんとは結構反りが合わなそうな気配を感じるのは私だけですかね…?(実直で天敵:自分自身なクウネルさん/自分本位なヴィルレイ)>>680
濃いなあ…()
クウネルという男の人間的な一番の地雷は「情状酌量の余地なく他者に危害を加える相手」なので決定的な対立は避けられる…かな?
「意味もなく人類を根絶やしにしてやるぜグハハハー」的な典型的なアレな人でも無い限り「色んな人がおるんやのう」で済む人間なので
この情状酌量は大義も含まれるので型月で言う根源を目指すために他人を犠牲にするタイプも含まれます
もちろん難色は示すけどそれを積極的に止めるってこともしません
こんなんでも根は魔術師なので根源を目指すという言葉の重みは理解しているやつです深夜のこそこそ話
ベルナルダ卿の「イメージカラー:青く染まりつつある亜麻色」はつまりはネレイドの呪いとその肉を食べた初代の業に染まりつつある、という証だったり
多分身体のあちこちが少し人魚み?ある>>670
>>671
あれま…そうでしたか。そういうことなら私は灼血…というか超能力という枠自体をアードゥル家から外したいと思っています
理由としては、
・灯明魔術と灼血で属性がかぶっている。戦闘能力として描写するならどちらかひとつで足りる
・超能力が近親交配でしか遺伝させられないなら一族の繁栄もそれに沿ったものに限定されてしまう。魔術師の一族として見ると明らかなノイズになり、魔術と超能力どちらも取ろうとすれば中途半端な印象になる
・近親交配が前提ならルナは魔術を使えなくなった時点で母胎として使い潰される可能性が高い。そうなると根本的なキャラから変わってくるのでそれは避けたい
…………という感じです。どうでしょう? 外してもいいと思いますか?
>>677
幹部として欲しいです!是非!私欲混じりながらそういうことを言える幹部キャラが欲しかったので!
>>678
んー……まぁ、OKです。見てからやっぱりダメだと言うかもしれませんが、それで大丈夫ですか?>>687
ちなみにベルナルダは会議でマイペースかつ人道的な発言をするし主人公側には付くが、時たまスイッチが入り暴走してしまう光と闇の二重人格キャラ
なんだそれは黒鹿さん一雨さん、趙雲と鹿之助と長政の三人絡ませた短めのSS作りたいのでお借りしていいですか?
今のイベ絡みのネタなので出すのは大分後になるとは思いますが大丈夫ですかね?
>>676
い つ も の
メロ(そっちがイカならこっちはカー◯ィになるぷにゅか…)
つってもある理由があって早く叛鎖を中盤まで進めたいって焦っちゃうんすよね
まあとりあえず息抜きに蘭丸xちゃんを愛でてきます…
>>679
ツッコミタイプの兄貴系風属性武人趙雲をどうぞよろしく…
確かに何かビビッと来る感じのキャラ作るとめっちゃ描く回数増えますよね、分かります
俺も初期は趙雲率高かったですが最近は凌牙君や海月ちゃんばっか描いてるので…
>>680
他の地雷踏む組が霞むレベルの最凶クラスの地雷踏みスキル持った奴なんですがそれは
>>682
そういや気になってたんですが、ベルナルダさんは人工的に生まれた人魚もどきとそれと契約してる子である海月ちゃんとメロに関してはどんな感じになるんでしょうか?>>690
おお!
使ってもらって大丈夫です!あ、黒鹿さんへ、
秘海集積船の乗船者リストにベルナルダを自分が登録しても大丈夫でしょうか、それとも黒鹿さんがした方が良いでしょうか?>>696
うーん、とんだ冒険野郎か自殺願望者か……
只今登録させていただきました~んぐぐぐ狂えるオルランド図書館で借りてきたら一冊6000円でびっくり〜〜too much expensive〜〜〜!!
>>698
私もニッコリ!>>701
いいとも~!今って人いますか?ロイドの師匠を投稿しようかと思うのですが。
徹夜で蘭丸Xちゃんと周回祭りしてました…
>>705
遂に…!
チェストですチェスト待ちしてる間に寝落ちする奴いる?いねぇよなぁ?(寝てた)
いきマース【氏名】ヴィクトル/ヴィクトール(表記揺れ)
【性別】男性
【年齢】400〜500歳(外見年齢70歳くらい)
【出身】秘海集積船
【身長・体重】190cm・102kg
【肌色】白【髪色】灰色【瞳色】青
【外見・容姿】軍服やスーツをキッチリ着込んだ髭を貯えた老人
【令呪の位置】左手
【属性】秩序・善
【魔術系統】ルーン魔術
【魔術属性】火・水
【魔術特性】壊す
【魔術回路】質:C量:A 編成:変異
【起源】破壊
【所属】秘海集積船・ワイルドハント騎士団
【階位・称号・二つ名】破壊の化身[ベルヴェルク]、現代の竜殺し【魔術・特殊技能・特性など】
・ルーン魔術
一通りのルーン魔術を習得している。偶然手に入れた力であり人に教授することは苦手。
最近はそうも言っていられなくなったのか四苦八苦しながらロイドに伝授しようとしている。
【礼装・装備など】
・竜骨槍
かつて打ち倒した竜種の骨を使って作られた槍。非常に頑丈なことからルーンを付与して投擲し辺り一帯を吹き飛ばす技も使う。爆心地には槍だけが残る。
最近船所属の加工屋に頼んで石突の部分に竜の爪のような意匠を施した。
・サーベル
何の変哲もない儀礼用のサーベル。槍を投げた後などの槍が無い時に抜くことがある。【人物像】
普段は好々爺だが戦闘になると人が変わったように嬉々として槍を振るう。
職務に真面目に取り組み後進の育成にも力を入れておりワイルドハント騎士団の若い者達からは『鬼教官』などと呼ばれ直弟子であるロイドからは陰で『ジジイ』と悪態をつかれている。なおバレたら怒られる。
竜殺しであることとロイドを強引にワイルドハント騎士団に引き入れたことが原因で未だにアルマに嫌われており、撫でようとすると威嚇されてしまう。
特技:壊れるギリギリの手加減
好きなもの:若手の扱き、強敵との戦い、酒
苦手なもの:飢えること
天敵:壊れても再生するもの
願い:特に無し【来歴】
元は秘海集積船に移住した魔術使いの三世の生まれで魔術回路も持たなかった。しかし卓越した身体能力と鍛え上げた槍術により必要水準の戦闘力を持つと認められ調査隊に所属することとなる。
最初は神秘の追求を目的とした他の調査隊員から疎まれていたが地道に実績を積み重ね調査隊内でもそれなりに受け入れられていく。
そんなある日遠征に出た調査隊は嵐に巻き込まれ、船から離れた孤島に流れ着く。そこで現代まで生き残っていた竜種と遭遇し、縄張りを侵されたと判断した海竜のドラゴンブレスに晒され調査隊は壊滅。唯一生き残ったヴィクトルは無我夢中で戦い続け……一昼夜続く戦闘の末に遂に海竜を討ち取ることに成功した。
しかし本当の地獄はここからだった。
島から出る手段も無い。連絡手段も無い。激しい戦いにより荒廃した島にはろくな食料も残っていない。そんな無い無い尽くしの環境に取り残されたヴィクトルは救助が来るまで耐えた。
耐えて────
耐えて────────
飢えに耐えかねたヴィクトルは目の前の竜の骸に齧り付いた。後続の調査隊が竜の死骸に引き寄せられた幻想種とヴィクトルが戦っているところを発見したのは調査隊の遭難から三ヶ月後だった。
船に回収され身体検査を受けると海竜の血肉を喰らったヴィクトルの身体には様々な変化が起こっていたことが判明する。一つは生来持たなかった魔術回路の発現。もう一つは明らかに人間の範疇を逸脱した強靭な肉体。そしていつの間にか頭の中にあったと言うルーン魔術の知識。
彼の身体に起こった変化に船の魔術師達は興味を示したが────
「もう懲り懲りだ…」
そう言ってヴィクトルが成果物を横領したという名目で調査隊を辞そうとしたところでワイルドハント騎士団からスカウトされる。
それからの彼は文字通り鬼神の如き活躍を約束した。どんな外敵が現れようとも、誰が問題を起こそうとも、ヴィクトルを投入すれば必ず戦果を上げて帰還する。
ただしそれは対象の皆.殺しという形で齎され、その苛烈な戦いぶりから『破戒の化身[ベルヴェルク]』と称されるようになった。晩年になって若い頃のギラつきもなりを潜めた頃。ヴィクトルは自分の生きた証を残したいと思い立つ。そして騎士団の若者の一人を捕まえて自身の技を教え込んだ。そして────
弟子の方が先に亡くなった。
なんのことは無い。ヴィクトルの寿命は人間のそれよりも長くなっていたのである。
以降も何度か弟子を取っては先立たれることが数回続き、遂には弟子を取らなくなった。
それから更に年月が経ったある日。ヴィクトルは竜種の幼体を連れた魔術使いの青年、ロイド・クラークと出会う。彼から僅かながらも自分と同じ匂いを感じたヴィクトルは彼を是非とも己の弟子にと(強引に)勧誘した。【性格】
人物像にもあるように基本的には好々爺で時には典型的な老人ムーブをしたりすることもある。しかし根っこの部分はかなりの戦闘狂。
現在絶賛終活中でありロイドに自分の技を全て伝授出来た時点でとっとと死のうと考えているがその前に不意にぽっくり逝っては堪らないとそれまでは何がなんでも生きるつもりであり自身の寿命について相談しては医務室のニコレット・ドクトゥーラを困らせている。
また若い時に飢餓地獄を味わったからか食に関して貪欲で尚且つ若者にも隙あらば食べさせようとする。その関係でルチアーノ・ベルナルダとも私的な交流があり時折彼の頼みで食材調達と称して狩りに出かけることもある。
台詞例
「ワシの名はヴィクトル。良い名じゃろう?」
「頑張っとるかね諸君。お弁当を持ってきたでな。遠慮せず食べなさい」
「おおロイドや、丁度いい。こっちに来て一緒に飲まんか。ほれ、おぬしの故郷の酒じゃ。飲め飲め」
「どれ…軽く揉んでやるとするか」
「我が名はヴィクトル。ヴィクトール・ヴァン・アッシュバルト!戦士として死にたい奴はかかって来い!」
「破戒の化身[ベルヴェルク]の名、その身に刻むが良い!」まぁ使えるかどうか問題は今まさにアードゥル家を弄りまくっている私が言えたことではないんですが!
めっちゃキャラも派閥も増えていく!
>>719
………左で!>>723
こいつはコミュニケーションならとれまぁす!正体不明なだけです!喋れます!>>725
うちだと、NPC&魔術を習得済みですがプリシラがいます。>一般人>>716
最初は竜種の肉の味について聞かれるみたいな感じのところからイメージして若者にいっぱい食べさせようとする設定を作ったあたりでこれならプライベートでも交流作れるな、と。
>>717
ふむふむ。メイド服の女の子ってどっちかと言えば用心棒に守られる側ってイメージがあるのでメイド服を着た用心棒ってのはなんとなく新鮮ですね。
>>718
あ、それなら今までも半隠居状態で若手の育成をしながら時々最終兵器みたいな扱いで投入されていたけどロイドを弟子に取った辺りから後進の育成に専念するようになった。とかどうでしょう?
>>722
機関室のアイドルが気になります。
>>725
分類上は一般人で尚且つ魔術も使えるようになれるセリカ・イングラシアとかどうでしょうか。千里眼EX持ちをガチ一般人と言うのかは疑問ですが。前のジャスみつG退治SSの後編もうちょいで出来そうだけど大丈夫?需要ある…?
>>715
めっちゃカッコいいし強い爺さんキャラですね…好き
多分裂夜君もロイドさんと一緒に酒飲みながら訓練後に愚痴言ってるんだろうな…あのロイドさんがジジイっていう位だし裂夜君も「数世紀前でもこんな鬼教官いないでしょ…今令和なんだけど…?」みたいな感じで愚痴ってそう。でもリスペクトはする。
>>692
海月ちゃんは暑苦しい奴が多めの自キャラの中では珍しくドストレートかつ直球な可愛さを追求した鱒だったりします。
確かに萌音ちゃんと絡ませると楽しそう。にしてもそれはエッチすぎるぞ萌音ちゃん…!!
>>719
個人的には左の暗めな感じのが雰囲気にマッチしてそうなので左に一票。
>>722
屋台のおっちゃんとアイドルが気になりますぞ…特におっちゃんはイケオジ属性増えそうだし好みな予感がする…
>>726
ふふふ…男の9割が短髪になる病に罹ってる俺とは真逆の業を背負っているみたいですね…>>729
リディアのバトルスタイルがガンファイト&無形のケンカ殺法なのも大きいですね。
普段のウェイトレス用制服だと、カンフー以外が似合わないと桃夢が判断したかと。
守る側のメイドの一例。
https://www.1999.co.jp/m/10770366>>510
おう…スネグラーチカさんが虐られていらっしゃる…青少年連続自殺事件も仕掛けていたり、ウァトさんキャラシではわからないエグさがありますね…
しかしこれがヴェルセリオファミリーに感知されたわけで…それを気取っていないわけもないだろうし、これからどう立ち回るのだろう…
>>519
広島弁なヤンキー(真っ直ぐ)青年だ!警句を刻んだタトゥーとか知識としてではなく感覚としての礼節とか、交友を深めれば深めるほど良い対人関係が築けそう…年上に可愛がられてそうだなぁ。ポチ先生とかにも「無理はしないように」って優しく見守られてそう。
…………推定上司で年上があんなんじゃなきゃなぁ…()
>>550
わぁ…気まずさがフルスロットル…大勢の生徒が集うパーティー会場でコミュ障引っ込み思案が三人もすみっこぐらしてるとかなんて奇跡(幸運じゃない方の)…頑張って絞り出した発言も続かない/続けられないでお互い黙りこくるの、わかるな…
いやホント、ルファスさん救世主ですねコレは…ルファスさんが来ないとルナちゃんにサルベージされるしかなかった…(なおルナちゃんはルナちゃんでガオに凸る)(よりカオス)
そしてルナちゃんの吸血鬼現象も挟みつつリモンさんという面白男も登場して、流れるようにアクシデントも発生して…綺麗なストーリーラインだ…!
本当なら脅威になるはずが天体科のエリート二人の歯牙にもかけられていないの、流石って感じですね
>>563
出た、ヒュギ虐。姉妹揃って仲良く虐られていますね…プロメテウスさんつおい…でも考えてみればネームバリュー的に圧倒的か…
個人的にアンプルを腕とかじゃなく首筋にぶすぶす立てるのに良さを感じました。首すごいことになってそう。穴だらけそう。
カッコいいペーネロペーさんの助太刀の裏でのロドモンさんのインタビュー、言い聞かせてる感がありありで草ですね。これでつよつよロドモン♀さんの話になったのか…>>715
今でこそ老後エンジョイなお爺さんだけど、過去が色々お辛い…仲間は全滅し、無人島で極限生活をし、無闇な、本人も前途の見えない長生きによって弟子には先立たれ…これで戦闘を好んでるのは胆力があると言うべきか、吹っ切れたと捉えるべきか…?
