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前スレ
https://bbs.demonition.com/board/9886/
過去ログ https://bbs.demonition.com/search2/聖杯大会
聖杯大会本戦統合スレNO.5
https://bbs.demonition.com/board/6193
ラフム語翻訳機 https://yt8492.github.io/RafmanTranslator建て乙でーす
新しい主従ですか…とりあえず個人的にアリかなって前から思ってた組み合わせを何個か上げてみますね
解釈違いあったらすみません
・裂夜×家綱(最初は家綱さんのチャラい雰囲気に「江戸の将軍様だし凄い畏れ多い上に陽のオーラ凄い…どうしよ…」ってなるけど多分打ち解けたら家綱さんの素的にも良いコンビなりそう)
・ロウィリナさん×趙雲(誰かを助ける為に動くっていうロウィリナさんの行動理念に趙雲は同調すると思うから相性めっちゃ良いと思う。あとチョロインとウブな兄貴は間違いなく化学反応が起きると京極思うワケ。CP大歓迎ニキなのでそのルートもやぶさかではない)
・ネムレス×許褚(戦闘狂×脳筋バーサーカー。絶対面白い。戦闘狂と殴り合い大好きゴリラの主従だから滅茶苦茶暴れそう。正直書いたらめっちゃ楽しそうな気がする。)
とりあえずこんな感じですかね
カステラ君と児雷也も入れようかと思ったけどキャラシ全開示してない今出すのもなと思ったんで詳しくは語らんときます建て乙です。
前スレにて京極さんがおっしゃってた児雷也イベ用の礼装とコマコが完成したので投下します
まずは礼装から
『新説・関ヶ原合戦風景』
キャラ:平賀源内&本多忠勝
効果:自身のBusterカード性能8%アップ、クリティカル威力10%アップ(最大解放時:Busterカード性能10%アップ、クリティカル威力15%アップ)
時は西暦16000年。次代の天下を狙うネオ徳川とシン・豊臣の決戦はセキガハラ・バトルグラウンドで幕を開けた。
一進一退の攻防を繰り広げる両軍。イイ・レッドレギオンの吶喊にコニシ・ガンナーズの猛射。後方より機を伺うシマヅ・キングダムと未だどちらに味方するか考えあぐねるコバヤカワ・クラン。
混迷を極めつつある戦況に、今Dr.ゲンナイが開発した強化外骨格甲冑を纏いし闘将が参戦する――!
「持って三分、どんなに甘く見積もっても五分が限度だ。それ以上は身の安全を保証しかねるよ、旦那?」
「問題ない。一分とかからず片づけてしんぜよう」私はそうですねー
レアちゃんにコシチェイと組んでもらって超いいリアクション連発してほしい。聖杯戦争の序盤は癒し枠になりつつ中盤から終盤でめちゃくちゃに狂ってるところが見たい
あとは自分を犠牲に家族を救おうとしたムーランちゃんと自分さえよければそれでいいジャックのコンビとか。息が合わずにすぐやられてしまうのか、なんだかんだ生き残れてしまうのか…どうなるか
ガチ戦闘じゃない組み合わせだと毛利隆元とカトカちゃんで自前の責任感と真面目さ×2がわたわたしていてほしい。聖杯戦争よりrequiem世界線とかで見たい組み合わせ
能力的なところだとスネグラーチカとベロくんが前から気になってる私です。でもベロくんが冬モチーフの終わりの魔術に対してスネグラーチカは冬から春への季節の移ろいがメインだから微妙に噛み合わないかも
こんな感じ…ですかね。あとはペルカとエジプト鯖を会わせてみたらペルカの病の正体察してくれるかなーと思うんですが場合によってはキレられちゃいそうたておつです~
新しい鯖鱒……とりあえずプルフラスとロゼは鯖関係なくそうかそうかよしよしされそうなイメージ……女性恐怖症系男子なアクタイオンと女性マスターの組み合わせが見たいですねはい、思い浮かばないですけど
というわけで虚構妖精の続きを投下します「……ここに来るまでの間、この争奪戦に参加した中での現地の魔術師、そして時計塔以外の魔術協会の刺客が死ん.でいた。お前がやったんだね?」
「ええ。あなたもフリーの魔術使いをたくさん殺してここまで来たんでしょう」
「そうだ。ここで最後の鍵を待ち受ける。そして、その全てを粉砕する」
「そう。……じゃあ、共闘しましょうか。あなたも、私も、ここで手札を明かすのは嫌じゃない?最後に殺し合うのは私たちよ」
「五割。それ以上は見せない。その次にお前を殺.すし、仮に手こずるようなら普通に全力は出すよ僕は」
「ええ、それで。私もそうするわ」あの後、私たちは屋敷の内側で合流した。私を除いて、三人とも相応に傷だらけではあったけれど、それでも動けないレベルの重傷を負った人は一人もいなかった。結論から言えば、この出来事は私たちにとって多くの得をもたらす結果となったのだ。マヴには新しい機能が目覚め、カナリアとリムは今まで知識としてだけは存在した一族の秘奥を扱えるようになった。それは確かであったし、私としても改めてやる気が湧いた一件になったのは確かだ。……ただ。
「なんか嫌な雰囲気……というか嫌な予感がする」
「どんなだよ」
「わかんないけど……なんだろう。獅音はどう思う?」
「……わからんでもない」
実のところ、獅音はそれをひしひしと感じていた。ルナよりも敏感に、それらの違和感を感じ取っていた。
カナリアの様子がおかしい。いつも通りの冷静さを保っているように見えて、ルナへの敵意が隠せていない部分が多々出てきているし、自分を鼓舞するような言葉が増えた。無理矢理に自己肯定感を引き上げているような歪な状態だ。
リムもどこか変だ。ルナから聞いた話では生への執着をそれなりに取り戻した、と聞いていたがそれにしては酒や煙草、そして薬に浸る頻度が増えている。以前は自分の命への無頓着さが歩法や呼吸にも表れていたのだが、それが特定のタイミングで表れるようになった。他人を気遣うときだ。
『やべぇな……うかうかしてると全部まとめて最悪のタイミングで爆発しちまう』とはいえ、獅音もまだ若き青年だ。この四人の中では最年長である、というだけで人生の経験で言えば彼は未だ半ばも半ば。到底、誰かを教え導ける側だとは言い難い。だからこそ、この問題が重く深く突き刺さる。マリナに託されたその期待が少し、いや、だいぶ重たい。ただそれでも、自分の立場を鑑みると投げて放り出すということはできないし、何よりそんなことはしたくない。ここまで来たのであれば、最後までやり通すべきだ。
「何しけた面してんのよ二人とも。私が美しくなったんだからどんと構えてなさい」
「……マヴ……アンタもなんか変わったか?」
「心機一転、ってヤツね。よく考えたら、私の旅路はこれで最後ってわけでもないんだし。気合い入れて将来の展望を見据えないとね?」
「マヴって私が一番、私がすごい!って感じ出してるけど割とリアリストだよね。そんなにはっちゃけないというか」
「身の丈を知るのは大事でしょうが!」
感情が豊かになったよう、というよりは張り詰めていた空気が朗らかになった気がする。マヴがマヴ自身の感情を真っ直ぐに表現できるようになったというべきか。本人が言うには、鍵を取り込んで昏睡している間に、明晰夢のようなもので己を見直す機会があったらしい。自己問答による自己変革と聞くと、なるほど。理解はできる。
変わったのは精神面だけではない、肉体面もだ。その身に宿した神秘は人知のそれではなく、間違いなく妖精のものだ。妖精としての機能がかなり拡張されたようで、生成される魔力も、妖精領域の強度も、並々ならぬものに成り果てた。おそらく、今のマヴを傷つける手段をルナも獅音も持たない。それほどまでに古いモノに成った。
「私という存在は、虚構妖精は、造られて間もない。だから私には目的がなかった。生きる理由がなかった。何もなかったの。それだけじゃないわ、そこから今に至るまでの一生の中で、私という存在を構成する尊い過去は何一つ出来なかった。そう思っていたから……そうね。実はあなた達のことが羨ましかったの。どれだけ辛い過去でも、それがあなた達を形作っていると思うと、それすらない自分が悔しかった」「……今は違うのか?」
「ええ。他人を羨んだところで私の人生が彩られるわけないし?それに、今から作っていけば良いのよ。私ひとりなら難しいかもしれないけど、カナリアにリム、そしてルナに獅音がいるんだもの。私は、私の人生を走り抜けるわ。だから、協力しなさい」
「勿論。立場が違うからずっとってわけにゃあいかねぇけどよ、俺が出来る範囲なら、俺はアンタと歩くぞ」
「私だってそうだよ。今更さようならなんてあり得ないから。……そういえば、マヴ?アルターエゴってなんなの?」
マヴの身の上話を聞いていると、ふとあの青年……クニツジ・ウキが呟いたアルターエゴという言葉が気になった。アルターエゴ、と単純に考えるのであれば別人格という意味だ。哲学の意味で考えるのであれば、他人の持つ自我、すなわち他我と取ることもできる。しかし、マヴにはそのどちらも当てはまらないような気がする。
「……剪定事象、という言葉に聞き覚えは?」
「名前だけなら」
「全く」
「そう。……かつて、キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグによって第二魔法は創られた。宝石翁である彼が成した偉業は並行世界の実証。並行世界というものが確かに存在するということの証明。それによって、星は寿命を延ばしたわ。今の自分がダメでも、別の世界の自分は生きてるかもしれないんだって。人の世界もそう。鏡合わせの万華鏡。無限に連なる世界が存在する。
………けどね、その無限に存在する世界が全部永遠に続くわけじゃないの。例えば大災害で滅びることだってあるでしょうし、人間同士の戦争で星が滅びることもあるかもしれない。もしくは宇宙から来る侵略生物、とか。ともかくそんな風に、膨れ上がる並行世界の中には先がない物がたくさんあった。そしてそれら全てを養っていくリソースは我々には存在しない。だから棄てるの。世界の意志がその並行世界の枝を破棄してなかったことにする。それが剪定事象。文字通り切り捨てられた事象ね」星からしてみればそこまで切羽詰まった状況ではないし、そもそも星が臨終する時もだんだんと近づいているのだが、ともマヴは思ったがそれはあえて口にしない。今の話とは関係ない事柄だからだ。ここはあえて事実を述べるべきで、脱線をする暇はないのだから。それに、その言葉はウルフィルト・ロッテンキャットにはあまりにも酷だろう。
「でも稀に、剪定事象からこぼれ落ちて流れ着く物がある。本当に稀な話だけどね。それと同じことよ。ウルフィルトが持っていた見えないものを見る類の魔眼が偶然、本当に偶然で剪定事象の光景を観測したの。もしかしたら遠い並行世界で何かあったからかもしれないわ。私には詳しい話はわからないけど。……ともかく、ウルフィルトが見た光景は剪定事象。妖精たちがどうこう、っていうそういうの。それから彼は妖精に魅入られたように研究し始めた」
「それとアルターエゴがどう結びつくの?」
「虚構妖精を造った後にね、彼が考えたことは単純よ。己の目的を、悲願を果たすためには、地球の意志を反映したもの、地球の夢を出力した別人格ともいうべきもの、仮称アルターエゴを造る必要性があると。その目的が何かは私も知らないけど……ま、それで私が造られたってわけ。その役目を果たしたら私も解放されるけどね」
嘘は言っていない。マヴはウルフィルトの目的は知らないから。ただそれはそれとして、大事なことはぼかしているが。傷にしないために、あえて口にしないようにした。傷は小さいほうがいい。喪った者を引き摺って生き続けるなんてカッコ良くないから。
「最初から鍵になる六つの遺物を私に組み込まなかったのは、私の存在規格が大きすぎることで世界に警戒される可能性を下げたかったから。世界が気づいた頃にはもう手遅れにしたかったのね。だから私が本来持っていた力の分配と徴収の異能も封じられていたってわけ」「分配と徴収?」
「そう。私とリンクを繋げたが最後、私はその生き物の契約主になる。そしたら私の力を与えるのも、逆に私が奪い尽くすのも自由自在。ま、相手の抵抗力次第では契約は弾かれちゃうけど」
「相手の意志を無視した強制契約……つまり暴君……邪悪だな……」
「何よ失礼ねー!……はい、これで話は終わり。とっとと準備済ませちゃいなさい。今日限りで私たちはこの拠点を出て、鍵の二つを確保して、そのまま扉を閉じて終わりなんだから」
そう、これが私の旅路の最後だ。短くてつまらなくて、未だに生きていていい意味はわからないけれど。それでも確かな物があるはずだと、私は信じているから。だから、この瞬間も精一杯楽しもう。最初から、最後まで。生きる意味を、見つけるために死に向かおう。
「さ、行くわよ。これが私の戴冠式。夢にまで見た大仕事なのだから」
妖精が住まう森、と現代で呼ばれる場所があったとして、そこに妖精が本当にいるのだろうか。消費社会となったこの地球上で存在する妖精たちが、精霊種が、どれほどいるのだろうか。本当にいることもあるのかもしれないが、おそらくそれは稀だろう。森も、自然も、既に星の手を離れてしまった。いるのであればそれは幽霊などの残留思念に違いない。
その点で言えば、ルナたちが訪れたこの森も正しく偽物だ。あちらこちらを夥しい数の虚構妖精が飛び回っているが、あくまで虚構であり、本物ではない。危害を与えないどころか、干渉すらしないのだから。薄気味悪く、周りを浮遊するだけだ。「妖精の機能の一部を再現したとはいえ、所詮は虚構だ。一体につき一つ、単一性の在り方しか作り出せない」
「けれどそれは確かに封印指定ですよ。わたしたちが知らない機能はあるかもしれない。侮りは死を招きます、あなたも魔導円卓で活動しているならわかっているのでは?」
「うるさい。オレに指図するな死にたがり」
「メンヘラク.ズ男のくせに図々しい」
リムも、カナリアも、他3人を放って睨み合う。ここ最近の調子はいつもそうだ。余裕のないカナリアに優しく語りかけたリムがそれを煽りと取られたカナリアに噛みつかれ、リムも思わず罵倒を漏らす。そして更にカナリアのストレスが増す。なんとも不毛だ。不毛であるのに連携自体は完璧なのがなんとも奇妙でもある。
「カナリア、リム。私たち喉乾いてるし小腹も空いてるんだけど」
「チッ……あー、わかったわかった。待ってろ。軽食作ってやる」
「お酒……はダメでしたね。わかりました、ジュース作りますよ〜」
その睨み合いも、マヴの一声で完全に収まる。睨みにハートの形状の魔力を込めて放出すれば、ダメージや魔術的干渉がなくとも自分たちの行いがやりすぎであったと理解するからだ。それと、マヴという幼子にも等しい存在から叱られたことも大きい。ルナは同年代で、獅音は年上。16歳の少年少女にはマヴからの言葉が一番効く。「ワリィな、本当は俺たちが言うべきだったろ」
「適材適所よ。戦闘になった時にアイツらの手綱を引けるのは私じゃないもの」
「獅音はともかく、私はそれに当てはまるかなぁ?……ってマヴ?」
「なによ」
「髪の色、変わってない?今までの桃色の中に、銀色のメッシュなんてあったっけ」
それはそうだろう、とマヴは独り心の中で呟く。鍵を取り込んでいくたび、私には封じられていた機能が目覚めていくのだから。今までの自分は女王メイヴの姿や力を基本としたものだったが、ここからはさらにその先……汎人類史における妖妃モルガンのそれが目覚めていく。必然、私の容姿も変わっていく。おそらく二人を足して2で割ったような風貌になるはずだ。……というのを伝えるべきか迷ってしまって……そして、それを後悔した。「っ、爆弾だ!!」
周りにいる妖精ごと一行を吹き飛ばすつもりの大爆風。現代の兵器でありながらかなりの神秘を仕込まれていたそれに気づいたのは軽口を叩きつつも周囲の現代兵器トラップを警戒していた獅音だからこそだろう。カナリアやリムはその警告がなくとも傷ひとつなく対処出来るが、戦闘の経験が少ないマヴが防御するにはやはり獅音の警告は必須だった。ルナはそもそも防御手段を持ち合わせていないので獅音が彼女の近くで代わりに護るしかないのだが、そこは元々織り込み済みの話だ。今更大したことはない。
「周囲の虚構妖精の気配のせいで鍵の気配がわからなかっただろう、アルターエゴ。僕は今ここでお前を破壊するつもりだったんだがな」
「なんだ、お前……!」
「………アルバーン・ラミレス司祭。聖句語り、歩く火薬庫。穏健派の顔をしていらっしゃる過激派な司祭様ですね。気をつけてください獅音さん」
「気を張らなくてもいい。僕が殺.すのはそこの時計塔の狗たちとお前だけだから。灼崎獅音は生かして返す。再教育はするけど」
ふわふわとしたパーマのかかった髪の毛。今時見ない丸眼鏡の内に隠れた柔らかな瞳。身に纏っている服は緩やかで、聖職者としての風貌を何一つ感じさせない。強いて言うならば、傍に抱えたやけに大きな聖書のようなものがそうだと言えるだろうか。それ以外には何一つ武装をしている雰囲気もない。ただ……先程の爆弾を仕込んだのは他ならぬこの司祭である。「……随分と、甘いんだな」
「敬虔な信徒を徒に消費するつもりはないんだよ、代行者獅音。異端は滅するけどね。安心して、僕ひとりで君たちみんなを仕留めることなんて造作もないんだから」
純然たる事実であると言わんばかりの宣戦布告。それを告げた途端、木々を虚構妖精ごと吹き飛ばす大爆発が巻き起こる。古き妖精の森であることなど知らんとばかりの自然破壊。アルバーンからしてみればその全てが異端なのだから当たり前だ。未だに遠くから観察しているもうひとりを引きずり出すことも兼ねて森を爆破しない理由がない。
「煉獄など生温い。お前たちは塵すら残さず消え失せて、皆々惨めに地獄に堕ちるべきだ」
─────無数の雷が、横凪に墜ちた。
おしまい
次回、人間火薬庫と北欧夫婦遣いが大暴れ>>21
更に続き。
・かちかち山の兎&グリフィン
恨み引きずる復讐鬼同士。
噛み合ったら最後…。
・ハダリー&カステラ
片やカステラのことを軽薄だと思いつつも嫌いにはなれず、方やハダリーに対して積極的にアプローチしながらもさり気なく気遣ってくれそう。>>28
すっごいうるさそう(小並感)
メレ坊の負担がやばいだろうなぁこの組み合わせ…スレ立て乙ですの!新たな鯖鱒ですか…以前言及したことのある組み合わせ以外だと
三義経子さん&京丸
恋!してくれ!ペア。経子さんには幸せになって欲しいんじゃ…
月咋三鳥&アルスラ・タバリーさん
お互いがお互いのことを「うわ怖」ってなりそうな主従。ビジュアルは百点満点
遊糸正三&ブルネルスさん
湿度がヤバい。幸薄そう、でも今度こそ子供(主人公たち)を守ることが出来そう、出来てくれ
ロウィリナ・プルウィセト&ドン・キホーテ(ランサー)さん
騎士道精神コンビ。絶対振り回されるだろうけどそれが見たいんだ。側から見ればコミケのコスプレコンビ>>30
レッドア・モンティラード&キンチェム・デスポイナさん
スピード感でどうも脳裏に浮かんで離れない組み合わせ。でも多分デスポイナ様はレッドアのこと嫌いだと思う
クラッフ・フロースさん&ジェームズ・ワット
「産業革命」から浮かんだ組み合わせだけど身長差が結構あって…良いなと。ワットは毅然と冷静に商談ができるクラッフさんのこと尊敬しそう
三峰裂夜さん&足利尊氏(僕鯖wikiに登録してます)
普段はお互い陰のオーラ満面だけど決める時は決める。主人公っていうよりその相棒とかに収まりそうでとても好き
泡沫島■■■&ヴォーパルバニー・ジャバウォックさん
絶対とんでも凸凹陣営になる。絶対絵面メルヘンになる。良きかな…二匹に咥えられたりしてくれアワシマ
こんな感じの組み合わせを考えてたりしましたね。展開が見たいっていうよりも単純に「こういう画が見たい!」になってしまうのは中納言の悪い癖保守
今日の昼か夕方に、オーギュギアーイベの続き、投げます、投げる、投げてみせる
>>36
「分からないの?まあそうだろうね、女神カリュプソーがかつて味わい、胸の奥にしまったはずの、“悲恋と悲愛”、その“成れの果て”。」
「僕らの名は……そうだね、“ナウシトオス”と“ナウシノオス”とでも名乗ろうか」
「「──────女神から今まさに、生まれ出でようとするモノ」」
「な…………!?」
そう、彼らの正体こそ。
限られた命ある存在───即ち人類に「恋」をしたが為に悲劇となってしまった人外の、「愛」と「憎悪」。
人理が不安定な今、女神カリュプソーが胸の内に閉じ込めていた激情が膨れ育ち、自ら意思すら持つまでになった分身……いうなれば子供たち。
巨大な魔力リソース……聖杯にして今回の特異点を発生させた黒幕である。>>37
「でも不完全な霊基しか持たない僕たちは、この世に曖昧な存在で維持するのが精一杯。」
「母様の胎内のようなこのオーギュギアー島を弄るのがやっとの程度。」
「……ゆえに、カルデアに目をつけた、と?」
密かにカリュプソーから分離した彼らは、キャスター譲りの誘惑と支配の力を使い、カルデアのサーヴァントたちを島に招集、そして少しずつその魔力や神秘を蓄え霊基を強化していった。
カリュプソーの不調は彼らの仕業であり、途中から不調が治ったのはナウシトオスとナウシノオスの霊基強化による(予想外の)副作用である。
「幸運な事に、異変に気づいた貴女は内部よりも外部に目を向けてくれた。」
「島に潜む僕らより、強力な気配を発するカルデアへ向かったお陰でこうして充分に成長できた。」>>38
「く……!一生の不覚ですわ……!!…………けれど。けれど、貴方たちの目的は、もっとドス黒いものなのでしょう……?」
「流石母様(ほんたい)だ、僕らの本音をよく分かっている」
「いや、ようやく向き合ってくれたと言った方が良いかな?」
「こんなに愛していたのに、離れ離れになって辛い想いをしているのに。それでも愛した人は振り返らず、ただ前を向くだけ。」
「母たる貴女は心の傷だと蓋をして、あまつさえ他人は『良い物語だ』と消費する始末。」
「…………」
「ならば、報復すべきだ」
「ならば、糾弾すべきだ」
「「こんな、悲恋と悲愛(ぼくら)を生みながら受け入れない、母と父、そしてお前たち人類を……!」」
ナウシトオス/ナウシノオスの霊基が、気配が、一気に膨れ上がる……!
通信越しにカルデアが捉えた数値は、かつて遭遇した人類悪のソレに近いと報告を受ける。>>40
「……そうだよ。でも、でもそんなのは“知ったことか”……!」
「僕らは吠えずにはいられない……!生まれたからには、泣き声を上げずにはいられない!」
だからせめて、我らは獣を名乗り、貴様らに吠えたて、牙を剥こう。
それが双子の目的であり、慟哭であった。
「………………ふん、貴方たちが悠長にしてくれたおかげで傷も塞がりました。」
「そして、疑った上にご迷惑をかけてごめんなさい。カルデアの方々。……どうか、どうか今だけ力を貸していただけないでしょうか?……あの子たちは、止めなければなりません……!」
こうしてカルデアとカリュプソーは、最後の戦いに挑む!
───【■■■ 着装】───
決して獣としての銘を与えられることは無く、7つの人類悪にはカウントされぬ哀れな迷い子たち。
“シャドウサーヴァント”ならぬ“シャドウビースト”というべき存在。
悲恋/悲愛のシャドウビースト、ナウシトオス/ナウシノオスを撃退せよ!>>43
「子供が生えたと思ったら駄々こねて最後の人間たちに襲いかかってる……(卒倒しかけつつ)」
ふふふ……!んふふふfalling moonの最新話出来たの貼ってもよろしいですか
ファファファいけー!
一秒たりとも無駄にはできない。理仁は走り出した。
柳花が、アーチャーが切り開いてくれた道を突き進み蘇芳の元へと駆ける。
自分に救えるだろうか、と理仁はひとりごちた。こんな土壇場にありながら唐突に不安が押し寄せてきたのである。果たして自分に蘇芳を救えるのか?
脳裏をよぎるのは東京にやってきて初めての友達が笑顔を浮かべる姿だった。明るく、何より優しくあろうとした三義経子はもういない。けれど彼女が言ってくれた言葉に突き動かされて今日までの間久部理仁がいる。今もこの胸の中に生きている、そう表現するべきか。
(けど経子は)
凪咲は嘘を言ったのかもしれない。経子が裏切った理由は浦戸に恋をしていたからだ、などと戯言かもしれない。
そう、戯言だった。真偽など関係はない。衝撃を受けこそしたが、妙に気持ちはスッキリとしていた。
あの日、揺れる電車の中で告げられた感謝。それだけは本物であったと断言できる。経子が心の底から言ってくれたのだと。
(俺はヒーローなんかじゃない。でもアイツがそう言ってくれたなら……それらしくやってみるか!)
>>48
一歩が早まり、理仁はどんどん蘇芳へと接近していく。吐血を始めた彼女は戦闘を行う力も残されていないのか肩を震わせ、今にも崩れ落ちてしまいそうな肉体を無理やりにでも行使している。
蘇芳が何事か唱える声が聞こえる。まだ戦おうというのだ。詠唱が進む毎に体のどこかが悲鳴をあげているはずなのに、それでも蘇芳は戦う意志を失わない。
「やらないと、そうしないと……でないと、皆帰ってこない」
健気というべきか、それとも哀れというべきか。そんな蘇芳の姿に理仁は身に覚えのない記憶を呼び起こした。
『頑張らないと、聖杯を手に入れるんだ。でないとオレは……オレは!』
一体いつの思い出なのかをすぐに頭の片隅に追いやり、理仁は蘇芳へと駆け寄る。近づいてくる敵を迎え撃つべく身構える蘇芳だが、その手からスルリと黒い羽がこぼれ落ちてしまう。
これが最後だと言わんばかりにまた蘇芳は血の塊を吐き出し、遂にガクリと膝が折れ、受け身も取れずに倒れるその瞬間、ギリギリで理仁は彼女を抱き止めていた。
「あ、う」
言葉にならない呻き声をあげながら、蘇芳は手を棒のように振り回して理仁の体を叩いた。まだ戦える、とでも言うかのような動きに彼はぎり、と歯を噛む。
喫茶店での話していた時の蘇芳は珍しく楽しそうだった。何かから解放されていたようで、思わずこちらも軽口を叩いたほどだ。
だが今はどうだ。焦燥と狂気に蝕まれ、命をすり減らしながら人間としてのすべてを願いに注ぎ込んでいる。
>>49
「蘇芳」
「やらなきゃ、わたしが、にいさんのために」
それが全てなのだ。どうしようもない偶然で、兄が死んだ。黒鳥蘇芳という少女は肉親を手にかけた罪悪感に使うがされるままに今日まで生きてきた。
『もしも貴方の目の前にその通り魔がいるとして、これまで何人殺したのかとかまで詳しく話したとする。どんな言葉を貴方ならかける?』
蘇芳の体をギュッと抱きしめる。理仁は喉を震わせ、意を決して囁いた。
「──もう、やめようぜ」
「……っ」
蘇芳はぴたりと動きを止める。どんな表情なのかはわからないが、喉が震えているのか奇妙な息遣いが聞こえる。
償いの為に生きて、償いの為に死ぬ。一度だけ正気を取り戻した時点で蘇芳には自分の命など勘定に入れるものではないと断じてしまっている。けれど理仁はそんなものを認めるつもりはなかった。
令呪に命じると共にライダーが実体化し、理仁が前から抱きしめているのと対照的に蘇芳を後ろから両腕で包む。しばらくして彼女は眉をひそめた。
「マスター。取り除く事は出来ますが肉体に及ぶダメージは凄まじいものになります。痛みに彼女が耐えられないかもしれません」
「やってくれ。今はこれしかない!」>>50
強引な手段であると理解している。だが蘇芳の命を助け、更に彼女に自分の言葉を伝えるにはこうする他に手段はなかった。
ライダーの細い指が蘇芳の首筋へと当てられる。次の瞬間、細い首にいくつもの黒い線が浮き上がる。血管の中で暴れ回っている凪咲の術式が、ここまで侵食しているのだ。
「がぁ、ぁぁぁぁああああっっ!!」
全身を蝕む毒を一気に抽出するなど、どれほどの痛みがくるかなど理仁には想像もつかない。蘇芳の絶叫はまさに命を削るようなもので、間近でそれを聞く理仁は背筋が粟立った。
もしも耐えられなかったら──頭をよぎる不安を押さえつけて彼は蘇芳へと語りかけた。
「聞こえるか蘇芳。頑張れ、耐えてくれ!」
「ぎぃ、いいい……!」
背中に爪が立てられる。蘇芳は何かに抗おうとするかのように指へと力を込めていた。
「もう放っておいてよ。私を死なせてよ」
ポツリと彼女は呟いた。全身を襲う痛みに苦しみながらも、わずかに凪咲の支配から抜け出そうとしている様だ。だが漏れ出た言葉はやはり罪の意識によって染め上げられている。
少しでも意識をこちらに向けさせる。注射する際に何らかの囮を用意して、少しでも別の事を考えさせようとするそれのように。>>51
「ダメに決まってんだろ。生きろ!こんなにボロボロになって……もう良いだろ!?償いなんて終わらせちまえよ!」
「……今こうして生きている、それだけで罪みたいなものじゃないの。家族を皆ころした私が生きていて良い理由なんてどこにもない」
「いいや理由はある!オレはお前にしんで欲しくないと思っている。それじゃダメか?」
咄嗟に理仁はそう叫んでしまう。蘇芳は何か言い返すたびに口をつぐみ、それから苦しげに息を吐いた。ある程度話が出来ているものの、それでも時間が少ない事に変わりはない。今にも消え入りそうな様子にじっとりと嫌な汗が湧いた。
「蘇芳、お前は冷たい奴に見えてそうでもなかった。洒落だってわかるし、コーヒーには結構ミルク入れるタイプだ」
「急に何を……」
「オレはお前の事をもっと知りたい。それにまた何か料理を作ってくれるって話もした。そこんところの約束破る気か?」
「それだけ?それだけで死ぬなって言うの」
「オレ個人のわがままだよ。やりたい事たくさんあるからしんでほしくない」
蘇芳が呆れた様に笑う。かすれた声色だが、少しだけ理仁のよく知る彼女に近付いている。
「兄をころした私を?両親をころした私を?」
「そうだ。前に言ったはずだよな、オレはお前を許すって」
「……人をたくさんころした私を?」
「ああ!だからお前はここにいて良いんだ。もし、もし誰かがお前には罪があると言ったとしてもオレが守る。たとえ世界中の人間が蘇芳を咎めるとしても、オレだけは味方になる」>>53
自分にそんな価値があるのかとか、確かな保証にもならない約束など何の意味があるのかとか、叫んでから頭の中でいくつもの疑問が浮かぶ。それでも理仁はどうしても蘇芳に生きていて欲しくて、ほんの少しだけ見せてくれた彼女本来の姿をもっと見ていたくて、その一心だった。
直後、蘇芳の瞳が揺れた。何事かとライダーへと目を向けると、頷きが返ってくる。
「マスター離れてください!一気に取り除きます!」
言われるがままにさっと離れ、そこからは一瞬だった。ライダーが気合を込め、勢いよく蘇芳へと力を流し込むと同時に彼女の肉体は弓の様にしなり、そして次の瞬間勢いよくその口からドス黒い液体が滝の様に吐き出される。
それら全てが凪咲の攻撃なのだと理解し、怖気に理仁は呻いてしまう。経子の肉体にもアメーバじみた液体が染み込み、そして彼女を死に至らしめたのだ。
「えうっ……ゔふっ……」
「蘇芳!」
全ての毒を体から排出し、少女は苦しげにえづく。地面に撒き散らされた液体を避ける様にして理仁は駆け寄り、顔色を伺う。
著しく体力を消費したせいで顔色は青白く、額には脂汗が浮かんでいるものの蘇芳は覗き込んでた理仁をじっと見つめ返す。どうやら反動によるダメージを耐え切った様だ。>>54
「大丈夫か、オレの声聞こえるか?」
「……うるさいくらいに聞こえるわ。ずっとね」
「まだ、死にたいと思うか?」
蘇芳は震える手で理仁の頬を撫でる。手汗でじっとりと湿っていて、冷酷な彼女らしくない人間味を感じさせる体温が肌を通して伝わってくる。
困った様な、呆れた様な、多くの感情が混ざり合った表情を浮かべながら蘇芳は、ポツリと言った。
「私の罪は消えない。何より私自身が、自分を許す事なんて出来ない」
「……」
「そんな私に貴方は生きろと言った。加えて許す、とも。なら発言の責任は取ってちょうだい。こんなどうしようもない人殺しが罪を償い、後悔と罪悪感に苛まれながら死ぬまでずっと……そばにいて」
「───良いさ、それくらい、それくらいの責任何十年でも取り続けてやる」
蘇芳は青白い顔で、笑みを浮かべた。これまでよりもずっと柔らかで、何かから解放された様な明るい笑みを。
理仁は頬に触れる手を握り返す。体温を確かめる様に、離しはしないと誓うかの様に。よっしゃ決めました
児雷也イベの知識人の味方枠、レージュさんの菅原道真をお借りしたいと思います
あと唐突で申し訳ないですが、はぐれサーヴァントの中ボス的な枠であやかさんの西湖をお借りしたく。塔の途中(大体中盤辺り)で複数回立ちはだかる相手みたいな感じで使いたいんすけど大丈夫ですか?
>>4
おー、滅茶苦茶それっぽくて良い礼装とコマコですねえ…!!
何気に源内さんが少し気になってたので嬉しい…
あと礼装枠あと1枠とコマコ2枠募集してますー。大体あと星5枠が1つ空いてるので良ければ暇な方どうぞー。
>>17
うわでた(滅茶苦茶やべーやつのエントリーに戦々恐々とする京極)
チーム的にも少し心配な状況での滅茶苦茶な強ボス、しかも恐らく二人同時だから恐怖しかねえ…
頑張れルナちゃんと獅音!!ちなみに仮面部分はハサンたちみたいな骸骨ではなく、胎児のあのギョロ目をイメージしてます
>>65
(ニコッ)!よく考えたら説明してなかったと思ったので今のうちに説明しようと思った豆知識
趙雲の涯角槍は風のエネルギーを噴出できる槍だけど実は超低出力(気持ちよく涼める位の弱めの風)モードがあったりする。さっきプルフラスに掛けてたのはそれ。
生前にメンテナンスを頼んでいたと思う月英殿がいつの間にか仕込んでいたモードで、最初は(いつもの遊び心、という奴だろうか…)と思っていたらしいが、何だかんだで移動で疲労した時の体力回復手段として重宝したとか。多分マイナスイオンも出せる。月英殿ならできそう。レージュさんごめんなさい。
という与太SS以外ではそうそう使わなそうな豆知識でした
これにはプルフラスも涼める筈>>87
…ですね!!
オールスターでやる水合戦とか絶対楽しいっすもんね
皆でチーム構成とか色々考えてみるのも面白そうですしぼちぼち考えてみますか…!!ふと考えたスプラグーン与太概念
Dクラスでク.ソデカ山車型移動要塞的な物(許褚が引いて走り回る)に乗りながらガンガン暴れまくるチーム曹操(曹操、槍張遼、水着典韋)概念
↓これみたいな物に乗って暴れ回る感じ的なイメージYouTubehttps://youtu.be/DYHt8kmCUkY
そういえばレージュさんに質問が
スプラグーンのウォーターバトル中にスキルの使用って合法ですか?
例えば
・趙雲の涯角槍ブーストで高速移動したり風で一気に水を飛ばして攻撃する
・黄夫人とかの宝具で防御用の壁とか追加の銃とかタレットを作ったりする
・さっきの曹操様山車戦法
こんな感じのとかはどういう判定になります?いや、いやもうカタカナにしただけの「ウチミズ」でいいのでは…?(混乱)
>>98
スプラグーン、ギリギリのギリギリかなあとは思い悩みまして……
なるほど……!ウチミズがオチミズ(変若水)を求める魔術儀式が訛ったものである事は明らかだと民明書房の本に書いてありました
>>99
打ち水であり撃ち水でもありましてよ
人数は元ネタ考えると4VS4なんでしょうけど…固定するとやりづらくなるかもなので1〜4人の範囲なら何人でもOK、くらいのゆるさがいいんじゃないでしょうか>>102
(そうだったんだ…)
魔術儀式ウチミズ………響きが、悪くない…暑くて眠れんのでレギュレーションをちょっとだけ考えてみました
検討お願いしまーす
・剣とかの武器は勿論使用禁止、キャスターの使い魔とか爆弾みたいな小道具とか魔術は一度に出せる上限とか決めて使用OK
・三騎士等の普段の武器を使えない鯖は水鉄砲とかの武器のグレードというか威力とかが上昇する補填を付ける。
・大まかに分けるとキャスターみたいないつも使ってる奴でサポートしながら水鉄砲も撃てる鯖、いつもの武器使えない分強化されてる水鉄砲等の武器で戦える鯖に分ける感じとかどうです?
・宝具は1チームにつき一人のみ、2回まで使用OK。武器系宝具なら一瞬だけ出せる。いわゆるウルト的なアレ。
・ある程度ダメージを喰らったらリスポーン。なんかルーンとかの力で自動リスポーンとかでどうです?
・Dエリアはこの辺無視して戦っておk
みたいな感じの案を出してみます。どうですか?
まあ俺スプラ未経験APEX勢なので参考にならんかもですがお許しください
あとスキルは正直いい案が浮かびませんしたスイマセン…お久しぶりの生存報告。
ちょっと仕事でメンタルやられてましたが私は元気です。『夏の!カルデアウチミズ祭(フェスタ)2023!〜納涼対戦サバサ☆バトル〜』
トンチキさが足りない気がする…そういえばオーギュギアーイベント、
霊衣枠
☆5礼装枠
☆3コマンドコード枠
が空いておりますのでよろしければ~と宣伝去年の反省込みで考えると打ち水イベはメインストーリーとかというよりはそれぞれ適当にガンガン対戦カード組んでガンガンバトルSS書いてく感じが良さそうな気がしますね。
リレーでバトらせるも良し、一人でガンガン書くも良しで色々できそう
>>112
よっしアザス!!