年齢的にもしかするとレリックもお世話(鍛錬)になったのかも?色んな人のお師匠様ポジですね
>>728
ふふふ…ロココさんは缶コーヒー一杯で生成されたっていうエピソードが印象的すぎましてね…あと「機関室」って響きからオタサーの姫感を勝手に感じまして…
ほうほう。どの人も興味深いですね、漂流者さん超古株ときましたか…気になっちゃうな…
でも緑肌さんに対して「此方の方が正体不明だしー!?」って張り合う夕ウタも書きてえ…となる…心が乱離拡散…
>>730
つまり我々がヒュージョンすれば長髪も短髪も網羅したちょうどいい長さを常に考案できる系になれる…?()思い付いたネタ(一族)をポイポイ
イストロス家:
水属性(水鏡)由来の招霊、時間という概念を現像する
世界のはじまり(根源)を映し観ることが使命。
モーフィアス家:
個体ではなく世代を経た肉体の変化───すなわち進化を魔術的に取り入れた一族。
進化する前の世界の原型(根源)を解明するのが使命。
セファー家:
魔術観測者の一族。目に見えぬ神秘を言語や数字として現す。
それら一切を取り零すことないように視力をはじめとしたあらゆる感覚機能が優れているが、代償に心身への負担が重く、物事に対し人一倍過敏になってしまう。
鉱山のカナリア、生涯貧弱>>730
ありますぞ。なんなら前ちょっと言った虫取り弁慶とか出してくれたりしても嬉しいですぞ。
ロイドのジジイ呼びは半分は悪態ですがもう半分くらい親しみも入ってるんですよね。スパルタだけど自分達を鍛えてくれてますしなによりなんやかんやでロイドにとっては実家と仲直りできた切っ掛けになってくれたのもあって。
>>733
そうですね。まあこの人を投入すると対象が死ぬので逆に使いにくいみたいな扱いをされて最近は「あんたは出撃しないで」みたいな扱いを受けてて余計に人生モチベが下がってたみたいな感じですかね。
師弟揃って『戦況に放り込んだら一定の戦果を上げて帰ってくる』枠なんですよね。師匠の方は血腥いですが。
>>734
本人が後継を残そうと思い立ったのがお爺ちゃんになってからなので実子もいませんのでムジカちゃんを始めとした年頃の子に対してニコニコお爺ちゃんになります。
>>739
半隠居状態でいつ終わるとも分からない寿命の中でたまに発生する最終兵器投下イベントがいい刺激になってたという感じですね。唐突に船の人の中でのイメージCV(敬称略)を投下するのです。異論は認めます
ジャスミン・アドレーヌ:矢作紗友里
ピース=ピース=ピクシス:川田紳司
ロイド・クラーク:小野友樹
ヴィクトル:柴田秀勝
黒須 瞳:田所あずさ
ペルカ:大空直美
ポチ先生:石井真
アインス先生:堀江一眞
ムジカ・スフィーリス:高田憂稀
フィサリア・ラズワルド:寿美菜子
クウネル・コーバイン:増元拓也
セレン・アイグレール:高橋ミナミ
三峰裂夜:阿部敦
>>741
あら…?なんか、缶コーヒーと引き換えにご友人さんと合作したというお話を聞いたような気がするのですが…(胡乱)
正体不明なのにみんな知ってる…?謎の深まる一方なお人だ…でもみんな知ってても夕ウタは知らないだろうからずっと張り合ってそうではあるいっきまーす
Scene11 メレク・アルマソフィア
「……これは、なにがあったのやら」
予定されていたパーティーの開始時刻より少々遅れて到着したメレク・アルマソフィアは会場の荒れっぷりを見て驚き半分呆れ半分でいる。
そんなメレクの仮装はハートの女王ならぬハートの王子様といった姿。赤、白、黒の三色が生み出すトランプ調の衣装は品のある雰囲気を漂わせるメレクによく似合っていた。
さて。
メレクの見ている光景はとてもパーティー会場とは思えない有様を晒していた。
壁も床も天井も、抉られていたり焦げていたり溶けていたり亀裂が入っていたりと散々な姿。
用意された食事を載せていたらしいテーブルも見事に粉砕されて原型などわからない。
……が、食事が載ったままの皿だけはぴたりと空中で静止している。誰かが魔術で空中に浮かせたのだろう。
そんな破壊されたパーティー会場に参加者たちの声が響き続ける。>>753
「はーい確認! 安全確認! 亡者どもはもういないねー!?」
「怪我した人はいますかー? いませんねー? いないでー!」
「ローザ様の…………ローザ様の舞台をこんなっ……、こんなっ……! 許さない、絶対に許さないわ……!!」
「あれ? ミウ? ミウー? ミウー!? え、ちょ、どこ行ったぁ!?」
「なんで呪詛貼りついてんだここ!? 好き勝手に暴れたやついるだろ絶対!」
「ああ抵抗はしないように。君があれらを召喚したのは多くの生徒が目にしている」
「はーい抵抗しませーん。いやー楽しかったー」
「反省したまえ」
「こ、ここ、こんなに、壊して……わ、わた、わたしが、ガオでやっちゃったから…………」
「……サイアクね。お色直しの時間もないわ」
「お? 外面に滲んできてるぞ内面ブス」
「お黙り。今は羽虫のさえずりに付き合ってる余裕もないの。まずはあの子のところに行かなきゃ」
「…………(モグモグ)」←余ったお菓子を食べている
「…………(カリカリ)」←空中の皿に乗ったまま食べている
「ここが戦闘訓練用の教室でよかったよな……」
「待って待って皿浮かすのきつい! 誰の使い魔よこのネズミ! 待って! 誰か手伝って!」
あっちもこっちも喧々諤々。
祭りの後始末と言うには少々雑多が過ぎるこの状況。さて何があったのやら。>>756
「似合っていますよ」
「ほんと?」
「えぇ。雪の妖精のようです」
「…………にひ」
子供みたいな笑顔をルナは浮かべる。
その笑顔を含めて、いいものが見れたと思ったが、そこまでは口にしなかった。
───来年も見れるだろうか。
そんなことを考えてしまうことがおかしい。だって来年には来年にこそ見れるものがある。
今を大事に抱えて未来にまで持ち込んでしまうのは野暮だろう。
「……って笑ってる場合じゃないや。片付け手伝わなきゃ」
「僕は来たばかりなんですけどね。まぁ、手伝いますよ」
今回ばかりは貧乏くじを引いたかもしれない。
が、まぁ、見たいものは見れた。ならばそれで良しとしておくべきだ。
つとめて思考を前向きにしつつ。メレクは片付けと修復作業を進める人の群れに加わっていった。>>757
Ending ジャック・オ・ランタン
パーティー会場の後始末もいいかげん終わりが見えてきた頃。
半数ほどの生徒が手持ち無沙汰のまま、けれど名残惜しいのか帰ろうともせず床に座り込んでいた。
そのうちのひとり、ルナ・アードゥルにカボチャ頭の男が近づく。
「や、お疲れ」
「ああ、はい、お疲れさま……え、誰? どちらさま?」
「見ての通り、ジャック・オ・ランタンさ」
そういう仮装らしい。
カボチャはハロウィンで一番有名なアイコンなので、まぁそういうものなのだろう。
カボチャ頭は許可なくルナの隣にどかっと腰を下ろす。
「なぁお前、この祭りのきっかけなんだろ?」
「それがどうしたの?」
「そういうことなら一応、形だけでも謝っておこうと思ってな」
「謝る?」>>758
見知らぬカボチャ頭に謝られるようなことなどあったろうか。
ルナが謝らなきゃいけないことはいくつもあったが、逆はあまりない気がする。なにを謝られるのか。
「あの召喚が暴発してたの、たぶん俺のせいなんだ」
「はい?」
「二回言わせんなよ。俺のせいで今回のパーティーめちゃくちゃになったっつってんの」
「……どういうこと?」
「あの連鎖召喚だっけか。ありゃ偽者を参照して偽者を喚び出すモンだ。んでそこに俺が混ざった」
「???」
「ニブいなオイ。偽者の中に本物が混じったから壊れたって言えばわかるか?」
「本物??」
なにがどう本物なのやら。目の前のカボチャ頭はハロウィンに招かれた死者だとでも言うつもりか。
「おおよ、本物のジャック・オ・ランタン様だ」
「ランタン持ってないのに?」
「んん…………まぁ、売っちまったからな」>>760 事件の犯人を引き渡してきたらしい天体科の二人組。ひとりはルーカスさんでひとりは知らない人。
迷子だったらしい妹をようやく見つけたお兄さん。
読書中の女の子に謝っているナース姿の……あ、あれヨモちゃんだ。
突然のハプニングで今回の仮装パーティーは台無しと言ってもおかしくない。それでも沈んでいるような人はどこにもいない、どころかみんな活き活きとしている。
これは、幸せな光景と言えてしまいそうだ。いつかどこかで思い出して、小さく笑ってしまいそうな、そんな光景。
「やさしくて、あったかいワンシーンだな。お前もそう思うだろ?」
なにを思ったのだろう。隣のカボチャ頭はそんな同意を求める。
「……思うよ、私も」
「そうか! 思うか! だったらやっぱ、俺らには似合わねェなぁ。こんな光景は」
「…………『俺ら』?」
「おっと他人事かァ? それはないぜご同類。お前だってこの景色は相応しくないさ」>>761
「いつの間に同類にされてるんだろうね私。すごく勝手なこと言うんだねカボチャ頭さん」
「知ってるか? ジャック・オ・ランタンは身勝手極まって天国にも地獄にも行けなくなったんだ」
「だから?」
「筋金入りってことさ。なァお前、お前も身勝手に好きなこと全力でやるタイプだろ?」
「身勝手のつもりはないけど」
「好きなことに全力ならそうなるさ。普通の人間なら好きなことは我慢してほどほどにやるもんだ」
「…………好きなこと我慢して、ほどほどで満足してろって?」
「できねェだろ? 俺もできねェ。だから同類って話になる」
「なるもんか。それだけで決めつけられるな私は嫌だ」
「なるんだなァ、これが。普通になんざ生きられない。誰かのための正義の味方なんかなれっこない。どこまでいっても───自分のためにしか生きられない」
「人を自己中みたいに」
「ばーか。究極の自己中が何言ってやがる」
「そこまで言う?」
「俺は親切だからなァ、わざわざ言葉にして教えてやってんだ。ありがたく聞けよ?」
「それはどうも。今のところなーんにもありがたくないけど」
「いいからいいから───で、だ。お前、いつまでもここにはいられねェぞ」
「ここがやさしくて、あったかいから?」
「プラス甘っちょろいから、だな。俺らみたいなはぐれ者にはぬるすぎる。涙が出ちまいそうだ」>>763
カボチャ頭が笑ったように歪む。いや、そんなことはない。カボチャ頭の被り物はなにも変わらない。
それでも満足したと言うようにカボチャ頭の男は立ち上がった。そのまま歩き去ってゆく。ケタケタと笑いながら。
「いやーつまんねェ祭りだった! 次があるならチュートリアルからお呼ばれしたいぜ」
「次があっても私はもうそのカボチャ頭を見たくないんだけど」
「ざァんねん! その願いは叶わない!」
「なんで」
「なんでって? そんなの決まってる。お帰りいただいた死者たちは来年はくるのさ。こんな風に───」
ケタケタ笑いを響かせて。ジャック・オ・ランタンは振り向いた。
「───トリック・オア・トリートってなァ!」v8g@5e3sf[u:e3kr:^@ufud=tgqe
6oi:@yg=0:wh;ヴィルレイをwikiに登録&参考情報データベースにこれまでの分を追加いたしましたー。あとトワのイメージCVを変えたりなんなり…
ヴィルレイ、言及台詞書くのめっっちゃ大変なヤツだな…上機嫌なのは必至としてどう書こうか…
>>746
増田さんも広島出身だったのですか…!
クウネルさんは低めの“漢”って感じをイメージしました。方言系はその地元を考えますよね
>>747
聞いてくださいましたか…合っていたようで嬉しい嬉しい。
ピクシスさんは大逆転裁判のシャーロック・ホームズをイメージ。アインス先生は優しめで…でももうちょっと高くても良いかも…ペルカさんは元気+かわいさ重視で!ポチ先生は、犬の鳴き真似が上手い方でしたので…
良かった記憶違いではなかった。缶コーヒーから錬成された機関室のアイドルとか逆に気になってきちゃうことに…
正体不明具合で競う…うん、夕ウタらしい意味不明だ…
>>749
えへへ…フィサリアさんは芯のある、抜け目ない、でも品のある女性という雰囲気でしたので!>>750
二つの力を一つに…!?()
多彩だなんてそんな…私も京極さんの描かれる男性の筋骨隆々な感じとか漢!って感じのする身体、何よりも筆の速さには驚嘆させてもらってばかりで…本当に筆の速さは憧れます…
やったー!ちょっと裂夜さんは迷ったんですが、童顔という情報を得ましたのでそこからガッと阿部敦さんに向かいました
>>751
健康的で明るい感じ…都会派?と言いますか。どんな子なんだろう?
>>765
完走お疲れ様でした!たくさんキャラが出てきて色んな絡みが見れて、愉快な新キャラも出てきてとても面白かったです!
案の定あっさり片付けられたお化け騒動…後片付けの風景にもそれぞれのキャラの個性が感じ取れて良いですね。
そしてジャックさん登場からの意味深な会話…これは冒険旅行記に繋がってくるのか…今の死霊病棟編でも深掘りされていますし、今後の動向に関わってきそうでドキドキですね…
>>767
今見たら誤字してましたね…正しくは高田憂希さんでした…
ちょっとハスキーな感じが似合うかなーと思いました。個人的にこの(YouTubehttps://youtu.be/vB6JG5pRo-I )ボイスドラマの最初の独白の感じが、ムジカさんの眠り姫のSSでの懊悩の時に合うなぁと。
グエル先輩ポジは誰だろう…ガタイ的に凌牙さん…?よしG退治SS後編できたので貼ります、ガンダムネタがタイムリーなの草ですが行ってよろし?