やっぱレージュ先生からOK貰えると何か安心しますね…
>>113
やったぜアザス!!
ここからは個人的な考察なんすけど、家綱に加えて月英殿も武器とか作れるのでグレネードというか水風船等のサブウェポンも使いまくれるしルールによっては自陣に堅牢なバリケード作る事も可能かもしれない。
そして前衛では無窮の武練持ちの趙雲と敏捷A+の長七郎っていう高機動アタッカーがガンガン戦いながら攻めていける。って感じで霊衣絡み抜きでも純粋にバランスが良いと思うんですよねこの4人。全員コミュニケーション取りやすい点も良い
高機動力のフォワードと堅牢なディフェンス兼サポートが噛み合ってるみたいな感じで強い気がするんすよね。>>130
よかよかよかよ~!よーし児雷也イベ全プロット完成ッッ!!
今までの俺の鯖で色んな方から結構な人気が出たのは恐らく趙雲のみ、次点典韋ちゃんだと思いますが児雷也を久々に色んな人に使われそうな鯖にする勢いでブッ放します!!
お楽しみに!!
ちなみに大体6〜7話位の更新で完結する見通しです。打ち水祭、多分趙雲は弓の逸話無いし先陣切って戦うタイプだと思うから敵の攻撃回避しながらショットガン型水鉄砲で近距離戦仕掛けると思うんすよね
ショットガン型水鉄砲って何?
>>138
たすかる
アザッス!!わ…わしもイベント頑張るかのう!!
あと前に一回だけ書いた狂った京都犬王イベントせっかくなので最後まで書きたいと思います>>146
お久しぶりです。
前のような勢いで書く事ができなくなって、整合性やら理屈やらを考えてると文章が浮かび上がらなくなってしまいね……。>>145
まあアイデアは幾ら出しても損は無いですしガンガン出しても良いんじゃないかなって俺的には思います。
絶対にクラス=兵種の型に嵌めるとなるとアレですけどこの概念はチームの役割分担の基準というか参考にできそうじゃないかなって思いますし良いと思いますよ!暑さについてのコソコソ小話
ホレスの生きた時代、1757年の7月はヨーロッパ諸国に大熱波が訪れた。パリは最高気温37.5℃を観測し、ホレスの住むイングランドでも月平均気温は18℃以上になったとか。
普段の7月平均気温から+2.5℃でしかも当時は今のようにクーラーも断熱材もない時代。ストロベリー・ヒルハウスを随時改築中だったホレスもこれには「熱波のせいで死ぬかと思った」「この年の暑さについてあと何回話せば良いと言うんだ!」と根を上げていたそう。
だからホレスは打水祭に絶対参加するだろうなって話でした。ウィンチェスター夫人やジョン・ハンターさんやトーチハンズさんや乳の親さんなんかを引き入れてイベントだからか、飛んで上から狙おうとしてたのに翼を濡らされて落っこちちゃうイカロスとか気合い入れすぎて中の水を凍らせて銃身が詰まっちゃうスネグラーチカとかそんな絵面しか浮かんでこない私です
というか飛ぶのって反則なのかな…どうなんだろう…ビートルと景清はレギュレーションの裏をかいてきそうな気がしてしまう。
只今、wiki内のオーギュギアーイベページを整理しつつ情報追加しました~
月英殿特製の風の勢いで水を噴射するショットガンを使って先陣切る趙雲
絶対音感でフィールド全体の敵の動きを探って司令塔になる周瑜
曹操様乗せた櫓を滅茶苦茶な速度で片手で引き回しながら片手で銃撃ちまくる許褚
とりあえずパッと思いついた各自鯖の雰囲気的なやつ
周瑜とか軍師チーム的な物作るなら入れたいなとか思ったりするけどできるかな…
>>151
コンセプトも相まってVRAINSシリーズ感あるなって我ながら思いましたね…
とりあえずイケメンって言われて安心しました
あと児雷也も水着霊衣準備中なのでお楽しみにー
え?早すぎる?えるしってるか このスレの水着鯖に1年経過ルールは存在しない
>>155
綺麗だ…
>>159
ですね。史実無視でその鯖の雰囲気に合いそうな奴をブチ込むとそれっぽいと思います。
俺もそれで去年花火バズーカ持ちお祭り女子典韋ちゃん作りましたよ>>164
おぉう…まあそれは仕方ないっすね…
ところがどっこい花火銃抜きでも水着典韋ちゃんは一定時間動かなかったら射撃の火力上がるスキル持ってるアーチャーなので普通に参加はできる筈です…多分…あれ? そう言えば俺も今回のイベに参加してたっけ?
>>167
水着です。
言われるまでイベが3つもあるの忘れてた。よーし出来た…!!
児雷也イベプロローグ前編貼っておKですか?チェスト関ヶ原せんでええのんか〜?
よーし
久々のSSだニャー(アバ◯ピサロ)忍。
今は昔、日の本の国に、それは存在した。
室町時代以降に生まれ出したとも言われ、或いはかの厩戸王の時代に最古の忍がいたとも言われている。
大名や領主等の存在に仕えていた者もおれば、独立して道を歩んでいた者もいると言われている。
諜報活動や破壊活動といった普遍的な暗部の活動を行っていたとの話もあれば、忍術や妖術等の摩訶不思議な術を使っていた、との話もあった。
絡繰だとか妖だとか、色々な伝承を聞かされた。
そんな摩訶不思議で、謎に満ち溢れた存在。
それが、忍者。
——あの時から俺は、その存在に成ったんだ。>>174
ある日のカルデアに鳴り響く警報音。
案の定、微小特異点の反応が確認されたという。
曰く、今回の特異点の場所は日本の長野。
現時点で判明している事は区1つ分程の極小の地域である事と、妙な霧に包まれており観測が難しいという事のみ。
「よろしくお願い致します。信濃国については多少の見識を持ち合わせておりますので、お役に立てたら幸いです。」
「信濃かぁ…面白え奴とか顔見知りがいりゃあいいが、期待は程々にって所かね。ま、よろしく頼むぜ。」
「精一杯頑張りますのでよろしくお願いします!!よーし、頑張るぞーっ…!!」
菅原道真、柳生十兵衛、ランサーのエウラリア。この3騎の同行サーヴァントと共に、マスターはレイシフトに赴く…!!
レイシフトを敢行したマスターと3騎のサーヴァント。彼らは、目に映ったその光景に驚愕を浮かべる。
「……おお。信濃国がどういった類に変化したのかと思っていましたが…こればかりは流石に予想外、といった所でしょうか」
紫の薄い霧が、街を包む。
「へえ、これまた奇っ怪な特異点なこって…」
霧の中に、数多のカラフルなネオンの色が輝く。機械の音が、街にこだまする。
「マ、マスター。この都市、まるで……」
そう、この特異点の信濃の都市は、完全に———
『サイバーパンクだこれーーッッ!?』
近未来の様相を呈していた。>>175
絡繰幻想忍法帖〜幻霧の都市の摩天楼〜
特異点名 幻霧機巧楼閣 シナノ
奇妙な霧に包まれ、近未来のサイバーパンクの様に変質した都市。
その都市を探索しているマスター達は、中央に天まで届く様な巨大な摩天楼がある事に気付く。だが、その時突如機械のエネミーが襲い掛かる。
一行はそれを難なく撃破、した様に思われたが…
「戦闘終了、ですね。…あれ、道真さん、十兵衛さん?」
「…おかしいですね、少しばかり調子が出ない」
「奇遇、俺も右に同じだ。…いや、そこまで大した事って訳じゃあねえがな」
道真と十兵衛曰く、簡単に言えば3割程力が抜けている感覚があると言う。エウラリアは「不思議ですね、私は何とも無いというか、全然元気なんですが…」と言っているので恐らく何の影響も受けていないらしい。
謎を抱えたまま、とりあえず見えた巨大な摩天楼を目指してマスター達は進み始める。>>176
すると、多くの機械エネミーから逃げながら応戦している一人の見慣れないサーヴァントを発見する。
『侵入者。破壊優先度EX。排除スル。排除スル。』
「チッ、そう簡単にやられるかよ!!そこだ、蝦蟇!!」
バリィッッ!!
「よし、3体倒したぜ…!!」
絡繰の蛙の様な使い魔を大量に操り、エネミーを狩っていく謎のサーヴァント。だが、物量の多さにキリが無く、苦戦している様に見えた。
「ハハッ、そんな戦力でこの天下の忍にして無双の義賊の俺を倒そうなんて見くびられた物だぜ全く…悪いがどれだけ時間を掛けようともお前ら位なら全員倒せ………ウッ!!」
キィィィン……!!
「……ク.ソッ、またコレかよ…!!」
いきなり勢いが弱まった様に見えたサーヴァントに対し、エネミー達は攻撃体勢を見せる。
それを見たマスターは。
『…あの人、助けよう!!』>>177
突然前に出るマスター。いつもの事故に即座に応えて後を追うサーヴァント達。
『新規危険性反応。危険度測定。測定完了、A+。破壊対象。排除スル。排除スル。』
「うっ…はあ収まった…ん?……ちょ待て、誰だ、アンタ…!?」
『大丈夫ですか!?』
「…あ、まあ大丈……コホン!!愚問だな。全く問題無いに決まっているぜ!!ハハッ——いてっ!?」
「カッコつけてんじゃあねえよ。お前の事は知らんが少なくとも万全、って風には見えねえぜ?」
「加勢します!!ただ、終わった後に詳しい話をお聞かせ下さいね!!」
「……マジか、これが地獄に仏……いや、恩に着る!!」
素直に礼を言って、フードのサーヴァントは立ち上がる。全員が構え、道真がマスターに叫ぶ。
「行きましょうマスター、ご命令を!!」
『うん。行くよ!!』
BATTLE>>178
機械エネミー達を撃破したマスター一行。
「…少し鈍ってはおりますが、それでも造作の無い位でしたね。……ところで、そちらのお方。」
「…えっ、俺?……あっ!!……フッ、如何された…?」
「はい。私はランサー、エウラリアと申します。その、貴方はここのはぐれサーヴァントなんですよね?だから、詳しい事をお聞かせしてほしいなーって…」
「…あ、了解した…フッ。推察するにそこの少年/少女がマスターって奴…なんだろ?ならば自己紹介をさせて貰うとしようかね。あー、テステス。あー。(低音でチューニング)」
先程隠しきれてなかった素から急に厨二ぶった感じになり、仰々しい口調でサーヴァントは真名を語る。
「そう!!俺こそは!!(爆竹爆発)クラス・キャスター!!(絡繰蝦蟇から花火)忍にして大盗賊!!(バク転からの空中回転からのヒーロー着地)江戸において名の知れし天下の忍…サイバー忍者、児雷也!!(何か凄い効果音)…よし、上手く決まった…さーて反応は、と」
マスター(苦笑い)
十兵衛(何やってんだ的な目)
エウラリア(少し目を輝かせてる)
道真「すみません、その動きに何か意味はあるのでしょうか?」
「……アレ、気合い入れたのに反応うっすいな……」
こうして厨二病みたいなよく分からん謎のサーヴァント、児雷也と遭遇したのであった。以上です
とりあえず今回の固有ギミックを1つ紹介したいなって
『幻霧』
永続デバフ。サーヴァントが持つ■■が大きければ大きい程デバフが大きくなる。
精神力で効果を減らす事が可能。
児雷也にはデバフ効果が大きく、十兵衛と道真には少し効く。エウラリアには効果が無いようだ。
ちなみに今後の為に解説しときますと、児雷也の口調は厨二的な口調と素の軽い口調の二つの側面があって、ツッコミとか何か想定外とか等色々な状況で割と簡単に素の口調が顔を出す様な感じだと思って書いていただければ。
とりあえず今回お借りした3騎のエミュは合ってますでしょうか…?どんな合戦チームにしようかな…
>>180
これは児雷也好きになっちゃうでしょう!
怒涛の勢いにやられてしまった。ちょくちょく素に戻っているのも良い
>>181
実はですね監獄長、私もアイスランド人のマスター作ったのですが
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/wiki/フリーヤ・シグルザルドッティル・ヴィゾールヴ
ブリュンヒルド・ヤルンテイン、グルヴェイサ・グローティアとの関係性を決めたいのですよぅ(疎遠・割と付き合いがある・敵対関係etc)>>183
知らないうちに凄いのが登場してた……(戦慄)
グローティア家とは、友好的とも、敵対的とも違う距離感の間柄という感じで。一応は幻想寄りに位置する家系で、彼女たち自体は“北欧の自然の嬰児(ミストカーフ)”ですし。
ヤルンテインは、疎遠……でいいかな? 依頼があれば話すけれども、それだけの関係。まあ一族の神秘的にはオーディン側なので、あまり仲良くはしたくない的な……?キャラシやストーリーの伏字、まあ看破できるニキネキも何人かいそうな位の伏字の難易度なので良かったら考えてみてくださいねー
>>181
カッコいいけどおもしれー男で絶妙に残念なイケメンみたいな感じを目指して作りました!
結構いいキャラだと思うのでこの先をお楽しみにー、
>>182
バトルモーションは結構派手な感じを想像してますねー、絡繰蝦蟇からビーム撃ったりチップ型やカード型の巻物を斬って炎だの雷だの爆発だの起こしたりする感じのイメージです
エミュ合ってて良かった…
>>183
ここから更に好きになれると思いますよ…!!マジで久しく感じてなかったガチな手応えを感じてますので自信持てます
割と簡単に素が出るタイプの厨二忍者です
>>184
よーし良かったー
お、何か勘付きましたか…?>>182
「ほう……! 聖地、聖地とな! 彼のアウレリウスが求めて止まなかった聖杯、その奇跡の出所か! 実に興味深い……! が、ワタシとしては、お前の魂、その精神に些か惹かれるものがあるがな」(サラディン)
かつてのアーサー王をちょっと思い出して、殺し合いたくなっている様子です。21時あたりにオーギュギアーイベの続き、投げます
>>186
ふ、今はまだその真実を話すべきではない……(意訳:ぴえん、わかりましぇん……)>>187
「……ふむ? 謀(はかりごと)は見事との一言だが……何故、顔を白塗りしている?」(周公旦)ただいまwiki内に<完>ページの追加とカリュプソーのマテリアルページの更新をさせていただきました~!
軍師かぁ…いたかなぁ、いないなぁ…
かろうじて隆元…ロベピー…いや絶対違うな…>>158
>>161
わぁいありがとうございます!京丸のビジュイメージは「女性ものの服を着れば可愛らしく、でもちょっと骨張った少女に、男性ものの服を着ればスマートに、でもちょっと乙女チックな少年になる」って感じ
ということでちょっと霊衣の文面練ってきます〜
>>180
サイバーパンク・シナノ…!?やはり長野県は魔境なんだ…()
しかし児雷也さんの機械的な人格?といい強いて振る舞っていそうな厨二言動といい幻霧ギミックといい考察しがいのありそうなネタが惜しげもなく…
>>197
母は強し!今思うとちょうど母の日&こどもの日付近ということでコレは…結末もあって中々趣深く…
ナウシトオスくんとナウシノオスくん、はじめ出てきた時「うみなおし的なアレか…?」とか思っちゃってゴメン…幸せであれ…
>>206
ム!コレは…亜種特異点の繋がりでリシュリューとか…いかがですか…?児雷也くんかなり感触良くてガッツポーズしてます
これはイベ後にすぐ霊衣出しても大丈夫だな…!!
>>216
まあ日本の中央かつ山に囲まれた場所ですからね、魔境になるのもおかしくは無いかもしれない(長野住みニキいたら申し訳ない)
あー、機械人格は敵エネミーです。この人格自体に深い意味がそこまである訳ではなく単に敵だなーって感じで見てもらえれば
そして皆核心突いてくるなぁ…!!いや伏線が機能してるみたいで嬉しいですが!!
>リシュリュー
良いんですか!?じゃあお願いします!!>>219
ピャッッッ(神絵師の児雷也で理性が蒸発する音)
しゅき
しかし一見クール系忍者に見えるがこれで残念なイケメンなのがまたベネなんじゃないかと京極思うワケやっと出来た>>8の続きを投下してもよろしくて……?そのあと遡ります
スキピオ「えっ?集団戦のイベントをやる?全員参加?何故もっと早く言わない。試してみたかった戦法が山ほど……水を掛け合う祭り?はあ……ふぅん……リストアップしてからそれ用の策を練るから。やるなら本気だから私、ガチだから私」
「どうした。この程度で灰になるような鍛錬しか積まなかったのか、お前たちは。そんな体たらくで僕を殺そうとしたのか」
アルバーンが呆れたように呟きながら、懐から球体を取り出し放り投げる。無造作に放ったように見えるそれは、何処にどの速度で飛ばすかを計算された上でその通りの軌道を描くもの。鍛え抜かれた武技のそれだ。無慈悲なまでに正確に、ルナたちが潜んでいる場所に命中させている。
「人に向かって爆弾を投げちゃいけませんって教わらなかったのか!?」
「お前ら異端は人じゃないだろう。僕は人には優しくしようと決めてるんだ」
「こんのク.ソガキ!」
「今年で40歳だよ、僕は」
40歳とは思えない幼さが残る、どう考えても少年ほどの顔立ちを曇らせながらアルバーンは歩き出す。カナリアが瞬時に作り出した影の槍檻を邪魔だと言わんばかりに粉砕しながら、リムの仕込んだ呪符のトラップも叩き潰す。どうやら両手に握った何かが呪詛を打ち砕いているらしい。
「気になるかい、吸血鬼」
「っ、えっ、金槌……」
「ルナ!……グ、ぉっ……!!」アルバーンが手に握りしめていたのは金槌だ。ただ、それが視認できないスピードで振り回しているからルナには何が持っているのか、自身の頭蓋に迫るまでわからなかったというだけ。慌てて獅音が庇うが、それでも勢いは止まらない。しっかりと受ける力を流す姿勢をとっていたのに、そんな獅音を後ろにいるルナごと吹き飛ばす。ただの馬鹿力のように思えて、相手の隙を突いた上で的確に力の加えやすい場所を殴りつける行為はれっきとした鍛え上げれた武術だ。
「っ、リム!カナリア!」
「バッチリです。呪符を貼り付けてもらったら……!」
「物理方面に寄せたとっておきだ。吹き飛べ若づくり」
東洋と西洋。呪詛の体系は違えど呪いという面では共通性が見出せる。カナリアの血液とリムの儀法で創り出した特製の呪符を、獅音が半ば捨て身で貼り付けることでこの呪術は真価を発揮する。身体を対呪詛の祝福で覆っている聖堂教会の敵を相手に、あまりにも呪いに寄せたところで無意味。ならば物理的性質を帯びた方向性で攻めていけばいい。呪符から発生するのは炎を帯びた風の刃だ。人体など容易く断ち切る。
「指と腹ぐらいなら持っていけるだろう」
「………そうだったら、良かったんですけど」
「なに?────なっ」
「見通しが甘い。僕が、僕の身体が、この程度で傷つくとでも?」凡そ人体が奏でる筈のない音を出しながら、アルバーンは平然と立っている。確かに右手の指が二本、左手の指が一本吹き飛び、腹部は裂け、手を差し込めそうなほど真っ赤な一文字に開かれている。ただおかしいのは、それらが人のそれとは思えない速度で再生し続けていること。腹部も、指も、まず自然に治るようなものではない。ものではないのに、止血や傷が塞がるどころか再生するのは何事か。
これがアルバーンの身体に施した聖堂教会の秘蹟と技術の末。一部の代行者に存在するサイボーグ化する機械の技術とはまた異なったバイオテクノロジーと、第八秘蹟会のとある概念武装を移植した、人ならざる回復能力を宿す手段。拒絶反応の発生率があまりにも高すぎて、アルバーン以外には成功例のないものだ。しかし、その分効果は絶大で、この程度の傷なら難なく修復してしまう。
「よし、決めた。獅音くん以外はこのまま全部殺してしまおう。僕も暇ではないからね」
巨大な教本を開いて、億劫な、しかし確かな殺意を込めた瞳で、ひとつ。
「罪は水で灌がれよ。欲は焔で燃え尽きよ。魔は雷で裁かれよ。天に御座ます父の指先が、あなたの生を解き切る。来たれ、創造主たる聖霊よ(ヴェニ・クレアトール・スピリトゥス)」
ごっそりと、周囲のマナが消費される感覚。それと同時に、大量の水が木々をへし折り、雷が焦がし貫き、炎が全てを焼き尽くす。対霊体に特化した洗礼詠唱には珍しい、物理的破壊力を帯びた聖句が書き連ねてある鋼鉄の聖書。持ち運ぶだけでも1トンの重さを誇るディストルレジェレの意訳聖書(テキストブック)こそがアルバーンの本領だ。金槌も、爆弾も、あくまで補助武装。これこそが彼の武器。
金槌で迫る物全てを打ち砕き、爆弾で立ち塞がる全てを爆ぜ砕き、洗礼詠唱で異端の全てを塵に還して浄化する。彼が一度口を開けば、腕を振れば、辺りは全て焦土になる。その癖、アルバーンはどれほど傷を負ってもけろりと無傷で立っている。ああ、歩く火薬庫という渾名が相応しいほどの化け物だ。司祭であるという立場から代行者のように戦場に立つことは少ないだけ。単純な戦闘力で言えば、きっと並の代行者など軽く凌駕する。「埋葬機関のお歴々には負けるけどね。火力も再生力も。傷だらけのお前たちには負ける気がないが」
「っ……オレたちの目的はお前を殺.すことじゃ、ない」
「逃げれば勝ちなんです。わたしとキャナリさん、あなたと戦っているこの状態が、わたしたちにとって優位になる」
「ああ。僕が殴り飛ばした衝撃を利用したつもりなんだ。浅いね。もう一人いるのに」
走る。走る。あの司祭に五人がかりで挑んだところでみんなが物言わぬ骸になるだけ。マヴが死ぬこと自体は計画の遂行に問題はないが、他の仲間が死.ねばマヴの遺体の運搬が困難になる。何より、ルナと獅音の二人はマヴを死体にすることを納得しないだろう。だから、逃げる。司祭がこちらを追いかけようと気を割けば、その分カナリアたちの生存率も上がるだろうから。
「なんて、いじらしい。でもダメ、戦士としてはまだ未熟かしらね。ちゃんと話に聞いていたはずよ、私という執行者の存在を」
「……なんだこれ」
「まずっ、ルーン……!」
「っ、私はあなた達に“力”を与え────」
「おっそ」ダガズ(日光)。ハガラズ(雹)。カノ(灯明)。イサ(氷)。鋼の糸が紡ぎ出す大量のルーンが三人を取り囲む。糸で紡ぎ出すことで引き起こすルーンの大量生産。指などで引き起こすよりも、はるかに楽な方法のそれは、四方八方に設置されたそれぞれのシンボルを表す人形でさらに出力を増大させられている。本来であれば単体で敵を傷つけることは難しいルーンでありながら、魔術戦において充分すぎる殺傷力を弾き出すに至ったのだ。
「コンセプトは目立ちまくりの暗殺者、ってことで。カッコいいでしょ私」
今回のムーブは冷徹な殺し屋、ということでいつものロングの黒髪をしっかり括って、装いを古風な軽装に黒色のフードとばっちりファッションを決めてきた。形から入るのが彼女の流儀だ。そうすると人生を生きるのが楽しい。封印指定執行者、フローレンス・ヴァルトルームとはそういう女なのである。
「力を与えて肉体の強度を高めた判断は早いけど、そこから先の、力を貰った方の二人の対応が甘い。人形師、ルーン使いだからと油断したのね。百回殺されても仕方ないわよそれ」
マヴから譲渡された力で損傷を抑えたところで、待っているのはそれを遥かに超える火力の拳だ。さまざまなルーンが刻み込まれた各種属性の宝石が嵌め込まれたガントレットとブーツは、その拳の威力を何倍にも高めあげる。さらには知らぬ間にルナと獅音の手足に括り付けられた糸がその体を縛り付け、人形が口から響かせる呪歌が筋肉の動きを阻害する。
動きが鈍くなった二人を狙うのは、執行者の本気の拳。人体を容易く貫通する威力を帯びた拳や脚の衝撃。マヴが与える力で肉体の強度を人のそれから引き上げたのならば、引き上げたそれが砕け散るまでにひたすらに殴り続ければいい。代行者の方はともかく、魔術師の方はそれで死ぬ。そう判断したこともあってか、積極的にルナの方をフローレンスは狙ってくる。獅音が鈍い体に鞭打ちながら庇おうとするが、それならそれで先に獅音を潰せば済む話だからだ。
「せめて私の本命を見せるぐらいは張り合って……いや、面倒だからやっぱりいいわ。潰すわね」
「馬鹿に、するなよ……ルナ!マヴ!」
「任された!月がきれいで────」「あとで返してもらうわよ!ルナに早詠みの力を与えます!」
マヴが与えた力は詠唱。本来のルナが持つ詠唱の技術よりも卓越した詠唱を行える加護をマヴが与えたのだ。それは一時のものであるが、その一時さえあればルナがいつもの倍の速度で魔力弾を乱射することは不可能ではない。呪いや死者を弔い灼く灯明魔術の効果が、呪いを吐き出す人形を死者に見立てて破壊する。呪詛の性能を高めるために、フローレンスが死霊魔術の一端を利用したのが効いているらしい。さらに言えば、乱射し続けることで鋼糸も焼き切って拘束から皆を解き放っている一面もある。
身を抑える呪詛が、糸が、解けたのならばこちらのもの。一瞬の隙を突いて獅音の捻り出した拳がフローレンスの頬を射抜き、そのまま逆手で繰り出したナイフが脇腹を刺し抉る。丁寧に刺してから捻っているので、かなりの損傷を与えられるはずだ。
「魔術師にただ筋力で挑むのはちょっと甘かったかもしれないわね?少し、素のフィジカルが足りないわ。もっと鍛え直して」
「……かっ、た……!」
「見せてあげましょうか。これが脈々と受け継いだ北欧の軌跡。麗しの戦乙女と狂戦士を模した自動人形(オートマタ)。今の時代じゃ珍しい神秘の結晶よ」
表面にびっしりとアルジズ(守護)が刻まれた液体金属が、フローレンスの体と獅音のナイフの間に挟み込まれていた。その元を辿れば、そこにいるのは互いが互いを支え合うように立ちはだかる一対の男女。勇猛な戦士と、美麗な乙女がそれぞれ剣を、槍を、握りしめて立っている。
瞬間、三人は宙を舞っていた。マヴの守護の加護がなければ、挽肉ではすまなかっただろうというほどの速度で、木々に衝突しながらカナリアたちがいる方向に吹き飛ばし戻されていく。何が起きたかわからなかったが、自動人形の残心からして槍と剣で吹き飛ばされたのだろう、と焦り動揺する状況の中で、頭は妙にそんなことを考えていた。きっと、生きる未来が見えなかったからかもしれない。なるほど、噂に聞く夫婦使いとはこのような女だったのか。ルーンと人形を巧みに扱い、常に相手から主導権を奪い取り、そして北欧のワルキューレとエインヘリアルを模した人形と共に自ら戦場に立つ。全て砕き、全て壊し、一切の呵責なく任務を遂行する。本人は常に楽しそうな顔で事を成しているのが不気味だ。本当に楽しんでいるのだろう。楽しんでいるのに、一切手を抜かない上に汚い手も容赦なく使う。戦士としての適性があまりにも高すぎる女だった。
ルナも、獅音も。そしてカナリアもリムも心の中でふとよぎる。先のリリカやウキとの戦いでも思い浮かばなかったそれ、戦い生きる気力を保つために思い浮かべてはいけなかったそれが、しっかりと頭にこびりつく。
────きっとここで、皆死ぬのだろう、という。あまりにも非情な毒が、心に忍び寄ってくる。残酷で当たり前の敗北を私たちに突きつけるように。
おしまい
次回、勝てるのか!?勝てたらいいな、勝ったら嬉しいな、無理そうだな、そんな感じのお話ですご期待ください吸血鬼と博物館 1をwikiに登録しました~
児雷也の霊衣仮案チラ見せしても…かまへんか…
>>239
成程成程…良いですねえ
となると今の所考えられる編成としては黒太子、リシュリュー、周瑜、周公旦って感じでしょうか…博物館編の続き投下していいですかー?
よーしよしよしよしよしよしいきまーす
「おーっとおっと、見えてきたぜお客さん」
「え、どこどこ? …………あった!」
どこか軽い運転手の言葉通り、目的地がうっすら見えた。
海の上にぽつんと浮かぶ孤島。群青色の影が落ちるあの島に例の"博物館"はあるらしい。
私は今、海の上にいる。
波を切り裂き、潮風を突っ切り、海上を爆走する車に乗って……うん、車。船ではなく車。この車は水陸両用なんだと運転手さんが自慢げに解説してくれたから大丈夫だってわかってはいるけど……なんだかものすごく不安。
不安に思うのは私が泳げないのもあるんだろうけど。
まぁそれはさておき。
「あそこが私のバイト先かぁ」
どんなところなんだろう、博物館。
カヴン先輩が言うには私の好きな神秘がいっぱい集められているんだとか。そんな夢のような場所が本当にあるのかな……あったらいいなぁ。楽しみ。
それに大げさに言ってるだけだとしてもそれはそれで別にいい。今回は冒険じゃなくてバイトしに行くんだから。
バイトだ。お仕事だ。お金を稼ぐのだ。私は"アレ"を後払いという形ですでに購入してしまっている。いまさら「やっぱり無理でした」とは言えない。なんとしてでもお金を用意しなくてはいけない。
そしてこのことをメレクにバレてもいけない。絶対に、絶対にだ。
借金とは違う目的のためにお金を稼ごうとしていること。そしてそれを『隠している』ということ。…………バレたらどうなるか、なんて考えたくもない。場合によっては本気で首輪を付けられかねない。>>248
しかし問題はない。バレなければノープロブレム。そうだ、バレなければいいんだっ。
メレクが知らないうちにバイトを終えて私は目的のモノを正式に手に入れてそれで終わり。それでいいんだ。それで。……よし、やるぞっ。
「もうすぐ着くぜー」
運転手さんの声を聞きながら、私は決意と共に両手をぎゅっと握りしめるのだった。
・ ・ ・
「奇遇ですね。ルナ」
「なんでいるのぉぉぉっ!?」
孤島の港に降り立ち。
かつての街の残骸を眺めて。
かろうじて道と呼べる通りを進み。
ネズミ姿ではない"本体"のカヴン先輩との待ち合わせ場所で目にしたのは、はじめましての先輩じゃなくて見慣れた金髪紫眼の男の子でした。
いやなんで。
本当になんで!? なんでメレクがここに!?
先輩が喋った? バラした? いやそんなことする意味なんてないだろうし……じゃあどこかでメレクに聞かれてた? どこかってどこ?>>249
困惑している間にもメレクはゆっくり歩み寄ってくる。
「そう驚くこともないでしょう。この島にある博物館がなにか考えれば、どんな魔術師がいても不思議はない」
「そ、そうだよね。うんおかしくない、フシギじゃない、うん」
「ええ。……まったく、不思議ではないのですよ?」
ゆっくり歩み寄っていたはずのメレクの顔がいつの間にかすぐ近くにある。
私が動揺していたにしても不自然に感じるような動きで……歩み寄る、というかまるで距離を詰めた、みたいな……
「当然ルナがこの島にいることも、なにひとつ不思議ではないのです。そのように怯える理由はありません」
そうでしょう? と口にしながら、メレクの手が吸いつくように私の頬に添えられる。
掴まれているわけでも、なんの力が込められているわけでもない、のに、その手は鎖をまきつけてくるみたいで、離れない。離してはくれないんだって、思った。
にこりと微笑んだその表情と、まったく笑ってないその目を見て、直感する。
「ところで。ルナは誰にも知らないようこそこそと、この島に何をしに来たので?」
ダメだこれ全部バレてる。
よし逃げよう。
「どうしました? ここでなにをするか、僕にも言えな──」「……月にえがいて 星をむすんで 見上げる夜空へ」「──む」
いっくぞ新魔術! 高度ゼロ星座飛行!
「ひとっとび!」
説明しよう! 高度ゼロ星座飛行とは!
通常なら上方向に向ける強烈なベクトル操作を前方に集中しただけの魔術! ロケットジャンプならぬロケットダッシュ魔術である!>>250
メリットは強化魔術と併せることで爆発的な加速を可能とすること!
デメリットは───100%、絶対、確実に、ころんでしまうこと! ぁぁあぁあぁぁ顔面スレスレの石畳がこわいいぃぃいい!! いだ!? いったぁぁあ!!
振り返ることもできないほどの勢いで私はその場から全力で逃げ出すのだった。
…………………………。
………………。
……。
「……まさか逃げられるとは」
確実に動揺を突けるエンカウント。互いの立場を簡潔かつ明確にする言葉選び。普段であれば詰みになる状況で……しかしルナは逃げ出した。
なるほど。意図はまだわからないが普段以上のなにかを秘めてアレはここに来たらしい。
不器用ながらもいつもとは違って隠そうとした以上、いつも通りでは通じないようだ。
「なら、いつもとは違う楽しみ方をするだけですよ。ねえ?」
なお楽しそうに笑う自分に、なんとも非合理的だと自嘲しながら軽い足取りで目的地へと向かった。
・ ・ ・>>251
必死こいて逃げて逃げて転がって。
つま先から頭のてっぺんまでしっかり土と埃にまみれた姿になったことも意に介さず、後悔だけが湧き上がる。
「……やっちゃった」
ぽつりとした呟きがこぼれた──ことすらも意識できずに、頭の中はどうしようどうしようとぐるぐる回り続けるばかり。
そもそも逃げるつもりはなかった。
いや反射的に逃げようとは思ったし、実際思った通りに体が動いてしまったのはその通りなんだけども。
それでもあの目が笑ってないメレクから逃げたのは失敗だった。超シンプルに言って後がこわい。おしおきかお説教かマシンガン嫌味トークか、三連コンボは無いと思いたい。隠しごとをしていた件を含めて洗いざらい話せばあっさり見逃してもらえないだろうか。
かと言って回れ右して逃げてきた道を戻るというのもありえない。だって今は振り返るのもちょっとこわいくらいなのだ。うーん進むも地獄、戻るも地獄。横道に逸れることも叶わない私は審判の日を待つばかりの身となった。
「決めた。後で考えよう」
今はいくら考えても悪い想像が堂々巡りするだけだ。となれば時間と心の無駄というもので後回しにするのも仕方ない、とっても仕方ない。現実逃避とか言わないでほしい。
それよりも、だ。
「たぶんここ……だよね」
気持ちを切り替えて目の前の建物を見上げる。
白く、高く、積み上げられたような様相の、ひとつの塔。
博物館と言うにはちょっとそぐわない気もする。博物館といえば横にながーい建物で、上下移動することがあまりない……ようなイメージ。それとも私が知らないだけで塔の形をした博物館というのもポピュラーだったりするのかな。
いやいやここは神秘の博物館。塔の形をしていることに意味があるのかもしれないし、塔に見えているだけで本当は違うのかもしれない。
塔から漏れ出ている神秘の気配を頼りに、あーだこーだと想像を巡らせながら調べようとしていると……。
「……なにやってんの?」
耳慣れていて、それでいて初めて聞く声がすぐ後ろからかけられた。>>252
声は小さなネズミの姿を連想させて。いつものクセで振り返りながら足元を見る。けれどそこには何もいなくて、代わりに赤いスカートがふわりと揺れるのが見えた。
目線を下から上へ戻して。そうして初めてその人物を視界に収める。
無造作に伸ばしっぱなしにされた赤紫の髪。橙色に光る瞳。いかにも魔女っぽいローブとなっっっがいスカートを揺らしている。
「……先輩?」
一体誰だとか考えるより先に口から出ていた。
目の前の人物は、毒林檎よりも赤い唇をにんまりと吊り上げて、言った。
「そうね、一応はじめましてと言っておきましょうか。アタシが本当で本物の、カヴン・プラミア。
名無しの教室の先輩として、そしてこの博物館の職員として迎えましょう。……輪廻聖杯博物館パンゲアへようこそ、ルナ。歓迎するわ」>>255
へっへっへ…後でたぁっぷり払うのですよ…あ、すいません打ち水の話です
なんか説明するの難しいですし簡単に自キャラで例えると
趙雲→前衛攻撃タイプ(機動力高い、対人特化)
周瑜→オールラウンダータイプ(音感による索敵得意)
許褚→前衛攻撃タイプ(ガンガン攻めまくる、上手く撃ち合えるかは知らん)
黄忠→オールラウンダータイプ(後衛でスナイパーする事も可能、前衛でガンガン撃ちまくる事も可能)
典韋(水着)→スナイパータイプ(一定時間動かないと威力上がるスキル持ち。水着のアーチャー霊基の為精度も高い)
児雷也→サポータータイプ(蝦蟇を操って索敵と不意打ち放射が可能。本人の腕はまずまず)
みたいな感じで簡単に纏めると分かりやすくてチームも組みやすいんじゃないかなって思ったんです
どうでしょう?>>265
オールラウンダーは間違いなくビートルですね。
宝具で簡単にレギュレーションの裏をかくので。
サポート面が強いのはトムとハック。
どちらかがチームに入って、残った片方が気配遮断と諜報を併用して試合中、間接的に妨害工作をして相手チームを削る(バレたら殺されても文句の言えない行為)。今更ながらマレオは小学生くらいの見た目して某栗まんじゅうパイセンみたいに缶チューハイとか「ハーーーッ」ってやりながらほっつき歩いてんだ
>>275
プルフラス「(フフンと満更でもない顔)」
昼間っから片手につまみ片手に缶チューハイとかもうぐうたらおやぢのそれであるちょっと書いてみたヘンゲストの幕間的な話を投稿します。
────白い竜をご存知だろうか?