あとグエルポジ凌牙君はd9gpzweq@sezv[g66tnq@zqk=d@7rnyiq6x;wck3skte0w@bb\vohtyd@k9weq@zqkw@cbcbiwjrduyuo
5話s6ud@d@94g94q@zqo6ud@bs2z4ir.s6m4yw@
って訳なんでグエルポジは俺もマジでそう思いますし5話辺りで確信しました
OPサビ部分のエアリアル飛んでくる先にグエルシャディクエラン映るシーンのパロ描きたいなとか思った事もありますよくてよ着いたんで行きます
前回までのあらすじ
マレオと裂夜とAP○Xしてラン○ートのシー○で無双していた海月だが突然部屋にGが現れる。
パニック状態で混乱する海月は対策を考えるも、既にGは海月の秘蔵のコスプレ衣装に近付いていた。
コスプレ衣装が食われる危機。そこに現れたのは、彼女の親友であるジャスミン・アドレーヌであった。>>775
「ジャスミン、ちゃん———!?」
「…とりあえず大丈夫みたいね。良かった…」
微笑むジャスミンに、海月の顔が綻ぶ。
「…ジャスミンちゃん、なんで今ヤバいって分かったの…?」
「そのぬいぐるみよ。」
ジャスミンは、ゲーミングチェアに置かれていたぬいぐるみを指差す。
「私の人形にはカメラを仕込んでるって話、覚えてる?」
「そういえば…」
「うん。それにも仕込んでいてね。さっき新作の人形の試作品が完成したから、お茶を飲みながらカメラで色んな所をモニターしてたら海月ちゃんの叫び声が聞こえたの。」
「そうなんだ…」
すっかり安心した顔で、海月は目の前にいる親友、そして救世主を見る。
そして、ジャスミンは静かに部屋の床にいる悪魔を睨んだ。
「…つまりこういう事よね、海月ちゃん。コスプレ衣装の隠し場所に、ヤツが向かってる。それを退治すればいい。でしょ?」
「…うん、ごめんねジャスミンちゃん。お願い!」
「任せて…!!」>>776
ジャスミンは不敵な笑みで応え、右手を上げる。
すると、部屋に1m程のサイズの人形が入ってきた。
「この子は…?」
「これは、さっき完成した新作の人形の試作品よ。虫取り、G退治用に作ってみた人形。」
ジャスミンちゃんが、青いメガネをコ○ン君よろしくクイッとさせ、人形を見せる。
「…その名も、虫取り弁慶DXよ!!」
それは、SD化した武者鎧の様な構造をしており、手に槍の様な物を持っている人形だった。
「さあ、行きなさい…!!」
合図と共にその人形の目がゲーミング色に光り、その手の槍状の物を構えながらGに接近する。
それと同時に、甘い芳香が周囲に香り始める。
海月は、その光景を呆気に取られながら見ている。そして、ふとベッドの下を見ると、Gの動きが、まるで麻痺したかの様に止まっていた。
同時に、部屋の中から蜘蛛やチャタテムシといった虫達が、弁慶の元に集まり始める。
「海月ちゃん、魔眼使える?」
「えっ…あ、うん!!」
すぐに意図を理解した海月は、魔眼を起動する。>>777
海月の持つ二つの魔眼の片割れである俯瞰の魔眼は、魔眼周辺の広範囲の生体反応を全て水色のラインで視覚化できる物。超高性能のソナーを使えると例えるべきか。
つまり、部屋の中にいる虫達の位置も判別できる。
「うん、この部屋の虫は全員そこに集まってるみたい!!」
「よし、ありがとう海月ちゃん。…なら、始めるわよ!!」
ジャスミンはそう言ったと同時に、人形の目が光り始めた。
『ム゛ゥ゛ン!!』
雄々しいボイスと共に、槍を向ける
すると、その槍が、展開し始める。
ジャキィン!!
バリィン!!
キュイイイイン!!
ブッピガァン!!
そんな派手なSEと共に、槍が吸引できそうなホース型に変形する。
『御゛免゛ッッッッ!!』
その声が出たと同時に、虫達は一気にホースに吸い込まれていく。>>778
「海月ちゃん、もう一回確認してみて。」
「……あっ、うん!!」
再び魔眼を起動して、部屋を見回す。すると、何も反応は出ていなかった。
部屋ではあまり使ってない為今回は虫の可能性を失念していたが、本来は海月の魔眼は、虫位の小ささであろうとも確認できる能力を持つ。それが全く反応していない、という事は。
「…虫が、全員消えてる…!!」
『完゛勝゛ッッッッ!!イ゛ヨ゛ォ゛ッッッッ!!」
その叫びと共に、虫取り弁慶の全身が虹色に光り、歌舞いた立ち姿を見せた。
「ふぅ…試運転成功ね。大丈夫だった、海月ちゃん?」
「うん…!ありがとう、ジャスミンちゃん!」
「いいのよ。海月ちゃんが困ってた時に助けられて良かった。」
「あっ、そうだ…コスプレ衣装!」
海月は駆け足でベッドの下の棚を開け、コスプレ衣装を見る。
確認した所、幸いにも全て無事だった。
「良かったぁ…」>>779
「…ん?海月ちゃん、これ見て。」
どうしたの、と海月がジャスミンの方を見ると、そこにはハロウィンパーティーの時に着た赤すぎんのコスチュームのフード部分があった。微かに甘い香りがする。
そう、ちょっと前のハロウィンの時に二人で仮装して船を歩き、トリートしたお菓子と二人で買ったケーキを部屋で食べたのだ。
「…そういえば、フードの所だけ洗濯に出すの忘れてたのかも…」
「少し虫が多いと思ったらそういう事ね…気をつけなさいね。」
「うん、反省します…」
「よろしいっ。」
そして、一通り洗濯と掃除を済ませた後。
「…そういえば、今日作るって言ってた人形ってもしかして…」
「ええ、虫取り弁慶。どんな虫だろうと吸い寄せる特殊なフェロモンを配合した芳香を出して、一気に吸引するの。センサーで感知もできるのよ?」
頷きながら、改めて海月はジャスミンの人形作りの腕に驚嘆する。>>780
ジャスミンちゃんの口角が上がる。と、同時に何を話すのか察した海月ちゃんも頷く。
「今回はいつもよりロマン多めにしてみたの!」
「うん、いつもの人形に増して迫力が凄かったよ…!」
そう、ジャスミンちゃんも海月ちゃんも、ロマンが大好きなのである。
変形機能、発光機能。ファ○ネル。その様なロマン。男の子の方が好きそうな人が多そうな物だが、二人もロマンを追い求める少女なのであった。
ジャスミンは船に来て人形を作っていく内にロマンを理解した。海月は元からアニメが好きで、興味本位でロボットアニメを見たらそのロマンにハマったクチである。
二人のテンションが上がり、笑顔の度合いと口調の高さが上がっていく。
「良かった、海月ちゃんなら分かってくれると思ったわ…!!でもね、実は更に変形機能を強化しようと思ってるの!」
「本当!?…あ、そうだ!ならあのアニメの最新話後で一緒に見ようよ。今の機体の変形の感じを参考にしてみるとかどう?」
「いいわね…!!」
二人の少女は、顔を見合わせて幼子の様に笑う。
ジャスミンと海月は、トラウマの種類や程度こそ違えど、同じ孤独を抱えて育ってきた少女である。
そんな二人にとってお互いは、初めて出来た親友同士なのだ。
将来、この二人がどうなるかは分からない。けど、一つだけ確信ではないが、言える事がある。
恐らくこの二人の絆は、決して消える事がないと。>>781
後日。
ジャスミンは虫取り弁慶のデータを取る為に、協力を了承してくれた生徒達の元で実験をした。
使用後に海月の魔眼による探査を行い、その部屋の虫は全員吸収されるという優れた結果を残した。
しかし、協力してくれた男子生徒達は「かっけー!!すげー!!」「ロボだァァァァ!!!」「浪漫…まさしくこれは浪漫…まさか我ら日本男児の浪漫を継ぐ女子が現れたとは拙者(以下長文の為略)」「オレからすればまだ地味すぎる位だぜ!!もっと腕に(以下略)」等と高評価を得たのに対し、女子生徒達からは「光らせる必要あるの…?」「よくわかんない」「音と光の圧が凄い」「ダサい」等と散々な評価だったという為男子寮限定の運用が確定した。どうして…黒鹿ファンさんへ。
改めてお願いしたいのですがルナ・アードゥルさんをお借りしてもよろしいでしょうか。そしてハロウィンSSの感想ありがとうございます!
>>766
まあ祭りの場だしいいだろうとちょっとストレート気味でいきました! お楽しみいただけてなにより!
>>767
ハロウィン書くなら絶対出すって最初に決めてましたジャック野郎でした
さてさてどうなってしまうやら…すべてはルナ次第…
>>768
ありがとうございまーす!
>>771
いつものと新しい絡みとに挑戦したかった…できてたかなあ…でも楽しかったです!
まぁ意味深なのはあまり深く考えてもらわず……ちょっと記憶の端っこに残ってればいいなくらいで……
>>772
大変だけど楽しかったです! またなにかの機会に大勢集まるSS書きたい
>>784
恐縮ぅ……なんでも続けることだと思いますのそしてこやつらは今回のSSが初登場だった連中。私次第で今後も出番があったりちゃんとしたキャラシが作られるかもしれません
『レディ・ロセッティ』
今回のパーティーの主催者。思いつきで人も金も惜しみなく使える程度にはお金持ち。
動物科と創造科に所属する魔術師で、蝶魔術を応用した美の追究を命題としている。
蝶よ花よと愛でられ自分こそが美を体現する存在であると確信していたが、同じ学科に所属していたローザ・ユスティングリーの美に打ちのめされその考えを改めるようになった。
今ではローザ・ユスティングリーのガチなファンとなっている。今回のパーティーもファンだからこそ開催に踏み切ったと言っていい。
しかし美を追い求める姿勢は変わらず、いつか美の頂点たるローザ・ユスティングリーに並ぶ存在になるべく奮闘中。
ちなみにローザ・ユスティングリーが目をかけている人間にはもれなく嫉妬する。ある考古学科の生徒も殺意に近い嫉妬を向けられているが当人は気づいていない。
『ファールバッハ家』
元エルメロイの分家。確かな歴史を持つ貴族。
先代ロード・エルメロイが極東のマイナー儀式で命を落としてしやがって失墜していくエルメロイを早々に見限った。今は降霊科のユリフィスについている。
ご子息は当代のロード・エルメロイである現代魔術科のロードを全力で嫌っているらしい。
『リモン・マグナソン』
今回の本物死者大量召喚をやらかしたサモン野郎。悪気はなかったがけっこう楽しんだらしい。もちろんこってり絞られた。
個体基礎科に所属する魔術師。召喚術を使うなら個体基礎科じゃなくて降霊科じゃないの?と思ったそこのあなたは正しい。
しかしこやつは自分が楽しむための『びっくりどっきり召喚』を繰り返して何度も被害を出しまくったせいで降霊科を追い出された問題児なのである。
『びっくりどっきり召喚』はぶっちゃければガチャ召喚と同じ。なにが出るかわからない、なにか楽しいものが出ればいいな!というどきどきわくわく召喚術。もちろん英霊召喚はできませんよ?>>792
ベタですけどいいですよね…
なんですと(まあでもベタっちゃベタですよねデッキブラシ)>>744
ジャスミンのイメージCVは前は鬼頭明里さんでしたが矢作紗友里さんもいいな…どうしよ。
ロイドに関してはどんな方向性かまだ決めあぐねてる状態です。
>>751
私こ好!!
>>765
なるほど、偽物を触媒に召喚するはずが本物が混ざってたから本物が召喚されたと…。えぇっ!?本物?本物ナンデ!?
>>783
ム゛ゥ゛ンとかブッピガァンとかいつも以上に遊び心詰め込んでやがる。良いぞもっとやれ。DXじゃない従来の虫取り弁慶が7種類の道具を使い分けて虫を処理する人形だったことを考えると寧ろDXは実用性よりもロマン重視になってますねコレ。ちなみに本家虫取り弁慶が出来た経緯は
虫退治用の人形を依頼される→複数の腕にそれぞれ道具を持った形にする予定だったけどコスト等の問題で使い分ける形に落ち着く→「まるで弁慶の七つ道具みたい」と言われたのを切っ掛けに虫取り弁慶と命名
なので比較的ロマンに染まる前の作品だったりします。>>794
なんで本物がいたか?
それはもちろんハロウィンだからですとも!画像は穏やか(上機嫌)なヴィルレイの習作
>>783
ジャスミンさんは本当に器用というか天才なんだなぁ…と同時に凝ると結構脇目も振らなくなるタイプだなあとも。船で海月さんという良い友人に逢えてよかった。
そしてびっくりするほどの男女での反応の差。カステラは「ウケる〜!」ってSNSに挙げそう…ネームドの女子生徒たちはなんだかんだで理解してくれそうですがね、悲しいことです…
>>784
あぁ〜加藤康之さんも合いますね。難しい…康之さんの場合クウネルさんの素の実直さとか人の好さが自然と出てきそう。
ほうほう谷山紀章さんですか。割と高め…かな?あとちょっとガサっとしてる…?(谷山さんの知識が森くんと中也しかない)
>>794
ジャスミンさんは芯のある高めの声って印象でした。矢作紗友里さんで言えば夢想夏郷の鈴仙みたいな。
ロイドさんは甘いフェイスに合いそうな爽やか系なのは確定してましたね。下野紘さんとも迷いました>>765
完走お疲れ様です!!
凄いキャラ量と密度のSSを高いクオリティで動かせるの凄いなって思いました…
そして最後がちょっと不穏なんですけどコレ冒険記で何かエグい事起きたりしません…?
>>771
ありがとうございます…ただガタイの良いキャラとか漢ってキャラ描くのに慣れすぎちゃって中性的な見た目の奴とか描けないんすよ俺…
あと叛鎖ぼちぼち投下する上でそれ関連のイラストもぼちぼち描きたいなって思ってるんですが、かなりマッチョ男率高いと思うのでお楽しみに(?)
>>784
実はオタク口調拙者キャラは没キャラ案から引用してたりします…嘘みたいだろ、実は裂夜君の性格案の中にもオタク口調設定入ってたんだぜ…?
>>785
大丈夫です、多分中で乾燥なりビームなり喰らって塵になっている筈です…
>>786
前編投下後のユージーンさんのリプを参考にしました。どんな感じにしようか迷ってた時に本家さんから案出されたのでもう使わせていただきました…
ブッピガァンは完全にふざけました。ていうか今回のSS全体的にふざけました…正直気になるのでゆるぼ。
アホらしい質問なのでスルーしても構わないですが、船のネームドのメンツが今回の虫取り弁慶とかみたいな合体とか変形する感じのロマン系ロボ見た時の反応を教えてほしいでござる
特に使う事は無いかもしれないですが、下の画像みたいにすげえ反応するのかしーんってなるのか気になるんで良ければ
ちなみに凌牙君と裂夜君は目キラーンまではしないけど内心少し「かっけえ…」ってなるタイプ、あと巽さんとか多分巽会のモブ不良の大半は下画像みたいに目ェ輝かせるし涙流します。
>>788
割とロマン設定に関してはブッ飛んだ奴作っても問題ないらしいんで思い切りふざけました、テヘッ☆
えっ…まさか船に普及させて良いと仰る…!?(ジャスミンちゃん作者じゃない俺が聞くのもアレだけど)
>>794
ジャスミンちゃんならウッキウキでやる事を信じておふざけ度MAXで書きました。大丈夫な筈…かなり解釈聞いたから大丈夫な筈…
そうだったのか…!!(弁慶の経緯)
つまりDXにしといて正解だったって事ですね、良かったです
>>798
ジャスミンちゃんは本当に色んなスキルが高いなって俺も思います。ユージーンさん曰くジャスミンちゃんは頼まれればウッキウキで合体ロボのミニチュア模型を変形機能完全再現で作れるらしいです。
男女の反応の差は下画像のワンピースでのフランキー将軍の反応とかを参考にしたんすけど船の場合男性陣もしーん側多そうだなって…ビオランテの過去話の中編が出来たんで、0:25を過ぎたら投下する予定。
>>807
ほな投下するで~。
数時間後、博多区。
ビオランテの自宅。
学校、駅、ヨドバシカメラがほぼ1km圏内にある好立地の賃貸マンションの、最上階かつ一番大きい部屋。
専門学校に通う1人暮らしの留学生には豪華過ぎる部屋だが、留学期間中の家賃は全部実家が払ってくれているため、ビオランテは家賃の心配は全くしていない。
4LDK(キッチンが1室となっており、戸まであるので実質5K)という間取りをいい事に、ビオランテは寝室としている和室を含め、複数の部屋を趣味のグッズで埋め尽くしていた。
姉夫婦と別れたビオランテは帰宅後、入浴と水分補給を済ませて(食堂も兼ねた)居間でソファに座りながらペットボトルの麦茶を飲んでいた。
ふと時計を見ると、日付が変わるまで1時間を切っている。
「明日の準備しなきゃ」
キッチンに行って2升炊きの業務用電気釜に水と無洗米を入れ、タイマーを設定して朝と昼の分を用意。>>808
まだ麦茶が残っているペットボトルを冷蔵庫にしまい、キッチンと居間の電気を切って寝室に引っ込む。
「……」
ビオランテは布団に入ってスマホを充電器に接続し、部屋の明かりも消して就寝した。
スペインではクラブ活動の代わりに有料のアクティビティが存在する。
ビオランテは通っていたエスカレータ式のお嬢様学校で、日本の学校でいう演劇部に相当するアクティビティに参加していた。
幼児の頃から演技に関して素質を見せていたビオランテは、初等部に進学してから両親の勧めでそのアクティビティに参加した児童も所属する劇団に入団。
天性の演技力で存在感ある脇役を演じて経験を重ねていたが、小学4年生になってから恋愛物のヒロイン役に抜擢されたことで歯車が狂い出す。
「バルベルデさん。次の演目では、この役になりますよ」
「私が……主役!?」>>809
演技の評価は非常に高かったが、徐々に『恋愛物のヒロイン役』に指名されることが多くなる。
ビオランテ自身も、それに応えるように懸命に努力を重ねた。
しかし結果を出せば出すほど苦しくなっていく。
「最近、舞台が時々楽しくないの。しんどくて、イライラして、役になりきらないと演技ができないの」
その分だけ『恋愛物のヒロイン』以外の役をやれる機会が減っていったのだ。
元々、主役も悪役も味のある名脇役もやれる女優を、漠然ながらも目指していたビオランテにとって、これは苦しい現実だった。
それでも耐えて演じ続けたが、中等部に進学してからとうとう他の役をやらせてもらえなくなったのである。
偏にビオランテの演技力と、役になりきれる感受性に周囲は魅了され、『恋愛物のヒロイン役』しか見なくなっていたのだ。
そして、中学4年(※スペインは中学校が4年、高校が2年)になって遂にビオランテの不満が爆発する。
中等部卒業を機に劇団を退団する=演劇のアクティビティを辞めると決意、公言したのだ。
引き留める声は多かったが、ビオランテは意志を変える事は無かった。>>810
それ程までにビオランテの怒りと失望は大きかったのである。
これを機にそれまでよりも趣味にのめり込むようになったビオランテはある日、日本のアニメを鑑賞中、ある点に気付く。
吹き替え版ではなく、字幕版だったので音声はオリジナルだったから気付いた点。
それは、キャラクターの声である。
先日鑑賞していた別のアニメと、声がそっくりだったのだ。
好奇心から両方のキャストの一覧を確認し、同一人物が演じていたことを知る。
そしてその人物を調べる内に、『Seiyu』という職業をも知るに至った。
実写では容姿の都合で演じられない役でも、その声と実力で声という形で命を吹き込み、人々に驚きも感動も笑いも誘う。
そんな仕事があるのかと、ビオランテは衝撃を受けた。
自分もこんな風になりたい。
そんな想いが芽生えたビオランテは、『声優』を目指そうと誓ったのだ。
元々幼少期から勉強していたので日本語は堪能であるビオランテは、どうすればなれるかを調べた。
そうして行き着いた結論が、日本留学だったのである。>>811
ビオランテはスマホのアラームで目を覚ます。
舞台で主役に抜擢された時、舞台に立つのが苦しくなったと自覚できた時、劇団の退団を公言した時、声優を目指す切っ掛けとなった時。
それら過去の出来事を、夢として断片的に見ていた。
布団から出てスマホを確認すると、電気炊飯器で予約した時間である。
「お昼の準備をする時間はあるわね」
寝起きの頭でぼんやり考えながら、ビオランテは洗面所に向かう。
歯磨きと洗顔を終えてキッチンに行くと、先に昼の弁当用のおかずを作り始める。
「ソーセージはこれ1袋分そのままフライパンで火を通して……」
冷蔵庫の中身と相談しながらメニューを決め、手早く調理していく。
朝のおかずはカップ焼きそば(塩)5個と作り置きの漬物程度。
これで充分だ。>>812
数個ある弁当箱の内2個にご飯の半分を敷き詰め、残りを大きい茶碗に盛れるだけ盛り付けて、おかずや箸と一緒に居間へ持って行く。
それから手早く準備をして、朝食を食べ始めた。
朝のニュースを見ながら、瘦せの大食いにも限度がある量の朝食を上機嫌で食べ進めるビオランテ。
量の問題から時間を少しかけて完食し、食器を流し台に置いて洗う。
洗い物が終わって居間に戻ると、ニュースではタイミングよく新作映画の発表が報じられていた。
日西合作のアニメーション映画で、内容はファンタジー寄りのアクションものらしい。
「これ面白そうだなぁ……」
ビオランテは思わず呟く。
ただ、キャスト陣に関しては非公開で、主演に関してはこれからオファーをする予定だとインタビューに答えている監督が発言していた。
ニュースキャスターが「予定通りの人物を起用できた場合、日本語版とスペイン語版の両方で主人公の声を務めることになります」と付け加える。
「思い切った話題作りね」
ビオランテは呆れ半分に感心しつつ、テレビのスイッチを切った。>>813
数時間後。
ビオランテが通う専門学校。
言語表現の授業で、ビオランテは番組ナレーションの台本トレーニングをクラスメート達と一緒にやっていた。
流石と言うべきか、ビオランテが際立って『通る』声をしている。
クラスメート達の向上心を刺激しているようで、彼らの姿勢にも熱が籠もっている。
「……よし。時間だから今日はここまでにしましょう」
チャイムに合わせた講師の言葉と共に、教室内が一気に弛緩する空気に包まれる。
ビオランテも息を吐いて緊張を解き、数秒間目を閉じて、ゆっくりと瞼を開けた。
ふと、視線を感じる。
「……?」振り返ると、そこにはプリシラとロドリゴとミラグロスがいた。
なんだ、と思って視線と姿勢を戻したビオランテは、振り返りなおす。
その反応でクラスメート達もプリシラ達がいることに気付いてざわめいたので、講師がすぐさま説明する。
「あー。ホタ・セ・バルベルデって言うスペインの財閥の人達で、バルベルデの姉夫婦と姪御さんだ。来年に系列企業が日本に進出するから、それの一環で我が校に求人を出したいと。で、その合間に講義中の妹の様子を確認したいと申し出があってな」
それを聞いて、クラスメートは更にざわつく。
表情が引きつるビオランテの様子を見た講師が「昼休みなんだから、みんな昼飯食べてきなさい!」と注意するまで、それは収まらなかった。>>817
「……やっぱり私、迷惑をかけてるのかしら」
「え、何で?」
「だって、私がいるからプリシラ達が来て、ちょっとした騒ぎになっちゃったし……」
「ああ……」
ビオランテの懸念を聞いた莉花の脳裏に浮かんだのは、今日の騒動。
J.C.バルベルデがこの学校に接触してきたのは、他ならぬビオランテが在籍しているからだ。
ビオランテは実家のことを友人たちに明かしてはいたが、それでもなおビオランテが通う専門学校にJ.C.バルベルデが接触してきたことに、クラスメート達は驚きを隠せなかった。
「でもその辺はビオランテに言ってなかったプリシラさん達と、事前に教えてくれなかった学校側の落ち度だから気にしない方が」
「……それも、そうなんだけどね。でも、やっぱり気になるの」>>799
なるほど。だとするとホントに優しげというか、見た目いかついけど口を開けばってタイプみたいですね。クウネルさんのキャラに合ってる。
ふむ氷室…禁書…見てみました。自分の中だと低めな声がイメージだった(イタチ役の石川英郎さんみたいな)ので近いのは禁書の谷山さんかな?でもこれくらいも良いな…
>>800
タバコ吸ってるイケメンいいですよね…二次元限定の代物になりつつありますが…
>>804
トワ→「す、すごい…かっこいい…!」割と素直にキラキラする。ロボットものに詳しいわけではないのでまだ初々しい
レリック→「利便性があんのは良いが、もっとコンパクトにはなんねェのか?」現実的。戦力としての評価が強め
夕ウタ→「ふん、此方のメロンテ号のがまんばい格好いいもんね!」「それはそれとして、ここのアームの接合部、設計甘くないかい?」急にまとも。でもタメになる意見の確率は50%
麟ノ助→「……………………」「…格好いいね。ジャスミンさんが作ったの?」考え事をひとしきりして6時間後(多分もう撤去されてる)に聞いてくる
カステラ→「やっば、超ウケる!ジャスミンさんも隅に置けないですね〜やっぱり!」写真撮りまくる。弁慶くんを使ったイベントとかも考えそう。結構純粋にキラキラ
ヴィルレイ→「どうでも良いが、小分けになるようにはしてくれ。処分が楽になる」上機嫌でもこんなナンセンスなこと言ってくる。不機嫌な時は無言でスルー>>802
ありですありあり。おっけーですよ
>>803
メインで動かしたのが15人なのでとっても多かったです。いやほんと多い…
本当は雪娘コスしたルナとベロくんを絡ませたりラウ&ミアの迷子探しにメレ坊を巻き込ませたり鯨憑きつながりでイサナ先輩とカヴンを絡ませたりしたかったんですけどまとめきれなかったので断念。次回以降ですね
まあちょっと不穏かもですがルナは元気にやっていくので大丈夫でしょう。たぶん!
>>804
ああ、昔にもああいうのあったなぁ…と懐かしさに浸るポチ先生
あれは…!?という驚きと、このときめきは…!?という胸の高鳴りをまだ理解しきれないアインス先生
ロボというより新しいオモチャに興味津々。とりあえず遊んでみようとするペルカ
はっははぁ!また良いネタになりそうじゃないか!と写真を撮りまくってから製作者にインタビューもするピクシス
こんな感じです>>822
ウチのキャラは誰採用して貰ってもオッケーですよ!
鳳蝶さんは勿論、ルナちゃん関連なら朽崎遥とかちょっと関わりありますし。
つよつよ敵マスターが欲しいなら迅龍(始皇帝作のキョンシー)やジジェ(ドラゴンっぽいなにか)辺りがいいかな?
サーヴァントはデイヴィ・ジョーンズ(物量作戦系無邪気ヤンデレショタ)とかパロミデス(ドSバトルジャンキー女騎士)なんていかがです?
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/m/wiki/%E2%97%86B8D4AQBhU2>>822
カレヴィポエグというのもあって、グルヴェイサはどうでしょう? 北欧繋がりで。>>822
うちのキャラなら、誰でもOKっすよ。>>822
序盤の方で対峙するマスター的な感じでリヒターとかどうでしょう?