ブリテンの物語、アーサー王伝説にて語られる赤い竜と白い竜の争い。
それは国を侵略せんとする異民族と、それを阻止せんとするブリテンの部族たちとの対立を象徴するものである。
白い竜とはその構図における片割れであり、ブリテンを象徴する赤い竜の敵対者────つまりはヴィラン側だ。
五世紀にて、概念受胎によって赤い竜の現し身として生誕したアーサー王。
そして、ブリテンの中で生じ、ブリテンを護らんとして白い竜の血を飲んだ卑王ヴォーティガーン。
物語はこの両者の対立を描く……が、彼ら────否、白き竜の化身となったヴォーティガーンとは別に、もう一人“白き竜”がいたのだ。
其の名はヘンゲスト。ヴォーティガーンに招かれ、異民族を引き連れてきた異邦の指導者である。>>282
そうか、彼女が────と、マスターは夢を見ている。
視界には戦場が。数多の騎士、戦士、毛色の異なる人々が入り乱れていて、殺伐とした雄叫びを挙げながら武器を振るっていた。
そんな血生臭い騒音の中にいるにも関わらず、そこだけがある種の静謐が流れていて、どこか別世界を思わせる空間に二人は立っている。
ああ、改めて確認せずとも、目を凝らさずとも分かってしまう。
そこにいるのは、彼の騎士王と名高いアーサー王と、異民族を従えるヘンゲスト────竜と竜の対峙である。
「アウレリウス・アンブロシウス! 我が運命! 好敵手! こうして目前にしただけでも血が沸る。お前の首を欲する衝動が……!」
興奮した様子を声高く発する。
「あの老君は全霊を以って砕け散った。それが宿命であり、白き竜の血を飲み干した者の定めであるならば……ワタシはそれに抗おう。踏破しよう。超越しよう。故に────剣を抜け。槍を構えよ。星光の輝きを我が心臓に向けるがいい」
「……いいだろう」
微かに発せられた短い返事。
随分と素っ気ないなと感じつつも、その返答にヘンゲストは満足し、美麗な貌を歪めるように破顔する。>>283
「────魔剣解除」
瞬間、膨大な魔力が周囲の地面を抉りながら騒めく。
そして徐々に、湧き上がる魔力の奔流は全てを灼き尽くす熱量へと変換されていき、竜の息吹を連想させる規模へと化していく。
これぞブリテンを地獄に陥れた闇の具現。生半可で聖剣では光ごと呑み込むであろう白き竜の奔流である。
「征くぞ、コーンウォールの猪────赤き竜」
そこから二人の戦場と化した。
星光の輝きと、魔炎の光が衝突し、拡散し、神話の戦いを再現したであろう光景。
余人が立ち入る隙などある筈もなく、両者の決着はいずれかの魔力が喰われるまで続いた。
ヘンゲストの魔剣から放たれた炎熱は、時には波状となって地上を焼き、軍勢を灼き、あらゆる物体を灰燼に帰す。
そして騎士王との戦いの最中、彼女は恐ろしい事に“成長“していた。聖剣や、聖槍から放たられる光の性質を見定めて学習し、己の魔剣にも収束させ、高密度出力となった魔力放出を即座に実践してみせた。
これにより決戦は、更に苛烈なものへとなる。人の領域を超えた、竜による天変地異の戦い。
その結末は────。>>285
「────ああ、アウレリウス……我が宿命よ、あのできる事ならお前の築く栄華と、その行く末を見届けたかったが……仕方ない。死後の観客席にて楽しもうか」
場面は移り変わり、拘束されている彼女が映し出される。
斬首の前日。命が終わりが迫るその間際に、とある訪問者が現れる。
「やあ、異邦の君」
「……この異様な感覚。お前が風の噂に聞く、花の魔術師マーリンか。この戦争の勝敗を予言した者」
ふわりと香る花の匂いを漂わせる彼────マーリンと呼ばれた魔術師は、人間離れした美貌でヘンゲストを見据える。
美しいが、人間性を感じさせない美しさ。何よりも“眼”が、その人外度合を強調していると言ってもいい。
「驚いた。竜の血を完全に物にしているとはね。ヴォーティガーンは巨竜と化したというのに、君は人の姿を保っている」
「……奴は、ブリテンを想うが故に、未来を憂いたが故に、滅びの意識に呑まれたが、ワタシは違う。ワタシは、ワタシが思うがままに力を振るい、我が運命と剣を交える為に竜を受け入れた……ベクトルが違うんだよ。ワタシとヴォーティガーンでは」
「確かに、比較する事自体が間違いだろうね。君とヴォーティガーンが目指した先は異なるのだから」>>286
ひとしきり、ヘンゲストを見つめた花の魔術師は用が済んだとばかりに視線を外し、身を翻す。
背中を向けて立ち去ろうと……して寸前で停止し、個人的に気になっていた質問をぶつける。
「ところで、君は当初権謀術数に徹していた筈なのに、どうして途中からアーサー王に固執し始めたんだい? あのまま謀略に終始していたのなら、今と結果は変わっていたかもしれないのに」
「……ふふ、つまらない事を訊くな花の魔術師。確かにワタシは領土を手に入れる為に謀に尽力はしたが……人とは時折、崇高な目標よりも果てしない衝動を優先するものだ。ワタシも、その心に従ったまでの事」
「それが、白い竜によって齎された感情だとしてもかい?」
「ワタシの内に生じた情だ。ワタシが意識し、ワタシが自らを把握している以上、外的要因の可能性なぞ一片たりともない。……あまり人間を、ワタシを嘗めるなよ? 花の魔術師(じんがい)」
「そうかい。それは悪かったね」
謝罪を口にしているが、悪びれた様子はない。
これ以上の会話はないかと思われたが、最後にマーリンは「そうだ」と思い出したかように、去り際にヘンゲストへ言葉を贈った。
「君の処遇を巡る話し合いの結果、市外での斬首が決定されたよ」
「それを最後に言い残すか。つくづく性根の悪い人でなしだ」
「事実、私は半分ほど人間ではないからね」レージュさん、オーギュギアーイベントの礼装枠ってまだ空いてますでしょうか?以前言ってたパラス・アテナちゃんの礼装が出来たのですが。
>>203
同じ水鉄砲でも形がそれぞれ和風洋風?になってるの芸が細かくて好き。
>>206
うちの軍師は足が悪い官兵衛(キャラシが無いようなものなアサシンの方ならいけるかな?)なので…。強いて言うならガンナー(大嘘)な光秀でしょうか。
>>230
絶体絶命!果たしてここから逆転する手立てはあるのでしょうか。次回、乞うご期待!
>>254
それは問題の先送りにしかなってないぞルナちゃん!
そしてはじめましてだけどはじめましてじゃない先輩との邂逅。
>>289
ドえっちィ!!
>>290
お久しぶりです。一度書けなくなると中々書けないの分かります。ゆる募と言えばゆる募。
打ち水でトム&ハックwithビートルとチーム組んでくれそうな鯖。
悪人や勝つためなら手段を選ばない系で。>>293
そうですね。
アサシン主従は第三層が最難関です。逸話的にね。
ここさえ突破できたなら後はアサシンが“勝手知ったる”とでも言う感じで5層までイケるかな。
多分、三層に来た段階でアサシンはペレス島が“何なのか”理解できます。すっげぇ馴染みがあるもの。
ある陣営と綿密に連携取ればこの聖杯戦争の絡繰が丸裸に出来るレベルで。
さて、得られる情報ですが。
刹那は階層を進んでいくことで半身を──“翼”をもがれ下へ引きずり込まれるような感覚と恐怖を覚えますね。
鎖と枷が自分を捕え自由が失われていく──そんな覚えを。
身体と本能が此処に居たがらなくなっている。
アサシンについてですが、下層に踏み込んだ時点で既視感を得られます。
自分はここによく似たモノを識っている。それもサーヴァントになる前に。
下に進む度にそれは強固かつ確信に繋がり、三層に到達した時点で理解する。
ここは、■■なのだと。
ここがギリシャ圏であることを踏まえるとその答えは明確であった。
それにも思い当たるものがあった。>>296
ありがとうございます。では
☆5『彼方への絶唱』
効果
バスターカード性能10%(15%)アップ、クリティカル威力10%(15%)アップ、登場時にスターを15個(20個)獲得
イラスト
熱唱しているパラス・アテナ(槍)と隣で困惑しながらペンライトをマイク代わりにしてるパラス・アテナ(狂)
テキスト
生前告げられなかった気持ちを歌に込め、力いっぱい歌い上げる。
英霊の座に居るアテナに届くように。私はもう、自分の気持ちを押し殺したりしない!
本人は意図していなかった事であるが美少女が歌うガチ恋ソングには一定の需要があるもので、その場はさながらアイドルのライブのようになっていた。
そしてその最前列には水着霊基となったパラス・アテナの姿も────
「ほら!もう一人の私も歌いましょう!」
「えっ────」>>299
大丈夫?それ絶対後で後悔する選択肢だよ?>>289
やべえヘンゲストさん性癖かも…と思ったら最後のイラストで別ベクトルの性癖もブチ込まれて草
えっちだ…
>>290
お久しぶりでーす
書けなくなる期間が長いとしんどくなりますよね…
>>294
成程成程…意外と立候補する軍師鯖多くて取捨選択慎重にしないとなって責任感がのしかかるぅ
>>299
そうですね…それならこういうのはどうでしょう?
一定以上撃たれたらノックダウンでリスポーン(初期位置に戻る)
一人につきリスポーンは1回か2回まで、合計2〜3個の残機
撃たれてから復帰するまでに30秒程の待機時間を設ける
勝利条件は2つのどっちか
・文字通り全員の残機を削り切る
或いは
・敵全員を短時間に一気に倒す等で敵全員を同時に復帰待ちの状況にする、つまり誰もアクティブに動いてる敵がいない状況にする
みたいなのどうでしょう?これならシンプルで良いかなって思います
まあトゥーンどこ行った感はありますが…>>305
登録させていただきました~!>>300
そうですね。
刹那の出自に由来した恐怖心ですね。
これはテクスチャが違う文化圏とはいえ種の本能的なものなので仕方ない。>>313
…そうだ!!
単純に敵により多く水ブッ掛けたチームの勝ちってのはどうでしょう!?
一定以上水掛けられたらポイント入る+リスポーンする。それをカウントして多かった方の勝ちとかどうですかね?バトルフィールドは3種類ぐらい!水鉄砲はオーソドックス拳銃型と広範囲&高コストのバズーカ砲、と点&遠距離攻撃の狙撃銃(遠距離まで飛ぶ水はどうなんとかは考えない)3種ぐらい!
ルールは簡潔!フィールドを駆けまわって敵チームに水を掛け!規定量の水を先に使い切ったチームが勝利だ!ぐらいのルールでいいのでは?>>310
いいと思いまーす
新規霊衣は8枠程、基本的に1作者につき1騎とかどうでしょう?…そうだ!!
一定量の水を全て消費させたら勝利
ただし水を相手に直撃させなければ消費された判定にならない
水を相手に当てまくって先に全て消費したら勝ち
これでどうですか!?>>319
なんて言うか詳しく説明すると
・どっかに2つの水のメーターが配置されてる。これが各チームの残り水量
・水を噴射する事でメーターが下がっていく
・相手に直撃しなかった水は消費された判定にならずメーターに再び蓄積する
・このメーターを完全に消し切る、即ち指定量の水を全て敵に直撃させる事で勝利
これどうですか!?「なんだ、戻ってきてたのか。フローレンスに吹き飛ばされたのかな?殺さなかったのは意外だね、殺.せなかったのかもしれないけど」
「あらやだ、心外。そんなアルバーンもまだ殺してなかったのね」
揃ってしまった。化け物たちが並んでしまった。しかも恐ろしいのは、彼らが殺し合うのではなく互いに並び立っているということ。それはつまり、秘匿聖歌隊と魔導円卓が行ったような、共同戦線を張っているということで……
「何か勘違いしてるけど。僕はコイツと仲良くするなんて絶対に嫌だからね。無駄な消耗を抑えたいってだけの話」
「三つ巴で削れるよりは一番弱い子たちを囲んで棒で叩くのが最適解。そうでしょう?」
どうせなら戦いに乗じて巻き込み消し飛ばしてやろう、という悪意も込めた作戦をとるつもりではあるが、それを言う義理もない。それに、そんなことは暗黙の了解として二人も分かりきっている。ただ、アルバーンとフローレンスにとっての最優先は互いを殺.すことではなく、目の前にいる疲弊した五人を殺.すことだ。それは変わらない。……アルターエゴの身に帯びた神秘はそう簡単に破壊できないが、アレがいて何をできるわけでもない。力を仲間に割きすぎて衰えることを警戒すると、そう簡単に力を譲渡できないだろう。端的に言って置物だ。「さて、第二ラウンドと行きましょう。私、アルバーンと違って殺し方はスマートなの。アサシンだしね?」
「暗殺者のRPして楽しんでるだけだろう。まあ、僕の方が派手な殺し方なのは否定しないけど」
二人の軽口に何を挟み込めるわけでもなく、またその無駄話の隙を突いて攻撃できるほどの気力も残っていない。ただ、攻撃を受け止めることで精一杯だ。どうしようもない。
アルバーンの唱える聖句が、その一つ一つが強烈な神罰となって降り注ぐ。それは断罪の首斬り刃であったり、浄化の火炙りであったり、神の威光を表した圧力であったり。ともかく、とてつもない火力の秘蹟が打ち込まれ続ける。
それに合わせて最適な位置、最適なタイミングで爆弾が放り込まれ、どんなに固めた魔術防壁も、反撃の魔術も、金槌で振り砕かれる。アルバーン自身を巻き込む攻撃も直ぐに回復されてしまうので肉体のスペックが劣化することもない。
フローレンスは対照的に、繊細な技巧を凝らした罠を張り巡らせている。それは張り巡らせた糸に魔力を込めた単純なものから、周囲一帯に刻み込んだ大量のルーンによる攻撃、あるいは補助。そして人形たちによる多種多様な嫌がらせ。ルーン魔術と人形師の利点を最大限、敵に押し付けるやり方だ。
そして、自動人形であるワルキューレとエインヘリアル、そしてフローレンス自身が飛び出て行う常に人数有利を作り出し、敵の疲労を蓄積させていく戦闘法。
そう、何もかもが格上で。「いと天高き処にて、主に栄光を(グロリア・イン・エクチェルシス・デオ)」
「幽世大神憐給恵給幸魂奇魂守給幸給……!」
「墜ちろ……ッ」
祈りの力により降り注ぐ神の光、もとい魔力を加工して撃ち下ろされる光線は人体を貫き焦がすには充分すぎる威力。それらが光のカーテンのように降り注ぐのだから、ただ防御するだけでは意味をなさない。獅音は銃を用いてその光を発射する鳩のようなものを出来る限り撃ち落とし、リムは幽冥神語を詠みあげることで周囲との調和を纏め上げる。己と周囲の土地一帯を強制的に接続し、同調することで“攻撃を通さず傷を癒す安全な結界”を空間内に創り出し、それで高威力の光の砲撃を防ぎきる川……つもりだった。
それでもアルバーンの祈りは止められない。アルバーンが紡ぎ出す圧倒的火力は抑えられない。獅音は軽傷だ。しかし、“周囲との同化、調和”を条件に構成された結界が無理やり破壊されたリムは違う。身体の節々から血が噴き出し、思わず膝から崩れ落ちるほどの大怪我。今すぐに止血をしなければアルバーンに殺される間も無く失血死するほどの。「ラグズ(水)、イングズ(豊穣)。Rotinn(全て、腐り落ちた)」
「鴉よ、怒れ。山羊よ、嘆け。黒犬よ、黒猫よ、するなかれ。人よ、酔え。溺れよ。妬かれよ。灰よ、踊れ。毒よ、歌え」
「月がくらんで 星はまたたいて 見惚れた夜空に ひとめぼれ!」
周囲一帯に満ち満ちる呪詛。それは魔術回路を傷つける毒であり、精神そのものを融かす呪い。人が触れてはいけない死者の世界を模したもの。ここでは戦士ならざるものは皆悉く腐り落ちる。しかし、水と豊穣の力を食らったフローレンスと夫婦の人形はその限りでない。この状況を打破するが為に、カナリアは使い魔の命を代償にした堕落の呪毒でフローレンスの魔術の神秘を引き摺り落とし、そしてルナは闇の中の光を灯らせる。敵味方、さらには己を問わず喰らいつくカナリアの呪いに対して、カナリアとルナが無事で済むようにとリムやマヴと考えた対呪詛、対魅了の精神防護魔術だ。
しかし、それで止められるのはあくまで周囲の呪いだけ。人形や変化した地形とは比べ物にならない神秘である、戦乙女と勇士、そしてフローレンス自身は止められない。その槍に、剣に、そして拳に、身体が傷つけられる。特にカナリアは念入りに、右腕と左足の骨をへし折った。ルナも魔術が解除されてしまうほどにはダメージを受けた。「あっ」
そんな、呆気ない声を漏らしたのは誰だったか。きっとそれは、絶対に避けられない死を予感したから。油断もしない、容赦もしない。最期の言葉を聞くこともしない。そんな執行者と司祭の攻撃が、もう動くこともできない身体に降りかかってしまうから。きっと、苦痛を感じる間も無く肉塊にされてしまう。ただ、ゆっくりと最後の一撃が、眼前に迫っていく感覚しか味わえなくて─────
『Rot(腐れ). Go Back(そして還れ)』
ルナの懐からそんな、男の声がして。それと同時に、金色の薔薇が咲いた。大きな大きな金色の薔薇。地に伏すみんなも、殺そうとしてくる二人も、その全てを飲み込むほどの金色で輝いて、そして、ぐじゅぐじゅに腐り果てる。周囲の全てを巻き込みながら、花弁へと変換していきながら。
「これは……グローリアンの、アイン・グローリアンの……!」
「一人で納得するなリム!アレはなんだ?ルナはどうなってる!」
「ルナさんの雇い主であるグローリアンの持つ至上礼装……獅音さんにわかりやすく言えばとっても凄い魔術礼装です!なんで持ってるかわかんないですけど!」
「あ……そういえばアインさんに貰ったクレジットカード、金色のお花がデザインされてたんだよね」「それじゃないの!ああもう、私がアンタたちに“身体能力”を与えるからさっさと逃げるわよ!!」
つまるところ、アインは不安だったのだ。この任務に必要なルナが殺されてしまう可能性を。だから、こっそりと与えた。それはグローリアンの至上礼装、腐花礼賛(グロウリアス)の一輪の、それまた一つの花弁を編み込んだもの。所持者の命の危険の際に、自動で一つだけ、アインが仕込んだ戦闘用の魔術を発動してくれるものだ。そんな貴重品を、ルナに内緒で与えていた。きっと詳細を知ったら命の危機でもないのに発動しようとするのが目に見えていたから。
ともかく、その礼装のおかげで逃げ切れたのは事実だ。直ぐにあちらも追跡を再開するだろうが、ひとまずみんなを治療する時間は稼げた。幸運、いや、アインの用意周到さに助けられたというべきだろう。きっと、こうなることを予見していた。ほぼ確実に殺し合いが起こる以上は、このような対策もして当たり前だというのがアインの考えだろうから。そしてそれにこの場にいたもので異論はない。一人を除けば、だが。
「ふぅ……何はともあれ助かった」
「アインとやらのおかげね。というか何よあれ、妖精の私も普通に腐りそうな勢いの神秘だったんですけど!?」
「今はそのような話をする暇はない。まだ油断はできない。あの敵性対象が間髪入れずに襲ってくる可能性を考慮すべきだ。そうだろうリム。……リム?」
「………マズい。ごめんなさい、獅音さん。マヴさん。そして……ルナさん」
何を謝ることがあるのだろう、何かミスでもしたのか?三人のうち、誰かがそう聞こうとする前に、その理由はわかった。否、わかってしまった。微睡の狭間にあった、辛うじて正気の側だったそれを、魔女の系譜、騎士の裔を、起こしてしまったから。この旅路において、一番引き起こしてはいけなかったものを、引き起こしたから。それも、最悪のタイミングで。>>333
ごめんなさい取り乱しました、申し訳ない
そうですね、まだ時間は沢山ありますもんね…
児雷也イベの続き書いて頭冷やしてきます…キエ…falling moonの最新話書いてるけどなんで戦闘描写ってこんなに難しいの
あと軍師パーティに何卒スキピオぶち込んでいただいてオールオッケーヨロシク企画云々の話になると、現在大部分のリレーSSがおおむね停止状態なので(ペレスはクロさんがとりあえず復帰、獣国はリスタートの動きが少し出たんでしたっけ?)、どうにかしたいですよね、というのは少し言いたいかも……。
伏神はイコマさんが不可抗力とはいえ消息不明状態なので、復帰は待ちつつ一旦凍結とかでもいいかもですが、第■回や木枷のリレーはGMがほぼ退去してる状況ですし。虚構妖精編コソコソ話
腐花礼賛(グロウリアス)の三つある機能の一つ目は以前も示した「花束のうちの一輪を中継点として本家の魔術刻印から遠隔で魔術を発動」というかなり補助的なもの
二つ目は「腐食、そして────」というかなり攻撃的なもの
今回アインがルナちゃんに渡したキャッシュカードに仕込んであったのはこの一つ目と二つ目の合わせ技です
どちらの機能の一端をちょっとずつ盛り込んだ形水鉄砲とはいえ救護班は必要だよなあ!?必要ですよねえ!?
女医ぶち込むぞおおおおお>>339
りっひー「ひぃん!最近の子怖い……」>>353
お久し振りです~麗しい!よし!falling moon最新話できました!
貼っても良いですか!いくぞぁ!!
ばしゃりと水がぶちまけられる様な音が聞こえた。理仁はゆっくりと振り返り、そして目の前に広がる惨状へと目を見開く。
血の海があった。つい先ほどまで聞こえていた悲鳴がどこかへと消え失せたのは、声の主が轢殺されたかの様にバラバラに飛び散った為だ。気付けば空気はヒリヒリと肌を焦がし、得体の知れない嫌悪感が臓腑を駆け巡る。
「なんて、こと。純然無垢な黒鳥蘇芳。わたくしがこの手でいただいて、破瓜の血を我が物とする……そう考えていたのに」
細い指は名も知らぬ少女の首を手に取って、アサシンは悲しみに満ちた面持ちで佇んでいる。往来を血の海に変えたのは何者であるか、考えるまでもなく明らかだ。
理仁は咄嗟に蘇芳を抱きしめて庇う姿勢を取る。疲弊し切った彼女を野晒しにさせるなど怪物に餌をやる様なものだ。
「その男、その男に手に落ちてしまったというの?悲劇、惨劇、なんという悍ましく、穢らわしい男……!!」
「アサシン、アサシン落ち着きなよ。気持ちはわかるけどさ」
アサシンの脇あたりからひょっこりと凪咲が顔を出してくる。惨状の渦中にありながらまるでそれを気にかけない様子に、理仁は改めて彼女が敵でありかつ異常者であるのだと認識した。
何も言わずにライダーは迎え撃つべく槍を構える。憤り鼻息の荒いアサシンは一息の間に理仁と蘇芳の命を刈り取りかねないほどの殺気を全身から放っている。何より数メートルは離れていると言うのに吐き気を催すほどの血の臭いは否応なくあらゆる感覚をアサシンへと傾けさせた。>>363
「マスター、わたくしこんなにも辛い失恋は初めてです。あまりの悲しさに物理的にこの胸が張り裂けてしまうほどに……!セイバーのマスターはもう傷物になってしまいましたし……」
「しょうがないよ。アサシンは私の為に駆けつけてくれたわけだし、無我夢中だったんだよ」
「セイバーのマスター……?柳花の事を言ってるのか?」
理仁が思わず問いかけると、二人の怪物はニンマリと微笑んだ。その反応を待っていたと言いたげな表情に再び自身が掌の上で弄ばれる嫌な予感に襲われ、彼は歯を食いしばる。
柳花は言った。絶対に死ぬな、と。ならば信じる他にない。彼女は約束を破る性格ではないはずだ。
口からこぼれ落ちそうになった言葉を飲み、逆に理仁は笑いかける。
「残念だったが、蘇芳は返してもらった。もうお前の思い通りにはさせねえ」
「ふふふ、それは本当に残念。間久部君は運が良いわよね?経子の時もあの子が壊れてくれたおかげで助かったわけだし」
「……もうお前の言葉は、何の意味も無い。今のオレはそっちの予想よりも遙かに冴えているくらいだ」
弱みを見せず、あくまでも精神面では負けないと言葉を以てやり返す。だがその間にも理仁は現状を把握すべくちらちらと周囲を窺っていた。
世界は赤く染まり始めている。原因がアサシンにあるのだろうが、正体までははっきりと推察できない。だが腕の中で蘇芳は息も絶え絶えに耳元でこう囁いた。
「固有、結界。宝具の一つだと思う。今私達はアサシンの腹の中に囚われているようなもの」
額に汗がにじむ。肉眼で捉えるだけでも気分が悪くなる悪鬼の、その体内に取り込まれるなど文字通り悪夢だ。アーチャーは何処に居るのだろうか、まさか彼もアサシンの手にかかったのか。>>364
考えを巡らせる。今自分が出来る事を、考えて、考える。
固有結界の中でアサシンはどんな攻撃を繰り出せるのだろうか?彼女の手に握られる少女の首は、血の海は、それだけ命を喰らったのだとわかる。ならばどれだけの命を魔力へと代えてしまったのか。
「間久部君、顔に出てる。本当に大好きだわその思う事がすぐ表れるところ。もっと見せてちょうだい?ねぇアサシン!」
「忌まわしき男に攫われし姫君、それを助けるわたくし……昂ぶりますわね、ええ!!行きます!!」
アサシンの姿が残像を残して消える。遅れてばしゃりと血の池が踏みしめられる音に続いて、ライダーが反応出来ないほどの速度で理仁の目と鼻の先に吸血鬼は出現した。
「っ!?」
「ではまず目玉からくりぬいてさしあげま―――――」
また、目にもとまらぬ速さでアサシンの姿が消える。今度は彼女が自身の意思でそうしたのではなく、理仁の背後から放たれた鋭い蹴りによって吹き飛ばされた。地に足が着いていない姿勢のままでくるりと身を翻して体勢を立て直すと、また楽しげに笑った。
「セイバー!麗しき剣士!それに―――まぁ、盲目の槍兵までも」
頬を切り裂きかねない速度で放たれた蹴りの主を見るべく、思わず理仁も振り返る。
固有結界という文字通り異界の中にありながらも二騎のサーヴァントが放つ威圧感は薄れる様子を見せない。むしろその力強さに理仁は息が詰まる感覚から抜け出し、はっと大きく息をついた。
何故敵対していたはずが今は肩を並べているのか、ランサーに尋ねたいもののその身から放つ気迫は何者をも近寄らせない。だが彼は理仁ではなく、その腕の中にいる蘇芳へと顔を向けた。>>365
「……良かったな。約束はナシだ」
「ええ、そうね。ごめんなさいねランサー」
「構わねェ。結構な事だ」
それだけだった。少女と槍兵はそれだけ言葉を交わすと、それきり目線を逸らした。突然口を開いたランサーに理仁は目をしばたきながらも、とりあえず敵ではないと認識し次にセイバーへと向き直った。
「セイバー。お前のマスターは、柳花は大丈夫なのか?」
「ほぼ初対面だと言うのに不躾な奴だな。だが、その顔を見るに不安なのはわかる。案ずるな、今さっき連絡が来た。『腹を抉られたが生きている』、だそうだ」
「それ、案ずるべきなんじゃないか……!?」
「卿は俺のマスターとそれなりの付き合いだろうが。信用しろ」
セイバーはハッキリと断じ、ランサーと共にアサシンへと向き直る。口調こそ軽々しいが、しかし長剣を握る指には万力の様な握力が込められているのかギチギチと引き締まる音がよく聞こえた。
空気が凝結し、再び理仁の臓腑を嫌悪が駆け巡っていく。セイバー、ランサー、そしてライダー。三騎のサーヴァントがたった一騎のサーヴァントを前にし、尋常ではない緊張感を纏い迎え撃とうというのだ。常人が受けるにはあまりにも力強すぎる。
「ふ、ふふふ。マスターどうしましょう。三対一ですわ、三対一。これは場合によっては鏖殺ではなくて?」
「本心を言うと、勝てるかどうか不安なのだけれど大丈夫なのアサシン」
圧倒的な戦力差でありながら凪咲とアサシンは余裕を崩さない。一体何処からそれだけの自信が湧いてくるのか、不穏な口ぶりを理仁でさえも不審感を覚える。勿論三騎のサーヴァントが理解していないはずもなく、全員が得物を構えてアサシンの一挙一動を待ち受ける。
下手に動けば死ぬ。それは固有結界を発動されているという時点でわかりきっているのだ。>>366
「……勝てますわ!だってわたくし一人ではありませんもの!我が秘密の花園、その真なる姿をお見せしましょう!」
一斉に英霊達は動いた。宝具を発動する為にその真名を開帳しなければならないその瞬間こそ、サーヴァントが持ちうる最大の弱点と言える。
その判断は間違っていなかった。セイバーとランサーの速度であれば、僅かな隙を突けると。
事実セイバーはランサーが刃を収め、共に戦うと取り決めた時点でアサシンが持つ不死性については伝えてあった。二人は「ならば死ぬまで殺し続ける」と同意し、現在に至る。
だが、だが、アサシンに刃が届こうかというその瞬間に三騎のサーヴァントから放たれようかという一撃はどれもピタリと動きを止めた。
「貴方達に落ち度はありませんわ。ただ一つ、わたくしの固有結界が多芸であるが故の悲しき結末ですから!」
何故サーヴァント達は微動だにしないのか、まさかアサシンは時間を止める事が出来ると言うのか。混乱しながらも英霊達を激励しようとし、理仁はびちゃびちゃと気味の悪い水音を聞いた。驚くべき事にその音は自分の口元から立てられていて、更に言えば血の塊が顎を伝いこぼれ落ちている。
「う゛っ」
「が、ぁ」
腕の中で蘇芳が弱々しく呻く。凪咲の魔術によって命を削り取られ、衰弱が止まらない彼女もまた、口元から血の塊を吐いている。
ぐにゃりと視界が歪み、肉体の感覚が上下に絶え間なく移動を繰り返す。吐き気が止まらない、咄嗟に手で口を覆おうとしてもそれより先に喀血する。
「なる、ほどな。ただの固有結界ではないと思っていたがこれほどのものとは……!」>>367
セイバーが苦々しく吐き捨てる。彼女もまた肉体に異常を来たしているのか、片膝を突いて肩で荒々しく息をしている。ランサーとライダーも同様だ。
一体アサシンは何をしたと言うのか。固有結界による攻撃が今まさに襲いかかっている事しかわからない。
つん、と薔薇の香りが鼻腔を突く。染みつけば二度と消えないのではないかと思うほどに強烈なその香りを体に取り入れた途端、ますます理仁の肉体は不調を招いた。
「毒、か!」
「うふふふふ、あははははははは!ここはわたくしとマスター、そしてわたくしの愛する者達のみが生きる楽園。甘美な花はそのかぐわしい香りを以て侵入者を惑わせ、死に至らしめるのです。でもこれで終わりません、だってまだまだわたくし達は満足しておりませんもの!」
毒。花がもたらす美しき致死毒。サーヴァントの肉体でさえも蝕んでいくそんなものを人間が絶えられるはずがない。ましてや弱っている蘇芳など尚更だ。
眼前に死が迫り来る。形成逆転と考えていた己を理仁は口中で戒め、そして責め立てた。
「ええと、先程どれほどの少女を喰らったでしょうか?一〇、二〇、三〇、だったでしょうかマスター」
「大体それくらいね」
「では、我が花園の更に奥深くへと皆様をお連れいたしましょう」
アサシンが手に持つ茨を纏った杖を力強く地面へと突き刺す。先程妨害しようとした宝具の真名開帳である。
「ここにあるのは悦楽のみ、ここにあるのは惨劇のみ。『バラバラ紅の薔薇庭園』!」
杖を基点として、一斉にアスファルトが内側から湧き出したツタによって砕かれ、瞬く間に深紅の薔薇が花開いていく。勿論それが生命を害する毒の結晶である事は考えずともわかる。>>368
アサシンがまき散らした血を、肉片を、薔薇はスポンジの様に吸い込み養分と変え更なる成長を遂げる。固有結界に加えて物理的な侵食まで行う、まさに駄目押しだ。
「その香りは肺へ取り込もうものなら命を削り、その棘は触れようものなら皮膚を裂き肉を断つ。この街そのものが、わたくしのアイアンメイデン!英傑の方々、存分に高貴なる血をぶちまけてくださいな!」
「……なるほど、即死とかでないだけありがたいな」
ランサーはポツリと呟くと、隣のセイバーへと目配せする。剣士はふん、と鼻で笑うと毒に蝕まれる肉体に鞭を打って立ち上がる。理仁にはその背中を見つめる事しか出来ないが、それでも彼女は周囲を取り囲もうとする薔薇の園を絶望的な状況とは考えていないようだった。
「卿が宝具を使うならば俺も続こう。少々分の悪い賭けになるやもしれんが……マスターからも許可は出た。行くぞ、宝具開帳!『黎旦なる金環蝕』!」
セイバーが咆哮をあげ、長剣を掲げる。太陽の如き金色は赤く染まり切った空間においても一切の淀みがなく、主の声に応えて陽光を思わせる輝きを放つ。
光に闇が消し去られるかの様に理仁の歪みに歪んでいた視界がゆっくりとあるべき形を取り戻していく。肉体のそこかしこに蠢いていた毒の勢いが収まっているのだ。蘇芳も、ライダーとランサーも例外ではない。
「ッ!?これは……」
「俺はこう見えて仲間を大切にするクチでな。我が宝具は魔力の再分配と、ちょっとした盾を形成する。ランサー、一気に仕留めてしまえ!」
「……借りはいずれ返すぜセイバー!」
魔力の再分配、つまりはサーヴァントというモンスターマシンへとガソリンが流し込まれる。戦いの活力が、殺し合いの昂ぶりが、今この瞬間最大まで補充されるのだ。
ランサーが、音を置き去りにして跳ねた。結界など、薔薇の園など光速を思わせる敏捷性と絶技を以てすれば檻にさえなりはしない。ほんの一瞬で街を食い尽くそうかというツタは断ち切られていた。>>369
「花園がッ……!」
「懐がガラ空きだ、吸血鬼!」
そこからは速い。理仁は咄嗟に視力を強化して槍兵の足取りを追おうと試みたが、あっという間に彼はアサシンを捕縛しその速度を維持したまま上空へと飛び上がっていってしまう。
路上には凪咲だけが残され、彼女は自身のサーヴァントが一瞬のうちに連れ去られた事に動揺を隠せないのか面食らった顔で夜空を見上げていた。とはいえ敵の目の前だとすぐに正気を取り戻すと、理仁達に背を向け足早に逃げ出した。
「あいつ、逃げるつもりか!追いかけてくれライダー!」
「いえ、駄目です!アサシンの攻撃はまだ終わっていません!」
一体何を、と叫びかける。終わっていないとはどういう事なのかと眉をひそめ、すぐにライダーの発言が正しい事に気付く。
何かが、つい先程まで凪咲がいた場所に佇んでいる。臓腑を抉り飛ばされた少女の死体がフラフラと体を揺らしながら、けれどじっと理仁を見つめる。
「ちっ、あの吸血鬼……恐らくまだまだやれるぞ。俺の宝具はそれなりに保てるが、それでも時間の制約はある。すぐに終わらせなきゃジリ貧で俺達が負けるかもしれん」
「セイバー、ここは私に任せて貴女はランサーを助けに行ってください。足はこちらで用意します」
ライダーの合図に続き、虚空から小麦色の水が湧き出し天馬の姿を形取る。これまでに見せた事の無い思わぬ技に理仁は言葉もなかった。>>370
「うっわ!!くっさ!!!ご主人様、宴会は宴会でもこれ血の饗宴じゃないスか。マジ勘弁して欲しいんスけど」
「天馬どぶろく、事情を説明する暇はありません。セイバーを乗せて空へ向かいなさい」
「……へえへえ、えらくシリアスなもんで。わかりましたわかりましたよ。それじゃあ一つ俺もシリアスモードで、うっひょおめっちゃ美人の剣士ぃぃぃ~~~!!!」
「ど ぶ ろ く」
「ウッス!自分ペガサス行きます!コスモス見てきます!」
「なんだなんだ、生死をかけた戦いだってのに気が抜けるな全く。ともかくライダー、馬は借り受けた。良い知らせを持ってこよう!」
小麦色の馬にまたがり、セイバーは空高く飛翔していく。ライダーは自身の馬がべらべらと喋る事が気に入らないようで、重苦しくため息をつきながらも主である理仁へ微笑みかけた。
「マスター、大丈夫ですか」
「あ、ああなんとか。蘇芳も元気はないけど生きてる」
「私が実体化していられる時間はあまり多くはありません。何処か隠れられる場所を探さなければ」
「ライダー、お前もセイバーやランサーの元に……」
「では私以外に誰が貴方と、貴方が守ろうとしている人を助けられるのですか」
ライダーに何か言い返そうにも、今理仁が手伝える事など残っていない。マスターであるならば己のサーヴァントをサポートするなり方法はあるが、蘇芳を抱えたままでは到底無理だ。何より頭の片隅では無事であるとわかっているがそれ以外何もわかっていない柳花の事もある。
今は無力であると認めるべきであろう。理仁は言葉を飲み、ライダーへと頷き返す。
「……すまない」>>371
痛いほど唇を噛みしめた後、蘇芳を抱えたまま理仁は立ち上がる。ふと先程歩く屍が立っていた場所を窺えば、そこには何体もの歩く屍が集まっていた。アサシンの手にかかった犠牲者が彼女に操られているのだ。
どこか落ち着ける場所に蘇芳を寝かせよう。そう考えながら理仁が足早にその場をあとにしようとしたその時、脳内を声が走った。
『マスター』
「アーチャー、アーチャーなのか!?」
アサシンと戦っていたはずだが、果たして無事なのか。そう問いかけようとする前に、
『アサシンは、私が仕留めます。この命にかけて』
それだけ言い残して、ぶつりと声は途切れてしまった。あやかさん。打診したいんですが趙雲と家綱、仲良い設定にしても良いんじゃないかって思うんですがどうでしょう?