サラマンダー操ったり火球撃ったりと真っ向勝負で戦うタイプの魔術使いで、強さとしても強すぎず弱すぎずって感じかつ爽やかな性格の好漢でもあるんで序盤で倒すマスターとか最初に戦う敵としては良い感じだと思いますへへへ、ジャスミンの有能さが描写されればされる程それを手放した実家のアホさ加減が際立つという寸法よ。
>>798
ロイドの声のサンプル集めも兼ねてアニメ見漁ってたら鈴木崚汰さんとかいいかなってなりました。最近だとBLEACHの雀部長次郎の若い頃。イメージ的にはネト充のススメの林とかです。
>>804
ロイドは「ははは、また面白いものを作ったね」と笑いながらも内心「でもこれも爆発するんだろうなぁ」と考えてますし実際自爆機能は標準搭載されてる。
ニコレットさんは「この機能要ります?」とマジレス飛ばしてきます。ただ機密保持のための自爆に関しては理解してくれます。
ヴィクトルさんは「こういうのも嫌いではないがワシはもっとスマートなやつが好きじゃのう」って感じです。CVで言えばホテル聖杯戦争でいうと碓井さんは小西克幸さん、ベアトリーチェさんは高橋美佳子さん。
デイヴィくんが非常に悩ましくて、最初井ノ上奈々さん(ポップンミュージックのタクト役)だったのが大正義村瀬歩さんでも良いなと思ってきて…
>>822
良い…自分の中でのイメージ加藤さんになっちゃいましたもう。話はちょっと変わるんですがクウネルさんとポーのコンビとか面白そうだなって思いました…真っ直ぐなクウネルさんに若干引く感じ…
悩みどころですね…ちょっとまだ思案の余地がある…
自キャラは誰でもOKですよ〜!敵役も味方役もいる…ハズ
>>823
ほうぉ…!(wktk)(wktk)
>>832
鈴木崚汰さん…!体育会系な正統派な格好よさがありますね。優しめイメージでしたが、やや太め?なるほどなるほど…亜種聖杯戦争の続きを投下します。
何かがおかしい。
様子がおかしい。
空気がおかしい。
普段から見守られるような気配の一切が消え、代わりに全身にへばり付くような澱んだ気配が感じられる。
おかしい。こんな事は一度だってなかった筈なのに、初めての感覚に彼女は無意識のうちに歩行速度を早めていた。
怖い訳ではない。けれども本能的にこの空間から脱さなければいけない気がして、ひたすら早足で道を進む。
だが、抜け出せない。いつまで経っても嫌な気配が消えてくれない。
どうしたものか。やはり近道目的で路地裏を行こうとしたのが不味かったのか、珍しく霊たちが引き止めていたのを「大丈夫です」という一言で無視してしまったのが良くなかったのか。疑問は尽きないが、取り敢えず今はこの“良くない場所”から出て行かなければならない。
ジワジワと死角から這い寄るような、日本のホラー映画を連想させる澱んだ空気。その真っ只中に自分が叩き込まれる……よくよく考えてみて、意外にもワクワクする瞬間に立ち会ってるのではないかと思わなくもない。
昔、偶然にもテレビで目の当たりにした心霊現象から逃げる系統の映画。そこで主人公の女は色んな機転を利かせて見事に逃げ果せたのを思い出して、自分のそれに倣って行動すれば大丈夫ではないのかと。
などという、聞く人が聞けば「ちょっと待て」と言い兼ねない結論に至った此度の逃走者────否、不思議ちゃんこと阪坂笑加は、妙な張り切りを見せて行動を開始する。
そもそもの話、何故このような事態に陥ってしまったのか。それは数時間前までに遡る。>>835
天啓が降りてきた。
いつもの不思議ちゃんタイム。ミステリーアワーである。
思い立ったが吉日。最近、若い者たちの間で話題となっている路上占い師に会うべく、笑加は某市より電車に揺られて夏空市へとやってきた。
突拍子のないような行動に見えて、実は彼女なりの考えがあっての事。しかし誰も理解などできないし、そういうものだと思って受け流す。
だって、見えてしまったのだから。気になってしまったのだから。
件の占い師に見てもらった友人には、揺蕩うベールのような何かに包まれていた。
害意は感じられない。“お友達”も問題ないとのお墨付きをもらっている。
だが、時偶に目にする鬱気に塗れたベールは良くない告げている。
同じなのに、同じじゃないもの。“お友達”は、良いものも悪いものも、全部同じ場所から来ていると言っていた。
なので気になってしまった。一目見ずにはいられなかった。
そうして出会ったのだ、占い師の彼女に。
皆んながソワソワし始めた。普段は穏やかなのに、今回ばかりは落ち着きない様子を見せた。
占い師の女は興味深そうに目を細め、笑加の一挙一動を観察するかのような視線を寄越す。まるで、“お友達”の挙動が見えているかのように。
「お客様は数奇な星巡りにあるようで。けれども心配はいりません……道は複雑多岐であろうとも、その歩みは決して止まる事はなく」>>836
不思議な物言いで、占いはつつがなく終わった。
最後に握手というか、手相を見られた気がしたが、占い師という事もあって別段おかしいとは思わなかった。
────その結果がこれでは、笑い話にもならないが。
場面は戻って夜の路地裏。
ドロっとした気配に身を犯されんとしている笑加は、思考は生真面目且つポジティブに、肉体は楽しげ且つアクティブに動いていた。
危機感がない訳ではないが、一般人が感じるであろう焦燥感はない。彼女にとっての世界とは“お友達”と隣り合わせで、こういう変わった事物もあるか程度の認識でしかないからだ。
よって、心霊現象の類いに関して恐怖はなかった。
ただし、物理的干渉を及ぼす者が現れた場合は話が別だ。
氷る。コンクリートの壁が、道が、空間が凍結する。
白い冷気が周囲に漂いはじめ、氷点を生み出している発生源には白銀の少女が一人。
嗚呼、即座に理解した。笑加の眼には、目前の少女が“お友達”と同等……否、いくらかダウンサイジングされているが、物理的に干渉できる事も含めてそれ以上の存在であると分かってしまった。
少し楽観的であった思考が引き締まれる。心霊ホラー映画気分は飛散し、人生で初めて対面する脅威に対して足が止まる。>>837
────どう見てもヤバいです。なので逃げよう。
即Uターンして、白銀の少女に背中を向ける。
危険な存在に背中を見せるというのは、本来であれば自殺にも等しい行為なのだが、彼女の場合は事情が異なった。
“お友達“のサポートのもと、バッドエンドルート回避する行動を可能にしたのだ。
そしてここに運命の悪戯か、抑止力の圧力か、聖杯の導きか、予想だにしない現象が笑加の身に降りかかった。
────告げる。
これは、笑加の口から流れた言霊ではない。
代行詠唱。
代行触媒。
代行接続。
代行召喚。
これら全ての要素を以って、“お友達”は彼女の盾となる存在を現在にて顕現させる。
本来であれば“お友達”であっても成し得ない奇跡。しかしそこに聖杯戦争という儀式、マスターの有無、そして何より“お友達”という存在そのものが要因となって実現するに至った。
召喚するは盾の英雄。如何なる暴威に晒されても、守るべき者を守護(まも)る不変なる盾。
イレギュラーな聖杯戦争。イレギュラーなマスター。であるならば、召喚されるサーヴァントのクラスもイレギュラーであるべきだ。
故にこそ────>>838
「サーヴァント・シールダー。不肖の身ながらも召喚に応じ馳せ参じた。問おう、あんたが俺のマスター────」
「誰ですかあなたー!?」
「────えぇ。なんか、すいません」
────その日、少女は運命に出会った。多分。おそらく。メイビー……。>>843
他陣営と比べて若干緩め、シリアス薄めにしてます。魔術視点がないフラット枠のような感じでしょうかね。◆『秘海集積船』内聖杯戦争ごっこ◆
亜種聖杯戦争。
地上の至るところで行われている儀式(ころしあい)は、遂に『秘海集積船』にも持ち込まれた……。
水属性(水鏡)由来の招霊、時間という概念の現像、それらを専門とする魔術師一族、イストロス。
───聖杯戦争の仕組みを知り、作ったとしても余多の失敗作が生まれ、精々遥かに劣化した完成品が出来るのが関の山。
───ならば、過去の優れた完成品を“再現すれば良い”。この『船』にはそれらを可能とする神秘が詰まっている。
その現当主は集積船自体を水鏡に見立て、外部から手に入れた(冬木のものから比較的良い線をいっていた)様々な聖杯戦争……過去実際に起きた神秘を現像する、というとんでもない大儀式を提案した。>>819
(>>832に書こうと思ってたのに抜けてたorz)
日本のアニメが好きになった理由や声優を目指すようになった過去なんかが短く分かりやすく伝わる良い話ですね。話が進まないとのことですがその前段階の事情を伝える段階なのでそれは仕方ないですよ。
>>840
せめて運命に出会った部分は言い切ってあげてよぉ。
>>841
>>842
あら可愛。
>>851
ニコレットは反対派。「船を舞台にした魔術儀式や実験など言語道断(建前)」「それが許されるなら『私』だって色々やりたい(本音)」
ヴィクトルは賛成派。「お?戦いか?」と腰を上げそうになった所をステイ言われて(´・ω・`)になってる。
ジャスミンとロイドは中立派。
ジャスミンは基本的に生活管理局の方針に従うつもりなので局長さんとアインス先生次第。例えばアインス先生が「聖杯があれば僕の寿命も…」とか呟いたら「聖杯戦争の時間だ、オラァ!」とばかりに参戦しようとするけど局長さんに「ダメよ」って言われたら踏み止まる。
ロイドは「やりたい人達でやるといいよ。それで船の住民に被害が及びそうになったら守るのは俺たちの仕事だから」的なスタンス。前のゆるぼの件、ロボに興奮まではしないけど興味アリ勢が大半でしたね。結構予想通りではあったけどやっぱ男子生徒は皆ロボ好きなんだな…
>>805
クウネルさん真面目だな…
干涸びる件については作者じゃないんで分からないけど多分人工魔術回路ありますし問題は無さそう…かな?
>>806
ルチアーノさんも意外に興味あるんすね…!
なんかヘイズさんに常識人ツッコミポジションの可能性を感じてきたな
>>820
納言さん組が思ったより皆好意的だった…!!特にトワ君が思ったよりキラキラしてる…よく考えたら純粋だもんねトワ君、そりゃ興奮するよね
>>821
ジャスミンちゃん!!チャンスだ!!アインス先生をッッッッ!!沼に落とすんだァァァァ!!!
>>831
結構真面目に見るんだなエイベルさん…
素人質問的な事をしてきそうな雰囲気ありますねエイベル氏
>>832
まさかのユージーンさん組が一番薄めな反応…これは意外だったっすね
そして一番しーん側だったのがニコレットさんという衝撃よ…でもよく考えたら割と納得な気もしますね>>871
いやぁもう半分ぐらいは文章に出来てるので……。まぁもうちょっと書けそうですので、今日中には出しちゃいます。明日は忙しいかもですしね。850~851から
「聖杯戦争は一先ず置いとくとして、調査や交流や競争などにサーヴァント(自我を抑えたシャドウサーヴァント?)システムの仕様を採用」
「ポケ○ンやそれこそfgoのように、船内の若者たち中心にマスターごっこブーム到来」
みたいな案をふと思い付きました>>874
ざんねん……(*´・ω・)>>881
チェストせんでええのんか~?よし 投下します
扉を開けて、電気を点ける。耳障りな音と、申し訳程度の明るさが現れて、同時に眼前の死体の全貌が定かになった。
秘海集積船は一般的な船ではなく、海の神秘を探求すべく動き続ける組織だ。だから死ぬヤツは大体が深海探索の先鋒の調査隊の人間で、多くが碌でもない、無様な死に方を晒す。
清掃室所属のヴィルレイが対処するのは死体の“清掃”。といっても、汚れを落としたり保存したりということはしない。そんなことをしろと言われた暁には、彼はこの忌むべき船を去り別な場所と時間を探す。彼は地道な作業というものを、他人のために為すことを、心底から侮蔑している。
彼が担当するのは引き取り手のない死体だ。孤児であったり、代々この船を住処としていたような家の者は身体も船へ提供する。或いは、此処について、立場を弁えず知りすぎた者も。
今回の死体の主はただの調査隊の隊員だった、らしい。報告書にはそう書いてあった。尤も知りすぎた馬鹿者であったとしても報告書にそんなことは書かないだろうし、また仮に書かれていようともヴィルレイには関係がない。一体に彼に関係があるのは彼自身のことだけである。
溺死体であった。状態は可能な限り良くしたのだろうが、それでも酷いものだった。土気色の肌がふやけて生き物らしくない形を取っている。顔は種々のパーツが集合離散し融解しマーブル模様を呈している。
彼は愉快な心地になった。勝利への歓喜にも似た感情だ。馬鹿者が馬鹿な目に遭った、そのことへの感動だ。他人どものあるべき様だ。
手袋を外し、左手の一部を解体して何十匹かの蛆を死体に落とす。肌であり肉であった蛆たちが、嬉々として水脹れした死体を貪っていく。
彼の仕事である清掃はどんなものであれこの動作で終わる。彼が箒やらデッキブラシやら雑巾やらを手に右往左往するようなことは今までに、乗船してからは勿論、生前にも一度としてない。彼もそんな労働をする気はなく、ただまめまめしく動く蛆たちを眺めていれば良い。>>886
「な、なにこれ、ひっ────」
女だ。若い女だ。他人だ。厭悪し尽くせぬ思いを眉根に込めて女を見ると、女は白目を剥いて倒れ伏した。部屋に、ヴィルレイの仕事中の部屋に、他人が無遠慮にもうつ伏した。勝者はその唾棄すべき汚辱を睥睨した。
他人とはいつもこういう存在である。自分というものに不理解で、自分以外のことには一層不理解で、ヴィルレイという存在に愚行しか働かない。
そしてそのくせ、数は多い。どうせこの女が居なくなったところで、船内にもまだ人間はいるのに、その事実は彼にとって忌々しいものにしかならない。人権や人命と呼ばれたところで、そもそも存在として不確かな連中がその性質を理解せずに提唱する概念は彼にとって梼昧な代物にしか感じない。
とはいえど、船の規則として殺人は禁止されている。規則を破れば罰が下る。頼りない他人たちから罰が下るというのは屈辱的なものであるし、船内での自由が効かなくなるおそれもある。まだ船を使う算段でいる彼にはそのペナルティは他人が一人減るのに対して重すぎる。
やるせなさと煩わしさに歯噛みしながらも、せめてこの厭わしい他人を視界内に入れないようにしようと死体に視線を移すと、その時にはあの情けない物体は蛆に喰い尽くされ、行き場をなくした蛆たちが小さく蠢いていた。
左腕を近づけると、蛆たちは群れだって白い身体を動かして滑り込んでいく。繋がり、連なり、骨になり、肉になり、肌になり、以て彼の左手が形成される。幾度か指を曲げてみて、思考と感覚の接合を確認する。蛆たちによってできた物体は、彼の身体として、彼に身体であることを否認されるまで酷使される仕組みだ。
アルシオネシアを呼ぶと、いつも通りの迅速さで数体が集団として扉を開けて部屋に入ってくる。事前に事の顛末を伝えておいたのもあって、女に対する行動も迅速であった。彼は頼りない他人たちの中でも、顔を────造られた、同一の顔を見るたびに一際頼りなく感じるアルシオネシアたちの一連の作業を、軽蔑するつもりで黙って眺めていた。また、担架で運ばれる女の背中を、嘲弄するつもりで見送った。結局、他人たちが他人を介抱する光景は彼を不快にさせることしかしなかった。>>889
すいません敬称つけ忘れました…あと、どうでもいいかもですが「不.細工」がNGワードだったようです
よし投下。
「はじめまして悪党ども!正義のヒーロー見参なので、大人しくぶっ飛ばされて僕に金を寄こせ!!……ってアレ?誰もいないな……。突入タイミング間違えたカナ?大丈夫ですかねボス?