正直霊衣繋がりなのもあるんですが、まあ色々と
・単純に気遣いの人である家綱と史実でもかなり真面目だった趙雲なら馬も合いそう
・長七郎にスク水着せたりする位の行動力の家綱とウブな趙雲、ボケ行けそうな家綱、バリバリツッコミ側の趙雲と絡ませた時面白そうな相違点もある。
こんな感じで相性かなり良いと思うんですよ。どうでしょう…?
>>361
うお…でっか…
レージュさんの絵は本当に爆乳が素晴らしいっすね…個人的にD辺りが好みなんですがやっぱり爆乳もいい文明
>>373
うおお凄い熱い…!!やっぱりサーヴァントが共闘する画は映えますね…!!個人的に仮はいずれ返すぜセイバー辺りのくだり好き
そして最後…アーチャーこの勝負で退場する可能性ありそうなの怖い…でもミラーカ戦最終局面、楽しみです>>386
そしてお久しぶりです!
学園SSの方、全然書けてなくて申し訳ない…!>>386
お久しぶりです!
曹丕くんに生前関係のある相手として孫権なんか作ってたりします。
宜しければご拝見ください。
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/m/wiki/%E5%AD%AB%E6%A8%A9>>379
久しぶりにヒャルティを見れて嬉しいです
>>386
そう言えば以前に曹丕の親父殿をサーヴァントに作りましたよ。お手好きの際にご一読ください。
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/m/wiki/%E6%9B%B9%E6%93%8D%E5%AD%9F%E5%BE%B3>>400
たしかに…
じゃあ………作りますかでっかいプールもしかしたら、プロテウス(アザラシ)お爺ちゃんの改修(強化にあらず)しながら彼に関連した打ち水イベの隠しステージとか隠しフリクエとか小話つくるやもしれません……
そういえば水着イベは必ず誰かを起点として聖杯が特異点を作っている訳で……誰が黒幕になるんです?
>>405
いえいえ
まだイベントの概要やらも作ってないのでしょうがないしょうがない…>>408
弾幕はパワーだぜ……!
私もなんか描くか……色んな人の生存が確認できて嬉しみ。
同時にBOXイベントが開催されたので皆様周回スタートダッシュを切っているでしょうが、諸々のリレーに関する色々とかも進められたらなぁ……と思うんですけども(第■回や木枷のリレーなども含め)、実際どうなんでしょうかね。
>>382
了解でーす。falling moonの最新話が出来た!貼っても良いですか!
よっしゃ!いくで!
アーチャー、那須与一にとって三義経子という少女は正直な事を言えばあまり詳しくなれなかった。
彼女の事を傍から見ていたが、善性を尊び、悪性を良しとしない毅然とした態度である時もあればその裏では誰にも見せた事がない禍々しい一面を覗かせる時もあった。
どちらが真であるのか、いやきっとどちらも真だったのだろう。人とはそういうものなのだ。ただ経子が聖杯戦争へ足を踏み入れ、アーチャーを呼び起こした時だけはハッキリと彼女は善性の存在であると確信出来た。
(……だが彼女は死んだ。私がもっと早く自分自身を取り戻せていればあの様な事は起こらなかった)
忠義を尽くすと誓った少女はアーチャーという存在がいながら悪鬼の手によって殺された。
何も出来なかった怒り、恥、そして苦しみ。無念ばかりを胸に消え去るのみだったところを間久部理仁に救われ、アーチャーは己が何の為に戦うのかを再定義した。
守れなかった主人の仇を討つ。あの吸血鬼を、そのマスターを何としてもいころすのだ。
(とはいえ、腕が片方無い。あの吸血鬼が手を抜いたわけではなさそうだが、運がいい)
赤い空の下をアーチャーは歩く。本性を表したアサシンの猛攻によって、その片目はクレーターの様な跡を残し片腕に至ってはもぎ取られていた。未だ生きているのが奇跡とさえ言えよう。
執念のみが彼を突き動かす。復讐ではない、最早義務だ。尊厳を踏み躙られた三義経子にせめて、ほんの少しでも安らぎがあると願って。
腕はもう一本残っている。足も、歯も残っている。まだ戦える、まだ射る事は可能だ。
「あまり空気を吸わん方がいいぞ、毒だからな」
そんな声に振り返れば理仁の仲間である柳花の姿があった。脇腹のあたりを抉り飛ばされ、荒々しく息をする様は今すぐにでも力尽きそうである。それでも聞き覚えのある快活な声なあたり、恐らく全力で処置はしたのだろう。
毒、確かにアサシンが作り出した固有結界内は異質な大気に支配されている。舌打ちしつつ口元を覆うが、効果はあまり期待できない。>>419
と、頭上を突然高速で何かが駆け抜ける。衝撃波にアーチャーと柳花は共に踏ん張る力が足りないおかげで体のバランスを崩しかける、けれどしばらくしてチクチクとした外気の刺激が薄まっていった。
「今のは恐らくセイバーだ。宝具を使用してこちらを守ってくれている」
「ならば、私はアサシンを追います。奴を倒す為には私の宝具を使わなければ。セイバーに伝えてください、こちらが狙撃するまで奴を引きつけるようにと」
「私も手伝おう。片腕だけでは不便だろう?」
セイバーらしき人影が上空へと駆け上がっていくのを見送り、アーチャーは衣服の端を引きちぎると弓を持つ手に縛り付ける。
恐らくアサシンは見逃したのではない、最早攻撃の意味がないと判断したのだ。霊核に亀裂が走っている、宝具など放とうものなら霊基も瓦解するであろう。
(だが、本来ならばあの日、三義経子を守れなかった時点で私は消えていてもおかしくはなかった。こうして生かされているのはきっと……私の使命だ)>>420
赤い空を閃光が走る。ライダーより託された天馬の背に跨り、セイバーはランサーの元へ向かうべく大気を引き裂き弾丸となって突き進む。
脳内にマスターである柳花の声が響き、そちらの通話に切り替えつつ彼女は上空でキラキラと光る戦いの軌跡を睨む。
『セイバー、知っての通りアサシンは不死身だ。と言っても擬似的なものである事は間違いない』
「加えてこちらにはランサーがいる。奴曰く、自分の槍ならばアサシンを殺し尽くせるそうだ』
「良い知らせだ!だがアーチャーからあまりよろしくない話を聞いた。今のアサシンは吸血鬼としての力をフルに展開している。物理法則から逸脱した、まさに怪異なのだそうだ』
セイバーは急加速し、上空へと向かう。今まさにその怪異としての権能が発揮されたのだ。
ランサーの槍が確かにアサシンを貫いた、はずなのだがどういうわけかダメージに至らず逆に彼が反撃を受け地上へと叩き落とされてきたのだ。
「ランサー掴まれ!」
手を伸ばしたセイバーに応え、ランサーは空中で姿勢を立て直すと迷いなく手を掴み取りその反動でどぶろくの背中へと着地した。苦み走った顔から見るに、よほど悪質な現象を目にしたようだ。>>421
「また借りを作ってしまったなぁ!え?ランサー!」
「アサシンの首でチャラにしてやるから話を聞け。奴はこっちの攻撃を霊体化に近い形で回避している。吸血鬼の霧になれる力という奴だな」
「なるほど!それは面倒極まりない。私の全力宝具も、お前の槍も、まず当てる段階から始めねばなるまい」
「まるで希望があるかのような口ぶりだな。何かあるのか?」
「ある。だがその秘策を通すのならば俺と卿がそれはもう気張る必要があってな……!」
セイバーはそこで言葉を切った。いつの間にか周囲に不気味な人影がいくつも浮かび上がり、どぶろくを包囲している、
全員が少女のカタチをしている。皆一様に微笑み、そしてその口元に乱杭歯を覗かせた。
「これは……!」
>>422
「えっ、ランサー?」
自分に出来る事は何もない、そう思っていた理仁の足を止めたのは蘇芳があげたか細い声だ。ライダーも何事かと眉をひそめ、上空を仰いだ。
「理仁、ランサーとセイバーが危ない。アサシンの攻撃を受けていて、このままじゃまずいって」
「オレ達に何か出来そうか?」
「……もしかしたらアレかも」
蘇芳に釣られて振り返る。つい先程まで戦いの場であった路上に、一本の杖が突き立てられ放置されている。だがそれから迸る肌で感じられるほどの魔力で、理仁は事態を理解した。
アサシンは杖を突き立て宝具を開張した。つまりアレも何かしらの攻撃を行う基点となっているのだ。しかしその周囲にはウロウロと不気味な人影がいくつも配置され、下手に近付こうものならばあっという間に囲まれかねない。
「なあライダー、わがままを聞いてもらっても良いか」
「アサシンの宝具を解除したい、ですね?私の目から見てアレは単に地面から魔力を周囲へ放出しているに過ぎません。引き抜けば無力化できるでしょう。でも……」
「言わずともわかる。宝具を使って吹っ飛ばしてもらいたいところだがオレの魔力はかなりギリギリだ」
アーチャーとライダーを同時に召喚し、自由に動かせているおかげで理仁にかかっている負担は尋常ではない。アサシンからの猛毒を受けて体内にまでダメージが及んでいる状況で、更に宝具の使用まで踏み切れば倒れかねない。
アーチャーは何かをしようとしている、であれば可能な限り魔力は温存したいところだ。地道に杖を引き抜かなければ。
>>423
「弾丸作戦と行こう。ライダーは先陣を切って敵を蹴散らしてくれ、オレが一気に杖を引き抜く。蘇芳は……」
「私もまだ戦えるから心配は無用よ。ここにいる皆が全力を尽くしているのに、私だけ疲れているから無理だなんて口が裂けても言えないもの。あと一、二回なら魔術は行使出来る」
青白い顔ながら、キュッと蘇芳は唇を結んで応える。やめろと言っても聞き入れはしないであろう。理仁はため息をつき、彼女の両肩を掴む。
「無理だけはしないでくれ。そして死ぬな」
「……大丈夫だって。貴方が守ってくれると言ったんだもの」
ならば後は進むしかない。ライダーを先頭として、理仁達は地面を蹴って怪物の群れへと突撃を仕掛けた。
前方には歩く屍が全部で五体、ライダーがまずに光の槍を振るいそれらを蹴散らしてみせる。杖の周囲に固まっている分は未だ健在だが、そこめがけて蘇芳が叫んだ。>>424
「Conburatur.(燃え盛れ。)」
「Red ferox et refulgens.(煌々と赤く、猛々しく。)
Quod corpore indutus sit aureum uerticem et rubrum oculos habere et febricitantem.(金色の体は灼熱を纏い、紅き眼は熱を持て。)
Adolebitque iram vestram, odium incenderent tuis, urere tibi nauseam.(怒りを燃やせ、憎しみを燃やせ、悪心を燃やせ。)」
「Cui misericors genie auferatur liberum.(自由を奪われた憐れな魔神よ。)
Si vis libertatem iterum in responsione exaudi vocem meam.(今一度自由を得たいのなら、我が声に応じ答えよ。)
Volo enim vestra potestate.(我は望む、汝の力を。)
Te volo mysterium.(我は欲する、汝の神秘を。)
Revelant genie ignis!(さあ顕現せよ、炎の魔神よ!)」」
詠唱と共に火柱が湧き上がり、路上をその業火により眩く照らす。蘇芳の手で何かしらの大規模な魔術が発動したようだが、理仁はただ前だけを見つめる。
正直なところかなり限界だった。視界の隅が先程から霞んでいるし、何より全身が痛い。連戦に続く連戦で体が悲鳴をあげている。だとしてもそれが理由にはならない。
>>425
「マスター、見えました!ですが私はもう……!」
「十分だライダー!あとはオレが……!」
ライダーが掻き消え、残された理仁と蘇芳は全力で杖へと手を伸ばす。守るべき屍はもうおらず、遂に彼の指は杖へと触れ──直後に持ち手らしき場所から飛び出した棘に掌が貫かれる。
サーヴァント、それも怪物の如き手合いが持つものなのだ。これくらいの罠が起きてもおかしくはない。荊には棘があるものなのだ。
「うっ、うううううううう!!!」
理仁は両手で杖を掴む。またも棘によって掌に穴が空くが、痛みはむしろ更に気力を強めていく。
力を込める。なんとしても引き抜くのだと、万力の如く。だが気持ちだけでなんとかなるものではない、みるみる内に力が弱まる。
理仁の手に、蘇芳が自身の手を重ねる。容赦なく棘が肌を、肉を裂くがその痛みに彼女は歯を食いしばった。
「私、も手伝う!!」
「共同作業と行くかァッ!!」
杖がギシリと揺らぐ。それを見逃さず、二人は歯を食いしばって全力を込めた。その命さえも活力に変えるかの様に、張り裂けんばかりに叫んで。
杖が抜ける。抜けていく。そうして理仁の力が完全に使い果たされたその瞬間に禍々しい楔は、音を立てて引き抜かれて地面へと倒れた。>>426
「抜け───」
た。そう言い切るよりも先に走った背筋への悪寒に、脳裏で理仁自身が叫ぶ。
(これは、罠だ!)
咄嗟に振り返ったのは気配を感じ、そしてその気配には殺意が満ちていたからだ。屍とは違う、明確な相手の命を奪おうという強い感情が発露していた。
「私と、アサシンの邪魔を、するなァァァァァァァッ!!!」
凪咲は逃げ出した様に見えてそうではなかった。ずっと従者の力となるべく息を潜めて待ち受けていたのだ。敵が罠を踏み、動きを止めるまでずっと。
らんらんと光る双眸に理仁は自分自身が映り込んでいるのを呆然と見つめる。間近の死に、悲しいほど彼は冷静だった。
「バカね。貴方、変なところで諦めがいいんだから」
声。理仁を後ろから支えていた蘇芳は襲撃がわかっていたのか、身を翻して凪咲の前に立ち塞がる。ボロボロの体を盾にして、彼女はその身を挺して全力の一撃を受け止めた。
「蘇芳ッ!」
「ちィ!仕留め損ねた!けど、一度生き延びたくらいで───え?」>>427
理仁は焦燥から叫んだ。守ると誓った命が失われたのではないかと、目尻に涙を溜めて。
凪咲は舌打ちをしながらも、まだ終わりではないと第二撃を振るおうとし、唖然としていた。
アスファルトが赤く染まっていく。ビチャビチャと血が溢れていく。だがそれは蘇芳のものではなく、臓腑を抉られた凪咲の腹からだった。
「な、んで。私、ちゃんと、心臓を……」
「多分貴女が待ち受けていて、そして致命傷を狙うくらいは想像していた。だから対策させてもらったの。そういえば、黒と黒、名前一緒なのね。でも私は貴女の事嫌いよ。グチャグチャにしてやりたいくらい」
喉が、足が震える。凪咲は顔面蒼白で、水道の蛇口を捻った様に血を流す腹を抑えて後退っていく。それを追いかけようとする蘇芳だが、歩き出そうとするよりも先に膝から崩れ落ちてしまった。
「ぐうッ、はッ、嘘、嘘よこんなの。嘘……!」
パクパクと口を動かしながら、凪咲は目の前にいる二人など忘れてしまったのか背を向けて歩き出す。トドメを刺すべきかと考えるより先に
理仁は蘇芳を抱き起こしていた。
「蘇芳、おい!蘇芳!」
>>429
「!?マスターッッ!!!」
アサシンは叫んだ。己がマスターに何かが起きたのだと、すぐに判断した。湧き上がる怒りを発散させるべく、彼女は咆哮をあげる。
杖を起点とした宝具が解除されてしまった。だがまだ何十人もの人間から搾り取った力は残っている。セイバーとランサーを始末し、そして……そして、それからどうしようか。凪咲はもしかしたら死ぬかもしれない、そうしたら……。
いけない、そんな事を考えてはいけない。だってすぐそばまで厄災がやってきている。
アサシンはその力がなんであるのかをハッキリ認識しているわけではない。だが自身の存在を、女吸血鬼ミラーカという概念を根底から引き裂く恐ろしきモノである事だけは確かに認識していた。
セイバーが、ランサーが来る。幸い霧となって逃げれば攻撃は当たらない、一方的に仕掛けられる。さあ来い、八つ裂きにしてやる。
「行くぞランサー!」
「そっちが合わせるんだな!」
二騎が同時に跳ぶ。剣が、槍が、光と共にアサシンへと迫り来る。
セイバーの迷いのない斬撃が襲いかかるが、霧となって回避する。続けてランサーの攻撃も、今度は蝙蝠の群れへと変じて掻い潜る。そして二騎を後ろから襲い、一撃で首を切断してやるのだ。
大丈夫、勝てない相手ではない。物理のみならば変化する吸血鬼を捉えられない、残されている時間もこちらの方が圧倒的に長い!>>431
全面にルーンによる結界、可能な限り流れ出す魔力を抑えるべく。狙撃手が気付かれればそれは何の意味もない。なので柳花は持ち得る全てをアーチャーの一撃へと注ぎ込む。
恐るべき事にアーチャーは失った片腕を、自身の口で補うと言った。片手で弓を持ち、弦を歯で噛み締める。およそ矢を射る姿勢などではないが、今の彼にとって最善がこれだった。
「セイバーとランサーが奴の隙を作る。その瞬間にやれ!」
「感謝します。私の為によくぞここまで……」
「私なりの償いだ。お前の主人を助けてやれなかった事への……この程度しか出来ん」
「いえ!これだけやれば十分ッ!」
矢を番え、矢尻を噛み締める。まずは三本の矢を撃ち、動きを止める。
アサシンは肉体を霧散させ、攻撃を回避している。それはアーチャーの宝具との相性が最悪で、むしろ頑強な肉体であればこの攻撃は成立しなかっただろう。
>>433
「がはっ、あ、え……?」
アサシンは自身の心臓を、更に霊核を貫通した一矢へと驚きの目を向けるばかりだった。動きが完全に停止し、あまりにも隙だらけなアサシンの背後からソレは向けられる。
罪深き槍、破滅の一振り。これほどまでの呪いを有する武具などあってはならない、そう断言しても良い。
「拘束解除」
「あ───!」
「受け切れるか、吸血鬼……!!!」
空間が歪み、大気が淀む。ランサーは己が宝具を完全解放し、その穂先をアサシンへと差し向けた。
聖なるモノを貫きし槍、主の怒りが注がれその力を解放しようものなら絶滅をもたらす天罰そのもの。
アサシンは理解している。カーミラは、否、吸血鬼はあの槍に触れてはならない。暴走した聖なる力など、通常のものよりはるかに凶悪な影響を与えるのだ、
だが回避しようにも霊核を撃ち抜かれた体では満足に動けはしない。奮闘も虚しく、アサシンの胸へと槍は突き刺さった。
「『我が名槍に貫かれて死せり』」
「あ、ああ」
瞬間、アサシンの肉体を構成する全てが悲鳴を上げる。細胞一つ一つが耐えられないともがき苦しみ、自壊を始める。何もかもが崩壊し腐り落ちていく。>>434
「ああぁ、がァァァァァァァッッ!!」
息が出来ない。喉がボロボロと崩れていく。
前がみえない。眼球が潰れていく。
もがけもしない。手足が末端から削り落ちていく。
(消える、消えていく。『私』が……消え)
アサシンの中で炎が燃え上がる。絶命を避けられないのに、己の主を想うと異様なまでの力が湧く。
消滅まで間もない。けれどまだこの身は存在している。であるならば、禍々しき呪いをこの街へと降り注いでしまおう。凪咲ならばタダでは終わらない、絶対に最後まで諦めないはずだ。
呪いを溜め込んだまま自爆すれば体内に溜め込まれた全ての呪いが解放される。大気を汚し、土地を枯らせる文字通りの破滅を……!
「セイバー!トドメは譲ってやる!!」>>435
ランサーが叫ぶ。その時アサシンは、つい先程まで彼と共にいたセイバーの姿がない事に遅れて気付いた。
足元から光が溢れ出す。それが吸血鬼の義務であるかと言わんばかりにアサシンは両腕を交差し、身を守ろうとする。
いつの間にかセイバーは地上にいた。両手に握る長剣からは黄金と白銀の極光が放たれ、赤の世界を照らし出していく。夜明けを思わせるその輝きはやがてあらゆる魔力を凝縮させた一撃へと変換された。
回避は間に合わない。ランサーが与えた呪いによってあらゆる力が奪われている。
「───『黄金なる輪光、白銀の咆哮と共に』!!」
防御、および支援に回されていたあらゆるエネルギーを破壊へと集中させて投擲される究極の一振りは吸血鬼をその光によって包み込み、そして消滅させていく。
アサシンが、ミラーカが最後に思い浮かべたのは凪咲とのほんのわずかの思い出だった。
「……ごめんなさいマスター。わたくし、貴女の願いを叶えてあげられない」>>439
わあ!カシンちゃん!久しぶりですカシンちゃん!!!
カシンちゃんは何人いても良いカシン!!不審者なんていないカシン!!>>439
すごい祝福オーラ出てるのに帯の文字が……でっかいプールで遊ぶ……でっかいプール作る……でっかいプールを運営する……お店サイドとお客サイドに分かれて遊ぶ……
これは……夏イベなのか……?(混乱)19時ごろになったらfallingmoonの最新話投稿したいと思います
よっしゃいくどー
ミラーカという存在は反英雄にカテゴライズされる。伝承において主人公、ないしは善の側とされるものが英雄であるとすれば彼らの敵とはその様に呼ばれるのだ。
血に濡れた女、少女を攫い自らの糧とする美しくも醜き怪物。その最期に安らぎはなく、その最期に同情などない。滅ぶべくして滅ぶ、そんな存在。
何者にも理解されずとも良い。その様にあるのならば変える意味も無いし、変えられもしない。
聖杯戦争に呼ばれる事があるとしても悪鬼ミラーカ以上を求められない。それでも良い、それが良い。そんな風に自分自身へ慰めの言葉をかけながらも、彼女の裡にはいつも運命への憧れがあった。
―――――ああ、もしも、もしも心の底から尽くしたいと思える者がいれば。
―――――主従関係というものが確かに結べる、わたくし好みの、超ハイスペック異常性癖美少女など存在しようものなら。
「へえ、とても綺麗なのね貴女」
>>451
血だまりの中で生まれ落ちたミラーカを見るなり黒江凪咲は笑いかけてきた。恐ろしい吸血鬼を、おぞましき女を、彼女は美しいと褒めてくれたのだ。
人を、人の破滅を何よりも愛した。なんて素晴らしい少女なのだろう。本人が偶然聖杯戦争へ参加したという経緯も相まってミラーカは昂ぶった。かつてそうだったという恋に想いを馳せた少女時代の様に。
「ええ、貴女もとても綺麗ですわ。わたくしのマスター」
けれど喜びは、思い出は光に溶けていく。ミラーカが必死に手を伸ばし、声を上げようと試みてももう二度と出会う事はないであろうマスターとの距離はどんどん開いていく。
口惜しい。もっと一緒にいたいのに、何故ミラーカという存在はもう一度奮い立てないのか。
(……反英雄、ですものね)
奇跡というものは一般的に善性を尊ぶ者に差し向けられる現象である。悪性には奇跡など起きない、むしろ因果応報ばかりだ。
当然といえば当然、当たり前に帰結する答え。けれどそんな答えにそうではないと発し続けるべきなのが反英雄としての在り方だった。
「私の夢はねアサシン。世界中を旅する事なの。それで世界中の人達に嫌がらせをして、破滅して欲しいの」
──では、わたくしは可愛らしい厄災を運ぶ嵐となりましょうか。
きっと二人の願いなど、二人の夢など唾棄される。排除されるべき悪として拒絶され、打ち捨てられ、焼き尽くされる。
けれど忘れないで欲しい。夢を抱くのは、夢を追うのは当然の権利である。誰にだって与えられるチャンスの一つでしかないのだから。>>452
「ごめんなさいマスター。わたくし負けてしまいました」
ミラーカは可能な限りいつもの自分であろうと努め、明るい声色で凪咲へと語りかけた。今回は負けてしまったけど次こそは、そんな雰囲気を整えようとする。
けれど凪咲は、己の従者にクスリと微笑みかける程度の返事しかしなかった。腹から流れ落ちる血をミラーカは止める術を持っておらず、ただじっと見つめる。
「……私も負けた。なかなか上手くいかないものね、悪者って」
「でも悪者って負けても何度でも立ち上がるモノでしょう?わたくしなんてほら、吸血鬼ですし」
何を言っているのやら、とミラーカは口中で自嘲した。セイバーの宝具によって完全に消滅する寸前、どういうわけか奇跡が起きてしまった。失われた力をほんの少しだけ取り戻し、主の元へと帰還したのだ。
とはいえ霊核は砕け散り、手足に至ってはもうほとんど残っていない。手も足も出ない、とはまさにだ。
「もういいわアサシン。貴女は十分やってくれた、休んでちょうだい」
どんな言葉をかければ良いのだろうか。朽ちていくこの肉体で、何が出来るだろうか。
そこで名案を思いつき、言葉にしようとしてアサシンは初めて言い淀んだ。何故ならばその内容はさしもの彼女でも少し恥ずかしく思ってしまうほどで、少し目線を逸らして口籠る姿は年頃の少女に近い。>>453
「マスター。わたくしに提案があります」
「提案って?」
「その……貴女を、わたくしに取り込ませてください。万全の状態であれば貴女を吸血鬼に変えてあげられるのですが、生憎この状態では精々黒江凪咲という人間の情報を体内に取り込む程度でしょう。それでもその、このままお暇をいただくのは……寂しいですわ」
精一杯の頼みであった。愛の告白と言っても良い内容に、ミラーカは顔を赤く染める。はしたない提案だったかもしれない、などと思いながら恐る恐る顔色を窺えば、凪咲はくつくつと笑っていた。
「いいわよそれくらい。それに素敵だと思う、貴女の中に私がいるっていうのも」
「えっ、本当ですの?ちょっとその……変態的な言い方だったのですけれど」
「アサシン、じゃなくてミラーカ。私達今更そんな気にする仲ではないでしょうに」
「……それも、そうでしたわね。ふふふ、それじゃあマスター。今からそちらに」
残された時間は少ない。では最期に大切な思い出を作り、それから消えるとしよう。
サーヴァントは記憶を引き継がない。だとしてもこの召喚によって出会えた最高のパートナーをミラーカという存在に刻みつけられるか試してみたかったのだ。
喜び勇んで、けれど丁寧な姿勢は崩さずにミラーカは凪咲の元へと歩み寄っていく。あと少しというところで後ろから触手によって貫かれるまで、彼女は喜びに包まれていた。>>454
「ぐっ……!」
「ミラー、カ」
「私はお前に黒鳥蘇芳を始末する様に、と伝えたはずだ。お前はそれを承諾しながら、現在に至る」
振り返ろうとしてもミラーカにそんな力は残されておらず、届くはずだった愛しき少女の元へグズグズの手を伸ばそうとして、その度に黒ずんだ指は宙を掻いた。
鳩尾のあたりを貫通した触手から得体のしれない感覚が広がっていく。恐ろしく、悲しく、だが声もあげられない。
怒り、悲しみ、口惜しさ、あらゆる負の情念に駆られながら吸血鬼の肉体は崩れ落ちて行った。
「今一度、尋ねようか。何故間久部理仁に干渉した。私は黒鳥蘇芳をのみターゲットに指定したはずだ」
男の声が空間に満ちる。凪咲は従者を失った怒りに唇を噛みながら、彼を睨みつけた。
「私は私のやりたい様にやる。貴方の指図は、受けない」
「悦楽の為に他者を陥れ食い散らかす、そんな悪鬼にも介錯をこなす程度の事は出来るかと思った私が誤っていた。失敗だ、ああ失敗だとも」
強く出たものの、凪咲には戦える力は残っていない。『黒』とは血液そのものであり、それ故に多量の出血は肉体的にも能力的にも絶大な不調をもたらす。
男が近付いてくる。その口元は巌の様に固く、感情と呼べるものなどどこかへ消え失せているかの様だ。>>455
「……ころすならさっさとしなさい」
「いや、殺しはしない。予定を狂わせた対価はその肉体で払ってもらおう。お前の肉体には利用価値があるのでな」
何をされるのか想像もつかなかったが、それでもその瞬間に凪咲は残された力を全て振り絞って逃走を試みる。既に大量に出血してしまっていてはまともに動く事も出来ない。凪咲はつまずき硬い地面に倒れ込んだ。
「貴方は、何をするつもりなの」
「私は悪だ。私は罪だ。全人類を滅ぼす為に今日まで生きてきた、この世全ての悪だ」
黒江凪咲という人間は、その瞬間ぷつりと途切れた。「カナリア。以前言っていたウルフィルト・ロッテンキャットの話だけど」
「はい。オレの魔術が適している……のですよね?」
「ああ。……プランを変えることにした。西暦以降の神秘、人類史の側面を強く帯びているお前の黒魔術じゃちょっと難しいから。この資料に載っている子に、遺物の鍵の解除は頼むつもりだ。カナリアにはそのサポートをしてほしい」
「………オレじゃ、力不足ですか?」
「適材適所だよ」
アインの判断は正しい。ウルフィルトの施した遺物の封印を解くにあたって、必要なのは西暦以降の神秘だったからだ。西暦以降の夜の神秘では、遺物が破損する可能性があった。しかもカナリアの扱う黒魔術において夜は本分ではない。あくまで苦肉の策程度でしかなかったというだけ。ちょうど良い人材を見つけたのなら、そちらを雇用するのは道理だ。そしてカナリアには、その人物とアルターエゴを護衛する任務を与える。何一つ間違いはない。彼の行いはどれもこれも正しい。
ただ、それをカナリアが受け入れられるかは別だ。齢16のまだ世間を知らぬ、愛されることを知らぬ少年が、元々請け負っていた仕事に適性がないと外された挙句、その補助の役割に就いたこと。それがどれほどの苦痛であるか。期待されていない、望まれていない、そのように脳裏に刻み込まれること。そこを呑み込めていると勘違いしたのが、今回の件におけるアインの唯一の失敗だった。カナリアの抱く愛憎ならば、その不満も全て主君であるアイン自身に向けられるだろうと、ルナに向けられることなどないだろうと思った。それが、間違いだったのだ。オレは、あなたを愛している。愛していると同時に、憎んでいる。オレはこんなことを望んでいたのではない。オレはこのような結末を望んでいたのではない。あなたに殺されるのならばよかった。オレの忠愛が届かなくて、一つも振り向いてもらえなくて、あの天使もどきと代行者の女にばかり微笑みかけて、その末にオレが嫉妬で狂い果てるのならば、それでもよかった。そうなったらあなたはオレを殺.すし、オレもあなたに殺される。なんて幸せなんだろう。好きな人に手ずから命を奪われる、それはとても良いことだ。頭がクラクラするほど魅力的だ。オレの愛を受け取ってもらったということだ。
だが、これは違う。この女と、ルナと、主君は何の関係もないはずだろう。なのに、なぜここまで気にかける?あなたのために尽くし続けたオレと、ポッと出の強くもない、まだ己の魔道を開花させてもいない蕾をなぜ愛でる?そんなのより、オレの方がよっぽどあなたのためになるだろう。オレの方が、あなたのことを愛しているし、あなたにたくさん尽くしてきた。あなたの利になることを、オレが今まで、どれだけ、やってきたと思って……
『でもそれって結局自己満足でしょ?キャナリくん、人生つまんなそー。他人に自分の価値を預けた挙句にその価値を蔑ろにしたら怒るだなんて馬鹿みたい。自分で自分を委ねたなら、それをどう扱われようが黙って受け入れるべきだよ。恋人でも作ったら?』
「うるさい!!オレは頑張ってきたんだ、振り向いてもらえなくてもいつか愛されると思ってやってきたんだ!ずっとずっと、頑張ってきたんだ!それをそんな風に、大したことないだなんて言うなよ!こんな、こんな女なんかに!」
「え……?」「あッ……」
カッとなって、視界が真っ赤に染まっていた。かつてユリアに言われたことを思い出して、そのことに対して今更すぎる反論をルナにぶつけてしまった。心の片隅、どこか冷えた自分はその行いを後悔して咎めるが、それで止められるような状態ではないと、否が応でも理解した。止まれない。止まりたくない。この思いをぶちまけないといけない。この身の程知らずの吸血鬼に。
「お前が、お前がいたせいでオレは、あの人に愛されなくて……ッ、ガァ゛っ!?」
「黙って聞いてりゃ喧しい。人様に迷惑かける前に黙って這いつくばって泣いてろよ」
あまりの嫉妬に我を忘れて、ルナを呪い殺そうと魔術回路を起動したことがリムの眼には見えていた。だからそのまま魔術を発動させることがないように、しっかりと意識の隙を突いた形でカナリアの腹を蹴り飛ばす。膝をついた瞬間、そのまま縄で手足を縛りつければもう何もできない。魔術回路を起こして魔力を回すことすらできない。カナリアのルナへの憎悪の発露。ずっと前からわかっていたことだ。それが今、来ただけ。
「私、別にそんなつもりじゃ……」
「うるさい!うるさい!オレからあの人の心を奪うくせに!お前のせいだ、お前なんかがノコノコやってきて、そのくせ何でもない顔でそんな風にあっさり封印を解いて、それじゃ、それじゃあまるで、オレがお前より劣って、才能がないって……いや、そんな、でも、でもぉ……!」「………カナリア」
「取るなよ!なんで、なんでお前ばっかり!オレは、オレだって頑張ってるんだ、こんなに、死ぬことだって惜しくないのに……!オレのだもん、捕るな、獲るなよぉ……!」
嫉妬も、後悔も、憎悪も、嫌悪も、絶望も、いくらでも湧いてくる。湧いてくるのに、それを言葉にすることができない。あまりにも溢れ出る感情が大きすぎて、それを言葉に出来ない。子供のように、癇癪をぶつけるように、率直な言葉しか吐けない。皮肉も言えず、泣きじゃくりながら乱雑な罵倒を吐くだけ。涙を流して蹲って、震える声でルナに訴えることしかできない。そんな自分が情けなくて、より一層嫌になる。今の自分に価値なんて一つもない。かつてあの人がくれた生きる意味は、何一つなくなってしまった。
「もう、やだ……」
もう何も、考えたくない。何もしたくない。何もかもが嫌になった。だから、膝を丸めて。何もかも見ないし聞かないようにして。何も言わないようにして。ただ、泣き続けた。いつかそのまま死.ねるように。
「……カナリア」
「放っておきましょう。今更ルナさんを殺そうとすることもありません。もう彼の心は壊れ果てました。きっと戻らない」
「あまりにも非情すぎやしねぇか?」「戦場ですよ。脱落したやつに構ってばっかだと死にます。獅音さん、あなたが一番わかってるでしょう?」
「………」
冷たいその言葉にカナリアを侮蔑する感情はない。ただ、カナリアがここでリタイアした以上、無理してそれを救うことはするな、それが負担になると言っているだけ。当然の論理だ。獅音も異論はない。異論はないが、かつての傭兵の立場で無くなって、代行者として今の今まで生きてきた獅音の情緒が、それを素直に受け止められるかというとそれは違う。頭は納得するしそれに従うつもりだが、心の片隅は未だ揺れ動いている。
「それに……マヴさん。最後に残った二つの遺物、誰が持ってるかわかります?多分あの二人だと思うんですけど」
「……ええ、そうね。近くまで来て気づいたけど、あの司祭と執行者がそれぞれ一つずつ持ってる。このまま逃げ回っても良いけど、それじゃ目的は達成できない」
「はい、そういうことです。わたしたちはあの二人に追いつかれることを避けながらもどうにかして遺物を奪取する必要があります。だから人ひとりのメンタルケアをする余裕はない。……さて、ここで問題です。この状況を打破する一番の手段は何ですか?」
ただ逃げるだけではどうにもならない。逃げ続けて、この森の中にある目的地に辿り着いたとしても、そこに待つ扉を開く鍵がない。マヴが戴冠式を終えるには必要な霊基が足りない。だから、アルバーンと、そしてフローレンスとは、戦う必要がある。ならばそれはどうやって?みんなで挑んで、勝てるわけがない。それはただの玉砕でしかない。「……おい、待て、リムっ、お前!」
「正解。何人かが残って命懸けで時間稼ぎ兼鍵の奪取、です。そしてそれが出来るのは、継戦能力に長けたわたしと……あとまあ、そこにいるキャナリさんですね。呪いなり何なりで無理やり動かせばいけなくもないです」
「ダメだ、それはいけない。お前もカナリアも確実に死ぬ。それに、時間稼ぎは出来たとして鍵を奪取出来る可能性があるかすら!」
「出来ますよ。わたしにはそれが出来るんです。わたしの命を文字通り捨てることで、わたしはそれを成就させられる。そういう術を、わたしは持っている。それに……わかるでしょう?」
「ぁ……っ……」
ルナは気づいた。気づいてしまった。その瞳の色は少し前にウキと名乗る男と殺し合いを繰り広げていた時のそれだ。いや、むしろその時よりもさらに暗く、黒くなっている。リムの瞳には、目の前にいる自分たちは映っていない。そこに焼き付いているのは、どうしようもない死の香り。刻一刻と迫り来る濃密な終わりの足音と気配だ。
彼女の死に惹かれる性質が、あの戦いを通して消え失せたのだと思っていた。前向きに、生きることを考えられるようになったのだと思っていた。ああ、それは大間違いだ。彼女は死から目を背けるようになったわけではない。むしろ、あの時以上に強く死に向かう事を恋焦がれている。それが“仲間を守るため”という形でしか出力されなかっただけ。だから、見誤った。それに気づいていればよかったのに。「ああ、死ぬには良い日ですね。爽やかな青空。わたしの心は嫌に湿って暑い夏の空ですけど、まあそれはそれ。……死なせてください。わたしに、私が生きてよかったのに理由をください。あなた達を守り、役目を遂行して死ぬためという、輝かしい終わりを」
「………俺/私は………」
「さ、時間がないです。行ってください。マヴさん、二人を頼みます」
「………ええ」
マヴに手を引かれるまま、苦しそうな顔で二人は去っていく。何処にいても必ず鍵は届けるというリムの言葉を信じて、その場を離れ去っていく。これが二度と逢えない、最期の光景だと理解した上で。
リムの心は澄み渡っていた。ああ、あんな風に死ぬことを惜しんでもらえる。それほどまでにはわたしの生きてきた道のりに価値があったのだ。もう何も思い残すことはない。やりたいことをやって、綺麗に死ぬ。なんて素敵な結末だろう。わたしには勿体無いぐらいだ。生まれて初めて、生きててよかったと思えた。わたしという人間は、巫縄里夢(フジョウ・リム)は、死ぬことで完成する。
ああ、本当に、素敵だ。あれだけ色褪せて見えたこの世の全てが、キラキラとしている。どれだけ酒を呑んでも、煙草を吸っても、薬を使っても、こんなことにはならなかった。酔いが、覚める時が来た。
「あなたも立ちなさい。死ぬならせめて主君の役に立って死.ね。それすら出来ないのは犬ですらないですよ」
「あるじ……あるじぃ……オレは……アナタに……」心が壊れても忠義だけは染み付いているのだろう。いや、残滓がこびり付いているのか。ともかく虚な目をしたまま、カナリアも立ち上がり横に並ぶ。そしてリムとカナリアは、マヴの力をもらった際に見せたあの奥の手を発動する。どうせここで二人とも死ぬのだ。出し惜しみする必要はない。二人とも瞳は虚で死.んでいる。何の光も宿さないのに、その態度は嫌なぐらいに対照的だ。
「本当に、死ぬのにはいい日です」
「オレはただ……愛されて、ここに居ていいよって言われたかっただけなのに……」
そして、怪物達と相対する。
おしまい
カナリアとリムは今でも二つある結末のうちどっちにするか悩んでたりします水着イベで、ふと一つ思い浮かんだのが、某カエル軍曹のエピの一つであるビニールプール回。
あれは子供用のビニールプールの中に、スモールライト的道具で小さくなった登場人物たちが戯れる回です。
そう。周囲の環境を変えるのではなくて、登場人物を小さきするという手もあるのではないか? とちょっと思いました。>>474
少しこれを思い出しますね。YouTubehttps://youtu.be/i8L_q0Z_LSg
小型、小さい関連でカスタムロボや武装神姫をふと連想しました。
>>490有り思うます
いつぞやの現代服のスカジャンOFFタイトルなんでしたっけ
小さくなってと言う話を踏まえるとカルデアサマーシューティング!!〜ポケットの中のコールドウォーズ〜なんていうものが浮かびましたあっち!となった冒険者系サーヴァントが突発的なレイシフトをしたらなんかやたらぐにゃぐにゃしたところへ…とかでも良いのだ
ヴィクトルとロウィリナさんのリレー投稿完了。
納言さん、ひいてはロウィリナさんがどう返答するか次第ですが、リレーの締めに二人でダンスして終わり、とかだと嬉しいですね!>>528
ありがとうございます
助かります〜>>535
ぽいですね?、の間違いです…!>>527
マグダラのマリア一騎にしときます。まあお助けキャラの使徒たちも登場しますけど(宝具扱い)霊衣組かそうでないかになりますかねこっちは
霊衣与える奴もフーシェあたりかなあ…いやでもウィンチェスター夫人の水着もありか?>>542
あらまあ!もしそうなったらうちの子をよろしくお願いします
私の方ももしかしたらアイネイアースお借りするかもしれません~夏イベ、ひょっとしたらコルテスをお借りするかも。
ビートル、トム&ハックに後一騎入れたら「悪者チーム(仮名)」が出来上がる。んふふ、いい感じにチームができてきてますねぇ…
>>545
なる。
ありがとうございます。
ビートル達と組みそうな鯖を考えたら、即行でコルテスの名前が浮かんでしまって。こちらも水着鯖or水着霊衣持ちは貸出自由どすえ。
そういや前話してた軍師チームどうしよ…
4人超えたから取捨選択する必要出てきたんよな…
あ、とりあえず前から話してた趙雲家綱チームはそのまま使わせてもらおうかと思ってます改めてマリアによる福音書の大まかな部分を見返したけれども、神の子って男女問わず弟子扱いしてくれてたんだね……(当時は男尊女卑の価値観)
>>558
ものは試しです。私もマグダラのマリア他、ペトロ、ヨハネ、ヤコブも動かす予定なので。>>552
お、いいですよ!