『いや、間違いない筈だ、ライカ。吾輩たちの調査能力を侮ってはいけない。奴らは本日この時間で集まっている。他の部屋を探してみるべきだ』
《そうだよ……。妾調べもの結構頑張ったんだから。今回も情報の確度精度には問題ナシ……》
だよねぇ。ヨシ、とりあえず灰を広げて探索だ。皆ありがとう。今回も僕は勇気づけられた」「僕は別にタバコが特別好きって訳でも───。あーでも、好きな時間に灰を確保できるから、って理由の割には結構吸ってるな……」
「煮込み料理っていいよねー、煮込めば煮込むだけ味が出るし、待ってる時間もなんか、どんな味わいになるんだろってワクワク感があるっていうか。あと日持ちするし」
名前:ライカ・グレイバーン
年齢:22
性別:男性
属性:秩序・中立
身長:168㎝/体重:70㎏
特技:失せモノ探し、ポーカーフェイス
好きな物:ボードゲーム、煮込み料理、たばこ。
嫌いな物:『悪』、ホラー映画、野菜系飲み物。
国籍:ロシア
起源:──
魔術:灰葬魔術(グレイ・マジック)
属性:架空元素・無
編成:異常(正常な存在ではないという意味)
質:B/量:D>>895
【キャラクター】
・金髪碧眼の美少年。特段正義感が強い訳ではないが、善性はそれなりにあるタイプで、魔術師としては結果は勿論、経過における犠牲やコストもある程度気にしつつ研究を行う傾向がある。
・ロシアを拠点とする灰葬魔術(グレイ・マジック)の家系、グレイバーン家の息子で、双子の姉妹が一人いる。結構仲が良く、”双子の姉妹が一人”という妙な関係性なのも「お互いに年上の兄弟姉妹みたいにして、都合の良い時に上と下の力関係を活用しよう」というどちらからともなく言いだしたお遊びのようなモノが長続きしている事からも伺える。もっとも、グレイバーン家は過去一夜にして滅亡、双子の片割れが生き残っているだけ、というのが現状なのだが。
・現在の”ライカ・グレイバーン”は日雇いの仕事やマフィアやヤクザなどに喧嘩売って(金を奪って)生活費を稼ぎつつ、一族の復興を狙って聖杯戦争への参加などを画策している。
・ライカ・グレイバーンは優しい少年であり、それは魔術の修練から逃げる姉妹をかくまったりしていた点からも解る。ただちゃんと練習自体はさせていたようで、無闇に甘いという感じでもなかったようだが。>>896
・現在の”ライカ・グレイバーン”は日雇いの仕事やマフィアやヤクザなどに喧嘩売って(金を奪って)生活費を稼ぎつつ、一族の復興を狙って聖杯戦争への参加などを画策している。
・ライカ・グレイバーンは優しい少年であり、それは魔術の修練から逃げる姉妹をかくまったりしていた点からも解る。ただちゃんと練習自体はさせていたようで、無闇に甘いという感じでもなかったようだが。
・飄々と生活しているようでいて、何故か常備しているデカい携帯電話は手放そうとせず、ほぼ常にと言っていいほど電話をしている。通話相手は『ボス』と《相棒》というらしい。
『ボス』はライカの上司的な存在で、全体のまとめ役。吾輩という一人称で、時間に厳しく、どちらかと言えば敵対者へは苛烈。また、グレイバーン家の事を非常に深く想っており、ライカ自身の魔術鍛錬やグレイバーン家復興という目的の為ならば多少の犠牲はやむを得ないというスタンス。
《相棒》はライカを支えるサポート役で、ダル絡みをしてくるダウナーなキャラ。情報収集が得意で、またライカに周囲の危機を教えるなどしている。
・”正しく、優しくそして美しいライカ・グレイバーン”というキャラクターに拘り、賞賛される事も好き。打算的に善行を為しているつもりはないが、同時に完全純粋な善意で行動するというタイプではないので、自称する程正義のヒーロー、という訳では無かったりする。悪党へは結構サディスティックだし。>>897
【魔術】
灰葬魔術(グレイ・マジック)
現世と死後の世界との境界、生命の終焉と新たな生命の誕生の礎、灰を触媒とした魔術。
不死鳥フェニックスは灰の中から再生し、シンデレラを始めとした各地に伝わる伝承の灰かぶり姫は見事な転身を果たした……灰は変化の象徴としても信仰されてきた。
灰葬魔術はそういった灰にまつわる逸話を基盤とした魔術であり、灰を用いた強化・治癒・変装・結界・使い魔作製など幅広い効用を発揮する。
基本的に魔力を込めた灰であればなんであれ使用可能だが、強い想念の強い灰、つまり人の遺灰であればより効力を発揮するとされる。ライカ・グレイバーンとしては以上。
以上じゃないです。
ライカ・グレイバーンの心の奥に踏み込みますか?
>はい
いいえ
本当に踏み込みますか?
>はい
いいえ>>899
「私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない………」
「ライカは…生きてるのよ?いつまでだって私と一緒に居てくれる優しい兄様なの。私だけの兄様なの。ライカの居なくなった世界なんて耐えられない!でもあの子はここにいる…今でもワタシの傍に居てくれてるのよ!そんな目で見るな、そんな声を出すな!……僕ら二人の幸せは!誰にも邪魔させない!」
「ええ!だってお酒飲んだら全部忘れられますから、つい。あとガレアさんのドラックとかも」
「灰が……灰が少ない......駄目。駄目よ……兄様が、ライカが居なくなっちゃう……」
「なんで兄様は居なくなってしまったのにアンタらみてぇな悪党は生きてる訳ェ!!??」
【氏名】スピカ・グレイバーン
【性別】女性
【年齢】22歳
【出身】ロシア
【身長・体重】168cm・70kg
【属性】中庸・狂
【魔術】灰葬魔術(グレイ・マジック)
【魔術属性】火
【魔術回路】質:B- 量:D 編成:異常(変質している)
【起源】耽溺
特技:空想、かくれんぼ、チェス
好きなもの:パスタ料理、短編・読み切り漫画、お酒
苦手なもの:インスタント食品、半熟卵料理(自分で作れない為)>>900
【キャラクター】
・銀髪赤眼の美少女な、ライカ・グレイバーンの双子の姉妹。過去に自分が起こした事件のせいで、その精神は半ば崩壊している。元々は綺麗な銀髪の持ち主だったが、ストレスの影響で現在は白髪と見まがう程度に色落ちしている。
・自身が引き起こした事件とは、先述のグレイバーン家の壊滅である。魔術刻印を引き継ぐ儀式の際、痛みや恨みなどの負の感情を多量に保有する死者の灰に干渉し、精神が狂乱、魔術を暴走させて家系の断絶を引き起こしてしまった。
・本来の彼女は引っ込み思案で臆病な陰キャ。痛いのが嫌い、面倒な事も嫌い、派手な事も好きじゃないインドア派。揉め事からは逃げ、努力は避けるという駄目人間。他人とのコミュニケーションも苦手だが、ライカとは結構話していた。一族崩壊後も根本的な性格は変わってないが、家系復興の為、ひいこら言いながらなんとか性格を上向かせようと頑張っている。
・現在の彼女が何をしているかというと、”スピカ・グレイバーン”としての消息は完全に断たれている。何故か?それは彼女が家族であるライカ・グレイバーンの遺灰を被り、「自分はライカ・グレイバーンである」という妄想に耽溺しながら生活しているからである。したがって、上記のライカ・グレイバーンは正義感の強い、カッコいい美少年である、というのは完全にスピカの空想であり、家族を表面だけ真似しているからというだけに過ぎない。それでも彼女の自我は崩壊寸前で、『ボス』と《相棒》というのも彼女の想像におけるキャラに過ぎない。つまり電話をもって常にブツブツと独り言を言い続けているヤバい人というのが正体である。>>901
あくまで妄想、自分の内にのみある存在を、解りやすく、違和感なくする為に携帯電話を常備しているだけなので、携帯電話を破損、紛失した場合は周囲にある”それっぽい”モノで代用する。因みに『ボス』は暫定一族の長という立場や殺人者としての責任感を、《相棒》はライカが”生きている”間に「姉妹として」コミュニケーションするという欲求を叶えるペルソナ的役割。
・遺灰を被っていない間の彼女は薬物やアルコールを常時といっても差し支えないぐらい摂取しており、ずっとトリップしている。常に飲もうとする。理由を見つけては薬物、理由が無くても酒。隙あらばドラック。死にたがりなんじゃないかレベルである。因みにこのアルコール依存症はグレイバーン家壊滅前から変わっていない。(ドラックは壊滅後)その癖ライカには「タバコは健康に悪いからやめるように」とか言っていた模様。
・オタク的な趣味があり、妄想力も豊かなので、灰葬魔術の活用は非常に上手い。灰の弾丸にゴーレム、結界による索敵や毒散布などなど。変装だけは常に出来るように精進している。これでホントに以上。
意見感想質問その他あれば是非。
アードゥルユグドミレニア、参加できるかな?>>907
それはまぁ大丈夫です
アードゥル家の設定も現時点だとどう変わるかわかんないくらいなのでハロウィン挟んじゃってだいぶ間があいてしまった冒険旅行記の続き出していいですか~?
いきまーす
「おっはよ~! ルナちゃん、メレクく~ん。ゆうべはお楽しみだった~?」
メレクと、セダムと魔術を語って作ってしているうちに迎えた朝のこと。
なにが楽しいのかむやみにハイテンションなクチサキの朝の挨拶が死霊病棟の薄ら暗い廊下にキンキンと響いた。
「……朝からうるさい人ですね」
対照的にメレクはテンションが低い。というか、元気がない。
昨晩からほとんど寝ていないようなものなので、むしろ当然と言えるかも。昨日は死霊病棟の森で走り回ったり私の爆発を防いだりしていたから、体力があんまりないメレクはすごくがんばって立っているのかもしれない。
「朝から楽しまなきゃもったいないじゃーん! ほらほら、今って友達んちでお泊まり会みたいだし?」
「それのなにが楽しいんですか」
「えー、めっちゃ楽しいよ? というかメレクくんも昨日は楽しんだんじゃないの?」
「…………昨晩は……」
そこで言葉を切ったメレクのすごーくなにか言いたげな目が私に向けられる。楽しい楽しくない以前の問題ですとでも言いたげな目だなぁ……。
「なになに? 意味深じゃん? ルナちゃんはどう、楽しんだ?」
「超楽しかった!」
これは偽りゼロの本心から。
一晩中ずっと魔術のおしゃべりをするのが楽しくない魔術師なんているわけない。もう朝がくるのがちょっと惜しいくらい楽しかった。新しい魔術も作れそうだし。
あんまり楽しくてまったく寝ていないわけだけど、まぁもともと私はよく徹夜しちゃうし問題ないね。"夜"のせいで寝付きにくい体質なのもあるし。>>911
まだまだ元気な私と、元気が目減りしているメレク。これはまぁいつも通りだけど、一晩を共にした三人目はちょっと意外だった。
「はい! ボクもすごくすごく楽しかったです!」
セダム───セダム・ガブリエールと名乗った私たちのお世話係も一晩の徹夜くらいなんてことないと言うように元気いっぱいで声を張る。
死霊病棟にいるし、見るからに不健康そうな顔色をしてるのに、それでも元気だけはある。不思議だなぁと思いつつも魔術師ってだいたいみんな不思議かもしれないと思い直した。
「…………」
ふと、クチサキがセダムを薄目でじとーっと見ているのに気がついた。
視線に気づいたセダムが、不思議そうに小首をかしげる。
「あのう、ボクの顔になにかついてますか?」
「…………いやあ? きみ、なーんにもないね」
「……それは、どういう意味でしょう?」
「つまんないってこと。まいいじゃん、どうせ俺のお世話はしてくれないんでしょ?」
「……はい。そのように仰せつかっております」
「じゃ、そゆことで」
誰にでもあのうざったいテンションで絡んでいくのがクチサキという人間なのかなと思っていたけど、それでも例外はあるらしい。
クチサキがセダムの何を気に入らなかったのかはわからないけど、考えるだけ無駄な気がした。
「…………なんでもいいので、さっさと行きませんか」
ローテンションなメレクの声に従って私たち四人はぞろぞろと歩き出した。
……死霊病棟の朝は暗い。>>912
意図してのことか、窓ガラスから差し込むはずの光はその一切が閉め切られたカーテンで遮られている。死体を扱うなら常に暗いほうが都合がよかったりするのかな。
死徒ではないにせよ私も吸血鬼の端くれ。そういう意味では日光にまるで当たらない環境は居心地がいい。……まったく日の光に当たらないのもそれはそれで気分が悪くなるあたり我ながら難儀な体だと思う。
暗く、湿気ってて、澱んだ空気の廊下を歩く。長い廊下に途切れることなく敷かれた絨毯は、見た目だけなら豪奢で品があるように見える。けれど足を乗せて歩いてみれば、感じるのは腐った臓物のような柔らかさと乾いた骨の冷たさだ。
実際にはなんの変哲もない絨毯なのかもしれない。私が臓物や骨といった死体に近いイメージを持つのは、場の空気に呑まれているからだろう。
ああ、もう、ゾクゾクしちゃう。
「……楽しんでますね」
「楽しそうだねぇ」
「楽しそうなルナさんは周りが見えてなさそうです」
「だねぇ、ぱっと見スキだらけ。なーんか我慢できなくなりそ」
「ああ見えてルナは周りをよく警戒してますよ」
「へぇ? そうなんだ?」
「なので不埒なことを実行しようとしても無駄なんですよ。ミスター」
「え~? ただの純粋な好意なんだけどなぁ~」
男どもがなにか言っているけど聞こえないフリをした。
というかなんでメレクにはバレてるのさ。
「ねぇ。アリウムはいないの?」
無視する意味も込めて、少し気になっていたことを質問してみた。
お世話係という名目でセダム・ガブリエールという人間を寄こしてきたからか、今日は朝から死霊病棟の主人であるアリウムの姿が見えない。>>914
「知ってる。地上絵だ。考古学科の授業でも出たよ」
「それは話が早い。イギリス……イングランドの南東にあるバークシャー州の丘陵地帯で描かれたものですね。同地に描かれたものはいくつかありますが、110mという大きさと三千年という歴史を持つ地上絵は『アフィントンの白馬』のみ」
「そんな古い地上絵が、封印指定の竜だって?」
「その通りです。やはり話が早い」
私の言葉をさらりと肯定してセダムは言葉を続ける。
「その地上絵は、かつてかの地に存在したある"竜"を描いたものだと考えた一族がいました。考え、再現してしまおうと思い至った一族が」
「……それが」
「はい。天馬竜アフィントンを生み出したのです」
セダムの解説は続く。
思うところがあるのか。その語り口は遠い夢物語が現代に浮いてくるような脆さを伴っているように聞こえた。
「彼らは人体に『アフィントンの白馬』の地上絵を刻み、人体の魔術回路を通して竜を再現しようとしました。その一族が継承する魔術刻印は『アフィントンの白馬』とまったく同一のものだったそうです」
「しかし、ここでひとつの誤算がありました。彼らは刻印を通して人体に発現する竜を目指していましたが、いつしか刻印そのものが竜となっていったのです」>>915
「魔術刻印はその性質から臓器に例えられることもあるという話はご存じでしょうか。天馬竜アフィントンはそれをさらに発展してしまったものとお考えください。より発展を遂げた臓器はいつしか命を持つようになり、一体の竜となりました」
「自立した竜───魔術刻印は刻まれた人間を竜へと変じさせる呪いじみた性質を持つに至ります。一族の手からも離れ、まるで寄生するように人間へ己を刻むことで存続してきました」
「もはやひとつの生命体。受け継がれることを是とせず、自己が生き永らえるために刻まれる変竜魔術式。だからこその、封印指定」
流れる言葉はあらかじめ決められていた呪文みたいで。
あるいは正しく、それは呪文であるのかもしれない。
古い神秘をつまびらかに。暴かれたその中身を伝える儀式のごとく。
「人を竜に変える生きた魔術刻印。それが、天馬竜アフィントンです」黒鹿さん、叛鎖プロローグで凌牙君とジャスミンちゃんで中規模の模擬戦させたいんですが集積船に常に開放されてる、或いは申し出れば借りれる訓練室みたいなのとかってありますか?
>>863
成程…ロイドさんがそういう感じの好きなのは思ってた解釈通りでした
ニコレットさんの家アトラス院だったの…!?でも納得
ヴィクトルさんはシンプルな感じのオートマタみたいなモンの方が好きって事でOKです?
>>876
成程、あくまで真面目な魔術師としての側面もあるから素直に興奮はしないって事なんですね。クウネルさんらしいな…
ルネさんのイラストの女の子は繊細で可愛らしい感じ出てて好きです。俺もその内律ちゃん描こうかな…
>>878
いいっすね…
凌牙君は今後ガンガンかっこいい所見せられると思います
>>888
ダークな感じのSSも良い…あとやっぱり納言さんの文才の引き出しの量とセンスが凄い…
やっぱりヴィルレイさんは今までの船のキャラとは一味違う感じが良いですね…!