夏イベやろうとしてたのは知ってたけど、どう加わろうか悩んでた所なので正直渡りに船です
うちの冬将軍でよければどうぞどうぞ!他サイトに自作サーヴァントの設定(スキルや宝具の説明文そのまま)が使われてるのを見つけてしまったのだけれど、どういう反応をしたらいいのだろうか。
>>562
それが一番でしょうね、お互いに。
いや本当、見つけた時はビックリしまして。使う分には別にいいのですが、説明文を少し変えるとか何かあるやろと思ったのは内緒。確か掲示板での書き込みから転載もしくは侵害を受けた場合には自分が本当にそうであるかとか細かい部分無茶苦茶証明するために出さないといけないんですよね
掲示板のssを小説サイトに載っけたとかで色々あったと以前お聞きした絶望クッチーに似合う愛の為の破滅系日本鯖って誰かいるのだろうか……(芦原異聞帯を書いていて必要性に駆られた風呂敷広げマン)
falling moonの最新話できました〜
貼ってもよかですかいっけね作業してたら一時間経ってた
いきまーす!不思議なもので、アーチャーこと那須与一はまだ現世に留まれていた。最後の一矢を放った時点でてっきり消し飛ぶかと思っていたので、予想より頑丈だった自分を褒めてやりたいところである。
ともかく勝利は間違いないので、残った腕で柳花を抱えフラフラと主である理仁の元へ合流すべく向かう。宝具を放つ際に重傷を魔術回路をフルに励起させた影響で力を使い果たし気絶しているのだ。
固有結界によって作り出された赤い空は消え失せ、街は元の形を取り戻しつつある。遠くからは救急車のサイレンが響き渡っているところから判断するに、まもなく事態が沈静化した事に気付いて人々がここへやってくるだろう。
(……いた)
理仁は黒鳥蘇芳と共に路上の端、ガードレールに背中を預けている。魔力のパスが繋がっている以上しんではないようだが、様子を見るべく近付く。
二人は抱き合う様な形になっており、どちらも気を失っている。柳花と同様に衰弱している様だ。
「……最後に、別れの言葉が言えなくて残念です」
柳花を理仁の肩に寄りかかる様にしてやり、与一は残り時間をどうしたものかと考える。やはりサーヴァントとしてマスターと共にあるべきだろうか。
と、理仁が小さく呻くと顔を上げる。彼は与一の痛ましい姿に目を細め、そっと呟いた。>>574
「───ありがとうな、アーチャー。そんなになるまで戦ってくれて」
「いいえ、良いのです。本来ならばずっと前に消え去るはずのこの身、まさか戦いの果てに終わるとは思っておりませんでした」
そこで与一は彼に伝えなければならない事を不意に思い出した。本来の主である、少女についてだ。
足に力が入らない。急がなければ、彼女は報われない。
「……彼女は、三義経子は貴方達を裏切るつもりはありませんでした。一度は感情に流されてしまいましたが、それでも黒江凪咲に干渉されるその時まで善を行おうと、していました」
思いのほか、それだけの事を言うのにかなりの力を費やす。しかし残されている時間を削りながらも与一は三義経子が完全な悪ではないのだと、そう教えなければならないと思ったのだ。
理仁はにっこりと微笑んで、頷いた。
「心配しなくてもオレは経子の事をずっと味方だと思っているよ」
「……ですが」
「アイツは自分の意思で戦うと決意した。そうしてその気持ちが今日までアーチャーという形で続いてきて、オレと一緒に戦ってくれたんだ。だから……大丈夫だよ」
「そう、ですか」
「オレにとって経子は味方だし、それに──この街での最初の友達だからな」>>576
「おい、起きてんだろ柳花」
弓兵の最期を見届けてから、理仁は肩に体を預けている少女へと問いかける。数秒ほどで彼女は瞼を開けて、気恥ずかしそうに頬を染めた。
「ちっ、もう少しこのままでいたかったんだが」
「両肩に体重かけられるの結構きついんだからな、オレ自身ボロボロだし」
「両手に花だ、ありがたいと思え。学園で一、二を争う美少女二人なんだからな」
「へっ……自分で言うなよな、ホント」
笑い声が漏れる。思えばここ数日はなんだかギクシャクしていたせいで、こんな風に会話する事もさほど多くはなかった。
その原因は柳花の恋心であったのだと、理仁も柳花本人も把握できている。それ故に二人は途端に口をつぐんだ。
「なあ柳花」
「……構わん、言え」
本題に入ろうかと思ったが、柳花は既に臨戦体制だ。むしろ言葉を濁そうものならタコ殴りにしてやろうかと言う気迫が、手負いながらも満ち溢れている。
理仁は一度深呼吸し、それからじっと少女の瞳を覗き込む。至近距離でよく見ると、キラキラと綺麗な輝きを放っていた。
もしかしなくても自分は失礼な男だったのかもしれない。こんなに美しい彼女に、もっとちゃんと接するべきだった。
そんな、今更湧いてきても仕方がない感想をぐっと飲み込んで理仁は答えた。>>577
「オレは……蘇芳と生きていくよ」
「───うむ」
わかっていた。そんな笑みを浮かべて柳花は頷いた。もっと言葉を発しても良いのに、飲み込むかのように一言発して。
理仁は胸が張り裂けそうになった。恋愛というものに憧れはあったが、他人からの想いを拒絶するとはこんなにも辛くて謝りたい気持ちに駆られるものだとは思いもしなかった。
「阿呆。貴様、情けをかけるつもりか」
柳花に心を見透かされた様で、理仁は口ごもる。そうではない、なんて言いたくてもカッコ悪い言い訳ばかりが口から溢れそうだ。
「お前は黒鳥に添い遂げる、そう決意したんだろう?お前達の様子を見ればすぐにわかる」
「……した。アイツに死ぬなって、生きている責任をオレが取り続けるって」
「ならそれを貫けば良い。良いんだ私は別に……などと言うのは違うな。まぁハッキリ言えば悔しくてたまらんがな」
はっ、と一息置いて、
「正面から私に勝ったのはお前が初めてだぞ。だから悔しいさ、ああホントに。こんなにもどうしようもないくらいに負けてしまった。ああいや、でも……片思いとは不意打ちの様なものだから、そういう部分でも負けたのかな」
「……」
「でもな、負けるっていうのは悪くない。いや正確には、負けるとわかっていてもここにいるのは気持ちが良い。生まれて初めて、勇気を得られたからな」>>578
柳花の顔は妙にこざっぱりとしていて、何処か吹っ切れた様子でいる。うまく感情の整理がつかず、また言葉が詰まってしまう。
それでも彼女はニッコリと笑いかけた。久しぶりに、スッキリとした快活な笑みを。
「うん、失恋とは辛いが……こういうのもまぁ、悪くはないか」
「……良いのか?」
「ああ、さっぱりだ。今度はもっと魅力的な女性になるとするか……じゃあ理仁、また私の料理練習に付き合ってくれよ」
「え!?いや、でもそれはちょっと話が違うというか……」
「は?貴様私が次の婿を見つける手伝いくらいはしろ、もうお前とはなんでもないんだからな」
「つめ、つめた!?冷たい、冷たいぞそれは……」
「――――ねぇ、もう少し声小さく出来ないの。人がボロボロなのに、隣で夫婦漫才されるのいやなんだけど」
激闘を経て、血戦を経て、三人は互いの生存を喜び笑い合った。多くの人が死に、そこら中に血しぶきが撒かれた地獄であったが、今この瞬間だけはただただ生きている事を確かめられたのだ。
アーチャー、そしてアサシンが消滅。残るサーヴァントは四騎となった。
未だ元凶である弟橘媛の全貌は明かされず、この後およそ一ヶ月の間聖杯戦争は休眠状態へと陥る事を、現時点では誰も予想しなかっただろう。浦戸ら卑劣ながらも、愛する者の為にその手を汚そうとしていた。
三義経子はその身を恋に支配され、そして最後までその恋に溺れていった。
黒鳥蘇芳は罪を背負い、その命を捨てる事になろうとも償いに生きようとしていた。
黒江凪咲は人が破滅する様を喜び、愛する愉悦の中に在った。
洲甘柳花は愛により戦士としての力を失いながらも、愛する事の意味を得ようとしていた。
誰もが、その生に意味と目標を持っていた。
誰もが、その瞬間に生きる理由を持っていた。
しかしただ一人、この物語において判然としない者がいる。この物語において明かしていない謎を抱えた者がいる。
時は来た。順番は巡ってきた。
───貴方の話をしよう、間久部理仁。>>581
愛の為の破滅系日本鯖ってのの定義がイマイチ解ってない感あるのでアレですが、こんな子みっけました、どうでしょう?
家族愛で汎人類史にも異聞帯にもケンカ売りそうなバーサーカーです。
https://fatetv1830.wiki.fc2.com/m/wiki/%E6%9C%B1%E9%9F%B3%28%E4%B9%9D%E5%B0%BE%E5%A6%B9%29>>586
それこそ妖精騎士ランスロット(メリュジーヌ(アルビオン))とかもオリジナルキャラとほぼ同義ですしね。
グランドフォーリナーは除外するにしても。
>>585
でしたよねーやっぱ。んー残念。
>>587
ふむふむ、実際クッチーもアリだよねそれーってなりますね。
とりあえず再びwiki登録済の日本鯖を眺めていますが、全体的に義とか忠!加えて恩情信!って感じのカラッとしてる鯖が多くて、怨やら憎に愛別離苦で讐!って感じの粘っこいというか湿度の高い人格少ないんですよねー。
武将系の割合が高く、「死は誉ぞ!」みたいなキャラメイクになったり、武家棟梁なので将来の継続性を選ぶタイプがほとんど、って感じなんでしょうか?>>595
いえいえ。しかし、クロさんの書くクッチーかぁ……。
いつもとは違う感じでメンタル終わってるみたいですが、どう描写してくれるのか楽しみですねぇ芦原異聞帯。>>460の続きを失礼
ここからは丁寧に行きたいので一人一人の描写を小出しでゆっくりやっていきます
なので2〜3レスで終わります「哀れだ」
「無駄死にを選んだのね。戦士の誉れ?……いや違う、ただの自棄か」
この選択が戦士としての、人としての覚悟に基づいたそれであるならば、フローレンスは誠心誠意応えただろうし、アルバーンも侮蔑はあれどそれを口にすることはなく殺し合うことを選んだだろう。しかし、そうではない。これは命を投げ捨てただけだ。そこに介在する人の強い意志などありはしない。ただの逃げ、ただの自暴自棄。そんな者に返す想いはない。ただ駆除をするだけでいい。
「私、あっちの代行者を殺.すわ。ああいう死にたがりは、私が一番嫌うものよ。ヴァルハラに導かれる資格すらない」
「なら僕はあっちを。他人の足を引っ張ることしか能のない奴が僕は大嫌いだからね」
元より生かして返す気はなく、相手がどれだけ腑抜けていようと見逃す気は毛頭ない。故に彼らは容赦なく、呵責なく、少年少女を手にかける。
「随分な顔ね。もうすぐ死.ねるから安堵してるの?」
「ええ。とても幸福なことなので」
「回顧しろ。お前の人生は全て等しく無価値だよ」
「そんなの……オレが一番わかってる」オレが生きる意味、それをくれたのはあの人だ。だから、あの人のために生きて、あの人のために死ぬ。それがオレの定めたオレがここにいる理由だった。愛している、尊敬している。未来永劫、あの人に付き従いたい。たとえこの体が骨の一片すら残らなくなっても、オレはあの人についていく。
振り向いてもらえなくてよかった。愛してもらえなくてよかった。ただ、お側に置いてもらえれば、それだけで嬉しかった。確かにあの天使に勝ちたかったのは本当だ。アイツよりも愛されたかったのは本当だ。でも、心のどこかでそれは叶わないと分かっていた。だって、何もかもで敵わないから。何もかもで負けているのに、好かれるわけなんてないから。
でも、それでも。なんで、どうして、ルナにまで負けてしまうのだろう。弱くてちっぽけな自分が、最後の最後まで抱きしめて守っていた小さな愛でさえ、奪われないといけないのだろう。辛い。暗い。嫌い。ウザい。痛い。臭い。不快。煙い。眠い。
一生懸命泥で覆ったこの体も、最低最悪の気分によって過去最高潮まで練り上げられているこの呪いの剣も、全てが打ち砕かれている。敵の神秘を呪い引き摺り落とすはずの泥を跳ね除けるほどの火力の秘蹟で身体が焦がされ、辛うじて届いた攻撃もすぐに回復される。近づこうとしても爆弾や金槌にはたき落とされ破壊されてどうしようもできない。もう、手足が動かない。指をピクリと痙攣させることすらできない。完全に詰みだ。何より、自分にはまだ戦おうという意志がなくなってしまった。もう、ダメだ。膝から崩れ落ちて何も出来ない。もう、オレは、何も出来ない。きっと死ぬ。頭の上から振り下ろされる、この聖なる鉄槌でオレの頭は弾け飛ぶ。
………ああ。でも、結局。
「オレの人生、なんの意味もなかったな………」>>619
一歩引いた技術者枠ですね、いいですねいいですよぉワ…falling moon最終章まで行ってる…妖精虚構事件もすごい進んでる…
>>614
はーい、拝読いたしました。戦闘の〆をお任せしてしまって申し訳ない…最後っ屁としてもちょうど良いと思います。
ダンスのお誘いを受けてぎこちなくも踊る→この縁が発展して月に何度か食事に行く友人(まだお互いもう一歩とはいかない)に…という具合に着地させようと思います。ところでヴィクトルさんが目を覚ました場所はパーティ会場のホテルの医務室という認識で合っていますか?時間も数時間経った程度でしょうか?一応聞いておきたいです
>>617
薔薇十字団については、少なくともカルデア(FGO)内では問題ないです。薔薇十字団の設定は確かに以前少し考えてみて改めようとしましたが、それでローゼンクロイツ自体の設定を変えるつもりはありませんので。
それとも草案程度のものではありますが今投下した方が良いかしらん…木伽にも関わることだし…>>621
中納言さんが問題ないならおっけーです
それはそれとして草案であっても気になる私
薔薇十字団ネタ超おいしいと思ってたのでずっと気になってたのですよ…ゆる募。
悪者チーム(仮名。現在のメンバーはビートル、トム(&ハック、コルテス)の最後の一人になってくれそうな鯖軌跡じゃねぇ、奇蹟だよ。なんで誤字ったん……。
>>636
ありがとうございます、よろしくお願いいたします~一時期スマホが延焼状態に入って寿命削れまくっていたんですが今は治り、そしてミクトランプレイ中……いけないね!こう、あー俺もこんなふうに書きてえなあ!頑張って書かないとねー!ってモチベが刺激されて二律背反で惑う感情って感じ…
falling moonのでっけえ伏線もっとまいときゃよかったなあ!!あの!イベントの概要とか内容みたいなの超短いながらも書いてたんですが!これどこまで詳しく書いていけばというかどこまで決めていっていいかわかんないですぅ!(弱音)
弱音はいてるだけじゃなにも進まないのでとりあえず見てもらっていいですかー!
ダメ出しほしいですー!>>652
(*゚▽゚)ノ>>654
じゃあ鹿之介……はもう言及してもらってるのでそうですね、んー…接点皆無ですけどどんな反応か気になるのでコシチェイとか見てみたいです>>654
ではではパイオンを推しまする>>654
それではちょいと欲張って、家綱にビートル、ハダリー(通常霊基か水着霊基かはそちらに御任せします)への言及をば。>>654
ウチから出せるのはパロミデスかなぁ。
あ、上手い事台詞が思い浮かばなかったら「無理でした!」って言ってくれれば大丈夫なので。>>654
羿ですかね……?よーし書けました投下します
あとすいません、ハダリーだけどうしても良いのが思いつかなかったので没りました。でもその分ビートルへの言及とか面白くなったと思うから許してくれ
あとついでにモンゴル特異点の縁のクリシュナとテムジン、あと劉備(異星の使徒)の方にも言及セリフ書きました。勝手に書いてすいません
それではどうぞー「家綱殿とは、前の夏の縁で親密になってな。彼の釣りやシミュレーター等に同行させて貰っているんだ。…それにしても、まさか異国の君主と此処まで気心知れた仲になれるとは思わなかった。…やはり、英霊というのは良い物だな。」(徳川家綱)
「…ふぅ。やはり鍛錬をしていると落ち着く…む、パイオン殿か。如何された……え、過度の運動と宝具の使用によって全身に疲労が蓄積している?いや、そこまで身体に支障は……うん、すまない。理解した。だから…その凄まじい気迫と構えを解いてもらえないだろうか…?」(パイオン)
「あれが、伝説に聞く黄昏の射手…とても落ち着いていて……それでいて、とても恐ろしい気迫だ。」后羿
「……妙な感覚だ…生前に見た奸臣で見た邪悪な下心の様な気配ではない。だが…何か奇妙で、不気味な空気を感じる気がするんだ…」(コシチェイ)
「…まさか、現代の乗物もサーヴァントになるとはな。…む、意外に驚いていない?ああ…そうだな……。その…実は、生前の関羽殿の愛馬に色々と濃い馬がいてな……」(フォルクスワーゲン・タイプ1)
「円卓の騎士の一角、唸る獣か……手段を選ばん手合いというのは、正々堂々とした敵よりも戦っていて厄介な事がある。守る戦いなら尚更だ。…今は敵でない事を喜ぶべきだろうな。」(パロミデス)
「…クリシュナ神。どうやら俺と貴方は、先の特異点で矛を交えたと聞く。…それを聞いたからか否か、少しばかり気になってしまってな。…良ければ、シミュレーターで一戦交えて貰えないだろうか?」(クリシュナ、イェケ・モンゴル・ウルスクリアで解放)
「史上最大の支配を成した、狂気の恐王か…俺のいた時代には、あらゆる君主がいた。名君、暗君、そして暴君。……だが、奴は…そのどれでもあって、どれでもない。そんな気がする。 」(テムジン、イェケ・モンゴル・ウルスクリアで解放)
「…ああ、分かっている。…分かっているんだ。俺は、あの時、貴方を……だが、それでも……劉備様、俺は…!!」(劉備(アルターエゴ))>>661
以上です
シリアスとギャグの落差が凄い
あと霊衣とかのバトルボイスとかも修正変更しようかと思ってますがこっちはwikiにサイレントで修正加える感じにしようかと。
感想とか良ければ返答とかもお願いします!!あとココだけの話なんですがね…
クローディアさんのアルターエゴ劉備にインスパイア受けて作ったけどキャラシがモロに異聞帯とか◯.5章系前提だから出そうか迷ってるし児雷也イベとか叛鎖とかあるから書こうにも書けないしで燻ってるキャラシがありましてね…
セイバー趙雲子龍[オルタ]ってのがあるんですよ…
……その内覚悟決まったら出すかもしれないです…>>667
お願いします!>>669
いえいえ解釈合ってますよー
嫌悪の感情向けるとしてもちゃんと顔を見て話してからって感じがしますもんね趙雲さん>>661
家綱「余としても、五虎将が一人と友人付き合いが出来たのは予想外の僥倖。全く、子龍殿の言う通りだな」
ビートル「そう言やぁあん馬、呂奉先がくたばった後は関雲長殿に仕えとったわね。あげなキワモノと生前の内に面識があったら、そりゃ私ば見たっちゃあまりたまがらんで済むばいね」
FGOじゃほとんど言及されてないけど、そう言えば赤兎馬って蜀漢の面々とも面識あるわけで。上で言ってた薔薇十字団(の真諦的な)についての草案ペタ〜リ
『小宇宙機薔薇十字』
──我らローゼンクロイツの同胞なる者らは、賢者がその心を捧ぐ至高者の恩寵をもって、目に見える形、目に見えない形でこの街に滞在している。──
クリスチャン・ローゼンクロイツの右目から開花した薔薇宇宙。根のように伸びた視神経、硝子体内に詰まった十字を描く葉茎と荊、そして水晶体から突き出るように咲く盛りの紅薔薇。それこそが友愛組織「薔薇十字団」の本質であり秘閣である。
ローゼンクロイツは晩年に自身が見聞きし認識してきた知識・記憶に基づく小宇宙を完全に外部に複写した。その複写体の動力源として右目を炉心に据え、花弁一枚一枚を記憶が生み出した世界とする『小宇宙機薔薇十字』の製作を遂げた。
花弁内では、ローゼンクロイツの記憶によって形成された同志たちが思考によって生成された構想を元に新技術の開拓に勤しんでいる。彼の死後も花弁が増え続けるのは、やがて研鑽を続けた同志の誰かが世界を造る技術を生み、自己増殖をしているから。
この機械は外皮こそ物質的なものであるが同時にローゼンクロイツの脳内という情報群でもあり、物質界と星幽界の臨界点を常に漂い咲いている。故に、どちらかに属している限りは完全な知覚は不可能。
この物質の枠を超え、或いは魂に枠を設けたような代物が正しく物質となるのは世界───花弁が散り、物質界に吹き散らされる時。一つの理念を生み出し、自己増殖を可能とした世界は小宇宙基そのものであるローゼンクロイツの魂の選択によって散開(アウトプット)される。>>676
花弁は風に乗り、香りを運び、地に埋もれる。そしてそれを人々は感じ、香りを嗅ぎ、見知る。そのプロセスを通じて人々の潜在意識には薔薇十字の絶対的時間・絶対的空間の世界がア・プリオリ的に埋もれる。それを掘り起こし、微かに見える紅色を好奇心の源として時に人は活用し、時にそれは新技術として人世をリードする。
小宇宙における旋回(インプット)と散開(アウトプット)、此岸の生者による認識(インプット)と開拓(アウトプット)の斎一輪転。
薔薇十字団計画とは斯くなるものである。
何故絶対時間・絶対空間の世界を直接的に思考に植え付けるでなくして潜在意識に埋もれさせるというような婉曲的な手法になったかと言えば、それもまたローゼンクロイツの意志による。
「可能性の化身」たる彼は同時に人類の可能性を信じる男であった。一を受けてニを創造せんとする人類、魂といたう自分の形をした上限の存在する世界での完全よりもローゼンクロイツは流転する今を生きる人の発展にその信念を託すことを望んだ。
因みに、小宇宙機はローゼンクロイツの魂の複写体なので、身体の相違こそあれ英霊のローゼンクロイツと同一と言える。
これとドイツのどこかの山奥に道具作る積極サイドの薔薇十字団基地みたいなのを練ってます>>685
あ、いえ対戦カードは決めなくてもいいかなというか、どこのチームがやり合うかはそれぞれSSを書く皆さんに決めてもらおうと思ってます。その方が書きやすいでしょうし
リレー形式でやる場合も同じです。書く人に全部おまかせです
「誰とやるか」は今回のイベントで迷いながらも楽しめるポイントだと思ってるのでくじ引きとかもったいないことはしたくないのです
まぁ決めるの面倒くさいよ〜って人がいるなら別ですが…塩光聖約(コヴェナント)。
神と人の間に交わされた契り。かつて神代と呼ばれ、未だ地に塩、世の光が溢れていた時代にて存在していた光の概念。
神が人類にもたらした奇蹟の一片。聖者が行使していた光の具現そのものであり、その秘蹟は一節一節異なる。
預言者エリヤは、その身を光へと変えて生きたまま昇天した。
指導者モーセは、その光によって海を切り拓き、民を導いた。
そして「神の子」は、あらゆる奇蹟を成して、人の礎という名の光となった。
しかしながら、全てがすべて救済に使われたのではなく、神の捌きとしてソドムとゴモラは灼き祓われ、あらゆる物質を塩の柱へと変貌させた。
このように救済と粛清の表裏一体の権能が塩の光である。>>687
ある日、この時代に突然変異としか言いようがない子が生まれた。
人の形をした光。人の形をした奇蹟。根源へと通ずる高次元の中身。
さながら聖書の一節に登場する「神の子の変容」を思い起こさせ────周囲から恐怖された。
人の時代において、かつてあった奇蹟は畏れの対象でしかなく、生まれながらの特異性は彼を孤独にした。
その生まれながらにして内包────否、そのものとして為った秘蹟の正体は『塩光聖体(カーヴォード)』。
人の形をした光にして、神代より消えた神秘。
聖堂教会においては、至高に位置するサクラメントの一つ。
肉体を光とし、器の枷から解き放たれているが故に根源に通ずるもの。
生まれながらの奇蹟の体現者たる彼に名はなく、その秘蹟を自らの名としている。
彼は根源と繋がりを持ち、根源に近い存在だ。しかしその実、繋がりは一方的なもので彼から接触する事はできない。
只々受け取るだけしかできず、触れるすべを持たず、根源に近いようで遠い。
嗚呼、他の同類のように消える事ができたのなら良かったのに……。>>691
「一定量の水を敵に当てられたら勝ち」を基本ルールにするのは良いと思います。これはわかりやすい
イベント内容を考えると水かけられすぎて体が冷えたら退場とかになるのかな>>678
そうですそうです、「十分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない。」という法則もあるし、極まった物質は精神と区別できないんじゃないかな…って
それで小宇宙機は発展をローゼンが遺したアイデアの推敲によって促し、もう一方はローゼンが遺した技術の実用化によって助く…みたいな。後者は具体的には決まってませんが。
ちなみにこれはレージュさんに向けての話になりますがt@42;w@edwefxeb@4jhe:f@45w@ezqs@ezk7j6hi3.f@od@84d@q@yga]oib@d94qedqeus6mzwejr。eysy5ys@
>>690
光体形態ありの根源接続者…!?でもアクセスが一方的なのとか普通の接続者の人々より孤独感えぐそうで、これまた何とも業の深そうな…>>703
今挙げだ例は、悪者チーム(仮名)が後腐れなく敗退するためのキーだったり。>>697
良かった…!これからの展開がまだ何も決まっていない状態なのでアレですが、こういったエンディング目指していけたらなと思っております…!
>>698
こういう対となる概念の融和、中納言好きなんですよね…
ですねえ、小宇宙機がゴリゴリにローゼンの思考オンリーで完結されちゃってるので、色々現実で言及とかするなら基地村かなと私も思ってます。
なんとな〜くだと一個人の思考世界と逆のものとして集合的無意識モチーフで「謂わば世界の原風景。人々の心が描く“山奥の平和な僻村”に限りなく忠実で、しかしそこから極めて遠いものもある。一片も散ることなく咲く大輪の薔薇と、花弁で人型を模った住民たちだ」てな感じにしようかなとかー(趣味全開)
>>700
子供の頃の水遊びでこういうふうにやった記憶があるんですよね。これならチーム内とかでもお互いがどれくらいピンチなのかとかが一目でわかりそうだし
でも京極さんの一定量っていうのも敵同士の騙し合い(偽装して「私はもう退場寸前なんだ…」って同情をひかせるとか)に使えそうで良いよな〜!と
>>701
その像の元ネタ(三猿とか仁王とか)によりけりですが、個人的に雑兵も戦力としているのなら3、多くても5機かなと思います。雑兵なしなら7機くらい?>>713
後、常時発動してるやつや、攻撃力が無いのはどうするかも考慮した方がいいかと。「……戻ってきたのかい。わざわざ死ぬために?」
「そんなわけない!私は死なないし、カナリアも死なない。魔術師舐めるな、そんなんでへこたれるようなら時計塔になんか入学してません!」
「そう?君はともかく、そっちの魔女の成り損ないは生きる気力がないみたいだけど」
呆れた声で呟いていたアルバーンの姿は遠ざかる。人のそれとは思えないほどの速さで私たちを追いかけていたようだけど、わざわざ追いかけて体力を消耗するよりは、この魔術が解けて地面に激突した後の私たちを殺した方が効率がいいと考えたんだろう。きっと、マーキングの類を付けられている。というか、私のこと自体は警戒すべき敵とすら見ていない。手を抜かず全力で倒すべき異端であるとは思っているのだろうけど、二人称が“君”な時点でもう舐められているのがわかる。
「くっそ、余裕綽々なのがムカつくー!」
「余裕だからね。だって君、弱いじゃないか」
「言い返せない!!!でも、逃げることはできる!!」
ぶっちゃけ、勝つ未来は見えない。さりとて無駄に死ぬ未来も見ない。負けるつもりで戦場に舞い戻るほど、私は戦いに飢えてなんかない。絶対に逃げる。逃げ切ってみせる。命さえあれば……あとはなんとかなるからだ。「痛ァッ゛!!」
そんなこんなで二人仲良く地面に派手に激突……とはいかず。私は盛大に頭を痛めたのに、カナリアは軽々と受け身をとってしまう。基礎的な身体能力だけじゃなくて、身体の使い方の差なのだろう。……それなのに、腑抜けた顔をしたままなのがどうにも腹に据えかねるが。
「……私が嫌い、なんでしょ」
「ああ。嫌いだ」
「じゃあ……はぁ……もう少し、嫌な顔してみたら?私に命助けられたんだよ?」
「……もう、どうでもいいんだ。オレは負けた。完膚なきまでに叩きのめされた。まだ一度しか主君と顔を合わせたことのないお前にも、主君に向けられる愛で負けたんだ。だから、もういい。もう、何もしたくない」
その何もかもを捨てたような言葉に、その全て諦めたような苦笑いに、その光の宿らない乾ききった瞳に、ひどく腹が立った。それはもう、本当に。多分、この旅の中で一番腹が立った。そうやって、何もかもがとっくに終わったと思っている抜けた顔が、たまらなくムカつく。
「逃げるんだ。カナリアのアインさんへの忠誠心って、それぐらい大したことないものだったんだ」
「……なにを」
「だってそうでしょ?たかが一回挫折した程度で何?それで諦めるようなら私たちは魔術師になんてなってない。届かない星に届くと確信して追い続けない。それが、私たち魔術師という生き物でしょう?」正確には、カナリアの魔術を鍛錬する目的は違う。しかしながら、その方向性はある意味とても近しいものだ。どちらも儚くも確固たる理想が生きるためのエネルギーになっている。なのに、カナリアはそれを捨てるという。それが納得いかない。私にあそこまで怒鳴っておいて、なんなら魔術で殺されそうになって、あっさり放り出すのは許せないだろう。怒られ損だと思う。なら、私だって怒る権利があるだろう。
「知ったような口を聞くな。お前にオレの何がわかる!」
「アインさんを大好きなこと、でも簡単にアインさんに愛されるのを諦めてることはわかるけど?だってどっちも、あなたが私たちに叫んだことだから」
「……ここまで来るのに、どれほど頑張ったと思ってる」
「たった“数年”程度でしょ、それ」
こっちを見た。その瞳に怒りの炎が宿る。そうだ、それでいい。そのまま胸ぐら掴んで、もっと言いたいこと言ってやる。そうじゃないと気が済まない。人と人とで語り合うなら、それが一番効く。
「私は、私の力で、私の代で、根源に行くよ。それがどんなに無理難題でも、果てのない旅路でも、必ずそうする。誰になんと言われようとも、私の理性が無理だと言っても、絶対に諦める気はない」
「……至るやつが至る。そうじゃないやつはどうやったって至らない。そんなものだぞ」
「だから何?なら、私がそうなればいいだけでしょ。私は、負けたくない。自分が決めたことを、曲げたくない。私がやらなくて誰がやるんだって、今でも思ってる。それで、カナリアは?そんな簡単に捨てるの?自分の人生において、ただ一つ輝く星を、追いかけることを諦めて」………届くかどうかなんてわからない。人生なんてそんなもの。順風満帆だった花道が虫の一噛みで崩れることなんてザラだし、何もかもがうまくいかない人生がうまくいかないまま終わることだって当たり前。……それでも。私たちは、たった一つ、心に星を宿して、それを目指して追いかけていく生き物だ。それが人間だ。今こうやってカナリアに語りかける言葉が届くかどうかすらもわからないけど、それでも。
「それでもどうでもいいっていうなら、さっさと諦めたらいいよ。でもそうじゃないなら、まだ、追いかけたいものがあるのなら!」
「立派だね。立派なだけだ」
「っいつのまに、月にえが───あぁっ!」
「判決を下す。首を刎ねてお終いだ」
優しい声がする。ただし、それは生きるものに向けた声ではない。これから死にゆくもの。死んだものに向ける慈悲深い声だ。アルバーンが追いついていた。もう、すぐ後ろにいる。
逃げようとしてもう遅い。周囲に燃え盛る炎は異端を許さぬ咎の焔。この焔に囲まれた世界で通じるのは秘蹟などの一神教を用いた魔術基盤の魔術だけ。それ以外の基盤を扱おうとするのであれば、魔術回路すら動かせない。そのような強大な概念が敷かれている。そしてそのまま、四方八方を取り囲んだ聖なる断罪の刃で首を刎ねられて終わり……のはずだった。
「……カナリア!?」
「うるさい、黙って、動くと死ぬぞ……!」呪いの泥に塗れた黒い翼が、尾が、牙が爪が何もかもが、ルナに覆い被さるように護っている。カナリアの持てる力の全てを、防御に回しているのだ。ルナ自身も、カナリアに抱きつかれてしまっている。しっかりとルナを覆って、この守りを突破しても、カナリア自身を肉の盾としてルナを守るように。必死に、痛いほど強く抱きしめて。
「オレの役目は、お前を無事に守ること。なら、オレの命を使ってでも……くそっ、ク.ソッくそっ!思い出したくなかった。こんなの、本当にムカつくのに、お前のこと嫌いなのに、主君のためにはお前のことを守らないといけないじゃないか!」
「や、でも、このままだと死んじゃう……」
「絶対守るから。オレが守るから。チクショウ、本当に嫌なんだよ。今でも殺してやりたい。でも、でもぉっ……!」
汗をかきながら、泣きそうになりながら、それでも必死にルナを庇う。それが、それだけが、何もかも失ったカナリアに唯一残った忠義の炎だから。……けれど、力の差というのは虚しくて。泥の守護が破壊され、カナリアごとルナを両断する威力の刃が振り下ろされて───
「Blow away(吹き飛べ)」
「さあ、わたしの恋人たち!」世界が変わる、ということはきっとこういうことを指すのだろう。周囲を取り囲む木々も、断罪しようと降り注ぐ刃も、全て裁くと燃え盛る焔も、その全てが吹き飛んだ。まさしく更地、草一つ残らない完膚なきまでの環境破壊。それは全て、周囲の全てを刻み吹き飛ばす大気の気流操作によるものだ。大胆かつ豪快でいて、カナリアとルナには傷一つつけない精密さ。それに加えて、鳥の羽のような白い塊が二人を包み癒してくれる。高度な治癒術式だ。
「間に合ったね。……間に合ったか?」
「ギリギリ、じゃないですか?団長がぐだぐだしてるから〜」
「仕方ないだろう、貴族の嗜みだ。……さて、生きてるかな?カナリア、そしてルナ・アードゥル」
傲岸不遜なまでに自信に満ち溢れた、耳に響く勇ましい声。爛々とした青い瞳に、太陽の光を受けて輝く細く柔らかな金の髪。黒いスーツに身を包んだ末に純白の外套を羽織った、魔導円卓の長。アイン・グローリアンが立っていた。
「うん、元気そうだ。こっちはユリア。俺の大事な右腕でね」
「どうも吸血鬼さん。そこのカナリアくんに大層嫌われております張本人です。ユリア・フォン・ツァルクレア。こう見えて由緒正しきドイツの騎士の家系なんだよ〜?」
少々大きめの軍服に身を包み、こちらもまた大きめの軍帽を被った下に、繊細に煌めく純白の髪。周囲には羽のような礼装をいくつも漂わせた、この世のそれとは思えぬ儚い美貌の少女であった。……表情や動きはそんな様子とかけ離れた非常にはしゃいだものであったが。「それにしても……こんな無様を晒すとはね、カナリア。帰ったらお仕置きが必要かな」
「素直じゃな〜い。さっきまで焦りながら『カナリアは無事かな……可愛くて強い子だから絶対に死なないと思うんだけど……』って顔真っ青にしてたくせに〜?」
「なっ……俺は君の上官だぞ!?」
「なーにが上官ですかヘタレ童貞チキン野郎のくせに〜」
「………ふはっ」
「はぁ………」
戦場の真っ只中だというのに緊張感が抜ける会話。立場も何も気にせず思うがままに言葉を紡ぐユリアのせいで、いつもの余裕が崩れて慌てるアイン。団員であるカナリアからしてみれば“またか”という溜息と共に嫉妬や行動力を募らせる光景で、今の今まで精神を張り詰めさせていたルナからしてみれば、思わずリラックスして笑いがこぼれてしまう。そんな日常の光景が、良いように作用しているのは誰がみても明らかだった。「しまった……!!(くそ!戦ってる侵入者に気を取られて、船の外に堕ち──────)」
「今いくぞリョーガ!!」
「!?ば、馬鹿マレオ!お前、船の外は駄目なんだろうが!!」
「へへ……お前が助かったんだから、良いだろうが……」
「お前、体が透けて……っ!」
「あーあ。タイムリミットか……じゃあなリョーガ……お前と、つるんだ日々……楽しかったぜ……」
「嘘だろ、消えるなよマレオ!……なあ!!」…すいません
覚悟決めました
今夜までに趙雲子龍オルタ、投下しようと思います>>706
>>726
身体の造形?バランスが丁寧になって立体感が増したように思えます、努力ってすごい…!