>>892
久々にこの動画見た時に思ったんすよ…「マレオ達なら絶対やるな」って…
大分前の納言さんの二番煎じなのはすまないと思ってますがやっぱりGYARIさんと船フリーダム組の親和性は凄いと思うんすよね…>>924
魔術刻印は臓器みたいなものだって言うから…じゃあ生きててもいいんじゃないかなって…
アフィントンの白馬を使ったのはアレです。もともと地上絵を人体に描いたら面白いんじゃ?ってアイデアがありまして
人体に地上絵描こうぜ!→じゃあそれ魔術刻印にすっか!→刻印埋め込まれたら人間やめるようにしよう!→竜だ竜!竜持ってこい!……という感じでこうなりましたヒュギと
パナケを
合体
させるぞこそっと載せる例のルナ・アードゥルの冒険異聞譚の説明パート
「ウルフィルト・ロッテンキャット、という魔術師は知っているか?」
「私は知ってます。獅音さんとルナさんは?」
「……俺は知らない」
「何となく、名前だけは。でも詳しいことは全く」
「なら説明する必要があるな。これを見てくれ」
カナリアはガラスペンを取り出すと、群青色のインクを吸わせたペン先を宙になぞらせていく。不思議なことに、彼らの目の前でなぞらせていった軌跡にはインクが浮かび、形を変質させている。やがてそれは2つのA4用紙の形に……ウルフィルトの詳細を記した資料となって、獅音とルナの目の前にはらりと落ちてきた。
「口頭でも説明はするが、書類を読むのも理解に繋がるだろう。あと、それは情報漏洩防止のための魔術だからな。読み終わったと判断したら消してしまうのでそのつもりで読め」
ウルフィルト・ロッテンキャット。名前から察せられる通りに偽名の男。おそらく苗字も偽名ではあるが、そのような胡散臭い歴史でもなお周囲を驚愕させる魔術の才でフリーの魔術師として「妖精の神秘についての研究」で名を馳せた。
妖精に心奪われた男、と揶揄されるほどに妖精の神秘に心魅せられた。ついには妖精、つまるところ精霊種の持つ機能の一端を再現した魔術生命体である“虚構妖精(Fake Fairy)”の創造に成功、封印指定を贈与された。以後、彼はイギリスからアイルランドへ逃亡、消息は不明である。「……というのが百年前の話だ。協会も隠居して全く足取りが掴めない奴だけをしつこく追い続けるわけにはいかないからな。封印指定と執行者の関係というのはそういうものだ」
「そもそももう死ん.でるんじゃねぇのか?」
「魔術師の中には平気で百年を生きる奴らがいるんです。もちろん全員がそうだというわけではないですが、それほどの魔術の技量を持つ人がたくさんいるのも確かです。そしてウルフィルトはそっち側だってことですね」
そんな彼の消息が掴めたのはつい最近の話。アイルランドにて、虚構妖精の存在が多数確認、製造年代の特定によりここ数ヶ月の内にウルフィルトが虚構妖精を生み出したと確定、時計塔から刺客が派遣された。また、虚構妖精による「チェンジリング」が起きたことを危険視した聖堂教会からも調査及び討滅のために代行者が派遣された。
「結果はどちらも全滅。しかもそれは虚構妖精によるものじゃないんだ」
「代行者が死んだ現場からは死徒の呪詛汚染の痕跡が検出され、また同時刻の時計塔の魔術師が死んだ場所では混血の物と思われる異邦の神秘が観測されました。そして両方とも、虚構妖精が振り撒く鱗粉が死体に塗され現場に落ちていましたので、これを人為的な作戦だと我々は判断したのです」
どうやら百年前の封印指定の魔術師が行動を開始して、その件について死徒や混血が関与しているらしい。既に被害は出ているが、未だ撤退するほどの被害も出ていない。ならばまだ計画は続行されるべきだ。
「調査は続行された。そして今回は被害も出ることなく、聖堂教会と時計塔はウルフィルトの目的の要となるものを見つけたんだ」
「それは虚構妖精の中でも女王メイヴを参考にして作られたと言われるもの。ウルフィルトがアイルランド各地で断片的に残した残留思念から最も大事な虚構妖精だと思われるもの。それがそこにいるマヴさんです」
「教会の啓示や時計塔の魔術師の占星術によると、ウルフィルトの行い次第ではアイルランドに星の内海、妖精郷の入り口が開かれると云う。その鍵が虚構妖精のマヴである。その事実を知った二つの組織では、それぞれこう考えたんだ」
「奇しくも、互いに相容れない組織でありながら考えることは、そして意見の対立はとても似ていました」貴族主義の一角はこう考えた。妖精の神秘などという魔術師の崇め求める神秘とはかけ離れたモノはこの現代魔術社会において不要である。そのような神秘に頼ることは許されず、封印指定を執行した後、妖精郷の道はいっそ鍵ごと壊して仕舞えばよいと。
対して民主主義の一角はこう考えた。妖精の神秘に頼ることを受け入れろというわけではない。ただ、鍵として造られた虚構妖精を始めとしたウルフィルトの痕跡全てを消すのは惜しい。研究結果は全て保存し、速やかに封印指定を執行するべきだと。
教会の中でも厳格な枢機卿はこう唱えた。魔術師などという異端が精霊種の住まう花園などという、主の愛によって生きる現代の人間の世界にあってはならないものをもたらそうとしている。その魔術師の研究結果ごと速やかに焼却し浄化すべきだ。
対して柔軟な枢機卿はこう唱えた。第八秘蹟会がなんのために存在しているのか、このような教義に記されていない恵みを保管するためだ。生まれてきた命に罪は他の人間と等しく存在し、だからこそより善い方向に、主の導きを我らが代行して示していくべきだと。
「どちらも明確な意味で一枚岩とは言えないからな。その場において意見が通ったのは、時計塔では民主主義派閥、聖堂教会では穏健派だった」
「時計塔にてそれを任されたのは魔導円卓騎士団の一員であるキャナリさん、教会にて任を携わったのは秘匿聖歌隊の一員である私でした」「しかし、隙さえあればというやつだ。オレたち魔導円卓と聖歌隊以外にも双方から人員が派遣されたことを我が主と聖歌隊隊長は警戒した。お二人は既知の間柄であったから、秘密裏に相談を交わしたんだ」
「その結果がこれです。我々聖歌隊と魔導円卓は秘密裏に共同戦線を張り、思想の対立する時計塔や聖堂教会の刺客を打ち払い、ウルフィルトへの執行及びマブの確保を行う。聖歌隊は星の内海の災厄さえ阻止すれば良いので、極論、マヴはどうだって良いんです」
そして魔導円卓は目的の遂行に必要な「マヴの成長」のために月夜に関する古き神秘を必要とし、そのための駒としてルナを利用した。聖歌隊は啓示に従った人員編成をした際に、隊員であるリムとバディを組ませる人員として獅音を指定した。それが今回の流れである。
「キャナリさんの奮闘でとある廃屋に安置されていたマヴの発見と、彼女を先制して奪取することはできました。しかしそこに至るまでに、今回の件は多数の中小の魔術協会や土着の魔術師に知られています」
「だからオレたちは、マヴを守りながらウルフィルトの残した痕跡を辿り、マヴの成長を促さなければならない。そして、マヴが拓くだろう妖精郷の道に惹かれたウルフィルトの捕縛とその研究結果の確保が求められているんだ。もちろん、災厄とやらも阻止しなければならない」
「既にこの地に訪れている時計塔と聖堂教会の刺客は割れています。時計塔、天文台カリオンからは北欧の人形師、フローレンス・ヴァルトルームが。聖堂教会からは聖句語りのアルバーン・ラミレス司祭がいらっしゃる、とのことです」「さて。これで一連の説明は終わりだね。メレク殿はこれ以上俺たちに聞きたいことはある?」
「そんなことを此方に説明して良いのかは疑問ですね。その情報、他方にバラされたらあなた方に致命的な傷になるのではないですか?」
「漏洩する前に潰せば良い。それだけのことですよ。我が弟はそういうことは苦手ですが、私にはそれができますので」
「でしょうね。……それで?まだ他に何かありそうな予感が僕にはするのですが」
「ああ、そうだね。けれど何を話すにもここは場所が悪い。メレク殿、続きは我が姉君としていてくれ。俺は行かなきゃならないからね。ユリア、ついてきてくれ。他の子たちはこのまま姉さんとメレク殿の護衛を」
見事な偽装であった。先程まで魔導円卓の人員がここに潜んでいるなど、一つも見抜けはしなかった。メレクとて才能ある魔術師だ。確かに荒事に親しんではいないが、まさかそれを専門にした者たちがここまでの脅威だとは思わなかった。
……だが、本人は颯爽と去っていったものの、姉であるメリルも伏兵に気づいていなかったのはどうなのだろう。せめて、彼女にだけは教えておくべきだったのではないか。それがあえてというのなら、いかんせん趣味が悪すぎないだろうか。
「……ねぇ団長、あの獅音って子、美味しそうですねぇ。つまみ食いダメですか?」
「お前の『つまみ食い』は文字通りのつまみ食いだろう?それに、つまむどころか骨も残さず食べちゃうじゃないか。……マリナのとこから例のインキュバスが来るらしいからそっちを齧りなさい」
「え!?アスモくん来るの!?やったー!わたしも本気で働きますね!」「はぁ……というかもう横にいるよ……ごめんマリナ」
ここは誰も知らない秘密の会合場所。ここを知っているのは、聖歌隊や魔導円卓の中でもごく一部の部屋。密会をするためだけに作られた秘匿のワンルームだ。……というのも、専らたった一つの目的にしか使われていないが。
「構わないよ、アイン。次の休日に私のためにお菓子を作ってくれるだけでいい。そうだな……クッキーがいいな」
「ああ、任せてくれ」
「お熱いですねぇ!さすが禁断のカップルというかなんというか、そう思わないアスモくん?」
「黙れ屍肉。……アイン・グローリアンはともかくお前と肩を並べるのも嫌なんだから話すらしたくないんだよオレは」以上です、アスモとユリアについてはこちらを参照
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/wiki/代行者アスモ
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/wiki/ユリア・フォン・ツァルクレオ
ちなみにこちらはアイン、マリナの2トップから見た色んな人の評価
主要な四人、一番信頼する部下、恋人の順番
アイン・グローリアン
ルナ→計画のための駒。使い潰しても問題ない身分の政治闘争の脱落者。勝ち抜いたら報酬を、敗北したなら憐れみを。どちらにせよ撤退さえしなければあとは全てルナ自身の選択に任せている
カナリア→かわいいペット。飴をあげないほど、焦らせば焦らして鞭を使うほど最大限の働きをしてくれる犬。飴をあげて労ってあげるのはそれからである
ユリア→そこまで忠誠的ではないが、だからこそそれが良い。天真爛漫に思うがままに振る舞うからこそ、彼女の特異性は発揮されるし、それは自分に向けられる容赦のない苦言も等しく的確であるため抑制する必要がない
マリナ→大好き。ほんと好き。マジで好き。交際記念にとっても高い一族秘蔵の指輪送るぐらい好き。なおマリナは清貧な肉体言語タイプなので送り返された模様
シスター・マリナ
獅音→未来ある若者。優秀な青年。まだまだ経験未熟で推薦するには足りないが、ある程度は目をかけるべきだとも思っているほどには才能を見出している。価値観が狭くないのも良い
リム→自分が庇護し守るべき部下。本音を言えば、酒やタバコは心身の健全さが命の代行者にとってどうかと思う。思うが、まあ問題ないなら問題ないだろうと思っている
アスモ→自分の初めての部下。哀れな生まれに反した清廉で強い精神を彼女は評価しており、故に部下として最も深く信頼を置いている。また生涯を通して争いで贖罪を遂げる生き方を定めさせたことについて、申し訳なさがある
アイン→愛している。特に何を贔屓するというわけでもないしそれが出来る境遇でもないが、花を贈るぐらいは出来る。任務で殺し合う時に、相手を殺.すのは自分だとアインと共に誓い合っている模様「仕組みが科学的に解明されているならばこれは消失すべき神秘(魔術)ではなく科学技術」
みたいな詭弁魔術を今ふと思い付いたので投げます>>927
まぁ、いいと思います。あって困るものでもないでしょうし
そりゃあもう目キラッキラに…なればいいな…
>>928
薄口な設定しか組んでないルナの耳飾りが…!
東欧寄り? のシンボルマークなんですね!
>>937
ストレートな妖精を出すはずがない。なんか仕掛けがあるはずとは思ってましたが『虚構妖精』なんてワクワクワードを出されるとは……虚構妖精マヴ……いい……!
状況も構造も目的もはっきりしてわかりやすくなった
しかしルナよ、お前の役目がもう終わってるっぽいってことは…これはつまり…自由タイム! 好きにやっておしまい!