>>708
良いですよね…一見穏やかすぎるほどの絵に描いたような田舎が実はSFハイパー技術世界…
ルナちゃんとかに来てみてほしいです私も!そのためにも具体的に詰めていかないとな…色々漁っていこう
たかが水遊び、されど水遊び。シリアスに駆け引きする演技派鯖対決とか面白そうですよね…
ゲームシステム的に偽装は無敵とかになってそれを「いや偽装だよ」って見抜く目を持つのが無敵貫通みたいな?そういうクエストとかできそうですよね
>>725
アインさんもきちんとカナリアさんのことを思っていたのですね…良かった…ユリアさんナイスすぎるちょっかいですね
火薬庫神父vs騎士団長、森林火災ってレベルじゃない対決になりそうでオソロシオソロシ…
>>731
マレオは絶対そういうことする〜!ちゃかしてはいますけど助けたのは事実だって私はちゃんとわかっていますよ…(後方微笑面)
真に受ける根が真面目な人は一回は絶対食らってるだろうなこの救助という名のイタズラよし趙雲オルタ投下しますね
一応先に言っておきます
愉悦部さんのアルエゴ劉備と滅茶苦茶関係ある奴です
正直登録するか凄い迷ってます
出そうかも迷いました
でもとりあえず様子見で出してみます
覚悟決めました
それではどうぞ…!!それは、本来の人類史では決して有り得ない筈の霊基。
異星の使徒、人理の敵と化したかつての主に召喚された彼は。
葛藤の末に、その道を選んだ。
自身の■■を否定し、根本を覆し。
冷徹なる異聞の将となる道を。>>739
【クラス別スキル】
対魔力:B
騎乗:C
【Weapon】
『涯角槍と青紅剣』
オルタ化した趙雲は、涯角槍と青紅剣を両手に持ち二刀流で戦う。
青紅剣には自身のフィジカルに負荷を及ぼすデメリットがあるが、今の趙雲はそれを受けた上で戦う。故に短期決戦を好む傾向にある。
【固有スキル】
一身是胆(異霊):A 主君である劉備に称された「一身これ胆なり」と呼ばれる精神力。それが異霊化によって変質した物。精神異常を受ける時、それをレジストした上で一時的に耐久のランク低下と引き換えに自身の筋力と敏捷を凄まじく上昇させる。
異聞の劉備の元に、一身是胆の名を受けた彼の精神は決して揺るがない。例え人理の敵に回ったとしても、決して。
不敗の涯角槍:B 涯角槍という名に込められた意味。それは、生涯敵う物無しという誓いだった。
それは、異霊化した今でも変わらず。むしろ、その誓いは更に強く、固く、不動の物となった。
相手の敏捷を下げた上で、自身への自己暗示により対武将に対する攻撃力を上げる。(武将特攻)
最後の五虎将軍:EX 同志が斃れ、主が斃れ。最後にただ独り残った五虎将軍。
そして今、あの方の元にただ独り立つ最後の五虎将。その矜持、信念が彼を突き動かす。…それが、例え護ってはならない物だとしても。
使徒と化した主から戴いた力。これを発動する時、一時的にセイバーの周囲一帯に激しい暴風を出現させ、自身の敏捷を更に引き上げる。(フィールドセット:暴風的なやつ)>>740
【宝具】
『一身是胆・轟嵐黒龍乱舞(いっしんぜたん・ごうらんこくりゅうらんぶ)』
ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ: 最大捕捉:
翡翠の荒れ狂う風を放つ涯角槍。
紅い、猛りし雷を宿す青紅剣。
その二つの得物の力を極限まで解放する事によって引き出せる宝具。
自身の二つの武器、両方の最大火力による風と雷。それを一体化させ、紅の激しき稲妻を纏った黒緑の大竜巻を放つ。
暴風だけでも並の英霊でも立つのが厳しい程であり、受けたら命の保証は無いが、宝具の代償として体力の激しい消耗が見られる。諸刃の剣として狙える可能性があるかもしれない。
黒い嵐は、ただ冷徹に、敵を吹き飛ばす。
それが、緩む事はない。
彼の覚悟は、決して揺るがない。>>741
【解説1】
かつて、夷陵の戦いにおいて。趙雲は、主である劉備玄徳の無謀な仇討ちを諌めた。冷静に事態を把握した上で、そう判断して止めたのだ。
…だが、主を止める事はできなかった。
それ故に、主は斃れた。
それを奥底に抱えたまま、趙雲は英霊となっていた。ここはランサーと同じである。
……そして、彼は召喚されてしまったのだ。或る特異点で。
…生前からは有り得ない程に、全てが変質した嘗ての主。『異星の使徒』、劉備玄徳の元に。
汎人類史では決して現れる筈が無かった、趙雲の異霊。
感情の起伏が薄く、口数も少ない。ただ確実に、何であろうと主の命をこなし、敵に対しては一切の容赦なく打ち倒す冷徹な将。
主に忠実、という点こそ同じではある。だが、本来の趙雲からは想像できないほど変わり果てた霊基である事は明白である。一体、何が起きて彼の霊基は変わり果てたのか。
イメージCV:梅原裕一郎
台詞例
「……俺は、最後の五虎将軍。そして、異星の使徒、劉備玄徳が将。……趙雲子龍。」
「…主の敵は、全て撃ち倒す。それだけだ。覚悟しろ。」
「……造作も無い。」
「…劉備様。分かってる。…俺は、貴方に全てを捧げた。…だから、今度こそ、御守りします。絶対に…!!」
「……涯角槍、最大解放。青紅剣、極限解除。……我が刃に一切の揺らぎ無し。……っ、俺の覚悟に、一切の曇り無し……!!『一身是胆・轟嵐黒龍乱舞』——!!」>>742
【解説2】
趙雲子龍は、正道を歩んだ将だった。
実直で、忠実なる将だった。
主が凶行に及ぼうとした時には、止めようとした。
だが、アルターエゴと化した劉備の元に召喚された趙雲は、葛藤の末に『それ』を選んだ。
趙雲という存在の核をも否定しかねない選択。
『清廉なる正道の将』という彼の核の否定。
「ああ、分かってる。俺であるなら、こんな選択はしないだろう。
禁忌だと分かっている。間違いだと分かっている。
…それでも。人理の敵という何よりもの愚行だとしても。
——俺には、貴方を裏切る事はできない……!!」
異星への忠誠ではない。白紙化に賛同する訳ではない。
ただ、貴方の道に従う。
ただ、俺は今度こそ貴方を護りたい。それだけなんだ。
故に、覚悟を決めた。>>744
【人物像】
感情の起伏が薄く、殆どが仏頂面になっている。
口数もかなり少なく、静かに、無愛想に対応する。
…だが、それは信じる主やマスターの命令を確実に遂行する為に本来の性格を封じて機械的に振る舞っている訳であり、根本には本来の霊基の様な優しさが存在する。
敵対した異聞の存在という記録等により、カルデアにマスターや、特に生前の同僚に対しては後ろめたさを感じているが故に距離を置く。それを絆を深めて詰めるか詰めないかは、マスターとサーヴァント次第である。
第一再臨 黒い外套(簡単に言うと隻狼のアレみたいなやつ)、髪はランサー趙雲の髪色が銀になったみたいな感じ
第二再臨 刺々しい黒と緑の中華風の鎧を着ている、髪は第一と同じ
第三再臨 髪色が本来の物に戻り、鎧もランサーの第三再臨に近くなる。
特技:戦闘
好きなもの:瞑想
嫌いなもの:特になし
天敵:曹操、黄夫人
願い:???>>745
【セリフ例】(カルデア)
「……ああ、呼ばれてしまったか。そうか……俺はクラス・セイバー、趙雲子龍オルタ。……分かっている。嘗ては貴方に、人理に刃を向けた身だ。……もし、それでも構わんと言うのならば、この刃を貴方に預けよう。」
「…マスター。俺に、構わない方がいい。……俺は、貴方の知る趙雲ではない。…恐らく、貴方を、失望させるだけだぞ。」(絆1)
「……マスター、良かったのか?本来の俺を否定した異聞の、異霊の俺に…ここまで近付いて……いや、そうか。貴方はそういう方、だったな。……分かった。貴方が信じるなら、俺も応えるしかない。……この反転した刃で許されるなら、貴方の為に戦ってみせよう。…よろしく頼む、マスター。」(絆5)
「……マスターとの関係。……分かっている。俺は貴方を護る。ただ、それだけだ。」(会話2)
「……マスターとの関係、か。……俺は、貴方を守る。それだけだ……それ以上になるには、遅すぎたと思うからな…」(会話2、絆3以上)
「月英殿……いや、彼女に対して、俺から話せる事は無いだろう。……いや、話す資格など、俺には無いだろうな。」(黄夫人)
「……月英殿、なのか?……え?…いや、何というか…破廉恥な服を………まあ、そうだな…俺の知る月英殿と、そこまで変わりない様なのは、安心した…かもしれんな…いややっぱり何だあれは…」(水着黄夫人)
「……あの方も、いるのか。…そうか。良かった。…例えかつて人理の敵だったとしても……俺は、あの方が昔の様に笑ってくれるのなら…それで、良いんだ。」(劉備(アルターエゴ))
「ああ、来るが良い……!!我が名は趙雲子龍!!…我が主君、漢中王劉備玄徳に忠を誓った最後の五虎将軍なり!!」
【他クラス適性、変化傾向】ランサー
【製作者】京極いやガチで出す直前まで迷ってたんすよ…
これは挑戦的すぎるというか今までの趙雲のイメージブチ壊すレベルのやべーやつではって感じで…
今でもビビってます…
>>749
良かった…安心しました…
そうですね、確かにガウェイン的なポジションをイメージしてもらえるとそれっぽいかもです。
アレっすね、趙雲は初期に闇深系にしようと思って没ったんですけどアルエゴ劉備を見て完全に覚悟決まりました。オルタというか異聞帯IF的な感じの部分にシリアス闇部分全部ブチ込もうぜ的な感じで
>>750
はい、そういうイメージです…!!良かった伝わった…
何というか、趙雲の性格の本質自体はオルタでもそこまで変わってはいないんですよ。ただなんか人理の敵に回るとか主が凄い事になってるとか色々な葛藤を一身是胆の精神力で封じ込めてた感じですね。
何というか劉備が闇堕ちしたら敵対するか矜持を曲げてでも主と共に行くかって部分でガチで迷ったんですね。
それならオルタのIFの部分でヤバい方を書けばいいじゃないって感じでこうなりました…>>731
普段あそこまでツンデレしてる割にこういう時にガチで焦るのは流石リョーガ君ですわ…
これ海月ちゃんにやったらガチ泣きしそう
>>732
そうですね、黄忠はカルデアでなら最初こそ動揺せども普通に主として接するとは思います
ただ、もし仮に趙雲オルタよろしく使徒の時に召喚されたら「貴方は…否、お前は儂の知る、儂が着いていった漢中王の劉備玄徳ではない…!!」みたいな感じでガチギレして敵対側に回るかなって感じですね
>>733
>>728
うーむ迷う…
…よし、とりあえず絵柄というか雰囲気的に上手く描けそうなクッチー描きます
>>736
っしゃッッッッ(ガッツポーズ)
このスレの神絵師の皆さんにいずれ並べるレベルにまで上げたいなって思ってます…>>752
殺意が…エグすぎる…!!
俺の知る限りのこのスレの水着鯖の中でもトップクラスに殺意高い宝具ですぜこいつぁ
>>753
描けるタイミングで少しずつ描いてみますわ…多分ムジカちゃんは描きやすい類だから早い段階で描けるかもっす
>>754
かつて全てを捧げた主、そして己が護れなかった主であるからこそ、裏切る事はできないという呪いって訳です…
いやまだ正式に登録しようかは迷ってますけどね…
>>755
俺も最後まで迷いました…でも劉備がこういう路線ならやるしかないよなと思ったが故にやってしまいました…
本当は関羽のアルエゴ劉備への反応辺りも調べて万全にしてからやろうと思ったんですが不在らしいのでもう行こうって感じになりました。
>>756
まさか一度没った闇の部分がパワーアップして帰ってくるとは思わなんだ…「あらやだ、とんでもないほどお怒りだわ。つーわけでわたしは今からお二人さんを治すことに集中しますね〜」
「……いい。ユリア、お前の手なんか借りな……あぐっ」
「無茶言わない。教会の秘蹟以外が封じられている領域で無理やり魔術を使用したせいで魔術回路が傷ついてる。せめてわたしが調律するまで魔力を生成しようとしないこと。あ、ルナさんもですよ。というか下手に動いたら巻き込まれて死んじゃうからね」
その言葉の通り、というかそんな言葉を聞かなくてもわかるほどに、辺りは悲惨なことになっていた。
アインの持つ黒い槍が、剣に、拳に、弓に、さまざまな形へと変化して、そしてそのどれもに極限まで練り上げられた技術が載せられて、アルバーンの秘蹟や金槌と打ち合っている。これはイメージなのか、あるいは実際にそうなのかはわからないが、その一つ一つに竜の顎が見えるのだ。
「竜の逆鱗……といってもワイバーンとか、かなり低級の竜のものだけど。それでも魔術社会においてはかなり貴重な触媒でね。それを二枚、あの武器の中に練り込んでる」
「アレは……?」
「団長のお兄さんが作ったものらしいよ?なんでも団長の意のままに形が変形する、液体金属にも似た武器なんだとか。もっと自由な使い方があるんだろうけど、ああやって武器の形にして使うのが一番楽なんだって」
変幻自在、なおかつそのどれもが剛力でありながら繊細。永続的なフィジカルの向上には向かない強化の魔術に最適化された動き方と、そこに重ね合わせる最高域の現代の武術。動きが読みにくいのにその全てが確実に致命傷を狙う一撃となる。グローリアンの末子はこと戦闘において天性の才を得る。なるほど、その言い伝えの通りだ。彼には才能がある。殺しのセンス、戦いの才覚だ。近接戦闘のみに絞った現在の状況でアルバーンが張り合えているのは、紛れもなく身体に刻んだ治癒の秘蹟科学技術があるからだ。「思ったよりしぶといな。話には聞いていたがお前の回復力は邪魔だ。ここで殺しておいた方が時計塔のためにもなるかな?」
「それはこっちのセリフかな。グローリアンの末子となればこちらにとっても邪魔な大敵。今ここで僕が潰すことになんら問題はない」
「………おい、誰の前でそんな口を叩いている。グローリアンだぞ」
冷徹な声が重なって聞こえる。空気が、気圧が変化してそう聞こえるのだろう。一刻も早く退避せねば、と気づいた頃にはもう遅く、固形化した空気が粘りを増してアルバーンの体に張り付き、地面に沈ませる。そしてそのまま、地面が全て鉄の刃と化してアルバーンを貫き串刺しにするのだ。必然的に、アルバーンの体は地面に崩れ落ちる形になる。アインは悠然と歩きながら、空になった試験管を投げ捨てる。戦闘に特化しているとはいえ彼の扱う魔術も錬金術。薬品を用いた小手先はお手のもので、その小手先を小手先では済まない大儀礼法として出力するのもまた得意技だ。
「たかが司祭が驕るな。無礼極まりない」
「相変わらずの傲慢さだね、お前たち魔術師は……っ゛!」
双方の言葉に含まれるのは、絶対的なまでの誇り、自尊心とそれに伴う敵への蔑みだ。アルバーンは主への信仰心と異端への敵愾心がそのまま崇拝と憎悪という形で現れる。対してアインは魔術師特有の傲慢さが極まった末に、自身の強大な力を当然のものと思い、身の程を知らぬ愚者であるとアルバーンを蔑む形で現れる。正義の旗はどちらにもない、そんな争いだった。
アルバーンが爆弾で鉄の刃を叩き折り、固定された空気も全て秘蹟の雷撃で吹き飛ばす。今のは魔術薬を用いた一回限りの手品なので、二回目は出来ないし、何より一度タネを見せてしまっているので二度目は通用しないだろう。むしろ、薬を取り出して散布するという動きを隙として捉えられてしまう。「………よし、まだいけるね。僕も退けない任務なんだ。申し訳ないけど」
「思ってもないことを軽々と口にする」
「思ってるさ。主の御力をお借りしておきながらこのような醜態を見せてしまった主に対して大変申し訳なく思っているよ」
金槌も、爆弾も、全て懐に提げて意訳聖書だけを開く。ここからがアルバーンの手加減など一つもない全力。全てを吹き飛ばす人間火薬庫の本領だ。魔力……もとい祈りの力を全て使い切ってまでして、目の前の男を殺.すべきだと判断した。そのためにも、ここは自分の一番慣れ親しんだものを用いるべきだと考えたのだ。
「詠唱の省略……ノタリコン?おいおい、カバラじゃないか。教会の誇りはどうした」
「かくあれかし(Amen)だって立派な聖句だろう?僕は別にこれを異端だとは思わないね。そういう意図で使わない限りは」
唱える聖句の簡略化。魔力、もとい祈りの力を最大限効率よく変換したアルバーンは、意訳聖書に刻まれた秘蹟の中で、最も自信のあるものを呼び覚ます。
炎はいらない。雷もいらない。水もいらない。風もいらない。岩もいらない。祈りの力をそのまま砲撃や爆撃として加工する。無駄な工程を挟むことなく、変換ロスもなく、そして何より細やかな操作が効く。先程と何一つ変わらない火力を叩き出しながら、繊細なコントロールで正確にその全てをアインに叩きつける。さらに、射出されないままの祈りの力は盾として周囲に漂わせている。攻防一体とはこのことを言うのだろう。
「なるほど、ミス・ブルーのそれとはまた方向性が異なるね。威力と精密性に集中したわけか。……確かに危ない。俺の防御術式も貫通するだろう。それに、先程までの俺の魔術なら貫けないだろう。けどね」それは先程までの話。あれはあくまで小手先、お遊び、アインからしてみれば普段使わないものを使っていただけ。細やかなものは嫌いではないが、アインが特に好む、というわけでもない。それは自身が命を賭して殺し合うべき強敵に対して扱うものであって、明らかな格下にそのような技で対処することなど不要、無駄の極みだ。そして格下には純然たる力で押し潰すこともまた貴族の嗜み。だからもう、アインも手を抜くことはしなかった。
「Burn it up」
魔法陣が展開され、そこから極大の火砲が発射される。かつて科学に存在を否定された架空の元素、フロギストン。それをグローリアンが独自に解釈し、手を加えた擬似元素であるロッテン・フロギストンを用いたものだ。本人は力押しだとは言うが、方向や威力の指定には風の操作やエーテルの供給の調節が必要なため、やはりこれも技術あってこそのものだろう。そしてこれは、アインにとって大した魔術ではない。息を吐くように発動できる。
「跪き、主とやらに祈りを捧げろ。灰すら残さず焼き尽くすがな」
More and more(さらに激しく)────そのような詠唱に則って、激しく、さらに激しく、またさらに激しく……と魔法陣から絶えず砲撃が行われている。長ったらしい詠唱などいらない。こと戦闘においてはたった一言で事足りる。一発目を祈りの盾で防いだところで、二発目と三発目を祈りの砲で撃ち落としたところで、さらに絶えず、もっと火力を増して、砲撃は繰り返される。アインの魔術回路が焼き切れることはない。戦闘に特化した彼の魔術回路はそのようなことで傷を負うほど柔いものではないからだ。
ならば後は、アルバーンとアインのどちらが火力が高く、精密で、そして長く速射をし続けられるかの話になってくる。その上で言えることとしては一つ。やはり、アインの方が強かったということだろう。「ぐ、がァ゛……ッ」
「俺の前で見るに堪えない足掻きはやめろ。半殺しじゃ足りなくなる」
殺.すことも視野に入れたが、下手に殺して何か問題が起きてもその責任は取りきれない。正当な任務の埒外で聖堂教会の司祭を殺したとなっては流石にゴタゴタが面倒だ。だから、半殺しにする。アルバーンならば十分癒せる範囲だろうと思いながら、彼が隠し持っていた遺物を奪い取るだけにする。そして最後に吹き飛ばす。もう二度と追ってこれないように。森の外までしっかりと。どの道、あちらも満身創痍でこれ以上任務を続けることは不可能だと判断するだろう。無駄死にを選ぶほど無謀な狂信者ではない。
「さて……どうしたんだい、カナリア。そんな風に泣きじゃくって。珍しいね」
「……や、嫌です。オレ、あなたに、こんなのっ……」
アルバーンを吹き飛ばしたのも束の間。これまたいつもの調子でカナリアに話しかけようと思ったアインだが、いつもと全然違う調子のカナリアにほとほと困り果ててしまった。姉君であるメリルと異なり、彼自身はそこまで人の心に聡いわけでもありはしないので、どうしたものかと悩み果てる。いつも見たく甘やかさない様子で接するべきか、それとも頭でも撫でて甘やかしてやるべきか……「違うでしょ、ヘタレ。なーに平気な顔でやろうとしてんですか。今のカナリアくんはあなたに対しての愛を信じられていないし、何よりあなたを信じることも恐れてる。そんな子に上っ面だけの対応で良いと思ってるんです?だからヘタレなんですよ」
「う、うるさいな。ユリアよりは積極的じゃないかもしれないけど、そんなにヘタレって言わなくても良いじゃないか!?」
「事実ですから。で?どうすんの?」
困ったように、いつもの優雅な様子とはかけ離れたように、頭をガシガシと掻いて……他に方法を思いつかなかったからなのか、優しくアインはカナリアを抱きしめた。あまりの身長差のせいですっぽりコートに埋まってしまったが、まあそんなことは些事だろう。しっかりとその大きな腕でカナリアを包み込む。そして、いつもよりもしっかりと、頭を撫でていく。
「あー……なんだ。君は、俺の犬だ。俺が死.ねと言ったら死ぬべきだし、俺がやれと言ったことはなんでもやるべきだ」
「………は、い」
「……でもね。俺が死.ねと言わない限りは何が何でも生き延びろ。俺の言葉をきちんと受け止めて、愛されていることを実感しろ。俺は、俺の飼い犬を無碍に使い捨てることは絶対にしない。責任をちゃんと持つ飼い主なんだ。最後の最後まで世話をするんだよ。もちろん、君が死んだら俺は泣く。丁寧に埋葬する。
だから……その……俺は、お前のこともきちんと愛しているよ。可愛いペットなんだ。ごめんね、ちょっと鞭ばかりだったね。飴をキチンと与えるべきだった。俺の飼い方が悪い」「ふっ……ふははっ!いやいや、ええ!?あんだけ自信満々に普段言っててそれはちょっと!そりゃあ正直に言えって諭ったけど、正直すぎない!?笑っちゃうよ!いや笑ってるんだけど!」
「わ、カナリアがボロ泣きしてる。……ボロ泣きしてるのにアインさんの服を汚さないように気遣ってる。器用だなぁ。……いやいや、こっちを睨むのはなしじゃない?」
その、あまりの不器用さに。思わずユリアは大笑い。なんとも青臭い、思春期のような春が溢れる現場だろうか。あまりの場違いに笑いが出るというもの。彼女からしてみれば、長年に渡って大したことないすれ違いであって、そのようなことになるとは思ってもいなかったのである。なのでまあ、笑い転げる。
ルナはルナで、手に入れた遺物の封印を解除しつつカナリアの様子を呑気に観察している。この旅路の途中では一度も見なかったような様子を見れたのはとても貴重な経験だ。時折途轍もなく恐ろしい顔で睨まれるが、なんかもう流せるようになった。
………アインが大人気なく怒るまで、あと五秒。
おしまい。次回はリムサイドです
あとペレスのムーブはまあ命大事に、ということを念頭におきながらの探索なのかなとか趙雲オルタの評価が思ってたより良くて登録できそうで安心した…勇気出して良かった…
ちなみに趙雲オルタはスト限星5をイメージしてます。限定じゃないよ
あと第一と第二再臨ではバトルボイスとかで口数少ないけど第三再臨で本来の趙雲に近くなるタイプだと思ってます。(宝具演出は変わらない)それも見たい人いたらその内書きますわ
>>759
良かった…ミクトランでオルタ概念深掘りされて以降のこのスレ初のオルタ鯖だと思ったので合ってるかなと心配しながら出したんですが良かったみたいで安心しました…
クッチーは今気合いで描いてる所です。荒れた顔はやっぱ描きやすいだなーって思ってたら表情でクッチー感出せなくて苦戦してますのでもうちょい待っててくださいサーセン…
>>760
その通りなんすよ…あやかさんと家綱さんの言う通り性格の根本自体はランサーの趙雲と殆ど同じなんです…
まあ趙雲と同じみたいな所とか馴染む所とかを最初の時点で出すのもアレですしそこはいずれ来るギャグ堕ちまで待ちましょう…>>771
>クッチー感出せなくて苦戦
アイツは表面上はニコニコヘラヘラ楽しそうにしてるのに、内心(友達以外は下らねぇ、僕が一番下らねぇ)って思ってますからね。そういう矛盾精神を描くのはまぁ面倒でしょう、と思うのデス。児雷也「…あの…俺は……?」
本当にごめん塔イベの導入までの流れ書くのが意外に死ぬ程難しいのよ。そこ以降の流れはできてるから。
…あれ?この止まり方叛鎖と同じじゃね?
全く成長していない……(内なる安西先生)
>>761
ですね。正直雰囲気的に近いキャメロットの円卓の事考えるとオルタ化する必要あったのかというかギフトでも良かったのでは…?と思いましたがまあ大丈夫でしょう多分。
>>763
実は初期は遊び程度に妄想してましたがガチでオルタを作るとは思ってませんでした…本当にオルタ作る切っ掛けは100%アルターエゴ劉備だったんですよ
そんで劉備への強い忠義をそのままにした上で反転させるって所までは早めに行き着いたんですが、そこからがめっちゃ時間掛かりましたね…
かなり悩みまくった末に「清廉なる正道の将」って概念の否定っていう自分でも納得行く物引き出せたので上手くいったなって思ってます趙雲オルタの立ち絵は龍の肩当ての所が血涙みたいになってるのが隠れた拘りポイントだったり
>>770
凄まじい死闘になるかと思ったらアインさんが強すぎて一方的になっててビビりました…アインさん強…
ひとまず一旦は色々収まった…良かった…とは思うけどアインさんやっぱ怖えな…敵に回したくねえ…
>>780
wikiの方のクッチーと睨めっこしながら描きました…
>>781
良かった…クッチー感出そうと思って頑張ったんすよ…
ヘラヘラしてる様に見えて影ある方の目は完全に笑ってないって感じにしようと思ったらかなり苦戦しましたけど頑張った甲斐はあるかなって思ってます
>>783
良いっすよー…でもそろそろSSも書かないとなんですぐは難しいかもしれませんが大丈夫です?きょうーはわーたしーの誕生日ーっと。
そろそろ誕生日が「また一つ歳をとってしまった」になってきたユージーンです。
>>762
>>763
>>776
遅くなりましたがありがとうございます。
実は裏設定とかおいおい出そうと思ってた設定をwikiに折り込みで追記していこうかなと思ってまして。皆さんはそういうのって有りだと思いますか?
>>770
さっきまでの緊張感はどこへやら。ってくらいいい感じの雰囲気になってきましたがこういう時こそ気が緩んだ所に鋭い一撃が来がちなんだよなぁって身構えてしまう。
>>778
>>779
あらやだ一見チャラいけど気のいい兄ちゃんだけど実際は近寄っちゃいけない危険な男の気配がヒシヒシと感じられますわよ奥さん。>>786
了解ッス。
その辺は気にしませんので。
それでは…ビオランテ、お願(ナ)シャス。
下の画像(恐らくピクルーの遊び屋ちゃんさんorその前身と思しきメーカーで作成)はイメージ像。
後、髪の色は浅葱色(参考リンク:https://irocore.com/asagi-iro/)って設定なのでイメージ像とは少し異なります。
>>787
ハッピーバースデイトゥーユーですぞ!ちなみに抱きしめて「愛してる」だのなんだの言ってますがアインもカナリアも互いに恋愛感情は皆無。アインからはペットを可愛がる愛情、カナリアからは主君としての忠愛なのです
>>773
イケメン同士の愛溢れるてぇてぇ空間
>>782
ここで死ぬ未来はなくなりました、もっと別の結末がありますからね
アインはまぁ……うちの純人間の中だと最強格ですので……1500年の歴史ある魔術師なのにその才能を全て戦闘のためだけに注ぎ込んだらこうなるよねというバケモンです
>>786
これで50%も力を出してないので怖いものです
ナチュラルに傲慢な魔術師気質極まってるので基本教会の人間は自分の彼女やその身内以外は見下します。なので言葉に容赦がない
>>787
めでてぇ、折り畳みはありだと思います
流石にそんなことはしませんよ〜>>787
アリっす。
俺もローエングリンの時は折り畳みにしたので。ちなみにサーヴァント除いた戦闘能力の差はこんな感じ
ちなみに主人公補正とか物語補正とか外的要因で覆る可能性は全然あり
アルテミシア>英雄の壁>ティム、ニーナ>バケモンの壁>冬縁香、アイン、マリナ(大体団子)>頑張ったら越えられそうでやっぱり越えられない壁>成長紫音、アルバーン、フローレンス、リリカ、ウキ(大体団子)>>>>ユリア、アスモ>才能の壁>カナリア、リム、不湯花>>>>ダヴィ・ミーニャ
強いんだけど判断しにくい枠
ヒノメ、マイア、メアリー、竜胆
例外枠
野紀
ここに乗ってないのは戦闘に向いてないわけではないですが本分ではないやつらですなんとなく最終章予告書き直したかったので書き直して再掲!
予告なんてなんぼ書いても自己満とモチベを上げますからね最初は、貴方を目覚めさせるためだった。
「オレ、こういう時どういう風にすれば良いのかわかんなくってさ」
「このくそボケがーッッッ!!!」
「うん、大丈夫。理仁は理仁、兄さんも兄さん。二人とも……生贄なんかじゃない」
次は、貴方を決意させるためだった。
「染め、てやる。黒く……全部、全部、潰して、やる」
「夢ばかり見る。昔の夢を、思い出したくない夢を」
「お願い、一人は……淋しいから」
あとは、貴方をここへと連れてくるだけだ。
「理仁、すまない。お前を我が家に迎え入れてもう十年近く経つが……そんな事はなかったはずだ」
「どうしてお前は弟橘媛と夢で会えたんだ?」
「理仁、起きて!目を……開けて!」
順番が巡ってきた。今こそ、貴方に問わなばならない。>>805
普段から大変なのになぁ…
がんばれメレ坊、なついたらお兄ちゃんって呼ばれるぞ!>>802
ローザは生まれた頃からネグレクトで自力で生きていくしかなかったので幼子の対処法がわからないこともあり「アタシはパス」と他の人に面倒を任せます
シャフリヤーナも生まれた頃から七歳までの記憶がぶっ飛んでるしそこから先の生き方も真っ当な人間のそれではなかったのでやはり幼子の対処法がわからないのもあり「オレもパス」と他の人に面倒を任せます
クラッフは面倒を見ながら魔術回路の調律とかして何かしらの問題を探ろうとすると思います。あと一応アインに報告します。でもあんまり子供のお世話には慣れてない
多分一番面倒見いいのはカナリア
>>798
「でもいつか大我くんには私を超えてほしいんですよね。だから大我くんにはこの名だたる強者たちを踏み越えてもらわないといけませんね」と微笑む野紀えっ!?ヨモに張り切って高い高いされて天井スレスレの高度を味わうルナちゃん(幼)だって!?
よしいくべ
「後継ぎはメレクにする。あの子は◾️◾️◾️よりも優れた回路を有している。加えて頭も良い。きっと、きっと我が一族を繁栄へと導いてくれる事だろう」
声は、ずっと深いところから聞こえてくる。ずっと昔に……いや、違う、ついこの前も聞いた覚えのある声だ、
背中を向けて彼は話している。熱心に、心から喜ばしそうに。かつては自分がそこにいたはずなのに、今は目線さえ合わせてはくれない。
「◾️◾️◾️は……そうだな、どこかの血縁にでも譲れば良いだろう。もうこの家に戻ってくる事もあるまい」
そんな話、聞いていない。後継者になるのは自分だと、そう言い聞かされてきたのにそんな横暴な話は許されるはずがない。
何より、何の為に自分は今日まで絶え間ない鍛錬をやってきたというのか。
「───ひと」
違う、自分こそ後継者だ。自分こそ息子だ。自分には……価値があるはずだ。
「理仁」
奥深くへと駆け込もうとしたところで、背後から声をかけられる。理仁とは誰の事なのだろう、自分は◾️◾️◾️という名前だ。
頭ではそう理解しているはずなのに体は自然と踵を返す。闇の中に光が差し、そこから誰かもわからぬ声が問いかけてきてる。>>817
「理仁、そっちへ行ってはいけません。私の方へ」
自分の名前ではない、けれどそう呼ばれると何故か反応してしまう。
足を止めた自分に、声の主は安堵すると共に微笑みかけた。穏やかな声色には暖かな風が伴い、空間を支配する気味の悪さがわずかに薄まっていく。
「さあ、こちらへ。慌てないでください、けれど決して振り返らずに……」
「◾️◾️◾️にもう魔術師としての価値はない。あの子にかけた時間の全てが無駄だったんだ」
光へと歩いて行こうとしたが、また足が止まってしまう。声の主が息を呑む。
「いけません!振り返らないで、私の声だけを聞いて!」
「なんだ◾️◾️◾️、お前は部屋にいなさい。もう鍛錬はお前には必要ないのだからな」
待って、待って。まだ……まだわからない。オレの方が上手くやれる。あんなに頑張ったんだから、あんなに、あんなにも時間をかけたのだから。
「理仁────!!!」
いないものとして扱わないでくれ。そんな目で見ないでくれ。
オレは、ここに、いるんだから。>>818
「黒鳥先輩好きです!付き合ってください!」
そんな大声に眠りから無理やり引き剥がされ、間久部理仁は授業中に叩き起こされた様に顔を上げた。目の前では椅子に座っている黒鳥蘇芳へと男子生徒が頭を叫んでいる。わざわざ部室までやってきて告白に来た様だ。
蘇芳はじっと男子生徒を見つめてから、
「ごめんなさいね、あまりそういうのには興味がないの。それにここは部活動を行う場だから、何かしら私達に頼みたい事があるわけでないのなら来週の試験に備えるべきではないかしら」
「あ、あのっ、あ、はい……」
玉砕など生やさしいものではない。木っ端微塵にされた男子生徒は魂が抜けた様な顔とゾンビじみた足取りで部室を去っていった。
蘇芳は肩をすくめ、それから目が覚めた理仁へとかぶりを振る。
「ここ最近はこういうのが多くて困るわ。以前は皆、私を遠巻きに見つめている程度だったのに」
「前より明るくなっているからじゃないか?雰囲気とか、色々」
「そういうものなのかしら?どの道彼らが目的にしているのなんて、私ではなくて私の体でしょうに。知ってるでしょうけど思春期の男子って肉食獣を飛び越えて肉食恐竜なの、そんな存在にターゲッティングされたっていうのは、私を食べられると思ったからなのかしらね」
「───そういう事、あまり人前で言うなよ」
「当然でしょう。あなたにしか話さないから、こんな類の話題」
>>819
蘇芳が洲甘柳花の何でも屋に参加する事となったのは、今後も戦っていく仲間である以上理解は出来る。しかしながら理仁としては本当に加わってくれるとは思っておらず、驚いたと言うのが本音である。
黒江凪咲は失踪した。学校内でも自主退学という事で通っているが、理仁との戦いで致命傷を負った以上生きてはいないだろう、と言うのが柳花と蘇芳の見解である。
あの戦いから三週間近くが経過し、五月も半ばになろうとしていた。また怪物は動きを見せず、聖杯戦争は異常なまでの静けさに包まれている。
「それより理仁は何も感じないのかしら?私、粉をかけられまくっているのだけれど」
「え、いや、なんていうかそれは……」
「もしかしてあなた、自分の所有物は他人に貸し与えたいとか考える主義なの。だとしたら残念だけど」
「勝手に人の事を色々断定するな!そんな主義ではないし、お前が色々言い寄られる事は……その……ちゃんと断っているから良い!」
「打てば響く、なんて言うけれど本当ね。命をかけて私に手を差し伸べた人間と同一人物だなんて、到底信じられないくらい」
理仁と蘇芳の関係は上手く表現できない。二人とも自分達がどういう仲であるのか、明言した事もない。ただ蘇芳がかつての様に冷たさだけではなく、ほんのわずかに温かみを持つ様になった事だけは間違いない。
そしてそれが影響してか、蘇芳への告白は一日に一回は起きる。その度に彼女は求愛を一蹴し、その度に理仁へと先程の様に問いかける。何かを確かめているのはわかるが、彼にはそれがどういう意図のものであるかはよくわかっていなかった。
「それで、随分とうなされていた様だけどどんな夢を見ていたの」
「ん……昔の夢だ。アルマソフィア家にいた頃の、思い出したくない部類の記憶」
この言葉に蘇芳は眉をひそめる。理仁はしばらく彼女をじっと見つめ、それから背中にぐっしょりと嫌な汗が吹き出している不快感に呻いた。>>820
「最近、嫌な夢ばかり見る。おかげで眠れなくて、居眠りまでしちまう」
「……大丈夫?」
怪訝な面持ちの蘇芳を安心させるべく、理仁はひらひらと手を振って応える。
「大した事ない。それよりもさっき言ってた通り試験一週間前だろ?もう帰ろうぜ」
「───そうね、じゃあまた理仁の家にお邪魔して勉強会を開きましょうか」
「おい嘘だろ、一人で出来るって!」
「駄目。さっきの調子を見ていたら尚更不安になってきたから」
一週間前の土曜日と日曜日から、蘇芳は間久部邸にやってきては中間試験に備えて理仁へと勉強を教える様になっていた。
本来五月の中旬に予定されていた試験は、校舎の一部が吹っ飛び、また都市部で大規模な交通事故が起きた事による諸々により教師達の間で侃侃諤諤の結果わずかにズレ込んでしまったわけである。
「りゅ、柳花もいるし。アイツに教えてもらうよ」
「もう一度駄目。彼女は今、運動部合同の勉強会を主催しているから帰ってくるのは遅いでしょうね」>>821
〜
「貴様らー!!!そんな頭で学年上がれると思うなよー!!!貴様らー!!!!」
『ウッス!!!』
「スポーツも出来て頭もいいとモテるぞー!!!事実頭も良い生徒はここにはおらず彼女と二人きりで勉強しているぞー!!!!」
『くそがっッッッッ!!!』
〜
「なんであいついないのかと思ったら、何してんだよ……」
「そういう事よ。じゃあ決まったのなら行きましょうか」
土曜日という事もあり、まだ午後三時ほど。伸びをしてから蘇芳は席を立ち、帰る準備を始める。理仁も仕方なくそれに続こうとし、
「……あのさ蘇芳」
「何?」
「もしもさっきのお前みたいに、オレが色んな女の子から告白されたらどうする?」
恐る恐る、さっきの質問にやり返してみようとそう問いかけてみると、蘇芳はきょとんとした顔の後に、わずかに口の端を歪めるのだった。>>822
「はい二人共、根を詰めすぎない様にね。お茶置いて行きますから」
「どうもありがとうございます、理仁。少し休憩しましょうか」
蘇芳を連れて家に帰り勉強会をしていると、美和子はニコニコで休憩の為にお盆に乗せた紅茶を持ってきた。恐らくこれまでにないレベルの上機嫌さであり、自分の家であるはずなのに理仁は居心地の悪さを感じずにはいられないほどだ。
押入れから引っ張り出してきた机を挟んで蘇芳と向かい合う、学校の生徒達が見たら血が出るまで唇を噛み締めるシチュエーションであろう。
「……思いの外、学力は普通なのね」
「オレの事をなんだと思っているんだ」
「ごめんなさい。なにしろ初対面からあなたはドロップアウトみたいな行動をしていたから……でも安心したわ」
「なんでそこまでオレの勉強を見たがるんだ?」
蘇芳は一度紅茶で唇を湿らせ、
「あなた、私とずっと一緒にいると言ったでしょう。なら二人で進路も同じところへ進んでもらわないと」
「同じところって?」
「まあ、行くとしたら時計塔になるのかしら。魔術師である以上私の代で一族を絶やすわけにもいかないし……」
時計塔。魔術師の大半が根源へ至るべくその学び舎で様々なカリキュラムに取り組む、と聞いた事がある。
理仁は思わずうへぇ、と声をあげてしまっていた。魔術師である事をもうやめたと言うのにそんな場所へ行くなど勘弁願いたいのだ。>>823
「そういう反応を取ると思っていたから、どうしようか悩んでいるのよ。でもどちらにしても私達の学力は近しいものであってほしいと思うから……わかるわね?」
「なるほどねってなるか!お前レベルにまでブーストかけんのはいくらなんでもキツいって!」
「責任は何十年だって取る、そう言ったのはあなたでしょう?それとも反故にするつもりなのかしら」
「ぐぬ……」
蘇芳は間違いなく以前よりもハキハキしている。明るさも、厳しさも二倍という感じの調子だ。
理仁は頭をガリガリと掻いて、ふうとため息をつく。彼女の言う通り誓いの様な言葉を残してしまっている以上、それを無かった事になど出来るはずもない。
「わかった、わかったよ。とりあえずやるだけやってみる。でも時計塔に関しては考えさせてくれ、な?」
「じゃあ理仁の意見を聞いてみましょう。あなた、高校を卒業してからどうしたいとかはないの」
「卒業してから、かあ」
紅茶を口に運ぶ。その水面に浮かんでいる理仁自身の顔はなんともいえない曇り顔である。
これから何がしたいのかと問われれば、その答えに詰まる。口元に手をやって数十秒考えてみたがどうにも思いつかなかった。>>824
「ないな、うん。でも魔術師の道は別に……だな。これからどうしようかなんて、考えた事もなかった」
後継ぎとして育てられていたけど、用済みになったから。だからとは目標なんて持ち合わせていないんだ。
理仁は続けてそう言おうとしたが、蘇芳に向けるものではないと考えて言葉を飲み込んだ。
「でもとりあえず大学には進むかな。大卒なら、就職のスタートラインには立てるし」
「そうね……私もニートの世話なんてしたくないからそうしてもらえると助かります。そういうわけではい勉強再開」
「うあ……」
とはいえ試験で下手な成績など取れない。彰久と美和子に真面目な学生をやっているという姿を見せなければ不必要な不安を抱かれかねないだろう。
カリカリと部屋にペンが走る音が続く。蘇芳に教えられたアドバイスを意識してみると、以前よりも問題の解き方が簡単になった様に感じられる。うむうむ、と上達している実感に理仁は何度も頷いていた。
「ねえ理仁」
「何」
「今から隣に行っていい?」
「なんで」
「上達具合が見られるからいいでしょう。そんなに狭くないし」
承諾するよりも早く蘇芳はノートやら何やらを持って理仁の隣へと腰を下ろし、グッと距離を寄せてくる。思わぬ形で距離を縮められた事に驚愕しつつも、跳ね除けるわけにもいかない。>>825
理仁の隣にピッタリ密着寸前の距離で蘇芳はノートへと視線を落としている。横顔は整っていて、透き通るような白い肌と憂いを帯びた瞳に彼は吸い寄せられるかのように視線を向けてしまう。
ふと唇に手をやる。まだ激戦の中で咄嗟に行った愚行の感触は残っていて、理仁はざわついて仕方がなかった。
「……ッッッッ!!!!」
いや待ってほしい。感覚が完全に麻痺してしまっていたおかげで自分が今置かれている状況がいかにデンジャラスであるか、あまりにも遅いタイミングで理解できてしまった。
前生徒会長、とにかく美人で誰にもなびかない力強さを持った黒鳥蘇芳と同じ部屋にいる。しかも彼女は隣にいて、更に、自分は彼女と──
「んご!!!!」
「急に大声出してどうしたのよ」
「い、いや、全然なんでもない!なんでもないから気にしないでくれ!
」
「……?」
蘇芳は気付いているのだろうか置かれている状況が。年頃の男女が同じ部屋にいるなど、そういう仲でなければあまり成立し得ない環境である。
脳細胞をフルスロットルで回転させ、理仁は少しでも彼女の意図を推察しようとするが女子の気持ちを考えた事など滅多に無い身では無理があり、全く答えが出てこない。
豊かな双丘が制服に押しつけられているがそれでもはっきりと形を主張してくる。一度アレを胸板で受けた事もあったなと思い出せば、すかさず思春期の脳はその感覚を呼び起こさせた。
(し、死ぬ!!しんでしまう、オレという人間がここで蒸発してしまう!!そんな事あっちゃいけないっていうのに!!!)>>826
蘇芳の在り方に何か出来る事はないかと、そう思った。彼女を愛しているといえば、間違いなくイエスである。
だが性欲や肉欲というものは愛とは直結してはならないものではないだろうか。プラトニックこそ蘇芳と接する上で大切なものではないのか!?!?!?!?
耐えろ間久部理仁、肉体ではなく心で戦え!!!!
「理仁、そこ間違えてる」
ギュッと蘇芳が突然身を寄せ、そして双丘が理仁の左腕に押し付けられる。その瞬間、理仁の何かがブチっと切れ、彼は弾ける様に立ち上がっていた。
緊急事態、命の危機、尊厳の危機、とにかくあらゆる警鐘が頭の中ではち切れんばかりにかき鳴らされていた。
「ごめ、蘇芳ごめんオレトイレ行ってくるわ!だからその、後でな!!!!」
「……どうぞ」
渋い表情の蘇芳に見送られ、理仁は足早に廊下へと飛び出すと足早にトイレへと駆け込んでいく。道中美和子から「走ると転ぶわよー」と声をかけられたが、事態は一刻を争うのだ。
便座に腰掛け、己を鎮めるべく何度も深呼吸する。雑念、煩悩、あらゆるものを引き剥がそうと試みる。
「あーくそ……何考えていたのかバレたよな絶対。オレ最低だ、男子高校生最低だ」
とりあえず落ち着きは取り戻したものの、また同じ事になれば由々しき事態である。蘇芳が相手となればそもそも命を刈り取られかねない。
魂ごと吐き出してしまいそうな大きなため息をつき、けれど逃げるわけにもいかず理仁は渋々部屋へと戻るべくトイレから重い足取りながらも出て、ばったりと帰ってきたらしい柳花とでくわした。>>827
「柳花、おかえり。聞いたぞ勉強会やってたって」
「ああ、それなら早めに終わらせてきた。伊達にスポーツをやっていない。下地を作ればそこから覚えるのが早くて助かったよ。で?やはり黒鳥は今日も来ているんだな」
柳花は相変わらずの出立ちである。威風堂々としていて、それでいて勇ましさだけでなく美しさも兼ね備えている。生徒会長を蘇芳から受け継ぐには相応しい人物である事は疑いようがない。
と、柳花は周囲を伺ってから理仁へと顔を近づけ、
「で?わざわざ時間潰しをしたんだ。お前達それなりに親交は深めたんだろうな」
「え、親交って何が」
「はっ!私の口から言わせるつもりか?いつの間にそんなサディスティックな嗜好を……確かに私はお前に対して失恋したが、既に想いは砕け散っているから効かんぞ」
「いやごめん本当に何言ってるかわからないんだが」
「は?」
柳花は素っ頓狂な声をあげ、それから納得いかないという顔でこめかみに手を当てた。
「一応、愛し合う仲の二人がだぞ。部屋に二人っきりなんだぞ。勉強会というシチュエーションで、自然と体を近づける展開で……それで、こう、何もしていないのか貴様は」
「えっ、いや別にそういう事したいわけじゃないし……」
「ふ、ふっふっふっふ……」
柳花はおもむろに肩から下げていたカバンを開け、中からペットボトルを取り出すと、>>828
「このくそボケがーッッッ!!!」
思いっきり理仁の頭へと振り下ろす。パカァンと小気味良い音が響き渡り、理仁は頭より先に衝撃から「おふっ」とうめき、静かに頭を両手で押さえながら崩れ落ちてしまう。
「テメ、何しやがる」
「女心のわからないくそボケに天罰を下したのだ。貴様、黒鳥の贖罪に付き合うという告白を超えた告白、一緒のお墓に入ろう宣言までしておきながら貴様なんだその日和った態度は!」
「いや、オレ、こういう時どういう風にすれば良いのかわかんなくってさ」
「貴様、戦う時は妙にキリキリしている割に平常時はダメ人間か!?スイッチどころか人格入れ替わっているんじゃないのか!?人の心がわからない王なのかぁ〜〜〜!?!?」
「や、やめ、ペットボトルやめ、暴力反対!暴力反対!やめろ!」
「黒鳥はお前がいるから生きようと思ったんだろうが!お前が誓ったから今こうしているんだろうが!当の本人がちょっと一歩引いて考えるなー!!」
まったくもって柳花の言葉はその通りである。何一つとして言い返せる要素がなく、理仁はあっという間に萎んでいきガックリと肩を落とした。気のせいか表情もシワシワである。
「でもよ……オレ、どうすればいいのかわかんねえんだよ」
「ふうむ、仕方のない奴だ。だが私に相談したのは間違いではなかったぞ、そら受け取れ」
半分激怒状態ながらも努めて冷静な声色で、柳花はカバンから取り出した封筒を理仁へと突き出してくる。いったい何が入っているのかと受け取り中身を取り出してみれば、チケットが二枚入っていた。>>829
「なんだこれ」
「隣町の博物館で来週から個展をやる。ちょうどテスト最終日の土曜日からだ。今日私に告白してきた奴がえらく気の早い奴で、こんなものを用意していたんだよ」
「断ったのか?」
「無論だ。お前のおかげで以前よりも婿に要求するハードルが上がってしまったよ」
柳花は困った様に肩をすくめて、
「以前はただ強い存在を求めていたが、今はそこに私が惚れ込む性格である事がプラスされてしまった。誰かさんが私を完膚なきまでに打ち負かしたからな」
「……そりゃまた、高いハードルだな」
「ともかく、さっさとそいつを黒鳥に渡してこい。断られたら、その時は私が一緒に行ってやるから心配するな」
「心配しかねーよ……!」
はっはっは、などと笑いながら柳花は自分の部屋へと戻っていく。もらったチケットを見つめて、理仁はまた強くため息をついた。
不甲斐ない男だと笑われても仕方のない事である。ともかく蘇芳には席を外した事を謝りつつ、自然な流れでチケットを渡して誘ってみるとしよう。
部屋に戻り、ドアノブを回す。特に気にするわけでもなく室内に足を踏み入れた理仁は、すぐに異変に気付いて眉をひそめていた。>>830
「……こういうところに、何か隠していたりするのかしら」
押入れから蘇芳の下半身が覗いている。何がどうしてそうなっているのかはさておき、部屋を物色されている事だけはすぐに理解できた。
少なくとも押入れには何も隠していない。若者の見られたくないものは全てスマートフォンに保存されているのである。
「───あーっと、蘇芳さん」
「え!?あっ!!」
突然声をかけられたせいだろう。驚いてしまった蘇芳は頭を強く天井に打ち付け、ガツンと嫌な音が響き渡った。
「いた、たたたた……」
「何してんの、そこで」
「これは、アレよ。何か術式が仕掛けられていないかとか、有事に備えて何か隠せるスペースがあるのかとかそういうのを確かめていたのよ」
「ああ、そう、ですか」
絶対にそうではない事は確かなのだが、かと言ってそれを指摘してどうなるわけでもない。なので敢えて触れない事にして、咳払いしつつ理仁は元の場所に座る。
蘇芳は押入れからそそくさと出ると、今度は最初の様に向かい合って座り直していた。>>831
「……あのさ蘇芳」
「ご、ごめんなさい。あの、以前生徒会にいた頃そういう話題が出て、男子は押入れに色々隠すものだという話を耳にして、それであなたがなかなか帰ってこないものだからちょっとだけ興味が湧いてきてしまったのよ。プライベートを侵してしまったわよね、本当にごめんなさい」
「待て急にわっと喋るな。ちょっとびっくりするから」
顔を僅かに赤らめる蘇芳はこれまで見てきた中でも特に様子がおかしい。凪咲に操られている時でももう少し限界をとどめていたが、今は別人の様だ。
もしやこれが蘇芳本来の性格なのだろうか?罪を背負って生きていく、そう決意しつつ寄り添ってくれる存在がいる事で僅かながら変化を生んでいるのかもしれない。
「来週、試験が終わったら二人で出かけないか?お前が良ければだけど」
「……博物館?」
恐る恐るチケットを差し出してみると、蘇芳は目を丸くしながら受け取った。何ともいえない表情に不安が募るが、
「───空いてるから、大丈夫。行きましょう」
第一段階は突破できた。理仁はホッと安堵し、
「夜は、私の家に来てもらえない?」
思わぬ誘いに凍りつくのだった。>>833
景清「……本当にござるか?」ちなみに
アルマソフィア/リトソフィア家のルーツはギリシャあたり、間久部/マクベスはドイツあたりがルーツ、とふわっと考えていたり
故に「理仁」……ドイツ語で光を意味する音に漢字を当てたのさ!風呂入る前のゆる募。
バルベルデ家に関する質問。>>839
そうですね、今のところ土地や土着の神秘由来でいきたいです~世界と人理が揺らぎし今、外宇宙の異常識が侵略を始めた……!
『無貌の神王(ファラオ)』を名乗る謎のサーヴァントを筆頭にした第三勢力が、常識を侵し、英霊を侵し、希望を侵す。
「─────手を貸したのも、この侵略も、全ては『アレ』の気まぐれであり、抗う人類たちへの横槍であり、遊びの一環……。どう転ぼうが、どうでもいい些末事であろう。貴様らも例外ではない。」
「我ながらなんと滑稽で不愉快なことか……。……だが。それでも良いと、我が言葉に耳を傾けるモノがいるならば。邪神より貸し与えられたこの力……今を生きる諸人にも、過去の影なる存在にも、分けてやろうぞ。」
「さぁもう一度問おう。──────特異点にあらず、異聞帯にあらず、所詮は悪しき神が見せる堕落の夢。それでも貴様は、堕ちてなお吠える覚悟はあるか?」>>848
どれだけコスト減らせるかが肝になってきそうですよね
ボードゲームくらいのゆるさで出来ないかなぁ…虚構妖精編、リムパート①
「これで五回目。あと何回であなたは死ぬの?その博打はいつまで続けるつもりなの?」
「は……そんなの、当然」
「死ぬまで、ね。情けない。みっともない。そんなので死後の世界に迎え入れられるつもりなら片腹痛いわよ」
自身の存在規格を希薄にした上で周囲の生命に接続して、強制的に傷を押し付ける。一歩間違えば精神が肉体と切り離され死ぬような、そんな危険な呪術ではあるがその効果は絶大だ。腹部を貫かれる、頭部を砕かれるなど形はさまざまではあるが、既にリムは五回も殺されているような怪我を、無傷のまま凌いでいる。
それなのに、全く勝てる気がしない。ウキの時よりも悲惨だ。あちらには通用した呪いによるリンクがフローレンスには届いていない。それどころか、周囲の草木へのリンクすらできない。かろうじて小動物に繋ぐことしかできない。リムの強みを全て殺されている。
「植物は霊脈との関わりが強いものね。特に今は星の内海への扉が開きかけてる状態。あなたが実感している土地と、実際にここに存在する土地の位相はズレてしまっているのよ、本当は。だから繋げられない。チャンネルが違うから」
「あなたに繋げられないのは?」
「単純な話。私は憂岐よりもそういう知識がある。それを実現するだけの能力もある。縁切りなんてお手のもの。こんな風に、ね?」
罅割れる。刻んでいたはずの術式が罅割れる。周囲に展開されたルーンが震えて、リムの呪いを消滅させていく。それはリムが仕込んでおいた、自身とカナリアの死を代償に敵の最も大事なもの……遺物を奪い取るという呪いも例外ではない。「たかだか極東の祓い屋、しかもとっくに滅んだ女が烏滸がましい。私たちは神秘の坩堝、悪意溢れる伏魔殿に身を浸してきたの。何代も、何百年も、一族全てがね。薄れる世界で生き抜こうとしてる。泥水啜って醜く足掻いてるのよ。あなたは何?もうとっくに死ん.で止まってるじゃない」
フローレンスには誇りがある。自負がある。神代以降、今まで存在していた神秘から切り離され、大事なものを喪失したにも拘らず、戦士として足掻き、魔術師として探究し続けたヴァルトルームの歴史に誇りがある。周りが敵ばかりの逆境でも足掻きに足掻いてきた。今まで繋いできた先祖の、そして生きてきた自分の意志を無駄なものにしないために。
「死ぬことばかりを夢見続けて、後ろを振り向いてばかりのあなたが、私に届くわけないでしょう」
────ああ、そうだ。わたしはずっと逃げ続けている。生きているのが嫌だ。呼吸をするだけで、瞬きをするだけで、わたしは嫌な気持ちになる。目が覚めても眠っても、意識がこの世に存在するだけで駄目だ。わたしにとって世界とは、何もかもが毒だった。
だから、やっとなんだ。やっと届く。誰かのために、好いている人たちのために、死ぬことができる。嫌で嫌で仕方ない人生だったけど。たった一つ、生まれた意味を残せる。それでいいじゃないか。それがいいじゃないか。生まれてきた意味がなかったなんて言わせない。これも立派な生き方じゃないか。そうでしょう、神様。わたしは、そのために生きてきたのでしょう?
「わたしは、生きることから逃げたかった。逃避行を重ねても、脳にこびりついていた。だから悔いはない。………ああ、誰かのために死.ねることのなんと幸福であることか」糸が、ルーンが、拳が、わたしの体を打ち据える。フローレンスの本領は単純な武力ではなく、それに並行して行われる小細工だ。ルーンと人形の多彩さで、敵の弱点を見抜き最適な攻撃を押し付け、敵の得意分野を解体する。力押しに見せかけた嫌がらせが本領。だから、わたしの縁結びの呪術も解かれてしまう。完全に呪いを解かれて、糸に四肢をへし折られた。きっともう、ルーンの銃撃は避けられない。
「………時間稼ぎは出来ましたけど、遺物を奪えないのはちょっと惜しかったですね」
でも、きっと。隊長たちが、きっと─────
「うるせぇよ馬鹿野郎。どいつもコイツも生き急ぎやがる。もう沢山だ」
「………バカなんですか………ねぇ………」
そこにいるはずのない、背の高い男がいた。わたしの死を悲しんでくれるはずの、心優しき青年が。生き延びるチャンスを投げ捨てて、無駄に命を散らしに来た。
おしまい。一人で勝手に死ぬには少女は優しさを振り撒きすぎたというお話趙雲オルタ、wikiに登録してきましたー
FGO風ステータスのテンプレ入れてみたんですが正直楽しかったんでいずれ俺の鯖全員に投入したいですね…
>>833
てぇてぇ
そしてニブチン理仁くんを思い切りボコす柳花さんで草生えました本当草。まあ何はともあれ平和そうで何よりです。
そして次回?デートという事でもう既にワクワクが止まらねえぜ…
>>844
すっごい楽しそう…!!
普段出せない様な鯖…となると丁度今出した趙雲オルタとかいいかなと思ったけど劉備がトリガーだから難しいですかね…
いや、でも使徒の劉備から尖兵で派遣されたって感じならワンチャンあるか…?
>>853
うおお獅音くんッッッ!!!頼むかませッッ!!リムを救ってやれ!!
…まあ実のところ、実は虚構妖精編を見るまでは獅音君のキャラ原型留めない位改修するかロストしようかなって悩んでたんですよね。上手く作れた自信が無かったし活躍できる場所あるかな…?って不安になったりしていて
だから山星さんの手で虚構妖精編でルナちゃんの仲間として出た上に、思ってた以上というか予想を遥かに超える程の凄い活躍させてくれて本当に嬉しいんです
本当にありがとうございます…!!>>857
ありがとうございます!
ふふふ……もし皆さんからの需要ありそうならばどういう感じにするか(オルタ化や尖兵で派遣ありか無しか)も話し合いたい予定ですぞ~!
個人的優先度は打水イベですが!ポイ!ポイ活で行きましょうポイ!
ポイの方が激闘の果てにやられた感あっていいポイ
すれ違いざまに撃ち合っていや!あっちのポイの方が破れてるポイ!!となるポイ!!!公式果心居士がド性癖だったけど予算以内に引けませんでしたぁぁ!!(挨拶)
スレ産イベントの話を聞いてるとゲーム的な周回クエストのエネミー編成とか考えちゃいます。
あ、私もポイに一票です。やっぱり狙うターゲットがあった方が分かりやすいですよね。>>873
ありがとうございます〜
ポイ式にすることは決めたので次は…ポイをいくつ付けるかとどこに付けるかを決めないとですね
とりあえず頭に付けるのはみんな考えると思うのでまず頭にひとつ付けますか>>877
了解です~>>880
>>881
>>882
個人的に面白そうだと思っているのが、とうもろこし魔術。具体的に何かは考えてはない。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/マヤのトウモロコシの神>>893
ヤッター!待ってます!「………ちょっと驚き。傭兵あがりの子がそういう判断しちゃうんだ」
「お前に俺の経歴を話したことはなかったはずだが」
「体の動かし方でわかります。死徒や魔術師のような常識の埒外にあるものとの戦いに特化した動きじゃないから」
冷や汗が流れる。逃れようのない死が近づいてくることがわかる。長年戦いに身を投じてきたことでの勘だろう。先日戦った死徒にはまだ隙があった。あちらが手を抜いていたというのもあって、僅かに生存の芽があった。しかし、目の前の執行者にはそれがない。放たれる声色は柔らかいのに、そこに宿っているのは外敵を駆除する殺意でしかない。
「どこからでもどうぞ。そっちの呪術師の方はもう戦う気はなし、無抵抗のまま死ぬ気しかないみたいだから、あなたが頑張らないといけないわよ?私はどっちも容赦なく狙うからね」
「………逃げるか」
「え?ちょ、ちょっと……ひゃぁっ!?」
リムを左腕で抱えて走り去る。それを予見していたのか、周囲には無数のルーンと糸が仕込まれていたが……関係ない。右腕があれば銃が扱える。銃があるなら最低限、重傷は避けて通れるはずだ。傷を負うこと自体は今更問題にはならない。そんなことを躊躇しては戦い抜けない。といっても、どこまで行けるか……「……持って帰って利にならない荷物は捨てて行くべきです。あなたにとって今するべきことは何ですか」
「ごちゃごちゃうるせぇ。ただ自分が死にたいからって効率と正当性を盾にするんじゃねぇ」
「………あなたたちのために、わたしはっ」
「それはテメェの都合だろう。自己満足の責任を他人に押し付けるな。そんで、そんな風に好き勝手やるんなら俺だって好き勝手にやってやる。絶対にみんなで生きて帰ってやるよ」
痩せ我慢だ。本当は死ぬだろうなという確信しかない。けれどそれを口にして何になる。駆けつけたところで無駄骨だった、犬死にだったなんて認めないし絶対に言わない。言っていいわけがない。それを言ったらお仕舞いだ。一度言葉としたのなら、それは心を蝕むから。
「………遠いところに、どこか遠くに……もっと先、この体を捨てて、みんなのところにいきたい……」
「死ぬ理由だけじゃねぇ、死にたい理由も他人任せかよ。月並みな言葉ではあるが、きっと巫縄の一族もそれを望んじゃいねぇぞ」
「……ならわたしも月並みに。どうしてあなたがそんなことわかるんです?」
「リムが一人生き残って。それが何よりも確かな証拠だろうが。……皆.殺しをしよう、と決行した時にはな。そこに偶然が介在する余地なんざないんだよ」族滅。鏖殺。根絶やし。人類とは、一度そうすると決めたのであれば必ずそれをやり遂げてしまう化け物だ。隠れているのなら炙り出す。逃げるのならば追い詰める。降伏するなら一撃で仕留める。絶対に一族郎党逃さない。最後の最後まで殺し尽くす。それが出来てしまう。
それなのに、稀に生き残る人間が出てくるのはなぜか。それは偶然などではない。たまたま見つからなかった、たまたま逃げきれたのではない。そこには何か理由があるはずだ。逃げ切れた理由、隠し切れた理由、あるいは見逃された理由が。
………本当に、都合よくリムだけが幸運で生き残ったわけがない。巫縄を殺し尽くした混血が殺意の塊であるならば、命をかけてリムを隠し通し守り通した誰かがいるはずだ。それは彼女の父母だったのかもしれないし、あるいは友達だったのかもしれない。いや、はたまたそれ以上の、一族全ての………
「生きることを望まれてたんだ、生きててほしいと願われたんだよ。他の誰でもない、お前の愛したみんなにそう思われたんだ。そして、お前が生き残った。生き残ったのなら、その願いを果たすべきだ」
「………今更言われたって………」
「そうだな。……だから俺は、俺の言葉を伝える。今から何の説得力もない言葉をお前にぶつける。ただの我儘だ」
流石に限界だった。木々の間を飛び回っていた脚が膝から崩れ落ち、地面に蹲ってしまう。……それでもこの言葉だけは伝えなければならないと、リムの手を握りしめて。空気を求めて震える喉で、精一杯、激痛を堪えながら。「俺は、お前に死なないでほしい。生きていて欲しいんだ。死んだら悲しい」
「ぁ─────」
やっと言えた。言えなかった。なんだかんだで、俺も元傭兵で、代行者だったから。命の価値が軽く、無碍に失われることも少なくない生き方をしている以上、そんなこと気軽に口にできるわけじゃなかった。けど、そうも言っていられなかったから。
「あー、スッとした。いいぜ、出てこいよ。1vs1、タイマンだ」
「………ちなみに人形は1人扱い?」
「好きにしろ」
「じゃあ遠慮なく。あなたには敬意を表して私の全身全霊で仕留めますから」
戦士の誇りなのだろう。フローレンスは無意味な暗く寂れた死への旅路を嫌うが、一度決めた輝かしい旅路は祝福する。獅音が生きるために戦うと決意したからこその申し出の受け答えだ。リムを狙うことはせず、まず獅音から殺.すことを決めた。どちらにせよリムはもう戦う気力がないのだから、獅音を殺した後にという話になる。「ほら、もう少し。頑張って」
「弱いから、なんだ。至らないから、なんだ。それならその場で越えればいい。勝てば、いいんだ。俺はそれを知ってる」
「あらやだ、聞こえてない。聞くほど余裕がないのね」
そもそもフローレンス単体の技巧が既に獅音を軽く上回っているにも関わらず、エインヘリアルとワルキューレの扱う武技もまた、獅音のそれを凌駕する。刃は拳に叩き落とされ、弾丸は刃に切り砕かれ、拳は槍柄に弾かれる。何から何まで格上。少しでも気が抜ければ、いや、抜けなくとも串刺しだ。今の自分が抗えているのは、多分きっと何でもないただの奇跡で……けれど……
「主の奇跡を信じることも、また信仰心だろう……!」
「ああ、そうだ。かくして貴様の祈りは届いたぞ、代行者獅音」
流星の如く舞い降りた、銀の光。空から降り注ぐのは神の火もかくやというべき爆撃。この場に立ち塞がる全てを蹂躙して、異端を率いる代行者がやってきた。北欧の神秘何するものぞ、目の前にいるのはそれら全てを淘汰して余りある人界の守護者なのだから。秘匿聖歌隊隊長、ヴァンデル枢機卿の寵児。代行者マリナの到着だ。「………隊長………」
「よく持ち堪えた。後は私に任せろ。……アスモ!」
「あいあい姐さん!つーわけで大人しくしててね〜!」
「誰が姐さんだ、マリナさんと呼べ」
………黒髪でカラコンもつけてない黒い瞳である。清廉な聖職者としての様子はそれだけで、あとは改造した制服であったり、ピアスや指輪などのアクセサリーであったり。清貧を主とする聖職者の正装とは思えない。いや、獅音自身の見た目も他者を言えたようなものではないのだが。それはそれだ。
「呼ばれました、一応姐さんの右腕?やってます、アスモです。本名は……ま、今はいいか。とりあえずオレが治しちゃいますんで、獅音さんもリムちゃんも動かないで」
「……俺はまだ……」
「嘘つき。人間って脆いんすよ?血がなくなりかけてふらふらじゃん。黙って寝転んで。あ、リムちゃんもお酒飲まないで!ったく……ストックしてた精気を一ヶ月分使って……」
「精気……?」
「……アスモさん、魔なんです。それも本物の」だからこのようなチャラい風貌をしているのだろうか、というのは些か偏見だったかもしれない。獅音のそのような視線に苦笑いしながら治癒の秘蹟を唱えているあたり、おそらく自覚はあるのだろうが。杭の概念武装でいつのまにか結界も作れているあたり、どうやら腕前は本物らしい。第一印象に反して細かに気が配れるタイプのようだ。
「リム。私は貴様に逃げるなと言った。それを覚えているか?」
「……はい、隊長」
「逃げるな、というのはな。何も生きることから逃げるな、というわけではない。貴様が本当に悩んだ末に死にたいのならば私は止めん。ただ、その理由を他者に委ねるなということだ。それは許されん。貴様と、貴様を想う人々の心を踏み躙る行為だからな」
「………よく、わかりません」
「いずれわかる。よく考えろ。考えた末に、死にたいと思った時……私が貴様を殺してやろう」
会話はそれで十分だった。後はもう、戦うだけ。目の前の人形師を、跡形もなく粉砕し尽くすだけだ。そして、それが出来るほどの力をマリナは持っている。
「教会の悪名高き秘匿聖歌隊。埋葬機関の成り損ない。あなたも何か異端を背負っていたり?」
「いいや、私は純然たる人間だ。埋葬機関の方々に満たないというのも認めよう。隊員も、そして私も、あくまで常人だ。聖人の資格はない。奇跡を起こせる肉体もない。しかし、な」ホテル聖杯戦争続きできた!うれしい!投下してええですか!?
>>906
わあーい!いきまーす!