……あの二人って殺し愛する仲だったんですね
>>938
ほぅアルマソフィア兄弟を…あ、いやもうアルマソフィアじゃないんでしたっけ
名前変わった…んだったかな? あれ? まだ変わってない?>>950
他人のダメな点はあまり言わないからねここ>>952
申し訳ねえ…申し訳ねえ…>>951
そっちですか。
こっちに投下する場合なら閲覧注意、と前書きは要ると思います。
度合いにもよるけど。引きちぎるぐらいなら何も言わんさ
強烈な力で引っ張られた筋繊維がブツブツと音を立てながら千切れやがて間からうんにゃらかんにゃらがうんにゃらとかまで細かくグロ描写し始めたら流石に物言いはするけどもエロよりは緩めでいいかぐらいの意識でいる次スレ建てました。
>>937
こういう裏で蠢く系の組織的勢力対立、好き…
魔術協会も聖堂教会も一定の筋というか持論を抱えていて、それらが噛み合った結果現状のアレコレが齎されてるって流れに弱いのです
しかしアイルランドに妖精郷の入り口とは
…どんな混沌が齎されるのか、想像すら及びませんな>>840
ウィーラーフの起用ありがとうございます!今後の展開も楽しみにしています。
黒鹿さん、山星さんなど皆さんのssも読ませて頂いてますが、一つ一つに感想を書けていなくて申し訳ございません。ところでポケモンを実際に遊んでいた時間は初代赤~クリスタルで止まっていますじゃ、ほっほっほっ
脳内のガレアが一人称も口調もぐちゃぐちゃなオネェになっていく……。
んほおお姉妹vsプロメテウスの続き出来ました
貼って良いですかキエッ投げちゃお
人型機動大弓、ペーネロペー。オデュッセウスの妻にして白銀の装甲に身を包んだ戦士でもある彼女にとってプロメテウスとは遥か頭上に立つ上位種とでも呼ぶべき存在である。
そんな男に弓を引く。それ自体に恐れなどない。たとえ誰が相手であろうと、何の為に戦うかを考えれば、なんの躊躇も無くなる。
両腕から容易く鋼を焼く光線を幾つも放ち、背部より幾十ものミサイルを掃射する。大軍勢に差し向けるべき武装群はただ一人、プロメテウスのみだ。
「そうか、つまり君は人間に味方をすると。神を打倒する、その攻撃がそう宣言している事に等しいとは理解しているんだな?」
「私は人間です。オデュッセウスの妻、ペーネロペーです」
「いいや違う。君は機械だ。機神のカケラが偶然拾われ、人間に育てられたに過ぎない」
着弾と共に爆炎が巻き起こる。通常のサーヴァントならばひとたまりもない面制圧攻撃、たとえプロメテウスほどの強大な霊基であったとしても無傷では捌ききれないはずである。
それでもペーネロペーは手を緩めない。飛び上がり、続けてレーザーを追い討ちで放つ。くっきりとその目は煙の中にプロメテウスの姿を認めていた。
「なるほど。確かに人間かもしれないな。人間らしい、無駄に溢れた非合理的な思考だ」
ほんの一瞬、煙の中で何かが光った。それが攻撃の合図だと理解するや否や、ペーネロペーは両腕を交差し防御の姿勢を取る。クリロノミアを前面に展開、銀色の障壁が立ち上がるものの、次の瞬間には薄氷の如く砕け散った。
「人間が作り出したあらゆる火は僕のものである。彼らの多種多様な殺傷武器には光るものがあるよ。たとえば、これだ」>>971
一メートルほどはある銃身を手に、プロメテウスは笑う。アンチマテリアルライフルと呼ばれるそれは、名の通り物質を粉砕せしめることが出来、現代においては比類なき火力を持つ銃火器だ。
「外見はそのまま、中身は僕が弄っているがなかなか面白い。他にもこういうのがある」
次に現れたのは砲身を束ねて作り上げられ、連続して弾をばら撒く制圧用銃器、ガトリングガンだ。一分間の発射数およそ二〇〇〇、直撃しようものなら蜂の巣どころか肉片さえも残らぬ重火器である。
吐き出された弾丸にペーネロペーは再び障壁を発生させ、なんとか耐える。しかしながら障壁越しにプロメテウスが新たに取り出した銃器を目にし、その表情は曇る。
「派手に行こうか、そう、派手に。戦争らしく」
弾けるような発射音と共にロケットランチャーが叩き込まれる。再び障壁が砕け散るが、しかしすぐにペーネロペーは背中のブースターを吹かして前方へと飛び込み、再びレーザーとミサイルを放つ。
(彼の得意なレンジは遠近両方……下手に距離を取れば、こちらが一方的に攻撃されてしまう!一か八か、接近戦を狙うしかない)
たとえスペックに大きな違いがあったとしても、至近距離で宝具を炸裂させれば防御を崩し霊核を狙える。相討ちになる危険性もあるが、今のペーネロペーには現状を維持できる力は残っていなかった。
ヒュギエイアとパナケイアの二人は戦闘を行える状態にない。他のサーヴァント達の救援も期待できない。たった一人でプロメテウスを倒すか、少しでもいいから時間を稼がなければならないのだ。
「勇敢に向かってくるその姿勢は素晴らしいと思う。だがやはりそこも人間らしい。ついさっきの講釈を繰り返すが、ただの蛮勇だよそれは」>>972
二丁拳銃が瞬く間に攻撃を打ち落としていく。それも見越している。
ペーネロペーは両腕のブレードを起動させ、懐へと飛び込む。プロメテウスの両腕が宝具を起動するべく赤熱し始めたのを、彼女は見逃さない。
背中のブースターを逆噴射させ、ほんのわずかに距離をとる。相手の不意をついたその瞬間を見逃さず、ペーネロペーは超至近距離で己の宝具を開帳した。
「『我が光よ、愛する彼の為に(メ・アガーピギャアトン・オデュッセア)』!」
体そのものを巨大なレーザー砲と変えた一撃が炸裂する。閃光は一瞬でプロメテウスを飲み込み、完全に消滅させた───かのように見えた。
閃光の中心で爆発が起きる。それがプロメテウスの宝具によるものであると判断しようにも、すぐにペーネロペーは動けなかった。連続して起きた爆発によりレーザーが途切れた一瞬を狙い、腕が彼女を掴む。
「なかなかやるじゃないか。だが、致死には至らなかったぞ」
再び宝具発動。プロメテウスの掌を通して、ペーネロペーにバックドラフトが直撃した。ヒュギエイア達に放ったものよりも遥かに火力が高いそれにより、クリロノミアが機能不全を引き起こし瞬く間に砕け散る。
ペーネロペーの視界を瞬く間に警告が埋め尽くしていく。それだけで戦闘能力の大半が奪われた事を示していた。
「少し、下に見過ぎていた。まさかここまでダメージを受けるとは……」
地面に叩きつけられたペーネロペーが目にしたものは、傷ついたプロメテウスだった。流石に宝具の直撃を受ければ負傷は免れなかったようで、全身が焼け爛れている。奇しくも彼までバックドラフトを受けたかのようだ。
「君はよくやったよ。ああ本当によくやった。腹立たしく思う」>>973
ロケット噴射するかのような勢いで放たれた蹴りが腹部に突き刺さる。臓器に相当するパーツが粉砕され、夥しい数のヒビが装甲に走る。痛覚があるわけではない為に痛みに悲鳴をあげる事こそないが、警告はその数を増していく。
全身の武装が異常をきたしている。先程の爆発は火器系統に大きな影響を及ぼしたようだ。
プロメテウスの事だ、一撃で終わらせることは無いだろう。となれば最後まで諦めるべきではない、ペーネロペーは胸中でひとりごちる。
そう、諦めない。たとえ蛮勇と呼ばれようとも最後の最後まで立ち向かい続ける。きっとオデュッセウスもそうするはずだ。
「一息では破壊しない。まずは君の手足から───」
思わぬ攻撃に、プロメテウスの左腕が切り落とされた。>>974
まだ自分は生きている。当然の事だ、プロメテウスを殺さなければならないのだ。止まらない、止まるわけがない。
ヒュギエイアはよろよろと立ち上がって妹へと歩み寄る。まだ修復が完了しておらず、意識もおぼつかない様子のパナケイアは中途半端に再生された虚ろな目で虚空を見つめている。
「はぁ、はぁ、はぁ……!」
二人がかりでもダメだった。いくらクリロノミアで強化しても、強化元の霊基が遠く及ばないのでは勝ちの目など薄い。
では命を捨てよう。この霊基を贄としよう。クリロノミアには既に手を加えてある。本来ならばサーヴァントを強化する程度のものだが、設けられているリミッターを解除すればプロメテウスの撃破は可能だ。
もちろん、そうすれば待ち受けるのは死よりも悲惨な最期だ。イカロスの如く、過ぎた行いの罰を受ける事だろう。
「罰など、知った事か」
ヒュギエイアは吐き捨てる。罰を与えられるべきは傲慢な神々だ。雷に打たれてしまえ、滅んでしまえ。
最後のアンプルを取り出す。クリロノミアを暴走させる、いわば起爆剤を。
パナケイアの再生は終わらない、というより明らかに止まっている。彼女本人の意識が定まっていないせいだ。これでは直にクリロノミアによって霊基が暴走してしまうだろう。
「───ここで、待ってて」
無理やりパナケイアを『起動』させて人間爆弾にしてやろうかと言う作戦も思いついた。けれど、この肉体をナノマシンに食い尽くされるとしても人であるならば、人であろうと思うのなら……。>>975
「まっ、て」
震えた声が、パナケイアから溢れる。意識を取り戻したようだが、やはり目は虚だ。
「パナケイア、貴女は休んでいて。その体じゃ戦えないんだから」
「置いて、いかないで。ひとりにし、ないで」
黒く焼け焦げた指が、ヒュギエイアの腕を掴む。揺れる瞳に顔が映り込む。
以前にもこんな事があった。遥か昔、まだ少女であった頃に。
『待ってよ、待ってよ姉さん。待ってよ!!置いていかないで、いかないで、行かないで!!』
「わたし、ついて行きたかった。あの時、姉さんと一緒に行きたかった」
「……」
「ついていく。あいつを……許さない」
ぐっと力が込められる。それ以上は言っても無駄であると、そう判断するとヒュギエイアはアンプルをパナケイアの首に押し当てる。>>976
「わかった。ごめんね、置いていこうとして。二人であいつを倒そう」
「う、ん……」
パナケイアは震える手で同じくアンプルを取り出し、ヒュギエイアの首に当てる。
同時に二人は相手に針を、撃ち込んだ。変化は数秒で訪れ、まず最初にパナケイアの体がぶるりと震える。全身を行き交うナノマシン群が制御を離れ、自己増殖を始めたのだ。
体の至る所から水銀のような銀色に光る液体が噴き出しみるみる内にパナケイアを包み込んでいく。まるで繭のようだ。
続いてヒュギエイアにも異変が起きる。体が内側から食い荒らされていくような痛みに襲われ、声も出さずにうずくまってしまう。
「あ、はぁ、ああああ!!ぐうううううッ、えうっ、えうっ」
「■■■■───!!!」
繭の中でパナケイアの悲鳴が聞こえる。一方でヒュギエイアは手足が銀色に染まっていこうとしていた。
クリロノミアがひたすら増殖を繰り返す結果として、彼女達の肉体は異常な変化を始めている。姉妹が手を加えた為に変化の方向性はある程度誘導できているが、それでも伴う痛みは尋常ではなかった。
激痛によって発狂するか耐え切るか、明滅する視界の中でしかしヒュギエイアはプロメテウスの手で殺された患者達への強い想いを糧に耐え続ける。
右腕が歪んでいく。鋭く、剣のように。
左目が肥大化していく。蛇のように。
背骨が軋み、それまで感じたことのない異物感が臀部より伝わる。
「ぐぅ、あぁァァァァァァァッッッ!!」>>977
結論から述べるならば、ヒュギエイアとパナケイアは暴走したクリロノミアによって肉体の強化を最大まで引き上げた。その結果が、切り落とされたプロメテウスの腕である。
「なん、だ」
「絶対に、許さない。この命を賭して、お前をころす」
ヒュギエイアの外見は大きく変貌していた。右腕にはクリロノミアによって作り出された刃が生え、左目には蛇を思わせる眼、そして尻尾が作り出され半分人間半分蛇とでも言うべき姿となっていた。
「■■■」
一方でパナケイアは、そもそも人の形を残していなかった。クリロノミアが及ぼした影響は彼女が持つ半人半蛇の因子を限界まで引き出し、あろうことかその身を蛇そのものへと変えたのだ。
「なんて、愚かな選択を。そんな事をしてみろ、君達はクリロノミアに霊基を食い尽くされるぞ!」
「構わない、私達は愚かと言われようとも蛮勇ど言われようとも、お前を倒す為ならば命なんて惜しまないッ!」
蛇となった妹を従えて、ヒュギエイアは怒号と共にプロメテウスへと向かっていった。言及セリフが埋まらない♪
ヴィクトルさんの言及セリフが埋まらなーい♪
改めて秘海集積船のメンバーが増えてきたことを実感します。
ちなみにそんな私のとこの船メンの持ちポケモンはと言うとジャスミンがジュペッタやゴルーグといった人形、ぬいぐるみに関係するゴーストタイプを繰り出してきて最後の一体にガルーラを出してくる。
ニコレットさんは「私がこの子を使わなくて何を使うと言うんです」とばかりにラッキー。そしてほっこりさせた所に繰り出されるどくどくみがわりたまごうみ。
ロイドは本人はカッコイイドラゴンタイプを使いたいけどそうするとアルマが拗ねるのできせきポリ2やギルガルドで妙に火力の高い受けループする。
ヴィクトルさんはとりあえず600族とUBで種族値の暴力してれば勝てると思ってる。カイリキーメタグロスドサイドンハガネールマッシブーンっていう圧の強すぎるパーティーを組んでる巽のおっさん概念
>>979
姉妹の決意が神に襲い掛かる…!!
とはいえ滅茶苦茶エグい事なってますね姉妹…特にパナケイアさん…流石の容赦のなさです…
>>980
確かにムジカちゃんはフェアリー使いのイメージありすね!!
そして海月ちゃんがムジカちゃんにとんでもないモン持たせてんの草なんですわ。
>>981
結構労力凄いっすよね言及セリフ…まあ仰る通り船がデカくなった証拠ですけどね
ジャスミンちゃんはミミッキュとか使いそうじゃないかなってイメージ。
ドラゴン使えなくて残念だねロイドさん…でもロイドさん割とギルガルド似合うと思うよロイドさん
>>982
ポケモンバトルに乱入するマレオは草。でもやりかねんのが余計に草
>>983
ニャオニクス色違い調べたらマジでメレク君で草生えました
そしてピクシスさんポケモン図鑑は草、でもキャラシ的にあながち所じゃなく間違ってないのが本当に草土日顔出しできるか怪しいので例のやつを貼ってスピードルネンはクールに去るぜ…
↓のアドレスコピペして頭にhをつけたら見えるはず
一応流血注意です
ttps://dotup.org/uploda/dotup.org2900887.pngもう残りレス少ないので現状あるSSの感想は次スレ最初に回させていただきます、>>885へのご感想ありがとうございます
ヴィルレイの視点書くときは「他人の描写少なく・他人の思考の推測なし・とにかく簡素に」を意識しています。これは
・他人の描写少なく:言わずもがな。表情の変化とかは特に書かない。結果だけ書く(吐きそう→× 吐いた→◯のように)
・他人の思考の推測なし:これも同様。これによって対人の状態でも文が削られる
・とにかく簡素に:自分の心情描写も簡潔に。何故そう思ったかをハッキリ把握してるので悩みとか戸惑いとかもなし(テンション上がることはある)。あと八割が悪態
というもので、これによって字数稼ぎが出来ずあれぐらいの短いSSになりました。自分がどれだけ心情描写に頼っていたかがわかりました。
極端な例ですが仮にコレがトワだった場合字数がゆうに2.5倍になっていたことでしょう。
というか、最近自分思想の強いキャラばっか書いてるな…私も次スレにて出したいものが少々…
微妙なところですけどスレ埋めますか?およスレ変してない(ホテル聖杯戦争の最新話書けたので来た人)
こうなりゃ1000お題大喜利をするっきゃない…?>>995
まず最初のタスクとしてルナティックのプロローグを書き上げる事ですかね……。
キャラメイクよりも文章を書かねば。1000ならkaraoke
あと今後の予定はホテル聖杯戦争終わってハクマや木伽も終わったら旅館聖杯戦争やりたいです。
問題はホテル聖杯戦争が終わる見通しがまるで立たない点>>995
これからの予定…
自分はまずFate/NCの続きを投稿&完結させねば…
最近リアルが色々ごたついてまして、執筆に取りかかれる気分じゃなくなっているのです
はよ書かねばという気持ちはあるのですが1000なら鱒の得意料理
>>995
なんかすいません…
俺の今後の予定はとにかく叛鎖を進める事ですね
新しくwikiとかに項目追加してある程度進んだら使用フリーにするネームドが2人いるので早く詳細書きたいなって思ってたりするのでとにかく進めたいなって
あと叛鎖が終わった後は海月ちゃんの掘り下げをしていきたいなともハクマを終わらせて、ありふれた聖杯戦争を進めたい
聖杯大会運営本部【リレー相談・雑談】#215
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