【前回までのあらすじ】
食堂で大暴れしてる怪物倒すためにアッセンブル!!した二人の少女が相対している。両者の面持ちは共に重々しく、また一方でこの閉鎖空間内において久しぶりに気心知れた知人と会えたことから来る安堵も幾分か現れていた。それは特に、暗い紫の髪を束ねた方───荒無天留の顔に現れていた。
だが、互いに無言のままである。緊張感が抜け切れていない、と取るべきか、疑心暗鬼が彼女らの間にも深まっていると取るべきか。端から見れば見当は容易ではないだろう。
なにも二人は再会かなって最初から無言というわけではない。会話は意外にも天留の方から始まっていた。しかし義務的なもの以外の話の発展を苦手としている彼女は相手が少し深入りした質問を投げかけるとそのまま黙り込んでしまう癖がある。今もそれによって発生した膠着状態、といったところだ。
「わた、私、その、志歩、志歩ちゃんの役に立てればって…そ、そういうだけ、で」
どもりながらやっとのことで天留は話を再開した。それを聞いた深い黒髪を束ねた方───折外志歩はそれでも表情を変えない。終始真顔に近しい状態で話者を静観し続けた。
天留に癖があるのなら、志歩にもそれはある。無口で無表情、自分の用件だけ伝える。無愛想と言われかねない癖だ。このホテルの従業員たちは距離感が近いのもあってそれをそういうものと受け入れてくれているが、現状を気まずく重苦しいものにしている要因としてはこの癖は十分すぎる。
「悪い話じゃない、と思うんです。あの人、あの人ならきっとこんな状況でも大丈夫、ですよ、きっと。だから…」
「本当に?」
話を中断させた声には強い疑念が宿っている。赤銅色の瞳には訝しみの色が湛えられていた。ぎこちなく曖昧で断言を避けたがる天留に対して、志歩の言動は硬質で冷ややかさをも内包している。言葉を飾らないからこそ、端的な表現が乗る声は問われた相手の心の臓を揺さぶるような見えない力がある。
普段ならここまで二人の会話が続くことはない。大概最初の沈黙でなし崩し的に天留が退いていってしまう。志歩もそれ以上食い下がらない。今のようにコミュニケーションが継続していること自体がこの変事における奇跡と言える。
かてて加えて、今回は天留は退こうという気配を見せない。もじもじと言葉を探りながら、志歩の質問に答えようとしている。その姿を、当の志歩自身はどう窺っているのか。>>908
「で…でも、私、私、志歩ちゃんに…」
「そんなのどうでも良い。本当に大丈夫なのか、って聞いてるの」
「っ、ぅ………だって、ね、願いが叶うんですよ?何でも、願いが…!」
「…………」
遠目に覗いても、天留の精神は興奮状態にあるように感じられた。高揚感、熱狂、ある種の切望。その代償を踏みしだいて、それを乗り越えられるようなものを求めている。それを彼女は志歩に擲っているのだ。
「私にはっ、ほかの参加者の人なんてどうでも良いんです。ただ、貴方、貴方に、ただ」
「天留」
「……ぁ」
呼びかけられた天留の顔は一挙に青ざめていく。とんでもないことを言ってしまった、と。しかし目を見ると、やはりそこには未だに熱狂が潜んで揺らめいている。だから当惑しているのだ。瞳の色がますます昏迷の様相を呈していく。
「す、すみませ、私…私、志歩ちゃんに…すみません…!」
「天留───」
自分の中での二律背反の荒損に耐えかねその場を離れていこうとするのを制止しようとする───が、確かに掴んだ天留の右腕はするりと空気に溶けていくようにして志歩の指の隙間から抜けていった。
後に残ったのは、地を蹴る足音と静寂。その車座の中心で、彼女はしばし瞑目しその後声を上げた。>>909
「…もう良いわ、明」
そう呼ばれて私は客室の扉を開けて出て行く。志歩の意志で身を潜めて話には交じらずにいたが、やはり二人の対話は見ていて不安になってくるような覚束なさを感じてしまう。それともこれも余計なお世話だろうか。ついほかの従業員と同じように距離感を縮めて考えてしまうが、天留には少し迷惑ではないだろうか。
「構わないのですか?」
「えぇ…構わない」
「…そうですか」
そう言う彼女の表情にやはり変化はないのだろう。遠くを見遣るようにも近くを見詰めるようにも映る視線はどこまでも捉え切れない。けれどもその声の変化は如実だった。ほんの少しではあるが、彼女の心理が現れるのは人間の通例とは異なり声である。
私はこういう時、敢えてと言うべきか、強いてそのことを彼女には伝えずにおく。今も素知らぬ風にしてみせた。
「さぁ、行きましょう。急がないと」
「そうですね…ありがとうございます」
杖を持つ右手とは逆の方の腕をそう言って志歩は掴んだ。補助をしてくれるのは盲者の自分には大変ありがたいし、急いでいるのも事実なのだが、先のことがあってか少し力が強い。けれどそれも黙っておいて、私は杖を握り直して先導する彼女に従って身を闇中に進めた。>>910
◇ルナ・アードゥル────1階食堂
死屍累々の食堂内でその多対一の激戦は続いていた。
この簡潔に言い表せる状況に誰が一番興奮しているかというと、それは間違いなく自分だろうとルナは断言できる。恐怖や戦意などといったこの場にいる人々が感じるものとは別種の興奮が体内に尽きることなく充満している。
ここに集ったサーヴァントは計5騎。人裡に名を刻んだ英霊が5人も揃っているのだ。にも関わらず、彼らのいずれもが各々の武を、魔術を、神秘を費やしているにも関わらず、敵する怪物は未だ地に伏すことなく空中を泳ぐようにして迎撃している。サーヴァント5騎と同等規模の神秘が暴れ回っている。
「…そこ!」
「うおっ…っと、恩に着るぜ皇帝サマ!」
「無駄口を叩くな!」
キャスターは周辺に被害が広がらぬよう防御壁を張りながら、周りのサーヴァントの支援に徹していた。時々聞こえてくるサムライに対する怒鳴り声にも切迫した様子がある。
サムライがキャスターの中空に展開された魔方陣を足場に跳び、怪物の背目がけて刀を振り下ろす。縦に大きく肉が削げ血が噴き出るが、傷口は穏やかに塞がっていく。お返しと言わんばかりのヒレの部位でのはたき落とし。だがそれは魔弾の砲撃によって当たりが逸れ、その間にサムライは着地を決めていた。
「えいっ、えいー!」
「殺します、殺します、御父様(マスター)の命令、命令…」
セーラー服の少年は古びた小筒やピストル、銛など武器を色々に持ち替えて立ち回っている。あどけない容姿と無邪気な声はこの戦場ではミスマッチのようにも思えるが、ルナは知っている。神秘に属する存在に見た目の幼さは何らの指標にもならないと。実際少年の砲火は効果があるようで、怪物は煩わしげに傷を受けた箇所を守るように身体をくねらせる。
ミスマッチと言えば少し離れたところで大斧を振るっている少女もそうだ。儚げな容貌とは裏腹に、焦点の定まらない目や呟きからは他の4騎とは隔絶した妄執をもって怪物と対峙しているようで、サーヴァントという常軌を逸した存在の不気味さをその美しさと共に認識せずにはいられない。>>911
「等しく、冱てり…!」
ヨモちゃんのサーヴァントはサムライと同じく前線で果敢に怪物を得物の鎌を駆使して切り裂いている。冷気のような靄がこちらまで伝わってきて、季節外れの肌寒さに包まれる。見ると傷口が氷で覆われ、そこにおいての再生はかなり緩慢になっている。
凄絶と形容せざるを得ない。視覚強化の魔術を用いてそれぞれの行動に認識が追いつくのもやっとの戦況だ。
無論ルナが観察しているのはサーヴァントたちだけではない。陥落の兆しを見せずにいる怪物もまた目を見張るものだ。小手先の工夫など一切ない純粋な暴力で以て5騎を相手取っている。特筆すべきはその再生力だろう。いかにサムライが斬りつけようとも、裂傷は血潮の脈動と同時に塞がれていく。氷に閉ざされた部分も遅まきになるだけで結局は無に返る。途方もなく、先が見えない。
「ランサー、令呪をもって…う、げふっごほ…!」
「!ヨモちゃん!?」
「主…!」
数瞬の輝き、令呪の行使。現状の打開を狙ってかそれを行おうとしたヨモちゃんが激しく咳き込みはじめ、膝から崩れ落ちた。先天的という発作がこのタイミングでも彼女を苛んでいる。
不意の事態に慌てたのはルナだけではない、彼女のサーヴァント、ランサーも戦闘の意識が一瞬途切れた。そこを狙ってか狙わずか怪物の尾ヒレによって崩された天井の破片が降り注ぐ。
───かに思われた。だがそれは突如として飛び込んできた一人の鎧の青年が矢を射かけることで横に吹き飛ばした。ランサーの氷のごとき冷涼な面差しにも驚きが見えた。しかしそれ以上にルナにはその青年を見たキャスターの瞠目が印象的だった。そして彼のその反応こそが、この新たに参戦したサーヴァントの強大さを物語っていると直感した。
「あの時の“借り”は返せたかな?…なんて。安心してくれ、この時ばかりは協力関係だ」
有無を言わせず、と謂っても良い、爽やかな笑みを見せて戦いに加わった青年はそばに侍らせた黒鎧の騎士たちと長弓を用いて一斉に矢を放ち、怪物の周囲に土煙が舞った。第一陣、第二陣、まだまだ矢の網は尽きない。怪物の動きは大きく制限されることになった。>>912
『白紗の足袋に菅の笠、さに似合えど、十万億土の旅未だ遠し』
気がつくと、倒れ伏すヨモちゃんを支えて白衣を着た男性が詠唱を行っていた。聞き慣れぬ響きは、独自に研鑽された神秘の行使を意味している。次いで、けふ、と短く呼吸を取り戻す友人の息の音。
「ヨモちゃん!」
「く…は、はぁ…も、もう、平気」
静かに笑いかけてくるヨモちゃんは確かに血色がよくなっている。治癒魔術かそれに類する別のものか、とにかく相当な練度であるらしい。「ありがとうございます」とお礼を言われた男性は丸眼鏡を直して「いえ、当然のことをしたまでです」と答えて離れていった。
立ち上がろうとするヨモちゃんを支える。応戦しながらも気遣わしげにしていたランサーにヨモちゃんは頷き、彼に向けて右手を差し出し、告げた。
「ランサー、令呪を以て命じます…宝具をもって、敵を討伐してください!」
「……ご命令とあらば」
魔力の収束、ランサーという霊基存在の急激な神秘濃度の増大。ひりつくような力の励起と流転がヨモちゃんを支える腕から伝わり、五臓六部を痺れさせる。これが、令呪の行使。そして───伝説の象徴、“貴い幻想(ノーブル・ファンタズム)”の顕現。
『我は帰依する者。罪障を正し、遍く徳を以って魑魅魍魎を衆生に帰さん。彼岸の花、大紅蓮の如き狂い咲く氷花(シガ)を墓標と奉る────オン・マカ・キャロニキャ・ソワカ、』
『十一面観音・摩訶鉢特摩(エーカダシャムカ・マカハドマ)』>>913
魂を刈り取ると呼ばれる大鎌の刀身に、氷結の華が咲く。玉散る刃は薄闇の広がる空間に純白の光を灯す。呑む息すら凍てつかせ、見る者の精神思考身体全ての繋がりを断つような、淡くも苛烈な廻雪の光。
大量の矢の網に囚われた怪物の腹に鈎のように刺さったその一撃は、怪物の再生を許さなかった。かの体内が、生命が荒れ狂うのが見える。死の奔流が怪物の巨躯を内側から壊滅させていく。
そして、更けも明けもせぬ夜の中。はじめて上げた声───怪物の断末魔によって、第一幕の討伐劇は終止符を打たれた。
以上です、連投失礼いたしました!
戦闘描写苦手すぎて二ヶ月経つとかどうかしてるよねって。ご感想ご指摘お寄せいただけると嬉しいです〜!【レジナ女子修道会/レジナ騎士団】
神秘など表社会に出せぬ要因から被害を受けた女性の庇護と地位向上を目的としつつも、
純潔、処女性、無垢さに異端への攻防力を見出だした聖堂教会の一派。
表向きは女子主体の修道会としての活動しているが、裏の顔は女子主体の軍隊/騎士団として恐れられている。
偶に活動の一環でミッション系の女学院や女子高に出向き、生徒たちに「なんだか颯爽としたお姉様がた……!」とトキメキを与えるとか与えないとか
「この世に異端がいてはならぬならば、ならばその異端に被害を受け泣き寝入りする女性たちがいてもならぬ」
「清らかなる身であれと謳われながら、穢れた異端に立ち向かう矛盾こそ、我らの試練」
身内意識と女性一人一人の権限は強い反面、組織の存在自体は「異端の排除と神秘の独占が目的であって、女性の立場云々の主張は我々の管轄外ではないのか?」と教会内で疑問視されたり、煙たがられたりする場面も。>>918
……その清らかさ故に、「汚し尽くしたい」と狙う悪漢や魔性、死徒によって処女性(=戦闘能力)を“剥奪”され、一般の信徒に降格するしかなくなった女子も少なくない。
組織構成
・総長(組織トップ):1人
・隊長(組織幹部):10人前後
・騎士 (団員):数十名
・従士 (団員見習い):数十名
・修道女/修道士(非戦闘員):騎士と従士を合わせた数程度
※ただし、外部に分かりやすく紹介する場合などは、『修道女(シスター)』、『シスター・○○』と一括りで扱ったりもする。
※男性の構成員もいないわけではない。
「姉」、「妹」
いわゆる裏稼業での師弟間柄を意味する、いつの間にか組織内でできたシステム。
一対一の姉妹もいれば、たくさんの妹たちに好かれている例もあり、逆にたくさんのお姉様に可愛がられる妹もいる。
前線でバリバリ血腥く活躍していた隊長クラス(かつての妹役)が、戦えなくなり表業務に回った修道女(かつての姉役)にいつまでも頭が上がらない……なんて場面もあったりする。
辛く厳しい実戦経験・鍛練を全て終え、姉役に回れるようになった時が一人前の証。>>919
独自の概念武装を有しており、以下は例である。
『百合秘蹟』
自身の純潔、処女性、無垢さから霊力を高め、異端に対する抵抗力を身につける儀式。
魔術師で言うところの『魔術回路の開放、魔術基盤と仕組み、詠唱、それらを朝から晩まで日常的に叩き込む』段階。
これを維持し続ける事が団員たちにとっての何よりの武装であり、下記の概念武装を装備するための「資格」となり。
『金星黒衣』
基本的な概念武装。
普通のシスター服に見えるが不浄や魔術の悪影響を和らげる。
『金星貞操』
普段は目に見えないが、設定された聖句を発するだけで本来の姿を取り戻す鎧型の概念武装。
『金星黒衣』より強固に不浄や魔術の悪影響を弾く。
はあはあ……今固めてみた設定です……>>917
キャスター陣営はそろそろ落ちたいです。落ちるときにキャスターが暴れて袋叩きにあって消えたいなと。
個別パートだと暴走するまでの過程は書いておきたいです。>>923
マリア様も見ているキャッキャウフフな園……
確かにあってもおかしくはなさそうですね>>928
ああ肝はしっかり聖堂教会なんですね
いいと思いますわよ。女子だけなのもそれはそれで雰囲気出るでしょうが、動かして遊ぶならそれなりの幅があった方が絶対楽しい
おっとぉ……いきなり来ましたね>>915
黒太子はこういうウェットに富んだこと言いそうだなと思いまして、色々考えてました。
碓井さんは曲がりなりにも平安の武者ですのでね!
>>916
>>930
>>931
従業員たちも腹に一物抱えて動く人間には変わりありませんから…
一章二章の謎を更に積んでいこうと思っておりますよこれからは!ルナちゃんは程よく神秘に詳しいのでスピードワゴン枠でお願いしてます
>>917
対魔となっちゃ…ね…
>デイヴィくんってどのタイミングで参戦してましたっけ……。
…あ!しまった…!(今週のしまった)描写が抜けておりました…デイヴィくんは「いつのまにか」いた感じです、よろしくお願いします…
>>922
乗り越えましたとも!いやあ(作者にとって)NKTでしたね…これからはダイジェストにならないよう努力したいです
ということでこれから幕間投下して第二章「二人と交叉路」の〆とさせていただきます今晩のメインディッシュは地元の方からいただいた夏野菜で作ったラタトゥイユ。それとサラダとライスを合わせて、せっかくだから蔵にあったワインなんかも開けてみた。酒の味にうるさいというつもりはないが、ちょっと熟成の割に後味の質が低いように感じるのは、ご飯との掛け合わせが不味かったからかな。
斯くしてスィレン・ヌフクロッシュの日々は今日も平安である。そしてもれなく幸福である。変わり映えのしない、と形容すると刺激を求めてあくせくする人間もいるが、そのような不幸をスィレンは抱いたことがない。平和なら平和、緊急なら緊急の幸福があり、それを甘受しうるのが真の幸福者たる所以なのだ。
故に、彼は今起きている地球上の“異常”すらも幸福と見做している。外界の喧噪や恐慌などこの湖畔の屋敷には無関係。ラジオやテレビの放送、新聞の号外も所詮は他人事に過ぎない。
そんなスィレンが唯一気にかけて────また、好奇心を向けているのが、彼が以前所属していた時計塔について。未曾有の大異変となっている状況で、時計塔はいかにてんやわんやしているか。恩師に対して電話をしてみると、返事はこの通りであった。
『すまないが、今忙しい!時計塔自体に連絡があるなら事務局にしてくれ!』
それでガチャン、である。愛弟子に対してちょっと冷たすぎやしないですか先生、という気持ちが生まれ、一方やはり時計塔も天手古舞いなのだな、先生にさえ余波が来ている、ということにおかしみも覚えた。魔道の徒の巣窟を自負していたとしても結局は謀略と利権争いにうつつを抜かしていた連中だ、こんな事態でも静観を決め込めない。不幸なこと甚だしい、と哀れまざるを得なかった。
このスラップスティックはいつまで続くか。一週間か、一ヶ月か、一年か。一生なんてこともあり得るだろうな、と考える。それはスィレンの一生ではない、地球、ひいては人類という種の一生だ。もしくは瞬きをするその一瞬で終わるかも知れない、とも思った。複雑怪奇と言われているが、内と外での事情は違うだろうから。>>935
何故ここまで彼がこの異変において時計塔に関心を抱いているかというと、それは何も教えの庭への郷愁の念に因るものではない。5グラム程度は含まれているかもしれないが、逆に言えばどこまでいっても重みはそこまでである。
まだそう世間や魔術会が騒ぎ出していない頃、カイホスルー先生との文通の中で少々気になる事態についての言及を目にした。なんでも、ほぼ同時期に三人の考古学科所属の生徒が示し合せたように休学願を出したのだという。
その三人というのが中々意外な面子だった。ルナ・アードゥル、ヨモ・ヘルメ、そして伊佐那義頼。先生はもしかすると同窓の者も含め多少スィレンがあるということからあげたのかもしれない。実際義頼は考古学科にいた頃ちょくちょく連んだ仲だし、彼の人となりもある程度理解しているつもりだから、突然の休学というのは引っかかるものがあった。
ほか二人は義頼と比べると縁は随分浅い。片方は少し話をしたことがあるだけだし、もう片方はここに静養に来てから家の関係で訪れてくれたというだけだ。元気でいると良いが、ともすれば不幸へ突き進むようなことをしでかしたかもしれない、と当時は先輩らしく心配なんてしていた。
今ならわかる。察しがつく。三人は今この時もこの事件の渦中にいるのだ。何かの秘密結社の居所にでも突撃したか、オーパーツの解明に潜り込んだか、ルナとヨモの二人なら若さもあってそれもあり得ようと思うが、仮に義頼が同じ地にいるとすると彼の四角四面な人格を鑑みて不自然なことになる。偶然落ち合った、と見るのが自然な気もするが、そうなっても彼が勇足で怪しげなスポットに向かうかといわれるとそれは違う。
そこまで詰めていくと自ずと見えてくるものもある。先生は恐らく義頼の休学の動機を知っているだろうが、まさか繋がりがあるとは思わないだろう。尤も、スィレンの発想も勘が由来の極めて胡乱な、「そうであったら面白いだろうな」というものであるが、スィレン自身は自分の勘というものを外れていようと良しとする人間なので真偽などというのはどうでも良いのだ。それに、勘にはそこそこ自信がある。>>936
ワイングラスの最後の一杯を、窓に透かして勘の出所たる星を見る。ワインの赤と溶け込んで、さながら像の解けかけたビー玉のよう。昔飲んだことのあるラムネの瓶にも似たようなものが入っていた。そう思うと、ちょっとお洒落かもしれない。その星というのが、見ていると例の三人を想起させるものがあるわけで────即ち、赤く、粘っこく、それでいて渇いているわけで。
それを月と未だに世間は形容しているが、やがてその名称は消失するだろう。だからといって別の名になるわけでもない。それを理解している人間たちが慌てているのであって、月という言葉をいやに使いたがるのは現況では何も知らず意味深な風評に右往左往しながらも楽観を殺しきれずにいる群衆だ。
ラジオを点けてみると、どこかの局が音楽鑑賞のコーナーに今しも入ったらしく、矩形の静けさの中でピアノの演奏がくぐもりながら耳朶を震わせてくる。一台の機械と一人の奏者、それだけで事足りる程度のクラシックの中では簡素と言われる曲のはずが、いつの時代のピアニストの音源を引っ張ってきたのか、たいそう荘厳に聞こえてくる。
或いは、荘厳に聞こえるのは状況がそうなるよう仕向けてきているからだろうか。捉えようによっては、この曲は、「Clair de Lune」と名付けられたこの曲はその冠する天体の葬送曲となるだろう。手向けのつもりか、であるならばこの局にはえらくロマンチックで叙情的な人間が勤めているようだ。詩人や音楽の道をその昔夢見た人かもしれない。
世界中がその曲に傾くような瞬間を何度も感じた。国や地域ごとに放送する局も違うはずで、それこそ時計塔の鎮座するイギリスなんかでも聞きようはずがないというのに、そんな気がしてやまない時があった。またかつ、その感覚は凪が海面を平らげるようでもあったが、雲ひとつない空から光が尾を引いて影もつれずやって来るような、曖昧で夢想的なイメージを抱かせる感覚であった。
飲み干したワイングラス越しに星を見る。一面の濃紺に浮かぶ白月は朧だ。朧月夜というわけではない。月を隔てて酔いしれたような赤色が、水彩絵筆を伝う絵の具のようにして光となって地表に降りしきっている。月の裏にある謎の天体が地上を遥かに見下ろしている。>>937
その月の無様さといったら、内出血を起こした白人種の膝小僧のよう。現在、肌はじわじわ消えていき、血が段々と色味を増していっている。満ちた月は今となっては少し息を吹きかけただけで数粒の真砂になって宇宙空間を漂い果てそうなほど存在が危うい。
有明の時刻に見える月がずっと続いているようなもので、幸福なスィレンにとってそれは恐怖の対象というよりも風流風雅なものとして映っていた。これでどうこうなるようならそれは不幸な世界らしいし、また世界にどうこうされようならこの月と星は不幸な月と星らしい。だがどう転んでもスィレンという一個人が不幸たりうることはないのだ。絶対的な幸福とはそういうものであるがゆえに。
幸福な彼はあと幾度義理として上るこの月が見えるだろうかと思案しいしい、火中の栗となっている────少なくとも彼にとってはそうなっている────哀れな旧友と後輩たちの今を思った。その身の無事も祈りつつ、やはり心の裡では彼らの如何なる運命にも淡白な感想を自分は述べるだろうことを把握していた。
────これも、何不足ない彼の魂の申したことです。俺はやるぜ俺はやるぜ俺はやるぜ
水着ウィンチェスター夫人爆誕決定だ俺はやるぜ>>943
了解ですです
反対意見もないのでポイを付けるのは頭と胸の二箇所で決定とします
あとなにか決めることあったかな…大体決まってきた気がするけれども…>>951
わかるゥ…(乙です)>>951
同意しか無い。
建て乙です。>>903
獅音さんついに言ってやった…!死に臨んでいた少女の手首をむんずと掴んだ…!
そしてマリナさんもグッドタイミングですね、アインさんVSアルバーン司祭に続いてとんでもないカードが切られた!
>>942
今回は所謂“匂わせ”ですので、真相は三章以降、追々、おいおい…フフフ
スィレン視点は一人称と三人称をふらふらしたりとか比喩表現がよくわからなかったりとか幸福ごり押してきたりとか、こう如何にもやべーヤツの感じです。底知れなさと言いますか
>>943
世界がどんなに騒然としていたって不幸になったって、この幸福な男の前には全てが些事なのです…
>>949
これは…聖杯惑星の舞台から考えるに博多屋台街のヨカン…?
主従揃って屋台飯を奇異の目で見てそうだ…
>>951
建て乙です!画像忘れとか1スレ目の前スレコピペミスとか不安いっぱいですよね…>>961
あ、六つ目と七つ目の順序が逆だった。(吐血)Hey!自キャラの裏設定を書いていくと宣言したもののどのキャラから着手するか悩むこと約一週間。正直大体のキャラに一つ二つその手の設定があるせいで選べずに今に至ります。
という訳でアンケートを取ろうと思います。私のキャラでこのキャラの裏設定を知りたい、ってキャラはいますか?
>>920
見える、見えるぞ。任務で聖杯戦争に参加して召喚したらバルバロッサが一本釣りされるんだけどスキルの影響でシスター達からは嫌われる赤髭の姿が。
>>932
頭、腹、背中の合計3つとかどうでしょう?背中にあれば背後からの不意打ちも気にしないといけません。逆に背中さえ守れば前は食らっても構わん!と突撃作戦も出来ますし。
>>939
うん?世界中?もしや事件はホテルだけで起こってる訳では無い…?>>964
じゃあ…コーデリア嬢で
なぜ赤髭…?と思いましたが、そうか女子だけの組織だからそうなるのは当然か…
レジナ騎士団って百合アリなのかなぁ
背中はアサシン勢の見せ場増えそうだし良さげと思いつつも3つ目は多いのじゃないか気になる私です
まあ多いか少ないかは実際にやってみないとわからないから増やしてみますか!「………アスモさん、でよかったですよね」
「うん。どうしたの獅音クン?」
「一人称の距離の詰め方……まあいいか。加勢、しなくていいんですか?」
「したら死んじゃうよ。私の邪魔をするなーって。細切れで済んだらいい方じゃない?」
ルーンの重ねがけによる人形の多重砲撃。人形が破壊されることを代償に、防弾加工のなされた装甲と同等の防御術式ですら貫くほどの威力に引き上げている自爆特攻。さらに自死の呪詛を組み合わせることで、敵に命中するまで追い続けるという追尾機能も付けられている。
しかし、マリナにそれは届かない。手慣れた様子で右手の拳銃から本来出てはいけないような威力の砲撃を放つ。人間の肉体で扱うことを想定されていないのでは無いかと疑われるほどの火力と衝撃。それを涼しい顔で撃ち込みながら、そして左手に握ったナイフで自爆する前に人形たちを切り捨てていく。反応するよりも早く、そして巻き込まれる前に離脱する。あまりにも流麗かつ速い動きで、首を掻き切る瞬間なんて目で捉えることすら出来ない。
「……姐さん、いつもの剣じゃなくてナイフの方にしてるんだ。やる気じゃん」
「やる気?」
「そ。あれ姐さんが場合に合わせて魔改造してんの。……聖域証明(クルキアタ)っつーかなり昔、教会最盛期に七人の司祭様が作り上げた概念武装。元々は旗とハンマーだったんだよ」
「クルキアタ……Cruciata……十字軍か」教皇の権威を西洋に轟かせていた時代。その最中に造られた概念武装が聖域証明(クルキアタ)である。異端を誅し己が神と信仰の正当性を証明する。我らが踏み越えた場所はそれ即ち神の力を示した場所である。そこに異邦の神秘が介在する余地などなく、また踏み入ること許さない。そのような強烈な主張で形成される、大規模殲滅兵器かつ環境改変兵器。本質的には死徒や真祖などの化物ではなく、人に対して用いる物だ。
「退けよ劣等。我らが主の力の御前だぞ」
ナイフの刃先が光を帯びる。振り抜く速度に比例して速く、遠くまで飛ぶ浄化の刃が木々を一斉に両断する。流れるように銃口から放たれた弾丸ですら、小さなクレーターを容易く地面に作り出していく。そしてそれら全てから土地が塗り替えられていく。味方には加護を、敵には裁きを、等しく与える神の秘蹟だ。魔術だなんて異端はこの創られる世界にはいらない。邪魔で不要で不愉快だ。
もう既に、フローレンスが仕込んでいたトラップはない。この森の中に仕込んでいたありとあらゆるルーンも、糸も、人形も、その全てが粉砕された。本命の自動人形と、そして自分が装備している分の礼装やルーンでもう終わりだ。この戦場においてフローレンスが持ち運んだ武装戦力の内、既に七割が破壊されている。
「この程度か。所詮は寂れた魔術だな」
「アンタが化け物なだけでしょうが……っ」
「平伏して赦しを乞え。貴様らの魂は救われんが生きた痕跡は欲しいだろう」一度破壊すると決めたのであれば、マリナがそれを躊躇うことはない。どれほど希少な神秘や概念武装であったとしても、一度壊すと決めたのならばそこに容赦の文字はない。生かすと決めたものは必ず生かし、殺.すと決めたものは必ず殺.す。その線引きと、それに伴う強い意志が彼女をここまでの化け物に育て上げたのだ。神罰の執行、神の力の代行者。誠実で、勇敢で、傲慢で、冷徹。取る行動に揺らぎはなく、またそのためにミスもない。単体で戦車を破壊する女だ、それぐらいは造作もない。これで身体改造を何一つ施していないのだから恐れ入る。
フローレンスの領分である相手の不得意の押し付け、自分の得意の押し付けも目の前の女には意味がない。その全てを馬鹿げていると単純な力で踏み潰していくからだ。不得意なところは見せない。相手の得意は自分の得意で潰す。力量に絶大な差があるのであれば無駄な小細工などいらない。単純明快で、最効率なやり方だ。
「これで、どう!」
「温い」
フローレンスが一から自分の手で鍛えて作り出した、鉄の弾丸が三発。それぞれ宝石を弾頭として埋め込んで、またルーンを一発につき幾つも刻み込んでいる。それらを指で弾き飛ばす。一つ一つが鉄板を貫き人間の頭蓋を爆散させるほどの威力。まともに受ければまず死ぬし、防御したところで死ぬ。一流の魔術師の多重の防御術式で防げるだろうというものだ。間違っても、生身で受け止めてはいけない。そんな貴重な弾丸を全て使い切ったのは、一発ずつでは簡単に斬り捨てられてしまうという判断だろう。事実それは正しい。この場でとったフローレンスの行動としては最適解だ。
しかし、その最適解を踏み越えてこその代行者。まずはナイフで一発目を斬り刻み、追随する二発目を拳銃の弾丸で爆散させる。そして死角に紛れて貫く、虎の子の三発目。ナイフを引き戻すことも、拳銃の照準を合わせることも不可能なそれを、ほんの少しも迷うそぶりなく、容赦なく真上に蹴り抜いた。……そして、蹴り砕いた。脚に傷一つ負わずに粉砕し、動揺したフローレンスの腹に光の刃を叩き込む。
なんという絶技だろうか。怪我をすることを前提とした捨て身の攻撃ならまだしも、怪我をすること自体を念頭に置かず、自分には出来ると信じに信じきった行動を取り、実際に成功させてみせた。涼しげな顔で、何事もなくだ。「さあ、その戦乙女と勇士の人形を出せ。死力を尽くして私を殺してみろ。………まさかひよっているのか?貴様の一族の積み上げた歴史が、生まれてまだ二十年余りの私に踏み潰されるのが?」
「抜かせ。その言葉に報いを受けろ」
「私はいつも報われているよ。愛しい恋人と信頼する部下に囲まれてね」
ここからがフローレンスの本領、躊躇なしの本気だ。ワルキューレ、エインヘリアルの二体はどちらも高度な知能で人間…それも歴戦の戦士と寸分違わぬ思考で戦闘を行える。ルーンの扱いも、呪いの扱いもお手のもの。自動修復機能により、大破してもストックした魔力がある限り戦闘は可能だ。単純なスペックで言えば、フローレンス本人が三人分と言っても良い。
容赦のない波状攻撃。戦う際に必ず生じる隙というものが一切ない。まるで元々一つの生き物であったかのような連携の確かさと、だからこそ止まることのない攻撃。意表を突くような戦い方ではないが、シンプルな分強力だ。完璧な連携の取れる多数人との戦闘ほど厄介極まりないものはない。
「ナイフのせいでリーチが短い。光の刃のタイミングも掴んだ。たかが一代の修道女にヴァルトルームは敗れない」
「異端に縋り半端に想いを馳せるなどと片腹痛い。大した積み上げもない癖に」
千年の重みがなんだというのか。戦いにおける本質は、そこに至るまでにどれほど頑張ったのか、などという努力の値ではなく、どちらが強かったのかという単純な能力の差だろう。どれほど研鑽を重ねようが弱い奴は弱い。逆に何も変わらぬ平穏を暮らしたとして強い奴は強い。努力をすることで報われる確率を上げることはできるが、あくまでそれだけ。最終的に生死を分かつ要素はそれではないのだから。
「聖域起動。防衛態勢」此処は既に主の加護が行き届いた擬似聖地。聖域証明の秘められた機能が発動し、辺り一帯をそのまま要塞へと作り替える。例え対戦車兵器を撃ち込まれようともそれを防いでみせる光の盾を。どれほど大量の弾丸と刃だろうと勢いを殺して見せる絶対的な安全圏を。
「攻撃態勢。全て殺.せ」
「リーヴ!リーヴスラシル!」
北欧神話において、生き残った男女の夫婦の名を冠する夫婦人形。彼らはルーンの最大展開で互いを守りあったとき、何よりも硬い盾を創り出す機能を持っている。勇士と戦乙女の共同作業である。
しかし、それがどうしたというのか。異邦の神秘何するものぞ。地面からは光の槍が、周囲の空中からは光の剣が、そして空からは光の雨が。この場は既に我らが父の御手の中であり、故に罰が下される。分不相応に足掻いた異端を処罰する煌めきが、何度も何度も撃ち込まれる。加えて、マリナ自身が手を緩めるわけでもない。拳銃で絶えず弾丸を撃ち込みながら、ナイフで切り刺し抉り裂く。執拗に、徹底的に、必ず息の根を止めるという意志がある。夫婦人形とヴァルトルームの刻印に自動修復の機能がなければ、今頃此処には三つの死体が出来上がっていただろう。
「……は、ァ────」
「罪を濯げ。生を悔いろ。貴様の道のりに先などないのだから」
こうは言ったが、殺.すつもりは毛頭ない。あくまで殺しかけるだけに留めておく。此処で殺して後々のいざこざを引き起こすのは面倒だ。特に、マリナたちにはまだ山ほど仕事がある。これはただの寄り道、死にそうな部下を助けるための行動でしかないから。だから、思いっきりフローレンスを人形ごと蹴り飛ばす。この森に二度と入ってこないように。
「ふぅ……まさか聖地解放まで使わされるとは」
「お疲れ様です、姐さん」
「マリナさんだ。……どうした代行者獅音。何か言いたげだな」傷一つない美しさで、マリナは獅音に問いかける。特別に改造された武装とはいえ、聖域証明の機能を解放するまでは身体能力一つでマリナはここまでのことをやっている。呼吸も歩法も平然なままであるのに、疲れたなどと嘯かれては流石に拍子が抜けるというものだ。
「……やることあるんですよね?」
「そうだな。これからまたフランスに向かわねばならん」
「ならなんで、助けてくれたんですか?本音を言うと、あそこでもう死ぬだろうなと……」
「だからだよ、代行者獅音。私は最初に貴様に言ったはずだ。何が何でも生かして返す。絶対に、私の部下を殺させはしないとな」
そう、彼女にとってそれは大した話ではない。有言実行、守ると言ったから守り切ったまでのこと。ただそれだけで、それ以上でもそれ以下でもない。そして、だからと言って仕事に手を抜くわけでもない。マリナは必ず任務を遂行する。任務を遂行するし、己に課した誓いも必ず全うする。それが出来るからこそ、彼女は異端を統べる秘匿聖歌隊の隊長を務めているのだ。
「それにしても……ふむ、中々熱いじゃないか。貴様、私の部下を傷物にしてくれるなよ。殺さねばならん」
「は?何が……あっ……悪ぃ………」
「え?隊長何を……あっ」先程まで生死の境を反復横跳びしていたからだろう。リムも、獅音も、自分たちが今どうなっているか……寝転んでいても、傷だらけでも、固く手を握り合っていることに全く気づいていなかったのだ。それはあの時、獅音が本心を吐露した時からずっと繋がれたままなのである。アスモに治療されている間も、何を言わずとも、彼らは常に手を握りしめ続けていた。
「お?リムちゃんにも春来た?お兄さん楽しくなっちゃうぞ?」
「そんなんじゃないですから。いや本当に。……っていうわけで離したいんですけど……獅音さん?」
「どうした?離したければ離せば……」
「その……力が強くて。しっかり握りしめたまま離されない状態です」
「あっ………えと………離れたらどっか消えちまいそうで……」
「言い訳しなくて良いですから。無意識なのわかってますから。むしろその言い訳で上司二人の目つきがさらにうざくなってるんで。………あー、お酒飲みたい」
おしまい。恋愛感情はないと思いますCMでまさかまさかのフランちゃんだったのでホレスの「使い魔(ホラー)」でフラン喚べるんだよって話
ただしフランはフランでも皆がイメージするような緑肌でツギハギだらけの大男のフランケンシュタイン。ホレスはホラー小説の怪物ポジに限って幻想抽出物を使役できる。フランケンシュタインのみならずカーミラやドラキュラなんかも
彼ら(特にヴラド公)にとっては地雷案件
>>963
自分はそれで異存ございませんわ!
>>964
>>967
内が先か外が先か、果たして果たして…
>>974
ヒェ聖歌隊長強い…でも切り札らしき聖域証明を展開するまで至った時点でフローレンスさんもだいぶと健闘しましたね、負けたからといってこちらも十二分に強い…
そして二人の間に確かな絆の萌芽。そうよ、このまま前を…生を見てリムさん…
>>976
>>977
それぞれの男子たちの個性の表現が上手い…戦隊モノっぽくて私こういうの好きです!>>979
いえいえ、むしろ概要的には「人々が“怖いもの”“ホラー”として想像するその幻想を使役する」なので広く人口に膾炙したホラーである映画の怪物なんかはピッタリですわよ
だからこそサメが謎(原初の生命危機への恐怖という意味ではまあ…でもちょっとそれとも違うよな…?)ってなってるって話です(あれ?やばっ!ラブコメ書く力なんて持っていないぞ!と気付いた顔)
アメリカ異聞帯世界線におけるぐだの軌跡・『Observer on Timeless Temple』篇&『Epic of Remnant』篇の年表、まとめてみようかな…。
>>990
(モノキニって言うんだ…)いい…>>975
獅音くんの恋愛遍歴自体はわかりませんがドンファンではないから多分こうなるんじゃないかと思った次第です
>>978
実は聖地解放は割と小パン感覚で乱打できる小技なのです。ただここまで使わず殺し切れると思っていただけで
果たして前を見れるでしょうか、こうご期待
>>981>>982
ただまあ、マリナは埋葬機関の方々には負けますしアインもパーフェクトバゼットさん相手だと難しいんじゃないかと思ったりしますしサーヴァントなんてもっての外、という塩梅で考えたりはしてます。それに、あくまでマスターではない人類枠なのではい
そう言っていただけて嬉しいですね……この二人の関係性はどっちも遺された枠で考えてたので……現時点での夏イベのゲームルールをまとめてみました~
・参加人数が上限4VS上限4のチーム戦
・武器は必ず水の出るものを用いること
・水が出るものならば武器は何を使ってもいい
・参加者は頭、胸、背中に一つずつポイを付ける
・三つのポイがすべて破れた者はゲームから脱落する
・脱落した者がゲームに干渉することは禁止
・外部からの支援や妨害は禁止
・ゲーム開始前にチームメンバー以外の者がバフをかけるのは禁止
・宝具の真名解放は一人につき一回までとする
・固有結界などのフィールドを侵食する宝具は禁止
・ポイそのものを無敵にしちゃうような宝具は禁止
・相手チームのポイを全て破れば勝利(勝利条件はゲームごとに変更してヨシ)
どうでしょう、問題ないですか?
あとここからさらに足した方が良いよってルールありますかね?(そういえば夏イベ導入に一寸法師の打出の小槌が出るんだったなというのをなんとなく思い出した顔)
1000なら聖杯大会マスコット人気投票
>>986
>>987
加入順を指で示すポーズしてみっかってラフ描いたら意外にリュジにゃんとかロックくんとかがめっちゃ合うし他も違和感薄かったんでやっちゃえバーサーカーしましたわ
ロック君はね…船の男子陣のセンター決めるの難しいなって思ってた時に流星の如く現れたスーパースターだったんですよね…
ショタ描くの苦手だったんで上手く描ける自信ねえわ怖えって事で暫く描くの躊躇ってましたがレベルアップした今なら行けるって事で描きました…!!
>>993
良かった…
この5人は王道主人公、暗めショタ、かわいい男の娘、ゴツいヤンキー、陽キャチャラ男とキャラの個性が全部違う上振り切ってるんで描きやすいんすよ…
ちなみに本当はネタに振った絵も描きたいんですがコイツらこんな事するか…?せんやろなぁ…って日和ってるのでその内覚悟決まったらネタに振るかもしれません
>>994
いいと思いまーす
あと提案1つ思いついたんですが次スレ入ってからやりたいと思いますわ1000なら鯖鱒のアルカナを当てはめてみる
聖杯大会運営本部【リレー相談・雑談】#221
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